約 233,469 件
https://w.atwiki.jp/pokecharaneta/pages/11673.html
白猫プロジェクト キャラクター剣士 ランサー 魔道士 アーチャー クロスセイバー 武闘家 ウォリアー 白猫テニスクレー ハード グラス コメント 2014年7月14日にコロプラから配信されたスマートフォンゲーム。 キャラクター ピカチュウ:主人公 主人公繋がり エネコorニンフィア:キャトラ 剣士 ギルガルド:勇ましき王女シャロン 目覚めるパワー(氷)で「メガフリーズブレード」「シグナス・アバランシュ」 ハッサム:紅蓮の女戦士ガーネット フタチマルorキリキザン:隻眼剣客タツノシン 前者は「ポケモン+ノブナガの野望」に登場するモトチカに似ているので レントラー:獅子髪の剣士ダグラス リングマ:クールインテリシティボーイベアカムイ 冷凍パンチで「メガサーモンブレード」 ランサー ラプラス:若き冒険家カイル 「ポケモン+ノブナガの野望」に登場するミツヒデとの声優繋がり グラエナorゾロアーク:狼の獣人大尉ヴォルワーグ ミミロップ:厳格女教師イザベラ 魔道士 サーナイト(色違い):神秘的な少女アイリス ムウマージ:白魔術見習生ハルカ アーチャー ユキメノコ:ぬくもりを求める少女ロッカ 雪女なので ハピナス:ざっくりアイドルガトリン クロスセイバー テッカニンorアギルダーorゲッコウガ:花の都のくのいちフラン 武闘家 バシャーモ:自称・最強の格闘家ヒュウガ コジョンド:クンフーエンジェルチュンメイ マイナン:熱血チアリーダーミキ ゴチミル:クマロンの契約者リーゼロッテ ウォリアー ムシャーナ:羊パジャマのねむねむ娘ネム クロバットorオンバーン:貧血ぎみの吸血鬼リリエル 白猫テニス 白猫プロジェクトのスピンオフの対人テニスゲーム。 クレー ダークライorsサザンドラorミミロップ:オスクロル・ラス・カサス ミミロップはイメチェンで褐色肌になるので ハード ニンフィアorチラチーノorミミロップorスカタンク:リリカ・アプローズ グラス コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る ↓ 修正 ×駆け出しのダンサー 〇駆け出しのダンサールネッタ -- (ユリス) 2019-07-13 17 33 29 草案 キャラクター 剣士 リザード:多作なる紋章画家ユキムラ 某ブショーの名前から。雷パンチで「落花鳴鳥」 ピクシー:魔法学園の才女リネア 水の波動で「ロートテンペスタ」 キレイハナ:駆け出しのダンサー 花弁の舞で「ドリームショー」 サザンドラ:絶名の龍皇ギュスターヴ 竜の怒りで「屠龍奥義神祇覆滅」 -- (ユリス) 2018-02-24 22 18 53 ロッカの姉、マフユもユキメノコ、あるいはアローラキュウコンが合いそう。 その場合ロッカをユキワラシorアローラロコンにしても可。 -- (ブルース) 2018-02-24 20 35 06 草案 キャラクター 剣士 ラティオス:若き軍師ハオ 10万ボルトで「メガボルトブレード」 エアームド:紅茶好き少尉アヤメ エアスラッシュで「スラッシュ」 カモネギ:帝国陸軍大将トモエ 連続斬りで「戦術三連閃」 ディアンシー:氷の国の王女ソフィ 魔道士 ニドクイン:軍事大国の女王インヘルミナ 冷凍ビームで「フリーズエクスキューション」 アーチャー ラティアス:名軍師の妹メイリン 電撃波で「迅雷風烈」 ムクホーク:鳥好き斥候フウカ 破壊光線で「アラウンドショット」 アーマルド:甲冑ギャルエリーナ ロックブラストで「カーニバルシャワー」 メガリザードンX:黒翼の射手レイヴン 火炎放射で「エンガルフィング・フレイム」 クロスセイバー ライボルト:路地裏の少年ザック 雷で「メガボルトセイバー」 武闘家 キングドラ:ルーンマグナムの退魔士オズマ 目覚めるパワー(電気)で「ファスルガーディアン」 ウォリアー キャモメ:イカリ使いの水兵少女カモメ エアカッターで「ベルセルク」 コロトック:帝国の楽士オレリア ハイパーボイスで「凱旋グラディオーソ」 -- (ユリス) 2016-03-28 21 51 18 ↓追加しました。 -- (名無しさん) 2016-03-27 16 52 14 草案 キャラクター レントラー:獅子髪の剣士ダグラス リングマ:クールインテリシティボーイベアカムイ 冷凍パンチで「メガサーモンブレード」 ハッサム:紅蓮の女戦士ガーネット バシャーモ:自称・最強の格闘家ヒュウガ フタチマル:隻眼剣客タツノシン 「ポケモン+ノブナガの野望」に登場するモトチカに似ているので ゴチミル:クマロンの契約者リーゼロッテ マイナン:熱血チアリーダーミキ コジョンド:クンフーエンジェルチュンメイ クロバット:貧血ぎみの吸血鬼リリエル ムシャーナ:羊パジャマのねむねむ娘ネム ユキメノコ:ぬくもりを求める少女ロッカ 雪女なので ミミロップ:厳格女教師イザベラ グラエナ:狼の獣人大尉ヴォルワーグ -- (ユリス) 2016-03-20 12 15 50 猫じゃないけど…、なんとなく雰囲気が似てる気がするのでキャトラをニンフィアにするのはどうでしょう? 後は「アイリス」繋がりでアイリスをポケモンの方のアイリスの切り札であるオノノクスにするとか -- (nanashi) 2014-09-07 22 41 18
https://w.atwiki.jp/vivids174uc/pages/561.html
白猫×shin 誰か追記してくれないかな~ S174カップル名簿
https://w.atwiki.jp/ansy/pages/18.html
ドラマCD 姉、ちゃんとしようよっ!2 Vol.1 ドラマCD 姉、ちゃんとしようよっ!2 Vol.2 ドラマCD 姉、ちゃんとしようよっ!2 Vol.3 ドラマCD 姉、ちゃんとしようよっ!2 Vol.1 タイトル ドラマCD 姉、ちゃんとしようよっ!2 Vol.1 発売日 2005年8月26日 発売 ソフトガレージ カバーイラスト 白猫参謀 初回特典 ポストカード(CDサイズ) キャスト 柊空也:小池竹蔵 柊雛乃:木葉楓 柊要芽:北都南 柊瀬芦里:AYA 柊巴:マルコ 柊高嶺:芹園みや 柊海:内村みるく 犬神帆波:一色ヒカル 犬神歩笑:海原エレナ 秋山衣瑠香:木葉楓 月白透子:内村みるく トラックリスト 01 02 俺と巴姉と温泉旅行 03 俺と姉貴とメイドさん 04 柊家の一日 05 要芽お姉様罵倒ボイス あらすじ 「俺と巴姉と温泉旅行」(姉、ちゃんとしようよっ!2 番外編1 夢見るクリスマス 第1話より) 商店街のくじ引きで当てた温泉旅行にでかけた巴と空也。ふたりっきりの旅行のはずが、ほかのお姉ちゃんたちがこっそりふたりのあとをつけてしまう。そんなとき、巴は異形の者・クロウの気配を感じるのだった。 「俺と姉貴とメイドさん」(姉、ちゃんとしようよっ!2 番外編1 夢見るクリスマス 第3話より) ポーカー勝負で空也に負けた高嶺は、瀬芦里と海の謀略によって、罰ゲームとして空也の1日メイドさんをするハメになった。最初は恐る恐る高嶺に命令する空也だったが、次第に命令がエスカレートしてきて……。 「柊家の一日」(ドラマCDオリジナル新作) なにもない、ごく普通の柊家の一日。朝、空也が目覚めると、隣にはいつものように海お姉ちゃんが添い寝している。台所では巴が朝ごはんの用意をしている。みんなを起こしに行った空也は、いよいよ要芽の部屋へ! ドラマCD 姉、ちゃんとしようよっ!2 Vol.2 タイトル ドラマCD 姉、ちゃんとしようよっ!2 Vol.2 発売日 2006年2月24日 発売 ソフトガレージ カバーイラスト 白猫参謀 初回特典 ポストカード(CDサイズ) キャスト 柊空也:小池竹蔵 柊雛乃:木葉楓 柊要芽:北都南 柊瀬芦里:AYA 柊巴:マルコ 柊高嶺:芹園みや 柊海:内村みるく 犬神帆波:一色ヒカル 犬神歩笑:海原エレナ 秋山衣瑠香:木葉楓 月白透子:内村みるく トラックリスト 01 俺とみんなと嵐を呼ぶバレンタインデー 02 俺とお姉さまと乙女の園 03 俺とねーたんと秘密の取材 04 ともねえ励ましボイス あらすじ 「俺とみんなと嵐を呼ぶバレンタインデー」(姉、ちゃんとしようよっ!2 番外編2 嵐を呼ぶバレンタイン 第4話より) 柊家に帰ってきてから、初めてのバレンタインデーが近づいていた。お隣には犬神家のお姉ちゃんもいるし、なにが起きるのか戦々恐々の空也。お姉ちゃんたちと弟の壮絶な1日が幕を開ける! 「俺とお姉さまと乙女の園」(姉、ちゃんとしようよっ!2 番外編2 嵐を呼ぶバレンタイン 第2話より) 私立ビリジアン学院は淑女を育む乙女の園。女子校であるこの学院に、毎年1名だけ男子生徒が入学してくる。その男子生徒を手懐けて「フレール」(フランス語で「弟」)とした者には、学院内のあらゆる特権を手中に収めることができるのだった! 「俺とねーたんと秘密の取材」(ドラマCDオリジナル新作) 小説家の歩笑は、担当編集者からエッチ路線の新作を提案され悩んでいた。純愛少女小説がメインだった歩笑にはまったく未知の分野だった。歩笑の相談を受けた空也は、歩笑にエッチな気分になるようなドキドキを体験させようとする。 ドラマCD 姉、ちゃんとしようよっ!2 Vol.3 タイトル ドラマCD 姉、ちゃんとしようよっ!2 Vol.3 発売日 2006年7月28日 発売 ソフトガレージ カバーイラスト 白猫参謀 初回特典 ポストカード(CDサイズ) キャスト 柊空也:小池竹蔵 柊雛乃:木葉楓 柊要芽:北都南 柊瀬芦里:AYA 柊巴:マルコ 柊高嶺:芹園みや 柊海:内村みるく 犬神帆波:一色ヒカル 犬神歩笑:海原エレナ 秋山衣瑠香:木葉楓 月白透子:内村みるく トラックリスト 01 ねぇやとねーたんと不思議な冒険 02 いるかちゃん、がんばる!(その1) 03 俺とみんなとやさしい風 04 いるかちゃん、がんばる!(その2) 05 ひなのん説法ボイス あらすじ 「ねえやとねーたんとふしぎな冒険」(姉、ちゃんとしようよっ!2 番外編3 空也の恋のぼり 第3話より) ある日、歩笑に起こされて目覚めた帆波は歩笑の姿を見て驚く。黒い頭巾に黒いマント、手にはなぜか杖……どこからみても、魔法使いだった。驚く帆波に歩笑は何事もないかのように「姉さんだって……」という。なんと帆波の姿はバニーガール!いったい何が起きたのかと混乱する帆波だが……。 「いるかちゃん、がんばる!(その1)」(姉、ちゃんとしようよっ!2 番外編1 夢見るクリスマス インターミッションより) 要芽の法律事務所で働く秋山衣瑠香。要芽の部屋でガラスのペンギンを見つけたが……。 「俺とみんなとやさしい風」(姉、ちゃんとしようよっ!2 番外編3 空也の恋のぼり 第4話より) 今年もお盆の季節がやってくる。お供え物のナスでウシを作っていた空也の元に帆波が遊びに来る。沖縄の派手なお盆と違って本土は静かに死者の魂を迎えるのだと説明する空也。柊家でも迎え火を焚いて、ある人の魂を迎え入れる準備をするのだ。 「いるかちゃん、がんばる!(その2)」(姉、ちゃんとしようよっ!2 番外編1 夢見るクリスマス インターミッションより) 仕事帰りにクロウに襲われるいるか。そこへ現れたのは白い戦士イドだった! ここを編集
https://w.atwiki.jp/mbaacczh/pages/161.html
机械翡翠 猫Arcueid 半月模式(Half Moon) ◆指令表 分類 技名 指令 備考 必殺技 236+AorBorC 623+AorBorC 214+AorBorC ARC DRIVER 41236+C LAST ARC DRIVER ◆其他模式 新月模式(Crescent Moon) 满月模式(Full Moon) 回角色页面 ◇半月模式(Half Moon) +◆基本性能 ◆基本性能 (待填) +◆通常技解说 ◆通常技解说 (待填) +◆必殺技解说 ◆必殺技解说 (待填) +◆ARC DRIVER ◆ARC DRIVER (待填) +◆LAST ARC DRIVER ◆LAST ARC DRIVER (待填) +◆COMBO ◆COMBO (待填) +◆固定考察 ◆固定考察 (待填) +◆立回 ◆立回 (待填) +◆小NeTa ◆小NeTa (待填) +◆角色对策 ◆角色对策 (待填)
https://w.atwiki.jp/mbaacczh/pages/160.html
机械翡翠 猫Arcueid 新月模式(Crescent Moon) ◆指令表 分類 技名 指令 備考 必殺技 236+AorBorC 623+AorBorC 214+AorBorC ARC DRIVER 41236+C LAST ARC DRIVER Ex-shield ◆其他模式 半月模式(Half Moon) 满月模式(Full Moon) 回角色页面 ◇新月模式(Crescent Moon) +◆基本性能 ◆基本性能 (待填) +◆通常技解说 ◆通常技解说 (待填) +◆必殺技解说 ◆必殺技解说 (待填) +◆ARC DRIVER ◆ARC DRIVER (待填) +◆LAST ARC DRIVER ◆LAST ARC DRIVER (待填) +◆COMBO ◆COMBO (待填) +◆固定考察 ◆固定考察 (待填) +◆立回 ◆立回 (待填) +◆小NeTa ◆小NeTa (待填) +◆角色对策 ◆角色对策 (待填)
https://w.atwiki.jp/zeromoon/pages/71.html
前ページ次ページゼロの白猫 トリスタニアへ出かけてから数日が経過。その日々は穏やかで、特筆しておくべきことは何も無かった。 朝目覚め、制服に着替え、朝食をとり、授業に出て、終わったら夕食、入浴を済ませて就寝する。ルイズが学院に入ってから繰り返してきた日常と大差ない。 他に述べておく事といえば、時間があるときに図書室を訪れたり、教師に話を聞きに行ったりすることが増えたくらいだろうか。 目的は、レンと約束した『彼女が居た世界へ行き来する方法』を探す事である。 しかし結果は惨敗だった。『フライ』という空を飛ぶコモンマジックを自在に使えるメイジ。そんなメイジが利用する事を前提として作られた図書室の書棚は、30メイルもの高さの壁一面に本が敷き詰められているくせに足場の一つもないのだ。 当然フライも使えないルイズは、脚立を用意して本を調べていたのだが、当然移動と持ち運びにかかる時間や労力は他のメイジより遙かに上がる。あるかも分からない情報の検索にそんな余計な手間が加わり、中々作業は進まず、手掛かりは得られなかった。 教師たちにも手掛かりがないかと思って聞いてみたが、けんもほろろだった。 『月が一つしかない世界? そんなのあるわけないだろう、ミス・ヴァリエール』 『お伽噺でもそう言う物は知りませんねえ』 『ミス・ヴァリエール。そんな空想をするくらいならもっと魔法の腕を磨きなさい』 要約すると、そんな世界は教師陣も知らない、と言うことである。 ルイズもすぐに成果が出るとは思っていなかったが、空振り続きだと少し気が滅入る。 しかも、教師の一人にも言われたように、ルイズの魔法の腕は相変わらず爆発続きだった。どんな簡単なコモンマジックも成功しない。ルイズの鬱憤は募る一方だった。 そんなルイズを少しだけ癒してくれたのは、使い魔のレンだった。 朝、日が昇るとルイズの顔に足を乗っけて起こしてきたり(払いのけるが)。丸まって熟睡しているところを撫でたり(起きると逃げられるが)。抱き抱えさせてくれたり(やはり高確率で逃げられるが)。 そんなスキンシップがルイズの小さな、しかし確かな支えになっていた。カトレアがたくさんの動物を飼っていた理由を少し理解できた気がする。 そんなレンだが、四六時中ルイズと一緒に居る訳ではない。もともと猫は奔放な生き物、常に飼い主と一緒に居るわけはない。他の使い魔たちもずっと主人と行動を共にしているわけではないのである。 朝、ドアを開けると使い魔の食事に向かう。その後ルイズから離れてどこかへ行ってしまうのだ。最初に何処かへ行かれたときは授業を放り出してあっちこっちを探し回った。探すことに疲れて一息ついていた小一時間後、 「授業はどうしたの、ルイズ」 と人型になってひょっこり出てきた時には辺り構わず怒鳴り散らした。 「主人の許可無しに勝手に歩き回るんじゃないわよ!」 「別に使い魔だからっていつも傍に居なきゃいけない訳じゃないでしょ」 そんな風に口論していると、聞き咎めた教師に見つかってしまった。 すぐに教室に引っ張りこまれた上、罰として授業終了後の教室清掃を命じられた。レンはいつの間にかそこから消えていた。 憤慨したルイズは、レンのせいとしてその日の食事を抜きにした。レンはこれに怒ったのか、その日はルイズを避け続け、無理に触ろうとするとシャーッと威嚇してきた。 その晩。 「いつも貴女の傍に居なくても良いでしょう? 緊急の時は呼べばすぐ行くから、昼間の散歩くらいさせなさいよ」 「……仕方ないわね、けど主人の顔に泥を塗るようなことをしたら許さないからね!」 以上のような会話が夢の中で話され、日中は主に二人は別行動をするようになったのである。 ルイズが一度、昼間は一体何をしてるのか、とレンに聞いたところ、 「今日、入り心地の良い箱を見つけたのよ♪」 と上機嫌で語ったりした。身体や習性は猫らしい。 そして、ある晩のこと。 「それでルイズ。私の居た世界への手がかりは見つかった?」 ベッドに入って目を閉じていると、もういいかげん見慣れた雪原にルイズは居た。 向かいには肘を突いて両指を組み合わせた手の甲に顎を乗せたレンが居る。 「さっぱりよ。本を色々調べてみたけど全然駄目。先生たちに聞いても『そんなの聞いたことも無い』で終わり」 うんざりとここ数日の調査は空振りであったことをレンに告げる。前述の通り、成果はゼロと言って良かった。ゼロ言うな。 「流石にすぐには分からない、か。でも異世界からの召喚なんてこちらでもすごい魔法なんでしょう? 何で貴女は使えたのかしら。他は爆発ばかりなのに」 「そんなの私が知りたいわよ!」 レンの指摘に激昂するルイズ。魔法が成功しないことに加え、馴れない調査まで加わって相当ストレスがたまっていたのだ。 「何であれから魔法が成功しないのよ!? ようやく魔法が成功したのに! あれから全然成功しないし!!」 ルイズはやりどころのない怒りにバンバンと机を叩く。 レンはそんなルイズを見ながら、一つの提案を投げかけてきた。 「ルイズ。もう一度『サモン・サーヴァント』を唱えてみて」 「何でよ?」 「それは成功したんでしょう? うまくいったものから練習するのも一つの手じゃない」 「無理よ。『サモン・サーヴァント』は使い魔がいる限り発動しないもの」 「試してはいないんでしょう? 色々と規格外な貴女なら違った結果が出るかもしれないじゃない。やってみてよ」 確かに、今のところ成功したのはレンの召喚と契約の魔法だけだ。 けれどレンに今言ったとおり、この魔法は使い魔を持っていると発動しない。やったところで精神力の無駄だ。 レンの言葉が自分の使い魔を辞めたがっているように聞こえて、ルイズはこんな言葉を言ってしまう。 「……私の使い魔が嫌なの?」 「使い魔はやるって言ってるでしょう。とにかく帰る方法の検討すらつかないのは嫌なのよ」 椅子にもたれ掛かってレンは言う。 確かに、自分の故郷へ戻れないのは辛いのだろう、とルイズは思う。もし自分が家族の居るヴァリエール領へ帰れなくなってしまったら。 そんな想像をして少しルイズは背中が寒くなった。そして余計な疑いを持った自分を恥じた。 「強情ねえ、マスターは。仕方ないわね、これあげるから」 首を縦に振らないマスターに、レンは机の上に何かを置いた。 ルイズは瞠目した。それは、この前王都に行って買ってきたスコーンだった。おまけにシエスタが煎れた紅茶まで二人分ある。 「これどうしたの!?」 「此処は私の世界。私の思い通りにできないことなんてありはしないわ」 レンはそう得意げに言う。 そんなレンの言葉にルイズの乙女回路がフル稼働する。この使い魔は夢の中なら自由にお菓子を出すことができる、ということ? もしそうなら……。 ルイズの心中を見透かしたかのように、いや事実見透かして、レンは詰めの一言を放つ。 「やってくれるなら特別サービスであのクックベリーパイもお出ししますわ」 その言葉は、ルイズにとって抗いようのない魔法の言葉だった。ごくり、と音を立てて自分の口に溜まった唾液を飲み込む。 「……し、仕方ないわね! 分かったわよ、それじゃ明日の夕食の後ね」 「ルイズ、涎拭きなさい」 レンの言葉に慌てて口元を押さえるルイズ。しかし別に涎は垂れていない。レンはそんなルイズを見てくすくすと笑っている。騙された! 怒りと羞恥で顔を赤くするも、それよりも押さえきれない期待を胸にルイズはレンに命令する。 「さあレン! 早くクックベリーパイを出しなさい!」 「今は無理よ」 「何でよ!?」 「一日に何度も使える能力じゃないのよ。結構力を消費するんだから。クックベリーパイは明日、サモン・サーヴァントを試した後でね」 「そんなの生殺しじゃない!!」 机にはスコーンと紅茶が乗っている。それが美味しいことは数日前実感しているルイズだが、彼女にとってクックベリーパイは別格なのだ。メイジでいうとトライアングルとスクウェアくらいの壁がある。お菓子だからといってメイジと明治を掛けているわけではない。 「まあ今日はこの紅茶とスコーンで我慢して下さいな、マスター?」 「明日は絶対クックベリーパイを出して貰うからね! 1つじゃすまないわ、まるごと1ホールは出して貰うわよ!」 「欲張りねえ。その量だとぎりぎりかしら。そこまで言うからには何らかの成果を出して貰うからね」 そう言いながらレンはスコーンに手を伸ばす。それにならってルイズも一つ手に取った。 かじり付くと口の中に広がる小麦の甘み。数日前に味わった物と同一だった。頬をゆるませて紅茶を口に運ぶルイズ。一口飲んで、ちょっと感じた違和感をレンに言う。 「レン、この紅茶ちょっと温くない?」 「良いでしょ、私熱すぎるのは苦手なの」 自身も紅茶を飲みながら素っ気なく言うレン。成る程、人の状態でも猫舌なんだ、とルイズは思った。 そして時は動き出す。 翌日の夕食を取った後、ルイズとレンは中庭までやってきていた。目的は無論、昨夜話したとおり『サモン・サーヴァント』をもう一度唱えてみるためである。 まずルイズは自室で行おうとしたのだが、 「いいの? 爆発したら部屋がめちゃくちゃになるわよ」 というレンの言葉で、外へと移動する事にしたのだ。とりあえずこの言葉でルイズはレンに後でお仕置きする事に決めた。理不尽である。 双月が見下ろす中庭で、人間状態のレンが見守る中、ルイズは杖を振りかぶった。この後のクックベリーパイのために! 「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。我の運命に従いし、"使い魔"を召喚せよ!」 決められたとおりのルーンを詠唱し、勢いよく杖を振り下ろす! 結果。何も起こらなかった。周囲には只静寂が漂うのみ。 「……ほら、無駄だったじゃないの」 「そうね、成功してるみたいね」 レンの答えはルイズの想定の外だ。思いっきり顔をしかめてルイズはレンに向かって言う。 「何言ってるのよ、ゲートは開いてないじゃない。失敗よ」 「ええ、何も起こらないわね。何時もの爆発も」 レンにそう指摘されて、ルイズもようやく気づいた。確かに、今回はゲートは開かなかったが爆発も起こっていない。これは、まさか――!? 「も、もしかして」 「他のはどうなの?」 逸る心を何とか落ち着かせ、ゆっくりゆっくりルイズは詠唱を開始する。今度はコモンマジックの『レビテーション』。一言の間違いもなく唱え終え、祈りをこめて杖を振り下ろす――! どっごぉん!!! そして、閃光と爆音が生じる。いつもの爆発だった。 「……」 「失敗ね」 「……ファイアーボール!」 今度は火系統の呪文。やはり爆発した。ルイズの眉が急角度に吊りあがる。 「ウィンドブレイク!」 「錬金!」 「コンデンセイション!」 風、土、水、手当たり次第に試してみるルイズ。しかしそれら全てが魔法が何時ものように爆発した。何度も何度も。爆発の幾つかは本塔の壁に直撃していた。 「っだああああああ!!」 「やけにならない。そんなんじゃ成功するものも成功しないわよ」 成功しない苛立ちに咆哮するルイズとそんなルイズをとりなすレン。レンも度重なる爆発にちょっとジト目だ。 連続の魔法使用にぜいぜいとルイズは息を荒げている。 「ひょっとして貴女、『サモン・サーヴァント』と『コントラクト・サーヴァント』しか使えないメイジってことはないわよね」 「そんなメイジ居るわけないでしょ!」 「じゃあ何かの呪いにでもかかってるんじゃない?」 「どうしてそんな話になるのよ!? 由緒正しいヴァリエール家に呪いなんてあるわけないでしょ!」 「……ルイズ、貴女の魔術は全部成功している、と仮定してみましょう」 「はあ!?」 「言いたい事はあるでしょうけど最後まで聞きなさいな」 さっきからこの使い魔は何を言っているのだろうか。けれどレンの瞳は真剣で、何故かルイズは目を逸らす事ができない。 「まず、貴女の魔術自体は全く問題ない、正しいものだと考えるの」 「……それで?」 「けれど、正しい行使に関係なく、別の外的要因から爆発という現象に捻じ曲げられているとしたら? もしそういったことが原因なら、貴女がどんなに努力しても成功という結果が出せない、ということになるわ」 彼女の言うことは幼い外見と裏腹に、まるで講義を行う教師のような大人のものにも感じられ、ルイズの耳に浸透した。 レンの言葉に、ルイズは自分の姉のカトレアのことを思い出す。生まれつき体が弱く、強力な魔法を使うとすぐに体調を崩してしまう姉。 自分は体は丈夫だが、魔法に関して何か別の先天的な原因を抱えているとしたら? 全く聞いた事のない話だが、確かに筋は通るように思える。 けど、ルイズはそんな事は認めたくなかった。自分が他のメイジと違う、ということなど。自分の努力が意味のないものだったという事など。 「じゃあ結局、何で私の魔法は爆発するのよ」 「そこまでは分からないわ。貴女は魔術の訓練じゃなく、まず自身の体が他と違わないか調べてみるべきじゃない?」 「だれが他の奴らと比べてぺったんこですって!?」 「そんなこと誰も言ってないわよ!?」 体と言われて思わず的外れな事を思い浮かべて反応してしまうルイズに目を白黒させてレンは答える。 そんな事を言いながらも、ルイズは心の奥で自分の魔法の失敗の原因についてもっと調べねば、と思うのだった。 が。そんなルイズの奥底の思考を意に介さずに、レンが行動を起こす。 「大体ぺったんこって貴女ねえ……」 ちょっと不機嫌そうに目を細めたレンは、ルイズとの距離を狭めると、おもむろにルイズの左胸を揉みしだいた。 「ひぇっ!?」 ちっちちっちっおっぱーい♪ 別にレンはもごうとしているわけではない。只の肉体言語である。 「なっ、何するの!?」 「ちゃんとあるじゃない。つまらない我侭ばかり言ってるんじゃないわよ」 キュルケに脂肪ゼロと言われたルイズの胸だが、彼女のスリーサイズはB76、W53。推定カップサイズはCである。それでも彼女は貧乳と言われる。それが世界の選択なのよ。 しかし、彼女の胸は数値上は決してゼロではない。ゼロでは、ないのだ。よって、レンの手中にある乳房は、彼女の手に小さいながらも確かなやわらかさを伝えてくる。 レンの小さな指は絶えず蠢き、掌はなだらかな小山を押し包み、シャツの上からルイズの胸を触診し続けた。 「ぅやんっ!?」 腋と乳房の境目辺りをレンの指がなぞった時、ルイズの口から変な声が漏れてしまった。 自分から出た声に真っ赤になるルイズ。慌てて自分の口を両手で塞いだが、時既に遅し。 「……」 「可愛い声ね」 花のような笑顔のレンをルイズは全力で突き飛ばした。距離ができたレンに向かって一層血液の流れが増大した顔で杖を向ける。ちょっと涙目だ。 「こここ、こっの、エロ猫~~~!!」 悠然と微笑んでいるレンに向かって全力でファイアーボールの魔法を放つ。 そして、当然のごとく爆発した。大爆発だ。爆発の規模が今までより大きい。 レンが避けるまでもなく魔法は壁で爆発したが、爆風はレンの髪とリボンとスカートを巻き上げた。しかしパンツは見えなかった。おのれロングスカート。 「危ないわね、当ったらどうするのよ。爆発の威力は貴女が良く知ってるでしょう?」 「うるさいうるさいうるさぁーーーいっ!!」 「いやらしい声だったのは恥じる事じゃないわ。大丈夫、別に貴女くらいの年齢ならおかしいことじゃないわよ」 爆風に弄ばれる銀髪を押さえてレンが言う。未だに余裕の笑みは消えていない。 一度本気で当ててやる、とルイズが再度杖を振りかぶる。が、その時。 「なんだ、あなただったのルイズ」 背後から聞こえてきた声に振り向くと、そこにはキュルケと眼鏡の青い髪の少女が居た。確かタバサという名前だったか、とルイズは思う。 幸い先ほどの爆発による粉塵で埃が目に入ったものと解釈されるだろう、ぐしぐしと目の端に滲んだ涙を拭いて二人に向き直った。 「何しに来たのよ、あんたたち」 「もう夜だって言うのにぼかんぼかん五月蝿いから音源を確認しに来たのよ。ご苦労様ね、日が暮れても爆発の練習なんて」 「爆発じゃないわよ! 普通の魔法の練習だってば!!」 むきになってキュルケに言うが、彼女はそんなルイズを笑うだけだ。キュルケに笑われている事に苛立ちがヒートアップするルイズ。 「その子もご苦労様ね。ずっとご主人様の爆発に付き合わされて」 昂ぶった感情に水を指された。キュルケの言葉で思い出す、そういえばレンが居たのだと。あわててレンを確認するも、彼女は既に白猫になっていた。 「なあに、あなた自分の使い魔が見てることに気付いてなかったの?」 「そんなわけないでしょ」 キュルケの言動から察するに、どうやら二人に見られる前に猫になったらしい。使い魔の行動の素早さに安堵の息を吐くルイズだった。 「誰か居た?」 いきなりタバサがそれだけつぶやいた。きょとんとしてタバサを見るルイズ。 タバサはルイズを見ていることからルイズへの質問らしいが、ルイズには意味が分からない。 「どういう意味よ」 「この子はあなたの他に誰かいなかったか、って聞いてるみたいよ。けどあなたの他には誰も居ないわねえ」 流石親友。言葉が足らなくてもしっかり意味は理解しているらしい。 キュルケの補足でルイズはどきりとする。そういえばタバサは風のメイジらしい。使い魔は見事な風竜だった。 風系統のメイジは空気の振動、つまり音にも敏感なのだ。先程のレンとの会話が耳に届いていたのかもしれない。 下手に追求される前に、とルイズは咄嗟に誤魔化しの言葉を言った。 「私とレン以外誰も居ないわよ。幽霊でも居たって言うの?」 キュルケはあちゃあ、と苦笑する。しかしルイズはキュルケがどうしてそんな反応をするのか理解できない。 「どうしたの?」 「……別に」 「そうね、タバサの気のせいだったみたいね。あれだけ爆音が響いてたんだもの、ちょっと耳がおかしくなってたのかもね」 さっさと話を切り上げるキュルケ。ふとルイズがタバサを見ると、心なしか先ほどよりタバサの顔が青みがかっているように見える。月明かりのせいだろうか。 「ちょっと、タバサだった? あんた顔色が悪くなってるじゃない。キュルケも注意したげなさいよ」 「あー、そうね。もう戻りましょタバサ。ルイズもいい加減切り上げたら?」 キュルケはタバサの狭い肩を抱いてやりながら寮へと向かう。タバサは何故か動きがカクカクしていた。春先とはいえ夜の空気に当たって冷えたのかもしれない。 確かに、今日は随分魔法を使ったし、いい加減引き上げ時かもしれない、とルイズは思った。 「レン、私たちも戻るわよ」 地面に佇んでいる白猫に呼びかける。レンはなにやら植え込みをじっと凝視していた。 「なによ、鼠でも居るの?」 そう言うルイズだが、彼女も猫が何もないはずの空間をじいっと見ているのは結構良くある事だ、というのはここ数日のレンとの生活で理解していた。レンの見る先を大して気に留めずにレンを抱え上げる。 「ほら、さっさと行くわよ」 レンに逃げられないよう心持ち強めに白猫を抱きしめ、ルイズは寮への道を歩き出す。しかし、数歩ほど歩いたところで、 (ルイズ) 行き成りだ。何の前触れもなく誰かに自分の名前を呼ばれた。 「え? な、何?」 きょろきょろと辺りを見回すルイズ。しかし、辺りに居るのはルイズの前を歩いているキュルケとタバサだけだ。 「ルイズ? まだ帰らないのあなた?」 先行しているキュルケがルイズに話しかけてくる。ルイズはキュルケには構わずにまだ辺りを見回していた。 「どうしたのよ? 本当に幽霊でもいたの?」 からかうように言ってくるキュルケ。彼女の傍に居るタバサまで何故周囲を忙しなく窺がいだしているのだろう。 (あの植え込みから何か来るわ) 再び声。よく聞いてみると、それは彼女が最近馴染みだした彼女の声だった。 「レン? あんたなの?」 腕の中の猫に視線を向けるが、猫の視線は自分を向いていない。いや、抱き上げる前からずっと植え込みの一点を見つめている。 猫の時に意思疎通までできたのか、いや使い魔と言葉を交わすくらい普通の使い魔もできるはずだし当たり前か? と自問するルイズだが、とりあえずそれをレンに突っ込むのは後にすることにした。 レンに習って自分もその植え込みを見てみる。しかしルイズは特にそこからおかしいところを見つける事ができない。それでもレンは視線を逸らさない。 「何かって何よ。ちゃんと説明し、な――!?」 ルイズがレンに何事かと問いただそうとした時。なにやら地響きを感じた。ごく近くで、何か大きいものが動いているような――。 「な、何あれ!」 植え込みから土が盛り上がり、山になっていく。山は更に大きさを増し、見る見るうちに30メイルほどの巨大な人型になった。ゴーレムだ。 土のゴーレムはずしんずしんと地響きを立てて歩いていく。巨体が向かう先には本搭の壁があった。 「あいつ、何をする気?」 ゴーレムが巨体に見合った豪腕を振り上げ、壁へとたたきつけた。その拳は本搭の壁にめり込み、轟音を響かせて巨大な穴を開けた。 「学院の壁が……!? どんだけ強力なのよあのゴーレム!?」 悲鳴じみたキュルケの声があがる。そう、学院の壁は相当に強固にできているはずなのだ。いくらあのゴーレムが巨体だとはいえ、パンチ一撃で大穴が開くなど通常は考えられない。 ルイズの背中を冷たい汗がたどった。そういえばさっき、あの辺りの壁を爆発させなかったっけ、いや自分の爆発くらいで学院の壁は壊れたりしないはず――。 青ざめて思案するルイズ、驚愕に棒立ちになるキュルケ、流石に顔は上げているも静観しているタバサ。三人に構わずゴーレムの肩に乗った黒ローブの人物がゴーレムの腕を伝って穴から学院に進入した。 「学院を破壊して不法侵入……間違いなく賊ね」 「そ、そうね! 急いで取り押さえないと!」 「ちょっと、落ち着きなさいルイズ! あれだけ巨大なゴーレムを操って、しかも学院の壁を一撃で壊するような相手よ? 少なく見積もってトライアングル、それどころかスクウェアの可能性もあるわ」 「『土くれ』のフーケ」 ぽつりと呟かれるタバサの言葉。タバサの推測に得心がいったらしく頷くキュルケ。しかし、ルイズはその名前は初耳であった。 「誰よ、それ? あの賊の名前?」 「知らないの!? 今有名な怪盗の名前よ! 細かいことは省くけど、錬金が得意な土のメイジで、貴族からマジックアイテムを好んで盗んでくって」 「宝物庫」 タバサは杖で壁に開けられた穴を指しながらぼそりと言った。つまりあそこが学院の宝物庫だ、と言っているのだろう。 「フーケだがブーケだか知らないけど、賊には違いないじゃない! 取り押さえないと!」 「だから待ちなさいっての! 闇雲に突っ込んで勝てる相手じゃないでしょ! ましてゼロのあんたじゃ絶対ムリよ!」 「やってみなきゃわからないでしょ! 盗賊を前にして逃げるなんて貴族の名折れよ!」 自分を止めるキュルケと口論しているうちに、宝物庫から黒ローブが戻ってきた。やはり泥棒目的だったらしく、何かを持っているのが見える。再度ゴーレムの腕を伝って肩まで戻ると、主を乗せたゴーレムが方向を変える。 「逃がさないっ!」 ルイズはファイアーボールのルーンを唱え、ゴーレムへ魔法を放つ! やはり炎は出なかったが、ゴーレムの胴体が爆発した。しかし、如何せんゴーレムが巨大すぎる。体に空いた穴を気にも留めずに、地響きを立てて魔法学院の壁へと歩いていく。 「止まりなさい! 止まりなさいっての!」 「ああもう、しょうがないわねえ!」 失敗の爆発でも今は気にする必要はない、とにかくファイアーボールを連続してゴーレムへ唱え続けるルイズ。 キュルケも負けじとそれに続き、ファイアーボールを詠唱する。火のメイジであるキュルケの杖からは、爆発でなく火の玉が生まれ、ゴーレムへと吸い込まれる、爆発を起こす! しかし、二人の爆炎と爆発はゴーレムに全く通じていない。歩みを遅めることすらせず、ゴーレムは城壁を一跨ぎすると、そのまま学院の外へと歩き去ってしまった。 「……屈辱だわ!!」 「全くね、相手にすらされていなかった……!」 貴族にとって誇りは命よりも重いもの。二人のそれは盗賊風情にあしらわれた事で大きく傷ついていた。 タバサ、そしてレンはじっと土のゴーレムが逃げた方向を見ている。 ようやく他の連中も騒動に気づいたらしく、ざわめきがこちらへと近づいてくる。教師と衛兵が現場へやってくるまで、ルイズとキュルケは俯いて歯を食いしばり、悔しさに耐えていた。 前ページ次ページゼロの白猫
https://w.atwiki.jp/vip-tatie/pages/75.html
白猫メイドのプリシラ キャラ設定内容 名前 白猫メイドのプリシラ 性別 メス 設定 人間に換算すれば15歳 人間の少女に変身した元・白猫のメイド 性格 不思議ちゃん。マイペースでいつもぼーっとしてる。ボケ役 外見 目=紫でパッチリしている 髪=色白 肌=白 ふわふわショートヘアー身長150センチ 3サイズは上から78・57・82 背も胸も発育不良気味 服装 フリルのついたメイド服 特徴 いつもふわふわほわほわ~としていて如何にも悩みがなさそう猫耳と猫しっぽは平常時は出ていない動揺したり興奮した時のみ出るけれど元々そういう感情は乏しい 絵柄 おまかせ 差分 おまかせ 備考 戴いた立ち絵は個人での印刷とデスクトップアクセサリー(『伺か』)に使用致します 線画 http //dl8.getuploader.com/g/vip_tatie/56/ab1.jpg 猫服差分 http //dl8.getuploader.com/g/vip_tatie/57/%E7%8C%AB%E5%B7%AE%E5%88%86.jpg 立ち絵 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/profiterole/pages/42.html
名前 ζ白猫ζ 職業 運ルーインウォーカー 生産 錬金Lv22 主なIN時間 毎日何時でもいます! 好きなエモ うなずく 趣味 タコを蹴ること^-^ 一言 蹴ってほしいなって人はいつでも声をかけてください! スカイプIDkamekiti10
https://w.atwiki.jp/icds/pages/19.html
導入方法については下記のサイトが一番わかりやすいです TS3導入方法 カーちゃんサーバーをお借りしております 最低限のマナーは守るように カーちゃんサーバーへのアクセス方法ですが AVA gjのページの TS3を起動して接続するを探してクリックしてください 警告が出ますが害はないので起動とかOKとかとにかくキャンセル系じゃない方を選択 するとすぐに起動してくれます セキュリティソフトに引っかかったよ馬鹿野郎って方は TS3を普通に起動して 左上の接続→接続で出てきたサーバーアドレスの欄に アドレスを入力すればアクセスできます 続いて部屋の探し方です まずCtrlとFを押します 検索窓が出るのでICDSと入力してEnter これまた一瞬で出てきてくれます あとはダブルクリックしてメールでお知らせしたPassを入力してくれれば入れます このページいらないかな?
https://w.atwiki.jp/zeromoon/pages/85.html
前ページ次ページゼロの白猫 「い゛っーーー!?」 「動くんじゃないよ? 怪しい動きをしたら即座に殺す。全員杖を捨てな」 腕を極められた激痛に喘ぐルイズに酷薄な声をかける。未だ自分が置かれた状況を理解し切れていない、呆然とした瞳で見上げてくるルイズに、無慈悲な冷笑を返してやった。 そこまできてようやく全員状況を飲み込めたらしい。だが、もう遅い。 「あなたが、フーケだったのね……!」 「ご名答。ちょっとばかり答えを出すのが遅かったようだね」 もはや学院で見せていた作り笑いを見せ続ける必要も無い。歯噛みするメイジ三人だが、ルイズを人質に取られてしまっては迂闊な行動は不可能である。やむを得ず、言われたとおりに杖を捨てた。 「なんで、学院に戻ってきたのよ……!? とっとと逃げれば良かったじゃない!」 「なに、間抜けな話さ。せっかく手に入れた破壊の杖だってのに、使い方は分からない、ディテクトマジックにも反応しないと来たもんだ」 「だから、使い方を確かめるために……!?」 「そういうこと。偽物を掴まされたかもしれないとも思ってね。学院の誰かなら知っているんじゃないかと思ったけど、まさか使い魔が知っているとは思わなかったよ」 フーケは杖をルイズに突きつけたまま、油断なくレンへと視線を向ける。 「そこの白い奴。お前、この破壊の杖の使い方を知っているのかい?」 「いいえ」 「これが何かは知っているんだろう? 言いな」 と、フーケはルイズの首にぐりっと杖をめり込ませる。ルイズは痛みと怒りで般若のような顔になっていた。 先程、ルイズを助けた際に聞こえた会話では、この白い幼女は破壊の杖の正体を知っているようなことをほのめかしていた。どんなものかさえ判れば、使い方を推測することはできるはず。もし判らなくても効果さえ知れれば売る方法はある。それがフーケの考えだった。 「別に言う必要もないでしょ」 だが、レンはフーケの予想とは反対の方向に動いた。ルイズを無視するように一歩、踏み出してきたのだ。 「何してるのよ!?」 悲鳴のような金切り声を上げたのはキュルケである。フーケは顔をしかめた。 「本気かい? あんたのご主人様がどうなっても良いって言うの?」 「人質を取るって、あまり賢い手段と思えないのよね。だって危険にさらされるのは人質と加害者でしょ? 仕掛ける側には全くリスクが無い」 こちらの言葉を無視しながら、一歩、また一歩とレンはこちらへ近づいてくる。人質をまるで気にしていないような行いに、フーケの心に焦りが浮かぶ。 「それ以上近寄るんじゃないよ! もう呪文は唱え終わってるんだ! あんたのご主人様が死ぬよ!?」 このエルフもどきが先程ルイズ救出のために動いたのは間違いない。なのに何故、今回はまるで主人の無事に頓着せず、平然と自分へ向かって歩いてくるのか。 「あら、私はマスターの事を思ってやっているのよ?」 「どこを取ったらそうなるんだい!?」 「この任務の肝は『フーケの討伐』と『破壊の杖』の奪還。せっかくマスターが両方の目的達成のチャンスを作ってくれてるんだから、これを見逃すほうが使い魔失格よ。ねえルイズ?」 ウィンクをルイズにしながら飄々と答えるレン。ルイズは使い魔に見捨てられて呆然としているようだ。 もうレンとフーケの距離は数歩分まで近づいていた。フーケは背中に流れる汗を感じる。有利なのは自分のはずなのに、まるで自分が追い詰められているようだ。 自分の判断ミスに内心舌打ちする。今、ルイズに向かって魔法を放った場合、その隙をこの使い魔に襲われるだろう。もっと早く行動を起こすべきだったのだ。 「それと、一つ申し上げておきますが」 す、とレンが口元に人差し指を当て、笑みを深める。 「私、残酷でしてよ?」 その言葉を聴いた瞬間。 頭をハンマーで殴られたような衝撃が走った。 「―――がっ!?」 いや、殴られたわけではない。感じるのは痛みではなく、凄まじい眠気。 (しまった―――!?) フーケは自分の考えの浅さを呪った。目の前の白い奴が先住魔法の使い手だということは、昨日学院で変身を見た時から知っていたのに。自分に気付かぬように魔法を使えること位、何故想定できなかったのか――! 膝が折れる。ルイズを掴んでいるのかもあやふやだ。ぐらぐらと揺れる視界が、勝手に閉じる瞼で狭まってゆく。 (こんな、所で……!) 何とか気力を振り絞り、杖を前方へと向け、魔法を発動させようとする。もう視界はほとんど闇。何処に誰が居るかも分からない。 それでも闇雲に魔法を使おうとした所で、足首に衝撃が走った。最早フーケには体勢を維持するだけの力も残っておらず、最後に土の感触を顔に感じて意識が途切れた。 「はい、おしまい」 くずおれたフーケは追い討ちに足払いを掛けられ、顔面から倒れこんだ。起き上がる気配はない。魔眼とやらを発動させたのだろう。便利な能力だ。 レンは爪先でフーケの頭をつついている。完全にオチているのを確認すると、レンはルイズへと向き直った。 「よく暴れなかったわね。そこだけはありがたかったわ」 「……目で合図してたのはあんたじゃない」 「ちゃんと気付いてたのね。上出来よ」 レンが主人の安否を気遣わずにこちらに向かって歩いてきた時は、ありったけの罵詈雑言を放ってやろうと思った。だが、こちらへウィンクしてきたときに思い出したのだ。こいつは確か、目を合わせることで相手を眠らせることができると。 手を差し伸べてくるレンの手を掴んで立ち上がる。その時睨んでやったが、レンは動じた様子も無く、いつもの微笑をルイズへ返してくるだけだった。 「任務完了ね。さっさと帰りましょうか」 そう言って元来た道へと向かおうとしたレンに、険しい顔のキュルケが立ちふさがる。 「あら、どうかしましたか?」 「あなた、ルイズを見捨てる気だったの?」 「さあ、どうでしょう?」 「誤魔化さないで! 苦し紛れにでもルイズが攻撃されてたらどうするつもりだったのよ!?」 ヒステリーのように叫ぶキュルケを冷めた顔になって見返すレン。 何の説明もされていないキュルケやタバサには、レンの行動が主人を見放して動いたように見えたらしい。 レンの能力をルイズは説明しようとするが、それより早くレンが口を開いた。 「あの場で人質が通用すると思われる方が問題よ。ルイズを盾にして『破壊の杖』の正体を話させて、用済みになったら皆殺し。フーケが考えてたのはそんなところでしょ。自分たちに危険が及ばなかったんだから良しとしなさいな」 確かに、フーケの正体を知った自分たちを五体満足で学院に返したとは思えない。 それでも、先程のやり取りはキュルケにとって見過ごせるものではなかったらしい。怒りを隠さずにレンへ反論しようとする。 「けど「そういう貴女はどうするつもりだったの? フーケに命令されて言われるがまま杖を捨てて降参して、全部終わった後で他人の批判? 判断も考え方もお子様ね」 キュルケの言葉は、レンの彼女をなじる言葉にかき消された。レンの言葉で、キュルケの顔が激怒と形容する他無い程に歪んむ。怒りの炎を放つべく杖をレンに向ける。 「よしなさいってばキュルケ! この子は最初から私を助けられる算段があったの!」 ルイズはレンの前へ跳びだして言った。 「この子の眼は特別なの。目を合わせたらそいつを眠らせる能力を持ってるのよ。さっきの言い回しは自分にフーケの眼を向けさせるためでしょ」 確かに最初は自分もレンへの怒りが合った。けれど、その怒りが向けられるべきはレンではなく、ルイズ自身だと理解していた。 主人が庇ったことで、納得いかないような顔だが、キュルケが杖を下ろす。レンを助けたルイズの行動に、しかしレンは渋面を返した。 「ルイズ、余計なこと言わないでよ」 「あんたがキュルケを挑発するからでしょ! 余計な事って何よ!」 「切り札の存在をバラしてほしくなかったってことよ。因縁があるんでしょ、キュルケとは」 そういえば、召喚した翌日にそんなことを言った気がする。けれど、彼女は今、自分の身を案じてくれていたのだ。そして怒ってくれたのだ。その相手に敵対するような発言などしたくなかったし、レンにもしてほしくなかった。 主の想いなど知らないとばかりに、レンはそっぽを向くと歩き出した。 「いい加減疲れたわ。早く帰りましょ」 一人ですたすたと元来た道へと戻っていくレン。ルイズたちも帰途へ向かう準備をするが、その場の全員の気持ちに何かもやもやしたものが残った。 ロングビルことフーケは、両手両足をロープできつく縛った上、万が一を考えて猿轡を噛ませていた。未だ眠ったままだが、これならば目を覚ましても抵抗できないだろう。 馬車の手綱を握るのはタバサである。御車役だったフーケを拘束して転がしているのだから仕方あるまい。 レンはさっさと猫になろうとしていたようだが、そうなる前にルイズは、 「まだ猫になっちゃ駄目。聞きたいことがあるんだから」 と釘をさした。その時のレンは大いに不満そうだった。そして馬車が学院へ向かう途中、レンへの質問会が始まっていたのである。 「レン、あなたどうやってゴーレムを消したの?」 「そうよ、あんなことまでできるなんて聞いてないわよ? 何が『戦いは得意じゃない』よ」 「嘘は言ってないわよ。本当に戦うことは専門じゃないもの。緊急の時だけよ。特にさっきのはね。すごく魔力を消費するんだから、もう眠らせてよ……」 くああ、と抑え切れないあくびをしながらレンは言う。あのゴーレムを消すのはやはり大技だったらしい。レンの目は半分閉じかかっている。今にも夢の世界へ旅たちそうだ。 「ねえ、この『破壊の杖』って一体何なの?」 「私も聞きたいわね。さっきルイズが振ってたけど何も起こらなかったし」 オスマンが秘蔵しながらも、使い方が分からないマジックアイテム。フーケは学院の教師たちに期待していたようだが、果たして教師たちも知っていたのかどうか。 レンは眠たそうに目をこすりながら、ぼんやりした瞳で呟くように言った。 「鉄砲って言って何か分かる?」 唐突に話が飛んだ。脈絡の無さにきょとんとする二人だが、記憶の中の『鉄砲』を思い出してレンに答える。 「平民が使う武器でしょ? 火薬で金属の玉を飛ばすらしいけど」 「え? まさかこれが鉄砲だって言うの?」 「その一種よ」 淀みなく言われたレンの答えに、しばらくルイズとキュルケは返事をすることを忘れていた。たっぷり数秒は経った後。 「「嘘でしょ!?」」 ルイズとキュルケの声が重なる。タバサまで興味を引かれたのか、振り返って『破壊の杖』を見ていた。 確かにこの鉄の筒は、魔法の杖には見えないが、銃にはもっと見えない。弾を込める穴も空いてないし、手に持つ為のグリップも見当たらない。 第一、本当に銃だというのなら、何故メイジであるオスマンが所有し、また秘法として保管していたのか分からない。 「信じられないなら学院長にでも聞いてみたら? 持ち主なら色々知ってるでしょ」 どうでも良さそうに応じていたレンだが、何かを思い出したのか、ルイズに向き直って言った。 「そうそうルイズ。 戻ったら学院長から『破壊の杖』の入手経路を聞いておいて」 「何でよ?」 「それは私が居た所にあった武器だもの。入手先が分かれば元の世界への手がかりになるかもしれないわ」 「何、元の世界って?」 「私の故郷よ。随分遠くから召喚されたから、帰る手段を探してもらってるの」 突っ込んでくるキュルケにさらっと答えるレン。嘘は言っていないが、大事な部分はぼかしている。この会話スタイルがレンのやり方なのだろう、とルイズは理解した。 「もう限界。寝るわ」 その言葉と共に、レンは一瞬で猫の姿になった。白い毛玉状態である。完全に熟睡していた。 「……ルイズ、あなた変わった使い魔を召喚したわねえ」 「うっさい」 正直、まだまだ聞きたい事はあったが、今は眠らせてやる事にした。レンも確かに疲れたのだろう、あんなゴーレムを相手にしたのだから。続きはまた夢の中で聞いてやろう。 ルイズは、今回頑張った慰労の想いを込めて、ゆっくりとレンの背中を撫でてやるのだった。 「それからあんたたち。この子が人間になれたり、先住魔法を使えたりすることは黙ってなさいよ」 「あら、何で? ゼロのルイズの使い魔がそんなすごい奴だと分かれば皆見直すんじゃないの?」 「この子、ちょっと珍しすぎるでしょ。下手したらアカデミーとかに連れて行かれるかもしれないもの。だから黙ってて」 「う~~ん、どうしようかしらね~~?」 わざとらしく迷うような声をあげるキュルケ。ルイズは、こいつ絶対何か吹っかけてくる気だと、次のキュルケの答えを警戒した。 「言わない」 だが、キュルケよりも早く、馬車の運転に専念していたはずのタバサが答えてきた。 「あ、ありがとう、タバサ」 「いい」 それで話は終わりだ、とばかりにタバサは再度前に向き直る。タバサの背中にもう一度感謝を返すと、ルイズはキュルケの方を向いた。 キュルケはタバサが珍しく会話に参加してきた事に、きょとんとした顔でタバサの背中を見ていたが、ルイズの真剣な顔をみて苦笑を一つ返した。 「タバサがああいってるんじゃ仕方ないわね。けど、貸し一つよ?」 「……仕方ないわね」 ツェルプストー家に貸しを作るなど癪だが、この場合は仕方あるまい。 あんたのせいなんだからね、と思いながらもルイズはレンの背中を撫でる手をずっと止めることはなかった。 「……ここは……?」 フーケの意識が覚醒する。目に入るのは見慣れた天井。辺りを見回してみると、そこは学院寮の自室だった。 「何で、またここに……?」 もう自分の正体は露見したのだ。なのにここにいる理由が皆目見当がつかない。盗賊である自分が放り込まれるとしたら牢獄しかないはずなのに。 「ご機嫌いかが? 怪盗さん?」 不敵な笑みを浮かべながら入ってきたそいつは、あの白いエルフもどき、レンだった。 自分の敵をみて、体を起き上がらせようとするフーケだが、そこでようやく体が動かない事に気がついた。首から上は動くし、声を出す事も問題ないのだが、首から下がまるで鉛のように重い。 「何を、した……!?」 「動けないようになってもらっただけよ」 どうやって、と聞こうとしたフーケだが、それについては聞くだけムダだと判断した。先住魔法の使い手に聞いても、恐らく理解などできまい。 「あたしをどうするつもりだい?」 「最初はオスマンやコルベール、あとギトー? とにかく学院の男性全員の相手をさせようかと思ってたんだけど」 さらりと言った内容は、とても看過できるものではなかった。フーケの背筋が寒くなる。主人を危険に晒した報復行為ということか。しかしこの幼女は『思っていた』といった。心変わりした、という事だろうか。相手の真意を確かめるため、慎重に聞く。 「……やめたのに理由はあるのかい」 「だって、ねえ」 レンはフーケの腕を持ち上げた。冷たい。何故身体の自由は全く利かないのに、いつもよりも感覚が冴え冴えとしているのか。 まるでフーケの言うことを聞かない腕に、レンはかぷりと噛み付いた。 「――ッ!!」 鋭い痛み。まず感じたのはそれだった。そして出血に伴う痛みがじりじりと腕に走る。血を、吸われている―――!? 「あんた、吸血鬼か!?」 「違うわよ。まあ、血からも吸えるけど、私はグールを作ったりはできないもの。これはちょっと確かめてるだけ」 じわじわと、熱が腕に広がってゆく。歯はすぐに引き抜かれた。その後、口の中でうごめく舌が滲んできた血を舐めとっていく。レンの舌はざらざらとしており、まるで肉の鑢だった。 血を全て舐め終えると、にやりと笑ったレンが一言。 「貴女、処女でしょ?」 フーケは自分の顔が朱に染まるのをはっきりと自覚した。ぱくぱくと口を開くも、レンへ言いたい言葉がうまく出てこない。 「初めての思い出だもの。ちょっとした趣向を凝らしてあげようと、私自ら出てきたわけ」 そう言うと、レンはフーケの腰に跨り、行儀よく手を合わせた。 「なにを……」 「いただきます」 微笑んで宣言するレンの顔。彼女にはまるで、肉食の獣が獲物を喰らおうとしているように見えた。 「っ……ふっ……」 流れる風景をぼんやりと眺めていると、後ろから聞こえる吐息が気になった。 振り向いてみると、相変わらずフーケが眠りこけている。 だが、何だか先程より呼吸が荒くなっているような―――? 「キュルケ。フーケが起きるかもしれないわ」 「杖も奪ったし、しっかり縛ってあるし、問題ないでしょ」 「そうだけど」 キュルケは興味なさげに答えてくる。 「んぐ……ふーぅっ――ふーっ」 先程に比べ、明らかに寝息が激しくなった。しかし彼女の目は閉じたままである。 「ね、ねえキュルケ」 「なあに? またフーケの事?」 「そうなんだけど、何か様子が変なのよ」 轡から漏れ出る彼女の吐息は熱がこもっている。まるで熱病にうなされているように。 「まさか、何か病気とか?」 「ほっときなさいよ」 「でも」 「あれだけ元気にゴーレムを操ってたのよ? どう見ても病人には見えなかったわ。もう起きていて、寝たフリをしながらの演技かもしれないし」 ごろん、とフーケが寝返りを打つ。手を握ったり開いたりを繰り返し、 時折びくっと痙攣する。顔は上気し、何かを耐えるように猿轡を噛み締め、その口の端からは涎が流れ落ちていた。 「あんたの白猫がなんかしてるんじゃない?」 「レンが? 何でよ」 「ほら、その子夢魔なんでしょ? 一応ご主人様と自分に危害を加えようとしてたわけだし」 そういえば、以前ギーシュにも何かしたような事を言っていたか。つまりフーケも今レンに『踏まれて』いるのだろうか。 そんな事を考えていると、一層フーケの痙攣が激しくなってきた。まるで釣った海老のように、がくっがくっと反ったり戻ったりを繰り返す。 「―――っ!! ぐ――んうぅぅぅぅっ!!」 一際大きい呻き声を発して、フーケの身体がビンッ弓なりに反った。そのままびくびくと痙攣を繰り返すと、急にくたっと寝転がってしまった。 「ふーーーっ……ふーーーっ……ふーーーっ……」 全力疾走を終えた後のように、深く、しかし間隔は短い息継ぎになるフーケ。 荒い呼吸共に動く胸は、先ほど見た時より容積が増しているように見える上、先端が盛り上って激しく自己主張していた。 しばらくその状態が続き、落ち着いたのかと思ったら、またびくびくと震えだした。 「ぶふううぅっ! ふぐーっ! ひゅふーーーっ!!」 「……こ、こここここれって」 「言わなくてもいいのよルイズ。分かってるから」 フーケ並に真っ赤になって、ぶるぶる震える指でフーケを指差すルイズ。 キュルケはフーケを苦笑しながら眺めている。 タバサはさっきから馬を走らせることに集中している。それは後ろの状況に極力目を向けないで済むようにしているように見えないこともなかった。 「お、起こした方がいいかしら!?」 「……やめといたら? 寝てる事には違いないんだし」 「はうううっ!! んうーーーッ!!」 結局。学院に到着する寸前まで、時間にして3時間以上の間。フーケはずっと悶え続け、馬車の中はとても気まずい空気に相成ったのであった。 「はーーーっ……はーーーっ……はぁあっ……」 「御愉しみいただけましたか?」 レンが指で弄んでいる、二人の分泌物。 粘土のような、青臭く匂う白濁物。さらさらした、酸っぱい匂いの透明な液。 レンは二つの混合物を指で捏ね回した後、糸を引くそれをじゅるるっと音を立てて啜った。 「ホント、濃いわね。喉にへばり付いてくるわよ?」 動けない。肢体の自由は戻ってきている。しかし、フーケにはこの幼女に言葉を返すことすらできなかった。 先程までの行為で、自分の体力、精神力、精力、全てこの使い魔に吸い取られてしまった。正直、今生きているのかが不思議だ。声を出すことも、指一本動かすことすらできない。 レンは口の中のものを全て飲み込むと、露わになっている臍に舌を入れてきた。 「あ……く……」 ぐりゅぐりゅとほじるように動く舌は、まるで彼女の内蔵まで犯そうとしているようだ。 そこから胸元、谷間、喉の道順でレンの舌が、珠のような汗と白濁を肉のブラシでこそげ取るように舐めとっていく。その時間はゆっくりで、フーケにとっては殊更長く感じられた。 そのままフーケの顔にレンの顔が近づき、頬にべたりと舌を貼り付けた。 匂う。先程レンが飲み込んだ物の匂いだ。鼻腔を犯すような悪臭と、それを擦り付けようとする舌の動きに、整えようとしていた思考がグチャグチャになる。 舌が頬から更に上へとなぞられていき、目尻に辿りつくとちゅっと吸われた。どうやら涙を舐め取っていたらしい。それだけの行為が、消耗しきっているフーケの背筋を再度ゾクゾクと震えさせた。 「ご馳走様でした。少しは足しになったわ。それでは、束の間の良い眠りを」 耳元で囁かれた言葉を合図にしたように、フーケに残されていた意識はぷっつりと消失した。 前ページ次ページゼロの白猫