約 5,486,648 件
https://w.atwiki.jp/kaeuta-matome/pages/1445.html
元ネタ:何度でも(DREAMS COME TRUE) 作:ヤジ替え歌 何度でも何度でも何度でも勃ちあがりヤルよ 君と いつも 精子枯れるまで 出したくて苦しくて我慢できずどうしようもない時は 君の 中に 出すよ 検索タグ J-POP フレーズのみ ヤジ替え歌 下ネタ メニュー 作者別リスト 元ネタ別リスト 内容別リスト フレーズ長別リスト
https://w.atwiki.jp/fairy-waterfall/pages/94.html
「も、ダメ」 「シェリル、出すぞ」 「ダメ、おかしくなる」 アルトと数え切れないほど肌を重ねてきたシェリルは 膣に射精される快感を知っていた。 今、あれを感じてしまったら、 自分がどうなってしまうか分からない。 「もう、抜いて」 「あと少しだから、シェリル」 アルトにまたがり後ろ手を縛られているシェリルが 身をよじって腰を引こうとするが、 アルトがガッチリと腰を掴んでいて逃げることが出来ない。 「いやあ、あ、あ」 汗で貼りついた長い髪を揺らし、シェリルが頭を振って悶えると、 突き上げられる振動と、身をよじる動作で 豊かな乳房がアルトの目上でプルンプルンと震える。 その誘惑に一瞬手を伸ばそうとしたアルトだが、 今、手を放すと、あまりの快楽に錯乱したシェリルが しっかりと咥えこんだアルトを引きにぬいてしまいそうだったので、 奥まで突き刺した体勢で動きをいったん止め、 腰を掴んだまま寝た状態から腹筋を使って体を起こした。 結合する角度が変わり、二人は重なる快楽に息を詰めた。 揺れて誘っていた胸の谷間に顔を埋めると、 体が温まり強くなった彼女の香りと愛液の匂いが混ざった なんとも言えないいつもの匂いがアルト臭覚を刺激し、 更に充血した肉棒がシェリルの隘路を更に押し広げた。 「あっ」 シェリルが切なく声をあげた。 シェリルの腰に添えていた腕を背中にまわして、 今日だけでも、何度も何度も弄ばれ敏感になったピンク色の突起を再び口に含んだ。 殆ど下半身だけで繋がっていた二人は、再びぴったりと体を重ね合わせる。 「ああ」 しっとりと汗に濡れたアルトの熱い肌を感じて シェリルは更に昇り詰め嬌声をあげた。 腕を縛って自由を奪い、性急に体に火を付けたにも関わらず 彼を求めて震える美しい体の奥まで視姦した。 「見てるだけなのに、どんどん溢れてきてるな」 その淫らで魅力的な体を責めるように褒めるように彼女に言って聞かせた。 日ごろ負けず嫌いの彼女が、ベッドの上では 不自由な体で彼の体を興奮させるために体のあらゆるところを使い 続きの行為を懇願して痴態を晒す。 やっと触れ合えたこの女はこの女自身のものですらない。 全てが自分のものだ。 そう実感すると彼は震えるほどに興奮した。 この愛しい女は扇情的で無様な様子で 自分の与えるものすべてに酔いしれている。 もうすぐ昇天するだろう。 体位を変えてほんのひと時離れていただけの 汗臭くべっとりした彼の肌を再び重ねただけで悦びを叫ぶ酔狂な女と 快楽と幸せを分かち合うのだ。 彼のすべてが彼女の為にあった。 「ヤダ、イイ、あっ」 アルトの腰の動きに合わせて、シェリルの体は快楽に正直にリズムをとった。 「ヤダ、出しちゃダメ」 「膣に出すぞ」 「イヤ、ダメ」 しっかりを抱きしめられ、ぶつけられる彼の欲に果てのない絶頂の連続を 感じていた彼女は、夢うつつに訴えた。 しかし、その訴えも彼は受け入れそうにない。 ドクドクと脈打ちながら、容赦なく彼女を穿ち続けた。 愛する男に問答無用に与えられる、抗うことのできない肉の快感と 愛しさに胸が締め付けられるようでいてふわりと浮くような幸福が 彼女の残りわずかな理性を削っていく。 後に残るのはただひたすらに彼を求める女だけで、 意に反してまで彼に欲望をぶつけられる被所有感に 倒錯した悦びで葛藤も消えうせた彼女は心も体も熱に浮かされ、意識の外に放り出された。 彼の膨らんだ欲はどくりと膨張するとブルリと性を吐き出し彼女を吐き出した。 彼女の体もそれを感じ取って絶頂へと誘われ、 ぬるぬるとした壁を絞り彼の吐精を促した。 アルトのまだ実ることのない子種で腹の中がジワリと温かくなるのを感じながら シェリルは外界と途絶されていくのを感じた。 脈打つ自分とは違うテンポで締め付ける彼女の体の最奥に 全てを送り入れようとするかのように、 アルトは腕の中のシェリルを深く強く抱きしめていた。 終わり シェリルはアルトとするようになったら避妊薬のみそうなので、 実質中田氏禁止は無い、けど、嫌がらせてみたい! ネクタイ縛りと絡ませてみた 前後は誰か書いてくれ
https://w.atwiki.jp/gomatarou/pages/20.html
「だいたい、MAPとはなんたるか。 その正体は1と0の数字の羅列なわけです。たとえば、下に簡単なマップを書きましょう。 1が通れるところ。0が通れないところです。 00000000000000000 01000000000000000 01100000000000000 00100000000000000 00111111111110000 00011111111000000 00001111110000000 00000111000000000 00000000000000000 なんとなく、イメージできるんじゃないですか? 通路を南に進んでいくと、三角形の洞窟に出るマップです。 まあ、こんな気分でマップというのはできてるわけなんですが、いくらなんでも、こりゃ乱暴です。 事実、Tonyuのマップはもっと高度なわけですが、それでも基本的な考え方は同じなので覚えておいてください。 ちなみに、これをもう少し発展させたのがテキスト系ローグゲームで、いわゆる「NetHack」や「変愚蛮怒」などなわけです。 これらローグ系は、HSPやCでは簡単に作れるのですがTonyuには向きません。 無駄に疲れるので作ろうとはしないほうがいいでしょう。(05,8,23追記「って、ロゴスさんがローグライク作っちゃいました! すごいッス!!」) Tonyuにおける、マップとはどういうものか。下に写真で載せておきましょう。 これがその正体で、「ページ名.map」で保存されています。クリックで拡大。 こっちは、その実行した状態。同じく、クリックで拡大。 なんでも、マップを保存したりロードしたりするメソッドがあるようなので、それらを駆使すれば、一ページで色々なマップを使いまわしできるようになるわけです。 (07年9月17日追記:これに対応したマップメソッドのサンプルはこちら) 今日ご紹介したいMAPの概念は、マップ座標についてです。 んなもん聞いたこともない? そりゃ当然。今、私が考えました(笑) さて、このマップ座標というもの。何に使うのかというと、もっぱら$map.set()で使われるのです。 グラフィカルにいったほうが分かりやすかろうということで、下に図表で載せておきます。 なお、サイズは640x480。一マスは32x32です。クリックで拡大版を表示後、ダウンロードしていただければそのままお使いになれます。 オブジェクトのpに指定して、マップ座標上でのキャラクターの位置を確認するのにお使いください。 このように、MAP座標というのは一番左上を座標(0,0)として基本的に整数値でのみ存在します。(まあ…整数でなくても指定できますけどね^^;) 現在のオブジェクト座標をマップ座標に変換するには、 x_pos=trunc(x/$map.pwidth); y_pos=trunc(y/$map.pheight); となっています。x_posとy_posにそれぞれ、マップ座標におけるz座標とy座標が代入されます。 この値は、そのままオブジェクト位置のマップを指定するときに利用することができます。 体調が悪いもので、あんまし色々書けないんですよね…。 えっと、CやHSPでのスクロールというものは、画面に入ってきたマップを描写するという考え方です。 対してTonyuでは、全てのマップを描写するという考え方です(07年9月17日追記:これ、間違ってた気がする。Tonyuにおいても描写は画面内+1の範囲で行っていた気がしますが、忘れました^^;)。 気分の違いですが、CやHSPでは画面を固定してマップを移動させるのに対して、Tonyuではマップを固定して画面を移動させる感じです。 どうも、CやHSPのやり方のほうが効率がいい気もしてならなかったりするごま太郎でした。 たぶん命令文を分かりやすくする関係なんだろうな…。
https://w.atwiki.jp/dgrpss/pages/525.html
「霧切さん、もう逃げ場はないよ。ここで決着をつけよう。……クロは――僕の心を盗んだ犯人は君だ」 とうとう追いつめた。ここには逃げ場はない――ここは僕らの教室、入り口の前に僕が立っている。 「苗木君のクセに生意気ね……」 ―――――― 僕は霧切さんの事が好きだ。けれど、最近避けられている。 僕が何か迷惑をかけた訳じゃない。 全く身に覚えもないし、第一理由がない……だって霧切さんも僕の事好きなはずだし。 ――これには確信を持てる。僕なりにウラをとった、霧切さん直伝のやり方で。 だというのに何故か避けられる。普段なら一緒に登校して、一緒に下校する。 たまに寄り道したり、休日に遊びに出かけたりもする。―もちろん助手として霧切さんの手伝いをさせてもらうこともある。 ここ最近はそれらのイベントが一切発生しない。このままじゃこの気持ちを伝えないまま別れてしまう。 それだけは避けないと…… ―――――― 僕はようやく霧切さんを追いつめた。 ――理由を付けて別行動しようとする霧切さんを、無理やり連れてきた。と言い換えてもいいけど。 道中、なぜ僕を避けるのか問いただすも、はぐらかされて解決しない。 自分の意志を律する霧切さんの心を開くため、僕は徹底的に霧切さんを論破する事にした。 「ねぇ霧切さん、知っているとは思うけど、僕は霧切さんの事がすごく気になるんだ」 「そう、ありがとう苗木君」 いつもの様にややもすれば険しい、と取られる目つきで僕を見やる。 ――ただし、僕は霧切さんの組んだ腕が少し動いたのを見逃さなかった。 だからここで間髪を入れず 「霧切さんも僕の事気になってるよね?」 「何を言っているの苗木君【そんな事あるはずがないじゃない、からかっているのかしら?】」 何も知らずにこう返されたら深く傷ついたろう。だけど…… 「それは違うよ!…山田クン」 霧切さんの発言の矛盾を容赦なく撃ち抜く。その為に皆に協力してもらったんだから。 「はいですぞー。実は苗木誠殿に頼まれて……」 「山田クン、前置きは良いから」 僕が彼の名前を呼ぶと、あらかじめ待機してもらっていた山田クンが教室に入ってきた。 ―山田一二三の証言― 「実は今週のゴミ当番はこの僕でして、昨日の七夕の短冊をこっそりチェックしていたのですぞ」 「それも下書きの方を」 ―まただ、霧切さんの腕が少し動いた。 「何故か霧切響子殿の下書きが大量に見つかりまして、それも何度も何度も消した後が残っておりました」 ……僕は見ていたんだ。昨日霧切さんが短冊を何度も書き直していたのを 「山田君…あなたって人は最低ね」 「それは違うよ。僕が山田クンに頼んだんだよ。前に霧切さんに教わった通り、ゴミを漁るのも時には必要なんでしょ?」 探偵の汚れ仕事として、時にはゴミ漁りも必要なのだ、思わぬ情報を入手することがある。 「続けてもよろしいですかな?」 「うん」 「そこには、確かに霧切響子殿の筆跡で『苗木君とずっと一緒にいられますように』と書いてありました」 わざわざ山田クン愛用のカメラで撮影した、確たる証拠品を持参してもらった。 「どうかな霧切さん?これでもとぼけるつもり?」 証拠の存在で、霧切さんが少したじろいだ。 「っ……それは探偵と助手として―という意味よ。他に他意はないわ」 「素直じゃないね」 「お生憎様、私には愛想も愛嬌もないわ。そうよ【私みたいに愛想の悪い女】が素直になるはずがないわ」 霧切さんの笑顔はとても可愛いのに……僕は自分の価値観を肯定すべく次の証拠を突きつける。 「それは違うよ!…セレスさん」 山田クンの時と同様セレスさんの名を呼ぶ。 「…全く、わたくしをこんな事で呼びつけるなんて」 ―セレスティア・ルーデンベルクの証言― 「結論から申し上げますわ。…霧切さん貴女、苗木君の事を特別に思っていますわね」 「苗木君と過ごす貴女は、以前に比べとても表情の変化に富んでいらっしゃいますもの」 「何を言うのかと思えば…セレスさん、それは勘違いよ」 「いいえ、私も探偵の貴女とは方向性が違いますが、持っていますのよ。…観察眼というものを」 「――ギャンブルに於いて、相手の心理や考えを見抜くのは基本ですわ」 …セレスさんの口調には実感がこもっていて、妙に聞き入ってしまう。 「だから、それは探偵と―」 「いいえ、あれはそんな義務感で繋がれた関係では表れない表情ですわ」 「貴女がご自分で気付いていらっしゃらないというなら、探偵の看板は返上なさった方がよろしいかと…」 珍しく霧切さんがやりこめられている。ここぞとばかりに僕も加勢をする。 「そうだよ。霧切さんの笑顔はとても可愛いんだから」 ギリッと睨みつけられた…笑顔が可愛いのに。 「…よしんば私の笑顔が可愛いとしましょう。それに万一、苗木君が私の事を好きだとしましょう」 どれも本当の事なのに…… 「それでも、私と苗木君は住む世界が違うのよ。…2人が結ばれることはないわ。御伽噺じゃあるまいし」 霧切さんは自分の発言に気付いているだろうか、暗に僕に気があると認めていることに。 「私は探偵という日の当たらない世界の住人。あなたはまだそこまで深入りしていないわ。あなたにはもっと相応しい人がいるわ」 霧切さんの心配ももっともだ。彼女に合う前の僕なら進んで影と関わろうとはしなかっただろう。 でも、ごめんね霧切さん。すでに遅いんだ。 「それは違うよ!…十神クン」 また1人級友を呼ぶ。 こうやって少しずつ霧切さんの心の壁を破壊していく。 「ふん、苗木ごときが俺を呼びつけるなど……」 ―十神白夜の証言― 「いいか霧切。わざわざこの俺が時間を割いてやってるんだ。二度は言わんぞ」 十神クンも、勿体つけた言い回しをする。関係ないけど、不快感を覚えさせる話し方だよね。 「そこにいる苗木の奴が、愚民の分際でこの俺に頼み事をしてきたのだ。……分かるか霧切?」 十神クンの挑発的な目が霧切さんを睨めつける。 「………」 霧切さんは何も答えない。―そうだろう……いくら何でも分かるはずがない。 「奴は貴様の助手になるためと抜かして、十神家が握る裏社会の情報を欲したのだ」 十神クンが僕の事も睨んでくる。……流石に全部は見せてもらえなかったが、普通の人よりは陰の世界に詳しくなった。 「僕はね、霧切さんと住む世界が違うなんて思っちゃいないんだ」 「でも、霧切さんがそういう事を気にすると思って、敢えて陰の世界の住人になることを選んだんだ」 「だって、霧切さんの役に立ちたいから……ずっと側に居たいから」 届け僕の気持ち!霧切さんに伝わってくれ 「馬鹿ね…普通の人ならそんな愚は犯さないわ。自ら望んで命を危険にさらすなんて、ね」 突き放すように、呆れた顔で僕に告げる。…でもその顔から少し険がおさまったように見える。 「でもね、あなたが私の為にそんな事をする必要はないの」 「だって、僕は霧切さんの事……」 「なに?好きとでも言うの?あり得ないわ…【苗木君が私を好きになるはずがないもの】精々、憧れがいいところよ」 「自分には無いものを持っている人間に、惹かれているだけよ―特に私みたいに珍しい、女探偵なんかにね」 僕の言葉を待たずに、霧切さんが勝手に自己解決を試みる。 それも自虐的な笑みを浮かべて。 ―どうして素直になってくれないのだろう、僕が好きなのはそんな笑顔じゃない! 「それは違うよ!…朝日奈さん」 僕の言葉に耳を貸さないつもりなら、第三者の意見だ。 「うわー、なんか漫画みたいだね……」 ―朝日奈葵の証言― 「ねぇ霧切ちゃん、苗木ってば前に私やさくらちゃんに聞いてきたことがあるの」 「『霧切さんはどんなプレゼントなら喜んでくれるだろう』って、普段お世話になってるお礼とか言ってたけど」 「その割には物凄く真剣に選んでたよ。あれは絶対霧切ちゃんに気があるよ。私にも分かるくらいだったよ」 女の勘って奴なのかな…僕としては、分からないようにそれとなく尋ねたつもりだったんだけど。 「何々?オモシロそーなことやってんじゃん」 僕が話を続けようとしたら闖入者があらわれた。 「江ノ島さん?」 僕が今回呼んだ証人には入っていなかったのに…… ―江ノ島盾子の証言― 「え?これ告白なの?んでなに、皆が証人?そっかー霧切って、なんか素直じゃなさそうだもんね」 「苗木君?」 想定外の出来事で僕が動揺していると、これまで追い詰められていた霧切さんが、少し落ち着きを取り戻したようだった。 でも僕が何か言うより早く 「私様も証言していいんだよね?実はこの前苗木に『流行りのデートスポットを教えて』なんて言われてさ~」 「顔を真っ赤にしながら『霧切さんを喜ばせたいんだ』とか言っちゃって、最初はオモシロそうだから教えるつもりだったんだけど」 「途中で飽きちゃったから、適当な所教えといたの。そんじゃあね~」 いきなり現われたと思ったら、あっという間に去っていった。本当に気まぐれな人だ。 「…ともかく、これで僕の気持ちも分かったよね?」 少し苦笑いをしながら、改めて霧切さんを見つめる。「第三者から客観的に判断を下してもらえれば、疑いなようがないよね」 江ノ島さんの証言の最中、俯いていた霧切さんだが 「いいえ、信じられないわ。…だって、あなたがわざと言わせてる可能性があるもの」 あくまで否定するつもりらしい。 こちらを睨みつけながら否定してくる。―ただ、霧切さんの両手は、何かを堪えるかのように強く握りしめられている。 「どうして僕を信じてくれないのさ!」 「信じろという方が無理なのよ!……だって今朝―それも早朝に、舞園さんの部屋から出てくるところを見てしまったの」 悔しそうに顔を歪め、また僕から目線を逸らしつつ、辛そうに声を絞り出してくる。 「確かに私はあなたのことが……。でも、その感情を持て余していて、自分の心が乱されるのを恐れていたの」 「何とか気持ちを整理しようと努力していたわ、それでも、あなたの事を考えれば考えるほど………」 「だからこそ今朝のは衝撃的だったの、あなたが舞園さんの部屋から出てきたから」 「【私の自惚れだったのよ、苗木君に好かれているなんて……勘違いも甚だしいわね】」 全部すれ違いだ。単なる誤解だ。―そう口にしたところで霧切さんに分かってもらえるとは思えない。 だから僕は最後の切り札を 「それは違うよ!……舞園さん」 「霧切さん…あれは誤解なんですよ」 後一押し!そう確信できたからこそ、舞園さんを最後に選んだんだ。 ―舞園さやかの証言― 「霧切さん、昨日が何の日か知っていますか?」 「七夕でしょ。それくらい知ってるわ」 舞園さんから何を言われるのかと身構えていた霧切さんだが 虚を突かれたみたいで、訝しげな表情で舞園さんを見ている。 「……霧切さんはご存知無かったようですが、一応私の誕生日だったんです」 「ごめんなさい、忘れてたわ。本当にごめんなさいね。遅くなったけど、おめでとう」 友人の誕生日を忘れているなんて霧切さんらしくないな 「いいんですよ。どうせ、ずっと苗木君に夢中だったから忘れてたんですよね」 「舞園さん!」 意地の悪そうな笑みを浮かべた舞園さんに、からかわれている霧切さん。 あんなに反応してくれたら僕も嬉しい。 「話をもどしますね。…実は昨日、休日だったこともあってファンの皆さんと交流会があったんです」 「そのせいで昨日は苗木君からプレゼントを貰えなかったんです」 「それで私が翌朝、つまり今朝にお願いしたんです。―これが今朝の事件の真相です」 「そんな、でも……だったら何故部屋から」 まだ納得いかないようで、僕と舞園さんを弱々しく見据えようとする。 「「ただ、お茶を出した(ご馳走になった)だけです(だよ)」」 期せず声が重なってしまった。 「そんなの、そんなの………」 自分の思惑が外れたのが悔しいのか、唇を噛み締める霧切さん 「苗木君、後少しですよ。霧切さんを論破して下さい!」 「ありがとう舞園さん。…ありがとう皆」 僕は証人になってくれた皆にお礼を告げて、霧切さんと向き合った。 そうして僕は霧切さんを論破すべく、最後の言弾を装填した。 最後は他の誰でもない、僕の気持ちを言葉にして撃ち込むんだ! 「霧切さん」 僕は一歩霧切さんとの距離を縮めた。 「来ないで」「認めないわそんなの……」「苗木君のクセに…」 違う……僕が撃つべき矛盾じゃない。また一歩、一歩霧切さんに近づいて行く。 「からかわないで」「私みたいな女」「私とあなたは住む世界が……」 もう少しだ!手の届くところまであと少し…… 「あなたが好きなのは私じゃないでしょ」 そうじゃない…そうじゃないんだよ。僕は今、霧切さんの目の前に立っている。 「【あなたが好きなのは舞園さんでしょ】」 「それは違うよ!!僕が好きなのは霧切さんだよ」 間髪を入れずに僕の言弾が霧切さんの発言の矛盾を打ち砕いた――。 ―――BREAK――― 「そんな、嘘よ……騙されないわ……」 こんなに狼狽える霧切さんを見たのは初めてだ。 目線は僕に合わさぬように落ち着きなく動き回っているし 雪原を思わせる美しく怜悧な顔立ちも朱に染まり、嬉しそうな、悲しそうな、表現しづらい表情だし 自分の腕で、まるで心を見透かされない様に胸を掻き抱いている。 「そんな、そんなはず…だって苗木君は舞園さんが…」 未だに自分の負けを認められないのか、ぶつぶつと僕が否定した、誤った認識を呟いている。 「霧切さん、もう一度言うよ……僕が好きなのは霧切さんなんだ。そして霧切さんも僕の事が好き。これは事実なんだよ」 僕は確信を込めて言弾を撃ち込んだ。 「……苗木君は本当に私の事を?」 とうとう霧切さんを論破する事が出来たみたいだ。 その場にまるで、彼女を支えていた糸が切れたようにへたり込んだ。 「そうだよ。さっきからそう言ってるじゃないか」 「本当に本当なの?」 珍しく、僕が見下ろしながら話す。クラスメートはほとんど僕より背が高い。 いつもと違い、僕をとても弱々しく下から見上げてくる――まるで叱られた子どもが許しを請うように。 途端に、僕は居た堪れなくなり、跪きながら霧切さんを抱き寄せた。 「な…えぎ、くん……」 張りつめていた糸が切れたのか、少し呆然とした声音で僕の名を呼ぶ。 霧切さんを論破した――その事実は予想に反して、達成感や充実感はなく ただひたすらに霧切さんへの愛しさがこみ上げてきた。 ―だから僕は 「霧切さん、僕は君が大好きだ」 ―彼女の耳元で 「この気持ちに嘘偽りはないよ」 ―僕に出来うる限りの愛を撃ち込む 「この先、一生を共にする覚悟の上だよ」 ―彼女の心の壁を撃ち砕く 「探偵の助手としてだけではなく」 ―愛の言弾を 「1人の男として」 「……苗木君のクセに生意気ね」 ―そんな、2人で居るときには口癖になっている霧切さんの呟き。 左頬に感じていたぬくもりを失いつつ、僕は霧切さんの目を見つめた。 「こんな、プロポーズ紛いなこと……」 今度は霧切さんも目線を逸らさず、僕を見つめながら「でも、嬉しい」 ―その頬ははっきりと分かるくらい赤く 「私も苗木君が好き」 ―いつの間にか僕の背中に回されていた手に、力がこもった 「探偵の助手としてだけではなく」 ―霧切さんの瞼が閉じられて、僕も目を閉じた。 「1人の女として」 もうお互いに言葉は必要じゃなかった。 唇で感じる互いの熱――普段よりずっと高いであろう体温 聞こえてくるのは自分の心音か相手の心音か、あるいはその両方か…… 唇を介して、互いの全てを循環させあっているような錯覚 頭の中で火花が飛び散っている気がする。 ただ、そんな幸せな時間は、クラスメートの―確か証人を頼んだ覚えのない 「君たち!不純異性交遊は校則違反だぞ!」 の一言で台無しにされてしまった。 ――そういえばここは教室だった。今更ながらに僕らは羞恥心を覚えた。 1人を除き、皆見下すような、羨むような、詰るようなそんな目で見てくる。 除かれた1人は、ただ執拗に校則違反を訴えてくる。 ふと、隣を見やると、僕と同じく羞恥に彩られながら、苛立ちを覚えている霧切さんと目があった。 「ねぇ石丸君、私達は校則違反などしていないわ」 「何を言うんだね霧切君!」 えっ!?流石にこれは言い逃れ出来ないでしょ。現行犯逮捕だよ。 照れ隠しにしても、無理がある―そんな風に思っていたら 「ねぇ…苗木君もそう思うでしょ?」 なんて、石丸クンから目線をこちらにやる霧切さん。だから咄嗟に 「そうだよ。僕達は校則違反をしてないよ」 つい、そう答えてしまった……… 「何を言うんだね苗木君。どう見たって【校則違反】だろう!」 強く断定してくる石丸クン けれど、霧切さんの目を見つめていたら答えが浮かんできた。 ―だって『ここまで言えば分かるわね?』と目が訴えかけてくるんだから。 すぐに思い浮かんだ。でもこの答えは……ええーいままよ 「それは違うよ!…僕は今、霧切さんに告白した。それもプロポーズしたんだ」 石丸クンの発言で、静まり返っていた教室内が騒然とし始めた。 うぅぅ…これはなんて羞恥プレイなんだ。恥ずかしさに心を折られそうになりながら、石丸クンを論破する。 「そして霧切さんの同意を得た。この時点ですでに婚約状態と言えるんじゃないかな?」 多少論理に綻びが見える気がするが、ここは力業だ。 「そうよ。婚約したとあれば、結婚するのは秒読み段階よね」 霧切さんも石丸クンを論破するのに追い討ちをかけてきた。 「石丸クンの言う校則違反は『不純』だよね?僕達は婚約したんだから全く不純ではないよ」 「その…夫婦なら純粋だよね」 自分の発言の恥ずかしさに今更ながら顔を伏せたくなる。 が、霧切さんの更なる発言に僕は凍りついた。 「そうよ。だから私達がこれから、いわゆる夫婦生活を送っても何ら問題ないわ」 「……霧切さん?」 いつの間にか熱くなって周りが見えていないのか、僕が少し冷静になったからなのか ……石丸クンを除く周囲の空気が凄く冷たい事に気がついた。 一方石丸クンはどうやら論破されてしまったようだ。すごすごと立ち去ってしまった。 「これで、邪魔者は居なくなったわね」 「いや、でも他の皆が……」 僕が反論する間もなく、口を塞がれてしまった。 そしてこの日から僕達は『超高校級の夫婦』の称号を冠する事となったのだ。 ―――――――
https://w.atwiki.jp/fairy-waterfall/pages/64.html
324 名前:えっちな18禁さん[sage] 投稿日:2009/04/12(日) 21 45 07 ID uHPQ/Y7e0 酔っ払いシェリルを書いてみた。全部繋げてようやく完結いたしました。 *注意* アルトの性格がヤバイくらいおかしいです。すごく性少年wです。 キャラ崩壊を起こしてる可能性がひっじょーーーーーーーーーに高いので、苦手な方は回避してください。 「たらいまぁ~」 「お帰り。で、何杯飲んだんだ?」 「んっ?らいじょうぶよ。ゆわれたとおり、5はい以内よ」 ちゃんと守ってるでしょ?と自慢げに語る空色の瞳は熱で潤み、その頬は仄かにピンクに染まっている。 それだけ見ればそんなに酔ってはいないようにも思えるのだけれど、玄関の壁に手をつき、ふらつく身体を支えながら一生懸命靴を脱ごうとする様からは結構重症であることが分かる。 送り出す前に酔い覚ましと乳製品をもっと取らせるべきだったか?と心内でため息混じりに呟きながら、アルトはシェリルの身体を支えると、ゆっくりと座らせてやった。 それからシェリルの横を通り、向き合うようにしゃがみ込む。 と、自然と視界にシェリルの足が入った。 黒のホットパンツからスラリと伸びる足。 それは、白く、ひどく柔らかそうに見え、さらにその丈の短さから下着が覗くのではないかとドキドキしてしまう。 危うく凝視してしまいそうになる自身を慌てて諫めると、アルトは平静を装いながら、ブーツの留め金に手をかけた。 「ふふふ。」 「何だよ。」 足元で作業するアルトに楽しげな笑い声が聞こえる。 視線を下に向けたまま、アルトはシェリルに訊いた。 「だぁって、お姫様みたいなんだもの」 「何がだ?」 「こうやってクツ脱がせてもらうの」 「ばーか。・・・・ほら、できたぞ。」 シェリルのふわふわとした返答に、先ほどの行いがばれていないことを知り、アルトはほっと息を付く。 そして、そんな自身の反応に中学生かよっと苦笑混じりに突っ込みながらアルトはシェリルの額を軽く小突いた。 途端にシェリルが膨れる。 小突かれた後を軽く擦りながら一瞬アルト睨みつけたと思えば、次の瞬間にはまた笑顔になった。 「んっ!!」 「・・・・・・」 「ん~!!」 立ち上がりその場を先に離れようとしたアルトに向かって伸ばされる両腕。 一瞬固まりつつも、かわそうとするアルトにシェリルが可愛らしく追いすがってきた。 一度戦中にやってやってからというもの味を占めたらしく、ここぞという時にはそうやって腕を伸ばしてくる。 甘えられているのか、いいように使われているだけか、乙女心はアルトには難解だ。 数秒の間、シェリルの真意を探ろうと試みたものの結果、抵抗むなしく負けたのはアルトだった。 背中と太ももに手を回して抱き上げると、すぐにシェリルが首筋に抱きついてくる。 幸せそうにアルトの首筋に顔を埋めるシェリルにアルトが小さく息を吐いた。 傍で感じる甘い匂いと熱い体温が、アルトに鮮明な 夜 の記憶を思い出させようとする。 慌ててそれに蓋をするとアルトは足を速めた。 「やーだぁ!!もっと、ゆっくりぃー」 「お前なぁ・・・」 「ちゃぁんと、ゆうこと聞いたのよ?ご褒美はあってしかるべきだわ。」 「・・・・褒美ねぇ・・・」 抱えられたまま、バタバタと足を動かすシェリルにたまらずアルトが速度を落とす。 抗議の声を上げたアルトに返ってきたのはシェリル 正当な要求 であるという反論だった。 渋ったような声を返しつつも、アルトはにやける口元をどうすることもできない。 ただ、自分がベットまで運ぶ行為がシェリルにとってのご褒美に相当するのだと分かったのだからそれも当然だろう。 両手を塞がれてしまったアルトにできることは、シェリルがこちらを向かないように祈ることだけだった。 壁やドアにぶつけてしまわないように最新の注意を払いながら歩く。 玄関から伸びる廊下をそろそろと歩き、リビングを抜け、寝室までもう少しというところでシェリルの身体がグラリと傾いだ。 「っ!!」 慌てて腕に力を込め、落とさぬようにと踏ん張るけれど、揺らがずにいることなど不可能だ。 意地でも落としてやるものかと必死の形相で耐えるアルトとは逆にちらりと覗いたシェリルの表情はすでに夢の中へと旅立ってしまった後だった。 言いようのない脱力感がアルトを襲う。 けれど、眠ってしまった相手に文句を言うわけにもいかず、アルトはそれらを飲み込むしかなかった。 寝室のベットの上にシェリルを降ろし、ご丁寧に枕までセットしてやった後で、自分の分の夜着をクローゼットから出してベットへと放る。 ベット脇にある小さな照明だけを点けて、眠るシェリルをしばらく見つめた後、アルトは仕方ないなと頭を掻いた。 すやすやと変わらぬ寝息を立てるシェリルは当分起きそうにない。 とりあえず、寝顔は苦しそうでなかったから服を着替えさせずに済みそうだと思った途端、残念なのか安堵なのか良く分からない感情が胸に渦巻いた。 そんなことを悶々と真剣に考える方がバカなのだろうが、あいにくその微妙な思考回路から数秒で抜け出すことは20年も生きていない少年には不可能だ。 未練がましくその後もたっぷり悩んだ後で、どうにかアルトは次の日シェリルに引っ叩かれる可能性の高い選択肢を切ることに成功した。 「アホくさ・・・」 自分で言っていて悲しくなるが、それが男の悲しい性だ。 目の前で好きな女に無防備に寝られ、その前段階で甘えられれば当然、心も身体も勝手に走り出してしまう。 そして、そんな衝動を押さえ込むのに、大変な時間と労力使い、さらには理性をフル稼働させることとなる。 光に柔らかく照らされたその寝顔をもう一度見つめ、軽く頬を小突いた後で、アルトは甲斐甲斐しくも眠り姫のために、酔い覚ましの薬と水を取りに台所へと向かった。 「・・・・・・起きたのか?」 たっぷり15分以上の時間をかけて薬を探した後で、寝室へと戻ったアルトから思わずそんな声が漏れた。 離れる前は掛け布団の上に転がしておいたはずのシェリルがきちんと布団に包まっており、ベットの近くには先ほどまで着てた服が脱ぎ散らかされている。 サイドボードの上には使用済みのメイク落とし用のコットンが置かれ、灯りが眩しかったのかその明るさが一番下のレベルまで下げられていた。 「ったく、起きたんなら呼べよな。」 小さくそう呟いても返ってくるのは穏やかな寝息だけだ。 アルトは盛大にため息を付くと、持っていた水と薬とサイドボードに置いたその後で使用済みのコットンをゴミ箱へと放り、脱ぎ捨てられた服をかき集めると部屋の隅に置かれている洗濯用のカゴの中へと入れる。 自身が描いていたような異性との同棲生活がいかに儚いものであったのかを噛み締めながら、アルトはゆっくりとベットへ戻った。 のろのろとベットの端まで歩き、先ほど自分が投げた夜着を探す。 けれど、ソレはベットのドコにも見当たらない。 不思議に思いながらベットの下も探したけれど、それは一向に見つからなかった。 「まさか・・・・」 そう呟くと同時にある予感がアルトの脳裏を過ぎる。 それを確認するべく掛け布団の端を掴むと、アルトは勢い良く引っぺがした。 「うぅ~ん。」 「・・・・・」 途端に悩ましげな声が上がった。 アルトの予想は当たったというべきか、外れたというべきか・・・・。 答えはあいまいなところだ。 きっと寝ぼけながらも着替えなければと思ったのだろう。 メイクを落とし、服を脱いだまでは良かったのだろうが、その後を壮絶にめんどくさく感じたに違いない。 確かに眠るシェリルはアルトの夜着を着ていた。 ただ、厳密に言えば着ていたのは上着だけだったし、さらに正確に言えば着ていたのではなく、羽織っていたという方が正しい。 そうまじまじと見るものではないだろうなと思いもしたのだけれど、目を放すことなどできなかった。 シーツの中で身体を丸めたシェリルは小さな子供のようにも見えるけれど、香る匂いと端々から覗く肢体は紛れもなく成人を迎えた女性のもの。 成熟しきっているわけではない、まだしなやかな印象が強い女の身体。 その肌は触れると温かく、吸い付くような弾力が返ってくる。 アルトの喉が知らず知らずのうちになった。 幾度か身体を重ねたことはあっても、ここまでじっくりと見たことはないのだ。 イケナイコトをしているのだという自覚はあった。 けれど、それを押し留めるだけの理性はもうどこをかき集めても残っていなかったし、元より好奇心は強いほうだ。 おそるおそる伸ばされる手を止めることはできなかった。 輪郭に沿って流れる柔らかなストロベリーブロンドが真っ白なシーツに散らばっている。 夜着は一番上のボタンだけしか留められていないから、他のかみ合っていない裾の端から肌が覗き、その胸元から零れた乳房が呼吸に合わせて僅かに揺れる。 その上で膨らむ桜色の蕾。 豊かな胸元とは逆にしまった腹部 折り曲げられた足は先に行くほどその細さを増してゆく。 見れば、見るほどキレイだと思った。 ミシェルに言ったらきっとバカにされるのだろうけれど、おとぎ話に出てくる 妖精 という言葉が本当にぴったりだと思った。 ゆっくりとベットに上がるとギシリと軋む音がした。 それがやけに生々しく思えて、アルトの頬が熱くなる。 眠るシェリルと向き合うようにして自身も寝そべり、布団を被りながら何を緊張しているんだと何度も何度も言い聞かせる。 それでも、ドクドクとなる心臓は静まらない。 どうしていいかも分からぬまま、アルトはゆっくりとシェリルに近づき、誘われるままに唇を重ねた。 僅かに開いていた唇を塞ぐと、温かい吐息が絡まる。 しっとりとした感触がアルトの記憶に刻まれ、同時に胸を焼く。 余韻は甘く、静かに広がっていった。 「ん・・・・」 耳に届いた小さな声に、アルトの身体がビクリッと震え、それがスプリングを通してベットを揺らす。 起こしたか?!と思って慌ててシェリルを見たけれど、穏やかな呼吸は変わっていなかった。 そのことに安堵しながら、アルトはそっとその頬に触れる。 優しくその輪郭をなぞるとシェリルが小さく身動きした。 触れるとピクッと身体が跳ね、逃げるように後ずさる。 でも、数秒後には弛緩した身体がいつもの位置へと戻って来る。 その様子が可愛らしくて、アルトは何度も優しくシェリルを擽った。 と、不意にイタズラ心が騒ぎだす。 頬を撫ぜた後で偶然を装い鎖骨の辺りまで手を滑らしてみた。 反応はなし。 そのまま、触ってみたかったのだけれど、ソレをアルトの夜着が阻んでいた。 恐る恐る手を伸ばし、そのボタンを外す。 支えを失ったソレは、さらりと肌蹴けアルトにその全てを見せてくれた。 静かに触れると、すべすべとした変わらぬ感触がする。 頬を寄せると温かい体温が伝わり、トク・トク・トクと音が聞こえる。 それは、軽やかに歩くシェリルの足音と同じくらいの速度で奏でられていた。 知らず、知らずの内にアルトが笑む。 そして、再び眠るシェリルを見つめると、アルトはそっとその額にキスを落とした。 一度だけ。そう思っていたはずなのに、もう一度っという衝動は止まらない。 額に口付けて、瞼に口付けて、頬に口付けた。 それから、鼻先を啄ばんで、顎の先。 軽く唇に触れて、喉元をゆっくりと下っていく。 触れるたび、枯渇していくような気がした。 もっと、もっとと衝動が強まる、麻薬のような誘惑。 歯止めはなかなかかからない。 鎖骨、肩、胸元 そして、乳房。 今までとは違う感触がした。 熱さも、柔らかさも違う。 自分にはない、シェリルが持つ柔らかさ。 アルトは一度唇を離した後で、もう一度触れた。 神聖な誓いの口付けをするように。 壊してしまわぬように。 優しく、触れた。 「んぁ・・・・・」 耳に心地よいその声にアルトが顔を上げると、うっすらとシェリルの瞳が開いていた。 「あ、ると?」 「なんでもない。寝てろ」 「ん。」 寝ぼけ眼のそう囁くと、再び瞼が下りてくる。 すやすやという穏やかな寝息が聞こえてくるのを待ちながら、アルトはシェリルを抱きしめ、何度も何度も頭を撫でてやった。 ふわふわと柔らかい桜色の髪を優しく弄んでいると、再び規則正しい寝息が聞こえてきた。 抱きしめていた身体を離してその表情を見ると、安心しきったような、無邪気な色が浮かんでいる。 そんな表情にアルトはくすりっと笑った。 閉じられた瞳を縁取るように生えた長い睫毛が頬に影を落とす。 薄く開いた唇からは、小さな呼吸音が聞こえる。 自分に全てを預けた姿は、何よりもアルトを嬉しくさせた。 「あっ・・・薬・・・」 寝顔をじっと見ていたアルトの脳裏に先ほど自分が運んできた存在が過ぎり、一瞬にして現実へと返らせる。 とは言うものの、肝心のお姫様はすでに夢の中だ。 何をやっているんだと心の内で一人愚痴た後で、アルトは息を吐き出した。 先ほどのことがあるとしても、緊張しすぎだと思う。 自身に対してもう一度短くため息をついた後、アルトは少しだけ身を起こした。 それからシェリルの頭の下に引いていた腕をそっと引き抜き、呼吸が乱れてないのを確認したアルトは優しくシェリルの身体を仰向けにする。 その際シェリルの着ていた夜着が肌蹴け、柔らかな膨らみが零れたけれど、今度は数秒でそこから目を反らす事ができた。 それでも、アルトの両頬は熱を上げる。 いつまでたっても慣れぬ自身に少し戸惑いを覚えながら、アルトは静かに自分が居るのと反対側におかれたサイドボードに手を伸ばした。 そして置いておいた薬の箱とミネラルウォーターを手に取る。 ひんやりと濡れた感触が伝わり心地いい。 結露を起こしていたそれは、アルトにわずかな余裕を与えてくれた。 「・・・・・・・まぁ、いいか。」 右手にミネラルウォーター。 足元に転がる酔い覚ましの薬箱。 そして、眠るシェリル。 3つを凝視した後で、アルトはそう呟いた。 ミネラルウォーターを片手に持ったまま、箱から薬の束を取り出し、カプセルを一つ押し出す。 パキッと音がして小さな錠剤が手の平へと転がり落ちてきた。 (これくらいの大きさなら、大丈夫だろう。) そう思ったアルトは一指し指を使って、それをシェリルの口へと放る。 自らはミネラルウォーターの水を口に含んだ。 そのまま、シェリルの顎と額を固定する。 そして、重ねた。 シェリルが驚いてしまわぬように、少量ずつ流し込んだ。 「・・・・うっ・・・ん・」 少しだけ不安そうな、くぐもった声が漏れる。 重ねた瞬間に閉じた目をおそるおそる開けるけれど、シェリルの瞳は閉じられたままだった。 同時に、コクリッと小さく音がなる。 その様子にアルトはほっと安堵した。 きっと眠ったせいだろう。 頬の赤みは和らぎ、もうほとんどいつもの色だ。 ただいつもと違うのは、先ほど重ねた唇が水を得て、キラキラと輝いていること。 誘われるように、アルトの指がシェリルの唇をなぞる。 指の腹に押されたその肉がふよふよとした柔らかい感触を伝えた。 その感触にアルトが優しく微笑する。 そして、もう一度そっと重ねた。 交わる甘い吐息に、頭のどこかがジンッと痺れる。 重ねるだけっと思っていたのに、気が付いた瞬間には口内へと舌が入り込んでいた。 いつもは、すぐに絡まる存在が今日は感じられない。 それをもどかしく思いながらアルトは2、3度擽る。 すぐにっとはいかなかったけれど、ゆっくりと動くそれはやがてアルトに触れた。 激しいというのとはまったく対極にあるようなキスだった。 眠っているというのに数度の経験で刻んだ記憶が動かせるのか、それを思い出すようにして優しく絡まりあう。 うっとりと余韻を引くような口付けにアルトの心臓がキュッと縮んだ。 一度身体を離すと銀糸が僅かに二人を繋ぎ、切れ、首筋に痕が落ちる。 そして、ゆっくりとEXギアの両翼が広がるような速度でアルトを求める両腕が伸びてきた。 この腕に捕まってしまうことが、育ち始めていた衝動を治めている箍を外す事になるだろうということは、アルトにも分かっていた。 シェリルに無理はさせたくない。 そう、思う気持ちはある。 シェリルの声を聞いてみたい。 そう、思う気持ちもある。 大切だから、壊したくなくて。 でも、大切だから、一番傍に居ることを感じたかった。 ゆっくりと伸びる手が、アルトの両肩に触れる。 そして、そのままゆっくりと腕に触れながら下へと落ちていく。 ただ触れられているだけなのに、再び身体のどこかがジンッと痺れる。 もっと、触れたい。 もっと、声を聞きたい。 もっと、熱を感じたい。 「ぁ、・・・・・・と?」 甘い声。 耳を擽る甘い声。 そして、呼ばれたのは自分の名前。 (あぁ、ダメ・・・・だ) 心の中に声が響くと同時に、アルトは苦笑し、白旗を降った。 自分の手首の辺りにまで降りてきていたシェリルの手を絡め取って左右の頬の横へ置き、シーツへと優しく縫い付ける。 そして、慌しく唇を重ね、割った。 起きて、起きてっと言うように何度も何度もシェリルを擽る。 絡めて、吸って、擽った。 「・・・・ん、っ・・・・」 耳に届くのは少し苦しそうな声。 でも、それはアルトの心を急かせるだけだ。 唇を離し、頬をシェリルの頬骨へと当て、触れる皮膚の全てにキスをしていく。 なだらかな首筋をなぞり、鎖骨を啄ばみ、先ほど零した唾液の痕を舐め取る。 そのままゆっくりと下へ降りていった。 乳房の谷間を辿ると、頬が埋まり良い肌の匂いがする。 その柔らかい感触を楽しみながら、左胸の付け根を軽く吸い上げたアルトは、捕らえていた シェリルの手を片方だけはずした。 身体のラインに沿ってその手を這わしつつ、アルトの唇はなおもシェリルの肌を滑る。 わき腹を啄ばみ、へそを擽った。 余すところなくキスを贈ると再び身体をゆっくりと起こす。 眼下に広がるのは、白いシーツの海に沈みつつも、無防備にその素肌を晒すシェリルだけだ。 陶器のように白い肌に一輪だけ咲く小さな花がとても鮮やかだった。 「・・・・・シェリル?」 小さく名前を呼んでみても返ってくる言葉はない。 そっと、その頬に触れてみる。 けれど、シェリルは穏やかに眠るばかりだ。 こちらの心臓は先ほどから痛いくらいに高鳴っているというのに、シェリルにはその素振りすらない。 そのことにアルトが苦笑した。 「なぁ、・・・少しは気付けよ」 アルトの声は優しい。 かといって、本当に起きてしまったらこちらが困ってしまうことになる。 『二律背反』―――そんな言葉がぴったりだと思った。 スーッ、スーッと規則正しく聞こえてくる呼吸音。 幸せそうな寝顔。 見ているだけでも心が何か温かいもので満たされる感覚。 それは確かで、嘘ではないはずなのに、心の中でその存在の大きさを主張するこの切なさは何なのだろう。 確かに同じベットの中に存在していて、 自分の身体の下にシェリルはいるというのに、 心の中で小さく渦巻く感情が、不意に昔の記憶と気持ちを呼び戻しそうに思えて、少し怖くなった。 ドキドキと打つ心音がうるさい。 こんな感情を持て余しているというのに熱い身体が情けない。 気持ち を抱いているのが自分一人のような気さえしてきた。 「シェリル?」 小さく呼んだ名前が少し震えていた。 なんで、泣きそうになっているんだろう? 理由は分からなかった。 頭がいっぱい過ぎて考えられなかっただけなのかもしれない。 でも、声が聞きたくて。 変な意味でなく、声が聞きたくて。 名前を呼んで欲しくて、 笑って欲しくて、 たまらなくなった。 「なぁ・・・・」 言葉の先は出てこない。 頭に浮かぶ言葉はあっても、それを音にすることができなかった。 頬にそっと右手で触れ、ゆっくりとその輪郭をなぞっていくと、先ほど刻んだ赤い刻印が目に映った。 白い肌に浮かぶ印。 胸元のちょうど真ん中当たりに咲く赤い花。 自身の所有の証。 静かに触れてみたけれど、アルトの望むような感情は浮かんできてはくれなかった。 浮かぶのは虚無の感情だけ。 それは、きっとアルト自身が知っているから感じるのだろう。 気持ちが伝わった嬉しさを。 気持ちが繋がった嬉しさを。 そして、互いが求め合うことで初めて満ちる感覚を。 身体だけでは意味がないのだ。 心が満たされなければ、意味がないのだ。 (起きて) 何度も喉元まででかかった言葉を、アルトはそれでも必死に飲み込んだ。 そして、その言葉に鍵をかけるように刻んだ印にそっと唇を重ねた。 再び香る、甘い匂い。 香水などでは表現することのできない、甘い、甘い、肌の香り。 そして、唇で感じる温かな体温がアルトの心をまた少し苦しくする。 そのまま、唇が肌の上を滑っていくのをアルトは止められなかった。 谷間をくだり、へそまで一直線に降りてゆく。 下着の際まで降りたところで、ようやく止まった。 止めなければと何度も何度も繰り返し思った。 ここで、止めなければと。 ここで、自らを制しなければと。 でも、その度にもう少しだけっという自分の欲望がそんな気持ちと覚悟を先へ先へと押してゆく。 おそる、おそるその端から伸びるヒモを指が摘んだ。 数センチ引くだけで、簡単に崩れ落ちてしまう砦。 頭の中は真っ白なくせに、訳も分からぬくらいの圧迫感が頭を支配していて、何も考えられなかった。 ピンッと張り詰めた空気がそこにあるだけだ。 新たに露になる肌に、アルトの喉が鳴る。 いや、ただ息を無理やり飲み込もうとしただけなのに、舌が上顎に張り付いたようになってうまくいかなかったのだ。 ドクン、ドクンという心臓の音がまた一際大きくなった。 「あ・・・っ・」 何をしているのだという声がする。 何をうろたえているのだという声がする。 火照る頬はどうしようもなくて、 爆発しそうな心音もどうしようもなかった。 ゆっくり、ゆっくりと顔を近づけ、そっと舌を這わす。 トロリとした液体と馴染みの味が口内へと広がる。 その感触にビクリッとアルトの身体が震えた。 「・・・濡れ、て・・る・・?」 何度キスを交わしたのかは覚えていない。 でも、施した愛撫はいつもより断然軽いものだ。 なのに、シェリルの秘部は静かに潤んでいた。 いつの間に、熱を宿していたのだろうか? キスで少しは ソウ なってくれていたのだろうか? 夢の中でもいいから、自分を求めてくれていたのだろうか? 「・・・・シェリル・・・感・・じ、た?」 切れ切れの問いかけに、返答は返って来ない。 それでも、アルトの心に嬉しさがじんわりと広がってゆく。 いきなりぎゅっと心臓が縮んだように、先ほどとは違う意味で胸が苦しくなった。 身体を起こし、少し上へと移動するとシェリルの頭を抱きしめる。 嬉しくて、嬉しくて、たまらなくなって、勢いよくその唇へと口付けた。 それから額を啄ばんで、頬を啄ばんで、何度も何度もシェリルへキスの雨を降らせる。 気持ちの済むまでキスを繰り返して、シェリルの肩口に顔を埋めていると、きゅっと抱きしめられた。 慌てて顔を上げると、シェリルの瞳が開いていた。 「きす、してくれた・・デショ?」 まだ半分夢の世界にいるのか、ぽやぽやとしたしゃべり方だ。 でも、先ほどとは違う。 アルトを見つめる瞳は、ひどく甘く、柔らかい。 「ねぇ?シてくれた?」 「・・・・・・」 「ふふふ。やぁっぱり、そうだった。」 強請るようにそう問うシェリルにどう答えたものかと考え込むアルトに、シェリルの楽しそうな声が届く。 見るとひどく嬉しそうな表情で、幸せそうに笑い、予感が当たったと言った。 視線で問うアルトに対し、シェリルは首をかしげるだけだ。 背中を抱いていた腕が解かれ、アルトの背中を上がり、やがて頬を包み込む。 「ねぇ、シて?」 「・・・・・・」 「キース」 さっき何度もしたんだぞ? そう言ってやりたいけれど、口に出すことなどできない。 少しだけ逡巡した後で、アルトはぎこちなく唇を重ねた。 「もっと。」 「・・・・お前、酔ってるだろ。」 「ねぇ、もう一回!」 「・・・・」 甘い声がアルトを誘う。 重ねる度に、もっと、もっとと強請られた。 「・・・深く、シて」 「ん」 「もっ・・・・ん、・っ・・」 熱い吐息が心地いい。 絡まりあう感覚が全てを支配していく。 世界が遠くなっていくのを、アルトはぼんやりと感じていた。 片手で自身の体重を支え、もう片方でシェリルに触れる。 唇は離さず、息をする間も惜しむように夢中で求めあった。 それでも、耐え切れなくなってようやく唇を離す。 苦しさに頬をほんのりと染め、少しだけ潤んだ瞳で見上げられる様は何度経験してもいいものだ。 少し言葉を発するだけで触れ合ってしまいそうな距離。 視界に映るのは互いだけ。 感じる何もかもを共有できるのは二人だけだ。 アルトの唇にシェリルの指が触れ、ツーッとその輪郭をなぞったかと思えば、今度は優しい感触。 ゆっくりと塞がれ、再び呼吸が重なった。 「っ・・・ふぁ・」 「シェリ・・・・んっ・・・ま、て・・」 「ヤダ・・・ぁ、っ・・」 「・・先、・・進め・・・ない」 途切れがちな言葉でもアルトの言わんとしたことが伝わったのか、シェリルの身体がピクンと跳ねた。 ようやく離れたことに心内で嘆息しながらも、アルトは行為を進めていく。 組み敷いた白い裸体を軽く撫ぜると、シェリルの身体がわずかにこわばった。 大切なものを扱うような繊細さで、撫で上げ唇を這わす。 ところどころを舌先でくすぐった。 胸に触れ、下腹に触れ、その感触を楽しんでいく。 アルトの愛撫の一つ一つに反応が返ってくる様子が愛おしかった。 曲線に従い、下肢を彷徨っていた手が秘部へと触れる。 先ほどアルトが愛撫したせいもあって、そこはすでに十分に濡れていた。 触れた瞬間に滑った指の感触と鳴る水音がシェリルにその熱の高まり具合を知らせる。 一際大きく震えた際にシェリルの喉が鳴り、その動揺の大きさをアルトに伝えた。 「ア、ルト・・・」 「濡れてる・・。」 「っ・・・・・」 自分でも意地が悪いとは思うのだけど、美麗な顔が羞恥に染まる瞬間は男心を擽るのだ。 アルトは下肢に指を埋めたまま、ゆっくりとシェリルの肩口に顔を埋めた。 チロリとその首筋を舐め上げ、甘噛みをする。 そして、耳元へとその唇を寄せた。 「お前、自分で服脱いだの覚えてるか?」 「えっ?!」 「今日、俺脱がしてないぞ」 嘘は言っていない。 シェリルが一人で着替えようとしたのは真実だし、自分が脱がせたのはボタン1つだけだ。 5個あるうちの1つなのだから、数的に見てシェリルが脱いだといっても嘘ではない。 「あ、ると」 名前が呼ばれる名前が震えている。 着ているシャツの裾がそっと引かれる。 肌から伝わる体温がまた少し熱を上げた。 「淫ら、だな。」 艶を含ませてそう言ってやると、シェリルの身体がまた少しこわばる。 代わりに指に触れる愛液の量が増した。 中へと埋める指を1つ増やして掻き回す。 内壁を擦り、内を解して、ゆっくりとその狭さをとっていく。 漏れ聞こえる甘い嬌声が、アルトの熱をひっそりと上げていった。 「シェリル。」 煽ることを止めず、名を呼ぶと涙を浮かべた瞳と視線が交わる。 先ほどの言葉と内から生まれる熱に染まった頬には、滲んだ汗と零れ落ちた涙にその柔らかな髪が張り付いてしまっていた。 それを端へと寄せてやると、シーツをつかんでいた手がゆるゆるとアルトの方へと伸びてくる。 求められていると分かるその様子に、アルトの心がまた一つ満たされてゆく。 「・・・んっ・・・」 唇を重ねて、割り入った。 舌を絡めて、唾液を吸い上げ、口内を蹂躙する。 その間に左手でベルトを解き、ズボンと下着を寛げた。 入り口へ宛がうと、またシェリルの身体が跳ねた。 切っ先に愛液が触れ、自身が濡れる。 これから体中に巡るであろう波に、背筋が震える。 それでも、アルトは必死にその衝動を制した。 「アルト?」 いつまでも中へ入ってこないアルトをシェリルが呼ぶ。 それにも答えないアルトにその瞳が、ゆっくりと揺らめきだしていく。 「シェリル。」 「アッ――――」 不安に揺れる瞳に満足げに笑った後で優しく名前を呼び、押し入ると、その衝撃にシェリルの身体が軽く反る。 ぐちゅりという卑猥な音と共に伝わる埋まっていく感触がたまらなく心地よかった。 腰を動かす度に上がる声をもっと聞きたくて、 求めるときに呼ばれる自身の名前をもっと聞きたくて、 夢中で波の後を追いかける。 熱く絡み付いてくる感覚に、全てが蕩けてしまいそうでもあった。 太ももを抱え上げ、奥へ奥へと潜り込む。 揺らす度に豊かな乳房が震えていた。 もっと、もっとと膨れ上がる欲望はその限界を知らない。 熱に浮かされ、溺れ、次第に何も考えられなくなった。 覚えているのは、 その肌の熱 肌と髪の香 白磁の肌に残る赤い痕 注ぎ込んだ唾液の甘さ 濡れた二人分の息遣いと水音 集まっては霧散するその快楽の波あとに翻弄されながら、アルトは高みへと登ってゆく。 果てるなら一緒がよかった。 自然と手と手が絡まったのが嬉しかった。 閉じられていた瞳が開いて、そこに自分が映っていたことが嬉しかった。 名前を呼んだら、それに笑ってくれたのが嬉しかった。 感情のうねりとともに、シェリルの身体の奥底でアルトの熱塊が爆ぜる。 注がれるその熱さに、シェリルの思考が蕩けていった。 「・・・・っ」 耳元で感じる荒い息。 それでもシェリルを撫でる手は最初の頃と同じで優しい。 抱き込んでくれるアルトの何もかもが愛おしくて、シェリルはまだ力の抜けきったままの手をアルトへと伸ばした。 「あのね、大好き、よ?」 「なんで、疑問系なんだよ」 「・・・知ってるかなーって。」 「・・・・そうだな。知ってる」 いつの間にか互いに微笑んでいた。 優しく髪を梳く手が、シェリルを温かくて、幸せな夢の世界へと誘う。 ぼんやりと、まどろみながらシェリルはアルトの頬に触れた。 「ね、おやすみ。」 「あぁ、おやすみ」 白いシーツの波間に抱かれて眠るシェリルの額に、アルトはそっとキスをした。 「おやすみ、シェリル」 言葉を奏でる声は甘く、静かに部屋へと落ちた。
https://w.atwiki.jp/storyteller/pages/400.html
パンツァードラグーン オルタ 14-579~580、 17-664~669 579 パンツァードラグーン オルタsage2005/05/04(水)21 43 13ID //DivFQX 大崩壊から数百年、復興した帝国は生物兵器を生み出す遺跡「生命炉」の起動に成功します。 生み出した生物兵器:ドラゴンメアにより帝国は再び領土を広げていきましたが、 生命炉のオペレータだった亜人アバドが逃亡してしまい、帝国は代わりを血眼で捜していました。 辺境の1都市に亜人がいると情報を得た帝国は、さっそく兵隊を差し向けます。 部隊は監禁状態にあった目的の少女:オルタを発見しますが、 突如ドラゴンが現れ、部隊を壊滅させてオルタを連れ去ってしまいました。 自分の正体を知らず、世界を憎んでいたオルタでしたが、 匿ってくれた部族との生活や、身を挺して守ってくれるドラゴンとの交流に心を開いていきます。 オルタは旅の中、帝国から逃亡した亜人のアバドと出会います。 アバドはAZELにて破壊された「塔」管轄プログラムの再生を行っていましたが、 無理だとわかって自主行動を取り、オルタを使って何かやらせたいようです。 オルタはアバドの案内で、全ての情報が集まる「世界回路」へとアクセスします。 回路の深層部には、自分を生み出した母からメッセージが残されていました。 亜人の母が世界回路を使ってヒトの情報を交配させて生まれた存在がオルタなのだといいます。 本来なら亜人は子孫を残せない。これに反しているオルタ出生の真相を知ったアバドは、 亜人の複製を作るためにオルタの身体を欲して襲い掛かってきますが、 迷いの無くなったオルタはこれを撃退するのでした。 アバドは生命炉へと逃亡し、オルタもこれを追います。 生命炉付近での帝国との戦闘、またお約束通り生命炉が暴走して攻性生物が大量発生し、 さらには生命炉の中からアバドが駆る巨大なドラゴンが出現してしまいます。 世界は亜人によって管理されるべき、数百年の虚無・絶望の篭ったアバドとの戦闘は熾烈を極めました。 激戦の末にオルタはアバドを倒しますが、ドラゴンもまた力尽きてしまうのでした。 自分の役目は終わり、生きた証を残すことができた。 そう心に秘め、ドラゴンは満足そうに死んでいきます。 一面の青空、オルタは草原を歩いていきます。 その傍に、まだ幼いドラゴンを連れて。 580 名無しさん@お腹いっぱい。sage2005/05/04(水)21 52 27ID //DivFQX ちなみにX-box360で坂口氏が作ってるブルードラゴンとやらは パンドラとは何の関係もありません。 つД`)゚。 664 名無しさん@お腹いっぱい。sage2005/08/28(日) 17 16 21 ID uTYsusME 以前書いたパンツァードラグーンオルタの番外編。 帝国少年兵イーヴァの物語で埋めてみる。 665 名無しさん@お腹いっぱい。sage2005/08/28(日) 17 17 17 ID uTYsusME 「帝国は間違ってる!」 「イーヴァ。黙るんだ。」 「父様だってそうだ、作っているのは人殺しの道具じゃないか!」 「どきなさい。薬は飲んだのか?」 「薬なんて飲みたくないよ!いつも仕事ばかりでぼくの話を聞いてくれない。 父様なんて、もう帰ってこなければいいん だ!」 その夜、イーヴァの父は死んだ。 シーカー(発掘を生業とする部族)の里を攻略 中に、 凶暴な攻性生物によって船を沈められたのだ。 帰ってきたのは、父が身に着けていた御守りだけであった。 だがイーヴァに悲しむ暇は無い。 帝国アカデミー最高研究者の息子といえど、孤児であることに変わりはなく、 孤児は軍人になるか、荒野へ追放されるかしか道はないのだ。 まだ幼いイーヴァに、選択肢などは無かった。 イーヴァは物心ついたときから父に貰った薬を飲んでいる。 薬が無ければ発作によって一日も生きられない。 残った薬の量は あと50日分・・・ 軍の一人乗り兵器 ポッド の乗り手として訓練を積むイーヴァ。 自分は強い、独りでもやっていける。そう自分に言い聞かせて。 666 名無しさん@お腹いっぱい。sage2005/08/28(日) 17 17 56 ID uTYsusME イーヴァが気を抜いた瞬間、ポッドに攻性生物が襲い掛かってきた。 だが上級生が庇ってくれたおかげで大事には至らなかった。 「大丈夫か、君は中々いいセンしてるな。すぐに実戦に出られるぞ。 俺はストラテだ。よろしく。」 「あ、ありがとう。ぼくはイーヴァです。」 「イーヴァ?噂は聞いてるよ。父親は気の毒だったな。」 久しぶりに聞く父の名前。イーヴァの目から堰を切ったように涙が溢れる。 「・・・家に帰りたい。父様に、会いたい。父様に会いたいよ。 帰ってこなければいい、って言ってしまった。ぼくが、ぼくが父様を殺したんだ!」 「イーヴァ、自分を責めるな。責めるなら船を沈めたドラゴンにするんだ。」 厄災のドラゴン、光の矢を放つ最強の攻性生物。そんな怪物が本当にいるのだろうか。 それから2週間が立ち、イーヴァにも多くの仲間ができた。 そして今度の作戦にストラテが配属されることになった。 表向きは研究の資料採取だが、本当の相手はあのドラゴンだと噂されている。 冷酷な魔女が操るドラゴンの噂は兵士たちの間にも広まっていた。 イーヴァはこっそりストラテの飛空 挺へと忍びこむ。 「イーヴァ!?ついて来たのか。仕方ない、俺の防護服を着ろ。 いいよ。怪我したことないような育ちのお前と違って、俺の体は丈夫なんだ。」 そして現れた厄 災のドラゴン。 光の矢が次々と味方を貫き、イーヴァとストラテの機体も破壊されてしまう。 667 名無しさん@お腹いっぱい。sage2005/08/28(日) 17 18 55 ID uTYsusME イーヴァが目覚めると、そこはシーカーの里だった。 生存者は自分一人。 なぜ皆が死んでしまったのか、自分が死ぬべきだったのに。 イーヴァはドラゴンへの復讐を決意する。 記憶喪失を装い、シーカーへと溶け込んだイーヴァ。 自分を看病してくれた少女エミーデ とも仲良くなる。 やがて彼らの仕事を手伝ううちに、シーカーの一員として認められるように。 「私達の村は別のところにあったんだけど、帝国軍に追われちゃって・・・」 シーカーの旧集落は、イーヴァの父が命を落とした場所でもあった。 ドラゴンメアの大群の前に、シーカーたちは一溜まりも無かったのだという。 帝国が造った生物兵器ドラゴンメア、その開発にはイーヴァの父も関わっていた。 「前の集落といえば、旧世紀の破壊兵器が発掘されたばかりなんだって。 なんでも辺り一面を破壊する爆弾だそうよ。」 「そんなこと、ぼくに話していいの。」 「あら、もう貴方はシーカーの一員じゃない。」 ――自分は、記憶がないふりをしているだけ なのに。 ドラゴンを見たという情報を知り、イーヴァはすぐさまポットに乗り込む。 シーカーの技術で強化されたポッドは、ドラゴンへ向けてぐんぐん加速していく。 邪魔な攻性生物を退け、ポッドは一瞬だがドラゴンに追いついた。 イーヴァは撃てなかった。 ドラゴンに乗った少女の瞳は、深い孤独に彩られていたのだ。 自分と同じ瞳、彼女も独りぼっちで苦しんでいるのかもしれない。 668 名無しさん@お腹いっぱい。sage2005/08/28(日) 17 20 34 ID uTYsusME シーカーの里へと戻ったイーヴァを、病気の発作が襲う。 再びエミーデに看病されるイーヴァ 。 父の薬はこれで最後、次に発作が起これば命は無いだろう。 形見の御守りをじっと見つめ るイーヴァ。 「手紙入れじゃない。誰からなの?」 御守りだと思っていたそれは、シーカーが使う手紙入れだった。 エミーデに開けてもらうと、そこには父の手紙が残されていた。 「この手紙を読んでいるということは、私は既にこの世にいないのだろう。 イーヴァ、お前に言わなければならないことがある。」 イーヴァの体は樹海の微細菌に冒されている。幼い頃に誤って生水を飲んでしまったためだ。 普通なら数時間で死んでしまうところだが、イーヴァの父は攻性生物の体液から薬を調合した。 一時は助かったものの、耐性ができるのか薬の効果は徐々に弱まっていく。 イーヴァの父はその度に強い攻性生物を捕まえては薬を上書きしていった。 やがてどんな攻性生物のものも効かなくなり、父はドラゴンメアの開発に参加するようになったという。 「イーヴァ、お前は争いごとが嫌いだったね。 お前の言うことが正しいのかも 知れない。 ドラゴンメアは本来いないはずの存在だ。強すぎる力は世界を滅ぼす原因にもなりうる。 だが、私は少しでも長くお前と生きたかった。 こんな父親を許してほしい。 薬はどれくらい残っているだろうか? どうかお前が最後まで、希望をもって生きてくれることを願っている。」 669 名無しさん@お腹いっぱい。sage2005/08/28(日) 17 21 45 ID uTYsusME 辺りに警鐘が響く。村が帝国軍に発見されたのだ。 現れた無数のドラゴンメアと飛空挺。その中にはイーヴァの仲間もいた。 イーヴァを撃てないと、命令を拒否する仲間達。 彼らに避難するよう告げ、イーヴァはポットを加速させる。 向かう先はシーカー旧集落、最深部の破壊兵器。 「父様の作ったドラゴンメア、僕が倒さないと!」 エンジンから火を噴きだしたポッド、追い縋るドラゴンメア。 遺跡を越えて、ついにイーヴァは破壊兵器を起動させる。 天を貫く ように、光の柱が昇っていった。 ドラゴンメアは撤退していった。 結局、破壊兵器はシーカー達が思っていたようなものではなく、 対攻性生物用の防衛システムだったようだ。 だが人間の心にも作用したのか、人々は争いを止めて美しい光景に見とれていた。 イーヴァもエミーデに抱かれ、光り輝く虹を見上げる。 「・・・父・・様・・・」 「どうしたの、イーヴ ァ?」 「ぼく・・・眠くなっちゃった・・・」 「眠りなさい。ずっと傍にいてあげるから。 」 「ありがとう・・・」 まるで天国のような光景。 人間は争うだけでなく、これほど美しいものも作ることができる。 この世界に生まれてよかった。 イーヴァは安らかな気持ちで、父や友人のところへ旅立っていった。
https://w.atwiki.jp/notbs/
TBS電波停止まとめサイト ここは、TBSの電波停止=免許剥奪のまとめサイトです。 TBS問題年表 89年 オウム坂本弁護士一家殺害事件に関与 95年 無関係な番組内でオウム麻原の顔を何度も挿入 96年 オウム村井刺殺事件のTBS関与が浮上 96年 坂本一家殺害への関与を認めず国会で偽証 02年 杉嶋身代金事件で北朝鮮とTBSの共同謀議が発覚 02年 神栖町ヒ素汚染問題で日本軍の毒ガス兵器が原因と捏造報道 03年 石原都知事の日韓併合に関する発言を正反対の意味に捏造報道 06年 番組で紹介したダイエット法で中毒者が続出 06年 ハイド米下院議員の靖国参拝に関する発言を正反対の意味に翻訳 06年 次期自民党総裁有力候補の安倍晋三のイメージダウンを狙い 731部隊特集の冒頭、内容と無関係の安倍の顔写真を約3秒間放映・・・ これらの公共の電波を利用した、反省の見られない報道・調子ぶっこいた報道に違和感を覚えた方は放送免許停止の抗議を! 抗議方法 1.署名 →総務省へ署名を送り、電波停止を働きかける運動です。 2.宣伝 →自分のHPやブログにリンク・バナーを貼ったりなどして、多くの人に知ってもらう方法です。 3.保守 →VIPのスレに定期的に書き込むだけでも、宣伝の効果があります。 詳しくは、抗議方法のページを参照されたし。 リンク 【署名提出】TBS放送免許剥奪を求める署名OFF8 【反日歪曲】免許剥奪までageるスレ【ヤクザ興行】3(TBS実況板のスレッド) TBSの放送免許剥奪を求める陳情署名受付フォーム(携帯からでもOK) TBS偏向報道まとめ その他のリンクについては、テンプレをご覧ください。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/485.html
「厳しいゆっくり」 そのゆっくり一家の様子は、普通とは何かが違っていた。 一家を率いるのはバレーボールサイズのゆっくりまりさ。そこは何もおかしくない。 ついていくのはゆっくりまりさとゆっくりれいむ。数は大体半々ぐらい。そこもおかしくない。 普通とは何が違うのか…その違いは、話しかけてみて始めて分かった。 「ゆっくりしていってね!!」 ゆっくりの本能を深く揺さぶる、僕の一声。 普通なら、この言葉に反応しないわけがなかった。ところが… 「……ゆっ!」「…ゆ!」 子供たちは皆、少し声を漏らしただけ。 何か言いたげな顔はしているが、『ゆっくりしていってね!!』という元気な返事は返ってこなかった。 「おにーさん!!まりさたちはほかのばしょでゆっくりするからね!! なにもようがないなら、まりさたちはもうゆっくりいくよ!!」 先頭に立っている母まりさが、僕に向かって言ってくる。 こいつからも元気な返事はない。おかしいな…こいつら病気なのか? 試しに、もうちょっと揺さぶってみるか。 「まりさ、どこに行くのか知らないが、お兄さんはもっとゆっくり出来る場所を知ってるよ」 「ゆ!?そうなの!?ゆっくりちゅれていってね!!」「れいむもゆっくりしたいよ!!」 もう我慢できない、と言わんばかりに子ゆっくりたちが口を開いた。 そうそう、それが普通の反応である。だが、母まりさは普通ではなかった。 「ゆ!!そんなこというとゆっくりできないよ!!」 「ゆ゛!!」「びゃっ!!」 何も悪いことをしていないのに、母まりさに突き飛ばされた子ゆっくりたち。 転がるほどの勢いも、皮が破れるほどの破壊力もない、ただ痛いだけの攻撃だった。 子供たちは涙目で何かを無言で訴えてくるが、僕にも母まりさにも…何も伝わらない。 「おにーさん!!わるいけどまりさたちはゆっくりいそいでるからね!!じゃましないでね!!」 そう言い放つと、母まりさはとっとと先へ進んでいってしまった。 子供たちだけが、僕を名残惜しそうに見上げていたが… 「…ゆっくりしすぎだよ!!」 母の一言で、子供たちは飛び上がるようにして母の後を追いかけていった。 あの母まりさ、どう考えても普通じゃない。 『ゆっくりしていってね!!』『もっとゆっくり出来る場所がある』という二つの言葉。 ゆっくりの本能を最も刺激するはずの言葉に、母まりさは釣られなかった。 突然変異なのか、それとも病気なのか… 「こいつは面白そうだな…」 どちらにしても、この面白そうなネタを放っておくわけにはいかない。 僕は先ほどの一家をゆっくり追いかけることにした。 一家の巣はすぐに見つかった。木の根元に、精妙にカムフラージュされた大きな穴だ。 決して大きな穴ではないが、母まりさ+数匹の子ゆっくりなら十分な広さだろう。 僕は静かに巣穴に近づいて、隙間から中を覗いてみた。 「にんげんにはなしかけられても、しゃべっちゃだめっていったよね!!」 「ゆびゃああああぁぁl!!」 「みんな、おかーさんとのやくそくやぶってしゃべっちゃったよね!!」 「ぎゅべぇおおおおお!!」 「やくそくをやぶったわるいこはゆっくりできないよ!!おしおきだよ!!」 「あぎゅあああぁっぁ!!!」 合計5匹の子ゆっくりが一列に並んでいる。 よく見れば子ゆっくりというより、赤ちゃんゆっくりぐらいの大きさだ。 母まりさは、何か言葉を発するごとに子ゆっくりに一匹ずつ体当たりを食らわせる。 その勢いは母まりさの怒りに比例して強くなり…最後に体当たりされた子れいむは、壁にぶつかると口から 餡子を大量に吐き出してしまった。 ゆっくりにとって、命の源である餡子を吐き出すことは一大事だ。 処置を怠れば、死に至ることだってある。それは子ゆっくりもよく知っていた。 「うぶっ!!ゆべえええぇっぇぇえ゛え゛え゛ぇぇぇあ゛あ゛あ゛ぃ!!!!」 「ゆゆ!!おかーさん!!れいむが!!れいむがゆっきゅりできなくなっちゃうよ!!」 「ゆっくりたしゅけてあげてね!!ゆっくりなおしてあげてね!!」 周りの子ゆっくりたちが、必死に母親に助けを求める。 だが、母まりさは鼻で笑いつつこう言い返した。 「ふん!やくそくをまもれないバカなこは、ずっとそうしてゆっくりしてればいいよ!! みんなもやくそくやぶるとこうなっちゃうからね!!ゆっくりりかいしてね!!」 自分の仕事を成し遂げたと思っているのか、母まりさの顔は満足げだ。 それに対して、子ゆっくりたちの表情は完全に沈んでしまっている。 「子供を虐めるなんて…酷い母親だなぁ」 僕はくすくすと笑いながら、そのまま様子を観察し続けた。 母が食料を取りに出かけた後、しばらくして先ほど餡子を吐いた子れいむが目を覚ました。 「ゆ…ゆううぅぅ……!」 「ゆ!ゆっくりおきてね!!」「ゆっくりしていってね!!」 周りで見守っていた子ゆっくりたちが喜びの声を上げる。 気絶していた子れいむは特に外傷はないらしく、次第に元気を取り戻してゆっくりし始めた。 僕は母まりさがいなくなった今しかないと思い、巣穴に首を突っ込んだ。 「やあ!ゆっくりしていってね!!」 「ゆ?ゆっくりしていってね!!」 今度は5匹の子ゆっくり全員が応えてくれた。 やっぱり、普通じゃなかったのはあの母まりさに原因がありそうだ。 「さっきのおにーさん!!どうしたの!?」 「ここはれいむたちのおうちだよ!!ここでゆっくりすると、おかーしゃんにおこられちゃうよ!!」 怒られるというのは…たぶん“やくそく”のことだろう。 先ほどの様子からしてこの子ゆっくりたちは、母まりさと幾つか約束を交わしているらしい。 それらを破ると、先ほどのように罰を受ける…命に関わりかねない罰を。 つくづく理不尽な母親である。自分の都合を押し付けて、破ったら虐待だなんて。 「大丈夫だよ。すぐに出て行くからね。それより、皆に美味しい食べ物を持ってきたよ」 「ゆ!?たべもの!!ほちいよ!!ゆっくりちょうだい!!」「ちょうだいちょうだい!!」 クッキーを放り込んでやると、5匹の子ゆっくりは一斉に群がって貪り始めた。 母との約束という重圧を忘れた5匹は、本能に忠実な普通のゆっくりだった。 「ゆはっ!!うっめ!!めっちゃうっめ!!」「むーしゃむーしゃ!!しあわせー♪」 「じゃあお兄さんはもう行くからね。みんなはゆっくりしていってね!!」 って、食べ物に夢中だからたぶん聞こえてないな。 僕は食事を邪魔しないよう、追加のクッキーを数十枚放り込んで、静かにその場から立ち去った。 後ろからは、クッキーを貪り食う子ゆっくりの下品な声が聞こえてくる。 母まりさが帰ってくる頃に戻ってきて、“あれ”を実行することにしよう。 帰ってきた母まりさは、巣の中の様子に驚愕した。 一面を埋め尽くす見慣れぬ食べ物。それを美味しそうに食べている5匹の子供たち。 「ゆ!おかーしゃんおかえりなさい!!」「みんなでゆっくりしようね!!」 口の周りに食べかすをつけた子供たちが、出迎えの挨拶をする。 だが、母まりさはそれに応えない。 「これはだれからもらったの!?ゆっくりせつめいしてね!!」 母まりさの疑問は当然のものだった。子供たちが自力で食料を集められるわけがない。 しかも、5匹が食べきれないほどの量だ。母まりさだって、これだけの量を集めるのには2週間はかかる。 つまり当然の結論…『この食べ物は、誰かからもらった』 「ゆ……と、ともだちのまりさにもらったんだよ!!」「そ、そうだよ!!」 「うそをつかないでね!!にんげんからもらったにきまってるよ!!」 「ゆ゛!?」 母が真相を口にした瞬間、子供たちは固まってしまった。 “恐怖”…生まれたときから植えつけられてきた感情、たった一つに縛り付けられて。 約束を破ったことが母にバレた…その次に待っているのは、無慈悲な“罰”であることを知っているから。 横一列に、背を壁に向けて並べられた子供たち。 自分達のこれからを想像して、がたがたと震えている。 されることはいつもと同じ。だが、未だにその痛みに慣れることが出来ない。 「やくそくをやぶったらゆっくりできないよ!!」 「ゆぎゃああ゛あ゛ぁぁ!!」 「やくそくやぶるこは、おかーさんのこどもじゃないよ!!」 「ごみんあじゃあぁぁぁい゛い゛!!」 「にんげんとはゆっくりできないよ!!ゆっくりおぼえてね!!」 「もうゆるじでええぇぇぇぇえ゛!!」 「にんげんはわるいものだよ!!ぜったいゆっくりしちゃだめだよ!!」 「うがやおああおおおおぉおぉぉ!!」 壁と母まりさの身体で挟み撃ちにされる度に、悲痛な叫びを上げる子ゆっくりたち。 何度も何度も、何度も何度も、何度も何度も、何度も何度も。 繰り返し繰り返し、母まりさは5匹の子ゆっくりに順番に体当たりする。 『人間とはゆっくりできない』『人間と一緒にゆっくりしたら二度とゆっくりできなくなる』 全ては理解してもらうため。このことを理解して、覚えてもらうためだ。 自分は母に人間の危険性を教えてもらっても、すぐに忘れてしまった。 そして人間についていったばっかりに、友達を皆食べられてしまった…そんな自分の二の舞にならないように。 子供たちには忘れて欲しくない。ずっと覚えていて欲しい。だってそうしないとゆっくりできないのだから。 「がまんしてね!!がまんしてゆっくりできるこになってね!!」 「げりょうあおあおあおあおああああああ!!!」 母まりさは、何度も何度も、子ゆっくりたちに伝わることを願って…体当たりを続けた。 昼になって、例の巣に戻ってきて見ると…巣の中では再び虐待が行われていた。 母まりさが子ゆっくりに体当たりするたびに、張り裂けんばかりの悲鳴が僕の耳を突く。 「うぎゃあ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁぁぁぁぁ!!!」 「ぎゅええええべべべべええ!!!」 「あばばばばあああああぁぁぁぁあ!!」 何故だか分からないが、母まりさは相当怒っているらしい。 母まりさの言葉は乱れすぎていて何と言っているか聞き取れないが…かなりノリノリである。 待てど暮らせど、虐待の嵐はなかなか止まない…痺れを切らした僕は、釣り針を握るとそっと巣の中に手を 突っ込んだ。 「……よし」 虐待に夢中になっている母まりさは、自分の帽子に釣り針が刺さったことに気づいていない。 子ゆっくりたちも、すっかり怯えきってしまって周りの様子など目に入っていなかった。 僕は、糸を思いっきり引っ張った。それに従って、母まりさの帽子が脱げて瞬く間に巣の外へ飛んでいく。 「ゆ!!まりさのぼうし!!ゆっくりまってね!!」 即座に異変に気づいた母まりさは、帽子を追って巣の外へ。 終わりなき虐待から開放された子ゆっくりたちも、安堵の表情を浮かべながら恐る恐るついてくる。 「おにーさん!!それはまりさのぼうしだよ!!ゆっくりかえしてね!!」 糸にぶら下がった帽子をぶらぶら振り回す僕。 まりさは必死にジャンプしてそれを口で咥え取ろうとするが、ぎりぎり届かない高さに調節しているので、 どんなに頑張っても…帽子まで後一歩、というところで勢いを失ってしまう。 「ゆぎゅうううぅぅぅ!!ゆっぐりがえじでね゛!!がえざないどゆっぐりざぜであげないよ゛!!」 「あっそう、じゃあ返してあげるよ、ほーれほーれ♪」 上から目線で物を言う母まりさを、僕は満面の笑みでおちょくる。 ぶんぶん振り回される帽子を目で追いながら、あんぐりと口を開けて狙いを済まして… 命と同じくらい大事な帽子を奪い返そうと、必死にピョンピョン跳ね続けている。 「うぎゅうううぅぅぅ!!!いじわるしないでね゛!!ゆっくりがえじでね!!」 ふと、巣の入り口近くにいる子ゆっくりたちに視線を移す。 さっきからじっとこっちを見ているが…母を応援する声は聞こえてこない。 普通の一家なら、『おかーさんがんばってねぇ!!』とか、『おにーさんとはゆっくりできないよ!』の 一言ぐらいあるものだが… つまり、そういうこと。子ゆっくりたちにとって、母まりさは“そういう”存在なのだ。 「お母さんまりさにひとつ提案だよ。子供の帽子かリボンを持ってきたら、この帽子と交換してあげる」 「ゆ!?」 果たして口車に乗って、子供の髪飾りの強奪に乗り出すかどうか… 僕にとっては一種の賭けだったのだが…どうやら僕の勝ちだったようだ。 母まりさは目の色を変えて、巣の入り口に集まっている子ゆっくりたちに襲い掛かった。 「ゆっくりにげないでね!!おかーさんにぼうしとりぼんをちょうだいね!!」 「おがーざんごっじごないでえ゛え゛ぇぇぇ!!!」 「ぞんなごどずるおがーじゃんどはゆっぐりでぎない゛い゛い゛い゛ぃぃぃ!!!」 子ゆっくりにとっても、帽子やリボンは大事なものだ。簡単に取られるわけがない。 母まりさに捕まらぬよう、子ゆっくりたちは蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。 「ゆっくりつかまってね!!にげるこはゆっくりできなくなっちゃうよ!!」 「やだあああぁぁぁぁ!!!づがまるどゆっぐりでぎないよ゛!!」 「おがーざんやめでね゛!!ゆっぐりごっぢにごないでね゛!!」 母と子には体格差があると言っても、命と等価のモノがかかっているこの状況では、子供たちはなかな捕まらない。 実のところ、先ほどのクッキーにはゆっくりの運動能力をちょっとだけ強化する薬物が入っていたのだが… 母まりさも、当の子ゆっくりたちもそのことにはまったく気づいていない。 「おがーざんにぼうしどりぼんちょうだい!!そうすればみんなでゆっぐりでぎるよ゛!!」 なかなか追いつかないので、目に涙を浮かべながら子供を説得しようとする。 しかし、そんな言葉で釣られるほど子ゆっくりは愚かではなかった。 「おがーざんうそづいでるよ!!うそづくおがーじゃんどはゆっぐりでぎないよ゛!!」 「ゆっぐりついてこないでね゛!!ゆっくりどっかいってね゛!!」 「ゆぐぐぐぐぐ…どうじでぞんなごどいうの゛!!ゆっぐりでぎなぐなっでもしらないよ゛!!」 まだまだ子ゆっくりたちには追いつきそうにない母まりさ。 僕は母まりさにもっと必死になってもらうために、ライターで母まりさの帽子に火をつけた。 ボオォッ!! 何の素材で出来ているのかわからないが、本当によく燃える。 「ゆぎゃああああーーー!!!まりさのぼうしもやざないでえ゛え゛え゛ぇぇぇ!!!」 子ゆっくりを追いかけるのを止めて、燃え上がる自分の帽子目掛けて飛びついてくる母まりさ。 だが、僕がうまく糸を動かして帽子をひょいっと遠ざけたので、母まりさはそのまま地面に激突した。 「ゆぶっ!!やめでね゛!!まりざのぼうじもやざないで!!はやぐひをげしでよお゛お゛お゛ぉぉぉ!!!」 「まぁまぁ焦るなって。結構綺麗に燃えてるじゃないか」 地面に顔から落ちて身悶えている隙に、母まりさの髪を釘に結び付けて地面に打ちつけた。 これで母まりさは、ほとんど身動きが取れなくなった。 「ひをげしで!!うぶゅ!!いだい゛!!いだいよ゛!!がみがひっばられでるううぅぅぅぅ!!!」 帽子を燃やされている悔しさと、髪を引っ張られる痛みで…母まりさの顔は涙でボロボロになる。 痛みにのたうち回ろうとすればさらに痛みが襲うので、下手に動けない状況だ。 それでも母まりさは、何度も何度も助けを求める叫び声をあげた。 「まりさをだずげでぇ!!ごのままじゃゆっぐりでぎなぐなる゛!!」 「おねがいだがら!!ごっがらはなぢでえええぇぇえ!!!あだまがいだいいいいぃぃぃい!!!」 「ぼうじ!!まりざのぼうし!!もやざないでよ゛ぅ!!」 「……らんぼうするおかーしゃんは、ずっとそこでゆっくりしてればいいよ!!」 突然、一匹の子れいむが震えながら力いっぱい言い放った。 するとそれに続いて、次々と子ゆっくりたちが母まりさに罵詈雑言を浴びせる。 痛めつけられる母まりさの姿を見て、子ゆっくりたちの心境に変化が生じたのだろう。 母まりさが動けないことに気づいた、というのもあるだろうが。 「そうだそうだ!!おかーしゃんのぼうしなんか、ゆっくりもえちゃえばいいよ!!」 「おかーさんはずっとそこでゆっくりしててね!!こっちにこないでね!!」 「ばかなおかーさんはゆっくりしねばいいよ!!」 「いや゛ああぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁ!!ひどいごどいわないでえ゛え゛え゛ええぇぇぇぇえぇえぇ!!!!」 次々に打ち明けられる子ゆっくりたちの本音が、母まりさの心を深く抉る。 今まで母まりさに虐待され続けてきた子ゆっくりの鬱憤が……ここで爆発した。 「ゆっくりしね!ゆっくりしね!」 「らんぼうもののおかーさんはゆっくりしね!!」 「れいむたちにいたいことしたよね!!だからおかーさんにもいたいことしゅるよ!!」 身動きの取れない母まりさを取り囲んだ5匹は、怒りを爆発させながら集団リンチを始めた。 つい数分前まで母の虐待に怯えていた子ゆっくり…僕がちょっと手伝ってやっただけで、立場は逆転した。 「いだっ!!いだいよ゛!!ゆっぐりやめでね゛!!やめだらゆっぐりさせてあげるよ゛!!」 「うるさいよ゛!!おかーさんのいうごとなんか、もうきかないよ゛!!」 「おかーさんのせいでいままでゆっくりできなかったよ!!ゆっくりしんでいってね!!」 一体どれだけの間、母まりさに虐待されてきたのだろうか…その間に溜めてきたストレスは相当のものらしい。 容赦ない体当たりが、母まりさの身体を深く傷つけていく。 ところどころ餡子が漏れ出し、さらに傷は広がって痛みを誘発させる。 「あぎゃああああああっぁぁぁあぁ!!やめでやめでやめでやめでやめでやめでやめで!!!! じぬ゛ぅ!!じんじゃう゛!!ごのままじゃじんじゃう゛!!おねがいだがらやめでよおおおおぉぉぉ!!」 母まりさの悲鳴を完全に無視し、リンチを続ける子ゆっくりたち。 僕はそんな子ゆっくりたちに優しく話しかけた。 「そろそろ疲れてこない?お母さんの帽子が燃えてるのを見ながら、ゆっくり休憩しなよ」 「ゆ!そうだね!!ゆっくりつかれてきたよ!!」 「ゆっくりやすもうね!!みんなでゆっくりしようね!!」 「おにーさんあたまいいね!!おかーさんとはおおちがいだよ!!」 そんなことを言いながら、母まりさから離れていく。 取り残された母まりさの姿は…それはもう酷いものだった。 「ゆぶ……どぼぢで…?……まりざはっ…みんなのだめにっ…!!」 目玉は片方が抉られ、口は不細工に引き裂かれ、頬も深く噛み千切られている。 まだ生きているが…このまま餡子を漏らし続ければ、命が尽きるのは時間の問題だ。 「ゆー!きれいだね!!」「ほのおってきれい!!」「ゆっきゅりー!!」 「もえろもえろー♪」「ゆっくりもえろー♪」 炎をあげて燃える母まりさの帽子。それを見つめる子ゆっくりたちの目は輝いている。 やっと母まりさの圧制から解放される。明日からは自由にゆっくり出来る。 掴み取った明るい未来を見据えた…そんな目だ。 僕は糸を木の枝に固定して子ゆっくりたちから離れると、そっと母まりさに近づいた。 「やぁ、気分はどうだい」 「うぎゅ…だじゅげで……ゆっぐりでぎな…いよ…!!」 「でも、子供たちは今までゆっくり出来てなかったんだよ。お母さんである君が虐めていたせいでね」 「うぞだよ!……まりじゃは!…まりじゃは……みんな゛のっ…ために゛…!」 まだ悪あがきを続けている。うねうねと動く母まりさの頬の皮が気持ち悪い。 「みんなのために……ねぇ」 僕はため息をつきながら振り向いて、子ゆっくりたちに声をかけた。 子供たちは糸にぶら下がった帽子が燃えているのを、まだ楽しそうに見物している。 「なぁみんな!!このお母さんどうする?助けてあげる?」 「ゆ?そんなのほっといていいよ!!それよりおにーさんもこっちでゆっくりしようね!!」 「おかーしゃんなんかそのまましねばいいよ!!ゆっくりしんでね!!」 との返答を貰い、そのまま視線を母まりさに戻す。 「…だとさ」 僕は母まりさに向けてニコリと微笑んだ。 母まりさは、僕にとって最高の表情をしたまま…最期の叫び声をあげた。 「ゆ゛っ……ゆぎゃああああぁあぁぁぁぁぁぁぁあがえんrぎなえりおいりあがあrがにrg!!!!」 声にならない叫びをあげたが最後、母まりさは動かなくなった。 子供たちにはずっとゆっくりしてもらいたい。だからこそ、厳しく接してきた。 だが、子供たちには伝わっていなかった。それどころか家族を崩壊させる一因になってしまった。 どうしてこんなことになってしまったのか、自分は間違っていたのだろうか。 母まりさは考える。考える。考える。でもわからない。餡子が足りないからわからない。 子供たちに伝わらなかった想い。伝わらなかった願い。 一生懸命伝えたつもりだった。でも、伝わらなかった。伝えたかったのに、伝わらなかった。 そしてこれからも、その想いと願いは、伝えることはできない… 傍らで笑いあう子供たちの声が、遠くに聞こえる。 母まりさは、ゆっくりと後悔しながら…さいごのいのちを吐き出した。 あとがき この話、本当にかわいそうなのは誰だろう? 作:避妊ありすの人 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/stat_semi/pages/26.html
ブートストラップと呼ばれる統計の手法があります。これは標本のデータから重複を許したサンプリング(普通は標本数と同じだけ)を行い、新たな標本を作製する、といった作業を何度も繰り返す手法です。この標本からのサンプリングという作業をリサンプリングと呼びます。こうして作られた複数の標本から計算される統計量(例えば平均、分散)のばらつき方は、母集団からサンプリングを何度も繰り返した時のばらつき方に近いという性質があります。つまり、複雑で難解な確率密度関数や中心極限定理を使うことなく、平均値や分散といった統計量がどのようにばらつく可能性を秘めているのかをあぶりだすことが可能なわけです。 なにはともあれやってみましょう。まずは標本データのベクトルを用意します。 x - c(1, 2, 3, 5, 3, 4, 4, 7, 8, 10, 1) 全部で10の要素からなるデータです。ここからリサンプリングを行うには、sample()関数を使います。sample()関数には3つの引数を指定します。 sample(x, 10, replace=T) 第一引数はサンプリングの対象となるデータベクトル、第二引数はそこからいくつのデータをサンプリングするか、第三引数は重複抽出を許すか否か(T or TRUEで許す、F or FALSEで許さない)を指定します。すなわち、上のsmaple()関数は元となるデータと同じだけの個数、重複を許してサンプリングしろという命令をしているわけです。この作業がリサンプリングです。で、例えばこのサンプリングされたデータから平均値を計算すると、標本平均とはちょっと違うけどよく似た平均値が得られます。この平均値のことをブートストラップ標本平均と呼びましょう。ブートストラップ標本平均は試行のたびにちょっとずつ異なることが期待できます。ここで私たちの目的は、ブートストラップ標本を大量に入手して、ヒストグラムなり何なりを描き、サンプリングデータに隠されている「平均値のばらつき方の可能性」を白日の下にさらすことにあります。 大量のブートストラップ標本を入手するためには、sample()関数を何度も何度も繰り返します。それはもう大量に。とりあえず2000回ほど繰り返しましょう。繰り返しにはfor文を使いましょう。最初にブートストラップ標本をしまっておく入れ物を用意するのを忘れずに。 x.boot - numeric(2000) for(i in 1 2000){ x.boot[i] - mean(sample(x, 10, replace=T)) } これでx.bootという入れ物の中に2000個のブートストラップ標本が入ります。ヒストグラムを描いてみましょう。 hist(x.boot) 正規分布っぽいですよね。これは中心極限定理の確認にもなっています。まあこのグラフを見ても大体このデータの平均値のばらつき方が分かると思います。このグラフは、「真の平均値(母平均)」が存在する値の確率を示しています。要するに、このヒストグラムの右と左のすそをちょっと削って面積が95%になるように範囲を指定すると、それが「95%信頼区間」となるわけです。 では、95%信頼区間を求めてみましょう。これはデータを小さいほうから並べたときに、下から2.5%目に存在しているデータの値と、97.5%目に存在しているデータの値の間の領域です。「2.5%目」って具体的に何番目なんだよ!とか言われそうですが、1000個のデータがあれば25番目ということです。が、必ずしもぴったり「2.5%目」が存在するとは限りませんね。データは999個かもしれない。そういうときのためのちょっとややこしい計算法もあるのですが、詳しくはパーセンタイル点の計算法?(そのうち書きます)で。 Rでは「○○%目の値」はquantile()関数で計算します。↑にもちょっと出ましたが、「○○%目の値」というのは実際にはパーセンタイル点などと呼びます。ではquantile()関数を使って2.5、97.5パーセンタイル点を計算してみましょう。この関数は2つの引数を必要とします。1つ目はデータベクトル、2つ目は計算してほしいパーセンタイル点。第二引数を省略すると0,25,50,75,100パーセンタイル点(これをクオンタイル点、または四分位点とも言います)を計算してくれます。というわけでブートストラップ標本の2.5パーセンタイル点、97.5パーセンタイル点を計算してみましょう。 quantile(x.boot, c(0.025,0.975)) 2.5% 97.5% 2.8 6.2 結果はこのようになりました。よってこの標本からブートストラップ法により計算された平均値の95%信頼区間は2.8~6.2であるといえます。ところでt.test関数によっても信頼区間というのは計算できます。実際に計算するとその範囲は 2.4~6.3となりました。この範囲はブートストラップ法によるものよりも若干広くなっています。これは元の標本データの分布がでたらめ(まー僕がデタラメに打ち込みましたんで)ということが影響していると思います。この場合はブートストラップ法による範囲の方が適当だと思います。ブートストラップ法は分布がどのような形をしていても使えます。 ところで、ブートストラップ法による区間推定の方法にはパーセンタイル点を利用するパーセンタイル法のほかにもいくつかあります。ここでは詳細を解説しません(よくわからないので)が、気になる人は汪 金芳「ブートストラップ法入門」などを参考にしてください。
https://w.atwiki.jp/striker/pages/10.html
コメントプラグイン @wikiのwikiモードでは #comment() と入力することでコメントフォームを簡単に作成することができます。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_60_ja.html たとえば、#comment() と入力すると以下のように表示されます。 名前 コメント