約 9,132 件
https://w.atwiki.jp/pipopipo555jp/pages/2787.html
「尖閣沖漁船衝突事件について(続) 河内謙策 2010/10/03 河内謙策と申します。(この情報を重複して受け取った方は、失礼をお許しください。転送・転載は自由です。) 私が様々なMLに投稿した拙稿「尖閣沖漁船衝突事件について」につき、多くの方からコメントをいただきました。有難うございました。私の見たところ、今回の事件は憲法9条の危機ともいうべき重大事件です。にもかかわらず、無関心を決め込んでいたり、発言のリスクだけを考えて沈黙したり、「権威ある見解」が発表されるのを待っていたりする憲法9条擁護論者が多すぎます。これは、日本の平和運動の一部に、思想的腐敗が発生しているということではないでしょうか。それだけに、多くの方からのコメントは、その見解の当否は別としても非常に嬉しいものでした。 以下、様々なMLで私の見解に異論を提出された方に対し、私の提起した4大論点に沿って、私の反論を述べさせていただきます。意見をとりあげることができなかった方に対してはお詫びを申し上げます。皆様の、再びの御検討をよろしくお願いいたします。 まず、今回の事件の真相について。 私は、「日本の領海で不法操業した中国の漁船船長の公務執行妨害罪の成立は間違いない」と述べましたが、新潟の中山様から※01、尖閣諸島が「日本の領土」であるという私の主張に対する疑問が提出されました。中山様の見解は、尖閣諸島の領有は「近代日本のアジア侵略の過程で強奪されたに等しい経緯だった」ということにあるようです。しかし、領土問題の国際法的決着というのは、政治的、あるいは道徳的問題と異なるのです。アメリカ「インディアン」に対する皆殺し政策が許されないとしても、アメリカ合衆国のアメリカ大陸の領有が否定されないことをお考えください(尖閣諸島の領有は、国際法的には「先占」と位置づけられます。「先占」についての詳細は、栗林忠男『現代国際法』慶応義塾大学出版会、228頁以下参照)※02。中山様の論理では、沖縄が中国領だという中国の一部の恐るべき見解も否定することは困難になるのではないのでしょうか。沖縄も近代日本のアジア侵略の過程で強奪されたに等しい経緯だったからです。 http //kinbricksnow.com/archives/51481894.html※1 尖閣諸島については、戦前の日本の実効支配は否定されない事実であること、中国は1970年代まで、海底の石油資源が問題になるまで、自国の領有の主張をしなかった、というのが決定的だと思います(なお、東本様から、以下のサイトに日本共産党の見解が述べられていることを教えていただきました。) http //www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2010-09-20/2010092001_03_1.html※2 尖閣諸島が日本領だとしても、平和主義者がそんな問題に頭を突っ込むのは問題があるのではないか、という見解も多数寄せられました。たしかに領土問題というのは、いささか胡散臭いところがありますし、過去において支配者が国民を統合する一手段として利用してきたことも事実です。しかし私は、平和主義者は、国民が大きな関心を持つ問題については、積極的に自己の見解を対置すべきであり、その上で、排外主義等の誤った見解にならないように訴えるのが正しいと思うのです。危ない問題というので遠ざかっていたり、消極的になっていたのでは、国民に平和主義者の見解に耳を傾けてもらうことはできないし、平和主義者を国民から孤立させるという支配者の思う壺に入ってしまうと思うのです。さらに、今回の問題は、単なる尖閣諸島の問題にとどまらず、中国の北東アジアの覇権確立に直結している問題です。日本国民の生命・財産に直結している問題なのです。したがって、私は、「ここがロドスだ、ここで跳べ」と言いたいのです。※3 次に、中国がなぜ大騒ぎして、日本に対し「力の外交」を展開しているのか、ということについて。 私は、中国が、はじめからこのような事件が発生することを予期して漁船を送り込んだのかどうかは分からないが、この事件を利用して一挙に北東アジアの覇権確立を意図している、と主張しました。これにたいし、東本様から、異論が提出されました。東本様は、浅井基文氏の「中国が日本に求めている最大のものは、改革開放政策30年の成果を踏まえて急台頭する、いまや国際関係にとって欠くべからざる存在となった、そして21世紀の国際関係においてますます重要性を増すことが衆目の一致するところである中国を正確に認識し、日本が『日米を基軸にする大前提のもとで対中関係のあり方を考える』という20世紀の遺物そのものである発想を根本的に改めることにあると思う」という見解を支持しています(なお、浅井基文氏の見解は、以下のサイトを参照。) http //www.ne.jp/asahi/nd4m-asi/jiwen/thoughts/2010/index.html※4 しかし、私は、東本様・浅井様の見解は、中国の行動を世界的な視野で分析しない、特に南シナ海の紛争や中国の最近の日本周辺への圧力をかけてきた歴史の文脈に照らして分析しないという決定的な誤りを犯している、と思います。※5 中国の南シナ海侵略の歴史は、以下のとおりです。 ▽1974年:中国軍がベトナム軍を排除して西沙諸島を占領 ▽1987~88年:中国軍が南沙諸島の一部を占領 ▽1992年:中国が領海法を制定 ▽1992年:外国船が南沙諸島海域を通過する際には中国の許可が必要であると宣言 ▽1995年:中国がミスチーフ環礁に対空砲や対艦砲を設置 ▽1997年:中国が、フィリピンが歴史的に領有してきたスカーボロ環礁の領有権を主張 中国の東シナ海侵略の歴史は以下のとおりです。 ▽1992年:領海法を制定 ▽1995年:海洋調査船が活躍 ▽2000年:情報収集艦で日本列島一周 ▽2003年8月:白樺石油ガス田開発に着手 ▽2004年3月:活動家七人が尖閣諸島に上陸 ▽2006年10月:ソン級潜水艦が米空母キティホークの近傍に浮上 ▽2008年10月:駆逐艦など4隻が日本列島周回 ▽2008年11月:駆逐艦など4隻が沖縄本島と宮古島間をぬけて太平洋進出 ▽2008年12月:海洋調査船2隻、尖閣諸島周辺に侵入 ▽2009年6月:駆逐艦など5隻が沖縄本島と宮古島間を抜けて沖ノ鳥島周辺に進出 ▽2010年3月:駆逐艦など6隻が沖縄本島と宮古島間を抜けて太平洋に進出 ▽2010年4月:艦隊10隻が宮古海峡を太平洋へ抜け、沖の鳥島を一周 ▽2010年5月:中国の海洋調査船が日本の海上保安庁の測量船を4時間追跡 ▽2010年7月:駆逐艦など2隻が宮古海峡を抜けて太平洋に進出 以上を見れば、中国の狙いが南シナ海につづく東シナ海の制覇とそこから東に広がる西太平洋の制覇(=北東アジアにおける覇権の確立)であることは明白であると思います。したがって、そこからは、今回の中国政府の誤りは偶然ではないこと、今後も同種の事件がかなり継続的に発生するであろう、という結論が出てくるのです。以下のサイトの記事も参考にしてください。 http //ameblo.jp/lancer1/entry-10507838780.html※6-1 http //sankei.jp.msn.com/politics/policy/100521/plc1005210335000-n1.htm※6-2 なお、T.kazu様は、私が引用した夕刊フジの記事の緻密な分析をされていますが、そのことにより何を言いたいのか、私には、よく分かりません。夕刊フジの記事のような「対日工作会議」がなかったと言いたいのでしょうか。そうであるとすれば、私は「十分にありうる話である」と判断している、としか言い様がありません。※7 次に菅内閣の態度をどうみるか、ということについて。 これについては、特に大きな反論が提出されませんでした。尖閣諸島が日本固有の領土であり、中国漁船船長の公務執行妨害罪が明白であれば、菅内閣の弱腰は弁護の余地がないからでしょう。 それにしても、船長釈放の経緯が不透明なのは大いに問題ですが、最近ビデオテープについて中国と取引をしたという疑惑が持ち上がっています。これも大変な問題です。以下は有力な見解です。 http //www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/221002.htm※8 菅内閣は、中国政府との間で「落としどころ」をさぐることしか考えていないようです。これから、菅内閣の弱腰=売国政権の実態が、ますます明らかになるでしょう。 最後に、日本の平和活動家のとるべき態度について。 私の最初の問題提起が不十分だったと反省しています。私は、まず(!)、中国政府の帝国主義外交と菅内閣の弱腰外交に抗議すべきではないか、と言いたかったのです。とくに中国政府になぜ日本の平和運動が抗議しないのか、なぜ抗議声明がほとんどでないのか、それが異常だということも分からなくなっているのではないか、それだと中国政府に日本の平和運動がなめられるぞ、それでもいいのか、と言いたかったのです。そして、そのような日本の平和運動の弱点の根本を克服するものとして、アメリカにも中国にも毅然とした平和国家の創造を目指す方針を明確にすべきだ、と主張したかったのです。 立川テント村の声明に私は70%賛成ですが、一番納得できないのは、なぜ中国の誤った帝国主義外交に対する批判がないのか、なぜ中国政府に抗議しないのか、ということです。自国の政府をもっぱら相手にするという過去の誤った平和運動のパターンにとらわれているのではないでしょうか。※9 Motoei様から「(私のいう)過去の誤りとは何ですか」という質問を受けていますが、私は、この問題では、日本の平和運動が過去、中国の覇権主義や人権侵害・少数民族抑圧に対し闘わなかったことを指しているのです。このまま行けば、拉致問題の時の日本の平和運動の二の舞になるでしょう。拉致問題が、本当は平和運動を含めて全国民的な運動であるべきであったのに、日本の「右翼」の専売特許であるかのようになったのは、日本の平和運動の「狭量」=セクト主義と北朝鮮に対する甘さ・宥和的態度にも原因があったのです。※10 私は、「中国の横暴を抑える国際的な連携・包囲網の形成、中国の自由と民主主義を求める勢力に対する支援と連帯こそが究極の中国問題の解決である」と書きました(中国内のチベット民族、ウィグル民族、モンゴル民族との支援・連帯を明示しませんでした。申し訳ありません。)。これに対し、井上様が異論を提出し「包括的な二国間の対話の仕組みを築くことしかない」と主張しています※11-1。しかし、私は、この見解に対し、以下の3点の疑問を持つのです。第1は、今は、中国と「喧嘩」している最中であるから、当面は、このことを考える時期ではない、ということです。第2に、この提案の基礎に、憲法9条=話し合いによる解決、という図式があるとしたら問題です。私は、国際紛争を軍事力によって解決することには賛成できませんが、それ以外は何でもありだと思っています。話し合いが重要であることは、そのとおりですが、それによって視野狭窄に陥ってはならないと思います。とくに、国際的な政治的力関係の変化を重視すべきだと思っています。だから、軍事力によらない「喧嘩」をすることも、場合によっては必要だと思います。特に中国にたいしては、最終的には外交交渉による解決を図るとしても、現在の時点では、中国は恐るべき国であるから、対話での解決は容易でない、という厳しい認識が必要だと思います。第3に、井上様の主張は、問題を2国間に限定しすぎています。国際司法裁判所への提訴や、中国の軍事力に恐怖を感じている諸国、ASEANなどとの連携が、なぜ視野に入ってこないのでしょうか。私が首相であったら、衝突時のビデオを持った特使を全世界に派遣していたでしょう。※11-2 古森義久さんのサイトの9月28日の記事を参照してください。 http //komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/1815477/ アメリカはアセアン諸国の恐怖を巧みに組織化しています。 http //www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/220925.htm※12 尖閣沖漁船衝突事件は、終わった事件ではありません。軍事的な紛争=戦争の可能性を秘めて現在も展開中です。私は、日本の自衛隊の尖閣諸島への配置に反対です。これまで書いてきたように、平和的・政治的解決をあくまでも追求すべきだと思います。憲法9条擁護論者は、今こそ決起すべきなのではないでしょうか。 http //www.yomiuri.co.jp/world/news/20100927-OYT1T00515.htm http //www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00185462.html http //dogma.at.webry.info/201010/article_1.html※13 (2010年10月3日記) 引用者注 ※01 「新潟の中山様」とは誰なのでしょうか? 私たち読者はその人の論考を知らずに河内謙策さんの中山さんへの揶揄だけを聞かされています。これは私信なのでしょうか? ※02 しかも河内謙策さんの論証は栗林忠男氏の著作に丸投げしています。「中山様」には反論の機会は与えられているのでしょうか? このようなアンフェアな批判の仕方は道徳的に全く不正です。 ※1 リンク先は、「新潟の中山様」とも栗林氏の著作とも全く関係が有りません。 ※2 東本高志さんは、数多くの論考を投稿してますがどの論考のどの分脈ででしょうか? なお東本さんは共産党の見解に賛成してるわけではありません。 ※3 「排外主義等の誤った見解にならないように訴えるのが正しい」・・・河内謙策さんはどのように「訴えて」いらっしゃるのでしょうか? 排外主義者の文献やサイトへの引用ばかりが目に付きますが。 ※4 リンク先を参照しましたが、河内様がどの文脈を引用したのか分かりません。タイトル名ぐらいは書いておくんなまし。 ※5 これらを「東シナ海侵略」大袈裟にいうのは、中国での過剰報道とさして変りが有りませんね。 ※6-1 リンク先は「アジアの真実」です。排外主義、核武装主張サイトです。 ※6-2 リンク先は「【正論】中国海洋パワー 西太平洋を影響下に置く行動だ 平松茂雄」です。平松茂雄とは元防衛庁研究所研究部長で「頑張れ日本!全国行動委員会」集会の演説者です。 ※7 T-kazuとは私ni0615のメールヘッダー名です。それで私の論考はコチラです。尖閣沖漁船衝突事件、河内謙策さん論拠の「夕刊フジのスクープ」に関して ni0615 2010/09/30。私が申上げたかったのは「イイカゲンな情報に基づいてダイジな判断をなさらないように」ということです。 ※8 「国際戦略コラム」のF氏ですね。私と同じ匿名の方ですね。 ※9 河内謙策さんはなぜ、肝心かなめの対論者の文章にはリンクをつけないで、排外主義者、偏狭なる国家主義者のサイトにはリンクをつけるのでしょうか? 「立川テント村の声明」とはこれですね。http //blog.goo.ne.jp/afghan_iraq_nk/e/740fc332119cc95c965b1b4cfb6ada5e 河内さんはこれに70%賛成といいますが、原文を対比して見ると賛成部分はどうみても30%以下だと思いますが、どうでしょうか? ※10 「拉致問題が、本当は平和運動を含めて全国民的な運動であるべきであったのに、日本の「右翼」の専売特許であるかのようになったのは、日本の平和運動の「狭量」=セクト主義と北朝鮮に対する甘さ・宥和的態度にも原因があったのです。」これは相当に独断に過ぎる意見とは思いますが、河内謙策さんの主張の確信部分であるならば、他人に改心を求めるのではなくて、まさしく「ここがロドースだ、ここで跳べ!」、「反中国反朝鮮平和運動」の旗を自らお立てになればいいのではありませんか? ※11-1 「井上様」とはどなたでしょうか? まさか私信の曝露ではないでしょうね。もしそれだったら道徳的のみならず法律にも抵触しますよ。繰り返します、反論する相手にはリンクしない! 「視野狭窄」とまで罵倒しながら! ※11-2 私は流出ビデオを詳細に見ましたが、「ナショナリズムの煽り」には有効でしょうが第三者である外国の人には何のインパクトもないでしょう。捜査資料の漏出を笑われるのがオチではないでしょうか。 ※12 ※8と同じ「国際戦略コラム」の匿名F氏です。 ※13 朝鮮人排撃、尖閣武装を呼びかける、「東アジア黙示録」です。 尖閣列島問題、河内謙策氏の論考をめぐって 河内謙策氏の反中国・尖閣闘争論 .
https://w.atwiki.jp/ayano01/pages/237.html
慶応三年八月 「―――これですね」 そう、指を指された先にあるモノを見た時、沖田総司が出来たことは、うめき声を口の中で殺すことだけだ。 地獄の底へ下るような、深い地の底への旅の果てに、彼はそれを確かに見た。 「こ……これは」 キュッ 思わず後ずさった総司の横に立つ少女が、そっと総司の手を握った。 手に伝わる、華奢で柔らかい感触が、総司の心に生まれた戦慄を和らげてくれる。 ―――連れてこなければよかった。 総司は、少女の横顔へ盗み見るような視線を送り、後悔した。 これは、女子供の見ていい代物ではない。 「時雨殿」 斉藤一が言った。 相変わらずのポーカーフェイスのせいで、感情が判らない。 「……これは一体?」 「私の先祖にして、前任者です」 時雨。 そう呼ばれた女は、楚々とした声で答えた。 いつの間に着替えたのだろう。 白装束に身を包み、髪を下ろした女が目の前のモノを見上げる視線を外そうとはしない。 モノ 松明と龕燈提灯(がんどうちょうちん)に照らされた先にあるモノ。 漆黒の闇の中に浮かぶそれを見た総司は最初に巨大な干物を連想した。 黄ばんでボロボロになった布に包まれた干物が岩壁に張り付いている。 本気でそう思った。 近藤や土方から、“その世間ズレした発想をどうにかしろ!”と叱られてばかりの総司は、天性の純粋さ故にそう発想したにすぎない。 否。 総司でなくても、そう思ってしまう。 黄ばんだボロ布は白装束。 干物の上部には、油が抜けた黒髪が張り付いていた。 そう…… 人間の―――ミイラだ。 十字架にかけられた罪人のように、手を左右に広げ、まっすぐ立った姿勢のまま、ミイラは岩壁に張り付くような姿勢で、その場にいた。 「記録では慶安4年(1651年)、由井正雪の乱があった年になりますね」 時雨の斜め後ろに立つ背の高い男が、場違いなほど飄々とした声で言った。 「それから200年以上―――よく持ったモノです」 男は、そっと手を合わせた。 「200年に渡り、この天下を乱す者を防ぎきった貴女に感謝します」 光に照らし出された長い髪は、何一つ答えない。 ぼろぼろに崩れかけた皮膚と肉もまた、無言のまま。 黒く窪んだ眼窩に宿る光は、ない。 「……はい」 時雨は小さく、しかし、力強く頷いた。 「これからは―――私です」 「私は一体、何年を保つことが出来るのでしょうか」 「何年でも」 男は楽しげに頷いた。 「それこそ、千年万年、千代に八千代に」 クスッ。 時雨はそっと袖で口元を抑えながら笑った。 「最後に笑わせていただき、感謝いたします。松笛殿」 「あなたには」 松笛―――そう呼ばれた男は、頷き返した。 「私を殺してもらえる―――そう、信じていたのですがね」 「これもまた、運命(さだめ)というものです」 「運命(さだめ)―――ですか」 ふうっ。 ため息と共に、松笛は言った。 「イヤな言葉です」 「本当に」 「本当ですよ―――さて」 松笛は振り返った。 そこには、目の前に存在する不気味な物体を前に、言葉を失っている侍達の一団がいた。 「新撰組の皆様には、力仕事をお願いします」 「力仕事?」 斉藤がいぶかしげに言った。 「まさか、“あいつを降ろせ”とか、いわねぇだろうな?」 「正解です」 岩肌をよじ登り、ミイラを降ろす作業に入った新撰組の隊士達を見守りながら、 「……お話は、聞いているのですが」 沖田の横に立っていた少女が松笛に言った。 「今、目の前に現実として存在しても尚、信じられません」 「“彼女”は、“器”にすぎません」 松笛は言った。 「器の強弱が、中身をこぼさない秘訣ではありますが」 「一体、誰がこんな残酷なことを」 「水瀬家は絡んでいない―――?」 「知りません」 少女はムキになってそっぽをむいた。 「私は水瀬家からは追放された身です」 「唯一の正統なる後継者はあなただというのに」 松笛は、残念そうな顔で少女の端正な横顔をみつめた。 松明に照らし出される少女の若々しい肌が、陰鬱な世界に染まりかけている心を、浄化してくれる。 「どこもそうですけど、お家騒動は」 「その話は」 少女は松笛の言葉を遮った。 「しないでください」 「……それが、お望みでしたら」 ミイラが降ろされるのを見守りながら、松笛は頷いた。 「華より団子。家より総司君ですね?雫(しずく)殿は」 「なっ!?」 一瞬にして耳まで真っ赤になった、雫(しずく)と呼ばれた少女が、何かを言い返そうとした時、 「ちょっと」 つんつん。 雫の肩を何かがつついた。 振り返ると、妙齢のびっくりする程の美女が自分の後ろに立っていた。 名を、梅。という。 「雫ちゃん。お化粧するから手伝っておくれ」 「はい」 「まぁ、あんたにゃ」 赤い天鵞絨(びろうど)の絨毯が敷かれ、石の上に据えられた幾本もの蝋燭が白装束の女性を照らし出す。 化粧道具を用意しながら、梅は言った。 「いろいろ恨み辛みもあるけどさ」 「……」 時雨は、正座したまま、無言でその言葉を聞く。 「女同士で、最後にしてやれるのはこの程度さね」 「ありがとうございます」 「よしなよ。礼はいらないさ。ねぇ?雫」 「はい」 雫は力強く頷いた。 「時雨様?お梅さんは、お化粧がとても上手なんですよ?私もしっかり教えてもらって、いつかお梅さんの死に化粧を」 ガンッ!! 梅の一撃が、雫の脳天に炸裂した。 「ったく!総司君に毒されすぎだっての!」 頭を抱えてうずくまる雫を睨み付けた梅は言った。 「私ゃ遊郭育ちさ。化粧はお手の物。責任もって、三国一の美人に仕立ててやるよ?」 「降ろしたぜ」 女性達が化粧に勤しむ中、むしろの上に降ろされたミイラを前に、斉藤は言った。 その顔には、あからさまな嫌悪感が漂っている。 「それにしても、コイツは一体?」 「聞いていませんか?」 松笛は、おや?という顔になった。 「俺達が聞いているのは、こいつとあんたの道中を護衛することだけだ」 「そうですか?」 松笛は首を傾げた。 「近藤局長にはお話したのですがねぇ」 「どこでだ」 「酒の席で」 「あの飲みすけが酒の席でのことなんて覚えているもんか!」 斉藤が言った。 「翌日にゃ、小便と一緒に全部流しちまってるわ!」 「……成る程?」 無理もない。 松笛は、不思議と何度も頷くと、不意にミイラを指さした。 「この道中の目的は、このミイラにあります」 「……」 斉藤達は、訝しげに松笛と横たわるミイラを見比べる。 「どういう意味だ?それは」 「このミイラの子宮の中には、恐ろしいほど厄介なモノが巣くっています。ミイラは、それを封印するための器なのです」 「……つまり」 京の都に来てから幾度となく、敵として味方として目の前の男と関わってきた斉藤は、不親切極まりない松笛の説明を、脳内で補足した。 「何だか得体の知れないバケモノを、女の体に閉じこめているって寸法か?」 「ご明察」 「壊しちまえ。んなモノは」 斉藤は、とっさに部下の隊士が持っていた松明を掴んだ。 「こんな干涸らびてるんだ。盛大に燃えるだろうよ」 斉藤が、ミイラに松明を近づける。 それを止めたのは松笛だ。 「―――破壊することは出来ないのです」 その声は真剣だ。 「かつて、阿部清明、倉橋(くらはし) 時深(ときみ)が束になって何とかしようとして出来なかった」 「……燃やす程度じゃすまねぇ、ってか?」 松笛は無言で頷いた。 「ならせめて」 隊士に松明を押しつけ、斉藤は訊ねた。 「こいつの腹の中に何がいるのか、それと、あの女は何なのか、教えてくれ」 「ここまで来たのです」 松笛は頷いた。 「聞く権利はあるでしょう」 「……」 「河内時雨……あなた方にとっては敵の中の敵。彼女はこの」 松笛の指先には、ミイラがいた。 「彼女のご先祖様に代わり、新たなる“器”となる」 「……器には、何を入れる?」 松笛から、斉藤達が何を聞いたのか。 隊士の全員が、一切、語ることなく世を去ったため、一切が不明のままである。 ただ、斉藤の言葉として、こんな言葉だけが残っている。 「近藤さん達は、俺達に何も言わなかったんじゃない。 何も言えなかったんだ。 もし、俺が近藤さん達の立場でも、そうしただろう。 “それ”を知っているなら、誰でもそうするさ」 約200年前の話であった。
https://w.atwiki.jp/traindriveats/pages/97.html
河内永和駅 かわちえいわ Kawachi-Eiwa 相対式ホーム2面2線を持つ高架駅。 駅番号はA07 。 普通列車のみ停車する。 車内放送では「まもなく、河内永和、永和です」と2回目は「河内」を省略して案内される。 キロ程0.8km(布施起点) 大阪難波から6.9km 乗降客数11,260人/日 乗換 (JR)おおさか東線 隣の駅 特急 ・ 快速急行 ・ 急行 ・ 準急 ・ 区間準急 通過 普通 布施-河内永和-河内小阪
https://w.atwiki.jp/pipopipo555jp/pages/2785.html
Re 尖閣沖漁船衝突事件、河内謙策さん論拠の「夕刊フジのスクープ」に関して higashimoto takashi 2010/10/01 Kさん ni0615さん 人さまに対する批判のしかたはいろいろあるだろうし、いろいろあっていい、ともちろん私は思っていますが、おふたりの河内さんに対する批判のしかたは少し以上に違和感があります。それは批判というよりも「攻撃」といった方がより似つかわしい批判のしかたであるからです。 私はni0615さんが提起されている夕刊フジ記事批判には同意できますし、そうした見方に基づいて河内さんの論を批判している論点についても同意できます。しかし、その批判のしかたは執拗です。粘着的といってもいいです。何度も何度も同じことを繰り返す必要がどこにあるでしょうか。問題点を一度指摘すればすむことではないでしょうか。自分が納得できる返信がなかったとしても、です。返信をするかどうか、また、どの程度の返信をするかどうかは返信をしようとする人の自己決定権に属することです。その他者の自己決定権を強要することは誰にもできません。仮に返信がなくとも、返信をしないということが相手の意志なのだ、と発信者としてはいさぎよくあきらめるほかないものです。そうしないで、批判をエスカレートさせていくところに私は粘着性のようなものを感じ、不快感を持ちます。 近藤さんの河内さん批判についても??といわざるをえない批判のしかたです。夕刊フジの記事を「『全編これ講談』ですね」と批評するのはよいとしても、今回の件とは直接関係のない問題を持ち出して、「『河内謙策さんという人は、どうも言動に信頼がもてない人』という印象があります」などと、尖閣沖漁船衝突事件をどう見るか、というのが論点となっている、また論点とするべきこの場で、ことさらに言挙げする必要性がどこにあるでしょうか。いたずらに無用な摩擦を生じさせるだけの批判としかいいようがありません。 河内さんのその論に私たちが賛成するかどうか、また賛成できるかどうか、という問題は別問題として、河内さんが中国問題に関心を持ち続け、熱心に投稿を続けていらっしゃることは周知のところです。おふたりがその事実をお認めになるのならば、その論に賛成であれ、反対であれ、少なくともその事実に対しては、敬意を表するべきではないでしょうか。そして、河内さんのその熱意は評価されてしかるべきものではないでしょうか。その上での批判であってほしい、と私は思います。 ちなみに私も河内さんの今回の論には賛成ではありませんでしたので、その賛成できない理由について若干の意見を述べました。河内さんの論に賛成できない理由について、河内さんの論に即してもっと詳しく述べることもできましたが、私はそうすることはしませんでした。いま、重要なことは中国の「大騒ぎ」の原因の大局観を大きく把捉することだろう、と考えたからです。だから、河内さんの論に対して浅井基文さんの論を対置するにとどめました。 そういう私もかつて河内さんの論に手厳しい批判をしています。下記に掲げておきます。 ■Re 河内氏へー手加減はしないので、そのつもりで(uniting-peace 5854 higashimoto takashi 2007年7月4日) http //groups.yahoo.co.jp/group/uniting-peace/message/5854 ■Re2 河内氏へー手加減はしいので、そのつもりで(uniting-peace 5866 higashimoto takashi 2007年7月5日)http //groups.yahoo.co.jp/group/uniting-peace/message/5866 尖閣列島問題、河内謙策氏の論考をめぐって
https://w.atwiki.jp/kotehan_open/pages/49.html
トリップ ◆FCQSYbcxJE 関連のおーぷん2chスレ
https://w.atwiki.jp/galleon/pages/64.html
GI(G1)勝利一覧(中央・地方) レース名 勝数 勝ち馬 フェブラリーS 高松宮記念 桜花賞 4 86メジロラモーヌ、88アラホウトク、90アグネスフローラ、92ニシノフラワー 皐月賞 1 01アグネスタキオン 天皇賞・春 2 81カツラノハイセイコ、98メジロブライト NHKマイルC ヴィクトリアマイル オークス 2 79アグネスレディー、86メジロラモーヌ 日本ダービー 1 00アグネスフライト 安田記念 2 85ニホンピロウイナー、91ダイイチルビー 宝塚記念 スプリンターズS 2 91ダイイチルビー、92ニシノフラワー 秋華賞 菊花賞 1 79ハシハーミット 天皇賞・秋 エリザベス女王杯 2 83ロンググレイス、86メジロラモーヌ マイルCS 2 84ニホンピロウイナー、88サッカーボーイ ジャパンC 1 93レガシーワールド ジャパンCダート 阪神JF 1 83ロングハヤブサ 朝日杯FS 有馬記念 1 82ヒカリデュール 川崎記念 かしわ記念 帝王賞 ジャパンダートダービー 南部杯 JBCスプリント JBCクラシック 全日本2歳優駿 1 02ユートピア 東京大賞典 ダービーグランプリ 計 23
https://w.atwiki.jp/angeltherapy/pages/13.html
人気商品一覧 @wikiのwikiモードでは #price_list(カテゴリ名) と入力することで、あるカテゴリの売れ筋商品のリストを表示することができます。 カテゴリには以下のキーワードがご利用できます。 キーワード 表示される内容 ps3 PlayStation3 ps2 PlayStation3 psp PSP wii Wii xbox XBOX nds Nintendo DS desctop-pc デスクトップパソコン note-pc ノートパソコン mp3player デジタルオーディオプレイヤー kaden 家電 aircon エアコン camera カメラ game-toy ゲーム・おもちゃ全般 all 指定無し 空白の場合はランダムな商品が表示されます。 ※このプラグインは価格比較サイト@PRICEのデータを利用しています。 たとえば、 #price_list(game-toy) と入力すると以下のように表示されます。 ゲーム・おもちゃ全般の売れ筋商品 #price_list ノートパソコンの売れ筋商品 #price_list 人気商品リスト #price_list
https://w.atwiki.jp/angeltherapy/pages/2.html
メニュー トップページ プラグイン紹介 まとめサイト作成支援ツール メニュー メニュー2 リンク @wiki @wikiご利用ガイド 他のサービス 無料ホームページ作成 無料ブログ作成 2ch型掲示板レンタル 無料掲示板レンタル お絵かきレンタル 無料ソーシャルプロフ ここを編集
https://w.atwiki.jp/ll_inagawa/pages/670.html
スレ立て日 20240126 元スレURL ᶘイ^⇁^ナ川「そこに岩田さん、河内さん、船戸さんがいるでしょう?」 概要 タグ ^イナ川 ^その他
https://w.atwiki.jp/angeltherapy/pages/9.html
動画(youtube) @wikiのwikiモードでは #video(動画のURL) と入力することで、動画を貼り付けることが出来ます。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_209_ja.html また動画のURLはYoutubeのURLをご利用ください。 =>http //www.youtube.com/ たとえば、#video(http //youtube.com/watch?v=kTV1CcS53JQ)と入力すると以下のように表示されます。