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Story ID o7aIRYTdO 氏(133rd take) 真紅「今度は『Country Roads』を演奏してみたいのだわ」 メンバーとの定例会議での出来事、真紅は急にそんな事を言った 水銀燈「あらぁ、おばかさんの真紅にしては随分まともな意見じゃないのぉ」 蒼星石「いいねそれ、結構様々なバンドもこの曲をカヴァーしてるし」 水銀燈、蒼星石は賛成のようだ。また、翠星石達もやってみたいらしく、次回のライヴの曲目に『Country Roads』が追加された その時、水銀燈はこう言った 水銀燈「そう言えばぁ、最近マンネリだから、ゲストを入れるのはどうかしらぁ」 真紅「ゲスト…?」 水銀燈「そうよぉ、そうでなくてもここ最近、真紅と雛苺の喉の調子が悪いんですもの」 確かに、ここ最近喉を酷使する曲が多く、のど飴等を舐めても声が少しガラガラなのである なのてここ数日中のライヴでは、インスト曲の演奏が多いのである 翠星石「確かにそうですぅ、でも、誰をゲストにするか決まってるんですか?」 水銀燈「あら、大丈夫よぉ」 蒼星石「え、誰なの?」 水銀燈「ここ最近注目を集めている、【歌姫】柿崎めぐよぉ」 全員「ブッ」 その台詞を聞いた瞬間、メンバー全員(水銀燈以外)は飲んでいた紅茶を吹き出した 金糸雀「水銀燈、ついに頭がおかしくなったかしら?」 水銀燈「あらぁ、そうじゃないわぁ。元々めぐとは幼なじみだったのよぉ」 薔薇水晶「確かにそうだけど…」 水銀燈「大丈夫よぉ、オファーはとってあるわぁ」 蒼星石「じゃあ…」 金糸雀「次回のライヴは…」 雛苺「柿崎めぐfeat.Rozen Maidenでいくのね」 水銀燈「そうよぉ、彼女は私達Rozen Maidenが好きだから今回のオファーを受けてくれたのよぉ」 真紅「え…?」 真紅の顔が凍った 実は真紅自体、柿崎めぐのファンで、そのめぐがRozen Maidenが好きだから引き受けてくれたなんて思いもしなかったからである 真紅「良いわね…水銀燈、感謝するわ」 水銀燈「その代わり、真紅ぅ…言い出しっぺなんだから完璧な演奏をしなさいよぉ」 真紅「誰に向かってものを言ってるの? 水銀燈。私は誇り高きRozen Maidenのギタリスト ヴォーカルよ」 蒼星石「じゃあ、今回のライヴは全て柿崎めぐfeat.Rozen Maiden versionでいこうよ。いつもとは違う僕達を見せよう」 金糸雀「じゃ、解散かしら」 水銀燈(めぐ…あなたの夢、遂に叶えられそうね…) そしてライヴ。今回はゲストに柿崎めぐが居たせいで何時もの何倍もの客が来ていた そして、遂に最後の曲目… 蒼星石「さぁ、もう最後の曲になってしまったよ」 水銀燈「時間が過ぎるのは早いものよぉ…」 翠星石「でも、Rozen Maidenも柿崎めぐも、何時もこの時を忘れないですぅ」 めぐ「じゃあ、いきましょう『Country Roads』」 歓声が、響く 終 短編SS保管庫へ
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水銀燈「悪いわねぇ…買い物に付き合ってもらっちゃって…」 カートを押しながら、そう言う水銀燈。「全くですぅ」と翠星石。 その日、外食続きでお金の無い水銀燈は、家庭科担当である翠星石と、雛苺を連れて近所のスーパーへとやってきた。 どうせ買うのなら、専門家の意見を聞いたほうがいいのではと考えての行動だった。 翠星石「雛苺、いつまでそこでお菓子を見続けてるですか!?もう行くですよ!」 雛苺「えー!?待ってーなのー!」 そういい、急いでみんなの元へ駆け寄る雛苺。 そして、あらかた買い物を終えると、水銀燈は雛苺の車の運転席に座った。 いつも愛用してる車でスーパーに行くというのは、水銀燈のプライドが許さなかったらしい。 水銀燈「じゃあ、帰るわよぉ」 そういうと、水銀燈は静かに車を発進させた。 その後、車内では学校の話や、料理の話などいろいろな話が展開された。 その時、ふと鼻をかもうとポケットからティッシュを取り出そうとする雛苺。 しかし、ポケットに手を入れた瞬間、ある異変に気がついた。 雛苺「きゃあああああああ!!」 その悲鳴を聞き、思わず急ブレーキをかける水銀燈。 水銀燈「…ちょっと、何なのよぉ…急に大声出して…」 雛苺「ど、どうしよう…。さっきのお店にあったお菓子、お金払わずに持って来ちゃったの…。」 翠星石「はぁああああああ!?何してくれてるですか、このおバカ苺!!」 そう言いながら、雛苺の頭を叩く翠星石。一呼吸おいてから、話を続ける。 翠星石「…まあ、一緒にいたのが蒼星石や真紅じゃなかっただけマシかもですぅ…。やっちまったもんは仕方ねぇから、さっさとみんなで食っちまうですぅ♪」 そう言って、証拠隠滅を図ろうとする翠星石。「ダメよ!」と、その手を払う水銀燈。 翠星石「痛っ!何しやがるですか!?」 水銀燈「今からそれ、戻しに行くわよ。」 いつになく真面目な顔つきで、水銀燈はそう答えた。 翠星石「な、何言ってるですか!?そんなの、わざわざ怒られに行くようなもんですぅ!!」 雛苺「うー…怒られるの、怖いのよ…。」 水銀燈「仕方ないでしょう?わざとじゃないとはいえ、持ってきちゃったのは事実なんだし…」 「でも…」と、雛苺。 水銀燈「私もね、昔万引きしたことがあるの。その時、私も今のあなたみたいに悩んだわ。 でも、気がついたら1回が2回、2回が4回って具合にどんどん増えていっちゃったの…。 で、ある日見つかって、親呼ばれて…。その時、親の顔見て初めて気がついたわ。なんて馬鹿なことしてたんだろうって…。」 運転席から手を伸ばし、雛苺の頭をなでながら話を続ける水銀燈。 水銀燈「一度悪いこと覚えちゃうと、その根はどんどんと広がってしまうの。まるで、白い紙に墨汁を垂らしたようにね。だから、早めに手を打たないとダメなの。 …ほら、翠星石を見てご覧なさい。もう手の施しようの無いことになってるでしょう?」 翠星石「なっ!?言うに事欠いて、なんて事言いやがるですか!?」 そんな翠星石の声を無視し、水銀燈の話は続く。 水銀燈「あなたには、とってもいい子だわぁ。ちょっとお馬鹿さんだけど、とっても素直だし、みんなに優しいし…。だからこそ、私が歩んだような道を歩んでほしくないのよ…。わかった?」 雛苺「…うい…。」 水銀燈「よしよし、大丈夫よ…。事情を話せばきっと分かってもらえるわぁ。」 そういうと、水銀燈は車をUターンさせ、元来た道を戻り始めた。 完
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名無しさんまとめ [ 過去投下作品 改善作業情報(自分用メモ) ] 水銀燈…下から随時更新中(「白き者の憂鬱」まで終了) [ 他の人との違い ] 生徒、特に射撃部がそんなに過激ではありません。あくまで高校生レベルです。 コリンヌとオディールが姉妹ではない等、各種キャラの設定が違う場合があります(注:各キャラ解説) 原作を意識しすぎて、失敗してる箇所が多々あります。 「ローゼンメイデンが教師だったら 」というより、「ローゼンメイデンのドールたちが、人間として生まれて、何か色々あって教師になったとしたら」といった方が正しいかもしれません。 時代別区分け 何か、作ったほうがわかりやすいかなーと思って、作ってみました。 時代別区分け 予告 戯れに作ってみました。思いつきだけで書いたやつもあります。 予告全集 水銀燈 いつもサボってばっかりで、自分のためなら他人を利用することもいとわない悪い子です。怒ると怖いですが、意外に面倒見は良かったりします。 水銀燈と生徒指導 水銀燈と浮気発見術 大捜索 水銀燈と林間学校 保健室と二日酔い水銀燈 水銀燈と新入生 水銀燈vs不良in清水 昔の水銀燈と薔薇水晶 真紅と水銀燈の奇妙なドライブ 具合悪いんでぇ・・・ 水銀燈と『商談』 水銀燈の恋愛観 視聴覚室のゲーム 銀様国外逃亡劇~civilians side~ ピンポンダッシュ 素直になれない水銀燈とサボり 水銀燈と尾行とめぐ 水銀燈と尾行とめぐ~mercury side~ 水銀燈と初等部 意地とプライド 星降る夜空の下で 逃げ出した先に見つけたもの 真昼の来訪者 昔の水銀燈と薔薇水晶 その2 招かれざるもの、心を閉ざすもの 2つの力 穏健派の逆襲 死の誘惑と黒き天使 アリとキリギリス 歌舞伎町の女王 black and white 翼の折れた天使 魂の呪縛 史上最強のナンバー2 ~ein Unterlehrer~ Rozen Maiden begins 誕生日 克服 王の帰還 薔薇盗人 賭博黙示録 お金の価値、人の価値 逃避行 道化師とマリオネット 食わず嫌い 白き者の憂鬱 初売り ハリネズミのジレンマ 代務 受験勉強 全ては水銀燈を中心に 誰かのために 真・水泳部、始動 天秤 新しき道 貨幣経済 ガイヤの夜明け 結婚生活 同属亜種 庭園 自 子 中 信用 結婚式 -eine Hochzeit- 金糸雀 「楽してズルして」が信条ですが、悪には成りきれないご様子。ちなみに、ゲームがお好きのようです。 金糸雀と株 ミラーリフレクション でぃーえす・発売日 金糸雀の節約術 視聴覚室のゲーム 金糸雀の仲裁 金糸雀と雛苺と無視 新入生誘致大作戦 旋律 発掘 策士二人 翠星石 イタズラ大好きで、いつもみんなを困らせます。でも、時折意外な一面を見せることも…。 翠星石の財布泥 相 談 翠星石とバリカン あなたと翠星石の朝 翠星石と創作料理大賞 仲間はずれ ピンポンダッシュ 蒼星石と翠星石の心遣い 翠星石と雛苺と園芸 翠星石と蒼星石の心理テスト 愚者の苦悩 桜 ~cherry blüht~ 王の帰還 発掘 食わず嫌い 翠星石と今日のニュース 蒼星石 問題が発生すると、冷静な判断力で見事にそれを解決します。また、その時の心のこもったお説教も、人気の秘密かもしれません。 蒼星石と万引き 間違えられたCD 蒼星石と翠星石の心遣い 翠星石と蒼星石の心理テスト 桜 ~cherry blüht~ 歌舞伎町の女王 訪問 お金の価値、人の価値 蒼星石の時事問題解説 -北朝鮮ミサイル試射事件- 真紅 お嬢様気質でとっつき難く見えますが、意外に世話好きなようです。ただ、つい『余計な一言』を言ってしまうという困った性格の持ち主でもあるようです。 真紅と水泳 真紅とお泊まりと豊胸 真紅の角 卒業式のリハーサル 真紅と水銀燈の奇妙なドライブ 真紅と昼寝とイタズラ 水銀燈と尾行とめぐ Rozen Maiden begins 本の行方 理解 雛苺 子供っぽい部分が多々ありますが、とっても純心で優しい子です。しかし、それがアダとなることも… 難民 雛苺と万引き 翠星石と雛苺と園芸 金糸雀と雛苺と無視 雛苺のずる休み 星降る夜空の下で 愚者の苦悩 克服 雪華綺晶 薔薇水晶の姉。普段は、何考えているのか分からない節がありますが、時々退屈しのぎにとんでもない事件を起こしてくれることがあります。 翠星石vsねずみ UNOと大戦略 難民 仲間はずれ 視聴覚室のゲーム 2つの力 black and white 史上最強のナンバー2 ~ein Unterlehrer~ 白き者の憂鬱 代務 食料奪取 薔薇水晶 雪華綺晶の妹で、水銀燈の1番の親友にして1番の天敵。曲がったことは大嫌いで、生徒のことを第一に考える、とってもいい子です。 薔薇水晶と張り紙 昔の水銀燈と薔薇水晶 昔の水銀燈と薔薇水晶 その2 薔薇水晶の日記 招かれざるもの、心を閉ざすもの アリとキリギリス 訪問 その他 愛すべき脇役たちの物語です。ちなみに、『JUM桜田』と『ジュン』は別人です。そう言うことにしておいてください。 真昼の来訪者 招かれざるもの、心を閉ざすもの 道化師とマリオネット 初売り ハリネズミのジレンマ 女たちの戦い 従者 智天使 代替授業 ウォーターカーニバル 全ては水銀燈を中心に 真夏の夜の夢 黒のワルツ 離反 複数 注:この項に無いものでも、後期に作ったものには、ほぼ全てのキャラが何らかの形で物語にかかわっています。『水銀燈』の項では、特にそれが顕著に現れています。 卒業式のリハーサル ピンポンダッシュ 闇の住人 心理テスト 逃げ出した先に見つけたもの 穏健派の逆襲 真夏の夜の夢 名無しさん的隔離 「ローゼンって何?」って状況で作ったものや、「何か違うよなぁ…」ってものばかりを集めてみました。 雪とねずみと迫撃砲 ひなまつり2 水銀燈と体育倉庫 合成大作戦 水銀燈逃亡劇 水銀燈が居るミセ、蒼星石が座ったイス 昔の水銀燈と薔薇水晶 その3 水銀燈とインターンシップ 黒衣の守護者 盗撮 オープン・ウォーター 女たちの戦い 翠星石と催眠術 昔の水銀燈と翠星石 翠星石と入学式 翠星石とブービートラップ 真紅と帰ってきたJUM 真昼のダンスバトル 運動会コスプレリレー 部活動設立 体育祭 草案 少年兵 俺のオディールの話、名無しさんの時代別に入れたほうがいいですかね? -- 管理人 (2006-05-08 02 04 48) とりあえず入れておきます。 -- 管理人 (2006-05-08 16 48 03) 面白いね -- gyarakusianekusu (2006-05-09 22 17 38) 管理人さんあ、了解ですw gyarakusianekusuさんありがとうございますw仕事中に考えたかいがありましたw -- 名無しさん(色々書いてる人) (2006-05-10 05 52 57) 名前 コメント
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2011/11/05,06~11/11 第7週 鳥とれな悠と715がぱりんこに侵蝕され始めてヤバイ 結果 最終更新 2011年11月17日 (木) 09時15分27秒 20 七瀬まぐ ゆら キツツキ ちーくん もしゃ 715 水銀 ぱりんこ 勝 負 .ave 七瀬まぐ 2 0 1 2 0 3 2 .600 ゆら ▲ 0 0 1 2 2 3 4 3 .571 キツツキ 1 2 1 2 4 0 1.00 ちーくん 2 0 0 1 2 .333 リョウタ 0 0 0 1 1 0 3 3 4 .428 715 0 0 0 0 2 1 4 .200 水銀 2 0 0 3 2 3 2 5 2 .714 ぱりんこ 0 0 0 0 0 4 .000 報告ログ まぐvsゆら 2-0(2)でまぐの勝ち。 ※ゆらさんの降参 - 七瀬まぐ 2011-11-05 15 42 35 キツツキVSゆら 2-0 キツツキの勝ち - ゆら 2011-11-05 22 57 34 2-0でちーくんの勝ち。 - ちーくぅんVSゆら 2011-11-06 00 40 55 ゆらVSリョウタ 1-0 ゆらの勝ち - ゆら 2011-11-06 01 19 01 リョウタSちーくぅん リョウタの勝ち 1-0 - リョウタ 2011-11-06 01 42 42 リョウタVS7151 リョウタの勝ち 1-0 - リョウタ 2011-11-06 02 13 03 ゆらVS715 2-0 ゆらの勝ち - ゆら 2011-11-06 02 29 23 まぐvsキツツキ 1-0でキツツキの勝ち 勝者が報告してなかったので。 - 七瀬まぐ 2011-11-06 12 56 30 ゆらVS水銀 2-0 ゆらの勝ち - ゆら 2011-11-07 00 05 34 まぐvsいちごん 2-0でまぐの勝ち。 - 七瀬まぐ 2011-11-07 00 07 16 水銀vsまぐ 2-0 水銀の勝ち - 水銀 2011-11-07 00 19 04 水銀vsいちごん 3-0で水銀の勝ち 雪隠れェ・・・ - 水銀 2011-11-07 00 34 01 水銀vsちーくん 3-0で水銀の勝ち - 水銀 2011-11-07 00 47 59 次100戦目だよ! - 名無しさん 2011-11-07 00 54 04 ゆらVSぱりんこ 3-0 ゆらの勝ち 100戦ナノカー - ゆら 2011-11-07 00 55 53 水銀vsもさもさ 2-0で水銀の勝ち - 水銀 2011-11-07 01 14 57 715vsぱりんこ 2-0 715の勝ち 第3週以来とか ハハッ - 名無しさん 2011-11-07 01 16 01 リョータvsぱりんこ 3-0 チョータの勝ち - ぱりんこ 2011-11-07 01 33 16 水銀vsぱりんこ 2-0で水銀の勝ち - 水銀 2011-11-07 01 47 07 チョーヤvsキツツキ - 1-0でキツツキの価値 2011-11-07 02 15 31 水銀vsキツツキ - 2-0でキツツキの価値 2011-11-07 02 15 59 まぐvsリョウタ、1-0でまぐの勝ち。 - 七瀬まぐ 2011-11-10 00 57 53
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雛苺「ぶゃおゎあぁあぁあぁんっ!!」 ある日の午後、水銀燈がラウンジでくつろいでいると、前から雛苺が走ってくるのが見えた。 それを見ながら、水銀燈はため息をつきながらこう考えた。 雛苺がこんなに大泣きする時は、ほとんどこんな理由のはず…。つまり… 水銀燈「…なぁに?また翠星石に苺大福を盗られたのぉ?」 いきなり水銀燈に呼び止められた雛苺は、力強く首を縦に振った。 雛苺「翠星石は酷いの!いっつも、ヒナの事ばっかりいじめて…」 頬杖をつきながら、雛苺の涙ながらの訴えに耳を傾ける水銀燈。 そして、大体の話を聞き終えたところで、雛苺にこんなことを聞いた。 水銀燈「…そんなに嫌なら、やり返せばいいじゃなぁい。あの子とは付き合い長いんだから、弱点の1つや2つぐらい知ってるでしょう?」 雛苺「でも…」 ためらいがちにそう呟くと、雛苺はこう続けた。 雛苺「でも…そんな事したら、ヒナ…翠星石に嫌われちゃうの…。翠星石とはいつまでも仲良くしてたいの…。」 水銀燈「…バカじゃない?何で、この期に及んでそんな事…」 そこまで言って、水銀燈は少し考えた。 まあ、昔から『お子様』な雛苺に復讐など出来るはずもないだろうし、仮にしたとしてもその罪の意識で押しつぶされてしまうかもしれない…。 翠星石のことを『親友』だと思っているのなら、なおさらだ。 終わりの見えない悪夢…それから抜け出すのは、この私でさえ数年かかった…。 あの時は、誰も私を助けてくれる人などいなかった…。でも雛苺の場合は… 水銀燈「…今日だけ、特別よぉ…。」 そう言うと、水銀燈は雛苺に何かを持ってくるよう指示した。 翠星石「おっ、今日も大量ですぅ♪さ、あのおバカなチビチビが来る前に、全部いただいてやるですぅ♪」 次の日、何も知らない翠星石は雛苺の鞄を無断で開けると、中にあった苺大福を手に思わずほくそ笑んだ。 そして、キョロキョロと周囲の様子を確かめると、おもむろに苺大福にかぶりついた。 翠星石「いっただきまーすですぅ♪…………ブッ!!」 そう、それはただの苺大福ではなかった。いつもと違う味に、食べていたものを吹き出し中身を確認すると、そこには苺やアンコの代わりに絵の具がびっしりと詰められていた。 翠星石「ま…まさか…そんな…!!」 急いで鏡で口の中を確認すると、翠星石の歯はすでに絵の具の赤一色に染まっていた。 翠星石「おのれチビチビ!大人しく食べられてればいいものを、小賢しい真似しやがってぇ!!」 怒りを込めて、食べかけの絵の具入り苺大福を職員室のドアに投げつける翠星石。 その時、そのドアがガラッと音を立てて開いた。 そして、そこに立っていたもの…それは、ブランド物のスーツで全身を着飾った水銀燈の姿だった。 水銀燈「…ん?」 いきなり真正面から飛んできた苺大福に対し、水銀燈は急いでドアを閉め直し、それを回避した。 そして、苺大福がドアにあたったのを確認すると、もう一度そのドアを開いた。 さっきより険しい顔で…。 水銀燈「…なぁにこれ?あなた、また私の服を台無しにしようとしてた訳ぇ?」 ドア一面に広がる絵の具を見ながら、水銀燈は翠星石に詰め寄った。 これはまずい、と翠星石は慌てて弁解し始める。 翠星石「ち、違うです!雛苺が、苺大福に絵の具なんぞを仕込んでいたのが悪いんですぅ!不可抗力ですぅ!!」 水銀燈「ふーん…そぅ…。」 翠星石「そ、そうですぅ♪…ま、でも何もなくてよかったですぅ♪おほほほほほ…」 そう言って、どさくさにまぎれて逃げようとする翠星石の襟首を捕まえると、水銀燈はこう言った。 水銀燈「…でもあなた、雛苺のを盗んで食べようとするぐらいだから、よっぽどこれが食べたかったんでしょう?だったら、最後までしっかり味わいなさぁい…。」 それは、翠星石にとって最も恐れていたことが現実に起こってしまった瞬間であった。 翠星石「うー…もう食べられないですぅ…だから許してくださいですぅ…」 目を潤ませ、口の周りに色とりどりの絵の具を付けながら許しを請う翠星石。 そんな翠星石に対し、水銀燈は残っている苺大福を床に払い落とすと、こう言った。 水銀燈「…あ、ごめんなさぁい。めまいがしちゃったわぁ♪…でも、まだ食べられるわよねぇ?」 翠星石「え゛!?」 水銀燈「聞こえなかったのぉ?さぁ、犬みたいに這いつくばって食べなさぁい♪」 もう、それはいじめ以外の何物でもなかった。水銀燈は躊躇(ちゅうちょ)する翠星石の足を「早く…!」と言いながら蹴り飛ばすと、彼女を強引にその場に座らせた。 もはや絶体絶命かと思われたとき、翠星石にとっての救いの神が、昼食を終え職員室に戻ってきた。 蒼星石「ただい…うわっ!2人ともどうしたのさ!?」 薔薇水晶「…!?銀ちゃん…!一体何をやっているの!?」 水銀燈「チッ…邪魔が入ったわね…。」 そう言うと、水銀燈は薔薇水晶の「待ちなさい…!!」という言葉を無視して、どこかへと行ってしまった。 水銀燈「…全く、損な役回りだわぁ…」 屋上で寝そべりながら、水銀燈はついこんな愚痴をもらした。 過去、色々なことがあったとはいえ、翠星石のことはそんなに嫌いじゃない。 むしろ、過去に私がしたことを水に流して普通に接してくれたり、何気ないことで気遣ってくれたりと、どちらかと言えば好きな部類に入る。 しかし、その縁もこれで終わり。薔薇水晶も相当怒ってたし…。 さぁて、これからどうしようか…と考えていた時、ドアのところに蒼星石が立っているのが見えた。 向こうもそれに気がついたのか、つかつかと水銀燈の方に歩み寄ってきた。 水銀燈「…なぁに?『保護者』の登場って訳ぇ?」 蒼星石「水銀燈…。さっきの事だけど…。」 水銀燈「だから何よ…。今更、弁解する気も…」 蒼星石「…雛苺から聞いたよ…。」 そう言うと、蒼星石は寝そべったままの水銀燈の横に座り、話を続けた。 蒼星石「あれは全部、雛苺のためにやったそうじゃない。それに、美術室に口に入れても無害な絵の具が無かったから、わざわざ買いに行ってくれたらしいし…。」 水銀燈「…目の前で死なれちゃ、寝つきが悪くなるでしょう?それだけの事よ…。」 蒼星石「そっか…。あ…それで翠星石の事なんだけど、今、薔薇水晶に付き添われて雛苺のところに謝りに行ってるんだ。やっと自分が悪いことしたって気がついたみたい。だから、あんまり気にしないで…。」 水銀燈「…何で、この私が翠星石の事を気にしなきゃいけないのよ?バカじゃない?」 そう言うと水銀燈は立ち上がり、屋上を後にしながらこう言った。 「躾(しつけ)がなってないわよぉ…」と。 翠星石「うぅ…ごめんなさいですぅ…。もうしないから、いじめないでですぅ…」 水銀燈「分かったわよ…うるさいわねぇ…。」 放課後、しつこいぐらいに何度も謝りに来る翠星石をかわしながら、水銀燈は家路へと急いだ。 今日は雪華綺晶のヘリで学校に来たため、帰りは歩かなくてはいけない。 遊歩道を歩きながら「やっぱり面倒くさいから、タクシーでも呼ぼうか」と考えていた時、後ろから自分のことを呼び止める人物が現れた。 雛苺「すいぎんとー!待ってーなの!一緒に帰ろうよー!!」 水銀燈「…雛苺?あなた、車はどうしたのよ?」 雛苺「んー、今日は電車で帰るから大丈夫なの!それよりも、水銀燈と一緒に帰りたくて…」 水銀燈「…私と?」 雛苺「うんっ!あのね…あの後、翠星石がちゃんと謝りに来てくれたの!『もうしない』って!これも全部水銀燈のおかげなの!どうもありがとう♪」 そう言うと、雛苺はぺこりとお辞儀をして、水銀燈の手を握り締めた。 水銀燈「な、何!?」 雛苺「さ、お手手つないで帰りましょ~♪なかよしこよしで帰るのよ~♪」 水銀燈「ちょっと…!恥ずかしいから止めなさい!みんなに見られたら…」 雛苺「いいの!いいの!…でも絵の具なんかで、どうやって翠星石を反省させたの?」 水銀燈「…あなたには一生分からなくていい事よ。さ、いいから早く帰りましょう…。」 そう言うと、水銀燈は雛苺の手を引っ張り、前へ進みだした。 たまにはこういうのもいいか…と考えながら…。 そして、その行く手には綺麗な夕焼けがその顔を覗かせていた。 完
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それはまだ、ローゼンメイデンのメンバーが薔薇学園高校に通っていた頃… 「ぜ…全治一ヶ月ですってぇ!!?」 有栖川大学病院に水銀燈の声が響いた。 … …… ……… 「まぁ…良かったじゃない。あれだけ無茶して、それだけですんだのだから…」 真紅が苦笑気味に言う。水銀燈はベッドでトホホと項垂れている。 右足にはギブスが巻かれていた。 彼女はつい先日、メンバー達と一緒に学園祭のステージでライブを行ったのだが… 「まったく、ステージから飛び降りて転けるなんて…水銀燈はホント馬鹿ですぅ」 ローゼンメイデンのドラマー、翠星石は呆れ顔である。 「まぁまぁ、翠星石。ロックっぽくて良いじゃないか」 同じくベーシストの蒼星石はそう言うものの、顔は完全に苦笑していた。 「もう、水銀燈…無茶したらめっめっ!なの」 コーラスの雛苺はぷりぷりと怒っていた。 「…銀ちゃん…大丈夫?」 キーボーディストの薔薇水晶は、心配そうに水銀燈を見つめた。 「大丈夫よ、ばらしぃー」 そういって、水銀燈は微笑む。情けないのか、若干苦笑気味ではあるが… そのまま、メンバー達はしばらく談笑し、夕方には帰っていった。 「…ふぅ、暇ねぇ…病院でギター弾くわけにも行かないしぃ」 と言いつつ、真紅が差し入れで持ってきてくれたDVDプレーヤーでスレイヤーのライブDVDを見ていたが、ジッとしながら見ても少々盛り上がりに欠ける。 「…散歩でもしようかしら?」 そう呟き、水銀燈は車椅子に乗ると病室を出た。 有栖川大学病院はなかなか大きな病院で、水銀燈はあちこちを回った…が… 「…そもそも、病院にそんな変わった物が有るわけ無いわよねぇ…」 と、彼女が完全に退屈して部屋に戻ろうとした時… 「「もういいから出てって!!!」」 いきなり大きな怒鳴り声が聞こえ、水銀燈は驚き、目を丸くした。 辺りにいた患者や看護士は、「またか」という表情をする。 「あぁ、まためぐちゃんね」 近くに居た看護士がそう呟いた。 「めぐぅ?その娘、いつもこんなに騒いでるの?」 「えっ……そうなのよ…私たちが部屋に入るのをよく嫌がってね…」 その看護士はウンザリした様子で言った。 「へぇ…」 水銀燈はニヤリと笑った。 「ねぇ、看護士さぁん。その娘の病室連れてってくれなぁい?」 そう水銀燈が頼むと看護士は一瞬変な顔をしたものの、めぐの病室へと水銀燈を連れて行った。 「ここよ…私は、入ると嫌がられるからここまでね」 と言って、看護士はその場から逃げるように立ち去った。 水銀燈はその病室のドアを開ける。 …からたちの花が咲いたよ 白い白い花が咲いたよ… 中にいた少女、めぐは歌を歌っていて水銀燈に気づかなかった。 「…」 …からたちのとげは痛いよ 青い青いはりのとげだよ… 水銀燈はしばらく少女の歌に聴き入る。 「…めぐぅ」 そして、いきなりファーストネームで名前を呼んだ。 めぐは驚き、水銀燈のほうを見る。 「…素敵な歌声ね」 水銀燈はニッと笑って見せた。 「…あなた、誰?」 めぐは不審者を見る目で水銀燈を見る。 水銀燈は、何もかもを見抜くような鋭い視線をした。 びくっとめぐは一瞬怯える。 「私は水銀燈。よろしくね」 長編SS保管庫へ/(2)へ続く
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真紅の話を聞き終えた金糸雀は腕を組み「ん~」と少し考え、言う。 「その話だと水銀燈と白崎は付き合ってはいなかったかしら?」 「うん、だけど後で後輩に聞いた話なんだけど白崎が真紅の声を選び、新しいギターの人を見つけるまでに2~3回ほど一緒に歩いてるのを見たらしいよ。とても仲良くまるで恋人のようだったと言っていたよ」 蒼星石が説明する横で雛苺が相変わらず頬を膨らませて言う。 「真紅と水銀燈はおなじようにスキっていわれたの~」 真紅は紅茶のおかわりを注文しながら雛苺の言葉を訂正する。 「雛苺、前にも言ったように白崎は私の声、水銀燈のトーンをスキって言っただけなのだわ。そこに恋愛感情なんて存在しないわ」 首をかしげる雛苺に翠星石は口に含んでいた氷をプッと飛ばす。 「バカ苺が話しに入ってきたらヤヤコシくなるですぅ、お子様は黙って聞いていやがれですぅ」 「あぁ~ん、汚いのぉ~」 飛んできた氷を避ける雛苺のとなりで金糸雀は真紅に最後の疑問を聞く。 「じゃぁ、あの5月の音楽祭に水銀燈もなぜメンバーとして一緒にヤッてたのかしら?」 それには先ほど氷を飛ばした翠星石が答える。 「それは、この話をまだ真紅から聞いていなかった翠星石が無理やり水銀燈を引っ張っていったですぅ。その後に水銀燈はギターを止めてしまいやがったですぅ」 残念そうに肩を落とす翠星石。まだ納得がいかない金糸雀は薔薇女子高に転校し始めてのイベントであった5月の薔薇女子高 春の音楽祭を思い出していた。 ・・・・吹奏楽部のクラシックや有名な映画音楽、同じ校内の真紅達のようなバンドの演奏を聴いていた。 (みんなどうってことないのかしら~) これが当初の金糸雀の感想。 (そろそろ飽きたのかしら~) そう思ったとき真紅達が現れた。 (あっ、マイケルもいるかしら~) 水銀燈はずっとうつむいたままギターを弾き翠星石のドラムが続き真紅の声が入る。 (あら、U2のDESIREかしらぁ~・・次はNIRVANAのABOUT A GIRLね、なかなか面白い子達かしら~) 金糸雀をはじめ体育館の全員がしだいに真紅達の音の中に入っていく、しかし真紅、雛苺、翠星石、蒼星石には解っていた。 ふてくされた表情の中に諦めのような目をした水銀燈のギターの音色を真紅の声が無理やり引っ張っているのを・・・・。 金糸雀はタメ息交じりで言う。 「もったいないかしら~。水銀燈のギターはイイ感じだったのにぃ~」 「イイエ、水銀燈の本当のギターはあんな気の抜けたトーンではないのだわ」 真紅の言葉に驚きの声を出す金糸雀。 「えぇ、あれでダメなのかしら!本当の水銀燈のギターを聴いてみたいのかしら~。よぉ~し、このカナが明日かならず水銀燈を説得するかしら~!!」 金糸雀が決心した夜、水銀燈は一人あてもなく駅ビル地下にあるショッピングモールを歩いていた。 トンッ、店から出てきた男の肩に引っ掛けているソフトケースが軽く水銀燈の横顔に触れる。 「チッ」不機嫌な顔を男に向けたあと男が出てきた店にも目を向ける。 ショーウインドウにレスポールや年代物のフェンダーなどが飾られていた。 自分では気付かないうちに足は店の中に向かって進む。 壁にかけられているギターを1本1本と見ていく水銀燈。 (シャーベル、グリーンミーニーぃ?翠星石が好きそうな色ねぇ・・フフフ) 自然と笑みが口元に現れる。 知らない間に水銀燈の心の中に独特の振動が芽生えていた。 それはある種の音楽がもつビートのようでもあった。 忘れかけていた、いや無理に忘れ、閉ざしたはずの感情がかすかに甦る。 見ていただけの水銀燈の手が伸びギターに触れてみる。トン、トン、トン、心の中の振動が大きくなる。 水銀燈の顔にはより柔らかくより自然な笑みが広がっていく。 ビンッ・・指で軽く弦を弾く・・ドン、ドン、ドン、振動はより確かなものに変わろうとしているかのように大きくなる。 それはトキメキ、衝動という言葉に近いものかもしれない。 そのとき他の客がギターの試し弾きを始めたのかあるメロディーが水銀燈の耳に入る。 「チッ・・シラケたわぁ~。こんなジャンクメロディーを聴くなんて」 そう独り言をいうと水銀燈はENJUの曲のイントロが流れ出した店から出て行った。 しかし店から出る水銀燈の口元にはかすかに笑みが残されている。 そして心の中の振動は大きなままトキメキと衝動を形取りはじめていた。 * 昼休みを告げるチャイムが鳴るとそれぞれがお気に入りの場所に移動する。 水銀燈は一人いつもの屋上の片隅に行き、そこから見える海を眺めパンを食べていた。 真夏の海からふく熱風に銀色の髪を踊らせ静かに手すりから下を覗くとイチョウの木の下で真紅、雛苺、翠星石、蒼星石が大声ではしゃぎながら昼食を取っているのが見えた。 ほんの数ヶ月前までいた場所を見ていると後ろから突然目隠しをされる。 「こぉんな所に居たのかしらッ、水銀燈」 金糸雀が笑いながら立っている、その金糸雀の手には12月にある薔薇女創立記念祭の出場用紙が握られていた。 「なァに、その紙?」 少し言いにくそうに金糸雀は話を再結成した真紅達のバンドと12月の記念祭について言うと水銀燈はポケットからタバコを取り出しジッポーライターで細長いタバコに火をつけ静かにフゥ~と煙をはきだす。 「興味ないわぁ~、だいたい私ギターもってないものぉ」 「えぇ~、5月のマイケルはどうしたのかしらぁ~?」 「そんなの売っちゃったわァ、結構な金になったわよぉ。それでコレを買ったのぉ。残りはパチンコね。ウフフフ」 と水銀燈は小さな薔薇のレリーフが埋め込まれたジッポーライターを金糸雀に見せる。 「マ、マイケルがライターに・・・」 驚きを隠せない金糸雀はじっと水銀燈の顔を「ありえない」と言いたそうな表情でみる。 「そ、それじゃ、カナが持ってるギターを貸すかしら?」 金糸雀がギターを持っている、その以外な組み合わせに驚く水銀燈。 「貴女ギターもってるのォ~?ウクレレとかはナシよぉ」 「こう見えてもカナは小さい頃バイオリンとか習ってたのかしらッ。ギターも弾けるのよ。もってるのはサンバースト・レスポールでお父様に頼み込んで買ってもらったジョーウオルシュのモデルなのかしら」 「なァに、そのジョーなんとかってギター?まぁ私には関係ないわぁ~。だいたいギターもってるなら貴方が真紅のバンドに入ればイイじゃない?」 そういい残し水銀燈はまだ吸い終わっていないタバコを屋上から投げて去っていく。 その後、水銀燈はサボったらしく午後の授業に姿は現さなかった。 金糸雀は昼休みの一連の話を真紅達につたえる。 「それは初耳ですぅ、金糸雀がギターをヤッていたなんて以外ですぅ!」 水銀燈を説得できなかった金糸雀に向かって真紅がいう。 「今の水銀燈はそっとしておくのだわ。それはそうと水銀燈の言うように貴女がバンドに参加してもらえたら助かるのだわ」 「えぇ、カナが参加してもイイのかしら~」 横で聞いていた雛苺も真紅の案に喜ぶ。 「それがイイの~、さっそく今日から練習なの~」 モヤモヤした気持ちのまま水銀燈の足はいつの間にか楽器屋に向かっていた。 それは初めて自分のギター、金糸雀にマイケルと名づけられたフライングVを買った店に向けられていた。 先日から自分の胸の中で高鳴り始めたあの忘れたはずの夢に少しずつ見えない天井から小さな小さなスポットライトが照らし始めている。 そんな自分がモドかしく、そして少しイラダチはするが心の中の振動は今やはっきりと形になりつつあった。 「いらっしゃい・・あぁ、キミか。どう?ギター弾いてる?」 初老の優しそうな目をした店主が笑顔で水銀燈に挨拶する。 「えぇ、まぁねェ。今日はちょっとよってみただけよぉ」 水銀燈は店内のギターを見て回る。 真新しいボード、張りつめた弦、店のライトに光るアーム、それに触れていく水銀燈。すると今まで水銀燈の中で霧のように覆っていたモヤモヤ、イラダチが不思議と消えていく。 「キミは本当にギターが好きなんだね、目が凄く笑っているよ」 店主の言葉に困惑しつつも笑顔になり答える水銀燈。 「そ、そうかしらぁ?・・私そんな顔してるぅ?」 「あぁ、してるよ。コレでも楽器のプロだよ。好きな人はみんな目が笑ってるもんだよ。それ試しに音を出してごらん」 店主は水銀燈が触れているギターとアンプを繋ぎ水銀燈に渡す。 初めてギターを持った時のように水銀燈の手には薄っすらと汗が出る。 今やはっきりと水銀燈にも解るくらいのトキメキと衝動が心の中で大きな風のようになり身体を疾走する。 弦を押さえピックをつまむと自然と疾走していたトキメキと衝動は穏やかな春風のように優しくなり水銀燈の身体の中を満たしていく。 そして静かに息を吸い込み弾き始める。 その水銀燈の指先を通じアンプからはWHERE THE STREETS HAVE NO NAMEが流れ出す。 (私は音が好き、この6本の弦の振動を電気的に音に変えてるだけのカラクリ・・この音の魔法が泣いたり怒ったり笑ったりする・・) 水銀燈はいつしかギター、音、音楽、ロックに対する本当の自分の気持ち、そして夢 を見つけたような気になった。 その夢の中には真紅、雛苺、翠星石、蒼星石、金糸雀と一緒にステージで光を浴びる自分自身の姿があった・・・・。 * 私立薔薇女子高はスポーツや勉学より音楽や美術の方向に力を入れている。 そのため吹奏楽部などは県内屈指の実力で全国大会などで頻繁に表彰されていた。 それは美術部も同じであり、学校としても音楽、美術関係の部屋や部室の数は普通の高校よりはるかに多く設備も整っていた。 その中でもほとんど物置のような状態になっている音楽準備室というのが学校の裏側にあり、水銀燈はよくその準備室で昼寝をしたりタバコとマンガで時間を潰すことがあった。 「あらぁ、無いわぁ・・?あそこに忘れたかしらァ?」 水銀燈は放課後、忘れたタバコとジッポーライターを取りに音楽準備室に近づく。 「これでセットはOKですぅ、今日もヤルですよ」 翠星石の声が聞こえる。それに続き金糸雀や真紅達の声も混じる。そしてストーンズのSTART ME UPのイントロが聴こえてくる。 水銀燈は足をとめ聴き入る。金糸雀をくわえた真紅達のバンドはスタジオに入れない時などはこの準備室で練習していた。それは水銀燈がいた頃からよくやっていたことであった。 水銀燈は準備室の外壁にもたれバンドの出す音を感じていた。 もたれている壁は普通のコンクリートの壁、だが今の水銀燈にはとても厚く積み重なった時間と自分のプライドのようなもので塗り固められた壁のようにも感じた。 (フフフ、金糸雀もなかなか弾けるじゃない) 壁にもたれ水銀燈は目を閉じ金糸雀が弾くギターの音、翠星石のドラム、蒼星石のベース、雛苺、真紅の歌声を確かめるように聴いている。 曲も変わりGUNSN’ROSESのLIVE AND LET DIEが始まとニヤリと笑う水銀燈は壁ごしに聴こえる真紅達の音を捉え足でリズムを取っていた。 (2)へ戻る/長編SS保管庫へ/(4)へ続く
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あの世に嫌われているけど何か質問ある?(あの世に嫌われている方々のお話) ねえ… 「ん?」 そういえば入院ばかりしているけど、単位は大丈夫なの? 「嫌なことを思い出させるな…ま、とりあえず先に取れるだけ取っておいたから問題ないと思うけど」 そうなんだ 「うん。じゃ、柿崎は?」 私? 私は問題ないよ。大学は今休学してるし 「そうなんだ」 そういえば… 「ん? 今度は何?」 今日新しい人が入院するらしいよ 「この病室に?」 この病室に 「へ~。誰かな?」 ラプラス「私ですよ!」 (゚д゚)「(゚д゚)」 …見なかったことにしようか… 看護婦「あ、ラプラスさん、そんな所にいらっしゃったんですか? ほら、あなたの病室はここじゃあありませんよ」 「…あいつ…初めて見たときにはどっかミステリアスな雰囲気を持ってたけど…」 認識を改めないとね… 「で、新しい入院患者は…」 …水銀燈…貴女… 水銀燈「ごめんなさぁい、貴女達の邪魔はしないからぁ」 「地獄だな」 ええ …で、何で入院したの? 貴女 水銀燈「簡単に言うと…ウッ…ウッ…」 どうしたの!? 水銀燈「ジュンが…ジュンが…」 ジュン君が? 水銀燈「私を捨てて海外へ行ってしまったの…」 「…で、やけ酒してぶっ倒れて運ばれてきたと」 全く…救いようがないというか何というか… 水銀燈「私だって好きで運び込まれたわけじゃないわぁ」 「ま、どーでもいいけど。むしろそっちの方が都合が良いだろ」 ? 水銀燈「?」 「ほら、退院したら遊びに行くって言ったろ? 忘れた?」 覚えてたんだ 「そりゃあねぇ…俺も少し楽しみにしてたし」 水銀燈「…で、何処に行きたいのぉ?」 そうね…東京○ィズニーランド 「○ィズニーランドか…個人的にはシーに行きたいけどな」 じゃあ○ィズニーシーにしましょう 水銀燈「…私に対する当てつけぇ?」 気のせい気のせい 「ま、とりあえず○ィズニーは決定か」 水銀燈「案外あっさりねぇ」 そうだね…暇… 薔薇水晶「銀ちゃん…( ^ω^)ゞおいす~」 水銀燈「おいす~じゃないわよぉ」 薔薇水晶「ゴメンゴメン…これ…頼まれてたもの…」 水銀燈「ありがとうねぇ」 薔薇水晶「ううん、あ…柿崎さん。手術成功おめでとうございます」 ありがとう。ばらしぃ 薔薇水晶「じゃ、これにて失礼します」 -ガタン 「よくできた人だね~」 本当…よく水銀燈と付き合えるわ… 水銀燈「あらぁ、それって私がどうしようもないアバズレって言いたいのぉ?」 …「…」 水銀燈「沈黙が全てを物語っているわぁ…」 「まぁ良いや。3人だし、桃鉄しようぜ」 あ、賛成~ 水銀燈「良いわねぇ」 柿崎めぐの日記 ○月×日 晴れ 今日は水銀燈が入院してきた。ジュン君に振られたらしいけど、彼女の美貌なら問題ないよね… 私は…とりあえず目の前の目標を越えるために頑張りたいと思います。もっと彼に近付きたいから… あの世に嫌われているけど何か質問ある?・完
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柿崎めぐ ・・・・設定・・・・ 水銀燈を慕っている数少ない女子生徒。原作では心臓病を患っており、有栖川大学病院に入院している。そして、度重なる短命宣言の為、生きる気力を失ってしまう。原作では水銀燈の事を天使と慕っているが、このスレ的には日本代表選手たちを天使と言っている。そして、極度の嫌韓。 また、水銀燈を慕うというか……何処か間違った方向で慕ってる節がある。 かなり元気溢れる病弱体質という矛盾染みた少女。 何故か脇役の中では一番出番に恵まれている。 ジュンと付き合っているとのうわさが流れているが、本人は完全否定らしい。 注:設定は、絶対にこれ! と、言う訳ではないので設定にとらわれない脇役達を書こう! めぐ感想 病室の木の葉 水銀燈と女子生徒(百合注意) 北海道の集団旅行 めぐと水銀燈のWBC決勝戦実況 球技大会~一回戦第四試合A真紅vsH水銀燈~-ソフトボール- 球技大会~二回戦第二試合E金糸雀vsH水銀燈~-テニス- 水銀燈と尾行とめぐ 水銀燈と尾行とめぐ~mercury side~ 水銀燈とメグ ハリネズミのジレンマ プランK.S 水銀燈と家庭科 節分の豆まき
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夏も終わり真紅達が昼食をとっているイチョウの葉が紅葉を迎え赤く染まった頃にはバンドとしての音も水銀燈がいた頃に近づきつつあった。 だが新メンバーの金糸雀には致命的な弱点があった。 それはソロでよくドジるという弱点である。 練習後のミーティング、行きつけのアンセムでパフェを食べる翠星石が口からチョコチップを飛ばしながら早口でしゃべる。 「金糸雀はミスが多いですぅ、来月までに完璧なフリーハンドタッピングをマスターしやがれですぅ!」 「そんなの無理かしら~。カナは、本当はギターよりキーボードが好きなのよ、みんなが水銀燈の変わりにカナをギターにしたのかしらッ」 「翠星石。そんな無茶を言ったら金糸雀がカワイソウなのだわ。ところで金糸雀、最近の水銀燈の様子はどうなの?」 金糸雀は水銀燈と同じクラスであり真紅達と違い何の蟠りもなく自然と休み時間などは一緒にいる時間が長い。 「そうねぇ~、前と違って水銀燈のほうから音楽の話をしてくるようになったのかしら~。それとまたパチンコで大勝ちしたお金を一瞬で使ったと言ってたかしら~」 それを聞いた蒼星石はフゥ~とため息を漏らす。 「水銀燈は何に使ったんだい?」 「さぁ~、知らないわ。連チャンで大勝ちしてたからたぶんバイクでも買ったのかしら?」 真紅もそれを聞き深いため息を漏らす。 イヤホンを耳にした水銀燈はベッドに座り1週間前に買ったギターを手にしばらくアルペジオで音を出しながら右足の指で器用に足元にあるアンプのボリュームを上げる。 アルペジオから途端に指の動きが滑るように動き出す。 時にはピアノを弾くようにタッピングを交えていく。 目は指の動きを追いながらも脳裏には優雅な旋律が流れ水銀燈の心を満たし胸の鼓動を静かではあるが確かな情熱が広がっていく・・・・・。 4時間目から登校してきた眠そうな水銀燈はいきなり金糸雀に捕まる。 「昨日の夜に3回も電話したかしらァ~!」 水銀燈は明け方までギターを手にしていたので金糸雀の着信には気付かなかった。 「昨日は早くから寝てたのよォ~、で、用事は何ィ?」 「昨日アンセムで翠星石にテクニックを磨けとボロクソに言われたのかしら。 だから・・できれば教えて欲しい・・ダメかしらァ?」 だんだん言葉が小さくなる金糸雀を見つめる水銀燈。 「あらぁ、金糸雀はギターが好きなんじゃないのォ?」 「大好きよ、でも、カナはギターを弾くより聴くほうが好きかしら」 少し考える仕草をしたあと水銀燈はニコッと笑う。 「イイわよォ~、私どうせヒマだしぃ~、昼休みに音楽室が開いてるからァ音楽室がイイわねぇ、ギターは金糸雀のを貸してもらうわよぉ」 金糸雀は音楽室で昼食をとりながら水銀燈にギターを教えてもらう。 「と、こうやったらキレイにハーモニックスが出るわぁ」 「す、凄いのかしら水銀燈!・・・でもカナには無理かしら・・・」 うつむき加減になる金糸雀、その姿を見た水銀燈は数ヶ月前の自分の姿をチラッと一瞬だけ見た気がした。 「ほらぁ、金糸雀ァ~。音楽は音を楽しむものよォ~・・貴女ピアノ弾けたわよねェ。一緒に何かジャムるぅ?」 水銀燈の提案にうつむいていた顔をあげ笑顔になる金糸雀。 「これ、これをヤッてみるかしら?」 授業で使われていた譜面がそのままピアノに立てかけてあった。それを見る水銀燈は自然な笑みをこぼす。 (あらぁ、これ昨日の夜に弾いていた曲だわぁ) 「面白い選曲ねぇ、イイわよォその曲で。でもボリュームはMAXよォ~」 水銀燈のレスポールが美しくも迫力のあるトーンを出し音の波を空気中に漂わす。金糸雀は音の波間ではじける水泡のように可愛い音で答える。 2人の広がる音と音の協奏はやがて外で食事をしている真紅達の耳にもはいり音楽室に向かうとそこには数十人の人が静かに音楽室を覗き込んでいた。 金糸雀のピアノが突然その風貌を変えたかのごとく力強さを出し、反対に水銀燈のギターは小さく答え金糸雀のピアノソロを引き立たせる。 数十人の生徒に混じり真紅達も水銀燈と金糸雀の協奏を見つめる。 ピアノの音とテンポが少しづつ元に戻ると水銀燈のギター主張し始める。 そして金糸雀のピアノが合図したかのように鍵盤の上を指が踊るように叩くとギターのトーンが大きく広がり音楽室の机の下、ロッカーの中、窓ガラス、そして静かに見つめる真紅達の中に音が入り込む。 大気を振動させ空気を支配したような2人の協奏は昼休み終了のチャイムで終わった。 突然のチャイムで我にかえる2人を音楽室入り口で聴いていた数十人が大きな拍手で迎える。真紅、雛苺、翠星石、蒼星石も2人を拍手で迎える。 「凄いイイものを聞かせてもらったよ水銀燈」 「金糸雀のギターはヘボイですけどピアノはまぁまぁイケルですぅ」 「凄いのだわ、ギターとピアノだけでチャイコフスキーのピアノ協奏曲をこのレベルでするなんて・・」 「す、水銀燈もう一回ヒナ達とバンドやろうよぉ~」 真紅達に囲まれ一度にしゃべられた水銀燈はギターのコードを抜きながら笑顔になる。 「ま、まぁ、別にヒマだしぃ~、考えてもイイわよぉ~」 その言葉に両手を口にあて喜び泣きそうな真紅、蒼星石はポンッと真紅と水銀燈の肩を叩く。金糸雀は水銀燈に向けて親指を立てる。 そして真紅と水銀燈はあの日以来の笑顔で向かい合っていた。 (3)へ戻る/長編SS保管庫へ/(5)へ続く