約 6,956 件
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/1663.html
マジシャン ザ ルイズ (13)術師の幻視 「王家の回し者め!わたくしのシャルロットを夫のように亡き者にするつもりですか!」 女性のヒステリックな金切り声が、魔法学院のペンタゴンの一角にこだまする。 「ミスタ・ウルザ、どう、あなたなら何とかできないかしら」 ルイズが期待を込めた目を向けているのは、その使い魔、異世界から召喚されたプレインズウォーカー、ウルザである。 「ふむ…、治療魔法にも多少の心得はあるが…、毒の治療となれば少々難しい」 「あなたでも治せないの?」 今キュルケの部屋にはタバサの母、タバサ、ペルスラン、ルイズ、ウルザがいる。 ウルザが診察をすることとなった経緯を説明するには、時を少し遡らねばならない。 ウルザはフネの建造が始まってからも、夜になればルイズの部屋に戻るという生活を続けていた。 夜はルイズが眠りにつくまで、机に向かい部屋を共にする。そして彼女が眠ってからは何処かへと出掛けていき、朝になればルイズを起こす。 主人の起床を見届けた後は建造現場か火の塔に向かいコルベールと合流し、ルイズは余った時間を潰して一日を送る。 というのが夏季休暇が始まって以来、ルイズ・ウルザ主従の生活サイクルである。 今晩も普段通り、いつもの時間にルイズの部屋へと戻ってきたウルザ。 彼を出迎えたのは、ルイズの部屋の隣から響く聞きなれぬ女性の声、そしてその部屋の前に立つ自らの主人と見慣れぬ老人の姿であった。 「これはなんの騒ぎかね、ミス・ルイズ」 「っ!ミスタ・ウルザ!あなたなら何とかならない?」 「…唐突にそう言われても、事情が分からぬことには返答できないな」 「ええと、それはそうね。わかった、最初から事情を話すわ」 「ヴァリエールさま」 ルイズが勢い込んで話し始めようとしたところで、オルレアン家の執事ペルスランが口を挟んだ。 「失礼ですが、こちらの御方は一体…御紹介願えませんでしょうか」 「ああ、そうね紹介しないとそっち側も話が進まないわね…。彼はミスタ・ウルザ、私の使い魔でとても強力なメイジよ。 ミスタ・ウルザ、こちらの方はミスタ・ペルスラン、タバサの家の執事をやっている方よ。ほら、握手」 「………ふむ」 勢い任せにルイズから握手を指示されて、ウルザは右手を差し出した。 これを見たペルスランも、事態を把握しきれぬまま、反射的に右手を差し出して握手をした。 「ヴァリエールさま、メイジの方を使い魔になさっているのですか?」 「ええそうよ、珍しいでしょ」 「は、はあ…」 「それと、メイジと使い魔は一心同体、先ほどの話をミスタ・ウルザにしてもよろしいかしら?」 「いえ、しかし、それは…」 「ミスタ・ウルザなら、タバサのお母様の心を取り戻せるかも知れないわ」 この発言にはペルスランも色めき立つ。 「そ、それは本当でございますかヴァリエールさま!?」 「彼は……ええと、そう、ロバ・アル・カリイエ!ロバ・アル・カリイエ出身なのよ。 だから私たちの知らない魔法も色々と知っているわ、もしかしたらそういった心の治療魔法を知っているかも知れないわ。 そうよね、ミスタ・ウルザ」 ルイズがウルザを強い意志の篭った目で見つめる。 「―その通りだ。事情は分からないが、力になれることもあるかもしれない」 「そういうことでしたら、お話しても構いませんでしょう…」 こうして、二人による説明が行われ、ルイズの願いによって婦人に対してウルザの診察が行われる運びとなった。 ウルザが顎鬚を撫でるようにして黙考している。 色眼鏡も相まって、その姿はまるで本業の学者のようである―――ルイズはウルザが著名な学者でもあることを知らない。 「大丈夫よ、ミスタ・ウルザにはあなたのお母様の心を取り戻させることが出来ないか、診てもらっているだけだから」 ウルザへの事情説明を終えた二人は、早速ウルザを連れてキュルケの部屋を訪れた。 すぐさま診察を始めようとするウルザに、無表情な中にも戸惑いの色を浮かべるタバサが止めに入った。 事情が分からず混乱するタバサをルイズが引き剥がし、そうして、これまでの経緯を語って聞かせる。 「だから、もう少し待って。多分そんなに時間は…」 ウルザを振り返ったルイズ、使い魔の手にはなぜかヒルがおり、それを見た婦人が絶叫していた。 見なかったことにしてタバサに向き直る。 「兎に角、危害は加えないわ」 「何度も試した、それでも…」 悲しそうな表情のタバサが呟く。 ルイズはタバサと長い付き合いでもないが、彼女のこういった表情を見るのは初めてだった。 その分だけ、治療の可否に期待がかかる。 「大丈夫、ミスタ・ウルザなら、こちら側のメイジが知らない方法で、きっと治してくれるわ…」 そう言いながらルイズはタバサの肩を抱く。 タバサの体は、ほんのりと温かかった。 一通りの診察を終わらせたウルザが一同のもとに戻ってくる。 貴族の子弟が生活するといっても、学園の寮の一室。 四人の人間が固まって話すとなるとやはり手狭ということで、診察結果は廊下で話されることとなった。 「まず、いくつかの質問をさせてもらいたいミス・タバサ。 君の母上が呷られた毒杯には水魔法の毒が混入されていたそうだが、それは確かかね?」 神妙そうにこくりと頷くタバサ、横ではペルスランも頷いている。 「では、それが水魔法の毒だと伝えたのは誰かね?」 「……以前、母さまを診察した、水魔法使いのメイジ」 タバサのこの発言を更にペルスランが補足する。 「奥様のお病気を治そうと、国中の高名なメイジをお招き致しました。その方々が口を揃えて水魔法の毒が仕込まれていたと診断なさりました」 その言葉を聴いてウルザが再び右手の人差し指で顎鬚を撫でる仕草をした。 「それでは私が知り得たことを話そう。 ミス・タバサの母上に盛られたのは水の系統魔法による毒ではなく、そもそも水に関わるかも妖しいものだ。 どちらかというと、こちらでは先住魔法と呼ばれている、自然界に存在する力を利用した魔法によって作られた毒と見る方が正しいだろう」 ウルザの言葉の中で不穏な単語を聞いたルイズが聞き返した。 「先住魔法って、つまりエルフか何かの毒ってこと?」 「そうかも知れないし、そうではないかも知れない。 私に分かるのは系統魔法による毒では無いだろうということだ。 加えるなら、患者の症状の原因は毒によるものではなく、よって解毒による治療は不可能だ」 この言葉を聴いてタバサとペルスランの顔色がさっと蒼褪めた、一方のルイズは真っ赤になり捲し立てる。 「不可能って!?本当に無理なの!ちゃんと調べ、」 「待ちたまえ。話は終わっていない、ミス・ルイズ」 「う………」 そう言われたルイズがすごすごと引き下がる。 「毒で引き起こされている訳ではないが、毒以外で患者のあの状態を作り出している直接の原因が存在する。 彼女の症状は毒が原因なのではなく、毒によって引き起こされた「呪い」が原因だと私は考えている。 魔法的施術による身体への付与魔法の効果、我々がエンチャントと呼んでいるものが原因だと思われる。 毒でなく、呪いであるならことは単純だ。解呪すればミス・タバサの母上は正気を取り戻すだろう」 「それは本当でございますかウルザさま!」 「あくまで全て私の見立てだ、実際に解呪を行うかは家族の意思に任せる」 ウルザ、ルイズ、ペルスランの視線がタバサへと集中する。 「お嬢様、ご決断を…」 「タバサ、決めるのはあなたよ。ミスタ・ウルザを信用するかもね」 タバサの深い蒼の瞳がウルザを真正面から捉える。 白い髪に白い髭、眉間には苦悩が刻まれた深い皺、その瞳は色眼鏡に遮られて見ることが出来ないが、きっと活力と生命力に溢れた瞳に違いない。 ルイズの使い魔であり、異国のメイジであるらしい男。 確かに素性は良く分からない、その上一目で善人と割り切れるほどに単純な人間ではないような気がした。 けれどタバサは、自分の母をこの男に任せてみようと思った。 善人ではないかもしれないが…ルイズの使い魔である、彼を信用しようと思った。 「……わかった、母さまを、お願い」 「了解した。それではミス・ルイズ、手を貸してくれたまえ」 「下がりなさい、誰にも、誰にも渡すものですか!この子は、シャルロットはわたくしの大切な娘です!」 戻ってきた一同に対して、錯乱した婦人は先ほどのように捩れた言葉を投げかける。 そんな彼女に向かい、ウルザが一歩踏み出した。 後ろに控えるルイズ、タバサ、ペルスランはその一挙手一投足に注目する。 いつかのようにウルザがゆっくりと右手を婦人に向けて上げる。 瞳を閉じて、集中し呪文を詠唱する。 ウルザはハルケギニアにおいて希少である白のマナを、土地から引き上げずに、背後にいる少女から汲み上げる。 一方のルイズは、自分の中にある力が無理矢理引き出されて、ウルザの中に流れ込んでいくのを感じる。 まるで自分自身が白い迸りそのものになってしまったような感覚、流れ込んでゆく意識。 そして彼女は見た。終着点の奥、男の背中の最奥を。 始祖の祈祷書を読んでから鋭敏になった魔法的感覚によって幻視した。 それは濃密に圧縮された時間の流れであった。 戦い、戦い、戦いの連続。 大切な者を奪われたことによって始まった復讐。 真なる邪悪との、正気と狂気の瀬戸際の戦い。 何もかもを踏み台にして、決して振り返らずに目標だけを見据える遥かなる旅路。 風化してしまいそうになる感情を留め続け、あらゆる失敗に、困難に、果敢に立ち向かう不屈の精神力。 気の遠くなるような時間を、復讐というものに捧げ尽くした男。 ある時は大陸を吹き飛ばした、ある時は次元を消した、ある時は多数の未来ある若者の命を奪い、島を時間の狭間へ流した。 彼の非道を非難するものもいた。しかし、それでも立ち止まらない。 強すぎる精神力は己が道を阻むものに屈しない。 たとえそれが弟の影であろうとも。 そう、これがウルザの内面。 怒りと苦痛に彩られた、男の真実。 ああ、 それは、 何と、 悲しい生き様だろう。 復讐と苦難と苦痛に彩られた人生。 何もかもを復讐の為に是としなくてはならない人生。 一つの目標の為に全てを捧げ尽くす人生。 それらはまるで、罪人のそれではないか。 復讐という牢獄に囚われた哀れな老人、それが彼だった。 彼が復讐を果たした時、その元にはきっと何一つとして輝かしいものは残されはしない。 そう、残されるのは、それまで犯してきた数々の罪の怨霊だけ。 ルイズは思う。 全てを捧げた男の最後がそれでは、余りに哀れではないかと。 「解呪/Disenchant」 甲高い、薄氷を踏み割ったような音が部屋に響き渡った。 訪れる静寂。 絶え間なく喚いていた婦人が口を噤み。呪文をかけたウルザ、背後に控える三人もまた無言。 それまでの喧騒が嘘であるかのような静止した時間が過ぎさる。 ウルザは手を下ろし、じっとベットに横たわる婦人を見下ろした。 「………シャルロット?」 婦人の第一声。 その声は先ほどの険のあるものではない、どこまでも静かで、優しい。 それを聞いたタバサの心の奥、封じられた感情が暴れ始める。 思いもよらなかった結末。あまりのことに、言葉が出ない。 ふと左右を確認するとペルスランとルイズがこちらを見ている。 正面にいたウルザも右に移動して、道を開けている。 まるでバージンロードのように遮るものが無い道、その先にあるのは母の姿。 時の彼方に消えたと思っていた、穏やかな笑顔の母。 青白く痩せこけた体、長く手入れされていない髪はつやを失っている。 けれど、その表情と瞳は記憶の彼方にあった在りし日の姿と何も変わりはしない。 「母さまっ!」 タバサは泣いた。子供の頃のように泣いた。 長く忘れていた安堵と安らぎを感じて涙を流した。 抱きしめてくれる母の体温、凍てついた心を溶かしてくれる心地よい温度。 頭を撫でてくれる、優しい手。優しく語り掛けてくる声。 全てが夢ではないことを祈り、彼女は泣き続けた。 母と娘、その触れ合いに穏やかな空気が流れる中、ウルザは冷静にタバサを観察していた。 冷徹に、感情の宿らぬ瞳にて観察を続ける。 そうして暫くした後、部屋の奥、クローゼットの傍まで歩み、そこから大きな窓を通して外を眺めた。 厳しい表情で外を眺めるウルザ。 それに気がついたルイズが、目じりの涙を拭いながら尋ねた。 「どうしたの?ミスタ・ウルザ」 問われたまま、答えぬウルザ。 彼のこういった態度を何度も目の当たりにしているルイズは、気にせず彼の次の発言を待った。 声をかけられて答えぬウルザに、ペルスランだけが怪訝そうな表情を浮かべている。 そうして、タバサの泣き声とそれをなだめる婦人の声だけが部屋を支配する数瞬が過ぎ、ウルザが口を開いた。 「諸君、今すぐここを離れる準備をしたまえ。 …この場所はもうすぐ戦場になる」 窓の奥。 夜の闇。 その闇よりなお暗き深遠が口を開く。 そこから這い出したるものの名は………浮遊大陸アルビオン。 その時でした、私がファイレクシアの名を初めて知ったのは。 ―――練達の虚無魔道師 ルイズ
https://w.atwiki.jp/mangaroyale/pages/312.html
神に愛された男(後編)◆WXWUmT8KJE カラッと降り注ぐ陽光の胡散臭さに赤木は思わず目を細める。 ここは偽者の空間。ゆえに、目に映るものはすべて信じられない。 流れる砂漠の砂も、身体を吹きぬける風も、天空から降り注ぐ太陽の光も、すべて偽者。 にもかかわらず、悠々と赤木は歩く。生まれついての自信、不安など捨て去ったかのように。 やがて、視界に黄金の怪人JUDOが入る。 「ここがキサマらが目指す、我が牢獄だ」 「クク……なるほど。ここに閉じ込められている……というわけか」 「うむ。せいぜい、我が抜け出れるのは、その首輪サイズくらいだ」 「……俺たちをずっと見ていた、というわけか。 まあ、あの時は盗聴器から気づいて、何らかのアクションが来ると思っていたがな」 赤木の言葉に、大首領は人間で言えば、『呆れる』という行為をとる。 赤木の行動は余りにも分の悪い賭けである。主催陣を挑発するような物言い、下手をすれば先ほど首輪が遠隔操作されたように、命を失いかねない。 ただ、大首領と話をする。そのためだけの行動としては、普通はありえない。 「ほう……お前は、死ぬかもしれないという恐怖はないのか?」 「……ありはするさ。5%くらいはな。だが……それもよりも恐れるものがあるッ!」 大首領は不思議そうな視線を向ける。まるで、ペットが急に体調が悪くなったのを気にする飼い主のような姿だったが。 「俺が俺らしく死ねないことだ……」 「死を望む人間か。珍しい……いや、違うな。いたな、死を厭わない、裏切り者たちが」 大首領が何かを思い出すように天を睨みつけている。 赤木には関係ない。誰と重ねられようとも、自分は自分だ。 仮面ライダーと呼ばれた男たちの話に、赤木は一切興味を示さなかった。 「JUDO……一つ賭けをしないか?」 「賭けだと?」 赤木がデイバックから取り出したのは、お椀とサイコロ。 どちらも学校から調達したものだ。 「半丁賭博という賭け事がある。二つのサイコロをこいつの中で転がし、下に降ろす。 二つのサイコロの目を足した数が……丁(偶数目)か半(奇数目)か」 「それくらい我が力で臨む結果を出せる」 「いいや……あんたは出来てもやらない。 分かっているはずだ……これは久しぶりの……勝敗の分からない勝負のチャンスだと……」 赤木はさらに大首領に近寄る。 鷲巣の時に感じた共感を、鷲巣以上に大首領へと赤木はぶつけた。まるで、恋焦がれていたように。 「JUDO。俺は賭けよう……この半丁賭博に……俺の命を……!!」 「ほう……」 「こいつを俺が振り、降ろした時の目……JUDO、お前が勝てば俺は自らの手で首を切ろう……。 お前に俺が勝ったら……そうだな。勝ったとき、一つ軽い願い事をかなえてもらおう……」 どうだ、とJUDOに赤木は声をかけて、サイコロを弄ぶ。 大首領は呆れたような視線を赤木へと向けた。ため息まで吐いている。 「余りにも、キサマが死ぬ確率が大きいぞ。我はその目を操作するなど、造作もない。 たとえしない、と我が約束をしたとしても、それを破ってお前を殺すかもしれないが?」 「それなら、俺はそこまでの男だったと言うことさ……」 常人では考えられないほどの狂気の行動。 赤木はこの殺し合いを潰すことに全力を賭ける、といった証明である。 もともとこの殺し合いを潰す確率など、無に近い。この機会、大首領との接触は殺し合いを潰す確率を上げるために必須。 命ごとき賭けなければ、おおいな利益は得られない。 とはいえ、大首領との接触事態、幸運中の幸運、奇跡に近い。 首輪まで外れた。いつ赤木の運が尽き、無残に死ぬか。 生か死か、その狭間にいることを自覚しながら、赤木はなお笑う。 そこが、自分の居場所だと言わんばかりに。 大首領は数秒赤木を見つめていたが、やがて返事をする。 「いいだろう。その戯れ付き合ってやる」 「感謝する……」 大首領が約束を守る保証などない。そのなかで、赤木はお椀に二つのサイコロを放り投げ、地面に振り下ろした。 膝をついたままの姿勢で、視線を大首領へと向ける。 無機質な、それでいて圧倒的な威圧感を持つ大首領を前に、赤木は口を開いた。 「半か…………丁か…………」 □ 窓から覗く空の闇が晴れていき、紫色へと変化していくなか、赤木は悠々とタバコをふかしていた。 外から聞こえる雨の音が心地よい。 久々のニコチンの味を感じながら、静かに煙を吐いた。 見る人間が見れば、神に対して不遜だと罵ったのだろう。 赤木は北にある神社の、ご神体が祭られる社で堂々とタバコをふかしていたのだから。 最も祭られているのは、この殺し合いの参加者にとって馴染み深いもの。 誰もが目撃したもの。 強化外骨格、大首領の魂を宿す存在。 赤木は勝負に勝った。戦利品を手に強化外骨格に背を向ける。 台座に機械に組み込まれた核鉄を――赤木は知らないが、核鉄を組み込んだ機械をRS装置という――を尻目に。 みたところ、厳重に固定されて、生半可な行為では外れないようになっている。爆弾も見え隠れするが、赤木は興味はない。 扉に手を当て、赤木は一旦後ろを振り向いた。 「……JUDOだな。機会があれば……また会おう」 初めて会えた同類よ、赤木は内心でそう言い残し、扉を開ける。 その先には―― 【D-1 神社・強化外骨格が祭られている社 二日目 早朝】 【赤木しげる@アカギ】 [状態]:脇腹に裂傷、眠気、首輪がありません。 [装備]:基本支給品、 ヴィルマの投げナイフ@からくりサーカス (残り9本)、マイルドセブンワン二箱 [道具]:傷薬、包帯、消毒用アルコール(学校の保健室内で手に入れたもの) 始祖の祈祷書@ゼロの使い魔(水に濡れふやけてます)、 水のルビー@ゼロの使い魔、工具一式、医療具一式 沖田のバズーカ@銀魂(弾切れ) [思考・状況] 基本:対主催・ゲーム転覆を成功させることを最優先 1:大首領との再会。バトルロワイアルに引きずり込む。 2:対主催を全員説得できるような、脱出や主催者、首輪について考察する 3:強敵を打ち破る策を考えておく 4:覚悟に斗貴子を死に追いやった事を隠し、欺く。 [備考] ※マーティン・ジグマール、葉隠覚悟と情報交換しました。 またエレオノールとジグマールはもう仲間に引き込むのは無理だと思っています。 ※光成を、自分達同様に呼び出されたものであると認識しています。 ※参加者をここに集めた方法は、スタンド・核鉄・人形のいずれかが関係していると思っています。 ※参加者の中に、主催者の天敵がいると思っています(その天敵が死亡している可能性も考慮しています) そして、マーティン・ジグマールの『人間ワープ』は主催者にとって、重要なにあると認識しました。 ※主催者のアジトは200メートル以内にあると考察しています ※ジグマールは『人間ワープ』、衝撃波以外に能力持っていると考えています ※斗貴子は、主催者側の用意したジョーカーであると認識しています ※三千院ナギは疫病神だと考えています、また彼女の動向に興味があります。 ※川田、ヒナギク、つかさの3人を半ツキの状態にあると考えています。 ※ナギ、ケンシロウと大まかな情報交換をし、鳴海、DIO、キュルケの死を知りました。 ※こなたのこれまでの経緯を、かなり詳しく聞きだしました。こなたに大きなツキがあると見ていますが、それでも彼女は死にました ※『Dr.伊藤』の正体は主催側の人間だろうと推測しています。 『Dr伊藤』とのチャットによりわかった事 1:首輪は霊的に守護されている 2:首輪の霊的守護さえ外せれば、後は鋭い金属を継ぎ目に押し込む程度で爆発無しに外せる 3:既にその霊的守護を外した者が居る。そいつが首輪を外したかは不明だが、おそらく外してはいない 4:監視カメラは存在せず。首輪についた盗聴器のみでこちらを監視。その監視体制も万全ではない 5:敵には判断能力と機転に乏しい戦闘員が多い 6:地図外に城? がある 7:城には雷雲を突破しなければならず、そのためには時速600キロ以上の速度が必要 ※大首領との接触により、大首領とBADANとの間のズレを認識。 【その他共通事項】 ※社には強化外骨格が祭られており、RS装置に核鉄『バスターバロン』が組み込まれています。 また、固定がされており、RS装置が外れると、核鉄も一緒に爆破するようになっています。 □ 降り注ぐ日差しの中、大首領は地面に置かれたお椀とサイコロを見つめる。 賭けは赤木の勝ち。 サイコロの目は六ゾロの丁。大首領は半を選択した。 赤木との約束を守って、自らの能力を使わなかったわけではない。むしろ、使ったのだ。 赤木を生かすために。 やがて、大首領の右前方に、亡霊のように同じ姿の黄金の怪人が現れた。 名を、ツクヨミ。 大首領をこの時の牢獄に閉じ込め、今また裏切り者であるZXを支援する邪魔者である。 「何か言いたげだな?」 「……なぜあの男を生かした? よりにもよって、お前が……」 大首領は無言で歩き、サイコロを手に取る。 肩の震えが大きくなり、やがては天を仰いで笑い出した。 「ツクヨミ……我は奴の望みが気になり、答えを待った……」 ―― キサマの勝ちだ。願いを言ってみよ。そうだな、死者を蘇らせてもいいぞ? ―― そうだな。……タバコをくれ。 ―― なに? 「ククク! ツクヨミ、我は虫けらなど、どうでも良い」 実際そのはずだった。 大首領は、己の肉体になる人間などに興味はない。 ただこの牢獄から脱出さえ出来ればいい、それでよかった。 そのために、ZXを開発させた。 そのために、強化外骨格に目をつけた。 平行世界への干渉する能力を得たのは偶然だ。 そこで目に付けた強化外骨格の技術は、己が肉体を得るのに相応しい技術。 強化外骨格に必須な英霊を集める手段に、このプログラムを選択したのはただの気まぐれ。強化外骨格の完成までの余興。 BADANは、ガモンあたりは優勝者を、最も優れた能力者を自分の肉体にしようと画策している。 それとは反対に、大首領は人間など、虫けら(ワーム)など歯牙にもかけたことはない。 最強の生物範馬勇次郎も、零式防衛術継承者葉隠覚悟も、吸血鬼アーカードも、北斗神拳伝承者二人も、興味を示さない。 強化外骨格は完成間近。あと必要なのは、数人の魂と大首領が強化外骨格に乗り移るためのエネルギー。 エネルギーの確保自体もまた、容易であった。RS装置――エネルギー物質変換装置――は火薬もプルトニウムも必要としない。 核爆発を引き起こせるほどのエネルギーを生み出せる悪魔の機構。 核鉄「バスターバロン」の質量をすべてエネルギーに変換させ、牢獄と強化外骨格へのゲートを開く。 とはいえ、それは完全でない。バスターバロンとの相性もあり、牢獄に作れるほころびは魂が通る程度だ。 キングダークも失ったゆえ、核鉄「バスターバロン」を使うしか道はないが。 すべて上手くいくほど、甘くはなかった。ゆえに強化外骨格に頼らざるを得ない。 そして装着者。 大首領は装着者など、誰でもよかった。 今も、装着者など誰でもいいと思っている。ただし…… 「アカギ、名を覚えたぞ。キサマが我に「酔い」を与える日を楽しみにしておこう。 今のままでは味わう気にもならん。我を同類というのなら、我をそこへと引きずり込め。もしくは、再びここへ来い」 大首領は、初めて人間に期待をする。 彼はもともと、亜空間に幽閉されていることも相まって、命の尽きる恐怖など味わったことがない。 ショッカーが仮面ライダー1号2号に追い詰められても、V3が心臓に拳を食らわせても、他のライダーたちにいくつも組織を潰されても、彼自身は死を感じなかった。 赤木に言われるまで気づかなかったが、自分は参加したいのだろうと思った。 度し難い退屈。終わりのない生。 ゆえに、大首領は思う。 「クク……一刻も早く、我に肉体を与えよ。あのアカギと、我は再会したいのでな……」 その命令は、やがてBADANを震え上がらせ、動揺させる。 大首領、かつては人に神とあがめられ、BADANには神とされる存在。 彼は、赤木しげるを愛した。 【空間の牢獄 二日目 早朝】 【大首領JUDO@仮面ライダーSPIRITS】 [状態]:健康 [装備]:なし [道具]:なし [思考・状況] 基本:空間の牢獄を脱出する。 1:赤木との再会。 2:肉体を得る。そして、赤木のいう「酔い」を味わう。 ※大首領はあくまで、「肉体を得る」ことを優先しています。 ※強弱は拘っていません。また、バトルロワイヤル開催の理由は、ただの戯れ。 前編 231 悪鬼 投下順 233 決戦 231 悪鬼 時系列順 233 決戦 219 求めはしない 救いはしない 未来(あす)に望むものは―― 赤木シゲル 235 束の間の休息 219 求めはしない 救いはしない 未来(あす)に望むものは―― パピヨン 234 STILL LOVE HER ~失われた未来~ 228 進化 川田章吾 234 STILL LOVE HER ~失われた未来~
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/1967.html
前のページへ / 一覧へ戻る / 次のページへ 「面目しだいも、ございません」 ルイズは王女の前に平伏する。眼は泣き腫らし、肌や髪はなかなか落ちない黒い煤で汚れたままだ。 深夜の王城、秘密の謁見室。シルフィードで浮遊大陸アルビオンから帰還し、 『水のルビー』と『風のルビー』を衛兵隊長に見せて裏口から入城したルイズは、アンリエッタ王女に詫び続けていた。 「面を、あげなさい」 アンリエッタが涙をこらえ、窓の外の双月を見ながら言う。 ウェールズ皇太子の形見と遺言は受け取ったが、愛するウェールズは、 親友の許婚であり自分が護衛につけた『ワルド子爵』の裏切りで殺された。 件の手紙も『レコン・キスタ』の手に渡った。もうゲルマニアとの同盟は叶わないのだ。 「この不始末は、私の首で」 「ルイズ、私のお友達。あなたまで死に急がないで。ウェールズ殿下のことは、覚悟していました。 母君マリアンヌ太后も、御義兄君ジェームズ1世陛下を亡くされた事になる」 「姫様……」 「不始末というなら、私の方。結局、私の軽佻な行為の尻拭いをさせ、あなたを苦しめたのです。 そして、我がトリステインも、アルビオンのように…私の、せいで」 王女は大きな瞳いっぱいに涙を溜めていた。王族としての責務が彼女に重く圧し掛かる。 「全くその通りです、姫殿下。そして手紙というのは、これのことですか」 窓の外から子供の声がする。『魔女のホウキ』の上から松下が謁見する。 「ま、マツシタ!! あんた姫様になんてことを…って、手紙?」 松下は、ボロボロの封筒に入った手紙を手にしていた。その封蝋にあるのは、トリステイン王家の紋章。 「無用心な御主人様に代わって、ぼくが管理しておいたのだ。奴に取られたのはダミー・トラップさ。 今頃は奴ら、手を火傷しているだろうね。ケセラセラ(笑い声)」 続く松下の報告では、ニューカッスル城にいた人々の多くには『死相』が出ていて、どうしようもなかった。 ただ脱出した『イーグル号』に乗った子女数人に金品を渡し、密かにトリステイン側の諜報員にしておいた。 一般人だからあまり期待はしていないが、新生アルビオンの噂話程度は聞けるだろう、との事。 王女は、彼がルイズの『使い魔』であることを思い起こし、ほっとする。 しかし、松下から手紙を受け取り、涙をハンカチで拭い去ると、毅然として言い放つ。 「有難う。では、この手紙も焼き捨てます。本物でも贋物でも、そもそもあってはならない物です」 「姫様! でも…」 「もう、皇太子はこの世にはおられません。私はゲルマニアに嫁がねば…。 …さてルイズ、ご苦労様でした。休息を充分に取ったら、またあなたに頼みたい事があります。 オールド・オスマンから三日後には連絡が来るでしょう。それまでお休みなさい」 「おや、ただ働きとは都合のいい。彼女は友情で働かされても、ぼくは褒賞を要求しますよ。 慈善事業ではないのだから、治療費と交通費と使用秘薬代と危険手当、それにマジックアイテムとカネですかな。 今回は爵位と領地があるなら、それでもいいですよ。 どっち道、戦争が始まるのだから懐具合は厳しかろうが、貰えるものは今のうちに」 「…マ・ツ・シ・タああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」 ぶち切れたルイズが松下に爆発魔法を放ち、深夜の王城は「テロリストか!」と騒然とした。 「御主人様、お帰り。姫様からの御用件は何だったのだね?」 「ふ、ふん、あんたが知る必要ないわよ! 姫様から褒賞にマジックアイテムとか貰ったんでしょ」 「きみも『水のルビー』を貰っていたな。これで王城に出入りするのが楽になる」 ルイズが仰せつかった新たな任務は、今日正式に発表される、 アンリエッタ王女とゲルマニア皇帝アルブレヒト三世の結婚式の『巫女』になる事。 その儀式のため、王家に伝わる『始祖の祈祷書』が貸し出された。始祖ブリミルが書いた秘宝だとか。 「……でもこれ、白紙を束ねたボロボロの冊子じゃない。儀礼だからっていいのかしら」 「言い知れない魔力は感じるが、ぼくにも何も見えないな。そもそも『読む本』ではないのかも知れん」 それより、これを持って式で詠み上げる『荘重な詔』を作るのに、ルイズは四苦八苦していた。 結婚式まで一ヶ月。それに先立ち、両国間に軍事同盟が締結される。 つい先日『不可侵条約』を締結した新生アルビオンとは、互いに準備が整い次第、当然の如く戦争になるだろう。 ともあれこうしてハルケギニアには、表面上の平和が訪れた。 「モンモランシー! きみに伝えなかったのは悪いと思っている。心から謝るよ。 だが僕は国のために任務を果たしただけで、決してルイズやキュルケとの浮気旅行じゃもぐらっ」 食堂の外で、ギーシュがまたモンモランシーにボコられている。 近くでキュルケが面白そうに見物している。タバサは本を読みながら『はしばみ草のサラダ』を食べている。 モンモランシーは見事な後ろ回し蹴りを顔面にかますと、浮き上がったギーシュの襟首を片手で掴む。 「いい…これは『私の分』よ。顔面のどこかの骨がブチ折れたみたいだけど、私がへし折ったのよ…。 そしてこの拳も私の分!! これもこれもこれもこれも!!!」 「ぶがががっががががああああ」 一応彼も、酒場で油を撒いて傭兵たちを撃退したり、フーケの目を砂煙で晦ましたり、 使い魔の鼻でルイズの持つ『水のルビー』を嗅ぎつけたりと活躍したのだが…まあ、いつものことだ。 「……何かしら、この黒い煤玉? 最近物陰に溜まってるのよね。 田舎のお祖父さんが言ってた『ススワタリ』とかいうモノかしら」 掃除中のシエスタが呟く。なんとなく煤玉に『眼』がある気もしたが、気味悪いので焼却してしまうことにした。 「さ、掃除終了。休暇も貰ったし、久しぶりにタルブ村に帰りましょう。 …そうだ、『我らのメシア』も村のみんなにご紹介しなきゃ。きっと『信者』になってくれるわ」 シエスタは光のない瞳にぐるぐる渦巻きを浮かばせ、そう言って薄く笑う。 厨房の人々は、松下がいない間、彼女がうつろな表情で『空の鍋』をかき回しているのを見て戦慄したという…。 《タバサのマツシタ観察日記:某月某日》より 今日の彼は、ホウキに乗って王都トリステインに出かけた。裏路地のチクトンネ街へ行くと、『ビビビンの秘薬屋』へ入る。 聞いていれば、粗悪品を真正品と偽って何度か売りつけられたらしい。しばらく言い争う声がする。 やがて街中から無数の『野良猫』が集まってきて、店の中へ突入した。数百匹はいただろうか。 なぜか四つん這いでリボンをつけた、猫っぽい顔の少女までいた。 激しい猫の鳴き声と男の悲鳴が聞こえ、静かになった。そっと店の窓から覗く。 「もうきみには店を任せられないな。この店と秘薬の流通ルートは、ぼくが選んだメイジたちに管理させる。 ついでに隣の武器屋もだ。こちらは信頼できる元傭兵連中に任せよう。きみはクビだ」 店から無数の野良猫が出て行く。それに乗せられて店の主人だったらしい、みすぼらしい男が出て来た。 猫たちはズタボロになった彼を乗せて、路地裏の暗い方へ去っていった…。 「山の彼方の異世界には『猫の国』というのがあって、そこでは連れ去られた人間が何十年と修行して猫になりきり、 猫の国の『市民権』を得るのだとか。でもあいつは『ねずみ男』だから、餌になって終わりかな」 そう言ってマツシタも出てくると、こちらに歩み寄ってきた。 「やあ、ミス・タバサ。いいところで会ったね。きみは確かガリア出身だろう? そちらにも商品流通ルートを開拓したいから、協力してくれないか」 私は少し震えたが、母様の病気を治せる薬が手に入るかもしれない。そう思い、差し伸べられた手を、取った。 学院に帰還後、ギーシュの肥沃な菜園に『はしばみ草』の種を播いておいた。収穫と食欲の秋は楽しみだ。 近頃ギーシュの顔に茶色い毛と口髭が生え、鼻が尖ってきた気もするが全力で無視する。 指の爪が長く伸びていようと、蟲が好物になっていようと全力で無視する。 私の隣を、最近肌がぬるぬるして黄色くなり、黒い斑点が浮かびだしたモンモランシーが、四つん這いで跳ねていく。 当然、無視する。 ガリアとゲルマニアの国境付近。そこの最高級の宿に、一人の老貴族と『使い魔』が泊まっていた。 「やれやれ、ガリアの方はどうにかなりそうだ。次はゲルマニアだな、少々急がねば。 …アブラカダブラ・アブラカダブラ、ほいっ!」 卓についた老人が呪文を唱えて手を返すと、ぽあっという音とともに『出来たてのホットケーキ』が皿に乗って出現した。 「うむ、やはりこれを食べんとな。(むしゃむしゃ)…おい『こうもり猫』、紅茶をもう一杯」 「そっちも魔法で出しゃあいいんじゃあないですかねぇ……(こぽこぽ)はいどうぞ、『ベリアル』閣下」 人間大の直立した黒猫が、ベリアルと呼ばれた老人に紅茶を注ぐ。背中に蝙蝠の皮翼が生えている。 「でも閣下、どうしてあんな小童を貴方様が警戒なさるんです? 確かに魔法は使えやすが、まだ餓鬼ですぜ」 「ふん、お前はまだ若いから知るまいがな、奴は『東方の神童』という悪魔族の大敵なのじゃ。 …『人類』という奴は、今でこそ大部分が脆弱な下等動物に過ぎないが、何千年何万年という昔には、恐ろしい奴らであった」 ベリアルは上等な紅茶を啜りながら、太古の事を語りだした…。 「人類の祖先『アダム』は、創造された時は凄まじく大きく、素晴らしい力と知恵を授けられておって、 天使であった頃のわしらも羨むほどの存在じゃった。堕天して地上に住むようになってからも、なお強かった。 その子孫の一部は『光の子』と呼ばれ、当たり前に空も飛べたし強力な魔法も使えた。 まあ、天使が神に背いたのも、一因は奴らの美しい娘どもに誑かされたが故よ…わしもそのクチでな」 「だんだんと地上になじみ、わしら悪魔に誘惑されて罪を重ね、人類は悪知恵がついた分弱くなった。 じゃが、『神』はお気に入りの人類を助けるため、たまに『メシア(救世主)』を遣わすのじゃ。 そう、アブラハムやモーゼ、ゾロアスター、ダヴィデやソロモンやキリストといった聖者の連中がいた頃、 我ら悪魔族は震え上がっておった。奴らには忌々しい『神』がついておって、悪魔や妖怪を奴隷にさえしおった!」 ベリアルは過去の屈辱に顔を歪める。あわてて、こうもり猫が話題を変える。 「いよっ、閣下! 大統領! …その『メシア』が、あの餓鬼だってえんですかい?」 「そうじゃ。様々な予言や星辰の動きがそう告げておる。…しかし、奴は四十年以上も前に殺されたはず。 『神』が甦らせたというのか…このわしが『この世界』で安楽に愉しんでいるのを、邪魔しようというのか?」 「で、でも閣下、賢いようでもまだ小童ですぜ。へへへ、まさか」 こうもり猫が得意の追従笑いをする。 「いやいや、あやつの知力はまだまだ進む。もう十数年もすれば、わしさえ脅かしかねんじゃろう…。 人間の頭は大体同じように作られておって、天才や英雄でもそこらの凡夫とそう違う頭の構造はしておらん。 じゃが時々、数段高い構造を持った『奇形』が現れることがある」 「奇形?」 「『奇形』というのは、『並でない、普通でない、異常なもの』という程度の意味じゃ。 おそらく先祖がえりで、太古の優秀な人類の才能が開花するのじゃろう。 しかし今の人類の社会は『凡庸の徒』が集まり調和を保っておる。 そこへ『奇形』が現れた場合、『神』ないし『自然』は、または『人間社会』は、速やかにそれを排除して『死』を与えていた。 あまりに飛びぬけた頭脳の子は、母胎から出ると間もなく、安らかに死んでしまうのじゃよ」 「はあ……」 「じゃが『東方の神童』は『神が殺し損ねた』のじゃ。むしろ『生かしておいた』のかな? そういった奴らが『メシア』となり、悪魔や妖怪を奴隷にして、選ばれた人間どもの『千年王国』を作る…… そのように予言されておる。…じゃから恐ろしいものは、芽のうちに摘むことじゃ」 ベリアルは語り終えると、ホットケーキをほおばり、紅茶で流し込んだ。 「うむっ、(ヒック)…ぐっ(シャック)うぐっ、咽喉に詰まってシャックリが出おる! おいこうもり猫、水をコップに入れ、割り箸を上に乗せて持って来い!(ヒック)」 「だから、そういうのも魔法でどうにかならねえんですかい!?」 それにしてもこの悪魔ベリアル、わりと庶民的である。あるのかな割り箸。 (つづく) 前のページへ / 一覧へ戻る / 次のページへ
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/47946.html
邪魂の祈祷師 ザビ・バーロウ R 闇文明 (7) クリーチャー:デーモン・コマンド/エイリアン 5000 ■G・ストライク ■このクリーチャーが出た時、自分のシールドを1つ選び、墓地に置いてもよい。そうしたら、名前に「バロム」とあるクリーチャーを1体、自分の墓地から出す。 ■各ターンに一度、自分の名前に「バロム」とあるクリーチャーが出た時、相手のクリーチャーを1体選んでもよい。そうしたら、このターン、選んだクリーチャーのパワーを-6000する。 作者:お出ましだッチ 解説 条件が付き、コストと範囲が強化された《邪霊神官バーロウ》。バーロウ重すぎん?と思って作った。シールドを墓地に置く条件は、一見デメリットにも見えるが、運次第ではシールドに埋まっていたバロムを墓地に落としてそのまま出すことができるため、メリットにもなり得る。また、《ボルシャック・アークゼオス》のように、展開のついでに敵獣除去をこなすという、万能な1枚。《芸魔隠狐 カラクリバーシ》などでおなじみ、なぜかついているG・ストライクも、万能さに拍車をかけている。《ナウ・オア・ネバー》でも出せるが、進化バロムを出す場合は、他に進化元を用意する必要がある。 評価 選択肢 投票 壊れ (0) 優秀 (0) 普通 (0) 微妙 (0) コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/4655.html
前ページBrave Heart 戦場に居たものたちは、生涯その光景を忘れないだろうと思った。 見たこともない種類の黒い竜のような生き物が空を舞っていた。 腕には桃色がかったブロンドの少女が抱きかかえられている。 何か考えがあるのでは、放っておくのは危険だ、 そう感じたアルビオンの竜騎士達は討ち落とさんと向かっていった。 その前に、一頭の風竜が進路をはばむように立ちはだかった。 手綱を握っているのは赤い衣装に身を包んだ女性。 その後ろには、包帯に身を包んだ長身の亜人が乗っている。 竜騎士達は、牽制のために呪文を唱え、魔法を放つ。 ゴウ、と音を立てて飛んでいった火球を見て、亜人はニヤリと笑った。 左手に握った大剣を、その火球を切り払うかのように動かす。 瞬間、火球は始めから存在しなかったかのように、消えてしまう。 「な、何だ、一体何が……!」 竜騎士達の間に動揺が走った。 慌てながらも、隊長格らしい騎士が叫ぶ。 「落ち着け! お前達はあの黒い方を狙え!」 「そうはさせるか!」 亜人は叫び、右に握った黒い槍のようなものを向けた。 それが、銃だと気づいた瞬間、放たれた光弾で、竜は羽を撃ち落とされる。 「何ッ……クソ! 竜を狙え!」 「できるもんならやってみな!」 歴戦の竜騎士もかくや、というほど流麗に、風竜を操り、 攻撃をひらりひらりと交わしていく。 竜があんなに鮮やかな動きをする生き物なのか、と目を疑った。 まるで、乗り手と一体化し、本来の能力が引き出されたかのような動きだった。 「ひゃはは! 楽しいなぁ、アルケニモン! まさかまた、お前と戦えるとは思わなかったぜ!」 「馬鹿言ってんじゃないよこんな時に!」 呆れたように声を張り上げるアルケニモンの姿を見ながら、 マミーモンは潤みかけた目をごしごしとこすった。 それから、彼女と再会した時のことを思い出す。 アルビオン軍五万を足止めし、ウェールズ皇太子とルイズを逃亡させる。 その任を買って出たのは、ついこの間だったような気もする。 愛する人を失う悲しみと悔しさを知っていた彼は、 アンリエッタのために、ウェールズを生かそうとしたのだ。 しかし、ガンダールヴの力があるとはいえ、五万は強大すぎた。 死にかけ、もう指一本さえ動けない、というところに現れたのは ブラックウォーグレイモンを連れたフーケだった。 フーケは何のきまぐれか彼を助け、ウエストウッド村へと連れて帰った。 数日して目覚めた彼は、そこであの笛の音を聞いたのだ。 もう二度と、聞くことが出来ないと思っていた。 痛む体も気にならず、走り出して、見つけて、抱きしめて、殴られた。 アルビオンから抜け出す彼女達を護衛しながら、タルブ村へ向かった。 偶然、そこを訪れていたルイズに再会した時は鞭でぶたれた。 その時、誓ったのだ。何処に居ても必ず守りにくる、と。 そう、ルイズも、アルケニモンも、守り抜いてみせる。 力を貸してくれ、と光り続けるルーンを見つめた。 「ぼさっとしてんじゃないよ! 上からもう一騎!」 「おうっ!」 風の刃をデルフリンガーで吸い込み、オベリスクの照準を合わせ、放った。 「たった二騎で、我が方の竜騎士隊を全滅させただと……!」 ボーウッドはその報告を受けて唖然とした。 「竜騎士隊を預けたワルド子爵はどうした?」 「……二騎の内、化け物が乗っている方は子爵に預けた竜らしいとの 伝令が入っております。……おそらく、討たれ奪われたものかと」 あの役立たずの伊達男め、と舌打ちする。 「だが、たかが二騎だ。この艦隊の砲をもって相手すれば、たわいもない」 ラ・ロシェールの港町に布陣したトリステイン軍の陣容を 眼下に睨みながら、砲撃の命を下した。 トリステイン軍も、二頭の竜も、この砲撃には敵うまい。 「やべえ! 撃ってきやがった! よけろぉ、アルケニモン!」 「今やってるよ!」 バラバラと撃ち出される散弾銃を避けるように、手綱をとる。 「ええい、忌々しいねえ! あんなもん出されちゃ、 こっちに勝ち目がないじゃないか!」 キッ、と艦隊を睨んでアルケニモンが叫ぶ。 「マミーモン、あの嬢ちゃんは大丈夫なんだろうね!」 「……大丈夫だ」 散弾の合間を潜って艦隊に近づくブラックウォーグレイモンと、 その腕に抱えられたルイズを見つめながら、マミーモンは告げる。 「頼んだぞ……」 「きゃあああ!」 「叫ぶな、舌を噛むぞ!」 どうにかある程度まで艦隊に近づくため、無茶な動きをしている ブラックウォーグレイモンの腕の中で、ルイズは叫んだ。 「それより、お前の切り札というのは、まだ発動できないのか!」 「え、えっと……うん、この辺りなら、大丈夫だと思う」 ルイズは大きく息を吸い込んで、気持ちを落ち着かせる。 「私が合図したら、一番デカいアレに突っ込んで」 そして、祈祷書に記されていた呪文を口にする。 ―エオルー・スーヌ・フィル・ヤルンサクサ― ルイズの中を、リズムがめぐっていた。一種の懐かしさを感じるリズムだ。 呪文を詠唱するたび、古代のルーンを呟くたびに、 リズムは一層強くうねり、神経が研ぎ澄まされている。 辺りの雑音は一切耳に入らない。 いつも、ゼロと蔑まれ、両親や姉に叱られていた自分。 そんな自分の、これが本当の姿なんだろうか? ―オス・スーヌ・ウリュ・ル・ラド― 体の中に力が生まれ、さらに大きくうねっていく。 ―ベオーズス・ユル・スヴュエル・カノ・オシェラ― 体の中の力が行き場を求めて暴れ出す。 知らない力の宿る心に、火が付いたように熱かった。 足でブラックウォーグレイモンに合図を送った。 レキシントン号に向けて、異形の竜が飛んだ。 しっかりと開いた目で、ルイズはタイミングをうかがう。 『虚無』 伝説の系統。どれだけの威力があるものかは、誰も知らない。 それは、伝説の彼方の存在だったのだから。 ―ジェラ・イサ・ウンジュー・ハガル・ベオークン・イル…… 長い詠唱の後、呪文が完成した。 その瞬間、ルイズは己の呪文の威力を理解した。 全てのものを巻き込む。 選択肢は二つ、殺すか、殺さぬか。 答えは決まっている。自分は『壊す』のではない、『守る』のだ。 宙の一点をめがけて、ルイズは杖を振り下ろした。 アンリエッタは、信じられない光景を目の当たりにしていた。 負ける可能性が高い戦闘のはずだった。 その状況は、二頭の竜の登場に際して、一気に形勢が変わった。 そうして、今まで散々自分達に砲撃を浴びせていた巨艦の上空に、 突如として巨大な光の珠が現れたのだ。 小型の太陽のように光を放つその珠は膨れ上がり……包んだ。 空を遊弋する艦隊を包み込んだ。 さらに膨れ上がり、視界すべてを覆い尽した。音は無い。 目が焼けるような錯覚に陥り、アンリエッタは目を閉じた。 そして、光が晴れた後には、艦隊は炎上していた。 まるで嘘のように、あれだけトリステイン軍を苦しめていた艦隊が、 がくりと艦首を落とし、地面に向かって墜落していく。 アンリエッタは、しばし呆然としていた。 彼女を筆頭として、誰も、今見た光景を信じられなかった。 「諸君! 見よ! 敵の艦隊は滅んだ! 伝説の竜騎士とその僕によって!」 「伝説の竜騎士?」 「さよう! トリステインが危機に陥ったときに現れるという、 伝説の竜騎士とその忠実なる僕の竜人である! おのおの方! 始祖の祝福は我らにあり!」 すると、あちこちから歓声が漏れ、すぐに大きなうねりとなった。 「うおおおおおおおーッ! トリステイン万歳!」 アンリエッタは、そっとマザリーニに尋ねた。 「枢機卿……伝説の竜騎士と、竜人の話は……まことですか?」 マザリーニはいたずらっぽく笑った。 「真赤な嘘ですが……、実際に、類稀なる才を持った竜騎士と、 竜に似た亜人はおるのです。利用せぬ手はありますまい」 「はぁ……」 「考えるのは後になさいませ。勝ちに行きましょう、殿下」 マザリーニの言葉に、はっとして、アンリエッタは頷いた。 そうして、水晶の杖をかかげて、叫ぶ。 「全軍突撃ッ! 王軍! 我に続けッ!!」 テファとシエスタは、森から出て、マチルダと並んでその光景を見ていた。 「……勝ったの? あれが、ルイズの力なの?」 「そう、みたいですね」 互いに手を握りながら、困惑している二人の横で フーケは、よく知る歌を口ずさんだ。 ――神の左手ガンダールヴ。勇猛果敢な神の盾。 左に握った大剣と、右に掴んだ長槍で、導きし我を守りきる―― 左手にデルフリンガーを握り、右手に槍にも見える銃を掴んだ マミーモンの姿が浮かんでくる ――神の右手がヴィンダールヴ。心優しき神の笛。 あらゆる獣を操りて、導きし我を運ぶは地海空―― その笛の音で、どんな獣さえも従わせてしまう アルケニモンの姿浮かんでくる。 「どうやら……伝説の再来ってことらしいね……」 「マチルダ姉さん……?」 震えるテファの頭を、クシャクシャと撫でる。 可愛い妹分のこれからは、もっと大変なことになりそうだ。 さて……この光景を、遠見の鏡で見ていたものが、二人居た。 一人はガリアの王都リュティス、ヴェルサルティル宮殿に居た。 王族の髪の色にちなみ、青いレンガで作られたグラン・トロワ。 その一角で、その男は青い髪を揺らしながらおかしげに笑っていた。 「ははは! あれが『虚無』! あれが我がきょうだいの力!」 ガリア王ジョゼフ、その人であった。 「ああ、素晴らしい! どうやら俺の『きょうだい』は、 どいつもこいつも『天才』であるらしい!」 ギチギチギチ、と奇妙な音を聞いて、彼は振り向く。 「おお、そうか! 戦いのか、我が魔獣よ! もう少しだ、今少し、時を待て! 分かっておる、お前が一番強いのだ、お前が、俺の使いまであるお前が!」 声の主は、不気味な化け物だった。 化け物は、雑多な種類の竜、巨大な甲虫、悪魔、竜の骨。 そんなものがない交ぜにされた不気味な姿だった。 その胸にはルーンが不気味に光り輝いていた。 それは、異世界で奇跡の力によって消滅させられた、忌まわしい存在。 『キメラモン』と呼ばれる、合成魔獣。 ソレを作り出したものは、選ばれた存在だった。 天才だった兄弟を失って、歪んでしまった哀れな少年だった。 奇しくも、その状況は、虚無に選ばれたジョゼフと 魔法の天才と呼ばれていた弟のシャルル。 二人の関係に、とてもよく似ていた。 そして、もう一人は、ロマリア連合皇国に居た。 「あの力さえあれば、私はあの場所へ行けるのですね?」 誰かに語りかけるように、その男は笑った。 金色の髪も、端整で美しい顔立ちも、しかし何処か不健康そうに見えた。 「そうなのですね、おお我が神よ! 案ずることはありません! あなたの願いは私の願い! 今に、手に入れてご覧にいれます!」 ――期待しておるぞ、ヴィットーリオ―― 彼の影が、そう言っておかしげに笑ったように見えた。 「行こう、行こう、あの世界へ」 狂ったように、彼の口は呪文を口ずさむ。 そうして、そこに現れた光の向こうに見える世界を、うっとりとして眺めた。 「ああ、いつか必ず、たどり着いてみせましょう」 その光が消えるのを見た後で、たたずまいを整える。 扉を開いて、目的の場所へと向かう。 そこには、何十人という子供達が集められていた。 「さあ、みなさん。ちゃんと勉強していましたか?」 優しげな、しかし狂った微笑を子供達に向ける。 「はい、偉大なる教皇聖下」 「きちんと勉強していました」 子供達の顔には、年相応の無邪気さが一切見受けられない。 その目は何も見えていないかのようによどんでいる。 そんな子供達を見て、教皇は満足そうな笑みを見せた。 子供達のうち何人かの頭部には、奇妙な形の花が咲いている。 それは、『暗黒の花』と呼ばれる存在である。 あと少し、と教皇の内に潜む闇はほくそ笑んだ。 その闇は、かつて子供達の夢と希望の力によって、 存在を保つことができず消滅したはずのものだった。 だが、消える寸前に、彼が唱えた『サモン・サーヴァント』によって こちらの世界へと訪れ、彼の心に巣食うことによって、一命を取り留めていた。 ――あちらの世界も、ここも、デジタルワールドも、 完全なる闇の世界に統一し……、我が物としてくれる―― その影の額には、使い魔のルーンがおどろおどろしい光を放っていた。 影の名は、『ベリアルヴァンデモン』と言った。 艦隊が落ちたのを確認した後で、マミーモンとアルケニモンは フーケたちのところへ降り立っていた。 「ルイズー!」 ブラックウォーグレイモンに抱えられ、 降りてきたルイズをマミーモンは抱きしめる。 ルイズはぼんやりとしながら、そのまま抱かれている。 体中を、気だるい疲労感が包んでいる。 しかし、それは心地よい疲れだった。何事かをやり遂げた後の…… 満足感が伴う、疲労感だった。 「なあ、さっきのすっげえアレ、何だったんだ?」 「……伝説よ」 「伝説?」 「説明は後でさせて。疲れ……たわ」 そのまま目を閉じて、すやすやと寝息を立て始めたルイズを 横抱きに抱えると、マミーモンは愛しげな表情で見つめた。 彼女をかかえたまま、ぐるりと周りを見る。 何箇所かは焼けてしまっているが、十分復興できるレベルだろう。 村人達も、数人が軽い怪我をしたくらいで、死人は出ていない。 ……アルケニモンも、テファもシエスタも無事だ。 マミーモンの心を、えもいわれぬ感情が埋め尽くす。 あの時、守ることが出来なかったものを、やっと守ることが出来た。 そんな安心感だった。 これからもまだ、戦いは続いていくのだろうという予感はした。 それでも、今だけは、この温もりを抱いて、 幸せに浸っていても、かまわないだろう。 そう思いながら、彼はとてもとても嬉しそうに、笑うのだった。 前ページBrave Heart
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/2563.html
一人ガリア入りを果たしたジョルノは、車がこちらでは馬車に当たるならば、飛行機に当たる乗り物竜籠に乗りこんでいた。 以前ガリアを訪れたのは『ポルナレフを探す、商売も行う』という目的の旅の途中で、テファニアと二人馬車に揺られていた。 初めて目にするものに目を輝かせて話しかけてくるテファの声も無く、魔法によって保護された車内には揺れも無い。 あの時に感じた穏やかな空気や平坦とは程遠い道を走るため避けられない車内の揺れを味わうことはないのだった。 日が傾き始め、魔法の照明を灯した車内は静けさに包まれていた。 ジョルノは書類に目を通し考えを巡らせていた。車内に置かれたテーブルの上では地球から持ってきたパソコンが置かれ、幾つかのウィンドウが開かれている。 錬金の魔法でバッテリーに充電できることもわかり、ある程度気兼ねなく使えるようになったそれをジョルノはとても重宝していた。 こんな時には特に。キーボードをジョルノが叩く。 ヴァリエール公爵夫人を脅すプッチ枢機卿の声がパソコンのスピーカーから流れだし、ジョルノは作業の効率を下げてこの場にいない知人達のことを頭に思い描いた。 プッチと別れたジョルノは、二人が会う予定の部屋に盗聴器を仕掛けデータとして保存しておいた。 場所が予め判明していたからこそ出来た事だが… 聞き終えたジョルノは、これからガリアでの所用を済ませようとしている自分の心がトリスティンの方へと強く引っ張られているのを感じていた。 これがただのジョルノ・ジョバァーナであれば引き返したのかも知れないが、ハルケギニアで複数の名前を持つに至った今のジョルノは幾つもの外せない予定があった。 今竜籠に乗り向かう先でも、魔法学院で別れたイザベラやプッチによって母を治療されたタバサが待っているのだ。 データの再生が終わると、ジョルノは手早くカトレアへの手紙を書いて、封をする。そしてそれに生命を与えた。 窓を開け、目も開けていられないほどの突風が吹きすさぶ中へ強引に投げこむ…一瞬で後方へと飛んでいった手紙がカトレアの方へと飛んでいくのを感じ取りながら、ジョルノは別れる前にプッチと交わした会話を思い出していた。 『なるほど。確かに貴方の言う事は、本当に大事な事だ』 プッチの前でも口にしたことを全て思い返しジョルノは、プッチが神を愛するようにとまで言った会ったことの無い父親と似た表情を浮かべた。 「フン………(僕の望む結果にたどり着けないって点を除けばな)」 そうこうする内にジョルノを乗せた竜籠は、ガリアの王都リュティスにたどり着いた。 人口30万というハルケギニア最大の都市リュティスの古いながらも壮麗な町並みを目にする暇も無く、ジョルノはヴェルサルテイル宮殿へと向かう。 家から漏れる明かりと立ち並ぶ街灯に照らされた道を、亀の中に入ったジョルノは竜籠から馬車に乗り換えて通り抜けていった。 亀が入った箱を乗せた無人の馬車は途中停車して、ガリアを任せている30代の男と…子供が乗り込んでくる。 亀から出ずに、声もかけずジョルノは少女と幹部である男との事務的な会話をスタンドの目を通して観察した。 子供はブルネットを短く刈り、整髪料で整えて服も少年の物を纏っているが中身はまだ10代そこらの少女で、テファの孤児院にいた一人だった。 今はパッショーネの一員となっている少女は、アルビオンの孤児院にいた頃は自分からジョルノに声をかけることも無く遠くから見ていたような気がする、という程度にしかジョルノの印象には残っていない。 だが、いつの間にか貴族との混血である子供に混じり、メイジとしての教育を受けトライアングルクラスのメイジとしてパッショーネ入りを果たしていた。 手紙のやり取りではそのようなことは一言も書かれていなかったし、部下からの報告にもその前兆は無かった。 どのような手段で、何故そんなことをしたのか? ジョルノへの手紙には、『難しいことだった。だけど皆より『覚悟』が上だってことを見せる必要があったから』とだけ書かれていた。 その為ジョルノ独自で調べたところ、没落した貴族の家の出だったらしく、同じ孤児院の仲間にジョルノが与えた金を使って少女は家の者を呼び戻した。 その中に組織に声がかけられていた者がいたらしい…隠すような事ではないと思うのだが、ジョルノはそ知らぬふりで少女らを使うことを決めた。 以来組織に入ってからは着実に功績を上げており、秘密主義や慎重すぎるきらいがあるがガリア内で認められつつある。 一方男は元はシャルル派と呼ばれる暗殺されたタバサの父を支持する一派の者だったが、今はパッショーネの幹部だった。 プッチ枢機卿と出会い、その性分を変えてしまった現王ジョゼフにも才を認められ、ある程度の役職を与えられていたが忠誠を誓う気はさらさら無い。 かといって遺児であり地位を回復したタバサへの忠誠も彼の中にはなかった。 彼がシャルル派を気取っていたのは、シャルルが撒く裏金を手にしたからだ。 裏金を受け取ってしまった事は、彼にとって拭いがたい汚点。 彼の父はなんということは無い貴族の家に生まれて、誠実な仕事振りや人柄こそ評価されていた男だった。 彼自身もその評判を継ごうとしていたが、ある時友が領地経営に失敗した。 放っておけなかった彼は手を貸したのだが、その末に彼自身も困窮に陥り、シャルルの援助を受けた。 それから困窮するまでの筋書きを書いたのがシャルルだと知るまでは彼は忠実な臣下だった。 今は、異界の書物『聖書』によって新たな宗教に目覚め、『レ・ミゼラブル』にいたく感動した彼は新たな異界の書物の閲覧許可を得る為に全力を尽くしていた。 亀から出ずに、声もかけずジョルノはそんな二人の事務的な会話をスタンドの目を通して観察した。 「後は今後の話しだが、ボスから新たな命令が来ることになった。最初は組織の大半の者にも秘密裏に行うとのことだ」 「私は残りの少数というわけですか?」 「そういうことだ。内容は、(僕もまだ信じられないところがあるから)追って伝えるが…」 最後に困惑を示しながらも幹部の言葉に少女は少し相好を崩した。 それを眺めながら、今日この馬車に乗るまでの間に男が手を回して試したからな、とジョルノは心の中で付け加えた。 自分で検査を行わせておいてしれっと少女に言う幹部の顔は自分には一片のやましい部分もないと言わんばかりの落ち着き払った態度だった。 新しく命じた任務の準備が思ったより早く済みそうなのも今少女の相手をしている男のお陰と言える。 その十分に新たな任務について理解しているはずの男が、意外な事に任務について懸念を持っているようだが。 「まさかボスにもう一度確かめるとおっしゃるの? 勘違いされるよりは何度か聞かれる方がマシ、と言う方らしいけれど」 「1ヶ月で200万エキューまでなら使ってよいとおっしゃった」 少女の言葉が癪に障ったらしく、男が乱暴な調子で返す。 「ど、どこからそんなお金が沸いて出るんです?」 「つい先ほどこれから二ヶ月分として資産と現金の半々で400万エキュー頂いた」 「先ほど?」 「(額が額なんで)ギトーってメイジが可哀そうになったさ」 それを聞き、ジョルノは少し困ったように苦笑する。 無制限に使用してよい、という意味合いも込めての金額だったのだが、それがかえって彼等にジョルノの正気を疑わせてしまったらしい。 トリステインの相場になってしまうが、市民1人当たりが1年間に使う生活費は平民で約120エキュー。 下級貴族は約500エキューほどで、豊かな14キロ四方の領地を持つ貴族の年収で1万2千エキューほどになる。 ゲルマニアではコルベールらに研究を行わせ、アルビオンの復興に資金、物資の援助を行っているにも関わらず何処から資金を捻出しているのか不審に思うのも仕方がないことだった。 子供が降りてから、ジョルノは亀の中からスタンドを通して男に声をかけた。 彼の仕事振りには全く不満もなく、その為会話は10分にも満たない短いものだった。 「クリストファー、お前の仕事振りに私は満足している。グンデンタールのアニエスからの嘆願は君の迅速な行動がなければ大きな遅れが生じていただろう」 「以前私の下にいた者が彼女と接触し、今私の下に虐殺に関ってしまった者がいた。二重の幸運に助けられただけのことでございます」 そうする方がジョルノの意向に沿うと承知している男は、声のする方へは目を向けずに答えた。 「それが案外重要なんだ。虐殺を命じたリッシュモン君には不幸だがな…ディ・モールト(非常に)ベネ」 「?」 「君個人が今まで誤魔化した金額は…400エキューくらいだったか」 「ボ、ボス…!? それは…」 「そのまま話を聞いてくれないか? 君が今の仕事に納得してくれているなら、ガリアの仕事は今後も君に任せようと思っている」 慌てて申し開きを行おうと声のする方へ頭を垂れ、跪こうとする男を制止してジョルノは言葉を続けた。 「私は君の仕事振りに敬意を払おうと思う。その上でお願いしたいのは、誤魔化す金額についてはそれくらいでやめてもらいたいと言うことと、新たに下した命令についてはコレまで以上に注意を払って欲しいということだ。資金については心配しなくいい」 クンデンホルン大公家やガリア貴族の好事家達にサラマンダーなどの珍しい生物やモグラに掘り起こさせた宝飾を主に売って資金を都合しているのだが、 それが国庫から横領された資金なのか領民に重税を課して溜め込んだものなのか借金をしているのかまではジョルノの知る所ではなかった。 また害を知りながら麻薬をやって破産する大人が増えようと、彼等個人の自由… 男、クリストファーは声のする方にお辞儀をする。 「お前が望んでいた異世界の書物は既に君の鞄に入れておいた。それは全五巻の内の一巻になる……今後もやってくれるな?」 クリストファーは慌てて邪魔にならぬよう荷物棚に置いていた鞄を手元に引きよせ、知らぬ間に入っていた本を興奮で震える手に取った。 「おお、ボス! ご随意に叶うよう務めさせていただきます」 「何度も言葉を重ねてすまないが、例の件については注意点さえ遵守してくれれば金に糸目はつけない。君の判断で使え……そうだな。ロマリアの教会を全て買い取る気でいろ」 目をみはったクリストファーは、だが直ぐに『手配いたします』と答えて予定の場所へと馬車を走らせていった。 ジョルノの入った亀を入れた箱は男の手で馬車から下ろされた。 馬に乗った貴族がそれを拾い上げ、都市の郊外ある王族の居城、ヴェルサルテイル宮殿へ向けて走りだした。 世界中から招かれた建築家や造園師の手による様々な増築物によって現在も拡大を続けている宮殿の一角にあるプチ・トロワの主に、箱は渡された。 北花壇騎士団の一人から亀の入った箱を受け取ったイザベラは、自室の中で箱を開けて鍵を甲羅に嵌めた奇妙な亀をおっかなびっくり絨毯の上に置いた。 期待の込められた眼差しの先で、亀の中から細長い指が這い出す。腕、肩…一人の人間が亀の中から出てきてイザベラを見下ろす。 置くなり、亀に嵌められた鍵から出てきたジョルノを見た彼女は不満そうな表情だった。 「遅かったじゃないか」 「今まで以上に人目を避けなければならなくなったんです」 不満を口にしたものの、久しぶりに会うイザベラは、別れる前に見たものよりも僅かに柔らかい笑みでジョルノに椅子を勧め、自分は自分のベッドに腰掛けた。 「…エレーヌとはうまくやってるよ」 ペットショップを通じての定期的な連絡でも釘をさしていたせいかイザベラは口を開くなりそう言った。 「? タバサですか…そんな風に呼んでたんですね」 「ま、まあね。仲良くしろって言ったのはお前じゃないか」 若干照れくさそうにするイザベラの様子を見て、ジョルノは根掘り葉掘り別れたからの暮らしぶりを尋ねた。 ある程度はペットショップを通じて聞いていたので、本当はまず仕事の話からと考えていた。 だが今は勧められた椅子に腰掛けて話しに耳を傾けた。 ジョゼフの豹変以来、元々味方が少なかった彼女に味方はいなくなった。 得体の知れぬ父ジョゼフですら豹変させた犯人への恐れが、他者を信用できなくしてしまった。 その反面、無意識に味方を求めてタバサとの距離を縮めているのかもしれない。 多少自覚があるのか、イザベラは父親が心変わりしたからとか、叔母が元通りになったからとか、色々な理由をつけていた。 (実際にそれらの出来事も影響しているのだろうが)それはともかくタバサとの関係は修復されつつあった。 話を聞く限り、タバサの母であるオルレアン公爵夫人の働きかけも強い影響を与えたようだ。 夫を殺し、娘を冷遇し、当人には毒を飲ませた男とその娘を許し、今はイザベラを娘同然に可愛がっているという話は、ジョルノにとっても驚きだった。 ジョゼフの手腕によって暗闘は起きないだろうと考えてはいたが、許すという可能性は無いと思っていたのだ。 若干和らいだ表情を見せるイザベラに、ジョルノの口元は爽やかな笑みを形作っていた。 「ジョナサンがもっと早く着いてれば叔母様の手料理も味わえたろうに、残念だったね」 「貴女の変りようを見れただけで十分です。公爵夫人にはまた後日お会いする事にしましょう」 「別人みたいだっていいたそうね」 「そんなことはありません」 ジョルノ返事を世辞と受け取ったイザベラは苦笑した。 彼女自身、自分の変化に驚いているらしかった。 「父があの男に変えられてしまったせいでこんな事になるなんてね…」 「その事ですが、イザベラ…貴女の力を貸してください」 そう言って語りだすジョルノに、今度はイザベラが耳を傾けた。 イザベラの父ジョゼフを変えてしまったプッチとの間にあった出来事の諸々をジョルノはイザベラに明かした。 「僕はティファニアに、プッチは教皇に召喚された人間です」 プッチ枢機卿とヴァリエール公爵夫人の会話内容や、ジョルノとプッチが異世界から来たという事までも。 秘密を明かされたイザベラは、明かされた内容に驚くよりも荒唐無稽な話の無いように半信半疑に陥っていった。 内容自体はそう長いものではなかった為、すぐに全て話し終えてしまったジョルノは椅子にもたれかかってイザベラの気持ちが落ち着くのを待った。 「それで、ジョナサンは私の力が必要だって言うんだね?」 「秘密裏に制約(ギアス)がかけられた者達を調べ上げ、解除したい。貴女の北花壇騎士団にならそれが可能な者達がいるはずです」 粗野な仕草で頭をかきむしりながら、イザベラは『実は僕は地球人なんです』とか言い出した男を見た。 エレーヌ母娘と和解したせいだろうか? 多少憎からず思っているせいで、こんな馬鹿馬鹿しい話まで信じる気になっている自分に彼女は自嘲気味な笑みを浮かべた。 「資金などはこちらが全て負担します。他に何か必要なものがあれば言ってください」 「いいえ、ある程度はこちらで持つわ。ガリアにも関係のあることですもの」 父親のことや、恐らくそれ以外にもガリアにも彼等の手が伸びていることを思うイザベラの顔には怒りとも悲しみとも取れぬ複雑な表情をしていた。 「でも、ジョナサンの命を聞くように言っておくからその分彼等への追加報酬を払って。それと事が終わったら私とエレーヌのお供をしてちょうだい」 「…お供ですか?」 「そう、テファには内緒にしてあげる。悪い条件ではないわよね」 「わかりました(別に内緒にしなくても構いませんが)」 「一番腕の立つ連中を手配して置くわ」 二つ返事で答えたジョルノに気を良くしたらしいイザベラは腰掛けていたベッドに倒れこんでいった。 非公式な騎士団とはいえ、普通王族に杖を捧げる貴族が外国人であるところのジョルノの命令に簡単に従うはずは無いのだが…イザベラの配下であれば、ジョルノにも心当たりがあった。 「結構です。その者達ですが『元素の兄弟』ですね?」 「流石は『ボス』ね。そう、残虐で狡猾な連中だけど、汚れ仕事に関しては一番だわ」 ジョルノが北花壇騎士団の人員について知っているらしいのを、イザベラは驚くと同時に何処か誇らしげに言う。 イザベラは杖を振って、用意させておいたビスケットとワインをテーブルの上に運ぶ。 身振りでそれを勧め、ジョルノは亀の中からグラスを二つ取り出して注ぐと、ワールドを出してイザベラの元へ運ばせる。 二人はワインで喉を潤しながら、北花壇騎士団を使い行う仕事について暫し語り合った。 「そう言えば、手紙で言ってたスカウトした連中に賞を与えたいって書いていたけれど、本気かい?」 「はい、ネアポリス伯爵家から与えられた勲章を有難がる者は平民くらいなものでしょうからね」 ジョルノの下にはゲルマニアのネアポリス伯の領内を中心に、多数の研究員がいる。 彼等は今後多大な利益をジョルノに与えてくれるだろう。 現状彼等の地位は低い(コルベールの学園内の扱いを思い出してくださればわかっていただけるだろうが) それはこれまで目立った何かを生み出さなかったせいだ。 だが、今後は違う。 既にゲルマニアではコルベールらの技術を組み込んだ新しい船が作られているのだから。 それを見越してジョルノは彼等の中で特に目立った成果を挙げた者に勲章と賞与を与える事を決めていた。 が、平民ならそれで十分でも貴族に対しては名誉として受け取れられないのだった。 同じ貴族、それもゲルマニアの伯爵家が作った賞など何百年という伝統と格式を持つ貴族達には何の価値もないのだ。 「やめた方がいいわね。10年もしないうちにジョナサンの与える賞が権威を持つようになる…エレーヌの意見だけどね。私達はそうしてみせるわ」 「…ネアポリス伯爵の名前では軽すぎる」 物分りの悪いジョルノにイザベラは目つきを険しくする。 「後になれば、価値を持つはずよ…!! 大体、そんなことをしたらジョナサンの所にいる人間にばかり賞を与えることになるじゃない」 「わかりました…」 ベッドに寝そべって頬杖をつくイザベラへ目を向けたまま、ジョルノはそう言って押し黙ってしまった。 強い口調でイザベラが返したとおり、コルベールのような人間はジョルノが抱え込んでしまっていて他の場所には賞を作ったとしても与えられるような者は一人としていなかった。 こればかりはジョルノ自身が抱え込んだせいで、それを思い出したジョルノはこれ以上その件で食い下がる事は出来なかった。 今まで仕事の話しばかりしていたせいで考えもしていなかったが、間が出来たことで辺りの静けさが部屋の中に漂っていた。残念がっているジョルノと、そこでイザベラは初めて、今の自分の姿は男性を前にして少しばかり無防備過ぎることに気付いた。 一度意識すると、その気性と立場のせいで決して男性馴れしているとは言えない上に、父親から余り省みられなかった彼女が気持ちを静めるのは不可能な事だった。 ジョルノはその様子に気付かないふりをして椅子から立ち上がり、グラスを片付けにかかった。 「…後の話は明日にしましょう、そろそろお暇しなければ」 「はぁ?」 スタンドで強引に奪うこともできたが、ジョルノはイザベラのグラスを取りに行った。 「せ、せっかく久しぶりに会ったんだし、もう少し……貴方の事が知りたいわ。もっと話を聞かせて」 ベッドの上でグラスを抱え、身を硬くしながらではあったが、引き止めようとするイザベラにジョルノは困ったような顔で動きを止めた。 「…先ほど説明した通りです。詳しくは知らない方がいい」 上目遣いに自分を見るイザベラにジョルノは爽やかな笑顔を向けるだけだった。 「返してください。僕は責任を取る事ができない男ですから、貴女に触れる気はこれっぽっちもありません」 ジョルノの言い草にイザベラの頭には血が昇り、グラスを持つ手には余計に力が篭っていった。どうやってかジョルノに意趣返しをしたい…恥らいと好意を怒りで誤魔化してイザベラはそう考えた。 「そんなことわからないだろッ? 今だけ心からなんて言って…それでテファやヴァリエールは納得してるんじゃあないのかい?」 悪びれた様子もなくジョルノは首を振った。 「僕が大事にしている気持ちは二つあります。最も強い気持ちは夢を叶えたいという気持ち。で、次が仲間に対する気持ち。異性に対する愛情はその下にあります」 「相手が誰でも?」 「寝ても覚めても」 そう答えたジョルノの表情は爽やかな色が強く現れていてイザベラの怒りを誘った。 その爽やかさや目を輝かせていることは全て夢のせいでありガリアという大国の王女も、年頃の娘も、イザベラのことは見ていないように感じられた。 正直に夢の事を告げたのは今のイザベラを好意的に思っているからだったが、恥をかかされる側にとっては何の慰めにもならなかった。だからか…グラスを受け取り、身を引こうとするジョルノの腕をイザベラが掴む。 「イザベラ? 離してくれ」 次はいつ会えるとも知れないジョルノをイザベラは彼を掴む指まで赤くして上目に見つめていた。 天蓋が作る影の中に見える顔は、普段よりずっと幼いようにジョルノの目には映った。 そのせいで一手、ジョルノは遅れた。魔法によって灯りが消される瞬間、やんわりと手を退けようとするジョルノが見たのは、一転して不敵に笑うイザベラの顔だった。 素早く身を起こしたイザベラは更に手を伸ばしてジョルノに組み付き、耳元で囁く。イザベラは上擦った声でこう言った。 「つ、つまり―逆に考えるんだね。他の女も大差ないから逆にチャンスだって考えるわけさ」 「え…?」 「今夜は帰さないわ」 組み付いた状態から、イザベラは杖を振るった。珍しく戸惑いを見せたジョルノの体が魔法でベッドの上に転ばされ態勢が入れ替わる。 ジョルノの手からグラスが抜けて、僅かに残っていたワインが宙を舞った。 「ジョナサン、勿論覚悟して来てるわよね? 夜更けに淑女の部屋を訪ねるって事は押し倒される覚悟は出来てるってことね」 「いえそういうわけじゃないんですが…」 まだ残っていたワインが純白のシーツの上に広がっていき、アルコールの匂いが周囲に漂う。 もう夜更けに差し掛かっていたが、逆に考えると朝まではまだたっぷりと時間があるのだった。 微かに入る月明かりでぼんやり浮かぶイザベラは少し広いおでこから指先まで赤く染めあがっている。 恥かしさや上手く引き止められないもどかしさからか、彼女は開き直り、どこかで仕入れた知識の元に暴走しているらしい。 近づいてくるイザベラの唇をかわし、ジョルノは彼女の頭を星型の字の傍へと引き寄せた。 逃げてしまうとまだ考えているらしく腕の中で暴れようとする彼女を包むようにして、ジョルノはぽつぽつと話を始めた。 素晴らしい仲間の事や、ポルナレフに以前聞いたエジプトへの旅をかいつまんで、多少のアドリブを交えて話してやるのだった。 眠るイザベラの部屋からジョルノが服装を整えて出てくるのは、それから実に4時間も後の事だった。 「休む時間がなくなってしまったな…(もしもの時の為に)これは組織としては改善しなければならないな」 満足したイザベラを寝かせるまで休む事が出来なかったがジョルノに疲労感はなかった。 夢は彼の心を潤し、彼の血統は彼の体に力強い生命の力を齎している。 「イザベラの事は後でポルナレフさんに相談するか…」 亀の中に移り、ジョルノは再びリュティスへと消えていった。 * その頃、ジョルノに盗聴されていたことをまだ知らないプッチ枢機卿はゲルマニアへと向かって移動していた。 トリスティンの王女アンリエッタとゲルマニア皇帝の結婚に立ち会う為で、このまま進めばかなりの余裕を持って現地入りできることになっている。 プッチ枢機卿はそこで、一月近くにも渡りゲルマニアの重鎮達と会談を行う運びとなっていた。 勿論そこでも隙在らば彼らは禁呪を用いて保険をかけることだろう… 竜籠に載り、周囲に厳重な警備を敷いて移動する彼の手には始祖の祈祷書と呼ばれるトリスティンの秘宝があった。 トリスティン王室の伝統で、王族の結婚の際には貴族から巫女を選び、始祖の祈祷書を手に式の詔を読み上げる慣わしになっている。 常人にの目にはただの白紙の紙束にしか見えない。 プッチにとってもそれは同じだが、始祖に対して良い感情を持っていない彼にとっては便器の中のトイレットペーパーにも劣るゴミだ。 だが虚無の使い手…プッチを召喚し、プッチにディスクを抜かれいいようにされている教皇には、教皇が必要とする呪文が浮かび上がっているらしい。 「では教皇、お願いしたよ」 「わかりました。プッチ神父、『エオルー・スーヌ・フィル・ヤルンサクサ オス・スーヌ・ウリュ・ル・ラド ベオーズス・ユル・スヴュエル・カノ・オシェラ ジェラ・イサ・ウンジュー・ハガル・ベオークン・イル』」 自らの使い魔のお願いを快く引き受けた教皇は杖を振り下ろした。 『エクスプロージョン』 トイレットペーパーが無事消滅するのを見届けてプッチは満足そうに言う。 「これで後は何が残っていたかな?」 「土のルビーは先日我がロマリアの秘宝と共に消しましたし、香炉は『世界扉』で貴方の世界に送りましたから。火、風、水のルビー、始祖のオルゴールですね」 「うむ、ゴミは夢の島にだったな。こちらの道具も『世界扉』を抜けられる事がわかった。オルゴールについてはジョルノ・ジョバァーナに頼む事にするとして、火のルビーの行方が気になるな」 これで帰るまでに幾つか便利な道具を向こうへ持ち帰ることもできるということがわかった。 これはジョースターの血統と対決する役に立つ可能性を秘めている。実に結構な事だった。 4の4もこれで揃わない…一先ずは安心できるということでもある。 だが完全に安心、というわけではない。 異世界から自分達を誘拐した魔法の中に時間を越える類のものがないとも限らないからだ。 可能性があるというだけのことだが、安心の為に念には念を入れて置かなければならない。 「グンデンタールからは見つかりませんでした。実行した者達が持っているのかもしれません」 「ではその者達を捕らえてくれたまえ」 「わかりました」 「後はええっと、なんだ、さっき消してもらったのの偽物の用意も頼む…修道院の小娘は?」 「確実に消しておきました」 「それは結構なことだ。ヴァリエール公爵夫人はどうしたかね?」 神父が尋ねると、今度は隅に控えていた神官が前に出て報告を始める。 「遍在の一つが聖女ルイズの下を訪れたようです。様子を見にきただけのようですが…」 「亀はどうした? サイトは?」 「少々お待ちを…ティファニア王女の下に向かう姿が確認された位で、特に新しい動きはありません」 禁呪を用いて忠実な駒となった彼等の報告を受けて、プッチは思案顔を作る。 カリンが亀の中にいるポルナレフにプッチの思惑を告げ、協力を仰いだのかもしれない。 ティファニアのところに行って何をしているのかも調べさせたい所だが、ネアポリス伯爵家…パッショーネの内部まではロマリアの密偵は浸透していないためそれ以上の詳しい情報は入らないのだろう。 ゲルマニアも信仰心が薄いが、パッショーネの内部は更に信仰心が薄いせいだった。 懺悔にも来なければ忙殺されていて日曜礼拝にさえ来ない…聞いた所に拠ればキリスト教の聖書を読む者までいるとかいう話しさえある。 「ガリアに向かったジョジョはどうしている?」 「ネアポリス伯爵が大量の資金を動かし何か行動を開始していると…」 「…ヴァリエール公爵家と接触した形跡はあるかね?」 「いえ、次女がガリアに向かっていると言う報告がありますが」 あの後にジョルノとカリンが接触を持った形跡がないのを確認し、プッチは今後どう動くかを黙考する。 ついでにポルナレフを始末するにはどうすればよいだろうか? 「……甘やかせ」 「は?」 不意に言ったためか、間抜けな声を出したメイジが恐縮するのを無視しプッチは言葉を続ける。 「聖女ルイズを褒め称え、何から何まで世話して差し上げろ。我々の助けがあって当然。なければ何も出来ないようになるまでだ」 「御意に」 「成長の機会を絶対に与えるな…! 亀達が見限るように仕向けるのだ」 それだけ命じると、プッチは汚れを気にしているのか、芝居がかった身振りで指をこすり合わせた。 「あぁそれと、ワインが飲みたいのだが、その前に手を洗う水を用意してくれないかね?」 先ほど間抜けな声を上げたメイジが急いで杖を振るい、清潔な布と水がプッチの手元へ運ばれてくる。 プッチは上機嫌でゲルマニアまでの空の旅を楽みながら、今後のことを考えていた。 「やはり虚無の血を引く可能性がある人間を消しておくのが無難か? ゲルマニア皇帝には子孫を残すための女を別に宛がうとして…ジョルノと私が帰った後、王族達には皆自殺してもらう必要があるな」 to be continued...
https://w.atwiki.jp/taigagaga/pages/245.html
名前 レゾル . PL ◆yXly8Aaw7U 年齢 / 性別 23歳/男 職業 元神官 人種 シバ人 能力値 武勇 機敏 精神 備考 基本値 5 2 6 経験点により武+2機+1精+3、更に装備効果により精-2済 攻撃力 10 2 8 武機 切 精神 闇、聖 防御力 7 4 9 射+1、突聖闇+2 機敏防御時1ゾロの時6ゾロになる HP 21(生命の秘薬廉価版により+1済) スキル 常備 鉄腕自己犠牲 消費 治癒魔法×3再生魔法×2幻覚結界魔法不屈念話詠唱鉄壁 経験点 0/200(GM経験点21含む) 英雄点90(+称号の印×21 バリア1突破) 参加回 公式 56 58 59 75突発 154 156 168 177 175-2・3 189 197-1 210 215 217 224 226 234 243 251 253 264 274 299 304310 316 320 333 341 352 358 360 376 383 384 388 394 413 438ねこさんゆうえんち 第23陣(突発118)ヴァイツさんの迷宮 第6・7・8陣(突発134)深き悪魔の牢獄 第15陣(突発104)名古屋オフセ 東京オフセリュウゲンの依頼 第2陣仔山羊さんの賞金首 砂鮫れーさんの洞窟群 PT2・3鳥籠の浅き夢/嵐の古城にて/果てなき此岸に酔いもせず/今は遠き深窓の淵NPC 装備品 武器 ・十字架を模した剣(英雄点により強化済みのルーンの剣相当 3/0/2) 盾 ・夜見録(匠の騎士盾相当)月神ミスリディオに捧げる祈祷書で且つ、主に防護術を使うための魔法具として携えている。治癒の技能書のいくつかはこの本の一部に相当されている。・鏡(未装備) 鎧 ・黒紫のジャケット(革のコスチューム相当) 装飾品 ・停滞螺旋の水晶(*1)・鉄十字のピアス(羽根帽子相当)・冥銭の欠片(未装備)(*2)・夢神のコイン(未装備)(*3)・最後の景色(未装備)(*4)・異観視の指輪(未装備)(*5) 技能書 ・『優しい闇の章』(魔法書聖 闇相当)・「聖医の書 上・中・下」・「魂と悪霊」・「至近で見える蜃気楼」(「アルソンの自叙伝」相当) 所持品 非消費 羊皮紙(4/10) ペン&インク 魂の貯金箱 消耗品 「傀儡の書」のスクロール 気付け薬ミスリル 記念品 ・書き写した呪いの言葉(フレーバー)(*6)・予言の言葉(カインさんから頂きました) ・イルカの木の皮編みぐるみ(フレーバー/オリヴィエさんから頂きました)・鉄×2(素材/とある地下集落から持ちかえったもの)・赤の本(フレーバー/100Gで購入 いつの間にか本棚)・禁書「穢れの蟲の召喚と送還法」(レシピ?)(*7)(売却不可)・贈蝕茸(財宝/売値10G セッションに一度2d6増やせる)・夢幻竜の鱗(財宝)(*8)・金属鳥の黒羽根(財宝/売値1000G) 消耗済み ・猫耳髪留め(*9)スティさんに譲渡・『血を吸い過ぎた斬鉄剣』(*10)フレッドさんに売却・霊視力メガネ(*11)フレッドさんに売却)・金星天の御魂 (*12)クロイツさんに譲渡・黒羽根(*13) 所持金 4363G NPC利用 応相談 二次創作 可 外見 くすんだ黒緑色の髪と夕陽色の双眸を持つ肌の色の薄い青年。身長は172cm。黒の飾り帯の上に夜色のジャケットを着た、全体的に色調の暗い格好をしている。神官を降ろされた身だが、十字の耳飾りや留め具を使ったりと未だ信仰に依る所が大きい。従来の厚ぼったい服と違い、袖の詰めた服の上からは細身で引き締まった体格が伺える。 口調 一人称 僕 二人称 貴方、君、さん付け 備考 基本敬語 設定 死霊に畏敬の念を抱いた元神官。ミスリディオ信仰。とある不祥事を引き起こし破門を受けたので冒険者をしながら自分を見つめ直し中。前職で培った治癒の腕前は本物で、最近は白兵戦の方へも意識を向けている。真面目で丁寧、ともすれば不器用で青い、自己評価が低い割に我を通したがる所がある。 補足 冒険者キャリアは決して短くないですが、PLの未熟さも相まりなかなか精神面が成長しません。何とかPL共々打開しようと努力するので、何かしでかしたら温かい目で罵りください。 NPC ・ルジュナから感謝(突発210等)・星の学院教授クレメンテ(突発210等)・「黒き母の子らの教主」ジーン・グレナス(突発234等)・ジンクーム・オキソ/アエスさんのお兄さん(公式58)・ハーチェ/クプさんの幼馴染(公式58)・ニカノール:思い入れ。様々な意味を含んでの偉人(突発360)・リーリヤ:ゼノさんの養女。時々様子を見ます(突発360)・ラーナコリスで出会った方々(突発376) +話せば長くなるがな… 経歴 ・元々旅慣れているせいか体力はある方だが機敏な動作や並行作業は壊滅的(武勇3機敏1)真面目でそつがないため神殿の学舎では優等生、有望視されて都市部の学問所へ(精神5)神官職に縁があることもあり、進路は大して迷わなかったそうな(治癒魔法)18の頃に学問所を卒業、月神の神殿で正式にミスリディオ神官となり基礎術を覚える(幻覚)祈祷書を受け取り巡礼神殿までの旅路でゆっくりとその体系を身につける(再生魔法)・巡礼の帰路にてホームに辿りつく。冒険に心を惹かれほぼ定住。運命の分かれ目。自ら戦いに赴くことで更なる治療の必要性を感じる(治癒魔法)・冒険を始めてからは剛腕な友人と剣を交えることもあったためまた体力が…(武勇+)・殻の内側、壁の前で自問する。冒険者と身近になることで相対的に自らの属性を知る(結界魔法)・様々な思想に触れ尚も見えない死の本質。覆せない選択か更なる迷いならば…(再生魔法)・親しき仲間の内に見る闇の部分。曲りなりに向きあう姿は自分にとって紛れもない強さに見えた(精神+)・強くなる、役に立つと考えて思いつくのは大体これである(治癒魔法)・憧れの存在に身を置き距離感に苦しんでは徐々に倒錯した己の本性。背けられない絶望だが逃げ出すことだけははっきりと拒んだ(精神+、不屈)・救う命あれば斬り捨てる命あり、ヨミさんに頼んで剣を習いました(鉄腕)・苦しむ理由が背徳なら弱音など吐けるだろうか。しかし声なき叫びは漏れていた(念話)・とある事件をきっかけに積もり積もった黒い感情を盛大に露見させてしまう。痛い目に遭い、たくさん迷惑をかけ、破門はされ、辛い思いもしたけれど、本音のぶつかり合いを経ないと気付かないことがあるようです(精神+)・療養のしすぎだろうか、若干背が伸びたような…。剣を振る機会も着実に増えている(武勇+)・事件の影響からか魔力の発散をこなせるように。想いの吐露、祈りと渇望が上手くなったともいう(詠唱)・理屈より先に体が動けるようになった、遠いと思っていた境地でした。(自己犠牲)・結界魔法の応用を試みる。別の方へ手を伸ばすにはまず己の地盤をしっかりさせる必要があるから。(鉄壁)・ようやっと苦手分野に目を向けましたが、これで限界らしいです(機敏+)・服を新調した後も尚も手放せない聖印。退魔の加護を得られる感謝はあれど、断罪の光を拒むのは、黒き残滓の宿る魂のせいであろうか。(魂の貯金箱使用・聖闇耐性) お土産 譲渡予定。基本的に自室に置いている。・『神秘的な黒の曲線』の本(フレーバー/価値500G)(*14)・『御伽の中の灰色竜』の本(フレーバー/価値1000G)(*15)・変転の花(フレーバー/価値2000G)(*16)・ミニ包丁(フレーバー/50Gで購入)・イシヤの貝殻(フレーバー/10Gで購入) ■PC面識表 +... お名前(敬称略) 同行セッション 備考・印象など アネット 鳥籠 今となっては全く頭の上がらない人。彼女を始め、あの事件で立ち会った方々には申し訳が立たない リアス 鳥籠 何というか根本的に価値観の違いそうな人だった。 クォート 鳥籠 巻き込んだ形の上にかなり苦労をかけたんじゃないだろうか、すみません。けど専属神官は勘弁で オリヴィエ 鳥籠 善意を利用していたのに終始信頼されていて、メンタルの弱い人にけっこう来るものが… アサギ 鳥籠 厳格に接してくれた人はある意味貴重だったかも。ちゃんと返答できなかったのが悔やまれる アネット 突発316 なかなか力になれないものだ…、あとそろそろワイヤーブレードがトラウマになりそうなんだけどどうしよう プレミオ 突発316 間延びした口調だけどけっこうドライな人。ゼリンさんが優しい人じゃなかったらちょっと危なかったかな ヨミ 突発316 やんちゃだと思ってはいたけど本当に元気だよなあ、しかも空気も読めるし フォルクマール 突発316 なんというか熱くて人間味あふれる方かな。彼の知恵は何度もお世話に、感謝しておかなければ ゼリン 突発316NPC 助けようとしたのは僕のエゴも入っていたのだけれど、君が生きることを望んで本当に良かった…。 ヨミ 突発310 戦士の持つ強さと気高さというのはある場面で途方もない距離感を覚えさせる。それが悔しくて僕は彼女にお願いしたのでしょう、ありがとうございます。 コンラート 突発310 真っ直ぐで人情があり、優しくて正義と揃っていた分損な役回りが多かった気がする。卑怯だなあ僕は。 ルベル 突発310 いい人ではあるんだけど…。結果として彼は事件に振りまわされる立場になっていたようだ。 ワッツ 突発320 何ら悪いところないのに酷い目にばかり合う人だった。彼を見て僕も冒険者としてちょっとは慣れてきたんだと実感したかな? アネット 突発320 あぁ、あー そんな一面が… まあクロイツさんはカッコいいからなあ サウィル 突発320 僕より速い人は星の数ほどいるけれど、逆に彼ほど速い人間は見たことないかもと思った今回。ワッツさんとは別な方向で純粋でハッキリした人。 クロイツ 突発320 この方は思った以上に自由で愉快なままに動いているようだ、けどそれとは別にああいう態度を取ったのは珍しい? ヴァルカン 突発333 あの町は自称魔王が流行ってるのだろうか、プレミオさんとの仲を見る限りは彼も上手くやっていけそうだ。 フェンリー 突発333 久しぶりだけど相変わらずのどこまでも実直な人物、今回は残念だったけれど2人の決闘はまた見てみたいと思っている。 ムギ 突発333 いやぁいい感じにスルーしてたけれど頑なまでの信仰は魔法即ち奇跡を呼べるのだと改めて思い知りましたよ。ええ、僕はごめんだけど プレミオ 突発333 仕事熱心はいいことでハンターというのは伊達ではないらしい、基本的にフレンドリーで微笑ましげではあるのだが。 ラ・マイア 突発341 彼女は何だろう、誰よりも自由に見えてそれでいて全てを見渡しているような…あそういえば飛べるんだよな… それはそうとお話ありがとうございますお酒って怖い ロゼ 突発341 転移に関しては圧倒的に不運でごく一般的な少年魔術師と思っていたら、戦闘に関してはかなり危篤な方面へ…。楽しそうな通常とのギャップが大きいだけに少し心配かな…。 クロイツ 突発341 彼の人の気を察する洞察力は羨ましいな。見習いたいところであるのに、どうやら彼と僕とでは信念やら根幹が全く逸れているようだ。ままならない。 レヴィ 突発341 冒険初体験としてはあまりに苦々しい思い出だったかもしれない。けれど思ったよりもずっと彼女は芯が強かったし、彼女のおかげで僕も幾分気が楽になれたかな。 クロイツ 突発352 あの人の場合ちょっとした迂闊な行為でもしっかりリカバリーできるところがすごい。あれも自信につながっているのだろうか… フレッド 突発352 ここまで斜に構えた人というのはあまり見ない気がする。正直に言うととても気が合わないけれど彼は彼で何やら内に秘めたものがありそうだ エルセ 突発352 もしかしなくとも価値感がかけ離れているし隠し事も多そうで…あまり隙を見せたくない人かな…いろんな意味で…… クロイツ 公式75 あの時敵方に同調されるのは気まずかったなぁ、そういうところが気が合わないということなんでしょう ストレリチア 公式75 紅一点で最年少に気を遣わせてしまうって、アレだな。すごくアレだな。あんなことがあった後なのに…もっとしっかりしよう… ヴィエリ 公式75 うーん…いい人なんだけど… 歯がゆいと思いつつ自分とは縁遠いものを持っている人、なのだろう クロイツ 突発358 ああこの人ムカつくなとまじまじと感じたのは初めてだろうか。雲の上のような話を当たり前のように経験談にしているあたりもどうも… サウィル 突発358 彼は極めて即物的に物事を捉え楽しんでいるように見える、それが少し羨ましいが今回ひときわ痛い目に合っていたなぁ… ストレリチア 突発358 夢の精霊にトラウマを持つところはやはり年相応だなと思いつつ伝説の大剣をふらふらブン回すのはちょっとやめていただきたい。あの出来事に関しては一言で言い表すにはちょっと… ライラプス 突発360 つっこんだほうが良いのだろうか ゼノ 突発360 ライ君のお世話どころか身寄りのない少女を引き取るまでの懐の良さはさすがに脱帽。冒険者としての腕もいいし普通に尊敬しちゃうなあ ホーツマスク 突発360 改めて同じ依頼をやってみたが、彼の好きそうな依頼ではなかったかな。うーん災難お互いに フォルティス 突発360 同業の方とはなかなか一緒にならないのだけども、彼もひと癖あるといった感じ。根本はすっかり善人だとは思うんだけど ゼリン 此岸 いろいろ辛い思いをさせてしまったけれどそれでも彼は僕を見てくれている。ならやるべきは落ち込むことではなく…。 クロイツ 此岸 叱咤激励とはこーいうことだったのか……不覚。 アネット 此岸 この人にはどうあってもお世話になる宿命なのだろうか、もう慣れたのだけど、いやそれじゃあ駄目なんだけど……。 ストレリチア 此岸 不思議と彼女と一緒だと何でも話せてしまう。さて、向きあう覚悟のある彼女にいつか並び立てるくらいに強くなれれば。 レヴィ 此岸 彼女も真っ直ぐで…お優しいお方、二度と本気の拳を受けないよう精進しなければ。まともに受けると痛いどころじゃ済まなそうだし。 サウィル 突発376 相手の能力に警戒しつつ突っ込むのは慎重かつ大胆といえるかもしれない。そして割と敬虔深いお人なようでちょっと心が痛むのは気のせいかな ゼノ 突発376 あれからもお元気そうどころか、道を先導をしたり攻撃をはねとばしたり、やはりたくましい印象が強い… クロイツ 突発376 文句は言えないけれども何がそこまで気に入らないのかたまに分からない上に痛い ストレリチア 突発376 うーん…、あー、うーん…勢いに任せた感が否めない。次も普通に接してくれるだろうか… サウィル ラーナコリス編 生き生きしてたというか、意見をよく放つ存在として印象的だった今回。それだけに考え方の違いが浮き彫りになることも多々だったけど悪いことじゃあないかな。 ゼノ ラーナコリス編 最も義によって怒りを発した方に見えたけど…あ、あの料理は……毒を以て毒を制す…ということなのか…なんとおぞましい…。 クロイツ ラーナコリス編 保護者的側面が云々… なんだかんだで顔を合わせるし、さいきんは上手くやれてる、だといいなー。 ストレリチア ラーナコリス編 非常時にもあの冷静っぷりは少し見習いたいもの。そうさせる何かがあるのかそれだけの修羅を潜りぬけて来たのか……僕も強くあらねばならないな。 アネット 突発394 お礼を言い損ねた方。関係は変わらず…さてどうしよう…。 クロイツ 突発394 あの人、数分刻みに話を面白い方に導かないとやってられないんだろうか…? レヴィ 突発394 お礼を言い損ねた方2。多少の事ではへこたれない人と記憶してたけど、どうも別のベクトルでは年相応に不安定な様子。 ムギ 突発394 たとえ完全なる好意や善意で訴えかけようとも、全く理解され得ない事柄はあるのです。 チェルシー 突発394 あまり非日常に慣れ親しんでいる雰囲気を感じなかったけど何で冒険者にまぎれてるんだろう、ミスリル持ち歩いてたあたりただ者じゃなさそうだけど… ヴィエリ オフ7と394 いろいろ頼りにさせてもらっているし、もっと堂々としていれば…とは思いつつ、共感するところもあるから難儀なもの… ウィルヘルム 突発413 やたらと相手に期待をかける食わせ者の気配のする騎士の方。あの様子だと怪しい薬の噂が絶えそうにない…。 カル 突発413 有翼騎士といってもこちらの方は随分明るい。何事も真摯に受け止める良い人だと思ったけど頭の中がそのまま口から出ているんじゃないかとしばしば…。 レヴィ 突発413 いろいろなことに積極的なのはその分学ぶことも増えるしいいことだと思う、けれど無茶しすぎな気がするので今後も様子を見たいかな。 コーエン 突発413 マントに目が行くけど最も騎士らしかった人(というか今回騎士が多いな)。信念を力に変える能力に相乗効果が加わって大変なことになっていた。 ヴィエリ 洞窟群2 相変わらず無茶したがりというか、軽率なことが彼のやり方なのだろうか…。でも自覚のない軽率者よりはマシです…ね。 クロイツ 洞窟群2 見るからに調子悪くても関心を優先するところはさすがというか…。ところで転移魔法使える人って好奇心とか積極性とか、高い気がする。 ジョズス 洞窟群2 なるほど賢者の名は伊達ではなく多彩な術を操っていた。謙虚な学者肌といった感じなんだけど、個性的でないかといわれれば全くそうではない。 ストレリチア 洞窟群2 魔術師殺しの洞窟…の観点からみれば、まあスティさんは極めて魔術師らしいのだろう。気を付けたいけどそれ以前に自分の身を守れなければ… ロゼ 洞窟群3 前会った時よりも破壊力と禍々しさに磨きがかかったような。あれで更に上の力を求めるというのはちょっと怖い気もする。 シルッカ 洞窟群3 割と今時らしい性格で献身的な子かと思ったけど、言葉の端々に何というか…リアリズムが…うーん… ユウヘイ 洞窟群3 今回は不運というか、えらい迷宮に足を運んで本人も気後れしてそうに見えたけど、案外捨て身な所もあるようで… ストレリチア 洞窟群3 とりあえず僕は適材適所は心がけるようにしよう。うん。 アシュレイ 突発438 貴方の、メルティさんの願いを聞いてあげたい気持ちはもっと尊重すべきでしたね。 ロゼ 突発438 やたらと燃やそうとする手が早かった印象がある。彼に限ったことではないが墓場って本来はもっと神聖で侵し難い所であるべきでry シノ 突発438 一見のんびり屋のようにも見えたが独特の感受性を持ち、突然突っ込んだ事をするのだと感じた。 [[]] ■旧PC面識表 +... お名前(敬称略) 同行セッション 備考・印象など セイレア 突発154ヴァイツさん迷宮7 仕方ないとはいえ、よりによって 本当によりによってですよね…あとクプの上は絵になっておりました フィリア 突発154 ローウェル 突発154 気持ちの良い方でした。少しあのやる気が欲しいかも ヨミ 突発156突発304 ヘルクス 突発156 コール 突発156ヴァイツさん迷宮6 あの恐ろしい騎士の攻撃を何度も引き受けてもらえて助かりました。 ネフィ 突発156突発177ヴァイツさん迷宮6・7・8牢獄15突発251 ・迷宮ではお世話になりました。生き生きした顔を見るとこちらまで頬が緩みます・お互い不思議な体験をしましたね。もう貴方の口調は忘れません・ネフィさんの罠解除が光るー クプルーム 突発1686/22の決闘ヴァイツさん迷宮6・7・87/24の決闘公式58NPC名古屋 ・抵抗なく呼び捨てにしてしまうくらい親しみやすい方です。・と思ったら果たし状を叩きつけられる。楽しかったからいいんですけれど何故僕なの・こちらが情けなく思えるほどの頑強さなんですよね…はあ(ため息)・決闘がお好きそうなので受け身の練習を取っていただいた。元気ですよね本当・君の下にあのような轍があるなんて……いや、やめましょう・急にあれ程のものを贈られても、いや気持ちはわからなくもないんですけど不意打ちくらった気分ですよ キセン 突発168突発197-1突発226突発243 ・攻守一体って憧れますね。真面目な方なので皆頼りにしようとするのもわかります・苦労、しましたね… 終わらぬ悪夢はありませんので…。 レーター 突発168突発197-1突発210突発226突発234突発243 ・人のこと言えませんが常に一歩引いてる印象はありますね。背後にいて頂けると安心です・鍵を開けて、空も飛べて… やはり能力が高い…・お互い大分深くまで関わってしまいましたね。こういう場面で積極的に働いていただけることを嬉しく思います ゼリン 突発168突発118-23公式58突発304 ・何を考えているのか気になってたんですけど、彼はいい人・あの時何が起き、何を言っているのかわからなかった…。礼を言うべきことに変わりはないですけど自分で言って耳が痛くなるようなアレでしたがそれでも放ったらいけないでしょう。そのためにはもっと強くならないとですね ミラグロス ゆうえんち23 マンフレッド ゆうえんち23 ランデル ゆうえんち23 オリヴィエ ゆうえんち23 後からわかったんですが、あの時僕を安全な所まで運んでくださったんですねどうもすみません トヨン 突発177 術が役に立って何よりです。 イツキ 突発177突発210NPC ・話なら聞くから、くしゃくしゃするのは少し…・訳ありですか…。素敵な依頼には感謝しなければなりません イズモ 突発177 セドウ ヴァイツさん迷宮6突発197-1 ・(何かを求める視線を向けないでほしい)・相変わらず強烈な褌愛なようで…戦闘力はかなりのものです、戦闘力は ドードー 牢獄15名古屋 優しく物知りな方、ももんさんとも仲がよろしいです 調合を嗜んでいます ももん 牢獄15 ドードーさんのモモンガ ヴィエリ 牢獄15突発197-1突発210NPC公式58名古屋突発264NPC ・無理をさせてしまった この方がいなければあそこまで頑張れなかったでしょうね…・ご一緒するたびに無茶が好きな方だなあと思いました。自らすら守れない身が言えることじゃありませんが…・やはりいろいろあったんだというか…何はともあれ今を享受出来ることに感謝ですね ノダチ 牢獄15 気になる趣味をお持ちのようですが、どうにも接しづらい雰囲気 クォート 突発175-2公式59 よく伸び縮みしていた魔王様。人望があるって素敵ですね…。 キョウサ 突発175-2・3 2回もあれを拝見するなんて。必殺ってこういうことを言うのでしょう ウォーレン 突発175-2 ソフィー 突発175-3 ヤナギ 突発175-3突発215 無茶が持ち味な人だったような 戦闘では頼りになります カエデ ヴァイツさん迷宮7突発217 東方の礼儀正しい方でしたね。期待にお応えできたのでしょうか… コンラート ヴァイツさん迷宮8 ハヤト ヴァイツさん迷宮8 僕より速いのに何故そこまで落ち込んで、と言っても慰めにはなりませんよね コーシー 突発189 地を駆ける妖精さん 掛け声が独特 ミヨウ 突発189 カイン 突発189公式56突発243突発251突発253 ・やはり勇ましく義理堅い騎士様です。予言には礼を言わなければ…・皆さんそれぞれの理念を以てあの教団に立ち向かうのですね…。それにしても仮にも神官の僕にああいうことは控えてほしい…叫んだことは別にしても!・やはり個人戦でもお強い…、いや元々専門なんでしょうか? レングラント 突発189 文字通り触れると火傷しそうなお方ですね ぼくはとおまきでみていることしかできなかった グラウス 突発197-1突発210突発224公式56 さばさばした方でしたね。ハロンから来たって言っていたしそういうことが上手そう リンディ 突発197-1突発215公式59 一生懸命なのはいいんですが、ちょっと無理しているのが心配です。いや庇ってもらった立場なんですが アエス 突発210突発224 こまごまなところで気を利かせていただいた優しい女の子ですね。 ラド 突発210 えーと力強いというか男くさいというか。いろいろな面で活躍していただいて感謝です クロイツ 突発210突発264リュウゲン2突発272突発299 ・一口ではとても語れません。適度に力が抜けるのが羨ましい…のですがあの好奇心は異常かも・やはり貫禄があり憧れます…。というか1度2度ご一緒しただけなのにあんな話に付き合わせてしまうとはさすが徹夜テンションですねアハハハh・動く本を所持してることが判明。思い返してみると無意識にこの人はどこか遠い存在だと考えていたようだ。反省。 アサギ 突発215賞金首 いかにも影を持ってそうな方ですが…年相応の面はあるようで。 レージル 突発215 ルベル 突発217 初めて同じ神を信仰する方とご一緒しましたが、謎が多い…… ヤイバ 突発217 無理させてましたよね…霊とかの話になるとどうも周りが…。それでも立ち向かう姿は立派でした ワシュウ 突発224突発226公式56突発234突発253 ・素早い弓さばきでした… それにしても余程食物に困ってるんですかね…?・馬上で狙撃をこなすとは。やはり日輪の屈強な戦士ですね・今回は状況が状況なだけに彼まで無事というわけにはいきませんでしたか、でもいいコンビだと思いますよ ロニア 突発224 ユヒテル 公式56 生真面目でその博識には助かりました…が、ストレス貯まらないといいのですが… リューニ 突発234突発251 クプ以上に純粋なる力を執る方がいたとは…… イーサ 突発234 あの年で既に凄腕とは…。気丈なお姉さんとご一緒なようでいいですね。 クローディ 突発243 アネット 公式57突発264 ・戦陣を有利に進められたのも彼女の活躍が大きかったです。私情であまり冷静な立場にいられなかった分も含め、感謝しています・今回も出しゃばってしまった分支えてもらったような…申し訳ない気分です。 イグナシオ 名古屋 フォルクマール 名古屋突発251 僕とは違う面で魔術に思うところがあるようです。…うーん エリーム 名古屋 ナセル 公式59 トヨノホヒメ 公式59 ストレリチア 突発251突発299 ・あの髪留めを引き取ってくれた意味でも大変恩人。何だか弱音を聞かせてしまいましたねあー恥ずかしい。だけど少なくとも今の自分は肯定された気分です・苦手なことが連続したとはいえ甘やかしてしまった?まあいいか ライマル 突発253 フェンリー 突発253 リッキー 突発264 彼は何と言うかすごい。純粋ゆえの鋭さと呼ぶべきなのでしょうか……? シェーン 突発264 似ている…いや違うんですけど。あの若さで抱えるものがあるなんて………あれ、何か自分に関して嫌なことに気付いたような ラ・マイア リュウゲン2 傍から見ただけですが心優しいお方でしたね。今度会ったらリアンさんに触れるだろうか ダルフィン リュウゲン2 血の気の多さが気になりましたがやはり名声に違わぬ実力の持ち主のようです。 ザック 賞金首 ケイル 賞金首 ユウヘイ 突発274 初期印象こそ平凡そうですが類稀なる才能を受けているのではないか、ええそうとしか思えない。 アーミット 突発274 あのような目に遭って尚清廉潔白に振舞うのは大したものですねえ キャスバル 突発274 サウィル 突発299 人外じみた動きを見せながら取るに足らないと、一番自分たちを冷静に捉えていたかもしれない。思う所がなくはないが戒めにしておきたい。 レアン 突発299 終始紳士という印象。何か皆の知る別の側面があるらしいが何とも。気が利くところは見習いたい。 アーシュラ 突発304 デイジー 突発304 ホーツマスク 突発304 ガレス 突発304 [[]] ■画像置き場 ▲くろさんに打っていただきました。有難うございます! ▲一時期流行った箱ドット ■PLの他のPC表 +... 歩み止めぬ罪深き信仰者 ◆レゾル 武精持久型 公認気味サポーター海軍士官 ◆エーザー 機精バフ型 夢追いの少年暗殺者 ◆ホプルス 機敏猪突型 冷たき仮面の細工技師 ◆ルーモア 精神加工商談型 星に仕えし盗掘ロボ ◆ノエ 武勇探索盾型 闇夜に交う不死なる騎士 ◆ゾイス 武勇戦闘型 太陽に誓う高貴なる騎士 ◆フィオレート 機敏戦闘型 沈黙脳筋魔女と尊大猫 ◆ニース 武勇戦闘型 脱力系薄幸パン投げ美少年 ◆ライヒ 武機市民型 薫風の旋律駆ける祭壇 ◆アルタリア 機精原点型 紫電の茨を手繰りし姫 ◆オンディーナ 精神デバフ型 北国の皮肉屋な槍使い ◆マスカー 武勇戦闘型 PL以外からのコメント コメント
https://w.atwiki.jp/familiar/pages/3991.html
前の回 一覧に戻る 次の回 ゼロの飼い犬11 人形姫の溜息 Soft-M ■1 「はぁ〜〜〜」 透き通るような青空の下、爽やかな午後の陽気に不似合いな深い溜息が響く。 俺がついたものではない。ベンチの隣に座ってるルイズのものだ。 ヴェストリの広場にやってきてから、今ので何回目なのか数えるのも馬鹿らしい。 「ダメだわ、やっぱりわたしなんかに詩作なんて無理よ」 その愚痴も何度目かわからない。ルイズはここ数日間の間、アンリエッタ王女様の 結婚式の際にルイズが唱えるという、祝辞の言葉を考えている。 しかし前に聞いた限りでは、ルイズの作った詩は出来が良い悪い以前に 詩と呼べるのかどうかすら怪しいもので、俺がダメ出しをして以来ちっとも進展がない。 今日もルイズは祈祷書とやらを眺めてうんうんと唸っており、 俺は意味もなくそれに付き合わされている。だって逃げると機嫌悪くするし、こいつ。 けど、ルイズはこれだけ苦心していて、何度も無理だ駄目だと繰り返しているわりに、 諦めて投げ出すとか姫さまに断りに行くといったことはしない。 プライドが高いのか、責任感があるのか。それに根気も一応伴っている。 その点は尊敬できるのだが、何せ致命的に詩のセンスが無いのが涙を誘う。 「あのさ、思うんだけど、参考にするものが何にも無い状態から 素人が詩を作ろうってのがそもそも無茶なんじゃないのか?」 見かねてそう聞いてみると、 「でも、この始祖の祈祷書を持って詔を考えるしきたりになってるんだもの」 ルイズは頬を膨らませた。白紙の本を眺めて何が変わるというのか甚だ疑問だ。 「そういう決まりなのかもしれないけどさ……」 地球にいたころ学校の課題で作文やレポートを書かされたことを思い出す。 そういうとき、いきなり原稿用紙やワープロを前にしたって何も書けない。 課題の題材に見合った資料とかと照らし合わせて書く内容を決めたはずだ。 ルイズが考えなくてはいけない、祝辞の詩の場合どうだろう。 図書館で詩の本を読んで参考にしてみる、とか? 頭を捻っていると、広場の端っこを小さなマント姿がてくてく歩いている姿が見えた。 身長より高い杖を重そうに持っているあの子は、タバサ。 無口で何を考えてるのかわからなくてとっつきにくいと思っていた彼女だけど、 この前の宝探しの時に色々あって、少し話しかけやすくなった。 タバサが小脇に小難しそうな本を抱えているのが目に入って、ピンとひらめく。 彼女にだったら相談できるかもしれない。 「ルイズ、ちょっと来い」 「え、何よ急に?」 ベンチから立ち上がって、ルイズの手を引きタバサのところまで走っていく。 「タバサ」 すぐ後ろまで行って呼びかけると、彼女は静かに振り向いた。 「?」 「悪いけど、ちょっと相談に乗って欲しいことがあるんだ。これから何するつもりだったんだ?」 「図書館に」 タバサは本を持った手を少し動かして、そう答えた。 「ちょうど良かった。実はだな……」 ルイズが姫さまの結婚式のために祝辞の詩を作らなければいけなくなったことと、 ルイズにも俺にも詩を作る技術なんかなくて、行き詰まっているという事情を話す。 「――それで、迷惑じゃなかったらでいいんだけど、参考になりそうな詩の本とか そういうのを知ってたら教えて欲しいんだ。ほら、タバサっていつも本読んでるし」 手を合わせてタバサにお願いする。恩を着せるつもりじゃないけど、 タバサは『月の涙』の探索の時に俺に助けられたことについて、まだ義理を感じているらしい。 体で”続き”を払うっていうのは流石に冗談だと思うし本当にそんなので払われても困るので、 こういうお願いを聞いてもらうことでお礼の代わりにしてもらえないだろうか。 ■2 「ちょっと、この子にそんなこと頼んだって……」 「いい」 ルイズが呆れた声で俺の脇腹をつついたが、タバサは短くそう返事をする。 「え?」 「構わない、協力する。図書館まで来て」 タバサは俺とルイズの顔を交互に見た後、踵を返して図書館の方へ歩き出した。 「相談に乗ってくれるってさ。ほら、行こうぜ……って、いてて!」 後を追おうとしたら、ルイズに耳を引っ張られた。 「ちょっと、いつの間にあの子を手懐けたのよ」 「手懐けたって、宝探しの時にうち解けただけだよ。痛いから離せって」 「ほんと? それだけ?」 ジト目を俺に寄せてくるルイズ。ごめんなさい、本当はそれだけじゃありません。 「今はそんなこといいだろ、早く追いかけようぜ」 「あ、ちょっと待ちなさいよ!」 ルイズをどうにか振りほどいて、俺はタバサの向かった先に走り出した。 「使えそうなのは、これとこれと、これ……」 タバサは図書館に着くなりそびえ立つ本棚の塔の上の方まで飛んでいき、 本をいくつか選び取って戻ってきた。それらを読書机の上に積み重ねる。 「各国の冠婚葬祭で使われた詩が解説されてるのが、この本。 こちらは有名な詩人の、四系統を季節になぞらえて詠われた詩の全集」 タバサはそのうち何冊かを取り上げて、ルイズに差し出した。 「あ、ありがと。でも、こんなのを参考にしちゃったら、盗作なんじゃないの?」 「まず、詩を読み慣れていないことには詩作なんてできない。 遠回りに思えるかもしれないけど、とりあえず自分で作ることは忘れて読んでみるべき」 タバサはルイズの目を真っすぐ見つめてそう言った。ルイズもその言葉と視線に 気圧されたのか、やや納得しきれない顔をしつつも椅子に座って読み始める。 タバサのやつ、ルイズをあっさり説得するとは俺も見習いたいもんだ。 「んー、俺はどうしようかな」 ルイズが詩集を読み始めてしまったので、俺は手持ち無沙汰になった。 何気なくタバサが持ってきた本のひとつを手にとってページをめくってみる。 さほど厚くもなく、挿し絵がちらほら載っている本だ。児童書か何かかな。 凛々しい剣士が宝探しやら幻獣退治やらをしている様子の絵が描かれている。 「これって、ひょっとして『イーヴァルディの勇者』?」 「そう。イーヴァルディの勇者を題材にした、詩……というより、童謡集」 タバサに聞くと、すぐに答えが返ってきた。あまりルイズの詩作の助けには ならなそうだけど、どうしてこんなの持ってきたんだろう。 「ここは何て書いてあるんだ?」 童謡だけあって文章も簡単そうだ。最初のページを開いて聞いてみる。 「『イーヴァルディ、勇気ある少年、心優しい少年。剣を振るのは友のため……』」 タバサは指で文字をなぞりながら、中身を朗読してくれた。 「……あれ?」 「どうしたの?」 何だか変な感覚に襲われる。タバサが読んでくれた部分が、急に”わかる”ような 気がしてきたのだ。この単語が『イーヴァルディ』で、その単語が『少年』で、という風に。 「えっと、隣のページには何て?」 「『イーヴァルディは友のため、深い森に向かう決意をした。 病気で伏せる友のため、魔物の巣くう森の中、薬草を採りに踏み行った』」 やっぱり。タバサに読んでもらう前から、そのページには『イーヴァルディが友人のために 何かすることになった』といった内容の文章が書かれていることが何となくわかった。 ■3 一度教えられた単語をすぐに覚えて、別の文章の中でどのように使われているのかが 一瞬で判断できてしまったことになる。俺ってこんなに語学力あったっけ? 首を傾げつつも、ルイズがメモを取るために持ってきた紙とペンをひとつずつ拝借する。 これならわりと簡単にこの世界の文字が読めるようになりそうだ。 「悪いけどタバサ、ちょっと言葉を教えてくれないか? そうだな、まず『ルイズ』」 タバサは俺の態度を見て何か感じ取ったのか、隣に座って紙にペンを走らせてくれた。 アルファベットを崩したような字が六文字。その隣にカタカナでルイズと書いておく。 その調子で、読めたら後々便利そうな単語をタバサに書いてもらってリストにした。 英語の授業で単語帳を作ったのに似ている。 その後にもう一度イーヴァルディの童謡集を読んでみたら、やはりさっきよりも わかる部分が増えている。単語帳を参照しなくても大丈夫なくらいだ。 まだ知らない単語はタバサに教えてもらいつつ、本を読み進めていく。 「……ちょっと。人が詩の勉強してる横で、何してんのよ」 しばらくの後、不意に禍々しい怒気を孕んだ声が聞こえてきた。 気がつけば、俺とタバサの顔は目と鼻の先まで近付いて、肩を寄せ合って 本を覗き込んでる状態。俺は慌てて離れて、ルイズに誤魔化し笑いを向ける。 「えっと、ほら、俺たちも勉強だよ。せっかくだし字を学ぼうかな〜って」 言い訳すると、ルイズは俺を睨みつけた後、その視線をぎろりとタバサに向ける。 「……何かヘンじゃない? どうしてタバサがそんなにアンタの言うこと聞くようになってるのよ。 やっぱり何かあったんじゃないの?」 ぎくっ、鋭い。普段は誤解ばっかりするくせに、なぜこういう所でだけ鋭いのか。 「差し当たり、それは問題じゃない。あなたは詩作に専念すべき」 タバサはルイズのガン見にも動じず、そう言い切った。ルイズはむぐ、と言葉に詰まる。 「後できっちり説明してもらうかんね。覚悟しときなさいよ」 タバサの正論に何も言い返さず、ルイズは詩の本に視線を戻した。 助かったけど今夜大変なことになりそうだ。 溜息をつくと、タバサがまた俺に肩を寄せてくる。まだ本を読むのに付き合ってくれるらしい。 やっぱり、タバサの方も『月の涙』の時の恩返しのつもりなのかな。 すぐ近くにタバサの顔が迫って、吐息まで感じられる。あの夜素肌で抱き合ったことを 思い出して胸が高鳴ってしまいながら、タバサの好意に甘えて勉強を続けることにした。 ∞ ∞ ∞ 夕食前の時間までわたしたちは図書館で過ごすことになり、ルイズとサイトは わたしに礼を言った後、本をいくつか借りてから帰って行った。 夕食を済ませて部屋に戻ったわたしは、懐から一枚の紙を取り出す。 今日、成り行きでヒラガサイトに字を教えることになった時、 彼は見たこともない字を書いていた。この紙は、その字をこっそり模写したものだ。 わたしがトリステイン公用語の単語を紙に書いて教えた後、彼はその単語の意味を ”自分の使っている字で”その横に書き加え、簡易的な辞書のようなものを作っていた。 つまり、彼は文字が扱えないわけではなく、母国語の字は使えるがトリステイン公用語は 読み書きできない状態であるのだということがわかる。 彼が書いた単語の写しを眺める。彼の主人の名前、『ルイズ』。わたしの偽名、『タバサ』。 それぞれ三文字。最初から母音と子音が合わさって一文字になっているのだろうか。 次の単語に目を向けると、『平賀才人』。これで彼のフルネームを意味するらしい。 彼が書いた単語のうち、『ルイズ』や『タバサ』、あるいは『トリステイン』等に比べると、 明らかに複雑な文字が使われている。 ■4 さらに見ていくと、『学校』『魔法』『姫さま』『街』……。正確に写せているのかどうか 自信が無いくらい込み入った文字が並んでいる。 そして、『火』『水』『風』『土』。四系統を示す言葉が、それぞれ一文字で表されている。 これで大体の予測がついた。彼の母国語は、トリステイン公用語が表音文字であるのに対し、 表意文字という形式のものなのだろう。東方にはそういった字を使う国もあると聞いている。 けれど、わたしが知っているどんな文字とも合致しない。完全に異質な言語。 その紙を机の上に置くと、わたしはベッドに腰掛けた。 彼は自称していたロバ・アル・カリイエよりも、もっと遠い所から来たんじゃないだろうか。 容貌や常識がわたしたちとは大きく離れていることに加えて、 『月の涙』探しに巻き込んでしまった時に彼がわたしに言った言葉が印象に残っている。 昔の人間は摩擦熱で火をつけていたとか、人間が他の動物に負けなかったのは 武器を扱えたからだとか。彼はさも当然のような口調でそう言った。 そんな話は聞いたことがないのに、完全な出鱈目だとも思えない口ぶりと内容。 以前から疑念を抱いていた。彼はそもそも、貴族と平民の身分差や……それどころか、 魔法すら存在しない土地からここに召還されたのでは、と。 大きく溜息をつく。どうしてこんなに真剣に彼のことを考えているのだろう。 ただの好奇心? それとも? 思い当たるところがある。それは、彼が始祖ブリミルの使い魔であったという 『ガンダールヴ』なのではないかと思えること。左手のルーン、武器を自在に扱える能力、 そして人間の使い魔であるという特殊性。 それらの観点から、ヒラガサイトは伝説の使い魔なのではないかと予測できる。 ならば、誰だって多少の関心は持つに決まっている。 ――けれど、仮に彼が伝説の使い魔だったとして、だから何? わたしは宝探しの時の一見で、彼に恩と借りを感じている。それは返すべき。 重要なのはそれだけであって、彼の素性は関係がないはず。 無用な詮索も勝手な想像も、まったく意味がない。 そう頭を切り換えようとしたとき、窓が開き、夜風と共に人影が室内に転がり込んできた。 「あいたた……やっぱり慣れないのね、きゅいきゅい」 長い髪を纏った裸身をよたよたと立ち上がらせてそう言うと、わたしの使い魔、 風韻竜のシルフィードがベッドの側に寄ってくる。 視線で何か用? と聞く。彼女が人間の姿に化けてまで自らわたしの部屋に来るのは希だ。 「お姉さまが何だか悩んでるみたいだったから。最近のお姉さま、何だか様子が変なのね」 そんな自覚はないけど。遠目からでもわかるくらい変わった態度をとっていただろうか。 「シルフィを甘く見ないで欲しいのね。お姉さまのことなら何でもわかるの。 ずばりお姉さま、あの平民の子のこと考えてたでしょう?」 シルフィは得意げに指をくるくる回しながらそう言った。当たっているのが少し癪だ。 彼女にまで言い当てられて、わたしの心がちくりと痛む。 「……わたしは、打算的なことを考えてる」 自分でも後ろめたかったからだろうか。話し相手が出来て、わたしは柄にもなく口を開いた。 「? どういうことなの?」 「彼……サイトのことが気になってるのは事実。けれど、それは彼に窮地を助けられたから。 彼が有能で、頼りになる存在だと知ってしまったから。 だから……わたしは今後何かあったときに彼の協力を得るために、彼のことを知って、 彼にある程度近付いておきたいと考えている」 わたしは胸の中に渦巻いていたものを一気に吐露した。そう、結局こういうこと。 わたしは独りで戦うと決めていた。それは他人を巻き込まないためという意味と、 他人に甘えないための意味があった。 でも、わたしは『月の涙』の探索の時に、彼が強い人……、ただ能力があるだけでなく、 機転を利かせることも仲間を勇気づけることもできる人だと知った。 そんな人と協力することがどれだけ有効なのかも知ってしまった。 ■5 そして何より、彼が損得抜きで他人のために助力してくれる、優しい人だと知ってしまった。 もしわたしが甘えて頼っても、受け入れてくれる人だと。 だからわたしは、彼に付け入ろうとした。報いだなんて言って体を差しだそうとしたのも、 その後に冗談交じりに思わせぶりなことを言ったのも、今日彼の相談に乗ったのも。 全部彼に近付くため。わたしに関心を持って貰うため。 そして、いざというときが来たら、彼の力を”使わせてもらう”選択肢を得るため……。 彼の正体についてのヒントを調べているのも、その一環に過ぎない。 突き詰めればそういうこと。自分の浅ましさを改めて認識する。 「わたしは目的のためだったら汚い手だって惨めな手だって使う。 それを確認してただけの話」 自嘲してそう言うと、シルフィは眉をひそめて額に人差し指を当てた。 「きゅい、お姉さまの考えることはごちゃごちゃしててシルフィにはよくわからないのね」 「あなたにはわからなくていい。わからない方がいい」 そう返すと、シルフィは腕を組んでわたしをじっと見た。 「もっと簡単に言って欲しいのね。つまり、お姉さまはあの子……サイトのことが好きなのね」 「え?」 あっけらかんとした口から飛び出してきた言葉に、わたしは一瞬呆ける。 「だって、頼りになる男の子のことが気になって、その子と仲良くなりたいって思うのは、 要するにお姉さまがその子のことを好きだってことなのね。ちがう?」 「ちが……!」 何を言ってるのかこの使い魔は。とんでもない台詞に混乱しかけてしまう。 「そんな浮ついた感情じゃない。もっと不純で、即物的な……」 「また難しい言葉でややこしくするの。そんなこと言われてもわかんないのね」 シルフィはやれやれと肩をすくめた。とりつく島もない。シルフィの言い分を 否定する言葉を探すけど、見つからない。自分でも不思議なくらい動揺している。 違う。恋っていうのはもっと純粋な……、いや、わたしだって恋愛がそんな 綺麗で甘美なだけのものじゃないことくらい知ってる。お互いの立場とか条件とか、 感情だけで済まない周囲の環境要素も含めた上で恋愛というものは成立する。 そもそも恋愛感情というのは男女がより優秀なパートナーを見つけ出し、 その相手と結ばれることを目的として存在するものだ。つまり、簡単に言えば 自分に対しより多くのメリットを提供してくれる異性を”好き”になるようにできているはず。 ……あれ? 待って。そうすると自分を助けてくれた、自分にとって頼りになる異性に 恋してしまうのはむしろ必然? しごく当然のこと? おかしい。落ち着いて。シルフィの言葉を否定するつもりだったのに、 これじゃあ逆に肯定することになってしまう。 いつも冷静であるように努めてるのに、頭が熱くなってくる。 「……なんだか余計に悩んじゃってるみたいなのね。でも恋をすると悩むって話なの。 じっくり一人で悩むといいのね、お姉さま」 「あ……シルフィ!」 シルフィは呆れた声で言うと、窓から身を躍らせて風竜の姿に戻り、飛び去ってしまった。 わたしを混乱させることだけ言って帰るなんて、一体何をしに来たのか。 とっさに立ち上がってしまい……わたしは、いつになく自分が興奮していることに気付く。 ただ座っていただけなのに心拍が早くなっている。頬に手を当てると、熱くなっていた。 ■6 「彼のことが、好き……」 シルフィが出て行った窓を閉めると、わたしはベッドに身を横たえて呟く。 ヒラガサイト。ゼロのルイズの使い魔。あらゆる意味で普通の使い魔とは異なる、 変わった存在。彼に対してまったく興味がないといったら嘘になる。 彼については、あの『月の涙』探しの一件よりも以前から、ある程度関心があった。 その理由は……彼が、強いからだ。ギーシュ・グラモンに決闘で勝ったこと。 『破壊の杖』を使って盗賊フーケを捕まえたこと。わたしは直接は見ていないけど、 アルビオンでスクウェアメイジであるワルド子爵を倒したということ。 メイジの強さとは質が違う彼の能力。その正体を知りたいとは思った。 けれどその関心は、わたしが知識を得るために本を読みあさるのと 同等のものであるはずだった。興味があるのは彼の能力であって、彼自身ではない。 それは今だって変わらないはず。 「……本当に?」 自問する。自分の感情を考え直す。 『月の涙』の探索の際にわたしが杖を手放してしまい、また彼も剣を失ってしまったとき。 その時、わたしは彼に助けられた。魔法が使えなくなり、また毒により体力も奪われていた時、 わたしは剣を持っていない、普通の平民とさほど変わらないはずの彼を頼った。 わたしはあの時……安心した。あれだけの窮地で、生きて帰れる公算が極めて低い状況で、 彼が側にいてくれたことで。彼がわたしのためにしてくれたことで、安心してしまった。 平時の学院にいても意識することなどない安心。あの夜のわたしはそれを感じた。 目を閉じて、あの時の感覚を思い出す。冷えた体。失われた体力。 意識もはっきりしない状態で、わたしは彼の肌が、彼の体温が、心地よかった。 彼がわたしを慈しむように抱きしめ、温めてくれたのが嬉しかった。 嬉しかったからこそ、わたしはそれに溺れてはいけないはずだった。 他人の温もりに甘えたら、そこから決心や覚悟が鈍る。いざというときに自分一人で 窮地を切り抜けることができなくなる。だからわたしは、彼の優しさを拒むべきだった。 ――なのに。 胸の中に、熱く切ない物が膨らむ。 わたしは彼の優しさを享受してしまった。それどころか、自分の方からもっと求めてしまった。 自分を律することができなかった。それほどまでにあの時のわたしは心も体も弱っていて、 そして彼の温もりが、彼の言葉が甘美だった。 それがわたしの弱さ故のことならばまだいい。けれど、あの時わたしは彼に対し、 わたしに関心を持たせるようなことを言った。彼の能力と優しさを、 後々利用できるようにするために。自分の弱さにも汚さにも、嫌気がさす。 こんなわたしの感情が、恋なわけがない。 それに。わたしは目を瞑ったまま、自分の胸にブラウス越しに手を当てた。 その指を腹部の方に滑らせていき、腰から足まで移動させる。 下級生まで含めて、この学院で一番貧相なんじゃないかと思える子供そのままな体。 こんな体でわたしは、彼に媚びを売って関心を持ってもらおうなんて思った。 お笑い種。身の程知らずもいいところ。惨めさと滑稽さに、自嘲の笑みまで浮かぶ。 あの夜自分が彼に言った言葉を思い出して、羞恥が湧き上がってくる。 やっぱり、あの時のわたしはどうかしていた。 仮に恋であったとしても、こんな体で恋愛だなんて文字通り十年早い。 わたしは内面でも外見でも、恋をするに足る資格が無い。 自分の体の幼さを再び確認するかのように、 足まで這わせた手を胸の方まで戻す。すると――。 ■7 『タバサ、可愛い……』 あの時。わたしが彼に無茶な要求をして、体を弄らせた時の言葉が頭の中に響く。 そう言われたとき、彼はわたしの胸を触っていた。この、まるで膨らんでいなくて、 乳房とも呼べない胸を。こんな風に。 指に力を入れて、胸全体を撫で回す。じわじわと甘い痺れが湧き上がってくる。 心臓が早く鼓動しているのが感じられる。 彼にされたときは、こんなものじゃなかった。もっと、頭も体もとろけてしまうような…… 甘くて温かくて、なのにもどかしい感覚だった。 『本当だよ。絶対に嘘なんかついてない。俺は小さい子が好きだからタバサに 下心持ったんじゃなくて、タバサが可愛いから下心持ったんだよ。わかるだろ?』 その後、やや焦ったような口調で彼はそう言ってきた。耳元に吐息が当たって、 耳たぶを舌でくすぐられて、小さく噛まれて……。まるで自分の体が自分の物で なくなってしまったみたいに、未知の感覚に震えた。 わからない。彼がわたしに下心を持ったなんて言ったのは、わたしが言わせたから。 彼がこんな体に興奮なんてするわけない。だって、キュルケや彼と仲が良いメイドの、 女性らしい体つきに目を奪われていた。彼女たちに近寄られて嬉しそうにしていた。 あんなの、ただわたしに気を遣っただけの方便。 『可愛い、綺麗……』 「……っ!!」 その声を思い出して、体がびくんと跳ねた。ベッドがきしむ。嘘? 本当に嘘? あんなに優しく、労るような手つきでわたしを撫でてくれたのも。 その時かけてくれた言葉も。全部嘘? 演技? 違う。彼はそんなことができる人じゃない。そんなことをする人じゃない。 嘘がつけない人で、真っ直ぐで……わたしとは正反対で。 だから、わたしはあの時彼に――惹かれたんだ。 「ふっ……は、ぁ……ぁあ……!」 それを認めてしまったとき、体中にびりびりと快楽が走り抜けた。 抑えていた吐息があられもなく口から漏れる。 あの時の彼の指。ブラウスの上からじゃ再現できない。 シャツのボタンを外すと、前をはだけた。その下のシミーズを胸の上まで捲り上げる。 あの時と違って自分の背中に触れているのが温かい肌ではなく、 冷たいベッドのシーツだということを物足りなく感じながら、露わになった胸の先に 指を持って行く。 指先で引っ掻くと、弾けるような刺激と共に胸の奥が締め付けられる。 わたしの乳首、虫さされの跡か何かと区別がつかないような小さな部分が、 固く熱くなっていた。夢中になってその部分を摘み、揉みほぐす。 勝手に顎が持ち上がった。喉の奥からよくわからない声が絞り出される。 両脚が突っ張り、足の指がシーツをぎゅっと握りしめる。 気持ちいい。頭がとろけそう。でも、彼にされたときはもっと良かった。 もっと満たされた。わたしが記憶を頼りに真似をしたって、とても追いつかない。 触り方が違うっていうのもある。けど、一番違うのは……温もり。 彼の胸の温かさ。彼の指の温かさ。彼の吐息の温かさ。彼の言葉の温かさ。 それが、わたしを包み込んで。わたしの心を覆い隠した雪を溶かすみたいな 柔らかい灯りになって、わたしを弱くした。わたしを安心させてしまった。 体だけでなく、心まで愛撫してきた。 わたしは、その心地よさを、温かさを。また得たいと思ってしまった。 だからだ。『それじゃ納得できない』だの、『続きは後にしてもいい』だのと彼に言ったのは。 彼への恩や借りという名目こそ、わたしが彼に使った方便。 ■8 わたしは今日、中庭で彼に声をかけられて、期待してしまった。 もちろん、彼が正直にわたしの言った『続き』を求めてくるなんて思っていなかった。 けれど、彼がわたしに話しかけたということは、 わたしにいくらかの関心を持ってくれたということだから。 そして、彼の隣に彼の主人であるルイズがいるのを見たとき……落胆した。 彼のわたしへの頼み事が、ルイズを助けるためのものだということを知って、 残念だと思った。 彼に対して何か明確なものを求めていたわけではないのだけれど……。 それでも、わたしの中には確かな不満が生まれた。 わたしが彼に対して借りがあるのだから、わたしから何か求める権利なんて無いのに。 その気持ちは何なのだろう。彼と一緒に本を読んでいたときに、ルイズから咎めるような 声をかけられて”邪魔をされた”と思ったのは。 二人で連れ添って部屋に帰って行くのを見送って、胸に嫌な気持ちが灯ったのは。 わたしは何を求めていたというのだろう。 火照った身体の中に、甘い快感と、切ない苦みが同時に溜まっていく。 あの夜の感覚を思い出すようにして、指を胸から下の方へずらす。スカートのホックを外して 膝の方まで下ろし、下着の上から”そこ”に触れると、じんわりと湿気を帯びていた。 彼の指は、壊れ物を扱うみたいに、繊細にここを触れた。わたしの女性器。 恐らく、子供を産むための機能どころか、男性を迎え入れるための機能すら 備えていないであろう、未発達の性器。 下着の中に手を差し入れて、直接触れる。発毛もない。濡れ方もたぶん少ない。 スリットを開いて膣口と思しきところに指を差し入れようとしてみても、すぐに苦痛が襲ってくる。 今までさして気にしていなかったのに、不安になる。このままわたしの体が ろくに成長しなかったらどうしよう。そう思ってしまう。 凍り付いたように時を止めてしまった体。それが、今さらながら疎ましく感じられる。 誰に差し出すわけでもないのに。誰に抱かれるつもりでもないのに。 けれど、もし、ちゃんと成長していたら……身長も、肉付きも、年齢相応のものだったら。 そうしたら、あなたは――。 身体の奥に膨らんだものが、今にも弾けそうになってきた。 彼にそうされたように、片手の指をスリットに当てて滑らせる。もう片方の手は胸を弄る。 この心の雪を溶かしてしまいそうになったのだから、もしかしたら、この身体の氷まで 溶かしてくれますか。まともにものを考えられなくなった頭に、幻想に似た思考が浮かぶ。 そのままわたしは指を動かして、追いつめられていって……。 あの夜、彼に抱かれながらの時よりもずっと冷たく味気ないベッドの上で、独りで達した。 波が引いた後、荒くなった息を整えながら衣服を整えようと身をよじらせると、 手に何か固い物が当たった。引き寄せると、それは一冊の本。 寝る前に読んでそのままベッドの上に放置してしまったものだ。 『イーヴァルディの勇者』の研究書。題材が創作物語なので、一般的な意味での 学術書ではない。その中では、イーヴァルディの勇者とガンダールヴの類似性が 指摘されていた。もちろん、ただの俗説に過ぎない。 わたしはその本のページをぱらぱらとめくった後、枕元に戻して再び目を閉じる。 胸の奥から深い溜息が漏れる。彼の腕の中の温かさと、彼の背中の広さとを 思い出してしまって……。一人でいるこのベッドの上が、やけに寂しく感じられた。 つづく 前の回 一覧に戻る 次の回
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/4229.html
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ 一五九 君は立ち上がると、素早く扉に駆け寄り鍵をはずす。 取っ手を回そうとしたところで、 背中に鋭い痛みを感じ(体力点一を失う)、悲鳴を上げる。 振り返った君が見たものは、鞭を手にして怒りにわななくルイズの姿だ。 形のよい眉と大きな眼を吊り上げ、顔を真っ赤に染めている。 「こ、こ、この使い魔ってば、キュルケに助けてもらおうってつもりなの? ご主人様に隠し事をするだけならまだしも、裏切って宿敵ツェルプストーに尻尾を振ろうとするなんて、いい度胸じゃないの。 そっちがそういうことするのなら、こっちだって報いてあげないとね。忠誠には信頼で……裏切りには復讐で!」 ルイズがそう言って鞭を振り上げ詰め寄ってくるので、君はじりじりとあとずさる。 「入るわよ……ふたりとも、なにやってんの?」 扉を開けて入ってきたキュルケは、部屋中を逃げ回る君と、それを追いかけるルイズの姿を眼にして眉をひそめる。 「取り込み中って、こういうことだったの? ルイズ、その歳でそういう性癖に目覚めちゃうのはどうかと思うわ。もっとまっとうなやり方から始めなきゃ」 そう言ってキュルケは嘆息し、無言で入ってきたタバサ――体を洗い服を着替えたようで、こざっぱりとした姿だ――が隣に並ぶ。 君は振り回される鞭をかわしながら、見ていないで止めてくれと叫ぶ。 タバサがぼそぼそと呪文を唱えると、ルイズの手から鞭が飛び出し床に落ちる。 それでも君につかみかかろうとするルイズを、キュルケが背後から取り押さえる。 「はいはい、そこまで。とりあえず落ち着いて、なにが起こったのかお姉さんに話してみなさい?」 「放してよ、ツェルプストー! これは主人と使い魔の問題よ! あんたたちには関係ないわ!」 君は、わめき散らしながらじたばたと暴れるルイズをなだめるキュルケに礼を言い、拾い上げた鞭をしげしげと眺めるタバサに話しかける。 四日前に取り交わした約束のことをルイズに話してしまってもよいか、と。 タバサはしばらくじっと君を見つめていたが、やがてこくりとうなずく。 君とタバサのあいだに流れる神妙な空気を感じとったのか、ルイズは急に静かになる。 「なにか事情があるみたいね――軽々しく他人に言いふらしてはいけないようなのが」と言って、 キュルケはルイズの手を放す。 「あたしは席を外したほうがいいかしら?」と言うが、 タバサは 「秘密じゃない」とかぶりを振ってキュルケを引き止める。 ようやく落ち着いたルイズは君を見据えて、 「主人と使い魔は一心同体、他人なんかじゃないわ! なにがあろうと隠し事なんてしちゃ駄目なんだから」と言う。 「もう怒ったりしないから、全部話しなさい。事と次第によっては、力になってあげてもいいわよ」 君はテーブルを囲んで椅子に座る三人の少女に向かって、事情を説明する。一一七へ。 一一七 君は四日前のタバサとの約束のことから話しはじめ、彼女の家族に重い病に冒された者がおり、その者の治療に自分の業が役立つかもしれぬのだ、と語る。 タバサの部屋に入ったところをモンモランシーに見とがめられ、脅迫まがいのやり方で遠乗りに同行させられることになったくだりでキュルケは腹を抱えて笑い、ルイズは憮然とした表情で 「最初から正直に言ってくれればいいのに。なんで信用してくれないのよ」とつぶやく。 「ご家族に病気のかたがいらしたのね……知らなかったわ」 キュルケが傍らに座るタバサを見つめながら言う。 その言葉は純粋に驚きの表れであり、友人に秘密を持たれたことを非難するような含みはない。 君は以前から、外見も性格もことごとく対照的なキュルケとタバサが友人であるということを不思議に思っていたが、眼の前の光景を見て妙に納得がゆく。 相手のことを根掘り葉掘り問いただそうとはせぬ、適度な無関心がふたりの絆を保っているのかもしれない。 「それにしても、凄いわダーリン!」 キュルケは君のほうにぱっと向き直り、顔を輝かせる。 「≪水≫のメイジでも匙を投げるような重い病気を治せるなんて。商人で、剣士で、お医者さまでもあるのね。それだけ多才な人が≪ゼロのルイズ≫の使い魔だなんて、もったいない話だわ。 ゲルマニアだったら引く手あまた、すぐに貴族になれるわよ?」 君は、自分は薬師(くすし)ではない、薬は売り物のひとつにすぎず、それも実際にためしてみなくては効くかどうかわからぬ、と答える。 「あんた病気を治したりできたの!? なんでそのことをもっと早く言ってくれないのよ!」 そう叫んで椅子から立ち上がったルイズを、キュルケがたしなめる。 「座りなさいな、ルイズ。もう怒らないって言ったばかりでしょ」 「う……わ、わかってるわよ。怒ってなんかないもん。ただ、そんな大事なことを今まで黙ってたなんて……」 ルイズは腰を下ろすと、自分の家族にも病気の者が居るのだと語る。 ふたりの姉のうち年下のほうは生まれつき体が弱く、強力な≪水≫の魔法をもってしても完治しない。 そのため旅を楽しむことも嫁ぎに行くこともできず、公爵領から出ることさえかなわぬのだ、と。 君はルイズとまだ見ぬ彼女の姉に同情するが、自分の薬も生まれつきの持病にまでは効かぬだろう、と答える。 君の術はあくまで傷を癒すためのものであり、毒や疫病にも効くことは効くが、体の奥深くに巣食った病魔を打ち消すほどの力はない。 答えを聞いたルイズはやや気落ちした表情で、 「そう……それでもいちおう、試してみるくらいはできるでしょ?」と言う。 君はうなずくが、ひとつ気がかりなことがある。 先刻、ギーシュに服ませたもののほかにも、水薬かブリム苺の汁の持ち合わせはあるか? 持っていれば三〇六へ。 なければ二二六へ。 二二六 背嚢を探った君の表情が青ざめる。 飲み薬はもはやない――ギーシュの治療に用いたのが、カーカバードから持ち込んだ最後の薬だったのだ! 君は申し訳なさそうな眼でルイズとタバサを見やると、この辺りで飲む傷薬を取り扱っているところはないかと尋ねる。 「傷薬は傷口に塗りつけるものでしょ? 飲んで効く傷薬なんて聞いたこともないわ」 ルイズの言葉にキュルケとタバサもうなずく。 君は質問を変え、ブリム苺という野苺に似た野草を知らぬかと訊く――ハルケギニアでは別の名前で呼ばれているかもしれぬので、その特徴をできる限り詳しく説明しながら。 ふたたび、聞いたこともないという答えが返ってくるが、タバサは君が質問してくる意図を察したようで、君のほうを向いてぽつりとつぶやく。 「薬を切らした?」と。 その言葉にも視線にもなんら非難がましいところはないのだが、君の心の中は罪悪感でいっぱいになる。 冷や汗をかきつつうなずいた君は、ギーシュの命を救うために薬を使い切ってしまったのだ、としどろもどろに説明する。 「あんた、なにやってんのよ! タバサとの約束を破って行った先で、肝心の薬までなくしちゃうなんて。タバサとご家族にどうお詫びするつもり?」 ルイズは憤慨して君を責め、キュルケもやんわりと、しかし反論を許さぬ雰囲気で 「あたしもあまり人のことは言えないけど、女の子相手に期待させるだけさせておいて肩すかしってのは感心しないわね。男のやっちゃ駄目なことの筆頭よ?」と言う。 縮こまって恐縮する君に助け舟を出したのはタバサだ。 「約束を破ったのはわたしも同じ。≪虚無の曜日≫までに戻れなかったから。それに、人の命がかかったこと。わたしのほうは一刻を争うようなことじゃない」 ルイズとキュルケが驚きの表情でタバサを見る。 なにごとにも無関心な態度を示す彼女が誰かを弁護するなど稀有なことであり、そのうえ、これだけ多くの単語をまとめて口にするということもそうそうない。 「そのブリム苺か、代わりになる物を探せばいい」 タバサの提案に、キュルケも同意を示す。 「それがいいわね。それじゃあ善は急げ、さっそく秘薬に詳しい人たちにあたってみるわ。三年生のジュベールかガリエニなら知ってるかも」 キュルケは席を立つと、またあとでと言い残して部屋を出ていく。 タバサも 「図書館で調べる」と言って立ち上がるが、 扉をくぐる直前で振り返り、君とルイズを順番に見つめる。 ややあって、口を開く。 「ミス・ヴァリエール」 そう言って、床に片膝をつく。 「な、なによ」 「薬が見つかったら、あなたの使い魔を貸してもらいたい。許可を」 言葉だけ聞けば人にものを頼んでいるようには思えぬが、叙勲を受ける騎士のように深々と頭を下げるその態度は、真剣そのものだ。 「べ、別に構わないわよ、だから頭を上げて。あ、でも一日だけだからね! あんたの実家がどこかは知らないけど、シルフィードに乗れば日帰りで行けるんでしょ?」 相手の思わぬ態度にいくらか慌てたルイズが答える。 それを聞いたタバサは小さくうなずくと踵(きびす)を返し、部屋を出る。 「そのブルムだかブリンだかってのは、俺も聞いたことがねえなあ。もっとも、触媒にもならねえ薬草のことなんか興味ねえから、聞いたところで忘れちまってるだろうけど」 念のためにとデルフリンガーにもブリム苺のことを尋ねてみたが、無駄に終わる。 「貴族の小僧、まともに飲めずにほとんど吐き出しちまってたっけな。もったいねえ。しかし相棒はすげえね。杖もなしで火の玉を放って、他人の心を操って、幻が作れて、獣と話ができて、 おまけに治癒もできる。 ≪四大系統≫でも≪先住魔法≫でもねえ、遠くの国のなんでもありな魔法の使い手。感覚の共有とかができねえにしても、あの赤毛が言ってたとおり、娘っ子の使い魔にするにゃもったいねえ逸材だわ」 デルフリンガーはそう言ってからからと笑うが、ルイズは椅子に座って≪始祖の祈祷書≫を開いたまま身じろぎひとつしない――いつもなら顔を真っ赤にして、無礼な剣を怒鳴りつけるはずなのだが。 この気まずい空気をどうにかしようと考えた君は、ルイズに話しかけることにする。 どのような話題を振ってみる? 病に臥せっているというルイズの姉について尋ねるか(一二三へ)、隠し事をしてしまったことを詫びるか(一九七へ)、それともタバサやキュルケをどう思うか尋ねてみるか(四二へ)。 一九七 君はルイズの正面に立つと、頭(こうべ)を垂れ、『ご主人様』に隠し事をしてすまなかった、と許しを請う。 「わ、わかればいいのよ、わかれば。故郷に帰るまでは、あんたの身分はあくまでわたしの使い魔。勝手なことしちゃ駄目なんだから。使い魔にふさわしい忠誠を見せなさいよね。 ちゃんと働いてくれれば、わたしもそれに応えるわ。忠誠には信頼で、ね」 君を見つめながらルイズは言う。 「なにも奴隷になれとか、血の最後の一滴まで捧げろって言ってるわけじゃないんだから。使い魔は主人を裏切らず、主人も使い魔を見捨てたりはしない。 わたしを信頼して、隠し事とかしないで、危ないときは守ってくれれば、それで充分なのよ。 いいわ、許してあげる。あ、でもまたキュルケに取り入ろうとしたら、許さないんだからね」 我侭で気位の高い少女の精一杯の譲歩を受け、君も内心のわだかまり――君を獣のように扱って≪ルーン≫を刻んだこと――を忘れることにする。 今のところ、≪ルーン≫によって得るところはないが不都合もほとんどないのだから。 君は微笑んで一礼すると、≪旧世界≫に帰るその日までルイズに忠誠を誓う、命ある限りルイズを守る、と誓う。 ルイズの頬がみるみるうちに赤く染まるが、彼女はそれを見られまいとそっぽを向くと、ずかずかと大股で扉へと向かう。 「さ、さあ、ぼーっとしてないで、食堂に行くわよ、そろそろ晩ご飯だから。 いつもよりちょっとだけ多く分けてあげるわ、感謝しなさいよね!」 ルイズの言葉に、君は苦笑を浮かべつつ礼を述べ、彼女に従って部屋を出て行く。一四八へ。 一四八 多くの出来事があった≪虚無の曜日≫から二日が経つ(技術点と体力点を原点まで回復させよ)。 あの日以来、キュルケとタバサ、そしてルイズはブリム苺について調べてくれているが、彼女たちによれば今のところ、それを知る者は生徒にも教師にもひとりも居らず、 参考になる文献も見つからないという。 やはり、ブリム苺は≪タイタン≫固有の、ハルケギニアには存在しない植物なのだろうか? もう諦めて、代わりになる薬を探したほうがよいかもしれぬと君は考える。 しかし、そのような物に術をかけたところで、本来の効果を示すとは考えにくい。 土大蛇に重傷を負わされたギーシュは昨日の朝に意識を取り戻したが、まだ医務室から出歩くことを許されていない。 君とルイズは昨日の放課後にギーシュの見舞いに出向いたが、モンモランシーの別人のような甲斐甲斐しい看病ぶりを眼にし、ふたりそろって言葉を失うことになった。 聞けば、眼を覚まして以来ギーシュにつきっきりであり、彼が目覚めたときは泣きに泣いたという――あれほど熱心な休みない献身を受けては、 さしものギーシュも アンリエッタ王女のことなど忘れてしまっているに違いない! 君の恐れたアルビオンからの刺客の襲来もなく平穏に時間が過ぎ、午後の授業が終わる。 ルイズはタバサと連れ立って図書館へと向かうが(ふたりとも君の術に一縷の望みをかけている証拠だ)、この世界の字が読めぬ君に手伝えることはないだろう。 これからどう行動する? ギーシュを見舞いに≪水の塔≫へと向かう・二六六へ コルベールの研究室を訪れる・三一九へ 野草に関することなら平民たちのほうが詳しいかもしれぬので、調理場に行ってみる・二四四へ 前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ
https://w.atwiki.jp/browser3594/pages/320.html
スキル別 攻撃系 攻撃力上昇 武将豪傑 / 一騎当千 / 万夫不当 / 飛将 / 無双隣地猛攻 / 隣地極攻 / 遠地猛攻 / 龍鱗猛攻隻眼将の軍略 / 若獅子の軍略単兵種剣兵の進撃 / 剣兵の強撃 / 剣兵の猛撃 / 剣兵の極撃進撃 / 強撃 / 猛撃 / 極撃歴戦の弓将 / 刹那の奇襲 / 拠点襲撃 / 勇将飛矢 / 勇将天戟 / 喬姫の激励兵器隣地攻城 / 隣地神攻城上級兵精鋭の進撃全体奇計百出 / 連環の計覇王の進撃 / 覇王の強撃 / 覇王の猛撃喬姫の祈り / 燕人武陣 / 勇美鼓舞蜀軍の極撃 / 魏軍の極撃 / 呉軍の極撃 / 群雄の極撃 編集 攻撃力上昇移動速度上昇 武将武将突貫 / 闘将突貫 / 猛将突貫 / 鬼神突貫 / 龍神突貫神飛将単兵種剣兵突撃 / 剣兵突覇 / 剣兵の大極撃 / 剣兵の大神撃突撃 / 突覇 / 大極撃 / 大神撃 / 大天撃剣神降臨 / 弓神降臨 / 騎神降臨 / 槍神降臨兵器兵器突撃 / 兵器突覇陥陣営の侵攻 / 智将器撃 / 智将砕器兵器の縮地天撃苦肉の計 / 皇叔の号令攻城戦の猛砕 / 攻城戦の極砕 / 攻城戦の大神砕上級兵臥龍覚醒 / 醒龍出師全体神算鬼謀 / 深慮遠謀 / 混元一気 / 麒麟児智将の大極撃 / 智将の大神撃 / 智将の大天撃軍神 / 武神 / 鬼神 / 龍神 / 娘々武神国士無双 / 王将の心意気昭烈帝 / 大皇帝 / 魏武王守将の出陣 / 守将の進軍飛蹄進軍 / 神謀風如 / 急襲 / 奇襲 / 麒麟慈心強襲速撃 / 強襲突撃 / 強襲突覇 / 強襲烈覇 / 強襲大烈覇 / 胡王の猛襲 編集 攻撃力上昇移動速度上昇守備武将ダメージ追加 全体強襲奮迅 編集 攻撃力上昇移動速度低下 武将燕神破軍全体蛮族の襲撃 / 蛮王の襲撃 編集 獲得資源増加攻撃力上昇 全体趁火打劫 / 桃賊の襲撃 編集 獲得資源増加攻撃力上昇移動速度上昇 武将迅速劫略 / 神速劫略猛将の縮地劫略 / 鬼神の縮地劫略 / 龍神の縮地劫略 / 猛暑の縮地劫略全体猛将の鹵獲 / 鬼神の鹵獲 / 劉備の大徳 編集 獲得資源増加攻撃力上昇移動速度上昇討伐ゲージ増加 武将お菓子の攻奪 / 龍神の攻奪 編集 忠誠心攻撃上昇 武将英雄 / 覇道 編集 忠誠心攻撃上昇攻撃力上昇 武将剛将の畏怖 / 猛将の叛乱 / 鬼神の叛乱単兵種槍戟鬼神 / 天弓雨撃 / 戦蹄轟撃孫呉の烈火全体太平要術 / 魏王の号令 / 暴虐外道 / 暴君の覇道 / 白馬将 編集 忠誠心攻撃上昇攻撃力上昇移動速度上昇 全体猛虎進撃 / 魏王の覇軍 / 皇帝の覇軍 編集 守備武将ダメージ追加 武将火神の攻勢全体蛮勇の一撃 / 胡王奮迅 編集 攻撃(自動)系 攻撃力上昇 武将武将の極意 / 闘将の極意 / 猛将の極意 / 猛士の極意 / 猛暑の極意鬼神の極意 / 戦神の極意 / 夏神の極意 / 龍神の極意隣地猛襲 / 隣地豪襲 / 隣地豪撃背水陣の極攻単兵種剣兵の進攻 / 剣兵の強攻 / 剣兵の猛攻 / 剣兵の極攻進攻 / 強攻 / 猛攻 / 極攻 / 大極攻兵器攻城戦の極攻 / 攻城戦の大極攻全体覇王の強攻 / 覇王の猛攻魏将の督戦 / 呉将の督戦 / 蜀将の督戦 / 群将の督戦老将統帥 編集 攻撃力上昇移動速度上昇 武将武将の貫攻 / 闘将の貫攻 / 猛将の貫攻 / 鬼神の貫攻 / 龍神の貫攻戦神の貫攻単兵種剣兵速攻 / 剣兵突攻 / 速攻 / 突攻 / 烈攻 / 大烈攻弓襲遠攻全体守神の進撃 編集 忠誠心攻撃上昇 武将謀反の進攻 / 謀反の強攻 / 謀反の猛攻 / 謀反の極攻 / 謀反の大極攻 編集 忠誠心攻撃上昇移動速度上昇 武将謀反の速攻 / 謀反の突攻 / 謀反の烈攻 編集 攻撃力上昇移動速度上昇獲得資源増加 全体鹵獲の進攻 / 鹵獲の強攻 / 鹵獲の猛攻 / 鹵獲の極攻 / 収奪の猛攻 / 収奪の極攻 編集 攻撃力上昇移動速度上昇獲得資源増加討伐ゲージ回復 武将龍神の攻奪 編集 行軍系 武将千里行 / 万里行 / 天里行単兵種行軍 / 強行全体神速 / 烈速 / 飛速戦女の行軍急速援護 / 迅速援護 / 神速援護 編集 行軍(自動)系 武将千里雷光 / 万里雷光 / 天里雷光 / 凰里雷光全体神速雷光 / 烈速雷光 / 飛速雷光 / 鳳速雷光神速行勢 / 飛速迅雷 / 天里迅雷神隠雷光 / 烈隠雷光 / 飛隠雷光 編集 防御系 武将鉄壁 / 守護神 / 金剛不壊 / 護君 / 天衣無縫 / 娘々護君単兵種剣兵防御 / 剣兵堅守 / 剣兵方陣 / 剣兵の聖域 / 剣兵の大聖域防御 / 堅守 / 方陣 / 聖域 / 大聖域 / 大神域 / 大天域全体八卦の陣 / 王者の護り / 忠節不落 / 覇者の護り / 覇者の大神域 不撓不屈 / 勇猛果敢 / 堅忍不抜弓将の采配 / 騎将の采配 / 槍将の采配 / 剣将の采配弓将の封聖域 / 騎将の封聖域 / 槍将の封聖域 / 剣将の封聖域魏軍の防衛 / 蜀軍の防衛 / 呉軍の防衛 / 群雄の防衛擒賊擒王 / 堅牢知略 / 地の利堅壁 / 防将戦法 / 防将戦略 援軍の聖域 / 援軍の大聖域 / 援軍の大神域 編集 防御(自動)系 武将武将の守勢 / 闘将の守勢 / 猛将の守勢 / 鬼神の守勢 / 龍神の守勢全体守護防陣 / 守護堅陣 / 守護方陣 / 守護聖陣 / 守護大聖陣守衛方陣 / 守衛聖陣 / 守衛大聖陣 編集 内政系 知識 / 技術農林知識 / 農林技術 / 加工知識 / 加工技術 / 素材知識食糧革命 / 食糧天革命富国 / 恵風 / 豊穣 / 人選眼力 / 才女の音律 / 豊潤祈祷富国論 / 聡明叡知 / 孫家の恵み / 薫風の恵み / 暁風の恵み 編集 内政(自動)系 技巧 / 極技巧 編集 短縮系 兵士作成時間 訓練 / 修練 / 攻城の檄文 / 強兵の檄文攻城の義勇軍 / 強兵の義勇軍騎兵増強 / 槍兵増強 / 弓兵増強 / 剣兵増強 / 兵器増強騎兵増勢 / 槍兵増勢 / 弓兵増勢 / 剣兵増勢富国強兵 / 師君強兵 / 娘々強兵老巧の政令 / 密偵召集 編集 建設時間 呉の治世 / 王佐の才賢妃施政 / 麗妃都政 / 陳留王政 / 徳義為政 / 帝妃都政 美玉歌舞 / 苛政虎舞 / 優姫の敬愛 編集 領地 憂姫護国 / 領地統制 / 拠点統制 編集 スキル回復時間 優雅な調べ / 勇姫督励 編集 回復系 HP回復 仁君 / 弓腰姫の愛 / 桃色吐息 / 熊猫の麺匠 / 神医の施術神医の術式 / 劉備の契り発憤興起 / 酔吟吐息 / 舞姫の愛 / 神卜の方術 編集 討伐ゲージ上昇 傾国 / 才女の瞳 / 皇后の慈愛 / 文姫の慈愛 編集 拠点耐久力回復 城壁補強 編集 特殊系 攻撃力上昇 槍兵の勝鬨 / 弓兵の勝鬨 / 騎兵の勝鬨 / 兵器の勝鬨才媛献策天子勅令 / 皇帝の勅令白菊の祈り / 紅梅の祈り / 青藍の祈り悲嘆の舞 / 小華の舞 / 哀艶の舞 / 花紅の舞賢女の策略 編集 攻撃力上昇移動速度上昇 槍兵の大号令 / 弓兵の大号令 / 騎兵の大号令 / 兵器の大号令奇略布陣 編集 攻撃力上昇忠誠心攻撃上昇 虐帝の号令 / 知略謀略 / 才略謀略 / 機略謀略 編集 移動速度上昇 速撃の舞 / 洛神の舞 / 大華の舞 / 勇躍の舞 / 月華の舞出撃見舞 / 才媛眼識迅速斥候春遊の呼集 編集 忠誠心低下抑制 護国誠心 / 護国芳心 / 護国献心 / 護国望心 / 護国真心月下羽衣 編集 拠点耐久低下軽減 守城誠心 / 守城真心 編集 斥候能力上昇 密偵精鋭 編集 兵士移送 近衛騎兵移送 / 矛槍兵移送 / 弩兵移送 / 大剣兵移送騎兵急配 / 槍兵急配 / 弓兵急配 / 衝車急配 編集 獲得資源増加 暴姫の命 / 暴姫の威令 / 佳人薄命 / 三顧の礼知略徴発 / 才略徴発 / 機略徴発 編集 資源獲得 聖夜の天恵沢 / 報恩の神恵沢 / 花嫁の神恵沢 / 花嫁の天恵沢南瓜の天恵沢 / 報恩の聖恵沢 / 報恩の天恵沢 編集 市場交換レート上昇 市場知識 / 市場繁栄 / 市場来福 / 市場栄華 編集 経験値増加 千華招来 / 万華招来 / 天華招来戦神招来 / 守衛招来 / 迅雷招来 / 豪撃招来 / 収奪招来 / 全兵招来 編集 援軍速度上昇 非常呼集 / 緊急呼集 編集 特殊(自動)系 攻撃力上昇全軍の進攻令 / 全軍の強攻令 / 全軍の猛攻令 / 全軍の極攻令 / 全軍の大極攻令全兵の極攻令 / 全兵の大極攻令速度上昇全軍の神速令 / 全軍の烈速令 / 全軍の飛速令 / 全軍の鳳速令 編集 デュエル系 覇王の極賢斬 / 覇王の極護斬 / 覇王の極俊賢 / 覇王の極俊護 / 覇王の極賢護白鶴の極護斬 編集 攻撃力上昇移動速度上昇獲得資源増加討伐ゲージ回復 武将龍神の攻奪 編集 コスト別>内政系>豊潤祈祷 コストによる変動なし。 スキル名 レベル 効果 回復時間 豊潤祈祷 Lv1 Lv2 拠点の木・石・鉄・糧の内ランダムで1種類の生産量が31.5%上昇する Lv3 拠点の木・石・鉄・糧の内ランダムで1種類の生産量が38.5%上昇する Lv4 拠点の木・石・鉄・糧の内ランダムで1種類の生産量が45.5%上昇する Lv5 拠点の木・石・鉄・糧の内ランダムで1種類の生産量が52.5%上昇する Lv6 拠点の木・石・鉄・糧の内ランダムで1種類の生産量が59.5%上昇する Lv7 拠点の木・石・鉄・糧の内ランダムで1種類の生産量が66.5%上昇する 21 00 00 Lv8 拠点の木・石・鉄・糧の内ランダムで1種類の生産量が73.5%上昇する Lv9 Lv10 拠点の木・石・鉄・糧の内ランダムで1種類の生産量が87.5%上昇する 合成 追加カードの初期スキル 中確率(約25%)で付与 低確率(約5%)で付与 極低確率(約1%)で付与 隠しスキル 防:豊潤祈祷 攻:剣兵の極撃 防:仁君 防:練兵修練 防:富国 付加 追加カードの初期スキル 中確率(約25%)で付与 低確率(約5%)で付与 極低確率(約1%)で付与 隠しスキル 防:城壁補強 攻:万夫不当 防:八卦の陣 防:豊潤祈祷 攻:猛将の鹵獲 攻:攻城戦の大神砕 攻:兵器の大極撃 防:兵器の大号令 防:豊潤祈祷 攻:兵器の大神撃 攻:強襲奮迅 攻:蛮王の襲撃 防:王者の護り 防:豊潤祈祷 攻:奇襲 初期装備武将 名前 レアリティ コスト 兵科 初期スキル 攻撃 知力 歩兵防御 槍兵防御 弓兵防御 騎兵防御 速度 于吉 R 1.5 剣兵 豊潤祈祷LV2 130 13.00 100 75 75 75 8.0