約 14,196 件
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1813.html
戦うことを忘れた武装神姫 その39 暖かな夜。 持ち帰った仕事が終わり、ふと見回せば・・・先ほどまでちょろちょろと走り回っていた神姫たちはもうお休みの時間。イオとリゼは仲良くひとつのクレイドルで、エルガは相変わらずのぬくぬくこたつで、シンメイは俺のベッド上に置いた試作の布団型クレイドルでニヤニヤとした笑みを浮かべて・・・。 机周りをざらざらと片付けてコップ2つ分のスペースを開けて。 静かに置くは、親父が旅行の土産で買ってきてくれた余市のシングルカスク20年の小瓶と、昨夏に俺が小樽で買ったショットグラス。 工作加工用具・資材に仕事の資料と、散らかりきった机の片隅。 蒼色のグラスに琥珀色の液体を注ぐと、ほのかな香りが嗅覚を刺激した。 そっと傾けて、口の中に広がる香りと、時を含んだ味を、ひとり静かに愉しむ。 もうひとくち飲んだところで椅子をリクライニングさせて身体を沈め、酒の余韻と仕事を終わらせた解放感に浸る・・・と。 つい今しがたまでぬくぬくこたつで寝ていたエルガの姿が見えない。どこへ行ったものかと見回せば、いつの間にやら小瓶の脇に立ち、手にした小さなカップをちょっと照れたようにそっと差し出した。 「えへへ・・・香りに誘われたの。 にゃーにも、ちょーらい♪」 俺はビンの蓋を再び開けると、肉球の描かれたエルガ専用のカップ -といってもエルガの顔より一回り小さいだけなのだが- にそっと注いでやった。サブPCのマウスに腰掛けたエルガは、一丁前にもカップを動かしてカスクを廻し、くんくんと香りを愉しんでからひとくちだけ含み、大きな瞳を閉じ。しばらく思いに耽るかの如くじっとしていたが、ふと何かを思い出したのだろうか。カップを傍らに置くと、ぴょんぴょんと、しかし他の神姫を起こさぬように静かな足取りで机の上のごちゃめきに潜り込むと、なにやら後ろ手に隠して戻ってきた。 「にゃーさん、あのね。 ・・・春のかけらをつかまえたの。おさけにいれてもいい?」 ふむ、何を見つけたのやら。少し期待しつつ、エルガの前にグラスを差し出すと・・・おそらく風で入ってきたものだろう、桜の花びらを一枚、ひらりと落とした。 デスクライトに照らし出されたカスクに浮かぶ、淡い色の花びら一枚。 「そうか、もうこんな季節になってたんだよなぁ・・・。」 エルガは再びマウスに腰掛け、カップを手にとってもうひとくち味わうと。 「えへへー。 今年はにゃーさんよりも先に春をつかまえたのー。」 と、そして誇らしげに俺に言った。 「ははは。今年はエルガが春の使者になったねぇ。 よしよし・・・今度の週末は、みんなで花見に行こうか。」 優しく頭を撫でると、エルガは目を細めつつ・・・カップを差し出し、おかわりのおねだり。俺は再びビンの蓋を開け、えるがのカップに注ぎ、そして自分のグラスにも・・・花びらを沈めないように、そっと継ぎ足した。 ・・・エルガたちと出会ってから、何度目の春になるのだろうか。 こうやって、ちんこまと春を楽しむのも悪くないもんだ・・・と思った、そのとき。 「このまま、みんなで・・・ずーっと、変わらにゃいですごせるといいの。 みんなで、なんかいでも春をつかまえたいのだ。」 まるで俺の心を見透かしたかのように、エルガがぼそり呟いた。 グラスを口に運ぶ手を止めてエルガの顔を見れば、一緒に呑もうよと誘うようにニコニコとカップを差し出した。 俺は小さく頷き、エルガが作った春のカスクを身体に染み入らせつつ、 「よーし。来年の春は、俺がエルガに春を持ってきてあげよう。負けないぞ~!」 と言うと。先にカップを傾けていたエルガは、ニヤリと目元で返事をした。 いつまでも、この「時」が、途切れる事がないように-。 願いつつ、戦うことを忘れた神姫と共に・・・時を呑み、季節を味わう夜-。 <<トップ へ戻る<<
https://w.atwiki.jp/r-type-tactics/pages/421.html
型番 UFCV-015 名称 アングルボダ級 種別 宇宙空母 HP 240 索敵距離 7 燃料 100 スピード 2+ チャージ -- 回避性能 3% AcePilot(HP) 284 開発コスト ソルモナジウム 60 エーテリウム 60 バイドルゲン 60 開発条件 トレジャー: 宇宙空母の設計思想 索敵撹乱システム 機体: ヤールンサクサ級 weapon 名称 弾数 威力 射程 命中率 用途 分類 備考 バルカンType2 99 15 1-1 50% 攻/迎 機銃 特性・搭載 搭載可能×10 ジャミング 解説: ヤールンサクサ級宇宙空母の後継艦。 広い索敵範囲はそのままに、艦載機の搭載数が増えている。 ジャミング機能が付加されている。 形状 #ref error :画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。 +:本体Hex 横縞のヘックス:ダメージ判定のない部位 ヤールンサクサ級より更に搭載数が増え、通常空間では使用HEX以上に多くの機体を搭載出来るようになっている。 さり気にバルカンがType2にバージョンアップしているが、船体構造の都合で殆ど無意味。 上下幅も3HEXしか使用しない故、後編になっても結構お世話になる。 トレジャーが手に入り次第手持ちのヤールンサクサを即刻改造しよう。 前編で貴重なエーテリウムを費やすだけの価値は充分すぎるほどある。 ジャミングはともかく、搭載数2の差は非常に大きい。 搭載数をフルに活かせばヘイムダル系に頼らずに後編を乗り切る事も可能だが、 やるかどうかはプレイヤー次第。 ただし、この空母はあくまでグランゼーラ革命軍の物。 故にフォースを出し入れして装着する事がテュール級に比べかなりし難い。 特に前方に出す事が出来ないので、フォース愛好家は注意が必要だ。 これはハクサン系統にも言える事なので、それらはヨルムンガンド級等に入れると良いだろう。 また本艦はジャミング機能を持っているが、あくまでも空母用の物。 電子戦機の展開するジャミングの様な使い方はできない。突撃してきた敵への保険程度に割り切る方が吉。 ウートガルザ・ロキやアングルボダ級ワープ仕様のブースター、後編最終ステージの琥珀色の器官・陰のチャージ兵器を受けることなく安全に突破すると言った用途にも使えるが、その際敵機に接敵されたり展開した味方のユニットがチャージ兵器の射程範囲内にいるとひどい目にあうので注意。 後編においては、火力の優れたヘイムダル系と搭載数の多い本機の どちらを出すか迷うステージがちらほらとあるが、 総合的な戦力はどちらも大差ないので好きな方を使おう。 但し、こちらは戦艦と違って艦長の熟練度を稼ぎにくいというデメリットがある。 初出 R-TYPE TACTICSⅡ アングルボダとはロキの愛人の女巨人で、フェンリルやヨルムンガンド、ヘルなどを生んだらしい。 なお、このロキはウートガルザ・ロキとは別人である。 何より索敵範囲がステキ -- 名無しさん (2012-11-11 08 48 16) 革命軍驚異のメカニズム -- 名無しさん (2016-11-01 23 49 25) 革命軍の技術は世界一イイイイイイ! -- 名無しさん (2018-12-30 15 41 01) 緑の人型兵器、空母、宇宙に本拠地、あれ何処かで聞いたことがあるぞ? -- 名無しさん (2019-01-01 12 10 54) このユニットの建造にはバイドルゲンが必要だが、バイド兵器のフォースを禁止したグランゼーラ革命軍もバイドルゲンの兵器利用までは禁止しなかったのだろうか? -- 名無しさん (2019-01-26 19 19 56) 元々総戦力では劣ってるし、戦争が激化するにつれて「バイド体そのものを用いたフォースとは違うから」となりふり構ってられなくなったのかもね。ギャルプⅡを占拠したのも単に連合への妨害だけでなく、研究結果や資材を押さえる目的もありそう -- 名無しさん (2019-01-27 13 43 30) 祝Final2出演! -- 名無しさん (2021-04-15 02 44 10) 高機動機系であれば擬似的な電子戦機のような使い方も可能。 -- 名無しさん (2024-09-16 15 52 44) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/moon_light/pages/22.html
■基本プロフィール imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 ※()は2年後編時点でのプロフィール。 名前:経塚泰誠(きょうづか たいせい)(レーヴィス・グレイ) 種族:人間(魔族とエルフのハーフ) 出身:アヴァロン帝国 職業:異端審問会暗殺部隊副長、異端審問官第3位 二つ名:「死を呼ぶ黒き翼」 年齢:外見年齢17歳(実際の年齢は不明) 誕生日:11月29日 身長:189cm(190cm) 血液型:B型 武器:双剣(シュヴァルツ&ヴァイス) 能力:闇を操る能力 人称:オレ/あんた、お前/アイツ、あの人 イメージ声優:関 智一(幼少時代:今井由香) 容姿 黒髪の短髪でやや短めの前髪に琥珀色の瞳。魔族の血が前面に出ると血のような赤い瞳に変化する。 異端審問会支給の白いロングコート、黒いシャツに白いネクタイ、黒ズボンが序盤での基本的な服装。 シルヴァランド編以降は黒の短いタートルネックのシャツに黒ズボンという服装で右腕に黒い紐のような物を結んでいる。 2年後編編では若干髪が伸びており、目も赤い瞳になっている。 黒のロングコートに白いタートルネックのインナーに白ズボン、薄茶の長めのマフラーという守護天使の正装が基本服装となる。 キャラクター 異端審問会暗殺部隊副長ではたけの右腕的存在。楽天家で熱血。頭で考えるより行動するタイプ。 好戦的な体力バカであるが、筋が通った戦いしか好まない為、卑怯な戦いしか出来ない相手には容赦がない。 異端審問官としての仕事にあまり興味がなく、よく仕事サボっては上司であるはたけに咎められている。 何も考えてないように見えるが、時々大人な意見を言うよくわからない性格をしている。 しかし基本猪突猛進なので少々突っ走り気味。友人が多くよくまことと行動している。 戦闘能力 現暗殺部隊副長だけあって戦闘能力は高い。ちなみに運動神経も良い。 基本的に双剣(シュヴァルツ&ヴァイス)を扱う。また槍も扱えることも出来、銃器や弓矢などの扱いは苦手。 剣術は幼少時代にカマエルから習い、さらに独学で今の形になった。 魔族の血が前面に出ると闇を操る事が出来る。 姿を眩ませたり闇の刃での攻撃が可能。また少しだけではあるが血を操る事も出来る。(しかし血の羽根しか呼び出せない。) エルフのハーフなので魔術の素質は多少あるのだが、難しいことは苦手なので扱えない。 過去 先代サマエル・イブリースが築いたアヴァロン帝国の出身。 現アヴァロン帝国の王で4大魔王の一角、サクリファイスの息子。双子の弟、マルクがいる。 本名はレーヴィス・グレイ。母親はヴェスディア出身のエルフであるが魔族の血のほうが大きい。 次期アヴァロン帝国の魔王になるべく大切に育てられていたが、マルクの魔力暴走が切欠で父親と離れ離れになる。 母親と共にヴェスディアに逃れ、エルフの集落に住んでいた。 皆優しく接してくれていたが、一部の住人には特異な目で見られていた為、母親に申し訳ないと思っていた。 数年後に居場所をマルクに嗅ぎ付けられ目の前で母親と集落の皆が殺されてしまう。 瀕死で倒れていた所をカマエルに救われ、以後リナトレットにある彼の家で生活するようになる。 その際にリナトレットの良家の娘マリアージュと出会い、次第にお互い惹かれていき恋仲になる。 後に先代サマエルの血を受け継いでいる事が発覚し、長い間欠席状態だった「サマエル」の座に選ばれ、守護天使の一員となる 後にリクが起こした爆発に巻き込まれ死亡。しばらく実体を持たない状態で彷徨っていた。 自分の転生体である「経塚泰誠」という少年が飛行機事故で死亡したのを切欠に彼の身体を介して復活。 「レーヴィス・グレイ」という名前を捨て、「経塚泰誠」として生きる事を決意し密かにマルクとの決戦を待っている。
https://w.atwiki.jp/narikiriitatrpg/pages/848.html
名前:ペトラ=エメリッヒ(Petra=Emmerich) 性別:女 年齢:48歳 身長:147cm 体重:38kg 容姿: 艶の無い白髪に蒼白な肌で10代の少女めいた外見。眼の色は琥珀色。 鎧を着込める程の体力と筋力が無い為、糸状に伸ばした金属を織り込んだドレスを着ている。 ドレスは数種類有るが、基本的に露出は少なく、右手から肩にかけては常に覆い隠している。 腰には特注のレイピアを帯剣しており、右腕は木製の義手。左目には革の眼帯。 胸元には蜂の死骸を取り込んだ琥珀を使用したブローチがある。 おいたち: とある王国の辺境伯。自然が豊かであるゆえに攻めこまれやすい地域の生まれである為、幼少時から剣技などを叩きこまれてきた。 一族の当主は継承の儀として城の付近にある森にて有魂獣と闘う事を義務とされており、その際に左目と右腕を失った。 もとより酷い虚弱体質であり20にはなれぬだろうとされていたが、毒に冒されたショックかなのかその後は大きな傷病を受けることは無かった。 妹が居り、そこでペトラが死ねば妹が家を次ぐことになっていた様だが、結果として生き延びたため賛否ありながらも当主の座に居る。 なお、未婚。当主であると同時にかつては辺境守護の将軍も担っており、その実力は折り紙つき。周辺地域では女王蜂やら魔女やら物騒な異名で呼ばれている。 有魂獣との戦い以降、外見上の老化が殆ど見られないため、魔女裁判に掛けられたことも有るが、尽くを叩き潰して今まで生き延びている。 身体能力は極めて低く、鎧を着たならば歩くことも不可能な程。現在では杖を持ち歩いているが、まだ足腰はまともな様子。 それでも技術面では高い技量を持っているため、10分程度であれば体捌きや戦術などで一流の剣士と渡り合う事も十二分に可能な実力は有る。 弱いが酒が好きで、一日に食べて良い量が決められているがついつい甘いものを食べ過ぎてしまう悪癖がある。タバコは吸わない。 戦闘時は蜂の群れを召喚し、多数相手には群れで飽和攻撃、大型相手には弱点を探りつつ一点集中といった戦法を好む。 備考: 10分以上の全身運動は肉体に大きな負荷を掛ける。後に寝込みかねない。 鎧が着れない。正しくは着ても歩くことが出来ない。 一日にケーキは半個まで。酒は一杯まで。肉類の食べ過ぎは厳禁。 『細剣アパラジタ』 針のように細い刀身を持ったレイピアで、柄も軽量な桐で作られ、針金でできたような繊細なスウェプト・ヒルトを持つ。 ぱっと見では儀礼的な印象を与える程繊細な剣だが、ペトラの細腕で扱う為に作られた特注の名剣。 刀身に東洋からの技術が使用されており、異様に細い反面しなやかにしなり、そして折れないという特徴を持つ。 一応ながら両刃である為、突き以外にも撫で斬りなどの技法を使えば斬撃を放つことも不可能ではない。 本来決闘用または護身用の武器であるレイピアだが、ペトラはこれより重い武器を実戦で使用するのは困難である為、戦場でレイピアを使用している。 使用復元獣:王雀蜂キュベレー 女王蜂の復元獣。オオスズメバチよりも二回りほど大きく、黄色と黒ではなく、金と黒の金属光沢を持つ虫。 群れそのものがキュベレーの分体であり、キュベレーそのもの。キュベレーが死ねば群れ自体も全滅する。 ペトラはキュベレーを通して、無数の蜂達に命令を飛ばして支配している。 表面の外骨格は軽量かつ堅牢で、オオスズメバチよりもなお硬い。また大顎のサイズも強くなり、人の肉位ならば容易く食いちぎれる。 特に強力なのが尻に有る毒針であり、刺された部位に激痛を与え、数時間以内に毒を抜かなければ刺さった周辺部位を壊死させる程の毒性を持つ。 毒針の強度は極めて強く、薄い鎧程度ならば貫通させることは可能であるレベル。但し十分な加速が必要である。 極めて攻撃力には優れているが、虫であるという性質上、他の種に比べれば防御力は低く、火にも当然弱い。 また、最大で300匹の群れを運用する事が出来るが、その全てを事細かく操作できるわけではない。 ある程度のおおまかな指示に従って蜂達は動くこととなる。 使用復元獣の元となる有魂獣をどうやって倒したか:周りの兵隊蜂を焼き討ちし、最後に女王と一騎打ちをしてレイピアで一閃。 右腕と左目を毒に冒され失う事となったが、それらを代償に蜂の群体を己の下僕とした。
https://w.atwiki.jp/nanaitatrp/pages/826.html
名前:ペトラ=エメリッヒ(Petra=Emmerich) 性別:女 年齢:48歳 身長:147cm 体重:38kg 容姿: 艶の無い白髪に蒼白な肌で10代の少女めいた外見。眼の色は琥珀色。 鎧を着込める程の体力と筋力が無い為、糸状に伸ばした金属を織り込んだドレスを着ている。 ドレスは数種類有るが、基本的に露出は少なく、右手から肩にかけては常に覆い隠している。 腰には特注のレイピアを帯剣しており、右腕は木製の義手。左目には革の眼帯。 胸元には蜂の死骸を取り込んだ琥珀を使用したブローチがある。 おいたち: とある王国の辺境伯。自然が豊かであるゆえに攻めこまれやすい地域の生まれである為、幼少時から剣技などを叩きこまれてきた。 一族の当主は継承の儀として城の付近にある森にて有魂獣と闘う事を義務とされており、その際に左目と右腕を失った。 もとより酷い虚弱体質であり20にはなれぬだろうとされていたが、毒に冒されたショックかなのかその後は大きな傷病を受けることは無かった。 妹が居り、そこでペトラが死ねば妹が家を次ぐことになっていた様だが、結果として生き延びたため賛否ありながらも当主の座に居る。 なお、未婚。当主であると同時にかつては辺境守護の将軍も担っており、その実力は折り紙つき。周辺地域では女王蜂やら魔女やら物騒な異名で呼ばれている。 有魂獣との戦い以降、外見上の老化が殆ど見られないため、魔女裁判に掛けられたことも有るが、尽くを叩き潰して今まで生き延びている。 身体能力は極めて低く、鎧を着たならば歩くことも不可能な程。現在では杖を持ち歩いているが、まだ足腰はまともな様子。 それでも技術面では高い技量を持っているため、10分程度であれば体捌きや戦術などで一流の剣士と渡り合う事も十二分に可能な実力は有る。 弱いが酒が好きで、一日に食べて良い量が決められているがついつい甘いものを食べ過ぎてしまう悪癖がある。タバコは吸わない。 戦闘時は蜂の群れを召喚し、多数相手には群れで飽和攻撃、大型相手には弱点を探りつつ一点集中といった戦法を好む。 備考: 10分以上の全身運動は肉体に大きな負荷を掛ける。後に寝込みかねない。 鎧が着れない。正しくは着ても歩くことが出来ない。 一日にケーキは半個まで。酒は一杯まで。肉類の食べ過ぎは厳禁。 『細剣アパラジタ』 針のように細い刀身を持ったレイピアで、柄も軽量な桐で作られ、針金でできたような繊細なスウェプト・ヒルトを持つ。 ぱっと見では儀礼的な印象を与える程繊細な剣だが、ペトラの細腕で扱う為に作られた特注の名剣。 刀身に東洋からの技術が使用されており、異様に細い反面しなやかにしなり、そして折れないという特徴を持つ。 一応ながら両刃である為、突き以外にも撫で斬りなどの技法を使えば斬撃を放つことも不可能ではない。 本来決闘用または護身用の武器であるレイピアだが、ペトラはこれより重い武器を実戦で使用するのは困難である為、戦場でレイピアを使用している。 使用復元獣:王雀蜂キュベレー 女王蜂の復元獣。オオスズメバチよりも二回りほど大きく、黄色と黒ではなく、金と黒の金属光沢を持つ虫。 群れそのものがキュベレーの分体であり、キュベレーそのもの。キュベレーが死ねば群れ自体も全滅する。 ペトラはキュベレーを通して、無数の蜂達に命令を飛ばして支配している。 表面の外骨格は軽量かつ堅牢で、オオスズメバチよりもなお硬い。また大顎のサイズも強くなり、人の肉位ならば容易く食いちぎれる。 特に強力なのが尻に有る毒針であり、刺された部位に激痛を与え、数時間以内に毒を抜かなければ刺さった周辺部位を壊死させる程の毒性を持つ。 毒針の強度は極めて強く、薄い鎧程度ならば貫通させることは可能であるレベル。但し十分な加速が必要である。 極めて攻撃力には優れているが、虫であるという性質上、他の種に比べれば防御力は低く、火にも当然弱い。 また、最大で300匹の群れを運用する事が出来るが、その全てを事細かく操作できるわけではない。 ある程度のおおまかな指示に従って蜂達は動くこととなる。 使用復元獣の元となる有魂獣をどうやって倒したか:周りの兵隊蜂を焼き討ちし、最後に女王と一騎打ちをしてレイピアで一閃。 右腕と左目を毒に冒され失う事となったが、それらを代償に蜂の群体を己の下僕とした。
https://w.atwiki.jp/mhp3/pages/296.html
ウインドイーター派生 名称 値段ブースト 攻撃力ブースト 特殊効果 斬れ味斬れ味+1 会心 スロット 作成可 使用武具玉 ウインドイーター│││ 9999z2000z 130145 llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll 0% O-- 下位 武具玉*2 生産 ライトクリスタル*2 シーブライト鉱石*10 モンスターの体液*5 生産 太古の塊を鑑定 端材 鉱石の端材*2 ││└ソニックイーター │ │ 20000z3000z 140155 llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll 0% OO- 下位 上武具玉*2 強化 紅蓮石*4 ドラグライト鉱石*8 シンドイワシ*8 端材 鉱石の端材*2 │ │ └■ゼファー 43500z8000z 190205 llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll 15% OOO 上位 堅武具玉*2 強化 デプスライト鉱石*10 いにしえの龍骨*5 竜玉*2 端材 鉱石の上端材*1 骨の上端材*1 タチウオノタチ派生 名称 値段ブースト 攻撃力ブースト 特殊効果 斬れ味斬れ味+1 会心 スロット 作成可 使用武具玉 タチウオノタチ││ 2100z2000z 7085 水22 llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll 0% --- 下位 武具玉*2 生産 イチノタチウオ*3 ユクモの木*3 キレアジ*5 未熟な海綿質*5 端材 木の端材*1 ││└タチウオノタチ改 │ │ 4900z3000z 110125 水30 llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll 0% --- 下位 上武具玉*2 強化 イチノタチウオ*5 シンドイワシ*5 水袋*3 大きなヒレ*2 端材 (無し) │ │ └■鮮刀ハクナギ 25000z7000z 160175 水40 llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll 0% --- 上位 堅武具玉*2 強化 イチノタチウオ*10 古代魚*5 大水袋*3 マレコガネ*5 端材 (無し) 真ユクモノ太刀派生 名称 値段ブースト 攻撃力ブースト 特殊効果 斬れ味斬れ味+1 会心 スロット 作成可 使用武具玉 真ユクモノ太刀││ 15000z3000z 160175 llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll 0% --- 下位 上武具玉*2 生産 ユクモチケット*1 ユクモの木*10 ドラグライト鉱石*10 端材 木の端材*2 鉱石の端材*1 ││└真ユクモノ太刀改 │ │ 30000z5000z 190205 llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll 0% --- 上位 上武具玉*2 強化 ユクモの堅木*5 カブレライト鉱石*8 垂皮竜の上皮*5 端材 木の上端材*1 鉱石の上端材*1 │ │ └■霊刀ユクモ・真打 50000z8000z 210225 llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll 0% --- 上位 堅武具玉*2 強化 ユクモの堅木*8 ユニオン鉱石*8 雌火竜の逆鱗*2 風牙竜の尻尾*3 端材 木の上端材*1 鉱石の上端材*1 南蛮刀派生 名称 値段ブースト 攻撃力ブースト 特殊効果 斬れ味斬れ味+1 会心 スロット 作成可 使用武具玉 南蛮刀││ 24000z3000z 160175 水18 llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll 10% --- 下位 上武具玉*2 生産 謎の太刀の秘伝書*1 古代鮫の皮*3 ライトクリスタル*2 端材 鉱石の端材*2 ││└南蛮刀改 │ │ 35000z5000z 180195 水21 llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll 15% O-- 上位 堅武具玉*2 強化 古代鮫の皮*5 古代魚*5 竜玉*2 端材 (無し) │ │ └■南蛮太刀【鮫斬】 60000z8000z 200215 水25 llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll 20% O-- 上位 堅武具玉*2 強化 勇気の証G*3 グラシスメタル*10 古龍の血*3 大地の龍玉*2 端材 勇気の上端材*1 鉱石の上端材*1 王刀ライキリ派生 名称 値段ブースト 攻撃力ブースト 特殊効果 斬れ味斬れ味+1 会心 スロット 作成可 使用武具玉 王刀ライキリ││ 24000z3000z 160175 雷20 llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll 0% O-- 下位 上武具玉*2 生産 雷狼竜の角*1 雷狼竜の甲殻*4 雷狼竜の爪*6 雷狼竜の帯電毛*3 端材 雷狼竜の端材*2 ││└■王牙刀【伏雷】 80000z8000z 210225 雷24 llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll 0% O-- 上位 堅武具玉*2 強化 雷狼竜の尖角*2 雷狼竜の高電殻*4 雷狼竜の尖爪*6雷狼竜の碧玉*1 端材 雷狼竜の上端材*2 クルーエルペイン派生 名称 値段ブースト 攻撃力ブースト 特殊効果 斬れ味斬れ味+1 会心 スロット 作成可 使用武具玉 クルーエルペイン││ 66666z7000z 180195 龍18 llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll 10% O-- 上位 堅武具玉*2 生産 恐暴竜の大牙*5 恐暴竜の頭殻*2 恐暴竜の黒皮*3 端材 恐暴竜の上端材*2 ││└■カラミティペイン 85000z10000z 200215 龍23 llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll 10% O-- 上位 重武具玉*1 強化 恐暴竜の鉤爪*8 恐暴竜の唾液*5 恐暴竜の宝玉*1 端材 恐暴竜の上端材*2 漆黒の爪派生 名称 値段ブースト 攻撃力ブースト 特殊効果 斬れ味斬れ味+1 会心 スロット 作成可 使用武具玉 漆黒の爪││ 75000z8000z 170185 龍28 llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll 0% O-- 上位 堅武具玉*2 生産 煌黒龍の尖爪*5 煌黒龍の尻尾*3 古龍の血*3 端材 煌黒龍の上端材*2 ││└■漆黒爪【終焉】 100000z10000z 190205 龍34 llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll 0% OO- 上位 重武具玉*1 強化 勇気の証G*3 天をつらぬく角*2 煌黒龍の翼膜*3 瑠璃色の龍玉*1 端材 勇気の上端材*1 煌黒龍の上端材*2 単品生産(派生なし) 名称 値段ブースト 攻撃力ブースト 特殊効果 斬れ味斬れ味+1 会心 スロット 作成可 使用武具玉 ■覇刀タンネカムトルム 99999z10000z 250265 llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll 30% --- 上位 重武具玉*1 生産 覇竜の大棘*3 覇竜の堅殻*6 覇竜の尻尾*1 覇竜の宝玉*1 端材 覇竜の上端材*2 ■崩刀ウコトカムルバス 99999z10000z 250265 氷14防+15 llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll -20% --- 上位 重武具玉*1 生産 崩竜の上ビレ*4 崩竜の尻尾*3 崩竜の削顎*2 崩竜の宝玉*1 端材 崩竜の上端材*2 ■凶刀【催花雨】 120000z10000z 240255 水12 llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll -20% --- 上位 重武具玉*1 生産 嵐龍の角*2 嵐龍の胸殻*2 嵐龍の鋭爪*6 天空の龍玉*1 端材 嵐龍の上端材*2 鉄砕牙派生 名称 値段ブースト 攻撃力ブースト 特殊効果 斬れ味斬れ味+1 会心 スロット 作成可 使用武具玉 鉄砕牙││ 30000z3000z 150165 llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll 0% OOO 下位イベント 上武具玉*2 生産 古き大妖の牙*5 アイシスメタル*5 琥珀色の牙*3 端材 - ││└■鉄砕牙D 50000z8000z 200215 llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll 0% OOO 上位イベント 堅武具玉*2 強化 古き大妖の牙*6 猛々しい龍鋭牙*2 琥珀色の鋭牙*4 端材 - 覇王剣派生 名称 値段ブースト 攻撃力ブースト 特殊効果 斬れ味斬れ味+1 会心 スロット 作成可 使用武具玉 ■覇王剣 60000z8000z 160175 龍40 llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll 0% --- 上位イベント 堅武具玉*2 生産 剣豪の奥義書*5 風牙竜の鋭爪*5 雷狼竜の尖角*5 覇竜の大牙*3 端材 - ライトニングワークス派生 名称 値段ブースト 攻撃力ブースト 特殊効果 斬れ味斬れ味+1 会心 スロット 作成可 使用武具玉 ■ライトニングワークス 60000z8000z 190205 雷35 llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll 0% OO- 上位イベント 堅武具玉*2 生産 電撃Gチケット*5 ライトクリスタル*10 雷狼竜の高電殻*6 端材 -
https://w.atwiki.jp/sousakurobo/pages/1259.html
暗く淀んだ空から容赦なく降り続いている、冷たく打ち付ける雨に身体を濡らしながらも少女は躊躇する事無く歩き続ける。 今にも折れてしまいそうな、華奢で生白い両足が、一歩、一歩と踏み出す度に跳ね返る泥水に塗れて汚れる。にも関わらず、少女は歩みを止めない。 彼女と再会した時には―――――――――久しぶりに一条遥と再会した時には綺麗に着飾られていた洋服も、既に泥塗れだ。 全身を自らの手で汚しているかのように、少女――――――――リシェル・クレサンジュは路地裏を一心不乱に歩き続ける。 路地裏はまだ昼間だというのに、どんよりとした薄暗さに満ちており先が見えない。リシェルは自分が闇の中に飲まれていく様な錯覚を覚える。 さっきまで一条遥と共に謳歌していた、明るく賑わう表通りと相反する様に僅かな光すらも届かない暗き路地裏。 レイチェルの暗部と言えるかもしれないその場所は負の空気に溢れており、ジメジメとした湿気と、言い知れない息苦しさを感じさせる。 路面には大量の水溜りが広がっており、奥に進めば進むほど、異様な圧迫感が迫ってくる。 リシェルは近くの壁に手を付きながら、確実に一歩ずつ踏み出していく。しかしこの路地裏、全く人のいる気配を感じない。 左右には老朽化している建物が軒を連ねてリシェルを冷徹に見下ろしている。崩れかかっているガレキや擦り切れたポスター、伸び放題のツタが痛々しい。 かつては様々な目的を持った人間達で賑わっていたのだろうが、今や人っ子一人、何処かへと消えてしまった様だ。 寒さからか、それとも疲れからか。呼吸が若干荒くなりながらも、リシェルは歩く。 ふと、無意識に頭の中で反芻する、記憶。まるで灯火の様な、温かく楽しい記憶が、甦ってくる。 全ては数日前だった。リシェルにとってその出会いは、ある種運命の出会いであった。 自分と同じくらい小さな背丈ながらも、自分とは全く違う人生を辿っている少女に出会った。実年齢に比べ外見のせいで、大分幼く見えるその少女の名は、一条遥。 リシェルを見据えている、一条遥の大きな両目は、希望に満ちていた。その目は、太陽の下で健やかに育ち続ける、向日葵の様な明るさに溢れていた。 前方を軽く睨みつけて、リシェルは壁から手を離す。そろそろ終わりが見えてきたかもしれない。 我ながら粗末に程がある、変装代わりの頭部に被った麦わら帽子を目元が隠れる位深く被り直す。 この先に何があるかは分からない。表通りに出るかもしれないし、行き止まりかもしれない。リシェルとしては……まぁ、まだ結論は出すべきじゃない。 足音を隠しながらも、背後から複数の人影が迫っている事にリシェルは元々感づいている。勘付きながらも敢えて、自らを袋小路へと追い込んでいる。 逃げるのであればこんな真似をする必要は無く、人混みに紛れて行方をくらませば良い。何故、リシェルがこうして自らを不利な状況へと追い込んでいるのか。 答えは単純で、リシェルに逃げる考えは無い為である。いつ頃からか、彼女の思考は逃走から戦闘へとシフトしている。 どっちにしろ警察に追われている身、例え強引な手を使ってでも、ここで出来る限りの障害は排除しておくべきだと、リシェルは考える。 左右を見下ろしている建物が途切れ、とうとう路地裏の奥へと、リシェルは辿りつく。 路地裏の行く先は、行き止まりである。移住区として使われていたのだろうか? 正面、右左と巨大なアパートらしき建物がリシェルを阻んでいる。 当然、この建物も人の気配はまるでなく、大量に割られた窓ガラス、錆に侵され放題で茶色く染まっている壁面、剥き出しの鉄骨と人が住む以前にそもそも開発段階で放棄された様に思える。 何となく幽霊でも住み着いている様に思えるが、今の所存在を感じられるのはネズミだとかの小さな動物達程度だ。次第に雨が強まってきて、雨音が反響しては空に消える。 麦わら帽子を投げ捨てて、リシェルは足を止めて振り返る。振り返り、右手に力強く握っているパートナー、神威――――――――が変形している杖を口元へと寄せる。 と、闇の中からうっすらと、何者かが姿を現し始める。その何者かは一人、二人、三人と増え出しては、リシェルを取り囲む様に増えていく。 何者かの姿は、リシェルの命を背後から狙ってきたあの男と同じ姿――――――――顔をすっぽりと隠す様に頭部、否、全身を漆黒のローブで包んでおり得体が知れない。 あの男と同じ、と寧ろ……あの男と同類の存在だと、リシェルの中で漠然と浮かんでいた疑問が確信へと変わる。 あの男の凶行は、決して偶然ではない。最初から計画されていたのだ。 この集団に、あの男はきっとそそのかされたのだろう。私を殺す方法があると。 一つの疑問が解けた所で、また別の疑問がリシェルの中で沸き立つ。ならばこの集団は、何の目的で私を狙っているんだろうか? という疑問が。 至極簡単に考えれば、ライオネルの指示の下、リシェルが神威を使い、奪ってきたオートマタの神子達が復讐の為に徒党を組んできたのかもしれない。 寧ろそう考える方が自然である。いつ復讐されるかも分かんねえからいつも気を引き締めておけ、とライオネルに常々言われてはいたが……。 完全に不意を突かれた。一条遥と一緒に過ごしていた時のリシェルは、完全に気が抜けていた。油断しきっていた。 一条遥と過ごしている時間は今までに無い位幸福感があった。成す事やる事、全てが楽しかった。 あの時だけは、リシェルは一人の少女として生きる事が出来た。忌まわしい過去も、罪深き今も忘れる事が出来た。 そんな瞬間をこの集団は奪い去った。そう考えると、リシェルの中で例えようの無い感情が一寸顔を出す。 雨は豪雨へと変わり始め、鉄骨を打ち立てる雨の音がさながら機関銃の銃撃音の様だ。 リシェルの髪の毛は大量の水を帯びており、撥ねに撥ねた泥水は肌も洋服も、リシェルの全身を無残な姿へと塗りつぶす。 目の奥が猛烈に痒く、リシェルは目を擦りたい衝動に駆られるが、こんな状態で目を擦ると自ら目を潰す様な行為なので止めておく。 それにしても不思議だと、リシェルは思う。これは雨だ。顔を雨水が走っているだけだと、自分自身に言い聞かせているのに。 両目から雨水が流れて、留まる様子が無い。何度も腕で目元を拭っても、両目から雨水が止まらない。 視界がぼんやりと曇っていく。これから場合によって活発に動く必要もあるのに、これでは……いけない。 いけないというのに。こんな、事では。 「その涙は我々への同情か? それとも挑発のつもりか?」 ずいっと、ローブ集団の長らしき人物が、リシェルの真正面へと踏み出してくる。 踏み出しながら頭部を隠しているローブを両手でがっしりと掴むと、ゆっくりと上げ始めた。 ローブを顔から上げて、その人物はリシェルへと自らの顔を露出させる。 男性。それも、一言で表すのならば強面の男性で、顔に走っている幾つもの傷痕と逞しく整った眉、鋭い目付きには、幾つもの死闘を繰り広げてきたような凄身を感じられる。 正に戦士、それも熟練の戦士と呼ぶのに適したような顔付きである。本来ならば。しかしその目に、戦士らしい魂は感じられない。 49 名前:TロG ◆n41r8f8dTs [sage] 投稿日:2012/09/23(日) 20 55 33.76 ID 0xmmycEd [4/14] 光の宿っていない虚ろな目で、何かを見ている様で何も見ていない、空っぽな瞳。だが、その両目は確かに、リシェルの事を映しこんでいる。 「他人の幸福を根こそぎ奪っておいて、自分は涙を流す余裕があるとは羨ましいぞ。我々の涙はとうに枯れ果ててしまった」 そう言いながら、男性は何故かローブを跳ね上げて、鍛えに鍛え上げられた筋肉質な右腕をリシェルに見せ付ける。 その右腕、否、右手首には何の装飾もなされていない、質素なリストバンドが巻かれている。 リストバンドは質素ではあるが、何か宝石でも嵌めていたのか、真ん中の部分に球形のくぼみが作られている。 「覚えているか」 神威を構えつつ睨んでいるリシェルに、男性は声を震わせながら、言った。 「貴様にオートマタを強奪された、カルマスという哀れな男の事を」 ―――――――― 時間を数十分前に戻そう。 「ごめんなさい! ごめんなさい!」 人混みの中を謝りつつも必死に掻き分けながら、一条遥はリヒターと共に、行方を眩ましたリシェルを探し続けている。 人にぶつからない様回避しつつ、遥はレイチェルの街を駆け抜ける。 とにかくリシェルらしき人物がいないかを逐一目を凝らして探し続けるが、こんな地道すぎる草の根運動的な探し方ですんなり見つかるとは思えない。 思えないものの、あんな別れ方をしてそのままさよならするなんてまっぴらごめんだと、遥は心の底から思う。 別れ自体が嫌なんじゃない。人には色々事情があるし、一期一会って事だがあるし。 だが、しっかりとした事情も分からず有耶無耶のまま別れる事だけは嫌だと、遥は思う。 リシェルの外見自体は非常に特徴的だ。特に琥珀色の瞳なんてまず、忘れる筈が無いし見間違える事も無い。 だがしかし、それっぽい髪の色をした人も、ましてや琥珀色の目を持つ人にすらも見掛けない。一体、リシェルはどこに行ったのだろうか。 神頼み的な感覚で、遥はリヒターを口元へと寄せて、尋ねる。 「リヒター、神威の気配……感じる?」 僅か少しでも、少しの可能性でも良い。リシェルが携帯しているであろうオートマタ――――――――神威の気配をリヒターに探って貰う。 遥は未だに、リシェルが神威の神子であると、連続オートマタ強奪事件の犯人であるという事が信じられない。 いや、まだそうだとハッキリした訳じゃない。全てはまず、リシェルを見つけて掴まえる事だ。それで全ての真実がはっきりする。 同じオートマタ同士なら少しでも波長というか、そういうのを感じられるのではないかという、浅はかな期待を遥はリヒターに寄せる。 しかしそんな雲を掴む様な期待でさえ、今の遥には重要である。ほんの少し、本当にほんの少しでも構わない。 リシェルの気配を、存在を察知する事ができれば、それで。 <……マスター、申し訳ございません。逆に気配が遠のいています> 「離れちゃってるんだ……ありがとう、リヒター。大丈夫だよ」 リヒターに優しく微笑み返しながら、遥は前を見据えてとにかく走る。 数分前の出来事が仄かに、遥の頭の中で巻き戻される。 あの出来事も、遥の必死な探索に拍車を掛けている。 ―――――――― 遥がリシェル探索をし始める一分ほど前に時間が戻す。 遥は俄かに信じられない。信じられないが、確かにその人物は、遥の前にいる。 リシェルと全く同じ髪の色にして、どことなくリシェルと似ている顔立ち。目の色が違うのは不思議だが、それは重要な事じゃない。 リシェルに比べて大分目鼻立ちとスタイルが大人びているが、それでもしっかりとリシェルと姉妹だと分かる雰囲気。 その女性、マシェリー・ステイサムは遥に深く頭を下げる。そしてゆっくりと頭を上げると、凛としている。 「私の名はレイン。レイン・クレサンジュ。仕事でマシェリー・ステイサムという名を使っているから、普段はそちらの名で呼んでほしい。 ……いきなりこんな事を頼むのも失礼千万とは思うが」 そうして、両目に指を当てて、何かを取り出す。恐らくコンタクトレンズか―――――――と。 マシェリー、否、レインはリシェルと同じ琥珀色の両目で、遥を見据える。見据えながら、切実さをひしひしと感じる声で、言った。 「私とスネイルと一緒に、私の姉を……探してほしい」 遥は瞬時に思い出す。さっきまでリシェルが、遥と食事を楽しみながら切々と語っていた、自らの過去を。 リシェルは語った。自分には、事情があって離れ離れになってしまった妹がいると。その妹の名前はレイン。レイン・クレサンジュと。 もう出会う事が無いかもしれない、けれどいつかもう一度レインに会ってみたい。それで抱きしめたいと、リシェルは言った。 そんなレインが、妹は今、遥に言った。私の姉を、探してほしいと。 こんな酷な偶然があるのだろうか。離れ離れになった姉妹が、こんな場所で出会ったのに、再びすれ違うだなんて。 だとしたら、何故リシェルはようやく出会う事が出来た妹から逃げ出したのか。今まで会いたくて仕方が無い相手だった筈なのに。 いや―――――――レインだけでなく、どうして……私からも、逃げ出したのか。 遥には何もかもが分からなくなってきた。リシェルが何を思い、何を考え、姿を消したのか。何一つ、分からない。 聞きだしたい。例えエゴだろうと、リシェルに取って触れてはならない領域かもしれなくても、遥はどうしても、リシェルから聞きだしたくて仕方が無い。 寧ろ、聞かねばならないと、思う。どうして、リシェルが全てから背を向けたのか、そして逃げ出したのかを。 この事がハッキリしない限り、遥は安心して眠れない気すらしてくるから困る。 「遥ちゃん、色んな事が一気に起きすぎて頭の中大混乱だろうけど、協力してあげてくれないかな。本当に必死なんだ、この子」 ある種、一番先に突っ込みたいが突っ込んじゃいけない気がする、レインの横に立つスネイルが遥にウインクしつつそう言う。 態度自体はやおよろずにいる時の様に飄々としているが、遥には分かる。スネイルの声にふざけた様子は無く、心から頼んでいる様に聞こえる。 付き合っている期間自体は長くない所か二日三日程度だが、遥はこういう局面でスネイルがふざけた事をする様な人間では無いと信じている。 それに真剣な、切実な面持ちで遥の答えを待っているレイン。 遥は迷う事無く、即座に答えを出す。迷っている暇なんて、時間なんて一秒も、ない。 「分かりました。協力します。早くリシェルさんを見つけて、きちんと話を聞かないといけないですね」 遥の返答に、レインは心からホッとしたのか、良かった……と小声で呟き胸を撫で下ろす。 そんなマシェリーを、スネイルはニヤニヤとしながらいつもの茶化す様な声で弄る。 「良かったわねマシェリー。遥ちゃんが良い子で」 スネイルの言葉をそれとなくスルーし、レインは咳払いをすると通常時の冷静な顔付きへと切り替わる。 そして再び、今度は軽く遥に頭を下げる。顔を上げ、遥からじっと目を逸らさず、良く通る声で感謝する。 「協力してくれて、本当に有難う。心から礼を言うよ」 レインの感謝に対して、遥は軽く頭を横に振る。振って、答える。 「まだ感謝される様な事はしてないです。感謝なら、リシェルさんを見つけられた時にでも」 そうして、遥はレインとスネイルに、自分自身に言い聞かせるように力強く引き締まった声で、言う。 「一刻でも早く、リシェルさんを探し出しましょう。それで……真意を、聞きだしましょう」 レインとスネイルは深く頷き返す。自らの正体を隠すコンタクトレンズを、レインは入れ直す。 物言わぬその瞳には、確かな決意が籠っている。必ず、姉を探してみせるという。 ―――――――― 回想終わり。 遥は気合いを入れる様に両頬を両手で軽く叩く。さっきにも増して足を早めて、少しでも怪しい人物がいないか目を凝らす。 今頃、自分とはまた違う手段でスネイルとレインはリシェルの探索に走っている。 二手に分かれた理由は、三人と一機で纏まって探すよりも互いに違った方向で探した方が恐らく見つけやすいというスネイルの提案だ。 もしも目出度くリシェルを見つける事が出来たらすぐさま連絡してほしいとも、スネイルは言っていた。 しかし遥の手には通信機も無ければそれに準ずる機械もない。ならばどうスネイルに連絡を入れるのかというと。 ―――――――― 「あ、そうそう。遥ちゃん。ちょっとストップ」 話が纏まった為、今すぐにでも走りだそうとした遥をスネイルは引き留める。 急に呼びとめられて若干驚きながらも、遥は回れ右をしてスネイルの方へと向く。 遥を引き留めたスネイルは、何故か両耳を掌で軽く二回叩く。 すると両耳を覆い隠す様に突如として、大きなヘッドホンが手品の如く現れた。 言うまでもなく、このヘッドホンはスネイルがいた世界における通信機で、やおよろずがスネイルらを助けた際、夕食の席で遥はこのギミックを見ている筈なのだが。 「うわわっ!」 物凄く分かりやすいリアクションで驚嘆している遥に、スネイルは楽しそうに笑う。 一方、横に立っているレインは初めて見る筈だがそれほど驚かず、表情を変えないまま軽く瞳孔を広げている。 遥よりもレインの方がリアクションが薄いという妙な現象に苦笑しつつ、スネイルは説明する。 「その驚きっぷりナイスよ、遥ちゃん。これが通信機だってのは前説明した……多分説明したとは思うけど、これの凄い所はね。 直接言葉を交わさずとも、脳波を受信して頭の中で喋れるって部分なの。何か私に対して頭の中だけで呟いてみて。遥ちゃん」 のうは……? 訳の分からない未来の技術に呆気に取られながらも、遥は半信半疑で頭の中だけで言葉を呟いてみる。 スネイルは遥からメッセージを受け取る為に目を瞑って集中する。受信したのか、ゆっくりと目を開けて、言った。 「……私は永遠の十七歳よ」 「流石にそれは無いだろ」 真顔で突っ込むレインを完全にスルーして、スネイルは遥に言う。 「何となく分かったかしら」 「はい! ホントに通じてビックリしました」 「ねー。科学の進歩って凄いわよね。後、私は永遠の十七歳だから」 「二回りくらい鯖読んでるだろ、いい加減にしろ」 真顔で突っ込み続けるレインに吹き出しそうになりながらも、遥は思う。科学の進歩って凄い。 そうして遥は、傍らでじっと指示を待っているリヒターに目を向ける。もしかしたら、この先リヒターには迷惑を掛けるかもしれない。 痛い思いをさせてしまうかもしれない。だから先に……と。 <マスター> 遥が何か言おうとした手前、リヒターの方から話しかけてきた。 「リヒター……」 <私は> <私は、何があろうとマスターの命に従います。マスターの身を守る事が、私の使命です> 「……リヒター」 遥は目を閉じる。閉じて、リヒターを抱き締める。 心の中で大きく引っかかって取れない、わだかまり。疑念、不安。 どうしても、リシェルが神威の神子である事を、強奪事件の犯人だと信じたくはない自分がいる。 信じたい。人を疑うなんて事はしたくない。遥の知ってるリシェルは、読者好きで素直な、少し不思議な少女だ。とても悪事に手を染める人間には思えない。 だが、遥はハッキリと聞いていた。リシェルが持っているオートマタの名を、神威と言ったのを。 そしてリシェルを付け狙い命を狙ってきた男の存在。どう足掻いても、現実は非常にして残酷だ。 認めたくない事実が遥の前に憚る。だが、ここで目を背けて逃げだせばそこで全て終わりだ。 遥は思う。ここでもし背を向けて逃げ出したら、きっと一生後悔し続けると思う。 絶対にリシェルを見つけ出さなきゃいけない。見つけ出して、聞きださなければならない。 真実を掴まねばならない。事実という真っ暗闇の中にある、真実の光を。 「行こう、リヒター」 遥は走りだす。この先に何があろうと、その光を掴むまで決して、足は止めない。 「行っちゃったわねー」 すぐに小さくなってしまった遥の背中を眺めながら、スネイルはレイン、いや、マシェリーに目を向ける。 「さて、私達はどこから探しましょうか」 「その前にスネイル、少し良いか? ホテルに戻りたいんだが」 マシェリーの言葉にスネイルはまっ、と頬を染める。 「こんな時にホテルだなんて貴方……」 「何を想像してるかは知らんが張り倒すぞ。……緊急時に頼りになる道具を取りに行きたいんだ」 ―――――――― 一体どれくらい走りまわったのだろうか。未だに手掛かりすらも掴めないまま、虚しく時間だけが過ぎていく。 流石に数十分以上も走り続けていると足がくたびれてくる。情けないと思いつつ、遥は早足で探索を続ける。 『どう、遥ちゃん? そっちは手掛かり掴めた?』 通信機越しにスネイルが話しかけてくる。遥は悔しげに返答する。 『いえ……まだ何も掴めてないです。ごめんなさい』 遥の返答に、スネイルは慰める様な優しい口調で答える。 『そっか……寧ろ謝るのはこっちよ、遥ちゃん。私達の方もまだ何も掴めてないの、ごめんなさい』 『いえいえ。もっと頑張って探してみます』 『うん。早く見つけてあげないとね。レインの為にも』 通信を切り、遥は一呼吸付くと再び走りだす。 とにかくリシェルらしき人物がいないか、見逃さない様に群衆に目を向ける。 しかしどれだけ注意深く観察しても、リシェルらしき人物は見掛けない。自分と同じぐらいの背丈の少女は何度も見るのだが。 どの少女も、瞳の色が琥珀色ではないし髪の色も違う。髪の毛はともかく、琥珀色の瞳は誤魔化そうとして誤魔化せる物ではない。 もしかしたら、今のリシェルは全く違う格好へと変装して潜んでいるのかもしれない。寧ろ、その可能性が高い。 それならそれで難度がグンと上がってしまう。あの特徴的な髪の毛を隠されたら、あの目を隠されてしまったらどうしようもない。 しかし、遥の辞書に諦めるという文字は無い。例えどんな小さな手掛かりでも構わない。 リシェルに辿りつく事が出来るので、あれば。 と、走りだした手前、軽くではあるが前方を歩いてきた人と肩が当たってしまった。 少し急ぎ過ぎてしまった様だ。遥はすぐに振り返って、肩をぶつけてしまったその人へと謝る。 「ごめんなさい!」 「あ、いえいえ。こちらこそ」 温和な表情を浮かべているその人物、というか少女の髪の毛は、空を連想させる様に蒼く、綺麗な紅色の大きな瞳が印象に残る。それに遥より比べて幾分背が高い。 リシェルほどではないにしろ特徴的な少女だ。遥は何となくどこかでこの少女に出会った様な気がするが、他人の空似であろう。 いけない、ここでぼんやりとしている訳にはいかない。気付けば空から一適、ニ滴と冷たい物が落ちてきて、やがてぽつぽつと降り注いでくる。 雨だ。ただでさえ状況が進んでいないのに雨まで降らすとは。遥は神に対して文句を言ってやりたい気分になる。 「それじゃあ……」 「あ、ちょっと良いですか?」 先を行こうとした瞬間、少女から呼び止められる。 人に尋ねられるのをそそくさと無視するのは遥の性格に反する。しかし余裕は無い。なるたけその問いを素早く応えようと思いながら、遥は答える。 「はい?」 「その……私の麦わら帽子を拾った人、見掛けませんでしたか? その人、何を勘違いしたのか被ったままどっか行っちゃって……」 麦わら帽子……? と遥が首を傾げていると、少女はその麦わら帽子の特徴を詳しく話し出す。 しかし遥の記憶の中に、少女が語る麦わら帽子を被っている人物は浮かんでこない。 本当に申し訳ないと思いつつ、遥はその場を後にしようとする。 「見てないですね……ごめんなさい」 「そうですか……結構外見に特徴的な人だったんで、もしかしたら見掛けたかなぁと思ったんですけど」 「どんな人なんですか?」 一刻も早く行かねばならないと思いつつ、ついつい遥は質問してしまう。 少女は、答える。 「こう、髪が白色で目の色が……なんていうんだろう」 「琥珀色、っていうのかな? そういう珍しい色の目の人だったんですけど」 ―――――――遥は少女の言葉に、ポカンと口を開ける。 まさか、こんな偶然があるのだろうか。遥は神を称えたい気分になる。 しかし決して状況が好転した訳ではない。リシェルはまだレイチェルにいるとはいえ、麦わら帽子を被って変装している事が分かっただけだ。 だがそれだけが分かっただけでも良い。後はリシェルが何処に行ったのかさえ、分かれば。 「……その人、どこに行ったか分かりますか?」 興奮を抑えつつ、遥がそう聞くと少女は前を指差して答える。さっと遥は身体を翻して、少女の指先へと視線を向ける。 「何か急いでたみたいでそのまままっすぐ……追いかけようとしたんですけど、人が一杯いる中でもう追えなくなっちゃって……」 「そうですか……」 遥は少女に向き直る。向きなおって、言う。 「私、もしかしたらその人の事知ってるかもしれないです」 「本当ですか?」 軽く驚いてる少女に、遥は深く頷く。頷いて、言う。 「もし見掛けたら、というかその人を見つけたら取り返しますよ。麦わら帽子」 「あ、麦わら帽子の事ならもう良いんです。かなり使い込んでてボロボロだったし。ただ、気になる事があって……」 「気になる事?」 「その人……何か凄い思い詰めた顔してたから、どうしたのかなって……」 ―――――――― 少女と別れた後、遥は教えて貰った通りまっすぐ正面へとリシェル探索を続ける。 少女が言った、思い詰めた顔という単語が頭を離れない。リシェル……不吉な事に巻き込まれていなければいいのだが……。 最初は小雨だった雨は次第に強さを増していき、やがてバケツを引っ繰り返したかのような暴力的な雨へと変わる。 しかし雨程度で意欲が削がれる様な遥ではない。水溜りを撥ねながら、遥は探す。探し続ける。 と、その時だ。 <マスター> 今まで黙って遥を見守っているリヒターが、口を開く。 急いでいる足を止めて、遥はリヒターに顔を向ける。 「どうしたの、リヒター?」 <……やっと、感じ取れたかもしれません。神威の存在を> 「……ホント?」 リヒターは遥を導く様に自ら動きだすと、どこかを指を指す代わりに、先端をその場所へと向ける。 遥はそのまま導かれる様に、リヒターが向いた場所へと身体を向ける。向けて――――――――遥は息を、漏らす。 リヒターが差した方向は、人の気配がまるでしない、薄暗い路地裏だ。 レイチェルの街はそこそこ熟知している遥でさえ、普段は通り過ぎてまず目に映らない路地裏。 こんな路地裏にリシェルが? と一寸思うが、リヒターは言う。 <この先から、神威の気配を感じます。それも、非常に強く> 「今神威がどんな状態なのか分かる? その……オートマタに変形してたりする?」 <マスター、申し訳無いのですがそこまでは分かりかねます。しかし神威は確実に、この奥にいます。きっと、彼女も> 容赦無く遥を打ち付ける豪雨の弾丸。服も髪もずぶ濡れになっているが、遥にその事を気にする様子は無い。 雨が降っている事すらも忘れるほど、遥の中でリシェルの事が一杯になっている。 確証は無い。確実にリシェルと神威がこの先にいるという裏付けは無い。だが、遥は進む。突き進む事にする。 何故なら、リヒターが見つけたというのだから。長く窮地を共にしたパートナーの言葉以上に、信じられる物は無い。 雨のせいもあり、路地裏は非常に空気が悪く、遥は激しく咳き込む。 咳き込みながらも、着実に進んでいく。それにしても何だろうか、この四方八方から迫ってくる、圧力の様な物は。 まるで、遥がこれ以上進む事を阻んでいるかのようだ。しかし遥は止まらない。リシェルと出会う為に、足を止める訳にはいかない。 にしても息苦しい。こんな場所で倒れでもしたら、二度と表に戻れない気がする。 息苦しいのに、両足は自然に一歩二歩と前へ前へと突き進んでいく。この先に、リシェルがいる。 そう思うと、遥の両足は無意識にでも進んでいく。今ならば、どんな障害が待ち受けていようと乗り越え、飛び越えられそうだ。 豪雨は変わらず、遥を打ちのめし続ける。こりゃ帰ったら確実に風邪引きさんだ。 ふっと、そんな軽い事が頭を過ぎった、時。 「……行き止まり?」 気付けば、路地の終わりまで辿りついていた様だ。辿りついた様だが、昼間だというのにやけに視界が暗く、前が良く見えない。 取り合えず、遥を待ち構えていたかの様に廃墟となっている建物が並んでいる事だけは分かる。その下に、誰か……。 一先ずスネイルに連絡を入れよう。そう思い、遥はスネイルへと思念を送る。 『スネイルさん、スネイルさん』 『遥ちゃん、どうしたの?』 『……リシェルさんに会えたかもしれません』 『ホント!? ちょっと待って、今場所を調べるから』 スネイルへと連絡を入れた時、ぐにゃりと、遥は何かを踏んだ。 雨でぬかんだ地面とは違う感触。固くは無いが柔らかく、それでいてぎっしりと詰まっている……。 瞬間、空に轟音を鳴り響かせながら鋭い雷が走る。雷は一瞬だけ路地を照らし、遥が踏みつけている何かを照らしだした。 ……手? ……手? 落雷が照らし出したそれに、遥の思考回路は停止しそうになる。どうにか口元を押さえて、出てきそうになった物を抑える。 何で、何で人の手が地面に転がって……ここで、ここで一体何が? 乱れに乱れている思考回路を無理矢理落ち着かせて、遥は真正面へと顔を、上げる。 顔を上げた遥を迎えたのは――――――――。 パラべラム × ヴィルティック・シャッフル 再び鳴り響く轟音、後、雷鳴。 雷鳴が一寸だけ照らし出したそれは―――――――ゆらりとして佇み、傍らに刀を持つ、人の形をした、ロボットの姿。 正確には、オートマタの姿だ。 そんなオートマタの近くで、片手にナイフを持つ少女は、遥に気付く。 「どうして……」 『遥ちゃん、リシェルさんに会えたの? 遥ちゃん』 スネイルの呼びかけが頭に入ってこない。 今の遥は呆然とも、唖然ともいえる表情を浮かべている。何にせよ、抱いている感情は一つ。 「どうしてこんな所にいるの……一条さん!」 今のリシェルは呆然とも、唖然ともいえる表情を浮かべている。何にせよ、抱いている感情は一つ。 beautiful world the gun with the knight and the rabbit あまりにも、酷な再会を果たしてしまう二人の少女の間で、神威がツインアイを発光させる。その様はまるで。 第22話 「鬼」 の様だった。 『遥ちゃん、返事をして、遥ちゃん!』 次回23話 「衝突」
https://w.atwiki.jp/rozenrock/pages/1402.html
真紅たちと二ヶ月ぶりにスタジオで音を合わせた日からさらに三週間が過ぎ、桜田家に真紅たちRozen Maidenとジュン、巴を加えた7人が集まったのは、クリスマス・イヴ及び修了式の日までには授業も無い試験休みが明日から始まる薔薇学の内部進学試験の終了日に企画された打ち上げ及び全員の進学祝いパーティのためで、前回の人口密度を踏まえて会場に決まった一階リビングでは、一部は普通に、一部は非常に騒がしく、長い試験勉強の日々から解放された気分を味わっていた。 「ちょっとジュン!グラスが空ですよ、おかわりですおかわり!」 「自分で注げよ!」」 「って言うかコレよく見たらお酒だったかしら」 「またかよ!」 「あはははは、おっかしーの。みんなの顔がうにゅーなの」 「誰だ!雛苺に飲ませた奴は!」 「あなららち、わらしのォ……歌をぉ……っく、聴くのだわッ! ♪雨はぁ……夜更けすぎぃに……晴れるでしょぉ……うぉうお」 「うるさいぞ真紅!歌うな!アンプを切れ!あと微妙に違う!」 飲み物(一部酒類)とお菓子と宅配ピザ等軽食が並んでいるのではなくてごちゃごちゃになっているコタツ周辺で皆が騒がしく喋ったり歌ったりふざけたりしている様子を90度回転した視界で見ている蒼星石は、もともとそんなに強くもないのに翠星石に無理やり飲まされて悪酔いし、ソファに横になって蒼い子になっていた(顔色的な意味で)。 「気分どう?蒼星石」 頭上から巴の声がかかった。 「うん、さっきよりは平気……」 頭上と言ってもさすがに膝枕などはしていなくて、蒼星石がクッションを枕にして仰向けに寝ているその横に座って、巴は水を飲ませてくれたり額に乗せたおしぼりを換えてくれたりと介抱してくれている。 「……お酒、強いんだね」 「そうかしら」巴は唇に指をあてて「よくわからないけど、別に平気よ」と言った。 巴もまた翠星石に飲まされた……それもけっこうな量を……のだが、何事も無いかのようにけろりとしている。 それで翠星石も「つまらんです」と標的を他に変えて今の騒ぎになっていた。 「みんな楽しそう」 巴がコタツ周辺を見ながら言った。「そうだね」と言いつつ、蒼星石には楽しそうすぎて皆の笑い声とか歌声とか怒声(主にジュンの)とか悲鳴(主にジュンの)がぐわんぐわん頭に響いて痛い。 「でも、みんな無事に合格してよかった……」 と巴がまた話をしかけて、 「あ、ごめん、あんまり喋らない方がいいよね」 「え、ううん、そんなことないよ。むしろ気が紛れるかな」 容赦なく耳を刺すこの騒音の中では、巴の優しく語りかける声はいわば一服の清涼剤であって、黙って横になっているよりはこちらに集中して少しでも色々忘れたい。 「そう?大丈夫?」 と心配そうにこちらを覗きこんでくるので蒼星石が精一杯の笑顔で応じると、巴も軽くうなずいて、「みんな合格したから、またいっしょだね」と言った。 大学部でまた卒業までの4年間、いっしょに過ごすということだ。 「水銀燈と……あの子、薔薇水晶もちゃんとパスしたって」 水銀燈とはかなりの間、まともに会話をしていない。 もともとよく話していたわけではないが、二、三ヶ月くらい前からだったか、ちょくちょく学校を休むようになり、教室にいても何か上の空というか、近寄りがたい雰囲気を放っていて、何かあったのだろうとは思いつつもこちらも自分たちのことで忙しく、水銀燈の個人主義もあるから、結局何も関わり無く過ごしてしまったが、今頃どうしているだろうか。 「進学、するのかな。水銀燈……」 「え、どうして?」 なんとなくどうなのだろう、と思っただけだが、最近の水銀燈には、そう思わせる何かがあるような気がしていた。 そしてもう一人、こちらは進学こそ決めているが、 「翠星石なんか、ちょっと時々何か思うところがあるみたいなんだ」 蒼星石が言うと、巴が少し首を傾げてみせた。 「大学部にいけるのはまあ喜んでるんだけど、『どうせ何も変わらない』なんて言って」 広大な薔薇学園の敷地の中にあって、大学部といってもその校舎は高等部からさほど遠くない位置にあって普段見慣れているし、この場にいるメンバーだけではなく、中等部、高等部で過ごしてきた同学年の生徒たちもそっくり大学部で同学年となる。 一方外部受験での新入生というのがまあまあの数になるのだが、それに関して翠星石は、 (どーせいーとこの坊ちゃん嬢ちゃんばっかりです。どーせつまらん奴らばっかりです) とやたら悲観的な予想を語っていたが、薔薇学の生徒達を見渡してみても、およそ翠星石の言うところの『フライドチキン食べた手でギター投げる』ような人間など居そうもないおとなしい顔ばかりなのは確かで、ぎりぎり『ギター』に関わる人間が数人いたとしても、前後をはさんでいる条件については絶望的だった。 新入生についてもまあその点は変わらないところだろう。ギターどころか、 なにせ自分達が2年前に文化祭で披露したバンド演奏が『前代未聞』として職員会議にまでとり沙汰されたくらいだし…… 「中等部の時と同じで卒業した実感が全然無い、って」 「そう……翠星石らしいね」 巴が見つめる先で当の翠星石は今度はジュンの口に明らかにウィスキーと思しき琥珀色の角瓶をねじこんでいたが、視線に気づいたのか、赤い顔でこちらを見るとジュンをその場に放り出して(ジュンの後頭部が床に激突する鈍い音がした)コタツから這い出てきた。 「とぅおもえぇ~?なーに見てるですかぁ、もしかして、翠星石の美貌に見とれてたですかそーですかそりゃしかたないれす。もっと見るれす」 他にも何か回らない舌でむにゃむにゃ言いながら接近してきた翠星石は、自分の顔をもっと見ろと言った割にはソファの下にへたりこんだかと思うと、座っている巴の腰にいきなり抱きついた。 「す、翠星石、ちょっと」と巴が赤くなってわたわたと手を泳がせる。 翠星石はさらに巴のおなかあたりに頬をよせたかと思うと、すべり落ちて膝の上に顔を着地させた。 「おぅ~、非常にぃ、やわらかなぁ、感触を発見しましたぁ、ですぅ、翠星石はぁ、ここをぉ、 離れらい、はられられらいれす」 起毛素材らしき巴のスカートの感触にか、その下の脚の感触にか、翠星石は感嘆の声をあげると、すりすりすりすり、と巴の両腿の間に顔をすりつけた。 「ひゃんっ!?」 巴が変な声を出して跳ね上がった。 「うぅ~ん、やらかいですぅ~のね~」 すりすりすりすり。 「す、翠星石、ちょっと」 「駄目だよ、翠星石」 さすがに蒼星石も起き上がって止めに入った。翠星石の肩に手をかけて、かけたところで、 「ぬぁーんですかぁ、蒼星石、翠星石はぁ、はられらいのれす、邪魔するなれす」 と、その手を掴まれて、向かい合ったら翠星石が、 「ん~もっとやらかいところならぁ、行きますです、行くのれす、はい」 じとっ、とこちらを見て立ち上がると、倒れこむように覆いかぶさってきた。 あっ、とだけ言った間にソファに倒されて、翠星石が抱きついてくる。 「翠星石、ちょっと、離れて、ってば」 押しのけようとしたら上腕ごとがっちりと抱きつかれていて動けず、 「ひんっ!?」 耳に生暖かい吐息を感じたと思ったら翠星石の顔が真横にあって、耳を噛まれていた。 はむはむと何度か噛まれて、そのたびに漏れる息が、震えるほどくすぐったい。 「ひっ!?だめ、だめ、やめてぇ……」 頼むように声を絞り出すと、翠星石は耳から離れて上体を起こした。 その焦点の定まらない色違いの瞳を見つめて、 「翠星石……お願いだから……」 「んん~? ……んふふ」 「やめて」と言うまでもなく「冗談ですよ」と言って離れてくれることを期待したその瞬間は来ず、ふにへっ、と翠星石が口元をゆるませて、がば、と今度は首筋に吸い付いてきた。 ちぅううううううううううう。 「だめえええええええええええ!!」 視界が涙でにじんで翠星石がどう動いているのかはっきりしなかったが、首筋やら頬やらをかぷっと軽く噛まれたり吸い付かれたりしている感触は見なくてもわかった。 「蒼星石はぁ……あちこちやらかいですねぇ……はむっ」 「あうっ」 また耳。 一体何が翠星石をそこまで『やわらかさ』への飽くなき欲求へと突き動かすのかとか巴はどうしただろうと思ったらどうも両手で顔を覆いつつ「わ、」とか「わぁ……」とか言いながら指の隙間からちらちら様子をうかがってるらしいとか視界の片隅にいつの間にか真紅がいてふらふらと揺れながらこちらを見下ろしていることに気づいて、 「そういえば前にも……こんなことがあったような気がするのだわ……ひっく」 たぶんワンパターンなせいだろう。 とか言って、明らかにウィスキーと思しき琥珀色の角瓶をぐびぐびとラッパ飲みしていた。 助けてはくれなかった。 第一章へ戻る/長編SS保管庫へ/第二章(2)へ続く
https://w.atwiki.jp/foresanc/pages/389.html
クローバーナイト #ref error :ご指定のページがありません。ページ名を確認して再度指定してください。 挿絵作成:Loreさん 感謝致します。 1 名前 クローバーナイト (本名:ジュヌヴェール=サーティ) 2 年齢 享年62 3 性別 男 4 種族 アンデッド 5 外見 死後十年が経過し、完全に骨だけの姿になっている。 服装 黒いタキシードに身を包み、靴は黒の革靴、白いシルクの靴下に手袋、黒いシルクハットを常に着用。 左手には、先端に金メッキの施された大きな丸い飾りがついた、黒塗りの頑丈なステッキを持つ。 身長:184cm 体重:12kg(骨だけのため軽い) 6 性格 物腰穏やかで、非常に丁寧な性格をしている。 どんな相手にも礼節を忘れない。 酒、特にカクテルに関して目が無い。 7 過去 とある高名なネクロマンサー一家の屋敷で執事をしていた普通の人間。 その穏やかな物腰や、丁寧な性格が気に入られて三十歳から執事としての勤めを果たしていた。 ある日、彼は主人の一人娘と共に街へ出掛けた。 そこで彼ら二人を襲ったのは、暴走した荷馬車。 娘を庇い、彼は重傷を負ってしまう。 手当ての甲斐も無く、彼の命は風前の灯。 最後に主人が、何か思い残したことは無いか、あれば何でも叶えてやろう、と彼に告げる。 「旦那様もご存知の通り……私はお酒が大好きでございました……まだまだ……この広い世界には、私の知らない酒が……あることでしょう……。それを味わいつくすことの出来なかったことが……私の生涯で唯一つの……心残りで……ございます……」 彼は最後の力を振り絞りこう答えると、静かに息を引き取る。 それから十年。 彼はネクロマンサーの術により再びこの世に戻ってきた。 ただし、生身の肉体ではない、骨となってしまっていたが。 彼を呼び戻したのは、命を奪う原因になったあの事故で、彼が庇った一人娘。 「待たせて、ごめんね」 せめてもの恩返しとして、娘は彼を呼び戻しただけでなく。 酒を飲むことのできる身体に作り替える術を学び、それを彼に施してくれたのだ。 再び酒を飲むことのできる身体になった彼は、初めて長い長い暇を出され、各地を放浪する酒飲み道中を開始したのだった。 自分が一番大好きだった、酒の名前を借り自らの名前として。 8 職業 ジェントルマン 9 口調 どんな相手にも丁寧な口調を崩さない。 ジェントルマンだから。 でも酔っ払ったらただのオールドマン、らしい。 「はじめまして。私、クローバーナイトと申します」 「失礼致しましたお嬢様。私の姿を見て驚かれるのも無理は無いかと存じます」 「いいえ、私はただの酒好きの老人でございます。それ以上でもそれ以下でもございません」 「クローバーナイト……私が世界で最も愛するお酒でございます。貴方も一杯、如何でしょうか?」 「カラスは私の友でございます。心優しく、私のような姿の者でも接してくれます」 「申し訳ございません。争いが避けられない、そうなるのでございましたら私も容赦は致しません」 「カクテルといっても油断はできませんぞ。度数の高いものも沢山あるのですじゃ」 「そんなにぐいぐい飲む物ではありませんぞ。静かにゆっくり、語り合いながら飲む御供、カクテルとはそういうものですじゃ」 「ハッハ……まだお嬢さんには早いでしょうなぁ。あと十年もすれば、この味がわかる日が来るでしょうて……」 10 一人称、二人称 一人称:私(わたくし) 二人称:貴方(男性)貴女(女性)お坊ちゃま(少年)お嬢様(少女)(名前)様 酔っ払ったら 一人称:わし 二人称:あなた(男性女性)坊ちゃん(少年)お嬢さん(少女)(名前)殿 11 好きなもの お酒。 12 嫌いなもの 大切な人間に危害を加える存在。 13 好きな人 自分が仕える一家の人間。 14 パートナー 烏。 15 属性 無。 16 苦手な属性 無。 17 戦闘スタイル ステッキを用いた華麗な近接戦闘、酒を用いた中距離戦闘をこなす。 趣味で学んでいた突剣技術が近接戦闘の役に立っている。 酒を用いた攻撃は魔術ではなく、彼自身が持つ酒への愛と、酒を飲めるアンデッドという特殊な体が引き起こした【現象】である。 基本的に攻撃は回避を第一に考えているが、何かあってはと仕えていた主人が彼の身体に術を施しているため、物理的な攻撃、魔術的な攻撃どちらにもそれなりの防御力を持ち、再生能力も備えている。 【本気でこのキャラと戦う場合(闘技場、訓練などで模擬試合の場合の攻略ポイント)】 アンデッドゆえに浄化の術が覿面……ではあるが個人的に控えて頂きたいところ。 特殊能力『はめつのおと』を利用して、無茶な回避運動をとらせて行動不能にするのが、勝利への一番の近道。 が、酒による特殊攻撃で徹底した妨害を行ってくるためそれを切り抜ける技術が必須となる。 18 精神力 動揺することが無い。 執事の基本である。 19 戦闘熟練度 ★★★☆☆ 20 技や魔法 [技] [突剣技術] 【ウェイブショット】 津波のように一度後方へ引いた後、前方へ一気に踏み込み多数の敵を叩き伏せ切り伏せる切り込み技。 【ターゲットロック&ショット】 その場に静止して標的をしっかりと捕らえた後、高速の突きを繰り出す。 【ターゲットロック&フェイント】 その場に静止して標的をしっかりと捕らえた後、その標的とは全く別の本当の標的に高速の突きを繰り出す。 【ペネトレイト】 ステッキの先端から衝撃波が発生し、標的を貫通する。 威力は低いものの、かなり離れた場所まで届く。 [酒] ※酒を用いた技で起こった現象は、数十秒もすると何事もなかったかのように戻る。 また、被害を被る対象は彼自身が指定することができる。 対象外は、現象自体を見ることはできるがそれに干渉をすることはできない。 【アンバー・ドリーム】 美しい琥珀色の色をしたカクテル。 これを振りまくことで、一滴一滴が巨大な宝石の塊に変化、広範囲の敵を薙ぎ払う。 【ウィズリー・ガーデン】 鮮やかな緑色をしたカクテル。 これを振りまくことで、周囲の植物が一気に生長。 足止め、攻撃を同時に行う。 【エンジェル・フェイス】 美しい黄金色のカクテル。 これを振りまくことで天使が舞い降り、不浄なる存在を浄化し始める。 彼自身も不浄なる存在のはずだが、この技の場合は例外で影響はない。 【クロス・ボウ】 深い紅色のカクテル。 これを振りまくことで、一滴一滴が石弓の矢に変化、広範囲の敵に襲い掛かる。 【サファイアン・クール】 美しいサファイア色のカクテル。 これを振りまいた場所は突如凍りつく。 【ブラッディ・メリー】 血のように赤い色をしたカクテル。 これを振りまくいた場所に突如火炎が立ち昇る。 【ブルー・ラグーン】 爽やかな水色をしたカクテル。 これを振りまくと、広範囲に津波が引き起こされる。 【ハリケーン】 鮮やかな黄色をしたカクテル。 これを振りまくと、突如風が吹き荒れる。 【ブラック・ウオッチ】 暗い琥珀色をしたカクテル。 これを振りまいた場所には突如暗黒が現れる。 暗黒の中に居ると体力を徐々に消耗させられる。 21 特殊能力・特殊技能 特殊能力 【不死の身体】 あらゆる死に関する術を無効化する。 幾ら身体を破壊されようとも、一日もすれば完全に再生する。 ただし浄化系統の攻撃には滅法弱く、再生も行えない。 【カクテルコントロール】 酒を操り特殊な効果を引き出せる。 【はめつのおと】 無茶な動きをすると腰の辺りが……ぐきっ。 特殊技能 【カラスとの友情】 カラスを使役し、品物の買出しなどを行える。 他にもカラスは彼のお願いなら大抵聞いてくれる。 【バーテンダー】 あらゆる酒を知りつくし、作成することができる。 愚痴の御供(?) 【執事】 炊事洗濯、何でもできる。 他人の身の回りの世話もお手の物。 でもあんまりご老体に負担の掛かることはできない。 22 必殺技 [突剣技術] 【デッドリーホロウ】 静止した後標的を正確に捉え、高速の突きを繰り出す。 その突きが標的を捉えた場合、更に乱れ撃つ。 [酒] 【クローバー・ナイト】 透明色に近い白色のカクテル。 これを味方に振りまくことで、ちょっとした幸運が訪れるという。 その幸運を活用するのは、貴方次第。 23 能力[E.まるで駄目 D.苦手 C.人並み B.得意 A.達人級 S.化物級 SS.神級] 体力 C 魔力 C 腕力 C 知力 A 素早さ A 命中 A 24 武器やアイテム [武器] 【ステッキ】 金メッキの施された丸い飾りが先端についただけのシンプルなステッキ。 材質もただの木材のはずなのだが、魔術によりその辺の金属より堅い強度を持っている。 殴られると相当痛い。 先端が細いため突剣のように扱うこともできる。 [アイテム] 【アルコールハート】 七色に輝く不思議な鉱石。 骨だけの身体になった彼がお酒を飲める仕掛け。 人間でいう心臓の部分にこの鉱石が納められている。 飲み干した酒は全てこの鉱石が吸収し、味の情報を彼に伝達する。 ゆえに彼は酒の味を楽しむことができるのだ。 おまけにちゃんと酔える。 25 その他 【こんな姿だから……】 当然ながら人間の生活場所に入ることはできない。 常に人目につかない場所で彼は過ごしている。 そんな彼が満足した飲酒ライフを送る事ができるのはカラスのおかげ。 カラスに金銭と買出しメモを預け、購入してきてもらうのだ。 この方法を教えてくれたのは仕えていたネクロマンサー一家だったりする。 【お酒は強い?弱い?】 お酒好きなのだが人並みだったりする。 あまり強い酒を飲ませるとべろんべろん。
https://w.atwiki.jp/jfsdf/pages/1163.html
※投稿者は作者とは別人です 508 :陸士長:2011/04/27(水) 19 07 10 ID eW4IB1ds0 掃海艇乗員の憂鬱 「監視は厳重にしておけよ。作業を行う海域まではまだ距離はあるが、漂流しているブツがあるかもしれん」 「諒解しました、艦長殿」 気心の知れた副長と部下達にブリッジを任せ、彼は艦長室へと滑り込む。 ふぅ、と溜息を吐き、収納棚から蒸留酒を取り出す。 鮮やかなリンゴの絵が描かれたリンゴの蒸留酒だ。 艦長は生産地特有の技術で作られた樽の匂いと、濃厚な果実の風味が合わさったこの蒸留酒を愛していた。 しかし、今この瓶を飲み干したら次に何時購入出来るかは不明だ。 愛飲している事で個人的な友誼を得た蔵主によれば、一番出来の良かった畑が米軍の爆撃の外れ弾を受けた事。 かの地方都市が交通の要地であった為何度も米軍の空襲を受け、対空戦闘などにより町はずれの畑や蔵が滅茶苦茶になったらしい。 街の若い人口層が動員でかなり持って行かれた事もあり、街の復興は遅々として進んでないそうだ。 何カ所かの古くから続く酒蔵も閉鎖する予定だとか。 「そういえば、旦那さんの息子達も未だに連絡付かないんだっけな」 小さなキャップにチビチビと琥珀色のアルコールを注ぎ、大きな揺れが来ない内に喉に流し込む。 チリリと痺れる喉越しの良さと、口に残る風味も何故か昔ほど美味くなく感じた。 旦那さんの手紙には何度も書かれてあった。「どうして、こうなってしまったのだろうか」と。 「まぁ、あんたの気持ちは分かるつもりだ。あんたは今、軍人嫌いになっているみたいだがね」 彼らの戦いは掃海艇から武装の一切が解除された後も、米軍の監視下にある本部の指示によって続けられていた。 あの蒼空を我が物顔で飛び回っていた要塞から数え切れないほど投下された、機械式の機雷を北大陸沿岸から排除する為に。 戦勝国曰く、復興には自助努力も必要らしい。彼ら海軍の敗残兵達の仕事もまた自助努力だそうだ。 「全く踏んだり蹴ったりだぜ。戦時は敵機やガトー級に狙われながら死に物狂いで機雷を除去してきたってのによ」 彼の属した海軍は多数の支援艦を持ち、掃海艇も多数装備していた。 だが、今は見る影もない。船長は彼らがどうやって戦中で散っていったかよく知っている。 幾ら頑張って排除し続けても、それを嘲笑うかのように超空の要塞は機雷をばらまいていく。 掃海中に接触して船体が真っ二つに折れた、作業中の単調な動きを狙ったガトー級の雷撃を受けて轟沈した。 戦線に近い海域で作業をしていたらハリネズミの様に機銃を積んだミッチェルに銃撃され、文字通り蜂の巣にされた同僚の艦もある。 ようやく作業が完了し港に戻ったと思ったら、敵の空襲に遭遇し係留状態で大破着底、隊の半数が壊滅した事もあった。 「そんな目に遭い続けて、ようやく生き残ったと思ったらかつての敵に顎で使われる。ふざけてるよ全く」 しかし、まだ海の上に居る方が気楽かもしれないな、と艦長は思った。 敗軍に付きものの自国の敗者を見る民衆の白い目。 帰還兵達に向けられる冷ややかな目線と、町中に翻る勝者の旗。 無敵の祖国を信じてた兵士達は今も尚『何故?』という気持ちを抱いて生きているだろう。 自国の女達が米兵や南大陸の兵士達に春を売り、彼女らを守るはずだった自分達は道の端を俯きながら歩かなきゃいけない。 「陸の上で現実にうち拉がれているよりは、まだこうして任務をしている方が良いかもしれん。まだ……戦っていられるからな」 そう切なげに呟くと、艦長はボトルに残っていた分を全部呷った。 まだ祖国が祖国で有り得た頃に醸造された酒は、やっぱり昔ほど美味くなく感じた。