約 3,030 件
https://w.atwiki.jp/mbmr/pages/223.html
水彩世界 ◆yX/9K6uV4E ずっと、前の事。 思い出すのも辛い事。 「大丈夫だって、頑張ろう! ねえ、笑って!」 いわれてしまったこと。 「×××××××××××××××!」 今も、忘れられません。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「そんな……」 悪夢をみているようだと、ネネは思う。 たった六時間、六時間の間に十五人も死んでしまった。 嘘だといいたい気持ちも充分ある。 けれど、間近に命の危険を感じた現状、事実として受け止めるしかない。 「新田さん……多田さん」 同じサマーライブの舞台で輝いていた二人。 もう、もう死んでしまった。 胸が、心が苦しくなる。 あんなにも輝いていたのに、死んでしまった。 もうその輝きを見ることが出来ない。 そう考えると、ただ苦しかった。 歩みが、遅くなってしまう。 なんで、どうして殺してしまうの? そんな問いが心の中で渦巻くのを感じる。 けれど、その答えは明瞭で、ネネ自身にも解かっている。 ――皆、ヒロインでいようとしたんだ。 だから、こんなにも死者が出た、出てしまった。 プロデューサーの為に殺して。 あるいは、アイドルでいようとしたが故に殺されてしまって。 そう考えると胸がギュ―と締め付けられる感覚にネネは襲われる。 「迷ってる暇すら、無いの?」 自分が進む道、星のようにぼやっと光っている道。 光の道か、闇の道か。 決めなければ、いけないのだろうか。 いつまでも、淡い日の出の光の中、いてはいけないのだろうか。 あの光とも闇ともとれない薄明るい時間のように。 そのように、留まる事すら、できないのか。 選択しなければ……決断の時は近いのだろう。 ネネは、どうすればいいかと迷い、そして 「ねえ…………えーと、ちょっとそこの貴方!」 まるで、アイドルの勧誘をするような気軽な話し方。 ネネはそんな声にびくっとしながら振り返ると。 其処には、太陽のような少女――日野茜と、日だまりの笑顔を浮かべる少女がいた。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 栗原ネネが、日だまりの笑顔を浮かべる少女――高森藍子の事で思い出す事がある。 それは、ほんの一ヶ月も経たないぐらい前の事だったろうか。 あるひと時の休憩時間の時だっただろう―――― 「お疲れ様です、プロデューサー」 「おう、ネネか…………げっ」 「げっって……なんですか……って、あー!」 栗原ネネが、雑誌のインタビューを済まして、事務所に帰った時の事だ。 予想より早く終わったから、プロデューサーに挨拶しようと休憩室に寄ってみたら 「また、タバコ吸ってる! 健康によくないですよ!」 「いやいやいやいや、わかってんだがよー! それでも、美味しいんだって、解かるか、ネネ!」 「ちっとも解かりません!」 「だーーっ! だからさぁ、仕事終わりで、ブラックコーヒーと一緒に一服……たまんねえだろう! 格別の上手さなんだよ、と俺は思うんだよ!」 「全く解かりません!」 「けっ……これだから、子供はよー……黄昏る大人のひとときがわからんだろうに」 「はぁ…………」 「呆れんなよ!」 何時ものように、タバコを吸ってるぼさぼさの髪で、しかも無精髭のプロデューサーが居た。 ぼけーとスポーツ新聞片手にテレビを見ている。 まるで駄目なオッサンであった。 こんなだらしないプロデューサーがネネのプロデューサーである。 そして、タバコを注意するが、まあ止めないだろうなとネネは思う。 何度、健康に悪いと注意しても全くきかないのだ。 半ばネネも諦めモードだが、ネネの前では全く吸わない。 今も火をつけたばかりだろうに、直ぐに消した。 そういう優しさを持ってるプロデューサーでもあるのだけど、やっぱりタバコはやめてほしい。 長生きしてほしいからと、ネネは心の底から思う。 そんな思いを持ちながらふと休憩室のテレビから聞こえる音に耳を澄ませると 『ALRIGHT* 今日が笑えたら ALRIGHT* 明日はきっと幸せ』 そう、あるアイドルの曲をカヴァーを歌うアイドルグループが映っている。 見るまでもない、フラワーズだろう。 うちの事務所の出世株なのだから。 テレビに出ない日はないぐらいに。 羨ましいなと思う。 あんな風に輝けるなんて。 「あー、震災被災地で、復興を願ってのチャリティーライブ、だそうだ」 「へぇ……最近うちで、良くやりますよね。震災関連のチャリティー」 「ああ。ちひろが強く推してるんだと、あのスーパー守銭奴が珍しいんだよなぁ」 「……それ本人の前で言わないでくださいね」 「いわねえよ!」 大震災から、もう一年経つ。 忙しくてすっかり忘れていたが、あの時の事をネネも忘れてない。 凄惨な出来事だった……本当に。 『皆……笑顔をありがとう! 私も笑って、皆を幸せにするから!』 歌が終わり、リーダーの藍子の声が聴こえる。 フラワーズの最も輝いてる花。 十時愛梨と同じく、シンデレラガールだろう。 「凄いですよね彼女……半年でこんな人気なんて」 「いや……高森藍子に限っては違うはずだと思うぜ」 「えっ?」 「彼女は……下積みそのものはクソ長いはずだ」 そうは見えないけどとネネは思い、テレビに映る彼女を見る。 やっぱり輝いていた、驚くぐらいに。 「それも、一度ユニットの話ぽっしゃったと聴くしな」 「へぇ……」 「まあ、俺も入った当初見たけど、一見ただの普通の女の子にしかみえなかったしなぁ」 「ふむふむ」 「引退しない方がビックリだったぞ」 そんな彼女が下積みが長いとは思えない。 ある意味自分より下積みが長いなんて。 ネネは驚嘆するしかない。 「ま、執念じゃねーの」 「執念?」 「アイドルに絶対すると言うプロデューサーと、なりたい、戻れないという高森藍子の執念じゃねえのかなあ」 そう言って、プロデューサーはブラックコーヒーを思いっきり飲み干した。 うわ、にげえと言っていたが当たり前だろうにとネネは苦笑いを浮かべる。 大人はブラックだろうと意味のわからないこといっていつもブラックなのだ。 甘いのものが好きなくせに。 「……さて、仕事きてるぞ」 「わぁ、なんですか」 「水着だ!」 「……えーそういうのはでっかい人に任せましょうよ」 お仕事、なんだろうと目をキラキラさせたネネはあっと言う間にジト目に変わる。 成長中のネネはまだ水着での撮影とはいわれても、ピンと来ない。 「何言ってんだ、お前肌が白いんだから絶対似合うって!」 「そうですか?」 「そうそう! 乙姫がイメージらしいぞ! 水彩の乙姫だそうだぞ!」 「乙姫かぁ」 「だから、受けようぜ!」 水彩の乙姫と言う響きに、ネネはまた目をキラキラさせる。 なんだか、ワクワクさせる響きだ。 だけど、 「で、その本心は?」 「俺が水着みたいに決まってるからだろー!」 「……………………えっちです、すけべです」 「ぐっ……いいから受けろ、というか受けた! はい、けってーい!」 「ちょ、ちょっとぉ、プロデューサーぁ!」 いつもこう。 こういう人だとネネは思う。 でも、だから、だからこそ―――― ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「そう、多田さんは……」 ネネは、そのまま茜と藍子と着いていく事にした。 警察署に向かうらしいので、とりあえずは。 邪険にする必要も無いし、迷う中、話を聞いてみたいなと思ったから。 遊園地からはなれてしまうが、仕方ない。 その中で、多田李衣菜の死に様を聞いた。 苦しまずにいけたと言えば、いいのだろうか。 何も残せず逝ったといえば、いいのだろうか。 解かる事は、哀しいという事ぐらい。 「だから、私達は彼女達の思いを継いでいこうと思っています」 そう藍子はいって、笑う。 力強い言葉だった。 凄い強い、言葉で。 「小さな希望が、集まって、大きな希望に……それが花束で」 希望。 希望ってなんだろう? 放送でも言われた言葉だ。 ネネは疑問に思いながら、彼女の言葉を待つ。 「その為に、一緒にきてくれませんか?」 それは、勧誘。 差し出された未来の道。 希望に溢れるだろう道。 それが、正しい道。 (……そうなの?) けれど、それが正しい道なんて解かるはずもない。 少なくともネネにはそうだと断定できるとは思えない。 さしのばされた手をとることなんて、出来ない。 どうする? どうすればいい? 「……ねえ! あれって!」 「…………あれは!」 そう、迷ってる時だった。 見えてきた警察署に、駆け込む少女がいて。 それは、ネネにとっても既知の人物で。 「美穂さん!」 恋に揺れる少女、小日向美穂だった。 そして、それがもう一つの道だった。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「チョコの作り方?」 「はい」 「誰かに送るんですか?」 「う、うん……変かな?」 「いえ、別に」 「笑わないでよぉ」 そう、小日向美穂が栗原ネネに尋ねたのはいつ頃だったか。 割と昔の話だったなとネネは思う。 兎も角チョコを送るイベントが近い日の時だという事だ。 「いいですけど、道明寺さんにきいてみては?」 「あの子はドジが多いし……」 「……ああ」 「それに…………」 「…………まあ、いいですよ」 そして、ネネは美穂と道明寺が親友同士であることも知っている。 且つ、恋愛で微妙な事になってることも。 ネネはどっちかを応援するつもりは無い。 どちらも、大切な友人ではあるから。 「じゃあ、調理室で試しに作ってみましょうか?」 「はい!」 「まずはチョコクッキーとかどうでしょう?」 「何でもいいですよ」 「じゃあ買出しに行きましょうか」 ……そうして、買出しに行って。 クッキーを焼いてる最中に。 「送る人は、いうまでもないですよね?」 「うう、ネネちゃん意地悪いよぉ」 「うふふ、御免なさい」 「……うぅ……でも」 彼女はエプロンをぎゅっと握って。 「贈りたいから……この想いごと」 「……私達はアイドルですよ?」 「それでも! 私は女の子だから。伝わらなくても贈りたいなって」 だって、と彼女は紡ぐ。 顔を真っ赤にしながら。 「大好きだから」 そういう美穂は、ネネから見えてとても輝いてみえて。 素敵だな、と思ったのだ。 「……さて、出来ましたよ」 「わぁ、美味しそう」 「でしょう」 「あ、この別に作られてるのは?」 「そ、それは……」 チョコクッキーにトッピングされてる特別製が少しだけあって。 ネネは急に顔を赤くして。 その様子に美穂は納得するように。 「なあるほど」 「な、なんですか!」 「べーつーにー」 「ひ、酷いです」 「ひーとーのーことーいえないんじゃないかなーってー」 「うぅ」 ネネは更に顔を真っ赤にして、その時 「おーなんだークッキーやいてたのか。ネネ」 「プ、プロデューサー!」 「どれどれ」 「あ、それは……」 突然現れたネネのプロデューサー。 ネネが驚くまもなくクッキーをつまむ。 それは、ネネが作った特別製で。 「…………んー」 「ど、どうでしょうか?」 「いや、甘すぎね?」 「……っ!? プロデューサーが甘いのがいいといったんでしょう!」 「いや、いったけどさ、コレ甘すぎね!?」 「もう、知りません!」 「はあ!?」 そう、首を捻るプロデューサーを無視して、ネネは顔を真っ赤にして調理室からでていく。 困ったプロデューサーは美穂の方を向いて。 「なあ、俺のせいなのか!」 「はい」 「マジで!?」 「マジです、大マジです」 「うぉぉおぉ!? ちょっと待って、ネネぇぇぇぇ!?」 そうして、プロデューサーはネネを追っていく。 美穂はそんな二人を見て。 「可笑しな二人……でも……いいな」 そう、そんな、ネネが正しく恋する少女だった頃の話。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「そう…………塩見さんと言う人が」 「……………………私のせいで」 半ば恐慌状態だった美穂を、ネネが落ち着かせるのに、大分時間がかかってしまった。 その後、美穂が語った話は壮絶で。 同行者が殺されて、一目散に自分がもといた場所に戻ってきたという事だ。 ここなら安全だと思ったらしいから。 「………………大丈夫です?」 「……はい、其方も大変だったみたいで」 「いえ……」 藍子も心配するように声をかける。 藍子が辿った道も、美穂にやんわりと説明した。 ただでさえ、恐怖に怯えてる状態だった彼女を安心させるためには、腹を割って話すしかない。 そう判断したネネは藍子に説明してもらったのだ。 幸い藍子は、有名人ではあるので、美穂も顔を見たことがあった。 「あの……美穂さん」 「……なんでしょう?」 「話を聞いて、くれますか?」 藍子が、そう切り出した時。 ネネは、ただヤバイとだけ思ったのだ。 何故ならば、 「私達も仲間を失いました……大切な……仲間を」 「……はい」 「でも、生き様を引き継いで、生きようと思います」 ネネは、藍子と少し話しただけで解かる。 藍子は、強い。真っ直ぐなアイドルだ。 「貴方も塩見さんの気持ちを受け継いで、生きませんか?」 「……えっ」 「小さな希望も束になれば大きな希望に……花束に」 「………………」 誰かの死を受け止めて。 沢山泣いて、哀しんで。 それでも、前を向いて生きていける少女だ。 「貴方と塩見さんの希望を……かしてください」 けど 「…………ないで」 誰もが、その強さを、持ってるわけじゃないんだ。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「…………ないで」 自分が出したと思えないぐらい低い声だと美穂は思う。 なんで、こんな声を出してるんだろうと。 哀しいのに、苦しいのに。 「……え?」 「…………ざけないで」 いや、わかっていた。 目の前の少女に対して。 美穂は、溢れ出る激情を抑えることが出来ないのだ。 「ふざけないでっ!」 それは、ほぼ絶叫だった。 溢れる感情が発した言葉。 「生き様を継ぐ……………………そんな事……簡単にできないよっ!」 目に浮かぶのは一人の少女。 塩見周子。 飄々としていたけど、優しかった。 きっと彼女にも、背負ってるものが、背負ってる人が居たのに。 それなのに、美穂を護って一人逝った。 「彼女だって、沢山やりたいことあったのに、伝えたい思いもあったのに、逝っちゃった」 悔やんでも悔やんでも悔やみきれない。 哀しくて、哀しくて仕方ない。 でも、 「私は、もう、精一杯なんですっ! ただでさえ、大好きな、大好きな人の命が危ないのに!」 大好きな、大好きな人。プロデューサー。 その人の命が天秤にかけられて。 しかも、そのプロデューサーと付き合ってる親友がいて。 自分の事でもう苦しい事のに。 「継ぐ事なんて、重すぎるよぉ……辛い……よぉ」 誰かの生き様を継ぐなんて、もう、重たい。 そんな事なんて、できない。 辛すぎた。辛すぎた。 涙が溢れて、止まらない。 「ねえ、藍子さん……貴方は? 貴方だってプロデューサーの命がかかってるのに」 「……私は…………私は」 藍子は迷いながら、それでも、口にする。 視線は迷い、手を合わせて。 それでも、伝えなきゃ。 自分の気持ちを。 「それでも…………私はアイドルだから」 それでも、アイドルだから。 高森藍子は、アイドルだから。 真っ直ぐに、愚かしいほどに。 「………………強いね、藍子ちゃん」 美穂は、ぽつんと呟く。 本当に強いアイドルだと思う。 それは美穂にも驚くぐらいに。 「そんな事無いです……」 「そんな事無いわけが、無い。きっと貴方だってプロデューサーのことが好きなんでしょう?」 「……どうして?」 「さっきの反応見れば解かるよ」 想いを潰して。 アイドルであろうとするなんて。 「ねえ、美穂ちゃん……私は強くなんかないよ……みんなに支えられてる……だから、ね?」 それでも、藍子は手を伸ばして。 「一緒に頑張ろう? 皆が幸せになれる方法をみつけよう?」 彼女に問いかける。 美穂は――― ねえ、神様――― 「あ゛な゛た゛の゛つ゛よ゛さ゛を゛お゛し゛つ゛け゛な゛い゛で!」 ―――弱い事は罪ですか? ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 涙も。 鼻水も。 哀しみも。 沢山溢れていた。 美穂は気がついたら、駆け出していた。 ただ、あの場所に居たくなかった。 自分の弱さがまざまざと見せ付けられるようで。 本当に、嫌だった。 だから、逃げた。 走って。 走って。 「……はぁ……はぁ……ひぐ……うぁぁ」 疲れて。 涙も溢れて。 立ち止まって。 「やーっと捕まえた」 「……え?」 ぽんと、肩を掴む人がいる。 振り返ると藍子と一緒に居た茜が傍に居た。 どうしようと悩み、逃げようと想っても、疲れて逃げれない。 「逃げないでいいよ。連れ戻したりもしない」 「……えっ」 かけられたのは思いのほか優しい言葉。 「私たちが軽率だったね、御免」 「……そんな事無いです」 「そんな怯えないでいいよ……何もしない」 「あっ」 それは塩見周子がかけてくれた言葉。 優しい言葉だった。 「私が言えることは一つ」 「なんでしょう」 茜が息を吸って言う。 それは美穂を解放する一つの言葉だ。 「泣いちゃえ」 「えっ」 「塩見さんの為に泣いちゃえ。もう泣いてるけどさ……大声で泣く事は、また別だよ」 泣けばいい。 泣いて、気持ちをリセットできるなら。 きっと、それが、前を向くまずいいことなんだから。 「立ち止まってさ、泣くんだ……それが出来るのは女の子の特権だ!」 「あ……う…………」 そっと抱き抱えられる。 優しくて。暖かくて。 「うぁぁ……あぁぁああああああああ――――」 小日向美穂は、塩見周子の為に泣く事ができました。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「落ち着いた?」 「はい」 「藍子ちゃんとこ、いく?」 「…………いきたくないです」 「そっか」 泣き終えて、美穂と茜二人、地面に座って。 今後の事を話し合う。 藍子のところに戻るのは、美穂は絶対に嫌だった。 藍子の言ってる事は、正直受け付けない。 嫌悪感すら、未だにある。 藍子の言葉は、強いから。 そして、アイドル過ぎるから。 今の美穂には強すぎて。眩しすぎて。 そんな生き方できやしない。 「じゃあ、私も暫く付き合うよ」 「いいんですか?」 「一人に出来ないっしょ」 「……ありがとうございます」 「……ここから、近いのは牧場だね、ちょっと行ってみよう!」 そして、周子に手をひかれたように、また茜に手を引っ張られる。 つられるまま、歩き出す。 ふと、美穂は思う。 親友はどうしてるのだろうか? 解からない。 藍子はどうして、あんなに強くて、アイドルに拘るんだろう。 普通の少女、恋する女の子に、戻れないのだろうか? 私はどうするの? 大好きな人の為に。 私は、本当にどうしたいの? やっぱり、解からない。解かりたくない。 そんなことをとりとめもなく考えて。 彼女は手を引っ張られ続けたのだった。 【G-5・分かれ道/一日目 午前】 【小日向美穂】 【装備:防護メット、防刃ベスト】 【所持品:基本支給品一式×1、草刈鎌、毒薬の小瓶】 【状態:健康 哀しみ】 【思考・行動】 基本方針:殺しあいにはのらない。皆で幸せになる方法を考える? 1:茜についていく 2:藍子の考えに嫌悪感。 【日野茜】 【装備:竹箒】 【所持品:基本支給品一式x2、バタフライナイフ、44オートマグ(7/7)、44マグナム弾x14発、キャンディー袋】 【状態:健康】 【思考・行動】 基本方針:殺し合いには乗らない! 0:美穂を励ますために、牧場に。 1:他の希望を持ったアイドルを探す。 2:その後藍子に連絡を取る。 3:熱血=ロック! ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「あはは……駄目だな、私」 そうして、警察署に取り残されたのは、藍子とネネだった。 茜は、警察署の電話番号だけさっさと調べて、美穂が心配だから行く!といってそのまま出て行った。 連絡するからと言葉を残して。藍子も茜に行くように頼んで。 結果として二人が残される事になった。 「……きついなぁ……やっぱり……もう二度と聞きたくなかったのに」 そう呟く藍子は元気なさそうだった。 それも当然かなとネネは思う。 美穂の事も、気になるがやっぱりまずは藍子の事を。 「ネネさんは私の傍に居るの?」 「…………はい」 そして、ネネは藍子の傍に居る事を今は、選ぶ。 未だに心は迷い、揺れる。 悩んで、悩んで、悩みきってる。 けれど、二つの鍵となる人物がいた。 アイドルたるアイドル、フラワーズのリーダー、高森藍子。 ヒロインたるヒロイン、親友との恋に揺れる少女、小日向美穂。 アイドルとして、彼女がどう思うのか。 ヒロインとして、彼女がどう思うのか。 藍子はそのまま、アイドルで居続けられるのか。 美穂はもしかしたら、殺す側に回るかもしれない。 どちらにしろ、プロデューサーが人質になってるのだ。 その上で、どう歩むのか。 二人の行く末を、そして、自分の道を。 彼女達を通して、見つけたい。 それが、日の出の光とも闇とも取れないそんな淡い世界に居る。 そうそれは、まるで。 ――――水彩の位置にいる栗原ネネの決断だった。 【G-5・警察署/一日目 午前(昼間際)】 【高森藍子】 【装備:なし】 【所持品:基本支給品一式×2、爆弾関連?の本x5冊、不明支給品1~2】 【状態:健康】 【思考・行動】 基本方針:殺し合いを止めて、皆が『アイドル』でいられるようにする。 0:きっついなぁ…… 1:他の希望を持ったアイドルを探す。 2:愛梨ちゃんを止める。 3:茜の連絡を待つ 4:美穂は…… 5:爆弾関連の本を、内容が解る人に読んでもらう。 ※FLOWERSというグループを、姫川友紀、相葉夕美、矢口美羽と共に組んでいて、リーダーです。四人同じPプロデュースです。 【栗原ネネ】 【装備:なし】 【所持品:基本支給品一式×1、携帯電話、未確認支給品0~1】 【状態:健康】 【思考・行動】 基本方針:自分がすべきこと、出来ることの模索。 1:高森藍子と話してみる。 2:小日向美穂が心配。彼女の生き方をみたい 3:決断ができ次第星輝子へ電話をかける。 前:彼女たちの向かう先は死を免れぬフォーティン 投下順に読む 次:シンキング・シンク 前:熟れた苺が腐るまで( Strawberry & Death) 時系列順に読む 次:RESTART 前:一人じゃない、星にウィンク 栗原ネネ 次:Another Cinderella 前:希望 -Under Pressure- 高森藍子 日野茜 次:てぃーえぬけーとのそうぐう 前:晴れ 小日向美穂 ▲上へ戻る
https://w.atwiki.jp/bitchgirls/pages/108.html
3-642 :194:2011/03/17(木) 00 08 29.26 ID acDc8kks 世界中のみんなが祝福してくれるような幸せな二人の結婚。 懐かしい顔ぶれが揃った中で今日の主役が声をかけてきた。 「隼人、今日はありがとう。 連絡もなかなかないし、忙しいみたいで来てくれるか不安だったんだ」 「お前の式だぜ?何があっても絶対に出るよ。 まあようやくフリーのギタリストで食えるようになってきたから、多少は無理が利くのもあるけどな」 「結局あのときのバンドのメンバーで今も音楽やってるのは隼人だけだもんな。 みんな地元に残って普通に就職して、お前一人だけが夢を追って東京に出て、今はその夢を叶えて… お前は俺たちの誇りだよ。一緒にバンドやっててよかったって思う」 「そういってくれると嬉しいよ。豊、末永く幸せにな」 「ありがとう。一生かけてあきちゃんを幸せにするよ」 そう豊と話をしているところにウエディングドレスを着た今日一番の主役、亜希ちゃんが来た。 「隼人君、ありがとう。本当に来てくれたんだね」 「亜希ちゃん、おめでとう。今日は一段と綺麗だね」 「こら!隼人!!三田村さんに言うぞ」 「大丈夫だよ、聞いてるから」 「優奈!久しぶりだね」 「亜希、おめでとう!」 「ありがとう。優奈…」 「亜希?泣かないでよ」 「…うん、ごめんね…優奈が来てくれて嬉しくて…」 「亜希の結婚式だもん。何があっても絶対に行くよ」 亜希ちゃんにつられて優奈ちゃんの瞳にも涙がにじむ。 祝福をして祝福をされる。 そんな友達同士だったら当たり前のことも、もしあの日わずかにでも歯車が狂っていたら実現しなかったかもしれない。 感慨に浸りながら二人を見守っていたら豊が呟いた。 「隼人、ありがとう。お前が三田村さんを支えてくれたから俺とあきちゃんも幸せになれたんだ」 「よせよ。俺はただ優奈ちゃんに惚れただけだ、お前のためなんかじゃない」 「わかってるさ。でもそれでもお前のおかげだよ。感謝してる」 「お前の選択も俺の決意も何も間違っていなかったってことだ」 「ああ、俺もお前も、あきちゃんも三田村さんもみんなが幸せになれたんだよ」 中学の同級生だった佐野豊と二人で【lyric craft】というバンドを組んでいた高校時代。 バイト先の先輩で、バンド【DESPERADO】のリーダーをしていたトシさんこと高木俊之さんが俺たちを気に入ってくれて、 DESPERADOが主催するライブに出させてもらうようになってしばらく経った頃、ヴォーカルの大島紘成さんが受付の手伝いにと 付き合いだしたばかりの彼女を呼び、一緒に来た友達が亜希ちゃんと優奈ちゃんだった。 「なあ、豊。あの日も今日みたいに空が綺麗で風の気持ちいい日だったよな」 「ああ、俺たちが高三の頃だから、もう八年も前になるんだな」 「八年…長いな…」 「ずいぶんと前だった気もするし、でもついこの間だったような気もするんだよな」 あの夏からどれだけの月日が経ったとしてもきっと色あせることはない。 豊との友情が続く限り、そして彼女が俺のそばにいてくれる限り。 それはまるで水彩画のように淡い色合いのままに俺の胸に焼き付いているから。 3-643 :夏の水彩画:2011/03/17(木) 00 09 44.18 ID acDc8kks 彼女とその友達を迎えに行ったヒロさんが、チケットを受付に置きに行った豊と話しながら戻ってきた。 「まさかお前が江梨と同級生だったなんて思わなかったよ」 「それは俺も一緒です。松岡さんとヒロさんが付き合ってるなんて、世間は狭いもんですね」 「なんかあったんすか?」 「ああ、ハヤト、今日手伝いに来た俺の彼女がユタカの同級生だったんだ」 「マジっすか?かなりすごい偶然ですね。そういえばお友達も来るとか…ひょっとして友達も?」 「まあ、そういうこと。俺の同級生」 「で?ユタカ的にはどうなんだよ?」 「どうって言われても…まあ三人ともうちのクラスでは群を抜いてんのは事実だよ」 「それはテンションが上がるねー!、ヒロさん、今日の主役は俺たちがもらいますよ」 「お前はそういう風にテンションが上がるとダメダメになるからほどほどにな」 そう言って俺の肩をたたき、ヒロさんはリハのためにステージに向かった。 下手な奴がやるとイヤミにしかならないようなこともヒロさんにかかればサマになってしまう。 二枚目ってのは本当に特だななんて先輩に対して失礼なことを考えながらヒロさんの背中を見送った。 「ヒロさんの言う通り、俺達は俺達のスタイルを貫くだけだな」 「まあ、根本的に二人組でギターとヴォーカルだけの俺達とスタンダードな四人組バンドのDESPERADOじゃ比較するものでもないからな」 「そういうこと。 ところでハヤト、お前がっつきすぎじゃないか?」 「お前みたいに美人な彼女がいる奴にはわからねーこともあるんだよ」 いつもの軽口のはずが、豊の表情がかすかに曇る。 「ん?どうかしたんか?ひょっとして喧嘩したとか?」 「そんなんじゃねえよ」 「でも最近来ないし、話も聞かないな。何かあったのか?」 「まあ、いいだろ?それよりもいいライブやることを考えようぜ」 豊はあいまいな笑顔を浮かべながら煙草に火をつけた。 3-644 :夏の水彩画:2011/03/17(木) 00 10 47.13 ID acDc8kks 俺達の出番も終わり、客席に行ったら三人組の女の子が俺達に寄ってきた。 豊が俺に肘をぶつけたことからして、この三人が例のクラスメートだろう。 「佐野くん、チョーかっこよかったよぉ!!」 「ああ、ありがとう」 「今日ね、うち達も打ち上げに来ないかって誘われたの。佐野くんたちも来るんだよね?隣の席に座ってもいい?」 「まあ、別にかまわないけど…」 「えっと、ユタカのクラスメートなんだよね?はじめまして、俺はギターの門田隼人。みんなからはハヤトって言われてます」 「はじめまして、ヒロくんの彼女の松岡江梨です」 「私は宮本亜希。そしてこの子が三田村優奈。よろしくね」 ヒロさんの彼女の江梨ちゃんは少し気が強そうな美人。 亜希ちゃんはスレンダーで背も結構高くて少しクールな感じがするタイプ。 でも俺の目は優奈ちゃんを見たまま止まっていた。 一目惚れなんて安っぽいドラマの中だけのものだと思っていた。 まさか実際に自分がするなんて思いもしなかった。 江梨ちゃんと亜希ちゃんが二人とも美人タイプなだけに可愛い系の優奈ちゃんがより引き立つ。 それこそ顔のつくりから背の高さ、雰囲気と俺の好みのタイプのど真ん中だった。 「ハヤト、どうした?美人の前に出て緊張でもしたのか?」 「あ?ああ、そうかもな、いい目の保養になったよ」 「ふふ、面白い人だね。でもそんなお世辞言ったって何にも出ないよ?」 「いやいや、お世辞なんかじゃないですよ。毎日顔を合わせられるユタカがうらやましい」 「ヒロ君もそうだけど、バンドマンはそんな風に女の子を口説くものなのなんだね」 「ヒロさんは特別ですよ。あの人はキザな言葉さえ絵になる人なんですから」 「ハヤト、ヒロさんに言うぞ?」 「少なくとも俺の中では褒め言葉だ」 「二人はいいコンビだね。ライブも息が合ってたし」 「うんうん、ホントにかっこよかったよ!!佐野くんがこんなにかっこいいなんて知らなかったもん」 初めて会ったとき、彼女の目には俺は映っていなかった。 生まれて初めての一目惚れは片思い… それは俺の人生の中でも一番暑くて長い夏のはじまりを告げるものだったのかもしれない。 3-645 :夏の水彩画:2011/03/17(木) 00 11 27.83 ID acDc8kks そして梅雨が明けて本格的な夏が始まる頃。 翌週に控えたライブに向けて豊が書いた新曲の詞に曲を作るために俺達二人はスタジオに来ていた。 【first love song】というタイトルのその詞を読み、俺は前回のライブ後の豊の言動の意味がわかった。 「なあ、ユタカ」 「ん?」 「これ聞いて気付いてくれなかったらどうするんだ?」 「は?何言ってるんだよ?意味がわからねーんだけど」 「しらばっくれんなよな、何年ツレやってると思ってんだ?亜希ちゃんはたぶん気付いてないと思うぜ」 亜希ちゃんの名前を出す根拠はあった、でも確信はなかったからある意味カマをかけたようなものだった。 でも、それで堪忍したのか豊は素直に答える。 「わかってる。もし気付いてくれなかったら仕方ない、俺達は結ばれる運命じゃなかったんだって諦める。 でも、よく気付いたな」 「まあ、これだけストレートな詞だったら誰かに伝えたいんだなってことくらいはすぐにわかる。 で、今こんな曲を書くなら、あの三人の誰かだろ?」 「でもだからってあきちゃんだってことは…」 「簡単な話だ。 まず江梨ちゃんはない。お前がヒロさんに対してそんなことができるわけがない。 そして優奈ちゃんだったらこんな回りくどいことをする必要がないだろ?あれだけお前にべったりなんだから。 そうなると亜希ちゃんしかいないってわけだ。それに何よりも亜希ちゃんは瞳ちゃんに雰囲気が似てる」 「参ったな…すべてお見通しか」 そう呟く豊に質問をぶつける。 「いつからなんだ?」 「…同じクラスになってすぐ」 「でも覚えてるのはあきちゃんって呼び名だけで、フルネームも覚えてなかったんだろ?」 「それでも初めて会ってすぐに気付いた、面影が残ってたって言うのかな。 俺がずっと会いたかったのは彼女だって」 「まあ、俺はお前を応援するよ。 でも、一つだけ覚えとけ。お前達二人だけが幸せになれたらいいって問題じゃないってことをな」 「三田村さんのことか」 「優奈ちゃんはお前に真剣に惚れてる。傷付けずに済むことはできないかもしれない、でもいたずらに彼女を傷つけたら…」 「ハヤト…お前…」 「お前は他人の気持ちには本当に鈍いな」 3-646 :夏の水彩画:2011/03/17(木) 00 12 37.89 ID acDc8kks 「ねえ、ハヤトくん」 「ん?」 「歩き疲れちゃったし、飲む場所もなさそうだし、ここで休まない?」 豊の気持ちは亜希ちゃんに届いた。 ライブが終わり打ち上げ会場についてからいないことに気付いた豊がどこにいるかを察したように迷いもなく走り出した亜希ちゃん。 手をつなぎ戻ってきた二人は少しだけ申し訳なさそうな、でも幸せなそうな表情だった。 豊から昔聞いた初恋の話。 それが叶うことは親友として嬉しいことだし、俺自身優奈ちゃんと近づくチャンスではあった。 でもショックを受けた優奈ちゃんの表情を間近で見てしまったら手放しで喜ぶことはできなかった。 『友達が幼馴染と再会して、約束が叶って…幸せになったんだよ? うちだって嬉しいんだもん。今日はとことんまで飲まなきゃ』 涙をこらえ、自らに言い聞かせるように優奈ちゃんはそう言った。 『そんな強がりはいらないんだよ。 言い聞かせたりなんてしないで自分の心に素直になればいい。 辛いときは辛いって泣けばいいんだ』 そう言いたかった、でも言えなかった。 黙って見守るだけ、彼女の傷が少しでも癒えるようにそばにいるだけ。 でもこの夜はどこまでも付き合うつもりだった。 それが俺が彼女にできる唯一のことだと思っていたから。 3-647 :夏の水彩画:2011/03/17(木) 00 13 08.63 ID acDc8kks 「この部屋いいでしょ?このホテルではこの部屋がうちの一番のお気になんだ」 「そうなんだ…」 優奈ちゃんに連れられて入ったラブホテルで俺はどことなく居心地の悪さを感じていた。 彼女が使い慣れているさまを見てショックを受けたこともある。 でも高校三年にもなって処女なんてことはないと思っていたし、俺自身経験はあるからそれは大きな問題じゃない。 「ねえ、ハヤトくん。うちとこういうとこ来るのそんなに嫌だった?」 「そんなことないよ。正直嬉しい気持ちだってあるくらいで…でもこんな流れで来たくなかったっていうか」 「…どういうこと?」 「優奈ちゃん。今から俺が言うことは、君を慰めたり元気付ける為にいうことじゃない」 優奈ちゃんは不思議そうな、でもどことなく不安そうな表情で俺を見つめる。 もっと気の利いた台詞やシーンを用意して伝えたかった気持ち。 今言ったって本当の気持ちは伝わらないのかもしれない、でも伝えるしかなかった。 今を逃したら言えなくなりそうな気がしたから、届かないような気がしたから。 「俺は初めて会ったときから君のことが好きだった。一目惚れってやつだ」 「…うそ…」 「嘘じゃない、嘘なんかじゃない」 「なんでうちなの?亜希も江梨もうちよりよっぽど美人だし…」 「優奈ちゃんみたいな子が俺のタイプだから。それ以外に理由なんて要る?」 「うちはハヤトくんの友達を好きになって、佐野くんにあれだけべったりしていて… ハヤトくんの気持ちを知らなかったといってもハヤトくんの気持ちを踏みにじるようなことをしたんだよ?」 「そりゃ確かに複雑な気持ちにはなったよ。でも優奈ちゃんが豊を好きになったように俺も優奈ちゃんを好きになった」 「…ダメだよ…うちはそんなに優しくしてもらう価値のある女じゃないよ」 「価値があるかどうかなんて自分が決めることじゃない。俺にとって優奈ちゃんは誰よりも価値のある人なんだ」 暫くの沈黙の後、彼女の目から涙がこぼれた。 「…優奈ちゃん?」 「ごめんね、急に泣いちゃって…嬉しくて…」 「…」 「うちのことをそんなにも思ってくれる人なんて今までいなかったから。 エッチするときは『かわいい』とか『好きだよ』とか言ってくれるけど、ハヤト君みたいに温かい言葉をくれた人なんていなかったの」 3-648 :夏の水彩画:2011/03/17(木) 00 13 46.70 ID acDc8kks 『うちの過去を知っても同じ気持ちでいてくれる?』少しうつむきながら彼女は俺に問いかけ、過去を語り始めた。 中学生の頃、おとなしくて目立たない生徒だった優奈ちゃんはあまり多くの友達もいなく、自分の居場所を見つけられずにいた。 そんな中でクラスの中心にいる女子生徒に誘われて行ったカラオケで、その子の友達の男達に輪姦されて処女を失った。 甘い初恋を夢見る年頃の少女にとって最悪な初体験。でも彼女はそのときに気付いた。 抱かれるときには男は自分に優しくしてくれることを、自分だけを見てくれることを。 そしていつの頃か彼女は見ず知らずの男に抱かれることを繰り返していた。 たった一晩でも自分をお姫様のように扱ってくれる。 それが彼女が行きずりの男に抱かれる理由だった。 「だけどね、やっぱり本気で恋をしたいって思ったことも何度もあったの。 でもうちを本気で恋愛対象として見てくれた人なんていなかった。 そんなときに江梨と亜希と仲良くなって、江梨に言われたの。『自分を安売りするな』って」 彼女の話を聞いて、暫く何も言葉にできずに黙っていたら彼女は言葉を続けた。 「やっぱり嫌だよね、うちみたいなビッチは。 わかってるんだ、うちみたいな子はまともな恋愛なんてできないって」 「そんなことない…」 「気遣ってなんてくれなくていいよ。ごめんね、今日は付き合わせて。 もともと叶わない恋だってわかってたはずだったのに一人夢を見て、そしてハヤトくんを巻き込んで…最低だよね、うちって。 ハヤトくん、こんなうちを好きだって言ってくれて嬉しかったよ」 そう言って部屋を出ようとする彼女を俺は背中から抱きしめた。 「…ハヤトくん?」 「行かないで…」 「…うちみたいな女、やめたほうがいいよ…何人に抱かれたかもわからないくらいだし」 「過去なんて関係ないよ。俺は今の優奈ちゃんが好きになったんだから」 「うちのせいでハヤトくんを不幸にするかもしれないよ?」 「同じ不幸なら優奈ちゃんのいない不幸より一緒にいての不幸のほうが何倍もいいよ」 3-781 :夏の水彩画:2011/06/05(日) 04 54 18.70 ID 3OBnAsM/ 「同じ不幸なら優奈ちゃんのいない不幸より一緒にいての不幸のほうが何倍もいいよ」 聞くのも恥ずかしいような台詞のはずなのに、ハヤトくんのその言葉が嬉しくて胸の高鳴りを抑えられなかった。 肩を抱く彼の手をそっとほどき、向かい合って目を閉じる。 一瞬の静寂の後に優しくて暖かい唇が重なった。 今までに何度もしてきたことがとても新鮮に、そして初々しく思えてくる。 このままこの心地よい時間が続けばいいのに。 でも同時に思ってしまう、このまま流されていいのかとも。 彼は見た目も悪くないし、優しい。 それに何よりも自分のことを好きでいてくれる。 でもだからこそ彼の優しさに甘えてるだけで、想いに応えられないようにも思えてしまう。 「ねえ、ハヤトくん」 「なに?」 「うちね、今自分の気持ちがわからないの。ハヤトくんは優しくてとても素敵な人だと思う。 でも、ついさっきまでうちは佐野くんのことが好きだったわけで、今ハヤトくんとキスしたことも雰囲気だったり勢いだったり…」 言い終わる前に抱き寄せられて、ハヤトくんは微笑みながら言った。 「たとえ今は俺のことを好きでいてくれなくてもいいよ。俺は絶対に君に惚れてもらえるようになるから」 「ハヤトくん…」 「今すぐ付き合うっていうことに抵抗があるなら、友達からはじめよう。 もうすぐ夏休みだし、一緒に出かけたりして少しずつ俺のことを知ってもらって、それで決めてくれればいいから」 「…うん。早く気持ちに整理をつけるね」 「いい返事が聞けることを期待しています」 「うちもハヤトくんの気持ちが変わらないように努力しなくちゃね」 「優奈ちゃんは今のままでいてくれればいいんだよ。それだけで誰よりも素敵なんだから」 それ以上はお互いに何も喋らなかったけれど部屋を支配したのは重い沈黙ではなくて心地よい静寂だった。 3-782 :夏の水彩画:2011/06/05(日) 04 54 56.29 ID 3OBnAsM/ 「ごめんね、遅くなっちゃって」 「いや、俺も今着いたばかりだから。あっ、なんか飲む?」 「えっと、どうしようかな?ここから映画館までは結構かかるの?」 「そうだね、15分くらいかな」 「じゃあ向こうに行ってからにしてもいいかな?」 「了解。それじゃあ行こうか」 夏休みに入ってすぐ、ハヤトくんと初めてのデートは映画を見に行くことになった。 最近できたシネコンじゃなくて、かなり古くからある小さな映画館。 映画好きしか行かないと言われている映画館で上映してる映画はどんな話なのか、 それと同じくらいに初めてに近いデートらしいデートが楽しみで洋服も髪型もメイクも朝から悩みに悩んでいたのは内緒だったりする。 「ねえねえ、ハヤトくん」 「ん?どうしたの?」 「今日行く映画館ってうち行ったことないんだけど、ハヤトくんはよく行くの?」 「最近はたまに行くくらいだけど、昔はよくじいちゃんに連れてってもらってたね」 「おじいさんに?」 「うん、二年前に死んじゃったんだけど、じいちゃんは映画とか音楽が好きでよく映画館とかライブハウスなんかに連れてってもらったんだ」 「じゃあ、ハヤトくんが今バンドをしてるのもおじいさんの影響なんだね」 「そうだね。かなりじいちゃんの影響は強いよ、ギターもピアノもじいちゃんに教えてもらったわけだし」 「ピアノも弾けるんだ?うちもね、小さい頃ピアノ習ってたことあるんだよ」 「そうなんだ、今も触ったりする?」 「ううん、小学校の頃にやめちゃったからもう弾けるかもわかんない」 「一度覚えたことだし、そう簡単には忘れないよ。他には何か習い事とかしてたの?」 「特に何もしてないよ。小さい頃は絵を描くのが好きで、絵ばっかり描いてたの」 「へえ、今度見てみたいな。優奈ちゃんが描いた絵」 「小さい頃のだもん、恥ずかしいからダメだよぉ」 そんな風に話をしながら歩くと楽しくてあっという間に映画館に着いてしまった。 もう少し話をしていたかったなんてちょっと思ったりしたけど、それは映画を見終わってからにしよう。 3-783 :夏の水彩画:2011/06/05(日) 04 55 36.44 ID 3OBnAsM/ 「どうだった?」 「すごいよかったよ。あの亡くなった恋人役の人がすごく印象に残ったの」 「ああ、三崎梢ね。元アイドルとは思えないくらいにうまい女優さんだよね」 「やっぱり三崎梢だよね、うち達が小学生くらいの頃にめっちゃテレビとか出てた人だよね?最近見ないと思ったら女優になってたんだ」 「この映画の監督の作品が好きで上映したらほぼ欠かさず見てるんだけど、ここ最近はよく出てるよ。 確かなんかスキャンダルがあってテレビに出なくなったんじゃなかったっけ?」 「うん、確か誰か俳優さんと不倫してたんだよ。ママに『不倫って何?』って聞いて怒られた記憶があるもん」 「ははは、確かに小学生の子供に聞かれたら説明に困るね」 「ねっ、でもその頃はなんで教えてくれないかすごい不思議だった気がする」 流行の3Dなんかがあるわけでも、人気俳優が出ているわけでもない地味な映画だったけど、 登場人物の思いが丁寧に表現された作品だった。 ハヤトくんがこういう映画が好きなんだろうなっていうのはなんとなく想像できていた。 うちが幼い頃に好きだった絵のように特に奇をてらうのではなくて、ただ表現したいものをシンプルにありのままに表現する。 どこかハヤトくんと共通するところがあるかなと思えて少しだけ嬉しくなった。 「さて、お腹すかない?何か食べたいものある?」 「えっとねぇ…」 それから食事をして、商店街をいろいろ見ながら夕方まであっという間に時間は過ぎていった。 いろいろな話をして、二人でたくさん笑って… こんなに自然な自分でいられる男の子に出逢ったことなんて今までなかった。 これが恋なんだろうか? 一緒にいることが楽しくて、もっともっといっぱい話をしたくて、いっぱい相手のことを知りたくて… きっと恋なんだと思う、きっと三田村優奈は門田隼人に恋をしている。 でも今はまだ言えない。 この想いが本当に恋だと確信を持つまで、溢れるくらいになるまで。 それがうちのことを好きだと言ってくれたハヤトくんに対してのうちなりの誠意だから。 3-784 :夏の水彩画:2011/06/05(日) 04 56 13.44 ID 3OBnAsM/ 「はじめまして、ウォーターレコードの指宿と申します」 「あ、はい、門田隼人です」 バイト先の楽器屋に着いたら店長に事務室に呼ばれ、そこには知らない男の人がいた。 大手ではないけどバンドマンならそれなりに知られたレコード会社の人がこんな楽器屋に何の用なんだろう? そんな風に訝しげにしていたら指宿さんと名乗る男の人は握手をしてきた。 「思ったとおり、いい指をしているね」 「はあ…」 「君達のライブをこの間見ました」 「そうなんですか、ありがとうございます」 「私は回りくどい言い方が嫌いなんで、率直に言います。君は音楽で食っていく気はあるかい?」 「ええ、まあ食っていけたらって程度ではありますが、そうなればいいと思ってます」 「もし仮にヴォーカルの彼とは別になっても?」 「えっ…」 「こないだのライブを見て思ったんだけど、君のギターと彼の声は合っていないね」 「そんな!」 「あくまでも私の主観ではあるがね。もし一人でも音楽をしていく気があるんなら連絡をください」 指宿さんはそう言うと名詞を渡して部屋を出て行った。 バンドをやっている人間として願ってもいないチャンスではある。 でも一緒にやってきた豊と袂を分かつことが正しいのだろうか? これからも続けていけば二人でやることを認めてくれる人が現れるかもしれない。 そうだ、そう信じてこれからも豊とバンドを続けるほうがいいに決まっている。 それに優奈ちゃんのこともある。 一緒に遊べば素敵な笑顔を向けてくれるし、きっと俺たちはいい方向に向かっている。 もし話を受けたら上京する必要もあるだろうし、そうなったら彼女と会えなくなってしまうかもしれない。 ちゃんと付き合って、将来を考える頃になれば一緒に行くことも考えられるけど、今はそんな段階じゃない。 3-785 :夏の水彩画:2011/06/05(日) 04 56 43.44 ID 3OBnAsM/ 「ねえ、ゆーちゃん。最近元気ないけど、なんか悩み事でもあるの?」 「え?そ、そうかな?特に何もないけど…」 「嘘、絶対何か悩んでる」 「はは、気のせいだよ。悩み事なんて何もないよ」 「じゃあなんでさっきから左耳をずっと触ってるの?昔から嘘ついたりごまかすときに左耳触るの癖だったでしょ?」 「え?そんな癖ある?」 「うん、私のお菓子を黙って食べちゃったときとか、ぬいぐるみを壊しちゃったときにもやってたの覚えてない?」 「全然…そんな癖があったんだ…」 「ふふ、それで悩み事って何?私達の間で隠し事なんてするの嫌だよ」 「実は…トシさんのとこにレコード会社から連絡があったんだって」 「DESPERADOがスカウトされたの?」 「いや、聞いてきたのは俺たちのことらしくて、トシさんはハヤトのバイト先を教えたんだって」 「すごいじゃん!ゆーちゃんたちがスカウトされたってことでしょ?そんなすごいことなら早く言ってよ。 あ、もしかして私と離れ離れになるのが嫌だった?そんなの私はゆーちゃんに付いていくよ」 「それがハヤトから何の連絡もないんだ。トシさんからその話聞いたのは一週間くらい前で、さすがにもう来てると思うんだけど」 「一週間…確かにそろそろ連絡があってもおかしくないよね。てことはハヤト君がゆーちゃんに言ってないってこと?」 「だからおかしいなって思うんだけど、なんか聞きづらくてさ。 実は昔ハヤトに言ったんだよ、バンドは長くても大学の間までしかやらないって」 「でもそんなチャンスがあったらゆーちゃんだって挑戦したいでしょ?」 「もちろん。でも理由はそうじゃない気もするんだ」 「どういうこと?」 「つまり誘われたのはあいつ一人だけだってこと。だから俺に気を使ってんじゃないかって」 「でもlyric craftはゆーちゃんの歌があってこそだよ。だからハヤト君だけがスカウトされるなんて…」 「ありがとう、あきちゃん。でもね、自分を卑下するわけじゃないけど、あいつは俺なんかよりも何倍も才能を持ってる。 ギターのテクやバンドを引っ張る力、曲作りのセンス。どれを取っても先輩バンドの誰よりもあいつは飛びぬけてるんだ。 だからあいつだけが認められるってことは十分にある。 そしてそうなったら俺のことなんて考えずにあいつにチャンスをつかんでほしい」 「ゆーちゃん…」 「なんか青臭いことだけど、俺はマジでそう思ってる。あいつはこんな地方で埋もれる奴じゃない」 「…そうなったら優奈、どうするんだろうね…」 「…え、ああ…」 3-786 :夏の水彩画:2011/06/05(日) 04 57 24.46 ID 3OBnAsM/ 八月も半ばになった頃にトシさんの呼びかけでバーベキューに行くことになった。 メンバーはトシさん、美奈さん、ヒロさん、江梨ちゃん、豊、亜希ちゃん、そして優奈ちゃんと俺。 見事に俺たち以外はカップルばっかりというわけで、たぶんみんなが俺たちをちゃんとくっつけようと気を使ってくれたんだと思う。 「で、なんで俺たち二人が釣りをしなきゃならんのだ?ユタカ?」 「知るか。せっかく澄川に来たんだから魚を食べたいってのはあるだろ。この辺はうまい魚が獲れるからな」 「いや、だからなんで俺たち二人がってことだよ」 「そりゃ年の若い男が行くもんだろ。トシさんは火の番人だし、ヒロさんは料理長だしな」 「確かに」 「さっさと釣って戻ろうぜ」 「ああ」 八月も半ばになった頃にトシさんの呼びかけでバーベキューに行くことになった。 メンバーはトシさん、美奈さん、ヒロさん、江梨、佐野くん、亜希、そしてハヤトくんとうち。 見事にうちたち以外はカップルばっかりというわけで、たぶんみんながうちたちをちゃんとくっつけようと気を使ってくれたんだと思う。 ハヤトくんと佐野くんが釣りをしに行っている間に、うちたち女四人とヒロさんで野菜やお肉の下ごしらえ、 トシさんは一人でコンロを設置して、火を起こしている。 「江梨、そのペットボトルのタレは牛肉用のタレだから漬けるのはもう少し後でいいよ、先に鶏の下ごしらえからしよう。 美奈ちゃん、そこのキャベツはざく切り、玉ねぎは輪切り、ピーマンは半分に落として種を取るだけでいいから」 「亜希、ヒロさんって何者?お肉のタレも全部作ってきたって感じだよね?それにあの持ってる包丁もなんかプロみたいなのだし」 「炭焼き屋って焼肉屋さん知ってるでしょ?あそこの息子さんなんだって」 「そうなの?結構何店もある大きい焼肉屋さんでしょ?江梨ったら玉の輿…」 「はいはい、亜希ちゃんも優奈ちゃんも手を動かして。私一人で全部の野菜は切れないからお手伝いよろしくね」 「あ、ごめんなさい。すぐに手伝います」 3-787 :夏の水彩画:2011/06/05(日) 04 57 52.11 ID 3OBnAsM/ 暫くお互いに釣りに集中してそれなりに魚を釣った頃に不意に豊が話しかけてきた。 「ハヤト、最近…どうなんだよ?」 「どうって何が?」 「何がって、それゃつまり…」 「優奈ちゃんとのことか?」 「ああ、そう!三田村さんとはどうなんだよ?進んでんのか?」 「まあ、それなりにって言うか…まあ、それなりに…」 「なんだそりゃ。一緒によく出かけたりしてんだろ?付き合ってんじゃないのか?」 「確かによく遊びには行くけど、お互いに付き合おうとは言ってない」 「何でだよ?好きなんだろ?伝えたんじゃないのかよ?」 「好きだよ。誰よりも好きで大切な人だ。想いだってあの日に伝えて俺は待つって言った」 「で?答えを今でも待ってるってか?」 「悪いか?」 「違うだろ?東京に行くか悩んでてそれ以上になれないでいるんだろ?」 「ユタカ…なんで?」 「トシさんからそれらしいことを聞いた。お前のとこにスカウトが来たって」 「でもそれは断った」 「何で?」 「俺たちは二人揃ってlyric craftだ、だから俺だけが誘われても意味がない」 「…バカじゃねえの?お前」 「何だと?」 「俺とお前じゃ持ってる才能が段違いなんだよ。俺はそこまで上がれる器じゃない、でもお前はこんなとこで埋もれる奴じゃない」 「ユタカ…」 「チャンスなんだろ?掴めよ」 「でも優奈ちゃんが…」 「ハヤトくん。うち、一緒に行っちゃダメかな?ハヤトくんに付いていきたいの。一番近くでハヤトくんの応援をしていたい」 気付けば後ろには優奈ちゃんがいて、豊は俺たちにゆっくりと話をしろと言い、みんなのもとへ戻っていった。 03-857 :夏の水彩画:2011/08/21(日) 23 01 58.69 ID EANpB7Wv あまり持ちなれない包丁を握りながら美奈さんと亜希と三人で野菜を切っていたら、不意に亜希が話しかけてきた。 「優奈、最近どう?」 「どうって何が?」 「何がって、それはつまり…」 「ハヤトくんのこと?」 「そう。ハヤト君とは最近どうなの?進展してる?」 「まあ、それなりって言うか…まあ、それなりに?」 「何それ。よく一緒に出かけたりしてるんでしょ?付き合ってるんじゃないの?」 「一緒に出かけたりするけど、お互いに付き合おうとは言ってない」 「そう…まだ気持ちの整理、つかない?」 「ううん、そんなことはないよ。佐野くんのことならもう大丈夫。うちのわがままだから」 「わがまま?」 「うちね、きっとハヤトくんのこと好きになってる。でもまだハヤトくんがうちを好きだって言ってくれる気持ちに釣り合わない、 うちのことをこれだけ好きでいてくれるハヤトくんに対してそんな中途半端な気持ちで付き合いたくないの」 「…それでハヤト君が夢を諦めることになっても同じこと言える?」 「亜希…どういうこと?」 「ハヤト君ね、スカウトされたんだって。そうですよね?美奈さん」 「…トシがユタカに言ったのね?」 「はい、ゆーちゃんは確証はないけど多分そうだって」 「トシのところにハヤトのことで問い合わせがあって、ハヤトのバイト先を教えたのは本当よ。 それで、ハヤトがあまりいい返事をしなくて、説得してほしいとトシに連絡が入ったのも」 「ハヤト君はゆーちゃんと一緒にやりたいって思いもある。でも、優奈と離れたくないって気持ちのほうがもっと強いの」 「でも言ってくれたらうちは付いて行くのに…何で言ってくれなかったんだろ…」 「恋人になら言えると思うよ。でもまだ付き合ってもない相手にそんなこと言える?」 「…」 気付いたら包丁を置いて、ハヤトくんのもとへ駆け出していた。 03-858 :夏の水彩画:2011/08/21(日) 23 02 45.22 ID EANpB7Wv 「「えっと…ごめんね」」 優奈ちゃんが隣に座り、暫くの沈黙の後にお互いに同じタイミングで同じ言葉を発した。 「ごめんね、ハヤトくん。うちがいつまでも返事を待たせていたから」 「いや、そんな…優奈ちゃんは悪くないよ。もともと今のタイミングじゃ行こうなんて思ってなかったんだから」 「でも、もしうちたちが付き合ってたらハヤトくんはうちに相談してくれたでしょ?」 「それは…まあ、そうかも知れないけど…」 「でしょ?だからごめんね」 「優奈ちゃん?」 優奈ちゃんが俺の胸に顔を沈めながら話し始める。 「ハヤトくん、みんなハヤトくんのことを応援してるんだよ、ハヤトくんがギタリストとして大成するのを祈ってるんだよ」 「わかってる。でも俺はユタカと今までやってきたんだ、だから俺はあいつの一緒にこれからもバンドをしたい」 「佐野くんは一番ハヤトくんの成功を祈ってる。大切な友達だから、大切な仲間だから、じゃなかったらあんなこと言わないよ。 どんな気持ちで佐野くんはああいったと思う?きっと辛かったと思う、でもそれがハヤトくんのためだって思ったから言ったんだよ」 「…あいつ、バカだよ…」 「その気持ちを受け止められないハヤトくんはもっとバカだよ!」 その後の言葉は嗚咽にかき消された。 優奈ちゃんの涙が収まるまでどれくらいの時間が経ったのかはわからない。 とても長い時間が過ぎたような気もするし、ほんの少ししか経っていないのかもしれない。 でもそんなことはどうでもよかった。 決意ができたのだから。 「優奈ちゃん、さっきの言葉はあの日の返事でいいのかな?」 「…うん。今更かもしれないけど、受け入れてくれる?」 「これから先、苦労させることばかりかもしれない、夢だって本当に叶うかわからない。それでも俺と一緒に居てくれる?」 「うちこそハヤトくんをちゃんと支えられるかわからない。何かあったときにおろおろして余計にイライラさせるかもしれない、 でも誰よりも近くでハヤトくんを見ていたい、応援していたい。 そんなうちでもいいならずっと一緒に居させてください」 俺のTシャツを濡らす涙を拭うことさえもせずに彼女に口づけた。 03-859 :夏の水彩画:2011/08/21(日) 23 03 23.38 ID EANpB7Wv 夏の日差しが照りつける中、俺たちはその暑さにも気付かないくらいに夢中で口づけをしていた。 ふと見た優奈ちゃんの顔は汗と涙でメイクも崩れている。 それさえも可愛く、そして愛しく思えてきて思わず見つめてしまっていた。 そんな俺の視線に気付いたのか優奈ちゃんは顔を逸らした。 「うち、今すごい顔してるでしょ?見ないで…」 「確かにメイクは崩れてるけど、それでも優奈ちゃんは可愛いよ」 「そんなの褒め言葉じゃないよ。好きな人だから悪いとことか不細工なとこなんて見られたくないんだもん」 「好きな人だからどんな状態でも愛おしく思えるんだよ。どんな優奈ちゃんでも俺は好きだから」 「もう…またうちを泣かして…もう知らないから…」 そう言って頬を膨らませた優奈ちゃんを抱く力を少しだけ強める。 「幸せな涙しかもう流させないから。何十年経っても俺は今みたいに優奈ちゃんが好きだって言うよ」 「うん。うちもハヤトくんのことが好き。おじいちゃんとおばあちゃんになってもずっと好き。 いつまでもハヤトくんに好きでいてもらえるように、可愛くいられるように頑張る」 本当に幸せなときには言葉なんて要らないことを俺は初めて知った。 何も言わなくても何もかも伝わる、ただ抱き合うだけで、ただ見つめ合うだけで。 「おう、やっと戻ってきたか。その様子だとお互いにいい結論を出したみたいだな」 「はい、トシさん。待たせてすいませんでした」 「気にすんな。俺たちは先に食い始めてたし、こっちこそ悪かったな、待ってなくて」 「そんな。俺たちのためにこんなお膳立てまでしてくれてありがとうございます」 「礼ならそこで魚をおろしてる奴に言いな」 そう言ってトシさんが指差す先に居た豊は俺が視線を向けると同時に目を逸らした。 スマートで器用に何でもこなすように見えて、実は不器用な豊。 改まって面と向かって礼を言うなんてしたらあいつはきっとこそばゆいと言うだろう。 だからこの感謝の気持ちは胸にしまっておこうと思う。 きっといつかお互いに笑いながら話せる日が訪れるから、その時まで… 03-860 :夏の水彩画:2011/08/21(日) 23 03 49.99 ID EANpB7Wv 夏休みが終わり新学期が始まり、卒業後の進路の面談も終わったある日。 弁当も食い終わり、校舎裏で音楽を聴いていたら一つの影が近づいてきた。 何か話しかけてきたけれど無視をしていたらイヤホンを取りあげられた。 「門田くん、先生が話してるの聞いたんだけど。東京行くって本当?」 「だったらなんだって言うんだ、お前になんか関係ないだろ」 「関係ないことないわよ、元カレが有名人になるかもしれないんだから」 無視したいのも当然だ。 クラスメイトで一年の頃に付き合っていた、中島美鈴が話しかけてきたのだから。 「そんな昔のことを言われてもな、もう何の関係もないって言ったのはお前のほうだろ?」 「ええ、そうね。でも私はあなたの才能を見誤ったみたい。もう一度やり直してあげようと思って」 「笑えない冗談だな、お前なんかとやり直す気なんて皆無だ」 そう言い捨てて中島の横を通り過ぎたところで奴は呟いた。 「へえ、そんなに三田村のこと大事なんだ?」 何でこの女から優奈ちゃんの名前が出てくる? 戸惑い立ち止まった俺に中島が言葉を続ける。 「あれ?三田村の出身中学聞いてなかった?」 どこかで聞いたことのある中学の名前だと思っていたら、そうか、この女と一緒だったんだ。 「その様子だと察してくれたみたいね」 そう言って下品に笑う中島に殴りかかりたい衝動を抑えながら辛うじて言葉を出す。 「…何が望みだ…」 「三田村と別れて私と付き合う。簡単なことだし、悪い話じゃないでしょ?」 「ざけんな、そんな最悪な話に乗るか。お前と付き合うくらいならゲイにでもなったほうがマシだ」 「ふうん?随分なことを言うわね」 「お前みたいな性根の悪い女にはこれでも勿体無いくらいの言葉だ」 「そんな性根の悪い女と付き合っていたのはどこの誰だったのかしら?三田村が知ったらどう思うかしらね?」 勝ち誇ったような表情で去っていく中島に最後は何も言えなかった。 03-861 :夏の水彩画:2011/08/21(日) 23 04 19.25 ID EANpB7Wv 中島に言われた言葉がいつまでも頭に残り、イライラを抱えながら帰ろうとしたら校門のそばで影が動いた。 「ハヤトくん」 「優奈ちゃん?どうしたの?」 「ハヤトくんと一緒に帰りたくて来ちゃった」 「そうなんだ…」 「迷惑だった?」 「そ、そんなことないよ!あまりに嬉しくて、その…なんて言うか…驚いたって言うか」 「ハヤトくんが嬉しいって思ってくれるならうちも嬉しいよ。それだけで幸せだよ」 そう言って笑顔を俺に向けてくれる優奈ちゃんを見ていると俺も幸せになる。 こんなに可愛くて素敵な女の子と付き合えている今が俺の人生で一番幸せなときだって実感する。 中島に何を言われようが俺は優奈ちゃんのことが好きだ、優奈ちゃんとならどんなことだって乗り越えられる、 どんな困難からだって彼女を守っていける。 「あれ?優奈じゃない?どうしたの?」 「あ、中島さん…久しぶり…」 「そんな堅苦しい呼び方しないでよ。昔みたいに美鈴でいいわよ」 まるで見張っていたかのようなタイミングで中島が来た、優奈ちゃんの様子からこいつのことは苦手なのだろう。 「何の用だ」 「何の用も何も中学の同級生に久しぶりに会ったから話しかけただけよ?悪い?隼人」 「ハヤトくん?美鈴…ちゃんとはどんな関係なの?」 「あ、知らないんだ?私達、昔付き合ってたの。ねえ隼人?」 「…ああ、昔な」 これ以上ないくらいに『昔』という言葉を強調して答える。 「それでやり直そうかなと思ってたら、今は三田村と付き合ってるなんて聞いちゃったからイラッときたの」 「…」 「ねえ、三田村。あんた本当に自分が隼人にふさわしい女だと思ってるの?あんたなんて本当はネクラで…」 「やめろ!中島!」 「あんたが処女をなくした日のこと隼人が聞いたらどう思うかしらね?」 「てめえいい加減にしろ!」 「やめて…ハヤトくん…」 「…優奈ちゃん…」 「ごめん…今日は帰るね…」 無理に笑顔を作って優奈ちゃんは走り去っていった。 03-862 :夏の水彩画:2011/08/21(日) 23 04 43.69 ID EANpB7Wv 「ふふ、やっぱり三田村は隼人にふさわしい相手なんかじゃないわね。あんなことで逃げ出すなんて。 ね?わかったでしょ?やっぱりあなたの相手は私のほうが合ってるのよ」 「ああ、よくわかったよ。やっぱり俺の相手はお前じゃないってな」 「あの子の過去のこと知っても同じこと言える?処女なのに無理しちゃってねえ」 「…知ってるよ、そんなこと。優奈ちゃんはそのことも俺に話してくれた。それでも俺は優奈ちゃんと一緒に居ることを選んだ」 「…どうして?どうしてそこまで」 「なあ、中島。…お前哀しい奴だな、そんなこと言って悦に浸る暇があるんだったらもっとやることあんだろ」 そう呟いた俺はどんな表情をしていたのだろう? 怒りなのか、憐れみなのか…きっと悲しい表情をしていたと思う。 かつては縁があった相手がこれほど最低なことを言っていること、 そして俺自身が彼女に何も与えることができていなかったことが何よりも悲しく、そして辛い。 「本当に大切な相手に出逢えたらきっとわかる。お前にそんな相手が現れるかはわからないけど、出逢えたらきっとわかる」 「何よそれ?何が言いたいの?」 「そのままの意味だよ。本当に大切な相手に出逢えたら過去とか何も関係なくなる。理屈じゃないんだ」 「あなたにとってその相手が三田村だっていうの?」 中島は納得がいかないような複雑な表情で俺を見ている。 無理もないと思う。 中島と付き合っていた頃の俺は自分のことしか考えていなかった。 学年でもトップクラスの美人で、この地域では有数の地主の娘。 そんな女と付き合っていれば男としてそれなりに箔も付く。 正直そんな気持ちで俺は彼女に近づいた。 今思えば俺は中島の肩書きに惚れたようなもので、中島美鈴という一人の人間と向き合ってはいなかった。 「ごめんな、中島。お前にはそんなことしてやれなくて」 「ちょっと!!隼人!」 何か言おうとしている中島のほうへはもう目も向けずに優奈ちゃんを追いかける為に走り出した。
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/32446.html
すいさいにそめられて【登録タグ 2015年 CD CDす Misumi MisumiCD VOCALOID す 全国配信 初音ミク 初音ミクぐらふぃコレクション なぞの音楽すい星 曲 曲さ】 + 目次 目次 曲紹介 音楽配信曲目 歌詞 コメント 作詞:Misumi 作曲:Misumi 編曲:Misumi 唄:初音ミク 曲紹介 水彩の恋。 Misumi氏 の4作目。 イラストは YUtuKI氏 が手掛ける。 KARENTレーベルよりダウンロード販売が行われている。 音楽配信 前作 今作 次作 - 水彩に染められてミラージュディスク 水彩と祝福 流通:配信 発売:2016年6月15日 価格:¥150 レーベル:KARENT ジャケットイラスト:YUtuKI iTunes Storeで購入 曲目 水彩に染められて (feat. 初音ミク) 歌詞 (PIAPROより転載) 水彩の絵具のように 混ざる空を見てた 午後のこと 天気は薄曇り 君の事想い出して 渚を歩いた 「淡い恋をしていました」 溶ける境界線 惑い月 答えを探したって 切なさに攫われたって わからないけど 花束を放り投げてさ 秒針が止まるその二秒間 響きも拍子もない世界 二人手を繋げたなら 君が 君が 君が 君が 君が 君が 揺れながら ぼんやりと遠くに霞み霞み見える 消えない 消えない 消えない 消えない 消えない 消えない 消えないで 夏空に儚く白い夢が巡る 渚にて雨降り注ぐ 深く胸の奥に どこまでも 「こんな感情捨てたいね、地平線の向こうに静かに」 そんな嘘ついた 二人並び歩いた道 海が見える景色 吹き抜ける 潮風が心地よくて 僕は思わず言いかけたんだ 息継ぎをした 花束を拾い上げてさ 夜の帳が下りる少し前 一縷の光 頼りにして 別の話をつくろう 夢で 夢で 夢で 夢で 夢で 夢で 出遭えたら 君は微笑んで 僕もつられて笑う 見えない 見えない 見えない 見えない 見えない 見えない 見えないよ 君の微笑みが 涙で滲んでいく 「ねぇ、届くかな」 美しきこの世界 退屈な日々壊そう 恋しくて 恋しくて 君の事いつも想うよ 美しきこの世界 変わらぬ日々を壊そう 「ねぇ、好きだよ」 君が 君が 君が 君が 君が 君が 揺れながら ぼんやりと遠くに霞み霞み見える 消えない 消えない 消えない 消えない 消えない 消えない 消えないで 夏空に儚く白い夢が巡る 夢で 夢で 夢で 夢で 夢で 夢で 出遭えたら 君は微笑んで 僕もつられて笑う 見えない 見えない 見えない 見えない 見えない 見えない 見えないよ 君の微笑みが 涙で滲んでいく コメント 好き。 -- なな (2015-12-12 10 39 49) 透明感があって良い…! -- 名無しさん (2016-08-22 02 10 07) 最高です! -- ボカロを勉強しよう!? (2017-01-18 04 35 37) すごいもっと伸びて欲しい -- らいら (2017-02-07 08 25 45) 爽やか・・・綺麗で素敵っ -- Rimu (2017-02-26 16 38 51) ミスミさんの曲で一番好き!! -- いーぴん (2017-05-29 12 12 49) 夏っぽくて好き -- 名無しさん (2018-02-24 03 38 38) 超最高です、 -- 名無しさん (2019-08-09 20 39 08) なんでもっと伸びないのかが謎(;_;) -- 名無しさん (2019-08-09 20 39 30) 凄い新鮮な気持ちになる爽やかな曲で好きです...。 -- 名無しさん (2024-01-07 11 25 42) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/pam-iwate/pages/3949.html
内藤秀因水彩画記念館 庄内町内藤秀因水彩画記念館は、日本水彩画会理事長であった内藤秀因画伯の水彩画約2,000点を収蔵・展示しています。内藤画伯の画風は堅実な写実主義を基調にしたもので、格調の高い重厚な迫力が魅力となっています。 内藤画伯は、37歳でパリに渡り画家のアマン・ジャン等に師事。サロン・ドートンヌに入選した作品はベルギー大使館の買い上げになりました。 内藤画伯は昭和62年に96歳の生涯を閉じられましたが、遺族の厚意により水彩画を寄贈いただきました。 当館では、季節に合わせて年4回展示替えをしながら画伯の作品を公開し、大変好評を得ています。 〈内藤秀因水彩画記念館公式サイトより引用〉 内藤秀因水彩画記念館 〒999−7781 山形県東田川郡庄内町余目字三人谷地58−1 TEL:0234−43−3039 FAX:0234−43−4762 ホームページ http //www.town.shonai.yamagata.jp/toshokan/naito/ パンフレット ※画像をクリックするとパンフレット(PDF)が開きます。 〈ブログ〉 芸術の秋 http //blogs.yahoo.co.jp/milky852000/64098163.html 2009年内藤秀因記念代12回水彩画公募展No.1 http //blogs.yahoo.co.jp/fzb02641/49381796.html 携帯サイト 最新のチラシ imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 《周辺情報》 〈ブログ2〉 #blogsearch /
https://w.atwiki.jp/izu6105/pages/102.html
ドイツの競売商ワイトラーは16日までに、ナチス総統ヒトラーの 水彩画2点を25日にニュルンベルクで競売に掛けることを明らかにした。 ヤフーニュースhttp //headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090417-00000015-jij-intより ヒトラーの水彩画、 今回はいくらまで 値が上がるでしょうか。 ヒトラー関連商品はこちら ヒトラー
https://w.atwiki.jp/imas_cg/pages/662.html
同名アイドル [水彩の乙姫]栗原ネネ(特訓前)データ プロフィール セリフ集 [水彩の乙姫]栗原ネネ+(特訓後)データ プロフィール セリフ集 セリフ集(アイドルLIVEツアー in ハワイ ライバルユニット) [部分編集] 同名アイドル 栗原ネネ [サマーライブ]栗原ネネ [さざ波の歌姫]栗原ネネ [ドキドキの体験]栗原ネネ [部分編集] [水彩の乙姫]栗原ネネ(特訓前) データ [水彩の乙姫]栗原ネネ 属性 キュート レア度 Sレア Lv上限 60 親愛上限 40 Lv1攻撃値 4420(1コスト比260) Lv1守備値 2960(1コスト比174.1) 最大攻撃値 11603(1コスト比682.5) 最大守備値 7770(1コスト比457.1) コスト 17 移籍金 10,850マニー 特技 水彩スマイル(キュート・クールの攻 ランダムで大~特大アップ) 入手 「新・水着パラダイス」引換券付ガチャ(2013/01/16~2013/01/22)ドーナッツ☆マーメイド水着パラダイスリミテッドガチャ(2013/08/08~2013/08/14)福袋チャンスガチャ(2013/12/31~2014/01/08) [部分編集] プロフィール アイドル名 [水彩の乙姫]栗原ネネ フリガナ くりはらねね 年齢 15 身長 161cm 体重 44kg B-W-H 77-54-78 誕生日 9月9日 星座 乙女座 血液型 A型 利き手 右 出身地 群馬 趣味 テレビ鑑賞・健康作り [部分編集] セリフ集 セリフ 内容 プロフィールコメント 「せっかく誘ってもらったので一緒に遊びたいなって思って着てきたんですけど、実は私...水着って学校で使ってたコレしか持ってなくて...恥ずかしいです。...あ、あの...変じゃないですか?」 親愛度UPコメント 表示 「〇〇さん...そんなに見られると...ちょっと...」 親愛度MAXコメント 表示 「水着を買いに行くことなんてないから困っちゃって...。あの、〇〇さん...もし良かったら今度、水着を選んでください!」 リーダーコメント 「えっ、この格好で...?!」 あいさつ 「泳ぐのは好きなんです」 あいさつ 「水泳は健康に良いんですよ!」 あいさつ 「水着って...照れちゃいますね...」 あいさつ 「〇〇さんと2人きりのプール、ちょっと贅沢ですね!」 あいさつ 表示 「恥ずかしいですけど...〇〇さんとなら良いかなって...」 仕事終了時 「水着でお仕事...ですか?」 仕事終了時 「アイドルといえば、水着...なるほど」 仕事終了時 「こういう水着が好きという方もいるというのは...本当ですか?」 仕事終了時 「は、恥ずかしいですよ!」 仕事終了時 表示 「〇〇さんとじゃなかったら...プールなんて来ませんよ!」 [部分編集] [水彩の乙姫]栗原ネネ+(特訓後) データ [水彩の乙姫]栗原ネネ+ 属性 キュート レア度 Sレア+ Lv上限 70 親愛上限 300 Lv1攻撃値 5304(1コスト比312) Lv1守備値 3552(1コスト比208.9) Lv1攻撃値(MAX特訓時) 7626(1コスト比448.6) Lv1守備値(MAX特訓時) 5106(1コスト比300.4) 最大攻撃値 17571(1コスト比1033.6) 最大守備値 11766(1コスト比692.1) コスト 17 移籍金 16,275マニー 特技 水彩スマイル(キュート・クールの攻 ランダムで特大~極大アップ) [部分編集] プロフィール アイドル名 [水彩の乙姫]栗原ネネ+ フリガナ くりはらねね 年齢 15 身長 161cm 体重 44kg B-W-H 77-54-78 誕生日 9月9日 星座 乙女座 血液型 A型 利き手 右 出身地 群馬 趣味 テレビ鑑賞・健康作り [部分編集] セリフ集 セリフ 内容 プロフィールコメント 「乙姫という大役、頂いたからには頑張りますっ!嬉しくて照れちゃいますね...。ふふっ、せっかく〇〇さんが私を選んでくれたんですから、舞い踊ってみんなを元気にしますよ!」 親愛度UPコメント 表示 「〇〇さん、時間を忘れて私と一緒に踊りましょう♪」 親愛度MAXコメント 表示 「私の目標は皆を元気にするアイドルですけど、今日は乙姫らしく〇〇さんだって歌や踊りで元気づけちゃいますからね!」 リーダーコメント 「絵にも描けない美しさー♪」 あいさつ 「泳ぐのは好きなんです」 あいさつ 「水着って...照れちゃいますね...」 あいさつ 「〇〇さん、竜宮城に行きたいですね!楽しそうですし」 あいさつ 「私が乙姫だなんて夢みたいです」 あいさつ 表示 「私、きっといつまでも...〇〇さんを待ち続けてますね」 仕事終了時 「水着でお仕事...ですか?」 仕事終了時 「アイドルといえば、水着...なるほど」 仕事終了時 「妹が見たら照れちゃう、かな?」 仕事終了時 「群馬には海がないので、少し変な感じがしますね...うふふ」 仕事終了時 表示 「〇〇さんと龍宮城で暮らすのもいいですね、楽しそう!」 [部分編集] セリフ集(アイドルLIVEツアー in ハワイ ライバルユニット) 渚の乙姫 s(メンバー:栗原ネネ/イヴ・サンタクロース)※オアフエリア セリフ 内容 出現時 「ハワイにも、海にまつわる昔話とかあるんでしょうか?こういう衣装でよろこんでもらえたら!」 Live開始時 「日本の乙姫ですよー?」 勝利 「よかった、楽しんでもらえたみたいです! やりましたね!」 引き分け 「昔話、通訳しなくちゃ。えーと英語は…二人とも喋れない?」 敗北 「おめでとうございます。私、ビーナスとカン違いされちゃいました…」 渚の乙姫 s(メンバー:栗原ネネ/イヴ・サンタクロース)※カウアイエリア セリフ 内容 出現時 「すばらしい夕焼けですね。竜宮城くらい綺麗かも。せめて歌声は、この風景に負けないように!」 Live開始時 「ふたりで渚のデュエットです!」 勝利 「いつもより澄んだ声が出た気がします♪うまく合唱できました」 引き分け 「一緒に景色眺めませんか? 時が過ぎるのがもったいないですね」 敗北 「すごい和音でした! 私たちも混ぜてもらえばよかったです」 渚の乙姫 s(メンバー:栗原ネネ/イヴ・サンタクロース)※ラナイエリア セリフ 内容 出現時 「私たちはそろそろ海に帰る時間ですね。1日の疲れを癒す歌、もう1曲だけ歌わせてください」 Live開始時 「世界の海はひとつです!」 勝利 「ありがとうございました♪それじゃ帰りますね。…ホテルですけど」 引き分け 「島中に私たちの歌が広がって…。本当にステキな時間になりました」 敗北 「癒しは、そちらの歌があれば大丈夫そうですね♪お任せします」
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/45086.html
すいさいしょくのものろーぐ【登録タグ VOCALOID す とが。 曲 片翼P 鏡音レン】 作詞:とが。 作曲:とが。 編曲:とが。 唄:鏡音レン(調声:片翼P) 曲紹介 「あなたの名前は?」 どうも、とがです 初めてのボカロ曲です鮮やかで無色な物語を描きました(動画説明文より転載) 絵:DEHO 映像:塩風 歌詞 (作者配布ファイルより転載) 白紙の上に何を描こうか 垂らした水滴が不意に滲む 靡くカーテンと毛布の中 逆さまに変わっていた 砂の時計 1つ 2つ 透過する記憶が 君をいつも空白にする 僕は淡く染まるキャンバスの上に 今日を写した 瞬きの間の一瞬さえも 残らずに全部溶けてしまっても 映画のようなエンディングを待ち望んだ 目を覚ませば忘れてしまいそうな 儚い色で描いていく その時 君は言う 「あなたは何て言うんだっけ?」 余白ばかりの白雲を見て 指折り数えてたページの数 涙ぐむ僕の目に気付かず 「はじめまして」と言う君は綺麗だ パレットに混ざる色 静かに乾く絵も 君がいなきゃ出来なかった物ばかりだから 足りなかった 空っぽのバケツに注いでゆく 「君が好きだよ」 夜空に浮かんだエピソードの1つが 泡沫ように消えてくから 速さを変えて秒針が君を無視する どうせ明日には何も知らなくて 僕のことなんて覚えてないけど それでも隣りで待ち合わせをしようよ 付き合い初めも喧嘩した日でも 「思い出」だと話した日も きっとどこか遠くへ 届かない君の戻らない時間は僕を置いてく 気がして通り過ぎてしまう日々だから 瞬きの間の一瞬さえも 残らずに全部溶けてしまっても 映画のようなエンディングを待ち望んだ 音が消えて色が無色になって 潤う色で塗り替えした その時 君は言う 「あなたは何て言うんだっけ?」 掠れた筆の跡と濡れた袖が 余計で無形な夜に沈む 描き立ての水彩色が廻る 君と僕だけのモノローグ コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/35387.html
めーでーすいさいのゆめより【登録タグ mint* め 初音ミク 攻 曲 殿堂入り 黎】 作詞:mint* 作曲:mint* 編曲:mint* 唄:初音ミク(調声:攻) 曲紹介 冬が夏には戻らないようにこの気持ちは何処にも帰れない───もう、これで終りにしよう 絵:黎(クロイ)、動画:なつ、Voice Effect:雪兎 歌詞 星の海 響く救難信号(メーデー) ──この声は届いていますか 一人で見上げた宙は 冬の匂いがしたんだ 「星座(ほし)をつくろう」だなんて 透き通るまっすぐな瞳 その横顔に恋をした 君がいた あの夏の日 水彩で描く星図 ふと絡ませた指も ぜんぶ ぜんぶ 胸に焼き付けた 哀しいだけのポートレイト 今も鮮やかすぎて Mayday ここに まだここにいるよ 想い出も 未来(あす)も抱えて ねえ見つけてよ ふたり描いた 水彩の夢にずっと溺れたままの私を 「どんな名前を付けようか」 ふたりきり星図をなぞって 何度もひかりを結んだ 褪せない夏の幻影(まぼろし) いつか記憶は崩れ 砂になって 風がさらって… でもまた抱き寄せてしまうから すがりついてしまうから どうか どうか消えないで Mayday 君に 君に逢いたいよ 苦しくて 息もできなくて 閉じこめてたはずの想いが 旅立った宙へ今 あふれてしまう抱えきれず 描いた星座(ほし)たちはギザギザで不格好で だから “ヒマワリ” そう名付けて笑いあって… 倖せだったよ 「夢がさめたら星の海でまた逢えるね」 その日を信じて Mayday きっと忘れたりしないよ 君がいた夏 はにかんだ その笑顔 面影をきっと 太陽に向かい咲いた不格好な夢を 潰れそうに ひとりきり抱えたままで 冬の宙 瞳(め)を閉じる ───もう、これで終りにしよう あの日の君に手を振って 神さまに少しだけ 感謝するように コメント 追加お疲れ様でした。 -- ふわふわ (2016-11-06 11 32 37) すごくいい曲なのになぜ伸びないのだろうか。 -- 名無しさん (2016-12-17 22 29 30) この曲とても素敵なのにやはり伸びない。 -- 名無しさん (2016-12-18 16 36 27) 10万再生なら十分伸びてるんじゃね?個人的には100万再生レヴェルの曲なんですけどw -- glass (2016-12-18 17 08 43) メーデー…とはなんでしょうか(・・? -- こども (2016-12-18 17 46 23) ↑メーデーとは無線電話の国際救難信号のことです -- 鈴 (2016-12-18 19 27 45) しっかし良い曲やなぁ!嫉妬するアンチがつく理由わかる -- 名無しさん (2016-12-19 03 55 38) あげあげ -- 三日月宗近 (2016-12-19 19 27 47) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/hontati/pages/16.html
野村重存「水彩スケッチ」の教科書 内容紹介 人気画家・野村重存が「水彩スケッチ」のコツを徹底解説! 初めての人にも、思うように描けないと悩む人にも必ず役立つ、水彩スケッチ入門書の決定版! 【本書の3つの特徴】 (1)圧倒的にわかりやすく「水彩スケッチ」の技法を解説 テーマにあわせた描き方、ポイントとなる筆の使い方や塗り方を拡大写真で紹介。 スケッチから着色までの連続写真など、「水彩」スケッチの基本を圧倒的にわかりやすく解説する。 (2)描き方・着色技法が身につく新型ドリルつき 巻末のドリルでは「身近な静物」「一本の木」「古民家」「町並み」「山」「渓流」「人物」の 描き方と着色技法をお手本を見ながら実際に練習できる。 (3)充実した用具レビュー特集 用紙や筆、絵具などの使い方、それぞれの種類による違いや特徴を紹介。 今までの入門書にない詳細な解説が、あなたの描きたいテーマにあわせた道具選びを可能にする。----amazon引用---- 書評 メイキングがメインなので全くの初心者には厳しいと思われる。 なぜならメイキング時には詳しい説明はなく、写真と短文でさらっと進んでしまうからである。 しかし本屋で購入の際、立ち読みした別の水彩入門書と比較した場合、こちらのほうが親切に感じた。 些細な違いが大きく印象を変えたのだと考えられる。 そのメイキング紹介時の些細な違いはというと、本書はメイキング進行時ときたまパレットの表示をしてくれて 何と何を混ぜたのかの解説が入る。 この部分は初心者にとっては大事な参考にできる部分ではないかと感じた。 そして道具のレビューも23ページ近く割いており親切な設計になっているのではないかと思う。 そして練習用ドリルにより模写という行為を自然とさせようという点には好感が持てる。 これは入門書なので経験者が買っても得るものは何もないと思う。
https://w.atwiki.jp/trpg_summary/pages/1777.html
KP 九畝くぜ PL&PC 水凪自由 彩音れおん 配信 2022/09/07 21 00- 【新クトゥルフ神話TRPG】遭難者C #遭難者水彩 #くぜくぜ卓 ハッシュタグ #遭難者水彩 ツイート 配信告知 感想 九畝くぜ / 水凪自由 / 彩音れおん