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【作品名】とある魔術の禁書目録 【ジャンル】小説 【名前】麦野沈利 【属性】超能力者 【殺人数】12人 【長所】敵になったが再度仲間入りした 【短所】本質はあまり変わっていない 【備考】仲間一人殺人 10人ほどを横から超能力でミンチにする ロシアで追っ手を一人殺人
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新米警官だったレオンも、今や凄腕のエージェントになっていた。しかし、それと同時に、大量殺人を行った殺人鬼でもあった・・・。 レオンは大統領から、拉致された娘「アシュリー」の救出を依頼され、スペインにある小さな村までやってきた。 ブオォォォン・・・ キキィィ。 警官「この先が例の村だ。」 レオン「わかった。あとはまかせな。おっと、お前らはもう用済みだな。」 パァン!パァン! レオンは警官を始末し、小さな一軒家に入った・・・。 レオン「ちょっと聞きたいんだが・・・」 家の主らしき人物に問いかけても返事がない。レオンはちょっとムカつきながらも、写真を取り出し、問い尋ねた。 レオン「この子をしらないか?」 ガナード「ここで何してる?さっさと出て行け!」 レオン(ちっ!知らねえみたいだな。じゃあ片付けるk・・・!) ハアァァァ! ブンッ! レオンは斧をかわし、銃を構えた。 レオン「ふざけやがって!ぶっ殺してやる!」 銃弾はガナードに当たったはずだった。しかしガナードはまだ死んでいなかった。 レオン「まさか・・・。ゾンビか!?いや、確かに人だ。だが銃は効いてないみたいだ。なら・・・!」 レオンはガナードの頭めがけて発砲した。 レオン「やっぱり死んだか。おどかしやがって!それにしてもなんだこいつ。ゾンビでも人でもなさそうだが、化け物には変わりねえな。これからはこういうやつは殺しとくか。」 そのとき、レオンは暖炉を見ていた。暖炉にはなにか違和感があった。 レオン「なんだ・・・?これ?人の骨か?何でこんなところに・・・?ん!なんだありゃ!頭蓋骨の山だ!何人も殺してる見てえだな。集団にあったら面倒だな。さっさとお姫様救出して帰るか。」 数分後、レオンは村の中央についた。 レオン「うっわぁー・・・。団体さんだよ・・・。どうしよう。こことおらねえと先いけねえし・・・。よし!裏からいこう!」 焼夷手榴弾で村人に気づかれずに通過。 村の奥に着き、ルイスと出会う。 ルイス「ンー!ウンンー!ウー!」ビリッ!「ゆっくり剥がせよ」 レオン「お前はあいつらとちがうのか?」 ルイス「いいや。お前は?」 レオン「違うぜ」 ルイス「なぁ、1つ大事なこと聞かせてくれ。」 レオン「なんだ?」 ルイス「タバコあるか?」 レオン「お前に吸わせるタバコはねぇ!」 ドスッ・・・、ドスッ・・・。 ルイス「ヤベェ!この村のボスだ!」 レオン「ハァッ!」ガッ「何!?」 ビトレス「フンッ!」 レオンは投げられ、そのまま気を失った・・・。 今回はここまでです。なんか疲れました。大体は本編そのままなのですが、多少変えていこうとおもって作りました。ちょっと失敗したかな、 と思いますが、これからも続けますす!
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1-26【駐在:猟奇殺人の真相】(C) 戦力/体力・・・[6/5] キーワード能力・・・ 技能・・・<ナーウィング>:このカードの戦力を10にする。ダメージを受けると解除。(継続) フレーバーテキスト「"おや、こんな夜遅くに下校なんて危ないよ"・・・何気ない会話の最中、男は不意に鬼へと姿を変えた。」 解説: Cにしては強力なサイズアップ能力を持つが、解除条件が被ダメージと緩く、体力が低いのが難点。 技能値を消費させる為にあえて繰り出すのも手か。
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山村美紗サスペンス 京都龍の寺殺人事件 【やまむらみささすぺんす きょうとりゅうのてらさつじんじけん】 ジャンル アドベンチャー 対応機種 ファミリーコンピュータMSX2 メディア 【FC】2MbitROMカートリッジ 発売元 タイトー 開発元 トーセ 発売日 【FC】1987年12月11日【MSX2】1987年12月11日 定価 【FC】5,500円(税別) 判定 なし ポイント 有名作家が手がける推理ADV無理矢理アナグラム 山村美紗サスペンスシリーズリンク 概要 ストーリー 特徴 評価点 問題点 総評 その後の展開 概要 推理作家・山村美紗がシナリオを担当したミステリーADV「山村美紗サスペンスシリーズ」の第一作。 同氏が執筆するミステリーサスペンスの1つ「キャサリンシリーズ」を根底としたオリジナルストーリーが展開される。 同作の主人公キャサリンも登場するが、主人公はあくまでプレイヤー自身であり、彼らはサブキャラクター的な扱いとなっている。また、シリーズレギュラーの狩矢警部も登場する。 ストーリー 新作ソフト「京都龍の寺殺人事件」の制作発表会とサイン会のために京都を訪れていたゲームデザイナーの主人公は、サイン会の会場となる京都・竜安寺で発生した殺人事件の現場の第一発見者となった。更に自身が開発した新作ゲームのシナリオと殺人現場の状況が酷似していたことから容疑者とみなされてしまう。 アメリカ副大統領の娘であり、数々の事件に首を突っ込んで解決してきた経歴を持つアメリカ人女性キャサリンと現場で偶然出会った主人公は、 彼女の手助けを受け、自身にかけられた容疑を晴らすべく事件の謎にたちむかっていく。 特徴 本作には日付の概念があり、調査がある程度進んだら主人公の部屋に戻ってそれまで集めた情報をまとめる事で日付が変わる。 ミステリーADVで定番のコマンド選択式。コマンドはアイコンで視覚的に表現されている。 人物の立ち絵は主に顔のアップで描かれ、絵のサイズが大きい。 セーブはパスワード方式。カフェで「中断」コマンドを実行すると、山村氏似のマダムがパスワードを教えてくれる。 基本的に名探偵キャサリンが推理をリードしてくれる。プレイヤーは関係者に話を聞いたり手掛かりを探したりして情報を集める助手的な役割を主に担う。 アイコンの「キャサリン」は、主人公とキャサリンが一緒にいる時にのみ選択可能で、キャサリンが様々な助言を与えてくれる。 評価点 シナリオ全般の出来 下記のようなややこしい名前の問題はあれど、山村美紗が執筆しただけあり2時間ドラマのようなミステリーとしての出来はなかなか。 最初の事件でダイイングメッセージが示されたり、一連の事件の中に密室殺人が含まれたり、尾沢家における遺産を巡る人間関係や血縁関係がストーリーに関係してきたり、といった推理小説定番の要素がふんだんに盛り込まれている。 BGM 切なさの漂うタイトル画面曲や、尾沢家で流れる哀愁感漂う曲、エンディングを迎えた際の安堵感ある曲や、物語の終幕を演出する穏やかなスタッフロール曲など、サスペンスドラマにふさわしい雰囲気溢れる曲がそろっている。 顔グラ 顔グラが大きく描かれている分しっかりと描かれており、元となった俳優によく似て出来も良い。 問題点 シナリオ面 手がかりの為のギミックで人物名がややこしくなってしまっている。 物語冒頭のダイイングメッセージでひらがな六文字が出てくるのだが、該当者が5人(おさわみなこ、おさわなみこ、こさわみなお、こなみさわお、みさわなおこの5人。)もいる上、ゲーム上の表記が全てひらがな表記なので読み辛く、非常にややこしい。 全員がきちんとした役割をもって物語に絡んでくるものの、かなり強引なのは否めない。 しかもこのダイイングメッセージは「上記5人の内の誰か」以上の意味はなく、作中でも殺害された人に連なる人間を調べていけば彼らは出てくる。その為、結局名前をややこしくしただけの存在になってしまっている。 そのせいでスタッフも混乱したのか、エンディングのキャスト紹介で「こさわみなお」が「おさわみなお」と誤記されている。 システム面 コマンドアイコンがモノトーンで描かれているので、やや視認性が悪い。 またアイコンのマークの目や耳といった身体パーツがリアルに描かれていて見た目の印象が少々不気味。「考える」や「中断」は漫画調なのに…。 コマンド選択がかったるい 状況に応じて不要なコマンドを絞り込んで誘導してくれない上、選択肢の数も多いので難易度が高く作業的になりがち。 人にアリバイを聞くという作業にしても『アイコンの「聞く」→ 誰に聞きますか?「人物名」→ 何を聞きますか?「人」→ 誰のことを聞きますか?「人物名」→ 何を聞きますか?「アリバイ」』と、これだけの数を経なくてはならない。 カーソルを使ってグラフィックウインドウ内を調べるADVではお馴染みの謎解きが出てくるが、判定はシビアで詰まりやすい。 判定が狭い場所で詰まってしまいクリアできなかった人も多い。 また、このシビアな判定のせいでシナリオ進行がそのつど足止めされてしまうため、ストーリー進行のテンポは全体的にいまいちになってしまっている。 バグやフラグミスが多い。 例えば、「コマンドを実行してもテキストが表示されない場合がある」「パスワードを入力して再開するとプレイヤーの名前が変わる」など。中にはフリーズや詰みといった重大なものも多い。 + 進行不能バグの詳細 17日に尾沢家に行き、およねにみなこの写真を見せるとフリーズ。 20日にヴィラみやこで「聞く→あたりのひと→さわお」を行わずに移動してしまうと尾沢家のみなおの部屋となみこの部屋へ行けなくなり進行不能になる。 誤植や文章の区切りがおかしい点が目立つ。 特に、誤植に関してはゲームの非常に重要な場面でやらかしており、ずっこけさせられる。 総評 愛憎もつれる人間ドラマや密室トリックといったミステリーサスペンスの王道を行くシナリオを搭載し、FCソフトとはいえ「山村美紗」のブランド力をきっちりと作品に活かし、小説同様に謎解きを楽しめる質の高さをきちんと備えている。 いっぽう、肝心のシステム面では全体的に粗が多く不親切で、進行を阻害するバグも多いため、話を楽しむ事に没頭し辛い。 地道な作業をこつこつ積み重ねられる人なら、タイトルに惹かれて本作を買ってもそこそこ楽しめるだろうが、逆に言えば、元来アドベンチャーゲームに耐性のある人でないと厳しい。 まだシステムがこなれていない時代に発売された作品なので仕方ない部分はあるものの、プレイアビリティ面の配慮含め、もう一歩足りないのがおしい点である。 その後の展開 FC版発売の翌年の1988年にMSX2に移植された。 登場人物の減少や音楽の使用箇所の変更などの多くの変更が施され、難易度はFC版よりやや下がっている。
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【作品名】金田一少年の事件簿 【ジャンル】漫画 【名前】刀丸猛人 【属性】キモメンヒキヲタニートが変貌を遂げた「殺人鬼ジェイソン」 【殺人数】13人 【長所】このスレのルールだと作中一番人を死に追いやっている高遠より上の殺人数、恐らく金田一史上最多キルマーク 【短所】犯行理由が 「不細工で人見知りだったため整形手術中毒になった挙句失敗して引きこもり 映画の見過ぎで自分を悪の化身と思い込んでついやっちゃった」 という最低の物で高遠が一番嫌いそうなパターンであること 【備考】一夜で13人を殺し、死刑が執行された
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▼‐08 先生は、若い頃に間違いを犯したのだろうか。 力ずくに物事を決めて、傷ついたことがあったのだろうか。 そんなことを唯ちゃんに尋ねてみても、 どうなんだろうねえ、と、気の抜ける答えが返ってくるのみだった。 「でもそうね、悩むのはここまでにしましょう。力ずくで解決するわよ」 普段のふるまいらしからぬ和ちゃんの言葉に、他ならぬ唯ちゃんが驚いていた。 「和ちゃんが非行少女に……」 「なんでそうなるのよ。この事件を解決するだけでしょう。 そうね、わたしたちはさっきこう言った――証拠が出揃っているかも不明、ってね」 「それを力ずくに解決するってこと?」 「既に全て揃ってることにしましょう」 「えっ、それで本当に大丈夫なの!?」 今度は美冬ちゃんが、その決断に大慌てしていた。 「第一全てのミステリー作品は、この問題からは逃れられない。 これに決着をつけるのが、例えば“読者への挑戦”だったりするのだけど、 まあ、この際そんな仕掛けもいらないでしょう」 和ちゃんは最後のページで開きっぱなしの台本に目を移した。 「次のページから解決編。わたしたちのできる謎解きは、これだけよ」 「なるほど、この余白を“読者への挑戦”だって仮定するんだ」 「それに、わたしたちは作品世界の外側にいる。 今後知るはずだったような証拠も、既に手に入れているのよ」 くつくつ笑うちかちゃんは、だったら、と付け加える。 隣で眉根を寄せている美冬ちゃんの肩を抱き、高らかに言った。 「それですら演じてしまうのが、演劇部の務めじゃない?」 「え、ちか……?」 「美冬、やろう。せっかくなんだしさ、やっちゃおうよ……即興劇!」 ちかちゃんは励ますように語りかける。 そこに乗っかったのは、姫子ちゃんだった。 「それ面白そうじゃん。即興劇なんて、やったことないけどさ」 「でしょ? ほら、四人ともどう?」 「わたしは賛成かな」 と、わたしも乗っかってみる。楽しそうじゃないか。 「じゃあ、わたしも……やろうかな」 「よーし、和ちゃんが探偵役だね!」 「なんでわたしが……まあやってもいいけど」 「だってさっきの劇の再現だって、和ちゃんが探偵役だったじゃん!」 「はいはい、わかったわ」 美冬ちゃんが呆然としている間に、事は進んでいく。 たった一瞬の閃きが、火花を散らして、大きな花を咲かせた。 「仕方ないわね……でも」 と言って、抱えられた身体を抜いてから、ちかちゃんの前髪を掻き上げる。 あらわになったそのおでこめがけて、美冬ちゃんはデコピンをひとつ打つ。 「いたっ!」 「まるで演劇部代表のように言うけど……あなたは演劇部じゃないでしょう、ちか」 「……えへへ、まあノリでねー」 ▼‐09 さて、それぞれが演じる役は先程のものと同じだ。 つまり、以下のようなものになる。 #========================================= 加瀬田いずる ⇔ ラチェット(カセッティ) …… わたし 蛭田舞 ⇔ ヘクター・マックィン …… しずか 江戸川あすた ⇔ エドワード・マスターマン …… 姫子ちゃん 阿部なすみ ⇔ アーバスナット大佐 …… ちかちゃん 水阿利えな ⇔ メアリー・デベナム …… 美冬ちゃん 龍野こごみ ⇔ ドラゴミロフ侯爵夫人 …… 唯ちゃん 安藤れん ⇔ アンドレニ外交官 …… わたし 穂和呂るき ⇔ エルキュール・ポワロ …… 和ちゃん #========================================= 当然片方は既に死んでしまっているため、わたしが二役やることに問題はない。 ところで、新たなシーンを即興で作り上げてしまう手前、 それぞれの口調などは再現が難しいんじゃないかという姫子ちゃんの提案で、 事実関係はそのままに、名前や口調は普段のわたしたちの通りにすることになった。 原作では喋り方も鍵になったけれど、今回それは必要ないだろうというのが、 この意見に賛同した和ちゃんの意見だ。 演劇ってなんだろう、とは思ったけど、 即興劇を設定に沿って演る技術なんて持っていないので仕方ない。 ちなみに、そうなるとわたしの名前が二人出てくるので、 死んでる方は劇中の名前と同じにした。 さて、劇が始まればここは教室ではない。 雪山の上にある、コテージの一室。 全員が一同に会してくつろげる、癒しの空間である。 ぱちりぱちりと、薪の小さな拍手を受けながら揺れ踊る暖炉の炎が、部屋中を暖めてくれる。 しかし実際ここに流れている空気はどうだろう、 息苦しくなりそうなほどに冷たく、身を引き裂いてしまいそうなほどだった。 殺人事件が起きたのだから、これも当たり前といえば、当たり前だろう。 「やっぱりさ、山を下りて大人を呼ばない? どう考えても、加瀬田いずるを殺せたのは外部から鍵を持ち込んだ人だけだって」 そう主張するのは、姫子ちゃんだった。 空気が重い。当然と言えば当然のその意見にすら、巨大な圧力を感じる。 「だって密室を作ることができるのは、その人だけなんだよ? これ以上なにを立ち止まる必要があるっていうのさ」 「そうだね、この家に鍵はたった一つしかない。それは間違いないよ」 家の所有者のちかちゃんも断言した。 こればかりは真実で間違いないんだろう。 一方、すぐさま山を下りるのは早計だと、和ちゃんは反論した。 「密室の殺人を成立させる方法は、なにも合鍵を持っていることだけじゃないわ」 「というと?」 「例えば犯行時、既に部屋が密室状態だったとき。 これは部屋の中に、自動で作動する仕掛けが施されていたり、 あるいは他殺に見せかけた自殺だったりする場合ね」 唯ちゃんが目を丸くして言った。 「え、そんなことあるの?」 「まあ、唯の意見が正しいわ。今回は間違いなく他殺であり、仕掛けもない。 それは現場検証で明らかなとおりね」 では、と和ちゃんは繋げた。 「他に密室を成立させる方法はなにか。 最も単純なものが、施錠する手段を持っていることね。 つまり、今回の件でいえば、外部の人間がもう一つの鍵を持ち出したという、 一番信じやすい推論が該当してるわね」 「それがわたしの主張する推理だね」 「でも姫子、結論はまだ待ってほしいの。 これの他にも単純かつ明快な、密室を成立させる方法があるんだから」 「それが一体なんなのか、教えてほしいな」 「至ってシンプルよ。……ところで、しずかはどこにいるかしら?」 言われてはっとした。 そういえば、さっきまでわたしの隣にいたしずかがいない。 周囲を見渡してみても、どこにもいない。 あのちっこい身体に隠れられては、こちらも見つけるのに一苦労だ。 考えていると、待ってましたとばかりに、頭の中でフラッシュが散った。 ああそうか――考えてみれば、実に単純なことじゃないか。 「気づいたみたいね。そう、しずか、出てきていいわよ」 物陰から、しずかがいそいそと現れた。 元々かわいい小人の彼女は、もっと小さくなろうと、背中を丸めていた。 「わたしが提案する、密室を成立させた手法はこれよ。 “あの時点で犯人は密室内にいたけれど、姿が見えていなかった”!」 一番動揺していたのは、美冬ちゃんだった。 「え、ちょっと待って! 一体どこに隠れていたっていうの!」 「クローゼットの中でも、ベッドの中でも、それは同じよ。 ただし、わたしたちに姿を見せていない誰かが犯人だということね」 思い返してみる。あの時点、加瀬田いずるの死体が発見された時点で、 あの場にいた人間を。 蛭田舞、阿部なすみ、水阿利えな、穂和呂るき。 つまり、しずか、ちかちゃん、美冬ちゃん、和ちゃん。 「ということは、犯人は……この三人のうちの、誰かってこと!?」 美冬ちゃんは三人を――姫子ちゃん、唯ちゃん、そしてわたしのことを、指さした。 「ま……待ってよ! わたしじゃない! っていうか、そもそもその案が正しいとも限らない!」 「じゃあ外を見てみましょうか」 「外?」 「そう。そこには、まっさらな雪があるはずよ」 怪訝そうに外の景色を注意深く眺める姫子ちゃんの横で、 なぜかしずかが、顔を真っ青にしていた。 「ねえ、外の雪がなんだってのさ?」 「……足跡がないのよ」 「えっ?」 「昨日の夜、しずかが二階のベランダの柵上に乗っていた雪を落としたわ。 その場所にはちょうど窪みができていた。 そして今朝確認すると、その窪みは、そっくりそのまま残っていた……」 「……わたしたちが寝ている間に、雪は降らなかったんだね」 しずかが消え入りそうな声で呟く。 なにか事前に言われていたのだろうか。 「足跡や、他の跡でもいい。ともかく、昨日の猛吹雪が止んだ時点から今まで、 このコテージへの来客は“一人もいないということになる”」 「すると自動的に、和ちゃんの推理……犯人は部屋に潜んでいた、 というものを取らざるを得ないわけだ……」 「その通りよ、ちずる」 「でも待って」 疑問を投げかけてきたのは、ちかちゃんだった。 「密室を成立させる方法がたくさんあるように、雪に跡を残さない方法もたくさんあるんじゃない? なら、それも一応考えた方がいいんじゃないかな?」 なるほど、雪に跡をつけない方法。 今回はあり得ないだろうけど、例えば犯人が空中浮遊してやってきたとか。 ヘリコプターで飛んで来たとか。方法はいくらかあるはずだ。 ところが和ちゃんは、一定の理解を示しつつも、自分の意見を譲らなかった。 「そもそも密室が成立してる時点で、外部犯の存在は怪しいと思っているわ」 「なんで?」 「密室にすることで、得するのは誰だと思う?」 「それは真犯人なんじゃないかな」 それ以外の解答はないと思っていた。 密室をわざわざ作り上げることに、それ以外の理由があるものか。 「ええ、わたしも同意見よ」 なら、と言いかけたところで、和ちゃんは言葉を続けた。 「つまり“犯人にとってプラスに作用するなら”、密室を用意するのよね」 「当然」 「今回、外部犯にとって密室はプラスに作用した?」 少し考えてみた。 密室が成立しており、これといった仕掛けも施されていない。 ならば、単純に考えれば、外部にあるもう一つの合鍵を使ったのだろう。 この場合、犯人は外部の人間で、外部の合鍵に触れられた人間になる。 そういうことか。 「そう、むしろ密室は外部犯の犯行を示し、 あろうことか“自分のことを突き止める手がかりになっている”。 もちろんどんな密室でも、そういった一面があることは認めるわ。 でもこれは“最も単純な解法”が、犯人にマイナスの影響を及ぼしてしまってるのよ」 難解な仕掛けによって密室が施してあるなら、 犯人は、それが解き明かされた際のリスクがあっても、 むしろ進んで密室を成立させようとするだろう。 ところがこれほど単純な解法によって、犯人が追い詰められるとしたら。 犯人にとって密室は、足枷にしかならない。 「ところが翻ってみれば、これによってプラスの作用を受ける人たちがいる。 そう――、わたしたちのような、コテージの中にいる人間よ」 居間中の空気がどよめいた。 周囲の全てが疑わしく、またこちらに刃を向けているように映る。 「まあ、これはこっちのほうが可能性があるってだけのもので、 なにかを証明したわけじゃないけれど。 でも、外部犯の仕業って決め付けるにはまだ早いって、わかってもらえたかしら?」 「じゃあ、仮に和ちゃんの推理が正しいなら、あの部屋に潜んでいたのは誰だと思うの?」 質問で前のめりになっていたわたしを、和ちゃんは手で制した。 「少し待ってもらってもいいかしら。他にも検証しなくちゃいけないことが一杯だから。 そうね、まずは死体の状況から」 「死体には複数の刺し傷があるって聞いたけど?」 「さらにモノが荒らされた形跡もなかった。むしろ本人は盗む側の人間だったのだけれど」 和ちゃんは当然、わたしのほうに視線を向けた。 先程挙がった容疑者リストに、わたしが入ってることは先の通りだ。 おやおやなんてことか、犯人はわたしなのだろうか。 「この犯行は怨恨によるものとみて間違いないでしょう」 「複数回刺されてるからね」 「ただ、不可解な点が一つ。出血が少なすぎる」 「出血が少ない? あんなに血まみれだったじゃない」 「ええ、二ヶ所から出た血は、凄まじいものだった。 でも他の四ヶ所からは、出血の跡がほとんど確認されなかったのよ」 「そんなことが起こるの?」 唯ちゃんは純粋な瞳で、和ちゃんを見つめた。 思い詰めた表情だった和ちゃんも、その顔が途端に朗らかなものになる。 ぎゅっと縛られていた糸が、ふわっとほどけたみたいだ。 「起こるのよ、唯。傷が時間差でつけられたのであれば、ね」 「時間差?」 「そう、時間差。つまりこの複数の傷は、ついた時間に差があるということになる。 ……ますます外部犯の犯行が怪しくなってきたわね」 つまり犯人は二ヶ所をほぼ同時に刺した後、 時間を置いて、残りの三ヶ所を刺したということになる。 外部犯の仕業だとすれば、侵入して、しばらく家に居座ったということになる。 「さて、さっきこの事件は怨恨によって起こされたと仮定したわね。 怨恨によるものであれば、複数の傷や、物盗りの形跡がないことに説明がつく。 しかし複数の傷がついた時間にはズレがあったことも事実」 そこで、と和ちゃんは挟んだ。 「もう一つわたしは仮定するわ。この傷は、一人の犯人によってつけられたものではない」 「それって……、犯人は複数だということ?」 和ちゃんは頷いた。 「恨みを持った人間が複数いて、それらが一度に犯人へ制裁を加えられないのなら、 このような時間のズレがある傷も、説明がつくんじゃないかしら?」 「それはそうだけど、無駄が多いんじゃない? 最初の一人が殺せば、全て丸く収まるんだからさ」 「自分の手でやってやらなければ、気が済まなかった。 ……そんな理由なら、いくらでも挙げられると思うけれど?」 胸が、膨らんだ風船に詰められて圧縮されるみたいに、しゅるしゅると締め付けられる。 積もった気持ちを爆発させて、怒りのこもった反論をしてくれる人はいない。 被害者がそれほどに――といっても殺人は行き過ぎだけれど、なんにしても“悪”であったからだ。 「一人で何個の傷をつけたのかまではわからない。 けれど、一人でこの傷を全てつけたとは思えない」 「なら犯人は、さっき挙げた三人ってこと?」 姫子ちゃんは自分のことを少し前に出して、そう言った。 つまり、姫子ちゃんを含める、あの部屋に密室を施せた三人のことだ。 「犯人のうち一人以上はあなたたちの中にいるでしょうね。 でも、他のメンバーまでその中にいるとまでは言ってないわ」 「わたしたちの中に一人以上は、ね」 「心配しないでも、こう質問すれば簡単に済むことよ。 今朝、わたしが部屋を出たあと、部屋を出て行った人を見なかった?」 三人が、そう問われた。 と言われても、わたしたちに答えようがないのはわかりきってるはず。 ここで新しい設定を安易に作るわけにもいかない。 即興劇といっても、ただの即興劇ではないんだ。 和ちゃんはどうしてそんなことを聞いてきたんだろう。 「ああほら、そのとき寝てたよね確か」 助け舟を出してくれたのは、ちかちゃんだった。 「わたしが部屋に和ちゃんを呼びに行ったとき、 他の三人は確かに寝ていたよ。それなら、見てなくても仕方ないんじゃないかな?」 「ん、それもそうね」 助かった。ちかちゃんの機転が無ければ、わたしたちはとんでもないことを言っていたかもしれない。 劇をひっくり返してしまうような、とんでもないことを。 「なんでこんなことを聞いたの?」 「当然の質問だと思うけれど」 こちらの焦りなどどこ吹く風、というような返し。 だからといって、和ちゃんに自覚がないとは思えない。 自然と不自然が入り混じるこの空間にルールはあるのか。 「わからないなあ、和ちゃん。 さっきから和ちゃんは仮定に仮定を重ねてるだけ。 例えば、外部犯がわたしたちの仕業に見せるための、偽装工作なんじゃないの?」 「密室の問題のことかしら?」 「そうだよ」 強気のちかちゃんに、和ちゃんが珍しくたじろいだ。 そうか、いくら和ちゃんでも、これは即興の劇。 全てを考えて話しているわけじゃないんだ。 「……そうね、少し考えさせて」 わたしたちを吊っていた糸が切られた。 たるんだ糸はもうわたしたちを拘束できるほどの力はない。 緩んだ気持ちから、唯ちゃんが姫子ちゃんと雑談を始める。 「でも友だちの別荘にお泊りなんて、いいよね~」 「そうだね。こんなことさえ起きなければ、ね」 「わたしがムギちゃん家の別荘に行ったときはね、 皆でおんなじ部屋に布団敷いて寝るから、絶対安心なのです」 「というか、軽音部がこんなことに巻き込まれるわけないと思うけど?」 「でへへ、そりゃそうだね~」 こらこら、一応これは即興劇。軽音部なんて、メタなもの出しちゃいけません。 とか思ってたら、和ちゃんの表情が一変した。 「そう、それよ! なんでこんな簡単なことに気づかなかったのかしら!!」 「ど、どうしたの和ちゃん!?」 普段見ない和ちゃんのはしゃぎっぷりに、唯ちゃんも戸惑いを隠せないようだ。 「ねえちか、加瀬田いずるが外部犯に殺されるとしても、このタイミングは無かったんじゃないかしら」 「どういうこと?」 「だって本来あの部屋は“複数人で寝ているはずよ”」 ちかちゃんがなにかはっとした表情をした。 「そう、そうなのよ。あの部屋に他の人物がいれば、殺人は実効されない。 目撃される可能性が極めて高いのだから。リスクが高すぎるわ。 でも、それが実行されているということは、犯人はあの部屋に加瀬田いずるが一人でいることを知っていた」 「でもこのコテージの電話は繋がらず、携帯も同様……」 「この状態で加瀬田いずるが部屋に一人でいることを知れるのは、 コテージにいる人間だけだった!」 実に単純な話だった。 この部屋割りは当初予定されていたものではなく、 あの日あのとき、はじめて決まってしまったものなのだから。 「これに気づいていれば、密室の話はいらなかったかもね」 「……そうとも言い切れないわ、美冬。 だってコテージの中にいる人にも、密室は作れることを証明したんだから」 和ちゃん、微妙に負けず嫌いだ。 「さらに部屋に一人でも……例えば元々一緒のはずだった姫子や、 それ以外のわたしや、そういう人たちが中に入ってもまずかった」 「それはどうして?」 「あの布団を見たでしょう。例え掛け布団の上からでも、只事じゃないことがよくわかる。 つまりこの状況は、犯人に作られたものなのよ」 これに反論したのはまたしてもちかちゃんだった。 「冷静に考えてみて。この状況を作ったのは他でもない、“加瀬田いずる本人なんだよ”。 それがどうして犯人に作れたっていうの?」 「そうね、それこそ犯人にとって強固な壁であり……弱点でもある。 この状況を作り上げることが、加瀬田いずる以外に作れたとすれば、それは誰か!」 和ちゃんが鋭い視線を送ったのは、わたし――の隣で小さくなってる小人。 5
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注)5章最後から分岐、ハルヒ視点 別に大きな変化を欲していたわけじゃない。 そうじゃないけど、あまりにも変わらない関係に少し苛立ちが募る。 急激な変化、というのはあたしの性に合っているのかもしれないけれど、あいつは苦手なのかもしれない。 だから結局、あいつにとってあたしの立ち位置は変化がないままなのかも。 ねえキョン、あたしは好きだって言われたことも抱きしめてくれたことも忘れてないわよ? その後、キスしてくれたことも────。 「今日、晩飯でも食いに行かないか」 突然キョンがそう誘ってきて、あたしはとても驚いた。 今まで、あたしからキョンを誘うことは多々あっても、キョンから誘ってきたことなんか1度もなかったから。 だいたい、キョンは付き合いだしてからも変わらなすぎるのよ。いつもあたしが引っ張って行かなくちゃならないなんて、以前と何も変わらないじゃない。 そんなことを思いながらも、あたしは嬉しさがこみ上げてくるのを禁じ得なかった。ただ食事に誘われただけだっていうのに! 「いいわよ。どうせ今日、親がいないし」 自分で素直じゃないなんてことは分かっているわ。でも、やっぱり嬉しいなんて悟られたくなくて、出来るだけ素っ気なく返事をした。 「な、何なら家に来る? あたしが作るわよ」 別に食べにいっても、どっちでもいいんだけど。別に、キョンと2人でゆっくりしたいとかそんなこと全然思ってないけど。別に、せっかくだから手料理を振る舞おうなんて思ってないけど! ……あたしは誰に向かって言い訳してるのかしら? キョンはあたしの提案に驚いたような顔をしたけれど、その後なぜかホッとした顔になった。 え? ここ、安心するとこ? その日の放課後、夕食の材料をキョンと買いに行きながら、あたしはキョンの真意は何だろうと考えていた。だいたい、いきなり誘うなんてキョンらしくないじゃない? なんで今日に限って? それに、あたしが家に来る? と聞いたときの安堵した顔。焦るならまだ分かるけれど、なんでそこで安心するのかしら。 さっぱり分からないわ。 まあいいわ! とにかく今日は腕によりをかけてご飯作ってあげるからね! 覚悟してなさい! なんて張り切って作った夕食時には、特に何もなかったわ。キョンは美味しいって言ってくれたけど、そんなの当たり前じゃない! それより気になるのはキョンの態度ね。なぜか食事の間も、その後もやたら時計を気にしている。帰る時間を気にするなら、食事が終わったらすぐ言い出しそうな物じゃない? 一体どうしたって言うのよ。 そんな疑問をため込むつもりは全然ないわ。 「今日はどうしたのよ」 食後、クーラーの温度を下げすぎたかしら? と思って入れたホットコーヒーを持って居間に移動しながら、あたしはキョンに聞いてみた。 「どうしたって?」 キョンはソファに腰掛けながら、わけがわからん、とでも言いたげな顔をして聞き返す。とぼけているのか本当に何でもないのか、どっちかしら。 「あんたから食事に行こうなんて誘うのは初めてじゃないの。熱でもあるのかと思ったわ」 最初の疑問を口にすると、キョンはあたしから視線をそらして黙り込んだ。何よ、やっぱり何かあるっていうの? 言いたいことがあるならため込まないではっきり言いなさいよ! そんな風に言ってやろうとしたときキョンが口にしたのは、あたしには信じられない言葉だった。 「まあ、その、俺がお前と一緒にいたかっただけだ」 あーもう、何なのよ、あんたは! いつもだったら絶対に言わないようなセリフなのに。 なんで今日に限って? 本当に、今日はどうしちゃったのよ。 付き合いだしたって全然変わらなかった癖に! あたしは動揺を悟られないために、コーヒーカップを見つめ続けた。 「あんたはさ、全然変わらないわよね」 何を言っていいか分からない口が、沈黙は嫌だとばかりに話し出した。あたしが何を言う気なのか、自分でもよくわからない。なぜか心臓が勝手にドキドキ言い出すし、顔に血が集まってくるのを感じるし。 「……と思ってたんだけど。そうかと思えば今日はいきなり食事に行こうなんて言うし」 あたしの気持ちを揺さぶることが目的だったのなら、悔しいけど大成功よ、キョン。こんなことで喜んじゃってるなんて、あたしはなんて単純なのかしら、って自分でも思うわ。 「確かにいきなりだったかもな。悪かった」 ……まーったく、どうしてキョンはこうなのよ! もう、この鈍感! 「何で謝るのよ! あ、あたしが嬉しくなかったとでも思ってるの!?」 ほんとになんでそこで謝るわけ!? どうしてあたしの気持ちが分からないのよ! って、悟られないようにしてるのはあたしなんだけど。 それでも腹が立つわ。いつも平然としてるくせに、どうして突然喜ばせるようなことをするのよ! しかもそれに自分で気がついてないってわけ? どこまで鈍いのよこのバカキョン! 「え?」 驚いた声を上げているキョンを無視して、あたしは続けた。自分の言葉でますます頭に血が上ってくる。 「あの時あんたが好きだって言ってくれて! あたしがどれだけ嬉しかったかわかる? 自分でもとんだ精神病だって分かってるわよ! でも嬉しいんだから仕方ないじゃないの! ただ食事に行こうって言われるだけでも嬉しいんだから!」 自分でも何言ってんだかわかんないわ。しょうがないじゃない。精神病よ、本当に。口から勝手に言葉が溢れてくるなんて、精神病以外の何ものでもないわよ! 「それなのにあんたは、あ、あたしと一緒にいたいなんて急に言うから! あれ以来好きとかそういう言葉も言わなかった癖に!」 もう、自分でも止められない。キョンの言ってくれた言葉が嬉しかったとか、キョンの鈍感さが腹が立つとか、いろんな気持ちがごた混ぜになって頭の中もグチャグチャ。 それでも何も言わないキョンに、冷静さなんて欠片ほどもなくしていたあたしはまた本音を吐露してしまった。 「ときどき、本当にときどきだけど、あんたに取ってあたしが何なのか分からなくなることがあるのよ」 って、もう、あたしは何を言ってるのよ! 何を嫉妬深い女みたいなセリフを吐いてるわけ? このあたし、涼宮ハルヒが。 キョンに顔を見られたくなくて、あたしはキョンと反対側に顔をそらした。 そのあたしの耳に、キョンの溜息が聞こえた。 「あのな。お前はそう言うけどな、俺はハルヒから俺のことが好きだなんて一言も聞いたことがないぞ」 うっ……そうだった。急激に頭が冷える。 そういえば、あたしは告白されたときすら、自分からは「好き」とか言ってないじゃない? 何だか言わなくてもわかるっていうか、そういう雰囲気だったよの! 仕方ないじゃない! それでも、あたしは自分が出来ないことでキョンを責めていたわけで……。 何やってんのよ、もう! 「ハルヒ」 そんなあたしにキョンは言葉を続ける。何よ、お前から言えとか言うんでしょ、どうせ。いいわよ、言ってやろうじゃないの! 「俺はハルヒが好きだよ」 …………。 何よ何よ何よ!! いつもは鈍感でボーッとしてて、自分からは行動を起こさないしあたしには文句ばかり言ってくる癖に、どうしてこういうタイミングでサラッとそんなことが言えるのよ! 「もう……あんたは! 何で人が決意したのに先に言うのよ!」 分かってるわよ、素直じゃないことくらい。せっかくキョンが好きだと言ってくれたのに、こんな風に怒るしかできない自分が嫌になるわ。 「決意って何だよ。先に言うって、後も先もねーだろ。俺が言いたいから言っただけだ」 今日のキョンは絶対おかしいわ。別人なんじゃない? ああ、もう! うるさい! もう! あたしだって……! やっとあたしはキョンの顔を見る決心がついた。顔が熱い。絶対真っ赤になってるわ。そんな顔を見られるのは悔しいけど、それでも面と向かって言わないのはあたしの主義に反するから。 「あたしだってキョンのことが好きなn……」 最後まで言えなかった。 次の瞬間、あたしはキョンに抱きしめられたかと思うと、そのまま唇を塞がれていた。 ちょっと、いくら何でも急過ぎるわよ! いつか見た夢といい、キスするときは強引にしか出来ないの!? そうは思っても、あたしはその乱暴で強引なキスを受け入れざるを得ない。 ごまかしても仕方がないわね。 嬉しかったのよ。物凄く。 キョンに抱きしめられているのが。 キョンにキスされているのが。 恋愛なんて精神病、何度も何度もそう思って、今でもそう思っているけど、あたしがここまで重傷になるとは思ってなかったわ。そのままソファに押し倒されても抵抗もしないなんて。 「ハルヒ、好きだ……」 譫言のように呟いて、耳に軽く歯を立てられた。 ビクッと身体が勝手に反応する。 「ちょ、ちょっと、キョン! ま、待ちなさいよ、ちょっと!」 あたしが焦ったのはキョンの性急さではなく、あたし自身の反応だった。うまく言えないけど、まるで身体の芯に火をつけられたような、そんな感じ。 それは火種としてくすぶり始めて、そのまま一気に燃え広がりそう。そうなったらもう後戻りは出来ない気がして、あたしは怖かった。 「す、すまん……」 キョンは我に返ったのか、身体を起こすとあたしから視線をそらしながらも謝った。顔が赤いわよ。あたしも人のこと言えないでしょうけどね。 「いや、その……ほんとにすまん。理性がどっかに飛んでいってたらしい」 意外にもキョンは正直に言った。何よ、もう、もっとまともな言い訳しなさいよ。死ぬほど恥ずかしいじゃないの。 「もう、いきなり何するのよ、エロキョン」 一応責める権利はあるわよね。あたしに許可なくあんなことしたんだから! 「あたしだって、その、心の準備ってもんがあるんだから……」 「本当に謝るしかない。すまん」 さっきまでの勢いはどこへ行ったのか、キョンは悄然として謝った。 「べ、別にいいわよ、もう……」 あたしの中の火種はまだくすぶっていて、簡単に消すことは出来そうにないわ。もう、キョンの顔を直視できない。 「その、あたしだって、嫌じゃ……ないわよ。だけど……」 すごく恥ずかしいけど、死ぬほど恥ずかしいけど、それでも。 「ここじゃなくて、あたしの部屋で……」 あたしは再びキョンの腕の中に収まることになってしまった。 「その、多分、俺はもう止められそうにないけど、いいのか?」 「いちいち確認するなぁ! バカキョン!!」 だから死ぬほど恥ずかしいって言ってるじゃないの! その後のことは正直言って、良く覚えていないわ。まるで夢の中にいるみたいな記憶しか残っていなくて。 ただ恥ずかしくて、ずっと目を瞑っていた気がする。 それでも、あたしは──── 重ねる吐息がどれだけ熱いかを知った。 譫言のようにあたしを呼ぶ声にどれだけ胸が締め付けられるかを知った。 触れ合う肌がどれだけ愛しいかを知った。 そして──── あたしがどれだけキョンのことが好きかを、思い知った。 ──────────────────── それからしばらく、あたしはキョンの顔をまともに見ることが出来なくなってしまった。 もう、自分でもはっきり覚えてない癖に、顔を見るたびに思い出しちゃってダメ。 キョンはそれを分かっているようで、仕方ないな、という顔をして必要以上にあたしに関わって来なかった。 それはそれで寂しいような……って、ほんとに、どうしたいのよ、あたしってば。 そんな風に自分の気持ちに整理がつかないまま1週間が経った。 その日も何となくぎこちないまま過ごして家に帰った。キョンもこの1週間はあまりあたしと話さなかったから、突然キョンから会いたいと電話が来たのには驚いたわ。さすがに、キョンも業を煮やしたのかもしれない。 そういえば、あらためて考えると1週間あんまりしゃべってないのよね。今までを考えると信じられない。みくるちゃんや古泉くん、それに有希までが心配そうにあたしを見ていたような気もするけど、それを気にしている余裕もなかったわ。 あたしとしたことが迂闊だわ。この1週間、あたしはSOS団の団長であることを忘れそうになっていたかもしれない。団員に心配させるなんて! それもこれもキョンのせいよ! 顔を見たら文句を言ってやるんだから! これが言い訳なのを自分でも自覚しつつ、あたしはわざわざ家の外に出てキョンが来るのを待っていた。 やがて現れたキョンに、わざと不機嫌そうに何の用よ、と聞いてみた。キョンはそれに答えず、突然あたしの腕を取るとそのまま自分の胸に引き寄せた。 「え? ちょ、ちょっと、どうしたのよキョン」 まったく予想外のキョンの行動に戸惑って、思わず声を上げてしまった。文句言ってやる、なんて息巻いてたのにそんなのどっかに行っちゃったじゃないの。 キョンは何も言わず、何も答えず、ただあたしの髪に顔を埋めるだけだった。 様子がおかしいわ。何かあったのね。 仕方ないわね。団員の心のケアだって団長の仕事なんだから。キョンがこうしていたいなら、気が済むまでさせてあげるわよ。 「ハルヒ」 しばらくそのままでいたキョンは、やがて身体を離すと、妙なことを言った。 「SOS団をよろしく頼むぜ」 これは前にも聞いた気がする。当たり前でしょ、それはあたしの団なんだから! あの時と同じようにそう答えるのは簡単だった。 それでも、今はキョンの妙な態度の方が気になるわ。 「何かあったの?」 久しぶりにまともに見たキョンの顔には、少し苦しそうな笑顔を浮かべていて、あたしはますます心配になる。団長にこんなに心配させるなんて、罰金物よ! キョンはわからん、と答えて、少し黙った。あたしも黙って次の言葉を待った。 「SOS団のこれからを考えていたら、無性にお前に会いたくなっただけだ」 何よそれ。 ちょっと、あたしは凄く心配したんだけど。 まあ、あたしが自分のことでいっぱいいっぱいだったときに、SOS団のことを考えてたのは褒めてあげなくもないわ。 でもね。 「SOS団のこれからなんて、あんたが気にすることないわ! 大丈夫、みんなちゃんと団長たるあたしが幸せにするんだから! あんたはあたしについてくればいいの!」 そうよ、団長はあたしなんだから! 正直言って、キョンがそんな風にSOS団を心配してくれていたのは嬉しかった。もしかしたら、あたしの様子がおかしいと、古泉くん辺りに何か言われたのかもしれない。 でも、雑用係にそんな責任を押しつける気はないわ。心配しなくても、ちゃんとみんな幸せな未来が開けているに決まっているんだから。もちろんあんたもよ、キョン。 キョンは少し驚いたような顔をしてあたしを見つめていたけれど、その後やれやれ、とでも言いたげな苦笑に変わった。 それはいつものキョンの表情で、あたしは安心した。 結局あたしはこいつの感情に振り回されているのかもしれない。 それも、仕方がないのかもしれないわね。 それにしても翌日、今度はキョンがあたしから視線をそらすようになったのはなんでかしらね? おしまい。
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【作品名】ポートピア連続殺人事件 【ジャンル】ゲーム 【名前】真野康彦 【属性】刑事 【殺人数】二人 【長所】意外な犯人 【短所】犯人はヤス 【備考】山川耕造と川村まさじを殺害
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土曜ワイド劇場 温泉医(ぽっかや)殺人事件カルテ5 ~さいはての岬に立つ女・週刊誌記者殺しが暴く東京~福島~青森浅虫死の連鎖~ 放送年 :2006 放送日 :0311 放映局 :EX 区分 :単 役名 :戸島康一 出演話数: ソフト化: 備考 :◆居酒屋の板前さん 2006 2サス EX 土曜ワイド劇場
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開催日 2008年2月10日 GM tatari 舞台 積層都市バルトロマイ 参加PC ハインツ アリーシャ・ヒンデンブルク ノアラ テッド・ノーチラス ファールー 「ヨルムンガルド」掲載の同名シナリオによる、シナリオクラフトを利用したセッション。 積層都市バルトロマイの貧民街では、奇怪な連続殺人が起こっていた。物盗りとも思えない、動機の見えぬ殺人鬼の影の前に、住民達の怯えは広がる一方であった。そんな中、たまたま旅団を訪れていたPC達は、それぞれの知り合いから、事件の調査を依頼される。都市建設祭を控えるバルトロマイの街へ、PC達は繰り出していく。 そんな矢先、ノアラに調査を依頼した貧民街に住むリンクスの青年ハッサン・クマサンが殺害される。現場は帝国軍によって封鎖されており、犯行が可能だったのはその場に居合わせた9人。すなわちPC達と、軍警察のアルツマン大尉、貧民街の医師ドクトル・ランボー、元暗殺者の修道女シスター・イルゼ、ミステリー作家グリム男爵である。 PC達の捜査線上に浮かび上がったのは、アカデミー時代のアリーシャの恩師ドクトル・ランボー。彼の診療所を訪ねたアリーシャは、そこで血の海に沈んだグリム男爵を発見する。死に際にファールーの名を口にした男爵。それを耳にしたノアラは逆上し、ファールーを追いかける。一方、残されたPC達はグリム男爵が握っていたメモから、人を殺人鬼に変える恐怖の寄生虫“マリス”の存在を知る。 グリム男爵の書庫で調べ物をしていたファールーに、弓を向けるノアラ。駆けつけたPC達により、マリスのことを知らせれ、ようやく納得する。 迫る都市建設祭。機械神の加護を求め、《預言》でトランス状態に入ったアリーシャの口より、真相が明かされる。かつてドクトル・ランボーが開発していた怨念兵器を元に、奈落の使徒ナイグンゲの陰謀で帝国軍が生み出した殺人寄生虫マリス。人から人へ渡り歩くマリスにとり憑かれた者たちが、この連続殺人事件を起こしていたのである。そして今、そのマリスに寄生されているのがドクトル・ランボーなのだ。 帝国軍は事態を隠滅するべく、バルトロマイの貧民街を焼き尽くす滅菌作戦を進行させていた。タイムリミットは間近に迫った都市建設祭。マリスは祭で市民達に振舞われる食料を介して大量増殖を狙うと読んだPC達は、食糧倉庫でドクトル・ランボーを待ち受ける。 倉庫に現れたドクトル・ランボー。体内から湧き出すマリス・ベイビーを食料に仕込もうとするランボーだが、PC達の妨害に遭う。そしてついにマリスはランボーの中からそのおぞましい姿を現し、PC達に襲い掛かってくる。 無数のベイビーを指揮するセンチュリオンの能力を持つマリス。だが、ハインツの高い防御力の壁を破ることができず、PC達の攻撃の前に徐々にHPを削られ、力尽きるのであった。マリスの死滅を確認したアルツマン大尉が軍上層部に連絡を取り、滅菌作戦は回避されたのである。 名前 コメント すべてのコメントを見る