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19時01分 その後、さんざんな目に遭った。 コスプレ衣装は没収された。描写不可能な形相をした白井に追い掛け回され助けを求めた他の常盤台中学生は敵に周り、上条当麻は『学舎の園』の中を走り回った。休む暇も無く、針や二〇〇〇℃を超す灼熱やカマイタチが襲ってくる。周囲はそんな光景を目のあたりにしながらもいたって驚くそぶりも見せない。つまりこれは上条当麻が起こす『普通の光景』なのだろう。常盤台中学の能力開発の優秀さ感心しつつも敵に回すとこれほど恐ろしいものはないということを上条は実感していた。 もっとも、上条当麻の敵ではないのだけれども。 命からがら逃げ出し、通学路の途中にある人気の無い公園のベンチで少年は項垂れていた。 三時間ほど走り続け、彼女たちを撒いてたどり着いた先がこの公園である。いくら体力のある年頃と言えど足に疲労を感じていた。空はすでに夜。下校時間を過ぎているので人通りは極端に少ない。携帯で時刻を確認すると十九時を過ぎている。 この状況を端的に表すとこの一言に尽きるだろう。 「…不幸だー」 不幸な少年は真っ暗な空を見上げて呟いた。夜空に輝く流れ星(実際は廃棄処分された人工衛星のデブリ)に心奪われながら、先ほど自販機で購入した缶ジュースに口をつけた。 「ぶわっ!?不味っ!」 口に広がる不快な味覚に上条は思わず吐き出した。口元を袖で拭いながら缶シュースの銘柄を見る。 「ゴホッゴホッ…んー、何々…抹茶味のサイダー!?て何だこりゃあ!?しかもホットだし!缶コーヒーを買ったはずなのに、また入れ間違いかよ!」 さらには缶の種類、サイズ、デザインの色合いも似ており、薄暗い公園で確認できなかったのも無理は無い。 ようやく訪れた静かなひと時を堪能したかった上条だが、ジュース一本でその雰囲気はものの見事に崩れ去ってしまった。カクテルバーで粗茶を飲むようなものである。 「うう、不幸すぎますー」 「不幸不幸と言っておるとまた味あわせてやるぞ?上条」 後ろからふいに声をかけられた。 振り返ろうとすると頬に暖かいものが押し付けられた。缶ジュースである。 「おしるこは嫌いか貴様?私は気に入っているのだがな」 見覚えがある。『今』の上条当麻にとってはつい最近会ったばかりだ。 「バードウェイ!?何でここに!?」 「……ふむ。私がここにいることがそんなに不思議か?」 先日帰ったばかりだろ!とは言えなかった。ここは一年後の未来。あの時から会っていないとすれば、一年ぶりの再会といえる。 しかし、上条は妙な親近感を覚えた。 高級感ある紺色のコートに白のプリーツブラウス。デザインの良い薔薇の刺繍が入った黒のストレッチベロアパンツを履いていて大人びた印象を受ける。 だが、その容姿はまるで変わっていなかった。可愛らしい容姿にひそむ鋭い目つきが。 「ひ、久しぶりだなー。突然の再開に少し驚いているだけだよ」 「ああ、それだ。それだよ。その『ヒサシブリ』という日本語を忘れてしまってな。貴様にどう話しかけようか思考を巡らせていたところだ」 「…また何かあったのか?」 外見は十二歳前後の少女とはいえ、『明け色の陽射し』のボスとして君臨する魔術師である。 この学園都市に観光目的で来日していないのは明白だ。さらに彼女ほどの実力と地位を持つ者が入ってくる事自体、ただ事ではない。 バードウェイは上条の変化を察したらしく、ニヤァ、と口を大きく引きつらせながら言った。 「なあに、大それた用事ではない。確かにここに来た目的は仕事の為だが、貴様に頼らずとも安易に完遂できるモノだ。私が貴様を訪ねたのはkotatsuをもう一度堪能しくなっただけだ。ウチにもあれを取り寄せたのだがな。アンティークが並ぶリビングでは案外つまらなくて、鬱憤晴らしに部屋ごと吹き飛ばしてしまった」 そう言って軽く舌を出すバードウェイのイタズラ心満点の笑顔に、上条当麻はギョッとした。片目を閉じながら、いつの間にか右手に持っている杖をクルクルまわしている。何かの拍子で術式が発動するかもしれない。 「そ、そうですか。今はまだコタツは出していないんでー、サヨナッ!?」 ガシイッ!襟首をつかまれた。かなり強い力で。 「貴様、どこに行く気だ?」 悪意たっぷりの笑顔を浮かべながらバードウェイは言う。 「い、いやー、カミジョーさんはただ家に帰ろうとしただけですよ?インデックスが腹を空かせてるかもしれないから、早く家に帰って夕飯の準備をしなくちゃならないのでェッ!?!」 足のつま先を踏まれた。かなり強い力で。 「それは奇遇だな。私もまだ夕食が済んでいないんだよ」 「…つまり」 「そこまで言ってもまだ分からぬか。やはり貴様は私の下僕にしてやったほうがいいな」 「…つまりつまり」 「喰わせろ」 ハイ、ワカリマシタ。 「お帰りなさいとうま(当麻)」 そこに二人のエプロン姿の美少女がいた。 上条当麻がとった行動は一つ。カバンをズリ落とした。それはもうドコかの漫画みたいに。 19時23分 バードウェイと共に見慣れない自分のアパートに戻ってきた。第七学区にある高級住宅地で十四階建の高級マンション。セキュリティの優秀性は知らないが、仄かに彩られる和風庭園を一望できる玄関があるだけでもその高級感は理解できるだろう。管理人のお姉さんも気立てがいい人で上条とバードウェイを見るなり「あららー?当麻ちゃんったらー『また』?」などと話しかけてきた。その直後にバードウェイが上条の足を踏みつけた。学生寮であれば男女揃って部屋に入ろうとしようものなら即刻先生たちに捕まり両親に知らせがいく。 しかし、上条は気にすることは無いだろうと思った。 管理人はアルコールの匂いをプンプンと発し、目の焦点が合っていないほど泥酔していた。 監視カメラを見過ごすあたりが上条らしいが、少年はそんなことを考えながらエレベーターに乗り最上階へと昇った。財布にあった二枚の黒色のカードキーを見る。一枚は玄関口を開けるカードキー。二枚目は「一四〇二号」と書かれたカードキー。上条の家である。 そして彼は見た。 エプロン姿の銀髪碧眼少女と茶髪茶眼少女が笑顔で上条を出迎えるのを。 上条の後ろに立っていたバードウェイを見るなり二人の笑顔が凍り付いたのは言うまでもないだろう。 そして今に至る。 四人用にしては比較的大きいテーブルに男一人と女三人が座り夕食を取っていた。 ハヤシライスがメインディッシュでサラダにチーズフォンデュ。加えてインデックスには蒲焼の缶詰が二パックある。 「ちょっとアンタ、食べすぎ」 「これくらい普通だよ。ね?とうま」 「あ、ああ、今日は少ない方じゃないかな」 「え!?」 「禁書目録よ。それは太るぞ」 「太らないもん!」 そんなやり取りをしながら夕食は進んでいた。上条の箸もすすんでいた。ハヤシライスもチーズフォンデュも舌をうならせる絶品だからだ。上条は三杯目に突入し、インデックスに至ってはルーを5回もつぎ足している。ハヤシライスはインデックス。チーズフォンデュとサラダは美琴が作ったらしい。しかもこのチーズ。一口食べただけでも分かるが、そこらのスーパーで売っているようなチーズは使っていない。おそらくそれに加えて美琴の腕もあるのだろう。とても美味しい。 「どうどう?とうま。美味しいでしょ、私が作ったハヤシライス!」 「ああ、美味え。インデックスが作ったとは思えないくらい…」 「ふっふ~ん。そうでしょそうでしょ。とうま、おかわりいる?」 「ああ、頼む」 得意げに話すインデックスは上機嫌で上条の食器を手に取った。 ご飯をつぎにキッチンに向かうインデックスを薄目で見ていると御坂美琴から脇腹を横から肘で小突かれた。 割と強い力で。 「いてっ、どうした?」 「…何か言うことはないの?」 インデックスとは反対に不機嫌そうな御坂美琴。 流石の上条も察することが出来た。自分の料理の評価が聞きたいのだ。 「ああ、美味いぜ。これ、チーズと牛乳の割合と加熱加減が難しいんだよな。いや、これはワインか。チーズも良いもん使ってるし、今度レクチャーしてくれよ。俺も作りてぇ。こんな美味いやつは初めてだからな」 上条の絶賛の言葉を聞いて面食らう美琴。それから少し間をおいてワザとらしく、コホンと咳をはいて、 「…フ、フン。いくら褒めたってもうお替わりは無いわよ」 「そうか。そりゃ残念だ」 なっ、と口を噤んだ美琴は顔を赤めると腕を組んでプイッと顔を背けた。 何だコイツ?と上条は美琴の挙動不審に首をかしげた。まあ、美琴がおかしいのいつものことだと考えてその疑問を放棄する。 「このチーズ、グリュイエール・アルバージュとみた」 「っ!!貴女、結構通ね…」 「もしかして一〇〇グラム八〇〇円もするあの!?」 「ああ、スイス産の安物だ」 美琴の予想以上の料理に対する入れ込みとバードウェイとの金銭感覚の違いに唖然とする上条はギギギ、と首を回して美琴の顔を見た。 赤い顔をしたまま美琴は上条の方をチラチラ見て、何かに気づいたような表情をした。 「あ、口についてるわよ」 美琴はナプキンで優しく上条の口を拭った。彼女の思わぬ行動にドキッとする上条だったが、そういう彼女の顔にも人に言えないものがある。 「…お前もついてるじゃねーか」 上条は仕返しのつもりで美琴の口元に付いている米粒を取った。 ごく自然に、それを口に含んだ。 そして気づく。 「「あ」」 事実を確認するや否や二人はみるみる顔が赤くなり、すごい勢いで顔をそらした。 恥ずかしすぎる!二人は心情まで一致した。 しかし、そんなやりとりは向かい側からは丸見えだ。 「何だそのツンデレ娘は?貴様の下僕か?」 ガチャン!とテーブルに頭をぶつける美琴。食器に直撃しなかったのは幸いだ。 そう言うバードウェイは退屈そうな顔をしていた。 「ななななな何言ってるのよアンタは!」 「図星か」 「ンなワケないでしょ!私は当麻のこ、恋人なの!」 「なら愛人の間違いだ。上条の正妻は禁書目録だろう?」 「「はぁ!?」」 ハモる上条と美琴。 「同棲しているではないか」 「ど、同棲!?」 『居候』の間違いだと上条は言いたかったが、若い男女が一緒に暮らしていること自体そのように受け取られていても不思議では無い。むしろ居候という方が異常だ。だがそんな事はお構いなしに口論はますますヒートアップしていく。 「インデックスはそっち側にとって危険なものなんでしょ?当麻はお人よしだから匿ってるだけよ!」 「何を言っている。禁書目録はイギリス清教の人間だ。上条は『枷』としての役割はあるが、安全性としては教会にいるほうがずっと高い。実際は禁書目録の意思が反映されているだけで、ここにいなければならないという適切な理由はない。そうだろう?」 少し驚いたようにインデックスは肩を震わせた。手元にあったハヤシライスを落としそうになる。上条はそれをキャッチした。 「…そうなの?アンタ」 「う、うん。それはそうだけど…で、でも私はここにいたいもん!」 「なっ!前にアンタの居候の理由を聞いた時は半信半疑で仕方無いことだと思ったけど、ここにいる理由はそれだけ!?」 「短髪には関係ないじゃん!」 「大アリよ!私は当麻の恋人なのよ!他所の女が恋人の家に住んでるなんてそんなの認められるかぁ!」 「心は私のものだ、などという勘違いは愛人にはよくあることだ」 ピタリ、と美琴の動きが止まる。 「…バードウェイ、だったけ?よっぽど死にたいらしいわね。アンタ」 「貴様こそ誰に向かって口を聞いてるつもりだ」 頭からピリピリと静電気を放つ美琴に平然と答えるバードウェイ。何故か口ごもるインデックス。 非常にまずい。 今、ここにいる御恩方を紹介しよう。 一〇万三〇〇〇冊の魔道書を保有する禁書目録―Index-Librorum-Prohibitorum。 魔術結社『明け色の陽射し』の首領であり他の魔術師を圧倒する強大な魔術師、バードウェイ。 学園都市「超能力者(レベル5)」の第一位。『超電磁砲(レールガン)』の異名を持つ御坂美琴。 学園都市最強の「絶対能力者(レベル6)」第一位。世界の英雄。上条当麻。 一見、女性関係のもつれによる口喧嘩だが、実際は国際問題に発展しかねない火ぶたがお茶の間のテーブルの上で切って落とされようとしている。原因は上条の女性関係という些細なものだが、古代文明の戦争なども案外似たようなものが発端なのかもしれない―――――――― などと現実逃避している上条当麻だった。 「インデックス。アンタ、覚悟しなさい」 「それはこっちのセリフだ、愛人。貴様こそ立場をわきまえてモノを言ったらどうだ」 「アンタは関係無いでしょ。部外者は黙ってなさい」 「禁書目録には借りがあるのでな。貴様が彼女に危害を加えようとするなら容赦はせんぞ。愛人」 「っ!愛人愛人って違うっつってんでしょ!」 ビリビリバチィ!と御坂美琴の頭から高電圧が放たれた。同時に電子レンジと液晶テレビから黒い煙が出る。 上条当麻以外は席を立ってお互いにらみ合っている。明るいムードから一転、いつの間にか一発触発の緊急事態に陥っていた。 どうしよう、と上条は考えていた。 事の発端はバードウェイの下僕発言でありそこからインデックスの居候の理由に矛先が向き美琴が上条の彼女であってインデックスの居候を快く思わないからでありバードウェイの愛人発言が美琴の神経を逆なでして今にも食ってかかりそうな勢いになってインデックスをかばうようにバードウェイが立ちはだかっており何でこんなことになったかというと上条当麻が御坂美琴という彼女がいながら年頃の美少女ことインデックスを家に置いているからであり、 結局、事の発端は「上条当麻」に帰結するのだ。 しかし、ここで上条が謝ったとしてもインデックスか御坂美琴の意見を聞くかで大きく事態が変わってしまう。しかし、上条はこの食事を楽しみたかった。だから何気なく呟いたのだ。 「お前ら、いいかげんにしろよ」 「っ!!!」 上条の言葉に三人の表情が凍り付いた。 あれ? と首をかしげる上条。 三人は渋々と席に着きながら、 「…そうね、ちょっとどうかしてたわ私」 「…フン、まあこれはお主の問題だ。客人の私が口を出すのはおこがましいな」 「…私はここにいたいもん」 皆、恐縮している。 一番恐縮しているのは上条当麻本人だ。 (あれー!?何で皆さんそんなにビビってんのー!?『うるさい!っていうかそもそもアンタが悪いんでしょうがあああ!』的展開を予想していたんですが!?) 「ごめんさない。インデックスがここにいる理由、前にも話し合ったもんね」 「気にしてないよ、美琴ちゃん。とうまの彼女なんだから、私のこと気にしないほうがどうかしてるもん」 「…中々、複雑な恋愛事情だな」 「……………………………………………………………この空気は一体何なんでせうか?」 「そ、そういえば、当麻。当麻は何で私の作った料理が分かったの?」 いきなりの話題転換。この暗い雰囲気を打破するために美琴があわてて上条に話題を振った。バードウェイもインデックスも苦笑している。 しかし、この期待を見事に裏切ってくれるのも他ならぬ上条当麻だ。 「んー…美琴の味がしたから、かな」 皆、絶句した。 硬直から五秒後。最初に口を開いたのはインデックスだ。 「とうま、それは一体どういう意味かな?」 「えっ!!!?い、いやそのっ!別に深いイミなんて無くってですね!?言葉のアヤというかなんというか!」 「そんなに挙動不審なのはどうしてなの!?ちゃんと説明してほしいかも!!」 怖い。向かい側の席でインデックスがとても怒ってらっしゃる。整った顔立ちをしているので余計に迫力があった。美琴は、というと上条の隣で耳まで赤くしてうつむいている。 バードウェイに目を見やると、これまた退屈そうに頬づえをついていた。 「禁書目録よ。言わずもながら分かるだろう?」 「!!!な、何を!?」 「…つまり、そういうことだ。なあ?御坂美琴嬢?」 「う、うん」 小さな声で、顔を真っ赤にした美琴はコクリと頷いた。 …短い人生だったな。 「とうまあああああ!いつ、どこで短髪に手を出したのおおおおおおっ!今日という今日はとうま殺す!カミコロス!私の腹の中で溶けちゃえええええええ!」 「では私がチョコ味にしてやろう」 「そんな魔術があんの!?っていうか皆で食事の続きをしましょうよ!結局こういうオチになるわけ!?やっぱ不幸ぎゃあああああああああああああああああああああ!!!」 「ちょっとー!!私の当麻に何すんのよー!!!」
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~~♪~~♪~~~ 初めて知った、真実の重さ。 時を超え刻まれた、悲しみの記憶。 過去の痛みは、心の中に静かに溶かれ――、 あの日、胸に灯った炎を消さなねェように――、 深い闇に、消えないように――、 無限の絆を守るために――、 今、未来へ向かう扉を開く――。 魔砲少女リリカル・カナミンA‘s 始まりまるぞォ。 ~~♪~~♪~~~ 学園都市一〇区。 学園都市内で唯一墓場や実験動物などの廃棄場が存在する学区。 その人気の無い街中は、今や空爆にでもあったかのようにめちゃくちゃになっていた。 立ち並ぶビルは軒並み崩れ、辛うじて建っている建物にも無数の亀裂が見え、もはや使用には耐えられないのは明らかである。 そのビル群が損壊している地区の中心点、爆心地のようなところはアスファルトが捲られ、その下の向き出しの地面も大きく抉れ、 クレーターのようになっていた。 暴走した禁書目録の防衛プログラムを止めるべく空中で死闘を繰り広げた一方通行の渾身の一撃、風のベクトルを操ってのプラズ マ弾の直撃を受け、上空から叩き落されたヒューズ・カザキリの墜落地点である。 その傍らにはその恐るべき所業を成し遂げた一方通行が佇み、更に離れた所には禁書目録の内部空間に閉じ込められていた御坂美 琴がやや疲弊しながらも立っている。 その後方、やや離れた所には一方通行と同じグループのメンバーである結標淡希と、御坂美琴のパートナーである白井黒子が幾分 緊張しながら身構えている。 その時、近くに取り付けられている広報用のスピーカーから音声が出てくる。 『禁書目録の主、防衛プログラムと完全に分離しました!』 『皆さん! 前方の白い澱みが、暴走が始まる場所になります。ステイルさんが到着するまで、むやみに近づかないでください!』 上空に待機していた学園都市の飛行船『アースラ』内からの初春飾利からの通信であった。 「オッケー!」 「チッ、しょうがねえなァ」 その声にそれぞれ答えるレベル5の二人。 二人共、未だ緊張感は解かず、目の前を厳しく見続けている。 その視線の先には、上空からの落下の後に光る繭のようなものに包まれたままの球体がある。 直径はおよそ四〇メートル。直径が七〇メーター程のクレーターの中心に不気味な存在感を漂わせながら浮かんでいる。 その光は白くはあるが、まるで太陽からの自然光の中で見る蛍光灯の輝きのようにどこまでも人工的、異質なものであった。 そして――――。 #12 夜の終わり、旅の終わり そして、白い、不気味な光の球体があるクレーター、その斜面に落ちていくギリギリ縁のところに、それとは別の光があった。 目の前にある白い光とは真逆の、しかし、磨き抜かれた黒曜石のような、新月の夜の星の光さえ届かない闇のような、どこか見る 者の目を引き付ける輝きの、その内部で――――。 「管理者権限を発動するんだよ――――」 黒い闇の中、ゆったりと浮かんでいるインデックスが囁く。 それに答えるように、 「ぼ、防衛プログラムの進行に、割り込みを掛けれたよ。数分ぐらいだけど、暴走の開始を遅らせると思う、よ」 禁書目録の管理プログラムであり、インデックスから『かざきりひょーか』の名前を与えられた友人がたどたどしくもそれに答える。 「うん。それだけあったら、十分なんだよ。 ――リンカーマナ、送還。水属性(ウンディーネ)の守護天使による治癒魔術を開始――――」 そう呟くと同時に、インデックスが今まで入院していた病院の屋上に倒れ伏したままの四人の魔術師たちの上に光が灯り、その体 に吸い込まれていく。 ダメージから回復し、一人、また一人と立ち上がる魔術師たち。 「――来て、私の保護者たち――」 そうインデックスが語った直後、クレーターの縁から天に向かって凄まじい勢いで黒い光の柱が立ち昇る。 クレーターの周囲にいた一方通行ら四人が一瞬目を庇い、慌ててクレーターの方を見直すと、そこには――――。 「「!!」」 目を見張る一方通行と御坂美琴。 その視線の先には――――。 「我ら、禁書目録の主の側(そば)に集いし保護者たち――」 神裂火織が――――、 「主ある限り、私たちの魂は尽きることは無いのでございますよ――」 オルソラ=アクィナスが――――、 「この身に命がある限り、私らはあんたの側にいるんだよ――」 シェリー=クロムウェルが――――、 「ウチらが保護する者、禁書の王、インデックスの名の下に――」 アニェーゼ=サンクティスが――――、 輝きを強める黒い光の周り、四人の魔術師が背中合わせにそれぞれの方角を向いて静かに宣言する。 そして、その黒い光の中で、 「ひょーか、私の杖と甲冑を――」 「う、うん!」 インデックスの声に風斬氷華が応じ、その身に新しい装束を出現させる。 白い修道女の服に身を包んだインデックスが目の前に現れた蓮の花の飾りが付いた杖を握る。 次の瞬間、黒い輝きが粉々に砕け、インデックスがその姿を現す。 「白ィの!!」 そう叫ぶ一方通行に向かってインデックスは笑顔を浮かべると、手に持つ杖を高々と掲げ、大きく叫ぶ。 「禁書の知識、私に集まって! 氷の華、かざきりひょーか、セーーット・アーーーップ!!」 杖の先から黒い輝きが迸り、見る間にインデックスの衣装に安全ピンが付け加えられる。 「インデックス……」 そのインデックスを見てアニェーゼが上目遣いに名前を呼ぶ。 「うん……」 頷くインデックス。 「すみません……」 「あの……インデックスさん、私たち……」 神裂が、オルソラが謝ろうとするのを制して、 「いいんだよ。みんな分かってる。ひょーかが教えてくれたんだもん。……けど、細かいことは後で――――。 今は―――お帰りなさい、みんな」 そう笑顔で言うインデックスに対し、堪え切れなくなったアニェーゼが泣きながら飛びつく。 「あ、ああ、うわぁぁぁぁぁぁ!! インデックス! インデックス! インデックスーーー!!」 インデックスにしがみ付いて泣き続けるアニェーゼと、その背中をやさしく撫でるインデックス。 その背後から、一方通行と御坂美琴の二人が近づいてくる。 「白い人も短髪もごめんね。私の保護者たちが、いろいろと迷惑を掛けちゃって……」 「けっ、アンなもン、どオってこたァねェよ」 「べ、別に気になんかしてないわよ。っていうかその呼び名はやめなさい!!」 三人が話していると、そこに別の人間が加わる。 「すまないね」 「アァ?」 長髪長身で全身を赤く染めた神父が口を挟む。 「水を差してしまうんだが……。イギリス清教『必要悪の教会(ネセサリウス)』ステイル=マグヌスだ。時間が無いので簡潔に説明させて もらうよ? あそこにある白い澱み、禁書目録の防衛プログラムが、後数分で暴走を開始する。僕らはそれを、何らかの方法で止め ないといけない。 停止のプランは現在二つある。一つ、きわめて強力な獄炎魔術で灰にする。二つ、上空三千メートルで待機している飛行船『アース ラ』にいる『幻想殺し(イマジンブレイカー)』で消滅させる。 これ以外に、何かいい手は無いかい? 禁書目録の主とその保護者たちに聞きたい」 懐からルーンが刻まれたカードを見せながら説明をするステイル。 それに対して、 「ええーっと、最初のは多分、難しいと思います。主の無い防衛プログラムは、魔力の、塊みたいなものですから……」 「灰にしても、コアがある限り、再生機能は止まりません……」 オルソラと神裂の二人が答える。 さらに、 「『幻想殺し(イマジンブレイカー)』もぜったいダメ!! そんな上空から『幻想殺し(イマジンブレイカー)』撃ち下ろしたらインデックスの家の 家主が死んじまうじゃないですか!!」 大きく両手を交差させて反対するアニェーゼ。 「よォ、ここへ撃ち込むのってそンなにやべェのか?」 その様子に何気なしに尋ねる一方通行。 「半径百数○センチの範囲内なら右手で触れるだけでいかなる異能も完全に消滅させるんだけど、それ以外は生身の人間と変わらな いから……」 「チッ! オイ、俺も反対だぞ。アイツにはまだ借りがアるからなァ!」 「ちょ、ちょっと、私だって反対よ! 何考えてんのよ!!」 一方通行と美琴の両方から詰め寄られるステイル。 「僕も小萌先生も出来れば使いたくは無いよ……。でも、あれの暴走が本格的に始まったら被害はそれより、遥かに大きくなるんだ」 「暴走が始まると、周囲にあるものを無差別に破壊して、無限に稼動していくみたいですのよ」 「…………」 ステイルの説明に補足する黒子の言葉に、一同が押し黙る。 『皆さん!! 暴走臨界点まで、後十五分切りました! 代理プランはお早めに決めて下さい!』 初春からの通信に焦る様にステイルが尋ねる。 「何か無いのかい!?」 「すみません、あまり役に立てそうには無いです……」 「暴走に立ち会った経験は、私らにも殆ど無いからねえ……」 「でも、何とか、止めないといけませんねぇ……。インデックスさんの居候先のお家が無くなっちゃうの、困りますしねぇ……」 「いや、そういうレベルの話じゃ、無いんだけどね……」 神裂、シェリー、オルソラの口からも芳しい意見は出てこない。 「発射地点をもっと降下させてからは出来ませんの?」 「今から飛行船を降下させても暴走開始には間に合わないでしょう。ビル群を無視した射角を取ろうとした事が裏目に出てしまいま したね……」 黒子の発案も神裂によって棄却される。 「「「…………」」」 重苦しい雰囲気がその場を包み出す。 「あーもう! なんかごちゃごちゃうっとぉしいわね! 皆でズバッとぶっ飛ばしちゃえばいいじゃないのよ!」 イライラした様子で喋る結標。 「あのね、これはそんなに単純な話じゃ無いんだよ……」 「ふん!」 場を混乱させるだけのように思える発言にステイルも苛立ちを見せれば、意見をあしらわれた結標もそっぽを向く。 「ズバッと、ぶっ飛ばす……、か――――」 「ここへ撃ったら、『幻想殺し(イマジンブレイカー)』の被害が大きいから撃て無いんだよね――――」 「じゃあ、ここじゃなければ――――」 結標の発言に対して呟く一方通行、インデックス、美琴の三人。 「「「あ――――、!!」」」 次の瞬間、三人は顔を見合わせて何かを思い付く。 「オイ! そこの赤イの! 『幻想殺し(イマジンブレイカー)』ってのはどこへ向けても撃ち出せンのかよ?」 「どこでもって……、例えば?」 ステイルの疑問に、美琴とインデックスは勢い込んで答える。 「今、『アースラ』のいる場所」 「上空三千メートル、同じ高度上に向けて!」 『学園都市の科学力、舐めてもらっちゃ困りますよー。撃てますよー。同一高度上だろうが、宇宙にだって!!』 上空に待機中の初春からの通信が響き渡る。 「おい! ちょっと待ちたまえ君たち! ま、まさか!!」 その意図に気付き、慌て出すステイルに対して三人は得意そうに笑顔を見せるのだった。 □ □ その頃、第七学区の上条たちの高校の屋上から第一〇学区の方を眺めながら話す二人の少女たちの姿があった。 「光、収まった?」 「うん。小さくはなったけど。まだ。黒いのがあるみたい……」 「一体何なの? まさかこんなのが、このままずっと続いたりはしないわよね?」 「何となくなんだけど。大丈夫な気がする」 「え……?」 「きっと。戦ってくれてるから……」 「レベル5の二人が?」 「うん」 「姫神さんに真顔で言われると、なんかそんな気がするから、怖いわ……」 上条当麻のクラスメイト、吹寄制理と姫神秋沙の二人である。 「まぁ、それにしても、よ……。 あーー、もう!! 訳が分からないわよ!! 楽しいクリスマスイブに、一体どういう事態なの!? 何を摂ればいいの? カルシウム? イソフラボンなの!?」 「吹寄さん。あの。落ち着いて……」 若干テンパリ気味の吹寄とそれを宥める姫神の視線の先には、未だ収集の付かない事態の中心がある。 □ □ 上空三千メートル、待機中の飛行船の指揮所の中で、 「何とも、まぁ……、相変わらず物凄いと言うか、ですねー」 どことなく頭を抱える様子の小萌先生に対して、初春が話しかける。 「計算上では、実現可能ってのがまた、怖いですよねー」 更にパネルを操作した後、地上に向かって通信を繋ぐ初春――――。 『ステイルさん! こっちの準備はオッケイです! 暴走臨界点まで、あと十分です!!』 初春からの通信を聞いたステイルが全員を見渡しながら語りかける。 「実に個人の能力頼りで、ギャンブル性の高いプランだけど、まぁ、やってみる価値はあるだろうね」 それを受けて説明するインデックス。 「防衛プログラムのバリアは、魔力と物理の複合四層式で出来てるんだよ。まずは、それを破らないとだね!」 それを美琴が引き継ぐ。 「バリアを抜いたら、本体に向けてわたしたちの一斉攻撃でコアを露出させるのよね!」 続いて一方通行が、 「そしたら結標たちの座標移動で、『アースラ』の前に、転送させるんだな」 最後に、上空の小萌先生が結ぶ。 「あとは、『幻想殺し(イマジンブレイカー)』で消滅させるんですねー」 「上手くいけば、これがベストですね!」 いいプランが見つかったためか、初春の声も弾んでいた。 それまでのムードから一転、対処の方法が見つかったことによって明るくなった一同から少し離れた位置からクレーターの中心、 光の繭を見つめるステイル。 咥えたままの煙草を燻らせながらポケットから携帯電話を取り出すと、おもむろにある番号に向けて掛けはじめる。 「アウレオルス、見えているかい?」 ステイルからの電話に応じている人物は、そこから十数キロ離れたとある進学塾の一室にいた。 「当然。すこぶる鮮明に映っている」 はるか上空、飛行船『アースラ』から送られてくる監視映像のモニターを見ながら、アウレオルス=イザードは答える。 その背後に控えているのは、この学園都市にいる学生たち。 性別も、年齢もバラバラなはずの少年少女たちはだがしかし、何故か皆一様に同じような表情をしていた。 「禁書目録は、呪われた、魔道書だった……。その呪いは、いくつもの人生を喰らい、それにかかわった多くの人の人生をも、狂わ せてきた。あれのおかげで、僕も小萌先生も……他の多くの人間も、本来関わる筈も無かった人生を進まなきゃならなくなった……。 それはきっと、君も、三沢塾の生徒たちも……」 携帯で会話をしながらおもむろにポケットからルーンのカードを取り出すステイル 「失われてしまった記憶は、取り戻すことは出来ない。――――だから、今を戦って、僕らは未来を変えるんだよ」 そう言い切った次の瞬間、ルーンのカードが光を帯び、次の瞬間『魔女狩りの王(イノケンテイウス)』が姿を現す!! それをモニターを通して眺めているアウレオルスは、深く息を吐きながら瞠目するのだった――――。 「『幻想殺し(イマジンブレイカー)』、出撃準備を始めてくださいなのですよー」 「「「はい!!」」」 飛行船『アースラ』内の全スタッフが返答をする。 作戦開始まで、あと、少し――――。 C M _ _ _ ゝ ,´ノ从 ヽ , ´ `ヽ / ビリビリ! ノノリ从从〉 リソリノ"゙从 ∠ / ソ(lリ゚ ー゚ノリ ノjid゚ ヮ゚ノ / /i,ミ彡i く) Y iつ ┣ l. T l! く/_|j〉 ┃ |__l_j し ノ C M クレーターの中心で不気味に震動を始める白い繭。 『暴走開始まで、あと二分です!!』 上空の初春からの通信に、改めて気を引き締める一同。 そんな中、インデックスがふと気が付いたように一方通行と美琴を見て、後ろにいるオルソラを呼ぶ。 「オルソラ」 「はい、お二人の疲労回復ですね」 インデックスの呼びかけに、オルソラが返事をしながら近づいてくる。 そして、どこからとも無く取り出した水筒から中身をコップに空けて二人に手渡し、更にタッパーを取り出して蓋を開く。 「ハーブティーとレモンの蜂蜜漬けでございます」 唐突な流れに軽く驚く二人に向かって、オルソラは言う。 「イギリス清教預かり、オルソラ=アクィナス。魔道書の解析と料理が本領でございますよ」 受け取って口に運ぶ二人は素直に口に運んで感想を述べる。 「あ、この香り、ブレンド? なかなかいい組み合わせね」 「ふん。まァまァだな」 そんな美琴と一方通行の反応にもにこやかに微笑むオルソラ。 そうした光景をよそに、結標淡希は傍らにいる白井黒子とシェリーに向かって呼びかける。 「あたしたちはサポート班よ、あのウザいバリケードを上手く止めるからね」 「はいですわ」 「わかってるよ」 各々が準備を済ませていると、目の前のクレーターにある光の球体から、一本、また一本と光が解れ、まるで触手のように天に向 かって伸びていく。 「始まる!!」 それを見た一同は更に緊張を高める。 「禁書目録を、呪われた闇の書と呼ばせたプログラム……。禁書目録の、闇……」 そして、光の繭を覆う輝きが一層濃くなった次の瞬間、ついに繭が全て解け、触手の光が一斉に蠢き出す。 そこに現れたのは一方通行と戦っていた時の女子高生の姿をした『ヒューズ=カザキリ』ではない。 頭上には発行する輪のような物があり、そこから周囲に向かってジャカジャカと音を立てながら細かい棒が伸縮を繰り返している。 触手のような翼を背中から無数に生やし、虚ろな目をどこへ向けるとでもなく開いている。 それが本格的に動き出す前に、結標淡希と白井黒子が同時に動く。 「座標移動(ムーブポイント)!!」 「空間移動(テレポート)!!」 結標が手に持つ軍用ライトを素早く動かして周囲にある瓦礫の塊を転送させる。 その周囲では黒子が小刻みに空間転移で跳んでは手に触れた瓦礫を転送させる。 それらの目的地は防衛プログラムの周りでのたうっている翼。 その羽の密集部分に転移させられた瓦礫の塊は、座標を重ねる部分の羽を食い込みながら出現する。 「ははっ、崩れな!!」 ビュバン!! その直後、シェリーが手に持つオイルパステルを抜刀術のように振るって周囲に魔法陣を描くと、それらの瓦礫が一斉に泥のよう に崩れ落ちる。 その身に食い込ませた羽が消失し、断ち切られていく。 「ちゃんと合わせてくださいよ! 一方通行(アクセラレータ)さん!!」 「はっ、おめェの方こそなァ!!」 防衛プログラムの周囲を覆う光の羽に穴が開くと、待ち構えていたアニェーゼと一方通行がそれぞれの攻撃を繰り出す。 「イギリス凄教預かり、アニェーゼ=サンクティス! ――――万物照応。五大の素の第五。平和と秩序の象徴『司教杖』を展開!!」 彼女の呼び声に応じて手に持つ杖、その先端にある天使の六枚の羽が開いていく。 「偶像の一。神の子と十字架の法則に従い、異なる物と異なる者を接続せよ!!」 完全に展開した杖を大きく振りかぶりながら詠唱を続けるアニェーゼ。次いで、それを渾身の力を込めて振り下ろす。 「『蓮の杖(ロータスワンド)!!』」 何も無い眼前に振り下ろされた杖。 しかし、遥か離れた防衛プログラムからは、とてつもない重量の物がぶつかった時のような破砕音が響き渡り、その周囲に展開さ れていた不可視のバリア、その一層目が粉微塵に砕け落ちる! 「学園都市、レベル5、一方通行(アクセラレータ)。いくぞォ!!」 高々と宣言する一方通行。その両手は頭上に掲げられ、周囲から膨大な空気が圧縮されて突風が渦を巻いていく。 立て続けに攻撃を加えられた防衛プログラムが周囲に展開する者達を漸く敵と認識したのか、断ち切られずに残った羽の何枚かを 一方通行に向かって振り下ろそうとする。 「はっ、遅っせェンだよォォ!!」 それに対し一方通行はベクトルを操作、圧縮させた空気の一部を叩きつける。 その暴風を受けて動きが止まった防衛プログラムに対し、一方通行が頭上に圧縮した空気の中心点にあるプラズマをぶち当てた。 閃光が辺りを焼き、大音響が響き渡る。だが、それに伴う熱波や衝撃波すらベクトル操作されて攻撃と化し、ついにバリアの二層 目が消し飛ばされた! 「Aaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!」 防衛プログラムが金切り声を上げる。 それを見たオルソラが声を張り上げる。 「次、神裂さんと御坂美琴さん!!」 その声を受けるのはいつの間に回り込んだのか、クレーターを挟んで一方通行たちとは真逆の位置にいる神裂達である。 「イギリス清教『必要悪の教会(ネセサリウス)』、神裂火織。魂に刻み込んだ名を、七天七刀と共に」 語りながら腰に差した大太刀の柄に右手を添え、左手は鯉口を切る。 「フェイクである『七閃』の奥に隠された、真の一刀を」 その彼女に対して未だ残る羽の残骸が襲い掛かる。周囲にある瓦礫を崩して神裂に当てようとする。 しかし、彼女が繰り出す鋼糸の『七閃』により悉く弾き飛ばされ、次いで裂帛の気合と共に彼女の魔法名が唱えられる。 「『救われぬ者に救いの手を(Salvere000)』!!」 宣誓と同時に膨れ上がった魔力と共に彼女の持つ真の奥義『唯閃』が戦場を奔り、防衛プログラムにぶち当たる。 一拍を置いた後に激しい震動と共にバリアの三層目が砕け散る! 「学園都市、レベル5、御坂美琴。いくわよ!!」 次に攻撃に出たのは美琴。その体からは周囲に紫電の火花が溢れている。 その音色が、重く鋭く変化していき、音階がどんどん上がっていき、それと共に上空には黒く重たい雷雲が立ち込める。 「貫け、雷刃!!」 音の変化が最高潮に達したとき、遂に美琴から雷撃の槍が発射される。 それが着弾したと同時に、天から今度は本物の雷が降り、防衛プログラムに直撃する。 ドォォン!! という腹の底を揺さぶる音が響き渡り、最後のバリアが破られる! 「Kyaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!」 度重なる猛攻の直撃、バリアの無効化という事態に、防衛プログラムが絶叫を上げながら背中に残る羽、その一際太い二本を大き く振り上げる。 と、その二本の羽の間に青白い光が瞬き始め、見る間に光球が発生する。 「イギリス清教『必要悪の教会(ネセサリウス)』、シェリー=クロムウェル。砲撃なんか撃たせるもんかい!!」 それを見たシェリーが再び手に持つオイルパステルを再び振るう。 「『我が身の全ては亡き友のために(Intimus115)』――――。エリス!!」 先の多重召喚による作為的な崩壊とは違い、今度作り出すゴーレムは一体のみ。 その十メートルの巨体はたちどころに全身を形作ると両手を防衛プログラムに向かって突き出し、放電に似た現象を起こし始めた 羽を鷲掴みにする。 見る間にゴーレムの両手が崩れていくが、一時的に攻撃手段を封じられた防衛プログラムに対して更なる攻撃がなされる。 「インデックスさん!!」 オルソラの声に対してインデックスはその小さな口から言葉を紡いでいく。 「――――囁く声、噂の風よ、彼の者の心を暴き立て、その矛盾を糾弾せよ。――――『魔滅の声(シェオールフィア)』」 呪文が唱えられ、魔術が発動すると、ビクン!! と身じろぎする防衛プログラム。瘧にかかったかのように体を震わせていたが、 その体と翼のあちこちからスパークが起こり、いたる所で体が爆ぜる。 「Cuoooooooooooooooooo!!」 絶叫を上げながら体を崩壊させていく防衛プログラム。 しかし、ひとしきり爆発が収まった後に姿を現したのは今までよりも更に姿を変えたものだった。 頭はグラリと垂れ、半開きの唇からは半端に舌が飛び出している。見開かれた眼球は不規則に揺れ続け、涙と涎が混ざり合ってそ の胸元をベットリと濡らしていた。 「うわーーーー」 「な、何だか、もの凄いことになっているのでございますよー」 顔を顰める結標とオルソラ。 上空で監視している『アースラ』からも初春の通信が入る。 『やっぱり、並みの攻撃じゃ通じません! ダメージを入れた側から、再生されちゃいます!!』 しかし、地上で戦っている人間たちはそれでも逃げない。 「だが、攻撃は通っている。プラン変更は無しだよ」 咥えた煙草を揺らしながら言うと、ステイルは手に持つルーンのカードを目の前にかざす。 「いくぞ、『魔女狩りの王(イノケンテイウス)』。――――焼き尽くせ!!」 その命令に従ってヒトガタの炎が防衛プログラムに組み付き、燃え盛る我が身を使ってその体を拘束する。 「――――神裂がいて助かったよ。限られた時間と枚数でここまで火力が上げられたんだからね」 その言葉どおり、『魔女狩りの王(イノケンテイウス)』の姿は常のそれとは違い、炎の密度が違い、威圧感が違う。全身から放たれる熱波 は周囲の空気を歪め、その背中から巨大な翼が生えていると錯覚させるほどだ。 だが、それほどの熱量を持った攻撃を受け続けても、防衛プログラムは尚も稼動し続ける。 攻撃と再生を続ける『魔女狩りの王(イノケンテイウス)』なればこそ、その体を抑える付けることが出来ているが、それでは決定的では無い。 その身に『魔女狩りの王(イノケンテイウス)』を組み付かせたまま暴れようとする防衛プログラムを前にして、最後の三人が動く。 「いくぞォ、第三位ィ、白イのォ!」 「うん!」 「了解なんだよ!」 一方通行の呼びかけに応じる御坂美琴とインデックス。 一方通行はその場にしゃがむと無造作に右手を地面に突き入れ、アスファルトの塊を掴み取りながらその演算能力を行使する。 地球の自転エネルギーをベクトル変換しながら大きく振りかぶる――――、 「全開でいくぞォ! ――――『天体制御(アストロハインド)ォォォ――――」 御坂美琴は右手をポケットに突っ込むとそこからゲームセンターのコインを取り出す。 ただし、その数は通常の一枚限りではない。ポケットに残るコイン、その数七枚を右手に握り締めたまま叫ぶー―――、 「――――雷光一閃、――――『超電磁砲(レールガン)――――」 インデックスは暴れようともがく防衛プログラムを見ながら涙を滲ませて呟く。 「ごめんね……。お休み、なんだよ……」 その目に去来するのは如何なる思いか。 しかし、数瞬目を閉じ、迷いを振り切るように開くその瞳に映るのは決意の色。 「特定魔術『聖ジョージの聖域』の発動。――――現れよ、絶対なる守護者――――」 彼女の唱える呪文に呼応して目の前に二つの魔方陣が出現、そして、その二つの中心から空間を引き裂いて暗黒の闇が顔を覗かせる。 「――――『竜王の殺息(ドラゴン・ブレス)――――」 その亀裂の奥から『何か』が覗き込んで――――、 「――――ブレイカーーーーーー』!!」 「――――ブレイカーーーーーー』!!」 「――――ブレイカーーーーーー』!!」 三者の声が同時に響く。 そして、それぞれから自身が持つ最大の攻撃が放たれる。 一方通行からは天体運行のエネルギーを変換したベクトル攻撃が、 御坂美琴からは弾核を束ねたレールガンによる収束攻撃が、 インデックスからは蓄えられた魔道の書十万三千冊の知識全てを駆使した魔術攻撃が、 三方から防衛プログラムに向かい、直撃する。 瞬間、音が消えた。 別系統による同時多重一斉攻撃を受けた防衛プログラムが、今度こそ押し潰される! その外殻を構成していたプログラムが弾け飛び、中にあるコアが露出されるのを見た瞬間、オルソラが手に持つロープを勢い良く 投げつける。 如何なる魔術の働きによるものか、真っ直ぐにコアに向かって飛んでいくロープ。そして、 「本体コア、――――捕まえました、ですよ!」 ロープがコアを絡め取ると、すぐさま次の行動に入る結標淡希と白井黒子。 「長距離転送!」 「目標、上空三千メートル!」 共に大能力者である二人による一一次元計算式は直ぐに終了し、直ちに次なる手が打たれる。 「座標移動(ムーブポイント)!!」 「空間移動(テレポート)!!」 結標は手の軍用ライトを大きく振り上げ、白井はオルソラが飛ばしたロープの端を握り締めて同時に叫ぶ。 三人がかりによる強制転送により、防衛プログラムの本体コアが天高く飛ばされていく。 「コアの転送、来ます!」 上空で待機していた飛行船『アースラ』ブリッジ内に緊張が走る。 「転送されながら、外殻データを修復中。すごい速さです!」 次々と寄せられる報告を処理しながら、初春が指示を出す。 「『幻想殺し(イマジンブレイカー)』、射出バレル展開!」 飛行船の前面、その先端に突き出ていたパーツが真ん中から分離し、二つに離れていく。さらに、それぞれのパーツが伸張して 十メートルほどの滑走用レールが現れる。 「ファイヤリング・ロック・システム、オープンなのですよー」 命令する小萌先生の前に卓上のパネルが展開、無骨なスイッチがせり上がってくる。 「命中確認後、『幻想殺し(イマジンブレイカー)』を安全圏にて回収します。準備をよろしくですー」 「「了解」」 全ての準備を整えた『アースラ』の前に、地上から転送された防衛プログラムの本体コアが現れる。 外殻データから剥き出しにされたコアが、その三角柱の身を回転させながら処理を行ない、元に戻ろうとしている。 「『幻想殺し(イマジンブレイカー)』、出撃!」 復元処理の為に動きが止まったそれに対して、遂に『幻想殺し(イマジンブレイカー)』が出撃する。 それは、滑空用レールから勢い良く飛び出すと、空中で機動翼を展開、メインエンジンを吹かしてあっという間に距離を詰める。 その身に纏っているのは頭の上から足の先まで覆うスマートな黒の装束だが、唯一、右手だけが違っていた。 正確にはその肘より先、腕の中頃から先は一回り大きな機械に覆われている。 そうして飛来する『幻想殺し(イマジンブレイカー)』が迫る時には何とか最低限の外殻データが修復し終わる本体コアは、己の手足だけ を武器にして迎え撃とうとする。 と、近づいてくる『幻想殺し(イマジンブレイカー)』の右手を覆う機械が勢い良く開き、そこから剥き出しの拳が姿を見せる。 「Aaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!」 落下しながらも腕を振り上げ、叩きつけようとする。 対する『幻想殺し(イマジンブレイカー)』も右手を後ろに引いて構えながらその懐に飛び込んでいく。 突き出される拳と拳。互いの攻撃が相手に届いた瞬間、しかし、結果はあっけないものだった。 その右手が触れた瞬間防衛プログラムの腕は瞬時に消し飛び、それに驚いて目を見開いた顔面にそのままの勢いで拳が突き刺さる! そのまま外殻データをまとめて吹き飛ばした右手が本体コアに叩きつけられると、コアを形作っていた三角柱は霧散した。 「「「――――!!」」」 地上では、上空を見つめる実働メンバー。 「――――」 三沢塾では、『アースラ』からの映像を見つめるアウレオルス。 それぞれが、それぞれの胸の内に思いを抱きながら見つめている。 そして、観測班からの報告が寄せられる。 「効果空間内の物体、完全消滅! 再生反応、ありません!!」 「はいなのですー。準警戒態勢を維持、もうしばらく反応空域を観察しますよー。それと、『幻想殺し(イマジンブレイカー)』ちゃんの回 収、よろしくなのですよー」 「了解! …………ふぅ」 まだ警戒中とはいえ、殆ど終わったようなものなので緊張を解いて大きく息を吐き出す初春。 地上に向けて通信を入れる。 『というわけで、現場の皆さん、お疲れ様でしたー。状況、無事に終了しました!』 その報告を聞いて安堵する一同。 「――――ふふっ」 「――――へへっ」 顔を見合わせて笑顔を浮かべ合う結標、白井、オルソラ。 ルーンのカードを操作し、『魔女狩りの王(イノケンテイウス)』が正常に終了されたことを確認するとそのまま懐から新しい煙草の箱を取 り出して早速一服し始める。 『この後、残骸の回収とか、市街地の修復とか色々ありますけど、皆さんは『アースラ』に戻って一休みして下さい』 大きく息を吐いてへたり込みそうになるアニェーゼ。 まだ警戒は解いていないが、それでも緊張を和らげる神裂とシェリー。 そして、美琴とインデックスは手を打ち合い、一方通行は差し出された手を見て鼻で笑ってインデックスに飛び掛られ、それを見 る美琴は呆れ返っていた。 「――――アァ、そオいやァ市街地にイた一般人はどオなったんだァ?」 ふと気付いた様子の一方通行からの質問に、情報を検索した初春からの返答がすぐさま返ってくる。 『被害が酷い場所以外の封鎖は解除されていますので、元いた場所に戻れると思いますよ』 「ふン、そォかイ」 首をぐるぐると回しながら気の無い相槌を打つ一方通行。既にその関心は別の事へと向いているようである。 「――――えっと、ステイル、さん? お、お疲れ様……」 「――――ああ、とっさの申し出にも良く応えてくれたね。ありがとう、御坂美琴、さん」 異なる世界に属する者同士の間でも事態の終息、といった空気が流れる中、 「インデックス!?」 「インデックスさん!?」 突然響き渡る悲鳴。 皆の視線が集まるそこには、突然倒れたインデックスを抱きかかえる神裂火織とそこに心配そうに詰め寄るアニェーゼとオルソラ の姿だった。 「インデックス! インデックス! インデックス!! インデックスゥゥゥゥ!!!」 突然の出来事に皆が呆然とする中、アニェーゼの悲痛な叫び声だけが無残にも響き渡っていた……。 「…………白イ、の?」 ~to be continued~ ~~♪~~♪~~~ そして、禁書目録事件が終わりを迎えます。 出会ったヤツ、触れ合ったヤツ等皆に、笑顔と感謝を。 それから、旅立ちと、別れと。 新しい道を進むとき――。 次回、魔砲少女リリカル・カナミンA‘s 最終話 「スタンバイ・レディ」 ――終わりじゃなくて、きっと、始まりなんだよォ――。
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第1章 献身的な修道女達の強制的要求 1 「と、言う訳です。理解しやがりましたか?」 …………おかしい。いやちょっと待ってほしい。 学園都市に住むレベル0の平凡な高校生、上条当麻は必死に思考する。 彼の前には黒を基調とした修道服に身を包んだシスター3人が、さも当然のように座っていた。 「やはり理解できませんでしたか?……シスター・アニェーゼ、やはりこの少年の頭脳レベルに合わせて解説するべきなのでは?」 (シ、シスター・ルチア!か、仮にもこれからお世話になる人にその言い方はちょっと……) (しかしシスター・アンジェレネ、実際に彼は固まったまま動かないじゃないですか) ヒソヒソ話まる聞こえだぞこの野郎。固まったまま動けないのはあなた達のせいですからね?つーか内容は理解出来たけど何でそういう展開になるんだと激しくツッコミを入れたいんですがOKですか? と、固まっている割には意外と激しく脳内思考をしている上条だったが、続くアニェーゼの台詞で反射的に口が動き、逆に脳内思考は完全に停止した。 「そーですか、そんじゃ簡潔に……………………私達をここに1~2週間ほど泊めやがれってんです」 「………はぁぁぁああああああああああああああああああああああああああ!!!???」 なんだかその1~2週間全てが不幸で埋め尽くされそうな気がした。 ○月×日・午後3時半 上条の絶叫から、遡ること2時間半前………… 今日の授業が終わり、上条の通う高校の廊下をデルタフォースの3バカトリオ、上条、青髪ピアス、土御門元春は、今日も他愛のない話をしながら帰宅の為に昇降口に急いでいた。 その中でも特に急いでいたのが他でもない上条である。 「今日はDiscountスーパーで冷凍食品の大安売り!!節約学生の第1人者である上条さんとしては行かない訳には参りません!!」 「………どおでもええけど、なんだかカミやん最近ずいぶん所帯じみてきたような…………なんでなん?カミやんが自炊派だってのは知ってるけどそれほど金に困ってる訳でもないやろ?1人暮らしなんやから。…………まさか、どっかの薄幸少女を家に連れ込んでたりすんのん?」 ビックウ!!と肩を震わせる上条。彼は訳あってアパートの自分の部屋に「インデックス」と言う修道女を保護しているのだ。 真っ白な生地に金色の刺繍を施した、ティーカップの様な修道服をきているそのインデックスがとにかく食べる食べる。 ある日の夕食なんか、インデックスが上条さん特製フライ定食(ご飯&サラダ&スープ付き)を上条の分まで平らげ、自分だけ「18秒で出来上がり!学園都市特製、速さ0、1倍、美味さ10倍!!真・カップラーメン・しょうゆ」の時があったほどだ。 そんな訳で家計簿をつけるのは当たり前、少しでも安い物を求め、スーパーを渡り歩くようになった上条は、お目当ての店が少し位遠くても足を運ぶようになっていた。 …………問題はとある事情により、この事実を周りに伝えられないという事だ。(1人暮らしの男の部屋に少女を連れ込んでる時点で話せるものではないのだが) 自分は勿論、インデックスの為にも。 上条がどう言い逃れしようと考えていたその時 「はっは~!夢があるニャー青髪は。朝起きたら「おはようお兄ちゃん?」って微笑んでくれる幼女メイドがいてくれたら最高なんだけどニャー」 「……そうやな~、考えてみたら日々フラグに塗れているカミやんがわざわざ「少女誘拐」なんてする訳あらへんもんな~」 「ブフッ!!?」 「少女誘拐」の所で思わず噴き出した。 もしかしたら自分は何も知らない他人から見たら犯罪に見えかねない事をやっているのではないだろうか?と、上条は少々本気で頭を抱える。 「……せや、よう考えたらカミやんはそーゆー事せんでもええんやないか!おかしない!?そーゆー事に手ぇ出さんでも大満足のフラグパラダイスなんて!!?つーかどっちかっていうと僕がそっちに手ぇ出しちまいそうやもん!!」 「……何だかお前が言うと、妙にリアルに聞こえるぞ…………」 「にゃー……あとで小萌先生に青髪注意報を呼びかけておこうぜぃ……」 同時刻。職員室で職務を全うしていた上条達のクラスの担任、月黄泉小萌は、小学生にしか見えないその小さな体全体で多大なる悪寒を感じとっていた。 2 上条の絶叫から遡る事18時間30分前・イギリス清教・必要悪の教会・とある公園の一画 「わかりました。そんじゃ、準備がすみしだい出発します」 必要悪の教会の女子寮近くの公園に呼び出されたシスター、アニェーゼ・サンクティスは仕事の説明を受け終わると、資料として渡された紙を手早く折りたたみ、修道服の中にしまう。 彼女、実は生粋のイギリス清教徒ではなく、ローマ正教の250人からなる1部隊を任されていたシスターのリーダー的存在だったのだが、現在はとある2つの事件によりイギリス清教に改宗した(本人はイギリス内にローマ正教支部を作ろうとしているらしいが)元・ローマ正教徒である。 「ああ、本当なら神裂達「天草式」の出番なんだろうけど、こんな術式が発動した以上、天草式は勿論、土御門も役に立たないだろうからね」 一方アニェーゼを呼び出したのはステイル・マグヌスという神父だ。 アニェーゼとは違い、此方は生粋のイギリス清教徒。ルーンカードを使った炎の術式を得意としていて、教皇クラスの術式も使える天才魔術師。 ……ただ、神父としては勿論、人としても見本にはならない格好をしていた。 真っ赤に染まったロン毛、両耳にピアス、目の下にバーコード、そして何より超タバコ臭い……と言うか、今も喫煙中だった。 「ニコチンとタールが無い世界の名は地獄」という名言を吐いた事があるほどタバコ好きで、彼の事を知る人はそれを注意しようとしない。なぜか「絶対に」無駄だからだ。 それはもはや「依存」や「中毒」どころの話では無く、彼にとって「酸素=タバコの煙」の方程式が成り立つほどの物だ。 彼からタバコを取り上げた未来は、取り上げた者が確実な燃えカスとなる、もしくは、ステイル自身が廃人になる、の2択だろう。 だからアニェーゼも (ったくこの喫煙神父が、自重しろってんです) と思ってはいても口には出さないのだった。 「んで、貴方はいかねぇんですか?」 「ああ、正確には「行けない」かな?状況が状況だし「外」でサポートさせてもらうよ」 「(ふん、ウソつきやがれってんです「ジュッチューハック」禁書目録の世話がしてぇだけでしょ)」 心の中で悪態をつくアニェーゼに 「…………ずいぶん余裕そうだね、ま、仕事を成功さる自信がそれだけあるって言うなら大いに結構だけど」 「……なにがいいてぇんですか?」 ステイルの目が微妙に細まる。 何の質問が来るか分かっているのに、いや、分かっているからこそアニェーゼは聞き返した。 「別に、ただ元・同僚である誰かと殺しあう事になるだろうからさ」 「…………あたしの仕事に甘さがあるってんですか?笑えねぇ冗談です」 そんな言葉を返したアニェーゼに、ステイルは嘲るようにフッ、と笑う。 「そんな事は言ってないよ?ただ「かつて仲間と慕ってくれた者が向ける敵意の視線」に耐えられれば良いね、そう言ってるんだ。まあ、君が嫌いだった人が来ない確率も無いわけじゃないし、出来ればそっちの可能性であることを祈っていてあげるよ」 ステイルはそう言うと、公園に掛けてあった人払いを解除し、自然な足取りで公園の出口へ向かい、人ごみにまぎれていった。 「…………ったく自分の経験を尊重しすぎてんですよ」 公園に一人残されたアニェーゼは、嘲るように、自分の意思を再認識させるように呟く。 「今も、そしてこれからも、あたしに昔はねぇんですよ」 3 ○月×日・午後5時半・上条の絶叫から、遡る事1時間前 「くっそ、だーもうちきしょう不幸だ~!!」 上条は街道を全速力で走っていた。 目的地は冷凍食品のタイムセールがあるスーパー…………のはずなのだが、何故か「全く逆方向に」走っている。このまま行くと上条の住んでいるアパートにたどり着く道のりだ。 上条の全力疾走の理由は何時も通り不良に追いかけられている……のではない。 逆だ「上条」が「不良」を、追っているのだ。 何でそんな事をする必要があるのかと聞かれれば、単純明快、とても分かりやすい答えを用意する事が出来る。 サイフヲスラレタ いや、正確にはスラれたと言っていいのかは分からない。何故なら………… 「ちっ、しつけーな!いい加減あきらめなよ!!」 「ふざけんな!こっちに近づいてきたと思ったらいきなり腹にグーをブチ込みやがって!!んでもってうずくまった人から財布奪ってそのまま逃亡開始する奴を上条さんは見逃しはしませんよ!?」 いきなり不意打ち&急所狙いをしてくる輩をスリと呼べるのかは分からないからだ。 まあとにかく財布だけは取り返さなくてはならない。 あれには1~2週間の食生活を保障するだけのお金が入っている。もし無くしたら……………とりあえず上条の頭が腹ペコシスターに噛み砕かれる事は間違いない。 そんな不幸な未来予想に身を震わせる上条が追っている暴力スリは全身を黒いコートで包んでいて、顔は勿論、外見が全く分からなかった。だが身長と声の高低から察するに、上条より二、三歳年下のようだ。 それにしても動きにくいであろう服装のくせにとんでもないスピードだ。長距離が得意なマラソン選手と言うよりは、こういう事(スリ)に慣れた、すばしっこい子ネズミの様な感じだった。 気を抜くとすぐに距離を離されそうだったが、上条も必死で食らいついている。 「しょうがねえじゃん!だってズボンの、しかも尻ポケットなんてスリやすい所に財布入れてるなんて思わなかったんだから!!日本人って不用心だよな~、でも銀行にはたっぷり貯め込んでんだから財布のカネ位いいっしょ?」 「ブ・ッ・ツ・ブ・ス、俺がどんな思いでやりくりしてると思ってんだテメェ!!」 上条が雄叫びと共にスピードを上げると、暴力スリは顔を引き攣らせ、同じくスピードを上げた……と言うより本能的に上げさせられた。 何と言うか、上条の表情に鬼気迫るものがある。「必死」そのものだ。 捕まったらどうなるか………………考えたくも無い。 ……同時刻・某国で新発見されたとある遺跡内にて…… 『と、言う訳なのよん♪』 「…………そうですか…………」 小宗教、天草式の女教皇である神裂火織。 片足が根元からバッサリ切られたジーンズを穿いている彼女は、遺跡入り口の大広間の様な場所に作った作戦拠点ポイントで必要悪の教会の拠点、イギリスはセントジョージ大聖堂にいる最大宗教、ローラ・スチュアートと連絡を取っていた。 『あれれ~?カ~ンザキ~、どうかしたのん?それはかとなく元気ない様な気がす』 「相変わらずとんでもなく変な日本語ですね、まるで貴女のマヌケスキルをそのまま形にしたような気がします。憐れみを覚えてしまいそうですよ」 『え、あの……カンザ』 「そんな貴女のマヌケスキルに振り回される彼は非常に迷惑でしょうね。彼にはただでさえあの子のお世話をして頂いているというのにあなたは厄介事ばかり押し付けるのですね」 『カン;』 「だいたい貴女はいつも何時も………………」 ……なぜだかひどく不機嫌な神裂に尻込みするローラ。 ちなみにこの状態で神裂を刺激するような事を言ってしまうと一気に「ブチギレモード」になってしまう事を知っている天草式のメンバーは「触らぬ神に祟り無し」の言葉如く、状況を静かに見守っている………………と思ったら大間違いだ。 (女教皇と五和が大ピンチなのよな!) (少年との距離を一気に縮めるチャンスだと言うのについてませんね~) (ほんとですよ、この機会に堕天使エロメイド&大精霊エロメイドで少年に迫る女教皇と五和が見れたかと思うとものすごーく残念です) ……なんだか神裂が聞いたら問答無用で叩きのめされそうなセリフをがんがん言っている天草式メンバー(おもに男)。 その顔は「せっかく面白そうな展開(もの)が見られたかもしれないのに!!」という無念でいっぱいだった。 (いろいろアプローチできるチャンスだったのにな~五和。どうするよ?あの少年が3人の内の誰かと……あ、いや、あの少年の事だから3人纏めてって事もぐぼはぁあ!!) (不安にさせる様な事言ってんじゃないわよ!!) (だ、だだだだだっだ、大丈夫ですよ!あああ、あ、あの人は、紳士で強くてヒーローで…………) (いや……安心はできねーのよ) (ど、どういう意味ですか?) 元・天草式教皇代理、建宮才二の意味深な言葉と表情に一段と反応する、恋する乙女、五和。 ……実はこういう時の建宮は、大抵の場合が面白がって話を煽っているのだが、テンパッているのか、五和はまったく気づいていない。 (そもそも俺達の思考レベルが低いって言ってるのよ。あの少年に「俺達の知っている奴らだけが」好意を抱いているなんて事は100%無いのよな!!) (ッツ!) 建宮の言葉に天草式のメンバーも、ああ!と、納得の表情を浮かべ、思考レベルを上昇させる。 (なるほど、確かにあの少年なら普通に1クラス位の女子は好意を抱いていそうですよね) (むしろ学校の女子全員?) (教師を忘れてるぞ!) (通っている学校だけじゃねえ!違う学校の……ほら!例えばどっかの破天荒お嬢様とか!!) (甘い!俺は学園都市の可愛い女子全員にかけるぜ!!) (フッ……これだからド素人は……問題は数だけじゃねーのよ。フラグの立て方なのよな) これだけでもかなりの精神的ダメージを負っている五和だが、ここで建宮がさらに追い打ちをかける。 (いいか?まずいくら好意を抱いている人間が山ほどいるって言ってもフラグの立て方が上手くなければ意味がないのよ。良い例えがアイドルなのよな。どんなに人気があってファンがいても、ファンはファン。よほど親しくならないとお互いは勿論、どちらかが完璧な好意を抱くなんて事はあり得ねーのよ) (え?じゃ、じゃあ……) (だがしか~~~~~~~し!!少年は強い印象を残し、ある程度間を開けるというやり方でこの常識を覆したのよ!!広く浅くと言うやり方は一見駄フラグに見える。だが植え付けた印象は根強く残るから何らかのきっかけで思考の輪廻に少年の事が組み込まれてしまえば後はずっと少年の事を考えるようになる!五和!お前がその良い証明なのよな!!) (!!??) (要は長距離恋愛の理論を取り入れる事によって多数の人間から同時に好意をもたれる様になる!根強く、幅広くと言う方法で夢のハーレムENDへの道を確立したのよ!!さらに通常の恋愛理論「長い時間」「1目惚れ」「血族」etc……などを計算に加えれば…………もはや少年のフラグ数は我らに想像できるものでは無いのよ!!!) ( ( ( ( (おォォおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!))))) 今日1番の盛り上がりを見せる天草式メンバー。 だが彼ら勿論、上条の周りに居る、彼を羨ましがる人々は何人が辿り着いているだろう。 上条がフラグ体質と言われ続けられている理由。その先にある答えに。 ……その一方…… 「ちょっと五和!しっかりしなさい!!いつわ~~~~~~!!!」 「ん?どうしたの…………んおわぁあ!!五和が壊れたのよ~~~!!」 「うふふ…………私って救われない……うふふ……」 「なんか日本の巫女霊がとり憑いてる気がする!!なぜだか分からないけど確信を持って言えるわ!!」 「しっかりするのよ!何故だか分からないけどこのままだと「忘れられた子」になってしまうような気がするのよ~~~!!」 4 「ち、ち、く……しょう……あの暴力スリ、今度会ったら……はぁ、はぁ………か、かみじょーさん必殺の一撃を……ぜぇ、ぜぇ…………」 結局あのスリに逃げられた上条は、自分の部屋がある学生寮に帰ってきていた。 エレベーターに貼られた『現在調整中です。階段をお使いください』という張り紙を恨めしそうに数秒見つめるが、使えない物は使えないので素直に階段で自室を目指す上条。だが朝は使用禁止になって無かった所から考えて、やはり不幸だった。 逃げられた原因は単純明快。 全力でスリを追い、距離もいくらか縮まってきたとき、スリは急に方向転換をして路地裏の道に入ろうとしたのだ。 これを今まで以上のスピードで追う上条、これまで何度も無能力者集団とやりあってきた上条には分かる。路地裏は彼らのホームグラウンド。縄張り。 逃げ込まれたらマズイ。そう思い、スピードを上げたのが間違いだった。 自らの経験をもっとよく思考すれば、こうなるかもしれない位の事は予想できたのに。 路地裏へと逃げたスリを追うため、上条も路地裏へと入ろうとしたその瞬間 ドゴン!!というすさまじい音が「自分の腹から」体全体に伝わってきた。ガハッツ!!と肺の酸素を強制的に吐き出させられ、上条はその場にうずくまる。 「奇襲」の2文字が頭をよぎる。対多数戦に有効なこの手は、上条がよくやる事でもあった。 喧嘩慣れしている上条は自分の実力を熟知していて、勝てるのは1対1まで。2対1なら危ういし、3対1なら迷わず逃げる…………のだが時々、逃げても逃げても追いかけてくる奴らがいたりする。 そんな時、手頃な脇道に入り、呼吸を整え準備をし、1番初めに入ってきた奴を殴り飛ばすのだ。逃げていると思っている&大人数と言う事で油断しきっているからこれがやたらと効く。さらに1人撃破する事で相手の指揮も乱れ、逃げ果せるチャンスも大きくなる。 …………まさかそのシュチュエーションを自分が受ける事になろうとは。 上条が蹲ったまま顔だけ上げると、案の定スリは逃げ果せた後だった。 「…………はぁ……これで少なくとも上条さんの1週間の食事は朝昼晩と食パン、そしてインデックスに頭を喰い千切られる事は決定ですはい……」 部屋で待つ超大食修道女の怒りをどうやって和らげようか考える上条が、自分の部屋がある階へと続く階段の途中の踊り場で立ち止まってから5分が経過しようとしていた…………その時だった。 「?」 踊り場から、ふと自分の部屋を見上げると、なにか違和感をおぼえる。階段を登り切り、近づいて違和感を確かめようと……した。 近くに行くまでも無かった。僅かだが確実に「ドアが開いている」 「んなッ!!」 上条は迷う事無く駆け寄り、ドアの具合を確かめる。 インデックスが部屋に居るならドアが開いているという事は無い。 部屋の合鍵も渡してあるから自由に外出が出来る……よって、鍵をかけ忘れたまま出かけるという事も無いはずだった。 考えられる可能性は………………かなり絞られてくる。 上条は、自身の不幸体質というのがあるから断言はできないが、ただの空き巣ではないと考えていた。 ただの空き巣が、学生寮、それも平凡な高校の平凡な高校生の部屋に狙いを定めるわけがない。それにこんな上の階じゃ無く、逃げやすさを考慮した下の階を狙うだろう。 …………魔術関連が1番高い、と上条は思う。 禁書目録―10万3000冊の魔道書を管理するインデックス。 ローマ政教の30億人に命を狙われている上条。 そっちの方がよっぽど納得がいく。実際には納得いってほしくないのだが、それ以外に思いつかない。 よって、誰かが無理やりこじ開けたのではと思ったのだが、その様な後は全く無い。空いている事を除けば、極々自然な状態だった だが油断は出来ない。上条の経験上、魔術師ってのは何でもありのとんでも集団だ。 聖人だったらその腕力だけでドアをへし曲げる事が出来るだろう。スパイ業を兼ねている者なら合鍵ぐらい持ってそうだし、タバコ好きの者なら人払いかなんかで人目に付くこと無く行動していそうだ。 だからいとも簡単に、かつ自然に、部屋へ侵入する事が出来る魔術だってあるかもしれなかった。 (インデックスは今どこだ!?携帯……ってどうせまた充電切れてんだろうな…………) このドアの先、自室には上条もしくはインデックスを狙う奴らがいるかもしれない。 ここでインデックスを呼ぶわけにはいかない、だが中で人質にされている場合だってあるかもしれない。 上条はドアを近距離で穴があくほど睨みつける。 その手はドアノブまであと数センチの所で止まっていた。 (……くそっ!どうする…………) 入るべきか、入らざるべきか (……どうする…………!!) と、ここで上条の意識は一度途切れかける。 ドアがいきなり内側から思いっきり開いてきたからだ。 超視近距離でドアノブとにらめっこしていた上条は、問答無用で手すりがある方の壁にぶっとばされる。 「そげふ!!??」 「………………なんだ、少年でしたか……んなとこでなにやってんです?」 顔を押さえてのた打ち回る上条の耳に、聞き覚えのある、少し生意気な女の子の声が聞こえてきて、上条はガバッ!と顔を上げる。 「な……!!」 「ちょうどよかったです、色々話したい事がありますんで早く入ってください」 いやそこ俺の部屋だし、そもそも俺に対する謝罪の言葉は無しですかそうですか、んでもってインデックスはどこ行った、つーか人の家に勝手に上がり込んでんじゃねえ。 と、言いたい事は色々あったが、とりあえず上条の口から出たのはその声の主の名前だった。 「アニェーゼ!!なんでお前がここに!!?」 5 上条の絶叫から15秒後…… 「つーわけであたし達3人をここに泊」 「まてまてまてまてちょっと待て!!話は分かったけどどうしてそういう展開になるんだっつーの!!」 「……話を聞いてましたか?それとも内容が理解できてねぇんですか?」 「いや分かったって言ったじゃん!たった今!!人の話聞いてねぇのはテメエらだろうが!!」 上条はテーブル向かいに座っている、アニェーゼ、ルチア、アンジェレネの3人に向かって、必死に説明を求めていた。 いや、正確には「アニェーゼ達がなぜここにいるのか」の説明では無くなぜ「上条の家に泊めてくれ」などと言ってくるのかなのだが、彼女達は全くくみ取ってくれない。 上条の絶叫から15分前・上条の自室 「1人暮らしの男の部屋としては結構片付いて……1人じゃねぇでした、同棲してんですよね。まああの禁書目録が進んで家事や手伝いをするとは思えねぇですが」 アニェーゼはまるで自分の家の様にベットの上でくつろぎ………… 「…………正直、修道女としてその事実は了承しかねますね。まったく……成り行きでこうなってしまったと聞きますが、あなたならこの調子で何名もの女性とパイプを持っていそうです……それと鍵はもっと解除が難しく、窓ガラスは防弾ガラスの物にしなさい、不用心ですよ?」 ルチアは礼儀こそ正しいが自分たちの行いなどまるで気にも留めていないかの様子で無神経にペラペラと話し………… 「す、すみません……ちょっと事情があって(モグモグ)……し、仕方なくなんですよ?勿論仕事であって(パクパク)……決して嫌がらせでは……(パクモグ)」 アンジェレネはインデックス様に買っておいたケーキ菓子を上条の了承も無く勝手にパクパク食べている………… 「……………………ちょ」 「「「?」」」 「ちょっと待てテメエら~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!」 と、ここで上条の今までためていた何かが一気に爆発した。それは怒りと言うより激しい混乱によるもので…… 「まず人の家に勝手に上がり込んでんじゃねえよ、なんでお前らがここに居る!?んでもってなに和んでんだ!ここは上条さんのお家ですよお分かりですか!?つーか本来ここに居る筈のインデックスはどこ行った!!?そしてあなたは自分の事を棚に上げて人を注意をするんじゃありません!最後にケーキをパクパク食ってるきみ!!君がそのケーキをパクパク食べると後に私が腹ペコ野獣と化したインデックスに頭をガブリと食べられてしまうのですが!!??」 勢い良く立ち上がり、息継ぎなしで怒涛のツッコミ連打をした上条は、ここでようやく息を整えアニェーゼ達をキッ!と睨む。 「了承なら最大宗教の許可を」 「俺の許可を取れよ!何度も言いますけどここは上条さんの部屋です!!」 「……じゃあ許可をください」 一瞬ドついてやろうかとも思った上条だったが、まずは状況を把握し、混乱を治めたい。 「…………まず何がどうなってるのか説明してくれよ…………」 溜息をつきながら再び床に座る。 「ん~……そうですね、色々説明しなきゃいけない事があんですよね…………取り合えず何かを言うなら禁書目録は無事ですから安心すると良いです」 「むしろ今頃大満足してるかもしれません…………まったく、禁書目録もそうですがあの喫煙神父も許しがたい。煙草もそうですが、あの人は禁書目録に甘すぎです」 「赤髪さん、今日の為に貯金を目一杯降ろして様々な料理店を貸し切りにしてましたもんね…………う、羨ましいです…………」 赤髪・タバコ、この2つに禁書目録が合わさるだけでインデックスがどこの誰といるかは明白だった。 「ステイルも来てるのか?だったら何でお前らと一緒じゃないんだ?」 「そりゃあとうぜんです、だって…………」 禁書目録は今、学園都市に居ませんから。 行間1 同時刻・学園都市の外・某有名料理店 「これと、これと………ああもうここにある料理全部食べてみたいかも!!」 「…………好きにすると良いさ……」 東京で超有名な和風料理店の最高級ランクの部屋。 そこには同じく最高級ランクの、少なくとも今の上条には絶対に手が出ないほど馬鹿高い料理をガンガン注文するインデックスと、それを見て溜息をつきつつも、内心かなり和んでいるステイル・マグヌスが居た。 純和風の部屋に英国の修道女と神父がいるというのはいささか奇妙な光景だったが、店の従業員は外国からの客に慣れているのか、そこまで気にしていないようだ。 ……そう「その事に関しては」気にしてない……だが 「お、お客様。お会計の方は大丈夫ですか?」 「最初にカードを渡しただろ?そこから会計の分だけ引き落としてくれ」 「は………はい」 「(ガツガツむしゃむしゃ)あ!あとこれとこれも~!!」 従業員は呆れたような困ったような顔で注文票に料理名を書くと、厨房へと走っていった。 驚いているのはその注文の量だ。 一見一人では食べきれないだろうと思われる膨大な数の高級料理が、次々とインデックスの胃袋へと吸い込まれてゆく。しかもステイルは料理に一切手を付けていない。 「…………随分と食い付きが悪いね」 この場にインデックスと関わりを持たない誰かがいれば迷わずツッコミをいれただろうが、実際に全力時のインデックスと比べれば若干スピードに勢いが無い。 「そ、そんなこと…………」 「…………さっきも言ったけど、その術式が発動する可能性がある以上、君を学園都市に置いておくわけにはいかない。」 「う、うん……分かってるけど…………でも……」 箸を止め、若干不安そうな表情をするインデックスに、ステイルはこんな言葉を掛けた。 「……あいつには護衛が付いている。任務が優先とはいえ、ある程度安全のはずさ。それにあいつなら巻き込もうが巻き込まれまいが、勘づきさえすれば自分から飛び込んでくると思うけど?」 「!!?」 バッ!と、こちらを見たインデックスに、ステイルはこの発言が失敗だったとすぐに気付いた。 …………が、もう遅い。 「そ、そうなんだよ!当麻ったらいつも何時も!!あいさ曰く当麻はフラグ体質~って言って次々と女の子と厄介事を引き寄せる体質らしいけど、ただでさえ色んな事に巻き込まれやすいって言うのに自分から関わっていくんだもん!私の知らない所でも色々あったみたいだし!!それと当麻は私がご飯をたくさん食べるから食費が大変だ~!って言ってるけど正直当麻の入院費もバカにならないかも!!あとあと………………」 「…………ハァ…………」 この後ステイルは、インデックスの気が済むまで上条への愚痴(ステイル曰く、そうは聞こえない)を聞かされ、上条に理不尽な殺意を抱くことになるのだが、肝心の上条はそれを知らない。 7 「ちょっ、ちょっと待てよ!学園都市にいないって…………」 「言った通りの意味です。禁書目録は今、学園都市にいねぇんです。危険だから置いとけねえって事ですよ」 「な……………………」 言葉を失った。 理由は嫌というほど分かっていた。 インデックスは魔術側の人間。イギリス清教、必要悪の教会のシスターで、完全記憶能力を生かし「禁書目録」10万3千冊の魔道書を脳内に保管している「魔道書図書館」だ。 この魔術と対する科学の街。学園都市に置いておくという事自体が危険だと判断されても不思議では無かった。 今まで上条とインデックスが共に暮らしてこれた事の方が奇跡なのだ………………だけど 「……………………………………………………………………………………でだよ……」 「は?」 「なんで今になってあいつを連れ戻そうって話になったんだよ!!?」 上条は叫ぶ。奇跡という幻想が消えていくのをただ黙って見ている訳にはいかない。 「……俺は魔術の世界や魔術は勿論、肝心のインデックスの事だって殆ど知らない無知野郎だけど………困った事や苦労した事だってあったし、危険な事に巻き込まれる事なんてもう数えんのもバカバカしい位だ…………だけど…………だけど俺達は今まで一緒に居たんだ!!インデックスに確認取らないでこんな事言うのもなんだけど…………最悪、俺の幻想かもしれねぇけど…………俺「達」の意思で一緒に居たんだよ!!!」 そうだ。現に今までインデックスは上条と一緒にいた。 それ自体が危険である事を知りつつも、この学園都市で、上条の部屋で、時を過ごしてきた。 それは、笑顔を絶やさない彼女が上条に見せてくれた信頼。 だったらそれを、自分が裏切るのは勿論、他の誰かにも断ち切らせるわけにはいかない!! 上条は知らず知らずのうちにテーブルの向こうの3人に思いっきり顔を近づけていた。 「だから……!!」 「ちょっ、お、落ち着いてくださいっ!!禁書目録を学園都市の外に連れ出すのは事件を解決するまでです!!」 ……………………………………………………………………………………………え? 「え?……あ…………は?」 「……シスター・アンジェレネの言うとおり。私達は禁書目録を回収、もしくは連れ戻しにきた。とは1言も言っていませんよ?」 「まったく、早とちりもいいとこです。……………それと、ちょっと身を乗り出し過ぎでねぇですか?」 「………………………あ、すみません………」 ……………………………………え~……と、と言う事は…… ゼンブカミジョウサンノカンチガイ? (うぎゃァアアア~~~~~!!!!!ハズッ!恥ず!!いま俺すっげぇ恥ずかしいんですけど!!?) 上条は頭を抱え、床をゴロゴロと転がる。途中ベッドの角に足の小指をぶつけ、悶絶しながら転がるという荒業を披露した。 「ふ、不幸だ~~~~~~~!!!」 「……今回はどう見てもあなたの失態の様な気が……………」 「やめて!心と体に瀕死の重傷を負った上条さんを追撃して止めを刺すような真似はしないで~~~~!!」 「はぁ……………………?…シスター・アニェーゼ。先程から俯いたままですがどうかしましたか?少しばかり顔が赤い様な気もしますが」 「い、いえ!何でもねぇです!!……んなことより、さっさと話を戻して、さっさとこのめんどくせぇ説明を終わらせちまいましょう」 アニェーゼはわざとらしく体制と口調を正すと、今度こそ、といった感じで口を開く。 「先週……つっても何時かは分からねぇんですが、学園都市を標的としてとある魔術が発動。今までにない強力な術式で、これを新たなる原典と断定。イギリス聖教はこの魔術を「魔力暴走」(マナ・ドライブ)と名付けました」 「マナ…………ドライブ?」 「…………詳しく説明するとなると色々な専門用語から知って頂かなくてはなりませんが構いませんか?」 ルチアの申し出に、上条は首をぶんぶん振った。 上条は以前、インデックスに魔術関連の質問をした事がある。その結果、彼女の説明のつぼに入ってしまったのか、半分以上訳の分からない、理解出来ない話を、えいえんと2時間以上語られてしまった事があった。 そして上条の不幸センサーは語っている。 このルチアと言う修道女はあの時のインデックスと同じ匂いがする、と。実際、ルチアの表情はどこか不満そうに見えた。 上条と同じくルチアに説明させるのが嫌なのか、アンジェレネが慌てて口を開く。 「え、え~~っとですね。簡単に説明すると、魔術師が魔術を使うために生み出した魔力にその魔力を生み出した持ち主本人を自動攻撃させるっていうものなんです」 「………………え~っと、つまり……あれか?例えばステイルの出した「魔女狩りの王」がステイルを攻撃しちまうって事か?」 「……まあ、遠からず…………近からず…………」 「実際にはその魔術になる前の段階である「魔力」が暴走すんですよ。今の話に合わせると「魔女狩りの王」になる前に内側から大爆発って感じですかね」 「ふうん…………でもさ、何でインデックスを外に連れ出したりしたんだ?その……「魔力暴走」を仕掛けた奴の目的がインデックスなのか?」 「分かりませんが最悪の場合、死ぬかもしんねぇからですよ」 死というワードに、上条は思わず身を固くする。 話を聞いただけでは、魔術を使わなければ危険はなさそうな魔術に思えたのだが、どうもいろいろ違うらしい。 「忘れてねぇですか?禁書目録の頭ん中には10万3千冊の魔道書があんですよ?どっかでうっかりこの魔道書の1つでも暴走すれば次から次へと連鎖を重ね…………管理してる禁書目録は勿論、周りの被害だって結構なものになる可能性があるんです」 「………………そ、そうか………………でもその「魔力暴走」ってのが発動してんならお前らだって魔術は使えないんじゃ…………」 と、いうかそんなものが発動しているなら魔術師全般が使い物にならなくなるはずなのだが、アニェーゼ達は何事もない様に平然としている。 「その心配はいりません。この魔術には決定的な欠陥があんですよ」 「欠陥?」 敵の弱点を語っているのに、アニェーゼ達の表情は浮かない。困っているようにも見える。 「この魔術の構造を簡単に説明すると、まず魔力Aを魔術発動の為の魔力及び保護対象に指定、それ以外の……保護対象に入れていない魔力B~Zの構造を崩し、暴走させるというものです」 「つ、つまり、この魔術を発動させている人達と同じ魔力を使っている人なら、その影響を受けずに済むんです…………」 「これで分かったんじゃねぇですか?どうしてあたし達3人が来てるのか」 「…………その術式を発動してるのがローマ政教の奴だからか?」 彼女達は元・ローマ政教のシスター達だ。魔力は勿論、術式もローマ仕込みの物ばかりだろう。だから送り込まれてきた。 「そういう事です。あたし達の今回の目的はこの術式の破壊」 アニェーゼは言いながら目をそらし 「並びに相手の目的、狙いを探って…………」 ルチアは溜息をつき 「必要ならばそれを阻止する事」 アンジェレネは前にもましてワタワタと挙動不審に慌て始めた。 「へ、へえ~………………;」 そして上条はこの時点から何か嫌な予感がしていた。 「「「…………なんですが…………」」」 ギクッッ!!!と、全身を嫌な感覚が走る。 様々な不幸を体験してきた上条には分かる。これは単に「事件を解決するのを手伝え」と言われるだけじゃ無い。寧ろそれに関しては上条自身も自分から手伝うつもりだった。 これはもっと別の不幸やハプニングの匂いだ。上条にとって理不尽かつ決定的な物が降りかかってくる前兆だ。 「そ、その………………つまりですね………………」 「……学園都市ってのと、敵の持ってるであろう原点とまだ分からない目的などの理由で訳なしじゃ色々行動が出来ないんですよ」 「ま…………そんな訳で………………」 続いたアニェーゼの言葉を聞き、上条は例の絶叫をあげたのだ。 「私達3人を1週間ほどここに泊めやがれってんです」 回想完了
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序章 午後6時30分。かろうじて太陽が沈み切らない時間帯。 薄紅の光にさらされたビルとビルの間。人目をはばかるような細い道に 二つの人陰があった。 大きい影と、それに比べて小さい影。 やがて、小さい方の影が口を開いた。 「……こんな戦争が始まりそうな時期に何を考えているんだ。あの野郎は」 と、苦々しくつぶやいた。 「僕に言われても困るよ。僕はただ君に『奴』へ伝言頼んだだけだ。それと、 『仕事』をしにね」 と、小さい影に対して軽口をきいた。 「分かっている。だが、納得がいかない。禁書目録〔インデックス〕だけつれ て行けば良いものを……そう思うだろう?ステイル」 まあね、とステイルは言い、 「だけど、『上』が決めたことだ。僕達がどうこうしたって、しかたがないだ ろう」 「お前はこの件に賛成するのか?」 「ああ。『奴』がついてくる事については気にくわないけどね。 彼女にとって学園都市〔ここ〕は安全じゃなくなってきた。だからこの『仕 事』が終わったら、あの子と一緒にイギリスへ帰ろうかと思っている」 さらりと、そんな事を言った。 「さて、僕はそろそろホテルへ戻る。それじゃあ失礼するよ、土御門」 と、言い残してビルの角に消えた。 「……」 土御門はしばらく無言で佇んでいた。 そして踵を返し、とある人物に伝えるためにステイルからの伝言と会話を反 芻していく。 そうして歩いている内に、目的の建物が見えてきた。
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【種別】 人名 【初出】 とある科学の超電磁砲 第四話 名前はアニメ超電磁砲(1期)にて判明、本編登場は新約六巻 【CV】 植田佳奈 【解説】 第一七七支部所属の女子高生風紀委員。レベル3。 身長163cm・体重50kg、スリーサイズは85・60・81。 眼鏡をかけた黒髪セミロングの少女で、豊かなスタイルの持ち主。 中学生時代は美琴や黒子とほぼ大差ない体形で、黒妻の影響からほぼ毎日のようにムサシノ牛乳を飲んでいた結果現在の体形になったようだ。 黒子と初春飾利の上司的立場に当たる。 研修などで迷惑をかけてきたこともあり、黒子にとっては頭の上がらない存在の一人。 かつてレベル2だった頃、なかなかレベルが上がらないことに思い悩み、 スキルアウトのビッグスパイダーに所属していた過去がある。 当時のビッグスパイダーのボス、黒妻綿流に恋心を抱いており、彼とお揃いで仕立てた赤い革ジャンは現在でもクローゼットの中にある。 学生寮では柳迫碧美と同室。 【能力】 能力はレベル3の『透視能力』。 透視することで隠し持っている武器などを発見できる、捜査や警備に便利な能力。 能力だけでなく素の身体能力やそれを活かした逮捕術の腕も一流で、かつてのビッグスパイダー在籍中には体重差3倍の筋肉マッチョを膝蹴りで一撃KOした事もあるなど様々な武勇伝を持つ。 またオートバイの運転技術も習得している。 【作中での活躍】 白井黒子の新人研修を担当し、『絶対等速』の能力者とその仲間が起こした強盗事件にも立ち会った。 研修では黒子の実力は認めつつも、周囲を頼らず一人で解決しようとする傾向を不安視していた。 虚空爆破事件でも同僚の男子生徒と共に避難誘導に当たっている。 (※漫画版とアニメ版とでは、固法と名称不明の風紀委員の出番が逆になっている。) 黒妻が消えた2年後、ビッグスパイダーの行っていた能力者狩りを追いかけた際に黒妻に再会。 自分の気持ちと立場の間で大きく迷うが、黒妻を騙った蛇谷次雄に制裁を加えた後、 最終的には風紀委員という自分の立場と彼自身の意志に従い、黒妻を逮捕した。 禁書本編では、新約六巻でようやく初登場を果たす。 子供たちに黒子のマネを迫られ困惑していた初春を見かけて天啓を得た天才作曲家っぽくなった青髪ピアスの前に現れ、 黒子とともに青ピ本年度43回目の職務質問を担当した。
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2013/10/6時点 芦屋 流(あしや ながる) ステータス 体力:40 筋力:100 魔力:43 知力:45 速度:60 余り経験点0 最大HP450 最大MP196 攻撃100 防御66 魔攻45 魔防30 速度60 移動6 秘技:全機解放炸裂…2フェイズの間、自分の与える物理ダメージと射程を2倍に、自分の受けるダメージを半減する スキル 機関砲砲撃:射程3 消費HP7 基本物理×1.5 使用後移動可 リアクタアサルト:射程1 消費HP33 隣接されて被攻撃時、出目-2が勝っていれば受けるはずだったダメージを1.5倍にして返し、1マスノックバックさせる。負けたらダメージが2倍 誘導ミサイル準備 発射 射程4 着弾範囲2 消費HP27 使用後移動不可 範囲内の敵全てに物理基本×2 マジックハンマー 射程1 消費HP MP24 物理+魔力/基本HPMPダメージ×0.5 与えたダメージを吸収してノックバックさせる 使用後移動不可
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【浜面仕上】 000 オープニングーーー《地獄へようこそ》 ◆qvpO8h8YTg 010 ほんとのきもちはひみつだよ ◆ZbV3TMNKJw 014 Noblesse Oblige -BREAK IT- ◆2dNHP51a3Y 020 ワイルド・スピード ◆ZbV3TMNKJw 039 撫子乱舞 -女郎蜘蛛と白の魔王、そして悪魔襲撃撫子乱舞 -黒髪乱れし修羅となりて-撫子乱舞 -凛として咲く華の如く(前編)-撫子乱舞 -凛として咲く華の如く-(後編)- ◆2dNHP51a3Y 【フレンダ=セイヴェルン】 005 インフィニア ◆ZbV3TMNKJw 022 殺伐感情戦線 ◆ZbV3TMNKJw 036 闇を暴け(上)闇を暴け(中)闇を暴け(下) ◆ZbV3TMNKJw 069 Go frantic ◆2dNHP51a3Y 085 フレンダちゃんのドキドキ☆生存戦略! ◆qvpO8h8YTg 092 Liber AL vel Legis -the point of no return-Liber AL vel Legis -黒 VS 白-法の書・外典【テイルズオブベルセリア】Liber AL vel Legis -THE WORLD REVOLVING- ◆2dNHP51a3Y 106 生きる者達 ◆mvDj9p1Uug 112 過去が今、私の人生を収穫に来た ◆EPyDv9DKJs 114 裁定、そして災害(前編)裁定、そして災害(後編) ◆mvDj9p1Uug 122 夕暮れのかなたから ◆qvpO8h8YTg 【絹旗最愛】 012 禍ツ華が哭くころに ◆2dNHP51a3Y 039 撫子乱舞 -女郎蜘蛛と白の魔王、そして悪魔襲撃撫子乱舞 -黒髪乱れし修羅となりて-撫子乱舞 -凛として咲く華の如く(前編)-撫子乱舞 -凛として咲く華の如く-(後編)- ◆2dNHP51a3Y 060 人生は選択肢の連続だ ◆ZbV3TMNKJw 082 From the edge -Scarlet Ballet-From the edge -EreserRain-From the edge -Re:闇を暴け-From the edge -炎- ◆ZbV3TMNKJw 【麦野沈利】 012 禍ツ華が哭くころに ◆2dNHP51a3Y 039 撫子乱舞 -女郎蜘蛛と白の魔王、そして悪魔襲撃撫子乱舞 -黒髪乱れし修羅となりて-撫子乱舞 -凛として咲く華の如く(前編)-撫子乱舞 -凛として咲く華の如く-(後編)- ◆2dNHP51a3Y 063 ハナガサイタヨ ◆ZbV3TMNKJw 074 It s My Life ーTir na nOg ー(前編)It s My Life ーTir na nOg ー(後編)It s My Life ー永遠の銀(RickReMix)ーIt s My Life(前編)It s My Life(後編) ◆ZbV3TMNKJw 078 「会えてよかった」 ◆ZbV3TMNKJw 092 Liber AL vel Legis -the point of no return-Liber AL vel Legis -黒 VS 白-法の書・外典【テイルズオブベルセリア】Liber AL vel Legis -THE WORLD REVOLVING- ◆2dNHP51a3Y 105 Revive or Die Again(前編)Revive or Die Again(後編) ◆2dNHP51a3Y 115 ギャクマンガ虚獄 ~ムギノインパクト~ ◆2dNHP51a3Y 123 愛をとりもどせ!!(前編)愛をとりもどせ!!(後編) ◆ZbV3TMNKJw 127 魔獣戦線 ー黙示録の始まりー魔獣戦線 ー 人妖乱舞 ー魔獣戦線 ー進化の光ー魔獣戦線 ー愛されしものー魔獣戦線 ーDeep Redー魔獣戦線 ー生命の輝きー ◆ZbV3TMNKJw 【垣根帝督】 006 何れ花となるモノ ◆ハーメルンユーザー 050 病院へ行こう ◆ZbV3TMNKJw 065 病院での会敵 ◆ハーメルンユーザー 075 病院戦線 開幕 ◆ハーメルンユーザー 090 病院混戦~劇薬投下~ ◆ハーメルンユーザー 093 病院戦線、終幕(前編)病院戦線、終幕(後編) ◆ZbV3TMNKJw 096 最後に笑うは ◆ハーメルンユーザー 106 生きる者達 ◆mvDj9p1Uug 115 ギャクマンガ虚獄 ~ムギノインパクト~ ◆2dNHP51a3Y 123 愛をとりもどせ!!(前編)愛をとりもどせ!!(後編) ◆ZbV3TMNKJw 127 魔獣戦線 ー黙示録の始まりー魔獣戦線 ー 人妖乱舞 ー魔獣戦線 ー進化の光ー魔獣戦線 ー愛されしものー魔獣戦線 ーDeep Redー魔獣戦線 ー生命の輝きー ◆ZbV3TMNKJw 132 その座標に黒を打て(前編)その座標に黒を打て(後編) ◆ZbV3TMNKJw
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上条当麻 「―――ええい!くそっ!くそっ!あーもうちくしょー不幸すぎますーっ!!」 とある魔術の禁書目録1巻にて。 「――テメェは、インデックスを助けたくないのかよ?」 「テメェら、ずっと待ってたんだろ?インデックスの記憶を奪わなくても済む、インデックスの敵に回らなくても済む、そんな誰もが笑って誰もが望む最っ高に最っ高な幸福な結末《ハッピーエンド》ってやつを!」 「ずっと待ち焦がれてたんだろ、こんな展開を!英雄がやってくるまでの場つなぎじゃねえ!主人公が登場するまでの時間稼ぎじゃねえ!他の何者でもなく他の何物でもなく!テメェのその手で、たった一人の女の子を助けてみせるって誓ったんじゃねえのかよ!?」 「ずっとずっと主人公になりたかったんだろ!絵本みてえに映画みてえに、命を賭けてたった一人の女の子を守る、そんな魔術師になりたかったんだろ!だったらそれは全然終わってねえ!!始まってすらいねえ!!ちっとぐらい長いプロローグで絶望してんじゃねえよ!!」 「―――手を伸ばせば届くんだ。いい加減に始めようぜ、魔術師!」 とある魔術の禁書目録1巻にて。
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上条当麻(かみじょう とうま) 【概要】 【法則性】 【人称】 【趣味嗜好】 【行動パターン】 【登場巻一覧】 【例文(原作より抜粋)】 【概要】 『とある魔術の禁書目録』第一主人公。基本的には一般的なやや口が悪い男子高校生といった口調だが、本人のテンションによって口調が変わったり独特の言い回しをする場合がある。 このページの最上部へ 【法則性】 年上相手でもため口が基本だが、小萌先生などの学校の先生相手には一応敬語を使う。しかしこの敬語も高校生が無理してちょっと丁寧な言葉使ってみました程度のものであり、薄いメッキは状況次第で簡単に剥がれる。 【特殊な言い回し】 1巻40p 「当然なの!当然なんだよ当然なんです三段活用!」 2巻130p 「食ったんかい!食ったんだな食ったんだろ三段活用!」 1巻56p 「……、どゆことでせう?」 新約8巻23pに混乱してオネエ口調になるシーンがある。これ以降パニックになった時にはちょくちょくオネエ口調となる。 新約8巻23p (……もう嫌だ。もうイヤなのよォォォォ!!あたくしの寿命が太い蝋燭の形で表現されるのならば、この手の死ぬほど情けねえミッションで蝋燭が半分以上ゴリゴリ削れているに決まってるわ!!ていうかぶっちゃけ大真面目に魔術師と戦うよりこっちの累積ダメージの方が多い気がするじゃないのよォォォォォォ!!) このページの最上部へ 【人称】 一人称 基本は俺。 二人称 基本『お前』。あまり親しくない相手に対しては『アンタ』。相手の名字を呼ぶ場合も多い。ただし外国人相手の場合は名字が先だと勘違いしているのかファーストネームで呼ぶ。 【例外】 レイヴィニア=バードウェイのことは『バードウェイ』と呼ぶ。妹のパトリシア=バードウェイのことは『パトリシア』と呼ぶ。 土御門元春のことは『土御門』と呼び、義妹の土御門舞夏のことは『舞夏』と呼ぶ。 超電磁砲10巻64話66pで削板軍覇の事を『軍覇』呼びしている。この呼び方は超電磁砲のみのため理由があるのか単に間違えたのか判断ができない。 【追記】 2019/8/6超電磁砲担当編集である荻野謙太郎氏のツイートにより『軍覇』呼びは誤表記であることが確認された。『削板』に読み替えて欲しいとのこと。それはさておいて『軍覇』呼びは非常に萌えるんだよな。 このページの最上部へ 【趣味嗜好】 2巻130pの記述にて、1個700円のプリンを買って冷蔵庫に入れていたことが分かる。甘いもの好きのようだ。かわいい このページの最上部へ 【行動パターン】 このページの最上部へ 【登場巻一覧】 巻数 ページ 1巻 10p~130p,142p~159p,163p~279p,284p~294p 2巻 10p 3巻 16p 4巻 10p 5巻 10p 6巻 20p 7巻 37p 8巻 49p 9巻 16p 10巻 10p 11巻 10p 12巻 15p 13巻 26p 14巻 24p 16巻 18p 17巻 23p 18巻 36p 20巻 43p 21巻 11p 22巻 10p このページの最上部へ 【例文(原作より抜粋)】 このページの最上部へ
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いままで読んだラノベじゃかなり高得点。 ちょっと設定を押しすぎているところや、流れに無理もあるけど、 それを補って余りあるくらい世界やキャラが魅力的だと思う。 描写も良い。端的な文章で、映像が瑞々しく脳裏に浮かぶ。 押しすぎなのは「神の奇跡すら殺せる」の行、 無理は「インデックスが一年逃げてた」とか。 まぁそれなりに説得力は持たせようとしてたし、 当たり前のこととはいえ15%が嘘だ、って明かすところも面白かった。 この辺りを上手く説明するために「先生」は凄く都合が良いキャラだったし。 最後の「本当は覚えていないんだろう」っていうのはどうなんだろう。 好きではあるけど、どこか救いがない気もする。 「あっはっはのーはーっ」で喜んだところにこれでは、 意外性とか以前にがっかりな気もする。 でも凄いな。戦慄した。 ステイルとカンザキが活きていないのが残念。 それ以前にビリビリ女はガン無視だが。 続巻を意識して描かれた物語は興醒めだなぁ。