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ドリサーバーでのルール(入る人必見!!) 等サーバーは、ルールがいくつかあります。 チートMODは使用禁止!! どのゲームも、チートするとアカBANになるように、 ドリサーバーもBANになります。 そして、3日後にBAN解除され、レポートに記録されます 例↓プラグイン 2014年1月1日ーーーさんBAN1回目 2014年1月4日BAN解除されます。 2014年1月5日ーーーさんBAN2回目 2014年1月15日BAN解除されます。 2014年1月16日ーーーさんBAN3回目 2014年2月16日BAN解除されます。 2014年2月17日ーーーさんBAN4回目 2015年2月16日BAN解除されます。 2015年2月17日ーーーさんBAN5回目 永久BANされました。同じIPのアカウントが来たら、 BANplugin.txtへ お知らせします。様子を見て下さい。BANされるようなことをしましたら、IPBANいたします 2015年2月19日~~~BANplugin.txtより~~~ BAN5回目のーーーさんと同じIPのアカウントがserverへ接続しました。ID=ーーー2 IP=??.??.?.??? 様子を見て下さい。 2015年2月20日ーーー2さんIPBAN 解除する場合は、鯖主さんが直接BAN解除してください。それまで、BANを永続的に続けます。 というふうになります。長文失礼しました。 BANされる行為 Parmission.txtより 1.ゲーム中でないPVP 2.相手への許可なしの暴力・家壊し・その他もろもろ 3.アカウントハック(この場合、Minecraftさんへ報告します) 4.悪口チャット侮辱チャット by チャット違反クラブ 5.その他いっぱい。悪いと思われる行為。 小学生でなければ悪いか悪くないか判断できるはずです。小学生はあまり鯖へいれたくあません! 以上。
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オーバー・パワード C 闇文明 (2) 呪文 ■S・トリガー ■「パワード・ブレイカー」を持つクリーチャーを1体破壊する。 令和の《クリティカル・ブレード》をイメージ。対象範囲的にはコスト3でも良いのかもしれないが、ピンポイントメタ系は腐るリスクもあるので2に。 作者:仙人掌 フレーバーテキスト 己の力に身体を喰われたことはあるか? 関連 《クリティカル・ブレード》 評価 名前 コメント
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上部タグ未削除 編集する。 2021-12-08 19 07 48 (Wed) - 選択肢 投票 この作品はネ申 (30) 良かった (6) 普通 (2) 微妙 (0) いまいち (0) 最悪 (1) 迷い猫オーバーラン!とは、 videoプラグインエラー 正しいURLを入力してください。 リンク内部リンク 外部リンク 討論用 情報収集 編集者用ミニ編集参加(文の提供・嘘・誤字等) 出典、参考 リンク 内部リンク [[]] [[]] [[]] 外部リンク 上へ 討論用 名前 コメント すべてのコメントを見る 編集する。 2021-12-08 19 07 48 (Wed) - 情報収集 トラックバック一覧 trackback テクノラティ検索結果 #technorati 口コミ一覧 #bf 関連ブログ一覧 #blogsearch リンク元 #ref_list 上へ 編集者用 ミニ編集参加(文の提供・嘘・誤字等) 出典、参考 上へ
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優勢オーバードーズ GuitarFreaks DrumMania XG2 Groove to Live,jubeat saucer/plusにも移植された BASIC MEDIUM HARD Level 2 5 7 Objects 98 247 353 BPM 166 TIME 1 44 Artist PON Version 初代 解禁方法 コレットクライミングで初代リフレク山の1回目をゴールすると解禁 動画 +初代 YouTube 【MEDIUM】 青サイド SC784 AA FC 【HARD】 赤サイド SC1185 AAA FC (PLAYER XcheTO) ニコニコ動画 【HARD】 赤サイド SC1147 AAA FC 攻略 +初代でのコメント [黄]レベル5の割にはやりやすい部類なので、「黄譜面始めてみました」な方でもやってみて損はないと思います。 -- 名無しさん (2010-12-04 17 19 51) 【HARD】も割と易しい方。同時押しがやや多めだが、むしろ同時押しからJRを撃つ練習台に良いかも -- 名無しさん (2011-01-02 00 37 35) HARDは7ではやや難しめに感じた。終盤の3連符に注意 -- 名無しさん (2011-02-12 10 10 27) HARD、フルコン難度は低めでAAA難度は高めに感じました。グレ量産に注意。 -- 名無しさん (2011-02-16 09 25 15) 【HARD】2つ押しが数多くあり、押し損ないに留意すればフルコン難度は低めも、終盤には3連符が続き、GREATハマりしやすい -- 名無しさん (2011-06-21 10 09 08) 【HARD】limelightにて、最後の3連符部分がロング+チェインになってたり、TOPの同時押しが増えたりと大幅な譜面変更がありました 要検証です。 -- 名無しさん (2011-11-24 19 47 30) HARDのノーツ数が14個増えています -- 名無しさん (2011-12-09 12 17 48) [MEDIUM]フルコン狙いの場合、ラストの2TOP絡みで崩されやすいので注意。 -- 名無しさん (2012-10-25 20 21 28) 名前 コメント ※攻略の際は、文頭に[BASIC] [MEDIUM] [HARD] [SPECIAL] のいずれかを置くと、どの譜面に関する情報かが分かりやすいです。
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だが断る☆ 次から次へと事件が起きてる 退屈しのぎに 取材してみようか 小道を駆け抜けていつでも遭いに行く 露伴の名前を「ちゃん」を付けて呼ぶな 君のこと誰よりも分かってる だからぼくらに任せて 怖がらないであいつを倒しましょう 漫画家★ナイトフィーバー はじける爆弾かわして 嫌な過去何もかも全部忘れて 漫画家★ナイトフィーバー あいつは傍に居るから 差し出せば助けてくれるか?だが断る☆ サイコロ勝てない日 養分吸われた日 心で呼んでみる 君に会いたくなる 家族から教わらないことを 彼が教えてくれたよ 君が窓から逃がしてくれたでしょう? 漫画家★ナイトフィーバー あふれる想いはFor you 限りあるこの時を胸に刻んで 漫画家★ナイトフィーバー 天へと昇ればサヨナラ 最後だし本心言ってやるさびしいよ! 君のこと誰よりも分かってる だから全てを晒して 本当の気持ち素直に伝えましょう 漫画家★ナイトフィーバー 高まる鼓動を感じて さあ覚悟できたら別れの時だ 漫画家★ナイトフィーバー 鈴美のことが好きだよ 天国へ行きなよ 用意はできてるか? 漫画家★ナイトフィーバー はじける爆弾かわして 嫌な過去何もかも全部忘れて 漫画家★ナイトフィーバー あいつは傍に居るから 差し出せば助けてくれるか?だが断る☆ だが断る☆ 原曲【samfree / ルカルカ★ナイトフィーバー】 元動画URL【http //www.nicovideo.jp/watch/sm21935978】
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崩壊─ゲームオーバー─(5) ◆gry038wOvE ディバインバスターの爆風の中から、ダークアクセルが無傷で顔を覗かせる所までは、全員読んでいた。感情的になりつつも、心のどこかでは相手にどこか余裕を持てない所があるのだった。 飛びかかるには躊躇が要る──。 ダークアクセルの一撃の手ごたえを忘れていない。あの時の恐怖も、脳裏を掠めた絶望の未来も、確かに今再現されている。 だが、選択肢はない。逃げかえる事はできない。立ち上がったからには、戦う。 「──いくぞ!」 最初に飛びかかるのは、エターナルであった。 鉄砲玉の役割を、常に他の相手に任せてしまう事をジョーカーは申し訳なく思う。 しかし、彼らが前に出てくれる分、ジョーカーは後ろから補助で彼らを守る事ができる。 ──Eternal Maximum Drive!!── 青白い螺旋の輝きとともに、エターナルの右足がアクセルに激突する。 本来ならば、T2以外のガイアメモリを全停止させる能力がある。それに準じる設定ならば相手はアクセルの装着を解除して石堀を丸腰にする事ができただろう。 しかし、ここに来て厄介なのは「制限」の働きである。例によって、この時も、ダブルやアクセルのガイアメモリが停止される事はなかった。アクセルが照井竜、エターナルが大道克己の所有物であった頃ならば心強かったかもしれないが、アクセルが敵で、エターナルが味方という状況に反転してからは、この能力を呪いたくなる。 「ハァッ!!」 ──Metal Maximum Drive!!── 右腕を硬質化させたエターナルは、ダークアクセルの胸を何度も殴る。 鈍い音が何度も響くが、手ごたえなしである。 アクセルにどれだけ適合したとしても、アクセル本来の能力ではここまでの硬質化は望めないだろう。これは通常ではありえない事であった。 中の石堀光彦こそが、人間ではないのだ。 「獅子咆哮弾、大接噴射ッッッ!!!!」 殴った腕から、一気にエネルギーを放出する。 良牙にも強い負荷が掛かった事だろう。獅子咆哮弾を腕と胸板が接触した状態で放つという荒業であった。だが、その荒業は成功したらしく、獅子咆哮弾の負のエネルギーが、ダークアクセルを飲み込んでいった。 一瞬で、体を覆い尽くすそのエネルギーである。 「絶望は俺の力だ……俺に餌をくれるのか、音痴の響良牙くん」 「フン……そんなつもりはねえ。そして、俺は音痴じゃねえ……方向音痴だ!」 膨大なエネルギーは、ダークアクセルの体にダメージを与えるのではなく、そのまま天空に向けて舞い上がった。ダークアクセルの体へと攻撃を向けたのはフェイクだったのだ。 ダークアクセルは、思わず大量のマイナスエネルギーが舞う空を見上げた。 そこには、まるで巨竜のようにこちらを見下ろしている気の柱がある。 「……なるほど、こちらが狙いか」 そして──。 「……そう、完成型だッッ!!!」 完成型・獅子咆哮弾である。 天空に舞い上がった重い気は、一本の柱となった。 そこに蓄積されたエネルギーが、一気に落下せしめるのがこの獅子咆哮弾の完成型だ。 ダークアクセルは憮然とする。それが、自分にとってどんな一撃か確かめてみる価値があると思ったのだろう。 「────」 エターナルこと良牙は、それを遂行する為、溜めていた気を落とす。 本来ならば、それと同時に、全身から怒りや憎悪を全て除きとるのだ。ここで気を抜くのに失敗すれば、自分さえも巻き添えにしかねないのがこの獅子咆哮弾の完成型である。 ──とはいえ、おそらくはこの目の前の敵への憎しみは除外できない。 (あかねさん……) 早乙女乱馬は、ダグバとの戦いで、その点において大失敗を犯したのであった。己の感情をコントロールしきれずに自爆するのはやむを得ない事かもしれない。彼はまだ少年だった。 そして、良牙もまた少年であった。良牙は、あかねを死に追いやった目の前の敵を相手に、──しかもこの距離で──気を抜く事など不可能であった。 己の感情がそう簡単に意の物にできない矛盾を理解している。 ────しかし。 今の状況には、乱馬と良牙とで決定的な違いがある。 それは、あらゆる攻撃や事象を全て無効化できる「エターナルローブ」の有無である。乱馬にはこれが無く、また生身であった。良牙のアドバンテージとなるのは、この変身能力の活用であった。 エターナルの装備の一つ一つを活用すれば、それが良牙自身の感情面での不覚を補える。 エターナルは、己の真上から降りくる負の感情のスコールを、未然に防ぐべく、その全身にエターナルローブを纏った。 「────」 そして、────気を、落とす。 この場に出ている全ての気は、響良牙から発された物であり、彼の意のままである。 「喰らえッッ!!!!」 振りくる獅子咆哮弾の中で、一瞬だけの強気を甦らせ、そう叫んだ。 空まで登っていた獅子咆哮弾の気柱が、一斉に地上目掛けて落ちていった。塞き止めた滝の水が一斉に降りかかると言えばわかりやすいだろうか──そんな音がした。 おそらく、この一撃と同時にエターナルは、持っている殆どの気力を使い果たし、気の抜けた男になるだろう。 だが、ここで確実に一打を与える。この状況は、いうなれば百対ゼロの逆境に立たされているようなものであるが、それでも塁を踏むのに全力を尽くすくらいでなければもはや勝利はありえないのだ。 「くっ」 目の前のダークアクセルも、余裕のない様子であった。 「この量なら飲み込みきれねえだろ……そんくらい、てめえは誰かに恨まれるような事をしてるんだよッ!!」 その言葉とともに、濁流が完全にダークアクセルを捕えた。 気は一斉に地面へと叩きこまれ、ダークアクセルとエターナルに圧し掛かり、凄まじい轟音とともに地面を抉った。その振動は、その数百メートル四方を全て大きく揺るがすほどであった。 エターナルが、殆ど万全といっていいほどの微弱なダメージであった事が幸いしたのだろう。この威力の完成型獅子咆哮弾を放てたのは、最後に回復をしてくれた美樹さやかのおかげでもあった。 「こいつでまず一撃だ!」 エターナルは、エターナルローブの恩恵もあり、地に両足をつけたままそれを受ける。ノーダメージである。これほど頑丈な傘はこの世にあるまい。 一方のダークアクセルは、その攻撃には平伏し、地面に倒れこんでいた。その姿だけ見て思わず喜びさえ覚えたが、これが決定的とはいかない。 ここに来て初めて手ごたえを感じたが、それだけである。始まりに過ぎない。 それに……致命傷とも行かないようだ。 すぐにダークアクセルは、重い腰を上げるようにして、エターナルの方を向いた。 ダークアクセルは、嗤った。 ◇ 孤門は木陰から、杏子たちの戦いを覗いていた。 波動が重力に叩き落とされるのを間近で見ても、杏子は構わずにキュアピーチの攻撃をいなし続けている。よく意に介さずいられる物だと思う。 敵方の拳がこちらに向かってくる瞬間に、槍を突きだし、拳を真横から叩く。それによってキュアピーチの腕が固定され、拳が己の体に到達するのを防ぐ。 安易にその体を串刺すわけにもいかず、満足なダメージも与えられないまま、防戦一方、自分の体を守らなければならないというのだから、殆ど泥試合である。 両者の力は拮抗しているか、或はキュアピーチが勝っているという所だろう。時間がかかれば危険である。こちらから支援すべきだろうか。 孤門は、パペティアーメモリとアイスエイジメモリを見つめた。いざという時はこれを使うしかなさそうである。 「……孤門さん」 戦意を喪失していたキュアベリーが、ふと孤門に声をかけた。 いつの間にやら、誰かに声をかけるだけの気力を取り戻していたらしい。 しかし、それも空元気かもしれないと孤門は思った。 キュアベリーの顔には、仄かな絶望の色が灯っていた。慰めの言葉をどうかければいいのか、孤門にはわからない。 そんな時、誰かが二人に声をかけた。 「ねえ、二人とも……聞いて。まだ、こちらにも勝機はあるわ」 そう言って横から現れたのは、巴マミであった。 その隣には花咲つぼみがいる。マミが介抱して意識を取り戻させたのだろう。つぼみの頭部の出血を止める為に、早速、先ほど良牙から預かったバンダナが額を一周している。つぼみの性格を考えると、折角の貰い物を血に汚してしまう事を申し訳なく思っているだろうか。しかし、その場にある物で最も手頃に頭の出血を止められるのはそれだけだった。 マミは、続けた。 「……私や美樹さんを助けた時のように、今度はキュアピーチに声を届かせるのよ。彼女になら絶対届くはずだわ」 「──それには、私たちがプリキュアの力を尽くす事が必要です」 マミ自身がそれを実感している。 もはや、それは立派な作戦の一貫であった。人間を闇に引きずり落とす力と同様、人間を闇から掬い上げる力もまた何処かに存在している。それがプリキュアの力であり、その能力を注ぐ事に全力を尽くすならば、不可能ではないはずだ。 そこには、本気で誰かを救いたいという想いが必要になる。 「それなら、石堀隊員は……」 「──それは」 つぼみは口を閉ざした。 同様に石堀光彦という存在を浄化するのは、おそらく現状不可能である。砂漠の使徒の幹部たちの数倍の邪悪なエネルギーを持っているのが彼だ。 「……できるかわかりません。ただ、今の私たちの力では、きっと……」 彼女は正直に述べた。 孤門が同僚を想う気持ちにもまた共感はできるが、あそこにあったのは、おそらく誰にも手を施す事のできない強烈な憎悪と本能である。つぼみたち全員がどれだけ力を尽くせば、今の石堀を救う事ができるだろうか。 「……そうか。わかった。それなら、みんな……ラブちゃんをよろしく」 そう気高に言う孤門を、全員が少し気の毒そうに見つめた。 孤門も石堀と共に過ごした人間である。可能性があるならば諦めたくはなかったが、そうも言い続けられないのだ。 キュアベリーもまた不安そうだった。 「……本当に、ラブを救えるかしら」 「それは大丈夫だ!」 そう言って、ひょっこりそこに現れたのはシャンゼリオンである。 先ほど、キュアピーチに攻撃を受けて、こちらまで避けてきたのだろう。 誰も気づかぬうちにこうして姑息的な逃げ方をするあたり、やはり彼の生命力は半端な物ではなさそうである。 しかし、彼の持っている情報は非常に有効な物である。 「今のラブちゃんを操っているのは、あの胸についてる反転宝珠だ。あれが原因で、愛情が憎悪に変わってしまったんだ。あれを奪うか、もしくは逆につければ問題ない」 「なら、なんでそれを早く──」 「実行しようとして失敗したんだっ! まあ、とにかく誰かがあれを壊すのが一番手っ取り早い。反対につける余裕はないしな……」 そういえば、キュアピーチが暴走を始めてから、シャンゼリオンはそれを止めようとして失敗し、しばらく姿を消していたような気がする……と、全員ふと思い出したようだった。 案外、その解決策自体が簡単であった事を知り、マミは緊張を噛みつぶし、ほくそ笑んだ。 「これで、策は二つ出来たわね。──どう? これなら、勝てる気がしない?」 キュアベリーが固唾を飲み込んだ。 ◇ エターナルとダークアクセルは相対する。 「フッハッハッ……確かに今ので初めて一撃貰ったな……。貴様は他の奴らとは体のつくりが違うらしい」 「貴様なんぞに褒められても嬉しくない」 そう言うエターナルも、こう返しているのはいいが、殆ど気力を使い果たしてしまったような状態だ。絞り出すほどもない。あまりダークアクセルには悟られたくないが、もう一度同じ技を繰り出すのは不可能。──いや、それどころか、獅子咆哮弾の一発も撃てないかもしれない。 全身にそれだけの力が漲らないのである。 「いや。俺はお前を評価してるぜ。……この俺以外で最後に生き残るのは、貴様かドウコクか……って所だろう」 ダークアクセルは、良牙が地球人としては桁違いとしか言いようのない身体能力の持ち主であると認めている。 おそらく、彼らの世界にはそれだけの逸材はいなかったはずだ。 気の性質が違うとはいえ、今の絶望の力を飲み込み切れなかったのは全く、誰にとっても意外としか言いようがない。 「さて、そろそろ時間もない。……さっさと残りを片づけて、次のカードを使わせてもらいますか」 その直後にダークアクセルが取り出したのは、「挑戦」──トライアルのメモリである。 エターナルの後方でジョーカーがぎょっとする。 (まずい……トライアルを使われたら!) トライアルの世界は補足不可能だ。音速を超えた世界に突入し、ジョーカーやエターナルでは及ばない所での奇襲が始まる。 ──TRIAL!!── ガイダンスボイスが響くとともに、エターナルが我先に奮い立った。 気力はないが、技ならばまだ──。 ──Nazca Maximum Drive!!── T2ナスカメモリのマキシマムドライブが発動する。 ナスカもまた、超高速移動が可能となるガイアメモリである。 「来れば斬るぜ──」 瞬間、アクセルが背後から剣を抜いた。総重量20kgのエンジンブレードだ。ナスカのマキシマムドライブを利用する事を読んでいたというのか。 近づいた瞬間にエターナルを斬るのが目的であろう。先ほど、杏子に見せた剣術を思い出せば、ナスカの力も決定的意味をなせない可能性が高い。 しかし──。 「──良牙、今です!」 レイジングハートが上空から拘束魔法を放つ──。彼女の姿は既に、ダミーメモリによってユーノ・スクライアへと変身している。 放たれた拘束魔法がダークアクセルの手首足首を全て封殺し、魔法陣に磔にした。 意表を突いて発動された魔法に、ダークアクセルも策を潰されたようだった。 「なるほど……今度はお前か。指を咥えて見ていたかと思えば、このタイミングか……!」 突然の奇襲では、ダークアクセルは身動きが取れない。 エンジンブレードがダークアクセルの手から落ちる。本来なら、喰らったとしてもこれしきの魔法を打ち破るのにそう時間はかからないが、その必要時間よりも早く、エターナルが動きだした。 ダークアクセルは、総合的な能力ではそれぞれが束になっても敵わない。 しかし、相手が多勢であるのが、彼の余裕に相対する死角が幾つもある。 敵全員を完全には把握しきれず、十以上の敵が持つ無数の能力への対抗策を完全に持っているわけではないのだ。 ナスカのマキシマムドライブまでは読めても、次にレイジングハートが拘束魔法を使うところまでは読めなかった。 ただ、そのどれもが石堀光彦の命を消し去るには到底及ばないので、普段は存分な余裕を持って相手にできてしまえるのだが、こうした策略の際には不発もあり得る。 ダークアクセルの余裕は、今、隙となった。 「これ以上厄介になられてたまるかよっ!!」 ナスカウィングをその背に出現させたエターナルは、そのまま高速でダークアクセルの手から落ちたエンジンブレードを空中で掴む。 未だマキシマムドライブは有効である。 このエンジンブレードをナスカブレードに見立て、その胸部を切り裂く。 ナスカウィングを最大まで巨大化させると、エターナルはダークアクセルの体を一閃した。──エターナルの手に嫌な感触が広がる。 火の粉が地に落ちて溶けると同時に、エターナルは後退しようとする。手ごたえはこれまでよりはあったはずである。勿論、それがダークアクセルにとっては、大きな一撃ではなかったのだが。 「ハァッ!!」 右腕の拘束魔法を自力で打ち開いたダークアクセルは、その右腕をエターナルの頭部目掛けて突き出した。──「ッ!?」と、エターナルが声を出せないほどに驚く。直後には、エターナルの顔全体をダークアクセルの指がからめとっていた。 そして、そのまま、右腕を振り上げると、腕力でエターナルを放り投げる。 地に叩きつけられたエターナルが土の上を滑る。飛距離も確かであったが、速度も相当であった。先ほど、杏子の体を投げつけたのと同様だ。──エターナルは、地面と激突して、転げていく。 「良牙っ!」 だが、それでダークアクセルがトライアルの姿に変身するのを未然に防げたという物だ。十分な快挙である。エターナルは、擦り減った地面の向こうで、こちらに右手のサムズアップを送っていた。後は任せた、という意味なのか、それとも、俺は大丈夫、という意味なのか。 ジョーカーは両方の意味と解釈する。 ──直後。ダークアクセルは、全身の拘束を解除する。レイジングハートの魔法の力を、それを中和する方程式なしに打ち破るのは到底出来る事ではないが、息を吐くようにそれを行えるのが今の強敵だ。 「──残念。勇敢な方向音痴にトライアルは奪われたが、まだこっちがある」 ダークアクセルを見れば、今度はガイアメモリ強化用アダプターがどこからか取り出された。ダークアクセルの手に握られているその灰色の器具は、ガイアメモリの能力を三倍に引き上げる力があるという。 思わず、舌打ちしたくなる。──強化アダプターなどという非合法なガイアメモリの予備パーツを作った犯罪者は誰だ、と。 おそらく園咲家からの流出かと思われるが、これほどの化け物の手に渡り、一層厄介な能力を分け与えてしまうなど、彼らも想像してはいなかっただろう。 「三倍パワー!!」 そんな声が、その場に轟き、ジョーカーは目を大きく見開いた。 能力が三倍──その言葉には、厄介すぎるダークアクセルの姿が思い浮かぶ。よもや、ダークアクセルが発した一声かと思って驚いてしまった所である。 しかし、現実ではその声を発したのはダークアクセルではなかった。当然ながら、ダークアクセルはこれほど間の抜けた声で叫ばない。 「──超光戦士シャンゼリオン、改め、ガイアポロン!!」 先ほどまで戦場から一歩引いていたシャンゼリオンが、真っ赤なフォルムに身を包んで新生していた。まさしく、先ほど聞こえたのは彼の声色である。こちらに加勢に来たのだ。 ガイアポロン──それは、パワーストーンの力を受け、能力が三倍に退きあがった超光戦士シャンゼリオンであった。ダークザイドの幹部級とも互角に渡り合えるシャンゼリオンが、更にその能力を三倍に計上したとなれば、ダークアクセルを前にしてもまだ先ほどよりは戦える。 変身しながら不意打ちの一回と、キュアピーチを相手にした一回しかこの場で変身していないシャンゼリオンにとっては、隠し種ともいえる変身形態だ。 そして、彼がいるのは── 「後ろ……か」 通常の三倍の速度でダークアクセルの後方に回りこんだガイアポロンは、ダークアクセルの脇から腕を絡ませ、羽交い絞めにする。勿論、長時間それが保たれないのはガイアポロンにも理解できている事である。 問題となるのは、ガイアポロンの両腕の力が有効なこの一瞬で何ができるのか。 ヒーローの力で拘束されたダークアクセルの正面にいるのは、仮面ライダージョーカーである。 ジョーカー、左翔太郎は考えを巡らせる。 右腕を構えた。──真っ直ぐ、ダークアクセルの方へと、まるで照準でも合わせるかのように。 その動作は、理解の証であった。 「……そう言う事か。わかったぜ、暁」 暁が期待しているのは、おそらく必殺の一撃ではない。 翔太郎と暁がかつて交わした会話の通りだ。これまでのとある会話が、ダークアクセルの弱点を示していた。 ────いや、そんな事はあるね。見ろ、このハンドルの部分と、それからメモリのスロットだ。いかにも怪しい。この要になる部分に何かの細工を施したはずだ。ここを弄れば何かあるんだろ? なぁ、もう一人の探偵 そう、要は、そういう事だ。 あの黒い怪物の腹部にあるガイアメモリとアクセルドライバーが敵の力の源。ジョーカーもエターナルも同様だ。それが仮面ライダーらの共通の弱点ともいえる精密部である。破壊、あるいは細工されればアクセルメモリの作動が止まる。 おあつらえ向きに、ジョーカーの右腕には、今はアタッチメントが埋め込まれている。 その一つに、今現在の状況に有効な物が一つあるはずだ。 「マシンガンアーム!! ──硬化ムース弾!!」」 右腕のマシンガンが、ダダダダダ、と音を立てる。 弾丸がどこか遮蔽物にぶつかると、それは爆ぜて粘り気を持った白い液体となり広がる。存分に広がったムースは、それから十分の一秒も待たずに大気の冷たさを染みこませて固まっていく。 そんな弾丸の成れの果ては、ダークアクセルの体表を順々に固めていく。 おそらく、ダークアクセルに殆どの物理攻撃は受け入れられまいし、ベルトに装填される小さなガイアメモリをこの距離から撃ち抜くのは余程のまぐれがなければ不可能だ。しかし、到達とともに大きく広がり、その体を飲み込んで石膏になる硬化ムース弾ならば、ジョーカーの射撃の腕と無関係に、高確率でベルトを封じられる。 つい先ほどまで暁が噛んでいたガムを思い出された。──あれも、考えてみればこのアタッチメントを指しての事だったのか。 「フンッ」 ──が。 紫煙の障壁がダークアクセルの前方に展開される。固形ではなく、まるで大気が寄せ集まったような、あるいは蜃気楼に色と境界線とが生まれたようなバリアであった。しかし、それが展開されるや否や、硬化ムース弾はその到達位置を勘違いするようになる。 「何だとっ……!?」 ダークアクセルの体表へと届いたのは、ほんの二、三発のみ。そこから先は、何発撃ったとしても、その全てがバリアの視界を白く塗りつぶしていくだけであった。実態がないはずのその障壁が、一時、「壁」として確かに有効になっていたのである。 ダークアクセルがその紫煙の幻を解いた時、そこにあるのは、地上から積み重なった白い硬化ムースの積み重なりであった。 邪魔に思ったのか、ダークアクセルの咆哮とともにそれは音を立てて崩壊する。 ダークアクセルとジョーカーは目を合わせる。 「この程度で勝利を確信しない方がいいぜ。世の中、そう上手くは行かないもんさ。なあ、二人の名探偵」 ダークアクセルは言う。 しかし、ジョーカーはこの時、ある余裕を持つ事ができた。 「くそっ。確かにそうだな……!」 敵の強力さに、ジョーカーも自分の作戦の不発を感じた。 しかし、ジョーカーの心は曇らなかった。 「だが、俺に勝利の女神が舞い降りたのは、今この瞬間からだぜ? ──世の中はあんたにだって上手く行かないものだろ、アイリーン・ウェイドちゃん」 ジョーカーも、この時、彼らの来訪がなければ、これほど勝気な気分にはなれなかっただろう。──頭上の日差しを、巨大な影が隠した。 見上げれば、そこには、魔導馬・銀牙の巨体が嘶き、空を飛びあがっていた。 乗り合わせているのは、銀牙騎士ゼロと仮面ライダースーパー1である。銀と銀とが寄り添い合い、眩く光った。 「チェンジ、エレキハンド!」 スーパー1は、腕をダークアクセルの方に向け、エレキ光線を放った。 その電圧は3億ボルトと言われている。たとえ、ダークアクセルがその攻撃を受け切れたとしても、強化アダプターの方がその電圧に破損を起こしてもおかしくはない。 また、その数値を考えれば、ダークアクセルたれども、少しは指先に衝撃を受けても全く不自然な話ではないだろう。 しかし、その電流が到達するよりも早く、ダークアクセルの意識は対抗策を生みだす。 ──バリアが展開。 電流は真っ直ぐにバリアへと向けられ、地に跳ね返る。 「今だっ!」 ゼロが伏兵に声をかけた。 ダークアクセルがゼロの視線の先にあった茂みを見やると、そこから顔を出したのは外道シンケンレッドである。 その右手が必殺武器の代わりにショドウフォンを構えており、空に文字を書いた。 ──解── その一文字のモヂカラが発動。 解……それは、「解除」「開錠」などの能力を持つモヂカラである。 激突した「解」のモヂカラは、バリアに向けて有効化され、スーパー1の電流の行く手を作り出す。 「何──っ!?」 電撃。ダークアクセルの腕に稲妻が襲い掛かる。 激流のようにダークアクセルの全身を雪崩れ込んだスーパー1の一撃は、その指先の機械をも帯電させる。 指先でショートしたダークアクセルの強化アダプター。それは、ダークアクセルの手を離れて、地に落ちた。 ダークアクセルがいかに強力であろうとも、その手に持っている機械は違う。爆散して、最早ばらばらに砕け散ったその物体は、決してもう、ダークアクセルをこれ以上強化する器とはなりえない。 「貴様ら……っ!」 ダークアクセルの余裕が崩れるのが見て取れた。 この余裕が崩壊するのを見届けただけでも、今の防衛は価値があった。 ジョーカーの真横に人影が並んでいく。 仮面ライダースーパー1。 血祭ドウコク。 外道シンケンレッド。 銀牙騎士ゼロ。 仮面ライダーエターナル。 超光戦士ガイアポロン。 上空には、レイジングハート・エクセリオンも配置されている。 ばらばらな存在だが、一列に並びながら、ダークアクセルへの反撃の意思をなくさない。 力を合わせれば、こうして一杯食わせられる。それほどに寄り添い合う人間は強い。 各々が思う以上に、熱く。 それぞれの手がダークアクセルと相対し、「次」を待つ。 「どいてもらうぜ、雑魚アクセル。俺たちのゴールは、分裂による絶望じゃない。お前がいるその先だ……!」 ◇ 時系列順で読む Back 崩壊─ゲームオーバー─(4)Next 崩壊─ゲームオーバー─(6) 投下順で読む Back 崩壊─ゲームオーバー─(4)Next 崩壊─ゲームオーバー─(6) Back 崩壊─ゲームオーバー─(4) 左翔太郎 Next 崩壊─ゲームオーバー─(6) Back 崩壊─ゲームオーバー─(4) 外道シンケンレッド Next 崩壊─ゲームオーバー─(6) Back 崩壊─ゲームオーバー─(4) 涼村暁 Next 崩壊─ゲームオーバー─(6) Back 崩壊─ゲームオーバー─(4) 石堀光彦 Next 崩壊─ゲームオーバー─(6) Back 崩壊─ゲームオーバー─(4) 桃園ラブ Next 崩壊─ゲームオーバー─(6) Back 崩壊─ゲームオーバー─(4) 蒼乃美希 Next 崩壊─ゲームオーバー─(6) Back 崩壊─ゲームオーバー─(4) 孤門一輝 Next 崩壊─ゲームオーバー─(6) Back 崩壊─ゲームオーバー─(4) 佐倉杏子 Next 崩壊─ゲームオーバー─(6) Back 崩壊─ゲームオーバー─(4) 巴マミ Next 崩壊─ゲームオーバー─(6) Back 崩壊─ゲームオーバー─(4) 花咲つぼみ Next 崩壊─ゲームオーバー─(6) Back 崩壊─ゲームオーバー─(4) 響良牙 Next 崩壊─ゲームオーバー─(6) Back 崩壊─ゲームオーバー─(4) 涼邑零 Next 崩壊─ゲームオーバー─(6) Back 崩壊─ゲームオーバー─(4) レイジングハート Next 崩壊─ゲームオーバー─(6) Back 崩壊─ゲームオーバー─(4) 沖一也 Next 崩壊─ゲームオーバー─(6) Back 崩壊─ゲームオーバー─(4) 血祭ドウコク Next 崩壊─ゲームオーバー─(6) Back 崩壊─ゲームオーバー─(4) ゴ・ガドル・バ Next 崩壊─ゲームオーバー─(6) Back 崩壊─ゲームオーバー─(4) 加頭順 Next 崩壊─ゲームオーバー─(6) Back 崩壊─ゲームオーバー─(4) カイザーベリアル Next 崩壊─ゲームオーバー─(6) Back 崩壊─ゲームオーバー─(4) 高町ヴィヴィオ Next 崩壊─ゲームオーバー─(6)
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《ルカルカ★ナイトフィーバー》 イベントカード 使用コスト0/発生コスト1/赤 [アプローチ/両方] 自分の「巡音 ルカ」1枚は、ターン終了時まで+20/+20を得る。その場合、デッキの上のカードを3枚まで捨て札にすることができる。 (ルカルカ★ナイトフィーバー 私はここに居るから 少しでも視線を逸らしちゃダメダメよ☆) 初音ミクPart3で登場した赤色のイベントカード。 自分の巡音 ルカ1枚のAP・DPを20上昇させ、デッキの上のカードを3枚まで捨てる効果を持つ。 巡音 ルカ専用のコンバットトリック。 コスト0で大幅な強化も可能で、両方のターンで使えるので強力。 さらに捨て札置き場肥やしが可能。任意効果なので捨てたくないとは捨てる必要はない。 もちろん《巡音 ルカ(349)》《巡音 ルカ(350)》との相性は抜群。巡音 ルカをすれることができれば強化効果を発動させることができる。 捨て札置き場アドバンテージをメインにする巡音 ルカを使うデッキなら採用して損はない。 カードイラストは描き下ろし。フレーバーはこのカード同じ曲名の「ルカルカ★ナイトフィーバー」の歌詞の一部。 「ルカルカ★ナイトフィーバー」は巡音ルカのオリジナル楽曲のひとつ。 samfreeによる作品で、300万再生を達成している。 関連項目 カード名が曲名と同じカード コンバットトリック 収録 初音ミクPart3 03-115 編集
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サーナイト 苦手ポケモン とりあえずゆめくい型は「あく」「眠らないポケモン」と決まっています。眠らない(眠りにくい)ポケモンは、具体的には以下です。 とくせい ポケモン ふみん スリーパー・ヨルノズク・アリアドス・ヤミカラス・ジュペッタ やるき オコリザル・デリバード・ヤルキモノ はやおき ドードリオ・ガルーラ・レディアン・ネイティオ・キリンリキ・ヘルガー・ダーテング これらのポケモンが全て、上記のとくせいを持っているとは限りませんが、こうしたポケモンは回避していくのが無難です。 一方、フルアタ型にあっては、なによりもサーナイトを一撃で屠ってくれるような存在が面倒です。【めいそう】を一回積んでも、攻撃力は1.5倍になるだけです。2ターンの攻撃で、サイキネを2回当てれば90×2で180。一方、めいそう⇒サイキネだと90×1.5で135。相手によっては、のんきに【めいそう】など積まず、さっさと攻撃した方がいい場合もあります。
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崩壊─ゲームオーバー─(3) ◆gry038wOvE 石堀光彦は、誰にも顔を向けられなかった。 誰かに語るべき事は、彼にはない。 他の全員がくだらない話をしている間中、石堀は俯いて、堪えきれない達成感に浸っていたのだ。 (待ち続けた甲斐があったようだ……) あの西条凪が死亡し、十年以上の歳月をかけた計画は幕を閉じたはずだった。 しかし、彼のもとに代理として降りかかった新たな計画は、石堀の心を擽る。 光は、別のルートをたどって、ある者の元へと回った。 それでいい。 ウルトラマンの光を奪うのが目的であったが、今はもはやウルトラマンだけではない。プリキュア、シャンゼリオン……あらゆる戦士の持つ光の力を実感している。ならば、凪よりむしろ、彼らの方が役に立つ。 中でも、とりわけ蒼乃美希である。ウルトラマンであり、プリキュアにも覚醒した彼女の光は他とは一線を画す物があるだろう。 彼女には、“奪われるだけの資質”がある。それを認めよう。 「──────遂に来たか」 石堀が、突如、そう口にした。 その時、ほぼ全員が会話を同時にやめていたので、彼の言葉だけが虚空に放たれた。 その一言だけならば、一日半をかけて殺し合いの主催者の元へとやって来た対主催陣営の一人としての、自然にこぼれてしまう徒労の漏洩だったかもしれない。 しかし、言葉と同時に浮かんだ邪悪な笑みを、暁は、ラブは、孤門は、──ここにいるあらゆる参加者は見逃さなかった。 その意味がわからず──怪しいと思いつつも、結局それがどういう事なのか理解する術はなく──、ただ立ちすくむ。警戒心よりも前に、一体彼が何をしているのかという疑問が浮かぶ。答えが出ない限り、次の行動に移る事ができる者はいなかった。 「遂に……遂にだ!」 石堀にとっての一日半。 何も感慨深い事はない。それは、ドウコク以上に無感情で無機質に日々が過ぎただけであった。何万年と生きてきたダークザギという怪物にとって、一日半など大した物ではない。 強いて言えば、彼の「予知」では測れない出来事が起こったというだけである。 「石堀、さん……?」 さて、……ここまで来たら、やる事は一つ。 孤門が心配そうに声をかけても、今の石堀の耳には通らなかった。 通っていたかもしれないが、その名前の人物として返す物は何もない。 「変……身」 石堀は、口元を更に大きく歪ませると、アクセルドライバーを腹部に装着した。 石堀の腹の周りを一周するアクセルドライバーのコネクションベルトリング。それが、アクセルドライバーをベルトとして己の身体と一体化させる。 もはや、彼にとってはこの仮面ライダーアクセルの力も最後の出番である。 ダークザギの力が蘇ればこんな人間の技術の産物は必要ない。 「お前……!」 全員が、石堀の突然の行動が、何を示しているのかわからずに硬直する。 これから戦闘準備に入ろうとしていた全員が、動きを止めた。 戦いの前の微かな平穏を打ち砕いて、──全く別の戦いが始まる予感がしたのだ。 ドウコクでさえ、動きはしなかった。 その時──── 「燦然…………ハァぁぁぁぁぁぁッ!!」 暁だけは、咄嗟に超光戦士シャンゼリオンに変身し、シャイニングブレードを構えて駆けだした。 これが、胸騒ぎの根源であった。この瞬間に、あの時の言葉の謎が解けたような気がした。 やはり、訝しんだ通りである。 ────暁、聞け。俺を、ダークメフィストにしたのは、あいつだ……。 ────……石堀光彦だ。奴に気を付けろ……。 ──黒岩省吾の言葉だ。それは即ち、石堀が自分たちを欺いている、という事であった。 この時まで暁たちにその事を一切言わず、参加者にダークメフィストへと変身させる力を授けた──これまでのデータから推察するに、明らかに危険な敵である。気を付けろ、という言葉通り、暁は石堀に警戒を続けていた。 そして、警戒をやめて、確実に動きをやめなければならない時が来たのだった。 「ハァァァァッ!!! 一振りッッ!!!」 ……誰も動けないなら、自分が動く。そのつもりで、シャンゼリオンはシャイニングブレードの刃を石堀に向けて振るっていた。 この場にいる誰も理解していないとしても、シャンゼリオンは石堀に致命傷を与える。たとえ、次の瞬間に己が、突然“胡乱な態度を見せただけ”の石堀を殺害した殺人鬼と呼ばれようとも、そんな先の事は全く考えていなかった。 単純に、もう耐えきれなかったのかもしれない。これ以上、近くにある脅威を「監視」し続けるのを──。 「フンッッッッッ!!!!!」 しかし、次の瞬間に飛んだのは、石堀の意識ではなく、シャンゼリオンのシャイニングブレードであった。シャイニンブレードは、シャンゼリオンの握力の支配を逃れ、宙を舞ったのだ。 シャンゼリオンにも、その場にいる誰にも、その瞬間に何が起きたのかはわからなかった。 「グァッッ!!!」 ただ、シャイニングブレードが地面にざっくり刺さり、シャンゼリオンが見えない一撃に吹き飛ばされて先ほどより数メートル後ろで背中をついた時──、何かが起こったのだと全員が認識した。 何かを起こしたのが石堀であるのは、そのすぐ後にわかる事になった。 「フッ……」 石堀はニヤリと笑った。 彼が、“黒いオーラを発動させ、衝撃波をシャンゼリオンに向けて放った”のを捉えた者は、涼邑零と沖一也と血祭ドウコクの三人だけである。 その他の者も、もう少し遅れて、石堀の身体から自ずと滲み出てきたそれを目の当りにする事になった。 「何だあいつ……一体、何がどうなってるんだ……?」 黒い蜃気楼……。 「石堀……こいつがお前の正体か……」 それは、明らかに石堀が意識的に発動した物であった。世界の裏側にでも存在するかのような紫炎の闇を、石堀の体が自ずと纏う。 石堀の瞳孔がそれと同じ、奇妙な紫を映していた。それは文字通り、彼が見ている物ではなく、瞳そのものが本来の色に変色した物であった。 それが、彼が非人である事を示す確証だった。 「……残念だな、暁。お前はあまりにも露骨に俺が疑いすぎた。……もしかすると、黒岩にでも聞いたのか? 俺が“アンノウンハンド”だってな」 「くっ……」 “アンノウンハンド”。 こうして、この場でこれ以上出てくるとは思いもしなかったその言葉に、孤門一輝と左翔太郎が戦慄する。桃園ラブや沖一也も知る言葉だ。 孤門の住む世界を裏で暗躍する存在だと言われていたのがアンノウンハンドである。 ダークメフィストの再来を考えれば、勿論、どこかにいるのは確実だが、それは主催者側である可能性も否めなかったし、味方内にそれらしい者は全く見かけられなかった。 いや、しかし──石堀こそが、そうだったのだ。 「──石堀さん!? それは一体、どういう……」 「残念だが、ここはお前たちの墓場にさせてもらう。主催陣の打倒なんかに俺はハナから興味はなかったんでね。俺がやりたいのは、今から行う“復活の儀”の方さ」 そう言うと、石堀は懐を弄った。 そして、彼は薄く笑った。 「“復活の儀”……? 一体、何を言って……」 「フッ。──孤門」 次の瞬間、石堀の懐から現れたコルト・パイソンの銃身。狙いを定める様子もなく、ただ感覚で、その銃口が孤門の顔面に弾丸を撃ち込むに最適な場所まで腕を置いたのだ。 孤門は、同僚の突然の裏切りに、もはや冷静な判断力を失っていた。その口径が己を殺す為の兵器が射出される筒であると忘れていたかもしれない。 「……おつかれさん」 右手を伸ばし、照準を合わせる事もなく、──通常なら絶対に命中がありえないそんな状態で、石堀は躊躇なく、その引き金に指をかけた。ここまで、銃を取りだしてから二分の一秒。 一欠片の躊躇もなく引かれた引き金は、孤門の眉間を目掛け、発砲を開始する。 「危ないっ!!」 孤門の体が大きく傾く。真横から体重をかけて抱きついた者がいたのだ。 涼邑零である。零が真横から孤門の体を押し倒し、辛うじて弾丸は彼らの背後を抜けていく形になった。孤門の全身が覆い尽くされ、地面に激突する。 弾丸は零のタックルよりもずっと凶悪だが、当たらなければ効力を発揮しない。 これで本来ならば安心であるはずだった。 しかし、見ればその弾道の先にいるのは、────蒼乃美希であった。 「ああっ!!」 「……!!」 孤門、零、美希。三人の時間が止まる。 孤門は、己がそこに留まっていれば良かったと思っただろう。 零は、自分の不覚を呪っただろう。 美希は、神にでも祈っただろうか。 銃声が、運命を分ける。次の一瞬が全てを審判する。──はずであった。 「!!」 美希の視界はブラックアウトしない。 弾丸が体のどこかに当たったという事もなく、弾丸が辿り着く前にしては妙に時間がかかったような気がした。 零も、疑問に思った。 今、もしや弾丸など飛んでいなかったのではないか……零も、石堀の手の動きで判断していたが、弾丸らしき物は目で捉えていないし、銃声を耳で聞いていないのである。 「……妙に銃身が軽いと思えば……予め弾丸を抜いておいたのか。やるじゃないか、暁」 脇目で起き上がろうとしていたシャンゼリオンを、石堀が一瞥した。 石堀が危険だとわかっている時分、暁も一応、荷物の確認の際に石堀が確認を済ませた装備をこっそりスッて、弾丸を抜いておく対策は行ったのだ。コルト・パイソンもKar98kも、石堀の装備していた銃器の中身は全て空である。 探偵より泥棒に向いているのではないか、と思われるこの行動。 もし、石堀の裏切りが勘違いだったならば、石堀の装備を軒並み利用不能にし、仲間を死に追いやるかもしれないこの行動。 しかし、美希たちはそれに救われた。 美希たちは、ほっと胸をなで下ろした。一度冷えた肝が急に温まったので、ふと石堀を注視するのを忘れてしまうほどだった。 だが、やはりすぐに自分たちの置かれている状況を再認識して、石堀の方を辛い目線で見据える。そこには、もはや石堀とは到底思えない邪悪な気配に包まれた怪人が立っていた。彼は、コルト・パイソンを見放して、野に捨てている真っ最中である。 彼はこの空の銃と同じく、目の前の仲間たちを不要と判断して、棄却し始めたのだ。 「……クソッ。あいつ、本当に俺たちを騙してたんだ。暁の言う事が正しかったんだ……。本気で殺す気だったみたいだぜ」 「石堀さん……そんな……嘘だ!」 そう言いつつも、孤門は確かに自分を目掛けて発射された「見えない弾丸」の事を確かに、現実に起きた出来事の一つとして認識していたはずだ。 あの弾丸が形を持っていれば、自分か美希かは、確実に死んでいたであろう。 目線の先に、ぴったりと張り付いた銃口の映像。確実に目と目の間に食い込ませる算段だったはずだ。 ……だが、あの石堀光彦が? 張りつめたナイトレイダーの中でも、時折冗談を言って和ませるあの兄貴分の石堀が──平木詩織隊員と仲が良く、付き合っているのではないかと噂されていた、あの石堀光彦が、アンノウンハンド……? 孤門にはいつまでも信じられない。 嘘だ。 斎田リコの仇……、あらゆる人々をビーストやダークウルトラマンを使って殺した諸悪の根源……それが、あの石堀光彦だったという事なのか。 彼の中の純粋や情は、この場でいとも簡単に裏切られたのだ。斎田リコの時と似通った気持ちだった。 孤門が絶望を抱えている時、誰よりも激昂する者がいた。 「アンノウンハンド……お前があかねさんを!!」 ──響良牙である。 良牙の中から探りだされる、ダークファウスト、そしてダークメフィストの記憶たち──。それは、良牙にとって最も苦い思い出だ。 そこには、当然、天道あかねとの深い結びつきがあった。 孤門に聞いた話によれば、孤門の世界においては、アンノウンハンドなる者がダークメフィストを生みだしたらしい。そして、これまでの暁の話を聞くと、黒岩によってあかねがファウストにさせられた可能性が高いようだが、黒岩が何故メフィストであったのかは明かされなかった。 ……いや、どれだけ考えても明かされる由はなかったのである。 以前、孤門や石堀に、「では何故黒岩がメフィストになったのか」とも訊いたが、その時の返答は二人とも口を揃えてこうだったからである。 『姫矢から憐や杏子に光が受け継がれるように、闇の巨人の力もまた受け継がれていくのかもしれない』 溝呂木に闇を与えたらしきアンノウンハンドがこの会場内にいるとは限らないし、実際そうではないだろうと考えていたに違いない。ウルトラマンの力を与えた者がこの場にいないのと同じように……。 孤門は石堀に、同僚としての一定の信頼感を持っていた為、同世界の人間がアンノウンハンドである可能性を突き詰めても、石堀をその対象から当然除外したのである。石堀が何度もビーストに襲われてピンチになった事も、ビーストを倒すのに貢献した事も孤門は全く忘れていない。 しかし、ウルトラマンとダークウルトラマンは本質的にその構造が異なっていた。闇の力は一度、「持ち主」の手に返る。 少なくとも、この場において、黒岩に闇を与えたのは、溝呂木眞也ではない。石堀光彦であった。認識そのものに、壁があったのである。今悔いたとしてもどうしようもない話であった。 「ゆるさんっ!!」 ──Eternal!!── エターナルのガイダンスボイスが良牙の掌中で鳴り始めた。 今の自分がエターナルメモリを持つ意味を、良牙はこの時、忘れかけていたかもしれない。 しかし、誰も良牙に再び沸き起こった憎しみを止める事はできなかった。ここにいる誰も、その憎しみに共感せざるを得なかったからである。 「変身!!」 エターナルメモリが装填される。 ──Eternal!!── 白い外殻が響良牙の体を包み、その姿を仮面ライダーエターナルへと変身させる。 青い炎が両手で燃え、黒いマントが背中に出現し、風に棚引く。 これで何度目の変身になるだろう。 前の装着者を含めれば相当数、このエターナルも変身された事になるだろうが、今また戦いの為に拳を固めるのであった。 エターナルは、憎しみによる戦鬼のままなのだろうか。 「ふん……」 それを見て、石堀は次の行動に移ろうとしていた。 忘却の海レーテの、半ば美しいとさえ思える光景を背に、石堀は悪魔と成る事を決める。 裏切りに躊躇などない。最初から、こう決めていたのだ。 この良牙の憎しみに、石堀も作戦成功を核心していたようである。 「……さて、俺も変身させてもらいますか。最後のアクセルにね」 石堀は、どこかからアクセルメモリを取りだした。先ほどは変身妨害をされたが、もう問題はあるまい。 すぐに手を出せる者は周囲にはいない。仮に邪魔をされたとしても、この中で最強の敵を片手で跳ね返すのも難しい話ではないのである。 ──Accel!!── 「じゃあ改めて……変、身」 まるで叩きこまれるかのように、アクセルメモリはアクセルドライバーに装填される。 メモリスロットとガイアメモリが結合し、化学反応を起こした。 ──Accel!!── 石堀の体を包み込んでいく仮面ライダーアクセルの装甲。 赤い装甲がすぐさま石堀の全身を包んで、全く別の物へと変貌させた。 しかし、それだけでは終わらなかった。 「────ガァァァァァァァッッッ……」 自分の外見が、「人」でなくなると共に、石堀光彦は──ダークザギは、己の中の本能を引きだした。この姿では、雄叫びを抑える必要はない。何十年もの禁酒を終え、盛大に酒を煽った気分である。獣のような唸り声でアクセルが吠える。 すると、アクセルの特徴ともいえる全身の派手な赤が、そして、その瞳の青が、すぐにはじけ飛んだ。まるで、己の体から色を追い出すかのように、石堀は、ダークザギとして吠えたのである。 本来の色が逃げ去ると、そこには、アクセルではなく、石堀本来の色が再反転した。 「ウガァァァァァァァァァァァァァッッッ……!!!!!!!」 ……まるで、地球の記憶そのものが、彼自身の圧倒的な魔力に圧倒されているとでもいうべきだろうか。 その体は、──アクセルの赤でも、トアイアルの青でも、ブースターの黄色でもない。 「ウグァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッッッッッッ!!!!!!!!!! ……」 紫のような、黒のような、深い闇色に──機能を停止した信号機の装甲に変わっていた。ダークザギとしての彼の姿が、そのまま仮面ライダーアクセルの体色さえも捻じ曲げたのである。 ……いや、仮面ライダースーパー1も、仮面ライダージョーカーも、この場にいるこの敵を仮面ライダーと呼びはしないだろう。 もはや、その装着者自身があり余るエネルギーと咆哮で、仮面ライダーとしての元の性質を消し飛ばしてしまったのだ。 「黒い……アクセル……!」 そう、強いて呼ぶならば、──ダークアクセルという名が相応しい。 仮面ライダーアクセルの装甲が……戦友が変身した誇りの仮面ライダーの姿が凌辱されている。──見かねて、翔太郎が前に出た。 「……石堀。信じたくねえが、あんたが……俺たちをずっと騙してたのか」 「ハッハッハッ……。さっきからそう言っているだろう? フィリップ・マーロウくん」 煽るように、アクセル──いや、ダークアクセルが言った。 その表情は伺い知ることができないが、きっと嗤っている。 左翔太郎は、その姿を想像して奥歯を噛みしめた。 「……ッ!! じゃあ、あんたにその力を使う資格はねえ。アクセルは、誰かの事を守れる奴の──あの照井竜みたいな奴の為だけの物だ、返してもらうぜ!」 ──Joker!!── こちらも、ガイアメモリの音声が響く。 左翔太郎が左腕でロストドライバーを腹部に掲げた。彼の体にも、コネクションベルトリングが一周する。ジョーカーの記憶が翔太郎の前で呼応され、黒色の波を発する。 その最中で、翔太郎はまるで勝利への核心を掴みとるように、体の前で右腕を握った。 「変身……!」 ──Joker!!── 翔太郎がそう掛け声を放つとともに、ジョーカーの記憶は翔太郎の体面上に仮面ライダーの鎧を構築していく。大気中に溶け込んだばらばらのピースが一つ一つ体の上で組み上げられていくように、翔太郎は仮面ライダージョーカーへと変身した。 彼の「切札」の名に相応しい、翔太郎と驚異的なシンクロを示す運命のガイアメモリ。今また、翔太郎に力を貸している。 翔太郎にも、最早この暫くのキャリアで、“ダブル”以上に馴染み深い姿だろう。 「仮面ライダー……ジョーカー!」 その指先は、いつもの如く、罪を犯した敵に向けられる。 そして、この時まで、潜む怪物の脅威を淡々と見過ごしていた自分の失態も胸に秘める。 「さあ、──お前の罪を数えろ!!」 そのお決まりの言葉を投げてしまえば、後は体が勝手に動いた。 倒すべき許されざる敵は目の前にいる。 もはや、無我夢中に戦う術を磨いて敵を倒すのみであった。 「ハァッ!!」 「オォリャァッ!!」 仮面ライダージョーカー、仮面ライダーエターナルの二人の仮面ライダーがダークアクセルの体に向けて、何発ものパンチを放つ。 それぞれの全身全霊を握りこんだ拳がダークアクセルの胸で弾んだ。 しかし、当のジョーカーとエターナルとしては、十五発も殴ったあたりで、一切、そこに手ごたえを感じない事に気が付く。敵の装甲から聞こえるのは、風邪を受け手窓が揺れたような音。それだけがこの場で何度も空しく響いたような気がした。 「くそっ……エターナル、コイツ……今まで出会った事がねえ強敵だぜ……!」 ジョーカーは、この時、咄嗟に今まで感じた事のないような──ガイアメモリや血祭ドウコクをも超越する危険性に巡り合ったような気がした。 本来、ガイアメモリの使用者は普通の人間の肉体を強化し、人ならざる能力を付与する。ドーパントや仮面ライダーは、そこからガイアメモリの力と人間自体の素養やメモリとの適合率とが掛け合わされて強化されるはずだが、今回の場合、使用する人間の素養ありきで、ガイアメモリは彼の能力を引き立てるオマケに過ぎなかった。 仮に石堀とアクセルとの適合率が絶望的な数値を示したとしても、その不適合を上回る石堀本来の能力が、アクセルの能力を手玉に取ってしまう。 まるで、メモリそのものの力を飲み込んでいるかのようである。 「知らん! 貴様が神様だろーが、悪魔だろーが、俺はコイツを倒す!」 ──Unicorn Maximum Drvie!!── T2ユニコーンメモリをスロットに装填したエターナルは、次の瞬間に右腕に鋭角な竜巻を重ねた。竜巻は一角獣の角を形作っている。 エターナルの右拳は、握りしめられるだけの力を籠めて、アクセルの顔面目掛けて突き刺さる。一撃に全身全霊を込め、次の一撃にまた、全身から湧き出てくる憎しみのような精魂を込めた。 三発ほどマキシマムドライブの力を帯びたまま突き刺すが、思った以上に手ごたえがない。マキシマムドライブのエネルギーが自然消滅する。 ダークアクセルは悠然と立っていた。 「邪魔だ!」 胸から紫と黒の波動が放たれる。それは、すぐにジョーカーとエターナルの体をダークアクセルの元から引き離した。圧倒的なエネルギーに、誰もが耐え切れずに屈む。風がばっと二人の体を飲み込み、激しく後方へと吹き飛ばした。 ジョーカーとエターナルは、次の一瞬で地に落ちる。 「グァッ……!!」 「ヌァッ……!!」 地面にバウンドした直後には、両名とも、すぐには起き上がれないだけのダメージが体を襲った。ドウコクやガドルにも匹敵する、……いや、あるいはそれ以上であるとジョーカーは思う。 (桁違いだ……!) エターナルも、それがかつて出会ったどんな敵にさえ敵わぬであろう強敵であると長い戦闘経験が察する。 一撃のダメージとは到底思えない。シャンゼリオンも、あれで実質、ほぼ戦闘不能状態だというのか? 「そんな……あの二人が一撃で!!」 孤門たちは固唾を飲んだ。 アクセルの力がそこまで絶大だと感じた事は今までにない。 せいぜい、ダブルと対等程度であって、エターナルが一撃で倒されるほどの仮面ライダーではないはずだ。しかし、石堀はアクセルを蹂躙し、使いこなしていた。 己の戦闘力でメモリそのものの能力を上回る「補填」を行って。 「随分とおちょくってくれたな……」 ダークアクセルを許せないと思うのは、何も善良なヒーローだけではなかった。 血祭ドウコクと外道シンケンレッドが前に出る。彼らとしても、アクセルの側につく気は毛頭ない。主催陣を潰す目的を妨害する壁である、というのがドウコクのこの男への認識であった。 他の連中ほど、ドウコクが石堀の謀反に驚愕する事がなかったのは、本能的にその性質が共通している事を悟っていたからなのだろうか。 「猛牛バズーカ!!」 ジョーカーやエターナルが巻き込まれるかもしれない危険性など度外視して、外道シンケンレッドが猛牛バズーカを構えた。 牛折神の力が砲身に集中する。それは、次の瞬間、ダークアクセルに向けて一気に放出された。 次の瞬間には、莫大なエネルギーがダークアクセルに向けて叩きつけられるだろう。 「フン……」 しかし、ダークアクセルはエンジンブレードを構え、その砲撃に込められた力を一刀両断する。真っ二つに叩ききられたエネルギーは、丁度ダークアクセルの両脇を通って、背後のレーテの海の中へ溶け込んでいった。 驚くべきは、エンジンブレードにはガイアメモリを装填しておらず、ダークアクセルは自身の能力を併用して、それを弾き返したという事である。 これが、ダークアクセルとあらゆる戦士たちの力の差であった。 「はあああああああああああああああああああッッッッ!!!!!!」 血祭ドウコクも、捨て駒の外道シンケンレッドの攻撃が通用しなかった事には目もくれず、すぐさま駆ける。彼はせいぜい十秒その場をもたせる囮程度に役立てるつもりだったのだろうが、十秒も間を持たせる事はできなかった。 ドウコクの手には、昇龍抜山刀が握られていた。自分ならば互角に戦える自負があるのだろうか。その刀を構えて現れてから、ダークアクセルに肉薄するまで一秒とかからない。 「はぁッ!!」 昇龍抜山刀を構えたまま、ダークアクセルの脇を過るドウコク。 しかし、その腕に、敵の体を抉った感覚はなかった。 「何!?」 ドウコクが斬り抜けて真っ直ぐ伸びた己の腕に目をやる。 既にそこに昇龍抜山刀の姿はなかった。握りしめていた感覚がいつ消えたのかはドウコクにさえわからない。 咄嗟にドウコクが振り向く。 「──ッ!!」 首を回すと同時に、左目に電流が走る。 ──己が握りしめていたはずの愛刀は、そこにあった。 しかし、その姿は今のドウコクの左目では見えない。 昇龍抜山刀が突き刺さっていたのは、他でもないドウコクの左目なのだから。 「ぐああああああああああああああああああああああああッッッッ!!!!! てめええええええええええええええええェェェェェッッッッ!!!!!!!!!」 ドウコクはもはや自分の目では見えない「それ」を感覚で引き抜いた。左目から膨大な何かが噴き出るような感覚。 血も涙もない外道であるがゆえ、目から何かしらの液体が零れる事はなかったが、彼にも痛覚だけはある。噴き出ていったのは、左目の痛みなのだろうか。外からも内からも響く電流のような激しい痛みに、悲鳴は止まなかった。 「ガァァァァァァツッッッ!!!」 ドウコクが放つ悲鳴は、周囲に振動する性質を持っている。 彼は周囲の犠牲をやむなしと考え、その雄叫びで周囲全体を無差別に攻撃したのである。 ドウコクを中心に、波紋状に広がる「声」の衝撃は、大気を揺らして周囲であらゆる破壊と障害を呼ぶ。科学の装甲に響いて中の装着者を傷つけ、改造人間の人体に向けて放たれれば機械の音波を乱す。 敵味方問わず全員、ドウコクの悲鳴の餌食となった。 「くっ……!!」 「ぐあっ……!!」 もはや、それは機械の暴走と言っても良い。 外道シンケンレッドまでが、耳朶を抑えて体の節節に火花を散らせた。 しかし、ドウコクが味方を巻き込んでまで放った一撃は、ダークアクセルの前方で発動した紫色のバリアが阻む。 独眼のドウコクにそれは見えているのか、見えていないのかはわからない。 「くっ……変身!!」 たまらず、沖一也こと仮面ライダースーパー1と涼邑零こと銀牙騎士ゼロがその身を変身させる。 銀色のボディに火花を散らせながら、ドウコクの元へと飛びかかったスーパー1。魔戒の鎧で何とかドウコクの衝撃波を回避するゼロ。咄嗟に対応できたのは彼らだった。 残念だが、今はダークアクセルよりもこちらの暴走を止めなければならない。 「何しやがるっ!!」 「こちらのセリフだ! 今の攻撃は敵に効いていない! 味方を巻き込むだけだ!」 「冷静になれ、ドウコク!」 スーパー1とゼロの一喝がドウコクの耳を通したかはわからない。 いや、おそらくは他人の言葉を聞けるほど、彼が冷静でいられる事はないだろう。 これは好機と見たか、ダークアクセルはほくそ笑み、ドウコクに向けて煽るような一言を発した。 「おやおや……仲間割れか? いかし、そいつは賢明だな」 獣のような力を解放した一方で、彼は愉快犯としての側面も消えてはいない。 ドウコクこそがこの集団の綻びである。この場を宴にするには、このドウコクに揺さぶりをかけるのが最善だと彼も重々承知である。 直後にダークアクセルが語りかけるのがドウコクであるのは必然であった。 「血祭ドウコク。俺の目的は、主催の打倒でも貴様を殺す事でもない。俺の本来の力を取り戻し、元の世界に帰る事だ。ここにいる人間が何人生き残ろうが構いやしない。──その場合、お前にとって、最も効率的な方法は何かな?」 「何だとォッ…………!?」 「この俺を倒して主催陣に乗りこみ、勝利する……そんな希望の薄い展開に賭けるか。それとも、俺を無視して参加者を十人まで減らして、確実な帰還を得るか」 彼は、やはりドウコクの性格を見抜いて煽っているのだ。スーパー1とゼロが、本能的に不味いと察する。最も痛い所を突かれている確信がある。 「賭けに巻ければ、残りの右目だけではなく命も失う事になるだろう。その左目は、“警告”だ。その様子では、二の目に変化しても、まだ及ばない。──この俺の本当の力は、こんな物じゃないんだぜ?」 ダークアクセルがドウコクでさえ及ばない脅威であるのは、既にドウコクにもわかっている事実である。それに加え、更にその一段上を行く真の姿なるものがあるというのが本当だとすれば、最早勝機はゼロに等しいだろう。 そして、ドウコクが最優先に生き残りを選択するのはもはや周知だ。 「バカな事を言うな! ドウコク、奴の言う事に耳を貸すんじゃない!」 スーパー1が必死に止めようとしていた。説得の他に対処法はない。目の前の手練れだけでも対処が大変だというのに、このドウコクまでも敵に願えれば、こちらの勝率がどこまで引き下がるか。 ドウコクは、幸い、僅かに悩んだ。 「フンッ────」 そして、微かに悩んだ後、その右目が捉えた敵に、昇龍抜山刀を振るう事になった。 真一文字、対象の肉を抉る。 迷いはわずか一瞬であった。 「くっ……!」 対象は、スーパー1である──。人工の胸筋が引き裂かれて、血しぶきのように火花が散り、血液のようにオイルが垂れる。銀色の体を伝って、それは地面に染みを作った。 これはドウコクとしても、これは苦渋の決断であっただろう。相応にプライドを持つ大将としては、格差を理解して相手の意のままというのは、僅かでも心に来る物がある。 「悪いな。……コイツぁいけすかねえが、帰らなきゃならねえ理由がある」 ──しかし、やはり生還こそが彼の目標である。 ここは大人しく、石堀光彦に従うほかない。 「烈火大斬刀!」 続くは、外道シンケンレッドであった。ドウコクと彼は一蓮托生である。主従の関係である以上は当然だ。 彼も、ダークアクセルの前を横切り、ゼロを標的に大剣を構え向かう。 「一也さん! 零さん!」 孤門が呼びかけた。 「来るな!」 「俺たちだけで十分だ!」 ゼロは銀狼剣を構え、それを二本で交差させて大剣を防ぐ。三つの刃が一点で重なり合い、そこから火の粉が漏れた。 辛うじて、剣豪と剣豪の戦いであった。刀に来る圧力を通して、相手の熱気も力も技量も伝わっている。見ているだけの者にはわからない、敵の強さへの脅威と信頼が刃を通して、感じられたようだった。 「やるね、あんた……これだけでわかる……」 零が外道シンケンレッドの斬刀を防ぎながら、冷や汗を浮かべ苦笑した。 戦士としては、相手にとって不足なしである。 が、当然、これから先、生き延びねば対主催の勝機が奪われる立場としては、命を賭した戦いにそう喜んでもいられない。 「ドウコク……鼻から貴様に信頼が芽生えるなど期待してはいなかったが、己の威厳も失ったか! お前の目をやった者の言う事を聞くのか!」 「煩わしい口を利くんじゃねえ……癪だが、これが大将の務めって奴だ」 スーパー1とドウコクが、構え、対峙した。 願わくば、主催戦までこうした余計な衝突はしたくはなかったが、もはや仕方のない話かもしれない。四人は、そのまま互いを見合い、敵の出方を伺いながら、その場から少しずつ距離を取り始めた。 スーパー1とゼロが、なるべく遠い場所に戦闘場所を変える事を願ったのだろう。 四人は、スーパー1とゼロの扇動で森の奥へと消えていく。 ◇ 時系列順で読む Back 崩壊─ゲームオーバー─(2)Next 崩壊─ゲームオーバー─(4) 投下順で読む Back 崩壊─ゲームオーバー─(2)Next 崩壊─ゲームオーバー─(4) Back 崩壊─ゲームオーバー─(2) 左翔太郎 Next 崩壊─ゲームオーバー─(4) Back 崩壊─ゲームオーバー─(2) 外道シンケンレッド Next 崩壊─ゲームオーバー─(4) Back 崩壊─ゲームオーバー─(2) 涼村暁 Next 崩壊─ゲームオーバー─(4) Back 崩壊─ゲームオーバー─(2) 石堀光彦 Next 崩壊─ゲームオーバー─(4) Back 崩壊─ゲームオーバー─(2) 桃園ラブ Next 崩壊─ゲームオーバー─(4) Back 崩壊─ゲームオーバー─(2) 蒼乃美希 Next 崩壊─ゲームオーバー─(4) Back 崩壊─ゲームオーバー─(2) 孤門一輝 Next 崩壊─ゲームオーバー─(4) Back 崩壊─ゲームオーバー─(2) 佐倉杏子 Next 崩壊─ゲームオーバー─(4) Back 崩壊─ゲームオーバー─(2) 巴マミ Next 崩壊─ゲームオーバー─(4) Back 崩壊─ゲームオーバー─(2) 花咲つぼみ Next 崩壊─ゲームオーバー─(4) Back 崩壊─ゲームオーバー─(2) 響良牙 Next 崩壊─ゲームオーバー─(4) Back 崩壊─ゲームオーバー─(2) 涼邑零 Next 崩壊─ゲームオーバー─(4) Back 崩壊─ゲームオーバー─(2) レイジングハート Next 崩壊─ゲームオーバー─(4) Back 崩壊─ゲームオーバー─(2) 沖一也 Next 崩壊─ゲームオーバー─(4) Back 崩壊─ゲームオーバー─(2) 血祭ドウコク Next 崩壊─ゲームオーバー─(4) Back 崩壊─ゲームオーバー─(2) ゴ・ガドル・バ Next 崩壊─ゲームオーバー─(4) Back 崩壊─ゲームオーバー─(2) 加頭順 Next 崩壊─ゲームオーバー─(4) Back 崩壊─ゲームオーバー─(2) カイザーベリアル Next 崩壊─ゲームオーバー─(4) Back 崩壊─ゲームオーバー─(2) 高町ヴィヴィオ Next 崩壊─ゲームオーバー─(4)