約 245,175 件
https://w.atwiki.jp/darknessgame/pages/95.html
火山の火口付近に生息するコウモリで「火山コウモリ」と呼ばれる。 極めて獰猛なコウモリであり、自分達以外の生物を一切信用しない。 牙に猛毒を持ち、人も襲う危険な生物である。 この毒は外気に触れ、周辺温度が一定温度に達する(人間の体内温度程度)と高熱を発し、その周辺を溶解させてしまう。 これを牙から生物に打ち込み、死に至らしめるのである。 (この生物を主食とする火炎の黒蛇はこの毒の存在を知っているため、体の部分だけを食べる) この毒素の反応を応用したのが普段我々が使っているカイロであり、摩擦によって温度が上昇することで毒素が反応、発熱する。 この発熱が必要以上にならないように保つのが火炎の黒蛇の細胞である。 このことは、この生物が火山で乱獲されることを恐れた政府によって隠蔽され、鉄の酸化反応によって発熱すると言うことになっている。 この生物に関する講義はこちら まさかの描いてみた
https://w.atwiki.jp/yasakor0novels/pages/26.html
リンク トップページ>リンク リンク こちらはリンクのページです 現在、リンクは少ないですが…… そのうち、皆さんのBlogとかとリンク出来たらいいな~とか思ってます^^ 公式Webサイト 『12人の優しい殺し屋』公式Webサイト Wiki 『12人の優しい殺し屋 Wiki』 mixiコミュ 12人の優しい殺し屋・FC! 12人の優しい殺し屋 小説の投稿はこちらから 小説Index 『12人の優しい殺し屋 CROSS×BORDER』 ★みんなのBlog ★BBS つぶやき&お喋りBBS 企画&画像 投稿BBS ☆新設しました! 『12人の優しい殺し屋』お絵かき掲示板 BBSと投稿が一緒になったお絵かき掲示板です あなたの描いたイラストを投稿できます レスも可能ですよ❤ ページ上部の「お絵かき」をクリックすると、その場でお絵かきもできます PCなどのファイルは、BBSに新規投稿で書き込むさいにUPできるようになっています 文字のみの投稿のときは[No File]にチェックをして投稿してね トップページ>リンク 上へ R18? ☐ 夢小説 ☐ BL系専科
https://w.atwiki.jp/yasakor0yume/pages/2.html
メニュー トップページ みんなで作ろう! ルール 募集中! 投稿しちゃおう♪ 投稿作品募集中! ★投稿作品あり Q&A ようこそ! ご参加 お待ちしております 合計: - 今日: - リンク 【外部リンク】 12人の優しい殺し屋 公式Webサイト 【mixiリンク】 12人の優しい殺し屋 12人の優しい殺し屋・FC! 【Wiki】 『12人の優しい殺し屋 Wiki』 『12人の優しい殺し屋』Novel s [その他のリンク] @wiki @wikiご利用ガイド 他のサービス 無料ホームページ作成 無料ブログ作成 2ch型掲示板レンタル 無料掲示板レンタル お絵かきレンタル 無料ソーシャルプロフ [編]
https://w.atwiki.jp/yasakor0yume/
ようこそ! 『12人の優しい殺し屋』投稿-夢小説 へ こちらは、「どこに投稿していいかわからない」と言う声にお応えして作成したWikiです。 ジャンル的には、『12人の優しい殺し屋』の夢小説――となっておりますが、一般的な投稿同様、こちらもあまり過激と思われるような内容のものは、お控えくださいますようお願いいたします。 投稿OKだからと言って、何を投稿しても良いと言う事にはならない――のはお判りですね? 当Wikiのルールは…… 皆さんで作って行きたいと思います。 こう言うのを許可して欲しいと言う願望とかはいろいろございますでしょうけれども、まずは、どこまでなら、一般の方々にも受け入れてもらえるかな?と言うのを想定しながら、みなさんで、ボーダーラインを決めて行きたいと思います。 そんなのも、ちょっと新しいカタチかも!?(どこかで似たようなことは既出しているでしょうけれども) 書いている人たちで、ここのルールを決めていき、ここを創り上げていく――そんな、作り手主体のWikiにしていきたいと思っています。 ◆MENU ・ みんなで作ろう! ルール ・投稿しちゃおう♪ 新規投稿あり! ・Q&A ※左のメニューと同じです^^ 【外部リンク】 ❒ 『12人の優しい殺し屋』公式Webサイト mixiコミュ ❒ 12人の優しい殺し屋・FC! ❒ 12人の優しい殺し屋 Wikiリンク ❒ 『12人の優しい殺し屋 Wiki』 mixiコミュ『12人の優しい殺し屋・FC!』にリンクのWiki ❒ 『12人の優しい殺し屋』Novel s 通常小説投稿Wiki ❒ 『12人の優しい殺し屋 CROSS×BORDER』 月刊アニメージュに連載されていた『CROSS×BORDER』の二次創作 ❒ 『12人の優しい殺し屋』BL専科? Wikiの基本操作などです。 @wikiの基本操作 用途別のオススメ機能紹介 @wikiの設定/管理 分からないことは? @wiki ご利用ガイド よくある質問 無料で会員登録できるSNS内の@wiki助け合いコミュニティ @wiki更新情報 @wikiへのお問合せフォーム 等をご活用ください その他お勧めサービスについて 大容量1G、PHP/CGI、MySQL、FTPが使える無料ホームページは@PAGES 無料ブログ作成は@WORDをご利用ください 2ch型の無料掲示板は@chsをご利用ください フォーラム型の無料掲示板は@bbをご利用ください お絵かき掲示板は@paintをご利用ください その他の無料掲示板は@bbsをご利用ください 無料ソーシャルプロフィールサービス @flabo(アットフラボ) その他にもいろいろな機能満載!! @wikiプラグイン @wiki便利ツール @wiki構文 @wikiプラグイン一覧 まとめサイト作成支援ツール バグ・不具合を見つけたら? 要望がある場合は? お手数ですが、メールでお問い合わせください。
https://w.atwiki.jp/yasakoro/pages/11.html
PersonaXII Top >PersonaXII PersonaXII…… どういう経緯で彼らが殺し屋となったのか……。 それは、今後、徐々に解き明かされていく事だろう。 彼ら12人の殺し屋の男達と、それを束ねる占い師 真宮陽介との出会い。 それは、運命が彼らを呼んだのか。 それは、運命が彼らを必要としたのか。 それは、運命の鎖から解き放たれはしないものなのか……。 志半ばで散ってしまった悔しい命――それらが、彼らを必要とするのか。 無残にも散り行かねばならなかった運命を嘆き、その恨みを晴らしたくて彼らを必要とするのか……。 それは、彼らにもわからないことだろう。 「法で裁けぬ悪に、法によらない制裁を……」 星の導きが彼らを呼び寄せたのだとしたら 星の導きが彼らを必要としたのなら ……星の導きがまた、彼らのこの先の運命を明かすのかもしれない…… 依頼を受けた後、各々に配られるMailで呼び出されるのは、通称『赤の部屋』。 青山一丁目の占いの店『ZODIAC』の一角にあるのは、13個もの扉がある不思議な空間の部屋。 ここは、この占いの館のオーナーでもある占い師 真宮陽介が唯一素顔をさらしたままで男達の到着を待っている場所。 一人一人に設けられた扉を仮面――用意された中からその時に相応しいと思ったPersonaを被った12人の男達がやってくる。 そうして、依頼内容を語られた後、その依頼に最もふさわしいと思える者の体の一部に刻まれている痣が赤く疼く……。 どうやって、そんなことが出来るのか……。 また、どうやって、この男達は真宮陽介と知り合ったのか……。 いまだ数々の謎は残されたまま――いや、一生解けぬかもしれない謎を秘めたまま、男達は制裁を下す。 <キャラ&声優> ◆角坂 翔(かくさか しょう) CV. 羽多野渉 ◆白神 彰(しらかみ あきら) CV. 宮野真守 ◆対馬 剣司(つしま けんじ) CV. 小西克幸 ◆飛鳥 勇気(あすか ゆうき) CV. 松原大典 ◆醍醐 小太郎(だいご こたろう) CV. 佐藤雄大 ◆天野 隼人(あまの はやと) CV. 三木眞一郎 ◆斑鳩 公平(いかるが こうへい) CV. 小野大輔 ◆葛葉 涼(くずのは りょう) CV. 藤原啓治 ◆武内 直樹(たけうち なおき) CV. 柿原徹也 ◆宗像 健一(むなかた けんいち) CV. 伊藤健太郎 ◆日下部 春流(くさかべ はる) CV. 諏訪部順一 ◆愛染 良彦(あいぜん よしひこ) CV. 福山潤 ◆真宮 陽介(しんぐう ようすけ) CV. 神谷浩史 そして……彼ら12人の男達と真宮陽介と関わることになるジャーナリストが“彼”……。 ◇仙道 夏騎(せんどう なつき) CV. 杉田智和 ★月刊アニメージュ(徳間書店)連載小説 「12人の優しい殺し屋 CROSS BORDER」主人公 ★『side R』パーソナリティ ・デジタルラジオ文化放送 隔週金曜23:00~23:30 放送中 初回スタートは10月10日より ・Webラジオ 『KONAMI STATION』10月21日より配信開始 『音泉』 敬称略 彼らの物語を綴る『12人の優しい殺し屋』。 あなたは、その彼らの物語を左右する礎となるかもしれない。 あなたの思いが、彼らの運命を変えていくかもしれない。 それは、もしかしたら、あなたの物語ともCROSSするものなのかもしれない……。 あなたは 運命 を、信じますか? Top >PersonaXII
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/2702.html
時空管理局 本局上層部直轄である特務監査部の朝は早い。 しかし夜は早く寝れるという事も無い。ようは睡眠時間を極限まで削らなければ職場だと言う事だ。 「……あのヒゲ大将が……いてこますぞ、ワレ……」 とある本局の一室でその女性は、あまり品の無い寝言を呟きながら盛大に寝ていた。 暗い執務室兼私室で、書類が散乱する仕事机に座ったまま、上半身を机の上に投げ出す体勢でだ。 彼女の名前は八神はやて。彼女の名前は管理世界の一部では有名である。 胸元まで盛大に開け放たれたワイシャツ姿だったり、周りには空の酒瓶が落ちていたりするが…… 「好きでお前におべっかなんぞ……」 寝言は続く……しかし八神はやては有名人である。 管理外世界の出身でありながら、類稀なる魔法の才能に恵まれた少女にして、最悪と呼ばれた闇の書最後の主。 若くして部隊運営を任され、緊急対応のモデルケースとして作った部隊は、あの奇跡の機動六課として大成功。 そして今は……『血の特務監査部』の主任である。 「あぁ……お好み焼きが食べたいなぁ~」 特務監査部は古くからある部署ではない。かのJS事件後に作られた新しい部署だ。 しかしその特性 本局内部に対する徹底的な綱紀粛正や、噂の域を出ないとはいえ裁判無しでの殺害権限から恐れられている。 後にも先にもこのような部署が設けられた事は無く、それだけこの時期に管理局全体がどれだけ混乱していたのかを推し量る事ができるだろう。 そして八神はやてと言う人物の経歴を後の歴史家が振り返った時、この時期の彼女 つまり特務監査部主任の評価はハッキリ分かれる。 一つは『管理局のために身を粉にして働き、後に続く要職歴任の礎とした』と言う意見。 もう一つは『人道的な配慮に欠け、己の利益の為に何でもした』と言う意見。 だがどちらの意見もその期間を『現在』とする八神はやて本人には知りえないし、関係の無い事だ。 今彼女にとって重要な事は……朝一の会議に遅刻しそうだと言う事だろう。 「はやてさん……はやてさん?」 そんな大絶賛遅刻危機なはやてに扉越しに掛けられるのは救世主の声。 しかし何時も通り寝酒を深酒した彼女はその声にも耳を貸さず、起きる気配が全く無い。 「もぉ……入りますよ」 ピッと軽い電子音が正規の方法を用いて開かれた事を示す。 入ってきたのは金紗の髪をツインテール、浅黒い肌に整った容姿をした少女だった。 手にはスペアに当たるこの部屋のカードキー、身を包むのは管理局の制服。 迷わず壁際のスイッチを叩き、灯された照明の下で飛び込んでくる風景に彼女はタメ息。 なぜならば部屋の主は居眠り学生よろしく机に座ったままグースカ寝ていたのだから。 「起きて下さい。会議が始まりますよ」 言葉を掛けられながら肩を揺らされたとなれば、流石の酔っ払いも目を覚ますだろう。 しかしはそれも『目を覚ます』というだけの事。 「むぐぅ……誰やぁ~こんな朝っぱらから会議をセッティングしたのわぁ!」 「昨晩、やる気満々でセッティングしたのは……アナタです」 現在進行形で寝ぼけている。勢いよく上げられた頭、薄っすらと開いた瞳は何時も以上に濁っていた。 不意にガバッと上げられた頭を含め、八神はやての全てが停止する。何事か?と少女が首を傾げれば…… 「…頭が痛いんよ…」 「水でも飲んでください」 「連れてって」 省略しまくっているが、その言葉の言わんとするところは『水を飲むので飲む事が出来る場所まで連れて行け』と言う意味だ。 『はやてよりも小柄な少女がそんな事を出来るはずが無い』 それが普通の人々が普通の人間に抱く感想。 「しょうがないですね……うっ!」 だが少女は容易くはやてを持ち上げたのだ。所謂お姫様抱っこ……から誠意を抜いたような形で。 そして近づいてみれば他人様よりも利く彼女の鼻は、猛烈なアルコール臭に顔を顰めた。 そこでふと考える。 『コイツをこのまま会議に出していいものか?』と。本人は全く気にしないだろう。 他の会議のメンツも『本気になれば次元航行艦とタイマンを張る』と恐れられる特務監査部主任に文句を言うまい。 だけど……私は気になる。しばらく会っていないルームメイトからも、『面倒見が良い』と評される性格のおかげだろう。 連れて行く先は決まった。 「ほわぁ? お風呂やん」 「シャワーを浴びてきてください。薬と水を用意しておきますから」 大きな欠伸をしながら首を傾げるはやてを、テキトウな感じで下ろして少女は言う。 「ほんまに甲斐甲斐しい娘やな~トリエラは。よ~し、私のお嫁さんになるんよ」 「ヒルシャーさんを見つけて許可を取ってくださいね」 背後から聞こえる脱衣の音、ソレに続くシャワーの水音を聞きながら少女 トリエラは会議が開かれる場所を思い返す。 どうして自分が……『武器』でしかないはずの自分がこんな事をしているのだろう……と。 それでもやっぱりトリエラはそういう人なのだ。会議がある部屋を思い返して呟く。 「主任は遅れますって……謝っておかないと」 『血の特務監査部』とか『虐殺部隊』と恐れられる部署の構成メンバーが送る平和な朝。 ゲンヤ・ナカジマは忙しい人物である。どれくらい忙しいかと言えば、クラナガン1忙しいだろう。 なぜならクラナガンの治安など多岐に渡る分野を統括する、時空管理局地上本部の実質的なトップに彼は居るのだから。 「この件についてだが管轄区域の再配分も踏まえて……」 そんな言葉で始まった会議は数分のインターバルを挟みながら、何度も名前を変えて継続されること数回。 JS事件により露見した陸と海の様々な格差を是正するという名目で、この地位に着かされたゲンヤには仕事と敵が多い。 ある意味海と陸の両方から睨まれていると言って良いだろう。 どちらにもコネクションを持つと言うのは、どちらにも気を使わなければ成らないと言うこと。 「だが海の連中はこのプランじゃ呑まねえぞ?」 「しかしそれでは根本的な改善の……」 一つの案件でもお互いの利益が錯綜する場合、海と陸ではどうしても隔たりが出来てしまうもの。 片方だけ突っぱねるような事は出来ない以上、どちらにも配慮と譲歩をした案で通すしかない。 ゲンヤはその調整役兼……いざと言う時の生贄。責任を取って辞めて貰うために責任者は存在するのだから。 「もうこんな時間か……」 会議を終えた後、淡々とデスクワークを積み上げていたゲンヤは、すっかり冷め切ったコーヒーを口に含みながら呟いた。 大きな窓から一望できるクラナガンの町並みは世闇に染まり、人工的な地上の星が輝き出す。 そんな光景を見下ろすこの場所を揶揄する言葉に『王の椅子』と言うものがあった。 これは以前この場所で強権的に地上の治安を守ってきた人物 レジアス・ゲイズ元中将に対する皮肉なのだろう。 だがこの部屋の主になってしまったゲンヤには、そんな皮肉が全く的外れなものである事は直ぐに解った。 「アンタはすげえや……レジアス中将」 座ったからこそ解る王の椅子の重さ。優秀な人材は海から引き抜かれ、限られた戦力でこんなに広いクラナガンを守ると言う事。 それがどれだけ大変な事か、見ているだけだった者たちにはきっと解らない。 「俺なんてもう挫けそうだってのに……ここをずっと一人で」 確かにゲンヤが着任してからは管理局全体が忙しい時期だ。レジアスよりも一日の仕事量は多いのかもしれない。 だが彼が感服するのはその期間の長さ。今は陸と海の戦力差見直しが表向きとは言え進んでいる。 つまりこの忙しさやプレッシャーも何れは改善するだろう。だがレジアスの時はそうではなかった。 もちろん改善要求や予算編成は提出したのだろう。しかしそれも却下され続けたのだから、先の改善など見込めない。 それでも長い期間、地上の平和を守り続けてきた。その果てに辿り着いてしまったのが、戦闘機人計画だったのだろう。 「そう言えばギンガはダウンしてねえかな?」 仕事の忙しさが『公』の問題だとしたら、愛しい娘の心配が『私』の問題。 発端は血のアフター5と呼ばれる無差別テロ事件。彼の娘 ギンガはその事件に偶然居合わせて、犯人達と交戦・負傷したのだ。 だが問題はその後だろう。負傷は彼女の特殊な事情を考慮し、もぎ取った技術権限で速やかに治療できた。 その後に開かれた状況説明会と言う名の取調べも、大きな負担にはなっただろう。 「しっかし運が良いんだか悪いんだか……」 問題はゲンヤの裏の行為が全くの偶然で露見してしまった事。 確かに子飼いの殺し屋を諜報員として、娘に紹介するゲンヤも問題だといえばその通り。 しかし親密な関係になったギンガと殺し屋がデート?何ぞしていたからこそ、ゲンヤは娘を失わずに済んだし、テロも早期に解決できた。 だが残念な事に殺し屋はやっぱり殺し屋であり、管理局員の目を考慮してターゲットを生かして捕まえる……何て事は選択しなかったのだ。 迅速かつ確実、永続的に対象を無力化する方法は何だろうか? 答えは簡単『殺す』こと。 本人の報告と全てが終わってから突入した陸士部隊、どちらからもその成果の報告は受けている。 犯人グループは鮮やかな手際で皆殺しだったらしい。つまりギンガもその惨状を目撃してしまった。 『父親に雇っていると紹介された人物が、テロリストとは言え容易く人を殺した』 そんな事実から一端の捜査官であるギンガならば辿り着ける推測は…… 『父親は殺し屋を雇い、暗殺を行っている』というものだろう。殺し屋から事の顛末を聞いてから、ゲンヤは彼女に会っていない。 心配じゃないといえば嘘になるが、それよりも会って問い詰められる事が父親的には恐ろしい。 「必要なこと何だがな……おっと噂をすれば……」 据えつけられ通信端末が電子音を立ててチカチカと明滅。ディスプレイに並ぶ文字が示すのは秘密回線だと言うこと。 つまり公に連絡をとる事が出来ない相手。 「俺だ。トラブルか?」 「いや、仕事は滞りなく終わったんだけど……」 名前を出すことも無い会話だが、ゲンヤは訝しげに首を傾げた。 有能な殺し屋、人間味に些か欠ける樫の木で出来た人形、ピノッキオが言い難そうにするとは…… 「電話を貰ったんだ……ギンガさんから」 その言葉にゲンヤが慌てる事に成る。 「これから会わないか?って言われけど、明確な返答はしていない。場所と時間を言われただけ。 僕は……行くべきかな? 雇い主と父親の意見を聞きたい」 普通に考えれば行くべきではない。だがそれは地上本部を纏める者としての言葉。 思い出すのはピノッキオの話をしているときの娘の顔。父親、ゲンヤ・ナカジマとしては、こう言わざるえない。 「勝手にしろい」 ギンガ曰く『デートの続き』である本日の予定はディナーから始まる。 場所はあの日の予定通り、ショッピングモール最上階に設けられたレストラン。 事件が直接的に起こったフロアは閉鎖されたままだが、他の階は元気に営業している事から、商売人の心意気を感じる。 値段もソコソコするが、味も良い。オシャレでありながら、堅苦しさを感じさせない。そんな何処にでもあるお店だった。 「やぁ」 「来てくれたんだ」 先に予約したテーブルについていたギンガは、あの日と同じく若干遅れてやってきたくすんだ金髪の青年 ピノッキオを迎える。 その顔は決して喜びだけで輝いては居らず、不安を筆頭にした不の感情がチラホラと顔を覗かせる。 そんな彼女の様子を気にした風もなく、前回と同じサングラスを外しながらピノッキオは席に着く。 だが一つだけ違うところがある。それは…… 「その服……」 「ん? あぁ、この前に買ってもらった服だよ」 ヨレヨレのモノではなく、真新しいノリが効いてパリッとしたジャケット。 適度に着崩しているがソレを下品と感じさせない着こなし。どれ今までのピノッキオではありえないことだ。 「着てくれてるのね?」 「服だからね。着なきゃ意味が無い」 「……」 そういう事ではない! アナタが着てくれたからこそ嬉しいと思うのだ!!……なんて考えが通じる相手ではない。 ふとギンガは思い出してしまう。電話越しにした質問。それに重ねて自分の選んだ服を着ている事で生まれる複雑な感情。 「お仕事……してきたの? その服で?」 「いや、仕事をする時はバリアジャケット。処理が楽なんだ、血とか」 適度に落とされた照明の店内には落ち着いたBGMが流れ、会話が他に届くことはない。 しかし簡単に出てくる「血」と言う単語がピノッキオの感性や仕事柄に再認識させていた。 「……そう」 意識すると目の前の人物 好意さえ抱いていたはずの青年ですら、酷く恐ろしいものだとギンガは感じてしまう。 呆然と見ていることしか出来なかった鮮やかな手捌き。料理をするかのような手軽さ、職人のような正確性で命を奪う。 ここは既にピノッキオの間合いだ。背筋を駆け抜ける寒気。ギンガは待機状態のブリッツキャリバーを握り締めた。 しかし緊張の相手が口にするのは意外な言葉。何時ものやる気の無い表情にわずかに見える安堵の色。 「良かった」 「え?」 運ばれてきた前菜を落ち着いた動作で口に運びながら、ピノッキオが呟いたのはそんな言葉。 「本当に元気みたいで……反応も早いしね」 「っ!?」 ギンガはドキンと心臓が高鳴り、加減を失った手からブリッツキャリバーが滑り落ちそうになる。 慌ててキャッチすれば体が動き、椅子とテーブルの上に食器がカシャリと音を立てた。 周りから集まる視線にカッと赤くなる顔。その様子にもフォークの動きを止めない相席者。 「不意討ちの時に闘志や殺気を表に出しちゃダメだ」 「精進します……」 ちょっとムスッとした顔のまま、ギンガは料理に手をつけた。そこからは何時も通りの二人。 決して弾むような会話では無いが確かに紡がれる優しい空気。ギンガの言葉にピノッキオも端的ながら答えていく。 そんな時間だからこそ本当の問題が忘れられてしまうそうで……だけどしっかりと諍いの種は残っていた。 「貴方にとって人殺しってどういうこと?」 運ばれてきたメインディッシュ 若鶏のソテーを前にして、今までの会話と変わらない口調でギンガは聞いた。 『人殺しはダメ!』と言う解り易い意見をギンガは持っているが、それを直ぐ口にするような事はしない。 それを言ってしまえば意見が一切噛み合う事無く、喧嘩別れになるビジョンが簡単に予測できたからだ。 「普通な事かな……」 『例えば』と前置きをして、ピノッキオはナイフとフォークを手に取る。 まずはフォークがソテーに突き刺さり、ソレを支点にして固定する事で安定。 続けてナイフを当てて前後の動かす事で鶏肉を食べるのに適した大きさにする。 この一連のアクションは錬度により美しさなどの差があるとはいえ、誰もが自然に行える行動だろう。 「若鶏のソテーを出されたら、フォークで押さえてナイフで小さく切る位に」 斬るならば最良の場所は首の動脈。突くのならば体の中心よりも若干左の心臓。 そうすれば人の命を簡単に奪う事が出来ると言う事を、本当に当たり前のように考えているし、簡単に実行する事ができた。 「ギンガさんはどう?」 「え?」 「人殺しをするってどう言う事?」 ギンガは驚く。それは実に珍しい事。このディナーの中だけでも、ピノッキオが鸚鵡返しとは言え質問を返してきた事は無かったから。 相手から聞かれたのならば、感じるままに思いをぶつけても大丈夫だろう。 そんな計算に裏打ちされて、彼女は思い切って真意を告げた。 「いけない事だと思うわ。人の命を奪うっていう事は……罪よ」 そんな回答にも、自分の答えを否定される形になったピノッキオは動じない。 それどころか満足そうに頷き、彼にしては珍しく饒舌に続けて二つの目の質問。 「言うまでもないと思うけど、僕とギンガさんの間には大きな意識の違いがある。 でも……ギンガさんが僕と同じような場所に居たら、きっと違いは生まれない」 「どうして?」 「人格や意識はどうやって作られると思う?……環境だよ。 僕の生きて来た場所はそれこそ……『鶏肉のソテーをナイフで切るように人が死ぬ』ような場所だった」 ピノッキオは自身の生まれを知らない。ただ色々あってギャングだかマフィアの商品になっていたような気がする。 そんな暗い穴倉から連れ出してくれた人物もやはりソチラらの人であり、役に立つ方法を考えれば……人殺しは最良の手段だった。 「本当に簡単に死ぬんだ……僕の師匠も抗争先で銃弾を受けて、あっけなく死んだ。 おじさんだって、何時死んでしまうか解らない。ライバルのファミリーや警察、下手を打てば仲間にだって殺される。 少しでもおじさんに降りかかる危険を払う。それが僕の恩返しだった」 会ってから初めて、これほど饒舌に語るピノッキオを目撃したギンガは、その驚きとは違う驚愕が体を駆け巡っていた。 命を奪う事自体を忌避してきたが、その理由が恩人に対する恩返し。確かに自分から話すような事ではないにせよ…… 「じゃあ私も! そんな場所に居たら……人を殺すようになる?」 「僕が言ったのはそんな場所での常識だけ。殺すかどうかは自分が決める」 確かにピノッキオが言ったのは『環境によっては人殺しが大した意味を成さなくなる』と言う事だけ。 それだけではピノッキオが人を殺す直接的な理由にはならない。しかし彼は既に口にしているのだ。 『恩返しの為に……』と。 「僕は人殺しが好きなわけじゃない」 ピノッキオが殺すのは何時だって他人の為。命の恩人であるクリスティアーノ為であり、今は次元遭難者である彼を拾ったゲンヤの為。 「それが大事な人の為に有効な方法だから殺すんだ」 その言葉でギンガはふと思い出す。自分がピノッキオの真実を知り、恐怖して軽蔑とも取れる感情を抱いた事件。 そうだ……あの時だって。 「私のために……殺したの?」 テロ事件が起きた時、ピノッキオは何もアクションを見せなかった。鎮圧するような動きすらしなかった。 つまりその時点では彼がテロリストを殺す理由は存在しない。殺した理由はギンガを危険にあっており、殺される事も考えられたからだ。 命が軽い物と知っているから、下手に危険に飛び出すようなマネはしない。 しかし大事な人の命の軽さも知っているから、そのためなら命を危険に晒すし、人も殺せた。 「どうかな? 僕は人を殺す悪い奴だからね、全部信じない方がいいかもしれない」 グラスに注がれていたワインを飲み干して、ピノッキオは立ち上がる。 未だに状況を整理できていないギンガは下を向いたまま。その場を離れる間際に彼女の耳元で小さく、しかしはっきりと呟いた。 「でも……父親くらいは信じてあげたら? そうとう参ってるよ、ゲンヤさん」 去り際に残すのはそんな言葉。解っていたんだ!とギンガは内心で叫ぶ。 ゲンヤが暗殺なんて依頼する理由くらい! 解っていたんだ! あの人は何時だって……私やスバルの為に…… 「感謝するべきだ。人の命が重い物だって……認識させてくれた環境と、それを作ったあの人に。 それじゃ……」 それだけ言って去っていこうとする背中。それを見送りそうになって……ギンガは急に腹を立てている自分に気がつく。 口にするのは他人の事ばかりで自分を全然省みない大バカ野郎。 何時だって興味の無いように目をしているくせに、お父さんの心配までして…… 「待って!」 他人の好奇の目など関係ない。ギンガは立ち上がり、去ろうとしていたピノッキオの肩を掴んだ。 意外そうに振り向いた顔に張り手を一つ。それでも揺るがない顔に更に腹が立ち……強く抱きしめて…… 「貴方は……もう少し自分を大事にするべきだわ。お父さんの心配をするより……」 「僕は孝行息子だから」 「バカ」 ギンガはピノッキオを抱き締めて……キスをしていた。そこから先の事を彼女はあまり良く覚えていない。 翌朝 着替えもせずに寝ていたベッドの上で、彼女が最初に思い出したのは……ファーストキスはタバコとワインの味だったこと 目次へ
https://w.atwiki.jp/yasakor0novels/pages/2.html
メニュー トップページ ルール みんなで作ろう!ルール募集中 小説Index 作品募集中! ご意見瓦版 新企画あり リンク アクセスありがとうございます 合計: - 今日: - ✉ メールはこちら! 編集メンバーになりたい方はこちらから お問合せはこちらから リンク 『12人の優しい殺し屋 Wiki』 私設@Wiki 12人の優しい殺し屋・FC! mixi内コミュ 『12人の優しい殺し屋』公式Webサイト @wiki @wikiご利用ガイド 他のサービス 無料ホームページ作成 無料ブログ作成 2ch型掲示板レンタル 無料掲示板レンタル お絵かきレンタル 無料ソーシャルプロフ プラグイン紹介 まとめサイト作成支援ツール [編]
https://w.atwiki.jp/vs-wiki/pages/3422.html
TLD/029 C 闇の世界の殺し屋 ヤミ/変身能力 女性 パートナー スクール水着のヤミ/変身能力 女性 レベル 3 攻撃力 3500 防御力 5000 【わたしは…兵器…】《闇》《変身》 【スパーク】【自】 あなたは自分の控え室の「スクール水着のヤミ」を1枚まで選び、自分の手札に戻す。 作品 『To LOVEる-とらぶる- ダークネス』 備考 このカードをパートナーにしているカード 取得中です。 関連項目 取得中です。
https://w.atwiki.jp/crossborder/pages/12.html
リンク トップページ>リンク リンク この『12人の優しい殺し屋』CROSS×BORDERとリンクしているサイトやWikiをご紹介します。 ◆ 公式サイト ★ 『12人の優しい殺し屋』公式Webサイト ◆ mixi ★ 12人の優しい殺し屋 ☆ 『12人の優しい殺し屋・FC!』 ◆ Wiki ☆ 『12人の優しい殺し屋』Novel s 上へ ※R18?――一般向けではないコンテンツ用Wiki ☐ 『12人の優しい殺し屋』夢小説 ☐ 『12人の優しい殺し屋』BL専科? トップページ>リンク
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/2941.html
「行こう……」 駅前の広場に設置されたベンチに座り、タバコを吸っていた青年が呟いた。 熱に浮かされたように楽しそうな雰囲気の中で、彼だけが冷たい雰囲気を纏っている。 「完璧にこなして七時か」 コートの袖と手袋の間、対衝撃に特化した多機能デジタル時計を見て呟く。 現在の時間は五時を間近に控えている。冬の夕暮れは短く、すぐさまあたりは闇に落ちるだろう。 辺りにはそれに伴って輝き出す派手なイルミネーション。徐々に数を増してくるのは若い男女のペア。 いわゆるカップル達はいつにも増して熱を放っている。何せ今日は…… 「クリスマス・イブ」 とある管理外世界の聖人が生まれた日の前夜祭、ミッドチルダでは商業が活気付いて恋人達がイチャイチャする日。 こちらに来てからその日がある事に驚いた青年 ピノッキオだったが、彼にはもう一つ問題があった。 「待ち合わせは七時半……厳しいな」 彼はこれから仕事をしなければ成らない。仕事とは人殺し、彼は殺し屋なのだ。 だが問題は聖なる夜に人殺しをする事ではない。そんなことで痛む道徳心など持ち合わせては居ないのだ。 問題は……仕事に後に女性とクリスマス・イブを満喫しなければ成らない事である。 彼女が居ない男性からすれば、一体何処に不満があるのだ?と思うだろうが、彼は…… 「女の子は苦手なんだ」 どうして女の子が苦手な奴がクリスマスにデートの約束が入っているのか? お誘いを貰った相手が全然知らない女性ならば当然断るだろう、何せ彼は女の子が苦手。 だが今回は相手が悪い。というか他の相手ならば一度たりとてデートになど持ち込めはしない。 つまりその女性 ギンガ・ナカジマはピノッキオにとって最大の理解者であり、最強の難敵でもある。 「はぁ……」 普通に戦うなら最強の敵だろう「モンタルチーノの女の子」と戦う事になろうとも、これほど落ち込みはしないとタメ息を一つ。 これから彼がこなすミッションには困難が多い。仕事を行うのに最適な時間は決まっている。コレばかり変更できない。 しかし同時にデートのお相手 ギンガが想定しているクリスマスデートのプランも変更は多く効かない。 まずはショッピング、次にディナー。最後は夜景のキレイなバーでゆっくりお酒を飲む。その上でピノッキオには宿題も課されている。 ギンガ曰く『デートのコースは私が決めるけど、クリスマスプレゼントは自分で選ぶこと!』……だそうだ。 最初から買っておいても良いし、デートの途中で選んでも良い。しかし彼女は女性が苦手で、女性の事など多くを理解しているはずも無い。 「女性の好みなんて解らないよ」 当然プレゼントは選んでおらず、それもこれからセレクトしなければらない。 正に「ミッション・インポッシブル」。ピノッキオの背中は仕事など気にならない程に疲れて見えた。 「ちょっと早く来すぎたかな?」 腕時計を確認する動作も既に数回を数え、順次記録を更新していく。 周りを歩くカップル達に負けないくらい、華やかな笑みをギンガ・ナカジマは浮かべていた。 これから彼女はクリスマス・イブのデートと洒落込む予定である。相手は父親の部下である……殺し屋。 ピノッキオと言う変わった名前の男は、ギンガの持つ価値観とは相容れない存在だ。 法を無視して人を容易く殺す人物など、正義感の塊にして悪を憎む地上本部の捜査官が許せることでは無い。 「けど……気になっちゃうんだから仕方が無い」 誰にでもなくギンガは呟く。 『恋に理屈は無い。必要なのは情熱だけだ』と彼女が愛読する恋愛小説も言っている。 自分にも他人にも無関心。なのに恩人には命を賭けて恩返しをする。 いつも自分の中だけで全てを納得させ、外には結果だけを残していく。不器用な優しさだと思うのは都合の良い解釈だろうか? だからこそ『恋の理由は無い』のである。気になる。世話を焼きたいし、一緒に居たい。 この感情が愛ならば、間違いなくギンガはピノッキオに恋をしているのだろう。 「クリスマス・イブなんて何とも思ってないんだろうけど……」 彼の出身世界にも存在したらしい聖なる夜。それを彼に告げた時の反応からして、特別な感情を持ってはいまい。 「それでもこんな日くらいは魔法が解けるべきだわ」 息をするように人を殺す冷たい樫の木の人形。 彼に掛かった魔法は聖なる日に力を失い、人間らしい心を見せてくれても良い夜。 だからこそ自分が考えられる最高のプランをギンガはセッティングしたのである 食べ物とワインにはそれなりの興味を示す彼のため、自分が考えうる最高のお店を予約。 もし……もしもだけど……その……一線を越えるような事態も想定し、ホテルも取ってある…… 「ニヘヘ♪」 妹も顔負けの嬉しそうな崩れた表情。幸せな夜に恋人を待つ女性ならば違和感はない。 だが…… 三十分経過 「まだかな?」 一時間経過 「遅い!」 二時間経過 「……」 三時間経過 「グスン」 魔法の時間、聖なる夜にも神は残酷である。 ギンガ・ナカジマは待ち続けていた。既に待ち合わせの時刻から長針は五週目を数え、もうすぐクリスマス・イブはクリスマスへと変わる。 夜を楽しむという時間は過ぎ、周りに人通りは既にまばら。気温はドンドン下がり、吐く息は常に白。 いかに防寒着を纏おうとも寒さは身と心を蝕んでいく。同じ気温だとしても、一人で待つと冷たさは二人の時を大きく凌ぐだろう。 「なにしてるの……」 ギンガの悴んだ手には携帯電話。既に何回もピノッキオの携帯に電話やメールを入れているが、返事は無い。 何か都合が悪くなったのだろうか? 彼の仕事を考えれば、その確立は高い。だが変事の一つ位有っても良いだろう。 そして返事が無いからこそ、『今日は行けない』という言葉が無いからこそ、ギンガはこの場所から離れられずに居た。 既にレストランでのディナーは間に合う時間では無いし、ショッピングを楽しむ筈の店はみな閉まっている。 それでも…… 「もしかしたら」 『来るかもしれない』 続く言葉は飲み込む。口に出したらそのギャップに涙が溢れてしまいそうだ。 ギンガはふと脇に置いた紙袋を手に取り、中身を取り出した。それは所々に歪みが見える手作りのマフラー。 黒に赤いワンスポットが入ったかなり長いソレは、その気になれば二人で巻くことも可能だろう。 それがギンガのピノッキオへのクリスマスプレゼント。今日はコレを巻く事も無いのだろうか? 「ちょうど良かった」 物思いに耽っていたギンガは後ろから掛かった声に我に返る。だがそれよりも早く伸びてきた手がマフラーを奪い取った。 『引ったくり!?』 座っている人間からマフラーを奪う犯罪をそう呼ぶのかは定かでは無いが、大事なものが奪われた事実は変わらない。 取り戻そうと立ち上がり、ギンガは対象が自分の隣、同じベンチに腰を下ろした事に驚愕に顔を歪める。 「寒いと思ってたんだ、助かったよ」 そこに居たのは自分が作ったマフラーを早速首に巻き、咥えたタバコにライターで火をつけようとしている青年。 「……ピーノ」 ギンガを五時間近く寒空の下に放置した張本人が平然とそこに居た。 様々な文句、罵詈雑言が口から飛び出す間際で気がつく。ピノッキオの顔にはガーゼが張られ、額には包帯が巻かれている。 よく見るとタバコを持つ手にも無数の絆創膏、顔色は寒空の下に居たよりも悪い。それは血を失った者の顔色。 「どうしたの?」 考えられる事態に今度はギンガが血の気を失う番。 「……あぁ、尾行は心配しなくて良い」 「そうじゃなくて!」 発するべき言葉を幾らでもギンガは持ち合わせていた。それでもその言葉達が発せられる事は無い。 ピノッキオがこれだけ負傷するという点で、どれだけ危険な行為が行われたのかは想像するに易い。 「追っ手を撒いたり、殺すのに時間が掛かった。携帯も壊されたから、電話も出来なくてさ」 吐き出すタバコの煙に何時もの勢いは無い。絆創膏に覆われた手はタバコを持ちつつも、僅かに震えている。 ギンガの中にあるピノッキオとはこう言った事態とは無縁の存在だった。 何時でも変わらない表情。人を殺しても、銃弾の嵐の中を駆け抜けようとも揺るがない。 だからこそ彼女が色々気を回しても、気がつかない朴念仁であり、女の子が苦手なんて言ってのける一種の変人。 「ゴメンね」 そんな人物がか弱い、消えてしまいそうな姿を見せる。デートの前に入れるような仕事で死に掛けた。 ピノッキオの言葉がギンガの脳内で木霊する。『人は簡単に死ぬ』のだと。 「寒くなかった? 帰ってくれて良かったのに」 「バカ!」 色んなモノが腹立たしく、ギンガは一喝。思わぬ怒声にビクリと震えたピノッキオの肩をギュっと抱き締めた。 状況を把握できずに目を白黒させている冷徹な殺し屋は、不意に意識が遠ざかるのを感じる。 「折角のクリスマスだもの……」 「なら……有意義に過ごせば……良かったのに。僕なんか待ってないで」 『暖かい』とピノッキオは感じた。血を失った体を包み込むのはコートやマフラーでは得る事が出来ない人の温もり。 「クリスマスだからこそ……貴方と一緒に居たかったのよ。買い物も出来なくて良い、ディナーが無くても良い。 ただ少しでも一緒に……」 死は簡単に大事な者を連れて行く。母 クイントの時にギンガは解っていたはずだった。 そして聖なる夜でも死は大事な人を動かし、連れて行こうとする。それが腹立たしい。 「わからないな……」 重くなる瞼を見つめながら、ピノッキオは抱き締められるがまま。 血を失った事、戦闘の緊張から開放され且つ、嫌いでもない人に抱かれている。 ボーとしているようで辺りを見渡す目を緩めない殺し屋でも緊張が解けると言うもの。 「ピーノ、どうしたの!?」 「眠いんだ」 意識を失いかけているピノッキオに声をかけたギンガだが、帰ってきたのは随分と平穏な答え。 「……もう!……あっ!!」 「?」 恋人を前にして眠いとは何事か!?と思えないのは、ボロボロなその姿を見ているから。 しかし『眠る』と言うキーワードにギンガはある事を思い出した。崩壊してしまった予定の最後、未だに残された決戦の城砦。 「あの……ピーノ!!」 「どうしたんだい?」 「実はその……ホッ!ホテルを予約して有るんだけど……寝るならそっちで…… べっ!別にエッチな事したいと思っていた訳じゃないんだからね!?」 顔を瞬間的に真っ赤に染め上げ、アワアワと手を振って誤魔化すギンガ。 その姿は周りから見れば不審者バリバリだったが、喜ばしい事に辺りに人影は無い。 ギンガが何を必至に弁明しているのかもわからず、眠気と戦う気が無いピノッキオは簡単に頷いた。 「何でも良いよ。ここよりは暖かいんだろ?」 「じゃあ出発!!」 そりゃもう遠足に行く子供のような輝かしい笑みでギンガは歩き出した。 睡魔と闘ってフラフラしているピノッキオを引き摺って、スキップし出しそうな足取り。 寒い中で放置されていたとは思えない軽快なステップに先導されながら、ピノッキオは思い出したように言った。 「あっ……プレゼント買ってない」 ギンガはその言葉にこう返す。 「別に良いわ、貴方が来てくれただけで!!」 残酷で圧倒的な死に持って逝かれ欠けた大事な人。それが自分の隣に居る。 それだけで幸せであり、聖なる夜に感謝するには充分だとギンガは心の中で頷いた。 クリスマス・イブにおけるギンガ・ナカジマの支出 食べられなかった二人分のディナー……33500ミッド 夢を託したホテルのスイートーム……47000ミッド 朝まで堪能した恋人の寝顔……プライスレス 同じ布団で寝た夢の時間……アンリミテッドデザイア 寝起きに奪ったアレコレ……ヘブンズドアオープン 目次へ