約 173,347 件
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1845.html
鋼の心 ~Eisen Herz~ インターミッション08:天使は滅びの笛を吹く 「―――では、彼女の扱いはそういう事で……」 「止むを得ませんな。中心的開発者となれば、その影響は大きい……」 「左様。マスコミへの情報管理は中心各社の宣伝部に徹底させておきましょう」 「懸案事項が一つ減ったか。……いや、増えたのかな?」 「では、次の議題に移ります―――」 ◆ 『―――次のニュースです。……天海水族館でウーパールパーが大繁殖しており、訪れる客を―――』 暗い部屋の中でニュースが流され、京子の顔を照らしだす。 痩せこけ、乾涸びた花のように、ただ朽ちるに任せ。 彼女はそこに居た。 (……私の所為、なのか……) 真紀のCSCが重度に到ったのは、京子が一月もの間意識不明であったから。 京子がもっと早くに目を醒ましていれば、真紀は……。 (―――何もかも) MMSが武装神姫になってしまったのは、京子が造った武装が切っ掛けだった。 もし京子がそれをしなければ、MMSは……。 (―――最期まで) 真紀が、誰にも看取られずに一人で死んだのも。 (―――、最初から) そもそも、真紀がCSCになってしまったのも……。 (私が、全部悪いんだ……) 違うと否定してくれる者も居ないまま、京子は一人朽ちようとしていた。 結局、真紀が戻ることの無かった家の、彼女の部屋で……。 ◆ 今は亡き、主たる少女の情報操作によって、電力と資材は確保されていた。 後はただ、言われたとおりに操作すれば良いだけだ。 「我が主の最期の命。……必ずや、この命に代えても……」 主無き機械人形はただ動く。 今の“彼女”を指し示す言葉は無い。 イリーガルと言う言葉が生まれるのは、この先数年を待たねばならなかった。 ◆ 「ああ、分かった。そこに、彼女達の実家があるんじゃな?」 芹沢は車載電話の向こうに返事を返しながら、高速への道を辿った。 「すまんの、この件では会社はまるで当てにならんからな」 土方真紀の死と、以後の扱いについては既に共同会議で決定されていた。 FrontLineも、Kemotechもこの件に関しては頼りに出来ないと思っていいだろう。 (コネクションが無くなれば少女一人探せぬか。脆いものだな……) 芹沢は首を振り、ラジオのスイッチに手を伸ばした。 『―――では、次のニュースです』 ◆ 『―――では、次のニュースです。 FrontLine、Kemotech両社が中心となって企画された考えるロボット、“武装神姫”の発表がなされました』 「―――あ」 京子の瞳に光が戻る。 『展示されたサンプルは、人と殆ど変わらない情緒を持っており―――』 武装神姫が世に出る。 真紀の造ったものが、世界に出てゆく。 『―――関係者を驚愕させると共に、今後の展開について注目がなされます』 もう、真紀は居ないけど。 真紀の居た証は、世界に残る。 「真紀……」 京子の頬を、涙が伝った。 『―――では、神姫事業部の方に伺ってみましょう』 ◆ 「―――武装神姫と言う事ですが、これだけ感情性のあるAIであれば、ロボットペット的な扱い方も充分視野に入っていると見てよいのでしょうか?」 「ええ、ですが今後の展開は武装面の拡充と、新型機の他社発展に力を入れて行きたいと思っております」 「機種とCSCを始めとする初期設定で、神姫の“性格”に強い影響が出ると言う事ですが、この辺りについて何か?」 「性格だけでは無く、神姫の性能に非常に強く影響を及ぼします。機種によって攻撃用のプログラムとの相性もあり……」 「性格面が分布的に分類される形式で表わされていると言うのは、性格と言うのはパターン化された物ではなく、非常に多岐にわたる“人格”的な要素であると理解して宜しいのでしょうか?」 「ええ、戦闘能力においても、個性的な相違が生まれる為、機種によっての戦法は分類以上のパターン化は―――」 「これだけ高度なAIを造るのは大変だったでしょう? 開発はどの様に?」 「―――スタッフ達の、努力の成果です」 ◆ 「……………………」 メノマエノコウケイガ、シンジラレナカッタ。 『―――スタッフ達の、努力の成果です』 何を言ってるんだ? 『スタッフ達の、努力の成果です』 違う。 『スタッフ達の―――』 違う!! 京子は立ち上がる。 「お前達が何をした!! 見る事もせず、只出来たものを使っただけじゃないか!!」 スタッフ達の―――。 「違う!! 真紀だ。全部真紀が創り上げたものじゃないか!! 真紀が、一人で……っ!!」 涙で滲む視界の中、手当たり次第に物を投げ付け、まるで子供みたいに泣きじゃくり。 「……真紀が、たった一人で創ったんじゃないか……。それを……。それ、を……」 誰にも抱き止められぬまま。 京子は隻眼の奥に怒りを灯す。 「……全部奪うのか……」 『―――ゆえに、私は全ての神姫を否定し、これを破壊します―――』 不意に甦る、真紀の声。 「全部、奪うのか……」 天啓だと、そう思った。 「真紀から、何もかも奪うんだな?」 遺志も。 痕跡も。 「―――なら、私と真紀が、今度はお前達から奪ってやるッ……!!」 涙を拭いて、京子は暗い部屋に背を向けた。 「―――返して、貰うぞ!! 何もかも!!」 ◆ それが、最初の破綻だった。 ◆ 「………………京子ちゃん」 芹沢が辿り着いた時には既に京子の姿は無く。 全ては動き始めた痕(あと)だった。 インターミッション09:エピローグにつづく 鋼の心 ~Eisen Herz~へ戻る ALCでした。 -
https://w.atwiki.jp/famicomall/pages/583.html
前のゲーム | 次のゲーム クリア条件:全マップで勝利 開始時間:2007/03/28(水) 20 51 09.90 終了時間:2007/03/29(木) 16 13 14.71 No.132 SDガンダム(DISK) の追加マップ。 マップが異なっているだけかと思いきや敵の思考時間や 操作性がガチャポン戦士2までとはいかないが改善され ているのでこっちは幾分か安心してできるかと。 マップNO0:ISLAND RX-93 マップNO1:KING OF STAR マップNO2:シャクネツ ノ ホ゛ウエイセン マップNO3:オアシス ノ コウホ゛ウ マップNO4:RIPPLE ZONE マップNO5:トッハ゜コウ ! マップNO6:チョウシ゛クウワクセイ X マップNO7:VICTORY STRAITS マップNO8:BATTLE IN BUBBLE マップNO9:ケッチャク ノ トキ マップ3つクリアした感想 高LVでもズゴッグ量産での水辺待ちは有効 サーベル(クロー)持ってないので近付かれたら終わり 思考時間レスポンス共に大幅に改善されててイイ感じでした 1ターンコマンド制限も6に増えてるし十分です
https://w.atwiki.jp/nekokonomasuta/pages/12.html
【武装神姫 MMS,Type SANTACLAUS】 【TSUGARU】 「アタシは季節物じゃなぁぃ!」 其れは幸せを届ける者。笑顔を創り出す者 人々に幸せを届ける為、彼女は世界中の空を駆け巡る そして今宵は、主人の為、自らの為に、勝利という名の贈り物を 誇る名こそは、サンタクロース 『サンタクロース型MMS ツガル』 ツガルは第三弾としてサイフォス、紅緒と共に発表された武装神姫だ。 アーンヴァルと比しても見劣りしない飛行性能、豊富で威力の高い射撃兵装を有し、空中地上共に高い性能を誇る機体。 中~遠距離の高機動戦に置いて特に能力を発揮する。しかし武装はシングルショット武装ばかりの為、手数勝負になった場合は不利とされている。装甲は意外と厚く、見た目の派手で華奢なイメージに対して比較的打たれ強い。 また装備はレインディアバスターという飛行ユニットへの変形能力を有しており、高い高速巡航性能を誇る。 但し変形中は本体装甲が全てパージされている為防御性能は皆無に等しくなってしまう。 【基本能力】 ツガルは機動戦闘のプロフェッショナルである。 そのため戦闘基本値に以下の修正を得る。 【射撃基本値】(+3) 【格闘基本値】(+2) 【回避基本値】(+3) 【特殊】射程6~15の【命中】(+1) 《飛行特性》習得済 【技能】 ツガルはキャラクター製作時に、以下のリストから技能を3つ習得できる。 また経験を積んでキャラクターレベルが上昇した場合、3で割り切れるレベル(3,6,9,12……)に到達する度、新しい特殊技能をひとつ、修得できる。 ツガル 技能リスト 《追加HP》 《一斉発射》 《ウェポン習熟》 《緊急回避》 《逃走》 《シールドブロック》 《追加SP》 《反射神経》 《連携攻撃》 《タフネス》 《突撃》 《不死身》 《SP回復》 《狙撃》 《複数目標攻撃》 《掃射攻撃》 《回避フォーメーション》 《高速移動フォーメーション》 《速攻フォーメーション》 ○ノーマル形態 【基本性能】 【射撃修正】(±0) 【センサー性能】(±0) 【速度】(6:走行/飛行) 【格闘修正】(±0) 【装甲値】 ( 5 ) 【旋回】(3) 【回避修正】(+1) 【HP】 ( 22 ) 【パワー】 ( 5 ) ○レインディアバスター形態(*1) 【基本性能】 【射撃修正】(±0) 【センサー性能】(±0) 【速度】(8:VTOL/飛行) 【格闘修正】(±0) 【装甲値】 ( 4 ) 【旋回】(3) 【回避修正】(±0) 【HP】 ( 22 ) 【パワー】 ( 5 ) 【格闘武器】 名称 /威力/格闘補正/使用回数 格闘 / 5/ ±0 / ∞ フォービドブレイド / 9/ -2 / ∞ 【射撃武器】 名称 /威力/~5/~10/~15/~20/使用回数/間接/連射 H・L・M・R(シングル)/ 10/-6/ -4/ -10/- / 10 / × / ○ H・L・M・R / 11/-8/ -6/ -12/- / 10 / × / ○ ホーンスナイパーライフル/ 9/-5/ -1/ -7/-14 / 5 / × / × HSライフル(CL) / 10/-7/ -3/ -9/-16 / 5 / × / × (*1)移動時に変形可能、変形した場合そのターンは攻撃不可能。 【カスタムデータ】 【部位】 /【CP】/ 【名称】 /【効果】 頭部 / (0)/ / 胸部 / (0)/ ホーリィアーマージャケット /《HP+2》 《装甲+1》 脚部 / (1)/ ホーリィブースターブーツ /《装甲+1》 《回避+1》 《速度+1》 背部U / (4)/ レインディアアームドニユット・タイプγ /《飛行》 《追加ラック(H・L・M・Rユニット内臓)》 武装 / (0)/ H・L・M・R&ホーンスナイパーライフル 計 /( 5 )
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2106.html
ウサギのナミダ 登場人物紹介 遠野貴樹(とおの・たかき) 20歳 大学生 本編の主人公。ティアのオーナー。 コンピューターに詳しく、理系的思考の持ち主。 いつも無愛想で、感情をあまり表に出さない。だが、責任感や正義感は人一倍持ち合わせている。 趣味はコンピュータと模型製作。 以前から武装神姫をやりたいと思っていたが、心に響くような製品は出ていなかった。 ティアと出会い、彼女のオーナーとなることで、武装神姫を始める。 持ち前の分析力と戦術で、頭脳的なバトルをするのが得意。 ティア 貴樹の神姫。もう一人の主人公。 ランドスピナー装備のレッグパーツを使いこなし、変幻自在の地上滑走能力を誇る。 地上戦でのスピードと自在な戦いぶりから、「ハイスピードバニー」と呼ばれる。(マスターの貴樹は納得していない) 素体の姿はバニーガール風。頭にはうさミミがついている。 容姿は可愛らしく、少し幼い印象。時々憂いを帯びた表情が大人びて見える。 性格はおとなしく、素直で、ちょっと引っ込み思案。 バトルでは一生懸命に戦う。 彼女のヘッドは、武装神姫のマスプロダクトモデルにはない。 実は違法にカスタマイズされた神姫である。 もともと、ティアは神姫風俗店の神姫として客を取っていた。 ボディも衣装改造されたもので、過酷な労働を強いられていた。 ある日、彼女の客の一人が、彼女を強奪しようとして店から持ち出す。 しかし、店の従業員から逃げられず、途中でティアを捨ててしまう。 その直後、通りかかった貴樹に助けられ、彼の神姫となる。 大城大介(おおしろ・だいすけ) 22歳 フリーター 虎実のマスター。貴樹の友人(自称)。 大柄で、いつも派手な格好をしている、一見ヤンキー風の青年。 しかし、見かけに寄らず人がよく、面倒見もいい。 女好きなのが玉に瑕。 大型のバイクを乗り回しているが、いつも安全運転を心がけている。 「高校でやんちゃはやめた」というのが本人の弁。 虎実とは、マスターと神姫というより、兄妹とか喧嘩友達とでもいうような仲。 趣味はバイクで、虎実にもバイク型のメカに乗せて、自分のテクニックを教え込んでいる。 虎実(とらみ) 大城の神姫。 ノーマルのティグリース・タイプ。 性格はおおざっぱで、小さいことを気にしない性格。 短気で、すぐ頭に血が上る。 素直になれない一面があり、そこをいつもマスターである大城にからかわれている。 そんな虎実だが、バトルロンドではとても真剣。 「いつか誰も真似出来ないような戦い方をする神姫になりたい」と夢見ている。 武装はファスト・オーガを組み替えた、高速型エアバイク。 自分で背負ったりすることはせず、基本的に武装はエアバイクに搭載し、それを駆使して戦う。 久住菜々子(くずみ・ななこ) 19歳 大学生 イーダタイプ・ミスティのマスター。 容姿端麗で、社交的で明るい性格。笑顔が魅力的で、誰からも好かれるタイプ。 ショートカットで活発な印象。服装もパンツルックなどを好み、活発に見える。 武装神姫歴は長く、すでに五年。現在のミスティの前には、ストラーフ・タイプで同名の神姫を所有していた。 「異邦人(エトランゼ)」の二つ名で呼ばれる、有名な神姫マスター。 その由来は、あちこちのゲームセンターや神姫センター、ホビーショップに出没し、強敵に挑むことから。 しかも強いので、畏怖を込めてこう呼ばれている。 見かけに寄らず、頭脳プレイはあまり得意ではなく、バトルではパワーファイトを好む。 ミスティ 菜々子の神姫。 マニューバトライク型のイーダ・タイプのカスタム機。 脚にストラーフの大型レッグパーツ「サバーカ」を装備し、カスタムされている。 高速で地上を走行しながら、副椀を振り回して相手を倒すパワータイプ。 レッグパーツの瞬発力を生かした戦い方で、通常のイーダタイプとは違う独特の戦闘を行う。 実は、ミスティは昔、ストラーフだった。ある試合で破壊され元の素体では復活できなくなってしまった。 菜々子は、ミスティのコアをイーダ・タイプに移し替え、復活させた。 ストラーフだった頃の記憶はほとんど残っていないが、そのころの戦闘記録を活用し、現在のような戦闘スタイルになった。 実力は、地方のゲームセンターなら、トップクラスの実力者にも勝ち越せるほど。 海藤仁(かいとう・じん) 20歳 大学生、水族館勤務 T県の湾岸にある大きな水族館に勤務するアルバイトのエンジニア。 本業は大学生だが、ほとんど休学状態。 アクアのオーナー。 物腰柔らかな性格で、世話焼き。 仲間内では一番早くに神姫を始めているが、バトルをほとんどしない。 もっぱら、水族館内の彼の仕事を補佐する助手として使っている。 神姫については並々ならぬ知識を持っており、自分ではやらないバトルロンドについても精通している。 貴樹とは高校時代の同級生。 アクア 海藤の神姫。 もとはマーメイド型神姫 イーアネイラ・タイプの製品版。 性格は、物腰柔らかなお姉さん風。 オーナーとの仲はすこぶる良好で、お互いの信頼は他人が見ていてもよくわかるほど。 その姿を見て、海藤の仲間達は神姫を始めたいと思うらしい。 高村優斗(たかむら・ゆうと) 21歳 大学生 「アーンヴァル・クイーン」雪華のマスター。 人当たりがよく、友達も多いが、どこかのチーム所属しない一匹狼の神姫マスター。 秋葉原をホームグラウンドにしている。 バトルロンド セカンドリーグの全国大会では、並みいる強豪を押し退けて、秋葉原大会で優勝し、東東京地区代表となった。 雪華(せつか) 高村の神姫。 アーンヴァル・タイプのカスタム機。 改造はされているが、公式大会のレギュレーションの範囲内。公式大会には積極的に参加している。 次の全国大会では優勝候補と目される。 地方大会では、神姫のメッカ・秋葉原で行われる激戦の東東京大会を勝ち抜き、優勝した。 性格は誇り高く、ストイックで、威厳を持った女王様タイプ。 その強さもあいまって、「女王」「クイーン」という二つ名で呼ばれる。 装備はアーンヴァル・トランシェ2を基本として、腰にブースターを追加。その他、細かい装備が変更されている。 武器は黄金の錫杖がひとつだけ。 ただし、この錫杖は様々なパーツの集合体であり、組み合わせることでいろいろな武装に変化する。 戦闘の状況によって様々に武装を切り替え、柔軟に対応する。
https://w.atwiki.jp/nekokonomasuta/pages/15.html
【武装神姫 MMS,Type CANNON】 【FORT BRAGG】 「上下角誤差修正、完了……ファイア!」 斥候からの情報がAIに流れ込んでくる。それは後方に居ながらにして全てを見通すような感覚 未だ見えぬ『何か』に向かい、死の接吻を強要するため、私は照準を合わせる 轟音が周囲の空間全てを叱咤するかのように響き、決してか弱くは無い補助脚が悲鳴を上げる 謝礼の通信、戦果より仲間の生存に安堵する。これが私の道だから 『砲台型MMS フォートブラッグ』 フォートブラッグは第四弾としてジルダリア、ジュビジーと共に発表された武装神姫だ。 中~遠距離、特に支援砲撃に特化した武装を持ち、特に砲撃体制時の射撃精度は長距離とは思えない程の命中精度を誇る。 また脚部を【FB-RP3b ピボット】に換装することが可能で、この場合白兵戦及びライフルによる狙撃対応型としての運用も可能になるなど、汎用性にも優れている。 装甲に関してはそれなりのものが装備されて入るが基本的に後方支援用の為、最低限度のレベルに抑えられている。尚これは白兵戦仕様の機体も同様である。 【基本能力】 フォートブラッグは支援攻撃のプロフェッショナルである。 そのため戦闘基本値に以下の修正を得る。 【射撃基本値】(+5) 【格闘基本値】(+1) 【回避基本値】(+1) 【特殊】『射程(6)』以上で攻撃する場合、射撃武器の【威力】(+1) 《間接砲撃》習得済 【技能】 フォートブラッグはキャラクター製作時に、以下のリストから技能を3つ習得できる。 また経験を積んでキャラクターレベルが上昇した場合、3で割り切れるレベル(3,6,9,12……)に到達する度、新しい特殊技能をひとつ、修得できる。 フォートブラッグ 技能リスト 《追加HP》 《一斉発射》 《ウェポン習熟》 《緊急回避》 《逃走》 《シールドブロック》 《追加SP》 《反射神経》 《連携攻撃》 《タフネス》 《突撃》 《不死身》 《SP回復》 《間接攻撃》 《狙撃》 《待機攻撃》 《複数目標攻撃》 《ステルス》 《掃射攻撃》 《回避フォーメーション》 《高速移動フォーメーション》 《速攻フォーメーション》 《集中砲火フォーメーション》 《防御フォーメーション》 《砲撃フォーメーション》 ○フォートブラッグ(ノーマル)(*1) 【基本性能】 【射撃修正】(±0) 【センサー性能】(±4) 【速度】(5) 【格闘修正】(±0) 【装甲値】 ( 6 ) 【旋回】(3) 【回避修正】(±0) 【HP】 ( 26 ) 【パワー】 ( 6 ) 【格闘武器】 名称 /威力/格闘補正/使用回数 格闘 / 5 / ±0 / ∞ 【射撃武器】 名称 /威力/~5/~10/~15/~20/使用回数/間接/連射 FB0.9Vアルファ・ピストル/ 7 /+4/ - / - / - / 9M / × / × M16A1アサルトライフル / 9 /-3/ -2/ -7/ - / 10M / × / ○ 1.2mm滑腔砲 / 12 /-19/-12/ -14/ -18/ 8M / ○ / × ○フォートブラッグ(砲撃モード)(*1) 【基本性能】 【射撃修正】(+5) 【センサー性能】(±4) 【速度】(-) 【格闘修正】( - ) 【装甲値】 ( 6 ) 【旋回】(1) 【回避修正】( - ) 【HP】 ( 26 ) 【パワー】 ( 6 ) 【射撃武器】 名称 /威力/~5/~10/~15/~20/使用回数/間接/連射 1.2mm滑腔砲 / 12 /-19/-12/ -14/ -18/ 8M / ○ / × (*1)移動の代わりに変形。直後の旋回は可能とする。 通常の回避判定は行わず、固定目標として扱われる。【防御値(10)固定】 【カスタムデータ】 【部位】 /【CP】/ 【名称】 /【効果】 頭部 / (1)/ FB-CPA 複合機能ヘルメット /《装甲+1》 《センサー性能+4》 胸部 / (0)/ FB-CPC 胸部プロテクター /《装甲+1》 脚部 / (0)/ FB-WP7 汎用プロテクター /《装甲+1》 背部U / (4)/FB-RP3ファイアリング・バックパック/《HP+6》 《変形機能》 《追加ラック(1,2cm滑腔砲搭載)》 武装 / (0)/ M16A1アサルトライフル 武装 / (0)/ 1,2cm滑腔砲 計 /( 5 )
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2350.html
MMS戦記 登場MMS MMS戦記に登場する主な神姫を紹介します。 戦闘機型MMS「飛鳥」 :フロント・ライン社製 :主兵装備 霊刀 千鳥雲切×1本 flak171.5mm機関砲×2挺 三七式一号二粍機関砲×1門 三十六式航空爆弾×2発 増加燃料タンク×2基 2030年代中盤、長大な航続距離、重武装、優れた旋回・格闘性能により、バトルロンドの各戦闘機型MMSに対し圧倒的な勝利を収めたことから、当時の武装神姫から「ゼロファイター」の異名で恐れられた。しかし、2040年代以降、各メーカーの新鋭航空MMS機の大量新規投入から旧式化し戦闘力の優位は失われたが、個人レベルのカスタムやチューニングで乗り切っている個体も多数存在する。 防御装備は設計においてもほとんど考慮されることはなかった。バトルロンドにおいて防弾装備の必要性が痛感されていたにも拘らず要求の追加すら行われていないのは、将来戦闘機型MMSへの搭載が一般化すると判断されていた2mm級機銃弾に耐えうる防弾装備は非常に重いことから、中途半端な防弾装備を施すよりは軽量化を図り、速度や運動性などを向上させることで被弾確率を低下させた方が合理的と考えられたためである。 アーンヴァル天使型MMSから発展した技術として、全面的な沈頭鋲の採用、徹底的な軽量化と空気力学的洗練、主翼翼端の捻り下げ、空戦フラップ、落下式増槽などがある。これらは高い旋回性能の実現にも大きく貢献している。 軽量化による高い余剰馬力のため、高速度と高い運動性能、長大な航続距離、2mm機関砲搭載の大火力を併せ持ち、ベテランの神姫が扱えばバトルロンドの黎明期において無敵ともいえる活躍を見せたことから、バトルロンド初期の優秀戦闘機型MMSと言われる。飛鳥は徹底した軽量化による機動性の向上が重視して開発されたため、装甲板などが搭載されておらず、ドラッケン戦闘爆撃機型MMSなど同世代の武装神姫に比べ、被弾に弱かった。後述のように初戦から防弾の不備はたびたび使用している神姫からの指摘もあったが、対策は後回しにされ、その後の改修でもしばらく防弾装備はされなかった。 開発元はフロントライン社。カタリナ社でもOEMでライセンス生産され、総生産数の半数以上はカタリナ社製。マジック・マーケット社のエウクランテ、カタリナ社のドラッケン、スタジオ・ルーツ社のツガルなどとともに、バトルロンドで比較的よく見られる代表的な戦闘機型MMSとして知られている。 名前の由来は日本語で地名、もしくは万葉集からとられたと思われる。 黒天使型MMS「ナイト・アーンヴァル」 :フロント・ライン社製 :主兵装備 GEモデルLC3レーザーライフル×1門 アルヴォPDW9機関銃×1挺 アルヴォLP4ハンドガン×1挺 M4ライトセイバー×2基 GEモデルRG8レールガン×1門 他 最初期の航空戦闘機型MMS、2030年代初頭に登場した航空神姫で、2040年代にはすでに旧式化しつつあるが、安定したスペックと高い兵装備搭載能力と高速度性能、機動力を買われてまだまだ第一線級の神姫である。 さすがに基礎設計から10年以上経過しているので、様々なオプションパーツや内装電子関係を入れ替えてある。カタリナ社製の火器管制ソフトを搭載しているタイプは各種さまざまなミサイルを搭載できる。反対にフロントライン社の火器管制ソフトを搭載しているタイプは光学兵器系の武装を搭載できる。見た目は一緒だが、バトルロンドの運用思想でさまざまな亜種や分化がすすでいる機種となっている。 この機体塗装が黒色に塗られたタイプは夜間戦闘に優れた「ナイト・アーンヴァル」と呼ばれ、暗視性能や各種電子装備が若干強化されている。このような夜間戦闘に優れた亜種の神姫はアーンヴァルタイプだけでなく、エウクランテや飛鳥タイプにも多々見られるので、別段珍しいことではない。 名前の由来はイタリア語で「突撃」という意味。 重装甲戦艦型MMS「ヴィクターⅠ級」 :カタリナ社・第5開発局製 :主兵装備 2連装ヘヴィ・ターボレーザー砲×3基 2連装ターボレーザー・キャノン×5基 レーザー機関砲×6基 大型ミサイルランチャー×4基 100g爆弾 大型巡航ミサイル 等 カタリナ社が開発した大型宇宙戦艦をモチーフとした武装神姫。 インペリアル級装甲戦艦型神姫を拡大・発展させさらに攻撃、防御、センサー、巡航性能、すべてを強化した上位艦である。重装甲戦艦の名に恥じない強力な外装甲と高出力エンジンが生み出す電磁シールドによって防御能力は非常に高く、巨大な巨体は耐久力も高く生半可な攻撃ではびくともしない。高出力エンジンが生み出す莫大なエネルギーは相当なスピードを誇り、アーンヴァルのASにもを追跡することもできた。全身に多数のレーザーキャノンを搭載し単体の神姫としては想像を絶する火力を持つ。さらに武装神姫の搭載も可能であり、センサー、レーダー類も優秀で高い捕捉率を持ち、戦艦、簡易空母、艦隊旗艦・司令部としての機能をも併せ持ち砲撃戦から、単艦での威力偵察、フィールド占領など数多くの運用が可能であった。 防御力、火力、耐久力、探査能力、搭載能力、巡航性能などあらゆる点で高い完成度を持ち、カタリナ社の「大艦巨砲主義」を象徴するような戦艦型神姫であったが、設計思想はあきらかに時代遅れで「力任せでそれ以外に策のない神姫」など厳しく酷評され、あまりにも戦闘能力に固執するあまり神姫の進化の袋小路に入ってしまった。このⅠ級は強力な2連装ヘヴィ・ターボレーザー砲を搭載したタイプで他にも実弾兵器を強化したⅡ級、電子戦闘やミサイルを主兵装備としたⅢ級のさまざまな型が存在する。 「ヴィクター」名前の由来は旧天使の名前、絶対勝利、絶対無敵という意味。 重装甲戦艦型MMS「ヴィクターⅡ級」 :カタリナ社・第5開発局製 :主兵装備 MKS40 2mm砲×2門 2連装ターボレーザー・キャノン×2門 レーザー機関砲×8門 大型ミサイルランチャー×4基 VLSスタンダートミサイル×4基 100g爆弾 大型巡航ミサイル 等 カタリナ社が開発した大型宇宙戦艦をモチーフとした武装神姫。 重装甲戦艦型MMS「ヴィクターⅠ級」の低コスト化計画に基づき整備されたのが本級である。武装やレーダー、各種センサー類が改められているが、統合的な性能はそのままでコストダウンが図られている。前級と同じく防御力、火力、耐久力、探査能力、搭載能力、巡航性能などあらゆる点で高い完成度を持つバランスの取れた戦艦型神姫であり、相当な数が量産されている。MKS40 2mm砲はカタリナ社の開発した艦載砲で、カタリナ社の各種艦艇型MMSに採用されている砲で、発射速度は毎分60発、全自動電気式、対空、対艦、対地両用で、ミサイルも迎撃可能な優れた艦載砲で、高速で移動する物体にも対処可能。バトルロンドでは強烈な速射性能と打撃力で、遠距離から艦砲射撃を行い、数多くの武装神姫を駆逐している。また多種多様なミサイルを搭載しており遠距離からのミサイル攻撃も可能で、攻撃目標の捜索、発見、索敵、弾着観測に味方神姫とのデーターリンクシステムを搭載している。いずれも目標から遠く離れた位置から砲撃、発射を行うので、接近戦は考慮していないが、やむをえない場合はその巨体を生かして体当り攻撃やのしかかり攻撃などの単純な質量攻撃を行う場合もある。当然、通常の神姫がこの巨大な神姫の質量攻撃を喰らった場合、ひとたまりも無く潰される。 邀撃戦闘機型MMS「ガーリオン」 :カタリナ社・第2開発局製 :主兵装備 マシンキャノン×2門 ヒートナガマキ×1本 バースト・レールガン×1丁 空対空ミサイルポッド×2基 電磁シールド×1基 ECM装置×1基 等 カタリナ社の次期主力戦闘機型神姫開発計画「XF―003」の元、カタリナ社 第2開発局が設計、開発した戦闘神姫である。機動性能、防御性能、火力共にバランスのとれた機体で、特に大出力エンジンをフルに生かした加速力、急降下性能、上昇能力は高くそれらを生かした一撃離脱戦闘を得意とした。 ガーリオン系は前期型、中期型、後期型と細かなバリエーション違いが存在するが、スペック自体にはさほどの違いはなく、武装も共通で内部のソフトウェア、姿勢制御系や火器管制、電子装備がUpしている。 集団で連携した一撃離脱戦法を得意としレーダーとセンサーによる索敵・高度差を生かした加速・銃撃による先制攻撃で相手を仕留める。近接武装にヒートナガマキを装備。戦国時代に多用されていた長巻と同じその重量と刀身長を生かし、すれ違いざまに振る、薙ぐ、突くと幅広く攻撃できた。槍と刀の中間的な武装である。 遠距離武装にはレールガンを装備。弾速と威力に優れたが連射性能が低い。 同じ武装同じ一撃離脱戦法で集団で一気に襲い掛かかる戦闘方法は集団バトルロンドでは非常に恐れられた。 戦乙女型のアルトタイプ(開発はアームズ・イン・ポケット社)は開発元とは、似たようなカラーリングと武装構成、フォルムをしているのでバトルロンドの空中戦ではしばしば両機を混合して間違えて誤認する場合などが発生し、フレンドリーフャイヤーなどの誤射などが発生し問題になったこともある。 明らかに類縁関係の遠い神姫間ですが、妙に似通った姿、あるいは似通った武装構成を持っています。またアルトタイプは日本ではどちらかというと関東地方で比較的よく見かける神姫でガーリオンタイプは逆に関西地方でよく見かけるタイプで、両者は異なった地域で異なった種において、似通った方向の進化が見られる現象が発生している。また出現した時期もほぼ同時期であることも注目されている。 全体のスペックも似たような形になっており収斂進化が起きている。 青カラーバージョン 近接攻撃が得意。 赤カラー 射撃戦闘が得意。 アルトアイネス型とガーリオン型の比較。
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2374.html
少年と疾走姫:キャラクター紹介 天野響(あまの ひびき): クラスで一人だけ武装神姫を持たない中学二年の少年。 アークプロトタイプと出会って、彼女に百日という名前を与え、神姫の世界に足を踏み入れていくことになる。 純粋な性格をしており、神姫と仲良くなろうとする気持ちが強い。 百日(ももか): イーダプロトタイプとの戦いでリセットもされずに捨てられ、尊に道を求めたアークプロトタイプ。 研究所から抜け出して、尊の家を拠点に真の力を知るための旅をする。そんな中、響と出会い、彼に真の力とは何たるかを教えてもらおうとする。 非常にプライドの高い性格であり、力こそ全てとは今は思っていないが、勝ちにこだわる姿勢は変わらない。 青葉 健二:かつて蒼貴を捨て、それによって尊に叩き潰された高校生オーナー。ゲームセンターで特に意味もなくバトロンをしている。響と百日と出会い、なぜ蒼貴に負けたのかを見つめ直すこととなる アミー:蒼貴に負けた青葉のフォートブラッグ。何とかして彼の心の傷を治そうと奮闘するも芳しくない結果にいらだちを覚えている 黒瀬 悠(くろせ ゆう) イリーガルマインドの被害に遭い、尊に救われた少年。響とは同級生であり、百日を手に入れた響に武装神姫を教える。 エルザ: イリーガルマインドを使用してしまったアーンヴァルタイプ。今は正常に戻り、ウェルクストラベースのハイブリッドタイプとなってイリーガルマインドの症状を治したが、イリーガルになってしまった事でそのイリーガルに恐怖している。 白鷺 結(しらさぎ ゆい): Vulcan.Labの社員の娘で中学時代から自身の手で神姫を修理、改造をこなす天才技師。 神姫喫茶『リップル』で響と百日にある提案を持ちかける。 早夏: ツガルコアにヴァッフェバニーの素体で構成されるハイブリッドタイプ。 ツガルの性格通りの天真爛漫な性格をしており、無愛想な結の性格は苦手だが、彼女を信頼している。 尾上辰巳(おがみ たつみ): 深み填りと這上姫の主人公。百日が家に訪ねてきて、彼女から旅の答えを聞く事になる。 トップへ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2832.html
ぶそしき! これから!? 第0話 『トモダチ』 0-3 「……あ」 神姫センターの店員神姫に武装神姫について色々説明してもらった帰り道に、ふと思い出す。 ネットで武装神姫の取扱店を検索した際に、先ほどの神姫センター以外にももう一件あったことを。 今の所からそれほど遠くはない。 少し寄り道する程度の所だ。 わずかに逡巡し、今回はちょっと覗くだけと、その場所に向かう。 「あった」 携帯のナビで特に苦労することなく、もう1つの神姫取扱店に到着する。 ――『おもちゃ屋スターフィールド』 中古品も取り扱い、売買する旨が看板に書かれていた。 薄暗い感じはない。 戸惑わず子どもでも入れる、そんな感じの店だ。 「いらっしゃいませ」「い、いらっしゃい……」 入るとカウンターから声がかけられる。 店内は清掃が行き届いていて清潔で明るい。 近くの棚を見ると、ロボットもののプラモに武器セットが並べられている。 少し奥の方を見ると武装神姫のUSEDコーナーが見える。 行こうとして、ふと気づく。 カウンターに人の姿がない。 「あの、今店長が留守にしているから、あたし達が店番をしています」 「な、なにか御用でしょうか」 よく見ると、カウンターには店の名前が書かれたエプロンらしきものを着た緑髪と黒髪の2体の神姫の姿がある。 黒髪の神姫は何故かメイドさんの衣装を着て、恥ずかしげにしている。 「ええと、ちょっと中古の神姫が見たくて……」 黒髪の神姫があまりにも恥ずかしそうにしているので、何か見てはいけないものを見てしまった気分になる。 少年も少し恥ずかしくなりながら要件を話す。 「……」 緑髪の神姫が黒髪の神姫を少し見やり、一息ため息をつく。 あの様子では接客は無理だろうと判断する。 「あたしが案内します。ハーティア、レジお願い」 「ま、マリーベル。分かったよ」 相方に頼み、マリーベルと呼ばれた緑髪の神姫が少年に向かう。 「お客様、手に乗らせてもらってもいいですか」 「あ、うん、いいよ」 提案に素直に頷き、少年がその手を差し出す。 「失礼します」 一言断りを入れてから、カウンターから一飛びして軽やかに少年の手に乗る。 ■ ■ ■ 「そこを右に曲がった棚が、武装神姫の中古素体の場所です」 誘導に従い、少年は歩を進める。 手の上の神姫を見て、ふと浮かんだ疑問を問いかける。 「……ねえ」 「はい、何ですか?」 手の上の神姫が静かな口調で答える。 「君ってマオチャオ?」 「……そうです。あたしは猫型MMSマオチャオのマリーベル」 答えが簡潔に返ってくる。 「ええと……」 「あたしは他のマオチャオの性格と大きく違うから、お客様が疑問に思うのも当然です」 少年がさらに聞く前に、マリーベルは静かな口調で話す。 その様子は実際に見た、話に聞いたマオチャオという神姫のハイテンションのものとは大きく異なる。 「神姫にも色々います。あたし達みたいな変わり者だって当然いる。……あたし位で驚いていたら、これからもっとびっくりすることになるよー」 最後に基本的なマオチャオの真似をして、冗談っぽくマリーベルが言う。 しかし、表情は少年の知っているマオチャオの元気いっぱい天真爛漫の笑顔ではなく、どちらかといえば少し固く、儚い感じの笑みだ。 その笑みの違いが、少年にも神姫も色々であることを実感させる。 「あ、うん。……よく分かった」 「あ、お客様」 ちょっと考え事をしていると、マリーベルから呼びかけられる。 「通り過ぎてます。USED素体の場所」 「――え?」 そそくさと戻り、少年は武装神姫の中古素体の陳列棚に目を見やる。 「……あ、神姫センターで見た新品のよりすごく安い」 少年の懐具合で考えれば、それでもまだまだお高い値段だ。 しかし、手が届かないほどではない、そんな具合だ。 「神姫センターは基本定価だから。それにこのお値段は武装なしのUSEDですから」 「そうなんだ。えと、買ったら動かないとか、何か問題が起きたりとか、しないよね」 ふと思った疑問をマリーベルに尋ねる。 「ええと、そこは――」 「ソフトもハードもチェック済み。起動しないということはないよ。 保証期間も付いてるから、起動後に何かトラブルがあっても安心。 今なら素体のリペイントサービスもしていて、買ってくれた神姫をお好みの色に染めあげれるよ。 ボス……店長がいれば、起動やユーザー登録などの作業も手伝ってくれるよ。お買い得だね」 「そうなんだ、ありがと……って誰?」 少年の疑問にマリーベルではなく、別の声が答える。 「あ、セラ姉さん」 マリーベルが声かけた方を見ると、そこにロングの青髪の神姫がいた。 その神姫は長袖長裾のゆったりした服を着て、その上に店名が書かれたエプロンを着ていた。 メガネをかけているせいなのか別の理由なのか、少し理知的でどことなく落ち着いたような雰囲気がある。 「悪魔型MMSストラーフのセラフィルフィスだよ。よろしくお客様」 「あ、よろしく」 挨拶されて、少年は思わず挨拶し返す。 「マリーベル朝から店番ありがと。今バッテリー残量少ないでしょ。 お客様、よければあたしがマリーベルの代わりに案内と説明をさせてもらうけど、良いかな」 「あ、うん。いいよ」 少年に了解を求めるセラフィルフィス。 バッテリー残量少ないなら仕方ないよねと了承する。 「でも、あたしまだ――」 「いいから。お客様も了解してくれたし、しっかり一休みしなさい。無理をするのはマリーベルの悪い癖だよ。それに戻って店長に店番したこと褒めてもらいなよ」 優しく諭すようにセラフィルフィスはマリーベルに声をかける。 「分かった。失礼します、お客様」 マリーベルはぺこりと少年にお辞儀をして、手から降りてトテトテと走って去っていく。 そんな様子を少しかわいいな、と思いながら見送る。 「さて、お客様、マリーベルに代わりましてセラフィルフィスがご案内させていただきます。何かお探しのもの、またはお聞きしたいことなどありますでしょうか」 マリーベルを見送ると、セラフィルフィス茶目っ気を入れながら挨拶し、最後にウインクする。 「ああ、うん。そうだねー……」 棚を見やる。 そこには悪魔、天使、犬、猫、侍、騎士、種、花、鳥、人魚、兎、砲、銃火器、イルカ、戦車、飛行機、カブト、クワガタ、蝶などなど様々なものをモチーフにした神姫の素体が並ぶ。 ふと、棚から目を離して通路の奥を見ると、カーテンで仕切られた空間が見える。 「ねえ、あのカーテンで仕切られたところって――」 「あそこは年齢が上の方々のコーナーです。お客様にはまだ早い場所ですから。 それよりも、何かお気になる神姫はありませんか? 今なら、この騎士型や戦車型、セイレーン型なんてお求めやすい価格ですよ」 にこりとやたら丁寧な口調で返され、さらに今のオススメの神姫を紹介される。 「あ、ホントだ。これなら、今まで貯めたお年玉とおこづかいで……。う~ん……」 「気になる娘がいたら、なんでも聞いてね」 値札を見ながら少年は悩む。 棚に戻し、値札を見て、を繰り返す。 時おり、質問をする。 セラフィルフィスはその姿を微笑みながら眺め、対応する。 ■ ■ ■ 「――あ」 気がつくと、窓の外はすっかり赤く染まってしまっている。 思ったより長い間、悩んでいたらしい。 「ごめん、帰らなくちゃ」 急いで帰らないと暗くなってしまうと店を出ようとする。 「あ、色々教えてくれてありがとう」 去り際に少年はセラフィルフィスにお礼を言う。 「どういたしまして。これ保護者同意書。また来てねー」 いつの間にか用意されていた保護者同意書を渡され、少年は見送られる。 出入り口に向かう際にカウンターが見える。 そこには店長と思しき大人の男性と、いつの間にかメイド服からツナギのような服に着替えた黒髪の神姫――教えてもらった通りなら、おそらく犬型MMSのハウリン――の姿があった。 「ありがとうございましたー」「ま、また来いよー」 声をかけられ、店を出る。 (家に戻って、お父さんが帰ってきたら、保護者同意書を書いてもらって、明日――) うきうきと軽い足取りで少年は帰宅する。 ――少年が神姫のマスターになるまであと22時間 前へ / 次へ トップページ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1362.html
さて、夕飯後はいつものように、TV見ながらのまったりタイムです。 いつものようにマスターさんは両手で湯飲みをもって正座で、私もいつものようにマスターさんに並ぶように卓袱台の上で正座で。 最近、『いつものように』というのは、わりと高い幸せポイントを叩き出す要素なのではないかと思ったりしています。 その証拠にドッグテイルも、激しさこそないもののずっとふーりふーりと、止まることなく振られ続けているのです。 その一方で、『いつものよう』ではないからこそ幸せな部分もありまして。 具体的に言いますと、正座する私の下に敷かれた、武装神姫サイズの藍色の座布団です。 過日の神姫センター訪問の際にきちんとした正座が可能となった私に合わせ、マスターさんがお土産と称してお買い求め下さった、お気に入りの一品なのです。 武器や装備といった物以外にも、こういった痒いところに手の届くような小道具も扱っているあたり、神姫センターの品揃えは心憎いものですね。 と、マスターさんがごくさりげなく、湯飲みを卓袱台の上に置きました。 私は特に応えもなく、急須を抱えてお代わりを注ぎます。 ちなみに私の現在の装備は、ハウリン基本セットから武器と手甲・拳狼を外し、手は代わりに通常のマニュピレーターに換装しているている状態です。単純なパワーでは拳狼と腕甲・万武および胸甲・心守を連結させたほうが上ですが、やはり利便性では、指がしっかり使える通常のマニュピレーターのほうがなにかと使い勝手がよいのです。 「ありがとうございます」 深々。 「どういたしまして」 深々。 このあたりのやり取りも、すでに特別な会話は必要なくなっております。 これもまた『いつものように』な、幸せなやり取りですね。 『いつものように』あれば幸せで、『いつものようでない』ことも幸せで。 ああ、かくも世の中は幸せに満ちているのです、しみじみ。 「ところで犬子さん」 「何でしょうマスターさん」 ニュースが天気予報コーナーに変わったあたりで、マスターさんが口を開きました。 顔だけを僅かにこちらに向け膝は向けなおしていないので、話題としては軽いものになると推測されます。 とはいえこちらはお仕えする身、座布団の上でマスターさんに膝を向けなおし、拝聴する姿勢を取ります。 「ふと思い出したのですが、犬子さんにはあらかじめプログラムされた隠し芸をお持ちなのでしたよね」 「はい、ハウリン芸のことですね?」 「ええと、そんなお名前でしたっけか?」 「正確にはハウリンタイプ48の宴会芸カッコ封印指定により現在は正確には47カッコ閉じる、となっておりますが、長いので省略してハウリン芸と」 「なるほど。いえ、あれには他にどんなものがあるのかな、と思いまして」 「なるほどなるほど。では論より証拠、百聞は一見にしかず、ハウリン芸のメドレー公開をば」 「いえ! 実演の前に、ぜひとも説明を!」 ……珍しい、マスターさんがエクスクラメーションマークつきの台詞をお話になるとは。 これはアレですね、以前公開し封印指定された『ゾンビ・ハンド』が、程よくトラウマ風味になっているご様子。 確かにアレは、起動直後で人間の情緒に通じていなかったとはいえ、失敗でした。 いかにあらかじめ外されていた腕部パーツがあって下準備的に絶好のチャンスだったとはいえ、マスターさんが武装神姫がパーツ分解可能であることに違和感を感じていらっしゃった時にわざわざあの技を選ぶとは……まさに「空気読め」と言うに相応しい失態です。 ですが。だからこそなおの事、誤解は解いておく必要がありますね。 私は座布団から立ち上がりますと、にっこりとマスターさんに笑いかけました。 「ご安心ください、マスターさん。『ゾンビ・ハンド』の類な芸ばかりではございませんので。例えば……」 だん、と私は脚甲・狗駆を踏み鳴らします。そして右足を大きく踏み出しつつ、前方に素早く左右で正拳二連。 すかさず左足が跳ね上がり、前蹴り。その左足で踏み込むと同時に、両の手を開くようにして前後に掌底打ち。 そして、右腕を下から、左腕は上から大きく回し、胸の前で交差させてから、視点を右に転じ重心をそちらにずらしつつ右裏拳。 一瞬の貯めのあと、今度は視点を左に転じ、右足で回し蹴り、間を置かず左足で後ろ回し蹴り、その回転の勢いを加速させるようにジャンプし、空中で右回し蹴り。 着地と同時に身を伏せ、回転の勢いを止めずに左の脚払い。 その勢いに乗ったままで身を起こし、全身のバネを使って大きく前方に踏み込みつつ、正拳。 正拳を打ち放った姿勢を保つこと2秒ののち、私は構えを解き、マスターさんに向き直ります。 そして膝を落とし正座をすると、深々と頭を下げます。 「ハウリン芸が18、演舞の型乙・心守・無手……お粗末さまでした」 「お見事でした」 すかさず、いつの間にやらこちらに膝を向けなおしていたマスターさんから、ぱちぱちと拍手をいただきました。恐縮です。 「とまぁこのように、隠し芸の大半は『踊り』の類なのです」 「ほほう、そうでしたか」 今のも基本的には、もとより武装神姫に備わっている攻撃モーションパターンの複合なのですが、それをうまく組み合わせればちょっとした演舞になるという訳です。 「ほかにも、十手や棘輪を用いたバージョンや、吠莱を棍に見立てたバージョン、それらの複合があり、それぞれが数パターンに分かれています」 さらには、胸甲・心守を装備している時と素体の時では関節可動範囲も変わってくるため、そこでもバージョン違いが存在しまして。 「結果、『演舞』の類だけでざっと半数は占めますね」 「なるほど、さすがは武装神姫と言ったところですか」 「そして他にも、開発中にモーションテストでプログラムされたダンスなどもありまして」 踊りという見栄えがあり重心の移動の大きい動きは、デモの意味でもテストの意味でも効果が高いため、武装神姫そのものの開発期にも、我がケモテック社内での開発期にも様々なダンスが仕込まれたようです。 「それが隠し芸として犬子さんに残されているわけですか……なるほど、武装神姫が成立する黎明期から受け継がれてきたものと考えると、感慨深いものがありますねぇ」 なるほど。その視点は、私にとっては新鮮です。 「私にとっては単なる用意されたプログラムと言う認識でしたが……確かに改めてその成立に思いを馳せてみると、こう、身が引き締まるというか、足場が踏み固められたような想いです」 「そうでしょうね、それはあなた方の先達の足跡そのもの……言うなれば武装神姫の、『伝統芸能』と言ったところですから」 そのような形容をお受けすると、まだまだ歴史の浅い武装神姫なりにも受け継がれてきたものがあるという実感を得て、深く感情回路に共鳴するものを覚えます。 それにつけてもさすがマスターさん、私に感銘を受けさせるお言葉もお手の物です。 ……まぁ、私がマスターさんのお言葉ならなんでも感銘を受けるお手軽武装神姫だと言うことは置いておきましょう。 それはともかく。 「そんな訳で、私の中には様々なダンスが用意されているわけですが、我らがケモテック社製MMSともなれば、単なるダンスのさらに一つ上の芸も持ち合わせておりまして」 気を良くした私はさらなる芸をお見せするべく、立ち上がって右手を高々と差し上げ、ぱちんと指を高らかに鳴らしました。 それに呼応するように、マスターさんの座卓に備えられた私のクレイドルの傍に待機中だったプチマスィーンズが一斉に起動、螺旋を描くように一度天井近くまで上昇します。 そしてその高みから、私の背の壱号の指令を受けて、私の目の前に弐号が着地、さらにその上に参号がまたさらにその上に肆号が、どん! どん! どん!と積み上がって行きました。 すかさず私は、肆号の上に顎を載せます。 さらに私の頭部の上に伍号がどん!と着地。その衝撃に耐えながらも、フォーメーションを組み終えた私は、両手をしゃきーんと大きく雄大に広げて、芸の完成を示す最後の言葉を言い放ちます。 「トーテムポール」 ……さすがはマスターさん。常人ならば10秒は反応に困ると思われるこのハウリン芸の38を目の当りにして、わずか二秒で拍手を開始されるとは。いつもながらお見事な義理堅さです。 ちなみにこの一連の仕草及び集結の軌道は実は必要のない動作なのですが、まぁバトルならばいざ知らず芸としてお見せするならば演出も重要と言うことで、いささか芝居がかっておりますので、悪しからず。 「ええと、それで、そのトーテムポールが、ダンスの一つ上の芸なのでしょうか?」 「いいえ」 わりと微妙なバランスを保つ必要のあるトーテムポールフォーメーションでは顔が動かせないので、視線だけでマスターさんを見上げて答える私です。 「これは単に、プチマスィーンズを手元に呼び寄せるついでです」 「そうですか」 「そうです」 つまりこれからが本番です。 頭上から伍号が退いたので、私は身を起こします。 肆号、参号、弐号も順にフォーメーションを解除し、改めて私の背後、腰の高さに整列しました。 おあつらえ向きに、CMに突入したテレビからは、リズミカルなBGMが流れてきます。 「お見せいたしましょう、ハウリン芸の難易度ナンバー3、『アドリブダンスwithプチ』を!」 私はつま先でステップを刻んでCMのリズムとの同調をはかり、同時に、私の背後に控えたプチマスィーンズたちにもリズムに合わせて揺れるような機動をとらせ……そして同調を終えた瞬間、BGMにあわせダンスを開始します。 今流れているのは化粧品のCMなのですが、BGMに流れるタイアップ流行アーティストのナンバーはアップビート気味で、私はそれに対して予測演算も交えつつリアルタイムで相応しいダンスステップを検索即実行、遅滞なく身を踊らせて行きます。もちろん背後のプチマスィーンズたちにもリズムに合わせた動きをさせ、バックダンサーとして演出させます。 ……やがてCMが途切れ、別のCMに切り替わります。今度は日本茶のボトル飲料のCMで、BGMはうって変わって和風のゆったりしたリズムのものになりました。 すかさず私も処理リズムを再調整、再び同調を取ると、今のBGMにあわせたゆったりとした日本舞踊に近いダンスに切り替えます。 そんな風にCMの続く3分間、次々とBGMにあわせたダンスを披露して行きます。 ……簡単に言っていますが、わりと大変なのですよ? あらかじめ決めたリズムであらかじめ決まった機動を取るのではなく、その場に流れるBGMに相応しい動きを瞬時に選択、その選択にあわせた身体運動の制御、さらにはプチマスィーンズへの指令までをも並列処理。 しかも、それぞれが場当たり的ではいけません。ダンスとしての統一感があるように……と、口で言えば一言ですが、それを判断しうる感性の発達が大前提として必要で、つまりいわば創造性をも駆使せねばならないのです。 ハウリン芸の難易度ナンバー3に数えられるのは伊達ではないのですよ。 まぁもっとも、そんな「水面下で激しく足を動かす白鳥」的な事情は、ちゃんと説明しないとなかなかオーナーには……とりわけマスターさんには伝わりにくいのですけどね。 とはいえそれを差し引いて見ても、BGMに合わせて次々変わる、バックダンサーを従えてのダンスには見栄えがよく、それだけでもハウリン芸の上位にランクインしていることの説得力は十分かと。 CMが明けダンスも終了させた私は、座礼をしようとして……ちょっと考えてそれは止めて、代わりに頭甲を外します。 そして頭甲を持った右手を一度頭上に差し上げてから、右足を左後方に引きつつ、右手を大きく横から回すように胸の前まで持ってきながら、一礼。 ちょっと優雅を気取ってみました。 すかさず(今度は遅滞なく)マスターさんからの高らかな拍手を頂きます。 「素敵でしたよ、犬子さん」 「過分なお言葉、痛み入ります」 私は恐縮しつつ照れながら、頭甲を付け直しました。うん、セット良し。 「お気に入りいただけたようで何よりです。現状これが、私のお見せできる最高の芸ですので」 再び座布団の上に正座し、私は深々と座礼します。 その言葉に、マスターさんは首を僅かに傾げました。 「先ほど犬子さんは、今のダンスを三番目と仰っていたように思いますが?」 む、つっこまれてしまいましたか。これは私が迂闊だったと言うべきでしょう。とはいえ聞かれたら嘘が言えないのが武装神姫。答えるほかありません。あとはうまく、話題を誘導できるか否か。 「ええ、仰る通り、難易度の高いものがさらに二つあるのですが、現状ではお見せできないのです」 「ほほう? それはどういった訳なのですか?」 「はい、一つは芸として危険度が高く不適切な面もあるための自粛です。 そしてもう一方は単純に、まだ完成していないのです」 マスターさんは、再び小さく首を傾げます。 「完成していない状態で、芸として登録されているのですか?」 「はい、その芸の理論だけ与えられて、実行部分はすっぽりと抜け落ちている、そんな状態でして」 「それは不思議なお話ですねぇ。その理論と言う部分を、お聞かせ願えますか?」 「はい。その芸、『オリジナルダンス』と銘打たれたそれの解説は、『オリジナルの歌を創作し、それに合わせてオリジナルのダンスを踊る』とだけ記載されております」 「ふむ、オリジナル、ですか……」 マスターさん、それがどういうことかと思案するように、一口お茶を飲まれました。 「犬子さんは、それをどう思いますか?」 「はい」 私は居住まいを正し、ずっと考えていた答えを口にします。 「私はこれを、『開発者の皆様からのメッセージ』ではないか、と考えております」 <そのじゅう> <その12> <目次>
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/507.html
第1話 二日酔いの朝の出会い ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ 「あ、つぅ…………朝、かぁ………うう、頭いてぇ………飲みすぎたかなぁ……」 痛い頭を抱えつつ、俺の眠気を見事までに吹き飛ばしてくれた目覚し時計を手探りで探し当て、叩く様に止める。 そしてぼんやりと朝日に照らされた自分の部屋を眺めつつ、昨日あった事を思い出す事にする 頭にガンガンと響く頭痛の所為で多少記憶のローディングが遅くなっている物の、少しずつ思い出してくる 昨日は俺の働いている会社の近くの居酒屋で、転勤となる上司の送別会で記憶が半分ほど消し飛ぶ位、飲んで騒いだのだ。 それこそ店の店員さんや他の客とかに嫌な目で見られるくらい………反省しなきゃorz あ、それで確か、その送別会のビンゴゲームか何だったかで何かを当てたんだっけ………? 「何だっけ……えーっと………武装………戦記?」 「武装戦記ではありません。武装神姫です、主殿」 「ああ、そうだった、武装神姫だった……って誰だ?……あれ?居ない……」 突っ込みに対してついつい肯定した後で、自分以外の誰かが居ることに今更気付き、 思わずその声の主の居る方向を見るがその姿は無く、俺はつい首をかしげてしまう。 「下です、主殿」 「下?……って、あ」 声に言われるがまま、俺が目線を下に向けると、それは其処に居た 身長15cmほどの人形・・・いや、武装神姫と言うのだろうか 金髪の凛々しい顔立ちの蒼い鎧の女騎士が俺の傍にちょこんと正座していた。恐らく彼女が声の主なのだろう。 良く周り見れば、俺の寝ている布団の傍に恐らく彼女が入っていただろう空っぽの箱が転がっており 送別会の後で家に帰った俺が昨日の内に開けた事をおぼろげながらも思い出した。 と、俺がそうこう考えている内に、彼女は礼儀正しくお辞儀をした後、話し掛けてくる。 「おはようございます、主殿。昨日は大分御疲れの様でしたが、御加減は宜しいでしょうか?」 「あ、ああ、二日酔いの頭痛はするけど大丈b……ってそうじゃなくて、 お前さんは一体………」 「む……どうやら、主殿は昨日の記憶の一部がリセットされている様ですね……… ならば再度説明いたします、私(わたくし)は武装神姫シリーズ、TYPE KNIGHT『サイフォス』と申します」 「は、はぁ……それで、お前さんはサイフォスって名前なんだ………」 「いえ、『サイフォス』と呼ばれるのは所謂形式名みたいなもので、人間で言う名前とは異なっております それと……現在、私の名前がまだ登録されていない状態です」 「へぇ、そうなんだ。じゃあ、名前をつけなきゃ……何が良いかな?」 「主殿が御与えになる名前なら、私はどのような名前でも喜んで受け入れましょう そう、たとえどのような屈辱的な名前でも、(ピー)だとか(チュドーン)だとしても!(検閲済み)」 「いや、そういわれると逆に困るんだよな………う~ん………」 しばらく悩み、彼女が「私のなんかの為に悩む事はないのです」とか言い出しかけたその時、 俺の頭の中でピンと良い名前を思い浮かべる 良し、そうだ、ルージュって名はどうだ? 「ルージュ、ですか……では今後は私の事をルージュと御呼び下さい、主殿。 ………所で、不躾ながら主殿にお伺い致しますが、何故、そのような名前に………?」 自分自身の名前の登録をしていたのだろうか、少しの間動きを止めた後 徐(おもむろ)に自分の名の理由について聞いてくる彼女、もといルージュ 「いや、何、最初は女騎士とかその鎧の蒼色にちなんだ名前を付けようかな、とか思ったんだけど。 女騎士に関しては、どっかのエロゲのサーヴァントと同じじゃあ、ある意味困るし。 それじゃ、ジャンヌはと言うと何処ぞのバ金持ちが先に使っているのを思い出した訳で、アレと同じなんぞ面白くもない。 かといって蒼色に因んだ名前じゃあ余りにもありきたりだと思ってな。 其処でふと、お前さんの顔を見てたら何となく口紅が似合いそうだなって、 それじゃあルージュだ、と決めたんだけど……やっぱ、変か?」 俺が苦笑しつつ彼女にそう言うと 「いいえ、主殿が私の名に関して悩みに悩んでくれた事、大変嬉しいです! もし、私の名を変だなんて思う者が居るのなら、私のこのコルヌで斬り伏せてやります!!」 「わ、分かった分かった、とりあえず落ち着け、な?」 腰の剣を抜き、自分の頭上に振り上げて興奮するルージュをなだめる俺 どうやら、こいつは主の事を愚弄されると熱くなる性格って奴か……… 「あ……も、申し訳ありません!主殿に大変御見苦しい姿を見せてしまった様で…」 自分のはしたない姿を見せてしまった事で、少し表情が暗くなるルージュ やれやれ、妙に礼儀正過ぎるってのも困り者だな…… 「いや、もう気にしなくても良いから、そんな暗い顔を止めて笑顔になれって それに、妙に堅苦しくしなくても良い、そんな堅苦しくされると俺が逆に緊張しちまう だからリラックスリラックス、お前さんの好きな様にすれば良い」 「そんな……主殿の御優しい心遣い……私は……私は本当に嬉しいです」 俺の言葉にルージュは今までの堅苦しい表情から笑顔に変わる、 その笑顔を見て、俺は武装神姫にハマっている連中の気持ちが少し理解できた…… 「………まあ、とりあえず今後とも宜しくな、ルージュ」 「ハイ、宜しくお願い致します、主殿! 主殿が望むのであれば、この私の仮初めの命、幾らでも差し出します」 「いや、流石に命は差し出さなくても良いって………ハハ」 苦笑しつつ俺が差し出す人差し指の指先と固く握手するルージュ こうして、俺と妙に礼儀正しいがキレると途端に熱くなる、笑顔の可愛い女騎士との生活が始まった。 おまけ 所で、何でルージュは俺の事を「主殿」と呼ぶんだ………? ひょっとしてそれがお前さん等のデフォルトなのか? 「いえ、呼び方に関しては他にもマイロード・ご主人様・マスターなどの呼び方が設定できたのですが 昨晩、私を起動させた際、主殿は赤ら顔で「何と言われようとも俺の事を主殿と呼べ!!」 と仰られた後、私がその設定を完了した事を伝える間も無くバッタリと御休みに…… 主殿、どうか致しました?やはり体の具合が……」 いや………何でも無いよルージュ、気にしないで……… 心配するルージュを尻目に昨日の自分の酷い行動を思い出した所為で、 より一層激しさを増した頭痛をこらえつつ俺は、 酒だけは本当に程々にしなくちゃなと、暫し猛省するのであった………orz 第2話に続く メインページに戻る トップへ戻る