約 460 件
https://w.atwiki.jp/pricone/pages/695.html
《罪歌の母 園原 杏里》 キャラクターカード コスト5/青/CP5000/ランク1 【罪歌】 ボーナスアイコン RANK+1 [コネクトアタック(4)] このカードのコネクトアタックで、【罪歌】を持つ「園原 杏里」が表になった場合、 相手のキャラ1枚を休息状態にすることができる。 今も、二人の少年に依存しているのかもしれない。 デュラララ!!で登場した青色・【罪歌】を持つ園原 杏里。 コネクトアタック4と、コネクトアタックで【罪歌】を持つ園原 杏里が表になった場合、相手キャラ1枚を休息状態にするテキストを持つ。 関連項目 園原 杏里 【罪歌】 収録 デュラララ!! 01-019 SR
https://w.atwiki.jp/talesofdic/pages/22893.html
テイルズ オブ クレストリア 咎我人の罪歌 + 目次 概要 コメント 関連リンク関連項目 被リンクページ 概要 商品名 テイルズ オブ クレストリア 咎我人の罪歌 分類 漫画 発売日 2023年01月17日(1巻)、2023年06月08日(2巻)、2023年10月06日(3巻)、2024年2月08日(4巻)、2024年5月9日(5巻) 販売/出版 講談社 著者 綾杉つばき、 熊谷純 価格 定価:770円(本体700円) 商品画像 コメント 講談社の方によるとタイトルに関しては、カタカナのみだと読者がとっつきづらい傾向にあるので、熊谷氏と相談して漢字と平仮名を混ぜるようにして「咎我人の罪歌」と付けるようにしたとの事。ゲームだと「テイルズオブシンフォニア ラタトスクの騎士」がこのパターン。 2023/9/8の重馬敬氏のX(旧twitter)スペースにて、今後の表紙は4巻がユナ、5巻がオウレン、6巻がヴィシャスを予定しているとの事。これも講談社側の提案で「ヴィシャスをトリにした方がいい」と言われたとの事。 基本的に日曜日に2週に1度の頻度でマガポケにて配信される。不定期の開催で綾杉氏が描いたスキット漫画と、講談社側が漫画のコマを切り貼りして台詞を書き替えて話を作るクソコラ漫画(リクルートのCMがモデルとの事)が配信されている。 打ち切り話が頻繁に持ち上がっており1度目は2023/6上旬でこの際にBNEが漫画発売のPVを作って応援するようになった。2度目は2023/9下旬頃で3巻の売上次第となる。 5巻にはアソビストアの購入特典で2枚のブロマイドからランダムに1枚が封入される。更にTOF2024の会場で5巻を購入すると3種類目のブロマイドがもらえる。 6巻は2024年夏頃の発売との事。また6巻の連載からこれまでは隔週更新(2週に一度日曜日に配信)だったが、一回休みを挟んで3週連続更新という形になるとの事。ほぼ週刊連載です。スキットはこの制作体制に慣れるまで見送る方針との事。 関連リンク 関連項目 被リンクページ 関連商品:テイルズオブクレストリア 関連商品:咎我鬼ノ追憶 ▲
https://w.atwiki.jp/animerowa-2nd/pages/577.html
罪歌 阿鼻叫喚の狂った舞台(後編) ◆wYjszMXgAo ――――轟音が鳴り響く。 かがみとラッド、二人分の螺旋力を乗せた上に、不死者の再生能力頼みに人間の筋力の限界すら天元突破させた上での狂拳だ。 もたらした結果は、破壊の一言。 コンクリートの壁は完全に陥没し、ひび割れた。 小さな地震とも思える程の振動が辺りに轟き、止んだ。 全身から血を噴き出しながら繰り出された一撃は鉄塊よりなお物騒なバリアジャケットを粉々に砕き、 中にあったかがみ本人の腕すらも原形を留めさせないほどにひしゃげさせていた。 が、即座にどちらも修復される。 「……へ、運が良かったなあナオちゃんよぉ」 ……そして、結城奈緒は倒れ伏していた。 胸をわずかに上下させているのは生き延びている証。 ……単純な話だ。 かがみの左腕が到達する前に気絶した奈緒は、くたりと体を曲げ地面に倒れこんだ。 全身を利用するパンチを放つかがみにそこから軌道修正することは叶わず、壁に拳をプレゼントすることになったという訳だ。 しかしそれだけではラッドの殺意は納得してくれるはずもない。 ゆっくりと、ゆらりと歩き始めるかがみの先にあるのは先刻すっぽ抜けたヴァルセーレの剣。 地面に突き刺さったそれを引っこ抜き、軽く振り回す。 「クク、ハハハハハ……! どうなのよおいこの状況はよ。 気絶している人間ってのは自分が死なねえと思ってんのかね、どうなのかねえ」 無表情で立ち止まり、考えるように俯いて――――しかし0,5秒で笑みを取り戻す。 「まあどっちでもいいよな、殺すんだからよぉ、ヒャァハハハハハハハハハハハッ!!」 ケタケタという声を漏らしながら、倒れたままの奈緒の前に立つ。 一瞬だけ金ぴかな男の顔を思い浮かべ、そいつを殺した時の喜びに期待しながら剣を振りかぶった。 ―――――刀身に月が映り込む。 一息にかがみはそれを振り下ろし―――― ……奈緒に刃を届かせる前に、ガクリ、と膝をついた。 かたかた、かたかたと、かがみの震えは止まらない。 「うぁ、あ、あ……ああぁあぁあああああぁああああ……!」 ――――まるで、自分が自分でなくなってしまうかのような感覚。 確かに自分が柊かがみであるという自覚さえ失っていく。 かがみ自身には殺戮の嗜好など全くないのに。理解することさえできないのに。 ……自分自身のどこかが、信じられないほどの歓喜を催しているのだ。 己が信用できず、相容れないはずの狂気に取り込まれそうな浮遊感にも似た実感のなさ。 ――――かがみの感じる全てが、視界に映るあらゆるものが、ボロボロになって崩れ落ちていくようだった。 それは、フィーロ・プロシェンツォがセラード・クェーツを食らった後に湧き上がった恐怖と全く同一のもの。 奪う事を。『食う』事を何よりも楽しむセラードを理解できず、彼は一人でそれを抱え込み続けた。 自身がセラードのようになることを恐れるがあまり、セラードの記憶を使おうとさえしなかった。 だが、記憶は徐々に混ざり合っていく。 かがみにも確からしい足場はなく、記憶に踏み込みそれを行使すれば、自我がラッド・ルッソに侵食されそうになっていく。 殺人の悦楽は、確かに自分のうちから生じているのだから。 フィーロはある時、こう言った。 『自分がどうにかなって、組の人間やエニスたちに手を出しさえしなければ別に自分が誰であろうとも構わない』と。 ……逆に言えば。 たとえ自我がかがみのままであろうとも。 ――――ラッドの嗜好が完全に自身に定着してしまう可能性は確実に存在するのだ。 それも、この先永遠に。 自分は不死者なのだから。 果たして――――いつの日か、自分がラッド・ルッソに成り代わられてしまう可能性すらもあるのではないか。 分からない。分からない。 何よりの恐怖……未知。 自分が自分でなくなるのかどうかは、それこそその時が来ないと分からない。 それがただ純粋に、怖い。 確かなのは、ラッド・ルッソのあらゆる構成物が自分のうちにあるという、それだけだ。 怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。 自分は一体、誰なのだろう。 柊かがみ? そうかもしれない。 ――――この場に残った唯一の知人、小早川ゆたかの姿を思い浮かべる。 彼女と知り合いなのは柊かがみ。だから、自分は柊かがみだ。 彼女はこれから向かう予定の刑務所にいるはずである。 だが、しかし。 ……彼女は、今の自分を柊かがみと認めてくれるのだろうか? 不死者などという存在になり、殺人鬼を己の内に食らったこの自分を。 肯定の可能性は最悪の予想があっさりと覆い被せてしまう。 もし彼女が自分を柊かがみと認めなかったら、自分は一体誰なのだろう。 ……それこそ。それこそ、自分は殺人鬼であるあの男なのでは―――― 地面に手をつき、赤ん坊よりも無防備にかがみはただただ震え続ける。 手に握ったままのヴァルセーレの剣が怖ろしくて、今すぐにでも手放したくなる。 だが指の一本すらまともに動いてくれない。 引き剥がしたくても、反対の手も全く動かないのだ。 「あああ、ぁあ、あ……私、私は……一体、私は、ぁぁぁぁああぁぁぁあああぁああ……」 ――――うずくまり、泣きじゃくり、えずき続ける。 その背に、ぽん、と、暖かな手が当てられた。 「……ふん。今の貴様は『不死身の柊かがみ』だ。 それ以外の何かではあるかもしれん、それ以外に何もないかもしれん。 ――――だが、それだけは確かであり、お前を証明するものだ。 そうだろう? 不死身のよ」 「……アル、ベルト」 アルベルトを見つめる。 彼は、何も言わない。 ただ自分が立ち上がるのを待っているだけだ。 「……あ、」 ――――そうだ。 誓ったではないか、神にでもなってみせると。 『不死身の柊かがみ』は、そこまでたどり着いてみせると。 ならば、それこそ確かな自身の縁だ。 彼女のアイデンティティは、確かにここにある。 BF団の、不死身の柊かがみ。 今の彼女がそうである事に疑いはないのだから。 たとえラッドの記憶に翻弄されようとも。 小早川ゆたかに柊かがみであることを否定されたとしても。 ――――アルベルトは、確かに自分が不死身の柊かがみであると認めてくれたのだから。 ぐしぐしと涙を擦り、無理にでも笑顔を作る。 自分たちの道程は、まだまだ遠くまで続いている。 その果てを見定めるためには立ち止まるのは早すぎるのだ。 「……うん。ごめん、心配かけた。 私は不死身の柊かがみ……それは確かなことよね。 ありがとうアルベルト……もう平気だから」 涙が止まったかどうかは分からない。 だがかがみは頷き、ふらふらとしながらも立ち上がる。 いまだに手はまともに動かないし、足下もおぼつかないがどうにか頭ははっきりしてきていた。 ……無駄な時間を過ごす意義は少ない。 さっさと話題を切り替えて、少しでも有益な会話をするべきだろう。 ラッドの力を試すという目的も達成できた以上、奈緒などに構っている暇はないのだから。 と、一つ話しておくべき事に思い当たる。 自分たちの最終目的である螺旋王を『食う』ということに関する重大な弱点についてだ。 わざとらしくこほん、と咳をつき、かがみはゆっくりと話しはじめる。 「あ、そうだ。さっきテンション上がってた時にも言ってたと思うけどさ。 ……あの男の記憶から推理したことについて、ちょっと言っておきたいことがね」 落ち着きを取り戻したかがみのその声に、心中で安堵をしながらもアルベルトは頷いてみせる。 ……先ほどの奈緒に向けたかがみの言葉の中でも引っかかっていた部位だ。 「……ふむ……不死者の能力の制限か」 「……うん」 鹿威しのようにこくりとかがみは頷き、ラッドの記憶にある『不死者を殺せる可能性』を言葉にして連ねていく。 「考えてみればおかしいしね、螺旋王が死なない人間をここに放り込むなんて。 ……私たちと同じく、ラッド・ルッソもこう考えてたわ。 『禁止エリアに不死者を放り込めば、殺せるだろう』って。 多分それは間違ってないわ。 もしそうでないなら、私みたいな不死者は禁止エリアに突っ込んで首輪を爆破させればいい。 後はそこに待機していれば優勝するのは簡単よ。全エリアが禁止エリアになるのを待つだけなんだから」 ここまではアルベルトにとっても予測の範疇だ。 あらためて確認し、頷いてみせる。 かがみはそれを認めると続きを話し出した。 「……で、それはつまり、首が胴体から離れたら、きっと再生できないってこと。 この意味、アルベルトなら分かるでしょ?」 ……つまりは、一定以上の深いダメージを食らった場合、不死者でもどうにもならないことがあるということだ。 主催者はどうにかして参加者の力を縛っているのはアルベルト自身が良く分かっている。 ……ならば、不死者に対しても制限がかかると考えるのはむしろ当然の事だろう。 いくら不死とはいえ、これからはかがみの生死について警戒のレベルを引き上げるに越したことはない。 アルベルトはかがみの言わんとすることをそう捉え、真剣な表情で答えて見せた。 「道理だな。ワシの力も十全ではない……むしろ当然の措置か」 その返答に対して、かがみは俯きながら、悪い可能性をさらにリストアップする。 「……もしかしたら頭に致命傷を受けたりしても同じかも」 告げるかがみの顔色は、先刻とは別の意味で浮かない。 考えるまでもなくアルベルトは一つの可能性に思い当たる。 「……不死身のよ。死に恐怖したのか? その可能性に」 「……うん」 当たり前だろう。不死だからとこれまでそれに頼ってきたものにとって、それが十全でないという可能性を突きつけられたのだから。 これまで多少は安心していた分、襲い掛かる不安は倍加してもおかしくはない。 だから、アルベルトは言い放つ。 それこそが当然なのだと言わんばかりに。 「いい心掛けよ。死を覚悟するに越したことはないのだ」 ――――そう。 生命とは、そもそも死するもの。 それを意識することこそ自然であり、しないのはそれこそ慢心なのだ。 あの、ギルガメッシュのように。 されど、これは言っておく必要があるだろう。 『梯子は足りているのか?』 ――――ずっと脳内に響き続ける神父の声。 それに対する返答でもある。 口に出し、伝えることで言霊を現実化させる。 これこそが、我々の道であると。 「……だが、案ずることはない。 不死身の柊かがみよ、貴様は安心してよいのだ。 ――――ワシが貴様を守ってみせるからな」 ……柄にもない。分かっている。 目の前のかがみすら顔を紅くし、慌てているくらいなのだから。 「……え? ちょ、ちょっと、あの……」 だが必要な行為だ。 今はいない神父に対し、告げる。 我々の道に翳りなどないと。 たとえ翳りが見えようとも、そのことごとくを打破してみせると。 その想いを込め、言い放つ。 「ん? くく、生意気にもワシが信頼できぬとでも言いたいのか?」 「そ、そうじゃなくて、さっきからどうしてそんな事ばかり……」 ――――そう、それを。 その覚悟を、目の前の少女にも伝えなくてはなるまい。 彼女が螺旋の王を食らうなら、それを導き、また護るのが自分の仕事だ。 再度、それをお互いの中に留め置く。その為の儀式なのだ。 「なに、改めての確認だ。ワシらの進む先はか細い梯子ではなく、泰山の頂であるという、な」 にやりと笑い、断言する。 「……え?」 かがみの表情を見て、不安を口に出してしまったことに少しだけ焦燥感を覚えるも、大した問題ではない。 ……そう、梯子などではない。 踏みしめるに値する、高く高く聳える峻峰なのだと、己に言い聞かせる。 ……やけに饒舌なのは分かっている。 それもこれも全て神父の言葉のせい……いや、おかげなのだということも。 これは良い契機だ。 自身の不安を吐き出し、互いに支えあう為の。 言葉は戒めの楔となり、自身の果たすべき仕事を浮き彫りにするのだ。 なれば各々の領分を弁え、出来る事出来ない事を助け合い、いかなる困難にも立ち向かえるだろう。 ――――そして。 それを乗り越え、成し遂げるための信頼を築いていこう。 「……いや、何でもない。そして、だ。もっとワシに背中を預けてみせるがいい。 何故なら――――」 ひと息を置き、告げる。かがみと自身の不安を振り払うかのように笑いながら。 「ワシは貴様より遥かに強い。こんな殺し合いで死にはせん程度にはな」 サク。 「……む?」 ――――軽い音が、鳴り響いた。 「……言った、よなあ」 見れば、かがみは俯きながら、笑っている。 「言っちまったよなあ……」 どこまでも歪み、捻じ曲がりきった笑みを。 「テメエは……よりによって……!」 ――――殺人鬼の笑みを。 「その言葉を! この『俺』の前で!」 ゆっくりと、かがみの顔の更に下のほうを見る。そこには。 「……自分は死なねぇって、」 かがみがずっと握ったままの、ヴァルセーレの剣が自分の左胸を貫いていて。 「ほざいちまったよなぁぁぁああああああぁぁぁあああぁぁああああッ!!」 言葉と同時。 いや、その直前からかがみが振りかぶっていた鋼の左拳が、一直線に剣の柄尻を自分の左胸の、 奥の、奥の、奥の、奥の、奥の、奥の、奥の、奥まで押し込んでいく。 「……不死身の?」 ――――呆然と。 ただ、呆然と。 滴る血雫は既に池を造っている。 それを確認してから、アルベルトはのろのろと面を上げ、かがみの顔を見る。 その表情には確かに殺人鬼の笑みが浮かんでいて―――― しかし、それは口元だけだった。 眉も目も。それが語るのはかがみ本人すら状況を理解できていないという驚愕の二文字。 口だけをどこまでも歪ませながら、いつしかかがみの瞳からはぼろぼろと涙が零れ落ちてきていた。 「…………アル、ベルト?」 狂った喜色を表現する口元から、呆けた調子の少女の声が発されると同時。 ――――十傑集が一人、衝撃のアルベルトは、あっさりと。 あまりにもあっさりと、膝をついた。 「あああああああああああぁぁぁぁあああぁぁあああああぁぁぁああぁぁあああああ ぁぁぁぁぁぁぁあああああああぁああああぁぁぁああああぁああああああああぁあ あああああぁああぁぁあぁぁあああぁああぁぁあああああああぁあああぁぁあぁっ!!」 少女の慟哭が、夜の闇に響き渡る。 ――――思えば予兆はあったのだ。 アルベルトの自信に満ち溢れた言葉を聞いた時の、かがみの態度。 それは、アルベルトに向かって込み上げる殺意を押し込める為に必死だったというだけのことだ。 何が原因だったかは、追究しても仕方がない。 例えば、かがみがラッド・ルッソの記憶に踏み込みすぎたのが原因かもしれない。 あまりにその殺意に馴染みすぎて――――ある程度なら殺意を抑えられると油断していたのだろう。 あるいは、ラッド・ルッソがあまりに歪み、あまりに真摯に死なないと思っている人間を嫌悪していたからかもしれない。 どこまでもどこまでも捻じ切れきった彼のその信念は、たとえ食われようとも薄まることなくかがみの中にどす黒い輝きを放っていたのだ。 何より、言峰綺礼の埋め込んだ楔が強く強くアルベルトの心を抉ったからかもしれない。 ――――彼は、どこまでを見通していたのか。 確実に言えるのは、彼の言葉がなければ、決してアルベルトが『自分は死なない』などと言わなかったに違いないという事である。 かがみと、自分自身を安心させる為に。 ◇ ◇ ◇ ――――今から少しだけ、殺し合いとは全く関係のない話をしよう。 話というよりもただのエピソード。 ただの余談。ただの蛇足。 興味がないなら立ち去っても構わない。 ――――ふむ、それでも知っておきたいのか? まあいい。 ◇ ◇ ◇ ……天を突くような摩天楼。 いくつものいくつものビルの中、その街は今日も相変わらずの様相を見せていた。 止まらない雑踏。 とめどない話し言葉。 数珠繋ぎの車の群。 アニメキャラのプリントされた痛車。 人の海を吐き出す電車。 いくつもの店の客を呼び止める声。 町の所々に姿を見せる黄色い布。 巨漢の黒人の目立つ寿司屋。 公園のベンチを引っこ抜くバーテン服。 夜の道路を駆け抜ける漆黒のライダー。 ――――そんなものが織り成す日常の中、一人の少女が歩いていた。 地味な近場の学校の制服に、眼鏡。 文学少女というイメージが極めて近いだろう。 あたりをきょろきょろと見回しながら同級生の男子二人を探す彼女は、ふと違和感を覚えて振り返った。 そこにいたのは、目の鋭い外国人の男性だ。 彼はこちらを見ながらなにやら流暢な日本語で独り言を繰り返している。 ……少女にとっては聞き捨てならない言葉を。 「……意識を持った妖刀、か。 それに乗っ取られない為に、己すらも客観視し世界全てを絵の中の様に認識する。 成程、それも一つの手段ではあるな。まあいい」 ――――愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる 愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる 愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる―――― ――――男性の言っている事は、あまりに的確に少女の存在を浮き彫りにしていた。 彼女がその身に宿すはまさしく妖刀。 所有者本人の意識を『怨嗟にも近い愛の言葉』を振りまきながら奪い取り、斬りつけた人間を更に己の支配下に置くという曰くつきの刀である。 一応、刀の意思に抵抗すれば逆に乗っ取り返すこともできるのだが、それができる人間は殆どいないのが現状だ。 しかし、少女は刀に意識を乗っ取られていない。 男性の言うとおりに自分自身すらも客観視し、この世のありとあらゆる事象と意思を隔離することで、自我を保っているのである。 ――――意志の強さによるものではない、数少ない例外だ。 何となく不穏に思い、近づきながら少女は男性に話しかける。 「あの……」 と、不意に男性がこちらを見据え、訳の分からないことを言い出した。 「ん? ああ、気にしないことだ。 良く似ている事例を思い出していたんでな。まあいい。 ……ホムンクルスの『水』に良く似ている特性だと思っただけだ」 「……水?」 言っていることは良く分からないが、とりあえず相槌を打つことにする。 すると男はにやりと笑い、こう続けた。 「……意思を持った水だ。単体では意味を成さないが、それを人間が飲むことでその水に意識を乗っ取られる。 ……正確にはお前の刀の様に意識の奪い合いをするわけだが、やはり大体乗っ取られるな。 そして水を飲み、支配された人間は別個の肉体を持ちながらもあらゆる情報を同時に共有する。 ……ひとつの、『水』そのものの意思の下にな。 だが、水の支配を受けず、奪い合いもせず、意識を共存させる方法が一つある」 一息。 「それは、水と人間双方が身体の支配権を放棄した場合だ。 逆に言えば、どちらか一方が支配権を放棄しただけなら、もう一方が相手の知識を得るだけになる」 「……ええと」 返答に窮する少女。だが、男はそれに全く関心を向けずにただ淡々と知識を紡いでいく。 「面白いだろう? お前の刀であれ、水の場合であれ―――― 身体の支配権というのは、常に強い意識を持ったものだけが表に出てくる。 お前みたいなのは本当に例外としか言いようがない。 ――――そうだな。 あの少女の場合も、もし少女自身が意思を放棄したならば――――」 そこまで口にしながらも男は言葉を区切り、言い直す。 「……まあいい」 強い風が吹いた。 少女は目を閉じ、風が収まった頃合にゆっくりと見開いていく。 ……そこには、もう誰もいなかった。 「……何だったんだろう」 疑問に思い口に出すも、答えるものは誰もいない。 しばし考え……出てきた答えは『考えるだけ無駄』というものだった。 何せ、異常な存在は彼女の内にもいるのだから。 と、どこからか彼女の名を呼ぶ声が聞こえてくる。 前を向いてみれば、朴訥そうな少年と垢抜けた少年の二人が手を上げて走り寄ってくる所だった。 少女はさっさと今の記憶を脳のどこかに仕舞い込み、二人の下まで歩いていくことにした。 少女自身の日常が、殺し合いとは縁のないところで行われていく。 ◇ ◇ ◇ ――――慟哭は、已まない。 「あああああぁぁあぁぁぁあああああああぁあああぁああああぁあああああぁあああああ ぁぁぁぁあああああああぁぁぁああぁぁああああああああぁぁああぁあぁぁぁぁああぁ ぁぁぁああぁぁぁぁぁぁあああああああああぁぁああああああああぁぁああああぁぁっ!!」 そして、それは次第に別物へと歪められていく。 狂々、狂々、狂々、狂々と。 狂った螺旋が紡がれ、少女の形相を変えていく。 ――――柊かがみは考える。 こんなのは何かの間違いだと。 『柊かがみ』なら殺人などしないと。 『不死身の柊かがみ』なら、アルベルトを手にかけたりしないと。 それは当然なのだ。 柊かがみはごく一般的な女子高生。 そして、不死身の柊かがみはアルベルトを信頼する彼の協力者なのだから。 だが、現に彼は膝をついてこちらを見上げ、呆然としたまま動かない。 ……いや、認めよう。既に死んでいる可能性すらある。 それは、事実だ。 では、何なのだろう。誰なのだろう。 ――――自分は、何者なのだろう。 分からない。分からない。考えれば考えるほど――――何か大切なものを忘れていく気がする。 アルベルトを殺したという歓喜に胸のどこかが満たされていくことを自覚する。 それがとても気持ち悪い。 受け入れてしまえばいいのに、受け入れられない。 ――――『柊かがみ』も、『不死身の柊かがみ』も、受け入れることを拒否しているからだ。 むかむかする。 むかむかする。 むかむかする。 ――――とにかく、気持ち悪かった。 どうしても気持ち悪くなくなりたくて、 素直に喜んでしまいたくて。 だけど『柊かがみ』と『不死身の柊かがみ』がいる限り、それは叶わない。 ……だったら、簡単な話だ。 ようやくそれに思い至る。 ――――要するに。 要するに。 「ああぁああぁあああああああぁああああぁぁあぁああああぁああ……あぁ……あ…… あ、あぁ……は、あ……ひゃ、は、」 『柊かがみ』も『不死身の柊かがみ』も、考える事をやめてしまえばいい。 考える事をやめて、殺戮の快楽に身を任せてしまえばいい。 「ひゃ……ヒャハ、ヒャァハハハハハハハハハハハハハッ! ハハハハハハハハハハ! ハァハハハハハハハハハッ! ヒャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!」 すぐに実行する。 すると、とても気分が良くなった。 口からどんどんどんどん、楽しげな言葉が紡ぎだされていく。 楽しいな。楽しいな。 自分が死なないと思っている人間を殺すのは、楽しいなあ。 「ヒャハッ! ヒャァハハハハハハハハハハ!! ヒャハハハハハハハッ! おいおいおいおいマジかよありえねえ、ありえねぇってオイ! なんつーか、どうよ!? アルベルトちゃんよぉオイオイオイオイ! 自分が信頼しきって! 油断しきって! 守ろうとしていたまさにその相手に! 殺られるなんて100%、絶対に、全く、究極に思わなかった相手にぶっ殺されるのはよぉ!!」 ――――どこか他人事を見る目で、柊かがみの意思は自分の体がまるでラッドのように動くのを諦観していた。 目の前にはアルベルトの死体。 胸に剣が突き刺さったままのそれを見ても、ああ、そうかという程度の言葉しか浮かんでこない。 「楽しくて楽しくて楽しくて! 楽しくて仕方がねえなあオイオイオイオイ! その表情、その眼、その台詞! いいねえ……実にいい! 感動的にいい! よく死なねぇって言ってくれた! すんげぇウマいディナーだったぜアルベルトちゃんよぉ! ヒャハ! ヒャハハハハハハハハハハハハッ! ハハハハハハハハッ、ハハハ!!」 ――――感情が麻痺したからなのかどうなのか。 傍観し、諦観する自分でさえもそこに存在することが煩わしくなってきた。 じゃあ、さっさと考えるのをやめてしまおう。 後はこの身体が勝手に動くのに任せてしまえば、それでいい。 そうして、かがみは意識の中の自分の瞼を静かに閉じた。 もう、何が起ころうとも起きたくないなあ、と、最後にそれだけを考えて。 「ようしテンションも上がってきたしこの小せぇ体にも慣れたことだし! とりあえず会場内じゃ不死者でも死んでもおかしくねぇんだし! 宇宙人に改造されて思い上がったタカヤ君と舞衣ちゃんをぶっ殺しに行ってあげますかねえ! クククハハハハ、ヒャァハハハハハハハハハハハハハハハッ! まさかこんなガキに殺られるとは思わねえだろうなああいつらは! ボコボコに殴り壊して! グチャグチャにすり潰して! 最ッ高のデザートに仕立ててやるからよぉ! ヒャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!」 遥かな遠くまで届かんとする、殺人鬼の哄笑。 ――――静かな夜は、それをただ一つのBGMとして更に闇を深めている。 まんまるく青白い空のカガミは遠く、遠く。 月の光が深々と、虚ろな顔をした男を照らし出していた。 誰に知られるでもなく、彼の首に嵌まった円環は役目を終える。 剣に貫かれた心臓の、最後の鼓動とともに一つの伝令を飛ばしたことで。 ――――メッセージはシンプルなたったの一文。 【衝撃のアルベルト@ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日- 死亡】 【B-5南部/道端/2日目/深夜】 【柊かがみ@らき☆すた】 [状態]:不死者、囚人ルック(下に吐瀉物まみれの番長服)、髪留め無し、空腹、ラッドモード(暴走) [装備]:つかさのスカーフ@らき☆すた、ローラーブーツ@魔法少女リリカルなのはStrikerS シルバーケープ@魔法少女リリカルなのはStrikerS、 クラールヴィント@リリカルなのはStrikerS バリアジャケット [道具]:デイバッグ×12(支給品一式×12[うち一つ食料なし]、[食料×4消費/水入りペットボトル×1消費]) フラップター@天空の城ラピュタ、 超電導ライフル@天元突破グレンラガン(超電導ライフル専用弾0/5) 雷泥のローラースケート@トライガン、巨大ハサミを分解した片方の刃@王ドロボウJING、包丁 テッカマンエビルのクリスタル@宇宙の騎士テッカマンブレード、オドラデクエンジン@王ドロボウJING 緑色の鉱石@天元突破グレンラガン、全てを見通す眼の書@R.O.D(シリーズ)、サングラス@カウボーイビバップ アンチ・シズマ管@ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日-、マオのヘッドホン@コードギアス 反逆のルルーシュ 大量の貴金属アクセサリ、ヴァッシュの手配書@トライガン、魔鏡の欠片@金色のガッシュベル!! 防水性の紙×10、暗視双眼鏡、首輪(つかさ)、首輪(シンヤ)、首輪(パズー) 奈緒が集めてきた本数冊 (『 原作版・バトルロワイアル』、『今日の献立一〇〇〇種』、『八つ墓村』、『君は僕を知っている』) がらくた×3、柊かがみの靴、予備の服×1、破れたチャイナ服 [思考] 基本-A: ――――――――(思考放棄) 基本-B:自分は死なないと思っている人間を殺して殺して殺しまくる(螺旋王含む)。 0-A:――――――――(思考放棄) 0-B:さぁて、さてさてさてさて! タカヤ君と舞衣ちゃんを殺しましょうかね、しに行きましょうかねぇ! 1:舞衣とDボゥイをぶっ殺しに行く。その後刑務所の面子と合流。 2:映画館でラッドが殺し損ねた奴は必ず殺す。ギルガメッシュは特に殺す。 3:清麿の邪魔者=ゲームに乗った参加者を重点的に殺す。 4:足手まといがあまり増えるようなら適度に殺す。 5:基本方針に当てはまらない人間も状況によって殺す。 6:覚悟のある人間ばかりなので面白くないから螺旋王もぶっ殺す。 7:とりあえず、死ぬ可能性のある会場内では自身の不死について懸念することはやめる。その後については考えない。 [備考]: ※会場端のワープを認識。 ※奈緒からギルガメッシュの持つ情報を手に入れました。 ※繰り返しのフルボッコで心身ともに、大分慣れました。 ※ラッド・ルッソを喰って、彼の知識、経験、その他全てを吸収しました。 フラップターの操縦も可能です。 ※ラッドが螺旋力に覚醒していた為、螺旋力が増大しています。 ※ラッドの知識により、不死者の再生力への制限に思い当たりました。 ※ギルガメッシュ、Dボゥイ、舞衣に強い殺意を抱いています。 ※『自分が死なない』に類する台詞を聞いたとき、非常に強い殺意が湧き上がります。 ※かがみのバリアジャケットは『ラッドのアルカトラズスタイル(青い囚人服+義手状の鋼鉄製左篭手)』です。 ※螺旋力覚醒 【結城奈緒@舞-HiME】 [状態]:気絶、疲労(特大)、右手打撲、左手に亀裂骨折、力が入らない 全身に打撲、顔面が腫れ上がっている、左頬骨骨折、鼻骨骨折、更に更にかがみにトラウマ [装備]:無し [道具]:無し [思考] 基本方針:とりあえず死なないように行動。 0:………… 1:ギルガメッシュに言われたとおり、刑務所へ向かう。 2:柊かがみ(inラッド)に非常に恐怖。 3:静留の動きには警戒しておく。 4:何故、自分はチャイルドが使えないのか疑問。 [備考]: ※本の中の「金色の王様」=ギルガメッシュだとまだ気付いていません。 ※ドモンの発した"ガンダム"という単語と本で読んだガンダムの関連が頭の中で引っ掛かっています。 ※博物館に隠されているものが『使い方次第で強者を倒せるもの』と推測しました。 ※第2、4回放送を聞き逃しました。 ※奈緒のバリアジャケットは《破絃の尖晶石》ジュリエット・ナオ・チャン@舞-乙HiME。飛行可能。 ※不死者についての知識を得ています。 ※ヴァルセーレの剣で攻撃を受けたため、両手の利きが悪くなっています。回復時期は未定です。 ※ヴァルセーレの剣@金色のガッシュベル!! が、アルベルトの死体の左胸に突き刺さったままになっています。 時系列順で読む Back 罪歌 阿鼻叫喚の狂った舞台(前編) Next ALBERT THE IMPACTR 投下順で読む Back 罪歌 阿鼻叫喚の狂った舞台(前編) Next ALBERT THE IMPACTR 242 罪歌 阿鼻叫喚の狂った舞台(前編) 結城奈緒 253 王たちの狂宴(後編) 242 罪歌 阿鼻叫喚の狂った舞台(前編) 柊かがみ 242 ALBERT THE IMPACTR 242 罪歌 阿鼻叫喚の狂った舞台(前編) 衝撃のアルベルト 242 ALBERT THE IMPACTR 235 幻想のアヴァタール(後編) ロニー・スキアート 外伝 SPIRAL ALIVE
https://w.atwiki.jp/animerowa-2nd/pages/576.html
罪歌 阿鼻叫喚の狂った舞台(前編) ◆wYjszMXgAo ――――――――――KILL! KILL! KILL! KILL! KILL! KILL! KILL! KILL! KILL! KILL! KILL! KILL! KILL! KILL! KILL! KILL! KILL! KILL! KILL! KILL! KILL! KILL! KILL! KILL! KILL! KILL! KILL! KILL! KILL! KILL! KILL! KILL! KILL! KILL! KILL! KILL! KILL! KILL! KILL! KILL! KILL―――――――――――――! 「う、くぅ……っ!」 ――――頭の中に響き続ける殺意のオーケストラ。 柊かがみがそれに耐えかねて呻きを洩らしたのは放送の直後だった。 もちろん原因はたったの一つ。 ……ラッド・ルッソの記憶が、殺意の上昇を抑えきれなくなったからだ。 もちろんかがみに殺人嗜好などないし、理解はできない。 ……だが、『食った』となれば話は別だ。 不死者を『食う』とは、相手の全てを身の内に取り込むということなのである。 記憶も、経験も、知識も、知恵も、趣味も、思考も――――人格の情報でさえも。 それが理解できるか理解できないかはまた別の問題なのだ。 ある不死者の男は、 『自身に催眠術をかけておけば、たとえ誰かに食われたとしても、 何らかのきっかけで食った人間と食われた人間の人格を交代できるかもしれない』 という可能性に思い当たった。 ある日突然、食ったはずの人間に体を乗っ取られると言うわけである。 『食う』事のリスクはそれだけに留まらない。 エニスは『食った』事により人間らしい感情を得て、同時に善悪を判ずる意識に悩まされることになった。 フィーロ・プロシェンツォは『食った』事により自我の境界に疑問を持ち、自身の存在に不安を抱いた。 チェスワフ・メイエルは『食った』事により、人からの感情を信じられなくなった為にあらゆる人間を道具とみなし。 ――――そして、この度再度『食う』事により、自身の罪深さに苦しむようになった。 セラード・クェーツでさえも、感情のベクトルは真逆とはいえ、その行為に心動かされたのは事実なのである。 『食う』事は、確実に食った人間に影響をもたらすのだ。 尤も、その記憶に踏み込まなければそこまで悩まされるわけではないのだが―――― しかし、かがみは放送とラッドの記憶を照合して情報を得るために、敢えて彼の記憶を遡っていたのだ。 彼の記憶の殺意のゲージを一瞬で極限まで引き上げた要因は、二つの名前がそこに存在しないことにあった。 Dボゥイ。 鴇羽舞衣。 彼らの生存が確定したことで――――ラッド・ルッソの殺意はかがみに抑えきれない所まで上昇したのである。 ――――それを食い止めたのは、一つの声。 「……どうした? 不死身の」 衝撃のアルベルトの、こちらを気遣うような声。 それがかがみを殺意の大波から引き戻す。 「……ん、なんでもないわ。それよりこれからの方針についてなんだけど」 彼の顔に似合わない声色に苦笑しながら、かがみはとりあえず話を進めることにする。 ――――ギルガメッシュの生存などについて、アルベルトがそれを洩らさなかったことにかがみは不満を感じてはいた。 が、いざ文句を言おうとするとどんな言葉を選べばいいのか分からないので、それに関しては黙っておくことにする。 今は文句を言うより先にアルベルトに有益な情報を渡しておかねばならない。 「……ラッドの仲間については言ったわよね? そいつ等が調べたところによると、“螺旋力”とかいうものがこの“実験”の鍵になってるみたい」 ――――螺旋力。 幾度となく聞き覚えのある言葉だ、とアルベルトは記憶のダイブに取り掛かる。 文字通り螺旋王が幾度となく告げた言葉だ。 成程、と納得する。 実験と称していたかの王の言葉は真実だったのだろう。 心当たりはある。 先刻のかがみの発した緑色の光。 あの輝きは間違いなく、個人の能力を引き上げるものだ。 それ以外にも何か秘密があるかもしれない。 ……つまりは。 「……その力。持ち帰るに値する力ではあるやもしれんな」 顎に手を当て思考に沈むアルベルトに、かがみも頷き返して続きを述べる。 「……まだ、詳しいところは分かっていないみたい。 だけど……」 一息。 「……刑務所の面子は、相当頭の切れる人間ばかりみたい。 ラッドの記憶もあることだし、協力関係を築いて損はないと思う」 怯えも躊躇いもなくまっすぐにアルベルトを見据えるかがみ。 その心根に満足しながら、アルベルトはそれを肯定することにする。 「……うむ。手駒も欲しい所ではあるし、螺旋の王に立ち向かうには数が必要だ。 いくらワシが十傑集とはいえ、体は一つしかないのだからな。 そ奴らとの利害の一致もありえるだろうし……と、どうした? 不死身の」 見れば、かがみは自身の体を抱くように両腕を互いに掴み、ぎゅうっと縮こまっている。 まるで自身の体が動き出すのを怖れ、どうにか抑え込んでいるかのように。 アルベルトの言葉で生じた、猛烈な衝動をかろうじて制しているかのように。 アルベルトの脳裏に一つの言葉が蘇る。 『――――梯子は足りているのか?』 言峰と名乗った神父。 その真意は測りかねたものの、敵対するどころかむしろ友好関係にあると言っていいだろう。 ならばその言葉が意味するものは、忠告なのか。 不安が心中の何処とも知れない場所から染み出て止まらない。 まるで、楔を穿たれたかのように……どこかに穴があるような気がしてやまないのだ。 らしくない、とアルベルトは思う。 不安に思うことなどない。 自分は十傑集であり、目の前にいるのは信頼できる協力者なのだから。 天をも貫く梯子。互いの背を預けながら、そこをひたすら進めばよい。 否、進む先にあるものは梯子などではなく、雄とした泰山なのだ。 それを強く強く信じ込み――――霧靄を払うかのように不敵な笑みを浮かべてみせる。 「食らった事により何か体調に異常でも感じたのではあるまいな? いずれ螺旋の王を食らう時の為にも、貴様に不調があっては困るのだぞ?」 ――――だが、彼は気付いている。 このような台詞を向けることこそ、言峰の言葉に強く囚われているのだという事を。 気付きながらも、それを払いのけようと気遣いの言葉を重ねれば重ねるほど強く強く、更に強く纏わりついてくるその言葉。 完全なる底無しの沼に浸かっていることを知りながら―――― 今のアルベルトには、柄にも合わない言葉を吐く事しかできなかった。 「う、うん……大丈夫、アルベルトが心配する程の事じゃないわ。 ……私の、内面の問題だから……うん」 気丈な言葉を気弱な表情で告げるかがみ。 が、それではいけないと思ったのか。 不意にプルプルと首を振り、話題を変えようと周囲を見渡すことにする。 と、都合のいい物を見つけたので、とりあえずそちらに向かって駆けていくことにした。 「……さて、あっさり気絶しちゃったけど。 こいつをどうにかしないとね」 目線の先にある物は結城奈緒。 恐怖に引きつった顔で気絶したその姿を見て、自分に持たれているイメージに複雑な想いを抱くも、 とりあえず気にしないことにして意識を切り替える。 まあ、まずやる事は一つだ。 ……目覚める前に、身包みを剥いでおくことにする。 以前遭遇した時にあらかた持ち物は没収していたはずなのだが、いつの間にか新たな装備を手に入れていたのだ。 その衣装はラッド式本気の全力全壊パンチを繰り出した時に砕け散ったとはいえ、まだ何か持っているかもしれない。 デイパックを取り上げ、奈緒の体を調べるとその手に指輪が嵌っているのに気がついた。 見覚えがなかったのでこれも新しく手に入れたアイテムなのだろう。 「はい、ボッシュート」 クイズ番組の口調を真似て指輪を外し、自分の指に嵌めたまさにその時。 「う、んん……」 ――――声とも言えない声を漏らしながら、結城奈緒が眼を覚ました。 指輪を外した時に体を動かしたせいか、自分が起こしたのと同じかもしれない。 そう言えば、よくよく放送を聞き逃す子だと苦笑する。 自分のせいばかりとはいえ気絶ばかりしている印象を奈緒に抱いてしまっていた。 「――――金……ぴか……」 自分でもなにを言っているのか分からないのだろう、呆けたままの奈緒を尻目にアルベルトの方を向けば、彼は無言で腕を組むだけだ。 ……何を彼が望んでいるのか。 察し、かがみも無言で改めて奈緒に向き直る。 座り込んだままの彼女が次第に覚醒していくのと同時。 ――――かがみも、自身のスイッチを入れていく。 頭蓋の横に指を当て、それを確認するかのようにあえて行動しながら口ずさむ。 「……パチリ」 指を弾きながら、呟く。 何度も。 何度も何度も。 何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も。 「パチリ。パチリ。パチリパチリパチリパチリパチパチパチパチリパチリパチパチパチ パチパチパチリパチパチパチリパチパチパチパチパチパチリパチパチパチパチリパチ パチパチパチパチパチチパチパチパチパパチパパパパパパパパパパパパパパパパパパ」 ラッド・ルッソの記憶にある通り。 殺意のスイッチを入れていく。 一個の。五個の。十個の。百個の。千個の。一万個の。十万個の。 ――――何百万個の! 何千万個の! それ以上の数のスイッチを! 「ヒャ、ハ……ヒャハハハハハハ、ヒャァハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!! ハァハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!! ヒャハハハハハハハハハハハッ!!」 ――――ラッド・ルッソの戦闘スタイル……いや、殺人スタイルは独特だ。 トークで昂り、テンションを極限まで上げ、殺戮の悦楽に浸れば浸るほどその動きは切れ味を増し、力は増加してゆく。 『柊かがみ』なら、そんな事は理解しえないし、いざ戦いに臨んでも彼の記憶を活かしきる事はできはしない。 『不死身の柊かがみ』でも、殺人嗜好はないし、ラッド・ルッソほどテンションを高める事もできはしない。 今までのかがみのままでは、ラッドの力を完全に運用するのは無理なのである。 だが、ラッド・ルッソを食らった今なら可能だ。 不死者を『食う』とは、相手の全てを身の内に取り込むということなのである。 記憶も、経験も、知識も、知恵も、趣味も、思考も――――人格の情報でさえも。 一つスイッチを入れるたびに、『柊かがみ』と『ラッド・ルッソ』を切り替えていく。 記憶を、経験を、知識を、知恵を、趣味を、思考を――――人格を。 単なる物真似ではない。自らのうちにあるデータを表に引っ張ってくるだけだ。 それ故に――――それはもはや再現などというレベルにすら留まらない。 柊かがみの『意思』で、ラッド・ルッソという『人格』を行使する。 まるでデスクトップの壁紙を変えるかのように、表に見える人格を切り替える。 中に納まった『意思』というデータに変更はないままだ。 とある男は言った。 信じる心があればテンションはどこまでも上げられる。 そして、自らが出来ると信じたことに限り、あらゆる出来事は実現すると。 不死身の柊かがみはラッド・ルッソという人格を行使できることを信じた。 それだけの話だ。 「……え、あ……? ちょ、なんなの? ……なんなのよぉっ!!」 ――――目が覚めるなり、怯えに満ち満ちた表情を見せる結城奈緒。 いきなりただでさえトラウマを持っている相手が、恐ろしい恐ろしい殺人鬼の笑みを浮かべているのだ、当然だろう。 ……この子には実に悪いけど、と上がり続けるテンションの裏で冷静さの残るかがみは思う。 ――――ラッド・ルッソの力を使いこなす、叩き台になってもらう。 問題は、ラッド・ルッソが奈緒に殺意を抱いていないこと『だった』。 ……だが。 「……よう、お目覚めかいナオちゃんよぉ! 気分はどうだい? 最高かい? 最低かい? 生きたいかい? 死にたいかい? 安心したかい? 不安かい? そこんとこどうなのよ、ギルちゃんが生きていることを知ってよぉ!!」 ――――ラッドは、知らなかった。 衝撃のアルベルトによりギルガメッシュと奈緒が引き離されたその過程も、彼らの絆も。 戦場の中で、ただただ何となく感づいた程度のものでしかなかった。 だから勇敢にも自分に立ち向かってきた奈緒への殺意は薄まり、関心がなくなったのだ。 ――――だが、かがみは知っている。 彼らの間柄を、ギルガメッシュがいなくなった後の奈緒の表情を。 そして、ギルガメッシュの奈緒への関心を。 ――――殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。 殺す!! もちろん奈緒自身にそこまでの殺意を抱いているわけではない。 ……だが。 「ク、ククク、ヒャァハハハハハハハハハハハッ!! ……どう思う? どう思うよナオちゃんよぉ! 私がテメエをじっくりじっくり嬲り殺して! ギルちゃんに伝えてやったその時! あのクソ王様ぶった金ピカ野郎がどんな顔をするのかってなあ!!」 それを想像するだけで今のかがみは歓喜に包まれる。 ラッド・ルッソの嗜好が、確かにかがみの中に存在している。 それを空恐ろしく思いながらも、しかしかがみは敢えてそれを否定しない。 ……たとえ異常者のものとはいえ、力は、たしかにここにあるのだから。 目の前にいるのはあのギルガメッシュが入れ込んでいる人間だ。 そこから引き出されるギルガメッシュへの殺意。 そしてDボゥイと鴇羽舞衣の生存の際に滾り溢れ抑えきれない程に膨れ上がった行き場のない殺意をミックスし、束ねあげる。 膨れ上がった殺意のとりあえずのぶつけ所として、結城奈緒に貧乏籤を引いてもらうのだ。 ついでに約束を破ったという事もあるし、全くもって都合がいい。 どこまでも、どこまでも。どんな状況でも。 理不尽な災禍は。殺意という名の暴力の塊は。 ――――たとえ食らわれようとも一切合切混じりけなく、ラッド・ルッソがここにいた証として。 その誰にも止められない力の渦は遥かな高みまで到達し、天元を突破する。 ラッドでもあるかがみの体に緑色の光が渦巻き始める。 ――――螺旋の力に覚醒した、ラッドの力。 たとえ相手が線路の影をなぞるものであろうと英雄王であろうと、変わらず自身であらんとするその力。 殺意とテンションが上がれば上がるほど、それは強く強く煌めきを増していく。 そして、それだけではない。 あまりにも純粋で巨大な暴力を制し、やはり自身であらんとする少女の意思もそこにいる。 その力を自らのうちに納めながらなお、螺旋王を食らい前に進まんとする少女の力。 殺意が膨れ上がるたびにそれに呑まれまいと抗う、少女自身の輝きもまた存在するのだ。 二つの螺旋の力が鬩ぎ合い、癒合しあい……やがてそれは莫大なる二重螺旋となる。 あまりにも眩いその力は、アルベルトを以ってさえ感嘆の息を洩らさせた。 「おいおいおいおいおいおいおいおいマジかよおいおいおいおい!! すげえ、すげえなオイ!! これが私かよ、なんなんだよこれはよ! これが螺旋力ってやつか!? テンションあがってきたぜ! ようし殺す! ぶち殺す! この力の実験台になってもらうぜナオちゃんよぉ、グチャグチャになるまでなあ! んでそいつをギルちゃんに真心込めてプレゼント! かぁっ、最高だよオイ! ヒャハ、ヒャハハハハハハハハハハハハ、ヒャァハハハハハハハハハハハハハハッ!!」 高まり、高まり、高まる。 螺旋の力はとどまる事を知らない。 やがて、その力は少女の指に嵌った指輪にも注ぎ込まれていく。 ――――Dボゥイが勝利すべき黄金の剣に己が螺旋力を注ぎ込んだように。 クラールヴィントに注ぎ込まれた螺旋の力は――――かがみを核として、一つの姿を形作っていく。 青く、薄い服。 何の特徴も面白みもない簡素すぎる服はしかし、それ故に異常なほどの威圧感を醸し出していた。 それも当然である。 何故ならその服は――――囚人服だったのだから。 凶悪犯罪者の中でも選りすぐり、イカれた人間の中でも特にキレた連中が集う史上最大の刑務所、アルカトラズ。 脱獄不可能と呼ばれた刑務所の囚人服を、かがみはその身に纏っていた。 ――――幾つも存在する多元世界。 その中の、ラッド・ルッソという存在そのものに刻まれた属性。 『ここ』のラッドに記憶がなくても、確かにそれはこうして顕現した。 彼を食らった柊かがみの――――バリアジャケットとして。 変化はそれにとどまらない。 かがみの左手に、更なる螺旋の力が纏わりつく。 極限まで圧縮された緑色は、やがて物質化するほどの密度を蓄え実体化していく。 鋼鉄の義手。 ――――正確には篭手ではあるのだが、義手と言ったほうがずっとしっくりくるだろう。 指もまともに動かないそれはしかし、フック船長の鉤爪を幾分マシにしただけの代物なのだ。 緑の螺旋に包まれる中、フック船長の鉤爪をした時計ワニが夜空に笑う。 遠くまで、遠くまで、声を響かせて。 肉食獣のそれより更に凶悪で理性的な、殺人鬼の歓喜の表情を浮かばせながら。 「ん? おうおうナオちゃんよぉ、どうしたよ、私と殺り合うつもりかよ」 ――――笑いを収め、かがみは奈緒に向き直る。 気がつけば奈緒は冷静さを取り戻し、既に両腕を構えていた。 記憶にあるエレメントの行使。それに間違いないと判断し、かがみは笑みながら悠然と歩み寄る。 最早それが虚勢なのか、ラッドの人格に呑まれているのかすら判然としない。 ただ言えるのは、今の彼女は確かに殺人に悦楽を感じているということだけだ。 「……あんた、いったいどうしたっての? まるで……」 ごくりと唾を飲み込み、震える体を奮い立たせるもかがみの接近に後ずさるを得ない奈緒。 その両手には既にエレメントが顕現していた。 いつでも襲い掛かられてもいいように即座に糸を発生させられる体勢の彼女に、かがみは両手を体の横に突き出し、笑みを濃くする。 尤も、鋼鉄の義手のついた左手はだらりと垂れ下がったままだったが。 「知りたいかい? 知りたいのかい? そうだよなあ、私が! 体はともかく精神的には平凡だったはずの、この私が! 突然『俺』みたいに豹変したんだからよお! ハハハハハハハハッ!!」 ずい、と身を乗り出すかがみ。 エレメントを出しても全く怯えないその様は、単に不死者だからというだけではない。 ……明らかに、あのラッドの立ち振る舞いと同じだった。 おそらく、という言葉がつくが、奈緒には大体のところが既に予測がついている。 ……だが、 「じゃあ教えてやるよ! 耳の穴かっぽじってようく聞け! まずは不死者についての説明だ、不死者ってのは文字通り死なな」 ――――奈緒の顔面に右ストレートが突き刺さった。 鼻がひしゃげ、木っ端のようにいとも簡単に民家、コンクリートの壁に叩き付けられる。 「――――!?」 「ヒャァハハハハハハハッ!! 説明の間は手を出さないと思ったか? おいおいおいおい油断しすぎだぜナオちゃんよぉ! んじゃまあ、説明続けてやるよ、ぶん殴りながらだがなあッ!!」 一気に10メートル弱離された間合いを、かがみはボクシングのフットワークを用いながら砲弾のように突っ込んでくる。 右手にはいつの間にか剣が握られており、凶器が狂気を加速させていた。 本来ならば女子高生のかがみではありえない動き。 ――――それを可能とするのは、ラッド・ルッソ同様、テンションを上げながらの彼の記憶の行使。 そして、異常なほどの密度を誇る螺旋力の産物によるものだ。 「くぅ……っ!!」 鼻血を噴き出しながらも奈緒は即座に位置取りを変更し、両掌のエレメントから糸を周囲に展開。 対象を捕らえる為の弾幕を張る。触れるだけでかがみは捕らわれ、動けなくなることだろう。 奈緒とて何も考えなかったわけではないのだ。 ――――これが二度目の対峙なのだから。 相手が不死身なのは分かっている。 もしかしたら、倒しきる事はできないかもしれない。 ……だが。 殺せはしなくとも、相手を捕らえる事はできる。 以前の戦闘では糸による切断を攻撃の軸に据えていたからこそ遅れを取った。 冷静に考えてみれば、瞬間的に再生する相手に切断攻撃なんて相性が悪すぎるのだ。 だから、今度は捕縛に徹する。 切断は牽制、フェイントに。最初に一発当てて、次の攻撃も切断だと誤認させる。 不死身の体を持っているのだから、二段構えなら同じ攻撃の連発だと錯覚して受け止めるだろう。 それからどうするかは未定だが、捕らえさえすればどうにかなる。 アルベルトと交渉してとりあえずこの場を離れさえできればいいのだから。 無意味。 その全てが、無意味。 「……当たらな――――!?」 何故なら、不死身の柊かがみの動きがあまりに以前と違いすぎるからだ。 不死身の体に頼りきって攻撃回避を全く考えていなかったあの時とはまさしく別人。 最小の反応で糸を見極め。 最小の時間で行動を決定し。 最小の動きで弾幕を回避し。 最小の隙で次の糸に意識を移す。 明らかに不死の体などには全く頼っておらず、自身の思考と反応のみを信じているかがみ。 更に言うならバリアジャケットを展開しているのに、それすらも全く楯にしていない。 それはどう考えても、『死を意識し、向こう見ずな行動を取らない人間』の動きだった。 不死者でありながら、奈緒の一挙手一投足全てから匂う死の可能性を意識し油断しない。 奈緒の放つ糸の全てを掻い潜りながら―――― 名前に矛盾しているはずの行動を取りながら―――― 不死身の柊かがみは、笑う。 ただ、笑う。 奈緒の左側面に深く沈みこんだかがみの振るう剣の峰が、両手に叩き込まれていた。 一瞬でエレメントが破砕し、只の一撃にしては異常なほどの体力の喪失が訪れる。 ――――剣の名前は、ヴァルセーレの剣。 力を吸い取りその刀身に蓄える、魔物アースの剣だ。 エレメントの力を吸収されて、奈緒は完全に力が抜ける。 当たったのは峰とはいえ、ダメージは大きい。 右手はまだ動きそうだが、左手はしばらく使い物にならないだろう。 おそらく骨が折れているのは間違いない。 「……不死者と言ってもよぉ、会場内なら死ぬかもしれねえんだわこれが」 片手で振るわれたその剣はすっぽ抜けてあらぬ方向へ落ちていったが、 しかしラッド……いや、かがみの戦闘スタイルに大して影響はない。 即座に右手を振り上げ、片腕だけの歪なボクシングスタイルを取る。 左手の鋼鉄の腕はやはりだらりとぶら下がったままだ。 「これは嬉しいことだよな、そうだよなあ!? 螺旋王サマはよ、不死身の人間でもぶっ殺せる機会を与えてくれた訳だ!!」 ――――つい先刻のラッドの動きを、かがみはほぼ完全にトレースする。 ジャブ。ジャブ。ジャブ。小刻みな右拳の連打。女の細腕でかがみは拳を刻む。 鼻血が流れる瞬間の、ワサビを食べた時にも似たツンとする感覚。そして、直後に溢れる血の感覚。 痛みもそうだが、それよりも思いっきり鼻をかみたくなるようなその感触がいやだなぁ……と、奈緒は思う。 「そしてそいつには私も該当する! 少なくとも、だ! この会場にいる限りは私は死ぬかも知れねえワケだ!」 ショートストレート。モーションを最小限にした射る様な拳。ジャブからのコンビネーションでそれを打つ。 バシッという小気味よい音と共に頬肉が腫れ上がり、頭の中にミシリという音がはっきりと響き渡る。 耳を脳も頭蓋骨の中にあるからか、顔面への打撃は思いのほかよく響く……と、奈緒は思う。 「だからよぉ! とりあえずしばらくはテメエ自身については考えないことにした!」 右フック。反射的にあがったガードを迂回するように拳を叩き込み、逆の頬を打つ。 柔らかい頬に拳がぶち当たって口の中が圧迫され、拳と口内の歯に挟まれた内頬が鋭い痛みとともに切れる。 しかし、それより勘弁して欲しいのは歯医者から出てきた直後の様な奥歯の鈍い痛みだ……と、奈緒は思う。 「ギルちゃんやらタカヤ君やらを殺しやすくなったのは不幸中の幸いってトコか!」 ボディアッパー。続けて、がら空きのボディへと右のストマックブローをめり込ませる。 ポンプの様に潰された胃から、食道を通じて酸味の強い液体が逆流し舌と鼻の粘膜に嫌な刺激を与える。 気持ち悪さにすら全く慣れない。それ以上に、胴を持ち上げられて足をピンと伸ばしている格好が恥ずかしい……と、奈緒は思う。 「そうそう不死者の説明だったなあ! んで、不死者には死なねえって事以外にもう1つ能力がある!」 ショートアッパー。落ちてきた無防備な顎を拾うように半径の狭いアッパーカット。 ガチンという音と共に半開きだった口が無理やりに噛み合わされ、上下それぞれの歯の付け根にじんわりとした痛みが発生する。 それに加えて、突き抜けた力が額に得もいえぬ感触を残す。それを、カキ氷を急いで食べた時みたいだ……と、奈緒は思う。 「他の不死者を……食えるんだよ! そいつの記憶も趣味も思考も人格も何もかもなあぁッ!!」 右フック。頭の真横。耳の上を叩き、そしてそのまま振りぬいて顔の向きを90度以上変える。 耳の中で圧縮された空気が反響を起こし、頭蓋の中を駆け巡り脳を――思考を揺らす。 ブレブレに見える視界に一瞬思考を奪われ、ああ、こういうのはいけないな……と、奈緒は思う。 「おいおい聞いてんのか? テメエが聞きてぇっつったんだろナオちゃんよぉええオイ!?」 ボディブロー。頭を揺らされふらつき無防備なところへ再度のボディ。今度の狙いはレバーだった。 突然、身体の中に鉄の錘が出現したんじゃないかと思うような感触。決して外に逃げ出してゆくようなものではない痛み。 あまりの違和感に四肢が痺れ身体が砕けそうになる。今のところ、これが一番クる……と、奈緒は思う。 「つーわけで、説明終わり! よし、理解したら死ね!」 ストレート。一時的な不明の状態へと落とし込んだところで、渾身の右ストレート! ついさっきの様に、再び鉄拳――いや狂拳が、音を立て骨という面をきしませ頭の表面を吹き飛ばしてく。 目が眼窩の奥へと押し込まれそうな感覚に、背筋が凍る。一応は女の力と解っていても目や指は怖い……と、奈緒は思う。 殴られながら、奈緒は次第に壁際へと追い詰められていく。 最早恐怖の感情すら麻痺してまともに頭が動かない。 ただ、死になくても死ねないなあ、という事だけを思っていた。 目の前の少女はこんなのよりも凄い攻撃に耐えていたのかと感心すら湧き上がってくる。 ……不意にこつり、と背中が壁にぶち当たる。 その瞬間、不死身の柊かがみはニィ、といっそう笑みを深くした。 ゆっくり、ゆっくりとかがみの全身が動いていく。 それを見てすぐに奈緒はこれから起こることを悟った。 ……ああ、止めをさすつもりなんだな、と。 色々なものが脳裏に浮かんでいく。 舞衣やなつき、静留といったHiMEの面々。 自身のチャイルドであるジュリア。 強盗に殺された家族。 唯一そこから生き延びた母。 ……そして。 「――――金、ぴか」 いつの間にかその名詞が漏れていた。 名前で呼ぶような親しさはなく、部下と上司なんてのもお断り。 ただ、不思議な信頼関係を築いた男を指す自分だけの呼び方を、口にする。 すでにかがみはソレを振りかぶり終えていた。 これまで一度も使わなかった左手。 無慈悲な無慈悲なフック船長の鉤爪を、時計ワニが暴力に変えていく。 普段ならただだらりと垂れ下がるだけの重たいそれは、全身のあらゆる筋肉を行使して砲弾よりもなお力強く撃ち出されていく。 あたかも普通のパンチのように。 しかし、断じて普通などではない。 かがみは、全身のあらゆる箇所の筋と血管を断裂させ、血飛沫を撒き散らしているのだから。 ゆっくりとゆっくりと迫り来る柊かがみの鋼鉄の拳という光景を最後に―――― 結城奈緒の意識は閉じられた。 時系列順で読む Back 第四回放送 Next 罪歌 阿鼻叫喚の狂った舞台(後編) 投下順で読む Back 第四回放送 Next 罪歌 阿鼻叫喚の狂った舞台(後編) 238 ディナータイムの時間だよ(食後) 結城奈緒 242 罪歌 阿鼻叫喚の狂った舞台(後編) 238 ディナータイムの時間だよ(食後) 柊かがみ 242 罪歌 阿鼻叫喚の狂った舞台(後編) 238 ディナータイムの時間だよ(食後) 衝撃のアルベルト 242 罪歌 阿鼻叫喚の狂った舞台(後編)
https://w.atwiki.jp/newani4/pages/379.html
【デュラララ!!】の支給品 PDA セルティ・ストゥルルソンに本人支給。 彼女が愛用しているPDA。基本、彼女はこれに文字を打って他人と会話する。 罪歌 園原杏里に本人支給。 人間を愛する呪いの妖刀。刀である罪歌には、人間を斬ることでしか温もり、愛を確認する術がない。 斬った相手の恐怖、痛みから彼女の『愛』を感染させ、罪歌の子として使役することが出来る。 罪歌の子は親である罪歌、そしてその宿主の杏里の命令には絶対であり、また彼女たちを助けるために自発的に行動することもある。 罪歌の子に斬られた人間もまた罪歌の子(孫)となるため、かつての切り裂き魔事件ではネズミ算式に感染者を増やし続けた。 本来ならば持ち主は罪歌の声に耐えきれず自我が崩壊して罪歌の操り人形となるが、杏里がそうなっていないのは、世界とその出来事を「額縁の中の出来事」として徹底的に客観視するようになったためである。 ただし杏里も罪歌を完全にコントロールできているわけではなく、不意に罪歌の求める強者=強い力で子供を増やしてくれる『人間』と出会った際には、体内の罪歌が勝手に相手を斬りつけようとする可能性がある。 このロワにおいてどのように制限されているかは実際に感染者を出した書き手様にお任せします。 コシュタ・バワー 衛宮切嗣に支給。 セルティ・ストゥルルソンの愛馬。シューターという名前を持つ。 無灯火、無登録で、無音の黒漆バイクは重力に関係なく、壁すらも走ることができる。 バイクの姿の他にも、首なし馬の姿や、馬車の形に変形することも可能。 バタフライナイフ 宮内れんげに支給。 元々は折原臨也の私物。 岸谷新羅のメガネ 志村新八に支給。 岸谷新羅がアニメでかけているメガネ。 かけると一人称がころころと変わる気がする。 スタングローブ 宮永咲に支給。 鯨木かさねが使用していたグローブで、肘に付けたスイッチを押すと電流が流れる。 セルティのヘルメット 神楽に支給。 セルティが愛用しているイエローカラーのヘルメット。ネコ耳付き。
https://w.atwiki.jp/yggdrasillwar/pages/57.html
【マスター】 鯨木かさね@デュラララ!! 【マスターとしての願い】 なし。 『澱切陣内』に依頼された、聖杯を確保して商品とするのが目的。 【令呪】 右手の甲。 刀の鍔にありそうな三重のハート型。 【weapon】 罪歌 『全ての人間を愛する』女性の人格を持った妖刀であり、その愛の表現として人間と触れ合う=人を斬ることを求める。 罪歌を手にした者は罪歌を体中から自在に出し入れ出来るようになり、人間をひたすらに愛する声に精神を破壊され、妖刀の意思に支配されることとなる。 ただし、声を気にしないほど強靭な精神を持つ者は支配されないという例外もある。 罪歌の影響を受けている者は、その力が発現している最中は目が異常なまでに赤く輝く。 その輝きは大元の『母』に近い者ほど強くなる。 罪歌は愛した相手との間に愛の証として『子供』をもうける力を持ち、斬りつけた傷から恐怖と痛みを媒体に『種』を送り込み、少しずつ宿主の精神を侵しながら、新たな『刃物』を媒体に妖刀としての自我を発現させる。 そうして妖刀の自我に意識を支配された者を『罪歌の子』と呼ぶ。 『子』も大元の罪歌同様、斬りつけた人間を『子』にすることができる。 『罪歌の子』達は意識を共有しているわけではないが、『母』の命令に対しては『子』は逆らえず絶対服従する。 命令がなくとも『母』を助けるために自発的に『子』として行動することもある。 刀身自体もかなりの神秘の篭ったものであり、デュラハンの首の繋がりを切り離すなど『魂』や『心』を切ることも可能とする逸品。 サーヴァントへもダメージを与えることを可能とする。 ただし『子』の持つ刃物はそれだけではただの刃物であり、それ単体ではサーヴァントには干渉できない。 もちろん相応の『強化』を施したり、もともとが概念武装だったりするなら問題ないが。 床屋の主人 現地調達。 その辺にいたやけに体格のいいオッサン。 現在彼を罪歌の子とし、アヌビスを持たせている。 【能力・技能】 混血 母が吸血鬼である、魔の血が混ざった『混血』。 一部で言うところの『紅赤朱』には至っていないが、それでも人間離れした身体能力と精神力を誇る。 魔力量もかなりのもの。 罪歌の母 前述の妖刀、『罪歌』を振るい多くの『子』を支配する。 また彼女は罪歌の支配に呑まれないどころか逆に支配しており、刀に囚われない形――鋼線、二刀流など――に変形させて使うことを可能とする。 『混血』としての強靭な存在に加え、この罪歌による影響で精神干渉の効果はサーヴァントからであってもほぼ受けない。 少なくともアヌビスでは彼女を洗脳することはできない。 【人物背景】 吸血鬼の母親と人間の父親の間に生まれる。 生まれてすぐに母親の手で澱切陣内という老人に売り渡される。 澱切陣内は人身売買から化け物売買まで手広くやっている悪党で、その男の下で様々な商売、世渡りを学ぶ。 澱切陣内の死後は替え玉、スケープゴートとして偽の澱切陣内を複数人用意し、自身は秘書の振りをしつつリーダーとして立ち回る。 母親に売られ、澱切陣内に人格を壊され、型にはめられ…… 悪党として人や化け物を食い物にする生き方しかできなかった、人に作られた人でなし。 鯨木かさねというのも本名ではなく、別の女性との取引によって手にした偽りの立場。 【方針】 罪歌の子による情報収集、遊撃。 場合によってはマスターや、できればサーヴァントを子としたい。 アヌビスを罪歌の子に持たせ振るうのを基本とするが、場合によっては自ら罪歌とアヌビスの二刀を振るうことも考える。
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/4961.html
登録日:2010/07/24 Sat 13 22 35 更新日:2023/01/07 Sat 14 07 16NEW! 所要時間:約 3 分で読めます ▽タグ一覧 おっぱい デュラララ!! メガネっ娘 古道具屋 園原杏里 学生組 学級委員 寄生虫 巨乳 店長 村正このは のコスプレが似合う ←色々な意味で 機械音痴 母 眼鏡 罪歌 花澤香菜 黒髪 だから私は、 寄生して生きてるんです。 園原(そのはら)杏里(あんり) CV 花澤香菜 10月31日生まれ 身長 152cm 血液型 O型 趣味 絵画鑑賞 好きな教科 体育 嫌いな教科 音楽(苦手ではない) 好きな食べ物 カニ 嫌いな食べ物 生肉 デュラララ!!の登場人物。 竜ヶ峰帝人と一緒にクラス委員を務める、どこか浮き世離れした印象の少女。 不良に絡まれていたところを帝人(と臨也)に助けられ、それから帝人や紀田正臣とよく行動を共にするようになる。 引っ込み思案で大人しい性格。 小学生からの友人である張間美香の引き立て役であるということを自覚していたり、自らを「寄生虫」と呼ぶなど若干ネガティブ思考気味。 しかし成績は通知表でオール10を取るほど優秀で、また、印象は地味だが美少女であり、スタイルも抜群。帝人より体力があり、足も速い。 帝人からも好意を寄せられている。 ただ、料理は苦手。 そして杏里を語る際に外してはいけないのはあのけしからんおっぱいである。 かなりの巨乳で、アニメでは「来良学園の制服・眼鏡・巨乳」というキーワードで池袋中を捜索されたこともあり、 原作では子猫をおっぱいの上に乗せるということをやってのけた。 …だが、来良学園内では3番目に胸が大きいという設定らしい。 1・2番目の子はどれだけの巨乳なのか気になるところである。 ある事件でセルティと知り合い、友人の一人となる。 以下ネタバレ 罪歌の「母」。 チャットでのHNは罪歌。 5年前、罪歌の先代の所有者だった母親が杏里の目の前で父親を殺し、そのまま自らも命を絶つ。 母が持っていた刀に触れた際、その身に罪歌を宿すようになった。 ちなみに罪歌を母親が所持していたのは、セルティの首と身体を切り離した罪歌を岸谷森厳がかつての園原家の家業だった古道具屋の園原堂に売ってしまったため。 通常、罪歌に斬られた人間は意識を乗っ取られるが、杏里は「罪歌に乗っ取られた自分」を他人事のように認識することで自我を保っている。 切り裂き魔事件の被害者は皆罪歌の「子」に意識を乗っ取られているが、 杏里は罪歌本体(つまり「母」)を丸ごと身体に宿しているので、「母」として「子」を使役できる。 切り裂き魔事件の終結後は、黄巾賊とダラーズが対立していると知って責任を感じ、どうにかしようと手を尽くす。 本編終了の1年半後を舞台にしたSHでは、園原堂を経営している。どうやら卒業後すぐに開店したらしい。 追記・修正は罪歌の支配に打ち勝ってからお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] ファイヤ~は可愛かったな~ -- 松永さん (2013-06-16 09 34 18) そういや杏里・帝人・セルティの中の人って絶園でもメインキャラだったね。水樹さん…はDRRRに出てないか。 -- 名無しさん (2014-02-04 21 07 04) 左門さんも贄川先輩の父親役でデュラララに出てたな あと羽村が遊馬崎 -- 名無しさん (2015-01-23 15 17 12) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/chaosdrama/pages/3131.html
《園原(そのはら)杏里(あんり)/Sonohara Anri》 CV 花澤香菜 アイコン 園原 杏里 性別 女 年齢 一巻時、15歳 誕生日 10月31日 血液型 O型 身長 152cm 体重 ……。 趣味 絵画鑑賞 好きな教科 体育 嫌いな教科 音楽(苦手ではない) 好きな言葉 『友達は第二の自己である』(アリストテレス) 帝人のクラスメイト。眼鏡をかけた地味な風貌だが、どこか浮世離れした美少女で、来良学園でベスト3に入る巨乳。加えて成績優秀で、体育も含め通知票はオール10。両親はおらず、一人暮らしをしている。料理は全く出来ないらしく、料理の点数は30点。 大人しくあまり自己主張しない性格。そのせいか、当の杏里を敵視する同級生からイジメを受けることがある。幼少の頃より父親から虐待を受けていたことから、精神のバランスを保つために、自分の見る世界とその出来事を額縁の中のものとして徹底して客観的に認識するようになった。同時に様々なものが欠け、人を愛することもできなくなった。ただし人間関係が広がり始めて以降、帝人や正臣、美香など額縁の手前にいる“例外”と関わる際には客観的な捉え方が出来なくなり、そうした彼らとの関係を大切にしている。 美香とは中学に上がる前からの親友で、彼女の引き立て役(帝人の見立てでは好対照でどちらもが引き立つような関係)であった。本人はこうした他人に依存する生き方を寄生と捉え、他の事柄とも併せて、自身を「寄生虫」と揶揄している。 5年前、父に絞殺されかけた際、当時の「斬り裂き魔」であった母・沙也香が父を殺して自らも自殺し、その際残された妖刀「罪歌」をその身に宿している。本来「罪歌」を宿した者はその思念に耐え切れず発狂し憑衣されるが、杏里は罪歌の思念を受けていながら額縁の中のものとして見ることによって自我を保ち、罪歌を制御している。罪歌の影響から卓越した身体能力を発揮し、罪歌が闘いの経験と記憶を受け継いでいるため、かなりの剣豪である。「罪歌の子」の暴走によって引き起こされた「リッパーナイト」事件では、「母」として「子」の意識を支配することで事件を終結させた。当事件の被害者であり「罪歌の子」の宿主となった人々は自己の意識を取り戻したものの、必要とあらば「母」である杏里により使役させられる。 「斬り裂き魔事件」以来、セルティには信頼を寄せており、その後も親しい関係を保っている。帝人からの好意に気が付いているが、人を愛することができながために距離を置いている。 チャットでのハンドルネームは「罪歌」。セルティに誘われチャットに参加しているが日常的なITスキルに乏しく、漢字変換ですらおぼつかないため会話が無粋である。また、チャット上の有益な機能である内緒モードが理解できず、臨也にセルティとの会話がほぼ筒抜けになるなど周囲をやきもきさせる。 関連ページ 竜ヶ峰 帝人 紀田 正臣 関連画像 キャラクター紹介 【デュラララ!!】へ戻る
https://w.atwiki.jp/drrr/pages/2.html
メニューを編集 小説 1巻 2巻 3巻 4巻 5巻 6巻 7巻 8巻 9巻 10巻 11巻 12巻 13巻 外伝 SH SH2 SH3 アニメ +... 1話 2話 3話 4話 5話 6話 7話 8話 9話 10話 11話 12話 12.5話(DVD) 13話 14話 15話 16話 17話 18話 19話 20話 21話 22話 23話 24話 25話(DVD) アニメイベント DVD +... DVD1 DVD2 DVD3 DVD4 DVD5 DVD6 DVD7 DVD8 DVD9 DVD10 DVD11 DVD12 DVD13 CD アニメ承 +... 1話 2話 3話 4話 5話 6話 7話 8話 9話 10話 11話 12話 BD/DVD +... 1巻 2巻 3巻 4巻 5巻 6巻 マンガ コミックス1巻 コミックス2巻 コミックス3巻 コミックス4巻 デュララブ!! 罪歌編1巻 罪歌編2巻 罪歌編3巻 黄巾賊編1巻 黄巾賊編2巻 黄巾賊編3巻 ゲーム 3WS攻略 3WSダラーズ 3WS罪歌 3WS黄巾賊 3WSその他 3WSCG 3WSストーリー 3WS登場人物 3WSシステム フレンドシップイベント デュラドラ!! デュラコス!! alley alley攻略 alleyダラーズ alley罪歌 alley黄巾賊 alley臨戦 alley雄猛 alley愚麗威 alleyCG クエスト フィギュア 登場人物 ハンドルネーム一覧 用語 呼び方 誕生日 その他 時間軸 メニュー 閲覧回数 リンク @wiki @wikiご利用ガイド 更新履歴 取得中です。
https://w.atwiki.jp/talesofdic/pages/12295.html
設定:テイルズオブクレストリア シリーズ概要 種族 世界 技術 歴史 言語 組織 職業 現象 その他 シリーズ概要 テイルズオブクレストリア概要 種族 咎我鬼 ケシン 人食い 世界 ミダスメグール王国 罪の国 技術 ビジョンオーブビジョンセントラル 罪の転映 写影機 真眼の魔導石 魔道具(咎我人の罪歌) 手配書(咎我人の罪歌) 身分証(咎我人の罪歌) 黒衝(咎我人の罪歌) 歴史 暴牙 大樹神子 調律 言語 組織 執行者 然ノ全教団 神の使徒 正義の海賊 職業 咎我人 女優 ジャーナリスト 現象 制裁の祈り 罪の刻印ブラッドシン親殺しの剣(ブレイズオイディプス) 焼滅の炎(デッドエンドフレア) 終わりなき痛み(エバーペイン) 不貫の邪恋(フラジャイルハート) 絡みつく嘘(ラブアンドライ) 愛故に血で濡れた拳(ロストファミリー) 黒い炎 その他 シラヌイの花 草 外套 アヴァランチ 和睦大使 大樹巡礼の旅