約 117,458 件
https://w.atwiki.jp/marsdaybreaker/pages/2644.html
クエス専用エコカー(くえすせんようえこかー) アイテム作成ギルド製 プレゼント用 L:クエス専用エコカー = { t:名称 = クエス専用エコカー(×乗り物) t:要点 = 究極のゼロエミッション,どこかといわずすべて間違った,バッテリー無しHEV,スターリングエンジン,運転席に電圧入力用端子,運転席に加熱用端子,空力的に計算された小型流線型ボディ t:周辺環境 = 手乗りサイズのクエスカイゼス t:評価 = なし t:特殊 = { *クエス専用エコカーの乗り物カテゴリ = ,,,車両。 *クエス専用エコカーのアタックランク = ,,,AR5。 *クエス専用エコカーの輸送力 = ,,,3人/機の輸送力を持つ。 *クエス専用エコカーの必要パイロット数 = ,,,パイロットとしてクエスカイゼスを必要とする。 *クエス専用エコカーの人機数 = ,,,5人機。 *クエス専用エコカーの整備時人機数 = ,,,50人機。 *クエス専用エコカーの動力 = ,,,運転席に準備された端子に、電気ないし熱を与えることで駆動する。 *クエス専用エコカーの耐熱性 = ,,,運転席で炎を吐いても大丈夫! } t:→次のアイドレス = 時代はエコだよ(イベント),へんてこ機械発明大会(イベント) } 保有国一覧 藩国名 入手履歴 保有者 使用履歴 現在所持数 天領 10/02/05:取得 緋璃・ロッシ 10/02/05:クエスカイゼスへ譲渡 0 ACE 10/02/05:緋璃・ロッシより譲渡 クエスカイゼス 1 参考資料 質疑掲示板 No.7638 尚書省連絡掲示板 No.3083 尚書省連絡掲示板 No.3084 アイドレスWiki:クエス専用エコカー(未掲載) 上へ 戻る 編集履歴:弓下嵐@土場藩国 (2010/02/05)
https://w.atwiki.jp/tpc-document/pages/156.html
Chapter11「魔竜の復活」 「ウィルオン! おまえこそがケツァル王が子孫、3代目ケツァルなのですよ!!」 耳を疑った。 俺が――なんだって? 「王様の3代目! ウィルオン君は王子様だったのだ!? いや、王様の子どもが王子でその王子の子どもは……何て呼ぶのだ? それはともかく、ウィルオン君!!」 タネはかせが驚いた声を上げる。 それを聞いて再確認する。 「俺が……おまえの言うケツァル王国の、王の子孫だと?」 蒼竜は憎むような目つきでウィルオンを睨みつつ答える。 「ええ、そうです。おまえこそ、ケツァル王家の遺児。私がバルハラに国を再興すると誓った以上、王家の血は邪魔ものでしかない。ですから、おまえにはここで消えてもらわねばなりません」 「ケツァルの3代目……と言ったな。それじゃあ、2代目はどこへ行った? それが俺の父親なのか」 「2代目ケツァル、カサンドラ。幸い王子は初代ケツァル程の力は持ってはいませんでした。ですので……眠ってもらいましたよ」 「……そうか。なら俺の母は」 「同じく蛇竜族のミズチという者。癒國に隠れ住んでいましたが、まさか子どもがいたとはね」 「それが俺というわけか」 「私が憎いですか? おまえの両親を手にかけたこの私が…」 俺は物心ついたときから、タネはかせとともに暮らしてきたのだ。そしてナープやティルたちとともに日々を過ごしてきたのだ。 それが俺のすべてだ。 王家の血筋を引く者だと突然言われてもピンと来るわけもない。 「王家だかなんだか知らないが、そんなものは知るか。俺は俺だ、そんなにバルハラが欲しいならくれてやるよ。俺はケツァル王国なんて知らなかったし興味もない。だから、おまえに命を狙われる謂われはない!」 王国だとか王家の血だとか、そんなものは知ったことではない。 現に、こうして言われるまでは自分がケツァルの子孫だなんてことは知らなかった。そしてラルガに会わなければ、一生それを知ることもなかったのだろう。 それを今さら自分の正体を知ったところで何が変わるというのだろうか。 しかしこの蒼竜はそれでは納得できないようだった。 なおもラルガはウィルオンを睨み続ける。 「ケツァル王はあろうことか聖なるバルハラの地を、裏切りを以って穢したのです。その罪は血を以って償われなければならない。私はケツァルの一族を許せない!」 「だからなんだ! 俺はケツァルなんか知らない! 俺が放棄すると言ってるんだ、あとは再興するなり滅ぼすなり勝手にしてくれよ……俺を巻き込まないでくれ!!」 顔も姿も知らないような先祖の行いが原因で、自分の命が危険な目に晒されてはたまったもんではない。 その初代ケツァル王様とやらは、ずいぶんと子孫に迷惑なことをしてくれたものだと思わず呆れる。 「ケツァルか。なるほど、それで”僕”を狙ったんだな」 黙って話に耳を傾けていたティルが静かに言った。 「ティル……?」 しかし、それは自分たちの知る”ティル”とは少し感じが違って見えた。 「だからケツァルと同等の力を持つ僕たち魔竜の力を使ってウィルオンに対抗しようとしたんだね。たしかにウィルオンは2代目とは違う。本人は気付いていないけど、彼には強大な魔力が秘められている。非常に高い魔法耐性がその証拠…」 「”僕たち”魔竜!? ティル、何を言って……」 ティルを見つめる。視線が合う。 しかし、ティルは寂しそうな様子で目をそらしてしまった。 「ほう、記憶が戻ったのですか」 どうやらラルガは何か事情を知っているらしい。 「そう、かつてケツァルに匹敵する力を持つ4体の魔竜が存在しました。そのひとつがリムリプス。すなわちここにいるティルです」 「ティルが魔竜!?」 リムリプスとは封印された魔竜のうちの一体だった。 魔竜はストラグル、リムリプス、フェギオン、メロフィスの4体。 ケツァルの死により封印が弱まり、かつてストラグル以外の魔竜は復活を果たしてしまった。 それを先代天竜オーシャンが再度封印しにかかったが、道半ばで力尽き完全に封印しきれず終わった。 フェギオンとメロフィスは再び封じられたが、そのまま行方知れずになっていたのがリムリプスだった。 「でも、なんでティルが魔竜なんだよ! 証拠でもあるっていうのか!?」 認めたくないといった様子でリクが食ってかかる。 それを受けてラルガがリムリプスについて説明し始める。 リムリプスは分身や己の姿を隠す魔法、そして転移魔法に長けている魔竜だった。 ただ対象をワープさせるだけではなく、空間そのものを別の次元に送り込んでしまえる程の力を誇ったという。さらに自身の姿を変えて見せて相手の目を欺くことを得意としていた。 空間を操り別次元を操作する能力。それがこそがリムリプスの力だった。 空間を捻じ曲げる能力はありとあらゆるものを無に葬り去ることができ、またありとあらゆるものを別の世界から送り込むことができる。この力を使えばどんなものでも即座に消滅させることが可能で、いつでもどんな場所にでも伏兵を送り込むことさえできた。 その力を恐れる者たちは、この強大な力を持つ魔竜をこう呼んだ。 『Transferor Imitator Lim Leaps』 すなわち『空間を転送する者、目を欺く者、リムリプス』と。 「――その頭文字を繋げて、しばしばその魔竜はこう呼ばれていました。『Till』と」 「ティ……ル…!!?」 オーシャンの手により封印されそうになったリムリプスは、グランディア種の幼竜に化けることで敵の目を欺き難を逃れようとした。結果的にはオーシャンが力尽きてしまったことにより、封印は達せられることはなかった。 だがその影響でリムリプス……つまりティルは記憶を失うことになったのだ。 2年前、ティルを餌にラルガは憎むべきケツァルの末裔ウィルオンを呼び寄せようとした。そこで彼はティルの正体を知ることとなる。 そして水門の城の一件でウィルオンが高い魔法耐性力を持つことを知ったラルガは、記憶を失った魔竜をうまく味方につけることでウィルオンを倒そうと考えたのだった。 「でもこうして記憶は戻った。そうなった以上、僕は絶対におまえに協力はしない。ウィルオンは僕の大事な友達だ。その友達の命を狙うというのなら、おまえが僕の敵だ。どうしてもウィルオンを消すというのなら、代わりに僕がおまえを消し去ってやる!」 ティルの姿がまるで蜃気楼のように歪んでいく。大きな気が周囲に満ち溢れる。 姿相応の大きさだったティルの影が見る見るうちに大きくなり、それはリクたちから見れば十分巨体に見えるラルガさえも軽く超えてしまう。 さっきまでティルがいたところに、ラルガの数倍はあるだろう巨大な蒼竜リムリプスが姿を現した。 ティルのような鮮やかな蒼、あるいはラルガのような暗い蒼ではなく、少しくすんだ蒼銀色の鱗を持つ山のような巨竜だ。タネはかせ程度なら簡単に片手で握り潰してしまえるだろう。 「本性を現したようですね! さすがは魔竜、なんと凄まじい魔力……。だが、おまえが協力する意思があろうとなかろうと、そんなことは関係ない!!」 ラルガが何やら聞いたことのない言語を口ずさむ。 すると、リムリプスはまるで硬直したかのように動きを止めた。両手が力なくだらりと前へ垂れる。目は虚ろに、真っ直ぐウィルオンを睨みつける。 「魔竜といえど、封印が解けたばかりでは力も戻り切ってはいまい。そんな状態ならば、この程度は造作もないことです……。さぁリムリプス、ウィルオンを消し去るのだ!!」 「まさか古代魔法!? 失われたはずじゃ…」 ウィザは驚いて目を丸くする。 かつて魔法が栄えていた時代に存在したという、相手の意思に関係なく強制的に相手の自由を奪い、術者の思うがままに操る禁断の闇の魔法。あまりの危険性のために封印され、そのまま第3世界の魔法文明が滅んだために失われてしまったはずだった。 失われた古代の魔法として文献でしかその存在を知らなかった。 その古代魔法が今、目の前で発現している。蒼竜の手によって。 「私はその第3世界からの生き残り。それはあとの時代に生まれた者たちの勝手な解釈に過ぎません。よもや、私もこの魔法を使う日が来るとは思いませんでしたが……今となっては、もはやそれを咎める者もいまい。さぁ、リムリプス! 憎むべきケツァルの遺児を葬り去るのです! 今こそ、ケツァルの一族に復讐を果たす時!!」 リムリプスは命令されるがままに、ウィルオンに対して目を光らせる。 「嘘だろ…。まさかティルと戦わなくちゃならないなんて…!」 魔竜がゆっくりと迫る。 ずしんと腹に響く衝撃。その巨体は一歩ごとに大地を震わせる。 なんて強大な存在。凄まじい魔力。しかもそれはかけがえのない友達だ。 戦いたくない。しかし、戦わなければやられる。 あるいは震えているのは自分自身なのかもしれない。 大切な友達が敵として立ちはだかるこの衝撃。 「くっくっく…。ティルが相手では手も足も出せまい!」 ラルガの言うとおりだった。 葛藤に思わず奥歯を噛み締める。 (この戦いは避けられないのか?) 願わくば、奇跡が起こって戦わずに解決してほしいと切に祈る。 すると、にわかに暗雲が立ち込めて嵐が如く雷の渦がリムリプスを襲う。 「何だ!?」 「あっ、ごめん」 まだ魔法を練習していたタネはかせの『サンダーストーム』が発動したのだ。 「何やってんだ、タネはかせぇええ!!」 リクがタネはかせを締め上げる。 「いたたたた! ……でもすごいのだ。やったのだ。もしかして私って才能あるかも!」 リムリプスは雷の衝撃で気を失って倒れた。 いくら相手の意思を無視して操る魔法とはいえ、対象が気を失ってしまっては操ることはできないようだった。 悔しそうに舌打ちをする蒼竜の姿が見える。 「くっ、まさか本当に攻撃してくるとは容赦のない…。では仕方ありませんね、ならばもう一体の魔竜の力を借りるまで!」 足下に目をやる。 ラルガたちがいるのは瓦礫の積み重なった丘の上だ。 瓦礫の山や砂丘の谷間には今も数多くの主なき機械たちがうごめいている。 「あれを見てください。もっとでっかいリミットが現れたようです。銀のリミットです!」 「今日は珍しいリミットがたくさん現れますね。たーまやー」 「ぼくもいつかきっと珍しくなってみせます!」 その儚き機械たちに向かってラルガはリムリプスにかけたものと同じ精神操作の古代魔法を放つ。 魔竜と比べればリミットたちを操ることなど造作もないことだ。 機械に精神操作が通用するのかは疑問が残る点だが、そんな心配はよそに操られたリミットたちはラルガの思うがままに行動する。 主を得た機械たちは主の命令するがままに瓦礫の山を登り、その頂上に立つストラグルの封石へと次々にぶつかっていく。リミットたちは封石の力で封じられ、儚くも次々と姿を消していった。 「奴め、一体何をするつもりだ」 リミットたちが封石に吸い込まれていくほどに、封石の輝きは激しくなっていく。 そして封石は一体どれだけのリミットを呑み込んだだろう。限界点を突破した封石についにひびが入った。 リミットたちは封石の危険性をラルガに教えていただけではなかった。 戦いが始まる前のこと。封石はリミットたちを呑み込むと鼓動を刻むかのように光り始めたのだ。 古代の機械がどれほどの力を秘めているのかはわからないが、封石はリミットたちを呑み込むほどに輝きを増し、その封印の力を弱めていった。 封印の力が弱まる程に、封石は魔竜の力を抑え切れなくなる。 結果として、リミットたちは封印の解き方を教えてくれていたのだった。 そしてついに、激しく点滅しながら封石が砕け散る。 石が砕け散ったあとには大量のリミットたちがどこからともなく溢れ出し、瓦礫の山を転がり落ちて行った。 さらに、リムリプスのときと同様に大きな気が満ちる。あるいはそれ以上の魔力だ。 リムリプスよりもさらに一回り大きな黒竜がその場に姿を現した。 魔竜たちの中でも最も強力な力を誇ったという魔竜。その名は――ストラグル! 黒竜は威圧的なオーラを放っている。 強大な力を持っていることは魔法に詳しくない者の身にも明らかに感じられた。 「おまえさえ消えればついにケツァルの血筋は絶える。そして私がバルハラを蘇らせる。ストラグルの力を借りてウィルオンを倒す!」 ラルガは黒竜を操ろうと試みた。 リムリプスを操ったときと同様の呪文を詠唱する。 しかし、ストラグルは初代ケツァルが他の魔竜を差し置いてとりわけ厳重に封印していた存在。侮っては痛い目を見るだけである。 「効かない……だと!」 ラルガの精神操作の魔法は全く効果がなかった。 黒竜はラルガを見下ろして言う。 「なんだ貴様? 貴様如きがこの我を操ろうなどとは愚かしいことよ。だが解放してくれたことは感謝しよう。これでようやくケツァルめに復讐できるというものだ」 黒竜はまっすぐにウィルオンを睨んだ。 「ほう、感じるぞ。ケツァルと同じ色の魔力を持っているな。貴様、ケツァルと何か関係があるのか?」 「お、俺は……べ、別に!」 問う黒竜にウィルオンに代わってラルガが答えた。 「おまえの憎むべきケツァルはすでに死にました。その者はケツァル一族の最後の生き残り。すなわちウィルオンを倒すことがケツァルへの復讐になるのです。さぁストラグル、今こそ復讐を!」 黒竜は不機嫌そうにラルガを睨んだが、すぐに視線をウィルオンに戻した。 「ふん、小うるさい奴め。貴様に命令される筋合いなどないわ! しかしケツァルが死んだだと? ……我が敵はケツァルのみ、あのような者など我は知らぬ。ケツァルがいなくなったのなら、もう復讐する必要などあるまい」 「そ、そんな! あいつはおまえを封印したケツァルの子孫なんです。それも最後の一頭だ! もう少しでケツァルの一族を全て葬り去ることができるというのに……!」 「黙れ。復讐の必要はもうないと言っている。我は我の好きなようにさせてもらう」 なおも食い下がるラルガに一切関心を示さず、黒竜は自身の目的を語る。 ケツァル王国は今でこそケツァルが興し敵対した魔竜たちが封じられたと伝えられているが、実際は少し違った。 バルハラの新王国はそもそもケツァルと魔竜たちの5竜によって興された国だった。 しかし意見の不一致からそれぞれが対立、最終的に勝ち残ったのがケツァルであり、負けた4頭は封印されてケツァルに敵対した魔竜として後世に伝えられることになったのだ。 もし立場が違えばケツァルが魔竜として封印され、ストラグルやリムリプスが神竜と呼ばれ王となっていた未来もあっただろう。 そして対立したケツァルがいなくなった今、黒竜は改めて己が目的に向かって動き始めるのだった。そんなストラグルの目的とは―― 「我は世界の全ての国を大樹の王国として統一すべきだと考えたのだ。全てがひとつとなれば自ずと敵はなくなり争いは起こらぬ。その障害になるものはすべて排除すればよい。我に邪魔立てするならば、まずは鬱陶しい貴様から消してくれようぞ!」 「な、何!」 黒竜は攻撃の矛先を真っ先にラルガに向けた。 凄まじい気が満ちる。空は暗雲に覆われて雷鳴がとどろき始める。 「あー。よくわからないけど、これはお約束の『悪役が力を制御できずに自滅するパターン』に入ったようなのだ。これで一件落着はもう目に見えているのだ。ティル君やウィルオン君の正体もわかったことだし、めでたしめでたしだね」 タネはかせは気楽にそう言ってのけるが、 「案ずるな。おまえたちは後でゆっくり消してやる。手始めにこの邪魔な地上の世界を全て潰すとしよう。そうだな、三日だけ待つがよい。三日で地上の全ての者を我がバルハラに服従させてみせようぞ!」 黒竜の目的は言いかえれば、バルハラ以外の全ての制服だった。 バルハラが滅んだ今、対象となるのは世界の全て。この強大な黒竜ならば本当に全てを滅ぼしてしまいかねない。 「あいつめ、どエラいもん復活させてくれやがったな」 「あんなこと言ってるよ! ど、どうするの!?」 「どうもこうも、黙って滅ぼされるのを待ってるわけにもいかないだろう! 俺たちがなんとかするしかない。大丈夫、こんどはティルと戦うわけじゃない」 「無理だって、あんなすごそうなの!! 一番強い魔竜とか言ってたし、オレたちじゃ敵わないよ! そうだ、地上のあっちこっちに協力を頼んで…」 「落ち着けリシェ、そんな暇はねーぞ。大丈夫だ、魔竜だろうとおまえだろうとおれが食ってやるから問題ない」 「私に任せるのだ。きっと主人公補正で無事なんとかなるに決まってるのだ。とりあえずタネリミ君突撃ィ」 「無謀だ…。ウィザ、それよりも再び封印することはできないのか」 「初代ケツァルと同等の力なんでしょ!? ティルは気絶してるし、ウィルオンは素質あるらしいけど全然魔法出せてなかったし、ボクだけじゃ封印なんてとてもできない!」 勝ち目は全く見えないが立ち向かおうとする者。 慌てて混乱に陥る者。楽観的な者。 「ああ、なんということでしょう。ぼくにそっくりな機械がたくさんいました。ついに還るべき故郷を見つけた!」 それから論点がズレている者。 思わぬ事態の連続に冷静さを欠く一行の前に黒竜が立ち塞がる。 「全く騒がしいものよ。そこまで言うのなら特別におまえたちから消してやろうぞ。誰からだ? 前に出るがいい!」 「!! ラ、ラルガはどうしたんだ!?」 「奴なら向こうで消し炭になっておるわ」 黒竜の背後に黒コゲになった蒼竜の姿が見えた。 水門の城での戦いでは圧倒的な力の差で一行を苦しめたあの蒼竜が、ほんの数秒であのとおりだ。 圧倒的な魔力のさらに上をいく魔竜ストラグル。奇跡でも起こらない限り”ウィルオンたちは絶対に敵わない”相手だ。 「どうした、遠慮はいらぬぞ。あまり我を無為に待たせるな。……よかろう、それならばまとめて消してやる!」 黒竜の大顎が天地を裂くかのように開かれる。 息を大きく吸い込むと、黒竜は漆黒の業火を吐き出した。 ウィザは咄嗟に魔力のシールドを張る。しかし、その程度のものでは到底防ぎきれるわけがない。 タネはかせはタネリミに命令を送る。しかし、タネリミはリミットたちに気を取られてどこかへ行ってしまっていた。 ティルなら同じ魔竜としてストラグルに対抗できるかもしれない。しかし、ティルは気を失ったままだ。 リクが一歩前に出て仲間を庇う。メタメタが炎を食べようと大口を開ける。しかし、そんなことをしても全くの無駄だ。 ウィルオンはここぞというときに、ラルガの言うケツァルの血が目覚めて力を発揮できることを祈る。しかし、祈ったところで奇跡など起きるわけがない。 リシェやウクツは何もすることができない。 ――所詮、貴様たちは無力だ―― 黒炎が迫る。 (もうおしまいか…!) と、その時。 上空から一直線に、もの凄い速度で黒い影が突っ込んでくる。 影は黒炎とリクたちの間に落ちた。 衝撃と怒号。そして舞う砂塵。 空からやってきたそれは、勢いがままに黒い火炎をかき消した。 「チッ、何やら強い魔力が急に現れたと思ったら……こういうことか!」 砂塵が晴れると黒い影は黒い竜人族の姿に変わる。それはリクやウクツの姿に非常によく似ていた。 翼は持たないが強靭な肉体と長い尾を持つ。頭にはたてがみと左右に二対の計四本の角を持つ。 竜人族ホーンディア種。そして現在の天竜。 「ゼロ!!」 「親父!?」 ウクツとリクが同時に叫んだ。 「リムリプスまでいるじゃないか。ようやく見つけた…。だが、どうやらストラグルをどうにかするのが先と見える」 「お、親父。実は…」 「リク? なんでおまえがここに。危ないから下がっていろ、こいつは天竜の役目だ」 天竜ゼロは正眼に黒竜ストラグルを見据える。 黒竜と黒竜人が言葉なしに対峙する。 (ふむ…。少しはできるようだな) 黒竜が身構える。 天竜はリクたちを離れさせると、間合いを取って構える。 黒に囲まれた二対の金の眼と眼が睨み合った。 「魔竜……オーシャン様の無念…。ここに晴らす!」 天竜として。 慕う師の為に。 黒が黒に挑む。 Chapter11 END 竜の涙12
https://w.atwiki.jp/mhportable/pages/143.html
岩竜の甲殻 ゲネポス討伐作戦!(村★3)の部位破壊(バサルモスの腹)で1個 75% 見えざる飛竜、バサルモス!(村★4)の確定報酬で1個 100% 見えざる飛竜、バサルモス!(村★4)の基本報酬で1個 10% 見えざる飛竜、バサルモス!(村★4)の部位破壊(バサルモスの腹)で1個 25% 究極の鉱石採掘!?(村★5)の確定報酬で1個 100% 究極の鉱石採掘!?(村★5)の基本報酬で1個 5% 究極の鉱石採掘!?(村★5)の追加報酬(2~3匹狩猟)で1個 70% 究極の鉱石採掘!?(村★5)の追加報酬(6~7匹狩猟)で2個 70% 究極の鉱石採掘!?(村★5)の部位破壊(バサルモスの腹)で2個 75% 見えざる飛竜、バサルモス!(集★2)の確定報酬で1個 100% 見えざる飛竜、バサルモス!(集★2)の基本報酬で1個 10% 見えざる飛竜、バサルモス!(集★2)の部位破壊(バサルモスの腹)で1個 75%
https://w.atwiki.jp/ws_wiki/pages/2976.html
autolink() FT/S09-055 カード名:鉄竜(くろがね)のガジル カテゴリ:キャラクター 色:赤 レベル:1 コスト:0 トリガー:0 パワー:4500 ソウル:1 特徴:《魔法》?・《竜》? 【自】[①]このカードがアタックした時、クライマックス置場に「鉄竜の咆哮」があるなら、あなたはコストを払ってよい。そうしたら、あなたは自分の控え室のキャラを1枚選び、手札に戻す。 【起】[①]あなたは自分の《竜》?のキャラを1枚選び、そのターン中、パワーを+1500。 ギヒッ。鋼鉄の鱗は全ての攻撃を無力化する レアリティ:R illust.- CXシナジーと起動能力による特定の特徴へのパンプと、 キャリバーズ スバル&ギンガのような性能を持ったキャラ。 CXシナジーは色の違いもあってかパンプではなくキャラ回収。 このカード自体に登場コストが掛からないため回収へ繋げやすいという利点がある。 レベル1帯の回収CXシナジーが豊富なヴァイスサイドとは違い、 シュヴァルツサイドのレベル1帯には回収シナジー持ちがさほど多くないため、 手軽に回収シナジーを発動できるのはかなりありがたい。 もう一つの起動能力によるパンプ対象は《竜》?。 特徴が限定されている分キャリバーズ スバル&ギンガ同様パンプ値は1500とそれなりに大きく、 自身も《竜》?であるため強化することで1/1バニラ並のサイズになる事ができる。 全体的にバランスが良く、使いやすいキャラではあるが、 近年はトリガーなしによる高パワー持ちが多いため1回のパンプではどうしようも無い事が多くなり、 対応CXもトリガーが2な上に火竜の咆哮のような「ストックブースト」ではなく「ドローブースト」であるため 折角の回収シナジーもコストや手札の枚数として少々かみ合っていない点もあるのが少し悲しいところ。 ・対応クライマックス カード名 トリガー 鉄竜の咆哮 2
https://w.atwiki.jp/ocg-o-card/pages/459.html
《黒竜の巫女》 効果モンスター 星3/闇属性/魔法使い族/攻300/守200 自分フィールド上の「真紅眼の黒竜」及び「真紅眼の黒竜」を融合素材とする 融合モンスターが相手の効果モンスターの効果・魔法・罠カードによって破壊された場合、 自分フィールド上のこのカードを墓地に送る事で、破壊されたモンスターを特殊召喚する。 この効果で特殊召喚された効果モンスターは効果を使用できない。 Part13-249 真紅眼の黒竜デッキにおいて身代わりになってくれるサポートカード。ただ攻守が低いので身代わりになる前にこのカードが破壊されやすいのが最大の欠点。最後の効果モンスターの効果無効は……《F・G・D》専用ってことか?-- 地竜 (2007-07-07 17 50 10) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/31030.html
竜の電脳 メイン C 水 (3) クリーチャー:リキッド・ピープル/竜の一族 3000 ■自分のドラゴンはブロックされない。 作者:翠猫 DMAE-13「激爆誕!ギガフレア!」収録。リキッド・ピープルの竜の一族。 ドラゴンをアンブロッカブルにしてくれる。 名前はアメリカ海軍の戦艦「メイン」から。 収録エキスパンション DMAE-13「激爆誕!ギガフレア!」 関連(DMAE-13「激爆誕!ギガフレア!」収録のCのドラゴンサポートサイクル) 《竜の電脳 メイン》 《竜の勇騎 ワルタ・ハンガ》 評価 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/n4908bv/pages/1342.html
【素材アイテム】亜氷飛竜の爪 原料 品質C+ レア度5 重量2+ スノーワイバーンの脚爪。太くて頑丈。 初出 321話
https://w.atwiki.jp/mhportable/pages/171.html
翠水竜の鱗片 密林の水竜(村★5)の確定報酬で1個 100% 密林の水竜(村★5)の基本報酬で1個 10%
https://w.atwiki.jp/mhp2g/pages/836.html
轟竜の天鱗 防具用途 部位 防具名 個数 備考 頭 レックスXヘルム 1 レックスXキャップ 1 胴 暁丸・極【胴当て】 1 男性キャラ専用 凛・極【胸当て】 女性キャラ専用 曙丸・極【胴当て】 1 男性キャラ専用 艶・極【胸当て】 女性キャラ専用 ミラバルZハイド 1 ミラバルZスキン 1 腕 - 腰 - 脚 レックスXグリーヴ 1 レックスXレギンス 1 合計個数 8 武器用途 種別 武器名 個数 備考 片手剣 轟剣【大虎眼】 1 強化 轟剣【虎眼】 双剣 轟爪【大虎血】 1 強化 轟爪【虎血】 大剣 轟大剣【大王虎】 1 強化 轟大剣【王虎】 轟断剣 1 生産 太刀 轟刀【大虎徹】 1 強化 轟刀【虎徹】 ハンマー 轟槌【大虎丸】 1 強化 轟槌【虎丸】 狩猟笛 轟鼓【大虎鐘】 1 強化 轟鼓【虎鐘】 ランス 轟槍【大独虎】 1 強化 轟槍【独虎】 ガンランス 轟銃槍【大虎砲】 1 強化 轟銃槍【虎砲】 ライトボウガン 轟弩【大戦虎】 1 生産 へビィボウガン 轟砲【大虎頭】 1 生産 弓 轟弓【大虎髯】 1 強化 轟弓【虎髯】 合計個数 12 調合用途 アイテム 備考 - - 交換用途(山菜ジイさん) マップ 貰える物 高確率 低確率 - - - 備考
https://w.atwiki.jp/tpc-document/pages/127.html
大樹より虹の橋のかかる雲上の国、シレスティアル。 かつて大樹の頂上、バルハラ宮殿にはユミルという国があった。それはかつての戦争で失われて今は廃墟となってしまったが、そのユミル国の3つの主要な都市ルーン、ヘイムダル、そしてこのシレスティアルがそれぞれ3つの別々の国として再建されていた。 失われた第3世界の魔法の研究、復活を試みる首都シガムを置くルーン国。かつてのユミル国とはまったく関係のない新しい国となったヘイムダル国。そして魔法と科学の融合による錬金術に長けるシレスティアル国。 そのシレスティアルに天竜の姿があった。天竜は雲の崖から、大空の遠く向こうを眺めている。 「ゼロさまーっ!」 天竜を呼ぶ声があった。ゼロとはその天竜の名前だ。 「サクレ、戻ったか。何わかったか?」 サクレと呼ばれた天竜の側近はゼロに調査の結果を報告する。 「はい。やはり、リムリプスはまだ封印されていないようです。他の3体の封印は間違いなく確認されましたが、リムリプスの封石だけは空のようです」 「そうか……やはり不完全だったか。リムリプスの居所はわかったか?」 「いえ、それは残念ながら……。ですが、まだすべての捜索が終わったわけではありません。地上には空よりもずっと広大な大地が広がっています。それをすべて捜索するにはまだまだ時間が必要です」 「地上……か、懐かしいな。フロウや息子たちは元気にしているだろうか」 「ゼロ様は地上をご存じなのですか!」 「俺は地上で生まれたのだ。家族もそこにいる。それに、先代様のフェギオンやメロフィス封印の際にも地上でそれに立ち会っている。地上は俺にとって因縁深き場所だ…」 ゼロは雲の上から地上を見下ろす。眼下にはどこまでも雲海が広がるだけで、そこからは地上の様子は窺い知ることはできない。しかしゼロはその雲海の向こうに過去の記憶を見ているようだった。 「何としてもリムリプスを見つけ出せ! そして、必ずや封印するのだ!」 「はっ! 親衛隊たちにもより一層捜索に励むように伝えます」 サクレは天竜に敬礼してみせると、すぐに任務に励むべくその場を去って行った。 そしてゼロは月のない朔の夜空に向かって静かに一人呟いた。 「オーシャン様、すべてはあなたのために……」 Chapter3「ときながれ」 水門の城の一件から数年。 ティルはリク、ウクツとともにアースガーデンの洞窟で暮らしていた。 アースガーデンはアース大陸の南西部。ステイブルからフリー川を越えて、さらにシルバルト平原と海をひとつ越えた先にあった。アース大陸は海溝を挟んで東西2つに分断された大陸だ。第2世界当時はひとつの大陸だったが、いつの間にか地殻変動を経て現在の姿になったらしい。アースガーデンはその西側のほうにある。ここはかつて、ナープ兄弟が幼少期を過ごした場所でもあった。 タネはかせがステイブル近辺の遺跡を崩壊させてしまったため、それを研究していたウクツもそれを諦めざるを得なくなり、今は海溝に近いこのアースガーデンの洞窟を拠点に大陸の地殻変動についてを調査していた。ウクツの研究は地質考古学が専門分野だ。たまに発明や薬の調合も行うがそれはあくまで趣味の領域だった。 あの一件でウクツと親しくなったタネはかせは、ウクツたちのもとへ時折遊びに来てはいつものように奇妙な発明品を自慢していくのだった。そして今日もタネはかせがウィルオンに乗ってやってくる。 あれから数年を経て立派な成竜へと成長したウィルオンはようやく自力で空を飛びまわることができるようになっていた。体長はナープを追い越すほどにもなった。もう蛇などとは言わせない。しかし、いいようにタネはかせに利用されていたのだった。 「まったく便利なアッシー君なのだ。いや、足というより翼かな」 「俺は乗り物じゃない!」 「じゃあ、料金取れば?」 ティルの提案にそれはいい考えだと頷くウィルオン。しかし「家族割引でタダなのだ」と言い張るタネはかせ。 もちろん見た目も形も全然違うタネはかせとウィルオンは血がつながっているわけがなかったが、タネはかせはウィルオンの育ての親だった。親とはぐれてしまったらしい幼きウィルオンを発見し今日まで保護してきたのはタネはかせだ。タネはかせなりにウィルオンの両親を捜してみたこともあったが結局未だに見つかっていない。ウィルオン自身もタネはかせが本当の親でないことはよくわかっていたが、この生活がウィルオンにとっての当たり前だったので、顔も覚えていない両親のことを気にしたことすらもなかった。 「それで今日はどんな発明品を持ってきたの?」 ティルがタネはかせに問いかける。 「自信作なのだ! ついに私は常識を覆したのだ! なんとタイムマシンを発明してしまったのだよ!! ああ、私の名はきっと歴史に刻みこまれるだろう…」 「まぁなんでもいいが、ワシの研究の邪魔はするんじゃないぞ」 ウクツはまたか、という顔で話半分にそれを聞きながら海溝からリクが採取してきた地質のサンプルを弄っている。 「そうしてられるのも今のうちなのだよウクツ君。驚け、そして私の才能に嫉妬するがいい。見よ、これぞ私の最高傑作…………『ペンシルロケット』なのだ!!!」 アットロー号のときに同じく、どこに持っていたのかどうやって運んできたのか、どこからともなくタネはかせはその最高傑作を取り出した。それは廃棄されていた小型のミサイルでも拾ってきて少し手を加えた程度の代物に見えた。どう見てもタイムマシンには見えない。 「タイムマシンなのにロケット? もしかしてそれ、ペンシルロケット(5号)とか(20号)とかだったりする?」 「タイムマシンはまだこの世に存在していなかったものなのだ。だから見た目なんて誰にも断言できないものなのだよ。別に机の引き出しの中にある板状のものや、1.21ジゴワットで動いて時速88マイルで時間転移する車だけがタイムマシンとは限らないのだ!」 「どっかで聞いたような話だね」 「どっかで聞いたのだ。参考にしたのだ」 突然現れた小型ミサイルにリクもなんだなんだと話を聞きに来る。 タネはかせは待ってましたと言わんばかりにペンシルロケットの説明を始める。 曰く時空を飛び越えるためには光をも凌駕する速度を出す必要があるらしく、それで目をつけたのがこのミサイル。このミサイルにタネはかせが新たに発明したExpx(エクスペクス)改という燃料を搭載することによりそれが可能だという。 「Expx改? 聞いたことがないな。改のとれたExpxすらも聞いたことがないぞ。なんなんだ、それ」 「それは言えないのだ。企業秘密なのだ! これさえあれば核よりも安くて早くておいしくて、しかも強力なエネルギーを得られるのだよ! これから特許申請するのだ。だから秘密なのだ。これで私は大金持ちだぞ!」 「……安全が抜けてるぞ。大丈夫なのか」 「それをこれからテストするのだ。さぁ、記念すべき時空旅行者の二番乗りの座を譲ってあげるから私に協力したまえ。一番乗りはもちろん私だ」 そう言うとタネはかせはさっそくペンシルロケットに乗り込んだ。 「面白そう! 乗ってみようよ、リクっち!」 ティルは興味津々だ。 「い、いや……。俺の直感が告げている、これは絶対やばい」 「いいからいいから」 そんなリクをティルは半ば無理やりペンシルロケットに連れ込んだ。 「ウィルオン君、君も助手としてもちろん私についてくるのだ」 「俺はいいよ。どうせ俺はタクシーなんだから、おまえらの用事が終わったころにまた迎えに来るよ」 「そんな冷たいこと言わずにさぁ! 乗った乗った!」 「や、やめろ! 俺はまだ死にたくないぞ!!」 無理やりウィルオンを引っ張り込むタネはかせ。ウィルオンはウクツに巻きついてそれに抵抗する。 「こ、こら! ワシをそんな無謀なことに巻き込むんじゃ……うわっ!」 ウィルオンはウクツごとペンシルロケットの中に引っ張り込まれてしまった。こんなときだけに限っては怪力を発揮するタネはかせである。 「それではご登場のみなさま、この度は……ああ、面倒だからやっぱいいのだ。とにかくさっそく出発なのだ! ごーよんさんにーいちゼロ」 早口にカウントダウンを済ませると、タネはかせははやる気持ちに流されるがままに発射スイッチを押した。 轟音とともにペンシルロケットが空高く打ち上がる。それは雲を越えて霞を越えて成層圏へ。そして突然ロケットが頭の向きを変えたかと思うと、それは地上へ向かって真っ逆さまに墜落していく。 「お、おい! 墜ちてるぞ!!」 「これは違うのだ。落下による加速を利用してさらに速度を上げるのだ。横じゃなくて縦に移動して速度を得る……発想の転換なのだよ。さすが天才の私!」 「嘘だ! 絶対嘘だァ!! ちくしょう、このインゲン星人め! 呪ってやる怨んでやる化けて出てやるぅぅぅぅうううう!!!!」 ロケットは地上に向かって物凄い勢いで落下していく。エンジンは炎を吹き、船体は激しく軋む。そして三度の閃光を発した後、それは爆音とともに木端微塵になり……そして消えた。ただ紫色に輝く妖しい煙だけがその場に残されていた。 リクは見知らぬ土地で目を覚ました。 「う……うう…。俺は、生きてる……のか? それともここが天国ってやつなのか?」 そこは見渡す限りの密林。アース大陸ともよく知る故郷の風景とも全く異なるものだ。 「もしかして……ここは原始時代!?」 どうやらティルも無事らしい。さっそく過去の世界にやってきたのかと大はしゃぎしている。近くでまだ気を失っているウィルオンの姿も見つけることができた。 「あれ、じいちゃんとタネはかせは……?」 ウクツは空中を漂っていた。もちろん見覚えのある場所のわけがない。 「こ、ここは……ワシは一体……。なっ…!?」 否、ウクツは落下していた。しかも真下には火山の火口があんぐりとその大口を開けているではないか。 「なっ、なんてことだ! あ、あのタネめェェェ!! いるならどうにかして責任をとってくれ!!」 しかしそこにタネはかせの姿はない。ただウクツのみが火口へ向かって真っ逆さまに落ちていく。 「い、いかん…。気圧の変化で……」 意識が朦朧とする。目が霞む。よりにもよってこんなときに。 しかし意識を保てたとこで一体どんな成す術があっただろうか。ウクツは一直線に落下していった。 「……はっ! ついたのだ!? ここは過去か、未来か?」 タネはかせは気がつくなり勢い良く飛び起きる。すると、なんと目の前にはもう一人のタネはかせがいた。 「なっ、私がもう一人…? ま、まさか生き別れの兄弟が!」 「あ、あなたは死んだはずのお兄さんなのだ!?」 顔を合わせて驚き合う二人のタネはかせ。 「いや、よく考えたら私には弟がいるだけだったのだ」 「そういえば、私が長男だったのだ。それじゃあ、この目の前にいる私に似てハンサムなのは一体…」 すると、そこにさらに三人目のタネはかせが現れた。 「それは過去の私なのだよ。で、こっちの私がもっと過去の私で、私が未来の私なのだ」 「また出た! クローン!? それともドッペルゲンダー……じゃなくて、ドッペルゲンガーなのだ!?」 「みんな口調が同じでどれが誰の台詞かややこしいのだ! どういうことだ? 説明したまえ未来の私!」 三番目に現れた未来のタネはかせが状況を説明した。ペンシルロケットで過去へやってきたのが”現在”のタネはかせ。そしてこの時代の”過去”のタネはかせ。それを説明する”未来”のタネはかせだ。 「二人とも未来から……ということは私はついにタイムマシンを発明したのか! さすが私、天才なのだ!」 過去のタネはかせは全く疑うこともなく喜んでいる。 「おお、では実験は成功したのだな! さすが私、天才なのだ!」 「そして、それを小型化して実験をしてみたら成功しちゃったさすが未来の私も天才なのだ!」 「しかし、未来の私ともっと未来の私。過去の世界の自分に会ってしまって大丈夫なのかね? タイムパラドックスとか……ほら、なんかあるじゃないか」 「そ、そうだ! ということは過去が変わって私は消えてしまうのか!? あれ、でも未来の私がいるってことはえーっと…」 「よくわからないから、気にしちゃだめなのだ。パラレルワールドがまた一個増えたってことにしておいてとりあえず無視するのだ」 タネはかせたちは自分たちには理解できなかったのでタイムパラドックスについて考えるのをやめた。頭がご都合主義です。 「しかし、ウィルオン君たちはどこへ行ってしまったのだ?」 現代のタネはかせは辺りを見回すが、ここにいるのはどうやら自分だけのようだ。 「うぃるおん? 誰なのだ、それは」 過去のタネはかせはまだウィルオンに出逢う前のようだ。 「そのときのことなら私が覚えている。あとでみんな元の時代に戻った時に会えたと思うのだ」 「おお、さすがは未来の私! それで、私はどうやって元の時代へ戻ればいいのだ?」 「忘れちゃったのだ。まぁ、たぶんなんとかなるのだ。私は私の時代へ戻らなければならないから、この小型タイムマシンをあげるわけにはいかないのだ。未来のものを勝手に過去に持ってきちゃいけないしね。それじゃあさらばだ、懐かしき私たち」 未来のタネはかせが腕にはめたどこかバナーナにも似た小さな機械を操作すると、その姿は青い光に包まれて消えてしまった。 「ま、待つのだァ! 私はどうやって帰ればいいのだ!!」 現在のタネはかせは慌てて青い光に飛び込こもうとするが、それよりも先に光は消えてしまった。 ウクツが目を覚ますと、そこは見覚えのある洞窟だった。 「ここは……アースガーデンの洞窟? まさか夢オチだったなどとは言うまいな」 「おお、目を覚ましたか」 ウクツの声に気がついて、その洞窟の主がウクツに声をかけてくる。そこにはウクツよりもウィルオンよりもずっと大きな年老いた火竜の姿があった。ラルガと同じく竜族原種だ。 「儂はバーニス。火砕竜と呼ばれている者だ。近くの山におぬしが落ちてきたので試しに拾ってみた。ふむ、竜ではあるようだが変わった姿をしている。おぬし、あれか。最近、人と竜との間に生まれたとかいう竜人族というやつか。これは面白い」 「ワシを助けてくれたのか! 感謝する。火砕竜……?」 「ちょうど退屈しておったところなのだ。よいぞ、教えてやる。火砕竜は天竜親衛隊のひとつだ。他に土石竜、離岸竜、乱気竜がいる」 「天竜? ふむ……どこかで聞いたような。それはどういうものなんだ?」 「うむ。天竜とはケツァル王国に仕える者のことだ。そういう名の竜がいるのではなく役職だ。そして、我々は天竜の補佐をする親衛隊。儂が火の火砕竜。それから土の土石竜、水の離岸竜、風の乱気竜だ」 「ケツァル王国……ワシの知らない国だな。その天竜というのは何をしているんだ?」 「かつてケツァル王国の敵だった封印されし4体の魔竜がいる。儂らはそれぞれ一体ずつその封印を守っている。儂が守るのは魔竜リムリプスの封印だ。そして天竜様はそれらを総轄する」 「ふむ…。その天竜様とは誰なんだ?」 「今の天竜はオーシャン様だ」 バーニスと会話を続けるうちに、どうやらここは今から数十年昔の世界だということがわかった。どうやら過去にはそのケツァル王国という国が存在していたらしい。現代ではその名を聞いたことがないのでおそらくはもう滅んでしまったのだろう。 さらにウクツはこのアースガーデンに少し前までナープ兄弟たちが暮らしており、その世話をしていたのがバーニスだったということも知った。親もなく5兄弟だけでひっそりと暮らしていたが、すべての兄弟が一人立ちできる頃になると兄弟たちはいなくなった親を捜すために巣立っていったらしい。 「おーい、ウクツ君。いるかーい?」 不意に聞き覚えのある声が聞こえてきた。 「む、タネはかせか。やつにはたっぷりと説教をしてやらねばならん…。バーニス殿、どうやら迎えが来たようなのでワシはこれで失礼する。助けていただいて、それから貴重なお話を重ねて感謝する」 「そうか。よいよい、気にするな。儂もちょうどいい暇つぶしになったわ。もしよかったらまた顔を見せてくれ。儂はいつでもここで退屈そうに封印を見守っているだけなのでな…」 火砕竜バーニスと別れてアースガーデンの洞窟をあとにする。現在の洞窟には火砕竜の姿はなかった。もしかするとケツァル王国とともに天竜や火砕竜たちも失われてしまったのだろうか……。 「時の流れとは儚いものだな…」 そしてウクツは説教の内容を頭に思い浮かべながらタネはかせのもとへと向かうのだった。 「じゃあ、ここは過去の世界じゃないのか!?」 密林にリクの驚いた声が響き渡る。 「ああ、ここは間違いなく現在だぞ。とは言ってもおれはおまえに会ったことがないから、おまえが”現在のおまえ”かどうかはわかんねぇけどな。でも、おれはウィルオンをよく知ってるぞ。これは現在のウィルオンだから、きっとおまえも現在のおまえなんだろ」 紫色の変な生き物がリクに向かって答える。 「じゃあ、ここはどこなのメタっち?」 ティルはその生き物をメタっちと呼んだ。 「ここはニワって島だな。ずいぶんでかい島だけど誰も住んでないし、同じような密林しかない。密林なのにトリも虫もいない」 ここはかつて科学や機械の発展していた第2世界の頃は観光地として知られている場所だった。しかし第2世界が滅んだ頃、地上のほとんどは酷く汚染され何者も棲めない環境になってしまい、人々は大樹を登って空の国々へと移り住んだのだ。このニワもそんな汚染され放棄された島のひとつで、長い時を経てここまでの復活を遂げたものの、誰にもその存在を再発見されることもなく取り残された”復活した大自然の秘境”のひとつだった。 「無人島ってことか…。ウィルオンはまだ気絶したまんまだし、どうやってここから脱出すればいいんだろう。おまえに乗せてってもらうのは難しそうだしなぁ」 メタっちには小さな白い翼が生えていた。紫色の羽の生えたアメーバのような何か。それがメタっちの姿だ。 「船はないけど、何か役に立つものなら入ってるかもしれねぇぞ」 「”入ってる”…? どういう意味だ」 「ちょっと待ってな」 メタっちは大口を開くと、その中からなにやら様々ながらくたを吐き出し始めた。 「な、なんだ!? おまえの身体はどうなっているんだ!」 「おれの腹の中は倉庫になってるんだ。ひとつはおれ専用の倉庫、ひとつはおれの仲間たちと共有してる共通空間に繋がってる倉庫、もうひとつはおれの腹ってわけだ」 「腹の中に倉庫!? しかも共有してるって!!? わ、わけがわからない……。リクさん頭ぐるぐるしてきたぜ」 「まぁ、そういうもんだと思っとけよ。おっ、こんなの出てきたぞ」 メタっちの腹の中からなぜか犬が出てきた。とりあえず、脱出に役立つものではない。 「あれ……オレはいったい……。どうしてこんなところに……」 「おれもわかんねぇや。いつ食ったんだろ」 「おまえの腹はどうなってるんだ!」 遭難者が増えてしまった。 「あっ、こんどはなんかの肉が出てきたぞ。焼いて食おう。食料はおれから出るやつでばっちりだな。そうだ、みんなでここで暮らそう」 「出るやつよくねぇ!! おまえの腹から出てきたものなんて食えるか!」 そうこうしているうちに日が暮れようとしている。未知の密林の中で夜を迎えるのはとても危険だ。 「ティルは呑気だな。遭難してるってのに遊びに行っちまったみたいだし。迷子になる前に見つけてこないと…。ああ、あと水と食料もいるな」 「そんなこと気にしてても腹がへるだけだぞ。おれは水も出せるぞ。肉いらないのか? じゃあ、おれが食べちゃう。あ、そっか。もしかしたらこんなときのために取っておいた非常食だったかも……」 こんどはメタっちは炎を吐き出している。本当に変な生き物だ。 「オレは非常食だったのか…!!」 犬はショックを受けている。 「そういえば、おまえは何なんだ? まさか、おまえまで火を吐いたり空飛んだりしないだろうな」 「そんなことできるもんか! オレはリシェだ! ただのしがないきいろいわんこだぞ!」 「で、そのきいろいわんこは何ができるんだ?」 「何って言われても……。あ、そのティルってやつを見つけるぐらいならできるかも」 リシェは鼻が利くので、何かティルの臭いの残ったものがあればティルを捜せるらしい。 「これでいいか」 リクはティルの写真を取り出した。 「そうそう、こうやって臭いを嗅いで……って臭いわかんねぇ!!」 「わぁー! なんかもふもふがいる! もふもふもふもふ!!」 結局、当のティルは心配する間もなくリシェにつられて自分から帰ってきた。 そしてとうとう日は暮れて辺りは闇に包まれる。明かりはウィルオンとメタっちの吐き出す炎だけが頼りだった。 「くそー、腹へったよ。俺たちどうすりゃいいんだよ。ああー寒いよ暗いよ怖いよ眠いよ!」 「おれに任せろ。この犬焼いて食おう」 「やめて!!」 リシェを追いかけ回すメタっち。既に寝息を立てているティル。まともな話相手になるのはウィルオンだけだった。 「おい、ウィルオン~。なんとかならないのかよ」 「俺は自分で飛んで帰れるけど、それじゃおまえが困るだろ? ティルやリシェぐらいなら乗せてやれるけど、おまえはさすがに重量オーバーだよ」 「だよなぁ。くそっ、タネはかせめ! こんど会ったらただじゃおかないからな!!」 リクが途方に暮れていると、そこに懐かしい声が聞こえてきた。 「フフフ…。お困りのようだね、リク君。そんなときは困ったときの天才ターネ……」 リクはタネはかせをつかみ上げて揺さぶる。 「よぉぉおおお! 待ってたぜタネはかせぇぇえええ!! 俺もウィルオンの言ってたことがわかった。おまえに関わるとロクなことがない!!」 「ままま、まあまあリクく、あ痛っ舌噛ん…ちょ、リク君や、やめ、たま……あばばばばばばば」 「まぁ、落ちつけよ。よう、どこから湧いて出たんだ、タネはかせ?」 もはやウィルオンは慣れたもので冷静にそれを対処する。この数年でウィルオンもよく成長したものだ。こんなタネはかせとともに暮らしてきたのならそれも当然か。 「う、うむ。私はうっかり過去に飛ばされてしまったのだが、そこで過去の私と協力して新たなタイムマシンを発明して帰ってきたのだ。あいるびーばっく、なのだ! 見よ、これぞペンシルロケットに対を成す存在『ケシゴムUFO』(ちょっと使いかけ)!!」 また奇妙な発明品がどこからともなく現れた。そこには消しゴムを模したと思われる四角い巨大な機械があった。ちょっと使いかけとは一体何なのか。新品や使い古しなども存在するのだろうか。 「またジャングルのようだが、こんどこそ現在に戻ってこれたのだろうな? また第1世界で恐竜に追いかけられるのはワシは勘弁だぞ……」 どうやらウクツも乗っているらしい。 「ふははは! これはただのタイムマシンではない! なんと飛行機能もついてて世界中どこでも行き放題だぞ!! さぁ、もう暗くなってしまった。これに乗って帰ろうじゃないか」 「くそっ、もうコリゴリだ! 俺は泳いで帰るッ!!」 「俺も自分で飛んでくよ」 「そんな冷たいこと言わないのだ。なにやら知らない犬と……おお、あれはメタメタ君ではないか、すごく懐かしい顔だ。とにかく全員乗った乗った! さあさあ!!」 ペンシルロケットのときのようにその場にいる全員が無理やりケシゴムUFOに押し込まれると、一同はそれに乗ってこのニワの島を脱出したのだった。 UFOは音もなく浮かび上がると、アースガーデンに向かって発進する。 「どうだ、私がいて良かっただろう。無事に現代へ帰ってこれたし、無人島からも脱出できたのだ。貴重な経験だったろう?」 「むしろ、全部おまえのせいだ! まさか、毎回こんな感じで最後にタネはかせがでてきてトンデモメカで解決ってパターンじゃないだろうな……」 「それは大丈夫なのだ。次回はナープ君サイドのお話だから私の出番はないのだよ」 「メタいこと言ってんじゃねぇ!」 「呼んだ?」 「メタっちは黙ってろ!!」 「や、やめるのだリク君操縦が……あわわゎゎわゎわわわ」 そしてUFOはふらふらしながら夜空を行くのだった。 これはギャグ回ですか? いいえ、この回は重要な意味を持ちます。 ”天竜”の話、よく覚えておくといいでしょう。私は決して諦めませんよ。くっくっく……。 Chapter3 END 竜の涙4