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野中英次をお気に入りに追加 野中英次のリンク #blogsearch2 Amazon.co.jp ウィジェット 野中英次のキャッシュ 使い方 サイト名 URL 野中英次の報道 【チャンピオンズC】チュウワウィザードやソダシなど19頭が登録(中日スポーツ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 課長バカ一代 #4 | TVO テレビ大阪 - tv-osaka.co.jp 課長バカ一代 #1 | TVO テレビ大阪 - tv-osaka.co.jp 絵柄にだまされた! ギャップが衝撃的なアニメ・マンガ4選(マグミクス) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 戦国武将たちが「不良高校生」に転生! 甲斐谷忍「新・信長公記」(第126回)|好書好日 - 好書好日 『夢中さ、きみに。』『女の園の星』和山やまの作家性とは? ”間”から生まれるスローテンポな笑い - リアルサウンド 櫻井孝宏&「攻殻機動隊」Production I.Gが贈る脱力系ギャグ! 「魁!!クロマティ高校」デジタル配信開始 - アニメ!アニメ!Anime Anime 尾上松也の“顔芸”炸裂!『課長バカ一代』TOKYO MXで7・15スタート - TV LIFE 尾上松也が主人公を演じた脱力系コメディードラマ「課長バカ一代」がTOKYO MXで放送決定 - ザテレビジョン 尾上松也が国宝級の“顔アクション”で熱演!コメディドラマ『課長バカ一代』 7/15スタート - WOW! Korea 『課長バカ一代』はツボに入ったら抜け出せない! 登場人物“全員バカ”の快作 - リアルサウンド 【週間BSマップ】麻薬的“ギャグドラマ”の虜に BS12「課長バカ一代」 - ZAKZAK ドラマ『課長バカ一代』尾上松也が第1話の見どころ紹介、コメント映像到着 - CINRA.NET(シンラドットネット) 尾上松也の歌舞伎界での役職は、係長!?――主演ドラマ&プライベートインタビュー - GetNavi web ドラマ「課長バカ一代」に紺野ぶるま、キンタロー。、水道橋博士、よゐこ有野が出演 - ナタリー 実写版「課長バカ一代」に水道橋博士、有野晋哉らが出演!シュールすぎる予告編も - ザテレビジョン THE イナズマ戦隊「課長バカ一代」主題歌に“天然でバカな男の歌”提供(コメントあり) - ナタリー 尾上松也主演『課長バカ一代』主題歌はイナ戦 こだわり凝縮ポスターも公開 - CINRA.NET(シンラドットネット) ドラマ「課長バカ一代」八神和彦役の尾上松也がダンスとともに“ホサ”を熱演(写真8枚) - ナタリー 尾上松也がダンスと共に「ホサ」熱演 ドラマ『課長バカ一代』第1話写真 - CINRA.NET(シンラドットネット) 『クロマティ高校』野中英次の原点にして名作『課長バカ一代』がついに電子書籍化されたのでみんな読んでください:マシーナリーともコラム - - ねとらぼ 二代目・尾上松也主演で『課長バカ一代』が実写ドラマ化! 木村了、永尾まりやや歌舞伎界の重鎮たちも登場 - http //spice.eplus.jp/ 今週の新刊:12年ぶり復活の「クロマティ高校」スピンオフが登場 テレビアニメも人気の「ヤマノススメ」も - MANTANWEB(まんたんウェブ) 映画『ボヘミアン・ラプソディ』と伝説のギャグ漫画『魁!!クロマティ高校』の意外な共通点 - ダ・ヴィンチニュース 「クロ高」スピンオフ続編、先生たちを描く「クロマティ高校 職員室」マガポケで - ナタリー 「クロマティ高校」が復活!職員室舞台のスピンオフ、マガポケで始動 - ナタリー 最凶のバカ漫画『クロマティ高校』がスピンオフ続編で復活新連載! - PR TIMES それはひょっとしてギャグで言ってるのか!? “最凶のバカ漫画”『魁!クロマティ高校』が12年ぶりに復活! - - ねとらぼ 魁!!クロマティ高校:人気ギャグマンガが12年ぶり復活 “スピンオフ続編”が連載へ - MANTANWEB(まんたんウェブ) メカ沢やフレディも!「クロマティ高校」がLINEスタンプに - コミックナタリー 野中英次とは 野中英次の89%は玉露で出来ています。野中英次の7%は黒インクで出来ています。野中英次の4%は陰謀で出来ています。 野中英次@ウィキペディア 野中英次 楽天売れ筋ランキング レディースファッション・靴 メンズファッション・靴 バッグ・小物・ブランド雑貨 インナー・下着・ナイトウエア ジュエリー・腕時計 食品 スイーツ 水・ソフトドリンク ビール・洋酒 日本酒・焼酎 パソコン・周辺機器 家電・AV・カメラ インテリア・寝具・収納 キッチン・日用品雑貨・文具 ダイエット・健康 医薬品・コンタクト・介護 美容・コスメ・香水 スポーツ・アウトドア 花・ガーデン・DIY おもちゃ・ホビー・ゲーム CD・DVD・楽器 車用品・バイク用品 ペット・ペットグッズ キッズ・ベビー・マタニティ 本・雑誌・コミック ゴルフ総合 掲示板 名前(HN) カキコミ すべてのコメントを見る ページ先頭へ 野中英次 このページについて このページは野中英次のインターネット上の情報を集めたリンク集のようなものです。ブックマークしておけば、日々更新される野中英次に関連する最新情報にアクセスすることができます。 情報収集はプログラムで行っているため、名前が同じであるが異なるカテゴリーの情報が掲載される場合があります。ご了承ください。 リンク先の内容を保証するものではありません。ご自身の責任でクリックしてください。
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JUN 9. 2007 夜、バカップルの女友と男友くん、独り身仲間の男くんとポーカーをやった。 女友の奴、やたらいちゃついてやがったが、きっと見せつけてるにちがいねェ。 私たちをばかにしやがって。 JUN 10. 2007 今日、職員室のおえら方から、新しいウサギの世話を頼まれた。 毛むくじゃらのモップのような奴だ。 生のエサがいいってんで、にんじんを投げこんだら、奴ら、臭いを嗅いだり、前足でコロコロしたあげく、やっと食いやがる。 JUN 11. 2007 今朝の5時頃、目を真っ赤に腫れ上がらせた女友に、突然たたき起こされて、さんざん泣き付かれた。 なんでも、男友くんといざこざがあったらしい。女友ときたら夜も寝ないでメールばかりやってるから、こんな事になるんだ。 JUN 12. 2007 昨日から、女友と男友くんは喧嘩したままなんで、空気が淀んじまって、妙に、暗い。いらいらするんで、気分転換にあのウサギどもの小屋を掃除してやった。よし、綺麗だ。 JUN 13. 2007 あまりに空気が悪いんで男くんに相談にいったら、俺からも男友から相談を受けてるという。それから、なんとかまた四人で遊びたいといった。 おかげで男くんを意識しちゃったぜ。 JUN 14. 2007 朝起きたら、男くんのことが頭から離れなくなっていた。 ウサギどものオリがやけに静かなんで、足引きずって見に行ったら男友と女友が掃除していた。三日疎遠になったくらいで寂しがりやがって。 Uターンして男くんに報告だ。 JUN 16. 2007 昨日あの小屋掃除に行くよう男くんが差し向けた、てはなしだ。 夜、むね中あついどきどき。 胸のこどう きいて ねたら おとこく ゆめみた。 いったいわたし どうな て JUN 19. 2007 やと なか なおた も わたしやばい 今日 おんなともに、そうだ んこくは くう JUN 21. 2007 だいすき だいすき おとこくん きた いいむーどなんで こくはく だいすき です。 4 おとこ すき
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本当にちょこっとした豆知識です。どんどん書いていって。 本当にちょこっとした豆知識です。どんどん書いていって。 攻城戦陣を付与したい時は 無課金でデッキコストの増やし方 敵兵の傾向 一気に総人口を上げたい 短期間でレベルを上げたい。 勧誘・外交メールを書きたいけど・・・ どの兵が一番強い? 見習い闘士が5人残ってるけど・・・ 攻城戦陣を付与したい時は 4026 UC左慈元放 を知力振りにして合成する。 この時、付与される闘士のコストは高い方が良い。0.5減るだけで威力がた落ち。 お勧めはC呂布相場は20~30らしい。 無課金でデッキコストの増やし方 名声20ごとに0.5上がるので、記念碑を建てまくる&lv上げまくる。 敵兵の傾向 空き地の資源が一番多い物で決まります。 武道設備が多い→強襲系が多い 体育設備が多い→弓系が多い 職員室が多い→槍系が多い 一気に総人口を上げたい 他の人の拠点を落とし、落とした領地に自分の拠点を立てる。 これを利用して、拠点リサイクルを。 短期間でレベルを上げたい。 時間を持て余している→討伐ゲージ100になったら即出兵を繰り返す 時間はないけど、兵はいる→討伐ゲージMAXで落とせる限り強い領地に出兵 勧誘・外交メールを書きたいけど・・・ 迷わずテンプレ使ってください。ですが乱用はいけませんよー。 どの兵が一番強い? 強襲。足が速い。でも、生産コストが他に比べて高い&時間がかかる。 槍は普通。生産時間は弓と同じ。ノーマル。 弓も普通。生産は槍と同じ。攻撃力が槍よりもわずかに高い。だが、移動速度が落ちる。 見習いはほぼダメ。敵の防御力があがる。ダメ絶対(絶対ではない)。 見習い闘士が5人残ってるけど・・・ 他の兵+見習い5人なら、他の兵だけの方が良い。総攻撃力は上がるが、相手の防御力も上がるので、少数しか付け加えないのであれば、ない方がよい。
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建設ツリー予定地 建築物 前提1 前提2 前提3 食堂 なし 教室 職員室に隣接 (食堂Lv1) 体育設備 体育館に隣接 (教室Lv1) 武道設備 武道館に隣接 (体育設備Lv1) 倉庫 (武道設備Lv1) 研究所 本拠地のみ 教室Lv3 体育設備Lv2 記念碑 食堂Lv5 格闘道場 倉庫Lv1 一般学生寮 格闘道場Lv1 鍛冶場・武具 格闘道場Lv3 鍛冶場・防具 格闘道場Lv3 一般学生寮Lv1 槍術道場 一般学生寮Lv3 弓術道場 鍛冶場・防具Lv1 一般学生寮Lv3 駐車場 鍛冶場・武具Lv1 一般学生寮Lv5 攻城道場 鍛冶場・防具Lv3 鍛冶場・武具Lv3 フリーマーケット 鍛冶場・防具Lv2 運動場 記念碑Lv7 鍛冶場・武具Lv5 料理教室 フリーマーケットLv8 倉庫Lv10 格闘道場Lv5 神棚 フリーマーケットLv10 攻城道場Lv5 見張り台 鍛冶場・防具Lv7 上級学生寮 一般学生寮Lv15 見張り台Lv8 陸上トラック 運動場Lv5 上級学生寮Lv8 1期・2期ともに料理教室・神棚は効率悪し。プレイ期間4ヶ月では元が取れない可能性が高いので注意。 記念碑・運動場はゲーム性上あるほうが有利。10拠点獲得後の記念碑存続はお好みで。 教室、体育設備、武道設備、倉庫の他施設条件はどこの拠点で存在してもOK 研究前提の建築物はどこの拠点で作成してもOK 研究は1拠点で研究すればどこででも兵生産可能。 研究以外の建築ツリーは、各拠点でそれぞれ満たす必要あり。 鍛冶場・武具の武器研究(兵種別)も各拠点ごとに上げる必要あり。 1拠点の鍛冶場・武具を潰し、もう一度同じ拠点に鍛冶場・武具を作った場合も武器研究(兵種別)は上がった状態のまま維持される。ただし鍛冶場・武具本体のLvは初期値から。 鍛冶場・防具(防具研究)も同様。 編集めんどくさいけど誤りや追加情報見つけたという方はこちらに コメント
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水銀燈「先生ねぇ・・最近保護者からの苦情が多いの・・・。 みんな、あたしの授業嫌い・・? それとも好きぃ?」 スキデース!!!!! 水銀燈「ほんとぉ?やったぁ♪(チラ」 水「こんな時間に・・・こんな手紙までだして一体どぉしたのぉ?」 生徒A「先生、じ、実はおれ・・・どうしても先生に言いたいことあって・・・それで・・・ お、俺せ、先生のことが、・・・す、好きです!!そ、それで・・・その・・・」 水「ふふっ、ありがと。でもごめんね。その気持ちは好きってことじゃないのよ?」 生徒A「え?そ、そんなことないですよ。俺は先生を愛して・・・」 水「だぁめ。それ以上言っちゃ。・・・いい?そこから先は本当に好きになった人に伝えなさぁい。 じゃ、先生はもう行くからぁ。じゃぁねぇ。」 生徒A「せ、先生!!」 そんな淡い生徒Aの初恋。 水銀燈「この中で田中君の給食費を盗んだ子はだあれぇ?」 生徒A「・・・はい」 水銀燈「あらぁ~、悪い子。後で職員室にいらっしゃぁい」 生徒A「はっ、はい!」 「や、やめてください!」 「いいじゃねーか穣ちゃん」 「嫌です!!やめて、やめてぇ!!!」 女子生徒が絡まれているようです、どうする? コマンド 助ける 助ける 助ける →とりあえずタバコ買う 銀「んもぉ・・・タバコ売りきれぇ!?」 ガスッ! その自販機は、2日後に新しい自販機に取り替えられました 生徒1「先生、早く授業をしてください」 水「うるさいわねぇ、あんたがしなさいよぉ」 生徒2「先生、何をやってるんですか?」 水「競馬の実況を聞いてるのよぉ。邪魔しないでくれるぅ?」 生徒3「先生、それは教師としてどうなんですか」 水「はい、あんた退学」 職員会議にて 蒼「水銀燈、真面目に授業しなよ」 水「人の授業に、口出ししないでくれるぅ?」 真「授業をしないなんて、給料泥棒も良いところだわ」 水「紅茶を飲みながら、授業してるあんたには言われたくないわぁ」 薔薇「……もう、面倒だから全員クビ」 一同「!!!!!!」 生徒「水銀燈先生って、いつも私服はどういう服なんですか?」 水銀燈「私服はゴシックロリータからカジュアルまで沢山あるわよぉ~。」 真紅「まるでコスプレイヤーね。」 水銀燈「うっっるさっいわねぇ!!!!!」 蒼星石「困ったな・・こんなに貰っちゃったよ・・。」 水銀燈「あっはは・・あっははははは!!なぁんでアンタがホワイトデーに貰うのよぉ。」 蒼星石「やめてよ水銀燈・・生徒が見てるだろ・・。」 水銀燈「だぁってぇ、おっかしぃ~おかしくて仕方無いわぁ。」 真紅「やめなさいよ、男が居ないからって。」 水銀燈「お黙りッ!!!!!!」 真紅「水銀燈」 水銀燈「なぁに?しんくぅ。」 真紅「お願いだから、職員室で恋愛小説を小声で読むの辞めなさい。 隣に居る私が迷惑なのだわ。」 水銀燈「う、うっさいわねぇ!!!!!!!!!」 「うふふふふ…貰っちゃった貰っちゃったぁ…」 「購買のおばちゃんにヤクルトのおまけ貰っちゃったぁ」 生徒「水銀燈先生って、真紅先生と結構仲良いですよね。」 蒼星石「うん、確かに結構仲良い感じだよね。」 水銀燈「う、うっっるさわいねぇ!!!!早く授業行きなさいよぉ!!!!!」 真「ま……待って、シルバー!! あなた……一体何者? なぜここまで執拗に保守するの……? 私たちの敵!? ……それとも味方なの!?」 銀「……………………」 生徒A「せんせえ・・・バスケが・・・したいです・・・!!」 銀「?勝手にやればぁ?」 銀「お帰りなさぁい、今日も一日ご苦労様ぁ。ご飯にするぅ? お風呂にするぅ? それともぉ……、 た、わ、し……で、おトイレ磨いてくれるぅ?」 生徒A「あ~~、温かい飲みモンがウマイ季節だなぁ」 と、自動販売機から飲み物を取り出す。 生徒B「そうだな。まぁ、さっさと教室に行こうぜ、寒いし」 そういって、2人は歩き出すと 水銀燈「うふふふふ。そんなに寒いなら、この水銀燈が暖めてあげるわよぉ?ふふふふふ」 相も変わらずな水銀燈は、そういいながらAの背後から抱きつく 生徒A「うおっ?!・・・・って、先生ですか。暖めてくれるなら、是非っ!お願いします」 水銀燈「・・・あ~あ、つまんなぁい。もっと面白い反応を期待してたのにぃ それに本気なわけないでしょ、お馬鹿さぁん。じゃぁねぇ。」 そう笑いながらAから離れ、去っていく 生徒A「実に残念」 生徒B「まぁ、本当にそんなコトがあったら。お前は殺されるな、学園全体で」 生徒A「それでもOK」 生徒B「ん。お前、飲みモンは?」 生徒A「は?って、ないし!?先生に取られた・・・・・・・。買い直して来るわ・・・・・ まぁ、先生のぬくもりを味わえたから全然安いもんか。」 にやにや笑いながら、さっきのコトを思い出すと 生徒B「あれだ。この飲みモンをくれてやるから・・・・・・・、間接的にでも味あわさせろテメェ!!」 生徒A「ちょ?!近づくな気持ち悪い!触れんな!俺のぬくもりを汚すなボケッ!」 そんな日常のワンシーン 後に、生徒Aは生徒Bの流した「水銀燈に抱きつかれた」と言う噂のせいで 数日ばかり命に危険があったのは、また別な話 了
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さっきまでの晴れ渡った空が嘘のような鼠色の雲の空の下、降るか降らないかの瀬戸際のような天気の中、元気に部活動をしている生徒達の声が職員室に木霊する。 そんな中、雪華綺晶は妹の薔薇水晶のことで悩んでいた。 「薔薇水晶に彼氏がいる」 そんな噂が立つたびに、薔薇水晶の彼氏と思われる男を脅迫し、薔薇水晶から引き離し、また必要とあらば全て未遂だが抹殺もしてきた。 だが私のやってきたことは本当に正しかったのか? 脅迫や抹殺未遂をした後は必ず薔薇水晶にこってり搾られていた。 しかし、そんなことはどうでも良かった。 妹が泣く姿を見たくない、その想いでずっと銃を乱射し、戦車を走らせてきた。 だが、本当に自分がやってきたことは 正 し か っ た の か ? 自分は昔は軍人だったせいか、人を見ればその人のなりが大体分かった。 薔薇水晶の彼氏と思われる人は全て腑抜けているように私の目に映った。 昔、自分自身に誓った… 妹は私が認めた人としか付き合わせない。 しかし、これはただの自 己 満 足 で は な か っ た の か ? 雪華綺晶「今思えば、迷惑だったから私のこと叱ってたのかな?…」 意図せずとも誰にも聞こえないような小さな声で呟く。 雪華綺晶「だが、悩んだらまず相談。昔薔薇水晶が私に言ってくれた。」 ポジティブな考えの持ち主なのだろうか? そう言うと直ぐに相談相手を飲みに誘った。 雪華綺晶「翠星石先生、今日ちょっと飲みに行きませんか?おごりますんで。」 翠星石「私ですか?まぁおごってくれるんなら行きますです。」 職員室にいる人達は皆驚きの目で雪華綺晶を見ていた。 何故なら彼女は滅多におごらないからだ。 だが、割り勘にしたら誰も雪華綺晶の誘いに乗らないのも事実。 金の問題さえなくなれば雪華綺晶は一緒に飲んで楽しい人である。 よって翠星石は喜んで雪華綺晶の誘いに乗った。 時刻的にはもう太陽の半分が暮れている時間である。 だが、未だに空を覆い尽くす漆黒の雲であたりはすっかり真っ暗だ。 そんな中の居酒屋で… 翠星石「で、私に何の用です? おめぇは用も無しに人におごるような玉じゃないですぅ。さぁ、洗いざらい吐いちまえですぅ。」 雪華綺晶「実は―――― 」 そして雪華綺晶は胸のモヤモヤを全て翠星石に話した。 最愛の妹への想い、妹にまとわりつく虫を追い払ってきたこと、そして追い払って来たことに対する疑問も全て…。 翠星石「つまり、妹への愛情ゆえに、今まで自分が認めた漢以外に妹と付き合わせないという信念が、薔薇水晶の新しい彼氏と思われる人への屈託無い笑顔を見て揺らいだと、そういうわけですね?」 翠星石の問いにコクンと頷く雪華綺晶。 翠星石「でも、何で相談相手に私を選んだですか?」 雪華綺晶「教員の中の唯一の百合カップルの一人。だから私の考えを1番理解出来そうだと思った。」 翠星石「誰がレズですか!蒼星石とはそういう関係じゃねぇです!ふざけてるんなら帰るでs…」 最後まで言葉が発せられることは無かった。 普段なら、もうこのくらい居酒屋で過ごせば、雪華綺晶の周囲は雪華綺晶の身の丈を越すほどに皿が積まれている…が、今日は積むどころか二人の間に一皿枝豆が置いてあるだけである。 雪華綺晶の奢りであるという理由だけではないのは明確である。 翠星石「私としたことが取り乱してしまったですぅ。」 ここまで慌てると返って怪しい…が今回は置いておく。 翠星石「私の考えとしてはですねぇ…。人の恋路を邪魔するなと言いたいところですけど、雪華綺晶の薔薇水晶に対する愛は本物ですし、その愛が空回りだったとしても、空回りしたあと二人で話し合ってその愛を良い方向へ向ければ良い と思うです。 だから認められる男が出てくるまでこのままで良いと思うです。それにこんなことでクヨクヨ悩むなんて雪華綺晶らしくないですし、今までの雪華綺晶が一番雪華綺晶らしいですよ。」 その言葉を聞き、雪華綺晶は涙ぐむが泣かない。 戦場では感情を表に出すことイコール死だからだ。 だが、止めようとしても溢れてくるその感情は仮面を突き破って出てきた。 雪華綺晶「翠星石ぃ~! ヒックヒック…――」 近付いて優しく抱きしめる翠星石に涙と体を任せた。 翠星石「あんまり柄じゃねぇことさせるなですぅ――」 相変わらずの憎まれ口だが、その言葉には何処か優しさがあった。 翠星石「落ちついたですか?」 雪華綺晶「うん、スッキリした。ありがとう。」 翠星石「バ、バカゆーなです。奢りだからついて来てやったのに、面倒くさい相談事持ちかけやがっていい迷惑です。でも心の広い翠星石はちゃんと答えてやったです、感謝するです。」 また相変わらずの憎まれ口…―― 翠星石「あぁ、あと追加です。抹殺はダメだと思うです。殺しちゃ薔薇水晶が泣くです。だからやるなら「社会的に抹殺」ですぅ。じゃぁそろそろ帰るです。」 雪華綺晶「分かった、3/4殺しにしとく。」 いつもの翠星石にいつもの雪華綺晶。 いつの間にか雲は晴れていて、星と吸い込まれそうな闇の空が綺麗だった。 翠星石「明日は晴れですぅ。」
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あらすじ 佐天はファミレスでアイテムと遭遇して正体がばれてしまった! ファミレスから帰ってきて寮に入ろうとしたと所でフレンダに呼び止められる。 佐天を尾行してきたフレンダは、佐天の携帯電話に目をつけ、ステファニーの情報が載っているかどうかを佐天の仕事用の携帯電話で調べてもらうことに。 するとかつてステファニーが教鞭をとっていた学校が第十四学区にあることが判明。フレンダはそこへ向かっていく。 第十四学区は外国人の受け入れを主体に作られた学園都市の中でも海外の言語の説明が付け加えられている珍しい学区だ。 面積は小さいながらもかなりの数の外国人留学生がここで学園都市の能力開発教育を受けに来ている。 そんな第十四学区にフレンダはいた。 既に最終下校時刻は回っていた。 しかし、陽の光がまだともっているのでステファニーが教鞭を務めていたとされる学校へ走って向かっていく事に。 (うわー久しぶりだなぁ、ここ) フレンダは高校に向かいながらも感慨深い思いを味わっていた。 彼女が初めて学園都市に来た時、彼女を受け入れてくれたのがこの学区だった。 その裏では密入国同然のフレンダを受け入れてほしいと、ステファニーが学園都市のお偉方に掛け合ったそうだが、フレンダはあまり覚えていない。 (えーっとここでいいのかな?) 太陽の陽が没し始め、警備ロボがうろうろしだす時間帯にフレンダはかつてステファニーが教鞭を取っていた高校についた。 ここであってるよね?と携帯電話のマップに指定されている学校の名前と住所を確かめる。 「ダメだよ、もう最終下校時刻回ってるよ!?」 学校の警衛がフレンダに声をかける。 校内の二階の職員室と思しき場所には周囲の電気の消えた部屋とは別に煌々と明かりがともっているのがフレンダの網膜に映る。 フレンダは警衛に姉とは伝えず、かつての知り合いに関して聞きたいとを伝えた。 職員室に繋がっているであろう無線のスイッチを警衛がカチッと押す。 しばらく間を置いて、警衛に返信が入ってきた。 返信内容は「手短に」との事。 警衛は忌々しそうに門を開ける。 フレンダは特例を認めてくれた警衛にぺこりと一礼すると構内の見取り図を見つつ職員室に向かっていった。 海外の人を受け入れるからと言って教室の中までその国のテイストに合わせる事もあるまい。 かつてステファニーが教鞭を採っていた高校の渡り廊下をぎしっと音を立てながらフレンダは職員室に向かっていった。 既に日が差し込まなくなっていた階段をゆっくり登っていく。 妙にひんやりした階段のタイルが黒タイツ越しに伝わる感触をかみしめながら、フレンダは職員室に通じる階段へと伝っていった。 職員室の前につくと何人かの外人教師が雑談をしている。 さまざまな国籍を持っているであろう教師たちが一様にフレンダの方を向く。 日本の学校の作りである木のタイルの廊下に容姿端麗な外人教諭がいる光景はフレンダの目に滑稽に映った。 彼女は職員室前で雑談をしている教諭陣に一礼する。 すると、雑談をしている教員の内の一人がこちらに近づいてきた。 「えーっと先ほど連絡したフレンダですけど…」 「あぁ、ガードの人から連絡は聞いていたから、どうぞ」 教員はフレンダについてくるように目で促す。 フレンダは「はい」と頷くと職員室の隣にある応接間に通された。 彼女を応接間に案内した教員はドアを閉めてすぐに退出していった。 フレンダが応接間の中に入ると一人の男性の黒人教師がいた。 黒人は坊主でかなりの体躯。こぎれいにスーツを身にまとっており、体育教師か?とフレンダに思わせた。 (かなりガタイの良い人ね~…ってか英語の方がいいのかな?) フレンダはフランス訛りの英語を話そうか逡巡するが、日本語で話すことにした。 彼女の目の前にいる黒人教師が日本語を話したからだ。 「こんにちわ、あ、もうこんばんわの時間かま、適当に座ってください」 フレンダは「あ、はい」と言い、クリーム色のソファにゆっくりと腰を落ち着ける。 「君の知り合いの…ステファニーだっけ?」と男はウェイファラーのレイバンの眼鏡をくいと少しだけ下にやり、フレンダに頬笑む。 フレンダは黒人教師の問いかけに「はい」と答える。 黒人はふふと、口元をほんの少しだけつり上げて笑う。 「知り合いねぇ…?違うなぁ」と黒人教師はにやりと笑い、フレンダを見つめる。 その発言を聞くや、一瞬眉をひそめるフレンダ。 「怪しいものじゃないさ」と黒人は両手を上下にゆっくりと宥めながら再び、笑う。 「………」 「繰り返し言うが、私は怪しいものじゃない」 黒人教師はそういうと教員免許証と警備員の証明書をゴツゴツしたワニ革の財布から取り出してフレンダに見せる。 同時に男は民間軍事会社に所属している証明書をも見せた。 「へぇ…軍人って訳?」 (めっちゃ怪しいじゃない…) 「だね。いやー君には以前お世話になったよ」 黒人教師はわらいながら坊主頭をばりばりと掻きむしる。 フレンダは初めて会ったと男に感謝されるいわれはない、と思いつつ、「あれ?初めてお会いしたんじゃ?」と聞く。 「確かにそうなんだけどさ、前に横田基地で主催したお祭りの警護で君たちが活躍したって話を小耳にはさんでさ」 「あぁ…あの祭の…」 フレンダの目の前にいる男はどうやら横田基地の祭の警護を務めたフレンダの事を知っているようだった。 数々の肩書を持つこの黒人教師のは日米同盟を隠れ蓑にして学園都市に出向している軍人だったのだ。 フレンダは八月の中旬に行われた横田基地の警備を思い出す。 アキュレシー・インターナショナルで過激派のテロを未然に防いだ功績を彼女は思い出す。 しかし、フレンダは今日に限ってはどうでも良いと思う。 あくまで今日来たのはこの男の出自や彼女自身の事を聞くのではなく、唯一の家内である姉の事を聞きにきたのだから。 黒人教師もフレンダの純朴な瞳に込められた意志を感じ取ったのだろうか、「話が逸れちゃったね」と笑うと直後、きりと真剣な表情になり、弁を続ける。 フレンダは男の目をその瞳に捉えるとまっすぐに見据える。 「散々聞かされたよ?かわいい妹がいるって。君は本当にステファニーの知り合いなのか?」 男は自分の出自を話しすぎたことで目の前にいる少女をイライラさせてしまったのではないかと反省する。 そしてこれ以上自分の事を話しても話が進まないと考え、フレンダに自分の知る限りの情報を姉に伝えようと決心した。 「あなたは…ステファニーさんとどういう関係だったんですか?」 フレンダはあえて「さん」とつけて呼ぶ。 まだ、目の前に居る黒人には自分がステファニーの妹である事を伝えていない。 飽くまでフレンダから情報を話すのではなく、男が口を開くのを待つ。 彼女は男と姉の関係が判然とするまで自分と姉の関係を口外する気になれなかった。 「彼女は…教諭である前に一人の軍人だった」 男はフレンダの方を見ながら思い出したようにつぶやき始めた。 答えになってるのかなっていないのかイマイチわからないまま、しかし、黒人男性は話を続ける。 聞く側のフレンダは無表情を装っているこそすれ、黒人教諭の発言に全神経を傾ける。 一語一句聞き逃すまいと内心につぶやく。 フレンダは知っていた。 交通事故で両親が死んだ家でしのぎを削ろうとしてステファニーが若くしてカナダ軍に入隊した事を。 Joint Task Force2、統合タスクフォース2という特殊部隊に入隊した彼女は数年後に退役。 母語である英語の他にフランス語と日本語を学んだ。 そして退役をした後に学園都市にやってきたと言う訳だ。 「…姉の経歴は知っています…今姉がどこにいるのか…知っていますか?」 「確か各地の戦場を転々としてるような…コスタリカで出会った傭兵と一緒に行動しているとか…」 姉。 フレンダは黒人教師の前で姉と確かに言った。 彼も取り立ててその事に関して深く突っ込むようなことはしなかった。 彼女も自分が知り合いと言って嘘をついていた事を謝るのではなく、真実を話す事でそれを清算する。 「姉」と言ってフレンダは自分の鼓動が高鳴るのを確かに知覚する。 そして屈託の無い笑顔で自分を迎えてくれる姉の顔を想像する。 既に聞き及んでいる情報といえども、やはり他人から姉の事聞くと新鮮な気持ちになれた。 いや…既に聞き及んでいる情報?とフレンダは頭にふと疑問符が浮かび上がる。 初めて彼女が聞く情報が一つだけあったから。 (行動を共にしている傭兵…?一体誰?) フレンダはステファニーとともに行動している傭兵という情報を今まで眉唾だと断じて信じようとはしなかった。 しかし、真剣な表情で話す黒人を見ると彼が嘘をついている様には見えなかった。 彼女はその傭兵の詳しい情報に関して聞きだそうと思い、考えると同時に「どんな人なんですか?」と男に問いただしていた。 「あー…自衛隊からフランス傭兵部隊に入って、オーストリアのコブラ特殊部隊に入った後はフリーの傭兵をやっているって聞いたなぁ…」 「その人の名前は?」 フレンダは身を乗り出していた。 二人を隔てる机が無かったら、彼女はずいと詰め寄っていただろう。 男はそんなフレンダの様子を見て、しかし「すまない、名前までは…」と悔しそうに坊主頭をざらと触る。 「そうですか…わかりました」 フレンダは落胆する。 結局、姉がどこにいるのかはわからずじまいだった。 しかし、姉の事を覚えている男に礼を言おうとして「今日は…」と言いかけた時だった。 黒人の男が「そういえば、これは機密情報なんだけどね」と人差し指を口に当てる素振りをする。 「八月の第一週に警備員に雇われた傭兵の凄腕スナイパーがいたって聞いたな…それともしかしたら関係があるかもしれない」 フレンダはがばっと首をあげて男の方をまっすぐに見据える。つい先程まで落胆していた彼女が一転して瞳をキラキラと輝かせている。 男はその動作を視界に捉えつつ弁を続ける。 「派手な戦い方を好むステファニーと対照的な凄腕の狙撃手…考えられない組み合わせではない」 「その狙撃手…どこの警備員の部署が要請したか分りますか?」 「いやぁ…かさねがさねで申し訳ないがそこまでは機密上、こちらも把握できる権限がないんだ、すまない…」 フレンダは男が悔しそうに顔をゆがめているのを見て、わかりました、と頷く。 しばらくの沈黙の後、男が再び口を開く。 「姉を探してるのか…?」 「えぇ」 「何で姉を探すんだい?」 「私の唯一の家族だからです…。死んでほしくないから…」 フレンダ自身もいつ死ぬとも知れない。 唯一の肉親である姉を見つけて、彼女はここから脱出しよう、そう心に決めた。 黒人の教諭が「家族のつながりは重要だからな」とあたりさわりのない言葉を述べてその場は終わりとなった。 短い会話だったが、フレンダは姉を探す手がかりを十分に得たと思った。 ともあれ、学園都市に要請されて狙撃を行った人物を割り出さなければ、と彼女は自分に言い聞かせる。 「ここらへんでいいわ」 「じゃあ、また何かあったら気軽に学校にでも来てくれ」 フレンダは結局最終下校時刻を回っているから、という理由で男の車で送迎された。 彼女を乗せたダイムラークライスラー300Cはアイテムのアジトの近くまで行く。 アジトの場所を特定されるのを警戒したフレンダがアジトの大分前で車を止めてもらう様に指示する。 男の運転するクライスラー300Cは律儀に指定された場所に止まる。 フレンダは丁寧にお辞儀をすると小気味の良いクラクションの音が帰ってきた。 車は甲州街道に繋がる道に接続する道に消えて行く。 アジトに着くと滝壺がいた。 「ただいまー」 「おかえりフレンダ。遅かったね」 「ちょっと色々あってさ」 「お姉ちゃんのこと?」 フレンダはうんと頷く。 フレンダは滝壺には気を許しているのだろう。 姉の事に関してフレンダは滝壺には腹蔵なく話していた。 それはフレンダが超電磁砲との戦いの後で滝壺に見出した姉の様なぬくもりや優しさによるものなのかもしれない。 「何か進展あった?」 「うん。お姉ちゃんと傭兵のペアを組んでる人が八月一日に警備員の要請で来学して狙撃をしてるんだってさ」 「なるほど。だったら警備員の部署にあたってみればもしかしたら新しい情報が手に入るかもね」 フレンダは「そうだね」とちょっぴり嬉しそうに笑う。 姉と再会した時のことを考えているのだろうか。フレンダは顔をほころばせる。 その表情は滝壺にかわいいと思わせると同時に、反面ちょっとの寂しさを感じさせた。 「ねぇ?フレンダ?」と滝壺は気付けばフレンダに話しかけていた。 なぜ、寂しさを感じたのか。彼女はその正体を自分で知ってしまった気がした。 そしてその正体を聞かずにはいられなかったのだ。 フレンダは「何?」ときょとんとした表情で滝壺の顔を覗きこむ。 「もし、お姉ちゃんが見つかったらフレンダはどうするの?」 自分ではその答えを出したつもりだった。 しかし、いざ口に出そうと思うとはばかられるのは何故だろうか。 アイテムに入ってからは約十数万という安月給で学園都市の治安維持に影ながら貢献してきた。 姉の背中に憧れて学園都市にやってきた彼女は、姉の所在を見つけようと思い、気付けば学園都市の暗部に転落していた。 暗部に墜ちた時、即ちアイテムに入った時、から今に至るまで、この組織には特に何も感慨深いものなどなかった。 ただ、この最先端の街の裏で繰り広げられる生命のやり取りに従事していただけ。 しかし、そんな彼女が姉が見つかったらどうする?という単純な質問に答える事に躊躇していた。 それはアイテムに何も思い入れがない彼女自身が最も以外に感じていることだった。 (まさか…自分はこの環境に満足していたって訳?) そんな感情、や環境、馬鹿らしいと吐いて捨ててしまいたい衝動にフレンダは駆られる。 しかし、どうしても滝壺を前にして答える事が出来ない。 自分は葛藤しているのだろうか? (…まさか私はアイテムをやめたくないって事?) 姉を探そうと思い、学園都市の裏事情にどんどん足を突っ込んでいった彼女は今では立派に身体ごととっぷりこの学園都市の闇に浸かっている。 アイテムをとんずらして自由になりたいと思っている反面、認めたくはないが、自分の現状の環境に満足しているのかもしれない。 「…私は…お姉ちゃんが見つかったら…ここを出ようと思う…」 やっと絞り出した言葉のなんと力のない事か。 自分がどんな表情で言ったのだろうか。フレンダは知る由もない。 しかし、恐らくフレンダ自身が驚くほど顔を歪めていただろう。 滝壺はそんなフレンダの顔をじぃっと見つめている。 今日の夕方、第十四学区で黒人と話し、アイテムを抜けて、学園都市を出ようと決心したフレンダ。 しかし、自分とともに暗部を駆け抜けた滝壺の前ではその事をいうのに躊躇しなければならなかった。 アイテムのメンバーを知り合い程度にしか考えていなかったフレンダ。 繰り返しになるが、彼女自身が最もこの事に驚いていた事は言うまでもない。 (さっきあの黒人教師と話してた時は学園都市から抜けたいって思ってたけど…本当の所どうなのよ?ねぇ!) フレンダは自分に言い聞かせるが答えが出ない。 姉に会いたい、その気持ちは勿論ある。でなきゃ、わざわざ暗部に落ちたりなどしない。 しかし、なぜ、その事を滝壺に言えない?アイテムの他のメンバーに密告される事を恐れている?いや、そんな矮小な気持ちではない。 滝壺という最近できたもう一人の姉…の様な存在と離れ離れになることが嫌だから? 「滝壺と離れたくないからかもしれないなぁ」 気付けば口に出していた。 実の姉に会いたいと思う反面、自分の要求通りに応えてくれる姉の様な存在、滝壺と離れたくないのだ、とフレンダは思った。 彼女の出した答えを聞いていた滝壺は何と答えていいかわからない、といった感じで所在なさげにキョロキョロとあたりを見回していた。 「そ、それって、フレンダが私の事お姉ちゃんみたいな人って思ってるから離れたくないってこと?」 「うん…滝壺、あったかいよ。だからかもしれないなぁ。私、ここ最近滝壺に甘えすぎだし、離れたくないって思っちゃったのかもしれないね☆」 「なんて反応すればいいかわからないよ、フレンダ」 「ご、ごめん…あはは…」 滝壺は確かに包容力がある。しかも自分の意見を言わないし、話を聞くのがうまい。しかも優しいときた。 姉の様な存在に見えていた滝壺は一人の女性としても非常に魅力のある存在に見えた。 このまま一緒にずっと…フレンダはそんな事を考えつつ頭を振ってその考えを頭の中から払しょくする事に努める。 あくまで滝壺は姉の様な存在であって、恋愛の対象ではない。 しかし、そう思えば思うほど、目の前にいる滝壺理后という女性が魅力的な女性に見えた。 「フレンダ。ご飯にしようよ」 「あ、うん!」 フレンダのゆがんだ思考は滝壺の声に突如、遮られ、夕ご飯にする事になった。 暗部で蓄えた潤沢な資金を利用して今日も宅配のご飯を注文する事にした。 「結構おいしかったね、滝壺」 「うん。シャケ弁当、初めて頼んでみたけど結構おいしかった」 二人は夕食で頼んだ弁当セットの感想を各々述べるとリビングにあるソファにぐったりと腰を落ち着ける。 「ねぇ、滝壺?」 「何?フレンダ」 「いつもありがとうね、私のおままごとに付き合ってもらって」 フレンダは横に座っている滝壺の表情をうかがうように、のぞきこみながら,日ごろ一緒に居てくれている事についての感謝の言葉を述べる。 滝壺は「ううん、いいよ」といつものやさしい表情で答える。 「ちょっと、目つぶって?」 フレンダの抑揚のない声が滝壺の耳朶に響く。 滝壺は素直に目をつぶり、なんで?フレンダと言おうとするが、そのセリフが彼女の口から出る事はなかった。 何故なら、滝壺の唇がフレンダの唇でふさがれたから。 「…ん」 「感謝の印だよ、滝壺。ううん、お姉ちゃん、いつもありがとね」 フレンダは少しだけ顔を赤らめて前髪を恥ずかしそうに掻き分けながら言うと、にこりと笑って見せた。 当の滝壺は自分が何をされたかいまいち理解してないような表情だが、自分の唇に手を当てる。 滝壺はつい先ほどまでそこにフレンダの唇が重ねられていただろう箇所をゆっくり自分でなぞっていく。 「ねぇ、フレンダ」 「な、何?」 「海外の人は姉妹でもあーゆーキスをするの?」 フレンダの顔がみるみる赤くなっていった。 「結局…」 「結局?」 「滝壺!ゴメン!」 フレンダはがばっ!と頭を垂れる。 海外でも唇はあんまりしないって訳よ…とフレンダは小さい声でつぶやく。 フレンダは顔を赤らめながら天井を所在なさげにぼーっと見つめる。 今日一日で色々なことがあった。 電話の女の正体が自分よりも断然年下の少女だった。 そしてその彼女を尾行して聞いた姉の情報。 錯綜するこの環境の中で、フレンダは誰かに甘えたいのかもしれない。 そして、その甘えが少しだけ変質した。 滝壺の姉の様な抱擁力と、まるで小動物の様な小さく、かわいらしい一面。 それらを同時に直視したフレンダは一瞬後者の姿に見せられたのだった。 ――同日、学園都市のジャンクションエリア 調布 夜 巨大な壁…と言われて想像するもの…万里の長城、ベルリンの壁、西サハラの壁…。 それらとは規模こそ違えこそすれ、外敵や侵略者から防備するといった名目で敷設された学園都市の壁もそれらの壁と同じ効力を持つ。 「あー、見えてきましたねぇ」 「あぁ」 砂皿が運転する黒のレクサスIS350Cはサンルーフを全開にあけ、首都高を乗り継ぎ、学園都市の行政下に置かれている調布ジャンクションに向かって下りていく。 ジャンクションの左右に広範に広がる壁。 これが日本と学園都市との間に言わば、国境を構成している壁だった。 そこを越え、壁の下をくりぬかれたトンネルをくぐっていくと一気に視界が開ける。そこが学園都市だ。 「お前にとっては…久しぶりだな、ステファニー」 「えぇ…ここのどこかに妹がいるんですね…」 ステファニーは砂皿と話をしながら現れては後ろに流れていく巨大なビル群を見回す。 数年前に学園都市を離れた時よりもさらに多くの高層ビル群が立ち並んでいる。 彼女はかつて同じ学校で教鞭を採った教諭達や警備員で知り合った他学区の教諭達の顔をおぼろげに思いだしてみる。 (もう、知り合いはあんまりいないのかな…?) 学園都市の生活に飽き、世界を見てみたいと思って自分の足で気の向くままに勝手に世界を旅して、傭兵になった。 そして、結局はここに戻ってくるのか、我が儘なお姉ちゃんだね、とフレンダの事を考えながら内心につぶやくとステファニーは左右に流れていく夜景を再び目で追っていく。 「砂皿さんはここに最近来たんですよね?」 「あぁ。かつてお前が所属していた組織…アンチスキルとか言ったか。教員だけで構成される警備部隊だったか…」 「そうですね、警備員は教諭だけで基本的に構成されています」 「ふん。それで技術漏えいを防ごうと言うのが土台無理な話なんだよ、ま、その話しはいいとして、俺は八月の最初にここに来た」 「じゃ、砂皿さんにとっては久しぶりって言うよりかは、またかよって感じですね」 「あぁ」 砂皿とステファニーは基本的に二人一組で行動している。 しかし、要請があった場合、それぞれ単独で行動する事もある。 例えば、砂皿は八月の冒頭で警備員の要請にこたえて狙撃を敢行した事もあった。 「八月の狙撃のおかげかどうかはわからないが、武器の搬入は比較的楽だったな」 「えぇ。結構多めに見てくれましたね。気付かないの武器がほとんどでしたけど」 暑さでサンルーフを全開にして走るIS350Cの後部座席の下には大量の武器が隠匿され、持ちこまれていた。 ジャンクションを下りる時には厳密な審査はないですしね、とステファニー。 後部座席には二つのアタッシュケースが置かれていた。名目はただのアタッシュケース。 だが、その中身は二つともヘッケラー&コッホ社のMP5クルツ・コッツァーが収納されていた。 先述したが、後部座席のシートの下には武器が収納されている。 それらはそれぞれ二人のえもので今後の戦いのパートナーでもあるのだ。 狙撃を最上の暗殺手段と考えている砂皿はM16突撃銃をカスタムしたSR25をばらして車に搭載した。 コッツァーのはいっているトランクの中にはSR25に着脱できる各種光学照準器や暗視装置等、また大量の予備弾が仕込まれていた。 また、在日米軍基地で武器の横流しをしてもらうために事前に取得しておいた大量のドル札も入っていた。 そんな砂皿緻密とは対照的に、ステファニーは派手好きな破壊魔とでもいおうか。 アタッシュケースに入れられているヘッケラー&コッホが改修したM4カービンの新モデルであるHMK416を持参した。 赤外線や各種光学照準器を装備しているが、あくまでレールに接続するだけで使うことはないだろう。 HMK416よりも、その銃の下部レールに接続されているグレネードランチャーが彼女の派手にぶちかます性格を如実に表しているようだ。 一般人が見たらおおよそ卒倒する様な兵装だが、学園都市の能力者や警備員との戦闘が起きないとも限らない。 妹を学園都市から連れ出すにはそれなりの覚悟が求められるのだ。 「にゃはーん、取りあえず、今日は適当にアジト構えちゃいましょっか?」 「そうだな」 ステファニーの提案に砂皿は首肯するとカーナビで至近にあるホテルをサーチする。 検索でヒットしたホテルに二人を乗せたツードアクーペが勢いよく向かっていく。 戦端が始まるまでまだ相当の期間を待たなければならない。 北京で押収した学園都市の裏組織…暗部とでも言おうか? そのファイルに掲載されているフレンダの情報以外はまだ何もわからない。 しかし、状況が更新されるまでそう時間はかからないだろう。 妹を救出する為、姉に会う為。二つの思いが交差するとき、物語は始まる。
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俺とハルヒが付き合うことになったときハルヒから世界を改変できる力が消えた。 あのときはその場の勢いでいろいろと恥ずかしいことを言ってしまったな。 今でも告白したときのことを思い出すと顔から火がでそうになほど恥ずかしくなる。 ハルヒは俺の告白にいつもの100万Wの笑顔で応えてくれた。 それから過ごした時間は幸せだった。ハルヒにつれられて遊園地に行ったり、水族館に行ったり……。 あれだけ奇怪な行動をしていたのにデートコースは一般のそれと同じ。 昔、古泉が言っていた通りやっぱり根底は普通の女の子なんだよな。 もちろんハルヒはSOS団の活動の手を抜くこともなかった。 むしろ付き合い始めてSOS団に影響はないことを示すためか、いっそう活動の突飛さは増したほどだ。 そんなこんなで時間が過ぎ一ヵ月後に変化は訪れた。 付き合って一ヵ月が過ぎたある日。その日、部室に朝比奈さんが来なかった。 朝比奈さんがハルヒに無断で団活を休んだことなんて今まで一度だってなかったのに。 まあ、そのときは風邪かなんかで休んでるんだろうなぐらいにしか思わなかった。 次の日は朝比奈さんだけじゃなく、なんと長門まで来なかった。 人間である朝比奈さんならまだしも、宇宙人である長門が来ないなんておかしい。 さすがに心配になった俺達はとりあえず職員室に突撃した。 長門の担任に聞いたところ今日は休んでるらしい。ちゃんと電話がかかってきて休みの報告があったとのこと。 朝比奈さんの担任にも同じように聞くとありえない答えが返ってきた。 「昨日の朝、急に親御さんから電話がきて、転校したとのことだ。お前達は仲が良かったのに知らなかったのか?」 それを聞いた瞬間ハルヒが担任に飛び掛かって職員室は騒然とした雰囲気になった。 俺自身も自分の考えに整理がつかず、ハルヒを止める気にもならなかった。 いや、こうなるとはわかっていた。朝比奈さんが未来に帰ることは。 ただ帰るのは卒業後だと勝手に思い込んでいたし、現実になると衝撃は大きかった。 相手の胸ぐらを掴み「嘘つくんじゃないわよ!」、「本当のことを言いなさい!」 と大暴れしているハルヒを先生方が取り押さえる。 朝比奈さんがいなくなったってことは……。 嫌な予感がする。騒ぎのすきに職員室を抜け出した俺は長門マンションにむかった。 呼び鈴を押す。何度押しても中から反応がない。ドアノブに手をかけると鍵がかかっていなかった。 中を見回す。もともと生活感のない部屋だったが、前はいちよう人が 生活するのに最低限必要な物だけはあったのに。部屋には何もなかった。 よく見ると一枚の紙切れが部屋の真ん中に落ちている。 そこには『さようなら』とだけ書いてあった。 また次の日。学校にむかう。なにもやる気が起きない。 今まで一緒にいた仲間の内二人もいなくなった。 もう今までのSOS団は戻ってこない気がした……。 途中の待ち合わせ場所でハルヒと合流した。 どうせすぐ知ることになるんだ。長門も転校したとハルヒに伝えた。 昨日の今日のことにハルヒは落ち込んでいたが、すぐにいつもの調子で言った。 「団長の許可なく勝手にいなくなるなんて許せないわ!キョン連れ戻しに行くわよ!」 ハルヒ……それはできないんだ。それでも俺は「そうだな」と答えた。 ハルヒだって辛いんだ。ハルヒにとって親友と言ってもいい人が二人も同時にいなくなった。 にもかかわらず、こいつは無理して笑顔を見せている。 俺にはまだハルヒがいるんだ。こいつが笑顔でそばにいてくれる。 それだけでなんでも乗り越えられると思った。 だが、現実は甘くなかった。 「痛っ!」 下駄箱で靴をはきかえているとハルヒが声をあげた。 上靴を脱いで足を見ている。 「何よこれ!?」 足の裏に画鋲が刺さっている。上履きに画鋲が入っていた。 「誰だよ!こんな悪戯するやつは!」 このときはまだただの悪戯だと思っていた。 教室に入るとまわりの様子がおかしい。ハルヒの席に集まって何かをしている。 俺達に気付くと国木田が話しかけてきた。 「ごめんね……キョン。消そうとしたんだけどなかなか消えなくて……」 ハルヒの机には『死ね』『バカ』等の言葉が書かれており、まわりに破れた教科書が散らばっていた。 「ちょっと!何よこれ!」 これは明らかにハルヒに対する嫌がらせだ。 「おい!これをやったのは誰だ!?」 「わかんねぇ。俺がきたときにはもうこうなってた」 谷口が気まずそうな顔で言った。 「誰よ!犯人は!」 クラスのやつらは沈黙して誰も答えない。 「こんなことするやつなんて最低最悪のくずよ!表立って何もできないくせに陰でこそこそして!」 そのままハルヒは席に座り窓の外を見ていた。俺は犯人すぐにでも殴ってやりたい気分だった。 昼休み。授業終了と同時にハルヒは教室外に出ていき、十数分するとどこからか新しい机を持ってきた。 ハルヒは昼休み中絶対に犯人を見つけてやると言って学校を駆け回っていた。もちろん俺も。 放課後、団室にきた俺達にさらにひどい光景が目に入った。 団室がめちゃくちゃに荒らされていた。 ドアの鍵は無理矢理壊されており、パソコンは壊され、朝比奈さんのコスプレ衣裳もズタズタに破かれていた。 「ひどい……」 ハルヒがついに涙を流しだした。俺は犯人にかつてないほどの怒りがわいてきた。 「これは……ひどい有様ですね」 そこに古泉が入ってきた。いつものにやけ顔のままで。 こんなときに笑ってることはないだろ。俺がそう言いかけたとき、古泉が信じられないこと言った。 「ところで涼宮さん。僕は今日限りでSOS団をやめることにします。 今日はそれだけ言いにきました」 耳を疑った。古泉がSOS団をやめる? 「ちょっ、ちょっと待ってよ古泉くん!どうしていきなり……」 古泉はハルヒの呼びかけも無視して団室をでていった。俺は古泉を追いかけて肩を掴んで止める。 「おい、いきなりどうしたんだよ!」 古泉は立ち止まりこちらを振り向いた。 「なんのことですか?」 スマイル顔のまま答える古泉。 「どうしてSOS団をやめるなんて言うんだ!」 「理由ですか?やっと自由にしていいことになったからですよ。 この一ヵ月、機関は涼宮ハルヒの能力が完全に消えたのか様子を見ていた。 そして今日、機関では涼宮ハルヒ能力は完全に消えたと結論をだし、晴れて解散とゆうことになったんです。 他の二人も似たような理由で今まで残っていたのでしょう」 「ふざけんな!お前はSOS団の活動を楽しいと思ってたんじゃなかったのか!?」古泉はオーバーアクションで肩をすくめてみせる。 「まさか。こんなのを楽しいと思うはずがないでしょう。 今までよく耐えてきたものですよ。もう涼宮さんのわがままに付き合う必要はないんです。 彼女のせいで僕たち超能力者がどれだけ辛い目にあってきたことか。 本当にせいせいしますよ」 古泉の言動に俺は耐えられなかった。怒りにまかせて古泉に殴りかかる。 しかし、俺のパンチは古泉に軽く止められた。次の瞬間、視界が反転する。 俺は古泉に投げ飛ばされていた。 「あなたもいきなりひどいことしますね。ですが、残念でしたね。僕は機関で格闘の訓練も受けていたんですよ」 そのまま古泉は去ろうとする。 「待て!ハルヒに嫌がらせをしているのはお前達なのか?」 また振り向いた古泉。 「違いますよ。むしろ逆です。 あなたは今まで涼宮さんが誰にもいじめを受けていないことを不思議に思ったことはありませんか? 涼宮さんは自分に親しい人にはとても優しくなることができる。 しかし、涼宮さんの他人に対する態度はまわりに敵を多く作る。 涼宮さんに嫌がらせをしようとする人は多くいました。 そんなことをされたら閉鎖空間が発生してしまう。 だから今までは裏で機関の人間が涼宮さんを守っていたんですよ」 そう言って古泉はもう後ろを振り返らずに去っていった。 それからハルヒへのいじめはエスカレートしていった。 毎日のようにハルヒのものは盗まれ、落書きされる。 ハルヒも最初は無視していたが次第に笑顔を失っていった。 俺は必死になって犯人を探したが手掛かりもなく、見当もつかなかった。 ついにはハルヒへのいじめはいつもそばにいる俺にも飛び火してきた。 ………… ……… …… … 俺とハルヒは屋上に立っている。 もはやいじめは物を隠すとかのレベルではなくなっていた。 毎日殴られ、蹴られ、金をとられる。 谷口や国木田、阪中すらも俺とハルヒを無視する。 俺もハルヒも限界だった。SOS団で遊んでいた頃が懐かしい。遠い昔のことのように思える。 ハルヒの手を握る。目をつぶり俺たちは屋上から飛び降りた。 V
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192 :名無し募集中。。。:2012/01/31(火) 08 18 38.21 0 まだ4周目は始まってないみたいですね。 172の続きです 【3周目 アナザー版】 ―――指令室――― ビーーー!ビーーー!ビーーー! 学校内に突如アラームが鳴り響く。 「何事や!」 「敵襲です!」 「なんやと!?」 「外部より発煙弾が撃ち込まれました!現在校内は煙で充満しております!」 「発煙弾やと…?」 「ねぇ裕ちゃん…それって…」 「侵入者を確認!」 「映せぇ!」 モニターに映し出されたのは校庭をまっすぐに突っ切る里保と遥の姿だった。 「あんのガキどもぉぉぉ調子に乗りくさりおってぇぇぇ」 中澤は怒りに震える。 「校内に残っとる連中を叩き起こせぇ!あのくそガキどもをとっ捕まえてわしの前に連れて来い!」 「はっ!」 隊員たちは駆け足で指令室を出て行った。 「裕ちゃん…なにもそんなにムキにならなくても…」 「黙りな!…なにしとんねん。あんたらもさっさと行きぃ!」 指令室は中澤一人を残して誰もいなくなった。 ―ダンッ― 中澤がデスクを思いっきり叩く。 「なめくさりおってぇ…」 193 :名無し募集中。。。:2012/01/31(火) 08 19 52.33 0 ―――南の海岸――― そこには一隻のモーターボートが固定されていた。 「おい!…この船、我々の識別に登録されていないものだぞ」 「鞘師と工藤が逃亡用に用意したものか」 「ということはこのあたりに潜んでいるかもしれん、探すんだ!」 「はっ」 隊員たちが散る。 「…今の聞いた?かりんちゃん」 「はい、聞きました。里保ちゃんと遥ちゃんを探してるって」 (かりんちゃん!伏せて!) (わっ!) かりんと絵梨香が潜む草むらの前を一人の隊員が通る。 「…ん?」 何かに気付いたのか隊員が近付いてきた。 (ちっ) (絵梨香さん?) (かりんちゃんはじっとしてて) そう言うと絵梨香は目に見えないほどの速さで隊員の背後に回り込むとスラッパーで思いっきり殴りつけた。 「ぐぁ!?」 隊員は一発でKOされる。 絵梨香はかりんに向かって満面の笑みで親指を立てた。 かりんは少し呆れ気味に苦笑いを返した。 ジジッザァーーーー 隊員が持っていたトランシーバーが鳴る。 「鞘師と工藤が学校に現れた!今すぐ戻れ!繰り返す…ブツッ」 慌ててかりんがトランシーバーを切る。 「絵梨香さん」 「行こう!」 二人は学校に向かって走った。 194 :名無し募集中。。。:2012/01/31(火) 08 22 29.61 0 ―――校庭――― 里保と遥が校庭を走る。 昇降口からは敵が溢れだした。 ―パウッ― 里保が発煙弾を放つ。 ―ボフーーーーーーーン― 茶色の煙は敵を一気に包み込んだ。 「だぁぁぁぁ!」 遥のマシンガンが火を噴く。十数人の敵は瞬く間に一掃された。 ―ガシッ― 瞬間、遥が腕を掴まれる。 「待ってたぜぇ♪さぁ、遊ぼうか♪」 待ちかまえていたのは吉澤だった。 「くっ!」 遥は反対の手に持つ拳銃を向ける。 「おっと」 その手は軽く叩き落された。 「さぁ、どうする?」 吉澤が余裕の表情で遥に顔を近付ける。その時。 「てやぁー!」 背後から里保が小刀で切りつける。 「甘い!」 吉澤の後ろ蹴りが里保の脇腹にめり込む。 その勢いで里保は背中から地面にたたきつけられた。 「あぐっ…」 「くらえ!」 遥の鉈が吉澤の首を狙う。 「まだまだだな」 その攻撃を軽くスウェーバックで避けると遥の足もとを払って転ばせる。 「あぅ…」 195 :名無し募集中。。。:2012/01/31(火) 08 24 32.46 0 地面にひれ伏す里保と遥を見下ろし、吉澤は大きなタメ息をつく。 「なんだよ、つまんねぇなぁ」 そう心底ガッカリした表情を浮かべる 「おい、ジェノサイダー1号2号」 吉澤の呼びかけに現れたのはチャイナドレスを着た小柄な中華娘とパンダの着ぐるみ。 里保と遥は急いで身構える。 「あとはお前らにやるよ。好きにしな」 そう言って昇降口へと歩き出した。 中華娘とパンダと対峙する里保と遥。 緊張した空気が流れる。 「アチョー!!!」 「バナナ!!!」 中華娘とパンダが奇声とともに襲い…かかったのは吉澤だった。 「おっ、なんだなんだ?」 吉澤はその奇襲を軽くかわし、パンダを蹴り飛ばし、中華娘を叩き落した。 中華娘とパンダは軽々と受け身を取ると里保と遥をかばうように立つ。 吉澤は怪訝な表情を浮かべる。 「…どういうつもりだ?」 「好きにシロと言われタから好きにシマシタ」 「愛佳が守ッタ命ダ。だからワタシタチも守ルダ!」 「お前ら…やっぱり洗脳解けてやがったのか」 状況についていけず、目を白黒させる里保と遥。 中華娘とパンダが振りかえって笑顔を見せる。 その顔には見覚えがあった。 「…もしかして、リンリンさん!ジュンジュンさん!?」 二人はコクッとうなずくと、改めて吉澤へと向き直った。 196 :名無し募集中。。。:2012/01/31(火) 08 26 09.14 0 「助ケルのが遅クなっちゃってゴメン」 「ダカラここはジュンジュンタチニ任セて」 「二人は先ニ進みなサイ、何カ目的がアルんでしょ?」 「でも…」 「お前ら行っていいぜ、こいつらと遊んだ方が楽しそうだ」 里保と遥は二人におじぎをして昇降口へと走る。 「…やっしー」 「…うん、私たちにはまだ味方がいたんだね」 二人は思い出していた。 追憶の中でジュンジュンと出会っていたことを。 「…さて、やろうか。お前らがどれだけ成長したか見てやるよ」 「望ムところダ!」 「バナナヨコセ!」 「チガウダロ!」 「「「…」」」 「いくぞ、ハイィー!」 「タアァァァ!」 「…」ポリポリ…吉澤は頭をかいた。 197 :名無し募集中。。。:2012/01/31(火) 08 26 44.44 0 ―――保健室――― ―ガラッ― 「圭ちゃーん」 「…矢口か」 保田は机の上のパソコンに向かっていた。 矢口が部屋の中に入ってくる。 「圭ちゃん、裕ちゃんが集合だってさ。なんでも…」 「わかってるわ。あの娘たちが来たんでしょう」 保田はパソコンの画面を向いたまま答える。 「そうそう。それにしても若いっていいよねぇー、熱いっていうかさぁ」 「…」 「でもまぁ、世の中そんなに甘くないってのをちゃんとおいらたちがお姉さんとして教えてあげないとね」 「…」 「ほら行くよ、圭ちゃん」 「えぇ」 保田が席を立ったのを見計らうと矢口は部屋を出ようと入口へ歩き出す。 そして扉に手をかけたところで保田がついてきている気配がないのに気付き、振りかえろうとしたその時。 ―パンッ…― 矢口の胸にひとつの穴が開いた。 198 :名無し募集中。。。:2012/01/31(火) 08 28 59.40 0 「えっ…?」 ヨロヨロと振り返る。 「圭…ちゃん?」 そこには拳銃を構えた保田が立っていた。 「…ごめん、矢口」 「…どう…して…」 矢口が前のめりに倒れる。 「裏切り者は私なの。…と言っても私以外にも何人かいるみたいだけど。 …いえ、違うか。他の娘たちは裏切るというより、自分が楽しみたいだけみたいだしね」 保田の告白。 「私はね、裕ちゃんが間違っていると思うの。確かに私たちはお互いに競い合うことで高め合ってきたわ。それは間違いない。 でもね。だからと言ってあの娘たちも同じようにすることが本当に正しいのかしら。きっとそんなことはないわ。 だって、あの娘たちはちゃんと作り上げたんだもの。あの娘たちなりのモーニング娘。を。 きっとね、その時その時の娘たちによって、その娘たちなりの高め方がある。私はそう思う。」 扉へと歩く。 「だから私はあの娘たちを助けたい。今まではせめてもの手助けになればと“あの薬”の効き目を弱めることくらいしかできなかった でもあの娘たちの覚悟を知って、私も命をかけて戦うと決めたわ。…だからごめん、矢口」 そう言って保健室の扉を閉めた。 209 :名無し募集中。。。:2012/01/31(火) 21 54 44.20 0 恐いけど 198の続きです。 ―――昇降口――― 校内へ突入するも昇降口にはもう人影はなかった。 里保と遥は互いに目線を絡ませると一度だけコクッとうなずき合い、二手に分かれる。 里保は左から上階を目指す。遥は右から1階を周る。 もう二人に言葉は必要なかった。 遥の行く手に敵が押し寄せる。 かなりの人数が教室に潜んでいたようだ。 ―ガガガガガガッ― 躊躇なく弾丸をバラまく。 敵は折り重なるように倒れていった。 しかし、押し寄せる勢いは衰えない。 まるで死を恐れていない。 ―カチカチ― 先に根を上げたのはマシンガンの方だった。 遥はすぐにマガジンを再装填しようとするが、あきらかに間に合わない。 敵の手がすぐそこまで迫る。 その時。 ―ボフーーーーーーーン― 遥のまわりをオレンジの煙が包み込んだ。 反対側の校舎を見る。 里保による2階からの援護だった。 遥の身体を守るように包むオレンジ色はまるで里保が激励してくれているかのようだ。 落ち着いてマガジンを装填すると、目をつぶり、大きく息を吸い込む。 「どけぇぇぇ―ガガガガガガッ―!!!」 遥は壁のように連なる敵をなぎ倒しながら突き進んだ。 210 :名無し募集中。。。:2012/01/31(火) 21 55 56.87 0 ―――視聴覚室――― 里保は3階の廊下を走りながら立ちふさがる敵を次々に切り伏せる。 それは軽やかなダンスを踊るように。里保は躍動していた。 胸に灯った熱い気持ちと信じる仲間。それらの想いが里保に限りない力を与えてくれる。 ふとある部屋が目に留まる。 里保が最初に放った発煙弾。 そのうちの黄緑の煙がまるでその部屋へ誘うように際立たせていた。 視聴覚室だ。里保はゆっくりと扉を開ける。 「鞘師!」 すると中から見知った人の声が響いた。 「た、高橋さん!?」 そこには牢屋のような強固な鉄柵が張り巡らされ、中には高橋が閉じ込められていた。 里保は走り寄る。 「鞘師…よく無事で…」 高橋の顔が涙で濡れている。相変わらず泣き虫な人だ。 「高橋さんが何でここに?」 「あーしもよくわからないの。中澤さんたちにいきなり捕まって連れてこられちゃって」 「はい、そこまでー」 扉にはいつの間にか女の人が立っていた。 「美貴ちゃん!?」 高橋が叫ぶ。 「ほらほら、オイタした子にはお仕置きしないとねぇ」 言うが早いか藤本は拳銃の引鉄を引く。 銃弾は里保の右太ももを撃ち抜いた。 「あぅっ」 激痛に倒れこむ。 「鞘師!」 211 :名無し募集中。。。:2012/01/31(火) 21 58 43.38 0 ―パンッパンッ…― 続けざまに2発。どちらも同じ里保の右太ももに被弾する。 「やめて!美貴ちゃん!」 (いっっっっったぁい!!!…うぅ…でも、えりぽんは…これ以上の痛みにずっと耐えてたんだよね…だからわたしだって) 藤本はゆっくりと近づき、里保を上から見下ろす。 「ねぇ痛い?」 「…っ」 「ねぇ痛い?…って聞いてんでしょ!」 ―ガツッ― そう言って藤本は里保を蹴り飛ばした。鉄柵に叩きつけられる。 「ねぇ…アンタたちさぁ、何がしたいの?あのまま二人で殺し合えばどっちかは生き残れたのに。こぉ~んな無駄なことしちゃって」 ―パンッ― 「あっ…」 銃弾が里保の左肩を撃ち抜く。 「やめてよ!美貴ちゃん!」 「こうやって痛い目見ることもなかったじゃん」 ―パンッ― 「ぁぐっ…」 今度は右腕。 「いやぁ…もうやめて…!」 高橋の悲痛な叫びも藤本の耳には届かない。 「ねぇ、美貴に教えてよ。ねぇ」 ―パンッ― 銃弾が左足を撃ち抜くと里保は耐え切れずに鉄柵に倒れこみ、寄りかかることでかろうじて立っていた。 「鞘師!?ダメ!しっかりして!」 ズズッ… 少しずつ身体が滑り落ちていく。 「…つまんないの。結局無駄死にじゃん。アンタもあの工藤って娘もさ。まぁ最もあの鈴木って娘が一番の無駄死にか。 せっかく自分だけでも助かることができたのにねぇ。アハハハハハッ―――」 その言葉に落ちる寸前だった里保の意識が踏みとどまる。 再び里保の瞳に強い光が宿った。 215 :名無し募集中。。。:2012/01/31(火) 23 23 14.27 0 211の続き ―――職員室――― 「はぁ…はぁ…はぁ…」 遥は立ち止まる。 職員室と書かれた部屋は暗幕で覆われていた。 ここには何かある。 あからさまにそう感じさせるだけの雰囲気を醸し出していた。 遥の身体はボロボロだ。 とことどころから出血し、2発の銃弾を食らった痕もある。 マシンガンは今装填してあるマガジンに残っている分しか弾は残っていない。 拳銃もあと3発。 遥は呼吸を整える。 そしてゆっくりと近づくと扉に手をかけた。 ―バンッ― 扉を開いた瞬間に銃声が聞こえた。 それと同時に一人の女性が倒れる。 そしてその女性を撃った女―中澤―が遥に気付き、声をかける。 「よう来たなぁ」 満面の笑みでまるで迎え入れるかのように手を広げる。 遥はマシンガンを構えるとゆっくりと歩を進める。 中澤は続ける。 「ずっと見てたでぇ、たった二人での快進撃。うちは感動したわぁ」 中澤は歩きながら話す。まるで舞台女優のように。 遥は中澤と歩調を合わせながら距離を保つ。 216 :名無し募集中。。。:2012/01/31(火) 23 24 29.01 0 「お前らは強い。その根性気に入ったわぁ。…どや?うちらと一緒にドリ娘やらへんか?」 遥は答えない。 「…そか。じゃあもうええわぁ、死にさらせ」 そう言うと中澤はデスクのボタンを押す。 ―ドンッ― 遥は突き飛ばされる。 慌てて体勢を立て直した遥の目に飛び込んできたのは、銃で撃たれて倒れていた女性が無数の刃に串刺しにされている姿だった。 「…逃…げ…」 女性がすべての言葉を紡ぐことはなかった。 「保田…さ…」 遥は言葉を失い、立ち尽くす。 ―バンッ― 熱い… ゆっくりと自分の身体を見る。 今度は遥のお腹に穴が開いていた。 「ハッ…ハハ…アッハッハッハッハッハッ」 銃を手に中澤が高笑いする。 「なんやこれ、おもろいなぁ!せっかく圭ちゃんが身を呈して助けたっちゅうのに、このザマか?」 遥は膝をつく。 「どいつもこいつも甘っちょろいねん。お前もそれだけの能力を持ちながらなんで生き残ろうとせんかった?」 中澤は背を向けて一番大きなモニターまで歩く。 「世の中自分が一番や。一番にならなあかん。誰かのために自分を犠牲にしてなんになる?自分らを見てみぃ、これが結果や!」 中澤がモニターを背に振り返る。 いくつものモニターが一斉に映像を映す。 校庭ではリンリンとジュンジュンが、診療所では香音と衣梨奈が、農協倉庫では愛佳が、そしてここ職員室では保田が倒れている姿。 そして一番大きなモニター。 そこに映し出されたのは体中を血に染めて立つ里保の姿だった。 「それでもなぁ、せめてお前らが最後の一人になるまで殺し合って、どっちかが生き残ればアイツらも浮ばれただろうに…全員無駄死にや!!!」 職員室中に中澤の声が響く。 しかし遥に声は届かない。 遥に届いたのはモニターに映る里保の姿だけだった。 217 :名無し募集中。。。:2012/02/01(水) 00 06 29.95 0 ―ガシッ― 遥がマシンガンを握り直す。 それを察知したのか中澤はデスクへ飛び込む。 ―ガガガガガガッ― 「くぅっ…」 遥は唇を噛み締めて立ち上がる。 「出て来いこのっ!」 ―ガガガガガガッ― 「なんなんや、なんなんやこのガキっ!いつまで無駄な足掻きを続けんねん!」 ―――視聴覚室――― 「…何その目、かわいくないの」 ―パンッ― 里保の脇腹に被弾する。 「ごほっ!」 血が逆流し、吐血する。 それでも里保は鋭い目線で藤本を見据える。 「…なんなの?」 藤本はイラだちながらも得体の知れないその頑なな意地の張り方が少しだけ恐ろしくなる。 「なんなのよあんたたち…何でそんなに意地張るの?…そもそも何で戦ってるの?」 「わたしは…」 里保が一歩を踏み出す。 「わたしたちは―――」 218 :名無し募集中。。。:2012/02/01(水) 00 07 25.04 0 ―――職員室――― ―ガガガガッカチカチ…― マシンガンの弾が切れる。 「ははっ、弾切れやなぁ」 ―バンッバンッ― 中澤の放った銃弾は足を捉え、遥を地面に這いつくばらせる。 倒れこんだ勢いでもう一つの拳銃も遥の手を離れた。 「うぅ…」 それでも遥はあきらめない。 隠し持っていた最後の火炎瓶を投げつける。 ―ガシャンッ― しかし、火の点いていない火炎瓶は中澤を濡らしただけだった。 水をかけられた中澤は少しずつ平静を取り戻していく。 中澤に向けられる鋭い目線。 床を這いつくばった姿でも衰えることがない。 「…なんなんやお前ら…その意地はどこから来るんや?…なんのために戦ってるんや?」 「ハルは…」 遥が立ち上がる。 「ハルたちは…」 「「―――今を生きるために戦ってるんじゃない!未来をみんなで生きるために戦ってるんだ!!!―――」」 モニターから聞こえる里保の声と遥の声がリンクする。 219 :名無し募集中。。。:2012/02/01(水) 00 08 27.95 0 ―――視聴覚室――― 「…意味わかんない。もう死ねば?」 返ってきた答えが不満だったのか、一気に不機嫌な顔になると有無を言わさずに引鉄を引いた。 ―カチッ― …弾は出ない。 ―カチッ…カチッ…― 「ヤッバ!弾切れ!?」 そのチャンスを里保は見逃さない。 満身創痍の身体に鞭打ち、藤本へと走り出す… 「なぁんてね♪」 藤本は反対の手でもう一つの拳銃を取り出した。 「期待した?そんなわけないじゃん♪」 そう言って躊躇なく里保の心臓を撃ち抜いた… ―ボフーーーーーーーン― その瞬間、視聴覚室は濃いピンク色の煙に包まれる。 「ちょっ!?何これ!?ゴホッ…あっ、しまった!」 藤本は里保を見失う。 ―ドスッ…― 「えっ?」 藤本の胸には小刀が突き立てられていた。 藤本はまるで時間が止まったようにそのままの姿勢で絶命した。 220 :名無し募集中。。。:2012/02/01(水) 00 09 20.29 0 刀を抜く。 藤本の身体はドサリと崩れ落ちる。 里保の身体は返り血で赤く染まっていた。 胸ポケットを見る。 そこにはお守りとしてしまっておいた“深緑”“濃紫”そして破裂した“濃いピンク”の発煙弾があった。 (聖ちゃん…助けてくれたんだね。ありがとう) それはただの偶然だったのかもしれない。 それでも里保は聖に感謝した。 「ケホッ!ケホッ!…ゴホッ」 添えた手が自分の血で染まる。 「鞘師!鞘師!ねぇ!無事なの!?ねぇ!返事して!」 (あっ…高橋さん…) 壁に手を突きながら一歩ずつ進む。 そのたびに里保の足下には―ビシャッ―と水溜りができた。 「鞘師!鞘師!」 煙で里保を見失った高橋は叫び続ける。 (…高橋さんを…助けて…あげ…な…きゃ…) …ドサッ… 221 :名無し募集中。。。:2012/02/01(水) 00 10 39.66 0 ―――職員室――― 「うわぁぁぁぁ!」 遥が中澤へ突進する。 中澤は拳銃を構える。 「意味わからんわ!もういい加減逝きぃ!」 ―バンッ― 撃ち抜かれたのは中澤の拳銃。 「なっ!」 「もう…終わりにしよう…裕ちゃん」 撃ったのは串刺しのままの保田だった。 ―ドス― 遥は突っ込むとそのままの勢いで中澤を押しやる。 「なんやねん!なんのつもりや!」 遥は止まらない。 中澤が振り向く。 そこには壊れたモニターが火花をあげていた。 「しまった!」 気付いた時にはもう遅い。 火花が引火すると―ボンッ―という音とともに中澤を炎が包んだ。 「きゃあぁぁあぁぁぁぁぁぁっぁぁ」 炎は瞬く間に広がっていく。 職員室に備え付けられた電子機器が次々に爆発を起こす。 (…やっしーを助けに…行かなきゃ…) 遥は身体を引きずりながら職員室を出て行く。 その瞬間、連鎖した爆発は職員室を吹き飛ばした。 225 :名無し募集中。。。:2012/02/01(水) 02 28 37.18 0 ―――校庭――― ゴォォォォォォォ… かりんと絵梨香が学校に辿り着いた時にはすでに火の海だった。 「この中に二人が…(これはもう手遅れかもしれない)」 「絵梨香さん!あそこ!」 「えっ!?」 そこには燃え盛る校舎の近くに横たわる遥の姿があった。 二人は炎に怖気づくそぶりも見せずに遥へ駆け寄る。 きっと大きな爆発があったのだろう。 そのあたり一面だけぽっかりと空白ができている。 そしてそのおかげで遥のまわりだけ火の手が弱くなっていた。 「ひどい…」 それは遥の姿を見た絵梨香の第一声だった。 身体は血に染まり、切り傷や擦り傷だけではない。 おそらく銃で撃たれたであろう傷も見て取れた。 「遥ちゃん!」 かりんが抱き起こす。 「遥ちゃん!遥ちゃん!」 本当ならば揺り動かすべきではない。 でも、絵梨香は止めることができなかった。かりんの想い。そして、おそらくもう… 226 :名無し募集中。。。:2012/02/01(水) 02 29 26.40 0 「ぅん…」 絵梨香のそんな悪い予感をあっさりと覆し、遥が目を覚ます。 「工藤ちゃん!」 「遥ちゃん!」 「…かりんちゃん…?」 「はる…か…ちゃん…!」 「…わっ」 かりんが遥を抱きしめる。 「良かった…良かった…」 「…い、痛いよ」 「あっ、ごめん!」 かりんは焦って離れる。 ほっと胸をなでおろす絵梨香だったが、すぐに険しい表情に戻る。 ゆっくりしている時間はない。 火の勢いはもっと増すだろう。それに敵がいつどこから襲ってくるかもわからない。 おそらく里保もこの中にしる可能性は高いが、今は無事だった遥ちゃんを連れてここを離れることを優先するべきだ。 「二人とも、とりあえずここを離れるよ!急いで!」 「うん、掴まって遥ちゃん!」 かりんが遥に肩を貸す。 「…待って!まだ中にやっしーが!」 絵梨香の想像通りの言葉が返ってくる。 「わかってる。まずは二人を安全な場所に逃がしてから私が鞘師ちゃんを捜しに戻ってくる」 「でも!」 「二人を連れたままだと足手まといなの。…工藤ちゃんならわかるよね」 少しキツイ言い方だが、この娘にはこれが調度いいはず。 「…はい。よろしくお願いします」 「じゃあ行こう」 3人は学校の外へ向かって走った。 227 :名無し募集中。。。:2012/02/01(水) 02 30 48.55 0 ―――校門――― 「ちょっと待ちなさいよアンタたち」 3人の背中に声が響く。 「…この声は…」 そう、聞き違えるはずがない。私はこいつと決着をつけるためにここに来たんだ。 「こんだけのことしておいて、無事逃げられると思ってるの?」 (かりんちゃん) (…はい) (ここは私がなんとかするから、二人で逃げて) (そんな!そんなことできません!) (大丈夫、私も適当なとこで切り上げて逃げるから。後で合流しよう) (…本当に大丈夫なんですか?) (まっかせなさいって) ―パンッ― かりんと絵梨香の目の前を弾丸が通過する。 「なぁ~にこそこそ話してるのぉ?そんな余裕かましてると、あっけなく殺っちゃうわよ☆」 「さぁ、行って!」 「はい」 かりんは遥を連れて走る。 228 :名無し募集中。。。:2012/02/01(水) 02 32 24.00 0 絵梨香は石川と対峙した。 「あらぁ…行っちゃった」 「あんたの相手は私だよ!」 「あれ?…誰かと思ったら絵梨香じゃない。…何してんの?こんなとこで」 「黙りな!あんたと決着をつけにわざわざ来てやったんだよ!」 「あらそうなの?ご苦労様…あら?」 石川がわざとらしく後ろを向く。 「?」 絵梨香が怪訝な表情で石川の視線を追うと、吉澤が歩いてきていた。 「学校燃えちまったなぁ。どうすんだ?」 「知らないわよ。中澤さんもやられちゃったみたいだし、もう好きにしていいんじゃない」 「んだよ、やられちゃったのかよ。せっかく楽しんでたのによぉ…って、絵梨香?何やってんの?」 「あたしと決着をつけにきたんだってさ」 「へぇ、面白そうだな。じゃあ梨華ちゃんの次はあたしな♪」 「ちょっとよっすぃー、あたしが負けるとか思ってるわけ?」 二人のやり取りを見せつけられながら思う。 (…ごめん、かりんちゃん。私、約束守れないかも…) 二人の狂気は絵梨香に死を覚悟させた。、 229 :名無し募集中。。。:2012/02/01(水) 02 34 38.62 0 ―――視聴覚室――― 燃え盛る炎の中。 里保と高橋は手を取り合っていた。 「…たか…は…しさん…たすけられ…なく…て…ごめ…んなさい」 「いいから。もういいからしゃべらないで。鞘師はがんばったよ」 「…はい…ほめて…くだ…さい」 「うん。いくらでも褒めてあげる」 高橋は里保の頭を撫でる。 (香音ちゃん、えりぽん、聖ちゃん。わたしどうだったかな?みんなの期待に応えられたかな? またみんなに会えるんだよね?そしたらわたし、たくさんみんなに教えたいことがあるの だって絶対ビックリするよ。リンリンさんとジュンジュンさんが助けてくれたこと。 そしてなんと!学校には高橋さんがいたんだよ!驚くでしょ! だから今度はみんなで来よう!そして高橋さんを助けるんだ!) 「…たかはし…さん…また…会いま…しょう…ね」 「えっ?」 ―ポトリ― 里保の手から力がなくなる。 高橋はその手を愛おしそうに頬へ当てる。 崩れゆく瓦礫の中で… 【残り1人】 230 :名無し募集中。。。:2012/02/01(水) 02 37 26.22 0 ―――林道――― 「「はぁ…はぁ…はぁ…」」 かりんと遥は走る。 走ると言っても歩くより少し早い程度の速度しか出せていない。 「…ねぇ、かりんちゃん。…どうしてここにいるの?」 「はぁ…はぁ…みんなを助けたかったから」 「…そうなんだ。…どうやってここに来たの?」 「はぁ…はぁ…ボートだよ。南の海岸に停めてあるの」 「…そう…なんだ。…いつ…来たの?」 「はぁ…はぁ…遥ちゃん?」 遥の様子がおかしいことに気付き、かりんは足を止める。 「遥ちゃん大丈夫?」 顔を覗き込むと、青ざめるを通り越して白みがかっていた。 ―ピチャリ…― 遥の足下を見る。 血が滴り落ちていた。 逃げるのに夢中で気付かなかった。 通ってきた道を見る。 そこには点々と血痕が残っていた。 231 :名無し募集中。。。:2012/02/01(水) 02 44 41.23 0 「…かりんちゃん…ねぇ…いつ…来たの?」 「そんなことより血が!?」 「…ううん、いいんだ。そんなことより、質問に答えて…」 「遥ちゃん!?」 「…少しでも…たくさん…知っておかなくちゃいけないんだ…みんなで助かるためにも…」 遥の目はもうかりんを見ていなかった。 「…ハルは…知らなきゃいけないんだ…そして伝えるんだ…みんなに…」 「遥ちゃん!しっかり!」 「…お願いだよ…かりんちゃん…教えて」 「うん!わかった!わかったから!」 「…ありがとう…」 遥はニコっと笑った。 「かりんたちが来たのは…」 ―ブラン…― 急に遥の体が重くなる。 かりんはその重みに耐えきれず座り込む。 「遥ちゃん?…遥ちゃん?」 遥はもう問いかけには応えない。 「遥ちゃん…ねぇ、まだかりんがいつ来たのか聞いてないでしょ!起きてよ遥ちゃん!ヤダよ!こんなのヤダよ!!!」 【残り0人】 【Another End】
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75. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 02 07 08.63 ID qWjAk7mm0 さて、 アンプルはどこにあるのだろう。 いちご「どこ行くの」 1.教室 2.保健室 3.図書室 4.部室 5.会議室 6.職員室 7.渡り廊下 8.講堂 9.トイレ 80 80. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 02 09 50.06 ID vOQI2aSw0 6 81. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 02 14 32.13 ID qWjAk7mm0 【職員室】 職員室へと辿り着いた。 扉が開かない。鍵がかかっているのだろうか。 中に入れば、電話などが使えるかもしれないのに…… この扉を開けるには…… いちご「もっと強力な武器が必要」 私は別の場所を探すことにした。 いちご「どこ行くの」 1.教室 2.保健室 3.図書室 4.部室 5.会議室 6.職員室 7.渡り廊下 8.講堂 9.トイレ 85 85. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 02 25 20.73 ID p6Y66Uh3O 2 87. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 02 28 10.29 ID qWjAk7mm0 【保健室】 保健室に辿り着いた。 木を隠すなら森の中。 ここなら、アンプルもありそうな気がする。 ベッドのカーテンが閉まっている。 誰か寝ているのだろうか。まさか……こんな時間に。 いちご「どこ?」 1.薬品棚を調べる 2.机の周りを調べる 3.ベッドを調べる 90 もうテンポ良くすませます 90. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 02 32 53.02 ID hIOqdJFhO 3 91. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 02 38 22.84 ID qWjAk7mm0 私はベッドに忍び足で近寄った。 気配。人の気配だ。 何かが、ベッドの上で寝息を立てている。 私はカーテンを音を立てずにくぐり、ベッドの足下に潜んだ。 ――ベッドの下に潜んでいるのでは、という考えもあったが、杞憂だったようだ。 私は立ち上がると同時に跳ね上がり、 ベッドの上の人物の腹めがけ、勢いよく膝を立てた。 いちご「えい」 唯「うぎゃあ!!」 92. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 02 45 05.63 ID qWjAk7mm0 ベッドに潜んでいるのは唯だった。 この生きるか死ぬかの瀬戸際に、なんとのんきなことだろう。 私は枕を唯に馬乗りになり、枕を顔に押し当てた。 唯「っっ……………!!! ……!!」 聞こえない。 私は右手で拳をつくり、唯の胸めがけ振り下ろす。 唯「―――!!」 布団を殴るのと変わらない、味気ない音がする。 しかし感触は違う。対して硬くない胸板を、私の拳が叩き破るのだ。 唯「げ、あ゙あ゙っ! やめ……て…!」 唯が枕を押しのけた。 94. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 02 50 26.32 ID qWjAk7mm0 唯「いだいよう……やめて……」 私が拳を振り上げると、唯はおとなしくなった。 情報が聞けるかもしれない。 いちご「なんで」 いちご「私を殺すの」 私は高ぶった精神を押さえ、質問した。 唯「う、憂のためだから……」 いちご「うい?」 唯は突然、怒りに燃えた表情を見せた。 95. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 02 59 14.93 ID qWjAk7mm0 唯「そうだよ! うい、うい、うい!」 唯「いちごちゃんのせいなんだよ! 全部いちごちゃんが悪いの!」 唯は私の下で激しく暴れ始めた。 私はなんとか両手をつかまえると、ベッドの脇に押しつけた。 唯「あの日、憂は私に限定アイスを買ってきてくれるはずだったんだ!」 唯「でも憂、買えなかった! そのせいで私と大げんかしちゃったんだよ!」 「憂、それからずっと悲しそうなんだ! アイスが買えなかったから!」 唯「でもいちごちゃんのカバンについてたあれ、何!?」 「あれ、アイスの箱買ったら付いてくるヤツだよね、知ってるよ!」 唯「いちごちゃんが買っちゃったから、憂は買えずに悲しい思いしたんだ!」 「いいや、いちごちゃんが憂の分とっちゃったに違いないよ!」 唯「ういういういういうい! この人だよ! ほら! 殺さないと!」 「こいつ、またお姉ちゃんへのアイス取っちゃうよー! ういー!」 こいつ、頭がおかしい。 96. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 03 06 45.06 ID qWjAk7mm0 私は、たしかにそのアイスを買ったかもしれない。 キーホルダー。いちごアイスのマスコット。ハガキ付き、抽選、応募、当選。 ずいぶん昔のことだし、 たかがアイス。時期が来ればまた売り出す。 それを殺しの理由にするこいつ。 私は無性に腹が立ち、思わず両手を放した。 そして、その額に一直線に拳を突き下ろした。 唯「!!!!!!!」 ベッドが軋み、唯は動かなくなった。 どうやら意識を失ったようだ。 99. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 03 16 08.80 ID qWjAk7mm0 私はベッドのシーツを引きはがすと、それで唯を簀巻きにして 棚の中へと放り込んだ。 その際、唯の制服から果物ナイフが転がり出た。 いちご「こころづよい武器」 私は果物ナイフを手に入れた。 保健室には、結局アンプルは無かったみたいだ。 私は別の場所を探すことにした。 いちご「どこ行くの」 1.教室 3.図書室 4.部室 5.会議室 6.職員室 7.渡り廊下 8.講堂 9.トイレ 105 105. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 03 19 57.05 ID Qg/2alAa0 10 107. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 03 24 47.33 ID qWjAk7mm0 【図書室】 図書室へと辿り着いた。 一年の頃はよく来たが、 最近はクラスの居心地が来ていない。懐かしい香りがする。 ここにアンプルを隠されてはやっかいだ。 1.カウンター辺りを調べる 2.手前の薄い本の棚を調べる。 3.奥の分厚い本の棚を調べる 110 110. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 03 28 26.58 ID LfdlWYt60 Ksk 111. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 03 32 35.19 ID eqYei8Fo0 2 112. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 03 35 40.15 ID qWjAk7mm0 私は、薄い本の棚を調べてみることにした。 ここにはファッションや音楽関係の雑誌が置いてある。 しかし、すこし古くさく、読みづらいのであまり読まれてはいない。 しかもここは女子校なのだ。雑誌くらい、みんな持参している。 少し、ほこり臭い。 もしかしてこのあたりは一般生徒も手を付けていないのだろうか。 私は少し不安になった。 けいおん部のメンバーで、図書室に来るような人がいるだろうか。 せいぜい秋山さんくらいだろう。 ここにアンプルがあるとは思えない。場所を間違えたかも―― 「うおおおおお――――!!!」 突然、図書館の扉が開かれ 人影が叫び声を上げながら飛び込んできた。 律「りっちゃんだぞおおおおおお――!!」 律だ。律が向かってくる! 115. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 03 42 58.88 ID qWjAk7mm0 律はカウンターを飛び越えると、ポケットからドラムスティックを取り出した。 いや、違う。あれはアイスピックだ。 律「まてーいちご! こいつでぶつぶつにしてやるー!」 私はとっさに机を転がし、奥の棚の方へと逃げ込んだ。 律「逃げても無駄だぞ! 観念してお縄につけぇーい!」 アイスピックを無造作に振り回しながらゆっくりと障害物を乗り越えた律は まっすぐこっちへ向かってくる。 いちご「こわい……」 1.本棚の陰に隠れる。 2.身の回りの物で応戦する 3.手持ちの武器で応戦する 120 120. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 03 49 22.35 ID eqYei8Fo0 1 121. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 03 55 09.50 ID qWjAk7mm0 律「にがさねえぞいちごぉ……」 律は素早く本棚に近づき、私の逃げ道をふさぐいだ。 律「ロール!」 律の両手の突きが私を襲う。背中に鋭い痛みを感じた。 振り返り、応戦しようとしたが、律は既に次の行動を起こしていた。 律「ダブルキック!!」 いちご「うあっ」 私は勢いよく本棚の壁にぶつかり、棚が揺れる。 123. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 04 02 06.16 ID qWjAk7mm0 私はなんとか脚立に掴まり、立ち上がった。 律「これでおしまいだぜいちご……腹と足、どっちからがいい?」 ニヤリと笑う律を見て、私の憔悴はピークに達した。 とっさに脚立を持ち上げ、律に向かって投げつける。 ガラスが叩き割れ、悲鳴が聞こえた。 律「いてえっ……! てめえ! 何すんだ!」 私は律に駆け寄ると、 いちご「わたしの武器」 『果物ナイフ』を深々と肩に突き刺した。 律「うあっ……てめええええええっ」 125. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 04 07 56.81 ID qWjAk7mm0 律はまだ立ち上がろうとしている。 私には武器がない。危険だ。 私はとっさに、律の側の本棚に向かい、勢いよく体当たりをくらわせた。 律「あ……やめっ」 棚はゆっくりと傾き、律に日本選抜民話の雨を降らせた。 凄まじい音が響き渡る。 これでは、他の連中に居場所がばれてしまうかもしれない。 素早く調査をすませ、脱出しよう。 4