約 245,191 件
https://w.atwiki.jp/yasakoro/pages/29.html
Top >PersonaXII>葛葉 涼 Persona 8 - 葛葉 涼(くずのは りょう) CV.藤原 啓治(ふじわら けいじ) ★職 業;精神科医 ☆星 座;11月8日生まれ 天蠍宮 - スコルピオ ★血液型;AB型 ☆性 格;常に静かな微笑みを浮かべているが、その真意を伺い知るものはいない。 ★葛葉涼とは…… 精神科医。大学准教授。骨法の達人。 お笑いが三度の飯より好きで、プロダクション主催のミニライブに足を運んでは、ブレイクしそうな若手を誰よりも早く見つけ、一人悦に入っている。 普段無口な方だが、一度ツボにはまれば笑いが止まらないゲラと化す。 催眠術の達人。催眠術をかける際の手順としてよくイメージされる、静かに時間をかけてゆっくりと暗示をかけてゆくようなものとは一線を画し、涼のそれは正に一瞬、刹那の間に強烈な暗示をかけてしまうことができる。 ☆PersonaXII;元来催眠は自らの生命に危機が及ぶような暗示にはかからないと言われているが、涼にかかればどんなに精神力が強く、拒絶をしている者であっても、ほぼ100%の確率で暗示にかける事が可能である。 公式サイト掲載設定 - 葛葉 涼(Webサイト) ★コメントはここから♪ こちらは『葛葉涼のコメント』ログの保存ページになります。 名前 コメント すべてのコメントを見る 上へ ◆勝手にキャラペディア!! Wiki上で勝手にキャラペディアを考えよう♪ 名前 ★お絵かき……してみる? 現在、paint_bbsプラグインはご利用いただけません。 Top >PersonaXII>葛葉 涼 ●こちらもどうぞ^^ 『12×男』(私設Wiki)へ ↑UP!!↑
https://w.atwiki.jp/yasakoro/pages/24.html
Top >PersonaXII>醍醐 小太郎 Persona 5 - 醍醐 小太郎(だいご こたろう) CV.佐藤 雄大(さとう ゆうだい) ★職 業;ホスト ☆星 座;8月19日生まれ 獅子宮 - レオ ★血液型;O型 ☆性 格;派手好きでカッコつけ。 底抜けに明るく無邪気だが、些細なことで怒る子供っぽい一面も併せ持つ。 ★醍醐小太郎とは…… 「オーバーロード」と言うホストクラブのNo.1ホスト。源氏名、美童貴史。 ☆PersonaXII;子供の頃父親に夜店で十徳ナイフを買って貰って以来、その冷たく妖しい輝きを放つナイフの虜となった。 子供の頃から慣れ親しんできたと言う事もあり、ナイフの扱いに長けている。 報復する相手にあわせ、その都度使用するナイフをコレクションからチョイスしている。 公式サイト掲載設定 - 醍醐 小太郎(Webサイト) 醍醐Novel sROOM ★コメントはここから♪ こちらは『醍醐小太郎のコメント』ログの保存ページになります。 名前 コメント すべてのコメントを見る 上へ ◆勝手にキャラペディア!! Wiki上で勝手にキャラペディアを考えよう♪ 名前 ★お絵かき……してみる? 現在、paint_bbsプラグインはご利用いただけません。 Top >PersonaXII>醍醐 小太郎 ●こちらもどうぞ^^ 『12×男』(私設Wiki)へ ↑UP!!↑
https://w.atwiki.jp/yasakoro/pages/33.html
Top >PersonaXII>愛染 良彦 Persona 12 - 愛染 良彦(あいぜん よしひこ) CV.福山 潤(ふくやま じゅん) ★職 業;美容師 ☆星 座;3月6日生まれ 双魚宮 - ピスケス ★血液型;O型 ☆性 格;陽気なフェミニスト。 ★愛染良彦とは…… ヘアサロン「空」のオーナー。 気を通して硬化させた髪の毛を鍼のように使いこなす。 ☆PersonaXII;報復に臨む際、切れ味抜群の鋏を凶器に使う事は殆どなく、多くの場合非業の死を 遂げた被害者の髪の毛を使用する。 精神を集中する事で髪の毛に気を注入し、一種の針のように硬化させる。 その髪で身体中にある様々な経絡秘孔を突き、ある時は体の自由を奪い、またある時は視力を奪い、 またある時は聴力を奪う等した後、報復を完遂する。 公式サイト掲載設定 - 愛染良彦(Webサイト) ★コメントはここから♪ こちらは『愛染良彦のコメント』ログの保存ページになります。 名前 コメント すべてのコメントを見る 上へ ◆勝手にキャラペディア!! Wiki上で勝手にキャラペディアを考えよう♪ 名前 ★お絵かき……してみる? 現在、paint_bbsプラグインはご利用いただけません。 Top >PersonaXII>愛染 良彦 ●こちらもどうぞ^^ 『12×男』(私設Wiki)へ ↑UP!!↑
https://w.atwiki.jp/mtgflavortext/pages/7811.html
「望遠鏡では見えない場所から攻撃するのだ。」 "I always attack from where their spyglasses can t see." 基本セット2020 【M TG Wiki】 名前
https://w.atwiki.jp/yasakorobl/pages/16.html
投稿-テンプレート2 トップページ>投稿Novel s>(タイトル) (タイトル) ★(誰)と(誰)★ 投稿者名; お気に召しましたら、この作品の評価をどうぞ 選択肢 投票 最高!!★★★ (0) ブラボー!★★ (0) 拍手★ (0) ニックネーム ひとこと すべてのコメントを見る 上へ トップページ>投稿Novel s>(タイトル)
https://w.atwiki.jp/yasakor0novels/pages/36.html
The season of new green leaves,glitter of season.~新緑の季節に~ トップページ>小説Index>The season of new green leaves,glitter of season.~新緑の季節に~ The season of new green leaves,glitter of season.~新緑の季節に~ 投稿者名;カノン 角坂さんがデビューして、そんなに年月が経っていない頃を想像して描いてみました と言うか、昔にあった思い出話みたいなものになってしまいました 今より少し幼い感じの角坂さんを連想しつつ、読んでいただけたらなと^^ 「も……もう、ちょい……」 必死に手を伸ばしているその先にあるのは、小鳥の巣だった。 小さな雛鳥の声が途切れ途切れに聞こえる。 無理な姿勢をしている彼の手には、まだ、羽根も生え揃っていない小さな雛鳥がいた。 なぜ、この雛鳥を手にしたまま、こんなことをしているのか。 それは、ほんの少し前の時間にさかのぼる。 新緑もまぶしいこの季節、ほんの少し出来た空き時間に、彼はこの周囲の散策を選んだ。 まだまだ、この辺りの地理には疎かったし、世間的にも顔をそれほど知られていない頃だったから、彼はそんな自由な時間の中に、自然と触れ合う事を選んだのだった。 雛鳥との出会いは、そんな時間の一時に訪れた。 彼がこの木の下を通りかかった時、小さな鳴き声が聞こえた気がした。 猫や犬の類ではない。 小鳥のような、そんな弱々しいさえずりにも似た声音。 足元辺りから聞こえてきたその声を頼りに、しばらく探してみた。 すると、あまりこの辺では見ない鳥の雛のようだった。 とは言え、すべての野鳥の種類まで知っているわけではなかったのだけれど。 彼がこの雛鳥を見つけたとき、幹と根の間辺りで震えていた。 「お前……どうしてこんなところに?」 きょろきょろと辺りを見回してふと上を見上げると、ちょっと高い枝の又に巣らしき物が見えた。 「もしかして、あそこから落ちたのか?」 雛鳥に話しかけても、当然答えは返ってこない。 周りに親鳥がいる気配もなさそうだった。 このままここに放置していて、親鳥が助けに来るなどと言う劇的な場面はお目にかかれないだろうと思った。 猫や犬などの獣の親ならまだしも、小鳥類には、自分の子供達を助けられる事はまずない。 人の匂いが付いた雛を食い殺してしまうと言う話も聞くが、いずれにしても、巣から落ちた雛をそのままにしていては、まず助からないだろうと言うのが彼の見方だった。 それに――この辺りは人通りがあると言っても、猫などがまったく通らないわけではない。 今の今まで、そう言うものたちに襲われなかったのが奇跡とも言えるかもしれなかった。 「届く、かなぁ?」 誰に聞かせるともなく、そう呟いて。 木登りは、得意な方ではない。 しかも、この木の幹は、足をかける場所などがほとんどない。 自分自身の身長と、伸ばせるだけの手の長さくらいまでしか届かないだろう。 果たして、それで、この雛鳥を無事巣に返すことは出来るのか。 自信はなかった。 それでも、返してあげられるものなら返してやりたいの一心で、彼は必死に手を伸ばしていたのだった。 「どう、したんですか?」 突然聞こえてきた女性の声に、はっとしたが、とっさには振り向けず。 危うくバランスを崩して、雛鳥を落としそうになった。 「あっ!」 悲鳴にも似た小さな声。 けれど、彼はひらりと体位を変えて無事に着地した。 「ご、ごめんなさい。突然声をかけたりして……」 とても慌てたような声音の女性は、とてもすまなそうな顔でぺこりと頭を下げた。 「大丈夫です。こいつも、なんとか落とさずにすんだし」 そう言って笑う彼の手には、まだあの雛鳥がいた。 「鳥の、雛……ですか?」 覗き込むようにして、彼女は彼の手の中にいるそれを凝視する。 「そう。どうやら、あそこから落ちたみたいなんですよね」 言いながら、顎をしゃくりながら上を見上げた。 それにつられるように彼女もまた、上を見上げる。 「あそこ、ですか? 結構高いですね」 「そうでしょ。だからなかなか届かなくて。生憎と、僕はこの木に登ることは出来そうもないし……」 自らの至らなさを悲しみに滲ませて、彼はひとつため息をついた。 少し思案顔をした彼女は、やがて何かを思いついたように、顔を明るくした。 「そうですわ。この先の撮影所から何かを借りてきましょう。すぐ返せば、問題ないでしょう?」 「撮影所から? あぁ、そうか。その手があった。忘れてたな……」 自分の手で少しでも早く返そうと思っていた彼は、その存在すらすっかり忘れていたようだった。 「あの、君。今、少し時間ありますか?」 彼は唐突にはじめてあったばかりの彼女に尋ねた。 「えっ?」 その言葉に驚きつつ、腕時計で確認を取る。 「多分、少しの間なら……。あまり長い事は無理ですが」 「良かった。その間、こいつを預かっててくれませんか? 突然で本当に悪いんですけど。僕が撮影所から何か借りてくるから、その間だけでも……。ダメ、かな?」 懸命なお願いに、彼女はくすりと笑いを漏らした。 「いいですよ。私が、その雛鳥さんをお預かりしてますわ」 にっこりと眼鏡の向こうで笑う彼女は、とても綺麗だった。 どこにでもいそうな、カジュアルでラフな格好をしているのにも拘らず、妙な存在感と言うものがあった。 瞬間、その笑顔に見惚れてしまったくらいだった。 「じ、じゃあ、こいつをお願いします。なるべく早く戻ってきますから」 言うが早いか、彼は駆け出して行った。 その姿が遠ざかる後ろで、彼女は微笑んでいた。 「角坂 翔……。彼が、今注目の俳優ね。 そんな彼に拾われるなんて、お前はついているのかもしれないわね」 冗談とも取れる笑顔で、彼女は雛鳥に向かってそう話しかけていた。 どれくらいの時間が経ったのだろうか。 それほど待たなかったような気もするが、しばらくして、彼はあまり大きくない梯子のようなものを手に戻ってきた。 「待たせてごめんなさい。なかなか見つからなくて……。意外とわからないもんだね、撮影所のも」 苦笑しながら息を弾ませて、木の根元にそれを置く。 「あ、ありがとうございました。コレで、こいつも無事戻れると思います」 「いえいえ。私は別に何の役にもたってませんから……」 そう口篭りながら言うと、彼は大きく首を横に振った。 「そんなことないです。だって、僕一人だったら、きっとこんな事思いつかなかったし、そうなったらこいつも戻れないままだったし。 何より、あなたがこいつを守ってくれたから、無事返すことが出来るんですよ」 そう言って微笑みながら、彼は雛鳥を受け取った。 梯子を使ったことで、今までとは格段に高さが変わった。 目線より少し高いところに、その鳥の巣があった。 近くになれば、他の雛鳥のさえずりもまた聞こえてくる。 それでも、親鳥が餌を与える時のような、劈くような鳴き声はしない。 そっと、他の雛たちを驚かせないように、彼は落ちていた雛を戻した。 自分の手のひらから、雛の重さが消える。 少し淋しい気もしたけれど、これでいい。 その後の事は、こいつの運命しだいだ――そんな思いが胸をよぎって、少し切なくなった。 ふと、視線を感じて目をやれば、じっと見上げている彼女の瞳と視線が絡んだ。 にっこり笑って、ブイサインを送る。 そんな姿に、彼女はほっとしたように息を付いて、微笑んだ。 「良かったです。無事返せたみたいで」 「最後までありがとうございます。あ、そう言えば……」 梯子から、まるで羽根が生えているように身軽な動作ですとんと着地した彼は、彼女を見つめながら言った。 彼女は怪訝そうに小首を傾げていた。 「不躾ですみませんが……。僕、あなたのお名前、聞いてませんでしたよね。僕は……」 「角坂 翔さん――でしょ?」 「え? 知ってたんですか?」 「最初は知らなかったんですけど。後でそうかなって」 「そっか。バレてたのか……」 などと呟くように言って、照れくさそうに頭を掻いた。 彼女がくすりと笑って、眼鏡を外しながら手を差し出した。 それに応えるように、彼もまた手を出し握手した。 「私は、睦月 麻央。“麻央”と言った方が、わかりやすいかもしれないですわ」 「麻央さん? あれ、それって……」 握手の手を解いて、何か言いかけた彼の口を笑みで閉ざす。 「多分、あなたの知っている“麻央”だと思うわ。 楽しいひと時をありがとう、角坂 翔さん。じゃあ、またね」 そう言うと、彼女は小走りでその場を去っていった。 しばらく、その場で佇んでいた彼は、やがて訪れた親鳥が帰巣したときの雛鳥たちのけたたましいさえずりで我に返った……。 これが、彼女、睦月麻央との出会いだった。 end. ※作中に登場の『睦月麻央』(むつき まお)は、元地方のラジオ・アナウンサーと言う設定です。 現在は、女優業をやっていますが、この頃はほとんど素顔などは知られていません。 ですが、関東一円で聞けるラジオ局なので、当然角坂さんも知っていると言うことに。そして、一部のリスナーには狂信的なファンさえいる、知る人ぞ知る存在と言う設定にしています。 オリジナルキャラですので、お気に召した方はご自由にご活用くださいませ。 上へ ● この作品についての評価を投票受付中! 選択肢 投票 最高!!★★★ (1) ブラボー!★★ (0) 拍手★ (0) ● この投稿作品へのコメントをお願いします ニックネーム ひとこと すべてのコメントを見る トップページ>小説Index>The season of new green leaves,glitter of season.~新緑の季節に~
https://w.atwiki.jp/yasakorobl/pages/18.html
みんなで作ろう! サイト・ルール トップページ>(みんなで作ろう! サイト・ルール) みんなで作ろう! サイト・ルール ここでは、みなさんが意見を出し合って、このサイトのルールを決めていく場です。 より良いもの、より参加しやすいものにするために、意見をどんどん出し合っていきましょう! とは言え、ネット上に存在するものですので、どなたがご覧になるかまったくわかりません。 一応、このWikiはBL専科と銘打っておりますが、必ずしも、そう言う嗜好でない方もご覧になる可能性があるということは、念頭に置いてください。 その上で、二次創作の範囲内での創作をお願いします。 いわゆる、なんでもかんでもOKと言う訳ではない――それはご理解していただきたいと思います。 みんなで作ろう! サイト・ルール 皆さんからご提案されたご意見をまとめて記載します。 当ページ上に記載されたものは、ルールとして今後、投稿のさいにお守りいただきます。 ご意見のご投稿は bold(){こちら}でお願いします。 【ルール一覧】 ・ ・ ・ ・ ・ 上へ トップページ>みんなで作ろう! サイト・ルール
https://w.atwiki.jp/yasakorobl/pages/12.html
みんなで作ろう! サイト・ルール トップページ>みんなで作ろう! サイト・ルール みんなで作ろう! サイト・ルール このサイトのルールは、皆さんが作っていくものです。 無秩序からくる無法地帯になって荒れてしまっては、皆さんも自由に投稿できなくなってしまうかもしれない……。 そうなる前に! 自分たちで意見を出し合い、良いところは取り入れて、そうでないところは訂正して……。 まぁ、そんなに堅苦しく考えずに、「こうしたい」とか「こう言う方がいい」とか、そう言う意見を出し合っていきましょう! と、平たく言ってしまえば、そう言うことなのです^^ より良いもの、より参加しやすいものにするために、意見をどんどん出し合っていきましょう! とは言え、ネット上に存在するものですので、どなたがご覧になるかまったくわかりません。 一応、このWikiはBL専科と銘打っておりますが、必ずしも、そう言う嗜好でない方もご覧になる可能性があるということは、念頭に置いてください。 その上で、二次創作の範囲内での創作をお願いします。 いわゆる、なんでもかんでもOKと言う訳ではない――それだけはご理解していただきたいと思います。 みんなで作ろう! サイト・ルール 皆さんからご提案されたご意見をまとめて記載します。 当ページ上に記載されたものは、ルールとして今後、投稿のさいにお守りいただきます。 ご意見のご投稿はこちらでお願いします。 【ルール一覧】 ・ ・ ・ ・ ・ 私は、心のつながりだけの関係がいいかなぁとか思ったり(^^; 上へ トップページ>みんなで作ろう! サイト・ルール
https://w.atwiki.jp/marcher/pages/940.html
「つーわけでさ、おかしなことされっと面倒なわけよ、あの女に」 「なるほど」 短い言葉とともに、さゆみは表情のない頷きを返した。 目の前には、応接ソファにふんぞり返るようにして座った若い男の姿がある。 短髪の頭にはところどころ剃り込みが入って模様が描かれ、耳は元より鼻や唇にもいくつものピアスが埋め込まれている。 濃いめのブルーが映えるデニムのジャケットとパンツは、どこぞの高級メーカーのものだろう。 趣味がいいとは思えない形状の黒革のブーツや、首から無造作に下げられたネックレスも、同様に値の張るものに違いない。 「せっかく事件は解決してるんだからよ、それを台無しにするとか許されねーだろ?普通に考えて」 その言葉にはさゆみは特に何も返さず、ただ話の続きを待っている。 「つかさ、こんなお茶とかいーから灰皿ねえ?」 ふと、男の視線がさゆみの顔を外れ、脇に立つ里保へと向けられた。 不必要に全身を舐めまわすようなその視線を冷たく断ち切るように、事務的な声を返す。 「申し訳ありませんが、当事務所は禁煙になっています」 「あ?煙草くらい吸わせろよ。客だぞこっちはよ。黙って言うこと聞いてりゃいいんだよクソが!」 一瞬で苛立ちを露わにすると、男は机の上の湯呑茶碗を卓から取り上げ、見せつけるようにしながら中身を床にぶちまける。 空になったそれを、当てつけのように灰皿にするつもりなのだろう。 「事務員の教育がなってねーんじゃねーのか?」 さゆみに向かってそう言いながら、男は煙草を口に咥え、ブランドものらしきジッポに火を点ける。 「……ん?」 だが、その火が煙草に移ることはなかった。 当たり前だ。 あれだけ湿ったものにそう簡単に火が点くわけがない。 「2つ、あなたの思い違いを訂正させてください」 怪訝そうに顔をしかめる男に、さゆみは2本の指を立てる。 「まず1つ。この子は事務員じゃありません。いい腕してるんですよ。いまや“業界”で知らない人間の方が少ないくらいには」 ややたじろいだ風の男に、黙って頭を下げた。 つい少し緩んでしまった頬を、顔を上げるときには元通りにする。 「…そしてもう1つ」 1本だけ残した人差し指を、さゆみは顎のあたりに付ける。 その仕草が、いつもながら無駄にかわいい。 「あなたはこれまで“社会のルール”には従わずに生きてきましたよね?」 「社会のルール?法律とかそういうことか?まあな、従えたことはあっても従ったことはねーよ。俺は特別な人間だからな」 自分が他人とは違う存在であることを確信した顔で、男は笑う。 それはきっとその通りなのだろう。 世界は決して公平ではなく、そしてこの男は世界に贔屓されている側の人間だ。 「そのことについて何かを言うつもりはありませんし、言うこともできません。ですが」 言葉を切ると、さゆみは立てた人差し指を裏返し、僅かに左右に振る。 「“表の社会のルール”と“裏の社会のルール”はまったく違うものだということ、それだけは覚えておいてください」 「あぁ?何だと?」 条件反射のように逆らう素振りを見せた男だったが、さゆみの静かな表情に気圧されたように一瞬目を逸らす。 そして、思わず自分が取ったその行動自体への腹立たしさからか、小さく舌打ちをした。 「たかが禁煙が“裏の社会のルール”なんて大層なことなのかよ。くだらねえ」 「いえ、それは単にこの事務所のルールというだけです」 「はぁ?」 「あなたが本当に“ルール”を破ってしまう前に、忠告しているんです」 再び言葉を切り、さゆみは人差し指の先を今度は床へと向ける。 「『ここ』は、ときにはあなたの“特別”が通じないこともある世界だと」 沈黙が訪れる。 少しだけ興味があった。 この男が、半ば説教じみたさゆみの言葉に対し、どのような反応を見せるのか。 「クソが!」 だが、男の口から出たのはオリジナリティの欠片もない、しかも本日2度目の陳腐な罵声で、里保は少しでも興味を抱いたことを後悔した。 「俺にそんな態度とってただで済むと思うなよ?死ぬほど後悔させてやるからな!」 後悔ならたった今したところです。 死ぬほどではないですけど。 「それで、依頼の件はどうなさいますか?」 「やめに決まってんだろがクソが!」 本日3度目の罵声でようやく少し落ち着いたのか、「そうですか。ではまたの機会に」と頷いたさゆみに、男は声のトーンを落として凄んだ。 「またの機会なんてねえよ。近いうちに潰してやるからな」 その恫喝に、さゆみはただ小さく首を傾げてみせる。 そして、それまで無表情だった顔に、天使のような笑みを浮かべた。 「後悔するんじゃねえぞ!」 さゆみの笑みに一瞬毒気を抜かれたような表情を晒した後、男はあまりにも安っぽい捨て台詞を残し、乱暴にドアを開けて出て行った。 それにしても、後悔させてやると言った先から後悔するなと言われても、どうしていいのやらだ。 「…よかったんですか?」 あー疲れたと言わんばかりに首を回しているさゆみに、そう問いかける。 あの男は絵に描いたようなドラ息子だが、その父親は“表”に対しても“裏”に対しても、結構な力を持っている。 敵に回していいことがあるようには思えない。 「じゃあ鞘師はあいつのやったこと許せるの?」 言いながら向けられた流し目から逃げるように、里保はテーブルの上の空になった茶碗に手を伸ばしながら返事をした。 「私たちだって同じことをしてるわけですし」 「いやいやいや同じじゃないから。小さい女の子ばっかり狙うなんて最低すぎ」 「それは差別じゃないですか?命は平等なんですから」 「平等なわけないじゃん。小さくてかわいい女の子の命は特別なの」 先ほどの男――宗玄洸(そうげんあきら)――は、小学生の女の子を拉致し、監禁し、暴行し、殺害している。 それも1人や2人ではない。既に片手に余る少女がその犠牲になり、世間を大きく騒がせた。 自分の欲望を満たすことしか考えていないその犯行は、父親の手による「後処理」によりしばらくは露見せずに済んでいた。 しかし、無思慮なままに行われ続けるものを、毎回完全に隠し通すことはあまりにも難しい。 やがて捜査の手が伸びかけたことで、洸は――というよりその父親は次の手に出た。 すなわち「代役」を立てたのだ。 こうして「女子小学生連続監禁殺害事件」は6人の犠牲を出したところでようやく終結を見た。 言うまでもなく、あくまで世間的には……だが。 逮捕された“犯人”は速やかに起訴され、裁判を待っている。 余程のことがないかぎり、死刑で確定するだろう。 自分の命を捧げ、後世まで残る悪名を拝してまで「代役」を演じねばならない理由は分からないし興味もないが、とにかくそれですべての片が付く。 さゆみの言う通り、実際のところ命は平等などではない。 ……さゆみの言っていた意味とは少し違うけれど。 軽くため息を吐きながら、洸が床にぶちまけたお茶を「回収」する。 一固まりになったお茶は宙を漂い、里保の手にした茶碗の中へと戻った。 「ちょっとちょっと、それはさすがに汚くない?」 眉をしかめ、手の中の茶碗を指差してくるさゆみに笑みを返す。 「洗えば別に大丈夫ですよ。それに、これ、どうせお客さんしか使わないんですし」 「なるほど。じゃあいいか」 「そんなことより」 表情を真顔に戻し、再び尋ねる。 「あの人が道重さんの敵なのは分かりましたけど、本当によかったんですか?」 あの男の幼児性から鑑みて、やるといったらやるだろう。 実際に潰せるかどうかはさて置いて、色々と面倒なことになるのは目に見えている。 もちろん、さゆみのことだから一時の感情でそんな事態を引き起こすことは絶対にありえないと分かっていたが、聞かずにはいられなかった。 「大丈夫。さゆみのこの美しい体を差し出せば、どんな大物でもイチコロなの」 「なるほど。じゃあいいですね」 「ちょっとちょっと、いいの?りほりほはさゆみが脂ぎったおじさんの慰み物になっても平気なの?」 「りほりほと呼ぶのはやめてください」 「ねえ、いいの?平気なの?」 「自分が言ったんじゃないですか」 「りほりほに止めてほしかったの。道重さんの初めては里保に下さいって言われたかったの」 「…もういいです」 「もー、いっつもつれないんだからぁー」 その声に背を向け、茶碗をシンクへと運ぶ。 はぐらかされたのは明らかだった。 そのことへの不満が少しだけ湧き上がる。 先ほどさゆみは自分のことをあんな風に評してくれたが、結局のところまだまだ対等には思ってもらえていない。 もちろん、立場的にさゆみと対等な関係になりたいと思っているわけではない。 それくらい信頼されたい、認められたい……ということだ。 要するに、まだまだ自分は未熟だ。 その自覚はある。 だが同時に、まだまだ上に行ける自信もある。 冷蔵庫を開け、サイダーの壜(ビン)を取り出す。 蓋を開けると、透明の液体の中で、いくつもの泡が勢いよく立ち上ってゆく。 それを眺めながら、ふと思った。 透明なガラスで区切られた「壜の中の世界」と「壜の外の世界」は、先ほどさゆみが言ったところの“表”と“裏”の世界の関係と少し似ている……と。 隣り合っているようでありながら、その境界は見えない壁ではっきりと区切られている。 思えば、壜の中、無数の泡が競い合うように上を目指す様は、どこか自分たちに通じるものがあるかもしれない。 この泡のように、自分も一心不乱に高みを目指したい。 どうせならば「“業界”で最高峰」と言われるくらいの高みを。 壜に直接口をつけ、ぐいっと傾ける。 シュワシュワとしたその透明な甘い液体は、微かに「高み」の味がした。 ………気がした。 投稿日:2013/12/14(土) 12 12 22.36 0 back 『リゾナント殺人請負事務所録』 Interlude.2~殺し屋たちはおなかいっぱい~ next 『リゾナント殺人請負事務所録』 Interlude.4~R線上の殺し屋たち~
https://w.atwiki.jp/marcher/pages/992.html
「そのこ、どうしたんですか?おじさんのねこさん?」 そう声をかけると、ふり返ったおじさんは少しこまったような笑い顔をした。 「いや、違う。首輪もついてないから野良猫だろうね」 「死んじゃったの?」 「…ああ、そうみたいだ。昨日の夜か…夜中のうちだと思う」 しゃがんだおじさんの前で丸まったようになっている、黒いねこさん。 ねているだけのようにも見えるけど、手をのばしてさわってみると、かちこちだった。 口のところには、血のまじったあわみたいなものがついている。 「ここのところ、近所で続いてるんだよ。こんな風な猫の不審死が」 「ふしんし?」 「僕の知る限り、これで10匹目だ。どれも目立った外傷はなく、こんな風に血を吐いて死んでる。おそらく毒物だろう」 「どく?だれかに殺されたってことですか?」 「猫が死に至るほどの毒物が、偶然そのあたりに落ちていることは考えにくいからね。誰かが故意にやっているんだろうな」 「…ひどいことするね」 「そうだな。酷いことをする」 こわい顔でそう言って、おじさんはビニールのふくろを出して、ねこさんをその中に入れた。 「ねこさん、どうするんですか?」 そう聞くと、おじさんは何かを言いかけたあとまた少しこまったような笑い顔をして、そして言った。 「このままにしておいたら可哀想だからね。どこかに埋めてあげようと思って」 「まいそうするんだね」 「ん?…ああ、そうだ。埋葬してあげようと思う。…ところで君は――」 「死ぬって…どういうことなのかな。生きてるのと死んでるのって、何がちがうのかな」 そう言うと、おじさんの顔がまじめになった。 「よかったら、ちょっとあそこに座って話さない?」 おじさんが指さしたのは、何メートルかはなれたところのベンチだった。 うなずくと、おじさんはねこさんの入ったふくろをだっこして歩き出した。 「座ってて」 ベンチの脇にねこさんの入ったふくろをそっと下ろすと、おじさんはそう言って、となりにある自動はんばいきの前に立った。 「温かいのはコーヒーしかないな…。コーヒーは飲める?」 「う~ん……のんでみます」 「はは、飲んでみます、か。わかった」 ちょっと笑うと、おじさんはおかねを入れてボタンをおした。 「はい、一番飲みやすそうなやつにしといたよ。飲んでみて」 「あ、はい。ありがとうございます、おじさん」 ベンチにもどってきたおじさんがわたしてくれたコーヒーをうけとって、おれいを言う。 「あのさ、そのおじさんっての……なあ、ちなみに何歳に見えてる?」 「おじさんのこと?えっと、30さいくらい?」 「あ。うん、ほぼ正解。だけど……そうか……それでもおじさんなんだな……。君は?いくつか聞いていい?」 「まさは14さいです」 「14か……。ま、中学生からすればおじさんか」 「まさ、中学校行ってないよ」 「……ん?」 おじさんの顔がまたまじめになって、ちょっとしまったと思う。 言わない方がよかったかな。このこと言うとたまにおこり出す人いるし。 でも、おじさんはおこらなかった。 「冷めちゃう前に飲まないと。ほら君……まさちゃん?も」 「あ、優樹です。じゃあ、いただきます」 「優樹ちゃんか。どうぞ、いただいてください」 ぷしゅっとどうじにふたを開けて、笑いあう。 あけ口から出てきた白いゆげは、ちょっとにがくてあまいにおいがした。 「僕は森っていいます。森憲人。おじさんじゃなくてもりさんね」 「まさ知ってますよ、もりさんちゅうさん」 「いや、森三中ではないけど」 「コーヒーいがいとおいしい」 「そりゃよかった。…マイペースだね、優樹ちゃん」 おじさん…じゃなくて、もりさんちゅうさん…じゃなくて、もりさんはそう笑ってコーヒーをのみ、ちょっとだけにがそうな顔をする。 「優樹ちゃんはこんな朝早くから何してたの?」 さりげないかんじで、もりさんがそう聞いてきた。 ほんとうのことは言えないので、うそをつく。 「う~ん、おさんぽ?というか何もしてない。目がさめちゃったからぶらぶらしてただけです」 「そっか。お父さんやお母さんは大丈夫?心配しない?」 「うん、だいじょうぶです。だって父も母もいないもん」 「…いない?旅行でいない…ってことじゃ…?」 だまって首をよこにふると、もりさんは「そうなのか」とだけ言った。 どじょう?…どうじょう?…のことばはめんどうくさいので、ありがたい。 「あのさ、優樹ちゃんがさっき言ったのって…どういう意味?」 「さっき?」 そのかわりに聞いてきたことばに、くびをかしげる。 「うん、言ってただろ。『生きてるのと死んでるのって、何がちがうのか』って」 「ああ、そのこと」 「最初に聞いたとき、この子は生きてるのが苦痛なのかなって思ったんだよ。だから話に誘った」 そう言って、もりさんはまたコーヒーを一口のんで、ちょっとだけにがそうな顔をする。 「でも……そうじゃないみたいだね。色々と複雑な事情はあるみたいだけど、生きるのが辛いわけじゃなさそうだ」 「うん、つらくはないよ。たいへんなこともいっぱいあるけどたのしいこともあるし」 「はは、それなら安心だ。それこそが生きることだからね。優樹ちゃんはちゃんと生きてる」 「それこそが生きること……。じゃあ死ぬことは?どういうことなんですか?」 「死ぬことはどういうことか……か。難しいな」 もりさんはうでを組み、う~んとうなる。 そして言った。 「どうしてそんなことを聞きたいの?まあ、優樹ちゃんくらいの年の子は、誰でも一度は考えることなのかもしれないけど」 「まさね、よくゆめを見るんです」 「夢?」 「そのゆめの中でね、まさがししゃをよみがえらせる力をもってることがあって」 「ししゃをよみがえらせる…?死んだ人を生き返らせることができるってこと?」 「そういうことです。ヘンですか?ヘンですよね」 「まあ……夢だからね。そんな夢を見ること自体はそこまで変でもないと思うけど」 「ゆめの中では、ヘンじゃなくてとくべつっていうんだよ、って言われました。優樹ちゃんはとくべつなんだよって」 「ん?ああ、夢の中で誰かに言われたってことだね」 「よみがえった人にありがとうって言われたこともあるけど、まわりの人にやめなさいって何度も言われたり、まさもこわくなったり」 「…なるほど。まあ確かにそれはきっとやっちゃいけないことだからね。でもそんな夢を見るってことは、優樹ちゃんも心の深層では分かってるんじゃないかな」 「どういうことですか?」 「人は皆、いつかは死ぬ。つまり生と死は誰もが必ず経験することなんだ。案外、そう違いはないのかもしれない。隣り合った世界に移るというだけで」 「生きてるのも死んでるのもおなじ…ってこと?」 言いながら、ベンチの下におかれた白いビニールのふくろに目をやる。 もりさんも、おなじようにふくろを見た。 「いや、それは違う。例えばこのコーヒー。互いに見えないけど、缶の中と外はすぐ隣り合ってる。生の世界と死の世界のように。でも…同じじゃないだろ?」 ふくろから目をはなし、もりさんはこんどはコーヒーを顔の前にもちあげる。 「そとだったらコーヒーがこぼれちゃうってことですか?」 「ん?ああ、はは、そうだね、その通りだ。そういうことなんだよ、きっとね」 「ん~……よくわかんない」 「はは、何が何だか分からないような話でごめんね。だけど、僕自身も今まで考えたことがなかったことを考えられた気がする。ありがとう」 そう言って笑ったあと、もりさんはまたまじめな顔になった。 「人は…いや、生きているものは皆、いつかは死ぬ。僕も、君も……この猫も」 そしてまたふくろをちらっと見る。 「だけどね、生と死の世界を移るタイミングは誰にも決められない。決めちゃいけない」 「せかいをうつるタイミング?」 「優樹ちゃんは夢の中で言われたんだろ?死んだ人を生き返らせるのはやめなさいって」 「うん、言われたことある」 「それは、生と死の世界の壁を勝手に越えさせることになるからだよ。このコーヒーの缶の、中と外の世界の壁を」 「あー、コーヒーがこぼれるはなしだ」 「そう、コーヒーはこぼしちゃいけない。死んだ人を生き返らせちゃいけない。そして……生きているものを死なせちゃいけない」 座ったまま、もりさんはそっとふくろに手をのばして、ふくろの上からねこさんをなでる。 カシャカシャと音がした。 「僕はこんなことをした犯人を絶対に捕まえるよ。必ず見つけ出す」 「けいじさんって、人殺しだけじゃなくてねこさん殺しのはんにんもつかまえるんですね」 いがいだったのでそう言うと、もりさんの顔がかたまった。 ちょっとしまったと思う。 また言ったらいけないことを言ってしまったのかな。 「僕が刑事だってどうして知ってるの?言ってないはずだけど」 ああ、しまったそれかー。 ふくぬらさんに知らないふりをしておくように言われててだからそうしてたんだけど、だってわすれてたんだもんいまは。 でもまあ、どうせたぶんもうすぐだし。 「優樹ちゃん、君は――」 何かを言いかけたもりさんの口から、こえのかわりに赤いものが出てくる。 もっていたカンが手をはなれておち、ズボンの上でひっくりかえる。 あーあ、コーヒー、こぼれちゃったね。 「まさ…き…ちゃ……まさ…か…きみ…が……?」 ベンチのせなかのところにつかまって、もりさんはひっしにこっちを見てくる。 いっしゅん、その目がビニールのふくろをむいて、もりさんの言いたいことがわかった。 あわててくびをふる。 「ううん、ねこさんを殺したりなんかはしてないよ。まさはけいじさんを殺すように言われただけ」 「どう…し…て……」 「けいじさんのこと、きらいな人がいるんだって。いい人だし、まさは好きだけど……ごめんね、おしごとだから」 もりさんが、口をパクパクとさせる。 だけど、もうこえは聞こえず、ひゅーひゅーという音がなるだけ。 そしてそれをさいごに、もりさんの首はがくりとおれた。 「あとは、えーっと…あ、このいしょだ」 ふくの内がわにはってあったいしょを、もりさんのふくのポケットに「てんそう」する。 これでいいはず。じぶんでどくをのんで死んだことになる……はず。 あとはしらない。 わすれものがないか見まわしたところで、ねこさんのことをおもい出した。 ちょっとまよったあと、しゃがんでふくろをだっこする。 このままだと、ヘンにおもわれるかもしれない。 それに…… 「まいそうしてあげないとね」 ふくろの上から、つめたくてかたいねこさんの体をなでる。 カシャカシャと音がした。 「あっ!そうだ。どくのつつみもだった」 さいしょにもりさんのコーヒーの中に「てんそう」したどくをつつんでいたかみも、いっしょにおいていかないといけないんだった。 あぶないあぶない。 もういちど「てんそう」をすませて、ためいきをつく。 こんどこそわすれものはない……はず。 人がこないうちに……と、あるき出して、ふりかえる。 ベンチの上で死んでいるもりさんが目に入った。 つい、言った。 「かってにとなりのせかいに行かせちゃって…ごめんなさい」 殺すあいてにあやまったことはあっても、殺したあいてにあやまったのははじめてだね。 どうしてかはじぶんでもわからない。 はるなんがよく言ってる「人を殺してはいけないりゆう」が、ちょっとだけわかったからかもしれない。 それとも、ただそういうきぶんだっただけかも。 こぼれたコーヒーは、いまも少しずつひろがりつづけていた。 投稿日:2014/03/08(土) 18 14 44.62 0 back Interlude.7~殺し屋たちはその日、居場所を欲し『闇』へと手を伸ばす~ next FILE.2~殺し屋たちの福音-Sound and liquid-~