約 1,667,614 件
https://w.atwiki.jp/ws-tcg/pages/61.html
2008年9月13日発売 ナンバーはW03。ヴァイスシュバルツWサイドのブースターパック第3段となる。 収録カード 全100種+パラレル仕様8種 番号 種類 レアリティ 色 カード名 ZM/W03-001 キャラ RR SP 黄 雪風のタバサ ZM/W03-002 キャラ RR SR 黄 メイド服のルイズ ZM/W03-003 キャラ R 黄 “平民の使い魔”サイト ZM/W03-004 キャラ R 黄 ジュリオ・チェザーレ ZM/W03-005 キャラ R SR RRR 黄 ルイズ&シエスタ ZM/W03-006 キャラ R 黄 サイト&シエスタ ZM/W03-007 キャラ U 黄 シルフィード ZM/W03-008 キャラ U 黄 ヴァリエール公爵夫人 ZM/W03-009 キャラ U 黄 シャルロット・エレーヌ・オルレアン ZM/W03-010 キャラ U 黄 黒ネコのルイズ ZM/W03-011 キャラ U 黄 竜使い タバサ ZM/W03-012 キャラ C 黄 “ゼロの使い魔”サイト ZM/W03-013 キャラ C 黄 ゼロのルイズ ZM/W03-014 キャラ C 黄 無口なタバサ ZM/W03-015 キャラ C 黄 タバサ&イルククゥ ZM/W03-016 キャラ C 黄 ウェールズ・テューダー ZM/W03-017 キャラ C 黄 閃光のワルド ZM/W03-018 イベント R 黄 ディスペル・マジック ZM/W03-019 イベント U 黄 軍事教練 ZM/W03-020 イベント U 黄 竜の羽衣 ZM/W03-021 イベント C 黄 使い魔品評会 ZM/W03-022 イベント C 黄 ヘキサゴン・マジック ZM/W03-023 クライマックス CR 黄 契約 ZM/W03-024 クライマックス CC 黄 タバサの秘密 ZM/W03-025 クライマックス CC 黄 手合わせ ZM/W03-026 キャラ RR RRR 緑 ハーフエルフ ティファニア ZM/W03-027 キャラ RR 緑 カトレア・イヴェット・ラ・ボーム・ル・ブラン・ド・ラ・ファンティーヌ ZM/W03-028 キャラ R 緑 スカロン ZM/W03-029 キャラ R SR 緑 次女 カトレア ZM/W03-030 キャラ R SR 緑 水着のシエスタ ZM/W03-031 キャラ R RRR 緑 エレオノール&カトレア ZM/W03-032 キャラ U 緑 ティファニア・ウエストウッド ZM/W03-033 キャラ U 緑 “ちい姉さま”カトレア ZM/W03-034 キャラ U 緑 オールド・オスマン ZM/W03-035 キャラ U 緑 ルイズ&カトレア ZM/W03-036 キャラ U 緑 シエスタ ZM/W03-037 キャラ C 緑 ヴェルダンデ ZM/W03-038 キャラ C 緑 ジェシカ ZM/W03-039 キャラ C 緑 ルイズ&ティファニア ZM/W03-040 キャラ C 緑 青銅のギーシュ ZM/W03-041 キャラ C 緑 ミシェル ZM/W03-042 キャラ C 緑 土くれのフーケ ZM/W03-043 イベント R 緑 ルイズのアルバイト ZM/W03-044 イベント U 緑 お仕置き ZM/W03-045 イベント U 緑 魅惑の妖精のビスチェ ZM/W03-046 イベント C 緑 メドゥーサの眼鏡 ZM/W03-047 イベント C 緑 サイトの意地 ZM/W03-048 クライマックス CR 緑 動物合唱隊 ZM/W03-049 クライマックス CC 緑 二人でお風呂 ZM/W03-050 クライマックス CC 緑 ゴーレム ZM/W03-051 キャラ RR SP 赤 微熱のキュルケ ZM/W03-052 キャラ RR 赤 “ガンダールヴ”サイト ZM/W03-053 キャラ R SR SP 赤 虚無のルイズ ZM/W03-054 キャラ R 赤 サイト&デルフリンガー ZM/W03-055 キャラ R SR 赤 キュルケ&タバサ ZM/W03-056 キャラ R 赤 犬猿の仲 ルイズ&キュルケ ZM/W03-057 キャラ U 赤 キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー ZM/W03-058 キャラ U 赤 燠火のケティ ZM/W03-059 キャラ U 赤 伝説の剣 デルフリンガー ZM/W03-060 キャラ U 赤 ルイズ&サイト ZM/W03-061 キャラ U 赤 水着のルイズ ZM/W03-062 キャラ C 赤 平賀才人 ZM/W03-063 キャラ C 赤 乙女モードのサイト ZM/W03-064 キャラ C 赤 セーラー服のルイズ ZM/W03-065 キャラ C 赤 ウェディングドレスのルイズ ZM/W03-066 キャラ C 赤 炎蛇のコルベール ZM/W03-067 キャラ C 赤 恋多き女 キュルケ ZM/W03-068 イベント R 赤 虚無の力 ZM/W03-069 イベント U 赤 再契約の証 ZM/W03-070 イベント U 赤 人質救出作戦 ZM/W03-071 イベント C 赤 ワルドの裏切り ZM/W03-072 イベント C 赤 ダングルテールの虐殺 ZM/W03-073 クライマックス CR 赤 伝説の使い魔 ZM/W03-074 クライマックス CC 赤 ご褒美 ZM/W03-075 クライマックス CC 赤 微熱の誘惑 ZM/W03-076 キャラ RR 青 長女エレオノール ZM/W03-077 キャラ RR RRR 青 ルイズ&アンリエッタ ZM/W03-078 キャラ R 青 ルイズ&エレオノール ZM/W03-079 キャラ R SP 青 トリステインの王女 アンリエッタ ZM/W03-080 キャラ R SR 青 特別講師 エレオノール ZM/W03-081 キャラ R SR 青 バニーガールのシエスタ ZM/W03-082 キャラ U 青 銃士隊隊長アニエス ZM/W03-083 キャラ U 青 セーラー服のシエスタ ZM/W03-084 キャラ U 青 シェフィールド ZM/W03-085 キャラ U 青 アンリエッタ&ウェールズ ZM/W03-086 キャラ U 青 アンリエッタ・ド・トリステイン ZM/W03-087 キャラ C 青 香水のモンモランシー ZM/W03-088 キャラ C 青 幼なじみアンリエッタ姫 ZM/W03-089 キャラ C 青 アニエス・シュヴァリエ・ド・ミラン ZM/W03-090 キャラ C 青 オリヴァー・クロムウェル ZM/W03-091 キャラ C 青 エレオノール・アルベルティーヌ・ル・ブラン・ド・ラ・ブロワ・ド・ラ・ヴァリエール ZM/W03-092 キャラ C 青 犯人を追うアニエス ZM/W03-093 イベント R 青 惚れ薬の力 ZM/W03-094 イベント C 青 水の精霊 ZM/W03-095 イベント C 青 エクレールダムールの花 ZM/W03-096 イベント C 青 王家に架かる虹 ZM/W03-097 イベント C 青 ちびルイズつねられる ZM/W03-098 クライマックス CR 青 刻印を探せ! ZM/W03-099 クライマックス CC 青 風と水の誓い ZM/W03-100 クライマックス CC 青 復讐の刃
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/6486.html
登録日:2009/05/26 Tue 19 43 24 更新日:2024/06/20 Thu 16 29 31 所要時間:約 10 分で読めます ▽タグ一覧 06年夏アニメ 07年夏アニメ 08年夏アニメ 12年冬アニメ 2004年 HN-Re A型ウイルス感染源 J.C.STAFF MF文庫J おっぱい アニメ ゼロの使い魔 ゼロ魔 ファンタジー ヤマグチノボル ライトノベル ラジオが本編 レモンちゃん 作者急逝 厨二病 地球なめんなファンタジー 志瑞祐 未完→完結 王道 異世界 豪華声優陣 釘宮理恵 釘宮病 魔法 我が名は ルイズ・フランソワーズ・ル・ブランド・ラ・ヴァリエール。 五つの力を司(つかさど)るペンドラゴン。 この者に祝福を与え、我の使い魔となせ。 『ゼロの使い魔』とは、ヤマグチノボル作のライトノベル、およびそれを原作としたアニメ。 ■あらすじ 普通の高校生 平賀才人はある日突然、異世界に召喚されてしまう。 そこは科学の代わりに魔法が発達し、空には二つの月が浮かぶ異世界ハルケギニアだった。 美少女魔法使い、ルイズの"使い魔"にされてしまった才人は、ハルケギニアに起こる数々の動乱を潜り抜けながら、 「始祖ブリミル」の残した謎に迫っていくことになる。 一、二巻辺りを読むとありきたりなツンデレヒロイン萌えラブコメディのようだが、 巻を追うごとに才人が成長していく。燃える戦闘シーンはかなりの見所。 また、要所で地球の武器が活躍するのがお約束で、特にゼロ戦やタイガー戦車が活躍する戦いは人気が高い。 「地球なめんなファンタジー!」 2013年4月4日、作者のヤマグチノボル氏が二年に渡る闘病生活もむなしく、41歳の若さで末期癌により逝去。 あと2巻を残し図らずも未完の作品となった。 完結編 しかし、作者の死因となった病気である癌は「余命宣告から亡くなるまでにいくばくかの時間的余裕がある」ことから、ヤマグチ自身も生きている間に自らの執筆では完結しきれないという見通しが立った時点でプロットを残し、代筆者による完結を承諾していた。 2015年6月25日に続巻が決まったとの公式発表があった。 その予告通り、2016年2月25日に21巻が発売。実に5年ぶりの新刊であるが、ファンの希望がついに形あるものとして実現することとなった。 執筆はヤマグチノボル先生公認の代筆者によるもの。 偏見を持たれたら困るということで代筆者の名前は発刊時は公開せず、あくまで「ヤマグチノボル」名義での刊行となる。 また、復活を記念してブレスオブファイアや神撃のバハムートなどのソーシャルゲームとのコラボが実現。 ルイズ、才人、タバサらがボイス付で各ゲームの期間限定イベントの配信カードとして登場する。入手は困難だが、いずれも一線級のパワーカードである。 特に神撃のバハムートはグラフィックの美麗さに定評のあるゲームなのでカードイラストには一見の価値あり。 そして、2017年2月24日に最終巻が発売し、シリーズは無事に完結した。 なお、21,22巻の代筆者は2017年6月24日に発売されたメモリアルブックにてライトノベル作家の志瑞祐だったことが公表された。 (ちなみに、志瑞氏が当時執筆していた『精霊使いの剣舞』の刊行ペースが落ちた時期が本作の刊行時期と重なっており、この作業の影響だったと思われる。) 志瑞氏自身ももともと作品の大ファンであったといい、志瑞氏によると本来は才人とルイズの間に産まれた子供の話もヤマグチ氏は描きたがっていたという。 ■登場人物 平賀才人 CV.日野聡 主人公。 地球ではモテなかったのに何故かハルケギニアではモテモテ。 神の左手「ガンダールヴ」で、あらゆる武器や乗り物を使いこなす。 何だかんだで平民→シュヴァリエ(位の低い貴族)→女王直属親衛隊副隊長兼地方領主と、大出世している。 最近はルイズがデレ始めたので、優柔不断になりつつある。 中身は割と普通の少年で普段は悪友たちと馬鹿ばかりやってる。 巨乳大好きではあるが、女の子の好みはルイズと辛い二律背反を抱えた男。 「地球なめんなファンタジー」は彼の名言。 ルイズ CV.釘宮理恵 才人のご主人様。貧乳その1。水瀬伊織ではない。 本名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。 名門貴族ヴァリエール家の娘でありながら、全く魔法が使えずいつも爆発ばかりさせていた。 そのことから仇名は「ゼロのルイズ」。 しかし実は伝説の系統"虚無"の担い手。 代表的なツンデレキャラだが、ヤンデレと言っても過言ではな……うわ何するやめ。 「うざい」と言うのは作者公認の感想。 良くも悪くも貴族であり、選民思想で周りに喧嘩を売りまくりもすれば、ノブレス・オブリージュに則り命を懸ける事もある。 でもこれが発揮された時は大体悪い方向に転ぶのがお約束……。 彼女の名前を空で言えれば立派なゼロ魔ファンである。 余談だが、原作挿絵とアニメでは別人のように顔が違うのも有名。 シエスタ CV.堀江由衣 魔法学院で働くメイド。巨乳その1。萩原雪歩ではない。 才人にベタ惚れで、甲斐甲斐しく才人の世話を焼く。 普段は大人しいが、ルイズに対して貴族と平民という身分の差を気にせず宣戦布告、 また性知識が乏しいルイズに官能小説を読ませたり胸のことをからかったりと(色々な意味で)勇敢な人。 ルイズが精神的に病んでたのを叱咤し立ち直らせた中盤以降はルイズの悪友に近い立ち位置になっている。 原作ではそばかすがあるが愛嬌のある顔立ちとなっているが、アニメでは無くなっていて普通の美少女。 同僚曰くきめ細やかなすべすべお肌らしい。 また祖父がどうやら日本から来たらしくトリステイン人と日本人のクォーターという事になる。 才人やルイズが精神的に不安定になった時は大体彼女の出番。 才人ハーレムではルイズとの関係を認めた上で、2号の座を狙う黒い人。だがそれがいい! アンリエッタ CV.川澄綾子 トリステイン王国の女王。巨乳その2。 ルイズの幼なじみで、昔はルイズがアンリエッタの遊び相手を務めていた。 スイッチが入った時のエロさは作中最凶。ノボルの筆が最もノるヒロイン。 正直、才人のED疑惑が持ち上がるレベルである。 ロイヤルbうわなんだやめr ティファニア CV.能登麻美子 巨乳その3にしてNo.1のおっぱい。別名・幸せ製造機。 人間とエルフのハーフで、細長い耳がついている。 ウエストウッド村でひっそりと暮らしていたが、才人たちの後押しもあり魔法学院の生徒となった。 彼女の胸はかなりの大きさで、男なら誰もがむにむにしてみたいと思うはず。 ナイスおっぱい!! その破壊力はバスト・レヴォリューションなる新たな言葉を生み出した。 タバサ CV.いのくちゆか 寡黙な少女。貧乳その2。 読書が好きで、いつも本を読んでいる。 昔のある事件をきっかけに、キュルケと仲良しになった。 タバサとは偽名で、本名はシャルロット。実はガリアの姫様だったりする。 メガネ・読書好き・無口・やけに主人公から頼られる「こいつに頼めば何とかしてくれる」的なポジションから、 一妻多夫の某宇宙人とどことなく似ている、気がする。 正統王女→暗部仕事人→留学生→暗殺者→囚われのお姫様→浪人→女王→囚われのお姫様→一地方領主の肉布団 という波乱の人生を送る。 余談だがキュルケとニコイチで行動していることとその外見から、正体が明かされるまで女装しているショタだと思い込んでた視聴者もいたとかいう話である。 外伝「タバサの冒険」では主人公をつとめる。 キュルケ CV.井ノ上奈々子 巨乳その4。 トリステインの隣国ゲルマニアの留学生で、褐色の肌が健康的なナイスバディー姉さん。タバサの親友で姉的存在。 領土がすぐ隣のルイズとは仲が悪いが別に心底嫌っているというわけではなく、むしろ高慢なルイズをからかうのを楽しんでる様子。 実際には何かとめんどくさいルイズのフォローに回ってくれてる情の深い女の子。 ちなみにT171/B94/W63/H95の超絶バディの持ち主だが、惚れやすく非常に冷めやすいという男泣かせな性格をしている。 初期は才人を落とそうと頑張っていたが最近はコルベールにベッタリで生徒と教師の関係など気にせず情熱的に迫る。 キュルケにしては珍しく冷める様子のないベタ惚れの模様。 実は生徒の中では1番常識人であるという噂も。 デルフリンガー CV.後藤哲夫 才人の愛用する、意思を持ってしゃべれる剣『インテリジェンスソード』。 魔法を吸収する能力を持ち、あちこちで才人の危機を救ってきた。 軽口を叩くいいかげんな性格だが、その過去にはなにかを秘めていそう。 しかし日常場面では出番が少なく、出れる度に喜ぶのがお約束。 ギーシュ・ド・グラモン CV.櫻井孝宏 才人がハルケギニアに来てはじめて戦ったメイジで、後に才人の悪友に。 顔立ちは悪くないがキザでお調子者でバカの三枚目。才人と並んでギャグパートのオチ担当。 実力そのものは高くないがやる時はやるし、貴族としての責を感じているシーンも多い。 序盤での問題行動を中の人関連で弄るのはやめてあげましょう モンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシ CV.高橋美佳子 キュルケとかとよく一緒にいるでこはっちん。「香水」の異名を持つ。 ギーシュのガールフレンドで、作中(ある意味で)最大の事件のトラブルメーカー。 登場当初はルイズをいびって楽しむよくあるイヤなお嬢様ポジションだったがいやまあルイズもどっちかというとその系統だが、 話を追うごとにお互いの彼氏がアレ、ということでルイズと悪友みたいな扱いに。 ケティ・ド・ラ・ロッタ CV.鈴木久美子 学院の一年生。黒髪の幼げな女の子。二つ名は「熾火」。 ギーシュに思いを寄せられていたがモンモランシーと二股をかけられていた。 スフレケーキを作るのが得意。 アニメでは非常に可愛らしくデザインされており、視聴者にも隠れたファンが多い。 マリコルヌ・ド・グランドプレ CV.時田光 飛ばない豚はただの豚。 ただし嫉妬に狂った時は周囲に恐怖を撒き散らす狂豚と化す。 俺たち代弁者。 あと途中で女に対してはMに目覚めた。 オールド・オスマン CV.青野武→島田敏 魔法学院の学院長。エロジジイ。 決めるときは決めるのだが、いまいち出番に恵まれない不憫な人。 齢300歳とも言われ、ゼロ魔の設定を混乱させている原因の一人でもある。 アニメ3期の後に中の人をしていたピッコロ大魔王がお亡くなりになったのでFではブロリーに代わった。 ジャン・コルベール CV.鈴木琢磨 魔法学院の教師で、髪の神に見放された人。 魔法至上主義のトリステインの貴族でありながら、 魔法を扱えない人たち(シリーズ序盤は露骨に被差別民扱い)にも柔らかい物腰で接する、 恐らくシリーズ一優しさを誇る良識人。 実は作中屈指のチート人物で、ファンタジー世界の生まれにもかかわらずに地球の道具を見ただけで産業革命ぶっちぎりの発明をする。 非常に理解力に優れ地球の道具の機構を見て理を明かし応用する知恵者。 エンジニアとしては某「こんなこともあろうかと」の人にも匹敵するのではないかと思われ、 才人が気兼ねなく地球の武器や道具を扱えるのは彼あってのこと。 また才人は彼が亡くなった(実際には生きてたけど)事を聞いた時にはルイズすら近よらせず一人で泣いている。 この事からもルイズや他の生徒たちとは違う信頼や親近感を持っていた事は間違いないだろう。 また魔法の腕もトリステイン屈指の実力だが、 当人の性格と過去の出来事により余り使う事を好まず、特に他者を攻撃する為に使用する事を極端に忌避する。 ちなみに唯一本気で戦ったところをキュルケに見られてしまい惚れられた。 この際、キュルケとタバサのトライアングルメイジ二人の奇襲をも容易に返り討ちにした相手を一蹴している。 なお魔法だけでなく剣技・体術にも非常に秀でているらしい。 エレオノール・アルベルティーヌ・ル・ブラン・ド・ラ・ブロワ・ド・ラ・ヴァリエール CV.井上喜久子 ルイズの姉でヴァリエール三姉妹の長女。父親似。 美人だが、別れた貴族の感想いわく「もう限界」。 しかもそれを伯爵が公爵令嬢を国の貴族が集まったパーティー会場に「もう限界」と記した手紙送り付ける形で振ったと言う中世貴族として考えれば不敬とかそう言うレベルを通り越した何かな所業をかましたにもかかわらず、 パーティー中の事件だった為ガッツリ聞いていた周囲の貴族が誰一人として彼を責めるどころかむしろ同情しか抱いていなかった程。 いやどんだけキツかったの……? この姉にしてあの妹あり、実によく似ている。 本当の感情を表に出さず強く当たる事を是としている辺り完全に姉妹である。 あと胸が貧しいのもそっくり。 中の人は17歳教のお姉ちゃん。あらあらうふふ系のキャラが多い彼女には珍しい役どころである。 カトレア・イヴェット・ラ・ボーム・ル・ブラン・ド・ラ・フォンティーヌ CV.山川琴美 ルイズの姉でヴァリエール三姉妹の次女。 母性の塊のような人で、ルイズの欠点をすべて改善して大人にしたようなかんじといえる理想的な女性。 ルイズにとって、才人に会うまでは唯一の心の支えといえる人物で、現在でもルイズは彼女にべったりである。 しかし不治の病に侵されており、自分の領地から出れないほど体が弱い。 独身なのに彼女だけ姓が違うのはこのためで、ろくに外出もできないことを憐れんだ親が分家させて、形だけでも独立させたため。 そのため、書類上はヴァリエール家の次女ではなく、フォンティーヌ家の当主ということになる。 もっともアニメ版では病弱の設定はほぼ形骸化しており、原作では出ないストーリーにも登場する。 しかしこの慈母の塊のような性格はどこで育まれたのか……母・姉・妹の三人とは見事に性格が異なっている。 ジェシカ CV.樋口あかり トリスタニアにある居酒屋「魅惑の妖精亭」の看板娘。 黒髪の美少女のさっぱりはつらつとした性格で才人ともすぐに打ち解けた。 客からの人気も高いが、チップはしっかりいただいて関係は決して超えることはないしたたかなプロでもある。 実はシエスタとはいとこ。 スカロン CV.後藤哲夫 魅惑の妖精亭の店主。 ジェシカの父でもあるが、筋骨隆々としたオカマ。 なぜこうなったかというと、妻と死別した後からジェシカの母親代わりにならないとと意気込んだのが行き過ぎたのだと。 しかし情に厚く優しい人柄からジェシカや店員の女の子たち皆から慕われている。 口癖は「トレビアーン」。 ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド CV.志村知幸 The.かませ犬。才人のライバル的ポジションになるかと思われたが、そんなことはなかった人。 ちゃっかり1巻に出た土くれのフーケと腐れ縁となったおり肉体関係を持ってる役得な兄ちゃん。 お髭のナイスミドルに見えるが実際はまだ26歳。老け顔過ぎである。 ルイズとは親同士が決めた許嫁であったが、ルイズとの歳の差は10歳。 婚約が決まった時にはワルド16歳、ルイズ6歳。…社会制度を鑑みればおかしくはないが… アニエス・シュヴァリエ・ド・ミラン CV.根谷美智子 アンリエッタの親衛隊であり全員女性で結成された『銃士隊』の隊長。 メイジを除けば作中最強クラスの人物であり、才人に剣術の指南などをした。 自他共に厳しく、重い生い立ちをしているために彼女が出るとシリアス展開になりやすい。 しかしアニメ版では(中の人の演技もあってか)ややキャラ崩れしており、顔芸やギャグシーンが増えた。 なお、事務仕事は苦手で、特にアニメ版では何度も管理体制の不備で危機的状況を招いてしまった。 ミシェル CV.石松千恵美 銃士隊の副隊長。アニメ2期のオリジナルキャラクター。 アニエスに輪をかけて気が強く生真面目な女騎士。特に才人とは仲が悪い。 実力もあり、アニエスからの信頼も厚いが、反面生き急いでいるような余裕のなさもある。 中盤、学院で起きた事件の捜査を始めるが…… モット伯ほど使いやすい設定ではないからか二次創作での出番は少なめ。だが登場した場合には重要キャラ化する場合もあったりもする。 ちなみに銃士隊はアニメ・原作含めても名前ありのキャラはアニエスとミシェルのふたりしかいない。 ベアトリス・イヴォンヌ・フォン・クルデンホルフ CV.辻あゆみ ルイズたちの進級後に入学してきた一年生の少女。 国内屈指の資産力を持つクルデンホルフ家の令嬢であり、ギーシュの実家らは借金をクルデンホルフ家に背負っているので上級生らも頭が上がらない。 性格は典型的な高飛車なお嬢様で、ティファニアに因縁をつけて彼女を異端審問にかけようとしたがルイズに異端審問の資格を持っていないことを看破されて追い詰められる。 しかし孤立したところをティファニアに「お友達になりましょう」と呼びかけられたことで涙を流しながら彼女と和解。 その後はティファニアにすっかり懐いてしまい、ティファニアが辟易するほどべったりされている。 ジョゼフ1世 CV.小杉十郎太 原作後半にいたるまでの才人たちの宿敵と呼べる人物。 大国ガリアの国王であり、無能王と世間からは呼ばれているが、 実は悪魔的な策謀を張り巡らす知者であり、劇中の多くの事件が彼の差し金によるものである。 戦術的な思考を超えた複数の国家を巻き込む遠大な戦略を練っており誰も策謀その物を気づけなかった。 だが、彼自身に野心や欲望といったものはなく、その動機は過去に起こしたある事件でうしなった「あるもの」を取り戻すためでしかない。 そのスケールは暇つぶし同然に国家間の戦争を起こすほどで、 しかも非常に周到に行動するために、才人たちも彼が黒幕だと知ったのは中盤に入ってからだった。 シェフィールド CV.勝生真沙子 ジョゼフに仕える虚無の使い魔ミョズニトニルンで、あらゆる魔道具を自在に操れる能力を持つ女性。 主人であるジョゼフに絶対の忠誠を誓っており、彼のためであればいかに非道な行為でも平然と行う冷酷さを持つ。 序盤から中盤までの事件のかなりの割合が彼女が策動して起こしたものである。 シェフィールドというのは偽名であり本名は不明。東方の神官の出身であるらしい。 ヴィットーリオ・セレヴァレ CV.立花慎之介 ブリミル教の総本山、ロマリア皇国の教皇。神官ジュリオ・チェザーレの主人でもある。 決して悪人という訳ではないのだが、ブリミル教の悲願のためなら手段は選ばない本質的には冷酷無比な人物。 原作後半からの数々のえげつない策謀や最終目的から一時期彼がラスボスになるのではとも噂されていた(実質ラスボス的な存在ではある)。 なお、ブリミル関連の設定には数多くのきな臭い謎や矛盾が見受けられている。 ジュール・ド・モット CV.松本保典 トリステイン王国の貴族。アニメ1期のオリジナルキャラクター。通称モット伯。 美少女の使用人を集めてはいかがわしいことをさせている、という典型的な悪徳貴族。 しかし話せばわかるところもあり、善人とはいえないが悪人とも言い切れない面もある。 二つ名は『波濤』。なにげにメイジとしての実力は作中屈指の高さを持つ。 二次創作では頻繁に登場し、悪役キャラとしてかませにされるが、ギャグ色の強い作品ではただのエロオヤジとして笑いを取りに来る。 エンシェントドラゴン アニメ版におけるラスボスで原作には登場しない。 エルフの伝説における大災厄そのものであり、ハルケギニアを滅ぼすために暴れまわる。 シルエットはオーソドックスなドラゴンであるが、冷えた溶岩のような外皮から赤い肉体がところどころ見えているなど禍々しい姿をしている。 例えるならばシン・ゴジラの第四形態そのままである。強さは比較にもならないが…… 飛行能力と口からのブレスのほか、野生のドラゴンや竜騎士のドラゴンを洗脳して手駒にする能力も有している。 ハルケギニアの武力では歯が立たない相手だったが、才人が自衛隊から持ち出した戦闘機のミサイルで大ダメージを受けるなど、 地球のレベルからしたらたいしたことはなく、ぶっちゃけ『ス●イヤーズ』や『フェア●ーテイル』の世界だったら2ページでやられてそうな敵である。 まあ水爆食らったりマグマの中で水泳したりするような怪獣たちと日常的に戦っている某島国の基準がおかしすぎるだけかもしれないが。 余談 登場人物の多くは17~18世紀のフランス革命前の歴史上の人物から名前が取られている。 地名もまた同様(*1)であり、世界史専攻した学生ファンは教科書をめくってるだけで楽しめる事であろう。 作者ことヤマグチノボルも相当な変態であった。 まあ本業はエロゲのシナリオライターであるし、 本作の執筆動機も「ハリポタのハーマイオニーたんに詰られたい踏まれたいハアハア」だったらしいことからも納得である。 あとがきにもよくそれが滲み出ており、初期は"ややおかしい人"レベルだが、だんだんと"ただの変態"レベルになっていく。 「ハムラビ法典! ハムラビ法典! ハムラビ法典!」 「ヒアイズファンタジーワールド! ヒアイズファンタジーワールド! ヒアイズファンタジーワールド!」 「と ま っ て い る」 ルイズたんのコピペは一度は目にした事があるであろう。 ルイズへの愛を最大限に叫んだ気持ち悪いコピペである。 ■アニメ版 アニメ版は4期まで放送。 こちらは途中から原作とは異なるストーリーではあるが、 ラノベアニメによくある「続きは原作で!」とか「俺達の戦いはこれからだ」エンド等ではなく綺麗に完結している。 ○ゼロの使い魔(第1期) 2006年7月~9月放送。全13話。 監督:岩崎良明 物語開始からルイズの虚無魔法覚醒までを描いたストーリー。 ただし、本来この先のイベントがフライング的に盛り込まれている。 オリジナルストーリーとしてモット伯編がある。 また、ルイズは原作では召喚台詞を言っておらず、有名な「この世のどこか~」の文句はアニメ発祥である。 ○ゼロの使い魔~双月の騎士~(第2期) 2007年7月~10月放送。全12話。 監督:紅優 アルビオン戦争終結までを描かれている。しかし戦争の描写の大半が割愛されてしまっている。 オリジナルストーリーは1期よりも増えた。また、準レギュラーのオリジナルキャラクターとして銃士隊副長のミシェルが登場する。 ○ゼロの使い魔~三美姫の輪舞~(第3期) 2008年7月~9月放送。全12話+OVA1。 監督:紅優 タバサ救出までをなぞる。本作は原作にやや忠実でオリジナル展開は少ない。 その代わりにOVAは完全オリジナル。 キュルケたちが精霊魔法を使ってしまい、DVDで修正されたことが地味に有名。 ○ゼロの使い魔F(第4期) 2012年1月~3月放送。全12話。 監督:岩崎良明 シリーズ構成にヤマグチノボルが参加。 アニメ最終作。原作が未完のために大半の伏線が未回収であるが、仕方がないことであろう。 オリジナルのラスボスとしてエンシェントドラゴンが登場。 いずれの作品もOPはICHIKOが、EDはルイズ名義で釘宮理恵が担当している。 ◇ゲーム版 恋愛アドベンチャー ○小悪魔と春風の協奏曲(2007年) ○夢魔が紡ぐ夜風の幻想曲(2007年) ○迷子の終止符と幾千の交響曲(2008年) ※いずれもPS2対応。 オリジナルキャラクターの春奈に人気があり、二次創作作品でもちょくちょく登場することがある。 SRPG ○超ヒロイン戦記(2014年) クロスオーバー型ゲームで、一言で言えば『美少女アニメ版スパロボ』 ゼロ魔からはゼロの使い魔Fが参戦した。 ただし、ゲーム本体としての出来は悪くないものの、参戦作品が一部を除いてマイナーなものやブームを大きく過ぎたものが多く 発表当時は「ガンダムもマジンガーもいないスパロボ」「有名どころにオファーを断られまくった余りものの寄せ集め」などと呼ばれた。 使用可能キャラはルイズ、シエスタ、ティファニアの三人。 しかしルイズはエクスプロージョン一辺倒であるし、シエスタもティファニアもバトル向けキャラではないため戦闘シーンはかなり違和感がある。 PS3及びPSVITA対応。 ◇二次創作 ラノベ原作の二次創作作品は数多いが、ゼロの使い魔はその中でも特に二次ssが多く作られた。 理由は、人気作だったということも当然であるが、当時はまだ異世界転生ものが決してメジャーなジャンルではなかった(*2)ため、 非常に二次創作に持って行きやすい設定だからということが大きい。 小説投稿サイトで二次創作が可なところでは、ほぼ確実にゼロの使い魔の検索欄がある。 しかし、貴族主義で平民が圧迫されているという世界観や、ルイズの性格に対してのアンチも多く、 一時期はただ単にメアリー・スーをするだけの駄作が氾濫し、原作を読んでいないけどルイズが嫌いですと公言するような 恥知らずな二次作家が溢れたせいもあって、二次創作小説の衰退、投稿サイトの規制強化につながった面も忘れてはいけないだろう。 現在では、極端なヘイト作品はおおむねの投稿サイトで規制されるために落ち着いており、全盛期ほどではないが 作品は増え続けている。 神聖で美しく、強力なアニヲタ民よ! 私は心より求め、うったえるわ。 この項目を追記・修正しなさいっ! △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 追記乙 -- 名無しさん (2013-04-13 14 27 26) もしも作者がご存命だったなら、監修してたアニメ版4期をなぞる終わり方したのかな? -- 名無しさん (2013-08-29 22 37 11) プロットとか残ってないのかな…… -- 名無しさん (2013-10-10 18 20 30) ツンデレ(笑)暴力ヒドイン -- 名無しさん (2013-12-01 23 36 01) ↑x2制作動機が作者のリビドーである以上、別人が書くとテイストが大幅に変わる危険性がある。プロットが残っていたとしても、それをもとに続編を…というのは難しいのでは。 -- 名無しさん (2013-12-01 23 42 14) とは言え、何らかの形で終わらせてほしいな。極端にテイストが違わなければ別人が執筆してもいいかもね。 -- 名無しさん (2014-01-23 00 32 10) 風の聖痕見たいに、遺稿をまとめた最終巻とかなら敷居が低いかな -- 名無しさん (2014-01-23 00 35 41) 執筆動機が「ハーマイオニーたんに踏まれたいハァハァ」だったのは本当の話なのだろうか -- 名無しさん (2014-04-04 12 07 53) 吉田直さんの「トリニティ・ブラッド」みたいに作者が亡くなって未完になったのが残念 -- 名無しさん (2014-04-08 23 33 57) クロスオーバーしやすい設定だから全盛期はルイズに召喚されてない作品を探すほうが大変なくらい二次があったなあ -- 名無しさん (2014-05-23 12 22 47) ↑×3、 ハリポタの二作目の制作が発表されたころにHPの日記にそれらしいこと書いてたらしい。オレ自身はコピペでしかみたことないから本物かはわからんけど ハーマイオニーの椅子になって座られたいとか、「この薄汚い椅子は今日も私のお尻をさわって…」と罵られたいとか -- 名無しさん (2014-05-31 00 06 54) ↑x2なんでも、実写トランスフォーマーのブラックアウトが召喚される話まであったそうじゃないか。 -- 名無しさん (2014-05-31 00 10 44) 一妻多夫の某宇宙人って誰だ? -- 名無しさん (2014-05-31 12 22 35) 最近、ラノベもいいな、と思ってこれを購入したから、今日はラノベ記念日。 -- 名無しさん (2014-07-02 11 44 41) ↑項目にも書いてあるけど作者が亡くなって、完結まであと2巻か3巻くらいの所で未完になってるから覚悟しとけよ -- 名無しさん (2014-07-02 12 10 56) ↑大丈夫。脳内補完するから。 -- 名無しさん (2014-07-07 00 18 51) 確か核兵器が出た辺りで終わったんだっけ。立ち読みレベルでしか知らないけど。 -- 名無しさん (2014-09-12 17 27 16) 正確には核ミサイル装備の原潜な。もしも使用したところまで書かれてたらゴジラとのクロスも生まれてたと思う -- 名無しさん (2014-12-06 21 44 02) ゴジラとのクロスはあったよ。物語も始まらん所で終わってたけど -- 名無しさん (2014-12-30 23 42 02) 最近のニコニコニュースでアニメのツンデレキャラ10選てのあってルイズが入ってた。というか半分近くがくぎゅキャラだったが -- 名無しさん (2015-02-22 15 59 05) 思えばファンタジー+ミリタリーの元祖とまではいかなくても最初期の作品なんだよな。ミリ姫や艦これでミリタリーへの関心が強い今でこそヤマグチ先生は活躍してほしかった -- 名無しさん (2015-05-07 02 49 03) ゼロの使い魔復活!!やったぜ!! -- 名無しさん (2015-06-25 22 41 44) 代筆者ね…。できればいい方向で終わりゃいいんだが。ともあれ、復活おめでとう -- 名無しさん (2015-06-26 23 06 03) プレッシャー半端なさそうだな代筆者。 -- 名無しさん (2015-06-26 23 10 20) 先生公認ってどういうこと?入院した時にもしもの時の為に代筆者を選んでいたの? -- 名無しさん (2015-06-26 23 27 24) 生前に編集部と相談して決めたとのことだから、もう自分は間に合わないと感じたんだろうなあ。 -- 名無しさん (2015-07-03 09 04 26) 公認代筆者ってことは自分が書ききれなかった時を考えてこう完結するつもりを話した人がいるんだろうね、作品が完成しないことや読者にラストを見せてあげようって気持ちが強かったんだろうな・・・ -- 名無しさん (2015-07-03 09 54 23) ゼロの使い魔の続きが見れるなんて。こんなに嬉しいことはない -- 名無しさん (2015-07-03 18 15 10) 外伝の烈風の騎士姫の続きも見たいがさすがにそこまでは無理だろうか? -- 名無しさん (2015-07-04 09 52 06) 今じゃ山のように粗製乱造されてるファンタジー世界に現代人が召喚されるというジャンルを確立させた作品だよな。その末路がどうなるのか、最初期の作品だけに是非見てみたい -- 名無しさん (2015-07-31 03 18 51) ↑実はダンバインという先駆けがあるんだぜ。 -- 名無しさん (2015-07-31 08 59 39) ↑ほかにもNG騎士ラムネ&40とか魔人英雄伝ワタルとかもあるかなwちなみに全部地球人が異世界に召喚されてロボットに乗って戦う!昔のロボものでちらほらあったw -- 名無しさん (2015-07-31 09 13 55) 昔からあるっちゃあったんだよ、ただラノベの流行り始めにゼロ魔が人気出たからその手の設定のラノベの代表作みたいな感じなだけで -- 名無しさん (2015-10-07 23 47 28) 代筆とは言え続刊は嬉しいけど不安な面も多々あるなあ。言葉にしにくいけどどんな物語でも作者ごとのクセみたいなもんがあっから -- 名無しさん (2015-10-07 23 50 29) ↑そりゃそうだけど、どうしたってノボルが生き返るわけじゃないんだから贅沢を言い出せばきりがない。こういうのは期待の60パーセントでも満たされれば上々ってものだよ -- 名無しさん (2015-10-08 05 41 14) 亡くなられたころ、後一冊分は書き溜めたもの(下書き?)があるからそれを出せれるようにする…っていう感じの記事みたことがあったけど…それベースなのかなぁ代筆。 -- 名無しさん (2015-10-08 05 45 52) ぶっちゃけどれだけ正確にヤマグチ先生の癖を再現して完璧なゼロ魔を仕上げたとしても、絶対にこれは違うとかこんなのゼロ魔じゃないと喚き出す奴らは出て来る。 -- 名無しさん (2015-12-21 15 46 29) ↑大山ドラしか認めないって人間が懐古厨として冷笑しかされないようになるまでかかったように、時間が解決してくれるまで待つしかないな -- 名無しさん (2015-12-21 16 03 47) ヤマグチ先生が本当に望んでいるものは何か、それは託した者が無事に完結させてくれることではなかろうか。ヤマグチ先生らしさをめぐる終わりのない議論をする事が、亡くなった先生の望みなのか。違うと思う。 -- 名無しさん (2016-02-01 19 53 25) 当の21巻には代筆者の名前がなかったけど、こういうのって出さないのが普通なの? -- 名無しさん (2016-02-25 12 31 25) 普通かどうかは知らんが出さんが妥当だろう -- 名無しさん (2016-02-25 20 19 42) 出版社の人達も変な先入観が持たれないようにあえて代筆者明かさないってさ。ちなみに印税面は遺族の方々と話はつけているって -- 名無しさん (2016-02-29 23 20 17) 代筆者は先生と担当者の共通の知人の作家さん -- 名無しさん (2016-02-29 23 21 57) 時間かけただけに21巻は20巻以前との違和感はほとんどなかった -- 名無しさん (2016-04-17 12 01 30) 神撃のバハムートとのコラボは良イベだった。ルイズの虚無ってミスタルシアの視点で見ても相当なものなんだな -- 名無しさん (2016-05-27 15 51 49) アニメとある程度合わせてあると言う事は最終巻で教皇が死ぬかな -- 名無しさん (2016-07-12 00 27 39) 原作ももうすぐ終わりか。アニメと同じく結婚式から地球行きでしめるか、それともまったく別の終わり方をするのか -- 名無しさん (2017-02-04 23 37 50) いやー上手く畳んだわ、お疲れ様でした。ネタバレだが↑は前者だっだな(内容は違うが) -- 名無しさん (2017-03-02 15 18 18) 復刻イベントでまた神撃のバハムートでコラボとはな。追加カードもあるみたいだし粉を吐き出すつもりでやろう -- 名無しさん (2017-03-07 21 21 56) デルフリンガーの中の人、亡くなられたのか…。ご冥福をお祈りいたします -- 名無しさん (2018-11-09 09 25 01) 原作準拠の再アニメ化をして欲しい作品の一つ -- 名無しさん (2020-11-08 10 04 54) 残念なところは展開がワンパターンすぎたというところかなあ。サイトとルイズが何らかの理由で離ればなれになっては再会するシチュエーションがとても多い -- 名無しさん (2021-09-23 23 06 23) どっかで北朝鮮による拉致被害を風刺している作品とか言われてたな。まぁ確かにある日突然全く知らない土地に連れ去られて使い魔という名の『奴隷』として(後に改善したが)家畜同然の扱いを受けてたり割とブラックなところが初期はあったよね。 -- 名無しさん (2022-01-15 16 50 14) ↑今見たら女の子の着替えを手伝ったり下着を洗濯したりとご褒美としか思えないけどな -- 名無しさん (2022-07-17 09 38 47) 「死にたくねえよ畜生」「相棒はてんで義理堅えや」 -- 名無しさん (2023-01-04 13 48 30) ↑2そりゃ相手が美少女だからコメディだけど、これがオッサンだったら地獄なんだよなあ… -- 名無しさん (2023-01-08 15 34 12) 偶然だとは思うけど、所々に銀河英雄伝説をモチーフにしているような描写があるのは気のせいだろうか? 何故か両作品は既視感を覚える感じがする。 -- 名無しさん (2023-04-10 20 10 18) 報告にあった荒らしコメントを削除しました。 -- 名無しさん (2023-06-04 21 22 29) ハーメルンではまだかなりの数の新作が投稿され続けてるから新規の読者も増え続けてると思えて嬉しい -- 名無しさん (2023-06-29 20 10 58) ツンデレ、貧乳、巨乳、メイド、エルフ、メガネロリ、etc……性癖の開拓および発展にこれほど貢献した作品はそうはあるまい -- 名無しさん (2024-05-29 20 52 24) 完結はしたけど、結局『東の国』『ブリミル周りの真相』『虚無の魔法の正体』については明かされなかったね。ただ、断片的とはいえ正解に近い解釈ができるのがすごいところ。 -- 名無しさん (2024-05-30 12 50 41) 最終盤でのブリミルの発言から高次存在の何らかの介入や思惑があった事は間違いあるまい。 -- 名無しさん (2024-05-30 13 56 46) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/938.html
サブ・ゼロの使い魔 第二章 傅く者と裏切る者 ――また、あの夢だった。古びた部屋にいる、誰かになった自分の夢。 だが、今回はいつもと違った。ルイズがその夢を知覚したと同時に、全ての霧はざあっという音と共に消え去り――そしてその瞬間、ルイズは部屋にいる男達のことをまるで遥か昔から知っているように理解していた。 後ろのソファに座って仲良く話している二人・・・ソルベとジェラート。 椅子に座ってテーブルの上の変な物体を叩いている男・・・メローネ。 椅子の背に手を置いて彼の肩越しにそれを覗き込んでいるのは、イルーゾォ。 立ったまま壁に背を預けて本を読んでいるリゾットは、たまにこちらを見てはやれやれといった顔をしている。 そして先ほどから二人して自分に怒鳴り続けているのはホルマジオとプロシュート。 二人がかりの説教を喰らっている自分は・・・そう、ギアッチョだった。 「ギアッチョッ!何度言ったら分かるんだてめーッ!!」 プロシュートが上半身を乗り出して怒鳴っている。 「しょーがねーなぁぁぁ これで何冊目だっつーんだよギアッチョさんよォォ」 右手に持った本だったものの残骸をバンバンと叩きながらホルマジオもプロシュートに加勢するが、当のギアッチョはどこ吹く風で受け流す。 ・・・というか全く聞いていない。 「何で3ページで打ち切りになるんだよォォォ~~~ッ!! ナメてんのかオレをッ!!クソッ!クソッ!!まそっぷって何だ!バカにしやがって!!」 イルーゾォが呆れた顔でプロシュート達を見る。 「だから言ったじゃあないか・・・ギアッチョにだけは物を貸すなってよォー」 「そのくらい諦めるんだな オレなんてパソコンを破壊されてるんだぜ」 同じく顔を上げたメローネはそう言って首を振った。ソルベとジェラートはそんな彼らをニヤニヤ笑いながら眺めている。 「外野は黙ってろッ!今日という今日は許さねぇぜギアッチョ!」 「仲間に対する敬意ってもんが足りねーんじゃあねーか?オイ」 プロシュート達の怒りは全く収まらないようだった。 「やれやれ・・・ お前達・・・その辺にしておけ そんなことをいくら言おうがギアッチョには通じないことぐらい知っているだろう」 パタンと本を閉じて、リゾットがリーダーらしく彼らを制止する。 プロシュートとホルマジオは「甘いぜリゾット」という視線を彼に向けるが、リゾットが続けて「ギアッチョ、お前は弁償しておけ」と言ったのを聞いてとりあえずその場は収めることにした。ギアッチョはその言葉に不満げな表情で財布を出し―― ――場面が飛んだ。 ギアッチョの前には古びた扉がある。決まったリズムでそれを叩くと、少ししてから軋んだ音を立てて扉が開いた。 「仕事は終わったぜ、リゾット」 扉を開けたリゾットにそう報告して、ギアッチョは中に入る。 彼に続いてメローネが入ってきたのを確認して、リゾットは彼らにねぎらいの言葉をかけた。 「・・・ま、今回もくだらねー仕事だったがよォォ どうせやるならもう少し面白みのあるやつを回してもらいてぇもんだ」 とギアッチョが言えば、 「簡単なのに越したことはないさ・・・ こんなはした金で命を捨てたくはないからな」 タッグを組んでいたメローネがそう答える。ギアッチョはフンと鼻を鳴らすとどっかりと椅子に腰を落とした。 と、ウヒャヒャヒャヒャという聞き慣れた笑い声が場に響き、ギアッチョ達は声を発した男に目を向ける。 ホルマジオはイルーゾォと机を挟んで向かい合っていた。 二人の横にはプロシュートが陣取り、奥のソファには相変わらずソルベとジェラートが座っている。 そして彼ら全員の視線が集まっているのは、テーブルの上にあるチェス盤だった。 ホルマジオは盤からイルーゾォに視線を移して言い放つ。 「チェックメイトだ オレの勝ちだぜイルーゾォ!」 「バ・・・バカな・・・ただのポーンなんかにィィィ!」 イルーゾォが信じられないという顔で叫ぶ。 「クハハハハハハッ!分かってねェーなァァ チェスって奴をよォォー! 駒の強さなんてもんは所詮ここの使い方一つだぜェェ~」 ホルマジオは人差し指で自分の頭をトントンと叩きながら言った。 「クッ・・・クソッ!再戦だ!もう一度やらせろ!」 「ダメだね ほら!とっとと賭け金をよこしなよイルーゾォよォ~!」 イルーゾォの願いをホルマジオはあっさり跳ね除けた。イルーゾォはしばらくの間「再戦の拒否は許可しないィィィー!」等と叫んでいたが、結局彼のスタンド、リトル・フィートにガッシリ押さえ込まれて財布から二割増しで金を抜き取られていた。 「やれやれ どきなイルーゾォ オレが仇をとってやるよ・・・なぁに、ボードゲームは得意なんだぜ」 メローネが自信たっぷりに椅子に座り、 速攻で敗北した。 部屋の隅で頭を抱えているメローネを尻目にギアッチョが挑み、敗北。プロシュートが挑み、敗北。ソルベが挑みジェラートが挑み・・・ 敗北。敗北。敗北。 「てめーイカサマやってんじゃねーだろーなァァーー!!」 「何逆ギレしてんだオイ!しょぉぉがねーなァァアァ!」 度重なる敗北についにギアッチョがブチ切れた。 その瞬間、今がチャンスとばかりにプロシュートがホルマジオを蹴っ飛ばし、そのスキにソルベとジェラートが彼に飛び掛り、イルーゾォが一瞬でその財布を奪い取り、メローネが皆の取り分を計算して分配した。 「ちょっ・・・何やってんだてめーらァァァ!!」 「うるせェェェ!勝負になるかボケッ!!」 七人はギャーギャーと騒ぎ続け、リゾットはそれをいつものことだというような眼で見つめていた。 そしてもう一人、ギアッチョの眼を通してルイズもまた彼らを見つめている。 喧嘩ばかりしているが、ルイズの眼には彼らはとても楽しそうに見えた。 常に四面楚歌で命のやり取りをしているからこそ、きっと彼らは死よりも強い絆で結ばれているのだろう。 バカ騒ぎを続ける彼らを、ルイズの心は羨ましそうに見つめていた。 そうしてルイズの夢はいくつもの場面を映し出す。しかしその内容は、徐々に不穏の色を帯びて来た。 場面が過ぎる度に、自分達の理不尽な待遇に、彼らのボスに対する不満は高まって行くのだった。 そして幾度目かの場面転換の後――ついにそれは起こった。 ドンドンドンドンドンドンッ!!! アジトの扉が猛烈に叩かれる。中で待機をしていたギアッチョとメローネ、そしてリゾットとプロシュートは一斉にスタンドを発現させた。 「おいッ!!開けろ・・・!!大変なんだよ!!ジェラートが殺されたッ!!」 「リゾットッ!!オレだ、ホルマジオだッ!!早くここを開けろォォォ!!」 決められたノックをしないことにリゾット達は不審を抱いていたが、その声はどう聞いてもイルーゾォとホルマジオだ。そして彼らが口にした言葉は、彼らにとってこれ以上なく衝撃的なものだった。 プロシュートのザ・グレイトフル・デッドを使って扉を開ける。最初に転がり込んできたイルーゾォの襟首を、ギアッチョが強引に掴んで引き上げた。 「てめーイルーゾォ!!タチの悪い冗談はやめろッ!!」 ギアッチョが人を殺しかねない剣幕で怒鳴る。しかしイルーゾォは苦渋に満ちた顔で答えた。 「嘘じゃない・・・!!『罰』と書かれた紙を身体に貼り付けて・・・ッ!!」 サイレントの魔法がかかったかのように、その場は静まり返った。 ――・・・そんな・・・嘘・・・ ルイズは崩れ落ちそうになった。勿論、今はリプレイされるギアッチョの幻に宿るただの意識である彼女には不可能なことであったが。 ギアッチョの仲間は、リーダーを除き全てが死んだ・・・それは理解しているはずだった。 しかしギアッチョを通して幾つもの場面を共有した今、ルイズに彼らの死を無関心に眺めることなど出来るはずがない。 だがそんな彼女の気持ちなど一顧だにせず、場面は無情に進んで行く。 ジェラートは自宅のソファで、恐怖に顔を引き攣らせて絶命していた。 「ジェラート・・・おいジェラートッ!!」 プロシュートがジェラートを揺さぶる。リゾットは彼の肩を掴んでそれを止めた。 「やめろ・・・プロシュート ・・・ジェラートはもう死んでいる」 「クソッたれがッ!!」 プロシュートは怒りを吐き捨てて立ち上がった。逆にメローネは、その場にがっくりと膝を落とす。 「・・・ボスだ・・・ボスの正体を探ったことがバレて・・・・・・」 ギアッチョは唇を噛んで怒りを耐えていた。ギリギリと音がするほど噛まれた唇からは、彼らの心を代弁するかのように血が流れている。 「・・・ホルマジオ イルーゾォ ソルベはどこだ?」 リゾットが二人に向き直るが、彼らは俯いたまま黙って首を横に振った。 「クソッ・・・!お前達・・・ソルベを探せ!!」 リゾットは焦燥感も露に叫んだ。 そして場面はまた一つ飛ぶ。 ギアッチョ達はアジトに集合していた。彼らの足元の床には、七十サント四方程の箱が数えて三十六個転がっている。 その箱にはガラスのケースに額縁を嵌めたようなものが入っていて、その中に何か気持ちの悪いものが、 ――・・・そんな 彼らは最後の一つまで開封して、やっとそれが何かに気付いた。 ――やめて ・・・いや、解ってはいたが・・・気付かない振りをしていた。彼らが送られてきた順にそれらを並べてみると、 ――お願いだからもうやめて・・・! 三十六個に斬り分けられた、輪切りのソルベが、 ――あぁあぁああああああぁああああッ!!! ルイズはいっそ気絶してしまえたらどんなに楽だろうかと思った。 しかし今はただギアッチョを通して彼の過去を見ている「意識」だけの状態であるルイズには、気絶どころか顔を覆うことも背けることも出来ず・・・彼らの為にただ涙を流すことすら出来なかった。 しかし、眼前の場面は冷徹なまでに滞りなく流れ続ける。自分達を嘲笑うかのように警告の道具としてソルベを惨殺したボスに、誰もが怒りを必死に押し殺す中―― バギャアッ!!! ギアッチョの我慢は限界を超えた。 「あの野郎ォオオォオォォオオーーーーーーーーーーーッ!!!!」 テーブルを叩き割り、ギアッチョは天地が割れんばかりの声で叫んだ。 「殺すッ!!!オレが殺してやるッ!!!」 額縁を梱包していた箱を踏み破りながら、ギアッチョは悪鬼の如き凶相で扉へと向かう。 プロシュートが「早まるんじゃあねぇ!」と手を伸ばすが、ギアッチョは彼に眼も向けずにその手を払いのけた。 しかし、その先でギアッチョの足がピタリと止まる。扉の前に、リゾットが立ちふさがっていた。 「どけよ・・・リゾット!!」 怒りに沸き立つギアッチョの双眸がリゾットを射抜く。しかしリゾットは充血した両眼でギアッチョの視線を真っ向から受け止めた。 「リーダーとして・・・ギアッチョ、お前を行かせるわけにはいかない」 「何故だッ!!」 ギアッチョは激昂して叫ぶ。 「ええ!?オレ達は一体何年屈辱に耐えてきた!?命を賭けて組織の敵を排除し続けてよォォーー・・・オレ達は文字通りパッショーネに命を捧げてきたッ!!いつか忠誠が報われる日が来ると信じてなァァ!! それが何なんだこのザマはッ!!オレ達の誇りだけじゃあ飽き足らず、ボスの野郎はソルベとジェラートを無惨に殺し・・・そしてその死まで侮辱したッ!!ここまでされてよォォォー!!一体いつまで耐え続けろっつーんだッ!!」 ギアッチョは怒りに任せてまくし立てた。 「落ち着けギアッチョ・・・! オレは・・・いや、オレ達の誰一人としてこの状況を受け入れている者はいない・・・ だが耐えるんだ!」 リゾットはそう言うと、ギアッチョが何かを言う前に続ける。 「ボスの正体を探ろうとしたんだ・・・オレ達が関わっていようがいまいが、ボスは既に・・・間違いなくオレ達を監視下に置いているはずだ そんな状態で一体何が出来る・・・?刺し違えるどころか、ボスに辿り着くことすら出来ないだろう」 ギアッチョはぐっと言葉を詰まらせる。 「今は伏して耐えるんだ・・・ ボスを倒す『チャンス』が来るまで!」 リゾットの眼は『覚悟』している者の眼だった。ギアッチョは壁を一発猛烈な音を立てて殴りつけると、その拳を震わせながら収めた。 ルイズは今度こそギアッチョの気持ちを理解した。彼女の耳には、食堂でギアッチョが叫んだ言葉が木霊していた。 『オレ達の命は安かねェんだッ!!!』 これだけの言葉に、一体どれほどの無念が込められていたのだろう。 ルイズにはもう結末が分かっている。リゾットの部下は、全員が死亡する。 ならば例え彼がボスに打ち勝ったとしても、一体その勝利にはどれほどの意味があるのだろうか? 仲間を失くし、ボスを殺して生きる目的までも失ってしまったならば、リゾットはもはや一人で生きていけるのだろうか。 そして、殆ど全ての仲間を失って唯一人生きながらえてしまったギアッチョは? 己が立っていた足場を失い、拠り所にしていた支えも失い――彼は一体何を思って生きているのだろうか。彼は自分を命の恩人だと言う。だけどそれは本心からのものなのだろうか?自分はギアッチョに、ただ終わることすら許されない痛みを与え続けているだけなのではないか―― ルイズには何も解らない。ただひたすら辛く、そして悲しかった。
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1153.html
なんというブチキレコンビ。ギアッチョの怒りは、まるで次はオレの番だと でも言うかのように静かに爆発した。 「ところでよォォ~~・・・ 朝こいつを食った感想はどうだったよお嬢様?」 ギアッチョは波一つない海のように静かに尋ねる。 「最悪だったわッ!・・・そういえばあんたよくも貴族の私にこんなもの 食べさせてくれたわね!後でお仕置きを――」 ゴバァアァ!! 穏やかな海が突然嵐に変わるように、ギアッチョの全身から突然冷気と 殺気が噴き出し始めた! 「うぅッ!?ちょっ・・・何!?こんなところで・・・!!」 ルイズは慌てて辺りを見回すが、周囲の貴族達にはギアッチョの異変に 気付いたようなそぶりは見受けられない。ギアッチョがミスタ達との戦いで 得た教訓の一つ、それは他のスタンド使い達が当たり前にやっている 「自分の能力を安易に敵にバラしたりしない」ということであった。己の命と 引き換えに得た教訓は、彼の心の根っこにしっかりと突き刺さっている。 激しくブチ切れた今も、「周囲に己の能力を悟らせない」という事に関して だけは自制が働いていた。つまり――ルイズが感じた冷気と殺気は、 他でもないルイズただ一人に向けられたものだったのである。 ギアッチョはすっと地面にかがむと左手で食事の入ったトレイを持ち上げ、 背中を曲げた体勢のまま、色をなくした眼でルイズを見る。 「つまりてめーはそんなものをこのオレに食わせるってぇわけだ・・・」 「なッ・・・あんたは使い魔なんだから当然でしょ!?使い魔の上に平民! 貴族と同じ地平線に立つことなんて一生ありえないのよ!!」 ビシッ!! ルイズがそう言い放った途端、最近聞き慣れた音が彼女の耳に響いた。 ビシィッ!!ビシビシビシッ!!ビキキィッ!! この音は、他でもないこの音は。ルイズは恐る恐る、音のした方向へ 眼を向ける。 音がしていたのはギアッチョの持っている食事・・・いや、食事だったもの からだった。パンとスープを載せたトレイは、ギアッチョの左手の上で まるで彫刻のように完璧に凍っていた。 「・・・・・・こんな・・・ええ?こんな『ささやかな糧』でよォォォ~~~~~ てめーの命を守らせようってのかァ?・・・え?おい」 ――てめーの人生のかかった仕事を・・・ 「あ・・・!」 クソみてーなはした金でよォォォ・・・―― バキィィィィインッ!!! ギアッチョがどんな仕事をしていたのか――ルイズがそれを思い出した 瞬間、白磁の彫刻は彼の手の上で「ブチ割れ」、そしてそれと同時に ギアッチョは食堂を震わせるような大声で叫んだ。 「オレ達の命は安かねェんだッ!!!」 いつもの薄っぺらな怒りではない。ギアッチョは本気で「怒って」いた。 ルイズは声も出せなかった。ギアッチョの剣幕に怯えていたのでは ない。一体自分がどれほど酷いことを言ってしまったのか、それを 理解したのである。自分はギアッチョ達を皆殺しにした『ボス』と 何も変わらない。ギアッチョの彼らしからぬ心の底からの叫びに、 ルイズの胸は千切れ飛びそうな痛みを感じた。
https://w.atwiki.jp/hinoriewiki/pages/40.html
編集 ゼロの使い魔 ゲーム PS2 ゼロの使い魔 小悪魔と春風の協奏曲 2007年2月15日発売 ゼロの使い魔 小悪魔と春風の協奏曲 公式サイト ゼロの使い魔小悪魔と春風の協奏曲(コンチェルト)初回限定版 ゼロの使い魔小悪魔と春風の協奏曲(コンチェルト)通常版 ゼロの使い魔小悪魔と春風の協奏曲(コンチェルト)Best Collection PS2 ゼロの使い魔 夢魔が紡ぐ夜風の幻想曲 2007年11月29日発売 『ゼロの使い魔~夢魔が紡ぐ夜風の幻想曲~』の発売を記念して二人からのメッセージ 2007年12月12日現在配信中を確認。 ゼロの使い魔 夢魔が紡ぐ夜風の幻想曲 公式サイト ゼロの使い魔 夢魔が紡ぐ夜風の幻想曲(ファンタジー)(限定版) ゼロの使い魔 夢魔が紡ぐ夜風の幻想曲(ファンタジー)(通常版) PS2 ゼロの使い魔 迷子の終止符(ピリオド)と幾千の交響曲(シンフォニー) 2008年11月6日発売 ゼロの使い魔 迷子の終止符と幾千の交響曲 公式サイト ゼロの使い魔 迷子の終止符と幾千の交響曲(限定版) ゼロの使い魔 迷子の終止符と幾千の交響曲(通常版)
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1046.html
ルイズはまた夢の中だった。今回もあの夢だろうかと彼女は身を固くしたが、今日の夢はどうやらそうではないようだった。 周りを見渡すと、どうやら自分は小舟の上にいるようらしい。ああ、とルイズは思う。ここはヴァリエールの屋敷だ。 そしてここは自分が「秘密の場所」と呼んでいた中庭の池――・・・。 魔法が使えないことで幼い頃から周囲に白眼視されていた彼女は、悲しい時悔しい時、いつもこの小舟の上で毛布を被り、ひっそりと泣いていた。 「泣いているのかい?ルイズ」 頭の上から声がかかる。はっとして顔を上げると、大きな羽帽子にマントを被った立派な貴族がルイズを見下ろしていた。 隣の領地を相続している、憧れの子爵だった。幼いルイズはそんな彼にみっともないところを見られて慌てて顔を隠す。 「子爵さま、いらしてたの?」 「今日はきみのお父上に呼ばれたのさ あのお話のことでね」 その言葉にルイズは紅に染まった頬を更に赤くして俯く。 そんな彼女を見て、子爵はあっはっはと頼れる声で笑った。そして彼はおどけた調子でルイズを元気づける。彼女にとっては大切な、懐かしい夢。 その時ざあっと風が吹き、子爵の帽子をさらっていった。 「へ?」 いつの間にか今の自分に戻っていたルイズは、帽子の下に現れた顔を見てぽかんとした。その顔は、どう見ても己の使い魔――ギアッチョのものだった。 「な、何よあんた どうしてここにいるのよ」 ルイズは当惑して叫ぶ。しかしギアッチョは、相変わらず感情の読めない眼でじっとルイズを見ている。 「何か言いなさいよ!ねえったら!」 しかしルイズの言葉などまるで耳に届いていないかのように、ギアッチョは何も言わず何もせず、ただルイズを見つめている。 そしてそのまま、一言も言葉を発さぬままにギアッチョの姿は掻き消え、そして小舟も、池も、世界も、ルイズも消えた。 廊下から聞こえてくる声で、キュルケは眼を覚ました。外は薄暗く、恐らくはまだ教師達も眠っているであろう時間帯だ。 静謐な学び舎に響く二人分の囁き声をキュルケはまだ半分寝ている頭で聞いていたが、それがルイズとギアッチョの声であること、そして会話のところどころに「姫さま」とか「任務」などという単語が混じっていることに気付いて飛び起きた。 物音を立てないように急いで着替えと支度を済ませると、ルイズ達が門へ向かったのを確認してから彼女はタバサの部屋へ飛び込んだ。 「タバサおはよう!寝てる場合じゃないわよ、面白いことが――」 部屋に入るなり早口にまくし立てるキュルケの言葉は、サイレンスの魔法によってあっという間に掻き消える。ドアの開く音で目覚めた瞬間反射的に杖を取って呪文を唱える、タバサの瞠目すべき早業であった。 無声映画のように身振り手振りを続けるキュルケを寝起き直後の胡乱な眼で眺めると、掴んだ杖もそのままにタバサは再びベッドの中に潜り込んだ。 キュルケはしばらくジェスチャーを続けていたが、タバサが完全にシカトする構えだと知ると、ならばとばかりに両手でタバサの肩を掴んで揺さぶる作戦に移行する。 最初のうちは無視を決め込んでいたタバサだが、キュルケが一行に諦めようとしないので仕方なくサイレンスを解除すると、 「・・・何?」 ウインド・ブレイクを唱えたくなる前に話だけは聞くことにした。 そんなわけで、タバサは今いそいそと支度を済ませている。 アンリエッタからの秘密の任務でギアッチョ達がアルビオンへ向かうらしいというのはキュルケ程ではないにしろタバサの興味を引いた。 それにキュルケも言っていたことだがルイズの身が安全であるという保障はない。 ギアッチョがいるのだから大抵のことは大丈夫だろうが、彼の魔法も万能ではないことはフーケ戦で証明済みである。 一瞬の思案の後、タバサはシルフィードによる尾行――キュルケに言わせると護衛――を承諾したのだった。 ちなみに当のキュルケはと言えば、何か野暮用を済ませてくると言ってどこかに行ってしまった。まぁそのうち戻ってくるだろうなどと考えながら、タバサは制服のボタンを留め始める。 キュルケはタバサの部屋に続き、またしても堂々とアンロックの魔法で部屋に侵入する。薔薇や宝石で派手に飾られた部屋――ギーシュの私室だった。 「ギーシュ!起きなさいってば ギーシュ!」 キュルケは周りの部屋に聞こえない程度の声でギーシュを起こそうとするが、幸せそうによだれを垂らしたまま彼は一向に目覚める気配がない。 キュルケは少し苛立ったような表情を見せると、ギーシュの耳元に口を寄せて一言ぼそりと何かを呟いた。 「うわあああああ!!待って、待ってくれたまえ!やってるから!ちゃんとやってるからマンモーニだけは――ぁああ!?」 効果覿面、その一言でギーシュはうわ言と共に跳ね起きた。「何だ夢か」と呟くとギーシュは息を吐きながら辺りを見回し、 「うわぁ!!」 キュルケと眼が合った。 「やれやれ・・・やっと起きたわね」 「キュ、キュルケ!?こんな夜も明けきらない時間に一体何の用・・・ハッ!? ダ、ダメだキュルケ!僕にはモンモランシーという女性がヘヴンッ!!」 ギーシュが言い終える前に、キュルケのカカト落しがギーシュの脳天に炸裂した。 「寝言は起きる前に言いなさい」 「・・・それで、後をつけるって言うのかい?」 後頭部をさすりながらギーシュが言う。 「失礼ね、護衛と言いなさいよ あなたは行きたがるかと思ったからわざわざ声を掛けてあげたわけ それで?行くの?行かないの?」 腰に手を当ててキュルケは身体を乗り出す。姫さまとか秘密とかヤバいんじゃないのと言ってみるが、キュルケはそれがどうしたという顔でギーシュの返答を待っている。 ギーシュはうーんと唸りながら数秒考えた後に、まあなんとかなるかと実にギーシュらしい結論を下した。 ギアッチョとルイズは馬を駆って学院を出る。正門の先では一人の男が彼らを待ち構えるように待機していた。 「ワルドさま!?」 ルイズが驚きの声を上げると、ワルドと呼ばれた男は人好きのする笑みを浮かべてそれに答えた。 「久しぶりだな!ルイズ!僕のルイズ!」 ワルドはルイズに駆け寄ると、その華奢な身体を抱き上げる。 「お久しぶりでございます」 そう言って恥ずかしげに頬を染めるルイズを見て、ワルドは豪快に笑った。 「まるで羽のようだ! 相変わらず軽いね、君は」 「・・・お恥ずかしいですわ」 睫毛を伏せるルイズを、ワルドは優しげに見つめている。そしてそんなワルドをギアッチョが見つめていた。 「あいつは・・・昨日の護衛じゃあねーか」 ルイズがぼーっと見つめていた男だ。確か魔法衛士隊の隊長だとギーシュが言っていた。 「あのヒゲが従えてるのは、ありゃあグリフォンだね 正真正銘の魔法衛士隊、トリステインじゃあエリート中のエリートだ」 デルフリンガーがそう言って鍔を鳴らす。「妙な偶然もあったもんだな」と呟いてギアッチョは首をすくめた。 ルイズがギアッチョとデルフリンガーを紹介する。ルイズを下ろしたワルドは大げさな身振りで両手を広げると、 「君がルイズの使い魔かい? 人とは思わなかったな」 おどけた調子でそう言った。 「僕の婚約者がお世話になっているよ」 「婚約者ァ?」 彼らの意外な関係に、デルフリンガーが妙な声を上げる。ギアッチョはワルドをジロリと遠慮無しに観察すると、 「どういう縁だ?」 とこれまた遠慮無しに疑問をぶつけた。ワルドは帽子を取って被りなおしてから、「幼馴染さ」と答えた。 「領地が隣同士でね、ヴァリエール家とは昔から懇意にさせていただいているのさ」 その縁で、父親達の間でルイズとワルドの婚姻の約束が交わされているのだとワルドは説明した。 ――結婚って・・・いくらなんでも歳が離れすぎてるんじゃあねーのか? ワルドはどう見て二十代後半だ。対するルイズは、とギアッチョは彼女に視線を移す。 「な、何よ」 いきなり眼を向けられてルイズは心臓が飛び跳ねた。「け、結婚なんて小さい頃の約束で」だの「もう何年も会ってなかったし」だの、ルイズの口からは無意識の内に次から次へと言い訳が飛び出すが、肝心のギアッチョは一切聞いていなかった。 ――歳は聞いてなかったが・・・いいとこ十四歳って所だよなァァ 犯罪だろ、とギアッチョは思った。イタリアでは結婚可能な年齢は十八歳からだった。そうでなくても歳が一回り前後は離れていそうな二人である。 もっとも、実際は発育が少々哀れなだけでルイズはもう十六歳を迎えているのだが。 じろじろと自分を見るギアッチョをどう解釈したものか、 「なぁに、任務のことなら心配はいらないさギアッチョ君 こう見えても僕はスクウェアメイジだ 大船に乗った気でいてくれたまえ」 そう言ってワルドは自分の胸を拳で叩いて見せた。 「任務?」 ルイズがきょとんとした顔でワルドを見上げる。 「アンリエッタ姫殿下から直々に拝命したのさ 君達と共にアルビオンへ行かせてもらうよ」 そう言ってワルドはルイズに微笑んだ。 ――ま、確かにこんなガキと平民の使い魔を手放しで信用は出来ねーわな ギアッチョはそう納得して馬に跨る。ワルドはそれを見て、 「さあルイズ、こっちにおいで」 グリフォン隊の象徴であり、彼ら隊士の乗り物でもあるグリフォンを呼び寄せると、それに跨ってルイズを手招きする。 ルイズはちょっと躊躇うようにして俯くと、何故だかギアッチョが気になって横目で彼を見た。ギアッチョはデルフに眼を落として会話をしている。 まるでルイズに全く興味がないと言われているようで、ルイズは軽くショックを覚えながらとぼとぼとワルドの元へ歩き出した。 グリフォンの横まで来るとワルドはひょいとルイズを抱きかかえる。そうして手綱を握り、ギアッチョのほうを見てから杖を掲げて叫んだ。 「さあ諸君!出撃だ!」 その声を合図にグリフォンがばさりと飛び立ち、ギアッチョがそれを追って馬を駆る。 深くけぶる朝もやの中、こうして任務は始まった。
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1204.html
この宿、「女神の杵」亭が砦であった頃の栄華を偲ぶ中庭の練兵場。 そこがギアッチョとワルド、二人の決闘の舞台だった。 腰を落として我流というよりは全く適当に剣を構えたまま、ギアッチョは心中で舌打ちする。 ――怒らせて手の内を曝け出させるつもりだったが・・・やっぱりそう上手くはいかねーらしい 敵もさる者、この程度の挑発で逆上するような器量ではないようだ。「流石は女王の護衛隊長ってわけか」とギアッチョは一人呟く。 しかしそれならそれで別にいい。少なくとも戦い方の一端は把握出来るはずだ。 ギアッチョは己の左手に眼を落とす。その甲に刻まれたルーンは、手袋の下からでもよく分かる光を放っていた。 「どうしたね使い魔君 来ないのならばこちらから行くよ」 一向に動こうとしないギアッチョを挑発すると、ワルドは地を蹴って駆け出す。 戦い慣れた者の素早さで一瞬にしてギアッチョに肉薄すると、レイピアのように作られた杖で無数の刺突を繰り出した。 風を切り裂いて繰り出されるそれをギアッチョはデルフリンガーで次々と捌く。 ――こいつはすげぇな・・・正に「身体が羽のように軽い」ってやつだ。 己の剣捌きに一番瞠目していたのは、他ならぬギアッチョ自身であった。 素の状態でもワルドの突きをかわす自信はあるが、今のギアッチョは例え千回突かれようがその全てをかわし切れる程に楽々とそれを捌いていた。 が、予想以上の「ガンダールヴ」の能力に意識が完全にワルドから逸れていた為、突きと同時に行われていた詠唱にギアッチョは気付けなかった。 詠唱が完了したと同時に目の前の空気が弾け、 「うぉおッ!?」 空気の槌をモロに受けてギアッチョは吹っ飛んだ。 ごほッと肺から空気を吐き出しながらもギアッチョはとっさに空中で体勢を整え、デルフリンガーを地面に突き刺して転倒を回避する。 「おいおい、ガードぐらいしたらどうだい? 手加減はしてあるが下手をすれば肋骨が折れるぞ」 羽根帽子のつばを杖の先端で持ち上げて、ワルドはニヤリと笑った。 ルイズが心配げに見守る中、ギアッチョはチッと一つ舌打ちをしてから剣を抜く。 「大丈夫かいダンナ」 「ああ?この程度じゃノミも殺せねーぜ」 若干ふらつきながらも、デルフリンガーにギアッチョは何でもないといった顔でそう返す。 ギアッチョは無傷で勝つことも少なくはなかったが、スタンド使い同士の戦いでは瀕死の怪我を負ったり手足が切り飛ばされたりなどということは珍しい話ではない。 それに比べれば今のダメージなど正に蚊に刺されたようなものであった。 余裕の笑みを浮かべるワルドにガンを飛ばして、今度はこっちの番だと言わんばかりに走り出す。 ワルドは杖を突き出して既に詠唱を終えていたエア・ハンマーで迎撃するが、歪んだ空気の塊が衝突する寸前ギアッチョは「ガンダールヴ」の脚力で右へ飛び避けた。 規格外のその脚力をフルに利用して、ギアッチョは一瞬でワルドの背後を取る。 そのまま身体をねじらせてデルフリンガーを一閃するが、ワルドは一瞬の判断でギアッチョに体当たりし、身体でその腕を止めた。 「・・・君、今首を狙ったな」 身体を衝突させ合った格好のまま、ワルドが鋭い眼で睨む。 「わりーな いつものクセでよォォー、次からは気をつけるとするぜ それよりてめー・・・なかなか素早い判断が出来るじゃあねーか」 「当然だ 女王の護衛を任される者の実力を舐めないことだな」 言うが早いかワルドはぐるりと回転してギアッチョに向き直り、そのまま流れるような動作で三発目のエア・ハンマーを放った。 下からアッパーの要領で撃ち出された風の槌はギアッチョを空高く打ち上げる――はずだったが、 「何・・・?」 ボドンッ!!といういつもの景気のいい打撃音は全く聞こえず、上空高く吹っ飛んでいるはずのギアッチョは数十サント浮き上がっただけで大したダメージもなく着地して いた。 デルフの口からは「おでれーた」という言葉が漏れていた。どうやったのかは分からないが、今自分は魔法を吸収した気がする。 しかし彼が己のしたことを完全に理解するより先に、ギアッチョは次の行動に移っていた。 メイジではないギアッチョは、今の現象をただの不発か角度その他の問題―― 要するに偶然だと考えた。 喋る魔剣を乱雑に構え直すと、色を失くした双眸でワルドを射抜く。 ――同じ魔法を三連発・・・工夫も何もありゃしねえ 手の内見せる気は更々ねえってわけか まあそれもいいだろう。剣のいい練習台にはなる。ギアッチョは足に力を込めると、地面を変形するほどの勢いで蹴って走り出した。 一方ワルドは、エア・ハンマーを打ち破ったものの正体に早くも勘付いていた。 ――あの剣に我が風が吸い込まれるのを感じた・・・どういう原理かは知らないが、どうやら魔法を吸収するマジックアイテムのようだな・・・ 杖をヒュンヒュンと振り回してから構え、ワルドは呟いた。 「それならそれでやりようはある」 「彼はどうして魔法を使わないんだろう?」 決闘を見物に来ていたギーシュが、ロダンの彫刻のようなポーズで言う。 同じく本を閉じて二人を見ていたタバサは、それを聞いてぽつりと口を開いた。 「力を隠してる」 「まあ、確かに王宮の関係者にアレがバレたら一悶着ありそうだものねぇ」 うんうんと頷いてキュルケが同意する。その横ではルイズがずっとブツブツ文句を言っていた。 「何よあのバカ・・・いつもいつも勝手なことばかりするんだから・・・!そりゃ使い魔だって物じゃないけど、たまには言うこと聞いてくれたっていいじゃない! ワルドもワルドよ いつもはこんなことする人じゃないのに・・・」 怒りと不安がないまぜになった顔で呟くルイズの肩にポンポンと手を置いて、ギーシュは遠い眼をする。 「分かってやりたまえルイズ 男にはやらねばならない時というものがあるのさ」 分かったようなことを言うギーシュにジト眼を送ってから、ルイズは複雑な顔でギアッチョ達に視線を戻した。 「全然分からないわよ バカ・・・」 決闘直後とは正反対に、今度はギアッチョが怒涛の勢いでワルドを攻め立てていた。 袈裟斬りから斬り返し、そのまま薙ぎ払いから突きを繰り出し、全く型というものを感じさせない動きで息つく暇なく攻め続ける。 言ってしまえば完全にでたらめな剣捌きなのだが、「ガンダールヴ」の力で繰り出される剣撃は力といい速度といいそれだけで大変な脅威であった。 しかしワルドは風を裂いて繰り出されるそれをひらりとかわしするりと受け流し、涼しい顔で避け続ける。 そしてギアッチョがデルフリンガーを大きく振り下ろした瞬間、ワルドは攻勢に転じた。 地面まで振り下ろされた魔剣を完璧なタイミングで踏みつけ、同時に手刀で喉を突きにかかる。ギアッチョは即座に左手でそれを払いのけたが、その瞬間胸に押し当てられた杖までは手が回らなかった。 ドフッ!! 空気が炸裂する音が響き、 「ぐッ!!」 人をあっさり数メイルも吹き飛ばす衝撃を再び真正面から喰らって、ギアッチョは豪快に吹っ飛んだ。ギアッチョはなんとかバランスを保って着地したが、 「剣を手放したな、使い魔君 勝負ありだ」 主人の手から離れた剣を踏みつけたまま、ワルドが勝利を宣言する。てめー足をどけやがれとデルフリンガーがわめいているが、彼はそれを軽く無視して続けた。 「やはり『ガンダールヴ』、とてつもない膂力だが・・・君の太刀筋はまるで素人だ」 自分を睨むギアッチョから眼を外して、ワルドはルイズへと歩いて行く。 「分かったろうルイズ 彼では君を守れない」 そう言ってルイズの肩を抱くと、後ろ髪を引かれるルイズを伴ってワルドはギアッチョに振り返ることもせず宿へと戻っていった。 そりゃあ剣なんざ今日初めて使ったからな、と彼が心の中で笑っていたことも知らずに。 恐る恐るギアッチョの様子を見ていたギーシュ達は、どうやら彼が怒っていないと知ってバタバタと駆け寄った。 「怒らないのね?ギアッチョ」 「意外」 キュルケとタバサが珍しいといった顔でギアッチョを見る。そんな彼女達に眼を向けて、ギアッチョはフンと鼻を鳴らして笑った。 「初めて剣を使った人間を本気で攻撃する野郎に怒りが沸くか?笑いをこらえるのに必死だったぜ」 初めてという言葉に、三人の顔はますます驚きの色を濃くする。 「ええ!?だ、だってあんな凄い動きしてたじゃない!」 その場の疑問を代表して口にするキュルケに、 「ルーンが光ってた」 フーケ戦の時と同じ、とタバサが鋭く指摘した。ギアッチョは数秒の黙考の後、 「・・・全くよく観察してるじゃあねーか ええ?タバサ」 諦めたように溜息をつくと、手袋をずらして左手をかざした。 「『ガンダールヴ』のルーンらしい 伝説の使い魔の印だとよ」 「が、がん・・・?何・・・?」 何それと言わんばかりのギーシュとキュルケにタバサが説明する。 「あらゆる武器を使いこなしたと言われる、始祖ブリミルの使い魔」 「嘘っ!?」「凄っ!」とそれぞれの反応を返す彼らの前で、ギアッチョは既に鞘に収めていたデルフリンガーを抜き放った。途端、左手のルーンが光り出す。 ギーシュ達がおおーだのうわーだのと感嘆の声を上げるのを確認してから、ギアッチョはデルフを収め直した。 「伝説だなんだと言われてもよく分からんが、あらゆる武器を操れるってなマジらしい 武器に触れるとそいつの情報が勝手に流れ込んで来る上に体重が無くなったみてーに身体が軽くなりやがる 大した能力だぜ」 練兵場跡でガンダールヴについてひとしきり歓談したところで、ギーシュがうーんと唸る。 「しかしやっぱり悔しいなぁ」 「ああ?」 「君の魔法は隠さなきゃならないってことは分かるんだが、君はワルド子爵にきっとある日突然伝説の力を得ただけのただの平民だと思われているだろう? それがどうにも悔しいというか歯がゆいというか」 ギーシュの言うことがよく分からず、ギアッチョは怪訝な顔で聞く。 「何でてめーが悔しいんだ」 「いや、だって僕達友達じゃないか」 「・・・友達ィ?」 ギアッチョが素っ頓狂な声を上げるが、ギーシュは全く真面目な顔で先を続ける。 「ルイズもギアッチョも僕の友達だよ 友達が軽く見られるのを何とも思わない奴はいないさ そうだろう?キュルケ、タバサ」 常人ならば赤面するような台詞をこともなげに言ってのけて、ギーシュは実に爽やかな笑顔で二人を見る。タバサは数秒ギアッチョを見つめると、小さくこくりと頷いた。 キュルケはそんなクサいセリフを振るなと言わんばかりにギーシュを睨むが、睨んだこっちが申し訳なくなるほどいい笑顔のギーシュについに負けて、はぁっと大きく溜息をついて口を開く。 「・・・ま、ヴァリエール家に対する累代の宿怨はとりあえず忘れておいてあげなくもないわ」 あくまで余裕の態度を通すキュルケだったが、タバサにぽつりと「素直じゃない」と言われて、 「ち、ちち違うわよっ!」 と途端に顔を真っ赤に染めて否定した。そんなキュルケをタバサは無表情の まま「素直じゃない」とからかい、「違う!」「素直じゃない」「違うっ!」「素直じゃない」の言い争いをギーシュは笑いながら見物していた。 ギアッチョは「友達」というものが嫌いだった。プロシュートではないが、そんなものは幸せな環境というぬるま湯に浸かっている甘ったれたガキ共のごっこ遊びだと思っていた。 普段友達だ何だと声高に叫んでいる奴等ほど急場でそのオトモダチをあっさり見捨てて逃げるものだ。 暗殺の過程や結果でそんな人間を何人も見てきたギアッチョには、「友達」などという言葉は唾棄すべき虚言以外の何物でもなかった。 見ようによっては淡白な関係だったが、彼はリゾットチームの仲間達とは常に鋼鉄よりも固い信頼で結ばれていた。 だからこそ、ギアッチョには「友達」などというものは上辺だけの信頼で寄り集まる愚者を指す言葉にしか思えない。 しかし。しかしギーシュ達はどうだ?ギーシュはルイズをバカにしていたが、家名を賭けてまで彼女に謝罪をした。フーケ戦では身体を張ってフーケの小ゴーレムを 受け止めた。 キュルケはルイズと宿敵であるような素振りを見せているが、ギアッチョがルイズを殺しかけた時真っ先にそれを止めた。ギアッチョがルイズに危害を加えないかを心配してフレイムに監視をさせていたし、フーケ戦ではルイズが心配で彼女に続いて討伐を名乗り出た。 タバサはシルフィードを駆ってギアッチョを止めた。宝物庫の件では文字通り命を捨てる覚悟でルイズ達を救い、その後も怒ることなく討伐を助けた。 そして何より、見なかったことにして逃げ帰ることも出来たというのに、彼女達は己の危険を顧みず傭兵達と剣を交えてまでルイズを助けに来たではないか。 バカバカしい、と言おうとしてギアッチョは口を開く。しかし楽しげに笑いあうギーシュ達にそう言い捨てることは、どうしても出来なかった。 ――甘ったれ共が・・・ 心中そう呟くが、ギアッチョにはもう解っていた。それはカタギには戻れない自分への、ただの言い訳だ。 人殺しだったイタリアの自分と、全てがリセットされたこの世界の自分。彼らの友情を受け入れることは、この世界での生を受け入れること。 ギアッチョは何一つ言葉を発せずに立ちすくんだ。 決断の時は、近い。
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/989.html
本格推理SS ゼロの使い魔消失事件-事件編 ゼロの使い魔消失事件-解決編 ゼロの使い魔消失事件-終末編
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/701.html
ルイズは今夜も夢を見ていた。古ぼけた部屋の中の、かすみがかった人物達の夢。 ルイズはまた自分ではない誰かになっていて、かすみがかった部屋でかすんだ姿の まま、かすんだ男達と音の擦り切れた会話を交わしていた。 あの使い魔、ギアッチョを召喚した時から――いや、正確にはギーシュとの決闘を 終えた日から、ルイズはこの不思議な夢ばかりを見るようになっている。 使い魔となった者は、主人の目となり耳となる能力や人語を解する能力などを手に 入れる。ギアッチョにはそんな力はなかったが、ひょっとするとそれが夢の共有と いう形で発現しているのかもしれないとルイズは考えた。もしそうだとすると、この 夢を決闘の翌日から見るようになったということは――あの決闘を通して、 ギアッチョが自分を少し認めてくれたということなのかもしれない。ならば、と ルイズは思う。日々霧が晴れるように鮮明さを増してゆくこの夢は、彼が徐々に 心を開いていってくれているということなのだろうか。勿論、霧が全て消えれば 信頼度MAXなどというわけではないのだろうが、興味なんてさらさら無いように 見えるギアッチョが日々内心自分に心を開きつつあると思うと、ルイズはなんだか 無性に嬉しかった。 「どこに行くのよ」 ドアに向かって立ち上がったギアッチョにルイズが問いかける。外はもう双月が 煌々と輝いている時間である。 「剣の練習だ」 ギアッチョはそう言って喋る魔剣デルフリンガーを掴む。 「ちょっと待って わたしも行くわ」 そう言ってベッドから跳ね起きるルイズをギアッチョは物珍しげな眼で見る。 「ああ?何しに行くんだよ」 「何しにって・・・こっ、このわたしが見てあげるって言ってるのよ!ありがたく 思いなさい!」 ルイズはそう言うとギアッチョより先にドアを開けて行ってしまった。ギアッチョは その後姿を眺めながら、 「全くコロコロと機嫌の変わるヤローだなァァ あれが女心と秋の空ってヤツか? え?オンボロよォォ~~」 デルフリンガーの柄を鞘からわずか引き抜いて言う。話を振られた魔剣は、 「えっ!?あ、ハ、ハイ そのようでダンナ・・・」 先日ギアッチョにタンカを切った時の威勢のよさは微塵も無くなっていた。 ギアッチョが中庭へ出ると、先に到着していたルイズがキュルケと喧嘩をしていた。 その後ろには心配そうに主人を見守るフレイム。二人をサイドから眺めるような 位置でタバサが本を読んでいる。 「何でてめーらがここにいる?」 ギアッチョが当然の疑問を発すると、 「ちょっと食べすぎちゃったのよ で、運動しようと思ったらこのおチビちゃんが やって来たワケ」 返答にもルイズへの罵倒を織り交ぜるキュルケだった。 「だ、誰がチビよ!このストーカー!」 「ストッ・・・!?」 「ストッ・・・!?」 ルイズの一撃はキュルケの心を見事に刺し貫いた。別に感謝されたくてやって いたわけではないが、それにしたってキュルケの行動は――無論本人は肯定など しないだろうが――ひとえにルイズを心配するが故なのである。そこに気付いて いないとはいえ、ルイズのこの一言は相当なダメージだった。 「・・・ストーカーね・・・ フフフ・・・ストーカーですって・・・」 がっくりと肩を落としてブツブツと呟くキュルケに流石のルイズも異変を感じたのか、 「えっ!?ちょっとわたし何かした!?」とタバサに助けを求めている。 タバサが「どっちもどっち」と呟いたのを合図に、ギアッチョは彼女達から魔剣へと 視線を移す。 「で? どーすりゃあいいんだオンボロ」 「ど、どうするって?」 「剣なんざ扱ったこともねーって言わなかったか?喋れんなら剣の指南ぐれー 出来るだろ 前の持ち主の剣術とかよォォー」 完全に人まかせ、否剣まかせのギアッチョである。 「あっ、あーあーなるほど!だからダンナはわざわざこの俺をお買いになられた わけッスねェー!さすがはギアッチョのダンナ!」 デルフリンガーはなんとかギアッチョの機嫌を損ねまいと頑張っている。 「てめーそのダンナってのはどうにかならねーのか?」 「え・・・いや、相棒ってのもなんか違うし兄貴はもう取られてるし・・・」 よく分からないことを言い出すデル公だった。 「まぁいい で、結局どーすんだ」 「どうするって言われても・・・え、えーと じゃあとりあえず剣を抜いて・・・」 ギアッチョは言われるままに柄に手をかけ、剣を引き抜き―― バッグォォオオン!! 突如として中庭に轟音が鳴り響いた! 「何・・・だァァ~~~?」 ギアッチョが音のしたほうを振り向くと、岩が集まったような巨大な化け物が 本塔の壁を殴りつけているところだった。 「あれも使い魔だってェのか?」 抜きかけた剣を収めてルイズ達と合流したギアッチョが問う。 「あれはゴーレムよ それもとんでもなく大きい・・・!あんなものを練成する なんて・・・少なくともトライアングルクラスのメイジだわ」 どうやらあれは魔法によって作られるものらしい。彼女達の反応を見るに、 相当高度な魔法のようだ。 「なんにしても・・・見過ごすわけにはいかないわね!」 言うが早いかキュルケが走り出し、 「ちょっ、何やってんのよ!」 ルイズがそれを追いかける。タバサはギアッチョにちらりと眼を向けると、 「危険」 一言告げて先の二人を追いかける。ギアッチョは一つ大げさに溜息をつくと、 仕方なく彼女達のあとに続いた。 ゴーレムの肩の上に、黒衣に身を包んだ女性が立っている。彼女――土くれの フーケは、今まさに「仕事」の只中であった。大怪盗の名を持つ彼女の今宵の 目的は、トリステイン魔法学院本塔の宝物庫に秘蔵されている「破壊の杖」で ある。幾重にも封印が施された扉からの侵入を諦めた彼女は、魔法の薄い 外壁のほうを狙っていた。しかし内側よりは防御が甘いとは言え、高レベルの メイジがかけた固定化の魔法はそう簡単に破れるものではない。ゴーレムの 拳に、本塔の外壁は全くこたえた様子を見せなかった。しかしフーケは 慌てない。ぶつぶつと何事か呟くと、ゴーレムの両腕は鋼鉄の塊へと変じた。 フーケのゴーレムはそのまま壁へと突きのラッシュを放ち――何度目かの 突きで、固定されていた壁は見事に爆砕した。 フーケはちらと地面を見下ろす。学院の生徒達が何名かこちらに向かって いるが、彼女はクスリと笑うとそのまま宝物庫へと侵入した。 キュルケは走りながら魔法を唱え、ルイズとタバサがそれに続く。三者三様の 魔法が激突するが、多少の破損が認められるだけでゴーレムは問題なく 動き続ける。小うるさいアリ共を潰すべく、動く岩塊が右腕を打ち下ろし、 「きゃああっ!?」 間一髪逃れた三人に容赦なく左腕が振り下ろされる! 殺られる――!!ルイズは死を覚悟した。 しかし鉄の拳が彼女達を押しつぶす寸前、タバサが魔法を発動させる! バシィィィンッ!! タバサが打ち込んだ風がゴーレムの拳を刹那弾き返し、 「逃げて」 言うや否や二人に杖の先を向ける。 「なッ・・・タバサ!!」 タバサの風に二人はゴーレムの射程外まで吹っ飛び、そして再び呪文を 唱える間も、ましてや逃げる間も少女達の悲鳴が届く間もなく、タバサを 鋼鉄の拳が―― ズンッ!! 圧死の痛みの代わりに誰かに抱きかかえられる感触を感じて、タバサは 閉じていた眼を開いた。少女の眼に最初に飛び込んできたものは、 幾度も眼にしたことのあるボタンの多い服。そして彼女の頭上で、幾度も 耳にした声が響いた。 「てめー・・・シルフィードだったか?なかなかガッツがあるじゃあねーか」 ギアッチョが飛び乗ったシルフィードは、彼が何かを言う前に主人目掛けて 亜音速で飛来し、ゴーレムの拳が地面に激突する一瞬の間隙を縫って 主人を救い、空へと上昇した。タバサを捕まえたのはギアッチョである。 ギアッチョとシルフィード、それぞれが一瞬ですべきことを把握しなければ 出来ない芸当だった。使い魔同士の信じられないコンビネーションに、 破壊の杖を抱えて出てきたフーケを含む誰もが呆然と空を見上げていた。 一瞬あっけに取られていたフーケだったが、目的を果たしたことを思い出すと さっさとこの場から逃げることに決めた。地響きを立てて去ってゆくゴーレムを 見送って、 「大丈夫」 とタバサは一言口にする。それを合図にギアッチョが抱えていた手を離し、 タバサの命で風竜はゆるゆると地上へ向かった。 「――ありがとう」 シルフィードが地面に降り立つ直前、タバサは小さな声で言う。ギアッチョは 一瞬だけタバサに眼を遣ると、フン、と鼻を鳴らした。 「タバサ!!大丈夫!?タバサ!!」 「無事なのあんた達!?」 地上に戻った2人と1匹に、キュルケとルイズが駆け寄る。その顔は今にも 泣き出しそうだった。ギアッチョは3人を見渡して、誰にも怪我がないことを 確認すると、 「てめーらそこに並びな」 彼女達を一列に整列させる。 そしてルイズ達に待っていたのは。 「このッ・・・バカ野郎共がッ!!!」 鬼も裸足で逃げ出さんばかりのギアッチョの怒鳴り声だった。
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/436.html
変わったな、とギアッチョは思った。何が?他でもない自分自身がである。以前の自分ならルイズの甘言になど耳も貸さなかっただろう。躊躇無く中庭を凍結し、学院中を凍結しただろう。己のスタンドの最強を信じて疑わなかったし、実際無敵であった「例え時を止めるスタンドがいよーと、オレの敵じゃあねーッ」ギアッチョはそう確信していた。10人にも満たないチームで組織に反逆するなどという無謀に乗ったのも、自分の能力ならばボスですら倒せると思っていたからだ。しかし現実はどうだ?グイード・ミスタと新入り、ジョルノ・ジョバァーナ。ホワイト・アルバムが奴らの能力に劣るところは一つとしてなかったはずだ。しかしギアッチョは敗北した。何故か。 「答えは簡単だ・・・」 あなどっていたからだ。奴らを・・・そして世界そのものを。同じ「覚悟」をしているように見えても、結局ギアッチョは心のどこかで己の勝利を確信していたのだ。 「もう二度と・・・ブザマな思い上がりはしねェェーーッ」 皮肉にも―彼は死んでから成長した。 ギアッチョの話にルイズは聞き入っているようだった。自室に戻るなりルイズはギアッチョにあれやこれやと質問を投げかけたのだ。ギアッチョは「色々と聞きてーのはこっちのほうだっつーんだよォォーッ」と言いたかったが、こんなガキにいちいち目くじら立てることもないと思いなおし、とりあえずは質問に答えることにした。キレてさえいなければ常識的な判断も出来る男である。 「・・・それで、あなたは情報を奪おうとして・・・逆に殺されたのね」 自分が殺されたシーンをわざわざ反芻されるのは勿論気分のいいものではなかったが、 自分への戒めだと思い文句を言うのはやめた。それにいろんなことに意識が行っていて 気付かなかったが、よく考えればこいつは自分の命の恩人なのだ。少しぐらい不快に なったからといってすぐにキレるのは礼節に欠ける行為だとギアッチョは思った。無論 我慢の限界が来れば1・2発ブン殴るのに躊躇はないが。 「はぁ・・・まさか別の世界から・・・しかも殺し屋を召喚しちゃうなんてね・・・」 最初は別の世界の存在を疑っていたルイズだが、話を聞き終わる頃にはもう すっかり信じていた。何故って自動車だとかDISCだとか常人の頭で創作出来る話じゃ ないと思ったからだ。実際原理を聞いた今でもさっぱり理解が出来ない。 「気に食わない奴がいりゃあいつでも暗殺してやるぜ。「依頼」とあらばな・・・」 と、そこでハッとルイズは気付いた。 「ちょ、ちょっと待ちなさい いくら使い魔だからって人を殺せば罰されるのよ!」 「問題ねーだろォ~?この世界のことは全然しらねーが、例えば・・・『決闘』なんかで 死ぬならよォォ」 何故だか一瞬キザったらしいクラスメイトの顔が浮かんだが、ルイズはブンブンと 顔を振ってそれを打ち消した。 「そ、そうじゃなくて・・・ ああもう、言い方が悪かったわ 人なんか殺す必要はないし 殺しちゃダメだって言ってるのよ!」 「それは命令か?主としてのよォ」 「りっ・・・理解出来ないのなら命令するわ 殺人は許可しない!」 「なるほどな ここはオレのいたような世界とは違うってことか」 「・・・解ればいいのよ」 「だが断る」 「何ッ!?」 「極力ご期待に沿えるよう努力はするがよォォ~ 絶対殺さないなんて約束は出来ねーぜ 特に相手が下衆野郎の場合はな・・・」 殺し屋に下衆野郎と言われる人間ってどんなのよ、とルイズはツッこみたかったが、 こいつはどんなタイミングでブチ切れるか解らないので「お願いだから殺さないでよ・・・」 と音量3割減で言うにとどまった。 その後あらかたギアッチョにこの世界の事を伝え終わったので、ルイズはさっさと 寝ることにした。―なんだか今日はどっと疲れたわ・・・― しかしルイズがベッドに潜り込んだ時、「待ちな」というギアッチョの声が響いた。 「なっ、何よ」 もはや話しかけられただけで怯えるルイズである。 「肝心なことを訊くのを忘れてたぜ」 ギアッチョはそこで一呼吸置いてから、最後の質問をした。 「オレの世界によォォ・・・戻れる方法は―あるのか?」 暗がりでギアッチョの顔は分からなかったが、今までとはうってかわって沈んだ声 だったので―ルイズは事実を伝えるのをためらった。考えてみれば、人を殺すなどと いう己の人生が賭かった仕事をバカみたいに安い報酬でやらされていたのだ。 殺人などしたくなかった者も中にはいただろう―果たしてギアッチョがどうだったのか ・・・それは分からなかったが―なのに反逆という命がけの訴えに対してボスから もたらされたものは「死」だった。仲間が次々と死んでゆき、ギアッチョまで死んで しまった今、生き残っているのはリーダーのみ・・・或いは彼ももう死んでいるかも 知れない。ギアッチョからすれば自分が死んでしまったからといって諦めのつく 事であるはずがないだろう。今すぐにでもリーダーの元へ駆けつけたいはずだ。 「・・・・・・私は知らないわ だけどこの学院の図書室なら使い魔を送り返す方法が あるかも ・・・今度探してみるわ」 「・・・・・・そうか よろしく頼むぜ」 勘違いのようなものだとは言え自分を殺そうとした男だというのに、その言葉に ルイズの胸は奇妙に締め付けられた。 「・・・あなたのリーダー ボスを倒せてるといいわね・・・」 「・・・ああ」 そう呟くと、ルイズは罪悪感を振り払うかのように眼を閉じた。 前へ 戻る 次へ