約 29,005 件
https://w.atwiki.jp/akebon/pages/3347.html
年度別チーム最終成績 年度 順位 試合 勝数 敗数 分け 連勝 勝率 打率 防率 得率 本塁 盗塁 失策 221 5 140 52 84 4 6 .382 .253 4.12 3.0 96 125 35 222 3 140 61 76 3 4 .445 .246 3.32 3.2 121 92 31 223 5 140 57 78 5 4 .422 .231 3.02 2.6 109 101 29 224 2 140 82 56 2 7 .594 .249 2.67 3.5 128 131 26 225 4 140 68 65 7 5 .511 .233 2.67 3.2 125 126 34 226 2 140 86 50 4 8 .632 .254 2.86 4.3 195 106 13 227 優勝 140 97 41 2 9 .702 .283 2.38 5.1 190 139 13 228 優勝 140 96 39 5 17 .711 .266 2.59 5.5 205 135 19 229 優勝 140 107 33 0 11 .764 .272 2.23 5.4 193 154 14 230 2 140 82 54 4 9 .602 .262 2.58 4.0 144 124 28 シーズン別総評 ・230期オリックス&パリーグ総評 オリックス総評 リーグ4連覇を逃した今期のオリックス、しかし勝率.602なら、まずまずと言ったところだろう。打撃陣では、11がベストナイン・ゴールデングラブに、石川雄洋が本塁打王に輝いた。投手陣では、タイトルこそ源五郎丸のベストナインだけだが、先発陣・中継陣・抑え共まずまずの成績だった。来期以降の補強次第では、またリーグ優勝の可能性は、十分あるはずだ。 パ・リーグ総評 今期のパリーグは、最多勝のALKINN・最優秀防御率の涌井秀章・セーブ・投手mvpのフィリップスら先発陣の活躍で日本ハムが、オリックスの4連覇を阻止しリーグ優勝、そして日本一となった。来期もこの強さを持続できるのか、それとも他球団が意地を見せるか、楽しみだ。 ・229期オリックス&パリーグ総評 オリックス総評 まさかのクライマックスシリーズ敗退で終わった今期だが、今期のペナントは、圧倒的な強さでリーグ3連覇を果たした。なんといっても先発陣の防御率であろう。今期から先発に回った佐藤が20勝で防御率1.63とすばらしい成績、有藤茂樹は、21勝で防御率2.12、ユウタⅧは、18勝で防御率2.37、天災地変Ⅲは、16勝で防御率2.25、∞野球浪人∞も、16勝で防御率2.37と、先発投手全員エース級の活躍をみせた、中継ぎ・抑えも先発陣の陰に隠れているもののまずまずの成績だった。打撃陣も、本塁打王にGOZI、打点王に二階堂クルリが選ばれるなど、チーム打率は、昨期を上回る成績を残した。来期以降もこの強さは続くだろう。 パ・リーグ総評 今期もオリックスが、2位に22.5ゲーム差をつけリーグ優勝を果たした。その強さでクライマックスシリーズ・日本シリーズと制すかに思えたが、クライマックスシリーズであっけなく敗退し、パリーグ2位の日本ハムが日本一に輝いた。来期のパリーグもオリックスが圧倒的な強さを見せ付けるのか、それとも他の球団が、意地をみせるのか楽しみだ。 ・228期オリックス&パリーグ総評 オリックス総評 今期のオリックスは、まさに古豪オリックス復活だ!!投手陣では、ユウタⅧが、最優秀防御率・最多勝・シーズンMVPに輝き、有藤茂樹が、防御率・勝ち星とも2位につけたが、甲斐拓哉が、防御率4.10・8勝9敗・投球回数160.1と不本意な成績だった、オフに移籍を踏みとどまった佐藤が、防御率2.04、投球回数106回と安定した成績を残した。来期は、甲斐と佐藤の入れ替えが必要だろう。打撃陣では、3割打者が結婚詐欺師一人だが、周幼平が本塁打王、11が打点王に輝くなど、その他の選手もトップ10内に名を連ね、今期の目標日本一を、チーム一丸で奪い取った。リーグ優勝から日本一と228期完全制覇のオリックスに不安材料が無い訳ではない・・・気になるのが選手達の年齢だ、野手・投手ともパリーグ内ではトップであるところだろう。 パ・リーグ総評 今期はオリックスが2位ソフトバンクに15.5ゲーム差をつけ圧倒的な強さでパリーグを制し、昨期逃した日本一を4連勝で昨期日本一の巨人を下し日本一にも輝いた。オリックスの強さは、打率・防御率・得点率・本塁打すべてにおいてリーグトップと、投打のバランスのよさだが、なんといっても攻撃力で圧倒的である。来期もオリックスが優勝候補だろう。しかし先発投手陣の年齢が気になるところだ。 ・227期オリックス&パリーグ総評 オリックス総評 長い低迷期を経てついに40期ぶりのリーグ優勝を果たした。クライマックスシリーズも制し日本一も期待したが、日本一はお預けとなった。しかし今期のオリックスは、受賞ずくめだ、まず何と言っても野手MVP・ベストナイン・2年連続で打点王・本塁打王と2冠王に輝いたわれらの4番、いやパリーグを代表する4番打者の結婚詐欺師、そして新人王・ベストナインに選ばれた泉、ベストナイン・ゴールデングラブをダブルで受賞したGOZIと足腰弱男、ベストナインに二階堂クルリ・11・源五郎丸、そのほかの選手も受賞こそないが、昨期を上回る成績で40期ぶりのリーグ優勝を果たした。来期こそこのままの戦力で日本一を勝ち取りたいものだ。 パ・リーグ総評 前半戦終了時点で、ソフトバンクが1位で折り返し、また強いソフトバンクが優勝かに見えたが、終わってみれば、得点率・打率・防御率リーグトップのオリックスが、リーグ優勝を果たし、クライマックスシリーズも制した。日本一には一歩とどかなかったが、古豪オリックス復活と言えるだろう。今期のパリーグは2強・2並・2弱と言ったところだろうか。オリックス・ソフトバンク以外のチームの補強次第で、どうなるかわからない、来期が楽しみだ。 ・226期オリックス&パリーグ総評 オリックス総評 シーズン終盤の楽天の追い上げで惜しくも2位になったものの打撃陣では、リークトップの195本塁打と楽天と53本差と大差をつけた。ソフトバンクより移籍の結婚詐欺師がパリーグ2冠王の活躍が大きい。投手陣では、エースの片倉行人の引退の穴を甲斐が埋められるか、いやそれ以上の成績を残せるかが楽しみだ。佐藤らリリーフ陣と抑えのリリィは、今年も大丈夫だろう。 パ・リーグ総評 長くパリーグを制してきたソフトバンクが4位にまで順位を落とし、楽天・オリックス・日本ハム・ソフトバンクの4強混戦のパリーグを楽天が制した。来期以降も混パが続くかそれとも再びソフトバンクが制するか楽しみだ。 ・225期オリックス&パリーグ総評 オリックス総評 またもやBクラス転落の4位という結果に。防御率は前年通りだが、やはり、あまのじゃくの抜けた穴は大きかった。11がついに覚醒し29本塁打を放つも、4番に座った松中祐樹は2割5分台と結果を残せず。昨年より落ちた得点力0.3が今季の順位を大きく分けたといえるだけに、悔しい結果となった。投手陣は盤石の成績だったが、有藤茂樹の乱調は大きかった。ただ、実績のある投手だけに、来期は持ち直してくれるだろう。 パ・リーグ総評 ついにソフトバンクの1強時代に陰りが見え始めた。地力がついてきた楽天、オリックスに、フィリップの移籍で投手陣が整備された日本ハム、投手力ではやや劣るもののあまのじゃくが復帰したことで打線に厚みが増した西武と5位までの球団はどこが優勝しててもおかしくない状況。来期以降も面白くなりそうだ。 ・224期オリックス&パリーグ総評 オリックス総評 216期以来の貯金で終了。しかも、貯金26個で2位と昨年までとは見違えるような結果となった。収穫は何と言っても二塁手を任されているGOZI。今期の打線は流動的ではあったが、最終的には3割近い打率に22本のアーチと主軸を担う選手にまで成長した。他の若手野手でも、周幼平、二階堂クルリ、泉が揃って20本60打点前後を記録。来年への足掛かりを残した。投手陣の方では、先発陣だけで72勝と盤石の安定感。まだまだ成長段階とうことで今後にも期待できるだろう。 パ・リーグ総評 ソフトバンクが得点力4.8、西武が得点力3.9と相変わらずこの2球団の力は高い。今季に限っては、投手陣の差で2位に位置付けたが来期はまだまだ分からない。他の3球団だと、秋山幸二に頼りきりだった打線から水木一郎、㈱㌍が伸びてきた日ハムが怖いか。ピノを彷彿とさせる加藤4が出てきた楽天にもチャンスはある。そして、ロッテ...あの戦い方が悪いとは言わないが、極端すぎて今のパリーグで勝ち抜くには辛いかもしれない。 ・223期オリックス&パリーグ総評 オリックス総評 昨年の躍進からまたも一歩後退。5位まで順位を落とした。防御率は昨年よりも良くなっていることも踏まえると、やはり得点力が浮上のカギを握る。チームの本塁打数、盗塁数ともに昨年と似たような数字を残しているので、最大の原因は.231まで落ちたチーム打率、とりわけ切り込み隊長を務めている足腰弱男の不振は痛かった。今のチームが極々少数の精鋭たちによって支えられているか分からされた形である。早く次の芽が出てこないことには順位は目まぐるしく動きそうだ。 パ・リーグ総評 相変わらずのソフトバンクの独壇場。それでも自慢の得点率が4.2まで落ちてきたのでそのあたりで活路を見いだせるか。ここ数年の黄金期で投手陣の年棒も跳ね上がっているので点を獲るのも厳しいが、どうにか叩きたいところ。2位の西武は得点力はあるものの投手陣が若いのか決め手に欠ける。今年も2人の名無しを抱えているので追いつけるかどうか。3位の楽天他4球団は揃って得点力2点台と上位2球団と戦うだけの力はまだない。投高打低の現パでは野手の成長は難しいが、そこを潜り抜けないことには先は見えてこない。 ・222期オリックス&パリーグ総評 オリックス総評 投手陣の踏ん張りと新人選手の活躍で、一気に3位まで順位を上げた。楽天、日ハムの衰退に便乗した形となるが、前回のAクラス入りは210期まで遡るため、チームの雰囲気もだんだんと良くなってきている。今期は特に投手陣の活躍が目につく。先発5人衆はリーグでも1,2を争うレベルの戦力が揃っており、クローザーのリリィもリーグを代表する守護神に成長した。唯一、不安が残るのが中継ぎであったが、安定感のある佐藤の周りを新規入団のRainbow、源五郎丸がしっかりと支えるという形が作れた。この形が今後何年かの戦い方となるだろう。野手の方では足腰弱男が完全に1人立ちし、鈴木将光も成長の証を見せてくれた。今季一杯でチームの低迷期を支え続けてくれた主砲設楽が引退する。設楽の貢献に報いるためにも、今季の結果を上への足掛かりとしたい。 パ・リーグ総評 ソフトバンクの1強の時代に終わりは来るのであろうか。それほどまでに圧倒的な力の差を見せつけている。この力がなせる業か選手の年棒面でも圧倒的で、3年目のNATOを除けば全員が1億円プレイヤー。今後10年、20年ソフトバンクの時代が続いてもおかしくはない。2位の西武も戦力は上々。度重なる移籍もあり、選手の入れ替わりの激しい中、この順位を維持するというのは並大抵のことではないだろう。4位の日ハムは秋山幸二が引退するまでが鍵か。次代を担う選手が出てきてないのは苦しいところ。楽天、ロッテは得点力不足が一番の問題。特にロッテはベテランを多数抱えながらもこの得点力であり、今後は低迷期もありそうだ。 ・221期オリックス&パリーグ総評 オリックス総評 防御率は大きく悪化したものの、得点力の大幅増により5位に。今後の躍進が期待される。設楽、だっしゅは昨年通りの活躍を見せたが、違うのはそこを繋ぐ打者がちゃんといたことで、あまのじゃくが28本30盗塁、足腰弱男は3割26盗塁を記録して立派に大役を果たした。長距離砲育成に励んでいたため、だっしゅの退団で足型の選手が少ないのが問題となったが、ロケット打法の鈴木将光の成長に期待しよう。投手の方では、片倉行人と有藤茂樹の2人が抜群の安定感で12勝ずつをマーク。ただ、中継ぎ外国人のムラの大きさでリズムを崩したか、他の投手は軒並み昨年より成績を落とした。一発を浴びて崩れる選手が多いのでそこを修正できるかが復活のカギであろうか。 パ・リーグ総評 得点力で他を圧倒するソフトバンクがリーグ制覇3連覇を果たした。主力野手は12年目前後と若く、今後もこの牙城を崩すのは難しそうだ。続く西武、楽天もそれなりの戦力を有してはいるのだが、西武は原田巧の移籍が、楽天は主力選手の高齢化があり、苦しい状況。それでも、AクラスとBクラスの間には高い壁があるのは悲しいところではあるが・・現在若手を大量に有している+wikiへの関心が薄いオリックスとしては他球団の世代交代に合わせて力を蓄えていくのが現実的か。 過去のオリックス・パリーグ総評 216~220期オリックス総評 担当 あかね 更新日 2009年04月20日22時13分21秒 合計: - 今日: - 昨日: - オリックス・バファローズ関連ページ一覧 掲示板 オリックス板過去の選手 選手移動公示|オリックス殿堂館|退団投手名鑑1 投手2 投手3 投手4|退団野手名鑑1 野手2 野手3 野手4記録・チーム史 レコードブック|オリバファ史(更新停止状態)|ポストシーズン結果|シーズン別オーダー1(~140) 2(141~)?アナライザー 他チーム・選手分析|リーグ総評・回顧|オリックス選手採点|チーム展望履歴と倉庫 保存ページ倉庫|更新者履歴てんぷら屋 関連ページのテンプレ|更新チェックのテンプレ
https://w.atwiki.jp/akebon/pages/2000.html
野手・投手総評&来シーズンの展望ver中日 {野手・投手の総評&来シーズンへ向けての展望です。 {野手能力評価 パワー ミート 走 力 肩 力 守備力 特殊能力 160回 B B D D D 1個 (マイナス特殊能力は-1個として計算) 投手能力平均 制球力 体 力 速 球 総変化 特殊能力 158回 B C 149km 8 0.4個 (マイナス特殊能力は-1個として計算) ★第165回総評★ ★野手総評★ 陳金鋒Ⅰ,霜降、橘子...のクリンナップのすごさはいまだ健在。 だがそのクリンナップも能力が衰えてきた。次期候補に、鄭先豐3 髙﨑將 小久保 など楽しみな打者がたくさんいる。 やはり打撃はリーグ1といってもいいほどほとんど文句なし。 特に今期から4番の座に座る霜降が絶好調。MVPを獲得 さらに霜降は本塁打王,打点王の2冠達成 守備は大体はよし。。 ★投手総評★ 先発陣は,金太郎飴最多勝。リーグ二位に武田燕。防御率も234位と中日が占めている。 中継ぎの岡島秀樹がなんと中継ぎでMVPに選ばれ,投打に中日からMVPが出るという 初の快挙達成。 先発二年目の武田燕は,絶好調でよかった。 ★全体総評★ 打撃はもうセ,パトップクラス。投手陣も安定してきて最近は投手王国でもある。 二年連続の日本一にも輝いた 今期は優勝したからといってなめてたらいけない ★来シーズンの展望★ 現在はAクラスだが優勝は難しくない。しかし選手の年齢が 少し高くなってきている。 しかしヤクルトが最近ウィキの結果が良くなってきた。これ からはヤクルトの時代か? 160期~170期ver中日総評
https://w.atwiki.jp/kotye/pages/820.html
2020年総評案2(大賞入れ替え)大賞 LOVE・デスティネーション 【2020】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 総評審議所 https //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58649/1613181301/ 71: 一般1 :2021/03/14(日) 02 36 04 ID ???0 どうも総評2番目に出したアホです。 なんか今年大賞に選ばれるのが『LOVEデス』ばかりなので自分でも思うところがあり、 『LOVEデス』を大賞にした大賞理由を投下させていただきます。 まあ本スレ内部でもLOVEデスとコンキスタ入れ替えろみたいな話もありましたしね。 個人的には今でもコンキスタ大賞だと思ってるんですがまだ総評が出揃っていない今なら添削も可能ですよね? 次点は、 『ジンキ・リザレクション』 『巨乳女子官洗脳催眠「お前のような男の命令に従う訳がないだろう」』 『天冥のコンキスタ』 大賞は、 『LOVE・デスティネーション』 (中略) ならば真のクソゲーとは、誰がどう遊んでも楽しめないゲームである筈だ。 次点はそういったトレンドも元に、突出した「楽しめないゲームであることが誰にでも分かる作品」を厳選した。 『ジンキ・リザレクション』は、王道ADVに余計なシステムを混入した結果大惨事になった老舗の誘爆実験の結果として、 『巨乳女子官洗脳催眠』は、催眠凌辱という作りから織りなす駄目ボイスと抜けないHシーンという盛大なやらかし例として、 それぞれその身を深淵へ繋がる絶望のダイブへと投げていった。 そして残る二つは『LOVE・デスティネーション』と『天冥のコンキスタ』。 どちらも苦痛が長く時間としては引けを取らないし、作品を底辺足りえる材料は充分に揃っている。 ジャンルは違えど双方とも遜色劣らぬ力を持つ二つの明暗を分けたのは「クソゲーを評価するとはどういう事か」というものだった。 kotyeに必要なものは選評だ。筆者が血と吐瀉物をまき散らしながら苦心の果てにたどり着いた境地の断片を記したものである。 住民はそれを時には主観的に、時には客観的に、己の技量と知識を持ち出しながら意見を組み交わし作品を批評する。 そして何が悪いのか、何故悪いのか、どうすれば良かったのか、どうすれば良い作品になっていたかを徹底的に議論していく。 その過程で、ゲームはクソゲーという最終判断をなされて大地に血塗られた墓標を築くのだ。 その審査手段は幾つかあるが、クソゲーがマイナスの産物である以上、比較的多く用いられるのは減点法であろう。 『コンキスタ』は確かにシナリオの薄さやRPG部分の作り込みの甘さと言った問題点は顕著で、そこを責められても文句は言えない。 しかしそこには「作りはなるべくシンプルに、取っつき易く目的が分かりやすいRPGを」といった製作陣の判断だけは見受けられる。 またグラフィックの美麗さや声優陣の演技など、減点法で評価するにしてもまだ加点要素は残されているだろう。 それに対して『LOVEデス』からは制作陣の意気込みややりたい事が揃いも揃って何一つ評価に値していない。 間違った誤訳日本語学習ドリルと評された奇怪な日本語が織りなすテキストの集合体は、ここが日本で書かれているのが本当に日本語なのかすら錯覚させる破壊力を持っている。 物語の核となるヒロイン達は「総理に脅されて凌辱されていた」「実はふたなりだった」などと電波と胸糞が交わった喧嘩上等の女性たちであり、愛でるにはあまりにも高すぎる敷居だ。 主人公はタイムスリップしてきた事を差っ引いても、大人にリスペクトの欠片もなく、己の無能を棚に上げるばかりで責任を取らない万年野党のようなキャラ付け。 しかもシナリオの最後は自身が散々に罵倒してきた「大人」達の華麗な活躍で終わりであり、そこにはカタルシスも感動もミジンコの糞並みに存在していない。 これらの要点を搔き集め、最終的に下される評価とは何だろうか。そう、最もシンプルで、最も作品に対する最底辺の位置づけ……。 「一つも褒めるところがない」である。 この評価点数をあえて稼がないという制作陣の男気溢れるダメな「大人」の判断が、明暗を分けた。 本年度の有象無象の中にある唯一無二の魂を持った誰にも愛されず誰からも必要とされない意欲作『LOVE・デスティネーション』に大賞の称号を贈り、心から拍手を送りたい。
https://w.atwiki.jp/kotye/pages/819.html
2020年総評案4 大賞 LOVE・デスティネーション 【2020】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 総評審議所 https //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58649/1613181301/ 56: 総評4 ◆qZUASUzsaY :2021/03/13(土) 22 32 49 HOST M106073034065.v4.enabler.ne.jp クソゲーオブザイヤーinエロゲー板(KOTYe)。一年で一番クソだったエロゲーを決める祭典である。 昨年の大賞となった『崩壊天使アストレイア』は、ひとつひとつは軽視されがちな小さなクソ要素をコツコツ積み上げ、 その相乗効果によって深淵を生み出し、いつクリアできるとも知れない強大なクソゲーとなった。 果たして今年はどのようなクソゲーが我々の前に姿を現すのか。 クソゲーの探求は、レールの無い荒野を経験と勘を頼りに進むようなものである。平たく言えば遭難寸前だ。 そんな中でもクソゲーハンター達は、僅かでも手掛かりとなる情報の交換に余念がない。 KOTYeも気づけばもう13年目、干支で言えば一回り。ハンター達には胸に抱いている祈りがある。 「クソゲーが出ない年になりますように」 だがハンター達は知っている。クソゲーが出なかった年は無いと。ゆえに皆、ハンターを辞められないのだ。 13年目の死神が微笑むのはどのクソゲーか。2020年のKOTYeが今、まだ見ぬクソゲーに向けて走り出した。 暦は3月、KOTYeの干支一回りを祝うかのような選評が早速到着した。 今年のトップバッターを飾ったのは、デビューから2作連続エントリーとなったDESSERT Softの『神様のしっぽ ~干支神さまたちの恩返し~』。 干支モノとあって攻略ヒロインが13名もいるが、その弊害により立ち絵差分は皆無で、モブは当たり前のように立ち絵なし。 一枚絵の差分も削られており、大量の料理が並んだ食卓で1人ぽつんと座る姿はとてもシュール。 個別ルートのシナリオもヒロイン間で2倍以上の格差が生まれており、作りこみ不足を感じさせる。 さらに個別ルート分岐前にヒロインの設定を掘り下げてしまう事で、トゥルールート以外は蛇足とまで言われてしまった。 昨年も次点作『ギルドマスター』を排出したメーカー、アストロノーツ・シリウスも『絶対女帝都市~叛逆の男・カムイ~』を送り出す。 最大の問題点は不要とまで断じられた拠点制圧パート。隣接した地域を適当にクリックするだけでクリアできる。 立ち回りを気にする必要があるのは1ステージだけ。さらに後半になると一本道となり、シナリオの合間にマップをクリックする作業と化す。 また、Hシーンそれ自体のボリュームは長めにあるが、拠点制圧のためには避けて通れず、スキップも遅いため逆にストレスの原因に。 シーン数も各7回で横並びの中、2回か3回しかないヒロインや、7回中3回が主人公の幻覚による他ヒロインとのシーンなんてことも。 こうなると逆に「なぜ各ヒロイン7回で横並びにしたのか」が分からない。 未完成感の強い本作品のラストは、俺たちの戦いはこれからだ!END。幸か不幸か、続編の情報は今のところ来ていない。 春を待たずに新旧メーカーが急発進する中、発売直後から怪しげな電波をビンビン発してハンター達のアンテナを刺激していた、 謎の新ブランドジェイドの『LOVE・デスティネーション』の選評もKOTYe宛に届く。 転生した2周目の人生でハーレムルートを目指す、いかにもなラブコメ風の雰囲気を装っているが、 漏れ聞こえる内容は無予告でのふたなりヒロイン、電波シナリオ、ルビ完備といったもの。 然してその中身は、身構えていたクソゲーハンター達の想像を遥かに上回っていた。 ゲームを開始してまず目につくのは、全ての漢字に振られたフリガナと、どうでもいい部分を強調する傍点である。 それらが一言で済む話をくどい文章にした上、フリガナと傍点を隙間なく詰め込むことで、読み進めるだけで疲労感をプレイヤーに与えている。 漢字とは別の意味のフリガナも多く、無駄に記号を多用する本作を評して曰く「間違った日本語学習ドリル」。 バックログ機能ならそのフリガナも消えるが、そうすると文字列が意味を成さなくなり怪文書と化す。 そういった苦痛を乗り越えて読み解かれたストーリーやキャラクターにも、本作は大きな問題を抱えている。 未来では独裁者にまで上り詰める黒幕に主人公の学園生活が妨害され、 主人公のスーパー両親やヒロインの親に解決してもらう話。4つあるルート全てがこの調子である。 主人公は理想論を口にするだけで行動しない、全身にブーメランが突き刺さるタイプのクズ。 未来の事件知識で火事になるホテルからの避難を呼びかける真っ当さも持ち合わせてはいるが、 その舌鋒は何故か被害者であるヒロインの父親に向けられ、「自分で限界を決めるな」「男なら女を護れ」などと延々と罵倒する。 ヒロインもふたなり娘、淫紋持ち、ガチ百合、露出調教済み姉妹など、予告なしに来られても困る属性のオンパレード。 プレイ内容も脅迫調教、昏睡拉致逆レイプ、ふたなり射精手伝い、首輪付きで半裸散歩などなど、だいぶハードなものが並ぶ。 こんなプレイを求めるのだから当然どこかイカレている。選評者曰く「みんな喋らないでと思った作品はチーズ(2014大賞)以来」。 つまり『LOVE・デスティネーション』という作品は、事前に印象付けられていたタイムスリップラブコメと大きく乖離した、 「ディストピアから過去に戻った主人公が、叶えようとしない夢や理想をつらつらと語りつつ、 地雷属性持ちだったりする電波ヒロインとHentaiプレイしているうちに、最後は親たちが何とかしてくれる」話である。 自力で問題解決したりしないのでカタルシスも得られず、ヒロイン達に感情移入もし辛い。 さらに読むだけでフリガナと傍点がストレスを与えてくる、紛うことなきクソゲーであった。 ゴールデンウィーク明けには、戯画の『ジンキ・リザレクション』がジンキシリーズ10年ぶりのKOTYeへの帰還を果たした。 前作ではロボバトル漫画原作でありながら、アクションシーンを立ち絵と一枚絵だけで誤魔化していたが、残念ながら本作でも進歩は見られない。 シナリオも敵が仲間内で自滅する展開がほとんど。少なくともストーリーを期待して買うようなものではない。 ではエロの方はどうかと言うと凌辱シーンの評価は高い。だが、シーンを回収する道のりが大きく足を引っ張っている。 このゲームは好感度と操縦練度の両ステータスを1日4回の行動で上下させながら、1か月を過ごすという進め方をする。 さてゲームの大きな問題点として、ステータスの確認ができるのは最初のキャラクター選択時のみということ。 そしてイベントの発生条件が日時、ステータス、特定シナリオ読破、さらにランダムで決まる服装と細かすぎる事が挙げられる。 これらが合わさることにより、目隠しをしながらリセマラを強いられる凌辱シーン回収作業となってしまうのだ。 墓から掘り起こしてはみたものの、シナリオもシステムもボロボロだった本作品。眠ったままでよかったのにと思わずにはいられない。 ジンキの腐臭が呼び声となったのか、サガの方から怒られそうなモンスターも姿を現した。 あかべぇそふとすりぃの『墓多DYINGZOMBIES ~Second Chance for BEAUTIFUL LIVE~』である。 この作品の問題点は「アイドル感とゾンビ感の乏しさ」。 ストーリーは主人公達とマフィアのドンパチが主題で、ヒロイン達が認められる理由は歌や演技ではなく、ドンパチから客を守る肉壁としての行動。 さらにゾンビ肌をペイントで誤魔化していると言いながら普通に温泉に入る上に、ゾンビ肌でのHシーンはゼロ。 血液ワインの酔っ払いアイドルも全身シリコンボディのオナホアイドルも、処女喪失シーンでは普通に血が出る。 誰が呼んだか「全然似てない流行り物コスプレAV」。スタッフが性癖を理解していないエロゲーは死産になる。エロゲーを作るなら肝に銘じてもらいたい。 余談だが、あかべぇそふとすりぃがエフォルダムソフトから引き継いだ作品に「騎士シリーズ」がある。 2014次点の『銃騎士 Cutie☆Bullet』から3作連続でエントリーを果たした名門だ(KOTYe的な意味で)。 ゆえに歴戦のクソゲーハンター達は「騎士」という単語に反応してしまう。他にも「忍者」とかは要チェックだ! さて、次に送られてきた選評はensembleの『Secret Agent~騎士学園の忍びなるもの~』。 本作のあらすじは「忍者の卵である主人公がある事件を解決するため、騎士制度のある近未来的な学園にサポートAIと共に潜入し、 騎士制度を巡るゴタゴタに巻き込まれながら、科学技術忍法で危機を切り抜けていく」といった話である。 ――見ての通り、設定が消化不良を起こしている。 特に騎士制度まわりは「AR装備による決闘」「年一回のトーナメントが大学入試」「でも何故か武芸と縁遠いヒロインの姉が入ってる」 「騎士は年500万の学費で支えられる特権階級だが常に赤字」「特権を乱用する騎士の横暴」「抵抗する一般生徒のデモが日常化」 といった感じに設定は山盛りであるが、これらの整合性を取り作中で解決するにはボリュームが致命的に少なすぎた。 6月の終わりにはGLASSESの『メガスキ! ~彼女と僕の眼鏡事情~ 伊波乙葉編』の選評が、発売2日後のハイスピードで到着した。 眼鏡っ娘をウリにしたロープライス物だが、選評者から「眼鏡属性目当てで買うには論外」との烙印を押されている。 ストーリーに眼鏡が関わるのは「ヒロインが落とした眼鏡を主人公が拾った」程度。 そこからヒロインは主人公のことを調べ上げ、後輩として入学し同じ美術部に入って、付き合うことになったらいきなり野外プレイ。 ――完全にヤンデレ淫乱ストーカーである。これを眼鏡っ娘と形容するのは、マナマナを眼鏡っ娘と形容するようなものだ。 主人公も独り言が多くておっぱい星人で気持ち悪い言動が目立つ。なんならポージングと称してヒロインを椅子に縛りつける。 抜きゲーはタイトルやジャンルを正しく表記しないとKOTYeに持ち込まれる。不幸な出会いを減らすためにも、メーカーには慎重さが求められるのだ。 まあ、部活は5人未満で廃部だが3人抜けて主人公1人、なんて書いてしまうゲームにそれを求めるのは酷だろう。 続いてninetailの『創神のアルスマグナ』がエントリー。 錬金術学園RPGを謳った本作だが、その実態はドロップアイテム収集ゲー。 さらに敵とは一期一会かもしれない仕様から、新たな敵が出るたびにもっさり動作のリセマラを数十回ほど行うことになる。 コンプリートを目指すほど深みに嵌っていくが、特筆すべき点がないストーリーはプレイの助けにはならなかったようだ。 プラリネの『彼女がアイツで、俺はだれ!?』も発売3日後の高速エントリー。 本作は転生系ラブコメに分類されるはずなのだが、その実態はネットで見た系豆知識トーク。 「銃の歴史」「バイク通学」「店選び」「PC」「学習法」「栄養バランス」「カメラ映り」「地方自治」などの豆知識を、 主人公、ヒロイン、モブの垣根なしに披露することで、キャラの個性を消し去っている。 主人公の合理主義設定や転生設定もライターの実力不足に潰され、本番シーンもヒロイン2人合わせて5回しかなくボリューム不足。 ライターが生兵法で歴史モノに挑んだらだいたいクソゲーと化す。これ豆知識ね。 夏の終わりにはSAGA PLANETSの『かけぬけ★青春スパーキング!』の選評が届く。 制作メンバーは過去に『カルマルカ*サークル』でエントリーを果たしており、不安材料が当たってしまった形となった。 使い古されている「夏の青春学園モノ」という題材をテンプレそのままで調理した結果、共通ルートから緩急のないシナリオ化。 メインヒロイン4人の個別ルートも質が低く、中身はテンプレの繰り返しでスカスカ、キャラクターの性格もブレブレ。 トゥルールートだけは褒められる出来だが、そこに至るまでがダメだった。 さて、2020年は新型コロナウィルスによって数多の産業が被害を受けた年であった。 それはエロゲー業界でも例外ではなく、例えばLoseの『まいてつ Last Run!!』は3か月の延期を強いられた。 だがしかし、コロナ禍がまた違った形でKOTYeに影を落とすことになるとは誰が予想できただろうか。 ステイホームが奨励される中、新ブランドおうちじかんの『Honey*Honey*Honey!』が捕まった。 男女が2m離れて生活する法律の下、廊下を色分けするソーシャルディスタンスな学園を描いたバカゲー……にしたかった画集である。 夫婦を別居させるほど厳しい法律ながら、反対派のテロリストは野放しで、立法後30年経っても何故かビッチがいる。 設定無視が常態化しているのに都合のいい時だけ設定を思い出すようでは、バカゲーといえども世界にノれないのだ。 さらに2m離れた会話を表現する「ディスタンスパッチ」を当てると、パッチを当てる前のセーブデータでヒロインが宙に浮く。 時流に乗ろうとアイデア一発で勝負を挑み、残念ながら途中で力尽きた作品であった。 Hシーンは比較的良質だが、ボイスはあってもBGMとSEが存在しない。こちらも途中で力尽きている。 SUKARADOGの『スケベな処女のつくりかた』の選評が投下されたのは、発売から8か月以上経った10月のこと。 この作品は「ヒロインが最初からスケベ」で、「予告なしのレイプNTR」があったために、選評者への地雷と化した。 11月に入り選評受け付け期間も3か月を残すばかり。前年の総評動画も投稿され、スレ内にはまったりとした空気が漂っていた。 だが束の間の平穏もここまで。今年はこれから大嵐の中を突き進むことになる。 まずはevoLLの『Hではじめた絶品バーガー ~え?ご注文はおっぱいですか~』がテイクアウト。 コミュ障で大柄で怖い顔の主人公が接客のアルバイトを潰れかけのハンバーガー屋で住み込みで始めるという、超展開から始まる本作。 主人公が「お、おお」としか喋らない日常会話と、怖い笑顔で客が逃げるシーン(悲鳴SE付き)ばかりでシナリオは虚無。 また本作の化石UIではメッセージ欄の調整ができず、立ち絵よりも大きなメッセージの顔アイコンも視認性をより悪化させる原因に。 それでも抜きゲーならHシーンさえ良ければ挽回できるのだが、本作は声優とCGにも問題を抱えている。 まずヒロイン声優の演技力が低く、明るいキャラなのにボソボソとした喋り方で演技が合っていない上、声量が小さくセリフが聞き取りにくい。 聞き逃したセリフは辛うじてボイスリピートは出来るが、化石UIにバックログなんて便利機能は無いため聞きに戻ることはできない。 CGも低質であり、店内風景へのエロゲーパッケージ流用は当たり前。一枚絵でヒロインのストッキングが消え去るなどチェックも甘々。 さらにCG差分を最小限にした結果、挿入済みなのに外に出たままのシーンや、太ももに挿入れてるように見えるシーンも。 最終的に残ったのは、効果音とクソゲーハンターの甲高い悲鳴だけであった。 そして次にやって来た選評で、修羅の国には安全地帯など存在しないことを改めて思い知ることになる。 Loseの『まいてつ Last Run!!』。数多くのファンを抱え、安パイだったはずの大作FDがまさかのエントリーを果たした。 しかし冷静になって第一報をよく見てみると、直接的に問題とされそうなのはエロの薄さだけであり、 新規キャラのHシーンは無いものの、それは公式サイトに明記され、各種支援サイトでも告知済み。 追加アニメHシーンは19個。『まいてつ』無印からは半減したが非抜きゲーとしては十分とも言えそうな分量である。 KOTYeにおいてはエントリー≠クソゲー。歴戦のハンター達も安心し、続けて届いた選評の検証に戻っていた。 ――だが奴は暴走した。 ErogameScape -エロゲー批評空間-というエロゲーレビュー投稿サイトがある。そこに『まいてつ Last Run!!』のレビューも投稿されて"いた"。 だがLoseは荒れるレビュー欄を問題視。強い要請によってLose作品の全ゲームレビューを削除させる。 エロゲーレビュー史に残る蛮行の結果Loseは大炎上。『まいてつ Last Run!!』の悪評も大きく拡散される。 Yahoo!ニュースにも取り上げられるなど、消すと増えるストライサンド効果の好例になってしまった。 目的は違うとはいえ同じくエロゲーレビューを主とするKOTYeも無関係ではいられない。 スレにはLoseを批判する書き込みが殺到し、レビュー削除後に立った新スレは平時の4倍の速度で1000まで到達。 Loseの一挙手一投足が石炭となって釜に投げ込まれる大炎上、この大暴走は2020年中ずっと続くことになる。 この事態を受けクソゲーハンター達も臨時増発。しかし上がってきた追加選評はいずれも、 「エロの薄さ以外は高品質で、ゲーム単体はガッカリゲー止まり。ただ前代未聞のやらかしで大炎上している」だった。 エロゲー史上空前のレビュー削除事件。それは同時に歴戦のクソゲーハンター達に一つの問いを突き付ける。 「メーカーによるレビュー削除は、KOTYeにおけるクソ要素となりえるか?」 2020年の大賞レースを左右する命題だが、クソゲー達は考える暇を与えてはくれない。Loseの炎上と前後して4本もの選評が届いたのだから。 まずはエウシュリーの『天冥のコンキスタ』が、発売からおよそ半年の時を経て捕獲された。 本作のSRPGパートは「捕獲作業ゲー」。詰んだ時に強くてニューゲームと途中マップの任意スキップがある代わりに、 何度でも入れるフリーマップは無く、ノーコンティニューを目指すならば出てきた敵は全て殺さずに捕獲することになる。 その目的は主に万能通貨「儀式ポイント」を得ること。捕獲した敵を生贄にして入手し、育成やその他あらゆる事に使われる。 装備やアイテムはマップで拾ったものを渡すだけ。装備枠1つ、アイテム枠2つ、任意スキル枠3つとユニット育成の幅は狭い。 一方でパーティ編成の自由度は高く、メインキャラクターを生贄にして儀式ポイントを得ることも可能である。 さて、ここで嫌な予感がした貴方は冴えている。 話の整合性を保つためか、ヒロインを捕獲しても本筋には絡まず、Hシーンのあるモブユニットのような扱いに。 くしくも昨年の次点作『ギルドマスター』と同じ失敗を『天冥のコンキスタ』は繰り返してしまったのだ。 その結果、会話する仲間は一人だけの単調なシナリオを、雑魚ユニットとの戦闘も絡めて徹底的に水増し。 メインキャラクターのはずの天使達はたまに僅かな会話が発生する程度で、捕獲しなければエロすら見られない。 最後には主人公の過去や敵の裏にある事情、ラスボスの違和感の説明まで全部ぶん投げて「俺たちの戦いはこれからだ!」。 この通りシナリオは極限まで薄く引き伸ばされ、さらに打ち切りエンドになってしまっている。 それでもHシーンさえあれば……と思うだろうが、本作ではメインキャラの個別Hは2回だけ。 捕獲して仲間にして1回、Lvを上げてもう1回、これで終了である。感情移入も何もあったもんじゃない。 モブユニット娘にも捕獲時Hが1回あり、天使達にはハーレムHが用意されているものの、それでは補いきれないほどエロも薄かった。 こうして『天冥のコンキスタ』はシナリオという報酬の少ない空虚な捕獲作業ゲーという、醜悪な本質をクソゲーハンター達に暴かれた。 一人の選評者を生贄として。 次いでWonder Foolの『まおかつ! -魔王と勇者のアイドル生活-』もオンステージ。 本作は魔王アイドル育成物語と銘打っているが、魔王との戦いは1クリックで終わり、アイドルの見せ場たるライブも数クリックで終了。 育成物語に至っては、魔王ヒロイン3人をプロデュースすると決まったら、1年後に話が飛ぶ。 ストーリーのメイン要素となる部分が徹底的に省略され、魔王や勇者やアイドルといった設定もことごとく死んでいる。 そして個別ルートに入ったら怒涛のHシーン連打。ノルマ5回を達成したら気持ち程度のシリアス展開からEDに突入する。 ストーリー性を期待して購入したユーザーへの裏切りとなった本作。 CGのクオリティ自体は高いので、ヒロイン達をAV女優だと考え、抜きゲーだと割り切るのが救いの道である。 昨年も次点作『カスタムcute』を排出したメーカー、ももいろPocketも『オレは姫武将を孕ませたい!』で参陣。 主人公がタイムスリップする織田家を中心とした歴史モノだが、残念ながらライターに歴史モノを書くだけの知識が備わっていなかった。 登場人物は主人公とヒロインである信長、光秀、蘭丸、信玄、謙信の5人、あとはモブだけ。秀吉や家康はEDで名前が出るだけの扱いである。 さらに鉄砲の名手たる光秀が腕前を披露する場はなく、本能寺の変における蘭丸の奮戦も全カット。 さらに信玄ルートでEDまで行っても謙信が出てこない。徹底的に登場人物や見せ場を減らして、戦国武将達の個性を潰している。 キャラ立ちに失敗した本作だが、当然ながらシナリオにも問題――いや、厄介な設定を抱えてしまっていた。 「主人公が未来を変えようとしたら消滅する」。いわゆるタイムパラドックスだが、これがシナリオ全体に暗い影を落とす。 具体的には本能寺の変のことを告げられない。これによリ織田家3人のルートは避けられない破局へ突き進む陰鬱なものと化した。 しかし、そもそも織田家の家督争いから本能寺の変まで26~7年分の歴史を駆け足で進めており、 その時点で歴史が大幅に変わってないか? とツッコミを受けるのであった。 また信玄ルートでは、病に倒れた信玄を救うために主人公が2人の子から異能の力を借りて現代に戻るが、 「タイムマシンを作ってでも戻ってくる」はずの主人公は薬すら探さずに数日経過、信玄の生まれ変わりと再会してエンド。 戦国時代に家族を放置している。製作者の中ではこれでハッピーエンドらしい。 Hシーンにおいても前戯と本番で分けているせいか、服装や挿入のチェックが甘くテキストとの矛盾が度々発生。 「ずっぷ」のスワンアイ系列の末裔の血は、「射精に至った!」「彼女の中で放つ!」など射精時の地の文にその面影を残している。 歴史を知らぬライター達の無謀な挑戦は、実を結ぶことなくクソゲーに至った! 地獄の釜の中に届いた4つ目の選評は、「遺影でイェイ!」を生み出したキメラ熟女に定評のあるアパタイトの祖母シリーズ。 その亜種たる『まごかつ~可愛い孫のためなら中出しOK…~』が発売2日後にKOTYeに持ち込まれ、そのおぞましい姿を晒すことになる。 ゲームをプレイして最初に目につくのはCGの低質さ。 一枚絵には構図の乱れが目立ち、精液はペールオレンジ、少年のはずの「マゴ」達も過去作から青年の絵を使いまわしている。 主人公たるマゴ活熟女も、鉄球と評された張りのある乳房が崩れた体形の中で異彩を放っており、 ほうれい線の無い顔と共に、還暦近くであるはずの年齢を行方不明にしている。 シナリオも負けず劣らずトチ狂っている。マゴ活狂いの熟女の視点で進むストーリーは、 「ゲームを買ってあげる」と誘った少年が熟女に欲情できたのでH、欲深くなった熟女はさらに「マゴ」を増やし、最初の2人の反発を受ける。 ここで2人と相談すれば「マゴ」を増やし続けるハッピーエンド、2人と別れれば通報されて逮捕されるバッドエンド。 選評者の「逮捕こそトゥルーエンド」との言葉に、KOTYe民一同深く頷くのであった。 終末の汽笛が鳴り響きスレが大きく荒れ狂う中、選評に導かれて黙示録の四騎士が降り立った。 だがまだまだ災厄は終わらない。これから年末の魔物や年明けに発掘されるクソゲーが待っているのだから。 12月の半ばにはCabbitの『鍵を隠したカゴのトリ-BIRD IN CAGE HIDING THE KEY-』の選評が届いた。 1年以上の延期を経た本作はミステリーADVを名乗っているが、その実態は推理のできないミステリーADVである。 根本的問題として、グランドルートのヒロインが隠している秘密を聞き出さねば推理が進められず、その秘密を他ルートで話すことはない。 この時点で他のヒロイン3人のルートからミステリー要素が欠落することが確定した。 またヒロインが隠していた真実もしょうもないものであり、謎解きを期待したユーザー達は肩透かしを食らわされた。 この作品は、影のあるヒロイン達と洋館でハーレム同棲生活を楽しむゲームと割り切るべきだろう。 年が明けて2021年、三が日を終えたクソゲーハンター達に初仕事が舞い込んだ。 ルネの『巨乳女士官洗脳催眠「お前のような男の命令に従う訳がないだろう」』が敵性物体と識別されたのだ。 本作の最大の問題点は「ヒロインが催眠状態で喘ぐだけ」という一点に集約されている。 フルプライスの抜きゲーらしく、Hシーンはヒロイン3人とモブキャラ合わせて69個も用意されているが、 その中身はほぼ全てが催眠状態で喘いでいるシーンのため、オカズの種類が非常に少ない。 そしてこの「催眠状態で喘ぐだけ」問題は、声優の演技にも影を落としている。 元々は演技が低レベルだと評価されていたのだが、詳しく調べてみるとテキストの方がベテラン声優でもまともに演じられない代物だと判明。 ボイスの大半が喘ぎ声であり、単調なそれに感情の乗った演技を求めるのは無理難題であった。 他にも既視感があり堕とし甲斐のないキャラクター、低レベルなCGやシナリオ、効果音に至ってはフリー素材と、良い所が見つからなかった本作。 選評者がただ一つ褒めたのは、これをフルプライスで販売したルネのクソ度胸だけだった。 エロゲー業界からKOTYeへのクリスマスプレゼント、Triangleの『プリンセスクライシス』も開封された。 本作は魔王が封印されたダンジョンの管理人たる主人公が、4つの種族の姫達の魔王再封印パーティを凌辱するゲームである。 だが物語がダンジョンと周辺施設だけで進むため、種族や国の話はほぼ出てこないため世界観に広がりがない。 主人公は元は人間側のオッサンであるが、若返った姿と仮面で顔見知りのプリンセス達と戦い凌辱する。でも誰も主人公の正体に気付かない。 なんならオッサン姿でHまでする。それでも気付かない。結局最後までプリンセス達には衝撃の正体を明かさずに終わる。 主人公が魔王を裏切るまでも不自然で、魔王が女性だと知る場面が無かったのに、いつの間にか魔王の篭絡が目的となっていた。 このようにストーリーには不出来な部分が多くみられるが、Hシーンの出来は安定しており抜きゲーとしては使える。 だが品質の低いシナリオやゲーム本編に入っていない主題歌はプレイヤーをモヤモヤさせるのだ。 「1か月前まで2020年だったのか。ならばほとんど2020年みたいなものだな。」そんな声と共にKOTYe2020最後のエントリーを飾ったのは、 昨年は一番乗りを果たしたTRYSET Breakの『黒ビッチギャルがキモオタに堕ちるまで ~監禁凌辱配信日記~』である。 本作にH配信シーンを期待した方は残念だろうが、撮影されている場面のCGは全20枚中6枚。そのうち2枚がトイレ盗撮だ。 再生数を求めて内容が過激化するようなこともなく、誘拐がバレるバッドエンドでも配信は手掛かりになっていない。配信とは何だったのか。 シナリオではところどころ怪しい日本語も散見され、黒ギャルに「嗚呼」と言わせる口調も違和感バリバリ。 「せいひんじょーほー」とか書いてる製品ページ担当の努力を見習ってほしいものである。 以上がKOTYe2020にエントリーされた全エロゲー、総勢22本である。 今年は12の月全てでエントリー作が発売される、2013年以来2回目の全月制覇となった。 これより大賞受賞作、および次点作の発表に移りたい。 次点は、 『Hではじめた絶品バーガー ~え?ご注文はおっぱいですか~』 『天冥のコンキスタ』 『オレは姫武将を孕ませたい!』 『まごかつ~可愛い孫のためなら中出しOK…~』 『巨乳女士官洗脳催眠「お前のような男の命令に従う訳がないだろう」』 そして大賞は、 『LOVE・デスティネーション』 とする。 さて、大賞や次点作の選定理由に移る前に、我々は改めてLoseのレビュー削除事件に向き合わねばならない。 「メーカーによるレビュー削除は、KOTYeにおけるクソ要素となりえるか?」 まず、レビュー削除それ自体はゲームの評価を下げるものではない。 何故ならば同様にレビューが削除されたLoseの他作品、『ゴスデリ』や『ものべの』などの評価が下がっていないからだ。 またKOTYeでは伝統的にメーカーの姿勢も問われるが、それは発売前の告知や発売後のバグ対応が主である。 つまりジャンル詐欺やバグ放置での売り逃げへの警戒であり、今回のレビュー削除は売り逃げの亜種に問われるが、 不満点を解消するための追加パッチが出ており、Loseのサポート体制は売り逃げとは程遠い。 したがって今回のレビュー削除の影響は限定的とし、ガッカリゲーに留まる『まいてつ Last Run!!』を次点以上とはしない。 大作の不出来にレビュー削除による炎上が重なって『まいてつ Last Run!!』は1000人からマイナス10点を付けられる作品にはなっただろう。 しかし1000人のマイナス10点よりも1人のマイナス1000点を重視するのがKOTYeの在りようだ。 今年のKOTYeでは各ゲームの長所と欠点を精査し、より「褒められない」「使えない」「やりたくない」物を上位に選んだ。 化石UIと声の演技力の低さとで文章を追うことを困難にしてしまった『Hではじめた絶品バーガー』。 わずかなユニット編成の自由度のためだけに、シナリオやエロを犠牲にした『天冥のコンキスタ』。 ターゲット層たる戦国時代好きこそ、やればやるほど怒りが沸いてくる『オレは姫武将を孕ませたい!』。 低質なCGとシナリオのおかげで、守備範囲外の人間にもヤバイと理解できてしまう『まごかつ』。 注文通りに作ったはずなのに、ゲームを構成する素材全てが低質でクソまずい『巨乳女士官洗脳催眠』。 どれも褒めるところが見当たらず、オカズにも使い難い立派なクソゲーである。 だが大賞作『LOVE・デスティネーション』は、これらの次点作と比べてもなお飛び抜けていた。 ADVの根幹たるストーリーは、主人公が成長しないまま親たちに全てを解決してもらう胸糞モノ。 なおかつその素材たるテキストにすら大問題を抱えており、ただ読むだけで苦痛を与え、バックログも機能不全。 ヒロイン達は特殊体質や特殊性癖の持ち主ばかりであり、次点作には無かった地雷がロシアンルーレットをするかの如く敷き詰められている。 始めから次点作など眼中に無かった。クソゲーとしての地力が違いすぎるのだから。 曲がりなりにも比較対象となり得たのは炎上ゲーたる『まいてつ Last Run!!』だけであり、 その理由もクソゲーとしてのベクトルの差ですらなく、長さと温度を比べるようなミスマッチさであった。 よって、『LOVE・デスティネーション』を2020年で一番のクソゲーであると認め、これを賞する。 今年は5年ぶりのエントリー数20本超えを果たし、歴史にない盤外戦術が見られるなど熱狂の年となった。 5年前の総評が危惧していた「語る」事すら出来ない未来。それはすでに携帯ゲームや乙女ゲームに訪れている。 だが我々はまだまだ元気だ。立ち上がれる限りクソゲーをプレイした感情を選評として書き残そう。 それは何故か。悲しみの共有か、怒りの発露か、苦しみの呻き声か、それらをまとめて笑うためか。 あるいは「こんなクソゲーを二度と生み出さないで」という願いなのかもしれない。 最後になるが、『LOVE・デスティネーション』を制作したジェイドのスタッフ達、 および全ての地雷ゲーのクリエイター達に次の言葉を贈ることで、KOTYe2020の締め括りとしたい。 エロス デスティネーション 「愛の目的地を示したのなら、ちゃんと到着してください」 68: 総評4 ◆qZUASUzsaY :2021/03/13(土) 22 43 26 HOST M106073034065.v4.enabler.ne.jp 以上です。 以下、想定問答集。 Q.まいてつ及びLoseの扱いは? A.ゲーム本編が水準に達していないため選外としますが、それはそれとしてネタとして一番おいしいのでイジり倒します。 Q.次点作5本って多いね? A.例年なら2~4本なのでそれより増えてますが、個人的評価で3位同着が4本あったので全部載せてみました。 2位がまごかつ、3位はそれ以外の次点4本です。削りたいと思われたら参考にしたいので意見ください。 Q.まごかつの評価が高い。 A.アレを次点以上にしないのは特殊性癖ゲーの審査放棄に等しいと思ってます。 Q.なぜあのゲームが次点じゃないの? A.褒める部分のあるゲームは基本的に選外にしています。例えばジンキは凌辱シーンの評価自体は高いので、など。
https://w.atwiki.jp/kotye/pages/907.html
2023年総評案2最終総評原案3 大賞 Jinki -Unlimited- 【2023】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 総評審議所 https //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58649/1706966035/ 220:総評2:2024/05/24(金) 23 17 14 ID ???0 再度のご指摘ありがとうございます 7割方は概ねそのまま反映しました KOTYe2023最終総評案 24/05/24 https //writening.net/page?hPKVAf 残り3割について意図を補足しておきます 審判は行わない そもそも”審査せず何をするのか”について述べている部分であり、審査と審判を厳密に使い分けたかったわけでもないため、この文言は削除しました 個々に異なる~ ここは、あえて長く雑然とさせて、混沌とした感じとその中身の具体性を表現しようという意図でした その意図は多少なりとも残したくはありますが、さすがに長すぎたので、端的になりすぎない程度に短縮しました その他、校正中に気になった点もわずかながら修正しています 222:総評2:2024/05/29(水) 22 59 39 ID ???0 「あなた」=プレイヤーという先入観が生じにくくなるよう調整しました 220の5/24版を編集して5/29版にしてます 併せて、同じく星と乙女の個別紹介部分について、「可能性を閉じないことの弊害」という主旨がより明確になるよう、少し補足を加え、代わりにあまり重要でない部分を整理して帳尻合わせを行いました 土壇場にしては多めの修正かもしれませんが、どうしても必要性を感じたため、極力論旨が変わらないよう注意して行いましたのでご了承願います (URLの内容) ※以下は5/29版(上記の通り5/24版を上書き)。 クソ路はすべて闇の中である。 2022年のクソゲーオブザイヤーinエロゲー板(KOTYe)は、熱意なき駄作同士がつまらなさを競う苦難の道となった。 泥濘の底王となったのは、流行のポップソングをボソボソ歌う音痴の自称ロックンローラーこと『悪魔と夜と異世界と』 王道に便乗しながら王道を茶化し、傲岸不遜と卑屈が同居する強者にして怯者として名を遺したのであった。 そして2023年、KOTYeは15周年を迎える。 夜空を彩った星々が消えゆく中、常闇に沈んだ暗黒大陸に一寸先の光は差すのか。 KOTYeの在り方をも問うような、新たな戦乱が始まろうとしていた。 いまだ前年の総評審議も始まらぬ2月末。 それは遅れすぎて最初にやってきた。 年末の魔物を超越した年始の魔物、RTS+ADV形式のファイナル戯画マイン、『JINKI -Unlimited-』である。 前年12月初旬にマスターアップが宣言され、12月末の発売を予定されていたが、「思いがけない重大な不具合」を理由に1ヶ月延期して越年。 このとき戯画は3月末での開発・販売・サポート業務の終了を告知しており、デッドラインが迫る中での発売となった。 我先にと戯画の遺作に挑んだプレイヤーたちは、特定箇所で確定フリーズする進行不能バグに直面し、有料デバッグの始まりを悟る。 当日中に修正パッチが出されるも、すぐに別の進行不能バグが発生。 もはや手詰まりかと思われたが、先のパッチで密かにデバッグモードが開放されていたことが判明する。 真の意味で有料デバッガーが誕生した瞬間であった。 バグの壁をも乗り越える力を得て、クリアへの道が拓かれたのである。 一方、Hシーンだけを全回収して戦線を離脱する賢者も現れ始めた。 事態を重く見てか、戯画は次なるパッチでデバッグモードを封印。 プレイヤーたちはこれに対し、あえてパッチを当てずにデバッグモードを使い続ける駆け引きを見せる。 アップデートは繰り返され、ユニーク敵の無限湧き・レベル99オーバーで1に回帰・セーブデータ肥大化などのバグは駆逐されていった。 そうしてバグ絡みの七転び八起きは一段落するも、次は本編での七転八倒が待ち受けていた。 いや、正確には本編開始前、起動した時点からである。 というのも、本作はフレームレートが無制限。 並のGPUでは常時稼働率100%を免れず、プレイ中はPCの冷却ファンが不気味に咆哮し続ける。 文字通り「Unlimited」であり、起動した瞬間にタイトルを回収する大記録を打ち立てた。 これ以外にも、RTS・ADVの両面で多岐にわたる問題点が指摘されたが、報告者は完走を前に力尽きてしまう。 全容の解明は、後に続く者へと託された。 解体されぬままスレに鎮座した戯画マイン。 その出現に触発され、墨染の春空から飛花のごとく選評が降り注ぎ始めた。 絶え間なく、過去に類を見ない物量で。 それは、解散した戯画や、眠りについた据置版クソゲーオブザイヤーへの慰労か。 あるいはKOTYeの生存本能か。 葬送の桜祭りは拡大の一途をたどり、選評数は5月までで20に迫った。 近年の常連組からは6作が参列。 先頭は、3年連続エントリーとなったNorth Boxの、『高嶺の花と魔法の壺』である。 前作は相反する設定の不協和が指摘されたが、本作では完全に解消された。 シナリオをできる限り無に近づける潔い手段によって。 話の概要は、主人公が魔法の壺の精『ツボイさん』に「やりまくりたい」と願って叶えてもらうのみである。 加えて、演出面の省エネ効果も際立っている。 出番の多いツボイさんも含めてヒロイン以外はボイスなし、モブの立ち絵はシルエット表示。 30年近く前の著名サウンドノベルをオマージュした、温故知新の精神の表れであろう。 また、ピストン音にはバリバリというノイズが入っており、かつて存在したバリッと響く射精音を思い出させる。 HシーンにそぐわないBGMも健在であり、典雅な琴の調べから舞踏会風のヴァイオリン演奏に繋げて煩悩を霧散させた。 思い切った決断でハマったのは、壺ではなくドツボであったと見るべきか。 お次は、evoLLの『ラブカフェ~童貞な俺でも、巨乳女先輩と同棲できるってマジですか?』が、あらすじ詐欺を仕掛けた。 触れ込みは「4人の同棲生活」ながら、実態は「2人の同棲生活×3ルート」であり、3人のヒロインのうち1人としか同棲できない。 ハーレムルートでようやく実現かと思いきや、非処女ビッチ化したヒロインたちと乱交するだけの妄想オチで終わってしまう。 4人での同棲生活など、夢のまた夢。 印象に残るのは、射精を「放精」と記する独特の言語感覚くらいであった。 続いて、2人のヒーローガールが会場に舞い降りる。 1人目は、SUKARADOGの『虜囚の女ヒーロー ~怪人たちとの闇の狂宴~』 悪の組織ポルチオーンに敗れた突破戦隊テクノブレイカーの紅一点が、仲間を人質に取られてバトルファックを強要される話である。 この時点で察せられる通り、突っ込みどころが非常に多い。 まず、ヒーロー調教モノの様式美は無視。 敗北描写を割愛して監禁状態から始まり、怪人の精液による催淫効果で即発情、即絶頂である。 現代のスピード感についていくには、快楽に抗いながらも徐々に堕ちていく過程など描いていられないのであろうか。 また、主人公の思考回路が頓狂であり、いかなる状況下でも戦隊ヒーローとして実力を行使しない。 脱出すべく見張りの戦闘員の無力化を試みる際にも、力づくで勝てる相手だと認識しながら率先してバトルファックを仕掛ける有様であり、正義のヒーローならぬ性技の披露と揶揄された。 省コスト感あふれる怪人の造形、マ◯ンガーZの劣化パクリに出てきそうな敵ボス「ポルチー王」なども内包しており、昭和の荒唐無稽な特撮やアニメの欠点を煮詰めたような出来であった。 2人目は、アパタイトの『清純ヒーロー×ビッチ墜ち!! ~悪の組織に調教される乙女の心の移ろいは…~』 見せかけは魔法少女凌辱モノながら、内実はジャンルのお約束を茶化し続けるコントであった。 主人公には悲壮感がなく、もっと堂々と調教しろと敵を説教し、売春を強要されそうになれば報酬の安さに怒り、料理の腕前で敵に負けて悔しがる。 片や敵側にはゲスさがない。 農家との提携について主人公を交えて真剣に会議、拠点のローン未完済に苦悩、助産師不在を理由に孕ませを延期など、立ち位置すら不明である。 ほかにも、充実した職場環境に堕ちて孕む主人公、悪堕ち後と見られていた姿は敵が用意した衣装、主人公の投げやりな生着替えを見て恥ずかしがる敵など、最後まで仲良くエロ行為に励む。 バカゲーならバカゲーとして、もっと堂々と告知しろと説教されたのもやむなしであった。 そして常連部隊の後詰めは、 システムが劣悪で、未読・既読スキップの切替やクリック後の音声継続すらない一方、アニメ演出のオンオフ項目はあれど演出自体が未搭載の『ママ僕だけを愛して… ~キモデブ息子を溺愛する母の歪んだ愛情~』と、 タイトルに掲げた「盗聴」要素はモノローグのみでボイスなし、「妄想」要素は見当たらないという世知辛いタイトル詐欺をやらかした『カノジョの性癖 -盗聴×妄想-』が務めた。 常連といえばのアトリエさくら勢も、当然のように臨席。 早くも4本のエントリーを積み上げた。 過去作『淫らに堕ちる、最愛彼女』から選択肢も背景も話の骨子も一部流用した挙句、ヒロインがオモチャどころかサセ子というやるせないオチがついた『好きだった幼馴染がクラスメイトのオモチャになっていた件』、 立ち絵の表示ミスによる「全裸から1ミリ秒で着衣」に「返信→変身の誤変換」がシンクロした正常化現象と、竿役が五七七の韻律で放った台詞「その前に一度イクからちょっと待ってて」が好事家を唸らせた『他人棒でイキ狂い快楽に溺れていく最愛妻 ~見せつけられた快楽に絶頂する妻の痴態』、 「チャラ男に薬を盛られてレ◯プ→脅されて関係継続→快楽堕ち」のテンプレ展開が、薄っぺらいキャラ設定すら置き去りにして儀式のごとく粛々と進む『堕とされた義姉 ~憧れていた義姉がクラスメイトの手で快楽調教させられていく~』が、それぞれの個性で場を温め、ときに冷やした。 中でも耳目を集めたのが『妻、宇佐見恋を抱いてください ~夫公認公開恥辱NTR~』である。 NTR+痴漢というジャンルの性質上、多少のご都合主義は許容されうるが、それを踏まえてなお、登場人物たちの言動は不可解極まる。 ヒロインは強気なタイプにもかかわらず、痴漢にあっても、罵倒以外の抵抗や反撃は一切しない。 また、竿役の「セフレが産気づいた」という露骨な嘘に騙されてノコノコついていく愚かしさも披露する。 ヒロイン以外でも、主人公が妻との仲裁を頼む相手がよりによって竿役、イケメンで女に不自由していない竿役がヒロインに痴漢した理由が「巨乳だったから」など、ストーリー展開に納得感がなさすぎる。 また、ヒロインと竿役は若い男女でありながら、台詞回しに加齢臭が漂っている。 恋愛経験がほぼないヒロインの語彙に「他人棒」やら「弾丸みたいなピストン」やら「弾丸というより男根」やらが含まれるのは興ざめであり、竿役は、 「イッてよし」 「キミのマ◯コの声は……キミより俺のが聞けてる」 「熱いマ◯コを初体験という俺の童貞……捧げてやったぜ」 といったおぞましい台詞を吐く。 そんな本作の最大の見せ場は、妻を奪還するか離婚かを賭けた竿役との勝負である。 妻は夫の勝利を信じて応援し、主人公は意地を見せる。 夫婦愛は感じさせるが、しかし競技内容は「射精我慢比べ」であった。 竿役がヒロインに挿入し、主人公はそれを見ながら自慰をする形式となっており、甚だシュール。 その際の、 竿役「さあ旦那さんイケよ!」 主人公「僕はイカない!!」 ヒロイン「あなたはイカないでぇえええ!(私は)イクぅう~~~~~ッ!!」 という掛け合いは噴飯ものであった。 粗製乱造を繰り返すアトリエさくらの作品にしては、パワー感のある仕上がりと讃えよう。 常連組以外にも、新参組と再訪組の多彩な顔ぶれが集まった。 露払いを買って出たのは、悪女属性をブランドカラーと謳うEvilHealの『Aphrodisiac -女神の欲望-』 サイコパス気質のマッドサイエンティストをメインヒロインに据えるも、その特異な設定を貫けていない。 おもな理由は、あまりに呆気ないオチである。 惚れ薬を飲んだら恋心を自覚してハッピーエンドやら、ヤクザに襲われるとあっさり屈して情けなく許しを請うやら、悪事を暴露すると言われるとすんなり受け入れて逮捕やら、マッドの矜持を放り出す結末が目立つ。 また、誤字脱字がやたら多く、「それはいいんだけが」「当たり間ですよ」「変ことしようしてます?」「初めての浮かぶ環状」「え、それは早くマジいですね」等々、明らかに校正されていない。 結果、作中の迷言「嫉妬がボンバー」になぞらえ、「プレイヤーの頭がボンバーする」と皮肉られた。 次に現れたわるきゅ~れの『病みつきヤンデレハーレム!』も、誤字が目に余るだけでなく、日本語が怪しい部分までも散見された。 例えば、 「扉が開かれると、そこから顔を出したのは、学生服に身を包んだ、幼馴染の美愛が入ってきた。」 のように、主語と述語の係り受けがとっ散らかっている文章さえある。 作中で主人公は、ヒロインから文章の乱れや誤字脱字の多さを指摘され、 「慌てて書いたでしょう?それとも『ながら作業』でもしていた?」 と注意されるが、それはこちらの台詞である。 そのくせ、精液の表現は「オス汁」「生殖汁」「遺伝子汁」などと無駄に豊富なのがしゃらくさい。 また、HシーンにそぐわないBGMも採用されており、メーカーの垣根を超えた流行の兆しが見られた。 本作では、まず探偵モノの推理中じみた曲が流れ、射精を契機に激しいクラシック調の曲に切り替わって2回戦に突入する。 ラスボス戦さながらの演出をHシーンにぶち込んで笑いを取ったこの手法こそ、最も「病みつき」であったやもしれぬ。 外なる世界からは、Rosettaの『星と乙女が占う未来』が這い寄ってきた。 基本の作りは一般向けの低価格ライト百合作品であり、本編にアダルト要素はない。 実質メインヒロインを兼ねる女性主人公の一人称で、他のヒロインたちやモブとの交流が描かれている。 HシーンはR-18パッチとしてエンディング後にまとめて収録されており、その内容が大いなる波紋を呼んだ。 ヒロイン同士の絡みは1つもなく、いずれも主人公と謎の存在との組み合わせなのである。 「あなた」と呼称されるこの存在は、無言の透明人間であり、名前も容姿も性別すらも不明。 シーン絵は、挿入時でもヒロインしか描かない廃れた表現が採用されており、性交には見えないとの意見もあった。 明確な描写が避けられ、公式サイトには“「あなた」は作中キャラの特定の誰かと断定するものではございません。”との注釈もあるため、メーカーの意図はおそらく「ご自由に理想を思い描いてください」であろう。 しかし、熱く膨らんだものを挿入するような表現がぼかされながらも使われており、異性愛描写と捉える者が続出。 竿アレルギーや不意打ち寝取られ感に見舞われ、悶え嘆く声がそこかしこから響く惨事となった。 「あなた」は、無貌ゆえに千の貌を持つとされる蕃神のごとく、誰とも知れぬゆえに誰でもありうる概念的存在となり、解釈次第で千差万別な禁忌へと転じて夢の世界を侵したのである。 描写はなくとも可能性があるだけで、最悪を想像してしまう者もいる。 負の性癖とは、かくも厄介なのである。 加えて、純正百合を装う周到な前フリも地雷度を高めた。 販売サイトでは当初、百合やレズビアンのタグが付けられており、また、百合専門レビューサイトには一般版が提供されて百合認定を受けていたのである。 数々の仕掛けは功を奏し、本作は「百合と『あなた』が交わる地雷」として悪名を轟かせた。 この波に乗じて、 マッシブで気丈な女騎士に、舌っ足らずの声を割り当てる深刻なミスキャストをやらかした『上司の巨乳騎士団長は俺の肉オナホ! ~年下恋人から中出し漬けで寝取って孕ませ穴に!~』と、 17年前のフルプライス作品をほぼベタ移植するも、ウリにした追加要素は絵柄と声が本編とちぐはぐなスキップ13秒の夢オチだった『淫堕の姫騎士ジャンヌ RE BORN ~オーガの仔種を注がれる気高き姫!~』もエントリー。 ZIONの『ワケありJK従属学園 ~強制絶頂は終わらない~』も、絵に全振りで残りは雑な近年流行のスタイルで参加を果たす。 シナリオ冒頭からあらすじと矛盾しており、「ヒロインは男子生徒たちを手玉に取っているはずが、いつの間にか絶頂地獄へ~」のはずが、処女喪失シーンで寸止めコントロールされて完敗を喫する始末。 その際のヒロインの咆哮「ヌアァーーー」にも現れている通り、テキストには珍妙なセンスが満ちている。 男子生徒たちの名付けからして、まず頂点に君臨する3人がS1・S2・S3、みんな揃って「SⅢ」(スペシャルスリー)である。 そしてモブたちは、男子生徒A~DやらXYZやらαやら2やらが順不同で続々と現れ、マドハンドもかくやの乱立を見せた。 文体も独特であり、「男根の美味を味わう」や「子宮口を亀頭が消しゴムのように削ってくる」のように、わかるようで引っかかる言い回しが多い。 「黒光りするイチモツが信じられないほど高速で揺れている」というピストン描写は、字面だけ見れば全裸での激しい腰振りダンスである。 しまいには、射精を「放精」とする表現が他メーカーと被る「放精マイフレンド現象」をも引き起こした。 絵にしても、モブが貧相すぎてヒロインとの格差が際立ち、金持ち男子と借金苦女子というコンセプトを毀損している。 大切なのは全体の調和であり、「ハンバーグだけ上等でも、バンズが釣り合わねば忌まわしいハンバーガーの域を出ない」話を想起させる仕事であった。 突然の確定演出とともに、とこはなの『ナマイキユメちゃんはおにぃとメチャクチャHしたい! ~ギャルと教師のドキドキ同棲生活~』も姿を表した。 紹介文によると本作は、「ときに傷つき迷う等身大のキャラクターを配し、関係性を掘り下げ、低価格帯であっても満足感のある濃密な内容」らしい。 しかし実態は大きく異なっており、徹頭徹尾ダダ甘ライトで通し、傷つき迷う心理描写も見当たらない。 主人公が教師と生徒という立場に悩むのも最初だけであり、ヒロインに全裸で迫られるとあっさり陥落して猿と化す。 そもそも、急接近のきっかけからして「ヒロインがアナニーに使用したペンがケツ穴から取れなくなり、主人公に取ってもらう」である。 ときに傷つき迷いながら掘り下げるとの売り文句が、まさか肛門を指していようとは。 恋人同士になった後ならまだしも、急接近に繋げる展開はさすがに前代未聞であり、「ついに修羅の国にもけつあな確定の波が」と感嘆された。 また、主人公の名前に関するバグも搭載。 デフォルトネームがなく入力を求められるが、その名前は作中の「主人公」という単語をすべて上書きしてしまうのである。 例えば主人公名を「ゲルググ」にすると、「俺つえー系主人公」は「俺つえー系ゲルググ」に変わり、珍種のなろう系MSが誕生する。 同様に、作中で鑑賞するアニメ作品は「3話で早くもゲルググとヒロインがキスする」内容となる。 かくして本作は「ケツアナユメちゃん」としても、命名遊び史の1ページとしても名を成した。 宴もたけなわとなったところで、アンモライトの『女体化転生したボクはふたなりで無双する!? ~でも、お姉ちゃんたちには絶対に勝てません!~』が、風変わりなテキストでスベリ倒した。 本作は、女体化転生した主人公が意地悪な姉たちに反撃を試みるも、ふたなり化アイテムを奪われて負け散らかす情けない話である。 主人公は天然を通り越してバカであり、女体化してなお自分は雄々しいと猫口調でにゃあにゃあ自画自賛したり、子供じみた言い訳で自己正当化を図ったりするため見苦しい。 さらに、「精液が出発進行する」「お腹がぽんぽこタヌキになってしまう」「頭も身体も、ぽあぽあのぷあぷあだ」といった表現で苛立ちを喚起し、「くぁwせdrftgyふじこlp」似の絶叫も繰り出す。 挙句、馬並みに肥大したチ◯コで級友めがけて鏡を割る威力で放精し、選評者から殺人未遂の嫌疑をかけられた。 バカゲーとして見てもなお、薄ら寒いだけの惨状というほかない。 散りゆく秒速5センチメートルの走馬灯をすべて見届け、屍山血河の桜祭りは終結した。 例年ならば一年分に相当する選評が、半年足らずで届く異常事態。 住民たちは困惑を隠せなかったが、時は待たない。 しばしの休息で心身を整え、下半期の戦いに臨むのであった。 夏本番の7月後半には、半月に5本の選評が集中的に届いた。 口火を切ったのは、アトリエさくらの『背徳の強制種付け ~愛する妻の子宮に注ぎ込まれる他の男の精液~』である。 背景差分が足りないせいか、夜の描写の合間に昼間の背景を挟んでしまい、 「主人公が24時間トイレに籠もっている間に、竿役とヒロインは徹夜フェ◯からの朝から晩までセッ◯ス」 という持久戦を勃発させた。 これを受け、とうに桜の季節は終わったとばかりに、対抗戦力が決起する。 先陣を切ったのは、コンフィチュールソフトの『ギャル姉妹 ~ハーレムタイムが止まらない!~』であった。 「オタクに優しいギャル」をテーマとしながら、ギャル属性に対するこだわりが感じられない。 見るからに強気ギャルな姉は、主人公に対してまさかの敬語。 立ち居振る舞いも優等生そのものである。 妹は、陽キャギャルとして許容範囲と思いきや、Hシーンで東リベパロをぶち込んでくるなど、TPOを無視したネタが寒い。 話の展開もあまりに杜撰で、導入からして「妹の方に振られた主人公は、その場で『だったら1回やらせてくれ』と土下座してドン引きされるも、それを見ていた姉に1回やらせてもらえる」である。 これは事前にあらすじとして提示されているため、ストーリーには期待薄と推察できる点は良心的といえよう。 実際、導入部以降はツボイさんの関与が疑われるほどやりまくるのみであり、ノイズ入りの「ギャル」という記号を抱くエロゲーと評された。 第二陣として、 主人公が精神的に調教されてNTR性癖に目覚めた挙句、汚れた妻を抱きたいというさらなる性癖の変化を機に「本人も納得の上で去勢された」ことがさらっと語られて終わる『調教カテイ ~性開発された肢体は元カレを忘れられない~』と、 展開の理由付け・設定の落とし込み・心理描写をことごとく省き、全ヒロインの性知識をエロゲー由来にして「侵・放課後エロゲー生徒会」の異名を得た『侵・性奴会 ~美人会長と爆乳書記の調教日報~』が続く。 負けじとアトリエさくらも『俺の幼馴染がエロ配信をしていた件 ~地味な彼女の裏の顔はエロエロな配信者でした~』で押し返しを図る。 開幕3クリックで「言葉にしなくて、もうそれでけで彼女には~」なる奇怪な文章で先制パンチをかまし、以降も誤字を頻出させて雑さを露呈した。 一方で、絵柄を今風に寄せ、非エロの一枚絵を用意する試行錯誤がみられる。 恒例の「3行de馴れ初め」も廃止され、導入に適切な文量が割かれるようになった。 しかし、代償としてHシーンが削られては本末転倒である。 14枠ある回想のうち本番は6枠しかなく、残り8枠はあの手この手の水増し。 内訳は、脱いで見せるだけの短いシーンが4枠、自慰が2枠、一続きのシーンの分割が2枠である。 一皮むけようとしたはずが、古の王アーベルの水増し手法を取り入れざるを得なくなり、むしろ化けの皮をかぶってしまう皮肉な末路であった。 7月の戦いの後は騒動もなく、気付けば秋。 狂騒の収穫祭が巻き起こりがちな季節ながら、さすがに春に続く大祭とはならず、2作品の衝突で収まった。 上座に居座ったのは、『エルフェンキング』 近年は催眠モノに傾倒していた老舗ルネが久々に手掛けた、ファンタジー凌辱モノである。 十八番ジャンル・90枚超のCG・豪華声優陣と隙のない布陣に思われたが、仕上がりはフルプライスの水準には程遠い。 シナリオと演出に手抜かりがありすぎたのである。 筋書きは「劣等種として虐げられてきた主人公が力を得て、高慢なエルフ族に下剋上する」であり、ありきたり極まる。 主人公の能力は「イメージの現実化」および「他者への能力の伝授」と万能ながら、使い方に工夫がない。 ならず者たちを一騎当千の魔法兵軍団に変えた後は、戦力差で圧勝し、自由を奪って凌辱の繰り返し。 それ以外は、たまにチ◯コサイズの調整に使われる程度である。 行動原理も単純であり、やられたからやり返す、エルフだから犯す、ただそれだけ。 決起から連戦連勝連姦でトントン拍子にエルフの国を滅ぼし、全ヒロインを奴隷化して嬲る、それ以外の内容はなきに等しい。 最序盤に、力を求めずに「運命は自分で切り開く」と宣言する選択肢もあるが、切り開けずに即バッドエンドである。 全編通して新鮮味がまるでなく、フルプラならせめて一捻りは欲しかったと嘆かれた。 次に演出は、色々と端折られすぎている。 絵の質と枚数は価格相応ながら、差分が少なく、ヒロインたちの表情は変化に乏しい。 精液差分を増やしたとて焼け石に水である。 また、過程の省略も度を越している。 凌辱シーンでは前フリ軽視が甚だしく、開始時点ですでに全裸が当たり前、ときには挿入済みの場合すらある。 つまり「挑発して歯噛みさせてから服を剥ぎ取る」のような凌辱モノにおける前戯が、まるごと省かれているのである。 屈服の過程にも抜けが多い。 あるヒロインに至っては、プレイヤーの知らぬ間に経験人数が数百人に達し、半ば心が折れたところから個別が始まる。 それでもなお「ほとんど処女みたいなものだな」と受け入れる剛の者は少なかろう。 気分を盛り上げるために、適切な段階を踏んでシチュエーションを描くことがいかに重要か。 コストをかけて良質な素材を揃えても、演出ひとつでエロゲー失格になりうると、嫌というほど知らしめた作品であった。 さらなる下剋上を狙うは、またも現れたアトリエさくらの尖兵『恋人・亜依理を抱いた他の男達 ~愛する恋人が俺の元から去った理由~』 ヒロイン1人に男主人公を3人起用し、複数の視点で男性遍歴を描く変則スタイルで挑んできた。 しかし、ただでさえ少ないボリュームを章仕立てで分割したせいで、内容が薄まりすぎている。 結果、幼稚で我儘なメイン主人公への嫌悪と、ぞんざいな理由で尻を振り股を開くヒロインへの困惑だけを遺して散った。 師走に入ると、一年を憂いなく終えんと冬の戦いが開幕。 縮地法を駆使して急速前進してきたのは、TinkerBellの『せをはやみ。』である。 独特なシステム設定の説明が不足しており、「アクメーター」や「むんむんほかほか効果」という、なんとなく予想はつくが不明瞭な項目を複数搭載して首を傾げられた。 一方、固有名詞にはルビを振る親切さも見て取れる。 しかし、テキストの1行目が枠の上端に表示されるため、ルビがはみ出して見づらい。 そうして凝視を促したところで、本作の真骨頂たるサプライズ顔面ドアップが炸裂する。 会話しているヒロインが、脈絡も予備動作もなく、専用に書き込まれた高解像度の顔面で視界を覆い尽くす技である。 しかも日常の茶飯事として連発してくるため、プレイ中は常に戦々恐々とさせられ、否応なくストレスが積み上がっていく。 いつ仕掛けてくるかわからないヒロインたちへの警戒心は、次第に嫌悪に変わり、瀬をはやみの和歌に詠まれた慕情とはかけ離れてゆくのであった。 続いてcalciteの『AI(愛)妻と娘への調教性活』が、流行りに浅く便乗した。 特色は、亡き妻の人格を投影したAIヒロインである。 しかし実体を持たないため、Hシーンはスマホに表示される痴態を見ながらのオ◯ニーでしかない。 スマホ内に主人公のアバターを生成して行為に及ぶパターンもあるが、本人はやはり見ているだけである。 そしてタイトルに反し、AI妻への調教要素はまったくない。 義娘ルートには、なぜか妻の部屋から出てきたSMグッズを「俺たちに遺してくれたのかも」と使う無理やりな展開が1シーンだけ存在するものの、「調教性活」を冠するにはあまりに弱い。 また、整然とした連続性に欠けた不条理な展開も散見される。 とりわけ、義娘に初めて手を出す場面で義娘が開口一番、 「……そういえば、手でしたことってあったっけ」 と話すのは理解に苦しむ。 「すでに幾度となく性的な行為に及んでいるが、手でしたことがあるかは記憶が定かでない」としか解釈できず、「手を出そうとした直後の暗転時に、さんざん手を出した後の未来へとワープした」説が提唱されたほどである。 安易な題材すら腐らせるのは毎度のこと。 たゆんだ努力で整合性のなさにも磨きをかけ、常連の貫禄を見せつけたのであった。 大晦日には、国境を超えたバトンタッチが果たされた。 海外在住の有志から『JINKI -Unlimited-』の追加報告が届いたのである。 ついに年始の魔物がその姿を現すときが来た。 先に美点を挙げるなら、敗北if凌辱に振り切ったHシーンであろう。 ただし、一部シーンがリョナを超えたゴアであり、そのわりにCGでの表現がマイルドな点は賛否が別れた。 そして、数ある難点を一言で現すならば「欠落」である。 第一に、ADVパートの設定変更が存在しない。 つまり、テキストスピード変更・メッセージウィンドウの透過率変更・オートモード・既読スキップ・バックログ等々の標準機能がすべて未搭載である。 CGモードもないため差分は見られず、シーン回想は、シナリオの既読部分にいつでもジャンプできる機能で代用されている。 第二に、ストーリーは、ご都合主義でボリューム不足の尻すぼみ。 「主人公が仲間との共闘や交流を経て成長し、特別な存在となる王道の物語」を目指したことは伝わるが、それも最初だけである。 先に進むほど、必要な描写を削られた形跡が目立つため、おそらく開発途中で時間と資金が尽きたのであろう。 結果、旧主人公含むヒロインたちは、新主人公をほめそやすだけのガヤと化した。 そして、巻き込まれ無双系の新主人公が、いつの間にか仲間から全幅の信頼を得て、世界の脅威への特攻能力を都合よく発揮し、ほぼ独力でシリーズを完結へと導いてしまう。 第三に、RTSパートには、操作性と戦略性が致命的なまでに欠如している。 そのため、RTSの娯楽性の真髄たる「リアルタイムの戦況を、戦略的思考と臨機応変な判断で勝利に導く達成感」を味わえないのである。 UIは後発のコンシューマー版に最適化されており、PCでの操作には不向きでありながら、キーコンフィグすらない。 例えば、ホイールのクリックとスクロールにはそれぞれ必殺技と視点変更が割り振られており、誤操作は必至。 その他の操作も煩雑であり、各ユニットへの指示出しさえ一苦労である。 指示しても、移動系の補助・補正機能が貧弱すぎて、壁に引っかかるか目標を見失うかしての棒立ちが多発する。 これでは、直感的で効率の良い正確な制御には程遠い。 戦略性に関しては、ユニットとマップが単純かつ画一的すぎて考える余地がない。 ユニットのカスタマイズは武器のみであり、それすら攻撃力以外はほぼ無意味。 マップは、狭く、ギミックもなく、使い回しが多い。 やることといえば、基本は逃げ回り、ゲージを溜めて必殺技を放つのみ。 それでいて、戦闘回数は実に100オーバーである。 仕上げに、オールクリアには3周を要する周回前提仕様を搭載。 周回によってのみストーリーが分岐するため、共通ルートにあたる部分は周回ごとに再走させられる。 にもかかわらず、既読テキストの色変えや既読スキップの機能はなく、どこから分岐したかは記憶を頼りに探るほかない。 つまらなさと不便さのアンサンブルに加えての「3回周って徒労も3倍だな」仕様は、数多の購入者をクリア断念へと追い込んだ。 これもまた「Unlimited」と呼ぶにふさわしく、再度のタイトル回収が成る。 プレイヤーとその所有PCを同時に屠らんとする死のダブルミーニングは、修羅の国を震恐せしめたのであった。 その直後の予備期間には、幅を利かせる年始の魔物を迎え撃つべく、年末の魔物が降臨する。 前年に大賞デビューを飾ったWendyBellの『モラトリアム ~ブルーアワー幸せの時間~』、満を持しての参戦であった。 前作『悪魔と夜と異世界と』に続き、本作もすべてが低質。 画面比率は今なお4 3、立ち絵が動くとメッセージウィンドウが消える仕様も健在である。 そもそもボリュームが不足しており、準フルプライスながら容量は1GB未満、ヒロインは2人のみ。 比例してストーリーも薄い。 大部分は味気ない日常の羅列にすぎず、ヒロインたちの異国出身設定も活かされない。 また、主人公の人物評が登場人物たちとプレイヤーとで大きく食い違った。 片や「自他ともに認める協調的な人物」、片や「自己中イキリ」である。 これは、主人公がイキるたびになぜか信頼や好感を得るギャップの積み重ねに由来する。 ヒロインとの出会いからして、 「ナンパ男たちに絡まれている最中のヒロインに『お高くとまってるのは媚び売ってるのと同じだからやめた方がいい』と哲学的な説教をかまし、男に凄まれると即退散」 という行動に出て、ヒロインの歓心を買い、プレイヤーからは嫌われた。 小オチの「某国の姫でした」は見透かされて落胆を招いたが、大オチが住民たちの度肝を抜く。 それが、黙って母国に帰ったヒロインを追い、君主制を廃しての民主化に絡むという超展開であった。 入りは毎度のイキリからであり、主人公が、 「騙し討ちみたいに急に去られて納得できるか!直接話して一発ぶん殴る」 と感情を爆発させると、姫の護衛役に覚悟を認められ、都合よく準備されていた偽造パスポートで即時渡航する。 そのままイキって民主化革命となれば逆に感服するほかないが、実際はイキって要人や国王に気に入られ、ヒロインを口説くのみであった。 過程のほとんどは「様々な障害がありつつも」の一言に圧縮され、実に数十年かけて民主化を終えてから、ようやく2人が再会したところで幕引きとなる。 一連の経緯は、KOTYeがしばし政治学スレの様相を呈するほどの衝撃をもたらし、最終的には 「そして…僕は偽造旅券を手に入れたのだった。 ずっぷ!ずっぷ! ああ…民主化しそう」 と端的にまとめられた。 絵も上等とはいえず、一枚絵は作画崩壊気味であり、それぞれ顔つきや体形がブレている。 特に、長さも太さも可変式の首や腕は不気味さや不安感を掻き立てた。 この内容で、キャッチコピーを「それは青くて一瞬で大切な時間」とするセンスには恐れ入る。 青二才じみた出来に青天の霹靂を盛り込んだ本作は、前年王者の血を継ぐ強者として一目置かれるのであった。 締切間際、貪欲に記録更新を狙うアトリエさくらが食後の下剤を務めた。 『妻・倉崎桜菜の浮気調査 ~寝取られ妻の淫らな下半身事情~』では、マンネリが囁かれ始めたのを察してか、新たな暴挙に打って出る。 過去のエントリー作で見た爬虫類顔を想起させるばかりか、ママⅡ風味すら薫る絵を採用。 最終防衛ラインの「絵はそれなり」も崩壊させ、「もうBGMで抜くしかない」と選評者を絶望させた。 最後に、ヒロインが主人公への恋慕の情や罪悪感を有さぬただのビッチでしかない『略奪された婚約者(フィアンセ)~恋人・真澄(ますみ)と弟の秘密』をもって、新記録となる同年9本のエントリーを達成したのである。 かような記録を生んだ一因として、プレイヤーとメーカーの哀しいすれ違いが考えられる。 ある選評者は、NTRの本質を「アリストテレスが『詩学』において定義した悲劇」と述べた。 それは、不幸に陥る登場人物を鑑賞して哀れみや畏れを募らせ、その感情から悲劇の終わりとともに解き放たれる際の心の浄化を目指す様式を指す。 そしてその実現には、満たすべき重要な要素が複数ある。 十分な感情移入・倫理的な共感・登場人物の感情と行動の一貫性・無理のない展開・適度な予測不能性・有意義な結末である。 こうして並べてみると、アトリエさくら作品に欠けている要素のいかに多いことか。 ただ、月1本の販売ペースとロープライスゆえの制約を考慮するに、先の要素を網羅したNTR作品の制作は至難であろう。 「他人棒がヒロインに挿入されればNTR」と広く定義したNTR風作品の量産がアトリエさくらの生存戦略ならば、NTRの真髄を求める者たちとの溝は永劫埋まるまい。 本格NTRとNTR風の間には、蟹とカニカマ程度の齟齬がある。 蟹と偽ってカニカマを売るのは悪行なれど、カニカマとして提供されたものに対し本物の蟹になれと促すのは理不尽といえよう。 提供者は品質向上と正確な告知に努め、客は情報や価格を踏まえて過大な要求を慎み、双方から期待値のズレを解消していくことが望まれる。 少々話がそれてしまったが、役者が揃ったところで2023年の「アレ」を発表しよう。 次点は、 『星と乙女が占う未来』 『エルフェンキング』 『モラトリアム ~ブルーアワー幸せの時間~』 そして大賞は、 『JINKI -Unlimited-』 とする。 2023年のエントリー数は32本を数え、過去最多を更新。 粗製乱造と低価格化の傾向はいっそう強まり、4000円台までの作品が2/3以上を占めた。 低質でつまらないという身も蓋もない欠点が蔓延ったのも近年同様である。 ただし、徹頭徹尾つまらないまま終わったものばかりではない。 星明かりに閃く暗器のごとく、インパクトと独自性を兼ね備えた一発芸を披露する作品もまた、次から次に現れた。 放精マイフレンド・けつあな確定・突然の去勢・顔面ドアップなど、天然にして多彩な副産物の数々が住人たちの心を揺さぶったのである。 特に『星と乙女が占う未来』は、Hシーンの相手を曖昧にして受け手に丸投げする怠慢により、解釈の余地を野放図に広げ、望まぬ可能性に直面するプレイヤーを量産した。 その斬新さと特異性ゆえに、評価は「大賞級」から「取るに足らない」まで、濃淡が強く表れている。 なぜなら、苦しみの根源は、作中ではなく受け手の脳内にあったからである。 作品の描写は不明瞭で薄く、ただのきっかけにすぎない。 その刺激を受けて何を思い起こすかは、個々人の認知や性癖のあり方、トラウマめいた経験と記憶、そして不安や被害意識の強さに大きく依存している。 例えるならば、「落下のリスクがなくとも高所は怖い」と熱弁する者に、知識に基づいた理解はできても、誰もが我が事として心から共感できるわけではないのと同じである。 対して、苦しみの根源を作品全域に内包するフルプライス作品群も君臨した。 これらは一発芸の枠を超え、一芸の粋に達している。 『エルフェンキング』は、エロと人心の機微に理解が及ばず、いかにもそそる素材を用いていながら、テキストと演出だけで心凪ぐ無感動物語を創造してのけた。 『モラトリアム ~ブルーアワー幸せの時間~』は、見るも怪しいバリエーションを誇る一枚絵を筆頭に、あらゆる面で低質さを維持しつつ、突然の民主化超展開でも話題をさらった。 しかし、それらと比較してなお、『JINKI -Unlimited-』がもたらす辛苦は広範にして根深い。 盤外では進行不能バグ・デバッグモード・絶え間ないGPUへの過負荷で畳み掛け、本編は、尻すぼみのご都合シナリオと戦略性なきRTSで盤石のつまらなさ。 欠陥コンフィグはプレイ環境の最適化を許さず、プレイヤーに無駄な負担を延々と強いる。 広げた大風呂敷に中身はなく、それでも完成を目指した理想の姿は垣間見えるだけに、ひときわ悲哀が漂う。 かように、折れる方向に心を動かす力は大きく、しかも的確な角度で、じっくりと時間をかけて発揮された。 その負の屈強さは、本年において最も幅広い理解と共感を得たのである。 往生際は悪かったが、それは最期の瞬間まで己の作風を貫かんとした結果と信じたい。 さながら、芸を抱いて腹上死すると息巻いて舞台で果てた老芸人の大往生。 全盛期には遠く及ばぬ醜態なれど、天晴な死に様にして生き様であった。 ゆえにKOTYe2023大賞の栄冠は、偉大なるマインマエストロの遺作に捧ぐ。 さよならのかわりに。 「ありがとう」の花束を添えて。 15周年の節目に、KOTYeの今までとこれからに思いを馳せる時間をいただきたい。 開闢当初は、何をもってクソゲーを定義し、優劣をつけるかについて、それぞれが持論の正当性を主張しあうのが常であった。 真剣な激論は幾年も繰り返され、ときには決着がつかない年さえあった。 そうしたクソゲー観の切磋琢磨を経たからこそ、身に沁みて理解できた。 誰かの理想は別の誰かの地雷であると。 自分には自分の真実があるように、他者には他者の真実があると。 真実は人と癖の数だけ存在するのである。 にもかかわらず唯一絶対の基準を探し求めるのは不毛であり、ましてや、自分の基準こそ万人の規範と疑わないのは驕りにほかならない。 ゆえに、自分の価値観に基づく自分だけの基準を磨き、他者のそれも等しく尊重する姿勢が望まれるようになった。 いつしか総評にはすべてのエントリー作品が載るのが通例となり、クソゲーのリストではなく、その年を振り返る目録にして総決算のような位置づけとなった。 クソゲーと明言して決めているのは「一番のクソゲー」すなわち大賞のみであり、それとて相対的な判断にすぎない。 こうした現状を示す好例として、残置しておいたエントリー作品を紹介しよう。 それが『サクラノ刻』であり、攻略不可ヒロインの多さと後半の展開に物言いがついた。 一方で、2023年の最優良エロゲーを選ぶとするなら大本命となるだけの圧倒的好評を獲得している。 しかし、それを理由にエントリーが拒絶されることはなく、クソゲーか否かジャッジされることもない。 ただ「定められた手続きに従って自身の不満を表明した者が1人いた」と記録されるだけである。 このエントリーが、「KOTYeは厳正なるクソゲー審査の場」なる幻想を打ち砕いてくれると期待したい。 では審査せず何をするのか。 それは自他の苦しみとの対峙と昇華。 エロゲーへの不満という「悲劇」を通して感情を解き放ち、心の浄化を目指すのである。 当事者は選評によって自らの体験と感情を整理し、表現する。 住民は傾聴し、問いかけ、共感したならそれを示す。 共感できずとも理解に努め、そんな不満もあると認知して受け入れる。 さすれば、未知の苦しみがひとつずつ既知に変わってゆく。 実体験ではなく、想像によって感情を模倣した贋作にすぎないとしても、そのストックを増やすほど、精神は様々な怒りや悲しみに対応しうる柔軟性と強靭さを得る。 それこそが、苦しみを解き放ち、ときに笑いへの昇華すら成しうる力なのである。 ただし、何のお墨付きも与えない代わりに広く参加を受け入れる方針は、危うさも孕む。 半ば無法ゆえの自由は、破天荒な面白味の源泉なれど、ひとたびバランスが崩れれば途端に転覆に至る荒波でもある。 個々の性癖や価値観がせめぎ合い、異なる信条や思惑をも飲み込んで渦巻く混沌の魔海の上で、自由や正義に酔わず、精神の均衡を保って自身の筋を通せるか。 語り手として、聞き手として、傍観者として、KOTYeに何を見出し、どういった立場に身を置き、いかに振る舞うか。 KOTYeの舵取りは、関わる者たち一人一人の仁義に委ねられている。 されど、ではなく、なればこそ。 KOTYeよ。 誰もが遠慮なく、自身の悲劇を語りに来られる避難所であれ。 怒りも悲しみも、語り合って解き放ち、前向きに笑い流せる隠れ家であれ。 果てのない闇も繰り返す後悔も乗り越え、ともに銀燭の明日を目指す船であれ。 そう切に望むとともに、かくあるべく微力を尽くす所存である。 末筆となるが、戯画謹製の名作『バルド』シリーズの文言に願いと覚悟を託し、KOTYe2023の結句として書き刻む。 「Don't believe THE TRUTH, Believe YOUR JUSTICE and YOUR HEART. さあ、お前のJINGI……貫いてみせろ!」
https://w.atwiki.jp/koty/pages/14.html
2008-総評 2008年の携帯機クソゲーオブザイヤーは、ゲーム市場の主流が携帯機へ移行したことを強く印象づけるような、勢いのあるスタートを切った。 尖兵をつとめたのは1/31発売『梅沢由香里のやさしい囲碁』(毎日コミュニケーションズ)である。 「やさしさ」を微塵も感じさせない、CPU戦の99 59秒(カウンターストップ)以上の長考。 対人戦はダウンロードはおろかワイヤレス対戦すら実装しておらず、1つの本体を交互に使って対戦するしかない。 問題集を解こうとすれば開発者への指示と思われる文章が出てフリーズする。 梅沢先生の色っぽい声だけが救いであったが、多くのプレイヤーは囲碁をすること自体が手詰まりとなり、ゲームごと投了した。 同日発売の、『SIMPLE DSシリーズ Vol.32 THE ゾンビクライシス』(D3パブリッシャー)もSIMPLEというハンデを乗り越えノミネートされた。 「貧弱なエフェクト」「シビアすぎる当たり判定」「無駄に長く単調なステージ」等とプレイ意欲を削ぎ落とすというクソゲーの基本をしっかり抑えており、 選択ルートを間違えると無限ループに陥る等というバグも完備。 ゾンビの動きが少なく、同種のゾンビが出ると「死霊の盆踊り」としか言いようがないシンクロ率100%のダンスを披露するネタ要素まである。 携帯機に於いても、クソゲーマイスターの呼び声高い開発会社ドリームファクトリーの面目躍如と言った出来であった。 とあるSIMPLEシリーズ愛好家のユーザーの「ドリフは太陽系から出て行け!」という叫びが印象深い。 次のノミネートは、3/27発売のPSPソフト『海腹川背Portable』(マーベラスエンターテイメント)である。 本作は発売前から「発売延期を繰り返す」「スクリーンショットの出来の悪さ」「公式サイトの『海原川背』というタイトルの間違い」 「過去作の開発者が不参加」「開発会社は、据え置き機ノミネート作『カルドセプトサーガ』のロケットスタジオ」 など不安要素が満載だったが、体験版の配信でそれは杞憂では無いことが判明した。 壁を貫通したりべったりはりついたりするロープ、ぶら下がっているだけなのに突如謎の振動を始めるキャラ等など、 旧作ではあり得なかった謎の挙動が続出。 ファンの不買運動や修正の嘆願があったものの、何ら対応されることなく発売され、見事ノミネートされることとなった。 据え置き機での実績を持つ会社が次々とノミネートする中、絢爛舞踏の如く旧作ファンを撃滅した芝村裕吏氏もここで電撃参戦。 初弾の3/20発売『ぷちえゔぁ』(バンダイ)はそこらのwebに転がってそうなflashゲーの詰め合わせ的内容。 よく訓練された信者にさえ、 「4500円のカレンダーを買ったらDSのソフトがついてきてラッキーだった」 とまで言われる出来であり、発売から2週間足らずで特典付き新品がワゴンに並ぶという前代未聞の戦歴を残した。 続けて発射された5/1発売『エンブレムオブガンダム』(バンダイ)もやればやるほど作業感の増すSLGパートだけならいざしらず、 ガンダムに対する知識が足りないにも関わらずストーリーや設定を独自解釈し、 内容的にも日本語的にも高周波の電波を発生させ、多くのガンダムファンを失笑させた。 両作品とも、「原作ファンしかわからないネタだらけ」なのに「原作ファンからは失笑を買う」という どの層を狙ったのかがサッパリわからない内容であり、氏の撃墜数がまた伸びたであろうことは疑う余地がない。 対戦格闘ゲームという、一度ブームの頂点を迎え、熟成されたジャンルからのノミネートもあった。 7/31発売の『ウィンディ×ウィンダム』(サクセス)である。 無限コンボの実装に始め、ノックバックなど基本の調整がまるでできていないこと、 演出のショボさ、とどめのトレース(パクリ)疑惑まで、文句なしにノミネートクラス。 このデキの酷さに選評者やプレイヤーがKOされてしまったが、おそらく精神的ダメージによるものだろう。 同日発売の『メジャーDS ドリームベースボール』(タカラトミー)も忘れてはいけない。 アニメのストーリーをなぞって野球やミニゲームをクリアしていくという内容だが、 「スチールできない」「内野ゴロが存在しない」「打球はフィールド内に飛んだら100%グラブに触れる」という謎仕様。 1アウト3塁で外野フライでもタッチアップしないCPU。 「ポーズ不可能」「キャラゲーなのにキャラ判別不可能」とファミコン時代を感じさせるシステム。 更にミニゲームでは走って一輪車で土を運ぶとミートが上がり、バッティング演習ではカーブが習得できると、もはや意味が分からない。 こんな内容だがクリアに1時間半もかからないため、Wiiの『メジャーWii 投げろ!ジャイロボール!!』の長さにイライラした人には安心の設計であった。 8/7発売の『みてはいけない』(ディンプル)は、心霊写真に現れた霊を塗りつぶして除霊するという、異端のゲーム。 しかし、その内容は「かってはいけない」ものであった。 1問目ですぐに「あからさまな合成写真」であると分かる。 おまけにタッチパネルの認識が非常に厳しく、わかっているのに答えられず次の写真へと移ってしまい 時間切れになるとやり直すことができず、二周目に行くかデータを消すしかないのだ。 さらにグッドエンディングを見るにはノーヒントで異常な条件をこなさなければならないこともポイントである。 二周前提で、一周目にとある失敗をしておくというクリア願望の裏をかいた高度なトリックが仕込まれており、 そのうえで特定の手順を踏まなけばならない。 このような理不尽な内容であるにも関わらず、途中で間違ったらやはりデータを消す以外にやり直せないのは、 まさに心霊現象さながらの理不尽さである。 9/25発売の『逆境無頼カイジ Death or Survival』(コンパイルハート)は、ギャンブル漫画原作にしてギャンブル要素皆無のミニゲーム集。 シナリオは辛うじて原作をなぞっているものの、原作にあった熱い駆け引きは皆無である。 当たりが見えているという、もはやクジの意味がない「ティッシュクジ」。 原作の印象的なシーンの「焼き土下座」は時間を測るだけ。 タッチペンでなぞるだけの「鉄骨渡り」。 原作のストーリーさえなぞっていればいい、というIFやコンパイルハートの姿勢がうかがえる作品であった。 これ以外にも、調べるだけの呪文に大ダメージバグをつけてしまった『タクティカルギルド』(サクセス)や、 同社発売の「THE歩兵」に勝る点が価格しかなく購入者自身が咆哮した『UNKNOWN SOLDIER ~木馬の咆哮~』(D3パブリッシャー)、 「永遠に居残りクイズ」を体験できる『マジカル頭脳パワー!!DS』(D3パブリッシャー)など、 年内を通してクソゲーの話が尽きることが無い大豊作の年となったのであった。 さて、今年の大賞を発表しよう。 高校野球育成アクションゲーム、『めざせ!甲子園』(タスケ)である。 夏の暑さが本格的になり、甲子園のシーズンになると思い出すゲームがある。 3年前、2005年に発売された「めざせ!甲子園」である。 GBAで発売されたこのゲームは、 「恐ろしく稚拙なグラフィック」「単調で場面が変わるたびに途切れ、最初から再生されるBGM」「背景と同化してしまう忍者のような選手達がいる」などのシステム面。 二年生がいるのに一年生が何故かキャプテンに指名される無理のあるストーリー。 「一定確率でバットを振ってくるためボール球を投げていれば勝ててしまうCPU」「スライディング中は塁に触れていてもアウト」 「デッドボールがない」「フライをキャッチしてもフェアになることがある」等のルールの解釈。 「セカンドが一二塁間ではなく二塁上にいる」「打率が五割なら『.050』と表示される」「ランナーがいる時ゴロを打ち、ランナーがアウトになっても打った本人が塁にいれば打率が上がる」「アウトカウント関係なく一番進んでるランナーを刺そうとするCPU」 といった制作者の野球に対する理解度。 このように、多方面で大物っぷりを発揮しており、甲子園から連想される「逸材」「怪物」「魔物が棲んでいる」などのキーワードにふさわしい出来を見せつけてくれた。 ここで語るべくは2008年のKOTY総評であり、3年前のゲームを語られても困るかもしれないが、 もっと困るのは上記の内容をほぼそのままで、今年7/31にDSで発売されてしまったという事実である。 タイトルまでそのままであり「DS」や「2」などは付いていない。 変わったのはイベント時のキャラデザ、音楽の質の向上、2画面・タッチパネルに対応、といった些細なところで上記の問題点は完全に放置されている。 前作の選手パスワードもそのまま使えるという徹底振りだ。 本来移植というものはインパクトが弱くなりがちであるが、3年前の時点でクソゲー評価が固まっていたものを完璧な移植度で再現したという点が高く評価された。 世に言う「誰が得するんだ?」という文言がこれほど似合うゲームもないだろう。 製作会社であるタスケが、何故これを移植したのかは未だ謎である。 発売日当日に公式サイトすらなかったので、売る気があったのかも謎であったが。 『海腹川背Portable』の「移植」、『メジャーDS ドリームベースボール』の「野球」、『梅沢由香里のやさしい囲碁』の「いわゆる安牌のジャンルをクソゲー化」 と、多くのポイントを抑えていることも2008年を代表するクソゲーとして相応しい。 2008年を振り返って見ると、どのジャンルにも多種多様なクソゲーが登場し、市場の大きいDSには特にその傾向が強く見られた。 野球、囲碁など余程の事がない限りノミネートすらない、と楽観されていたジャンルにももはや安住の地は無い。 来年に向け、次の言葉をもって2008年KOTYを締めくくりたいと思う。 ク ソ ゲ ー の 熱 い 物 語 が 今 始 ま る
https://w.atwiki.jp/kotye/pages/906.html
2023年総評案2最終総評原案2 大賞 Jinki -Unlimited- 【2023】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 総評審議所 https //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58649/1706966035/ 218:総評2:2024/05/15(水) 00 31 33 ID ???0 ご指摘を踏まえての再々構成版です KOTYe2023最終総評案 https //writening.net/page?3w66nt おもな変更点は、大賞理由の整理と結び部分の構成変更です 全体の校正中に引っかかったところの微調整とあわせて繰り返していたら、ズルズルと時間がかかってしまいました にもかかわらず、結びの長さが解消できずじまいなのは申し訳ないです 無駄な長さではないと思いたいですが、冗長と感じる部分があればご指摘願います 既存の部分への指摘はもうなさそうなので、この先は変更部分への再指摘を中心に募りつつ、待つ間にこちらで校正と微調整をあと少し続けます 1週間前後で再指摘受付とその対応、および校正を終えて実質的に総評完成とし、その後は例年に倣い最終チェック期間として数日~1週間ほど寝かせたら全文投下して総評確定としたいと思ってます (URLの内容) クソ路はすべて闇の中である。 2022年のクソゲーオブザイヤーinエロゲー板(KOTYe)は、熱意なき駄作同士がつまらなさを競う苦難の道となった。 泥濘の底王となったのは、流行のポップソングをボソボソ歌う音痴の自称ロックンローラーこと『悪魔と夜と異世界と』 王道に便乗しながら王道を茶化し、傲岸不遜と卑屈が同居する強者にして怯者として名を遺したのであった。 そして2023年、KOTYeは15周年を迎える。 夜空を彩った星々が消えゆく中、常闇に沈んだ暗黒大陸に一寸先の光は差すのか。 KOTYeの在り方をも問うような、新たな戦乱が始まろうとしていた。 いまだ前年の総評審議も始まらぬ2月末。 それは遅れすぎて最初にやってきた。 年末の魔物を超越した年始の魔物、RTS+ADV形式のファイナル戯画マイン、『JINKI -Unlimited-』である。 前年12月初旬にマスターアップが宣言され、12月末の発売を予定されていたが、「思いがけない重大な不具合」を理由に1ヶ月延期して越年。 このとき戯画は3月末での開発・販売・サポート業務の終了を告知しており、デッドラインが迫る中での発売となった。 我先にと戯画の遺作に挑んだプレイヤーたちは、特定箇所で確定フリーズする進行不能バグに直面し、有料デバッグの始まりを悟る。 当日中に修正パッチが出されるも、すぐに別の進行不能バグが発生。 もはや手詰まりかと思われたが、先のパッチで密かにデバッグモードが開放されていたことが判明する。 真の意味で有料デバッガーが誕生した瞬間であった。 バグの壁をも乗り越える力を得て、クリアへの道が拓かれたのである。 一方、Hシーンだけを全回収して戦線を離脱する賢者も現れ始めた。 事態を重く見てか、戯画は次なるパッチでデバッグモードを封印。 プレイヤーたちはこれに対し、あえてパッチを当てずにデバッグモードを使い続ける駆け引きを見せる。 アップデートは繰り返され、ユニーク敵の無限湧き・レベル99オーバーで1に回帰・セーブデータ肥大化などのバグは駆逐されていった。 そうしてバグ絡みの七転び八起きは一段落するも、次は本編での七転八倒が待ち受けていた。 いや、正確には本編開始前、起動した時点からである。 というのも、本作はフレームレートが無制限。 並のGPUでは常時稼働率100%を免れず、プレイ中はPCの冷却ファンが不気味に咆哮し続ける。 文字通り「Unlimited」であり、起動した瞬間にタイトルを回収する大記録を打ち立てた。 これ以外にも、RTS・ADVの両面で多岐にわたる問題点が指摘されたが、報告者は完走を前に力尽きてしまう。 全容の解明は、後に続く者へと託された。 解体されぬままスレに鎮座した戯画マイン。 その出現に触発され、墨染の春空から飛花のごとく選評が降り注ぎ始めた。 絶え間なく、過去に類を見ない物量で。 それは、解散した戯画や、眠りについた据置版クソゲーオブザイヤーへの慰労か。 あるいはKOTYeの生存本能か。 葬送の桜祭りは拡大の一途をたどり、選評数は5月までで20に迫った。 近年の常連組からは6作が参列。 先頭は、3年連続エントリーとなったNorth Boxの、『高嶺の花と魔法の壺』である。 前作は相反する設定の不協和が指摘されたが、本作では完全に解消された。 シナリオをできる限り無に近づける潔い手段によって。 話の概要は、主人公が魔法の壺の精『ツボイさん』に「やりまくりたい」と願って叶えてもらうのみである。 加えて、演出面の省エネ効果も際立っている。 出番の多いツボイさんも含めてヒロイン以外はボイスなし、モブの立ち絵はシルエット表示。 30年近く前の著名サウンドノベルをオマージュした、温故知新の精神の表れであろう。 また、ピストン音にはバリバリというノイズが入っており、かつて存在したバリッと響く射精音を思い出させる。 HシーンにそぐわないBGMも健在であり、典雅な琴の調べから舞踏会風のヴァイオリン演奏に繋げて煩悩を霧散させた。 思い切った決断でハマったのは、壺ではなくドツボであったと見るべきか。 お次は、evoLLの『ラブカフェ~童貞な俺でも、巨乳女先輩と同棲できるってマジですか?』が、あらすじ詐欺を仕掛けた。 触れ込みは「4人の同棲生活」ながら、実態は「2人の同棲生活×3ルート」であり、3人のヒロインのうち1人としか同棲できない。 ハーレムルートでようやく実現かと思いきや、非処女ビッチ化したヒロインたちと乱交するだけの妄想オチで終わってしまう。 4人での同棲生活など、夢のまた夢。 印象に残るのは、射精を「放精」と記する独特の言語感覚くらいであった。 続いて、2人のヒーローガールが会場に舞い降りる。 1人目は、SUKARADOGの『虜囚の女ヒーロー ~怪人たちとの闇の狂宴~』 悪の組織ポルチオーンに敗れた突破戦隊テクノブレイカーの紅一点が、仲間を人質に取られてバトルファックを強要される話である。 この時点で察せられる通り、突っ込みどころが非常に多い。 まず、ヒーロー調教モノの様式美は無視。 敗北描写を割愛して監禁状態から始まり、怪人の精液による催淫効果で即発情、即絶頂である。 現代のスピード感についていくには、快楽に抗いながらも徐々に堕ちていく過程など描いていられないのであろうか。 また、主人公の思考回路が頓狂であり、いかなる状況下でも戦隊ヒーローとして実力を行使しない。 脱出すべく見張りの戦闘員の無力化を試みる際にも、力づくで勝てる相手だと認識しながら率先してバトルファックを仕掛ける有様であり、正義のヒーローならぬ性技の披露と揶揄された。 省コスト感あふれる怪人の造形、マ◯ンガーZの劣化パクリに出てきそうな敵ボス「ポルチー王」なども内包しており、昭和の荒唐無稽な特撮やアニメの欠点を煮詰めたような出来であった。 2人目は、アパタイトの『清純ヒーロー×ビッチ墜ち!! ~悪の組織に調教される乙女の心の移ろいは…~』 見せかけは魔法少女凌辱モノながら、内実はジャンルのお約束を茶化し続けるコントであった。 主人公には悲壮感がなく、もっと堂々と調教しろと敵を説教し、売春を強要されそうになれば報酬の安さに怒り、料理の腕前で敵に負けて悔しがる。 片や敵側にはゲスさがない。 農家との提携について主人公を交えて真剣に会議、拠点のローン未完済に苦悩、主人公の孕ませを助産師不在を理由に断念など、立ち位置すら不明である。 ほかにも、充実した職場環境に堕ちて孕む主人公、悪堕ち後と見られていた姿は敵が用意した衣装、主人公の投げやりな生着替えを見て恥ずかしがる敵など、最後まで仲良くエロ行為に励む。 バカゲーならバカゲーとして、もっと堂々と告知しろと説教されたのもやむなしであった。 そして常連部隊の後詰めは、 システムが劣悪で、未読・既読スキップの切替やクリック後の音声継続すらない一方、アニメ演出のオンオフ項目はあれど演出自体が未搭載の『ママ僕だけを愛して… ~キモデブ息子を溺愛する母の歪んだ愛情~』と、 タイトルに掲げた「盗聴」要素はモノローグのみでボイスなし、「妄想」要素は見当たらないという世知辛いタイトル詐欺をやらかした『カノジョの性癖 -盗聴×妄想-』が務めた。 常連といえばのアトリエさくら勢も、当然のように臨席。 早くも4本のエントリーを積み上げた。 過去作『淫らに堕ちる、最愛彼女』から選択肢も背景も話の骨子も一部流用した挙句、ヒロインがオモチャどころかサセ子というやるせないオチがついた『好きだった幼馴染がクラスメイトのオモチャになっていた件』、 立ち絵の表示ミスによる「全裸から1ミリ秒で着衣」に「返信→変身の誤変換」がシンクロした正常化現象と、竿役が五七七の韻律で放った台詞「その前に一度イクからちょっと待ってて」が好事家を唸らせた『他人棒でイキ狂い快楽に溺れていく最愛妻 ~見せつけられた快楽に絶頂する妻の痴態』、 「チャラ男に薬を盛られてレ◯プ→脅されて関係継続→快楽堕ち」のテンプレ展開が、薄っぺらいキャラ設定すら置き去りにして儀式のごとく粛々と進む『堕とされた義姉 ~憧れていた義姉がクラスメイトの手で快楽調教させられていく~』が、それぞれの個性で場を温め、ときに冷やした。 中でも耳目を集めたのが『妻、宇佐見恋を抱いてください ~夫公認公開恥辱NTR~』である。 NTR+痴漢というジャンルの性質上、多少のご都合主義は許容されうるが、それを踏まえてなお、登場人物たちの言動は不可解極まる。 ヒロインは強気なタイプにもかかわらず、痴漢にあっても、罵倒以外の抵抗や反撃は一切しない。 また、竿役の「セフレが産気づいた」という露骨な嘘に騙されてノコノコついていく愚かしさも披露する。 ヒロイン以外でも、主人公が妻との仲裁を頼む相手がよりによって竿役、イケメンで女に不自由していない竿役がヒロインに痴漢した理由が「巨乳だったから」など、ストーリー展開に納得感がなさすぎる。 また、ヒロインと竿役は若い男女でありながら、台詞回しに加齢臭が漂っている。 恋愛経験がほぼないヒロインの語彙に「他人棒」やら「弾丸みたいなピストン」やら「弾丸というより男根」やらが含まれるのは興ざめであり、竿役は、 「イッてよし」 「キミのマ◯コの声は……キミより俺のが聞けてる」 「熱いマ◯コを初体験という俺の童貞……捧げてやったぜ」 といったおぞましい台詞を吐く。 そんな本作の最大の見せ場は、妻を奪還するか離婚かを賭けた竿役との勝負である。 妻は夫の勝利を信じて応援し、主人公は意地を見せる。 夫婦愛は感じさせるが、しかし競技内容は「射精我慢比べ」であった。 竿役がヒロインに挿入し、主人公はそれを見ながら自慰をする形式となっており、甚だシュール。 その際の、 竿役「さあ旦那さんイケよ!」 主人公「僕はイカない!!」 ヒロイン「あなたはイカないでぇえええ!(私は)イクぅう~~~~~ッ!!」 という掛け合いは噴飯ものであった。 粗製乱造を繰り返すアトリエさくらの作品にしては、パワー感のある仕上がりと讃えよう。 常連組以外にも、新参組と再訪組の多彩な顔ぶれが集まった。 露払いを買って出たのは、悪女属性をブランドカラーと謳うEvilHealの『Aphrodisiac -女神の欲望-』 サイコパス気質のマッドサイエンティストをメインヒロインに据えるも、その特異な設定を貫けていない。 おもな理由は、あまりに呆気ないオチである。 惚れ薬を飲んだら恋心を自覚してハッピーエンドやら、ヤクザに襲われるとあっさり屈して情けなく許しを請うやら、悪事を暴露すると言われるとすんなり受け入れて逮捕やら、マッドの矜持を放り出す結末が目立つ。 また、誤字脱字がやたら多く、「それはいいんだけが」「当たり間ですよ」「変ことしようしてます?」「初めての浮かぶ環状」「え、それは早くマジいですね」等々、明らかに校正されていない。 結果、作中の迷言「嫉妬がボンバー」になぞらえ、「プレイヤーの頭がボンバーする」と皮肉られた。 次に現れたわるきゅ~れの『病みつきヤンデレハーレム!』も、誤字が目に余るだけでなく、日本語が怪しい部分までも散見された。 例えば、 「扉が開かれると、そこから顔を出したのは、学生服に身を包んだ、幼馴染の美愛が入ってきた。」 のように、主語と述語の係り受けがとっ散らかっている文章さえある。 作中で主人公は、ヒロインから文章の乱れや誤字脱字の多さを指摘され、 「慌てて書いたでしょう?それとも『ながら作業』でもしていた?」 と注意されるが、それはこちらの台詞である。 そのくせ、精液の表現は「オス汁」「生殖汁」「遺伝子汁」などと無駄に豊富なのがしゃらくさい。 また、HシーンにそぐわないBGMも採用されており、メーカーの垣根を超えた流行の兆しが見られた。 本作では、まず探偵モノの推理中じみた曲が流れ、射精を契機に激しいクラシック調の曲に切り替わって2回戦に突入する。 ラスボス戦さながらの演出をHシーンにぶち込んで笑いを取ったこの手法こそ、最も「病みつき」であったやもしれぬ。 変わり種から花開いた曼珠沙華、Rosettaの『星と乙女が占う未来』も、祭りに死色を添えた。 基本の作りは一般向けの低価格ライト百合作品であり、本編にアダルト要素はない。 実質メインヒロインを兼ねる女性主人公の一人称で、他のヒロインたちやモブとの交流が描かれ、独り立ちした妹との涙の再会をもって幕を閉じる。 HシーンはR-18パッチとしてエンディング後にまとめて収録されており、その内容が大いなる波紋の発生源となった。 4つあるHシーンに、ヒロイン同士の絡みは皆無。 すべて、主人公と謎の存在「あなた」の組み合わせであった。 「あなた」は主人公の想い人であることこそ明示されているが、名前や容姿、性別に至るまですべてが不詳の、一言も発しない透明人間である。 シーン絵は、挿入時でもヒロインしか描かない廃れた古き表現が採用されており、性交には見えないとの意見もあった。 明確な描写が徹底して避けられ、公式サイトには“「あなた」は作中キャラの特定の誰かと断定するものではございません。”との注釈もあることから、メーカーの意図はおそらく「ご自由に理想を思い描いてください」であろう。 しかし、熱く膨らんだものを挿入するような表現がぼかされながらも使われており、望まぬ異性愛描写と捉えてしまう者が続出。 竿アレルギーや不意打ち寝取られ感に見舞われ、悶え苦しみ嘆く声がそこかしこから響く惨事となった。 明確な描写がなくとも、したくもない最悪の想像をしてしまう者は存在する。 負の性癖とは、かくも厄介なのである。 加えて、純正百合を装う周到な前フリも地雷度を高めた。 販売サイトでは当初、百合やレズビアンのタグが付けられており、また、百合専門レビューサイトには一般版が提供されて百合認定を受けていたのである。 数々の仕掛けは功を奏し、本作は「百合と『あなた』が交わる地雷」として悪名を轟かせた。 この波に乗じて、 マッシブで気丈な女騎士に、舌っ足らずの声を割り当てる深刻なミスキャストをやらかした『上司の巨乳騎士団長は俺の肉オナホ! ~年下恋人から中出し漬けで寝取って孕ませ穴に!~』と、 17年前のフルプライス作品をほぼベタ移植するも、ウリにした追加要素は絵柄と声が本編とちぐはぐなスキップ13秒の夢オチだった『淫堕の姫騎士ジャンヌ RE BORN ~オーガの仔種を注がれる気高き姫!~』もエントリー。 ZIONの『ワケありJK従属学園 ~強制絶頂は終わらない~』も、絵に全振りで残りは雑な近年流行のスタイルで参加を果たす。 シナリオ冒頭からあらすじと矛盾しており、「ヒロインは男子生徒たちを手玉に取っているはずが、いつの間にか絶頂地獄へ~」のはずが、処女喪失シーンで寸止めコントロールされて完敗を喫する始末。 その際のヒロインの咆哮「ヌアァーーー」にも現れている通り、テキストには珍妙なセンスが満ちている。 男子生徒たちの名付けからして、まず頂点に君臨する3人がS1・S2・S3、みんな揃って「SⅢ」(スペシャルスリー)である。 そしてモブたちは、男子生徒A~DやらXYZやらαやら2やらが順不同で続々と現れ、マドハンドもかくやの乱立を見せた。 文体も独特であり、「男根の美味を味わう」や「子宮口を亀頭が消しゴムのように削ってくる」のように、わかるようで引っかかる言い回しが多い。 「黒光りするイチモツが信じられないほど高速で揺れている」というピストン描写は、字面だけ見れば全裸での激しい腰振りダンスである。 しまいには、射精を「放精」とする表現が他メーカーと被る「放精マイフレンド現象」をも引き起こした。 絵にしても、モブが貧相すぎてヒロインとの格差が際立ち、金持ち男子と借金苦女子というコンセプトを毀損している。 大切なのは全体の調和であり、「ハンバーグだけ上等でも、バンズが釣り合わねば忌まわしいハンバーガーの域を出ない」話を想起させる仕事であった。 突然の確定演出とともに、とこはなの『ナマイキユメちゃんはおにぃとメチャクチャHしたい! ~ギャルと教師のドキドキ同棲生活~』も姿を表した。 紹介文によると本作は、「ときに傷つき迷う等身大のキャラクターを配し、関係性を掘り下げ、低価格帯であっても満足感のある濃密な内容」らしい。 しかし実態は大きく異なっており、徹頭徹尾ダダ甘ライトで通し、傷つき迷う心理描写も見当たらない。 主人公が教師と生徒という立場に悩むのも最初だけであり、ヒロインに全裸で迫られるとあっさり陥落して猿と化す。 そもそも、急接近のきっかけからして「ヒロインがアナニーに使用したペンがケツ穴から取れなくなり、主人公に取ってもらう」である。 ときに傷つき迷いながら掘り下げるとの売り文句が、まさか肛門を指していようとは。 恋人同士になった後ならまだしも、急接近に繋げる展開はさすがに前代未聞であり、「ついに修羅の国にもけつあな確定の波が」と感嘆された。 また、主人公の名前に関するバグも搭載。 デフォルトネームがなく入力を求められるが、その名前は作中の「主人公」という単語をすべて上書きしてしまうのである。 例えば主人公名を「ゲルググ」にすると、「俺つえー系主人公」は「俺つえー系ゲルググ」に変わり、珍種のなろう系MSが誕生する。 同様に、作中で鑑賞するアニメ作品は「3話で早くもゲルググとヒロインがキスする」内容となる。 かくして本作は「ケツアナユメちゃん」としても、命名遊び史の1ページとしても名を成した。 宴もたけなわとなったところで、アンモライトの『女体化転生したボクはふたなりで無双する!? ~でも、お姉ちゃんたちには絶対に勝てません!~』が、風変わりなテキストでスベリ倒した。 本作は、女体化転生した主人公が意地悪な姉たちに反撃を試みるも、ふたなり化アイテムを奪われて負け散らかす情けない話である。 主人公は天然を通り越してバカであり、女体化してなお自分は雄々しいと猫口調でにゃあにゃあ自画自賛したり、子供じみた言い訳で自己正当化を図ったりするため見苦しい。 さらに、「精液が出発進行する」「お腹がぽんぽこタヌキになってしまう」「頭も身体も、ぽあぽあのぷあぷあだ」といった表現で苛立ちを喚起し、「くぁwせdrftgyふじこlp」似の絶叫も繰り出す。 挙句、馬並みに肥大したチ◯コで級友めがけて鏡を割る威力で放精し、選評者から殺人未遂の嫌疑をかけられた。 バカゲーとして見てもなお、薄ら寒いだけの惨状というほかない。 散りゆく秒速5センチメートルの走馬灯をすべて見届け、屍山血河の桜祭りは終結した。 例年ならば一年分に相当する選評が、半年足らずで届く異常事態。 住民たちは困惑を隠せなかったが、時は待たない。 しばしの休息で心身を整え、下半期の戦いに臨むのであった。 夏本番の7月後半には、半月に5本の選評が集中的に届いた。 口火を切ったのは、アトリエさくらの『背徳の強制種付け ~愛する妻の子宮に注ぎ込まれる他の男の精液~』である。 背景差分が足りないせいか、夜の描写の合間に昼間の背景を挟んでしまい、 「主人公が24時間トイレに籠もっている間に、竿役とヒロインは徹夜フェ◯からの朝から晩までセッ◯ス」 という持久戦を勃発させた。 これを受け、とうに桜の季節は終わったとばかりに、対抗戦力が決起する。 先陣を切ったのは、コンフィチュールソフトの『ギャル姉妹 ~ハーレムタイムが止まらない!~』であった。 「オタクに優しいギャル」をテーマとしながら、ギャル属性に対するこだわりが感じられない。 見るからに強気ギャルな姉は、主人公に対してまさかの敬語。 立ち居振る舞いも優等生そのものである。 妹は、陽キャギャルとして許容範囲と思いきや、Hシーンで東リベパロをぶち込んでくるなど、TPOを無視したネタが寒い。 話の展開もあまりに杜撰で、導入からして「妹の方に振られた主人公は、その場で『だったら1回やらせてくれ』と土下座してドン引きされるも、それを見ていた姉に1回やらせてもらえる」である。 これは事前にあらすじとして提示されているため、ストーリーには期待薄と推察できる点は良心的といえよう。 実際、導入部以降はツボイさんの関与が疑われるほどやりまくるのみであり、ノイズ入りの「ギャル」という記号を抱くエロゲーと評された。 第二陣として、 主人公が精神的に調教されてNTR性癖に目覚めた挙句、汚れた妻を抱きたいというさらなる性癖の変化を機に「本人も納得の上で去勢された」ことがさらっと語られて終わる『調教カテイ ~性開発された肢体は元カレを忘れられない~』と、 展開の理由付け・設定の落とし込み・心理描写をことごとく省き、全ヒロインの性知識をエロゲー由来にして「侵・放課後エロゲー生徒会」の異名を得た『侵・性奴会 ~美人会長と爆乳書記の調教日報~』が続く。 負けじとアトリエさくらも『俺の幼馴染がエロ配信をしていた件 ~地味な彼女の裏の顔はエロエロな配信者でした~』で押し返しを図る。 開幕3クリックで「言葉にしなくて、もうそれでけで彼女には~」なる奇怪な文章で先制パンチをかまし、以降も誤字を頻出させて雑さを露呈した。 一方で、絵柄を今風に寄せ、非エロの一枚絵を用意する試行錯誤がみられる。 恒例の「3行de馴れ初め」も廃止され、導入に適切な文量が割かれるようになった。 しかし、代償としてHシーンが削られては本末転倒である。 14枠ある回想のうち本番は6枠しかなく、残り8枠はあの手この手の水増し。 内訳は、脱いで見せるだけの短いシーンが4枠、自慰が2枠、一続きのシーンの分割が2枠である。 一皮むけようとしたはずが、古の王アーベルの水増し手法を取り入れざるを得なくなり、むしろ化けの皮をかぶってしまう皮肉な末路であった。 7月の戦いの後は騒動もなく、気付けば秋。 狂騒の収穫祭が巻き起こりがちな季節ながら、さすがに春に続く大祭とはならず、2作品の衝突で収まった。 上座に居座ったのは、『エルフェンキング』 近年は催眠モノに傾倒していた老舗ルネが久々に手掛けた、ファンタジー凌辱モノである。 十八番ジャンル・90枚超のCG・豪華声優陣と隙のない布陣に思われたが、仕上がりはフルプライスの水準には程遠い。 シナリオと演出に手抜かりがありすぎたのである。 筋書きは「劣等種として虐げられてきた主人公が力を得て、高慢なエルフ族に下剋上する」であり、ありきたり極まる。 主人公の能力は「イメージの現実化」および「他者への能力の伝授」と万能ながら、使い方に工夫がない。 ならず者たちを一騎当千の魔法兵軍団に変えた後は、戦力差で圧勝し、自由を奪って凌辱の繰り返し。 それ以外は、たまにチ◯コサイズの調整に使われる程度である。 行動原理も単純であり、やられたからやり返す、エルフだから犯す、ただそれだけ。 決起から連戦連勝連姦でトントン拍子にエルフの国を滅ぼし、全ヒロインを奴隷化して嬲る、それ以外の内容はなきに等しい。 最序盤に、力を求めずに「運命は自分で切り開く」と宣言する選択肢もあるが、切り開けずに即バッドエンドである。 全編通して新鮮味がまるでなく、フルプラならせめて一捻りは欲しかったと嘆かれた。 次に演出は、色々と端折られすぎている。 絵の質と枚数は価格相応ながら、差分が少なく、ヒロインたちの表情は変化に乏しい。 精液差分を増やしたとて焼け石に水である。 また、過程の省略も度を越している。 凌辱シーンでは前フリ軽視が甚だしく、開始時点ですでに全裸が当たり前、ときには挿入済みの場合すらある。 つまり「挑発して歯噛みさせてから服を剥ぎ取る」のような凌辱モノにおける前戯が、まるごと省かれているのである。 屈服の過程にも抜けが多い。 あるヒロインに至っては、プレイヤーの知らぬ間に経験人数が数百人に達し、半ば心が折れたところから個別が始まる。 それでもなお「ほとんど処女みたいなものだな」と受け入れる剛の者は少なかろう。 気分を盛り上げるために、適切な段階を踏んでシチュエーションを描くことがいかに重要か。 コストをかけて良質な素材を揃えても、演出ひとつでエロゲー失格になりうると、嫌というほど知らしめた作品であった。 さらなる下剋上を狙うは、またも現れたアトリエさくらの尖兵『恋人・亜依理を抱いた他の男達 ~愛する恋人が俺の元から去った理由~』 ヒロイン1人に男主人公を3人起用し、複数の視点で男性遍歴を描く変則スタイルで挑んできた。 しかし、ただでさえ少ないボリュームを章仕立てで分割したせいで、内容が薄まりすぎている。 結果、幼稚で我儘なメイン主人公への嫌悪と、ぞんざいな理由で尻を振り股を開くヒロインへの困惑だけを遺して散った。 師走に入ると、一年を憂いなく終えんと冬の戦いが開幕。 縮地法を駆使して急速前進してきたのは、TinkerBellの『せをはやみ。』である。 独特なシステム設定の説明が不足しており、「アクメーター」や「むんむんほかほか効果」という、なんとなく予想はつくが不明瞭な項目を複数搭載して首を傾げられた。 一方、固有名詞にはルビを振る親切さも見て取れる。 しかし、テキストの1行目が枠の上端に表示されるため、ルビがはみ出して見づらい。 そうして凝視を促したところで、本作の真骨頂たるサプライズ顔面ドアップが炸裂する。 会話しているヒロインが、脈絡も予備動作もなく、専用に書き込まれた高解像度の顔面で視界を覆い尽くす技である。 しかも日常の茶飯事として連発してくるため、プレイ中は常に戦々恐々とさせられ、否応なくストレスが積み上がっていく。 いつ仕掛けてくるかわからないヒロインたちへの警戒心は、次第に嫌悪に変わり、瀬をはやみの和歌に詠まれた慕情とはかけ離れてゆくのであった。 続いてcalciteの『AI(愛)妻と娘への調教性活』が、流行りに浅く便乗した。 特色は、亡き妻の人格を投影したAIヒロインである。 しかし実体を持たないため、Hシーンはスマホに表示される痴態を見ながらのオ◯ニーでしかない。 スマホ内に主人公のアバターを生成して行為に及ぶパターンもあるが、本人はやはり見ているだけである。 そしてタイトルに反し、AI妻への調教要素はまったくない。 義娘ルートには、なぜか妻の部屋から出てきたSMグッズを「俺たちに遺してくれたのかも」と使う無理やりな展開が1シーンだけ存在するものの、「調教性活」を冠するにはあまりに弱い。 また、整然とした連続性に欠けた不条理な展開も散見される。 とりわけ、義娘に初めて手を出す場面で義娘が開口一番、 「……そういえば、手でしたことってあったっけ」 と話すのは理解に苦しむ。 「すでに幾度となく性的な行為に及んでいるが、手でしたことがあるかは記憶が定かでない」としか解釈できず、「手を出そうとした直後の暗転時に、さんざん手を出した後の未来へとワープした」説が提唱されたほどである。 安易な題材すら腐らせるのは毎度のこと。 たゆんだ努力で整合性のなさにも磨きをかけ、常連の貫禄を見せつけたのであった。 大晦日には、国境を超えたバトンタッチが果たされた。 海外在住の有志から『JINKI -Unlimited-』の追加報告が届いたのである。 ついに年始の魔物がその姿を現すときが来た。 先に美点を挙げるなら、敗北if凌辱に振り切ったHシーンであろう。 ただし、一部シーンがリョナを超えたゴアであり、そのわりにCGでの表現がマイルドな点は賛否が別れた。 そして、数ある難点を一言で現すならば「欠落」である。 第一に、ADVパートの設定変更が存在しない。 つまり、テキストスピード変更・メッセージウィンドウの透過率変更・オートモード・既読スキップ・バックログ等々の標準機能がすべて未搭載である。 CGモードもないため差分は見られず、シーン回想は、シナリオの既読部分にいつでもジャンプできる機能で代用されている。 第二に、ストーリーは、ご都合主義でボリューム不足の尻すぼみ。 「主人公が仲間との共闘や交流を経て成長し、特別な存在となる王道の物語」を目指したことは伝わるが、それも最初だけである。 先に進むほど、必要な描写を削られた形跡が目立つため、おそらく開発途中で時間と資金が尽きたのであろう。 結果、旧主人公含むヒロインたちは、新主人公をほめそやすだけのガヤと化した。 そして、巻き込まれ無双系の新主人公が、いつの間にか仲間から全幅の信頼を得て、世界の脅威への特攻能力を都合よく発揮し、ほぼ独力でシリーズを完結へと導いてしまう。 第三に、RTSパートには、操作性と戦略性が致命的なまでに欠如している。 そのため、RTSの娯楽性の真髄たる「リアルタイムの戦況を、戦略的思考と臨機応変な判断で勝利に導く達成感」を味わえないのである。 UIは後発のコンシューマー版に最適化されており、PCでの操作には不向きでありながら、キーコンフィグすらない。 例えば、ホイールのクリックとスクロールにはそれぞれ必殺技と視点変更が割り振られており、誤操作は必至。 その他の操作も煩雑であり、各ユニットへの指示出しさえ一苦労である。 指示しても、移動系の補助・補正機能が貧弱すぎて、壁に引っかかるか目標を見失うかしての棒立ちが多発する。 これでは、直感的で効率の良い正確な制御には程遠い。 戦略性に関しては、ユニットとマップが単純かつ画一的すぎて考える余地がない。 ユニットのカスタマイズは武器のみであり、それすら攻撃力以外はほぼ無意味。 マップは、狭く、ギミックもなく、使い回しが多い。 やることといえば、基本は逃げ回り、ゲージを溜めて必殺技を放つのみ。 それでいて、戦闘回数は実に100オーバーである。 仕上げに、オールクリアには3周を要する周回前提仕様を搭載。 周回によってのみストーリーが分岐するため、共通ルートにあたる部分は周回ごとに再走させられる。 にもかかわらず、既読テキストの色変えや既読スキップの機能はなく、どこから分岐したかは記憶を頼りに探るほかない。 つまらなさと不便さのアンサンブルに加えての「3回周って徒労も3倍だな」仕様は、数多の購入者をクリア断念へと追い込んだ。 これもまた「Unlimited」と呼ぶにふさわしく、再度のタイトル回収が成る。 プレイヤーとその所有PCを同時に屠らんとする死のダブルミーニングは、修羅の国を震恐せしめたのであった。 その直後の予備期間には、幅を利かせる年始の魔物を迎え撃つべく、年末の魔物が降臨する。 前年に大賞デビューを飾ったWendyBellの『モラトリアム ~ブルーアワー幸せの時間~』、満を持しての参戦であった。 前作『悪魔と夜と異世界と』に続き、本作もすべてが低質。 画面比率は今なお4 3、立ち絵が動くとメッセージウィンドウが消える仕様も健在である。 そもそもボリュームが不足しており、準フルプライスながら容量は1GB未満、ヒロインは2人のみ。 比例してストーリーも薄い。 大部分は味気ない日常の羅列にすぎず、ヒロインたちの異国出身設定も活かされない。 また、主人公の人物評が登場人物たちとプレイヤーとで大きく食い違った。 片や「自他ともに認める協調的な人物」、片や「自己中イキリ」である。 これは、主人公がイキるたびになぜか信頼や好感を得るギャップの積み重ねに由来する。 ヒロインとの出会いからして、 「ナンパ男たちに絡まれている最中のヒロインに『お高くとまってるのは媚び売ってるのと同じだからやめた方がいい』と哲学的な説教をかまし、男に凄まれると即退散」 という行動に出て、ヒロインの歓心を買い、プレイヤーからは嫌われた。 小オチの「某国の姫でした」は見透かされて落胆を招いたが、大オチが住民たちの度肝を抜く。 それが、黙って母国に帰ったヒロインを追い、君主制を廃しての民主化に絡むという超展開であった。 入りは毎度のイキリからであり、主人公が、 「騙し討ちみたいに急に去られて納得できるか!直接話して一発ぶん殴る」 と感情を爆発させると、姫の護衛役に覚悟を認められ、都合よく準備されていた偽造パスポートで即時渡航する。 そのままイキって民主化革命となれば逆に感服するほかないが、実際はイキって要人や国王に気に入られ、ヒロインを口説くのみであった。 過程のほとんどは「様々な障害がありつつも」の一言に圧縮され、実に数十年かけて民主化を終えてから、ようやく2人が再会したところで幕引きとなる。 一連の経緯は、KOTYeがしばし政治学スレの様相を呈するほどの衝撃をもたらし、最終的には 「そして…僕は偽造旅券を手に入れたのだった。 ずっぷ!ずっぷ! ああ…民主化しそう」 と端的にまとめられた。 絵も上等とはいえず、一枚絵は作画崩壊気味であり、それぞれ顔つきや体形がブレている。 特に、長さも太さも可変式の首や腕は不気味さや不安感を掻き立てた。 この内容で、キャッチコピーを「それは青くて一瞬で大切な時間」とするセンスには恐れ入る。 青二才じみた出来に青天の霹靂を盛り込んだ本作は、前年王者の血を継ぐ強者として一目置かれるのであった。 締切間際、貪欲に記録更新を狙うアトリエさくらが食後の下剤を務めた。 『妻・倉崎桜菜の浮気調査 ~寝取られ妻の淫らな下半身事情~』では、マンネリが囁かれ始めたのを察してか、新たな暴挙に打って出る。 過去のエントリー作で見た爬虫類顔を想起させるばかりか、ママⅡ風味すら薫る絵を採用。 最終防衛ラインの「絵はそれなり」も崩壊させ、「もうBGMで抜くしかない」と選評者を絶望させた。 最後に、ヒロインが主人公への恋慕の情や罪悪感を有さぬただのビッチでしかない『略奪された婚約者(フィアンセ)~恋人・真澄(ますみ)と弟の秘密』をもって、新記録となる同年9本のエントリーを達成したのである。 かような記録を生んだ一因として、プレイヤーとメーカーの哀しいすれ違いが考えられる。 ある選評者は、NTRの本質を「アリストテレスが『詩学』において定義した悲劇」と述べた。 それは、不幸に陥る登場人物を鑑賞して哀れみや畏れを募らせ、その感情から悲劇の終わりとともに解き放たれる際の心の浄化を目指す様式を指す。 そしてその実現には、満たすべき重要な要素が複数ある。 十分な感情移入・倫理的な共感・登場人物の感情と行動の一貫性・無理のない展開・適度な予測不能性・有意義な結末である。 こうして並べてみると、アトリエさくら作品に欠けている要素のいかに多いことか。 ただ、月1本の販売ペースとロープライスゆえの制約を考慮するに、先の要素を網羅したNTR作品の制作は至難であろう。 「他人棒がヒロインに挿入されればNTR」と広く定義したNTR風作品の量産がアトリエさくらの生存戦略ならば、NTRの真髄を求める者たちとの溝は永劫埋まるまい。 本格NTRとNTR風の間には、蟹とカニカマ程度の齟齬がある。 蟹と偽ってカニカマを売るのは悪行なれど、カニカマとして提供されたものに対し本物の蟹になれと促すのは理不尽といえよう。 提供者は品質向上と正確な告知に努め、客は情報や価格を踏まえて過大な要求を慎み、双方から期待値のズレを解消していくことが望まれる。 少々話がそれてしまったが、役者が揃ったところで2023年の「アレ」を発表しよう。 次点は、 『星と乙女が占う未来』 『エルフェンキング』 『モラトリアム ~ブルーアワー幸せの時間~』 そして大賞は、 『JINKI -Unlimited-』 とする。 2023年のエントリー数は32本を数え、過去最多を更新。 粗製乱造と低価格化の傾向はいっそう強まり、4000円台までの作品が2/3以上を占めた。 低質でつまらないという身も蓋もない欠点が蔓延ったのも近年同様である。 ただし、徹頭徹尾つまらないまま終わったものばかりではない。 星明かりに閃く暗器のごとく、インパクトと独自性を兼ね備えた一発芸を披露する作品もまた、次から次に現れた。 放精マイフレンド・けつあな確定・突然の去勢・顔面ドアップなど、天然にして多彩な副産物の数々が住人たちの心を揺さぶったのである。 特に『星と乙女が占う未来』は、Hシーンの相手を曖昧にして受け手に丸投げする怠慢により、解釈の余地を野放図に広げ、望まぬ可能性に直面するプレイヤーを量産した。 その斬新さと特異性ゆえに、評価は「大賞級」から「取るに足らない」まで、濃淡が強く表れている。 なぜなら、苦しみの根源は、作中ではなく受け手の脳内にあったからである。 作品の描写は不明瞭で薄く、ただのきっかけにすぎない。 その刺激を受けて何を思い起こすかは、個々人の認知や性癖のあり方、トラウマめいた経験と記憶、そして不安や被害意識の強さに大きく依存している。 例えるならば、「落下のリスクがなくとも高所は怖い」と熱弁する者に、知識に基づいた理解はできても、誰もが我がこととして心から共感できるわけではないのと同じである。 対して、苦しみの根源を作品全域に内包するフルプライス作品群も君臨した。 これらは一発芸の枠を超え、一芸の粋に達している。 『エルフェンキング』は、エロと人心の機微に理解が及ばず、いかにもそそる素材を用いていながら、テキストと演出だけで心凪ぐ無感動物語を創造してのけた。 『モラトリアム ~ブルーアワー幸せの時間~』は、見るも怪しいバリエーションを誇る一枚絵を筆頭に、あらゆる面で低質さを維持しつつ、突然の民主化超展開でも話題をさらった。 しかし、それらと比較してなお、『JINKI -Unlimited-』がもたらす辛苦は広範にして根深い。 盤外では進行不能バグ・デバッグモード・絶え間ないGPUへの過負荷で畳み掛け、本編は、尻すぼみのご都合シナリオと戦略性なきRTSで盤石のつまらなさ。 欠陥コンフィグはプレイ環境の最適化を許さず、プレイヤーに無駄な負担を延々と強いる。 広げた大風呂敷に中身はなく、それでも完成を目指した理想の姿は垣間見えるだけに、ひときわ悲哀が漂う。 かように、折れる方向に心を動かす力は大きく、しかも的確な角度で、じっくりと時間をかけて発揮された。 その負の屈強さは、本年において最も幅広い理解と共感を得たのである。 往生際は悪かったが、それは最期の瞬間まで己の作風を貫かんとした結果と信じたい。 さながら、芸を抱いて腹上死すると息巻いて舞台で果てた老芸人の大往生。 全盛期には遠く及ばぬ醜態なれど、天晴な死に様にして生き様であった。 ゆえにKOTYe2023大賞の栄冠は、偉大なるマインマエストロの遺作に捧ぐ。 さよならのかわりに。 「ありがとう」の花束を添えて。 15周年の節目に、KOTYeの今までとこれからに思いを馳せる時間をいただきたい。 開闢当初は、何をもってクソゲーを定義し、優劣をつけるかについて、それぞれが持論の正当性を主張しあうのが常であった。 真剣な激論は幾年も繰り返され、ときには決着がつかない年さえあった。 そうしたクソゲー観の切磋琢磨を経たからこそ、身に沁みて理解できた。 誰かの理想は別の誰かの地雷であると。 自分には自分の真実があるように、他者には他者の真実があると。 真実は人と癖の数だけ存在するのである。 にもかかわらず唯一絶対の基準を探し求めるのは不毛であり、ましてや、自分の基準こそ万人の規範と疑わないのは驕りにほかならない。 ゆえに、自分の価値観に基づく自分だけの基準を磨き、他者のそれも等しく尊重する姿勢が望まれるようになった。 いつしか総評にはすべてのエントリー作品が載るのが通例となり、クソゲーのリストではなく、その年を振り返る目録にして総決算のような位置づけとなった。 クソゲーと明言して決めているのは「一番のクソゲー」すなわち大賞のみであり、それとて相対的な判断にすぎない。 そうした現状を示す好例として、残置しておいたエントリー作品を紹介しよう。 それが『サクラノ刻』であり、攻略不可ヒロインの多さと後半の展開に物言いがついた。 一方で、2023年の最優良エロゲーを選ぶとするなら大本命となるだけの圧倒的好評を獲得している。 しかし、それを理由にエントリーが拒絶されることはなく、クソゲーか否かジャッジされることもない。 ただ「定められた手続きに従って自身の不満を表明した者が1人いた」と記録されるだけである。 このエントリーが、「KOTYeは厳正なるクソゲー審査の場」なる幻想を打ち砕いてくれると期待したい。 では審査せず何をするのか。 それは自他の苦しみとの対峙と昇華。 エロゲーへの不満という「悲劇」を通し、感情の解放を目指すのである。 当事者は選評によって自らの体験と感情を整理し、表現する。 住民は傾聴し、問いかけ、共感したならそれを示すが、審判は行わない。 共感できずとも理解に務め、理解もできないならば、ただ認知して受け入れる。 そうすることで、未知の苦しみがひとつずつ既知に変わってゆく。 実体験ではなく、想像によって感情を模倣した贋作にすぎないとしても、そのストックを増やすほど、精神は様々な怒りや悲しみに対応しうる柔軟性と強靭さを得る。 それこそが、苦しみを解き放ち、ときに笑いへの昇華すら成しうる力なのである。 ただし、何のお墨付きも与えない代わりに広く参加を受け入れる方針は、危うさも孕む。 半ば無法ゆえの自由は、破天荒な面白味の源泉なれど、ひとたびバランスが崩れれば途端に転覆を招く荒波でもある。 個々に異なる信条と思惑、発想と技術、性癖や執着がせめぎ合い、意味も無意味も、独善や悪意すらも飲み込んで渦巻く混沌のるつぼの真っ只中で、自由・正義・権限に酔わず、精神の均衡を保ち、自身の筋を通せるか。 語り手として、聞き手として、傍観者として、KOTYeに何を見出し、どういった立場に身を置き、いかに振る舞うか。 KOTYeの舵取りは、関わる者たち一人一人の仁義に委ねられている。 それでも、ではなく、だからこそ。 KOTYeよ。 誰もが遠慮なく、自身の悲劇を語りに来られる避難所であれ。 怒りも悲しみも、語り合って解き放ち、前向きに笑い流せる隠れ家であれ。 果てのない闇も繰り返す後悔も乗り越え、ともに銀燭の明日を探せる船であれ。 そう切に望むとともに、かくあるべく微力を尽くす所存である。 末筆となるが、戯画謹製の名作『バルド』シリーズの文言に願いと覚悟を託し、KOTYe2023の結句として書き刻む。 「Don't believe THE TRUTH, Believe YOUR JUSTICE and YOUR HEART. さあ、お前のJINGI……貫いてみせろ!」
https://w.atwiki.jp/koty/pages/15.html
2007-総評 携帯ゲーム機、それはゲーマー最後のフロンティア。 次世代携帯ゲーム機が登場して早二年以上、模索期を終え円熟期に掛かり始めた今年2007年。 我らクソゲー愛好家にとって、据え置き機以上に日々量産される傑作に右往左往される日々が続いていた。 その栄えあるトップバッターは、聖剣伝説Heros of Manaである。 聖剣伝説シリーズといえば、一昨年、昨年と、いずれも糞ゲー愛好家には好評の糞ゲーを出す、 いわば、スクエニきっての糞ゲーサラブレッドである。それがRTSとして帰ってきたのだ! 今作も我々の期待に違わず、タッチペンでキャラクターを移動させようとすると あっちへフラフラ、こっちへフラフラと好き勝手に動くという、素晴らしい性能を備えていた。 今年も出だしから「クソゲーすぎる、、どうなってんだ、、?」といった幸先の良いスタートであった。 →聖剣伝説Heros of Mana そんな状況下で頭一つ抜き出たのが"遥かなる悟空伝説"とまさかの"リーズのアトリエ"である。 ・・・ 前者は戦闘のテンポが著しく悪く、攻略要素の大部分がカードの引きによる運が占め、 ゲームオーバーになろうものならレベルやアイテムが全てリセットというマゾ過ぎる仕様に定評があり、投げ出した住民も多い。 後者はフリーズ・バグ・糞インタフェースとクソゲーの基本を兼ね揃えた秀作であるとの意見が多く、 更に昨年のルーンファクトリーを彷彿とさせる公式での交換対応のアナウンスの気配が一切無しという強気の姿勢も 隙が無い話題性としてシリーズファン・クソゲ愛好家問わず魅了した。 昨今の状況の一端を現すソフトが話題に上がった、 "wifi厳選テーブルゲームDS"である。 世界レベルで古くから親しまれているテーブルゲーム6本を wi-fi対戦で遊べるという一見クソゲー愛好家には縁の無い物に見えるが、 オンライン対戦ランキングベスト10において当初は登録者が6人しかいなかった事や 購入者が少なすぎてマッチングすらしないとの甘美な悲鳴が上がった。 こういったマイナータイトルゆえの過疎現象は、飽和し始めた現在の携帯ゲーム機界隈においての深刻な問題の1つとして取り沙汰された。 DS陣の圧倒的物量に常に押され気味であったが、 PSP陣営からも"FFT獅子戦争"と"ドラグナーズアリア"の二本の刺客が放たれる。 両作ともローディングやエフェクトによるテンポの悪さを指摘されるが、 FFTは所詮出来の悪い移植であってクソゲにまで至らず、アリアはPS1時代の凡作程度 との意見があり、多彩なフリーズやバグを備えたリーズのアトリエなどに 対するには火力不足の印象であった。 後半戦を迎えた今年8月9日。 クソゲーオブザイヤースレin携帯ゲーム板誕生の日と共に 我らがクソゲ連続打線の雄バンナムより投入されたのが "SDガンダム Gジェネレーション CROSS DRIVE"である。 DSの特性を生かした圧倒的に不便なタッチペン操作を筆頭に、 ユニットの個性の無さ、1周目では飛ばせない戦闘など 総じて前作からの劣化という素晴らしい仕事ぶりを示した。 日々募る賛美の声により、今年はリーズ・ゴクウ・クロスドライブの 3すくみの様相を呈し、ジイヤー決定のため日々議論が飛び交ったが、 それを嘲笑うかのように突如として飛来した2つの大作が 当スレを悉く蹂躙する事となる。 そして、今年度のクソゲー合戦も終盤を迎えた10月末、一つの地雷が投下された。 「アパシー 鳴神学園都市伝説探偵局」である。 かつての名作、「学校であった怖い話」の完全新作!シナリオはもちろん飯島多紀哉氏が執筆! しかし、蓋を開けてみれば実に素晴らしい出来で、作者自らがブログで自慢していた「圧倒的なボリュームのシナリオ」も たとえどんなにシナリオが分岐したところでストーリーの結末は一つ、 それも伏線全てを放り出して未完結のままエンディングというお粗末なものであった。 他にも誤字、フリーズバグ、ヒントの通りに解くと何故か失敗扱いされるミニゲームなど、まさにADVの最底辺と言い切って良い出来である。 また、意味ありげに登場するも、それっきりなキャラタクー(スタッフロールより。他のゲームでのキャラクターと同義語だと思われる) の大半が、氏の執筆している同人誌からの登場であった事から、一時期「続きは同人で」という噂が流れたことも特筆しておくべきだろう。 しかし、今作の素晴らしさはこれだけではない。 おそらくゲームの出来だけであれば、同時期に発売したASHという糞ゲーを、ここまで無かった事にするのは不可能であったろう。 発売して一週間、購入者の怨嗟の声は当然、それまで前面に立って本作をヨイショしていた飯島多紀哉氏に向かう事になった。 そんな中、氏は突如mixi内のマイミクを大量削除、さらにはミクシー自体を退会するという行動をとったのだ。 本人の言によれば、「規約を破った」かららしいが、それを信じる人は誰もおらず、 「どうせ糞ゲーだったから逃げたんだろ」というのがもっぱらの世間の声であった。 しかし、これは終わりではなく始まりにすぎなかった。更なる燃料が投下されたのだ。 誰もが糞ゲーを掴んでしまった事に対し諦めムードの中、 氏の「好評だったし黒字も出たし」という能天気な言葉がブログに投下されたのだ。 この言葉に住人は激怒。 さらに自分たちが、氏の言う「アンチ」(存在は未確認)として扱われ、声すら届いていない事に絶望した。 それからオチを続ける事一ヶ月、ついに悲劇の舞台は四八(仮)へと移ることになる。 →四八(仮) 二 冠 お め で と う ご ざ い ま す 。
https://w.atwiki.jp/arukupena/pages/51.html
第三回testリーグ総評 来場者数総計 - 今日の来場者数 - 昨日の来場者数 - 10日間1シーズンとなった第三期、38チームの方々に参加して頂きました! 上位の壁が厚いように感じました。 トップ3は全て200盗塁越えと、走塁型の活躍が目立ちました。 チーム成績 今回testリーグを制したのは! ランナーズ(織田さん)! チーム防御率は脅威の1点台! シーズン成績を更新しました。 打高気味のリーグではすばらしい成績です。 49勝の奈良修投手、打率4割の佐藤悠基選手を軸としたチームでした (アイコン希望ありましたら掲示板までお願いします) そして惜しくも二位だったのは… ‡Sharps‡(‡bird‡さん)! 全試合消化チームの中でも得点率はトップ。 打点ランキングに三名の選手が入る等、チャンスに強いイメージがありました。 チームのエース、夏堀晴投手が不調でしたが、 皆越歩投手の好投でカバーし二位に滑り込みました! 混戦の中三位だったのは… シスターズ(あるk)! 打率、盗塁数は消化チームでトップ。超攻撃型チームです。 防御率もそれほど悪くないが、何故首位になれなかったのか 長距離打者の不在である。ギリ2桁本塁打(チームで)だった模様 残塁マニア歓喜のシスターズでした おまけ()選手ピックアップ! 上位三チームには入りませんでしたが、管理人が注目する選手です! 野手部門 動けデブ(ミルキィベイス) 打撃型の育成に定評のある元祖ベイス。 チームの主砲です。 後ろにトゥトゥグゥ選手が控えているのもまた怖いです 登坂広臣(DSoul) 未消化でしたが、打率四割、盗塁ランクにも入りました。 出塁すればすかさず盗塁で、チャンスを作ります 好調のチームを引っ張った一人です (^ω^)(割とカオスなチーム) 本塁打三位、打率三位 タイトルに恵まれません 四番のお手本ともいえる選手です。 その他にも、 深井衝撃(漢字馬軍) OT(SS) 夢月(StrawberryCrisis!!) 今後の活躍が期待される選手達です♪ 投手部門 FY(SS) カロカロ投手を抑え奪三振王を獲得 球威ある速球を駆使します。 緑羅(D・PKSP) 防御率一点台と安定してました。 シーズン通しての活躍に期待です。 スライム(DQモンスターズ) 40勝を上げましたが、惜しくもチームは4位 ゾーマ投手も38勝を挙げました。 その他にも、 建寧(キチえもん) 渋谷(23rd s) 大島優子(DSoul) 以上の選手達にも注目しています! 勿論、他にも注目選手は沢山居ます。 ここに載らなかった選手も、確変に期待です♪ トップページのアンケートにもご協力ください 読みづらい文でゴメンナサイ!感想等下されば励みになります。(あと苦情も…笑) 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/kotye/pages/284.html
元ページ 総評乙。スレ常連になっちまったsealもそうだが、アーベルはどうしてこうなった…毎回絵は良いのに。 - 名無しさん 2012-04-18 03 34 37 乙、ようやく決まったか - 2012-04-18 07 35 35 皆さんお疲れ様でした。 - 名無しさん 2012-04-18 09 44 52 小次郎さんちーっすwwwww - 名無しさん 2012-04-18 10 03 25 とりあえず乙 - 名無しさん 2012-04-18 18 11 25 長い戦いだったな…乙乙 - 名無しさん 2012-04-18 22 12 46 総評お疲れ様でした。 - 名無しさん 2012-04-19 12 58 31 お疲れ様でした。 - 名無しさん 2012-04-19 22 04 43 総評お疲れ様でした。 - 名無しさん 2012-04-21 10 21 19 総評お疲れ様でした。そして菅野さん、ありがとうございました。 - 名無しさん 2012-04-21 14 41 57 良い総評です。動画も楽しみだ。本当にお疲れ様でした - 名無しさん 2012-04-22 10 48 30 ゾンビボイス無しはつっこむまでもないことなの?w - 名無しさん 2012-04-28 18 58 41 些細なことさ(ゾンビの声 - 名無しさん 2012-04-28 23 20 13 ボイスなんてあってもなくても同じだからな - 名無しさん 2012-04-30 16 35 01 エロゲではないが某大手の作品でもあったし声や選択肢が無い程度ではもう気にならんのだよ。 - 名無しさん 2012-05-20 15 43 00 救いようの無い修羅の国だ、だが何故焦がれるのか… - 名無しさん 2012-05-26 17 03 26 総評乙。戦極姫って-100→-30→±0って確実に進化してるんだなwww - 名無しさん 2012-06-25 15 38 23 結びがもはや小次郎の台詞原形とどめてないなwwww - 名無しさん 2012-07-10 19 41 20