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今回放送された各DJさんの紹介です 積極的に書いてくれる人がいるといいなぁ。 リスナーの皆さん、編集は自由となっておりますので、感想などどうぞ。 放送者紹介は1と2に分けて、1-26部を1ページ目に27-50部を2ページ目に掲載することにします。 放送者紹介はこちら 長くなりそうな場合は更に各日ごとの分割を行うか検討中。 各部放送後に編集をお願い致します。 DJ事前アピールはこちらです。 5月5日(月) 放送4日目 第二十七部 00 00-02 00 ◆aLVVVpRFtA ゆとり世代ぶっちぎりでスーパーオッサンタイムとなった27部。 CMや小ネタを織り交ぜながらこれでもかと言うほど懐かしい歌を流しまくった。 後半はリスナーのリクエストに逐一答え、その度にオッサンリスナーの歓喜がこだました。 その様子を形容するならば、動物園で動物に餌付けする飼育員のような手際の良さである。 徹底したサービス精神によりオッサン世代から絶大な評価を受けた27部DJであるが、 見方を変えれば狂喜乱舞していた住人は主の掌の上で完全に踊らされていたのだ。 恐ろしい子…! 第二十八部 02 00-04 00 ◆lFp.5v7mbs 実況スレに登場するや否やトリップつけ忘れたりと、 どじっこぶりで住人のハートをガッチリつかんだ28部DJ 27部でヘブン状態になった住人(主にオッサン)をクールダウンすべく投入された。 むしろ眠りの世界に誘う刺客と呼んでもいいであろう。 二時間全部を使ってスローテンポな曲をかけ続け、住人は一人、また一人と脱落する。 実況スレでの穏やかな書き込みとは裏腹にやっている事は間違いなくドS。 アニソン三昧の深夜名物ともいえる催眠DJだった。 28部主は ラリホーをとなえた! しかしみんなねむっている! 第二十九部 04 00-06 00 ◆/zrdKbm9Ks 28部のスリープクラウド連発攻撃をかいくぐったリスナーに渇を入れるべく登場。 無限ループ、バッファ、無音の混乱の中から朝アニの「ガッシュ」「プリキュア」「ミルモ」を 流しリスナーの目覚めを促す。 その後も「起きろ!」と言わんばかりの勢いの曲を続けリスナーを惹きつけた。 一世風靡SEPIA、ハイロウズなどの選曲はDJ氏の主張を暗に示すものかもしれない。 後半は宣言どおり10代後半向けのアニソンを流し深夜のおっさんタイムで虫の息だった ゆとりの勢力を取り戻すことに貢献した。 全体の選曲を見ても正統派の流れを汲む選択であり、DJの手腕をうかがうことができる。 ラスト2曲にはジブリを配置しキッチリと締めた。 が、これが30部での盛り上がりの伏線になった辺り、意外に策士なのかもしれない。 第三十部 06 00-08 00 ◆DP60ICWPqs 通称「怨霊(音量)の30部」。初心者DJの犯しがちなミスをする度に実況スレでの人気が上昇していった幸運な人。 序盤はまったりとできると言う割にはテンションを上げ眠気を覚ます良曲を連発。実況の反応も良好であった。 また、リスナーのトーク要望やリクエストにも応えるサービス精神を発揮し好感度をアップした。 ちなみにリクエストスレに初めて返事をくれたDJでもある。 しかし、初のトークで音量の小ささからスレの流れは怨霊関連の話題に大きく傾く。 これは29部ラストからのトトロの話題でスレにオカルトチックな底流があったためである。 その流れを取り戻すべく2度目のトークに挑戦するが、無限ループ+ハウリングの音量増強による 心霊現象を自ら引き起こし、実況スレの恐怖感と盛り上がりは最高潮に達した。 トーク中止を宣言するも再登場を望む声は大きく、3度目のトークで遂に無事やり遂げることができた。 流れも落ち着き、後半部は宣言どおりまったりした曲を中心に構成し、最後は岡崎律子ゆかりの曲で締めた。 本人は落ち込んでいるかもしれないが、早朝のリスナーを楽しませる目的は大いに達成された。 30部のリスナーは将来有望なDJの一人が誕生した瞬間に立ち会えたのかもしれない。 第三十一部 08 00-10 00 ◆DkWp.9taOM 「にわかの為のアニソン」という触れ込みで、しっとりと始まった31部。 近年の有名作(の一部)から数曲ずつ流す固め打ちは、「また○○か」という定番コメントを引き出しつつも、あまり多くの作品・曲を知らない「にわか」にやさしい仕様と言えよう。 シリーズ物や続編を期待されるものが多かったのも、近年の状況を表していると言えるかもしれない。 時折、挟まれる小ネタもよいアクセントになっていた。 スローテンポに偏らずに緩急織り交ぜられていたが、ダウナー系の作品が複数含まれていたためか、早朝らしい落ち着いた進行となる。 また、自らが流した曲で、精神的ダメージを受けるなど、自爆気味なお茶目さを見せる一面もあった。 第三十二部 10 00-12 00 ◆1JZ1Gjfxcs 流す曲はまだ一回も流れていない曲で固めてある、という触れ込みの下放送がスタートするも 一曲目から被っていたことが指摘されるという希代のドジっ子DJ 年に一度はかかる18禁用語連発のメイドさんの歌を朝っぱらから流した。 第三十三部 12 00-14 00 ◆FK513/Ml/k いきなりジャイアンリサイタルを開催したかと思うと、続けて皆の嫁であるかがみんの曲を流すという暴れっぷり 若干タイトルと曲構成に偏りがあり加速する曲の配置が悪く、 昼間にも拘らず容量オーバーを頻発させている。 第三十四部 14 00-16 00 司令◆r.SiMPbcRY 提供、CMからはじまった34部。MCの喋り方に素人臭さが微塵も感じられなかった。 テンションの高い曲を連発してスレは大いに盛り上がったが、突如おにゃの子声のMCが入り実況スレは騒然とする。 おにゃの子声(自称アシスタント)の正体は、DJの裏声、DJの嫁、地獄の女帝(?)など諸説飛び交ったが、後に「寄せ書きスレ」での書き込みにより嫁だということが判明した。 その後も全編にわたり熱い曲を連発するが「なんちゃらかんちゃらほぇええええ」のAA(放送者紹介19部参照)が活躍し、容量オーバーの回数が比較的少なかった。(それでも運営に過度の負担を強いたのは事実である) 記念すべき1000曲目、勢いが14万を超えるなどお祭り要素満載の部であった。 ちなみに1000曲目は「ETERNAL WIND~ほほえみは光る風の中~」/森口博子(機動戦士ガンダムF91 ED) アニソン三昧2008の1000曲目として納得のいくものとなった。 曲に突然乱入して歌ったり、途中で勝手に終了宣言をし運営やリスナーを震撼させたのちアンコールを演出したり、リスト班助っ人募集のCMを入れたりとフリーダムな2時間だった。 第三十五部 16 00-18 00 ◆Y9cccccccc 前述の第三十四部のラッシュにより、危惧された運営からスレが三つ重複されたが、 電波の加速曲ラッシュによっていとも簡単に消化。 実況スレは電波な流れについていけなかった住人が避難所に疎開する姿も見られた。 最終的にアクエリオンと、主の実況スレへのテロっぷりは今までに類を見ないものとなった。 放送時間中にアニソンといわれるものは片手で数えられるほどしか放送されず、 アニソン三昧というよりゆいにゃん三昧。電波曲三昧の印象が強い。 第三十六部 18 00-20 00 ◆AQJumperK6 ハイテンポな曲から落ち着いた曲までバランスの良い選曲だった。 月火水木金土日”の文字が含まれる歌手を選びその順番で流す、 春夏秋冬”が含まれる(英語も)曲名の順番で流すなど、 遊び心を発揮、リスナーを驚かせ予想するものが多数表れるなど盛り上がった。 DJ、リスナーの一体感を取り戻したところでリクエストを放送。 手持ちの曲の中から可能な限りリクエストに応える誠実さはDJの鑑とも言える。 後半はリクエストを含め珍しい別Ver.の曲を多数流し、実況に緒方恵美を頻出させた。 最後はこどもの日らしく「こいのぼり」を流し、エヴァ(これも別Ver.)で締めくくった。 前2部4時間に渡りksk熱暴走気味だった流れを見事にクールダウンさせた名DJである。 第三十七部 20 00-22 00 ◆O4allmjk7. 落ち着いた曲を多数流す。 スレ内ではAAの争いに巻き込まれ空気化した時間帯も・・・ 他にもDJ当選かと喜んでた人が落ちてたりとあらゆる意味で同情できる部であった。 ロリ→ジャズの流れなど脈絡のなさも面白かった。 しかしksk曲も取り入れ盛り上がった場面も。また、80年代後半のメジャーな曲も多く20代30代に聴きごたえのある選曲であった。 しかし最後亀の歌がループするという事故が発生し笑いを誘い終わった。 第三十八部 22 00-24 00 若き身空feat.3号◆L6piMISORA 開始から幼女児向け曲を立て続けに流し、その後も同傾向が強力に続いた大きなお友達系DJ。 時折挟む軽快杉るトークが特長。 トーク中のバックで流れる、90年代教育番組の曲が懐古の情を誘った。 事前に用意していた曲リストが流出し、急遽変更したリストが尺に収まるか心配していたDJだが、 前振り通り終盤に巻きが入り「早いぞwwwww」の嵐の中、三十九部へバトンタッチとなった。 奇しくもこどもの日の最後をある意味綺麗に飾れたのではないだろうか。 5月6日(火) 放送最終日 第三十九部 00 00-02 00 ファルコ◆Hhvky2QNws 開始早々スターフォックス64のBGMを流しリスナーを盛り上げた。 その後もロイツマや赤ちゃんはどこからくるの?などスーパーゆとりタイムが勃発し、 スレがありえないほどkskし、3スレほど容量オーバーになった。 その後は普通の曲を流し落ち着いたかと想えば、勇者王で再発。 後半はずっとアクエリ・鳥の歌・JAM等メジャーな曲でスパート。最後はSkillで締めた。 消費した12スレ中、10スレを容量オーバーにする惨事に至ったが 問題ない。 第四十部 02 00-04 00 ◆wcRMusufe2 マクロス特集で始まった40部。 しかし、途中でDJのミスによりきしめん発動。 これがDJの言うデカルチャーだったのであろうか・・・。 また素晴らしくどじっ子属性を持つことが判明。 だが放送中にキリ番555を華麗にゲットし、キリ番ゲッター神様に勝利。 多くのリスナーから賞賛とも取れる罵声を浴びた。 ラスト直前のトークにおいて去年の五十四部を担当したと告白したことで、 包茎DJであるとの疑惑が一気に浮上する。 そんな中、最後のセリフの途中で興奮したため、 「俺のっ・・・(マイク外れる)」→ラスト曲という流れに。 今後、ひと皮むけることを切に願う。 この部以降、マクロス関連曲が流れる度にスレは「 (;゙゚ ω゚ ) おおおヤックデカルチャー」の嵐となる。 第四十一部 04 00-06 00 ◆c639n1ljNk マクロス特集だった40部で燃え尽きたリスナーを快適に眠りに誘う曲を連発。 眠気の臨界点を突破したリスナーの怒号とあきらめのレスがスレを埋め尽くす。 それを見たDJが「(´゚Д゚`)そうか…DJやった皆はこの感触を楽しんでいたのか…」とレス発言し、ドSへと覚醒。 秒速5センチメートル挿入歌「One more time, One more chance」が流れると、DJも含めリスナー全員鬱状態へ陥ったが、 ラストの「ウンディーネ」で数多のリスナーを引き連れて別世界へと昇天した。 リスト班が孤独に戦っていたことは意外と知られていない。 グッジョブ、孤独なリスト班よ!君の功績は忘れないだろう。 第四十二部 06 00-08 00 ◆oC5h16pFWk 直下鏡さんは1人。この鏡さんが逝くと500人ものリスナーが難民になる状態で 放送開始。 曲と曲をクロスフェードでなめらかに繋ぐやり手のDJとして株を上げる。 最近の曲を中心にアップテンポな曲を連続で流し、独特の疾走感を演出した。 早朝でなければ実況スレはもっと加速していたであろう。 またスレに曲紹介レスをする際に、関連AAも一緒に投下するのも特徴。 実は放送中に一番AAを投下していたのはDJ本人である(らしい)。 終盤に釘宮ソングが流れるとスレは一気に 「くぎゅううううううううううううううう」の嵐となり加速開始。 その後、放送終了までその勢いが衰えることはなかった。 地味に女性声優縛りであった。 第四十三部 08 00-10 00 ◆EduijX3PQk 前半はいろいろ、後半はマクロスを流すと宣言。 40部とかぶることを気にしていたが、そんなことは関係ねぇぜ。 流したい曲を流す!それがアニソン三昧じゃねーか! 時間も時間だけに徹夜組は燃え尽き、起床組と入れ替えということで 非常にマッタリした空気が流れる。 スレも加速しないため、誰かは誰かにレスをしているという 非常に高純度の馴れ合いワールドが形成されていた。 後半のハイパーマクロスタイムでは、40部では流れなかったマクロス関連の曲も織り交ぜ、最後はマクロスFの曲で綺麗に締めくくった。 第四十四部 10 00-12 00 ◆bjtPFp8neU 直前にてDJが行方不明。運営の方で協議した結果その場にいた3位が繰上げでDJを担当することになった。 ところがいざ蓋を開けてみるとまさかのウザク。ウザクがDJを失踪させたという説が濃厚である。 ただスレでのウザさと反比例して曲の内容はとても安定していてスレ住人を驚かせた。 ラスト2曲にJAMを持ってきてうまくスレを盛り上げて次へとバトンを渡した。 しかしそこはウザク。放送後に45部の影響を受け女の子を騙るなどしてウザクっぷりを住民にしらしめた。 しかしスレでのウザさに目を瞑れば安定してDJとしての役目を終えたと言えるだろう。 ついでに人生の役目も終えてくれれば文句はない。 第四十五部 12 00-14 00 ◆NUKO///c8o 序盤からゲキテイなどの定番曲をかける しかし問題はそこではない DJトークになり、DJが女性(もしくはリアル準にゃん)と発覚。脳みそ海綿体集団こと住民は勝手に各々ヒートアップ。坂本真綾をバックに賢者モードになることに。 これを後にマーヤブリッジ大佐症候群として恐れられることは想像に難くなかった。 が、清純波少女として少女臭をまいたトークとは裏腹に直後には腐女子臭漂う楽曲をチョイスし、住人の血流を股間から鼻に集中させる離れ業もやってのけた。 委員長とバックでセックス! 第四十六部 14 00-16 00 ◆46部 ◆0yWKRV6IhM ループの四十六部。昨年最大の事故を起こした60部を引き継ぎ、60.5部として放送した46部DJ しかし今年は事故を起こす側に立つとは皮肉な事よ…。 お前は今泣いていい!泣いていいんだ! DJ元素出せなどの優しさあふれるレスに『なんかみんなあったけぇ!(泣)』と感極まるDJ。 生歌は輪唱クオリティ。困ったときの夏影。彼女持ち発言でスレを殺伐とさせつつ無事終了。 本人 「だって去年も同人エロゲ作ってるとか言ったから、何か言わないとwちなみにゲームは完成未定です(´・ω・`)」 第46.5部 (46部中断中の繋ぎDJ) 46部代理 ◆WinnyIV21w 46部の事故を受けて急遽代理で投入されたDJ。 TVサイズ連発で矢継ぎ早な曲放送によりリスト班を興奮させた。(DJ抽選段階においてリスト班から要注意人物とマークされていた) 10曲ほどではあるが選曲は新旧多岐に渡るバランス良くポイントを押さえたものであり、安心感のもてるDJであった。 放送中にDJが明かしたところによれば、曲の長さは5秒~2分、曲リストは80曲に及ぶものであるらしい。 アニソンの特集を組むにあたってのテーマの幅広さを感じさせ、 さらに選に漏れたDJ候補の中にはまだまだ猛者がいることがはっきりと認識できる出来事であった。 第四十七部 16 00-18 00 ◆Ee8fvKjJIQ 宣言どおりのおっさん向けかつマイナー志向でリスナーを楽しませる。 マイナーとはいえ「あー、聞いたことあるなぁ。」「あったあった、これ何だっけ。」「うわ、懐かしー。」と心をくすぐる選曲になっていた。 DJも実況に簡単な曲解説を逐一投下してくれる親切進行であった。 最終日は様々な放送事故が頻発し何やら不穏な気配があったが、47部もその影響受けた一人。 ミラー鯖落ちに始まり、再生ミスで前部に続きまたもやヤバいのかという雰囲気がリスナー間に立ちこめた。 しかし、DJの素早い事故原因の把握と冷静な対処で正常に復帰、その後も無事に放送を進行した。 再生ミスを起こした「ラ・セーヌの星」が事故りながらも妙なMAD風味になったのも幸いしたのかもしれない。 その後も大御所歌手を配置した布陣の中に大技小技を利かせた曲を流し続け、最後はささきいさおでまとめ上げた。 正にSOT(スーパーおっさんタイム)の名に恥じない部であった。 放送事故の影を吹き飛ばし、フィナーレへの感動の道を作り上げた陰の功労者の一人でもある。 第四十八部 18 00-20 00 ◆fPhP3r61NE 序盤は比較的バランスを重視していた スレ内ではリスナーと会話するなどこれまでになく溶け込んでいたDJであった 中盤でスーパーI veもといOTOKOタイムを敢行 終盤はスーパーナナニータイムを敢行 最後はVIPSTARで締めた。テーマを決めてまとめて流すといった感じで進めリスナーを魅了した 第四十九部 20 00-22 00 芹沢◆SEdC382oLI 高打率を誇るキリ番ゲッターこと芹沢が、 ついにDJとしてマイクを握りPCの前に立つ! リスナーが繰り出す魔球の嵐を見事打ち返すことができるのか?! 実況はでっていう氏、ゲスト解説にウザク、セガール、誠、神様、かがみん、ファルコ、荒巻などの豪華布陣を迎え、 芹沢はいよいよアニソン三昧最終回のバッターボックスに臨む! 軽快なトークで始まった芹沢49部。今年のアニソン三昧もいよいよラストスパートに入ったことで、芹沢もリスナーもボルテージが上がり一体化していく。それを象徴するかのように、キリ番ゲットコンボによってリスナーひとりの会社内定(ウザク権限による)が決まった。 中盤トークを挟み、今年のアニソン三昧では初めての「Agape」を流しリスナーの涙を誘い、その後JAMにて加速させた後、「Princess Brave!」(留桜良姫)にて緒方を大量発生させた。 途中プレイリストを無理やりいじくり、「ムーンライト・ラブ」流しを敢行。 芹沢の心意気に感動したリスナーは歓喜の渦を巻き起こし、 実況スレ161、書き込み番号531-532(同一ID)が一枚のぱにぽにカードを見事完成。この連番書き込みの所要時間はわずか2秒。 リスナーから驚愕と賞賛を浴びる。 ラストのトークにおいては、ラジオ配信方法を知らなかった芹沢が「振らないバットは当たらない」という今年のアニソン三昧屈指の名言レスに奮起し、 必死にやり方を学び、ラストチャンスでDJの座をついに射止めたという話に皆が涙、大感動のうちに芹沢49部は幕を閉じた。 総評:芹沢は無駄にムダに無駄にむだに無駄にいい声でした>< 第五十部 22 00-24 00 ◆5tDQ2v.BC2 最初にMCで去年の第七十五部・・・・大トリであったことをカミングアウト その伝説は、去年のWIKIをはじめ、去年からの運営陣の脳裏に刻み付けられており 「常にバックアップが3スレくらいいるんでないかこれは?」 と危惧された。 北斗祭りで幕を開け、その後もにわかから古参まで幅広いリスナーが盛り上がれる曲を流し 最後という事でのテンションの高さも相まって、スレはどんどん1000を迎える前に500KBオーバーで落ちていく。 勢いは最速で29万!!に達するなどksk曲もうまく取り入れ最後はしっとり感動曲で締めて終わった。 最高の演出でリスナーも涙した トリとての重責を見事に果たした50部であった おまいらもっと積極的にDJ紹介のページを編集しようZE☆ 放送者紹介2(1ページに戻る)
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牧野富太郎とは、明治時代から昭和時代にかけて活躍した植物学者である。1500種もの植物の品種を発見し、命名したことから「近代植物学の父」と称えられる。我が国に産する野生植物だけでなく、野菜などの農作物や観賞用の花卉、現在は植物には含まれない藻類や地衣類、キノコの研究を行った。 生没年:1862年~1957年 出身地:土佐国高岡郡佐川村(現在の高知県高岡郡佐川町) 生涯 幼少期 1862年、土佐国高岡郡佐川村の「岸屋」の長男として生まれる。実家は商家で、酒造業も営んでいた。幼いころから植物に興味を示し、野山を駆け回っていたという。父親(3歳の時)、母親(5歳の時)、祖父(6歳の時)を相次いで病で亡くし、祖母によって女手一つで育てられた。祖母は幼少期の牧野が相次いで肉親を失った不憫さから、彼に多くの愛情を注いだという。 10歳から寺子屋へ通い始め、11歳の春からは藩校・名教館に通い始めた。この名教館はのちに佐川小学校となり、牧野はここで漢学や西洋風の地理・天文学を学んでいたが、学業に興味が持てず、2年で中退してしまい、以降は好きな植物採集に明け暮れることとなる。 青年期 15歳から佐川小学校の臨時教員としておよそ2年間教鞭をとる傍ら、牧野は植物採集やその研究に明け暮れる日々を送っていたが、次第に佐川での勉学だけでは物足りなくなっていた。そんな中、17歳の時に高知師範学校の教員であった永沼小一郎という人物に出会い、欧米の植物学に触れる。これは牧野の人生に転機をもたらした。これと同時期に、江戸時代後期の本草学者・小野蘭山による「本草綱目啓蒙」(中国明代の百科事典「本草綱目」の解説書)に触れ、いよいよ植物学を極めていく。自らを「植物の精霊」だと感じ、日本中の植物をまとめ上げたフロラ(植物図鑑)をつくるという夢をいだいた。 そして19歳の時、第2回内国勧業博覧会見物と書籍や顕微鏡購入を目的に、番頭の息子と会計係の2人を伴い初めて上京した。東京では博物局の管理人であった旧幕臣の田中芳男や、前述の小野蘭山の曽孫にあたる小野職愨(おのもとよし)に出会い、小石川植物園を案内してもらっている。田中は牧野の探求心を高く評価しており、田中と牧野の交流は、田中が1916年に亡くなるまで続いたという。 1884年(明治17年)、牧野は一度帰郷し、当主として祖母の勧めで2歳年下の従妹でかねてから許嫁であった猶と結婚した。 同年に再び上京し、帝国理科大学(現在の東京大学理学部)の教授・矢田部良吉を訪ねる。矢田部はこれを快く受け入れ、牧野が研究できるように数多くの資料や文献を貸した。植物研究を続ける中、牧野はロシアの植物学者・マキシモウィッチと交流している。マキシモウィッチは当時、ヨーロッパにおいて東アジアの植物の研究の権威であった。マキシモウィッチは牧野の送ってきた標本や精巧な図に感銘を覚え、牧野を激励する手紙を送っている。 1887年(明治20年)、牧野は「植物学雑誌」を出版した。この雑誌上で牧野はヒルムシロという田に生息する植物についての学説を寄稿している。この年には、牧野を育てた祖母が土佐で亡くなった。このころ牧野は「日本植物志図篇」の出版に取り組んでいた。牧野はこの書物を出版するにあたり、図はすべて自分で描き、印刷工場で印刷方法も教えてもらい、そうして出版にこぎつけた。現在の植物図鑑の先駆的な存在であるこの書物は、マキシモウィッチから高評価であった。 このころになると、牧野の実家である岸屋は経営が大きく傾いていた。経営は牧野の祖母が亡くなったのち、牧野の妻である猶が担当していたが、牧野が膨大な金額の研究費を必要としており、猶はその金銭を夫に送り続けていたためであった。実家が困窮する中、小澤壽衛(スエ)という14歳の少女に一目ぼれし、ついには同棲をはじめ、第一子に園子を設けた。1889年(明治22年)にはジョウロウホトトギスというホトトギスに近縁の新種の植物を発見。『植物学雑誌』に発表し、日本ではじめて発見されたヤマトグサに学名をつけた。その翌年には、ヤナギの観察中に、水路に見慣れない水草を発見した。これはムジナモという植物で、日本ではこれが新発見であった。牧野はこのムジナモに関する論文を発表し、世界にその名を知らしめることとなった。 しかし、矢田部とその助手であった松村任三らにより、植物学教室の出入りを禁じられてしまう。これにより研究も妨害され、「日本植物志図篇」の刊行も打ち切りとなった。これは矢田部らが、自分たちとは異なり学歴を持っていない牧野の成功をねたんだといわれる一方で、研究用の資料を無断で返却期間を延長してなかなか返さないことや、若くして名を世界に知られた牧野の不遜な態度が両教授の怒りを買ったためであるともいわれる。このことで牧野はロシアに渡ることを計画するが、頼みの綱であるマキシモウィッチが病死したことで、計画はとん挫した。 壮年期 1893年(明治24年)、実家の岸屋がついに経営が立ち行かなくなり、破綻してしまった。家財を整理するために帰郷する。このとき当主の牧野は、猶と番頭の井上和之助を結婚させて店の後始末を託し、自らは研究に専念した。 郷里で研究を続けるかたわら、資金稼ぎのため指揮者のアルバイトを受けるという生活を送っていた牧野であったが、知人の協力で、駒場農学校への着任が決定する。その後も研究をつづけて多くの標本を残すが、やはり前述の悪癖から、牧野を嫌う者も少なからずいた。 1900年(明治33年)からは「大日本植物志」を刊行する。これは打ち切られた「日本植物志図篇」の続編というべき書物で、丸善書房の助けを得て刊行されたが、9種目の植物を解説したあたりで、上司となった松村任三の妨害により再び中止に追い込まれた。松村と牧野は植物の命名をめぐって対立したこともあるほど仲が悪く、松村は牧野を「婆あ育ちのわがまま者で、頼まれたことをやらない」と酷評していた。 1906年(明治39年)には博物学者の村越三千男・高柳悦三郎と連名で、原色の図譜「普通植物図譜」を刊行している。これは月一回のペースで発行され、最終的に全5巻60集まで発行された。 やがて牧野は村越と協力し合いながら「野外植物の研究(正・続)」(1907)、「植物図鑑」(1908、「野外植物の研究」の合冊増補版)などを発行していく。この「植物図鑑」の発刊元の参文舎の社長が病死し、版権は北隆館に写った。そして、北隆館から「植物図鑑」が発刊されるにあたって、もともと東京博物学研究会の会長であった村越の名前が消され、あたかも牧野一人でこの図鑑を制作していたようになってしまっていたが、牧野はこの件について訂正の申し出を一度もしなかった。これがもとで、牧野と村越は袂を分かつこととなってしまったという。 1916年(大正5年)には個人で『植物研究雑誌』を創刊する。このころの牧野の生活は困窮を極め、収集した標本10万点を海外に売却することを考えていた。「篤学者の困窮を顧みず、国家的資料が流出することがあれば国辱である」という牧野の困窮を報じる記事が「東京日日新聞」「大阪毎日新聞」で報道されると、久原房之助と池長孟という二人の若者が援助を申し出た。 雑誌の発刊当時、牧野を取り巻く状況は芳しくなく、池長からの援助がストップするという事態にもみまわれたが、1926年(大正15年)には津村重舎(現在の津村順天堂、いわゆるツムラ)の財政的援助を得て復刊にこぎ着けており、牧野の死去後も現在に至るまでツムラから刊行されている。 1912年(明治45年)1月30日から1939年(昭和14年)5月31日までのおよそ27年間にわたって東京帝国大学理科大学講師を勤める。講義の内容は都都逸やしゃれを交えたわかりやすいもので、学生からの人気は高かった。当時は定年制度はほぼあってないようなものであったが、70代半ばまで教授を務めることは当時としても異例であった。学内では牧野が権威という者への理解が乏しかったため、「牧野教授をやめさせよう」という声が何度も上がったが、結局牧野に代わる人材がほかにいないということで沙汰止みになった。 晩年 1927年(昭和2年)4月、65歳で東京帝国大学から理学博士を受ける。このころ発表した「日本植物考察」(全編英語)という論文に「スエコザサ」というアズマザサの突然変異種を発表する。これには、長年苦労をかけた妻に感謝する意図があった。この論文を発表した翌年、壽衛は55歳で病死した。なお、この「スエコザサ」は高知県立牧野植物園や東京都練馬区の牧野記念庭園で見ることができる。 1940年(昭和15年)、東京帝国大学を退官後、78歳で研究の集大成である「牧野日本植物図鑑」を刊行。これは、牧野の研究の集大成というべき書物であった。収録種数は3000種を超え、当時の植物図鑑の収録数としてはかなり多かった。 実は、1925年に牧野のライバル的存在となっていた村越三千男が「大植物図鑑」を発刊してからというもの、北隆館は牧野による「日本植物図鑑」の早期刊行を計画していた。牧野が満足に改訂できていない段階で発刊を急いだため、多数の誤謬を残したままとなってしまい、34ページの正誤表がつけられることとなった。 1944年(昭和19年)にはしばしば牧野の邸宅のある練馬区を含めた東京が空襲に見舞われた。そうした中でも牧野は研究を続けていたが、同居していた牧野の次女が避難するよう呼び掛けると「わしはこの標本たちと心中するんだ」と駄々をこねて家族を困らせたという。翌年に山梨県に疎開し、そこで終戦を迎えた。 1949年(昭和24年)、大腸カタルで一旦危篤状態となるも、回復。その回復力には主治医も驚かされたという。 1951年(昭和27年)には未整理のまま自宅に山積みされていた植物標本約50万点を整理するために「牧野博士標本保存委員会」が組織された。 1954年(昭和29年)頃から病気がちとなり、寝込むことが多くなったが、研究意欲は衰えておらず、「学生版原色植物図鑑」(全3巻)を刊行した。牧野は「牧野日本植物図鑑」を原色図版で発行したいと考えていたが、戦時体制のなかでモノクロ線画で世に出すことを余儀なくされていたため、わずかなりとも牧野の願望が叶ったと思われる。 1956年(昭和31年)には「植物学九十年」「牧野富太郎自叙伝」を刊行。さらに、かつてのライバルである村越三千男の「内外植物原色大図鑑」(1933年刊行)の解説を文語調から口語調に改めた「原色植物大図鑑」を刊行している。原著の著者である村越は1948年に死去しており、明治以来のわだかまりが溶けていたものと思われる。 同年12月、郷里の高知県佐川町の名誉町民に任命された。 1957年(昭和32年)、死去した。享年94歳。牧野の逝去の翌年には高知県に牧野植物園が設立された。さらに、牧野の終の棲家となった練馬区の邸宅は現在、「牧野記念庭園」として一般公開されており、庭園に植えられたおよそ300種の植物やかつて牧野の使っていた書斎を閲覧することができる。 逸話 ●自身の写真を数多く残している。若い頃はいわゆる「イケメン」で、明治初期に撮影された写真から、その風貌をうかがい知ることができる。また、ユーモア好きで、木々の間から顔を除かせて、「おばけ」のポーズをとって写ったり、カラカサタケという大きなキノコを両手に持って踊っている写真もある。また、晩年には目の前に大小3つの「ボウブラ」(*1)を目の前に並べ、微笑みを浮かべている写真もある。 ●常識や礼儀をわきまえない振る舞いからトラブルを起こすことが多かった反面、天真爛漫さや博識で多くの人に慕われた。莫大な借金を抱え、何度も危機に陥るが、借金の肩代わりをすると名乗り出た人物がかならずいた。 ●年齢に関係なく、他人には真摯に対応したため、子供や若者、一般の植物愛好家に好かれていた。ある日、7歳の小学生くらいの男の子が、指先くらいの大きさの植物を持って牧野のもとを訪ね「先生これは何ですか」と問うたところ、牧野は目を細めてにっこり笑い「これは松」と言いながらその子供の頭を優しく撫でたという。 ●明治時代から昭和時代の男性としては珍しく、喫煙や飲酒をしなかった。また、松村任三からの嫌がらせ以外はストレスらしいストレスはほとんどなかった。このため、87歳の時に大腸カタルで危篤に陥ったとき以外はいたって健康体であった。晩年もすき焼きが大好物であったという。 ●「およそ植物学を学ぶものは、植物に関係する分野を全て学ばなければならない」と語っており、「物理学、化学、天文学、美術、数学、文学は絶対にこれを学ばねばならない」と主張している。牧野自身も古典籍への造形は深く、自身のエッセイにおいて『本草図譜』や『草木図説』などを引用しているほか、『草木図説』の著者である飯沼慾斎の子孫・飯沼長順とともに『増訂草木図説』を発行し、慾斎が原著で観察できていなかった部分の図を描き足し、学名も当時の現行のものに修正している。 最晩年には『万葉集』に登場する植物の解説書『万葉植物図譜』の作成を計画していたが、生前に刊行することは叶わなかった。2023年春にようやく、北隆館編集部によって、牧野の原稿や、牧野が画家の水島南平に描かせた110枚の彩色図版をもとに「牧野万葉植物図鑑」が発刊された。 ●「雑草という名の草はない」という名言はよく知られているが、これは長年出典となる資料が見つかっていなかったため、創作であるという説もあった。2022年になり、その出典が発見された。1925年(大正14年)から1928年(昭和3年)にかけて、帝国興信所(現在の帝国データバンク)を母体とする雑誌「日本魂」の編集記者を務めていた若き日の山本周五郎が牧野にインタビューをした際に、「雑草」という言葉を用いたところ、こうたしなめられたという。 「きみ、世の中に〝雑草〟という草は無い。どんな草にだって、ちゃんと名前がついている。わたしは雑木林(ぞうきばやし)という言葉がキライだ。松、杉、楢(なら)、楓(かえで)、櫟(くぬぎ)——みんなそれぞれ固有名詞が付いている。それを世の多くのひとびとが〝雑草〟だの〝雑木林〟だのと無神経な呼び方をする。もしきみが、〝雑兵〟と呼ばれたら、いい気がするか。人間にはそれぞれ固有の姓名がちゃんとあるはず。ひとを呼ぶばあいには、正しくフルネームできちんと呼んであげるのが礼儀というものじゃないかね」(木村久邇典『周五郎に生き方を学ぶ』実業之日本社) ※引用:https //www.huffingtonpost.jp/entry/makino_jp_6431083be4b0c2da1506d559 著作 生前刊行されたもの 「植物学雑誌」(1887~現在) 「日本植物志図篇」(1887~1889) 「大日本植物志」(1900) 「日本羊齒植物圖譜」(1901~1902) 「日本禾本莎草植物図譜」(1901~1903) 「新撰日本植物図説」(1903) 「普通植物図譜」(村越三千男との合作、1906) 「野外植物の研究(正・続)」(村越三千男との合作、1907) 「増訂草木図説」(飯沼長順との合作、1907~1910) 「日本高山植物図譜. 第1巻」(1907) 「日本高山植物図譜. 第2巻」(1908) 「植物図鑑」(1908、1913) 「児童野外植物のしをり」(1912) 「植物学講義」(1913、 第7巻のみ1914) 第1巻「植物記載学. 前編」 第2巻「植物記載学. 後篇」 第3巻「植物採集標品製作並整理貯蔵法」 第4巻「羊歯及種子植物ノ形態. 正」 第5巻「羊歯乃種子植物ノ形態. 続篇」 第6巻「植物自然分科検索表」 第7巻「植物分類学 巻1」 「植物研究雑誌」(1916~) 「雑草の研究と其利用」(1919) 「植物ノ採集ト標品ノ製作整理」(1923) 「日本植物図鑑」(1925) 「日本植物総覧」(1925) 「日本植物考察」(1927) 「趣味の植物採集」(1935) 「随筆草木志」(1936、2023年中公文庫より復刊) 「趣味の草木志」(1938) 「牧野日本植物図鑑」(1940) 「原色野外植物図譜(正・続)」(1942) 「植物記(正・続)」(1943、いずれも2008年にちくま学術文庫から復刊。特に続編は「花物語 続植物記」と改題) 「牧野植物混混録」(1946~1949) 「牧野植物随筆」(1947) 「続牧野植物随筆」(1948) 「学生版 牧野日本植物図鑑」(1948、2000年以降には帰化植物の項が追加) 「四季の花と果実」(1949、1981年に「植物知識」と改題の上講談社学術文庫から出版) 「図説普通植物検索表 第1 (草本)」(1950、1970年に復刊) 「植物一日一題」(1953、2008年ちくま学術文庫より復刻) 「原色日本高山植物図譜」(1953) 「学生版原色植物図鑑(園芸植物篇、野外植物篇、続野外植物篇)」(1954) 「原色植物大図鑑」(1955~56) 「植物学九十年」(1956) 没後刊行されたもの 「牧野新日本植物図鑑」(1961) 「復刻版 牧野日本植物図鑑」(1970) 「原色牧野植物大図鑑(正・続)」(1984) 「コンパクト版 原色牧野日本植物図鑑」(1985) 「原色牧野和漢薬草大図鑑」(1992) 「学生版 牧野日本植物図鑑 増補改訂版」(2000) 「APG原色牧野植物大図鑑」(2012) 「コンパクト版 APG牧野植物図鑑」(2014) 「卓上版 牧野日本植物図鑑」(2017) 「新学生版 牧野日本植物図鑑」(2020) 「牧野植物図鑑原図集」(2021) 「牧野富太郎の植物図鑑」(2023) 「牧野万葉植物図鑑」(2023) 「オリジナル普及版 牧野日本植物図鑑」(2023) 牧野を題材とした作品 ●小説 朝井まかて「ボタニカ」(牧野富太郎の伝記小説。牧野の功績だけではなく、牧野の失敗や欠点もしっかり描いている) 東野圭吾「夢幻花」(作品中に「牧老人」という人物が登場し、牧野をベースにしているといわれる) ●映像作品 2023年上半期連続テレビ小説「らんまん」(牧野富太郎をベースとした主人公「槙野万太郎」の半生を描く。主演は神木隆之介。テーマソングは『愛の花』(あいみょん))
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目次 2010/05/31 2010/05/30 2010/05/29 2010/05/28 2010/05/27 2010/05/26 2010/05/25 2010/05/24 2010/05/23 ニュースリンクを追加する際は以下フォームをご利用ください。 サイト名 URL 【手順】 タイトル欄は「ニュースタイトル(サイト名など)」形式で入力 URL欄には対象URLを入力 アーカイブログをクリック ページ末尾の「ページ編集」から編集ページに入り、追加されたアーカイブリンクをニュースの掲載日に合わせた位置に移動する 4はちょっと手間ですが、情報整理にご協力ください。 編集方法が分からない場合には、掲示板で編集依頼してください。 2010/05/31 14農場感染疑い 川南、新富都農など(宮崎日日新聞)... (2010-06-07 21 37 55) 清浄性確認へ臨床検査 きょうからえびの(宮崎日日新聞)... (2010-06-07 21 23 25) 口蹄疫で426億円補正 定例県議会提案へ(宮崎日日新聞)... (2010-06-07 21 23 31) 「作業どれほど大変か」 赤松農相に不信感(宮崎日日新聞)... (2010-06-07 21 23 39) 食肉処理きょう開始 ミヤチク都農工場(宮崎日日新聞)... (2010-06-07 21 23 54) 疑似患畜、週内処分を 農相来県し知事に要請(宮崎日日新聞)... (2010-06-07 21 24 02) 3町9農場の牛、感染疑い…種牛5頭シロ(読売新聞)... (2010-06-03 00 47 34) 「安平、ご苦労さま」育てた永野さん手合わせる(読売新聞)... (2010-06-03 00 47 38) 口蹄疫を懸念、五島牛産地の鉄人レース中止(読売新聞)... (2010-06-03 00 47 42) 家畜の早期出荷へ、都農町の食肉加工工場が再開(読売新聞)... (2010-06-03 00 47 46) 種牛49頭を殺処分、最後に「安平」も(読売新聞)... (2010-06-03 00 47 50) 感染厳戒「牛の角突き」…新潟・山古志(読売新聞)... 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(2010-06-03 00 36 31) 過労で入院、宮崎県の口蹄疫担当部長(読売新聞)... (2010-06-03 00 36 36) 「処分の牛、鳴き声つらい」宮崎県が心のケア(読売新聞)... (2010-06-03 00 36 40) 首相、強制殺処分のための法整備に意欲(読売新聞)... (2010-06-03 00 36 44) 豚の口蹄疫ワクチン接種終わった…赤松農相(読売新聞)... (2010-06-03 00 36 48) 「世話したかった…」殺処分に農業高生ショック(読売新聞)... (2010-06-03 00 36 52) 農水省、口蹄疫拡大で国や県の防疫態勢調査へ(読売新聞)... (2010-06-03 00 36 57) 口蹄疫対応で野党攻勢…自公、措置法案を提出(読売新聞)... (2010-06-03 00 37 02) 2010/05/25 県、81億円規模の口蹄疫緊急対策(宮崎日日新聞)... (2010-06-07 21 13 24) 義援金装い詐欺未遂か 県警、注意呼び掛け(宮崎日日新聞)... (2010-06-07 21 11 11) 仮滑走路の運用開始 新田原基地(宮崎日日新聞)... (2010-06-07 21 11 16) 埋却地至急確保を 県緊急会議(宮崎日日新聞)... (2010-06-07 21 11 22) 「やっと一歩」「まだ不安」 えびの清浄性確認検査(宮崎日日新聞)... (2010-06-07 21 11 27) 補償一部仮払い 県、81億円補正提案へ(宮崎日日新聞)... (2010-06-07 21 11 33) 5市町で作業続く 口蹄疫ワクチン接種3日目(宮崎日日新聞)... (2010-06-07 21 11 38) 7カ所で感染疑い 高鍋農高農場も(宮崎日日新聞)... (2010-06-07 21 11 52) 種雄牛49頭は処分 政府、特例認めず(宮崎日日新聞)... (2010-06-07 21 12 52) 種雄牛育成まで7年 合格年1~2頭(宮崎日日新聞)... (2010-06-07 21 12 58) 全体の7割接種終了 口蹄疫ワクチン(宮崎日日新聞)... (2010-06-07 21 13 05) 清浄性検査、順調に進む えびの(宮崎日日新聞)... (2010-06-07 21 13 10) 口蹄疫ワクチン接種ほぼ終了(宮崎日日新聞)... (2010-06-07 21 13 17) ワクチン接種対象14万5千頭 市町が下方修正(宮崎日日新聞)... (2010-06-07 21 10 12) 家畜の埋却地買い上げへ…宮崎県農業振興公社(読売新聞)... (2010-06-03 00 35 01) 口蹄疫で宮崎県への義援金、3億円突破(読売新聞)... (2010-06-03 00 33 19) 赤松農相、口蹄疫感染拡大の責任認め陳謝(読売新聞)... (2010-06-03 00 33 24) 口蹄疫ワクチン接種、目標内の終了困難に(読売新聞)... (2010-06-03 00 33 30) 殺処分した家畜、空自・新田原基地に埋却へ(読売新聞)... (2010-06-03 00 33 35) 鹿も口蹄疫心配、でも対策が…頭抱える奈良公園(読売新聞)... (2010-06-03 00 33 40) ヤギふれあい、マラソン中止…口蹄疫影響全国に(読売新聞)... (2010-06-03 00 33 45) 雇用調整助成金の要件緩和、家畜伝染病では初(読売新聞)... (2010-06-03 00 33 49) 「埋却進まず感染蔓延」口蹄疫で農水副大臣(読売新聞)... (2010-06-03 00 33 54) 「牛の角突き」収益の一部を宮崎に寄付へ(読売新聞)... (2010-06-03 00 33 58) 特産種牛「疎開作戦」…分散管理、全国に拡大(読売新聞)... (2010-06-03 00 34 03) 宮崎の口蹄疫問題、種牛49頭の殺処分正式決定(読売新聞)... (2010-06-03 00 34 07) 宮崎の主力級種牛5頭、2・3回目の検査シロ(読売新聞)... (2010-06-03 00 34 13) 宮崎の県立農業高施設、口蹄疫感染の疑い(読売新聞)... (2010-06-03 00 34 20) 自民、週内に農相不信任案提出へ(読売新聞)... (2010-06-03 00 34 25) 2010/05/24 ワクチン接種累計6万3156頭(宮崎日日新聞)... (2010-06-07 22 08 43) 清浄性確認検査始まる えびので26日まで(宮崎日日新聞)... (2010-06-07 22 08 53) 種雄牛49頭救済認めず 山田副大臣「相談余地ない」(宮崎日日新聞)... (2010-06-07 22 08 58) 民家ヤギも感染か 新たに12例疑い確認(宮崎日日新聞)... (2010-06-07 22 09 03) 清浄性確認へ検査 きょうからえびの市(宮崎日日新聞)... (2010-06-07 22 09 08) ワクチン後も消毒を続けて 新富農家へ獣医師メッセージ(宮崎日日新聞)... (2010-06-07 22 09 12) 畜産農家へ配慮 集会自粛や選挙カー消毒(宮崎日日新聞)... (2010-06-07 22 09 17) プロスポーツ界に支援拡がる 青木選手らサイン会(宮崎日日新聞)... (2010-06-07 22 09 23) 「消毒に県民協力を」 学生28人が啓発活動(宮崎日日新聞)... (2010-06-07 22 09 29) 自民が緊急措置法案、国が全額補償(読売新聞)... (2010-06-03 00 31 37) 宮崎で「口蹄疫への義援金」かたる詐欺未遂(読売新聞)... (2010-06-03 00 31 44) 本当にできる?全頭出荷…矛盾だらけの国の対策(読売新聞)... (2010-06-03 00 31 48) 口蹄疫のワクチン接種3日目、チーム増員で(読売新聞)... (2010-06-03 00 31 55) 口蹄疫移動制限、えびの市で解除に向け感染検査(読売新聞)... (2010-06-03 00 31 59) 牛舎消毒作業中100キロのわら束落下、重傷(読売新聞)... (2010-06-03 00 32 04) 種牛49頭「助命」認めず…農水副大臣(読売新聞)... (2010-06-03 00 32 08) 2010/05/23 ワクチン接種2日目 牛にも実施(宮崎日日新聞)... (2010-06-07 22 09 37) 助命へ「何でもする」 種雄牛救済要請(宮崎日日新聞)... (2010-06-07 22 09 43) 処分補償は時価評価額 被害農家の政府支援策(宮崎日日新聞)... (2010-06-07 22 09 48) 種雄牛49頭救済要請へ 知事(宮崎日日新聞)... (2010-06-07 22 09 56) 1市4町で22例確認 感染疑い、6007頭処分へ(宮崎日日新聞)... (2010-06-07 22 10 03) 全面的納得ではない 「今後は」不安残る農家(宮崎日日新聞)... (2010-06-07 22 10 12) ワクチン接種始まる 20万5千頭対象(宮崎日日新聞)... (2010-06-07 22 10 17) 忠富士に感染疑い 残る5頭は経過観察(宮崎日日新聞)... (2010-06-07 22 10 22) 「これ以上まん延は…」 苦渋の決断表情硬く(宮崎日日新聞)... (2010-06-07 22 10 37) 白鵬関に宮崎県知事賞、宮崎牛1頭贈る(読売新聞)... (2010-06-03 00 28 36) 口蹄疫ワクチン接種、牛にも始まる(読売新聞)... (2010-06-03 00 28 41) エース「忠富士」殺処分、関係者に衝撃広がる(読売新聞)... (2010-06-03 00 28 46) 豚2万2千頭にワクチン接種、忠富士を殺処分(読売新聞)... (2010-06-03 00 28 51) 「わしら農家に国が死ねと…」殺処分不満と不安(読売新聞)... (2010-06-03 00 28 55)
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登録日:2017/06/10 Sat 02 45 55 更新日:2024/06/26 Wed 11 11 01NEW! 所要時間:約 28 分で読めます ▽タグ一覧 ※この物語はフィクションだと思います ゆうきまさみ カオス クトゥルー ゲゲゲの鬼太郎 スーパー妖怪&怪獣大戦 ディストピア ボヘミアン・ラプソディー リメイク レオ☆若葉 京極夏彦 京極夏彦の本気 加藤保憲 及川史朗 外道照身 多田克己 妖怪大戦争 學天則 小説 平山夢明 怪 愛すべきバカ達 日本終了のお知らせ 木原浩勝 村上健司 東雅夫 水木しげる 犬夜叉 百鬼夜行 群像劇 自衛隊 荒俣宏 角川書店 豆腐小僧 貞子 郡司聡 陰陽師 黒史郎 鬼(フィクション)が現実(リアル)を喰う―― 1968年、一本の映画が公開された。 子どもたちを中心に巻き起こった妖怪ブームに着目した大映が、妖怪三部作の二作目として世に送り出した『妖怪大戦争』だ。 時は流れ2005年、水木しげるが陣頭指揮を執る角川書店の季刊誌『怪』の参加者が発起人となり、同作のリメイクが製作された。タイトルも全く同じ『妖怪大戦争』である。某漫画で「神木君の尻みせ映画じゃん!!」とネタにされたりもしていたが。 このリメイク版は原案を荒俣宏が担当し、自らノベライズ版を執筆。水木もコミカライズ版を発表している。 映画公開直後、次は同プロジェクトの中心人物の一人である京極夏彦の手による妖怪大戦争が発表されるとの告知が行われたが、それ以降続報は一切途絶え、ファンも内心諦めつつあった。 ところが――。 2011年、『怪』誌上にて京極の新作の連載が始まる。タイトルは『虚実妖怪百物語(うそまことようかいひゃくものがたり)』。 そう、これこそが六年の時を超えて発表された、京極版妖怪大戦争だったのだ。 ジャンルはまさかの実名小説。 竹本健司の『ウロボロスシリーズ』などに代表される、作者とその周辺の人物が全員実名で作中にキャラクターとして登場するというものである。 そのため、連載当時の某大手匿名掲示板では内輪ネタが酷すぎるとして嫌悪感を丸出しにする書き込みも見られたが、 上述した通り実名小説はジャンルとして確立されているため的外れの意見であるのに加え、そもそもデビュー作からして「最初は内輪で回し読みするために書いた」とインタビューで答えているため、ある意味作風が全くブレていないとも言える。 肝心の内容だが、オリジナル版の元凶である吸血妖怪ダイモン、リメイク版の元凶である魔人・加藤保憲の両方を同時に登場させた他、先駆者たる両方の作品に対するオマージュがあちこちに散りばめられている。 全体の特徴としては、登場人物の言動が水木しげる作品を髣髴とさせるぐらい淡々としていること。 後述するように作中世界は非常に緊迫した状況になっているのだが、関係者たちは読んでいて心配になるほど緊張感を持ち合わせていない。作中では死者も出るのだが、やはり水木作品よろしく淡々と処理されてしまい感慨も何もない。一連の騒動が解決した後も、登場人物たちのエピローグなどは一切語られないまま余韻を残してエンディングを迎えている。 また、京極が長年口にしている作品コンセプトは「読んでいる間は物語に没頭して、読み終わった後に何も残らないような大衆娯楽小説」であり、本作もそれに該当するのだが、あえて穿った見方をすれば昨今の過剰なまでの自主規制や不謹慎厨に対する当てつけ、皮肉とも取れるような内容になっている。 単行本にして全三巻となる本作は京極作品史上最長編とされており、各章ごとに視点となる人物が異なる群像劇となっている。 第一巻に当たる序はその名の通り物語の導入部分であり大きな動きもないが、続く破の序盤を過ぎた辺りから物語が動き始め、最終巻の急では文字通り怒涛の展開となっていく。と言うかあんな展開になるなんて序を読んでいるうちは誰も思わんだろ普通。 公式サイトでは単行本発売を記念して京極自らの手による登場人物の似顔絵が公開され、登場した妖怪たちと合わせて人気投票が行われていた。 結果? メインキャラや並居るメジャー妖怪を押しのけて作者が一位を取りましたが何か? 2018年には文庫化されているが、京極作品の多くがその分厚さ故に分冊で刊行されているのに対し、本書は逆に一冊に纏めて出すという暴挙に及んでいる。(*1) また、文庫化を記念して京極の出身高校の先輩であるゆうきまさみが、冒頭部分のコミカライズを執筆するという企画が行われた。 【大まかなあらすじ】 「オニが妖怪を殺す」 水木しげるが意味深な言葉を口にしたその日から、日本の様子がおかしくなっていった。 世情がどんどん不安定になっていき、各地で傷害事件が発生。本来これらを取り締まるべき警察も、歯止めを失い少しずつ暴走を始めていった。 そんな中、日本中で妖怪の目撃情報が相次ぐようになる。 白昼堂々不特定多数の前に姿を現し、それらの画像や動画はSNSを介して瞬く間に全世界へと拡散されていった。 大多数の日本国民は昨今の政情不安の原因は全て妖怪のせいなのねと解釈し、妖怪の撲滅を訴え、妖怪関係のコンテンツもその煽りを食らって壊滅状態になってしまう。 これからのことを憂う妖怪推進委員会だったが、そんな矢先に『怪』編集長が警官隊によって射殺されるという事件が発生してしまう――。 日本中の人間が疑心暗鬼に陥りあちこちで暴動や殺人が起きる中、東京都は独自に対妖怪用の特殊部隊を設立する。 その標的にされたのは、なんと荒俣宏だった。 一方、地下活動を続ける妖怪推進委員会の面々も、密告によりあわや全員殺害されそうになってしまう。 命からがら逃走した妖怪推進委員会の面々は、水木しげるを頼って富士山麓の別荘地へと脱出、荒俣と彼が保管する貴重な資料の救出作戦を展開する。 とんでもない方法を用いて無事都内から逃げ出すことに成功した荒俣だったが、既に国内の混乱は頂点を極め、密告と私刑が横行する監視社会へと化していた――。 策を弄し敵地から情報を得て帰還した荒俣たち。 一連の騒動を収束させる鍵となる二つのキーアイテムは、最初から彼らの手の内にあった。 政府が自衛隊を富士山麓へ向けて派遣する中、遂に妖怪推進委員会の面々は一大プロジェクトを決行に移す。 今ここに妖怪大戦争の幕が切って落とされた。 【作中の社会情勢】 日本国内 初めのうちは、あちこちで民事レベルの小競り合いが起きているぐらいだった。 それらの大半が、今までならば心霊現象として片づけられていたような事柄を「周囲の人間が自分を陥れようとしているに違いない」と疑心暗鬼に陥った結果の、言わば言い掛かりによるものだった。 そんな社会情勢の影響を受けてか、実際にサイコパスやストーカーによる被害が多発。事態を重く見た政府は、とうとう法改正によって警察が民事事件にも独自の判断で介入できるようにしてしまう。 しかし各地の犯罪件数は増加の一途を辿り、大きな権限を与えられたことで警察も徐々に暴走を始めていく。 加えて日本中から妖怪出現の報告が上がり始め、それらはマスコミの格好の餌となっていった。 妖怪を敵視する国民の要望もあって、政府は国家予算の大半を軍事費に注ぎ込むという暴挙に出る。だがそれに面と向かって異を唱える者は、最早この国の何処にも存在しなかった。 善良な国民たちも、自分の身は自分で守るべく各地で自警団を結成し、相互監視によるギスギスとした空気の中で日常を送っていた。 そんな中、東京都は都民の生命と財産を守るという名目で特別治安維持条例を施行する。 百鬼夜行が都内をパレードしたあの日から、国民は政府に対しより強い取り締まりを要求するようになった。 夜間の外出は全面禁止となり、あらゆる娯楽施設や飲食店が不謹慎との理由で営業停止処分を受けた。 嗜好品や漫画、アニメ、ゲームなども倫理に反するとの理由から流通がストップすることとなった。 締め付けが強まるごとに人々の不満は無意識のうちに蓄積されていき、毎日何処かで口論からの殺傷事件が起こるようになった。 学校では表向き学級崩壊は収まったが、生徒たちの間では気に食わない教師を冤罪で密告する遊びが流行るようになった。 笑顔を人前で見せることさえも反社会的行為として罪に問われるようになり、違反した者は即逮捕され裁判抜きで施設へ送られるようになった。 政府は考え得る限り最悪の政策を常に展開し、国民を破滅へと導いていく。だが大多数の国民は自分だけは正しいと信じるばかりで、何ら疑問を抱いてはいなかった――。 ここまで読んで頂ければ分かる通り、章が進むにつれて社会情勢は坂を転がり落ちるかのように悪くなっていっている。 特ヲタ諸兄ならば、「死ね死ね団や前世魔人やモンスター一族が暗躍を続けているのに、肝心のヒーローが誰一人不在の状態」と言えば如何にヤバい状況か分かって頂けるのではないだろうか。(*2) しかも独裁者のせいではなく、あくまでも国民がそう望むよう仕向けているのがタチが悪い。 諸外国の動向 世界中の国々が一連の妖怪騒動をトップニュースで報じ、動向を静観している。 当然ながら日本を訪れる外国人観光客は皆無となり、輸出入にも大きな影響を及ぼしている。 近隣にある某国は、日本海に突如として現れた島をどさくさに紛れて実効支配しようと部隊を送り込んだが、実は巨大な赤ゑいの魚だったため部隊が壊滅、いけしゃあしゃあと賠償金を請求してきたものの、放っておいても日本は勝手に自滅すると判断してからは「相手にする価値無し」として国交断絶状態になっている。 アメリカも妖怪などという訳の分からないモノを相手にしなければならなかったのに加え、日本政府の対応が目に見えておかしくなってきたためなんと駐留米軍基地を全て引き払うという決断を下している。 結果抑止力がなくなり、いつ周辺諸国が政情不安と内乱鎮圧を理由に武力介入を仕掛けてきてもおかしくない状況と化してしまっている。 【登場する主な組織・団体】 全日本妖怪推進委員会 京極夏彦が肝煎を務める実在した団体。 2017年に活動終了が宣言され、メンバーはほぼそのままに「お化け友の会」というますます胡散臭い名称の新団体が立ち上げられている。 過去にはネット動画を配信したり、ラジオ番組を放送したり、CDデビューをしたりと地味ながら手広く活動していた。 諸悪の根源とされる妖怪を推進する反社会的な団体として、政府や市民からの弾圧の対象となる。 アジア恠異解放連盟 実在する研究機関である東アジア恠異学会を母体とする反政府組織。通称「AKK48」。 政府による弾圧に異を唱え、関西方面の学者や研究者が中心となって発足された。 メンバーは全員コードネームを名乗るという、やけに中二臭い決まりがある。 妖怪村 水木しげるを慕って、水木の別荘がある富士山麓へ全国各地から逃げ込んできた人々によりいつの間にか構築された共同体。 日本において妖怪を愛する人々が迫害されずに生活できるのは、ここと北海道の奥地のみになっている。 妖怪を題材にした小説家、漫画家、イラストレーター、ミュージシャン、映画監督、芸術家、学者、妖怪関係の作品に出演した俳優や声優が多く集まっているのが特徴。 妖怪とは関係ないが、今の社会に息苦しさを感じている人々も参加している。 ちなみに北海道の方には怪談や幻想小説、ラノベの作者が多く疎開しているらしく、小野不由美や加門七海といった霊感が強いとされる人たちは、不穏な空気を感じ取り真っ先に北海道へ疎開したとのこと。 何故か『怪』連載陣である畠中恵や恩田陸も、富士山麓には来ず北海道へ逃げてしまったらしい。 ヨウカイ・サルベージ・ボート 国内外のクトゥルー神話大好き人間がネットを介して集まり出来上がった愛護団体。 「クトゥルーは文学である」を合言葉に、妖怪もろともクトゥルー神話の邪神をも排除しようとする日本政府に対し、数百人単位でのデモによる抗議活動を敢行する。 半数が外国人で構成されており、国際問題に発展するのを恐れて日本政府も迂闊には手を出せないという、敵に回すと厄介だが味方になると非常に頼もしい集団。 初めのうちは上記の言葉通りクトゥルー神話は創作物だとしっかり割り切っていたのだが、 実際に蠢くクトゥルーの姿を目の当たりにしてからは危ないカルト集団へと変貌し、ご本尊に向かって朝な夕な「イアイア」と呪文を唱えるように。 YAT 東京都が特別治安維持条例により発足させた特殊強襲部隊。Youkai Attack Teamというどこかで聞いたような組織名の略称。 あくまでも建前は汚染区域における清掃活動なのだが、実際は新開発の毒ガスを用いて一定の区画内に存在するあらゆる生命体を根絶やしにし、その後速やかに関連する施設や器物を破壊、焼却する恐ろしい集団。 後に指揮系統は政府へと移行される。 道徳倫理管理センター 反社会的と判断された人物がぶち込まれる、各自治体運営による矯正機関。 『20世紀少年』に登場する「ともだちランド」のようなものらしいと専らの噂。 犯罪者として指名手配されている者が捕まった場合は、政府直轄の更に上の施設へ送り込まれるとか――。 日本の情操を護る会 妖怪から人々の生活を護るべく立ち上がった市民団体。通称「NJM」。 その実態は中世の魔女狩りよろしく、怪しいと判断した人間を次々と弾圧、場合によっては事故に見せかけて殺害するという過激派。 各地の自治体と協力関係にあり、密告を受けるや数十から千人単位で押しかけて抗議と破壊活動を行う。 明らかに違法行為なのだが、警察は妖怪関係者と互いに潰しあわせるためにあえて黙認している。 道徳国家保全局不健全思想管理委員会 効率的な妖怪の殲滅を行うべく、政府が様々な分野の知識人を招集して作り上げた委員会。 国際日本文化研究センター所長の小松和彦が泣く泣く権力に下ったのを皮切りに、多くの学者や研究者たちが参加している(ただし同センターの所員で『多重人格探偵サイコ』の原作者でもある大塚英志は、反骨心から出奔し単身ゲリラ活動を行っている模様)。 しかしながら小松を始めとする民間の協力者たちは、全員が政府のやり方に対して反感を抱いており、裏で秘密裏に同志と連絡を取り合い妖怪推進委員会に接触を図る。 日本宗教連絡会 今のままでは日本は滅ぶとの危機感から、宮内庁配下の陰陽師軍団が独断で仏教の各宗派、神道、更にはキリスト教やイスラム教と秘密裏に手を結び、宗教の垣根を超えて結成された連合。 普通ならばこういった呉越同舟モノは非常に燃えるシチュエーションなのだが、作中では具体的な活躍は一切描かれない。しかし敵対する宗教同士が繋がったお蔭で、各地に散逸していた預言書の断片が一ヶ所に集まることとなった。 その他実在する団体など 警察 本来ならば事件が起きてからでなければ介入できなかった民事レベルのいざこざに、武力をもって強制介入できるようになった。 当然ながらそれは増長と腐敗を生み、理由さえあれば容疑者をその場で射殺しても許されるまでになってしまう。 厳しく締め付けておきながらも犯罪件数は下がらず慢性的に人手不足のため、廃業した闇社会関係の人間がこぞって採用されるという事態になり、最終的には警察という名の愚連隊へと変貌する。 自衛隊 機動隊とともにYATの活動の補佐を行っている。 その後、市民からの要請を受けて夜の街を戦車でパトロールするようになる。 反政府組織の代名詞となった妖怪推進委員会に対しては、総理大臣の権限により、ほとんど戦略自衛隊のような連中が富士山麓へ実戦投入されている。 日本推理作家協会 本作発表時点での理事長はZガンダムのノベライズを手掛けたこともある今野敏。河童に投げ飛ばされて負傷したらしく、本作には名前のみの登場となっている。 富士山麓に逃げた京極を説得するべく、密使として貫井徳郎と綾辻行人を送り込んだ。 ちなみに綾辻は、同じく実名小説である『ウロボロスシリーズ』にも全作出演しているが、あちらと違い女装したり余命幾ばくもなかったり殺人事件に巻き込まれたりしない分、本作での扱いは非常に良いと言える。美味しくないと言い換えることもできるが。 ニコニコ動画 『怪』関係のイベントをよく公式配信している動画サイト。 その名前が昨今の情勢において不謹慎だとの抗議を受け、円満社会動画へと改名する。 NJMの襲撃の模様をいつものように生中継していた。ちなみにコメントは監視されており、NJMに肯定的な内容以外は書き込めなくなっている模様。 【キーワード】 反剋石(はんこくせき) 石を手にした者が口にしたモノを現実世界に顕現させる力を持つ。 初めは妖怪しか出現させられないと思われていたが、実はフィクションの存在なら何でも呼び出すことが可能。 実在の人物も故人に関しては幽霊という形で呼び出すことができる。 未來圖(みらいず) 絵という形で妖怪を記した巻物。 ある条件下で、描かれた妖怪を反剋石の力により顕現させる役目を持つ。 妖怪 ファンにとっては今さら語るまでもないことだが、『百鬼夜行シリーズ』にせよ『巷説百物語シリーズ』にせよ京極作品に本物の妖怪は一切出てこない。 本作においてもそのお約束は顕著で、登場する妖怪たちは全て概念的な存在として描かれている。 つまり、人が「怖いなぁ、なんかいるんじゃないかなぁ~」と無意識のうちに頭に思い浮かべた存在が具現化したモノ――それが本作の妖怪である。 京極作品で言うなら『豆腐小僧双六道中シリーズ』での妖怪の扱いに近い。 ただしあくまでも概念であり人には見えなかった『豆腐小僧』の時と違い、本作ではその姿を認知している不特定多数の前に実際に顕現するようになっている。 そのせいか人によっては同じモノが見えないこともある(例えば朧車という妖怪は、人によっては鳥山石燕の描いた姿に見えたり、水木漫画に登場する姿に見えたり、鬼太郎アニメでの姿に見えたりする)。 また、概念ゆえに実際に人を傷つけることは出来ない。あくまでも何らかの攻撃を受けたと思い込むだけである。 この妖怪=概念という設定は大きな伏線となっており、終盤の富士山麓における決戦では、敵味方両方の陣営から一人でも死者が出れば問答無用で日本滅亡となる危機的状況において、誰一人傷つけることなく相手の戦力を無力化する手段として反剋石から大量に召喚されている。 一方で、本作が映像化不可能と呼ばれる理由を作ってしまっている(後述)。 【主な登場人物】 登場人物全員の名前を列挙したらきりがないので、主要な人物数名の紹介に留める。 榎木津平太郎 視点となる人物その一。 コネで角川書店のバイトをしているアニヲタ兼特ヲタ兼妖怪ヲタ。どんな環境下に置かれても深夜アニメのチェックは欠かさない。ただし手を広げ過ぎている感は否めない。 昔、大叔父が神保町に自社ビルを持っていたらしい。はて、何処かで聞いたような――。 実は彼の存在や設定そのものが、本作全体における大きな伏線となっている。 名前のモデルは『稲生物怪録』にて魔王・山ン本五郎左衛門の配下と渡り合った実在の侍、稲生平太郎か。ちなみにリメイク版妖怪大戦争の主人公の名前は稲生タダシである。 公式サイトでは『百鬼夜行シリーズ』のコミカライズを担当する志水アキの手によるイラストが公開されたが、大叔父を彷彿とさせるイケメンだったため、人気投票で堂々の二位を獲得してしまった。 レオ☆若葉 視点となる人物そのニ。 『怪』誌上にて二頁程度の記事を執筆している売れないライター。 常に分かり難いダジャレやボケを連発し、周囲の者からは満場一致で「馬鹿」と見なされ軽い扱いを受けている。 ただし当の本人はそうやって周囲から厳しいツッコミを頂くことでアイデンティティーを保っている節がある。 実は『怪』執筆陣の誰かの別名義ではないかという噂があり、 劇中でペンネームが「俺は馬鹿」のアナグラムであると明かされていること、何よりラストのオチから信憑性は高いと思われるのだが今のところ真相は不明。 黒史郎 視点となる人物その三。 主にクトゥルー神話関係の作品を執筆している小説家。著者近影だとやけに大きなマスクで口元を隠している写真が出てくる。 怪談関係の著作も多く、あの『貞子VS伽椰子』や『深夜廻』のノベライズ版も手掛けている。 巻き込まれ体質であり、知人の相談に乗ったことがきっかけで頭に邪神を寄生させる羽目になってしまう。 最終的にはヨウカイ・サルベージ・ボートの皆さんに教祖として崇められ、ストレスでどんどん腹の調子を悪くしていくことに。 及川史朗 視点となる人物その四。 見た目は怖いが気弱な性格をした角川書店の編集。 一方で全日本刀匠会事業部プロデューサーという肩書も持っており、海外講演を行ったり 中の人が「自分だけハブられてる」とツイートしたことで話題を呼んだ『ヱヴァンゲリヲンと日本刀展』の仕掛け人としても活躍している凄い人。 ――が、本作においては最も酷い目に遭っている人物であり、殺人事件の現場に居合わせてサイコパスに殺されそうになる、簀巻きにされたうえ焼き殺されそうになる、監禁されて虐待を受けるといった風に、各巻で最低一回は悲惨な体験をしている。 京極夏彦 いつも仏頂面した小説家。妖怪馬鹿その一。 メディアミックスに恵まれているため、当Wikiにも多くの関連項目がある。 周囲が混乱する中、本作に登場する妖怪の正体および社会情勢との因果関係について真っ先に真相に辿り着き、分かり易い例えを出して解説を行った。 が、基本的にネガティブな発言しかしないのに加え、危機的状況下では真っ先に逃げ出そうとするので今一つ頼りにならない。 村上健司 妖怪関係の探訪記や子ども向けの妖怪図鑑などを執筆しているライター。妖怪馬鹿そのニ。 面倒見の良い兄貴肌の人物。ただしレオ、テメーはダメだ。 取材中に偶然レオと共に「呼ぶ子石」と呼ばれる不思議な石を発見してしまう。 水木しげるによるコミカライズ版妖怪大戦争でも主要キャラとして作中に登場していたが、本作でもフットワークの軽さを活かして大活躍を見せる。 多田克己 日本で唯一「妖怪研究家」を正式な肩書として食べている巨漢。妖怪馬鹿その三。 画力も高く、『怪』ではたまに彼の描いた漫画が掲載されている。 他人も自分と同じ知識や思考回路を持っていること前提で会話するため、長年の付き合いがある人物以外は言葉の真意を汲み難い。 出番はそんなに多くはないが、出てくるだけで異様な存在感を醸し出す。 郡司聡 角川書店のお偉いさんにして『怪』編集長。(*3) 『怪』主催のイベントでは京極らとともに登壇することが多いため、裏方ながらもファンの間では顔が知られている。 一連の騒動で妖怪への風当たりが強くなった際、責任を取る形で編集長の座から下りている。 後任の編集長が殺害された後は、委員会の面々とともに地下に潜伏するようになった。富士山麓に拠点を移してからも、嘗てのパイプを活かして活躍を見せる。 東雅夫 評論家・アンソロジスト。どちらかと言うと妖怪より怪談関係者。クトゥルーや怪獣も大好き。 『仮面ライダー響鬼』の前期後期騒動の際、ネット上にて白倉P相手に口論を繰り広げたことで特ヲタの間で一躍有名となった人物。 ヨウカイ・サルベージ・ボートの皆さんに乞われて、黒史郎との橋渡し役となる。 富士山麓での決戦においては、彼の特ヲタっぷりが如何なく発揮されることに。 平山夢明 ゴア描写に定評のあるホラー小説家。京極とは四年間ラジオ番組で共演した仲。本作連載中はまだ放送中だったため、作中でも話題が出てくる。 アニヲタWiki的には『テラフォーマーズ』のノベライズや、『モノノ怪』のDVD-BOXに封入されていた書き下ろし小説の作者と言えば通りが良いか。 基本的に相手の話の腰をバキベキへし折っていくスタイル。ただしシリアスモードに入った時は意外と頼りになる――ように見える。 黒史郎が転がるように酷い目に遭っていくことになった元凶。ついでに多数の同業者も騒動の渦中へと巻き込まれている。 木原浩勝 実話怪談や都市伝説の蒐集で有名な作家。 元スタジオジブリの社員として『となりのトトロ』や『魔女の宅急便』の製作に参加し、退職後は『空想科学読本』の仕掛け人となるなど、アニヲタにとっては意外と縁が深い人物。 だが当Wiki的には、何と言ってもあの『四八(仮)』の被害者出演者であるという一点に尽きるだろう。 本作ではなんと武装して単身で都知事の暗殺に向かうテロリストと化す。短い出番ながらもインパクトは絶大。 夢枕獏 『陰陽師』で知られる伝奇作家。 道徳国家保全局不健全思想管理委員会に特別顧問という形で招かれているが、その立場を活かし日本宗教連絡会の早崎信海を郡司と引き合わせる。 山田五平 山田書房という古書店を営む御年八十の老人。 所有している不思議な絵巻の鑑定を、兵庫県立歴史博物館の香川雅信と、川崎市市民ミュージアムの湯本豪一に依頼する。 その後は上記の二名、そして平太郎とともに荒俣に協力し、呼ぶ子石の研究および貴重な資料の保護に尽力する。 宮部みゆき 直木賞を始めとした様々な賞を受賞している女流作家。本人は登場せず名前のみの登場。 彼女も『怪』の執筆陣でありファンタジー小説をも多数手がける妖怪推進委員会のメンバーなのだが、さすがに国も文部科学大臣賞まで取った人物を迫害することはできなかったのか、逃げることなく普通に生活を送っている模様。 戒厳令が敷かれた東京にて、伝手を頼って委員会の面々に物資を横流しすることで支援していた。生き甲斐であるゲームを奪われたことに対する意趣返しとしか思えない。 なお、『妖怪大戦争』のリメイク企画を提案したのは彼女である。 ところが京極が後になって確認してみたところ、妖怪三部作の一作目である『妖怪百物語』と勘違いしていたことが判明。 そのため本作は、宮部の本来の意向を受けて「大戦争」ではなく「百物語」がタイトルに使われている。 荒俣宏 妖怪推進委員会の御意見番。テレビのバラエティ番組でもお馴染みの博物学者にして、『帝都物語』などでも知られる作家。 彼が保有する荒俣コレクションは、由来や箔付けのための伝説や古美術的価値がないからという理由で打ち捨てられた本物ばかりであり、聖骸布や仏舎利までが雑多に纏めて置かれてある。 それらを保管してあるマンションの一室にて呼ぶ子石の研究をしていたが、NJMの襲撃を受けてしまう。 水木しげる ご存知、妖怪界の最重要人物。大先生。 まだご存命の折に連載が始まったため、普通に出てくる。 多くは語らないが、その言葉は時にマスコミをぶった切る刃となり、時に妖怪推進委員会の面々にとっての指標となる。 水木はリメイク版妖怪大戦争にて妖怪大翁という妖怪たちのトップを演じており、それを踏まえてかラストでは他の妖怪たちを引き連れてこの世から消え去ってしまう。同時期に『怪』誌上で連載されていた『妖怪の宴 妖怪の匣』の単行本用手直しを終えた直後、水木の訃報が届いて京極が絶句したというのは有名な話であり、追悼の意味を込めてこのような展開にした可能性もある。 ダイモン 古代バビロニアの遺跡から発掘され、現代日本にて蘇った大妖怪。デーモンの語源となった古の神でもある。 本体は未だ壺の中に封印されているが、東京都知事の仙石原賢三郎の遺体に乗り移ることで活動していた。 その後は与党幹事長の大館伊一郎の遺体に乗り移り、日本国民の感情を煽動して世界中から孤立させることに成功、血と喧騒と硝煙が絶えない暗黒時代を築き上げた。 ちなみにオリジナル版妖怪大戦争でダイモンが乗り移っていた人物の名前は大館伊織。 人間の心の余裕を吸い取り糧としている。日本国民の様子がどんどんおかしくなっていったのはこのため。一方、妖怪という無駄の極みでしかない存在を愛でる者=心に余裕があり余っている者たちはダイモンから受ける影響が小さかったため平静を保っていられた。 上記の通り作中の登場人物たちの無駄話は心の余裕の表れなのだが、その無駄話パートに目くじらを立てる読者は、遠回しに「もし現実にこのような極限状況下に置かれた場合、あなたも暴徒側に回る危険がありますよ」と作者から警告を受けていると捉えることもできる。 加藤保憲 帝都の滅亡を望み暗躍する魔人。ベガやライドウといった有名キャラの元ネタとしても知られる、日本のサブカル史に残る名キャラクター。 本作における全ての黒幕。ダイモンを蘇らせ、二重の罠を仕掛けることで日本そのものを滅ぼそうと画策する。 ちなみに彼の存在が妖怪推進委員会によって明らかになった際、その場に居た嶋田久作がとばっちりを受け、「僕は違う」と弁明をする羽目になっている。 【妖怪・その他】 豆腐小僧 視点となる人物その五。 京極の著書『豆腐小僧双六道中シリーズ』の主人公。ボケ役。深田恭子主演でアニメ映画化されたことでも知られる。 上述した通り、本作における妖怪の概念は『豆腐小僧』で語られたものと同じ(人間から見えるか見えないかの違いのみ)なので、ひょっとしたら出てくるんじゃないかと予想していたファンも多かったのではなかろうか。 ただし何ら能力がないため、相棒の滑稽達磨(ツッコミ役)とともに大戦争の実況解説をするに留まっている。 彼が登場する章は、文体まで『豆腐小僧』のそれに変わっており非常に芸が細かい。 クトゥルー 海底都市ルルイエに眠る邪神――の筈なのだが、何故か黒史郎の頭頂部に顕現してしまった。 気味悪く蠢きSAN値をゴリゴリ削っていく――かと思いきや、周りはクトゥルーマニアばかりのため喜びこそすれ精神に異常をきたす者は皆無だった。 黒史郎の意思で自在に巨大化することが出来る。 概念ゆえにその姿は周囲の人間の思考に影響され、絶えず変貌を遂げていく。最初に現れた時は水木しげるの妖怪図鑑に登場するカボ・マンダラットという怪獣っぽい姿の妖怪、次に同じく妖怪のしょうけら、クトゥルーを経てよりによってアザトースに変化してしまい、最終的には化け狸の姿に落ち着いた。 學天則 昭和三年に西村眞琴博士が開発した、東洋初のロボット。 現在はレプリカが展示されているが、本作ではドイツにて行方不明となったオリジナル版が登場する。 百年近く前の器物ということもあってか、巨大な付喪神として顕現し、荒俣をパイロットにして百鬼夜行のパレードを引き連れながら出撃した。 上述した通り東洋初のロボットという美味しすぎる特徴から、様々な作品においてリスペクトが行われている。 特に『帝都物語』における地下坑道での式神との死闘は有名で、映画版では西村博士役を博士の実子である西村晃が演じたことでも話題となった。 手洗い鬼、塗壁、大首、赤舌 YATに対するかく乱として、香川が召喚した巨大妖怪の集団。夜の東京の街に突如として現れ、民衆を恐怖のどん底に叩き込んだ。 塗壁は水木漫画に出てくるデザインではなく、近年発見された絵巻に描かれてあった巨大な犬のような姿の方(ニンニンジャーと戦ったやつ)が登場している。 ぬっぺっぽう 奇妙な肉塊のような姿をした妖怪。おまけに悪臭がする。 ダイモンとの決戦時において、調子ぶっこいてダイモンの本体が潜む穴へとダイブした。それだけ。 にもかかわらず公式サイトの人気投票妖怪部門において第三位に輝いた。何故だ。 ゲゲゲの鬼太郎 日本において絶大な知名度を誇る、妖怪漫画の雄。 最初は戦闘力の高い三期鬼太郎か五期鬼太郎の召喚が検討されたが、知らない者には見えないという特性上、原作漫画版での参戦となった。 一反木綿とともに戦闘機相手に大空中戦を繰り広げた。 犬夜叉 大妖怪の父と人間の母の間に生まれた半妖の少年。兄の殺生丸とともに参戦する。 鉄砕牙を振るい、地上から戦闘機に向けて対空攻撃を敢行、見事に陽動の役目を果たした。 とら、青嵐 虎に似た姿の大妖怪と、龍の姿をした式神。 どちらも人や妖怪を食らう存在であるのに加え、その巨体ゆえに遭遇した豆腐小僧を驚かせた。 なお、滑稽達磨の話によればニャンコ先生や鬼灯も参戦していた可能性が高いとのこと。 ちなみに彼ら漫画のキャラは、基本的に作者本人が召喚しているらしい。 妖怪ウォッチの皆さん ゲーム、アニメ、漫画と多方面で展開中のシリーズに登場する妖怪たち。 上記のニャンコ先生や鬼灯と同じく、滑稽達磨が参戦の可能性を示唆している。 これは、ゲーム第3作目の『妖怪ウォッチ3 SUSHI/TEMPURA/SUKIYAKI』が妖怪推進委員会とコラボを実施していたため、その縁での言及だと思われる。 が、作中では「戦闘能力はイマイチ」「モンスターの連中なら戦えるだろうに」と散々な言われようだった。コラボ先だと言うのにこの扱いは一体――。 2017年末には映画にて本当に鬼太郎と共演することに。 ガメラ 亀の姿をした大怪獣。村上の手によって召喚された。昭和版と平成版、どちらが参戦したかは不明。 言うまでもないが妖怪ではなく怪獣である。これは妖怪推進委員会のメンバーにやけに怪獣映画好きが多かったため。 相手に威圧感を与えるべく巨大戦力の必要性を説いたことで召喚された。 当初はマジンガーやジャイアントロボ、エヴァといった歴代スーパーロボットを召喚する予定だったが、自律できないモノは召喚しても動けないという理由から却下され、アニメ好きのメンバーを落胆させていた。 ラドン 空の大怪獣。航空戦力の必要性を説き、東雅夫が嬉々として召喚した。 ガッパ、大魔神 それぞれ日活と大映が製作した特撮映画の怪獣と守護神。 流石にここまでくると、あまりの節操の無さに滑稽達磨も呆れ返っていた。(*4) ゴジラ これだけの面子が集まっているのだから、当然怪獣王も参戦しているだろうと思いきや全く出てこない。 何故なら、どのシリーズのゴジラを召喚するかで妖怪推進委員会のメンバー同士が揉めだすという、ヲタ特有の騒動が起こってしまったため。 ただ、タイミングさえ合えばシン・ゴジラが確実に参戦していたと思われる。 何せ京極、村上、及川や黒史郎といった本作の登場人物の多くがプライベートでエキストラに参加しているのだから。(*5) ちなみに、これ以上やると流石に収拾がつかなくなるためかウルトラ怪獣は一匹たりとも召喚されていない。 山村貞子 現代日本においてもっとも高い知名度を持つ悪霊。キティさんばりに節操なく仕事をこなす俺らのアイドル。 ガメラと同サイズのモニターから巨大化した状態で這い出し、髪の毛攻撃で自衛隊の戦闘機部隊と戦った。 周囲からは流石にこれはやり過ぎではないかと危惧されたが、原作者の鈴木光司自らが面白そうという理由で召喚したため、仕方ないかと納得されている。 …原作『らせん』『ループ』と後の『貞子DX』の設定を考えると、これ自体が「貞子」の増殖方法の一つにも見えてくるのが悩ましい所である。 なおライバルの伽椰子姐さんと俊雄君は、閉鎖空間に出てくるからこそ効果があるのに開かれた場所に出てきては意味がないとの理由から召喚されていない。 丸い輪 水木の短編の中でもファンの間で特に評判の高い『丸い輪の世界』に登場する、あの世とこの世を結ぶゲート。 水木の手によって召喚され、加藤を始めとした妖怪やフィクション世界の住人たちを未來圖の中に封印する。 【余談】 2020年、SNS上ではコロナ禍における自粛疲れによって攻撃的になった人々や、飲食店に対し抗議活動を行う自粛警察のニュースから本作を連想したという読者の書き込みも多く見受けられた。 そんな最中の2020年4月、コロナ終息を祈願して仏教の各宗派、神道、修験道、カトリックの代表者が奈良の東大寺に集結したという報道が行われた。 各宗教の代表者がソーシャルディスタンスを保ちつつ大仏殿の前に並び立つ姿を収めた写真は海外でも紹介され、「まるでアニメの世界だ」と話題になっていた。 そして言うまでもなく、本作に登場する日本宗教連絡会を連想した読者も現れたのであった。 2020年には他にも、テレワークやリモート会議などで人と人がリアルに接触することを極限まで減らすよう推奨する社会、自殺未遂の女性を相撲部屋の力士が二十人掛かりで救助するといった感じでやけに他の京極作品を連想する出来事が起きており、一部のファンからはネタで京極夏彦は予言者だと言われていた。 そこには、まあなんにもなかった。 世は、何もなしである。 了 追記・修正は人間も妖怪も一緒になって温泉に浸かってくつろいでからで結構です。 ただし、のんびりし過ぎて気付いた時には手遅れになっていても知りませんよ――。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 先日のサイン会で黒史郎先生が帽子を被ってた理由が判明した -- 名無しさん (2017-06-10 04 14 05) 概要だけ見ると最高に頭おかしい(褒め言葉)だけど、言わずもがなな文章力でガッツリ書かれてるんだよなぁこれ… -- 名無しさん (2017-06-10 07 56 11) 一つ言っていいかな? 何…この…何? 俺の知っている妖怪大戦争(平成版)と同じスタンスとは思えないですが…… -- 名無しさん (2017-06-11 01 55 15) なんていうか妖怪大戦争というよりも「京極版ドラキュラ紀元」な感じがする。流石に綾辻さんの嫁は出てこなかったか -- 名無しさん (2017-06-11 21 33 32) コレも映像化すんのかなーとか思いながら読み進めてって「無理だコレ!!」ってなる。なった。 -- 名無しさん (2017-06-11 21 40 50) これは映像化できんわw版権的な意味で -- 名無しさん (2018-04-04 23 40 22) 京極先生はクトゥルーあんま好きじゃないっぽいよね。曰く作った奴の顔が見えるみたいな感じで。 -- 名無しさん (2018-07-08 05 40 32) 奴良組の皆さん&ニャンコ先生&幻想郷の皆さん「なぜ我々を呼ばない!?」 -- 名無しさん (2020-01-14 15 39 12) 作者や製作者に許可もらうの大変そう -- 名無しさん (2020-05-18 07 32 18) >どのシリーズのゴジラを召喚するか とりあえずバーニングとGMK版とゴジラ・アースは確実に召喚しちゃいけないやつだな -- 名無しさん (2020-09-24 11 49 52) 最後のあの展開は京極夏彦のいまの世の中にたいする風刺だとおもう -- 名無しさん (2023-03-09 14 03 36) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/earthruinfes/pages/2933.html
日記/2014年06月26日(THU)/今日のまとめ 2014-06-27 【ニュース記事一覧】 「女子大生集団昏睡」の真相は酒に睡眠薬 (東スポWeb) - Yahoo!ニュース 猛毒サリンの未公開写真 NHK入手 NHKニュース サリンの調査結果生かせず被害拡大 NHKニュース 浪江町への慰謝料和解案 東電が拒否 NHKニュース 両陛下 沖縄戦没者墓苑で慰霊 NHKニュース 車暴走の犠牲者は中国人女性 悼む人続々 NHKニュース 自殺の警部にパワハラ 上司を処分 福島県警 NHKニュース 薬物使って女性7人乱暴 医師に懲役13年 NHKニュース M・ジャクソンさん死去から5年 NHKニュース ザッケローニ監督退任の意向 「責任は私に」 NHKニュース 相手選手かみつきが波紋 ネットで「またか」 NHKニュース IOC調整委 昼食会で東京産の食材PR NHKニュース 都議会「やじ問題」きっかけに勉強会 NHKニュース 官房長官「やじの責任取るのが当然」 NHKニュース 総務相 離島や過疎地の振興支援 NHKニュース 石原新党 党名は「次世代の党」に NHKニュース 南シナ海領有権 国際法で解決を NHKニュース イラク政府軍の空爆強化 スンニ派住民が反発 NHKニュース イラク戦闘続く 首相は退陣拒否 NHKニュース ナイジェリアでW杯試合前に爆発 NHKニュース 西アフリカ エボラ感染300人超死亡 NHKニュース 「女子大生集団昏睡」の真相は酒に睡眠薬 (東スポWeb) - Yahoo!ニュース ttp //headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140626-00000014-tospoweb-ent 「女子大生集団昏睡」の真相は酒に睡眠薬 東スポWeb 6月26日(木)12時38分配信 女子大生たち(インターネットから) 東京・新宿での「女子大生集団昏倒騒動」の真相が、本紙の取材で明らかになった。なんと、男子学生が女子大生の酒に睡眠薬を盛ったというのだ。 騒動は20日夜ごろから、情報がSNSなどで拡散された。複数の若い女性が新宿の旧コマ劇場前で倒れている様子が写真付きで報告されたのだ。若者らは明治大学のインカレサークルに所属する学生と判明。ネット上では「飲みすぎか」「違法薬物を盛られたのか」などの議論がヒートアップした。 明大は24日「確認したところ、本学公認サークルに所属する部員であることが判明いたしました。本学学生がお騒がせしましたことを心からおわび申し上げます」と謝罪。原因を「過度の飲酒」として「昏倒していた部員の中には未成年者が含まれていることも判明いたしました」という。 一方、倒れていたのは日本女子大の学生だったとみられていたが、同大は「本学学生の参加は確認されていません。ただし本学の大学公認サークルであることは事実です」と“火消し”のようなコメントを発表した。 そんな中、本紙は捜査関係者から重大な証言を得た。 「確かに、男たちは女の飲み物に薬を入れたよ。違法薬物? 違う。睡眠導入剤だ」 この関係者によると「男たちは女子大生をお持ち帰りしようとして、グラスに“眠剤”を盛った」という。効果はすさまじかった。「予想以上にバッタバタと女が倒れて、店で寝かせておくわけにもいかず、外に運んだが、それからどうすることもできない。男たちもビビったわけだ」 ある明大生によると、このサークルでは女性を酔わせる手口として、「伝統的にスピリタスのカプセルを使っていた」という。約95度のウオッカをこっそりグラスに入れ、泥酔させるのだという。今回の件では被害届も提出されておらず、警察はバカな学生を厳重注意し、騒動は幕を閉じた。 だが、“眠剤”をひそかに飲ませて傷害容疑で逮捕されたケースは他の事件であるだけに、犯罪スレスレの騒動といえる。 【関連記事】 女子大生「集団昏睡」の怖い噂 【慶大生自殺】識者が警鐘「キャラ設定交際」の危うさ 女子大生殺害犯に余罪多数か 女子大生殺害犯「猟奇殺人鬼」だった ヒートアップ 、 日本女子大 、 睡眠導入剤 を調べる 最終更新 6月26日(木)12時45分 猛毒サリンの未公開写真 NHK入手 NHKニュース ttp //www3.nhk.or.jp/news/html/20140626/k10015531571000.html 猛毒サリンの未公開写真 NHK入手 6月26日 19時12分 オウム真理教による地下鉄サリン事件で使われた猛毒の化学兵器、サリンを撮影した警察の未公開写真をNHKが独自に入手しました。撮影されたサリンは、不純物が混じっているために茶色く濁っていて、防毒マスクを装着した警察関係者が慎重に調べている様子が写されています。 これは、平成7年3月20日、日本の中枢、東京・霞が関を狙って起きた地下鉄サリン事件の現場から警察が採取したサリンの未公開写真です。 NHKが独自に入手しました。 地下鉄サリン事件では、東京都心を走る地下鉄の丸ノ内線と日比谷線、それに千代田線の車内に猛毒のサリンがまかれ、13人が死亡、およそ6300人が被害を受けました。 撮影されたサリンは、東京の地下鉄千代田線の霞ケ関駅などで採取されたサリンの液体で、透明の袋の中に茶色く濁った液体が入っています。 警察関係者が防毒マスクと手袋を装着して、慎重に液体を調べている様子が撮影されています。 また、容器に入れられたサリンの液体は、不純物が混じっているために茶色の層と透明の層の2つの層に分離しています。 27日で発生から20年になる松本サリン事件では、地下鉄サリン事件よりもはるかに純度が高く、殺傷力が強いサリンが大気中にまかれ、8人が死亡、140人以上が被害を受けました。 サリンの調査結果生かせず被害拡大 NHKニュース ttp //www3.nhk.or.jp/news/html/20140626/k10015531211000.html サリンの調査結果生かせず被害拡大 6月26日 18時24分 世界で初めて、猛毒のサリンがテロに使われた松本サリン事件から、27日で20年となります。 この事件で散布されたサリンが、いったん土壌に付着したあと再び空気中に漂い、被害を拡大させたという調査結果が、事件のあとにまとまっていたことが分かりました。 しかし、このサリンの特性が医療機関などに伝えられる前に地下鉄サリン事件が起き、結果として被害の拡大防止につなげることができませんでした。 松本サリン事件は平成6年6月27日、長野県松本市の市街地で、オウム真理教によって猛毒の化学兵器サリンがまかれたもので、8人が死亡、140人以上が被害を受けました。 27日で事件から20年となりますが、当時、信州大学の講師だった那須民江さんが、事件の直後に手足のしびれなど被害の症状を訴えた住民600人に聞き取り調査を行っていました。 その結果、被害の症状を感じた人が最も集中したのは、事件から1時間後の時間帯で、およそ120人でしたが、9時間後にもおよそ40人が症状を訴える、もう1つのピークがあったことが分かりました。 サリンは土壌や衣服に付着したあとも、分解されるまでは気温の上昇や風向きの変化などで再び空気中に漂う性質があり、那須さんは、サリンの特性によって被害が拡大した可能性があると分析しています。 この調査結果は事件の8か月後、ごく一部の警察や医療機関の関係者が参加して東京で開かれた極秘の会議で伝えられ、会議の参加者でサリンの特性や有効な治療方法を記した報告書を作成し、平成7年3月20日に全国の消防や医療機関に配ることになりました。 しかし、報告書を出す予定だったその日に地下鉄サリン事件が起き、結果として被害の拡大防止につなげることはできませんでした。 13人が死亡、6300人以上が被害を受けた地下鉄サリン事件では、サリンを取り除いた地下鉄の駅員2人が死亡したほか、救助に当たった消防隊員や医療関係者など少なくとも690人以上がサリン中毒の2次被害を受けています。調査に当たった那須さんは「松本サリン事件の教訓が生かせず残念に思う。 どういうタイミングで国民に伝えていくか、考えていかなければならない」と話しています。 浪江町への慰謝料和解案 東電が拒否 NHKニュース ttp //www3.nhk.or.jp/news/html/20140626/k10015535401000.html 浪江町への慰謝料和解案 東電が拒否 6月26日 21時52分 原発事故ですべての住民が避難している福島県浪江町が、東京電力に対し慰謝料の増額を求めた集団申し立てで、東京電力は、「一律で月5万円上乗せする」とした国の紛争解決センターの和解案について「精神的な損害を一定の金額で評価した国の指針とかい離する」などとして、受け入れを拒否しました。 福島県浪江町は、住民1万5000人余りの代理人として、東京電力に対し、原発事故に伴う慰謝料の増額を求める集団申し立てを行っています。 国の紛争解決センターはことし3月、1人当たり月10万円の慰謝料を一律で月5万円上乗せするほか、75歳以上の高齢者はさらに3万円を上乗せする和解案を示しました。 これについて東京電力は25日、センターに対し、和解案の受け入れを拒否する回答をしました。 その理由について東京電力は、「和解案は、避難した人に共通する精神的な損害を一定の金額で評価した国の賠償指針と、かい離するものと言わざるをえない。ほかの避難者に対する公平性や透明性の面で影響が極めて大きい」などとしています。 一方で東京電力は、75歳以上の高齢者について、病気の人にかぎり原発事故から1年余りの期間、月2万円を増額すると回答しました。 今回の回答について浪江町の馬場有町長は、「和解案をないがしろにする東京電力の回答は不条理で納得できない。東電は迅速に効果的に賠償をすると言っているが、みずからそれを破り不誠実だ」と話しています。 両陛下 沖縄戦没者墓苑で慰霊 NHKニュース ttp //www3.nhk.or.jp/news/html/20140626/k10015527291000.html 両陛下 沖縄戦没者墓苑で慰霊 6月26日 16時46分 天皇皇后両陛下は26日、沖縄戦最後の激戦地となった沖縄県糸満市にある国立沖縄戦没者墓苑を訪れ、犠牲者の霊を慰められました。 両陛下は、太平洋戦争中、アメリカ軍に撃沈された学童疎開船「対馬丸」の犠牲者の慰霊などのため、26日午後、特別機で那覇空港に到着されました。 両陛下の沖縄訪問は、皇太子夫妻のときから数えて10回目です。 両陛下は、沖縄を訪れるたび、最初に沖縄戦の犠牲者を慰霊するための場所に足を運んでいて、26日は、糸満市にある国立沖縄戦没者墓苑を訪問されました。 両陛下は、遺族らの出迎えを受け、「皆さん年をとられたので頑張ってね」とか、「お元気で過ごされますように」などと、励ましやいたわりのことばをかけられました。 そして、梅雨明けの青空の下、太平洋戦争末期の沖縄戦で亡くなった18万人以上の遺骨が納められている納骨堂の前に花を供えて、犠牲者の霊を慰められました。 両陛下は、疎開先に向かう学童ら1500人近くが犠牲になった「対馬丸」の悲劇からことしで70年になるのにあたって、27日に那覇市にある犠牲者の慰霊碑を訪れ花を供えて拝礼されます。 また、悲劇を伝える記念館を初めて訪れて犠牲者の遺影や遺品を集めた展示を視察したあと、対馬丸の生存者や遺族と懇談されます。 車暴走の犠牲者は中国人女性 悼む人続々 NHKニュース ttp //www3.nhk.or.jp/news/html/20140626/k10015533561000.html 車暴走の犠牲者は中国人女性 悼む人続々 6月26日 19時26分 脱法ハーブを吸った男が運転する車が暴走し、歩行者8人をはねて中国人の女性1人が死亡した東京・池袋の現場では、被害者を悼むため足を止めて手を合わせる人の姿が多く見られ、たくさんの花や飲み物などが供えられています。 今回の事件では、脱法ハーブを吸った男が運転する車が、池袋駅西口の歩道を暴走して歩行者を次々とはね、中国人の林雪琴さん(30)が死亡し、男女7人が重軽傷を負いました。 事件から2日がたちましたが、現場の歩道では、林さんの死を悼むため足を止めて手を合わせたり、献花をしたりする人が後を絶ちません。 林さんが倒れていた場所には、色とりどりの花束が手向けられています。 妻が林さんの親友だという中国人の男性は「外国の地でこのような形で死ななければならなかったことが、同じ中国人として残念でなりません。治安のよい街を望みます」と話していました。 また、事件直後にこの場所を通ったという日本人の女性は「とても悲惨な事故でした。亡くなられたと聞いて居ても立ってもいられず、献花をさせてもらいました。脱法ハーブは許せません」と話していました。 林さんは「明るく優しい人」 友人などによりますと、この事件で亡くなった林さんは、10年ほど前に中国の福建省から日本の大学に留学するために来日したということです。 日本語が得意で、卒業後は都内の飲食店などで働いていたということです。 事件が起きた24日は、直前まで現場近くの飲食店で、友人数人と一緒に食事をしていたということです。 一緒に食事をしていた中国人の女性は「林さんとは1年半くらい前からの知り合いで、10年くらい前に日本に来たと話していました。とても明るくて優しい人でした。この近くのレストランで直前まで一緒にご飯を食べていたのに、別れた直後に事故に遭ったなんて信じられません」と話していました。また、同じく一緒に食事をしていたという中国人の女性は、「林さんには友人の紹介でおととい初めて会いましたが、とても明るくて優しい人でした。楽しそうに友達の話をしていたのが印象的でした。亡くなったことはいまだに信じられません」と涙ながらに話していました。 中国大使館「とても不幸な事故」 東京の中国大使館の報道官は、「亡くなったのは確かに中国の国民だ。とても不幸な事故で、犠牲者には心から哀悼の意を示すとともに、犠牲者の家族には心からお見舞いを申し上げる」と述べました。 これは中国大使館の楊宇報道官が26日の定例記者会見で述べたもので、中国大使館はすでに女性の両親と連絡を取り、両親は日本に向かう準備をしているということです。 自殺の警部にパワハラ 上司を処分 福島県警 NHKニュース ttp //www3.nhk.or.jp/news/html/20140626/k10015528621000.html 自殺の警部にパワハラ 上司を処分 福島県警 6月26日 17時20分 福島県警察本部の捜査2課の幹部2人が、ことし4月、相次いで自殺した問題を受けて、警察が内部調査を行った結果、このうち自殺した51歳の警部に対し、上司の捜査2課長が「小学生みたいな文書を書くな」などと言ってパワーハラスメントを行っていたことが分かりました。 警察はパワハラが自殺の原因の1つになったとして、26日、捜査2課長を戒告の懲戒処分にしました。 戒告処分となったのは、福島県警察本部捜査2課の清野隆行課長(45)です。 福島県警察本部では、ことし4月、捜査2課に所属する51歳の警部が「仕事に疲れた」などと書かれた遺書を残して自殺し、その直後に、直属の上司の52歳の警視が「部下を守れなかった」などという遺書を残して自殺しました。 警察では自殺が相次いだことを重く見て、関係者に詳しく話を聞くなどして、自殺の原因などについて調査を進めていました。 その結果、自殺した2人のうち51歳の警部に対し、上司の清野課長が、去年12月からことし4月にかけて「小学生みたいな文書を書くな」とか、「国語を習ってきたのか」などと繰り返し言って、報告書を決裁しないなどのパワーハラスメントを行ったということです。 また、この課長は、部下の別の警部2人に対して、「書類も書けないなら外に出るな」とか「あんたは係長以下だ」などと人格を否定するような発言をしていたということです。 調査結果を受けて、福島県警察本部では、この課長のパワハラが、51歳の警部の自殺の原因の1つになったとして、26日、戒告の懲戒処分にしました。 当時パワハラの認識なし 警察によりますと、処分を受けた捜査2課の清野隆行課長は当時、パワーハラスメントという認識はなく、業務として指導の範囲の中だと思っていたということで、内部調査に対し、「部下に多大な精神的苦痛を与えたことはおわび申し上げる」と話しているということです。 「自殺防止と士気高揚図る」 今回の処分について福島県警察本部の名和振平本部長は「大切な人材を失ったことは警察にとって大きな損失で誠に残念でなりません。今後はハラスメント防止対策、メンタルヘルス対策などを強化して、職員の自殺防止と職員の士気の高揚を図りたい」というコメントを出しました。 部下へのパワハラによる処分増 警察庁によりますと、全国の警察で部下に対するパワハラ行為を認定されて懲戒処分を受けた職員は、去年1年間で16人に上りました。 これは、おととしの5人と比べて、3倍に増えています。 去年では、近畿管区警察局の男性事務官が職場で部下に暴言を吐くなどのパワハラを繰り返していたとして減給の懲戒処分を受けました。 薬物使って女性7人乱暴 医師に懲役13年 NHKニュース ttp //www3.nhk.or.jp/news/html/20140626/k10015518691000.html 薬物使って女性7人乱暴 医師に懲役13年 6月26日 13時09分 去年、神奈川県逗子市のマンションで、合わせて女性7人に睡眠導入剤を混ぜた料理を食べさせ、乱暴した罪などに問われた元大学講師の52歳の医師に対し、横浜地方裁判所横須賀支部は、懲役13年の判決を言い渡しました。 杏林大学医学部の元講師で、東京・品川区に住む医師の上村隆元被告(52)は、去年7月から8月にかけて、逗子市の海水浴場に遊びに来ていたいずれも20代の女性合わせて7人を、近くのマンションの部屋に誘い、酒を飲ませながら薬物を混ぜた料理を食べさせて意識をもうろうとさせ、乱暴した罪などに問われました。 26日の判決で、横浜地方裁判所横須賀支部の野原利幸裁判長は、「医師の立場を利用して睡眠導入剤を入手し、女性を抵抗できなくさせて乱暴した行為は卑劣で、被害者の人格を踏みにじるものだ」と指摘しました。 そのうえで、「被害に遭った女性たちは深刻な精神的打撃を受けており、刑事責任は重大だ」と述べ、懲役15年の求刑に対し、懲役13年の判決を言い渡しました。 M・ジャクソンさん死去から5年 NHKニュース ttp //www3.nhk.or.jp/news/html/20140626/k10015517511000.html M・ジャクソンさん死去から5年 6月26日 12時12分 アメリカの歌手、マイケル・ジャクソンさんが亡くなってから5年になる25日、大勢のファンがゆかりの地を訪れ、ジャクソンさんをしのびました。 「キング・オブ・ポップ」、ポップス界のスーパースターとして知られるマイケル・ジャクソンさんは、5年前の2009年6月、薬の過剰な投与が原因でアメリカ西海岸、ロサンゼルスの自宅で亡くなりました。 命日に当たる25日、ゆかりの地には大勢のファンが訪れ、50歳という若さで亡くなったスーパースターをしのびました。 このうちロサンゼルスのハリウッドでは、集まった人たちが、ジャクソンさんの名前が刻まれ、歩道に埋め込まれたプレートの周りに花やろうそく、それにメッセージなどを手向けていました。 また、ロサンゼルス郊外にあるジャクソンさんがかつて暮らした家の前には、アメリカ国内だけでなく、日本やドイツなどからも花束を手にした熱心なファンが訪れていました。 長年のファンだという28歳の男性は、「亡くなったのがきのうのことのようで、もう5年もたつなんて信じられない。彼が残してくれたすばらしいものを皆が忘れず、こうして集まるのはよいことだと思う」と話していました。 また、友人たちと日本から訪れたという女性は、「現実として亡くなっていても、マイケルの音楽はいつも心の中にある。すばらしい音楽として伝えていけたらよいと思っている」と話していました。 突然の死から5年、人気衰えず マイケル・ジャクソンさんの突然の死から5年がたちますが、その人気は衰えていません。 先月発売された未発表曲をまとめた新たなアルバムは、全米のヒットチャートの2位にランクインし、アメリカ国内でおよそ1か月半の間に、30万枚以上を売り上げる大ヒットとなっています。 死後に発売されたこのほかのアルバムも世界的なヒットとなったほか、亡くなった4か月後に公開された生前のリハーサル風景などをまとめた映画の興行収入は、世界で2億6000万ドル(日本円にして265億円)に上りました。 死後、ジャクソンさんの曲の売り上げや、映画の興行などで得られた収入は総額で6億ドル(日本円にして610億円)に上るとも言われていて、マイケル・ジャクソンさんは今なお、ビジネス面でも大きな存在であり続けています。 ザッケローニ監督退任の意向 「責任は私に」 NHKニュース ttp //www3.nhk.or.jp/news/html/20140626/k10015510891000.html ザッケローニ監督退任の意向 「責任は私に」 6月26日 3時55分 サッカー日本代表のザッケローニ監督は25日、ブラジル・イトゥのキャンプ地で会見し、ワールドカップブラジル大会で日本の1次リーグ敗退が決まったことについて「責任はすべて私にある」と話し、監督を退任する意向を示しました。 ザッケローニ監督はワールドカップ1次リーグの最終戦、コロンビア戦から一夜明けた25日、キャンプ地のイトゥで記者会見しました。 ザッケローニ監督は「ワールドカップに臨むうえで自信はあったが、思うような戦いができず結果が出なかった。責任はすべて私にある。責任はすべて取りたい。私は代表を離れなければならない。日本代表に足りないものを新しい監督が埋め合わせてくれる」と話し、退任の意向を示しました。 ザッケローニ監督は4年前の2010年に就任し、日本の選手たちの技術やチームワークといった特徴を生かし、選手全員が連動して素早いパス回しでゴールに迫る攻撃的なサッカーを掲げ強化を進めてきました。 しかしワールドカップブラジル大会では過去最高のベスト8以上の成績を目指しましたが、2敗1引き分けの成績でグループ最下位の4位に終わり、決勝トーナメント進出を果たせませんでした。 昼食の時間に選手やスタッフにチームを離れることを伝えたというザッケローニ監督は、「今のチームに足りないものを新しい監督が埋めることで、このチームをさらに強くしてくれる時期が来たと思った」と退任を決めた理由を話しました。 後任について日本サッカー協会の原博実専務理事は「日本に戻ってから今後の日本代表の方向性などを検証したうえで決めたい」と話しました。 相手選手かみつきが波紋 ネットで「またか」 NHKニュース ttp //www3.nhk.or.jp/news/html/20140626/k10015511601000.html 相手選手かみつきが波紋 ネットで「またか」 6月26日 7時46分 サッカーワールドカップのブラジル大会で、ウルグアイのスアレス選手が相手選手にかみついたとされる問題の波紋が広がっていて、スアレス選手が過去にも2回、相手選手にかみついて出場停止処分を受けていることから、インターネット上には「またか」と皮肉る合成写真が次々と投稿されています。 ウルグアイのスアレス選手は、24日に行われたイタリアとの試合で相手選手の肩にかみついたと指摘され、FIFA=国際サッカー連盟が調査することにしています。 スアレス選手は過去にも2回、所属するクラブチームの試合で相手選手にかみついたなどとして出場停止の処分を受けているだけに、インターネット上には「またか」と皮肉る合成写真が次々と投稿されています。 中には、映画「羊たちの沈黙」の悪役をもじってスアレス選手の口にかみつき防止のマスクを着けたものや、吸血鬼ドラキュラに似せた姿などがあります。 また、大手ハンバーガーチェーンのウルグアイ現地法人は、スアレス選手に「おなかがすいているならハンバーガーを食べにおいでよ」というメッセージをツイッターに投稿しました。 一方イギリスでは、新聞が「スアレス選手のかみつき癖は幼少期から始まった可能性があり、心理療法が必要だ」という心理学者の分析を掲載するなど、かみつき疑惑の波紋が広がっています。 IOC調整委 昼食会で東京産の食材PR NHKニュース ttp //www3.nhk.or.jp/news/html/20140626/k10015530521000.html IOC調整委 昼食会で東京産の食材PR 6月26日 18時24分 6年後の東京オリンピック・パラリンピックに向けて視察のために来日したIOC=国際オリンピック委員会の調整委員会を歓迎しようと、26日、非公開で昼食会が開かれ、終了後、東京都の舛添知事は報道各社に対し、昼食会でふるまわれた東京産の食材を使った料理のメニューを紹介しました。 東京都の舛添知事は6年後の大会に向け視察のために来日したIOCの調整委員会のコーツ委員長ら15人の委員を歓迎しようと、26日、港区のホテルで昼食会を開催しました。 およそ1時間にわたって非公開で会食が行われたあと、舛添知事は報道各社に対して委員をもてなした料理のメニューを紹介しました。東京湾で採れたアナゴやキス、それに大島町のあしたばを衣揚げした料理や「TOKYO X」という特産の豚肉の鉄板焼きなど東京産の食材をふんだんに使った料理が出されたということで、舛添知事は「大変おいしかったと皆さん喜ばれていた」と説明していました。 そのうえで舛添知事は「きょうは東京の食材だったが、東北の復興を含め、災害から復興した日本の姿を見せるのも大会の大きな目的だ。今後は日本全国の食材を使っておもてなしすることを考えていきたい」と話していました。 都議会「やじ問題」きっかけに勉強会 NHKニュース ttp //www3.nhk.or.jp/news/html/20140626/k10015528031000.html 都議会「やじ問題」きっかけに勉強会 6月26日 17時20分 東京都議会で質問中の女性議員に、「早く結婚したほうがいいんじゃないか」という不適切なやじが飛んだ問題をきっかけに、女性が活躍できる社会の実現に何が必要か考えようという勉強会が、東京都内で開かれました。 市民の有志が開いた勉強会には、子育て中の女性や学生、それに国会議員などおよそ100人が参加しました。 この問題では、自民党の会派に所属していた議員が発言を認めて謝罪し、都議会は再発防止に努めるとした決議案を可決して、25日に閉会しました。 勉強会では、「議員1人の責任でこの問題を終わらせてはいけない」といった意見が相次ぎました。 このうち、子育てに積極的に参加する“イクメン”の立場から情報発信を続けるNPO法人代表の安藤哲也さんは、「国が推進する男女共同参画の考えとは、真逆の実態があることを示す出来事だった。女性対男性という構図ではなく、少子化や女性の社会進出に関わる問題として捉えるべきだ」と指摘しました。 また、大学生の新居日南恵さんは、「結婚や働き方に不安を抱いている学生は多い。問題の発言をした議員は父親と同世代だったので、私たちが父親世代と話をしていくことで社会の意識を変えていきたい」と話しました。 勉強会に参加した子育て中の30代の女性は、「今回の発言にはがく然とした。こういう発言を許す空気を変えていく必要がある」と話していました。 官房長官「やじの責任取るのが当然」 NHKニュース ttp //www3.nhk.or.jp/news/html/20140626/k10015519991000.html 官房長官「やじの責任取るのが当然」 6月26日 13時39分 菅官房長官は、午前の記者会見で、東京都議会で女性議員にやじを飛ばしたほかの議員も特定するよう求めた決議案が否決されたことに関連して、「政府としてコメントすることは控えたいが、責任を取るということが当然だろうと思う」と述べました。 東京都議会で質問中の女性議員に、自民党の会派に所属していた議員が不適切なやじを飛ばした問題を巡って、都議会は25日、再発防止に努める決議を可決した一方、ほかのやじを飛ばした議員を特定するよう求めた決議案は、自民党などの反対多数で否決されました。 これについて、菅官房長官は、記者団が、「都議会の自浄作用は果たされたと考えるか」と質問したのに対し、「どのような場面にあってもセクハラ発言はあってはならず、特に安倍政権は女性が輝く社会づくりを推進しており、あのような発言は極めて遺憾だ」と述べました。 そのうえで、菅官房長官は、「地方議会の問題なので、政府としてコメントすることは控えたいが、不適切な発言であったことは明らかなので、きちんと責任を取るということが当然だろうと思う」と述べました。 総務相 離島や過疎地の振興支援 NHKニュース ttp //www3.nhk.or.jp/news/html/20140626/k10015527721000.html 総務相 離島や過疎地の振興支援 6月26日 17時20分 新藤総務大臣は、島根県の隠岐諸島を訪れ、島の外からの生徒の受け入れに力を入れている公立高校などを視察し、今後も、離島や過疎地の振興を目指す取り組みを積極的に支援する考えを示しました。 新藤総務大臣は、25日から島根県の隠岐諸島を訪れていて、26日は島根県海士町にある県立隠岐島前高校を視察しました。 新藤大臣は、生徒や校長らから、生徒数が減少して廃校の危機が迫るなか、島の外から生徒を受け入れようと、公営の大学進学塾を作るなど独自の取り組みを進めた結果、入学者の数が6年前から倍増したなどと説明を受けました。 また、新藤大臣は、総務省の事業の一環で、都市部から移り住み、海士町の嘱託職員になって地域活性化に取り組んでいる「地域おこし協力隊」のメンバー4人とも会い、4人は、「3年間の任期が終わったあとも島に住み続けて、農業の後継者を育てたい」と報告しました。 視察のあと、新藤大臣は、「自分たちの島が危機的な状況だという意識を住民が共有しており、総務省としても全力で応援したい」と述べ、今後も、離島や過疎地の振興を目指す取り組みを積極的に支援する考えを示しました。 石原新党 党名は「次世代の党」に NHKニュース ttp //www3.nhk.or.jp/news/html/20140626/k10015522561000.html 石原新党 党名は「次世代の党」に 6月26日 14時40分 日本維新の会が分党した後、石原共同代表のグループが発足させる新党の党名が、「次世代の党」となることが決まりました。 日本維新の会は、来月末をメドに解党し、石原共同代表と橋下共同代表の党に分党する方針で、双方とも解党後の8月上旬にも新党を発足させる方向で調整を進めています。 こうしたなか、22人の議員が参加する見通しの石原氏のグループは、26日国会内で新党結成に向けた準備会を開き、新党の名称について、事前に議員の投票で5つの案に絞り込まれたことが報告されました。 そして、協議の結果、新党の名称を「次世代の党」とすることが決まりました。 このあとの記者会見で、石原氏は「どうすれば若い人たちに、将来の人生に期待を持ってもらえるのかというのが私たちの大きな責任であり、共通の危機感としてあった。将来に期待を持たせられるように努めていきたい」と述べました。 党名が決まったことを受けて、石原氏のグループでは近く、橋下氏のグループと国会内での会派を分ける手続きを取りたいとしています。 南シナ海領有権 国際法で解決を NHKニュース ttp //www3.nhk.or.jp/news/html/20140626/k10015520471000.html 南シナ海領有権 国際法で解決を 6月26日 13時48分 アメリカのバイデン副大統領は、シンガポールのリー・シェンロン首相と会談し、中国を念頭に、南シナ海を不安定にさせる動きに懸念を示し、領有権を巡る問題は、国際法にのっとって平和的に解決することが重要だという認識で一致しました。 南シナ海では、中国とベトナムが領有権を争う西沙諸島、英語名パラセル諸島の近くの海域で、中国側が石油の掘削装置を設置したことをきっかけに両国の対立が深まっています。 こうしたなか、アメリカのバイデン副大統領は、25日、ホワイトハウスで、シンガポールのリー・シェンロン首相と会談しました。ホワイトハウスによりますと、この中で、両氏は、中国を念頭に、南シナ海を不安定にさせる動きに懸念を示し、領有権を巡る問題は、国際法にのっとって平和的に解決することが重要だという認識で一致しました。 そして、バイデン副大統領は、アメリカ政府がアジア重視政策を掲げていることを強調し、政治や安全保障、それに経済の面で、アジア地域への関与を強めていく考えを伝えました。 また、TPP=環太平洋パートナーシップ協定について、両氏は、できるだけ早い時期に、高い水準の合意を達成するため、協力していくことを確認しました。 イラク政府軍の空爆強化 スンニ派住民が反発 NHKニュース ttp //www3.nhk.or.jp/news/html/20140626/k10015520691000.html イラク政府軍の空爆強化 スンニ派住民が反発 6月26日 13時48分 イラクでは、北部などの町を占拠したイスラム教スンニ派の過激派組織に対し、政府軍が空爆を強化していますが、空爆で住む家を追われたスンニ派の住民の間では、シーア派色の強いマリキ政権への反発が強まっていて、過激派はそうした感情を利用して勢力を拡大しているとみられます。 イラクでは、イスラム教スンニ派の過激派組織が、北部の都市モスルや、隣国シリアとの国境地帯にある西部の町などを次々と占拠しているのに対し、政府軍が空爆を強化するなどして奪還を図っています。 モスル郊外の避難民キャンプには、連日、多くの住民が逃げてきていて、現在、およそ2000人がテントでの避難生活を余儀なくされています。 このうち、北部の町タルアファルから24日に家族を連れて逃れてきたというスンニ派の男性は、政府軍が住宅地に1日10発以上の爆弾を上空から投下していると証言したうえで、「政府軍はスンニ派の居住地域を狙って攻撃している。宗派対立をあおっているのは政府のほうだ」と憤りをあらわにしていました。 政府軍は空爆の軍事的な効果をアピールしていますが、避難している人たちの話からは、スンニ派の住民の間でシーア派色の強いマリキ政権への反発が強まる結果にもなっていることがうかがえ、過激派組織は、そうした住民感情を利用して勢力を拡大しているとみられます。 イラク戦闘続く 首相は退陣拒否 NHKニュース ttp //www3.nhk.or.jp/news/html/20140626/k10015532343000.html イラク戦闘続く 首相は退陣拒否 6月26日 19時12分 イラクでは、イスラム過激派組織と政府軍の戦闘が続くなか、今回の事態を招いたとしてマリキ首相に対し退陣を求める声が強まっていますが、マリキ首相は断固として拒否する構えで、情勢の安定化に向けた見通しは立っていません。 イラクでは、イスラム教スンニ派の過激派組織と政府軍の戦闘が各地で続いていて、25日から26日にかけては、北部ベイジにある国内最大の製油所の周辺や、首都バグダッドの北100キロのサマラなどで激しい戦闘が続いているもようです。 イラクでは、シーア派を優遇したマリキ首相の政権運営が過激派組織の台頭を招いたとして、スンニ派や少数民族のクルド人の勢力から、マリキ首相の退陣を求める声が高まっているほか、シーア派の中でもマリキ首相に代わる新たな指導者を模索する動きも出てきています。 しかし、マリキ首相は、25日のテレビ演説で、退陣要求を断固として拒否し、あくまでも首相の座にとどまる考えを強調しました。マリキ政権は来月1日に議会を招集して、あらゆる勢力を取り込んだ政権作りを進めるとしていますが、マリキ首相に対するスンニ派などの不信感はこれまでになく強まっており、宗派間の対立の緩和と情勢の安定化に向けた見通しは立っていません。 ナイジェリアでW杯試合前に爆発 NHKニュース ttp //www3.nhk.or.jp/news/html/20140626/k10015511101000.html ナイジェリアでW杯試合前に爆発 6月26日 5時19分 ナイジェリアの首都アブジャで25日、サッカーのワールドカップブラジル大会でのナイジェリアとアルゼンチンの試合前に大きな爆発があり、20人以上が死亡しました。 爆発が起きたのは、ナイジェリアの首都アブジャにある商業施設の近くです。 当時、現場は買い物客や通勤客など多くの人でにぎわっていて、地元の警察によりますと、爆発によって21人が死亡し、多数のけが人が出ているということです。 犯行声明は出ていませんが、爆発はサッカーのワールドカップブラジル大会でナイジェリアとアルゼンチンとの試合が始まる少し前に起きており、警察が背後関係などを詳しく調べています。 ナイジェリアでは今月17日、北東部でワールドカップの試合を大型のスクリーンで観戦するための会場で爆発があって20人以上が死亡したほか、23日にも北部にある医療系の学校で爆発が起きて8人が死亡しており、治安の悪化が深刻な状況です。 一連の事件には、ことし4月に200人以上の女子生徒を連れ去る事件を起こしたイスラム過激派組織「ボコ・ハラム」が関わっているものとみられています。 西アフリカ エボラ感染300人超死亡 NHKニュース ttp //www3.nhk.or.jp/news/html/20140626/k10015533471000.html 西アフリカ エボラ感染300人超死亡 6月26日 19時26分 西アフリカのギニアを中心に感染が広がっているエボラ出血熱で、死亡した人の数はこれまでに300人を超え、現地で治療に当たる国際NGOは「制御できない状況」だとして、各国政府などに大規模な支援を求めています。 エボラ出血熱は、ことし3月に西アフリカのギニア南部で流行し始め、これまでに隣国のリベリアやシエラレオネの合わせて3か国で、感染が確認されるなど拡大を続けています。 WHO=世界保健機関のまとめによりますと、これまでに感染者や感染が疑われる患者は3か国でおよそ600人に上り、このうち338人が死亡しました。 これについて、現地で治療に当たっている国際NGO「国境なき医師団」は報道資料を発表し、さらに感染が拡大するおそれが高いとして「われわれの対応能力も限界で、制御できない状況だ」としています。 そのうえで、感染拡大に歯止めをかけるには「各国政府と援助団体による大規模な支援が必要だ」と訴えています。 エボラ出血熱は、高い熱が出て全身から出血するウイルス性の感染症で、致死率は90%に達するとされ、外務省はギニア、リベリア、それにシエラレオネに渡航する際は最新の情報を入手し、野生動物の肉を食べないなどして感染の予防を心がけるよう注意を呼びかけています。 名前 コメント ◇◆前へ/次へ/目次へ
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1 ペニス笠持ち ホーデンつれて 入るぞヷギナの ふるさとへ 謹厳をもって知られた前の鉄道病院長H博士が晩年、酔余にまかせてつくった即興詩の一節である。おそらく高踏乱舞、談論風発の後、ようやく歓楽極って、成ったものであろう。そのとき、座に今は亡き北原白秋翁あり、詩人白秋は剛直、苟《いやし》くもせざる人柄であるにもかかわらず、おのずからにして湧くがごとき感興を禁じ得ざりしもののごとく、たちどころに筆をとって次韻《じいん》を付した。すなわち次のごときである。 来たかヷギナの このふるさとヘ ペニス笠とれ 夜は長い これを私(作者)に伝えた人は共に席を同じうしていた歌人の岡山巌博士であるが、これを聴いて微吟すること数回。──妖しくも、ほのかなる幻覚の世界はたちまち縹渺《ひょうびょう》として私の眼の前にうかぴあがってきた。読者もまた志あらば端坐して威儀を正し、心しずかに繰返えしてみらる丶がよろしかろう。疑うらくは、月落ち風さわやかなる秋の一夜、ペニスと称し、ホーデンと名乗る世にも奇怪なる相貌《そうぽう》を備えた人物が、蹌々踉々《そうそうろうろう》として、歩むがごとく泳ぐがごとく昂然と肩をそびやかして夜霧の中に没し去る姿が影のごとくうかびあがるであろう。世にこれほど侘しく、切なく、悲しきものはあるまい。古往今来、性器を擬人化して、これに高邁なる形式をあたえ人の世の喜怒哀楽はもとより、盛衰浮沈のあとを象徴した歌詞は少からずあったであろうが、しかし、考えようによっては醜怪見るに堪えず、天下の貴顕淑女をして、軽蔑、憎悪、覚えず眼を反けざるを得ざらしむる異形の怪人物の姿を、かくまでに浩々蕩々たる感情の中に美しく悲しく描きだしたものはあるまい。洋の東西に求めてもこれに比肩し得べきものを見出すことは困難であろう。 ところで、ペニスが主人であり、ホーデンが従者であることは、生れながらにして彼等のあたえられた位置と境遇の示す運命であって、恰かも大石内蔵介のあとに寺西弥太夫がつづき、ドン・キホーテのあとから、サンチョ・パンサが荷物をかついで随従するがごときものである。とはいえ、開闢《かいびやく》以来、ペニス大公の罪業は数知れず、天下の子女の恨はことごとくこの梟雄《きようゆう》の一身に集っているがごとく見ゆるにもかかわらず、しかし、いまだかつてホーデン侍従を憎むものあるを聞かないのは彼が常に利害打算の念に暗く、どことなく間が抜けていて、いつも損ばかりしていながらしかもなお泰然自若として運命に安んじているところにあるらしい。大ブリテンの文豪ジョージ・メレデスは、「トラジック・コメディアン」の一篇によってその文名を不朽ならしめた。あ丶、「トラジック・コメディアン()ー悲劇的な喜劇俳優こそは、「ふぐり」と呼ばれ、俗名、睾丸若しくは「キン玉」と呼ばれるところの、わがホーデン侍従なのである。 巷間に唄われる「サノサ節」の中にも、夜ふかく、ペニス大公が霜を踏んでヴギナの門を潜ろうとする野望をおさえきれず、言葉巧みにホーデンを誘惑する一節がある。「ゆうべのところへゆこうじゃないか」と唆《そそのか》しかける大公に対してホーデンは寒そうに両肩を顫《ふる》わせながら答えて日く「私も御意に従いたいとは思いますが、何しろこの図体では折角お伴をしたところで到底御同席のでぎるという身分ではないし、ましてこの寒空に裏門の戸をたたいて待っているわが身を考えるとあまりにも情のうございます」 ホーデン侍従の嘆きが深ければ深いだけに彼に対する同情と親愛の念はひとしお止みがたきものとなることはもちろんである。杜甫《とほ》は、「夜深うして間道より帰れば故里唯空村」・とうたい、望郷の思い惻々《そくそく》として迫るがごとくであるが、わがホーデンにいたってはどのような天変地異が生じたとしても永遠に「中へはいれる」身ではないのである。石川啄木は、「ふるさとの山に向ひていふことなしふるさとの山はありがたきかな」と詠じているが、啄木もまた、おそらくホーデシの嘆きを不遇な運命に託してうたったものと思われる。 とはいえ、ホーデンが男性の象徴であり活力の源泉であることは私が声を大にして特に説明するまでもあるまい。悪たれ小僧どもが喧嘩をするときに、貴様それでもキン玉があるのかーと怒号する言葉が説明するごとく一朝事あるときに人は必ずホーデンを想い起すのである。今はむかし、戦国の世に、本多平八郎忠勝の親爺が、小桜を黄に返えしたる鎧《よろい》に身をかため、鍬形《くわがた》に金の兎の兜の緒をしめ、いよいよ初陣に立とうとする伜の股倉に手を差しのべた。だらりと下ったホーデンを握りしめ、これなら大丈夫だ、といって呵々大笑したというはなしは絵物語の中にも残されているが、男の度胸はホーデンが縮みあがっているか、それとも、だらりと下っているかということによってのみ決せられる。これはひとり人間だけではなく、もし読者が瀬戸物屋の店頭を飾る狸の置物を御覧になれば立ちどころに納得されるであろう。ひとたび化けるや、その広さは畳八畳敷にひろがると言われるほどであるから伸縮作用の変妙なることは、まことに言語に絶するものがある。されば、過ぐる西南戦争の折、主将西郷南洲の睾丸が炎症のため冬瓜(トしガン)のごとくふくれていたことが敗北の原因であったという珍説が今日伝えられていることにも一応の理窟はあろう。もし、そうでなかったとしたら戦局はどのような変化を示したかわかるまい。かかる俗説に、歴史認識をくつがえすほどの根拠はないとしても、しかしワーテルローの決戦に、前夜雨が降ったか降らなかったかの一事によってのみ、勝敗の運命が定まったという解釈と同工異曲たるべきは言を俟《ま》つまでもないのである。「九月二十三日城山やぶれ、西郷どんな駕籠から、逸見どんな馬から」という自然に出来た俗謡はこの間の消息を如実的確に伝えている。西郷はこのとき睾丸がふくれて行動の自由を失っていた。それ故、止むなく駕籠に乗って戦場を駈けめぐらなければならないような悲境に身を置いていたのである。故に曰く、もし彼が馬上ゆたかに陣頭に立ち全軍を指揮していたとしたら薩摩隼人《さつまはやと》の士気はたちまち奮い立ち、あるいは一挙に熊本城の堅塁を屠《ほふ》って九州一円を席捲《せつけん》し得たかも知れないのである。云々。いずれにせよ、ホーデンの存在が、その悲劇的運命によって、いよいよ重要さを加え、世にも複雑怪奇なる作用を示しつつあるかということは、もはや天下周知の事実である。それにもかかわらず、終戦早くも年古りて、国は破れ山河は存すれども、人はようやくホーデンを忘れ、この愛すべきトラジック・コメディアンの姿を顧みようとするものもない始末である。あ丶ホーデンよ、ふぐりよ、睾丸よ、 故郷の山を遠くはるかに望み見ながら、ヴギナの門前に悄然《しようぜん》として立ちつくす君の姿の哀れさよ。その哀れさこそ、すなわち、われ等の今日の運命でなくて何であろうか。しかし憂うるなかれである。われ等は何れかの日に必ず君を思い、君の存在をたしかめて、ほっと胸を撫でおろすときがあるであろう。私は確信する。救国の英雄たるべき君の姿が必ず脚光を浴びてわれ等の眼の前にどっしりと胡坐《あぐら》をかくべき日の遠からざらんことを。 2 ある朝、私が久しぶりで折山博士を訪れると、博士は、いつものように研究室の、窓に向いた机によりかかって、何か一見して魚の臓腑《ぞうふ》のようなものをガラス板の上に置き、おそろしく厳粛な態度で上体を前屈みにしたまま、旧式の顕微鏡でじっと覗《のぞ》きこんでいた。 私は、博士の研究室を訪れるときには、いつも足音を立てないようにはいってゆく習慣がついているので、その日も入口の扉をそっと押しあけ、泥棒が忍び込むような恰好をしてはいっていった。 だから、もちろん博士は私が博士のうしろの事務椅子に腰をおろしていることなぞを知るよしもなかった。黙っていたのは、もちろん博士の研究を妨げてはならぬという心づかいもあるにはあったが、それよりも、相手をびっくりさせてやろうという悪戯《いたずら》こころの方がはるかにつよかった。 私が博士と知合いになってから、もうそろそろ五年あまりになるであろう。私が伊豆半島の東海岸にあるこのA町に疎開して来てからであるが、博士がこの土地に落ちついたのはやがて二十「年も前で、今こそ一流の温泉地として全国に知られているけれども、その頃のA町は、昔、源頼朝が蛭《ひる》ケ小島へ流された之き、徒然《つれづれ》のあまり、この土地の管領であった伊東祐親の娘と恋愛遊戯に耽《ふけ》っていたというだけで、多少、史実的に知られている古風な一漁村にすぎなかったのである。やがて、丹那トンネルが開通するようになってから貞この町はめきめきと繁栄を示し、宏壮な温泉旅館が、海から山につながる盆地に、軒をならべる時分には、漁村は片隅に追いつめられて、たちまち、絃歌さんざめく歓楽地帯に一変したが、折山博士がこの土地に居を定めたのは、この土地がまだ名もなき一寒村の頃である。 もっとも、博士といったところで、折山医師は、ほんとうの博士ではない。唯、われわれが心からの敬意を表するために博士と呼んでいるだけのことである。 そんなことはどうでもいい。とにかく折山博士は、終生を医学士で推しとおした有名なM先生(東大のM内科といえば今でも人の記憶に残っているであろう)の高弟として、M先生の理想を実現すべく、大学を卒業すると間もなく、丹那トンネルに働く労働者のための健康医としてこの土地に派遣されたのである。そのま丶先生がここにいついてしまったのは、風光明媚《ふうこうめいび》なこの土地が先生の気に入ったからでもあろうが、若き日の先生はおそろしく情熱的でもあり、それに当時は金で買うことのできる博士が濫出《らんしゆつ》している時代だったので、われこそM先生の抱負を実現して、体験を誇る町医者としての最高権威たらんと欲するところに動機があったらしい。人の噂によると、先生はここで煙草屋の娘に惚れ、それが家付の長女なので土地をはなれることができず、ついに意を決して恋愛に殉ずることになったという話でもあるが、およそ人間の決心というものは一つや二つの動機によって定まるものではない。してみれば、それもほんとう、これもほんとうというのが先ず偽らぬ真実であるかも知れぬ。それはそれとして、ある時期、先生の声望はこの小さな漁村を圧倒していた。今は繁栄街からとり残された丘の中腹にぽつんととり残された、見るからに古色蒼然たる廃屋のごとき病院であるけれども、さかんなりし日にこの病院がいかに町民の誇であり、名誉の象徴であったかということ嘆入・に神代杉の大木を組み交わして、遠-から見るとまるで鳥居のような堂々たる門を一暼《いちぺつ》しただけでもそれと納得されるであろう。「上天病院」と書いた門標は、すでに鬱蒼たる夏みかんの葉に掩われて見えなくなっているが、考えてみると呼吸器病患者の多いこの土地で、先生によって命を救われた人間が何人あるか知れないのである。 とはいえ、浮沈転変は人の世の常である。先生が、ふとした機《はず》みで、癌《がん》の研究に没頭し、一切の診察治療を拒絶して、研究室にとじこもるようになってから、この町の人たちは、うす紙をはがすように一日一日と先生の存在をわすれ、いつの間にか折山先生といえば、半ばの軽蔑をひそめて「あの仙人か」というようになってしまった。いや、町の人たちだけではない。末かけて偕老同穴《かいろうどうけつ》と契った糟糠《そうこう》の妻でさえ、ついに愛想をつかして実家へ帰ってしまってから早くも十余年になるのだから、今日にいたってはこの病院が狐狸の棲家と思われるほど荒廃しつくしてしまったことはむしろ当然というべきであろう。 かくのごとく落魄不遇《らくはくふぐう》の境涯に身をさらしている先生ではあったが、しかし、数人の風変りな心酔者は、今日といえども、なお先生の周囲にあつまっていた。実をいえば私もそのひとりなのである。 前置きが、だいぶ長くなったが、私が息をころすようにして先生のうしろに腰をおろしてから、およそ十二三分も経ったであうつか.先生はやっと人のいるちしい気配をかんじたもののごとく、慌て丶くるりとうしろを振り向いた。 「やア、あなたでしたかーこれはどうも」 ふさふさと伸びた白髯《はくぜん》がぶるぶるっとふるえた。「いいところへ来てくれましたな、今日はひとつ底を割って私の秘宝をお伝えしたいと思っていたと.」ろですよ」 先生がこんなに上機嫌で、屈託のない顔をしていることはめずらしい。私がきょとんとして眼げを臘っていると、先生は知麟に、ガラス板の上にある魚の臓腑のようなものをゆびさした。 「これですよ、何だと思います、これを?」 「さア」 といったま丶、私は口を噤《つぐ》んでしまった。見ようによってはボラのへそのようでもあるし、ブりの肝のようでもある。私は魚については相当に該博《がいはく》な知識を持っていたが、しかし、この蒟蒻《こんにやく》玉のように、ぐにゃぐにゃとくずれたものが何であるかということはついに見当もつかなかった。すると、私の呆然として当惑している姿がすっかり先生の気に入ったらしく、いかにもわが意を得たという面構えで、 「狸ですよ」 低いが、自信にみちた声である。 「えっ、狸ですって?」 「そうです、狸の睾丸です」 `私はどきっとして、ガラス板の上に視線を凝らした。「狸の睾丸を一体何になさるんです?」 「いや、それなんですよ」 と、先生は急に厳粛な表情をして、ポケットの中から皺《しわ》くちゃになったピースを一本とりだして口にくわえ、マッチをすった。 「やっと私の研究も思う壺にはまってきたんです」 先生は、それから非常に静かな、ゆとりのある調子でしゃべりだした。 先生が癌の研究に没頭するようになってから早くも十年あまりの年月が経っている。先生の言葉はおそろしく早口な上に、耳馴《な》れない術語が矢継早に出てくるので生理的知識に乏しい私はまったく要領をつかむのに当惑してしまったが、大ざっぱにいうとあらまし次のような話になる。およそ細胞の増殖には一定の方式があるが、癌細胞の分裂する速度とくると、こいつは驚くばかりで、これを方式によって捕捉することのできないほど乱脈迅速を極めている。そして、このような逞《たくま》しい増殖力をもつ細胞の本質を極めるところに先生の研究の目的があった。ところが、先生は細胞分裂の速度を研究しているうちに、やがて分裂の動因をつくるものが染色体の作用にあるということを発見したのである。このへんから私の認識はしどろもどろになってくるが、先生.の意見によると細胞の中には小さな核があり、無数の染色体がその核の内部に浮遊している。細胞は増殖するにつれて分裂し、その分裂の直前になると、染色体が螺旋《らせん》状を描いて核の中心部にあσまってくる。その螺旋体が分れるときは交互に一つ一つ分裂して次第に核の両極にあつまってゆく。すると、いつの間にかまん中に膜が出来て等分に二つの部屋に分離することになる。この染色体の中に性染色体と称するものがあって、その作用如何によって男女の性別が生ずる。 先生は最初その作用を植物の花粉によって実験したところが、性染色体の究明に没頭しているうちに、これこそ人間の活力の原素であるという暗示に到達した。それが機縁となって動物の睾丸の研究にうつり、鼠の睾丸から猫の睾丸、猫から更にイタチに進み、イタチから犬に転じて、幾度となく実験を試みたが、どこかにまだ不明瞭なものがあり、ついに、もっとも人間に近いと推定される意味において狸の睾丸を実験することに希望を持つようになったものの、何しろ当時終戦直後ではあったし、狸を手に入れるなぞということは容易ならざるはなしで、たちまち二三年間が空しく過ぎてしまった。然るに天なるかな、命なるかな、最近この町に住む先生の崇拝者の一人である写真屋の古巻《ふるまき》という男の世話でやっと狸の睾丸を買いとることが出来たので数日前から実験にとりかかったばかりのところであるという・ 「この実験が成功すれば」 先生は、思わず息を呑んだ。「君、期せずして不老不死の薬が完成されることになるんですよ、秦の始皇帝以来、世界の懸案となっていた不老不死の名薬が私の手によって、いよいよこの世の中に形をあらわす日がもう眼の前に近づいているんです」 折山博士の眼は異様な光りを帯び、痩せおとろえた頬がいきいきと輝きだした。もはや癌の研究どころではない。私はきょときょと先生の顔を見据えたま丶茫然自失してしまった。合槌《あいつち》をうつ余裕さえもないのである。しかし、先生はそんなことに無頓着で、一気にまくしたてた。 「その上、君、調子のいいときにはいいもので、これも古巻君の尽力で今度、人間の睾丸が手に入ることになったんだよ、これではじめて画竜点睛《がりようてんせい》ということになるんだ」 「人間ですか?」「そうだよ、それも死んだ人間の睾丸じゃない、健康でぴちぴちしているやつが来る筈だから」 私はもはや狐につままれたような気もちで、絶え間なしに動く折山博士の顔面神経にじっと視線を凝らしたまま声を立てることも出来なかった。そこへ、急にうしろの扉があいて、垢《あか》じみたよれよれの国民服を着た古巻七五郎が、狡猾《こうかつ》そうな愛想笑いをうかべながら入ってきた。 古巻はこの町に住む写真屋であるが、私は彼の店に客の入っているのを、まだ一ぺんも見たことがない。彼についてはいろいろな噂があり、その噂の大半は、それをことごとく信ずると、彼こそ極悪非道の典型的人物のようになってしまうが、私は、はじめて会ったときから、この男は何に対しても一種のマニヤともいうべき凝り性で、狂気じみた情熱的なところがあり、金儲けでも恋愛でも、打ちこんだら最後、底の底まで窮《きわ》めつくさなければ気がすまぬという種類の人物であることを理解した。こういう性格の男は、極端に冷酷であるかと思うと、また途方もなく人情もろく、まったく常識では判断の出来ないような調子はずれなところがあって、そこにまた何とも言えないような味があるものである。 だから、私は、彼が雪舟の偽物を売ってしこたま儲けたとか、陸軍大将の未亡人をだまして金を捲きあげたとか、妾を五人も持っているとかいう話をきいても、それがために彼を批難するという気もちにはならなかった。というのは、彼がどういう風の吹き廻しか私に対しては実に親切で、思いやりがふかく、まだ疎開してきたばかりの頃、この町に知合いもなければ伝手《つて》もなく、どこに何があるのかわからぬようなときでさえ、頼みもしないのに米を運んだり魚を持ってきたりしてくれる。それがいつの間にか私の好きな喰べものまでちゃんと心得てしまって、今日は久しぶりでエビの天ぷらをつくりましたとか、ナマコのいいやつが見つかりましたとか、これは手製のドブロクですとかいって台所口からのっそり入ってくると、もう善悪の判断もなく、たちま.ち人情にほだされてしまう。昔から喰い物の恨みはいちばんふかいと言われているのだから、恨みがふかければ恩もふかいにきまっている。 だから、私はむしろ逆に古巻七五郎の悪態をつく人間の方を警戒する習慣がついてしまっているようなわけで、その古巻が折山諸撃同情し、四面楚歌《しめんそか》の中にある.あ老学究のためにひと肌脱こうという話をきけば、いかにも尤もだと考えざるを得なかった。 古巻は先客である私の顔を見ると、 「これは偶然ですな、お伺いしようと思っていたところです」 と、いかにも機みのついた濁《だ》み声でいった。 「うどん華《げ》の花も咲くと言いますからな、折山先生もついに終りを全うされましたよ」 せっかちの癖で、彼は烈しく貧乏ゆすりをしたと思うと、すぐ老先生の方を向いて、 「お約束のはなしなんですが、実は今朝になってから相手の女房の方から文句が出ましてね」 「じゃあ、駄目なのかい?」 「いや、駄目じゃないんですよ、先方はすっかり乗気になっているんですが、私があれほど女房には内密にしろといっておいたのに、うっかりしゃべってしまったんですね、何でも女房の言い分では、睾丸というものは一つあれば充分用が足りるなぞといったところで、そんなことが当てになるものか、お前さんはそれでなくっても、いざというときにバネの利かなくなってしまう人なんだから、それが、いよいよ一つしかないことになったらわたしがどんなにやきもきしたところで間に合いませんよ、そういって泣きながら口説かれたわけですね、何しろ女房には、から意気地のないやつだもんだから、それでへたへたとまいって、今朝の明けがた、私の家へやってきたんですが、まア、あいつにしてみれば無理もないんですよ、それでいろいろ押問答をした末に、先生から一筆、睾丸は一つあれば男女の交合にいささかも差支えるところなく、また誤って万一のことがあったらいかなる賠償《ばいしよう》にも応ずるという証文を書いていただくということにしてやっ とケリがついたわけですが」 「そんなことはわけのないことだ、早速書こう」 先生がテーブルの抽出《ひきだし》をあけて、十余年前に印刷して、もう灰色にくすんでいる処方箋の用紙 をとりだすと、古巻は、 「それから」 と、たたみかけた調子でいった。「いよいよ現物の取引を行う前に二千円だけ手金としていただきたいといっているんですが」 「そいつは困ったな」 先生の顔には、かすかな哀愁がうかんできた。「もう売るものといっちゃあ、ほら、あの神代杉の門しか残っていないんだが、それにしたって早急においそれと買い手がつくわけもないし」 家屋敷はもとより、庭石から植木の類にいたるまで一本残らず、抵当に入れたり、売りつくしたりしている今日、もはや金の目当になりそうなものは何一つ残ってはいないのである。 「そうですな」 といって、古巻はしばらく考えこんでいたが、すぐ決心したように膝をぽんとたたいた。「事ここにいたっては止むを得ませんからな、じゃあ私がひと先ずあの門を五千円で引きとりましょう、あの男との最初の約束は五千円ですが、あいつには七年前に二百円の貸しがありますから、今の相場に直して、千円だけ差引かせ、残りの金をすぐ先生の方へお届けしましょう」 「いや、そうしてもらえば、実にありがたい。古巻さん、万事あなたにお願いしますそ」 「いいですとも、1そのくらいのことが出来なくっちゃあ、不老不死の名薬の権利をとることは出来ませんよ」 古巻はやっと安心したような落ちつきを示して、にやにやとうすら笑いをうかべた。「それに、あいつにしたって一生に一ぺんくらいは私に対する義理を果さなきゃあ生きてゆかれませんからね」 あいつというのは、この町から一里ほど先きにある炭焼の邑《むら》に住む又狩久太という若い男で通称久さんと呼ばれている。先祖歴代|木樵《きこり》を商売としていたのが、法外な税金を取立てられる上に、この数年のあいだにどの山も材木という材木が片っぱしから伐り倒されてしまったので、だんだん生活に追いつめられ、全村を挙げて今や飢餓に瀕しているような始末なのである。 古巻が久さんの面倒を見るようになってから、もうずいぶん長い年月が経っているが、彼が七年前に二百円貸したのは、町の大地主で、助鉄というあだ名で通っている八十ちかい老人が、たぶん、これも一種の若返り法のためであろう、こっそり古巻を呼んで、何とかして若い男女が合歓を重ねている写真をうつしてもらえまいか、これならいくらでも出すからといって、親指と人差指でつくった丸い輪を何べんとなく彼の眼の先きへ突きつけたそうである。古巻はもとより二つ返事で、老人から手の切れるような百円紙幣を五枚うけとり、帰ってくると、すぐ自転車で山の中の炭焼の邑へ出かけていった。 「まったく、苦労しましたね、早速久さんをよびだして、相談してみたところが、まだ貰ってから三月も経たないような女房だし、 いや実はそこにこっちのつけ眼があるんですがね、ところが、自分はともかく女房が承知しますまいというので、すぐさま二百円握らせたところが、久さんもやっと決心がついたらしく、二日がかりでとにかく女房を納得させることが出来たというわけですよ、そうときまれば善は急げですからね、私はすぐ写真機をかついで駈けつけました」 「それで、首尾よく写したわけですな?」 聴いているうちに私の方がハラハラしてきた。すると古巻は何事かを思いだすように、じっと眼をとじ、 「いや、もう、ひどい目に遭いました、やっぱり、こいつはずぶの素人をいきなり舞台に立たせたようなもので、からっきし役に立ちませんや、久さんは久さんで苛々《いらいら》している、女房だってすっかり観念しきっているんですから、どうにでもなれという気もちになっている託ですが、こっちだって早取写真のようにいきなりパチンとやるわけにはいきませんよ、色々工風《くふう》してみましたが、とうとう仕事は大失敗の上に、今更手金を戻せというわけにも、ゆかないもんだから、そのままになってしまいました」 古巻のことだから、むろん、どこからかわけのわからぬ写真をさがしだしてきて、うまく助鉄老人をゴマ化し、あ紅あまるほどの謝礼をとったにちがいないと思われるが、しかし、結局そのときの手金によって生じた義理がキッカケとなって、久さんはついに睾丸を、一個、四千円で売、らなければならないような結果になったものらしい。古巻はせきこむような調子で一席まくしたてると、 「じゃあ、ひと息に仕事を片づけちまいましょう」 といって立ちあがった。私も彼につづいて先生に別れを告げた。ゆるゆると坂を下り切ったところで「上天病院」の方をふりかえってみると、老先生が、壊れかかった玄関の前に立っている。さすがに名残が惜しいのであろう、じっと空を仰ぐような恰好をして神代杉の門を見あげていた。 4 A町の駅からあふれだした人の波が曲りくねった小路を通りぬけて、街道へ出ようとするすぐ手前のところで道が二つにわかれている。その右側の、うしろが材木置場になっている空地の角に小さな串かつ屋の屋台店が出来たのは、それから十日ほど経った頃だった。 その店は、串かつが安いのと、自家製のドブロクがうまいというのでたちまち町じゅうの評判に訟った。それに、繁華街からちょっとそれたところにあって、両側がよしず張りになっているので人眼を避けて入るのに都合のいいような地の利を占めている。 私が、同じ町に住む洋画家の青貫白水に誘われて、この屋台店の暖簾《のれん》をはじめて潜ったのは、やっと三月になったばかりの、おそろしく風の寒い晩だった。 主人は三十五六の、色の浅黒い、見るからに屈強そうな威勢のいい男で、青貫とはもうすっかり顔馴染になっているらしく、 「やア、いらっしゃい、11今日は昼すぎから邑の連中を招待したもんだから、うっかり飲みすごしちまいましてね、そろそろ店じまいにしようかと思っていたところなんで」 彼は、煮しめたような手拭をとり、器用な手つきでねじり鉢巻をすると、すぐ「串かつ」をあげるために七輪の火を煽ぎだした。 「そいつは大した景気だね?」 青貫が、なみなみとつがれたコップの白馬をぐっとひっかけた。 「いや、おかげさまで」 といってから、串かつ屋の親爺はうれしそうな微笑をうかべた。世の中はまったく何が幸いに馬なるかわかったものじゃありませんよ、この店をはじめる当座なんかときたら、二進《につち》も三進《さつち》もゆかないような貧乏で、仕方がねえから女房を夜の女に出そうなんて、いや笑い事じゃねえ、本気で考えたほどですよ、ところが先生、時世ががらりと変りましたね、男なんてものは行き詰ったが最後、首をくくるか、さもなけりゃ泥棒でもするよりほかに能がないと思っていたところが、売る気になりゃ立派に売れるものがあるんですからね、何も生きるのにくよくよすることはありませんや」 「売れるって、 何が売れるのかい?」 青貫が眼をパチパチとうこかすと心持ちぐっと肩を前へ乗りだすようにして、 「キン玉ですよ」 と噛みつくような声でいった。 「何だって」、 「だから、夢みたいな話じゃありませんか、私もまさかと思ったが、苦しまぎれにたたき売ってみると、何の雑作もありませんや、大体あんなものを二つもぶらさげているのが贅沢なんで、一つだけ残っていりゃあ、それで結構役に立つんですから」 酔った勢いで彼は一気にまくしたてた。「串かつ屋」の親爺が、古巻の話の中にあった炭焼邑の久さんであることはもはや疑うべくもない。私は、ほろ酔い機嫌で、いきいきと冴え返っている久さんの顔を、あたらしい好奇心をもってしみじみと眺めた。彼は睾丸を売った四千円の金を資本にして、この屋台店を開いたのである。 「それも、はじめはやけっぱちで売ったものの、われながら、なさけなくて生きるにも生きられぬような気もちでしたが、今となるとそれどころか、日本じゅうの人間に片っぱしから知らせてやりたいくらいですよ」 「おどろいたな、iそれで、君の方はいいとしても、おかみさんが苦情を言わないのかい?」 「苦情どころか、あんた、大喜びですよ、今までは、あんなものが、どかんと腰をおろしていやがるもんだから何彼《なにか》につけて不自由だったのが、今度はどこへだって気楽にすうっとばいってゆずけるんですから」 彼が声をおとして、何かひそひそと話しかけようとしたとき、裏の方から、 「唯今」 という、弾力のある若々しい声が聞え、束ね髪にした、ほそ面《おもて》の、色っぽいというよりも、ちらっと見ただけでも健康そうな、すべすべした小麦色の皮膚がぴいんと張りきっている、二十二三の女がはいってきた。まこう方なき彼の女房である。一瞬間の印象ではあるが私は久さんの夫婦生活がいかに順調で、愉しく充実しているかということを犇々《ひしひし》とかんじた。 「それで、先生、ひとつ御相談があるんですが」 と、彼は女房の顔をちらっと見てか与、急に声の調子を変えた。「こんど、この屋台を少しひろげることになったんで、あたらしく暖簾を出そうと思っているんですが、それで何とか今の私の気もちにぴったりした名前をつけたいと思っているんですよ、まさか、串かつキン玉ともつけられないし、何かいい名前はありませんかね?」 私は飲み心地のいいにまかせて、すでに三杯の白馬を一気に呷《あお》っていた。下地が入っているところへ立てつづけにひっかけたので、酔いが一ぺんに廻ってきたらしい。青貫がもじもじしているあいだに、私は横合いから大声で叫んだ。「そりゃあ、君、ホーデンにかぎるよ、語呂もいいし、景気もいいし、その上君が旧恩に酬ゆる意味においたって」 何を言っているのか自分にもよくわからなかったが、しかし私はすぐ立ちあがって、感興のうヂ、」くにまかせ、低い調子でうたいだした。 ペニス笠持ち ホーデンつれて 入るぞヷギナの ふるさとへ、 痺《しび》れるような酔いは全身に沁みひろがっていた。何時、串かつ屋を出て、何処で青貫と別れたのかハッキリおぼえていない。町中をひとすじの川が流れている。早春のうす月が空にかかり、行手は白い靄《もや》であった。靄に掩われた川ぞいの道を私は、ひとりで微吟低唱をつづけながら歩きだしたのである。すると、夢ともつかず現《うつ》つともつかず、例によってぬっと肩をそびやかしたペニス大公のあとから、せかせかと足どりも軽くすべるように動いてゆくホーデン侍従の姿が影絵のようにうかんできた。 しかし、彼はもはや昨日のホーデンで憾ない。余計な重荷をさらりと捨てた今夜の彼は心も軽く身も軽く、ペニス大公の御意にまかせて、ヴギナの門をすべるがごとく入ってゆくであろう。、ふるさとの山を遠く望んで涙|潸然《さんぜん》たりし日は早くもすぎし日の夢なのである。故山の人情は暖かく、されば、山も川も歓呼の叫びをあげて彼の帰郷を迎えるであろう。 5 あ丶、ホーデンよ、ふぐりよ、睾丸よ、 予が君を救国の英雄に擬《なぞ》らえたことは決して嘘でもなければお世辞でもなかった。何となれば、折山博士による性染色体の研究はいよいよ最後の段階に到達して、不老不死の名薬は日ならずして完成しようとしているからである。 古巻七五郎は、眼が廻るようにいそがしくなってきた。彼はこの秘薬製造の会社を設立するために東奔西走しなければならぬ。何よりも必要なものは資材であり原料であるところの睾丸であるが、運のいいときはいいもので、幸いにも久さんの屋台店の成功したことによって、炭焼邑の住民は老若を問わず、ことごとく符節を合すように睾丸を売ることを志願してきた。今まで火が消えたように萎れかえっていた村民はこれがために活力をもりかえし、隣保班の班長はすでに一同の意見をまとめて、睾丸を売った金の一部をもって、道路の改修と邑の厚生費用に充てようとしているのだ。 だから、いよいよ、正式に会社が設立されることになれば、睾丸の相場はたちまち暴騰《ぽうとう》するであろう。そこに抜目のある古巻ではない。彼は片っぱしから手金を打ち、ひとりひとりに契約書を取交わした。 ところが、睾丸売却の希望者は一日ごとにふえてくる始末で、もう炭焼の邑だけではなく、噂が町全体にひろがるにつれて、大金が入った上に女房を喜ばせることが出来るというなら正しく一挙両得ではないか、こんなうまい話が滅多にあるものではない、おれも売りたい、いや、おれもおれもという人間があとからあとからとふえて、古巻の家はたちまち門前市を成すような形勢を生じてきた。 こうなると、いかに古巻といえども彼の全財産をはたきだしたくらいでは到底足りるものではない。そうかといって、今こそ絶好の買いどきである。それがために彼は土地を売り、家を売り、あらんかぎりの方法で借金をして、資材の蒐集につとめてきたが、しかし勢いの及ぶところは停止する筈もなく、彼のために資本を出そうという男が続出してくるにつれて、いっそのこと、この計画を全国的に拡大したらどうかという意見も生じてきた。 これがキッカケとなって、東京から濡れ手で粟のひと儲けをたくらむ新囲ハ財閥や、大会社の社長たちが続々と乗り込んできて、古巻七五郎と会談を重ね、この名薬を海外に輸出するための大貿易会社を設立する相談がまとまりかけたとき、折山博士が俄かに横槍を入れた。これこそ正しく救国済民の仕事である。もちろん一個人の私すべきものではない、経営は日本国家があたるべきであると言いだしたのである。言い出したら絶対に自説を押しとおす博士の気象を知っている古巻は、博士を納得させるためには私のほかにはないと考えたらしく、ある晩、白馬を二升手土産に持って私の家へやってきた。もちろん私は一言の下に彼の申出を拒絶した。 「こうなったら、もう利権の問題じゃない、折山博士の意見に従って当然国営の事業にすべきものだ、君だっておぼえているだろう、太平洋戦争の真最中、一億一心という標語によってともかくも政府は全国民をおさえつけていたんだからね、しかし、そんな生半ばなものじゃない、今こそ一億一心じゃなくて、一億一丸だよ、日本建国の基礎は必ず此処に築かれる、そうなれば、国家の再建どころか、日本はおそらく世界の財貨を立ちどころに吸収することが出来るだろう、今や祖国の興廃は一丸の左右するところによって決するのだからな、つまらぬ慾を起すもんじゃないよ」 「なるほど、一億一丸ですか、いい言葉ですな」 古巻はしきりに感心している様子だったが、もちろん私の言葉に動かされるような筈もなく、ふふんと小馬鹿にしたようなせせら笑いをうかべ、ちんぷんかんぷんな挨拶をして帰っていった。まったく余計な睾丸があるばっかしに、つまらぬ野心を起したり、戦争をはじめたりするのではないか。これが全国一丸ときまれば、やれ民族だとか伝統だとかと、他愛もないことにくよくよする必要はなくなってしまうのである。いずれにしても問題は折山博士の発明が何時完成されるかという一事にのみかかっている。私はそのことをたしかめるために、翌日、博士を訪問したが、神代杉の門をとり払った病院は荒涼としてうすら寒く、私が玄関を入ろうとすると、古巻がげっそりと痩せおとろえた顔をして、せかせかと出てくるのにバッタリ出会った。 どうしたのかと訊くと、彼はもう生きている心地もないらしく、しどろもどろの調子で答えた。 「大へんなことが出来てしまったんです、博士が昨日から急病になって、ちょっと手のつけられぬ状態になっているので、ーこれでもしものことになったら、私はもう自殺するよりほかに仕方がないんです」 博士は連日の宴会が祟《たた》って、急性の胃潰瘍になり、吐血が烈しすぎた上に、何しろ老体であるし、輸血や注射くらいでは衰弱を支え得るかどうか見当がつかないような状態に陥っているという。 今は絶対安静を保つために一切の訪問客を絶っているというので、私も止むなく引返えしてきたが、なるほど古巻にしてみれば、彼の打った手金と引換にうけとっている契約書が押入の中に山のように積まれている今日、業半ばにして博士が死んでしまうようなことになったとしたら、もはや不老不死の名薬も、一場の夢に終るであろう。 今になって手金の払戻しをするといったところで、現物は向うにちゃんと残っているのだから、これも容易なことでは話がまとまるまい。それにもかかわらず、博士の命はすでに旦タに迫っているのだ。そして町の温泉宿には遠くからやってきた資本家たちが、もう一ト月あまり、酒と女に涵《ひた》りながら名薬の完成するのを今か今かと待ちあぐんでいるのだ。その資本家たちにどうして実状を知らせることが出来よう。いかにすべきか、どうしたらいいか、否々、伸るか反るか、生きるか死ぬかの瀬戸際なのである。 それにしても男は度胸だ。先ず睾丸にさわってみてから悠々と計を立てるよりほかに道はあるまい。とはいえ、此処に思いがけない名薬が見つかって博士が無事に一命をとりとめることにでもなれば、一切の苦労もたちまちにして消え去るわけである。事は古巻の運命に関りがあるだけではない。われ等の運命を決すべき一丸立国の問題を控えている。いや、一丸立国はおろか、この小説も、今後いかなる方向へ発展すべきか、あるいはこのまま中絶するの止むなきにいたるか、それともホーデン侍従の活躍によって一生涯書きつづけてもなお足りないような民族興亡の大き辱な渦の中へ巻き込まれるか まったくもって見当もつかぬ、まるで雲をつかむような始末なのである。
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6 :641,642:2015/02/05(木) 17 01 46 転移先の世界が戦艦だらけのトンデモ世界だと判明し、その情報が軍部全体に知れ渡った後の海軍の反応は…誰から見ても…哀れで涙を誘う程狼狽していた。何せ今まで…空母機動部隊と戦う事を念頭に…積み上げて来た物の多くが通用しない相手と之から戦う可能性が極めて高いのである。何度も誤報では無いかと諜報部に確認し…大陸歴1940年7月の会合で『以前の巨大戦艦群に加え予備艦状態だったサウスダコタ級4隻が再稼働し実戦配備に復帰した。何度も確認したが全ての情報に間違いは無い』と言う止めとなる情報が入ってきた。 「………何故だ。何故空母で無く戦艦が量産されているのだ……」 そう呟くのは戦艦派閥に所属する一人の海軍将官。彼は所属派閥からも分かるように戦艦を愛してやまない男だった。『戦艦は海の男のロマン』と…宴席などで…良く放言するほどには戦艦が好きだった。そして戦艦が大好きだからこそ…戦艦の限界もしっかりと理解していた。戦艦の主砲射程距離は(命中率は一旦無視して)どれだけ頑張っても4,50km程度にしかならないが(史実大和砲の最大射程距離は42㎞)、航空母艦の艦載機なら大概1,000km位は楽に飛んで攻撃できる。戦艦の速力では航空母艦を補足する事は出来ないし、戦艦の対空砲火をドレだけ強化しても航空機の群れには対抗仕切れず、その上戦艦の重装甲でも全ての雷爆撃を防げる訳が無い。もし艦橋や電気回路を破壊されれば、その時点で戦艦は海上に浮かぶただの対空砲火が有る標的艦か鉄の棺桶と化す。第一時代が進めばミサイルの登場により陳腐化するのはハッキリしている。…この世界の米海軍が(ミサイルはともかくとして)何故その事実を認識せずに、航空母艦ではなく戦艦を量産しているのかが、彼には理解出来なかった。 「こちらの世界でのドイツ海軍、イタリア海軍のせいだと思われます。と言いますか確実にこの二国海軍のせいです。…この世界での第二次世界大戦にてこの両海軍の所業を纏めた資料です。これを読んで下されば戦艦だらけになった理由が分かります」 そう言いながら資料を会合出席者に渡していく諜報担当者。出席者は渡された傍から直ぐに資料を読みふけり…大多数の人間が目頭か米神を抑える事となった。 「…私たちは仮想戦記…それも火で燃やす方の物を読みたい訳では無かったのだがなぁ…」 「信じられませんが、これが真実です。現地の諜報員も数十回は確認しています。」 (全くその気は無かったが)皮肉気に呟かれた独り言が聞こえた担当者がそう言い返す。実を言うとこの担当者も、現地諜報員の報告に対して殆ど同じセリフを返していた。そして事実だと理解した人間が最初に思う事はほぼ同じ内容であった。 『一体ナニやってんだ独伊海軍…あともう少し根性見せろよ英国軍…』 7 :641,642:2015/02/05(木) 17 04 59 第二次世界大戦初頭でのノルウェー沖海戦で、ノルウェーに上陸していた連合国陸軍の支援を行っていた英海軍の正規空母『イラストリアス』を独逸海軍の戦艦『シャルンホスト』が…幾多の偶然と幸運が重なって…捕捉する事に成功し、砲撃にて撃沈に成功するばかりか、追い縋ってきた『イラストリアス』護衛の駆逐艦や軽巡洋艦も蹴散らして悠々と帰還に成功したのが彼らの伝説の始まりであった。 史実で『ダンケルクの奇跡』と称されたダイナモ作戦では、アドミラル・グラーフ・シュペーと就役直後のビスマルクが船団内に殴りこんできて各船舶を蹂躙。英仏将兵の多くを海の藻屑としており、船団援護の任務に就いていたイギリス空軍はドイツ、イタリア空軍の攻撃に忙殺され、対艦装備が少なかった事も有り有効打を与える事も出来ずにこの二隻を取り逃がしていた。…ちなみに余談だが、この戦闘においては、フランスよりもイギリスの方が被害が大きかった。イギリスは撤退作業を切り上げてフランス兵を置き去りにして撤退したのだが、各イギリス兵搭乗船舶群が沖合に出た丁度その時にビスマルク達が海域に乱入して来た為に、イギリス兵たちは逃げ出す事も出来ずに溺死か砲撃による爆殺かのどちらかを選ばされ、置いてけぼりを食らったフランス兵は、ドイツ艦隊がまず沖合に居るイギリス兵搭乗船舶に襲いかかった為に、陸地等に脱出する時間が与えられたのだった。(尚脱出したフランス兵の殆どはその後レジスタンスとして大活躍する事となる) 『自らを犠牲にして味方を救うとは。まったく、イギリスの友軍を想う気持ちには見上げたものが有るな(棒)』 byとあるフランス人 その後の『バトル・オブ・ブリテン』でのルフトバッフェとRAFの殴り合いにより航空機の価値が認識された為新型機開発が止まる事はなかったが、上記の二度の海戦により『作戦行動中の戦艦を航空攻撃で撃沈するのは…理論上は可能だが実戦では…不可能である』と言う戦訓が出て来てしまったのである。無論空母派閥の海軍軍人はあくまで『艦載機の攻撃で戦艦は撃沈できる!いや撃沈出来なくとも有効打は与えられる!』と強硬に主張し続けたのだが、次で述べる海戦の結末により彼らの権威や発言力は木端微塵 に打ち砕かれることとなった… 8 :641,642:2015/02/05(木) 17 08 25 ビスマルクがシャルンホストやグライゼナウ、それに多数のUボートと共に通商破壊に出撃した時の事、史実と同じ通りデンマーク海峡にて英国海軍の戦艦部隊とかち合い、海戦が発生した。場所こそ史実と同じだったが、ビスマルクは既に実戦を複数回経験しており、第二次世界大戦の開幕が遅れた事により、開戦前に就役出来た事から訓練も有る程度行えた為に連度も悪くないレベルだった事、英国海軍の戦艦部隊には、フッドとプリンス・オブ・ウェールズに加えレパルスも加わっていた事、戦闘開始から一時間と経たずにフッド、レパルスが一撃で爆沈、プリンス・オブ・ウェールズも大破し煙幕を張りながら逃走(後にUボートの強襲により本土に帰還する直前に撃沈)、ビスマルクの損害は燃料が多量流出し速度が数ノット低下した程度(尚修理完了し戦闘航海に支障無し)と言うのが史実とのズレになるだろうか。 そして当然ながら『英国の誇り』を撃沈されて激怒した英国海軍は史実道理動かせる艦艇全てを撤退中のビスマルクにぶつけたが、空母派閥の権威や発言力が崩壊する事件がこの『ビスマルク追撃戦』にて発生した。 航空母艦『ヴィクトリアス』『アークロイヤル』『イーグル』(イーグルは史実ではビスマルク追撃戦には未参加)所属の艦載機部隊がビスマルクを発見し、攻撃を開始した。当然ビスマルクは対空砲火にて迎撃を開始する。史実ではこの攻撃により舵の損傷と大量の浸水を引き起こして7ノット以上の速度を出す事を不可能にし、英国戦艦部隊がビスマルク を補足する事が出来た大きな要因となったのだが…この世界では、速度低下や舵損傷どころか魚雷を三発しか命中させられなかったばかりか(尚その内一発は不発)攻撃した艦載機の多くが撃墜されるか修理不可能な損傷を負うと言う大損害を負った上にマトモな有効打を与えられず、艦載機による対艦攻撃は大失敗に終わり、肝心のビスマルクにも逃走を許してしまうと言う『七つの海を支配した大海軍』ロイヤルネイビーの誇りもメンツも泥まみれになる大失態を演じてしまったのである… 9 :641,642:2015/02/05(木) 17 10 50 何故こうなったかと言うと、艦載機部隊パイロットが戦艦を相手にしての訓練が足りず多くのパイロットが未熟な攻撃になってしまった事も有るが、皮肉な事に第二次世界大戦が数年遅れになった為に英国海軍の雷撃機が布張り複葉機のソードフィッシュではなく全金属単葉の普通の雷撃機に更新されていた為でもあった。史実では布張りであるが故の打たれ強さが有った為に対空砲火が主翼に命中しても特に問題なく飛べ、また複葉機で唯でさえ低速な上に重たい魚雷を抱えている為に飛行速度が…ビスマルクの対空射撃装置が想定していた最低速度の遥か下と言う遅さの為に、ビスマルクは有効な対空砲火を展開出来なかった。 だが、この世界で襲撃して来た雷撃機の速度はビスマルクの対空射撃装置が十分に使える範囲内に有った為、また全金属製の為ソードフィッシュ程の打たれ強さが無かった事も有り、ビスマルク襲撃部隊の多くが撃墜破されると言う惨劇の結末を迎えてしまったのだった… 大英帝国の誇りに傷を着けた空母派閥の権威も発言力も文字通り消し飛んだ後、空母は輸送船団の護衛や陸軍の支援に有効として使われていたが、海戦の方では対潜哨戒と偵察以外では殆ど使われる事は無かった。無論空母閥の者達は復権の機会を狙い駆け回っていたのだが、戦艦閥の発言力の方が圧倒的過ぎたが為に如何する事も出来なかった。そもそも自分たちのこれまでに積み上がった逆実績の前には如何なる弁を尽くしても誰も話を聞こうとしてくれなかった。そして彼らにとって不幸な事に…ドイツにとっては幸運な事に…空母艦載機がビスマルク等の戦艦を補足して攻撃したとしても、各艦隊に分散配置されている空母の攻撃力は…英空母の搭載機数の少なさと性能の低さも有り…たかが知れた物であり、余計に発言力が低下して行っていた。(単艦行動が改められ、必ず艦隊で活動する様になって対空砲火が強化された事も有った為。) 11 :641,642:2015/02/05(木) 17 15 22 この空母閥の不遇な状況は41年にアメリカとソ連が参戦して来ても全く変わる事は無かった。いや、むしろ悪化したという方が正しい。戦前、戦中から米ソ両国が建造していた大量の戦艦を引っ提げて大西洋に押し寄せて来た為に、ドイツ海軍の多くが母港に押し込められてしまったので空母復権の為の獲物が居なくなってしまったのである。 彼らは泣いた。自分たちのこの境遇を。まあアメリカの方は『予算がコネェ…』程度の心境であったが、イギリスの方は極めて悲愴的であった。祖国の危機に対して、大して貢献する事も出来ず、議員の一部からは『穀潰し』とすら表現された英海軍空母閥の人間の心境はどんな言葉であっても表現する事は出来ないであろう。(尚その議員の一部は全議員から怒号を浴びて即日除名処分を受け議会から叩き出された) そして神様と言うのはとても残酷である。第二次世界大戦最後の決戦で彼ら、空母派閥の…ほんの僅かに残っていた…復権の為の最後の希望にまで止めを刺してしまったのだから。 1943年の11月23日。 地中海のシチリア沖にて。 この日から遡る事大よそ半月前、ドイツ本土を砲撃しようと米ソそれぞれの海軍の戦艦部隊が集結している北にて、ドイツ海軍が国土、国民を守る為に、残存していた戦艦『ビスマルク』『テルピッツ』『グライゼナウ』(シャルンホストはアイオワ級戦艦ミズーリにより撃沈)を基幹とする艦隊を突撃させ…アメリカ海軍の誇るモンタナ級戦艦六隻によって全方位から徹底的なアウトレンジによる袋叩きを受け、三艦とも壮絶な…そして、無残な最期を遂げ、北海の冷たい海の中に沈んでいた。 イタリア海軍がアフリカに待機している輸送船団や陸軍部隊を砲撃する為に出港準備をしているとの情報が入った時、地中海に居た米英機動部隊は沸き立っていた。英機動部隊はこれまでに積み重なってきた全ての汚名を返上し、必ず名誉挽回してやると燃え上がっていた。米機動部隊も…英機動部隊程では無いが…戦艦を撃沈する好機と言う事で士気が盛り上がっていた。出撃前から『誰が世界初の航空攻撃で戦艦を撃沈するか』との話で持ち切りで有り、もう勝ったも同然の雰囲気が漂っていた。『ドイツは強かった。だが地中海のパスタ食い共にまで遅れをとる事は無い。地中海に籠って対地砲撃と船団襲撃位しかしていないイタリア海軍何ぞ敵ではない』…総じてこの様な感情が各パイロット に有ったと言われている。散々空母部隊は海軍の継子的扱いを受けていた為(特に英海軍はその傾向が強かった)、『今度こそ!』と言う思いが有ったのだろう…(アメリカからはエンタープライズ級空母二隻、イギリス海軍からはアークロイヤルとイラストリアス級空母のインドミダブルの二隻がこの海域に居り、戦闘に参加している) 12 :641,642:2015/02/05(木) 17 18 44 『覚悟を決めた獅子を怯えた猫と舐めた者の末路』『枢軸国海軍の栄誉ある最後』『古のローマ帝国軍の偉大なる末裔』『地中海の覇者の最後の意地』……等々、様々な言葉で彩られる事となった、枢軸海軍最後の伝説を飾る事となったアルジェリア沖海戦が始まる前の話であった。 当時のイタリアの戦略状況は、一言で言えば末期だった。南北共に本土からそう遠くない所に敵の大軍が居り、制海権は本土近辺を除き事実上消滅。独伊陸空軍はアメリカ軍とソ連軍の鋼鉄の津波を捌き切れず、近い内に本土に踏み込まれるだろうと言うのが確定的であった。…だが、アルジェリアに有る連合軍司令部やアフリカ各地の港に待機している輸送船舶や陸軍部隊を、いまだに本土に残っていた戦艦で撃滅すれば、多少は枢軸国の寿命も延命する事が出来る筈であった。それがアルジェリア沖海戦の始まりであった。 『ローマ』を旗艦とする枢軸国最後の戦艦部隊出撃時の港は、とても静かであった。手を振って見送る国民は既に内陸に疎開していたからであった。防諜も兼ねていた為でもある。だが、彼らの出撃時にはイタリア王国の首相、ムッソリーニによる激励と抱擁も有り『俺たちが、故国を、家族を、…イタリアを守るんだ!』と、水兵から艦隊司令官に至るまで士気は極めて高かった。…どこか、危うさを感じてしまう程に。 徹底的な潜水艦の狩り出しと大量の欺瞞情報、スパイの狩り出しにより米英諜報機関を欺き、連合軍に出撃の予兆を感付かれる事無く出撃する事に成功したイタリア艦隊を始めに捕捉したのは…機動部隊の偵察機だった。友軍戦艦部隊にも偵察情報を送信した後、米英空母部隊は、自分たちの望み通りノコノコと出て来たイタリア戦艦部隊を嬲り殺す為に待機状態だった艦載機部隊を即座に出撃させ、攻撃を開始した。そう、開始するまでは連合軍の想定通りだった。敵艦隊の構成も想定通りだった。…彼らの闘志以外は、全て想定通りだった。 13 :641,642:2015/02/05(木) 17 21 22 第一次攻撃隊が攻撃を開始し、各種爆弾や魚雷を使い果たした後も、イタリア海軍の『ローマ』を筆頭とする戦艦は全て生き残っていた。息も吐かせずに第二次攻撃隊が総攻撃し、兵装を使い果たした後も、イタリアの戦艦群を押し留める事が出来ず、結局偵察情報を受信し急行してきた新鋭のユナイデットステーツ級戦艦やライオン級戦艦によって迎撃されイタリア海軍はライオン級戦艦二隻を大破、ユナイデットステーツ級戦艦の一隻の第一砲塔に損傷を与え、使用不能にすると言う戦果を叩き出し一矢報いた後、全艦撃沈される事となった。 …何故280機近い艦載機を航空機の援護の無い艦隊に攻撃させたのに、戦艦を沈める事が出来なかったのか?それどころか何故一隻も中大破させられなかったのか?…それは、イタリア戦艦特有のプリエーゼ式の防御方式により防御出来たから…では勿論無く、戦艦を護衛していた駆逐艦や軽巡洋艦たちが戦艦を守る為に身を挺して魚雷を受け続けたからであった。 同盟国のドイツでは『鬼畜ルメイ』によるB-17での戦略爆撃で国土がボロボロにされており、その情景は写真やドイツ兵からイタリア全土に広まっており『あの死神に故郷を…家族を殺されたくない…』 彼らの危ういまでの士気の高さ、狂った様な闘いぶりが発生した理由は、そういう訳であった。 イタリア海軍の壊滅後、枢軸国から有力な艦艇は消滅し、舞台は欧州大陸の大地へと移行した。そして、空母派閥の権勢 が復活するチャンスも、消滅した。 …と言う訳で有った。第二次世界大戦で、軍神の寵愛を一身に受けた枢軸海軍との戦闘による戦訓によって、アメリカと ソ連は核開発が無くなった事による浮いた国力を戦艦建造とその関連装備開発、あと国内経済の維持その他諸々に注ぎ込んだのである。そして核兵器が存在しない為、そして…前述の通り…空母が戦闘航海中の戦艦を相手にした攻撃では一度も有効打を与えられなかった事も有り、この世界では戦艦が戦略兵器の地位を未だに保っていた。振り返って、我が日本海軍の『戦略兵器』たる戦艦を見てみると… 「…36㎝三連装砲三基戦艦の扶桑型と同艤装の伊勢型が二隻ずつ、41㎝連装砲三基戦艦の長門型が二隻、巡戦上がりの金剛型戦艦が4隻、旧式艦の代艦として建造した41㎝三連装4基の加賀型戦艦が三隻配備、一隻が未だ就役直後で訓練中…」 「総数14隻と数は有りますし、それに皆足も速いですし、良い艦揃い何ですが…」 14 :641,642:2015/02/05(木) 17 23 11 「一隻も46cm砲戦艦すら居ない時点で、正直投了としか言えないよな…」 米ソ海軍からみれば、今の日本海軍は特に脅威と見られる存在では無かった。戦略兵器である強力な戦艦を保有して いないとなると、黄色人種が主体の国民である上に鉱山や油田が多数存在する利権の山な日本に不用意に戦争を吹っ掛けてくる可能性は十分に考えられた。いや、扶桑型も伊勢型も金剛型も転移する前に行った大改装のお蔭も有って一番速力の遅い扶桑型であっても27ノット以上を発揮したりしている、同世代の戦艦と比べると極めて優秀な俊足戦艦揃いではあるのだが… さすがに、相手が悪すぎた。旧式艦は言うに及ばず、最新鋭艦である加賀型戦艦であっても、いくら未来知識による強化 がなされていると言っても所詮は41㎝砲戦艦でしかない。頑張っても同数のモンタナ級戦艦と刺し違えるのが関の山で、もしユナイデットステーツ級と組み合ったら一撃で爆沈か戦闘不能にされる危険性が有った。 …だが。戦艦による艦隊決戦が発生した場合は必敗が確実視される状況とはいえ、連合海軍に勝つ手段、対抗手段が 全く無い訳では無かった。 15 :641,642:2015/02/05(木) 17 24 02 一旦投稿終了してお風呂行ってきます。又後で削除要請出させていただきます…
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「蒼穹 EX-7」 ―国王の決断― 休暇名目で、ロンドンでの数日に及ぶ会議を終えて基地に戻ると雰囲気が暗い。部屋に着替えを 放り込み、談話室に行く。 俺「ただ今戻りました。バルクホルン大尉」 バルクホルン「俺!やっと戻ったか。ちょっと大変なことになったんだ」 事情を聞く。坂本少佐の負傷。宮藤軍曹の命令違反。変なネウロイ。 ルッキーニ「こんなときにロンドンデートなんて!だめじゃん!俺!」 ハルトマン「まあ、しょうがないけど」 俺「済まなかった。電話してくれたんだよね?」 多分、電話はあったはずだ。繋がるのは情報部の該当机の電話だが・・・。誰も絶対に出ない電話。 シャーリー「ずっとコールしたんだぞ。頼むよ、全く!まあ、隊長が許可したからしょうがないけど」 俺「済まなかった。さっきのネウロイの話を詳しく聞かせてくれるか?新型かい?」 聞き終わった私は、バルクホルンに目配せをして外に連れ出す。 俺「仕事だ。すまないが少佐と面会をしたい。そのあとは軍曹と。ミーナ中佐と君に同席を願いたい」 バルクホルン「了解。少佐の病室の前で待っていてください」 数分で彼女達が来た。顔が緊張している。 ミーナ「美緒?お加減良くなったそうね。良かったわ。あ、ペリーヌさん。席を外してもらえるかしら」 ペリーヌ「はい。ミーナ中佐。少佐、後でまた参ります」 私の顔をちらりと睨んでいった。いろいろすまん。 ドアが閉まった後、バルクホルン大尉に頼んでドアを確認してもらう。廊下を確認した大尉が頷いた。 俺「ありがとう。大尉。そこでドアを押しててくれ。邪魔が入るのはちと困る。其処でも聞こえるさ」 坂本少佐の顔が不審そうな表情になっている。 俺「坂本少佐。負傷したそうだな。早く良くなってくれ」 坂本「あ・・・ああ。ありがとう?」 俺「改めて自己紹介をする。私はブリタニア海軍、俺中佐。現在はブリタニア情報部特別作戦部所属。 この部隊を保護する目的で派遣された」 坂本「え?情報部?」 一瞬、眼が見開かれたがすぐに平常に戻る。大した自制心だ。 俺「胸部の怪我だそうなので、握手は遠慮するよ。さて、君が見た宮藤軍曹に付きまとっていたネウロイ のことで聞きたい。人型だったのか?」 坂本「はい。完全な人型でした。ウィッチの飛行装備を真似ておりました。銃器はありません。耳、尻尾 それとズボンまで再現しておりました。目・鼻そして口は確認しておりません」 俺「意思は通じ合えたかな?音声以外でもいい」 坂本「いえ・・・。わたくしは別に。宮藤もそれは無かった様子です」 バルクホルン「俺中佐、失礼します。宮藤軍曹と話しましたが、宮藤は『今迄と違う何かを感じた』と 発言しております。意思の直接疎通は無かったのではないかと」 俺「ありがとう、少佐、大尉。ふん?」 ミーナ「何かご存知なのですね?宜しければお教えください。宮藤軍曹も戸惑っています」 三人の目を見る。皆同じだな。 俺「ああ。先程終えた会議で解ったこともあるんで話そう。人型ネウロイの目撃情報は真正だ。スオスム のカウハバ基地所属ウィッチが数年前に目撃している。これとは交戦・撃破に至った。噂は聞いたこと があるだろう?」 三人が頷く。人の口に戸板は立てられぬ、だな。 俺「次に、私が関わった事案でも同様の人型が。これは、ある将校に情報漏洩を強要する際にその姿で現れ、 音声ではなく、頭にじかに語りかける形でコンタクトを取ったそうだ。これは半年前から二ヶ月前」 ミーナ「宮藤軍曹を勧誘に?」 バルクホルン「なんてことだ」 俺「可能性は高い。その情報漏洩者が最後に送ろうとしていたのは、501の資料だった。この時は送信前 に阻止したが、そのときは追加情報を送ろうとしていたのかも。解るね?」 坂本「どのような資料なのですか?」 俺「君たちの全てだ。記載が無いのは心に秘めたことのみ、だな。月経周期まである、といえば想像は 付くだろう?」 三人が顔を赤らめる。ショックを受けただろうが、程度は理解できただろう。 俺「上司三人に聞きたい。宮藤軍曹の性格上の特徴を教えてくれるか?」 ミーナ「優しい子で、一途な頑張り屋さん、ですね」 バルクホルン「ああ。それに加えれば・・・頑固です」 坂本「自分で判断して答を出そうとします。教えられた答を最初から鵜呑みにしません」 俺「・・・・・なるほど。ネウロイがどのような目的であれ、コンタクトの相手に選びやすいね。私なら問答 無用で撃つからな」 笑ったのは私ただ一人。 ――――――――――― ミーナ「宮藤さん。お話があるの。入りますよ」 大尉が鍵を開けてくれた。自室禁錮だそうだ。まあ、それで済んでヨシとしろ・・・。 宮藤「ミーナさん、バルクホルンさん、俺さん?どうなさったんですか?」 俺「大尉。またお願いできるか?」 バルクホルン「はい!」 宮藤「え?あれ?どうしたんですか?」 ミーナ「宮藤さん。驚かないでね?よく話を聞いてね? ではお願いします」 俺「有難う、ミーナ中佐。さて、宮藤君。私は中尉ではないし、空軍でもない。騙して済まなかった。 ブリタニア海軍、俺中佐。所属はブリタニア情報部特別作戦部」 宮藤「え!ちゅうさ?!じょうほうぶ?」 俺「この501を護る任務で派遣された。君にも、この部隊の隊員にも危害が及ぶことは無い。解るか な?安心してくれ」 宮藤「あ、はい・・・」 俺「君が接触したネウロイのことでね。話を聞かせてくれるかな?」 ・・・・ ・・・・ 俺「そうか。ありがとう」 宮藤「あのネウロイは危険なんですか?私にはそうは思えなかったんです」 俺「常識では危険だ。威圧的に出なかったというのは興味深い。でも、君の人格を考えると、それも頷け るんだ」 宮藤「え?人格、ですか?」 俺「考える余裕無しに、答だけを渡されたら反発するだろう?そして、テーゼをそのまま受け取ることに も抵抗があるようだ。どう?」 宮藤「え、ええ、まあ」 ミーナ「やはり、その手の情報も伝わっていたのでしょうか」 俺「可能性は高いと思うな。ちゃんとアプローチを変えている」 バルクホルン「私たちには知識が無いのですが。やはり変えるものですか?」 俺「カネで頬を張ることもある。恥ずかしいプライベートを掴んで脅すこともある。同性愛とか、異常 性欲などだね。先程の話のように、目標の一番大事にしているものを殺すと脅迫することもある。その 一方で、同情・協調させて完全に仲間としてしまうやり方もある。と教わったよ」 宮藤「私の場合は、同情・協調ですか?」 俺「可能性は高いと思う。現に、君はソレに興味を持っている。だろう?」 ミーナ「敵は、最近色々と従来とやり方を変えてきています。これもその一環でしょうか」 俺「かも知れない。違うかもしれない」 バルクホルン「違うかも、とは?」 俺「敵も一枚板で無い可能性が出てきた。人間と手を結ぶ勢力があるらしい。これ以上は軍機だ。 となると、和平を望むのもいる可能性もゼロとは言えない」 中佐と大尉が絶句する。軍曹は・・・心ここにあらず、だな。 宮藤「私はどうすればいいんでしょうか」 俺「敵性だからね。コンタクトを一人で取ろうと思わないこと。和平の軍使を送るならば、一兵士と 話をしようとするものはいない。決定権が無いからだ。わかるね?最低でも、部隊指揮官が相手 となる」 宮藤「ハイ・・・」 俺「話を聞かせてくれて有難う。では――」 宮藤「もう一つお聞きしたいことがあります」 俺「なんだろう」 宮藤「さっきの・・・脅迫されて情報を漏らした人は。・・・今?」 俺「君が知る必要はない」 宮藤「情報部って・・・人を殺すところだと聞きました。もしかして、俺中佐が・・・・」 俺「知る必要はない」 宮藤「・・・・あなたはその人を殺したんですね。なぜ?酷い!」 俺「・・・」 ミーナ「止めなさい、宮藤さん!」 バルクホルン「やめるんだ、宮藤!」 宮藤「脅迫されていたんでしょう?その人も被害者じゃないですか!それなのに・・。なぜ殺したん ですか!」 俺「・・・罪から解放したんだよ。お邪魔した。失礼する」 宮藤「あなたは神様なんですか?!ただの人殺しじゃないですか!人を裁く権利があなたに―――」 ドアを締めて遮る。ああ、そうだな。もう何万回と自分で自分に問うたよ。 ―――――――――― ミーナ「俺さん。よろしいですか?」 俺「はい。お一人ですか」 宮藤軍曹の部屋から戻って自室で酒を飲んでいた。全く酔えない。 ミーナ「俺さん宛に連絡が。外線電話でした」 俺「ミーナ中佐を経由して、ですね。お手数おかけしました」 メモ用紙を見る。緊急の呼び出しだ。迎えは複座夜戦か。あと少しだな。ライターで火をつけ燃やす。 俺「有難う。滑走路の手配は?」 ミーナ「してきました。あの・・・先程は軍曹が・・・」 俺「いいんです。彼女が言ったことは真理です。あ、良ければ一杯飲みますか?」 ミーナ「許してやってください。まだ若いんです。いただきます」 予備のグラスにウィスキーを注いで机に置いた。彼女が座る。 俺「若さを忘れないというのは・・いいもんですよ。あ、ちょっと準備します。そっちを向いて 飲んでいてください。着替えをね」 時間が惜しい。海軍の制服に着替える。引き出しの奥から小型拳銃を取り出し、点検して脇に吊る。 ミーナ「危険なのですか?」 ああ、スライドの音でか。 俺「普段は使わない緊急度の連絡でしたから、念を入れます」 ミーナ「お気をつけて。外泊許可を出したことにします。四日くらいで宜しい?」 俺「ええ。助かります。私からの直接連絡が無くてそれを過ぎたときは、まあそういうことです」 彼女が黙る。 ミーナ「あの・・・先程、人類とネウロイが手を結んだとか・・・」 彼女は中佐だ。機密事項の接触資格も有るだろう。状況が何か変わったんだ。知っておくべきだ。 俺「マロニー」 ミーナ「! でも・・・彼もブリタニアの軍人です」 俺「戦争が終わった後のことを考えている、とか。カネにもなりますな」 ミーナ「・・・・信じられない・・・」 俺「信じていい人も居る。国王陛下その他。多くの人がそうだ」 ミーナ「・・・あなたもその一人」 俺「私はただの軍人。命令に従う歯車のひとつ」 ミーナ「もし・・・命令されたら?罪の無い人を、と」 俺「罪が無いなら、私は軍を辞める。そんな命令を出す組織には居ることは出来ない。辞めさせて くれないなら、実行前に自分の頭を吹き飛ばす。私は脅される材料も無いのでね」 ミーナ「あなたは優しい人ね。犬の事やいろいろ見て、解っていました」 俺「感情は捨てたよ。私はただの歯車だ。大きな歯車を護って磨耗するだけの歯車だ。ただ、今迄に 命令されたことに盲従したことはない。必ず自分で確かめた。歯車の意地だね」 ミーナ「宮藤さんと似ているわ。私は自分の直感を信じます。人を見る眼はあるつも――」 シャーリー「あ!ここに居た!ミー・・え!俺、何だい、その格好?」 俺「仮装パーティーさ。どうしたね?」 シャーリー「管制室から飛行機があと・・4分だって。それって本物だろ?海軍中佐?!」 俺「有難う。パーティーの件は他言無用だよ、シャーリー」 トレンチコートに袖を通す。ミーナ中佐が椅子から立ち上がった。俺をじっと見ている。 ミーナ「空軍の制服より、海軍のほうがお似合いね」 俺「やっと本当の自分に戻れた気がする。では、後を頼みます。シャーリー、酒がある。中佐に付き 合ってやってくれないかな」 イェーガー大尉が敬礼して見送ってくれる。苦笑いしても答えてくれず。騙していたものな・・・。 ま、もうすぐ終わる。終われば私は消えるだけ。君達からも忘れられるだけ。 雨の中、複座夜戦に乗り込んでキャノピーを閉じる。パイロットに合図。離陸準備を開始。 ふと窓を見ると、滑走路脇に出てきた人影。誰だ?こんな天気に。 中佐?どうしたんだろう。発進中止ではないな。 私を見送りに? まさか。 ――――――――― 階段を登り、一室に通された。初めてのバッキンガム宮殿。キョロキョロしないように自制力を フルに振り絞らなければならなかった。途中、近衛兵の軍曹に拳銃を預けた。 部屋には先客。押し出しの良い恰幅。咥えた葉巻。チャーチル首相だ。先程から緊張しているお陰 で驚きを顔に出さずに済んだ。 提督「首相閣下。遅くなりました。彼が俺中佐です」 首相「君が噂の。いつも有難う」 思ったより気さくな人だ。思い切り強く握手される。負けずに応える。 首相「いい目付きだ。あ、いらっしゃったぞ」 三人で直立不動でお迎え。首相はお辞儀。私達は制服なので敬礼。 国王「こんな時間に呼んで済まない。掛けて下さい。では早速はじめて貰えるかな?」 提督「では、最初は私から。事の起こりは~~~」 王女がグラスを渡してくださった。目礼する。 提督「では、現地調査結果を俺中佐から説明させます。中佐、頼む」 首相「結論で頼むよ」 俺「は。閣下。では端的に。マロニー空軍大将が独断専行をし、連合軍統率の侵犯、隷下部隊の私兵 化及び501統合戦闘航空団に対し情報を差し止めた為に当該部隊に対し人的・設備的損害を与えた。 これ等は利敵行為と看做されます」 俺「また、政府及び連合諸国からの経費支援を一部は私し、また一部を自らの発言力強化のために用い ました。これは本来ならば501隊に対し用いられるべき経費でした。 その他にも、隷下諸部隊にて同様のことをしております。概算で、横領した金額はブリタニアの本年 度の国家予算の7パーセントです。その金で、あるプロジェクトを極秘裏に発足させました。これは 国家反逆罪と看做されます。以上です」 提督「こちらがその資料です。御検分ください」 首相が青ざめている。確か、首相の推薦でマロニーは今の地位に付いた。 首相「陛下。申し訳ありません。私に責任があります。私の進退をお決めください。そして私も調査を してくださいますよう、お願いいたします」 国王「それは後で話しましょう。中佐。先程、極秘裏のプロジェクト云々を言われましたな。これを詳 しく聞かせて貰えますか?」 提督は国王を見つめている。いいんですね。 俺「は。ネウロイと通じたことが確認されました。情報提供者は外部で手配をし、露見しても自分たちに 類が及ばぬように細工をしておりました。ネウロイが欲しがる情報などを提供する代わりに、彼らの技 術を提供してもらった様子です。お手元の資料の30ページ目以降にそれに関する詳細があります」 あわただしく資料を捲り、食い入るように見る三人。この調査は別の部隊員がしてくれた。三人も犠牲 を出して・・・。 国王「・・・・・とんでもないことを・・・」 首相「なんと・・・最悪だ。人類全体に対する裏切り行為ではないか」 王女「中佐にお尋ねします。彼は一体何を望んだのでしょう。ネウロイと通じてメリットを得られるので しょうか?」 俺「『権力』ではないでしょうか?本人を尋問しないと正確には解りません」 国王「権力・・・?」 首相「陛下。私も一応は軍の出身です。それをお考え下さい」 王女「ネウロイの技術は・・・お金になりそうですね。お金があれば地位も名誉も・・・権力の座も」 国王「なるほどな。愛国心の旗の下・・・か」 首相「今すべきことは、マロニーを止める事と考えます。陛下、宜しいですね?」 提督「この時間に面会をお願いした理由ですが、マロニーが動き出した様子なのです。猶予はないと 考えます。陛下」 国王「私は・・・ここでネウロイの空襲を何度か見た。彼らの技術力は、今の私たちにはコントロール出来 るものではない。世界を人間が滅ぼすことになりかねないと考える」 ああ、そうだった。『善良王』は、疎開することも断ってここにいらっしゃるんだったな。首相と同じ 考えで。国王と王女がラジオで国民に、ロンドン市民に語りかけたことがどれだけ人心を揺さぶったか。 国王「断固たる処置を取りましょう。悪魔の技術は無用です。首相、至急彼を逮捕してください。この 研究所は封鎖。もし・・・」 言いよどんだ陛下に四人の目が集中する。 国王「もしも。彼がそれを拒む事態となった場合は、関係者・・・全員を、しかるべく『処理』してください。 責任は私が負います。国民にこのようなことが知れないよう、善処してください」 首相と提督が頷いた。 王女「よろしくお願いします。首相。提督。中佐」 三人で起立し辞した。去り際に拝したお二人の背中が小さく見えた。私個人の苦悩などと比べようも・・・。 ―――――――――― 提督と深夜のオフィスに戻る。 即、電話と取り組む。提督は、何度か首相にも電話をかける。 武装憲兵隊の派遣が指示された。順調に行けば、二時間で終わる。 提督と二人で紅茶を啜りながら、ただ待機する。 提督「やりきれんよ。私も昔のマロニーを知っている。どうしてこうなるのだろう」 俺「人は・・・変わりますよ。よくも、悪くも」 提督「そうだな。・・・・気分を変えよう。おい、お前まだ結婚しないのか?」 俺「またそれですか。まだです。私の心を満たしてくれる女性に出会っていません」 提督「ガールフレンドは山ほど居るのに。資料は見ている。皆素敵な子じゃないか。背後も確かだ」 俺「また提督の覗き趣味ですか?いい写真が有ったらくださいよ。顔を忘れてしまうんで、コレク ションがてらアルバムに張ろうかな」 提督「私が既にしておる。余裕は無いな。だれか居ないのか?501でもいいぞ?時間をおけば陛下も お許しくださるし、きっとお喜びになる」 俺「私を理解してくれる人がいると思いますか?私の本当の姿を見たら・・・」 提督「馬鹿者。お前は義務を果たしているだけだ。立派にやっている」 俺「人は結果だけ見るものです。普通の人には『人殺し』です」 宮藤軍曹の顔と声が・・・。そういうものさ。仕方がないんだ。 提督「それじゃあ、私は偏屈なのかな?お前のような息子が居たら嬉しいのに」 俺「私も偏屈なんで、提督が親父だったらうれしい、かも知れません」 提督「小僧が。じゃあ、親代わりとして言うがな。自分で決め付けるな。きっと居るさ」 黙りこんでしまった。なんと言う?返す言葉がない。 提督「そうだった。言い難いんだが・・・ライセンス持ちでブリタニアに居る者がお前だけなんだ」 俺「了解。私一人で何とかします」 ****
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「蒼穹 EX-7」 ―国王の決断― 休暇名目で、ロンドンでの数日に及ぶ会議を終えて基地に戻ると雰囲気が暗い。部屋に着替えを 放り込み、談話室に行く。 俺「ただ今戻りました。バルクホルン大尉」 バルクホルン「俺!やっと戻ったか。ちょっと大変なことになったんだ」 事情を聞く。坂本少佐の負傷。宮藤軍曹の命令違反。変なネウロイ。 ルッキーニ「こんなときにロンドンデートなんて!だめじゃん!俺!」 ハルトマン「まあ、しょうがないけど」 俺「済まなかった。電話してくれたんだよね?」 多分、電話はあったはずだ。繋がるのは情報部の該当机の電話だが・・・。誰も絶対に出ない電話。 シャーリー「ずっとコールしたんだぞ。頼むよ、全く!まあ、隊長が許可したからしょうがないけど」 俺「済まなかった。さっきのネウロイの話を詳しく聞かせてくれるか?新型かい?」 聞き終わった私は、バルクホルンに目配せをして外に連れ出す。 俺「仕事だ。すまないが少佐と面会をしたい。そのあとは軍曹と。ミーナ中佐と君に同席を願いたい」 バルクホルン「了解。少佐の病室の前で待っていてください」 数分で彼女達が来た。顔が緊張している。 ミーナ「美緒?お加減良くなったそうね。良かったわ。あ、ペリーヌさん。席を外してもらえるかしら」 ペリーヌ「はい。ミーナ中佐。少佐、後でまた参ります」 私の顔をちらりと睨んでいった。いろいろすまん。 ドアが閉まった後、バルクホルン大尉に頼んでドアを確認してもらう。廊下を確認した大尉が頷いた。 俺「ありがとう。大尉。そこでドアを押しててくれ。邪魔が入るのはちと困る。其処でも聞こえるさ」 坂本少佐の顔が不審そうな表情になっている。 俺「坂本少佐。負傷したそうだな。早く良くなってくれ」 坂本「あ・・・ああ。ありがとう?」 俺「改めて自己紹介をする。私はブリタニア海軍、俺中佐。現在はブリタニア情報部特別作戦部所属。 この部隊を保護する目的で派遣された」 坂本「え?情報部?」 一瞬、眼が見開かれたがすぐに平常に戻る。大した自制心だ。 俺「胸部の怪我だそうなので、握手は遠慮するよ。さて、君が見た宮藤軍曹に付きまとっていたネウロイ のことで聞きたい。人型だったのか?」 坂本「はい。完全な人型でした。ウィッチの飛行装備を真似ておりました。銃器はありません。耳、尻尾 それとズボンまで再現しておりました。目・鼻そして口は確認しておりません」 俺「意思は通じ合えたかな?音声以外でもいい」 坂本「いえ・・・。わたくしは別に。宮藤もそれは無かった様子です」 バルクホルン「俺中佐、失礼します。宮藤軍曹と話しましたが、宮藤は『今迄と違う何かを感じた』と 発言しております。意思の直接疎通は無かったのではないかと」 俺「ありがとう、少佐、大尉。ふん?」 ミーナ「何かご存知なのですね?宜しければお教えください。宮藤軍曹も戸惑っています」 三人の目を見る。皆同じだな。 俺「ああ。先程終えた会議で解ったこともあるんで話そう。人型ネウロイの目撃情報は真正だ。スオスム のカウハバ基地所属ウィッチが数年前に目撃している。これとは交戦・撃破に至った。噂は聞いたこと があるだろう?」 三人が頷く。人の口に戸板は立てられぬ、だな。 俺「次に、私が関わった事案でも同様の人型が。これは、ある将校に情報漏洩を強要する際にその姿で現れ、 音声ではなく、頭にじかに語りかける形でコンタクトを取ったそうだ。これは半年前から二ヶ月前」 ミーナ「宮藤軍曹を勧誘に?」 バルクホルン「なんてことだ」 俺「可能性は高い。その情報漏洩者が最後に送ろうとしていたのは、501の資料だった。この時は送信前 に阻止したが、そのときは追加情報を送ろうとしていたのかも。解るね?」 坂本「どのような資料なのですか?」 俺「君たちの全てだ。記載が無いのは心に秘めたことのみ、だな。月経周期まである、といえば想像は 付くだろう?」 三人が顔を赤らめる。ショックを受けただろうが、程度は理解できただろう。 俺「上司三人に聞きたい。宮藤軍曹の性格上の特徴を教えてくれるか?」 ミーナ「優しい子で、一途な頑張り屋さん、ですね」 バルクホルン「ああ。それに加えれば・・・頑固です」 坂本「自分で判断して答を出そうとします。教えられた答を最初から鵜呑みにしません」 俺「・・・・・なるほど。ネウロイがどのような目的であれ、コンタクトの相手に選びやすいね。私なら問答 無用で撃つからな」 笑ったのは私ただ一人。 ――――――――――― ミーナ「宮藤さん。お話があるの。入りますよ」 大尉が鍵を開けてくれた。自室禁錮だそうだ。まあ、それで済んでヨシとしろ・・・。 宮藤「ミーナさん、バルクホルンさん、俺さん?どうなさったんですか?」 俺「大尉。またお願いできるか?」 バルクホルン「はい!」 宮藤「え?あれ?どうしたんですか?」 ミーナ「宮藤さん。驚かないでね?よく話を聞いてね? ではお願いします」 俺「有難う、ミーナ中佐。さて、宮藤君。私は中尉ではないし、空軍でもない。騙して済まなかった。 ブリタニア海軍、俺中佐。所属はブリタニア情報部特別作戦部」 宮藤「え!ちゅうさ?!じょうほうぶ?」 俺「この501を護る任務で派遣された。君にも、この部隊の隊員にも危害が及ぶことは無い。解るか な?安心してくれ」 宮藤「あ、はい・・・」 俺「君が接触したネウロイのことでね。話を聞かせてくれるかな?」 ・・・・ ・・・・ 俺「そうか。ありがとう」 宮藤「あのネウロイは危険なんですか?私にはそうは思えなかったんです」 俺「常識では危険だ。威圧的に出なかったというのは興味深い。でも、君の人格を考えると、それも頷け るんだ」 宮藤「え?人格、ですか?」 俺「考える余裕無しに、答だけを渡されたら反発するだろう?そして、テーゼをそのまま受け取ることに も抵抗があるようだ。どう?」 宮藤「え、ええ、まあ」 ミーナ「やはり、その手の情報も伝わっていたのでしょうか」 俺「可能性は高いと思うな。ちゃんとアプローチを変えている」 バルクホルン「私たちには知識が無いのですが。やはり変えるものですか?」 俺「カネで頬を張ることもある。恥ずかしいプライベートを掴んで脅すこともある。同性愛とか、異常 性欲などだね。先程の話のように、目標の一番大事にしているものを殺すと脅迫することもある。その 一方で、同情・協調させて完全に仲間としてしまうやり方もある。と教わったよ」 宮藤「私の場合は、同情・協調ですか?」 俺「可能性は高いと思う。現に、君はソレに興味を持っている。だろう?」 ミーナ「敵は、最近色々と従来とやり方を変えてきています。これもその一環でしょうか」 俺「かも知れない。違うかもしれない」 バルクホルン「違うかも、とは?」 俺「敵も一枚板で無い可能性が出てきた。人間と手を結ぶ勢力があるらしい。これ以上は軍機だ。 となると、和平を望むのもいる可能性もゼロとは言えない」 中佐と大尉が絶句する。軍曹は・・・心ここにあらず、だな。 宮藤「私はどうすればいいんでしょうか」 俺「敵性だからね。コンタクトを一人で取ろうと思わないこと。和平の軍使を送るならば、一兵士と 話をしようとするものはいない。決定権が無いからだ。わかるね?最低でも、部隊指揮官が相手 となる」 宮藤「ハイ・・・」 俺「話を聞かせてくれて有難う。では――」 宮藤「もう一つお聞きしたいことがあります」 俺「なんだろう」 宮藤「さっきの・・・脅迫されて情報を漏らした人は。・・・今?」 俺「君が知る必要はない」 宮藤「情報部って・・・人を殺すところだと聞きました。もしかして、俺中佐が・・・・」 俺「知る必要はない」 宮藤「・・・・あなたはその人を殺したんですね。なぜ?酷い!」 俺「・・・」 ミーナ「止めなさい、宮藤さん!」 バルクホルン「やめるんだ、宮藤!」 宮藤「脅迫されていたんでしょう?その人も被害者じゃないですか!それなのに・・。なぜ殺したん ですか!」 俺「・・・罪から解放したんだよ。お邪魔した。失礼する」 宮藤「あなたは神様なんですか?!ただの人殺しじゃないですか!人を裁く権利があなたに―――」 ドアを締めて遮る。ああ、そうだな。もう何万回と自分で自分に問うたよ。 ―――――――――― ミーナ「俺さん。よろしいですか?」 俺「はい。お一人ですか」 宮藤軍曹の部屋から戻って自室で酒を飲んでいた。全く酔えない。 ミーナ「俺さん宛に連絡が。外線電話でした」 俺「ミーナ中佐を経由して、ですね。お手数おかけしました」 メモ用紙を見る。緊急の呼び出しだ。迎えは複座夜戦か。あと少しだな。ライターで火をつけ燃やす。 俺「有難う。滑走路の手配は?」 ミーナ「してきました。あの・・・先程は軍曹が・・・」 俺「いいんです。彼女が言ったことは真理です。あ、良ければ一杯飲みますか?」 ミーナ「許してやってください。まだ若いんです。いただきます」 予備のグラスにウィスキーを注いで机に置いた。彼女が座る。 俺「若さを忘れないというのは・・いいもんですよ。あ、ちょっと準備します。そっちを向いて 飲んでいてください。着替えをね」 時間が惜しい。海軍の制服に着替える。引き出しの奥から小型拳銃を取り出し、点検して脇に吊る。 ミーナ「危険なのですか?」 ああ、スライドの音でか。 俺「普段は使わない緊急度の連絡でしたから、念を入れます」 ミーナ「お気をつけて。外泊許可を出したことにします。四日くらいで宜しい?」 俺「ええ。助かります。私からの直接連絡が無くてそれを過ぎたときは、まあそういうことです」 彼女が黙る。 ミーナ「あの・・・先程、人類とネウロイが手を結んだとか・・・」 彼女は中佐だ。機密事項の接触資格も有るだろう。状況が何か変わったんだ。知っておくべきだ。 俺「マロニー」 ミーナ「! でも・・・彼もブリタニアの軍人です」 俺「戦争が終わった後のことを考えている、とか。カネにもなりますな」 ミーナ「・・・・信じられない・・・」 俺「信じていい人も居る。国王陛下その他。多くの人がそうだ」 ミーナ「・・・あなたもその一人」 俺「私はただの軍人。命令に従う歯車のひとつ」 ミーナ「もし・・・命令されたら?罪の無い人を、と」 俺「罪が無いなら、私は軍を辞める。そんな命令を出す組織には居ることは出来ない。辞めさせて くれないなら、実行前に自分の頭を吹き飛ばす。私は脅される材料も無いのでね」 ミーナ「あなたは優しい人ね。犬の事やいろいろ見て、解っていました」 俺「感情は捨てたよ。私はただの歯車だ。大きな歯車を護って磨耗するだけの歯車だ。ただ、今迄に 命令されたことに盲従したことはない。必ず自分で確かめた。歯車の意地だね」 ミーナ「宮藤さんと似ているわ。私は自分の直感を信じます。人を見る眼はあるつも――」 シャーリー「あ!ここに居た!ミー・・え!俺、何だい、その格好?」 俺「仮装パーティーさ。どうしたね?」 シャーリー「管制室から飛行機があと・・4分だって。それって本物だろ?海軍中佐?!」 俺「有難う。パーティーの件は他言無用だよ、シャーリー」 トレンチコートに袖を通す。ミーナ中佐が椅子から立ち上がった。俺をじっと見ている。 ミーナ「空軍の制服より、海軍のほうがお似合いね」 俺「やっと本当の自分に戻れた気がする。では、後を頼みます。シャーリー、酒がある。中佐に付き 合ってやってくれないかな」 イェーガー大尉が敬礼して見送ってくれる。苦笑いしても答えてくれず。騙していたものな・・・。 ま、もうすぐ終わる。終われば私は消えるだけ。君達からも忘れられるだけ。 雨の中、複座夜戦に乗り込んでキャノピーを閉じる。パイロットに合図。離陸準備を開始。 ふと窓を見ると、滑走路脇に出てきた人影。誰だ?こんな天気に。 中佐?どうしたんだろう。発進中止ではないな。 私を見送りに? まさか。 ――――――――― 階段を登り、一室に通された。初めてのバッキンガム宮殿。キョロキョロしないように自制力を フルに振り絞らなければならなかった。途中、近衛兵の軍曹に拳銃を預けた。 部屋には先客。押し出しの良い恰幅。咥えた葉巻。チャーチル首相だ。先程から緊張しているお陰 で驚きを顔に出さずに済んだ。 提督「首相閣下。遅くなりました。彼が俺中佐です」 首相「君が噂の。いつも有難う」 思ったより気さくな人だ。思い切り強く握手される。負けずに応える。 首相「いい目付きだ。あ、いらっしゃったぞ」 三人で直立不動でお迎え。首相はお辞儀。私達は制服なので敬礼。 国王「こんな時間に呼んで済まない。掛けて下さい。では早速はじめて貰えるかな?」 提督「では、最初は私から。事の起こりは~~~」 王女がグラスを渡してくださった。目礼する。 提督「では、現地調査結果を俺中佐から説明させます。中佐、頼む」 首相「結論で頼むよ」 俺「は。閣下。では端的に。マロニー空軍大将が独断専行をし、連合軍統率の侵犯、隷下部隊の私兵 化及び501統合戦闘航空団に対し情報を差し止めた為に当該部隊に対し人的・設備的損害を与えた。 これ等は利敵行為と看做されます」 俺「また、政府及び連合諸国からの経費支援を一部は私し、また一部を自らの発言力強化のために用い ました。これは本来ならば501隊に対し用いられるべき経費でした。 その他にも、隷下諸部隊にて同様のことをしております。概算で、横領した金額はブリタニアの本年 度の国家予算の7パーセントです。その金で、あるプロジェクトを極秘裏に発足させました。これは 国家反逆罪と看做されます。以上です」 提督「こちらがその資料です。御検分ください」 首相が青ざめている。確か、首相の推薦でマロニーは今の地位に付いた。 首相「陛下。申し訳ありません。私に責任があります。私の進退をお決めください。そして私も調査を してくださいますよう、お願いいたします」 国王「それは後で話しましょう。中佐。先程、極秘裏のプロジェクト云々を言われましたな。これを詳 しく聞かせて貰えますか?」 提督は国王を見つめている。いいんですね。 俺「は。ネウロイと通じたことが確認されました。情報提供者は外部で手配をし、露見しても自分たちに 類が及ばぬように細工をしておりました。ネウロイが欲しがる情報などを提供する代わりに、彼らの技 術を提供してもらった様子です。お手元の資料の30ページ目以降にそれに関する詳細があります」 あわただしく資料を捲り、食い入るように見る三人。この調査は別の部隊員がしてくれた。三人も犠牲 を出して・・・。 国王「・・・・・とんでもないことを・・・」 首相「なんと・・・最悪だ。人類全体に対する裏切り行為ではないか」 王女「中佐にお尋ねします。彼は一体何を望んだのでしょう。ネウロイと通じてメリットを得られるので しょうか?」 俺「『権力』ではないでしょうか?本人を尋問しないと正確には解りません」 国王「権力・・・?」 首相「陛下。私も一応は軍の出身です。それをお考え下さい」 王女「ネウロイの技術は・・・お金になりそうですね。お金があれば地位も名誉も・・・権力の座も」 国王「なるほどな。愛国心の旗の下・・・か」 首相「今すべきことは、マロニーを止める事と考えます。陛下、宜しいですね?」 提督「この時間に面会をお願いした理由ですが、マロニーが動き出した様子なのです。猶予はないと 考えます。陛下」 国王「私は・・・ここでネウロイの空襲を何度か見た。彼らの技術力は、今の私たちにはコントロール出来 るものではない。世界を人間が滅ぼすことになりかねないと考える」 ああ、そうだった。『善良王』は、疎開することも断ってここにいらっしゃるんだったな。首相と同じ 考えで。国王と王女がラジオで国民に、ロンドン市民に語りかけたことがどれだけ人心を揺さぶったか。 国王「断固たる処置を取りましょう。悪魔の技術は無用です。首相、至急彼を逮捕してください。この 研究所は封鎖。もし・・・」 言いよどんだ陛下に四人の目が集中する。 国王「もしも。彼がそれを拒む事態となった場合は、関係者・・・全員を、しかるべく『処理』してください。 責任は私が負います。国民にこのようなことが知れないよう、善処してください」 首相と提督が頷いた。 王女「よろしくお願いします。首相。提督。中佐」 三人で起立し辞した。去り際に拝したお二人の背中が小さく見えた。私個人の苦悩などと比べようも・・・。 ―――――――――― 提督と深夜のオフィスに戻る。 即、電話と取り組む。提督は、何度か首相にも電話をかける。 武装憲兵隊の派遣が指示された。順調に行けば、二時間で終わる。 提督と二人で紅茶を啜りながら、ただ待機する。 提督「やりきれんよ。私も昔のマロニーを知っている。どうしてこうなるのだろう」 俺「人は・・・変わりますよ。よくも、悪くも」 提督「そうだな。・・・・気分を変えよう。おい、お前まだ結婚しないのか?」 俺「またそれですか。まだです。私の心を満たしてくれる女性に出会っていません」 提督「ガールフレンドは山ほど居るのに。資料は見ている。皆素敵な子じゃないか。背後も確かだ」 俺「また提督の覗き趣味ですか?いい写真が有ったらくださいよ。顔を忘れてしまうんで、コレク ションがてらアルバムに張ろうかな」 提督「私が既にしておる。余裕は無いな。だれか居ないのか?501でもいいぞ?時間をおけば陛下も お許しくださるし、きっとお喜びになる」 俺「私を理解してくれる人がいると思いますか?私の本当の姿を見たら・・・」 提督「馬鹿者。お前は義務を果たしているだけだ。立派にやっている」 俺「人は結果だけ見るものです。普通の人には『人殺し』です」 宮藤軍曹の顔と声が・・・。そういうものさ。仕方がないんだ。 提督「それじゃあ、私は偏屈なのかな?お前のような息子が居たら嬉しいのに」 俺「私も偏屈なんで、提督が親父だったらうれしい、かも知れません」 提督「小僧が。じゃあ、親代わりとして言うがな。自分で決め付けるな。きっと居るさ」 黙りこんでしまった。なんと言う?返す言葉がない。 提督「そうだった。言い難いんだが・・・ライセンス持ちでブリタニアに居る者がお前だけなんだ」 俺「了解。私一人で何とかします」 ****
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159: 陣龍 :2020/09/09(水) 22 17 41 HOST 124-241-072-147.pool.fctv.ne.jp 帝国警備(Kaiserliche Garde)社長 アドルフ・ヒトラーの政治家転身の道 『世界大戦』と言う名の実質的独仏戦争に置いて、ドイツ第二帝国は人類史上初の総力戦に勝利した。序盤の電撃戦にてフランス共和国の首都パリを一撃で陥落させ、その後も首都陥落の混乱で援軍に来た日英軍の足並みを軒並み引っこ抜くフランスと言う大いなる敵失によりもぎ取れた半ば妥協的な日英、そして無理矢理連行されたフランスへの見舞金を引換とした領土獲得による講和、日露戦争での損害から未だ立ち直れなかったロシア帝国軍を蹂躙し続け革命を引き起こさせた上でドイツ側にウクライナ地方割譲などの圧倒的有利な講和を結べた戦果は、この戦争を勝利に導いたドイツ帝国陸軍の権威を天井知らずのモノとした。だからこそ、なのだろう。この『戦勝』後のドイツ帝国にて巻き起こった自業自得の七転八倒振りは。 敵対していた日英らと講和したとは言え、ロシアでは社会主義革命と言う異端の政府がロマノフ王朝を追い出す形でソヴィエト連邦として成立しており、当然イデオロギー的に皇帝を戴くドイツ帝国との相性は最悪である。しかも先の戦争ではロシア人を一方的に殴り倒して広大な領土、それも豊かなウクライナやベラルーシ地方をも割譲させていたのだから、余計にロシア人からの強い恨みを買っていたのは言うまでも無い。日英の後見と支援で東部に逃れた立憲君主制ロシア王国とも強烈に対立しているので若干ドイツ側に向けられている兵力は少ないが、ドイツ側としては手を抜けられる程では無かった。そもそもソヴィエト=ロシアとの国境線が長いのだ。貼り付ける兵力の要求量は必然的に多くなる。現地人兵士である程度補うにしても、ドイツ軍はどうしても必要だった。 そして首都を陥落させてその国土を日英軍とのリングとしていたフランスに関しては、ドイツ軍がフランス軍を途中から殆ど意に介していない程に叩き潰し続けてフランス軍を蹂躙しまくった事も有り、講和後も表面上以上の外交交渉が出来ていない程に激烈な敵意をフランス政府に持たれていた。正しそのフランス政府も先ずは【自国の裏切者】への摘発と粛清、そして『国土奪還』と『パリ復興』を旗印とした地方への抑圧と徴収を精力的に実行した結果、戦争での大敗による権威崩壊と合わさって猛烈な反発からの地方の武装蜂起による内戦状態へと突入しており、此方も此方で頭が痛い状況だった。フランス政府も蜂起した軍閥もドイツとは没交渉状態であり、まともな統制力の無くなったフランス軍の分裂体や残骸、民兵未満の連中はドイツ側に略奪を頻回に繰り返したりしていた。しかも間の悪い事に、先の戦時中に地方へ疎開させた工業力が相応に大事にされ生き残っていたので、ドイツ側に略奪を仕掛けて来る連中の中には武装トラックどころか、旧式戦車すら持ち込んでくる輩すら居た。当然、一般市民や警察程度では抗戦出来る筈も無い。 160: 陣龍 :2020/09/09(水) 22 20 55 HOST 124-241-072-147.pool.fctv.ne.jp それぞれ方向性は違うが質の悪さは両方酷い東西の大問題に対して、これに対応すべき帝政ドイツの守護者足るドイツ軍の動きは鈍かった。 終戦で動員解除され、軍事予算も幾らか減らされたと言うのも有るが、一番の問題はこの頃のドイツ陸軍が、先の大戦で正規軍との度重なる戦闘を繰り返して戦勝へと導いた成功体験から、所謂『決戦脳』状態に陥ってしまっていた事だった。この『決戦脳』問題は日露戦争に置いてフィリピン沖海戦でロシア帝国海軍のバルチック艦隊相手に完全勝利を成し遂げた日本海軍が『海軍の仕事は艦隊決戦での勝利であり、商船護衛等はただの余芸』と言う壮絶な勘違いを一部海軍将兵がしていた事からも、鮮烈過ぎる行き過ぎた成功体験は毒にしか成らないと言う好例だろう。尚その後壮絶な勘違いをした『決戦脳』な日本海軍の一部は、徹底的なまでの『通商護衛戦』の再教育によって正気を取り戻して事なきを得ている。再教育の途中から全員目の光が消え去ったと言う複数の証言は見間違いか気のせいである(公式発表)。 『我が栄光ある独逸帝国陸軍は敵軍を華麗に撃滅するのがその任務であり、治安維持等と言う【些事】に関わって等居られない』と言う軍隊の存在意義からして本末転倒な思考と結論に凝り固まったドイツ軍に、ドイツ政府は文字通り頭を抱えた。戦勝による権威の暴騰で、陸軍視点で『非合理的』と見做された政府命令は公然と拒絶する事例が頻発し、政府高官が何度もドイツ陸軍に訪問して説得を繰り返してようやく政府の求める最低限度を、ドイツ陸軍が嫌々かつ恩着せがましく実行する事も珍しく無くなり、そして取引材料として戦費返済で逼迫する国家財政から余計に【対ソ、対仏への兵力増強】を大義名分として陸軍への軍事予算を増額要求する等、急激にドイツ陸軍が帝国の『ガン細胞』へと成り果ててしまっていた。そして国家財政的には比較的多く配分され湯水の如く使用する陸軍予算もドイツ陸軍には不満たらたらな額であり、先の戦争で余り活躍出来ずタダでさえ肩身の狭く最低限の予算しか与えられていないドイツ海軍からも上から目線で無遠慮に海軍予算を強奪しようとして海軍から本気で激怒される等、額面上の立派さと精強さとは裏腹に、ドイツ帝国軍内部では思いっ切りガタが起き始めていた。 そんな内部分裂が起き始めているドイツ上層部を他所に、勲章を授与されそれなりに有名にはなれどあくまで兵士レベルでしか無く上との繋がりは無いのでそんな事は全く知らないアドルフ・ヒトラーは、独仏国境の治安悪化にまともな対処をしないドイツ帝国軍に痺れを切らせ、ドイツ帝国の一部地方自治体や企業の後援の下に帝国警備(Kaiserliche Garde)を設立。後世で言う所のPMCの走りとも言える総合警備会社は、天性の演説の才に富み、戦時中に出来た伝手や飛び込み演説にてこの帝国警備の設立に漕ぎ付けたヒトラーを頂点として、動員解除されて故郷に戻れたは良い物の、戦後不況で仕事が無かったドイツ兵や、フランス国内の争乱に絶望し、ドイツに逃れて来た身元の確かな元フランス軍の兵士が現場の根幹を担い、中間層には『決戦脳』に冒されたドイツ軍上層部と折り合いの付かなかった元ドイツ軍の佐官や士官、そして同じく暴走して内戦を引き起こしたフランス上層部に絶望してドイツに逃げ込んだ元フランス軍や政府の中堅層が固め、極少数だが戦争中に捕虜としてだが救出された事でヒトラー個人に心酔した極めてモノ好きな人間で構成されていた。つい先日まで戦争していた者同士と言う事で仲の悪さが設立前から懸念されていたが、帝国警備の設立記念行事に行われたヒトラー社長の『我等は騎士、力無く暴力に成す術を持たぬ無辜の民を救う正義の騎士団なのだ』と言う出席した『社員』をおのずから熱狂させた激励演説に加えて、元フランス兵の大半はドイツ軍よりも無謀過ぎる戦争指導を実行したフランス軍上層部の方に敵意が向いていたので、懸念していた事は余り起きる事なく意外とすんなり『同僚』となれていた。因みに後方事務や整備業務に加えて航空機部隊に関しては、割合としては女性比率が少ないながらも男女混合である。 161: 陣龍 :2020/09/09(水) 22 22 29 HOST 124-241-072-147.pool.fctv.ne.jp そしてこの帝国警備と言う名の軍からの払い下げや旧式兵器で武装し、ドイツに侵入する軍閥兵や治安悪化に便乗した重犯罪者を容赦無く機関銃や迫撃砲、戦闘機や爆撃機の銃爆撃に少数の対戦車ライフル等で排除する準軍隊とも言えるこの組織は、ドイツ陸軍が深い関心を向けない【些事】を熟していると言う事で陸軍からは『雑用係』の様な認識をされた為に会社設立から立ち上げの期間何も特に妨害する事無く見過ごされ、その間に堅実ながら立派に【業務】を果たして急速に治安を回復させた事からドイツ地方自治体や地方警察、そして民衆から大きな支持を得ていた。何度も繰り返される直接的被害を目に見える形で激減させた事に自治体や民衆が喜んだのは当然ながら、地方警察に関しても、持っているのが個人所有のモノを除けばそれこそ拳銃程度しか無いのに対して軍閥兵は軍用ライフルや装甲車、時には戦車を繰り出してくるのに、それらを相手に軍事訓練も受けていないただの警察官が市民を退避させる為に拳銃一丁で遅滞戦闘を展開すると言う地獄から解放されたのだ。喜ばない道理など何処にも無い。 独仏国境地帯での【業績】を残した帝国警備は、高まる一方の人気と共に次々と集まって来る資本金や良質な人材、ドイツ軍地企業が提供する機材にて規模を拡大、そして独仏国境地帯のみならずドイツ帝国が拡大した各地の警備依頼も多数舞いこんでくるようになり、気が付けば何時の間にか治安の悪いフランスやソ連との国境地帯への【警備業務】にも大きく参入するようになっていた。行政との繋がりが極めて強く実質的な半官半民に近い企業形態ながらも、民間企業の効率化や業務改善が行われている為に、事治安維持に関して言えばドイツ陸軍よりも割安の予算でドイツ陸軍よりも大きな功績を残せるまでに急激に成長していた。その為今更ながらにこのヒトラー率いる帝国警備を敵視したドイツ陸軍上層部が妨害活動を仕掛けようにも、既に国民や地方自治体、更には治安改善の恩恵を諸に受けたドイツ企業等の強い支持によって余り上手く行かなかった。 余談だが、『決戦脳』の陸軍上層部曰く『軍隊未満の愚連隊』と言う事で『伍長親衛隊』と言う隠語が作られたが、どう言う経路でか当の帝国警備にも伝わった際に何故かコレが従業員らにも受け、ヒトラー個人に心酔していた少人数を軸に非公式に『武装親衛隊』『一般親衛隊』なる俗称が爆誕していた。社長であるヒトラー自身は蚊帳の外で置き去りにしたまま既成事実的に。 そんな傍目から見て下らない陸軍上層部の策動を他所に、フランスではいよいよ内部分裂と軍閥化が進み過ぎて完全に内戦状態へと突入し、フランス人同士での覇権争いに忙しくなったのかドイツへの侵犯は少なくなり、そして目ざとくその事に目を付けたドイツ陸軍が『不必要な予算は削減すべし(そして陸軍に寄越せ)』と言い出してそれに地方自治体が抗議文を連名で叩き付ける等の事件が勃発した直後に、ドイツ軍の権威が爆破倒壊される大事件がウクライナにて発生する。この頃には既に帝国警備は現地自治体の悲鳴染みた依頼を受けて進出しようとしたのだが、タダでさえフランス国境地帯やポーランド等で実績を残していた帝国警備に不快な感情を抱いていたドイツ陸軍が介入し、現地自治体の依頼をその政治力で無理矢理に撤回させ、ウクライナに進出の為事前準備を行っていた帝国警備の『親衛隊』を力づくで追い出したのだ。もし追い出した後でまともにウクライナ地域の防衛をドイツ陸軍が行えていたのなら帝国警備とドイツ陸軍との関係が断絶する程度で済んだのだが、現実と言うのはとても非情なモノで、ドイツ陸軍の行動でウクライナに混乱が起きたと見たソ連軍が『領土奪還』を掲げて局地紛争を仕掛け、国境防衛に置いていた少数のドイツ軍は数に押し切られる形で揉み潰され、遅れて押っ取り刀でドイツ軍主力が現地に駆け付けた時にはウクライナ領に食い込む形でソ連軍が簡易的な野戦要塞を構築しており、ソ連軍を完全に侮ったドイツ陸軍上層部の命令で突撃したドイツ軍が逆に大敗する惨事が発生したのだ。 162: 陣龍 :2020/09/09(水) 22 24 17 HOST 124-241-072-147.pool.fctv.ne.jp その後も『欧州最強のドイツ陸軍』のメンツに泥を塗られて怒髪冠を衝く上に今なおソ連軍を根本的に見下してるドイツ軍上層部の命令でソ連軍が籠る野戦要塞に攻撃を仕掛けては損害を負うループであり、しかもこの野戦要塞に注意と戦力を向けすぎた為に複数のルートからソ連軍がウクライナ奪還を掲げて大挙侵攻を始め、慌てる様に予備兵力を各地に向かわせたが広大過ぎる防衛範囲に対してドイツ陸軍の兵力だけでは不足し切っており、現地ウクライナ兵の編成もドイツ軍がソ連軍を侮り過ぎかつ自軍を強く見過ぎたせいで全然進んでおらず、当のソ連軍にそう言う意識は余り無かったのだが、結果的に長大な国境線を逆手に取った多方面飽和攻撃と言う戦略にドイツ軍は自業自得に翻弄された。もし帝国警備を追い出す事無く協調していたとすれば、この様な無様な劣勢には陥る事は無かっただろう。陸軍上層部からは『伍長の親衛隊』呼ばわりされている警備会社だが、その実態は限定的でも正規軍と殴り合える準軍隊以外の何者でも無かったのだから。 そんな劣勢な戦況の中、帝国警備はソ連軍の進撃に巻き込まれた現地ウクライナの市町村から電報や馬で駆け込んで来た人々からの救援要請を受諾し、混迷を極めるドイツ軍を横目に【警備活動】を開始。情報通信の時間差から現地の情勢を中途半端にしか理解出来ていない陸軍上層部はこの『陸軍の邪魔をする勝手な行動』に激怒したが、ソ連軍の波状攻撃に苦戦する現場としては歓呼の声を以て『戦友』を無条件で迎え入れ、途中参戦した帝国警備の『武装親衛隊』は、各地の戦闘で得られた戦訓を元に帝国警備とスポンサー企業のドイツ軍需企業の共同開発にて改良された軽装甲トラックや【軽戦車】を多数投入。多少の攻撃力よりも取り回しの良さと足の良さを重点的に置かれたこの『独自開発兵器』は、工業力が未だ貧弱で実質面で『歩兵の群れ』に過ぎなかったソ連軍を撃破。現地ウクライナ人への帝国警備による独自の慰撫工作と雇用によって現地民から様々な情報をドイツ陸軍より多数入手出来た事も有り、【侵略者ソ連軍】を撃退すべく蜂起したウクライナ人と共にウクライナ領からソ連軍を叩き出す事に成功した。無論かなり無茶な機動戦や継戦を繰り返したために損害は甚大であったが、彼らは帝国警備の設立記念行事に行われたヒトラー社長の『我等は騎士、力無く暴力に成す術を持たぬ無辜の民を救う正義の騎士団なのだ』と言う訓示を、その命を以て守り切ったのだ。 一方その頃、ウクライナの地にて『民間企業』が陸軍の命令も無く勝手に戦争に乱入したとして、陸軍上層部の手によって帝国警備社長のアドルフ・ヒトラーが半ば罪人扱いで国会へ引っ張り出されていた。ドイツ陸軍だけでは敗勢だったのをたかが『民間企業の警備会社』によって救援され、しかもその『警備会社』によってソ連軍をウクライナ領から叩き出したと言う事実は、『精強無敵のドイツ帝国陸軍』のメンツに賭けて到底認められるものでは無かった。そしてメンツを守る為には、この『対ソ連戦の劣勢の責任』を『勝手に戦場に乱入した民間警備会社の責任』とするより他無かった。やってる事が自分達が侮蔑した首都陥落後のフランス軍と殆ど同一なのだが、『決戦脳』に凝り固まり過去の栄光にしがみ付いている老人共に取っては関係の無い話であった。そして古い老人たちであるが故に、地位を笠に着て『伍長』に命令すればどうとでもなると、アドルフ・ヒトラーを余りにも甘く見過ぎていたのが唯一にして最大最悪の致命傷であった。 163: 陣龍 :2020/09/09(水) 22 26 39 HOST 124-241-072-147.pool.fctv.ne.jp 陸軍によるヒトラーへの糾弾の後、弁解と言う名目でヒトラーに演説可能なフリーハンドを渡した時点で、全ての勝敗は決していた。 国会の場にいた全員が、それこそヒトラーを追い詰める側であった陸軍高官すらもヒトラーの始めた演説に完全に【呑まれ】ており、与えられた時間制限を軽く超えた事にも誰一人として気付かないままヒトラーの独壇場は一時間以上続き、演説を終えて悠然と立ち去る時には誰しもが自ら立ち上がり万雷の拍手を送ってしまっていた。当然最早ヒトラー率いる帝国警備に責任を擦り付けて糾弾する事など不可能になってしまい、しかもこの時国会にはドイツ皇帝が臨席しており、ヒトラーの演説に好意的態度を取ると言う最悪の政治的状況へと転落してしまっていた。先の戦勝により稼いだ『権威』も、長々と続いた不合理な軍政と対ソ連戦に置ける劣化著しい上層部の作戦指揮によって完全に崩壊して居た為、挽回の余地は何処にも無かった。如何に唯我独尊志向が著しく、政府や皇帝をも『陸軍有ってこその国家』として半ば下に見ていた節の有るドイツ陸軍であっても、破れかぶれのクーデターと言う選択肢も当のドイツ陸軍の実働部隊が絶対に賛同しない為、完全にチェックメイトだった。 その後は組織防衛本能を発揮したドイツ陸軍の動きは手早く、『決戦脳』に侵され帝国警備との連携や地方との防衛を軽視していた旧来の決戦派閥は、ドイツ的完璧主義通りに綺麗サッパリ一掃され、連動してプロイセン的な先軍主義もある程度は修正され、粛清された決戦派閥の穴埋めに『決戦脳』に異議を唱えて閑職送りとなっていた将官の復帰に有望な若手士官の早期昇進を行い、組織全体の新陳代謝にも成功。ヒトラー率いる帝国警備も、国会での大演説が新聞やラジオを通じてドイツ全土に流れたが為に帝国警備の株価が暴騰を起こし、そしてオマケにスポンサー企業であったドイツ軍需企業にも余波で株価が跳ね上がり社長筆頭にてんやわんやになったりもしていたが、この一件で曲がりなりにも『軍閥兵』では無い『正規軍』と立派に渡り合える事を満天下に証明した帝国警備は、将来的には兎も角現時点では現状維持とする事が決定していた。例えドイツ陸軍が理想的作戦能力を得て帝国警備が不要になったとしても、今の状況で『ドイツ陸軍下に編入』等と言い出したら今度は真面目にドイツの参謀本部に国民から火炎瓶が飛んで来かねない。それだけの人気が帝国警備には有った。帝国警備がPMCの能力を事実上不要とするのは、第二次世界大戦が終わってからさらに先の話である。 164: 陣龍 :2020/09/09(水) 22 28 01 HOST 124-241-072-147.pool.fctv.ne.jp そして最後に、今回本土ベルリンで帝国警備の命運を一身に背負って大立ち回りを演じて見せた社長のアドルフ・ヒトラーだが、国会での演説で数多の政治家勧誘の話が引っ切り無しに舞い込み、始めは帝国警備の社長業務を理由に断っていたものの、元々陸軍上層部の暴走を止められなかった現在のドイツ帝国の政治家や政府に不満を抱いていた事も有り、最終的には帝国警備の社長職を辞職後に、何だか能力は極めて高いのだが心酔っぷりが少々怖い後任のドイツ人に任せて出馬を表明し、選挙区の対抗馬相手にただでさえ支持率で格差が有ったのにダメ押しのヒトラーの演説でもってドイツ政治史上空前絶後の完全勝利を飾って政治家へと転身する。 この事に遠く極東のとある超大国の要人が複数名お茶を噴き出して書類をダメにする惨事を巻き起こしていたが、そんな事は後のドイツ帝国の宰相となるアドルフ・ヒトラーが知る事は無かった。 165: 陣龍 :2020/09/09(水) 22 30 52 HOST 124-241-072-147.pool.fctv.ne.jp 以上完投に御座います。ちょっとドイツ陸軍上層部の劣化が急激過ぎる気もしますが、戦争の勝利の栄光に酔っぱらっていれば、 まぁこんなもんじゃ無いかなと。史実日本海軍の通称護衛軽視見たいなもんですしね。 後ヒトラーの演説能力が初期段階から限界突破してますが、まぁコマけぇことはきにするな(迫真)