約 173,348 件
https://w.atwiki.jp/2chbattlerondo/pages/137.html
練習&テスト用ページ。 練習、実験等ご自由にどうぞ。 あいうえおあいうえおあいうえおあいうえおあいうえおあいうえおあいうえおあいうえおテスト あああああああああああああああ いいいいいいいいいいいいいいい ううううううううううううううう サイズ1 サイズ2 サイズ3 サイズ4 サイズ5 サイズ6 サイズ7 サイズ8 サイズ9 下線 取り消し線 強調 表示 公式サイト 武装神姫 公式サイト 武装神姫 公式Twitter 武装神姫 BATTLE RONDO 公式サイト 武装神姫 BATTLE MASTERS 公式サイト 武装神姫 BATTLE MASTERS Mk.2 公式サイト 武装神姫 BATTLE CONDUCTOR 公式サイト 武装神姫 アニメ 公式サイト wiki 機械仕掛けの姫のwiki 武装神姫 wiki 武装神姫 BATTLE RONDO wiki 武装神姫 BATTLE MASTERS wiki 武装神姫 BATTLE MASTERS Mk.2 wiki 武装神姫 BATTLE COMMUNICATION wiki 武装神姫 BATTLE CONDUCTOR wiki 5ちゃんねる 2021-10-10 現行スレッド 武装神姫 PART 742 武装神姫 BATTLE RONDO PART 389 武装神姫 BATTLE MASTERS 総合 PART 189 武装神姫 BATTLE COMMUNICATION PART 8 ログ 武装神姫 BATTLE CONDUCTOR PART 18 武装神姫 BATTLE CONDUCTOR カード交換 PART 1 神姫デザイナー 素体 [MMS] 浅井真紀氏eden plastics 第1弾 第8弾 ライト第1弾 島田フミカネ氏digital bs tuners 第2弾 第5弾EXウェポンセット カサハラテツロー氏カサハラテツローHP 第3弾 篠房六郎氏篠房六郎日記 第3弾EXウェポンセット GOLI氏GOLI OFFICIAL BLOG 第4弾 okama氏okama 第4弾 第8弾EXウェポンセット 柳瀬敬之氏WIND FALL 第5弾 第10弾 間垣亮太氏わんわんROOM ver1.5 第6弾 清水栄一氏・下口智裕氏ナデガタサーカス 第7弾 第11弾 CHOCO氏CHOCOLATE SHOP Float 第7弾EXウェポンセット ちびすけマシーン氏Candy Meteor labo. 第9弾 たにめそ氏TURNINGPOINT ※第2弾のBLADE氏と第6弾EXウェポンセットの鬼頭栄作氏はサイトなし @WIkiの新プラグインとかテスト youtube表示プラグイン IRCチャットプラグイン チャンネルとニックネームを指定して下さい あなたのニックネーム ニックネームはには9文字までの半角英数が使えます。 空白は使えません。他の人と重複してはいけません。 入室するチャンネル チャンネルの名前には空白は使えません。 チャンネルの名前の先頭には # + ! などが使えます。 一覧にない名前を指定すると自分でチャンネルを作ることになります。 設定 初心者モード 初心者 普通 文字の大きさ 91216pt 表示の省略 参加 表示 非表示 退出 表示 非表示 切断 表示 非表示 ニック変更 表示 非表示 @+の変更 表示 非表示 招待に応じる? 応じる 無視する Appletタグ 自動APPLETタグ (表折り曲げ実験) 01 アーンヴァル 16 ウィトゥルース 32 エウクランテB 02 ストラーフ 17 グラップラップ 33 イーアネイラB 03 ハウリン 18 ストラーフW 34 スクールバッグ(ピンク) 04 マオチャオ 19 アーンヴァルB 35 スポーツバッグ(黒) 05 ヴァッフェバニー 20 アーク 36 ラジオロンドCD+500Spt. 06 サイフォス 21 イーダ 37 07 紅緒 22 シュメッターリング 38 08 ツガル 23 ムルメルティア 39 09 ジルダリア 24 飛鳥 40 10 ジュビジー 25 ゼルノグラード 41 11 フォートブラッグ 26 rp.ハウリン 42 12 エウクランテ 27 rp.マオチャオ 43 13 イーアネイラ 29 ツガルbx. 44 14 ヴァッフェドルフィン 30 ランサメント 49 ポモックprot. 15 ティグリース 31 エスパディア 50 パーティオprot. 攻撃力ベスト3(打撃系) 魔槍“グングニル”:999 ラムダオ:870 ミョルニルハンマー:780 攻撃力ベスト3(射撃系) ガトリング砲“アイゼンイーゲル”:800 ロケット砲“シュトルム・ウント・ドラング”:730 ドラゴンキャノン:700 攻撃力ベスト3(投擲系) モアイ像:805 ナヴァグラハ:630 “ハルバード”大型ミサイル・跳び箱・スーパーダイス(目が6):600 攻撃力ベスト3(スキル) ドラゴンクラッシャー:4000 バレットカーニバル:3800 ディーヴァの煌輝:3600 防御力ベスト3 争上衣「ツェンシャンイー」:220 胸甲・心守「きょうこう・しんじゅ」:200 サキュバスメイル 胸:160 命中率ベスト3 素手:350/2 ブーメラン:300/1 アスパラスピア:280/1 回避率トップ UWジャケット・タイプ・リュフトフェン:40 フローラル・チェストピース:40 プリンセススカート:40 リアブースターJRv21:40 アイオロス・リアウイング:40 スタン値ベスト3 スタンロッド 190 センス・オブ・ユーモア 175 金ダライ 170 ダウン値ベスト3 芭蕉扇:200 ロケット砲“シュトルム・ウント・ドラング”:190 クライモア:180
https://w.atwiki.jp/busousinki/
武装神姫 BATTLE COMMUNICATION @wikiへようこそ DeNAのポータルサイト・SNS「Mobage」内のソーシャルゲーム「武装神姫 BATTLE COMMUNICATTON」の攻略wikiです。 最新情報は、武装神姫 BATTLE COMMUNICATTONwikiをご参照! 携帯からのアクセスの場合、こちらをご利用ください。 身内用、自分のメモ用として作っています。過度な期待はしないでください。 誰でも編集可能にはしています。なので編集は自由です。 武装神姫とは? 武装神姫(ぶそうしんき)は、コナミデジタルエンタテインメントから発売されているアクションフィギュアシリーズのことです。 合計: - 今日: - 昨日: - バグ・不具合を見つけたら? 要望がある場合は? お手数ですが、メールでお問い合わせください。
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1736.html
{Zwei} 前回はクリナーレ…『Drei』を調べた。 中身は『Vier』とほぼ同じだったんでそれほど驚愕はしなかった。 残念ながら俺の記憶に関する事は書かれていなかった…。 まぁ、そりゃあそうだよな。『Drei』に関するデータだったんだからな。 …あれ、前もこんなセリフ言ってなかったっけ? まぁいいや、で今日は『Eins』『Zwei』の二個中の一個、『Zwei』のセキュリティーを突破する事に成功した。 ホント、セキュリティーを突破するのにどれだけの労力を使ったことやら…。 「ツヴァイ…どんな事が書かれているかな?」 注意深く見ながら次々に色々な項目を見ていく。 西暦2027年12月×日 我が社が武装神姫というプロジェクトに参加するになった日。 そこで我が社はオリジナル、つまり試作型MMS(Multi Movable System)を開発する事になった。 試作型の数は四体。 西暦2029年2月1×日 この時はまだ武装神姫は一般に公開されていなかった。 『Zwei』は『Eins』と一緒に誕生したMMS。 『Zwei』の識別はAngel Type Version Two。 西暦2030年4月2×日 攻防システムでトレーニングした結果。 近距離能力: ◎ 中距離能力: ○ 遠距離能力: ○ 攻撃能力: ○ 防御能力: △ 加速能力: ◎ 最高速度能力:○ いずれは近距離関係に特化したMMSになると予定される。 ※Devil Type Version Oneの『Drei』と酷似しているが、『Zwei』の場合、奇襲や襲撃という敵の不意をつく攻撃が得意と判明。 近距離関係といってもヒット&アウェイに近い戦法になるだろう。 西暦2030年8月×日 『Eins』と平行に製作された『Zwei』は近距離奇襲攻撃に特化したMMSに決定された。 暴走の危険は多少検知された。危険度は20%。 だが、暴走の危険に注意しこのまま更なる研究を続ければ、通常のMMSよりも数十倍の能力を引き出せると肯定した。 他の武装神姫に比べ、体重が軽い。 西暦2030年10月×日 『Eins』の状態が急変したのを我が社のスーパーコンピューターが察知。 人間の『感情』というものを身につけた。 原因は不明、この事がきっかけとして『Eins』と平行に製作されたいた『Zwei』とは別々に研究される事になった。 今だに何処にも支障がない『Zwei』はそのままプロジェクト研究を続ける。 『Eins』は一時中断、西暦2030年10月2×日に別のプロジェクト研究に移行。 西暦2030年12月1×日 度重なる訓練の結果、複数の敵でも瞬時に判断し撃退する事も可能と判明した。 今では強化された複数のレプリカと戦闘を行っても易々と迎撃し、レプリカは全滅。 武装も従来着用されるよりオリジナル武装の方が能力強化される事も判明。 更なる能力向上を決定された。 だが、問題点は暴走の危険度が20%ある事。 能力向上する事は決定されているが、過度の力は素体とコアの負担になる。 要注意して研究を進める事が義務づけられた。 西暦2031年5月1×日 『Eins』が原因不明の暴走。 研究員14人、機動隊32人を惨殺。 『Eins』の暴走を停止するため『Zwei』に迎撃させたが、残念ながらいまひとつ成果は得られなかった。 こうなってしまったら『Drei』『Vier』も同じ結果になると推定され試作型MMSによる迎撃は不可能と判断。 暴走してから数十分が経過した時、『Eins』の近くに居た一人の少年によって『Eins』の暴走を止める事に成功した。 少年の名は…ある研究員の保護により記載されていない。 西暦2031年5月1×日 上記に記されいる日付と同時刻に『Eins』の暴走を停止するため『Zwei』が迎撃に向かったが返り討ちにあい、素体に損傷・内部回路に損傷。 『Zwei』の素体は軽傷だが内部回路は重傷。 どうやら『Eins』の攻撃は外部・内部に別けて攻撃可能と予測。 内部回路はズタズタにされ損傷は激しく、一部の記憶デバイスを犠牲にして修理する事が決定された。 記憶デバイスの内容は不明。 機密事項である。 幸いと言えば、コアが破壊されてないのでデータは健在である。 西暦2031年5月1×日 突如の『Eins』の暴走事故により、試作型MMSの研究は一時的に凍結。 研究の中断は余儀なくされ、確定は確実。 『Eins』『Zwei』『Drei』『Vier』はこの日をもって完全凍結された。 西暦2040年5月1×日 武装神姫が稼動、発売されてから9年。 ※神姫タイプ以外のMMSはこの限りではない。 武装神姫のシステムが総合的にバージョンアップし、ある程度安定してきた。 しかも武装神姫の人気は徐々に上がっていくのを見て我が社の試作型MMS研究を再開される事が決定した。 しかし、いくらバージョンアップしたとはいえ、9年前同様に暴走してしまったら危険。 我が社は試行錯誤を繰り返した結果、試しに人間と生活させる事にした。 人間と一緒に生活させれば、我々人間がどのように生きているのか生活面の知識が増えるだろうと予測。 そうする事によって我が社の四体の試作型MMSはこの世の中の知識を身につける。 そうすれば、人間がMMSをどのように使役してるか自分達がどのような存在か知る事になる。 結果、試作型MMSは自分達がどのような存在か理解し、無駄な抵抗をしないまま研究できる。 しかし、ここで少し問題が発生した。 この四体の試作型MMSと一緒に生活する人間を決めなければならないという問題。 我が社の人員から選んでもよかったのだが、9年前の事故によって誰もが拒否した。 だが、斉藤朱美研究員のスカウトによって一般人がこの大役を受け持つ事になった。 現在は 斉藤朱美研究員の弟、天薙龍悪に四体の試作型『Eins』『Zwei』『Drei』『Vier』監視をさせ、今に致る。 ここで文章が終わっていた。 「…少し変わったな」 このデータで一つ謎のピースが解った。 『Eins』の事故の詳細が少し解ったのだから。 それと『Eins』と『Zwei』は別々のプロジェクトに移されたみたいだ。 正確に言えば『Zwei』はそのまま予定通りに研究され『Eins』はまた別のプロジェクトに移された、と言えばいいかな。 しかし、『Eins』とバトルして重傷とはな。 データを見ると記憶デバイスを犠牲にした、と記されていたが…いったい何の記憶だ? …にしても酷い攻撃をクラッタに違いない。 …これがルーナの過去かぁ。 可哀想な過去だな。 「そういえばっ…」 今思った事。 あいつらには、この今までの記憶というものが無いのか? そこら辺どうなんだろう。 訊いてみたい所だが、正直、気が引ける。 今まで見てきたデータでは三人とも感情がないように見えるし。 データの画像を見て、それがハッキリする程の無表情だ。 …なんか嫌だな。 あいつ等の過去を無断で見るのは。 罪悪感もあるし、俺の良心が痛むのは当たり前。 もっと悪く言えば俺は土足であいつ等の心の中にズカズカと入っていくようのものだ。 …あぁ~! そう考えてきただけで自分にイラついてきた。 でも、俺はどうしても調べないといけない。 あいつ等の事を考えながらも結局調べて見る、この行動。 矛盾してるがしょうがない。 後一つ、『Eins』が終わるんだ! あれが終わればもう見る必要もなくなる。 もう遅いかもしれないけど、今、謝っとく! 「ゴメン!」 俺しかいない地下部屋で俺の声が響く。 無意味な行動だが、やっとかないと良心の呵責に押し潰されそうだったから言った。 時が来たら、いつかは面と向かって言おう。 だから…もうちょっとだけ、お前等の事を調べさせてくれ! 「(c) 2006 Konami Digital Entertainment Co., Ltd.当コンテンツの再利用(再転載、再配布など)は禁止しています。」
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2626.html
次の日、今は学校が終わり、夜9時までのコンビニアルバイトの最中。 学校でもずっとあの神姫について考えていた。なにかしてあげられないのかなと思っているが、良い案がなかなか出ない。 そんな上の空の状態だから、アルバイトの最中でも度々ミスをしてしまうし。 「……ハァ」 「どうした、青少年。溜息なんてついて、今日は覇気がないぞ。覇気が」 「あ、すみません。君島さん」 今日同じシフトの先輩、君島さんにおもわず頭を下げる。人が少ない頃を見て話しかけてくれたみたいだ。 「いや、なに。いつも生真面目に仕事しているキミがミス連発なんて珍しいのでね」 「……ちょっと、色々ありまして、悩んでいて集中できないんですよ」 「ほう。恋かね?」 「え!……いやいや違いますって」 何を言い出すんだ、この人は。アルバイトの先輩で本名は君島 縁さん。 長く伸びた髪をぞんざいに後ろでまとめていて厳かな口調が特徴。そしてなぜか僕をよくからかってくる。 「なんだつまらないな。キミくらいの年代ならそういうのが相場なんだがね」 「なんで恋愛関連に話がいくんですか。……あ、でも、一応悩んでいることは女の子なのかな。武装神姫のことなんですけど」 「あの戦わせたり、その他の用途に仕事のサポートもできるという噂の機械人形か。はたまた恋人にしたりできるとか。……ハッ! まさか、相手は神姫か!? お姉さんは許さんぞ」 「違いますって! ―――あ、いらっしゃいませ!」 お客さんが来たので、すぐさま商品をうつ。君島さんもいつの間にか商品の整理に戻っている。まったく、あの人は。 頃合いを見て、君島さんにまた話しかける。 「お客さんに見られたじゃないですか」 「クク、取り乱すキミが面白くてな。ちょっとからかってしまった、すまないな。 ……でだ、武装神姫について何を悩んでいるんだね。話してみ。ほらほら」 「……ハァ。わかりました」 二度目の溜息をついて、これまで起きたことを君島さんに話した。 「ほうほう。塞ぎ切った神姫を拾ってしまって、どう接したらいいかわからないと」 「そうです」 君島さんは真面目に取り合ってくれる人ではあるのだけど。なんかな、うまく表現できない。 「私は神姫を持っていないが、メディア情報は度々拾うな。例えば『神姫には心がある』という話が多くある」 「……心ですか」 喜怒哀楽の感情がある。そんな神姫たちであれば、そう思う人たちもいるのだろう。ミスズとか他の神姫を見てて僕もそう思う。 「所謂、AIなんだが。これには様々な議論がされている。今でも決着はついてはいない。ただの自立思考型の人形だろとかな、偉い奴とかがそういうことをのたまうのは世の常だ。 まぁ、そんなことが上では起きている訳だ。……少し反れたが、では、キミのように神姫を拾った場合はどうしたらいいか」 「……どうすれば?」 「人間の女と考えて行動しろ」 「はい?」 「人形とか、野良神姫とか、考えるな。そいつは人間の女の子だ。家出した女の子だ。そう考えて動け。で、仲良くなればいい」 「簡単に言いますけど、塞ぎ込んでいるって話しましたよね」 「一度でくじけるな。弱音を吐くな。何回でもトライだ。さすれば、道は開かれん」 勢いでそう君島さんは言い放った。 なんだか、そう思うとやれる気がしてきた。 僕は単純なんだろうか。それとも君島さんの話術なんだろうか。 「そして、いつのまにか長倉君とその神姫はめくるめく関係に。うわ、面白いし笑えるな」 ダメだ。こんな大人になったらダメだ。 ---- そして。 帰ってきて、僕の部屋に今も謎の神姫がいる。 あれからずっとクレイドルの中にいたみたいで、いまだに何があったのかは話してくれない。これじゃ君島さんの案、強引に会話で仲良くなろう作戦もままならない。 一応、僕も武装神姫をいつかは欲しいなと思ってはいたけどなあ、これを人間の女の子と考えるのか。無理でしょうに。 僕の家庭は母親は僕が幼い頃に病気でなくなり、父親は飛行機の機長をやっていていつも飛び回っているので、家を空けるばかり。世話をしてくれていた母方のおばあちゃんもいた。だけど、中学二年の時に亡くなってしまった。 以来僕はこの家に一人暮らしをしている。父親に心配をかけまいと家事などは一通り覚えて、立派にやっていることを伝えているし、高校生になってからはアルバイトもしていて、生活は充実している。でも、やっぱり一人が寂しい時があるので、淳平とミスズみたいな関係を作れる神姫が欲しかった。 この子を人間の女の子と考えると、見知らぬ所でずっと塞ぎ込んでいて寂しくはないのだろうかと思えてきた。 「一人ぼっちは寂しいと思うけどな」 考えていたことがふと口からでてしまった。 すると。 「………あの」 見ると神姫の子は顔を上げてくれていた。 「!……初めて話しかけてくれたね。どうしたの?」 「えと、その、お話を聞いてもらってもいいでしょうか」 「うん、いいよ」 どういう心境の変化なのかはわからないけど、心を開いてくれた。ただそれだけが嬉しかった。 僕は座布団を用意して腰かける。そして神姫は話し始めてくれた。 「私のマスターはバトルで勝つことが好きでした。自分で考えた武装、自分で考えた戦略、それで戦わせている神姫が勝つととても嬉しそうでした。私の前には、ストラーフのお姉ちゃんがいて、マスターとお姉ちゃんが私を買ってくれて、戦っている姿も見せてくれました。だけど私は……その……武装神姫としては欠陥品でした」 「どうして? 悪い所はないみたいだけど」 「心というか、CSCと言いますか。……私は戦うことを苦手と感じるんです」 「……」 それは戦えなくては“武装”神姫足りえないということを意味するのだろうか。 「訓練とかは普通にできるんですよ。でもバトルだと傷つけるのも、傷つけられるのも嫌に思えてしまって、フィールドに立たされてもまともに戦えなくて、結果マスターにもお姉ちゃんにも見限られて……いられなくて……それで……」 「わかった。もういいよ」 「ぐす……うぅ」 会話を止めると優しく声をかける。泣き出してきてしまったので、それを僕は指で拭う。 あの日にそんなことがあったのか。一人で外をたくさん歩いて、バッテリーが切れる寸前まで猫に追いかけられて、大変な苦労をしたんだな。 「戻れないんだね、居場所には」 「……はい」 「それじゃあさ、よかったらだけど、ここにいてよ。僕は神姫バトルとか興味ないし、話し相手……いや、いっそのこと僕のになってくれないかな」 「螢斗さんのにですか?」 「うん」 強引でしかも傍から見たらプロポーズに聞こえるが、そうではなくて、ただ単に一緒に生活するという事としてのお願いだ。 「そうですね。螢斗さんはお優しい方みたいですし、……喜んで」 「そうか。やった」 こうして、この僕の家に一つの神姫が住むことになった。
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/10.html
兎型MMSヴァッフェヴァニー、固有名『フォートレス・ブラッドヘッド』。 ストラーフ型のレッグパーツ四基、アーンヴァル型の飛行ユニット四基を基盤として組み上げられた、超重量・高機動型の高位ランカーMMSである。 彼女の進む前に敵はなく、彼女の跡にはただ破壊された神姫の亡骸が残されるのみという、非情の破壊姫。 だが、噂によると……彼女の強さには誰にも知られてはいけない秘密があるとまことしやかに囁かれている。 すなわち、 『違法改造』。 武装神姫バトルサービスにおけるレギュレーション違反。 軍事兵器の技術流用。彼女のオーナーは軍と提携し、武装神姫バトルサービスという舞台を『新兵器の実験場』として使っている。 ――――あくまでも、噂である。証拠を掴んだ者はいない。 否。 証拠を掴み、生きて帰ったものはいない――――そう、噂されている。 あくまでも、噂に過ぎない。証拠がない以上、それはただの風評にすぎず…… そして、 この世界は、力が全てである。 ――故に。 ブラッドバニーを止める者は、未だ存在しない。 存在するとすれば、まだ対戦していない高位ランカーたち、そしてあるいは―――― 神姫狩人 第一話 狩人、明日香 「あなた、強いんですよね?」 天に輝く月が、街頭よりも明るくアスファルトを照らす夜。 その少女は、闇のように黒いマントを羽織り、彼の前に現れた。 「……なんだ、お前は」 男は、目の前の少女を注意深く観察する。 フードのついた黒いマントの下には、小柄な体。だがその顔を隠したフードの下から見える不適な口元は、倣岸不遜な自信の表れだろうか。 ――――無知にも程がある。 男は、内心嘲笑する。 「質問を質問で返すように教わったのですか? これだから力だけの低脳は困りますね」 少女は挑発する。 「…マスター、油断はなさらぬように。MMSの反応を感じます」 ブラッドバニーの素体が、男に話しかける。 多脚と首だけという、異質な神姫。その言葉に、男は答える。 「油断する気は毛頭ない。もっとも――どれほど油断しようが、貴様に敗北は」 「ありません、マスター」 男は、手に持っていたケースを地面に落とす。 ケースが開かれ、収納されていたパーツが組み合わさり、ブラッドバニーの素体が収納される。 超重量を支える巨大な足。 鋭い爪を持つ四本のアーム。それぞれに砲塔が備え付けられている。 胴体部分にはプロペラントタンクとウイング。 全身これ武器、と言った姿はまさに巨大な要塞であった。 それを見て、少女は笑う。 無敵の神姫要塞を目の当たりにしてなお、彼女の自信は崩れない。 「ゴテゴテすればいいってもんじゃないですけどねー。 そんなんじゃせっかくの神姫の美しさが台無し。機能美って言葉知ってます?」 そう笑いながら、マントを翻し、フードを取る。 そこに現れた顔は、黒髪の15歳ほどの少女だった。瞳だけが青く、そして挑戦的に輝いている。 「用意はいいわね? あんなデカブツ、とっととやっちゃいなさい」 少女が凛とした声で言う。マントがばさりとおおきくはためき、その中から一体の武装神姫が飛び出した。 四枚の、鳥のような翼。デフォルトの宇宙船を模した翼とは違う有機的なフォルム。 ――――それは、まさしく天使。 天使型MMS、アーンヴァル。固体名称―――― 「――マルコ! マルコ・ソロネス!!」 「了解、マイマスター、明日香=ヴァレンシア」 天使が羽ばたく。 黒い鉄の要塞へ向かい、飛翔する。 非公式試合、開始。 兎型MMS『フォートレス・ブラッドバニー』 VS 天使型MMS『マルコ・ソロネス』 このバトルは非公式試合である。 そのため、戦闘結果によるポイントの付加・ランキングの変動は行われない。 そう、非公式バトル。 公式での華やかな戦いの裏では、様々な非公式バトルが存在する。 この、マルコとブラッドバニーの戦いもまた、公式には残されない非公式のものである。 非公式バトルにかけるものは、それぞれだ。 ブラッドバニーとそのマスターのように、公式戦より強力な力の行使、破壊願望を求めて獲物を探すものもいる。 ならば、明日香とマルコの目的は何か。 だがその疑問など、男にとってはどうでもいいことだ。 もとよりただの獲物、彼にとっては狩られるだけの哀れで無力な存在である。 「行動パターン、予測完了」 ブラッドバニーのカメラがマルコを捕らえる。 数発の弾頭による攻撃。その攻撃をことごとくかわすマルコだったが、それは回避パターンを計算するための捨石。 ブラッドバニーの基本戦術は、まず相手を知る事である。 動きからデータを逆算しスペックを解析する。 そして相手の行動の限界値を導き出し、それを上回る破壊力で砕く。 それを成すだけのコンピュータを積み、それを成すだけの武装を搭載する。 そしてそこに油断はない。故に無敗、故に無敵。 「…っ! ええい、なんて弾幕だ」 マルコが追尾弾を避けながら舌打ちする。 スピードならこちらのほうが上のはず。だが、それはあくまでも本体同士の話。 データ取りのための捨石とはいえ、幾重にも射出される追尾弾と砲弾による弾幕は、マルコがブラッドバニー本体へと接敵することを防いでいる。 「防がれるなら――――」 マルコはビームソードを構え、翼を広げる。 「弾幕ごと貫くのみ!」 疾速。 幾重にも広がる弾幕にマルコは頭から突っ込み、両手の剣を振るう。 追尾してくる爆撃は高速起動により撹乱し同士討ちさせる。 目前に広がる砲弾は―――― 「ボクの剣で切り裂くのみだ!!」 一閃、二閃、そして幾閃。 光の華が咲く。 爆発、切り裂かれた弾丸が一瞬おいて破砕していく。 「そこですマルコっ!」 「路は――開けたっ!」 弾幕を抜ける。そこには無防備になった本体が―――― 「甘いな」 「予測範囲内です」 男が笑う。ブラッドバニーが冷静に告げる。 「何っ!?」 そう、それはすでに計算された勝利への解法。弾幕に閉ざされた路を切り開くため、危険を冒して突っ込んでくる事。 そしてその弾幕を抜けることも計算されていた。 勝利を確信した、その一瞬の隙を。 アームがうなり、マルコの脚部スラスターアーマーを掴む。 「ぐっ…! なんてパワーだっ!?」 規格を容易に超える出力を持つブラッドバニーのアームである。それに捉えられて脱出できた神姫はいない。 「終わりだ。なんともまあ、あっけないものだったが――」 一際巨大な主砲が動き、マルコの頭に狙いをつける。 「終わりですね」 エネルギーが充填される。 その主砲が光を放てば、マルコの頭――いや上半身は跡形もなく粉砕されるだろう。 そう、もとより力が違った。 格が違った。 勝てるはずなど、なかったのだ。 砲口に光が満ち、吐き出される。 それは、マルコの体を灼き―――― 彼女を破壊した、 はずだった。 「何――――!?」 ボルトがパージされ、マルコの脚と脚部スラスターが分離される。 「バカな!?」 有り得ない。アーンヴァル型の脚部スラスターは、完全な差し替えによる接続である。 だが目の前のアーンヴァルは――スラスター装甲の中から素体のままの脚線美を現していた。 ――――囮。 「そう、罠にかかったのはあなたです。 スラスターなんて飾りです、バカな人にはわからんとですよ、ってね」 「ブラッドバニーが掴むことを予測していたというのか――!」 そう。まさしくその通り。 そのままマルコは囮であるスラスターをアームの掌に残したまま、翼を広げて飛ぶ。 「ちなみに言うと、私はあのスラスター好きじゃないんですよね。やっぱり脚線美は大切ですよ」 心底どうでもいい。 「その主砲、一度撃てばエネルギーの再充填に時間がかかる――ならば今こそ好機!」 「くそ――再計算開始、行動補足――」 「遅い!」 ビームソードが閃く。マルコを再び捕らえようとした四本のアームは、そのことごとくが灼き斬られた。 「早い!?」 「邪魔なものがなくなったんでね! 今のボクをさっきまでと同じにするな!」 旋廻し、マルコは飛ぶ。そして、ビームソードに全エネルギーを流し込む。 柄から迸る光の刃が渦を巻く。 「光の氷柱!」 シャイニング・アイシクル。 螺旋状に輝き、天より直下に貫くその光の渦は、まるで光を受けて輝く「つらら」の如し。 「な――――」 その輝きを受け、ブラッドバニーのゴーグルが割れる。 ――初めて。 ブラッドバニーは、今までは獲物に過ぎなかった武装神姫を、 美しいと感じた。 「悪いですが、勝たせてもらいますね、この……神姫ハンター、明日香と、マルコが!」 ハンター。 狩人? 今、確かにそう言ったか。 ああ、そうか。獲物なのは、はたしてどちらだったのか。 考えるまでもない。 敗者である自分こそが、獲物に過ぎなかったということだ―――― そして、ブラッドバニーの意識は灼き切れた。 勝者、天使型MMS『マルコ・ソロネス』。 このバトルは非公式試合である。 そのため、戦闘結果によるポイントの付加・ランキングの変動は行われない。 賭け試合のため、勝者には―――― 相手の武装神姫が与えられる。 追記:以降、兎型MMS『フォートレス・ブラッドバニー』は公式戦より登録を抹消される。詳細は不明。 「はい、報酬」 「ありがと! ひーふーみー、うん確かに」 明日香が幸せそうに渡された紙幣を数える。 「明日香。いつも思うんだが、何故ポイントにしないんだ? 変換に手数料はかからないしそっちの方が楽だと思うんだが」 明日香の肩でマルコが問う。 「バカね、現金のほうが、なんか儲けたー、ってカンジがするじゃない!」 「アナログだね、明日香は」 「まったくだ」 つられて、窓口で親父が笑う。 「俺も同感だ。紙幣や硬貨の方が風情があっていいやね」 「さっすが、おじさん話がわかりますねっ。 あ、そういえばあのコはどうなりました?」 「ああ、あの違法改造の兎か。 神姫に罪はないからな、記憶データを消して規格適応に改造した後に中古品として市場に出るってさ」 「そうか、殺されるわけじゃないんだな、よかった」 マルコが胸をなでおろす。 戦った相手とはいえ、処分されると聞くことはつらい。死なないですむのならそれが一番だ。 「そりゃそうでしょ。そのためにAIを破壊せずに倒す、あんたの技なんだから。 今まで私たちが回収した違法神姫の中で機能停止したコはゼロ、どうですこの偉業!」 「ああ、たいしたもんだよお前さんたちは。ついでにその強欲ぶりもたいしたもんだが」 「…またか、明日香」 「さて、何のことですか?」 そっぽを向く明日香。 彼女たちの仕事は、武装神姫バトルサービスの本部より依頼される、違法MMSの摘発である。 そしてそれは、その違法改造された、あるいは違法行為を行ったMMSの「本体」の回収だ。 「…ガメたな。ああ、確かに実際に戦った彼女のデータと、提出した武装に違いが…」 「いいでしょ、危険手当よ。やることはやったんだからいいんですっ」 「……まったく。なんでこうキミは強欲なんだか……」 「強欲じゃありませんよーだ」 ギャアギャアとケンカをはじめる二人を、親父は制止する。 「はいはいそこまで。それよりもだ、お前さんたちにまたやって欲しい仕事があるんだがな」 「えー? さっき仕事終わらせたばかりなのにー。労働基準法さんせー、働きすぎはよくないですー」 明日香が愚痴る。 「簡単な仕事だよ。報酬に色つけるから」 「労働は尊いものです! 清く正しく働きましょうっ!!」 「明日香……なんて判りやすいんだ、キミは……」 今度はマルコが頭を抱える番だった。 「いいんです。さて、神姫ハンター、出動ですよっ!!」 親父から依頼の詳細データを受け取り、明日香はマントを翻す。 武装神姫バトルサービス。 輝かしい舞台の裏では、常に様々な問題を抱えるのはいつの時代でも同じこと。 光あるところに、闇がある。 このお話は、そんな闇とか光とかなんてそんなことはどーでもいいとばかりに、ひたすら突っ走る少女と神姫のそんなお話。 「さあ、れっつごー!」 「明日香、その前にちょっとはボクを休ませてくれよーっ」 「終わったら存分に休ませてあげますからっ!」
https://w.atwiki.jp/fullgenre/pages/302.html
【城戸真司】 4 037 バカは考えずにただ行動するだけ ◆U1w5FvVRgk 深夜 054 真実の果てに ◆ew5bR2RQj. 黎明 078 果てしない炎の中へ ◆KKid85tGwY 早朝 083 真実を惑わせる鏡なんて割ればいい ◆gry038wOvE 朝 【北岡秀一】 3 041 未知との遭遇 ◆U1w5FvVRgk 深夜 049 I ll be Back ◆3W1a2LmCis 黎明 076 寝・逃・げでリセット! ◆ew5bR2RQj. 早朝 【浅倉威】 6 010 反逆 する 者たち ◆1aQTY.tC/A 深夜 043 Be Cool! ◆EboujAWlRA 黎明 049 I ll be Back ◆3W1a2LmCis 黎明 064 危険地帯 ◆ew5bR2RQj. 早朝 069 BATTLE ROYALE 世界の終わりまで戦い続ける者たち ◆U1w5FvVRgk 早朝 081 光を求めて影は ◆EboujAWlRA 朝 【東條悟】 6 002 青虎、闇夜にて、英雄を論ず ◆0RbUzIT0To 深夜 050 男なら、ベストを尽くして強くなれ ◆gry038wOvE 黎明 065 目を開けながら見たい夢がある ◆EboujAWlRA 早朝 070 Blood bath ◆KKid85tGwY 早朝 077 命の価値 ◆y6S7Lth9N6 早朝 084 価値ある命 ◆ew5bR2RQj. 朝
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1577.html
ところで○○○○さまんちの●●さんとうちの××さん、もし会話させたらすごい勢いで話題があさっての方向にスピンオフしそうな気がします。 「と言われましても、別段私としては特別なことをお話しているつもりはないのですが」 「ですよね? なぜそんな風に言われるでしょう?」 「しゃべり方も、お互いに丁寧に話すタイプですし……ああ、そういう意味ではたしかに親近感は沸きますね」 「親近感と言えば、確かに私たちには共通する要素がありました」 「と、仰ると?」 「そちらの登場人物紹介に、さりげなく書かれた『微妙にS』の一文が」 「お恥ずかしい。いえ、ただちょっと、ハウリングサンダーを直撃させた時のゲージの減り具合が少し病み付きになりそうなくらいなのですが」 「なるほど、それは判りますね」 「判っていただけますか。いえ、常々冷静であらんとは思っているのですが、やはりなんと言いますか、犬型武装神姫としての狩猟本能がこう、ふつふつと」 「判ります判ります。直接的に損害を与えなくても、思惑通りに相手にダメージを与えたことを実感できると、こう滾るものがありますね」 「直接的でなくても構わない、と仰ると?」 「ええ、私の場合はどちらかと言えば、与えたダメージそのものよりも、そのダメージを相手が嫌悪する表情に高揚を覚えると言いますか」 「ほほう、精神的に責める、と? それまた高尚なご趣味で」 「ええ、その意味で私のマスターは、非常によいリアクションを取ってくれます」 「いやぁ、武装神姫同士で会話が弾んで、微笑ましいですねぇ」 「微笑ましいんだ?! あれ微笑ましいんだ?!」 <進む> <目次> 犬子さんの土下座ライフ。 クラブハンド・フォートブラッグ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2052.html
深み填りと這上姫 初めまして。この小説を書く夜虹(やこう)と名乗る者です。以後よろしくお願いいたします。 この小説は『俺』という男が捨てられた神姫を一人前に育て上げる小説……だと思います。 話は全体的に時系列順に展開されていきますが、一章で完結する方式であり、 章単体で読み切れるようになっております。 コラボも歓迎です。こちらの物語に影響の無い程度であれば設定やキャラをお使いくださいませ。 登場キャラクター紹介 用語解説 作品集 第一章 深み填りと這上姫 あらすじ: 大学のレポートに追われる毎日を送る俺がトイレに行って戻ってくると目の前に蒼髪の人形がいた。 それは武器と鎧を装い、人という神のために戦う姫という謳い文句の人形 武装神姫であり、 乱暴なオーナーに捨てられたといって駆け込んできたらしい。 さて、どうしたものやら…… 第二章 深み填りと脱走姫 あらすじ: 神姫センターで知り合った友人 真那から賞金百万がかかった脱走神姫イーダの捕獲を持ちかけられ、 それの手伝いをする羽目に。しかし調べていく内に…… 第三章 深み填りと盲導姫 あらすじ: 夏のある日、俺達は神姫センターでサマーフェスタを楽しんでいた。 そんな時、ある人物と出会い、神姫の一つの可能性を垣間見る事に…… 外伝 少年と疾走姫 あらすじ: イリーガルマインド騒動から一ヶ月後、俺の家にとある少年がやってきた。 彼が連れていたのは……角の折れたアークプロトタイプ――百日だった。 その時、彼女から語られる二人の答えを俺は聞くことになる。 第四章:深み填りの徒旅記 あらすじ: ホビーショップエルゴ店長の日暮に頼まれ、イリーガルマインドを回収することになった俺は日暮の冗談で言った『異邦人(エトランゼ)』に倣い、その目的のために様々な場所へ行くことにした。 異なるセンターで異なる人や神姫と出会うことになるだろうが、それは俺たちになにをもたらすのやら…… バトルロンドにおける設定をMighty Magicより一部お借りしています。 第一部:店の中のせつな 第一話:模倣姫 第二話:擦違姫 第三話:篭城姫 第四話:総力姫 第五話:物語姫 (この話では武装食堂のネタバレが一部含まれます) (この話では武装食堂、せつなの武装神姫、武装神姫のリン、ウサギのナミダ、The Armed Princess―武装神姫―、鋼の心 ~Eisen Herz~、15cm程度の死闘より一部の設定、キャラクターをお借りしております) 第二部:15周程度の疾走 第一話:仮装姫 (この話ではキズナのキセキ、15cm程度の死闘より一部の設定、キャラクターをお借りしており、キズナのキセキのネタバレが一部含まれます) 第二話:面割姫 (この話ではキズナのキセキ、15cm程度の死闘、デュアル・マインドより一部の設定、キャラクターをお借りしており、15cm程度の死闘のネタバレが一部含まれます) 第三話:飛戦姫 (この話では15cm程度の死闘、デュアル・マインドより一部の設定、キャラクターをお借りしております) 第四話:宙走姫 (この話では15cm程度の死闘、デュアル・マインドより一部の設定、キャラクターをお借りしております) 第五話:隠道姫 (この話ではキズナのキセキ、15cm程度の死闘、デュアル・マインドより一部の設定、キャラクターをお借りしており、キズナのキセキのネタバレが一部含まれます) 総合カウント数35000を突破いたしました。 僕の小説を読んでくださっている読者の皆さん、どうもありがとうございます 本日 - 昨日 - 総合 - 感想がございましたらここへお願いいたします。 コメントログ -コメントログ2、-コメントログ3 譲れないこだわりがありまして、コタマ(狐)は鉄子のことを「鉄子ちゃん」と呼びます。 次に「鉄子」と呼んだ時はミコちゃんよ、大学の掲示板に例の写真張りまくるかんね! それはそれとして、いやはや、本当に同じ大学だったとは。 しかも精密機械いじりがプラスになる→機械の制御を勉強している鉄子達と学科が近いor同じだと推理します。 鉄子からコンタクトを取ったということは・・・ううむ、続きが待ち遠しいです。 -- にゃー (2012-05-31 01 09 38) にゃーさん> おお; これは失礼しました。取り急ぎ、修正をさせていただきました。 これで後は気を付ければ掲示板貼りは回避だね。ミコちゃん。 え? お前の研究不足が原因だろうって? それに関しては申し訳ございません……。 はい。同じ大学であるからこそのこの話となりました。そうである事で正体バレに関して、彼女が最も近い場所にいる事になると考えていたものでして。 学科はそう言う事になりますね。詳しく決めてはいないですが、だいたい同じかもしれません。 コンタクトの理由は次の話で展開されると思いますので、次回までお待ちいただければと思います。 -- 夜虹 (2012-05-31 17 50 06) 初めまして、読ませて頂いています白田黒乃です。 自分も先の名無しさんと同じ、尊に対して反感を抱いていましたが、段々と好きになってきました。 尊、性格イケメン過ぎだろ…正に武装神姫界のコブラ。 そして尊と鉄子が同じ大学…だと…(コラボが楽になるぜ。ラッキー!) -- 白田黒乃 (2012-06-01 17 09 42) 普通激しいバトルパートを書くと間に日常を挟みずらくなるのに お見事です。 これからもお体にお気をつけて下さい。 -- 焦げかぼちゃ (2012-06-02 23 00 47) 白田黒乃さん> こちらこそ初めまして。作者の夜虹です。 最初は典型的なオタ嫌いなので武装神姫をやっている人からするとちょっと近寄りがたい印象はありますよね。 でも、それが神姫を理解していく上で面白いかなと思ってやってみました。 後は深みに填まってくれれば、この性格であるといった感じです。 イケメンと言っていただけて何よりです。確かに軽口を叩いたり、意志がブレない所はヒューと言いたくなる奴ですね。 そしてコラボが楽に? いったい何が始まるのでしょうか……。楽しみにしています。 焦げかぼちゃさん> 恐縮です。この辺りは短編集の強みですね。切って次の話にすると話の状況をリセットできますので。 ええ。これからは本格的に暑くなってくるでしょうから、水分補給を欠かさずに頑張っていきたいと思います。 -- 夜虹 (2012-06-07 07 34 53) 待っていた・・・待っていたぞ夜虹殿!! ・・・すんません、テンションが暴発しました。 アニメ化でトランザムしてたら這い上がり姫の更新。 テンションが上がりまくりで色々とやヴぁい。 -- 燃え盛る焦げかぼちゃ (2012-09-18 20 55 06) 焦げかぼちゃさん> 三か月もお待たせして申し訳ありませんでした。 同人のサウンドノベルやらお仕事やらで結構、手間取ってしまいました。 それでもお待ちいただけてありがたい限りです。 それに応えられる様に続きをしっかり描いていこうと思います。 話に関しましてはこれからアクセルロンドという自分で作ったルールで戦っていくことになります。 (ちなみに元ネタは遊戯王5D sのライディングデュエルだったりします) それでどんな展開になるのか想像していただければ幸いです。 -- 夜虹 (2012-09-22 18 21 02) メルが勝った? ふむぅこれは予想を外してしまいました。 貞方もたまには役に立つものよのう。 しかしこれで、――フフッ、どうやらミコちゃんの学生生活はジ・エンドを迎えるようですなぁ。 なぜかと問われるまでもないでしょう。 最後に控える我がタマちゃんが負けるはずがない! せめて第2ラウンドで負けてくれるなよ双姫主ミコちゃん。 尋常外の傀儡師『ドールマスター』の真の恐怖を存分に堪能してもらおうぞ! フフフッ・・・。 フッフハハハッ・・・。 ハァーッハハハハハハハハァ!!!! -- 調子にのるにゃー (2012-10-12 02 05 04) 最新話読ませていただきましたー バトルロンドでのスキルがバンバン出てきて懐かしくなる…… >>二重人格だったり ……えっ? え、あの、はい 早く続き書きます はい -- 璽儡 (2012-10-17 20 52 06) にゃーさん> 勝ったのに作者からこの扱い。貞方ェ……(何 それは置いておきましてミコちゃんが追い詰められましたね。彼に後はありません。 そんな中、ミコちゃんと蒼貴は果たして難易度ルナティックなコタマを倒す事ができるのか……。 その前に第二ラウンドですね。壁となるのは姉妹機のアルトレーネの重装型とアステロイドという状況。 生半可な戦術ではイーダ一式の紫貴が覆すのは難しい。ミコちゃんはどう対抗するのやら……です。 璽儡さん> スキルは神姫の象徴の一つですからね。出来る限り使っていきたいと考えております。 ややや、何だか急かしてしまったような結果になって申し訳ないです。 イーダつながりと主人公ネタという事で二重人格を引き合いに出してみたのです。 次はリーヴェの戦いとなりますが、上手く彼女の性格、戦い方を引き出せるように頑張りたいと思います。 璽儡さんの作品も楽しみにしておりますのでお互い頑張りましょう -- 夜虹 (2012-10-19 00 06 07) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/297.html
Battle Anima “俺”と武装神姫のアルトが繰り広げる、愛のあるユニークで豊かなバトルの日々…そんな感じで、ひとつ。 * * * Who s Who - ひるいなき とうじょうじんぶつたち -? * * * Show No Mercy - なさけ むよう - 前編? Show No Mercy - なさけ むよう - 後編? * * *
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2647.html
ビックリした。 途中から、シオンになんでか知らないけど、通信を切られてしまった。 驚いたのはそれも理由の一つだ。 だけど僕が一番に驚いたのは、 ――シオンが勝てたことだ。 あのムルメルティア型になにか言われてたかと思ったら、突然、あの丁寧な物腰の神姫シオンが今まで見たことないくらいに大激怒した。 怒った後はまるで別な神姫に変わったように、練習でしか使えてなく本番のバトルでは一切使えていなかった武装を巧みに使い、勝利を掴み取った。 僕が興奮冷めやらぬ状態なのに対して、アクセスポッドからはオドオドとしているシオンが出てきた。 「すいません、螢斗さん。命令を無視して通信を切――」 「やったじゃないか、シオン! ハハハ!!」 「え、ちょっと螢斗さん? ……きゃっ!」 シオンの脇部分に手をやって軽く持ち上げている。でも、僕の頭より高い位置に。 まあ、俗にいう子どもにやるたかいたかい状態だ。 シオンが勝ち星を挙げたことで、また僕のテンションがおかしい。 けど気にしない! 「きゃーー、螢斗さん~!?…………うふふ、あはは~」 シオンもなんだかこれが楽しくなってきてきて、笑いが込み上げてきたみたいだ。 「アハハ!!」 「やったぜ!! 螢斗!」 「シオン、やったわね!」 そして、淳平とミスズも喜んでいる。 うん、バトルも勝てて万々歳、良かった、良かった。 「――ったく、負けちまったか。せっかく替え玉が手に入ると思ったんだがな~」 チンピラさんがいつの間にか近くに寄って来ていた。 ため息を吐いて残念そうにそう言う。 狂喜乱舞していた姿を見られていて僕もシオンも、急に恥ずかしくなってしまった。 「さぁ、負けたのだから、さっさと出て行くのだよ」 君島さんが僕の前に出て来て偉そうに言っている。 あなたは何もやっていないでしょ? 勝手に喧嘩吹っ掛けただけですよね。 「はいはい、わかったからよ。そう急かすな……行こうぜ、『コハク』」 気付かなかったけど、ムルメルティア型の神姫は「コハク」というらしい。 彼のことをチンピラさんとか不良とか思っていたけど、彼もやっぱり武装神姫が好きなだけの人なのかも知れない。神姫の名前を呼ぶ時は優しそうに見える。 ……僕にとっては怖いままだけど。 「貴君よ。さっきはすまなかった、訂正する。……良い上官だな」 彼の肩に乗っている神姫がシオンに頭を下げてなぜか謝った。 なにを言われたら、あんなにシオンは怒るのだろうか。砂風が舞っていて、よく聞き取れなかったのが残念だ。 ワザと怒らす気はないのだけど、なんだか気になった。 「もう気にしてません。……考えてみたら、あなたは本心からそう言ってるとは思えませんでした。戦ってみて気付きました。……なんで螢斗さんの悪口を言ったのかはわかりませんでしたけど」 どうやら、あのコハクという神姫はバトル中僕に対して酷いことを言っていたみたいだ。僕はそんなことで一々怒らないけど、シオンはそれがスイッチになってしまったらしい。 さっきの君島さんとの会話でも思ったけど、僕は神姫マスターとして愛されているみたいだな、うん。 「……ふ、それではな。――タケル上官、もういいぞ」 「……っけ……朝から来るんじゃなかったぜ。あ~あ」 神姫はそれを聞くと顔に笑みを浮かべた。 彼の方はイラついた様子のまま、そう言うとゲームセンターから出て行った。 「ふむ。これで結果オーライになったではないか。私の目論みどおりだ」 「かなり僕が危ない所まで逝きかけたんですけど!? 初めにこういう事をするときは本人の承諾を取ってください! 絶対認めませんけど」 「スパルタだと言っただろう?」 「う、……はあ」 勝てることを君島さんは予期して、僕の立ち位置を危うくさせたという事か。 シオンが恐怖よりも強い感情で塗り固め、勝利できると。だからバトルの前に好きとか愛してるとか聞いたのか。 可能性の問題だと思うのだけど。 シオンがそんなにキレなかったかもしれないし、第一に不良の彼が朝にいたのも偶然だし、その友達が裏の仕事で人手を探していたのだって……。 ……うーん、わからない。 僕がそうやって考え込んでいると、隣にいた君島さんはおもむろに自分の携帯を気にし始めた。 どうやら、着信が掛かってきたみたいだ。 君島さんは携帯を耳に寄せ話し始めた。 「……あー……うむ……そうか、すぐに来いと?……ふむ、わかった……」 「どうやら内容から察するに、主殿は急用ができたみたいでござります。この後は、シオン殿の祝勝会でも、なんでもするといいと主殿はそう思ってござります」 「あ、リンレイ! 今までどこにいたの!?」 ミスズはまたまたその場に現れたリンレイにそう聞くが、それは無視された。 携帯に早口で話している君島さんは「すまない」と手でジェスチャーすると、サングラスを再び掛けてゲームセンターを早足で出て行ってしまった。 「あ、ちょっと!? もう!」 「あの神姫は生粋の“忍者”なんだから気にすんな。あれが普通なんだよ」 「神姫にとってあれは普通の芸当ではないですよ。……ウウ……必ずや私が突き止めて見せますぅ」 なんとしても納得がいかないミスズは半泣きになりながらも、リンレイを完全究明する決意をしたみたいだった。 「私は勝てたんですよね?」 胸ポケットに戻ったシオンが僕に聞く。まだ実感が湧いてないみたいだけど、 「うん、そうだね。……偉かったよ」 よしよしと頭を撫でる。まだこの先も、勝てていけるという保証はないけどこの喜びは噛み締めておこう。 「そうですよね……えへへ」 ■■■■ 「はー、スッゲー疲れた。こんなの二度とやらねぇー」 「そう言わない。自分はなかなか楽しかったよ」 ゲームセンターから出て来た彼は、裏通りに入ると格好を直しサングラスや首を重くしていた、いくつものネックレスを外し始めた。 それらをポケットに仕舞いこみ、首に手をやりさすっている。 彼の隠れていた目元は鋭く、サングラスをしていなくとも威圧感はあり、着崩してなくとも不良かと思われるほどのガラの悪さ。 身体の均整がとれていて、服の上からでも筋肉もほどよくついているのがわかる。 容姿“は”整っている。 だが、目元がマイナスになり、周りからは恐れられそうな風貌ではある。 「……っけ……あのやろう言いたい放題言いやがって」 「まあまあ」 頭の上に移動していた神姫が彼をなだめていた。 「そういや、かなりボコられてたんだが平気か?」 目線を上にやり、自分の神姫を不器用そうに心配している。表情は変わっていない。眼つきは鋭いままだ。 それでも、声だけは聞くと優しそうではある。 「心配ない、バーチャルだから。ものすごい痛みがある程度だし」 「腹ブチ抜かれてたんだから、それでも十分だっつうの。あんなになるまで“演技”しなくとも、よかっただろうが」 「もちろん、口調とかそこらの上官たちへの罵詈雑言は役としてのセリフだけど、バトル自体はあまり演技じゃなかったよ。言われた通り本気は出していないけど、結構力は入れていたんだ」 「ふーん。コハクが言うならそうなんだろうな。バトル恐怖症みたいだった、つう話はどこにいったんだか」 「戦えなかっただけで元から強くはあった。けど、CSCから来る怒りがパワーを底上げしたとかかな? 王道展開よろしくそういう展開にさせてみたら、予想外に強くなったみたい。まあ、アーティル型だし当然かな……よっこいしょっ」 ムルメルティア型の武装神姫「コハク」はバトルで起きたことをそう説明した。 コハクは軍帽とサングラスを外してから、彼の頭の上で腕を枕にして寝そべり始めた。 神姫一体が頭に乗っていたらネックレスよりも首に負担がかかると思うが、それが普段の彼たちの姿だ。 「せっかくの休みの日だっつうのになー」 そう愚痴ってから彼は歩き始めた。 その時、 ――ドスン。 「……おい」 突然彼の後ろから誰かが軽く抱きついてきた。 だが、彼も誰が抱きついてきたのかはわかっているのか、あまり驚いていない素振りをする。 もしも抱きつかれた衝撃で、彼が前のめりに動いていたら、頭の上にいるコハクは落ちてしまうからだ。 彼の踏ん張りが功を奏して、コハクはそのまま寝ころがっているままになった。 「すまなかった。……辛い役目を背負わせてしまったみたいだ」 抱きついてきたのは女性だった。背の高い彼と同じか少し低いくらいの背丈。 彼女は彼の後肩部に額を乗せて身体を密着させている。抱きついているから当然だ。それは彼が信頼できる相手だから出来る行為。 それに加え彼女はすまなそうに謝った。 「……っけ……あんなのは慣れてんだよ。心配すんな」 「うん? 心配はしていないぞ」 「ッ……だったら謝ってくんなっつうの!」 彼は腰から回されていた腕を振りほどき、抱きつかれた状態を解いた。 若干顔は赤くもある。抱きつかれて少し恥ずかしかったみたいだ。 彼は彼女の前へ身体を向き直させ対顔した。 「そう怒るな。あと顔が赤いぞ」 「っく、うっせぇ!」 「はっはっは、照れるな、照れるな」 黒のジャケットを着ていて長い黒髪を腰まで流している女性。 そこには君島 縁がいた。 「……いいのかよ、あいつらといなくて?」 「電話が来たフリをして出てきたのだよ」 「ふーん、なんで?」 「猛と話がしたくなってな。心配はしてはいなかったが、怒ってやいないかとな」 「だから、気にしてねぇっつった――」 「タケル上官、それは嘘でしょ。『言いたい放題いいやがって』と愚痴っていたのはどこの誰だったかな?」 “猛”と呼ばれている彼の頭上からコハクは笑いを含ませながらそう言った。 「ふむ。コハクもすまなかったな」 「いえいえ、自分はタケル上官の命令だから気にしてないよ」 「そうか……猛もすまんな」 再度謝ってくる君島。 猛はいつも尊大な態度をとっている君島がこのように素直に謝ってくるのに若干戸惑った。 だが、それはなんとか顔には出さないようにしている。 紛らわすために別の話題、戦ったあの少年と神姫について話し出す。 「バトル恐怖症の神姫を持つオーナーをマジでビビらせろとか。合図したらアドリブで神姫を怒らせて戦えとか、色々と俺たちを振り回しやがって。……ったく、縁はあのチビとかに随分肩入れしてんだな」 「うむ。かわいい後輩なのでな」 「そうでござりますな。長倉殿はご婦人に好かれそうな風貌でござりますし」 君島の肩にはいつも通りにリンレイが立っていた。 君島とは顔見知り、いやそれ以上の関係の猛にとっては、いなかったのにいつの間にかいるリンレイの瞬間出現には慣れているので、特に動じていない。 「…………っち」 それを聞くと胸の内からイラつきが登って来て、無意識に舌打ちをする猛。 「おや、私があの少年に世話を焼いてたら、そっちが妬き上がってしまったのかね? ニヤニヤ……」 彼の態度が変わったのを見てニヤつき始める君島。そして傍にいる神姫たちも便乗して猛に対してニヤつき始める。 「子どもでござりますな。フフ」 「タケル上官はそういうのすぐ顔に出るから。……ふふふ」 「ふん、言ってろ」 また顔に熱が上って来て顔に現れ始めたのに気付いた猛は、それを見られるのが恥ずかしかったので、ポケットに戻していたサングラスを掛けた。 「このサングラスとネックレスとかも、あれに必要だったのかよ?」 サングラスに手をやって顔を背けたまま聞く。 「うむ。変装なども大事なのだよ。観衆が多い中では猛の顔見知りがいないとは限らないのでな。日常生活で支障がでないようにとの配慮だ」 「……っけ、無駄な配慮だこと。俺のツラ知ってる誰かがこんな朝早くにいるとは思えねぇけどな。……俺たちがそんなにこの茶番に必要だったのかね」 「いや、猛たちがいなくとも9通りのやり方を考えてあったが」 「おいコラ!」 不満そうな声を張り上げる猛。 それを見た君島は、 「またそうやって怒鳴るな。ほれ……」 ギュッと。 近づくと今度は前から猛を抱きしめる。 君島は背中に細い腕を回して、穏やかに言う。 「私が猛に会いたかっただけ……と言ったら、どうする?」 「……こんな面倒なことしなくとも、普通に呼んだら来るっつうの。……ったくよ、縁はよくそうやって人をおちょくるよな……」 そう言って猛も君島の腰元にも手をやる。 ストレートな髪の毛を指で梳かしつつ、恥ずかしがらず今度は抱きしめ返す。 「美人なネーちゃんと言ってくれて嬉しかったぞ」 「ありゃ、演技の一環だ」 「そうか。……ふふ」 「笑ってんじゃねぇよ」 「ふ……オシャレしてきた甲斐があったというものだよ」 「いや、キメてこなくても……縁はいつも………そのよ……なんだ……」 「なんだね?」 「///~~。なんでもねぇ!」 顔はサングラスくらいでは赤さが隠しきれなくなっていた。 それからは黙ってしまう猛。 「やれやれ、真正のツンデレめ」 「は? ツンデレ? ……なんだそりゃ」 聞きなれない単語におもわずつぐんでいた口を開いて聞いてしまう。 「ふむ。今を生きているのにツンデレを知らんのか。いいか、ツンデレと言うのはだね、数十年前から続く世の中の人々に息づくものであって猛みたいにツンツンとデレデレが――」 朝から昼に変わろうという時刻。 誰も通らないような裏路地で、抱き合ったまま『ツンデレ』とは何かを説明している、聞いている構図がこの場には展開されていた。 「フフ、仲睦まじいでござりますな」 「ホントにねぇ」 それを生暖かい目で見る神姫たち。 自分たちの神姫が傍にいるのにもかかわらず、そういうのは気にしない二人だった。 彼と彼女は恋人同士なのだから。 前へ 次へ