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登録日:2015/04/15 (水曜日) 15 30 00 更新日:2023/10/11 Wed 21 33 11NEW! 所要時間:約 9 分で読めます ▽タグ一覧 JR九州 かささぎ リレーかもめ 佐世保線 佐賀県 単線 唐津線 大村線 幹線 新線 旧線 白いかもめ 複線 西九州新幹線 赤いかもめ 路線シリーズ 鉄道 長崎本線 長崎県 電化 非電化 鹿児島本線 長崎本線(ながさきほんせん)は、鳥栖駅から長崎駅を結ぶJR九州の鉄道路線である。 (*1) 概要 JR九州の主要幹線の1つで、曲線区間が多い有明海の入り組んだ沿岸部や軟弱地盤地帯の佐賀平野を走る為、早くから路線変更や線形強化、新車投入が行われてきた。 肥前山口で分岐する佐世保線(江北~早岐間)と諫早駅から乗り入れる大村線は、開業から昭和初期まで元々長崎本線の一部だったりする。 両線は共に1934年の新線(有明線)開業後に分離・編入して独立した。 路線記号は鳥栖~佐賀間にJHが付番されている。 上記以外にも大村湾側を走る喜々津~浦上駅間の非電化区間である旧線と、市布経由で電化区間の新線(浦上線)に分かれている。 その為、函館本線、中央本線、予讃線と並びJRの路線でも珍しい「旧線と新線が共存する路線」でもある。 旧線と新線が共存している理由としては 西九州新幹線の建設に力を入れている為、JR九州に長崎本線を複線化する意思がない。 複線化費用に対する国の補助金額が少なすぎる為、自治体負担のみではとても複線化費用が捻出できない。 曲線区間が多く線形が悪いものの新線区間を複線化するよりも、旧線を残して事実上の複線状態にしといた方がコスト的に安く済む。 というJR九州と地元自治体双方の財政的事情が存在する。 但し旧線区間は非電化、新線区間は電化しているので厳密には複線ではなく単線並列である。 因みに上記に関連して単線区間である江北~諫早間をもし複線化するとなると60年近くかかるという試算が出ている…。 西九州新幹線開通後 2022年9月23日に長崎市民待望の西九州新幹線が開業したが、同時に付いてくるのが長崎本線の江北~諫早間の並行在来線問題であった。 当初はフリーゲージトレイン導入の話もあったが安全面とカネの問題で頓挫してしまい今の所全線フル規格での開業が強まっている。 そうすると新鳥栖〜江北間も並行在来線問題に関わる可能性が強まっているが、 現在 先行開業区間の江北~諫早間は上下分離方式にして開業後23年間はJR九州が経営を行う(その後は協議する) 新鳥栖~江北間は佐賀県の猛烈な反対により現在白紙状態 となっている。 路線図 (*2) 運行形態 鳥栖~江北間では特急「リレーかもめ」・「みどり」・「ハウステンボス」が、鳥栖~肥前鹿島間では特急「かささぎ」がそれぞれ運行されている。 新幹線開業までは全線で特急「かもめ」が運転されていた。 その為、鳥栖~江北間では1時間あたり2~3本もの特急が運行する特急街道となっている。 普通は概ね鳥栖~江北、江北~諫早、諫早~長崎間に分かれている。新幹線開業前は全区間通しの列車もあったが、肥前浜以南の電化設備が撤去されたため運転がなくなった。 鳥栖~江北 上記の様に特急街道であり、普通は1時間あたり1~2本程度運転される他に区間列車や唐津線、佐世保線に直通する列車もある。 江北~諫早 有明海の沿岸部を走る為にカーブが非常に多く、ここの区間は全線が単線となっている。 振り子式の特急車両でも最高速度が120km/hでの運転となり、最高速度130km/hで走る他の区間よりも速度が落ちる。 普通列車は電化と非電化の境界駅である肥前浜始発・終着列車が多い他、江北~肥前鹿島・多良・肥前大浦、小長井・湯江~諫早間の区間列車もある。 江北~肥前鹿島間は1時間あたり1~2本程度運転されるが、肥前鹿島~諫早間は2時間以上間隔が空く時間帯がある。 特に県境を含む肥前大浦~湯江間は閑散区間で、昼間は5~6時間ほど運転されない時間帯があるので要注意。 諫早~長崎 新旧線それぞれで1時間あたり1~2本程度運転されている。 因みに新線は新幹線開業までは電化区間だった為、電車で運行されていた。 現川~浦上間にある長崎トンネルは全長6kmにも及ぶ信号場も備えた長大なトンネルで、市街地の真下をぶちぬいている。 大村線直通列車は普通列車は旧線、シーサイドライナーは新線を経由する。 使用車両 【気動車】 YC1系…小長井~長崎間でのみ運用される。 キハ66系置き換えのために投入されたハイブリッド気動車。 屋根上の蓄電池と前面を覆うLED照明が特徴的。 踏切事故対策らしいが見た目から「イカ釣り漁船」呼ばわりされたりする。 キハ47形…唐津線直通および江北~長崎間で使用。 普段は2両編成だが、唐津線直通はキハ125形との混結で最大4両編成で運行。 江北~長崎間は電車から思いっきりダウングレードした青い専用塗装の車両が使用される。 キハ40・キハ140系…特急「ふたつ星4047」として運用。 キハ125形…唐津線直通で使用。 普段は1両ないしは2両編成だが、キハ47形と混結で最大4両編成で運行。 【電車】 西九州新幹線開業後は鳥栖~肥前浜間での使用となっている。 885系…特急「リレーかもめ」「みどり」「かささぎ」で使用。 6両編成で、振り子式の制御方式・最高時速130km/hを出す高スペック。 車内は床をピカピカの木目と革張りの座席という豪華仕様である。 「かもめ」編成は落成当初写真のような黄色塗装だったが、運用共通化に合わせて青塗装に変更されている。 (*3) 2001年鉄道友の会ブルーリボン賞受賞。 783系…「みどり」「かささぎ」「ハウステンボス」に使用。 「ハイパーサルーン」という愛称があり、客用扉が車両の真ん中にあるのが特徴。 当初「かもめ」用に導入された編成は「有明」用編成との区別のため、先頭車の展望席部分が青帯となっていた。 (*4) 1989年鉄道友の会ローレル賞受賞。 787系…「リレーかもめ」「かささぎ」で使用。 4人用の個室や通常のグリーン席の上位となるDXグリーン席が設置されているなど豪華な作りになっている。 また、D S列車の「36ぷらす3」もたまにやってくる。 (*5) 1993年鉄道友の会ブルーリボン賞受賞。 415系…国鉄からJR九州へ直接承継された車両と、JR東日本から譲渡された車両がある。 鳥栖~佐賀間で朝ラッシュ時のみ運転。 (*6) 811系…1989年に導入されたJR九州初の一般型電車である。 鳥栖~肥前浜間でラッシュ時に運転。 813系…1994年に登場した近郊型電車。 製造時期が長期にわたるためバリエーションが多彩だが、近頃露骨な座席撤去車が登場し新聞をにぎわせた。 鳥栖~江北間で夜の下りと朝の上り1本ずつ運転。 (*7) 817系…普段は2~3両編成だが、ラッシュ時間帯は4~6両で運転する事がある。 (*8) 駅一覧 鳥栖…鹿児島本線乗り換え。 九州の交通の要衝かつ鳥栖市の中心駅。 だが、新鳥栖駅開業後は役割を奪われつつある。 新鳥栖…九州新幹線乗り換えで、西九州新幹線との分岐駅になる予定。 元々ここに駅を作る予定はなかったが、新幹線の計画が生まれた事により作られた駅。 肥前麓…陸上自衛隊鳥栖分屯地最寄り駅。 中原…みやき町唯一の駅。北側には煉瓦造りの煙突の廃墟が残る。 吉野ケ里公園…50ヘクタールに渡る弥生時代の大規模集落跡で有名な吉野ヶ里遺跡の最寄駅。 神埼…その名の通り神埼市の中心駅。ここからでも吉野ヶ里公園へアクセス可能。 伊賀屋…駅舎は21世紀になって立て直されたものだが、それ以前の木造時代もこじんまりとした駅舎だった。 佐賀…唐津線乗り換え。 佐賀県の県庁所在地である佐賀市の中心駅。 SUGOCA北九州エリアはここまで。 本丸御殿が木造復元された佐賀城の最寄駅でもある。 佐賀~久保田間は唐津線の列車も乗り入れている。 その為、複線とは言え実質3路線が乗り入れる過密区間となっている。 本駅のすぐそばにサイゲームスの拠点ビルがある。 鍋島…長崎県への貨物輸送の拠点駅。実は当駅以西には貨物列車が一本も運行されておらず、有田・佐世保・長崎方面へは当駅からトラックに積み替えられて輸送されている。 バルーンさが…佐賀インターナショナルバルーンフェスタ開催期間(10月下旬~11月上旬の1週間程度)のみ営業を行う臨時駅。 つまりかなりレアな駅である。 かつてはバルーンフェスタ期間外はホームさえなかったが作業員がグモる事故があって以降、ホームのみ常設されている。このため営業期間外の車窓からでも確認は簡単。 久保田…唐津線分岐駅。 牛津…小城(おぎ)市の代表駅。駅舎は赤レンガ倉庫風の洒落た造り。 江北…佐世保線分岐駅。 佐賀県中部地域の鉄道交通の要衝の為、栄えている。 元は「肥前山口」と呼んでいたが、新幹線開業に合わせて地元の町名である「江北」に改称された。 肥前白石…白石町の中心駅。 国鉄民営化直前の廃線ラッシュにより1年弱であるが、最長片道切符の起点駅となった事がある。 ここから6駅連続で「肥前」が頭につく駅名が続く。 肥前竜王…地元のスポーツ施設が近くにある。祐徳稲荷行きのバス停もすぐの国道沿いにある。 肥前鹿島…鹿島市の中心駅。西九州新幹線開業時に取り残される区間の中でも利用が比較的多かったために色々問題が起こり、当駅まで特急が存置されることになった。 肥前浜…ふたつぼし4047停車駅で、日本三大稲荷の1つ祐徳稲荷神社の最寄駅。 しかし徒歩40分と難易度高めである上、連絡交通機関も一切ない。 (神社行きのバスが停車する、バス停までは徒歩15分) 新幹線開業後、電化区間はここまでとなった。 肥前七浦…鉄道省時代からの木造駅舎が残る。ゾンビランドサガにも出てきたガタリンピック開催地こと道の駅鹿島の最寄り駅。 肥前飯田…駅舎がなく、盛り土上のホームへ下から入場する構造。春の撮影スポット。 肥前シリーズはここで終了。 多良…太良町の中心駅でふたつ星4047が停車。 一部の普通列車が上り方面へ折り返す。 肥前大浦…佐賀県最南端の駅。 ここから本数が激減する。 長里…駅舎がホームと隣接していない、少し変わった構造。 小長井…有明海に面し、ふたつ星4047停車駅となっている。 地元の小学生が作った花壇アートや、ハートフルこながい名付けられた洋風の駅舎が特徴。 湯江…ここから普通列車の本数が少し増える。 小江…ローマ字表記で一番短い駅名の一つ(「Oe」)。 肥前長田…駅舎がない…事ぐらいしか特筆することがない。 東諫早…この辺りから諫早の市街地に入る。 諫早…西九州新幹線、大村線、島原鉄道島原鉄道線乗り換え。 大村線の一部の列車はここで引き返すが、殆どの列車が長崎方面に乗り入れる。 諫早市の中心駅で、長崎県内で2番目に利用者が多い駅。 因みに島原鉄道の駅としても2番目だったりする。 新幹線ホームの追加と共に巨大な駅ビルを建てる壮大な再整備計画をぶち上げている。 これより先はSUGOCA長崎エリアとなる。 西諫早…眼鏡橋(*9)をイメージした駅舎になっている。 喜々津…長崎本線旧線乗り換え。 長崎方面の列車がほとんど通過するため、朝のラッシュがすごい。 市布…福砂屋の工場の最寄駅。 肥前古賀…2015年3月に無人になってしまった駅。また旧線を除く唯一の棒線駅。 ホームと列車の間が広く空いている上、洒落にならないくらい傾斜があるため電車を待つのに注意が必要。 その傾きっぷりは通過するだけでわかるレベルで、初見ではギョッとすること間違いなし。 現川…長崎トンネル諫早側出口の手前にある駅。「うつつがわ」と読む。 通過線があり、新幹線開業前はかなりの時間停車していることもあった。 浦上…長崎電気軌道(浦上駅前停留場)乗り換え。 旧線との合流駅にして全旅客列車停車駅。実は初代長崎駅だったりする。(1897~1905) 1945年8月9日の原爆投下地点から最も近かった駅で、駅は壊滅的被害を被った。 2020年3月28日に長崎駅と共に高架化された。 長崎…西九州新幹線・長崎電気軌道(長崎駅前停留所)乗り換え。終点駅。 長崎県の県庁所在地である長崎市の中心駅。 かつては長崎駅の先に上海への貨客船への連絡やコンテナを扱う長崎港駅という駅が存在した。 この駅もまた原爆投下で壊滅的な被害を受けた。 県庁所在地の中心駅の中で高松駅と並び全国に2駅しかない終着駅。ホームも櫛形である。 2020年3月28日に高架化されて暫定開業。 今後は2025年をめどに全面開業予定。 旧線 喜々津…長崎本線新線乗り換え。 東園…かなり海に近いがホームからは殆ど海が見えない。 大草…諫早市の駅。旧線区間で交換が可能なのは今ではここと長与のみ。 ここから喜々津までは大村湾に沿って走る文字通りのシーサイドライナーとなり、福山雅治の故郷を題材とした歌そのままの風景が広がっている。 一度は快晴の日に旧線に乗ってみてほしい。 本川内…松之頭峠を登る勾配区間の途中にある長与町の駅。 勾配区間で列車交換を行うためにスイッチバック設備を備えていたが、 今はシザースクロスポイントも撤去されており、駅舎と旧ホーム草に埋もれた線路のみがと残っている。 福山雅治の写真集のロケ地に使われたことでも有名。が、彼の座っていたベンチも撤去済み。 長与…長与町の中心駅。 旧線のなかでも通勤通学利用客が多く、長崎駅から当駅折り返しの列車もかなりある。 因みに「クラッシュギャルズ」で一世を風靡した女子プロレスラー長与千種の「長与」はここが由来。 けど、本人は大村市出身だったりする。 高田…長与駅とは1kmしか離れておらず、新線含めて最短区間となっている。 桜並木と並行しており、春には撮影スポットになる。 道ノ尾…長崎市と長与町の境にまたがる。周りの発展に取り残された大正時代の木造駅舎が最大の特徴。 原爆投下時には余波を受けてわずかに駅舎が歪む被害を受けている。緊急の救護所ともなり、長与駅まで地獄絵図が続いていたという。 かつては2面2線の駅で交換設備があったが、新線開通と共に廃止された。使われなくなった2番ホームはそのままになっている。 そのため、旧線全体のラッシュ時の容量が少なく再度の駅拡張を望む声もあるが、日中は全く不要になるので望みは叶いそうにない。 西浦上…長崎電気軌道住吉電停が近い。 長崎大学の最寄駅で、駅付近にはアーケード街が広がっているが、悲しいかな長崎電軌の本数がJRの20倍くらいある上電停が長崎大学の目の前と非常に不利を背負っているためJR駅の利用者はあまり多くない。 浦上…新線合流駅。 追記・修正宜しくお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 本川内駅のスイッチバック跡は家の目の前にありますw -- 名無しさん (2015-04-16 01 43 24) 市布方面に乗った時の、浦上から喜々津あたりまでのトンネル率は異常 -- 名無しさん (2015-04-17 11 00 42) 名前 コメント
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● ――同刻 第一特務隊詰め所 そこは戦場と化していた。 幾多の戦闘音が重なり合い、苛烈な合奏(ギグ)を響かせている。 打撃音。 悲鳴。 己の詞。 神器の掛詞。 凍結音。 破砕音。 雅式首聯。 風の咆哮。 凍結音。 打撃音。 悲鳴。 悲鳴。 悲鳴―― 「う……ああ……」 「無駄な抵抗をするからそうなる」 激痛にうめく第一特務の風水師の腕を、田中・核衛は踏み潰す。 枯れ木を折るような音の風水師の腕が折れた。 風水師が絶叫を上げ、気絶した。 それを見た者から罵声があがった。 「……殺括者が!」 早々に倒され、両脚を潰された神術師の男の叫びだ。 田中はそちらを視線を向け、しかしもはや戦闘力はないと判断して無視。 戦闘で倒れた棚や、破砕した机を調べていく。 「――何が目的だ、田中・核衛!?」 神術師の男が再度叫ぶ。 田中はもはや男を見ずに、 「戦闘において、情報は重要だ。相手のそれを潰しておけば、勝利は容易になる――」 床に散らばった書類や本の中から、一つのアルバムを拾い上げる。 アルバムの表紙に書かれている文字は、 「それは――!!」 「――そして相手の情報を手に入れれば、さらに勝ち易くなる」 神術師の男が叫びをあげる。 田中が拾い上げたアルバムには、“総長連合員名簿”と書いてあった。 懐に名簿を納め、田中は戸口へと向かう。 「――待て」 「もはや用はない」 田中は男の制止を無視。 しかし、 ――田中・心理技能・自動発動・危険感知・成功。 漠然とした危機を感じて振り向いた。 視線の先、床に倒れ伏す神術師の男の手に、握られているものがある。 筒の形状を持つ、ガラスの武器。 詞剣管だ。 「こんなこともあろうかとな、……此処の床下には自決用の精霊燃料が保存してあるんだよ……!」 中に含まれている詞料液は赤。火の色だ。 神術師の男は手にした詞剣管を強く振り、投げた。 硝子の砕音と同時に中に含まれた詞料液“火帝(ファイアミドル)” がその威を発揮。 燃焼する。 「焼け死ね殺括者!」 田中の反応は迅速。 燃え上がる炎が床下の精霊燃料へ引火する前に、己の詞を謳った。 熱 音 色 風 全ては停止の定めにある 人 心 時 詞 全ては凍て付き動かない 深々と―― 田中の己の詞はそこで途切れている。 しかしそれで充分だった。 ――田中・雪王(スノウロウ)/心理技能・重複発動・遺伝詞凍結・成功! 詞料液“火帝”によって生まれた“炎”という遺伝詞が凍結した。 な、と神術師の男が悲鳴にも似た叫びをあげ、 ――田中・腕術技能・発動・打撃・成功。 凍結した“炎”の遺伝詞が打撃で破砕され、流体に還元。 馬鹿な、という声があがる。 「炎すらも……凍らせるのか!?」 男の問いに答えず、田中は拳を握った。 ひ、と悲鳴をあげた男に向けて、それを叩き込む。 ――田中・腕術技能・発動・打撃・成功。 骨格を砕く音。 肉を千切る音。 臓器を潰す音。 殺人の合奏の後には、赤いものが花のようにぶちまけられている。 「小賢しい真似をするから、そうなる」 詞に応える者はもはや居ない。 ○ 風の音がある。 地上とは違う風の詞色が、軽トラに増設された推進器の推進力に負けて道を空けて行く。 ここは空だ。 飛んでいる。 空を進む軽トラの荷台で蔵人を膝に乗せ、芙雪は周囲を包む浮揚の遺伝詞を見て、吐息を一つ。 ……浮神神器(フローティングハイリズム)による飛行、か。 ……車両一台を浮かせるのだから、いつ見てもすごい。 と、運転席から声が来た。 「……で、治療はしたのだな?」 「あ、はい。とりあえずは」 「まったく、人を救急車代わりに使いおって。……最近は燃料代も安くないのだがな」 愚痴る声はしゃがれた老人の声だが、その声音には老いによる弱さを感じられない。 老人の名は荻原・儀天という。 蔵人の祖父だ。 両腕を義体化している老人は、無骨な戦闘用義腕でハンドルを繰りながら、 「しかし三度目の負けか。……惰弱なことだ。まあ次あたりは勝ってもらわんとな」 「……蔵人は」 芙雪は吐息。いまだ気絶したままの蔵人の頬を撫でて、 「わたしの制止を無視して、鬼に突っ込んで――」 「十三年前はともかく、三年前はオマエが傷を受けた。未熟な孫だが怒りの感情ぐらいは持っているだろうな」 「……そういうこと、なのかな」 「ん?」 「三年前があるから、蔵人は今のわたしを字名で呼ぶのかな」 芙雪の言葉に儀天はしばし沈黙し、 「そういうことは本人に聞け。未熟な孫にな」 「…………」 「聞くのが怖いか。ヤツの心の内を識るのが怖いのか、矢村の娘よ」 芙雪は無言。 儀天は構わず言葉を続ける。 「はン――、識神を以て他者の心を識るオマエにとっては、儂の孫は特別だろうからな。 ……十三年前の後遺症として、自己遺伝詞の異常な堅固性を持つ孫だけは、意思一つで識神による同調を拒絶できる」 一息。 「本人は気づいておらんがな」 は、と儀天は軽く笑い、無言のままのこちらにルームミラー越しで視線を送り、言った。 「――伝えたい詞は伝えられるうちに伝えておけ。……儂のように、伝える相手がいなくなる前にな」 ○ 意識が覚醒する。 まず感じたのは光。陽光でも月光でもない人工の照明が、自分を照らしている。 視界の中にあるのは見慣れた天井だ。車に轢かれた狸にも見える染みがある。 上高地の山の中ではない。自分の部屋だった。 ……いつの間に帰ってきた? 移動した覚えはないが。 次に感じたのは重さだ。布団の上で横になっている自分の上に、何かが乗っている。 慣れた重さだ。不快な重さではない。 ……芙雪だな。 確信を持って見れば、白いものが見える。 花のように広がるそれは、髪だ。黒という色を失った白髪。 白髪の少女が、うつ伏せで眠っている。 やはり彼女だ。 耳を澄ませば穏やかな寝息も聞こえてくる。 蔵人は吐息を一つ。 眠っている彼女の頭を撫でようと、左手を伸ばしかけ、 「…………」 やめた。 伸ばしかけた手を戻し、握り締める。 く、と軋んだうめきをあげ、 「おれは――」 「起きたか負け孫」 襖が開く音と同時に声。 振り向くと、両腕義腕の老人が作務衣姿で立っている。 祖父の儀天だ。老人は義腕で腕組みし、こちらを見下ろしている。 「三度目の負けだな、未熟な孫め。――しかも矢村の娘の話によれば自爆だそうだな」 「……祖父さんが運んで来てくれたのか?」 「治療をしたのはそこで呑気に寝ている娘だ。あとで礼でも言っておくのだな」 「……なんと言えばいいのか、判らん」 は、と儀天は息を吐くように笑う。 眉を上げ、口元を歪ませた、からかうような笑みだ。 「だから未熟なのだオマエたちは。自分で考えるのだな――相手が欲している詞を、な」 「オマエ……たち? どういう意味だ、祖父さん」 「儂がそう言った意味も言葉に出来ん未熟者に教える気はないな」 笑みのまま言い、儀天はこちらに背を向け部屋を出る。 「儂は車の整備をしてくる。その間に矢村の娘を起こしてメシを作れ。――夕餉の刻はとっくに過ぎているからな」 振り向かぬまま老人は立ち去り、襖が閉められた。 部屋の中には、蔵人と芙雪の二人しかいない。 蔵人は眠っている彼女の顔を見る。 警戒心など微塵もない、安心しきった寝顔だ。緩やかな笑みだけがある。 その彼女の髪は、白い。 「…………」 は、と蔵人は息を吐く。 「おまえが欲している詞とは――」 言いかけ、噤んだ。 詞ではなく思考で問いかける。 ……なんなのだろうな? 答えは返って来ない。 ○ 夕食は鍋になった。 食卓の上にカセットコンロと土鍋を用意し、昆布でダシを取ったら食材を叩き込む。 今日の具は豚肉、豆腐、白菜に各種キノコ。 「矢村は今日も夜勤か」 義体リミッターをカットした戦闘用義腕の速度で豚肉をかっさらい、儀天。 豆腐を口に含んだ芙雪は頷きを一つ返し、豆腐を飲み込んだ。 「最近色々物騒だからな。GASASも多忙らしい」 蔵人が言いながら右の手指で儀天の義腕を弾き、その隙に左に持った箸で肉を拾っていく。 荻原家の住人は、本来は儀天と蔵人の二人だけだ。 しかし、芙雪の両親はよく夜勤で家を空けるので、芙雪も一緒に食事をすることが多い。 ……一人の食事は寂しいし。 二人の殺人技能者が技量を無駄に発揮している合間を縫うように、芙雪は箸を動かす。 ――芙雪・識神神器・発動・思考同調・成功。 それを可能とするのは協音の領主としての神器だ。 思考を同調させることで相手の意図を察知し、常に先手を取って動く。 蔵人に対しては識神神器が効きにくいが、そこは幼馴染としての記憶経験で対応している。 鍋奉行がいない荻原家の食卓は戦場だ。戦闘技能だろうが尋問技能だろうが、使える限りを駆使して胃を満たしていく。 しばらく無言の攻防を続け、そこそこ腹も満ち足りたところで、ふと芙雪は聞いた。 「そういえば、文月(ふづき)さんたちは今どうしてるんだ?」 「知らんな。だが多分、中近東だか欧州だかで斬ったり斬りかかったりしてるだろう」 「あの馬鹿娘はせっかく文月(ふみづき)の名をつけてやったのに、年に一度しか手紙を寄越さんからな。儂も判らん」 淡々と蔵人は答え、苦々しく儀天は答えた。 蔵人の母、荻原・文月は、夫である荻原・啓地(けいち)と共に海外で何かをやっている。 何をやっているかは父にも息子にも教えてないらしい。 ……蔵人が他人に無関心だったりするのは、こういうのが原因なのだろうな。 芙雪は嘆息一つで食事を再開する。 と、電子音が鳴った。 電話の音だ。 「何処の馬鹿だ、食事時に……」 儀天がうるさそうな表情を浮かべて立ち上がる。 それを見て、蔵人がおもむろにコンロの火力調節ツマミを“山火事”から“火の七日間”に変更した。 「あ、蔵人――」 大火力で湯が即座に沸騰する中、素早い手つきで具を放り込み、高温で即座に煮えた具を回収する。 「……もう。蔵人は食い意地張ってるんだから……」 「機を逃すな、というのが祖父さんの教えでな」 「それは打撃の心得って前に言ってなかった……?」 「心得というのは何にでも適用できるものだ。おまえは食わないのか?」 「……食べる」 と、箸を伸ばした時、儀天が戻ってきた。蔵人が何食わぬ顔をして火力を戻す。 儀天はじと目で蔵人を見るが、彼は平静を保って食事を続行。 老人はため息一つ。 そして芙雪に視線を向けてきた。 「? 何か?」 「今の電話だがな。オマエあてだ」 「え――? それで、内容は?」 儀天はそこで言葉を切り、歯軋りを一つして、 「長野の第一特務隊が壊滅したそうだ。新潟の総長にやられてな」 ○ いきなりの言葉に思考が止まった。 「……え?」 間の抜けた声を出し、動きも止まる。 停止する芙雪に構わず、儀天が言葉を続ける。 「オマエのところの……なんだったか。とにかくやかましい毛唐の小娘」 「広報長か」 「そう、それだ。なにやら色々言っててよく聞き取れなんだが」 「アレの発言の八割はノイズだからな。おれも聞き取れん」 蔵人の口調には動揺など微塵もない。 「――ってなんでそんなに冷静なんだ蔵人! 少しは驚いたりうろたえたりしろっ!」 こちらの言葉に蔵人は一瞬だけ考えて、 「うわあ。どうしよう。――これでいいか?」 「ああもう他人事みたいにー! 蔵人だって第一特務隊だろう!」 「そうだな。で?」 「で? じゃなくて! これからどうしようとか考えたりしないのかっ!?」 「おれは下っ端の非常勤隊員だぞ。考えるのは上がやることだ、――つまりはおまえが」 「えと、確かにそうだけど――」 「隊長の小笠原・松葉は、確か姫路に出張中だったな。ならば隊長代理のおまえが対処しなくてはならない」 「……正論言ってるけど、よーするに蔵人は自分が動くのが面倒なだけだろう?」 「そうだな」 一言だけが返ってくる。 蔵人は返答が面倒な時や、本心を隠したい時は“そうだな”としか返さない。 はあ、と芙雪は嘆息。 と、電子音が鳴った。 電話の音だ。 「わ、私が出る!」 芙雪はダッシュして受話器を取り、叫ぶ。 「もしもし矢村――じゃなくて荻原ですが!」 『あ、おユキさんっすか?』 ○ 『アズマ!? 第一特務隊は壊滅したというのは――』 「マジっすよー」 第一特務隊員、東(あずま)・小一丸はギプスに包まれた右腕に視線を送り、左手の受話器へと声を投げた。 「さすがに新潟圏総長は強いっすね。俺、アバラと右腕折られたっすよ。すげえ痛えっす」 『ほ、他の者は!? まさか死人は出て――』 「出てるっす。……神術師の平林が最後まで抵抗して」 『そうか』 「ヤツには部署変えを勧めてたんっすけどね。最後まで冷静で居られないようじゃ、第一特務は務まらないっすから」 『…………』 「おユキさんが気にすることじゃないっすよ。ヤツの責任っす。……県境でやられた第三特務の連中が、抵抗しなきゃ殺されないって言ってたのを無視したっすから」 『……いや。小笠原隊長がいない間、第一特務を率いるのはわたしだ。指示を徹底し切れなかったわたしの責任だろう』 「そうやって背負い込もうとするのはおユキさんらしいっすけどね。荷物が多くちゃいつか倒れるっすよ。――まあともかく、もうふたつ報告することがあるっすけど聞くっすか? ちなみにひとつはよくないことで、もうひとつはよいことっすよ」 『……じゃあ、よくないことのほうから』 「詰め所に置いといた連合員名簿――連合員の住所に氏名に容姿に性格に舞闘に神器にと色々とウチの情報が書いてるアレが、田中に奪われたっす。」 『――えぇ!?』 「ってか、襲撃はアレ狙ったものっぽいっすね。俺ら倒したのはついでみたいっす」 『蔵人といいアズマといい、何でそんなに冷静なんだお前たちは……!』 「いや、荻原の兄さんは単に興味ないんだと思うっすよ。兄さん、正規の隊員じゃないっすから」 『う……、と、ともかく、よいほうの報告は?』 「ああそれはっすね、――田中が持ってった名簿、最近作った偽物っす」 淡々と言うと、受話器の向こうから何かが倒れる音が響いた。 「どうしたっすか? おユキさん」 『……さ……』 「さ? ――あ、サイズは大丈夫っす。おユキさんのスリーサイズは実数値から全部マイナス10して記載したっす」 『先にそっちを言え馬鹿――――!! 偽物なら奪われても構わないだろう!?』 「いや、アレ作るの大変だったっすよ。嘘法都市―秋田の広報にも協力してもらって九割の嘘の中に一割の真実を」 『あー、それは大変だったかもしれないけど、――待て、わたしは知らなかったぞ?』 「上杉の考えた策っすからね。俺とヤツ以外は松葉隊長も含めて誰も知らねえっす」 告げた事実に、相手の声音が変わった。押し殺したような声で、 『……副長補佐の、策だと?』 ……気づかれたっすかね? だとしたらイヤだ、と思う。矢村・芙雪は温厚でマトモな性格をしているが、その分キレた時は激しい。 そして彼女がキレる時というのは、おおむね“彼”が危険に晒された時だ。 昨年のカラーギャング狩りで“彼”を騙して現場に出した時の、彼女の怒気を思い出すと身体が震える。 それでも、事実は事実として伝えなければならない。伝えなければ、彼と彼女は知らないままに戦うことになる。 「そうっすよ」 平静を装って、返す。 『――第一特務隊長代理として聞くぞ。偽名簿の中の“一割の真実”とは、誰の情報だ?』 受話器の向こうの彼女から、冷気を感じる声音が返ってきた。 唾を飲み込み、一拍。 深く息を吸い、一拍。 肺の息を吐き、一拍。 三挙動の間をおいて、小一丸は告げた。 「第一特務隊非常勤隊員、荻原・蔵人の情報っす」 NEXT
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●湯谷温泉・「湯の風HAZU」(愛知県湯谷温泉郷) +++++++++++++++++++++++ 愛知県の東端に、湯谷温泉という温泉郷がある。 その温泉郷で、一押しの旅館といえば、「湯の風HAZU」。 温泉よし、料理よし、眺望よし。 部屋もゆったりと広く、両腕を伸ばして、のんびりできる。 (実際に、両腕を伸ばすわけではないが・・・。) 料金も1人一泊、1万円~1万3000円程度(平日)。 もう何度か来たことがあるが、そのつど大満足。 渓谷の宿として、星は3つの、★★★。 (ただしそれなりにやや老朽化した旅館であることは事実。 内風呂のタイルは、何枚か剥げ落ちていた。 ベランダの柵などのペンキが随所ではがれて、サビが表に出ていた。 大浴場のコックの一つは、故障していて、湯が出なかった、などなど。) 露天風呂で知り合った男性は、愛知県の春日井(かすがい)から来ていた。 今日(日曜日)はこの宿で一泊。 明日は浜松で仕事をし、午後にまた春日井まで戻るとのこと。 そういう利用の仕方もある。 +++++++++++++++++++++++ ●湯谷駅(飯田線) 夕食後、湯谷温泉駅まで歩いた。 今夜はそこで、「湯谷・夜祭り」があるという。 時刻は薄暗くなりかけた、午後6時30分。 宿で、300円の利用券を2枚くれた。 それをもって出かけた。 湯谷温泉といっても、半数以上の旅館が店を閉じている。 今はさみしい温泉街。 そういう温泉街でも、たくましく生き残っている宿がいくつかある。 そういった宿は、どれも本気。 「はづ別館」「泉山閣」など。 本物だから、生き残った。 清らかな渓流を楽しみたいという人には、最適。 ●山・旅館 私はもともと山育ち。 だからこういう温泉街へ来ると、スーッとその世界に入ってしまう。 安堵感を覚える。 安心感? 郷愁? ここは遠い昔、母が生まれ育った、岐阜の山。 一方、ワイフは、海育ち。 海の見える旅館を好む。 旅館というより、ホテル。 だからできるだけ交互に、こうした旅館へやってくる。 海・ホテルに泊まったら、つぎは、山・旅館、と。 今回は、山・旅館。 iframe width="425" height="349" src="http //www.youtube.com/embed/meV65mctaSg?hl=ja fs=1" frameborder="0" allowfullscreen /iframe ●料金 旅館やホテルのよさは、料金と照らし合わせて、決まる。 高級旅館もあれば、そうでないのもある。 料金の安い旅館に泊まり、「サービスが悪い」とか、「料理が悪い」とか、 そんな勝手なことを、言ってはいけない。 そこで私なりの公式を考えてみた。 (総合評価)÷(料金)=(評価) 今回は、ジャランの格安コースというのを利用させてもらった。 ふだんなら、1万2000円(1名1泊)のところを、1万0500円。 だから(総合評価)÷1・05で、評価が決まる。 また総合評価は、つぎの5つで決まる。 (点数は、それぞれ、0~2点で評価) (1)環境(眺望) (2)温泉(風呂) (3)料理 (4)部屋 (5)その他のサービス この公式で計算してみると、最近泊まったKMホテル(愛知県刈谷)は、こうなる。 ★KMホテル(ビジネスホテル) (1)環境(眺望)……0 (2)温泉(風呂)……0(なし) (3)料理……0(簡単な朝食のみ) (4)部屋……1・5 (5)その他のサービス……0(なし) 1・5÷0・6=2・5 つまり星は、2つか3つの、★★ ★国民宿舎OK (1)環境(眺望)……1・5 (2)温泉(風呂)……1 (3)料理……1 (4)部屋……1 (5)その他のサービス……1 5・5÷0・9=6・1 つまり星は、5つの、★★★★★ では、湯の風HAZUはどうか ……やはり評価はやめておく。 ブラックリストに載ったら、次回、宿泊できなくなる。 ●渋川温泉 で、若いころは、浜松の奥にある、渋川温泉というところへ、よく行った。 山の中の一軒宿。 オーストラリアから友人が来ると、いつもそこへ案内した。 で、その旅館に、イチロー、つまりあのプロ野球選手のイチローがやってきたという。 イチローが絶頂期のころのことだった。 その直後、私たちも泊まった。 が、うわさは本当だった。 ただ宿の主人も気がつかないほど、こっそりとやってきて、こっそりと帰っていったという。 その話しを聞いて、「なるほどな」と、私は思った。 「ああいう人だから、こういう旅館に泊まるんだ」と。 が、今はその渋川温泉も、名前を残すだけとなった。 ●Aさん親子 湯谷温泉で、Aさん親子と会った。 偶然中の偶然。 「よく似た子どもがいるなあ」と思ってながめていたら、A君だった。 その横に、Aさん(母親)が立っていた。 しばらく話す。 「ここへはよく来ます」とAさん。 が、ときどきこういうことがある。 人口80万人。 そんな都会だが、思わぬところで、思わぬ知人に会う。 最近は、そういうことが多くなった。 Aさん(母親)自身も、私の教え子。 Aさんは、市内の総合病院で勤務医をしている。 そのAさんの2人の子ども(姉と弟)も、今、私の教室に通ってきている。 銃を使った商品落としをやった。 いちばん大きなピストルをねらったが、当たっても、ビクともしなかった。 倒れたら、それをA君にプレゼントするつもりだった。 iframe width="425" height="349" src="http //www.youtube.com/embed/IoIIgDAeGYI?hl=ja fs=1" frameborder="0" allowfullscreen /iframe ●和太鼓 湯谷温泉駅の前で、和太鼓ショーが始まった。 太鼓のもつ迫力には、いつも驚かされる。 今回も驚いた。 日本にも無数の伝統的文化がある。 和太鼓も、そのひとつ。 世界に誇れる、伝統的文化。 オーストラリア人が耳にしたら、ひっくり返って感動するだろう。 いつだったかニュージーランドの、マオリ族のダンスを見たことがある。 あのときもその迫力に感動したが、和太鼓とは比べ物にならない。 和太鼓1個で、マオリ族10人は、倒せる。 2個で、30人は、倒せる。 ワシントンのホワイトハウスの前で演奏してやったらよい。 大統領も腰を抜かすにちがいない。 演奏の一部は、ビデオカメラに収めた。 家に帰ったら、YOUTUBEにUPするつもり。 iframe width="425" height="349" src="http //www.youtube.com/embed/BrBHPODCHMA?hl=ja fs=1" frameborder="0" allowfullscreen /iframe ●豪雨 書き忘れたが、浜松市を出て、愛知県の県境を越えたところで、雨が降り出した。 ものすごい雨だった。 はじめは「これで洗車しなくてすむ」とのんきに構えていたが、そのうち前も見えないほどのドシャ降りになった。 ワイフは温泉を心配した。 私は「かえって楽しみ」と答えた。 雨の日に露天風呂に入るのは、これまた格別。 風情があって楽しい。 事実、宿へ着くと、いつもの景色とは違っていた。 山々の木々が水墨画のように、雨煙の中にかすんで見えた。 それを見て、ワイフはこう言った。 「すてきね」と。 私もしばし、その景色に見とれた。 ●温泉 どこの温泉でもそうだが、温泉というのは、2度、3度と足を運んで、それでよさがわかる。 中には「2度とごめん」というのもある。 が、2度、3度と足を運ぶうち、体がその温泉になじんでくる。 リラックスできるようになる。 人間関係と似ている。 初対面だと、何かと気を遣う。 何年かつきあうと、その気遣いが取れる。 温泉のばあいも、何回か通ううちに、その気遣いが取れる。 その温泉のよさがわかるようになるのは、そのあと。 まず体が慣れる。 ついで心が慣れる。 ほっとするような安堵感。 それを覚えるようになる。 ●日本の文化 日本の温泉旅館は、日本の文化。 欧米には、日本の温泉旅館と比較できるようなものは、ない。 あえて言うなら、サナトリウム(保養所)というのがある。 しかしサナトリウムにしても、治療が目的。 温泉を利用したところもあるが、日本の温泉とは、明らかに趣を異にする。 そのため日本の温泉旅館は、日本びいきの外国人には、人気がある。 もう10年前のことだが、年に何回も日本へやってきたオーストラリアの友人がいた。 しかもどこが気にいったのが、青森県の端にあるひなびた温泉地。 日本へ来るたびに、そこまで足を運んだ。 ●ファイルのコピー 温泉の話しばかりを、書いた。 話題を変える。 ここへ来るとき、コンビニでパソコン雑誌を1冊、買った。 今回は、「日経PC21」。 USBメモリーの使い方を特集していた。 それには理由がある。 恩師の田丸先生から、2日前、メールを受け取った。 件名には、「困ったことになりました」とあった。 読むと、先生が使っているホームページのファイルが消えてしまったということらしい。 そのため、先生は真っ青になった(?)。 私も何度か、経験している。 ファイルが消えたときの恐ろしさは、言葉では表現できない。 まさに「真っ青!」。 (そう言えば、パソコンの世界では、致命的な故障が起こると、画面がブルーになる。 称して「ブルー画面」。 ブルー画面が出たら、そのパソコンは臨終と思ってよい。) で、私は先生のHPの原稿をすべて吸い出した。 コピーし、別のHPに張りつけた。 作業には、1時間ほどかかった。 ・・・という失敗は、多い。 つまり何らかの拍子に、ファイルがどこかへ消えてしまう。 そういうことはよくある。 だから重要なファイルは、二重、三重のコピーを取っておく。 これはこの世界の常識。 が、先生は、それをしていなかった(?)。 で、そのコピーの仕方には、いろいろある。 私のばあい、手動でそのつど、別のハードディスクにコピーを取っておく。 WINDOW7には、自動バックアップという機能もついているが、これだと不必要なファイルまでコピーしてしまう。 そのため、いらぬところで、いらぬ時間がかかってしまう。 コンピュータの動きが、突然鈍くなってしまったりする。 だから私は利用していない。 簡単にコピーを考えるなら、USBメモリーを使うのがよい。 その方法が、「日経PC21」に、載っていた。 ●景気 が、やはり気になるのは、明日からの国際経済。 今や、日本の景気は、どん底中のどん底。 今回(先週)も、日銀は、10兆円~15兆円近い、お金をバラまいた。 しかし笛吹けども、踊らず。 結局、そういうお金は銀行を経由し、国債購入という形で、再び日銀に還流される。 が、これでは景気はよくならない。 内需・・・つまり、お金というのは、使ってこそ、生きる。 例をあげて、説明してみよう。 ●内需 ある客が100万円の電気製品を買ったとする。 その100万円は電気店に支払われる。 (1)電気店は、そのうちの20万円(1)を取り分として、80万円を卸業者に渡す。 (2)卸業者は、そのうちの20万円(2)を取り分として、60万円を製造会社に渡す。 (3)製造業者は、そのうちの20万円(3)を取り分として、40万円を、原材料会社に渡す。 (4)原材料会社は、そのうちの20万円(4)を取り分として、20万円を、鉱山会社(商社)に渡す。 (5)それぞれの段階で、それぞれの20万円(5)は、社員の給料として、社員に支払われる。 (6)社員は、そのお金で、食料を買ったり、衣服を買ったりする。 つまり直接的に動いたのは、100万円だけかもしれない。 しかしその100万円は、連鎖的に(買い手)→(鉱山会社)へと、段階的につながり、(1)~(5)と、合計すると、100万円分、移動することになる。 電気製品を購入した最初の客と合わせると、計200万円が動いたことになる。 実際には、それぞれの段階で、社員が給料として受け取り、それを使うので、3~4倍のお金が市中を動くことになる。 これが内需である。 言い換えると、タンス預金が、いかに積み深いものであるか、これでわかるはず。 銀行にしても、本来なら、そのお金を投資してこそ、お金を生かすことができる。 が、それで国債を購入してしまえば、タンス預金と同じ。 死に金になる。 今、日本中が、上(銀行)も下(庶民)も、その死に金づくりに奔走している。 「先が見えない」という不安感が、そうさせている。 ●大地震 もうひとつ気がかりなのは、大地震。 途中を飛ばして話すと、つまりこういうこと。 東海地方から四国に及ぶ範囲で、近く大地震が起こるかもしれないという。 3・11大震災と同規模か、それ以上の規模の地震になるかもしれないという。 今朝の中日新聞にも、そんな記事が載っていた。 が、これは予測でも、予言でもない。 過去に幾度となく繰りかえされた、地球の地殻変動。 それが何百年ごとに、繰りかえされる。 その時期が迫っているという。 ●ヤラセ それにしても腹立たしいのは、佐賀県のF知事。 「九州電力の営業本部長」(報道)とヤユされている。 つまりヤラセにヤラセを重ね、九州電力の側に立って、原発開発を推し進めた。 いったい、この日本は、どうなっているのか? 官僚と財界(ゼネコン)、それと政治家が三位一体となり、国の進むべき道をゆがめている。 さらに東北電力では、関係する県の県議会議員(主に自民党議員)を、取締役として迎え入れているという。 月1回程度の会合で、20万円の給料を払っているとか(「週刊文春」)。 しかしこうした手法は、何も政治の世界だけの話しではない。 宗教団体も、同じような手法で、評論家と言われる人たちを、つぎつぎと手なづけている。 関連雑誌に、寄稿を依頼する。 目の玉が飛び出るほど高額な原稿料を払う。 あるいは講演に講師として呼ぶ。 同じく目の玉が飛び出るような高額な講演料を支払う。 そういう世界では、ワンステージ、150~300万円が相場。 (1回の講演料が、150~300万円だぞ!) 東京では、「テレビで有名になって、地方で稼げ」が合い言葉になっている。 地方は地方で、「東京でテレビに出ている人」というだけで、惜しみなく高額の料金を払う。 もちろんその逆のこともある。 2年前、東京から講師の依頼があった。 「交通費込みで、2万円」とか。 (交通費だけで、1万7000円もかかる。) 「これもボランティア」と、私は割り切った。 承諾した。 が、そのあとのメールが私を怒らせた。 「了解いただいて、ありがとうございます。 これから(小学校の)クラス会にかけて、先生(=私)にするかどうか決めさせていただきます」と。 東京の人は東京の人で、地方の人間を、そのように見ている。 この日本で、清貧を旨とし、ただ一人、こうした利権団体と無縁な世界で評論しているのは、この私だけ。 たぶん(?)。 ●YOUTUBE iframe width="425" height="349" src="http //www.youtube.com/embed/qDRyUNduU34?hl=ja fs=1" frameborder="0" allowfullscreen /iframe (夕食風景@湯の風HAZU) (はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 BW はやし浩司 幼児教室 育児 教育論 Japan はやし浩司 湯の風HAZU 湯谷温泉 愛知県湯谷温泉郷 和太鼓 和太鼓演奏) Hiroshi Hayashi++++++Aug. 2011++++++はやし浩司・林浩司
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バンドは仕事。ロックも仕事だ。 「僕はロックンロールが大好きで、ロックをやるためにロックをやっているんです」 言ってみたいねぇ、そんなこと。 でもな、世の中はせちがない。 カネ! カネ! カネ! 金がなくちゃ始まらない。 金がないから俺はすさんでいる。 金がないから俺達の打ち上げはつまらない。 金がないから俺は誰か死ねばいいと思っている。 んがが。 ( A`)「でよ、今日のライブなんだが――」 ( -∀-)「ぐごご……」 ( ^ω^)「ショボ、七味」 (´・ω・`)「あいよ」 ( A`)「俺としてはもっともう少し客の間で話題になるようなライブがしてぇんだ」 ( -∀-)「ぐがー」 ( ^ω^)「やべ、七味かけすぎた」 (´・ω・`)「あぁ、それなら僕のを食べなよ。僕、七味もイケるクチだから」 ( A`)「俺達は何とかメジャーデビューが出来て、雑誌の取材も何度か受けている。 だけどもう一つ何か足りないんだ」 Σ(;-∀-)「ずびっ!」 (;^ω^)「ショボの牛めし、フレンチドレッシングがかかってるお……」 (´・ω・`)「意外とイケルって、喰ってみなよ」 ( A`)「演奏は下手くそ、曲も大していいものが作れない。だったら何か1つだけ突出したものをやればいい。 ロックとはそういうものだと俺は思う」 ( つ∀-)「ふわぁーあ……」 (*^ω^)「あれ……サッパリして意外とイケる!」 (´・ω・`)「松屋はこれっきゃないね」 ( A`)「俺の尊敬するラモーンズはやっているのは簡単な曲のくせに、見に来たやつの心を揺さぶる。 何故か。ロックは技術じゃない。どれだけマジになって一直線に進めるかなんだ」 ( ゚∀゚)「っけね。寝てたわ。牛めしもーらい」 (;^ω^)「あ、ナガっち」 (;´・ω・`)「その牛めしは……」 ( A`)「だからこれからは心機一転して、頑張っていこう」 (#゚∀゚)「んだよこれ、俺に何喰わせんだよ? あ?」 (;´・ω・`)「その七味牛めしはブーンがつくったもので……」 (;^ω^)「いや、でもショボが喰うはずだったヤツだお!」 ( A`)「……」 ( A`)「売れないバンドは熟れないバンド」ボソリ (#゚∀゚)「あぁん? てめぇ最近調子乗ってねぇか? 俺とお前、どっちが上よ?」 (;゚ω゚)「ごめんだお! それはナガっちだお!」 ( A`)「ナンチャッテ……」 (#゚∀゚)「ったく、かれー、マジ辛いわー。あーあ、つれーなー。ボーカルが喉痛めちゃったよー」 (;´・ω・`)「……」 (;^ω^)(ナガっちこえー) ( A`)「……」 (゚A゚)「いい加減にしろや、このクソボケ共がぁ!!」 Σ(;゚ω゚)ビックゥゥ!! ( ゚∀゚)「うっせーのはてめぇだろ」ボソ (;´・ω・`)「ドクさん。お店の中っす」 (#゚A゚)「あ?」 店員(チ、うっせーな)ギロリ (; A`)「あ、すいませーん」 (# A`)「あのな、俺はバンドのためを思って言っているんだ。なのにお前らときたら――」 ( ゚∀゚)「すいませーん。ドクさん」 (# A`)「んだよ」 ( ゚∀゚)「帰っていいすか? 反省会終わったら女の子と会う約束してるんで」 (# A`)「……」 (#゚A゚)「ざっけんなバッキャロー!!」 店員(……)ギロ (; A`)「ごめんなさいね、マジで」 (# A`)「誰だよ……」 ( ゚∀゚)「はい?」 (# A`)「女の子、誰だよ」 ( ゚∀゚)「ライブ見に来てくれた子っすけど」 (# A`)「お前はナンパするためにハコに行くのか?」 ( ゚∀゚)「割となくはないっすね」 (# A )(あぁ、もう、マジで――ざけんな) (# A`)「この反省会の趣旨はだな。お前らもわかっていると思うが俺達だけで集まって、バンドをよくしていこう。 どうやったらもっと面白いライブが出来るのかを考えるためにやってるんだ。 なのに、お前ら――どうだ? 話は聞かない。喧嘩はする。最低だ。最低だよ」クドクド ( ゚∀゚)(このオッサン。話クドイんだよなー) ( ^ω^)(抜けよっかな) (´・ω・`)(ブーンが抜けたら僕も抜けよう) ( ゚∀゚)(帰りてー) ( ^ω^)(辞めてぇ) (´・ω・`)(辞めてぇ) (# A`)(わかってるよ。お前らの考えてることは……。どうせ「辞めたい」だの「反省会終われ」だろ。 俺だってこんな糞メンバーの糞バンドはもう解散させてもいいくらいだ。 でもやっとメジャーデビュー出来たんだ。20代後半になって、やっと……) (# A`)(解散は、させんぞ) (# A`)(でもどうする? 完全に活気を失ったロックバンドが観客を魅了することができるのか? どうしたら俺たちは「売れる」ことができる?) ( A )「……」 ( A`)(あ、そうか) ( A`)「いいこと思いついた。俺達が一世風靡する方法だ」 ( ゚∀゚)(んなこたぁいいから早く帰らせろよ) ( ∀`)「お前ら、誰か死ねばいいんだ」 んがが。 そうなのだ。 ちょっと前まで某レンタルショップで働いていた俺は知ってる。 ゲージツ家ってなぁ死んで一人前だと。 某M・J氏が死んだ日にはいつもクソつまらねぇ巨大資本によるファストフードミュージックなるものをたいらげている凡愚どもがこぞってM・J氏のCDを借りにおあそびもうしたでござるの候。 んがが。 つーわけで、俺のバンドも誰かが死ねばいい。 死ねば話題になる。 話題になればきっと売れるきっかけになる。 どっかのファッション雑誌みてぇなスナップの載る音楽雑誌が取り上げるだろう。 「THE VIP Starsの某死去」ってな感じで。 んが。死ね。んがんが。死ね死ね。 本気でやってないヤツは邪魔なのだ。 死んで俺の礎になりゃあがれ。んがが。 ( ∀`)「ははは……ははは……」 (;^ω^)(ドクさん壊れちゃったお) (;´・ω・`)「じゃ、お開きってことで」 ( ゚∀゚)「そーだな」 ( ∀`)(ふはは、見えたぞ。スターへの道、スターロード。ふはははは) 拙者、宿酔でござる。 あの糞メンバーどもが帰った後も、拙者現実があまりに面白くないもので笑っていたのでござる。 しからばあの悪鬼。松屋の店員。 拙者の心理状態など全く省みず追い出しにかかり申した。ござる。 やってらんねー。の、心理が極限にまで達し、達し、牛丼屋の外でまた大笑いしたでござる。 アスファルトに寝っ転がって、じたばた、じたばた。 やーほほほほほほ。やーおほほほほほ。 したら、店員に殴られた。で、ござる。 やかましい、店の外で騒ぐな狂人。彼奴はそう言って拙者をボコった。 水月辺りにキックがバーンバンバン。 やーほほほほ、こいつはたまらん。 ってことで拙者は退散して、それでもまだ面白くないからコンビニで酒などこうてみた。 店員さん。お酒をくださいな。おーほほほほほほほ。 店員さん。拙者が安酒なんかを購入するのは拙者がバンドマンであるが故に金がないでござるからでござる。おーほほほほ。 店員さん、実に優しかった。 さっきの牛丼屋と違って拙者をぶたなかった。 割り箸つけてっつったらくれた。 巣に帰った拙者は酒盛りを始めた。 がぶ。がぶ。 目が飛んで、頭がうつら、気が付いたら昼で、頭が痛い。 宿酔なのでござる。 ( ∀`)(フヒヒ……) ピロロr ( A`)(んあ?) ( A`)(ケータイ鳴ってら) ( A`)(誰だ? スタジオ練習かライブ以外の日にゃ、大抵鳴らないのに) sub:無題 from:ブーン 本文 突然な話ですが、長岡が死にました 電話でお話しようと思ったのですがドクさんが電話に出ないのでメールです 至急連絡ください ( A`)「へー長岡、死んだ……」 ( A`)「そりゃヤバいな」 ( A`)】trrrrrrr ( ^ω^)『はいもしもし』 ( A`)『長岡、死んだってマジ?』 ( ^ω^)『マジっすお』 ( A`)『何で?』 ( ^ω^)『強盗に入られたとか、ナントカ』 ( A`)『へー、そう』 案外他人の死というものはあっけないものであった。 牛丼屋での「お前ら死ね」発言。 言った直後、もしやマジで死んだら俺は罪の意識に押し潰されるかもしれん。 などと心の片隅、ほんのチョッピリ思っていたけど全然そんなことなかった。 長岡、死んだ。へーそー。 俺の心はこれでカタがつく。ついてしまう。 話題になりゃいいが、死んだのが長岡ってのはいかんかもしれん。 言いたかないけど長岡ってヤツは美男子で、女の子ウケがいいやつだ。 長岡がバンドから消えたらルックスのレベルがガタ落ちなのである。 っま、いいか。 知り合いから誰か手頃な奴をひっぱってこよう。 そう思って、俺はまた呑んで、翌日。 ( A`)(またメールだ) sub 無題 from ブーン 本文 ショボが死にました 連絡ください ( A`)『もしもし?』 ( ;ω;)『ドクさぁん』 ( A`)『ショボが死んだって?』 ( ;ω;)『……』 ( ;ω;)『はい』 ( A`)『そうか、残念だったな』 ( ;ω;)『う……ひぐっ……』 ( A`)『ところで、死因は?』 ( ;ω;)『強盗が入ったとかナントカで』 ( A`)『そうか、強盗が入ったとかナントカか』 ( A`)「フフフフフーン。フフフフーン。フフフフ、フフフフン」 一昔前の邦ロックの名曲を鼻歌しながら、当面の生活物資をリュックに詰める。 何のために? 逃げるために。 凶悪な殺人鬼がバンドメンバーを狙って殺し回っている。 そんな可能性は無きにしも非ず。 だから逃げるのだ。 それに、何だか放浪したくなった。 人生があまりにも面白くないから。で、ござる。それはもういい。 エロ本、タバコ、ライター、サラダオイル、ポケットティッシュ、マヨネーズ、タオル。 こんなものでいいか。服は着たきりスズメでいい。 さぁ、さすらおうか。つって、玄関の扉をバーンて開けて旅路の一歩を踏み出そうってしたら、居た。 居た。何が? でっかいの。 身の丈2mは超えるであろう巨漢が俺ん家の玄関先につっ立ってた。 んがが。 ( ゚∋゚)「……」 大男は何も言わず、ただ黙って俺を威圧する。 みればその男、筋骨隆々、顔は幾度も修羅場を抜けたよう、肌は浅黒く、全身が凶であった。 こいつぁ、まじいや。 って俺は携帯音楽プレイヤーのコードを持ってヌンチャクみたいに振りまわした。 ぱひゅーん。すんすん。 すぽっ。 コードがすっぽ抜けて本体が男の顔に向かって飛んだ。 ( ゚∋゚)「……」 ぺしっ。って男の鼻の下あたりに当たる。 まじいなぁ、怒らせたかな。ってビビってたらずずーんて男は膝から崩れた。 ( ∋ )「……」 ( A`)(ほえ?) ( A`)(あー、何だ?) ( A`)「おーい。おーい」 男の身体を足先でつっついてみる。反応なし。 肩をたたく。反応なし。 鼻に指をつっこむ。反応なし。 人体には急所がいくつかあって、それは身体の正中腺に集中している。 その中でも人中と呼ばれる、鼻の下あたりのツボは強い力で突かれたら死に至るともいわれる。 ――というのを漫画で読んだことがある。 ( A`)「あ、あのー、大丈夫ですか?」 ( ∋ )(……) 心音を確認する。やっぱり反応なし。 どうやら秘孔を突いたらしい。 死んでる。 殺されるのを避けようと思った男が、逆に殺してしまうなんて、一体これは何の冗談でショ。 (; A`)(いやぁ、待て待て、正当防衛) おまわりに事情を話そう、と、思ったけどやめた。 俺はおまわりが嫌いである。 俺の人生において、おまわりがマトモに話を聞いてくれた例がないのである。 俺は、バンドマンだし、貧乏だし、フリーターだし、人相が悪い。から、おまわりのおぼえが良くない。 大体、このでっかいの、まだ俺に何もしてない。 こんな状態で交番にでも駆けこんだら、「テメーがやったんだろ。あぁ」 つって話も聞いてもらえずに、拘留、裁判、懲役、は自明なのである。ウーラララ。 となると。 ( A`)(逃げちゃえ) となる。 ぼかぼか、ぼかすん、と、俺の愛車は不機嫌な排気音を吐きだす。 中古で買った原チャリ。 替え時かもしれない。 ( A`)(殺人事件の時効って何年だっけ) ( A`)(コレを捨てたら、どうしよう) ( A`)(実家に戻ってもおまわりが来るだろうしなぁ) どうも頭がこんがらがっている。 白痴、阿呆、田割け、脳足りん。 そんな精神状態。思考がまとまらない。 こんな時はどうするのか、決まってる。 問題をひとつずつ解決するのだ。 山積みされた問題の数々を見て、気力を無くすのは阿呆である。 少しだけでいいから、1歩ずつ歩む、山をちょっとずつ崩していく。 これが賢いやりかたというものだ。 よって、俺の逃走劇は、携帯音楽プレイヤーを捨てることから始まるのである。 2時間ほど国道を走ると、目的地である県境に着いた。 山だらけである。 俺は原チャリから降りて、適当な山へ凶器を捨てるために入る。 ( A`)(やっぱ、わかりにくい場所に埋めたほうがいいよな) ( A`)(もっと奥へ行こう) ずんずん。ずんずん。 進んでいく、進んでいくと、手頃な開けた場所に出た。 ( A`)(すぐそばには崖か。ここならあまり人も通らないだろうな) と、思って、俺はポケットに手を突っ込んで、凶器を取り出そうとした。 したら、俺が来た方向とは別方面から自動車の排気音が聞こえる。 ――まさか、おまわりか。 そう思ったが、違った。 黒いバンが登って来た。 俺はそのバンの搭乗者に見つからないよう、木の蔭に身を隠す。 隠そうとした、ら、ふいに俺の横から老人がやってきた。 / , 3 「困るんじゃのぉ。ああいうの」 (; A`)「へ、何がですか?」 / , 3 「いや、あいつらじゃ」 (; A`)(俺のことじゃないのか) / , 3 「あの黒いバンの連中。何をしに山に入るか知っとるか?」 ( A`)「いや、わかんないっす」 / , 3 「自殺じゃ」 (; A`)「え?」 / , 3 「といっても、結局死なんがな。車内で練炭だかを焚いとるらしいが、最後には窓を開けてしまう。 気味が悪くてかなわん」 (; A`)「はぁ、そうですか」 / , 3 「よく見とれよ」 ( A`)(あ、車内が白くなってく。練炭を焚いてるのか) / , 3 「いつも通りじゃて」 ( A`)(窓が開いた。うわ、すっげー情けねぇ) ( A`)(ボロボロ降りてきた。おいおい。車内に何人いるんだよ。5人、7人。9人――。雑技団か?) / , 3 「な、言った通りじゃ」 ( A`)「そっすね」 / , 3 「ところでお兄ちゃん。アンタこんな山奥に、一体何しにきたんじゃ?」 (; A`)「俺っすか。ええと、たまには自然と触れ合うのも悪くないかなー、なんて」 人を殺めた道具を捨てに参りました。なんて口が割けても言えるわけがない。 俺はごまかす、なんとか隠し通そうと試みる。 / , 3 「ほーそうかそうか」 / , 3 「ワシは山菜をとりにきたんじゃ」 ( A`)「はぁ、そうですか」 / , 3 「ここら辺はわりかしたくさんの野草があってのう」 ( A`)「はぁ」 / , 3「ホラ、あそこに生えてる黄色いのなんか、天ぷらにすれば美味いぞい」 爺の会話は延々と続く。 何だってこう、老人の話にはキリがないのだ。 まず、目に見える範囲に生えている野草をすべて生態から調理法まで説明された。 次に、この山は他にどんな野草が生えているか、さっきの話と同じように何から何まで教えられた。 したら今度は爺は急に馴れなれしくなって、家族のことを話始めやがった。 / , 3 「ウチのデカイ方の息子はのぉ、正月にも帰ってきやせんのだ」 ( A`)「へぇ、それは大変ですねぇ」 / , 3 「いやぁ、めんぼくない。それでワシは言ってやったんじゃ――」 まだまだ縁者の話を続ける爺、と、うんざりする俺、と、俺にうんざりする俺。 思えば俺はものわかりの良い子供であった。 「アンタ、小さい頃は本当に手がかからない子だったのにねぇ」と、母から勘当される際に言われた。 やめてくれ、爺。アンタが話をやめてくれないと、俺は自己嫌悪に潰される。 基本的にいい人であろうとする俺を、俺は嫌になるのだ。 戻る 次へ 名前 コメント
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随筆 我らの勝利の大道 008/009 「創価家族は永遠に前進」㊤㊦ 偉大なる 若き後継 登場の 世紀の舞台は 遂に来たれり それは1789年。あの名高き「フランス大革命」の開幕を告げて、一人の革命家は高らかに叫んだ。 「時はきた。 錨綱(いかいずな)を切れ!」 この言葉を引きながら、歴史家ミシュレは綴った。 「革命の船は、この日以後、嵐にも雨にもかかわりなく」「けっしてとどまることなく、未来に向かって進む」 我らは未曾有の広宣流布の大航海に船出した。わが「創価の大船」も、嵐があろうが、怒濤があろうが、民衆の栄光勝利をめざして邁進する。 「日蓮一度もしりぞく心なし」(御書1224㌻)。この師子王の御心を拝し、「前進!」の勇気を掲げて進むのだ。 その先頭を駆けるのは、男子部、女子部、男女学生部の青年たちである。今や“学会3世”“学会4世”も草創の精神を学び、尊き父母の心を受け継いで、伸び伸びと活躍している。 さらにまた、わが“創価家族”には、あの地この地で、希望に輝きながら、新たな会員が生まれ、新たな人材が台頭している。 「二人・三人・百人と次第に唱へつたふるなり、未来も又しかるべし」(同1360㌻)と仰せの通りだ。 若々しき「地涌」の生命の息吹に触れることは、最も心躍る喜びである。 親から子や孫の世代へ、脈々と、信心後継の「タテの拡大」は続いている。 さらに友から友への「ヨコの拡大」も、歓喜のスクラムを広げている。 この迸る信心の連動にこそ、我ら“創価家族”の永遠の前進の実像がある。 ◇ この人生 この一生を 幾世代 価値ある日々と 広布に生き抜け 創立80周年。学会は今再び大躍進の春を迎えた。 それは、わが組織の最前線に、「新しい力」「新しい人材」が生き生きと躍動するということだ。 生命は、瞬時も立ち止まらず変化する。新陳代謝を繰り返し、自らを革新していく。このダイナミックに変わる力そのものが、生命の本質といってよい。 常緑の高木(こうぼく)「ユズリハ(譲葉)」は、新しい葉が出るまで、古い葉が待っている。新しい世代の成長を温かく見守るように! 組織を一つの生命体とみるならば、「新しい力」「新しい人材」の台頭は、本然の正しき法則なのだ。 「あとからつづく者たちも、ほら、そこに、我らのうしろに胚芽の姿で控えている」と、民衆詩人ホイットマンも歌った通りだ。 凍てついた大地の中で、じっと力を蓄えた新芽は、時を逃さずに頭(こうべ)を上げる。そして、勢いよく大地を破って現れる。ゆえに私は、懸命に祈り続けてきた。 新しき人よ、はつらつたる青年よ、湧き出でよ! 全同志の胸から、新しき力よ、燃え上がれ! ■新時代を創るもの 世界を変えてきたあらゆる変革は、誰かが一人で成し遂げたものではない。 一人が立ち上がる。呼応した一人が続く。その波動が広範な民衆を糾合し、新たな力と声のうねりが、歴史を変えてきたのである。 フランス大革命もそうであった。モンテスキューやルソーやボルテールらの啓蒙思想が民衆の一人一人を鼓舞し、時代を動かしていったのは、有名な史実だ。 “新しい力の台頭”が、“新しい時代”を創る。 これが歴史の常である。 日蓮大聖人の御在世である弘安2年(1279年)、権力と結託した坊主どもの陰謀によって、何の罪もない農民の門下が囚われた。「熱原の法難」である。 正義の大仏法に目覚めた民衆はいかなる脅しにも屈することなく、題目を唱え抜いていった。リーダーである神四郎、弥五郎、弥六郎の三兄弟は壮絶な殉教を遂げたのである。 この「熱原の三烈士」が仏法に巡りあったのはいつであったか。前年の弘安元年頃である。すなわち入信1年ほどにして、永遠に謳われゆく不惜身命の鑑を留めたのである。 わが師・戸田城聖先生は、この史実を通して、 「信心は、年数ではない。勇気である。勇気ある信心の人こそが一番、偉大なのである」と教えられた。 ◇ 戦後の創価学会の隆々たる大発展を見るがよい。 それは、日本を驚嘆させた「新しき大民衆運動」であった。 昭和26年5月3日。戸田先生は会長推戴式で、烈々と師子吼された。 「75万世帯の折伏が達成できなければ、私の屍は品川沖に投げ捨てよ!」 当時の会員数は、約3千人にすぎなかった。75万世帯へは、実に250倍の拡大となる。 大半の会員は、いったい、いつまでかかるのかと呆然とした。しかし私たち青年部が突破口を開き、結果から振り返れば、6年と半年で達成したのだ。 年末ごとの世帯数は── 5700世帯(26年) 2万2000世帯(27年) 7万4000世帯(28年) 17万世帯(29年) 30万7000世帯(30年) 50万世帯(31年) そして76万5000世帯(32年)──である。 75万世帯の目標が完遂された時点で、学会員の約8割が入会して3年以内のメンバーであった。 今日の世界的な創価学会の基盤を創った大拡大は、誰によって実現したのか。それは、師弟共戦の大行進に勇んで連なった「新しき人材」の力で遂行されたといっても過言ではない。 昭和27年の蒲田支部の「二月闘争」も、翌年の文京支部の「大前進」も、新会員と共に、新たに発心した方々と共に、そして慈愛の婦人部と共に、情熱たぎる青年と共に、私は勝ち開いたのである。 ■埼玉から勝鬨が! 昭和28年の年頭、師・戸田先生より直々に、私は男子部の第1部隊長の任を拝した。25歳。今のヤング男子部の年代だ。 「年末までに各部隊1000人への拡大」──これが師から示された目標であった。 出発時点の第1部隊の勢力は337人。つまり、3倍の拡大となる。 その新たな拡大の“決定打”を放ってくれたのが、埼玉のメンバーであった。 拡大戦の締めくくりとなる、年末の第2回男子部総会が迫るなか、埼玉の羽生方面に点在していた並木班の友が大奮闘した。班長は週末、東京から泊まりがけで何度も通い、1カ月余りの間に、爆発的な拡大を成し遂げたのだ。 埼玉の若き英雄たちは総会当日、バスを貸し切り、群馬との県境から50人の隊列を組み、勇んで集い来た。第1部隊1000人の結集という大勝利が、これで決まったのである。 「見事だ。よくぞ、ここまで戦ったな!」──私はメンバーが乗ったバスを、会場の入り口まで誘導し、大拍手で迎えた。 私は、嬉しかった。埼玉から勝鬨が上がったのだ。新しき天地から、新しい人材が躍り出たのだ! 当時の埼玉には、まだまだ男子部員は少なかった。それだけに、学会歌を意気高く歌い、次々とバスから降りてくる青年の姿に、幹部たちは驚いた。 たとえ、一進一退の膠着状態に見えるところでも、絶壁に食らいついて、必死に戦っている友がいる。それを、目立つところだけ見て、健気な同志の陰の奮闘を見なければ、あまりにも傲慢な幹部だ。 いずこであれ、一人立つ勇者が現れれば、必ず広布の火蓋は切れる。いかに困難であっても、そこに奮闘する友がいる限り、一人を誠実に励まし抜く。これが壁を破る鉄則だ。 この勝利の日は「羽生県青年部の日」として、後継の若き師子が栄光の共戦譜を綴り続けてくれている。 青春を 我は勝ちたり 君も勝て 学会の 後継あずかる 君なれば 断固と宝剣 抜きゆけ 勝ちゆけ 昭和31年の「大阪の戦い」──その焦点は新しい力の躍動であった。 当時、約3万世帯に発展していた大阪は、最も古い入会者でも、やっと信心5年目。大半が入会1、2年のメンバーであった。 広布史に厳然と輝く、不滅の常勝城もまた、入会間もないメンバーとの共戦で築き上げたものだ。 急速な拡大は、人材の飛躍的な育成を要する。その一点を見据えて、私は同志の中へ飛び込んだ。 御書の早朝講義。確信と歓喜の座談会。真剣勝負の個人指導。葉書などを送っての真心の激励──。 そして、いかなる時も、師匠・戸田先生に仕え抜いていく、弟子としての真剣な一念と振る舞いを、ありのままに同志に示していった。そこから、関西の友は「師弟の道」を知り、続いてくれたのである。 これが学会精神だ! これが信心の真髄だ! これが創価のリーダーの戦いなのだ!──と。 入会から日の浅い関西の同志たちは、その「歓喜」と「勇気」と「確信」を胸に刻み、自分らしく友に語り、勇敢に叫んでいった。 信心の歓喜と広布の息吹が、まさに奔流となって、関西の民衆の大地に溢れていったのだ。 私は、組織を動かしたのではない。徹して一人また一人と会い、その心に炎を点していったのである。 それが、1カ月で1万1111世帯という折伏の金字塔となり、不撓不屈の大関西の民衆城の土台となったのだ。 ◇ 関西が生んだ大実業家・松下幸之助氏は語られた。 「新入社員を迎えると、会社にも個々の職場にも新鮮な雰囲気が生まれてくる。先輩の人びとも、自分の初心を改めて思い起こし、そこにみずから心機一転の思いを持つ」 学会の組織も同じだ。 新会員や新しい人材の台頭は、新鮮な息吹を組織に送り込み、“信心の先輩”方も、自身の「初心」を思い起こす好機となる。 日蓮仏法は、初めて妙法を信受した“名字即”の位で即身成仏すると説く。いうなれば、常に「初心」に立ち返り、はつらつと広宣流布の師弟の誓願に生き抜いていくことが、成仏の要諦なのだ。 松下氏は、更に、新入社員に対する先輩の態度について指摘している。 「いかに優秀な素質を持った人でも、仕事についてはまったく経験がないのだから、先輩が一から教えなければならない」 つまり、新しい力の発揮も、すべて先輩たちの振る舞いにかかっている、と。 一から教える──信心においても、それは、時間がかかり、遠回りに思えるかもしれない。しかし、誰でも最初はそうだった。 私だって、入信当時、何もわからなかった。 それを、戸田先生に教えていただき、また先輩同志に学びながら、自分自身を人間革命していったのだ。 今度は、恩返しである。親切にしてあげれば、自分が守られる。新しい息吹を受けて自分が学べる。自分が元気になる。向上する。 ■自分以上の人材に 学会の人材育成の伝統は、後輩を、新会員を、新しい同志を、「自分以上の人材に」と願い、心を砕いていくことである。 我ら“創価家族”は励まし合い、心を磨きながら、幸福への直道を歩む強き絆で結ばれているのだ。 ◇ 新会員の友が、信心の功徳と確信をつかみ、一緒に広宣流布の同志として歩めるようになって、折伏は完結するといえる。 御書には「仏になるみちは善知識にはすぎず」(1468㌻)と説かれている。 善知識とは、善き師匠であり、更には仏道修行を貫く上で支えとなる「善友」である。創価学会が善知識の集まりといってよい。 そのために、先輩として心掛けたいことは「共に」という一点である。 共に祈る。共に学ぶ。 共に語る。共に歩く。 「共に」という心と行動のなかに、日蓮仏法の真髄の精神がある。 蓮祖は「喜とは自他共に喜ぶ事なり」(御書761㌻)と仰せだ。 自分一人だけの喜びは、まだ本当の喜びではない。人も自分も共に喜び、讃え合えることが、最高の喜びになるのだ。 さらにまた「共(ぐ)の一字は日蓮に共(ぐ)する時は宝処に至る可し」(同734㌻)と示されている。 同志と共に進み、師弟して共に生き抜くところに、人生の究極の勝利がある。 ■親孝行の人生を! 学会本部の一角に、3枚の美しい水彩画が飾られている。4年前に入会した東京の池田華陽会の友が描いてくれた絵である。 最初の1枚が届けられたのは2年前。美術系大学で陶芸を学び、人物画の経験のなかった彼女が、一生懸命に挑戦して、私と妻を描いてくださったものだ。 親孝行の人生を誓い、友のためにとひた走る立派な姿に、ご両親も大変喜ばれていると伺っている。 御聖訓には、「法華経を持つ人は父と母との恩を報ずるなり」(同1528㌻)と仰せである。 妙法に生きゆく人生は、最高無上の親孝行の軌道を歩むことができる。 ゆえに、新会員の友は、信仰のことで、ご家族と争ったりせず、自らの成長する姿を見せて、安心させてあげていただきたい。私も、そうであった。 ■持続の人が幸福に ともあれ、新会員の友の功徳の実証を聞くたびに、私の胸は躍る。 「受くるは・やすく持(たも)つはかたし・さる間・成仏は持つにあり」(同1136㌻)とは、大聖人の御指南である。 忍耐強く「持(たも)つ」なかに成長がある。勝利がある。 この信心を貫く人、持続する人は、絶対に「幸福」になる。広布のために、努力し、動いて、苦労することは、すべて「福運」となって自身に返ってくる。 世界五大陸の友が、勇気凛々と、広布の大道を歩み、人間革命している姿こそ、その証左にほかならない。 大詩人ホイットマンは“人間の可能性”を歌った。 「他人にそなわるどんな勇気も忍耐も、同様に君の内部にそなわらぬはなく」と。 いわんや仏法は、「万人成仏」の法であり、「一生成仏」の法なのだ。 ◇ 春風の如きフレッシュな息吹は、組織に生き生きとした活力を与える。勝利の原因をつくってくれる。 先輩たちは、この新しい息吹を、心から大事にしていくのだ。新しい人に学んでいくのだ。新しい人と共に勇猛精進していくのだ。 「これまで」に安住してはならない。「これから」を切り開く、清新なる決意に立つことである。 ■“今一重”の決意で 大聖人は、強盛な女性の弟子を励まして言われた。 「あなたの昔からの立派な信心のお志はいうまでもありません。しかし、それよりも今一重、強盛な信仰に立っていきなさい」(同1220㌻、通解) 自分自身を「新しい人材」に革命する決心で、「新しい力」を出すのだ。 「月月・日日につよ(強)り給へ・すこしもたゆ(撓)む心あらば魔たよりをうべし」(同1190㌻)との御聖訓を、断じて他人事と思ってはならない。 慢心になり、挑戦の心を忘れれば、信心は濁る。「強る心」を失い、「たゆむ心」に負ければ、惰性になる。戦いがなく、前進もないことを隠すため、保身に走り、権威主義になる。 草創以来、同志に迷惑をかけ、裏切っていった背信者たちは、自分は特別だと威張る人間だった。 創価学会は、最極の生き甲斐と充実に満ち溢れた、幸福の安全地帯である。 この和合の世界にいられなくなった末路ほど、侘しく哀れなものはない。 ◇ 「仏法は勝負」だ。人生も勝負だ。 この人生に勝利しゆくための信心である。その指標として、学会では、永遠の五指針を掲げている。 一、一家和楽の信心 一、幸福をつかむ信心 一、難を乗り越える信心 一、健康長寿の信心 一、絶対勝利の信心 信心で勝つのだ! わが同志は、一人も残らず、偉大な信心で、偉大な人生を勝ち飾っていただきたい。 希望の春が来た。君も、私も、新たな前進だ! 「出かけよう、道はぼくらの前にある」 ホイットマンの晴朗なる歌声とともに、さあ、勝利の大道を歩み抜こう! 三世まで 不滅 不朽の 城ありき その名 広布の 人材城かな (2010.03.04/05 聖教新聞) ■随筆 我らの勝利の大道に戻る ■2010年03月に戻る
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登録日:2015/03/22 (日曜日) 23 44 00 更新日:2024/02/03 Sat 10 12 21NEW! 所要時間:約 6 分で読めます ▽タグ一覧 JR JR東日本 デッドセクション 交流 単線 山形県 新潟県 日本海縦貫線 直流 秋田県 秘境駅 秘境駅の宝庫 羽越本線 複線 路線 鉄道 電化 風に弱い 羽越本線(うえつほんせん)は、新津駅から秋田駅を結ぶJR東日本の鉄道路線である。 (*1) 概要 新潟県から山形県、秋田県の日本海側各都市を結ぶ大動脈路線で、日本海縦貫線の一部となっている。 その為、長距離特急列車や貨物列車が多く走る路線である。 村上以北は日本海沿岸部を走る為、海に沈む夕日などが良く見える。 しかし、日本海側特有の自然災害の影響を大きく受けてしまう為、それに伴う長期運休が多い路線でもある。 特に2005年の年末に発生した突風(竜巻という話も?)による特急脱線事故は、記憶に残っている人もいるのではないだろうか。 全線電化されているが新津~村上間は直流電化、間島~秋田間は交流電化となっている。その為、村上~間島間にデッドセクションが設けられている。 また、複線区間はあるもののかなり継ぎ接ぎで作られており、特に新発田~鶴岡間は1~3駅間だけ複線⇔1~4駅間だけ単線の繰り返しとなっている。 電化されていながら複線と単線が入り混じるうえ、使用車両には気動車もあるというなかなかのカオスっぷりを誇る路線の一つ。 新津~村上間は新潟近郊区間に含まれ、このうち新津~新発田間全駅と中条、坂町、村上はSuicaの新潟エリアとなっている。 【運行形態】 ○新津~新発田 直流電化こそされているものの電車は朝夕1往復ずつしか使用されておらず、他の列車は全て気動車による運行である。 本数も1~3時間に1本程度の運転で、学生以外は殆ど利用しないローカル区間である。 優等列車も寝台特急「トワイライトエクスプレス」を最後に運転がなくなっている。 対して貨物列車は主要幹線として機能しており、電気機関車牽引の列車が多数走る。 ○新発田~村上 特急「いなほ」と快速「海里」などの優等列車、多くの普通列車が白新線経由で新潟発着となっていて、村上以北や米坂線で使用する列車の送り込みを除くと基本的に電車による運行である。 普通列車は1〜2時間に1本程度で、一部列車はワンマン運転を行っている。 また、米坂線直通の快速「べにばな」が1往復設定されており、白新線経由で新潟を発着する唯一の気動車となっている。 ○村上~酒田 村上以北は交流電化区間となっている為、特急と一部の快速列車、貨物列車については全て交直流電車・電気機関車が使用される。 しかし、普通列車については新潟支社が通勤型・近郊型の交直流電車を所有していない為、鶴岡~酒田間の1往復以外は全て気動車による運行となっている。 村上~鶴岡間は普通列車の本数が非常に少なく、3時間ほど列車が運転されない時間帯がある。 鶴岡~余目間は1~2時間に1本の運転、陸羽西線直通列車が加わる余目~酒田間は更に本数が増える。 特に7時台の余目発酒田行きの下り列車は4本となっており、羽越本線全体で一番本数の多い時間帯となっている。 また、特急「いなほ」の一部や臨時快速「海里」は酒田止まりとなっている。 ○酒田~秋田 全列車が電車による運行となっており、普通列車は1~2時間に1本程度となっている。 全区間運転の他に酒田~吹浦間、象潟・羽後本荘・道川・新屋~秋田間の区間列車がある。 特に新屋始発・終着の列車は設定が多く、新屋~秋田間のみ1時間に2~3本と本数の多い時間帯がある。 特急「いなほ」は一部が酒田で新潟方面へ折り返すため、この区間は3往復のみとなっている。 【使用車両】 現在の車両 E653系 特急「いなほ」と快速「らくらくトレイン村上」で使用。 7両編成が1000番台、4両編成が1100番台を名乗る。 いずれも常磐線の特急「フレッシュひたち」で使用されていた車両で、耐寒・耐雪構造の強化を実施している。 1000番台は先頭車へ新たにグリーン車化の改造が行われたが、普通車当時の窓位置に座席を合わせた結果、1820mmというグランクラスより520mmも広い驚異的なシートピッチを誇っている。 塗装は日本海に沈む夕日と稲穂をイメージしたカラーリングとなったが、後に1編成が青の「瑠璃色」、1編成が赤紫の「ハマナス色」に塗り替えられている。 2022年3月のダイヤ改正からは「しらゆき」で使用される1100番台も運用に入った。 運用の見直しに伴い、1000番台2編成が生まれ故郷の常磐線に再転属している。 E129系 新潟地区の顔で、新津~村上間で使用。 ワンマン運転対応だが、E721系ベースの幅広車体のためセミクロスシートとなっている。 2両編成と4両編成がある。 701系 鶴岡~秋田間で運用されている。酒田~秋田間の普通列車は、全てこの列車での運転となる。 2両編成と3両編成が使用される。 HB-E300系 快速「海里」で使用。老朽化した「きらきらうえつ」用の485系を置き換えるために2019年10月より運行開始。リゾート列車らしく食事サービスがある。 羽越本線・白新線共に全線電化されているが、臨時列車で非電化区間に入ることを考慮し気動車になっている。 キハ110系 新津~鼠ヶ関間は新津運輸区の所属車両が2両編成で使用されている。 余目~酒田間は陸羽西線直通列車で、小牛田運輸区の所属車両が使用される。 両運転台のキハ110形は単行運転が可能。 GV-E400系 新津〜酒田間で運用される電気式気動車。 2020年3月14日ダイヤ改正にてキハ40系を全て置換えた。 キハ110系同様、両運転台のGV-E400形は単行運転が可能。 EF81形・EF510形 全線で使用される。 日本海縦貫線の貨物列車牽引の主力機関車。 EF81形は普通客車列車の牽引にも使用されていた。 過去の車両 115系 新発田~村上間おとび新津~新発田間の列車で使用された。 3両編成が主に使われるが、2両編成が使用される事もある。 E127系 新発田~村上間で使用。 E129系導入に伴い2015年で撤退し、一部の編成はえちごトキめき鉄道へ譲渡された。 485系 特急「いなほ」で0・1000・3000番台が、臨時快速「きらきらうえつ」で700番台が使用されていた。 「いなほ」用編成は1989年から白地に青とライトグリーンを纏った塗装へのリニューアルが開始され、指定席車は183系のグレードアップあずさに続いて側面窓の拡大を実施。 3000番台は内外装を大規模にリニューアルしたもので、塗装は前述のグレードアップ車に準じたものとなっていた。 「きらきらうえつ」はお座敷車両と同様に車体を載せ替えており、ラウンジやミニビュッフェなどリゾート列車らしさが見られた。 2019年9月29日に運用を終了した。 キハE120形 新津~坂町(導入当初は酒田まで)間で使用されていたが、新潟駅高架化の影響(*2)で2020年3月14日ダイヤ改正で只見線用として郡山車両センターに転属した。 単行運転が可能だが、2両編成での運用が主体だった。 キハ40系 新津~酒田間で使用されており、東日本では唯一キハ47形が導入されていた地区である。 長らく主力として活躍していたが、2020年3月14日ダイヤ改正にて全車両が引退した。 【主な駅】 新津…信越本線・磐越西線乗り換え。 羽越本線の起点駅で、鉄道の街と言われている。JR直営駅で売店あり。 駅構内に新津運輸区が併設されているほか、近くには総合車両製作所新津事業所が隣接され、首都圏で走るJRの通勤型車両や私鉄の車両も製造されている。 新潟方面への列車は多いがこちらは…。 京ケ瀬…ここから阿賀野市に入る。旧京ヶ瀬村の中心集落からは少し離れている。どちらかといえば京ヶ瀬工業団地の最寄り駅となっている。 水原…阿賀野市の代表駅。 神山…ここまで阿賀野市。笹神地区唯一の駅。 月岡…ここから新発田市。月岡温泉、県の指定文化財の市島邸に一番近い駅…だがバスの発着はない。 中浦…新発田市豊浦地区の中心駅。真木山中央公園の最寄り駅。 新発田…白新線乗り換え。特急停車駅。 新発田市の中心駅で直営駅。売店はJRの駅としては珍しくNewDaysではなくデイリーヤマザキになっている。 周辺には新発田藩の城下町として新発田城を含めた歴史的建築物が多く残る。 1984年までは赤谷線も乗り入れていた。 Suicaフルエリアはここまで 加治…快速が一部停車。 金塚…ここまで新発田市。大峰山はこちらから。 中条…胎内市の中心駅でJR直営駅。Suica一部対応駅。 貨物取扱駅だが現在は臨時取扱駅となっており、駅南にある中条オフレールステーションでのトラック便がメインとなっている。 平木田…新潟都市圏に含まれる胎内市はここまで。無人駅だが名誉駅長が配属されている駅。 坂町…米坂線乗り換え。ここから村上市。 かつては坂町機関区があった関係で、駅構内に転車台が残っている。 Suica一部対応駅。 平林…当初は仮乗降場として開業した。 岩船町…粟島への航路がある岩船港に一番近い駅だが徒歩で35分ほどかかる。 村上…新潟県最北の村上市の中心駅。直営駅で売店あり。 瀬波温泉の最寄り駅で、岩船港への乗合タクシーも発着。 直流電化と交流電化の境界駅となっている関係で、隣の間島駅との間にデッドセクションがある。 その為、運行系統の境界駅にもなっている。 この先から日本海の沿岸部を走る。 Suica一部対応駅。Suica新潟エリアも実質的にはここまで。 桑川…道の駅笹川流れと一体となっている。笹川流れ観光の拠点駅。海里停車駅。 越後寒川…読みは「~さむかわ」ではなく「~かんがわ」。 近くでは6の付く日に限り露天市場が開催される。 勝木…「がつぎ」と地味に難読な駅。周辺には病院や温泉施設がある。 府屋…新潟県最北端の駅で、特急列車も殆どが停車する。 ちなみに新潟県南西端の市振駅からここまで鉄道で276.3km離れている。 これは東京からだと、 東海道本線の鷲津(豊橋の3駅前) 中央本線の倉本(木曽福島の2駅先) 篠ノ井線の姨捨 信越本線の押切(長岡の2駅先) 東北本線の東福島 常磐線の桃内(浪江の1駅先) くらいに相当する。 新潟って広い。 鼠ケ関…「ねずがせき」と読む。 山形県最西端の駅である。駅のすぐ近くに新潟県村上市と山形県鶴岡市の県境がある。 海里停車駅で、村上・酒田両方面に始発・終着列車がある。 あつみ温泉…同名の温泉最寄駅。 普通列車が1本だけ酒田方面に折り返す。 かつては寝台特急「あけぼの」も停車していた。現在はTRAIN SUITE四季島の停車駅に選ばれている。 ここからしばらく複線区間に入る。 五十川…「いらがわ」と読む難読駅。 三瀬…中華そばの有名店である琴平荘の最寄り駅。 羽前水沢…かつては隣接する化学工場向けの貨物列車が発着していた。 羽前大山…複線区間はここまで。 鶴岡市のスポーツ施設がすぐ南にある。北側には酒蔵が多い。 クラゲ展示で有名な鶴岡市立加茂水族館に一番近い駅だが徒歩では行きにくい上、最寄りバス停も少し離れている。 鶴岡…庄内地方では最も人口の多い都市、鶴岡市の中心駅。直営駅で2002年に東北の駅百選に選ばれている。 優等列車は全て停車する他、酒田方面への始発・終着列車が多く設定されている。 駅には売店だけでなく居酒屋もある。 庄内空港へのバスも発着する。 かつてはJR東日本管内でよく流れていた発車メロディ「清流」が使われている最後の駅(ただし接近メロディとして)。 この付近は日本海から離れ、庄内平野の内陸部を走る。 藤島…ここからまた暫く複線区間に入る。 近くの県立庄内農業高校への通学生の利用が多い。 余目…陸羽西線乗り換え。特急停車駅。 庄内町の中心駅で、酒米として有名な「亀の尾」発祥の地でもある旧余目町に位置する。 4番線が「おくりびと」で使われたことでも有名。 北余目…辺りは庄内平野の水田。そこに複線電化のホームがあるというギャップ。 鳥海山も見やすい。 東酒田…酒田の一駅前だがここも周りは田んぼで、西に1km弱進むと酒田市街に入る。 酒田…庄内地方北部の都市、酒田市の中心駅。 酒田市は人口こそ鶴岡市より少ないものの、庄内空港や重要港湾である酒田港がある。酒田港へは当駅から貨物支線が分岐している。 あの「西部警察」ではその貨物支線を使って大規模なロケを実施した回があり、当時の酒田駅も棒読みの国鉄職員も登場するので必見。 普通列車の運行系統境界駅で、ここから秋田までは電車のみの運行となる。 特急「いなほ」の一部や、臨時快速「海里」も一部期間以外はここで折り返しとなる。 なお、新潟支社と秋田支社の境界駅でもある為か、それぞれの方面との接続はよくない。 週末パスのエリアもここまで。 本楯…複線区間はここまで。 南鳥海…鳥海山をモチーフにしたと思われる駅舎が特徴。 遊佐…遊佐町の代表駅で特急停車駅。 吹浦…酒田方面へ始発・終着列車が3往復ある。 ここから再び海沿いを走る。 女鹿…牛山氏の全国秘境駅ランキング34位。山形県最北端の駅でもある。 上りが朝2本、下りが昼1本・夕方3本の計6本しか停車しない1級の秘境駅。 小砂川…ここから秋田県。 象潟…「きさかた」と読む。 にかほ市の代表駅だが利用客は仁賀保よりも少ない。 かつては秋田方面への始発・終着の普通列車があった。 金浦…白瀬南極探検隊記念館最寄り駅(徒歩20分) 仁賀保…特急停車駅。 周辺はTDKの企業城下町。 西目…特急は止まらないが工場や県立西目高校などがあり、利用者は仁賀保よりも多い。 ここから暫く複線が続く。 羽後本荘…由利高原鉄道鳥海山ろく線乗り換え。 由利本荘市の中心駅で特急「いなほ」が停車する他、臨時快速「海里」も年に数回当駅発着となる。 秋田方面への始発・終着の普通列車が何本か設定されている他、酒田方面の始発列車も1本ある。また朝の秋田行き快速列車の始発駅でもある。 羽後岩谷…快速停車駅。すぐ近くに道の駅おおうち(日帰り温泉あり)、由利本荘市総合体育館がある。 折渡…牛山氏の全国秘境駅ランキング56位。1日下り5本、上りに至っては3本しか停車しない秘境駅。 複線区間はここまで。 羽後亀田…快速停車駅。砂の器でも有名な駅。 岩城みなと…2001年開業の一番新しい駅。由利本荘市岩城町域の中心駅。 道川…国立病院機構あきた病院の最寄り駅。近くには日本ロケット発祥記念碑もある。 下浜…ここから秋田市。 桂根…秋田市内だが牛山氏の全国秘境駅ランキング109位。この駅も1日5本しか停車しない。 新屋…秋田の市街地に入る。快速停車駅でみどりの窓口あり。 普通列車が一部秋田方面へ折り返す。 周辺には工業団地、県立新屋高校、大森山公園などがあり利用者もぐっと増える。ここからSuica秋田エリア。 羽後牛島…快速停車駅でみどりの窓口あり。秋田駅はもうすぐ。 秋田…秋田新幹線・奥羽本線・男鹿線乗り換え。 終点駅。かつては奥羽本線直通の特急もあったが、今は一部の普通列車のみが直通する。 秋田県第一の都市である秋田市の代表駅で、東北三大祭りの1つに数えられる夏の竿燈祭りの時は大いに賑わう。 追記・修正よろしくお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 風の息づかいを感じていれば事故は防げた(キリッ)正直無理です -- 名無しさん (2015-03-23 01 20 17) 桂銀ってどこだ…「桂根」だ。カーブの関係か、停車すると列車が斜めになるアレげな駅だ -- 名無しさん (2015-03-23 21 37 40) 正直な話酒田での接続は悪いってレベルじゃないぞなあれは。 -- 名無しさん (2015-03-24 00 19 59) 宝塚線脱線事故がJR西日本のトラウマ。羽越本線脱線事故はJR東日本のトラウマ。 -- 名無しさん (2015-07-27 13 24 33) 名前 コメント
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「痛ちちっ、」 頬の痛みに顔をしかめている青子を見て些か申し訳ないという気持ちに苛まれる魔導士。 例え相手に原因があったとしても、あんな風に人に手を上げてしまう事自体が問題だ。 (余裕ないんだろうな……今の私。 反省しなきゃ…) 本当に、切に思う教導官である。 頬を抑えて痛みに涙ぐんでいる目の前の女性を前に こちらもジンジンと痛む利き腕を押さえながらの思慮。 ここまで自分に踏み込んでくる相手、自分を引き出してくる相手は正直初めてだ。 強引で、無礼で、不愉快に感じる事も多々ある中に―――― 戸惑いと共に新鮮な感動を抱き始めている自分がいる事に、なのは自身、未だ気づいてはいなかった。 それにこんな風にいじられて、こづかれる事で、先の見えない事態に陥った今の状況に対し どれだけ不安とストレスの発散になっているのか分からない。 もしこの数週間、生物の痕跡すら無い閉じた世界で一人、音もなく何もない中に放置されていたらどうだろう? 自分は未だ平静を保てていただろうか? 生還の目処も立たず、仲間や友達も心配だ。 知らず余裕の無い表情で散策から返ってきていた自分に対し、 そのいっぱいいっぱいになった心情を元気つけるために滅茶苦茶な絡み方をしてきたのだとしたら――― (考え過ぎかな………) 流石にそれは相手を美化しすぎだろうと苦笑するなのはである。 「青子さん」 その思考を切り替え、管理局局員の顔を取り戻すなのは。 そう。今のうちにはっきりとさせておきたい重要な話があったのだ。 そもそも、こんなじゃれ合いに時間を費やしてばかりいられない。 この魔法使いと行動を共にしている真の目的は不測の事態の打破。 決して子供のイザコザ話に終始するだけのものではないのだから。 「真面目な話……少しいいかな?」 本題を切り出す魔導士である。 その声には既に―――戯れの入る余地を完全に拝した厳しいものである。 その厳粛な目つきは、青子に高町なのはが見せる初めての顔。 次元を跨いで法を行使する時空管理局、戦技航空武装隊=局員の顔立ちだった。 「ん。怪我人だから手短にね」 「さっきの話に戻るけれど……レンを襲った二人組の事について、どんな事でもいい。 気がついたこと、相手の言動、その時の状況を詳しく聞きたいの。」 「さして話せる事も無いのよ。」 なのはにとっては唯一の手がかりである魔法使いは率直な答えを返した。 「言葉を交わしたわけでも張り込んでたわけでもないからね。 単に―――、一方的にぶちのめしただけだから」 飄々と語るその表情に危険な光りが灯る。 相手は強力な力を持った戦闘機人だ…… それを相手にして、あまつさえ撃退したといとも簡単に述べるこの魔法使いに対し やはり並の術者ではないと認識を改めざるを得ない。 「相手の特徴とか、人数とか、それだけでもいいの。 分かってる事だけ聞かせてくれないかな?」 「遠目からでよく見えなかったけど多分、ショートとセミロングの二人組。 体のラインからすると女ね。 あ、ラインってのはピチピチのスーツを着てたから分かったのであって 別に私がそのテの目利きだって言ってるわけじゃないのよ?」 「………続き、いいかな」 「結構、固かったわねぇ……人間の打たれ強さじゃなかった。 あと飛行能力を持ってて―――そう、そういう意味では貴方とタイプ似てるわ。」 「うん」 一旦、攻撃が始まれば止まらない―――見敵必殺のマジックガンナーのスターマイン。 先制を許せばそこで相手はゲームオーバー。 破壊に特化したとまで言われる彼女の魔弾に晒され、本来ならば肉片も残らない筈だ。 だが、件の二人組はそのフィニッシュパターンに陥ったにも関わらず 残った余力で見事彼女の弾幕を突破し、半壊した身体を宙に踊らせて、その射程外に飛んでいったのだという。 (戦闘機人………No.3とNo.7。 トーレとセッテ…) その特徴を魔法使いから聞くにつれ、確信を持つ高町なのは。 かなりの確率でその二体である事は間違いない。 その両者は先のJS事件の際、揺り篭内で遭遇したフェイトがオーバードライブを発動して辛くも撃退した 恐らくはナンバーズ最強の戦闘力を有したコンビである。 ジェイルスカリエッティの忠実なる手足。 管理局に拘束された後も、更生を頑として受け付けなかった 所謂、ナンバーズの隔離組。 そして先の脱走でスカリエッティに付き従った者たち。 セイバーとの邂逅から実に一ヶ月ほども立とうとしている。 彼らの後を追って地球に降り立ち、不測の事態で立ち往生し 依然として消息を掴めなかった彼らの足跡をついに―――その片鱗に触れる事が出来たのだ。 「ところで青子さん。 その二人、どうだった? 相当苦戦したと思うけど……」 ―― 単にぶちのめしただけ ―― 簡単に言ってのけた青子だが、そう簡単に倒せる相手ではないとなのはは断言出来る。 あの二人を同時に敵に回したら自分とて果たして勝てるかどうか。 他の追随を許さぬ圧倒的な速度での戦闘を可能とするフェイトだからこそ 見事、相手の連携の上を行く機動性能を駆使して二人同時に切って落とせたのだ。 「いや、一分掛からなかった」 「……ほ、本当に?」 それに対しあっさりと言ってのけた言葉に改めて驚くなのは。 ミドル~ロングレンジが主力の射撃、砲撃使いにとって、あの二人の連携は最悪だ。 超高速で迫るトーレの奇襲は人の有する反射神経は勿論、デバイスの補助付きの索敵能力をも上回る速度で飛び込んでくる。 その一撃を何とか凌いだとしても、間髪入れずにリカバーを斬って落とす、セッテの絶妙の支援。 データによれば、No.7の戦闘力・出力は機人の中でもトップクラスであり その優秀な機体が敢えてフォローに徹する事によって生ずるのが、攻守共にまるで隙のなくなるアタッカーの誕生だ。 一人を止めればもう一人に背中をザックリいかれ、一瞬でも気を抜けば目前の強力なISに正面からぶち抜かれる。 ならばそんなやっかい極まりない相手を、この自分と同タイプの魔法使いがどうやって撃退したのか――非常に気になるところだった。 「……どうやって勝ったの? 参考までにもう少し詳しく……」 「ハチの巣」 気だるそうに簡潔な答えを返す青子。 うぐっ、と言葉に詰まり、がくんと肩を落とす高町なのは。 「本当に楽勝だったの? 全く苦戦しなかった?」 だが挫けない。なおも食いついていく教導官。 戦技を追求してきた彼女だからこそ、おざなりな答えや中途半端な納得を良しとしない。 教義に携わるものとしての当然の疑念と探究心が、なのはに追求の手を緩めさせない。 しかして、返ってきたのは―――― 「しつっこいわねぇ! ラクだったわよー? 何せ奴ら、どこぞのドラ猫をイジめるのに夢中になってたからね。 その隙を突いて横っ面にドカンドカンと打ち込めばホラ瞬殺! 簡単な話でしょうが。」 「………」 ――――最低の答えだった ―――――― 「お―――」 場が急速に寒くなる―――― 見ればブルーの脇で行儀よく正座していた筈の少女がプルプルと肩を震わせて――― 「鬼ぃぃぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいッッーーーー!!!」 耐え切れなくなった憤慨を外道主人に力いっぱいぶつけていた………当然であるが。 「よくも! よくも私を囮にしたわねーーー!!!」 要は簡単だ。 不意打ちで飛来した相手に対し、更に不意打ちを重ねて粉砕したというだけの話。 間違ってもなのはの期待した戦技や技術の介入する類の話ではなかった。 「いや、その理屈はおかしいでしょー。 アンタが勝手に出歩いて勝手にやられたんじゃないの?」 「だとしても! それだけ観察出来る余裕があるなら こうなる前に助けられたじゃない!! ええ! 絶対よッ!!」 「いや、雪山を歩いてたらさ……寒くて、何か眠くなっちゃって…」 「ムキーーーーーー!!!」 「あ、ありがとう……参考になったよ」 髪を引っつかまんばかりの言い合いを始める二人を前に額を押さえて溜息をつくなのは。 もはや今日は精根尽き果てた。 さすがにこれ以上、このテンションに付き合ってやる体力は無い。 微塵も信頼関係の成り立っていない主従を前に一言、礼を言い―――― 「協力してくれてありがとう。ちょっと考えたい事があるから失礼するね。」 スルリと横を抜けて、未だ元気の有り余っている二人を残して奥の部屋に行ってしまう。 一人で考える事や決めておきたい事も山ほどある。 「あ、……………ふ…」 だが―――彼女にしては慎みの無い大きな欠伸と共に…… 強烈な疲れが襲ってくるのを感じずにはいられないなのはであった。 これでは部屋で落ち着いた瞬間、思考が睡魔に取って代わられるのも時間の問題であろう。 (駄目、かな……今日はもう…) 何せ今日は―――色々とあって疲れてしまった。 朝の夢から始まって、白い夢魔との邂逅。 蒼崎青子との激しい喧嘩。 その後も色々と話しをして――――気がつけばもう日も落ちかけている。 収穫もあった。 紆余曲折あったが、ようやく追うべき対象の姿を捉えることが出来たのだ。 ここは焦らず、無理をせず、じっくりと対策を立てていこうと思い至る魔導士。 最後に一つだけ―――― (ナンバーズの事、もっと早く教えてくれてもよかったんだけど………) もはや週泊を超えて屋根を共にする連れに対し――― とめどない愚痴をこぼしながら………… ―――――― なのはが奥の部屋に消えていった その戸が閉まったと同時に―――― 「――――――ねえ、レン」 二人の取っ組み合いはまるでぜんまい仕掛けの人形のようにピタリと止まる。 色んな意味で呆れた主従であったが、その息だけは妙にぴったりだった。 そして先に言葉を発したのは主の方。 「あのコの事、どう思う?」 抽象的だが思わせぶりな質問である。 「逆に聞きたいわ青子。 あんな奇怪なニンゲン、私も初めてよ。 自分の夢におぼれない……正気と理性を保って欲望を自省する…… 自分の脳内の世界ですら、そんな真似が出来る人間なんて………いる? 貴方の知り合いにそんな人?」 「いるわけないでしょ……チベットの高僧じゃあるまいし。 魔術師なんてのは皆、欲に塗れた俗人の極み―――死肉に群がる餓鬼みたいなもんよ。」 「だからこそ、あの人間の薄気味悪さが助長されるのよ。 あんなのは極限の修験に身を置いた者にしか為しえない精神構造だわ。 20やそこらの小娘の思考回路じゃない……」 なのはが消えていった戸の先――隙間から溢れる闇に対し、目が放せない夢魔。 あの女を溺れさせ、その奥に潜む欲望を曝け出し、乱れ狂う精神の、その零れ落ちた雫を頂く。 いつもと同じその肯定をしくじるほど、この少女は未熟な魔性ではない筈だ。 なのに、結果はご覧の通り。 身体は確かに反応していた あの大量の寝汗を見れば一目瞭然だ 溺れる対象も健在、心も揺れていたはずだ でなければ夢魔は、そもそも淫夢における相手を構築できない だのに、そこまでの条件が揃ってながら……あの女は堕ちなかった 最後の言葉が少女の口から吐き捨てられる事は無い。 まだ自分自身、何かの間違いじゃないかと疑う感情が残っているのだ。 「ものの見事にレジストされちゃったのねぇ……まったく鉄壁は外堀だけじゃないってか?」 「レジストは―――されてないわ。 それで弾き返されたのなら、少なからず私に反動や外傷が残った筈よ。 それはこちらの干渉に対する抵抗……謂わば反撃って事だもの。 あいつはそんな抵抗も拒絶も一切しなかった。 確かに夢を……この私を受け入れたわ。」 眉間に皺を寄せて人差し指を噛みながらに言葉を紡ぐレン。 その表情、自身の話す内容に苛立ちを覚えているのは間違いない。 「だのに溺れさせるどころか……逆に優しく抱きとめられた。 この私がよ? 何か大きいモノに包み込まれるイヤな感覚―――― それに危機を感じて私はあの時、強制的に淫夢を解除したのよ。」 紡がれる話の内容を聞くにつれ、怪訝な表情を作らざるを得ないブルー。 蒼崎青子は人間であるが故に当然、魔性が人の精を食らう感覚を理解する事は出来ない。 だがそれでも、この使い魔からもたらされた話の内容がどれだけ異常であるかは分かる。 「けったいな話になってきたわね……早い話がどういう事よ?」 「そう、早い話。 例えば私がアルクェイドにちょっかいかけようとすると、ああなるわ。」 「真祖ぉ? そりゃ無いわ。有り得ない」 ここでとんでもない名前が飛び出し、さしもの魔法使いも繭をひそめる。 あの最強の個――アルティミットワンの器。 真祖=アルクェイドブリュンスタッドと同格とでもいうのだろうか? あの娘が? さすがに与太話も甚だしい。 きっぱりと言って捨てる蒼崎青子である。 「レン………アンタ、感覚が衰えているのよ。 ―――――――傷、相当酷いみたいね。」 核心を突いた主に対し、ついっと首だけを動かして猫らしい仕草で魔法使いを見る。 「なのはとのやり取りを見てて思ったのよ。 ちょっとビビり過ぎじゃないかって……アンタ、そんなタマじゃないでしょうに?」 そう。蒼崎青子はこの夢魔を低く見積もってはいない。 気を抜けばこの魔性は自分や当のなのはでさえ倒してのける、それほどの存在だと認識している。 彼女は確かに使い魔という、人間に従事する存在であるが 本来、使い走りなどで使役される下位の魔道生命体などとは確実に一線を画する存在だ。 あの真祖が、とある魔術師から譲り受けてから数えて百年を渡り歩いた 高位の魔族と渡り合ってもおかしくない使い魔、レン――その残滓こそ彼女の正体。 元の本体の能力と、あのタタリから汲み上げた力を融合させた存在である少女の力は、雪原の支配者、雪の女王と名乗るに相応しき物だった。 「まあ、しょうがないわ……何せ死に掛けたんだし。 今のところ良くて20%ってとこ―――今なら、そこらの亡者にも簡単に憑り殺されるわね。」 自嘲気味に己が状態を吐露し、呟く少女。 あの時受けた致命傷から、消滅を免れ命を繋ぐために消費した大量の魔力。 それは彼女の霊格を格段に落とすに余りあるものだった。 「何にせよ、きついわね――あの人間から頂けなかったのは……」 レンの表情が口惜しさを浮かべる。 少ない口調からはその切迫した状況を推し量る事は出来ない。 「私のでよければいつでも」 「それはイヤ」 「ワガママねぇ……誰に似たのやら」 「私の事はどうでもいいでしょう? そろそろ話を戻したら?」 「んー………とはいえ、アンタの感覚がバカになってるんじゃこれ以上の結論は出ないのよね。 出家してるのか、物理的に人間辞めてるか―――浮世離れしているとは思ってたけどさ。 魔法少女って皆、あんなもんなのかしら? 初めから溺れる要素を持っていないとか。」 「それこそ、そんな人間あり得ないわ青子。 欲の無い人間なんて――それ、ホンモノの突然変異じゃない。」 「欲が無いんじゃなくて、欲の受け入れ方を知らない人間――― 自分の脳内にすら鍵をかけてる奴ってのなら、たまーに見かけたりするけどね。」 「人間の思考回路は理解できないけれど―――何が楽しくてそんな事するのよ?」 「知らん。 少なくとも人生楽しめる類の人間じゃ無い事は確かよ。 よく愛情余って他人を殺しちゃったっていう馬鹿な奴がいるじゃない? ああいうのって大概、愛と欲求を履き違えているものなんだけど……分かるかしら? 自分から与えようともせずに他人に求めてばっかで、それを愛と勘違いしている類のアホタレ――」 「はぁ………あの娘がそうだって言うの?」 「違う違う! むしろなのははその対極に位置する人間である可能性が高いわ。 言葉通り、与えるばかりで自分から欲に溺れる術を知らない人間――― そういう歪な生き方をしてる奴が………たまに欲望の完全シャットアウトなんて馬鹿な真似をやらかすワケさ。」 即ち自分の思うがままに欲する事を、欲望を持つ事が出来ない人間を指しての言葉である。 「私欲なんて一切浮かばない。 他人を救うこと、誰かのために生きる人生に何の疑問も抱かず――それに喜びすら感じる。 そういう思いが突出してるような人間……ほら、テレビで出てくる魔法少女とか正義の味方ってそんな感じするじゃない?」 「分からない。 それにしたってヒトである以上、多少の損得勘定はある筈よ? 完全に無償で他人に益を振り撒き続けるなんて等価交換の理論からも外れすぎてる。 そんな奇特な存在が個として長く機能するわけがないし―――そんな人間がポコポコ沸いて出たら、私達は商売あがったりだわ。」 人の性欲という三大欲求の一つを繰り、糧とする夢魔である彼女は、その欲望の深さを何よりも熟知している。 そこを突かれればヒトがどれほどに脆いか。 どこまで行っても逃れられない、切り離せない業―――それが欲というものなのだ。 それを全否定されるような事実をいきなり突き付けられて彼女が納得できる筈が無い。 「だから極々、稀な例なんじゃないの。 俗に言う正義の味方とか聖人とか―― そんな頭のイっちゃってる奴らが世に溢れててたまりますかっての。」 だが少女に反して青子は簡単にその存在を認める。 そう。無償の愛を万人に振り撒き、死ぬまで人のために尽くして、死後に名を遺した偉人は少なからずいる。 否、例え名を遺せず志半ばで歴史の影に埋もれた者もまた、いるだろう。 「ま、そういう極端な奴らって大概、自身の強烈な体験で何か刺激されちゃって どこか狂っちゃってるのが大半なんだけど―――でも極稀にね、天然モノが出る事もあるのよこれが。 神様の悪ふざけとしか思えない類のやつがね。」 欲におぼれず、情に潰されず、選んだ道は常に正道。 正義の味方の理想を生まれながらに体現できる――― そんな人間の存在が確かに在るのだ、このセカイには。 それは世界のバックアップの為せる業なのか。 万人の望む「現象」として在る正義の存在。 未だ魔術師連の間でも、その現象が確立されたわけではない。 レンは気づく―――饒舌に話している主の顔が、いつの間にか暗く沈んでいる事に。 (この道に入って10年、て言ってたけど……) そのブルーは今、真面目で汚れの感じられない目をした異世界の魔法使い――― 半月を過ぎる夜を共にし、その人柄に触れてきた純白の魔導士に思いを馳せる。 (なら、少しは歪なものが見える筈なんだけどね……) 「到達したモノ」として世界に名を刻まれた魔法使い。 彼女をして戸惑わせる、高町なのはという存在の有り様――― ―――夢を介して触れた彼女のココロ それは青子にとって更なる困惑しか生まなかった。 正義の矛盾や憤り。 何かを為す為に人を撃たねばならないジレンマ。 敵から向けられる憎しみと怨嗟。 味方から向けられる畏怖と嫉妬と恐怖。 そういうモノが、ある筈なのだ―――この闘争渦巻く世界に入った以上は セイギノミカタなどというモノをやっている人種ならば その、物語やTVのヒーローのそれとは明らかに違う 世界から科せられた「負債」に傷つき、病んでいる部分が必ず――――ある、筈なのだ。 ………彼女の人生においても、その理不尽は彼女をズタズタに引き裂いた。 彼女もまた、学生の頃までは青臭い正義を目指して方々を駆け回っていたのだが――― 今となっては誰にも語る事の無い、若かりし頃の蒼崎青子の姿である。 しかし同じような世界に足を踏み入れて10年。 戦いに明け暮れてきた筈のあの高町なのはという女の心は未だ―――何の迷いも無く、真っ直ぐに上を向いていた。 「嫉妬しちゃうじゃない………ねえ、なのは。」 期せずして覗いてしまった彼女のココロ…… あんな幸せな光景で満たされているとは思わなかった。 「ふざけていたわけじゃないの……貴方の事が知りたいって言ったのは本気よ。」 本来ならば―――それは良い事の筈だ。 地獄のような世界において、血と惨状渦巻く只中で それでも幸せを掴めるのならば、それでも幸せなビジョンしか見えないというのならば それは何よりのはずだ……それに越した事はない…… (――――ただ、やっぱりあるのよ人間には………………ぶり返しってやつが。) 嫉妬、というんじゃない。 そんな安い感情で、あの娘の事が気になるのではない。 むしろその逆で――――どこか歪で、とても危ない影を、あの娘から感じずにはいられないのだ。 幸せに生きていると信じて疑っていない者にこんな気遣いこそ余計なお世話だろう。 だが、それでも……どこか放っておけない空気を持ったあの異世界の魔法使い。 彼女が既に消えた奥の部屋を見つつ―――微かな憂いの瞳を向けずにはいられないミスブルーであったのだ。 …………………… 「さて」 ―――分からない事に思案を巡らせるのは疲れるものである。 目の前で自分に付き合っている少女も、少し真面目に語り過ぎの主に対してどうしたものかと困惑気味だ。 溜息を一つ付いて、テーブルに添えてある先ほど魔導士が置いていったカップを手に運ぶ。 「休憩休憩♪ ほら、魔法少女の淹れてくれた有難いお茶を頂きましょうか。」 「……………」 パっと表情の明るくなったマスターが眼前のお茶を勧めてくる。 そして喋りすぎて乾いた唇を潤わせるべく、口に近づけ―――― 「――――――、」 青子が…………顔一杯にしかめっ面を作るのだった。 ややもして引きつった表情のままに少女を見上げるブルー。 「レン…………あげる」 「猫舌って言葉を知っている?青子」 その譲渡を断られたのは必然であっただろう。 うう、という表情で目の前のカップを見る青子。 恐る恐る、また少し、その液体を口に含み――― 「熱……甘っっ―――!!!」 短く小さな悲鳴を上げるアオアオ先生であった。 見ると本気で目に涙が滲み出ている。 「――――もしかして嫌がらせじゃないでしょうねコレ!!?」 その呟きが既に奥の部屋にいる高町なのはに聞こえる事はない。 彼女のヘビー級クラスの平手で、ザクロのようになった口の中に 存分に流し込まれ、染み込むのは、未だ湯気立ち昇るなのはの十八番――― ――――――――体のあったまる口解けの良いキャラメルミルクだった ―――――― その家屋の奥まった部屋――― 先ほどの喧騒で自分がぶち抜いた天井からは満天の星空が見える。 二つほど手前の部屋で自分の事を論評されている事などつゆ知らず―― 否、もはやそんな事を気にする余力もないのか。 「フェイトちゃん……ユーノくん………みんな」 気だるげな体をソファに横たえて、大切な人達の名前を誰ともなく呟くなのは。 思慮を巡らそうと一人になった途端に襲い来る睡魔。 やはり彼女の予想通り、今日はこれ以上の活動は無理のようだった。 喧騒から解放されて、静寂に包まれた空間が彼女に眠りを誘う。 仲間とはぐれ、音信不通となった世界に囚われて―――もう何回もこうして夜を迎えた。 不屈のエース、絶対に負けない空戦の英雄だのと言われても、それが過剰な肩書きだという事は自分が一番よく知っている。 それが管理局にとって、そして自分を見て少なからず勇気付けられる者にとって僭越ながらに役に立っていると思うが故に 彼女はそんな過剰な肩書きを否定せずに受け止めている。 だがしかし―――自分など本当に、一人では何も出来ないのだ 自分には常に、折れそうになっても隣で支えてくれる者がいた。 影ながらバックアップしてくれる者がいた。 後ろを固めてくれる者がいた。 彼ら、彼女達の力なくして、自分はここまで飛んではこられなかった。 かけがえの無い友達、仲間―― たとえ任務で離れ離れになっていても、次元を隔てた場所にいても、それはどこまで行っても地続きに感じられた。 その肌に感じる確かな温もり。常に繋がっているという安心感が彼女に、強くて揺るがない―――無敵のエースの顔を保たせてくれた。 ――――それが………………今はない この無機質な世界は―――温もりを一片も感じられない、とても寂しくて寒い世界だった。 10年間、共に歩いた人達が残らず消えていなくなる感覚。 この荒廃たる気分こそ、なのはにとっての忌まわしい記憶。 幼い頃の、家族と共に歩みたいのに歩めない―――何も出来ずに置き去りになってしまったかのような あの記憶に酷似した……そんな薄ら寒さを感じさせているのだ。 「…………」 蒼崎青子に散々弄ばれて突付きまわされているのがせめてもの清涼剤か。 あのノリは恐らく、世間一般で当たり前のように行われている女性同士の他愛の無いじゃれ合いと大差ないものであろう。 ことに友人との恥ずかしい夢の事を指摘されて、されて、されまくって―――自分とてこの10年、そういう事を考えないわけではなかったのだ。 かけがえのない友達と仲間と共に夢のために頑張ってきた。 脇目も振らずただ一心に飛び続けた。 それが不毛な青春時代だったなどと彼女は間違っても思わない。 だが、やはり他人から見て――「普通」とはあまりにもかけ離れた世界だった事は紛れもない事実。 それを自覚する場面は少なからずあったのだ。 世間一般で言うところの女の子の青春に比べて浮世離れし過ぎた環境で、高町なのはは少女時代の大半を過ごした。 戦う術を磨き、砲撃を命中させる方法に苦心し、効率よく相手を堕とす術を追求してきた。 そんな自分がもはや普通の女の子の感性とは一線を隔した所にいる事は彼女自身、一番良く分かっている。 故にいつの頃からか、女性として、人として当たり前の幸せを願う気持ちを――無意識に避けるようになっていた…… ――― 私は空の人間ですから ――― 自身の口癖を自覚し始めたのはこの頃からである――― 事実、局員として行動しているときの高町なのはは自分が女である事など思考の範疇に無い。 実際、本当に綺麗サッパリ忘れてしまっているのだろう。 回りも「女がしゃしゃり出てくるな、引っ込め」などとは言わない。 性別を引き合いにして排斥するには、この若き魔導士はあまりにも優秀過ぎた。 それ故に常に最前線―――局の重要な部分に幼くして関わり続けてきた年若きトップエース。 彼女自身、自分の進む道に疑念を抱いた事は無く、自分に出来る事をしようと決めたあの日から 普通の幸せから遠ざかってしまうであろう事は全て覚悟の上だった。 今の生活に対し、キツイとは思っても辛いと思った事は無い。 そんな高町なのはだったが―――それでも微かに寂しさを感じてしまう時がある。 たまの休日にアリサバニングスや月村すずか達と海鳴で会って、他愛の無い話をする時――― 案の定、まるで合わない話題や趣向。 合う度に互いに気を使い、相手に合わせようとする場面が増えていた。 幼少の頃はこんな事などなかった……… 三人はいつだって以心伝心―――心を通じ合わせた友達であった筈。 二人が自分に合わせて話題を用意してくれる。 その気遣いの空気が、ズキンと痛くて…… もはや互いが悲しいくらいに違う道を歩んでいるという事を再認識させられるのだ。 二人はなのはにとって最も古い付き合いの友人だ。 その友人がとても遠くに感じるというのは、いくら強い心を持つこの魔導士であれ堪えざるを得ない。 それでも自分の進む道に自信が持てたのは、不安にならずにやってこれたのは、ユーノが……フェイトがいたからだった。 初めて魔法というものを手にした時の感動。 高町なのはが始まった、あの日より、あの事件より、ずっと共に自分を支えてくれた。 その者達の存在の大きさを、なのはは今―――ベッドの上で噛みしめずにはいられない。 「会いたい……みんな…」 まどろみが深くなってくる。 もはや時を経ずして彼女は夢の世界に堕ちていくだろう。 故に今の呟きは、彼女の深層が呟かせた彼女自身の本当のコトバ――― 薄ら寒さを感じさせる気候。 掛け布をぎゅっと抱きしめるその背中にミッドの全魔導士が仰ぎ見た、不沈の背中の面影はまるでなく――― 華奢な体に細い肩幅は……… 気を抜くと折れてしまいそうな…… 普通の女性のそれと――――何ら変わる事のないものだった…… ―――――― ………………… ―――――――――想いは星に乗って空を駆ける 「………………!?」 この閉鎖された空間の中――― 眠りに落ちる寸前、切に願った かけがえのない友達を呼ぶ声は………… 「………………………………なのは……?」 確かに―――――――届いていた。 ―――――― フロントガラス越しに後方に流れていく景色を見やりながら――― 金の髪の女性が愛車のステアリングを握りながらに、呟く。 黒いリボンで縛った長髪は砂金を塗したように美しく、その腰の下にまで伸びた長髪を風になびかせて 彼女にとっても最愛の友人である、異なる世界で一人―――孤独に打ちひしがれている白い魔導士の名を紡ぐ彼女。 ―――フェイト・テスタロッサ・ハラオウン エースオブエース高町なのはと共に激動の10年を駆けて来た、時空管理局執務官にして機動六課ライトニング隊隊長。 局において大きな発言力を持つ英雄の家系ハラオウン家の養女である。 その出自は本人にとってもあまり語られたくないものではあるが――― 心優しい性格と柔らかい物腰、折り紙つきの実力で、今や局内で彼女の能力・存在を疑問視する声はほとんど無い。 「運転中に余所見をするな………危ない」 「あ、すみません……」 そしてその助手席にはこれまた見目麗しい美女が身を預けていた。 桃色のポニーテールを肩から垂らした凛々しい顔立ちの女性。 可愛らしさよりもむしろ麗人の風体を思わせる切れ長の瞳は、女の身でありながら厳格で剛健な性質――― 武の道に生きる者であると想像するに難くない様相を呈していた。 彼女こそ隣に座るフェイトにとって、かつては最強の敵であり、今も彼女の好敵手として己を磨き合う存在。 金髪の女性が今、最も頼りにしている仲間。 かつて全次元を震え上がらせた闇の書の守護騎士―――ヴォルケンリッター烈火の将シグナムであった。 「妬けるな……まったく」 「シ、シグナム……」 呟くように小さく発した発言はしかし、この目聡い騎士に筒抜けだったようだ。 責める様な目を向け、同僚の粗相を攻める騎士。 「ち、違うんです……今のは…」 しどろもどろになって言い訳を考える金の女性。 自他共に厳しい将にとって、任務中に気を抜くという行動は許し難い怠慢だ。 「その………なのはから、呼ばれたような気がして…」 ……………………………… 車内に充満する微妙な空気―――― その言葉を発して、それが墓穴以外の何物でもない事に気づくまで数秒……… 自分の発言に対し「あっ」と息を呑む表情を作る執務官。 して対面の将は、眉間に皺を寄せているものの口元は優しげに微笑を浮かべていた。 騎士にとって、この可愛らしい友と白い魔導士の友情が並々ならぬ事も、それ故に彼女の心配の深さも十分に分かっていたからだ。 「なるほど……私が隣では頼りないという事か」 でありながら、つい目の前の友を苛めたくなるのはもはや二人の間に構築されたお約束のようなもの。 「悲しいな……ならばお前に捨てられないよう、私もせいぜい精進に励むとしよう」 「もう、苛めないで下さい…」 言って互いに苦笑しあう雰囲気は、両者が一年二年足らずの浅い付き合いではない事を感じさせる。 しかし、故に今そこに一抹の硬さがある事が……今の状況が決して良いものでない事を如実に物語っていた。 そう、彼女達もまた――高町なのはと同じ境遇におかれていたのだ。 「心配する事は無い。あいつが……高町なのはがそう簡単にどうにかなってしまう者ではないという事。 それはお前が一番よく知っている筈だろう……違うか?」 「………ええ」 それは十二分に分かっている。高町なのはは強い。 不測の事態が起きたとて、それを一人で乗り切る強さを持っている事は疑いようが無い。 だが、その過信が昔―――耐え難い絶望となって返ってきた事もフェイトは決して忘れない。 (それに、主はやても………) 友の心配をこれ以上助長させたくなかったのか、口には出さず心中で―――自身の仕える主の姿を浮かべるシグナム。 転送の失敗か、完全に孤立し、気がついたら二人……海鳴市と思しき土地に放り出されていた。 思しきというのは、その地がフェイトの記憶と所々かみ合わない、数々の違和感を伴った地であったから。 そして状況的にもまるで今の現状と繋がらない事柄の数々。 その一つである、ミッドチルダにおける交通手段だったフェイトの車が地球での潜伏先だった家の駐車場に置いてあるという事実。 何故、自分の愛車がここに――? 尽きせぬ疑問。 状況を確認しようにも全く途絶した通信手段。 そして――人の気配の全くしない海鳴町。 飛行して辺りを散策するわけにもいかない。 十分な注意、点検をしてから自身の愛車に身を預け、今――― 市内の散策を終えた二人はこれから県境に向かおうとしているのだった。 「まずは海鳴……に似た此処から出てみましょう。 そうすれば人がいるかも知れないし、通信も繋がるかも。」 「そうだといいがな」 黒い幅広のボディがエンジンのスキール音を響かせ、県境の……陽の落ちた山道に消えていく。 その光景が幾多の戦場を潜ってきたシグナムの心中に―――軽い警鐘を鳴らす。 この木々に覆われた闇のトンネルに入ったが最後……二度と生きては出られないという、そんな錯覚。 それはまるで災いを呼ぶ巨大なバケモノが、漆黒の口で獲物を捕らえ飲み込むために擬態した暗黒の口腔。 「………」 「テスタロッサ」 二人とて歴戦の勇者だ。 この暗雲とした不吉な気配に気づかない筈が無い。 事実、不運な事に――卓越した騎士としてのカンは此度も裏切られる事は無かった。 「気を抜くなよ」 短く、しかし明確な意思を込めて友の注意を促すシグナム。 それに頷くフェイトの顔も固く引き締まっている。 今、降りかかる―――逃れえぬ脅威。そして困難と災厄。 ここではない遥かな高みから―――― 死神の振り子のように弄ばれる、無限の欲望の手に握られた駒が 盤上において二人と接触するとき――――それが凄惨なコロし合いの幕開けとなるのだ! もうすぐ―――そう…… その破滅の具現は、二人のすぐ後ろにまで迫っていたのだ―――――― 前 目次 次
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登録日:2017/01/28 Sat 17 37 00 更新日:2024/05/30 Thu 20 42 13NEW! 所要時間:約 6 分で読めます ▽タグ一覧 FC大阪 NMB48 USJ お好み焼き お笑い たこ焼き でんでんタウン ひらパー オリックス・バファローズ ガンバ大阪 セレッソ大阪 上方 亀田興毅 京阪神 何故かなかなか立たなかった項目 南海ホークス 和泉 商人の街 大大阪時代 大都市 大阪 大阪府 大阪弁 大阪近鉄バファローズ 天下の台所 天王寺動物園 心斎橋 摂津 新大阪駅 栄枯盛衰 梅田 河内 浪花 浪速 海遊館 漫才 落語 近畿地方 都会 都市 都道府県 銀河商人ドンゴロス 関西地方 関西弁 難波 大阪府とは西日本に位置する都道府県のひとつである。 面積そのものは非常に小さく、日本で一番面積が小さい都道府県である香川県に次いで小さい。 しかも、埋立地の増加による府域の拡張がなければ日本で一番面積が小さい都道府県のままであった。 ただし厳密には、香川県と日本最小府県の順位が逆転した直接の理由は'県の面積の測定方法が変わった事で香川県の面積が減少したため。 特に関西国際空港の面積の分で香川を上回ったとされる事も多いが、実際には関空が作られるより香川県の面積縮小の方が先なため、 関空は順位逆転には一切関与していない。 小さいながらに人口が全国で3番目に多く、最近になって神奈川県に抜かれるまでは、東京に次いで2位の座にあった。 総生産額も全国で3番目に多いなど、もはや地方都市ではなく巨大都市といっても差支えがないだろう。 西側は海が広がっており、そこに舞洲・夢洲などといった人工島がいくつも存在する。西日本最大の空港である関西国際空港も人工島にある。 埋め立て地によって香川の面積を抜いた訳ではないのは前述の通りだが、現在の大阪府の面積は測定方法変更前の香川県を上回っており、 その原因が埋め立て地の増加にあるのは事実である。 旧国名に由来する摂河泉という通称があるが、認知度は低い。 【交通面】 やはり巨大都市というだけあって、交通面に非常に恵まれている。 四方八方に張り巡らされた鉄道網や種類の多い高速道路など、少なくとも全体的に見れば移動に困る事がないといえる。 鉄道に関してはJR・大阪市営地下鉄改め大阪メトロ・阪神・阪急・南海・近鉄・京阪など鉄道会社の数が豊富にあり、その多さが大阪府の鉄道網をより充実させている。 また、阪神間、京阪間、阪奈間、阪和間では私鉄とJRが並行しており、旅客獲得のため、サービスが割と充実している。 とはいえ、線路が通らない市町村も存在するが、どちらかといえばそれに該当する市町村は圧倒的に少なく、大阪府内の市町村全体の一割にも満たない。 ちなみに、JR・大阪市営地下鉄(現 大阪メトロ)・阪神・阪急・南海・近鉄・京阪これらが全て通るところは府庁所在地の大阪市だけである。 また、伊丹空港として知られる大阪国際空港が兵庫県との県境上(*1)に存在しており、国内線航路が羽田空港に次いで多く、空路にも恵まれている。 ただし、伊丹空港へ乗り入れている鉄道は大阪市内を経由しない大阪モノレールのみであり、大阪市内からの最速アクセスは高速バスのため、渋滞する時間帯は空港への移動に時間がかかるという欠点がある。 【食べ物】 「食い倒れの町大阪」と言われるだけあり、食べ物に関しても種類が豊富で、全国的に知られている食べ物や、それほどあまり知られていない食べ物など、たくさんの種類がある。 たこ焼き 大阪を代表する食べ物であり、もはや全国的に有名な食べ物その1。 名前の通り小麦粉で出来た生地の中にタコを入れる丸い食べ物であるが、その元祖は「ラヂオ焼き」というスジ肉を中に入れた食べ物であり、タコは一切関係なかった。 しかし、明石焼きと呼ばれるタコを使った料理に影響を受け、改良してできたのがこのたこ焼きである。 つまり、ラヂオ焼きと明石焼きのハイブリッドであるともいえる。 なお、ラヂオ焼きという名前は、考案された当時、先端技術の象徴であったラジオにあやかり名付けられたもの。 お好み焼き 大阪を代表する食べ物であり、もはや全国的に有名な食べ物その2。 広島にもお好み焼きが存在するが、その違いは生地が薄く具材が薄く焼けた生地に挟まっているかどうかというものである。 ちなみに東日本では中心から放射状に切り、西日本では格子状に切る。境界は静岡あたりらしい。 鉄砲(フグ) 大阪はフグの消費量日本一。昭和にフグ食が解禁になると大阪灣で簡単に捕れることから庶民の魚として人気に。 今でも他の地方よりも多種多様なフグ料理を安く食べられる。 鉄砲という呼び名はフグを食べるのが御法度だった時代に隠語に由来する(どちらもアたると死ぬから)。 今でふぐさしを「テッサ」、「ふぐちり」をテッチリと呼ぶのはこのため。 うどん あまり広まってはいないが、大阪でも意外にこだわりがあるのがうどん。 麺が主役の香川とは違い、大阪のうどんは出汁が主役。 昆布を主体にこれでもかと出汁を効かせ、風味の弱い薄口醤油で味を整える。 勘違いされやすいが、関東の黒いうどん出汁よりも塩分濃度は高い。 これは「使う醤油の違いによるもの」と勘違いしている人がいるが、醤油の使用量の違いから結局は関東風のほうが塩分濃度は高い。 ちなみに関東で言う「かけうどん」は、大阪では「すうどん(素うどん)」、「たぬきうどん」は「はいからうどん」となる。 「たぬき」が「はいから」になる理由は、大阪に限らず関西ではうどん=きつね、蕎麦=たぬきとなるから。 串カツ 新世界の名物料理。肉や野菜や魚介類などを衣をつけて串に刺し、そのまま揚げた料理。 新世界に数多くの串カツ店が立ち並ぶ。 モミジの天ぷら 主に紅葉の名所、箕面市に伝わる、モミジに小麦粉や砂糖をまぶしそのまま油で揚げた銘菓である。 モミジをそのまま使っているので一瞬驚くかもしれないが、サクサクしててほんのりと甘い味わいがするという意見が多いため味に関しては心配する事がない。 なお、天ぷらに使われている紅葉の葉は箕面市でとれたものではない。 くるみ餅 餅の中に胡桃を入れた和菓子…ではない。 餅を餡(主に白餡)でくるんでいるからくるみ餅。さっぱりしたお味。 【市町村】 大阪市 大阪府の府庁所在地。天下の台所。 その歴史は5世紀まで遡ることができ、奈良・京都の外港として発展してきた。 江戸時代には経済の中心になり、産業革命後の1920年代には東京を凌ぐ日本最大の都市として君臨していた。 大阪府内では一番面積が広い上に区の数も全政令指令都市でトップの24区。 (夜間)人口こそ横浜市に抜かれて久しいものの、昼間人口(*2)・人口密度・市内総生産等が上回っていることから都市規模は大阪市に軍配が上がる。 そもそも同じ政令指定都市とはいえ大阪市と横浜市は都市としての位置づけが異なるとの解釈が主流。 ユニバーサル・スタジオ・ジャパン、吉本新喜劇の本拠地であるなんばグランド花月、京セラドーム大阪、四天王寺、あべのハルカスなど数多くの有名な施設が存在する。 市を廃止して複数の特別区に分けることに対する賛否を問う住民投票(*3)が二度行われたが、いずれも反対多数により否決された。 大阪市内の主な地域キタ:大阪駅・梅田駅を中心とした範囲を指す。都会的で落ち着いた雰囲気の繁華街。歓楽街である北新地もここ。初見では迷うこと必至の地下ダンジョンもある。 ミナミ:難波駅・心斎橋駅を中心とした範囲。若者向けで派手な街で、心斎橋にほど近いアメリカ村がその典型格。グリコの看板で有名な道頓堀の戎橋はこの辺り。南海なんば駅東側の日本橋にはオタロードと呼ばれるオタク専門店が並ぶ一帯もある。 船場:淀屋橋駅・本町駅周辺のビジネス街・問屋街。北浜には2013年まで大阪証券取引所があった他、住友グループ各社の拠点が存在する。問屋街としては薬問屋の街・道修町、玩具問屋の街・松屋町などが有名か。 上町:市内中心部東端の台地。冒頭の5世紀から遡れる地域にあたり、大阪市内でも最も歴史が古い。台地の北部には難波京跡や大阪城などがあり、今でも官公庁が数多くある政治の中心。また台地の東側には城東の町工場団地や鶴橋・生野などのコリアンタウンが広がる。力士などのスポーツ選手や芸能人の熱心な支援者を指すタニマチという言葉の由来は上町を南北に貫く谷町筋に由来。この谷町筋は下の天王寺に繋がっていく。 天王寺・阿倍野:天王寺駅および阿部野橋駅周辺。あべのハルカスやあべのキューズモールなどが立ち並ぶ、キタ・ミナミに次ぐ繁華街。聖徳太子が建立した四天王寺をや天王寺公園を代表に公園や寺も多い。 新世界:通天閣・新今宮駅周辺。「他県民のイメージする大阪」はおそらくここ。現在は徐々に観光地化している上、警察の浄化作戦も上手くいったため一昔前よりはマシだが、実はあまり近寄らないほうがいい場所。 新大阪:新大阪駅の近辺。新幹線での大阪の玄関口ということもあり、1970年代からビジネス街として大いに発展した。 堺市 府下No.2の町。政令指定都市。 街の名は和泉国と摂津国の「境」にあったことから。 戦国時代には自治貿易都市として隆盛を極め、今でも堀が残っている。千利休もこの町の出身。 江戸時代以降は鉄砲と刃物の町。 町の中心駅は堺駅でもなく堺市駅でもなく堺東駅。訪ねる際にはご注意を。 世界一の面積をもつ陵墓である大仙古墳もあるよ。 隣の市に「高石市」があるが、口に出すと「さかいし」「たかいし」と地味にややこしい。 吹田市 大阪市の北隣に位置する。 1970年の日本万国博覧会の開催地で、跡地は太陽の塔などが残る万博記念公園になっている。 鉄道ファンにとっては日本一の鉄道貨物操車場であった「吹田操車場」が有名か。 また、アサヒビールの工場もあり、合わせて「ビールと操車場のまち」と呼ばれた。 良くサッカー関係で揉めたりしている。 『KOFシリーズ』で有名なSNKの本社はここにあった他、ミスタードーナツを展開しているダスキンの本社もここ。某ドナキチが出身地なのもそれが理由だろうか。 池田市 兵庫県との県境に位置する。 世界初のインスタントラーメンである「チキンラーメン」はこの街で安藤百福によって生みだされた。 今では、インスタントラーメン発明記念館が存在する。 阪急電鉄をはじめ多くの阪急関連会社が本店をおく阪急発祥の地のひとつ。 その市域は伊丹空港内にも広がっており、伊丹空港が大阪をつけて名乗れる要素となっている 高槻市 大阪府の北端、京都と隣接する市の一つ。 高槻駅には昇降式のロープ柵が存在しており、これは全国初の試みである。 なにを思ったか、高槻繋がりで高槻やよいのグッズをふるさと納税の返礼品として用意したことがある。 「やよい軒 高槻店」は彼女の誕生日である3月25日には毎年大混雑となり、「やよいちゃんラッシュ」と呼ばれている。 さらに関ジャニ∞の村上信五のおかげで一気に知名度の挙がった都市。 しかし、高槻市民に出身有名人を挙げさせると高確率で関ジャニの村上ではなく槇原敬之が挙がる。次点で織田信成とか大空直美とか。 高槻の属する大阪10区選出の辻元清美衆議院議員は高槻の生まれではなく、奈良県の吉野出身。 辻元が当地選出の議員だったり、日本赤軍のリーダー重信房子が潜伏していたり、何かと左派と縁が深い。 市としては古墳やハニワが多く出土する土地である事を積極的に押し出している。 最近は将棋も加わり日本将棋連盟の関西拠点である関西将棋会館(*4)も高槻駅前に移転が決まり現在建設中。 枚方市 こちらも京都との府境に位置する市。 地元民以外には一発で読むことができない難読地名。「まいかた」ではない。 あまりに正しく読まれない為に、最近では市の公式が自ら難読地名である事を積極的にネタにし始めている。その矢先に起こった大阪府北部地震での官邸記者会見でも読み間違えられたが ひらパーでお馴染み大正時代から続く歴史ある遊園地『ひらかたパーク』や、京阪樟葉駅前には関西最大級のショッピングセンター『くずはモール』も存在する。 岸和田市 大阪府南部・泉州の中心に位置している町。 元々は漁師町と岸和田城の城下町で、いまでも旧市と呼ばれる地域には城下町や漁師町が合わさった独特の雰囲気が残る。 岸和田だんじり祭が有名なのもこの旧市。一応、だんじり祭は泉州一帯で行われるがこれほど大規模なのは他にない。…さすがに最近は若者がしないということで若干衰退を始めているが。 9月のだんじり日はコミケばりに人の波が生まれる。誘導ボランティアがいないから危険度は段違い。 城の他にも明智光秀の肖像画があったり今川義元の兜があったり「名のある将が始めて鉄砲で射殺された」地もここと、妙に戦国武将系の名所も多い。 「顕微鏡用カバーガラス」の国内シェアNo.1の会社もここにある。 岸和田少年愚連隊や元プロ野球選手清原和博氏、イナフネン、イレブンスリー暴走(*5)等の仕業かダーディなイメージも強いが、朝ドラ『カーネーション』で多少は持ち直したと思いたい。 貝塚市 水間寺という大きなお寺がある。 また、『東洋の魔女』と呼ばれた女子バレーボールチーム・ニチボー貝塚の本拠地があった場所で、バレーボール等スポーツを推している傾向がある。 とある大物youtuberの元居住地として、彼がいなくなった後もそのせいでいじられる不名誉な都市 泉佐野市 関西国際空港が存在する。 財政面では空港建設時の負債が重くのしかかっており、市のネーミングライツを売ろうとしたり、ペット税を導入しようとしたり、色々奇抜なことを試みた末ふるさと納税ビジネスでようやく…といったところだったが、あまりに稼いだため大モメ中。 市のゆるキャラ「イヌナキン」は全然ゆるくない。詳しくはググってね! 関空に行くまでの交通費が微妙に高いのはこの市が原因。 ちなみに泉佐野という市名は市に昇格する際に、栃木県の佐野市との市名重複を避けるために、旧国名の泉を頭に付けただけなので、泉州一帯では佐野で通じる。 能勢町 大阪府最北の町。大阪府の中でも非常に標高が高く気温が低いため、隣の豊能町と合わせて「大阪のチベット」などと呼ばれている。 実際に大阪市内と比べると5〜6℃ほど気温が低い。周囲を京都府や兵庫県に囲まれており、府内の他市町村に出る道は1本しかない。 ちなみにその1本しかない道は有名な心霊スポットである。 千早赤阪村 大阪府唯一の『村』で、大阪府の市町村の中で一番人口が少ない。そして、大阪府の中では数少ない、電車が通らない市町村の一つである。 大都市というイメージが強く根付いている大阪府の中では非常に珍しく、自然豊かな場所であり、みかんやしいたけの栽培を盛んに行っている。 大楠公こと楠木正成の本拠地はここ。四條畷市などの地名である楠公は正成の息子、小楠公こと正行(まさつら)が由来。 なお、村域内には電車はないが、南海高野線の千早口駅が最寄りである。駅番号?気にしない方がいいです。くっ! 岬町 開園60年を誇るみさき公園がある。 少子化やUSJの存在そして経営がケチで有名な南海グループ等で苦戦しているものの、動物園、大型プール、遊園地、水族館が一気に楽しめる為、付近の子供連れは良く利用している。 『けものフレンズ』とコラボしたりもしていたが、2020年にて南海グループが経営から撤退する事となった。その後は動物園は閉鎖、普通の公園として歩むこととなった。 …ほとんどみさき公園の紹介しかしてないが、一応淡輪海水浴場とか和泉式部の伝承とか他の魅力がない事もない。 以前は淡路島や徳島へのフェリーが出ていたが鳴門海峡と明石海峡に橋が架かったことで廃止。 もう少し南に下れば和歌山県となる。 東大阪市 名の通り大阪の東にある。元々3つの市が合併してできた市であり、一昔前まで市庁舎が3つあったりした。 しかし「それ故に中心がない」とも指摘される。市庁舎のある交通の要衝荒本・長田、近鉄線の要衝布施、神社の鳥居前町石切、大学の街長瀬・小阪、ラグビータウン花園など。 大阪府下第3の都市。町工場の町として知られており、数々の独自技術で縁の下で世界を支えている他、技術を活かして人工衛星を打ち上げたこともある。 この他、高校ラグビーの聖地である花園ラグビー場などもありラグビーのまちとして売り出している。 【言葉】 よく、大阪府下で話される言葉について、大阪弁という表現がもちいられるが、実は一つの方言ではなく、総称である。 よく似ている摂津弁・北河内弁・南河内弁・泉州弁がそれぞれの地域で話されているものである。 しかも、本来の大阪の言葉と言えるのは江戸時代の大阪商人が用いていた言葉である船場言葉である。 船場言葉は京言葉に大きく影響をうけており、現在話されているものとは大きく異なる。 この言葉は関東大震災後の人口流入や戦後混乱期の人口移動によってほぼ消滅し、現在では上方落語でしか聞けない。 大阪弁など存在しないと書いたが、交通機関の発達やテレビやラジオの普及により、 大阪府内の諸方言がかなり平準化されており、これを指して大阪弁という場合もある。 なお、他地方(とくに関東以北)の人やなんJ民が話すいわゆる「エセ関西弁」を非常に嫌う。 これはイントネーションが違うことで、非常に気持ち悪く、耳障りに感じるから。 わかりやすく例えるなら、音痴の人がドヤ顔で歌う音程も調子も狂った歌を聞かされるようなもの。 しかしこの「気持ち悪さ」を他地方民から理解される事は希である。 それどころか、「そんな些細な事を気にして、あまつさえ文句まで言うとは何と狭量な」といった具合に非難し返される事の方が大半なのが現状である。 傾向として、他地方民が関東に進出した際に方言を封印したり標準語に矯正する者が多い中、大阪弁話者にはそれが少ない事も特徴に挙げられる。 他の地方では方言に対して「恥ずかしい」と思っている節があるのに対して、大阪府民にはその意識が極めて希薄であったり、 「むしろ標準語に『矯正』する方こそ不自然」として、他の地方でも堂々と大阪弁で喋る大阪府民は少なくない。 「大阪弁で喋る」事は、二次元・三次元を問わずその人の大きな個性となる。 鶏が先か卵が先かという話になるが、大阪弁は、そして大阪は、現実にしても創作にしても多大なインパクトを放っているためである。 それ故にか「大阪弁キャラ」は共通語で喋る事が基本となる関西以外の地域を舞台とするならどのような創作作品にも大抵一人は登場する。海外が舞台の作品で、日本語とは別の言語で喋る設定があっても、出身地方の訛りによっては大阪弁に翻訳されることもある(『龍虎の拳』のロバート・ガルシアなど)。さらに、下手をすると異世界が舞台でも大阪弁キャラは出て来る。 何しろ口調それ自体が個性となる上に、「口調」をキャラ付けとする上でヘンな語尾やエセ外国人口調よりも馴染み深い大阪弁は、後述の理由もあって創作側として非常に都合が良いのであろう。 演じる人間が大阪弁が下手だと視聴者間で上記の文句の言い合いになるが 大阪弁で喋る事は、ただそれだけを根拠に読者・視聴者に「ステレオタイプな大阪人」のイメージ、 即ち「守銭奴・商売人気質」「お笑いに全力」「喧嘩っ早い」「面倒見がいい」「東京(の文化)が死ぬほど嫌い」「権力に反抗的」といったキャラクターを想像させる。 登場の仕方と口調だけでどういう人物なのかを粗方説明できる、一種の役割語としての側面があるのである。 因みにこの大阪弁=ステレオタイプな大阪人という印象は、どうやら江戸時代に「役割語」という概念が生まれた頃には既に存在した模様。 ともあれ、創作に於いて「大阪弁で喋るキャラ」は、悪人的な面は「金にがめつく、狡猾」、善良な面としては「陽気で気さく」という、 『ステレオタイプな大阪人像そのもの』なキャラである事が非常に多い。 そしてそのイメージは、関西以外の地域で暮らす現実の大阪弁話者にも同様に降りかかる。 「いい迷惑と鬱陶しく思う」か、「はたまたこれ幸いと乗っかる」かは個々人次第である。 アクセント 大阪弁に限らず、近畿地方の方言は関東地方の方言とアクセントが逆になったり、異なるアクセントになる傾向がある。 関東では橋が「は↓し↑」、箸が「は↑し↓」となるが、関西では逆に橋が「は↑し↓」、箸が「は↓し↑」となる。 同じように、「柿」と「牡蠣」、「飴」と「雨」、「膿」と「海」も関東とはアクセントが逆になる。 犬と石も標準語とアクセントが逆で、標準語では「い↓ぬ↑」「い↓し↑」だが、大阪弁では「い↑ぬ↓」「い↑し↓(*6)」となる。 ファミマやバナナも、標準語では「ファ→ミ→マ→」だが大阪弁では「ファ→ミ↑マ→」、バナナも標準語では「バ↑ナ↓ナ↓」、大阪弁では「バ↓ナ↑ナ↓」とアクセントが真ん中に来る。 伸ばし 「目」や「歯」など、一文字の言葉は「目ぇ」「歯ぁ」といったように伸ばして発音する。 これも大阪弁に限らず近畿地方の方言に多く見られる。 オノマトペ 大阪府民はとにかくオノマトペを多用する(皆が皆そうというわけではない)。 道案内でも「そこをスーっと行って、その先をギュイーンと曲がったところにあるで」とオノマトペを多用し、他の都道府県民が聞いたらどこをどう行けばいいか分からず戸惑いそうな道案内をする(しかも「それじゃ分からないんですけど」と返すと、他県民もオノマトペで道案内していると思っているのか「え? 今一番分かりやすく教えたやないか!?」とツッコまれる)。 二人称 大阪府民は相手のことを「お前」や「君」や「あんた」ではなく、「自分」と呼ぶ人が結構いる。 なので、「自分アホちゃう?」というツッコミは、関東の人には自問自答しているように聞こえる。 バカとアホ 大阪府民に限らず、関西の人間は「バカ」より「アホ」を好んで使う。 曰く「アホ」は褒め言葉で、「バカ」は侮辱の言葉なのだとか。 ただし、「馬鹿にするな!」は「アホにするな!」と変換しないでそのまま使う。 横文字嫌い どういうわけか、大阪府民は横文字(要するに欧米の言葉)を嫌っている人が多い(こちらも皆が皆そうというわけではない)。 カラオケでも横文字の部分だけは歌わないし、料理名や芸能人のグループ名が横文字だった場合「なんちゃら」と言って誤魔化す傾向にある。 まさか、未だに「鬼畜米英」の精神が残っているのだろうか? 【テレビ】 近畿地方の各県に番組を発信する「準キー局」が置かれており、最初から全国番組として制作・放送される番組や、東京に次いで各地で放送されるローカル番組が多め。 特に土曜朝枠は主要4系列が関西発になる。 但し「なぜか」東京の「キー局」で遅れ放送されなかったり(ナイトスクープとか)、あえて東京に番組販売していない番組(ex.そこまで言って委員会)もある。 放送局 略称 系列 全国ネット 番組販売 NHK大阪放送局 連続テレビ小説(下半期)バラエティー生活笑百科 毎日放送 MBS テレビ朝日系→TBS系 サタデープラス皇室アルバム情熱大陸スーパーアニメイズム日曜5時枠 痛快!明石家電視台よしもと新喜劇 朝日放送 ABC TBS系→テレビ朝日系 朝だ!生です旅サラダ新婚さんいらっしゃい!ポツンと一軒家プリキュアシリーズ(日曜朝8時半枠)ANiMAZiNG!!! 探偵!ナイトスクープ松本家の休日 関西テレビ KTV フジテレビ系 土曜はナニする!?火曜夜10時枠競馬BEAT(関西日曜競馬中継(*7)) 関ジャニ∞のジャニ勉おかべろ 讀賣テレビ ytv 日本テレビ系 情報ライブミヤネ屋ウェークアップ!ぷらす秘密のケンミンSHOW土曜5時半枠名探偵コナン そこまで言って委員会NP浜ちゃんが! テレビ大阪 TVO テレビ東京系 和風総本家 濱口女子大学 〜軽トラとテントと鈴木〜 【大阪府出身の人物】 俳優 豊川悦司 内藤剛志 杉浦太陽 京本政樹 菅田将暉 桐谷健太 前山剛久 女優 真矢ミキ 沢口靖子 三倉茉奈・佳奈 水川あさみ 高畑充希 西野七瀬 歌手、ミュージシャン B z(松本孝弘) シャ乱Q※はたけのみ育ちが大阪府 ウルフルズのメンバーの殆ど 相川七瀬 絢香 aiko 大塚愛 影山ヒロノブ 槇原敬之 コブクロ(黒田俊介) NMB48のメンバー(元含む)多数 お笑い芸人 横山やすし・西川きよし 笑福亭鶴瓶 FUJIWARA(原西孝幸・藤本敏史) ナインティナイン(岡村隆史・矢部浩之) 雨上がり決死隊(蛍原徹・宮迫博之) 130R(板尾創路・蔵野孝洋) ますだおかだ(岡田圭右・増田英彦) ロンドンブーツ1号2号(田村亮) よゐこ(有野晋哉・濱口優) ココリコ(遠藤章造・田中直樹) ケンドーコバヤシ ロザン(宇治原史規・菅広文) フットボールアワー(岩尾望・後藤輝基) オリエンタルラジオ(中田敦彦) 藤井隆 麒麟(田村裕) 声優 植田佳奈 久川綾 釘宮理恵※育ちは熊本県 福山潤 真殿光昭 小野坂昌也 堀川りょう 若本規夫 津田健次郎 原由実 渡部優衣 大空直美 涼森ちさと 北都南 スポーツ 松井稼頭央 黒田博樹 本田圭佑 勢(現 春日山親方) 豪栄道(現 武隈親方) 架空の人物 フグ田マスオ(サザエさん) 浪花十三(超電磁ロボ コン・バトラーV) 摂津のきり丸、福富しんべヱ(落第忍者乱太郎/忍たま乱太郎) 千堂武士(はじめの一歩) 横島忠夫(GS美神 極楽大作戦!!) 服部平次、遠山和葉(名探偵コナン) 溝口誠(ファイターズヒストリー) グリーンレーサー/上杉実(激走戦隊カーレンジャー) 妹尾あいこ(おジャ魔女どれみ) 陣川公平(相棒) 浦部リカ(イナズマイレブンシリーズ) 御堂春(こちら葛飾区亀有公園前派出所) 前川みく、椎名法子、川島瑞樹、難波笑美、西島櫂、浜川愛結奈(アイドルマスター シンデレラガールズ) 横山奈緒(アイドルマスター ミリオンライブ!) サカイ・ミナト(ガンダムビルドファイターズトライ) 【大阪府を舞台とした作品】 白い巨塔 ナニワ金融道 ミナミの帝王 じゃりン子チエ 岸和田少年愚連隊 初代熱血硬派くにおくん アベノ橋魔法☆商店街 ナニワトモアレ GANTZ(ぬらりひょん編) あさがきた ラブ★コン 半沢直樹(原作の「オレたちバブル入行組」及びドラマ第1部) りゅうおうのおしごと! カーネーション ハンドシェイカー/W'z《ウィズ》 その他、NHKの朝ドラは2回に1回大阪が舞台となる。 この一覧からも分かるように、大阪府、特に大阪市内を舞台とした作品は非常に少ない。 都市部や都市近郊が舞台であれば、製作スタジオや出版社の集中する東京都で事足りる(*8)ため、わざわざ大阪府を舞台とする必要性が薄いからである。 また、学園ものだと修学旅行で京都に行くという鉄板ネタが使えない(*9)というのも、避けられる理由だろう。 その為大阪が舞台となる場合は風情の残る田舎や商店街が多く、内容も浪花のイメージが強くなりがちである。また、大阪が舞台だと一目で分かるよう、大阪城や通天閣や太陽の塔などの観光地を映すことも多い。 追記修正よろしゅう頼んます。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] ついに大阪府の項目が…乙です -- 名無しさん (2017-01-28 17 43 06) 関西空港の埋立で香川県の面積を抜いたのは間違いというのは有名な話、関西空港の埋立が直接の原因では無い。 -- 名無しさん (2017-01-28 20 48 08) 野球に興味がない人でタイガースの本拠地=大阪って思ってる人が多い。タイガースは兵庫、バッファローズが大阪。 -- 名無しさん (2017-01-28 21 31 53) バファローズな・・・。これも割と間違えられやすい。 てか、大阪項目今までなかったのかw -- 名無しさん (2017-01-28 22 05 13) ひらパーおにいさんのポスターは結構好きだ。「園長、延長」とか…w -- 名無しさん (2017-01-28 22 32 58) ディズニーランドよりもキャラクター豊富な都市 -- 名無しさん (2017-01-28 23 04 37) 大阪弁という、住んでる人達ですら何が正しいのかよくわからない方言 -- 名無しさん (2017-01-28 23 09 28) ↑祖父母がいるといないじゃ耳にする単語の種類もだいぶ変わってくるんじゃないかねぇ…。 -- 名無しさん (2017-01-29 03 32 16) 漫画で顕著だけど、東京が大打撃を受けると「やったー!これで首都は大阪や~!」とどこぞのスタースクリーム紛いの発言をするのにはよく笑ったな。 -- 名無しさん (2017-01-29 08 24 30) ↑生まれてから今までそんな漫画俺は全く見たことないな よっぽど変な漫画ばっかり読んでるんだろうなぁ -- 名無しさん (2017-01-29 08 36 39) 俳優に浦ちゃんこと桐谷健太が抜けてる。 あと、出生だが手塚治虫も。 -- 名無しさん (2017-01-29 10 04 28) ↑非常に多いので各項目最大5名まで だからな -- 名無しさん (2017-01-29 10 07 34) なにかとネット上では「大阪民国」呼ばわりされる事がある。…まぁ、住んでいると解らんでもない。 -- 名無しさん (2017-01-29 10 10 06) ↑7地域によって違うし他の地域と混ざったりするからますますわからなくなるな、あとくるみ餅の餡は白餡だけでなく抹茶やずんだっぽい物もある模様 -- 名無しさん (2017-01-29 11 23 01) 近畿=大阪=お笑い、みたいな先入観があるのか、関東とか行くと関西弁喋るだけで大阪っぽいノリを強要される事が割とある。近畿でも大阪以外はそれなりに大人しいっつーのに -- 名無しさん (2017-01-29 14 38 38) 大阪がネタにされるとノリ良く乗っかるが、そんな奇天烈なとこではないと思うんだがなあ。極々一部のせいで大阪民国呼ばわりされるし、↑みたいに僻みから、近畿圏でも大阪だけは悪い意味で別扱いされるし。一応奈良とかの方が凶悪事件の発生率は上なのに。 -- 名無しさん (2017-01-29 15 21 35) 関東のダチからは「大阪人はメッチャ口悪いけど朗らかに言うから不思議と不快感は全然ない」って言ってたな -- 名無しさん (2017-01-29 20 26 53) 関東の方いって話をしてたら大阪からきたということに驚かれたことがある。「なまりが全然ないですね」と。大阪と言ってもそんなコテコテのなまりのある方ばっかりじゃないんだよ……。 -- 名無しさん (2017-01-30 10 27 10) ↑4むしろ自分の場合笑いのセンス無くてボケたつもりも無かったのに不意にウケて「えっ?」ってなることがままある -- 名無しさん (2017-01-30 14 49 10) 泉州では歴史的に結構重要な地域なのに、ハブられる和泉市w 葛の葉とか白坊主とかくわばらとか昔話とか伝説も多いんだけどねぇ -- 名無しさん (2017-02-02 17 30 00) 南部の泉州や南河内あたりは歴史の表舞台によく出てくるけど、現在では割と軽視されてる。北部に比べれば交通不便だから仕方無い面もある。 -- 名無しさん (2017-03-23 18 49 34) 観光で行ったけど通天閣は最高だった。コテコテの大阪市民に出会わなかったのが残念……生で「なんでやねん」って聞きたかった…… -- 名無しさん (2017-10-16 13 10 04) 薄口醤油は濃口醤油より塩分濃度が高いが、出汁に使用する醤油の割合が違うから関東のうどんの汁の方が塩分濃度が高いことが多いらしいぞ -- 名無しさん (2017-10-16 17 30 52) お好み焼きの切り方の違いにハッとした。確かに愛知県では格子状に切るわ。ピザは放射状に切るのに、何でだろ? -- 名無しさん (2017-12-17 01 04 24) 2018年は災難続き過ぎる。北部地震→大雨→台風→台風(おかわり)とか… -- 名無しさん (2018-09-29 13 49 39) 大阪の台風といえばよく淀川の堤防は保ったね、線路のとこ結構ギリまでいってたみたいだけど -- 名無しさん (2018-10-22 16 47 17) 堀川さんに至っては持ち役(服部君)も大阪出身と言うね -- 名無しさん (2019-07-03 17 28 23) USJのテーマ曲にもなった『大阪LOVER』は名曲(一部の大阪人は、歌詞に違和感を覚えるらしいけど)。 -- 名無しさん (2020-04-23 13 55 36) 地元民だけどひらパーにそんな長い歴史があったの知らなかった… -- 名無しさん (2020-07-18 15 46 23) 万博ロゴマーク…好きか嫌いかはともかく、話題にはなったよ -- 名無しさん (2020-08-26 01 25 35) 大阪と言ってもキタから北側の市内と吹田や池田はステレオタイプの大阪は通用しないいわゆる北摂仕様、お陰で他府県出身でも馴染みやすいけどね、玉出が北摂からは撤退したりとか風土がだいぶ違う -- 名無しさん (2020-09-07 13 19 28) コテコテの関西弁使う人はあんまいない気がする。でも皆エセ関西弁は嫌うってのは他府県含める関西人あるある(笑) -- 名無しさん (2021-01-02 17 42 21) 交通マナーが愛知県以上に悪いイメージがある。 信号が何色でも関係なく「進め」と認識しているとか。 -- 名前は無い (2021-04-22 06 42 14) 白い巨塔は舞台は大阪だけど、モデルは千葉。 -- 名無しさん (2021-04-22 07 01 14) 栃木の佐野とは雲泥の差(泥は勿論栃木)なのに、何故わざわざこちらに文字を足したのか←冗談半分に取り消し線つけてるけどなんの脈絡もない栃木下げはみていて気分のいいものじゃないなぁ -- 名無しさん (2021-04-22 10 29 24) 市町村の欄に大阪狭山市が無いのは残念だと思う、まあ仕方ない名物が少なすぎる -- 名無しさん (2023-10-29 22 14 57) 大阪名物のうどんと香川名物のうどんの違いが分からん。 -- 名無しさん (2024-01-06 12 02 52) 大阪の人がよく言う「こいつ東京に魂売ったわ」っていう言葉、東京に染まった人たちを犯罪者扱いしてるみたいでイヤなんだよね。 -- 名前は無い (2024-04-25 17 30 12) 名前 コメント
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徒歩旅ニキとは、長距離を徒歩で実況しながら旅しようとするおんJ民の総称である。 有名な徒歩旅ニキ:◆N4EJHQpzMA教訓 デマ情報にご注意 関連リンク とほとほ散歩ニキ関連リンク コメント欄 有名な徒歩旅ニキ:◆N4EJHQpzMA 【実況】東京から仙台の水族館まで徒歩で行く 2 :名無しさん@おーぷん :2018/09/21(金)07 08 04 ID voc(主) × あいにくの雨ですががんばります 8 :名無しさん@おーぷん :2018/09/21(金)07 09 38 ID W2k × 死ゾ 9 :名無しさん@おーぷん :2018/09/21(金)07 09 45 ID OME × そこまでして行くほどの水族館じゃないぞ 降りしきる雨の中、東京駅から仙台うみの杜水族館まで、のべ345kmの行程を徒歩で移動するという無茶なチャレンジを始めたスレ主。 タイムリミットは有給休暇が明ける9月29日までの8日間。1日に43kmも歩かねばならない計算となり、それだけでも旅の過酷さが伺えるが、その上所持金は3000円、靴は適当に買った安物、寝袋持参で野宿もやむ無しという、命知らず修行僧の如きストイックぶりを見せつけ、おんJ民を心配させた。 189 :名無しさん@おーぷん :2018/09/21(金)12 05 21 ID voc(主) × 靴の防水カバーに穴があいたみたい ますます険しくなってきたわね 229 :名無しさん@おーぷん :2018/09/21(金)13 23 01 ID voc(主) × 一応下ろせる用カードあるけどそもそも口座が寂しいからお金ないの 飯は野宿なら持ってきたレトルトのおかゆ ネカフェならやっすいネカフェ飯かねえ 旅は初日から熾烈さを極め、埼玉県境を越えた所で靴の防水カバーに穴が空き、テーピングで塞ぐという壊死ニキスタイルの応急処置を披露した。 91 :◆N4EJHQpzMA :2018/09/22(土)10 56 55 ID Trp(主) × 雨で濡れた土が日差しで乾き始めてるすごくええ匂いがする 723 :◆N4EJHQpzMA :2018/09/22(土)22 54 14 ID Trp(主) × ウヒョヒョヒョ…wうまそうやねぇ 2日目は埼玉県幸手市のネカフェからスタート。ようやく晴れ間が見えてきた。 名物のレモン牛乳と梅干しおにぎりで腹を満たしつつ進軍、目標の宇都宮市に到着したのは22時のことであった。 816 :◆N4EJHQpzMA :2018/09/23(日)00 39 55 ID Ati(主) × 消毒液とテーピングとガーゼと絆創膏全部持ってきてるで! 皮膚に爪楊枝刺すわ 連日50キロペースで歩き続けたため、足には早くも巨大なマメが出現するが、水抜き&テーピングで対処する。 3日目は作戦を変え、1時間ごとにじっくりと休憩を取ることに。 こまめに体力を回復しつつ、那須塩原を目指す。 179 :◆N4EJHQpzMA :2018/09/23(日)12 25 12 ID Ati(主) × 【朗報】秘密兵器、購入 185 :◆N4EJHQpzMA :2018/09/23(日)12 32 02 ID Ati(主) × これすごい 全然痛くないで! ここで強力な助っ人を召喚するも…… 188 :◆N4EJHQpzMA :2018/09/23(日)12 33 49 ID Ati(主) × やっぱり痛いわ 最初だけだった 3日分の痛みを完封することは流石に無理だったようだ。 252 :◆N4EJHQpzMA :2018/09/23(日)14 20 40 ID Ati(主) × ジーパン変なとこ破けたわ 272 :◆N4EJHQpzMA :2018/09/23(日)14 55 35 ID Ati(主) × 【緊急】バックパック壊れる 274 :◆N4EJHQpzMA :2018/09/23(日)14 57 24 ID Ati(主) × 2000円のバックでは耐えられなかった模様 強行軍により、装備品までもが悲鳴を上げ始める。 なお、バックパックについてはいつものテーピングで何とか補修され、事なきを得ている。 798 名無しさん@おーぷん 2018/09/23(日)22 11 10 ID i7s × 1さん、ガチでホテル前まで来てしまってのでレモン牛乳とか買ってきたんでよかったら貰ってくだせえ 要らなかったらすぐ帰りますわ 882 ◆N4EJHQpzMA 2018/09/23(日)22 33 48 ID Ati(主) × 最高の応援と差し入れや サンキューガッツ これで明日また頑張るで! 夜には地元おんJ民からの差し入れがあり、英気を養った。 48 ◆N4EJHQpzMA 2018/09/24(月)08 24 09 ID nC5 × テーピング巻巻してガーゼも貼って部屋からトイレに行くぐらいなら耐えられるくらいには処置完了 あとは今日の行程山登りを耐えてくれれば最高やね 49 名無しさん@おーぷん 2018/09/24(月)08 26 11 ID 2h0(主) × それ怪我人っていうんやで 505 ◆N4EJHQpzMA 2018/09/24(月)18 13 05 ID nC5(主) × 箱根もそうだったけど山超えは足にくるわね マメも痛いけどそれ以上に土踏まずとかふくらはぎの疲労がすごい 攣らないでほしいわね… 4日目、ついに難関・白河関を踏破。仙台まで残り半分となる。白河市には夜遅くに着いたため、残念ながら白河ラーメンを堪能することはできなかった。 679 ◆N4EJHQpzMA 2018/09/24(月)20 02 57 ID nC5(主) × 小指が大変なことになってる 見たくない人おったら開かないでくれな https //i.imgur.com/iPR5d4x.jpg 702 ◆N4EJHQpzMA 2018/09/24(月)20 12 32 ID nC5(主) × 必要経費と割り切って飯食べに行くついでにキズパワーパッド買うわ 左右両足つま先かかと指全部覆いたいンゴ 休憩を挟んだり、中敷きを買い替えたりするなどの足痛対策を行ったが、山登りの負荷は想像以上に激しく、足の小指がパンパンに腫れ上がる事態に。本当に壊死ニキになってしまうのではと、スレ内は戦々恐々となった。 945 ◆N4EJHQpzMA 2018/09/25(火)08 05 17 ID Bnq(主) × 今日は郡山着を目指します 足は万全には程遠いけれど昨日の小指のヤバイやつはキズパワーパッドのおかげで痛みは引きました 元々あるマメをケアしながら頑張ります 86 ◆N4EJHQpzMA 2018/09/25(火)11 42 10 ID Bnq(主) × 靴カバーが早くも破損して靴が浸水や マメのキズを考慮して緊急避難 93 ◆N4EJHQpzMA 2018/09/25(火)11 53 16 ID Bnq(主) × これまでの日程で最も険しいですね… 5日目。この日は土砂降りの雨&悪路という最悪のコースコンディションだったが、不屈の精神で進んでいく。途中、イオンにて替えのズボンと食料、杖を購入し、装備を整え直す。 199 ◆N4EJHQpzMA 2018/09/25(火)15 46 28 ID Bnq(主) × 杖使うと気持ち楽になるけどスピードダウンするのな しゃーないか 220 ◆N4EJHQpzMA 2018/09/25(火)16 47 25 ID Bnq(主) × 伊能忠敬の偉大さを改めて再認識してるわ 292 ◆N4EJHQpzMA 2018/09/25(火)19 44 08 ID Bnq(主) × おばあちゃんにも抜かされたンゴ… これはいよいよヤバイかもわからんね 296 名無しさん@おーぷん 2018/09/25(火)19 51 48 ID obl × ギブアップするなら郡山でええかもしれんな 東京仙台間の半分過ぎたところまでは行けたんやし今回歩いて得た経験を元にしっかり準備してからやってもええんちゃう? 297 ◆N4EJHQpzMA 2018/09/25(火)19 52 59 ID Bnq(主) × 撤退したくないンゴねぇ… 続行にしても撤退にしても決断は宿泊先で頭冷やしてから考えます 杖により負担は軽くなったものの、進軍ペースは鈍化。結局、郡山駅の手前にあるネカフェで一泊することとなった。 352 ◆N4EJHQpzMA 2018/09/25(火)21 18 17 ID Bnq(主) × 幸い足は膿んでなかったわ でも水浸しの靴の影響で足全体がふやけてマメの傷口がひろがってる状態 いっそ固まってくれりゃ楽なんやけどな 371 ◆N4EJHQpzMA 2018/09/25(火)21 28 22 ID Bnq(主) × 続行か撤退か最終判断は明日の朝やけどちょっと今のこの足の状態見るに厳しい模様 親指の下から小指の下まで、一つ一つのマメがつながって巨大な1つのマメができてるっぽい 373 名無しさん@おーぷん 2018/09/25(火)21 29 04 ID vaa × 引くのも勇気や 身体さえ無事なら次がある 今はとりあえずゆっくり身体休めるんやで 393 ◆N4EJHQpzMA 2018/09/25(火)21 33 22 ID Bnq(主) × 悔しいンゴ せめて水族館だけでも見に行くかな明日 396 名無しさん@おーぷん 2018/09/25(火)21 33 54 ID UHp × せやね ここまで歩いただけで十分立派よ 437 名無しさん@おーぷん 2018/09/25(火)21 41 43 ID 8oE × やっぱ1日30kmくらいじゃないと厳しいんやなって 443 名無しさん@おーぷん 2018/09/25(火)21 43 06 ID vaa × 437 旧日本陸軍の教本で一日40キロ進むと戦闘は不可能って基準やったらしいからイッチのやったことの過酷さがわかる 598 名無しさん@おーぷん 2018/09/25(火)22 22 07 ID JBV × 無計画徒歩旅って見てて面白いんやけど、やっぱ限度があるんよな ある程度の距離を徒歩で行くなら、計画と資金と装備が必要になるんやって、今回の旅見てて思ったわ 862 ◆N4EJHQpzMA 2018/09/26(水)06 55 45 ID dk6(主) × おはようございます 866 ◆N4EJHQpzMA 2018/09/26(水)06 58 14 ID dk6(主) × 足の状態は非常に良くないわね フラットシートの上に折り畳んだブランケット重ねてようやく立てるレベルや 871 ◆N4EJHQpzMA 2018/09/26(水)06 59 57 ID dk6(主) × せっかくここまで来たんだし気力で郡山駅までは行きたいと思います 今日は初手で杖があるので時間をかければなんとか… 969 ◆N4EJHQpzMA 2018/09/26(水)10 51 50 ID dk6(主) × えらく時間かかったけれど 郡山駅! 仙台までの旅は223キロ地点で力尽きました 6日目。スレ主はこれ以上の行軍を危険と判断。それでも4時間かけて郡山駅までたどり着き、惜しみながらチャレンジを終了した。 しかしその後、車で駆けつけた地元J民の計らいにより、水族館に行くという当初の目的は達成されることとなった。 124 ◆N4EJHQpzMA 2018/09/26(水)14 03 19 ID dk6(主) × スネークニキにのせてもらい郡山から仙台までワープしました 235 ◆N4EJHQpzMA 2018/09/26(水)16 54 48 ID dk6(主) × 雨が降ったりジーパン破けたりカバン壊れたりマメも潰れたり郡山で力尽きたりもしたけれど 水族館まで到着です 238 ◆N4EJHQpzMA 2018/09/26(水)16 56 25 ID dk6(主) × 白河と郡山で出会ったスネークさんホンマにサンキューガッツ あと最後までスレ見ててくれた人サンガツ 仙台はとてもとても遠い場所だったわ 289 名無しさん@おーぷん 2018/09/26(水)17 55 41 ID 1vC × 東京駅から快活club幸手店まで48㎞(1日目) 快活club幸手店から宇都宮駅まで58㎞(2日目) 宇都宮駅からビジネスホテル山西まで41㎞(3日目) ビジネスホテル山西から白河ビジネスホテルまで37㎞(4日目) 白河ビジネスホテルから快活club郡山安積店まで33㎞(5日目) 快活club郡山安積店から郡山駅まで4.9㎞ 仙台駅からうみの杜水族館まで9.4㎞ 合計で231.3㎞ イッチおつかれさまやで 教訓 717 ◆N4EJHQpzMA 2018/09/25(火)22 46 26 ID Bnq(主) × アマゾンで適当に買った2000円のランニングシューズじゃ無理なんやね… デマ情報にご注意 ◆N4EJHQpzMA氏に関して 「クラウドファンディングで金をせびっている」「周りがコテだらけ」 という情報を吹聴している者がいるが、現時点でそのような事実は一切存在しない。 氏がクラウドファンディングに言及したことはある ものの、結局はお流れとなっている。 また、 2019年9月時点のスレ を確認したが、コテ付きのレスは1000件中0件だった。 関連リンク 【実況】東京から仙台の水族館まで徒歩で行く 【実況】東京から仙台の水族館まで徒歩で行く 2歩目 【実況】東京から仙台の水族館まで徒歩で行く 3歩目 【実況】東京から仙台の水族館まで徒歩で行く 4歩目 【実況】東京から仙台の水族館まで徒歩で行く 5歩目 【実況】東京から仙台の水族館まで徒歩で行きたかった 【実況】東京から徒歩でかすみがうら水族館と大洗水族館とに行く 「徒歩ニキ」はなぜ歩くのか? 東京から三重、神戸、青森…約2850kmを徒歩旅で踏破した2ちゃんねる住民【インタビュー】 …なんとネットニュースに載った とほとほ散歩ニキ 初出 【実況】橋本駅から群馬県庁展望台まで歩く 1 :名無し:20/10/31(土) 01 00 26 ID MfQ主 寝て起きたら始めるで 2: 名無し:20/10/31(土) 01 04 27 ID RsJ どこだよ💀👻🍩 3: 名無し:20/10/31(土) 07 59 48 ID MfQ主 おはよう🍩🍩🍫 4: 名無し:20/10/31(土) 08 08 17 ID lRl よし行け🍩🍫🎃 5: 名無し:20/10/31(土) 08 09 05 ID lRl このスレタイやと最後はエレベーター使わず階段やね🍩🍭🎃 出発するときに立てず立てたいときに立てるスタイルでこのスレは始まった 17: 名無し:20/10/31(土) 08 48 12 ID MfQ主 1日目 関連リンク twitter(X) instagram ヤマレコ ホームページ コメント欄 徒歩ニキの挑戦は参考になるわ -- (徒歩ニキに憧れて) 2019-10-27 02 55 49 今度は神戸須磨かよすご杉内 -- (名無しさん) 2020-02-23 20 37 12 次は青森まで行くのか -- (名無しさん) 2020-10-15 19 55 27 取り巻きがキモすぎるから見つけ次第荒らすようにしてるわ -- (名無しさん) 2020-10-18 21 46 34 荒らしが開き直るとか世も末やな -- (名無しさん) 2020-10-19 09 37 20 荒らしは論外やが自分の身体が資本やのに身体に対する投資をしてないやつが多すぎるわ -- (名無しさん) 2021-01-03 12 50 18 ネットメディアに取り上げられてた時おんj民に助けてもらったのを美談みたいに語ってたのがなぁ…計画の見通しの甘さと準備不足を反省すべき所やろ -- (名無しさん) 2021-10-06 13 23 26 波照間島から北海道まで歩くニキはここでも見たのかな? -- (名無しさん) 2021-10-25 14 50 10 良くも悪くも行動力があるおんj民 -- (名無しさん) 2021-11-09 19 16 09 波照間島北海道の人とかスレでも大荒れになった話題持ってくんな -- (名無しさん) 2021-11-15 08 40 09 名前 コメント すべてのコメントを見る ▽タグ一覧 ニキ 用語
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255 終の綾1 ◆5SPf/rHbiE sage 2007/11/10(土) 20 09 37 ID IkxPkX1Z 「この街で、年にどれだけ人が死んでいるか、ですか……?」 縁からの突然の問いに、小夜子は眉をひそめた。 「知りませんけど……何でそんなこと聞くんです?」 「これから私が話すことに、少しでも説得力を持たせたいからだよ」 また少し紅茶を口に含んで、縁はにこりと笑った。 「私の話、聞いてもらえるかな? 夕里子ちゃんにも少し関わりのあることだから」 「はあ、かまいませんが」 ウェイトレスが小夜子の前に湯気の立つ紅茶を置いた。 「ごちそうするね。退屈な話になるかもしれないから、飲みながらでも聞いててね」 小夜子は軽く頭を下げて、ありがたくお茶をいただくことにした。 「さて、まずは日本全体の話からにしようか」 「……?」 「現代の日本で、年にどれだけの人が死んでいるか。全体で九十五万人ほど、うち不慮の事故は四万人程度、自殺は三万人程度」 「けっこう亡くなっているんですね」 どう言っていいものかわからず、小夜子は当たり障りの無い言葉を返す。 縁はさらに続けた。 「これらを人口十万人あたりの死亡率に直すと、それぞれおよそ七百六十人、三十一人、二十三人になるんだよ」 「とすると、私達の住んでいる市の人口は確か十万前後でしたから、年間に亡くなる人はそれくらいの人数ということですか?」 「うんうん。さすが夕里子ちゃんの従妹さん、話が早いねえ」 褒められても、小夜子は表情を動かさない。 それよりも、縁が何を言おうとしているのかが気にかかった。 「あの、これとユリ姉が、どう関係しているんですか?」 「ごめんごめん。話を進めるね。私達が住んでいる、この市の南西部は、人口としては二万人くらいの規模。そこでどれくらいの人が死んでいるのか、さらに詳しく見てみると、こうなってるんだよね」 縁はごそごそと足元の鞄を漁り、紙の束を取り出した。 「これは……?」 「この十年間で、南西部地区で亡くなった人の資料だよ」 その紙には、全死因での死亡者数、不慮の事故による死亡者数、自殺による死亡者数の三項目が、年毎に表にされていた。 256 終の綾1 ◆5SPf/rHbiE sage 2007/11/10(土) 20 10 34 ID IkxPkX1Z A市南西部地区 2005年 152 5 2 2004年 178 19 14 2003年 175 17 12 2002年 141 6 4 2001年 158 7 2 2000年 151 8 4 1999年 148 4 5 1998年 151 5 5 1997年 153 6 4 1996年 152 6 3 257 終の綾1 ◆5SPf/rHbiE sage 2007/11/10(土) 20 11 16 ID IkxPkX1Z 「少し不慮の事故死者数と自殺者数が多い年があるのはわかるかな?」 二〇〇三年、二〇〇四年を順に指差して、小夜子を見た。 「どう?」 「多いですね、こちらも」 「そうそう。同じ年に、不慮の事故と自殺がそれぞれ増えてるんだよね」 二〇〇三年、二〇〇四年とも、事故死者も自殺統計から見た期待値と比べて三倍ほどの数字になっていた。 「あは。どう? ちょっと不気味になったりしない? 期待値よりも死人が四十人以上多いんだよ」 「事故や自殺が多い年もありうるんじゃないんですか? さすがに少し多い気もしますが……」 どこか嬉しそうに尋ねてくる縁に、小夜子は少し不快感を覚えながら答える。 だよねえ、と縁は気にした様子も無かった。 「ちなみに、この二〇〇三年と二〇〇四年に死んでいる人たち、私たちのこの街に住んでいた人たちだけど、死んだのはこの街とは限らないんだよね」 縁はテーブルの上に地図を広げた。 今度は何だと覗き見る小夜子の前で、素早く地図にバツ印を書き込んでいった。 六十二個のバツ印が、瞬く間に地図上に打たれていく。 「これは……?」 「それぞれの人の死体が見つかった場所だよ」 「何でそんな……」 「まあまあ。いいから見てよ」 縁の細い指が紙の地図をなぞった。 「この通り、私たちの住むA市南西部地区は、県境を挟んで二つの県と接しているわけだけど、二〇〇三年と二〇〇四年に死んだ南西部地区の住人六十二人のうち、およそ三分の一が県内で、さらに三分の一が西隣の県で、また三分の一が南隣の県で、死んでるんだよね」 「どういうことですか?」 「つまり、市役所でまとめられた、人口における死者数は統計から見た期待値の三倍だけど、街で起きた事故や自殺の、事件としての数は、例年の一.六倍程度の数字に抑えられているってことだよ。事件の件数は、それぞれ管轄を受け持つ県警が、独立して記録するからね」 小夜子は首を傾げた。 縁が何を言おうとしているのか、よくわからなかった。 「ねえ、こう、意図的なものを感じない? 三倍死んじゃったから、三つの県にばら撒いてごまかしましたって、そんな臭いがしない?」 「仰る意味がわかりません」 「つまり、この増えた分の死人は、みんな誰かに殺されたんじゃないかって、そう私は思ってるんだ」 小夜子は唖然としてしまった。 確かに、示された数字がどこか普通ではないことはわかるが、縁の発言はあまりに突飛なものに思えた。 「M事件、足利事件……警察は越境しての犯罪には弱いんだよね。広域指定がつかないと連携も取れないし」 「ちょっと待ってください、そんな……いえ、縁さんの仰っていることが正しいか正しくないかはこの際置いておきましょう。それを私に話して、どうしようと言うんです? それこそ、警察の方に言った方がいいと思いますけど」 「いやあ、警察に言って失敗したら、取り返しがつかないから」 困ったように縁は笑った。 「何がです?」 「人間関係が壊れるとさ。私だって、嫌われたくない人は居るんだよ」 「人間関係が……壊れる?」 「支倉君には嫌われたくないんだ。大切な友達だし。支倉君は優しい人だけど、さすがに証拠抜きで妹さんを殺人鬼呼ばわりしたら、怒っちゃうだろうし。だから、できることならちゃんと証拠を見つけてからにしたいんだ」 小夜子はようやく縁が考えていることを理解した。 258 終の綾1 ◆5SPf/rHbiE sage 2007/11/10(土) 20 13 45 ID IkxPkX1Z 「あなた……何を……」 「うん。私は、綾ちゃんが人殺しだと思ってるんだ。この街には人殺しがいて、それは綾ちゃんだと思ってる。 佐久間さんを犯したのも、佐久間さんのお母さんが死んだのも、森田浩史が死んだのも、全部綾ちゃんがやったんだと思ってる。 さかのぼると、梅雨にうちの生徒が鉄道事故で死んだのも、綾ちゃんの家に泊まってたっていう中学生が死んだのも、きっと綾ちゃんがやったんだと思ってるよ」 「馬鹿馬鹿しい」 小夜子は彼女に珍しく、苛立ちをあらわにして吐き捨てるように言った。 「綾はそんなことする子じゃありません」 「おかしいと思わないかな、今挙げた、今年に入ってからこの街で起こった事件や事故、その被害者に、みんな綾ちゃんが関わってるんだよ」 「別におかしいとは思いません。私たちも、少し距離が離れているだけで、それぞれの事件に関わりを持っているとは言えるでしょう」 「私は、夕里子ちゃんが死にかけたのも、綾ちゃんのせいだと思ってるよ」 「いいかげんにして!」 小夜子はテーブルを叩いた。 大きな音が喫茶店の店内に響き、幾人かいた客が二人の方を向いた。 「どうして綾をそんなに悪く見るんです!? 綾は好き嫌いのはっきりしたところはあるけれど、しっかりした、本当はすごく優しい子なんだから!」 テーブルを叩いた拍子に紅茶が袖にかかったが、そんなことは気にも留めず小夜子はまくしたてた。 「縁さんが綾と仲が良いといえないことはわかっています。だからって、言っていいことと悪いことがあるでしょう」 「いやいや、私怨とかじゃなくて、私なりに色々考えて言ってるんだよ」 と声を静めるように手で促しながら、縁は言った。 「確かに綾ちゃんはいい子だと思うよ。何でもできるし、可愛いし、人に対しては適度に厳しく適度に優しい。本当、すごい子だと思う」 「だったら……」 「でも、綾ちゃんが優しいのは、支倉君に近付かない人だけなんだよね」 自身で確認するように、縁は頷いた。 「ねえ、小夜子ちゃんは知らない? 綾ちゃんが、支倉君について、すごい執着を見せるってこと」 「それは……」 知っている。 かつて、理想の人は兄だと教えてくれたことがあった。 陽一以外の男は寄せ付けず、包丁を振るう姿を目にしたこともある。 アキラが家に泊まっていた時も、常に気を張ってイライラしていた。 「梅雨に死んだのは、支倉君の悪評を広めていた女の子。夏の初めに死んだのは、支倉君の家に押しかけた援助交際経験ありの女の子。 支倉君と付き合い始めたとたん、夕里子ちゃんの周りで次々と事件が起きて、人も死んで、夕里子ちゃんは追い詰められて、最後はあんなことになっちゃって……」 「ユリ姉の件は、森山浩史が……」 「ずっと姿を消していて、支倉君と夕里子ちゃんが別れたとたんに自殺? いいタイミングだねえ」 実際こうして並べてみると、綾にはあまりに濃く死の影がつきまとっていた。 「この、二〇〇三年と二〇〇四年の増えた四十人も、全員が綾ちゃんの仕業だとは思わないよ。 でもね、被害者のうち三人は、支倉君と綾ちゃんの出身中学の女子生徒だったんだよ。さらにその家族が十五人。これだけの人が綾ちゃんとどこかで接している……変だと思わない?」 見つめてくる縁に、小夜子は冷たい視線を返した。 陽一に対する綾の執着には思い当たる節はあったが、それでも縁の考えに賛同する気は欠片も無かった。 259 終の綾1 ◆5SPf/rHbiE sage 2007/11/10(土) 20 15 45 ID IkxPkX1Z 「縁さんが綾を疑う根拠はわかりました。確かに、疑うに足る状況が、綾の周囲にはあるみたいですね。縁さんにとっては」 「小夜子ちゃんにとってはそうではないと」 「ええ。綾を知っている私からすると、あまりの馬鹿馬鹿しさに笑えてしまう話ですね」 はあ、と縁はため息をついた。 素直に感嘆の意味でのため息だった。 「すごいね、小夜子ちゃん、綾ちゃんを信じてるんだ。あの怖い子を」 「いいかげんにしてください。不快です。時間の無駄ですから、もう帰ってもいいですか?」 「ごめん、小夜子ちゃんには話を聞いて、協力してもらいたいんだ。綾ちゃんを捕まえるために」 また怒鳴りそうになるのを呑み込んで、小夜子は努めて冷静に言った。 「残念ですが、遠慮させていただきます」 「でも、私が協力してくれる人を探して、この話を色んな人に話して回ったら、綾ちゃんのためによくないんじゃない?」 「……! 脅すわけですか……」 綾は他人の評判なんて気にしない。勝手に言っていろとばかりに、いつもと変わりなく振舞うことだろう。 (でも……) 自分の及ばないところで、縁が綾の悪評を説いて回る。 小夜子にとってそれは、我慢のならぬことだった。 「ね、逆にこれは、綾ちゃんが犯人じゃ無いことを証明して終わるだけかも知れないし」 悩む様子を見せた小夜子に、縁はさらに働きかけた。 「仮に綾ちゃんが犯人じゃなかったら、それが証明できて小夜子ちゃんとしてはいいことだよね」 「それは……」 「それに、仮に綾ちゃんが犯人だったとして、まだ生きている夕里子ちゃんを守るために、きっちり捕まえておくことはやっぱり小夜子ちゃんにとっていいことなんじゃないかな? さすがに顔を見られているだろうし、夕里子ちゃんが生きたままだと綾ちゃんは自動的に敗北だから、目を覚ます前にまた夕里子ちゃんに危害が加えられると思うんだけど」 「そもそもにして私は綾が人殺しだなんて思っていませんから、それは私にとっていいことではないし、縁さんに協力する理由にはなりません」 「うーん、見かけによらず頑固ちゃんだね。小夜子ちゃんにとっては夕里子ちゃんも大切な人なんだから、仮定として親友の綾ちゃんを疑っても、それは悪いことではないと思うよ」 小夜子は黙りこんで考えた。 260 終の綾1 ◆5SPf/rHbiE sage 2007/11/10(土) 20 17 03 ID IkxPkX1Z (協力……すべきなのかしら) これまでの会話で縁の口の巧みさに気付いていた小夜子は、自分がただ流されていないかが不安だった。 綾を守るために協力するのはともかく、いいように使われるのはごめんだと思っていた。 ここで協力することで、縁から綾への風評被害を防げるなら、それは綾のためだ。 協力した結果綾の疑いが晴れれば、それも綾のためだ。 小夜子はあくまで綾を信じていたが、盲目的になることの愚かさも十分にわかっていた。 (盲目的に信じるだけでは、私自身が信じることはできても、他の人を信じさせることはできないものね……) やがて小夜子は頷いて、口を開いた。 「わかりました。正直あなたには不快に感じる部分もありますが、協力させていただきます」 「わ! 良かった。ごめんね、私も必死で。断られたらどうしようかと思ったよ」 嬉しそうに手を叩く縁に、小夜子は「ただし」と付け加えた。 「あくまで私は、綾のために協力するのであって、縁さんのために協力するわけではありません。何を、どんな意図でするのか、その都度きちんと話してくださいね。綾の不利益になるようなことは避けたいので」 「あはは。その都度も何も、最初に一回説明するだけで終わりだよ。もう簡単簡単」 「……?」 「支倉君をゲットして、殺されるかどうか試してみよう!」 小夜子は唖然としてしまった。 親友の兄を誘惑しろと、つまりはそういうことだ。 「ただし、殺される時は絶対に綾ちゃんが犯人であるという証拠を残して殺されること。あるいは、証拠を得た状態で逃げること。そうじゃなきゃ、今までと何も変わらないからね」 「……素朴な疑問ですが、縁さんご自身でやらないんですか?」 「私は臆病だから、死にたくないんだ」 小夜子は先ほど揺らしてしまったティーカップを持ち上げ、冷めた紅茶を飲んだ。 敬愛する従姉を支えてくれていた、目の前の少女。 これまでは、感謝や尊敬に似た感情を抱いていたが、今は違う。 (この人は……どこかおかしい) 朗らかなようで陰湿。 下手だが強引。 何とも言えぬ違和感が感じられた。 「警察も、使える段階になったら使うからね」 「子供のおつかいのように言うんですね」 「私はね、自分が解決できないことを、他の人が解決できるなんて、思わないんだ」 この人の目的は何なのだろう、小夜子は考えた。 夕里子のためか、陽一のためか、あるいは自分のためなのか。 聞けば模範的な回答が返ってくるだろうと思えたが、その無意味さもわかっていた。 (結局わたしはいいように使われようとしているのかもしれない……でも……) 悩んだところでわからないものはしょうがない。 宇喜多縁の妄言から綾を守る――小夜子はそれしか考えていなかった。 喫茶店を出ると、身を切るような初冬の風が容赦なく吹き付けた。 冬の訪れだった。 「綾……」 大好きな親友の名を呟く。 少女の瞳には、強い決意の色が見て取れた。 戻る 目次 進む