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何も知らない男のポケモンUSUMレート対戦実況 タグ一覧 シリーズ ポケモン ポケモンウルトラサンウルトラムーン ポケモンサンムーン 企画 完結 鈴木けんぞう 目次 概要 概要 生放送配信日 動画公開日 作品数 コメント すべてのコメントを見る
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自分を猫だと信じ込んだ虎の子がいた にゃーにゃー鳴いて、猫に混ざりたがる 一匹の猫が、その虎の子と友達になってくれた 友達になった猫が襲われた 虎の子は、猫を護ろうと戦った 戦う虎の子の姿に、猫は怯えて逃げ去った 残された虎の子は まだ、自分が虎の子であるとは気付かずに にゃーにゃー鳴いて、友達が戻ってくるのを待ち続けている きっと、友達はもう戻っては来ないだろうと 心のどこかで、気付きながら Red Cape …もう、夜も遅い 家の連中は、皆とっくに眠っている 花子さんは、普段住処にしている小学校に帰っていったし、家に泊まっていっている海造だって、もう寝ている 誰も起きていないであろう、その時間帯に 俺は、それに向かい合っていた 刀、だ 鞘に収められた状態で鎮座しているそれは、この家に代々伝わっている物だ 俺はどう言う訳か、餓鬼の頃から、この刀の前にいるのが好きだった 飽きる事なく刀を見つめ続けていた俺を見て、親父が剣道を習わせてくれたのだった …今は、もう、やめてしまったけれど それでも、刀の前にいると落ち着くのは、昔と変わらない 今でも、こうやって刀の世話になることはよくある 部屋の明かりはつけていない だから、光源は外から入り込んでくる月明かりだけだ この薄暗い状態が、逆に落ち着く 「………」 …ぎし、と 足音が、小さく響く それは、ゆっくりと俺に近づいてきて 「……眠れないのか、雨村」 「気付かれましたか」 気付くに決まっている 足音が聞こえたのだから 「よく、私だとわかりましたね?」 「…歩き方で、お前だと判断した」 気配を殺そうとして、気配を殺しきれて居ない足の運び 完全に気配を殺しきれてはいないが、通常ならば、気付かないだろうレベルの気配の殺し方 …俺が気付いたのは、気配を殺してそばにいたり近づいてくる相手に慣れているせいなんだろう 「…隣、いいですか?」 「………好きにしろ」 好きにします、と隣に座ってきた雨村 …お袋が貸した寝巻き姿だ そう言えば、泊まりに来たと言いながら、着替えの類を一切持ってきていなかったな、こいつ… 「…先輩、この刀、何ですか?」 「……家で、八代目様の代から伝えられてきた物だ」 「………八代目、様?」 「明治初期に、この家の当主だった方だ」 この獄門寺家が、学校街の五大旧家に数えられるになるようになった、それは、八代目様が日景家との縁を作ったから …正確に言えば、八代目様が、当時の日景家の当主に、救われ、温情をかけられたから この刀も、そこから始まった縁でとある方から与えられたものらしい 「………」 「…どうした、雨村」 「…先輩、この、刀……何だか、威圧感を感じます」 ぽつり、呟く雨村 …刀を見慣れていない人間は、本物を前にすると威圧感を感じる事があるらしいが 雨村もそうなのだろうか? 「俺は、逆に落ち着くが」 「……先輩は、時々、感性が変わってると思います」 「…………お前にだけは、言われたくない……まぁ、威圧感は感じるかもしれないな……これは、鬼を斬った刀だから」 「…鬼、ですか?」 鬼を斬ったと伝えられる刀 本来ならば、国宝として、あるべき場所に収められているはずのもの ……それが、ここに、あるのだ 「都市伝説…何ですか?」 「…さぁな。本来あるべき場所にある物が本物なのか、こっちが本物なのか……それとも、本物の逸話から生まれた存在なのか。俺にはわからないからな」 「………何て言う刀なんです?これは」 雨村の、その問いかけに 俺は、静かに目を閉じた 刃長二尺六寸五分、反りはばき元にて約一寸、横手にて約六分半、重ねニ分。 造り込みは鎬造、庵棟。腰反り高く小切先。地鉄は小板目が肌立ちごころとなり、地沸が厚くつき、地斑まじり、地景しきりに入る 刃文は小乱れで、足よく入り、砂流し、金筋入り、匂口深く小沸つく 茎は生ぶ。先は栗尻。鑢目は切。目釘孔1つ。佩表に「安綱」二字銘を切る …かつて聞かされたこの刀の情報を反芻する 鬼を斬ったと言う逸話以外にも、江戸時代に試し切りをしたところ、積み重ねられた6人の罪人の死体を切断し、土台まで刃が達したという話も残されている 「………安綱」 そう この刀の、名前は 「「童子切安綱」」 俺の、声に もう一人の男の声が、重なった 俺と雨村しかいなかったはずの、部屋の中に 何時の間にか…もう一人、人影が入り込んでいた 雨村が、警戒したように、人影に視線を向ける 俺は慣れているから、ゆっくりとそっちを見やった 長い髪をした、和装の男が、酒と盃を持って、座り込んでいる 俺と雨村を見て、小さく笑っていた 「清和源氏の嫡流・源頼光が、丹波国大江山に住み着いた鬼、酒呑童子の首をこの刀で切り落とした。故に、「童子切」。鬼を斬った刀、さ」 雨村が警戒している様子などおかまいなしに、笑う男 …まったく、相変わらずだ 俺は小さくため息をついて、雨村に告げる 「……警戒する必要はない」 「でも、先輩…明らかに、都市伝説の気配がします」 「あぁ、今は都市伝説、って呼び名だったか?まったく、神だの妖怪だの。ころころと呼び名を変えないで欲しいもんだな」 楽しげに笑う男 盃に酒を注ぎ、煽る 「……また、勝手に持ち出して」 「なぁに、気にするな。昔からのことだろ?龍」 まぁ、確かにそうなんだが ……何時の間にか酒がなくなっていて気付かない、親父も親父、か 「…久しぶりだな、ぬら。学校街に帰ってきたのか?」 「あぁ。またしばらく、学校街にいさせてもらうさ。ここにもちょくちょく、来させてもらうぜ?」 「……今度は、花子さんがいる時にでも、顔を見せてくれ。会いたがっていたから」 「そうかい?……俺があの嬢ちゃんと顔合わせちゃ、悪いような気もするんだがな」 …そんな事はないと思うのだが 妙な事を気にする奴だ 「…先輩の、お知り合いなんですか?」 「…………旧い友人だ」 そう 俺にとって、花子さんよりも付き合いが長い相手だ まぁ、ああちこちぶらぶらと、自由気ままにぬらりくらりと流れるように生活している奴だから、花子さんのように、常に一緒に居た訳ではないが…それでも、俺にとって、気を許せる友人だ 「はじめましてだ、嬢ちゃん。俺ぁ、ぬらりひょん……まぁ、好きに呼んでくれや。龍とは、こいつが赤ん坊ん頃からの付き合いだよ」 「…そこまで、長かったのか?」 「あぁ。お前が覚えてるのは、もうちょっと大きくなってからだろうがな」 ………さすがに、そこまでは知らなかった せいぜい、覚えているのは、幼稚園の頃からだから まぁ、昔からこの家に出入りしてたらしいから、その可能性もあったか 「で、龍よ。その嬢ちゃんは、お前のコレか?」 「断じて違う」 「え?即答??」 ぬらのふざけた質問に対する俺の即答に、なぜか、ややショックを受けたような声を出す雨村 何故そんな声を出してきたのか、まったく理解できない 「相変わらずだな、龍は…本当、あいつにそっくりだ」 楽しげに笑ってくるぬら 何が楽しいのか、よくわからない 「に、しても、龍よ。お前が、安綱の事を誰かに話すなんて、珍しいな?」 「………雨村は、無闇に言いふらすような性格でもない」 問われたから答えた それだけだ それ以上の意味など、存在しない 「そうかい………まぁ、いいんだけどな」 「……?」 …ぬらが、目を伏せた様子に 雨村が、小さく首をかしげたように見えた ……俺は未だに、ぬらに気を使わせてしまっているのか 「…先輩?」 「……俺は、部屋に戻って寝る……雨村も、さっさと寝ておけ。宿題、明日にはもっと進めて置きたいだろう?」 「はい。ぶっちゃけ、全部終わるまで帰る気はありません」 「…終わらなくとも、とっとと帰れ」 どれだけ、俺に頼る気だ ため息をつき、ぬらの横を進み……立ち止まる 「…………ぬら」 「うん?」 「……話があって、来たんじゃないのか?」 「………まぁ、な………だが、急ぐって話でもねぇ………………近いうちに、改めて話す」 「……………わかった」 近いうちにまた、とそう告げて 俺は暗い廊下を進んで、部屋へと戻っていくのだった 「…もしかして、私。お邪魔でしたか?」 「うん?…いや、そう言う訳でもねぇさ。むしろ、助かった」 在処の問いかけに、ぬらりひょんは苦笑した 盃の中の酒を一気に煽り、答える 「…むしろ………どう、切り出したらいいもんか、悩んでたとこでな………考える時間をもらえたよ」 「なら、いいんですけど…」 本当に、良かったのだろうか? 在処の中に、疑問が生まれる しかし、その疑問をさえぎるように、ぬらりひょんが在処に声をかける 「…嬢ちゃん。俺の事は、龍の周りの連中にゃあ、秘密にしておいてくれるか?」 「………先輩の周囲の人に、ですか?」 「あぁ、俺は、龍の「秘密の友達」なもんでね……………特に、「ハナちゃん」にだけは、絶対に、話さないでくれ。彼女、今、あいつに近い位置にいるんだろ?」 …「ハナちゃん」? 在処は、首をかしげる 「…花子さんの、事ですか?」 「…あー…いや、その嬢ちゃんじゃあねぇ。とりあえず、龍の周囲の奴らに、俺の事を秘密してくれていればいい」 「………どのような事情かはわかりませんが、先輩に迷惑はかけたくありませんから、話しませんけど」 押しかけお泊りとか塀を乗り越えて敷地内侵入とか爆破とか 既に、今日一日だけでも結構な迷惑をかけているのだが、それはさておき ………本格的に…龍一にとって、何らかの迷惑がかかりそうな、事情 さすがの彼女も、空気を読む 「…ありがとうな」 在処の答えに、ほっとしたように笑うぬらりひょん 酒瓶と盃を持ったまま、立ち上がる 「……んじゃあ。今日のところは、お暇するわ。嬢ちゃんも、早く寝ときな」 「まぁ、先輩も部屋に戻っちゃいましたし。ドキドキチャンスがすでに今日はなさそうなので、寝ますけど」 「そうかい……あぁ、それと。もし、嬢ちゃんが龍の事が好きなんだったら……もうちょっと、待ってくれるか?」 …そう 口にした、ぬらりひょんの表情は どこか、物悲しそうで 「……あいつの中の未練が終わるまで、待ってやってくれよ。あいつは諦めちまったようで、その癖して、今でも完全には、諦め切れていないようだからな」 「………未練……ですか?」 「そうさ……俺が間に合わなかったせいで、あいつは諦めざるを得なくなって。だが、完全には諦めきれずに未練になっている…………その未練が、完全に終わるまで。あいつは誰かを好きになる事はないだろうからな」 ちらりと ぬらりひょんが、刀を…童子切安綱を、見やった どこか、懐かしげに続ける 「あいつは。あんなところまで………龍(たつ)にそっくりだからな。同時に二人の女性を愛するなんざ、できる訳もねぇんだよ」 そう、告げて ぬらりひょんは、夜の闇に溶け込むように、姿を消した まるで、初めからここにいなかったかのように 後には、在処と、童子切安綱だけが、部屋に残されて 「………」 童子切安綱から感じ取れる、得体の知れない威圧感、圧迫感に 在処は小さく身震いして、部屋から出たのだった この日の、この出来事が 後々、彼らの運命に影響を及ぼすか、否か それは、神のみぞ知る……… to be … ? 前ページ次ページ連載 - 花子さんと契約した男の話
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19??年 冬 ????- 森の中を一台の車が走っていた 子供「ねぇ~、まだ付かないの~?」 運転手「ははは、もう外は飽きちゃったのかい?」 無理も無い、かれこれ2時間は車に揺られているのだ、疲れもするし、いい加減飽きるだろう。 飽きるな、というほうが無理がある。 子供「だって、ずーっと森の中を走ってるだけだよ?」 運転手「仕方ないなぁ、なら少し、お話でもしてあげようか?」 子供「え!いいの!?聞かせて聞かせて!?」 子供の顔がパッと明るくなった、退屈で仕方なかったのだろう。 運転手「なら…『ブレイブウィッチーズ』については知ってるかな?」 子供「ううん、知らない…でも、格好よさそう!」 運転手「じゃあ、『ブレイブウィッチーズ』の話をしてあげようか、世にも珍しい、男のウィッチの話を、ね」 子供「男のウィッチ?どんな話!どんな人!?」 少し振り返れば、もう待ちきれないのか身を乗り出して聞きにきていた。 運転手もまんざらではないのか、笑顔を浮かべる。 運転手「慌てない慌てない、あれはまだ、世界中にネウロイがいて、ウィッチたちが最前線で戦っていた頃のお話でね…」 TOP
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都市伝説 日々、新しい伝説が生まれてくるもの 同じような話でも、それは何時の間にか変化していることもあり …そして、都市伝説は新たな力を手に入れる 「わかってたんだよ。それは、わかってるつもりなんだよ。こんな事に首つっこむハメになったせいで」 っひゅん!! 飛んできたそれを、ギリギリの所で交わす 元々、運動神経がいい方ではない 花子さんと契約して事件に巻き込まれるようになってから、辛うじて自身の身の安全を護れる程度の運動神経が、ようやくついた程度 …だと、言うのに!? ひゅんっ、ひゅんっ、と 相手の攻撃は、容赦なく俺を襲ってきやがる 「だ、だいじょーぶ!?けーやくしゃ!」 「ギリギリ大丈夫だが……これは反則だろ、ど畜生っ!」 目の前で、ひゅんひゅん、と縄跳びを振り回している、妹の姿に 俺はただ、絶叫するしかなかったのだった 虚ろな眼差しの妹 ひゅんひゅん、縄跳びを振り回し… …っひゅん!と 片側を、俺向けて飛ばしてくる! 「うおっと!?」 すんでのところで、俺はそれを交わした っが!! 縄跳びの持ち手が、トイレの壁を貫通する おかしいだろ この威力はおかしいだろ!? 俺より2歳下の妹の力で振り回した縄跳び その持ち手が扉を貫通するとか、どう言う威力だど畜生めっ! 「こんの、糞餓鬼っ!俺の妹からさっさと離れろ!!」 『…くすくすくす。い~や』 ぼんやりと 妹の背後に、影が見える くすくす、くすくす 邪悪に笑うその姿は…俺の傍らにいる花子さんと、瓜二つ 「トイレの花子さん」 学校の七不思議でもよく語られる、ポピュラーな都市伝説 故に、「トイレの花子さん」は複数存在する 俺が契約している花子さんは、無数に存在する花子さんの中の一人に過ぎない …そして 今、俺の妹にとり憑きやがった都市伝説もまた、花子さんの一人だった それも、タチが悪いタイプの花子さんだ 子供を襲い、殺すタイプ 凶器は縄跳び どうやら、縄跳びで首を締められて殺された女の子…と言うパターンのようだ だから、縄跳びを武器にしてくるだろうと言う予測は出来た しかし 「縄跳びをヌンチャクみたいにしてくるなんて聞いてねぇぞ!?んな話、ネットですら見た事ないわっ!?都市伝説で語られてすらいねぇ進化の仕方してんじゃねぇっ!?」 「都市伝説、特に、私たち花子さんはせーぞんきょーそーが激しいの。だから、頑張らないと駄目なの」 ひゅんひゅんひゅん!! 連続攻撃を、俺は全てギリギリのところで交わす 余裕を持って…じゃなくて、ギリギリじゃないとよけられないんだよ、畜生 どうしろというんだ! 『くすくすくす…!私は花子さん。あなたが契約した相手も花子さん。テリトリーは一緒。力は互角よ…!』 「む…!」 その通りだ ここは女子トイレ 花子さんの力が存分に発揮される場所 互いの力は互角なのだ …ならば 契約した人間である、自分が何とかしなければ 「…っ花子さん!」 「……!うん!」 契約している者同士、思考が通じ合う こちらが思いついた作戦を、花子さんは即座に読み取ってくれた からからからからからからから トイレットペーパーが、ひとりでに動き出す 「え~っい!」 しゅるん! トイレットペーパーが、妹の体に巻きついていく 破れやすいはずのトイレットペーパー しかし、それは強力な束縛力を持って、妹の動きを封じた いつもなら、そのまま絞め殺す事もできるのだが… 「手加減してくれよ!」 「うん!けーやくしゃのヤンデレ妹さんを殺す訳にはいかないの!」 ヤンデレなんて言葉をどこを覚えた花子さん 後で、その出所に付いては、じっくり尋ねる事にしよう 無邪気なちみっこである花子さんに、変な事を教えるのはどこの馬鹿だ ぎり、ぎり トイレットペーパーに巻きつかれ、ミイラのようになった妹が、その束縛から逃れようとしている 『くすくすくすくす…いいのかしら?この子の動きを封じていたら、私を攻撃できないじゃない?』 「…あぁ、そうだな」 確かに この状態では、花子さんは、妹にとり憑いている花子を攻撃はできない トイレットペーパーを操る事に集中しているのだ そちらに意識をさく暇は無いだろう かつん 俺は一歩、そいつに近づく 『…あらあらぁ?人間なんかに何ができるのかしら?幽霊の私を攻撃なんてできるのかしらぁ?』 人間にとり憑く、などという姑息な手段を使うだけあって、この花子は霊体だ 人間で、しかも、霊力と呼ばれるものとはてんで縁のない俺じゃあ、普通は触れる事も出来ないだろう …だが 舐めるな 俺は、「トイレの花子さん」と契約しているのだ 妹に巻きついていたトイレットペーパーを数枚、引っ張って拳に巻きつける …敵対していた花子から、余裕が消えた 花子さんの力が備わっているトイレットペーパー これを、巻きつけた状態ならば… 『っや、やめ…っ!お、女の子を殴るの!?』 「悪いが、俺はそんなに紳士じゃねぇ…それに」 トイレットペーパーを巻きつけた拳を、強く、強く握り締め 俺は、拳を振りかぶった 「…人の妹に、手ぇ出す糞餓鬼にゃあ、容赦してやらねぇよ!!」 『っひ……!?』 悲鳴は、途中で途切れた 俺の渾身の一撃は、無防備な状態だった花子の顔面にクリーンヒットし 花子さんの力がトイレットペーパーから伝わったのだろう 花子の体は、まるで初めから存在していなかったかのように、あっけなく、消えた 「…ん~…?」 「お、起きたか?」 「…あれ~?兄貴~?」 まったく、相変わらず可愛くない呼び方をしてくる妹だ 「お兄ちゃんv」とか「お兄ちゃま」とかそんな呼び方はできないものか 「…あれ?私…何してたんだっけ?」 「あ~、気にすんな。いいから寝てろ」 妹をおぶり、俺は家路につく …妹にとり憑いていた花子が消えた瞬間、妹は気を失った トイレがあちこち壊れてしまったが、それはもう仕方あるまい ひとまず…こいつが無事で、良かった 「良かったね、けーやくしゃ。妹さん、全然覚えてないみたいで」 てちてち、横をついてきていた花子さんに、俺は妹にばれないよう、小さく頷いた …花子さんは、学校から離れることもできる 女子トイレ全てがテリトリーの彼女 女子トイレ以外では著しく力が弱り、俺以外には視認できない状態にはなってしまうが 「けーやくしゃはお兄ちゃんだもんね、妹さんを護って上げれて、良かったね」 あぁ、ともう一度頷く 可愛らしくない妹だが、大切な家族である 花子さんと契約していて、良かった そうじゃなければ、妹を助けられなかっただろうから 「……ありがとうな、花子さん」 「兄貴?今、何か言った?」 「いいや」 小声で、花子さんにお礼を言う どういたしまして、と花子さんは、少し誇らしげに笑ってきて …都市伝説と契約した者は、都市伝説と戦い続けなければならない 一度は呪った己のその境遇に しかし、今日は感謝したのだった 「…ところで、兄貴」 「何だよ?」 背中から、妹が話し掛けてくる 何だよ、うるさい お前は、体を無茶な使われ方をしたのだから、大人しく寝ていろ 「さっきから、横からついてきてるお子様誰?兄貴の知り合い?」 ……… おやぁ? 「…花子さんや。学校を出たら、俺以外には視認できないんじゃなかったか?」 「……あれ?」 あれれ?と首をかしげる花子さん …あれ? 「あ、やっぱ兄貴の知り合い?花子さんって言うの?」 …え~と 「…一回、都市伝説にとり憑かれたから…都市伝説を認識しやすくなってる、のかも?」 おい 待て待て待て待て そんな事がありうるのか 聞いてないぞそんの!? 「都市伝説~?兄貴たち、何言ってんの?」 あぁ、畜生、ちょっと黙ってろ妹 まさか まさかだが、このパターンは!? 「けーやくしゃの妹さん、多分これから、色んな都市伝説に巻き込まれるかもなの」 「うぉおおおい!!??」 あぁあっ!? どうして嫌な予感に限って当たりやがるか!? 畜生、俺が何をした!? 「けーやくしゃ?都市伝説??」 「あぁ、もう、お前は寝てろ。マジ寝てろ。全て忘れろ畜生め」 まさか、これからは妹を都市伝説から護り続けなければならないのか? 最悪、妹も何か都市伝説と契約するハメになるのではないか そんな予感がして、俺は頭を抱えるしかないのだった fin 前ページ次ページ連載 - 花子さんと契約した男の話
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元スレURL 歩夢「侑ちゃん、また男の人連れ込んでたの…?」 概要 ビッチ侑を本気で心配する隣の幼なじみは… タグ ^高咲侑 ^上原歩夢 ^短編 ^ゆうぽむ 名前 コメント
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誰か教えてください 何故、こうなってしまったのか 誰か教えてください 何故、こんな事が起きてしまったのか 誰か、教えてください どうすれば、この悲劇を止められますか? Red Cape 泣き声が聞こえたような気がした わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん、と、それは蟲の羽音にかき消されているような しかし、どこか、聞こえてくるような… 「…っ花子さん!」 「う、うん!」 ごぽ、と トイレから引っ張り出した水で、花子さんはそれを攻撃した 迫ってくる、黒い虫の塊 ……蝿だ やかましく音をたて、それはこちらを食らい尽くそうとしてくる 「…くそっ…」 あぁ、くそったれが 戦いにくい相手だ、と思う 少なくとも俺にとって、この手の都市伝説相手は苦手である 悲劇から生まれた都市伝説 ありそうで、しかし、実際にはなかった事件 しかし、ありそうだ、と思わせる悲劇 どこにも救いがない、どこまで悲しさしかない、嫌悪感すら感じさせる都市伝説 乳飲み子を抱えた女がアパートに入居してきた 訳ありそうなその女、心配した管理人が色々と声をかけたが、ほとんど返事を返さない 会話を、避けているかのように 家賃の支払い時期になって 女は姿を現さない 数週間前から、姿すら現さなくなっていた 管理人はベルを鳴らす 何度も 何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も 何度慣らしても応答はない 嫌な予感がした管理人 合鍵で中に入った 家財のほとんどないその部屋 しぃんと静まり返って誰も居ない 随分前から、誰も住んでいなかったかのように 部屋の片隅見て、管理人は気付く そこには人形が一つ、ぽつんと取り残されていて …でも その人形は、真っ黒だった 真っ黒なお人形 どうしてこんなに、真っ黒なのか? 管理人は気付いてしまった それは、人形ではない それは、あの時の乳飲み子 女が抱いていた赤ん坊 それに…蝿が、たかっていた 赤ん坊が見えなくなるくらい、びっしりと それが、真っ黒な人形に見えたのだ 捨てられた赤ん坊 見捨てられた赤ん坊 部屋の中でひっそり死んで 蝿にたかられ、食い荒らされる わぁぁぁん、わぁぁぁん 蝿の羽音に混じって 赤ん坊の泣き声が聞こえたのは、気のせいか? …以上が、「黒い人形」の都市伝説である 「黒いキューピーさん」と語られる事もあるが…この都市伝説は、真っ黒な人形、と言う点が重要なのであって、キューピー人形である必要性はない そう、真っ黒な、人形 今、自分たちが対峙している、人形のような 語られた為に生まれた都市伝説 母親に捨てられた赤子の都市伝説 わぁぁん、わぁぁん 蝿たちがやかましく羽音を立て続ける その生まれからだろうか? この都市伝説は、女を憎む それも、子供を捨てた女を 子供を産む事を拒絶した女を そうして、この憐れな都市伝説は女たちを殺してしまった 何人も、何人も この、古ぼけた、壊れたアパートに住み着いて 何度も何度も、殺し続けた 水が、こちらに向かってくる蝿たちを防いでいる 花子さんが防ぎ続けるのにも、時間の限界があるだろう …けれど 俺は、決定的な攻撃の指示を、出せない …同情しているのだろうか あの、都市伝説相手に 悲惨な都市伝説から生まれてしまった相手に、同情しているのか 「…っけーやくしゃ!」 「………あぁ」 あぁ、わかっているのだ 黒い人形は、もう何人も殺してしまっている 狂ってしまったのか それとも、生まれた時、既に狂っていたのか 罪悪感など、カケラも持たず そもそも、感情らしい感情もあるのかわからぬ相手 敵対してきた俺達のことも殺そうとしている …こちらとて、殺されるつもりはなく だからといって、この黒い人形を、放置する訳にも行かず 「…花子さん、あいつを、楽にしてやってくれ」 「……うん!」 こっくりと、花子さんは頷いた 開けっ放しのトイレのドア 水道が流れぬはずのそこから、無限に湧き出続けている、水が…花子さんの意思に従い、動く 狭いアパート トイレしかなく、女子トイレと言うテリトリーは存在しないが …だが すぐ傍にトイレがある それだけで、充分だ まるで海蛇のように動く水が、黒い人形を捕らえる わぁぁ、ぁんっ 蝿ごと飲み込まれ、黒い人形は動きを止めた 黒い人形を動かしているのは、人形が操る蝿だ …水に飲まれては、蝿はまともに動くこともできまい 黒い人形は水の中で、物のように流されていく 一瞬、それが俺の横を通り過ぎていって 「………っ」 …目が 一瞬、それと、目があったような気がした びっしりと、蝿に覆われた黒い人形 けれど、その隙間から、一瞬だけ…目が、見えた 死んだ赤子の目 それが、ぐさり、こちらの心を抉るかのように、俺を見つめてきていた 「……御免な」 小さく、呟く 黒い人形には届かないだろう、声で …一瞬 黒い人形が、笑ったように見えたのは 俺の心が見せた、幻でしかないだろう 水に包まれたまま、蝿を操り人を襲う以外、特別な能力がなかった黒い人形は…そのまま、トイレに飲み込まれていった ごぽごぽごぽ、と音をたて ……この世から、消滅した 「終わったよ、けーやくしゃ!」 にぱ、と花子さんがこちらを見上げてきた 無邪気な笑顔 そんな花子さんの頭を、俺はもふもふと撫でてやる 「あぁ、お疲れ様」 「…けーやくしゃ?悲しいの?」 かっくん、と首を傾げてきた花子さん そうかもな、と俺は苦笑した …この手の都市伝説は多いのだ 一々同情していては、キリがないだろう それは、わかっている わかっている、けれど …しかし、同情せずにはいられない この手の話を聞いて、「あ、そう。それで?」と言うような冷血漢には、なりたくなかった 悲しいと思う そんな事が、実際に起きないでほしいと思う …だが、現実に、似たような事件が起きてしまうことがあるからこそ この手の都市伝説は生まれてしまう その事実が、ひたすら悲しくて 「…みー…」 ぎゅう、と 花子さんが、こちらの手を握ってきた 心配そうに、心配そうに、こちらを見上げてくる 「…大丈夫だよ」 「ほんとー?」 「…大丈夫だ」 これは、花子さんに言い聞かせているのか それとも、俺が俺自身に言い聞かせているのか? …正直、俺にもわからなかった 「帰るぞ、花子さん。帰りに、あのルーモアって喫茶店で、パフェでも奢ってやるからな」 「…!うん!」 ぎゅう、としっかり花子さんと手を繋ぎ 俺は、帰路についた ……わかっている 都市伝説は、人々が噂する限り生まれ続ける たとえ、都市伝説同士の戦いに敗北し、死んだとしても …噂される限り、また都市伝説は生まれるのだ 特に、類似する話が多く存在する都市伝説は 黒い人形 いくつもの類似したパターンがある都市伝説 …だが、願わくば こいつが、再び生まれ出る事がありませんように もし、生まれたとしても …今回のような、殺戮者になってしまわない事を 俺は、祈る事しかできないのだった 私たちは死にません 私たちは死ねません 私たちは生まれ続けるのです どうすれば、私たちは死ねますか どうすれば、私たちは生まれずにすみますか どうすれば、私たちは人々に語られずにすみますか? そうすれば、私たちは生まれずにすむのだと そうすれば、私たちは死なずにすむのだと 私たちはわかっていても、生み出される私たちに、それを止める事はできないのです Red Cape 前ページ次ページ連載 - 花子さんと契約した男の話
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撃つ ひたすら、撃ちつづける 花子さんの激流から逃れたパレードを、ひたすらに撃ちつづける …あの、パレードがどんな存在なのか それを、俺は知らない ただ……何故だろう たとえ、あのパレードの正体が人間だった、としても あれは、もう二度と、人間には戻れないだろう そんな予感がして ………だから、撃つ それを言い訳にするように せめて、死なせることで、今の状態から解放してやるのだと そう、自分に言い聞かせ続ける 「み!あともうちょっとなの!」 「…あぁ、そうだな」 パレードは、大分、数を減らしてきている 再生能力が追いついてきていないのだ ……ただ 少し、心配なことが ……○ティッチの着ぐるみの姿が、見えない まさか……花子様たちの方に、向かったのか? 背中を、冷や汗が伝う あちらとて、花子さんと同じように、傍に個室トイレと言うテリトリーがあれば、かなりの戦闘力を誇るはず しかし…あの着ぐるみはパレードと違い、高い戦闘力を誇っているように思えた はたして、大丈夫だろうか? それに…傍にいた、花子様の契約者 …俺と違って、単体で戦闘力、あるんだろうか? 以前、赤いちゃんちゃんこ事件の時、共に行動した時から考えるに… ……… ………… …………… …あ、やばげ? 「急ぐぞ、花子さんっ!」 「うん!!」 激流の威力が上がる 俺も、銃を連射し続ける パレードは、次から次へと消えていく まるで、初めから存在していなかったかのように ダメージが一定以上蓄積されるたびに、消えていく ……あと、もう少しだ! そう、俺が気を緩めてしまった…その時 ぞくり 全身を駆け抜けた、悪寒 「----花子さんっ!」 「み!?」 何時の間にか、花子さんの真横に居たのは 紫にピンクのシマシマの猫の着ぐるみ ……アリスのチェシャ猫かっ!? 距離が近すぎる 花子さんじゃ、対応しきれない!? 「っく!」 俺は、そちらに銃を向けた 至近距離には、花子さん 狙いを少しでも間違えば、花子さんに弾が当たる 間違いなど、許されず しかし、即座に行動しなければならない 『坊ちゃん、男って奴はね、ここぞと言う時に迷っちゃあいけないんですよ。銃ってのは、威力がすげぇ。簡単に人を殺せる道具だ。だが……ここぞと言う時に、引き金を引くのを迷っちゃいけねぇんです』 ハワイで、俺に銃の撃ち方を教えてくれた親父の部下の言葉を思い出す 確か、あいつあと2,3ヶ月で刑務所から出てくるよなぁ、とかどうでもいい事もうっかり思い出したりしつつ …俺は、引き金を引いた 発射された水の弾丸は、俺の狙ったとおり、チェ○ャ猫の目に命中し、猫はその衝撃で後方に飛ばされる ころん、とひっくり返ってじたばたしている様子は、どこかユーモラスですらあった 「花子さんは、パレードに集中しててくれっ!」 「う、うん!」 パレードは花子さんに任せ、俺は○ェシャ猫の着ぐるみに銃を向けた じたばた、しばし痛そうにしていた着ぐるみだが…突然、すくっ!と立ち上がり、ポーズなど決めてみせる 打ち抜いたはずの目は、既に回復していた 「…再生能力高いな、畜生」 さぁ、どうする? どこを撃ち抜けば、行動不能になってくれるか? 相手は、あくまで「着ぐるみ」と言う概念に基づき、動いているはずだ それを考えると、急所は人間と同じように思える しかし、目を撃ち抜いてもすぐに回復されるとなると… 『………』 「………?」 ……うん? …何か 何か、おかしい チェシャ○はポーズを決めたまま、動かない …と、言うか…何か、首をかしげて 考え込んで、いるような? 着ぐるみは、空を見上げる 空には、いつの間にやら…ぽっかりと、月が浮かんでいた そんなに、長い時間戦っていたのだろうか 『………』 ゆらん、ゆらんっ、と 本来の着ぐるみならば、動かないはずの尻尾が揺れている 思案しているような様子 「…来ないのか?」 返答など来ないであろうことを承知で、そう尋ねて見る そうすると……表情など変わらないはずの着ぐるみの、顔が その、ニヤニヤ笑いが……さらに、強化されたように見えた 『終わる。終わるよ、もうすぐに。道化の時間はおしまいさ』 「………?」 …あれ? チェ○ャ猫に…そんなセリフ、あったっけ? つか、こんな話し方だったろうか? 俺が疑問に思っていることなどおかまいなしに、着ぐるみは放し続けている 『王様起きたよ「夢の国」。仮初の王様目覚めたよ「夢の国」。そろそろ、悪夢の時間はおしまいさ。もうすぐ僕等は解放される』 「……っ!?どう言う事だ!?」 銃を向けたまま、俺は○ェシャ猫に尋ねる ニヤニヤ笑いを向けたまま…しかし、どこか、苦しそうに、着ぐるみは続けてくる 『これは全て仮初の夢。ゆっくりじっくり歪められた悪夢の時間。そろそろ、それはおしまいさ。誰かがそれを終わらせる。だけど、悪夢は尾を引くよ。僕等は死ぬまで解放されない』 …気付いた あの着ぐるみは…自分の動きを、必死に押さえ込もうとしている 今すぐにでも、俺や花子さんに向かってこようとするのを、必死に必死に、押さえ込んでいた 『王様倒れりゃ皆倒れる?いやいや、違うよ悪夢は続く。それまで僕等は解放されない。けれど、死ねば解放される。僕等は悪夢を作らない。死んでも死んでも大丈夫。だって、僕等は「夢の国」の住人。「夢の国」では誰も死なない』 ……一歩 チェ○猫が、こちらに近づく 『歪んだ物を直すには、一度壊さなきゃ駄目なのさ。壊して綺麗に元通り!普通は駄目だよ死んじゃうから。けれど、僕等は「夢の国」の住人。それで大丈夫』 一歩、一歩 ニヤニヤ笑いながら、しかし、苦しげに…着ぐるみが近づいてくる 『だから、壊しておくれよ、そこの坊や。一度、僕を壊しておくれ。そうすれば、僕は解放されるよ悪夢から。再生までは時間がかかる。直る頃には終わるよ悪夢。全ての幕が下ろされる』 「…………」 一歩、一歩、一歩 ゆっくり、ゆっくり、ゆっくり それは、近づいてくる 『さぁ、迷っちゃ駄目だよお坊ちゃん。早く僕を壊すんだ。僕が君を壊しちゃう前に』 「…………」 チェ○ャ猫の、言葉に 俺は、静かに目を閉じた 銃は、着ぐるみに向けたまま 目を閉じ、静かに考え込む …すらりっ 着ぐるみが武器を抜いたのが、気配でわかった それが、こちらに向かって振り下ろされ… 「御免な」 目を開き、俺は引き金を引いた 水の弾が、○ェシャ猫の心臓…と、思われる部分を撃ち抜いた 続けざま、目を、喉を、次々と撃ち抜いていく 撃ち抜かれる痛みに、着ぐるみは悲鳴をあげる けれど、俺は撃つのをやめない 何度も、何度も、何度も撃ち抜いて …そして、着ぐるみの動きが、止まった ニヤリ 最後にまた、着ぐるみは笑って 『ありがと、坊や。これで僕は解放される。元の○ェシャ猫に戻れるよ。ありがと、ありがと……』 …ぱぁ、と その体が…光の粒子となって、消えていく 「…坊や、なんて呼ばれる歳じゃねぇよ」 ぼそり、呟く …これで、あいつは本当に、救われたんだろうか? 「…けーやくしゃ?大丈夫?」 きゅう、と 何時の間にか、花子さんが俺の服の端を握ってきていた じ、と心配そうに見上げてくる 「花子さん…パレードは…」 「うん、もう大丈夫だよ」 パレードは…もう、消えている 花子さんが、全て倒したのだろう あとは…花子様たちの方だが… 気のせいか? さっきから絶叫とか絶叫とか絶叫とかが聞こえてきているような… 「花子さん。花子様たちのところに戻るぞ」 「うん!花子様たちも心配なの!」 俺は、花子さんと一緒に走る 嫌な予感を、振り払いながら …この戦いの後、「夢の国」の住人たちが、本来のあり方に戻れることを ただ、祈りながら… to be …? 前ページ次ページ連載 - 花子さんと契約した男の話
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…すぅ、と 聴こえてくる、二組の穏やかな寝息 俺と花子さんと翼さんがそこに来た時には、もう、天倉達の治療は終わったようだった 「……右目の傷が、脳に達していなかったのは、不幸中の幸いだ。そこまで傷ついているようだったら、ジャッカロープでも難しいからな」 「………そうですか」 「サンキュ、辰也」 治療の為に、翼さんが呼んでくれたんだろう ジャッカロープを抱いた広瀬さんが、そう言ってくれた ……元「組織」だというこの人は、ある程度治療の技術がある それと… 「…天倉達、ですが」 「……A-No.666に、薬物投与とか精神関係の実験とか、されてたかどうかについては、後でもっとしっかり検査しないとわからないな。とりあえず、命に関わるような状態ではない」 「………ありがとうございます」 静かに、頭を下げる ……この人が、過去にどう言う経験をしてきたのかは、俺にはわからない だが、人体実験に関わる知識を叩き込まれてしまっているのは、事実らしい 正直、辛い記憶を思い出させるようで申し訳ないが…今回は、助かった 「んじゃあ、俺は戻るぞ。後でそいつらを改めて検査するって言うんなら、その時に呼べ」 「わかった。じゃあな」 ひらひらと手を振って、ジャッカロープを連れて帰っていく広瀬さん 花子さんと一緒に、広瀬さんに頭を下げて見送って ……俺は、天倉達の傍に腰を下ろした み、と花子さんも俺にならうように、腰をおろす …静かな寝息 恐らく、傷一つ残らぬよう、治療されている事だろう もう、痕すら残っていない、撃ちぬかれた俺の左肩のように 「みー…おねーちゃん達、大丈夫なの?」 「蝦蟇の油とジャッカロープ使っての治癒だ。後遺症も残らねぇよ」 花子さんの言葉に、そう答えてくれる翼さん み!と、花子さんがほっとしたような声をあげる ……あぁ、そうだ 後で、あの人に連絡しなければ、と考える 天倉達のいとこだと言う、白峰 徹さんに ……あの場所にあった、男女の死体 恐らく、あぁ言う状況であった死体である事から察するに…天倉達の、両親だろう …二人が、目を覚ました時 どんな言葉をかけてやればいいのか……わからない 答えの見つからぬ自分の至らなさが、情けない もっと もっと早く、駆けつけられなかったのか 二人が、あそこまで傷つけられるよりも前に、何故、到着できなかったのか いや、それよりも、早く 危険に気付き、あの二人の両親を助けられなかったのか? また、失敗してしまった もう二度と、失敗するつもりなどなかったと言うのに やはり、俺は力不足だ 過剰な力はいらないと、そう考えてきたが …過剰ではない力すら、俺には足りない もっと もっと、強くなるべきだ もっと もっと、より広く、情報を手に入れられるようになるべきだ そうしなければ、護れない また、失敗してしまう ………もう、失敗する訳には、いかない 「ねぇ、ちょっといい?」 から、と 障子を開けて、キャリアウーマン風の女性が顔を見せてきた その背後には、ふわふわと…女子中学生くらいの生首が、浮いている 「ん、どうした?」 「将門様がねぇ、その子に話があるんですってぇ」 そういって つ、と女性が指差してきたのは……俺だ 「将門様が、龍一に?どうして?」 「知らなぁい」 肩をすくめてくる女性 詳しい話は、聞いていないのだろう 翼さんが、怪訝な表情浮かべる 「………わかりました」 立ち上がる みー?と、ついてこようとした花子さんを、俺は制した 「…花子さんは、天倉達の傍にいてやってくれ」 「み?……わかったの」 ぺとん、とあげかけた腰をおろす花子さん 翼さんが、俺を心配そうに見てきた 「…龍一、疲れてるだろうし、無理するなよ?何なら、俺が将門様に言って、後日改めてって事に…」 「……大丈夫です……俺も、将門公に、お話がありますから」 俺の答えに、翼さんが首をかしげた …軽く、首を左右に振って、雑念を払う キャリアウーマン風の女性に連れられて、俺は、天倉達が寝ている部屋とは、障子二枚、部屋一つを挟んだそこに到着する 「では、将門様。私達は、これでぇ」 「うむ、ごくろうだった」 ……広い部屋の、奥に 日本最強の祟り神の姿が、ある 一瞬でも気を抜けば、押しつぶされそうな威圧感 ゆっくりと近づき、用意された座布団の上に腰を下ろす 「ふむ、ごーるでんうぃーく、とやらの花見の時以来か」 「……そうなります」 自然と、背筋が伸びる 祟り神の、どこか楽しげな視線が、俺に突き刺さった 「くく……っ、改めてその名、聞いても良いか?」 「……はい」 静かに、俺は頭を下げ、名乗る 「………獄門寺家 十三代目 獄門寺 龍一。八代目様の代より、貴公より授けられし「童子切安綱」を継承し続けております」 「くくくっ、龍彦以降、扱えた者は居らぬようだがなぁ?」 「……恥ずかしながら」 楽しげに、楽しげに笑う祟り神 向けられるその視線を……俺は、真正面から、受け止めた to be … ? 前ページ次ページ連載 - 花子さんと契約した男の話
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……諦める事を選んだ、と そうか、そう見えるのか、と何か納得した 「………本当に、何もかも諦める事ができたら、どれだけ楽だろうな」 雨村の言葉に 俺はただ、そう答える事しかできなかった 本当に、何もかも 今、俺が抱えている、この全て 全てを、諦める事が、できたなら 果たして、どれだけ、楽だろうか? それは、短くて 冷たいようでいて、そうでない 諦めきっているようで、どこか、諦めて切れていない ……そんな、返答だった さっさと歩き出してしまう龍一 在処がその後姿を見送るように歩いていると…くいくい、と 花子さんに、制服の裾を引っ張られた 「…花子さん?」 「あのね」 じ、と 花子さんが、在処を見上げる ちょっと、困っているような、そんな顔 「けーやくしゃは、ね。まだ、全部は諦めてないよ」 花子さんは、知っている 龍一が小学生だった頃、契約した花子さん それから、ずっとずっと彼のそばに居たから 龍一の絶望を知っている 龍一が、何を諦めてしまったのかを、知っている 「いくつかは諦めちゃったかもしれないけど、まだ、全部じゃないの。全部諦めちゃってたら………きっと、けーやくしゃは、もう、ここにはいないの」 ここにはいない、の意味が 在処には、どの意味なのか、はっきりとはわからなかった この世にいない、と言う意味なのか それとも、単に、この学校にいない、という意味なのか ……どちらとも、とれそうだったから 「…花子さん」 「み?」 「……先輩は。そんな、意志の弱い人には見えないんです」 それは、この学校に通うようになって 龍一と関わるようになって、在処が感じた感想 投げやりなようでいて、しかし、どこか、芯が通っていて …どこか、絶対的な信念の元、動いているようにも見えて あそこまでの、深い諦めと絶望に そう簡単に、取り付かれるようには、見えなかった ……だから 「………何が。先輩を、あそこまで、諦めさせてしまったんですか?」 何が あの深い、後一歩で戻れなくなってしまうほどの諦めを抱かせたのか …在処には、予測すら、できなかった 「…えっとね」 花子さんは、前方を歩いていく龍一の後姿を見ながら 少し、悲しそうに、答える 「……けーやくしゃはね、一回、「失敗」しちゃったの」 「………失敗?」 「うん……助ける事はできたけど。一杯一杯、怖がらせちゃったの。その子は、けーやくしゃを見て、一杯泣いて…お化けって、言って。人殺し、って言ったの」 それは 龍一が、花子さんと契約して、1年ほどたった頃だったろうか 小学校を、卒業する直前の事 その頃から、ほんの少しの諦めが生まれ始めていた龍一の心に 致命的な打撃を与えた、出来事だった 「その子は、その時の事を覚えてないの。怖くて怖くて、怖すぎて。覚えていたら、壊れちゃうから、忘れちゃった。でも、けーやくしゃは、全部覚えてるの。けーやくしゃも、一杯一杯辛いのに、全部覚えてるの」 いっそ、それを忘れる事ができたなら その出来事から逃げる事ができたなら、どれだけ楽だろうか? いっそ、その出来事をキッカケに 完全に諦める事ができたなら、どれだけ楽だろうか? 「……本当に、全部諦めちゃうか。それとも、今、諦めちゃってるのを、もう諦めないようにするのか。これから、けーやくしゃがどうなるかは…………わかんない。でも、私はけーやくしゃとけーやくしてるから、けーやくしゃが全部諦めても、諦めなくなっても、傍に居るの」 それは、花子さんなりの、けじめ 自分が、龍一と契約した それもまた、龍一が「諦め」を抱くキッカケとなった出来事に、彼が遭遇する要因の一つとなったから ……龍一が死ぬ、その瞬間まで 彼の契約都市伝説として、傍らで彼を支え続ける 花子さんの、それが、けじめ 「…おねーちゃんも、できれば、けーやくしゃを嫌いにならないでね」 どこか、懇願するように 花子さんは、在処を見上げ続ける 「けーやくしゃも、本当は、一杯お友達が欲しいの………でも、お家の事、考えて。自分にはそんなのいない方がいいって考えてて、ちょっとしかいないの」 本当は、そんな事を、気にしなくてもいいだろうに 万が一の時、カタギの人間に迷惑かけないように、巻き込まないように、と 彼は、必要以上に他者に関わろうとしない それこそ、在処や真樹のように、強引に踏み込まなければ、その距離は永遠に縮まる事はないのだ 「……だから……………できれば、おねーちゃんは……けーやくしゃを、嫌いにならないでね」 花子さんの、その言葉に 在処は、どう答えたらいいのか、わからず…答える事が、できない 顔を、あげる 気付けば、龍一が立ち止まって、在処と花子さんを見ていた 「……人、多いから、離れていたらはぐれるぞ」 「み!」 てちてちてち、と花子さんが龍一の元に駆けていく …在処も、少し早足で、彼のそばに駆け寄った 龍一は、いつもと変わらない様子だ 在処のあの言葉を、受けた後でも ……変わらない、接し方 何を考えているのか 本当は、怒っているのではないか …在処には、わからない ただ 変わらぬ、いつもと変わらぬ、その接し方は 傍にいて、酷く、居心地良く感じられてしまったのだった to be … ? 前ページ次ページ連載 - 花子さんと契約した男の話
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127 名前:通常の名無しさんの3倍 :2009/08/16(日) 13 16 28 ID ??? シャア「ララァ、肩に顎をのっけると痛いよ」 クエス「へぇ、大佐は私をララァと感じたんだぁ…」 シャア「ナナイ、もうちょっと肩の力を抜いてリラックスして」 ナナイ「い、いえ、結構です、社長はさっさとデスクに戻ってください」 シャア「お世辞は言わない主義だ。美味しい。ちょっと火が入りすぎたかな」 レコア「男の人って、いつも自分勝手な物言いしかしなくて!私が本物の火に慣れてないからって!」 シャア「ハマーンはチャーミングだからこっちの服装(ハマーン様14歳のころの)も似合うよ」 ハマーン「ほぅ…シャア、選択肢は何にする、選べシャア」 シャア「えぇい、理不尽ではないか!!なぜアムロのほうがウケがよいのだ!!」 アムロ「妬むな!!貴様ほどの男が、何て器量の小さい!」