約 290,954 件
https://w.atwiki.jp/gearhead234/pages/18.html
移動システム 移動システムの一覧ホイール キャタピラ ホバージェット 飛行ジェット アークジェット 推力増幅システム 移動システムの一覧 ホイール SF クラス 重量 店売り 装備しているメック 1 2 0.2 Vespa 1 4 0.4 Badger(2個) 1 6 0.6 Doom Buggy 1 10 1 Rover 2 3 1.5 可 Chameleon(全種)(2個) 2 5 2.5 可 Corsair(2個), Osprey 2 6 3 Renegade 2 7 3.5 可 キャタピラ SF クラス 重量 店売り 装備しているメック 2 3 3.0 可 2 5 5.0 可 2 6 6.0 Ultari(全種)(2個) 2 7 7.0 可 2 8 4.0 Gobuksan ホバージェット SF クラス 重量 店売り 装備しているメック 2 1 0.5 Alba(2個) 2 2 0.5 Alba, Nova Storm Buru Buru(2個), Daum(2個) 2 3 0.5 可 Ice Wind(3個), Ice Wind(b)(2個), Ice Wind(d)(3個), Vadel(2個) 2 4 0.5 Alba(2個), Daum(2個), Joust(2個), Luna II(3個), Vadel(3個) 2 5 0.5 可 Buru Buru(全種)(2個), Daum, Monstrous 2 6 0.5 Chimentero(2個), Monstrous(4個) 2 7 0.5 可 2 13 0.5 Chimentero(2個) 飛行ジェット SF クラス 重量 店売り 装備しているメック 1 4 0.1 Swan(2個) 2 1 0.5 Wasp 2 2 0.5 可 Condor(2個), Gigas(2個), Trailblazer(2個), Wraith 2 3 0.5 可 Condor(2個), Neko(2個), Scylla(2個), Trailblazer 2 4 0.5 可 Condor, Puma(2個), Scylla, Wasp(3個), Wraith(2個) 2 5 0.5 可 Maanji, Phoenix(2個) 2 7 0.5 可 Gigas(2個), Phoenix 2 8 0.5 Gigas アークジェット SF クラス 重量 店売り 装備しているメック 2 1 0.5 可 Ice Fox(2個) 2 2 0.5 可 Ice Fox, Neko, Fortress Savin(2個), Zeta Daum(2個), Zerosaiko(2個) 2 3 0.5 可 Ice Fox(3個), Neko(2個), Queztal(2個), Dragon Savin(2個), Zerosaiko 2 4 0.5 Anubis(3個), Jos(2個), Maanji(2個), Longman(2個), Zero Savin(2個), Overkill Savin(2個), Reaper Savin(2個), Gladuis(3個), Fortress Savin(2個), Dragon Savin(2個), Zerosaiko, Zeta Daum(2個) 2 5 0.5 可 Harpy, Jos(2個), Zerosaiko(2個), Zeta Daum 2 6 0.5 Maanji(2個), Longman, Zero Savin(2個), Overkill Savin(2個), Reaper Savin(2個), Gladuis(4個), Fortress Savin(2個), Dragon Savin(3個) 2 7 0.5 可 Argoseyer(2個) 2 8 0.5 Harpy, Savin(全種) 2 9 0.5 Harpy(2個), Queztal 2 12 0.5 Argoseyer 推力増幅システム SF クラス 重量 店売り 装備しているメック 2 1 0.5 可 2 3 0.5 可 2 4 0.5 Fenris, Vadel(2個) 2 5 0.5 可 2 7 0.5 可 2 8 0.5 Argoseyer, Vadel
https://w.atwiki.jp/asdfkekadfa/pages/611.html
分類 材料 入手 作成 重量 -- 形状 装備 -- 材料 自動のろし設計図, 木製歯車x8, 木製カムシャフトx10, 麻縄x5 設備 -- 燃料 40 用途 全アイテム/確認用 全アイテム/脱出 自動のろし発生器
https://w.atwiki.jp/token/pages/643.html
分類 材料 入手 作成 重量 -- 形状 装備 -- 材料 自動のろし設計図, 木製歯車x8, 木製カムシャフトx10, 麻縄x5 設備 -- 燃料 40 用途 全アイテム 自動のろし発生器
https://w.atwiki.jp/hengokurowa/pages/520.html
ナスタシアと服部は思いのほか早く敵と邂逅することになった。 来夢に桐生と言う洗脳をはねのけた人物がいたのも相まって、 洗脳をより強固なものとするべく時間をかけたからなのはある。 一方で、それを見つけたのは本来奪還組であるはずの日菜子たちではない。 「まさかあたし達が見つける側とはね。」 見つけたのは沙夜と合流を目指していたマシュ、アリサ、アニ、しんのすけだ。 マシュが三人の前に立ち、臨戦態勢へと入る。 アニも戦闘可能ではあるが、問題なのは洗脳を受けた服部だ。 服部の持つ棍棒が銃器であることは桐生との戦いで把握している。 下手に前に出ればハチの巣にされてしまう以上マシュが頼みの綱だ。 「時間をかけすぎたようね……けれど、かけた分働いてもらうわ。」 「ビバ! 伯爵!」 洗脳は十分だと言わんばかりに放たれる特殊棍棒の無数の弾丸。 木偶を粉々にする弾丸もマシュの持つ盾であれば防ぐことは可能。 だが問題はストライカーユニット震電により正面だけでなく、空からも攻撃が可能だ。 空へと舞えばマシュもアニも空中の相手に戦う術はない。 ただ盾で防ぐ以外にない防戦一方かと思いきや。 「変身!」 盾の背後でミライマンを逆さに掲げるとしんのすけが変身。 赤と白の衣装に身を包み、しんのすけマンとなって丸出しの尻から炎を噴き出し空へと飛ぶ。 当然、攻撃される可能性のあるしんのすけへと服部はターゲットを変更するも、 「ひとつひとより和毛和布!」 くねくねした動きでガトリングが如き攻撃を回避していく。 ミライマンによる変身の身体能力の強化とぷにぷに拳が合わさることで、 武器の性能を前にしても華麗(?)に躱していく。 (何故避けれるのか分からないが、動くなら今しかない。) 端から見ればシュール極まりない光景ではあるが、 傍観してる暇はなく、アニは隙を突いてナスタシアへと肉薄。 地禮で斬りかかろうとするもナスタシアは自分の弱さを理解している。 不意打ちが来るだろうことは予想済みで風火輪を起動させ空へと逃げていく。 (向こうも飛べるのかよ!) 舌打ちしながら今の戦況に頭を抱えるアニ。 やはり植木から立体機動装置を貰うべきだったと思える程に、 相手は双方空中と言う優位な場所へと逃げ込まれてしまう。 (けど向こうも攻撃してこないってことは支給品が尽きてるな。) ナスタシアは空を飛んでいるものの、 攻撃はせず流れ弾の方を警戒している様子を見ていた。 此方へと攻め入るわけではないと言うのが何となく察した。 あくまで風火輪は逃げの為のもの。そういう意味では救いだ。 アニの読みの通り、ナスタシアには攻めになりうる支給品がない。 だから欲しいのはチョーサイミンジュツを使えるそのタイミングだ。 戦況を目敏く把握しながら機会を伺う。 「アリサさんとアニさんは近くの建物に避難を!」 「分かったわ!」 「これだと仕方ないか……」 本当ならば戦うべき場面なのだが、 マサオとの戦いのダメージは数時間眠った程度では回復しきれない。 このままではマシュが身動きが取れず足手纏いなのは分かり近くの家屋へと避難。 アニも現状空中の敵に対しての攻撃手段がないのでは戦力外にしかならない。 動きに余裕ができたマシュはしんのすけが十分に服部を引き付けてるのもあり、 ブースターを使うことで空中のナスタシアへと肉薄していく。 オルテナウスを軽々と振るい、風火輪の破壊を優先とする。 「ッ!」 予想外の速度にかなりギリギリ、風圧が全身を掠めるだけに留まるが、 空中と言う優位は完全ではないとは言え失っていることは十二分に伝わった。 一方でそれだけの戦闘が行えると言うことは人材確保としては有益だ。 何としてでも洗脳して此方側の戦力としたい人材である。 (問題は武器がないこと……針目縫から分けてもらうべきだったか。) マシュの攻撃は基本直線的なので回避は難しくないが、 反撃の為の武器が風火輪しかないのが一番の問題点だ。 風火輪の炎を用いれば攻撃は一応可能ではあるのだが、 それができるほどナスタシアは使いこなしてるわけではない。 (肝心の服部は……) ちらりと向こうの様子を見るが、 しんのすけの珍妙な動きで銃器としての意味をなさず、 「みっつみだらに猫手反発!」 ぷにぷに拳を用いた動きで特殊棍棒を弾き返し、 棍棒としての攻撃の性能もまた意味をなさない。 一方で年上の女性であるのと宮藤の友達ともあってか、 ぷにぷに拳で一番の攻撃技であるはずの柔軟弾丸を使わずにいる。 お陰で実力伯仲とまではいかないが、拮抗した状態へと持ち込まれていた。 (このままペースを乱されるのであれば、彼女を利用するのが得策か。) 眼鏡を光らせ、空中を移動してしんのすけへと向かう。 マシュもさせまいと妨害をするもブースターだけでは、 空中を自在に移動できる風火輪の前では対応しきれない。 だがナスタシアの目的はしんのすけではなく、服部の特殊棍棒を奪取した。 服部の武器はそれだけなのに何事かと疑惑を持ったが、マシュは先に感付く。 「二人とも動かないように。動くのであれば私は『彼女』を撃つので。」 人質だと。 ナスタシアの視点からしたらまだ仲間がやってくる可能性があり、 特に空を飛んでいた男(カイン)に来られては戦況は覆りかねない。 早急に物事を解決するのであれば、これが一番手っ取り早い。 滞空する服部の背中へと、特殊棍棒を突き付ける。 「おねーさんを人質にするなんて卑怯だゾ! 顔色の悪いおばさん!!」 「私のこれは地肌です! 何とでも言いなさい。 私には生き返らせなければならないお方がいるのですから。」 僅か六時間。その時間で思慕するノワール伯爵が亡くなった。 マネーラでもミスターLでも、ましてや自分でもなく先に逝く。 ありえないことだと思った。疑いたくなるような放送内容だ。 ディメーンの性格を考えれば嘘を吹き込むことは考えられたが、 そも伯爵と目的が一致してる自分にその事実を突き付ける意味はない。 手段も戦術も選ぶ気など最初からないが、より一層覚悟を決めている。 (あの人も、私と同じだ。) 最初は先輩を、藤丸立香の復活を考えた。 彼女にとって殺し合いの悲願は最初のマシュと同じなのだと。 だがそんな理解や共感はすれども、今の状況を無視できるものではない。 「少年は変身をやめて、盾の其方は武器を捨てなさい。」 服部の救出が目的である以上逆らうことはできない。 マシュは盾を置いて、ホールドアップの構えを取る。 「いいコね。そこの少年も早くその奇妙な恰好をやめなさい。」 変身を解けばどうなるかしんのすけでも分かっている。 武装解除したところで服部を盾に此方を狙ってくると。 だからと言って変身を解除しなければどの道服部が危ない。 どうするべきか悩みながら空中を漂う。 「服部のおねーさんはそれでいいの!?」 「伯爵様の為であれば、惜しくありません!」 洗脳を解けないかと試すも、強固に洗脳した服部には通用しない。 今ならば死を望まれれば喜んでその首を差し出すだろう。 「無駄よ。さあ、三秒数えるまでにやめないなら撃つわ。」 相手は戦意喪失ではあるが万が一がある。 ナスタシアは念には念を入れて再度要求する。 時間制限を与えられた以上やめる以外に方法はなく、 しんのすけも変身をやめようとしたその時。 「───え?」 ナスタシアの右腕が斬り落とされた。 勿論持っていた特殊棍棒は腕と共に宙を舞い、地面へと落ちていく。 どういうことか、洗脳された服部以外は強く反応する。 ナスタシアが背後を見やれば、アニがいつの間にか背後に存在していた。 十メートルはあるであろう、この空中において。 「な、どうやってこの高さを……!?」 「世の中には浮く石があるんだとさ。」 ◆ ◆ ◆ 「クソッ、やっぱり攻めきれないか。」 家屋に隠れた後、二人の様子を見るアニとアリサ。 二対二ではあるものの、優位とは言い難い状況だ。 地禮しか武器を持っていないアニでは戦力にならない。 もどかしくもある中、アリサが言の葉を紡ぐ。 「あの、アニさん。」 「なんだ?」 「これ、アニさんなら扱える?」 そう言って渡されたのは注連縄が縛られた石、要石。 使えば飛び道具にもなるが、別の使い方も存在する。 空中に滞空させることで、足場として扱うことも可能だと。 元々はある天人が戦術として組み込んでいた代物の産物だ。 アニは屋根から要石に乗ることで空中へ乗り込み、届かなかったナスタシアの背後に回り込んだ。 最初は飛び道具目的で使おうかと考えこそしたものの、 こんな珍妙なものをぶっつけ本番で当てれる自信がないのもあるが、 これの方が安全かつ迅速に対応できるからと判断した末の結果である。 立体機動装置による足場のない空中での戦いに比べれば、十分狙いやすい。 一方で慣れない支給品の使用と足場の悪さも相まって、 首を刈り取ることはできず腕を斬り落とすだけに終わってしまう。 「グッ……この程度の痛み如きで!!」 それが仇となり腕を切断される激痛をもってしても、ナスタシアは止まらない。 振り向きながら眼光を輝かせ、チョーサイミンジュツをアニへとかける。 「な、ぐ……!!」 間近で攻撃を受け、瞳が赤くなっていく。 見たこともない人物の記憶が混在し頭を抱えるアニ。 「早く武装を解きなさい! 今度は二人の首を───」 その後の言葉は紡がれることはなかった。 燃える家屋が彼女に飛来し、激突したからだ。 ベルトルトが投擲した家屋。それは幸か不幸か、ナスタシアに直撃した。 無論、すぐそばにいた服部、しんのすけ、アニも巻き添えにして。 飛来した家屋は轟音と共に他の家屋を蹴散らし破壊していく。 絢爛な屋敷も、舞台に似合わぬカフェも全てをお構いなしに轢いていき、 止まるころには、周囲は惨状と化していたのは語るまでもない。 「何が起き……!?」 余りにも予想してない展開に呆然とするマシュ。 飛来してきた方角に何か見えた気がしたがそれどころではない。 飛来した家屋は燃えており、このままだと燃え広がって大惨事になる。 早急に生存者を確認し、アリサと共に避難する必要がある。 「ねえ、しんのすけ達は!?」 投擲された建物の揺れで身動きが取れなかったが、 ようやく収まったことでアリサはマシュと合流し、件の場所へ到着する。 目の前には燃える何処かの家屋と建物が倒壊して融合した惨状であり、 とても人が生きていると呼べるものではなかった。 「これでは四人とも、潰されたとしか……」 単純な質量の塊の衝突。 無事である可能性があるのであれば、 変身して強くなっているしんのすけだが、 彼もマサオとの戦いで大分消耗していたので望みは薄い。 「何よ、それ……」 膝をついて燃える家屋を見やるアリサ。 この殺し合いが過酷なことは理解していたつもりだ。 寝ていた間にもすさまじい戦いで犠牲者は増えてるのだから。 だが、こうまざまざと見せつけられると精神的に折れそうになる。 なのはやフェイトが魔法少女だと知っていたとしても、 あくまで彼女は一般人と相違ないのだから。 「勝手に、殺すな……」 「アニさん!? 無事だったんですか1?」 頭部から出血してるせいなのと顔つきのせいで、 ホラーチックな姿ではあるが生きてはいた。 「あいつが、しんのすけが咄嗟に突き飛ばしたんだよ。 要石で足場を作ったから死にはせずに済んだ。 破片が頭にぶつかったお陰でこの有様だがな……後まだ近づくな。 ……油断してると伯爵のことを考えちまう状態になってて危険だ。」 ナスタシアが死んだからなのか、 咄嗟の出来事で洗脳の度合いが軽かったのか。 伯爵の為に行動しそうになるが十分自制ができる。 万々歳とまではいかないが、生存者は多いに越したことはない。 「だが他の三人は完全に下敷きになった。 探すのは見ての通りだ。探すのはやめておきな。」 肉体は完全に潰れている。 とても子供に見せられるものでもないだろう。 そう思っていると、瓦礫の隙間から顔を出す一人の少年。 「おねーさん、無事で……よかった、ゾ。」 「しんのすけ!」 瓦礫の下からしんのすけが這いずって出てくる。 子供だから隙間から出ることはできたものの、 その頭は血は止まらず、命が尽きようとしてることは誰から見ても明白だった。 この状況をなんとかできる支給品は三人は持ち合わせていない。 アリサは涙を流しながら、しんのすけの手を取る。 「あたしに構わず避けていれば、 あんたは無事だったはずだ。何で態々アタシを助けた?」 唯一の疑問。 しんのすけがいなければアニは死んでいた。 だがしんのすけが庇ったお陰でアニは頭を打った程度で済んだ。 それが疑問でならなかった。マサオなら友達だから助けただろう。 アリサなら此処での付き合いも短くない。だがアニは違う。 アニとしんのすけの関係があるならば、精々寝てるところを見張っただけ。 それをしんのすけが知っているわけでもない。なおの事助ける理由が見つからない。 「困ってる人がいたら、おたすけしなくちゃって……」 あの時アニは洗脳との状況のせいで、 見えていたはずの投擲に対応できてなかった。 だからしんのすけは咄嗟に動いて助けた。ただ、それだけ。 (───ああ。こういうのを『いい人』って言うのか。) 嘗てのアルミンのように対話したかっただからとか、 争いを避けるためだからとか打算や目的があるわけではない。 実に子供らしい単純な理由。それだけで助けられた。それだけで命を拾うことができた。 「……助かったのは事実だ。礼は言っておく。」 アリサが握っていたしんのすけの手をアニもまた握る。 それを見ると、やがて安心したようにしんのすけは眠りについた。 今度こそ目覚めることのない、死と言う眠りに。 『申し訳ない。私の力が至らなかったばかりに。』 しんのすけがでてきた瓦礫の中から、ミライマンもまた姿を現す。 流石に少し傷がついているがまだ原形は留めており、支給品としての役割はまだ担える。 「いいえ。突然の事でしたから……ですがこの質量を投げ飛ばせるとは。」 一体どんな参加者なら可能なのか。 変身したマサオのような事例は滅多にない。 どんな人物か想像もつかなかった。 「……しんのすけの分、あたしが絶対おたすけするから。」 受け継がれる遺志のように、 ミライマンを手に取りアリサは立ち上がる。 一方でアニは家屋が飛んできた方角を見やり思案する。 これができる人物は、一人しかいないと。 (あたしの知る限り、今のはベルトルト以外ありえない。) こんなぶっ飛んだことができるのは彼ぐらいだ。 ベルトルトが何を考えてこれを投げたかは定かではない。 余程追い詰められたのか、それとも自分含め全滅を狙ったのか、ただの事故か。 答えなど知るよしもない。そのベルベルトも与り知らぬところで命を散らした。 ただ言えるのは、この戦いは余りにも無意味な結果に終わってしまったことだ。 奪還するはずの服部は助けられず、しんのすけまでもが犠牲になった。 無駄な死は慣れたものだ。女型の巨人で暴れた際にも経験している。 だからと言って、アリサは納得できるものではないだろう。 マシュも同様だ。他の世界を滅ぼして自分達の世界を守る。 そういう旅をしてきていたのだから。 せめて救いがあるとするのならば。 おたすけの意志は未だ潰えずだろうか。 【ナスタシア@スーパーペーパーマリオ 死亡】 【服部静夏@ストライクウィッチーズシリーズ 死亡】 【野原しんのすけ@クレヨンしんちゃん 死亡】 【F-6 昼/一日目】 【マシュ・キリエライト@Fate/Grand Order】 [状態]:喪失感(大)、深い悲しみ、混乱 負傷(中)、疲労(小)、溶解(軽微) [装備]:オルテナウス、オルテナウス盾部分 [道具]:基本支給品一式、ランダム支給品×1~2、桐生の首輪(討伐報酬による解除)、首輪×3(沙耶香、マサオ、宮藤) [思考・状況] 基本方針:生き延びて、先輩と再び逢う。 1:参加者と接触し、先輩の目撃情報を調べる。 2:先輩が見つかるまで、アニさんと行動する。 3:桐生との戦闘が終わり次第、マサオから事情聴取する 4:疑似霊核……カルデア? それとも……サーヴァント? 5:アニさんと共に沙夜と言う人物達を探す [備考] ※参戦時期は少なくとも第二部第二章以降 ※マサオの疑似霊核から、この殺し合いにカルデアの関係者か、 サーヴァントが関わっているのではないかと考えています。 ※ムラクモと情報交換をしました。 【アニ・レオンハート@進撃の巨人】 [状態]:マシュに対して不安、眼に巨人化の痕 ムラクモに対して警戒 負傷(中) 疲労(小)、とうぶからしゅっけつ、洗脳(超軽微・時期治癒完了) [装備]:地禮@PROJECT X ZONE2 BRAVE NEW WORLD、まりょくのみ@大貝獣物語2(半分未満)、要石(射撃用×3、足場用×1)@東方project [道具]:基本支給品×3(自分、宮藤、桐生)、ランダム支給品×0~1(武器類、回復類はない)、特殊棍棒(エクスカリバー) [思考・状況] 基本行動方針:マシュ・キリエライトと共に行動する。 1:参加者と接触し、ベルトルトと立体機動装置を探す。立体起動装置はは諦め気味。 2:巨人化能力が再び戻るまでは、マシュと行動する。場合によっては再び対峙するかもしれない。 3:植木という少年からなんとか立体起動装置を譲ってもらいたかったが、仕方ないか。 4:ムラクモ……警戒を怠れないな。 5:マシュたちと一緒に沙夜と言う女を含む三人組を探す。 [備考] ※参戦時期は第132話、ヒィズルの船に乗った直後からの参戦です ※この殺し合いの主催者にエレン・イェーガー、もしくは『始祖の巨人』を所有したエルディア人がいるのではと考えています。 ※ムラクモと情報交換をしました。 ※F-7に女型の巨人の残骸(数十分で蒸発する)が残されています。 ※女型の巨人には制限が掛けられています、制限は以下の通りです 身長は10m級に調整されている 一度巨人化すると一定時間経過しないと再び発動できない 【アリサ・バニングス@魔法少女リリカルなのはA’s】 [状態] ダメージ(極大・治療済)、疲労(大)、悲しみと覚悟 [装備] シリマルダシ(ミライマン)※残り3回@クレヨンしんちゃん [道具] 基本支給品、ランダム支給品×1 [思考・状況]基本行動方針 殺し合いは絶対しない 1:マシュさん、アニさんと行動する。 2:目が覚めたらマサオに謝りたかったのに…… 3:しんのすけの分もおたすけするわよ! [備考] ※参戦時期は11話、なのは達が魔法少女だと知った後です 【要石@東方project】 アリサに支給。比那名居天子が用いる要石。 武器から足場と多種多彩な使用が可能で、 射撃用と滞空する足場用の二種類がそれぞれ三つずつ支給されている。 射撃用は東方緋想天の天子の2Bのように、 ドリルみたいに回転しながら飛んでいく 滞空する足場は十秒間滞空する ※ストライカーユニット震電@ストライクウィッチーズシリーズ じわじわキノコカン×4@スーパーペーパーマリオ、ビブルカード×2(針目縫、ムラクモ)@ONEPEACE、風火輪@封神演義、まどわし草×3草@トルネコの大冒険3は潰れた家屋の中にあります 回収は困難です ≪考察≫(ムラクモ、アニ、マシュ、日菜子、ドミノ、カイン、植木、アリサ) リフレクターの変身について ①コモンの可能性:フラグメントも魔物もいない為低い。 ②原種が存在する:現状ではなんとも。移動ついででいるかどうかを調べてみる。 刀使の多さについて ①刀使の力をメフィス達か関係者が必要としている。 ②タギツヒメを倒せる刀使が必要だったから(タギツヒメの力を手に入れる為)。 ③高津雪那が運営関係者で、タギツヒメの障害となる刀使を参加者にした。 (折神紫はいないが、私怨を晴らす為か?) ④理念の為? 見せしめに藤丸立香を選んだ理由 ①藤丸立香に関係している人物が主催に関わっている。 ②選ばれたのは旅を続けられると、主催にとって不味い事態があるもしくは起こる。 ③名簿に記載されている同姓同名の藤丸立香については、ひとまずは保留。 ④理念の為? 他 ①首輪が科学と魔術ではなく魔術のみの可能性。 念には念を入れて紋章を知る参加者を探しておく。 ②シャンバラと呼ばれるものが使えるかもしれないが、現状はついで。 ③主催側には、いくつかの世界の関係者たちが連合を組んでいる可能性がある。 073:双眸赫翠 投下順 075:雷桜 071:たった一つの想い貫く 野原しんのすけ GAME OVER アリサ・バニングス マシュ・キリエライト アニ・レオンハート 063:桐生伝 アシッド・レイジ・ロアー 服部静夏 GAME OVER ナスタシア
https://w.atwiki.jp/ljksscenario/pages/130.html
ー過去の時代、弱肉強食に立っていたと言われていたのは、人類・・・ではなかった。 人類を超える種族は、人を喰らい、滅ぼし、生き残った人類は三層の壁で仕切られた小さな世界で、 満足気に暮らしていた。 しかし、百年がたったある日、彼らはかつての恐怖を思い出した。 やがて、彼らは、かつて自分達が「進撃」された者達への「進撃」を開始していった。 「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・・・・!」 人々が自宅に着いている頃であろうこの時間に、 幾つもの燃え上がる炎が、黒く包まれた夜を赤く染めていく街中で、 エレン・イェーガーは走り続けていた。 さっきまでは聞き慣れなかった爆撃音も煙も、今ではすっかり景色に溶け込んでしまっている。 上空からは、絵本にでも出てきそうな格好をした騎士が、真紅の竜に乗り、炎を吐かせ上空を飛行し、こちらへ向かっていた。 この姿を見た瞬間から、彼はその異様な者から逃げていたどれくらい逃げたかも分からない、ただ彼は走り続けた。 エレンは今、ここから数百メートル先にある地下鉄への入り口に向かっている。そこにならあの竜も来られない。 腕時計が示している時間は、10時20分。大丈夫だ、間に合う、あと少しだ。そう考えながら走り続けようとしたが・・・ 「うわっ!」 一瞬、右足に強烈な痛みが走ったと同時に、エレンの身体は宙を舞い、数十メートル先の地面に叩きつけられた。 「痛っでぇぇぇぇぇ!」 体中が、ズキズキと激しく痛む。それでもエレンは、上体を起こし、何とか立ち上がろうとするが、 右足が、立たない。いや、感覚すら感じられない。 それでも、背中を表にして倒れた自分の身体を返し、上体を起こそうとする。 這いつくばってでも逃げよう、そう考えながら。 「ハァ・・・ハァ・・・・」 やはり先程叩きつけられた時の痛みは効いていた、だが何とか起こすことは出来た。 自分が倒れた丁度 そして、感覚を失った自分の右足を見てみる。 きっと輪切りにされた人参みたいになっているだろう、そう思いながら。 だが、出血は見られなかった。 「・・・・え?」 代わりに傷口から出ていたのは、水蒸気の様に空へと上って行く粒子状の何かだった。 そして自分は、これに対し何らかの既視感を覚えた。 そして、辺りに建っている建物を見た時、何故か違和感が湧き上がってきた。 まるで、今まで貯めこんだ物が、全部溢れだしたみたいに。 何でこんなところに自分がいるんだ、という疑問に至った、その時だった。 さっきまで上空で竜の手綱を握っていた男性が、目の前に、ゆっくりと、淡々とした表情で、 こちらに近づいて来ていた。 「万事休す、か・・・。」 そう言って、騎士は腰から剣を引き抜き、 「済まないな、少年、ここで死んでくれ」 エレンの頭上に刃を構えた。 エレンは首にぶら下がっている自分の家の鍵を見つめ、心の中で呟いた。 俺は・・・ここで死ぬのか・・・・。 冗談じゃない。 ようやく調■■団に入れたのに。 ■んだあいつらの■も取れていないのに。 まだ■ォー■・■リ■の奪還も成功していないのに。 そこにある■■室にも辿り着いていないのに。 まだ■人を全て駆逐し切れていないのに。 「畜生ォォォォォォォ!!」 そう叫び、本能的に左手を食いちぎろうとした瞬間、 不意に手が熱くなり、赤く光り出した。 赤い光と熱い熱には慣れかけているが、 そして、自分を殺そうとした騎士の様子もおかしかった。 驚いた表情をしながら、彼の赤く光る左手を見つめていた。 「・・・・・馬鹿な・・・彼が・・・マスターだと!?」 そして、エレンが噛もうとした手の甲に、赤い光が、 何かの紋章を描き、それを残して、消えた。 ー思い出した。全てを。 だが、この刺繍は一体何なのか、自分は何故ここにいるのか、 そして、目の前にいる騎士の言う「マスター」とは何なのか。今でも分からないことだらけだ。 こんな状況をどう打破すればいい。 「・・・マスターなのなら丁度いい、消えてもらうぞ!」 そんな中、騎士が再び剣をエレンに向けてきた。 ー刹那。 騎士の背後で大きな爆発が起きた。 エレンはやはり爆風で更に後ろに吹き飛ばされた。 今度は背中を地面にぶつけた。吹き飛んだのはこれで二度目だ。 度重なる痛みを堪え、地面に向いていた顔を再び前方に向けると、そこには さっき自分を殺そうとした騎士はいなかった。 しかし、上空からは、 『■■■■■■!!』 人の咆哮が聞こえてきた。巨人の様な。 そして今度は暗い虚空に目を向けると、 そこでは、さっきの騎士があの竜に跨り、空中に浮かぶ一体の巨人・・・らしきものと戦っていた。 青と白を組み合わせたような色の鎧を全身に纏い、背中にある蝶の様な輝く翼をはためかせ、大剣を両手で持っていた。 巨人に見えるが、あれはどう考えても巨人ではない。鎧を纏った巨人なら戦ったことがあるが、武器を持った巨人など聞いたことがない。 仮に巨人だとしたらハンジ隊長が喜んで可愛がってくれそうだが。 そして白い巨人もどきは竜に向かい斬りかかろうと距離を詰めながら飛びかかって行き、竜が火を吐きながらそれを回避していく、そして鎧が再びそれを追いかけ、 竜は回避していった、一体と一騎の戦いは、その繰り返しであった。 「・・・あの少年のサーヴァントか・・・一体何のクラスなんだ?!」 エレンを襲ったサーヴァントは、宝具である竜に跨りながら、今自分が戦っている巨人の姿に困惑していた。 何なんだあのサーヴァントは。クラスも真名も見当が付かない。 先程は銃を使っているから、アーチャーなのか、それとも今は剣を振るっているからセイバーなのか。 しかしあれは、どう考えても異様すぎる姿だ。この竜と同等以上の大きさで、かつ全身を甲冑で隙間無く包み込んだ、 翼を持つ戦士など。 単なる「武装した巨人」ならスルト、ヒルデなどがいるが、翼を羽ばたかせ近代兵器を使う英雄は知らない、 (聖杯の知識にはそんな英雄は存ざ・・・ いや待て、中には鋼鉄の人型の搭乗型宝具を持つ英雄もいるとされていた。) となるとクラスは自分と同じライダーか。しかし相変わらず真名は分からない。 そう考えれば説明がつく。となるとクラスはライダーが妥当か・・・・ そんな事を考えながら、ライダーは敢えて距離を取りながらあの白い全身装甲の巨人に向かい竜に火を吹かせ続けた。 ライダーの推察は、半分正解、と言っていいだろう。 人型の搭乗型装甲が彼の宝具、そこについてはビンゴだ。 しかし、クラスについては残念ながら間違いだ。 だが、彼は気づいていなかった。鎧の装着者に、理性など無かった。 「■■■■■■!」 巨人の心臓に当たる部分で手綱を握っている少年の目に、輝きは無かった。 有るのは、狂気。 家族を、愛した少女を、多くの仲間達を奪った「争い」に対する憎しみ。 争いを争いで終わらせる、血で血を洗う矛盾した正義。 それらを全て狂気に替えて、少年は愛機を操り続けた。 そう、彼のクラスは、「狂戦士」 どうにかさっきまで距離を取っていられたライダー。 しかし、どうやらここまでだ。 バーサーカーは咄嗟に剣をしまい巨大なライフルを取り出し、竜の炎を相殺させてしまった。 彼は狂っていても尚、エースパイロットとしての優れた操縦技術は失っていなかったのだ。 そしてその衝撃でライダーも竜も吹き飛び、バランスを崩してしまう。 この隙を、バーサーカーは逃さなかった。 すかさず剣を抜き、竜に向かい斬りかかる。 果たして竜の身体は真っ二つにされ、ライダーは地面へと落ちていった。 ライダーはマスターに念話で頼み、令呪で引き返そうと考えるが・・・ 刹那、ライダーは光に包まれ、光が消えた後、そこにライダーの姿はいなかった。 上空には、手の平に仕込まれたレーザー砲を、さっきまでライダーがいた場所に向けていた バーサーカーがいた。 自分が別世界に来てしまったことを知った少年は、まだ知らない。 自分を殺そうとした騎士を殺した甲冑の狂戦士が、自分の従者であり、 自分が、願いをかけた殺し合いに参加していることを。 人と、人を超えた存在。 互いを憎み合う二人の復讐者の少年は、互いに気づかぬまま今ここに、主従の交わりを結んだ。 ー未来の時代。人々は、「力」を求めた。 しかし、それをうまく扱うための「想い」が無かった。 故に、彼らの中に「憎しみ」が生まれた。 憎しみによる争いは憎しみを生み、それが新たなる争いを生んだ。 いつになったら、その連鎖は断ち切れるのだろうか。 【クラス名】バーサーカー 【真名】シン・アスカ@機動戦士ガンダムSEED DESTINY 【性別】男 【属性】秩序・狂 【パラメータ】筋力A 耐久B 敏捷A+ 魔力E 幸運D 宝具C 【クラス別スキル】 狂化:C 魔力と幸運を除くパラメータを底上げするが、言語能力を失い、複雑な思考が出来なくなる。 【固有スキル】 開花された本能:A+ 本能の種を割り、覚醒させる力。 自らのパラメータと知能を活性化させる。 このスキルは、他のクラスで呼んだ場合はEランクの狂化スキルを 付与させるが、本来なら狂化により無意味にされてしまうはずの戦闘用スキル に+補正を加え、最大限に使用出来るようになっている。 長い時間発動はしていられないのだが、今回はバーサーカー のクラスで呼ばれたため、その影響で常時発動していられる。 バーサーカーが狂っていてもその戦闘技術を失わなかったのは、 このスキルの恩恵を受けているためである。 直感:B+ 気配を感じ取る能力。 敵の気配や行動パターンを感じ取ることが出来る。 騎乗:E 乗り物を乗りこなす才能。 バイクやモビルスーツなどなら 人並みに乗りこなすことが出来る。 【宝具】 「改革を護る運命の剣(デスティニー)」 ランク:D 種別:対軍宝具 レンジ:30 最大捕捉:10機 バーサーカーが生前愛用していた人型機動兵器「モビルスーツ」。 ギルバート・デュランダルが、自らが考案した「デスティニー・プラン」の 実行に合わせてロールアウトしたシン・アスカ専用のザフト最新鋭の機体。 「ニュートロンジャマーキャンセラー」による核エネルギーによる運用により、 消費する魔力は少ない。また、この機体及び装備は、魔力による メンテナンスを可能としているが、消費する魔力はダメージに連動する。 【Weapon】 「改革を護る運命の剣(デスティニー)」の装備一式 【人物背景】 オーブ共和国に生まれた遺伝子操作によって生まれた人間「コーディネイター」。 それでもごく普通の人間の生活をしていたが、コーディネイターと純粋に生まれた人間 「ナチュラル」の争いの戦火が中立国であるオーブにも渡り、避難しようとする中 流れ弾で両親と妹を失う。この後コーディネイターが住む人工惑星「プラント」に 移住。家族を見殺しにしたオーブと、それを導くアスハ家を憎んでいる。 やがて彼はプラントを統治する「ザフト」のアカデミーに入学、優秀な成績を修め卒業。 ザフトの新型兵器「インパルス」に乗り数々の戦績を手にした末にザフト特務部隊「FAITH」 の一員の座とザフトの新型兵器「デスティニー」を与えられ、実質ザフトのエースパイロットとなる。 心優しい性格だが反面真っ直ぐ過ぎる上に家族を失ったことが原因で心がやや荒んでおり、 情緒不安定な部分が多くアカデミーでの授業の態度も悪かったと言われている。 【聖杯にかける願い】 争いの無い世界を創りあげる。 【方針】 ■■■■■ー!! 【備考】 「改革を護る運命の剣(デスティニー)」の装備、カタログスペックなどはウィキペディアなどをご参照ください。 【マスター名】エレン・イェーガー@進撃の巨人 【性別】男性 【能力・技能】 立体機動 「立体機動装置」を利用した三次元運動。 立体機動装置を持ってきていないため、使用できない。 巨人の力 強い感情と共に腕を噛み千切ることで、巨人に変身することが出来る。 圧倒的な身体能力と回復力、そして物質変換能力を持つが、 ただし、自我を保っていられることが難しい上に連続で変身するとそのたびに だんだん小さくなる。また元に戻るには巨人のうなじに当たる部分から 自分の身体を誰かに取ってもらわないといけないため、容易に使用することは出来ない。 ただし、変身しなくても回復力だけは人間体でも相変わらずである。 【人物背景】 巨人から人々を守る3層の壁の内最も外側である「ウォール・マリア」に住む医師、グリシャ・イェーガーの息子。 幼馴染であるミカサ・アッカーマンやアルミン・アルレルトと共に壁の外に強い憧れを持ちながらも平凡な日々を謳歌していたが、 突然壁の外を超えて現れた超大型巨人によりウォール・マリアが破壊されたことで母を目の前で殺され、 それ以降巨人を一匹残らず駆逐してやると誓った。そして2年後に訓練兵となり、総合順位5位で卒業するが、 再び超大型巨人が襲撃した際、本能的に巨人へと変貌してしまう。しかし、それを兵団に見られたために 一時は化け物呼ばわりされることになるが、紆余曲折を経て調査兵団に入団することになる。 良くも悪くも実直な性格で人一倍強い精神力を持つ。その猪突猛進な行動と言動から「死に急ぎ野郎」と呼ばれている。 【聖杯にかける願い】 彼は聖杯戦争のことなど全く知らないが、もし望むとしたら巨人を消し去り、壁の外へ行くことであろう。 【備考】 エレンは11巻以降からの登場ですが、グリシャにかき消された記憶は未だ思い出していません。 また、服装は調査兵団の格好ではなく私服です。 細かい部分は各書き手様にお任せします。 【方針】 とりあえずは帰宅する。 出来ればここがどこなのか、一体何故自分がここにいるかが知りたい 候補作投下順 Back 徳川光成&アサシン Next 輿水幸子&レスキュー
https://w.atwiki.jp/variwiki/pages/50.html
HMA用携行火砲の一覧 HMA用火器の弾薬について 作中登場済みには「●」印をつけておきます。 企業別 カテゴリー別 小銃族之家系図 ジェネシック・インダストリー社 M9・90mm50口径長アサルトライフル M90・90mm44口径長アサルトライフル M490・100mm44口径長アサルトライフル M490MAC12・120mm40口径長ヘビーカービン M570・90mm48口径長軽機関砲 AR70・100mm48口径長バトルライフル M660・90mm60口径長ガトリング機関砲 M658・90mm55口径長ガトリング重機関砲 M16・90mm24口径長自動軽砲 GMC2・100mm60口径長ガトリング機関砲 M18・100mm25口径長自動軽砲 M119・120mm44口径長軽野砲 M121・120mm44口径長半自動砲 GMC4・120mm65口径長ガトリング機関砲 M820・155mm60口径長ロングレンジライフル M820C・155mm45口径長ヘビーカービン M822・175mm65口径長ロングレンジライフル XM821・203mm35口径長ヘビーペイロードライフル XM113・170mm20口径長半自動軽短砲 M88・88mmレールガン フードル・ペッカー造船所 Mk−2・外装火器システム Mk−3・防刃付き外装火器システム Mk−1A2・外装火器システム Mk−4・外装火器システム M201・203mm30口径長榴弾砲 M201A2・203mm35口径長榴弾砲 アームド・プロダクツ XM580・90mm30口径長短機関砲 M581・90mm40口径長短機関砲 M560・90mm36口径長汎用短機関砲 M2000・90mm50口径長アサルトライフル VMPAR M100・100mm50口径長重機関砲 M562・100mm36口径長短機関砲 AR74・105mm50口径長自動砲 AR74A2K・105mm45口径長バトルライフル 菊池金属工業 01式・100mm46口径長機動装甲用自動小銃 100式・120mm50口径長重攻撃小銃 M10・EBR D.A社 BK100・100mm55口径長リボルバーカノン M1001・100mm43口径長チェーンガン M1201・120mm38口径長チェーンガン M440・90mm40口径長ガトリングガンポッド M210・アーマメントシステム XM06・203mm25口径長直接攻撃ランチャー アーシェ・クロイツ社 TYPE98・EMRC ハイダ重工 БK5・100mm52口径長重機関砲 БK3・120mm50口径長大口径重機関砲 A275・125mm45口径長対装甲滑腔砲 S56・175mm56口径長カノン S90・175mm68口径長カノン砲 カテゴリー別 ライフル バトルライフル 大口径ヘビーライフル 狙撃砲 複合火器 ハンドガン 滑腔砲 機関砲 レールガン マウント火砲 軽短砲 小銃一族之族家計図 AR9一族 M9・90mm50口径長アサルトライフル ┃ ┣M90・90mm44口径長アサルトライフル ┃┃┃┃ ┃┃┃┗M490・100mm44口径長アサルトライフル ┃┃┃ ┃┃ ┃┃┃ ┃┗M490MAC12・120mm40口径長ヘビーカービン ┃┃┃ ┃ ┃┃┃ ┗AR19・120mm45口径長バトルライフル ┃┃┃ ┃ ┃┃┃ ┗SR220・120mm52口径長長距離対装甲ライフル ┃┃┃ ┃┃┗M960・90mm40口径長アサルトカービン ┃┃ ┃┗AR916・90mm45口径長アサルトライフル ┃ ┃ ┃ ┗AR920・単独制圧打撃火器システム ┃ ┣M911・105mm46口径長バトルライフル ┃ ┗SR190・90mm60口径長セミオートライフル ┃ ┗SR1911・100mm56口径長マークスマンライフル AR7一族 AR70・100mm46口径長バトルライフル ┃┃┃┃┃ ┃┃┃┃┗ASR78STAR・100mm53口径長支援戦術自動砲 ┃┃┃┃ ┃ ┃┃┃┃ ┗Mk072STAR・L・100mm48口径長支援戦術軽自動砲 ┃┃┃┃ ┃┃┃┗AR70A1BP・100mm50口径長バトルライフル ┃┃┃ ┃┃ ┃┃┃ ┃┗AR79・90mm52口径長アサルトライフル ┃┃┃ ┃ ┃┃┃ ┗XM710・先進単独支配火器 ┃┃┃ ┃┃┣AMC70・100mm50口径長軽機関砲 ┃┃┃ ┃┃┗ARP70・100mm35口径長短機関砲 ┃┃ ┃┗AR74・105mm50口径長自動砲 ┃ ┃ ┃ ┗AR74A2K・105mm48口径長バトルライフル ┃ ┗Mk075A1スターライト・100mm48口径長バトルライフル ┃ ┣Mk075A3スターライトショート・100mm40口径長バトルカービン ┃ ┗Mk075A4Lスターライトロング・100mm52口径長バトルマークスマン M10一族 01式・100mm46口径長機動装甲用自動小銃 ┃┃ ┃┣M10・EBR ┃┃ ┃┗M10LAIF・100mm52口径長軽量先進統合火器 ┃ ┗M11・100mm51口径長半自動砲 Mk-1系腕部機関砲一族 Mk−1A2・外装火器システム ┃┃ ┃┗Mk−2・外装火器システム ┃ ┃┃ ┃ ┃┗Mk−3・防刃付き外装火器システム ┃ ┃ ┃ ┗M162・90mm多連装重機関砲 ┃ ┗Mk−4・外装火器システム
https://w.atwiki.jp/higumaroyale/pages/109.html
魔法少女/スカイステージ ガシャン、ガシャン。 音を立てながら森の中を2人の少女が歩いている。 「うーん、歩くのは好きじゃないクマー……」 「……」 一人は茶髪の奇妙な機械を全身につけた少女。 一人は長い黒髪の制服を着た少女。 奇妙な2人組……球磨と暁美ほむらは城から南下し、森の中へと移動していた。 「……それにしても別の世界って一体何なんだクマ……」 すでに道中で互いに簡単な自己紹介は終わっている。 だが相手の語る何もかもが、互いの知る世界とは違っていた。 (大体魔女って何だクマ。 球磨たちは魔法少女とかそういうのはもう卒業する年だクマー……) とはいえ嘘と断じるにはリアリティがありすぎる。 そもそも鎮守府にいたはずの自分が何故こんなところにいるのか……。 それこそ彼女の言う魔法だなんだかんだがあったほうがよほど説明の付く話であった。 (……ええい、考えるのはやめだクマ! そもそもこういうのを考えるのは提督の役目クマ! 球磨は動いて戦うのみだクマ!) 堂々巡りの思考を打ち切り、そういうものだと割り切ることにする。 戦場に迷いを持ち込むものは、自分のみならず仲間も危険にさらす。 それはやってはいけないことだ。 だから飲み込み、割り切る。戦場では必須のスキルだ。 しかし……それはそれとして同行者に訊かねばならぬことがあった。 納得のいかない、もう1つのことについて。 「そういえば、気になっていたことがあるクマよ」 「……何かしら」 「ほむらはさっきどうやって球磨に近づいたクマ? 全然気付かなかったクマ」 「普通によ。貴女がたまたま気付かなかっただけ――」 「それはないクマ」 球磨は間髪いれずに断言した。 「球磨は射撃の前には電探で周囲を探してるクマ。 そうしないと誤射とか爆発に巻き込んだりしてしまうクマ。 でもほむらは……そう、その……"いきなりそこに現れた"としか思えなかったクマー。 おかしなこと言ってるってのはわかってるクマ。でも……そうとしか思えなかったクマ」 対する答えは沈黙。 球磨もそれがわかっていたようで、大きくため息を付いて続きの言葉を口に出す。 「……まぁ言いたくないならいいクマよ。 それよりもこれからどうするつもりクマ?」 「もちろんここから出るつもりよ」 「うーん、そうじゃなくて……具体的な方針とかあるクマ?」 「ええ、まずは行動を共に出来る人間を集めるべきだと思っているわ」 ――そう、自分たちには戦力が足りない。 暁美ほむらは思い出す。 最初に出て来た謎のヒグマ……の形をした何か。 ティロ・フィナーレを超えるあの一撃を喰らい、大の大人を即死せしめた。 今の自分たちではあれに襲われては一たまりもない。 脱出する方法を見つける前に死ぬわけには行かないのだ。 それに人数が多ければ多いほど、自分が何をしようと見えづらくなるだろう。 心の中でそんなことを考えるほむらに対し、球磨は満面の笑顔を浮かべる。 「それは賛成クマ! 仲間とチームを組まないと球磨といえどあっというまに深棲戦艦の仲間入りしてしまうクマ」 仲間、チーム。 その単語にほむらの脳裏に過去の幻影がフラッシュバックする。 ――黄色い髪の優しい少女 ――粗暴な赤い髪の少女 ――青い髪の快活な少女 彼女たちとは何度も出会い、何度も共に戦った。 その結末はすべて悲惨なものだったが、それでも暁美ほむらは仲間と共に進む道を知っている。 その強さも、暖かさも、想い出も知っている。 ――"彼女"が入れてくれた紅茶のにおいも、 ――"彼女"から分けてもらったりんごの味も、 ――"彼女"が褒めてくれた時の快活な笑顔も、 忘れたわけではない。 手放したいわけでもない。 壊したいかときかれれば全力で否定する。 彼女にとってはそれらの絆も確かにあった大事なものだ。 ――だがそれでも暁美ほむらには譲れない願いが存在する。 そしてこの茶番の背後にいるのはとてつもなく強大な何か、だ。 あのティロ・フィナーレを超える威力をもった一撃を易々と無効化したあの熊の形をした何か。 そしてそんなモンスターを主催側が制御していると言う事実。 何を犠牲にしても、どんな手を使ってでも一刻も早く元の世界に返る。 そして今度こそまどかを―― むにっ。 「ふえっ……?」 真正面、球磨が自分の頬を引っ張っていた。 「……ふぁひをひているのかふぃふぁ?」 「見ての通り、ほむらの頬を引っ張っているクマよ」 頬を掴んでいた手を振り払う。 「ほむら、嫌ーな顔してたクマ。 まるで無茶苦茶な作戦出されたときの提督みたいな顔だったクマ。 "やらなきゃいけない。それしかない。"……そんな思いつめた表情だったクマ」 「……」 心の中を見透かされたようで言葉に詰まる。 「まぁちょっと聞き流してくれていいクマだけれど…… 世の中には時の運っていうのがあって、努力してもどうにもにもならないこともあるクマ。 ――羅針盤とか、建造とか、羅針盤とか」 羅針盤2回言った。 何か嫌な思い出でもあるのだろうか。 「そういう時はちょっと立ち止まるのも重要だって提督は言ってたクマ。 その意見には球磨も諸手を挙げて賛成クマよ」 「……立ち止まってる暇がないとしたら? 立ち止まってる間に状況が悪化したとしたら?」 「そ・れ・が、一番いけない考えクマよ。 もしかしたらその立ち止まっている時間で事態が少し好転するかもしれないクマ。 そんなものは結局は終わってからしかわからないものだクマ」 どこか達観したかのようなその物言いはほむらの神経を逆撫でした。 冷静沈着な仮面を剥ぎ取ってしまうほどに。 「そんな考え、能天気すぎるわ……! 貴女には守りたい物なんてないのかもしれないけれど、私には……!」 「――球磨にも守りたいものはあるクマ」 その目は真正面からほむらを見据えていた。 その瞳にふざけた色は一切浮かんでおらず、眼を通じて内面まで覗き込まれるかのようなその視線から眼が離せない。 「提督や多摩、木曽……鎮守府の皆、内地の人間……色々背負って必死に戦っているクマ。 でも自分ひとりで足掻いてもどうにもならないことがあることも知ってるクマよ。 その"どうにもならないこと"は――背負っちゃだめな荷物クマ。 でも真面目すぎるやつはそれを背負っちゃうクマ。 そして――最後には溺れてしまうクマよ」 言葉を返せない。 今の球磨には反論を許さない、重みがある。 「だからその荷物を少しずつ降ろすためにも、立ち止まることは必要だクマ。 その時間に焦ってつぶされそうになるかもしれないけど、同じ背負うならそのツラさのほうがきっと有意義だクマ」 その言葉には確かな"実感"があった。 反論しようとするがうまく言葉がつむげない。 「……それでも私は、立ち止まらない。立ち止まってはいけない」 そうボソリと呟いて、再びほむらは背を向けて歩き出す。 理解は出来るが納得は出来ない"そんなところだろうか。 (まったく……この子はどんな人生送ってきたんだクマ……。 人生の大先輩としては放って置けないクマねぇ……) 大きくため息をつき、後を追おうとして何かを思い出す。 「そういえばほむら」 「……何かしら」 「う、そんな睨むような目つきでみないでほしいクマ……。 ちょっと提案があるだけクマ。支給されたものを交換しないクマ?」 「……どうしてかしら?」 「最後のひとつが球磨には装備できないものだったクマよ」 そう言って袋の中から"それ"を取り出した。 「これは……?」 「うーん、何か戦闘に使う物だってことはわかるクマ。 この通りどうつけるかって説明書だけはあったクマ……使い方は何故か書いてなかったクマ」 「……いいわ。ただし一度使ってみてからにするわ」 少し考えた後ほむらはそう答えた。 これが武器だった場合、自分の魔法と組み合わせることでアドバンテージを得られる。 そう判断してのことだった。 「いいクマよー。どうせ球磨は艤装が邪魔で装備できないクマ。 えーと、まずこうやって腰あたりに……ベルトをまきつけて……」 ほむらの腰あたりに抱きつくようにして装備させようとする球磨。 いきなりの身体的接触にほむらは戸惑いを隠せない。 「ちょ、ちょっと! 教えてもらうだけでいいわ!」 「まぁまぁ、遠慮は要らないクマ。えーと次は太ももにこのユニットを取り付けるクマね」 「あ、きゃあっ!」 「ん~? 意外とかわいい声上げるクマね~? 木曾のおへそを触ったときを思い出すクマー。あの子も意外とかわいい声をあげるんだクマ……」 「だ、だからどこを触って……」 「ふっふっふっ、ここかー、ここがええのんかクマー?」 「あっ、やっ、ま、まどかぁぁぁぁぁ!!」 * ……少女キマシ中 * 「ま、まどかぁ……!」 ほむらは自分の肩を抱えて、荒い息を抑えている。 その目じりにはうっすらと涙が浮かんでいる。 一方で球磨は何かを成し遂げた笑みを浮かべている。 「ごめんごめん。ついついからかいたくなってしまったクマ。 ……にしても、奇妙奇天烈な装置クマね」 引き金の付いた奇妙な二振りの剣。 その柄尻からワイヤーが伸び、腰の装備に接続されている。 更にその腰の装置からは大腿部に装着される謎のユニットにワイヤーが伸びている。 砲身が付いていれば艤装のようなのだがそうでもないらしい。 独創的を超えて奇想的とまで言えるレベルのシロモノだった。。 「球磨たちの艤装に似てるけど、用途は全然違うみたいクマね?」 「この引き金は一体何なのかしら……銃口もないみたいだし」 「だったら試しに引いてみるとイイクマ」 そう言って何故か球磨はほむらに密着した。 「……何の真似かしら? またおかしな真似をしたら……」 「違うクマよ。もしコレが暴発したら危ないクマ。球磨は艦娘だから爆発には耐性があるクマ。 盾ぐらいにはなれるクマよー」 正直守ってもらわなくとも、自身の魔法ならば何か異常事態が起こってからでも脱出できる。 だがあえて自分の情報を渡すこともあるまい。 「わかったわ。それじゃ……いくわ」 ほむらは意を決し引き金を引いた。 結果として起こったのは、気体の噴出音と腰部に響く少しの衝撃。 そしてその衝撃の正体は腰部ユニットからアンカーが射出され、近くの木に突き刺さった。 「……なるほど。ワイヤー付きのアンカーみたいね。 緊急脱出用か何かかしら?」 正直がっかりだ。 緊急脱出と言う点においては自身の"魔法"以上とはなり得ない。 火力となるような武装を期待していたのだが、どうもこれはそういうものではないらしい。 「んーこれってもう一回引き金を引いたらどうなるクマ? 電撃がバチバチなって敵を痺れさせたりとかそんな面白機能があるかもしれないクマ」 「一度発射した以上、それで終わりでしょう、恐らく」 ――カチリ。 その瞬間、暁美ほむらの体に強烈な力がかかる。 前の衝撃とは桁違いの強力な力が。 「え?」 「くま?」 その衝撃の発生源は全開と同じく腰から。 油断していたほむらはいともあっけなくその加速度に体をさらわれ、密着していた球磨と共に夜空に向かって射出された。 「きゃあああああああああ!!?」 「くまあああああああああ!!?」 ほむらが装着したそれの名はは立体機動装置という、ある世界で巨人を倒すために作られた装備だった。 ワイヤーによる牽引力で加速・軌道変更を行い、高速で縦横無尽に移動するそのための装備。 その大きさとは裏腹に大の大人を振り回すほどの出力を誇る。 艤装込みとはいえ小娘2人の体を空中に放り投げるなど、造作もないことであった。 「きゃあああああああああああああああああ!!?」 「くまあああああああああああああああああ!!?」 かくして二人は空に向かって放り出された。 さながらスリングショットで放たれたパチンコ玉のように 「きゃああああああああああああああああああああああああああ!!?」 「くまああああああああああああああああああああああああああ!!?」 緊張が解けていたのか、球磨のパニックが伝染しているのか。 時間停止して冷静に対処するという方法すら脳裏から消し飛び、絶叫と共に魔法少女は空を飛ぶ。 「きゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!?」 「熊ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!?」 月をバックに一つの団子状のシルエットが浮かぶ。 FLY IN THE SKY。 少女たちよ、高く羽ばたけ。大空をどこまでも。 【F-8 森林(空中)/早朝】 【球磨@艦隊これくしょん】 状態:健康 装備:14cm単装砲、61cm四連装酸素魚雷 道具:なし 基本思考:会場からの脱出 0:くまあああああああああああああ!? 1:この娘あんまり信用できないけど放っておけないクマー 【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ】 状態:健康 装備:ソウルジェム、立体機動装置 道具:ランダム支給品×1~3 基本思考:他者を利用して速やかに会場からの脱出 0:きゃあああああああああああああ!? 1:まどか……今度こそあなたを [備考] ※時間遡行魔法は使用できません ※どの方向に向かって飛んでいるかは不明です。 No.078 俺は人間じゃない 本編SS目次・投下順 No.080 The World is Yours! No.076 燃え上がれ、凍てつけ 本編SS目次・時系列順 No.032 山の神の怒り 球磨 No.090 論理空軍 暁美ほむら
https://w.atwiki.jp/quatropiliastro/pages/82.html
ー過去の時代、弱肉強食に立っていたと言われていたのは、人類・・・ではなかった。 人類を超える種族は、人を喰らい、滅ぼし、生き残った人類は三層の壁で仕切られた小さな世界で、 満足気に暮らしていた。 しかし、百年がたったある日、彼らはかつての恐怖を思い出した。 やがて、彼らは、かつて自分達が「進撃」された者達への「進撃」を開始していった。 ー未来の時代。人々は、「力」を求めた。 しかし、それをうまく扱うための「想い」が無かった。 故に、彼らの中に「憎しみ」が生まれた。 憎しみによる争いは憎しみを生み、それが新たなる争いを生んだ。 いつになったら、その連鎖は断ち切れるのだろうか。 ◆ ◆ ◆ 「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・・・・!」 人々が自宅に着いている頃であろうこの時間に、 幾つもの燃え上がる炎が、黒く包まれた夜を赤く染めていく街中で、 エレン・イェーガーは走り続けていた。 さっきまでは聞き慣れなかった爆撃音も煙も、今ではすっかり景色に溶け込んでしまっている。 上空からは、絵本にでも出てきそうな格好をした騎士が、真紅の竜に乗り、炎を吐かせ上空を飛行し、こちらへ向かっていた。 この姿を見た瞬間から、彼はその異様な者から逃げていたどれくらい逃げたかも分からない、ただ彼は走り続けた。 エレンは今、ここから数百メートル先にある地下鉄への入り口に向かっている。そこにならあの竜も来られない。 腕時計が示している時間は、10時20分。大丈夫だ、間に合う、あと少しだ。そう考えながら走り続けようとしたが・・・ 「うわっ!」 一瞬、右足に強烈な痛みが走ったと同時に、エレンの身体は宙を舞い、数十メートル先の地面に叩きつけられた。 「痛っでぇぇぇぇぇ!」 体中が、ズキズキと激しく痛む。それでもエレンは、上体を起こし、何とか立ち上がろうとするが、 右足が、立たない。いや、感覚すら感じられない。 それでも、背中を表にして倒れた自分の身体を返し、上体を起こそうとする。 這いつくばってでも逃げよう、そう考えながら。 「ハァ・・・ハァ・・・・」 やはり先程叩きつけられた時の痛みは効いていた、だが何とか起こすことは出来た。 自分が倒れた丁度 そして、感覚を失った自分の右足を見てみる。 きっと輪切りにされた人参みたいになっているだろう、そう思いながら。 だが、出血は見られなかった。 「・・・・え?」 代わりに傷口から出ていたのは、水蒸気の様に空へと上って行く粒子状の何かだった。 そして自分は、これに対し何らかの既視感を覚えた。 そして、辺りに建っている建物を見た時、何故か違和感が湧き上がってきた。 まるで、今まで貯めこんだ物が、全部溢れだしたみたいに。 何でこんなところに自分がいるんだ、という疑問に至った、その時だった。 さっきまで上空で竜の手綱を握っていた男性が、目の前に、ゆっくりと、淡々とした表情で、 こちらに近づいて来ていた。 「万事休す、か・・・。」 そう言って、騎士は腰から剣を引き抜き、 「済まないな、少年、ここで死んでくれ」 エレンの頭上に刃を構えた。 エレンは首にぶら下がっている自分の家の鍵を見つめ、心の中で呟いた。 俺は・・・ここで死ぬのか・・・・。 冗談じゃない。 ようやく調■■団に入れたのに。 ■んだあいつらの■も取れていないのに。 まだ■ォー■・■リ■の奪還も成功していないのに。 そこにある■■室にも辿り着いていないのに。 まだ■人を全て駆逐し切れていないのに。 「畜生ォォォォォォォ!!」 そう叫び、エレンは本能的に左手を食いちぎろうとした。 ―瞬間。 不意に手が熱くなり、赤く光り出した。 赤い光と熱い熱には慣れかけているが、 そして、自分を殺そうとした騎士の様子もおかしかった。 驚いた表情をしながら、彼の赤く光る左手を見つめていた。 「・・・・・馬鹿な・・・彼が・・・マスターだと!?」 そして、エレンが噛もうとした手の甲に、赤い光が、 何かの紋章を描き、それを残して、消えた。 ー思い出した。全てを。 だが、この刺繍は一体何なのか、自分は何故ここにいるのか、 そして、目の前にいる騎士の言う「マスター」とは何なのか。今でも分からないことだらけだ。 こんな状況をどう打破すればいい。 「・・・マスターなのなら丁度いい、消えてもらうぞ!」 そんな中、騎士が再び剣をエレンに向けてきた。 ー刹那。 騎士の背後で大きな爆発が起きた。 エレンはやはり爆風で更に後ろに吹き飛ばされた。 今度は背中を地面にぶつけた。吹き飛んだのはこれで二度目だ。 度重なる痛みを堪え、地面に向いていた顔を再び前方に向けると、そこには さっき自分を殺そうとした騎士はいなかった。 しかし、上空からは、 『■■■■■■!!』 人の咆哮が聞こえてきた。巨人の様な。 そして今度は暗い虚空に目を向けると、 そこでは、さっきの騎士があの竜に跨り、空中に浮かぶ一体の巨人・・・らしきものと戦っていた。 青と白を組み合わせたような色の鎧を全身に纏い、背中にある蝶の様な輝く翼をはためかせ、大剣を両手で持っていた。 巨人に見えるが、あれはどう考えても巨人ではない。鎧を纏った巨人なら戦ったことがあるが、武器を持った巨人など聞いたことがない。 仮に巨人だとしたらハンジ隊長が喜んで可愛がってくれそうだが。しかし、其の巨人を見た途端、エレンの脳内に数値と、情報が埋め込まれていった。 そして、それを見てエレンは再び呆然とする。 「あの白い巨人が…俺の仲間…『サーヴァント』!?」 そして白い巨人もどきは竜に向かい斬りかかろうと距離を詰めながら飛びかかって行き、竜が火を吐きながらそれを回避していく、そして鎧が再びそれを追いかけ、 竜は回避していった、一体と一騎の戦いは、その繰り返しであった。 「・・・あの少年のサーヴァントか・・・一体何のクラスなんだ?!」 エレンを襲ったサーヴァントは、宝具である竜に跨りながら、今自分が戦っている巨人の姿に困惑していた。 何なんだあのサーヴァントは。クラスも真名も見当が付かない。 先程は銃を使っているから、アーチャーなのか、それとも今は剣を振るっているからセイバーなのか。 しかしあれは、どう考えても異様すぎる姿だ。この竜と同等以上の大きさで、かつ全身を甲冑で隙間無く包み込んだ、 翼を持つ戦士など。 単なる「武装した巨人」ならスルト、ヒルデなどがいるが、翼を羽ばたかせ近代兵器を使う英雄は知らない、 (聖杯の知識にはそんな英雄は存ざ・・・ いや待て、中には鋼鉄の人型の搭乗型宝具を持つ英雄もいるとされていた。) となるとクラスは自分と同じライダーか。しかし相変わらず真名は分からない。 そう考えれば説明がつく。となるとクラスはライダーが妥当か・・・・ そんな事を考えながら、ライダーは敢えて距離を取りながらあの白い全身装甲の巨人に向かい竜に火を吹かせ続けた。 ライダーの推察は、半分正解、と言っていいだろう。 人型の搭乗型装甲が彼の宝具、そこについてはビンゴだ。 しかし、クラスについては残念ながら間違いだ。 だが、彼は気づいていなかった。鎧の装着者に、理性など無かった。 「■■■■■■!」 巨人の心臓に当たる部分で手綱を握っている少年の目に、輝きは無かった。 有るのは、狂気。 家族を、愛した少女を、多くの仲間達を奪った「争い」に対する憎しみ。 争いを争いで終わらせる、血で血を洗う矛盾した正義。 それらを全て狂気に替えて、少年は愛機を操り続けた。 そう、彼のクラスは、「狂戦士」 どうにかさっきまで距離を取っていられたライダー。 しかし、どうやらここまでだ。 バーサーカーは咄嗟に剣をしまい巨大なライフルを取り出し、竜の炎を相殺させてしまった。 彼は狂っていても尚、エースパイロットとしての優れた操縦技術は失っていなかったのだ。 そしてその衝撃でライダーも竜も吹き飛び、バランスを崩してしまう。 この隙を、バーサーカーは逃さなかった。 すかさず剣を抜き、竜に向かい斬りかかる。 果たして竜の身体は真っ二つにされ、ライダーは地面へと落ちていった。 ライダーはマスターに念話で頼み、令呪で引き返そうと考えるが・・・ 刹那、ライダーは光に包まれ、光が消えた後、そこにライダーの姿はいなかった。 上空には、手の平に仕込まれたレーザー砲を、さっきまでライダーがいた場所に向けていた バーサーカーがいた。 「あれが、俺のサーヴァント…バーサーカー…。」 エレンは、口がパッカリ開いているのも忘れてそれを見つめていた。 だがバーサーカーは、それにも気付かず上空に立ったままだった。 しかし、これはエレンにとってはまたとない機会だ。 聖杯戦争、それに勝ち残ることで手に入る「聖杯」 そしてその聖杯には「願いを叶える万能の力」が備わっていた。 そしてエレン・イェーガーもまた、それを渇望していた。 エレンには、どうしても叶えたい願いがある。 (駆逐してやる…) その願いへの近道が、今此処にある。 母を殺した巨人は死んだが、それでこの俺の憎しみが消えたわけでもない。 もう、これ以上仲間を死なせたくはない、壁外調査の度に消えて行く同期達の姿はもう見過ごせない。 抜け出して自分達の手で叶えるのも悪くはない、でも、 (巨人を…) 子供の頃、本で見た壁の外の世界に行ける、この閉じ込められた壁内から抜け出せる。 その為なら…俺は… (この世から…) この手を血で染めたっていい、俺は、聖杯を手にして… (一匹残らず!!) 巨人達に「進撃」してやる!! 狂戦士を見つめるエレンの眼に、光が宿った。 その様を、上空から見つめていた狂戦士は間もなく霊体化した。 人と、人を超えた存在。 互いを憎み合う二人の復讐者の少年は今ここに、主従の交わりを結んだ。 【クラス名】バーサーカー 【出典】機動戦士ガンダムSEED DESTINY 【性別】男 【真名】シン・アスカ 【属性】秩序・狂 【パラメータ】筋力A 耐久B 敏捷A+ 魔力E 幸運D 宝具D (デスティニー搭乗時) 【クラス別スキル】 狂化:C 魔力と幸運を除くパラメータを底上げするが、言語能力を失い、複雑な思考が出来なくなる。 【固有スキル】 開花された本能:A+ 本能の種を割り、覚醒させる力。 自らのパラメータと知能を活性化させる。 このスキルは、他のクラスで呼んだ場合はランダムで狂化スキルを 付与させるが、本来なら狂化により無意味にされてしまうはずの戦闘用スキル に+補正を加え、最大限に使用出来るようになっている。 長い時間発動はしていられないのだが、今回はバーサーカー のクラスで呼ばれたため、その影響で常時発動していられる。 バーサーカーが狂っていてもその戦闘技術を失わなかったのは、 このスキルの恩恵を受けているためである。 直感:B+ 常に最適な展開を「感じ取る」能力。相手の行動を読み取る事が出来る。 コーディネイターとして手にした天性の才能。 スキル「開花された本能」の影響で+補正が働き、その直感は未来予知に近い物へと 変わっている。 騎乗:D 乗り物を乗りこなす才能。 バイクやモビルスーツなどなら人並みに乗りこなすことが出来る。 【宝具】 「改革を護る運命の剣(デスティニー)」 ランク:D 種別:対軍宝具 レンジ:30 最大捕捉:10機 バーサーカーが生前愛用していた人型機動兵器「モビルスーツ」。 ギルバート・デュランダルが、自らが考案した「デスティニー・プラン」の 実行に合わせてロールアウトしたシン・アスカ専用のザフト最新鋭の機体。 「ニュートロンジャマーキャンセラー」による核エネルギーによる運用により、 消費する魔力は少ない。また、この機体及び装備は、魔力による メンテナンスを可能としているが、消費する魔力はダメージに連動する。 【Weapon】 「改革を護る運命の剣(デスティニー)」の装備一式 【人物背景】 オーブ共和国に生まれた遺伝子操作によって生まれた人間「コーディネイター」。 それでもごく普通の人間の生活をしていたが、コーディネイターと純粋に生まれた人間 「ナチュラル」の争いの戦火が中立国であるオーブにも渡り、避難しようとする中 流れ弾で両親と妹を失う。この後コーディネイターが住む人工惑星「プラント」に 移住。家族を見殺しにしたオーブと、それを導くアスハ家を憎んでいる。 やがて彼はプラントを統治する「ザフト」のアカデミーに入学、優秀な成績を修め卒業。 ザフトの新型兵器「インパルス」に乗り数々の戦績を手にした末にザフト特務部隊「FAITH」 の一員の座とザフトの新型兵器「デスティニー」を与えられ、実質ザフトのエースパイロットとなる。 心優しい性格だが反面真っ直ぐ過ぎる上に家族を失ったことが原因で心がやや荒んでおり、 情緒不安定な部分が多くアカデミーでの授業の態度も悪かったと言われている。 【聖杯にかける願い】 争いの無い世界を創りあげる。 【備考】 「改革を護る運命の剣(デスティニー)」の装備、カタログスペックなどはウィキペディアなどをご参照ください。 【マスター名】エレン・イェーガー 【出典】進撃の巨人 【性別】男 【能力・技能】 ・立体機動 「立体機動装置」を利用した三次元運動。 立体機動装置を持ってきていないため、使用できない。 ・巨人の力 強い感情と共に腕を噛み千切ることで、巨人に変身することが出来る。 圧倒的な身体能力と回復力、そして物質変換能力を持つが、 自我を保っていられることが難しい上に連続で変身するとそのたびに だんだん小さくなる。また元に戻るには巨人のうなじに当たる部分にある自分の本体を 取り出すことが必要。ただし、変身しなくても回復力だけは人間体でも相変わらずである。 【人物背景】 巨人から人々を守る3層の壁の内最も外側である「ウォール・マリア」に住む医師、グリシャ・イェーガーの息子。 幼馴染であるミカサ・アッカーマンやアルミン・アルレルトと共に壁の外に強い憧れを持ちながらも平凡な日々を謳歌していたが、 突然壁の外を超えて現れた超大型巨人によりウォール・マリアが破壊されたことで母を目の前で殺され、 それ以降巨人を一匹残らず駆逐してやると誓った。そして2年後に訓練兵となり、総合順位5位で卒業するが、 再び超大型巨人が襲撃した際、本能的に巨人へと変貌してしまう。しかし、それを兵団に見られたために 一時は化け物呼ばわりされることになるが、紆余曲折を経て調査兵団に入団することになる。 良くも悪くも実直な性格で人一倍強い精神力を持つ。その猪突猛進な行動と言動から「死に急ぎ野郎」と呼ばれている。 【聖杯にかける願い】 巨人を消し去り、壁の外へ行く。 【備考】 エレンは12巻~13巻からの登場ですが、グリシャにかき消された記憶は未だ思い出していません。 また、服装は調査兵団の格好ではなく私服です。
https://w.atwiki.jp/psyren_wars/pages/134.html
巨人が生まれた日 ◆wd6lXpjSKY 扉を開けたエレン。彼を待っていたのは年上の教師ではなかった。 一人の少女が此方を向いて立っていた。 彼は小萌先生なる存在の見た目を把握していなかったが、目の前の少女が先生ではないことぐらい解る。 ミカサのように綺麗な黒髪の少女を無言で数秒見つめた後に、声を出した。 「えっと、誰だ」 自然と出て来た疑問は何故目の前に少女が居るのか。 学園は事件が起きた背景もあって、職員室に入るまでは人影一つなかった。 そもそも小萌先生は何処に居るのか。 それらをまとめて一言で少女に投げ掛けた。 「私は美樹さやか。貴方と同じクラスの……保健委員よ」 髪をかきあげながら名乗った美樹さやかは真剣に彼を見つめていた。 吸い込まれるような瞳は何処か強い自己主張を秘めているようで視線を逸らす気はないらしい。 「美樹さやか? 俺はエレン・イェーガー……あれだ、ドイツから来た」 「勿論知っているわ。体調を崩して休んでいる所悪いのだけれど少し用事があったの」 彼は本来ドイツとは関わりのない世界から聖杯戦争に望んでいる。 長い間、閉じ篭もり蓄えた知識によって彼は文明を超えて会話が出来るようになっている。 前までの彼なら出会い頭に調査兵団だのトロスト区だの言い放っていただろう。 しかし壁の内側でもない世界ではただの妄言にしかならない。 聖杯戦争に置いて自分を隠すには文明の知識を得ることが一番利口だろう。 エレンは用事があると言った彼女に対し、中身を聞き出すため口を開く。 「用事ってなぁ美樹さやか。こんな時に呼び出すか普通?」 「逆に聞くけどこんな時に呼ばれたら普通は来るかしら」 (うわっ……) 感じの悪い女だ。 短いやりとりの中でエレンが感じた美樹さやかの印象である。 元々呼び出したのは彼女であり、応じたのが自分だ。つまり発端は彼女。 可怪しいのは彼女で自分は寧ろ被害者ではないのか。 けれど応じた自分も自分であり、言い返せない状況が歯痒い。 「まぁいいわ。それで、貴方はなんで休んだのか聞かせてもらうわ」 「それは体調を崩したってお前も言っていたよな。その通りだよ」 嘘である。 堂々とサーヴァントに外出するなと言われたので学園を休みましたなど言えるはずがない。 適当且つそれらしい言葉で取り繕うしかないだろう。 「でも元気よね」 「よ、夜だしな。薬飲んで一日寝てれば大分治るだろ」 「随分と重い荷物を持っているようだけど、病み上がりの人が持てるかしら」 エレンが腰にぶら下げている謎の装置を指さしながら美樹さやかは疑問を述べた。 この場を流したい彼は立体機動装置についてどう説明するか迷っている。 適当な言葉が見つからず、頭を回転させるがそれらしい解答は浮かんでこない。 沈黙は流石に疑われてしまうため、何とか返したいが喉元で全てが詰まってしまう。 「よくみたらワイヤーかしら……それに刃も」 「――っ!」 「そのジャケットの裏の翼……まるで何処かの軍隊みたいね」 「か、かっこいいだろ!」 「そうかもしれないけど私には武器を持った兵士にしか見えないわ。 日常とはかけ離れている装備なんて何処から入手したのかしらね。 貴方が独自のルートで手に入れたか、ゲームやアニメの世界に憧れてコス――」 「そう、コスプレだよ! 俺は調査兵団に憧れてるから立体機動装置や自由の翼を持っているんだ!」 「――プレなんて有り得ないわ。導かれる答えは最初から貴方が聖杯戦争の参加者であることしか考えられないわ」 美樹さやかの言葉を聞き終えた時、エレンの鼓動は一瞬止まり、一拍も置かずに激動する。 頭の回転もままならないまま解答を続けていた。 それが間違いだったのだろうか。今の彼にそんなことを考えている余裕はない。 沈黙は肯定に繋がる。現状だと嘘を憑いていると認めてしまうことになるため焦っていた。 出てくる言葉は解答になっておらず、幼い子供のように単純で会話にならない程に短い。 挙句の果てに立体機動装置や自由の翼など、他の世界には存在しない単語を使ってしまう。 自分で焦っていることに気付くが、止めることは出来ずに穴へ嵌っていく。 身動きが取れなくなっていたところに告げられる聖杯戦争の響き。 何故美樹さやかが聖杯戦争を知っているかは不明だが、自分の所在が知られている。 この事実が彼の心を煽り、焦りと不安と恐怖心。負の感情を加速させていた。 「せ……聖杯戦争ってなんだ……?」 「とぼけないで。どんなに嘘を並べようと貴方の身ぐるみを剥がして令呪を見れば一発で解るのよ?」 「身ぐるみを剥がすって物騒だな……」 (やばいやばいやばい、なんだこいつ、どうして俺が聖杯戦争に参加していることを知っているんだ!? 今まで接触した人はそんなこと一つも言わなかったし襲いもしなかった……) 美樹さやかの意識を聖杯戦争から逸そうととぼけるが、彼女は譲らない。 会話の主導権を握られてしまい、強く言葉の端を切られると、声が震えてしまう。 この状況はエレン・イェーガーにとってメリットは存在せずに。 美樹さやかと名乗った少女によって優しい世界は残酷な世界へと変貌し始める。 「サーヴァントは何処にいるのかしら。紹介しなさい」 「だからサーヴァントってなんだよ!? 俺は何も知らないぞ!? 令呪とか聖杯戦争とか……お前はさっきから何を言って――マジかよ……」 せめて声量だけでも彼女を圧倒するように声を張り上げるエレン。 守ったら負けてしまう。唯でさえ主導権を握られている今、受け身のままではいずれ崩されてしまう。 ならば、強引にでも押し切ってしまえば流れを何とか此方に引き寄せれると思ったが、世界は其処まで優しくないらしい。 「私に時間は無いの――もう一度聞くわ。貴方のサーヴァントは何処にいる」 「銃……ッ」 時間が無いと告げた美樹さやかはエレンに銃を向ける。 黒光りがまるで先の見えない今後を示すような闇で意識が奪われてしまう。 引き金を引かれれば間違いなく死ぬ。 どうにか銃口を逸らさせようと口を開くも肝心の言葉が出て来ない。 何を言えばいいのか解らないのだ。どう説得すれば彼女を落ち着かせれるのか。 思考の海に飛び込むも見つかる宝はどれも説得力に欠ける瓦礫のようで。 そもそも時間が無いと告げた美樹さやかが待ってくれるはずもない。 「サーヴァントの居場所を教えればそれだけで貴方は解放されるの」 (どうする……素直に言うか? でも俺はアサシンの居場所を知らない。 でも、黙ってれば撃たれる……のか、っくそ解かんねえ。大体なんでこいつはサーヴァントの情報を欲しがってんだ……) 時間が無いと彼女は言った。 何か急いでいると考えるのが普通であり、エレンもその線が最初に思い浮かんだ。 時間は夜、それも日付が数時間で変わる深夜帯で何を急ぐというのか。 (朝に弱い……あれか、吸血鬼って奴。 暁美ほむらは吸血……有り得ないな。こいつはサーヴァントじゃない) テレビやネットを介してエレンには様々な知識が蓄積されている。 本来彼の知らない世界の文明を把握しているのは、家に閉じ籠もっている間が暇なため。 (普通の人間が吸血鬼みたいな生物なわけが……まてよ、俺は巨人だ) サーヴァントならば人外が居ても可笑しくはないと考える。 しかしマスターは完全に人間かどうかとなった時、エレン自身の存在が浮かんでくる。 彼は巨人になれる人間である。この聖杯戦争には多くの世界から参加者が招かれているらしい。 ならば吸血鬼になれる人間が居ても不思議ではないのだろうか。 (……解るわけ無いよな……ははっ) 心の中で自分を対象に笑う。 考えても答えは出ない。今まで何度も感じている。 この場面は考える場面ではなく、銃を向けられている現状に抗う場面である。 そのためにも暁美ほむらの興味を何とか逸らす必要があるのだが彼女は止まらない。 「言えないのかしら……解らないなら解らないと言いなさい……。 貴方のサーヴァントは何処かしら、エレン・イェーガー……はやく言いなさい!」 美樹さやかが話している間に校庭から聞いたこともない轟音が響いて来る。 その音を聞いてから、彼女の言動が荒くなった。 黙っているエレンに対して優しい言葉を掛ける訳でもなく、再度通告する。 どうやら聖杯戦争関係者と特定されているのは確定事項らしい。 どう取り繕っても意味が無いと判断したエレンは覚悟を決める覚悟をしながら口を開く。 「そうだ……今は何処にいるか知らない」 「呼び出すことは可能よね、呼びなさい」 「喧嘩……したんだ」 「黙りなさい。私は子供と話しているつもりはないの。 喧嘩したから呼べない? 貴方は何のために聖杯戦争に参加しているのか知りたいわね。 率直に言うわ、帰りなさい。喧嘩の一つで自分のサーヴァントに見限られる人間が生き残れるとは思わない」 「……そんなの解らないだろ」 「それも子供みたいな発言ね……まぁいいわ。 今日はごめんなさい、そして――さようなら、エレン・イェーガー」 ごめんなさいとさようなら。 その言葉の意味を理解する時間は無い。 まるで少しの間、たった数秒の感覚を失った気になる。 その光景が突然ワープしてきたようで、瞳を閉じたつもりはないが信じられない。 「あ、アサシン……!?」 エレンの目の前には美樹さやかではなく、彼のサーヴァントであるアサシンが立っているのだ。 ■ (エレン・イェーガー……使えない男) エレンと会話をしている時、暁美ほむらは苛ついていた。 サーヴァントが見当たらないと思えば、喧嘩したと言っている。 そんな子供の言い訳が通用すると考えたかは不明だが、正直に言って馬鹿だ。 聖杯戦争においてサーヴァント無しで勝ち抜くなど不可能である。 そうでなければ自分がこうして必死に新しいサーヴァントを探す理由が無い。 (令呪を使用させてでも呼んでもらう) 令呪の命令は絶対である。 強制的にサーヴァントを呼び出しさえすれば此方の勝ちである。 時間を止めて背後を取る。後部に銃口を押し当てサーヴァントと交渉する。 従わなければエレンを殺す、と。 自分と契約を交わさせ、エレンは公衆電話で聖杯戦争から退場してもらう。 (手始めに――) 時間が止まる。 暁美ほむらだけが認識を許された隔絶世界の中で、彼女は一人歩く。 楽にエレンの背後を取ると、銃口を持ち上げ、瞳を大きく開く。 意味が解らない。 目の前に存在する男の姿を見た彼女が本能で感じた感想。 この空間つまり職員室には暁美ほむらとエレン・イェーガーの二人しか存在しない。 少し前に天戯弥勒が居たがそれは今になれば関係のない話。 暁美ほむらが数分前に立っていた場所で剣を持つ男が一人、首を狩り取るように武器を振るっていた。 西洋の剣よりは短く、かと言ってナイフよりは長い得物。 黒き男は何時現れたのか。 暁美ほむらとエレン・イェーガーが問答をしている間に扉は開いていない。 無論窓も開いておらず、この場に侵入するのは不可能である。 可能性が在るとすれば天戯弥勒のように突然現れる方法だろう。 サーヴァントならばワープの一つや二つ出来ても不可解ではない。 目の前に起こる非現実は全て現実であり、受け入れる必要が在る。 「時間と止めていなかったら私は死んでいた……ッ」 汗が身体全体を包み込む。 偶然だ、この生命は偶然助かった。 時間を止めていなかったら自分は首を斬り落とされて死んでいた。 サーヴァントはアサシン。 暗殺者ならば背後を取るのも容易なのか。 少なくとも気配を感じなかったため、彼女が知りうる中では最上位の強者。 狂戦士はその名の通り圧倒的破壊力を証明するならば、暗殺者は音を、全てを殺せるのだろう。 「勝てない……っ、此処まで来て……私には時間が無いのに」 撤退。 彼女が選んだ行動である。 エレンを人質に取ったところで、サーヴァントに勝てる自信が沸かない。 問答無用で殺しに掛かる暗殺者と交渉出来る気がしないのだ。 残された時間は少ない。 しかし死んでしまえば全てが終わる。 願いを叶えるどころか、明日を迎えることも出来ない。 職員室の扉を雑にこじ開けると彼女は廊下へ飛び出した。 校庭ではサーヴァント同士の戦闘が起きている。 それも感じる魔力の強さから宝具でも開放したのだろうか。 彼女の本能が告げている、この場所は危険だ、と。 とりあえず玄関の近くへ足を運び、周囲の様子を伺う。 学園内に侵入されていれば窓からでも這い出て逃げればいい。 階段を飛び降りた矢先、暁美ほむらは一つの異物を見つける。 「これは……血……保健室に向ってる?」 ■ 「アサシン……なぁ、アサシン。お前何で……ひっ」 自分の前に現れたサーヴァントを見てエレンは声を掛ける。 美樹さやかが消えた事には驚いたが、それよりもアサシンへの対処である。 自分は黙って家を飛び出した。言い付けを破り外へ出た。 アサシンの出方を伺おうと声を出すが返ってきたのは無言で睨まれる行為。 鋭い眼光は対象を殺す機械のように冷たく、無機質で潤いのない瞳。 自然と声が漏れてしまう。やばい、自分は何かされると。 「……逃げるぞ」 「は……え?」 「……」 「わ、わかったよ……」 剣を懐に戻しながらアサシンは短く呟くと顎で扉を指しエレンを誘導する。 殴られるぐらいの覚悟をしていたエレンだったが少なくとも痛みを感じなくて済むようだ。 何に対して逃げるかは解らないがアサシンが言うからには危険なのだろう。 ならば黙って扉を抜ければいい。 思えば今日は色々なことがあった。いや、外に出れた。 一度外出を試みた時、アサシンに止められた時は情けなかった。 現実と現状に戸惑う自分が小さくて、それでも暖かさを感じながら一人腐ってる自分が情けなかった。 この世界にみんなが居れば。 どれだけ幸せだろうか。巨人の居ない優しい世界に。 聖杯を勝ち取れば、世界から巨人を駆逐出来る。 壁の外で堂々と暮らせる日が、大切な存在を奪い続けた巨人を駆逐出来る日が来る。 だから自分一人で腐る訳にはいかない。 幻覚を見た時、自分の気合を入れ直した。 逃げない。みんなが巨人と戦っているなら。 「俺はこの聖杯戦争で戦い続けてやる」 「なら戦ってこい、エレン・イェーガー」 何が起きたか解らなかった。 聞こえた声に反応することもなく立ち止まっていた。 首根っこをアサシンに掴まれ後ろに投げられた。 机の上に置いてある小物をぶち撒けながら壁に激突した。痛え。 アサシンは軽く跳躍してから誰かを斬ろうとしていた。 いや、頭に剣を刺そうとしている。 美樹さやかが帰ってきたと思ったけど、違うみたいだ。 頭が大分回って来た。 気付けば魔力をたくさん感じる。 美樹さやかと話していた時は気にしていなかったけど。 バチバチと電流が走るような音が響いた。 見ればアサシンの剣が何かに防がれている。 サーヴァントの攻撃を防ぐってことは相手もサーヴァントだな。 俺は顔を出して覗いてみた。 サーヴァントならある程度目視出来るからどんな奴か見てやる。 「サーヴァントじゃない……!?」 「俺は天戯弥勒……知っているよな?」 ■ 浅羽は夜風を浴びながらフェンスを掴んでいた。 アーチャーと一緒に学園近くのビルの屋上に上がり、フェンスの隙間から世界を覗く。 人通りは思ったよりも多くない。架空世界は都会なイメージがあったが、学園事件の関係で人が少ないようだ。 フェンスから数歩離れると、近くで弓を引いているアーチャーに視線を移す。 得意料理みたいな手際の良さで、弓矢を発現したアーチャーは学園を対象に弓を引いている。 浅羽の目からすれば学園で赤い光が動いているようにしか見えない。 尋常無い魔力を感じたため、サーヴァント同士の戦いだと解ったが、本来は何も気づかなかっただろう。 夜の学園に潜入して花火で遊んでいる生徒が居る。そんな感覚だ。 アーチャーは何か考えているような表情だった。 具体的に言えば若干口元が緩んでいるけど、其れ以外は真剣其の物。 浅羽は自分で何を考えているか解らなくなるが、アーチャーは何か考えているのだろうと思う。 聖杯戦争でも浅羽をリードしてくれているため、常に物事を考えているのだろう。 「さようなら――御老人」 小さく呟くと、アーチャーは矢を離し必殺の一撃が放たれた。 その瞬間だけ時間が止まったかのように空気や音が消えた。 小さい頃耳元で縄跳びを力一杯振り回すとふぉんふぉんと風を斬る音が聞こえる。 アーチャーが矢を離した時、この辺りを包む風を斬っていた。 近くから音が消える感覚には慣れそうにもないと浅羽は思った。 しばらくしてからアーチャーは苦い表情を浮かべて浅羽に話し掛ける。 「殺せなかったみたいだ。千里眼でもあれば大分確率は上がるんだろうけど」 その言葉にどう反応すればいいか解らなく、浅羽は下を向いてしまった。 聖杯戦争を勝ち抜くには誰かを殺すのは必然になる。その現実が重くなる。 矢では殺せなかったようだが、これからは戦闘する機会も増えるだろう。 御老人と言っていた。この世界で出会った特徴的な老人は病院の屋上で会っている。 聖杯戦争の参加者だった。学園で戦っていたのはどうやらあの老人だったようだ。 顔を知っている人間を殺す。その感覚や感触はどんなものなのか。考えたくもない。 出来れば誰も死なない世界が望ましい。そんな綺麗事が実現する筈もない。 「……もう少し此処に居ようか」 黙っている浅羽に気を遣ってアーチャーは時間を取る提案をした。 その言葉に浅羽は首を縦に振り、再びフェンスに近づく。 穴に指を入れて力強く覗いてみる。 学園に先ほどのような赤い光はなく、この場所からだと平穏に見えていた。 「此処なら戦闘が起きても有利に戦えるからね」 隣に来たアーチャーはタンクを指差しながら発言した。 ビルの屋上にはスプリンクラー用の貯水タンクが備わっている。 それが有利に戦える理由になるらしいが浅羽は何も知らないため疑問に思う。 ふと空を見上げてみる。綺麗な夜空だった。 月がはっきりと見える雲一つ無い綺麗な満月の夜。 「……誰だろう?」 もう一度学園を見下ろしてみると校庭に誰かが来たようだ。 戦っていた人物か、新しく来た人かは解らない。 などと考えていたら、急に光に包まれていた。 後に浅羽は思う。 この時、自分は何で暗い校庭で人影を見つけることが出来たのか。 ■ セイバーに抱えられたカレンは保健室で止血を行い、包帯で自分の腕を包んでいた。 肉が露見しているため、現状でも応急処置にしか過ぎず、病院に行く必要が在る。 セイバーはカレンの手当を申し出るが、これを一蹴……でもないが断った。 自分のミスで怪我をした。 だからこの傷は自分で処置をする。 不覚だった。 ウォルターと呼ばれていた老人は優れた身体能力を持ち合わせていた。 見た目からは想像出来ない速さで此方に近付き、ワイヤーを自在に操っていた。 銃弾をも躱す動体視力は信じられず、まるでギアスの加護を受けているかのようであった。 圧倒的戦力差を感じ取ったカレンは何も出来ないまま、右腕を粉砕されてしまった。 「情けない……悔しい……ッ!」 使える左拳を強く握る。 銃弾を躱す人間に勝てる程カレンは強くない。負けるのは必然であった。 けれど何も出来ずに負けてしまった自分が情けない。 勝率など存在すらしていないが、それでも正面から負けた。 「生かされた……」 ウォルターは自分を殺すことも可能だった。簡単なまでに。 それでも殺さなかったのはランサーが戦闘を楽しみたいから。 マスターが死ねば基本サーヴァントも消えてしまうから。それだけの理由。 自分には何一つ関係なく、敵の娯楽のために生かされている。 戦争で戦う戦士にとってそれは侮辱と変わらない。 「――」 その姿を見てセイバーは何を思うのか。 宝具まで発動した戦闘はランサーとセイバー、共に大きな傷は負っていない。 必中の魔槍と放たれる弾幕、吸血鬼のような赤い瞳と鋭い牙。 ランサーの正体は確定に近いが、この先どうすればいいのか。 カレンを連れたまま戦闘を行うのは無理だ。 傷つけてしまったのは己の実力不足が原因である。 また戦闘が始まれば助けれる保証など存在しない。だから。 「バイクで病院に向かう?」 セイバーの提案にカレンは反応した。 ランサーの目を盗み、バイクを回収し腕を診てもらう打算らしい。 その提案にカレンは喜ぶが、言葉には出さない。 心の中で何度も、運ばれている時に何度も思っていたことを口に出す。 「この傷は病院に行っても行かなくても変わらないよ。 完治するには数日じゃ足りない、聖杯戦争は終わっているかもしれない」 セイバーの提案を断ったカレンは更に紡ぐ。 「私には……私の日本には時間が残されていないってのは言ったことあるよね。 ルルー……セロも居なくなった今、黒の騎士団は壊滅状態に近いの」 自分で自分を苦しめながらカレンは喋る。 「聖杯があれば日本を取り戻せると思った。願いが叶えられるんだからね。 でも、この怪我じゃ無理。セイバーの足を引っ張るだけ。だから私は自分に出来る事をする」 自分に出来る事。それは小さいけれど夢へ繋がる大きな一歩。 「やっぱり聖杯に頼るのが可笑しかったよ……はは。 私は元の世界へ帰って、自分の力で黒の騎士団を再建して、日本を取り戻す」 本来通りに努力することだ。 夢物語を追いかけないで、自分の手で届く範囲から地道に頑張っていく。 人生は長い、そして積み上げが大切である。 世界中に住んでいる人間全員がギアスを持っているワケでもない。 「ごめんね……最後までわがままで」 自分の不甲斐なさに謝罪をするカレン。 セイバーには迷惑ばかり掛けていた聖杯戦争であった。 恩の一つも返せないまま退場と考えると、本当に情けない。 その言葉にセイバーは責めることもなく、優しい笑顔で返答した。 カレンの心は暖かくなるが、余計に自分の無力さを感じてしまう。 けれど引き摺る訳にはいかない。 彼女にはこれから日本を取り戻すために再びブリタニアと戦わなければならない。 黒の騎士団のエースとして、何時迄も席を開けている訳にはいかないのだ。 ゼロが失脚し、恐らく藤堂を始めとする戦力もブリタニアに大きく削られている筈。 自分だけが平穏な学生生活を送る訳にもいかない。 「でも聖杯戦争から還るにはサーヴァントを失わなければならない」 「誰!?」 保健室に響く知らない女の声に振り向いたカレンはメスを握り叫んだ。 拳銃は校庭に忘れてしまっため、先手を撃つことは出来ない。 セイバーも剣を取り出し、その対象に注目していた。 「私は暁美ほむら……サーヴァントを失ったマスターと言えば解るかしら」 其処には黒い髪を持った少女が一人。名は暁美ほむらと言うらしい。 サーヴァントを失ったマスター。 天戯弥勒の言葉を信じるならば、その身体は六時間後に消滅すると言う。 そしてその六時間以内に再契約を結べなかった場合、身体は灰になる。 回避するには公衆電話を使用し元の世界へ還るか、新しい契約を結ばなくてはならない。 「……私は突然現れたあんたを信用出来ない」 「でしょうね。立場が逆なら私もそう思うわ」 「でも」 「それでも」 「私はあんたを信用しなくちゃいけない」 「貴方は私を信じるしかない」 ■ 剣を引き抜いた後、壁を蹴りもう一度攻撃を加える。 質量を持った光に阻まれ失敗、床を削るように後退し相手の出方を伺う。 「サーヴァント。 その攻撃が一般人と思われる俺に通用しないのはどんな気分だ?」 魔術とは違う異能を操る天戯弥勒は目の前のアサシンを挑発した。 本来サーヴァントの攻撃を人間が防ぐのは有り得ない……話でもないが普通は有り得ない。 元々天戯弥勒の正体が不明なため、明確な答えを導くことは不可能だが主催者特権だろうか。 「向かってくるか」 アサシンは天戯弥勒の言葉に耳を傾けずに、再度接近する。 その速度は普通の人間の肉眼では捉えられない速度である。 吸血鬼のレミリアと違って夜の恩恵を絶大に活かせはしないがアサシンは闇を生業とする。 深夜の影響によって彼の身体は本来の時間、つまり自分の世界を思う存分発揮出来る時。 天戯弥勒が飛ばす光の枝を剣で流し、懐に飛び込む。 首を掻っ切ろうと横に振るうが、枝に防がれてしまう。 剣と枝の衝突を支点とし、右足で床を力強く蹴ると、下半身を上に上げる。 そのまま回らず、空中で体勢を維持しながら、力を下方向へ流し、下半身を元の場所へ戻す。 つまり勢いを利用した踵落としを天戯弥勒の脳天へ叩き付ける。 その一撃は大きな轟音を響かせる。 衝撃の余波は職員室に置かれているデスク類を振動させ一部を壊滅させる程。 人間ならば頭蓋骨粉砕、死へ直結するが天戯弥勒は生きている。 しかもダメージを喰らった素振りを見せず、アサシンの足首を掴んだ。 子供が落ちている石を拾い投げるような軽さでアサシンを投げ飛ばす。 アサシンは壁に激突することなく、足と腕を壁に貼り付け、力だけでもう一度天戯弥勒に向かう。 腕を振るい、机の上に残ってある小物を天戯弥勒の視界にばら撒く。 目眩ましになれば儲け物だが光の枝は全てを貫いており、無意味。 別の机を蹴り飛ばすも、天戯弥勒は拳で殴り返すように机を返す。 この攻撃にアサシンは剣で机を一閃。 二つに裂けた机は窓ガラスに直撃し、破裂音を響かせながら外へ落ちていった。 「俺を殺してみろアサシン」 接近してくるアサシンの攻撃を天戯弥勒は枝で防いだ。 両者、身体は近く、手が届きそうな範囲ではあるが、攻撃は届いていない。 「黙っていろ、直ぐに殺してやる」 アサシンの刃が届くよりも早く、天戯弥勒は力の収束場を己に展開させる。 つまり、自分の身体を中心にエネルギーフィールドを球体状に発現させ、アサシンを吹き飛ばした。 見たことのない攻撃を受けたアサシンは受け身を取り、転がることなく立ち上がる。 戦闘を見ているエレンは別次元を感じ、黙って立体機動装置を装着していた。 落ちている椅子を天戯弥勒へ投げると、球体のフィールドはこれを弾いた。 防壁となっているようだ。 接近戦しか行えないアサシンには邪魔な壁となるが、関係ない。 自分達の前に現れた主催者。碌な事が起こらないだろう。 今すぐにも無力化し、今回の聖杯戦争に問い質したいところだが、無理そうだ。 「さて、少しは話させてもらおうか」 気付けばアサシンは無数の光の枝に包囲されていた。 少しでも動けば己を刺し殺すために一斉に動き出す、と言ったところか。 自然にエレンの前を陣取り、異常事態に備えるアサシン。 どうやらこの場は天戯弥勒の言うとおりにするしかないようだ。 「エレン・イェーガー。お前は聖杯戦争で何をした」 「……俺?」 「そうだ、お前に聞いている。お前の言葉で答えろ」 突然の指名に驚いたエレンはアサシンの背中を見つめる。 此方に振り向く素振りを見せないため、信頼でもされているのだろうか。 天戯弥勒は自分の言葉で答えることを所望している。ならば。 思っていることをありのままにぶちまけてやる。 「俺はアサシンに命令されて……無理やりずっと家に閉じ籠もっていた」 「……!」 「そうか……ならお前は何のために聖杯戦争に参加している」 思っていることを、あったことをありのままに言葉にする。 アサシンの身体が少し動いたようだが気にしない。 「巨人を駆逐するのに聖杯を手に入れるためだ」 「では戦え」 「別に俺達が全員倒す必要はないだろ」 「力無き者に聖杯が勝ち取れると思っているのか」 「俺一人じゃ巨人を全て駆逐することは出来ない。それと一緒だ」 天戯弥勒の煽りを流しつつ、エレンは返答する。 思ったよりも頭は透明に物事を考えられるようになっている。 理由としてはアサシンに責められなかったことが大きい。 子供の考えではあるが、説教を覚悟していため、それが無いと気分が楽になっているようだ。 戦闘を目の前にしても、自分の考えを主張出来るぐらいにはなっている。 「そうか……お前が望めばサーヴァントを変えてやろうと思っていたが……どうする」 マスターを縛るサーヴァント。 行動を制限するサーヴァント。 従者としての立場を超越した行いはマスターに多大な精神的負担を掛ける。 エレンも戦争と平穏の狭間に揺れ、仲間の幻覚を見る程に精神を摩耗させていた。 その小さな亀裂につけ入れるように割り込んでくる天戯弥勒の提案。 エレンにとってその提案は受け取るべき物だ。 この提案を受け入れれば自分は楽になる。楽に行動出来る。自由に行動できる。 アサシンは振り向くつもりはないようだ。武器を構え硬直状態である。 エレンは思う。 答えは最初から決っている。ありのまま思っていることをぶち撒けてやる。 アサシンは嫌な奴だ。 それでも俺のことを思ってくれる大切なサーヴァントだ。 「うるせえ……うるせえ! 俺と一緒になったサーヴァントにケチつけてんじゃねえ!!」 怒号を聞いたアサシンはエレンへ振り向かないまま口元を緩めた。 何を言うかと思えばこの男は……とでも思っているのだろうか。 誰にも知られない感情を抱いたまま、アサシンは天戯弥勒のフィールドを壊すために仕掛ける。 どうやらタイミングは奇跡的にエレンの言葉と重なったらしい。 演出にしては出来過ぎているぐらいに丁度いいこの瞬間、アサシンの宝具発動と重なっていた。 アサシンの宝具は任意では発動出来ない。強いて言えば常に発動している事象だ。 その効果を発揮するのは確率の問題であり、その方程式は不明である。 また確率も高い訳ではない。 剣を手元で何度か回し真上に投げる。 綺羅やかに刀身は職員室の全てを映し出し、アサシンの手元に再び収まった。 「……は?」 「宝具か……来い死神」 エレンは己の目を疑った。 アサシンが剣を手元で回し、それを投げて手に取るまでの間。 彼の身体が影のように何重にも見え、分身が誕生しているようだった。 けれど目を擦ってもう一度見ると、当然のようにアサシンは一人であった。 天戯弥勒の呟きからすれば宝具らしいが、聞く前に光の枝が動き出していた。 枝はアサシンを貫くために一斉に彼へ動き出した。 鋭利な先端は床や机を貫きながら、勢い衰えること無くアサシンへ向かうがそれは無意味。 枝が全て動き切った時、その場所にアサシンは存在していない。 「お前を――引き摺り出す」 アサシンが現れたのは天戯弥勒の背後、それも真上。 暗殺者の名に恥じること無い隠密行動、気配を消した移動は戦闘中でも発揮される。 球体を破壊するために彼が振り下ろす剣は宝具を帯びた必殺の一撃である。 一瞬。 たった一瞬である。 運良くその光景を目撃した人物は皆口を揃えて言う。 あの暗殺は一振りの攻撃でありながら無数の一撃を加える必殺の一撃、と。 「死ね」 球体を全方位から攻撃するように無数の斬撃が天戯弥勒へ襲い掛かる。 アサシンが右斜めから落下するように攻撃したかと思えば、左上に現れもう一撃加える。 その後も何度も何度も、肉眼で捉えられない速度で攻撃を繰り返す。 音だけが響く中、エレンが気付いた時には天戯弥勒を包んでいたエネルギーフィールドは破壊されていた。 その瞬間はたった一秒にも満たない刹那である。 死神――暗殺者であるジャファルの異名だ。 指令は絶対であり、得物は確実に殺す黒い牙が誇る四牙の一人死神ジャファル。 彼の瞬殺は相手が認知することなく無数の斬撃を浴びさせ絶命させる必殺の一撃である。 「次はお前を殺す」 身体を包むエネルギーフィールド――PSIが崩れた今、天戯弥勒を守る壁は存在しない。 光の枝が展開されるよりも早くアサシンは剣を握り、天戯弥勒の首を狙う。 必殺の宝具は発動しないが、人間一人の首を取るには容易い状況であるはずだったが流石主催者と言うべきか。 光の枝がアサシンに急速で向かっていたため、これを防ぐために剣を引き戻す。 正面から防ぐことには成功するが、急な防御であるため、踏ん張ることも出来ずに飛ばされてしまう。 その方向は窓、アサシンは窓ガラスを突き破り外へ飛び出してしまった。 「アサシン! っくそ!」 飛ばされたアサシンを心配して声を張り上げるが、エレンに助ける余裕は存在しない。 ブレードを取り出すと、天戯弥勒を視界から逃がさないように捉える。 次にやられるのは自分だ、一瞬の隙も見せてはならない。 「話の続きだが……お前は閉じ籠もっている間、何をしていた」 「随分と戻るな。俺はテレビ見てたり寝てたりしてたよ」 「元の世界でもそんなことをしていたか?」 「は? テレビ何て存在してないし毎日存分寝れる生活はしていない」 「聖杯戦争の生活――ずっとしたくはないか?」 「――っ」 言葉が詰まってしまう。 これが漫画やアニメの世界ならばかっこ良く言い切る場面だろう。 そんな生活は要らない、俺に必要なのは仲間だ。青臭い言葉を叫ぶ場面だ。 だが言葉が素直に出て来ない。 エレン自身、今の生活は悪くなかった。 出来るならば、この世界に全員招待したいぐらいだった。それ程までにこの世界は優しい。 「お前が望むなら一生生活させてやることも可能だ」 「……ミカサやアルミン達はどうなる」 「お前の仲間か? 望むならお前が指定した人間全てをこの世界に召喚……招くことも可能だが」 天戯弥勒の発現にエレンの心臓が跳ね上がる。 今、この男は何を言った。 「え……もう一回」 「お前が望むなら仲間と共にこの生活を提供してやる」 その言葉は儚くて、永遠に求めていた神の一声だった。 「……い、いいのか」 「俺の条件を飲めば、な」 エレンは何も考えること無く本能が赴くままに発言していた。 それはアサシンの命令に従って何もせずに時間を流していたあの日々と一緒だった。 今のエレンは天戯弥勒の言葉に踊らされている。 現実に直面している筈だが、甘い夢が近くに現れ難しく考える事を放棄していた。 天戯弥勒の条件とは何なのか。 エレンに思い当たる節など存在しないが、早く発言しろと本能が叫んでいる。 何だってしてやる、ダカラ早く、早く喋ろ。 天戯弥勒が口元を緩ませた時、エレンは唾を飲み込んだ。 「エレン・イェーガー……黙って死んでくれ」 「――は?」 頭が嘘なくらい真っ白になった。 追い打ちを掛けるように自分へ伸びてくる光の枝を防ぐためとりあえずブレードを構える。 しかし枝は無常にもエレンの両肩を貫き、鮮血が宙を舞う。 「あ、あああああああああああああああああああああああああああああ」 痛みで我を取り戻したエレン。 肩に刺さっている枝を見つめた後、痛覚が反応し、痛みによって叫び声を上げてしまう。 天戯弥勒の条件に言い返すことも出来ずに、意識を失わないように踏ん張るだけで精一杯であった。 下がった顔を上げると天戯弥勒は嗤っていた。 その笑みは邪悪で、それでも純粋のように見えるドス黒い笑顔。 天戯弥勒が何を考えているか何て解りたくもないが、彼の発現は気になる。 天戯弥勒は宙に浮かびながらエレンに話し掛ける。 「俺と世界のために死んでくれ、エレン・イェーガー」 「は、っあ……あああああ……ックソォ!!」 光の枝はエレンに刺さったまま移動を開始し、窓ガラスを突き破りエレンを外に連れ出した。 「本日二回目の外だ、喜べ巨人」 天戯弥勒の煽りに反応することは出来ない。 自分の呼吸を整えていたエレンは周囲を見渡す。 両肩に刺さった光の枝を支点として、自分は宙に浮いているらしい。 足が大地に着いていないため力が入らない。 立体機動装置で宙をかけることは度在ったが、黙って留まることは少ない。 妙な感覚に違和感を感じながらも、エレンは口を頑張って動かす。 「し、死んでたまるぁ……」 「なに、いずれ死ぬ運命を少し早めるだけだ。 俺と俺が望む世界のためにお前には光の礎となってもらう」 誰がお前のために死んでやるか。 言い返したいが、意識が薄れていく。 「エレンッ!!」 地上ではアサシンが無数の光の枝に対抗しながら叫んでいる。 エレンを救出に向かいたい所だが、枝がその道を阻み、邪魔している。 グラウンドを縦横無尽に駆け回り、枝を斬り裂いているがその数は衰えない。 「誰も助けることは出来ないぞ、このまま死ぬか」 「誰が死ぬかよ……」 「なら代りにお前の世界に残っている奴らを殺す」 「――」 「お前のために何人死んだと思っている? 今更な話だろう。お前が俺の条件を断ったから殺す。 今までと変わらないんだよ。お前のために仲間が死ぬ、それだけだ」 「――」 何を喋ればいいか解らない。 「――」 この男、天戯弥勒は今何と言ったのか。 自分の耳が痛みによって可笑しくなったのではないかと錯覚したいぐらいだ。 「――」 お前の世界に残ってい奴らを殺す。 天戯弥勒は言った。言葉通りならミカサやアルミン達を殺すのだろうか。 許されるか、許される筈がない。死んでいい生命などあるものか。 「ふざけるな」 自分のために何人死んだ……それは解らない。 巨人になれる自分のために多くの犠牲があったのは事実である。 リヴァイ班を始めとする多くの調査兵団がエレンのために死んでいる。 だけど。けれど。そのために更なる生命が無駄になっていい理由にはならない。 「させるもんかよ」 仲間はもう誰も失いたくない。 母のように、マルコのように、リヴァイ班のように、自分のために犠牲になってくれた人のように。 もうこれ以上自分のために死ぬ生命を見たくない。 そのためには巨人を駆逐する。そしてその前に目の前の男を殺さなくてはならない。 しかし今のエレンは無力な人間である。両肩を固定され宙に浮いているこの状況で何をするのか。 立体機動装置での一撃はおそらく無力だろう。アサシンの攻撃を防ぐ天戯弥勒に自分の攻撃が通るとは思えない。 頼れるアサシンは地上で天戯弥勒の枝――生命の樹と戦っているため、加勢は不可能である。 自分に出来る最大火力と言えば――考えるまでも無かった。 (ミカサ、アルミン、みんな……俺、間違ってた) この生命を救うために犠牲になった人々。 彼らは何のために自分を守っていたのか。 (聖杯戦争での日常……これがずっと続けばいいと思ってた。 でも、この世界は別に優しい世界じゃなかった) 囚われたこの地平を、壁に包まれた世界を巨人から取り戻すための希望だから。 (俺だけずっとこのままでいい……ははっ、ジャンに殺されちまう。 本当は平和な世界何て何処にも存在しないのにさ。 壁と巨人が無くなればすっかり腑抜けになっちまった……死に急ぎ野郎と言われた俺が) 自分には何が出来る。 巨人を駆逐するために自分だけに出来ることは何だ。 殺すための技術か、いいや違う。 お前にはお前だけの翼が在るはずだ。籠の中では物足りない大いなる翼が背中に宿っている。 自由の翼は飾りではない。調査兵団の意地を、人類の意地を見せつけろ。 (もう少し待っててくれ……俺だけがこんな平穏な世界に浸っているわけにもいかないしな。 聖杯を持ち帰って、みんなで明日に怯えること無く笑顔で過ごそうぜ。 俺はお前らに海を見せてやりたい。なぁ、アルミン……海は本当に綺麗で何処までも広がっていたよ) 右腕を自分の顔に近付けるエレン。 痛みで少しでも動かすと激痛が走る。しかし甘えてはいけない。 此処で自分が踏ん張らなければ仲間が死んでしまうのだ。 これ以上天戯弥勒の言葉に踊らされてたまるか。意地を見せろ、男の挟持を果たせ。 (だからまずは――天戯弥勒を殺すッ!) 無意味な死で在ったと言わせない。 自分のために死んでくれた人々のためにも死ぬわけには行かない。 エレンには元の世界へ帰り、人類の希望を巨人から取り戻す努めが在る。 巨人を駆逐すると誓ったあの日から。 握り締めた決意は左胸に宿っている。人類のために犠牲になる覚悟が。 その努めを果たすためにも自分だけこの優しい――どうしようもない残酷な世界で死ぬ訳にはいかない。 「ははっ……っし」 右腕を口元まで寄せたエレンは天戯弥勒を睨む。 その眼光にはお前の思い通りには絶対ならねえ。強い意志が込められている。 呼吸を整えるように、一息吸い込むとエレンは叫んだ。 仲間の元へ声を届けるぐらいの大声で。 「俺は死なねえ、テメェを殺してやる……殺してやる!!」 その決意、殺せるなら殺してみろ。 (なんでこんなに熱くなってるか意味分かんないな……いや、聖杯戦争自体意味分かんないか) 考えれば不可解だらけである。 自分は何故、聖杯戦争に参加しているか。最初の時点で謎が多い。 それを解明するためにも天戯弥勒の口から真実を聞かなくてはならない。 つまり、どの道こんな所で死ぬわけにはいかないのだ。 エレンの発言に対し、天戯弥勒は嗤っていた。 その顔は当然のように笑み。何かを企んでいて、見透かしているような笑み。 エレンは息を再び大きく吸い込むと自分の右腕に囓り付いた。 己の身体に傷を与え、彼に与えられた神秘の力を此処に魂現させるために。 「そうだ……その力を俺に見せてみろッ! お前は俺が選んだ一つの鍵、その力を発動してみせろ! クハハ……ハハハハハハハハ!! 選ばれた巨人、エレン・イェーガー」 一筋の雷鳴が轟いた時、この物語を終焉へと動かす一つの歯車が回った。 BACK NEXT 050-a 月夜を彩るShuffle Beat 投下順 050-c 紅蓮の座標 050-a 月夜を彩るShuffle Beat 時系列順 050-c 紅蓮の座標 BACK 登場キャラ NEXT 050-a 月夜を彩るShuffle Beat 天戯弥勒 050-c 紅蓮の座標 アサシン(ジャファル) エレン・イェーガー 暁美ほむら アーチャー(モリガン・アーンスランド) 浅羽直之&アーチャー(穹徹仙) ウォルター・C・ドルネーズ&ランサー(レミリア・スカーレット) 紅月カレン&セイバー(リンク)
https://w.atwiki.jp/holyland4/pages/461.html
【 鏑木諒子 VS グレイシー川井 】 ( 6ターン目 ) 戦闘地形:『公園』 . [ 鏑木諒子 ] HP:47 MP:4 着衣:1 / 攻:9 防:8 反:6 回避:12 ガード:40 クリティカル:3 技ダイス 1:弱攻撃 2:弱攻撃 3:弱攻撃 4:投げ 5:投げ 6:回避 (スキル) 強者の風格 , , (アイテム)立体機動装置 (怪我)スランプ , . [ グレイシー川井 ] HP:59 MP:10 着衣:3 / 攻:9 防:4 反:4 回避:8 ガード:20 クリティカル:9 技ダイス 1:発勁 2:気弾 3:必殺技 4:必殺技 5:回避 6:回避 (スキル) 闘いの年季 ,紙一重の攻防 ,逸脱者 (アイテム) (怪我) . スキルの効果適用 [ 鏑木諒子 ] 対戦開始時、相手のMPに4ダメージ [ グレイシー川井 ] 回避+10% [反応+行動ダイスの出目]が同値、かつ相手の行動種別が「攻撃」だった場合それをキャンセルする . アイテムの効果適用 なし . 怪我の影響 [ 鏑木諒子 ] 必殺技使用不可 . 地形効果 なし . ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~【第1ラウンド】~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ [ 鏑木諒子 ] HP:47 MP:4 着衣:1 [ グレイシー川井 ] HP:59 MP:10 着衣:3 . 鏑木諒子の身体から見えざる闘気が立ち上った! グレイシー川井に4のMPダメージを与えた . ≪行動ダイス≫ 鏑木諒子 : 3(+6)〔弱攻撃〕 /グレイシー川井 : 1(+4)〔発勁〕 ⇒ 鏑木諒子の先攻 . ◆ 鏑木諒子の行動: 弱攻撃 ◆ ∵クリティカル判定(3%):36 ⇒失敗 ∵敵の回避判定(18%):91 ⇒失敗 ∵敵のガード判定(20%):21 ⇒失敗 グレイシー川井に14のダメージを与えた ◆ グレイシー川井: 発勁 ◆ ∵クリティカル判定(9%):70 ⇒失敗 ∵敵の回避判定(12%):42 ⇒失敗 ∵敵のガード判定(40%):ガード不可技につき失敗 鏑木諒子は20のダメージを受けた (消費デメリット:MP‐2) . ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~【第2ラウンド】~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ [ 鏑木諒子 ] HP:27 MP:4 着衣:1 [ グレイシー川井 ] HP:45 MP:4 着衣:3 . ≪行動ダイス≫ 鏑木諒子 : 4(+6)〔投げ〕 /グレイシー川井 : 1(+4)〔発勁〕 ⇒ 鏑木諒子の先攻 . ◆ 鏑木諒子の行動: 投げ ◆ ∵クリティカル判定(3%):11 ⇒失敗 ∵敵の回避判定(18%):87 ⇒失敗 ∵敵のガード判定(20%):ガード不可技につき失敗 グレイシー川井に17のダメージを与えた (消費デメリット:回避不可 ガード不可) ◆ グレイシー川井: 発勁 ◆ ∵クリティカル判定(9%):45 ⇒失敗 ∵敵の回避判定(12%):技デメリットにより失敗 ∵敵のガード判定(40%):技デメリットにより失敗 鏑木諒子は20のダメージを受けた (消費デメリット:MP‐2) . ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~【第3ラウンド】~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ [ 鏑木諒子 ] HP:7 MP:4 着衣:1 [ グレイシー川井 ] HP:28 MP:2 着衣:3 . ≪行動ダイス≫ 鏑木諒子 : 6(+6)〔回避〕 /グレイシー川井 : 4(+4)〔必殺技〕 ⇒ 鏑木諒子の先攻 . ◆ 鏑木諒子の行動: 回避 ◆ 鏑木諒子は回避態勢をとった ◆ グレイシー川井の行動: 必殺技 ◆ MPが足りない! グレイシー川井のMPは2回復した . ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~【第4ラウンド】~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ [ 鏑木諒子 ] HP:7 MP:4 着衣:1 [ グレイシー川井 ] HP:28 MP:4 着衣:3 . ≪行動ダイス≫ 鏑木諒子 : 3(+6)〔弱攻撃〕 /グレイシー川井 : 5(+4)〔回避〕 ⇒ 同時行動 . グレイシー川井は鏑木諒子の攻撃を打ち消した! ◆ グレイシー川井の行動: 回避 ◆ グレイシー川井は回避態勢をとった . ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~【第5ラウンド】~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ [ 鏑木諒子 ] HP:7 MP:4 着衣:1 [ グレイシー川井 ] HP:28 MP:4 着衣:3 . ≪行動ダイス≫ 鏑木諒子 : 5(+6)〔投げ〕 /グレイシー川井 : 5(+4)〔回避〕 ⇒ グレイシー川井の先攻 . ◆ グレイシー川井の行動: 回避 ◆ グレイシー川井は回避態勢をとった ◆ 鏑木諒子の行動: 投げ ◆ ∵クリティカル判定(3%):4 ⇒失敗 ∵敵の回避判定(68%):65 ⇒成功 グレイシー川井はカウンター状態になった (消費デメリット:回避不可 ガード不可) . ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~【第6ラウンド】~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ [ 鏑木諒子 ] HP:7 MP:4 着衣:1 [ グレイシー川井 ] HP:28 MP:4 着衣:3 カウンター状態 . ≪行動ダイス≫ 鏑木諒子 : 4(+6)〔投げ〕 /グレイシー川井 : 3(+4)〔必殺技〕 ⇒ 鏑木諒子の先攻 . ◆ 鏑木諒子の行動: 投げ ◆ ∵クリティカル判定(3%):66 ⇒失敗 ∵敵の回避判定(18%):86 ⇒失敗 ∵敵のガード判定(20%):ガード不可技につき失敗 グレイシー川井に17のダメージを与えた (消費デメリット:回避不可 ガード不可) ◆ グレイシー川井の行動: 必殺技 ◆ MPが足りない! グレイシー川井のMPは2回復した . ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~【第7ラウンド】~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ [ 鏑木諒子 ] HP:7 MP:4 着衣:1 [ グレイシー川井 ] HP:11 MP:6 着衣:3 . ≪行動ダイス≫ 鏑木諒子 : 2(+6)〔弱攻撃〕 /グレイシー川井 : 1(+4)〔発勁〕 ⇒ 鏑木諒子の先攻 . ◆ 鏑木諒子の行動: 弱攻撃 ◆ ∵クリティカル判定(3%):34 ⇒失敗 ∵敵の回避判定(18%):51 ⇒失敗 ∵敵のガード判定(20%):40 ⇒失敗 グレイシー川井に14のダメージを与えた . 鏑木諒子の勝利! . 【怪我判定】 鏑木諒子:ダイス目 22 - 残り体力補正 15 = 7 ⇒ 無傷 グレイシー川井:ダイス目 52 ⇒ 大量出血 . 【再起不能判定】 ∵グレイシー川井の基本再起不能率:5%+10%(大量出血) ⇒ 再起不能判定(100-15=85%):26 ⇒ 成功 グレイシー川井はまだ戦える! . 【成長判定】 鏑木諒子の成長 精神力: +1 反応 : +1 グレイシー川井の成長 精神力: -1 FS : +2 . 【獲得賞金】 ◆鏑木諒子 ◆ ≫ 基本獲得賞金:100万円 ∵ ランク差ボーナス:+0万円 ∵焔狐のスキル『偶像』:+40万円 ≫ 合計:140万円 ◆グレイシー川井 ◆ ≫ 基本獲得賞金:0万円 ≫ 合計:0万円 . 活力残量(連戦用) 鏑木諒子 (勝利) HP:7 MP:4 着衣:1