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◆概要 〈フォルモサ島〉は、〈ハーフガイア・プロジェクト〉において、現実世界の台湾に位置する島である。ゲーム時代のサーバー割り当ては中国。島一つとしてはかなりの広さを持ち、プレイヤータウン、都市機能、ダンジョンなどがひと通り存在するため、全ての素材がこの島だけでまかなえるわけではないものの、〈大災害〉後の〈冒険者〉が暮らすために必要な環境は島のみで完結している。 ◆歴史 〈エルダー・テイル〉初期の〈フォルモサ島〉は、作られたばかりのキャラクターが、ゲームの操作や基本的なシステム等を学ぶ、チュートリアル用のエリアであった。当時はチュートリアルを終えてこの島を出たら戻って来ることはできず、一部のプレイヤーには惜しまれていた。 無論〈ハーフガイア・プロジェクト〉を根底に置いてる以上、物理的に海を越えればこの島に入れるのだが、海域には無数の鮫、上空には透明な巨大飛行クラゲの群れが存在し、いずれもレイドエネミー級の強さだったため、当初はこれらのモンスターを攻略することは不可能であり、〈フォルモサ島〉はチュートリアル専用のエリアであることが定説であり、また事実だった。 しかし、時代が下るにつれ、この島を懐かしむプレイヤーの声が増え始め、運営がそれに応える形で〈フォルモサ島〉にプレイヤータウンの拡充と新ダンジョンが実装され、周辺海域の海洋モンスターも弱体化された。それによって、ある程度のレベルがあれば問題なく海域を突破して大陸から〈フォルモサ島〉へ移動することができるようになった。 それ以後も各レベル帯に対応するかのようにダンジョンは徐々に増えていき、結果的に〈フォルモサ島〉は非常に広いレベル帯に向けたコンテンツが揃った地域となった。 〈大災害〉が起きた時、〈フォルモサ島〉にいたプレイヤーは数千人程度。言うまでもなく他地域と同様に大きな混乱が起き、〈冒険者〉と〈大地人〉の間に溝が発生していた時期もあったが、〈冒険者〉が当初の混乱から立ち直るにつれて両者の関係は微妙な距離を開けて安定していった。しかし、定期クエスト〈ユーシャンの大礼拝〉に際し、〈フォルモサ島〉の〈大地人〉の代表者である〈フォルモサの四巫女〉の一人ヒカルが大きく〈冒険者〉に協力を呼びかけたことで〈大地人〉と〈冒険者〉の関係は確立され、ポジティブな交流が大きく始まった。 しばらくの期間が過ぎた後には、フィールドのモンスターレベルが高い本土から苦労して海を越えてやってくる〈冒険者〉もおり、現在は緩やかに〈冒険者〉の数は増えつつある。無論、〈フォルモサ島〉に拠点をおきながら本土へと遠征するギルドも存在する。 ◆地理 〈ハーフガイア・プロジェクト〉に基づき、現実の台湾に対応した地形になっている。島の半ばから東側は山地が占め、その中には高山地帯や火山も存在しており、多くのダンジョンや、火山にはつきものの温泉があり、主に温泉の場所を中心として、小規模な〈大地人〉の集落が点在している。都市機能は主に西から北にかけての平地に集中している。 島北部にはフォルモサの大神殿を持つプレイヤータウン〈シンペイ〉があり、その近くにはこの島を統治する〈フォルモサの四巫女〉をはじめとする、この島の〈大地人〉が多く住む都市〈タイペイ〉が存在している。南にも〈カオシュンの街〉という都市があるものの、東には小規模な村がいくつかあるだけである。 低緯度の気候であり全体として暖かいが、島の半分以上を占める山地、特に高山地帯ではその標高に相応しい寒冷地になっている。 ◆社会状況 〈フォルモサ島〉の〈大地人〉社会を統治しているのは、〈フォルモサの四巫女〉と呼ばれる姉妹と、その下にある貴族議会である。この四人の巫女は議会に対して大きな発言力を持ち、貴族議会はその調整と実務を行うのが主な役割となっている。また、彼女たちは年に一度、〈霊峰ユーシャン〉の山頂へ参拝することになっており、その際には〈ユーシャンの大礼拝〉という大規模クエストが発生してする。 〈大災害〉直後は世界の他の地域と同様に大きな混乱があったものの、現在は落ち着いている。これには〈料理人〉による食料調理技術の発見前にも果物類が豊富に手に入ったことで食糧不安が深刻化しなかったこと、また〈大地人〉に大らかな者が多く、〈冒険者〉の側の意識を統一するだけで比較的初期に問題が収束したことが大きい。 さらには、〈大災害〉後に〈ユーシャンの大礼拝〉が最初に行われた時、〈フォルモサの四巫女〉の三女ヒカルが広く〈冒険者〉に助けを呼びかけ、また〈冒険者〉たちがそれに応じたことが大きなきっかけとなって〈大地人〉と〈冒険者〉の関係に一つの形が示されたと見るものが多い。 総じて〈冒険者〉と〈大地人〉の関係は良好である。周辺海域を越えること自体がちょっとした冒険になることもあって外部からの影響も小さいため、情勢は安定期にあると言える。 ◆〈大地人〉 〈フォルモサ島〉の〈大地人〉は概ね陽気で、またあまり細かいことを気にしない大雑把な性格をしたものが多い。ゲーム時代に自動算出される細かい値段で支払おうとしたら適当にまけてくれた、などという話も珍しくないほどである。 またどういうわけか、時計を使っているわけでもないのに、毎日同じ時刻に示し合わせたかのように屋台が一斉に片付けられる。 その後は楽しみの時間とでもいうのか、それまでの仕事のことなどまるきり忘れたかのようにそこらの人と喋りだしたりその場で酒を飲んだりと無秩序の様相を呈しだす。そして疲れた頃に三々五々家路につくのである。 ◆モンスター フィールドのモンスターは、もともとチュートリアルの島だけあってオーソドックスな動物型、人型の低レベルモンスターが多い。内地には〈緑小鬼〉《ゴブリン》、海辺には〈水棲緑鬼〉《サファギン》がよく見られ、また海中から山岳まで、生息地を問わず多種多様なアシカ型のモンスター亜種が存在している。高レベルダンジョンの周りではそれなりに強力なモンスターが闊歩しているが、その生息および行動範囲は非常に狭く、気をつければ遭遇することもなくたいていの目的地へ移動できる。 ■〈フレイムゴールドツリー〉 フィールドにちょくちょく出現する、炎のように紅い葉を茂らせた樹木。移動はできないが、その代わりに炸裂する実を飛ばして攻撃してくる。その葉が制作素材になるためよく〈冒険者〉に狩られているが、耐久力が高く適正レベルだと少々手こずる。 ■〈スカイゼリーフィッシュ〉 直径数メートルにも及ぶ、透明な巨大クラゲ。麻痺毒針を持つ触手と電撃ダメージを与える触手を複数持ち、別の触手で捕らえてからとどめを刺す戦法を使う。高空に生息しており、〈ユーシャンの大礼拝〉においてはボスモンスターとして出現する。ボスモンスターとして出現する時は陸地に降りてくるため対等に戦えるが、何らかの方法で空を飛んで移動しようとする時に遭遇すると、ボスモンスターの性能そのままに多数の群れで襲いかかってくるため、空中で動きを制限された状態ではまず勝つことは不可能である。 ■ディープシーライオン 〈金剛石の海中宮殿〉に出現するボスモンスター。アシカによく似た姿をしているが、深海に適応して陸上生物ではなくなっている。また、その体には異形の器官がいくつも生えており、そこから生体砲弾や魚雷イカを発射してくる。動きは鈍いが非常にタフで、強力な攻撃性能は非常に厄介である。 ■〈天仰公〉《デアデビル・ハウラー》 フォルモサ島南西に浮かぶ小島に出現する大イノシシ。小山のような巨躯に、硬質化した毛皮を鎧のようにまとっており、数匹のイノシシを伴って島内を巡回している。高いHPと防御力に加えて、咆哮によって自己と周囲のモンスターを強化し、同時にこちらの行動をキャンセルさせてくる強敵。素材として上質の肉をドロップするほか、極低確率ながら討伐後にペットにできることがある。ゲーム時代から「パーティ内に女性がいると狙われやすいが、ペットになる確率が高い」など不確定な噂もあったが未検証。 ◆文化 政治の中心地である〈タイペイ〉よりも、プレイヤータウンである〈シンペイ〉の方が人の流動性が高く、活気があって交流が盛んである。〈シンペイ〉の中央広場には毎日非常に多くの屋台が並び、だいたいの買い物はそこで済ませることができる。まるで毎日が縁日のような有様であるが、もちろん固定の店舗を構えた店もある。そのような店はやや高級な雰囲気を持っているか、あるいは銀行や家具屋など、商売そのものに建物を要する類の店であることが多い。 〈フォルモサ島〉で特徴的な家畜はアシカである。海辺に生息する動物であるアシカだが、〈フォルモサ島〉のアシカは陸上にも適応した種が存在し、大人しく素直で力が強いため荷引きや農作業を行う家畜として使われていることが多い。種によっては地上を非常に早い速度で走るものすらある。街道をのしのし歩くアシカ車は、〈シンペイ〉のみならず〈フォルモサ島〉の都市ではよく見られる光景である。 主食は果物が多い。マンゴーやパイナップル、バナナといった熱帯のものの他に、柑橘類や梨、葡萄なども多く、サトウキビなども自生していたり畑で生産されている。 ◆ダンジョン ここではダンジョンをいくつか挙げるが、無論これだけではなく他にも大小様々なものが存在している。 ■〈テーマパーク・モンスターハウス〉 島のほぼ中央、山岳地帯の麓に存在する、その名の通りテーマパークめいた演出に重きをおいた、複数のダンジョンがセットになって構築されている複合ダンジョン。出現するモンスターは他の地域に出現するモンスターをディフォルメしたもので、そのバリエーションは非常に広い。 モンスターのレベルは全体的に低めだが、エリア別に適正レベルが分かれており、レベルを上げていけば自然と新しいエリアに行けるようになっている。 ■〈ヘブンクイーンの聖宮〉 〈ヘブンクイーン〉〈ハンサムベアード〉〈オールシーヤー〉の三人の聖人をモチーフにしたボスがおり、それぞれとその従者が守る霊廟を巡る高レベルダンジョン。一つ一つのエリアを自由に攻略することができるが、間を置かず一度に全てのエリアを攻略することで追加の報酬を得ることもできる。 ■〈霊峰ユーシャン〉 フォルモサで最も高い山の山頂であり、オープンフィールド型のダンジョン。〈フォルモサの四巫女〉が山頂の社に参拝するのを護衛する大規模クエスト〈ユーシャンの大礼拝〉が定期的に発生し、その際には、クエストのボスとして普段は上空にいる〈スカイゼリーフィッシュ〉が山頂へ降下して襲ってくる。 ■〈金剛石の海中宮殿〉 フォルモサの北の海に沈む、ダイヤモンドでできた海底遺跡。だがもちろんダイヤモンドでできているわけはなく、錆びない金属などの光物に多くのモンスターが寄り付いている沈没船である。 ボスはこの遺跡をテリトリーにしている〈ディープシーライオン〉。深海に適応したアシカによく似たモンスターであり、大砲や魚雷などのような効果を持つ器官を数多く備えている。
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八千穂 明日香 補足メモ 4話まで回収済み 自由会話回収完了 目次 遺跡内固定会話2nd/3rd/4th ←new!! 2020.10.15 thu 遺跡内自由会話探索/戦闘 ◆遺跡内固定会話 2nd 蜃気楼の少年 ※バディ固定(皆守&八千穂) 天への坂(睡院メモ) 八千穂:これって、ここを探検した人が書いたのかな。 皆守:だろうな。 神代七世の間 ねェねェ。みてみて。何か飾ってあるよ。 神代七世の間(戦闘開始時) 八千穂:わわッ、何アレ! 皆守:黙って通してくれる・・・・・・って雰囲気じゃあないな。 国土の間(岩破壊後) 八千穂:きゃあ!びっくりした・・・。 皆守:床がくずれちまったな・・・。 国生みの埠頭 八千穂:うわあ、何コレ! 皆守:向こう側に渡るには、跳び移るしかなさそうだな。 国生みの埠頭(ジャンプ順路) あれ?右の方に何か見えない? 搬入路(落下後) 八千穂:いたたたた・・・・・・今度は一緒に落ちちゃったね。 皆守:ッたく、大丈夫かよ。 八千穂:あ~ビックリした。二人とも大丈夫? 皆守:まァ、お前と違って運動神経がイイからな。 八千穂:むッ!これでも一応、テニス部のエースなんだぞッ!皆守クンこそ、なんで帰宅部なのさ。 皆守:面倒臭いから。 八千穂:もォ~。勿体ないなァ。 中庭 八千穂:なんか大きな石像がいっぱいあるね~。 皆守:どうやら全部同じ方向を向いてるみたいだな・・・・・・。・・・・・・ん?そうでもないか。 神官通路(ボス部屋前) 皆守:ふん・・・。随分と物々しい扉だな。 八千穂:この向こうに・・・なにかいるのかな。 皆守:・・・・・・・・・・・・。 ↑目次 3rd あの炎をくぐれ! 礼道 うわ、真っ暗!ちょっと怖いね・・・。 西の至聖所(仕掛け前) 火花がパチパチしてる・・・。キレイだねッ。 礼拝堂(東の至聖所開錠) いま鍵の開いた音がしたね。東の方から聞こえたけど・・・。 礼拝堂(ボス部屋前) この扉・・・・・・。前にも見たね。 ↑目次 4th 明日への追跡 岩屋道(蛇の杖破壊) あれ・・・。今ヘンな音がしたけど・・・。もしかして壊れちゃたのかな・・・。 岩屋道(罠解除後) ・・・・・・・・・・・・。助かったァ~。 岩屋(仕掛け解除後) えへへッ。このキラキラしてるの、キレイだよね~。 王の間(像の前) すごい・・・。コレ全部、昔の人達がつくったのかな。 三貴子の間(仕掛け前) 《月》と《おひさま》と《波》の模様だね。何か意味があるのかな・・・。 天岩屋戸の間(像の前) 向こうの床に《丸い模様》と《四角い模様》が描いてあるけど一体、何なんだろうね? ↑目次 ◆遺跡内自由会話 探索 今日も部活で疲れたな~。 う~何か腕が鳴るよね。 あそこにフライドチキンが!!・・・・・・と思ったら人の骨か。 遺跡でデートっていうのもロマンチックだよね。 あそこにシュークリームが!!・・・・・・と思ったら石か。 あそこにクレープが!!・・・・・・と思ったら布の切れ端か。 あそこにポテトチップスが!!・・・・・・と思ったら木の板か。 ハンバーガー食べたいな~。 何かお腹空いてきたね。食べたいものとかある? ねェねェ、秘宝ってどこにあるのかな?早く見たいよね~。 ↑目次 戦闘 いっくよ~!! 頑張ってね。 頑張れッ!! 怪我しないように気をつけてね。 これって、もしかして・・・・・・大ピンチとか? あたしに任せてッ。え~と・・・・・・どうしたらいい? あたしもこのラケットで一緒に戦うから。 やっぱり、冒険はこうでなくっちゃ♪ 頼りにしてるよ。なんてったって《宝探し屋》だもんね。 ピンチになったら、あたしが助けてあげるからね。 ↑目次
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偉大な秘蹟(Tantum Ergo)は、1236年トマス・アクィナスによって作られた賛歌『パンジェ・リングァ』の第5節以下が独立してできた賛美歌。「このゆえに我らは大いなる秘跡をあがむ」 Tantum ergo sacramentum veneremurの句の初めの2語。 14世紀以来聖体降福式のときに礼拝賛歌として歌われていた。 原文(ラテン語) Tantum ergo Sacramentum Veneremur cernui Et antiquum documentum Novo cedat ritui Præstet fides supplementum Sensuum defectui. Genitori, Genitoque Laus et iubilatio, Salus, honor, virtus quoque Sit et benedictio Procedenti ab utroque Compar sit laudatio. Amen. 和訳 かくも偉大な秘蹟を 伏して拝みます 古の式は過ぎ去って 新しい祭が出来ました 願わくは信仰が 五官の不足を補います様に 父と子に 賛美と喜びがあります様に また栄えと誉れと 力と祝福も 二位から出られる聖霊も また共に称えられます様に アーメン https //en.wikipedia.org/wiki/Tantum_Ergo
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黙22 1 天使はまた、神と小羊の玉座から流れ出て、水晶のように輝く命の水の川をわたしに見せた。 黙22 2 川は、都の大通りの中央を流れ、その両岸には命の木があって、年に十二回実を結び、毎月実をみのら せる。そして、その木の葉は諸国の民の病を治す。 黙22 3 もはや、呪われるものは何一つない。神と小羊の玉座が都にあって、神の僕たちは神を礼拝し、 黙22 4 御顔を仰ぎ見る。彼らの額には、神の名が記されている。 黙22 5 もはや、夜はなく、ともし火の光も太陽の光も要らない。神である主が僕たちを照らし、彼らは世々限りなく 統治するからである。 黙22 6 そして、天使はわたしにこう言った。“これらの言葉は、信頼でき、また真実である。預言者たちの霊感の 神、主が、その天使を送って、すぐにも起こるはずのことを、御自分の僕たちに示されたのである。 黙22 7 見よ、わたしはすぐに来る。この書物の預言の言葉を守る者は、幸いである。” 黙22 8 わたしは、これらのことを聞き、また見たヨハネである。聞き、また見たとき、わたしは、このことを示してくれ た天使の足もとにひれ伏して、拝もうとした。 黙22 9 すると、天使はわたしに言った。“やめよ。わたしは、あなたや、あなたの兄弟である預言者たちや、この書 物の言葉を守っている人たちと共に、仕える者である。神を礼拝せよ。” 黙22 10 また、わたしにこう言った。“書物の預言の言葉を、秘密にしておいてはいけない。時が迫っているから である。 黙22 11 不正を行う者には、なお不正を行わせ、汚れた者は、なお汚れるままにしておけ。正しい者には、なお 正しいことを行わせ、聖なる者は、なお聖なる者とならせよ。 黙22 12 見よ、わたしはすぐに来る。わたしは報いを携えて来て、それぞれの行いに応じて報いる。 黙22 13 わたしはアルファであり、オメガである。最初の者にして、最後の者、初めであり、終わりである。 黙22 14 命の木に対する権利を与えられ、門を通って都に入れるように、自分の衣を洗い清める者は幸いであ る。 黙22 15 犬のような者、魔術を使う者、みだらなことをする者、人を殺す者、偶像を拝む者、すべて偽りを好み、ま た行う行う者は外にいる。 黙22 16 わたし、イエスは使いを遣わし、諸教会のために以上のことをあなたがたに証しした。わたしは、ダビデ のひこばえ、その一族、輝く明けの明星である。” 黙22 17 ‘霊’と花嫁とが言う。“来てください。”これを聞く者も言うがよい、“来てください”と。渇いている者は来る がよい。命の水が欲しい者は、価なしに飲むがよい。 黙22 18 この書物の預言の言葉を聞くすべての者に、わたしは証しする。これに付け加える者があれば、神はこ の書物に書いてある災いをその者に加えられる。 黙22 19 また、この預言の書の言葉から何か取り去る者があれば、神は、この書物に書いてある命の木と聖なる 都から、その者が受ける分を取り除かれる。 黙22 20 以上すべてを証しする方が、言われる。“然り、わたしはすぐに来る。”アーメン、主イエスよ、来てくださ い。 黙22 21 主イエスの恵みが、すべての者と共にあるように。
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謙虚な使い魔~アルビオンの幻影~ 翌朝・・・。 ニューカッスルの外れにある礼拝堂で、ウェールズは皇太子の礼服に身を包み、始祖ブリミルの像の前に立ち、 ブロントは式の立会人としてただ一人、列席に座って新郎と新婦の登場を待っていた。 皆、戦の準備に忙しく、その二人以外、他に人間はいない。 ウェールズも、速やかに式を済ませた後は、自分も戦の準備に駆けつけるつもりであった。 礼拝堂の扉が開き、ルイズとワルドが現れた。 ルイズは浮かない顔で俯いて立っている。ルイズは戸惑っていた。 今朝方はやく、いきなりワルドに起こされ、ここまで連れてこられたのだ。 突然の事でルイズは心の準備も出来ていなかったが、ワルドはそんなルイズに、「ウェールズ皇太子と使い魔のブロントが既に式の準備をしている」と言ったので、ルイズは半ばワルドに流されるままに、礼拝堂までやってきた。 純白の新婦の冠とマントをワルドに成されるがまま、着飾られている間もルイズはワルドに反応も見せず、考えを巡らせていた。 今日死に逝く運命のアルビオンの皇太子も、自分の使い魔も、こうしてルイズのために式を用意してくれているのだ、 皆が望む事なのであれば、このままワルドと結婚すれば、皆認めてくれるのだろうか?『ゼロ』でなくなるのだろうか? 「では、式を始める」 皇太子の声が、ルイズの耳に届くが、頭の中をぐるぐる巡る考えが邪魔をして、何を言っているのか理解できていなかった。 「新郎、子爵ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド。汝は始祖ブリミルの名において、このものを敬い、愛し、そして妻とすることを誓いますか」 ワルドは重々しく頷いて、杖を握った左手を胸の前に置いた。 「誓います」 ウェールズはにこりと笑って頷き、ルイズに視線を移し、誓いの詔を読み上げる。 「新婦、ラ・ヴァリエール公爵三女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール、汝は始祖ブリミルの名において、このものを敬い、愛し、そして夫とすることを誓いますか」 ルイズは思った。 確かにワルドは長年憧れた相手であったし、嫌いじゃない。どちらかと言えば好きなのであろう。 二人の父が交わした、結婚の約束ならば、ルイズの両親もこの場にいれば喜ぶ事であろう。 周りのルイズを見る目も大きく変わる事だろう。 しかし、周りからの評価が変わっても、ルイズ自身はどうなのか? “何か”すら成し遂げていない”ゼロ”のルイズのままではないのか? 今まで自分を見つめる目を気にしていたが、本当に自分が成したい事は何なのだろうか? この思いを理解し、支えてくれる人は・・・ 「新婦?」 ウェールズがこっちを見ている、ルイズは慌てて顔を上げた。 ルイズが上の空になっている間にも式は続いている。 ルイズは戸惑った。 どうすればいいんだろう?こんなときはどうすればいいんだろう? ふと列席に目を向けると、ブロントはルイズの目をじっと見つめていた事に気づいた。 「緊張しているのかい?仕方が無い。初めての時は、事がなんであれ、緊張するものだからね」 にっこりと笑って、ウェールズは続けた。 「まあ、これは簡単な儀礼にすぎぬが、儀礼にはそれをするだけの意味がある。では繰り返そう。汝はブリミルの名に・・・」 『この俺がお前の側を離れる事を知らない』 ルイズはラ・ロシェールでそう誓ってくれた使い魔の言葉を思い起こして、そして気づいた。 ルイズが選んだ道であれば、ブロントは何も文句も言わずついてくるだろう。 しかし、進むべき道まではブロントは決めてくれない、 何故ならば、”ゼロ”から”何か”になるためには、 ルイズ自身が自分で進むべき道を決めねばならぬからだ。 大きく深呼吸をして、ルイズは決心した。 「ごめんなさい、ワルド」 「ル、ルイズ?どうしたね、気分でも悪いのかい?日が悪いのなら改めて・・・」 「そうじゃないの。ごめんなさい。ワルド、まだ何も成し遂げていない今のわたしでは、あなたとは結婚できない」 いきなりの展開にウェールズは首を傾げた。 「新婦は、この結婚を望まぬのか?」 「そのとおりでございます。おニ方には、大変失礼をいたす事になりますが、わたくしはこの結婚を望みません」 ワルドの顔に、さっと朱がさした。ウェールズは困ったように、首をかしげ、残念そうにワルドに告げた。 「子爵、誠にお気の毒だが、花嫁が望まぬ式をこれ以上続けるわけにはいかぬ」 ワルドはルイズの手を取った。 「緊張しているだけだ。そうだろルイズ。きみが僕との結婚を拒むわけが無い」 「ごめんなさい。ワルド。昔は憧れていたわ。恋だったかも知れない。でも、今は違うわ。一人の男性としてのあなたをまだ良くも知らないのに、子供の頃の記憶だけを頼りに、いきなり結婚はできないわ」 するとワルドは、ルイズの肩を掴んだ。 その目はつり上がり、表情も氷のように冷たい。 熱っぽい口調でワルドは叫んだ。 「世界だルイズ!僕は世界を手に入れる!そのためにきみが必要なんだ!きみの能力が!きみの力が!」 豹変したワルドに怯えながら、ルイズは首を振った。 「わたしには、そんな力ないわ」 「きみには始祖ブリミルに劣らぬ才能が眠っているんだ!なぜそれに気づかない!世界をも手に入れる事ができる力を持っていることに!」 ルイズにあれ程優しかったワルドが、こんな顔をして叫ぶなんて、ルイズは夢にも思わなかった。ルイズは後ずさった。 「わたし、世界なんていらないわ!」 ルイズに対するワルドの剣幕を見かねたウェールズが、間に入って取り成そうとする。 「子爵、きみはフラれたのだ。いさぎよく・・・・・」 が、ワルドはその手を跳ね除ける。 「貴様は黙っておれ!」 ウェールズはワルドの言葉に驚き、顔をしかめて、立ち尽くした。 ワルドはルイズの手を握った。ワルドは優しそうに笑みを浮かべるが、その目は暗く、怪しく輝き、ルイズは背筋が凍るほどにとてつもなく嫌なものを感じた。 「さあ、ルイズ。考え直してくれ。きみの力を、僕に。そして世界を」 ルイズはワルドの手を振り解こうとするが、物凄い力で握られているため、振り解けない。 「そんな結婚、絶対死んでも嫌よ!あなたはわたしの事を愛しているんじゃない。やっと、わかったわ、何であなたのわたしを見る目が、どこか遠くを見つめる様な目だったのは。わたしを、その自分勝手な野望のための、道具としてしか見ていなかったからよ!ひどいわ。そんな理由で結婚しようなんて」 ルイズは手を振り解こうと必死に暴れる。 「ルイズ、きみの事は愛しているさ」 ワルドのその言葉は誰が聞いても判るほどに嘘で塗り固められていた。 列席から飛び出したブロントが、ワルドの手首を掴みかかろうとした瞬間、ワルドは咄嗟に手を離しルイズから飛び退った。 ブロントはワルドを睨み付ける。 「そこまでだなお前のような欲望丸出しなやつはもう誰も相手にしない。今回のアワレな姿を晒したお前が必死顔になってそんな事を言っても念仏状態。今後そんな事言ってもここの皆はもうお前の事を知っているので人工的に淘汰されるのが目に見えている」 「ブロント!」 ルイズはすかさず、ワルドから隠れるようにブロントの後ろにすがりつく。 それを見てワルドは、両手を広げて笑う。冷たい笑い声が礼拝堂に響く。 「なるほど、やはりその使い魔のせいか。僕の婚約者でありながら自分の使い魔に恋慕するとはな」 「そんなのじゃないわ!あなたと違って、ブロントはどんな事があっても、わたしを守ってくれると誓ってくれた、わたしの事を理解してくれている、信頼できる大事な使い魔よ!」 ワルドは不敵な笑みを浮かべながら、ルイズからゆっくりと後ずさる。 「ハハハ、まさか伝説の使い魔『ガンダールヴ』に、こんな事まで邪魔されるとはな。まあいい、こうなっては仕方が無い。ならば目的の一つは諦めよう」 「目的?」 ルイズは首を傾げた。 「そうだ。この旅における僕の目的は三つあった。その二つが達成できるだけでも、よしとしなければな」 「達成?二つ?どういうこと?」 ルイズは心の中で、真実であって欲しくないある想像が急激に膨れ上がる。 ワルドは小さく後ずさりながら、右手を掲げると、人差し指を立てた。 「まず一つはきみだ。ルイズ。きみを手に入れることだ。しかし、これは果たせないようだ」 「当たり前じゃないの!」 次にワルドは、中指を立てた。 「二つ目の目的は、そこの使い魔に待たせている、アンリエッタの手紙だ」 ルイズははっとした。 「ワルド、あなたは・・・」 「そして、三つ目・・・!」 いつの間にか距離を詰め寄られ、ワルドの『アンリエッタの手紙』という言葉で、すべてを察したウェールズが、杖を構えた。 しかし、ワルドはその二つ名『閃光』と呼ばれる所以に違わず、素早く杖を引き抜き、呪文の詠唱を完成させた。 ワルドは、風のように身を翻らせ、青白く光る杖をウェールズに向けて、突き出す。 「・・・貴様の命だ!ウェールズ!」 「おい、やめろ馬鹿!」 ブロントは右手の平をワルドに向けて、素早く神聖魔法を詠唱する。 「<フラッシュ>!!」 ブロントの右手から眩い光が、ワルドに向かって矢のように飛んで行き、その目に纏わりつく。 ワルドはぐっ、と呻き声をあげながら、眩まされた目で、そのままウェールズの胸を杖で貫いた。 「き、貴様・・・・・・、レコン・・・」 ワルドが狙っていた心の臓をわずかに逸れ、肺を貫かれたウェールズの口から赤い鮮血が溢れでる。 ワルドはウェールズの胸から光る杖を引き抜くと、笛の音に似た、不吉な音を立てながらその胸から血とともに空気が噴出す。 ワルドは目を手で抑え、聞こえる音を頼りに杖をルイズ達の方向に向ける。 「『ガンダールヴ』め、余計な事を。下手に手を出さなければ、ウェールズも無駄に苦しまずにすんだものを」 呼吸を断たれたウェールズは苦しみにもがき、どくどくと血が胸と口から流れ出る。 「このワルドは早くも終了ですね」 ブロントは横飛びを混ぜながら一気にワルドに駆け寄ると、引き抜いたデルフリンガーで、ワルドを一刀の下に斬り捨てた。 しかし、引き裂かれたワルドは煙の様に手ごたえなく、霞となって消えた。 そしてブロントの背後にいたルイズが悲鳴をあげる。 「やはり、近寄らせると手ごわいようだな。さすがは伝説の使い魔『ガンダールヴ』と言ったところか」 ブロントは振り向くと、仮面を被ったマントの男がルイズの首に腕を巻きつかせて拘束していた。 そして礼拝堂の柱の影からワルドが三人飛び出し、ブロントから一定の距離を離して取り囲む。 「お前・・・幻影使えるのはずるい」 ブロントは仮面の男を指差し、鎧をガシャと乱暴に鳴らす。 「ただの『幻影』ではない。風のユビキタス(偏在)だ。風は偏在する。風の吹くところ、何処となくさ迷い現れ、その距離は意思の力に比例する。貴様『ガンダールヴ』の力量を幾度となく計った所、一人で相手するのは少々骨が折れるのでね」 男は仮面を取り外すと、その下にはワルドの姿があった。 「仮面のメイジがあなただなんて、あなた、アルビオンの貴族派だったのね!ワルド!」 ルイズはワルドに締め付けられるようにその身を拘束されながらも、わななき、怒鳴った。 「そうとも。いかにも僕は、アルビオンの貴族派レコン・キスタの一員さ」 「どうして!トリステインの貴族であるあなたがどうして!?」 「我々は国境を越えて繋がった貴族の連盟さ。そして我々の手でハルケギニアは一つとなり、始祖ブリミル所縁の『聖地』をエルフどもの手から取り戻すのだ」 「何が、何があなたを変えたの?昔はそんな風じゃなかったわ・・・ワルド・・・一体何が・・・」 「全てを話せば長くなるから語らぬが、ある時から僕の胸の中で囁く、己の声に従ったからだ。今まで己の声を信ずるままに行動したお陰で、魔法衛士隊隊長という力まで手に入った。そして、このままいつか世界すらも手に入るだろう。だから、だから共に世界を手に入れようと言ったのだ!」 ブロントは剣の切っ先をルイズを掴んで離さないワルドに向けた。 「婚約者を裏切って人質にとるとか恥知らずな風使いがいた!汚いなさすがワルドきたない」 ブロントがぎりりっと歯を噛み締める。 「俺はこれでワルドきらいになったなあもりにもひきょう過ぎるでしょう?ルイズの婚約者だから俺は中立の立場でみてきたけどやはりお前は汚いだけという事が判明した。ワルドはウソついてまでルイズの力を確保したいらしいがルイズに相手にされてない事くらいいい加減気づけよ。俺はお前よりも高みにいるからお前のイタズラにも笑顔だったがいい加減にしろよ」 ワルドはブロントの言葉を気にする風もなく、不敵に笑う。 「目的のためには、手段を選んでおれぬのでね。『ガンダールヴ』、そこまで言うのであれば、貴様の主人を離してもいいぞ。貴様が持っている手紙との交換でだ」 「だめよ!ブロント!姫さまの手紙を渡しちゃ!これは命令よ!」 ブロントは黙ったまま、しばらく何かを考えた。 そして、決心がついたのか、カバンから一枚の丸めた羊皮紙を取り出した。 「やはり使い魔なら主人の安否を優先するか!賢明な判断だな。よし、その手紙を床に置いて十歩下がれ。貴様の間合いはすでに把握している。十分間合いの外まででれば、ルイズを離してやる」 ブロントは言われたとおりに紙を床に置くと、ワルドをじっと睨み付けながら、じりじりと後ずさった。 ブロントが手紙から十分離れたのをみて、ワルドはルイズを手放し、手紙を拾った。 ワルドの束縛から解かれたルイズは一目散にブロントに向かって駆け出した。 懐に手紙を仕舞うと、ワルドは楽しそうに笑い、杖をルイズに向けた。 「そんなに、使い魔の所に行きたいのなら、送ってやろう!」 風の魔法が飛ぶ。<ウィンド・ブレイク>。ルイズを紙切れの様に吹き飛ばした。 「おいィ!?」 ブロントは咄嗟に強化魔法の<プロテス>を唱えルイズを光の壁で包んだ。 光の壁で多少衝撃は和らげたとは言え、ルイズは強く壁に叩きつけられ、うめき声をあげた。そしてその目から涙が零れる。 「貴様、剣技以外にも何かあるな。コモンマジックの<ライト>ではなく、光そのものを操る何かがあるようだな。もしや先住魔法か?それともマジックアイテムか?どちらにせよ、剣に頼るぐらいだ、くだらぬ小細工しか使えないようだな」 「・・・マジふざけんなよ」 ワルドがブロントに向けて杖を構えると、他の三体の偏在のワルド達もブロントに杖を向ける。 「言う事を聞かなくなった小鳥は、首を捻るしかないだろう?なぁ、そうだろ、ガンダールヴ」 その瞬間、ブロントの中で何かが弾けた。 その手はぶるぶると震え、両の目には憤怒の炎が燃え上がる。 礼拝堂中にその音が響くと思われるぐらいに心臓が鼓動し、 全身の血が一気に毛の先にまで流れんばかりに頭に昇る。 デルフリンガーを強く握った左手がバチバチと激しく電撃を迸る。 「お前らは一級使い魔のおれの足元にも及ばない貧弱一般人。その一般人どもが一級使い魔のおれに対してナメタ真似をすることでおれの怒りが有頂天になった。この怒りはしばらくおさまる事を知らない!」 「ほざけ!伝説といえども、所詮ただの使い魔だ!その思い上がりと共に、貴様の伝説もここで終わらせてやる!こい、ガンダールヴ!」 ワルドとその偏在達が同時に呪文を唱え、<ウィンド・ブレイク>を四重に重ねた魔法の豪風がブロントを襲う。 礼拝堂を吹き抜ける突風が甲冑を着たブロントを軽々と吹き飛ばした。 壁にぶち当たり、石造りの壁がバラバラと砕ける。 「どうした、ガンダールヴ?剣の間合いの外ではこの一般人に手も足もでないか?貴様の怒りとやらはそんなものか?」 ニタニタと残忍な笑みを浮かべながら、遠巻きにワルドが嘲笑する。 その時、デルフリンガーが叫んだ。 「この心の震え・・・懐かしい感じがすると思ったら!思い出したぜ!」 「うるさい、気が散る。一瞬の油断が命取り」 「いいから聞け!俺は昔、おめに握られてたぜ、ガンダールヴにな。あれから何年だ?五百年は経つか?懐かしいなあ」 ブロントは体勢を低くして、ワルドの偏在に突進するが、ワルドは一定の距離よりブロントが詰め寄るのを許さず、風の魔法で吹き飛ばす。 「幾つもの店を点々と渡り、こうしてガンダールヴが現れるのを待つこと五百年、長かったぜ!そうとわかりゃ、こんな格好している場合じゃねえな!」 叫ぶなり、デルフリンガーの刀身が光り出す。 ブロントの『光』の小細工を警戒していたワルドは、身を翻らせて距離をとり、 三体の偏在に任せ、ブロントをめがけて追い討ちの突風を送った。 「無駄だ!そんな目眩ましはもう通用せんよ!その剣もまとめてへし折ってやろう!」 ワルドが叫んだ。 また吹き飛ばされると思い、ブロントは身構えた。 だが次の瞬間、偏在が繰り出した風がデルフリンガーの刀身に吸い込まれる。 そして、デルフリンガーは濡れた刃の如く、鋭く、光り輝いた。 「デルフん、お前・・・」 「相棒!これが俺の本来の姿さ!すっかり忘れてたぜ!前の相棒に銅貨一枚で売られちまって、他の奴に買われる位なら、ってテメエの体を変えたんだった!何かの冗談で、またすぐ引き取りに来ると思って待ってたら、五百年経っちまったがよ!」 「確実にナイトは本来のデルフんを手に入れたら高確率で一番最強になる」 「おうよ!奴にそれを見せてやれ!」 ブロントは鋭く研ぎ澄まされた片刃のデルフリンガーの姿を見て、ヴァナ・ディールの東の国から伝来する凄まじい切れ味を誇る『刀』を連想した。 その刀を扱う、東方の武術を極めた『侍』を、ブロントは一時経験していた事があった。 昔封印したその時の経験が、左手のルーンからブロントの頭に流れ込んでくる。 ブロントはデルフリンガーを持ち直すと、切っ先を突き出して、星眼に構える。 頭の先まで煮えたぎるワルドに対する怒りを、静かに刀身に投影し、 高鳴る心の荒波を抑え、一点の曇りも無い、明鏡止水の境地に立った。 そして、目を閉じる。 「血迷ったか!戦いの場で目を瞑るなど!」 ワルドはブロントの隙を見逃さず、<エアー・カッター>を飛ばす。 しかし、ブロントは構えを崩さず、心の眼で見切ると、すっと体を少しだけ横に反らせ、髪一本程の距離をあけてワルドの風の刃を避ける。 そして、かっと目を見開くと、塞き止めた怒りが激流となり、ブロントの左手から激しい電撃がデルフリンガーに流れ込む。 「いいぞ、相棒!っしゃあ!きたきたきたきた!みなぎってきたぜ!伝説の使い魔の突き技!」 心の震えを三倍程までに蓄積したブロントはまるで稲妻となってワルドの偏在に突進した。 蒼く迸る雷撃をデルフリンガーに纏わせ、ワルドが反応すらできる間も与えずに、偏在一体の腹を貫く― 『<雷之太刀・轟天>!』 偏在がうめき声も立てずに消滅する。 「き、貴様・・・・・・!」 ワルドはすかさず数閃もの<エアー・カッター>をブロントに向けて唱える 「恥知らずなくだらねえ魔法は全部、俺が吸い込んでやるぜ!この『ガンダールヴ』の右・・・もとい左腕、デルフリンガーさまがな!」 ブロントはデルフリンガーを横薙ぎに振るって、ワルドの魔法をデルフリンガーで吸い込ませて、そのまま頭上高く振りかぶる。 「相棒!こいつに返してやれ!」 デルフリンガーが眩く光り、唐竹割りに振り下ろされて、切っ先から真空の刃が地走る。 『<風之太刀・回天>!!』 ワルドの偏在は唖然とした表情で、綺麗な縦一文字に引き裂かれる。 「くそっ!これほどの俊敏さを隠しもっていたとは!だが、何も貴様にあわせ、地に着いている必要はない!空こそが『風』の領域だ」 ワルドは残る一体の偏在に<レビテーション>をかけ、駆ける地がない空中からブロントを攻撃すれば、素早い動きを取れないと算段した。 が、それは間違いであった。 ブロントは、ぐぐっとしゃがみ込むと、床を蹴り、空高く飛ぶ偏在に向けて、光の羽根の様な軌跡を残しながら跳躍する。 デルフリンガーを偏在の股から切り上げ、返す刃で続けざまに二の太刀を肩口から浴びせた。 『<唯一無二之太刀・有頂天>!!!』 最後の偏在が雲散霧消となって散る。 ワルドは言葉も発せずにたじろぐ。 「おっととグーの音も出ないくらいに凹ませてしまった感。お前調子ぶっこき過ぎてた結果だよ?」 「クソ・・・この、『閃光』がよもや後れを取るとは・・・このまま貴様を討ち果たすのは難しいようだな」 「怒りのパワーの力が全快になったからおまえもう謝っても遅い」 ワルドが不気味ににやりとする。 「ならば、せめて貴様の主人に一太刀浴びせてやる!」 ワルドはその二つ名の如く素早さで、杖を抜き放ち、倒れているルイズに向け、呪文を詠唱する。 しかし、ワルドの『閃光』よりも一瞬早く、ブロントは魔法の詠唱を完成させ、ワルドの胸に目掛けて神速の光球を叩き込む。 「生半可なナイトでは扱えない<ホーリー>!」 光球がワルドにぶつかり、弾けると、ワルドの胸が服ごと焼け爛れる。 「く、ぐぉお・・・!」 「ヨミヨミですよ?お前の作戦は。恥知らずは死ねマジ死ね」 ワルドはシューシューと音をたてる胸を抑え、よろめきながら後ずさって、口笛を吹く。 するとワルドのグリフォンが礼拝堂の窓を打ち破って飛び入ってくる。 「おのれガンダールヴ。どうやら伝説の力を見くびっていたようだ。だが、当初の目的の二つは果たせたのだ、私がここで命を賭してまで貴様と戦う必要は無い。どのみちここは、今にも我がレコン・キスタの大群が押し寄せる。私が手を下さずとも貴様等はここで果てる運命よ!」 ワルドはグリフォンの背に身を預けると、グリフォンが羽ばたく。 その時、遠くで何かが爆発する音がした。 「どうやら城の方は片付いたようだな。流石の伝説も三百を蹂躙する軍に対して、どれほど相手になれるかが見れないのは残念だが、ガンダールヴ!貴様はここで愚かな主人ともども灰になるがいい!」 焼けた胸の痛みに顔を歪めながら、ワルドは飛び去った。 ブロントは飛び去るワルドの後を追いかける素振りも見せず、礼拝堂に倒れている二人の状態を確認した。 ルイズは所々、服が破け、擦り傷ができていたが、気絶しているだけで大事はなかったようだ。 しかし、血の海の中にいたウェールズは、呼吸も心臓の鼓動も止まり、顔も薄青紫色をした、絶望的な状態であった。 だが、その虚ろな目には、吹けば消えてしまいそうな程小さいものだが、命の灯火がまだ辛うじて残っていた。 そのとき、ルイズが横たわった隣の地面が盛り上がったと思ったら、ギーシュの巨大モグラが顔を出した。 ギーシュの使い魔はルイズを見つけると、モグモグと嬉しそうにルイズの手をまさぐった。 穴からギーシュが顔をだした 「ヴェルダンデ!一体どこまでお前は穴を掘るつもり・・・ってきみたち、ここにいたのかね!」 ブロントは何も言わず、ウェールズの前で祈る様な姿勢で膝をついている。 巨大モグラは、フガフガとルイズの指に光る『水のルビー』に鼻を押し付けている。 ギーシュはそれを見て、うんうんと頷く。 「なるほど、僕の可愛いヴェルダンデは貴重な宝石の香りも大好きだからね。その匂いを追ってここまで掘ったんだね。あれ?ブロントさん、盾はどうしたんだい?」 「お前はここに五万の軍勢がくるのに話したりする余裕があるのか?」 「え・・・ご、五万だって!?」 ブロントは立ち上がると、ルイズをまさぐる巨大モグラを押しのけて、ルイズを抱え上げて、ギーシュに預ける。 「ルイズを連れてここを早く去るべき」 ギーシュはルイズを背負い、ふと床に倒れているウェールズに目をやった。 「彼は・・・誰だい?何かその・・・死んでいるみたいなんだけど・・・」 「・・・俺のフレンドだ。とにかく早く行かないと後悔する事になる」 「わ、わかった。キュルケ!タバサ!聞いたかい?すぐにも逃げるよ!」 ギーシュのすぐ下にキュルケとタバサもいるのか、穴から「えー?折角アルビオンにきたばっかりなのに?」というキュルケの声がした。 ギーシュは倒れているウェールズの側に佇むブロントを見て気になった。 「おーい、ブロントさんも早く!」 ブロントは「後からいく」と素っ気無く答えたので、ギーシュはそそくさと穴に潜った。 礼拝堂に一人残ったブロントは両手の平を天に向け、気を集中し、呪文を唱えた。 アルタナの女神に祈り、その祝福を願い、慈悲を乞いた。 焦る気持ちを抑え、呪文を間違えぬよう、ゆっくりと、正確に魔法を詠唱する。 長々と魔法を唱えるブロントの全身から光が生じ、それは右手に集まる。 ブロントは全ての魔力をその手に集めると、それを虫の息のウェールズに向ける。 「・・・・<レイズ>・・・ッ!」 光の塊はブロントの手を離れ、ウェールズに降り注ぐ。 すると、ウェールズの胸の傷がみるみると塞がり、その顔の血色も良くなってゆく。 魔法の光がウェールズの体をふわりと持ち上げ、その足に立たせると、光は消えていった。 「がはっ、がはっ!」 息を吹き返したウェールズはよろめき、膝をつくと咳き込み、肺に溜まっていた血を吐き出した。 「ごほごほ、友よ、君がここにいると言う事は、私は・・・生きているのか?それとも、君もあの逆賊に討たれたのか?」 「黄金の鉄の塊で出来ているナイトが布装備のワルドに遅れをとるはずは無い」 「ふっ、そうだな。流石だな、我が友」 風のメイジであるウェールズは聞き耳を立てると、遠くから王党派を打ち破った貴族派の軍勢が迫ってくる音を聞き取った。 「そうか、我々はすでに負け、終わっていたのか・・・」 衰弱しきったウェールズは思わず床に崩れ落ち、大の字になって天井を見上げる。 「友よ、最後に君に会えてよかったよ。だが、早く逃げるといい。間も無く叛徒どもがこの礼拝堂にやってくるだろう。このアルビオン皇太子、ウェールズ・テューダはここで最後を飾らせてもらう」 「・・・何も聞こえないな。俺の耳にはウェールズの声が届いてこないようだが」 ウェールズ怪訝そうな顔をして、首を上げ、ブロントを見る。 ブロントはウェールズを掴み上げ、その腕を自分の肩にまわす。 「友よ、離してくれ。王家の血が流れる私はここで王国とともに果てなければいけない責務があるのだ」 「ウェールズはすでに死んでいるんだが?」 「だが、私は現にこうして・・・!」 「ウェールズ・テューダは汚いワルドに殺されてここにはただ一人ウェントゥスだけが残った」 「ウェン・・・トゥス?」 ブロントはにこりと微笑む。 「ちなみにこの話は実際にあった内容で俺の言葉でいうと『風』という意味」 ウェールズは戸惑った様子でブロントに聞く。 「この私が・・・ウェントゥスだと?」 ブロントは頷く。 「お前がただ一人の人間で、俺のフレンドのウェントゥスなのは確定的に明らか」 「だが・・・しかし・・・私は」 ウェールズは悩んで、俯く。 「『ただ一人の人間なら一人の女性を守り生き抜くのも悪くないと』と言ったの覚えていないのかよ?完全に論破して終了したのでこの話しは終了」 ブロントは強引にウェールズを引き摺られながら、ウェールズははっとした顔になった。 「まいったな、友の言葉はめちゃくちゃだ。だが、なぜかな、とても魅力的な言葉に聞こえるよ」 ウェールズはふぅとため息をついた。 ふと脳裏にアンリエッタ王女の笑顔が思い浮かんだのだ。 今まで気が付かなかったが、なぜかその笑顔が、自分が守ろうとしていた王家の誇りより何倍にも大事なものであると思えた。 ウェールズは決心したような面持ちで顔を上げ、 先程まで自分が倒れていた血に染まる床を見つめた。 「よかろう、私に流れる王家の血はここに全て流れ出た。これよりはただ一人の風のメイジ、そしてブロントの親友、ウェントゥスだ」 その言葉を聞いて、ブロントは頷き、カバンから何かを取り出した。 橙色のレンズがはめ込まれた防塵眼鏡を、ウェントゥスにかける。 「これは・・・?」 「お前の顔は死んだウェールズとまれによく同じ顔になったりする」 「そうか、そんなにアルビオン皇太子と似ているか!それは困ったものだな」 二人は楽しそうに笑うと、礼拝堂の外が何やら賑やかになる。 王党派を破った貴族派の一部隊が礼拝堂を取り囲んでいた。 「友よ!奴らが来たぞ!」 礼拝堂の扉が音を立てて打ち破られ、貴族派の兵士やメイジ達が飛び込んできた。 その頃、ルイズ達はギーシュの使い魔が掘った穴を伝い、大陸の真下でキュルケ達がアルビオンまで乗ってきたシルフィードとともにブロントがくるのを待っていた。 「ちょっと、本当に大丈夫なの?ブロントさん全然こないわよ」 タバサの使い魔シルフィードに跨ったキュルケは「五万の軍勢がやってくる」とギーシュから聞いてあせっていた。 「わからない。もしかするとぼくたちのために足止めになっているのかもしれない・・・」 ルイズはギーシュに運ばれている途中、意識を取り戻し、自分の足で立っていた。 何も声が聞こえてこないリンクパールをその手に握り締めて伝ってきた穴を見つめていた。 何度かパールに呼びかけたが、返事が返ってこない。 聞き耳を立てて警戒していたタバサがぽつりと呟く。 「来た」 「ブロントさん来たの?」 タバサは首を横に振る。 「違う、兵隊」 確かに耳を澄ますと、穴の奥から「ここに穴が開いてるぞ!」「この先に逃げたかもしれない、確かめろ」といった兵士達の怒号が聞こえてくる。 「ヴァリエール!早くシルフィードに乗りなさい!ここで犬死なんて洒落にならないわよ!」 キュルケは叫んだ。 ルイズは首を振る。 「そのまま!もう少し待って!」 「もう待てないわよ!」 穴の中からする貴族派の兵士達の声が次第に大きくなる。 今にも穴から兵士が飛び出てきそうなぐらいに、無数の足音が響き渡る。 「ヴァリエール!」 ルイズはブロントの事が気になっていた。命を捨てるような事をしないと約束してもらったばかりなのだ。それをこんな所で破るはずが無い。 必ずブロントは生きてやってくると、ルイズは信じていた。 穴からがらっと石が転げ落ちる。 「奴ら来たわよ!」 キュルケが杖を穴に向けて構える。 「遅れてすまにい」 どこからともなくブロントの声がすると思ったら、何もない空間からブロントと肩を貸した誰かが姿を現した。 ブロントは自分とウェントゥスにかけたプリズムパウダーを手で払っていた。 「ブロント!それに・・・そのお方はウェ・・・」 ブロントの肩にもたれかかる様に死んだはずの皇太子が、何やら色眼鏡をかけてそこに立っている。 ブロントは咄嗟にルイズの口を手で塞ぐ。 「俺のフレンドのウェントゥスなんだが?」 「でも、だって、ウェー・・・」 「誰かに似ているようだが、私はウェントゥスだ」 ブロントとウェントゥスは顔を見合わせて笑う。 「あんた達、話しは後にして、急いでここから離れるわよ!」 キュルケが叫ぶと、ルイズ達は急いでシルフィードに乗った。 「いいわよ、タバサ!」 六人を背中に乗せ、その口に巨大モグラを咥えたシルフィードが苦しそうに悲鳴を上げた。 「食べちゃダメ、トリステインまで頑張って」 タバサは自分の風竜にそう囁き、頭を撫でる。 シルフィードがアルビオンから飛び立つと、穴から続々と兵士達が流れ出る。 飛び去るルイズ達に向かって、何か罵声の様な言葉を飛ばし、矢を放つが、そのどちらも届かない距離へとルイズ達は遠ざかっていった。 風竜に乗り、アルビオンから吹きすさぶ風がルイズの頬に当たる。 後ろを振り返ると、アルビオン大陸が徐々に小さくなっていく。 思い起こせばアルビオンに一晩しか過ごしていないが、もう何月も滞在したような気持ちだった。 数々の命や思いが今まさにあの浮遊大陸で踏みにじられ、散り、消えていった。 あそこに残していたものは、ただの幻影となって人々から忘れ去られてしまうのだろうか? そう思うと、ルイズに何か寂しい気持ちが沸き起こった。 しかし、風竜に乗る自分の使い魔と仲間達の姿を見て、このままどんな場所にも、どんな困難にも、立ち向かえそうな勇気が湧いた。 そうして安心したルイズは、ブロントに寄りかかるようにして、意識を手放して、眠った。 第16話 「誓いの連鎖」 / 各話一覧 / 第18話 「風の行方は」
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基準タイム 良1 33.0 稍重1 33.5 重1 34.0 不良1 35.0 RR1 29.8 シーズン 出走頭数 枠番 馬番 勝ち馬名 性別 勝利騎手 斤量 オッズ 人気 馬場 タイム 指数 勝利馬主 1 15 4 6 ベリィーダンス 牡3 ガルシア 54.0kg 4.5 4 不良 1 34.8 102 カノン 2 12 7 10 ドラマイオルブル 牡3 大納言 57.0kg 2.2 1 良 1 31.5 115 どら焼き 3 18 7 15 ローマンエンパイア 牡3 金田元 55.0kg 8.9 10 良 1 31.4 116 ピンチ 4 18 7 13 ピーチシャーベット 牡5 ウェッジ 57.0kg 4.5 2 良 1 31.0 120 ストロベリータイム 5 10 4 4 ダリアジブラル 牡3 トッポ 54.0kg 3.2 3 良 1 31.3 117 マユファーム 6 12 8 11 シバラクチョキョウ 牡5 カット 56.0kg 8.3 8 良 1 31.1 119 サロン 7 18 2 4 セピアトレール 牡4 まさえ 56.0kg 3.7 1 稍重 1 31.3 122 どんぐり太郎 8 11 4 4 カンパネルラ 牡4 レベッカ 57.0kg 2.1 1 良 1 30.8 122 ピンチ 9 8 4 4 ゼットエンロー 牡6 z-短中 56.0kg 2.2 2 良 1 31.4 116 z 10 18 4 7 ドキドキ 牝6 YUKI 57.0kg 5.8 5 良 1 30.6 124 星屑 11 18 4 7 ドキドキ 牝7 YUKI 57.0kg 3.5 2 良 1 30.4 126 星屑 12 18 1 2 カレフホシボシ 牝8 乍 57.0kg 4.2 2 良 1 30.6 124 夏霊風 13 18 7 13 ステイダッシュ 牡6 しょう 57.0kg 5.3 5 良 1 30.8 122 西湖 14 15 6 10 シルクウォール 牡3 ドンペリ 54.0kg 4.6 3 重 1 31.8 122 シルクドゥソレイユ 15 8 5 5 マユドリウッド 牝5 トッポ 56.0kg 1.8 2 良 1 30.2 128 マユファーム 16 15 4 6 クロネコカミネコ 牡3 金田元 54.0kg 2.7 1 良 1 30.8 122 かみねこくろねこ 17 18 3 5 カレフゴルニャン 牡3 乍 56.0kg 10.7 11 良 1 30.7 123 夏霊風 18 10 2 2 ザトゥルーパー 牝4 レベッカ 56.0kg 2.6 2 良 1 30.4 126 ピンチ 19 15 8 15 リトーエウ 牡7 ベルモン 56.0kg 5.5 6 稍重 1 31.4 121 ベルモント 20 12 8 11 アーカーベー 牝4 天馬愛奈 54.0kg 3.1 3 良 1 30.8 122 のむ 21 18 2 4 ブリガパーソナル 牡5 トッポ 56.0kg 3.8 1 重 1 31.7 123 マユファーム 22 18 7 15 チャームエミリ 牡5 トッポ 57.0kg 2.8 1 稍重 1 31.1 124 マユファーム 23 18 8 16 レディネラブル 牝4 トッポ 54.0kg 3.7 1 良 1 30.8 122 マユファーム 24 15 6 11 モンジャ 牝3 天馬愛奈 52.0kg 3.0 1 良 1 30.5 125 のむ 25 18 7 15 ムビレジー 牡4 緑服 58.0kg 3.4 1 不良 1 32.5 125 ハイテンション 26 13 5 6 シーザキダンフラ 牝5 トッポ 55.0kg 2.1 1 良 1 30.3 127 マユファーム 27 13 5 7 シスイット 牡4 CHAI 57.0kg 3.6 3 良 1 30.8 122 システィーナ礼拝堂 28 10 3 3 マユスレジア 牡5 トッポ 56.0kg 1.6 1 良 1 30.7 123 マユファーム 29 11 7 9 ベルカップル 牡5 カール 56.0kg 3.2 3 稍重 1 31.7 118 菓子牧場 30 13 5 7 サチコ 牝4 ディーン 54.0kg 3.7 3 稍重 1 31.2 123 マジンブー 31 10 6 6 セレリティ 牡4 武ー短中 57.0kg 14.6 8 良 1 30.9 121 KOB 32 7 6 6 ネクストチャレンジ 牡5 次元 56.0kg 2.2 2 良 1 31.0 120 快走ルパン 33 15 8 15 スニーキギヴン 牡5 トッポ 59.0kg 2.5 1 良 1 30.4 126 マユファーム 34 12 7 9 セクシャリティ 牡4 安田皐月 56.0kg 2.5 1 良 1 30.5 125 のむ 35 9 8 8 カッチテルマエ 牡3 かーくん 54.0kg 1.7 1 良 1 30.5 125 カッチ 36 14 8 14 エテーネ 牝3 金田元 5.0kg 2.7 1 不良 1 32.5 125 ちびた 37 9 3 3 チョメチョメ 牝4 ツンツン 57.0kg 2.0 1 良 1 30.4 126 噛み付きみーちゃん 38 16 4 8 シスインチアップ 牝5 CHAI 54.0kg 3.3 1 重 1 31.4 126 システィーナ礼拝堂 39 11 7 8 シスインチアップ 牝6 CHAI 56.0kg 1.8 1 良 1 30.5 125 システィーナ礼拝堂 40 10 7 7 カッチワンワン 牡5 かーくん 58.0kg 2.8 3 稍重 1 30.6 129 カッチ 41 7 4 4 チーガーウーダロー 牝4 天馬愛奈 57.0kg 1.3 1 重 1 31.5 125 のむ 42 11 7 9 シスアメリ 牝5 ちょび 56.0kg 3.0 3 稍重 1 30.7 128 ジャスパー 43 11 2 2 マウシンラ 牝5 トッポ 54.0kg 2.9 2 稍重 1 31.3 122 マユファーム 44 8 2 2 マポレーナ 牡3 羽生善治 55.0kg 2.2 2 良 1 29.8 132 ちびた 戻る 新国内歴戦記録Ⅲ 戻る 新国内歴戦記録Ⅱ 戻る 新国内歴戦記録 戻る 国内歴戦記録(国内重賞記録) トップ
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基準タイム 良1 36.5 稍重1 36.0 重1 35.5 不良1 37.0 RR1 32.9 シーズン 出走頭数 枠番 馬番 勝ち馬名 性別 勝利騎手 斤量 オッズ 人気 馬場 タイム 指数 勝利馬主 1 16 7 13 トトキャスター 牝3 武-短中 53.0kg 2.5 1 良 1 36.6 99 トトっち 2 15 6 11 ダークエンジェル 牝3 フォース 53.0kg 2.5 1 良 1 35.3 112 波牧場 3 14 6 9 インフィニティ 牝4 中山理恵 55.0kg 2.5 1 稍重 1 33.8 122 ケンシロウ 4 15 6 11 ベイビーベイビー 牝4 中山理恵 55.0kg 2.5 1 良 1 34.7 118 ヴェーダ 5 16 4 7 ダリアメリーナイス 牡4 ペリエ 57.0kg 2.8 1 稍重 1 33.6 124 蟷螂之斧矍鑠 6 15 7 13 ダリアメリーナイス 牡5 ペリエ 57.0kg 3.3 1 重 1 33.0 125 蟷螂之斧矍鑠 7 16 2 3 ウッドファンタジー 牡7 ニラミア 57.0kg 4.0 2 良 1 34.1 124 マユファーム 8 16 8 16 カレフホシボシ 牝4 中山理恵 55.0kg 3.4 1 良 1 34.1 124 夏霊風 9 11 8 10 クジラアテーナー 牝7 竹光太郎 55.0kg 3.9 4 良 1 34.4 121 シンシアファーム 10 15 2 2 カレフホシボシ 牝6 中山理恵 55.0kg 3.3 1 良 1 34.0 125 夏霊風 11 16 8 16 カレフホシボシ 牝7 中山理恵 55.0kg 3.9 2 良 1 34.0 125 夏霊風 12 14 6 10 ティックティック 牝4 ポッキー 55.0kg 3.3 2 良 1 33.9 126 菓子牧場 13 15 2 3 スペシャルモクロス 牡4 ルパン 57.0kg 3.0 1 良 1 34.1 124 快走ルパン 14 16 8 16 ティックティック 牝6 ポッキー 55.0kg 4.2 3 重 1 32.9 126 菓子牧場 15 13 4 5 レディギャラクシー 牝3 ルパン 53.0kg 3.6 3 良 1 34.7 118 快走ルパン 16 14 6 9 カッチエースクン 牡3 ひでくん 55.0kg 6.4 7 良 1 34.0 125 カッチ 17 16 8 15 マジファンタジスタ 牡5 瀬尾薫 57.0kg 14.2 13 良 1 34.1 124 マジンブー 18 8 2 2 テスジーツー 牝6 ナック 55.0kg 2.3 3 稍重 1 33.5 125 ACE 19 12 6 8 コッソリ 牡5 補欠 57.0kg 2.7 1 良 1 34.0 125 マジンブー 20 14 6 9 エースホーリー 牝5 ナック 55.0kg 3.6 3 良 1 34.1 124 ACE 21 16 3 6 シスクモカクレニシ 牝7 ASAE 55.0kg 4.6 4 不良 1 34.4 126 システィーナ礼拝堂 22 16 7 14 ブリガパーソナル 牡6 ニラミア 57.0kg 4.7 4 良 1 34.1 124 マユファーム 23 16 4 7 ワンダーウォール 牡5 杏 57.0kg 3.9 2 重 1 33.1 124 セーフ 24 11 8 11 カッチハラミ 牡5 ひでくん 57.0kg 5.1 6 良 1 33.9 126 カッチ 25 16 3 6 ラカンパネラ 牝4 瀬尾薫 55.0kg 4.8 4 良 1 33.7 128 のむ 26 16 2 3 シューベルト 牡4 砂野帝王 57.0kg 7.9 8 良 1 33.9 126 のむ 27 9 3 3 シススザク 牡5 中山理恵 57.0kg 2.1 1 良 1 33.5 130 システィーナ礼拝堂 28 14 1 1 キシングユー 牝6 杏 55.0kg 5.2 6 良 1 33.9 126 セーフ 29 7 2 2 カッチシュー 牝5 ひでくん 55.0kg 1.5 1 良 1 33.9 126 カッチ 30 9 4 4 スイラブ 牝5 砂野帝王 55.0kg 3.4 4 稍重 1 33.4 126 のむ 31 13 7 10 カデナガカゲ 牝4 瀬尾薫 55.0kg 2.6 1 良 1 33.7 128 影 32 11 6 6 ユメヲエガイテ 牝4 補欠 55.0kg 2.7 2 良 1 33.6 129 マジンブー 33 15 6 11 ジャスヴィンクラー 牡5 瀬尾薫 57.0kg 3.6 2 良 1 33.7 128 ジャスパー 34 14 3 4 カナワヌコイ 牝3 補欠 53.0kg 9.8 9 良 1 33.6 129 マジンブー 35 16 4 7 エスヴァクトーレ 牡7 マテリア 57.0kg 4.2 3 良 1 33.5 130 S2K 36 12 6 8 カゲストリート 牡3 緑影 55.0kg 3.7 4 良 1 33.9 126 影 37 10 4 4 チョメチョメ 牝4 ハゲサン 55.0kg 2.7 2 稍重 1 33.2 128 噛み付きみーちゃん 38 11 3 3 マユファオーブ 牝5 ニラミア 55.0kg 4.3 5 良 1 33.6 129 マユファーム 39 16 2 4 ラダトーム 牡5 谷川浩司 57.0kg 4.2 3 不良 1 33.9 131 ちびた 40 16 5 10 シスニフラー 牡5 まさおー 57.0kg 24.7 14 良 1 33.8 127 システィーナ礼拝堂 41 13 8 13 ブルーノワルター 牡4 砂野帝王 57.0kg 2.6 2 良 1 33.8 127 のむ 42 14 1 1 ウットリ 牝5 補欠 55.0kg 3.3 2 良 1 33.7 128 マジンブー 43 15 3 4 ウゾウムゾウ 牝4 砂野帝王 55.0kg 4.6 3 良 1 33.7 128 のむ 44 11 4 4 レトリウス 牡4 谷川浩司 57.0kg 2.5 1 不良 1 34.3 127 ちびた 戻る 新国内歴戦記録Ⅲ 戻る 新国内歴戦記録Ⅱ 戻る 新国内歴戦記録 戻る 国内歴戦記録(国内重賞記録) トップ
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16話 今日心許ナシ パールグレイと墨色の毛皮を持つ獣足の狼獣人、森井俊政は、 エリアA-2にある教会の礼拝堂で、女神の姿が描かれたステンドグラスを 見上げていた。 「綺麗だなー……こんな綺麗な女の子とセックスしたい」 かなり罰当たりな事を口走る俊政。 無理も無い、彼は今年で25歳になるが未だに女性との性行為を体験していない。 つまるところ「童貞」なのである。 つい昨夜も人間の少女と黒い毛皮を持つ自分と同じ人狼種の男が激しく交わる AVを見ながら何度も抜き、就寝した、筈だった。 「童貞のまま死にたくないなぁ……」 いきなり殺し合いに巻き込まれ、自分は女性と一度も経験する事無く、 死んでいくのかと嘆く人狼の青年。 まだ支給品を確認していなかった事を思い出し足元にある自分のデイパックを漁る。 「ナイフに……何これ、ローション?」 入っていたのは黒い刃を持つコンバットナイフとピンク色のボトルに入ったローションだった。 「まあ、ナイフは一応武器になるか……」 コンバットナイフを取り出し、ローションをデイパックの中にしまう。 次に名簿を確認するが自分の知り合いは一人もいないようだった。 「ふぅ、これからどうしようかな」 これからどうするか俊政は思案する。 自分は殺し合う気は無い。何とかしてこの殺し合いから逃げ出したい。 首にはめられた爆弾内蔵の首輪――この首輪さえ何とか出来れば、 脱出の糸口も見えるかもしれないのだが。 俊政は元々機械いじりが趣味で、精密機械等の構造にそれなりに詳しかったため、 首輪の内部構造さえ分かれば何とか出来るかもしれないと考えていた。 ガタ……。 「! 誰だ!?」 教会の入口の扉が開く音が耳に入り俊政はナイフを片手に入口の方を向く。 「あ……あの、待って、下さい。私は殺し合う気は無いです」 少し怯えた声で言うのは、桃色の髪をツインテールに纏めた、 セーラー服に白いニーソという姿の美少女――永倉萌だった。 (お、おにゃのこ!) 闖入者が少女、しかも、可愛い上に巨乳、年下、セーラー服に白ニーソという、 とても刺激的な組み合わせとくれば、童貞で性交願望のある俊政にはたまらない。 「あの、私、永倉萌って言います。あの、狼さんは……?」 「お、俺? 俺はね、も、森井俊政」 (おにゃのこ! おにゃのこだあ! かわいい! おっぱい大きい、触りたい、 チ○ビ吸いたい、○○○こに入れたい……!) 誰もいない礼拝堂内に可愛い女の子と二人切り。 俊政の中の劣情がどんどん大きくなる。 「森井、俊政さん、ですね。森井さんは、あの、殺し合いには……?」 「の、乗っていないよ」 (乗っかりたいよ君のお尻にぃぃ) 「そうですか、私もです。あの、もし宜しければ、その、一緒に居てくれませんか? 一人じゃ、不安なんです」 「い、いい、よ? よ、喜んで」 (うわあああああきたあああああもうむりもうだめええきめた! もうきめたおれ!) 「あ、ありがとうございます!」 「で、でも、も、萌ちゃん、俺からお願いしても、いいかな?」 「はい……?」 願いとは何なのかと、萌は俊政の顔を見た。 そして、その瞬間おおよそ理解した。 俊政の緑色の瞳には、明らかな情欲の色が滲んでいた。 「……エッチさせて」 「…………」 礼拝堂の奥にある寝室らしき部屋。 「あの、初めてなので、優しく、お願いします……」 ベッドの上で、裸ニーソの格好となった萌が恥ずかしそうに言う。 「お、俺も初めてなんだよね……でも、良いの? 俺、あんな事言ったけど、 初めてが俺みたいなケモノで」 「い、良いです、私も、ちょっと興味ありましたから……。 それに、私、動物好きですし。勿論、狼も、狼の獣人も」 「そ、そう……それじゃ、いくよ……」 「うっ……! い、痛い……!」 「うわ、血が……」 「……でも、ちょっと気持ちいいです……そ、そのまま一気に……」 「うん……グウッ」 「あぁっ……!」 この瞬間、パールグレイと墨色の人狼と桃髪ツインテールの少女は一つになった。 合ッ体ッ!! 【一日目/朝方/A-2北部教会内の部屋】 【森井俊政@オリキャラ・新規組】 [状態]興奮、快感、永倉萌と結合中 [装備]コンバットナイフ [所持品]基本支給品一式、ローション [思考・行動] 基本:殺し合いからの脱出。首輪を調べたい。 1:童貞卒業出来たよ……。 2:永倉萌と行動する。 [備考] ※特に無し。 【永倉萌@オリキャラ・再登場組】 [状態]裸ニーソ、興奮、快感、羞恥、森井俊政と結合中 [装備]不明 [所持品]基本支給品一式、不明支給品(本人確認済、1~2個) [思考・行動] 基本:殺し合いはしない。死にたくない。 1:純潔失っちゃった……でも、気持ち良いから良いか……。 2:森井俊政と行動する。 [備考] ※俺得ロワ本編開始前からの参戦です。 ≪支給品紹介≫ 【コンバットナイフ】 軍用の大型ナイフ。作りが頑丈で切れ味が鋭い。 【ローション】 性交時、挿入困難な場合に使用する潤滑剤。 強い粘性と潤滑性をもった水溶液で摩擦を軽減させる効果がある。 ≪オリキャラ紹介≫ 【名前】森井俊政(もりい・としまさ) 【年齢】25 【性別】男 【職業】精密機械加工工場勤務 【性格】やや気弱でスケベだが、根は誠実 【身体的特徴】パールグレイと墨色の獣足型狼獣人。それなりに引き締まった身体付き。 タテガミフサフサ。緑色の瞳を持っている 【服装】全裸(服を着る概念が無い) 【趣味】機械いじり、自慰、インターネット 【特技】精密機械に関しての詳しい知識、人狼なので耐久力や体力、運動能力は 普通の人間より高い(が、他の人狼種の平均と比べると低め) 【経歴】童貞歴25年 【備考】童貞卒業を切に願っているが中々上手く行っていない 狂宴開幕~アタラシイサンゲキ~ 時系列順 A foolish man 狂宴開幕~アタラシイサンゲキ~ 投下順 A foolish man ゲーム開始 森井俊政 一応脱出のための努力もしています ゲーム開始 永倉萌 一応脱出のための努力もしています
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プロローグ 《1》 お兄ちゃんが死んだ。 血がつながってないどころか義妹ですらない私に、あの人をお兄ちゃんと呼ぶ資格なんてないのかもしれない。 でも、私にとってあの人を呼ぶのに一番ぴったりな言葉が「お兄ちゃん」なんだから、いいよね。 四年前、初めてお兄ちゃんが『刻訪(うち)』に来た。 あのときの私と同じ、孤独に押し潰された真っ黒な瞳をしていた。 若い人もそれなりにいたけど、10代っていうのはやっぱり少なくて、お兄ちゃんは私と一番年の近い人だった。 最初は話しかけても心に声が届いてないみたいだったけど、がんばって何回も話してみたら返事してくれた。 「うん」って一言だけだったけど、嬉しかったな。 お兄ちゃんは左腕がなかったから、ママの能力でパパの戦器と調和(シンクロ)することができた。 羨ましかったけど、痛いのはイヤだからやっぱりいいかな。 お兄ちゃんがお仕事をこなしていくうちに、その瞳の黒が少しずつ違う黒になっていくのがわかった。 それも、私とおんなじ。 月日が経って高校生になったお兄ちゃんは、別人みたいに素敵な笑顔を見せるようになってた。 きっといい友達が学校にいるんだろう。 冗談なんかも言ってきたりして、出会った頃がウソみたい。 でもこれが、ほんとのお兄ちゃんなんだって思ったら、私も笑顔になれた。 こないだ、ついに彼女ができたらしい。写真見せてくれたけど、ちょーかわいかった。ぜいたくなやつめ。 事務所にあんまり来なくなった(って言っても週に一回はいたけど)お兄ちゃんが、とうとう音信不通になってしまったのは1ヶ月前のことだ。 刻訪(うち)は悪の組織でもなんでもなくてただの互助会だから、用がなくなれば来なくてもいい。 そういう人は今までにも何人もいた。 でも、私がメールすればだいたい返事してくれるし、なんやかんやでみんな遊びには来てくれている。 けど、お兄ちゃんはまるでこの世界から消えてしまったように、ぷつりと消息を絶っていた。 パパやママに訊いても全然わかんないらしい。 いなくなるとわかるさみしさってあるんだね。 気が付いたら私の腕に、縫い跡が増えていた。 どうやらちょっと、おかしくなってたみたい。 お兄ちゃんが死んだ。 報せを受けて日本橋にある地下駐車場に駆けつけたパパとママが言うには、それは酷い有様だったらしい。 話したがらないパパを私の糸で縛り付けて無理に様子を訊き出したら、私の想像なんかよりはるかに惨い。 爆発的な攻撃を受けたのだろうか、左腕は跡形も無くなっていて、お腹には大穴が空いていたんだって。 血と肉と骨が焦げた臭いにやられた捜査員の人が吐いてしまって大変だったとか。どうでもいいよ。 可哀そうなお兄ちゃん。痛かったね。辛かったね。 どうしてそんな酷い目に遭わないといけないんだろう。 私もお兄ちゃんも、両手は赤で塗り固められている。天国になんて絶対行けやしない。 でも、どうせ地獄に落ちるなら、死に方ぐらい選ばせてくれたっていいんじゃないかなって思う。 ねえ神様、それは私のわがままですか? お兄ちゃんが死んだ。 もう、零す涙は私に残されていないけど。 私の心にまたひとつ、埋まることのない穴が穿たれた。 ◆◇ 《2》 それでも朝は平等に、容赦なくやって来る。 眩しい朝日に身を焼かれながら、私は重い心に縛られた体を動かした。 朝食を食べ、登校の準備をする。 ママは学校を休んでいいって言ってくれたけど、やっぱり行くことにした。 うちで休んでいるよりも、学校の子たちの笑顔を見ている方が、元気になれる気がしたから。 テレビを見ると、一瞬お兄ちゃんのニュースが流れ、すぐにいつも通りの朝の特集へと切り替わった。 魔人社会では、死者一名の凄惨な殺人事件の扱いなんてそんなものだ。 お昼のワイドショーではもうちょっとやるかもしれないけど、朝の貴重な時間を割くほどのことではない。 「グッモーニーン!今日は現代芸術(モダンアート)と伝統芸能(トラディショナルアート)とのコラボレートが評判の、『書』の達人にお話しをお伺いしマス。では早速! Good morning, my name is ……」 特集ではユーモラスな外国人のおじさんが、茶髪にヘッドホンのお坊さんに突撃取材(えいかいわ)を試みている。 実に平和なひとコマだ。私たちにもちょっとでいいから分けてほしい。 「……いってきます」 そんなこんなで準備は万端。 今日も一日、がんばります。 ◆ 通勤ラッシュに巻き込まれつつもなんとか辿りついた駅から歩いて15分。 銀杏並木の坂を上っていくと、白亜の宮殿……と勘違いしてしまいそうなくらいに壮麗な校舎が現れる。 聖(セント)アーク女子学園に通い始めてから1年半の時間が経ったが、私は未だに圧倒されてしまうのだ。 上部が滑らかにウェーブしている豪奢な門をくぐりぬける。 「ごきげんよう、綾辻さん」 「ごきげんよう、お姉さま」 挨拶をして下さったのは吾咲有為(あさきうい)先輩だ。 前期の生徒会長(シスター)だった先輩は、学園始まって以来の才媛と呼ばれ、全校生徒の憧れである。 生徒全員の顔と名前が一致しているのも彼女の才能の片鱗にすぎない。 生徒会長(シスター)の任期を終えた現在もこうして毎朝登校する生徒に挨拶をし、一日を頑張る気力を分けてくれている。 「あら、タイが曲がっていてよ」 長い黒髪を揺らしながら、家に飾られている白磁の器のように繊細な指が私のタイに触れる。 いやみの全くない所作に、女子である私も思わずドキッとしてしまう。 「あっと、ありがとうございます」 先輩は私の顔をじっと見つめると、心配そうに言った。 見つめられてますます緊張する私。 「少々お顔色が優れませんわね。なにかございまして?」 「えーっと、昨日ちょっと夜更かししちゃいまして」 「まあ。淑女たるもの、常に美しくあるよう努めなければなりませんよ」 「気をつけます……」 人差し指を立てて私を諭した先輩は、優しい微笑みを浮かべた。 「お悩み事がありましたら、いつでも相談に乗りますわ」 「……ありがとうございます! では、失礼しまーす」 ちょっと浮世離れしている気もするが、そこもまた魅力であるという評判だ。 そして、先輩は心の機微にとても敏い。 きっと、私が落ち込んでいることにも気づいていたと思う。 ここでその時その人に合わせた心遣いができることが、先輩の慕われる一番の理由なんだろうな。 元気をもらった私は、瀟洒な音色の予鈴が鳴り響く校舎へと足を進めていく。 ◇ 「ごきげんよう、真実(まみ)さん」 教室に入った私は、前の席に座っている、赤みがかったくせっ毛の少女に話しかける。 彼女の名前は巡(めぐり)真実。新入生合宿で一緒の部屋になって以来の親友だ。 一人称がボクであるところが特徴的な彼女は勉強は普通だけど、だれとでも仲良くなれるフランクな性格が愛されており、今期の生徒会長(シスター)にも選出されている。 いつもの彼女だったら「ごきげんよう! 結丹(ゆに)さん!!」と元気よく返してくれるはずなのだが、今日は全く反応がない。 しょうがないので耳元で、優しく息を吹きかけるようにやり直してみる。 「……ごきげんよう、お姉さま?」 「ふわぁっ、おはよ……じゃなかった、ごきげんよう、結丹さん! もぅ、お姉さまはやめてよー」 ようやく私に気が付いたようだ。 生徒会長(シスター)になったばかりの彼女はお姉さまと呼ばれることに慣れておらず、恥ずかしそうにしている。 耳元で話しかけたことはいいのだろうか。 「だって返事してくれないんだもん」 「ごめんごめん」 ばつが悪そうに謝る彼女。そこには普段の十分の一も元気がない。 明らかに様子がおかしい。 「どうしたの、心ここにあらずってかんじだけど」 とりあえずきいてみる。 「……えっと、そのね、ここじゃ話しづらくて……。お昼休みになったら、相談室に来てもらっても、いいかなぁ?」 予想以上にガチだった。せいぜい1万円の入ったお財布を落としたとかだと思ってた。 「え、いいけど……。ねえ真実、だいじょぶ?」 「ごめんね、後で話すから」 気になってしょうがないけど、とりあえずお昼まで待とう。 「今日ミスドが100円だって!」「お姉ちゃんがスタバのタンブラーくれたんだあ」「わ、わたしね、こ、告白されちゃった!!」「昨日C組の美咲ちゃんがね、前田先生と一緒に歩いてたの!」「宿題できてる?」「まだだよー」「ねえ聞いた!?学園祭のライブのゲストすごいよ!!」「キャー!」「やったー!」「あ、先生来る」「早くない?」 教室の会話はいつも通りだ。 本来ならそこに真実が加わって、まるでお祭りの日みたいににぎやかになる。 けれど今日はそれがなくて、どこかみんな盛り上がってない気がする。 元気をもらうつもりだったのに、なんだか大変なことになりそうだな。 そんなことを思っていたら、チャイムが始業を告げていた。 ◆ 「『迷宮時計』?」 「そうなの! これ見て……」 お昼休みの相談室。 聞きなれない言葉に首を傾げる私に、真実はケータイのメール画面を見せてきた。 メールの差出人は見たこともないアドレス。 内容をよく読むと、そこにはとんでもないことが書かれていた。 現実世界で時計の所有権を手放すことは決してできないこと。 所有権が失われるのは、その時計所有者が死亡した時のみとなること。 所有者の存在しない時計は、最初に触れた者が次の時計所有者となること。 時計所有者になってしまった者は、 絶対にバトルロイヤルに巻き込まれること。 戦闘空間で自分以外の全ての時計所有者を排除しない限り、元の世界に帰還することはできないこと。 欠片の能力を統合した最後の一人は、『迷宮時計』の真の名を知り、その力を手に入れることができること。 『迷宮時計』は望む時間や空間へ自由に向かう力であるとも、時空のすべてを支配する能力であったとも噂されていること。 俄かには信じられないことばかりだ。 かける言葉がみつからないが、とりあえず思ったことを口にしてみる。 「……うっわー。これはやっばいね」 「でしょ!? もうボク、どうしたらいいか……!!」 真実は頭を抱えて涙目になっている。 こんなにも憔悴している彼女は、私のはじめて見る真実だった。 普段の真実だったら、朝にしゃべったとき、ひとめ見ただけで私の様子がおかしいことに気が付いて、 どうしたの? と優しく声をかけてくれたにちがいない。 普段の真実だったら、待ちわびた獲物を前に下卑た笑みを浮かべる獣のような表情の私に気が付いて、 どうしたの? と厳しく問い糺してくれたにちがいない。 それぐらい今の彼女は、日常からかけ離れた心境のもとにあった……のだろう。 迷いはほんのひとときにすぎなかった。 あるいはまだ、私はおかしくなっているままだったのかもしれない。 7年間待ちわびた赤。 7年間探し続けた赤。 それに届く欠片が、いま私の目の前にある。 縫い跡が疼いている。 私の心は決まった。 「真実」 「ふぇ…?」 「放課後、礼拝堂に来て? 一緒に助かる方法を考えよう」 ◇◆ ************************* 赤いマフラーを編んでいた。 こっちのはしがわたし、むこうのはしがおかあさん。 赤いマフラーはお父さんへのクリスマスプレゼント。 くりすますには、ねがいがかなうの。 お母さんとお父さんは事故で死んでしまった。 あかいまふらーができたら、みんなかえってくるのかな。 マフラーが完成しても、両親は帰ってこなかった。 ちがういとをつかえば、みんなかえってくるのかな。 自分の血で赤く染めた糸を使ってマフラーを作っても、両親は帰ってこなかった。 ちがういとをつかえば、みんなかえってくるのかな。 他人の血で赤く染めた糸を使ってマフラーを作っても、両親は帰ってこなかった。 まじんになったら、みんなかえってくるよね。 人間に翼を縫い付けても、空には連れて行ってくれなかった。 あなたはわたしの、てんしじゃないの? 少女は両親を甦らせてくれる人を探しています。 あなたの赤は、わたしのほしい赤ですか? ************************* 《3》 放課後の礼拝堂。 広大な学校の敷地の隅にあるここは、日曜礼拝のときには神父さまが来るが、平日はがらんとしておりだれもいない。 礼拝堂の周りには神父様の植えた草花が咲き誇っている。 私がお仕事で運んだことのある草も生えている気がするが、それは気のせいだろう。 まだ時刻は16時を回ったところだが、夕焼けは空をくまなく茜色に染めている。 陽射しが壁面のステンドグラスを通過し、礼拝堂の中は荘厳な雰囲気に包まれていた。 「ごめん遅くなった! 進路相談が長くなっちゃって……」 真実が慌てた様子で中に入ってくる。 ……準備する時間をくれたのは都合がいい。 そんなことはもちろん口にせず、 「ううん。私もいま来たところだから」 哀れな子羊を優しく迎える。 「そっか! よかったー! ……ありがとね、私の相談に乗ってくれて」 くりくりの瞳を伏せて、真実が申し訳なさそうに言う。 しおらしい真実を目にして、私の口から思いがけず言葉が飛び出した。 「……まかせてよ。だって私たち、親友でしょ?」 嘘じゃない。 「嬉しい。」 真実は照れくさそうにはにかむ。 そんな可愛らしい真実を見て、去年の春から始まったあの日々が脳裏によみがえる。 「初めて私たちがしゃべったのも、この礼拝堂だったよね」 「そうそう。真実ったらいねむりしてるんだもん。神父様の目、怖かったなー」 「あ、あの時はその……ね、眠かったの!」 「あはは。で、新入生合宿で一緒になって」 「それからはずっと一緒だったよね。テスト勉強も、臨海学校も、学園祭も、新年会も。」 全部大切な思い出だ。 かけがえのない、私たちのきらめき。 「……二年生になっても。うん、一緒だった。……どっちかっていったら私が真実に頼ってたかな」 「え、そーなの?」 大きな瞳をさらに丸くして、意外そうに真実が言う。 「そうなの。いつも元気を分けてもらってた。だからね、真実が相談してくれたとき、ほんとに嬉しかったんだよ?」 嘘じゃない。 「そうなんだ。結丹ちゃんはボクと違っていつも落ち着いてるから、ボクが面倒みられてるのかと思ってたよ!」 「面倒みてたのは否定しないよ」 「なんだとー! ……でも、相談して結丹ちゃんが喜んでくれるんなら、ボク、話してみてよかったのかな」 「そうだよ! 真実のおかげでね、私もがんばろーって思えたんだから!」 嘘じゃない。 太陽はさらに地平線へと近づいていったようで、いよいよ礼拝堂の中は赤に染まっていく。 「……私が真実を、『迷宮時計』から解放してあげる」 どうしてそう言えたのかはわからないけれど、とにかく自信満々に、私は真実に宣言した。 「ありがとう!」ぱっと真実の表情が明るくなるが、すぐに曇る。「……でも、どうやって……?」 「それは……」 これから私のしようとしていることを考えると、言葉を続けることができない。 私は沈黙に耐えかねて、彼女に意味もなくお願いをする。 「……目、瞑って」 「な、なんで?」 当然の疑問だ。 でも、目を閉じててくれる方がやりやすいから、いっか。 「いいから。教えてあげないよ?」 「むぅー。わかった」 怪訝に思った顔をしたが、しぶしぶ目を閉じる真実。 私の方が少しだけ背が高いから、さながら口づけをねだる乙女のような状態になっている。 ……このままキスしちゃって、真実と一緒に戦うのもアリかな。 私が糸の使い方を教えてあげれば、少しは勝負ができるかもしれない。 ちょっとだけそんな想像も頭をよぎる。 でもダメだ。 ただの人間の真実が、付け焼刃の技術で戦闘魔人に勝てるわけがない。一瞬で殺されておしまいだ。 それにこれは、7年間で初めて訪れたチャンス。これを逃したら、次は無いかもしれない。 やるしかない。 覚悟を決めて、真実が来るまでに張り巡らせておいた糸を握る。 ごめんね、とか、ありがとう、とか、だいすき、とか、かけてあげたい言葉は数えきれないほどあった。 でも、私の口をついた言葉は。 「――さよなら」 真実がその言葉を認識していたかどうかは私にはわからない。 私にわかるのは、ばつん、という音と同時に真実の体が切り刻まれ、礼拝堂の冷たい床に文字通り崩れ落ちていったという事実だけだ。 死体の着ている制服のポケットからケータイを取り出すと、私のケータイの着信音が鳴り響いた。 メールの送信アドレスは真実のアドレス。 内容は真実が私に見せてくれたものと同じだ。 しかし私の目とは別のルートからも流れ込んでくる情報が、私に『迷宮時計』の所有権が移ったことを教えてくれる。 「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」 私の口から無意識のうちに言葉がこぼれて、抑えきれない。 暗くなったケータイの画面が私の顔を映す。 ああ、私は心と表情もバラバラだ。だって私はいま、こんなにも悲しいのに。 見るに堪えない顔から目を背け、私は肌身離さず持っているポーチの中に入っているみんなの写真を見た。 「待ってて、お母さん、お父さん。……お兄ちゃん。…………真実も。もうすぐ私がみんなを連れて帰るから」 今度は思った通りの言葉が口をついた。 手袋もなしに操絶糸術(キリングストリングス)を使ったせいで、指からは血が出ている。 ……でもいいの。 両瞳の泉はとうに枯れ果てた私の、これは血の涙。 ――あなたの赤と、わたしの赤 絡み重なり、赫くなる―― このページのトップに戻る|トップページに戻る
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製作者:MAX与太郎 水之守神宮 蒼竜湖の湖畔に居を構える神社。 元々はSRC島が作られた際の地鎮祭を行った神官の居住する建物であったが、SRC学園が日本にあることも含め 日本的な祭祀を司るために改めて神社として建立しなおされた。 同様の建造物としては聖乙女礼拝堂があるが、SRC学園には少なからず神道系の能力者もいるためにそれなりに手入れは行き届いているようだ。 この神社の特色としては、「実際に祭られている神様と交流できる」という点が上げられる。 元々地鎮祭を行った神官自体も水神を祀り、その加護を得て能力を行使する能力者であったのだが、 SRC島に来た際祀っていた水神が蒼竜湖を気に入って居ついてしまい、根を下ろさざるを得なくなったのもこの神社建立の理由の一つであったりする。 そのような訳でこの神社には実際に神がおり、それなりの対価を差し出せば失せ物や水難に対する加護程度であれば大体叶えてくれる。 もっとも、神様が気分屋なため毎回叶えてくれるとは限らないようだが。 御神体 水守之尊 神主 神庭宗次郎 巫女 蜻蛉羽音夜 蜻蛉羽真夜