約 601,591 件
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/10920.html
登録日: 2011/05/04(水) 22 00 12 更新日:2021/03/23 Tue 10 09 46 所要時間:約 2 分で読めます ▽タグ一覧 おまる アヒル オマル キグナス氷河 スワンナ トイレ ポリゴン2 マルマイン 便器 名前負け 苗木こまる おまる(御虎子)とは主に幼児が使用するトイレの一種。 ◆使用法 乳児が成長してオムツが取れた後、一人でおしっこやうんこを出来るようになるためのトレーニング用具である。 また、子供には普通の便器は穴が大きすぎて落ちたりハマったりして上手く使えない場合があるため、既に一人で用を足すことが出来る子供でも使用することがある。 ついでにおまるプレイという極めてマニアックな性癖も存在するがそれはまぁおいといて ◆造形 画像のようにアヒルの形をしたものが一般的であったが、今ではアンパンマンやサンリオ等子供達が喜びそうなキャラが印刷されたものも少なくない。 また、跨るのではなく腰掛けるタイプの物も存在する。 ハンドルがついてる物も多い。 「力みやすいように」「体を固定しやすいように」といった理由の他にも「幼児が興味を失わないように」という意味も含まれている。 ◆名前の由来 「お」は接頭語の「御」、「まる」は便をする意味の動詞「放る(まる)」から来ている。 また「御丸」と書くこともある。 また、「梵天丸」「おじゃる丸」などの名前につけられる「丸」はこの「御丸」から取られている。 何でも、その昔便所は神聖な場所で縁起がよかったんだとか。 追記・修正お願いします △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] みさえも人前でしましたwww -- 名無しさん (2015-04-26 13 25 18) 意外なことにオムツの項目がない -- 名無しさん (2021-03-23 09 45 41) 絶対絶望少女と言うゲームでは何故かおまるがセーブポイントだった -- 名無しさん (2021-03-23 10 09 46) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/gamemusicbest100/pages/10229.html
ニュー・ワールド・オーダー 収録作品: ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生[PSP/PSV/PS4/One/NS/PC] スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園[PSP/PSV/PS4/One/NS/PC](「Re ニュー・ワールド・オーダー」の曲名で収録) ニューダンガンロンパV3 みんなのコロシアイ新学期[PSV/PS4/One/NS/PC](「ニューワールドオーダーV3」の曲名で収録) 絶対絶望少女 ダンガンロンパ Another Episode[PSV/PS4/PC](「DSO_ニュー・ワールド・オーダー」の曲名で収録) 作曲者:高田雅史 概要 ○○○○○に気を付けて… なぜなら…キミは… ○○○“○○○○”の○○なんだからね。 じゃあ…そのパスワードを発表しまーす。 『○○○○○』 ※ネタバレ防止のため、文字色はキャラ判別が付かないものにしてあります。 推理ADV『ダンガンロンパ』シリーズにおいて、1作目『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』から全作で使用されているイベントBGM。 推理パートである「学級裁判」以外の場面で、衝撃的な事実が判明するシーンの専用BGMとなっている。 そのため、この曲が流れる箇所は漏れなく名シーンと呼んでも過言ではなく、文字通り一言で話が大きく変わってしまうような記憶に残るシーンばかりである。 曲調も、ピアノの主旋律ながら「デン、デン、ドン!」という三連の和音からの強い入りが否応なく展開を盛り上げている。 シリーズの「推理パート以外のイベントBGMも良曲揃い」というイメージを大きく押し上げている曲のひとつと言って良いだろう。 ゲーム曲であるため当然曲はループするようになっているが、アニメ版では次週への展開の引きとして放送回の最後で使われるため、曲を終わらせるアウトロ(エンディング部分)が追加されている。 また、アニメ版『ダンガンロンパ3 未来編』では、この曲に代わってアレンジ曲である「オールド・ワールド・オーダー」が収録されている。 過去ランキング順位 第7回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 548位 第8回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 776位 第10回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 892位 みんなで決めるプレイステーション・ポータブルBGMランキング 42位
https://w.atwiki.jp/kyogokurowa/pages/160.html
【セルティ・ストゥルルソン】 000 オープニングーーー《地獄へようこそ》 ◆qvpO8h8YTg 003 ドワワワォ!~ようこそイクストローディネリィ~ ◆ZbV3TMNKJw 033 新(ひびけ!!)ユーフォニアム 変えたい未来、変わらない世界 ◆ZbV3TMNKJw 042 緊急!バトルロワイアル特別番組『エイスチャンネル』前編緊急!バトルロワイアル特別番組『エイスチャンネル』後編 ◆ZbV3TMNKJw 073 新(ひびけ!!)ユーフォニアム ~コンプリケイション~ ◆ZbV3TMNKJw 077 触らぬ神に祟りなし ◆qvpO8h8YTg 【岸谷新羅】 025 Lovers ◆qvpO8h8YTg 052 物情騒然 ◆qvpO8h8YTg 061 方針決定 ◆ハーメルンユーザー 085 フレンダちゃんのドキドキ⭐︎生存戦略! ◆qvpO8h8YTg 098 例えようのない、この想いは ◆qvpO8h8YTg 108 奏でよ、狂騒曲 ◆qvpO8h8YTg 116 狂騒曲の終末に ◆qvpO8h8YTg 【平和島静雄】 004 疾風怒濤 ◆qvpO8h8YTg 027 どうしようか? ◆ZbV3TMNKJw 036 闇を暴け(上)闇を暴け(中)闇を暴け(下) ◆ZbV3TMNKJw 064 resonance ◆ZbV3TMNKJw 083 カラスウリの咲く頃に ◆qvpO8h8YTg 091 後悔先に立たず ◆ZbV3TMNKJw 103 Origin regression ◆EPyDv9DKJs 117 水面下で絡まる思惑 ◆ZbV3TMNKJw 128 天翔けるもの ―偽りの仮面― ◆qvpO8h8YTg 132 その座標に黒を打て(前編)その座標に黒を打て(後編) ◆ZbV3TMNKJw 【折原臨也】 019 覗【ほんしょう】 ◆ZbV3TMNKJw 037 愛されるよりも、愛したい真剣(マジ)で ◆qvpO8h8YTg 056 裏切りの朝焼け ◆qvpO8h8YTg 080 トラゴイディア-The beginning-(前編)トラゴイディア-The beginning-(後編) ◆ハーメルンユーザー 094 絶対絶望少女 ◆qvpO8h8YTg 108 奏でよ、狂騒曲 ◆qvpO8h8YTg 116 狂騒曲の終末に ◆qvpO8h8YTg 120 たとえようのないこの想いを ◆ZbV3TMNKJw 134 一虚一実 ◆qvpO8h8YTg 139 戦々凶々(前編)戦々凶々(後編) ◆qvpO8h8YTg
https://w.atwiki.jp/anisonsetlist/pages/40.html
開催日:2009年1月18日 会場:恵比寿 LIQUIDROOM 出演者 大槻ケンヂ 絶望少女達 小林ゆう 新谷良子 野中藍 沢城みゆき セットリスト Intro/大槻ケンヂと絶望少女達 ニート釣り/大槻ケンヂ・新谷良子・野中藍・小林ゆう・沢城みゆき アベルカイン/大槻ケンヂ ピアノ・デス・ピアノ/大槻ケンヂ 強引niマイYeah~/新谷良子・野・小林ゆう・沢城みゆき マリオネット/大槻ケンヂ・新谷良子・野・小林ゆう・沢城みゆき ヒキツリピカソ・ギリギリピエロ/大槻ケンヂ・沢城みゆき 無神論者が聖夜に/大槻ケンヂ・新谷良子・野中藍 人形たち/大槻ケンヂ・野中藍 絶望遊戯/大槻ケンヂ・小林ゆう 綿いっぱいの愛を! 絶望少女版/大槻ケンヂ・新谷良子・野中藍・小林ゆう・沢城みゆき さよなら!絶望先生/大槻ケンヂ・新谷良子・野中藍・小林ゆう・沢城みゆき 人として軸がぶれている/大槻ケンヂ・新谷良子・野・小林ゆう・沢城みゆき アンコール 豚のご飯/大槻ケンヂ・小林ゆう 空想ルンバ/大槻ケンヂ・新谷良子・野中藍・小林ゆう・沢城みゆき おやすみ-END/大槻ケンヂ・新谷良子
https://w.atwiki.jp/changerowa/pages/311.html
「あそこへ行こうかな」 グロンギの頂点に立つン・ダグバ・ゼバは先程の戦闘が終わってしまった後、体力を回復させるべく休憩する場所に向かっていた。 二回目の放送が始まる前に行った283プロか候補として食酒亭にするか迷っていたが、選んだのは前者に決めた。 別に食酒亭でも構わなかったけど、単純に見慣れた場所で休息を取ったほうが手っ取り早い、それだけだった。 本来の体なら休息を取らずにD-6に戻って、見失っていたキャメロット達や先程戦ったエボルト達と再戦と行きたいが、残念ながら今は脆いリントの体だ。 無理はせずに退くことを決めた。 幸い、魔法のじゅうたんのおかげで余計な体力を消費しなくて済むので再度便利な道具だと感じた。 移動中にダグバは今頃になって重大なことを思い出した。 「そういえばクウガの体のこと忘れてたな」 ここに来て失念してことがあった。 クウガ=五代雄介の精神がいないことは最初に名簿で確認している。 五代の精神が参加していないからといって、体だけある可能性が低いわけではないことを。 もし、ここに五代の体があるのなら、それはそれで面白いかもしれない。 今更、思い出すなら精神と身体の組み合わせ名簿を碌に確認もせずに宿儺に渡してしまったことを勿体なかったと後悔する。 だからといって精神と身体の組み合わせ名簿を宿儺から取り戻す気にはならない。 それだけの理由で宿儺に会って、また意地の悪い笑みを浮かべながら、挑発を繰り返されるのは御免だ。 放送で名前が呼ばれなかったのを見ると同じ行為を他の参加者にしているのは容易に想像できる。 まともにやる気がないなら、自分の知らない場所で勝手にくたばってくれれば有難い。 宿儺を思い返すのはもう最後にしよう。 思い出すたびに向かっ腹が収まらずにストレスを溜めてしまうから。 強引にもう一つの方法を切り返した。 なら、他の参加者から荷物を奪って精神と身体の組み合わせ名簿を手に入れるしかない。 D-6にいる面々なら誰か一人でも持っているかもしれないので頭に留めておく。 五代の体を使っているその参加者とゲゲルを楽しむのも悪くない。 クウガの件を考えている内に283プロが見えてきた。 283プロに誰かいるかもしれないが、それはない。 恐らく、東の町にいる全参加者が集まってドンパチを繰り広げたのだから今も手薄だろうし、心配はない。 それでも入れ違いで居座っている場合はここまで温存していたあの支給品を使わざるを得なくなる。 到着したダグバは魔法のじゅうたんを仕舞い、二度目となる283プロに入っていった。 △ 283プロの中に入ったダグバは改めて一階を見渡してみるとペットショップ、クリーニング店、靴屋、書店などまるでリントが普段、何かを買う建物のデパートみたいだと思った。 一度来た際は適当に座ればそれでいいという理由で一階の中を流し見しており、覚えているはずがなかった。 きちんと見てみると大きい建物ではないのに軒を連ねているのが分かる。 どうやらここには二度来ても無人のようだ。 実は一回訪れた時に休んでいた場所は上の階にある居間みたいな所で座っていた。 今回も同じ場所で座ろう。 その前に上の階に行く前にある問題を片付けるべくクリーニング屋に向かい、中に入った。 ダグバはクリーニング屋に寄ったのは放送で大雨が降る予告をされていたので分かっていたが、戦闘の最中に雨が降り、服が濡れていた。 斬月・真とアークワンに変身中は鎧に覆われている間は濡れていなかったが、生身なら別だ。 濡れた服による不快感と寒さで体力が多少奪っているのもあって仕方がなかった。 改めてリントの体はいくつか不便だと再確認。 そんな中、クリーニング屋を目に留まったことでちょうど別の服を着替えるうってつけの場所だ。 濡れた真乃の衣服を下着と靴下以外は全て脱いだ。 周りを見るとそれぞれ白いTシャツ数十枚、水色のジャージが数十着置かれている。 別の衣服が見当たらず、全部同じTシャツとジャージしかない。 「まあ、いいかな」 他の参加者ならツッコミを入れていただろうがダグバは服があればそれでいいと思い、気にはしなかった。 ダグバは置かれている着替えを手に取り、白いTシャツと水色のジャージを袖に通した。 衣服を替えたことで大分、スッキリしている。 休憩後は移動のためにずぶ濡れに逆戻りになってしまうが。 靴屋があるものの靴を履き替える気は一切ない。 クリーニング屋を後にして、上の階に向かっていった。 △ 上の階に上がったダグバは扉を開け、事務所の居間みたいな場所にお邪魔した。 一回来た際、この部屋の内装もほとんどうろ覚えなのはさっさと体力を回復してゲゲルを再開したいから。 先程座ったソファーとテーブル、テレビ以外は記憶になかった。 きちんと見ると家具はおろかいくつもの棚の中に沢山の資料やその上に救急箱に黄色いランドセルなど置いている。 窓の外側に283と文字が反対に書かれ、右側にはキッチンがある。 今、冷静に283プロの中の周りを見ることできたのはまた暫くはゲゲルが出来ず、羽を伸ばしているかもしれない。 クウガを思い出したのも同じ理由だ。 ソファーに座り、デイパックをその隣の床に置いた。 ダグバはライダーの変身アイテムのことで考えていた。 「本当に余計なことをしてくれたね」 アークワンは斬月・真よりも高性能なのは二度の戦闘で実践という形で理解した。 繰り返し何度も思っているが制限をかけたのは余計な真似しかない。 長い休憩で変身制限が過ぎても最初にアークワンに変身できるが、デメリットがあるとすればゲゲルの最中に強制的に変身が解除されることだ。 こんなんで隙が生まれて足もとを掬われたらたまったものではない。 「仕方ない、我慢するか」 アークワンの制限が解かれても今まで通り、基本は斬月・真に変身する。 少々、不自然かもしれないが制限のカバーをするにはこれしかない。 考えてみると切り札をいきなり出すのではなく、後から出す手は悪くない。 変身アイテムは一応解決したがもう一つの問題を考えようとした時だった・・・ 「眠くなってきた」 ここで眠気が襲ってきた。 殺し合いが始まってから一回分の休憩を除けばダグバは戦闘か移動しかしていなかった。 疲れが溜まって限界が来たのだ。 よって今から仮眠を取り、次のゲゲルに備える。 もう一つの問題も起きてからにする。 ダグバはソファーで仰向けになり、目を閉じた瞬間に眠りについた。 △ ダグバはゆっくりと目を覚ました。 時計を見るとどうやら一時間以上は寝ていたようだ。 周囲を見ると何も起きないのを考えると幸い、誰も来ることはなかった。 外も変わらずに雨が降っている。 ダグバは後回しにしていた問題を思い出した。 ミニ八卦炉の消耗が激しすぎていたことだ。 今まで消耗がそれほどではなく深く考えずにいたがエボルト達との戦いの後、死活問題になったと気づいた。 この力は強力なビームが撃てるし、本来の体が使っている超自然発火能力と同じ炎で気に入っている。 何回も使用するには解決できるあの支給品がある。 「この場面で使いたくないけど、しょうがない」 デイパックから取り出したのは水色の瓶が入っている液体。 あの支給品の名はエリクシールと言い、今まで受けたダメージや怪我だけでなく、消費した魔力やSPとTPというのを全てのステータスを全回復させる豪華なものらしい。 今まで温存していたのはゲームが序盤、中盤だったり、死にそうな状況ではないから。 しかし、今は出し惜しみしている場合ではない。 ダグバはエリクシールを半分ほど飲み干した。 すると傷が治り、ダメージと消耗も軽減された。 だが、半分しか飲んでいないが故、全回復には至ってない。 今後のことを思うと全部飲むのは躊躇した。 もう半分はゲーム終盤か本当に死にそうな場面しか使わない。 それまでは我慢して温存する。 「なんか、お腹すいたな」 唐突にダグバのお腹から腹の虫がなった。 ここまでゲゲル開始直後から食事を一切取っていない。 第二回放送直後の休憩を除けば大半が移動と戦闘に費やしている。 「腹が減っては戦ができぬって言うしね」 今は食事を取って次のゲゲルに備えることに決めた。 デイパックからコンビニ弁当を取り出した。 ついでに冷蔵庫に料理があると考え、中を開けたら沢山のおやつがある。 その中からチョコレートケーキを一つ取った。 ダグバはロースかつ丼を食べることにした。 キッチンに電子レンジがあったので温めた。 温かいご飯とサクサク揚げたカツにふんわりとした卵がある。 まずはロースカツを食べた。 「うまいね」 肉の味が濃く、ジューシーな感じがした。 卵やご飯も豪快に平らげ満足のいく主食だ。 ロースカツ丼完食後はチョコレートケーキを食する。 食べてみると甘くて濃いチョコの味がした。 リントの食文化でいうデザートは後と意見もあるらしい、それになぞっただけ。 食べ終わったダグバは立ち上がり、デイパックを背負う。 今後はどこに行こうか考えている。 キャメロット達とエボルト達が近くにいる以上彼らと再戦して、精神と身体の組み合わせ名簿を入手するのも悪くない。 でも、この町から離れて未知な参加者がいる西に行くのもいいかもしれない。 だが、春の屋付近はやめておく、もういないだろうが宿儺がいる可能性も否定できない。 あの村に行く気はなし、同時に宿儺のことはもう思い出さない。 「さあ、今度は誰が僕を笑顔にしてくれるか楽しみだな」 休息を十分に済み、ゲゲル再開の準備は整った。 アークワンの変身制限もとっくに過ぎている。 狩りの時間の始まりだ。 ダグバは与り知らぬことだが、真乃の精神はまた泣き始めた。 安らぎの時間が終わりを告げられ、地獄に戻ってしまうのを絶望する以外ない。 ダグバが休憩に入っている間は多少泣き止んでいた。 二度も283プロに訪れた際はゲームに巻き込まれる前のことを思い出した。 プロデューサーにスカウトされてアイドルになって、風織とめぐると出会ってイルミネーションスターズというグループを結成した。 友達がいない真乃にとって大切な二人で固い絆で結ばれている。 他の同じ事務所のアイドルとは切羽琢磨するけど大事な仲間とも会えた。 今が幸せで夢に向かうと思っていた・・・ 殺し合いに巻き込まれて悪い人に使われた時点で幸せは脆くも崩れ落ちた。 アークワンによる二度の変身で悪意に侵食し、蝕まれつつある。 段々、自分が自分でなくなり、おぞましくなる気がする。 死にたくない恐怖、犯した罪から目を背け逃げる気持ちが強くなっている。 今はどうやって笑えばいいか分からないほど笑顔がなくなった。 意識が復活しなかったら生き地獄を味わっていなかったであろう。 さらに放送で主催者から消すと宣告されており、追い打ちをかけられた。 四面楚歌で精神的に限界を迎え、真乃はひたすら絶望しかなかった。 【D-7 283プロ/午後】 【ン・ダグバ・ゼバ@仮面ライダークウガ】 [身体]:櫻木真乃@アイドルマスターシャイニーカラーズ [状態]:満腹、ダメージ(小)、消耗(中)、苛立ち(大分緩和)、櫻木真乃の精神復活及び汚染 [装備]:ゲネシスドライバー+メロンエナジーロックシード@仮面ライダー鎧武、ミニ八卦炉@東方project、水色のジャージ@アイドルマスターシャイニーカラーズ [道具]:基本支給品×2、アークドライバーワン+アークワンプログライズキー@仮面ライダーゼロワン、魔法のじゅうたん@ドラゴンクエストシリーズ、エリクシール(半分消費)@テイルズオブデスティニー、真乃の衣服 [思考・状況]基本方針:ゲゲルを楽しむ 1:どこに行く? 2:見失った二人(キャメロット、凛)やさっきの二人(蓮、エボルト)と再戦する。そんなに離れてないし、またすぐ会えそうだね 3:あの青い着物姿のリント(宿儺)とはもう戦いたくない 4:クウガの体があるなら戦うのも悪くない 5:アークワンにはまた変身したいなぁ 6:?????????? [備考] ※48話の最終決戦直前から参戦です。 ※櫻木真乃の精神が復活したことにはまだ気づいていません。 【エリクシール@テイルズオブデスティニー】 ン・ダグバ・ゼバに支給 味方一人のHPとMPを全回復させる回復薬品。 購入による入手が不可な希少なアイテム。 120 汚れなき子ども 投下順に読む 122 Ψ適解を答えよ! 119 さよなら絵美理 時系列順に読む 117 VIVID VICE -曇天の道を- ン・ダグバ・ゼバ 134 悔いなき選択 -傷痕-
https://w.atwiki.jp/gamemusicbest100/pages/2623.html
ダンガンロンパ 収録作品:ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生[PSP/PSV/PC] 作曲者:高田雅史 概要 オープニングなどで使われる本作のメインテーマ。公式サイトでも流れている。 不思議な感じをさせるサイケデリックトランス風の音楽で、明るさと暗さ、楽しさと悲しさが複雑に絡まりあったような曲調は、印象に残りやすくかつ中毒性がある。 この曲がオープニングで流れた時は、どちらかというとプレイヤーの不安を煽るような感じをさせるが、ストーリーの最後の最後でこの曲が再び流れた時は、逆にプレイヤーを奮い立たせてくれる。 そういう意味ではこのゲームのテーマである“絶望”と“希望”をよく体現している曲なのかもしれない。 続編の『スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園』では新オープニング曲「Welcome DANGAN IsLand!!」に取って代わられお役御免に…。 ということにはならず、「DANGANRONPA SUPER MIX」という曲名で新たにリミックスされオープニングで使用された。 外伝作品の『絶対絶望少女 ダンガンロンパ Another Episode』でもオープニングと、ストーリー終盤のとある場面で使用された。 『ニューダンガンロンパV3 みんなのコロシアイ新学期』では、ジャズ風アレンジの「DANGANRONPA V3」がオープニングで使用されている。 また、原曲にかなり忠実な「DANGANRONPA reissue」というバージョンもあり、終盤のとあるシーンで流れる。 過去ランキング順位 第5回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 51位 第6回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 132位 第7回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 31位 第8回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 72位 第9回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 133位 第10回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 410位 第11回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 329位(V3)、863位(原曲) 第12回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 373位 第13回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 614位 第14回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 845位 第15回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 983位 第16回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 218位 第17回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 687位 みんなで決める2010年の新曲ランキング 43位 みんなで決める2012年の新曲ランキング 84位(SUPER MIX) みんなで決めるオープニングBGMベスト100 94位 第2回みんなで決めるオープニングBGMベスト100 51位 みんなで決めるゲーム音楽歴代ベスト100ランキング 77位 みんなで決めるプレイステーション・ポータブルBGMランキング 6位 サウンドトラック ダンガンロンパ オリジナルサウンドトラック
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/6427.html
ぜったいぜつめいぴんち【登録タグ KAITO せ 曲 末期P】 作詞:末期P 作曲:末期P 編曲:末期P 唄:KAITO 歌詞 (ピアプロより転載) 大失敗! 大失敗! 確認甘くて大失態! 後悔先に立たず なんて先に言ってくれよ 嗚呼 自業自得なんて わかってるけど 一生に一度のお願い 使って頼むから 「なんとかなあれ♪」 絶対絶命☆ピンチ ピンチのときほど味方がいない 絶対絶命☆ピンチ 乗り越えたならば大きくなれるよ 絶対絶命☆ピンチ ピンチにピンチがなぜか重なる 絶対絶命☆ピンチ 思ってたよりはなんとかなるもんさ SOS! SOS! うっかりしてたら要救急! 思いつめちゃったら 誰にも言えなくって アッー! 結構焦ってるの 自分だけ 脳内で展開する 最悪のシナリオ 「できればやめてぇ!」 絶対絶命☆ピンチ そんなにピンチじゃないときもある 絶対絶命☆ピンチ 思いつめることそれが大ピンチ 絶対絶命☆ピンチ ホントにどうにもならないときは 絶対絶命☆ピンチ 手に手をとってどっか行っちゃおうか? ピンチのとき 困ったとき 焦っちゃうけど 全部ひとりで 抱え込まなくて いいんだよ? 絶対絶命☆ピンチ 頑張ってるの僕は知ってるよ 絶対絶命☆ピンチ 僕にも応援くらいできるから 絶対絶命☆ピンチ どうにもならなきゃ覚悟を決めろ 絶対絶命☆ピンチ もしもの時には僕も一緒に 恐いおじさんに怒られたげるよ コメント 兄さあああん!すごくすきですこれ! -- 名無しさん (2009-12-06 23 15 03) なぜか心があったかくなる曲w -- 名無しさん (2009-12-18 17 47 13) 前半と後半の間でにいさんになにがあったんだ・・・?w -- 名無しさん (2011-05-03 16 12 04) なんかこの歌泣ける…。 -- にっしー (2011-05-09 09 11 21) できればやめてぇ♪となんとかなあれぇ♪がツボw -- かにゃん (2011-08-15 11 49 27) かいとくんだぃすきw(●´ω`●)この曲励まされる(≧▽≦) -- Y様専属マネ♪ (2011-12-12 11 34 26) あーもうなんとかなあれ♪( ^ω^ ) -- 名無しさん (2013-12-06 09 04 08) なんとかなあれ #127925; のトコ、スキ #128149; -- KAITO好き (2014-08-18 16 20 41) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/duemaorika/pages/366.html
希望少女 シロナ VR 光文明 (7) 5000 クリーチャー:マジカル・ガール スペシャルマジカル・プリズム(バトルゾーンに自分のマジカル・ガールが5体以上いるとき、このクリーチャーは次のSMP能力を得る) SMP-相手がこのゲームに勝つとき、このクリーチャーを破壊してもよい、そうした場合、相手はゲームに勝たず、このターン中クリーチャーは攻撃できない、自分の山札の上から5枚を、裏向きのままシールドに加える。その後、自分の山札を見る。その中からクリーチャーを1体選び、コストを支払わずにバトルゾーンに出してもよい。その後、山札をシャッフルする。その後、自分の墓地にあるカードを、すべて山札に加え、シャッフルする。 フレーバーテキスト DMOC-03 あなただって、まだチャンスがあるよ! ---希望少女 シロナ 作者 広ヒロ 評価・意見 名前 コメント 収録セット DMOC-03 女神の華宴
https://w.atwiki.jp/gamemusicbest100/pages/8291.html
株式会社シェード (SHADE Inc.) 元日本ファルコムのグラフィッカーだった横田幸次氏が1995年に設立したゲームソフト開発会社。 3DCGに関心を寄せていた横田氏がPS発売を機に、3Dアクションゲームを作りたいという動機で創業した。 クインテットの子会社として共同開発した『グランストリーム伝紀』が第1作。 2016年1月にエヌジェイホールディングス(子会社にトライエースやゲームスタジオなど)の子会社になったが2017年9月に独立。その後ディアロネットのグループ会社になっている。 作品 シェード配信 Destroy Gunners -デストロイ・ガンナーズ- Destroy Gunners F Destroy Gunners SP Destroy Gunners Z Destroy Gunners SP/ICEBURN!! ColoQ-コロッキュ- SCEI発売 グランストリーム伝紀 ブライティス バンダイ、バンダイナムコ発売 デジモンメドレー PROJECT ARMS ラーゼフォン 蒼穹幻想曲 トップをねらえ!-GunBuster- 冒険王ビィト ダークネスセンチュリー クロスアンジュ 天使と竜の輪舞tr. コーエー発売 バトル封神 超・バトル封神 亡国のイージス2035 ウォーシップガンナー ウォーシップガンナー2-鋼鉄の咆哮- 麻雀大会Wii WARSHIP GUNNER2 PROTABLE セガ発売 サクラ大戦V EPISODE 0 荒野のサムライ娘 天下人 涼宮ハルヒの並列 涼宮ハルヒの直列 マーベラス発売 くじびきアンバランス ああっ女神さまっ ネギま!?ネオ・パクティオーファイト!! 武装錬金~ようこそパピオンパークへ 家庭教師ヒットマンREBORN! D.H.B.Wii 家庭教師ヒットマンREBORN! 禁断の闇のデルタ 家庭教師ヒットマンREBORN! 絆のタッグバトル アサルトガンナーズ アサルトガンナーズ HD EDITION 神田川JET GIRLS ハドソン発売 MADSECTA(マッドセクタ) メタルファイトベイブレード ガチンコスタジアム コナミ発売 pop n music portable キングダム 一騎闘千の剣 レベルファイブ発売 イナズマイレブン ストライカーズ 2012エクストリーム スパイク・チュンソフト発売 ダンガンロンパ 1・2 Reload (移植開発) 絶対絶望少女 ダンガンロンパ Another Episode (開発協力) ディースリー・パブリッシャー発売 バレットガールズ バレットガールズ2 バレットガールズ ファンタジア CUSTOM MECH WARS -カスタムメックウォーズ- その他 Sorcerous Stabber ORPHEN 魔術士オーフェン (角川書店 / ESP) とある魔術の禁書目録 (アスキー・メディアワークス) パズドラクロス 神の章・龍の章(開発協力) (ガンホー) ガンガンピクシーズ (コンパイルハート) 主な作曲家 曳地正則※クインテットに所属していた作曲家。天地創造などを担当。1999年シェードに移籍。 関連項目 日本ファルコム※シェード創業社長の横田氏がグラフィッカーとして所属して『イースIII』開発後に退職。 クインテット※『イースIII』の元スタッフが立ち上げた会社で、シェード設立前の横田氏も同社の『ガイア幻想紀』開発にグラフィッカーとして参加している。また1997年頃はシェードの親会社だった。
https://w.atwiki.jp/girlwithlolipop/pages/161.html
絶望少女育成計画Reflect ◆EAUCq9p8Q. ―――二枚の手紙と招待状。 宛先不明の交換日記。 無人の家で受け取る電話。 学生服と地縛霊。 握った左手に刻まれた呪い。 食べたお菓子はどこまで響く? あなたはいつまで気づかない? 踊る町並み人の影。 笑う三つのお人形。 一人は一人のままだけど、 一人は二人でいるらしい。 一人が二人に出会い、 一人が一人に出会い、 二人が一人と一人に出会い、 最後に二人の神様が生まれた時の話。 ◇◆◆ 商店街を、外ハネが揺れる。 あっちにゆらゆら。こっちにゆらゆら。ぴょこぴょこぴょんぴょこ、ゆらゆらゆら。 まるで波間を漂う木切れのように、不規則に揺れる。 外ハネの主、輿水幸子は途方に暮れていた。 諸星きらりを探すと啖呵を切ったはいいものの、彼女がどこに居るのか皆目検討がつかない。 聖杯戦争の舞台は広い。歩き回っていては一週間あっても足りないだろう。 更に(なぜだか知らないが)きらりの携帯番号もメールアドレスも携帯からすっぽり抜け落ちていた。 ドコに行けばいいのかわからない。なにから探せばいいのかわからない。 まったく行く宛なしの打つ手なし。 ただ、だからといって立ち止まってはいられない。 こうしている間にも、聖杯戦争は続いていく。 放っておけば、彼女のサーヴァントであるクリエイターは必ず行動を起こすだろう。 放っておけば、きらりは誰かの悪意によってひどい状況に追いやられてしまうだろう。 そんなことさせるもんか。 こんな聖杯戦争なんて、やらせてたまるもんか。 そのためにも、幸子は動かなければならなかった。 何かが起こるより先に、なにか打開策を見つけなければならない。 幸子はきらりのことをよく知っている。 身体は人より大きいし、愛情表現が人より過激で、たまに舞台のセットを壊したりもする人だけど、誰かを殺すなんて、そんな悪人なんかじゃない。 彼女は人のことを思いやれるし、人のことを心配できるし、人を傷つけるのを何より嫌がるような人だ。 事件なんていうのも誰かがでっち上げたに違いない。 幸子を突き動かしているのは、なにより、アイドルであり良き友であるきらりへの信頼だった。 行く先の見えない不安に押しつぶされそうになりながら、それでも自慢の虚勢で胸を張り。 とりあえず人の多そうな場所から探してみようと思って商店街(C-2)に来たはいいが。 「な、なんですか、これ……」 あまりの現実離れした状況に、目眩を起こしかける。 商店街はまるで嵐か何かが通り過ぎたあとのようだった。 壁面一面に刻まれた無数の傷跡。 同じくコンクリートにも走っているこれまた無数の傷跡。 看板が切り落とされ、商店街のゲートに飾られている人形はちょんまげが綺麗に刈り上げられている。 改装だとしたら思い切った趣旨替えだ。 「……て、んなわけないでしょう!」 一瞬現実逃避しそうになった自分に喝を入れる。 現実から逃げたところで何も変わらない。 これは、間違いなく戦いのあとだ。 誰かにとっての聖杯戦争が、もう始まっているのだ。 聖杯戦争。 殺す力を持った者同士の争い。 それをそのまま表したような商店街の惨状に身震いする。 クリエイターの能力はあまりに現実離れしていて恐怖感が薄かった。 あの世界を見続ければ精神が崩壊する、と言われても、リアリティがなかったから虚勢を張れた。 だが、この戦場には、この商店街で起こったような生々しい戦いがある。 引き裂き、斬り捨て、粉々に砕く。周囲の建物すらも破壊する、実際の戦争のように泥臭い戦いが。 遠く離れた異国の戦場なんかじゃなく、この世界の、幸子のすぐ側で、そんな戦いが起こっている。 もし、こんな戦闘に巻き込まれてしまったら、カワイイ以外に武器がない幸子なんてそれこそ、蟻ん子を踏みつけるように簡単に殺されてしまうだろう。 幸子じゃなくたって、普通の人だったら誰だって巻き込まれたら無事じゃすまない。 無数の傷跡の先に血が通っていなかったのが幸いだ。 胸を撫で下ろそうとして、はっと気がつく。 彼女の親友と言っても過言ではない二人、星輝子と白坂小梅。 彼女たちの家は、この商店街から遠くない場所にある。 彼女たちがもし巻き込まれていたら…… そう思うと、居てもたっても居られなくなった。 小梅に電話をかける。留守電だった。 輝子に電話をかける。こちらも数回の呼び出し音のあと、留守電に繋がった。 最悪の状況が頭をよぎるが、ぶんぶんと頭を振ってその考えを吹き飛ばす。 まわりの店の人が喋るのを聞く限りでは、被害者はゼロだということ。 単に都合が合わなくて電話に出られないだけ。きっとそのはず。 三回深呼吸をして、携帯に向き直る。 もう一度、連絡を取る。 今度は留守電じゃなくて、開いた瞬間にメッセージが伝わるようにメールで。 ◇◇◇ 「ふ、ふ、ふー……フフフー」 中学校、三年生の教室。 机に突っ伏して足をぶらぶらさせる少女が一人。 少女・星輝子は時間を持て余していた。 宿題も終わってるし、予習も終わってる。ノートの清書もばっちり。 聖杯戦争が始まったと聞いたが、それもまだ特に関係ない。 クラスではあまり交友関係を築いていない彼女にとってホームルームまでの十数分や授業合間の短休憩などは特にやることもないので、いつも通りぐだぐだしながら過ごしていた。 手持ち無沙汰に携帯を取り出すと、着信を知らせるライトが点滅していた。 「……?」 何かあったのかと思い携帯を見ると、電話着信と、ついでにメールも来ている。 どちらも幸子からのものだった。 慣れない手つきでぽちぽち携帯を操作してまずはメールの方を確認する。 【from:幸子ちゃん 件名:無題 本文:ボクは今日は調子が悪いので欠席させてもらいます。 ところで、商店街が騒がしいのですが大丈夫ですか? 二人に何もないようならいいのですが。 追伸 きらりさんを見かけたら、ボクが話したいことがあって探していたと伝えておいてください。】 絵文字や顔文字などで飾られていない。 カワイイ見た目からは想像出来ないほど簡素な文章。 いつも通りの丁寧な、幸子らしい文章だった。 「そっか……今日は、来ないのか」 少しだけ寂しくなる。 輝子はだいたい、友達というものが少ないので、数少ない友人である幸子・小梅と一緒にいる時間がとても大好きだった。 それがなくなるというのは、とてもつらい。 「ま、まぁ……そんな日も、あるよね……」 でも、わがままは言えない。 調子が悪い時は休むべきだ。無理をシてもいいことなんてない。 そう割り切って、返信の文章を打とうとして、不意に不思議な感覚に陥る。 今日のこれはそれを差し引いても少しおかしな文章だ、という感覚、 調子が悪いから欠席するのに、きらりも探している。 なんとなくおかしな気がする。なにか隠し事でもしているんだろうか。 「……ふ、フフー……フフフー」 でも、幸子は確かに輝子の友達だけど、友達だからって全部を全部知っているわけじゃない。 いつか知れればいいなぁと思うけど、今根掘り葉掘り聞こうとも思わない。 そうして輝子は、特に深く探るようなことは書かないことに決めた。 ぽちぽちとボタンを操作して幸子に返信メールを打つ。 そして、少し考えて、ぽち、ぽち、ぽちと追記を打つ。 送信ボタンを押し、数秒の沈黙の後、席を立った。 授業開始まではもう少し時間がある。今からなら、手短に済ませれば大丈夫だろう。 ふらふらと風が吹けばこけてしまうんじゃないかというような足取りで女子トイレに入り。 個室のドアを閉め、鍵も閉め、携帯を取り出して電話帳から目当ての番号を探す。 「おお、あった……」 開いたアドレス名は『自宅』と書かれていた。 ◇◇ マンションの一室に呼び出し音が鳴り響く。 無人のはずの部屋の奥、きのこの山の向こう側。 ともすれば『工房』とも呼べそうな、不思議な生物とエンチャント用の機材で埋め尽くされたマンションらしくない空間。 その中心に座していた、火花避けのゴーグルに白衣という科学者らしい格好をしたミニサイズの使い魔(のようなもの)が声をあげる。 「かび!」 その使い魔の声に、同じように白衣を着て瓶底眼鏡をかけたチリ毛アフロの英霊が振り向き、電話の方へと近づいて受話器を取った。 「もしもし」 『ライダー? わ、私……』 「うん? ああ、マスターか。なんだ」 『もしかしたら、幸子ちゃんが、そっちに行くかもしれないから……よろしく』 「はぁ? お、おい、いきなりなにを……」 『じゃあ、授業始まるから……ばいばい、頑張って』 聞くよりも早く、電話が切られてしまう。 電話を取った英霊―――ばいきんまんは、顔の色が紫から赤に変わるんじゃないかというくらいぷりぷり怒った。 「まったく、あいつってば、また俺様になぁーんも言わずに勝手に決めて!」 受話器を叩きつけ、更にぷりぷり怒りながら自身の『工房』に戻った。 ライダーは輝子にはついていかず、自宅にこもって自身の宝具のエンチャントを行っていた。 ついていったところで戦力になれないのは決まりきっているのだから、まずは二人は別行動。非常時には令呪で呼べばいい、ということで。 輝子側からも特に苦情はなく、するすると序盤の方針は決まった。 現状、ライダー自身にこの聖杯戦争における目標のようなものはないので輝子の方針通りにエンチャントを行っている。 準備期間中に『バイキンUFO』と『もぐりん』搭乗員枠を最大数まで拡張してある。 現在は『バイキンUFO』に逃走用の加速機能と、地面に居るNPCを拾えるように『掃除機ノズルアーム』を作成中だ。 さらに午後になれば『もぐりん』を(気配遮断効果が得られる)地中でエンチャントを行うつもりだった。 だというのに、来客があるとなると、その計画が狂ってしまうじゃないか。 やれやれと大きく溜息をついて、かけていた瓶底眼鏡をクロスで拭きながら側のかびるんるんの一体に命令を言い渡す。 「写真を取ってきてくれ」 「かび!」 言われたかびるんるんがタンスの一番上の引き出しから一枚の写真を取り出して運んでくる。 写真を一人+無数のかびるんるんで覗きこむ。 その写真に写っていたのは、薄い髪色の少女、淡い金髪の少女、そして彼らのマスターである輝子。 いつもよりきらきらとした衣装を着たマスターを少し興味深げにしげっと眺めたあと、輝子と仲の良いかびるんるんたちに尋ねた。 「で、サチコってどっちだったっけか。お前ら知ってるか?」 「「「「「かび!」」」」」」 かびるんるんが一斉に薄い髪色の少女の方を指す。 「こっち? 本当にこっちであってるのか?」 「かび!」「かび? かび #65374;」「かびかび?」「かび!」「かびかび!!」 「そうか、こっちか」 輝子とかびるんるんが仲良くしてたのは、こういった自体に備えての部分もある。 ライダー自身がエンチャントにかかりきりであると、どうしてもマスターとの情報交換が疎かになってしまう。 その時点ですぐに影響は出ないだろうが、そういった関係が続けばいつかどこかで大きなミスを引き起こしてしまうかもしれない。 そこで、かびるんるんの出番というわけだ。 かびるんるんはこう見えても知能が高い。 ライダーの宝具である三種のメカのうち、『もぐりん』の操縦をライダー不在時代わりに行うことだって出来る。 エンチャントに関する指示を出せば従うし、与えられた作業はだいたいそつなくこなす。特殊能力も含めて、実に優秀な使い魔だ。 さらに、彼らはかびかびとしか喋れないが、彼らの言葉がわかるライダーとは会話が可能だし、逆にライダーの言葉(一般的な人間の言語)を理解できる。 かびるんるんが輝子の話をすべて聞いていれば、ライダーはエンチャントにかかりきりでもあとあとその情報を聞き返すことが可能となる。 もちろん、かびるんるんは楽しいことが大好きだし輝子がかびるんるんとライダーを気に入っている、という事のほうが大きな理由だが。 ライダーとかびるんるんの一部がエンチャント。残りのかびるんるんが原木を腐らせてキノコの育成+魔力供給(微)をしたり輝子と話したりをする。 ライダーはディフォルメチックな見た目にそぐわず、実に理にかなった使い魔運用を行っていた。 事前打ち合わせで、マスターが三人で取った写真をもらっておいて正解だった。 保護対象がはっきりしているのは、ライダーとしてもやりやすい。 不意な来客の場合も、この写真に写っている人物ならば輝子の知り合いであると判断できる。 「……しかしなぁ……こいつ、信用できるのかぁ?」 「かびぃ?」 「俺様どーもマスターの方針ってやつがよくわかんないんだよなー」 「かびかび」 「なにぃ? 『なにか考えがあるはず』だってぇ? そうは思えないがなぁ。 単に仲良しだからって……聖杯戦争中なんだぞ、今!」 白衣を脱ぎ、チリ毛のカツラを外し、タオルで汗を拭きながらつぶやく。 まぁ、確かにあのマスターの友人なら悪いやつではないのだろうが。 ライダーは知っている。戦いは何があるかがわからないんだ。 勝負はなにかのきっかけで逆転されるし。仲間はすぐに裏切るし。どれだけ確率を100%に近づけようと不確定要素は絶対に紛れ込んでくる。 ライダーの思い通りに行くことなんてせいぜい宝具の向かう先とかびるんるんへの指示くらいしかない。 輝子はその辺をどうも甘く見てる、とライダーは思う。 その分ライダーが少し過剰なくらい警戒しておいて損はない。 「信じろって言ってるから多少は信じるが、だからってすぐに入り込ませるもんか! もし襲ってきたら、そんときゃ俺様容赦しないかんなぁ!!」 もしその幸子とかいう少女が輝子の優しさにつけこんでライダーに襲い掛かってくるようなら容赦はしない。 ぎったんぎったんのめったんめったんに踏み潰してやればいい。 友人と戦うのは輝子はあまり喜ばないだろうが、生け捕りにすれば怒りもしないだろう。 「だとすると、トリモチバズーカなんかも作っておいたほうがよさそうだな」 ライダーは広げた設計図にさらさらと図を書き足していく。 その行為には一切の淀みがない。 「よぉし、かびるんるん! 新しい設計図だ!」 「「「「「かび!!」」」」」 壁に改定図が貼りだされる。 そこには数十秒前までは影も形もなかったトリモチバズーカの設計図と組み立て図が書き加えられていた。 その改定図をしっかり確認して、作業員かびるんるんたちは再び作業に取り掛かった。 ◇◇◆ 幸子の携帯がメロディを奏でる。 着うたは当然『To_my_darling…』。カワイイ歌声で着信がすぐわかる。実際便利。 慌てて中身を確認する。 【from:輝子さん 件名:Re.無題 本文:私は特に変わりないぞ 最近物騒だから、なにかあったら私の家に来るといい。安全だ】 「輝子さんの方はひとまず無事みたいですね……」 あまりそんな印象は持てないだろうが、輝子と小梅でマメな方は意外にも輝子だ。 小梅の方はわりとマイペースなので、返信は気が向いた時になるだろう。 「まったく! こっちの気も知らないで!」 ぷりぷりと怒りながらも輝子の文章を再確認する。 後半のちぐはぐな気遣いにも、なんとなく輝子らしさを感じる。 危ない時があったら寄っていいよと書いてあるが、輝子が居ないのに上がるのは無作法じゃないだろうか。 まあ、輝子はそういうところに無頓着な部分があるから追求してもしょうがない。 だから、まぁ、本当に危なくなったら。 絶対にないと思っているが、本当に危なくなったら寄らせてもらおう。 「……小梅さんの返信は、いつ頃になるでしょうね」 一度溜息をつく。小梅のことだから、確認を忘れていた 携帯をポケットに仕舞おうとして今朝のやりとりを思い返す。 携帯で見た通達、そして掲示板。 そういえば、あの掲示板はどうなっただろう。 4レス目以降ぱったりと書き込みが途絶えて、画面の向こうの相手になにかあったのかと心配していたが、きらりの事もあってそこで幸子は確認せずに。 もしかしたら、謝罪の言葉が書き込まれているかもしれないと思い掲示板を開いてみると、スレッドが一つ増えていた。 タイトルは「きらりさん、見てますか」 慌てて中身を確認する。 しかし、中身は今朝のものとは違い、心の底からきらりを心配した文章。 幸子は心の中に春風が吹いたような心地だった。 こんな戦争でも、友人のことを心配する優しい人物が居るという事実を認識して、暗い気持ちが少しだけ明るくなる。 「クリシュナさんはああ言ってましたけど、皆が皆やる気なわけじゃないんですね! 安心しました!」 自身を鼓舞するように口に出す。 あまりの嬉しさに、掲示板に喜びのレスをしようとして、とある事実に気付き指が止まる。 この人が、きらりを知っているということは……? 「ひょっとすると、ボクの知り合い……かもしれませんね」 きらりはそのキャラクター性と大きな体躯とたっぷりな愛嬌で(幸子には少し及ばないがそれでも凄く)カワイイアイドルだ。 ファンは男女問わず多数存在するだろうから、そんなファンの一人が書き込んだのしれない。 でも、もしかしたら、仕事仲間のアイドルの誰かが書き込んだのかもしれない。 幸子ときらりのプロダクションには単なる顔見知りも含めれば、200人近くのアイドルが在籍している。 共通の知り合いも多い。 そういったアイドルの誰かが聖杯戦争に巻き込まれており、今朝の通達を見て書き込んだ可能性は否めない。 「……とりあえず、確認してみないと始まらないですよね!」 そう決めて、メールアドレスをタップする。 でも、誰かわからない相手にいきなり『お久しぶりです!カワイイボクですよ!』なんてメールを送るほど無作法ではない。 幸子は少しだけ考えたあと、文章を打ち込み、メールを送った。 少し間を置いて、再び『To_my_darling…』が流れる。 今度の着信は、未登録アドレスから。でも、見覚えはある。先ほど送ったアドレスからだ。 メールには意外な内容が書かれていた。 【from:SUPER_Kitakami_sama@ 件名:Re.掲示板の件について 本文:あなたが誰かはわからないので、名前だけ名乗らせていただきます。 私はエノシマといいます。きらりさんと同じ高校に通っていた者です】 「『エノシマ』……?」 聞き覚えのない名前を一度口ずさむ。 その声は、商店街の雑踏の中に消えていった。 【C-2/商店街周辺/1日目 午前】 【輿水幸子@アイドルマスターシンデレラガールズ】 [状態]健康、怒り、恐怖(小) [令呪]残り三画 [装備]なし [道具]なし [所持金]中学生のお小遣い程度+5000円分の電子マネー [思考・状況] 基本行動方針:この聖杯戦争をカワイイボク達で止めてみせる 1.諸星きらりに会う 2.『エノシマ』とメール。 3.商店街で起こった事件が気になる。 4.何かあったら輝子の家に避難……? [備考] ※商店街での戦闘痕を確認しました。 ※小梅と輝子に電話を入れました。 ※大井のスレを確認してメールを送信しました。 また、小梅と輝子に「安否の確認」「今日は少し体調がすぐれないので学校を休む」「きらりを見かけたら教えて欲しい」というメールを送りました。 【D-2/中学校 三年生の教室/1日目 午前】 【星輝子@アイドルマスターシンデレラガールズ】 [状態]健康 [令呪]残り三画 [装備] [道具]多機能携帯電話 [所持金]一人で暮らせる程度にはある [思考・状況] 基本行動方針:幸子ちゃんと小梅ちゃんを守る。 1.学校で小梅ちゃんを待つ。 2.フェイト・テスタロッサが気になる。 3.緊急時にはライダーを令呪で呼ぶ。 4.きらりちゃんを探す。 [備考] ※掲示板を確認していません。 ※念話は届きませんが何かあったら自宅に電話をかけます。 【C-2/マンション/一日目 午前】 【ライダー(ばいきんまん)@劇場版それいけ!アンパンマン】 [状態]平常、魔力消費(小)、魔力回復(微) [装備]宝具『俺様の円盤(バイキンUFO)』、『地の底に潜む侵略者(もぐりん)』、『踏み砕くブリキの侵略者(だだんだん)』 [道具]カワイイボクと142'sの写真、白衣+チリ毛カツラ+瓶底眼鏡の発明家コス [所持金] [思考・状況] 基本行動方針:宝具を改造して、準備を整えてから行動したい。 1.『俺様の円盤』をエンチャント中。午前中には加速機能と掃除機ノズルアーム・トリモチバズーカが完成。 2.午後には人目につかない場所(地下)で『地の底に潜む侵略者』をエンチャント予定。加速機能と索敵レーダーを開発。 3.輝子緊急時には見られることを気にせず宝具で逃亡。 4.幸子が来たらどうするかな…… [備考] ※マンションの一室をエンチャント部屋として使用中(作中表記は『工房』ですが陣地ではありません)。 ※原木にかびるんるんをとり付かせることで魔力回復(微)の効果を得ます。星家の原木がキノコパラダイスになれば効果がなくなります。 ※現在の宝具エンチャント。 『俺様の円盤』……搭乗員数最大拡張 『地の底に潜む侵略者』……搭乗員数最大拡張 『踏み砕くブリキの侵略者』……搭乗員数最大拡張 ※輝子の素質上の問題で念話は届きませんが星家に電話がかかってくると応対を行います。 ◇◇◆◇ 【from:Boku_is_kawaii@ 件名:掲示板の件について 本文:あなた、誰ですか? きらりさんの知り合いっていうの、本当ですか?】 学校につく少し前、大井のスマートフォンにこんなメールが届いた。 掲示板の書き込みを見てのメールだろう。 今朝以来、再び自身の幸運と神の計らいに感謝する。 早速効果があったようで、内心ガッツポーズを握る。 しかし、少し喜んだあとで、考える。 この送り主はどういった立ち位置からメールを送ってきたのだろう。 この本文では、送り主の情報がまったくわからない。 もしかしたらきらり本人かもしれないし、そうじゃないかもしれない。 友好的な相手なのか、敵対目的の相手なのか。 それともただのカマかけなのか。 どれにしろこちらの情報は渡さないにこしたことはない。 じゃあどうすればいいか。 簡単だ。バレてもいい名前を使えばいい。 大井は丁度、都合のいい名前を知っている。 聖杯戦争の参加者であり、きらりのことを探っていた人物であり、高校にかよっている人物。 『エノシマ』。 彼女にすべての泥を被ってもらえば、大井の払うリスクは最低限で済む。 大井は特に躊躇せずにその名前を騙って返信を出した。 相手がそうしてきたように、こちら側の情報も名前以外は一切をひた隠しにして。 これで、次は彼女のほうが手の内を明かしてくる。 その情報からまた新たな作戦を立てて、初日最大の目標である『参加者衝突』へと向かわせる。 もし、メールを送ってきたのが『エノシマ』本人だったとしたら……その時は、『お前のことを知っている』と仄めかしてやればあっちは勝手に混乱してボロを出してくれるだろう。 大井は左手で器用にスマートフォンをいじりながら他者より優位に立っているという実感を手にしていた。 今日の大井は、過去一番に冴えていると言っていいだろう。 これなら、あと数日の内に北上を取り戻せるかもしれない。 いや、取り戻せる。確実に。 スマートフォンを持っている左手の代わりに、右手で北上の愛情のこもったお守りを握りしめる。 ほんのり暖かい気がした。 「ねえ、そこの人」 そんな愛に溺れかけていた時、不意に背後から声がかけられた。 「はい?」 大井が振り向くと、まるで妖精のように小さな女の子が立っていた。 ◇◇◆ 朝の日差しが眩しい。というよりも、痛い。 全体的にさわやかで黄色めいた空気がくすぐったい。 道行く人々の活気に酔いそうになる。 ニート特化型のニフラムがあるとすれば、それは朝の通学路だ。 双葉杏は、そんなことを考えながら頭に叩き込んだ地図を思い出しながら道を歩いていた。 『どこに向かってるんだニャン?』 (学校。高校) 杏は今朝、あのスレッドを見てから、少しの身支度を整えてすぐにタクシーを呼んだ。 タクシーに乗って、(そのまま敷地内まで乗り込むのはあまりに目立ちすぎると思ったので)学校の近くまで乗り付け、そこから少しの距離だけ徒歩で移動。 その道すがら、杏とランサー・ジバニャンは他愛もない話をしていた。 『きらりちゃんって子を探すんじゃなかったニャン?』 (そうだよ) 『でもマスター、オレっち、きらりちゃんって子は高校に居ないと思うニャン』 (知ってるよ。ていうか、居るわけないじゃん) 一切間を置かずに肯定する。 その返答を聞き、ランサー・ジバニャンは信じられないと声を(念話だけど)荒げた。 『言ってることとやってることがむちゃくちゃニャン!!』 (ん、そーでもないよ) 杏の目指す道は常に最短距離だ。 闇雲とか手探りなんてのは彼女の信条から最も遠い場所にあると言ってもいい。 だから、真っ先に切り捨てたのは『どこに居るかわからないけどとりあえず探す』だった。 (高校に行くのは、きらりの情報がほしいから) 電話番号もわからない。メールアドレスもわからない。住所も別の場所になっている。 でも、確実にきらりはこの舞台にいる。 ということはこれまた確実に、きらりの情報がどこかに存在する。 杏に与えられた情報の中できらりの情報が確実にある場所と言ったら、事件発生まできらりが通っていたという学校しかない。 だからこそ、ニートは重い腰を上げ、無意識のニフラムが飛び交う通学路を歩くことを決めた。 (できれば、家の場所とかケータイの番号とか聞ければいいんだけど、そう上手くいかないだろうなぁ。 聞き込みが上手くいかなかったら、忍び込んで盗んできてね) 『万引きかニャン!? 嫌だニャン! そんなことしたら、オレっち可愛いから事務所に呼び出されてなんでも言うこと聞かされちゃうニャン!!』 霊体化していて見えないが、今きっとランサーはものすごく面白い動作をしていることだろう。 生意気な奴めぇと叩いてやりたかったが人前で、霊体化したジバニャン相手にそんなことしたら確実に杏のほうが変人扱いを受けてしまう。 だから話半分で聞きながら、道行く少女たちを物色する。 きらりの事件はインターネットサイトでニュースとして纏められているくらいには有名だ。 校内に知っていない人が居ないとまでは言わないが、石を投げればきらりの事件のことを知っている人に出会えるんじゃないだろうか。 だが、その少女が杏の欲しているきらりの情報を知っている可能性はどれほどか。 そして、知っているとして、杏に教えてくれる可能性はいかほどか。おそらく、かなり低い。 盗むのが一番手っ取り早いだろうが、窃盗は犯罪なので杏には出来ないしこのおっちょこちょいでマイペースなランサーが一切のミスなく盗んでこれるとは思えない。 見つかったらきらりを探すどころじゃない。杏のほうが先に刑務所送りになってしまう。 ここであまり時間を割くわけにもいかない。 きらりの情報はすでに参加者たちに向けて拡散されてしまっている。事態は急を要するのだ。 「三人駄目だったら盗んできてね」 『……当たれー、当たれー……』 ランサーの呪詛めいた念話をBGMに、手始めに目についた少女に声をかける。 「ねえ、そこの人」 「はい?」 亜麻色のロングヘアの少女は、スマートフォンをいじっていた手を止めて振り向いた。 なかなかの美少女なんじゃないだろうか、というのが杏の彼女に対する第一印象だった。 ◇◇◆ 「諸星、さん?」 「そ。知らない?」 「聞いたことがありませんね。その人に何か御用なんですか?」 「……んん? ……んー……いや、そういうわけじゃないんだけど」 「そうですか……」 少女が右手に持ち変えたスマートフォンをポケットにしまい、そのままその右手を顎に添えて少し考える素振りをする。 杏の目が少しだけ細くなる。 「いや、わからないならいいんだけどさ」 「……少し待っててもらえますか? 先生に聞いてきますので」 「……いいの?」 「はい。せっかく来ていただいたのに何もなしで突っぱねるのは気が引けますので」 礼をして少女が立ち去る。 それを確認してから、霊体化しているランサーが杏に念話で話しかけてきた。 (いやぁ、最初からいい人に会えてよかったニャン。これでオレっちもワルに手を染めることなく……) 浮かれるランサー。 しかし、最初の難関をクリアしたというのに、杏の方はかなり釈然としない顔をしていた。 そして、たっぷり間をとったあと、ランサーに念話でこう伝えた。 (ランサー。ちょっと動ける準備しといて) 『どうしてニャン?』 杏はニートだ。 だが、愚鈍ではない。 むしろ常人と照らし合わせれば聡明の部類に入るだろう。 その杏の目から見て、亜麻色の髪の少女は、どうもちぐはぐだった。 おかしい、と思う部分が幾つもある。 左手でスマートフォンをいじっていたのに、杏が声をかけてから右手に持ち替えて左手をポケットに入れたとか。 きらりのことを知りたいと尋ねた杏に即座に協力を申し出たこととか。 なにより、きらりの事件について一切知らないふうに振舞っていたこととか。 きらりのことを『知らない』『聞いてくる』というのが、杏にとってはどうも咬み合わない返答だった。 高校に通っていてあんな凄惨な事件を知らない人物が居るだろうか。 そのことについて調べようとした人間に対して快く協力を申し出る人間が居るだろうか。 なんとも腑に落ちない。 そこまで考えて、杏の脳内にある推理が組み上がった。 あの詳しく書き込まれていたスレ。 あのスレには当然立てた人物がいる。 あそこまで詳しく情報を集められるということは、高校の内部にマスターが居る可能性は高い。 その少女はなぜスレを立てたのか。 その少女が目指すところはどこなのか。 それはもしかすると、きらり個人の破滅以外にもあるんじゃないだろうか。 (……これは、とんだ大当たりを引いちゃったかな) 『言ってる意味がさっぱりだニャン! もっとオレっちにもわかるように説明するニャン!!』 ぽりぽりと頭をかく。 日光に当たりすぎたせいでいつもより頭が活発に動いたんだろうか。 こんな立ち回りは杏っぽくないのになぁと思う。 杏は小さく溜息をついて、こう答えた。 (なんとなくだよ。なんとなく) 言ってしまえばなんとなく。 双葉杏は、なんとなく、かの亜麻色の髪の少女―――大井のことをかなり警戒していた。 ◆◆ 「はい。せっかく来ていただいたのに何もなしで突っぱねるのは気が引けますので」 自分でも気持ち悪くなるくらい朗らかな笑みを浮かべ、頭を下げる。 そして少女に背を向けたまま、大井は内心ほくそ笑みながら校舎の方に向かって歩いた。 鴨が葱を背負って来るとはこのことだ。 あの金髪の少女の方は隠してるつもりだろうが、大井はすべてお見通しだった。 彼女は掲示板を見て諸星きらりの情報を探りに来たのだろう。 なんとも愚かだ。馬鹿なマスターが針の見えてる餌に引っかかって大井の大願成就のためにのこのこやってきたのだ。 出来ることならばこの場でアーチャーに命じてぶち殺してやりたいところだったが、それはさすがにやめておいた。 通学時間で人目につきやすいし、この学校には本物の『エノシマ』が居る。 『エノシマ』に存在を知られてしまうと、大井の立ち回りはそうとう厳しくなる。 (アーチャー、聞こえますか) 『なんだろう』 (校門のところに聖杯戦争の参加者と思わしき少女が居ます。監視していてください。 もし逃げるようならば連絡をお願いします) 簡潔なやりとりを終える。 これでもし、あの少女が逃げるようなことがあってもこちらの優位には変わりない。 むしろ、人目につかない場所に逃げてくれればこちらとしては非常にやりやすい。 先ほどのメールを確認する。 返事はまだ届いていない。 もしもメールの相手が好戦的な人物なら、人目につかないところにこいつを誘導した後でぶつけてやればいい。 順序が逆になってしまうが、それでも交戦が引き起こせるならよしだ。 どう捌くか。 どう操るか。 どう戦局を動かしていくか。 さあ、ここからは大井の腕の見せどころだ。 この二人を利用しつくして、一日目で望める最大限の戦果をあげる。 せっかくの機会だ。あの無能が服を着て歩いているような脳筋長門よりも上手く戦況を動かしてやろう。 これも北上への土産話になる。 艦隊に帰った時にあの木偶の坊の鼻をあかすいい経験になる。 まったく、神様は粋な計らいばっかりしてくれる。 大井は、今朝以来、再び神の思し召しに感謝した。 ―――大井自身自覚はないことだが、彼女は割と自信過剰なタチだった。 【D-2/高等学校来客口側/1日目 午前】 【双葉杏@アイドルマスターシンデレラガールズ】 [状態]健康、焦燥感 [令呪]残り三画 [装備] [道具]携帯ゲーム機×2 [所持金]高校生にしては大金持ち [思考・状況] 基本行動方針:なるべく聖杯戦争とは関わりたくなかったが 0.諸星きらりに会う 1.そのために高校で諸星きらりの住所について調べる 2.少女(大井)を警戒。どうするべきか。 [備考] ※大井と出会いました。大井を危険人物(≒きらりスレの 1)ではないかと疑っています。 【ランサー(ジバニャン)@妖怪ウォッチ】 [状態]健康 [装備]のろい札 [道具]なし [所持金]なし [思考・状況] 基本行動方針:なんとなく頑張る 1.双葉杏に付いて行く 【D-2/高等学校来客口側/1日目 午前】 【大井@艦隊これくしょん(アニメ版)】 [状態]満腹、健康 [令呪]残り三画 [装備]北上の枕の蕎麦殻入りお守り [道具]通学鞄、勉強道具、スマートフォン [所持金] [思考・状況] 基本行動方針:北上さんへの愛を胸に戦う。 0.聖杯戦争に北上さんが居る可能性を潰す。 1.諸星きらりとエノシマという女子高生、各種噂を警戒。 2.メールを送ってきた人物をどこかしらに集める。 3.2.の場所に少女(双葉杏)も上手いこと誘導する。 4.メールの件が片付いたらしばらくはNPCとして潜伏する。 [備考] ※双葉杏を確認しました。魔力反応から彼女をマスターではないかと疑っています。 ※北上が参加者として参加している可能性も限りなく低いがあり得ると考えています。北上からと判断できるメールが来なければしばらくは払拭されるでしょう。 ※『チェーンソー男』『火吹き男』『高校の殺人事件』『小学校の死亡事件』の噂を入手しました。 また、高校の事件がらみで諸星きらりの人相・性格、『エノシマ』という少女が諸星きらりを探っていたことを教師経由で知りました。 ※フェイト・テスタロッサの顔と名前を把握しました。 ※輿水幸子からメールが届きました。 ◆◆ ぽり。 ぱりぽりぱり。 しゃくしゃく。 ぱき。 いくら気をつけても、音が鳴るものはしょうがない。 だからいっそ気をつけないことにした。 音を鳴らさないように気をつけて、お菓子の量を減らして、いざ戦闘って時に全力が発揮できなければ本末転倒もいいところだ。 それに、お菓子を食べている自分に気付けるサーヴァントは、お菓子を食べていようがいなかろうが最初から見抜いてくる。 逆に気づかないサーヴァントは音を聞いていても木々のざわめき程度にしか感じない。 気配遮断はだいたいがそういうスキルだ。 アサシン・クロメは楽観でもなく驕りでもなく、冷静に自分の能力を判断してそう結論づけた。 なぎさから指示があって十数分後。 中学校の屋上の上でお菓子をいつものペースで食べ続けているが、未だにアサシンが誰かに見つかった様子はない。 それもNPCだけでなく、至近距離に突然現れた、英霊と思わしき男にも、だ。 クロメがぽりぽりとお菓子をかじっていると、突然向かいの高等学校の校舎の屋上に男が現れた。 音もなく、まるで手品のように。『居ない』から『居る』に切り替わるように。 考えるまでもなく、サーヴァントだ。 霊体化して屋上まで登ってきて、ここで霊体化を解除した、というところか。 (殺せればいい人形なんだろうけど……そう甘くはいかないよねぇ) 相手は油断している。 油断している、が。 ここで斬りかかることはできない。 一撃で殺せると確定しているのならまだしも、彼の戦闘能力の一切わからない。 今こそ近代的な服装の壮年の男性の格好をしているが、装いなんてどうとでもなる。 武器だってアサシンの八房のように出したり消したりが自由自在なら見てくれなんて一切有益な情報足り得ない。 更にこちらに注意を払わずに油断しているのだってアサシンの持つスキル:気配遮断の賜だ。 動けば気配遮断は即座に解け、相手はこちらの存在に気づく。そうなればそこからはアサシンの苦手な『正々堂々』の始まりだ。 不用意に斬りかかってもこちらに利はない。 案外、この男は最初から『襲ってくる相手の返り討ち』を狙って姿を表しているのかもしれない。 (……分かりづらくて、面倒な戦争) ぽり、ともう一口クッキーをかじる。 相当の自信があるか、規格外の馬鹿か。 英霊として名を残している以上前者の可能性が遥かに高い。 そんな自信満々なサーヴァント相手に、非力なアサシンにどれほどの勝機があろうか。 (『これ』が上手く働いてくれるってことが分かっただけでもよし、かなぁ) 『気配遮断』。 最初に記したとおり、クロメの存在を隠すスキル。 かつ、個体によって不確定要素の強いスキル。 彼女の持つ気配遮断のランクはB、すなわち『気配を絶していれば他者からの発見は免れる』というもの。 気配を消すというのがどの程度のものかは分からなかったが、男性サーヴァントの反応を見るに息を潜めて目立つ場所に居なければまあよし、ということらしい。 実際現在、貯水タンクの影に隠れて息を潜めているだけでも見つかっていないのだから。 直接戦闘で勝ち目がなかろうと、このスキルを上手く使いこなすことができれば格段に『人形』が集めやすくなる。 (汚く、あざとく、みっともなく。今は襲うのはやめ。完璧な隙を見せたら、その時で) 視界の中に居てくれるならこれ以上のことはない。 じっと好機を待ち続ける。 相手が完全に意識を一点に集中した時、他者への攻撃態勢に入るようなことがあれば、その時に斬ってかかる。 英霊対英霊の華やかさなどみじんもない、根気比べの泥仕合。 分があるのは、相手の存在を一方的に感知できているアサシンの方だ。 この有利を消さないためにも、じっと様子を探り続ける。 (今回ばっかりは逃げられるのも仕方ない。手広くいって、楽そうなのから仕留めていこう) すでに数人のマスターの目星は付いている。 現在高等部の校門前に居る地面に着くほどに伸びきった金髪の二つ結びの少女。 私服で学校を訪れ、なにやら質問をするというのがNPCのルーチンの一部とは思えない。 おそらく、なんらかの情報を得るために、もしくは情報を得たから、高等学校に居るマスターについて直球で探りを入れに来た、というようなところだ。 そして、先ほど図書館方面に向かって全速力で走ってきたピンクブロンドの少女。 その隣に付き従う、絵本の中に出てくる『魔法少女』のような格好をした少女。 魔法少女の方には、遠目ながらはっきりと『人間離れした力』を感じる。 輝くような容姿もそうだし、周囲を警戒する所作もそうだし、纏っている魔力もまたそうだ。 (幸先いいね。このままさくっと何体か殺れればいいけど) 少女たちの顔覚えておく。 魔法少女を従えた少女は危険だ。 遠目で見てもわかるくらいには魔力の強いサーヴァントを携え、その少女を隠そうともせずに連れ回しているからには、好戦的な可能性が高い。 小さな少女は、保留。 サーヴァントがそばにいるかどうかが分からない。ひょっとすると別の場所にいるかもしれないし、そうじゃないかもしれない。 ただ、積極的な行動に出ている以上、なんらかの信念のようなものはあるはずだ。 そういう相手は手強い。心が決まっている分付け入る隙も少ない。 場合によってはこちらも、警戒が必要かもしれない。 ぱく。 今度は音がならない、饅頭のような菓子。 アサシンはいろいろなお菓子を食べながら、じわじわと動き出した大局を眺めていた。 【D-2/中学校の屋上/1日目 午前】 【アサシン(クロメ)@アカメが斬る!】 [状態]実体化(気配遮断)中 [装備]八房 [道具] [所持金] [思考・状況] 基本行動方針:聖杯を取る。 1.現状、マスターに不満はない。 2.アサシンらしく暗殺といった搦手で攻める。その為にも、骸人形が欲しい。 3.とりあえずおとなしく索敵。使えそうな主従を探す。 4.男(我望光明)の隙を伺う。 5.見つけたマスター候補の情報を山田なぎさへ。 [備考] ※双葉杏をマスター(仮)として記憶しました。 江ノ島盾子&ランサー(姫河小雪)を確認しました。ランサーはスノーホワイト状態だったため変身前の姿は知りません。 側にサーヴァントの居なかった大井・星輝子はスルーしています。 ※アーチャー(我望光明)を確認しています。戦力が不明なため、こちらから斬りかかることは今はまだありません。 ※八房の骸人形のストックは零です。 ※気配遮断が相まってかなり見つけられにくいです。同ランクより上の索敵持ちで発見の機会を得られます。 【D-2/高等学校の屋上/1日目 午前】 【アーチャー(我望光明)@仮面ライダーフォーゼ】 [状態]実体化 [装備]サジタリウスのゾディアーツスイッチ [道具]理事長時代のスーツ姿 [思考・状況] 基本行動方針:聖杯を得る 1.大井との距離を保ちつつ索敵。双葉杏の監視。 2.フェイト・テスタロッサが現れた場合、大井に連絡を入れる。 [備考] ※双葉杏=マスターであるとしています。時間の前後により諸星きらりと江ノ島盾子は見てない可能性が高いです。 ※アサシン(クロメ)と近い位置に居ますが存在に気付いていません。(菓子の咀嚼音も距離のこともあり届いていません) ただ、アサシンが不用意に近づいたり、臨戦態勢に入ったりすれば気配遮断の効果が切れて気づきます。 ◇◆◆◇ 『どうしよう』 『どうすればいいんだろう』 『バーサーカーを助けたいのに』 『元居た世界に帰りたいのに』 『方法がわからない』 『どうしよう』 『どうすればいいんだろう』 少女の頭のなかに、招待状が、鳴り止まず届き続けていた。 ◇◆◆◇ どうしよう。 どうすればいいんだろう。 とろけたような頭。おぼつかない足取り。ふわふわとした、悪夢の続きのような感覚に陥る。 諸星きらりは図書館を出て、そんな気分の悪い夢心地で道を歩いていた。 どうすればいいのか、まったく分からない。 フェイト・テスタロッサを捕まえれば、聖杯戦争が止まるかもしれない。 でも、それはきらり自身がフェイトを追い回す側にまわるということを意味している。 苦い思い出が、胃の痛みとともに蘇ってくる。 何の理由もなく追い回すなんて、そんなことだけは、したくなかった。 たとえわがままだとしても、きらりはフェイトを捕まえて、ルーラーが言ったように『誰か』に渡すなんてしたくなかった。 「どうしよっか……」 バーサーカーは何も言わない。 きらりのわがままに、ただついてきてくれる。 何も言わずについてきてくれる。 それはありがたいことでもあったし、少しだけ、心細くもあった。 行く場所がない。 帰る場所もない。 この広い世界で、やっぱりきらりはひとりぼっちなんじゃないか。 そんな気がして、少しだけ泣きそうになって、それをこらえてを繰り返していた。 図書館の近くに居るのは嫌だった。 あの場に居続けると、あの、不気味な世界に飲み込まれてしまいそうな気がした。 学校も近いから、できれば離れたい。 そう思って、とりあえず(地図上D-3に位置する)小道を歩いていた。 おぼつかない足取りで、なんでもない段差に足をつっかけて転んでしまう。 べたんとみっともない音を立てて少女は道路に倒れこむ。 足音。 足音。 足音。 すれ違う声と声。 起こしてくれる人はいなかった。 じっと見つめたアスファルト。 きらりの眼前に影が落ちて深い灰色を更に濃く染める。 地面がきらりからあたたかさを奪っていく。 まるで、きらりのまわりにだけ雨が降っているみたいに、目の前は薄暗く、心は冷たくなっていくようだった。 「諸星、さん?」 転んだまま立ち上がれず、俯いていたきらりの遥か後方から。 来た道の道から、名前を呼ぶ声がする。 声の主に覚えはない。 この世界に来て、きらりと友好的に接する人なんて数えるほども居なかった。 じゃあ、悪い人だろうか。 おっかなびっくり顔をあげると、街路樹が添えられたなんともない道路の奥に、眩しいピンクブロンドの髪を両サイドで纏めた少女とふわふわきらきらした少女が立っていた。 どちらも、見覚えのない人だった。 ピンクの方の人はこの聖杯戦争の舞台に来るより前に、カリスマギャルモデルとして紹介されていた城ヶ崎美嘉に似ているような気がしたが、別人だった。 そもそも、城ヶ崎美嘉ときらりは知り合いじゃないから名前を呼ばれることなんてない。 ふわふわとした服の人は、言葉じゃ言い表せないくらい、可愛らしい女の子だった。 ただ、気のせいかもしれないが、文字が重なって見えるような気がした。 「だ、だぁれ……?」 きらりがおずおずと、尋ねる。 顔も見えないピンク髪の少女はすこしばかり身を震わせると。 「諸星さん!!」 叫びながら、きらりの方に走ってきた。 突然の出来事に、すこしだけ身構える。 しかし、その少女がもたらしたのは、この舞台に来てからずっときらりを苛み続けた悪意ではなかった。 「よかった、よかったよぉ!!」 「諸星さん、なにかあったんじゃないかって!」 「よかったぁ、諸星さん、諸星さん!」 へたり込んでいるきらりに、見知らぬ少女が抱きつく。 抱きすがり、おいおいと泣きながらきらりの名前と、安堵の言葉をこぼし続ける。 きらりの大きな身体と小さな心が、優しいぬくもりに包まれる。 久々に感じた誰かの優しさは、じんわりと心まで染み込んでくるようだった。 泣くまいと決めていたけど、やっぱりきらりには無理だった。 きらりはその少女を抱きしめて、決して怪我させないように優しく、だけど暖かさを逃がさないように力強く抱きしめて。 誰かもわからない女の子と声を合わせておいおい泣きじゃくった。 そうして、少し二人で泣きに泣いて。 道を行き交う人々が怪訝な瞳で見つめているのに気付いて。 とりあえず場所を移そうということになった。 道中、なんとなく気恥ずかしくなって話すきっかけを掴みあぐねていたが、それでもなんとかきらりの方から切り出せた。 「……あの、あなた、だれ? きらりのこと知ってゆの?」 「覚えてない? 私、高校で、諸星さんと同級生で……」 高校で、と言ったところで少女が慌てて口をつぐむ。 そして小さく『ごめんなさい』と言った。 「高校のこと、思い出したくないよね……ごめんなさい、私ったら……」 「あ、あっ、いいよ、いいよぅ! 気にしないで!!」 謝罪する少女にぶんぶん手を振ってみせる。 確かに、きらりにとって高校でのあれこれはほとんどすべて思い出したくないことだ。 でも、他の人に気を使わせちゃうのはよくないことだ。きらりもそこはしっかりわかっている。 「あの事件、もしかしたら、サーヴァントが関わってるんじゃないかって思って…… それで、諸星さんが、諸星さんが誰かに襲われちゃったんじゃないかって」 今にも再び泣き出しそうな少女の口から飛び出した『サーヴァント』という単語に、きらりの心臓が跳ね上がる。 その単語を知っているのは聖杯戦争の参加者以外に居ないはずだ。 まさか、目の前の少女は参加者で、きらりと戦いに来たのだろうか。 どうしようどうしようとぐるぐる頭のなかで問いを回していると、きらりの様子を見て察したのか、少女の方からそのことについて切り出してくれた。 「あ、心配しないで! 私、そんな、戦ったりとかできないし…… それに、私のサーヴァントはこの子で、なんにも悪いこととかしないから!! そこは大丈夫!! オッケー! 超安心! 絶望的非暴力不服従って奴? うぷぷ」 紹介されたサーヴァントは、何故か苦虫を噛み潰したような顔をしている。 ステータスが見える。どうやらランサーのサーヴァントらしい。 襲ってくるような様子はない。少女の言うように友好的な人なんだろうか。 「あ、あの、諸星きらりです!!」 「……どうも」 怯えた心を吹き飛ばすようにきらりが力強く会釈をすると、ランサーと呼ばれた少女も会釈を返してきた。 「とにかく、こんなところにいたら目立っちゃうから、とりあえず移動しよう」 ピンク色の少女がきらりの手を引いて歩き出す。 つないだ手を通じて、暖かさが胸の内側に流れ込んでくる。 きらりは、ほんの少しだけ、彼女にばれないように、小粒の涙を流した。 ◇◆◆◇ 先ほどまで這いつくばっていた道をしばらく急ぎ足で進み。 大通りから路地に入り込み、メインストリートからは少し離れた、細く狭い道を歩きながら声を掛け合う。 「どこに行こっか。諸星さん、どこか行きたい場所、ある?」 「んーとね……きらりはね、この聖杯戦争の舞台よりもね、もっともぉーっと、遠いところに行きたいの」 「それは……今はちょっと無理じゃないかな。ひとまずそれは最後の目標にして、いまからどこかに行きたいとかってない?」 「……あ、じゃあ、きらりのお家、くる? きらりのお家、ここをまーっすぐ行ったところにあるんだにぃ☆」 和気藹々としたやりとり。 今が戦争中だということを忘れさせてくれそうな、綺麗なガラス球のような日常。 光を取り込んでプリズムが輝くように、きらりの心は名も知らぬ少女という光のお陰で輝きを取り戻せていた。 そこで気付き、足を止める。 「……どうしたの、諸星さん?」 「ねえ、あのね。えっとね」 おずおずと切り出す。 「もし、もし、もう聞いてるのにきらりが忘れちゃってたんだったら、ごめんね……? お名前、なんて言うのかなって、思って……」 ようやく聞けた。 いつまでも『あの女の子』『ピンク色の少女』じゃ格好がつかない。 せっかく友だちになれたのだから、名前はもちろん知っておきたい。 きらりの問いかけを聞いた少女は、待ってましたとばかりにこう答える。 「私? 私の名前は―――」 少女が手を払って、くるりと一回、踊るように回ってきらりの方に向き直る。 そして、満面の笑みで名乗った。 「―――エノシマ。江ノ島盾子ちゃんだよ」 にいっと、口の端を吊り上げて作り上げられる、今までに見たことないほどの快笑。 きらりはその笑みを見て、久しぶりに、心の底から暖かくなるような感覚を覚えた。 たまらず、元気な声で自己紹介を返す。 「そっか! きらりはねーぇ、諸星きらりだよぉ! よろしくね、盾子ちゃん!」 「うん、よろしくね、諸星―――ううん、きらりちゃん!」 二人で笑い合う。 涙の跡なんか消し飛ばしてしまえるくらい力強く笑い合う。 きらりは久しぶりに、笑顔になれた。 一人ぼっちだと、辛かったけど。 二人なら、頑張れる気がした。 きらりの心に少しだけ、希望が湧いてきた。 ◇◆◆◇ 横並びに道を歩く三人の少女。 左端の少女の涙のあとに浮かぶ明るい笑顔。 真ん中の少女の突き抜けたような朗らかな笑顔。 右端の少女の■■を■■■■■■■■■ような、■愉快そうな表情。 ■■は砂糖の右側に。 少女はまだ、気づかない。 空欄をまだ埋められない。 【D-3/諸星きらりの家への道/1日目 午前】 【諸星きらり@アイドルマスターシンデレラガールズ(アニメ版)】 [状態]精神的疲労(軽)、魔力消費(中)、希望(微) [令呪]残り二画 [装備]なし [道具]なし [所持金]不明 [思考・状況] 基本行動方針:バーサーカーを元に戻し、元の世界へと戻りたい 1.盾子ちゃん! 2.いったん家に帰ろうかな……? [備考] ※D-4に諸星きらりの家があります。 ※江ノ島盾子&ランサー(姫河小雪)を確認しました。そして、江ノ島盾子を信用しています。 ※三画以上の令呪による命令によって狂化を解除できる可能性を知りました(真実とは限りません) ※フェイト・テスタロッサの捕獲による聖杯戦争中断の可能性を知りました(真実とは限りません) ※ルーラーの姿を確認しました ※掲示板が自分の話題で賑わっていることは未だ知りません 【悠久山安慈@るろうに剣心(旧漫画版)】 [状態]霊体化 [装備]なし [道具]なし [思考・状況] 基本行動方針:??? [備考] ※雪華綺晶の存在を確認しました、再会時には再び襲いに行く可能性があります。 ※江ノ島盾子&ランサー(姫河小雪)を確認しました。 スキル『こころやさしいひと』の効果できらりの精神の安定に江ノ島盾子&ランサーが役に立っていると察知しイレギュラーが発生。狂化中ですが敵意を向けられない限りこの二人を襲いません。 ◆◇ 諸星きらりを発見する数十分前。 家を出る直前に、江ノ島盾子はランサーに唐突にこう言った。 「その魔法さ、ほんと極悪だけど、無敵じゃないよね」 言いたいことが分からない、とランサーが言うと江ノ島盾子はそれはもう楽しそうに口を釣り上げて笑った。 その笑顔と来たら、人助けに尽力してきたランサーが見たこともないほどの満面の笑みだった。 「気になるなら、ついてくれば? ただし、条件が一つ」 提示された条件は『魔法少女状態で実体化すること』。 他者に発見されて戦闘に巻き込まれることを期待しているのか。それとも別の狙いがあるのか。 どちらにせよ、実体化していられるというのはランサーにとっても願っても見ない条件だった。 ランサーはその魔法によってかなり広範囲の困った人の声が聞こえる。 江ノ島盾子の知らない情報を手に入れられる、というのはそれだけでこの絶望少女を出し抜けるアドバンテージになる。 そのことに気取られないよう気のない素振りをしながら、ふいとランサーは問いかけを返した。 「……どこに行くつもりですか?」 「諸星きらりに会いに行くに決まってんじゃん!!! きらりんをきらきらいっとうしょー☆の一番星にしてあげるのが私達の役目でしょー?」 「……諸星きらりの居場所がわかるんですか」 実体化し、魔法少女に変身して尋ねる。 江ノ島盾子はどこからか取り出した伊達眼鏡をかけて流れるように説明を始めた。 「いいでしょう説明しましょう。諸星きらりの行動は三つほど予測できます。 まずいちばん可能性が高いのは籠城の可能性。これは場所が割れない限り他者に襲われないという利点があります。 諸星きらりの性格を考えた結果、掲示板、それも私様のスレを確認していた場合、それを差し引いても彼女が聖杯戦争という催し自体に恐怖を抱いていた場合など。 そういった条件を鑑みればこれが一番可能性が高いというのは自明の理だとわかるはずです。 次に可能性が高いのが『図書館に向かう』という行動。これには『ルーラーの所在地が明かされた』+『掲示板の書き込み』という環境の変化が起因しています。 所在地の明かされたルーラーに掲示板の書き込みの削除を申し込みに行く可能性。所在地の明かされたルーラーに殺人事件の隠蔽を申し込みに行く可能性。 これもまた、諸星きらりの性格を考えれば同じくらい可能性が高いと言えます。 そして最後が聖杯戦争が始まったにもかかわらず街をぶらつく可能性。この選択肢を選ぶ時点で諸星きらりは自分の立場を理解できていないと判断できます。 この場合は学校以外の場所を虱潰しに歩きまわる、ということになるので今後の行動を考える上での優先度は最下位と考えられます」 「以上を踏まえて、私様が考えた行動は一つ。まずは一番近い図書館に行き、不在を確認した後でD-3地区にある諸星きらりの自宅へ向かうというものです!」 「……これなら、二つの可能性を……一気に試行出来るし……一挙両得……ふふふ」 2秒弱で言い切って、おどおどした言い方をしながらもふんぞり返る。 少々呆気に取られたランサーを見ながら、更にふんぞりがえって、そりゃもうブリッジの体勢になるんじゃないかというくらいふんぞりがえった。 「あれwwwww聞き込みってもしかして事件について話聞いて回るだけだと思っちゃったの?wwwwマジウケるwwww」 「先生騙くらかして住所聞き出したり、クラスメイトそそのかして連絡網ゲットしたり、そういうのもちゃあああああんと調査済みに決まってんでしょ!!」 「せっかく面白そうなネタなのに、なんで中途半端で終わらせる必要があるんですか。あたりまえだよなぁ?」 どうやら、そこまで手回しをしていたらしい。 抜け目のない少女だ。 廻るのは口だけではない、ということか。 江ノ島盾子ころころとキャラを変えながら、玄関の戸を開ける。 定まらないキャラクター性とは裏腹に、その動作には一切のゆらぎも感じない。 ランサーは多少警戒しながらも、条件通り実体化してついていくことにした。 ◆◇ 出発から数十分後。 果たして、江ノ島盾子の読み通り、彼女たちは諸星きらりを発見した。 きらりに対して屈託のない笑顔をふりまく傍で、江ノ島盾子はランサーに念話で語りかける。 (似てた?) 『……なにが』 (えー? 似てない? 今のキャラ、夢で見た姫河小雪ちゃんをイメージしてやってみたんだけどさぁ!) あきらかにこちら側の神経を逆なでするための一言。 飽き性のくせに、余計なことをやって。 すぐに化けの皮が剥がれて、醜態を晒すことになるだろうと思ったが思考の先読みでもしたのか、江ノ島盾子は聞いてもいない説明を始めた。 (あー、あっあっあー、そっかそっか! ランサーちゃん知らないんだよねぇ!) (『うぷぷ、ボクはねぇ、他人の、絶望した顔を見るためだったらさぁ? なんとぉ! 一時間でも、一日でも、一ヶ月でも、なんなら一年だって、猫を被っていられる!!! ……気がする!!』) 新事実。だが、どこまで本当かはわからない。 もしかしたら口からでまかせかもしれないし、キャラクターに絶望的に飽きやすいという『設定』自体が違うのかもしれない。 ただ、この少女はどんなことに関しても、おおよそ全ての計画を破綻させ、おおよそ全ての虚言妄言を実行しかねない。 短いつきあいのランサーでもそれだけははっきりわかっていた。 (『まぁ、途中で飽きることとか、気分が変わって計画を変えちゃうこともあるよ。女心とクマの綿って言うしね。 それでも、他人の絶望した姿を見るために飽き飽きしてる個性を演じ続けるってさ』) (絶ッッッ望ぅぅ的にぃぃぃいいい!!! エクスタシーもんでしょおおおぉぉおおおーーーー!!!!) (なあんちゃって、『クマー』) けたたましく喚き散らした後、なんのキャラ付けかクマーとつぶやく。 ランサーは、表面ではきらりに優しく声をかけ続け、念話ではランサーを煽りまくる。 器用なものだと皮肉ってやろうかとも思ったが、ランサーはそれどころではなかった。 なぜなら、江ノ島盾子の言葉の意味と、彼女が仕掛けた爆弾に、遅まきながら気付いてしまったから。 (おやおやおやおや、なんだか何か言いたげだね) (ちょうどいいや、聞かせてよ。アンタも気付いてるんでしょ? 私の言いたかったこと。 『極悪な能力だけど無敵ではない』って言葉の、その理由) その問いかけに、ランサーは言葉を濁した。 ランサーが諸星きらりの存在に気付いたのはほぼ必然というべきめぐり合わせだった。 彼女の持つ『困った人の声が聞こえるよ』というスキル。 どんな相手の心の声も余さず聞き届ける事のできる魔法少女に与えられた無二の魔法。 その能力が、現在会場内でトップを争うほどに困っているきらりの声をランサーに届けないはずがなかった。 聞こえたし、わかった。 諸星きらりがこの上なく困っていることがわかった。 そして、諸星きらりが『望んでいる参加者』じゃないことがわかった。 一度は『クロ』だと言い切った相手。 だが、その心では自身の英霊であるバーサーカーの救済と、元いた世界に帰ることを望み続けていた。 小さな子どものように、困ったよう、困ったよう、と今にも泣き出しそうな声で叫び続けていた。 そして初対面は、並木道の真ん中でこけても立ち上がれない程に打ちのめされた諸星きらりの姿。 その声を聞いた瞬間に理解した。 『間接的に情報だけを与えられた状態では、心は読めない』。 当然だ。写真、文章、データ、そんな集められただけの情報に心なんか宿らないのだから。 それは数々の修羅場をくぐり抜けて来た時点でわかっている。 相手と向き合い、心の声が聞こえれば相手の思考なんて百発百中で当ててみせるが、そうじゃなければランサーが状況から判断する以外ない。 無敵じゃない、とはつまりこのことだろう。 江ノ島盾子はなんらかの推論から『諸星きらりはシロである』と確信しており、ランサーの間違いをわざわざ証明するためにランサーを実体化させた。 更に言えば、無敵じゃない理由について江ノ島盾子と話していてもう一つ気づいた。 江ノ島盾子は無意識か、あるいは意識してなのかランサーの読心に対策を打っている。 対策とはずばり、『包み隠さず話すこと』。 (こうしたい)→(それを知られては困る)という過程を経て、相手の行動を予測できるランサーに対して順応していた。 つまり、思ったこと全部真実を話して本人に後ろ暗いことがなければ心を読まれて困ることなどない。 相手を蹴るときに「今から右足で蹴る」と宣言すれば心を読まれようが関係ない。 どんな悪巧みでも「こういった手順でこういった悪事を働くよ」と事前に説明すれば後ろ暗いことなどない。 さらに言えば、スノーホワイトが生前使っていたようなあえて質問をして相手から情報を引き出すという技も、逐一事実を説明していればする必要がない。 江ノ島盾子はそうやって、『困った人の声が聞こえる』という説明から読心のメカニズムを理解して、最も効率的な対策を打ってきていた。 なんとも嫌味な人間だ、と毒づきたくなるが、ぐっとこらえていると、江ノ島盾子は火が突いたように手を変えキャラを変えまくしたて始めた。 (さて、私様の言う『弱点』が分かったんだったら……その先にある私様の言いたかったことも、ちゃあんとわかってくれてますよね? まさか私様がメッチャやさしみを込めて弱点だけ教えてあげたとは思わないでしょう?) (まぁ、わかってますよね……だってランサーさん……倒れてるきらりちゃんを私が助けた時……) (貴女、『しまった!!』って顔をしてましたわね!) (私様を出し抜こうなんて、百万光年早いんだよなああああああああああ!!!!) (ねえ、姫河小雪ちゃん。教えてよ。この子、どぉんな声、出してたの?) (困った困ったって泣いてたに違ぇねぇべ! 俺の占いは三割当たるべ!! ……ん、これ違う?) (……しまった、光年は時間じゃない、距離だ!) (それで、ランサー) (困った困ったって泣いてるきらりちゃん、アンタはどうするつもりなの?) 江ノ島盾子の一言が、ついに核心を突く。 ◆◇ ランサーは。 スノーホワイトは。 姫河小雪は。 困っている誰かを助けてあげたいという、同業者にすら甘っちょろいと笑われてしまう理想を胸に英霊の頂まで上り詰めたサーヴァントだ。 森の音楽家クラムベリーの試験を様々な犠牲のもとに生き抜かされ。 魔法の国から後ろ指をさされようともおのが信念を貫き。 『魔法少女狩り』の異名を背負わされてまで強さへの狂信に身を落とした魔法少女と戦い。 悪に立ち向かう強い心と心を貫く強い力を手にし。 優しい魔法少女らしいと誇っていた『困っている人の声が聞こえる』能力を不意打ちや詐術に使えるようになってしまい。 性格も、ほわほわとした白うさぎのような優しいものからは想像できないほどスれてしまい。 様々なものを得て、様々なものを失って。 様々な人と出会い、様々な人と別れ。 様々な人を救い、それ以上の人々を救えず。 中学生のあの日から、英霊の座に至るその日まで。いや、この戦争に呼び出されても。 彼女の中心、存在の『芯』とも言うべき部分、本質は変わっていない。 困っている人を助けたい。 泣いている人にハンカチを渡してあげるような。 重い荷物を代わりに背負ってあげるような。 落し物をした人に落し物を届けてあげるような。 数々の事件のせいで幾分ハードにコーティングされてしまったが、そんななんともない優しさこそが彼女の根本だ。 諸星きらりの声を聞いて、ランサーは全てを理解していた。 諸星きらりがうずくまっている姿を見て、理解が思い込みではなく事実であると確信した。 諸星きらりは善人だ。どうしようもない善人だ。なにかに巻き込まれ、聖杯戦争に参加させられている『被害者』だ。 確信し、どう動くべきか迷った。 江ノ島盾子が令呪を用いてランサーにきらりを襲わせる可能性がある以上、素早く逃げるように促すべきか。 彼女が善人であると分かったならば、掲示板の悪行の主が江ノ島盾子のせいだ伝えるべきか。 それよりも、あの殺人事件の真相を彼女の口から効くべきか。 何よりもまず彼女の願いに手を差し伸べてあげるべきか。 どんな悪者にも負けないために鍛え上げた魔法少女の魂も、『心の声』の更に先にある不意打ちには対処できない。 予想外の出来事で、ランサーの心は一瞬だけ揺らいでしまう。 その一瞬の動揺が水面下の勝負を決着づけた。 ランサーの一瞬の虚を突いて、盾子は素早く、そして的確に諸星きらりの懐に入って彼女の信頼を得てしまった。 それは鮮やかで。華やかで。呆れるほどに、彼女の言葉を借りるならば『絶望的に』、見事な手口。 仮に超高校級のアイドルなんてのが居たとしても、そんな子でも裸足で逃げ出す演技力だったろう。 精も根も尽き果てた様子の諸星きらりに寄り添い、彼女の精神の添え木となり、折れかかっていた彼女の心を支え直した。 見事、彼女の困った声を一発でやませた。 だが、ランサーにはその行動のすべてが、ある方向を目指しているとわかっている。 そしてそれが諸星きらりの目指す方向ではなく、真逆の方向であるのも理解している。 彼女がそんなことをする理由なんてランサーと諸星きらりに絶望を与えるため以外に考えられない。 つまり、まんまと出し抜かれたのだ。出会いの一件以来再び、この絶望的に絶望を愛する少女に。 後はあれよあれよというまに江ノ島盾子のペースだ。 苛立ちを覚えるが、なにもできない。 ずしんと鉛のような、ほの暗い感情が、ランサーの心中の奥深くに陣取り、反撃の気力を削いでいる。 『諸星きらりの無実を証明』し、『その上で諸星きらりの精神的支柱となる』という一手が奇手すぎた。 この一手は、大きな意味を持っている。 少なくともあの時。 二人が出会ったあの名前も知らない死体の前での問答を知っているのならば。 江ノ島盾子のこの行動に隠された意味が理解できる。 (ねえ、小雪ちゃぁん。この状況って、あの時のやつに似てるよねぇ?) 不意にランサーの方を向き、すべてを見透かしたような声と満面の笑みでそう尋ねる。 その問は、姫河小雪と江ノ島盾子のパラドクス。 希望と絶望のコンフリクト。 (ちょうどいい! 聞いてみたかったんだぁー! あの時の質問、ランサーちゃんならどんな答えを出してくれるのかなぁーって?) (問題!! 例えばこれから、江ノ島盾子ちゃんのことがとっても大好きな諸星きらりちゃんが、なにかに絶望して死んだとして、その時、『彼女を殺したのは誰』?) 江ノ島盾子の口から放たれた問い。 それはまさしく、二人が出会ったあの時の問答の再現。 ランサーが「殺したのか」と問うた時、盾子は「背中を押しただけだ」という長回しをきっかり三秒で説明してみせた。 あんなのは詭弁だ。江ノ島盾子だってそのくらい気付いている。 だから今、江ノ島盾子は試している。 ランサーに同じ命題を突きつけて、ランサーにその問の答えを導き出させようとしている。 仮に諸星きらりに対して江ノ島盾子の悪事を伝え警戒を促せば、江ノ島盾子を心の支えにしている以上諸星きらりの心は確実に折れる。 再起不能になり、あの子供のように(ビルから飛び降りて死んだ名も知らぬ子供のように)自殺してしまうかもしれない。 その点について理解した上で、ランサー―――『姫河小雪』はこの状況でどう動くのか。 江ノ島盾子は。 超高校級の絶望はそれを尋ねている。 (さて、私様の行動を察知できず、止められなかった哀れなランサーちゃんにネクストクエスチョン。 答え次第では一発逆転もあるかもよ? 張り切って行ってみよう!) (……あなたは、背中を押せない優しい優しい小雪ちゃん? とっても困ってる優しい優しいきらりちゃんのためにアタシという巨悪の跋扈を許す優しい優しい小雪ちゃん?) (……それとも、背中を押せる優しい優しい小雪ちゃん? 他の参加者のために、優しい優しいきらりちゃんの心をへし折って屋上から突き落としてでもアタシを止められる優しい優しい小雪ちゃん?) 前者を選べば、一人の善人を救い、不特定多数の他人が死ぬ。 江ノ島盾子の『殺人』をやはり殺人であるとし、殺人を犯さず諸星きらりを救う代わりに江ノ島盾子が今後積み重ねる悪行を止める機会を失う。 後者を選べば、不特定多数の他人を救い、一人の善人を殺す。 江ノ島盾子の『殺人』を背中を押しただけだとし、江ノ島盾子の悪行を未然に一つ食い止める代わりに結果として諸星きらりという善人が死ぬ。 どちらを選ぼうと、結果は――― (あれちょっと待って!? どおっちにしろ、人死んじゃってる気がする! あれあれ、まさかまさかの魔法少女血みどろ計画Restart!? ウッソそれってつまり新しい姫河小雪ちゃんの誕生じゃない!!! 今夜はお赤飯だねぇっ!! んキャハぁっ☆ ハッピーバースデー、新しい姫河小雪ちゃあああああああああああん!!!!) 念話でげらげらと高笑いをする。 本当に、他人の癪に障るのが生きがいのような人物だ、とランサーは歯噛みしながら思った。 (ねぇ、ランサー) (気付いてないかもしれないから教えてあげるね。アンタ今、すっごくいい顔してるよ) 悪魔が笑う。 ランサーは臍を噛んだ。 それしかできなかった。 ◇◆◆◇ 横並びに道を歩く三人の少女。 左端の少女の涙のあとに浮かぶ明るい笑顔。 真ん中の少女の突き抜けたような朗らかな笑顔。 右端の少女の苦渋をしこたま飲まされたような、不愉快そうな表情。 絶望は砂糖の右側に。 【D-3/諸星きらりへの道の途中/1日目 午前】 【江ノ島盾子@ダンガンロンパシリーズ】 [状態]健康、涙で化粧が流れてる、小雪ちゃん(魔法少女育成計画最序盤)の真似中 [令呪]残り三画 [装備]なし [道具]なし [所持金]大金+5000円分の電子マネー(電子マネーは携帯を取り戻すまで使用できません) [思考・状況] 基本行動方針:絶望を振りまく 1.諸星きらりをプロデュース! 2.放課後になったら、蜂屋あいと会う 3.ケータイ欲しい……ケータイ欲しくない? [備考] ※諸星きらりを確認しました。彼女の自宅の位置・電話番号・性格なども事前確認済みです。彼女が掲示板に目を通してないことも考察済みです。 ※自身の最後の書き込み以降のスレは確認できません。 ※数十分、もしくは数時間、あるいは数日、ひょっとしたら数年は同じキャラを演じ続けられるかもしれませんし、続けられないかもしれません。 ※ランサーのスキル『困った人の心の声が聞こえるよ』に対して順応しています。順応に気付いているかいないかは不明です。動揺しない限り尻尾を掴まれることはないかもしれません。あるかもしれません。 【ランサー(姫河小雪)@魔法少女育成計画】 [状態]実体化中、健康、絶望(微) [装備]ルーラ [道具]四次元袋 [所持金]なし [思考・状況] 基本行動方針:出来る限り犠牲を出さずに聖杯戦争を終わらせる。 1.江ノ島盾子と蜂屋あいの再会時に蜂屋あいのサーヴァントを仕留める。 2.出来ることなら、諸星きらりに手を貸してあげたい。 [備考] ※江ノ島盾子がスキル『困った人の心の声が聞こえるよ』に対応していることに気づきました。 ※諸星きらりの声(『バーサーカーを助けたい』『元いた世界に帰りたい』)を聞きました。 彼女が善人であることを確信しました。 ◆? "When I was a little girl, (私が小さな頃のこと About seven years old, 7つくらいの頃のこと I hadn't got a petticoat, 私はペチコートを持ってなくて To keep me from the cold." 寒くてしょうがなかったの) "So I went into Darlington, (だから私はダーリントンへ That pretty little town, あの小さくてきれいな街へ And there I bought a petticoat, そうして私はペチコートと A cloak, and a gown," マントとガウンを買ってきた) "I went into the woods (わたしは森のなかへ入って And built me a kirk, そこに教会を作ることにした And all the birds of the air, 森中の鳥さんたちが They helped me to work." 私を手伝ってくれたわ) "The hawk, with his long claws, (鷹は長くて鋭い爪で Pulled down the stone, 石を次々切っていって The dove, with her rough bill, 鳩は逞しいくちばしで Brought me them home." 石を次々運んでくれたの) "The parrot was the clergyman, (オウムは司祭の代わりになって The peacock was the clerk, 孔雀は牧師の代わりになって The bullfinch played the organ, ウソがオルガン響かせて And we made merry work." 皆で賛美歌を歌ったわ) 「素晴らしい、また新しい神様が二人生まれたわけだ」 「え? なんでそう言えるのかって?」 「君は創造力が貧困なんだろうね。生きてて死にたくならないかい?」 ◆? 「世界なんて、そんな大したもんじゃないんだ」 往来を行き来するオークのような生物を眺めながら、少女がつぶやく。 墓標のようにそびえ立ったビルのガラスがくすくす笑う。 「皆ありがたがってるけどさ……例えばそこに石ころがあったとして、石ころに蟻が乗ってた。 不思議なことに石が空中に浮き上がって蟻は石ころから離れられなくなった。 そうすれば、蟻にとっての八方ふさがりが生まれる。それで世界が出来上がる。くだんないでしょ?」 オークの正面に巨大な蟻が現れる。 突然現れた蟻の体を、街の人々がよってたかって千切り崩していく。 蟻の体からこぼれた体液がくすくす笑う。 「他に必要な物があるとすれば、観測者かな。 石ころを浮かせる役。蟻を閉じ込めようと企む奴。そして、蟻以外に蟻の世界を認めてやる者。広義的に言うなら、いわゆる神サマってやつがそれ」 くすくす笑う。 くすくす笑う。 くすくす笑う。 「サチコは、石ころの存在に気付いてしまった哀れな蟻ん子さ。 大地への郷里の慕に駆られ、必死に石ころから飛び出そうとしてる。よくやるよ、無駄だって薄々感づいてるだろうに」 『くすくす。それがこの『世界』のお話ですか?』 少女が指をつい、と動かすと、山が凹んで窪地に変わった。 とくとくと体液が流れこんでいく。湖が出来上がる。 湖に映るのは、きれいな色のロリータドレスを身に纏った可愛い可愛いお人形。 「ここの完成はまだまだ時間がかかりそうだよ。別の場所で遊んできたらどうかな」 少女―――創造主(クリエイター)のサーヴァント・クリシュナは、ルーラー・雪華綺晶にそう告げた。 彼女にしては珍しい、毒突くでもなく、気遣うでもなく、当然といわんばかりの声色だった。 『クリエイター様のようなことをする方は特殊ですので。見ておく必要があるかと』 どこまで本音かわからない言葉。 しかしクリエイターは特に気にせず、さらりと流した。 「へえ、仕事熱心なんだね。マスターじゃなくてわざわざ僕のところに来るなんて」 湖の縁に人々が集まり、やたらめったらに踊り狂う。 意味なんてない。そうしたいからそうする。人間らしい動作じゃないか。 踊り狂う人々をそのまま踊らせ続けながら、クリエイターは鏡のように美しくきらめく水面に、水面の向こう側のルーラーに向き合った。 「で、それは誰が考えたの」 不意に。 クリエイターが湖越しのルーラーに問いかける。 『誰が、何を?』 ルーラーはあどけない顔で問い返す。 「話の続きだ。この世界が石ころで、サチコがかわいそうな蟻ん子ちゃんだとしたら、石ころを浮かしてるのは誰だ。 サチコのことを認めてやってるのは誰だ。この世界の神様ってやつはなんのためにこんなことをする? ねえ、君……君じゃないよね。君みたいな空っぽの器は、そんな器じゃなさそうだ」 『それを知ってどうするのです?』 「別に、どうも。必要なら神様の先輩として、助言の一つでもあげるけど? そのために君が来たんじゃないの?」 ぽ、と花が咲く。 次から次へと花を咲かせ、右から左への道を作る。 湖から街へと通じる道が出来上がった。 「ハートの女王に逢いたいのなら、ちゃんとうさぎを追うべきですわ」 くすくす。取ってつけたような笑い声。 「僕に、兎狩りをしろって?」 『ええそうです。なぜなら貴女様はこの世界の『神様』ではないのですもの』 「それは誰の言葉?」 『私の言葉は私の言葉、ですわ』 くすくす。世界の中に響き渡る笑い声。 『貴女様は呼び出されてしまったかわいそうなお人形さんの一人。 お人形さんは、ご主人様の望むとおりに動くのがお仕事。そうでしょう? お人形さん、お人形さん。兎狩りの時間です。ハートの女王はお冠。チクタクチクタク兎を追って、不思議な国に向かいましょう』 ルーラーが歌い出す。無垢な少女のように、可愛らしく。 クリエイターは少しだけ心外そうに、語気を少し強めてまくしたてた。 「はは、言ってくれるじゃないか。自分だって、他人の未完成な部分を見つけてあざ笑いあげつらうばっかりの未完成なお人形さんのくせに」 『かわいそうなお人形さん。こんなおもちゃの世界に閉じこもって、外の世界が怖いから』 クリエイターが売り言葉を叩きつければ、ルーラーは歌うように答える。 先ほどまで噛み合っていたのが嘘のように、大きく食い違い始める。 『おもちゃの世界で一等賞。外の世界の貴女はだあれ。望みはなあに、貴女はだあれ、貴女の見ている私はだあれ』 「君は自分が思ってるほど清廉潔癖じゃないよ。被造物ってのは、突き詰めれば『煮詰められた人間のエゴ』だ。 華奢な器に押し込められて綺麗なフリルでラッピングしたところで腐った中身と漏れだす臭いは消せない。 今度はもっと声を上げて笑ってみなよ。下品な方がお似合いだよ。お人形さん」 クリエイターが言葉とともに、水面に花束を投げつける。 花束が打ち付けられて起こった波紋がルーラーの身体を細かく裁断する。 『くすくす。おもちゃ箱の中の狐。ぶどうが甘いか酸っぱいかは、狐には永遠にわからずじまい。 さようなら、クリエイター様。また後程お会いしましょう』 大した意味もないだろうに意味深な言い回しでそう言い残して波紋の奥に消えていく。 それを確認して、クリエイターは鼻を一度鳴らすと、投げた花束を湖と混ぜてお人形を生み出した。 ◆ 「せっかくもてなしてやったのにあの態度ったら。こんなことならもっと盛大にやるべきだったかな」 未完成の幻想世界を眺めてつぶやく。 あれやこれやと悩まず幸子がぶっ倒れるくらいの魔力をつかって世界を作ってやってればあのルーラーに泡を吹かせてやれたかもしれない。 惜しいことしたなぁ。 この場でただのお人形さんに戻してあげればよかったかなぁ。 「英霊の枠に閉じ込められた僕程度敵じゃないって? だとしたら心外だ」 新たに生み出した物言わぬお人形に語りかける。 その人形は、誰にも愛されない。ただ、空間の中で、そこにあり続けるだけ。 お人形はくたりと頷くようにその場に倒れこんだ。 クリエイターが弧を描くように指をすべらせると、お人形の周りに人だかりが出来上がった。 人だかりは皆、キラキラした衣装を着て空に向かってニコニコ微笑んでいる。 皆一緒の衣装を着て、誰かに笑顔を振りまく。まるでアイドルのように。 「それとも、そんなことされたっていいと思ってあのお人形を僕のところに送り込んだのかい。それなら少し笑えるね」 お人形がおもむろに立ち上がり、動き出す。 お人形を取り囲んでいるアイドルたちが次から次にお人形に食べられていく。 アイドルたちは逃げることも悲鳴を上げることもしない。 ただ、観客である誰かに笑顔を振りまきながら、お人形の内側に閉じ込められていく。 一人、また一人。 人形の内側に消えていく。 最後の一人を食べ終えた後、人形はくすくす笑い出した。 「どっちにしろ……お人形遊びで僕をはかろうなんてのは少し虫がよすぎるんじゃないかな」 「君に対して、思うところが出てきたよ。『この世界の神様』」 ぽん、と手を叩く。 お人形がくすくす笑いながらその場で高速回転を始める。 くるくる、くるくる。 回り続けて、回り続けて。 バターになるほど回り続けて。 臨界点を突破したお人形は、創造主の気まぐれで本物の少女に生まれ変わり、街の方へと走っていった。 そうして、街にたどり着いた少女は、そこで誰かのお人形として暮らすことになった。 その様子を感慨なさ気に見送ったクリエーターはまた世界創造に戻るのだった。 【C-4/マンション/1日目 午前】 【クリエイター(クリシュナ)@夜明けの口笛吹き】 [状態]健康 [装備]なし [道具]なし [所持金]なし [思考・状況] 基本行動方針:勝つ 1.幸子の言うことは放って、自身の幻想世界を完成させたい 2.『この世界の神様』に会いたいもんだ [備考] ※ルーラーを確認しました。 ※幸子の部屋は現在、クリシュナの幻想世界に作り替えられている途中です ※完成した際、マスターとサーヴァントに対する精神攻撃として作動します ※聖杯戦争の開催に何者かが関与していると考察しています。ルーラーは正統な裁定者ではなく彼女の手先であるとも考えています。 この空間はその人物が作り上げた世界であり、その人物の意向次第で結末が変わると睨んでいます。 【???/nのフィールド/1日目 早朝】 【ルーラー(雪華綺晶)@ローゼンメイデン】 [状態]健康 [装備]なし [道具]なし [思考・状況] 基本行動方針:??? [備考] ※アイドルの物真似が出来ます ※クリエイター(クリシュナ)の幻想世界(未完成)を確認しました。 BACK NEXT 013 Because,I miss you/逢いたくて 投下順 015 約束/まおゆう 魔王勇者 時系列順 BACK 登場キャラ NEXT 006 匿名希望のアガパンサス 大井&アーチャー(我望光明) 020 逢魔が時に逢いましょう 003 目覚め/wake up girls! 江ノ島盾子&ランサー(姫河小雪) 022 マッド・ティーパーティー 双葉杏&ランサー(ジバニャン) 020 逢魔が時に逢いましょう 007 【>願う 何を? >幸せ 何が君の幸せ?】 星輝子&ライダー(ばいきんまん) 023 シュガー・ラッシュ 000 Because,I miss you/逢いたくて アサシン(クロメ) 025 過ぐる日の憧憬 000 開幕/きらりん☆レボリューション 諸星きらり&バーサーカー(悠久山安慈) 022 マッド・ティーパーティー 003 目覚め/wake up girls! 輿水幸子 020 逢魔が時に逢いましょう クリエーター(クリシュナ) 037 思い出が窮屈になりだしたこの頃の僕らは 010 開幕/きらりん☆レボリューション ルーラー(雪華綺晶) 022 マッド・ティーパーティー