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東京都立小石川中等教育学校 概要 1918年、大正時代を代表する自由主義教育者、伊藤長七によって創立された東京府立第五中学校を前身とする名門校です。都立中高一貫校の最難関校であり、創立以来、1000名を超える大学教授を輩出し続けるアカデミックでリベラルな校風です。創立者、伊藤長七が唱えた「立志・開拓・創作」の三校是と「科学の道」の建学の精神に基づき、「小石川教養主義」の言葉に代表されるリベラルアーツと、実験や観察などの知的探究を推奨する理化学教育に重点を置いています。生徒を紳士、淑女として信頼する自主性を重んじる気風があり、中等4年次からは制服がありません。中等6年次には大学のゼミを思わせる特別講座が開講され、大学受験対策にとどまらず、大学教養レベルの内容を扱う講座が開かれています。「行事週間」には一切の授業が中断され、芸能祭、創作展、体育祭で学校全体が行事一色に染まります。 偏差値 男子63 女子62 (四谷大塚80%偏差値 2011年度版) 著名な卒業生 鳩山由紀夫、小沢一郎、澁澤龍彦 主な併願校 武蔵 、開成、桜蔭、渋谷教育学園渋谷、鴎友学園、城北、明大明治、本郷、早稲田 ■伊藤長七の建学の理想が今も息づく“私学” 創立者である伊藤長七が打ち立てた建学の精神が脈々と受け継がれている、公立学校としては稀有な存在です。どちらかと言えば、私学に近い学校といえます。伊藤長七は大正期から昭和期前半に活躍したリベラルな教育者。当時の旧制中学校がどこも官僚や軍人の養成に力を入れていたのに対し、府立五中は異例の「科学の道」を建学の精神として、どちらかというと学者や研究者の育成を目指しました。これが今日に至るまで多大な大学教授を世に送り出してきた理由でしょう。 「科学の道」とともに伊藤長七が生徒たちに熱弁をふるっていたのが、「立志・開拓・創作」の三校是です。現在においては、「自ら志を立て、自分が進む道を自ら切り拓き、新しい文化を創り出す」という意味で解釈され、小石川教育の柱となっています。大学受験に向けての学力だけでなく、生涯にわたって学問を続ける姿勢を育むことも、伊藤長七が理想とした教育です。 小石川の校歌は、創立当初から今日まで、歌詞がまったく変わることなく受け継がれている名曲です。作詞はもちろん、伊藤長七。その歌詞には、「科学の道に分け入りて」、「立つるやここに創作の、真理をきそふ志」「振るわんかなや開拓の」といったように、伊藤長七の思いが凝縮しています。 伊藤長七の生まれは信州です。校歌にも「羽音も高き飛騨の山」と信州の描写があるように、小石川と長七の故郷である信州のつながりは深いものがあります。伊藤長七は、信州の戸隠に土地を持っていて、後に小石川の同窓会である紫友会に寄付しました。それをきっかけに、現在小石川では夏休みに、「小石川と戸隠を結ぶ大地と生命」という浅間火山の観察と戸隠の地質や化石採取を毎年おこなっています。 ■アカデミックな授業と万全の大学受験対策の二兎を追う教育 入学後にもらう生物のテキストに、この学校が求めてきた教育の理想や伝統が感じられます。学校独自の教材であるそのテキストは、小石川がおこなってきた教育の集大成とも言えるものです。何十年も前に作られたテキストが、時代が移り変わり改訂を重ねながら受け継がれてきたのです。小石川では、中学1年次から化学・生物・物理・地学の専門にわかれた先生から指導を受けます。小石川の理科教育で目を引くのが実験の多さです。学校がSSH(スーパーサイエンスハイスクール)に指定されているだけあって、高度な実験器具も学校にそろっています。興味のある生徒を集めて放課後に実験したり、選択科目に実験だけをする科目があたりするのですから、小石川生の実験好きは相当なものです。今でこそ理科教育を売りにする学校は増えましたが、小石川は創立の大正時代から、初代校長である伊藤先生の理念のもと、理科教育を重視した教育をおこなってきました。小石川は理科教育の元祖と言っても過言ではないでしょう。 アカデミックな授業で有名な小石川ですが、進学校として大学受験指導にも熱心に取り組んでいます。英語で教科書として使用するのは、麻布中学などの有名中学でも使われている「Birdland Junior English」で、都立一貫校の中では最もハイレベルな検定外教科書を使用。数学も「幾何」と「代数」の二科目にわかれ、検定外教科書とオリジナルの教材によって授業が進みます。カリキュラムはいわゆる先取り型で、5年次までに高校内容を完全に終わらせ、6年次は小石川伝統の特別講座となります。特別講座は、大学のゼミさながらの少人数による講義がおこなわれます。大学受験対策講座が中心ですが、実験講座や教養講座もたくさんあります。高校3年生の小石川生は、志望校に合わせた特別講座を選択しつつ、息抜きとして実験講座や教養講座を取っているようです。 ■一期生だけで御三家中の合格辞退者が2ケタ 週刊誌、東洋経済の調べによると、小石川の一期生10名以上が、男子御三家、女子御三家に合格辞退しても小石川を選んでいます。開成、武蔵、桜蔭の合格辞退者が特に多く、それぞれ4名以上の合格辞退者が一期生に含まれています。都立中高一貫校の中でも“別格”であることがよく分かる数字といえます。2011年度入試データによると、御三家のなかでは麻布中学との併願者は少なめで、武蔵中学校、桜蔭中学校との併願者は非常に多いというデータが出ています。最難関私立中学の合格辞退者は年々増え続け、2011年入学者は一期生の2倍以上にまで増えています。 御三家をのぞく私立中学校の併願で多いのは、男子は早稲田中学校、早稲田実業、海城中学校、攻玉社中学校、城北中学校など。女子は豊島岡女子、鴎友学園、吉祥女子など。また男女ともに渋谷教育学園渋谷中学校との併願率が高くなっています。 ■おすすめ問題集・関連本 k 『公立中高一貫校に入る!』(学研) 都立中高一貫校の最新情報が盛りだくさん。適性検査の最新傾向と対策や、学校情報など。都立一貫校志望者は買っておきたい。 『公立中高一貫校・合格への最短ルール』 適性検査試験の攻略法が詳細に記述されている。 『公立中高一貫校をめざす適性検査対策問題集』 適性検査の出題内容を分野別に分けて収録した総合問題集。CDと模擬テストつき。 ■入試データ 都立中高一貫校の最難関。都立武蔵、都立両国と共に「都立中高一貫校の御三家」と括られます。小石川らしく、理科と算数を特に重視した適性検査が課されています。また、記述量も都立中高一貫校の中で最も多く、都立中高一貫校のトップとしてふさわしい入試問題と言えるでしょう。全体的に私立の入学試験と類似した問題が多いため、入試準備として私立入試向けの問題集を使ったり、それ向けの塾に入れるのが良いでしょう。私立型の勉強が、小石川合格の近道となります。合格者は日能研やサピックス、四谷大塚などの大手中学受験塾が多く、私立対策をして受験に臨んだ生徒の優位性が示されています。 ■小石川リンク集 ・小石川中等教育学校公式サイト ・小石川中等教育学校訪問記 ・名門校・小石川中等教育学校と創立者 伊藤長七 ・同窓会サイト 君は知ってる? 伊藤長七先生のこと
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資料 只今資料収集中 消火栓の赤色燈がない 廊下にスプリンクラーがない 煙探知器が一般教室には設置されていない 消火器が常設されていない 非常口が明確に示されていない(非常誘導燈が存在しない) 火災時消防進入口がない。(赤い▼がない) 非難梯子がない 教師曰く防火扉が自動で作動しない 3年以内に一度も火災を想定した避難訓練を行っていない 会議 ほむほむ 命 < 金ですかw -- Digital Adviser (2009-10-08 01 59 39) 非難≠避難 -- 徳島県立徳島北高等学校 (2010-05-15 23 57 25) 名前 コメント
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天道小学校前バス停 大牟田市にあるバス停 15番 上官線の利用ができる。 バス停の前に学校は、あるが、 これは小学校ではなく支援学校である。 天道小学校は、隣の天道公民館前が校門の前に停まる。 天道小学校は、4月に笹原小学校と合併し廃校になります。 バス停遠景 バス停 ポールは、上下共用でバス停は、大牟田駅方面行き側にある。 ミスターマックスの最寄停留所としても使われる。 バス停横の坂を5分ほど行くと米生中学校があります。 たい焼き #bf
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ラ リ 立教大宮高校 ル レ 蓮琴高校 ロ 六論中学校 ワ 蕨東高校
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100%中学生 ◆j1I31zelYA ――ちょっと寂しくっても、ちょっとカチンってきても ――ちょっとスベっちゃっても、ドンマイドンマイドンマイドンマイ! ☆ ☆ ☆ 学校でも見かけるような、折り畳み式の白い長テーブル。 それを二つくっつける形で、植木耕助と菊地善人は向かい合わせに座っている。 そして杉浦綾乃の席は、菊地の左隣に。 三人が、図書館の別室で情報交換の続きをしていた。 机と椅子、そしてキャスター付きのホワイトボード以外に何も無いコンファレンスルームは、ひどく殺風景でもあり、平和でもある。 ひとたび室外に踏み出せば、壁も半壊され本棚もぐちゃぐちゃになった図書閲覧室があるなど予想もできないだろう。 仲間がひとり欠けた。殺された。 それでも彼ら彼女らは、それまでと同じように机を囲んでいた。 それは『何も変わらない』という意味では冷たいし、『日常』があるという意味では優しい。 会話をして、休息をして、そして食べるための時間だった。 「つまり日野さんとやらの関わってた殺し合いにも『神様』が出て来たってことか」 「ああ。でも日向も、今回その『神様』が関係してるかまでは分かんねぇって言ってた」 主な話題は、植木耕助と碇シンジのこれまでについて、『補修授業』の一件で中断されていた続きだった。 失った仲間について語らせる過酷な行為でもあったが、しかし少しでも多くの情報を集めるために、ひいては皆が生き延びるために共有しておかければいけない。 植木もそれが分かっているから、学校に行きたい気持ちのはやりを堪えて真剣に話し合う。 菊地や綾乃も、碇シンジが綾波レイのことを気にかけていた以上、情報交換が終わったら合流に向かおうという案に依存はない。 「『神様』については、聞いた話だけじゃ判断しようがないな。 その『天野雪輝』と『我妻由乃』はまだ生きてるようだし、今はまだ保留にしとこう」 「二人をぶん殴ってバカな考えを止めさせてから、詳しく聞くってことだな」 「そうしたいところだな。まったく、事情を知ってそうなヤツが乗ってる可能性大ってのは困った話だぜ」 言葉を交わす合い間を利用して、少年たちはぱくりぱくりと支給食料をほおばっている。 菊地善人は、給食に出るようなコッペパンに直接かぶりつく。 植木耕輔は、一口サイズの乾パンをひとつずつ口に放り込む。 食欲旺盛な中学生にとっては粗食だったけれど、戦闘がもたらした心身の疲労を少しでも補おうとするようにもりもりと摂取する。 綾乃はファミレスで間食していたこともあってさほど空腹ではなかったけれど、食欲旺盛にしている少年たちを感心したように見ていた。 こんなことなら、もっと料理を覚えておくのだったかもしれないと思う。 事務室には冷蔵庫があったから、食材でもあれば調理できたかもしれないのに。 そこまで発想したところで、気づく。 突撃銃の他にもランダム支給品として、ちょっとした食べ物がディパックに入っていたことを。 あれを食べるとしたら、今のうちしかないだろう。 膝を打ち、明るい声で言った。 「そうだ、スイカがあったんだったわ。ちょっと切ってきますね」 ◆ 乾燥したパンの後にスイカというのもおかしな食べ合わせだったけれど、植木たちは十分にうれしそうな(そしてクーラーボックスごと支給されていたことに驚いたような)反応を見せた。 最初にスイカを見つけたときは困惑したけれど、あんな反応をされると心なしかいそいそとする。 「ん、しょ……っと」 バレーボールほどのそれを給湯室に運び込み、まな板の上にのせる。 料理はお母さんの手伝い程度にしか経験していないけれど、スイカを切り分けるくらいはできるはず。 包丁をあてがい、刃を差し込んで真下に押しこむよう思いっきり力をこめる。 『すだん!』と豪快な音を立てて、スイカを両断した包丁がまな板に激突した。 「で、できたっ……」 反動でしりもちをつきかけながらも、ぱっくりと二つに割れたスイカをほっとして落ちないよう支える。 スイカの赤い断面が、切り口を晒していた。 「あ……」 とても濃く赤かった。 黒い種が飛び散った、赤くて紅いスイカの果肉。 切断された衝撃で、まな板の各所に赤い果汁を飛び散らせている。 赤い色。 あんなものを見せられた後では、連想するのは、人間の血でしかなくて―― 違う。 しかしその連想は、すぐに塗り換えられた。 本物の血とは、ほど遠い。 碇シンジから流された血は、もっと赤黒くて、粘性があった。 こんな水彩絵の具みたいな色じゃなくて、もっとどろりとしていた。 そういえば内臓から吐き出された血は黒っぽい色をしているのだとか、家庭の医学に関する番組で見た覚えがある。 そして色々と気の付く菊地も、その違いは一目瞭然だったからこそスイカを食べることに賛成したのだろう。 「もう、びっくりさせないでよっ」 ひやりとしたことの責任をスイカに押し付けて、ほっと胸をなでおろす。 その『胸をなでおろす』という行為をする自分が、不思議だった。 そうか、私はもう血が流れるとか死ぬとかに立ち会ってしまったんだと、改めて自覚する。 知り合いが殺されるところを、見た。 だけでなく、その遺体を埋葬するところにさえ立ち会ったのだ。 さっきまで生きていた人間を地面の中に埋めてしまうなんて、そんな経験など日本に住んでいれば中学生どころか大人にだってほとんどありえない。 内臓をひどく損傷させたまま地面に埋もれていく碇シンジを見て、もっとどうにかしてあげられなかったのかと思った。 殺し合いの真っ最中でなければ、遺体をきれいにしてくれる大人だっていただろうに。 盛り土が完成したときは、こんなにあっさりしたものなのかと思った。 死んだ人を埋めるというのは、うまく表現できないけれど、もっと気が狂いそうになるような作業じゃないかという想像があったから。 もっとも、そのすぐ後には号泣することになったのだけれど。 友達が死んだときに泣かないでどうするんだ、と菊地は言った。 半分になったスイカを、まる一個は食べられないかとひとつ脇にどけ、ひとつをまな板の中央に戻した。 包丁をあてがって、悲しかったことを綾乃は反芻する。 友達が死んだ。 友達、でいいのだろうか。 どうしても、綾乃は首をかしげてしまう。 過ごした時間は、短かった。 しかし植木にも菊地にも、泣く理由はあった。 たとえば、植木が泣かないのは嘘だと思う。 植木は人の善意を強く信じているし、誰とでも仲良くなろうとする。 綾乃のことも、大切な仲間として認めてくれている。 出会ったばかりなのに、バロウという襲撃者から守ろうとしてくれた。 同行することになったから。碇シンジとの口論をとりなしてくれたから。 たったそれだけのことでも、菊地と綾乃をも『仲間』として守るには充分な理由となるようだった。 そんな情のあつい植木が、最も長くともに過ごし、果てには互いの信念をぶつけ合った友達の死に涙を流さないはずがない。 菊地にとっても、植木との交流はあった。 中学生としては抜きんでて聡明な菊地にとって、教師はともかく同年代の男子に、それも技能ではなく精神に、『敵わない』と思わされたことなどあまりなかったのだろう。 碇シンジは『植木を置いて逃げる』という合理的な判断に一石を投じ、どこかお気楽だった菊地の根っこを叩き直していった。 きっとその印象は強烈だった。 植木や菊地と碇の間には、時間では測れない絆が育つに足るものがあった。 半分になったスイカをさらに半分に切り分ける。 四分の一になったスイカを真横に90度回して、右から左へと包丁をいれていった。 種を取りやすく切る方法もあるらしいけれど、料理に詳しくない綾乃はそこまでは知らない。 そんな2人に比べて、綾乃とシンジの関係はあまりにも薄い。 たった数十分ばかり、情報交換をしただけの関係である。 もし綾波レイに会って、あなたと碇くんはどんな友達だったのかと聞かれたりしたら、答えられないだろう。 よくも悪くも馴れ馴れしい歳納京子と違って、一度や二度の会話を交わした段階で友情を抱けるほど綾乃の『友達』の基準は軽くない。 と言うかたいていの中学生の基準はそうだろう。 穏便に出会った。自己紹介をした。 綾波レイについて(主に菊地が)説明した。これまでの経緯を少し聞いた。 シンジと綾乃の交流は、ほぼこれだけに終始してしまう。 彼と植木との間にうまれた剣呑さを見てつい口をはさんだりもしたけれど、そのきっかけも注目も、植木の歪みに向いていた。 もちろん、殺し合いに巻き込まれた同士の連帯感とか、アスカ・ラングレーが殺し合いに乗ったことを心配する気持ちはあったけれど。 例えば、シンジと植木が本当にこじれそうになった時も、植木に対して複雑な感情を抱くだけで、仲裁はすっかり菊地を頼みにしていた。 例えば、菊地とシンジの間で植木を助けに戻るかどうか議論になった時も、黙ってことのなりゆきを見ていただけだった。 例えばシンジたちが心配で戻った時も銃は構えていたけれど、それを撃って救援ができたかは怪しく、場に流されていただけだった。 これだけ傍観者に徹していたような薄さで『共にいた時間は短かったけれど、固い友情がありました』などと言えば、シンジの元からの友達に怒りを買ってもおかしくない。 でも、綾乃は悲しいと思った。 その気持ちに嘘はない。 それは、植木から最後に交わしたシンジとのやり取りについて聞いたから。 シンジが植木に教えたことについて、知ったからだった。 何も、植木とシンジの友情にもらい泣きをしたわけじゃない。 ただ、そんなことを人に教えられる碇シンジという少年が、永久に失われたことが悲しかった。 そんな少年に対して綾乃は傍観者の立場しか果たせず、そしてもっと彼のことを知ろうとしても、死んでしまってはそれがかなわないことが悲しかった。 もうその距離を埋めようとしても埋められない、そんなありえた『これから』が失われたことが悲しかった。 シンジにとってはただの知り合いでしかなかっただろう自分がこうなのだから、元からのシンジの友達とか、家族とか、綾波レイという少女はもっと辛い想いをするのだろう。 だから、だれかが死ぬことは悲しい。 だから、人を殺さないですむ方法がほしい。 大きな深皿を探し出し、ひんやりと冷たそうな果肉をみせるスイカをすとんと並べる。 きれいに並べられてこれから胃袋の中に入るスイカは、さっきとは真逆に、生きているという実感を与えた。 ◆ 『だーかーらっ!! 未来日記とゲームのルールに関する質問以外は受け付けんと、何度も言っておるじゃろうがっ!』 「いや、こいつは未来日記に関する質問だぜ? だってそうだろ? 具体的にどうすれば首輪が爆発するか知ってなきゃ、前触れも無しに『DEAD END』が出たりして日記の信頼性を損なうかもしれないんだから――」 『こ、じ、つ、け、る、なっ!』 激しい苛立ちのこもった電話越しの少女の声が、拡声ボタンでも押したかのように閲覧室に響いた。 『契約するつもりのない冷やかし電話はお断りじゃっっ!! お主はしばらく電話をかけてくるなぁっ!』 「おいおい誰も契約しないとは言ってな――」 ――ブツン。 質問責めにあって我慢の限界に達したムルムルが、とうとう通話を切る。 ためしに再び電話をかけてみたが、ワン切りで済まされる。 別の携帯電話からかけてみても、菊地が「もしもし」と一声しゃべるだけで、通話主は警戒したようにブチっと切ってきた。 どうやら『しばらくかけてくるな』という罰則はただの脅しではなかったらしい。この『しばらく』がいつまでを指すかは不明瞭だが。 「ちっ、我慢の短いヤツだなぁ。こちとら勝手に殺し合いに呼ばれてるんだから、クレームつけられるぐらい予想しとけってんだ」 愚痴をこぼして携帯電話をテーブルに置くと、向かいの席には目を点にした植木耕助がいる。 「すごいな菊地。しつこいクレーマーのおばちゃんみたいだった」 「……褒め言葉だと受け取るよ」 「それで、色々聞いてたけど、なんか分かったのか?」 「ゲームの裏側に関することは口が固かったよ。でも、この『日記』に関することは色々と分かったぜ」 ちら、と目を落としたテーブルにあるのは、碇シンジの残した探偵日記(が登録された携帯電話)と植木の契約した友情日記、そして菊地自身の携帯電話だった。 「おお! たとえばどんなだ?」 「そうだな、まず、俺の携帯にも『友情日記』を同時契約できるか聞いてみたんだが……これはアウトだった。 ゲーム中に動かしていい未来日記は、一種類につき一台のみ。特殊な例外をのぞいて、複数の携帯電話で同じ日記を動かすことはできないんだとさ」 「そういやシンジが、契約できる日記は一つの携帯に一種類までだって言ってたな。その逆もそうってことなのか」 「ああ。『特殊な例外』ってのは今のところ不明だが、もしかしたら予知するために二台以上の携帯が必要な日記があるのかもしれないな」 「あれ? でも待てよ。そうなると『友情日記』の番号を知ってるヤツが、俺の知らないところで電話して契約したらどうなるんだ。 契約は上書きされるんだから、携帯がいつの間にか契約切れてるってこともあるのか?」 「それについても聞いてみた。上書きの契約が可能な条件は、ふたつあるんだそうだ。 ひとつは前の所有者が亡くなってしまった場合。 もう一つは『その時点で契約している携帯電話』から電話をかけて契約した場合」 「……ってことは。所有者から携帯を奪い取って、契約するのはアリ。 でも、番号を知ってるだけじゃ、すでに所有者がいると契約できないってことか。 あ、そういえば! 俺とシンジが友情日記を交代で契約してた時も、携帯を交換してから電話してたな。だから上書きで契約できたのか」 「そういうことだな。なかなか頭の回転が早いじゃないか。 実際問題、そういう制限をつけたのは懸命だと思うぜ? 電話番号を教えるだけで契約できたり、同じ日記を複数の携帯で動かせるなら所有者が増やし放題だからな。 みんながバンバン日記を増やしてるようじゃ、ゲームを管理運営してる側だって把握が面倒になるだろうさ」 「じゃあ、これから日記で知り合いを探すときも、携帯を交換してから予知し合ったほうがいいんだな」 「そういうことだな。俺はしばらく電話禁止みたいだから、お前と杉浦に交代で使ってもらおう。あと、その予知できる知り合いについても詳しく聞いたよ」 「?」 「この『友情日記』の『友情』の定義についてだが。 まず、『お互いに協力できると信頼し合ってる関係』ぐらいになれば、予知ができるってことだ。 つまり、厳密な意味での『友情』じゃなくてもいいってことだな。 ただし、それでもある程度の深い関係は必要らしい。ちょっと会話をした程度じゃアウトなんだと。 ある程度は関係を深めた参加者でないと予知できないそうだ。 こんなことなら、綾波さんたちとはもっとじっくり時間を取って付き合っておくんだったよ」 「気にすんなって。合流場所が決まってるってだけでも安心してるんだからさ」 「ありがとよ、植木……それで、もうひとつの前提だが。 『友情』については『双方向』じゃなきゃいけない。そうでなきゃ『信頼関係』とは呼べないから当然だな。 一方が、『アイツなら大丈夫だ』と思ってるだけの片思いじゃ足りないってことだ。 ムルムルは『参戦時期による』のがどーたらとぼやいてたけど、この言葉の意味はよく分からない。 ただ、この条件だと、俺の知り合いでは『渋谷翔』はアウト。『相沢雅』と『常盤愛』は微妙になっちまうな。 相沢は付き合い長いけど、最近は向こうから距離を取ってるところがあるし。 常盤とは和解したけど、『仲良くなった』かって言うと……あんなことやらされちまったしなぁ」 「どうした菊地、顔が赤いぞ?」 「なんでもない。とにかく常盤との関係は、ちょっと特殊なんだ」 「ふーん? でもその条件だと、俺のチームの仲間は、まず大丈夫だな」 「元からのチームメイトって意味じゃ植木たちは盤石だろうな。 そうだ、ここまでは『友情』の定義の最低ラインについてだけど、上限についても確認しておいた」 「上限?」 「関係がさらに発展しちまった場合、たとえば男女で恋愛関係に突入した場合だな。 これも普通は『友情』と言いにくいだろうけど、こっちも問題なく予知されるそうだ」 「恋愛感情になったらって。菊地、もしかしてお前、綾乃のことが……」 「い、一般論としてだっつーの。『吊り橋効果』って言葉もあるぐらいだし、こんな状況じゃそういう関係の連中が生まれてもおかしくないだろ? ……って、そう言えば杉浦のやつ、遅いな」 ◆ スイカだけじゃ物足りないかと、飲み物を探そうとしたのがよくなかった。 冷蔵庫を開けたところで、見つけてしまったのだ。 それが、綾乃を猛烈に悩ませていた。 「うぅ~…………」 杉浦綾乃は、プリンが好物だった。 人からはツンデレと言われる綾乃でも、プリンに対する好意だけは隠そうとしないぐらい好きだった。 しかもフルーツプリンだった。 ちょっと高そうなケーキ屋さんの、おしゃれなデザインのカップに入っていた。 普段食べているプリンの、倍の値段はする高級プリンだった。 一個しかなかった。 これがもし三個あれば『せっかく見つけたからついでに持ってきました。ついでですから』とよそおい、スイカに添えて三人一緒に食べただろうに。 しかし、一個しかないのである。 これを綾乃だけが食べるということは『一人じめしちゃうぐらい、私はプリンが食べたいんですよー』とアピールすることであって。 これがいつもの生徒会の冷蔵庫ならば、ラッキーとばかりに素直に誰の目もはばからず食べていただろうに。 しかしここにいるのは、仲間とはいえ知り合ったばかりの男の子二人なのだ。 しかもうち一人は、年上なのだ。 なんだ、杉浦ってそんなにプリンが好きなんだな。子どもっぽいところもあるじゃないか。 呆れたような、もしかすると微笑ましいものを見るような目でそう言われることを予想して、ぐっと気恥かしさがこみ上げてきた。 女子校に通う綾乃にとって、『男子中学生』とは事前データのない種族である。 歳納京子に馴れ馴れしくされるのとは、また別種の緊張感がある。 こんなこと、気にするのもいちいち大げさなのかもしれない。 別にプリンが好きだなんて恥ずかしいことじゃないんだし、好きなんですとひとつことわっていただいてしまえばいいだけのこと。 そうは言い聞かせてみたけれど、いざ『実はプリン大好きなんですよー、えへ』とか言ってみて、 『実はオレも好きだったんだー』『なに、植木もなのか。よし、じゃんけんだな』なんて展開が起こってしまったらどうしよう。 ほかの2人にこのプリンを取られてしまったら、ちょっと泣ける。 意地汚い。こんな時に。さっきまで死を悼んでいたのに。 そうは思ってみても、美味しそうなものは美味しそうに見えてしまう。 ……ちょっと考えすぎだろうか。 世の中には『ドーナツが大好き』という一点だけでキャラ立てをしているアイドルもいるらしいけれど、さすがに綾乃はそこまで極端な方向性を進みたくはない。 そう言えば。 最近もこんな風に、冷蔵庫の中をずっと覗き込んで、悩んでいたことがあった。 もっともあのときは、食べたいんじゃなくて、食べられなくて悩んでいた。 歳納京子からプレゼントされた、アイスクリーム。 冷凍庫を開けて、そこにあるのを見つめるだけで頬が『にへら』と緩んで顔が紅潮して。 けれど、食べることは絶対にできなかった。食べてしまったら、なくなっちゃうから。 歳納京子。 自称『杉浦綾乃のライバル』。 あいつは今頃、どうしているだろうか。 痛い目にあってないだろうか。人に迷惑をかけてないだろうか。 最初は後者の心配ばかりしていたけれど、今では前者のほうが気がかりだった。 さっきの綾乃たちみたいに殺し合いに乗った人に襲われたらひとたまりもないし……それに今となっては、後者はあまり心配いらないとも思える。 確かに歳納京子にはお調子者で空気を読まないところがあったけれど、たとえば生徒会の大室櫻子のように真の意味で空気が読めないわけじゃなかった。 決してバカではなかったし、不思議な安定感みたいなものがあった。 ライバルと呼んでくれたことは嬉しかったけれど……いや、変な意味じゃなくて。 実のところ綾乃は、ずっと負け越しのままだった。(一度だけ同人活動の締め切りのせいでおじゃんになったけれど) それは、数値化される成績だけに限らない、あえて言葉にすれば強烈な『個性』のようなものだった。 歳納京子にも杉浦綾乃にも、植木のような戦闘力や菊地のような考察力はない。 戦いとは縁のない日常を過ごしているという点ではいずれも等しく『一般人』に過ぎない。 それでも、歳納京子は『一般人』ではあっても『普通』ではなかった。 歳納京子ほど強烈な女子中学生は、(綾乃の贔屓目を差し引いても)日本中探したところでそうそう見つからないだろう。 ひとたび口を開けばぶっとんだ発想を次々と思いつき、自由奔放かつ意味不明な言動で、絶えず周囲をツッコミに忙しくさせるようなトラブルメーカーかつ企画立案者。 『恋人ごっこやろーぜ!』とか、そんな突飛なことを次々に言って、みんなを引っ張る。 でもそれだけ騒がしいのをなぜか許してしまうというか、かく言う綾乃もそういう騒がしいところを見ているのが何だか安心するというか、ときめくところもあって……違う、今のは無し。 とにかく、ごらく部でもクラスの友人同士の交流でも、常に輪の中心にいるような少女だった。 そしてほとんど勉強しないのに成績学年トップを維持するような不可思議なおつむの持ち主であり。 趣味として打ちこんでいる同人誌の方面ではイベントの完売必須な売れっ子作家だと聞く。 そんな女の子が、杉浦綾乃のライバルだった。 とても尖っている。際立っている。 その一方で、杉浦綾乃は『普通』なのだと気付く。 周囲からは、ツンデレだと言われる。 親友からは、純情で一途で可愛いと言われることがある。 生徒会の後輩からは、しっかりした人だと言ってもらえる。 ツンデレや純情呼ばわりには言い返したいこともあるけれど、その『ツンデレ』も『純情』もつまるところ、特定の人物に対する反応でしかないものであって。 『そいつ』がいなければ成り立たない。 それに、『しっかり』しているのだって別に綾乃に限ったことじゃない。 中学生にして1人暮らしなんかしていて、お泊まり会にごらく部や綾乃たちをしょっちゅう自宅に招いて面倒をみてくれて、 家事全般も余裕でこなしてしまう船見結衣なんかの方が、ずっとしっかりしているし中学生離れしている。 よく影が薄いとか普通のいい子という扱いを受けている赤座あかりにしても、実は普通じゃない。 あれだけ『特徴を言ってみて』と言われても『いい子』と『普通』しか浮かんでこない女の子なんて、逆にぜんぜん普通じゃない。 それを長所と解釈するかは人によるだろうけど、とにかく彼女も別の方向に尖っている。 ごらく部の彼女らだけじゃない。 池田千歳の想像している独特の発想(エッチなこと含む)と鼻血も。そしていつも綾乃を助けてくれるという絶妙なフォローの神がかりも。 大室櫻子の突拍子もないおバカさも、古谷向日葵が持つ13歳とは思えないほどの母性も。 松本生徒会長のミステリアスな存在感も、西垣先生のマッドサイエンティストっぷりも。 みんな『普通』ばなれしたところを持っていた。 みんなが、そういうのが無い杉浦綾乃を友人として認めてくれていることは知っている。 菊地や植木だって、綾乃のことを仲間として認めてくれている。 おかげでちょっとぐらいは自信も持てるようになったし、『宿題』を成し遂げるという決意だって揺るがない。 だから、この悩みは、ぜいたくな無いものねだり。 心配はノンノンノートルダムと言ってばっさり切り落とせるような、ちょっとしたトゲでしかない。 それでも、とびっきり感傷的な言い方をするなら、こういうことだ。 綾乃ができることは、他の人にだってできる。 綾乃にしかできないことは、何もない。 そして綾乃に提示された『宿題』は、はっきりした模範解答の無い、たくさんの人が確たる答えを持てないような考えごとだ。 それはつまり、皆が考えてもわからないことなら、綾乃にもわからないということにならないか。 「……って、たかがプリンひとつで、私はなんでそこまで考えてるのよ!」 深く考えたところで自分を客観視して、ついセルフ突っ込みをいれた。 いや、そもそも、こんな冷蔵庫の前でプリンを凝視して考え込むことなんてなかったんだ。 二人の前で食べるのが恥ずかしいなら、給湯室でこっそり食べてさっさと戻ればよかったんだから。 「ちょ、ちょっと食べて戻るだけ……ばれなきゃいいのよ。ばれなきゃ……」 我に返り、いそいそとフルーツプリンを手に取る。 さて、スプーンはどこだったかしらと給湯室を見回し、 給湯室の入り口で、菊地と植木がじっと見つめているのと目があった。 !? 杉浦綾乃。 生徒会副会長なのに、人から注目されるのには弱い。 ずっと見られていた。もしかすると、独り言をつぶやいたところまで見られていた。 そんなシチュエーションに遭遇すれば、言葉を返すこともできずに固まるしかない。 菊地と植木は、形容しがたい表情をしていた。 しかしやがて、植木耕助がその状況を理解する。 納得したという顔をして、手をぽんと叩き、言った。 「なんだ、綾乃はプリンが食べたかったのか」 悪意のない、しかし『かいしんのいちげき』に匹敵する攻撃。 ぼっと、首から上で火事が起こったように顔が熱く紅潮した。 菊地が『あちゃー』と声には出さずに、心中でつぶやく。 「……っ!」 プリンを持ったまま、窓の方へと、走った。 カーテンを体にぐるぐると巻きつけて、隠れる。 「綾乃?」 「おい、杉浦、大丈夫だ、大丈夫だって!」 「……………さがさないでください」 逃避に走った綾乃をカーテンのうらから呼び戻すのに、菊地たちはずいぶんと労力を要した。 ◆ どうにか三人仲良くスイカを(そして綾乃はプリンを)食べて。 情報の共有もすべて終わって、植木は『探偵日記』の契約を、綾乃は『友情日記』の契約を済ませる。 そして、図書館を出発するときがやってきた。 色々な出来事が起こった建物を、がれきを踏み越えて抜け出していく。 桜の木を一度だけ振り返る、三人の表情は静かだった。 「さて、これから仕事は山積みだな」 「ああ、殺し合いに乗ったヤツから、オレも含めてみんなを守る。 それにシンジから頼まれた、二人の女の子も護る」 「はい、海洋研究所に行って、その前に学校で綾波さんたちと合流して、碇くんのことを教えてあげなきゃ。 そして、私は宿題の答えを見つけるんです、絶対に」 綾乃はもう一度「絶対に」と繰り返した。 そんな綾乃を見て、菊地がふっと真剣な表情を崩す。 「なぁ杉浦。真剣なのはいいけど、あんまり難しく考えることないんだぞ? ここに来てからお前だってずいぶん特殊な経験をしてるんだから、そのうち自然と答えが出ることだってあるさ」 「え……?」 どきりと、綾乃の心臓が不穏な音をたてる。 まさに不安に思っていたことを、見抜かれたような気がしたからだ。 「な、なんで分かったんですか…?」 「いや、さっきから宿題宿題って繰り返してたから、気負ってるのかと思ってさ」 菊地は表情をくずして、にやりと笑ってみせた。 その気遣いに感嘆していた綾乃も、あれ、と首をかしげた。 それは、いつものニヒルな笑い方ではなかった。 どちらかと言えば――そう、魔女っ子ミラクるんのコスプレを人に勧めたりする歳納京子の、いたずらっぽい笑みに似ていた。 「例えばいっそのこと、『戦いをやめてくれるたびに一枚脱ぎます』ってのはどうだ? 男子連中は全員、それで止まるかもしれないぜ?」 !? 綾乃の表情が凍りつき――赤面に転じる。 菊地善人にとっては、『いつもの悪ふざけ』の延長線上だった。 言っていいことと悪いこともわきまえているし、杉浦綾乃が初心なことも把握している。 しかし彼もまた健全な男子中学生であり、『あの3年4組』の一員だったのだ。 純粋無垢な野村朋子に『鬼塚先生にサービスしたいなら下着を脱げ』と提案する(そして実行までさせてしまう)ぐらいには悪ノリするし、クラスの女子もそんな男子たちにけっこう寛容だったりする。 例えば文化祭で『きわどい服』を着たコスプレ喫茶が出し物に提案されるぐらいにはフランクである。 しかし、ゆる(い)ゆり時空の住人に、GTO(グレートティーチャー鬼塚)時空のジョークは刺激が強すぎた。 「へ……へっ……へんたあああああぁぁぁぁぁぁぁいぃっっっ!!」 『コスプレしろ』ならばまだともかく、『脱げ』は完全にアウト。 悲鳴をあげて全力でダッシュし、図書館の建物の陰に隠れる綾乃。 さっきと既視感のある反応だった 前回と違うのは、前回は味方だったもう一人が、そうじゃないということだった。 「菊地……お前、それは無いんじゃ……」 植木耕助も好意を持つ女の子だっている(らしい)健全な男子中学生とはいえ、数か月前までは小学生だった身分である。 この年代で二歳の違いは大きいし、しかも植木自身もそうとうに品行方正な学生だった。 よって菊地に対しても、例えば道で会った男から『どうかぼくを眼鏡好きにしてください』と泣いて頼まれたような、そんな性癖の相手を見るような目になっている。 「いや、その…………謝ってくるよ」 植木のフォローは期待できないぞと、観念して建物の裏手へと向かった。 どうなだめたものかと考えあぐねて、足が重たくなる己に気づく。 (もしかしてオレ、この手の反応をする女子には慣れてないのか? 相沢や飯島は、もっとキャンキャン噛みついてくるタイプだったし) 鬼塚や村井国男たちクラスの三バカともよくつるんでいるのだから、女子からバカだスケベだと言われることに耐性はあった。 しかしギャーギャー騒ぐのではなく、いちいち初心な反応で恥じらうような女子は新鮮だった。 ……もし己が自室ではエロ本を片手に女体の合成写真を作っているとばれたら、もう口をきいてもらえないかもしれない。 そんなことを想像して苦笑すると、建物の角を曲がる。 「えいっ!」 すぱん、と警戒な音がして、菊地の頭頂部が叩かれた。 「うおっ――」 角を曲がったとたんの不意打ちだった。 菊地は驚き、鈍痛に額を抑える。 その右手にハリセンを高々と掲げた綾乃が、くすりと笑う。 「杉浦……もしかして、わざとか?」 「わ、私だって十二時間も一緒にいれば、ちょっとは慣れますよ! でも、次からはほどほどにしてくださいね!」 どこか勝ち誇ったような顔でびしっとハリセンを向ける綾乃に、菊地も『いっぱい食わされた』と嬉しいくやしさがこみ上げる。 「あーあ。一本取られたな」 「綾乃……なんか、たくましくなったなぁ」 二人のやり取りを感心したようにつぶやく植木に、綾乃も得意げに言い放った。 「もちろん! もう心配ないないナイアガラの、余裕ありまくり有馬温泉だから!」 ひくっと。 菊地の頬が、反応にこまって引きつる。 (だ、ダジャレか? でも『ないないナイアガラ』って、洒落って言うよりただ韻を踏んでるだけなんじゃ……) 「ぶっ……!」 しかし、もう一人の聞き手である植木は噴出した。 綾乃にとっては幸運なことに、ツボにはまってしまったらしい。 両こぶしをぐっと握って、綾乃流の景気づけに同調するように言う。 「その意気だぞ綾乃! ファイトファイト、ファイファイビーチだ!」 「ぶっ……!」 返されたダジャレはこれまた綾乃のツボを刺激したらしい。 顔を横に向けて、笑いをこらえるように口元を抑える。 (え、ちょっと待て。これってダジャレネタの流れか……?) とっさに上手い返しの出ない菊地だったが、ほかの2人が元気を出したというのに1人で白けているわけにもいかない。 あわてて『それっぽいセンス』のダジャレをひねり出す。 「ダ、ダジャレかー。そう言えば、授業でもよく暗記に使ってたよなー。メソメソメソポタミア、とか……」 しかし2人は、これに青い顔をした。 「メソメソ……?」 「それはちょっと……」 「待て! お前らがその反応は理不尽じゃないか?」 ショックを受けた菊地に、綾乃と植木がはっとする。 「な、なかなかいいセンスだったぞ。どんどんぼけロンドンだ!」 「そ、そう、もっと聞きたいですよ! お笑い推奨、水晶浜海水浴場です!」 (き、気を使われたのか……?) 相変わらずよく分からないセンスのダジャレによる畳みかけだったけれど、必死そうにフォローしようとする2人はおかしかった。 気づけば「ぷっ」と小さな笑いが漏れる。 まだ、目に涙の跡を残しながらも。 三人ともが笑っていた。 【G-7/図書館付近/一日目 昼】 【杉浦綾乃@ゆるゆり】 [状態] 健康 [装備] ハリセン@ゆるゆり、友情日記@未来日記 [道具] 基本支給品一式、AK-47@現実、図書館の書籍数冊、加地リョウジのスイカ(残り半玉)@エヴァンゲリオン新劇場版 基本行動方針 みんなと協力して生きて帰る 1:誰も殺さずにみんなで生き残る方法を見つけたい。 2:学校を経由して、海洋研究所へ向かう。 3:と、歳納京子のことなんて全然気になってなんかないんだからねっ! [備考] ※植木耕助から能力者バトルについて大まかに教わりました。 ※『友情日記』の予知の範囲は自身がいるエリアと周囲8エリア内にいる計9エリア内に限定されています。 【菊地善人@GTO】 [状態] 健康 [装備] デリンジャー@バトルロワイアル [道具] 基本支給品一式、ヴァージニア・スリム・メンソール@バトルロワイアル 、図書館の書籍数冊 基本行動方針 生きて帰る 1:学校を経由して、海洋研究所へ向かう。 [備考] ※植木耕助から能力者バトルについて大まかに教わりました。 ※ムルムルの怒りを買ったために、しばらく未来日記の契約ができなくなりました。(いつまで続くかは任せます) 【植木耕助@うえきの法則】 [状態]:全身打撲 [装備]:探偵日記@未来日記 [道具]:基本支給品一式×3、遠山金太郎のラケット@テニスの王子様、よっちゃんが入っていた着ぐるみ@うえきの法則、目印留@幽☆遊☆白書 ニューナンブM60@GTO、乾汁セットB@テニスの王子様 基本行動方針:絶対に殺し合いをやめさせる 1:自分自身を含めて、全員を救ってみせる。 2:学校へ向かい、綾波レイを保護する。 3:皆と協力して殺し合いを止める。 4:日記を使って佐野とヒデヨシとテンコも探す。 [備考] ※参戦時期は、第三次選考最終日の、バロウVS佐野戦の直前。 ※日野日向から、7月21日(参戦時期)時点で彼女の知っていた情報を、かなり詳しく教わりました。 ※碇シンジから、エヴァンゲリオンや使徒について大まかに教わりました。 ※レベル2の能力に目覚めました。 【加持リョウジのスイカ@エヴァンゲリオン新劇場版】 杉浦綾乃に支給。 特務機関NERV所属の加持リョウジが、任務の片手間にジオフロント内の畑で栽培していたスイカ。ほどよく冷やされた状態で支給。 碇シンジも収穫を手伝わされている。 【ハリセン@ゆるゆり】 杉浦綾乃に支給。 歳納京子の人格転換をもとに戻すために、『頭部に衝撃をあたえるもの』として用意したうちの道具のひとつ。 Back 探偵と探偵のパラドックス 投下順 救われぬものに救いの手を Back 探偵と探偵のパラドックス 時系列順 救われぬものに救いの手を 1st Priority 植木耕助 ルートカドラプル -Before Crysis After Crime- 1st Priority 菊地善人 ルートカドラプル -Before Crysis After Crime- 1st Priority 杉浦綾乃 ルートカドラプル -Before Crysis After Crime-
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居住区の北、商業区に面した山際にある市立高校。 他に付属の小学校、中学校がある。 生徒の自主性、個性を重んじる大らかな校風で、学力はそこそこだが、その自由な校風から入学希望者が多い。 校風ゆえ様々な種類の部活が存在し、敷地も広いが設備は古めな物が多い。 私立剣崎学院を「いけ好かないエリート連中」とあまり良く思ってはいない風潮があるようだ。 生徒数は約900人。 古くからある歴史のある学校ではあるが学校としての神側との繋がりはなく、完全に無関係。 しかし、契約者はそれなりにいるようだ。 附属中学校 男子:ボタンが4つ 女子:スカーフが白 附属小学校 男女ともに制服なし 男子制服 女子制服 イラスト:ダンタリオン平賀
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第41条 高等学校は、中学校における教育の基礎の上に、心身の発達に応じて、高等普通教育及び専門教育を施すことを目的とする。 第42条 高等学校における教育については、前条の目的を実現するために、次の各号のに掲げる目標の達成に努めなければならない。 1.中学校における教育の成果をさらに発展拡充させて、国家及び社会の有為な形成者として必要な資質を養うこと。 2.社会において果たさなければならない使命の自覚に基き、個性に応じて将来の進路を決定させ、一般的な教養を高め、専門的な技能に習熟させること。 3.社会について、広く深い理解と健全な批判力を養い、個性の確立に努めること。 第43条 高等学校の学科及び教科に関する事項は、前2条の規定に従い、文部科学大臣が、これを定める。 第44条 高等学校には、全日制課程のほか、定時制の課程を置くことができる。 2 高等学校には、定時制の課程のみを置くことができる。 第45条 高等学校には、全日制の課程又は定時制の課程のほか、通信制の課程を置くことができる。 2 高等学校には、通信制の課程のみを置くことができる。 3 市町村の設置する高等学校については都道府県の教育委員会、私立の高等学校については都道府県知事は、高等学校の通信制の課程のうち、当該高等学校の所在する都道府県の区域内に住所を有する者のほか、全国的に他の都道府県の区域内に住所を有する者を併せて生徒とするものその他の政令で定めるもの(以下この項において「広域の通信制の課程」という。)に係る第4条第1項に規定する認可(政令で定める事項に係るものに限る。)を行うときは、あらかじめ、文部科学大臣に届け出なければならない。都道府県の設置する高等学校の広域の通信制の課程について、当該都道府県の教育委員会がこの項前段の政令で定める事項を行うときも、同様とする。 4 通信制の課程に関し必要な事項は、文部科学大臣が、これを定める。 第45条の2 高等学校の定時制の課程又は通信制の課程に在学する生徒が、技能教育のための施設で当該施設の所在地の都道府県の教育委員会の指定するものにおいて教育を受けているときは、校長は、文部科学大臣の定めるところにより、当該施設における学習を当該高等学校における教科の一部の履修とみなすことができる。 2 前項の施設の指定に関し必要な事項は、政令で、これを定める。 第46条 高等学校の修業年限は、全日制の課程については、3年とし、定時制の課程及び通信制の課程については、3年以上とする。 第47条 高等学校に入学することのできる者は、中学校若しくはこれに準ずる学校を卒業した者若しくは中等教育学校の前期課程を修了した者又は文部科学大臣の定めるところにより、これと同等以上の学力があると認められた者とする。 第48条 高等学校には、専攻科及び別科を置くことができる。 2 高等学校の専攻科は、高等学校若しくはこれに準ずる学校若しくは中等教育学校を卒業した者又は文部科学大臣の定めるところにより、これと同等以上の学力があると認められた者に対して、精深な程度において、特別の事項を教授し、その研究を指導することを目的とし、その修業年限は、1年以上とする。 3 高等学校の別科は、前条に規定する入学資格を有する者に対して、簡易な程度において、特別の技能教育を施すことを目的とし、その修業年限は、1年以上とする。 第49条 高等学校に関する入学、退学、転学その他必要な事項は、文部科学大臣が、これを定める。 第50条 高等学校には、校長、教頭、教諭及び事務職員を置かなければならない。 2 高等学校には、前項のほか、養護教諭、養護助教諭、実習助手、技術職員その他必要な職員を置くことができる。 3 実習助手は、実験又は実習について、教諭の職務を助ける。 4 特別の事情のあるときは、第1項の規定にかかわらず、教諭に代えて助教諭又は講師を置くことができる。 5 技術職員は、技術に従事する。 第50条の2 高等学校には、全日制の課程、定時制の課程又は通信制の課程のうち2以上の課程を置くときは、それぞれの課程に関する校務を分担して整理する教頭を置かなければならない。 第51条 第18条の2、第21条、第28条第3項から第12項まで及び第34条の規定は高等学校に、これを準用する。この場合において、第18条の2中「前条各号」とあるのは、「第42条各号」と読み替えるものとする。
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http //imgur.com/orYeusT よく来たな...ここは五日市観音中学校のサバゲー部だ... :入部したいやつは右上から俺に入部届けをだせ :入部届けの管理人にあてて、の欄に本名を書いてくれ :入部資格は2年生であること :それのみだ :一応最初は仮入部だ :本人に確認が取れたら部員だ :皆の入部待ってるぞ :
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台風11号の到来に備え 8月9日のみで全日程終了でした。