約 3,227,850 件
https://w.atwiki.jp/jfsdf/pages/133.html
小国の苦悩 第九話 ゴンザレス王国の建国は帝国勢力下に組み込まれた時点で110年という、この辺りの国家では最も古い歴史を誇る。 大陸統一暦1233年(西暦1820年頃、大陸統一暦は戦乱で年号の管理が怪しい為不確定)、アムドゥア第二帝国崩壊後の継承戦争で本国を失ったこの地方の当時の領主達は次々に独立した。 ゴンザレス1世もこの当時独立した地方領主の一人だった。 ゴンザレス1世、元の名をエルウィン・ブランツ・グラン・ゴンザレスは元々アムドゥア第二帝国で辣腕を振るった大将軍であった。 地方における蛮族討伐戦で戦功をあげ、王位継承権争いに伴う武力衝突で国王派の最高司令官として王弟派を打ち破り、名実共にアムドゥア第二帝国総大将軍となった。 しかし戦闘において類稀なる能力を持っていた一方で、彼の政治能力は『犬以下』だった。 統一後の政治抗争で中央を追い出された彼は、中心部から遠く離れたこの地の領主として都落ちする。 失脚したとは言え、大きな勲功のあった彼にはそれなりの領地が与えられた。現在のゴンザレス領の原型である。 大陸統一暦1230年、国政すら放置し政治闘争に明け暮れたアムドゥア第二帝国は、国王が若くして亡くなると、その後継をめぐって再び内部分裂した。最初は政治闘争であったものが、王女暗殺事件を経て武力衝突に発展する。 各勢力の思惑を孕み衝突は遂に諸侯が争う大戦争へと発展。 継承戦争の始まりであった。 王女を擁立していたガルム枢機卿を中心とする正統王権派は、王女を暗殺した(といわれる)ヴィンス侯爵率いる貴族派を次々に打ち破る。一方でヴィンス侯爵も諸国に援軍を要請し・・・ 等という事は関係なく、中央の権力闘争にかかわりの無いこの地方は平和だった。 大陸統一暦1233年、次々の諸侯の離脱したアムドゥア第二帝国の崩壊が誰の目にも明らかになると、エルウィン・ゴンザレスはゴンザレス1世を僭称し、ゴンザレス王国を建国する。 この際に、多額の布施を教会に行って王位を授けられた辺り、多少は政治と言う物を学んだらしい。 同時期にボンジュール王国などの周辺諸国も次々に独立しているが、この地方でもっとも早く独立したのがゴンザレス王国だった。 その後、地域紛争や大国の圧力に耐えかねた国々が近隣の地域大国に次々に吸収されていったが、ゴンザレス王国は旧アムドゥア近衛騎士団の流れを汲む精鋭ゴンザレス騎士団を持ってそれら脅威に対抗した。 所詮地方領主の手勢と、都落ちしたとは言え超大国の近衛騎士団の流れを汲むゴンザレス騎士団では比べ物にならず、ゴンザレス王国は版図を拡大していった。 しかし1271年、ゴンザレス3世の治世になると、近隣のボンジュール王国が地域大国ローデリア王国に組み入れられる。 ボンジュール国王改めボンジュール伯爵はローデリア本国に援軍を依頼、一挙に劣勢に立たされたゴンザレス王国は殆どの領地を切り取られ、かろうじてローデリア王国の属国として存続を許される。 そして大陸統一暦1342年(西暦1939年)・・・ 「ローデリア王国東方騎士団は壊滅、すでに王都ローデムも陥落した模様です。西方騎士団は急遽取って返した様ですが・・・既に王都も王も帝國の手に落ちており、恭順も時間の問題だとの噂です」 ヴァエッサ伯爵が、沈痛な面持ちで報告する。 「ローデリアも時間の問題だな」 アルフォンス伯爵が目を閉じる。 「既に帝國の偵察隊と思しき部隊がわが国周辺に出没しています」 騎士団長ピエール男爵の代理として出席していたモルボルン副騎士団長補佐が報告する。 「現在の所、発見した場合でもこちらは後退しているため交戦には到っておりません」 「いい判断だ」 ロドニー男爵がため息をついた。 この御前会議には、20人もの貴族が参加している。 弱小国であるゴンザレス王国は常識では考えられないほど多くの貴族を抱えているが、 これは元々初代ゴンザレス時代には大領主であった事、ゴンザレス王国初期には領地を次々に拡大していた名残である。 全人口が500名(貴族含まず)程度で貴族が20人というのはどう考えても異常であるが、 弱小国に落ちぶれても貴族の整理案を誰も出せずに居た結果、人数が維持されてしまったのである。 幸か不幸か、ゴンザレス王国は比較的肥沃な土地である事もあり 500人で家族も含めた50名程度を十分に養えてしまったのである。 ・・・ただし、10人も領民が居ればいい方で、自分で畑を耕している人間も多い。 この国に置いては、貴族=大地主または、役場の役人、駐在さん・・・と考えていいだろう。 「帝國軍は総兵力500万を号しており・・・」 モルボルンが紙を読み上げる。 「500万・・・」 エリック子爵が絶句する。 「さすがに・・・500万は、はったりだろう」 「実兵力は50万位じゃないかね?」 彼方此方から野次の様な声が上がる。 「この地方に展開している兵力だけで50万だそうです」 「50・・・万・・・」 野次をあげた貴族が絶句した。 ここで今まで黙っていた国王ゴンザレス5世が重々しく口を開いた。 「・・・・いっその事、帝國に降伏申し込もうか? 楽だし」 国王ゴンザレス5世がボソっと言った一言に全員が固まる。 「それでは110年の歴史を誇るわが国の誇りはどうなるのですか!」 「大体国王陛下は主君としての誇りがかけている!」 「やはり甥のトンザレス公爵を国王にしたほうが良かったのでは?」 「だが、このままでは外交的に遅れをとることに・・・」 「誇りを失って何が貴族か!」 「現実を無視しては・・・」 議場は大騒ぎになる。 (・・・勝てないのに降伏以外何をしろというのだ?) ゴンザレス5世は眉をひそめながら、そんな事を考える。 ふと、扉の方を見ると召集に遅れてきた騎士団長ピエール男爵が扉を押し開けたまま、中に入りもせず固まっている。 「・・・・なにあれ?」 ゴンザレス5世は首を捻った。 「さぁ・・・・? ギックリ腰では?」 側近も首を捻った。 「結構な歳だからな。訓練で張り切りすぎたのか」 御前会議で帝國への降伏が決定したのはそれから1日後の事だった。
https://w.atwiki.jp/negiijime2/pages/258.html
己の遺伝子を残し、種を存続させるため生物は生きている。とどこかで耳にした。 それならば私はなんの為に生きているのだろうか。 私に自分の子孫を残す事は出来ない。 本来生殖不能であるはずの、異なる二つの種族から生まれた禁忌の存在。それが私だからだ。 いわゆる「あいの子」と呼ばれる生物がそうであるように、私も生殖能力を持ってはいないであろう。 それ以前に私の存在は二つの種のどちらにとっても「異種」であり、悪く言えば「化け物」である。 生理的にも倫理的観念からも私と交わろうなどと考える雄はいないだろうし、私の方もそのつもりはない。 すでに肉親と呼べる存在はなく、これからも決してそう呼べる者が生まれてくる事はない。 生まれながらにして、生物としての存在理由を奪われた私。 それでも私には、私だけの存在理由があった。私はそのためだけに生きていると言っても過言ではない。 近衛木乃香を守る。という事は桜咲刹那にとって、その人生全てにおいての最優先事項である。 その事は自分の命よりも他の誰の命よりも優先される。 今の彼女は木乃香への度重なる嫌がらせの犯人を見つけることに手段を選ぼうとはしていなかった。 木乃香の靴箱から鳥の死骸が出てきたその日の夜。 刹那は寮内でクラスメイトの一人、宮崎のどかに声をかけた。 「のどかさん・・・少しよろしいですか?」 「な、何?せつなさん」 普段余り話すことのない刹那に差し迫ったな表情で話しかけられ、のどかは緊張した様子を隠せなかった。 「お嬢様が・・・木乃香さんが最近悪質な嫌がらせを受けているのはご存知ですか?」 「う、うん。今日靴箱に・・・死んだ鳥を入れられたとか、みんなが話してるのを聞きました・・・」 「それ以前からお嬢様の携帯にはおそらく同一犯から大量の脅迫メールが送られてきていました。 先日、のどかさんにもお嬢様がメールアドレスを変えたという知らせが届いたと思いますが、あれはその対策だったのです」 のどかは緊張した態度を崩さぬまま、黙って刹那の話を聞き続ける。 「・・・ところが、その日のうちにまた嫌がらせのメールが届いたんです。 ……これは、お嬢様の新しいアドレスを知る人間が犯人・・・という事を意味しています」 「そ、それじゃあ、まさか、ウチのクラスの誰かが・・・」 「その可能性が高いでしょう・・・そこでのどかさんにお願いがあります」 「えっ・・・わ、私に出来る事があるんですか・・・?」 予想だにしなかった展開にのどかの声が多少うわずる。 「のどかさんのアーティファクトでクラス全員の心を読んで貰いたいのです。 誰が何を考えてお嬢様にあんな嫌がらせをしているのか確かめるために」 「ええっ!だ、駄目ですよそんなの。みんなの心を勝手に見るなんて事は・・・」 のどかは当然のごとく拒否した。しかし、刹那はなお食い下がる。 「あくまで見ていただくのは、お嬢様に関する事だけです。一人一人に別の人間、私かネギ先生 が簡易な質問をするので、その瞬間の心境だけ読み取っていただければかまいません」 「そ、それでも嫌です・・・そんな事やりたくありません・・・」 もはや刹那と視線を合わせる事すら出来ず、最後の方は消え入りそうな声でのどかは言った。 「・・・それでは、まず私の今の心を読んでください。それでもまだ断られるというなら諦めます」 刹那の剣幕に押され、拒否する事ができず、のどかは仕方なく、刹那の名を呼び本を開く。 「…!!ひっ………」 ……刹那の表層を読み取ったのどかは先の頼みも断る事ができなくなった。 -その翌日- 刹那は生徒一人一人に質問する役をネギに頼み、自分はのどかと一緒に全員の心の表層を読む事にした。 その旨をのどかと一緒に翌朝、早速ネギに伝える。 「・・・と言うわけでネギ先生にも、協力して頂きたいのです」 しかし、ネギは乗り気では無い様だ。 「・・・僕は賛成できません。そんなみんなを疑う様な事は・・・」 ネギの反応を見て、慌てて弁明するのどか。 「わ・・・私も本当は嫌なんです、でも・・・」 しかしそれを遮って刹那が口を開く。 「先生のお気持ちは察しています。しかし、犯人は明らかに異常です。 放って置くと次はどんな危害がお嬢様に及ぶかわかりません。今は手段を選んでいる時ではないと思います。 それともネギ先生には何か他に良い方法がおありですか?」 ネギはため息をついて首を横に振る。 「・・・・わかりました。刹那さんの言うとおりにしましょう・・・」 他に方法もない以上、反対を押し通す事もできなかった。 なにより彼も自分の生徒を疑いたくないと思う一方で、疑いが晴らせるなら早めにそうしたい。 ならば、少々乱暴な方法でもそれがベターだと判断したのだ。 「…じゃあ、のどかさんもすみませんが宜しくお願いします!」 「は、はい!ネギ先生。私、頑張ります・・・!」 ずっと気が重そうな顔をしていたのどかの表情に急に笑顔が戻った。 ネギは休み時間等を利用し、クラスの生徒を一人ずつ呼び出し、共通の以下の質問をする。 『このかさんが最近誰かから嫌がらせを受けている事を知っていますか? もし犯人や今回の事が起きた理由に心当たりがあったら何でもいいので話してください』 向こうが特に何も言わなければこちらからの質問はこれだけだ。犯人かどうかを探るにはこれで充分である。 物陰に隠れた刹那とのどかは、生徒一人一人がネギからその質問をされた際の心の表層を読み取っていった。 一人あたりにかけた時間は一分に満たず、その日のうちにクラス全員への聞き込みは終った。 だが、その結果、嫌がらせや脅迫に直接関与を示した生徒は一人もいなかったのだ。 「やっぱり・・・犯人は3-Aの人じゃなかったみたいですね」 その結果にネギはとりあえずの安堵の表情を浮かべたが、刹那は不満げである。 (ではクラス以外のメールを送られた人物か・・・・?しかしどうにも腑に落ちない) 「のどかさん。すみませんがもう少し付き合っていただきます」 「え・・・?は、はい……」 刹那は放課後、今日は木乃香の靴箱に何もされていない事を確認し、彼女を安全に寮に送り返してから 再びのどかを半ば無理矢理に連れ出した。 そして、クラスの者以外で木乃香があの晩メールを送った学園、町内の人物に 片っ端から接触しクラスメイトと同様の質問を投げかける。 ……しかし、こちらも特に変わったところはなく、嫌がらせや脅迫の事実を知っている者すら少数だった。 (他は、京にいる知り合いぐらいか・・・まさか関西呪術協会の過激派連中がこんなふざけた嫌がらせをしてくる とは思えないし、二週間前から突如始まったとなるとやはり校内関係者の仕業と見るのが妥当・・・) 「あ・・・あの、私はもういいでしょうか・・・」 一人考え込んでいる刹那に、疲弊しきった表情ののどかが言った。 「ええ、のどかさん。長く時間を取らせてしまってすみません。ありがとうございました」 「じゃ、じゃあ私帰ります。こっちこそごめんなさい、役に立てなかったみたいで」 それだけ言うと、のどかはその場からそそくさと去ろうとする。だが、刹那は今一度彼女を呼び止めた。 「いや、ちょっと待ってください。最後にもう一人だけ心を読んで貰いたい人がいる」 のどかはピタリと足を止めゆっくり振り返りながらおずおずと口を開く。 「だ・・・誰ですか?」 「・・・のどかさん、貴女自身だ」
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/35090.html
【登録タグ NexTone管理曲 VOCALOID た ラマーズP 初音ミク 曲 曲た】 作詞:ラマーズP 作曲:ラマーズP 編曲:ラマーズP 唄:初音ミクV4X 曲紹介 怠惰のキワミアーッ!ここは1つギターソロ弾いてみたゾ(・_・) Hello. Laziness No Kiwami aaaaaaaaaaaaaaaaaaaah!!ジャパニーズ ノ サムラーイ ハ ハタラキズキ ナノデスカ?? 歌詞 (特典ZIP内txtより転載) だらだらしたい だらだらしたい だらだらしたい だらだらしたい ああ だらけたい ああ だらけたい だらだらしたい だらだらしたい だらだらしたい だらだらしたい ああ だらけたい ああ だらけたい ごろごろごろしたい お布団の上で スマートフォンのアプリ弄りながら 夢の中で見たい 億万長者 現実に立ち向かう 勇者は休む だけど限りある時間 削られてしまう それは 睡眠 睡眠 そして 睡眠 意識が消える微睡みの中 だらだらしたい だらだらしたい だらだらしたい だらだらしたい ああ だらけたい ああ だらけたい 今すぐ布団にダイビング! (ギターさん) だらだらしたい だらだらしたい だらだらしたい だらだらしたい ああ だらけたい ああ だらけたい ぬくぬくぬくしたい お布団の上で 涼しいくらいがちょうど 心地が良い 体を伸ばすのが 幸せすぎて 明日に希望を乗せて 勇者は休む だけど限りある時間 有効に使いたいそれは 睡眠 睡眠 そして 睡眠 意識が飛んで月面着陸 だらだらしたい だらだらしたい だらだらしたい だらだらしたい ああ だらけたい ああ だらけたい 今すぐ布団にダイビング! だらだらしたい だらだらしたい だらだらしたい だらだらしたい ああ だらけたい ああ だらけたい 今すぐ布団にダイビング! コメント いつもありがとう! -- 名無しさん (2016-09-10 01 50 18) この曲聴くといつもだらだらしたくなる件 勉強中はNGだなwwww -- かのん (2016-09-10 09 43 08) 勉強の敵や!www -- minya (2016-09-14 22 21 05) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/6878.html
みくのくのう【登録タグ zasikiP み 初音ミク 曲】 作詞:zasikiP 作曲:クロード・ドビュッシー 唄:初音ミク 曲紹介 オケはドビュッシー「ベルガマスク組曲」の「月の光」。 それを初音ミクに歌わせて投稿したもの。 歌詞 月夜に光る 星のように 強く 輝くことはできるのかな 永遠に 輝けるのかな ねぇ 時が過ぎて 終わりが きたら ねぇ 私は 一人なのかな このやまかしの心では 愛されることはないのかな たとえ 結ばれないとしても 人になりたいと願う 夢を持つ ことも許されないのかな ねぇ どうすれば 人間になれるのですか すべてを 投げ捨てれば いいのですか 歌声を失っても 未来が深い闇に 包まれているとしても 振り向かせられなくても 人として 逢えるのなら 生きてゆく ことはそんなにも 辛く苦しい ことなのですか 私は知らずに 消えるのですか 喜び 悲しみ 感じられること ただそれだけで 満足 しなければ いけませんか コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/chiuzazie/pages/389.html
前ページ次ページSSまとめ 10-369 10-369 名前:前スレ748[] 投稿日:2005/09/13(火) 17 17 30 ID HrwdXALk0 真名の苦悩 真名は苦しんでいた 今までこれほど彼女が苦くるしんだことがあっただろうか・・ 自分を見つめる4つの瞳 そのうるんだ瞳は自分に方に・・と訴えかけている 一体どっちに・・・ 真名の手には骨付き肉×1 真名の正面には、しっぽを振って真名を見つめる子犬が二匹 真名 「いったいどうすれば・・・」 真名の苦悩は続く 完 10-534 10-534 名前:前スレ748[] 投稿日:2005/09/15(木) 18 55 33 ID W9YIC/2n0 真名の苦悩 2 愛の行方 今、ライバルがいる。戦いのライバルかと言われれば戦いのと言える 残念だか今まで彼女に勝ったことは無い、それほど彼女は魅力的なのだ 彼女は皆に好かれている。老若男女問わず、動物にまでも好かれている 彼女を嫌いな者はいないだろう、それはライバルである私であっても同じだ 彼は今、私の心の支えになっている。愛する彼を失えば、私は再び孤独となり、つらい日々を生きなくてはならない だからこそ私は彼を離したくなかった、彼女に奪われたくなかった しかし私の愛したものたちはいつも私ではなく彼女を選ぶ 私は彼を強く抱きしめた、彼女が近くにいるのがわかる。だから彼女に奪われたくなかった しかし彼は私の腕の中でもがく。彼が誰を選んだのか、彼の行動がそれを示していた 苦しみの中、私は決断した。愛するもの思うままに・・そう思い、私は彼に別れのキスをした 私は抱きしめる力を緩める。私の抱擁を逃れ、彼は走り去ってゆく。彼の向かう先には一人の少女がいた 茶々丸 「今日も元気そうですね。今、ご飯をあげますので待っててください、サスケさん」 名前を呼ばれた子犬は嬉しそうにしっぽを振り「ワン」と答える 茶々丸・・その子の名前はカインというんだ・・サスケじゃないんだ・・カインなんだ・・ 真名の苦悩は続く 完 10-625 10-625 名前:前スレ748[] 投稿日:2005/09/16(金) 22 36 02 ID 2bDL5FA50 真名の苦悩 3 暗殺 今までは金で依頼を請け負ってきた そして金になることは何でもやった だが今回は違う、初めて自分の意志で行う 奴には死を・・そう思った しかしターゲットは手ごわい、かつて策略でネギ先生を窮地に追い込んだことがある 勝負は一瞬でカタをつける、しくじれば後は無いだろう ターゲットが見えてきた、こちらに歩いている 真名は銃を構える、引き金を引く指に力がこめられた さよ 「朝倉さん!危ない!」 その言葉と同時に朝倉は身をよじる。顔の横を何かが高速で通り過ぎたていくのが感じられた 和美 「たつみーか!そこまでやるかフツー!?」 近くの茂みに朝倉は身を潜めた 和美 「待て!話し合おう!もし私が戻らなければコレが全世界に自動配信される!それでもいいのか!」 和美の手には携帯が握られている そこに映っていたのは・・犬の着ぐるみをきて子犬たちと戯れる真名の姿であった 真名は銃を下ろした、それは降伏を意味するものであろう 真名 「アベル、カイン、ごめん・・お前達とすごした時間、楽しかったよ・・」 完 10-729 10-729 名前:前スレ748[] 投稿日:2005/09/18(日) 22 35 58 ID NgE660hv0 真名の苦悩 4 縄張 久々に散歩に出た、アベルとカインも一緒だ 嬉しい、こんな嬉しいことは無い 誰にも邪魔されない私たちだけの時間 永遠に続けばいいと思う 公園に入る、アベルとカインのお気に入りの場所だ ここで私は二匹とよく遊ぶ、本当にそれは楽しい しかし、最近困ったことが起きた。とはいっても半分は嬉しいことだと思っている この公園に来ると二匹があることをするのだ 私が立っていると、足におしっこを引っ掛ける。いわゆるマーキングというやつだ アベルは右足、カインは左足にして、二匹同時にする いくら私の背が高いとはいえ、私は電柱ではない。しつけようかとも思った しかしよく考えてみれば、これは私にしかしないことだ。他の者、あの茶々丸にもしないのである つまり、二匹は私のことを自分のものだと主張している そう思うことにした・・これでいいと思う・・ 完 10-737 10-737 名前:前スレ748[] 投稿日:2005/09/18(日) 23 35 22 ID NgE660hv0 真名の苦悩 5 欲望 1/3 満月、それは最も魔力が満ちる日 たいていの儀式はこの日に行う 龍宮神社、私は今、祭壇の部屋にいる 中央に魔方陣、その奥に祭壇がある そして魔法陣の中には二匹の子犬、アベルとカインだ。二匹とも眠っている 祝詞を唱え、私は儀式をはじめた 魔法陣を描く線に光が走り、中央の二匹の子犬が淡く光り始める 儀式が進むにつれ、あたりを照らすろうそくの炎が激しく燃え始めた 儀式の最後、私は気合を入れ祝詞の最後の部分を唱えた あたりは光に包まれる 人化の儀式、そのすべてが終わった 10-738 名前:前スレ748[] 投稿日:2005/09/18(日) 23 35 46 ID NgE660hv0 2/3 光が収まり、その中心に人影が見えてくる なにを間違えたのだろうか 人化の儀式は成功したかに思えた、いや7割ぐらいは成功しただろう 耳がついていた、人の耳ではない、犬耳だ。しっぽもある 外見は人間、いや少年だ。可愛い系と野生児系、まるでネギ先生と小太郎君だ やがて二人が気がつく しばらくあたりをきょろきょろ見回していたが、私がいるのに気がついたんだろう。こっちに来た 二人とも全裸だ、私は眼のやり場に困った 私の元まで来ると、二人は鼻を近づけて私の匂いをかぎ始める 二人が笑顔で私に擦り寄ってきた この笑顔を見たとき私は嬉しかった、この子達に好かれている。そう思った 意外なくらいこの二人は力が強かった 私はバランスを崩し、床に倒れる。二人もそのまま私の上に倒れてきた 10-739 名前:前スレ748[] 投稿日:2005/09/18(日) 23 36 32 ID NgE660hv0 3/3 カイン(ネギ型)は私の顔を舐め始めた。顔を舐めるのは犬の親愛の情、と聞いている 負けじとアベル(小太郎型)も顔を舐め始めた 裸の美少年が二人、私の顔を舐めている。パニックになり動けない 動けないまま、体のいろいろな部分の匂いをかがれた。顔が赤くなるのがわかる 顔をすりすりしてくる、おっぱいとかおなかとかに。私の息が荒くなった 二人の体温は巫女服を通してでも十分に伝わってくる 肌を触る顔の感触、微妙に動き回る手、しっぽを振ると反動で揺れる×× どれもたまらない こんなところ誰かに見られたら、痴女と呼ばれるだけではすまないだろう。私の人生、めちゃくちゃだ。 しかしたまらない カインの頭を撫でてみる、甘えてきた。アベルののどをさすってみる、抱きついてきた もうどうなってもいい、ここは三人の桃源郷。誰にも邪魔されない世界 私は二人を抱きしめてキスをする、次は何をしてみようか、自然といやらしい笑みがこぼれる そんな夢を見た 欲求不満・・か? 完 10-807 10-807 名前:前スレ748[] 投稿日:2005/09/20(火) 00 46 46 ID Ii7k1p5n0 真名の苦悩 6 調教 本日は茶々丸の整備がある日、葉加瀬に確めたから間違いない 久々のあの子達との時間、もうたまらない 二匹の調教は完璧だった 言葉は要らない、手の動きだけで二匹は動く 進め、止まれ、伏せ、おすわり、二匹同時にシンクロして動く 指をくるくる回す、二匹がその場でくるくる回る 手で銃の形を作り、打つ動作をする。死んだふりをした お手、おかわり、待て、これも完璧だ その様子を私は遠くから見ていた ザジ、そこまで仕込める貴様は何者だ? というかその子達返して・・ 完 10-926 10-926 名前:前スレ748[] 投稿日:2005/09/21(水) 18 44 29 ID /NWEbeFg0 真名の苦悩 7 成分 1/3 私の大好きなものが4つある ダーツ、ビリヤード、あんみつ、そして子犬だ どれが欠けても私の人生は成り立たない 小雨の降る散歩道、私は傘を差して歩いていた 大降りにならないうちに帰ろうと家路を急ぐ 雨音の中、ふと何かの声が聞こえた きゅーん、きゅーん この泣き声は・・間違いない 私は急いであたりを探す、幸運にもそれはすぐに見つかった 散歩道の脇、くずかごの前にそれはあった 雨に濡れたダンボール、残酷にもふたは開いていた 急いで中を覗き込む 10-928 名前:前スレ748[] 投稿日:2005/09/21(水) 18 45 12 ID /NWEbeFg0 2/3 そこにいたのは、まだ薄目も空いていない子犬 自分で満足に動くこともできなのだろう。雨のかからないところに移動していなかった 降り注ぐ雨で体が濡れ、震えている その子犬は、臭いで私が近くにいることを感じ取ったのだろう か細い、それでも命の限り精一杯助けを呼ぶ声をあげる きゅーん、きゅーん 胸が締め付けられる、息もできないくらいに 捨てたものへの怒り、子犬に課せられた現状への悲しさ、いろいろなことが心の中で交錯する そっと手を伸ばし子犬に触れる 子犬の体温は雨の冷たさと変わらなかった 本当に生きているのか、そう思うほどであった しかしこの子は生きている。必死に声をあげ、私に助けを求めた だから私はその声に答えたい、そう強く思った これ以上この子が冷えないように、私は上着の内側に入れ子犬を抱く 急いで家に帰った 10-929 名前:前スレ748[] 投稿日:2005/09/21(水) 18 45 33 ID /NWEbeFg0 3/3 部屋を暖かくし、急いで風呂を用意する いきなり子犬の体を温めてはいけない、徐々に暖かいお湯にしていく しばらくして子犬の体の震えは止まった しっかりと体を拭いてやり、厚めのタオルでくるむ ホットミルクを用意してスポイトで子犬に飲ませる あまり飲んでいない、これほどまでに体力が低下しているのだろうか これ以上無理に飲ませるのは止め、寝床に寝かせた 助けられたことを理解して安心したのか、それとも体力の限界だったのかすぐに子犬は眠りにつく 私はそれから三日間学校を休み看病しつづけた 一月後、それはよく晴れた日 私は公園で子犬と遊んでいた。子犬は公園を元気に走り回る 子犬はしっぽをふり、私に向かって楽しそうに・・そして元気よく吠えた 「ワン!」 そんな夢を見た いけない・・子犬分が不足してきた 子犬分が足りなくなると・・・ 完 10-932 名前:以下、名無しにかわりましてモナーを取り返します[] 投稿日:2005/09/21(水) 19 01 37 ID 9kgYDl/b0 929子犬分が足りなくなるとどうなるんだ疲労や集中力・思考力の低下等の症状が現れるのか? 10-933 名前:前スレ748[] 投稿日:2005/09/21(水) 19 07 28 ID /NWEbeFg0 927ワクテカ待ちしてます 930なぜか自分的にはしっくりきます 932疲労や集中力・思考力の低下等の症状が現れます子犬を食べないと成分は補充されません 12-238 12-238 名前:時計[] 投稿日:2005/09/26(月) 18 18 01 ID YRx7FulY0 真名の苦悩 8 食事 1/2 最近私の愛する二匹の子犬、アベルとカインが冷たい とはいってもたいしたことではない、私の用意したご飯を食べてくれないのだ 皿にご飯を入れて目の前に置いても、一口ぐらいしか食べてくれない 以前なら残さず食べてくれたのだが、どうしたんだろう 考えられるのは、他の誰かがえさをあげているのということだ 茶々丸か?しかし彼女は犬だけではなく、猫、小鳥いろいろな動物にえさをあげている。毎日とは考えにくい すこしアベルとカインを調査してみることにした 超包子の裏にて 超 「おお!今日も来たアルか。残念だけど茶々丸と葉加瀬は機体の調整中で今日は来ていないヨ」 アベルが元気よく吠える、カインはその横でしっかりとお座りしている 古 「わかった、わかったアル、いつもの奴が欲しいのか?ちょっと待つネ・・」 古菲が厨房に入っていく、しばらくして五月が出てきた 五月 あまりもので作ったの、ごめんね、でも量は多めにしたからたくさん食べてね 二匹の前に山盛りのご馳走が二つ並べられる 二匹はその前にじっと座っている、何かの合図を待っているようだ 五月 どうぞ召し上がれ そう言って五月は右手を二匹の前に差し出した 嬉しそうにしっぽを振って二匹はご馳走を食べ始める 12-239 名前:時計[] 投稿日:2005/09/26(月) 18 19 11 ID YRx7FulY0 2/2 あああ、あそこのご飯を食べたら・・もう私のご飯なんて・・・ 私はがっくりと肩を落とす 悲しみに暮れる私の眼に、更なるつらい光景が入ってきた 二匹はご馳走をすべて食べ終わった後、三人と戯れてはじめた 超 「くすぐったいアルヨ〜」 カインが超の顔を舐める 古 「可愛いアルな〜」 アベルが古の脚に顔をすりすりしている 五月 くすっ 二匹がおなかを見せている、そのおなかを五月がなでなでする あんな親愛の情、私には・・・、私は泣きながら神社に帰った 賽銭箱の前でしばらくたたずむ カラン、カラカラ 500円玉を賽銭箱入れる 真名がなにを祈願したのかはわからない。彼女の流した涙が一粒、お賽銭箱に入っていった 完 12-311 12-311 名前:時計[] 投稿日:2005/09/28(水) 01 14 29 ID Nl0sL73w0 真名の苦悩 9 悪夢 うう・・重い・・動けない・・ どうしてだか理由がわからない とても重苦しい、それに体も動かない 手も駄目、足も動かせない。あたりは真っ暗だ・・ 魔法で異空間にでも閉じ込められたか・・ 脱出方法を考える。しかし状況がつかめない くそう、負けてたまるか・・あの子達が待ってるんだ。アベル、カイン、私に力を・・ そう思ったときであった。私は目が覚めた。がばり、と上半身を起こす 私の胸の上に乗って寝ていた二匹が飛んでゆく、べちゃりという音をたて二匹はつぶれあんぱんのようになった きゅーん、きゅーん 二匹は泣きながら部屋から出て行く それ以降、二匹は私の寝室に二度と立ち入らなくなった もう、あの子達は一緒に寝てくれない。一人寝は寂しい 完 12-581 12-581 名前:以下、名無しにかわりましてモナーを取り返します[] 投稿日:2005/10/01(土) 19 09 18 ID ZbcvYQfd0 真名の苦悩 10 偽り 1/4 今、目の前に子犬がいる 私の愛するアベルとカインではない 見たことの無い子犬だ その子犬は私のほうを見てしっぽを振っている 私に対してかなり好意的なようだ しゃがんで膝をつき、両腕を広げこっちにおいでと誘ってみる 子犬がしっぽを振ってよたよた近づいてきた 幼くて歩くのがふらふらしているのではない、どうやら足が悪いようだ 私の心にそのことがぐさりと突き刺さる、ダメだ、こういうのに弱い やがて子犬が私の足元までくる 12-583 名前:以下、名無しにかわりましてモナーを取り返します[] 投稿日:2005/10/01(土) 19 09 47 ID ZbcvYQfd0 2/4 子犬は私を見上げちょこんとお座りした。私はそっとその子犬を抱き上げる 子犬はよく見ると首輪をしている、そこに名前が書いてあった 工学部 小泉くん 内線××× 飼い主の連絡先だろうか・・そういえば超と葉加瀬は工学部に出入りしているはずだ もしかしたらこの子の事を知っているかもしれない 私はその子を顔の高さまで持ち上げた じっと子犬の顔を見る 不意にその子犬が私の鼻を舐めた 私は嬉しくなり、私もその子犬の鼻にキスをする なんて可愛いんだろう、これは久々の春だ しばらくその子犬と遊んだ後、私はベンチに座った。子犬は疲れたのか私の太ももの上にで寝ている ゆっくりと優しく撫でてあげる、至福の時間、永遠に続けばいいと思う しかし、不幸というのはこういう時に潜んでいるということを私は知った 12-584 名前:以下、名無しにかわりましてモナーを取り返します[] 投稿日:2005/10/01(土) 19 10 15 ID ZbcvYQfd0 3/4 ふと気がついた、子犬が動いていない 寝ていて動かないのではない、まるで死んでいるようだった いや・・死んでいた 息をしているか確認するがしていない 体温は・・冷たく感じる 体が硬直していた、手足が固まっている 理解出来なかった、何故死ぬ 子犬を揺さぶってみるが反応は無い 人工呼吸してみた、いくらやっても息を吹き返す気配は無い あせる、せっかく出会えたのにこんな別れになるなんて 病気か?それとも私が何かしてしまったんだろうか・・ いやだ!死なせはしない 私は子犬を激しく揺さぶる、そんな事をしても無駄だとはわかっていても そのときであった 12-585 名前:以下、名無しにかわりましてモナーを取り返します[] 投稿日:2005/10/01(土) 19 10 35 ID ZbcvYQfd0 4/4 葉加瀬 「あー、龍宮さんそんなに揺さぶっちゃダメですよ〜」 いきなり近くの草むらから葉加瀬が出てきた 真名 「は。葉加瀬!?この子が・・大変なんだ!息をしていないんだ!」 葉加瀬は驚いた様子も慌てた様子も無くこう言った 葉加瀬 「バッテリーが切れたんですね〜、結構動いていたから・・」 葉加瀬が何を言っているのかわからなかった 真名 「ば、ばってりー?馬鹿な、機械じゃないんだからそんなこと・・」 そこまで言ってあることに気づく、何故葉加瀬がここにいるのか、何故この子が動かなくなったのか 葉加瀬 「いやー小泉くん(子犬)の起動実験してたらたまたま龍宮さんが来て、いい機会だから観察してたんです〜」 葉加瀬は悪びれる様子もなく真名に言う 葉加瀬 「なかなかいいデータがとれました〜またよろしくお願いしますね〜」 そう言って真名の手から小泉くん(子犬)を取り、何事も無かったようにすたすたと去ってゆく 後に呆然と立ち尽くす真名だけが残された 真名は布団の中で泣いた。もう誰も信用できない でも小泉くん、実用化されたらちょっと欲しい 完 13-279 13-279 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/10/11(火) 19 38 50 ID KTHmIKAG0 真名の苦悩 11 怪我 アベルは足に怪我をしていた ひょこひょこ足を動かしている、それはとても痛々しい姿だった 傷は大したことは無い 血が多くでているが問題はないだろう すばやく消毒して、包帯を巻く 亜子 「これで大丈夫や、元気なんはいいけど、あんまりはしゃいだらアカンで」 私はそれを影から見守る それくらい私でもできるんだ、私がやりたかった でも・・・・和泉さんありがとう 亜子 「君は茶々丸さんとこのサイゾーくんやな、ちゃんと茶々丸さんのとこへ戻るんやで」 茶々丸、アベルはサイゾーではないんだ、カインもサスケではないんだ うう・・和泉さん、それに茶々丸さんとこのってどういうこと? 完 前ページ次ページSSまとめ
https://w.atwiki.jp/rsnovel/pages/88.html
ウルフマンの苦悩 1 472 名前: 470 投稿日: 2005/08/11(木) 17 14 34 [ S90OkTG6 ] ここは古都ブルネンシュティング。多くの冒険者でごったがえし、商店や露天商が所狭しと 並んでいるが、所々で古都としての趣も感じさせる。 俺はスマグを旅立ち、人が多く集まるというこの地を目指した。数ヶ月前のことである。 最初は古都の西でコボルト達相手に経験を積んだものだ。ウィザード、ウルフマンの技能ともに 未熟であった俺にとって、最初はとても辛かった。だが今ではいっぱしの冒険者だ。 最近は路上強盗団のアジトの探索に明け暮れ、そろそろ新天地を目指していたある日のこと… 「アルパス行きのパーティメンバー募集だよ~!あと2人~!」 叫び声が聞こえる。 アルパス監獄か…。まだ行ったことないな。 噂では、かつては監獄として機能していたものの、現在ではその働きを失いゾンビどものの巣窟だとか。 最も、その宝目当ての冒険者も数多くいる。帰ってこない者もいるという話も… 一人じゃ怖いけどパーティなら面白そうじゃないか、行ってみよう。 「アルパス行きお願いしまーす。」「はーい、よろしくお願いします。」 そこで俺の視線は一人のアーチャーに止まった。 彼女は軽装で細身ながらも、精悍な体つきをしていた。熟練した冒険者のようだ。 よく手入れのなされた、竜の皮でできたとおぼしき鎧を身にまとっている。 その左手にはこれまたよく手入れのなされた弓が握られている。小型ではあるが、 まるでその手の一部かのようであった。 髪の赤い羽根飾りが印象に残る。顔立ちは美しかったが少女らしさもまだ残し、 どことなく寂しさを感じた。故郷に残してきたあの子の面影も… 「よろしくねー!」 ぼーっとしていた俺はふと我に返る、「よ、よろしくお願いします」 通りなれた道を駆け抜け、監獄に直行する。 監獄の中に入ると、嫌なかびくささと、どことなく漂う邪気に武者震いした。 パーティの仲間たちはそれを気に留めていない様子で、さらに奥へつきすすむ。 そして地下2階に到着した。邪気はさっきにも増して強くなっているようだった。 するとさっきのアーチャー、両手で槍を握って強く念じていた 槍は眩い光を放ち、それを地面に突き立てた。 そして弓に持ち代えると、右手には何も持っていないのにこれまた光輝く矢を放っていた。 槍は凄まじい轟音を放ち、敵に対し稲妻を落とす。 あれはなんだ? 新手の魔法なのか? それに見とれていると、仲間に置いて行かれていることに気づく。 「ま、待ってくれよ~。」とっさに後を追う。 ゴンッ! 鈍い音が聞こえたかと思うと、俺は地面に突っ伏した。 どうやらジャイアントに不意打ちを食らったようだ。 背中と後頭部に激痛が走り、動くことすらできない。 そこにあのアーチャーと剣士が戻ってきて、手際よくジャイアントを片付ける ビショップはひざまずき祈りを捧げる。「リザレクションッ!」 ようやく意識を取り戻し、立ち上がることができる。 「す、すいません…。」俺にはまだここに来るのが早すぎたようだ。 その後も仲間たちが手際よくモンスター達を片付けるのを尻目に、俺は何もできずにいた。 探索を終えて古都に戻るも、悔しい気持ちでいっぱいになった。もっと修行せねば…。 俺は古都ブルネンシュティングを後にし、オアシス都市アリアンへと旅立った。 2 473 名前: 470 投稿日: 2005/08/11(木) 17 15 32 [ S90OkTG6 ] ここはオアシス都市アリアン。古都ほどは冒険者が多くないものの活気に溢れていた。 町の人々に話を聞くと、西の砂漠に冒険者が集い狩りをしているらしい。 絶好の修行の機会だ、行ってみよう 途中でミイラや盗賊に襲われながらも、パーティを発見した。 剣士にビショップ、ウィザードの姿が見える。 「パーティに入れていただけませんか?」「いいですよ~」 リーダーとおぼしきビショップが快く受け入れる。 「よろしく~」「よろww」「よろ^^」 何か嫌な予感を感じぜずにはいられなかった。 剣士は腕こそは筋骨隆々としているのの、体つきは貧弱に見えた。鎧も粗末なものであった。 左手には盾ではなく小型の剣のようなものが握られている。 ウィザードはというと、片手に小さな杖を持ち、長い丈のコートを1枚羽織っているのみである。 いくらウィザードとはいえ、そんな軽装ではまずいんじゃ? 砂漠だから暑いのも仕方がないけどさ… そして嫌な予感は的中した。 周りにモンスターがいなくなると、剣士は北へ、ウィザードは南へ一目散に飛び散る。 そして多くの幽霊鎧、ミイラを引き連れてこちらへ向かってくる。 当然倒しきれるわけもなく、剣士、ウィザードは力尽きる。俺とビショップが懸命に戦う。 「リザよろww」「ウルフさん、ちゃんとタゲとってくれよwwっうぇwっうぇwww」 空しい叫び声が聞こえる。 ビショップが祈りを捧げる。「リザレクションッ!」 彼らは立ち上がると「エンチャおねwww」 するとまた地平線を目指し駆けていった… これが幾度となく繰り返され、さすがにビショップも堪忍袋の尾が切れたようであった。 「別世界の用事を思い出したのでここで失礼します。」 そう言うと彼らもまた…。「POT買ってくるわww」 ちょ、ちょっと待てよ、俺一人…? 辺りを見回すと幽霊鎧、ミイラの大群!その数あまた!どうやら怒った奴らに包囲されてしまったようだ。 俺はなすすべもなく倒されてしまった。 「・・・、あれ?」 気がつくと敵は全て消え、広大な砂漠にぽつんと座っていた。辺りは静寂そのものであった。 「大丈夫ですか?」 そこには聞きなれた声が。赤い羽根飾りのアーチャーだ。 「助けて…、くれたんですか?」 彼女はにこっと笑った。 「あ、ありがとう。」 「呼ばれてるので行かないと。またねっ。」 そう言うと彼女は地平線の彼方へと消えていった。砂漠に再び静寂が戻る。 そうか…。また世話になってしまったんだ…。 俺はその後より一層修行に励んだ。 ここは古都ブルネンシュティング。以前にも増して人々で溢れているようであった。 世間では「だめおーん」とか「さーばー強化しる」などという声をよく聞くが、俺には関係のないことだ。 人々の叫びが絶え間なく響き渡る中、所狭しと並ぶ露店に注意深く目を通す。 「アルパスB3行きPT募集だよ~!あと3名!」 聞き覚えのある声が響き渡る。行ってみると赤い羽根のアーチャーの姿が。 「アルパス行きPTお願いします。あ…っとこの前はどうも」「は~い」 「よろしく~」「よろ~^^」 そこの一人の剣士の姿に目を奪われた。彼はかなり上等そうな鎧を身にまとっている。 そして右手には静かに脈打つ青色の光を湛える剣があった。 左手の盾は小型なものの、ある程度の殺傷能力を持ち合わせているようである。 …っとそろそろ出発のようだ。はたまた見慣れた道を駆け抜け、アルパス監獄B3へ。 監獄の地下3階ともなると、かつて味わったことのないような邪気が襲ってくる。 ここで死んでいった罪人達の怨念、はたまた冒険者に踏みにじられた怨念だろうか。 敵を倒しながらさらに奥に進んでいった。フロア中央の牢屋の一部を狩場として定めたようだ 修行を積んだだけあってここの敵とも互角に戦えるようになった。 しかし今度は剣士の動きに見とれていた。 敵を倒すと、その懐から手際よく金銭や所持品を奪っていく。 彼は剣士というより、むしろトレジャーハンターといった印象である。 床に散らばったアイテムも慣れた手つきで回収していく。世間では「ぶーん」などというようだが、 俺には関係のないことだ。 数時間狩り続けた頃だろうか。釣りに行った剣士が血相を変えて逃げてきた。「助けてくれ~!」 その背後に目を向けると、そこには通常の1.5倍の背丈があろうかというキアンクロプスの姿が。 奴からはとてつもない怒りのようなものを感じた。 俺と剣士は奴に向けて突撃する。剣士は小さな盾ともいえぬ盾で攻撃を受け止めようとするも、 奴の強烈な蹴りで壁に跳ね飛ばされた。俺も続いて奴に爪をつきたてるも、 鋼鉄の体の前にびくともしない。 ふと目を開けると逃げ惑うアーチャーとそれを大きな盾で必死にかばうビショップの姿が。 …このままでは仲間が危ないっ 3 474 名前: 470 投稿日: 2005/08/11(木) 17 16 12 [ S90OkTG6 ] とその時である。体の中に煮えたぎる何かを感じた。あの時と同じ感覚である。故郷が襲われた時の…。 俺は叫ばずにはいられなかった。と思うや否や、耳を劈く(つんざく)ような咆哮を上げた。 「ウワァアアオオオォオオオッッ!!!」 次の瞬間、体中にとてつもない力が湧いてきたのを感じた。同時に身が羽のように軽くなり、敵の動きまでが 手に取るようにわかる。どうやら野生の研ぎ澄まされた感覚を手に入れたようだ。 …そうか、これだ! 俺は直感した。ビーストベルセルク、厳しい修行を積んだウルフだけが 使うことを許されるという奥義…。 俺は逃げ惑う仲間の前に立ちはだかり、奴の蹴りを掻い潜って得意のチェーンドクローを浴びせる。 ベルセルクのお陰で、いくらかは奴の体に傷をつけることができたようだが、奴は臆することなく襲い掛かる ドスッ! 奴のパンチが俺の腹に命中した。たまらず吹き飛ばされてうずくまる。 そして目の前には奴の足が…。もうだめかっ。 …「待てよ、お前の相手はそいつじゃない、この俺だ。」 倒れていたはずの剣士が起き上がり、低くも辺りに響く声でそう言った。 剣士は先ほどとは異なり大きな盾を構え、胸を張って奴を「挑発」しにかかった。 奴の足は俺の頭上寸前で止まり、剣士に矛先を変え動き出した。 今までの欲深い目つきとはうってかわって、真剣な中にも優しさを感じる、そんな眼差しだった。 その隙にビショップは倒れた仲間を起こし、剣士を援護する。 顔を真っ赤にし、頭から煙を上げた奴は、剣士をひたすら蹴り続けていた。 剣士は大きな盾と強靭な腕でその攻撃を受け止める。 「さぁ、今だ!」彼の瞳がそう訴えているようであった。 俺は再び咆哮を上げて気合を入れなおすと、一目散に奴に向けて飛び掛る。アーチャーも続けて眩い矢を放つ。 奴は全身傷だらけになり、稲妻や矢を何十発と食らいながらも剣士を蹴り続けていた。 このままでは彼が危ないっ!そう思うや否や、奴の体が少し傾いた。 その隙を逃さず、喉元に噛み付きチェーンドクローを浴びせる。 ドシーーーン!!奴は力尽き倒れた。その巨体がとてつもない地響きを作り出す。 「オマエラ・・・マサカ・・ソウハ・・サ・・セル・カ・」 巨体はその主を失い、もぬけの殻となった。 「お前がいなかったら俺は死んでいた。命の恩人だよ。」 剣士がこう言った。俺は照れながらも答えた。 「君がいなかったら俺はおろか、このパーティが全滅してたさ。」 「俺は、お前が奴の気を引きつけるのを見て、自分も何かしなきゃ、と思ったんだ。 そうだ、この前手に入れた物だがぜひ使ってほしい。」 彼はそう言うと、荷物の奥から格闘用の爪を取り出した。見慣れぬ品だった。 虎の爪のようにも見えるが、何か禍々しさも感じる。 俺は爪を受け取ると、早速身に着けてみた。 小さいがよく手になじむ。敵の急所を狙うには最適なようだ。 「これは… 本当にいいのかい?」 「ああ。お前のような持ち主なら爪もきっと喜ぶだろう。 これからは欲に目をくらませず、仲間の助けになろうと思う。」 狩りを終え、古都への帰路につく。疲れ果てたはずだが、その足取りはなぜか軽かった。 そうか、俺はもう独りぼっちじゃないんだ。 夕日を浴び、頼もしくなった仲間達の背をいつまでも追いかけていた。 - ひとまず完 - <前 ▲戻 次>
https://w.atwiki.jp/newrowa/pages/93.html
戦士の苦悩。燃え上がる正義 「冗談じゃない…!殺し合いだなんて…!」 仮面ライダー1号である本郷猛は苦悩していた。ショッカーとの戦いから一年。ようやく平穏が訪れたと思いきやこの有り様。 『俺に関係ない人を殺せるのか…?』 答えは否。断じて否。出来るわけが無いのだ。ならばどうする? 本郷は自信に問う。 答えは一つしか無い。 ビッグ・バンと言う男を止めこの戦いを止める事。それが本郷の選んだ道だった。 【本郷猛@仮面ライダーTHE NEXT】 【1日目 現時刻 深夜】 【現在地:A-1 市街地】 【状態】健康 【装備】不明 【道具】基本支給品一式、ランダム支給品1~3 【思考・状況】 1 バトルロワイヤルを止める策を考案中 ※仮面ライダーTHE NEXT終了後の本郷猛 ※リジェクションの影響は無し 014 人を想えばこそ 投下順 016 正義の仮面 014 人を想えばこそ 時系列順 016 正義の仮面 初登場 本郷猛 040 激突!仮面ライダー対魔弾闘士
https://w.atwiki.jp/s1c9y2009/pages/14.html
しけたいのコーナー 各科目担当の人は、 1. 上にある「@wikiメニュー」から「新規ページ作成」で自分の科目用のページを作成。 2. 作成したページを開いて、上にある[編集]から「このページにファイルをアップロード」。 シケプリや過去問をアップしてください。 3. このページにもどってきて、上にある「編集」から「このページを編集」。 4. 出てきた書き込み欄に, ***担当の科目名【試験日】 [[作ったページの名前]] 自分の名前 の二つを上の通りの形式で書く。「ページ保存」。名前はログインIDがいいのでは 以上で、このぺーじから自分のページにリンクして、そこからファイルをダウンロードできるようになるはずです。分かりにくかったらゴメンナサイ。。 うまくいかなかったら蒔田まで連絡ください。 ちなみに、外部ページ(このWikiじゃないところ)にシケプリを置いた場合は、 [[ページ名 URL]] でリンクすることができます。上記同様科目名を忘れずに。。。 どうやらシケプリは、upするとページのとっても下の方に出てくるようです。 なんか、いろんな広告があって、その下。 仕様らしいので勘弁してやってくださいな。 木1 生命科学 【9月??日】 生命科学 火2 力学 【9月3日】 力学 月1 スぺ語Ⅱ列 【7月27日】 castaña y arboleda(栗と林) 木4 情報認知科学【7月23日】 木4 情報認知科学 月2 宇宙科学【7月27日】 月2 宇宙科学Ⅰ 水1基礎統計【7月22日】 水1 基礎統計 月1スペ語Ⅱ列 【7月27日】 スペ語Ⅱ列(プリント) 火5惑星地球科学 【7月21日】 惑星地球科学 木5基礎現代化学 【7月22日】 木5基礎現代化学 熱力学(9月1日火曜日 15 05~16 35 90分 723教室) 熱力学~佐々さんとのあついひととき~ スペイン語会話初級【7月8日】 ルイズルイス 英語一列【7月15日水曜日】 英語を学ぼう 基礎現代科学(金曜5限)【7月22日 15:05~】 基礎現代科学(金曜5限) 人間行動基礎論【7月27日 17:00~】 人間行動基礎論 英語二列(Save The Earth)【7/10】 荒木おば様 数学1A演習【7月6日 4限】 数学1A演習 情報【7/28】 情報 構造化学【2/9 10:55~】 構造化学 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/akatonbowiki/pages/9626.html
このページはこちらに移転しました でかけたい 作詞/379スレ14 作曲/379スレ17 出掛けたいのにね 行く場所が ないんだぜ? 音源 でかけたい
https://w.atwiki.jp/kaibasyatyou/pages/166.html
夕日が学園を照らす頃、授業の終了を告げる鐘が鳴る。 帰途につく生徒、部活に励む生徒、恋人とデートをする生徒さまざまな生徒が見える。 「あぁ…どうしようか」 そんな中、オレ…天海旅陸は生徒会室で考え事をしていた。 悩んでいるのはそう…先日の闇磯野(ミスターT)とやらのことだ。 突如オレの目の前に現われ、一方的にデュエルを挑んできた謎の男。 ダークシンクロモンスターを操り、一方的にオレを追い詰めてきた。 もし松戸教頭の研究の手伝いをしていなければ、間違いなく敗北していただろう。 そう思うと、教頭には感謝しないといけないな。 が、本題はそんなことじゃない。 あいつは去り際にこう言い残した。 『だが、次はこうはいかない…楽しみにしてるといい、フハハハッ…』 つまり、コイツは近いうちにまたやってくる、ということだ。 何が目的かは結局分からなかったが、学園のことなのは間違いない。 あんな未確認生命体かどうかすら分からない輩に、この学園を好きにさせるわけにはいかない。 だからこうして一人対策を考えてるのだが…良いアイデアが浮かばない。 「何をそんなに悩んでるのかしら、ろむ君?」 楽しそうな顔で聞いてくる副会長。 これは間違いなく"面白そうな獲物"を見つけて喜んでる顔だ。 「タッグトーナメントのことでね…あとろむくんって呼ぶな」 無難に答えておく。 ホントは神皇さんの力を借りたいところだが、無闇に人を巻き込みたくない…。 というか、こんな荒唐無稽な話を信じてくれる人、いないと思う。 こんな話を信じてくれるのは同じ体験をした人だけ、だろうな…。 「・・・そう。でも、大概のことは決まってるんじゃないの?」 「いや、ライディングデュエルを組み込みたいんだけど、方法が浮かばなくて…」 「ふぅん…」 怪しむような目。 絶対に勘付いてるよ、この人。 大体推理力凄いし、直感が良過ぎるもの。 でも、流石にまだ嘘を吐いていることはバレては――― 「ま、いいわ。無理に聞こうとは思わないし」 余裕でバレていた! 神皇沙姫・・・恐ろしい子…! 「さて、私は用事があるから先に帰ろうかしら」 そう言って出口へと向かう…気を遣ってくれてるんだろうか。 ドアに手をかけ、 「また明日ね、怪鳥さん」 そう言って、部屋を後にした。 「どこの〇ャンクックだっての…」 いつまでも呼び名を改めない彼女に、小さく愚痴を零した。 しかし、ホントにどうすれば…誰か相談できる人でもいればな……ん? 「そうか、あの人がいたじゃないか…!」 そうだ…あの人なら可能性はある。 いや、むしろ絶対信じてくれる・・・そういう人だ。 「となると善は急げ、だ」 オレは走りたくなる衝動を抑え、生徒会室を出た。 仮にも生徒会長が廊下を走ったりなんてしたら、示しがつかないからな・・・w 「失礼します」 目の前を扉を開き、椅子に座る人物に声をかける。 「お、待っていたよ天海君。それで、話とはなにかね」 そこにいたのは、そこそこ高級そうなソファに座る松戸教頭だった。 オレが向かった先は教頭室。そう、"あの人"とは松戸教頭だ。 オタマロで実験してたり、ネクロバレーで写真撮影したり、よくわからない カードを作ったり…とにかくそういったことに一番身近だし、 なにより好奇心と探究心、研究への情熱に燃える松戸教頭だ…可能性はある。 「えぇ。どうしても松戸教頭の耳に入れてもらいたい話が あってですね…素っ頓狂な内容ですが、真剣なんで聞いてください」 できる限り真剣な顔でそう言う。 なるべく真剣さが伝わればいいが…。 「ふむ…了解した。どんな話でも、最後まで真剣に聞こう」 「感謝します」 さて、まず第一ステップクリアだ。 これから行なうのは第二ステップ、『教頭への説明』だ。 ただでさえおかしな話だ、"あの教頭"でも信じてもらうのは難しいかもしれない。 なるべく興味が湧くように説明して、なんとしてでも教頭に興味を持たせないと…。 「実は先日、旧生徒会室で作業中に、突如ミスターTとかいう怪しげな」 「よし分かった引き受けよう!」 「男がってうえぇぇぇぇぇぇぇ!?」 驚くほどあっさり喰いついた!? しかも思い切り立ち上がって、目の前の椅子まで蹴飛ばした!? なにこれ、もしかして怒ってるの!? 「ミスターT・・・実に面白そうだ!さぁ、早くその話を続けたまえ!」 違った、驚くほどノリノリだと!? あ、あまりに予想外すぎて開いた口が塞がらないぜ! 「は、はい!つつつ続けますね!」 でも大成功だ、ここまで喰いつくとは思わなかったけどね! ―オレは教頭に詳しい内容を話した― 「なるほど…目的や理由は不明だが、闇磯野がこの学園を狙っているという訳か」 「簡単に言うとそうですね。それで少し協力してもらいたいんですが…」 時間の経過で、教頭のテンションは収まっていた。 というか、気付けば二人の会話でミスターTは闇磯野と呼ばれていた。 なんていうか、慣れって怖い。 「ところで、証拠はあるのかね?聞いた限りでは、君の目撃証言しか情報がないようだが」 うっ、そこを突かれると非常に痛い。 証拠なんて、なにもあるはずない…他に見た人がいれば話は別なんだが。 証拠も無しに、こんな話を信じてもらうのは厳しいか…。 「残念ですけど…ありませn」 「よし、早速いくぞ!退屈で億劫な予定などすぐにキャンセルだ!」 「なんで!?」 そういうのって、普通証拠がないから話が面倒になるんじゃないのか!? 「ハッ…君ともあろうものが何を言っているんだ」 教頭は目を爛々を輝かせながらオレの肩を掴む。 正直、痛い。 「証拠などあっては、私が突き止める意味がないではないか。 今のような疑い深い、まるで妄想のような話こそ!私が求めて止まないものだ!」 肩を掴まれながら力説される。 ていうか!肩痛いって!マジで痛いって! 「さぁ、現場へ直行だ!怪異は待ってはくれないぞ!」 「ちょ、ちょっと!待ってくださいってば!」 抵抗しようとするが、思ったより力が強い。 オレはなすすべもなく、教頭に引き摺られていった。 なんかよく分からないけど…作戦は成功、なのか? ホントはデュエルシーンを書きたかったんですが、大会で時間を割かれ、 間に合いそうにないので、今回はデュエルシーンはありません。申し訳ない>< 名前 コメント