約 275,019 件
https://w.atwiki.jp/babycome/pages/2.html
メニュー トップページ はじめに 目次 ■妊娠後は選択の連続 ・産婦人科(病院)の選択 ・名前の選択 サイトマップ お気に入りに追加する total - today - yesterday - 更新履歴 取得中です。 @ウィキ ガイド @wiki 便利ツール @wiki 赤ちゃんのための名付け
https://w.atwiki.jp/hanraotoko/pages/5.html
https://w.atwiki.jp/hanraotoko/pages/13.html
現在、paint_bbsプラグインはご利用いただけません。
https://w.atwiki.jp/hanraotoko/pages/20.html
名前 コメント
https://w.atwiki.jp/tkddsk/pages/66.html
安田記念予想~◎スーパーホーネット ちょっと早いが、安田記念の結論が出た。 【安田記念・男の解の公式】 高松宮→京王杯SC好走からのステップの臨戦馬はウ●コ。 安田記念は、京王杯SCをステップにする馬が目立つが、それが実は罠だという結論に達した。 高松宮から京王杯SCから安田記念にエントリーしてくる馬はかなり多いが、安田記念はマイル以上の能力を要求されるため、2度の距離延長を好走した馬は人気になりやすいが、ローテを少し長い目でみるとヤバイのだ。 高松宮で距離短縮組が好走するパターンの逆バージョンだ。 それでも安田にエントリーするのは「ちょっと距離が長いが、スプリンターズまで他に短距離G1がないから」という理由だから、行き掛けの駄賃モードだ。 具体例は、スズカフェニックス、オレハマッセルゼだ…。オレハマッセルゼは1番人気、スズカフェニックスは1番人気、4番人気で二度負けている。典型的なヤラズぶったくり。 だから、トウショウカレッジ、ファリダットは要らない。短距離で千4、せいぜいマイルまでが守備範囲の馬が、安田記念で勝てるべくもない。(マイルCSはまた別) スズカコーズウェイも、マイル~千4が守備範囲ならば、タフな東京マイルで相手強化明らかなら全く不要、ということになる。 ローレルゲレイロは微妙だが、高松宮を勝ってしまったので、本命はスプリンターズかマイルCSで、安田記念は「とりあえず走っとけ」的な、勝負度が低いエントリーということに決め打ちしよう。…ハンパ人気しそうだしな。 ただし、相手が弱かったり、京王杯SCを叩き代わりに使う余裕のある馬は別だ…。 (例・01年ブラックホーク・04年2着テレグノシス) 【安田記念予想】 ◎スーパーホーネット ○カンパニー ▲ディープスカイ △サイトウィナー 消ウォッカ 馬連BOX◎○▲各万両 馬単◎○→▲各5千 3連単BOX◎○▲各千両 3連単◎○▲→◎○▲→△各500円(6点) 3連単◎○▲→△→◎○▲各200円(6点) 計5万200円 ウォッカの勝ったビクトリアマイルの時計は、07年のコイウタの勝ち時計の0秒1差でしかない。 つまり、牝馬限定戦レベルでの井の中の蛙なのだ。 余力残しの7馬身は相手がロバばかりだから当然だ。 牡馬相手では余程のデキにないと、運よく内枠でもツモらない限り、苦戦するだろう。 あれだけ目立つパフォーマンスで勝ってしまったことが寧ろアダとなる。香港馬のマークはもとより、日本馬のマークもウォッカに集中するわけだから、揉まれ弱いウォッカは直線を待たずに心身共に疲弊して脚を無くす。 馬群を割っていく根性がなく、やる気を無くしたら走らない。 しかも武とは手が合わず、古馬牡馬混合戦では勝ったときは辛勝、負けるときは完敗。手の合う岩田でさえ、JCではディープとスクリーンヒーローに負けている。 では、レース巧みなディープが安田記念→宝塚記念→凱旋門と順調に勝ち進んで無事グランプリで引退…かと言えばさにあらず。 ディープは安田を最大目標にしてきたスーパーホーネットに足元を掬われる。 なにしろ、宝塚→凱旋門目標のディープは、ここは8分のデキでしかないからだ。 スーパーホーネットは人馬ともにマイルG1制覇が悲願。宝塚ではなくここがグランプリなのだ。 去年まではまだ手探り状態。一昨年の安田記念はまだ素質開花前。1月から毎月のハードなローテーションで都大路勝った中1ヶ月の反動の惨敗。去年は高松宮記念掲示板→京王杯SCを勝っての臨戦で、これは前述の魔のローテーション。 しかし休み明けの秋に毎日王冠で逃げるウォッカを差し切って本格化。もうこの段階で安田記念仕様が完成されている。 マイルCSは枠が悪かっただけで、1着馬と並びアガリ最速の2着。 マイラーズC勝ちからのローテーションはこの馬に取ってベストだろ。 さらに、ディープはあろうことかカンパニーにもゴール前で差される悲劇。 カンパニーはひそかに東京でのチャンスを伺っていたからな…。 関屋記念を圧勝あたりから本格化したカンパニーが戻って来た。時計の早い東京は絶好の舞台。馬場の良いインを突く横山ノリの好騎乗がキラリと光る。 左回り実績が極端に悪いようだが、横山ノリに乗り変わってからの天皇賞秋はタイム差なしの4着で、ウォッカとダイワスカーレット、ディープスカイに全く劣らない結果。前の年はアドマイヤムーン、ポップロック、ダイワメジャーに先着しての3着だしな… 今年のマイラーズCがハイレベルでスーパーホーネットの首差なら、展開次第で逆転があってもなんら不思議はない。 横山ノリに変わってから8戦して掲示板7回と、地味だが間違いなく手が合うので、本来適性があるはずの東京での好走は期待できるとこだら。 スマイルジャックは3着を押さえるか迷ったが、ディープスカイとはまだ格の差がデカイと見て、ウォッカ消しついでに消したぜ…。 サイトウィナーは、男の勝負ポリシー、どっちか判断が難しい馬は買いの法則と、1億のボーナスの勝負度の高さ、香港のコンビプレーに対する備えから、残した。 アルマダはサイトウィナーの噛ませ犬の役目。 アブソリュートは東京新聞杯を勝った程度では格不足だし、逃げ馬ではないので、マケハルでは器用に立ち回ることは出来そうにない。 コンゴーリキシオーはダートを使うようになってから馬がズブくなってしまったくいらない。 芝で負けてもらって人気落としの地方ダートグレード(ただし大井以外)で狙いうつ。 以上だ。 ただし…雨になったら予想を変えるぜ…ヨロシQ。 安田記念・血統背景の補足 スーパーホーネット・カンパニーとマイナーな血統が気になったので、一応再確認しておく。 スーパーホーネット 父ロドリゴデトリアーノ 母父エルセニョール ロドリゴデトリアーノ ■ 特徴 平坦芝で何度も穴をあける。 高齢になっても衰え知らず。 仕掛けを一呼吸遅らせて突っ込むのが得意。 芝の中距離ランナーが多い。 ■ 解説 ローカルや直線が平坦な京都を仕事場とする。 同じ馬が何度も穴をあける傾向があるので、近走の着順よりも以前の好走条件に合うコース・距離・馬場状態で出走してきたときが狙い。 ミヤゴロドリゴが7歳で重賞を制したように、高齢になっても衰え知らず。 6番人気以下の19勝のうち、6勝は6歳以上でのもの。 ダートは下級条件専門。 メジロシリングは前3F32~33秒が好走の条件。 2009年6月現在・現役なのはスーパーホーネットとメジロシリング・スプリングポピーのみ。 ~ロドリゴ名の馬が多い。 ■ 代表産駒 スーパーホーネット(マイラーズC・毎日王冠・京王杯SC・スワンS・マイルCS2着・朝日杯FS2着) エリモエクセル(オークス) ミヤギロドリゴ(福島記念) マイネルコンドル(札幌3歳S) イブキヤマノオー(ダイヤモンドS) グレイスナムラ(京都牝馬特別) ゴールデンロドリゴ(UHB杯) 晩成タイプで、中距離平坦コース向き。 スーパーホーネット個人(個馬)の実績からわかることは、 体調面の強化が著しく馬体が減らなくなってきた。 元来叩き良化型。休養明け2戦目の巻き返しが目立つ。 器用なタイプで、不得意な位置取りに注文はつかない。 道悪適性は、稍重2勝・重馬場1勝で、切れ味が武器ながら道悪はむしろプラス効果あり。 カンパニー 父ミラクルアドマイヤ 母父ノーザンテースト ミラクルアドマイヤ ■ 特徴 素質馬は新馬から走り、古馬になってからも緩やかに成長する。 東京コースは不振、反面、小回りは苦にしない。 ダートは「こなす」程度で本質は芝血統。 ■ 解説 トニービンの血のイメージとは反して東京コースは不振が目立つ。小回りコースは得意。 代表産駒はカンパニーくらい。軽いスピードを持ち、追込み場は斬れる末脚を使う。 ミラクルアドマイヤの一族は半兄フサイチコンコルド(ダービー馬)に代表されるように天才型の名門ファミリーとして名高い。 この血統の一族には体質の弱さがつきまとう。フサイチコンコルドはたびたびの輸送での熱発。 ミラクルアドマイヤ半弟のピタゴラスやボレロもわずか1戦のキャリアで引退している。 トニービンの後継種牡馬としてはジャングルポケット、ウイニングチケット、サクラチトセオー、エアダブリンなどがいる。 このうち、ジャングルポケット、ウイニングチケット、エアダブリンはいずれもダービー馬だ。 種牡馬としては04年の170頭に対して、07年は15頭に減少しており、正念場を迎えている。 カンパニーは父トニービンと兄フサイチコンコルドを足して2で割った感じで軽いスピードを持つ。 中山記念ではバランスオブゲーム張りの先行力もある。 オブコースはカンパニーと4分の3同血。 ■ 代表産駒 カンパニー(大阪杯、京阪杯、関屋記念、中山記念、マイラーズカップ) 産駒は東京コースはイマイチみたいだが、活躍馬自体が少なく、 一族にはダービー馬が数多くいるので、あまり気にしないほうがいいと思う。 特に横山ノリは手があうので、直線の広い東京ならインを突きやすいと考えれば不安も払拭されるだろ。 前走は10キロ増だったが、ビッシリ追われてのもので太め感はない。 加齢による衰えは杞憂、むしろ晩成血統の本格化ととったほうがいい。 去年の秋天、マイルCSのときは帰厩時に減っていた馬体を戻しながらの調整だったので、 このころに比べたら、より臨戦過程は順調。 最後に、ついでだが、ウォッカの血統もみておこう ウォッカ 父タニノギムレット 母父ルション スマイルジャック 父タニノギムレット 母父サンデーサイレンス アブソリュート 父タニノギムレット 母父サンデーサイレンス タニノギムレット ■ 特徴 中盤で溜めたカミソリの末脚が武器 直線の広い、新潟・東京・京都のスペシャリスト傾向あり 中山の芝をはじめ、小回りは不向き 道悪は苦手 タフなレースは苦手 ■ 解説 初年度からの好成績、ナリタブライアン、マヤノトップガン、サニーブライアンら 他のブライアンズタイム産駒の種牡馬から重賞馬は何頭か出ているものの目立った後継が生まれていないこと、 及び日本最大手の社台グループの社台スタリオンステーションに繋養される恵まれた環境などの理由から、 ブライアンズタイムの有力後継種牡馬として期待されている。 血統的にもノーザンダンサーやミスタープロスペクターを含まず、サンデーサイレンスを父に持つ牝馬とも交配が可能である。 加えてタニノギムレット自身が、ナスルーラやマームードといった名種牡馬と同じくムムタズマハルを牝系に持つ名牝系出身であることから、 ポストサンデーサイレンスの有力候補としても名前が挙げられている。 弾力性のある筋肉質の馬体が受け継がれている。 ベストは2000m以上の中距離戦も、上級馬はスピード競馬への適応をも示す。 広いコース、小頭数、平均した速い流れで持ち味を出す。ダートも巧い。 もっとも特徴が現れているのが競馬場別の成績。 勝利数・連対率ともに新潟芝がトップで、以下、東京・京都が続く。 広々とした直線、急坂のないコースでは存分に切れ味を発揮する。 逆に不振なのが中山の芝コース。 阪神は悪くないから、あの中山独特の、「小回り」、「スピードに乗りながら二の足を使う」競馬が向かないのだろう。 どこかで脚を貯めないとラストの瞬発力はつかえない。 そのため末脚武器の差し馬は展開の影響を受けやすい。 マイラーもステイヤーも出ているが、ブライアンズタイムよりも軽さがあり、持久戦向きとは言いがたい。 道悪も苦手で、芝の重・不良は成績が悪い。この辺はブライアンズタイム譲りか。 タフな展開やタフな馬場になると案外脆い。 ゴールドアグリの母は夏のローカル専用。夏の新潟はこの適性が出るかもしれない。 アブソリュートとウォッカのファミリーライン比較 アブソリュート ウォッカ 母 プライムステージ(父サンデーサイレンス) タニノシスター(父ルション) 祖母 ダイナアクトレス(父ノーザンテースト) エナジートウショウ(父トウショウボーイ) 祖母の父は甲乙つけがたい感じ。 しかしそれ以上に、アブソリュートのボトムラインには、 ウォッカにはない母父サンデーサイレンスという大きなスケールがある。 現状の実績では格の差はあるが、アブソリュートはウォッカ以上の潜在スピード能力が秘められているかもしれない。 なお、スマイルジャックはアブソリュートとは母父サンデーサイレンスまでは同じだが、ボトムラインとしては上記2頭に見劣りする。 ■ 代表産駒 ウオッカ(阪神ジュベナイルフィリーズ、チューリップ賞、東京優駿、天皇賞(秋)、安田記念、ヴィクトリアマイル) ヒラボクロイヤル(青葉賞) ゴールドアグリ(新潟2歳ステークス) アブソリュート(東京新聞杯) スマイルジャック(スプリングステークス、東京優駿2着) やはり、ウォッカはタフなレースは苦手のようだ。 この辺は実感どおり。展開に注文がつくタイプだな。 安田記念~オッズ作戦と重馬場用の備え ◆単勝人気順オッズ 順 枠 番 印 馬名 騎手 単勝 1 2 3 ウオッカ 武豊 2.0 2 3 6 ▲ ディープスカイ 四位洋文 3.7 3 7 13 ◎ スーパーホーネット 藤岡佑介 6.4 4 5 9 ○ カンパニー 横山典弘 18.3 5 8 17 ローレルゲレイロ 藤田伸二 25.8 6 1 2 スマイルジャック 岩田康誠 30.5 7 4 8 アブソリュート 田中勝春 32.6 8 1 1 スズカコーズウェイ 後藤浩輝 32.8 9 8 18 サイトウィナー プレブル 42.0 10 2 4 ファリダット 安藤勝己 42.3 11 6 12 トウショウカレッジ 内田博幸 63.7 12 3 5 ホッカイカンティ 石橋脩 66.3 13 B8 16 アルマダ ホワイト 82.9 14 4 7 ライブコンサート 和田竜二 93.4 15 5 10 タマモサポート 津村明秀 109.5 16 6 11 コンゴウリキシオー 戸崎圭太 113.6 17 7 15 リザーブカード 三浦皇成 133.3 18 7 14 マルカフェニックス 福永祐一 154.8 オッズを考慮した馬券 単勝 ◎○ 1.5万・5000円 馬単ボックス ◎○▲ 各4000円(6点) 3連単ボックス ◎○▲ 各1000円(6点) 計 5万両 ホーネットが抜けた実力を持っていると思っているので、この単は譲れない。最悪ホーネットの単だけでもOKと思っている。ここは紐抜けも避けたいので、単で厚めに。 そしてカンパニーの単が、1~3番人気に偏重しすぎたオッズだという妙味から、ホーネットこけた時用に、お買い得感があるので5000円だけ買い。20倍近くつくなら買いだろ。 もちろん、全くおいしくないディープスカイの単は買わない。 そして仮にディープが1着になってもいいように、馬連や枠連の購入も検討したが、馬単表裏のオッズと大差ないので、馬単の表裏をディープ裏の妙味込みで購入。 ここをやや厚めに買っておけば仮にウォッカが3着に突っ込んできても1・2着の馬券で十分な配当が得られる。 どの組合せが来てもそれなりの納得感のある払戻し(6桁クラス)が見込めるように設定した。 とにかくスーパーホーネットの買い時、ウォッカの消し時はここしかない!という読みを最大限に生かす買い方を十分考慮したつもりだ。 馬場状態を見て最終結論を出すが、当日の馬券購入はだいたいこんな感じになるだろう。 【補足・雨になった場合の供え】 ★コンゴウリキシオー・タマモサポート・アブソリュート ローレルゲレイロは人気サイドの上に8枠になってしまったので、距離ロスを考慮したらいらないほうかと。サイトウィナーもさすがに8枠ではいらないだろう。 馬場がダート化していると、ズブくなっているコンゴーリキシオーにもチャンスがありそうだ。 一番押さえておきたいのは、道悪東京マイル重賞勝ちがあるアブソリュートだ。この面子ではズバ抜けて血統がいいので、適性勝負になれば馬券になる可能性が出てくる。カツハルも雨のレースでの逃げ残りは得意だしな。 元々の印は重馬場予想もかねているので(道悪ダメなウォッカは入れてないので)、3連単の3着付けに上記★3頭の馬券20点を追加すればよい。金額は100円で十分。
https://w.atwiki.jp/legends/pages/3863.html
ネコミミを取られた 一瞬の油断で、ネコミミを取られてしまった ネコミミのない上田など、ただの上田だ 「…修行、第一段階、終了。一旦休憩だな」 意味不明な事を考えつつ、とりあえず、ネコミミを取られてテンション低めの上田はそう宣言した その 上田の、頭上に デジタル的な、エフェクトが、かかって -----ごがっ!! 「あだっ!?」 そこに、角の生えた兎…ジャッカロープが、前足でコップを抱きかかえた状態で、転送されてきて 上田は見事に、ジャッカロープのヒップアタックをくらってしまい、地面に倒れた ぴすぴすぴす 意図せずして、上田にヒップアタックをくらわせたジャッカロープは、鼻を鳴らしながら首をかしげている 『龍一、ジャッカロープを転送させた。その左腕、乳で治しておけ』 ボイスチャットで語りかけてくる、声 翼ではなく、辰也だ 自ら左腕を切り落とし、その出血でやや顔色の悪い龍一は、その言葉に、小さく頭を下げた 「…お手間かけます、広瀬さん」 「み!腕を治すの!」 てちてち 花子さんが、ジャッカロープに近づき、その乳を搾っていく 「……あのジャッカロープ?って生き物、無くなった、腕も…治せるん、ですか?」 『ジャッカロープの乳は、万能薬と言われている。その拡大解釈で、欠損した四肢や体の一部も再生可能だ』 正義の言葉に、辰也が答える 花子さんが、ジャッカロープの乳を入れたコップを、龍一に渡した 龍一が、一気にそれを飲み干して 「----っ」 一瞬の、苦痛の表情 その直後……本当に、一瞬で、無くなった左腕が再生した 手を握ったり広げたりを繰り返し、龍一は再生した左腕の動きを確認している 「凄い…本当に治った」 「なるほど、たいした治癒能力だ」 感心した様子の、正義と大王 ぴすぴす、ジャッカロープはやや誇らしげだ 「ぐ……この、わざと俺の頭の上に転送したな?」 『そうだが、何か問題でも?』 むくり、ヒップアタックのダメージから回復した上田が起き上がり、後頭部に乗ったままだったジャッカロープがころん、と地面の上に転がった 突然起き上がった上田に抗議するように、ぺちぺち前足パンチを繰り出している ジャッカロープが上田に蹴り飛ばされる前に、その小さな体を望が抱き上げた そうして、上田に対する軽い嫌がらせを否定しようともしない辰也に、尋ねる 「対応が早いわね。怪我を確認してすぐ、送ってくるなんて」 『すぐでもない。一応、その訓練が一旦終わるまで待っただろう』 望の問いかけに、そう答える辰也 …ん?と 望は首をかしげる 「……ちょっと、待って。訓練が終わって、そこで様子を確認して送ってきたんじゃないの?」 『念の為言っておくが、訓練中の様子も、こっちから見えてたぞ。だから、ジャッカロープにスタンバイさせておいて、訓練が一旦終わると同時に、スーパーハカーに転送させたんだからな』 ぴしり 辰也の答えに、硬直する望 つまり、だ 「………翼も、見てた?」 『しっかりとな。お前の動きが封じられた直後辺りまでは、翼がずっと、お前達の様子を見ていたしな』 ……… ………… …………… うん 後で、大樹さんに言わないよう、しっかり釘をさしておかないと 拳を握り締め、望はそう、決意する 「……っと。ところで、一人足りないな?」 「!そうだ、お兄ちゃん!」 …そう 上田と正義の、言う通り 先ほどから、裂邪の姿が、見えない どうやら、上田達とは、まったく違うルートに入ってしまったらしい 「おいおい、このダンジョンの中で探せ、ってか?」 『もし、あの餓鬼がダンジョン内で迷って見つけられず餓死したら、監督役のお前の責任だな』 「限りなく不吉な事を言うなっ!?んな事になったら、俺が愛美さんに殺されかねんわっ!?」 「と、とにかく、お兄ちゃんを探さないと!」 辰也の、上田に対する嫌がらせ交じりの言葉に、あわあわと慌て出す正義 落ち着け、と大王に諭されている 一連の、その騒ぎを 龍一は、左腕の状態を確認しながら、黙って聞いていて 「みー、契約者、どーするの?」 「……探すべきだろう。奥からは、あまりよくない気配もする。そちらと遭遇していたら、危険だろうしな」 「み!」 一度ダンジョンの外に出る、その前に 裂邪を探す、という大仕事が、一同には残されていたのだった to be … ? 前ページ次ページ連載 - 花子さんと契約した男の話
https://w.atwiki.jp/legends/pages/183.html
「この間、先生の弟さんに会いましたよ」 ………… ぶはっ!! 俺の言葉に、不良教師は盛大に珈琲を噴出した うわ、汚っ!? げほげほ、むせている不良教師に、白骨標本が慌ててハンカチを刺し伊達居る ついでに、噴出した珈琲の直撃を喰らった人体模型が、熱さに悶え転がっている 「どーしたの?」 不良教師の様子に、俺の膝の上に座っていた花子さんが首をかしげる げほ、と まだ少し咳き込みながら、不良教師は俺に言ってくる 「~~っあ、あいつと会ったのか!?」 「最初は、先生かと思って、声かけたんですけど」 そう、はじめはこの、不良教師かと思ったのだ ただ、声をかけてから…何か変だ、と思った いや、髪形と服装が違うな~とも思っていたが、仕事の時とそうじゃない時とで、違うだけか、と思ったのだが ……ただ 声をかけてから、気付いた 不良教師とは、何かが決定的に違う 雰囲気、と言うか、何と言うか 人を寄せ付けない雰囲気の不良教師の、その雰囲気はまとっていないのだが …だが、しかし 関わらない方がいい 本能的にそう思わせる何かを、そいつは纏っていた気がした 『…?あぁ、君、兄さんの教え子?』 にこにこと、そいつはそう言ってきて …その時点で、俺はようやく、不良教師に弟が居た事を、知ったのだ 「…あいつ、何か妙な事を言ってなかったか?」 珍しく、慌てているような、同様している様子の不良教師 …いつも、面倒くさそうな、だらけた態度の不良教師としては珍しい ちょっと、面白いかもしれない いつもと違うこの様子に、花子さんも首を傾げてるし 「先生の学校での様子とか、生徒の間での評価とか聞かれましたけど?」 「…答えたのか?」 「断ったらヤバそうな予感がビンビンきたんで。包み隠さず全部」 きっぱり、言い切る 元・虐められっこの勘を舐めるなよ その手の勘は働くんだよ、自分でも嫌なくらいに …俺の言葉に、不良教師は頭痛でも感じているように、額に手をやった 「……アレには、関わらない方がいいぞ。出来る限り」 「みー?弟さんの事、嫌いなの?」 かっくん 首をかしげた花子さんの言葉に、不良教師は複雑そうな表情を浮かべた …嫌いではないのだろう、多分 ただ、扱いに困っている、と言うか そんな雰囲気を感じる 「…まぁ、いいんじゃないですか?嫌われるよりは」 「いっそ嫌われた方がマシなんじゃないか?という重い想いをぶつけられた経験がお前にあるか?」 「ないです。だからわかりません」 もふもふ、花子さんの頭を撫でてやりつつ、俺は言い切る そんな重い愛なんざ、受けたことない 妹は、昔から生意気で慕われた記憶はないし(※) 両親からは、まぁ愛されなかった訳じゃないが、世間一般程度の愛情しか受けていない いや、それでも、小学生のころ、俺が苛められていた事に気付いたら、虐めていた相手の家に乗り込んで… ……… …………… 「ど、どーしたの?けーやくしゃ!急につらいこと思い出したみたいな顔して!?」 「……いや、まぁ、あれだ。思い出したくない記憶と言うか何と言うか。 あの家族は、果たしてあの後どうなったんだろうか。 引っ越した地で無事にやっているだろうかと言うかトラウマになってないだろうかと言うか」 「何があった、お前の過去」 聞くな、不良教師 これ以上俺に思い出させるな 悪い両親ではないし、過剰な愛を俺や妹に注いできている訳ではない ただちょっと、うん、まぁ………うん 『遠い目をしはりましたで』 『な、何かあったのでしょうか…』 珈琲の熱さから脱出した人体模型と、珈琲を吹き終えた白骨標本が首を傾げてきた …そして、白骨標本は困ったように、珈琲塗れになった「それ」を摘み上げた …それは、20ドル札 ある都市伝説の「核」だったのだが… …あ~… 「どうすんですか、先生。それ」 「どうしようか」 見事に珈琲塗れ 果たして、この状態になっても、まだこれは都市伝説の核であるのだろうか? 20ドル札には、某大事件が予言されていた そんな、都市伝説 しかし、その都市伝説は、最早「過ぎた事である」 その痛ましい事件が既に起きてしまった以上、その都市伝説は陰謀説と絡むことこそあれど、最早意味が無い もう、予言した事は実現されたのだから …だが、もし この都市伝説が、誰かと契約したら? もし、それが新たな事件を予言するものになったら? それを防ぐ為に、俺たちはその「核」を探した そして、運良く見つけたのが…今、まさに珈琲まみれになっている20ドル札だ …うん、その この20ドル札を、特定の折り方をすると…某事件を予感させるような絵柄が現れる そんな感じなんだが… 「茶色くなっちゃって、何も見えないね」 花子さんの言うとおり うん、何と言うか …多分、人間と契約したら、現れる絵柄が変わるとか、そんな感じにあったんだろうなぁ でも…うん 珈琲塗れだし これ、もう無理だろ、色々と 「…どうします?マジで」 不良教師に、改めて尋ねる ふむ、と不良教師は、白骨標本が淹れ直したコーヒーを口にして… ………ぽん 花子さんの肩を、軽く叩いてきた 「任せたぞ、嬢ちゃん」 「うみゅ?」 「くぉら、待てや不良教師」 おいこら 花子さんに押し付けんな!? 俺のツッコミを無視して、不良教師は続ける 「花子さんがトイレに流せば、問題ないだろ。 確か、トイレに流した相手はもう、出てこないんだろ?」 「うん、出てこないよー」 「そうか、ならば問題ない。流してしまえ」 「こら」 ゴラァアアアアアアア!? 押し付けるなよ! だから、花子さんに押し付けるなよ!! が、しかし、花子さんはとっても素直でいい子だから 不良教師の言葉に、にっぱり笑って 「うん、わかった、流す!」 と、元気に答えてしまった …あぁあ、花子さんや わかっているのか? ぶっちゃけ、面倒だから押し付けられただけだぞ? 「よしよし、嬢ちゃんはいい子だな」 「えへへ~」 もふもふ 花子さんの頭を撫で続ける不良教師 …何かムカついたので、俺はその手を押しのけて、花子さんの頭を撫でたのだった …この日 世界中を震撼させた事件に関する都市伝説は…小さな島国の、とある学校にて、二度と戻ってこられないトイレへと流された 果たして、それによって、その都市伝説は消滅したのか? それは、誰にもわからない 都市伝説は誰かに語られ続ける限り、また生まれるものなのだから fin ※…本当はちゃんと慕われている。ただし、彼は気付いていない 前ページ次ページ連載 - 花子さんと契約した男の話
https://w.atwiki.jp/legends/pages/3437.html
手を差し伸べた事を後悔する訳ではない それを、後悔してはいけない あなたは、私が手を差し伸べた事を感謝してくれるけれど けれど、あなたは気付いていないでしょう 私が手を差し伸べたのは、私自身もまた 孤独に耐えられずにいたからなのだという、事実に Red Cape 私は、トイレの花子さんです 学校の七不思議に数えられる事も多い、トイレをテリトリーとした都市伝説です トイレの花子さんは全国各地にいるけれど、私は、その中でも、わりとおーそどっくすな花子さんです おかっぱ頭に白いブラウス、真っ赤な吊りスカートと言う格好で、生まれた元となった噂は「休日の学校に遊びに来ていた少女が変質者に追われ、トイレの3番目の個室に隠れたが見つかって殺害された」という噂です そう言うお話から生まれたから、私はおじさんはあんまり好きじゃないです 私達花子さんを生み出す噂には、他にも「発狂した母親に追いかけられた少女が、学校のトイレの奥から3番目の個室に隠れたが、結局殺害されてしまった」 とか 「戦時中、かくれんぼが大好きだった少女が、学校内のトイレの個室に隠れていたところ、校舎が空襲を受け、逃げ遅れて死亡した」 とか 「生前、父親に虐待を受けた少女の霊で、おかっぱ頭はその時の傷を隠すため」とか 色んな噂があります 基本的に、悲劇から生まれる存在みたいです 私達花子さんはみんな、基本的にはトイレに住んでるけれど、中にはとある場所の柿の木の上に住んでる「柿の木の上の花子さん」もいるらしいです 花子さんなので、トイレの三番目の扉の前で、扉を三回ノックされて「花子さん」って呼ばれたら、「は~い」って返事をします この後、「何して遊ぶ」って聞いてくる花子さんもいるけれど、私はお返事するだけです ちなみに、「何して遊ぶ」って聞いてくる花子さんに対して「縄跳び」とか「首しめごっこ」とか「おままごと」って答えちゃ駄目です 首をしめられたり、包丁で刺されちゃう事があるのです 私には、「けーやくしゃ」がいます けーやくしゃは、私とけーやくしてくれた人です けーやくした時は小学校高学年だったけれど、今は高校生です 私とけーやくしてから、ずっと、けーやくを打ち切らずに傍にいてくれています にじゅーよじかん一緒にいられる訳ではないけれど、一杯傍にいてもそのままにさせてくれるので、けーやくしゃの事が大好きです けーやくしゃとけーやくしたおかげで、私は暗いトイレに独りぼっちでいなくてすむのです 私のけーやくしゃは、強い人です 小学生の頃は、剣道を習っていました 道場に通っていた以外に、知り合いの人にも訓練させてもらっていたって言っていました その知り合いの人は、私は会った事はありません けーやくしゃも、詳しい事は話してくれた事はないです 今はもう、剣道をやめてしまったけれど、今でも、木で出来た刀を持つと、とっても強いです けーやくしゃのお家の人は、木で出来た刀を持ったけーやくしゃの事を「乱神モード」って呼んでました よくわからないけど、格好いいと思います けーやくしゃは、刀を持つととっても強いのだけれども、普段は使いません その代わりに、普段は銃を使います お家から持ち出すのは大変だから、私の力でお水で銃を作って、それを使ってもらいます 水の弾丸は、何発撃ってもなくならないから便利だ、って言ってました 証拠の銃弾も残らないので、ばっちぐーだそうです 銃弾が残っちゃうと、色々面倒なんだ、って言ってました 詳しい事は、難しくてよくわかんないです 本当は けーやくしゃが戦わなくても大丈夫なように、私が頑張らなきゃいけません けーやくしゃは、私とけーやくしてくれたのだから、けーやくしゃは私が護るべきです でも、けーやくしゃは、自分も戦おうとします 「花子さんだけに戦わせるなど、卑怯だから」と言ってます 卑怯でもなんでもないのに、けーやくしゃはそう言って聞きません 私は都市伝説で、けーやくしゃとけーやくしたのだから、けーやくしゃの為に、他の都市伝説と戦う事は当たり前です けーやくしゃや、けーやくしゃの周りの人を襲ってくる悪い都市伝説をやっつけるのは、当たり前の事なのに けーやくしゃは、私にだけ辛い役目を背負わせるのは卑怯だから、と言って来ます 私は、全然気にしてないのに、けーやくしゃは優しいから、気にしてくれるのです せめて、けーやくしゃが直接手を下さなくてもいいように、私がもっと頑張らないといけません もう あの時みたいに けーやくしゃをおいて、ぶざまに気絶しちゃいけない 私が、弱かったから 相手に一撃を入れることも敵わず、逆に、相手の一撃で、気を失ってしまったから そのせいで、けーやくしゃは「失敗」してしまいました 失敗しちゃったせいで、けーやくしゃは、剣道をやめてしまって 失敗しちゃったせいで、諦めて、でも、完全には諦めきれないままで 私が、もっとしっかりしていれば あの時、気絶なんてしていなければ けーやくしゃは、あんな思いをしなくてすんだのに けーやくしゃは、「自分は正義の味方じゃないし、正義の味方にはなれない」と言っていました 全部を護る事なんて、自分にはできないから だから、せめて、身内と、学校のクラスメイトだけでも護りたい、って言っていました ただ、それだけの力があればいい 過剰な力はいらない、って言っていました そうして、いつか、「八代目様」のようになりたいのだと言っていました …私は けーやくしゃの、力になりたいです けーやくしゃが、「八代目様」のようになる、お手伝いをしたいです その為に、ずーっと、けーやくしゃの傍にいます けーやくしゃが、私をいらないと言わない限り 私か、けーやくしゃが死んでしまうまで、ずーっとずーっと傍にいて けーやくしゃの力になったり、けーやくしゃの理解者になったりしたいです それが けーやくしゃとけーやくした事で、けーやくしゃの運命を捻じ曲げてしまったかもしれない、私の そのせいで、けーやくしゃを諦めさせてしまったかもしれない、私が せめて、けーやくしゃの為にできる、唯一の事だと思うのです fin 前ページ次ページ連載 - 花子さんと契約した男の話
https://w.atwiki.jp/oshitodomero/pages/137.html
スレッド_レス番号 02_153-156 作者 319 ◆lHiWUhvoBo 備考 長編,小隊長シリーズその6 自宅編 (踏んだり蹴ったりとはこの事だな…) 人の言うマンション、本来荘園を意味する名称から程遠い外観であるだろう集合住宅――アパートメント――の自室の ドアの前に立ちながら、男は溜息を吐く。その後ファミリーレストランで多分薙刀(ナギナタ)の心得えがあるだろう、モップを 持った少女に襲撃され、急いで両掌で受け止めたのは良いが、水滴でスーツを台無しにされてしまった。下のウェイトレスに 水滴が掛からないよう、完璧を帰して庇(かば)った御蔭であった。そうでなければしっかり避けている。 (世の中は狭い、と言うが…) ウェイトレスを組み敷いていたのは事実だったが、強姦魔と言われるのは心外なので事情を話そうとすると、血相を変えた ウェイトレスがいきなり少女を平手で殴り、『店長は、先輩は勝手なんですから!』と激怒してしまったため、宥(なだ)めざるを 得なかった。喧嘩を始めた二人を急いで停め、休憩から戻ってきた従業員に聞いて奥の店長室に案内して貰い、事情を聞いて 仲裁し、解決したのが休憩時間が終わる16時。会社の上司に遅れる旨を報告している最中、いきなり笑顔の少女に携帯電話を ひったくられて『かすみん? ひっさしぶりぃ~! 』などと会話され、何だかウヤムヤのうちに「外回り」扱いに為ってしまった。 『ゆきぽんは後輩でぇ、かすみんはタメ。おんなじ女子校なんだ、テヘっ☆』 と言われても、少女のカタチをしたその女性はどう見ても18より下には見えなかった。横で自分を思い遣るようにウェイトレスが 『…真実です』と言っていたが、これこそ嘘だろうと言いたくも為る。ウェイトレスが実はレストランのマネージャーだったと聞かされ、 スーツ姿で平謝りに謝られても、だ。スーツを即日クリーニングに出すと言われ、目の前で脱いだらやけに驚かれてしまったのは 愉快だった。元の職業は【着せ替え人形】と呼ばれる程に着替えが多く、また周囲もほとんど同性のため、隠す事とは無縁だった。 熱い視線が痛いほど突き刺さっていた気もするが、多分気のせいだろう。…女ならともかく、男の裸など見せ物にもならないはずだ。 『済みません…着替えがこれしかないんです…』 マネージャーにおずおずと差し出された男性用ウェイターの制服を渡され、着て見ると溜息を吐かれたのは、きっと板について 居なかったからだろう。その割には店長が『ゆきぽん! これは使える、使えるぞぉ~!』と熱っぽく語っていたのは不思議だが。 『…笑ってくださいね。はい、いいですよ。あ、お写真ですが…私…ずっと大事にしますから』 取り合えず肖像権云々の店長の質問には構いませんからご自由に、と答えた。クリーニングが20時には終わると聞き、その間は 暇になるので、忙しくなるようだったら手伝いたいとウェイターの真似事をしてみたが、中々面白かった。マネージャーから『貴方は 絶対に女性客のオーダーを取らなくていい、むしろ近づかないで下さい』と厳命されたが、呼び出しが忙しくて守れなかったのを本当に 申し訳なく思ったが、仕方ない。…店長から『いっけぇ~! 対女性客最終兵器! 常連ゲットだお☆!』と突っ込まされたのだから。 『あの、よろしければここに…転職…しませんか』 とマネージャーに言われたのは多分過分なリップサービスだろう。様子を見に来た上司に『ウチの会社、アルバイト禁止でばれたら クビなんだけどな』とニヤニヤされた時、矢の様に早く傍に来て、自分を上記の言葉で庇ってくれたのは有り難かった。静かに交差する 二人の鋭い視線にうすら寒いものを感じたが、気のせいに違いない。ウェイトレス姿の店長が『あ、かすみん、きてくれたんだぁ☆』と 上司の隣に座ってあんなに親しそうに三人で会話していたのだから。三人の交渉の末、直帰扱いになったのも有り難かった。 (さて、現在22時…異常は…) 男は自室ドアの合わせ目に2セロテープで貼って置いた髪の毛の存在を確認する。セロテープに指紋が付いていた。張るときは ラテックスの手袋をするため、男の指紋では無い。つい最近「拾って」きた「子猫」のものでも無い。外には出ないよう厳命していて、 「子猫」もそれを承諾し、むしろ出たくないと言っていた程だ。可能性は一つ。「招かれざる侵入者」だ。心当たりは二人存在する。 男は深呼吸し、ドアに手を掛け、勢いよく引いた。 男がドアを開けると、【子猫】が座って待っていた。…【子猫】は、いや、もう【子猫】と呼ぶ事は出来ないだろう女性は 得も言われぬ艶やかな雰囲気を醸し出していた。敢えて形容するならば、大人に為りきれぬ少女だけが持つ、未成熟で アンバランスな色気だ。男は目を瞬いた。昼間の事がまだ頭に残っていたかと激しく頭も振って見た。…目の前の光景が 完全なる現実だと言う事を、残酷にも認識させられただけだった。 「お帰りなさい…。御飯にします? それともお風呂? それとも…」 長い翠の黒髪を蒼いリボンで纏めているのはわかる。リボンは近日中に誕生日を迎える幼馴染みに贈るために買って 置いたものを、また買うので使っても良いと渡したものだ。フリル付きの白いエプロン。これは『いつかわたしの手料理を 小隊長にご馳走するんです』といつも自分の作る料理を食べるだけの『元部下』が嫌がる自分を無視して置いて行ったものだ。 だがそれ以外には… 「…なさいます? 」 何も身に着けていない生まれたままの姿の娘が、実りきらない尻を向け、右手の人差し指と中指で薄桃色の陰裂を開き、 誘惑している。健康かつ健全で清純な少女の生硬さを感じさせる肉体美と、全く似つかわしくない淫靡な「お誘い」のインパクト。 男が目を閉じてもしっかりと脳裏に焼き付いてしまった今、吹き付ける強い春風にも似た凄絶な情欲衝動が男を苛(さいな)んでいた。 歯を噛み締め冷静になろうと努力する男の目に、陰裂から滴る透明な粘液が映った。亀頭が痛い。――駄目だ。解放しろ。――駄目だ。 獣欲に従え。――断る! 男の自問自答が続く中、獣性がついに甘言を弄(ろう)した。我慢するな、ほら見ろ… 「貴方が…欲しいの…」 何故そこで尻を左右に煽情的に振る! 何故だ! と、男は内心叫び、歯軋りを漏らす。理性が屈するのも、もう限界に近かった。 何故なら彼女は余りにも「男がまだ幸せな結婚を夢見ていた少年の日の幼馴染みの姿」に生き写しだったのだ。医師の残酷な 宣告が無ければ、少年はとっくの昔に父親に為っていただろう相手だ。冷たく燃える光が滲んだ、冬の星空を思う。あの日に 涙ながらに別れを告げて…俺は…! 男は気付かずジッパーを降ろし、少女に圧し掛かっていた。 「あッ…」 男がついに少女の身体に触れた時、幽かな震えに気が付いた。…脅えている? 男の理性が復権を訴えた。違う。待て。罠だと。 少女の耳に口を付ける。くすぐったさからか、それとも恐怖からか、少女が体を強張らせる。その初々しい反応から涌き上がる征服欲に 負けまいと、ついに男は口内の肉を噛み切った。鋭い痛みと血の味が、男を「獣」ではなく「理性的な人間」に留めさせる。そして男は 静かに囁いた。 「誰か、居るんだな」 こくん、と少女は頷いた。やっぱりだ。「少女」が無断で家捜しする性根を持っていないのは確認済みだ。となると想像される事態は 一つしかない。無断で自分の中学・高校の卒業アルバムを見て『この小隊長といつも一緒に写ってる子、塗り潰したくなりますね』と 言ってのけるくらいにいい根性をしている『元部下』しかいない。エプロンを見て最初に気付くべきだった。あいつだ。間違い無い。 「…怖かったろう。…こんな真似をさせて、済まなかった」 「あンッ! 」 男の心を怒りが支配する。さぞや荒れた事だろう。多分こんな真似を少女にさせたのも、男の理性を試したつもりなのだろう。 少女が否定しても、抱かれていたと決め付け、抱かれてないなら出来るはずだ、と無理矢理に少女に強制したに違いないのだ。 だったらあいつの妄想通り、少女に嬌声を上げさせ、我慢出来ずに姿を表わしたところにキツいお仕置きか灸を据えるしかない。 「あいつが出てくるまで、悪いがお芝居に付き合ってくれ」 豊かに実りつつある胸を掬(すく)い上げるようにしてエプロンの上から柔らかく揉みほぐしながら、男は少女の耳にそっと囁く。 含羞の表情を浮かべる少女の心中を思うと痛々しさに胸が張り裂けそうになるが…一瞬少女が嬉しそうに微笑んで見えたのは きっと気のせいだろうと男は思った。そして奥に聞こえるように声を大きくする。 「ずっと我慢していたが、もう限界だ! するぞ! もうするぞ! 処女だろうが構うものか! 」 そして片手を少女の太腿の付け根に伸ばし、触る。…不衛生な手で少女の陰部を触っては、後々感染症の元となるからだ。 だが、少女はその手を自分の秘唇へと導く。素早く少女は身体を入れ替え、男の上に跨り、男が先刻したように耳に可憐な唇を 付け、熱っぽく囁いた。 「…復讐するは我にあり。遠慮していると、お芝居だとすぐばれちゃいますよ」 「しかし…」 少女は目尻に浮いた涙を拭きながらも、目元を染めて気丈にも男に微笑んだ。男の勃起した陰茎をおずおずと、しかし愛しげに さすりながら奥の部屋に聞こえるように喜色に溢れた声を上げる。…きっと本格的に演劇を学んだに違いないと男は思った。 「やっと、やっと抱いてくれるんですね! わたし、わたしずっと待ってたんですよ…? これ…入れちゃいますから」 「ま、待ってくれ! そこまでしなくていい! ストップ、ストップだって! きっともっと君にふさわしい男が現われるから!」 「欲しいんです…本当に…。それに…貴方じゃなきゃ…嫌なの…」 芝居だと思い少女に愛撫を続けたが、亀頭が陰裂を割り拡げるに至ったとき、男は己の間違いにやっと気付いた。どうやら 少女は本気で自分の「モノ」になる気なのだ、と。急いで腰を振り、少女の手から逃れようとするも、ガッチリホールドされていた。 無理に振り解くと、少女に怪我をさせてしまう! 亀頭からの快感に耐えつつ、重力に従おうとする少女の腰を腕で支える男を 救ったのは…! 「そんなの、そんなの駄目ェェェェェェ! 小隊長は私の、私だけの小隊長なのぉ! 」 泣きながら少女を力任せに引き剥がし、間髪入れずに武者振りついて唇を奪ってきた『元部下』、音無郁子3等陸曹だった。 我慢し切れずに出てきたのだろう。大きな目を真っ赤に腫らして泣いていたあとが痛々しい。だが甘やかすとこの通りだ。 男は唇を求め続ける『元部下』のショートボブの黒髪を掴んで有無を言わさず引き剥がし、鋭い視線で射抜いた。 「…わかってます…。ゴメンなさいすればいいんですよね、この子に…」 「それと俺にも、だ。『音無3曹』。いくら大家さんの妹とは言え、無断で入るなと何回言えば解る? 」 「わかりたく…ありません…。『小隊長』…」 それでもしがみ付いてまだ甘えようとする音無3曹を無理矢理引き剥がしたのは、何故か恥ずかしい格好のままでいる 少女だった。それから何故か口喧嘩が始まり、平手の応酬が2度実施された。少女が手刀をかざし、音無3曹が拳を構えて 部屋でキャットファイトの火蓋が切られようとする前に、男は 「やるのはいいが、やったら俺は即、二人とも縁を切るからな」 と一言、怒りを湛(たた)え静かに言い放ち、ようやく我に還って捨てないでと泣き出した2人を停める事に成功したのだった。 続き 戻る スレッド別 / 作者別 / シリーズ別 バグ・不具合を見つけたら? 要望がある場合は? お手数ですが、メールでお問い合わせください。
https://w.atwiki.jp/legends/pages/196.html
どうか、泣かないで あなたが悪い訳ではないのです どうか、泣かないで あなたのせいではないのです これほどまでに血が流れたのは 私たちを噂する誰かのせいではありますが その誰かにすら、罪は存在しないのです Red Cape むくり、暗闇の中、起き上がる 時計を見れば、もう少しで時刻が変わる時間 …そろそろ、両親も寝ているだろう 俺はそっと部屋を抜け出し、トイレに向かう ……中学の頃、仲の良かった友人が通っている中学校で、血塗れの死体が発見された 予測するに、トイレに出現する都市伝説に襲われた…と、推理できる 俺の通っている学校に出現した訳ではないが、友人が万が一襲われたら、と思うとやはり不安であり ならば、こちらからその学校に乗り込んで、退治すべきだと考えたのだ 不良教師たちの助力は得られないが…俺と花子さんだけで、やってみせる トイレの前についた 小さく深呼吸し…三回、ノックする 「花子さん」 「は~い!」 がちゃ! トイレの扉が開き、姿をあらわした花子さん 花子さんは、トイレからトイレへと自由に移動できる能力を持っている そう、こんな個人宅のトイレへも、移動可能なのだ どこにでも移動できる分、時折、移動場所を間違えてしまう事もあるらしいが 「それじゃあ、行くか」 「うん……あれ?けーやくしゃ、それ、な~に?」 かっくん 俺がもっている「これ」を見て、花子さんは首を傾げてきた あぁ、と、俺は曖昧に答える 「ちょっと、な。まぁ、俺も自分の身くらいは護れないと駄目だから」 「み?けーやくしゃは、私が護るから大丈夫だよ?」 そう言ってくれるのは、ありがたいのだが …以前、ジャージデーモンと戦った時、実感したのだ 俺も、少しは戦うべきだと 戦う力を、少しは持っておくべきだ、と このところ、花子さんの力だけで倒せる相手が多くて、失念していた 俺だって、妹に取り付いた花子さんと戦った時に、花子さんの力を借りてとは言え、戦っている …あの時のように、戦うべき時もあるのだ だから…ちょっと、念のために、武器を少々 俺が家から持ち出せるのは、これくらいだ こんなもん、使わなくてすむ方がいいのだが 「ほら、行くぞ、花子さん」 「うん」 ぐ、と花子さんが俺の手を掴み、俺は花子さんと一緒にトイレに入る …直後 トイレの中の光景が、一変した 移動が、完了したのだ ……うん 完了したのはわかる それは、いい だが 「み?」 「あ~…」 …え~と あれ?? 「誰よ、あなたたち」 ……… あれ?? 移動先のトイレに、先客が いや、それが女性なのはいいのだ 花子さんが移動した先は、女子トイレのはずだから そこは、いい そこは、なんら問題はないのだ ……ただ 「み?けーやくしゃ?」 そっと 俺は、慎ましく花子さんの視界をふさいだ 見せられるかっ! 全力で見せるのは阻止するべきだろう! 花子さんの教育に悪い! 「…一つ、質問してもいいだろうか?」 「まぁ、突然現れた事については追求しないであげる。いいわよ」 「何故、あんたは俺と同年代くらいと推測できる男性を椅子にしているんだ」 そう 目の前に居る、女性は 俺と同年代くらいの男を、椅子にしていた そう、椅子 具体的に説明するならば、四つん這いにあった男の背中に、女が座っているのである 見せられるか、花子さんにっ! それぞれの恋愛の表し方とかその辺に突っ込む気は毛頭ないが、花子さんの教育に悪いから見せられるかっ!! ふふん、と、その女は笑ってくる 「簡単ね。この男が下僕だからよ!」 っく!? なんと清々しい堂々とした答え!? これ以上の突っ込みは不可能…だと…!? 「それじゃあ、こっちも質問しても、いいかしら?」 すぅ、と 女性の視線が、鋭くなる む…これは、ヤバイか? 「花子さん、すぐにでも、移動できるか?」 「み?できるよ?」 よし、ならいい 予測するに、出てくるトイレを間違えたようだ 何か邪魔してしまったみたいだし、即刻、ここを離れるべきだろう 「え?花子さん?」 「あら?同類?」 そんな、相手の声を聞きつつ、俺たちは、すぐにでも逃げられる体勢をとって… 「…あぅぅ!?あ、危ないのです!避けてなのです!?」 「む!?流石に個室トイレに六人は定員オーバーだぞ!?」 …どこからか、乱入者が現れた ちょ!? 何者かは知らないが、確かに個室トイレに六人は定員オーバー!? しかも、この赤い乱入者共は、喪の凄い勢いでトイレに現れたわけで 「うわっ!?」 「みー!?」 「きゃっ!?」 「うぉっ!?」 俺たちは、まとめてトイレの外へと放り出された ぼすっ!と何とか花子さんをキャッチする ごっ!! 隣では、さっきまで椅子になっていた男が、女の下敷きになっていた む、あの体勢、どう見てもスカートの中が男に見えて………あ、踏まれた 「あぅあぅあぅあぅあぅ!?ご、ごごごごご、御免なさいなのです!?」 「すまない、お嬢さんたち。少々、緊急事態だね」 あぅあぅ、と半泣きの…赤いはんてんを着た、少女と どこか気障ったらしい仕草をする…赤いマントの、若い男 ……「赤」? 「っ!」 咄嗟に、俺は警戒態勢をとった ……赤 見付かった死体は、血塗れだった そう、背中が、真っ赤に染まって …まるで、赤い「マント」か「はんてん」か、「ちゃんちゃんこ」でも着たような… 「あぅぅ!?そ、そんなに怒ってるですか!?」 あぅあぅ はんてんを着た少女が、赤いマントの後ろに隠れた 見ると、男と女も立ち上がり、警戒態勢をとっていた …女の方は、「花子さん」と言う言葉に「同類?」と言っていた それじゃあ、彼女も「花子さん」なのだろうか? できれば、味方であればありがたいとは思うのだが… 「全く、今夜は騒がしいわね」 「赤いの二人とは…どっちかが犯人か、もしくは、両方犯人?」 …よし、多分、味方だろ 味方じゃなかったら、その時は全力で逃げるまでだ 「あぅぅ!?あ、赤マント、私たち、誤解されてるのです!?」 「ふむ、どうやらそうらしいな」 誤解? 何を言っているのだろうか とにかく、警戒は解かず… (……ん?) おや? 花子さんが、さっきから、赤いはんてんをきた少女を、じっと見つめている? まさか、そっちが犯人…… 「みー?はんてんちゃん?」 「…!!あぅぅ、花子さん!誤解を解いてくださいなのですーー!!」 ……… は??? 「花子さん、知り合いか?」 「うん!はんてんちゃんは友達なの!」 にぱ~っ、と笑う花子さん ここぞとばかりに、はんてんを着た少女が続けてくる 「そうなのです!私たちは悪い事をしない平穏に生きたい都市伝説なのです!」 「まぁ、今のように、うっかりと他の都市伝説に襲われたりはしているがね」 ふっ、と無駄にかっこつけて言って来る赤いマントの男 とりあえず、そのマントを翻す動作は、余計だ 「悪い事はしない、ねぇ……本当?」 っひゅ!と 手に、何時の間にか白い鞭のようなものを持っている「花子さん」と思わしき女 いや、鞭ってか…トイレットペーパー? いや、鞭なんだろう 鞭にしか見えないし 「あぅあぅあぅ!?い、いつぞやのSMプレイなお二人さんなのです!? し、信じて欲しいのですよ!!」 「うむ、我々はうっかりと他の都市伝説から逃走中なのだよ。決して、怪しい者ではない」 いや、二人の組み合わせ的に相当怪しい… …いや、こっちも人のこと言えないか 花子さんは、あの「赤いはんてん」と推理できる少女よりも年下な外見だし 俺は……「こんな物」を持ってるし 正直、こっちも充分不審人物か ……ん? 待て? 赤マントと推理できる男の言葉が、一つ、引っかかった 「…逃走中?」 花子さんと思われる女と一緒に居た男も、それに気付いたのだろう、首をかしげた そうだ 都市伝説と思わしきこいつらが、逃走中? …こいつらは 「何」から逃げているんだ? 「うむ、それは…」 赤マントが口を開こうとした、その時 ざわりっ、と 背筋を走りぬけた、悪寒 生暖かく、血生臭い風が…ふわりっ、と 俺達を、包み込んだ そして…不気味な声が、響き渡る 「……赤いちゃんちゃんこはいらんかぇ~?」 「………っ!!」 …「赤いちゃんちゃんこ」!! トイレに多数存在する都市伝説 そんな都市伝説も、大きく二つのタイプに分けることが可能だ、と俺は考えている 一つは、花子さんたちのように、呼びかけによって出現するタイプ もう一つが…このように、突然、問い掛けてくるタイプ この手の奴には、答えるべきではない もし、答えたら……っ!! 「赤いちゃんちゃんこは、いらんかぇ?」 「………っ!!」 背後から 耳元から聞こえてきた、不気味な声 俺は、とっさに持っていた「それ」を抜いて、振り向きざまに切りかかる …しかし 「きひひひひひひひひひっ!!」 不気味に笑い、そいつは俺の攻撃をあっさりと避けた ふわり、トイレの天井スレスレの所に浮かび上がる そこにいたのは、赤いちゃんちゃんこを身に纏った、皺だらけの小柄な老婆 その両手の爪が、まるで鋭い刃のように伸びている…! 「あぅ!?も、もう追いつかれちゃったのです!?」 あぅあぅ、赤いはんてんが赤マントのマントの裾をぎゅーっと握り緊めている …こいつら、赤いちゃんちゃんこから逃げていたのか!? 「ちょっと、何なのよあいつ!?」 「あぅあぅ、赤いちゃんちゃんこなのです。問いかけに対して「欲しい」と答えたらざっくり切られるですよ!」 「きひひひ…その通り!」 無気味に笑う赤いちゃんちゃんこ ぎらり…その両手の爪が、トイレの窓から入ってくる月光に照らされ、不気味に光る 「まぁ……アタシは答えてもらえなくても、血塗れにしてやるけどねぇっ!!!」 爪を光らせ、踊りかかってくる赤いちゃんちゃんこ ぎゅん!と腕が伸び、この場における二人の人間 …すなわち、俺と、もう一人の「花子さん」との契約者と思わしき男に襲い掛かる!! 「っと!?」 ぎん!と 俺は持っていた「それ」で、爪を防いだ っひゅん!! 風を切る音がして…赤いちゃんちゃんこのもう一本の腕が、切り落とされる 「私の下僕に、汚い手で触れないでくれる?こいつに痛い目を見せてもいいのは私だけなのよ?」 なんと言う発言 だが、今は突っ込む余裕はない! 「花子さん」 「うん!」 ごぽぽぽ! 花子さんがトイレから水を出現させ、赤いちゃんちゃんこに向かって打ち出す! これで撃ち落してやる! ……しかし 「きひひひひぃ!甘いよぉ!!」 ぼごぉっ!! 切り落とされたはずの赤いちゃんちゃんこの片腕が、一瞬で再生した ざんっ!と、花子さんが打ち出した水を、真っ二つに切り伏せる! 「な…!?」 何だ、あの馬鹿みたいな再生力!? 赤いちゃんちゃんこって、あんなに強いもんか!? 「あぅぅ!あの赤いちゃんちゃんこは、誰かと契約しているのですよ!」 「ふむ、そのせいで能力がパワーアップしている、なんとも厄介」 …な!? 契約者付き!? その言葉に、俺は若干の衝撃を受ける 今まで、俺と花子さんが一緒に戦ってきた都市伝説は、基本的にフリーの都市伝説だった ……そう 「誰とも契約していない」都市伝説たちだったのだ 俺は、都市伝説と言うものは、人間と契約すれば悪事を働かないものだと思っていた その都市伝説の契約者が、そんな事はさせないと…そう、思っていたから だから、こそ 誰かと契約していると言う赤いちゃんちゃんこが、人間を襲っている、と言う事実に、俺は驚いた 「…何を、驚いた顔をしてるの?都市伝説と契約する人間が、全員善人だなんて思ってた訳じゃないでしょうね?」 っひゅん!と鞭を唸らせつつ、俺と同年代くらいの外見をした「花子さん」が言ってくる …別に、善人、とは思ってはいない 善人の基準なんて、曖昧な物だから だが…契約者が、赤いちゃんちゃんこの凶行を止めていない、と思うと どこか、悲しいものがある 「…契約者がいようがどうだろうが、やる事は今までと一緒だ。だな、花子さん?」 「うん、そーだよ!」 にぱ、と笑ってくる花子さん そうだ、いつも通りやればいい この赤いちゃんちゃんこを、倒すのだ …ただ、それだけだ 「ふむ、だが、そうはいかんかもしれんぞ、青少年」 そんな、俺のささやかな希望を打ち砕くように 赤マントが、言って来る 「あの赤いちゃんちゃんこが、契約によって得た力は強い再生能力だ 先ほど君たちが見た通り、体の一部を失っても高速で再生する」 「あぅあぅ、だから、私たちは逃げていたのです。攻撃してもすぐに復活されるのです!」 「…それって、ほぼ無敵って事か!?」 なんて厄介な!? なら、花子さんの能力でトイレに流して… …いや、同じトイレ系都市伝説 もしかしたら、流しても復活してくるかもしれない 「契約によって…って事は、契約を解除させれば、あそこまでの再生力はないのか?」 もう一人の「花子さん」の契約者が、そう呟く …そうか 契約によって力を得たのなら、契約を解除させればいいのか! 「そこまでわかってるなら、どうして契約者を探さないのよ!」 「きっひひひひ、アタシが追いかけ続けているから、そんな暇は無いのさぁ!!」 ぎらんっ! 再び襲い掛かる、赤いちゃんちゃんこの爪 それを、水と白い鞭が叩き落す 剥がれる爪、しかし、それもすぐに再生する 「まったくもって、その通り。困ったものなのだよ」 「あぅあぅ…でも、そろそろ反撃したいのです!手伝ってほしいのですよ!」 赤いちゃんちゃんこの攻撃をひらり、交わしながら赤マントと赤いはんてんが言ってきた 赤いはんてんが、き!と赤いちゃんちゃんこを睨みつける 「ドスをもったお兄さんと、ピアスをつけたお兄さんは、赤マントと一緒に赤いちゃんちゃんこの契約者を探して欲しいのです! 花子さんたちは、私と一緒に赤いちゃんちゃんこと戦ってほしいのですよ!」 む…! 初対面の相手だが、花子さんの知り合い、と言うのなら、信じるしかあるまい 俺は、花子さんと向かい合い、頷きあった ……が あちらさんは… 「私は「花子さん」じゃないわよ。「花子様」よ!!」 高らかと、そう宣言する「花子さん」……いや、花子様 いや、その 今は、んな事にこだわっている場合じゃあ!? 「あぅあぅ!?わ、わかりましたです!花子様!!手伝ってほしいのですよ!!」 「ついでに聞いておくが、お嬢さんたちは、契約者と離れても問題なく戦えるかね!?」 こくりっ 今度は、花子さんも、花子様も頷いた …作戦は決まった 「ならば…行くとするか」 ばさりっ 赤マントがマントを翻し… 俺の視界は、赤一色で染め上げられた くるりっ 赤マントがマントを翻し、自分の契約者と、花子様の契約者を包み込み…そのまま消えてしまったことに、花子さんはびっくりした しかし、契約者なら大丈夫、とそう判断する 花子さんは、契約者を信じている 契約者は、簡単には誰かに負けたりしないと、そう純粋に信じている だからこそ、こう言う時でも、慌てたりしない そう、契約者ならば、大丈夫なのだ 「っちぃ!逃がさないよ!」 「…それは、こっちのセリフよっ!」 ひゅん!と花子様のトイレットペーパーの鞭が唸る ぼとりっ!その鞭が、あっけなく赤いちゃんちゃんこの腕を切り落とした 「えいっ!」 花子さんも、意識を集中させ、花子様が支配していないトイレットペーパーに意識を集中させた くるん、勝手に動き出したトイレットペーパーが、赤いちゃんちゃんこを束縛する その様子を見ていた赤いはんてんが、自らが纏うはんてんを、裏返す 赤いはんてんから、青いはんてんへと姿を変え…赤いちゃんちゃんこに、強烈なパンチを食らわせる!! 「きひひぃっ!無駄無駄ぁ!!!」 ぼごごっ! 傷を瞬時に再生させていく赤いちゃんちゃんこ だが、傷を再生させている間は、動きが鈍っている 「攻撃し続けて!その間は、赤いちゃんちゃんこは彼らを追えないから!」 「み、わかったの!」 「…ふん、駄犬を使い物にならなくされたら、困るものね」 女子トイレに集まった、トイレの都市伝説四人 三人の都市伝説が、赤いちゃんちゃんこを睨みつけ …本格的な戦いの幕が上がる!! 前ページ次ページ連載 - 花子さんと契約した男の話