約 3,300,126 件
https://w.atwiki.jp/suwasugee/pages/15.html
フグ田マスオが人を殺してしまったそうです 1 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2008/06/22(日) 12 17 33.30 ID XK+jZ6fW0 ―――こんなコト、するつもりはなかった。 我慢の限界がきて、ほんの少し。ほんの少しだけ脅かした。 本当にそれだけなのに。 現実は違う。 ―――目の前で倒れている肉塊。 その正体を容認することこそ禁忌に触れる。 ―――それが、我が子だったとしても――― 7 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2008/06/22(日) 12 22 36.86 ID XK+jZ6fW0 ―――誰が悪いのかと問われれば、間違いなく、殺してしまった自分が悪いのだろう。 しかし、その要因を作ったのは誰かと問われれば、それはまた別の話だ。 ―――我が子ながら、フグ田タラヲは人を不快な思いにさせる天才だ。 常に自分の利益のみを考え、他人を踏みにじる。 それによって、何人の人間があの餓鬼に蔑ろにされたことか。簡単に予測はつく。 ―――今度も、また虚言を吐いたのだろう――― タラヲは元来からの虚言者だ。 自分の罪を他人になすり付け。 他人の不幸に歓びを感じる。 そんな、人格破綻者。 それが、フグ田タラヲという人間の在り方だった。 13 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2008/06/22(日) 12 27 45.76 ID XK+jZ6fW0 「―――カツオ兄ちゃんが教えてくれたです~」 そんな、魔法のコトバを我が義父、波平に告げる。 ―――無論、カツオくんは何もしていない。 タラヲのいたずら。 それが実行されたとき、カツオくんは宿泊学習に行っていたのだから。 「なに!? カツオ!!!」 何も考えない。 それが波平の性格だった。 正に、自己中心。 なんて、愚直な在り方。 自分の考えの正しさを本気で疑わずに、帰宅して間もない、疲れきったカツオくんを呼び出す。 「? なんなの?」 当然、カツオくんは自分が呼び出された要因が判っていない。 それでも、波平は顔を紅潮させて和室に連れて行く。 ―――家に谺する怒号。 その声を聞いて、タラヲは笑っていた。 「やれやれです~」 その声が、やけに癇に障った。 18 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2008/06/22(日) 12 34 26.84 ID XK+jZ6fW0 いつものこと。 そう割り切ってしまうには、今日のカツオくんは惨めすぎた。 旅行カバンたくさんに詰められていたお土産。 それを見ると、何故か――― ―――笑っている餓鬼が――憎くて堪らない存在になった――― 「―――!」 気がつけば、右手は我が子の頬を叩いていた。 呆気にとられるタラヲ。 その、無防備な肉体に、力一杯蹴りを叩き込む。 「痛~いです~」 まだ、この餓鬼は嗤っている。 否。嗤っている理由なんて明白だ。 この餓鬼の思考なんて簡単だ。 『おじいちゃんに言うです~』 この餓鬼にとって、言いつけること意外に取り柄なんて在りはしない。 故に、この餓鬼はなんとも下卑た嗤いを浮かべる。 その貌が、本当に厭だ。 そう感じたとき。 既に、タラヲは肉塊となっていた。 ―――その日は、本当に寒い。冬の日だった。 22 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2008/06/22(日) 12 39 22.16 ID XK+jZ6fW0 それから、今に至る。 懲役10年。 それが、僕に課せられた刑罰だった。 冷たい個室。 生活感なんて欠片もない。 「1300番! 食事だ!!」 食事が運ばれる。 幼い頃に食べた給食じみた、なんとも安っぽい容器に盛られた食事。 米と麦が合わさった飯と、簡単なみそ汁。それに焼き魚。 殺人を犯した僕が食べるには勿体ない献立だった。 「―――」 静かに、言葉もなく食事を終える。 もとより話す相手などいない。 故に、僕が言葉を発するのは行進のかけ声以外にはなかった。 ―――ああ。 あの、家庭の温かさに戻りたい。 そんな、願ってはいけないコトを。 僕は毎夜。願っていた。 27 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2008/06/22(日) 12 45 54.40 ID XK+jZ6fW0 ―――毎日の労働は、苦ではない。 娑婆ではもっと辛い労働に堪えていたのだ。 これぐらいなら、一日中だってやっていられる。 この刑務所では、囚人は労働の義務が在る。 僕が担当するのは鉛筆の製造。 初めは色々と戸惑ったが、もともと器用な方である僕には、大した苦痛にはならなかった。 「昼飯だ! 食堂へ行け!!」 看守が昼食の時間を告げる。 僕たちは整列し、食堂へ行進する。 朝食と夕食は個室で採るが、昼食は食堂で労働班単位で採る。 献立自体には、余り大差はないが、なんとなく、人がいる中での食事は楽しい。 ―――しかし、食事中も私語は禁止だ。 故に、楽しみといえば――― ―――総ての労働が終わり、一日に一時間のみ与えられる自由時間のみだ。 37 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2008/06/22(日) 12 53 27.62 ID XK+jZ6fW0 ―――その時ばかりは、フリールームも賑やかになる。 使い古して、大分くたびれたトランプすら、ここではPS3並みの娯楽になる。 賭博は禁止されているが、それでもココに居る者たちは楽しんでいる。 そのなかで――たった一人。 静かに、否。只暗く、座っている青年を、僕は気にしていた。 「―――君は、やらないのかい?」 気さくに話しかけてみる。 「やらねえし」 それに、無愛想に男性は答える。 語尾に『し』を付けることが、若者のトレンドらしい。 「そんなコト言わずに、さ」 「ふざけろし、誰がそんなかったりいことやるかし」 「……」 「俺の趣味はギャンブル全般とネトゲーだし、あんな甘いことはやらねえし」 「―――そうか、気が向いたら言ってくれよ」 ―――後に知ったことだが、彼の名は伊佐坂甚六。 嘗ての隣人だった。 45 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2008/06/22(日) 12 59 31.65 ID XK+jZ6fW0 ―――ココの生活にも慣れてきたある日。 一つの騒動が起きた。 「?」 廊下が騒がしい。 食事が供給される隙間から覗くと、1人の青年が暴れていた。 「出せし! ココから出せし!!!」 その声は甚六のものであり、制止する声は食事係の看守のものだった。 そこから粗方事情は判った。 彼は食事を持ってきた看守を殴り、脱獄をしようとしたのだ。 ―――無論、そんな簡単に脱獄なんて出来る筈がない。 その結果、甚六は応援に駆けつけた看守たちに取り押さえられ、倒れていた。 ―――彼の目からは、涙が流れていた。 90 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2008/06/22(日) 13 26 38.80 ID XK+jZ6fW0 ―――それから、また数日。 というより、数ヶ月程経ったのかもしれない。 ココにいる者にとって、歳月の経過を気にするコトは、出所への時間を気にするコトだ。 あまり気にしなければ、いつの間にか刑期が終わっている。 そう考えることが一般的なココでは、日めくりカレンダーすらそのままだ。 「―――ねえ、甚六くん」 フリールームで、今まで聞きたくとも聞けなかったコトを聞いてみる。 「どうして、ココに? 君はまじめな子だったじゃないか。勉強をして、憧れの大学に入るんだって―――」 「―――そんなのは親父が勝手に決めたことだし、俺はギャンブラーになりたかったんだし」 「? ギャンブラーって言うと。あの?」 「他に何が在るんだし。俺はゲーセンの麻雀決闘倶楽部では黄龍だし」 ―――呆れた。彼はゲームで将来設計をしていたらしい。 「それで、どうしてココに?」 本題をもう一度問い直す。 その問いに、甚六くんはゆっくりと――― 「―――親父を――殺したからだし」 なんて、答えた。 95 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2008/06/22(日) 13 33 27.30 ID XK+jZ6fW0 彼も肉親を殺してココに来た者。 つまるところ、そういうコトだ。 彼も僕も、深淵のところ同じ存在。 本来、越えてはならない臨界を越えてしまった者。 そのことに関して、僕等は間違いなく同類だ。 故に、人間らしい生活とは別離しなくてはならない。 それも同じ。 ―――しかし、彼はそんなこと、全くお構いなしだ。 殺した。 理由はなんとも低俗だ。 ゲームセンターで遊ぶ金が無くなった。 故に、父の財布から1万円ほどをくすねようとした。 なんてことはない。小中学生ならば一度は画策した所業だろう。 だが、それを許容できないのは、今まで彼をいい子として認識していた父。伊佐坂難物だ。 たとえ1万円でも、父にしてみれば、初めての我が子の反抗。 そんなコト、あの頑固な男が赦す筈がなかった。 98 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2008/06/22(日) 13 38 18.85 ID XK+jZ6fW0 ―――軽く。 本当に軽く突き飛ばしただけだった。 しかし、人間というモノはなんとも壊れやすく、脆弱だ。 難物は、碁盤に後頭部を打ち、即死した。 ―――それだけならば、この出来事は事故として扱われるだろう。 しかし、甚六はもう息絶えた父を、庭に埋めたのだ。 母にも、姉にも悟られず、彼はその所業を達成した。 なんて、救われない達成感。 なんて、空っぽな満足感。 それらを噛み締め、彼は逮捕された。 ―――タラヲが、ふざけて呼んでしまったパトカーに。 108 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2008/06/22(日) 13 41 50.85 ID XK+jZ6fW0 ―――パトカーを呼んでしまったこと。 それらのことは重大な悪戯だ。 それに気がついたとき。タラヲはこう言った。 「―――カツオ兄ちゃんが電話したで~す」 しかし、甚六がそのパトカーによって逮捕されたとき、タラヲはこう言った。 「―――僕のお陰です~」 ―――ああ。 この時から、僕はタラヲに殺意を抱いていたのか 123 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2008/06/22(日) 13 55 39.16 ID XK+jZ6fW0 ―――それを聞いて、僕は愕然とした。 僕はサザエから殺人事件があったとは聞いたが、犯人が甚六くんだなんて聞いていなかった。 「―――」 「黙るなし。 それとも、これから俺には話しかけたくないってかし? 当然だし、親殺しなんて、なかなか ココにもいないし」 確かに、今の僕は甚六くんとマトモに話なんて出来ない。 故に――― 「―――ああ。 確かにそうだ。でも、僕も肉親を殺したという点では同じだ」 このことは、告げておきたかった。 「もしかして、あのアバスレ女? あの女の旦那は大変だよ。頼まれれば、誰にでも股を開くもんな。殺したくなるのも判る」 ―――なんて、コトバが聞こえた。 133 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2008/06/22(日) 14 04 19.70 ID XK+jZ6fW0 「―――」 そのコトバ。 スムーズに頭に入って行かない。 脳まで行った情報をなんとかして否定しようと、全身が震える。 「―――違うのか。 ま、アンタんトコの家族は全員殺される理由ぐらい在る訳だし、そう簡単には当てられないな でも、その中でもアンタの嫁さんと餓鬼は筆頭だよなし?」 甚六くんは今まで見た中で最も饒舌に話しだす。 「聞いたトコロじゃ、14ぐらいの頃からあーゆーコトしてたらしいし? でも、あの餓鬼ほど うざったくはないかし。あの餓鬼は俺自身。殺してやりたかった。ま、アンタが先か、俺が先か という話だし。 もっとも、俺は親父を殺してるもんで、いずれにせよ、あの餓鬼を殺したのはアンタだ」 ……反論できない。 口に接着剤が付いたかのような感覚。 それぐらいに、甚六の言葉には重みがあった。 ―――妻の所業。 ―――子の所業。 ―――ああ。なんだ。 僕の家庭なんて、とうの昔に壊れていたんだ――― 143 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2008/06/22(日) 14 12 49.68 ID XK+jZ6fW0 ―――きっと、帰っても居場所なんてない。 だからといって、ココに居られる時間だって、永遠じゃない。 ……考えれば考える程不安が大きくなる。 どうしようもない虚無。 解決なんて出来ないであろう悩み。 ―――何をしていても、その不安は無くなってくれない。 働いているときも。 トランプをしているときも。 トイレで性欲処理をしているときも。 ―――僕は、普通には戻れない。 そんな確信だけが、大きくなっていった。 147 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2008/06/22(日) 14 17 02.54 ID XK+jZ6fW0 ―――喩えようもない絶望。 夜。 僕はそれを感じなくてはならない。 これが、罰。 僕が犯した罪の代償。 それが、罰。 「 」 何かが、聞こえた気がした。 声がした方向を見ると、そこには何もなく、ただ冷たい壁だけがあった。 「 す」 また、何か聞こえた。 そこを見ても、やはり何もない。 無理矢理、振り払うように目を閉じる。 「 で~す」 なんて、アリエナイ実感と共に、アリエナイ声が聞こえた 164 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2008/06/22(日) 14 26 46.21 ID XK+jZ6fW0 ―――それから毎夜。 僕の枕元で、タラヲの口癖が聞こえた。 ―――厭になる。 このままでは、僕が壊れてしまう。 そう、思った時。 枕と布団は破れ、僕は要注意囚人として扱われることになった。 168 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2008/06/22(日) 14 31 56.96 ID XK+jZ6fW0 恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い殺される恐い恐い恐い恐い恐い消されてしまう恐い恐い 恐い恐い恐い恐い恐い成り代わる恐い恐い恐い恐い恐い恐い僕は要らない恐い恐い恐い恐い恐い 恐い恐い恐い――――――― 「もう、ダメでしょうね」 「ええ。この様子じゃ、ね」 「どうします?」 「とりあえず、病院に引き渡そう。検査の後に処遇を決める」 「ホント。こんなコト、よく在るんですね」 「ああ。罪の意識に潰されて、ないものが視えたり聞こえたり、全く、コイツはまじめすぎたんだ な。だから、要らないトコロまで背負っちまう」 「―――そう、ですね。 でも、罪を償う為にココにいるのに、罪を感じすぎちゃいけないなんて―――」 「全くだ。我ながら矛盾してる」 そんな声が聞こえて、僕は、白い場所へ連れて行かれた。 172 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2008/06/22(日) 14 38 17.68 ID XK+jZ6fW0 Epilogue 結局。 僕はこれからもタラヲの亡霊を見続けていた。 何度も死のうとした。 その度に邪魔をされる。 挙げ句、拘束され、今は独りじゃ何も出来ない。 「―――あなた」 誰かが見舞いに来ても判らない。 目なんて、とうに自分で潰している。 ―――ああ。 あの時。僕はどうすればよかったんだ。 ―――そんな、叶わぬ想いを募らせ、僕は看護士に下の世話をされるのだ。 「ざまあみろです~」 フ グ 田 マ ス オ が 人 を 殺 し て し ま っ た そ う で す END
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/4647.html
『ゆっくり自殺してね!!!』 22KB いじめ 観察 野良ゆ 子ゆ 現代 ぬるいじめ 過去作 anko4585 散歩した雪の夜に anko4575 ゆっけん 「ゆぐぅ……ゆぎっ、ゆっぐり、ゆっぐりぃ……」 冬のさなか、とある公園、砂場の上にゆっくりの母子がいた。 それはもう、汚い汚い、汚いという表現以外に形容できぬほど、みじめで薄汚れたゆっくり達だった。 「ゆぴぃ……どーちて、まりちゃたちがこんにゃめにぃ……!」 「ゅゆ゛、ゆっ……ゆ゛っ」 「おちびちゃんたち……ゆっぐり、ゆっぐりだよぉ」 全体的に土埃と泥汚れ、そしてよくわからない油染みによって汚い化粧を施されたれいむ。 当然の如く髪はボサボサ、所々に毛の抜けた痕も見られ、もみあげは根元からちぎれ、半分ほどのお飾りは黒く染まり雑巾よりもひどい異臭を放っていた。 子まりさも母よりはマシだが、あくまでマシといった程度で、穴のあいた帽子のてっぺんからあんよに至るまでボロボロに薄汚れている。 子れいむに至っては、薄らと黒ずんでおり、半死半生の有様だった。 つまりは冬によく見られる、もはやどうしようもなくなった野良ゆっくりの姿であった。 そのほぼ詰んだゆっくり達が、砂場でいったい何をしているかと言えば、それは彼女たちの眼前にあるものが教えてくれる。 それは、砂場にしっかりと固定された、先端の鋭い木の枝だった。 天に向けられている切っ先は、ゆっくりの身体くらいならばたやすく切り裂けるだろう。 そんな代物を目の前にして、ゆっくりの母子たちは――痙攣を続ける一匹を除き――めそめそと泣きあい、互いを慰め合っていた。 「おぢびぢゃん、ごんなだめなおがーざんでごべんねぇ……!」 「ゆぴ、ま、ま、まりちゃ、こここわくないのじぇ……」 「ゆび、ゆっ、び」 頬にくっきりと形作られた涙の通り道に新しい涙を流すれいむと子まりさ。 本当ならばもっと別の方法、可能性を探したかった。 怖くない筈はない。自分だって恐ろしい。こんな事は絶対にしたくなかった。 だが、仕方ないのだ。もうこれ以外に、楽になれる方法は考え付かなかった。 「だいじょーぶだよ゛、おどーざんも、きっどおそらのゆっくりぷれいすでまっでるからねぇ…!」 「おどーしゃ、まりちゃ、おどーじゃにあいにいくのじぇ」 「ゅゅ゛ゅ」 れいむは子れいむを舌で持ち上げた。 もうこの子は自分で何かをする体力もない。 ならばせめて手伝ってやるのが、母親としての最後の役目だった。 舌先から伝わる小さな震えが、断末魔の苦しみを伝えてくる。 「それじゃ、いぐよ……! おちびぢゃん、おがーざんのやりがだをぢゃんとみでてね……!」 ぶるぶると震える体を無理やりに動かし、恐怖に凝るあんよを進める。 楽になりたいという一心で、れいむは前に進んだ。 そうして、子れいむを振りかぶろうとして、 「何やってんの?」 ゆっくり自殺してね!!! 「ゆ、ゆ゛ゆ、にんげん、ざん」 突如背後から掛けられた声に反応し、れいむが振り向いた先にいたのは、人間の男だった。 人間。 それはつまりれいむ――ひいては野良ゆっくりにとって、神であり、悪魔でもある存在だった。 ありとあらゆる能力においてゆっくりをはるかに凌駕し、気まぐれにゆっくりを生かし、気まぐれにゆっくりを殺す、ゆっくり達の住む街の支配者。 万が一気に入られればゆっくりの身では到底手に入らぬあまあまをくれる事もあるし、もしかすれば飼いゆっくりとして一生何不自由ない生活を送れるかもしれない。 だがそれよりもはるかに高い確率で怒りに触れ、そのゆっくりを――あるいは群れ、もしかすれば街ごと――駆除する、恐ろしい存在。 そのような人間が、いつのまにかれいむの後ろに居た。 自然、れいむは先のものとは比べ物にならない恐怖に襲われ、凍りついていた。 「ねぇねぇ、何やってんの? 無視しないでね!」 むろん、人間である男はゆっくり如きの都合などを斟酌したりはしない。 男はしゃがみ込むと、れいむに顔を近づけた。 「ねぇ、早く、何で黙ってるの? 教えてくれないと怒っちゃうよ? ねぇ」 「ゆびぃっ!!」 「きょわいよおぉぉっ!!」 「ゆ゛っ、ゅ゛ゆ」 人間が怒る。野良ゆっくりにとっては殺すという強迫以外の何物でもなかった。 子まりさが恐怖から霧状にしーしーを撒き散らす。 れいむを縛っていた恐怖は、口を動かす原動力へと変わった。 「れ、れいぶはぁっ!!」 「うん。 って臭いな」 男は顔をしかめ、一歩距離をとった。 「れいぶはぁっ! れいぶだぢはぁっ!!」 「うん、何? 早く言ってね」 「え゛、え゛、え゛いえんにゆっぐりじようどじでまじだああぁぁ!!」 れいむは感情を激発させながら叫んだ。 同時に涙があふれた。 改めて自分たちがしようとしていた事を認識し、悲しみが抑えきれなくなっていた。 「へー、ふーん」 そんなれいむに対して、男は至極気の抜けた返事を返した。 風船から抜けていく空気のような声だった。 まるで「散歩の途中だよ」とでも聞き間違えたかのような、そんな反応だった。 「れいぶはっ、おっどのまりざがかりにいっだら……」 「あーいいよ、そういうの。大体わかってるから。 どうせツガイが死んで群れからもつまはじきにされて、そんで子供が何匹か死んだんだろ? ついでに飾りもメタクソになったし、もう生きてても苦しいだけだし、死にたくなったんだろ?」 「ゆ゛っ……!」 れいむは、黙った。 おおよそその通りの図星だったからだ。 夫のまりさが重傷を負いながらもおうちに戻り、れいむの看護もむなしく死んでから、一家には労働力と呼べるものは存在しなくなった。 れいむが代わりに狩りに出たが、生ごみの争奪戦には参加することすらできず、とってこれるものは萎びた草ばかり。 群もそのようなれいむ一家にかける温情は存在せず、程なくしてれいむ達はもといた群れを追放された。 十匹近くいたおちびちゃんも、一匹死に、二匹死に、今では子れいむが後を追おうとしている。 そう遠くないうちに子まりさ、れいむ自身もそうなるだろう。 「まぁ仕方ねえよなぁ、死にたくなっても。 子供が何匹いたか知らないけど、どうせ相当苦しみ抜かせて死なせたんだろ? そんでそのちっこいのも死にかけてるし、楽にさせてやりたいっつーのも分かるよ。 そういやお前らは死ぬ事を『永遠にゆっくりする』って言うし、ゆっくりっつーなら死ぬこともゆっくりできるな、良かったじゃん!」 「ゆぐっ、ゆ゛うぅ、ゆ゛ん゛ぐううぅぅぅ」 遠慮のない言葉のナイフがれいむに突き刺さっていく。 気付きたくなかった、気付いていたが無視していた真実を暴かれ、それがれいむの心を削っていく。 「そこのチビ、えっと、何だっけ? 『お空のゆっくりプレイス』? そこに行けばお前の父ちゃんにも会えるし、姉妹にも会えるぞ。 どうせ生まれてこのかた殆どゆっくりしてなかったんだろ? 大変だったなぁ、お前も。 な、だからさっさと死んで、楽になれ! お空でみんなが待ってるぞ!」 「ゆぴっ、ゆぴいいいぃぃぃ! ゆええぇぇん!!」 男の無思慮な言葉は、子まりさにも容赦なく降り注いでいた。 『おそらのゆっくりぷれいす』という死の現実を覆い隠す嘘は、辛うじて子まりさに自殺を許容させるものだった。 だが、これは違う。本当は望まぬ死を押しつけられて、子まりさは泣いた。 「いやぁ、ごめんね! 死ぬの邪魔しちゃったね! もう邪魔したりしないから、存分に自殺していってね! ソレで死のうとしてたんだろ? 自分の身体をグサーッってさ! さ、どうぞ!」 「ゆ゛っ」 我が意を得たりとばかりに微笑む男が指し示す先には、木の枝。 「ゆ、そうだよ゛……れいぶ、だちは……しにたいんだよ……」 「ゆぴぃ、ゆぴぴ……こ、こわく、なんか…ないのじぇ……」 れいむと子まりさは、木の枝を見つめた。 まりさが遺した武器である木の枝で、中枢餡を貫いて果てるつもりだったのだ。 そうすれば痛みは――少なくとも餓死の苦しみに比べれば――ない。楽に死ねる。 おそらのゆっくりぷれいすに行ける。 「いぐよ…いぐよ、おぢびぢゃん……」 「ゆっぐ、まりちゃ、おしょら、おしょらのゆっくちぷれいちゅ……」 「ゅっゅっゅっゅっゅっ」 二匹は木の枝を見つめたままブツブツと呟いている。 枝以外のすべてを視界から排除して、死ぬ覚悟を決める。 「ぐるじぐないよ……ゆっぐり、ゆっぐりぃ……」 「おとーしゃ、いもーちょ、おねーしゃ……」 「ゅ゛っ」 呟き続ける。 動かない。 「ゆっぐ……」 「いくのじぇ……やるのじぇぇ……」 「ゅ」 「まだー?」 れいむは振り返った。 男は、まだいた。 「どぼっ、どぼじでにんげんざんがまだいるのおおおぉぉぉ!!?」 「え、俺?」 れいむの素っ頓狂な叫びを浴びせられた男はむしろ当惑していた。 その様子が更にれいむを煽った。 「れいぶだちはぁっ! れいぶだぢはえいえんにゆっぐりじようどじでるんだよおおぉぉっ! おでがいだがらそっどじでおいでねっ! れいぶだぢにかがわらないでねっ!!」 「え、何で?」 「ゆ゛?」 今度はれいむが絶句する番だった。 男は続ける。 「いや、もちろん邪魔したりはしねーよ? お前たちを殺したり傷めつけたりする気はねーよ? でもいいじゃん見てるくらい。別に減るもんじゃねーんだし……いや、減るか。 ともかく、俺も見てるから。ほれ、さっさと自殺してね!」 「はよ」と言わんばかりにチョイチョイと枝を指さす男。 れいむは今度こそ、何も言う事ができなくなっていた。 「……どうしてそんなこというの?」 「何が?」 「……れいむたちがしぬところをみものにして、なにがたのしいの?」 「特に楽しいってわけじゃないけど、興味本位だよ。 あと俺と問答する暇があったら、さっさと死んでね!」 その言葉を受けて、れいむは諦めた。 もうこの人間は、考えている事がれいむ達とはまったく異なっている。 話し合うだけ無駄だと分かった。 ゆっくりと枝に向き直る。 「お、おがーじゃ……」 「だいじょうぶだよおちびちゃん。さ、こわくないからね」 れいむはあの人間を無視することに決めた。 まだ横目でチラチラと人間の様子を伺う子まりさを宥め、落ち着かせる。 「ゅ……」 「おちびちゃん……」 最早あの人間などはどうでもよかった。 屈辱極まる思いだが、邪魔をするつもりがないならばそれに越したことはない。 それよりも今は、子れいむを早く楽にしてあげたかった。 ゆっくりと子れいむを舌で掴む。震えが、少し小さくなっているような気がした。 「おちびぢゃん……いま、らぐにじであげるがらね……」 もう子れいむの命はあといくらも保たない。 れいむに子れいむを治療する術はなく、楽にしてやる方法はこれ以外になかった。 それでも涙が込み上げてきた。 「おちびぢゃん、ごめ――」 「ゆわああああぁぁっ!! おがーじゃっ、あれっ! あれ゛え゛ええぇぇぇ!!」 ――んね、という謝罪は、子まりさの絶叫によってかき消された。 振り返る。 子まりさの視線をたどるとそこには、 「ん? ……何だよ?」 やはり、というか人間がいた。それは想像のうちだった。 しかし子まりさの視線をたどると、その先にはれいむの想像を超えるものがあった。 いつの間に持っていたのか、男の手には飴玉があった。 「あま、あま」 「ゅびっ」 れいむは、思わず子れいむを取り落とした。 飴玉、即ちあまあま。 糖分こそが最大のエネルギーであるゆっくりにとって、それは極上のご飯であり、同時に万能薬でもあった。 例えばの話、そこに転がっている子れいむを治すことも難しくはない。 「にんげ……お、おお、お、おに゛ーざん!!」 「ん?」 先ほどとは打って変わった、懇願じみた叫びでれいむは男に詰め寄った。 れいむの視線は、きらきら光る飴玉に釘付けられている。 「そ、そのあまあま、あま、どぼじ、あまあま」 「あ? これ? ちょっと腹減ったから食おうと思って」 「それ、ちょ、そのあまあま、あまあまを、れいむたぢに、ちょ――」 「くれって言うんなら、嫌だけど?」 そう言うと、男はひょいと飴玉を口の中に入れた。 「ゆ゛あ゛っ!! ゆ゛う゛う゛う゛あ゛あ゛ああぁぁぁっっ!!! ゆあ゛あ゛あーーーっっ!!! ゆう゛う゛うぅぅっ!!!」 「あ゛あ゛っ!! まりぢゃのお゛ぉぉ!!! まりぢゃのあばあばざんがあ゛あぁぁっっ!! にゃんでええぇぇっ!!」 「おお、どうしたよ?」 れいむは本日何度目かの、感情を爆発させた。 子まりさは飴玉が消えた瞬間、大声で泣き喚き始めた。 男はそんな二匹の反応を、微笑を浮かべながら見ていた。 「どぼっ、どぼじっ!! どぼじでごんなごどぉぉ」 「いや、だってお前らもうすぐ死ぬんだろ? それじゃあ飴なんてやっても無駄じゃん」 「ゆぐっ」 れいむは言葉に詰まった。 男はニヤニヤと笑いながら続ける。 「お前らこの世がゆっくりできないんからあの世へ行くんだろ? 別にそれはいいよ、存分にゆっくりすればいいと思うよ。 俺は俺でこの世で存分にゆっくりするから、お前らもさっさとゆっくりできる所へ行けばいんじゃねえ? さっきも言ってたけど、お空のゆっくりプレイス()とかさ! ほら、どうしたんだ? さっさと行けば? ん?」 「ゆっぎぎぎぎぎぎぎぎ……」 もう決定的だった。 この人間はれいむ達を嘲笑っている。 遅まきながらようやくれいむは理解した。 「どうしたの? こーんな安っすい飴玉一つ食えないこの世なんかさっさと見切りつけてさ、死んじゃえばいいじゃん! どうせなら俺も応援してやろうか? ほら、頑張れ! さっさと死ね! れいむ! お空のプレイスはきっと良い所だぞ~、死んだら好きなだけ、それこそ永遠にゆっくりできるぞ~」 「ゆぐっ、ゆっぐ、ゆぐうううぅぅ……」 楽しげに応援まで始める男。 そんな男を、れいむは睨みつける事くらいしかできなかった。 先ほどとは比べ物にならないほどの屈辱が、れいむの餡子を熱く苛む。 こみ上げる涙は、既に悲しみとは別の感情によって齎されていた。 れいむにとって、既に死ぬ気持ちなど、あまあまを見た瞬間に吹き飛んでしまっていた。 余計な希望を持ってしまったせいで、より絶望が深まった。 死への恐怖は倍し、死ぬ事を考えただけで震えが止まらなくなる。 でも、それが、何だというのか。 「ゅっ」 傍らの子れいむを見る。 黒ずみが徐々に濃くなっていく我が子を救う手立てはない。 もしやと思ったものも、それは幻で、結局は人間を喜ばせるだけに終わった。 もうこれ以上人間のおもちゃになるのは沢山だ。一刻も早く、おちびちゃんを―― 「まりちゃはもう、しにたくないのじぇっ!!」 「あ?」 れいむ思考が詰みに入りかける直前に、打ち消したのは子まりさの叫び声だった。 「おかーしゃ、やっぱりまちがってたのじぇ。しぬなんてゆっくちしてないのじぇ」 「おちびちゃ……」 れいむは子まりさを見つめた。 子まりさの瞳には、何かとてもゆっくりできるものが燃え盛っていた。 「えいえんにゆっくちなんて、うそなのじぇ。 おしょらのゆっくちぷれいしゅなんて、うしょっぱちなのじぇ」 「ゆん、ゆん……!」 れいむは頷いた。 そうだ。『えいえんにゆっくり』なんて、ゆっくりが死の恐怖を隠すために造り出した方便にすぎない。 『おそらのゆっくりプレイス』なんてものも、存在するはずがない。 「にんげんしゃんは、すごいのじぇ。ちゅよいのじぇ。ゆっくちしてるのじぇ。 でも、だからって、まりちゃたちがゆっくりちできないなんてきまったわけじゃないのじぇ!」 「ゆ!そうだよ!」 れいむは、我が子に教わる思いだった。 確かに人間はすごいかもしれないが、だからと言って自分達ゆっくりがゆっくりできなくなるわけではない。 そうだ、ゆっくりでも、ゆっくりすることは出来るんだ! 「いもーちょのれいみゅだってきっとなおるのじぇ! あきらめたら、そこでしあいしゅうりょうなんだじぇ!!」 「そうだよ!! おかーさんもがんばるよ!! おちびちゃんをなおすためにたくさんたくさんがんばるよぉ!!」 結局は、自殺なんて逃げに過ぎなかったのだ。 れいむは、ようやくその事を自覚した。 子れいむは確かに救い難いかもしれないが、諦めてしまえば本当に救う事は不可能になってしまうのだ。 母として、それだけは認められぬことであった。 「だから!! まりちゃといもーちょ、おかーしゃはなにがあってもいきるんだじぇええぇぇ!!!」 「ゆううぅぅぅ!! そうだよ! おちびちゃん!!」 れいむは、餡子に何かじんわりとするものを感じていた。 これが「ゆっくり」だ、と思った。 生まれてこのかた感じなかったゆっくりを、今明確にれいむは感じ取っていた。 もう人間に惑わされたりなどしない。れいむは人間を睨みつけた。 「……ふーん……」 男は、明らかに白けていた。 先ほどまでの笑顔はとうに消え去っており、鼻白んだ表情になっている。 声もどことなく沈み、そこには落胆の色も窺えた。 「もう死にたくない?」 「ゆんっ! もうしにたくないのじぇっ!」 「そうだよ! もうぜったいしにたいなんていわないよっ!!」 「自殺はやめる?」 「ゆんっ! そんなゆっくちできないこといやなのじぇっ!!」 「そうだよ! れいむめがさめたよ!!」 「………ふーーーん………」 れいむ達の答えを聞いてなお、男は数分間なにかを悩む様子を見せていた。 眉間にしわを寄せて、じっとれいむ達を見る。 やがて、おもむろに立ち上がると、 「つまらん。帰る」 そう言い残し、振り向きもせずに男は立ち去った。 「……ゆーーーっ!!!」 「ゆっ!! おちびちゃんっ!! かったよぉっ!! かったんだよぉっ!!!」 残されたのは、勝利の喜びに沸くれいむ達。 二匹は信じがたい気持だった。 あの人間を相手取り、こうまでうまく勝つ事ができるなど、奇跡を以てしてもなお難しい。 おちびちゃんを信じて良かった。 れいむは今日何回になるかわからない、涙を流した。 「ゆん……まりちゃたち、ぜったいいきのびるのじぇ。いもーちょも、がんばってなおすのじぇ」 「そうだね、おちびちゃん…! れいむ、がんばるよ!!」 「ゆっ」 親愛のすりすりを行う。 死にかけの子れいむを挟み、二匹で温め合った。 気のせいか、子れいむの顔色が良くなった気がした。 れいむは、もう死にたいなど思わなかった。 死んでしまっては、ゆっくりなど出来ない。 生きてこそ。生きてこその、ゆっくりなのだ。死んでしまうのは逃げだ。 「おちびちゃんたち、ゆっくりしていってね!!!」 「ゆっくちちていってね!!!」 「ゅっく……」 冬の公園に、ゆっくりの挨拶が木霊した。 * 結果を言うと、子れいむはそれから三日後に餓死した。 人間に啖呵を切った翌日、再び砂場に現れたれいむ達を迎えたのは、当の男だった。 「よぉ! また死にたくなったんじゃねえかと思って来てみたら、大正解だったな!」 輝くような笑顔で尋ねる男を前に、死んだような顔をしたゆっくりの母子が居た。 結局のところ、ゆっくり程度が何を決意したところで、そんなものは何の意味もなかった。 「おやぁ? 昨日俺に何か言ったのを忘れたのかぁ? ああ? もしかして昨日の今日で自殺するつもりじゃねえだろうなぁ! まさかそんなことあるわけねえと思うけど! 『もう死にたくない』って言ってたのはどこの誰だったけなぁ? なぁチビ!」 指差し嘲笑する男に、れいむ達は黙って耐えるしかなかった。 「おいおいチビ、『永遠にゆっくり』も『お空のゆっくりプレイス』も嘘っぱちなんだろ? 死んだらゆっくりできねぇと思うけどなぁ、俺は! あ、でもお前らはまたなんか新しい言い訳でも思いついたのか? それならゆっくりできるな!」 むしろ時には自殺を思いとどまらせるような事さえ言った。 結局はまりさのみじめさをより強めるだけだったが。 「なんかお前らしけたモン食ってるなぁ! 何その草。うまいの? 俺はとりあえずケーキ買ってきたよ! おいしいケーキを食べて俺がゆっくりするところを見ていってね!」 連日連夜、男はゆっくりからすればごちそう以外の何物でもないものを目の前で食べ続けた。 れいむ達には、欠片すら恵まれなかった。 男は特別れいむ達の邪魔をしたわけでもないが、かといって自殺の手伝いなどは一切行わなかった。 彼がやったのはただ嘲笑うだけだ。 れいむ達は男の侮蔑に耐えられず逃げ出し、しかし自殺しようとすると男が現れ――そうして数日、れいむ達はまた生きていた。 子れいむは苦しみ抜いて死に、そして子まりさがその後を追おうとしている。 「ゆっ…ゆっ…ゆっ…ゆっ…」 「おちびぢゃ……」 全身が黒ずみかけ、かつての子れいむのようになっているのは子まりさ。 その傍らではれいむが俯き、ボロボロと涙を流している。 つまりは冬によく見られる、もうどうしようもなくなった野良ゆっくりの姿、の焼き写しだった。 違う所があるならば、一匹足りないところか。 「おーどうしたチビ、苦しそうだなー、可哀想に。 そんなに惨めになっちまって、ぶるぶる震えて、もう辛くってどうしようもねえんだろうなぁ! もういっそ楽になりたいか? それともまだ頑張って生きたいかー? 俺はどっちでも応援するよ! がんばれよ、チビ!」 暗く沈んでいる二匹を尻目に、男はこれでもかというほどゆっくりしていた。 厚く着こんだ服は冬の寒さを跳ね返し、先ほど二匹の前で平らげたたい焼きは体の中を温まらせている。 その笑顔はゆっくりが見ても「ゆっくりしている」と言うだろう。悪意に塗れている事に気付きさえしなければ。 「ゆっ……ゆっ……ゆっ……」 「ゆっぐりぃ、ゆっぐりだよぉ! おちびぢゃあん!!」 「そうだな! ゆっくりしろよ。チビ! まぁできるかどうかは知らねえけどな!」 れいむは男を睨んだ。 視線が威力をもつのならば、男が三回は消し飛ぶような殺意に溢れた眼光だった。 無論、れいむの視線には何の効果もない。男はどこ吹く風というように笑い続けている。 「ゆ゛っ………ゆ゛っ………」 「おちびぢゃん、じっがりじでぇ!! ゆっぐりずるっでいっだでじょお!?」 れいむは子まりさに縋り付かんばかりになっていた。 あの時れいむにゆっくりする事、死んではいけない事を教えてくれたおちびちゃん。 そのおちびちゃんが、今やこんなに黒ずんで、衰弱している。 子れいむが死んだ時の状況を、れいむは覚えている。 そして今はその状況にそっくりだった。 「ゆ゛っ……………」 「あーそろそろ死んじゃうかなぁ」 「だばっでねっ!! おぢびぢゃんはじんだりじないよっ!!」 ニヤニヤと笑う男を黙らせ、れいむは子まりさに向き直る。 口では否定したが、れいむにも分かっていた。 痙攣が少なくなってきている。 このままでは、死ぬ。 「おでがいっ!! おぢびぢゃん、おめめをあげでええぇぇ!! おがーざんをひどりにじないでええぇぇ!!!」 「ゅ…………………」 狂ったようにれいむは泣き、叫んだ。 もうどうしようもなかった。 今、目の前で子まりさの命が潰えようとしていた。 「…………………………」 「あー死んだか。 以外とあっけなかったなぁ、チビ」 「ゆ゛あ゛ああ゛あ゛あああ゛あああ゛ああああ゛あ゛ぁ゛ぁぁ゛ぁぁ゛ぁぁ゛ぁぁぁ!!!」 「おいおい悲しむなよ、お前もすぐに後を追ってやれば」 「…………………………おかーしゃ」 「ゆ゛っ!!?」 「おお!!?」 死んだと思われていた子まりさが、目を開けた。 これには男ですらも驚愕した。まさかこのような事が起こるとは考えてもいなかったからだ。 黒ずんだ体にポツンと、二つの瞳が浮かんでいる。 何とも不気味であった。 「おぢびぢゃっ!!? おぢびぢゃん、おぢびぢゃおぢびぢゃおぢびぢゃあんっ!!!」 「うるせー黙って聞け! 聞き逃したらどーすんだ!」 「…………………………」 発狂寸前に陥るれいむを、男が止めた。 子まりさは小さく震えている。 最後の力を振り絞り、何かを言おうとしていた。 「…………………………」 「…………………………」 「…………………………」 異様な静寂が訪れる。 子まりさの震えが止まり、口が開かれた。 「やっぱり、あのとき、しんでれば、よかった、じぇ」 ぐしゃり。 それだけ言い残して、子まりさは黒ずんで、潰れた。 「………ぷっ! ぶはははは!! はっはっはっはっは!!!」 「……………」 男は吹き出した。 れいむは何も言わない。 「あの時! あの時死んでればよかった! だってさ! は、腹痛いっ! ぷ、くく、チビサイコーっ!!」 「……………」 男は笑いだす。 れいむは何も言わない。 「なぁおい! あの時っていつだろうな! 一番チビが死んだ時か!? それともチビがマヌケな事言った時か!? もしかして、俺の関係ない、もっとずっと前の事かぁ!?」 「……………」 腹を抱えて男が笑う。 れいむは何も言わない。 「そうだよなぁ! ゆっくりするとか言わずに、もっと早くに楽になれってんだよな! あのチビ最期の最後に賢くなったんだなぁ!」 「……………」 ゲラゲラと男が笑った。 れいむは何も言わない。 男は笑い飛ばし、笑い飛ばして、笑い飛ばした。 その間、れいむは何も言わなかった。 「……っあー面白かった。満足満足。いやーここ最近の中で一番笑ったわ。 もうお前許してやるわ、勝手に死ぬなり生きるなり、もうどうでもいいや、好きにしろよ」 子まりさの最後の一言は、男にとって満足のいくものだった。 もはやれいむに興味はなかった。 それどころか、今なら子まりさの母親としてある程度は優しくしてやれる余裕すらあった。 「あ、そういや、満足ついでにアドバイスするけどさ。あの棒っきれじゃお前、多分うまく死ねないぞ。 楽に死にたいならどっか高い所から落ちるか、車にでも轢かれたら? その方が確実だよ? あーでもそうすると結構人様に迷惑かかるかもしれねえや。やっぱあの棒っきれが迷惑かけずに済むかな」 それを聞くと、れいむは何も言わずに這いだした。 向かう先は公園の出口。 そしておそらく、その先にある車道だった。 「…迷惑かけんなよー」 それだけ言って男は歩きだした。 遊びは終わった。 あのれいむは、きっと死ぬが、まぁどうでもいい。もう関係なかった。 やっぱり惨めなゆっくりを馬鹿にするのは楽しいなぁ。 男はそのような嗜好を持つ、虐待家だった。 傷めつけたりはしないが、徹底的にゆっくりの惨めさを浮き彫りにする。 そうして苦しむゆっくりを指差し、笑い、それに反応するゆっくりをまた笑う。 男にとって、ゆっくりはそうやって遊ぶものだった。 今回は面白かったなぁ。 男が満足げな足取りで公園を出るときに、車のブレーキ音と、水袋が潰れるような音が聞こえた。 だがそれは気のせいだと決めて、男は去った。 結局のところ、れいむは逃げた。 この世でゆっくりしようとすることに疲れ、楽になろうとして逃げ出した。 そして子まりさの言っていたように、永遠のゆっくりも、お空のゆっくりプレイスも存在しなかった。 同じように、もっと早くに死んでいれば、少なくともれいむはもう少し幸せだっただろう。 おわり 俺は愛で派だから、ゆっくりを傷めつけるなんて可哀想でできないよ! 嘘だよ!ただ単に体壊すより心ブチ折る方が好みなだけだよ!
https://w.atwiki.jp/terachaosrowa/pages/1587.html
名無し書き手が死んだのが納得できず文句を書き込んだ俺は自分の部屋からどこかの場所へ飛ばされていた。 すると俺の頭に声が響いた。 『クク・・・喜べ。お前の願いは叶う。』 「へ?」 『どうした…お前はもっと喜ぶべきだろう?このカオスロワに参加できたんだからな…』 「はぁ?ふざけんなよてめぇ!!今すぐもとの世界に戻せ!!」 『礼は言われても怒られる筋合いはないがな。それよりお前はみなみけ勢が死んでほしいだろう…? そこで俺が参加させてやったんだろうが…』 「て・・・てめぇ・・・」 『つまりみなみけ勢が死んでほしいなら…自分の手で殺せということだ。じゃあね』 これを境に謎の声は聞こえなくなった。 【一日目17時/南極】 【避難所の 642@現実】 [状態]健康 [装備]不明 [道具]支給品一式 [思考]寒い・・・
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/5273.html
※このSSは、大槻ケンヂさんの小説「ステーシーズ」を元ネタに書いています。 そういうのがダメって言う人にはすいませんです。 「あんただけなんだから、こんなこと頼めるの」 学校へ向かう坂道の途中で、ハルヒはくるくると笑いながら言った。 ぼんやりと歩く俺の前で、まるで糸の切れた凧みたいにふわふわしている。 秋の風がかさかさに軽くなった木の葉を掃き散らしながら過ぎていく。 「心配しなくても、ちゃんと再殺してやるさ」 「イヒヒ、頼むわね」 その時丁度、俺はいつだったか本で読んだ「一生、死ぬまで離さない」という言葉の無責任さについて考えていたので、もう何度も何度も聞いた彼女の台詞に、ほぼ無意識で返事をしていた。 「死ぬまで」だけだなんて、悲しいじゃあないか。 なーんてね。無責任だな。 ふたりして律儀に内履きに履き替えて、耳に痛いほどしんとした校舎を歩く。 ぺたぺたという俺の足音と、舞うような軽快なハルヒのステップだけが響いては消える。 薄く空全体を覆う雲のせいでどんよりと暗いが、今はまだ午前中、普通なら3限目の現代文を受けているような時間だ。 最後に受けた授業では 何を読んでいたっけ。舞姫だったかな。昔の小説はあんまり好きじゃないんだよな、あれは特に暗いし。宮沢賢治のやまなしだっけか。あれは好きだったな。意味わからなかったけど。 やまなしを読んだのは一年の時だっけか。いや、中学の頃だったかしらん。現代文はいつも睡眠時間だったから記憶が曖昧だ。 現代文なんて勉強しても点数が伸びない派の俺ががっつり寝る体勢に入ると、勉強しなくても点数がとれる派のハルヒに脇腹辺りをシャーペンでつつかれて、よく邪魔されていたな。 今俺の目の前で、幸せそうに、すごく幸せそうに笑うハルヒは、 そう、サワガニの兄弟の言った「かぷかぷ笑った」という描写が一番しっくりくるんじゃないだろうか。 一人で納得しているとハルヒは俺に向き直り、 「何ぼーっとしてるのよ。まったくあんたは」 現代文の授業の時と似たような台詞を、ニアデスハピネスの微笑みで。 ハルヒはもうすぐ死んでしまって、 さらにもうしばらくして、醜い姿をさらし人肉を求めて動き回るステーシーになる。 学校が機能しなくなってから久しいので日にちの感覚が曖昧で確かかどうかはいまいちだが、あれはたしか一ヶ月、つまり大体30日くらい前の事だ。 放課後の部室、朝比奈さんが新しく買ったという葉っぱでミルクティーを入れ、 俺と古泉が2人でダウトという暴挙に出て、 長門がいつものように鈍器クラスの本のページをめくり、 ハルヒがパソコンをいじりながらあくびを殺して殺して殺しまくっていた、いつもとおなじように時間の流れる日だった。 俺がゲームが終わらないという危険性に気付きながらもダウトを続け、朝比奈さんがかわいらしーくくしゃみをしたとき、弛緩しきった部屋の中で急にガタンと音がした。 またハルヒが騒いでなにかやらかそうとしているのか、と面倒ながらも目向けるが、 なんだ容疑者候補だったハルヒも目を丸くして口を開けているじゃないか。 その視線の先には、凶器になりそうな厚みの本を抱えたままパイプ椅子から転げ落ちて、ピクリとも動かない長門があった。 状況がつかめない焦りと、長門に対する心配と、パンツが見えそうだという雑念でごちゃ混ぜになった俺が当惑していると、 長門はよろよろと立ち上がり、何事もなかったかのように、 いや違う。何物か遠くの物を睨むようにして、目を見開いていた。 4人の驚愕の視線を浴びながら、長門は微動だにせず、ぼうっと突っ立ったままだった。 何かの冗談だろうか。 あれだ、また朝倉かなんかそんな感じの敵っぽい奴がやって来たのだろうか。 だとしてもハルヒに勘づかれるようじゃ駄目だろう。 見ろ、怯えたような顔でお前を見ているじゃないか。 「おい長門、一体どうし」 「あははは」 「あはははははは」 「あはっひイヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ ヒ皮膚ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ ヒヒヒヒッイヒヒキ嬉嬉嬉嬉嬉嬉嬉々ィヒヒヒッヒヒ ヒヒヒヒ嬉卑卑ひヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒッ!」 紐を引いたらがたがたぶるぶる震え続ける人形、あれってどういう名前なんだろう。 自分の舌を血だらけにしながらぐりんぐりん笑う長門を見て、俺はただただ呆けたように立つ他にすることがなかった。 いつもの冷静沈着で無口なお前はどこに行ったんだ、 お前は。 「有希!一体どうしちゃったのよ!」 泣き出してしまった朝比奈さんを母親のように抱き締めながら、ハルヒは泣きそうに長門に言う。 何もできないでいる俺は、古泉が長門に駆け寄るのをぼぅっと見ていた。 「長門さん、どうしたんです!しっかりしてください!」 ケタケタケタ笑う長門の肩に手を置いて、古泉は諭すように言う。 あぁ頼りになるな、俺なんかと違って古泉は。流石日々世界を守っているヒーローだな。 お前、自分の好きな女の子がケタケタ笑い震えながら、大声で意味のわからないことを叫んでいても冷静ではないにしてもちゃんとした対応ができるなんて。 流石だな。 「長門さん!」 懇願するような古泉の声が届いたのか、コマが回転を止めるように、ぜんまいが切れたブリキの玩具みたいに、少しずつ静かになった。 「…長門さん」 そういって安堵に微笑む古泉に、長門は微笑み返す。 整った白い歯を見せて、目をぐるんとむいて。 薄紅色の柔らかそうな唇をそっと開き、 もたれかかるように抱きついて、 古泉の首筋にかぶりついた。 「あっああぁぁぁぁあっ痛っあああぁイっ」 古泉に突き飛ばされパイプ椅子にからまって転んだ長門は、口の中で自分の血と古泉の血とをぶくぶく混ぜて吠えていた。 「イタイイタイイツキッイタイヨイタイノイツキイタイイイイタぁぁぁっ 」 だらしなく開いた口からは激しく暴れまわる舌が飛び出て、床に泡立った血を撒き散らす。 肩口を押さえて息を切らしている古泉の制服は赤黒く染まっていて、俺もハルヒも二人を交互に見てあわてふためいていた。 朝比奈さんは、ハルヒの足元にこてんと座り込んで、涙でぐちゃぐちゃの顔一杯に疑問符を浮かべていた。 「おい、長門」 ようやく出てきた声は多分ほとんど聞き取れないようなものだったろう。 それでも長門は俺を見てカタカタと笑った。 ひんむいた白目でちゃんと見えているのかどうかは疑問だが、長門はゆっくり立ち上がって俺たちの方に歩いて来る。 やばい。 何かは知らんがやばい。 何故とかどうしてとかそんな場合じゃない。 「ハルヒッ!朝比奈さんを連れて逃げろ!」 固まったまま動かない朝比奈さんとハルヒがばたばたとうるさく部室から出ていく。 長門は依然かわりなく、糸のもつれた操り人形みたいに足をガクガク動かしてゆっくりと俺と古泉に近付いてくる。 「古泉、なんなんだこれは」 「…僕が…聞きたいくらいです」 そーかい。 またハルヒの力のせいか?だとしたら何を思ってこんなことを望んだ? 畜生、畜生。 長門は笑う。 俺は今にも泣いてしまいそうだ。 なぁ長門、俺はどうすればいい? 何かあったときにいつも助けてくれていたお前を、今俺はどうしたらいい? ************************ ハルヒは遊園地のアトラクションへと急ぐ子供のように、部室への廊下を走る。 あちらこちらに砕けたガラスや風に乗ってきた枯れ葉や血の跡が見られる。 たった1ヶ月くらい放っておくだけでこんなになるとは。 かったるかったが、やっぱり毎日掃除するのって大切だったんだな。 こんな状態だったなら土足で来ても変わらなかったかもな。 「久しぶりね、ここにくるの」 そうだな、ハルヒ 「前までは毎日くらい来てたのにね。 少しくらい懐かしい気分になるかと思ったのに、 なんだかそんなこともないわね」 まだ俺らの中で当たり前の感覚なんだろう。そう言うと、ハルヒはまたかぷかぷと笑った。 「色々あったって言うのに。 イヒヒヒヒ、変わらないなんてね」 すまんハルヒ、俺はちょっと嘘をついている。 俺は、前と同じ気持ちではここに立てないんだ。 でも、きっとそれは、気付かないだけでお前も同じだろう、ハルヒ。 ****************** がしゃん、ばりん、ぶつん。 狼狽しきりだった俺の目の前で、窓ガラスが割れて、 何かが転がり込んできて、長門は赤い線で上下二つに別れた。 があっ、 と血を吐いて長門の体が長門の足に背中から崩れ落ちる。 うどんの玉を落としてしまったみたいな音がして、床には赤黒い水溜まりが広がる。 血にまみれ真っ赤なチェーンソーを持った朝倉涼子が、 制服に血がついてシミにならないかを気にしていた。 「…朝倉?」 「ねぇキョンくん、背中とか髪とかに血、付いてない?大丈夫?」 シミひとつない青いスカートと長い髪を翻し、朝倉は言う。 チェーンソーはどるんどるんと図々しく鳴って、部屋を油臭くする。 血の臭いと混ざって、交通事故現場みたいな臭いになる。 朝比奈さんの入れてくれたミルクティーがひっくり返ったのだろうか、 いやに甘い臭いが肺を苛々させた。 脳の中がぐちゃぐちゃになって、言いたいことは言葉にならなかった。 俺は酸素が足りない金魚みたいに口をパクパクさせていた。 誰かが答えをくれないだろうか、と。 「思いきったことやるわね、長門さんとこの上司も」 「なんでお前がここにいるんだ、なんで長門はこうなった、 なんで長門を殺したんだ」 「そんなにがっつかないの、ちゃんと答えてあげるから」 朝倉はチェーンソーを構え、俺に笑いかけながら言った。 「殺しちゃいないわよ、元々死んでいたんだもの」 びちゃりと音が足元でなる。 赤い水溜まりのなかで泳ぐ蛙みたいに、長門の上半身は俺を睨んだ。 微笑んだ長門の口は、両端が裂けていた。 いくら食いしん坊だからって、それはないだろう長門よ。 「ちょっとでいいから、下半身の方よろしくね」 見ると、長門の腰から下は上半身とは別の方向に向かうように暴れまわっていた。 何度も蹴られそうになったが、下半身だけでは威力が弱いので すぐに両足首を捕まえて長門の白くて細い足を黙らせることができた。 「よし、じゃあ見ててね」 朝倉はそう言って、爪を立てて這いずる長門の首を踏みつけて、 どるんどるんうるさい機械で容赦なく解体を始めた。 突きつけられたチェーンソーは、切り裂くと言うよりは 引きちぎるように長門を細かくしていった。 朝倉が新しい破片をつくるたびに、 長門の足は逃げ出そうと激しく暴れた。 なぜかなんて聞いたって、朝倉は何も答えてはくれないだろう。 大好きな恋人にグラタンを作ってあげているときの笑顔で 長門を殺し続けている朝倉は、 きっと他の誰かの言葉なんて聞きやしないだろう。 「いつかあなたもやらなきゃいけないかも知れないんだからね」 これがグラタンの話ならばよかったのに。 朝倉があまりに手際よく長門をバラバラにしていくので、 気づいたときには俺の手には長門の足首しか残っていなかった。 それはまな板の上の魚みたいに弱々しく跳ねていた。 床ではさばきたての新鮮な肉が、ひくひくと蠢いていた。 白い指が何かを探すように床を引っ掻いていたが、 朝倉がそれを踏みにじる。 俺の手に残っていた内履きは、それきり動かなくなった。 最初は返り血を気にしていた朝倉も、 今では赤黒く染まっていない方が少なくなっている。 空回るチェーンソーを携えて赤い池の中に佇む朝倉を見て、 俺はエリザベート・バートリとかいう吸血鬼を思い出していた。 吸血鬼を探そうとか言ってたときに、古泉が持ってきた資料に載っていた。 全く、美しくなんか、ない。 血を白い頬に伝わらせて、 恍惚している少女に、俺の心は、 ときめいたりなんか、しない。 「なんなんだ、これは」 チェーンソーの音が止まる。朝倉が俺の目をまっすぐ見る。 「飽きたんですって」 やれやれ、とため息混じりに言った。 「地球外生命体、つまり宇宙人っていると思う?」 そりゃ、お前や長門がそれだろう。 「違う、違う。あくまで有機生命体の話よ」 いる可能性は全くのゼロじゃないらしいが、だからなんだって言うんだ。 朝倉は淡々と語る。 「情報統合思念体は、この地球に生息する知的生命体を発見していたの。 それこそ高度な文明を築くものもいたし、程度の低いものもいたわ。 涼宮さんの監視を始めた少し後に、そのうちの一つから涼宮さんのそれと 似たような規模の情報フローが確認されたらしいの。 それは、私たちには知らされていなかったけどね。」 ハルヒみたいなやつがもう一体いるのか。 じゃああっちにも俺らみたいに振り回されてるやつがいるかもしれないんだな。 いや、そんなことじゃなく、 「はじめのうちは規模、頻度共に涼宮さんの方が 上回っていたから比較的そっちは軽視してたんだけどね、 最近は涼宮さん、すっかり落ち着いちゃったじゃない?」 それは俺や朝比奈さんや、 古泉と機関の人達の努力の賜物だ。それがどうした。 朝倉が何を言いたいのか、 情報なんたらとかいうやつの思惑が何か、まだ掴めない。 「だから、飽きちゃったんだってさ。涼宮さんに」 「もうひとつの観察対象からはすでに一定のデータを集めていて、 進化のヒントの糸口みたいなものが見つかるかもしれないんですって」 朝倉はどうでもよさげに言う。 「で、涼宮さんはこの調子。 突拍子もないことをやらかしたり、世界を滅ぼしかけたりしたくせに、 成果は残念。 下手したらあっちの観察対象にも悪影響が出るかも、 ってことで観察は打ち切り。はやいとこ片付けちゃおうってなったの。 腹いせに人類ごと」 意味がわからない。言っていることはわかるが、理解できない。 「それで主流だった長門さんの上司が採用した方法が、これ」 足の先で長門だったものをこねくりまわす。 「15,16,17歳の少女が突然死、その後ゾンビになって人を襲うようになる。 そんな奇特な病気を作って、自分の管理下においている インターフェースをきっかけにアウトブレイクさせる。 なかなか酷いやり方だと思わない?」 そう静かに話す少女の眼はキラキラと濁り輝いていた。 「それでね、ただゾンビにするだけってのも趣がないからって、 適当に色んな設定を追加したらしいのね」 少女たちは死ぬ前に気が狂ったように充足、幸福を感じること。 そして死ぬ前の少女たちは死に対して肯定的になること。 ゾンビになった少女は165個の塊に切り刻むまで動き続けること。 少女たちは何の前触れもなく発病するが、体液からも感染すること。 その他諸々素敵なオプションをつけて。 そのどれもが、混乱を巻き起こすのが目的の悪意に満ちた腹いせだという。 「…なんで、こんなことをしなきゃならないんだ! 見切りをつけるにしても、他にやりようがあるだろう!」 「知らないわよ。強いて言えば、暇潰しじゃない?」 こともなさげに朝倉は言う。 「理不尽な死なんて、普通に生きていても 誰にでも起こりうるものなんだから、 納得して諦めたら?」 「…はいはいそうですか、なんて素直に納得できるはずないだろう」 「納得しなくてもなんにも変わらないんだけどね」 朝倉は俺に笑いかける。 「、ちなみに、感染してゾンビになるのは女の子だけ。 その他の場合は」 すっ、と 古泉の方を指差す。 「ああなるから」 床に転がった古泉はすでに呼吸をやめていた。 廊下から甲高い悲鳴が飛び込む。 「キョンッ!」 しまった。 ハルヒを廊下に逃がしたが、それだって安心だっていう保証はないんだ。 廊下一杯に溢れる女子生徒のゾンビが思い浮かぶ。 畜生。 「ハルヒッ!」 乱暴に扉を開く。 ハルヒの腕をつかみ、部室に引っ張りこむ。 「ハルヒ、大丈夫か、何があった」 ハルヒは肩を小さく震えさせ、奥歯がカチカチと鳴っている。 その肩を抱き締める。 「……る……、………んが」 虫の羽音みたいな声が震えている。 「……みくる、ちゃんが…………」 ハルヒの手には、見慣れた安っぽい衣装があった。 「みくるちゃんが、消えたの、突然、急に、目の前で、突然」 その事実が示す先の絶望を知りながら、 俺はただただハルヒを抱き締めることしかできなかった。 「……ははっ」 耳元で、 「……あはははっ」 笑い声がした。 「あはははははははははははははははははははははは はははははははははははははははははははははははは はははははははははははははははははははははははは はははははははははははははははははははははははは はははははははははははははははははははははははは はははははははははははははははははははははははは」 俺はハルヒを強く抱き締めることしかできなかった 「あははははははははははははははははははははッ 死ぬのね、私、死ぬのね今からウキウキしてきちゃった! どうしましょう!今から準備していかなきゃ! 何が必要かしらね?イヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ どんな風がいいかしら?ロマンティック?バイオレンス? 今の時代いろんな前例があるってのが嬉しい反面、 画期的なものが出尽くした感があるわね!どうしましょう!」 ハルヒ。 「そうよ!そのときはキョンも手伝ってくれるわよね! 退屈な、誰とも知らないような人間に看取られたり 病院のベッドでおとなしく消えていくなんて嫌だもの!」 ハルヒ。 「大好きな人に抱き締められながら死ぬなんて、 ありきたりだけどやっぱり憧れるわよね!イヒヒヒヒヒ! 王道ってやつもたまにはいいわよね!ねぇキョン! イヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒッ!」 ハルヒ。 大好きだ。 ***************** ドアノブを回し、ゆっくりと部室の扉を開く。 美術との格闘の末に気を違えてしまった芸術家のアトリエみたいに、 床や壁は赤黒い前衛的な模様でいっぱいだった。 30日くらい前、朝倉はここで長門を165個の肉塊にした。 30日くらい前、古泉は長門に噛まれてここで息絶えた。 30日くらい前、朝比奈さんと一緒に俺たちの未来が潰えた。 あの後、気が付くと朝倉はチェーンソーを残して消えた。 俺に何かを期待してのことだろうか。 しばらくして、校舎のあちらこちらから悲鳴が上がり始めた頃、 森さんと新川さんがヘリに乗ってやってきた。 古泉の死体を載せ、俺とハルヒを乗せて学校から逃げ出した。 機関は閉鎖空間が発生していないにも関わらず突発的に 起きたこの状況に混乱しきっていて、なんとか対策をと思い俺を頼って来たという。 俺は、朝倉に聞いたすべてを隠した。 ハルヒがこうなった以上、 全てが無意味になったとなんとなく感じていた。 そわそわふわふわしているハルヒを不審に思われる前に、俺はハルヒの手をひいては歩き出した。 その日の夕方には、政府から的を得ない発表があった。 危険ですから、少女の死体に近づかないでください。 現在、政府の関係機関が調査を進めています。 どうか取り乱したり混乱を招くような行動はしないでください。 世界中で同じような現象が確認されているようです。 WHOはこの事態に対して云々。 俺はそのニュースを、逃げながら隠れながら携帯ラジオで聞いていた。 少女の突然死に混乱した街は、 少女の復活とゾンビ化によってさらに混乱し、 大衆は暴徒に変わった。 まずはじめに、少女たちを片っ端から殺す輩が現れて、 結果としてはゾンビの数を急速に増やすことになった。 突然死した少女を凌辱する輩が現れた。 少女と交わった男たち(あるいは女たち)は、 少女たちの孕む毒によって次々と死んでいった。 一週間ほどして、研究者たちがサジをなげ、 何もできなかった言い訳みたいに 少女たちのゾンビにステーシーと、 少女たちが死ぬ前に見せる狂ったような幸せそうな状態を ニアデスハピネスと名付けることで自尊心を保とうとした。 その頃には、自衛隊が独断でステーシーの再殺の手段を発見し、実行し、 民衆もそれにならって自警団のようなものを組織しはじめていた。 自衛隊や自警団からハルヒを連れて逃げてきて、 こうしてまた部室に戻ってきた。 ハルヒが言うのだ。 「わがままだとは思うけど、私も、 みんなが死んじゃった部室で死にたいの」 「それで、キョンがそばにいてくれて、 看取られながら幸せに死んで、蘇ってもキョンに殺してもらうの。 イヒヒヒヒヒ、とても幸せな最後だと思うの」 古泉が前に言っていたな。ハルヒが死んだら世界が滅ぶかも知れない、って。 それが本当だろうが嘘だろうが、どうせ世界が終わるんだ。 ハルヒが望むようにしてあげよう。 その日もハルヒは死ななかった。 聞くところによると、ニアデスハピネスが現れたら なにもしなくても数日のうちに突然に死んでステーシーになるという。しかしハルヒはあの日から今日までずっとこの調子だ。 今思えば長門は死んですぐだった。 ずっと、ずっとこうならいいのに。 その日の夜は、部室で過ごした。 ハルヒは部屋の隅で毛布にくるまって、俺は椅子に座り机に突っ伏して。 長門と古泉の血の跡がすさまじいが、それ以上のものを 飽きるほど見てきた。この程度で眠れなくなるなんてことはない。 だのに、なのに、眠りに落ちる直前に涙が溢れだして、 呼吸が辛くなって、簡単には寝かせてもらえなかった。 泣きつかれて眠るなんて、 まるで餓鬼だ。 ******************** 「と、こんな夢を見たんだが」 昨日見た夢の話なんてどうでもいいことを、たっぷりと時間をかけて話した。 しゃべりすぎて喉が乾いた。 すっかりつめたくなったお茶は、今の喉にとっては好都合だった。 「ふえぇ、なんだか怖いですぅ」 朝比奈さんはお盆を抱え込んで、涙目になって怯えている。 「んふっ、何か悩みでもあるんじゃないんですか?相談なら乗りますよ」 机を挟んだ向こう側で、古泉が気持ち悪く微笑みながら言う。 それよりも速く次の手をさせ。どのみちもうすぐ投了するしかないんだ。 「………」 長門は無反応。黙々と読書を続けている。 せめて、目線ぐらいくれたっていいだろうに。 「悩みの種ならピンポイントで思い当たるんだがな」 「おや、一体何なんです?」 お察しの通り、今ここにいない誰かさんに関することだ。 古泉は苦笑する。 「そういえば、やつはまだ来てないのか」 「私は何も聞いてませんけど…」 「同じく、です」 うむ、なんだかとてつもなく嫌な予感がするんだが… その時、バタンとでかい音がした。 ********************** その時、バタンとでかい音がした。 寝ぼけた頭がくらくらする。 外はもう明るい。 一体何時だ、それより今の音はなんだ。 慌てて部屋を見渡すと、団長の特等席をひっくり返して ハルヒが仰向けに倒れていた。 頸動脈を切られ血抜きしている最中の羊みたいに、 ハルヒはガタガタと痙攣する。 ああ、時が来たんだ。 もう、ずっと、ずっと前から覚悟してきたことだ。 ハルヒは今ここで死ぬ。 死んだ後、もう一度歩き出すハルヒを俺はチェーンソーでちゃんと最後まで殺す。 責任をもって、殺してやる。 ハルヒはぐりんと目をひんむいて、 絶頂にも似た表情で、舌を突き出して、 涎を撒き散らしながら。 その姿さえも、目をそらさず見てやる。 最期まで、ハルヒのことを見ていてやる。 それが俺の決めたことだった。 しかし、現に今こうやって悶えるハルヒを見るのは、 とてもじゃないが耐えられそうになかった。 吐きそうになった。 もう、すでに泣いていた。 あまりに激しく暴れまわるので、ハルヒの肘や拳には薄く血が滲んでいる。 痛いだろうに、 苦しいだろうに。 「ッッッあぁ」 突然体をつぴんと伸ばしきったかと思うと、 それきりハルヒは動かなくなった。 つー と、ハルヒのスカート辺りに透明な水溜まりができた。 死んで筋肉が緩んだんだ。どこかの本で読んだことがある。 死んでからとはいえ、ハルヒのお漏らしを見るとはな。 こんな状況の中で、常識的で間抜けな事が 起ったせことが、なんとなくおかしかった。 涙でぐちゃぐちゃになった顔で、ほんのすこし笑った。 ハルヒが死んで、部屋の中はそれこそ死んだみたいに静かになった。 いや、キリストみたいにまた復活するんだから、 まだ死んではいないのか?体はまた動く訳だし。 いや、でも、 ハルヒと同じ思考をもって動いてる訳じゃないから、 もうすでにハルヒは死んでいるのかな。 ふっと、悪い考えがよぎる。 ハルヒと同じ思考をしていない、 ニアデスハピネスの、虚ろでふわふわしていて、 俺に、素直に好きだと言ってくれたハルヒは、もうすでに別のものだった? …いや、違う。 ハルヒはハルヒだ。 いつもみたいにめんどくさいのも、 かぷかぷ変な声で笑って俺に寄り添ってきてくれるのも、 死んでしまって、ステーシーになって俺に襲いかかってきたとしても、ハルヒはハルヒだ。 死んでしまっても変わらない。 俺はハルヒが、 すん ハルヒの鼻が微かに動く。 ゆっくりと、突き出した舌が蠢く。 唇を湿らすように、くるくると円を描いて。 まず口から動き出すのは、その歯で肉を裂き、顎で骨を噛み砕き、血をその舌で味わうためだという。 長門じゃあるまいし、そんなに食い意地はって、みっともない。 ハルヒの眼球がぐるぐるぐると壊れた人形みたいに回る。 夢を見ている間、人の眼球はくるくる回るという。 ならば今ハルヒは夢を見ているのだろうか。 どんな夢を見ているのだろうか。 震えが振動になり、全身が忙しく蠢きだす。 スカートが翻り、白い腿がのぞく。 銀色のキラキラがきらめき、 部屋の中にミルクティーに似た甘い香りが広がる。 これはステーシーの体から分泌される鱗粉の香り。 それは、真昼の光で瞬き、美しかった。 ハルヒの肌が、体が、 輝いて見えた。 ハルヒの首がごきゅんと鳴り、それからゆっくりと上半身を起こす。 生まれたばかりのキリンのように、着実に立ち上がる。 俺は、朝倉の残したチェーンソーに手を伸ばした。 にこりと微笑んで見えたが、きっと俺の願望が作り出した錯覚だ。 ハルヒは死んでいるのだから。 そうだとしても、なぜか嬉しくなった。 さぁ、こっちにおいで、ハルヒ。 ちゃんと、最後まで愛してやるから。 報告書(記入者 森園生) 我々が北高文芸部室(通称SOS団部室)に到着した時点で、 少年Dは自警団の発砲によりすでに殺害されていた。 自警団は我々の到着する前に窓から逃亡した模様。 数発の銃弾を受けたステーシーが残されていた。 我々はステーシー特別対処規定に基づき、自警団を捕縛、ステーシーの処分を行った。 使用した装備は別紙に記載。 処分したステーシーが涼宮ハルヒのものであり、 また少年Dがその鍵であった少年だと発覚したのは、 ステーシーの処分後である。 以上
https://w.atwiki.jp/sangoku_soul/pages/7.html
まずはガイドに沿って進めていこう 第一章はチュートリアルのようなものです。 ストーリーを進めることでどんどん機能が追加されていくので、 戦闘の仕組みなどを覚えながらまずは進めていきましょう。 武将のランクアップ 第二章途中まで進めると武将のランクアップが可能になります。 三国魂においてこのランクアップは非常に重要であり、 例えば金武将より一回ランクアップした銀武将(真・銀武将) のほうがステータス面でもスキル面でも優秀です。 序盤で運良く金武将を複数枚手に入れた場合も、 育てる武将を絞ってランクアップさせるのをおすすめします。 残りはランクアップした銀・黒武将で部隊を組むと良いでしょう。 従者設定を忘れずに 武将のレベルが15.25.35.45になるごとに従者を設定することができます。 これは武将に別の武将を装備(?)することができるシステムで、 その武将の強さに応じた量のステータスが上昇します。 カードやソウルに余裕が出てきたら装備する武将のレベルを上げて、 武隊の強さを底上げしていきましょう。 簡単にプレイできますか? -- 名無しさん (2016-12-30 17 47 29) 今日から始めました(^^) -- 名無しさん (2017-01-25 22 01 47) 管理人様、wiki作成がんばって下さい。m(_ _)m -- 名無しさん (2017-01-26 17 51 59) 招待コード 200921350W よろしくお願い致しますm(_ _)m -- 名無しさん (2017-01-26 19 39 11) ゲーマチwiki https //santama.gamerch.com/ -- 名無しさん (2017-01-27 11 09 25) 2ch 三国魂 Part36 http //itest.2ch.net//test/read.cgi/applism/1485398001/l50 -- 名無しさん (2017-01-28 16 30 21) 皆様、ありがとうございます! 引き続き入力お願い申し上げます! m(_ _)m ゲーム開始時、招待コード入力できます。 -- ↑3 (2017-02-15 16 35 28) 引退しました。ありがとうございましたm(_ _)m -- ↑4 (2017-04-24 14 47 20) もう1つのゲーマチ https //sangoku-soul.gamerch.com/ -- 名無しさん (2018-06-21 20 56 30) ロビー https //web.lobi.co/game/sangokusoul -- 名無しさん (2018-06-21 21 02 09) ↑3 アプリ再インストールして消去しました -- 名無しさん (2018-06-22 15 47 21) ↑6 2ch無くなってます -- 名無しさん (2020-05-18 14 57 24) ●2022-12-28 11時:サービス終了に関するお知らせ ●2022-12-28 11時:有償課金アイテム「ダイヤ」の販売停止 ●2023-03-29 11時:サービス終了 -- 名無しさん (2023-01-13 12 27 44) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/lostflame/pages/44.html
「Z」キーで自動探索してくれる。 Hangry Caverns 2 で宝箱の中身を回収してからボスを倒してレベルアップすると、すぐ鑑定済みになって進めやすい。 essenceを落とすボス敵を倒したら、焚火で拠点に戻りアイテムをクラフトする。 よさそうなのが無ければエンチャントスクロールに交換し、最初から持ってるポーションを強化するとチャージ上限が増える。 もし鍛冶屋に攻撃速度や移動速度アップのものがあればそれでもいい。いずれも速いに越したことは無いと思う。 魔女から回復系のポーションを買っとく。 装備はしないけど軽めの属性武器を手に入れたら、インベントリからクリックし、「F1」キーでthrowにキーバインド。以降は「F1」キーで投げられる。 投げつけると付与された属性ダメージが入り、wax golemなどは一撃で倒せる。 ヤバそうだな、と思ったらパリィを意識してみる。攻撃予測の赤マスにディレイ掛けてくるのもいるので注意。 物理なら距離があっても機能するので、範囲攻撃に合わせてパリィ出来る。 慣れると攻撃予測の無い通常攻撃にも対応できる。はず、と思う。 そこそこ進めると召喚系の敵が出てくる。可能な限り優先的に倒す。 敵にマウスオーバーすると装備している武器がわかる。メイス系ならスタンを警戒しよう。 周囲に壊れていないドアがある状態で「エンターキー」でドアを開閉できる。開けて魔法や弓、投擲して閉め、スタミナを回復してからまた開けるなどの戦術も有効。 適度に休憩した方がいい。長く続けているという事はそれなりに強くなっているという事で、プレイが雑になりがち。Lost Flameはちょっとした気のゆるみでゲームオーバーになるので、意識的に休んでみよう。 敵にドクロなどのアイコンが付いている場合は、良い装備を持っている場合があるので注意が必要。 ボス戦で困ったら、当てた対象を混乱状態にさせるpotion of confusionを投げてみるといい。 50コインで買えるポーションのくせにボスにもしっかり効く。 混乱状態では50%で行動が失敗するので、その間に距離を詰めるなり下準備をするなり殴り続けるなりがしやすくなる。
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/2319.html
赤ゆを虐殺してみた 22KB 虐待 飾り 共食い 姉妹 赤ゆ 透明な箱 現代 虐待人間 久しぶりに投稿 14作目。 タイトルそのままの内容です。 愛でなし。 長いです。 薄暗い部屋の中。 「はみゅ!はみゅ!」 「はひゅ!はひゅ!」 そこには大きなテーブルがあり、大きな皿が一枚置かれていた。 その皿の中、ゆっくりの赤ん坊たち(以下赤ゆ)が用意されていたエサに群がっていた。 赤ゆたちはまりさ種が7匹とれいむ種が7匹の計14匹で、 全員一心不乱にエサをほうばっていた。 「うっみぇ!みゃじうっみぇ!みゃじぱにぇっ!」 よだれを垂らし、まき散らしながら喰らう者。 「もっもっもっ!」 顔をエサへ突っ込み、尻を左右に激しく振りながら喰らう者。 「む~ちゃ、む~ちゃ!」 くちゃくちゃと音を出しながら喰らう者。 「ぺ~りょ♪ぺ~りょ♪」 エサをべろべろと舐め取りながら喰らう者。 赤ゆたちの旺盛な食欲によってエサは勢いよく減っていく。 「ちっ!ちあわしぇーーーーーーー!!!」×14 満腹になり喜びの声を上げる赤ゆたち。 皿の中のエサもほとんど無くなっていた。 一方、赤ゆたちの体は大きくなっていた。 エサを一度にたくさん食べたことで体の皮が伸び、 顔は小さいままのなすびのような体型となっていた。 「ゆ~~~ん♪ゆっくち~~♪」×14 皿の中でうぞうぞとうごめいている赤ゆたち。 満腹になり満足したことで各々が一番ゆっくりできることを始める。 「きゃわいいれいみゅがしーしーしゅりゅよ!」 「まりちゃしゃまのすーぴゃーうんうんたいむだじぇ!」 周囲に排泄物をまき散らすもの。 「ゆっくち~~♪」 「こりょこりょしゅりゅよ~~♪」 もみあげをぴこぴこと動かしたり、その場を動き回ったり転がったりするもの。 「ゆ~~ゆ~~ゆ~~♪」 「・・ゆぴー・・・・ゆぴー・・・」 歌を歌ったり、眠りだすもの。 それぞれとてもゆっくりとしていた。 一人の男が部屋の中に入ってきた。 男はかなり大きさの透明な箱を両手で抱えていた。 箱の中には色々と物が入っているようだ。 赤ゆたちはだれも男の存在に気付いていない。 「ゆっくりしていってね」 「ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!!!」(キリッ!!!)×14 男が赤ゆたちに挨拶をした。 それに対して、キリッ!!!とした顔で返答する赤ゆたち。 「ゆっ?にんげんしゃんだ!」 「にんげんしゃんゆっくちちていっちぇね!!」 「ここはまりしゃしゃまのゆっくちぷれいしゅなんらじぇ!! じじいはしゃっしゃとでていくんらじぇ!!」 「きゃわいいれいみゅにあみゃあみゃしゃんちょうだいにぇ!」 「どりぇいはまりちゃしゃまのうんうんしゃんかたじゅけてにぇ!」 「にんげんしゃんまりちゃのおちょうしゃんとおかあしゃんしらにゃい?」 『うぞうぞ』か『ぐねぐね』という擬音が似合う動きで、男に近寄ってくる赤ゆたち。 男は抱えていた箱をテーブルに置くと、箱の中にある物を取り出し始め、 全て取り出し終わると、赤ゆたちの飾りに1~14までの数字が記されたシールを貼り付けた。 「ゆっ?にゃにこれ?」 「ゆあああ!まりちゃのおぼうししゃんにへんにゃのちゅけにゃいでね!!」 「ゆっくちしゃっしゃととっちぇね!これじゃゆっくちできにゃいよ!」 「ゆ~ん!まりしゃのおぼうちしゃんがかっきょよきゅなっちゃんだじぇ!」 飾りにシールを貼られ、不満の声を上げたり逆に喜んだりする赤ゆたち。 男はそれを無視して、1のシールが貼られた赤れいむをつまみ上げた。 「ゆっ?おしょらをちょんでるみちゃ~~い♪」 持ち上げられ喜ぶ1れいむ。 「ゆあっ!!いいにゃいいにゃ!!」 「まりしゃもまりしゃもやっちぇにぇ!!」 「れいみゅもおちょりゃをとびちゃいよ!!」 他の赤ゆたちはそれを羨ましがっている。 「ゆっゆっ♪ゆっゆっ♪ゆ~~♪」 他の姉妹たちに羨ましがられ得意げになる1れいむ。 「ゆ~~~♪ゆっ!?」 1れいむをつまみ上げた男は1れいむの頭部と底部を両手で掴んだ。 「ゆうぅ?」 男の行動に困惑する1れいむ。 ブチッ!!! 「ゆぎえぇ!!」 「ゆっ!?」×13 1れいむが異様な声を出した。 男が1れいむの体を、まるでぞうきんを絞るかのように引きちぎったからだ。 「ゆぎゃああああああああああああ!!」 悲鳴を上げる1れいむ。 体を二つに引きちぎられ、激しい痛みが襲ってくる。 男は1れいむを、テーブルへ勢いよく投げつけた。 「ゆぎゃああああ!!!ゆぎっ!!」 投げつけれ、顔面から勢いよくテーブルにぶつかる1れいむ。 その拍子にわずかに体に残っていた餡子が飛び出る。 「ゆぎっ・・・ゆぅ・・ぐぅ・・・ちぃ・・」 1れいむは息絶えた。 その間、他の赤ゆたちは何が起きたのか分からず、惚けたまま姉妹の最後を見ていた。 「ゆぎゃああああああああああ!!」 「おにぇえちゃあああああああん!!」 「まりしゃのいもうちょがああああああああ!!」 「ゆんやあああああああああああ!!」 「どぼじぢぇごんにゃごどずるにょおおおおおお!!」 ようやく事態に気が付き、悲鳴を上げる赤ゆたち。 その間に男は、2のシールが貼られた赤まりさをつまみ上げた。 「ゆっ!?」 つまみ上げられる2まりさ、底部を掴まれ手から顔がはみ出た格好となる。 「ゆうぅ?ゆっ!・・ゆあぁぁ・・・ゆああああああああ!!! はなちちぇえええ!!はなちちぇええ!!」 最初は事態を理解できず、口をぽかんと開けて惚けていた2まりさだったが 姉妹に起きた出来事と今の自分の状況を理解したのか、 叫び声を上げ逃げようと必死に暴れ始めた。 しかし、男がしっかりと掴んでいるため逃げ出せない。 「ゆんやああああああああああああ!!」 「まりちゃああああ!!」 「やめちぇあげちぇね!いやがっちぇるよ!」 喚く2まりさと他の赤ゆたち。 それを無視して男は、2まりさを掴んでいる腕を大きく振り上げると、 2まりさをテーブルの角へたたきつけた。 「ぴゅげえっ!!」 テーブルの角に勢いよくぶつかる2まりさ、 その衝撃で右目は潰れ、皮は裂け、歯は欠けたり砕けたり抜け落ちた。 「ゆぎぃ・・・・い・・」 「まりちゃあああああああああ!!」 「れいみゅのいもうちょがあああああああああ!!」 「ゆやああああああああああああああ!!」 苦しげな声を上げる2まりさ、瀕死の状態だ。 男は掴んでいた2まりさの体を握り潰した。 「びゅげぇっ!!」 悲鳴を上げる2まりさ。 体内の餡子が逆流し口から勢いよく吐き出され、 下にいた他の赤ゆたちへと降り注ぐ。 「ゆぎゃああああああああああああ!!」×12 餡子が体や飾りに掛かり慌てふためく赤ゆたち。 姉妹の血や内臓が自分の体に掛かってきたようなものなので、当然の反応といえるだろう。 絶叫と悲鳴が部屋いっぱいに響く。 「もっ・ゆっぐ・じた・・た・・・」 その間に2まりさは息絶えた。 男は2まりさの死がいを赤ゆたちのところへ放り投げる。 「ゆぎゃああああああ「ポトッ」ゆっ!?・・・・・・・・ゆぎゃあああまりちゃああああああ」×12 途端に上がる大絶叫。 先ほど以上にパニックに陥る赤ゆたち。 「ゆぎゃあああああああああああああ!!」 「もうやじゃあああ!!おうちかえりゅううう!!」 「たしゅけてーーー!!おちょうしゃああああああん!!」 「おきゃあああしゃああああん!!」 「ゆんやああああああああああ!!」 「ゆっくちしちゃい!!ゆっくちしちゃいいいいい!!!」 右へ左へと激しく跳ね回り男から逃げようとする。 「どうしちぇじめんしゃんがにゃいのおおおおおおおおお!!!」×12 しかし、赤ゆたちがいるのは、薄暗い部屋の中にあるテーブルの上。 逃げ場はない。 それでも赤ゆたちは男から少しでも離れようと、テーブルの端まで逃げる。 「ゆうぅ・・・ゆぴーー!!」 「ちゃかいよーーーー!!」 「きょわいよおおお!!」 何とか降りられないかと下を見下ろすが、あまりの高さにあんよがすくみ、 恐ろしーしーをしてしまう。 テーブルの高さなど、人間にとってはたいした高さではないが、 赤ゆたちにとっては断崖絶壁にいるのに等しいのだ。 「ゆうぅ・・・ゆっ!ゆーーーーん!!」 6の数字が貼られた赤まりさが意を決して飛び降りた。 「ゆぶげっ!!」 勢いよく床にぶつかる6まりさ 「ゆっ・・ゆぎぃ・・いっ、いぢゃいけじょこれでゆっくちできりゅよ」 痛みで涙目になる6まりさだったが、無事に飛び降りることに成功する。 「れいみゅちちゃくにゃいよ!!もっちょゆっくちしちゃい!!」 「まりちゃもちににゃくない!!」 「ちにちゃくなあああああああい!!」 6まりさに触発されたのか、さらに3と9の赤れいむと12の赤まりさが、次々に飛び降りた。 6まりさの真上に 「ゆぴー!」 「ゆびゅ!」 3れいむが落ちてきた。 その下敷きになる6まりさ。 下敷きになった衝撃で餡子を少し吐き出してしまう。 さらに、3れいむが落ちてきた拍子に、自慢の帽子が頭から落ちてしまう。 「まりちゃの・・おびょう・・ちしゃん・・・・」 帽子が落ちたことに気づき拾おうとする6まりさ しかし・・・・ 「ゆやー!」 「ゆびゅ!」 「ゆぎゅ!!」 そこへ9れいむが落ちてきた。 その下敷きになる6まりさと3れいむ。 先ほどの6まりさと同じく、餡子を少し吐き出す3れいむ、 先ほどよりたくさん餡子を吐き出す6まりさ。 「ゆあー!」 「ゆびゅ!」 「ゆぎゅ!!」 「ぼぎゅべっ!!!」 さらに、トドメとばかりに12まりさが落ちてきた。 その下敷きになる6まりさと3れいむと9れいむ。 先ほどと同じく、餡子を少し吐き出す9れいむ、 先ほどよりたくさん餡子を吐き出す3れいむ、 そして、盛大に吐き出す6まりさ、体内にある全ての餡子を吐き出してしまう。 「もっ・・・ゆ・・・じぃ・ちゃ・・・」 その結果、皮だけになる6まりさ。 「ゆわーーーん!いちゃいよおおおお!!」 「あびゃれないぢぇね!いちゃいよ!」 「ぐるじいぃ・・・しゃ・・しゃと・・どいちぇ・・・」 縦に積み重なり、トーテムポールのようになる3匹。 「ゆうぅ・・いちゃかっちゃよ・・でも!こりぇでゆっくちできりゅよ」 「いいかりゃしゃっしゃとおりちぇよ!」 「はやきゅ・・どいぢぇぇ・・・」 テーブルから降りることに成功し、これで男から逃げられたと思い安心する12まりさ。 これからたくさんゆっくりしようとでも思っているのだろう。 『にげちぇえええええええええ!!』×8 「「「ゆっ!?」」」 そこへ、テーブルの上に残っていた姉妹たちの叫び声が聞こえてきた。 何事かと思った3匹は、巨大な影が自分たちに覆い被さっていることに気付く。 上を見上げると男が自分たちを見下ろしていた。 「「「どうちちぇいりゅにょおおおおおお!!」」」 叫び声を上げる3匹。 男は3匹の目の前で屈み込むと3匹を上から押さえ付けた。 「ゆぎゃああああああああ!!まりちゃのきりぇいなおはぢゃにしゃわりゅにゃあ!!」 そうして、上から徐々に力を加えていき潰そうとする。 「「「ちゅぶれぶううううううう!!!」」」 苦しむ3匹。 徐々に上からの圧迫が増し、体内の餡子が飛び出そうになるのを必死に堪える。 男は押さえる力を徐々に強くしていき・・・ 一気に力を加えた。 「「「ゆびゅえっ!!!」」」 潰れる3匹。 口と尻から中の餡子が勢いよく飛び出る。 「「「もっ・・・・ゆぐぅ・・・ぃ・・ぁ・・・・・」」」 皮だけになる3匹。 「ゆやああああああああああああああ」 「もうやじゃあああああああああ、おうぢかえりゅううううううううう」 「おきゃああああああしゃあああああああん」 「ゆんやああああああああああ」 3匹の悲惨な最後を目撃し、さらにパニックになる残りの赤ゆたち。 そのことを特に気にした様子もなく、男は残った赤ゆたちの中から適当に4匹ほど捕まえると、 部屋に入ってきたときに持ってきていた透明な箱に投げ入れた。 「ゆべっ!」 「ゆぴっ!」 「ゆぶっ!」 「ゆげっ!」 乱暴に投げ入れられ、短い悲鳴を上げる4匹。 次に、男はゲル状の物体と適当な大きさに破かれた紙くずを4匹の真上に振りかけてきた。 「ゆあーーん!いちゃいよーー!ゆっ?・・・にゃにこれ?あまあましゃん?」 早速、ゲル状の物体に興味をもつ14れいむ。 どうやら食べ物だと思ったようだ。 「あまあましゃんなりゃれいみゅにのもにょだよ! だかりゃあまあましゃんはれいみゅにむーちゃむーちゃしゃれちぇね! むーちゃむ・・・ゆげえぇ!!こりぇどきゅはいちぇる!!」 どうやら食べ物ではなかったようだ。 「ゆんやーーー!まりちゃのしゅてきにゃおぼうちしゃんがーー!」 8まりさが叫んでいる。 どうやらゲル状の物体が帽子に付いてしまったようだ。 「にゅるにゅるしゃんはしゃっしゃとどっきゃいっちぇね!」 それ取ろうと必死に転げ回る。 しかし、一向に取れそうにない。 それどころか、転げ回ったせいでゲル状の物体に紙くずが引っ付いてしまいより悪化してしまう。 「ゆあああああああ!!どうじぢぇえもっちょひぢょくなっちぇるのおおおおおお」 さらに悪化してしまった帽子の状態に気付き、叫ぶ8まりさであった。 「ゆぴゅぴゅぴゅ!かしきょいれいみゅはここにきゃくりぇりゅよ! ここにゃりゃばきゃにゃじじいにゃんかにはみちゅけりゃれにゃいね! かしこくっちぇごめんにぇ!!」 8まりさの後ろにある紙くずの山の中、その中に4れいむが隠れていた。 しかし、大声を出しているため、まるわかりである。 「しょりょーり・・・しょりょーり・・・」 4れいむが隠れている紙くずの山の後ろでは、 7まりさが箱の外へと逃げだそうとしていた。 「まりしゃはにげりゅんだじぇ!ゆぶっ!!」 しかし、箱の側面へ顔面から勢いよくぶつかる。 「・・・ゆびゃああああいぢゃいんだじぇええええ!! どうぢじぇまえにいけにゃいんだじぇえええええ!!」 どうやら、目の前に透明な壁があるのがわからないようだ。 箱の中の4匹の様子を一通り眺めた後、 男はいつの間にか手に持っていたマッチに火をつけると、それを箱の中に投げ入れた。 マッチの火が紙くずやゲル状の物体へと燃え移る。 どうやらゲル状の物体はゲル状着火剤だったようだ。 あっという間に火の海となる箱の中。 当然、中にいる4匹は無事ではない。 「ゆぎゃああああああああああああああああああ!!」 顔から勢いよく燃える14れいむ。 着火剤を食べたとき、それが顔の周りにたくさんくっついていたのだ。 「ゆぎゃああ!!ゆぎいいいいい!!ゆぐううううええええええええ!!」 火の熱さと顔を焼かれる痛みで激しくのたうち回る14れいむ。 しかし火は一向に消えず、髪やもみ上げ、リボンへと燃え移っていき 最終的に14れいむは火だるまになり、しばらくのたうち回った後動かなくなった。 「ゆんやあああああああああ!!ましゃのだんでぃーなおぼうししゃんがああああああああ!! あづいあづいあづいいいいいいいいいいいい!!」 火の海の中、8まりさが転げ回っている。 自慢のお帽子には火が付き燃えている。 「ゆああああああああ!ゆっ!?ゆんぎゃああああああああああああああ!!」 自分から火の中へ突撃する8まりさ。 帽子に気を取られすぎ、周りをよく確認せずに転がっていたためだ。 「ゆぐああああああああああああああああ!!」 帽子どころか全身に火が付き火だるまとなる。 「ああああああああああああああああああああああああ!!」 火の中で4れいむが叫んでいる。 紙くずの山の中に隠れていたため、火が燃え移ると、 山はあっという間に燃え上がり、中にいた4れいむはすぐに火だるまとなった。 「あづい!あづいいいいいい!!たしゅげで!だりぇぎゃだじゅげじぇ!!」 助けを求めながら7まりさが鬼気迫る形相で、一心不乱に箱の側面へ体当たりをしている。 すでに帽子や髪に火が付き、半分以上燃えている。 「「まりしゃああああああああ!!」」 「「おにぇえちゃああああああああん!」」 そこへ5まりさ、10まりさ、11れいむ、13れいむが 箱から少し離れた距離まで近寄ってくる。 「たしゅげで!だりぇぎゃだじゅげじぇ!!おにぇえじゃあああああん!!」 「まりしゃああああ!!いみゃたちゅけりゅよおおおおお!!」 「まりしゃ!」 「「おにぇえちゃん!」」 助けを求める7まりさ 7まりさを助けるため11れいむが箱へ体当たりをしだす。 しかし、5まりさ、10まりさ、13れいむは火が怖いのかそれ以上近寄ろうとせず、 ただ叫ぶだけで、7まりさが焼かれていく様を見ている。 「だじゅげぢぇ・・おにぇ・じゃん・・・れぃびゅぅ・・まり・じゃ・・ ぢにぢゃくにゃい・・ぢ・・に・・ぢゃ・く・にゃ・・・ぁ・・・・」 「たしゅ、けりょよ、まりっ、しゃは、じぇっちゃいた、 れい、みゅが、たちゅけりゅよおおおおおおお!!」 「まりしゃああああああああ!」 「「おにぇえちゃああああああああん!」」 体を徐々に焼かれながら、姉妹たちへ助けを求め続ける7まりさ。 一心不乱に体当たりを続ける11れいむ。 叫ぶだけの3匹。 「・・・・・・・・・・・・・」 7まりさが動かなくなった。 どうやら息絶えたようだ。 「まり・・しゃ・・・まりしゃああああああああ!」 それに気付き、叫ぶ11れいむ。 「「「ゆんやあああああああああああああ!!」」」 最後まで叫ぶだけだった3匹。 これで箱の中にいた4匹は全て焼き饅頭となった。 残るは、5まりさ、10まりさ、11れいむ、13れいむの4匹のみとなる。 「・・・どうちちぇ・・・・」 11れいむが呟いた。 「どうぢちぇごんにゃごどじゅりゅのおおおおおおおおおおおおお!!! れいびゅだぢだっぢぇいぎ『ドン!!』『グチャッ!!』びゅっ!!」 「「「ゆっ!?」」」 硬いもの同士がぶつかり大きな音と 柔らかなものが潰れたような音が室内に響いた。 男がいつの間にか手に握っていた金槌で、11れいむの頭を叩き潰していた。 一瞬で潰された11れいむ。 尻からは餡子が勢いよく飛び出し、 残った下半身やもみ上げがピクピクと小刻みにけいれんしていた。 「「「ゆぎゃああああああああああああああ!! おにぇええええちゃあああああああああん!!」」」 もう聞き飽きた悲鳴を上げる3匹。 その間に男は3匹を素早く捕まえると、いつの間にか用意していた粘着シートに3匹を乗せた。 粘着シートが体にくっつき動けなくなる3匹。 「もうやじゃあああああああああおうぢがえるううううううううううう!!」 「ゆっくちごろちのじじいはちねーー!!ちねーー!!」 「ばーきゃ!!ばーきゃ!!れいみゅがちぇいちゃいしゅるよ!!ぷきゅーーー!!」 泣き喚く10まりさ。 対し男を罵り威嚇する5まりさと13れいむ。 男は3匹の喚き声を無視し、13れいむへ手を伸ばす。 「ゆっ!?にゃゆぶうう!ゆひぃいいいいい!!」」 そうして、13れいむの口の中へ無理矢理指を突っ込み舌を引っ張り出した。 「ゆびゃあああああ!!れいひゅのぺびょぺびょさんばあああああああ!!」 「ごのぐじょじじいいいいいいいい!!れいみゅのぺりょぺりょしゃんをはにゃしぇええええええ!!」 「もうやめぢぇよおおおおおおおおおおお!!ゆっぐぢ、ゆっぐぢぢようよおおおおおおお!!」 痛がる13れいむ、怒り狂う5まりさ、ただただ泣き喚く10まりさ。 ちなみに5まりさが言っている『ぺりょぺりょ』とは正しくは『ぺろぺろ』 つまり舌のことを言っている。 男が13れいむの舌に針を突き刺さした。 「ゆっ!?ゆぴゃーーーーーーーーーーーーー!!」 「「れいびゅうううううううううううううううううう!!」」 悲鳴を上げる13れいむ。 「ゆぴいいいいゆびゅ!?」 男は13れいむの尻の穴に小さい爆竹を突き刺した。 さらに左右のもみ上げと舌にも同じサイズの爆竹をガムテープで貼り付けた。 「「むーーー!!むーーー!!」」 ついでに5まりさと10まりさの口をテープふさいだ そして、舌、右のもみ上げ、左のもみ上げという順に、 導火線へ火を点けていく。 パン! 「ゆびぇ!!」 始めに舌の爆竹が爆ぜた。 「ゆびゃああああああああああああああ!!」 悲鳴を上げる13れいむ。 その痛みを表すかのように、左右のもみ上げが上下に激しく動く。 パン! 「ゆびぃ!!」 次に右のもみ上げが爆ぜた。 ついでに顔の右側の皮が少し千切れた。 パン 「ゆびゃ!!」 最後に左のもみ上げが爆ぜた 偶然左目の近くで破裂したため左目が潰れた。 「ゆっ・・ゆっ・・・」 それでも13れいむが生きていた。 男は13れいむの口をガムテープで塞いだ。 「っ!?むーむー!」 先の2匹と同じく声が出せなくなる13れいむ。 男は今度は13れいむ尻の穴へ刺していた爆竹の導火線へ火を点けた。 ジジジという、火が導火線を燃やしながら近づいてくる音がはっきりと聞こえる。 「むーーーーー!!」 近づいてくる死の音に恐怖する13れいむ。 尻に力を入れ爆竹をひねり出そうとする。 しかし、男が爆竹を突き刺した際に、 瞬間接着剤とテープで爆竹が抜けないようにしていた。 そのため、どんなに力んでも爆竹は抜けない。 それでも13れいむは、残った右目から涙を流しながら必死の形相で、 爆竹をひねり出そうとする。 しかし、出ない。 パン!! 「むーーーーーーーーー!!」 尻に刺さされた爆竹が爆ぜた。 底部の皮と餡子が飛び散り顔の周りだけが残る。 「む・・・むぅ・・」 そんな姿になっても13れいむは生きていた。 しかし、もう長くはない。 それがわかったのか、男は13れいむをそのまま放置し、5まりさの方へ顔を向けた。 そして、5まりさの口に貼られたテープをはぎ取ると、 5まりさの帽子を奪い取りびりびりに破いた。 「まりちゃのほごりだかぎおぼうじじゃんがああああああああああああ!!」 5まりさの反応を無視して 男は今度は針を5まりさに突き刺す。 「ゆぎゃああああああああああああ!!」 悲鳴を上げる5まりさ。 男は何度も何度も針を5まりさに突き刺す。 プスッと 「ゆぴぃ!!」 グサッと 「ゆぎゃ!!」 ドスッと 「ゆぎぇ!!」 何かに取り憑かれたかのように黙々と、 男は何度も何度も5まりさに針を突き刺す。 「ゆっ・・ゆっ・・ゆ・・」 それでも5まりさは生きていた。 男が中枢餡をよけて刺していたからだ。 しかし体中穴だらけとなっており、そこから餡子が流れていた。 さらに潰れた両目からは、餡子が涙のように流れ出ている。 男は5まりさの眉間へ針を突き刺した。 「ゆぴいいいいいいい!」 断末魔の悲鳴を上げる5まりさ。 どうやら、針が中枢餡を貫いたようだ。 これで14匹いた赤ゆたちも10まりさだけとなった。 ちなみに13れいむはすでに息絶えていた。 「もうやじゃぁ・・おぢょうじゃん、おぎゃあじゃんだじゅけでぇ・・・」 最後1匹となる10まりさ。 先ほど男に口をふさいでいたテープを剥がされたのだが もう叫ぶ気力も残っていないようだ。 「お父さんとお母さんに会いたいかい?」 入室の際にした挨拶以来、始めて男が口を開いた。 「ゆっ・・・あいちぃよ・・・」 男の質問に答える10まりさ。 「すぐそこにいるじゃないか」 「ゆっ!?ぢょこ?ぢょこにいりょにょ?」 男の言葉で、とたん元気になり周囲を見回す10まりさ。 「ほら、ここさ」 見ると男がいつの間にか両手に赤いリボンと黒い帽子を持っていた。 大きさから見て両方とも成体サイズだ。 男はそれを最初に赤ゆたちがエサを食べていた皿の上に落とした。 いや、正確にはその上のエサの食べ残し上に。 「!!?」 驚愕する10まりさ。 突然だが、一般的にゆっくりは一部例外はあるものの飾りで個体を認識している。 そのため、飾りが無いゆっくりは親兄弟からでさえも認識してもらえず、 ゆっくりできないゆっくりだと迫害されることがある。 ひどい場合は、ゆっくりであるこということさえ認識されず、 別の物に見られたりする。 例えば、 髪の毛を全て抜かれ、口や足を焼かれ、しゃべることも動くこともできず、 かわいい我が子らに喰われることに恐怖し、ただただ涙を流す 『饅頭(エサ)』。 「ゆぎゃあああああああああああああああああああああ!!!」 もう何度目になるかわからない悲鳴を上げる10まりさ。 人間からは饅頭の食べ残しの上にリボンや帽子が乗っているだけに見えないのだが。 はたして、10まりさにはどのように見えているのだろうか。 「ああああああああああ!!ゆぶっ!!ぶええぇ!!」 激しく嘔吐する10まりさ。 男がそんな10まりさのすぐ近くまで顔を寄せると、 「お父さんとお母さんはおいしかったかい?」 と囁いた。 「ゆっ・・・」 硬直する10まりさ。 そして、 「ゆぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」 これまでにない大絶叫を上げる10まりさ。 「ゆっぐりいいいいいい!!ゆっぐりいいいいいいいい!ゆぎ!ゆぐ!ゆ・・ぐっ・・ぐがっ!! ががががががががががががががが!・・・・・・パピプペポ!パピプペポ!パピプペポ!」 そして、気味の悪い声を出したかとおもうと、 今度は意味不明な言葉を繰り返し始めた。 どうやら壊れたようだ。 男は先ほど11れいむを潰したときに使った金槌を手に持つと それを10まりさへ振り下ろした。 ドン!! グチャッ!! そこで映像は終わった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 場所は変わって、 とある人通りがまったくない、薄暗い路地裏にあるレンタルビデオ店。 その店内の一角にゆっくりの登場する作品を扱ったコーナーがある。 『しんきママの淫らな昼下がり―ダメ!お米屋さん!そろそろとしあきちゃんが帰って来ちゃう―』 『ヤゴコロ先生のいけない診察―ほとばしるねぎぃ!!汁―』 『きもけーね先生の淫靡な掘りデー』 『こーりん姦―汚されたフンドシ―』など。 タイトルからして怪しげなものばかりが並ぶ、 そのコーナーにこのようなものが置かれていた。 『The・赤ゆ殺し』 突然だが、スナッフビデオというものをご存じだろうか。 娯楽目的で実際の殺人の様子を撮影したビデオのことだ。 これはそれのゆっくり版で、ゆっくりへの虐待趣味があるが、 個々の事情でゆ虐ができない人などに需要がある。 そして、このビデオのあらすじはこのようになっている。 れいむとまりさのかわいいおちびちゃんたちがたくさんでてくるよ。 げきちゅーでは、やさしいおにいさんがおちびちゃんたちをとってもゆっくりさせてくれるよ。 そしてくらいまっくすには、いきわかれのおとうさんとおかあさんと、 『かんっどうのごたいめん』があるよ。 ゆっくりみていってね!!! 完 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 後書き 久しぶりに投稿しました。 愛でよりな自分にはここまでが限界。 あまり残酷なのは書けません。 八手あき 以前書いたもの anko1354 捨てゆを拾ってみた anko1358 焼き芋を買ってみた anko1366 ゆ虐戦隊!!ヒャハレンジャー!!! anko1377 みんなのうた 大きなドスまりさ anko1386 ごめんなさい anko1398 カスタードキムチ鍋 anko1405 ぜんこーしてみた anko1417 みんなのうた むらむら anko1440 やまめに出会った。 anko1455 虐隊見参!! anko1499 壊れるまで anko1591 けーねとちょっとSなお姉さん anko1655 まりさをゆっくりさせてあげた
https://w.atwiki.jp/hutaba_ranking/pages/173.html
赤ゆを虐殺してみた 22KB 虐待 飾り 共食い 姉妹 赤ゆ 透明な箱 現代 虐待人間 久しぶりに投稿 14作目。 タイトルそのままの内容です。 愛でなし。 長いです。 薄暗い部屋の中。 「はみゅ!はみゅ!」 「はひゅ!はひゅ!」 そこには大きなテーブルがあり、大きな皿が一枚置かれていた。 その皿の中、ゆっくりの赤ん坊たち(以下赤ゆ)が用意されていたエサに群がっていた。 赤ゆたちはまりさ種が7匹とれいむ種が7匹の計14匹で、 全員一心不乱にエサをほうばっていた。 「うっみぇ!みゃじうっみぇ!みゃじぱにぇっ!」 よだれを垂らし、まき散らしながら喰らう者。 「もっもっもっ!」 顔をエサへ突っ込み、尻を左右に激しく振りながら喰らう者。 「む~ちゃ、む~ちゃ!」 くちゃくちゃと音を出しながら喰らう者。 「ぺ~りょ♪ぺ~りょ♪」 エサをべろべろと舐め取りながら喰らう者。 赤ゆたちの旺盛な食欲によってエサは勢いよく減っていく。 「ちっ!ちあわしぇーーーーーーー!!!」×14 満腹になり喜びの声を上げる赤ゆたち。 皿の中のエサもほとんど無くなっていた。 一方、赤ゆたちの体は大きくなっていた。 エサを一度にたくさん食べたことで体の皮が伸び、 顔は小さいままのなすびのような体型となっていた。 「ゆ~~~ん♪ゆっくち~~♪」×14 皿の中でうぞうぞとうごめいている赤ゆたち。 満腹になり満足したことで各々が一番ゆっくりできることを始める。 「きゃわいいれいみゅがしーしーしゅりゅよ!」 「まりちゃしゃまのすーぴゃーうんうんたいむだじぇ!」 周囲に排泄物をまき散らすもの。 「ゆっくち~~♪」 「こりょこりょしゅりゅよ~~♪」 もみあげをぴこぴこと動かしたり、その場を動き回ったり転がったりするもの。 「ゆ~~ゆ~~ゆ~~♪」 「・・ゆぴー・・・・ゆぴー・・・」 歌を歌ったり、眠りだすもの。 それぞれとてもゆっくりとしていた。 一人の男が部屋の中に入ってきた。 男はかなり大きさの透明な箱を両手で抱えていた。 箱の中には色々と物が入っているようだ。 赤ゆたちはだれも男の存在に気付いていない。 「ゆっくりしていってね」 「ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!!!」(キリッ!!!)×14 男が赤ゆたちに挨拶をした。 それに対して、キリッ!!!とした顔で返答する赤ゆたち。 「ゆっ?にんげんしゃんだ!」 「にんげんしゃんゆっくちちていっちぇね!!」 「ここはまりしゃしゃまのゆっくちぷれいしゅなんらじぇ!! じじいはしゃっしゃとでていくんらじぇ!!」 「きゃわいいれいみゅにあみゃあみゃしゃんちょうだいにぇ!」 「どりぇいはまりちゃしゃまのうんうんしゃんかたじゅけてにぇ!」 「にんげんしゃんまりちゃのおちょうしゃんとおかあしゃんしらにゃい?」 『うぞうぞ』か『ぐねぐね』という擬音が似合う動きで、男に近寄ってくる赤ゆたち。 男は抱えていた箱をテーブルに置くと、箱の中にある物を取り出し始め、 全て取り出し終わると、赤ゆたちの飾りに1~14までの数字が記されたシールを貼り付けた。 「ゆっ?にゃにこれ?」 「ゆあああ!まりちゃのおぼうししゃんにへんにゃのちゅけにゃいでね!!」 「ゆっくちしゃっしゃととっちぇね!これじゃゆっくちできにゃいよ!」 「ゆ~ん!まりしゃのおぼうちしゃんがかっきょよきゅなっちゃんだじぇ!」 飾りにシールを貼られ、不満の声を上げたり逆に喜んだりする赤ゆたち。 男はそれを無視して、1のシールが貼られた赤れいむをつまみ上げた。 「ゆっ?おしょらをちょんでるみちゃ~~い♪」 持ち上げられ喜ぶ1れいむ。 「ゆあっ!!いいにゃいいにゃ!!」 「まりしゃもまりしゃもやっちぇにぇ!!」 「れいみゅもおちょりゃをとびちゃいよ!!」 他の赤ゆたちはそれを羨ましがっている。 「ゆっゆっ♪ゆっゆっ♪ゆ~~♪」 他の姉妹たちに羨ましがられ得意げになる1れいむ。 「ゆ~~~♪ゆっ!?」 1れいむをつまみ上げた男は1れいむの頭部と底部を両手で掴んだ。 「ゆうぅ?」 男の行動に困惑する1れいむ。 ブチッ!!! 「ゆぎえぇ!!」 「ゆっ!?」×13 1れいむが異様な声を出した。 男が1れいむの体を、まるでぞうきんを絞るかのように引きちぎったからだ。 「ゆぎゃああああああああああああ!!」 悲鳴を上げる1れいむ。 体を二つに引きちぎられ、激しい痛みが襲ってくる。 男は1れいむを、テーブルへ勢いよく投げつけた。 「ゆぎゃああああ!!!ゆぎっ!!」 投げつけれ、顔面から勢いよくテーブルにぶつかる1れいむ。 その拍子にわずかに体に残っていた餡子が飛び出る。 「ゆぎっ・・・ゆぅ・・ぐぅ・・・ちぃ・・」 1れいむは息絶えた。 その間、他の赤ゆたちは何が起きたのか分からず、惚けたまま姉妹の最後を見ていた。 「ゆぎゃああああああああああ!!」 「おにぇえちゃあああああああん!!」 「まりしゃのいもうちょがああああああああ!!」 「ゆんやあああああああああああ!!」 「どぼじぢぇごんにゃごどずるにょおおおおおお!!」 ようやく事態に気が付き、悲鳴を上げる赤ゆたち。 その間に男は、2のシールが貼られた赤まりさをつまみ上げた。 「ゆっ!?」 つまみ上げられる2まりさ、底部を掴まれ手から顔がはみ出た格好となる。 「ゆうぅ?ゆっ!・・ゆあぁぁ・・・ゆああああああああ!!! はなちちぇえええ!!はなちちぇええ!!」 最初は事態を理解できず、口をぽかんと開けて惚けていた2まりさだったが 姉妹に起きた出来事と今の自分の状況を理解したのか、 叫び声を上げ逃げようと必死に暴れ始めた。 しかし、男がしっかりと掴んでいるため逃げ出せない。 「ゆんやああああああああああああ!!」 「まりちゃああああ!!」 「やめちぇあげちぇね!いやがっちぇるよ!」 喚く2まりさと他の赤ゆたち。 それを無視して男は、2まりさを掴んでいる腕を大きく振り上げると、 2まりさをテーブルの角へたたきつけた。 「ぴゅげえっ!!」 テーブルの角に勢いよくぶつかる2まりさ、 その衝撃で右目は潰れ、皮は裂け、歯は欠けたり砕けたり抜け落ちた。 「ゆぎぃ・・・・い・・」 「まりちゃあああああああああ!!」 「れいみゅのいもうちょがあああああああああ!!」 「ゆやああああああああああああああ!!」 苦しげな声を上げる2まりさ、瀕死の状態だ。 男は掴んでいた2まりさの体を握り潰した。 「びゅげぇっ!!」 悲鳴を上げる2まりさ。 体内の餡子が逆流し口から勢いよく吐き出され、 下にいた他の赤ゆたちへと降り注ぐ。 「ゆぎゃああああああああああああ!!」×12 餡子が体や飾りに掛かり慌てふためく赤ゆたち。 姉妹の血や内臓が自分の体に掛かってきたようなものなので、当然の反応といえるだろう。 絶叫と悲鳴が部屋いっぱいに響く。 「もっ・ゆっぐ・じた・・た・・・」 その間に2まりさは息絶えた。 男は2まりさの死がいを赤ゆたちのところへ放り投げる。 「ゆぎゃああああああ「ポトッ」ゆっ!?・・・・・・・・ゆぎゃあああまりちゃああああああ」×12 途端に上がる大絶叫。 先ほど以上にパニックに陥る赤ゆたち。 「ゆぎゃあああああああああああああ!!」 「もうやじゃあああ!!おうちかえりゅううう!!」 「たしゅけてーーー!!おちょうしゃああああああん!!」 「おきゃあああしゃああああん!!」 「ゆんやああああああああああ!!」 「ゆっくちしちゃい!!ゆっくちしちゃいいいいい!!!」 右へ左へと激しく跳ね回り男から逃げようとする。 「どうしちぇじめんしゃんがにゃいのおおおおおおおおお!!!」×12 しかし、赤ゆたちがいるのは、薄暗い部屋の中にあるテーブルの上。 逃げ場はない。 それでも赤ゆたちは男から少しでも離れようと、テーブルの端まで逃げる。 「ゆうぅ・・・ゆぴーー!!」 「ちゃかいよーーーー!!」 「きょわいよおおお!!」 何とか降りられないかと下を見下ろすが、あまりの高さにあんよがすくみ、 恐ろしーしーをしてしまう。 テーブルの高さなど、人間にとってはたいした高さではないが、 赤ゆたちにとっては断崖絶壁にいるのに等しいのだ。 「ゆうぅ・・・ゆっ!ゆーーーーん!!」 6の数字が貼られた赤まりさが意を決して飛び降りた。 「ゆぶげっ!!」 勢いよく床にぶつかる6まりさ 「ゆっ・・ゆぎぃ・・いっ、いぢゃいけじょこれでゆっくちできりゅよ」 痛みで涙目になる6まりさだったが、無事に飛び降りることに成功する。 「れいみゅちちゃくにゃいよ!!もっちょゆっくちしちゃい!!」 「まりちゃもちににゃくない!!」 「ちにちゃくなあああああああい!!」 6まりさに触発されたのか、さらに3と9の赤れいむと12の赤まりさが、次々に飛び降りた。 6まりさの真上に 「ゆぴー!」 「ゆびゅ!」 3れいむが落ちてきた。 その下敷きになる6まりさ。 下敷きになった衝撃で餡子を少し吐き出してしまう。 さらに、3れいむが落ちてきた拍子に、自慢の帽子が頭から落ちてしまう。 「まりちゃの・・おびょう・・ちしゃん・・・・」 帽子が落ちたことに気づき拾おうとする6まりさ しかし・・・・ 「ゆやー!」 「ゆびゅ!」 「ゆぎゅ!!」 そこへ9れいむが落ちてきた。 その下敷きになる6まりさと3れいむ。 先ほどの6まりさと同じく、餡子を少し吐き出す3れいむ、 先ほどよりたくさん餡子を吐き出す6まりさ。 「ゆあー!」 「ゆびゅ!」 「ゆぎゅ!!」 「ぼぎゅべっ!!!」 さらに、トドメとばかりに12まりさが落ちてきた。 その下敷きになる6まりさと3れいむと9れいむ。 先ほどと同じく、餡子を少し吐き出す9れいむ、 先ほどよりたくさん餡子を吐き出す3れいむ、 そして、盛大に吐き出す6まりさ、体内にある全ての餡子を吐き出してしまう。 「もっ・・・ゆ・・・じぃ・ちゃ・・・」 その結果、皮だけになる6まりさ。 「ゆわーーーん!いちゃいよおおおお!!」 「あびゃれないぢぇね!いちゃいよ!」 「ぐるじいぃ・・・しゃ・・しゃと・・どいちぇ・・・」 縦に積み重なり、トーテムポールのようになる3匹。 「ゆうぅ・・いちゃかっちゃよ・・でも!こりぇでゆっくちできりゅよ」 「いいかりゃしゃっしゃとおりちぇよ!」 「はやきゅ・・どいぢぇぇ・・・」 テーブルから降りることに成功し、これで男から逃げられたと思い安心する12まりさ。 これからたくさんゆっくりしようとでも思っているのだろう。 『にげちぇえええええええええ!!』×8 「「「ゆっ!?」」」 そこへ、テーブルの上に残っていた姉妹たちの叫び声が聞こえてきた。 何事かと思った3匹は、巨大な影が自分たちに覆い被さっていることに気付く。 上を見上げると男が自分たちを見下ろしていた。 「「「どうちちぇいりゅにょおおおおおお!!」」」 叫び声を上げる3匹。 男は3匹の目の前で屈み込むと3匹を上から押さえ付けた。 「ゆぎゃああああああああ!!まりちゃのきりぇいなおはぢゃにしゃわりゅにゃあ!!」 そうして、上から徐々に力を加えていき潰そうとする。 「「「ちゅぶれぶううううううう!!!」」」 苦しむ3匹。 徐々に上からの圧迫が増し、体内の餡子が飛び出そうになるのを必死に堪える。 男は押さえる力を徐々に強くしていき・・・ 一気に力を加えた。 「「「ゆびゅえっ!!!」」」 潰れる3匹。 口と尻から中の餡子が勢いよく飛び出る。 「「「もっ・・・・ゆぐぅ・・・ぃ・・ぁ・・・・・」」」 皮だけになる3匹。 「ゆやああああああああああああああ」 「もうやじゃあああああああああ、おうぢかえりゅううううううううう」 「おきゃああああああしゃあああああああん」 「ゆんやああああああああああ」 3匹の悲惨な最後を目撃し、さらにパニックになる残りの赤ゆたち。 そのことを特に気にした様子もなく、男は残った赤ゆたちの中から適当に4匹ほど捕まえると、 部屋に入ってきたときに持ってきていた透明な箱に投げ入れた。 「ゆべっ!」 「ゆぴっ!」 「ゆぶっ!」 「ゆげっ!」 乱暴に投げ入れられ、短い悲鳴を上げる4匹。 次に、男はゲル状の物体と適当な大きさに破かれた紙くずを4匹の真上に振りかけてきた。 「ゆあーーん!いちゃいよーー!ゆっ?・・・にゃにこれ?あまあましゃん?」 早速、ゲル状の物体に興味をもつ14れいむ。 どうやら食べ物だと思ったようだ。 「あまあましゃんなりゃれいみゅにのもにょだよ! だかりゃあまあましゃんはれいみゅにむーちゃむーちゃしゃれちぇね! むーちゃむ・・・ゆげえぇ!!こりぇどきゅはいちぇる!!」 どうやら食べ物ではなかったようだ。 「ゆんやーーー!まりちゃのしゅてきにゃおぼうちしゃんがーー!」 8まりさが叫んでいる。 どうやらゲル状の物体が帽子に付いてしまったようだ。 「にゅるにゅるしゃんはしゃっしゃとどっきゃいっちぇね!」 それ取ろうと必死に転げ回る。 しかし、一向に取れそうにない。 それどころか、転げ回ったせいでゲル状の物体に紙くずが引っ付いてしまいより悪化してしまう。 「ゆあああああああ!!どうじぢぇえもっちょひぢょくなっちぇるのおおおおおお」 さらに悪化してしまった帽子の状態に気付き、叫ぶ8まりさであった。 「ゆぴゅぴゅぴゅ!かしきょいれいみゅはここにきゃくりぇりゅよ! ここにゃりゃばきゃにゃじじいにゃんかにはみちゅけりゃれにゃいね! かしこくっちぇごめんにぇ!!」 8まりさの後ろにある紙くずの山の中、その中に4れいむが隠れていた。 しかし、大声を出しているため、まるわかりである。 「しょりょーり・・・しょりょーり・・・」 4れいむが隠れている紙くずの山の後ろでは、 7まりさが箱の外へと逃げだそうとしていた。 「まりしゃはにげりゅんだじぇ!ゆぶっ!!」 しかし、箱の側面へ顔面から勢いよくぶつかる。 「・・・ゆびゃああああいぢゃいんだじぇええええ!! どうぢじぇまえにいけにゃいんだじぇえええええ!!」 どうやら、目の前に透明な壁があるのがわからないようだ。 箱の中の4匹の様子を一通り眺めた後、 男はいつの間にか手に持っていたマッチに火をつけると、それを箱の中に投げ入れた。 マッチの火が紙くずやゲル状の物体へと燃え移る。 どうやらゲル状の物体はゲル状着火剤だったようだ。 あっという間に火の海となる箱の中。 当然、中にいる4匹は無事ではない。 「ゆぎゃああああああああああああああああああ!!」 顔から勢いよく燃える14れいむ。 着火剤を食べたとき、それが顔の周りにたくさんくっついていたのだ。 「ゆぎゃああ!!ゆぎいいいいい!!ゆぐううううええええええええ!!」 火の熱さと顔を焼かれる痛みで激しくのたうち回る14れいむ。 しかし火は一向に消えず、髪やもみ上げ、リボンへと燃え移っていき 最終的に14れいむは火だるまになり、しばらくのたうち回った後動かなくなった。 「ゆんやあああああああああ!!ましゃのだんでぃーなおぼうししゃんがああああああああ!! あづいあづいあづいいいいいいいいいいいい!!」 火の海の中、8まりさが転げ回っている。 自慢のお帽子には火が付き燃えている。 「ゆああああああああ!ゆっ!?ゆんぎゃああああああああああああああ!!」 自分から火の中へ突撃する8まりさ。 帽子に気を取られすぎ、周りをよく確認せずに転がっていたためだ。 「ゆぐああああああああああああああああ!!」 帽子どころか全身に火が付き火だるまとなる。 「ああああああああああああああああああああああああ!!」 火の中で4れいむが叫んでいる。 紙くずの山の中に隠れていたため、火が燃え移ると、 山はあっという間に燃え上がり、中にいた4れいむはすぐに火だるまとなった。 「あづい!あづいいいいいい!!たしゅげで!だりぇぎゃだじゅげじぇ!!」 助けを求めながら7まりさが鬼気迫る形相で、一心不乱に箱の側面へ体当たりをしている。 すでに帽子や髪に火が付き、半分以上燃えている。 「「まりしゃああああああああ!!」」 「「おにぇえちゃああああああああん!」」 そこへ5まりさ、10まりさ、11れいむ、13れいむが 箱から少し離れた距離まで近寄ってくる。 「たしゅげで!だりぇぎゃだじゅげじぇ!!おにぇえじゃあああああん!!」 「まりしゃああああ!!いみゃたちゅけりゅよおおおおお!!」 「まりしゃ!」 「「おにぇえちゃん!」」 助けを求める7まりさ 7まりさを助けるため11れいむが箱へ体当たりをしだす。 しかし、5まりさ、10まりさ、13れいむは火が怖いのかそれ以上近寄ろうとせず、 ただ叫ぶだけで、7まりさが焼かれていく様を見ている。 「だじゅげぢぇ・・おにぇ・じゃん・・・れぃびゅぅ・・まり・じゃ・・ ぢにぢゃくにゃい・・ぢ・・に・・ぢゃ・く・にゃ・・・ぁ・・・・」 「たしゅ、けりょよ、まりっ、しゃは、じぇっちゃいた、 れい、みゅが、たちゅけりゅよおおおおおおお!!」 「まりしゃああああああああ!」 「「おにぇえちゃああああああああん!」」 体を徐々に焼かれながら、姉妹たちへ助けを求め続ける7まりさ。 一心不乱に体当たりを続ける11れいむ。 叫ぶだけの3匹。 「・・・・・・・・・・・・・」 7まりさが動かなくなった。 どうやら息絶えたようだ。 「まり・・しゃ・・・まりしゃああああああああ!」 それに気付き、叫ぶ11れいむ。 「「「ゆんやあああああああああああああ!!」」」 最後まで叫ぶだけだった3匹。 これで箱の中にいた4匹は全て焼き饅頭となった。 残るは、5まりさ、10まりさ、11れいむ、13れいむの4匹のみとなる。 「・・・どうちちぇ・・・・」 11れいむが呟いた。 「どうぢちぇごんにゃごどじゅりゅのおおおおおおおおおおおおお!!! れいびゅだぢだっぢぇいぎ『ドン!!』『グチャッ!!』びゅっ!!」 「「「ゆっ!?」」」 硬いもの同士がぶつかり大きな音と 柔らかなものが潰れたような音が室内に響いた。 男がいつの間にか手に握っていた金槌で、11れいむの頭を叩き潰していた。 一瞬で潰された11れいむ。 尻からは餡子が勢いよく飛び出し、 残った下半身やもみ上げがピクピクと小刻みにけいれんしていた。 「「「ゆぎゃああああああああああああああ!! おにぇええええちゃあああああああああん!!」」」 もう聞き飽きた悲鳴を上げる3匹。 その間に男は3匹を素早く捕まえると、いつの間にか用意していた粘着シートに3匹を乗せた。 粘着シートが体にくっつき動けなくなる3匹。 「もうやじゃあああああああああおうぢがえるううううううううううう!!」 「ゆっくちごろちのじじいはちねーー!!ちねーー!!」 「ばーきゃ!!ばーきゃ!!れいみゅがちぇいちゃいしゅるよ!!ぷきゅーーー!!」 泣き喚く10まりさ。 対し男を罵り威嚇する5まりさと13れいむ。 男は3匹の喚き声を無視し、13れいむへ手を伸ばす。 「ゆっ!?にゃゆぶうう!ゆひぃいいいいい!!」」 そうして、13れいむの口の中へ無理矢理指を突っ込み舌を引っ張り出した。 「ゆびゃあああああ!!れいひゅのぺびょぺびょさんばあああああああ!!」 「ごのぐじょじじいいいいいいいい!!れいみゅのぺりょぺりょしゃんをはにゃしぇええええええ!!」 「もうやめぢぇよおおおおおおおおおおお!!ゆっぐぢ、ゆっぐぢぢようよおおおおおおお!!」 痛がる13れいむ、怒り狂う5まりさ、ただただ泣き喚く10まりさ。 ちなみに5まりさが言っている『ぺりょぺりょ』とは正しくは『ぺろぺろ』 つまり舌のことを言っている。 男が13れいむの舌に針を突き刺さした。 「ゆっ!?ゆぴゃーーーーーーーーーーーーー!!」 「「れいびゅうううううううううううううううううう!!」」 悲鳴を上げる13れいむ。 「ゆぴいいいいゆびゅ!?」 男は13れいむの尻の穴に小さい爆竹を突き刺した。 さらに左右のもみ上げと舌にも同じサイズの爆竹をガムテープで貼り付けた。 「「むーーー!!むーーー!!」」 ついでに5まりさと10まりさの口をテープふさいだ そして、舌、右のもみ上げ、左のもみ上げという順に、 導火線へ火を点けていく。 パン! 「ゆびぇ!!」 始めに舌の爆竹が爆ぜた。 「ゆびゃああああああああああああああ!!」 悲鳴を上げる13れいむ。 その痛みを表すかのように、左右のもみ上げが上下に激しく動く。 パン! 「ゆびぃ!!」 次に右のもみ上げが爆ぜた。 ついでに顔の右側の皮が少し千切れた。 パン 「ゆびゃ!!」 最後に左のもみ上げが爆ぜた 偶然左目の近くで破裂したため左目が潰れた。 「ゆっ・・ゆっ・・・」 それでも13れいむが生きていた。 男は13れいむの口をガムテープで塞いだ。 「っ!?むーむー!」 先の2匹と同じく声が出せなくなる13れいむ。 男は今度は13れいむ尻の穴へ刺していた爆竹の導火線へ火を点けた。 ジジジという、火が導火線を燃やしながら近づいてくる音がはっきりと聞こえる。 「むーーーーー!!」 近づいてくる死の音に恐怖する13れいむ。 尻に力を入れ爆竹をひねり出そうとする。 しかし、男が爆竹を突き刺した際に、 瞬間接着剤とテープで爆竹が抜けないようにしていた。 そのため、どんなに力んでも爆竹は抜けない。 それでも13れいむは、残った右目から涙を流しながら必死の形相で、 爆竹をひねり出そうとする。 しかし、出ない。 パン!! 「むーーーーーーーーー!!」 尻に刺さされた爆竹が爆ぜた。 底部の皮と餡子が飛び散り顔の周りだけが残る。 「む・・・むぅ・・」 そんな姿になっても13れいむは生きていた。 しかし、もう長くはない。 それがわかったのか、男は13れいむをそのまま放置し、5まりさの方へ顔を向けた。 そして、5まりさの口に貼られたテープをはぎ取ると、 5まりさの帽子を奪い取りびりびりに破いた。 「まりちゃのほごりだかぎおぼうじじゃんがああああああああああああ!!」 5まりさの反応を無視して 男は今度は針を5まりさに突き刺す。 「ゆぎゃああああああああああああ!!」 悲鳴を上げる5まりさ。 男は何度も何度も針を5まりさに突き刺す。 プスッと 「ゆぴぃ!!」 グサッと 「ゆぎゃ!!」 ドスッと 「ゆぎぇ!!」 何かに取り憑かれたかのように黙々と、 男は何度も何度も5まりさに針を突き刺す。 「ゆっ・・ゆっ・・ゆ・・」 それでも5まりさは生きていた。 男が中枢餡をよけて刺していたからだ。 しかし体中穴だらけとなっており、そこから餡子が流れていた。 さらに潰れた両目からは、餡子が涙のように流れ出ている。 男は5まりさの眉間へ針を突き刺した。 「ゆぴいいいいいいい!」 断末魔の悲鳴を上げる5まりさ。 どうやら、針が中枢餡を貫いたようだ。 これで14匹いた赤ゆたちも10まりさだけとなった。 ちなみに13れいむはすでに息絶えていた。 「もうやじゃぁ・・おぢょうじゃん、おぎゃあじゃんだじゅけでぇ・・・」 最後1匹となる10まりさ。 先ほど男に口をふさいでいたテープを剥がされたのだが もう叫ぶ気力も残っていないようだ。 「お父さんとお母さんに会いたいかい?」 入室の際にした挨拶以来、始めて男が口を開いた。 「ゆっ・・・あいちぃよ・・・」 男の質問に答える10まりさ。 「すぐそこにいるじゃないか」 「ゆっ!?ぢょこ?ぢょこにいりょにょ?」 男の言葉で、とたん元気になり周囲を見回す10まりさ。 「ほら、ここさ」 見ると男がいつの間にか両手に赤いリボンと黒い帽子を持っていた。 大きさから見て両方とも成体サイズだ。 男はそれを最初に赤ゆたちがエサを食べていた皿の上に落とした。 いや、正確にはその上のエサの食べ残し上に。 「!!?」 驚愕する10まりさ。 突然だが、一般的にゆっくりは一部例外はあるものの飾りで個体を認識している。 そのため、飾りが無いゆっくりは親兄弟からでさえも認識してもらえず、 ゆっくりできないゆっくりだと迫害されることがある。 ひどい場合は、ゆっくりであるこということさえ認識されず、 別の物に見られたりする。 例えば、 髪の毛を全て抜かれ、口や足を焼かれ、しゃべることも動くこともできず、 かわいい我が子らに喰われることに恐怖し、ただただ涙を流す 『饅頭(エサ)』。 「ゆぎゃあああああああああああああああああああああ!!!」 もう何度目になるかわからない悲鳴を上げる10まりさ。 人間からは饅頭の食べ残しの上にリボンや帽子が乗っているだけに見えないのだが。 はたして、10まりさにはどのように見えているのだろうか。 「ああああああああああ!!ゆぶっ!!ぶええぇ!!」 激しく嘔吐する10まりさ。 男がそんな10まりさのすぐ近くまで顔を寄せると、 「お父さんとお母さんはおいしかったかい?」 と囁いた。 「ゆっ・・・」 硬直する10まりさ。 そして、 「ゆぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」 これまでにない大絶叫を上げる10まりさ。 「ゆっぐりいいいいいい!!ゆっぐりいいいいいいいい!ゆぎ!ゆぐ!ゆ・・ぐっ・・ぐがっ!! ががががががががががががががが!・・・・・・パピプペポ!パピプペポ!パピプペポ!」 そして、気味の悪い声を出したかとおもうと、 今度は意味不明な言葉を繰り返し始めた。 どうやら壊れたようだ。 男は先ほど11れいむを潰したときに使った金槌を手に持つと それを10まりさへ振り下ろした。 ドン!! グチャッ!! そこで映像は終わった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 場所は変わって、 とある人通りがまったくない、薄暗い路地裏にあるレンタルビデオ店。 その店内の一角にゆっくりの登場する作品を扱ったコーナーがある。 『しんきママの淫らな昼下がり―ダメ!お米屋さん!そろそろとしあきちゃんが帰って来ちゃう―』 『ヤゴコロ先生のいけない診察―ほとばしるねぎぃ!!汁―』 『きもけーね先生の淫靡な掘りデー』 『こーりん姦―汚されたフンドシ―』など。 タイトルからして怪しげなものばかりが並ぶ、 そのコーナーにこのようなものが置かれていた。 『The・赤ゆ殺し』 突然だが、スナッフビデオというものをご存じだろうか。 娯楽目的で実際の殺人の様子を撮影したビデオのことだ。 これはそれのゆっくり版で、ゆっくりへの虐待趣味があるが、 個々の事情でゆ虐ができない人などに需要がある。 そして、このビデオのあらすじはこのようになっている。 れいむとまりさのかわいいおちびちゃんたちがたくさんでてくるよ。 げきちゅーでは、やさしいおにいさんがおちびちゃんたちをとってもゆっくりさせてくれるよ。 そしてくらいまっくすには、いきわかれのおとうさんとおかあさんと、 『かんっどうのごたいめん』があるよ。 ゆっくりみていってね!!! 完 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 後書き 久しぶりに投稿しました。 愛でよりな自分にはここまでが限界。 あまり残酷なのは書けません。 八手あき 以前書いたもの anko1354 捨てゆを拾ってみた anko1358 焼き芋を買ってみた anko1366 ゆ虐戦隊!!ヒャハレンジャー!!! anko1377 みんなのうた 大きなドスまりさ anko1386 ごめんなさい anko1398 カスタードキムチ鍋 anko1405 ぜんこーしてみた anko1417 みんなのうた むらむら anko1440 やまめに出会った。 anko1455 虐隊見参!! anko1499 壊れるまで anko1591 けーねとちょっとSなお姉さん anko1655 まりさをゆっくりさせてあげた
https://w.atwiki.jp/ll_inagawa/pages/1110.html
スレ立て日 20240912 元スレURL ᶘイ^⇁^ナ川 癖になってるんです、音殺して見抜くの 概要 HxHパロディ 9~200、204以降のスクリプトに注意 関連スレ ほぼ同じスレ→イナミイにハンタ語録を喋らせるスレ🆓 タグ ^イナ川 ^ミイリ ^イナミイ ^パロディ 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/3275.html
鬱グロ注意 [朝比奈みくる編] 最近キョン君の様子がおかしいです。何か変です。もうかれこれ1ヶ月も休んでます。どうしたのでしょう? もう一つ変な点があります。それは涼宮さんです。何故かキョン君が休んでいるにも関わらず特に心配している様 子もなくお見舞いにも行きません。これはおかしいです。絶対に何かあります。そう思ってわたしは長門さんと古泉く んに相談してみました。 「実はここ一ヶ月の間、彼はずっと自宅から出ていません。窓にはカーテンがかけられていて中の様子を確認できま せんでした。家族の方々にも伺ったのですが、ずっと閉じこもったままでいるんだそうです。そしてこれが最も気に なることなのですが、どうやら一ヶ月前の閉じこもる前日から毎晩うなるような悲鳴が聞こえてくるんだそうです。 恐らくこれは大変危険な状況でしょう。何とか手を打たねばもしかすると彼の命が……」 「そんな……」わたしは絶句しました。 「それと最近は涼宮さんもおかしいですね。あれほど気に入っていた彼が学校を1ヶ月も休んでいるというのにいつも 通りにしています。まるで、彼が何故休んでいるのかを知っているように。もう一つおかしいことをあげると、彼が閉じ こもった日の前日から毎晩小規模ながらも閉鎖空間が発生しています。しかもこの閉鎖空間は悪いことにあのとき のように我々の誰もが介入できないほど強力に遮断されてます。以前に長門さんにも試みてもらったのですが、前 回以上に完璧に隔離されていて駄目だったようです」 そこまで話して古泉くんの目は明らかに絶望色へと染まっていきました。長門さんも諦めたかのように俯いていま す。そしてわたしの心にも真っ黒な絶望感が胸の中にどんどん満ちていきました。それは仕方ありませんでした。な ぜなら、今の古泉くんの話からさすがのわたしでもその最悪の状況を推察できてしまったからです。いったい涼宮さ んとキョン君の間には何が……。 わたしは翌日、学校を休んでキョン君の家へお見舞いに行きました。慰めになるようにとできるだけ綺麗な花を買っ てきました。お花の名前は(聞いたはずなのに)もう忘れてしまったのですが、赤くて小さな花です。それを4本買って 綺麗にラッピングしてもらいました。わたしはインターホンを鳴らし、出てきたキョン君のお母さんに案内されてキョン 君の部屋の前まで来ました。キョン君のお母さんは酷く疲れている様子で、頬が少しこけていました。キョン君のお 母さんが部屋に声をかけても何も返事が来ず、わたしが来たことを伝えても無反応です。キョン君……。キョン君の お母さんにその場から去ってもらい、わたしはドア越しにキョン君へと話しかけました。どうしてここ最近ずっと学校を 休んでいるんですか? どうして部屋から出ないんですか? みんな心配してますよ? 返事は一つも帰ってこず、わたしは覚悟を決めなければならなくなりました。覚悟を決めて、震える声を振り絞って 言いました。涼宮さんと何かあったんですか……? わたしがそれを言い終わった瞬間ドアが勢いよく開き、中から 伸びてきた手に右手を掴まれて部屋の中へ素早く引きずり込まれました。吃驚して悲鳴をあげたわたしの口へ汗ば んだ掌が覆われ、口を閉ざすことを強いられました。ドアをバタンと閉めてすぐに鍵をかけられました。わたしは反射 的に抵抗しましたが、朝比奈さん、朝比奈さんと呼びかける懐かしい声で我に帰りました。それは痩せた男の人で した。 それはよく見るとキョン君だったように見えましたが、とても前と同じ面影があるとは思えませんでした。肌が青白く て頬はこけ、唇は乾いてて目がギョロりとしていました。肌色のTシャツは襟首がべろんと垂れ伸び、あちこち染みが ついていてくしゃくしゃでした。下は紺の短パン姿で、やはりどこか汚い印象を与えました。寝癖だらけの髪は少し伸 びているようで、以前会ったときと比べると目元が少し見えにくくなっていましたが、間に見える瞳は真っ赤に充血し ていました。とても以前のキョン君と同一人物だとは言えそうにありませんでしたが、状況から言ってこの人しかキョ ン君と言える人はいませんでした。キョン君は落ち着いてきたわたしの口から手を離して、すみませんと呟いてから 虚ろな目でわたしをぼうと見つめました。 わたしは本とCDと衣服などがごちゃごちゃになった部屋の中を見渡しました。家具という家具は皆々哀れにもボロ ボロに壊されており、飛び散った木片や突き出した木の板などもそのままでした。足元には服や本やCDケースなど が無秩序に散らばっており、ここは本当に人が住んでいる部屋なのだろうかと疑ってしまう有様でした。壁や天井に はあちらこちらに穴が開いており、そこへ服を詰め込んで塞いでいる場所もありました。わたしはしばらくそうして周り を観察した後、ずっとこちらを見ていたキョン君と目を合わせました。まるで人の目ではないかのようにこちらを直視 している瞳に話しかけました。キョン君、いったい何があったんですか? 涼宮さんと何かあったんですか? キョン君の瞳から一筋の涙がこぼれ、次いでどんどん涙が流れていきついには号泣をしながらキョン君はわたし を強く抱きしめました。いきなりの行動に完全に困惑してしまったわたしは、わっわっわっと慌てるしかありませんで した。わたしはついにどうすることもできずにそのまま抱き締められていると、しばらくした後に彼はやっと力を緩め てくれました。でもまだ離してくれません。わたしは再度、なにがあったのかと聞きました。彼は嗚咽を交えながらも 自分を落ち着かせようとしながら話しはじめました。 キョン君の話を聞いたわたしは愕然としました。そして予想していた最悪の事態が訪れていたことを。キョン君は一 ヶ月前の日の夜、またあの日と同じく閉鎖空間へと涼宮さんと閉じ込められました。古泉くんから聞いていなかった その閉鎖空間の場所は学校のキョン君と涼宮さんの教室だったようです。最初は涼宮さんもどうにか脱出する方法 を一緒に模索したようですが、次第に様子がおかしくなっていき、ついには気が狂ってしまったそうなのです。乱心し た涼宮さんは何を思ったのでしょうか、動けなくしたキョン君を思い切り蹴り飛ばしそのままずっと殴る蹴るを繰り返し た後に手と足の指を一本ずつ丁寧に折り、更に脚と肋骨と鎖骨を折った後に首の骨を折られたそうです。言い表せ ぬ痛みと共に意識が遠のくと、次の瞬間は自分の元の部屋で朝に目覚めるのだそうです。 その日はあまりのショックで学校を休んだのですが、その日から毎晩涼宮さんに夢の中での究極のサディスティッ クバイオレンスを受けていたのだそうです。目覚めると全くの無傷なのにも関わらず、傷つけられた記憶が痛みを体 へと思い出させるようです。あるときには歯を全部抜かれて出血多量でショック死し、またあるときには生きながら目 の前で取り出された心臓を食べられたとも。あまりの凄惨さに吐き気を覚えたわたしは、たまらず部屋の隅に吐いて しまいましたがキョン君は一向に気にしないでまだまだわたしに語りました。そして最後に、今までで一番涼宮さんが 恐ろしい化け物であるということをわからせるのに十分すぎる力について話しました。 それは、必ず眠ってしまうこと。キョン君は眠れば夢で涼宮さんに殺されるので、絶対に眠らないようにいくら対策 を施しても必ず深夜の12時までには眠らされてしまうそうです。涼宮さんに呼ばれたキョン君はどうしても逆らえな いのです。キョン君はついに眠ったら自分が死んでしまうように、力を入れ続けないとナイフが首に突き刺さるように 自分に罠を仕掛けたのにも関わらず、やはり12時に眠ってしまったそうです。そして朝目覚めると、首には刺された 様子はなく、ナイフはキョン君とは反対側の壁に突き刺さっていたのだそうです。さらに手首を切り落としたり首や心 臓を突いて自殺もしたそうです。しかし自殺をして意識がなくなった後は必ず目覚めてしまい、傷は必ず完治してしま っているんだそうです。キョン君はもう死ねずに生き殺され続ける運命へと涼宮さんによって決められてしまったので す。 全ての謎を語ったキョン君は少しの間俯いたまま、ぶつぶつと何かを喋り始めました。そして顔をぐいと上げ大きく 開かれた浮き出た両目でわたしを見つめました。 「朝比奈さん……助けて、ください。あなたしか、俺を助けてくれる人がいません。お願いします。ハルヒを……涼宮ハ ルヒを殺してください。お願いします。殺してください。お願いします。殺してください」 恐らくキョン君はそう望むだろうと予期していました。同時に絶対に言わないで欲しいと願っていたのですが。わたし はしばらく俯いたまま黙っていました。みるみると恐怖がわたしを追い立てます。何も言えずに立ちすくんでいるわたし を見て、キョン君は跪きスカートにしがみついてきました。僅かな光が差した瞳からは先ほどとは違う涙がにじみ出てい て、ひきつった笑顔でした。 「お願いです。お願いです。お願いです。お願いです。お願い……」 わたしは吃驚して、ひっと思わず叫びそうになりました。寒気が背中から全身を循環して、鳥肌をぷつぷつと立たせて いきます。自分の体がどんどん震えていくのを感じながら、何とか言葉を吐き出しました。 「こ、古泉くんと長門さんに、相談してみます……」 直後に必死にしがみついていたキョン君の両手はずるずると力なく崩れ、だらんとキョン君の肩に垂れました。力なく 座り込んだキョン君は頭を傾いだままわたしを仰ぎ見ました。窓から入ってくる日の光が部屋の中央でピクリとも動かな いキョン君全体を鮮明に見せていました。ただただ見据え続ける両目に耐えられず、それでは今日はこれで、と誰にかけ るでもない言葉のように言いながらわたしはドアへと身を翻しました。震える脚で何とか数歩歩いて鍵を開けます。部屋 を出てドアを閉める瞬間まで、キョン君はそのままずっとこちらを見ていました。ドアが閉まる直前、数センチ開いた隙 間へわたしはつい漏らしてしまいました。 「ごめんなさい……」 バタン、カチャン。ドアが閉まった直後すぐにかけられた鍵の音で、キョン君との絆が完全に断ち切られました。急激 に登りつめてきた感情に顔を俯かされると、綺麗にラッピングされた小さな赤い花が4本ほど、根元からべっこり折れ曲 がったまま右手からぶらりと垂れ下がっているのが見えました。それはすぐに霞んで見えなくなり、溢れ出る涙を袖で拭 い取りながら、嗚咽で呼吸を苦しめながらわたしはキョン君の家から去ろうとしましたが、涙で前が見えなくて全く歩け ません。わたしはドアの前でひたすらわぁわぁと泣き、まもなくキョン君のお母さんと妹さんに慰められながら居間まで 連れて行ってくれました。居間の白いふかふかのソファに座ってやっとまた泣き出し、しばらくしてやっと涙が枯れてき ました。妹さんからタオルをもらって涙と鼻水だらけの顔を拭うと少し落ち着きました。上ずった呼吸を抑えながら膝の 上に置いていた赤い花を見つめていると、ふと一つの違和感が生まれました。何かおかしい点があるような気がしてなら ないのですが、それが何であるのかは全く思いつきません。心の中をそのおかしな感覚に埋め尽くされたことによってや っと落ち着いたわたしはキョン君の家を後にし、古泉くんと長門さんに合流することにしました。 [古泉一樹編] ツーッツーッと鳴る携帯をパタンと閉じ、しばらくの間目を閉じて考えました。三日前から学校を休んでいる彼、その 彼の反応、同じ三日前から発生している侵入できない閉鎖空間、涼宮さんの不可思議な態度……。そして、それらから 予測された事態に対する予想通りの機関からの指示。僕は一つの結論に達し、目を開けました。水色のタイルが敷かれた 男子トイレから出て、ゆっくりと文芸部室へと歩きだします。扉をノックするとはぁいという舌足らずな声を確認して扉 を開きます。朝比奈さんがメイド服でいつも通りにお茶の用意をし、長門さんがいつも通り本を読み、涼宮さんがいつも 通り団長席にてパソコンのマウスを動かしていました。指定席へと座りながら何気なく聞いてみます。 「おや、もしや今日もお休みのようですか」 視界の端に長門さんを捉えながら涼宮さんへ問います。頬杖をつきパソコンのディスプレイを見ながら、そうみたいよ と涼宮さんは関心なく答えました。そうですか、と僕も関心なさ気に返しながら長門さんを見ました。長門さんは開いた 本へ視線を落としたままです。朝比奈さんだけが僕にお茶を渡しながら 「キョン君今日もお休みなんですねぇ。どうしたんでしょう? 心配です」 と言い少し寂しそうな表情をしました。その後は朝比奈さんのお茶を啜りながら朝比奈さんとオセロをし、全戦全敗し てその日の活動は終わりました。それぞれが分かれ道で解散した数分後に長門さんへ電話し、長門さんのアパートを訪ね ました。入って、と短く言われて入った長門さんの部屋はコタツテーブルが真ん中にあるだけの実にシンプルな部屋です。 長門さんが煎れたお茶を啜りながら、話を切り出しました。 「今日で彼が休んだのは三日目です」 長門さんは正座のまま僕を見ました。 「その三日間の毎夜、特殊な閉鎖空間が発生しました。我々が介入できなかったあのときのものより強力な空間です。我 々機関が全力を出したにも関わらず、その空間への侵入は不可能でした。完璧に遮蔽されています。恐らく今夜も発生 するでしょう」 長門さんはまるで全てもう解っているかのように微動だにしません。 「長門さんは侵入を試みましたか?」 「最初の発生時に試みた。結果はあなたたちと同じ」 即答を終えた長門さんはまたそのまま動かなくなりました。 「そうですか」 僕も長門さんの目を見続けました。しばらく無音の時間が過ぎ、それ以上話すことがないことを確認して僕は立ち上が りました。 「そろそろ失礼させてもらいます」 「何故」 背を向けた僕に長門さんの小さな声が響きました。振り返って長門さんを見ると、さっきの姿勢のまま首も動かさず次 の言葉を放ちました。 「あなたたちにとって今の状況は悪いものではないはず。今の状況を涼宮ハルヒが自然死するまで様子を見続けるのが最 も適当。なのに何故、私の助力を仰ぐ。閉鎖空間への侵入が成功し、涼宮ハルヒの凶行を阻止したならばほぼ100%の 確立で世界は改竄される」 首だけをこちらに向け、再度聞きました。 「何故」 僕が少し悩みながら言葉を選んでいると 「大丈夫。あなたに仕掛けられている盗聴器は現在一時的に遮断した。漏れる心配はない」 僕は肩をすくめながらも、長門さんに敬服の意を込めて微笑みながら答えました。 「僕は彼と一つの約束をしました。最初に雪山で遭難して館であなたが寝込んだときです。僕は一度だけ機関を裏切り彼 らを助ける、と。その裏切りが今なのです」 「助ける……?」 長門さんはよく見なければわからないほど薄い疑問符を顔に打ち出していました。 「そうです。確かに今の状況が永久的に続くのならば世界は無事平穏のまま何事もなく済むでしょう。ですが、それは僕 が望む形での平穏ではありません。一人の親友の犠牲によって成り立つ平和など僕には要りません。今現在の涼宮さん も恐らく自分が望んであのようなことをしているとは思えません。だから涼宮さんにも助けが必要でしょう。そして、 恐らくあなたにも」 「私……?」 「ええ。今ならまだ間に合います。涼宮さんと彼を助け出すためにも協力して頂けませんか。そうなれば非常に心強いの ですが」 「…………」 数センチも俯いて沈黙した長門さんに再度背を向けて長門さんのアパートを去りました。 しかし僕としても今としては現状の様子見しかできず、歯がゆい思いをしながらとうとう一ヶ月も過ぎてしまいました。 アパートでの会話の報告を誤魔化したため、機関の監視が厳重になってしまい下手な動きができなくなったからです。長 門さんからの返答はその後も来ず、今頼りとなったのは朝比奈さんだけでした。朝比奈さんだけが今この状況に於いて自 由に行動できる存在だからです。そして今、やっと朝比奈さんは我々に相談してくれました。 翌日の昼休みに朝比奈さんから連絡がありました。すぐに学校を出て近くの公園へ行くと朝比奈さんと既に長門さんが も来ていました。僕は朝比奈さんに彼について聞くと朝比奈さんは急に号泣してしまい、隣にいた長門さんが代わりに話 してくれました。状況はかなりよくありませんね……。 ふいに長門さんが顔を上げ何もない宙を注視し出しました。どうしましたか、と聞くと長門さんが素早く唇を動かしま した。 「涼宮ハルヒが数分前にこの世界から消えたことが判明した」 一秒後さらに長門さんは続けました。 「さらに今から0.03秒前に涼宮ハルヒを彼の部屋に出現したことも判明した。どちらとも方法は不明」 その言葉を聞いて一瞬心臓が喉まで上がってきたような気がしました。一体何が起こっている? とにかくこのままでは危険です。早急に対処しなければ……長門さん、我々を今すぐ彼の部屋へ連れて行くことができま すか? 数秒の間お互いの目を見つめ合い、長門さんは徐に僕と朝比奈さんの腕を掴みました。どうやら連れて行ってくれるよ うです。長門さんが素早く呪文を唱える直前、朝比奈さんはえっ? えっ? という表情で僕達を見ているのが見えました。 長門さんが急に強く光り出し、眩しさに目を瞑られると、次に目を開いたときには暗くて薄ぼんやりとした視界が映り ました。外から急に室内へ移動したからです。視界の全てが暗すぎて何も特定できませんでしたが、しばらくすると徐々 にモザイクが解けていきました。そして部屋の中央で彼の上に被さっている涼宮さんがいるのが見えました。その背中から は貫通した鋭利な刃物がその先端を覗かせていました。制服がみるみる赤く染まっていく涼宮さんの両手は彼の首へと回 っていて、彼の両手は涼宮さんの胸から生えた柄を掴んでいました。 [涼宮ハルヒ編] 風呂上りで爽快になっていたあたしは明日の学校の準備を終え、就寝しようとしていたときだった。とつぜん 誰かに胸中を弄られた錯覚がした。心臓を直に握られたようなその感覚に悪寒が走り、次いで眩暈がするほどの 吐き気に催され、動悸が加速した。突如の混乱に耐え切れなくなったあたしは自分の部屋の家具を手当たり次第 に殴った。机、椅子、テレビ、壁、床……。擦り切れた拳から飛び散る鈍色の鮮血がよりあたしを加速させてい く。どこから出自しているのかも解せないこの怒りに酷似した興奮は当分止まなかった。 腕がもう上がらなくなり膝を折ってベッドへと横臥したとき、ようやく理性がもどってきた。激しく起伏する 胸が落ち着くにつれ、汗だらけのパジャマと時計が指し示している現在時刻から、いま自分は就寝しようとして いるところだったことにぼんやりと気付く。両拳から徐々に登ってくる熱い刺激に顔を顰め、脱力した両腕の先 を見遣ると皮膚は千切れて剥がれ落ちてしまい、その中からまるで血の海に浮かぶ島嶼のように拳骨が浮き出し ていた。 だがあたしはこの痛々しい傷を手当てしようという気にはならなかった。代わりに沸いて出てきたのは全身が 鳥肌を立てるほどの満足感だった。自然に微笑んでしまうほどの幸福感は先ほどの狂人的奇行を顧みさせること などさせず、間もなく訪れた疲労感と睡眠欲によってあたしはそのまま眠ってしまった。 夢を見た。 翌日、いつも起きる時刻の一時間も前に目覚めた。実に清々しい朝で、後ろ髪を引くような眠気がこれほど感 じなかったことなど今までにあったかしらというほどだった。身体中からエネルギーが漲るようで、あたしは飛 び跳ねるように学校へと向かった。 キョンは学校に来なかった。ホームルームが始まっても現れないのに訝しんだとき、今朝の夢を思い出した。 まさかあれが関係してるわけじゃ……。いやな不安が心をかすめたと同時に、別の感情も密かにもやもやとして 漂い始めた。 「涼宮のやつ、キョンが休んだってのに随分と嬉しそうな顔をしてやがんな」 谷口がこちらを見ながら、小さな声で国木田に耳打ちしているのが聞こえた。 キョンのことが心配だったけど、それより先に確認しなくちゃいけないことがあった。もしそれが本当だった ら、今朝の夢は現実だということになる。問題は、どうやってそれを確認するか。あたしはキョンのいない部室 でうんうん唸って考え込んでいた。有希はいつも通り窓辺に腰掛けていて、みくるちゃんはいつも通りお茶を煎 れてくれて、古泉くんのボードゲームの相手をしてる。古泉くんは少し眠たげのようだった。 いくら悩んでもその方法がまったく思いつかず、今日はそのまま部活を終えた。キョンの欠席の話はみくるちゃ んがちょっと心配した程度にしか上げられなかった。その日の夜も、昨日と似たような夢を見た。 それから毎晩見る同じような夢に連動してか、キョンの欠席も続いてそろそろ一ヶ月が経つ頃にまでなった。 確認する方法など必要なかった。この関連性が総てを物語っていたから。だけど、あまりその実感は沸かなかっ た。世界を崩壊したり創造したりすることには、もう興味は持てなかった。キョンの夢を見れるかどうか、そこ が重要だった。 ある日の午前中、ぼーっと胡乱な気持ちで授業を眺めていると、脳裡にどこかの映像が浮かび上がった。矢鱈 に汚い部屋の真ん中に女が一人立っていて、その下に男が一人跪いていた。よく見るとそれはみくるちゃんとキョ ンだった。キョンがみくるちゃんに助けを求めていた。泣いて懇願してた。でもそれを受けたみくるちゃんの表 情は、滑稽なほどの恐怖が刻まれてる。あたしは笑いを堪えた。 みくるちゃんが青ざめた顔でキョンから離れ、キョンは信じられないという顔をしていた。みくるちゃんが扉 を閉めきる瞬間、ごめんなさいと呟いた。どこまでも可笑しいみくるちゃんを一笑に付しながら、閉まった扉に すぐに鍵をかけた。バタン、カチャン。 そういえば、いつの間にあたしはキョンの部屋にいるのかしら。どうやって侵入したのかしら。でもそんな事 は、畏怖と絶望に泣いて震えだしたキョンを見てすぐに霧散した。あたしが一歩踏み出すと、ひっと呻いてキョ ンは部屋の一角へと這い蹲り、自らを隅へと追い込んだ。先ほどみくるちゃんが嘔吐した反吐が饐えた臭いと共 に溜まっているのにも構わず、キョンはそこに膝を抱えて震撼した。 身体中にショックが走った。息が止まるほど胸を締め付けられ、キョンがいとおしすぎて、愛しすぎて、思わ ず泣いてしまった。 [キョン編] 頼む、止めてくれ。いきなり何をしだすんだ。冷静になれ。俺は敵じゃない。なんだって急に俺を蹴とばし たりするんだ? 痛い。止めてくれ。踵がめりこむ。痛い。助けてくれ、ハルヒ…… 「キョン……キョン……」 泣きじゃくって零れる涙を両手で拭い上げるハルヒはキレのいい角度から蹴りを放った。腕の隙間から 侵入したつま先に喉下を蹴り上げられ、息を壊された…… ひたすら続く暴力。股間を圧し潰され、手を下げて喘いだ間一髪、綺麗な流線形の太腿が眼前に── 絶叫とともに飛び起きた。すぐに胃内が蹴り上げられ、ゴミ箱に吐いた。赤色の吐瀉物が血のようにぬ めり光り、次いで身体中が軋み痛みだす。 姿見の中の男の身体にはどこにも異常はない。赤黒い内出血も、青く腫れた瞳も、圧し潰されて内臓が 露出した巨大な芋虫のような陰部も。しかし、記憶の中の男はひどく痛めつけられた衝撃を持ち帰ってい た。眩暈で跪く。 ショックが大きすぎる。学校に行けるはずがない、あいつにどんな顔で会えばいいのか検討もつかん。 駄目だ、今日は休もう…… 「キョン……キョンの心臓、食べていい……?」 また絶叫でここに戻ってきた。動悸の速くなった心臓の音に気付いて、心底ホッとする。吐き気がする ほどの汗と喉の渇きで狂いそうだ。震えが止まらない膝を抱えて、思わずすすり泣く。瞼の裏にはハルヒ のうっとりと恍惚に満ちた顔が焼きついている。寒気が止まらない。二日連続か、どうなってやがる…… 「どうも、古泉です。お見舞いにきましたよ」 午後のことだった。ひたすら窓の外を眺めて、死について頭を逡巡させているときだった。 「三日も欠席をしているようですが、大丈夫ですか? 何かありましたら、僕が是非とも相談にのりますよ」 古泉は知っている風な話し方をした。こいつが知っているということは、やはり閉鎖空間が発生していた んだろう。ということは、あれは紛れもなくハルヒであるのか…… 「頼む、帰ってくれ」 死が言った。「ですが」と言う古泉に「帰れ!」と怒鳴った。古泉が去った後、膝を抱えて泣いた。まるで 何もかもが信じれなかった。部屋の隅の闇の中に孤独がチラついた。 ハルヒの夢は殺戮を繰り返した。被害者は常に俺のみだ。もう何人の俺が殺されたのかもわからない。 記憶だけが残る現実で、そのすべてが綯い交ぜに蘇り、さらに俺を痛めつける。ひたすら蹴られて、肋骨 を糸鋸で除去され、心膜を喰い破られ、陰部を潰され、腸を身体中に巻きつけられ、四肢を掘削機にかけ られ、骨を刺され、歯を抜かれ、眼を喰わせられ、叩きつけられ、切り刻まれ、脾臓を喰われ…… どんどん俺が亡くなる。目を覚ますたびの絶望。五体満足で生まれる五体不満足。小便を舐められ糞 も喰われ、血も精液も心膜液も涎も鼻水も膿も汗も、涙すらも吸われたとき、俺はハルヒに何もかもを奪 われていっていることがわかった。 だが、心までは渡さない。断じて渡してはならない。これだけはいくら俺を解体して食いつぶしても見つ かりっこはしないものだ。これだけは俺のものだ、俺だけのものだ。 恍惚を得た神の笑顔。慈悲と愛で満たした純粋の真心。一切の下心のない、嘘も真もない愛撫。それ らが心の隅に朦朧と、しかし確実に染み渡り始めているのを感覚した。理性が急いで堡塁をたてる。違う、 心は俺のものなのだ。あれは間違っている、あれは狂っているんだ。俺は狂っていない。そうだろう? 俺 が狂っているはずがないんだ。痛いものは嫌だ。だから、狂ってない。 嘘をつけ。お前は徐々に、だがしっかりとこれを楽しんでいる。違う、そんなはずはない。蹴られたとき、 興奮しただろう? していない。皮膚に刃が捻じ込んだとき、快感が走っただろう? 馬鹿な。狂ってる。糞 を喰われたとき、射精しただろう? 気持ち悪い、やめてくれ。心臓を取り出されたとき、笑っただろう? 違う、泣いていた。死んでいた。そのときのハルヒの顔を見て、嬉しかったろう? …… 朝比奈さん……助けて、ください。あなたしか、俺を助けてくれる人がいません。お願いします。 ハルヒを……涼宮ハルヒを殺してください。お願いします。殺してください。お願いします。殺してください。 あなたまで俺を裏切るんですか? 最も行動力の早い長門も助けてくれず、古泉は一度のお見舞いの みで見捨てた。残る最後の希望はあなただけなんです。あなたにまで見捨てられたら、もう俺は俺を抑え ることができなくなってしまいます。唯一あなただけに支えられた俺が、ハルヒの真心に魅入られた俺に 飲み込まれてしまうんです。お願いだから、行かないでください。 バタン。カチャン。 閉じたドアに誰かが即座に鍵をした。ハルヒだった。ああ、そうか。夢の中だったのか。だから朝比奈さん が逃げて、ハルヒがいるのか。朝比奈さんがいる限り、俺はまだ俺でいられる。心を守らねば。 震える体で這い蹲り、部屋の隅まで逃げた。ゆっくりと近づくハルヒがすぐにぼやけ始め、歯がガチガチ と鳴った。饐えた臭いが鼻をつき、連鎖反応で記憶の排泄物を口に詰め込まれる。また始まる。俺を解体 して、狂った俺を組み立てる作業が。枯れない涙が止め処なく溢れる。 泣き声が聞こえた。ハルヒの声だ。いつも事を始める前にあいつは泣く。何故だ。何故泣くんだ。悲しい からか、嬉しいからか、さもなくば両方か。ハルヒは本当はこんなことをしたくないのではないだろうか、と 考えたことがよくあった。だが、その可能性は極めて低かった。泣いた後に見せるハルヒの笑顔は百万ワ ットだからだ。 しばらくの間、二つの嗚咽だけが響いた。午後の陽光が窓から差込み、俺とハルヒを影に追いやる。状 況がいつもと違うことに気付いた。 もうそろそろハルヒが俺に手を加えていいころだった。だが、泣き止んだ俺はただハルヒを見つめ、ハル ヒもまた泣き止んで俺をキョトンとした双眸で眺めるだけだった。何かいつもと雰囲気が違った。 ハルヒの顔色を窺いながら落ち着いた身体をゆっくり起こすと、ハルヒの肩がビクッと震えた。CDと衣服 の瓦礫に一歩踏み出すと、さらに震えて後退りした。腕を抱えて身を屈めて震えている。いつものあいつ じゃない……? 「今日は……何をするの? また、刺すの? それとも、調理? もしかして……眼窩姦?」 ハルヒは俺を畏怖しているようだった。いや、これは畏怖なのか? 身体はひどく怯え、前屈みで不安気 でいるが、表情がまったく矛盾していた──頬を朱色に染め、微笑んでいた。 何を言ってるんだ。いつもはお前が俺を痛めつけてたんじゃないか。理不尽な暴力を振りかざして、俺を 跪かせて、俺を殺してたんじゃないか。 「何を言ってるの? もうあたしを愛してくれないの? いつものようにあたしを殴ったり、刺したり、抉ったり、 吊るしたり、縛ったり、焼いたり、剥いたり、犯したり、喰べたりしてくれないの? 心からの愛撫をあたしに 教えてくれたのはあんたじゃない……」 求めるようにハルヒは言った。 ふざけるな。何を言ってやがるんだ。いつもお前が俺を殺してたじゃないか。俺を愛してくれたじゃないか。 今更止めるだなんて、冗談じゃない。いつものように俺を痛めつけてくれよ。容赦のない愛情をくれよ。首 を捻じ切ったり、熱した鉄棒をさしこんだり、股を裂いたり。俺だけに執着してくれ。俺に狂ってくれ。俺を愛 してくれ…… 「そんな……それじゃあ……あれは……」 部屋の中央を照らす陽光の中にハルヒは退った。光り輝いたハルヒの顔は絶望していた。 あいつはハルヒじゃない。おそらく天蓋領域か何かの刺客だろう。ハルヒの化けの皮を被った偽者だ。ふ ざけやがって。ハルヒはあんなんじゃねぇ。ハルヒはひたすら俺を愛撫してくれるのだ。殺してやる。人間 の愛を弄ぶ糞野郎め、制裁してやる。 床に広がる光の中にナイフが煌いた。さんざん自殺に使ったナイフ。それを取りに、ふらつく足を引きず りながら俺も陽光の中に入った。拾おうと屈んだ瞬間、ふいに首を掴まれて倒された。 ハルヒの偽者だった。両手を伸ばして俺を握り絞るその顔は、憎しみの皺で埋まっている。吹いた泡が 俺の顔に滴った。 確信した。あいつは俺を殺すとき、俺を愛でながら殺してくれる。こいつははっきりと違う。殺してやる。 手を伸ばしてナイフを掴み、右手に左手を添えて全力で突いた。糞野郎の双眸は限界まで開かれ、首 への力が緩んだ。ナイフは三分の一ほどしか挿入されていなかったがなお食い込むように、俺は糞野郎 の上体をナイフで浮かせた。収縮した胸筋がナイフを止めて、かはっと喘いだ振動が伝わる。だらりと垂 れた手が頬に触れた。 ナイフを圧し留めていた筋肉がふぅと緩むのを感じた。次いで、ナイフが深々と刺しこまれ、熱い鮮血が 頬に滴った。あいつは自分から体重をかけてきたのだ。そのときの顔は、ハルヒの顔は、いつも以上の愛 と慈悲を携えた微笑みだった。偽者じゃなくて、本物だったのかもしれないという疑問が今更ながら頭を掠 めた。 視界の端が鋭く光り、ハルヒを虚ろに彩った。気になったが、それ以上にただこの美しい笑顔に釘付け になっていた。 つづく