約 7,025 件
https://w.atwiki.jp/snri/pages/22.html
チーム名 桜餅小隊 マユリ masa8 ラズリム 灰色きつね 影ぽん グーorオールの方募集中 特攻野郎Dチーム ryde 一切 LATINA 募集中 募集中 募集中 kakuchanチーム kakuchan イーズ キティゴワス そうや shimonz 募集中 alfojチーム alfoj いろはす raorao3 Nuno0000 izom キングクック 募集中 募集中 募集中 Valkyrjaチーム Valkyja tatu3 mich 募集中 チーム40 Gaiard ヒーロ ユイ アミ〇〇 かかって来い 性別問わずAround40の方募集中 性別問わずAround40の方募集中 チーム猪突猛進 ichiichi01 アミカル しうけこ あやっちだぉ yuuma 猪突猛進さん募集中 (仮)チームシーフード INFINITY ファ~ム ガイスー ゲンナイ あったん LecielCamus 募集中 募集中 募集中 三色団子チーム ガイスー 大和 ゆたぽん おっさん(串) 募集中 チーム 募集中 チーム 募集中 チーム 募集中 チーム 募集中
https://w.atwiki.jp/1548908-11/pages/433.html
タッグデュエリスト:猛進する剣角獣(RDT) 解説:レート1470 【貫通ビートダウン】使い。 攻略 出現条件 最初から。 WCモードとの連動 パック連動 イベントタッグ タッグ名:ちょっと猪突猛進 暴れ牛鬼(RDT)【トークン】 猛進する剣角獣(RDT)【貫通ビートダウン】 プレゼントタッグ 激レア:ジャンク・デストロイヤー レア:クイック・シンクロン レア:D.D.クロウ 通常:風霊術-「雅」 通常:ハーピィ・レディ2 通常:コアキメイル・アイス デッキ名:猛進!突進!大爆進!(RDD) 合計40枚+03枚 上級04枚 ストロング・ウインド・ドラゴン 暗黒ドリケラトプス×3 下級17枚 逆ギレパンダ×2 俊足のギラザウルス×3 スピア・ドラゴン ソード・マスター×3 ツイン・ブレイカー×3 猛進する剣角獣×3 ランサー・デーモン×2 魔法12枚 サイクロン シールドクラッシュ 地砕き 収縮×3 シルバー・コントレイル×2 スピード・エナジー×3 パワー・バトン 罠07枚 次元幽閉 スキル・サクセサー×2 奈落の落とし穴 プライドの咆哮×3 エクストラ03枚 フレムベル・ウルキサス×3
https://w.atwiki.jp/talesofdic/pages/7059.html
ボアボア(ぼあぼあ) 登場作品 + 目次 ファンタジア(SFC) ファンタジア(PS) ファンタジア(GBA) TOPなりきりダンジョン 関連リンク関連種ファンタジア(SFC・PS・GBA) ネタ ファンタジア(SFC) HP 20150 TP 0 攻撃力 1600 防御力 80 EXP 10512 ガルド 250 アイテム - 出現場所 未来モーリア坑道下層 防御属性 無 地 水 火 風 雷 光 耐性率 - - - - 弱 - 弱 行動内容 猪突猛進/猛烈な突進で前方の相手を攻撃する。毒の追加効果あり。非常にクリティカルが出やすい上、喰らうと大きくノックバックし高確率で気絶する。 総評 モーリア坑道下層に出現するピンク色の猪のモンスターでボアの強化版。PS版以降と違って小型でクレス達と同じぐらいの大きさである。 出現編成が決まっており、必ずビーストマスター1匹と共に3匹で出現する。 鈍重な動きのPS版以降と違って非常に機敏であり、高速で走り回りながら高威力の猪突猛進を連発してくる。 猪突猛進はノーマルですら2000程喰らう上、クリティカルが出やすく気絶しやすいため下手に連発されるとクレスがあっという間に落とされてしまう。 また、喰らうと大きく押し込まれるため一緒に出現するビーストマスターのサモンデーモンでまとめて攻撃されてそのまま全滅一直線の凶悪技である。 SFC版モーリア坑道下層の全滅要因No.1と言っても過言ではなく、PS版以降とは比べ物にならないぐらいの強敵なので要注意。 ▲ ファンタジア(PS) 作中説明 No. 177 レベル HP 20150 TP 0 攻撃力 488 防御力 111 回避 45 敏捷 命中 攻撃属性 物 重さ 4 気絶耐久 EXP 101 ガルド 343 状態付加 - 異常耐性 落とすアイテム ポーク 盗めるアイテム - 出現場所 未来ユークリッド闘技場未来トレントの森深部未来モーリア坑道下層 防御属性 無 地 水 火 風 雷 光 闇 物 耐性率 0% 0% 0% -50% 0% 0% 0% 0% 0% (※基準はNormal) 行動内容 突進して前方の相手を攻撃する。 総評 主に隠しダンジョンに出現するピンク色の猪型のモンスター。 最初のボスモンスター、ボアの強化版。ボアボアチャイルドはいない。 能力値が大幅に高くなっているが、ただ突進してくるだけなのでたいして強くない。 むしろ強さの割にあまりに貧相な報酬の方が目立つ。 PS版ファンタジアでは珍しくなってしまったボスの色違いでもある。 ▲ ファンタジア(GBA) No. Lv HP 20150 TP 攻撃力 650 防御力 111 敏捷 45 攻撃属性 物 EXP ガルド 落とすアイテム - 盗めるアイテム - 出現場所 未来モーリア坑道下層 防御属性 無 地 水 火 風 雷 光 闇 物 耐性率 - - - 弱 - - - - - 行動内容 突進して攻撃する。喰らうと少し吹き飛ばされてダウンする。 総評 PS版のでかいグラフィックで続投。 案の定、猪突猛進を取られてSFC版より超弱体化。ただ突進してくるだけになってしまった…。 かつては一瞬で5000ダメージとか当たり前のように受けていたのが噓のような弱体化である…。 しかもビーストマスターのお供としてSFC版・PS版では3匹まで出ていたのにこちらでは1匹でしか出なくなってしまった。 そのため壁としてもほとんど機能しておらず簡単に押し返して後ろにいるビーストマスターを妨害できる。 ここまで弱体化した相手も珍しい。 ▲ TOPなりきりダンジョン No. 177 レベル 75 HP 1950 TP 10 EXP 200 G 75 弱点 炎 耐性 大地 無効 - 備考 - 落とすアイテム ローストンカツ 盗めるアイテム - 出現場所 ヘル 総評 ヘルに出現するイノシシ型のモンスター。 PS版ファンタジアの時から少し見た目が変わり、牙がやたら伸びている。 ▲ 関連リンク 関連種 ファンタジア(SFC・PS・GBA) ボア ▲ ネタ ボア(boar)とは、英語で「猪」のこと。 ▲
https://w.atwiki.jp/snri/pages/72.html
試合結果 ★マークは勝利チーム 日付 チーム VS チーム 対戦場所 12/26 ★S1 Team Valkryia VS S-6 特攻野郎δチーム 雪山 12/26 H3 DJ-S VS ★H5 チームイモ 12/26 ★H5 チームイモ VS S-8 オキチーム 12/26 ★H3 DJ-S VS S-8 オキチーム 12/26 ★H1 チョコバット VS S-8 オキチーム 12/26 ★H1 チョコバット VS H5 チームイモ 8ゲート 12/28 ★H9 カモになり隊 VS S4 猪突猛進 8ゲート 12/28 ★H1 チョコバット VS S11 あったんチーム 12/28 ★H1 チョコバット VS S4 猪突猛進 12/28 ★H9 カモになり隊 VS S11 あったんチーム 12/28 ★H1 チョコバット VS S9 ピッコリさんチーム 12/29 H5 チームイモ VS ★S1 Team Valkryia 雪山 12/29 H9 カモになり隊 VS ★S1 Team Valkryia 8ゲート 12/29 ★H4 チームやっぱりキムチ鍋 VS S1 Team Valkryia 雪山 12/29 ★H5 チームイモ VS H9 カモになり隊 コロニーレーザー 12/29 ★H4 チームやっぱりキムチ鍋 VS H5 チームイモ 盆地要塞 12/29 ★H4 チームやっぱりキムチ鍋 VS H9 カモになり隊 コロニーレーザー
https://w.atwiki.jp/966cipher/pages/14.html
数 C カード名 備考 4 ④ 光の英雄王 マルス 1 ① 勇者の末裔 マルス 1 ① アリティアの王子 マルス 主人公 4 ④ 猪突猛進マジックガール メイ 4 ③ 慈愛の聖女 レナ 4 ② ノーヴァの少年魔道士 ボーイ 4 ② 砂漠の南の妖女 ソニア 4 ② アリティアの王女 エリス 4 ① 戦うお嬢様 クレア 4 ① グルニアの王子 ユベロ 4 ① ウェンデルの高弟 マリク 4 ① 元気な魔道少女 メイ 4 ① 冷ややかな情熱 クリフ 4 ① 森の村の火の玉娘 デューテ 通常版 【デッキ解説】 《光の英雄王 マルス》による手札増加と【魔術の紋章】による必殺札の確保によって勝ちを目指すデッキです。 9弾で多数の優秀な魔道書ユニットが収録され、単色で完結した構成になっています。 今まで欠点だった総打点の低さから、必殺を打っても通らない点は 《猪突猛進マジックガール メイ》が補ってくれており、非常に立ち回りやすくなっています。
https://w.atwiki.jp/senmura1/pages/1282.html
[部分編集] 愛 栗山利安 ハイレア #ref error :ご指定のページがありません。ページ名を確認して再度指定してください。 必要兵力 19 Lv1 攻 2280 防 2230 知 1200 LvMAX 攻 4550 防 4450 知 2400 スキル [水牢の励言【水】] Lv1/5 自分自身の功防アップ 武芸者計略 HPアップ【発動率:高】 売却価格 両 コメント 「たぁにゃん、ガンバなのね!!」黒田八虎の一人で黒田家筆頭家老。母里太兵衛とは義姉妹で猪突猛進の太兵衛も利安の言葉には素直に従ったと言う。 台詞 「たーにゃんとはラブラブな姉妹だよ」 図鑑 ガチャ:愛 備考 Illust:ぬえびーむ漏獄ガチャ限定 ↓進化↓ [部分編集] 愛 [虎]栗山利安 ハイレア #ref error :ご指定のページがありません。ページ名を確認して再度指定してください。 必要兵力 19 Lv1 攻 2640 防 2610 知 1440 LvMAX 攻 5280 防 5210 知 2880 スキル [水牢の励言【水】] Lv1/5 自分自身の功防アップ 武芸者計略 HPアップ【発動率:高】 売却価格 両 コメント 「りあんねぇちゃんに任せてよ!!」黒田八虎の一人で黒田家筆頭家老。母里太兵衛とは義姉妹で猪突猛進の太兵衛も利安の言葉には素直に従ったと言う。 台詞 「かんべさまのところにいくのだ!!」 図鑑 ガチャ:愛 備考 Illust:ぬえびーむ2MAX 攻6190 防6100 知3360 ↓進化↓ [部分編集] 愛 [備後守]栗山利安 ハイレア #ref error :ご指定のページがありません。ページ名を確認して再度指定してください。 必要兵力 19 Lv1 攻 3070 防 3050 知 1730 LvMAX 攻 6130 防 6100 知 3460 スキル [水牢の励言【水】] Lv1/5 自分自身の功防アップ 武芸者計略 HPアップ【発動率:高】 売却価格 両 コメント 「かんべさまを励ましちゃうぞ」黒田八虎の一人で黒田家筆頭家老。母里太兵衛とは義姉妹で猪突猛進の太兵衛も利安の言葉には素直に従ったと言う。 台詞 「潜り込むのは結構大変だよ」 図鑑 ガチャ:愛 備考 Illust:ぬえびーむ3MAX 攻7204 防7155 知40364MAX 攻7368 防7320 知4132 ↓進化↓ [部分編集] 愛 [黒田筆頭]栗山利安 ハイレア #ref error :ご指定のページがありません。ページ名を確認して再度指定してください。 必要兵力 19 Lv1 攻 3560 防 3570 知 2080 LvMAX 攻 7120 防 7140 知 4160 スキル [水牢の励言【水】] Lv1/5 自分自身の功防アップ 武芸者計略 HPアップ【発動率:高】 売却価格 両 コメント 「ひっとぉかろうだからね、これでも!!」黒田八虎の一人で黒田家筆頭家老。母里太兵衛とは義姉妹で猪突猛進の太兵衛も利安の言葉には素直に従ったと言う。 台詞 「よし、りあんねーちゃんとラブラブだな!!」 図鑑 ガチャ:愛 備考 Illust:ぬえびーむ4直 攻8214 防8221 知47604MAX 攻8296 防8301 知48046直 攻8398 防8412 知48806-2前 攻8548 防8558 知49606MAX 攻8562 防8572 知49688MAX 攻8594 防8604 知4988 コメント 名前
https://w.atwiki.jp/rasyed/pages/1273.html
『猪突猛進オブジイヤー』 一月にはじまり、その後GW、夏~冬と、とにかく今年は仕事が大変充実(忙しかったとも言う)した年で御座いました。 それはさておき。 今年は防衛庁が防衛省になったり、元長官があーだったり元事務次官がぶぉーだったり、この国の防衛のトップがあんなんで国防が不安になった! それはさておき。 今年はシューティングが全然出なかった! ブロークンになった某シューティングとか、振り返ってみればシューティングの氷河期と言っても過言ではない! それはさておき。 PSPの新型が出るなど、PSPのソフトもかなり充実したものであった! PS3の出だしが不安でしたが、安価の40GBモデル登場でちょっとは巻き返した! それはさておき。 今年も結局積みゲー状態だ! それはさておき。 ホント今年は、猪突猛進という言葉がピッタリと言っていいくらい、ひたっすらガンバッタ。 ガンバッタ! それはさておき。 白い恋人夕方買いに行ったら間に合わない!売り切れ続出! えーと、後は。 結局、WEBノベルモドキがぜんぜん作れなくてゴメンアサイッ ネタばっかり溜まってくぜチクショー! というわけで、今年もダウンタウンの笑っちゃダメな企画を見て年を越すのである。 今年もありがとう、そして来年も宜しく!
https://w.atwiki.jp/skygalleons/pages/100.html
レアリティ:★★★ コスト:8 属性:赤 ステータス LV 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 HP 180 183 187 190 194 198 201 205 208 216 AT 60 61 62 63 64 66 67 68 69 72 AG 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 カード説明 ミノス島の迷宮奥深くに住んでいる。怪力には並ぶものが無い、牛の怪物である。 行動 特技:雄たけび(属性 無, ゲージ 4) 自身のATを100%アップする(3ターン) 発動確率:100% 効果範囲:相対 □□□ □●□ □□□ 前列:猪突猛進(属性 赤) 範囲内の敵にAT×0.7のダメージを与える 発動確率:100% 効果範囲:相対 □□□ 75% ×0.7 ■■■ 20% ×1.05 □□□ 5% ×1.4 中列:猪突猛進(属性 赤) 範囲内の敵にAT×0.5のダメージを与える 発動確率:100% 効果範囲:相対 □□□ 75% ×0.5 ■■■ 20% ×0.75 □□□ 5% ×1.0 後列:通常攻撃(属性 赤) 前面の敵にATのダメージを与える 発動確率:100% 効果範囲:相対 □□□ 75% ×1.0 ■□□ 20% ×1.25 □□□ 5% ×1.5
https://w.atwiki.jp/okarowa/pages/60.html
04◆急曲直下(後) 鋭い痛み、すら感じないほどの、ルール能力による斬撃。何でも真っ二つにする一刀両断の日本刀。 そんなの卑怯だ、と紆余曲折は心中で愚痴って、でも痛みを感じないおかげか思考は妙にクリーンだった。 逃げられない。 ということが、ほぼ確定しつつあった。 なら生き残るために、紆余曲折はどうすればいいのか。考える、考える、考えて――答えを導こうとする。 (僕のルール能力。屋上駐車場の地形。相手の戦法。僕の体力。どうすべき? くそ……っ、そんなの考えてる暇がない! 走らないと――殺さ、れる!) ひた走る紆余曲折の元に、エスカレーターゾーンが見えてくる。 やった、あそこは。 平らな広い世界、屋上駐車場の中で唯一、紆余曲折が隠れられる場所。 もう役に立たないデイパックを放り投げて、エスカレーターゾーンと書かれた建物の裏に回り込む。 当然イノシシに乗った一刀両断も追ってくるが、 「へえ」 屋上にある建物には、上に登るハシゴがついてるのが定石だ。 紆余曲折は壁から伸びるハシゴに掴まって、上へ駆け上げろうとする。 一刀両断は相手の機転に感心しながらもすぐさま日本刀で斬りつけようとする、 も、その斬撃を《迂回させられている》間に、紆余曲折が射程範囲外まで登りきる。 4秒――ってとこだな。 ここまでの攻撃を冷静に計り、一刀両断はそう推測した。 紆余曲折が攻撃を迂回させられるのは、4秒。 「はぁ、っ……どう、だ。これでイノシシじゃ追ってこれないよ」 「でもハシゴは一か所だけだぜ。お前はもう、降りれない」 高さ5メートルほどの建物の上まで登り切り、虚勢を張る紆余曲折に、一刀両断は的確なツッコミを入れる。 しかし紆余曲折はいったん目をそらすと、「そうだった、くそ」と、少し演技臭い驚きの表情を浮かべた。 何だ? その疑問は一度、下からの甘ったるい声で打ち切られる。 「ねーいっとうりょうだんー、うちそろそろ戻ってもいいー? 疲れたにぃ」 「うお!? 顔だけ人間に戻んなよ急に! びっくりしたじゃねえか……。まあいい、いったん戻る。けど、ハシゴを登ったらまた乗せてもらうぜ」 「もー、しょーがないにぃ。豚の生姜焼きも追加だにぃ?」 「はいはい。安く付けといてやるよ。おい、登るぜ」 ずいぶんと食い意地が張ったイノシシが、いったん人間体に戻る。 何のイリュージョンか服は再生している。さすが全年齢板。 紆余曲折がほっとするのも束の間、一刀両断と猪突猛進の二人はハシゴを登ってくる。 5メートルはかなり高い。 ここから飛び降りて逃げるのは、一般的な男子高校生である紆余曲折にはちょっと無理があった。 (……作戦は、いま、考えついた。でも上手くいくか分からない) 紆余曲折は、覚悟を決めなければならなかった。 唯一思いついた作戦は、相当な危険を伴うもの。 しかも成功確率はおよそ50パーセント。失敗すれば、自分は確実に死ぬものだった。 いや――言ってしまえば、覚悟を決めるのが遅すぎた。 突然の奇襲だったなんて言い訳は通じない。 どのみち殺し合いの場にいる時点で、いつかこういう展開になるかもしれないことは想像できた。 いまのこれは。それがちょっと早く来ただけで。 どれだけ迂回しても逃れようのないものだって、最初から分かっていたはずで。 「《超・猪突猛進……イノシシ変化》だにぃ」 「さあ紆余曲折、最終局面だぜ。お前が死ぬか、お前が死ぬかだ」 「ちっとも嬉しくない選択肢ですね」 再びイノシシとなった猪突猛進と、それに跨る一刀両断。 対して紆余曲折は、普通のビルの屋上くらいまで狭くなった敷地の端に立ち、背水の陣を取る。 「まだ、僕はあきらめない。こんなとこで死ぬのなんてごめんだ。だから、逃げ切ります」 「あたしもこんなところで死ぬわけにはいかねえんだよ。なんたって、あたしには夢があるからな。 お前には夢があるか? 自分の命より大切な夢が。……なんて、高校生のガキに聞くことじゃあねえか」 号令の代わりに、日本刀をひゅっと振る。 イノシシの猪突猛進が始まる。あくまで一刀両断の足として、紆余曲折からは体一つぶん逸れた軌道で。 ずんずんと迫ってくるそれを――真横に走り始めることで、回避する。 当然イノシシも急ブレーキの後に曲がり、紆余曲折を追う……建物の端と紆余曲折、そしてイノシシが、横一線に並ぶ。 (やっぱりだ。何を考えてる、こいつ……?) イノシシの上で日本刀を構える一刀両断が、少し妙な空気を感じ取る。 今までとは違い、紆余曲折が明らかに目的意識を持って逃げているのだ。 (足に迷いがない。でも特に新しいことをしているようには見えない……デイパックを捨てた分だけ、 ほんの少しスピードは上がってるみたいだが) だったらあたしたちもスピードを上げるだけの話だ。 ぽん、ぽんと猪突猛進の頭を叩けば、意志を受け取ったイノシシは加速、紆余曲折との距離をさらに縮めていく。 時速45km。には届かないものの、 あっという間に一刀両断の刀は、紆余曲折を仕留められる範囲にまでたどり着く――そこで、気づく。 「あ……おま、え、……まさか」 「ええ」 紆余曲折はもう、逃げる気なんてなかったのだ。 背水の陣からこうして、真横に逃げた時点で。次に曲がる方向には、すでにイノシシがいることになってしまう。 もし曲がったら、イノシシに飛び込みに行くことになる。そんなの……、 「人身事故の原因第一位は、やっぱり飛び込みですよね……!」 「てめ、え……!!」 自ら死ににいくようなもので。 自分から死線に飛び込むことで、《わざと軌道を曲げに行く》、ということで。 一刀両断が刀を振り下ろすと同時に、紆余曲折はイノシシの真ん前に飛び出して――ルール能力を、使う。 「《死に急がば回れ》――!!」 でも、《攻撃を4秒間迂回させることが出来る》。このルール能力では、曲げる方向は、選べない。 だから、賭けだった。天国か地獄かの、50パーセントの賭け。 右に曲がるなら何の意味もなく――作戦は失敗して紆余曲折は死に。 左なら、イノシシと一刀両断は勢いよく端から落ちていき、5メートル下の屋上駐車場に激突――、 コンクリートにこのスピードでぶつかったら、イノシシも人間もただでは済まない。 三人の運命は、偶然に委ねられた。 そして。 猪突猛進の、イノシシの体が、目に見えない力に弾きとばされるように、 空を飛んだ。 【猪突猛進:死亡――残り十五名】 「殺せ」 「……」 「あたしたちの負けだ。こいつが死んで……あたし一人じゃお前にこれ以上の攻撃はできない。 刀も手放しちまったしな。けっこう飛んでたから――今頃下か。誰かに刺さってたら御の字だな。 お前、生き残りたいんだろ? 最後の一人になりたいんだろ……だったら、あたしは殺した方が、いいぜ。ははっ」 ポニーテールは、ほどけていた。だがそれ以外には、あまり傷はない。 一刀両断の状態は、勢いよく5メートルの高さから落ちたにしては奇跡といってよかった。 もちろん本当は、そんな奇跡は起こっていない。実際には一刀両断は、助けられたのだ。 一緒に落ちて行った猪突猛進。 全身に打撲、とくに頭を強く何回も打ち付けたらしい彼女に、 やさしく抱きかかえられるようにして、一刀両断は寝転がっている。日本刀は、どこかに飛んで行ってしまった。 「なんたってあたしは、こんなバカみてぇにあたしを守ってくれた、 同盟組んでるってだけで命張ってくれたこいつを――利用する気まんまんだったんだからよ。 生かしてもいいことなんてない、ぜ。あー、まだ肺にきてるわ。おい……なんとか言えよ、お前。なぁ、泣くなよ」 「泣いて、ないです、よ……泣い、て、なんか」 一方、そんな一刀両断を見下ろすように立ち尽くしている紆余曲折はといえば、ひどい顔をしていた。 この世の地獄を見たかのような顔、にふさわしいくらい、青ざめて目を見開いて、そして、泣いていた。 覚悟を。 生き残るために人を傷つける覚悟を決めたとはいえ、こうなるとまでは想定していなかった。 目の前で人が死んでいて、それをやったのは自分自身で。 生きている人間から、殺してくれって言われて、この実験のルールは、これを肯定している。 それが、現実。紛れもない、今ここで起こっていること、だなんて。 紆余曲折が受け止めるには――あまりにも、重すぎた。 「う、えぇっ」 「ははは、落ち着けって。死んだ奴は戻ってこねえよ」 ここに来てから何も食べてなかったのが幸いして、胃の中身は吐かずに済んだ。 それでも、胃液のような酸っぱい汁が逆流して口から垂れ――尾を引いて地に染みを作る。 やっぱり僕は、人を殺せるような人間じゃないんだな。 異常な気持ち悪さに膝をつきながら、紆余曲折はそう確信して。 だから、一刀両断に、言った。 「……あなた、は、……殺さない」 「あぁん?」 「分かったんだ。僕は、僕には、……この殺し合いを生き残れるような力は、無い。 ここであなたを殺したら、僕はひとりで生きてかなくちゃいけない。そんなの無理だ。もう心が折れそうなのに。 そんなことが出来るだなんて、僕は楽観視してたんだ……」 「出来ると思うけどな、あたしは。あたしをここまで追い込んだお前が、そんなことを言うんじゃねえよ」 「でも、それは偶然だ……!」 絞り出すような、声。 「偶然、僕の運が、良かっただけなんだ。それだけのことで、人が死んだ」 「そんなんあたしも、分かってるよ。その上で言ってる。偶然でもなんでも、お前は人を殺せたんだよ、紆余曲折。 殺せたんだ。返り討ちに出来たんだ。生き延びる力があったから、出来たことだろ」 「……完全にじゃない。まだあなたは生きてる」 「まあな。……あたしはまだ、生きれるだろうな、確かに。 でもあたしはさ、潔い奴が好きなんだ。だからお前は潔く勝ちを認めて――敗者のあたしを、殺す義務がある」 「それは、あなたの勝手な自分ルールだ。 僕が従わなきゃいけないのは、あの紙に書いてあることと、ルール能力だけ……そう、でしょう」 「否定はしない」 でも。そう言ってお前は、あたしを殺さないための論理を並べてるだけだろ? 一刀両断はそう続けようとして、しかし言葉を飲み込んだ。少し、場の空気が、変わったからだ。 「……だったら」 この短時間で。自分と会話していた紆余曲折の目が、光を取り戻していた。 息はまだ上がったまま。指先も震えたまま。体幹もふらついたまま――それでも目だけは、生きていた。 (こいつ。自分にのしかかってる重圧を……精神への攻撃だと考えて、《迂回》させてやがるのか) 4秒間。紆余曲折はそれだけの間、冷静になることができた。 そして考え付いたのは、生き残るための最善策。重くのしかかる後悔さえ無視して、一刀両断に語りかける言葉。 「だったら、僕は、あなたを、使う。一刀両断さん、あなたは。 これから死ぬまで、僕と一緒に生き延びて――僕を守れ。そしたら僕が、殺してあげます」 ふ、と消える目の輝き。《迂回》させた重圧が一気にのしかかり、紆余曲折は倒れた。 糸の切れた人形のように倒れた背中から、じわりと血がにじんでいるのが見える。手当をしなければ、まずいだろう。 「……はっ、死ぬまで一緒にいろだってよ。初対面の人間に言う言葉じゃねーぜそれ。 プロポーズかよ」 完全に死ぬ心づもりで手足を投げ出していた一刀両断は、身体の内部にきてる痛みに耐えながら立ち上がる。 紆余曲折を抱き上げて、背中に背負った。 少しごき、ごきと肩や腕を鳴らす……まだいける。刀さえ手に戻れば、さっきと同じように戦える。 軟弱な草食系男子をひとり守りきるくらい、ぜんぜん余裕のよっちゃんだ。 「わりぃね、猪突猛進。あたしはどうやら、こいつに捕まっちまったみたいだ。墓には肉を供えといてやるから、 ちょっとそこで眠っててくれ」 死体を一瞥すると、前に進む。 強く、正しく、潔く。 一刀両断は紆余曲折の下に付き――彼の盾になることを、こうして誓ったのだった。 【C-2/屋上駐車場】 【紆余曲折/男子高校生】 【状態】背中に裂傷、昏睡 【装備】なし 【持ち物】なし 【ルール能力】攻撃を4秒間迂回させることができる 【スタンス】生き残る 【一刀両断/ポニテの女】 【状態】軽傷 【装備】なし 【持ち物】なし 【ルール能力】持った刀はすべてを真っ二つにする 【スタンス】紆余曲折の盾 反転少女 前のお話 次のお話 曇天霹靂 前のお話 四字熟語 次のお話 都市伝説 紆余曲折 手を繋ぐ 一刀両断 手を繋ぐ 猪突猛進 実験終了 用語解説 【猪突猛進】 目標や指針などに向かって突き進むことや、前後のことを考えずに相手にぶつかっていくこと……など、 あまりいい意味では使われない四字熟語。 四字熟語ロワにおいては、どこかの田舎から連れてこられた訛りのある肉食系女子。 わりと四字熟語通りにあまり物を考えない彼女は、ちゃっちゃと殺し合いに乗って、 最初に出会った一刀両断と同盟を組んだりしていた。好物は肉のようだ。
https://w.atwiki.jp/anirowakojinn/pages/3181.html
04◆急曲直下(前) 殺し合いで生き残るためには、何をすればいいんだろう。 屋上駐車場へ続く広いスロープ道をてくてくと登りながら、紆余曲折はそんなことを考えていた。 「バーチャルゲームみたいに、必勝の攻略法があったら良かったんだけどな」 配布されたルールのおさらい用紙を眺めながら、紆余曲折はううんと唸る。 用紙には実験のルールが、あの虹色のインクで、妙にコミカルな自体で書かれていた。 そのうち、重要だと思われるのは2つ。「禁止エリア制度」と、「店内放送」について。 「まず、店内放送について。 参加者が5人死ぬごとに、この娯楽施設には店内放送が流れ、死者の名前が発表される。 最初に焼肉定食さんが死んでいるから、第一放送は4人が死んだところで流れるらしい。 で、焼肉定食さんを入れて、参加者は17人。つまり第三放送が流れたときには――残りは2人ってことだ」 とりあえず、これだけなら厄介ではなかった。 せいぜい誰かの名前を騙ることが難しくなるくらいだが、そもそも名簿は顔写真付き。 プラス、みんな本名ではないんだから、名前を隠す必要もあまりないはず。 「問題はこっちの方――禁止エリア制度の方だ。 店内放送が流れるたびに、9マスに分けられたマップのうち2マスが禁止エリアに指定される。 その1時間後から、禁止エリアに入れば、首輪が爆発するようになる。 残り2人になったときには、6マスが指定されて残り3マス。 そしてそれだけでは終わらずに。そこからはさらに2時間ごとに、1マスが禁止エリアになる……」 つまり、最後のひとりになるまで隠れてやりすごす、という手が取りにくいのだ。 隠れているエリアが禁止エリアに指定されたら、そこから動かなければならない。 不用意に移動して→誰かに出くわし→ズガンと殺される。頭の中でオチが容易に想像できてしまう。 捕捉として、24時間誰も死ななかった場合には、全員の首輪が爆発するようになっている、というルールもある。 このルールによって、参加者全員、あるいは3人以上での籠城戦も否定されていた。 要は首輪をどうにかしない限り、殺し合いは避けられない。 でも、首輪はまず外せないだろう。 相手はこの娯楽施設に参加者をワープで運んだり、首輪を全員の首に突然出現させたりできるのだ。 そんな奴らが、何かの工具や誰かのルール能力で外せるような首輪を用意するとは考えられなかった。 この時点で詰んでいるのだ。 ルールを拒否し、主催側に反逆するという道は――完全に断たれている。 「まあ、実験の公平性をどうとかで知り合いはいないらしいし、 僕には知らない人の命を守ろうと思えるほどの良心はないから、どっちにしろルールに乗ってはいただろうけど」 少し心無いことを言ったかな、と紆余曲折は思ったが、実際そうなんだから仕方ないよなあと思い直す。 人間関係の記憶が奪われている以上。 紆余曲折にとっても、他の参加者にとっても、自分以外の全員はまったくの赤の他人だ。 もちろん、奇々怪々らによって記憶を消されているだけで、ホントはみんな知り合いだったりするかもしれないが、 そんな可能性はあまり考えたくはないし、考えてしまったら誰も殺せなくなる。 素直に奇々怪々の「知り合いはいないはずだよ」という言葉を信じた方が、おそらく色々とやりやすい。 ひとりきりで、生き延びていける。 まあ……赤の他人だからといって、人を殺せるかどうかはまた別の話だが。 「うん。僕は人を殺せるような人間じゃない――と、思う」 思うだけだけど、と紆余曲折は付け加える。 その間も、てくてくとスロープ道を登っていく。低い壁に囲まれた屋上駐車場が見えてきた。 マップによれば、ここにあるエスカレーターゾーンから、娯楽施設の二階に降りることができるようになってるらしい。 結局結論は出なかったが、まずは人に会わないように二階から中を回ってみよう。 ついでに食料もゲットできれば御の字だ。 紆余曲折はそこで考察を止めて、屋上駐車場に入るスロープ坂を登り切った。 その瞬間――横から伸びてきた日本刀が、紆余曲折の体を貫こうとした。 「え、――!?」 どこから。と考えて、答えはすぐに出る。 というかさっきまでずっと独り言を声に出していた上に、足音もぜんぜん隠してない紆余曲折が悪かった。 紆余曲折は、壁に隠れて待ち伏せされていたのだ。 横を見るとそこには、ポニーテールに上下ジャージ姿の勝ち気な目をした女性がひとり。 まっすぐに紆余曲折をみつめて、……あぁん? と呟いている。 「あぁん? なんで軌道がずれて……?」 よくは分からないが不思議そうな顔をしている。逃げるなら今だ、 前に飛びこむようにして日本刀を回避する。しかしそこにはもう一人、田舎っぽい服を着た女の人がいる。 「死にぃな!」 「うっわ、!?」 彼女もまた血気盛んにバールのようなものを振りかざし、紆余曲折を狙う――が、不思議なことが起きた。 なぜかバールが、見当違いの軌道を描くのだ。まるで本来のまっすぐな軌道が嫌になったみたいに、《迂回する。 しかし最終的には、もとの目的地にたどり着こうとした》。 困惑する紆余曲折と田舎娘の後ろで、ばたんとポニーテールの女性がバランスを崩して倒れる。 紆余曲折は後ろを向く。女性の握る日本刀が――紆余曲折に向かって切っ先を向けている。 三人は同時に叫んだ。 「「「ルール能力か……!」」」 そう、これらの現象は全て、紆余曲折のルール能力によって起こった現象だったのだ。 直感でそれを理解した田舎娘はいったん攻撃を止め、 ポニーテールの女性は起き上がって距離を取り、 紆余曲折はバールの射程圏外へと逃れた。 待ち伏せからの奇襲は――失敗した。 「……」 「……」 「……」 じり、じりと。 沈黙の中、逃げられない距離を保ちながら、三人は体勢を立て直す。 胃がねじれそうな緊張感がきりきりと周囲に溜まっていくのを、全員が感じていた。 紆余曲折はぼんやりと思い出した。 この二人は、参加者名簿に載っていた。田舎娘のほうが「猪突猛進」で、ポニーテールのほうが「一刀両断」。 だったと思う。 少なくとも、参加者には間違いない。だからこの二人にも四字熟語に見合ったルール能力があるはずで。 それが分からない以上、紆余曲折は二人に背中を見せられなかった。 あんまり人がいないと思って来た屋上駐車場に二人も殺し合いに乗った人が居るなんて、最悪だ。 どうやって、逃げるべきか。 知らず知らず発動してしまった自身のルール能力は、 さっきの一合で、《攻撃の軌道を一定時間逸らす》だとばれてしまった。 一見すると強い能力に思えるけど、逸らせるのは一定時間だけで―― 「攻撃を逸らしている間に射程範囲から逃れるか、攻撃自体を止めないと、結局は当たってしまう。だろ?」 「……!!」 沈黙を破ったのは、ポニーテールの上下ジャージ女、一刀両断だった。 紆余曲折が思考している間に、彼女もまた自分の考えを煮詰めていたらしい。 しかも答えを出したようで――不敵に、笑っている。紆余曲折の背筋が、ひゅるりと寒くなるくらいに。 「何いってるんだにぃ、いっとうりょーだん?」 「あいつのルール能力だよ、猪突猛進。 《攻撃を迂回させる能力》。厄介だけど一回見てしまえば攻略法は思いつくぜ。 見た感じ、あいつは雑魚だ――あたしたちの攻撃を止めるなんて選択肢は取らねえ、いや取れねえだろうよ。 なあそうだろ? 確か、紆余曲折くん……だっけか」 「そうだよ。僕は紆余曲折だ」 「あ、うちは猪突猛進だにぃ。よろしく死にぃな」 「よろしく。死ぬのはお断りします」 「あたしは一刀両断だ。で、ほら。お前はこの剣、白羽取ってみる勇気はあるかよ?」 一刀両断が、日本刀をひゅっと振る。空を切る速度は、例え《迂回》させても紆余曲折には取れそうもない。 「……残念だけど、無理ですね。でも、僕にはまだ、選択肢がある。 貴女たちからひたすら逃げれば。距離を取り続ければ。プラスこのルール能力で、攻撃をほとんど躱せるはず」 「そうだな。いくらこっちが殺る気でも、あたしたちは女子。お前は男。 で、あたしたちの武器はどっちも近距離専。攻撃範囲外に逃げるのはたやすいし、 普通なら、迂回させられる分も含めて、攻撃を当てるのは無理だろうよ……普通なら、な。 おい、猪突猛進。《アレ》頼むぜ」 「えー、《アレ》はやだにぃ。うち、まだ人間捨てたくないんだにぃ」 「つべこべ言うなよ、さっき同盟組んだだろうが。ホラ、こいつ殺ったら下でステーキ焼いてやるから」 「がたっ。ほんと? ほんとじゃなかったら殺すにぃ?」 「ガチだよ、あたしは料理のできる25歳だ」 「25にもなって料理できない方がアレだにぃ」 ま、やってやるにぃ。 そう言って、しぶしぶといった感じでしゃがむ、猪突猛進。何か、する気だ。 とっさに身がまえた紆余曲折の目に飛び込んできたのは――ありえない光景。 「《超・猪突猛進……イノシシ変化》」 ぱあん、と、着ていた田舎っぽい服がはじけ飛ぶ。そしてどんどん、猪突猛進の体が変わっていく。 少し太めだった体型がさらにずんぐりと。代わりに手足が短く、四足歩行に。 尾てい骨のあたりからかわいらしげな尻尾が生えたかと思うと、全身が茶色の短い体毛に包まれて風になびいた。 あんぐりするのも束の間に、猪突猛進は正真正銘、《本物のイノシシに変わってしまった》。 一刀両断はそんな猪突猛進の背中にひょいとまたがると、マサカリならぬ日本刀を肩に担いで前口上を述べる。 「すごいだろ、こいつのルール能力。あたしも最初に見たときは驚いた」 「というか、何でもありって感じですね。こんなところで人生最初のイノシシに出くわすなんて……」 「最初で最後の、だぜ。悪いけどもう、お前の逃げ道はねぇよ――そら、無様な背中を、あたしに見せろ!」 号令。 イノシシがずどん、とコンクリの地面を踏み鳴らす。 聞いた紆余曲折は反射的に、真横に向かって走り出した。 50メートル走は7秒2。時速でいえば25km。といっても全速で走り続けられるわけがないのでもっともっと遅い。 屋上駐車場は広かった。でも車は一台も止まっていなくて、今の紆余曲折にとっては、隠れ蓑が無いのと同義だ。 ひとつ舌打ちをして、角度をつけて曲がる。 豪速で走り、早くも紆余曲折に追いつこうとしていたイノシシは、ブレーキをかけて曲がってまた追ってくる。 「やるじゃねぇか。いい判断だ。ただ直進で逃げてたら、イノシシはトップスピードの時速45Kmに乗っちまう――、 時々曲がって減速させなきゃ、人身事故に遭っちまうもんなあ!」 上に乗って金太郎気分の一刀両断がかかかと口を開けて笑う。 時速45km? 冗談じゃない。紆余曲折は全力で走りながら心の中で否定する。 体感じゃすでに、それよりずっと速い。 「さあ、スピードを上げてくぜ!」 もっと上がる。肉薄してくるのはイノシシの体と、濃厚な死の予感。 急な運動の見返り以上に、迫る恐怖と絶望感で紆余曲折の心臓ははちきれそうだった。 それだけじゃない、イノシシの追走はおそらく一刀両断によって、あえて最短ルートから外されているようだった。 人身事故なんてのはハッタリ。 実際にはイノシシは、紆余曲折の近くへせいぜい、並走しようとしてるだけ……そう、だから、攻撃ではない。 攻撃ではないから、猪突猛進の突進を曲げることはできないのだ。 付きまとってくる想像上の死神に、たまらなくなってまた曲がる。 するとイノシシがすぐ後ろで曲がって――日本刀の切っ先が、振り下ろされているのを、見た。 やばい。 すぐに勢い足を動かし、距離を離そうとする……でももう、遅かった。 紆余曲折に向かって振り下ろされた日本刀は、いくらかの迂回を経て再び、紆余曲折の元へ。 「ぐ、お、おおお!!」 ぎりぎりデイパックで防御する――しかし。 「残念だったな。あたしのルール能力で、この日本刀は……《防御なんか意に介さず、ただ一刀両断》する!」 デイパックは中に入っていた鋼鉄の盾ごと、真っ二つに切り裂かれ。 紆余曲折の背中に、綺麗な赤い線が産まれた。 反転少女 前のお話 次のお話 急曲直下(後) 前のお話 四字熟語 次のお話 都市伝説 紆余曲折 急曲直下(後) 一刀両断 急曲直下(後) 猪突猛進 急曲直下(後) 用語解説 【ルール能力】 四字熟語から抽出した「言葉の力」をもとに参加者一人ひとりに与えられている、絶対不変のルール。 能力である前にルールなので、弱体化や無効化はほかのルール能力以外ではありえない。 本編一覧へ 四字熟語ロワTOPへ 非リレーロワTOPへ