約 108,563 件
https://w.atwiki.jp/sentai-kaijin/pages/2655.html
「さあ、今からゆっくりスクラップにしてやる。少しでも抵抗すれば、メガシルバーの命はない」 【名前】 コンドルネジラー 【読み方】 こんどるねじらー 【声】 青山穣 【登場作品】 電磁戦隊メガレンジャー 【登場話】 第36話「はばたけ!宇宙(そら)に舞う希望の翼」 【所属】 邪電王国ネジレジア 【分類】 サイコネジラー 【生物モチーフ】 コンドル 【詳細】 コンドルの遺伝子を元に更なる科学力で生み出されたサイコネジラー。 I.N.E.T.の来島副長官に襲い掛かり、彼にケイタイザーを取り上げられた為に変身不能となった裕作を一蹴する。 来島を攫おうとするもメガレンジャーに阻止され、代わりに裕作を捕らえて飛び去り、彼を人質にメガボイジャーの破壊を目論む。 メガボイジャーの動きを鎖で封じた後、巨大化ウイルスを注入されて巨大化する。 迂闊に抵抗できないメガボイジャーを一方的に攻撃するが、鎖を引き千切ったメガボイジャーに羽交い絞めにされ、レッドから「自爆スイッチを押した。ちょっとでも動けば爆発する」と脅迫される。 その隙にピンク以外の4人は裕作の救出に向かうが、ユガンデとシボレナが兵士クネクネと共にその前に立ち塞がる。 4人はユガンデやクネクネと交戦し、その間にシボレナが裕作を始末しようとするが、デジタンクで駆け付けた久保田博士に裕作を救出され、博士からケイタイザーを受け取った裕作のシルバーへの変身によって形勢が逆転し、ブレイザーインパクトに怯んだユガンデはシボレナと共に撤退する。 その後、自爆装置を積んでいない事を知り、その怒りからメガボイジャーを飛行能力で苦戦させる。 そこへシルバーの操縦するメガウインガーが駆け付け、ウインガーキャノンの砲撃に怯み、メガボイジャーがメガウインガーのメガウイングを背中に装備したウイングメガボイジャーと空中戦を繰り広げるが、最期はウインガースパルタンを受け爆散した。 【余談】 声を演じる青山氏はスーパー戦隊シリーズでの出演は今作が初となる。
https://w.atwiki.jp/maid_kikaku/pages/2023.html
(投稿者:怨是) 「――どうしても、駄目だと仰るのですか」 1945年10月2日。親衛隊本部営舎のヴォーディン宮側に位置する一室の前にて、小鳥のさえずる早朝にはおよそ相応しくない喧噪が繰り広げられていた。 発端は、アースラウグがこの部屋の奥に眠る日記を閲覧したいと見張りのMAID二人組に申し出て、承伏しかねる理由で却下された事からだ。連日の出来事で苛立っていたアースラウグはすぐさま怒りを露わにし、扉の近くの壁を強く蹴り飛ばす。 「駄目だと、仰るのですか」 「なりません……ならんのです! どうしても……っ! イザベラ助けて」 「あぁ、パウラ。もう一度、理由を教えて差し上げような」 「そう、ですね。えー、な、何度も申し上げた通り、です。この部屋は然るべき時が来るまで、誰であろうと通してはならないと、陛下が仰ったのです!」 パウラと呼ばれた見張りのMAIDの一人が、必死の形相で扉を守っている。恐怖で引き攣った口元から出て来る言葉は、アースラウグの怒りに更なる火種を放り込んだ。パウラの胸倉を掴み、アースラウグは詰め寄る。 「然るべき時って、今ですよね」 「いいえ、今ではなく、陛下がお決めになられた時でして……」 「私は母様の娘です。親の日記を覗き見する事の何が悪い。通しなさい。通せ。早くしろ!」 扉に見張りを何度も叩き付ける。もう片方のMAID――イザベラは苦笑いを浮かべたまま、その場を動かなかった。目の前でこれだけ暴れているのに大した度胸だと褒めるべきか、その日和見主義を咎めるべきか。この場で唯一その判断を下せるアースラウグは、敢えて彼女を野放しにして置いた。それよりもパウラだ。何をそこまで頑なに守ろうとするのか。全くもって気に食わない。 「だッ、だ、駄目ですッ!」 「遮られたなら、罷り通るまで」 パウラの腕を後ろに組み伏せ、鍵を奪おうとする。すると、パウラは手首だけを動かしてイザベラへと鍵を投げた。それまで傍観を決め込んでいたイザベラが、踵を返して走った。 「いぃぃイザベラ! ちょっと鍵持ってあっちまで走って!」 「了解だ! さぁ軍神様、此方へ!」 アースラウグは、噛み締めた奥歯から鈍い摩擦音を聞き取った。強く噛みすぎて歯軋りにまで至ったのだろう。眼前でパウラが得意気にほくそ笑んでいる。 「アースラウグ様。こんな処で力比べをしても、開きませんよ?」 「解りました」 “力”か、なるほど。そちらがそのつもりなら、アースラウグにも考えが無い訳ではなかった。 「では、破壊します」 次の選択肢は強行突破だ。元より御せぬのならば、根本から破壊し尽くし、押し通ってしまえば良い。木と真鍮で出来た扉など、力押しでどうにでもなるだろう。槍(ヴィーザル)を構え、ドアノブに狙いを定める。すると、小憎らしいパウラのしたり顔は一瞬にして凍り付いた。 「ちょ、ちょ――待っ、それは予想だにしなかった!」 「駄目ですか」 「いや駄目ですよ! 当たり前でしょう! 今まで秘密にしていた事が、秘密の“ひ”の字も無くなってしまいますよ!」 「結構な事ではありませんか。私、ひた隠しにされるのが大嫌いなんです。今日の新聞は読みましたよね?」 「えぇ、まぁ……」 「私の今までの戦績は、実はアドレーゼさんの助力に依る物だったって記事は?」 今日の帝都栄光新聞は何もかもがおかしい。朝刊が配られたのが今までより一時間も遅くなったせいで、一面に目を通すだけで朝食の時間になってしまった。その軽く目を通した一面も、アースラウグが死地を生き延びたのはアドレーゼの鋼線に依る拘束のお陰などと、挙げ句はアドレーゼの戦績をアースラウグに上乗せしたなどと書かれていた。後者はともかくとして、前者は身に覚えがあるだけに、やるせない気持ちになった。ましてや件のアドレーゼを教育していた担当官、ニルフレートは国防陸軍軍曹婦人との不倫による国民保護法違反と、連続放火事件の自作自演を指揮したという事で情報攪乱と財産破壊の罪に問われ、今や只の無期限労働者だ。それもまた、新聞に載っていた。アドレーゼはその件ですっかり心を病んでしまったという。まだ、直接は会っていないが、さぞや気が滅入っている事だろう。 そんな苦悩もいざ知らず、パウラは手足をばたつかせながら言葉を捻り出そうとしている。 「えっと、アレです! 社長が替わった所為で方針が丸ごと変わっちゃって、てんやわんやしているという話なら!」 「社長とか、そんな事はどうでもいいんですよ。ああやって臭い物に蓋をして、今日(こんにち)まで引き摺ってきた結果、私は意図せず色んな人を騙してきてしまった。私自身も騙されて、自分の力で勝利を掴んだと勝手に思い込んで、喜び、踊っていた……今の私は何ですか? プロパガンダの為に生み出された人形ではないですか」 「だ、だから矢継ぎ早に云われましてもっ! あの件は俄(にわか)には信じられませんよ。突然すぎる。絶対に裏がある筈です、何かの間違いなんですってば!」 こめかみの奥で、どくどくとぬめりのある何かが脈打った。それが即ち、頭に血が上っているという事くらいは、自分が一番よく理解しているつもりだ。そしてその理由も明白だった。 「間違いも何も、私がこの目で見た事実ですよ。私の言葉よりも、官僚の方々の言葉を信じるんですか!! それこそとんだ笑い話だ! 私は何も語るべきではないという事になるのですから!!」 それはパウラが、アースラウグが目の当たりにして絶望した真実について、否定的だったからだ。アースラウグとて、本当は否定したかった。もしパウラの言葉をもっと前に聞く事が出来たなら、この悲しみを癒やして貰う事も出来たかもしれなかった。しかし、もう手遅れなのだ。渦巻いた憎悪を、この現実に対する遣り場の無い怒りを鎮めるには。薄っぺらい同情や憐憫など、火に油を注ぐだけでしかない。 「そうは云ってないでしょう、もう、どうしてそんな極端な……」 まどろっこしさに業を煮やしたアースラウグは、扉の腹に槍を突き刺す。それでも未練がましくドアノブを掴んで離さないパウラの両腕を、アースラウグは握り潰す勢いで再び引っ掴んだ。パウラは自分より数年は年上の筈だが、何と非力な事か。目尻に涙を浮かべてすらいる。 「いいから、退いて。……退け!」 「退、ぎ、ま、ぜ、ん……絶対に、退ぎぃ!」 「くどい!」 今度は捻ってみる。さぁ、指の力を緩めろ。ドアノブから手を離し、その場に倒れ込めば楽になれる。何故それをしないのか。 「あ、あばば、やばい腕折れる誰か助けて……!」 彼女の発言は弱音でも誇張でもなく、アースラウグは実際に腕を折るつもりだった。が、それは思わぬ第三者に止められた。羽交い締めにされた為に暫くじたばたと足を動かしていたが、それが無駄だと悟ったアースラウグは暴れるのをやめた。やっと両腕が自由になると、即座に第三者へと向き直った。親衛隊の制服に身を包んだ、金髪碧眼の長身の男……MAIDを押さえ込めるだけの力を有するという事は、彼はMALEだろうか。 「何です? 貴方は」 「バルドルと申します。この場でお目に掛かりましたのは、今回が初めてでしたかね」 聞き覚えがある名前と声は、そうだ。先々月の終わり頃の作戦で、耳にしたものだ。 「……あー。シャルティさんと通信しながら喧嘩してた方ですね」 「喧嘩……ふむ、平易に云い直せば然様な言葉にもなりましょう。思い出して頂けましたか」 「えっと、何とか。面識が無かったので……すみません」 「構いませんよ。それで、貴女はこの部屋に用がお有りと見受けました」 話が解る人は、嫌いではない。早速、事情を説明せねばなるまい。今までであれば、返答が是であるか非であるかを思い悩み、躊躇っていたかもしれない。だが、眼前のMALEはきっと頷いてくれる。そんな確信があった。 「通してくれないんです。私の、母様の部屋ですよ?」 「それは不憫だ。さぁ、パウラ。開けましょうか」 それ見た事か! あっさりと承諾してくれた。慈悲深く、紳士的なこの彼に比べ、パウラという奴は何と矮小なのだろう。辺りをせわしなく見回し、口をぱくつかせて。お伽話の小人でも此処まで滑稽な真似はしてくれそうにない。哀れなパウラ! 「へ? 何を仰るかと思ったら、お生憎様。鍵はイザベラが持ってますよ。私がイザベラに投げて寄越したの、どうせ見てましたよね?」 「本物の鍵は貴女がお持ちでしょう。管理表の名前を見れば一目瞭然です」 「いやいや……ご冗談でしょ、バルドル先生……」 「私の主張が嘘だと思うのなら、今私がさり気なく貴女から拝借しているこの鍵を、実際に使ってみましょうか」 バルドルはいつの間にか、右手に鍵の束を持っていた。彼は幾つもある鍵から、この扉に合う大きさのものを丁寧に選別する。 「ちょっと! 何処から取ったんですか! このスケベ! 軍法会議に掛けて貰いますよ!」 顔を赤らめて喚き散らすパウラを余所に、バルドルは慣れた手付きで鍵を鍵穴に差し込み、指先の動きだけで解錠して見せた。それから鍵を引き抜き、パウラの眼前へと差し出す。 「開きましたので、鍵をお返ししましょう」 飲み物のボトルを戦友に返すかの様に、バルドルはパウラに鍵を投げ返した。パウラは危うくそれを取り落としそうになりながらも何とか引っ掴み、口先を尖らせてぶつくさと愚痴を零しつつ、右脚のポーチに仕舞い込む。 「アースラウグ、どうぞお入りなさい。これで満足でしょう?」 「何考えてるんですか! 国家的機密の範疇ですよこの部屋! いくらアースラウグ様とはいえど、こんな易々と入れてしまって……!」 「本当に国家機密なら、貴女の様な間抜けに鍵を預けたりはしませんよ。陛下は恐らく、わざと抜け道を用意なさった。……否、杜撰さの散見される昨今に於いては定かではありませんが……まぁ、良いでしょう。錆び付いた言霊に踊らされるのは、これで仕舞いにすべきという事です」 「いや意味解らないし」 「然様で。では私は“喧嘩の仲裁”も終わったので、帰ります。皆様、仲良くしましょうね」 バルドルは踵を返し、視界の外へと消えた。事の成り行きを見守る時間が些か長すぎた為にすっかり硬直してしまった首を、バルドルの方へと向けたが、彼はもう気配を残しては居なかった。 「はい、そうですね、そうですとも! もう知らない!」 パウラは両肩を怒らせて、バルドルとは正反対の――先程イザベラが走っていった方角へと足早に向かう。その途中で、一度だけ此方に振り向いた。目尻には涙が浮かんでおり、ひどく恨めしげな表情だった。だが、構うものか。パウラがそのまま何処かへ行ってしまったのを一瞥すると、アースラウグは開けっ放しの扉を通って部屋へ入る。 「……ふぅん」 ブリュンヒルデの個室は片付いていたと云うよりも、がらんとしていた。窓からは陽の光こそ差しているものの、只の陽光ごときでは物寂しい雰囲気は払拭されない。私物は殆ど無く、全く手入れがされていないベッドと、埃の被った机と、その上に日記帳があるだけだ。アースラウグは埃を取り払い、日記を手に取った。 「これが、母様の日記……やっと見られるんだ」 これが、最後の希望だ。彼女の戦績が、人格が、評価が、そして人望が本物でさえあればいい。姉のジークフリートも、先輩のシャルティも、他にも何名ものMAIDが母ブリュンヒルデの教えを受けたのだ。今や敵となった、あのテオドリクスでさえも。強き力を持ち、誰からも慕われる人格者でなければ、何もかもが嘘になるではないか。人望や評価が無ければ、成し得ない事ではないか。 「……」 アースラウグはただ、ただ、食い入る様に読んだ。そこに救いがあるかもしれないと信じて。願わくば、母の、膝の上に抱かれてこの日記を読みたかった。頭を撫でて貰いながら、ブリュンヒルデがまだ現役だった頃の思い出話を聞きながら。だがそれは、永遠に叶わない。愛すべき母は死んだのだ。アースラウグが生まれるずっと以前に。埃の積もった机の上が、憂鬱さに拍車を掛けた。 1938/1/16 陛下より授かった日記帳に記録する。漸くだ。 1ヶ月弱。まともに書けるまでにこれだけの日数を要した。同期達はもっと早くに読み書きを覚えたというのに。 何をやっても中途半端な私を、誰が評価などしてくれようものか。 ……実のところ、まずは何から書くべきなのか決めかねている。 誰かが日記を読む時に備えて、自分について簡単に書き連ねてみるべきだろうか。 少し間が空いた。 休憩を挟むと頭もすっきりするらしい。 そう云えば、私は息切れしやすいと、ヤヌスが云っていたな。 全くもってその通りで、生まれたばかりの頃は碌に訓練もままならないくらい、私は体力が無かった。 ――1938年1月16日。この日、グレートウォール戦線には雪が降っていた。 ブリュンヒルデは冷えた鎧が皮膚を刺す様な感覚に辟易しつつも、付近にまだ敵が残っていないかどうかを確かめねばならなかった。我が身は未だ戦場に在り。勝利の余韻に浸るには足りぬ。 「……」 周辺に転がっているワモン級を次々と槍(ヴォータン)でつつく。傍目には間抜けな光景に見えるが、まだ生きていたら厄介な事態になると考えれば、必然的にそうせざるを得ないものだ。連中に死んだふりなどという高等技術が在ろう筈も無く、つついて脚が動かなければ、とどのつまり仕留めた事と同義として良い。かれこれ十数分ほどこの作業を続け、最後の一匹が例に漏れず死骸であった事を確認すると、ブリュンヒルデは漸く肩の力を抜いた。 「これで、漸く終わったのね」 「ご苦労さん。俺の担当分も終わったぜ」 「――ヤヌス」 「ったく。毎日毎日、冷えちまって仕方が無ぇ。さっさと帰ってホットジンでもカッ喰らいたいもんだ」 このMAID部隊の隊長であるヤヌスは、緑色の虹彩をきょろきょろと泳がせて辺りを眺めつつ、両腕をさすった。誰かの視線を気に掛けているのか。 「酒は程々にしておかないと、任務に差し支えますよ」 「お気遣いどうも。だが俺はザルだ」 「……然様ですか。他の方々は? 姿が見えませんが」 残存する敵勢力を警戒していた他のMAID達が、視界から残さず消えていた。雪は小降りで、吹雪いてはいない。なので、見失う筈が無いのだ。ヤヌスは悪戯っぽく笑う。 「あぁ、先に休ませてるぜ。こんなご時世だ。余計な仕事を増やす訳には行かねぇだろ。休める時に休ませてやらなきゃ、身が持たねぇ。まぁ、視察といちゃもんしか能の無いお偉方には、しっかりと言い訳しといたからよ。お前も休め。な?」 肩に手を置かれる。これが言外の強制力を伴っている事は、ブリュンヒルデにはよく解っていた。ヤヌスがこれをしてきた時は、決まって周囲への根回しも済ませ、まだ伝えてない者らに“さぁ、後はお前達だけだ”と云う時だった。これを拒めば彼はひどく機嫌を損ね、暫く立ち直ってくれない。面倒な上司だと感じつつも、一方ではその欠点から感じさせる人間臭さに一種の興味も抱いている。実のところ、ブリュンヒルデは仲間から「何処か冷たい」と云われる事が多い。理由は大凡把握している。MAIDの消耗率の高さ故に、あまり近い距離感を持っても、いざ失った時の喪失感が大きい為だ。愛故に苦しむというのなら、任務に差し障る感情は可能な限り排除すべきだ。なのに、彼は部下達に慕われている。 ――感情を廃すべきだと考えるのは、私だけなのだろうか。 「……その、ではお言葉に甘えさせて頂きます」 「今日は、やけに素直だな。いつもならすぐには引き下がらねぇってのに。アレか? 心境の変化って奴か?」 「関係性の維持を考慮した上で、この場は素直に好意を受け取るべきだと判断したまでです」 「お、おう……」 少し云い方に問題があっただろうか。ヤヌスは面食らった表情で、後頭部を掻き毟る。人は――少なくともエントリヒ及びグリーデルの人間は――何か困った事が有った場合の反応として、そういう仕草を行なう。つまり、ヤヌスは此方の返答について納得出来ない部分があると見なすべきだ。 「ヤヌス。何か問題でも? それとも、やはり“隊長”とお呼びすべきですか」 「いや、俺はみんなを兄弟みたいなもんだと思ってるから、俺の事ぁヤヌスって呼んでくれて問題は無い。寧ろ、ヤヌスって呼んでくれなきゃ寂しい。泣く。そうじゃなくてだな、その……」 「どうぞ、はっきりお申し付け下さい。家族ならば悩みを打ち明けるべきだと心得ております」 「そう、それだ!」 いかにも“我が意を得たり”と表情を綻ばせるヤヌスだったが、すぐにまた黙り込み、口を“へ”の字に曲げて考え込んでしまった。どうも、家族間であろうと超えては成らない一線があるという事らしい。云うべきか、云わざるべきか。古代悲劇の主人公が如く眉間に皺を寄せて唸り続けるヤヌスを見て、ブリュンヒルデは彼の肩に手を置くことにした。 「――!」 「ヤヌス。貴方の真似をしてみました。私のこの行動に如何なる意味を有するか、貴方自身が誰よりもよくご存じの筈です」 「やれやれ。SF小説に出て来るロボットみてぇな奴だと思ってたのに、何時の間にそんな芸当――」 云い掛けて、ヤヌスは「しまった」と小さく呟いた。反応を鑑みるに、これがヤヌスの云いたくても云えなかった事だろうと、予想が付いた。とはいえ、当人たるブリュンヒルデにとっては、それほど傷付く言葉ではなかった。人間に従属し、戦闘という作業に従事する存在という定義に於いて、MAIDとロボットは数多くの共通項が見出せる。皇帝陛下はそれを否定しておられたが、そも心というものは人間にのみ重宝されるべきだ。 「構いません。ロボットであろうと、家族であろうと」 「すまねぇな、ブリュンヒルデ。そうは行かねぇんだ。そうであってほしくない(・・・・・・・・・・・)のさ。コーヒーが冷めちまうが、溜まり場で話す訳にも行かねぇな。付き合えよ。俺には、お前を説得する義務がある。俺が決めた。今、決めた」 「発言の意図が理解出来ません。貴方の認識がどうあれ、私達は消耗品。安易な馴れ合いは、刃を鈍らせる錆となります」 「俺はそうは思わん。さる科学者が研究したデータに依るとだな」 ヤヌスは悲しげに眼を伏せる。その理由だけは解らなかった。研究の結果を話の引き合いに出すだけで、此処まで悲しげに俯く必要など、何処にあるのか。 「そのデータに依ると、仲間同士の思い出があるMAIDってのは、そうでない奴に比べると生存率が高いらしい。生存本能が働いて、長生きする様に動くんだとさ。幾ら消耗品ったって、長く使えた方がお偉方にとっても好都合だろ。俺達に掛けた金だって馬鹿にならねぇんだからよ。まぁ……あんまり、こういう説得の仕方は気が進まねぇけどな」 「そんなものの有無が、戦局を左右するとは思えませんが……」 「するのさ。するとも。俺はな、ブリュンヒルデ。他の仲間は勿論、お前にも死んで欲しくないんだ。戦って、生き残って、馬鹿やって、泣いたり、笑ったり、そうしているのが幸せなんだ。それとも、俺が“そうしろ”って命令した方がいいのか?」 苦笑いするヤヌスの表情とは裏腹に、その双眸は僅かばかり潤んでいた。どうやら、彼にとっては悪い事をしてしまったらしい。具体的にはどの発言が彼を傷付けてしまったのかは判然としなかった。しかしながら、悪しき振る舞いを行なったと周囲が認識した以上、罪を犯した当人がそれを自覚するかしないかに関わらず、謝罪が必要だ。上官に殴り倒されながら謝罪する兵士達を見れば、そんな常識はすぐに理解できるというものだ。 「ごめんなさい。慎むべきでした」 「気にするなよ。俺の個人的な感情だ。俺も少し、疲れてるみたいだな。さて! コーヒーでも呑むか。それともホットジンのがいいか?」 「お酒は、苦手なので……」 「1ヶ月足らずじゃ、まだ早ぇか」 その後、他の部下に集合が遅れた理由を「クリスマスツリーの後片付けをしていた」と説明したヤヌスは、仲間達から口々に野次を飛ばされていた。聞くに堪えかねる罵詈雑言も耳に入ったが、そのどれもが失笑に混じった愛情に近い響きを持ち合わせていた。 すっかり温くなったコーヒーを飲み干し、ブリュンヒルデは休憩がてらに報告書を手に取り、寒さでインクが凍っていないかを確かめた。 この日、私の前でヤヌスは目に涙を滲ませながら、私を説得しようとした。 私には、感情らしいものがどうも希薄だという。 正直な所、私はまだ、彼の言葉には興味以上に疑問を抱いている。 私達MAIDが人の姿を真似て作られたのは、あくまで守るべき国民からの理解と共感を得る為であって、MAID同士が馴れ合う為のものではない。 記憶とは、戦場での経験を学ぶ為のものだ。 表情とは、意思疎通に於ける一つの道具だ。 なのに何故、私は憧れに近い感情を彼に抱いたのか。 否定したくても否定できない、この感情の正体が私には掴めない。 少なくとも、現時点では。
https://w.atwiki.jp/toho_yandere/pages/374.html
我に返った俺を、後ろからアリスが羽交い絞めにしていた。 「私達ね、分かり合う事が出来たの」 アリスの顔は見えず、しかし、ゆっくりと左側の眼の視力がおちてゆき、失われていくのが分かった。 「そうね」 頷き答える様にして、本を読んでいたパチュリーが振り返った。 「わたしは、あなたが欲しいの。アナタ(ココロ)が」 呼んでいた本は、白紙だった。 が、失われていく視力の感覚が、何故か本の方から、呼び寄せている様な感覚がする。 「私も、貴方が欲しいの。アナタ(カラダ)が」 パチュリーの濁ったガラスの様な眼に、アリスが映る。 その表情は、まるで狂―― 「本にして手元におけば、動かずとも一緒に居られるでしょう?」 「人形にして飾っておけば、永遠に命を享受出来るしね」 ええ、そうよ。わたし、私たち、達。 あなた、貴方をあいして、愛しているんですもの。 苦しんで欲しいなんて、これっぽっちも思ってないわ。 「大丈夫よ、○○」 「どっちも壊れない様に、痛まない様に」 「ずぅ~っと。……手入れしてあげるから、ね」 「は、あは、あははっ、ぁははははっ」 刹那、まだ動く右側の体の力を振り絞るようにして、俺はアリスを突き飛ばして パチュリーの前へと、跪いていた。 な、ぜ。 自然と、見上げたパチュリーの顔が眼に入った。 残った右の眼の視力が、うっすらと、それを映した。 酷く寂しそうな―― 何処か壊れた、純粋な、少女の瞳を 「また私を置いて……帰る、つもりなの……?」 「もう、置いてけぼりは嫌……」 「……嫌…………嫌……」 「置いていかれるのは、もう……何処へも……」 「……ドコニイクノ? ワタシヲオイテ……」 彼女の言葉に動く事が出来ずに 後ろから触れた 恐らくはアリスの、何かが 自分を、縛り上げていた。 日の差さない、その図書館は薄暗く。 色濃く、その闇を強調するかの様に静まりかえっていた。 所々で働いている筈の小悪魔達の姿も無い。 ただその奥でパチュリーは、椅子に座り幸せそうに、眠っている。 一冊の本を、大事そうに抱えながら、ゆっくりと
https://w.atwiki.jp/assaultinfo/pages/37.html
2009.8.16 を持ちまして、一時、入隊を原則締め切りさせていただきます。 メンバーが17人となりましたので、まずはこのメンバーで、更に親睦を深めようと考えました。 突然の締め切り、深くお詫び申し上げます。 入隊を希望される方は掲示板に書き込んでいただいても構いません。 募集再開時にこちらから連絡させていただきます。 2009.9.14更新情報 ●GTA4の活動メンバーの募集を開始しました。 ●メンバー支持により、2名が入隊予定。詳しくはAssault新メンバー情報へどうぞ。
https://w.atwiki.jp/saikyousyujinnkou3/pages/2044.html
【作品名】喧嘩番長2 フルスロットル 【ジャンル】ゲーム 【名前】武田トモヤ 【属性】不良 【大きさ】高校生並み 【攻撃力】トラックにはねられて10mほど吹っ飛んでもまだ殴りかかってくる不良をジャブ一発で倒せる ショルダータックルで上記不良3人をまとめて倒せる KANCHOU:羽交い絞めにした相手の肛門を指で突く 自分の全力ストレートをもろに当てても倒れない不良を一発で悶絶KO 漢気:気を5秒間溜めて自分の周囲5mほどをオーラで攻撃 ショルダータックルの7~8倍の威力 溜めている間及びオーラを放っている間はオーラを含めた敵の攻撃がすり抜ける 一度使うと気力を全消費してしまい再使用には3秒ほどうんこ座りをして気力を溜める必要がある 【防御力】トラックにはねられて10mほど吹っ飛んでもかすり傷程度で済み、即座に立ち上がって喧嘩続行可能 漢気に2発耐える 一度なら電車に轢かれても立ち上がれる 連続して轢かれれば全治3日の怪我 ナイフで刺されて死んでるので刃物には弱い 【素早さ】時速60kmほどで走れる 二人組みの不良の一人をぶちかましでKOし、もう一人も攻撃してくる前に殴り倒せる戦闘速度 【特殊能力】メンチビーム:殺気のこもった視線をビームにして飛ばす 一般人なら腰をぬかす 怒声:メンチビームを胸や尻に当てられ怒って殴りかかってきた成人女性が震え上がって逃げ出す 自分と互角の番長や極道でも立ちすくんで5秒ほど動けなくなる 【短所】「実は男が好きなのかもしれない男」などの不名誉な伝説あり 【備考】月刊ピンクの季節+続・番長の哲学使用状態で参戦 これで漢気や怒声を30秒間使い放題になる 【戦法】怒声で動きを止めてから漢気 vol.32 790:格無しさん:2008/12/12(金)17 38 16 武田トモヤ考察 ○○○○○キャプテンスクウェア~くるり 戦法勝ち ○ローシュ 動きを一時的に止められはするが倒されない 戦法勝ち ×ラズ 燃やされ負け ×清泥 大きさ負け ×みなみ 眠らされ負け ラズ>武田トモヤ>ローシュ
https://w.atwiki.jp/zolpha/pages/23.html
雑魚ゴブリン オオカミ リザードマン ハーピー 巨大蜘蛛 ボスハイドラ グリフィン キメラ ゴーレム その他牛 鳥 雑魚 ゴブリン 小柄だが、残虐な性格のゴブリン。 群れで行動しながらも、個々に独自の動きを見せる。 多勢が相手では、歴戦の戦士もおもわぬ反撃を食らう。 集合写真 弱点 頭部 炎 攻撃属性 斬撃 打撃 炎 獲得XP 耐性 有効状異 炎上 呪い 獲得JP 掴み行動 持ち上げ・投げ・羽交い絞めが可能 出没地帯 草原 砦 アイテム 小さな金貨袋 鉱石の欠片 ニガヨモギの汁 小鬼の角 リムの結晶 オオカミ 半島全域に生息する獣。 個々の戦闘力はさほどでもないが、 集団で獲物を取り囲み執拗な噛みつきを見舞ってくるため油断はできない。 集合写真 生息地域…全域 リザードマン 全身を硬いうろこに覆われたトカゲの魔物。 主に水辺周辺に生息し、縄張りを荒らす者に襲いかかる。 トカゲのような姿のモンスターだが、知性があり、槍を武器にした奇襲攻撃を得意とする。 集合写真 生息地域…水辺 ハーピー 上体は人間の女性、下肢は猛禽の姿をした魔物。 空中からの鋭い降下攻撃で獲物を狙う。 特殊な歌声を発し、聞いたものを混乱に陥れる。 子どもは見ちゃダメ 生息地域…草原、遺跡 巨大蜘蛛 主人公たちに多勢で襲い掛かる蜘蛛。 森の中だけに、他のフィールドでは登場しないモンスターにも遭遇しそうだ。 集合写真 生息地域…森 ボス ハイドラ 地上最大級の体躯を持つ蛇の魔獣。 俊敏かつ執拗に蠢く複数の鎌首は、斬り落とされても再生する。 写真 生息地域… ? グリフィン 空を裂く旋風! 怪鳥グリフィンは、超高度から獲物を狙う。 攻略には、パーティーの連携が必須だ! 写真 生息地域…草原 キメラ 獅子、山羊、蛇の各部位が合成された魔獣。巨体ながら俊敏かつ獰猛。 部位ごとに思考や得意技が異なり、互いの弱点を補い合っているため、死角が少ない。 攻略の際は、この連携を切り崩すことが必須となる。 写真 生息地域…遺跡 ゴーレム 岩石で造られた巨大な人型の擬似生命体であり、財宝や聖域などを侵すものを排除するよう命じられた番人。 頭部からは爆炎をもたらすレーザーを照射する。 通常の攻撃ではほとんど効果的なダメージを与えられない強敵。 写真 生息地域…草原、遺跡、森 その他 牛 写真 牛を探せ 生息地域…草原 鳥 写真 生息地域…城 ⇧ .
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/2776.html
650: 番外編『エロスとブリ大根と幼馴染みと』(前編) :2020/02/11(火) 13 32 48 ID /Ln2JSgo 「なぁ、せっくすって知っているか」 放課後、後ろの棚からランドセルを取り出していると、横から急に声をかけられた。 見上げると、立っているのは横にも縦にも巨大な男子であった。身に着けている迷彩柄のタンクトップはパツンパツンに張りつめて悲鳴を上げ、偉そうに組まれた腕は樽のように太い。 訳知り顔で見下ろしてはいるが、瞳には知性の欠片もなく、ハリボテの城、という言葉が頭に浮かぶ。 「入るクラスを間違えているぞ、エリィ。もう秋になるんだから、いい加減に自分のクラスくらい覚えろ。ここは三組、そしてお前さんは四組。あんだーすたんど?」 「クラスは間違えてねえよ! あと、そのエリィって呼び方はやめろって前から言っているだろ」 と言って、彼はその妙に長い襟足を左右に揺らした。キューティクルがベストコンディションなのが最高に腹立つ。たぶん『襟足・長い』で画像検索したらトップにコイツが出てくる。これ以上、検索エンジンを汚すのはやめろ。 「なんかあれだよな、日曜日にスウェットで出歩いているだらしない両親に挟まれた息子って感じの髪型だよな、それ」 「俺の両親に謝れ!」 本当にその通りだったみたいなので、なんともコメントしづらい。 「ぼ、僕は、わ、悪くないと思うよ、ほら、人の目を気にしない唯我独尊の人って感じがしてさ……」 「へたくそなフォローはやめろ。目元が大爆笑してるぞ、口元がひくついてんぞ」 「で、なにしにきたのよ。もう帰るところなんだけど」 「お前に会いに来たんだよ」 言葉だけを切り取れば情熱的なセリフだが、むさ苦しいヤンキー予備軍の男子に言われても殺意しかわかない。 エリィは小憎らしい笑みを浮かべ、 「んで、話を戻すが、さっきの質問の答えは?」 「耳にしたことはある」 嘘だった。知らない言葉だった。いや、どっかで耳にしたことはある気がするが、それが何の意味を持つのかはさっぱりだった。だけど、正直に申述して目の前の阿呆男子に無知をさらすのはなんとなく悔しくて、曖昧な回答で誤魔化す。 「へっへーん。ま、おバカの〇〇にはわからんだろうよ」 「底辺同士が知識量で争うのは虚しくならんかね」 僕の苦言は耳に入っていないようで、エリィは得意げに鼻をこすっている。さすが問題児、人の話を聞かない。 やれやれと肩をすくめる。 651: 番外編『エロスとブリ大根と幼馴染みと』(前編) :2020/02/11(火) 13 33 17 ID /Ln2JSgo このはた迷惑な巨漢の名前はエリィという。 隣のクラスの悪童で、時折、彼の悪行が風の噂で流れてくるから、学内の知名度はそこそこあるだろう。 ま、悪行つっても、どれもこれもしょーもないイタズラばかりだ。 カツラ疑惑のあった一組の担任教師に黒板消し落としトラップを仕組んだり、学校のマドンナに恋をするピュア男子相手にニセのラブレターを送ったりとかそんなん。 ちなみに、一組の担任は本当にカツラだったし、校舎裏に呼び出された男子は背後から現れたエリィを見て号泣したらしい。やっぱ悪童だな、コイツ。 そして、問題児同士ってのは何かと顔を合わせやすい。 ガミガミ説教されている最中に、ふと横を見ると、同じくガミガミ説教されているエリィがいる。そんな場面が何度もあった。 その度に、まーたアイツか。若い時分からあんな頻度でやらかしているなんて。きっとロクな大人にならないんだろうな、とか思っていた。 「〇〇にだけは言われたくねえよ」 その遭遇率も手伝ってか、今まで一度も同じクラスになったことないのに、エリィとは自然と知己を得ることとなり、今のような奇妙な関係を築いてしまったというわけだ。たぶん、こんな繋がりはさっさと切り捨ててしまった方が僕のためになるのだろう。 「よく言うぜ。絡んでくるのは、いつもそっちからだろう」 ご明察。 生憎と小生、奇人変人が大好きなのだから仕方がないでござろう。 「〇〇、放課後は暇だろう」 「暇じゃないよ。これから河川敷に草野球をしにいくんだ。最近は、隣町の学校のやつも参加してくれているから、ついに外野を配置できるようになったんだぜ。良かったらエリィも来いよ」 「野球はまた今度だ」 「なら、サヨナラだ」 と、ランドセルを背負って帰ろうとすると、ロックし忘れてだらしなく垂れていたカブセを掴まれた。 「やめい、教科書が落ちるだろう」 「お前のランドセルに教科書が入っているわけないだろう。始業式の時からずっと置き勉だろうが」 「あ? さっきからなんだお前その態度は。僕に対してこれ以上、無礼な行いを続けるのならば、氷の女王にお願いして学校から追放させっかんなマジで。なんせ、俺と女王はマブだからよぉ……」 「脅し方が生々しいな。そして、あくまで他力本願的で自分の手を汚さないところが実に〇〇らしい……」 同じ穴のムジナにまで引かれてしまった。心外である。 ま、そもそも僕と氷の女王さまの間に、関係らしい関係はない。強いて言えば無関係。たぶん、僕のことを路傍の石程度にしか認識していないだろう。 652: 番外編『エロスとブリ大根と幼馴染みと』(前編) :2020/02/11(火) 13 33 45 ID /Ln2JSgo 「わかった、降参。その、桃の節句? だっけか。僕にはわからんよ、答えを教えてくれ」 「どうして、ひな祭りになるんだよ。せっく、じゃなくて、せっくすだよ」 「どっちでもいいわい。んで、意味は?」 「俺もよく知らない」 「おい」 「だから、その正体を確認しようってわけよ」 彼が浮かべる下卑た笑みを見て、「あ、ろくなことじゃないんだな」と一瞬で理解できた。こやつはきっと、不健全極まりないことを仕出かそうとしている。僕を悪の道に引き込もうとしている。 「元から悪だろうよ」 勘弁してほしい。模範的な健全ボーイの僕にはそんな道は相応しくない。不埒で爛れた放課後よりも、汗水垂らして白球を追いかけている爽やかな放課後が似合うに決まっている。 「ありもしない虚像をつくりあげるな」 といって、太い腕を僕の首に絡ませてくる。 「いつも死んだ魚みたいな目をしているくせに、何が爽やかな放課後だ。今さら、健全な道を歩もうたって、そうはいかんぞ」 「失礼極まりないな。そもそも僕の目をパクっているのは魚さんサイドであって、なんならライセンス使用料を徴取したいくらいだよ」 ギブギブ、と彼の腕をタップしながら考える。 ……そうだなぁ。 たまにはエリィと遊んでやるのもいいかもしれない。最近はかまってあげられなかったし。飼い犬だって、しばらく散歩しないでいるとストレスがたまって反抗的になるっていうしな。ここらでガス抜きしておかないと。 「誰が飼い犬じゃい」 と、腕の力がぐっと強くなる。 僕はわあわあ叫びながら、タップする手を速めたのだった。 学校から商店街の方へ向かう道すがら、ちょっとした大きさの公園がある。 いかにも寂れた感じの公園で、まともな遊具はひとつもなく、公園らしい要素といえばすみっこに設けられた砂場くらいだった。 だが、その砂場でさえも、長らく遊び手を失っているせいで砂がカチカチに固まっており、雑草まで生えている始末。 ベンチも木目が荒くて肌をチクチク刺すので、ご年配の方の憩いの場としてさえ機能していない。子どもにも大人にも見放された、ヒューっと木枯らしが吹く様がよく似合う、まさに場末といった公園であった。 その入り口付近に、ふたりの男子が立っていた。 両者とも鼻が低い、のっぺりとした顔立ちをしていて、黒目がやたらと大きく、黒豆を想起させるような、つぶらな瞳が印象的だった。いわゆるおぼっちゃん刈りと呼ばれるその髪型は、近所の床屋で整えてもらったものだろう。 653: 番外編『エロスとブリ大根と幼馴染みと』(前編) :2020/02/11(火) 13 34 12 ID /Ln2JSgo 見覚えがあった。たしか、同じ学年の生徒だ。エリィと同じ隣のクラスの……。 「名前はなんだっけな……喉のあたりまで出かかっているんだけどな……たしか双子の……」 「「双子じゃないから」」 ハモって否定された。どうやら双子じゃないらしい。 ……え? マジで? こんなに似ているのに? もはやクローンってレベルで同じなのに? 「……わ、悪い悪い。顔立ちも似ているし、勘違いしていたよ。僕は〇〇っていうんだ。おふたりさんの名前は」 「荻野だよ」 「萩野だよ」 「やっぱり双子じゃないか」 「「双子じゃないから!」」 ハモって否定された。どうやら双子じゃないらしい。 ……え? マジで? こんなに息ぴったりなのに? 数年後くらいに、ふたりは実は幼い時に生き別れた双子の兄弟だったという驚愕の事実が判明しそうな気がするけど割とどうでもいいし全然興味が持てないし誰も得しなさそうなので終わりにしようそうしよう。 「今日は、この四人で作戦を決行する」 「作戦ってほど、たいそうなものでもないけどね」 萩野くん(荻野くんかもしれない)が冷静に指摘する。 僕は帰りたい気持ちを必死に押さえつけて訊く。 「エリィ、これから何をするのか端的に話せ。くれぐれも作戦名とか、うざったい要素は付け加えるなよ」 「わかったわかった」 質問を受けて、エリィは空っぽのランドセルから、一枚の円盤を取り出した。西日を反射して目にまぶしかったので、射光を手で遮る。 「せっくすの秘密は、これをみれば判明する」 彼は、ふふんと鼻を鳴らし、得意げに話し始めた。 事の顛末はこうだ。 ある日の放課後、エリィ少年はトボトボと帰り道を歩いていた。たくましい身体を猫背にして終始ため息を吐きながら、何やら憂鬱なご様子。 なぜなら、返却された算数のテストが二十二点と惨憺たる結果であったからだ(ちなみに僕は十八点だった)。 エリィの両親は、お世辞にも頭がよろしいとは言い難かったが、子の勉強面に関するしつけはやたらと厳しかった。 勉学では堕落していたであろう自身の少年少女期のことはすっかりとわきに追いやって子を責め立てるのはいかがなものか、というエリィ少年の至極真っ当な指摘には耳を貸さないだろうし、仮に口にしたらチョークスリーパーを決められることは明らかであった。 途方に暮れていた彼は、自宅への近道である住宅街裏の空き地を歩いている途中に、悪魔のささやきを聞く。 654: 番外編『エロスとブリ大根と幼馴染みと』(前編) :2020/02/11(火) 13 34 38 ID /Ln2JSgo ——この残念テストを捨ててしまえばいい。 悪童という生き物はとかく悪の道に堕ちやすく、エリィ少年は即座に助言に従い、ランドセルからテストを抜き出すと、くしゃくしゃに丸めて草むらに投げてしまった。 満足感を胸に立ち去ろうとしたが、この少年、妙に律儀なところがあり、「でもポイ捨てするのは良くないよな」と思い立ち、捨てたテストを回収しに草むらに分け入っていった。 そして、つま先に何かを小突く感触。 視線を下げると、幾多の雨に曝され日焼けを繰り返した、カピカピに干からびた成人誌があった。表紙の色は薄れ、文字は輪郭を失い、ページは反り返っているうえに所々くっついてしまっていた。 まともに読むことができなさそうな一品であったが、羞恥心の入り混じった好奇心からそれを蹴り上げてみると、表紙がめくれ、一枚の円盤がフリスビーのように地面を滑空した。 「それがこれってわけよ」 穴の部分に指を差し込み、見せびらかすように僕らに見せた。 「ってことは、それはつまりエロエロな代物ってことかい」 荻野くん(萩野くんかもしれない)が顔を赤らめて、わなわなと震えている。どうやら事前に聞かされていなかったらしい。同じく初耳だった僕も無言で抗議の視線をよこすが、問題児はどこ吹く風で、 「おうよ。ま、俺らも高学年になるし、そろそろ大人の秘密も知っておくべきだろ」 「でも、こういうのはよくないって先生が」 「先公がなんだよ。もしかして萩野、ビビッてんのか」 「び、ビビッてはないさ。あと、ぼくは萩野じゃなくて荻野なんだけど……」 相変わらず紛らわしいな、とボヤキながら荻野くんじゃない方に目をやり、 「ところで萩野、例のブツは持ってきたか」 「一応」 「よし、それじゃあ場所を変えよう」 公園の中心に、ボーリング球を半分に切って、ところどころに大小の穴を開けたような謎のオブジェがある。 僕たち四人はその中に入り、円形になって座った。 秋になったとはいえ、まだまだ夏のしっぽが飛び出ているような時期である。オブジェの中はムッとした空気に包まれていて、男子四人が密集するのには精神衛生上よろしくない環境だった。 「今日は一日中ヒヤヒヤしていたよ。見つかったら没収だしね」 そう言いながら萩野くんがランドセルから取り出したのは、二つ折りのポータブルDVDプレイヤーだった。一目で安物とわかるプラスチック製のそれは、かなり傷んでいるように見える。 「兄貴の部屋から持ってきたんだ。古いけど、電池も取り換えておいたし、問題なく起動できるよ」 セッティングを始める萩野くんを一瞥してから、僕は横に座る荻野くんをじっと見つめる。 655: 番外編『エロスとブリ大根と幼馴染みと』(前編) :2020/02/11(火) 13 35 08 ID /Ln2JSgo 「な……なんだい、〇〇くん。ぼくのことを凝視して」 「いや、それで荻野くんは何を持ってきたのかなって」 「いや、ぼくは別に何も……」 「は? じゃあ、何しに来たのキミは。そこはお菓子やらジュースやらを出す場面じゃないの? 無いなら、すぐに買ってきてよ」 「何も持ってきてないのはキミも一緒だろう!」 うむ、これで覚えた。萩野くんは有能で、荻野くんは無能。よっし、ようやくふたりの区別がついたぞ。 「あ、なんかディスクが入っている。多分、兄貴のかな」 口が開いたプレイヤーの中には、別のソフトが入っていた。 萩野くんは元から入っていた円盤を慎重に取り出し、ランドセルの上に置いてから、エリィの円盤をセットする。 「そもそもこれ、再生できるのかな。捨てられてから大分経っているんでしょ?」 「さあ、まだ再生していないからわかんねぇや。もしかしたら映らないかも」 「計画性皆無だなおい。せめて再生できるかくらいはチェックしなかったのか」 「う、うるせえよ。家のテレビじゃこんなもん観れないだろう」 意外とチキンだなコイツ。いや、エリィの両親がおっかなすぎるだけなのか。 「それじゃあ始めるからね」 と、萩野くんが再生ボタンを押す。 モノがチープなせいか、光度をマックスにしてもやたらと薄暗く、僕ら四人は身を寄せ合って画面を注視する必要があった。 しかし、 「始まらないね……」 ▷マークを連打してみるが、画面は一向に変わらず。 悪い予感が当たってしまった。 僕は真横にいるエリィを素早く羽交い締めにした。 「よし、極刑。今から、そのうざったい襟足の断髪式を行う」 「なんでだよ、おい、離せ離せ!」 「僕の貴重な放課後を潰した罪は重いのだ」 「ハサミならあるよ」 「よくやった荻野くん。茶菓子を持ってこなかった非礼はこれでチャラにしよう。よし、エリィ。辞世の句を読め」 「だああぁ! やめろ! 他はどこ切ってもいいから襟足だけはやめろ! 襟足だけはっ!」 体格差があるのでホールドするのにも難儀する。「どうどう」と暴れ馬をなだめる武士の気持ちがわかるぜ。 656: 番外編『エロスとブリ大根と幼馴染みと』(前編) :2020/02/11(火) 13 35 56 ID /Ln2JSgo 狭苦しい屋内闘技場で死闘を繰り広げていると、 「ねぇ、これって、せっくすって読むんじゃないの」 萩野くんが、元々プレイヤーの中に入っていたDVDの印刷面を僕らに見せる。過激でよく意味のわからない文章の中に『S』と『E』と『X』の三つのローマ字があった。しかし、悲しい哉、三人どころか四人もいるのに文殊の知恵は発動せず、低偏差値の頭は英語の読みに今いち確信が持てなかった。 「とりあえず、再生してみる?」 僕がそう提案すると、三つの頭が上下した。その肯定は知的探求心から来るものではなく、単にこのままお開きになるのは味気ないという消極的な理由からだった。特に、自身の落ち度を追及されたくないエリィはぶんぶんと頭を振っていた。 プレイヤーにDVDをセットし、蓋を閉じる。続けて電源ボタンを押すと、画面に淡い光が灯った。 後は、再生ボタンを押すだけになった。 「最後くらいは主催者に華を持たせてやるよ」 そう言って、エリィの方へプレイヤーを寄せる。 ゴクリ、と生唾を飲み込む音とともに、彼の喉仏が波打つように隆起する。 「それじゃあ……いくぞ」 爆破スイッチを押すみたいなテンションでの物言いであったので、なんとも奇妙な緊張感に包まれる。 そして震える指先が再生ボタンに触れる瞬間、 「ちょっと待ってほしい」 と、制止の声が上がった。 発言者は意外なことに萩野くんだった。彼は複雑な表情をしながら、歯切れの悪い口調で続ける。 「もしも……もしもの話なんだけどさ、これがエロエロな代物だったら、ぼくの兄貴もエロエロな人ということになるのかな」 「まあ、なるだろうな」 「ぼくの兄貴は、いつも大人しくてマジメで勉強もできて誰からも尊敬されていて、そんなエロエロな代物を持つような人じゃないんだ」 「ニュース番組のインタビューに出てくる、容疑者についての印象を話すご近所さんみたいな感じになるな。もう最後まで突き進むって決めてるんだ。水を差すんじゃない」 自分の失態をうやむやにしたいエリィは冷淡にあしらい、ボタンを押そうとすると、萩野くんがひしと腕に抱きつく。 「や、やっぱり無理だ。どうか、ご勘弁を。もし自分の兄貴がエロエロだと知ったら、今後、どんな風に接していけばいいのかわからない」 「うるせえ、引っ付くんじゃねえよ」 まとわりつく腕を振り払うと、萩野君は「よよよ」としくしく泣き出してしまった。 さすがのエリィは同情する様子を見せ、彼の肩を優しく叩く。 「安心しろ、萩野。もしお前の兄貴がエロエロな野郎だとしても、少なくともここにいる〇〇よりはマシなのは間違いない」 「こんな人間のクズと比べられたって、なんの慰みにもならないよ」 「おい、言ったな萩野くん、言ってしまったな」 657: 番外編『エロスとブリ大根と幼馴染みと』(前編) :2020/02/11(火) 13 36 34 ID /Ln2JSgo そこから、さらにひと悶着。 結局、初めの状態に戻るまでかなりの時間を要した。 十二回の延長戦まで続いた野球の試合後のように疲弊しきる中、僕は最終的な決断を下した。 「……とりあえず、見るだけ見よう。エロエロじゃない可能性もあるわけだし」 疲れ切った顔で、皆が同意する。 そして再度、四人はDVDプレイヤーに向き合うこととなった。 「それじゃあ、今度こそいくぞ」 隣であぐらをかくエリィが物々しく言った。 表情が硬いのは、禁止されているルールを破る抵抗感からだろう。 真の悪党ならば、こういう局面でも躊躇わないのだろうけど、僕やエリィみたいな小悪党には荷が重い。十八禁のアイコンを見ると、二の足を踏んでしまう。誰に迷惑をかけているわけではないのに、不安になる。 「一蓮托生だかんな」 慣れない四字熟語を使って、エリィが再生ボタンを押す。 よし、これで何かあった時はコイツに全責任を押し付けられるな。いつだって、計画を実行したヤツが一番の責任を負うのだ。ふっはっは。 何はともあれ、ようやく破廉恥な上映会の幕が上がった。 ……上がらない方が良かった気がする。
https://w.atwiki.jp/brutalanimal/pages/443.html
1 アスファルトの地面さえ溶けて流れ出しそうな、残暑の終わらぬ初秋の朝。 ただ居るだけで汗を掻き、息をするだけで体力を奪う。季節外れの熱帯温度。 そんな思考能力も低下させる日。一人の女は蜥蜴(とかげ)になる。キッチンの壁にピッタリと身体を寄り添え、物音も立てずに耳を澄ます。 「はぁっ……そーまぁ」 目を細め、涙ぐませ、想像し、長い黒髪は赤く染まる頬に張り付き、この世の誰よりも妖艶に人の道を破棄する。 女の行為は最低も最低。 「あっ、でたぁ♪ 凄い、たくさん……でてるよぉっ♪♪」 オシッコの音を、壁に耳を押し当てて聞いてるのだから。 「あっ、おわっ……ちゃったぁ。うくっ、ぐっ……私は、最低だっ!」 壁に寄り添ったまま、自己嫌悪でズルズルと崩れ落ちる。しかしどれだけ罵っても、トイレの音を聞いて興奮していたのは事実。 弟が放尿する音を、息を熱くして、恋する乙女の顔で盗み聞きしていたのは事実だ。 ブラコン、ショタコン、サディスト、その三つを冠する蛇の化身、平坂 政宗(ひらさか まさむね)。姉として、女として、実の弟、蒼真(そうま)を寵愛する愛欲の神。 弟の泣き顔が好きだった。 弟の泣き声が好きだった。 一ヶ月前までは、それらでサディズムを満たせば良かった。 しかし今は違う。身体の繋がりを持ってからは、より一層に蒼真へとのめり込んで行く。 どこが好きだ? と問われれば「全て」と答え、 いつから好きだ? と問われれば「産まれる前から」と答える程に…… 17を迎えた姉は、9歳を迎えた弟に、恋をしていた。 だからこの行為も、そんな感情のネジ曲がり。目尻からは涙が零れ、白いタンクトップは汗に濡れて胸の形を浮かべ、下着とジーンズは汗と愛液でぐっちょりと変色している。 トイレの音をおかずにして、膣壁を擦り上げられる様を妄想していたのだ。 「あれっ、どうしたのマサムねぇ?」 蒼真はトイレの戸を閉め、台所で手を洗おうとして、壁に寄り掛かり正座して動かない姉を発見する。 「今日、サッカーの試合なのよね?」 そして蛇口を捻り、冷水で手を洗い、タオルで拭いた後に、やっとそれだけ返された。 政宗は下を向いたまま。床に座ったまま。 「うんっ! そうだよぉっ♪♪ 決勝まで残ったら、帰りはあさってになるからねっ。じゃ、いってきまーす!!」 姉の様子が少し変だと気付いてはいたが、蒼真は午後から始まる遠征試合が楽しみで仕方ない。故にワクワク感が心配を押し切り、スポーツバッグを肩に掛けて玄関を飛び出させた。 残されたのは、女としての本音を隠し、姉として弟を送り出す、恋を覚えた一匹の蛇。 「いっちゃ、イヤ、だよぉっ……」 2 太陽の位置は空高く、気温が最も照り付ける時刻。 たった一人で家の中、カーテンを締め切った部屋の中、ベッドの上に居るのは、クーラーを全開にして俯せに横たわる少女。 「んにゅっ、ほし、いよぉっ……そーまのぉ、ふんんっ……おちん、ちん、ほしいぃっ」 左手は想い人のトランクスを持って口元に添え、右手はジーンズのファスナーを下げてその間。下着越しに幼い秘唇の溝を往復してなぞる。 ぬちゅぬちゅとイヤラシク蜜糸を引かせ、皮包に覆われた敏感なクリトリスを中指の腹で捏(こ)ねくり回す。 くちゅっ、くちゅくちゅくちゅ、くちゅり…… 「あうっ、あっ、あんっ! ふあぁぁっ!! そぅ、まぁっ……もっと、んんっ、もっとぉっ」 頬を染め、耳まで赤く染め、ギュッと目を閉じ、甘ったるい声で存在しない相手におねだりする。 下の口も同じ。これじゃあ絶頂に達せないと、これじゃあイク事ができないと、トロットロの涎を垂らして抗議する。 ピンク色の突起をプックリと膨らませ、弟のモノに擦り合わせたいと、かくれんぼをヤメて抗議する。 「ほんと、んっ、よくばり、なんだからっ♪ ふぅっ、まってなさい……いま、おちんちん挿れたげるからねっ♪」 僅かに微笑み、中指と人差し指の間に架かる透明な橋を潤んだ瞳で見詰め、膝を折り曲げて尻を突き出す。 アヒル座りに上体を前傾させた形で、扇情的で肉欲的な男を誘うポーズで、二本の指を口に入れてしゃぶる。 「んちゅんちゅっ、ちゅぷっ、ぢゅちゅっ、ちゅぷちゅぷ……ちゅぽん♪ はぁぁっ……ちゅぴゅっ、そーまの、おひんひん……んぐんぐ、おいひいよぉっ♪♪」 まるで自らの指が弟のペニスで在るかのようにネットリと舐め上げ、唾液を纏わせてフヤケさせていく。 咥えているのは蒼真のおちんちん。自己暗示を何度も掛け、脳内で二本の指はペニスになる。 「ちゅぱっ♪ いいよそーま、今日だけ特別に後ろからシテ……いいよっ」 口から引き抜き、ヘソの下を通し、再び水っ気たっぷりのシルクに手を伸ばす。 滑らせてスライドさせ、そのまま触れる……寸前で止まる。頭では蒼真だと言い聞かせても、身体が違うと拒否しているのだ。 ゴツゴツえぐられたいのはこんな指では無いと、締め上げて吸い付きたいのはもっと硬くて大きなモノだと、幼い二枚貝はピッタリと口を紡いで又も抗議している。 「もぅ、しょーがないなぁっ♪」 しかし納得のさせ方を知っている政宗は、その過程を余裕の表情で楽しむ。 3 枕下に準備していた蒼真の縦笛。それを濡れた右手で掴むと、俯せだった姿勢をコロンと仰向けに変えて膝を曲げる。 「そっ、まのぉ……おひんひんっ♪♪」 自らの指は拒めても、蒼真のモノなら拒めない。一度押し当ててしまえば、後は勝手に咥え込んでしまう。そうわかっているのだ。 政宗は肉厚でピンク色な伸縮自在の舌を数十センチまで長くすると、縦笛全体にギュルギュルと巻き付けて粘着質な唾液をコーティングしていく。 ぢゅるっ、ぢゅるぢゅる、もぢゅもぢゅもぢゅ…… 弟との間接キスに小さなオーガズムを感じながら、それでも丹念に天然のローションを湿渡らせる。 「んん~~っ♪」 そして一旦、舌を離して口に戻すと、縦笛をタンクトップの裾に入れ、プリンの様に震えるバストの間を通過させて、胸元から三分の一程を覗かせた。 これもさっきと同じ。政宗は蒼真の縦笛をペニスに見立て、パイズリフェラをしようとしている。 「お姉ちゃんがクチで、気持ち良くしてやるからなっ」 再度目を閉じ、リアルに脳内妄想を描き、頬を紅潮させ、ヌルヌルの縦笛を両手で胸を押し付けて挟み、空入口に接吻して少しずつ咥内に含む。 ちゅぷっ、ちゅぷちゅぷちゅぷ、ちゅぷぷっ…… これは蒼真のペニスだと、何度も、何度も、自己暗示を掛けながら。 ゆっくり、ゆっくり、深くまで咥え。ゆっくり、ゆっくり、顔を前後させる。 舌を絡み付かせ、頬をすぼませて吸い上げ、咽の奥に当たるまでの長いストロークで、愛おしそうにフェラをこなす。 「ぢゅっ、んっ♪ んっ♪ んっ♪ んっ♪ んんっ♪♪」 一定のペースでリズミカルに、弟の匂いが染み付いたモノを、人外の口淫で温めていく。 男ならば数秒で射精に導かれる蛇孔の中。媚薬の原液が溢れ返る魔性の蜜穴を征服するのは、男の生殖器では無く、感度の存在しないたんなる縦笛。 ぢゅっぷ! ぢゅっぷ! ぢゅっぷ! ぢゅっぷ! ぢゅっぷ! ぢゅるるるるるるるるっ!! それを丹念に、妄想の中で弟がイクまで続ける。 否、イッてもヤメない。次々と迫るアクメに、蒼真が耐え切れず泣き出すまで。 流れ止まらぬ精液に、涎を垂らしながら恐怖して許しを乞うまで。目を三日月の形にして嘲笑い、咥え込んだペニスは決して逃がさない。 蒼真の背中に手を回し、抱き寄せて思い切り吸い付く。 頭を力無くペチペチ叩かれても、精液をビュクビュクと漏らし喘いでも、痙攣を起こして悶え狂うまでは決して離さない。 「ふっ……ぢゅぱっ♪ つゅぎは、ふぅっ、ふぅぅっ……わたひの、ばんだぞそーま」 嫉妬深い愛欲の神、番(つが)いに選んだ者を人外の快楽で縛り付ける蛇の化身。 4 描く妄想の中。蒼真は泣き崩れ、もう出せないと限界を訴え、力の入らぬ身体に鞭を打ち、四つん這いになって政宗から逃げ出そうとする。 そんな妄想。そんな妄想でも、政宗のサディズムは満たされて行き、精神的なエクスタシーで全身はゾクゾクと喜び震えた。 蒼真の腰を掴んでひっくり返し、ネバっちく濡れているペニスの上に、冷笑を浮かべて見下し跨がる。 肩で息をする程にテンションは高まり、赤い瞳を輝かせ、黒く長い髪は汗で張り付き、シコる乳首は母乳を滲ませて更なるシミを作り、幼い生殖孔は左右の唇を擦り合わせ、お腹が空いたと涎(よだれ)ダラダラ。 胸の先からミルクは止まらず、荒く呼吸をする度にピュッピュと噴き出してタンクトップを汚す。アルバの文字は変色してきちんと見る事ができない。 「いれっ、るからな、そーまぁ♪」 腰を沈める……現実には縦笛を裾から取り出し、笛先でパンツのクロッチを引っ掛けて横にズラし、そのままワレメのスジに押し付ける。 そしてゆっくりと、 「ふぅぅっ、ふぅぅっ……んっ!!?」 ゆっくりと狭い肉壁を掻き分け、子宮口をつっつくまでに深く、縦笛を、泣きじゃくる蒼真のペニスを押し込んでいく。 ずぢゅぅっ!! ぢゅぽぢゅぽぢゅぼぢゅぼぢゅぼぉぉぉぉぉっ!!! 「ふぎいぃぃぃぃぃぃっ!!? ああぁっ、ぁあぅっ……きもちっ、いいよぉっ♪ ふあぁっ、そーまの、チンポ、きもちいいぃっ!! そーまっ! そーまぁっ!!」 背中をのけ反らせ、舌を出して悲鳴する弟。 弟の上で一方的に腰を振り、舌をニュルニュルと伸ばして弟の口に差し挿れる姉。 騎乗位で腰の動きに合わせて舌をピストンし、母乳を撒き散らし、声を出させずに強制イラマチオ。 長く肉厚な舌が突き入れられる度に、二人分の唾液は口元から溢れ、扁桃腺は舐め上げられる。 蒼真は涙を流しながら、嘔吐(えず)きながら、クチいっぱいに舌を含んでフェラチオし、政宗がイクのを待つしかない。 ずぢゅっ! ずぢゅっ! ずぢゅっ! ずぢゅっ! ずぢゅっ! 膣内を出入りする縦笛の速度が増す。政宗は自らの愛液を掻き出すように、ヒダの一つ一つを押し潰すように、絶頂の予震に身を任せて激しく前後させる。 「あっ、あっ、あっ! あんっ! あんっ!! すきだぞ、そーまぁ……ふんん!! ずっと、おねえちゃんといっしょにっ、いようなぁっ! あっ、イクッ!? そっ……ふああああああああああっ♪♪」 5 実の弟をおかずにした自慰行為。 そして今日、これからまた自己嫌悪するだろう。 蒼真に政宗の力が流れ込み過ぎるのを防ぐ為に、セックスは周に一度と、政宗が昨日決めた。 今朝も襲い掛かりたくなるのを、蒼真を守る方法はこれしか無いと言う一心で堪えた。 人の世に隠れ住む擬人化した女動物に狙われぬように、産まれる前から好きだった恋する人を想って。そんな一心で堪えた。 だが……堪えてはいたが、この決心は防弾加工も施されてない普通のガラス。 蒼真は政宗とセックスする事によって、擬人化した雌動物達を逆レイプに駆り立てるフェロモンを発するようになる。 どんな気丈な女も、蒼真を羽交い締めにして路地裏に引き擦り込み、ペニスを扱き立て、子宮の中へ精液を迎え入れたくなるのだ。 しかし例え蒼真が他の雌に逆レイプされそうになっても、朝にその日分の精液を搾り尽くして勃起できなくしてしまえば良いのではないか? それでも足りないなら、搾精蛇に変体してペニスに食らい付き、学校に着くまで扱き続ければ良いのではないか? こっちの選択を思い付かなかった事に、政宗は夜までずっと自己嫌悪する。 蒼真に会える日を、心から楽しみにしながら…… 『吸血殲鬼ヘビお姉ちゃん』 ヘビお姉ちゃんVSコウモリ幼馴染み 6 姉弟が別れてから二日後。その朝。市が管理する巨大スタジアムでは、小学生の部優勝チーム対中学生の部優勝チームで、最後のサッカー試合を行っていた。 午後からは日本対チェルシーの親善試合も有り、これはその前座試合。 観客席には既に四桁の観客が集まり、将来のJリーガー達を暖かく見守っている。 しかし開始5分でそんな状況は一変。観客はざわめき出し、様々なチームのスカウトはビデオカメラで選手の動きを追う。 小学生対中学生。共に県トレへ選ばれているとしても、その実力差は白昼の筈だった。 小学生が勝つ事はまず無い。有ったとしても一点を競り合う白熱戦の筈。 だが、5分でスコアは3-0。小学生のチームが圧倒的有利に試合を進めている。 「いくよみんな! ラ・オル・ケスタだっ!!」 担っているのは、試合開始から出場している小学四年生、身長は130センチにも満たない少年、平坂 蒼真。 フィールドに立ちながら、選手達を盤上の駒のように把握できる展開力。 寸分の狂いも無く味方に届けるピンポイントパス。 相手のバランスを崩しながらボールを奪い取るエンペラータックル。 左足の踵にボールを乗せて太腿と挟んでジャンプし、迫るスライディングを飛び越えるフラミングコップ。 どれもが極められ、完成されている。そして最もスカウトの視線を釘付けにしたのが…… 「シュートして霧野!」 ゴールエリア外から打ち出されるチームメイトの低空シュート。 相手キーパーは三歩も横に動いて正面のシュートに備える。 その瞬間、蒼真がボールとキーパーの間に飛び込む。 キーパーはトラップからの逆サイドを狙われると察知し、急いで定位置へ。 「ブゥゥストォォォッ!!」 違う。そうではない。蒼真はトラップなどしない。身体の向きは常にゴール側。 「サイクロンッッ!!!」 ボールの位置、角度、、全てをそのままに蹴り飛ばし、二段階目の加速を加える。 これが伝家宝刀。サッカーの神が愛し与えたギフト、ブーストサイクロン。 蒼真の夢は世界一のサッカー選手。しかしその夢は、もう一人の神が許さない。足を搦め捕り、愛欲の沼に沈み込ませて行く。 ドロドロと、快楽の裸身で縛り付けながら…… 7 全ての日程を終えた夕方、高速道路を走る帰りのバス内。子供達はカーテンを閉めて静かに寝息を立てている。 起きているのは僅かに二人。最後尾に座る蒼真と、隣で寄り添う同い年の幼馴染み霞 姫耶(かすみ ひめか)。 二人はシートの中央位置に並んで座り、両サイドには荷物が山積み。 「中学生に勝っちゃうなんて、凄いねソー君♪」 姫耶は大きくクリクリとした目を輝かせ、照れて視線を床に落とす蒼真の横顔を見詰める。 シャギーの入ったショートヘアに、金色の瞳。白く柔らかな肌に、第二次成長前の典型的な幼児体型。 背番号の無いユニフォームを着て、魅了の金瞳で男を誘う。 「ううん、みんなの……おかげだよ」 蒼真は下を向いたまま、そう答えるのが精一杯。 今年になって九駅も離れた場所に引っ越ししたが、それでも生まれた頃から仲の良かった幼馴染み。学校では一番の話し相手で、最も気心知れた異性。だったはず。 「ねぇソー君? ヒメね、疲れて眠たくなっちゃった。だからね、ひざ枕……して?」 だったはずなのに、蒼真の鼓動は試合中よりも高くなっていた。 「えっ!? えっ、とぉ、うん……いいよ」 それは瞳。標的にした雄を奴隷に堕とす魅了の金色。意識下に直接働きかけ、否応なしに従わせる。 それは匂い。標的だけに薫らせる、極上の興奮剤。 それを兼ね備えるのは、小学三年生の女子児童。胸の膨らみも無く、腰の括(くび)れも殆ど無い、魅力の無い身体。 しかしどうだろう? 彼女の前では、キリストでさえペニスを勃起させて扱き出す。 「あっ!? ヒメちゃん、やっぱりダ……」 蒼真は自らの異変に気付き、慌てて断ろうとするが、 「あはっ、ソー君のフトモモやわらかーい♪」 ポスンッと頭を乗っけられてしまう。 全ては姫耶の思い通り、全ては姫耶の打算通りに進んでいる。 最近になり急に雰囲気が変わった蒼真。姫耶は女として、そんな幼馴染みに好意を抱いた。 ずっと蒼真の隣に居たい。蒼真のペニスを気持ち良くしてあげたい。蒼真の精液を子宮内に迎え入れたい。抱いたのは、年甲斐以上の狂った好意。 「ダメ、だってばヒメちゃん……早く、頭をどけてぇっ」 マネージャーの真似事をして試合まで着いて行き、蒼真とできる限り一緒に過ごし、待っていた。自分の力を最大に発揮し、蒼真が襲い掛かって来るのを待っていたのだ。 だが実際は、近寄れば照れて逃げ出すだけ。だから姫耶は逆転させる。襲われないなら、襲ってしまえばいい。逃げられない状況で逆レイプしてしまえば良い。 「やーだよん♪ ふふっ、あっれぇっ? なんかコツコツ当たってるのがあるよ? コレ……なぁに?」 姫耶は寝そべったまま、上半身をひねって上目で蒼真を見詰め、口元を吊り上げながら半ズボンに浮き出ているペニスを優しく撫でる。 8 「ヒメちゃ!? さわっちゃダメぇっ!」 ファスナーに手を掛けた姫耶に驚き、肩を掴んで引き離そうとするが、 「わっ、おっ……きいね? パパよりも、おちんちんおっきぃかも♪」 それよりも早くジッパーを下げられ、ガチガチに硬度を増して熱を持った生殖器を、あっさりと取り出し外に晒されてしまう。 蒼真は一気に血の気が引き、姫耶は嬉しそうにペニスへ頬擦りする。 「もっ、いいかげんにっ……」 掴んだ肩を押し上げようとしても、 「みんな起きちゃうよソー君!!」 身体を硬直させる大声が、蒼真の体動を完全シャットアウト。 加えて金色の瞳。声を出すなと命令を下す。 「あっ、ううっ……」 蒼真は前方を見渡して誰も起きてないのを確認すると、姫耶の肩から手を離し、それを重ねて自分の口を塞ぐ。 「そうだよソー君……バスの中でおちんちんを出してるってバレたくなきゃ、静かにしないと。ソー君が静かにしてくれたら、ヒメも静かにするよ? おちんちんを気持ち良くするだけなんだよ?」 罪悪に諭しながら、姫耶は躊躇い無く剥け切ったペニスの裏スジに舌を当て、ピチャピチャと音を鳴らして丁寧に舐め上げていく。 唾液を塗り付けているかのように下から上へ。ご馳走を食べているかのように美味しそうに。エロティックに。 政宗の調教で無理矢理に成長させられたペニスを、上目使いのまま小さな口で一生懸命に奉仕する。 「ちゅっ、えへへぇ♪ こんなおっきぃの、クチに入るかなぁ? あははっ、いただきまぁす♪ あ~~んっ♪♪」 涙目で口を塞ぎ、顔をブンブンと左右に振る蒼真を無視。 ペニスの根元を両手で包み持ち、唾液をいっぱいに溜めた口を大きく開く。その中は薄暗い車内でも、テロテロに妖しく艶めいて見せていた。 そして、ペニスの先端、カウパーを溢れさせる鈴口にキスし、そのまま…… ちゅぶっ、ちゅぶちゅぶ、ちゅぶり! 「んむぅっ!?」 カリ首の下、亀頭部分を、丸ごと咥内に収めてしまう。 「おっひふて、れんぶはいらなひよぉっ♪♪」 姫耶は頬の内肉と舌で強気に締めて吸い上げ、伝い垂れて来る唾液をローション代わりに、両手で懸命に竿を扱く。 蒼真以上に耳まで赤く上気させ、容赦無く精液を搾り取る動きを続ける。 年齢一桁の小学生女子児童。しかしペニスのあつかいは娼婦そのもの。 蒼真は今までに見た事のない幼馴染みの姿に戸惑いながらも、徐々に沸き上がる快楽の波を必死で堪えていた。 9 仲の良い幼馴染み。なんでも話せる女友達。そんな掛け替えない友人が、急に脅し強迫し、ペニスをしゃぶり射精させようとしている。 「んんっ!? いっ、たいぃ……」 しかも、ただの人間じゃなかった。姫耶の背中はユニフォームを盛り上がらせて膨らみ、いったん口を離して覗かせる尖った犬歯。 「いいよねソー君? ちょっとだけ、ちょっとだけだから……血も、一緒に吸わせてね?」 ちょうどカリ部に付いた、二つの僅かな赤い点。そこから流れる赤い軌跡。 蒼真はペニスに傷を負い、諦めはしたが驚きはしない。姫耶も政宗と同じなんだと理解したのだ。 にゅちゅっ、ぢゅっこぢゅっこ、ぢゅこぢゅこぢゅこぢゅこぢゅこ…… 扱き立てる手首のスナップが、淫音を響かせて一層に激しくなる。 姫耶は再びペニスを咥え込み、恍惚の表情でチューチューと血液を啜(すす)っていく。 「らひてソーくん、ヒメにたくひゃんのまひぇてっ♪」 ペニスの中心の管が拡張を始める。射精の準備を整える。触覚が敏感になり、指の一本一本の動きまで明確に伝える。 もう限界。寸前。睾丸から出来立ての精液が噴き上がり、ドクドクと昇り終点を目指す。 蒼真は歯を噛み締めて目をつむり、射精時に喘ぎ声を発さぬようグッとこらえるしかない。 「そーくん、そーくん、そーくん!」 姫耶はメインディッシュを待ち切れず、舌でペニス先端の溝をほじって催促する。 そしてついに、 「んふぅぅうっ!!?」 びゅるびゅるびゅるびゅるぅぅぅっ!! びゅくんびゅくん! びゅくびゅく、どくんどくんどくん…… 姫耶の咥内へと、凄い勢いで大量の精液を注ぎ込む。 「うぐっ……ふんんっ♪ んん~~んくんく、ちゅるちゅる、ちゅぶちゅぶ、ちゅっ♪♪」 姫耶はそれを苦にもせず、血液とブレンドして飲み干し、胃に残さず納めていく。 静かなバスの中に生まれる、二人の荒い吐息。 「ちゅぴゅっ♪ ねぇソー君……今日、家に泊まって……って言うか泊まりなさい。毒、流したから、今日中に家のお薬を飲まないと、サッカーできなくなっちゃうよ?」 蒼真の目尻から、絶え間無く涙の粒が伝い垂れる。 なんとなくはわかっていた。姉の時と全く同様な現状。 でもサッカーを、大切な夢を人質に取られたら、どんなに理不尽な事でも首を縦に振るしかない。 「くるよね? そーま、くん?」 だから一つ、コクリと頷くだけ。 10 照らし明らめ、祝福していた平穏は終わる。始まるのは闇夜を駆ける怪物達を見過ごす、ヘカーテの猟奇領域。 機械色の黒で塗り潰された車庫。連接的な重低音を鳴らし、独眼龍の描かれたシャッターが上がり始める。 その中に居るのは一人の女性。 「ん……ったくまぁ、私の弟に手を出しやがって……何処のメスだ!!?」 全身を覆う黒いライダースーツに黒いブーツ、黒いオープンフィンガーグローブに黒いフルフェイスメット。黒を統べ、黒を支配する一匹の黒蛇、平坂 政宗。 その中に在るのは一台の凶器。 全体がメタリックシルバーに輝き、重量は300Kgを越え、全長は女の背を越える。見た者の動きを影縫い、封殺し、金縛る、最悪を強制的に連想させる凶々しいフォルム。 これが女の愛馬、黒き女が支配する白銀のマシン。『FORZA Z SGC・S EDITION、ミンチメーカー』。至上最狂の違法改造モンスターバイク。 水平線の下に陽は沈み、ミンチメーカーのヘッドライトが更に際立つ。 エンジン点火、スロットル回転、爆音が展開。早く光を殺したいと、早く闇を犯したいと、ミンチメーカーが狂喜して咆哮する。 「ミンチメーカー、レディッ……」 黒き女の合図。黒きバイクに跨がり、黒一色で全身を染め、その黒を超越する長い黒髪を持つ。嫉妬、愛欲、蛇の化身。 「ゴォォォォォォウッ!!!」 政宗は、女から与えられる快楽で蒼真が絶頂すると、それを離れていても感じ取る事ができる。 そして弟を救う為、恋する人を取り戻す為、平坂 政宗は、夜を駆ける暴風になる。 轟と。動き、走り、スタートから五秒でトップギアへ。『挽肉屋』と名付けられたマシンも呼応してトップスピード。 夜の家並みを、夜の町並みを、夜の高速道路を、自慢の髪を靡(なび)かせながら突き抜ける。 「待ってろよ蒼真……お姉ちゃんが、必ず助けるからなっ!!」 『吸血殲鬼ヘビお姉ちゃん』 【ヘビお姉ちゃんVSコウモリ幼馴染み】決着編に続く。
https://w.atwiki.jp/dora-eroparo/pages/388.html
* * * 朗々たる歌唱が終わり、側でぐったりうっとり聞き惚れていた岡島先輩共々、 手に手を取っておぼつかぬ足取りで集合場所に戻って来て、晒し者リプレイ録画の上映時間が到来する。 財前先輩の場合、ステージに立って朗々と歌い上げただけなのだが、 その格好が格好で選曲が選曲だっただけに、 パーッとはっちゃけてぶっ飛んで丸見え丸出し上等ではしゃぎ回るよりも、 ピチピチと弾ける様な裸体にしっとりと汗が浮かぶままに堂々とステージに立ち、 大真面目に歌い上げている姿が放つエロオーラは鮮烈ですらあった。 「はいオッケー!アイウィン!!いっくよーっ!!!」 確かにゲームの勝者となった中西先輩は、敗者の一人の手を取って勢いよくステージに突っ走った。 「なぁにが国木田あっ!!………」 機械的な無理が過ぎたか無理すぎるのは中西先輩のスーパーハイテンションか、 中西先輩の手にしたマメカラからの強烈な割れとノイズはとっさに耳を覆う程。 「………しろやゴラアアアァァァァァァ!!!」 当初、ステージ上に両手両肘両膝を着いた国木田の背中にダンと右足を乗せて メドレー曲を熱唱していた中西先輩は、ふとその合間に国木田を羽交い締めに立ち上がらせる。 「イセヨイセヨイセヨイセヨイセヨイセヨォォォォォォォォォッッッッ!!!」 国木田の頭を左腕の小脇にぎゅむっと抱えての熱唱。 マジで「お医者さんカバン」用意しとかないとまずいか、まずは耳。 基本、俺から見えていたのは国木田の頭頂部付近だったが、 それが僅かにズレた時、俺は自分の背にたらりと汗が伝うのが分かる。 「レが…あんっ!」 上目遣いに妖しい光を宿した国木田は、中西先輩の腕からするりと抜けるや、 背後から下から上に突き上げる様に、中西先輩の二つの乳房をわしっと鷲掴みにしていた。 「にはあぁはあぁあぁぁぁぁぁぁんっっっっっねええぇぇぇぇぇぇんんんっっっっっ からあぁあぁあはあぁぁぁあああぁぁぁんんんんんっっっっっっっっっ」 ぎゅっ、ぎゅっと、男にすらその激痛が分かりそうなWパイの手掴みと言うかほぼ握り潰しが半分になり、 右手は今度こそ女性の最高敏感部位をがしっと手掴みして早弾きとしか言い様のない指使いが始まる。 どう見ても激痛に泣き出すかハッ倒されるかと言う滅茶苦茶なペースでかっ飛ばしている筈なのだが、 撤去を失念された集音拡声マイクによるとじゅっじゅっじゅっじゅっじゅっと蜜の攪拌も滑らかに、 中西先輩の歌声はハードなハバネロ漬けピザがバラッバラにぶっ壊れて 蜜のタライが引っ繰り返った様な支離滅裂な様相を呈して来てる。 「イプイプイプイプイプイプイプイプウウウウウウウウウウウウレイレイレイレイレイレイレイレイレイレイイイイイイイイイイイハアアアアアアアアアンンンンンンンンン!!!」 さて、ここまでのこの部屋での模様を一部始終見ていた者がいたとしたら、 幾度となく繰り返されたその機会、幹から袋に至るまで、 握った手までもぐっしょりと濡らす程に透明な液体がてらてら照り返している有様でありながら、 そこから先に至る直前にそれはことごとくすいっと交わされる。 国木田と言うのはこの歳にして超精神力をコントロールする達人なのか、 はた又、ENOZのお姉様方と言うのは寸止め歴百年スーパーテクニシャンビッチなのかと驚嘆していた筈だ。 だが、その疑問も、たった今俺が解除スイッチを押した「ありがたみわかり機」を間に置けば容易に氷解する。 このバカ騒ぎが本格化する前、トイレに立って用を済ませた後に、 「シナリオライター」で操作されるままにコールして「ありがたみわかり機」のスイッチを押した事は、 「ワスレンボー」の一撃の下に国木田の脳裏からは消滅している。 無論、俺も含め、と言うか俺が一番と言う事になるが、 今日一日の過酷さを鑑みて、ここに来る直前に 男性陣三人揃って「ソノウソホント」でオナ禁一週間分ほどの充填をした事など、俺以外が知る由もない。 それでもなんでも、いつの間にかステージ上に四つん這いになっていても、 相変わらずおっぱい鷲掴みでぎゅうぎゅうに握られても 勝者の証である黒革のミニスカをぺろりとまくり上げられても、 そんなぷりんと丸出しのお尻を後ろから抱えられて 濡れ濡れずぶ濡れの柔肉にずっこんばっこんぶち込まれて 自分からギシギシ腰を振ってアンアンよがり声を漏らしても、 それでもなんでも半分以上単語の意味を消失していても 辛うじて床に立てられたマメカラへの熱唱をやめようとはしない。 もっとも、最初にやめられない様に設定したのは他でも無い俺な訳だが、 中西先輩の絶妙の腰使いに国木田渾身の打ち込み。 さり気なく位置を移動しておいた隠し集音・拡声マイクの ぐちゅぐちゅパンパンなイカシたと言うかイカレたBGMと渾然一体とろけ合ったハードな歌声。 「んっ、んむっ、んっ…」 どっちにしろ、こうしてどっかりとソファーにくつろいで、 腕以外ほぼ全裸で床に跪いた榎本先輩にしゃぶってもらいながら楽しむにはもってこいだ。 無論、榎本先輩の白いうなじを最大限に引き立てるべく、長めの後ろ髪は一つに束ねた所だ。 「んむむっ…ああ…おいふい…キョンPの逞しいビンビンのP…おいふうでふぅ…」 その頃には、黒目がぐるんと上に向いた中西先輩は一度ステージに額を激突させていた。 第一弾こそ温かに潤った中で受け止めたものの、 ずるっと抜き出した国木田により放たれる間断無き第二弾、第三弾は、白いお尻から腰で受け止めていた。 「私…私もあぁ私ももうあぁ…」 「あー、先輩、イキそうになったら両腕を万歳させて心の中で三十数えて下さいね。 その時以外は、先輩の指はクリをクリクリおま○こぐちゅぐちゅ続けてて下さいね」 部室の誰ぞに倣った訳でもないが、腕のサポーターをここにいる全員の階級ワッペンに対応する 「大将」の階級ワッペンを張ったものと交換した俺は、 にっこり愛想良く先輩に少し前に出したものと同じ指示を出す。 その時だけはふーっと一息ついていたらしい不敵な表情を浮かべた国木田が力を緩めたらしく、 ずるずると脱力しながらエヘラエヘラと表情も緩めて唇の端からの液体も垂れ流しとなっていた中西先輩。 そんな先輩を脇に放り出し、 左手に二本の鎖を握ってステージに立つ国木田の右手マメカラへの絶叫を聞きながら俺は思う。 そう言や、パイナポゥを入れるのって好き嫌いが分かれるんだよな。 どうせなら今度、本物の薩摩の黒豚とやらを取り寄せてハルヒに新婚料理させてみるか。 国木田の足下では、中西先輩の欲情の痕跡をぺろぺろと舐め取りちゅうちゅうと吸い取っていた 財前先輩と岡島先輩W首輪付きが、 目の前の肉マイクがパワーオンするや争う様にしてむしゃぶりついて頬張り始める。 じゅぽんと口から外れ、そこから噴射するに任せてその顔から胸からうっとりと浴びるに任せている そんな首輪先輩二名が気を取り直してむしゃぶりつくのを眺めていた俺は、 俺の足下でごっくんと喉を鳴らしほとんど呑み込んだその後でもぺろぺろと後始末している、 さすがはリーダーのたしなみ、榎本先輩の頭を撫で撫でする。 「あぁあー、キョンP氏ぃ、キョンPのああもう我慢出来ないのぉんっ」 しぶとくなんか喚いてるな、今度は鋭利な手術道具か? 取りあえず、ステージで横並びの四つん這いでぷりんと突き出したお尻を揃って振り振りし、 既にステージにまで滴らせているジューシーな肉の果実も丸出しと言うかむしろ誇示しているのだろう。 そのお二人の首輪な先輩に、 いつの間にかヘッドマイクに切り替えた国木田が後ろに立って交互突撃を敢行している。 いつの間にかと言うのは白々しい。 「ウルトラストップウォッチ」で時間停止中に「マジックハンド」を使って ヘッドマイクに切り替えマイクと繋がっていたカラオケ機材を 中央制御装置を使ってマメカラの今までの進行に会わせたのは当然俺のやった事だが、 疑問を持つ思考能力なんぞとっくにどっかに置き忘れているらしい。 取りあえず、ソファーを両手で握ってこちらに向けて突き出したお尻を振り振りし、 開いた両脚、ああ、元々スタイルがいいから素晴らしい形だ。 その両脚の付け根でお尻の奥で溢れ返った蜜を鮮やかな色を示す果実から滴らせながら、 振り返り振り返り目元を染めて瞳を熱く潤ませて哀願する榎本先輩の向こうに眺めるにはなかなかの光景だ。 「階級ワッペン」つきサポーターを着けたままの俺は、 ぺたんと座り込んでへらへらとステージを眺めている中西先輩にそっと近づきそっと囁く。 「は、ああんっ!貴子ぉおんんんっ!!」 ぺたぺたと這い進んだ中西先輩は、ソファーに手を着いたまま開かれた榎本先輩の両脚の間に座り込み、 まだとろんと惚けた目つきのまま真上の果実にむしゃぶりついた。 そのまま、桃色の舌を突き出してぴちゃぴちゃと前後させる。 中西先輩には、榎本先輩が絶頂を迎えそうになったら三十秒間休息する様に指示してあるし、 榎本先輩には今の姿勢を死守する様に囁いた所だ。 ついさっきまで空手部の大群のごとく絶叫していた国木田に さり気なく持たせておいたアコースティックギター模造品は既に原型を留めておらず、 段ボールクズに塗れた財前先輩と岡島先輩はとろけ切った表情で、 ズン、ズン、と背後から我が身の奥底へと撃ち込まれる一撃ごとに ひくっとその身を弾けさせて甲高い悲鳴を上げていた。 観る専に徹する事となった俺は、気楽過ぎる格好でうーんとソファーに掛けて四肢を伸ばした。 何かがつま先に触れた。それは、見慣れたスポイトだった。 中身が空になっている様だが、目の前の愉快な光景を眺めているとどうでも良くなる。 なお、適量は一滴である。 * * * やはりリーダーにして正ヴォーカル、ただしチームプレイ、これは理想のシメと言うものだろう。 とっくにとっぷりと沈んだ筈の太陽が沈む寸前の美しい情景を情感豊かに歌い上げる、 その歌声はさすがのものだ。 時折、別の方面に向けて情感が豊かになり過ぎるのは、 もはや隠す所なくほれぼれとする様な裸体に三人ほど縋り付いているお仲間が主な原因なのだろう。 財前先輩と岡島先輩は榎本先輩両サイドからひょっこり顔を出し、 やわやわと頼りないくらいの手つきで撫でる様にリーダーの乳房を揉み、 時折交代でピンと尖った桃色の蕾に唇を寄せる。 そして、先ほど先陣切ってはっちゃけていた野球拳マスター中西貴子先輩はと言えば、 リーダーに敬意を表してその足下に跪き、 白い肌の中に刻まれた漆黒の彩りの奥地へと顔を埋めてひたすら舐め続けている。 だが、この部屋に潜伏した「中将」様の指示により、絶頂に至らぬ一線は厳しく保たれていた。 その、まるで鮑の踊り焼きを思わせる悩ましい身悶えを眺めているのは、 これは簡単な引き算だ。谷口は「グッスリまくら」継続中だしな。 残りの二人で、ほぼ真っ裸のままソファーにどっかりと掛けて最後の戦闘準備に入っている。 最初に言っておく。決して腐なんとかいう方々のご期待に添う様な光景は展開されていない。 その準備は全て自分の手で、準備を通り越して開戦前に終戦とならない程度に継続している。 ああ、それだけでも十分丼何杯云々と言う人には別に突っ込む気力も無い。 変態道において他人の事を言えた義理じゃないらしいからな。 歌詞が終わり最後の音楽が流れている辺りで俺は立ち上がり、ツカツカとステージに近づく。 俺がパチンと指を鳴らすと、中将殿の指示通り榎本先輩は身軽な身の上になり、 最後の一音と共に俺と榎本先輩は熱く唇を重ね舌を絡め合う。 そうしながら、俺の手は早くも熱く潤い溢れかえった所をかき回す。 榎本先輩も早速に掴んで来た。鼻息は荒く目は潤み破裂寸前とすら言うべき形相。だが、それがいい。 「んふふっ、国木田くん」 俺の後を着いて広いステージを共にし、 一息ついた所でやや本来のペースに戻りつつある国木田にも、中西先輩がツカツカと接近していた。 「さっきは凄かったよねー可愛い顔しちゃって。 逞しいご主人様、うーんっとご奉仕してあ、げ、る」 中西先輩の繊細な指が国木田の顎から頬をつーっとなで上げ、 国木田の両方の脇腹には、財前先輩と岡島先輩がぴとっと胸を押し付けて抱き付いていた。 「はああああっ!!!」 促されるまま、壁に手を着いた榎本先輩。 俺が突き出されたお尻を抱え、一息に貫くとそれだけで榎本先輩は顎を上げ、ガクンと落とした。 だが、パン、パン、ずちゅっ、ずちゅっと生々しく響く度に、 先輩は束ねた黒髪をぴょこぴょこ揺らして甘い悲鳴を上げる。 事前に大体の予想を付けて、集音マイクは第一、第二、第三まで稼動させてある。 「はああっ、ああっ、はああんっ」 「ああっ、ああいいっ!当たってる、すっごい硬いの当たってるうぅっ!!」 その横では、中西先輩の腿がステージ上に寝かされた国木田の腰を挟み込み、 中西先輩はその中心でずっぷり繋がり合いながら激しい上下運動と共に絶叫する。 その側では、国木田の唇から舌を貪っていたその口で、岡島先輩が耳朶をしゃぶり首筋をなめ回す。 唇から舌先で胸板をなで回していた財前先輩は今は乳首をちゅぱちゅぱ吸っていた。 「はあっ、ああっ、あんっ…」 ガクンガクンと首と共に揺れる黒髪を眺めながら、 その声が切羽詰まって来た榎本先輩から俺は距離を取り肉体的な連結を解除する。 「?」 恨みっぽさすら漂わせ、後ろを見た榎本先輩の後ろで、 俺はステージに尻を着き大きく手足を広げた。 そんな俺に榎本先輩はふらふらと近づき、ゴクリと喉を鳴らすとゆっくりと腰を下ろした。 「あっ、ああっ、あっ…」 「ふふっ、先輩、榎本先輩、そんなに俺のコレが欲しかったんですか?」 ぎゅうっと抱き締め、動きを封じながら俺は囁いた。 「はあっ、ああ…欲しい…キョンPのP…で美夕紀のぉびちょびちょ濡れ濡れおま○こぉ ズンズン突いてもうがまんできない…あああっ!」 俺が腕の力を緩めると、途端に榎本先輩の体は高々と伸び上がった。 「ああっ!はんっ、あんんっ、はああんっ!!ああっ…涼宮ぁさぁぁんに悪ぅいぃあぁ…」 譫言の様な言葉が混ざり込む。 はて、そういう関係になった事をこの人に喋った事があっただろうか、団内は別にして一応秘匿事項の筈だし。 他でも無い俺の仕込みで、そこそこ有名なステージに代役が巡って来たのがENOZ。 あくまでも知り合いからの仲介と言うスタンスで話を持ち込んだ俺は、 予想外のチャンスで半ばテンパッたENOZに雑用係として出向する事をハルヒに申し出た。 知り合いであり自分が先輩とは言え、相手が相手である。 俺と一緒に遠慮がちにその話を持ち込んだ榎本先輩に、ハルヒは二つ返事でOKを出した。 これには榎本先輩の方が言葉を失った程だったが、 俺にはなんとなく分かる。普通の中にも自分が中心でなくても楽しい世界がある。 それを体感させてくれたENOZへのハルヒの思い、友情、恩義すら、それは予想以上に深かったと言う事だ。 そんな訳で、それからもなし崩しにSOS団とENOZの雑用係を兼務していた俺だが、 あのENOZやハルヒを見ていた俺は、そこで音楽的才能を発揮する事はしなかった。 その代わり、様々なチート道具を使いつつ、それをせいぜい超高校生級、 つまり表から見た古泉辺りのレベルにまでセーブした雑用係として、まあ色々用意させてもらった。 ああ、こんな事も今に始まった事じゃない。 ENOZのお姉様方は、今や企画にも携わり影のプロデューサーとして君臨しつつ、 余りやり過ぎるとハルヒの独占欲に触れると言う事で黙っておこうと言い含めている俺の、 数々のギリギリ信じられる奇跡のステージを用意して来た卓越した外交手腕と 幾度となく随喜の涙を絞り尽くした数々のベッド上の奇跡にすっかり心酔しきっている。 言うな、気恥ずかしいが事実だと言う事も世の中にはあるもんだ。 その全員が俺との初めての時に恥じらいながら本当にその事自体が初めてだった事には些か驚いたがな。 高校生で不良音楽のバンドをやってる様なメス共は所詮あれだとあれ、ビッ… あー、上の二行はあくまでいわゆる二次創作的キャラ類型とか言う奴に基づく ノリに基づく冗談であり冗談に基づくノリだ。 本心で言えば多分そうだろうなと分かってはいたが、やっぱりそうだった事に、 良心の疼きが無かったと言えば嘘になる。結局俺は徹しきれないって事だ。 だから、ルールとして、この魅力的なお姉様達とは、決して一対一の関係を持つ事は無かった。 大きな事では言えないがチームメイトでアーティスティックでクールでポップなミュージックカルチャー であると、「うそつ機」を通して納得いただいている。 随分色々とプロデュースさせてもらったが、やっぱりあれだ。 そこそこデカイ野外コンサートへの出場を決めた時、今日の最初のステージとほぼ同じ格好で、 「無生物さいみんメガフォン」で即効強力媚薬と化したチューブ歯磨きを ごってり十字に盛り上げられたパールローター稼動挿入状態で アンコールアンコールのステージを歌いきった後の楽屋は、あれこそサバトって奴だったな。 「くるっ、ああっくるうっ!! 凄いっ君のすごいいっあああっ中でぇ私のぉ私いっいいっいくいくいくううっっ…」 「ああっ!はあっ、あんっあっ、もうああっあー…」 側のステージ上で、国木田と中西先輩の背筋がピンと反り返り、 痛みだけでは無いうめき声がその口から溢れ出した。 国木田の上からずるりと離れた中西先輩が、ずりずりと這い進んで国木田の唇を吸う。 その頃には、財前先輩が国木田の体から、 中西先輩がその体内から絞り出した蜜と国木田自身が放出した痕跡をぺろぺろと舐め取っていた。 「んむむむっ!!んんっ…キョンP…キョンくん…」 改めて唇を奪われた榎本先輩はうっとりととろけそうな表情だ。 それが、未だ繋がったままの俺の雄を打ち込まれる度に、顔も、声も、熱く、激しいものに変わっていく。 「んむむっ、んっ…あっ、あー…んんんっ…」 榎本先輩の方から唇を奪い、ぎゅっと抱き締め、そしてギシギシと腰を揺らしてその時を呼び込もうとする。 その魅力的な全てを前に、俺ごときが持ちこたえる時間などたかが知れている。 後は、下半身から押し寄せる陶酔の時間を、押し付けられる膨らみも柔らかに きゅっと抱き締め脱力する先輩の柔らかな裸体を抱き留めながらまどろむだけだ。 横目の視界に、ぎしぎしと半身を上下させる財前先輩の裸体が映る。 中西先輩は濃厚なキスを窒息するまでの勢いで貪り続け、 岡島先輩の舌は既にベタベタの胸板の中でピンと尖った乳首をぺろっぺろっと舐めている。 まあ、もうじき、そうだな後精々片手に収まるぐらいの巡回が終了したら、 「きょうじき」の時間進行も解除されて、 俺以外の頭の中じゃあ高校生らしい健全なカラオケ大会だったと言ってお別れな訳だが、 今までここまでこれからを全部リセットってのは少々惜しいだろう。 さすがに十回やそこらじゃあれだが一万回もやってりゃ嫌でもこじ開けてくるくらいだ、分かります。 その辺に「石ころぼうし」を被って「イージー特撮カメラ」を手にした未来人がうろついてる筈だ。 だからな国木田、今日一日のお前の勇姿は余す所なくイージー編集して そのフィルムを「ウルトラミキサー」で「ドリームプレイヤー」の空テープと合成して、 「ドリームプレイヤー」ごとお前の枕代わりにレンタルしといてやる。レンタル期限は明日の目覚め前だ。 で、搾り尽くされて枯れ果てたままってのも健康上問題があるからな、 「ドリームプリイヤー」の交換は、「グッスリまくら」で熟睡して 「ソノウソホント」でオナ禁一ヶ月分ぐらいの充填をするまで待ってもらうぞ。何、礼には及ばんさ。 * * * 俺も含め全員がグロッキー状態の中で時計を目にし電卓を弾いた俺は、 既に稼働中の「きょうじき」の進行を再度調整し、 ここでのんびりしている間に外部ではちゃっちゃと時間が流れている状況を少しやり過ごしてから 「きょうじき」の効力を解除し、「ウルトラストップウォッチ」のスイッチを押す。 そして、この部屋と全員の時計を本来の時間に合わせてから、もう一度スイッチを押す。 フロントの電話を受ける形で他の面々と共に部屋を出た俺は、 便所の振りをして一度その場を離脱する。 「あっ!あっあっあっあっあー…」 「あのー、長門さん?あなたは一体何をしておいでなのでしょうか?」 「きょうじき」で時間進行を調整し、ガチャリとドアを開けて「中央制御室」に踏み込んだ俺に、 さっきまで今正にと言う切羽詰まった声を上げていた長門は驚愕の表情を浮かべて振り返った。 地理的に俺達の部屋に近い「中央制御室」は 先ほどまでの「きょうじき」の支配下に廊下を含めてそのまま巻き込まれており、 元々警備上の都合として借りている「中央制御室」は俺達のチェックアウト後も最低三十分、 こちらから連絡するまでは一切干渉してはならないと関係者に厳命を下してある。 そして、「中央制御室」の天井近くと壁際の一角には網戸を張った「どこでもドア」が開通しており、 それぞれ同じ無人島内の別の場所と繋がっている。 この無人島は、「天才ヘルメット」と「技術手袋」で時限装置を組み込まれた「きょうじき」により、 制御室や俺達のいるカラオケルームと同じ時間進行となっている。 「つづきをヨロシク」によって天井近くに固定された「どこでもドア」には 「つづきをヨロシク」による手動発電機と接続された換気扇が取り付けられて板で隙間を塞がれ、 無人島側のドアに網戸で作った箱が被さる形になっている。 壁際の「どこでもドア」は、 「風神」を手にした「つつきをヨロシク」がいい感じに無人島の風を制御室に送り込んでいた。 「雑用係附属雑用係が、言いつけられたお仕事をさぼって独りで盛っていたって訳か。 これはお仕置きが必要だな」 「うそつ機」を使い、俺が団長様を騙って勝手に長門に授けた肩書きを口にしながら、 俺は、おずおずとした長門の仕草を目で楽しむ。 なお、長門がパソコンに向かって座っていた椅子は、早い話が改造自転車だ。 ただし、ハンドルはあるがタイヤはなく床に設置、取り外し可能な複数の重石で固定。 そのサドルはモーターその他内蔵の特殊改造で微震道と静止を繰り返す仕組みになっており、 俺はそこに座る時の姿勢も長門にきちんと指示を出してある。 「ち、ちが…さぼって…ああっ!!」 恐らく、あの部屋から直結でピンポイント集音で流れ込み続けていた来た音声が途切れた事で、 そう判断したのだろう。そして、本来それは正しい。 だが、長門は抗弁の言葉を探しながらも、素直に壁に手を着いてお尻を突き出す。 である以上、俺は、言葉通り既に中央に染みの広がりつつあった白いショーツをずるっと引き下ろし、 くりっと突き出した中身にパアンと平手を張る。 「ああっ!あーっ…」 「なんだこれは長門?長門はお尻ぺんぺんされてこんなになっちまう真性の変態さんだったのか?」 ぐちゅっと突っ込まれ、そして、自分の顔の横でつーっと糸を引く俺の指に、 身に覚えがあり過ぎるらしい長門の目元はほんのりと染まりぷるぷると顔を横に向ける。 着た切り雀のセーラーを下着ごとまくり上げ、後ろから掴むとすっぽり掌に収まる発育途上長門パイも 食べ頃上級生パイ食べ放題の後には初々しさが清々しい。 「この、真ん中のコリッてのがたまらんなこんなにピンピンに硬くして。 素直に白状するならお慈悲もないでもないぞ長門」 「…キョンくんのおち○ちんが恋しくて独りカラオケボックスでオ○ニーをしていた変態ゆきの 淫乱おま○こにお慈悲をもってキョンくんのぶっといおち○ちんをぶち込んで下さい」 ラストオーダーに相応しい。ふんっ!! 次話へ進む 小説保管庫へ戻る
https://w.atwiki.jp/tesu002/pages/1459.html
1 ※短いです 2011/01/31 http //raicho.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1296463799/ 戻る 名前 コメント すべてのコメントを見る 一人の時間って必要だよね。 でも、帰る場所があるってことはありがたいこと。 印象深いね。 -- (名無しさん) 2015-11-24 22 24 54 執事っぽくない、綺麗。 -- (名無しさん) 2015-05-07 22 47 21 やっぱ、澪ちゃんは一番大人っぽいな(´Д` ) -- (あずにゃん) 2011-09-01 00 44 05 澪はひとりでイヤホンしながら散歩してる姿が似合う 落ち着いた雰囲気がいいね -- (名無しさん) 2011-08-31 14 27 53 雰囲気がいい -- (名無しさん) 2011-02-03 17 56 23 良い締め方。深いね。 -- (ごはんはおかず) 2011-02-02 00 37 54 澪って良い名前だよね -- (名無しさん) 2011-02-01 22 27 25 このスレタイの澪とは 船が通ったあとに残る水の筋。航跡。 を指す。 書き手が言ってたし、うつ病もいらなかったと言っていた -- (名無しさん) 2011-02-01 21 00 41 「澪」…か。深いよね…。 -- (名無しさん) 2011-02-01 20 57 01 「澪」字の話かな?良いね。 -- (通りすがり) 2011-02-01 07 08 27