約 231,477 件
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/7471.html
前ページ次ページGIFT ふと気づくと、ルイズは生まれ育った屋敷にいた。 魔法学院から、三日ほど馬を走らせた場所にあるラ・ヴァリエールの領地。 アルビオンにいるはずの自分が、どうしてそこにいるのか。 そんな疑問は、頭の片隅にすらなかったが、すぐにわかった。 なるほど、これは夢の中か。 そう理解するのにさしたる時間は要さなかった。 といって、夢の中の時間が、現実世界でどれほどのものになるのかは、わからないけれど。 ただ、気の向くままに屋敷を歩いていく。 ルイズにとって、この世界は汚濁と塵芥にまみれた、鼻の曲がるようなゴミ捨て場だ。 名門に生まれついてしまった『欠陥品』を笑っているクソども。 普段押さえつけられている貴族の中で、貴族たりえない不具を……それすら裏でこそこそと嘲ることしかできない虫けらども。 そういう屑どもを全て、血や膿でまみれた溝川に流してしまえば、さぞかし世の中はさっぱりとするだろう。 しかし、彼らの言い分もわからないでもない。 少なくとも、今のルイズには。 「魔法を使えるものを貴族というのではないわ! 敵に背を見せないものを貴族というのよ!!」 以前の自分ならこう言ったか? 馬鹿が、とルイズはかつての自分に唾を吐きかけてやりたくなった。 くだらない戯言だ。 この社会を根底から支えている魔法という〝力〟。 貴族がそこで認められるのは、その根底を支える力を持っているからじゃないか。 ゲルマニアでは、平民でも貴族になれるというが、それにしたって金という力を持っているからこそ認められるのだ。 魔法も使えない、金もない。 そんなやつが、どうして貴族と認められる? 貴様の吐いているのは、負け犬の遠吠えだ。 魔法も、金もない。 それは今現在のルイズにしたって同じことだった。 だけど、それとは違うものは持っている。 社会で大きな『富』を得ることの出来うるもの。 ただ、それは上っ面のものではなく、裏の、黒く濁った、しかしこの世界の本質である場所でだろうが。 それは、力……暴力だ。 白の国で理解したこと。 それは、トリステインの終焉が近いということだ。 強大なレコン・キスタの軍事力。 アルビオンはもはや死にかかった牛だ。 奴らは飢えた狼の群れのように、くたばった牛を食い尽くすだろう。 それにどれだけの時間がかかる? 大した時間は稼げない、あっという間だ。 次は、トリステインの番だ。 ルイズの横に、違う誰かが並んで歩く。 それは子供の頃のルイズだった。 六歳くらいだろう。 いかにも貴族の娘らしい、驕慢な態度が見えた。 「このままだと、トリステインは全滅だわ」 小さなルイズは言った。 腹の立つほど、無垢な瞳で、まっすぐとルイズを見て。 「学院の生徒や使用人も、領地の民も、殺されるかもしれない。辱められるかもしれない」 「それがどうしたの?」 ルイズは笑ってやる。 まっすぐと、小さなルイズを見下ろして。 殺し合いと絵本の物語の区別もつかない腰抜けの貴族ども。 その貴族に媚びへつらうことで生命をつないでいる家畜同様の平民ども。 蛆虫どもの群れは、国の終わりには天を仰いでこう叫ぶだろう。 善良で日々真面目に慎ましく生きている私たちをお助けください! だったら。 その時は――見下ろしこう答えてやる。 「Non」 ってね。 ルイズは目を覚ました。 覚醒は一瞬だ。 ベッドから起き上がると、すばやく服を着終える。 まだ、時間は早い。 外に出て、しばらく歩いていると、小さな少年が近づいてくる。 それは少年ではなくて、男装したタバサ。 もともと年齢以上に貧相な体つきのせいか、普段の制服姿よりもこっちのほうがずっと似合う。 その横には、キュルケがいた。 ゲルマニアの女は妙な顔つきで、ルイズを見ている。 「最初の船で、アルビオンを出る」 そう言ったのは、タバサだった。 「やれやれ……。こんなところうんざりだわ」 キュルケは苦いものでも吐くようにつぶやいていた。 そういえば、一応昨夜のパーティーにも参加していたか。 何かしら、思うところでもあったのもしれない。 ルイズの知ったことではないが。 「あなたは?」 と、タバサがルイズを見る。 「後から、ワルドと一緒に」 答えたのはそれだけだった。 「そう」 タバサは、その感情の見えにくい瞳でルイズを見つめた。 それが夢の中の小さな自分に重なって、ルイズは少しだけ不快な気分になった。 我慢できないことはないが、さりとて気にならないわけではない鈍痛のようだった。 「お互いに気にをつけましょう。帰る途中で、巻き添えで死なないようにね」 ルイズはわざとらしく優雅な動作で、タバサに笑いかけた。 「あなたは簡単に死ぬようなタマじゃない」 タバサは突き放すように、そう言った。 「あはははは。ずいぶんと買いかぶってくれたものだね、ミス」 ルイズは男言葉を使いながら、そっとタバサの眼を見る。 やっぱりどことなく、信用の置けないチビスケだ。 だが、それもいい。 今のルイズにとって、本布意味で味方といえるのは、この黒い使い魔でしかない。 残るは、自分を食い物にするか、蔑むことしかしない〝敵〟だ。 「――生きて帰れたら、あんたの〝お話〟を聞いてあげてもいいわ。生きて帰れたらね」 そう言ってやると、わずかにタバサの瞳が揺れた。 ふん、まさか、まだ諦めていなかったのか? ルイズは腹で笑いながら、こう付け足す。 「もっとも、あんたの話次第だけど……」 キュルケの顔が、訝しげに親友と宿敵を見ている。 ルイズはともかくとして、タバサの態度がどこかおかしいこと――それに気づいたのだ。 「場合によっちゃ、あんたの敵になることだってありうる……。そのへんを熟考されることね」 ああ、ゼロのルイズが敵になったところで、怖くもなんともないか? ルイズはそう付け加えて、ひとしきり哄笑し、 「じゃあ、私は用事もあるので、これで。ミス・グラモンをよろしく」 キュルケとタバサの前を通り過ぎていった。 「ねえ、話ってなんだったの?」 キュルケはタバサを見た。 「……」 「……私には、言えないこと」 「ごめんなさい」 そっと、タバサは眼を伏せる。 親友の態度に、キュルケは一瞬だけだが、燃える炎のような彼女には似合わない寂しげな顔になった。 「いいの、そういうこともあるだろうしね」 でも、と、キュルケは人差し指を立てる。 「忘れて欲しくないのは……私はあなたの味方だってこと」 「……………………うん」 まるでキュルケの言葉を反芻していたかのように間を空けて、タバサはうなずいた。 両者の体格差のためか、それとも生まれ持った気質のためだろうか。 二人は姉と妹……いや、タバサは少年同然の服装のため、姉と弟のように見えた。 外見はまるで似ていない姉妹だけれど。 「ウェディングドレスを着る気はないわ」 まず、ルイズはそう断言した。 これに、ワルドは少し不服そうな顔をする。 「しかし、こういった時には相応のスタイルってものが重要なんだぜ?」 「そんなにチマチマと時間をかけるつもりなの、子爵? 要するにあの王子を一人の時を狙いたい……それだけのことなのに」 私との結婚式? その媒酌人にウェールズ皇太子? 馬鹿馬鹿しいッ! 「あなた……まさか、まだ私と結婚したいなんて言ってるじゃないでしょうね?」 軽蔑の色を隠さないルイズの態度に、ワルドは苦笑を噛み殺す。 「お互い、ドライに割り切ろうと昨夜言ったばかりじゃないかしら? 言ったのは、あんたよ?」 ニューカッスルの城はあわただしく動いている。 最後の、負けることがわかっている戦に備えての準備のためにだ。 それは燃え尽きる前の蝋燭が一際強く輝くのに似ていた。 このような状況下にあって、二人が一室で不穏な会話をしていることに気づくものなど、誰一人としていはしなかった。 「わかってはいるさ……」 「いいわ。あんたの望みは、一つはアンリエッタ姫殿下の手紙。それは手に入れたわね?」 「ああ」 と、ワルドは軽く胸を叩いた。 「で、二つ目は私。これは諦めてもらうわ。最後にウェールズ皇太子の命。これは、努力次第ね」 「君のことも、諦めたつもりはないが?」 「なら、どうするの? 無理やりに手篭めにでもする? 今ここで」 「それで本当にどうにかなるのならね。だがうっかりしていると喉笛を食いちぎられそうだ。やめておくよ」 ワルドは肩をすくめた。 昨夜、彼は思い切って自分の秘密と目的をルイズに話したのだ。 この旅でルイズの言動を観察してきて、睡眠時間を削り考え抜いた末の選択だったが、どうやら間違いではなかったらしい。 ルイズの言葉から、滲み出る社会への不満と憎悪、そしてアンリエッタへの悪感情。 そこにはいっぺんの忠心も、親愛の念も感じられなかった。 ワルドの知る、無垢で非力な少女はすでにいなかったのだ。 白馬の騎士を気取って彼女を篭絡することはできそうにない。 だが、同士としてレコン・キスタに取り込むことならば、できたのだ。 ワルドが得た情報。 ルイズが虚無の力を持つ者であるということ。 未だ目覚めていないが、覚醒すれば伝説の力の一端を操るだろうと。 当初ルイズは信じてはいなかった。 いや、今でもそれは怪しいのだが―― 「まあ、いいわ? 別にトリステインにも未練はないし……王権が壊れるのを見物するのも悪くはなさそうね」 意外に、あっさりとワルドの言葉に乗った。 そしてワルドに対する個人的感情も特に変化はないようだった。 おそらく……と、ワルドは推測する。 彼女はレコン・キスタにも、ワルドにも大した期待はしていない。 ワルドは自分を利用しようとしてのもとっくにお見通しだ。 それならば、何故是と応えたのか。 思うに、それは自分の環境――ハルケギニア社会への憎悪ゆえだろう。 王族も、貴族も、平民も。全てを。 彼女の生い立ちを考慮すれば、それも無理からぬことだと言える。 ならば、そのように接するだけだ。 ワルドは笑った。 「なによ?」 ルイズが睨む。 「いや、わかったよ。無理にとは言わない」 「当然ね」 すまして言うルイズを見ながら、ワルドは考える。 要するに、自分は口説き方を間違えていただけなのだ。 夢見る乙女と、すれっからしの娼婦と、同じように口説いて、成功するわけがない。 ルイズは前者ではない、後者でも決してないが、どちらかというのなら、そちらに近い。 それなら、もっと割り切り、メリットのあるなしで話をしたほうが良いのだ。 事実、目的を明かして話をすれば、とんとんとうまく運んでいるではないか。 「それにしても、皇太子は私とあなたの媒酌人なんて、よく納得したわね」 「状況が状況だからな。しかしだからこそというのもあるだろう。話してみたら、あっさりと乗ってくれた」 薄く笑うワルドに、 「そうじゃなくって」 と、ルイズは手を振る。 「昨夜、皇太子に誘いをかけちゃったのよね、私」 「――は?」 なんの事だ? ワルドは言葉の意味が良くわからずにいた。 「誘うって何を」 「私の中へ、あなたの命の種をお残しになりませんかってね、ちょっと詩的にすぎるかしら?」 「そ、それはまさか!」 「子孫繁栄のために必要不可欠な行為ってこと。うん。間違ってはないわよね、この表現」 さすがに、ワルドも絶句した。 ヴァリエール家の人間は昔から知っているが、例外を除いてみんなそのへんのところではガチガチの石頭だ。 特に、あの長女はひどいと評判だ。 子供の産めない女を『石女』と呼ぶが、将来的に高い確率でそうなりそうな女である。 ルイズもそれに順ずるようなところがあったと思うが、まさかそこまで荒んでいたのか……。 「それで、どうしたんだ?」 「なに?」 「だから、皇太子と」 「質問はもっとハッキリ明確にしなさいよ。寝たのか、寝てないのかってこと?」 「あ、ああ」 ルイズの迫力に、ワルドは思わずうなずいてしまう。 こいつはうまくしないと大変だな、と若干不安になってくる。 このじゃじゃ馬は、うまく調教しないと振り落とされた後、その場で踏み殺されそうだ。 「当ててみれば?」 ルイズは冷笑し、短い桃色がかったブロンドをかきあげる。 「それもいいが、そろそろ時間がない。どっちにしろ、向こうが媒酌人になったのだから問題はない」 ひとまずは、とワルドは誤魔化すように言った。 「ふふん」 ルイズは笑ったが、ふと何かに気づいたようにドレスと花嫁の冠を見た。 「ん? 気が変わったのかい? 着替えるだけの時間なら……」 「そうじゃないわ」 ワルドの声を、ルイズは冷たく否定するが、 「そうじゃないけど、これは使えるかもしれないわね。将来的に」 美術品といっても過言ではない冠を見つめながら、ルイズは笑う。 ものすごく意地の悪い笑顔だった。 礼拝堂の中で、礼装の皇太子は新郎と新婦を迎えていた。 三人以外、誰一人いない、寂しいというより、虚しさすら感じさせる結婚式。 さあ、その上に。 新郎はまだしも、新婦はどう見たって、これから式を挙げようという花嫁には見えなかった。 服もズボン黒ずくめ、その体躯も手伝ってまるで少年としか思えない花嫁だった。 しかし、その顔つきは美術品のように美しい。 見ようによっては、男同士が式を挙げているようで退廃的な匂いすらする。 しかし、ウェールズがそのように感じる理由は、それだけではなかった。 「おかしいとお思いでしょうね」 ニコリとして、ルイズは皇太子に笑いかけた。 不安を感じ、皇太子は答えることはしなかった。 「昨夜、あなたに安物の売女みたいなことを言った女が、こうして結婚式をあげようとしてるんですから」 「あ、い……」 爆弾を放り投げるような言葉に、ウェールズは呼吸をするのを忘れた。 ワルドは困った顔で頭を押さえている。 「その上に、その媒酌人をあなたに頼む。変だと思われているでしょう」 それをお受けになったあなたもよくよくご酔狂ですけれど、と付け足す。 「は、ははは……」 もはや何を言っていいかわからず、ウェールズはただ笑うのみだ。 「しかし、皇太子殿下……。物事というのは、些細なキッカケで大きく動くものらしいです。色々ありまして、私は彼の――」 と、ルイズは隣のワルドを見る。 「彼の提案を受け入れることにしたのです。お互いのために」 「……まるで、政略結婚でもするような言葉だね」 軽い揶揄をこめて、ウェールズは返した。 「ああ、すみません。どうも性格ですわね、余計な言葉が過ぎるようです」 それっきり、ルイズは先ほどの態度が嘘のように沈黙した。 こほん、とウェールズは咳払いをする。 やれやれ、やっと進むのか。 そんな顔で、ワルドは安堵の息を吐いた。 「新郎ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド。汝は始祖ブリミルの名において、この者を愛し、そして妻とすることを誓いますか?」 「誓います」 重々しく、ワルドは応えた。 あるいは芝居がかったというべきだろうか。 「新婦ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール」 フルネームを読み上げられ、ルイズのは唇がかすかに動いた。 「汝は始祖ブリミルの名において、この者を愛し、そして夫とすることを誓いますか?」 言葉が終わった時、ルイズはハッキリと笑顔を浮かべた。 とても、清々しい笑顔を。 「Non」 確かに、そう聞こえた。 瞬きすら追いつかない時間が過ぎた瞬間、新婦は新郎の体に密着していた。 何が……起こった? Non? つまり、新婦は否と応えたのか? ウェールズが状況を理解しきれないでいる中、ワルドは前のめりに倒れこんだ。 どうっと絨毯の上に身を横たえたワルドの下から、赤いものがつーっと流れていく。 わけがわからない。 ワルドはそんな顔をしていた。 彼は、あることを見誤っていたのだ。 ルイズの態度、吐き出す毒。 それを、ワルドは世にすねた落ちこぼれの叫びと理解していた。 世の中に噛みつこうとする、不良少女の他愛無い威嚇と思っていた。 ある意味では正解だったが、決して正確ではない。 悪ぶっているだけの小娘、多少手は焼いても自分の言いように出来るさ。 そんな風に、楽観視していたのだろう。 だからこそ、彼にはルイズという少女を蝕む黒い毒の濃度や危険性を、理解することはできなかったのだ。 結果は、凄惨なものだった。 彼は自身の命を、不正解の代償として支払った。 「残念ながら――」 ルイズはワルドを見下ろして、微笑んだ。 その手には、小さなナイフが握られている。 白刃は朱に染まり、ぽたり、と赤い雫が落ちた。 「私の人生に、あなたは必要ないのよ、ワルド。これからも、ずーっとね」 「ミス・ヴァリエール、君は……」 目の前で突然に起こった惨事に、ウェールズの判断力はうまく機能していなかった。 「感謝してほしいですわね、王子様」 ルイズはにたり、と笑う。 「もう少しで無駄死にするところを、助けてあげたんだから――」 「どういうことだ!」 「知らなかったんでしょうけど、この男はレコン・キスタのスパイ。アンリエッタ姫殿下の手紙を狙ってたのよ。ついでに、あなたの命も」 「なに!!」 ルイズの言葉に、ウェールズは瞠目する。 では、自分はみすみす罠にはまり、敵の手にかかろうとしていたのか? 「まあ、結果はご覧の通りですけれど。」 「…………」 「聞いてるの、皇太子殿下?」 黙っているウェールズを、ルイズはもはや敬意の欠片もない目つきで睨み、怒鳴る。 「死にたがりの馬鹿、その安い命を助けてやったって言っているの。〝ありがとう〟くらい言いなさいよ、人として」 「くっ……」 結果としみれば、そうだ。 だが、ウェールズは何か納得できなものがあった。 それは何だ? この無礼極まりないな態度にだろうか? いや、そうじゃないのだ。 何かが……。 「……助けてもらったことには礼を言おう。アンの手紙は……」 「ふん」 ルイズはワルドを蹴り飛ばして仰向けにすると、その懐中から封書を取り出した。 「こんなもの一つで、同盟が消えたりつながったりする。くだらない話よね」 そう言って、ルイズはそれをゴミのように破り捨て、手の平でふっと吹き飛ばした 「では、皇太子殿下――おやすみなさい」 ルイズはすいと、右手をウェールズに差し向けた。 いきなり、黒いものがウェールズの顔に張り付く。 「……!? !!!」 松やみのような粘性を帯びたその黒いものは、いくらか引き剥がそうとしても取れない。 もがくウェールズに近づき、ルイズはボディに軽い一撃を与えた。 ぐらりと倒れる皇太子を受け止めて、 「言ったでしょう? 生き恥をさらしてもらうって……。少なくとも――」 アンリエッタとハッピーなエンディングなんてありえないから。 ルイズは楽しそうに笑うと、ウェールズを抱えて礼拝堂を後にした。 レコン・キスタの総攻撃により、ニューカッスルの城が陥落したのは、そのすぐ後のことだ。 しかし、彼らは次の標的を狙う前に、消息不明となったウェールズの捜索をしなければならなかった。 ロングビル、土くれのフーケ。 いくつもの呼び名を持つその女が、長く深い混濁の中から目を覚ました時、最初に見たのは見知らぬ天井だった。 痛む体を無言で叱りつけ、ひりひりと叫ぶ骨や肉を強引に動かしながら起き上がる。 ひと目で、安物だとわかる宿の中だった。 かすかに、酒と煙草の匂いが鼻についてくる。 すぐそばにそういったものがある……というわけではなく、長い年月の中、部屋にしみこんだ匂いらしかった。 それに加わり、フーケの鼻をつつくのは強い香水の香りだった。 明らかに、女物のそれである。 長すぎる眠りのせいで、どんよりと頭は曇っていたが、自分がそこに一人なのではないと理解すると、すぐさま警戒心が沸き起こる。 ベッドのそばの椅子で、大柄な男が眠り込んでいた。 どうすべきか、フーケは判断に迷った。 自分の体を見るとほとんど下着同然の格好で、おまけに包帯だらけだ。 体中が痛むのも、まだ治りきっていないせいだろう。 死ぬという最悪の事態は避けられたようだが、今が好ましい状況であるとも言い切れない。 窓から外をうかがうと、ここがラ・ロシェールの街であることはわかった。 そもそも、この男はなんだ? どうやらメイジではないようだが、どこか判断のつきにくいタイプである。 そこで気づいたことだが、部屋に漂う香水の香りは、この男から匂ってくる。 こいつ、女物の香水つけてやがるのか? 舌打ちをもらすと、ドアの向こうから足音が聞こえてきた。 本能的に杖を抜こうとするが、自分の手元にそれがないことに気づく。 オタオタしているところへ、ドアが開かれた。 「あら、気がついたのお姉さん」 入ってきたのは、これまたフーケの予想していなかった相手であった。 黒いストレートヘアをした、若い娘だった。 なかなかの美人で、太い眉が明るく活発な印象を与える。 「あの……あなたがたは?」 弱々しげな仮面をかぶりながら、フーケは娘に尋ねる。 「あたし? あたし、ジェシカ? そこで寝てるのはあたしのパパ」 娘は、椅子で眠る男を見やってから、何かの包みを取ってくると、フーケに渡す。 「それ、あなたの荷物ね。ほとんどボロボロだったけど、一応取っておいたわ」 「ありがとうございます……」 あらためてみると、そこにはフーケの衣服と財布、予備の杖もあった。 娘の言うとおり、みんなボロボロだが、杖はどうにか使えそうだった。 「ねえお姉さん、一体どうしてあんな道端でぶっ倒れてたの?」 フーケを見ながら、ジェシカは言う。 「あたしとお父さんが見つけた時には、全身大火傷で危なかったのよ」 「そうでしたか……」 心の中、フーケはあのキザな髭と、真っ黒い化け物に呪詛を吐いた。 あいつらのおかげでこんな目に……ちくしょうめ。 目まぐるしく思考をしていたフーケは、さらに重要なことを思い出す。 そうだ、もうすぐレコン・キスタは王党軍に総攻撃をするはずだった。 まさか、あの戦力差で負けると思えないが、もしも――ということもある。 「あのぉ……確かアルビオンでは、内乱が起こっていたと聞いていますが」 「ああ、確か何日か前にお城が落ちたって」 ジェシカは言いながら、ちょっと声を潜めた。 「でも、お城を落としたはいいけど、貴族派だかレコンなんたらは、困ってるみたいね」 「はあ……」 困っている? 民が彼らを歓迎しておらず、統治が進んでいないのだろうか。 「それがさあ、幽霊が出るらしいのよ」 「ゆ、幽霊?」 おかしな話になってきた、とフーケは眉を上下に動かした。 古戦場跡にはそういった噂や伝説が残っているものだが、まだ戦火も消えきっていないようなところで、そんな話が出るというのは珍しい。 「ええ、レコン・キスタの兵隊が何人も見てる……っていうか、実際にそいつに何人も殺されてるんだって」 こっちに降りてきた傭兵たちが噂してるわ、とジェシカは言った。 「それは、王党派の生き残りとか、そういったことでは?」 「フツーそう考えるよねえ。でもさ、見た人の話じゃ、マジで人間じゃなかったらしいよ?」 話しているうちに、自分自身も興奮してきたらしく、ジェシカは熱心に話し始めた。 真っ黒い、得体の知れない化け物が夜な夜な出現して、レコン・キスタの兵隊を惨殺しているという噂を。 普通の傭兵ばかりではなく、その中には士官も入っていたのだという。 真っ黒い化け物……。 その言葉に、フーケは嫌というほど覚えがある。 レコン・キスタを恐怖させているのは、おそらく―― 人間よりもはるかに強靭であるオーク鬼や、巨体を誇るトロール鬼さえも文字通りバラバラにされて、死体を晒されている。 そこまで聞いて、フーケは幽霊の正体を確信した。 同時に、いてもたってもいられないような不安に陥っていた。 自分の〝家族〟がいる国に、あいつがいる……。 ニューカッスル陥落後、傭兵として参戦していた男は、敗残兵を捜して仲間と共に森の中を走っていた。 まだ消息の知れない皇太子を探すということも目的の一つにあった。 うまく見つけて首でも取れば、たんまりと褒賞金が出る。 欲に駆られ、ウサギでも狩るような気分で捜索部隊は走っていた。 しかし、気がついた時、男はいつの間にか一人になっていた。 行動を同じくしていた仲間は、どこにも見えない。 大声で呼びかけてみても、森の中に虚しく響くだけだった。 仲間の名前を呼びながら走るうち、木の上から大きなものがぶら下がっているを発見する。 それが、仲間の死体だと理解するのにそれほど時間はかからない。 鋭い太刀筋で急所を切り裂かれた遺体には、すでに蝿がたかり出していた。 ゾッとした恐怖が、背中を突き抜けた。 遊ばれていると、感じた。 何か巨大なものが、まるで蟻でも見下ろすように、自分を観察し、どうやって遊ぼうかと思案している。 そんな妄想がわき上がってきた。 あわてて逃げ出そうとした時は、すでに手遅れだった。 不意に、ただ強い力というには、あまりにも凄まじく無慈悲なものが男を地面に叩きつけた。 背中を強打し、呼吸が出来なくなったところを、真っ黒なものが自分を見下ろしていることに気づく。 蜥蜴か蟲か判別のつかないその黒い悪魔は、牙の並ぶ口から、毒蛇を思わせる舌をのぞかせ、笑っていた。 「Good-night,Baby」 女の声? 男が疑問に抱く間もなく、怪物の手にした剣が男の首を胴体から切り落とした。 前ページ次ページGIFT
https://w.atwiki.jp/22shisakki/pages/273.html
16.漢書多載有用之文 晉張輔論史、漢優劣,謂司馬遷敍三千年事惟五十餘萬言,班固敍二百年事乃八十餘萬言,以此分兩人之高下。然有不可以是爲定評者,蓋遷喜敍事,至於經術之文,幹濟之策,多不收入,故其文簡。固則於文字之有關於學問,有繋於政務者,必一一載之,此其所以卷帙多也。今以漢書各傳與史記比對,多有史記所無而漢書增載者,皆係經世有用之文,則不得以繁冗議之也。摘開于後。 賈誼傳,史記與屈原同傳,以其才高被謫,有似屈原,故列其弔屈賦、鵩鳥賦,而治安策竟不載。按此策皆有關治道,經事綜物,兼切於當日時勢,文帝亦多用其言,何得遺之?漢書全載。 晁錯傳載其教太子一疏,言兵事一疏,募民徙塞下等疏,賢良策一道,皆有關世事國計。 路温舒傳載尚德緩刑疏。 賈山傳載其至言。 鄒陽傳載其諷諫呉王濞邪謀一書。 枚乘傳載其諫呉王謀逆一書。 韓安國傳載其與王恢論伐匈奴事,恢主用兵,安國主和親,反覆辯論,凡十餘番,皆邊疆大計。 公孫弘傳載其賢良策,并待詔時上書一道,帝答詔一道。 以上皆史記無而漢書特載之者。其武帝以後諸傳,亦多載有用章疏。 韋元成傳載其宗廟議禮之文,原本經義,可爲後世法,而并及匡衡、王舜、劉歆等所論廟制。按匡衡等皆元成以後之人,與元成何渉?以其於禮制互相發明,故并載元成傳内。 匡衡傳載其所上封事,元帝時論教化之原,成帝時論燕私之累,皆有關君德。 總計漢書所載文字皆有用之文。至如司馬相如傳所載子虚賦、喩蜀文、諫獵疏、宜春宮賦、大人賦,(史記亦載。)揚雄傳載其反離騷、河東賦、校獵賦、長楊賦、解嘲、解難、法言序目,此雖無關於經術政治,而班固本以作賦見長,心之所好,愛不能捨,固文人習氣,而亦可爲後世詞賦之祖也。
https://w.atwiki.jp/eternal-dreamer/pages/2348.html
ロスファンTOP ミッション シンクロストライク マイシンクロ 属性付加 特殊効果 1 1ミニ 2 2ミニ 3 3ミニ 4 5 6 7 8 外伝1 外伝2 外伝3 外伝4 マルチ 外伝Episode 4 外伝Episode 4カードリスト エボ一覧 ステータス一覧 外伝ミッション カードリスト ガチャ LC0491オルメカ皇太子ジュノー LC0492いつくしみ深きアイシャ LC0493静かなる枢機卿レジム LC0494微笑みの貴公子ナルサス LC0495仁の枢機卿セレーネ LC0496侵攻軍司令官ランティス LC0497近衛師団長クルーガー LC0498麗しの騎士カリン VS LC0499昂進する刺客ヴォルク エボ LC0500ジュノー受け継がれし力 LC0501アイシャ蒼氷の女騎士 LC0502レジム解かれた封印 LC0503ナルサス復讐の狂剣 LC0504セレーネ紅蓮の舞 LC0505ランティス孤高の瞑想 LC0506クルーガー鉄壁の双剣 LC0507カリン駆け抜ける疾風 LC0508ヴォルク大地の唸り イベント サポート エボ一覧 ガチャ 確 エボ前 確定値 必要枚数 合計 エボ後 確 LC0491オルメカ皇太子ジュノー (18,21,18,26,21) (9,9,9,13,10) 50枚 LC0500ジュノー受け継がれし力 確 LC0492いつくしみ深きアイシャ (18,23,18,22,19) (10,10,10,10,10) 50枚 LC0501アイシャ蒼氷の女騎士 確 LC0493静かなる枢機卿レジム (17,17,23,15,13) (9,9,12,8,7) 45枚 LC0502レジム解かれた封印 確 LC0494微笑みの貴公子ナルサス (18,16,16,22,13) (9,9,9,11,7) 45枚 LC0503ナルサス復讐の狂剣 確 LC0495仁の枢機卿セレーネ (20,15,18,13,12) (10,9,9,8,4) 40枚 LC0504セレーネ紅蓮の舞 確 LC0496侵攻軍司令官ランティス (16,20,14,18,9) (9,10,8,9,4) 40枚 LC0505ランティス孤高の瞑想 確 LC0497近衛師団長クルーガー (20,12,16,13,15) (12,7,9,7,5) 40枚 LC0506クルーガー鉄壁の双剣 確 LC0498麗しの騎士カリン (17,13,22,12,11) (9,7,13,7,4) 40枚 LC0507カリン駆け抜ける疾風 VS 確 エボ前 確定値 必要枚数 合計 エボ後 確 LC0499昂進する刺客ヴォルク (12,17,12,22,10) (7,9,7,12,4) 39枚 LC0508ヴォルク大地の唸り ステータス一覧 ガチャ 生 攻 防 属性初期値 特殊効果 マイシン 属性最大値 LC0491オルメカ皇太子ジュノー 3200 405 355 9 12 9 13 11 シンクロ水属性+10土属性+10 土 22 36 27 38 30 LC0492いつくしみ深きアイシャ 3150 400 350 9 13 8 12 9 シンクロ水属性+10土属性+10 水 26 38 22 36 27 土(レア) LC0493静かなる枢機卿レジム 3050 370 350 8 8 11 7 6 風属性+7防御力+7 風 32 24 38 25 20 LC0494微笑みの貴公子ナルサス 3100 375 335 9 7 7 11 6 シンクロ土属性+7攻撃力+7 土 32 23 26 38 20 LC0495仁の枢機卿セレーネ 2950 355 325 10 6 9 5 8 シンクロ火属性+5風属性+5 火 32 22 30 18 26 LC0496侵攻軍司令官ランティス 2850 350 325 7 10 6 9 5 水属性+5攻撃力+5 水 25 36 16 34 14 LC0497近衛師団長クルーガー 2750 345 325 8 5 7 6 10 シンクロ機属性+7 ? 34 14 23 16 36 LC0498麗しの騎士カリン 2650 345 320 8 6 9 5 7 シンクロ風属性+7 ? 34 16 36 14 21 VS 生 攻 防 属性初期値 特殊効果 マイシン 属性最大値 LC0499昂進する刺客ヴォルク 2500 325 310 5 8 5 10 6 シンクロ攻撃力+10 ? 16 28 14 42 18 エボ 生 攻 防 属性初期値 特殊効果 マイシン 属性最大値 LC0500ジュノー受け継がれし力 3400 420 380 10 14 12 15 13 シンクロ水属性+15土属性+15 ? 26 44 32 46 38 LC0501アイシャ蒼氷の女騎士 3250 415 375 10 15 10 14 11 シンクロ水属性+15土属性+15 水 30 46 26 44 36 土(レア) LC0502レジム解かれた封印 3200 395 360 8 11 14 9 8 風属性+10防御力+10 ? 34 26 42 40 30 LC0503ナルサス復讐の狂剣 3300 400 345 11 8 9 14 8 シンクロ土属性+10攻撃力+10 ? 40 30 34 42 26 LC0504セレーネ紅蓮の舞 3150 375 335 12 8 10 7 9 シンクロ火属性+7風属性+7 ? 40 24 36 22 30 LC0505ランティス孤高の瞑想 3050 370 335 9 11 8 10 6 水属性+7攻撃力+7 ? 30 40 22 38 20 LC0506クルーガー鉄壁の双剣 2950 360 340 10 6 8 7 11 シンクロ機属性+10 ? 36 20 30 22 38 LC0507カリン駆け抜ける疾風 2850 360 335 9 7 10 6 8 シンクロ風属性+10 ? 36 22 38 20 28 LC0508ヴォルク大地の唸り 2700 335 320 6 9 6 10 7 シンクロ攻撃力+20 ? 22 30 20 47 23 イベント 生 攻 防 属性初期値 特殊効果 マイシン 属性最大値 外伝ミッション ■ アクセスカウンター ■ 今日 - 昨日 - 総計 -
https://w.atwiki.jp/arcanaaria/pages/75.html
見出し 概要 カルツェン猟兵隊 初代カルツェン森林伯ズンブルト1世 真相 概要 神聖イルニクス帝国を構成する領邦の一つ。危険な森林を突っ切る街道とそれに沿う宿場町、関所兼領主の居城から成る交通の要衝であり、過去には帝国直轄領の一つとして皇帝の代官により治められていた。 住民は各地から集まる旅人を応対するために多言語習得者が珍しくなく、また自然の中で生きるための粘り強さと機転を備えている。人族と獣人、ウッドエルフが中心で、ハイエルフやドワーフはごく少ない。 ニコラス三世の治世初頭、代官が反乱を画策して失脚し、これを好機と見た土地無し貴族ズンブルト(当時)が「権力の空白を避けるため」に冒険者の一団を率いて関所を占拠するという事件が発生。実権を確立できていなかった上にお人好しである皇帝は追認を余儀なくされ、かくしてカルツェン森林伯領は成立した。 即位して間もない君主が避けては通れない、ありがちな一歩後退、それがカルツェン森林伯領成立への一般的な評価だが…? カルツェン猟兵隊 クロスボウとハンティングナイフを使いこなす軽装歩兵部隊。神聖イルニクス帝国軍の一部で、カルツェン森林伯の手勢。遠征には参加しないし募兵も地元で行う地域密着型。 カルツェンを通る街道は危険な森林を突っ切るという性質上常に魔物や猛獣に脅かされているため、地元猟師達は組織化の道を選んだ。やがて猟師組合は民兵隊に発展して猟兵隊と名を改め、カルツェン代官区(当時)の事実上の正規戦力となる。 ある時、皇太子ニコラス(当時)が鍛錬代わりの狩猟のためとして何度も代官区を訪れ、民兵隊をお供に多いに楽しんだ。彼は猟兵達と歓談し、猟兵隊の将来のあり方について助言を与えたという。武勇に優れる皇太子は森林の奥深くでの危険な狩猟を好んだため、今となっては詳しい内容を知るのは彼と古参猟兵のみ。 カルツェン森林伯領が成立して以降も猟兵隊は魔物や猛獣と戦い、鍛え上げた射撃と隠密と追跡の技を示し続けている。しかし一部の兵員が訓練や狩りにしては長い期間、森から帰らないことが時折りあるようだが…? 初代カルツェン森林伯ズンブルト1世 カルツェン森林伯領を治める老貴族。神聖イルニクス帝国諸侯の一員。さる名門の出身だが、後にズンブルト・フォン・カルツェンを名乗りカルツェン家を立てた。 男子の多い家門に生まれたために土地を継承できる見込みが無かったことでヤケになり、ごろつき紛いの底辺冒険者を食客と称して連れ回す荒れた少年期を過ごした。「食客」の食い扶持は父にせびった金銭で賄ったという。 青年期、ニコラス3世が帝位につくと自堕落な生活を反省し、新帝即位のどさくさに紛れ自力で領地を切り取ることを決意。代官失脚により一時的に支配者不在状態にあったカルツェン地方に目をつけ、長い付き合いで忠誠心らしきものが芽生えていた「食客」達を率いて同地を占拠、首尾よく森林伯の位を手に入れた。父はこれ幸いとズンブルトに自立を強く薦めて新家門を立ち上げさせ、事実上の勘当を成し遂げることとなる。 その後は「食客」達にカルツェン猟兵隊の下での雑用という定職を与えてやりつつ大過無く自領を治め、一粒種の息子との共同統治で余生を過ごしている。加齢と若き日の不摂生が祟って体調を崩しがちなようで、猟兵隊を閲兵する時など特に顔色が悪いそうだが…? 真相 カルツェン猟兵隊とはカルツェン地方を守る部隊で、同時に皇帝ニコラス三世が皇太子時代に地盤固めの布石として仕立てた暗殺部隊でもある。森林伯への忠誠心は皆無で、愛郷心と皇帝への忠誠心に基づいて行動する。 地方の性質上、隊員は多言語を習得しているので各地に潜入しやすい。猟師としてのスキルも暗殺の役に立つ。 カルツェン森林伯領成立は代官失脚に伴う皇帝のアドリブであり、暗殺部隊設立の隠れ蓑に過ぎない。統治の中で薄々それを理解したので、ズンブルトは猟兵隊を恐れている。
https://w.atwiki.jp/shintouzyo/pages/382.html
唐書巻九十九 列伝第二十四 李綱 安仁 安静 李大亮 道裕 迥秀 戴冑 至徳 劉洎 楽彦瑋 崔仁師 湜 液 澄 李綱字文紀、観州蓨人。少慷慨、尚風節。始名瑗、慕張綱為人、改焉。仕周為斉王憲参軍事。宣帝将殺憲、召僚屬誣左其罪、綱矢死無橈辭。及憲誅、露車載尸、故吏奔匿、綱撫棺號慟、為瘞訖、乃去。 事隋為太子洗馬。太子勇宴宮臣、左庶子唐令則奏琵琶、又歌武媚娘曲。綱曰:「令則官調護、乃自比倡優、進淫聲、惑視聽、誠使上聞之、豈不為殿下累乎?臣請正其罪。」勇曰:「置之、我欲為楽耳!」後勇廢、文帝切讓、官屬無敢對、綱獨曰:「陛下不素教、故太子至此。太子資中人、得賢者輔而善、得不肖導而惡、奈何歌舞鷹犬纖兒使日侍側?何特太子罪邪?」帝曰:「以汝為洗馬、何不擇人?」綱曰:「臣非東宮得言者。」帝曰:「朕過矣!」擢尚書右丞。時楊素・蘇威用事、綱据正不詭迎隨、素等参憾。會大将軍劉方討林邑、素言林邑多珍貲、非綱不可任、遂署行軍司馬。方揣素指、数危辱之、幾殆。軍還、不得調。稍除斉王府司馬。復詔出南海、應接林邑。久不召、乃身入奏。威劾綱擅去所部、以屬吏。會赦免、屏居鄠。大業末、賊帥何潘仁劫為長史。 高祖平京師、綱上謁、授丞相府司録参軍、封新昌県公、領選舉。受禪、拜礼部尚書兼太子詹事。斉王元吉為并州総管、縱左右攘奪、民愁苦、宇文歆諫、不聽、騰状顯言、王坐免。俄而復留、下危惴。劉武周入太原、元吉懼、棄軍奔京師、并州陷。帝怒、謂綱曰:「王年少、不習事、故以歆及竇誕佐之。太原、興王地、兵十万、粟支十年、奈何一旦棄去?歆建此計、我當斬于軍。」綱曰:「王過惡、誕養成之。歆事王淺、有闕必諍。今賴歆計、使陛下不失愛子、且有功、又可加罪乎?」翼日、帝悟、引綱升御榻、勞曰:「卿不言、我幾濫罰。」於是釋歆、然猶貸誕也。 帝以舞工安叱奴為散騎常侍、綱諫曰:「周家均工楽胥不得預士伍、雖復妙如師襄、才如子野、皆繼世不易業。故魏武使禰衡撃鼓、衡先解朝衣、曰:『不敢以先王法服為伶人衣。』斉高緯封曹妙達為王、以安馬駒開府、有国家者、可為鑒戒。今新造天下、開太平之基、功臣賞未及、高才猶伏草茅、而先令舞胡鳴玉曳組、位五品、趨丹地、殆非創業垂統・貽子孫之道也。」帝不納。 綱在東宮、太子建成尤加礼、嘗游温湯、綱疾不從。有進魚者、太子使膾之、唐倹・趙元楷自言其能。太子曰:「操刀膾鯉和鼎味、公等善之。若弼諧審諭、固屬綱矣。」遣使賜絹二百匹。後太子寖狎亡賴、猜間朝廷、綱頻諫不見聽、遂乞骸骨。帝罵曰:「卿為潘仁長史、而羞朕尚書邪?」綱頓首曰:「潘仁、賊也、志殘殺、然毎諫輒止、為其長史、故無愧。陛下功成、厚自伐、臣言如持水内石、敢久為尚書乎?且臣事東宮、東宮又與臣忤、是以上印綬。」帝謝曰:「知公直士、幸卒輔吾兒。」乃拜太子少保、尚書・詹事如故。綱上書太子曰:「綱老矣、幸未就木、備位保傅、冀得効愚鄙。日殿下飲酒過量、非養生之道。凡為人子、務孝謹、以慰上心、不宜聽受邪説、與朝廷生惎間。」太子覽書不懌、所為益縱。綱悒悒不自賴、固請老、優詔解尚書。帝以綱隋名臣、手敕未嘗名。 貞観四年、復為少師。以足疾賜歩輿、聽乘至閤、問以政事。詣東宮、太子承乾為拜、毎聽政、必詔綱與房玄齡・王珪侍坐。嘗言曰:「託六尺之孤、寄百里之命、古人為難、綱以為易!」故發言陳事、毅然不可奪。及疾、帝遣玄齡至家存問。明年卒、年八十五、贈開府儀同三司、謚曰貞、太子為立碑。 初、斉王憲女嫠居、綱厚卹之。及卒、女被髮號哭、如喪其親然。綱在隋、宦不進、筮之得鼎。筮人曰:「君當為卿輔、然待易姓乃如志。仕不知退、折足為敗。」故綱雖顯於唐、数稱疾辭位云。 孫安仁・安静。 安仁、永徽中為太子左庶子、太子忠廢還邸、寮屬奔散、獨安仁泣拜而去。終恆州刺史。 安静、天授中為右衛将軍。武氏革命、群臣皆勸進、安静獨無所請。及收繋獄、來俊臣問状、安静曰:「正以我唐舊臣、殺之可也。若詰其状、吾誰欺?」俊臣誣殺之。會昌中、録忠臣後、訪子孫已絶、乃贈安静太子少師。 自綱五世同居、安仁・安静復以義烈聞、世稱李氏不衰。 李大亮、京兆涇陽人。祖琰、為魏度支尚書。大亮有文武才略、隋末、署龐玉行軍兵曹。李密寇東都、玉戰敗、大亮被禽。賊将張弼異之、就執百餘人皆死、獨釋大亮、引與語、遂定交。 高祖入關、大亮自歸、授土門令。方歳飢、境多盜賊。大亮招亡散、撫貧瘠、賣所乘馬、稍稍資業之、勸墾田、歳大熟。間出撃盜、所至輒平。秦王行北境、下書勞、賜馬五乘、帛五十段。頃之、胡賊大至、大亮度不能拒、乃單馬詣営説豪帥、為分別禍福、賊衆感服、遂相率降。大亮殺所乘馬與之食、至歩而返。帝聞之悅、擢金州総管府司馬。王弘烈據襄陽、詔大亮安撫樊・鄧、因圖之、進撃、下十餘城。遷安州刺史。復使徇廣州、至九江、會輔公祏反、以計禽其将張善安。公祏方圍猷州、刺史左難當固守、大亮率兵撃走之。遷越州都督。 貞観初、徙交州、封武陽県男。召授太府卿、復出涼州都督。嘗有臺使見名鷹、諷大亮獻之。大亮密表曰:「陛下絶畋獵久矣、而使者求鷹。信陛下意邪、乃乖昔旨。如其擅求、是使非其才。」太宗報書曰:「有臣如此、朕何憂!古人以一言之重訂千金、今賜胡瓶一、雖亡千鎰、乃朕所自御。」又賜荀悅漢紀、曰:「悅論議深博、極為政之體、公宜繹味之。」 時突厥亡、帝遂欲懐四夷、諸部降者、人賜袍一領・帛五匹、首領拜将軍・中郎将、列五品者贏百員。又置降胡河南。詔大亮為西北道安撫大使、使以綏大度設・拓設・泥熟特勒及七姓種落之未附者、峙糧磧口賑其飢。大亮上言:「臣聞欲綏遠者必自近。中国、天下本根、四夷猶枝葉也。殘本根、厚枝葉、而曰求安、未之有也。屬者突厥傾国入朝、陛下不即俘江淮變其俗、而加賜物帛、悉官之、引處内地、豈久安計哉?今伊吾雖臣、遠在荒鹵。臣以為諸稱藩請附者、宜羈縻受之、使居塞外、畏威懐徳、永為藩臣。謂之荒服者、故臣而不内、所謂行虚惠、收實福。河西積困夷狄、州県蕭條、加因隋亂、殘耗已甚。臣愚願停招慰、省勞役、使邊人得就農、此中国利也。」帝納其計。 八年、為劍南道巡省大使。會討吐谷渾、為河東道行軍総管、與李靖倶出北道、渉青海、観河源、與虜遇蜀渾山、大戰、破之、俘其名王、獲雜畜数万、進爵為公。拜右衛大将軍。晉王為皇太子、詔大亮兼右衛率、又兼工部尚書、身三職、宿衛兩宮。毎番直、常假寐。帝勞曰:「公在、我得酣臥。」 十八年、幸洛陽、詔副房玄齡居守。玄齡稱「有王陵・周勃節、可倚大事」。俄寢疾、帝親和藥、驛賜之。臨終、表請罷遼東役。又言京師宗廟所在、願以關中為意。就、歎曰:「吾聞男子不死婦人手!」命屏左右、言終卒、年五十九。将斂、家無珠玉為含、惟貯米五斛・布三十端。帝哭為慟。贈兵部尚書・秦州都督、謚曰懿、陪葬昭陵。 大亮性忠謹、外若不能言、而内剛烈、不可干非其義。對天子爭是非、無回撓。至妻子未始見墯容、事兄嫂以礼聞。位通顯、居陋狹甚。在越州寫書数百巻、及去、留都督署。初、破公祏、以功賜奴婢百口、謂曰:「而曹皆衣冠子女、不幸破亡、吾何忍録而為隸乎?」縱遣之。高祖聞、咨美、更賜俚婢二十。後破吐谷渾、復賜奴婢百五十口、悉以遺親戚。葬宗族無後者三十餘柩、貲襚加焉。 嘗以張弼脱其死、及貴、念有以報之。時弼為将作丞、匿不見、大亮求之不能得。一日、識諸涂、持弼泣、悉推家財與之、弼拒不受。乃言於帝曰:「臣及事陛下、張弼力也、願悉臣官爵授之。」帝為遷弼中郎将・代州都督。世皆賢大亮能報、而多弼不自伐也。歿後、所育孤姓為大亮行服如所親者十餘人。 兄子道裕、貞観末為将作匠。有告張亮反者、詔百官議。皆言亮當誅、獨道裕謂反形未具。帝怒不暇省、斬之。歳餘、刑部侍郎缺、宰相屢進名、不可。帝曰:「朕得之矣。是嘗議張亮者、朕時雖不從、今尚悔之。」遂命道裕。終大理卿。 大亮族孫迥秀。 迥秀字茂之。及進士第、又中英才傑出科。調相州参軍事。累轉考功員外郎。武后愛其材、遷鳳閣舍人。大足初、検校夏官侍郎、仍領選、銓汰文武、號稱職、進同鳳閣鸞臺平章事。張易之兄弟貴驕、因橈意諧媚、士論頓減。俄坐贓貶廬州刺史。易之誅、貶衡州長史。中宗即位、召授将作少監。累遷鴻臚卿・脩文館學士。出朔方道行軍大総管、還拜兵部尚書。卒、年五十、贈侍中。 迥秀少聰悟、多通賓客。喜飲酒、雖多不亂、當時稱其風流。母少賤、妻嘗詈媵婢、母聞不楽、迥秀即出其妻。或問之、答曰:「取婦要欲事姑、苟違顏色、何可留?」武后嘗遣内人候其母、或迎置宮中。後所居堂産芝草、犬乳鄰、中宗以為孝感、旌大門閭。 子斉損、開元中以謀逆誅。 戴冑字玄胤、相州安陽人。性堅正、幹局明彊、善簿最。隋末、為門下録事、納言蘇威・黄門侍郎裴矩厚礼之。為越王侗給事郎。王世充謀簒、冑説曰:「君臣大分均父子、休戚同之。公當社稷之任、與存與亡、正在今日。願尊輔王室、擬伊・周以幸天下。」世充詭曰:「善。」俄脅九錫、冑又切諫、不納。出為鄭州長史、使與王行本守武牢。秦王攻拔之、引為府士曹参軍、封武昌県男。 大理少卿缺、太宗曰:「大理、人命所繋、冑清直、其人哉。」即日命冑。長孫无忌被召、不解佩刀入東上閤。尚書右僕射封徳彝論監門校尉不覺、罪死當。无忌贖。冑曰:「校尉與无忌罪均、臣子於尊極不稱誤。法著:御湯劑・飲食・舟船、雖誤皆死。陛下録无忌功、原之可也。若罰无忌、殺校尉、不可謂刑。」帝曰:「法為天下公、朕安得阿親戚!」詔復議、徳彝固執、帝将可。冑曰:「不然。校尉縁无忌以致罪、法當輕。若皆誤、不得獨死。」繇是與校尉皆免。 時選者盛集、有詭資蔭冒牒取調者、詔許自首。不首、罪當死。俄有詐得者、獄具、冑以法當流。帝曰:「朕詔不首者死、而今當流、是示天下不以信、卿賣獄邪?」冑曰:「陛下登殺之、非臣所及。既屬臣、敢虧法乎?」帝曰:「卿自守法、而使我失信、奈何?」冑曰:「法者、布大信於人。言乃一時喜怒所發。陛下以一朝忿将殺之、既知不可而寘於法、此忍小忿・存大信也。若阿忿違信、臣為陛下惜之。」帝大感寤、從其言。冑犯顏據正数矣、参處法意、至析秋豪、隨類指擿、言若泉涌、帝益重之。遷尚書左丞。矜其貧、特詔賜錢十万。 會僕射蕭瑀免、封徳彝卒、帝謂冑曰:「尚書総国綱維、失一事、天下有受其弊者。今以令・僕委卿、宜副朕舉。」冑明敏、長于操決、無宿疑。議者美其振職、謂武徳以來殆無其輩。復拜諫議大夫、與魏徴更日供奉。進民部尚書。社如晦遺言、請以選舉委冑、由是検校吏部尚書。然好抑文雅、法吏、時以寡學為訾。 貞観四年、以本官参豫朝政、進爵郡公。帝将脩復洛陽宮、冑上疏諫曰:「比關中・河外置軍團、彊夫富室悉為兵、九成之役又興、司農・将作見丁無幾。大亂之後、戸口單破、一人就役、舉室捐業。籍軍者督戎仗、課役者責糧齎、竭貲經紀、猶不能濟。七月以來、霖潦未止、濱河南北、田正洿下、年之有亡未可知。壯者盡行、賦調不給、則帑藏虚矣。今宮殿足庇風雨・容羽衛、数年後成、猶不謂晩、何憚而遽自生勞擾邪?」帝覽奏、罷役。冑所敷内、縁政得失、咸有可観。奏已、即削、祕外莫知。帝嘗謂左右曰:「冑於我非肺腑親、然事之機切無不聞、惟其忠所激耳。」 七年、卒、帝為舉哀、贈尚書右僕射、追封道国公、謚曰忠。以第舍陋不容祭、詔有司為立廟。聘其女為道王妃。房玄齡・魏徴與冑善、毎至生平故處、輒流涕。 冑無子、以兄子至徳為後。 至徳、乾封中累遷西臺侍郎・同東西臺三品。閲十数年、父子繼為宰相、世詫其榮。高宗嘗為飛白書賜侍臣、賜至徳曰「汎洪源、俟舟楫」、郝處俊曰「飛九霄、假六翮」、李敬玄曰「資啓沃、罄丹誠」、崔知悌曰「竭忠節、賛皇猷」、皆見意於辭云。 遷尚書右僕射。時劉仁軌為左、人有所訴、率優容之。至徳乃詰究本末、理直者密為奏、終不顯私恩。由是、當時多稱仁軌者、號仁軌為「解事僕射」。嘗更日聽訟、有嫗詣省、至徳已收牒、嫗乃復取、曰:「初以為解事僕射、今乃非是。」至徳笑還之。人伏其長者。或以問、至徳答曰:「慶賞刑罰、人主之柄、為臣豈得與人主爭也!」帝知、歎美之。儀鳳四年卒、詔百官哭其第。贈開府儀同三司・并州大都督、謚曰恭。 劉洎字思道、荊州江陵人。初為蕭銑黄門侍郎、南略地嶺表、下五十城、未還而銑敗、遂以城自歸、授南康州都督府長史。 貞観七年、擢給事中、封清苑県男、轉治書侍御史。於時、尚書省詔敕稽壅、按成復下、彌年不能決。洎言:「尚書、万機本、貞観初未有令・僕、職併務繁、左丞戴冑・右丞魏徴應事彈舉、無所回橈、百司震肅不敢懈。比者勳親在位、品非其任、功勢相傾、雖欲自彊、先懼囂謗。故郎中嘿奪、惟事咨稟。尚書依違、不得專裁。筦轄玩弛、綱紀不振。今宜精選左右丞・兩司郎中、使皆得人、非惟救曠滯之弊、固當矯拂趨競也。」未幾、拜尚書右丞。洎健于職、於是尚書復治如徴時。累加銀青光祿大夫・散騎常侍、攝黄門侍郎。 太宗好持論、與公卿言古今事、必往復難詰・究臧否。洎諫曰:「帝王之與臣庶、聖哲之與庸愚、等級遼絶、勢不倫擬。故課愚對聖、持卑抗尊、雖思自彊、不可得已。陛下降慈旨、假柔顏、虚心聽納、猶恐群臣惴縮不敢進。況以神機天辯、飾辭援古、而迮其議哉!夫天以無言為尊、聖以不言為徳、皆弗欲煩也。且多記損心、多語耗氣、心氣内損、形神外勞、初雖無覺、久且為弊。且今之雍平、陛下力行所至耳。欲其長久、匪由辯博、但當忘愛憎、慎取捨、若貞観初可矣!」手詔答曰:「非慮無以臨下、非言無以述慮。雖然、驕人輕物、恐由榷論致之。若形神心氣、不為勞也。」 皇太子初立、洎謂宜尊賢重道、上書曰:「太子宗祧是繋、善惡之習、興亡在焉。弗勤于始、将悔于末。故錯上書、令通政術。賈誼奏計、務知礼教。今太子孝友仁愛、挺自天姿、然春秋鼎盛、學當有漸。以陛下多才多藝、尚垂精厲志、以博異聞、而太子優游、坐棄白日。陛下毎退朝、引見群臣、訪以今古、咨以得失。而太子處内、不接正人、不聞正論、臣所未諭。古者、問安而退、以廣敬也。異宮而處、以遠嫌也。間者、太子一入侍、逾旬不出、師傅寮寀、具員而已、非所謂愛之也。臣愚以為授以良書、娯以佳賓、使耳所未聞、睹所未見、儲徳愈光、群生之福也。」帝於是敕洎與岑文本・馬周遞日直東宮。帝嘗怒苑西監穆裕、有詔斬朝堂、皇太子驟諫。帝喜曰:「朕始得魏徴、朝夕進諫。徴亡、劉洎・岑文本・馬周・褚遂良繼之。兒在吾膝前、見朕悅諫熟矣、故有今日言也。誠習以性成哉!」稍遷侍中。帝忽謂群臣曰:「朕今欲聞己過、卿等為朕言之。」長孫无忌・李勣・楊師道同辭對曰:「陛下以盛徳致太平、臣等愚不見其過。」洎曰:「然頃上書有不稱旨、或面窮詰、無不羞汗、恐非所以進言者路。」帝曰:「卿言善、朕能改之。」 及征遼東、詔兼太子左庶子・検校民部尚書、輔皇太子監国。帝曰:「以卿輔太子、社稷安危在焉、宜識朕意。」洎曰:「願無憂!即大臣有罪、臣謹按法誅之。」帝怪其語謬、戒曰:「君不密則失臣、臣不密則失身。卿性疏而果、恐以此敗。」洎與褚遂良不相中。帝還、不豫、洎與馬周入候、出、見遂良、泣曰:「上體患癰、殊可懼!」遂良即誣奏「洎曰:国家不足慮、正當輔少主行伊・霍事、大臣有異者、誅之。」帝愈、召洎問状、洎引馬周為左。遂良執不已、帝惑之、乃賜死。方死時、索筆牘、欲自言、有司不敢與。帝後知之、有司皆得罪。顯慶中、其子弘業詣闕訴遂良譖死状、李義府右之。高宗問近臣、給事中楽彦瑋曰:「辨之、是暴先帝過刑。」事寢。文明初、詔復官爵。 彦瑋字徳珪、長安人。麟徳元年、以西臺侍郎同東西臺三品。数月、罷為大司憲。卒、贈斉州都督。 賛曰:劉洎之才之烈、易所謂「王臣蹇蹇」者。然性剛疏、輔太子、欲身任安危、以言掩其衆、為媢忌所乘、卒陷罪誅。嗚呼!以太宗之明、蔽於所忿、洎之忠不能自申於上、況其下哉?古人以言為戒、可不慎歟! 崔仁師、定州安喜人。武徳初擢制舉、調管州録事参軍。陳叔達薦仁師才任史官、遷右武衛録事参軍、與脩梁・魏史。貞観初、改殿中侍御史。時青州有男子謀逆、有司捕支黨、纍係填獄、詔仁師按覆。始至、悉去囚械、為具食、飲湯瀋、以情訊之、坐止魁惡十餘人、它悉原縱。大理少卿孫伏伽謂曰:「原雪者衆、誰肯讓死?就決而事變、奈何?」仁師曰:「治獄主仁恕、故諺稱『殺人刖足、亦皆有礼。』豈有知枉不申、為身謀哉?使吾以一介易十囚命、固吾願也!」及敕使覆訊、諸囚咸叩頭曰:「崔公仁恕、必無枉者。」舉無異辭。由是知名。 遷度支郎中。嘗口陳移用費数千名、太宗怪之、詔黄門侍郎杜正倫持簿、使仁師對唱、無一謬。帝奇之。時校書郎王玄度注尚書・毛詩、抵孔・鄭舊學、請遂廢。詔諸儒大議、博士以下不能詰。河間王孝恭請與孔・鄭並行、仁師以玄度不經、條不合大義者奏之。玄度報罷。 遷給事中。時有司以律「反逆者縁坐兄弟沒官」為輕、詔八坐議。咸言漢・魏・晉謀反夷三族、請改從死。仁師曰:「父子天屬、足累其心、此而不卹、何愛兄弟?」房玄齡曰:「祖有蔭孫義、則孫祖親重、而兄弟屬輕。今應重者流而輕者死、非用刑意。」遂不改。 後密請魏王為太子、失帝旨、左遷鴻臚少卿。稍進民部侍郎。及征遼東、副韋挺知海運、又別知河南漕事。仁師以漕路回遠、恐所輸不時至、以便宜發近海租賦餉軍。坐運卒亡命不以聞、除名。帝還至中山、起為中書舍人・検校刑部侍郎。幸翠微宮、上清暑賦以諷。帝稱善、賜帛五十段。二十二年、遷中書侍郎、参知機務、被遇尤渥。中書令褚遂良忌之、會有伏閤訴者、仁師不時上、帝大怒、流連州。永徽初、授簡州刺史、卒。 子挹、挹子湜。 湜字澄瀾。少以文詞稱。第進士、擢累左補闕、稍遷考功員外郎。時桓彦範等當国、畏武三思惎構、引湜使陰汋其姦。中宗稍疏功臣、三思日益寵、湜反以彦範等計告三思、驟遷中書舍人。彦範等被徙、又説三思速殺之以絶人望。三思問誰可使者、乃進其外兄周利貞。利貞往、彦範等皆死。擢利貞御史中丞。湜附託昭容上官氏、数與宣淫於外。景龍二年、遷兵部侍郎、而挹為礼部侍郎。武徳以來、父子同為侍郎、惟挹・湜云。俄拜中書侍郎・検校吏部侍郎・同中書門下平章事、與鄭愔同典選。納賂遺、銓品無序、為御史李尚隱劾奏、貶江州司馬。上官與安楽公主從中申護之、改襄州刺史。未幾、入為尚書左丞。韋氏稱制、復以吏部侍郎同中書門下三品。睿宗立、出為華州刺史。俄除太子詹事。 初、湜建言山南可引丹水通漕至商州、自商鑱山出石門、抵北藍田、可通輓道。中宗以湜充使、開大昌關、役徒数万、死者十五。禁舊道不得行、而新道為夏潦奔豗、数摧壓不通。至是論功、加銀青光祿大夫。景雲中、太平公主引為同中書門下三品。進拜中書令。時挹以戸部尚書得謝、而性貪、数為人請託以干湜。湜多不從、由是父子相失。 玄宗在東宮、数至其第申款密。湜陰附主、時人危之、為寒毛。門下客獻海鷗賦以諷、湜稱善而不自悛。帝将誅蕭至忠等、召湜示腹心。弟澄諫曰:「上有所問、慎無隱。」湜不從。及見、對問失旨。至忠等誅、湜徙嶺外。時雍州長史李晉亦坐誅、歎曰:「此本湜謀、今我死而湜生、何也?」又宮人元稱嘗與湜謀進酖於帝。追及荊州賜死、年四十三。 初、在襄州、與譙王数相問遺。王敗、湜當死、賴劉幽求・張説護免。及為宰相、陷幽求嶺表、密諷廣州都督周利貞殺之、不克。又與太平公主逐張説。其猜毒詭險殆天性、雖蠆虺不若也。 與弟液・澄・從兄淮並以文翰居要官。毎宴私、自比東晉王・謝。嘗曰:「吾一門入仕、歴官未嘗不為第一。丈夫當先據要路以制人、豈能默默受制於人哉!」故進趣不已、至於敗。湜執政時、年三十八、嘗暮出端門、緩轡諷詩。張説見之、歎曰:「文與位固可致、其年不可及也。」 液字潤甫、尤工五言詩、湜歎、因字呼曰:「海子、我家亀龍也!」官至殿中侍御史。坐湜當流、亡命郢州、作幽征賦以見意、詞甚典麗。遇赦還、卒。 子論、有吏幹、乾元中為州刺史、以治行稱。大暦末、遷同州刺史、為黜陟使庚何所按、議者不直何、故復用為衢州刺史。徳宗以舊族耆年、擢大理卿、卒。 澄本名滌、玄宗改焉。帝在藩、與同里居。出潞州、賓友餞者止国門、而澄獨從至華。及即位、寵昵甚。湜既誅、帝仍念之、用為祕書監。開元二年、欲贈其父挹吏部尚書、宰相持不可、遂用四品礼葬、贈和州刺史。澄侍左右、與諸王不讓席坐。性滑稽善辯、帝恐漏禁中語、以「慎密」字親署笏端。累遷金紫光祿大夫、封安喜県子。卒、贈兗州刺史。
https://w.atwiki.jp/mafia_boss/pages/12.html
現行ラウンド 内藤武運一家 boooon_ikka -Chikuwa_Gumi(Don) 旧ラウンド おだんご一家 Odango_Ikka -Chikuwa_Gumi(Don) -moge_Gumi(Underboss) -Kitsune_gumi(Captain) 登録が完了した方はこちらにコメントを。 随時ファミリーへの招待状を送付します。 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/22shisakki/pages/190.html
104.晉書二 論晉書者,謂當時修史諸人,皆文詠之士,好採詭謬誶事以廣異聞。又史論競爲豔體,此其所短也。然當時史官如令狐德棻等,皆老於文學,其紀傳敘事,皆爽潔老勁,迥非魏、宋二書可比。而諸僭偽載紀,尤簡而不漏,詳而不蕪。視十六國春秋,不可同日語也。其列傳編訂,亦有斟酌。如陶潛已在宋書隱逸之首,而潛本晉完節之臣,應入晉史,故仍列其傳於晉隱逸之内。愍懷太子妃王衍之女,抱冤以死,而太子妃不便附入后妃傳内,則入之於列女傳。此皆位置得當者。各傳所載表、疏、賦、頌之類,亦皆有關係。如劉實傳載崇讓論,見當時營競之風也。裴頠傳載崇有論,見當時談虚之習也。劉毅傳載論九品之制有八損,李重傳亦載論九品之害,見當時選舉之弊也。陸機傳載辨亡論,見孫皓之所以失國也。豪士傳,見齊王冏之專恣也。五等論,見當時封建之未善也。傅元傳載興學校、務農功等疏,固切于時政也。段灼傳載申理鄧艾一疏,閻纘傳載申理愍懷太子一疏,以二人皆冤死也。江統傳載徙戎論,固預知劉、石之亂,尤有先見也。皇甫謐傳載釋勸論,見其安於恬退也。篤終論,見厚葬之禍也。摯虞傳載思游賦,見其安命也。今尺長於古尺論,見古今尺度之不同也。束皙傳載元居釋,見其淡於榮進也。潘尼傳載安身論,見其靜退也。釋奠頌,有關儲宮之毓德。乘輿箴,有關帝王之保治也。潘岳傳載閒居賦,見其跡恬靜而心躁競也。郭璞傳不載江賦、南郊賦,而獨載刑獄一疏,見當時刑罰之濫也。左貴嬪傳載愁思文、楊皇后誄、納繼室楊后頌,以左芬本以才著也。張載傳載七命一篇,亦以其文人而著其才也。衛恆傳載書勢一篇,以恆本工書,且備書法之源流也。惟劉頌傳載其所上封事至七、八千字,殊覺太冗。張華傳載鷦鷯賦,殊覺無謂。華有相業,不必以此見長也。元帝紀後,敘其父恭王之妃夏侯氏通小吏牛金生帝,而夏侯太妃傳内不載,諱其醜於傳而轉著其惡於紀,亦屬兩失。苻堅載記後附王猛、苻融二人,以其爲堅功臣也。苻朗不過一達士,亦附一傳。苻登載記後又附一索泮。據泮傳,又未嘗仕於堅與登也。此二傳殊贅。姚興載記,忽敘西胡梁國兒作壽冢,毎將妻妾入冢讌飲,升靈床而歌。此於興有何關係?而拉雜及之!毛德祖爲宋功臣,宋書已立傳。唐修晉書自不必以宋臣附晉臣之内。乃毛寶之傳後,又敘德祖事甚詳,蓋本毛氏家傳鈔入之,而未及刪節也。隱逸中夏統一傳,非正史記事體,蓋當時人另作夏統別傳,如五柳先生傳之類,晉書遂全録之,不復增損。閲史者靜觀,自別之也。 前頁 『廿二史箚記』巻七 次頁 晉書 104.晉書二 王導陶侃二傳褒貶失當
https://w.atwiki.jp/wiki11_library/pages/455.html
梅原猛著作集(1)聖徳太子(上) 出版社/著者からの内容紹介 太子の理想と実績、人間像を浮き彫りにする 若き政治家、聖徳太子は巧みな外交政策で日本に仏教をとり入れ、さまざまな大陸文化をもたらした。さらに冠位十二階、十七条憲法を制定する。理想の律令国家の建設に邁進する太子の事績と人間像を浮き彫りにする。 あふれる情熱と豊かな想像力で真理を探究し、人間とは何か、日本とは何かを深く思索つづけてきた梅原猛。哲学、歴史、文学、宗教、芸術など既存の枠組を越える壮大でユニークな作品群は「梅原日本学」とも称され、多くの読者を獲得してきました。本著作集では、主要著作に、新たに書き下ろし作品「法然の哀しみ」を加え、「教育問題」「地球環境問題」「長江文明論」など、著者が全力で取り組んでいる最新のテーマ作品も網羅。 目次 第1部 仏教の勝利| 聖徳太子の実像を求めて 仏教伝来の意味するもの 仏教―亡国と興国の教え 蘇我と物部の宗教戦争 物部の滅亡と法興寺の建立 第2部 憲法十七条 江戸時代の太子批判 崇峻帝の暗殺と女帝の誕生 国際政治家への第一歩 三国同盟と日本の立場 小墾田遷都と政治の革新 ほか 詳細 単行本:20.4 x 14.8 x 4.4 cm 766ページ 出版:小学館 (2003/01)
https://w.atwiki.jp/shintouzyo/pages/15.html
唐書巻五 本紀第五 睿宗 玄宗 睿宗玄真大聖大興孝皇帝は、諱を旦といい、高宗の第八子である。始め殷王に封ぜられ、冀州大都督・単于大都護を領した。成長すると温恭で学問を好み、訓詁に通じ、草書・隸書にたくみであった。豫王に徙封され、また冀王に封ぜられ、右金吾衛大将軍・洛州牧に累遷した。相王に徙封され、再び豫王に封ぜられた。武后が中宗を廃すと、立って皇帝となった。その国号を周と改めると、皇嗣となり、東宮に居住した。中宗が房州より還ると、再び皇太子となり、武后が皇嗣を封じて相王とし、太子右衛率を授けた。右羽林衛大将軍・并州牧・安北大都護・諸道元帥に累遷した。中宗が復位すると、安国相王に号を進めた。 景雲元年(710)六月壬午、韋皇后が中宗を弑すと、詔をいつわって温王李重茂を立てて皇太子とした。刑部尚書の裴談と工部尚書の張錫が同中書門下三品となった。吏部尚書の張嘉福・中書侍郎の岑羲・吏部侍郎の崔湜が同中書門下平章事となった。諸府の兵五万を発して京師に駐屯させ、韋温を総知内外兵馬とした。甲申、喪を発した。また遺詔をいつわって、自ら立って皇太后となった。皇太子が皇帝の位につくと、睿宗を参謀政事とし、大赦し、改元して唐隆といった。太后が臨朝摂政し、睿宗の参謀政事を解任して、太尉とした。嗣雍王李守礼を封じて邠王とし、寿春郡王李成器を宋王とした。丁亥、温王の妃の陸氏が皇后となった。壬辰、紀処訥・張嘉福・岑羲が節を持って関内・河南北を巡撫した。 庚子、臨淄郡王李隆基が万騎の兵を率いて北軍に入って乱を討ち、韋氏・安楽公主および韋巨源・馬秦客・駙馬都尉の武延秀・光禄少卿の楊均を殺した。辛丑、睿宗が皇帝を奉じて安福門に御し、大赦した。文武の官に階・勲・爵を賜り、天下の歳租の半分を免除した。李隆基を進封して平王とした。朝邑尉の劉幽求が中書舎人となり、苑総監の鍾紹京が中書侍郎となって、ともに機務に参知した。壬寅、鍾紹京および黄門侍郎の李日知が同中書門下三品となった。紀処訥・韋温・宗楚客・将作大匠の宗晋卿・司農卿の趙履温が処刑された。汴王李邕を左遷して沁州刺史とし、蕭至忠を許州刺史とし、韋嗣立を宋州刺史とし、趙彦昭を絳州刺史とし、崔湜を華州刺史とした。癸卯、太白(金星)が昼に見えた。平王李隆基が同中書門下三品となり、鍾紹京が中書令を代行した。張嘉福が処刑された。 甲辰、安国相王が承天門で皇帝の位につき、大赦し、長流・長任及流人未達者還之。内外の官に階・爵を賜った。再び李重茂を温王とした。乙巳、鍾紹京が宰相を退いた。丙午、太常少卿の薛稷が黄門侍郎となり、機務に参与した。丁未、平王李隆基を立てて皇太子とした。則天大聖皇后の号を復して天后といった。戊申、許州刺史の姚元之が兵部尚書・同中書門下三品となった。韋嗣立・蕭至忠が中書令となり、趙彦昭が中書侍郎となり、崔湜が吏部侍郎となり、ともに同中書門下平章事となった。 七月庚戌、衡陽郡王李成義を進封して申王とし、巴陵郡王李隆範を岐王とし、彭城郡王李隆業を薛王とした。癸丑、兵部尚書の崔日用が黄門侍郎となり、機務に参与した。丁巳、洛州長史の宋璟が吏部尚書を検校し、同中書門下三品となった。岑羲が宰相を退いた。壬戌、蕭至忠を左遷して晋州刺史とし、韋嗣立を許州刺史とし、趙彦昭を宋州刺史とし、張錫を絳州刺史とした。崔湜が宰相を退いた。丙寅、李嶠を左遷して懐州刺史とした。姚元之が中書令を兼ね、蘇が尚書左僕射となった。丁卯、唐休璟・張仁亶が宰相を退いた。己巳、大赦し、改元し、内外の官および子為父後者に勲一転を賜った。崔日用・薛稷が宰相を退いた。乙亥、崇恩廟・昊陵・順陵を廃した。皇后韋氏を追って廃して庶人とし、安楽公主を勃逆庶人とした。 八月庚寅、譙王李重福および汴州刺史の鄭愔がそむき、処刑された。癸巳、罷墨敕斜封官。裴談を左遷して蒲州刺史とした。 九月辛未、太子少師として致仕した唐休璟を朔方道行軍大総管とし、突厥に備えた。 十月乙未、天后を追号して大聖天后といった。癸卯、出義宗于太廟。 十一月戊申、姚元之が中書令となった。己酉、孝和皇帝を定陵に葬った。壬子、蘇・韋安石が宰相を退いた。宋王李成器が尚書左僕射となった。丁卯、赦霊駕所過。己巳、宋王李成器が司徒となった。 二年(711)正月己未、太僕卿の郭元振と中書侍郎の張説が同中書門下平章事となった。甲子、李重茂を徙封して襄王とした。乙丑、妃の劉氏・竇氏を追冊して皇后とした。 二月丁丑、皇太子が監国した。甲申、姚元之を左遷して申州刺史とし、宋璟を楚州刺史とした。丙戌、太子少保の韋安石が侍中となった。劉幽求が宰相を退いた。復墨敕斜封官。辛卯、屠殺を禁じた。 三月癸丑、金仙・玉真観を作った。 四月甲申、韋安石が中書令となった。宋王李成器が宰相を退いた。辛卯、李日知が侍中となった。壬寅、大赦し、文武の官に階・勲・爵を賜り、民間に三日の宴会を賜った。甲辰、玄元皇帝廟を作った。 五月庚戌、昊陵・順陵を復し、官属を置いた。壬戌、殿中監の竇懐貞が左御史台大夫・同中書門下平章事となった。 八月乙卯、大赦し、三日の宴会を賜った。丁巳、皇太子が国学で釋奠した。庚午、韋安石が尚書左僕射・同中書門下三品となった。 九月乙亥、竇懐貞が侍中となった。 十月甲辰、吏部尚書の劉幽求が侍中となり、右散騎常侍の魏知古、太子詹事の崔湜が中書侍郎となり、ともに同中書門下三品となった。中書侍郎の陸象先が同中書門下平章事となった。韋安石・李日知・郭元振・竇懐貞・張説が宰相を退いた。 十二月丁未、作潑寒胡戲。 先天元年(712)正月辛未、太廟で享した。甲戌、并・汾・絳三州で地震があった。辛巳、有事于南郊。戊子、籍田を耕した。己丑、大赦し、改元して太極といった。内外の官に階・爵を賜り、民間に五日の宴会を賜った。版授九十以上下州刺史、八十以上上州司馬。辛卯、幸安福門、観酺三日夜。壬辰、陸象先が同中書門下三品となった。乙未、戸部尚書の岑羲と左御史台大夫の竇懐貞が同中書門下三品となった。 二月丁巳、皇太子が国学で釋奠した。 この春、日照りがあった。 五月戊寅、有事于北郊。辛巳、大赦し、改元して延和といった。賜内外官陪礼者勲一転、民間に五日の宴会を賜った。 六月癸丑、岑羲が侍中となった。乙卯、大聖天后に追号して天后聖帝とした。辛酉、刑部尚書の郭元振が朔方道行軍大総管となり、突厥を討伐した。甲子、幽州都督の孫佺・左驍衛将軍の李楷洛・左威衛将軍の周以悌が奚と冷陘山で戦い、敗れた。 七月辛未、有彗星入于太微。兵部尚書の李迥秀が朔方道後軍大総管となった。乙亥、竇懐貞が尚書右僕射・平章軍国重事となった。己卯、安福門に行幸して楽を観賞したが、三日で止めた。丙戌、旱害のため膳を減らした。 八月庚子、皇太子を立てて皇帝とし、以聴小事。自尊為太上皇、以聴大事。壬寅、追号天后聖帝為聖后。甲辰、大赦し、改元し、賜内外官及五品以上子為父後者勲・爵、民酺五日。丁未、立皇太子妃王氏為皇后。戊申、皇帝の子の李嗣直を封じて郯王とし、李嗣謙を郢王とした。己酉、宋王李成器が司徒となった。庚戌、竇懐貞が尚書左僕射となり、劉幽求が尚書右僕射を代行し、ともに同中書門下三品となった。魏知古が侍中となり、崔湜が中書令を検校した。戊午、劉幽求を封州に流した。 九月丁卯朔、日食があった。甲午、皇帝の子の李嗣昇を封じて陜王とした。 十月辛卯、驪山で狩猟した。 十一月丁亥、誥遣皇帝巡邊。甲午、幽州都督の宋璟が左軍大総管となり、并州長史の薛訥が中軍大総管となり、兵部尚書の郭元振が右軍大総管となった。 二年(713)正月乙亥、吏部尚書の蕭至忠が中書令となった。 二月、追作先天元年酺。 六月辛丑、雨霖のため正殿を避け、膳を減らした。丙辰、郭元振が同中書門下三品となった。 七月甲子、大赦した。乙丑、誥歸政于皇帝。 開元四年六月、百福殿で崩じ、年は五十五で、謚を大聖真皇帝といった。天宝十三載、玄真大聖大興孝皇帝と増謚した。 玄宗至道大聖大明孝皇帝は、諱を隆基といい、睿宗の第三子である。母は昭成皇后竇氏といった。性は英武で、騎射を善くし、音律・暦象の学に通じた。始め楚王に封ぜられ、後に臨淄郡王となった。衛尉少卿・潞州別駕に累遷した。 景龍四年(710)、京師に朝し、遂に留められて派遣されなかった。庶人韋氏がすでに中宗を弑逆し、いつわって詔して称制した。玄宗はそこで太平公主とその薛崇簡、尚衣奉御王の崇曄・公主府典籤の王師虔・朝邑尉の劉幽求・苑総監の鍾紹京・長上折衝の麻嗣宗・押万騎果毅の葛福順・李仙鳧、道士の馮処澄・僧普潤とともに計略をさだめて乱を討伐した。またはまず相王(睿宗)に願い申し上げて、玄宗は、「私たちに従ってください。これは王家の危事なのです。従ってくださらなければ、私達の計略は失敗してしまいます」といい、そこで夜に劉幽求らを率いて苑中に入り、葛福順・李仙鳧は一万騎の兵をもって玄武門を攻撃し、左羽林将軍の韋播・中郎将の高嵩を斬って従わせた。左万騎は左に入らせ、右万騎は右に入らせ、玄宗は総監羽林兵を率いて両儀殿に集合させ、梓宮宿衛兵は皆起ってこれに応じた。遂に韋氏を誅殺した。夜明けに馳せて相王のもとに謁し、先に申し上げなかったことを謝した。相王は泣いて、「お前のお陰で免れた。そうでなければ私にもまた難がおよんだだろう」と言い、そこで玄宗殿は中監、兼知内外閑厩・検校隴右群牧大使、押左右万騎に拝し、平王に進封され、同中書門下三品となった。 睿宗が即位すると、立って皇太子となった。景雲二年(711)、監国となり、六品以下の官の任命を聴した。延和元年(712)、星官が「五帝坐星(惑星)の前の星に変があります」と申し述べた。睿宗は、「徳を伝えて災を避けよう。我が意は決した」と言った。七月壬辰、皇太子に制して皇帝位に即位させた。太子は惶懼して願い出たが、睿宗は、「これはわが所に天戒があったのに答えたものなのだ」と言い、皇太子はそこで武徳殿に御し、三品以下の官を任命した。八月庚子、皇帝の位についた。先天元年(712)十月庚子、太廟に享し、大赦した。 開元元年(713)正月辛巳、皇后が親蠶した。 七月甲子、太平公主および岑羲・蕭至忠・竇懐貞が反乱を計画し、処刑された。乙丑、聴政を始めた。丁卯、大赦し、文武の官に階・爵を賜った。庚午、崔湜を竇州に流した。甲戌、大周万国頌徳天枢を破壊した。乙亥、尚書右丞張説を検校中書令とした。庚辰、陸象先が宰相を退いた。 八月癸巳、劉幽求が尚書右僕射となり、軍国の大事を領知した。壬寅、宋王李成器が太尉となり、申王李成義が司徒となり、邠王李守礼が司空となった。 九月丙寅、宋王李成器が宰相を退いた。庚午、劉幽求が同中書門下三品となり、張説が中書令となった。 十月、姚巂蛮が姚州を寇し、都督の李蒙がここに死んだ。己亥、温湯に幸した。癸卯、驪山で武を講じた。郭元振を新州に流し、給事中の唐紹が処刑された。免新豊来歳税、賜從官帛。甲辰、渭川で狩猟した。同州刺史の姚元之が兵部尚書・同中書門下三品となった。乙巳、渭川から到着した。 十一月乙丑、劉幽求が侍中を兼ねた。戊子、群臣が尊号をたてまつって開元神武皇帝といった。 十二月庚寅、大赦し、改元し、内外の官に勲を賜った。中書省を改めて紫微省とし、門下省を黄門省とし、侍中を監とした。甲午、吐蕃が和を請うた。己亥、潑寒胡戯を禁じた。壬寅、姚崇が紫微令を兼ねた。癸丑、劉幽求が宰相を退いた。張説を左遷して相州刺史とした。甲寅、黄門侍郎の盧懐慎が同紫微黄門平章事となった。 二年(714)正月壬午、関内の旱害のため、直諫を求め、停不急之務、寬繋囚、祠名山大川、葬暴骸。甲申、并州節度大使の薛訥が同紫微黄門三品となり、契丹を討伐した。 二月壬辰、正殿を避け、膳を減らし、音楽をやめた。突厥が北庭を寇し、都護の郭虔瓘がこれを破った。己酉、慮囚。 三月己亥、磧西節度使の阿史那献が西突厥の都擔を捕らえた。 四月辛未、停諸陵供奉鷹犬。 五月辛亥、魏知古が宰相を退いた。 六月、京師で大風のために木が抜けた。甲子、以太上皇避暑、徙御大明宮。 七月乙未、錦繡珠玉を前殿で焚いた。戊戌、禁采珠玉及為刻鏤器玩・珠繩帖縚服者、織錦坊を廃した。庚子、薛訥が奚・契丹と灤河で戦い、敗れた。丁未、襄王李重茂が薨去し、追冊して皇帝とした。 八月壬戌、女楽を禁じた。乙亥、吐蕃が辺境を寇したので、薛訥が左羽林軍将軍を摂り、隴右防禦大使となり、右驍衛将軍の郭知運が副使となって、これを討伐した。 九月庚寅、興慶宮を作った。丁酉、京師侍老と含元殿の庭で宴し、賜九十以上几・杖、八十以上鳩杖、婦人亦如之、賜於其家。戊申、温湯に幸した。 十月戊午、温湯から到着した。甲子、薛訥が吐蕃と武階で戦い、これを破った。 十二月乙丑、子の李嗣真を封じて鄫王とし、李嗣初を鄂王とし、李嗣玄を鄄王とした。 三年(715)正月丁亥、郢王李嗣謙を立てて皇太子とした。降死罪、流以下原之。三日の宴会を賜った。癸卯、盧懐慎が黄門監を検校した。 二月辛酉、赦囚非惡逆・造偽者。 四月庚申、突厥部の三姓葛邏禄が来附した。右羽林軍大将軍の薛訥が涼州鎮軍大総管となり、涼州都督の楊執一が副総管となった。右衛大将軍の郭虔瓘が朔州鎮軍大総管となり、并州長史の王晙が副総管となり、突厥に備えた。 五月丁未、旱害のため京師の囚を録した。戊申、正殿を避け、膳を減らした。 七月庚辰朔、日食があった。 十月辛酉、巂州蛮が辺境を寇し、右驍衛将軍李玄道がこれを討伐した。壬戌、薛訥が朔方道行軍大総管となり、太僕卿の呂延祚と霊州刺史の杜賓客が副総管となった。癸亥、如郿、赦所過徒罪以下、賜侍老九十以上及篤疾者物。甲子、鳳泉湯にいった。戊辰、降大理繋囚罪。 十一月己卯、鳳泉湯から到着した。乙酉、温湯に幸した。丁亥、相州の人の崔子喦がそむき、処刑された。甲午、温湯から到着した。乙未、白衣長髪で会するのを禁じた。 十二月乙丑、降鳳泉湯所過死罪以下。 四年(716)正月戊寅、朝太上皇于西宮。 二月丙辰、温湯に幸した。辛酉、吐蕃が松州を寇し、廓州刺史の蓋思貴がこれを討伐した。丁卯、温湯から到着した。癸酉、松州都督の孫仁献が吐蕃と戦い、これを破った。 六月甲子、太上皇が崩じた。辛未、京師と華・陜の二州で大風のため木が抜けた。癸酉、大武軍子将の郝霊佺が突厥の默啜を殺した。 七月丁丑、吐蕃が和を請うた。丁酉、洛水が氾濫した。 八月辛未、奚・契丹が降った。 十月庚午、大聖真皇帝を橋陵に葬った。 十一月己卯、盧懐慎が宰相を退いた。丁亥、中宗を西廟に遷した。丙申、尚書左丞の源乾曜が黄門侍郎・同紫微黄門平章事となった。 十二月乙卯、定陵の寝殿で火事があった。丙辰、温湯に幸した。乙丑、温湯から到着した。 閏月己亥、姚崇・源乾曜が宰相を退いた。刑部尚書の宋璟が吏部尚書兼黄門監となり、紫微侍郎の蘇頲が同紫微黄門平章事となった。 五年(717)正月癸卯、太廟の四室が壊れたので、神主を太極殿に遷し、素服で正殿を避け、輟視朝五日。己酉、太極殿に享した。辛亥、東都にいった。戊辰、大霧があった。 二月甲戌、大赦し、従官に帛を賜い、給復河南一年、免河南北蝗・水州今歳租。 三月丙寅、吐蕃が和を請うた。 四月甲申、毀拜洛受図壇。己丑、子の李嗣一が亡くなった。 五月丙辰、詔公侯子孫襲封。 七月壬寅、隴右節度使の郭知運が吐蕃と戦い、これを破った。 九月壬寅、紫微省を中書省にもどし、黄門省を門下省とし、監を侍中とした。 十月戊寅、祔神主于太廟。甲申、命史官月奏所行事。 六年(718)正月辛丑、突厥が和を請うた。 二月壬辰、朔方道行軍大総管の王晙が突厥を討伐した。 六月甲申、瀍水が氾濫した。 八月庚辰、旱害のため慮囚。 十月癸亥、河南府と懐・汝・鄭の三州の父老に帛を賜った。 十一月辛卯、東都から到着した。丙申、太廟で享した。元皇帝以上三祖枝孫失官者授五品京官、皇祖妣家子孫在選者甄擇之。免知頓及旁州供承者一歳租税。乙巳、伝国の璽を改めて「宝」といった。この月、突厥が単于副都護の張知運を捕らえた。 七年(719)五月己丑朔、日食があり、素服で、音楽をやめ、膳を減らし、中書門下慮囚。 六月戊辰、吐蕃が和を請うた。 閏七月辛巳、旱害のため正殿を避け、音楽をやめ、膳を減らした。甲申、慮囚。八月丙戌、慮囚。 九月甲戌、宋王李憲を徙封して寧王とした。 十月、作義宗廟于東都。辛卯、温湯に幸した。癸卯、温湯から到着した。 十一月乙亥、皇太子入学齒冑、賜陪位官及学生帛。 八年(720)正月辛巳、宋璟・蘇頲が宰相を退いた。京兆尹の源乾曜が黄門侍郎となり、并州大都督府長史の張嘉貞が中書侍郎となり、ともに同中書門下平章事となった。 二月戊戌、子の李敏が亡くなった。 三月甲子、免水旱州逋負、給復四鎮行人家一年。 五月丁卯、源乾曜が侍中となり、張嘉貞が中書令となった。 六月庚寅、洛・瀍・穀水が氾濫した。 九月、突厥が甘・涼を寇し、涼州都督の楊敬述が突厥と戦い、敗れた。丙寅、降京城囚罪、杖以下原之。壬申、契丹が辺境を寇し、王晙が検校幽州都督・節度河北諸軍大使となり、黄門侍郎の韋抗が朔方道行軍大総管となり、これを討伐した。甲戌、中書門下慮囚。 十月辛巳、長春宮にいった。壬午、下邽で狩猟した。庚寅、温湯に幸した。十一月乙卯、温湯から到着した。 九年(721)正月、括田。丙寅、温湯に幸した。乙亥、温湯から到着した。 二月丙戌、突厥が和を請うた。丁亥、免天下七年以前逋負。 四月庚寅、蘭池の胡の康待賓が辺境を寇した。 五月庚午、原見囚死・流罪隨軍力・徒以下未發者。 七月己酉、王晙が康待賓を捕らえた。 八月、蘭池の胡の康願子が辺境を寇した。 九月乙巳朔、日食があった。癸亥、天兵軍節度大使の張説が兵部尚書・同中書門下三品となった。 十一月庚午、大赦し、文武の官に階・爵を賜り、唐隆・先天實封功臣坐事免若死者加贈、民間に三日の宴会を賜った。 十二月乙酉、温湯に幸した。壬辰、温湯から到着した。 この冬、雪がなかった。 十年(722)正月丁巳、東都にいった。 二月丁丑、次望春頓、従官に帛を賜った。 四月己亥、張説が持節・朔方軍節度大使となった。 五月戊午、突厥が和を請うた。辛酉、伊・汝水が氾濫した。 閏月壬申、張説が辺境を巡視した。 六月丁巳、黄河が博・棣の二州で決壊した。 七月庚辰、給復遭水州。丙戌、安南の人の梅叔鸞がそむき、処刑された。 九月、張説が康願子を木盤山で破り、これを捕らえた。己卯、京兆の人の権梁山がそむき、処刑された。癸未、吐蕃が小勃律を攻め、北庭節度使の張孝嵩がこれを破った。 十月甲寅、興泰宮にいき、上宜川で狩猟した。庚申、東都にいった。 十二月、突厥が和を請うた。 十一年(723)正月丁卯、東都の囚人の罪を一等降し、杖以下を許した。己巳、并州にいき、囚人の罪を一等降し、徒以下を許した。侍老に物を賜った。庚辰、潞州に行き、囚人を許し、免税五年とし、故邸を飛龍宮とした。辛卯、并州に行き、并州を改めて北都とした。癸巳、太原府で赦し、一年間免税とし、下戸三年は、元従家は五年とした。侍老で八十歳以上に上県の令を、婦人に県君を版授した。九十歳以上に上州長史、婦人を郡君とした。百歳以上は上州刺史、婦人を郡夫人とした。 二月己酉、張嘉貞を左遷して豳州刺史とした。壬子、汾陰にいき、后土を祠り、文武の官に階・勲・爵・帛を賜った。癸亥、張説が中書令を兼ねた。 三月辛未、汾陰から到着し、免所過今歳税、京城で赦した。 四月甲子、張説が中書令となった。吏部尚書の王晙が兵部尚書・同中書門下三品となった。 五月乙丑、中宗を太廟にもどした。己丑、王晙が持節・朔方軍節度大使となった。辛卯、遣使分巡天下。 六月、王晙が辺境を巡視した。 八月戊申、宣皇帝に追号して献祖といい、光皇帝を懿祖といった。 十月丁酉、温湯に幸し、温泉宮を作った。甲寅、温湯から到着した。 十一月戊寅、有事于南郊、大赦した。賜奉祠官階・勲・爵、親王公主一子官、高年粟帛、孝子順孫終身勿事。天下で三日の宴会をおこない、京城では五日おこなった。 十二月甲午、鳳泉湯にいった。戊申、鳳泉湯から到着した。庚申、王晙を左遷して蘄州刺史とした。 十二年(724)四月壬寅、詔傍繼国王礼當廃而屬近者封郡王。 七月己卯、皇后王氏を廃して庶人とした。十月、庶人王氏が亡くなった。 十一月庚午、東都にいった。庚辰、溪州の首領の覃行章がそむき、処刑された。辛巳、申王李撝が薨去した。 閏十二月丙辰朔、日食があった。 十三年(725)正月戊子、降死罪、流以下原之。遣使宣慰天下。壬子、朔方・隴右・河西で戦没した者を葬った。 三月甲午、郯王李潭を徙封して慶王とし、陜王李浚を忠王とし、鄫王李洽を棣王とし、鄄王李滉を栄王とした。子の李涺を封じて光王とし、李濰を儀王とし、李澐を潁王とし、李沢を永王とし、李清を寿王とし、李洄を延王とし、李沐を盛王とし、李溢を済王とした。 九月丙戌、祥瑞を奏するのをやめた。 十月辛酉、兗州にいった。庚午、次濮州、賜河南・北五百里内父老帛。 十一月庚寅、泰山で封をおこなった。辛卯、禅を社首でおこなった。壬辰、大赦した。文武の官に階・勲・爵を賜り、致仕官一季禄、公主・嗣王・郡縣主一子官、諸蕃酋長来会者一官。通り過ぎた所で一年間の、兗州で二年間の租を免除した。天下に七日の宴会を賜った。丙申、孔子の宅に幸し、遣使以太牢祭其墓、給復近墓五戸。丁酉、徐・曹・亳・許・仙・豫の六州の父老に帛を賜った。 十二月己巳、東都にいった。 十四年(726)二月、邕州の獠の梁大海がそむき、処刑された。 四月丁巳、戸部侍郎の李元紘が中書侍郎・同中書門下平章事となった。庚申、張説が宰相を退いた。丁卯、岐王李範が薨去した。 六月戊午、東都で大風のため木が抜けた。壬戌、詔州縣長官言事。 七月癸未、瀍水が氾濫した。 八月丙午、黄河が魏州で決壊した。 九月己丑、磧西節度使の杜暹が黄門侍郎を検校し、同中書門下平章事となった。 十月甲寅、太白(金星)が昼に見えた。庚申、広成湯にいった。己巳、東都にいった。 十二月丁巳、方秀川で狩猟した。 十五年(727)正月辛丑、河西・隴右節度使の王君㚟が吐蕃と青海で戦い、これを破った。 七月甲戌、震興教門観、災。庚寅、洛水が氾濫した。己亥、降都城囚罪、徒以下原之。 八月、澗・穀が氾濫し、澠池県を破壊した。己巳、降天下死罪・嶺南邊州流人、徒以下原之。 九月丙子、吐蕃が瓜州を寇し、刺史の田元献を捕らえた。 閏月庚子、吐蕃が安西を寇し、副大都護の趙頤貞がこれを破った。庚申、回紇が甘州を襲い、王君㚟がここに死んだ。 十月己卯、東都から到着した。 十一月丁卯、城南で狩猟した。 十二月乙亥、温泉宮に幸した。丙戌、温泉宮から到着した。 十六年(728)正月壬寅、趙頤貞が吐蕃と曲子城で戦い、これを破った。乙卯、瀧州の首領の陳行範がそむき、処刑された。庚申、許徒以下囚保任營農。 三月辛丑、免營農囚罪。 七月、吐蕃が瓜州を寇し、刺史の張守珪がこれを破った。乙巳、隴右節度使の張志亮と河西節度使の蕭嵩が吐蕃の大莫門城を落とした。八月辛卯、吐蕃と祁連城で戦い、これを破った。 九月丙午、長らく雨が降ったため囚人の罪を徒以下は赦した。 十月己卯、温泉宮に幸した。己丑、温泉宮から到着した。 十一月癸巳、蕭嵩が兵部尚書・同中書門下平章事(宰相)となった。甲辰、弛陂澤禁。戊申、寧王李憲の邸宅に幸した。庚戌、寧王李憲の邸宅から到着した。 十二月丁卯、温泉宮に幸した。丁丑、温泉宮から到着した。 十七年(729)二月丁卯、巂州都督の張審素が雲南の昆明城・塩城を落とした。 三月戊戌、張守珪が吐蕃と大同軍で戦い、これを破った。 四月癸亥、降死罪、流以下原之。乙亥、大風、震、藍田山が崩れた。 六月甲戌、源乾曜・杜暹・李元紘を宰相から罷免した。蕭嵩が中書令を兼ねた。戸部侍郎の宇文融が黄門侍郎となり、兵部侍郎の裴光庭が中書侍郎となり、ともに同中書門下平章事となった。 九月壬子、宇文融を左遷して汝州刺史とした。 十月戊午朔、日食があった。 十一月庚寅、太廟で享した。丙申、拜橋陵、奉先県で赦した。戊戌、拜定陵。己亥、拜献陵。壬寅、拜昭陵。乙巳、拜乾陵。戊申、乾陵から到着し、大赦した。この年の税の半分を免除した。文武の官に階・爵を、侍老に帛を賜った。旌表孝子順孫・義夫節婦、終身勿事。唐隆両營立功三品以上予一子官。供頓した県でこの年の税を免除した。諸軍の行人に勲両転を賜った。 十二月辛酉、温泉宮に幸した。壬申、温泉宮から到着した。 この冬、雪がなかった。 十八年(730)正月辛卯、裴光庭が侍中となった。 二月丙寅、大雨、雷震左飛龍厩、災。辛未、免囚罪杖以下。 四月乙卯、京師の外郭を築いた。 五月己酉、奚・契丹が突厥についた。 六月甲子、有彗星出于五車。癸酉、有星孛于畢・昴。乙亥、瀍水が氾濫した。丙子、忠王李浚が河北道行軍元帥となった。壬午、洛水が氾濫した。 九月丁巳、忠王李浚が河東道諸軍元帥を兼ねた。 十月戊子、吐蕃が和を請うた。庚寅、鳳泉湯にいった。癸卯、鳳泉湯から到着した。 十一月丁卯、温泉宮に幸した。丁丑、温泉宮から到着した。 十九年(731)正月、瀼州別駕の王毛仲を殺した。丙子、興慶宮で耕した。己卯、鯉魚を捕ることを禁じた。 四月壬午、降死罪以下。丙申、太公廟を立てた。 六月乙酉、大風で木が抜けた。 七月癸丑、吐蕃が和を請うた。 八月辛巳、以千秋節降死罪、流以下原之。 十月丙申、東都にいった。十一月乙卯、次洛城南、従官に帛を賜った。 この年、揚州穭稻生。 二十年(732)正月乙卯、信安郡王李禕が河東・河北道行軍副元帥となり、奚・契丹を討伐した。 二月甲戌朔、日食があった。壬午、降囚罪、徒以下原之。 三月己巳、信安郡王李禕が奚・契丹と薊州で戦い、これを破った。 五月戊申、忠王李浚が捕らえた奚・契丹を献上した。 六月丁丑、李浚が司徒となった。 八月辛未朔、日食があった。 九月乙巳、渤海靺鞨が登州を寇し、刺史の韋俊がここに死に、左領軍衛将軍の蓋福慎がこれを討伐した。戊辰、宋・滑・兗・鄆の四州で水が出たため、この年の税を免除した。 十月壬午、潞州にいった。丙戌、中書門下慮巡幸所過囚。辛卯、潞州で赦し、給復三年、賜高年粟帛。 十一月辛丑、北都にいった。癸丑、北都で赦し、給復三年。庚申、汾陰にいき、后土を祠り、大赦した。供頓した州でこの年の税を免除した。文武の官に階・勲・爵を、諸州の侍老に帛を賜り、武徳以来功臣後及唐隆功臣三品以上一子官。民間に三日の宴会を賜った。 十二月辛未、汾陰から到着した。 二十一年(733)正月丁巳、温泉宮に幸した。二月丁亥、温泉宮から到着した。 三月乙巳、裴光庭が薨去した。甲寅、尚書右丞の韓休が黄門侍郎・同中書門下平章事となった。 閏月癸酉、幽州副総管の郭英傑が契丹と都山で戦い、郭英傑はここに死んだ。 四月乙卯、遣宣慰使黜陟官吏、決繋囚。丁巳、寧王李憲が太尉となり、薛王李業が司徒となった。 五月戊子、以皇太子納妃、降死罪、流以下原之。 七月乙丑朔、日食があった。 九月壬午、子の李沔を封じて信王とし、李泚を義王とし、李漼を陳王とし、李澄を豊王とし、李潓を恒王とし、李漩を涼王とし、李滔を深王とした。 十月庚戌、温泉宮に幸した。己未、温泉宮から到着した。 十二月丁巳、蕭嵩・韓休が宰相を退いた。京兆尹の裴耀卿が黄門侍郎となり、中書侍郎の張九齢、ともに同中書門下平章事となった。 →巻五 本紀第五つづき
https://w.atwiki.jp/zayin/pages/646.html
やわらか一家 総合力 ★ 連携力 ★ 所属人数 30人 初心者育成 やってない 厨房度 ∞ 勝ち馬属性 少しアリ 問題児 そもそも空気 やわらか戦車の後継ぎ部隊 部隊員もほとんど変わらず 部隊員一覧 名前 自己紹介 備考 隊長 副隊長 部隊員 歩兵的には空気かと思われる ↑総合力・連携力を★★から★に変更 単体ドラテ、弓通常、敵ヲリにレインを部隊単位で行っている様子 あまり見たことないんで修正とか頼む