約 258,895 件
https://w.atwiki.jp/yuriharuhi/pages/40.html
ホームルームが終わると、俺とハルヒはまっすぐ文芸部の部室に向かった。 ハルヒと肩を並べて歩いていると、こいつが妙に上機嫌なことに気がついた。 俺の視線に気がついたのか、ハルヒを顔を上げて俺に言ってきた。 「私がどうして機嫌がいいのか知りたいでしょ?」 別に。まあ、無理を言うなら聞いてやらんことも無い。 一週間後の天気くらいには気になるからな。 「駅前に新しくできたケーキ屋さん知ってるでしょ?」 ああ、先週オープンしたばかりのあれな。妹が行きたいとか騒いでたから覚えてる。 「そうよ。あそこのプリンはね、それはもう、天国と地獄が入れ替わるんじゃないかってくらい美味しいの」 それって美味いのか? というか天国と地獄が入れ替わったら神様を大混乱だろう。 「だから昼休みにこっそり抜けて、買ってきたの。最後の一つだったんだから!」 昼休みに見かけ無いと思ったら、そんなことしてたのか。 よくもまあ、プリン一つにそこまで頑張れるものだ。 「それくらい美味しいのよ!」 いつの間にか、俺達は部室の前まで来ていた。 ハルヒはいつものように勢いよくドアを開ける。朝比奈さんが着替えてたらどうすんだよ。 幸か不幸か、麗しいメイド服の先輩の姿は無く、読書好きの宇宙人の姿があった。。 「ちょっと、有希、それって!」 「………つい」 訂正。食い意地の張った宇宙人がプリンをもぐもぐと咀嚼してる姿があった。 見れば、容器の中はすでに空で長門の口に入ってる分で終わりらしい。 「あんたねえ……」 いつものハルヒならブチ切れているところだが、今は怒るに怒れないでいる。 長門の申し訳なさそうな顔を見たら怒れないという気持ちは分からんでも無い。 長門には、大甘なこいつなら、なお更のことだろう。 「………」 「まあ、もう良いわ。有希には怒れないし、誰にでも食べられるところに置いてた私にも責任があるから」 言うまでも無いが、俺がハルヒのプリンを食おうものなら大激怒でも済まないだろうね。 一体、どんな罰ゲームをさせられることやら。 その時、、さっきまで無言だった長門が立ち上がった。 「私という個体は今回のことを非常に申し訳なく思っている。せめてものお詫びをしたい」 「え、別のいいのよ。言ったでしょ、私も非があるって」 ハルヒはいつになく饒舌な長門に驚いたのか、しどろもどろに答えを返した。 「あなたに非は無い。完全に私の責任」 そう言って、ハルヒに一歩近づいた。 「あなたはプリンを生命維持の為ではなく、嗜好品として摂取しようと考えていたと私は推測した」 長門はまた一歩、ハルヒに近づく。 「ちょ、ちょっと有希、あなた何する気よ?」 「よって、あなたがプリンの味覚情報を得れば、完全ではなくてもあなたの欲求は満たされるはず」 また一歩近づく。長門とハルヒの距離は50cmも離れていない。 長門はハルヒの腰に、両手を伸ばした。 「有希、待ちなさい! あんたまさか!?」 「幸い、プリンの成分の一部は私の口内に残存している」 「ゆ……ん、むぐ」 何かを言おうとしたハルヒの唇は、長門の唇によって多少、強引にふさがれた。 長門はハルヒの腰に添えられた左手をそのままに、右手をハルヒの後頭部に回した。 まるでハルヒが逃げられないようにするために。 ハルヒは長門の唇から逃れようと身を捩ったが、いかに馬鹿力のハルヒと言えども宇宙人の前には無力だった。 しばらく、それでも長門の腕の中で暴れていたハルヒだったが ピチャピチャと何かが絡み合う音が聞こえてくる頃には、抵抗することやめていた。 そうしてハルヒは開放された。 時間にして30秒ほどだったが、やけに長く感じた。 俺は結局、二人の熱い接吻をじっくり見入るように眺めていたことになる。 ハルヒは腰が砕けたように床に、萎れるように座り込んだ。 先ほどまでの行為のせいか、それとも俺に見られていたからか、顔は人体の限界に挑戦するかのような赤さだった。 「な、な、なななな」 あまりのショックのせいか、言語を発せられないらしい。 「私は先ほどの行為では、完全に満足していない。私はあなたを欲求を叶えるために先ほどの行為を行った。次はあなたが私に協力することを推奨する」 ちょっと、待て。お前は結果はどうあれ、ハルヒのプリンを食べた償いにさっきのキスをかましたんだろうが。 それで、次はあなたってどう考えてもおかしいだろう。詭弁、もしくは詐欺ってやつだ。 ていうか、単にお前がやりたかっただけだろ。 長門は、床に座っているハルヒを同じ目線までしゃがむと目を閉じて、わずかに唇をハルヒに突き出した。 「有希、私はしないからね!」 ハルヒが至極当然の返答を終えると、ほぼ同時にドアがノックされた。 朝比奈さんか古泉だろう。 流石に今の状況は不味いと判断した俺は、急いでドアを開けると外に出た。 なるべく中の様子を見せないように。 そこにいたのは、朝比奈さんと古泉の二人だった。 「なにごとでしょうか?」 「いや、今は少しまずいんだ」 「ふぇ? 何かあったんですか?」 「たいしたことじゃ無いんです。気にしないで下さい」 「涼宮さんと長門さんは中に?」 「何があったんですかー?」 俺が二人の質問に答えていると、不意にドアの向こうから長門の声がした。 「この部屋の情報を書き換えた。今から二時間は誰も入ることはできない」 おいおい、ちょっと待て。お前は二時間で何をするつもりだ。 「その問いに答えることはこの国ではセクハラに分類される」 ………もう、何も言うまい。 俺は横で状況を飲み込めないでいる、朝比奈さんと古泉に事情を話すと家に帰ることにした。 鞄は部室の中だったが知ったことか。今日は疲れた。やれやれ。 翌日、長門と手をつないで登校する二人を目撃した生徒が続出したことを谷口から聞いた。
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/903.html
「ねえキョン、あんたどんなところ就職するのよ?」 ハルヒは俺の胸に顔をうずめながら、左指で俺の乳首をいじっていた。 すでに行為は終わっていたし、感慨もなくただされるがままだ。 それにハルヒは俺の胸に寝るのが落ち着くらしく、 週末にはこうやって東京で一人暮らしをしている俺の部屋に遊びに来るのだ。 俺は大学受験を終え、東京の有名私立大学へと進学した。 ハルヒも同じ学校に進学したが、俺とはレベルの違う学科だった。 すでに能力は消えていた。 ハルヒは大学に入って最初の一年はやたらともてていたが、 ずっと俺と一緒にいたおかげで、今は声をかけるものはいなくなった。 ハルヒ曰く、 「馬鹿大勢より、大事な人一人のが価値があるでしょ」 だそうだ。 ハルヒは俺に身体をくっつけたまま上目遣いで俺を見つめた。 「ねえ、時間はあるんだし、もう一回しましょ」 「分かったが、俺は就活で疲れてるんだ、お前が上になれよ」 「分かったわよ、ちゃんと前戯ぐらいはしてよね」 「じゃあ、ちょっと横になれ」 俺はハルヒを下にして、強引に脚を広げた。 いつみても綺麗だって思ってしまうのは、ハルヒの毛が薄く、 割れ目が見えていることだけじゃない。 ひきしまった陰唇はすでに濡れていて、俺を受け入れるのには十分だった。 ハルヒは前戯が好きだ。 初めてした時、俺が舐めようとするのを拒んだが、今では整った顔を歪ませて声をあげている。 「なあ、もういいんじゃないか。十分濡れてるぞ」 「そうね。さっき一回イってるし、十分かも」 そういうとハルヒは起き上がって俺の上に跨った。 「ちょっとキョン、なんでまだこんなに硬いのよ」 ハルヒは俺のペニスを痛いほど強く握って、嫌な笑みを浮かべた。 「入れるわよ」 ハルヒの中に入っていく感触が伝わった。 「んっ…、あっ」 ハルヒは光悦とした表情を浮かべ、俺を見下ろし、ゆっくりと腰をスライドしだした。 「どう? 気持ちいい?」 「かなり」 ハルヒの中はいわゆる名器というやつで、締りも肌触りも俺とぴったりだった。 ハルヒはそれだけいうと、それ以外はなにも言わなかった。 ただ、卑猥な音とハルヒの喘ぎ声だけが狭い部屋に響いた。 「んっ、はぁ、……いや! あ! んっ…」 ハルヒは腰の動きを激しくしだした。 それにあわせて俺も腰を振った。 「ちょっとキョンなんでつくの!? いや、だめ! もう限界! んっ!」 中が急激に締まると、俺は簡単に限界を迎えた。 「で、キョンあんたどこに就職すんのよ」 ハルヒはブラジャーをつけながら言った。 「そうだな、大手の出版社なんか狙ってるんだが」 「また無理そうなところ狙って、落ちても慰めてなんかやらないわよ?」 「やってみないと分からんだろ」 「まったく」 面接当日。 「はい、お守り」 ハルヒはお守りを俺に手渡してきた。 「大学受験じゃあるまいし、要らないだろ」 「ちゃんとよく見なさいよね」 あ、そういうことか。 「大学受験のとき、これ一緒にわざわざ太宰府までいって買いに行ったでしょ? それで一緒に合格できたんじゃない。 今回もね。だから、もっていきなさいよ」 「あ、ありがと」 「まったく、それぐらいしかやってあげられることないからね!」 「分かったよ」 「頑張りなさいよ」 俺は胸が一杯になった。 たまに優しさを見せるハルヒがとても愛しかった。 それは、前から決めていたことでもあった。 「なあ、ハルヒ?」 「なに?」 「大学でたら、結婚しないか?」 「え?」 俺はもう一度繰り返した。 「大学を出て、就職をしたら、結婚しないか?」 「わ わたしはいいけどさ…。 あんたはそれでいいの?」 「いいさ。俺にはハルヒしかいないから」 ハルヒは抱きついてきた。さっきみたいな卑猥な感じじゃない。 優しく、そっとだ。 「ありがとう、でも本当にいいの?」 「ああ」 俺は抱きしめ返した。強く、力強くだ。 そして俺たちはとても静かなキスをした。 「いってらっしゃい」 ハルヒは笑顔でそういってくれた。 「行ってくるよ」 「帰ったら、ご飯の準備しとくわね」 「ああ」 ハルヒの笑顔を見つめ、そして俺は履きなれない革靴に足を入れた。 「じゃあ、行ってくる」 「早く帰ってくるのよ!」 俺はドアを開け、さわやかな気持ちで、右足を踏みしめた。 外は無駄な暑さで、空には大きな入道雲がそびえていた。
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/1024.html
第四章 あれ?ここはどこだ?そうか病室だったな。もう朝か寝ちまったようだ。今日が土曜日でよかった。 時計は午前9時を指していた。 周りを見渡すとハルヒがベットで横になり眠っていて朝比奈さんも俺と似たような体制で眠っていた。 古泉と長門はどうしたんだ?俺の記憶が正しければ病院に駆けつけいたはずだ。 探そうか迷っていると古泉と長門が病室に戻ってきて病室を出てどうやら医者と話してきたらしく話がある俺と言ってきた。 「とうとうこの時が来てしまったようです。涼宮ハルヒの能力が今にも消えようとしているのです。」 「おいおい仮にも神なのに力が消えるなんてことありえるのか?」と返す俺。 「いえ、涼宮さんは神などではありません。気づいてはいましたがそれで納得してしまうと僕も行動できなくなるのでね。 このような事態になってはそんなことはもはやどうでもいいです。 涼宮さんの強い思いが神にも匹敵する力を手に入れたのです。今にもその力が消えようとしている。意味がわかりますか?」 「世界が狂わなくて済むんじゃないか?」と返してみる。 「ええ、確かにそういうことになりますが我々はとても大切で大きなものを失うことになります。それでもいいのですか?」 「まさか、お前ハルヒの能力が消えたら死ぬとか言い出すんじゃないだろうな?」 「そのまさかなのですよ。『何故そんなことがいえる?』なんて聞かないで下さいよ。わかってしまうのだから仕方ありません。 あなたも気づいていたでしょう?最近涼宮さんに変化があった。普通に考えてあのような能力をもってしまった人間…体への負担は想像を絶するレベルだと思います。 最近涼宮さんの精神面で弱気になっているのはわかっていたのですが、僕が感じていた違和感は肉体の弱化です。これに気づくべきでした。 長門さんから聞きました恐らくジョンスミスに会いたいと言う願いを実現させた瞬間に体に限界が来てしまったようです。現状涼宮さんの能力だけを消す方法は見付かっていません。このままでは1週間と持たないでしょう。ですが1つだけ方法があります。それは…」 「ハルヒに今までのこと、その能力について話す…か?」俺は割って入った。 「そうです、ですがこれは危険です、場合によっては涼宮さんの力が暴走し取り返しのつかないことになります。」 わかっている。それはわかっているが、それしか方法は無いんだろ?どうなろうがハルヒの責任さ。 「そういうと思ってました、涼宮さんに話す役は買って出てくれますね?」 「俺がやるしかないな、俺はハルヒにとっての鍵であり、SOS団その1なんだろ?」そう言って俺はハルヒのいる病室に戻った。 俺は朝比奈さんと長門に病室を出てもらい糞まじめな顔でハルヒにこう言った。 「ハルヒ、とてもまじめで真剣な話があるんだ。聞いてくれ。これはSOS団員全員の正体に関わる重要な話だ。」 「何?しんどいんだから手短に話しなさいよ?どうせあんたのことだからくだらない話なんでしょうけど。」そういいハルヒは体を起こした。 「実は長門と朝倉は宇宙人に作られた人造人間で…」 「はあ?有希のことは一年ぐらい前に聞いたけど朝倉もそうなったの?」そう皮肉そうにハルヒが割って入った。 俺は無視し続けた。 「そして朝倉はある理由から俺を殺そうとした理由はある人間に刺激を与えるため、そして俺は長門に助けてもらったんだ。そして長門は朝倉を消滅させ、カナダに転校という事にした。 それでこの前の雪山で不思議なことがあったろ?あれは集団催眠なんかじゃない、長門によれば敵宇宙人の攻撃だそうだ。あの時も長門のおかげで何とかなった。 朝比奈さんの正体は未来人だ。朝比奈さんはある人物に過去に一定以上の過去に行く道を閉ざされてしまい過去に戻る方法を見つけに過去に来たらしい。過去にいろいろとグレードアップした朝比奈さんに俺は何度か会ったからな、間違いないグレードアップした朝比奈さんは何度も俺にヒントをくれ助けてくれた。 違う未来人に未来を書き換えられそうにもなったがグレードアップした朝比奈さんのおかげで何とかなった。俺が一度お前に『朝比奈さんが誘拐された。』って電話掛けたことがあったろ?あの時誘拐されたのは実はその一週間後から来た朝比奈さんなんだ。気が動転して何も知らないお前に電話してしまった。反省してるよ。」 ハルヒはこの辺であきれたように黙りこくったがやはり無視し続けた。 「そして古泉、こいつは実は超能力者なんだ。こいつは仲間とある人間が不機嫌になると現れる閉鎖された空間で青い巨人といつも戦ってる。こいつのバックには機関と言う組織がある、実は夏休みでの孤島やら雪山でのやらせ殺人事件のときの荒川さんや森さん田丸さん兄弟、全部その機関の人間なんだ。俺たちのために裏でいろいろしてくれているらしい。」 青い巨人と言うところで一瞬ハルヒが反応したかのように見えたが興味はなさそうで、こう俺に質問した。 「どうしてあんたの周りにはそんなに不思議な人間がいるのかしら?そんなこといって私が喜ぶとでも思う?それにあんたと私には何も無いの?聞くだけなら聞いてやってもいいわよ。」 と言うことなので教えてやることにする。 「実はな、お前の隠された正体のほうがおもしろいぞ?ハルヒ、ある人物ってのはお前なんだ、実はお前には願望を実現する能力があるんだ。思い当たる節があるだろう?そしてその能力のせいでお前の体は蝕まれているんだ。」 もはやハルヒはもはや聞く耳も持っていないようだったが俺は続けた。 「そして俺の正体だ、これが一番おもしろいぞ?実はな俺の正体はジョ…」 そのときだ。急に窓ガラスが割れているはずの無い人間…いや人造人間が飛び込んできて一目散に俺の脇腹を刺した。 一瞬の出来事だった。 「な………に………?………」 目が霞む瞬間ドアを開け急いで入ってくる長門、古泉、朝比奈さんと呆然としているハルヒの顔が見えた。意識が朦朧としていく… 「あなたが何故ここにいる?」と長門が怒ったような口調でいい俺の脇腹に手を当て怪我の治療をしてくれる。 放心状態で見ているハルヒ。 馬鹿にするように「なんであなたにそんなこと言わなきゃならないの?私の目的はあなたとそこの人間…もう死体かしらね。」 朝倉がその言葉を発した瞬間だった。 病院から見える青い空が急にどっかの龍を出したときのように真っ暗になった、その成果も知れんが一瞬外の雰囲気そのものも変わったようにも見えた。 そして例の巨人が暴れだす…しかも窓から見えるだけで50体は見える。これが世界中で怒っていると言うのだから恐らく大量に血を流し今にも死にそうな俺を前にしたからだろう。 古泉が言った。「これはまずい、世界規模で閉鎖空間が発生してしまったようです。このままでは非常にまずい…涼宮さんの前で…いやそんなことを言っている場合ではない。急いで行かなくては。キョン君後は頼みます。」 それから例の赤玉になり新人と戦うため飛んで言った。 ハルヒの前なのにナイフ持ってニヤニヤしている朝倉、そして病院内の閉鎖空間化… しかしハルヒは夢でも見ているかのような顔をしている。朝比奈さんは気絶したようだ。 長門のおかげで何とか回復できた俺は朝倉に聞いた。 「どうしてお前がここにいるんだ!?」と。 朝倉は待っていましたと言うよな顔でこう返した「敵の情報生命体がいるのには気づいているでしょう?、情報統制思念体って言うの。その情報統制念体って言うのが私のバックアップを作っていたの。そして作り直してもらったの。前の私が偉くお世話になったようね。きっちりお礼をさせてもらうわ。」 そして朝倉は長門に襲い掛かった、長門はなんなく避けた。それを戦闘の開始のように二人が先頭を開始した。長門はうまいこと朝倉をドアの付近に誘い朝倉をふっとばし病室から出しことに成功した。 俺は思った。またこいつらが戦いを始めるのか…としかしここは朝倉の情報制御空間とやらではないとは言え俺とハルヒを守りながらとなると勝ち目はあるのだろうか。古泉も。 9回裏にツーアウト満塁であと3点で逆転勝利できるのに4番のバッターが怪我したってぐらいまずい。 これからいったいどうなっちまうんだ全く、やれやれ。 第五章
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/1066.html
涼宮ハルヒの戦場 その1 涼宮ハルヒの戦場 その2 涼宮ハルヒの戦場 その3 涼宮ハルヒの戦場 その4 涼宮ハルヒの戦場 その5 涼宮ハルヒの戦場 その6 涼宮ハルヒの戦場 エピローグ
https://w.atwiki.jp/haruhi_dictionary/pages/172.html
製作中 基本情報表紙 タイトル色 その他 目次 裏表紙のあらすじ 内容 あらすじ「あてずっぽナンバーズ」 「七不思議オーバータイム」 「鶴屋さんの挑戦」 登場人物 後に繋がる伏線 刊行順 基本情報 涼宮ハルヒシリーズ第12巻。2020年11月25日初版発行。 表紙 通常カバー…涼宮ハルヒ、鶴屋さん 初回限定生産版で、かつての角川スニーカー文庫を再現したリバーシブルカバー仕様になっている。 タイトル色 通常カバー…赤 初回限定生産版…赤 その他 本編…440ページ 形式…短・中編集 目次 あてずっぽナンバーズ 七不思議オーバータイム 鶴屋さんの挑戦 裏表紙のあらすじ 初詣で市内の寺と神社を全制覇するだとか、ありもしない北高の七不思議だとか、涼宮ハルヒの突然の思いつきは2年に進級しても健在だが、日々麻の苗木を飛び越える忍者の如き成長を見せる俺がただ振り回されるばかりだと思うなよ。 だがそんな俺の小手先なぞまるでお構い無しに、鶴屋さんから突如謎のメールが送られてきた。 ハイソな世界の旅の思い出話から、俺たちは一体何を読み解けばいいんだ? 天下無双の大人気シリーズ第12巻! 内容 短・中編収録の巻 あらすじ 「あてずっぽナンバーズ」 + ... 「七不思議オーバータイム」 + ... 「鶴屋さんの挑戦」 + ... 登場人物 [[]] [[]] [[]] [[]] [[]] [[]] [[]] [[]] [[]] [[]] [[]] [[]] [[]] [[]] 後に繋がる伏線 刊行順 <第11巻『涼宮ハルヒの驚愕(後)」』
https://w.atwiki.jp/yuriharuhi/pages/99.html
・・・『嫉妬』と言う感情が、有機生命体には存在している。 そのように情報統合思念体に教わった。 私には、その感情が理解できない。というよりも、経験したことがないのでわからない。 私には縁のないもの。そう、思っていた―・・・。 『有希、用事があって今日のお昼一緒に食べれないや。ごめんね』 ハルヒに伝えられたのは、3時間目の休み時間。 私とハルヒは毎日昼食を共にする。しかし、用事があるのなら仕方ない。 『わかった。』 そう告げると、始業5分前の予鈴がなった。 ―・・・そして、4時間目終了のチャイムがなり、昼食の時間。 通常ならハルヒと共に昼食を食べているところ。 私はとりあえず、手を洗おうと廊下に出た。そのときだった。 ハルヒが、朝比奈みくるに抱きついていた。 …よくわからない感情が、身体の中をぐるぐる回る。 もやもやして、胸の奥を締め付ける。 『あ、有希・・・』 ハルヒが私を見つけ、こちらに向かってくる。 だが私は、なぜだかわからないがハルヒに背を向けてしまった。 本当になぜだかわからない。エラーが発生した。 ハルヒも追ってこない。私の中の『感情』というものにバグが発生したのかもしれない。 ―・・・その日の部室には、私とハルヒの2人だけだった。 静かな部屋に本のページをめくる音が響いていた。 しかし、彼女の言葉で沈黙はやぶられることになった。 『ねぇ、有希・・・どうしたの?』 『どうもしない』 私自身にもわからないのだから、どうもしないと答えた。 『どうもしない、じゃないわよ。なんだかいつもと様子が違うじゃない。』 『…』 私は何も答えずに、本に目を落とした。 『有希!話してるときは本を読まないのっ!』 そう言われ、本を閉じる。 『有希がおかしくなったのは昼休みよね?何があったの?』 昼休み・・・私は廊下で朝比奈みくるに抱きついているハルヒを見た。 そのときから私の様子が違うのだと言う。 『廊下で…朝比奈みくるに抱きついているあなたを見た。 あなたは、昼休みに用事があって昼食を共に出来ないと私に言った。』 『・・・へっ?』 『なのにあなたは朝比奈みくると行動を共にしていた。 私の様子がおかしいのだとしたら、それはきっとその時から。』 ハルヒの顔が紅潮してゆく。そして、私を抱きしめる。 『なぁに、有希・・・ヤキモチなの?』 『・・・ヤキモチ?』 ヤキモチとは、嫉妬のことだと、ハルヒが教えてくれた。 『ごめんね有希。今日はみくるちゃんの新しい衣装の採寸してたのよ』 『それにしても、有希がヤキモチ妬いてくれるなんて』 ハルヒは嬉しそうに笑った。 『ホントごめん・・・』 彼女の言葉を遮って、私はハルヒの唇に自分のそれを重ねた。 ハルヒの唇が離れる前に、無理矢理口をこじ開けて舌をねじ込む。 『んぅ・・・ちょ、有希っ!?』 ハルヒは私から離れ、顔を真っ赤にさせている。 『もう、ビックリするじゃない。』 ハルヒの言葉に返事はしなかった。そして、私は彼女の首に吸い付いた。 『ひゃっ!?』 私が彼女の首から唇を離した時、吸い付いたところは赤くなっていた。 俗に言う、キスマーク。 彼女は私のものという印。 『な、なにするのよ!!制服きても隠れないところにつけちゃって・・・!!』 顔を真っ赤にしながらまくしたてる彼女に向かって私はこう言った。 『あなたは私だけのもの。他の人には絶対に渡さない。』 これでもかと言うくらいに顔を赤らめる彼女に、また口付けをする。 嫉妬とは、相手をとても想っているということだと、理解した。 ハルヒは、私だけのもの。世界で一番、大切な人。
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/2984.html
●序 あたしはいつだって退屈していた。 クソみたいな学校と家の往復、腐って潰れて、枯れたような乾いた生活。繰り返す現実。 SOS団も(自分で作っといて何だけど)最近微妙。パターン化される日常に何を見る? どっちにせよ終わってる、そう気づいたら走っていた。どこに向かう? 知ったこっちゃない。 あたしの脳内広辞苑を全力で捲ったけど、「逃亡」って言葉しか見当たらなかった。 うん、じゃあそれで。ああ、そうそう。あんたも来るのよ? ねえキョン。 涼宮ハルヒの逃亡 ●第一部 時間ってのはどうしたって非情なもんで、黙ってても進んでても同じだけ経つ――それならできる限り遠くへ行こう。 それがハルヒの弁だった。俺はあくびが出た。 「真面目に聞きなさい! いい? 不思議なことを見つけるまでどこにも帰らない!」 どこへも? 家にも、学校にもか。親御さんが心配するんじゃなかろうか。大体、それを何で俺にわざわざ伝えるんだ。 今ハルヒは俺の家にいる。日曜の午後、吸い込まれるような眠気が俺を誘っていた。よし寝るぞと決意した瞬間にハルヒは俺の部屋のドアをぶち破っていた。 「わかってないわね、あんたも行くのよ! じゃなきゃわざわざ来たりしないわ!」 俺も? おい、俺は退屈してないぞ。たった今だって、お前みたいな不思議な思考の仕組みをした奴に出会っている。調査終了ではなかろうか―― 「いいから聞きなさい! あんたはSOS団結成のきっかけなのよ? いわば創立メンバーじゃない。そんなあんたが来なくて誰が行くっていうのよ?」 現実的ではなかった。おそらくあてのない旅に出る、といった感じなのだろう。だが旅費もなければ足もない。加えて俺には意欲がない。 お前が一人で行けば良いだろう。頼むから俺に面倒を持ち込むのは勘弁してくれ。俺が今欲しいのは睡眠時間であって、厄介事じゃないんだ。おやすみ。 「寝るな! 大体今は夏休みよ? 行くところもないでしょ? じゃあ来なさい!」 確かに、今年は旅行の予定もない。家の都合で帰省もしない。つまり暇だ。だが、暇というのは必ずしも退屈とは結びつかない。 「そういうわけで無理だ、ハルヒ。大体計画もないだろう?」 「計画ならちゃんと考えてあるわよ! 見なさいこれを!」 取り出したるはA4サイズのノートだった。表紙にはやたら大きく、乱暴な筆致で「逃亡計画」と書かれていた……逃亡? 「そう、逃亡。日ごろのしがらみや、退屈で平凡で飽き飽きするありふれたつまらない日常からの逃亡! ゴールはあたしが満足したらね」 お前の日常はよっぽど終わってるんだな。ところで、お前が満足しない限り終わらないというのはどうか。 「でも、ちゃんと計画はしてあるわ。まずヒッチハイクをします」 一行目から無計画さが漂ってるぞ! ヒッチハイクなんて今時、しかも日本じゃ無理だ。 「うるさい!成功するの! それで、どっか適当なところで下ろしてもらいます。そして不思議を探します」 はぁ……考えが突飛すぎるなぁ。それで? 「終わりよ。悪い?」 お前なあ。そもそも……いや、何も言うまい。言ったら負けだ。 というか、詳しい計画について反論したら計画そのものは認めてる形になるからな。 「だめだ。危ない。無計画だし、帰ってこれるのかもわからん。金もない」 「あんたは本当に何もわかっちゃいないわね……世の中お金じゃないのよ」 「あって困ることはないだろ」 「なくて困ることもないわ」 それはある! この前もコンビニで……いや、それはいい。古傷が痛む。 「まあ、どうしても必要ならクレジットカードがあるから」 「何!? お前……金持ちか?」 「親はね。あたしはそうでもないけど。でもまあ、カード持たせるぐらいだから割とそうかもね」 「……」 ふとドアが開き、母さんが入ってきた。 「あら、いらっしゃい涼宮さん」 「どうもお邪魔してます、おば様」 気色悪いぞ。普通にしろ……ぐわぁっ!? ハルヒの肘が俺の腹をえぐった。く……重いの持ってやがる……! 「実はおば様、今度キョン君と旅行に行くんです。宜しいでしょうか……?」 「あらあら、いいわね。ぜひ連れてってやって。この子ったら、家でごろごろしてばっかりでねぇ……」 「ありがとうございます、おば様。明日から出発するのですが、キョン君に用意をさせてくださいね」 「ちょ、ちょっと待て……ぐふうっ」 もう一発。鳩尾はよせ……! 「あら、急なのね。わかった、用意させるわ。ほらあんた、ぼさっとしてないで」 「ちょっと母さん……」 「では私これで失礼いたしますわ、御機嫌よう」 「待てハルヒ……!」 「ほら何やってるの、バッグ出しなさいバッグ」 母さん! ちくしょう、親公認で俺はあいつの気まぐれにつきあわにゃいかんのか! ああ神様助けて――おっと、神様はあいつだったか。くそ、八方塞りだ! 俺は満足に祈ることすらできないのか? 俺の夏を返せ!
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/5186.html
涼宮ハルヒの逆転 太陽が元気に輝いてるにも関わらず、今日は気温が低い。そう冬だからである。 放課後相変わらず文芸部室で遊びもとい団活動している五人。 俺は古泉と朝比奈さんでじじ抜きをし、長門は本を読んでいる・・・あれは人体解剖の本か?でハルヒはネットで動画を見ているようで、さっきから高い女性ボイスがうるさい。 古泉がビリという当たり前と化した結果でじじ抜きを終了したとき、団長様が騒ぎはじめた。 ハルヒ「キョン!あんたこの女の子好きでしょ!」 ちょっと来なさい、とばかりに魔手を招いてきた。仕方なく立ち上がりハルヒの見ている動画を見に行った。 動画にはやけにうるさい女と涙目なか弱い男が映っていた。どうやら前者のことを言ってるようだ。 ハルヒ「主人公のことを思い心を鬼にする女の子。あんたにはこういう子のがお似合いよ!」 いーや朝比奈さんのような可憐な女子が好きだ。ておい古泉、なに笑ってんだ? キョン「俺は可愛くて大人しい同級生と付き合いたい」 みくる「ロマンティストですねぇキョンくん」 いやですね朝比奈さん?さりげなく「人に夢と書いて」ということを言わないでくださいよ。 朝比奈さんの嘲笑を一身に受けながらハルヒの方に目をやると ハルヒが俺を見たまま目を見開いて硬直していた。 キョン「ハルヒ?」 ハルヒ「・・・そうだったの」 なにゆえ落ち込む? そのとき本を閉じる音が聞こえた。 ハルヒ「まあいいわ。とりあえず解散!」 一気にテンション戻しやがった。 帰り道、鈍感ですねと古泉に言われた。俺がなにをした! これから起こる事件は俺が悪かったのだろう。だがなあ宇宙人に未来人に超能力者、俺にだって選ぶ権利があっても・・・まあ俺は自分の意志で決めたから良いのだが。 次の日いつもどおり妹にたたき起こされた。いつもどおりだらだらと飯を食べた。いつもどおり登校直前に教科書の類いをバックに積めた。 つまり俺は学生としてはダメ人間なわけだ。 そしていつもどおり玄関のドアを開けると、いつもどおりではない光景を見た。 なんとハルヒが俺の目の前にいる。 キョン「どうしたんだ?荷物持ちならお断りだぞ」 ハルヒ「えと・・・おはようございます」 俺にカミナリが走った。なんでハルヒが手もじもじさせて、一般人のセリフを言ってんだ!? ハルヒ「あっ荷物持ってもらえるのでしたらその・・」 微妙に図々しい所は変わらないな。だがこんな弱気な美少女の頼みとあれば キョン「わかった。カバンよこせ」 ハルヒ「あっありがとうございます」 顔赤くしないでくれ、理性がはじけ飛びそうだ。てか本当に同一人物なのか? カバンを受け取りつつ聞いてみた。 キョン「名前は?」 ハルヒ「えっ?涼宮ハルヒです。でも以前から知って」 キョン「部活は?」 ハルヒ「SOS団の団長ですけど?」 キョン「バスト・ヒップ・ウエストは?」 ハルヒ「えっとたしか・・てちょっとキョンくん!」 最後の解答以外で判断するとたしかにあの暴君らしい。あとで古泉に聞くか。 てなわけで俺とハルヒは登校した。 ハルヒと黙ったまま肩並べて歩くのは初めてだな。たまにハルヒが俺を見ては地面を見ていた。急に頭をなでてやりたくなったが、我慢して歩いた。 授業中ハルヒは寝ずに起きていて、6教科の教師全てを驚かせた。ハルヒが本当に優等生に見えたひと時である。 昼休み、俺はハルヒからの誘いで昼食を共にした。だが弁当をもらえるわけではなく、ただ机をくっつけて黙って各々の弁当を食べるだけだったが。たびたびハルヒがハンカチを取り出してこちらを見ては戻してたが、どうしたんだろうね。 放課後俺は急いで部室へ向かった。ハルヒは英語教師に質問してから行く、という。今日は英語の授業がなかったな。英語教師がハルヒの変わりぶりに驚愕することは間違いない。 この一連の変化を解決すべく部室の扉を開けると、いきなり誰かに抱きつかれた。確認すると、小柄な体の無口少女が 長門「キョンくん今日は早いね~!」 なにがあった? キョン「長門。これは一体全体どうなってんだ?」 長門「もうキョンくん!私のことは『ゆきっち』でいいよ!」 「消失」以来久しぶりに見た長門の笑顔に一瞬ときめいたが、長門を落ち着かせて事情を聞くことにした。 長門「ブーゆきっちでいいのに。なんか『ハルっち』が性格を改変したの」 キョン「おまえとハルヒをか?」 長門「私は変わってないよ~!ハルっちと『牛乳腹黒ロリ女』を変えたっぽい」 色んなところにツッコミしたいのだがまあいい。 長門「この改変について特に問題はないよ、て情報統合思念体が決定しちゃった。だからこのままキョンくんと遊ぶ~!」 こら抱きつくな、いやしてください、いーややっぱりだめだ! 「キョンから離れろ長門ーー!!!」 甘い誘惑に踊らされてる俺の背後から聞いた覚えのある声が叫んだ。振り向くとそこには・・朝比奈さん? 朝比奈「てめぇ二人っきりだからって何してもいいわけじゃなねぇぞ!」 長門「ふーんだ。陰険腹黒娘に言われたくないもんね~」 朝比奈「だから離れろって言ってんだろ長門!だいたいてめぇに陰険なんて言われたくねぇよ!」 俺は二人の口論に口を出せずただ呆然としていた。怒ってる朝比奈さんもかわいいです、てレベルじゃない。 長門「なんで私に美人局常習犯って言われたくないのよ?」 朝比奈「セリフ変わってんだろ!あんな本読んでるてめぇに言われたくはない!!」 そう言って指さした先を見てみると、椅子の上に一冊の本があった。なになにタイトルは「海外拷問画像集R20」?そんな本があったんだ。 驚いている俺の視界が急に暗くなった。 長門「見ちゃだめ!恥ずかしいよ~」 朝比奈「抱きつくな~!!!」 長門が俺の目を手で覆ったようだ。朝比奈さんが長門につかみかかったらしく、長門が俺から離れて朝比奈さんとケンカし始めた。 ハルヒ「どうしたんでしょう?」 いつのまにか俺のとなりでハルヒがあたふたしていた。本来の朝比奈さんポジションにハルヒが着くのか。 古泉「どうやら面白いことになってるそうですね」 おまえもいたのか。それより、女子のケンカを面白いとな? 古泉「たまには良いものです。今回の件は大きな改変ですが、あまり重要視する必要のない問題です」 むしろ楽しいです、と嫌みではなさそうな笑みを浮かべていた。 ハルヒ「あの二人を止めた方が」 古泉「涼宮さんがそういうのであれば止めましょう」 そう言うなり古泉が白兵戦中の朝比奈さんと長門の間に入った。 古泉「二人とも落ちつゲフグハァ!」 みくる「邪魔すんなガチホモ!」 長門「いっちゃんも敵なんだよね~」 あーあ左右から顔を殴られるなんてデフォなことして。 古泉は両頬を真っ赤に腫らして戻ってきた、なんか濡れ衣だとか言ってる。古泉の犠牲を無駄にせぬため、今度は俺が止めに入った。簡単に乱闘が終了した。 古泉「さて今回の件についてですが、先程言ったとおり重大な問題ではありません」 キョン「根拠はなんだ?」 古泉「解決方法がわかってます」 ほう、では教えてもらおうか。 古泉「ですがこの状況も面白いのでしばらく放置します、機関の許可もありますし」 キョン「なんか釈然としないが、いつでも改変を戻せるんだな?」 古泉「まあ戻すのはあなたですがね」 なに笑ってんだてめぇ。 ようやく部室に平穏が訪れたので、スマイル仮面とチェスをしよう。 だがその平穏の名前は「つかの間の休息」だった。 以下音声でお楽しみください。 みくる「はいキョンくんお茶!」 キョン「ども。いやーいつもながらおいしいです」 みくる「いっいつもやってんだからお世辞なんていらない!」 長門「なになにダークマターがツンデレ~?キョンくんはゆきっちのものなの!」 みくる「あー!?だいたいダークマターの意味ちげぇだろバカ!」 長門「あんたはまだプライベートに謎が多すぎる生命体だからいいのよ。特に深夜ね、クスクス」 みくる「こ ろ す」 ハルヒ「おっお願いですからその」 みくる「なんだ団長やろうってのか?」 長門「ハルっちは危ないから逃げて」 ハルヒ「暴力はダメです~!」 みくる「今日こそ決着つけるぞ長門!」 長門「ふーんあたしの宇宙的パワーに勝てるのかしら」 ハルヒ「えっ?宇宙?」 キョン「まて朝比奈さんに長門!おまえらそれは」 ハルヒ「今のはどういうことなんでしょうゆきっち!?」 長門「げっゆきっちピンチ」 みくる「ほんとあんたバカね」 ハルヒ「宇宙的パワーってどんな感じですか!?やってみてください!」 オンリー音声タイム終了。なるほど不思議の話になると積極的になるあたり、たしかにハルヒである。 長門「たったとえばこんなの、えい!」 そう言って長門はポッケからトランプを取り出すと、子供でもできる手品をした。 ハルヒ「わぁすごーい!」 ハルヒがよろこんでる。純心っていいな。その直後にどこが宇宙的パワーなんですか、とハルヒに言われて長門は愛想笑いでごまかした。 ハルヒ「ゆきっちは面白い人ですね」 長門「そうかな~。それより今思ったんだけど、ハルっちはさ~」 ハルヒ「えーと?そんなに見つめないで・・・」 長門「やっぱりかわいい~!大人しいときなんて興奮しちゃーう!」 ハルヒ「かっ顔が近いですゆきっち!ぃひゃぁっ!」 長門「この強調し過ぎない胸なんて特にイイ!私なんてこんなひんぬーなのに!」 ハルヒ「ひぃああくすぐってぃ」 長門「聞こえなーい!」 二人ともそのままでいろよ、今カメラにおさぶがあぁぁ! みくる「なーにやらしい目で見てんのよキョンくん!そんなに私は魅力的じゃねーの!?」 キョン「いきなり腰に飛びげ」 みくる「そーう、じゃ今から私しか見れないように調教してやるわ」 いつのまにか朝比奈さんの右手にはムチがあった。あっ右手を振り上げイタッ! キョン「朝比奈さん!いたいじゃギャッ!」 みくる「いいわよーもっとイイ声でさえずってキョンくん。テイッ!」 朝比奈さんは何度も俺にムチを打ってくる。こらーそこのかしまし娘たち!怯えてないで止めてくれ。 このままMに目覚めてしまおうか、そう思い始めたとき聞き捨てならぬ言葉をハルヒから聞いた。 ハルヒ「キっキョンくんはこういう女性がお好きなんですか?」 うおおおなんとしてでも否定をしゲフッ! みくる「そうよね~キョンくん?ハイ!」 キョン「アッ―――」 遂には亀甲縛りされ、口にゾウキンを詰められた。えーとハルヒさん?なにもそこまで青冷めなくても? ハルヒ「そうだったんですか・・・」 長門「泣かないでハルっち、ね?」 ハルヒ「ゆきっち~!」 ハルヒが長門に泣きついた。長門は照れながらハルヒを抱きしめて頭をなでている。だから誤解だってば! 声を出せないのでひたすら顔を横に振ったが、気づかないようだ。 あれ古泉はどこいった?そう思った直後 長門「じゃあ今日はカイサーン!」 もうそんな時間か、じゃなくて誰か助けて。ておいみんな帰るんじゃねぇ!扉を閉めるなぁ! さて置いてかれてからしばらくすると、古泉が戻ってきた。閉鎖空間からの帰りか? 古泉「なにがあったか察しは着きます。とりあえず解放しましょう」 閉鎖空間は発生してません、と言われた。 古泉「涼宮さんは今怒ってるのではなく落ち込んでいます。今までのデータを参考にしますと、落ち込んでいる時には閉鎖空間は発生しません」 ようやく俺の拘束が解除された。 キョン「じゃあなんでおまえは消えたんだ?」 古泉「だって朝比奈さんが怖いんですもの」 テヘッとか言うな気持ち悪い。 それよりだ、この改変された性格ってのはあくまで「作られた」性格なんだよな? 古泉「正確にはある基準を基に性格を逆転させています。」 例えば涼宮さんは普段ゴウマもとい気が強い女性ですが、今回はとても庇護欲をそそる女性になってます。 古泉「ただ思考までは改変してないようで、『不思議』にはとても興味が注がれてましたね?」 キョン「おまえはいつから消えてたんだ?」 古泉「朝比奈さんがあなたにムチを振るい始めた時からです」 キョン「罰として明日の昼食代を払え」 いやです、と言われたが解答を聞く気はない。 さっきの話によると、改変された人の性格は変わるが考えることまでは変わらないらしい。つまり朝比奈さんは……。 俺が下校中朝比奈さんへの認識をひたすら上書きし続けた。 古泉「・・・すので、帰りましたらお願いしますね」 どうやらなにか話してたらしい、俺は改ざん作業で聞いてなかった。ああ、と答えておいた。 家に帰って夕飯食べて風呂浴びてテレビ見て歯磨きしてベッドに入った。そこ、勉強が欠けてるとか言わない。 今日一日のことを思い出す。古泉の言葉を借りると、庇護欲をそそるほどかわいいハルヒ。ちょっぴりサディスティックな朝比奈さん。少々毒舌だが人なつっこい長門。案外悪くはなかったし、むしろ楽しかった。 あれが本来の性格でないのはわかっている。ゆえにどちらが良いかと聞かれたら間違いなく俺は 元の性格のかしまし娘たちをとる。 体のあちこちが痛い俺は早めに寝ることにした。 痛みで目が覚めた。妹が起こしにきたのかと思っていた俺は恐怖を感じた。俺は上半身裸でパジャマのズボンを着ていた。寒いな。 ハルヒ「ほらほら勉強の時間よ!」 ハルヒがスクール水着を着て、朝比奈さんのより丈夫そうなムチを使い慣れた手で俺に振るってきたのだ。 俺は逃げようとしたが、足が動かない。いてぇ。 両足が縄で縛られ、手も後ろ手に縛られていたのだ。 急に腰に重みを感じ、うつぶせにされた。ハルヒが馬乗りになったのだ。 ハルヒ「さあさあ良い声でさえずりなさいキョン!あたしたちの愛を確かめるように!!」 そう言うとハルヒは俺に首輪をはめ、首輪に繋がれた鎖を思いっきり上に引っ張りやがった。 キョン「グァァッ!」 ハルヒ「もっと!上手にできたら天国と地獄を同時に感じさせてあげるわ!アハハハハハ!!」 暴れたくても、馬乗りされて思うように動けず息も詰まっていた。 しばらくその体勢でいると、いきなり足に衝撃が走った。 キョン「ウワアアアァァァァ!!!」 ハルヒ「そうよその調子よ!ムチなしで鳴けたら完璧よ!!」 そう言うとハルヒはうつぶせの俺に重なるように抱きついてきた。 ハルヒ「温かいでしょう。これはあたしの愛よ、キョン」 休憩よ、と言い俺から離れると、ハルヒは不気味に明るいこの部屋の隅でくつろぎ始めた。 もはや話す気にもなれないので縄をちぎろうと懸命に抗っていると声が聞こえた。 「大丈夫ですか?」 誰だ?そしてどこにいる? 古泉「ここです」 耳元で聞こえていることに気づいた俺が声の方向に振り向くと、今にも消えそうな小さな光る玉がいた。 古泉「声を出さずに聞いてください。ここは特殊な閉鎖空間です」 閉鎖空間は本来神人が暴れるところですが、ここは神人が存在しない代わりに神がいます。 古泉「これは昔あなたと涼宮さんが行かれた閉鎖空間と似ています」 ですが涼宮さんは世界を放棄したわけではありません。よって我々の世界が終焉を迎えることはありません。 キョン「長い。要約しろ」 古泉「失礼。原因はあなたが涼宮さんに性格改変を望ませたことです。一昨日は大人しい性格に、昨日は『あの』朝比奈さんのような性格にね。」 すくなくとも今は日付が1日進んでるんだな、とか悠長なことを考えた。 古泉「この事件の解決法と閉鎖空間からの脱出方法はおそらく同じです。先程も言いましたが、あなたが涼宮さんを恋愛対象として認めたことを彼女に伝えればいいのです」 キョン「できるかそんなこと!!」 古泉「静かにしてください、あくまでフリです」 ハルヒ「どーしたのキョン?天国地獄のお時間よ~!」 しまった。おまえなにを口に入れるつもりだ。モガッ! ハルヒ「猿グツワ装備完了!鳴けなくなるのが嫌だけどしかたないわよね?」 そんな笑顔で言われても返答できねぇよ。 ハルヒはまた俺に馬乗りになった。なにやらカチッカチッという音が聞こえはじめた。なにをしてんだおまえは。 ハルヒ「あたしからの熱い愛のプレゼントをあげるわ!」 そう言うと、俺の脇に温かいものがアツッ!まさか ハルヒ「どう、ロウソクは熱いでしょう?あたしの愛なんだから当然よ!」 ライターでロウソクに火をつけたのか。このままでは俺の身がもたない。気持ちを伝えたくても口は塞がれている。 そのまま何十分経ったのだろう、実際は数十秒だろうが。 ハルヒ「なんでナいてんのよキョン?」 ナく?鳴けないぞ、てああ泣いてんのか俺。恥ずかしいね。 ハルヒは猿グツワを外すと、俺を仰向けにして悲しそうな顔で尋ねてきた。相変わらず馬乗りだが。 ハルヒ「答えてよ。なんで泣いてんのよ?あたしの愛が嫌い?」 俺は最後のチャンスである、と直感した。覚悟を決めて言う。 キョン「俺は今のおまえが嫌いだ!」 古泉「えっ」 ハルヒが顔面蒼白になってるが気にしない。ついでにどこかから「えっ」なんて音は聞こえなかったことにしておく。 キョン「俺はかわいげがあって人思いの女性が好きだ。だがな、今のおまえにはかわいげどころか邪気すら感じるぜ」 ハルヒ「あっあたしのこと・・・キライなの・・・」 キョン「ああ」 首輪の鎖を引っ張られ、ハルヒの顔の近くに顔を持ってかれた。ハルヒの顔に一筋の涙が見えた。 ハルヒ「なんでよ!あんたの好みの女になったのに!!」 キョン「じゃあ聞くが」 俺がいつ言った? そういうなりハルヒは顔をくしゃくしゃにして泣き出した。表現がどうであれ、こいつは本当に俺のことを好きなんだな。 これじゃ相思相愛じゃないか。 キョン「ハルヒ、おまえはなにか勘違いしてるぜ」 ハルヒ「何をよ!あたしは勝手にあんたのことを・・・」 キョン「泣くな。俺が言いたいのはな」 今まで通りのハルヒが良い、ということだ。 ハルヒ「ふぇ?えっえっえっ??」 キョン「性格なんて変える必要はない。少しワガママだけど可愛いげはあるし、なんだかんだで俺や長門や朝比奈さん、おまけに古泉のことも思って行動してたじゃないか」 ハルヒ「あっ・・・うん」 キョン「つまりなにが言いたいかっていうと、俺はえっとあのその・・ハルヒを・・」 ハルヒ「なっなによ、最後まで言ってよ・・」 ロウソクを押し付けられたわけでもないのに顔が熱い。ハルヒも顔を紅潮させていた。 キョン「い、言わなきゃだめか?」 ハルヒ「そうよ!こういうのは男からこきゃふゃくれ」 キョン「なに噛んでんだよ、笑わせないでくれ」 ハルヒ「うっうるさい!じゃあ少しじっとしてなさい!」 ああ、ハルヒの顔がだんだん近づいて ハルヒ「ん・・・」 目の前には目を閉じたハルヒの顔。互いの息が混じり合う。ハルヒの唇は甘く熱い。腕を縛られたままなのが残念だ。 ― 突如浮遊感に襲われた。直後俺はベッドに入ってることに気づいた。俺の部屋だな。服装も戻ってる。時計を見るとまだ6時30分である、じゃあお休み キョン「もうそんな時間かよ!!」 俺が驚きで体を起こすのと同時に、妹が部屋に入ってきた。悪いな妹、今日の俺は早起きだぜ。 朝飯を食べてる間も甘い感触を忘れることはなかった。 朝飯を食べ終えた俺が部屋で教科書をバックに積めていると、電話がかかっきた。 古泉「おかげさまで彼女たちの性格が戻りました」 キョン「それは良かったな」 古泉「序盤で一瞬頭がおかしくなったかと思いましたが、ややこしいことを言わないでもらいたいです。ヒヤヒヤしましたよ、冬だけに」 キョン「うるせーな、ハルヒのことを考えて言ったんだ」 古泉「まあさすがにあんな甘いひと時を直視してはいませんがね、フフ」 あれを見られたのか!?て当たり前か、こいつは閉鎖空間にいたしな。だがな、他人に見られるのは恥ずかしいだろ。 キョン「コイズミクン、あとで昼飯をおごれ」 古泉「冗談ですよ。まあ今回は手っ取り早い方法をとってもらいましたが、今後はより安全策をとるよう機関で検討します」 キョン「古泉、なにか勘違いしてるぞ」 古泉「えっ?」 俺がハルヒのことを好きなのは事実だ。ただお互いに素直じゃなかった、それだけだ。 古泉「そうですか。では僕からはこうしか言えません。おめでとうございますキョンくん、そして涼宮さん」 キョン「今だけは嫌みを感じなかったぜ。ありがとう古泉!」 古泉「ただ残念ですが」 なんだ?前言撤回していいか? 古泉「涼宮さんからすれば、あの閉鎖空間での出来事を『夢』と思ってるかもしれません。だからといって現実だと伝えてはいけませんよ?」 ああ、そんなことか。 キョン「古泉。正直なところ確証はないが、あれが夢だと思われたとしてもだ」 もう一度正式に告白すれば、ハルヒは了承するぜ。 古泉「フフッ涼宮さんは力によって女性団員三人の性格を逆転しました。そして純粋な愛情であなたの気持ちを友達から恋人へ逆転させた、というところですね」 キョン「なに難しいことを」 古泉「僕は二人の恋が成就することを祈ります」 キョン「ありがとう」 俺が玄関のドアを開けると、目の前にハルヒがいた。 キョン「おー今日もか」 ハルヒ「うっうるさいわね!遅刻しないか心配に・・・じゃなくてその・・」 キョン「ありがとよ。ほれ学校行くぞ」 ハルヒ「・・・うん」 あのしおらしいハルヒを思い出した。ハルヒは顔を少々赤く染めて俯いていた。 登校中俺たちは黙って歩いていた。不思議とくそ寒い気温なのに温もりを感じた。 学校の正門辺りでハルヒが口を開いた。 ハルヒ「なっなんか今日最こ、最悪の夢を見たのよ」 笑みがこぼれてるぞ、とは言わず俺は同じように笑って言った。 キョン「奇遇だな、俺もさ。もしかしたら同じ夢かもな」 ハルヒ「・・・そうかもね!」 授業中はいつもの睡眠ハルヒに戻っていた。おいおい寝言で俺を呼ぶな、恥ずかしいだろ。英語教師が睡眠ハルヒを見て落胆してたことは内緒にしておこう。 昼休み、俺はハルヒを文芸部室に連れて行った。部室に入ると誰もいなかったが、イスにぶ厚い本が一冊置いてあった。なるほどね、ありがとう長門。 真っ赤に頬を染めたハルヒはなんだか落ち着かない様子だった。さて人生の出発点を定めよう。 「ハルヒ、聞いてくれ。俺はハルヒのことが好きだ」 幸せを手に入れた二人。私はあなたたちを祝福しよう。 幸せ。「幸せ」とはどのようなもの? これの後日談「神の末路」へ続く。 ―――――end――――――
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/837.html
ハルヒ「いやっほー!!!みくるちゃん、行くわよー!」 みくる「あ、はーい」 古泉「この暑さだと言うのに元気ですね、涼宮さんは」 キョン「お前は泳がないのか?」 古泉「自分はちょっと準備しなければいけないので失礼」 古泉は微笑みながら海の家に向かって歩き出した 俺はビーチパラソルの下で本を読んでいる長門を見た つーか、わざわざ海まで来て読書なんだ? まぁ、海に来たからって泳がないと妖怪・わかめ野郎に襲われるって訳じゃないんだし・・・ 長門「・・・・・」 キョン「泳がないのか?」 長門「・・・・・あとで」 キョン「そうか・・・俺もそろそろ行くか」 俺は海に向かって歩き出した と、急な話だが我がSOS団は海に来たのである 話は3日前になる …………… ………… ……… …… … ハルヒ「急だけど3日後に海に行くわよ!」 いつもの喫茶店でハルヒは言った 今日はパトロールと緊急ミーティングの為、全員喫茶店にいるのだ ハルヒは本当に急なことを言い出すから困る 俺は自然に溜息をついた 古泉はアメリカ人みたいなお手上げのポーズをしている 朝比奈さんは目が点になっている 長門は・・・いつもどうりだな 誰もハルヒに質問しないから俺は仕方がなく聞いた キョン「何故だ?」 ハルヒ「特に理由なんて無いわよ」 キョン「海なら行っただろ?あの孤島で泳いだりしたじゃないか」 ハルヒ「あら、海に2回行ったらいけないって法律でもあるわけ?」 確かに、そんな法律なんてない もし、あったとしたら日本の偉い人はなにやってんだと思う ハルヒは本当に理由など無く、SOS団で海に行きたいだけなのだ キョン「まて、皆の予定とかあるだろ?」 古泉「その日なら僕は空いていますよ」 みくる「あ、あの~、私も大丈夫ですよ」 長門「・・・・・コクリ」 ハルヒ「決定!3日後に行くわよ!」 ちょっと待て、俺の事情とかは無視か? ハルヒ「どうせ暇でしょ?」 まぁ、その日は何もすることが無いので暇だ ハルヒ「車は従兄弟のおじさんが出してくれるからそこらへんは大丈夫よ!」 みくる「も、もし良かったら、お弁当でも作ってきましょうか?」 ハルヒ「さっすがみくるちゃん!気が利くね!」 朝比奈さんがお弁当を作ってくれるなんてこんなレアなイベントは無いぞ 古泉「僕はビーチパラソルとか色々持ってきましょう」 長門「・・・・・ビニールシート」 ハルヒ「うんうん、流石SOS団ね!」 海に行くことが決定し、緊急ミーティングは終った そして、いつものくじ引きをしてパトロール 赤い印が付いている爪楊枝を引いたのは 俺、古泉、長門 そして無印の爪楊枝を引いたのは ハルヒ、朝比奈さんだ キョン「お前の仕業じゃないのか?」 古泉「今回は僕の仕業じゃないですよ ただ単に皆で海に行きたいだけじゃないですか?」 なんだ、てっきり機関のヤツが協力しているのかと思った 古泉「最近では閉鎖空間の数も減りましたし、そんな事をする必要が無いのですよ」 古泉は微笑みながら言った 結局、何も不思議なことが無いままパトロールは終わった ハルヒ「今日は解散!集合時間とかはメールでするからね」 古泉「じゃ、これで」 みくる「さようなら~」 長門「・・・・・フリフリ」(手を振っている) 俺は自転車置き場に行き、家に帰った 帰り道に妹にバレないようするにはどうすればいいのかと考えていた ―――そして3日後――― ハルヒ「遅いじゃない!もう9時15分よ!」 集合時間の9時30分には間に合ってるからいいじゃないか てか、なんで皆こんなに早いのか? もしかして、メールで早めに来るように連絡しあっているのか?・・・まさかな ハルヒ「キョン!海の家で皆にジュース奢りなさいよ」 キョン「わかったよ」 いつもの事だからなれた・・・ってなれていいのか? 自問自答しならがハルヒの従兄弟のおじさんの車に乗った …………… ………… ……… …… … そして今に至るのだ ハルヒ「ちょっとキョン!遅いじゃない!」 ハルヒと朝比奈さんはビーチボールで遊んでいた みくる「はぁい、キョン君」 ポーンッと朝比奈さんからのパス・・・ハルヒが居なければ周りから見るとカップルに見えてるだろうに とボールを取ろうとした瞬間 ハルヒ「隙あり!」 キョン「うぉあっ」 ザッバーン あれだ、海に行ったらお約束と言ってもいいのか? キョン「な、何しやがるっ!」 ハルヒ「隙を見せたあんたが悪いのよ!」 技名は知らんがハルヒは急に俺を投げたのだ おかげで海水飲んじまったじゃねぇか 俺とハルヒが言い争っている間に朝比奈さんが みくる「あ、あれって・・・」 キョン「・・・・・ん?」 俺は目を細め、朝比奈さんが見ている方向に目をやった まぁ、アレだ、まさか本当にこんな状況があるなんて考えもしなかった ハルヒ「さ、サメよ!!!」 ジョーズだか何だけ知らないがサメ注意報など聞いていないぞ 俺と朝比奈さんとハルヒは猛ダッシュで逃げようとしたその時 みくる「あうぅ~」(ピシッ) どうやら足を攣ったらしい キョン「あ、朝比奈さん!!!」 みくる「ふ、ふぇえ~ん」 誰もがダメだと思ったその時 ザッバーン 古泉「あれ?驚きました?」 サメの正体は古泉だったのだ 古泉「まさか、こんなに驚くとは思いませんでしたよ」 サメに変装・・・とは言っても背びれとか着けてるだけなんだけどな ハルヒ「ちょ・・・古泉君!?び、ビックリしたじゃない!」 みくる「もう・・・ヒック・・・ダメかと思いました・・・ヒック」 キョン「大丈夫ですか?」 と、俺はすぐに朝比奈さんに駆け寄った 古泉め、朝比奈さんを泣かした代償は大きいぞ ハルヒ「古泉君!バツとして皆に焼きトウモロコシ奢りなさいよ!」 古泉「そこらへんは覚悟していましたよ」 そこらへんも計算していたんだな ハルヒ「ん・・・そろそろお昼の時間ね」 なんで分かるのかは置いといて・・・いいのか? 俺達は長門が居るビーチパラソルに戻り、朝比奈さんが作った弁当を食べる事にした みくる「あんまり自信ないですけど・・・」 いやいや、何言ってるんですか 例え、塩と片栗粉を間違えたオニギリでも美味しいに決まっていますよ ハルヒ「いっただっきまーす」 キョン「いただきます!」 長門「・・・・・いただきます」 みくる(ドキドキ) 俺は可愛らしいタコさんウィンナーを食べた 見た目は普通だが味は格別 フランス人が食べたらきっと腰を抜かすだろうと思うぐらいに美味い、美味すぎる キョン「とても美味しいですよ」 みくる「キョン君、ありがとう」 朝比奈さんは見るものすべてを悩殺する位の笑顔で俺に言った 死ぬ前に食べたい物は? と聞かれたら即答で答えるね 朝比奈さんが作った弁当だと しばらくして、古泉が焼きトウモロコシを持って来た 古泉「あ、ズルイですよ 先に食べるなんて」 みくる「ご苦労様です、お茶飲みますか?」 古泉「ありがとうございます」 憎い、憎いぜ古泉・・・ ハルヒ「本当に美味しいわよ、みくるちゃん」 みくる「ふふ・・・ありがとう」 長門「・・・・・」 こいつは無表情でパクパクと食べている・・・こいつには味覚とかあるのかと考えてみたがやっぱりやめる 楽しい会話もしながら俺達は昼飯を食べた ハルヒ「さ、ジャンケンよ!負けた人がアイス買ってきてね」 みくる「ま、負けませんよ~」 古泉「じゃ、僕はグーを出しますね」 長門「・・・・・コクリ」 キョン(嫌な予感がするぜ・・・) ハルヒ「じゃーんっけーん」 全員「ホイッ!」 ……… …… … 結果は俺の負け・・・まぁ、予測していたがな 俺は海の家に向かって歩いていると後ろから ハルヒ「ちょっと待ちなさいよ」 ハルヒが小走りで来た 何故だ? ハルヒ「あんたが何味を選んでくるのかが心配だったのよ」 おいおい、俺のセンスが悪いみたいな言い方だな 少しばかり歩いて、海の家に到着 ハルヒ「おじさーん、オレンジ3つとミルク2つね」 おじさん「まいど! おや、お二人お似合いだね」(ニヤニヤ) 冗談でもやめてくれ・・・と思いたいのだが、何故か満更でもなかった ハルヒ「何ニヤニヤしてんのよ」 キョン「そう言うお前も顔真っ赤だぞ?」 ハルヒ「ち、違うわよ! ひ、日焼けよ、そう、日焼けよ!」 変に強調すると逆に怪しいぞ ハルヒ「さ、戻るわよ」 ハルヒはアイスを受け取り先に歩いた なんだ、コレがツンデレってヤツなのか? キョン「お、おい ちょっと待てよ」 俺が行こうとした瞬間 おじさん「ま、頑張るんだよ」(ニヤニヤ) 俺は無視してハルヒを追った ハルヒ「はい、みくるちゃん、ユキ」 ハルヒはオレンジ味のアイスを渡した キョン「ほれ、古泉」 古泉「どうもすみませんね・・・ところで涼宮さんと何かありました?」 キョン「・・・なぜわかる?」 古泉「おや? 冗談で言ったつもりなんですが・・・」 しまった、墓穴掘ってしまった キョン「おい、アイス返せ」 古泉「食べかけですがいいのですか?」 俺は溜息をついた 古泉「ふふ・・・涼宮さんを見ていれば分かりますよ」 お前はハルヒの何なんだ? 古泉「ま、とりあえず頑張ってください」 何をだ ドイツもコイツもまったく・・・ ハルヒ「さて、休憩もしたところだし皆で泳ぐわよ!」 長門も泳ぐ気になったのか、本を閉じて皆とビーチボールで遊んでいる 古泉「いきますよ、朝比奈さん」 みくる「あ、はい」 古泉「そーっれ!」 古泉の投げたボールそこそこ早い やらせるか! キョン「とぁーっ!」 俺が飛び込み、朝比奈さんをかばおうとしたその時 古泉「マッガーレ」 ハルヒ・キョン「すごっ!」 なんと古泉が投げたボールが曲がったのだ その曲がったボールは長門に向かって行った が、長門は何も変わりなくキャッチ 流石だぜ長門 ハルヒ「古泉君!どうやったの?ぜひ教えてほしいわ」 何故か古泉は俺に向かってウィンクした 気色悪いぜ キョン「長門大丈夫か?」 長門「平気」 キョン「だろうな・・・」 長門「彼の行動は予測できた」 キョン「何故だ?」 長門「・・・・・・・・秘密」 古泉とはいったいどんな関係なんだ? と考えていたその時、ボールが俺の顔面に飛んできた ハルヒ「今のが戦場だったらあんた死んでいたわよ!」 ありえん、絶対にありえん もしあったとしても曲がり角を曲がったらパンを銜えた少女が・・・(以下略 とりあえず、それぐらいここが戦場だと言う確立は極めて低いのだ キョン「やれやれ・・・」 時間はあっという間にすぎ、もう夕方だ 楽しい時間は早く感じ、嫌な時間は遅く感じることをしみじみ思った ハルヒ「キョン、そっち持って」 ハルヒはビニールシートを片付けていた 古泉「結構焼けましたが・・・どうです、似合ってますか?」 俺は華麗に無視し、ハルヒを手伝った ハルヒ「さて、荷物も片付いたことだし・・・みくるちゃん、夏と言ったら何?」 みくる「え、あ、う、うーん・・・スイカですか?」 ハルヒ「スイカもいいけど、やっぱり花火でしょ!」 ハルヒはバックから花火セットを出した あらかじめ準備していたみたいだな 古泉「お、花火ですか いいですね」 キョン「おい、長門 花火やったことあるか?」 長門「・・・ない」 キョン「そうか、結構楽しいぞ」 長門「・・・そう」 なんだか長門の目が輝いて見えたのは気のせいか、気のせいではないのか ビーチパラソルやら色んな物を片付けているうちに日が落ちてもう夜だ ハルヒ「じゃ、花火するわよ!」 長門「・・・」 長門は花火をじぃっと見てる キョン「これに火を点けるんだよ」 長門「わかった」 長門は線香花火に火を点けてじぃっと見ている 古泉「花火に興味があるようですね、長門さん」 キョン「長門だってそれぐらいあるだろ」 古泉「そうですね」 当たり前だ 長門だって好奇心とかあるだろ ハルヒ「ちょっとキョン、古泉君!これ持って!」 ハルヒは両手に花火を持ってはしゃぎながら言った キョン「やけにハイテンションだな」 古泉「純粋に楽しいからじゃないですか?」 みくる「本当に嬉しそうですね」 未来には花火なんてあるんですか? みくる「ふふ、言うと思いますか?」 朝比奈さんは指を唇に当てて言った ぶっちゃけ可愛いです ハルヒ「コラーッ!キョン、デレデレしないでさっさと来なさーい!」 俺は仕方がなく歩いていった 正直足が痛い ちょっと遊びすぎたか しばらく皆で花火で遊んだ ハルヒはねずみ花火を俺に向かって投げてくるし 長門は線香花火を見ているだけだし 古泉は俺を見てみぬフリ 朝比奈さんはオロオロしている シュルルル... パン! キョン「うぉあ!」 ハルヒはケラケラ笑っている キョン「ちょ、ちょっとノドが渇いたからジュース買ってくる」 ねずみ花火から逃げていたからノドがカラカラだ ハルヒ「あ、私も行く 皆何か飲む?」 古泉「お任せします」 みくる「あ、私もお任せします」 長門「・・・・・」 何だ、ハルヒが奢ってやるのか? ハルヒ「あんたが奢るのよ」 俺は財布と相談したが・・・大丈夫だ 俺達が花火しているところから自動販売機まで少し距離がある 100mぐらい歩いた時だった ハルヒ「ねぇ、楽しかった?」 キョン「あぁ、普通に楽しかったぜ 水着とか見れたしな」 ハルヒ「へ、変態」 俺だって健全な男だ ハルヒ「で・・・どうだったのよ?」 キョン「ん、何がだ?」 ハルヒ「・・・ずぎ・・・」 キョン「はっきり言わんと聞こえんぞ?」 ハルヒ「・・・・・水着似合ってた?」 キョン「あぁ、最高に似合っていたぞ ナンパされないのが不思議だ」 我ながら何言ってんだ 事実だけどな ハルヒ「ば、バカ・・・」 しばらく沈黙が流れ、自動販売機に到着し、適当にジュースを買った キョン「おい、持ってやるからジュース渡せ」 ハルヒ「べ、別に大丈夫よ!」 ハルヒは何故かムキになって全部持っている キョン「無理すんなって」 ハルヒ「大丈夫だって言ってるでしょ!」 キョン「お、おい!」 俺はハルヒの方に手を置き、振り向かせた カランカラン... ハルヒが持っているジュースが落ち、目が合う ハルヒ「・・・・・」 キョン「・・・・・」 鼓動が徐々に早くなっていく・・・ 心臓の音と波の音しか聞こえない ドクン...ドクン...ドクン... ハルヒの顔が真っ赤になっている 多分、俺も真っ赤だな ハルヒ「きょ、キョン・・・」 キョン「・・・・・な、何だ」 変な汗が出ているのが分かる ハルヒ「じ、実は・・・」 こ、この状況は何なんだ? もしかして・・・ ハルヒ「私・・・キョンの事が・・・・」 その時だった 大砲を撃った様な音が聞こえた ヒュ~・・・ドーン! 打ち上げ花火だ 近くの公園でやっているらしい ハルヒ「わぁ~ キレイ・・・」 俺とハルヒはしばらく打ち上げ花火を見ていた ハルヒはまるで、カレーに肉を入れ忘れていていたかのように ハルヒ「あ、ジュース忘れていたわ! い、急ぐわよ、キョン!」 ハルヒは慌ててジュースを拾い 走って行った 結局ハルヒは何が言いたかったんだろう・・・ まさか・・・な 俺はハルヒを追いかけるように走った 古泉「また何かありましたか?」 キョン「・・・何もねーよ」 古泉「ふふ、そうですか」 コイツ分かっているな ムカツク野郎だ キョン「長門、花火はどうだった?」 長門「・・・ユニーク」 どうやら長門は花火に興味をもったらしいな 長門「・・・・・またやりたい」 そうか、やりたかったらいつでも言え 協力してやるぜ ハルヒ「車が来たから帰るわよー!」 ハルヒの従兄弟のおじさんの車が来たようだ ハルヒ「早く来ないと置いて行っちゃうわよー!」 はいはい、今すぐ行きますよ 俺は急いで車に向かった そうだ、ハルヒ 今度来るときはカメラでも持っていこうぜ あと、鶴屋さん、谷口、国木田とか誘って行こうぜ 大勢で行った方が楽しいだろ? おまけで妹とシャミセンも連れて行ってもいいぜ それと、あの時、何を言おうとしたか ちゃんと言ってくれよ 俺は車から見える夜景を見ながらそう思った ~ Fin ~
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/568.html
今の季節は秋。 ある日、いつものように学校を終わらせ、SOS団室へ向かった。 ノックしたが、反応も無い…。 俺は、迷わずドアを開けた。 中に入ると、目の前にハルヒが寝てる。 うむ、道理で返事してなかった訳か…。 「全く…起こすか…」 少し溜息しながらハルヒを起こそうと…思ったのはいいが…。 俺、疲れてると思う。 想像してくれ、寝てるハルヒの後ろに本物の尻尾が生えてるし、頭に本物の猫耳が出てるし、おまけに猫耳がピクピク動いてる。 近くに、水無いのか? 周りを見ても無いので、便所へ行って顔洗い、戻って見ると…やっぱ猫耳と尻尾がある。 これは、どうしたものが…幻覚か!? 長門は、いない。 古泉は、いない。 朝比奈さんは、いない。 …そういえば、3人は用事があったな。 この状況はどう把握すればいい!? 助けて!スペランカー先生! …にしても、起こすべきか?起こさないべきか? もし起こしたとすれば、猫並みに行動するのかもしれない。 いや、ハルヒの事だからな…するに決まってるだろうな…。 えぇい、起こすしかないのか! 「おぃ、ハルヒ…起きろ」 「フニャ?あ、あれ…キョンじゃないニャ」 嘘だろ!?口調も変わってるし! 「ふにゃぁ…って、あれ?何か口調が変だニャ」 これは、ハルヒに知るしかないな。 「ハルヒ…落ち着いて、深呼吸してくれ」 「え?何でニャ?」 いいから、しろよ。 「スー、ハー、スゥー、ハー…したニャ」 「よし、鏡を見ろ」 俺は、どこから取り出したが知らないか、大きな鏡を持って来て見せた。 「…何これ?」 俺に聞くな…俺も頭を抱きたい。 「もー!取れないニャ!どうなってるニャァ!」 俺も言いたいわ!どうなってんだぁぁぁぁぁ… 「ハッ!古泉や長門がここにいなくでも携帯があ…」 しまったぁぁっ!携帯は家に忘れたーっ! 何で事だ…昨日、電気が切れたので充電してたのだ。 それを忘れるなんで…。 落ち込む俺の前にハルヒがいる。 「さっきから、態度が激しいけど…大丈夫かニャ?」 ヤ、ヤバイ…今回のハルヒは可愛すぎる!? 「だ、だ、だだ、大丈夫だ!そぅ、大丈夫だ!はっはっはっはっ…」 俺は、誤魔化しながら部室から出た。 「キョン、どうしたニャ?」 ハルヒは、首を少し横に傾いて、頭の上に?のマークが出る。 ヤベェ、理性が暴走する所だった。 「くそ!誰がやったんだ!」 本当に苦悩してしまう。 ん、待てよ。 ハルヒの能力って確か…どんな願いでも必ず叶えてしまう能力あったな。 バァン! 「うにゃぁっ!」 俺は勢いよく扉を開けたせいで激しく驚いたハルヒがいた。 「ハルヒ、猫になりたいと言う願いあったのか?」 「そういえば、そうニャねぇ…そう思ってたニャ」 やっぱし…こいつの願いのせいで…。 でも、本当によく出来てるなぁ。 俺は猫耳を触れた途端。 「フニャァ、触るなニャ!」 ど、どしたんだ!ハルヒ!? 「そ、その…感じたニャ…」 うむ、そこも完全に猫になってるのか…。 だったら、顎と喉の辺りにを触れたらどうなるのかな? 「ふにゅぅ、気持ちいいニャァ…」 ほほぅ、可愛いなぁ…。 「って、さ、触るなニャ!」 あ、照れた。 よし、色々やってみよっと。 「ちょ、や…やめ…」 ――30分後 「……」 「フン!」 「…痛いんだけど、ハルヒさん」 「知らないニャ!」 俺の体に引っ掻かれた後があり、服もボロボロになった。 全く、引っ掻く事は無いのだろう…いや、俺も悪かったな。 「でも、気持ち良かっただろ?」 「し、知らないニャ!」 ハルヒは俺を見ずに言う。 「だけど、尻尾だけは素直だぜ」 そぅ、ハルヒの尻尾は大きく振っていた。 「な、何をバカな事を…」 「猫の尻尾は感情表れやすく、大きく振れば嬉しい。怖い時は引っ込む。警戒する時は尻尾か立つ…だったな」 「~~~!」 流石、ハルヒは反論出来ないみたいだな。 さて、これからはどうするか…。 このまま出たら、バレそうだな。 どうしたらいいのやら…。 「ハルヒ、取りあえず、尻尾だけは隠しとけ」 「分かったニャ」 俺は、部室から出て、この後どうするべきかを考えた。 まず、ハルヒを俺の家へ連れて行って…古泉か長門どっちが電話するしかないな。 はぁ、何か疲れたよ…。 俺は、大きく溜息した。 これからの目的をハルヒに伝えといたが…。 ハルヒが慌てたり嫌がったりゴロゴロと態度を変わってるのが面白かった。 「さ、帰るニャ」 漸く、落ち着いたようだ。 この後…俺達は、部室を後して学校へ出たのはいいか…緊急事態だ。 何故なら、俺達が歩いてる時に後ろから声が聞こえた。 「やっほー、キョン君とハルにゃん!」 鶴屋さんがやって来たのだ。 「あ、こんにちわ」 「キョン君とハルにゃん、今から帰るのかぃ!」 相変わらずハイテンションな人だな。 きっと、悩み事は無いのだろう。 「え、えぇ…そうです」 「おや、ハルにゃん!何この猫耳は?」 「……」 あ、ハルヒが真っ赤になって黙ったまま俯いてる…。 「んー、どうしたのかぃ?ハルにゃん?」 そうだ、誤魔化さないと。 「あ、ハルヒはですね…昨日、カラオケしてたので、喉が痛んでるんで…あぁ、これは罰ゲームですから」 「あー、そうかぃそうかぃ!私はでっきり、キョン君が何か変な事したんじゃないかと思ってて!」 うっ…これは痛い。 痛恨の一撃だ…。 「す、する訳無いですよ!」 「あー、あっやしい!」 と、ケラケラ笑う鶴屋さんが言う。 からかないで下さい鶴屋さん。 さっきまでは本当に大変なんですよ…。 「じゃ、二人とも、まだねぇ!」 はぁ、さっきより疲れが来た…。 俺は、横目でハルヒを見た。 まだ真っ赤になって俯いてるな。 俺もだけど。 「やれやれ…」 そして、帰路を歩いてる途中、まだ誰が来た。 「WAWAWA、忘れ物~」 ちっ、谷口かよ、こいつはチャックを開ける事が多いから「チャック魔」と呼ばれる可哀相な男だ。 「…うぉぅ!?キョンか…」 何だ、今の安心したような顔は…。 「いやー、実はさ…さっきナンパしたけどな…って、おわっ!?ハ、ハルヒ!?」 おぃ、気付くの遅いわ! 「キョン、これは新しいコスプレなのか?」 どこがコスプレに見えるんだ…。 「ネコ耳ねぇ、尻尾もあるのか?」 さぁ、自分で調べてみろ…殺されるぞ。 「え、遠慮しとくわ」 立ち去ろうとする谷口、腰抜けめ! 「あー、谷口」 「な、何だ」 「言おうと思ったけど、チャック閉め忘れてるぞ!」 「って、おわっ!マジかよ!?」 「あと…後ろ歩きしたら、危な…」 「おうわぁぁぁ…」 遅かったか…。 後ろにマンホールの蓋が外れてるから落ちるぞと言おうとしたのに…遅かったか。 「キョン!それを早く言えぇぇぇ…」 俺は谷口を救ってやりたい所だが…日々の恨みあるので無視しよう。 谷口を放って置いて俺の家に帰った。 さて、家に帰ったのはいいけど…生憎、親が居ないので助かった。 妹?アイツなら、野外活動へ行ったぞ 「あー、キツかったニャ…尻尾を隠すのにキツかったのニャ」 やっと、喋ったな…ハルヒ。 「ハルヒ、風呂沸いたから…風呂に入れ」 「うん」 ふぅ…流石に疲れた。 あ、これで言うの3回目だっけ? まぁ、いい…古泉に電話しとかないと… 「…ョン、キョン!」 「うぉわ!?ハ、ハルヒが…どぅ…」 俺の目の前には、全裸のハルヒがいた。 それは、どういう事だ。 夢なのか!夢なのか!? 「風呂の湯、熱くで入れないニャ!何とかしてニャ!」 「そ、そそ、それは分かったけど…お、おおお、お前…ま、前隠せよ!」 「え?」 ハルヒは、自分の体を見て、顔真っ赤になった。 「ニャァァァァァァァァァ…」 ハルヒの悲鳴は家中に響いた。 ――数分後 ……。 「ゴメン、ゴメンなさいニャ!」 俺は、怒ってるぞ…ハルヒ。 「あまりにも熱さで忘れてたニャ!」 へぇへぇ、そうかぃそうかぃ。 「ちょ、ちょっと聞いてるニャ?」 皆さんに、状況をお知らせしよう。 ハルヒは悲鳴を上げた後、俺の顔に引っ掻かれ風呂場へ逃げ出した。 で、ハルヒが風呂上がった後、自分で何をしたかを把握し謝ってる所だ。 「…で、どうすんだ?この傷はよ?」 「えっと、それは…その…」 戸惑うハルヒって可愛いな。 まぁ、許してやるかな。 「あー、分かった分かった。許してやるよ」 「え、本当?」 目を輝いて、尻尾を大きく振ってやがる。 「取りあえず、腹減ったな…」 今の時間は、もう7時過ぎてる。 夜食を出していい時間だろう。 「あ、あたしが作ってやるニャ!」 ハルヒは、そう言って台所へ向かった。 何分経ったのだろうか。 物音が聴こえない…まさかと思って見てみると。 ハルヒは、よだれを流しながら魚をずっと見てた。 「おぃ、ハルヒ…何やってるんだ」 「え?うわっ!はははは…つい魚を見てると食べたくなるニャ」 こりゃ、猫の本性だな。 「魚は俺がやるから、それ以外のを作れ」 「わ、分かったニャ」 さて、古泉と長門に電話するか。 俺は電話を掛け、古泉に電話した。 「もしもし、カメさん、カーメさんよー」 くだらん事言うな。 「あぁ、面白くなくて、すみませんね」 そんな事より、聞いてくれ。 「はい」 俺は、今までの出来事を説明した。 「…と言う訳だ」 「確かに、涼宮さんの願いによってこうなったと思いますね」 お前も思ってたのか。 どうすればいい。 「キスする事しかないですね」 ふざけるな。 「冗談ですよ、涼宮さんの願いを変えればいいんですよ」 あぁ、その手があったのか。 「と言う訳で、言いたい事は終わりです。では」 お、おぃ!…切りやがった。 明日でも会って殴る事にしようか。 次、長門に電話するか。 「…もしもし」 おぃおぃ、電話を掛けてから1秒も経ってないのに早いな。 「よっ、実はな…」 「状況は把握してる…」 それなら、説明しなくてもいいんだな。 「だったら…」 「あとは、あなたに任せる…おやすみ」 ちょっ…切りやがった…。 ってか、早い会話だったな、おぃ…。 明日でも軽く説教したい気分だぜ。 俺がブツブツ言ってる間に、ハルヒが来た。 「ご、ご飯出来たニャ…」 そんなに顔赤らめても困りますけど。 後は、俺が魚を焼くだけでやっと食べれる。 さっきから、台所の入り口から物凄く見られてるような気がするが…気のせいだと思うことにする。 「ほれ、出来たぞ」 「ゴクッ…」 …ずっと、魚を見てるな。 まぁいい、食べるか。 「いただきます」 「いっただきまーすっ!」 俺は呆然してしまった…何故なら。 合掌した後、すぐに俺の魚を奪いやがった。 「おぃ、ハルヒ…それは俺の物だぞ」 俺は、箸で魚を取り返そうとしたが…手に引っ掻かれた。 ハルヒは、フーーーッと言いながら尻尾立ってた。 あぁ、尻尾立ってるって事は、警戒してるってか。 「はぁ…やるよ…」 ハルヒの態度がゴロッと変わった。 「ありがとニャ!」 魚を奪いやがって…あぁ、いまいましい、いまいましい、いまいましいっ! こうして、夜食が終わった。 ハルヒよ、魚の恨み忘れんぞ。 この後、ハルヒがシャミセンと喧嘩したり、意味も無く壁を引っ掻いたりするから大変だった。 本人は無意識でやっただけらしい…本当に猫の本性を発揮してるみたいだな。 そして、寝る時間になった。 「なぁ、ハルヒ…元の姿に戻りたいと思わないか?」 「んー、戻りたいと思ってるニャ」 なら、簡単だな。 それにしても、何故、猫に? 「なぁ、一つだけ言っていいか?」 「何ニャ?」 ちょとんとするハルヒもまだ可愛いな。 「何故、猫になりたがったのだ」 「んー、猫になれば新しい発見出来るかなと思ってたニャ」 なるほど、単純な考えだ。 「それに…」 それに?何だ。 「あ、な、何でもないニャ!」 「そうか…」 俺は、牛乳入ってるコップを飲み干した。 ふぃー…美味! 「あ、キョン…口の辺りに牛乳が付いてるニャ」 「お、スマンな…」 ティッシュで拭こうと思った瞬間、ハルヒが信じられない行動をした! ハルヒが俺の顔に近づいて、口の辺りに付いてた牛乳を舐めたのである! 思わず、手で口を塞いだ。 「な!ななななななな…」 「あ!ゴ、ゴ、ゴメンニャ!も、もう寝るニャ!」 ハルヒは、素早く俺のベッドへ行き毛布を被って寝た。 俺は、石化してしまった。 翌日、ずっと固まってた俺はやっと動けた…。 「眠い…」 何でこった…昨日からアレのせいで石化してしまったとは…。 洗面所から出た途端、二階から何やらドタバタと聴こえる。 「キョン!猫耳と尻尾が無くなったわよ!」 ほぅ、それは良かったな。 「やったーやったー!」 子供のようにはしゃぐハルヒである。 「さて、朝食作るか…」 「あ、キョン、お礼に朝食作るから…その間寝ていいよ」 おー、スマンな。 ハルヒの手料理はおいしいからな。 「それに、昨日はゴメンね」 分かってるさ、アレは猫の意識だと言いたいのだろう。 さぁ、寝るとするかね。 キョン、ゴメンね。 本当は、あたしの意識でやっただけだからね。 お疲れ様…キョン…。 あたしは、嬉しくて料理いっぱい作っちゃった。 キョンって、全部…食べてくれるのかな? そう思いながら、キョンを起こしに行った。 「起きなさい!キョン!朝食よ!」 シャミセン「ニャア?」 完 「あれ?私の出番、無いんですかぁ~酷いですぅ~」