約 191,104 件
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/419.html
サムライ男に見る、最近の犯罪事情 2007年初旬、英国の地で押し込み強盗を働いた5人組がいたらしい。 彼らは駆けつけた警官2人をナイフで刺そうと襲いかかる。その時! 突如何処からか現れた侍が一人を斬り伏せ、逃げるもう一人も斬る! 結果警官は助かったが、“サムライ男”は既に姿を消していた……。 「……だそうだ、なんか何処ぞのVシネマ時代劇でありそうな展開だな」 「マイスター、マイスターっ。わたしも、ばば~んと活躍したいですの」 「うむ、最近はハイテク犯罪も多いし、その中でこそローテクは光るな」 「特に神姫犯罪は最近多いですの、わたし達の姉妹が悪い事してますの」 深夜のティーブレイク。暇な時は旧時代のニュースアーカイブを見る。 そして最近と比較していろいろ沈思黙考。これぞ私・槇野晶の休息だ。 昨今は……恐らく私が生まれ出る前から……この国は荒れ放題であり、 尚克アレ放題であるが、こういう“正義”にはやはり心動くな。有無。 「神姫犯罪か……奴ならどう思うのであろうな、割と普通の男だが」 「奴?えっと、ホビーショップ・エルゴさんちのお兄さんですの?」 「そう。奴めは典型的なヲタだが、知識も腕もあり、魂も暑苦しい」 「あう。マイスター、それを言うなら熱い魂だと思いますの~……」 「構わぬ!で、そんな奴なら“正義”について何か一家言あろう?」 成人男性としての評価はさておき、その心意気は私も買っているのだ。 OK、「幼女の癖に」とか言った奴は今すぐに根性焼きしてやろうか? ……まあ、表面上のみとか絵空事ならそこまでなのだが、万一もある。 技術的な相談事もあるし、今度行った時にでも軽く鎌を掛けてみるか。 奴が本物なら、さぞ有意義な議論ができるだろう。その折は……有無。 「……あの、マイスターっ。それよりも、それよりもっ!!」 「ん?ああ、すまない。危うく己の思考に溺死する所だった」 「新作のお洋服の仕上げ、もうすぐ終わりそうなんですの?」 そうだった。MMSショップ“ALChemist”のショップブランドである、 神姫用服飾“Electro Lolita”の新作を今は作っていたのであった。 先日渋谷でスキャンした最新モードの女性服。ああ言った物を参考に 私なりのアレンジを混ぜ込み、神姫のボディサイズに合わせていく。 この小さなキャンパスに感性を詰め込むのも職人(マイスター)の技。 「今回のお洋服もステキみたいですから、早く着てみたいですの♪」 「ああ、今回はクロスタイプだからもう少しで出来る。焦るなよ?」 「はーい。そして早くマイスターとおそろいで歩きたいですのっ!」 「う゛、どうしても着ろと言うのか……仕方ない“妹”だ、全くッ」 今回の“モデル料”で選ばれた洋服は、あろう事かスキャン元の服。 私のコンパクトボディに合わせた同じブランドの別物ではあるが…… これも“妹”を華やかにしてやりたい姉の心情なのかも知れないな。 「マイスターとおそろい、おそろいっ。おそろいの服~♪」 「出かけるのは明日だぞ?今晩はもう遅いから試着だけだ」 「はい。それだけでも、わたしはとても嬉しいですの~♪」 「ふふ……しょうがない“妹”だ。すぐに着せてやるッ!」 ──────今日も月が昇り、星に楽しい夜が訪れる様だ……。 次に進む/メインメニューへ戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1575.html
過去と流血に囚われし、嘆きの姫(その三) 第六節:感触 ハンカチで止血されつつ、私は外神田の古びた外科医へと運び込まれた。 幸いにも目立った患者はおらず、すぐに処置室での治療が行われたのだ。 消毒液やガーゼによる激痛は、筆舌に尽くし難い。だが私は幸運だった。 「お~、晶ちゃんよぅ来たのう。今度は何をしたんじゃ?……おお?」 「先生、外傷と火傷があるみたいですの。出血は酷いですけど~……」 「ほうほう。こりゃまた派手じゃのぅ。ハンダごてでも掴んだかの?」 「痛たたたた!?そ、そう言う事にしといてくれぬか藤村先生……ッ」 好々爺の藤村先生は、私が店を開くよりも前から度々世話になっていた 熟達の外科医だ。私がロッテを受け入れて、彼女の為にと物を作る様に なってから、未熟や油断故に生傷を作った私を的確に治療してくれる。 喰えない所もあるが、その腕は確かだ。私が言うのだ、間違いはない! 「ふむ……そうか、ハンダごてか。久しぶりじゃのぅ、そんなドジは」 「まぁ、そうなのかもな。して、どうだ先生……流石にこれは拙いか」 「いやいや。火傷と裂傷は多少あるが、どっちも筋は切っておらんよ」 「え?そ、それじゃあマイスターの“手”は大丈夫なんですかッ!?」 「有無。暫く痕は残るが、問題なかろ。ショック症状もなさそうじゃ」 その藤村先生は、私に何があったか……敢えて深く聞かずに治療した。 幸いにも出血以外大したことはない、という事らしい。有り難い物だ。 軽く傷の消毒やパッチによる火傷した皮膚の修復、軟膏の塗布に包帯の 巻き付けが為され、手当は完了する。痛みは酷いが、これも痛み止めで 抑え付けてくれた。後は様子見……という事で漸く先生の診断を聞く。 「さて、両手の怪我じゃがさっきも言った通り大した事はなかったの」 「む、そうか……?その、怪我した時は指の筋や神経でも切ったかと」 「ははは、晶ちゃんらしいの。血は酷かったが、傷口は手の縁じゃよ」 私の診断結果は、手の軽い火傷。即ち、弾痕等は見受けられないのだ。 あの拳銃は実弾を撃つ物ではなくて、エネルギー弾を放つ構造となる。 そう考えると、爆破の際に見かけた“プラズマの波紋”も説明が付く。 ロキ……あの娘も、確かに“プラズマ・ボマー”と言っていたからな。 「あの爆弾も……ひょっとしたらプラズマ弾を用いた物かもしれんな」 「……プラズマって、そこまで万能だったのかな。マイスター……?」 「プラズマを収束する銃は、ウィルトゥースも使用しているだろう?」 「あ、そう言えばそうですねぇ……なら、あの娘の持ってる武装って」 そう。神姫サイズの武装としてプラズマを利用できる程度には、技術も 進歩している。これを応用して、高密度のプラズマを球状に圧縮すれば 爆弾や銃弾として利用する事も、決して不可能ではないだろう。だが、 アルマ……茜が気付いた通り、ロキは重火器をプラズマ系で固めている 可能性があるのだ。これは、弾切れせず戦い続けられる事を意味する。 「放置しておけば、本当にその身が尽きるまで爆破し続けますの……」 「んむ?おお、そう言えば今日も秋葉原ではテロがあったそうじゃの」 「あ゛……嗚呼、それで驚いてハンダごてを掴んでしまってな。有無」 「やぁ、酷かったらしいぞ?ウチにも何人か、軽いケガで来たかのぅ」 慌てて場を取り繕いつつ、あの後何があったのかを藤村先生から聞く。 どうやら今回も、軽傷者を何人か出した物の……死者はいないとの事。 爆破されたビルも、高架下というその構造が幸いしてか致命的な損傷は ないらしい。被害の少なさに安堵するが、それと同時に私はふと思う。 「……ひょっとしたら、あの娘には迷いか優しさが残っているかもな」 「それは、わたしも思いますの……ロキちゃんは、まだ大丈夫ですの」 「え!?マイス……じゃない、晶お姉ちゃん。本気なんですかッ!?」 それは私が見出した可能性。しかし、茜……アルマとクララは狼狽える。 怒りでも嘆きでもなく、ただ私に対する衷心より発せられた意見だった。 「ボクは反対だよ。マイスターがこうして傷ついたのに続けるなんて」 「あたしも嫌です……お姉ちゃんが、また怪我したらなんて思うと!」 茜に至っては、最早泣きそうな表情をしている……私が、あの様な行動に 出る等とは想像すらしていなかったのだろう。更に、相手が本当に危険な 存在であるという実感が、彼女らのブレーキとなっているのだ。しかし、 部外者……藤村先生と看護婦が見ているここでは、説得も出来ぬな……。 「ほほ。茜ちゃんや、君のお姉さんはどれだけ怪我しても退かぬぞ?」 「え……?どういう事ですか、藤村先生。お姉ちゃんが……どうして」 「そりゃ、やりたい事があるからじゃよ。どれだけ生傷を作ってもの」 「……そして手酷く傷ついても、傷を治して再び挑んでいたのかな?」 『そうじゃ』と、藤村先生は肯いた。その通り、私はどれだけの苦労を しても……どれだけ傷ついても。ロッテの為、神姫の為に突き進んだ。 故にこそ、アルマやクララとも大事な“絆”を繋げられたのだと思う。 「ん、傷の処理は終わっとる。込み入った話は、待合室でするとええ」 「忝ないな、藤村先生。では暫し、待合室を占拠させてもらおうか?」 ──────私は、諦めないよ。 第七節:認識 保険証を翌日持参する、という念書を書いてから私達は会計を済ませる。 藤村先生の言う通り、多少の痛みはあるが……私の手は問題なく動いた。 どうやら、これからも“マイスター(職人)”としてはやっていけそうだ。 その結果に安堵しつつも、私は夕日の差す待合室のベンチへと腰掛ける。 「まぁ……皆も認識したと思うが、私の目標は更に先鋭化しつつある」 「……あの娘をどうにか止めて……改心させて、あげたいんですね?」 「その通りだ。今の彼女を放置すれば、その行く末には破滅しかない」 それが“当局による拿捕・破壊”なのか、“憎悪による自滅”なのかは 分からない。しかし凶行を繰り返すロキを放っておけば、何らかの形で 悲惨極まる結末を迎えてしまう事は……火を見るよりも明らかだった。 「彼女とて、その出生を考えれば神姫と言えるだろう。故に、かもな」 「神姫の為に生きてきた、自分を偽れないから……助けたいのかな?」 「如何にも。しかも、まだ助けられる可能性があるのだ……必然だな」 “神姫の笑顔の為”。たったそれだけの為に、歩姉さんを喪ってからの 私は存在する。ここで彼女を見捨て、世の横暴に委ねる事は出来ない。 無論こうして“悪党”を助けたい私の願望も、身勝手かもしれんがな? 「あの娘が憎悪を抱いて、滅びていくのは……耐えられませんの?」 「嗚呼、耐えられぬ。例え元のマスターが、邪悪だったとしてもな」 非常に難しい決断ではあったが、答えを出す事自体への躊躇はなかった。 死の商人として悪徳を振りまいたのは、マスター達“ラグナロク”の罪。 だが多くを傷つけたとは言え何も知らず、思慕の為にやったロキの行いは 果たして、死を以て償わねばならぬ程の“罪”なのか?私も、本来ならば 『そうだ』と答えただろう。しかし、歩姉さんは決して断罪を望まぬ筈。 あの人はそういう女性だ……そして私は、彼女を目指し生きてきたのだ。 「それに不可解なのは、彼女がマスターを喪ってもなお動いている事だ」 「あ……そう言えば、神姫はマスター情報の登録が抹消されると……!」 「機能を停止するんだよ。“マスター”は、一人しか存在できないもん」 「で、死んだっていう認識があるのに……ロキちゃんはまだ動けますの」 「そうだ。彼女には、マスター情報による行動抑制がないのかもしれん」 出自を考えると、それも頷ける話だ。オーナーとして想定されたのは、 何時死んでもおかしくないテロリスト。彼女は、そんな存在の試作機。 となれば、一々“マスターの死亡”で初期化されていては不便だろう。 故に、その辺の抑制コードを外されている可能性は十分に考えられた。 そもそも“アシモフ・プロテクト”さえ、無いのかもしれんのだ……。 「でも、あたしは反対です。やっぱり、マイスターを傷つけたくない!」 「ボクも嫌なんだよ……マイスターがそれを望んでいても、危険だもん」 無論それは、大きな危険を伴う。万一次に彼女を改心させられなければ、 その場で皆殺しにされてしまう程のリスクを孕んでいる。忌避したいのは アルマやクララでなくとも、当然だった。どう説得した物か……迷うな。 「……わたしは、マイスターと一緒に……あの娘と対峙しますの!」 「ロッテちゃん!?本気ですか?……マイスターが、傷つくのに?」 「そうなんだよ、ボクらだけじゃない。皆が傷つくかもしれないよ」 だが、そんな空気の中で決然とロッテは言い切った。私の胸ポケットから 身を乗り出し、自分の胸を叩いて決意を確固たる物としている。“茜”の 肩に乗っていたクララが、ロッテの本心を量りかねてか説得に回る。茜も 同様に、泣き叫ぶ様にして縋る。しかし、ロッテの意志は……固かった。 「ここでロキちゃんを見殺しにする方が、傷つきますの。皆の“心”が」 何処までも真っ直ぐに、信念を貫く瞳で皆を見回すロッテ。彼女の気配に アルマとクララは、息を呑み言葉を失った。そう……改心させようとして 失敗すれば、皆が傷つくだろう。しかし、諦めれば“心”の犠牲を伴う。 ロッテは、最初からその“両天秤”に対して答えを持っていたのだ……! 「……ロッテちゃん、意思は固いんですね?マイスターも、ですね?」 「有無。私はどうにかして、彼女を暖かい日常へ引き戻してやりたい」 「ロキちゃんに以前と同じ生活は、与えてあげられないんだよ……?」 「同じ物なんて、必要ないですの。わたし達が、包めばいいですの♪」 ロッテは微笑み、接近したクララを抱きすくめた。それは、眼前に聳える “不安”という硝子の壁を打ち砕く様に、優しく強く……抱きしめる腕。 そうだ、彼女は誠心誠意……ロキを助けたい、その一心のみで決断した。 一切の妥協も、打算も……権謀術数も無い。“真心”から産まれた言葉。 何時だって、私達の中心となってきたのは……彼女、ロッテの魂なのだ! 「……そう、ですね。かつてはあたしも、同じ様にして戻ってきました」 「思い出したか茜……いや、アルマや。故にこそ、私はまた救いたい!」 「わかりました。あたしだけ助かって、って訳にはいきませんからね?」 「ボクも、助けられたって意味では同じだもんね……覚悟を、決めたよ」 「それなら……ロキちゃんの背景と、現在の状況を調べてみますのっ♪」 『はいっ!!!』 ──────皆と一緒なら、必ず……大丈夫だよ。 次に進む/メインメニューへ戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1795.html
…… この世に生を受けた「自分」の前に佇む人物。 「彼」は「自分」のオーナーなのだろうか。 「彼」はこちらを見据え、諭すような言い方でこう告げた。 「自分の持つ"可能性"を限界まで追及してくれ。…それだけだ」 「彼」はそれだけを告げると、静かに去って行った。 …薄暗い廃墟の中。 天井の裂け目から漏れ出る光を反射し輝く鏡の破片。 破片をのぞき込み、映し出された姿を見てすべてを理解した。 「可能性…か」 「自分」は、自らを映す破片を粉々に踏み砕いた。 ……… …… … 無頼19「ヒカルの夢」 途中経過は省略して、僕はメンテナンスショップに居る。 ヒカルの定期メンテの為だ。 「なんかいやだなぁ…、バラバラにされるんでしょ?」 「安心しろよ、そのままお陀仏なんて事はない筈だから」 「ハズは余計でしょ!?」 そんなカンジでいつも通りの会話が進む。 おっと、ようやく順番が回ってきたか。 「次はヒカルか…、どことなく簡単そうだ」 「長瀬さん…、なんか疲れ気味みたいですけどどうしたんですか?」 「どうしたもこうしたもないよ…、…アレのせい」 そういって指差したのは一枚のポスター。 『アオゾラ町神姫センター主催 武装神姫バトルロンド大会ウォードック杯、11/30開催』 …ああ、なるほど。 「大会に向けて定期メンテナンスを繰り上げて受ける人が多い、と言いたいんですね?」 「その通りだ。おかげで常時フル回転、久しぶりの休みもつぶれてしまったよ…」 そう言いうなだれる長瀬さん、他にいろいろあったのだろうか? 「まあ、色々あるのさ…。…一番終わるのが早いのは…ちょうどいい、メィーカーだ」 ……… 「ふぎゅう…」 フラフラになって出てきたメィーカー、任せて大丈夫かな? 「メィーカー、終わったばかりだが次のメンテだ」 「ご…5分だけ休ませて下さいぃ…」 そう言いバタッと倒れるメィーカー、人間だと過重労働で訴えられそうだ。 「あら、彩聞君も来ていたのですか?」 後ろから声、振り向けばそこに居たのは先輩。 「先輩もですか? メンテ」 「零牙のメンテが終わったので、引き取りに来たんです」 先輩の表情はどこか嬉しそうであった。もしかして何か企んでる? 「メィーカー、これ以上客を待たせるな」 「うう…わかりましたぁ…」 メィーカーが復活したので後は任せるとするか。 「ほらヒカル」 「んー…、そのまま帰らないでよ」 誰が帰るか。 手続きを終わらせ、そそくさとその場を離れる。 呼ばれるのは最低でも1時間後、それまで神姫ショップで買い物でもしてるか…。 ~・~・~・~・~・~・~~・~・~・~・~・~・~ 「はい、ではスリープモードに入って下さい」 MMSサイズに仕切られた術式室、その中の一つがメィーカーの受け持ち区域である。 工具はすべてMMSと同規格のサイズであり、人間の職員が介入する場合は別の術式室が用意されている。 「顔見知りといっても、体をいじられるのはちょっとなぁ…」 「あら、彩聞さんと深い関係になってないんですか?」 「な…なにいってるですか!?」 顔を真っ赤にして目をむくヒカル。 「冗談ですよ」 クスリと笑いながら使用機器の最終チェックを終了させるメィーカー、いつでも開始可能である。 「ささっ、さっさと眠らないと強制的に落としますよ?」 「それは勘弁、………」 小さな電子音と共に、ヒカルはスリープモードに入った。 「ゆっくりしていってね!…じゃなくて、ゆっくりお休みなさい…」 そう言いつつ、早速分解を始めるメィーカーであった。鬼だ(爆) さて、ここからはヒカルの夢を覗く事にする。 何?犯罪だって?、ナレーションだから別にいいのだ。 ~・~・~・~・~・~・~~・~・~・~・~・~・~ 「おっす形人」 「一深、何でここに居るのが判ったんだ?」 舞台は真昼間の公園、中央図書館のとなりにある大きな公園である。 「私がお姉さまの匂いを辿って来たのです!」 犬か、お前は。 「リック、女の子は…えっと…なんだっけ?」 「"エレガントに"だ」 しかしヒカルの中の人はリュミエールと同じではないのだった。 その時! 白い影が目の前を通り過ぎ、形人がいなくなっていた! そしてその影は一深たちの目の前に着地し、白いマントとフードを羽織った女性の姿をとった。 「な…誰だお前は!?」 目の前に佇む白いマント女を指さし一深が吠える。 「教えませんよ」 更に飛び上り、ついでに一深とリックを踏んづけて飛び去って行った。 「な、何なの一体…!?」 その場に残されたヒカルは憤慨するだけであった。…しかし! 「それどころじゃないや、早く追わないと…!」 ヒカルはそう言い、目の前の草むらに飛び込んだ。 …… 「…風よ!我の姿を覆い隠せ!」 一声と共に風が吹き荒れ、それは竜巻となってヒカルを覆い隠す。 異常気象甚だしいが、夢だから省略する。 スタッフ(杖)と小銃が合わさったようなものを掲げ、ヒカルは紡ぎだした。…呪文を。 「我が名と技を背に我は実行す。我はヒカル、超常なりし法と理の使いなり」 ちょっと待て、それはまかでみではないか。専用のものが浮かばなかったのか!? 「光よ、風よ。我を戦乙女へと変えよ!」 …もうちょっと捻れなかったのか…? 閃光と共に姿が一瞬で変わり、サイズが12/1…つまり人間大へと変わっていた。 その装束は"管理局の白い悪魔"を連想させる…というか、似過ぎである。 では、変身プロセスをもう一度見てみよう。 ~・~・~・~・~・~・~~・~・~・~・~・~・~ 「風よ、光よ。我を戦乙女へと変えよ!」 彼女が秘める魔力は人間の1/12しかない。そのため魔力を装填した10mmカートを多数内蔵したスタッフ"フィリア・リスティック"を変身補助に使用する。 所定のワード(呪文)を唱える事によりカートが一つ消費され、その身体を一度分子分解し光と風を魔力で物質化したものを使い人間大に再構成する。 次に自らの魔力を使用し一糸纏わぬその姿を風の繊維に包みこむ。繊維は絡み合い、さらに防御魔法を織り込むことによって通常兵器はものともしない無敵の服と化す。 最後に光の分子が障壁魔法として服に模様をつける事によって、彼女の変身は完了する。 ちなみに補助が必要ゆえ、変身には約1秒掛かるのが難点である。 「待ってて!今助けるから!!」 スタッフを掲げ、颯爽と飛び立つヒカル。 …一深とリックは無視ですかそうですか。 …… 都市上空を音速の3倍もの速度で飛行するヒカル。 当然下の町は衝撃波で大惨事となっているが…夢なので割合する。 そんな彼女の視野に霧のようなものが入った。 それを拡大して見てみれば、はるか彼方に武装したNAKEDの大群が見えることであろう。 だが ずどぉぉん! 音速の3倍で飛んでいる以上、視界に入った時点で直に通り過ぎる。 あっさり突破された包囲網は、遅れて通過する衝撃波になぎ倒された。 …まあ、ご愁傷様ということで。 「見つけた!」 もはや追いついてしまうのはご都合主義だが、そこは夢。あきらめてもらいたい。 「君は何者なの!? なぜ形人を連れ去ったの?」 口調が変わっているが、コスチュームを替えることによる気分転換なのだろう。たぶん。 「もう追いついたのですか?ちょっとは苦戦してくれればいいのに…」 「その声はもしかして!?」 声に聞き覚えがあるのか、驚きを隠さないヒカル…いや。魔砲少女(キャノン・ガール)ヒカル。 「そう…双葉では在庫と罵られネタにされ、育児放棄の飲んだくれと言われ続ける屈辱…」 自虐か?それは自虐なのか? 「…じゃなくて!この作品の主人公の座をいただくためにさらったのですよ!」 そう言ってマントを脱ぎ捨てる女。 「やはり…アーンヴァル! …ていうかラスターだけじゃ不満!? 大体「アールとエルと」とか「双子神姫」とかその他もろもろで主役張りまくってるじゃないのアンタ! 私たち第五弾組以降は主役を張ってるSSなんてほとんどないのよ! ま・し・て・やエウクランテなんてこの神姫無頼と「スロウ・ライフ」の「武装神姫飛鳥ちゃんエウクランて」しかないのよ! 他はやられ役だったりその他大勢だったり脇役だったり…そもそも何で第二弾までが主役の大半をしめてるの!?もっと五弾以降の主役が増えてもいいと思うのよ私は!? それどころか私だって最近は零牙とジーナスたちに立場を盗られてるし…だぁーっもう!!ハラたつ!! ただでさえ影の薄い私から主人公の座を奪ったら何が残る!?、ただのへっぽこネボスケ鳥子にしかならないじゃないの!ていうか…」 「わかりました!形人さんを返しますからもう止めてください愚痴は!!」 ヒカルの"航空機関砲M61バルカン"な愚痴トークに完敗した白子、毎分4000発は伊達じゃない(違う) 白子が投げた赤い玉をキャッチするヒカル、中にはフィギュアサイズの形人。 「…ふぃぎゅ@メイト? まあいいや、これで心配する必要はなくなったし…悪は成敗しましょうか」 「か、返したのに許してくれないんですか!?」 ヒカルは白子をビシッと指さし 「かの偉人は言った!「悪人に人権はない!」ましては神姫には元から人権が無い! 覚悟しなさい…。」 ビビリがはいる白子の目には、しっかりと魔王モードになったヒカルの濁った目が映っていた。 「…頭、冷やしてあげるから」 「き、きぃゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」 「これが私の究極全壊ッ! ジェノサイド・ブラスター!!」 「虐殺」と名に入っちゃってる魔法(魔砲)を容赦なく白子にぶっぱなすヒカル。 まわれ右して逃げ出した白子は、跡形もなく消え去ったのだった。ムゴい…。 「………(汗)」 ログ整理を並行して行っていた長瀬は、この映像を見て唖然とした。 日頃の鬱憤を夢で発散していたのか…。 「…ふぅーむ、こりゃあ形人君に言っとくべきかな?」 ~・~・~・~・~・~・~~・~・~・~・~・~・~ 「ヒカルの不満?」 形人は呼ばれた早々、長瀬にこう言う話を聞かされた。 「うん、どうやらかなり"溜まっている"な。メタフィクションになってしまうが、ヒカルは零牙やジーナスに主人公としての株を奪われている事を気にしているのがひとつ。次は主人公なのに成績が酷い事、最後は個性やインパクトが弱すぎる事。といったところかな」 噛み砕くように聞かせる長瀬。まあメタフィクションな内容だからだが。 「そんな事言われても、今更変えられませんよ。最終回だって近いのに…」 メタフィクションにはメタフィクションで返せと言わんばかりにのセリフを言う形人。もう本話はグダグダである。 「ならば今現状を納得させるのが一番だと思う、俺から言えるのはそれだけさ」 どうしようもない、企画段階からの設定に頭を抱える事になるとは…。 自分…第七スレの6は次回作に不安に感じつつ、本話を終わらせる事にする。 [強制終了] 流れ流れて神姫無頼に戻る トップページ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2787.html
注意:この話はエロ・グロ・神姫破壊が含まれた打ちっ放し短編です。それでもいいよとおっしゃられる方はどうぞ。 連続神姫ラジオ 浸食機械 ~ファタモルガナ~ 1:末路 「そーれ」 少女の軽快なかけ声と共に空を切る音が響く。続いてグチュっと言う音と 「ひぎゃぁう」 奇妙な叫び声があがった。 「大命中、やっぱり私はすごいね、マスター」 先ほどかけ声をあげた少女が振り返り僕に語りかける。少女と言っても彼女はニンゲンでは無かった。全長16センチの機械仕掛け、武装神姫と呼ばれるロボットである。彼女はカブトムシをモチーフにしたランサメント型と呼ばれるタイプだ。しかし彼女は製品版とはカラーリングが異なっている。武装はシルクのような光沢のある白に塗られている。素体も白をを基調として所々に黒や金が使われていた。腰まであろうかという髪は青みがかった黒で、リボンでポニーテールにまとめられていた。 「ねえねえ、次はどれをいってみようか?やっぱり派手にどばーって出る方がいいかな」 彼女の足下には彼女ほどのサイズのナイフや釘が乱雑に散らばっていた。彼女は今までこれを「的」に投げて刺す遊びをしていたのだ。ちなみに勝率はなかなかのものである。 「マヤ、しばらく待ってくれ。彼女と話がしたいから」 マヤと呼ばれた神姫は少し不満げに頬をふくらませたが、分かったと答えて手に持っていた千枚通しを床に置いた。僕はそれを見届けると机の上の瓶を手に「的」に近づいていった。 「気分はどう?お友達のことが心配でここに来たみたいだけど技量は考えた方がいいよ」 「的」は、壁に手足を埋め込まれ、服を破かれ半裸になった少女はこちらにおびえた様な目を向けるばかりで答える様子はない。白い張りのある肌に何カ所もナイフや釘が突き刺さりだいぶ出血しているのだから答える気力も無いのかもしれない。もっとも、背中に生命維持のためのチューブを何本もつないでいるのだ。そこから送られる薬品のおかげで、まあ、とりあえずすぐ死ぬことはないだろう。 「まあ、どうでもいいけど。そうそう、ここに連れてこられたとき自分の神姫、確かヴィクターちゃんだっけ?のことすごく心配してたねよね、だから連れてきてあげたよ」 僕の差し出した瓶の中身を見て彼女は目を見開く。瓶の中には彼女の神姫であるオールベルンパール型のヴィクターが入れられていた。武装を外され、薔薇シフォンに身を包んだ彼女は四肢を金の鎖で絡め取られ、足を大きく広げた姿で瓶の中に閉じ込められていた。 「ヴィクター!」 痛いだろうに無理矢理身ををよじり少女は自分の神姫の名前を叫ぶ。しかしヴィクターは目を閉じたまま動かない。 「スリープモードのままだったね、ごめんごめん」 僕はヴィクターに送っていた彼女を眠らせる電波を止める。すぐに彼女は目を覚ました。そして目の前に広がる自分のマスターの惨状を見てその表情が怒りに染まる。振り向いて僕を見つけると飛びかかろうとでもしたのだろうか、身をよじるが鎖にからめとられて動くことができない。それでも構うことなく僕の方に向かってこようとする。鎖を切れない身をよじり、殺してやると叫びながら。 「殺すんなら一撃でやってくれなきゃお断りだよ。もっともその機会はないだろうけどね」 叫び続ける彼女の入った瓶を机の上に置くとマヤがその周囲にカメラを設置していく。 「い、一体何する気?ヴィクターにはひどいことしないで」 残念だけどそれは無理な話だ。負けがかさんだ友達を救いにやってきた彼女を美馬坂は許すなと言った。お友達はお友達でひどい目に遭っているが彼女もまたひどい目にあう、彼女の神姫と一緒というのがまあ、救いか。 僕はヴィクターの入った瓶にポケットから取り出したものを入れる。それは蛇だった。神姫サイズにミニチュア化されたアナコンダが三匹。もちろん本物ではないが面白い機能として体内のカプセルを対象に射出できると言う機能がある。そのカプセルの中にはこれまたミニチュアの蛇が何匹も入っている。つまりこれを使えば神姫の受胎、産卵ショーが楽しめるというわけである。 蛇に巻き付かれおぞましさに顔をゆがめるヴィクター、それを見て必死に彼女の名を叫ぶ少女だがその声は突然の殴打により止んだ。部屋に男達が入ってきた、仮面をつけ、手には様々な器具を持っている。彼女を殴ったのはその男達の一人だ。恐怖におびえ、声も出せない彼女を男達が取り囲んだ・・・ 蛇に身をまさぐられるおぞましさを感じるヴィクターだったが主のピンチと僕への怒りから気丈な表情を向けてくる。しかし蛇の一匹が彼女の秘所に潜り込もうとするとさすがに表情が変わった。肝心なところはスカートで隠れているが本能的に恐怖を感じるのだろう。膝をもぞもぞさせるが蛇を防ぐことなどできない。 「いや、やめて!」 そうヴィクターが叫んだとき、部屋の壁が明るく光る。壁にはモニターが埋め込まれており彼女の痴態が大画面に表示される。呆然としたヴィクターが嫌々と首を振り鎖につながれた手足を振り回すが無駄なあがきだった。存分に彼女の腹上を満喫した蛇はやがてカプセルの射出を始める。ドレスの腹の部分がふくらみまるで妊婦のようになった。その頃になるとこちらの様子に気がついたのか男達の何名かがこちらにやってきて彼女の痴態を眺める。その股間は一様に怒張していた。 「良かったわね、あなたのこと見てみんな興奮してくれてるわよ。いっぱいかけてもらうといいわ」 マヤの言葉に美馬坂の根回しが効いているのか男達は彼女の痴態をおかずに自慰を始める。ヴィクターが自分の運命に気がつき妊娠しながらもそれはやめてくれと懇願するがそんな彼女の顔に早速白濁がぶちまけられる。射精は続き、ドレスはカウパーでべったりと肌に張り付き彼女の美しい胸や腹のラインを浮きだたせている。そんな彼女に興奮したのか注がれた精液は彼女の膝ほどになった。 うつむいて小声で殺してやるとつぶやく彼女にマヤが声をかけた。 「ねえ、さっき産み付けられた卵だけどさ、あれって温度が一定になったら孵化するのよね」 その声に瓶の口を向いた彼女の顔にこれ以上ないと言った絶望的な表情が浮かぶ。 「元気な赤ちゃん、産んでね」 「いやぁぁぁぁ!蛇のママになんかなりたくない、マスター、ねぇ助けて、マスターぁ!」 ついに弱音を吐き出した彼女だが無情にもその腹がもぞもぞと動き始めた。産まれるのだ。 「お願いやめて出てこないで、助けてマスター、助けてよ、うぁぁぁああああん」 泣きじゃくり、もがく彼女のスカートからゾルッという音と共に蛇が落ちてくる。ヴィクターが悲鳴を上げ、それを境にどぼどぼと蛇の子が生まれていく。その光景が引き金になったのかさらに男達がオーガズムに達し、滝のような精液が注がれていく。生まれた子蛇は母乳を求めてか早速彼女の胸に群がっていく。出産のショックで、精液の雨も小蛇たちの乳辱もほうけた顔で受け止めるヴィクター。そして腹があいたことを悟った二匹目の蛇が彼女の腹の中へと潜り込んでいった。 戻る
https://w.atwiki.jp/battleconductor/pages/108.html
デザイナー 声優 神姫解説 性格セリフ一覧 親密度○時イベントのオーナーの呼び方 神姫ハウス内コミュニケーション ステータス情報 覚えるパッシブスキル一覧 神姫固有武器補正 神姫考察 総評・運用 神姫攻略法 お迎え方 アップデート履歴 コメント デザイナー CHOCO(イグナクロス零号駅、ゼノサーガ等) 声優 高垣彩陽(D.C.II 〜ダ・カーポII〜:朝倉音姫、雪音クリス:戦姫絶唱シンフォギアシリーズ、機動戦士ガンダム00:フェルト・グレイス、他) 神姫解説 バイオリンをモチーフとした神姫。名前の由来はヴァイオリンの素材で本機にも使用されている木材の名前にちなんだもの。楽器の演奏やチューニング機能を有しており、バトルにおいては音波を利用して対戦相手のメカセッティングを狂わせる戦法を得意としている。バトル以外ではベッドサイドの常夜灯として用いられ、安眠用の曲を演奏してマスターの快眠の手助けをすることも可能だ。 名称:ヴァイオリン型紗羅檀(ゔぁいおりんがた・しゃらたん) メーカー 素体:AVANT PHYSIQUE 武装:AVANT PHYSIQUE 型番:APG14 フィギュア発売:2010年9月30日 主な武装:ボウナイフ:リジル(ヴァイオリン用の弓。何故かバトマスでは投擲武器扱いであり、本作でも踏襲されている) ボウソード:ノートゥング(チェロ用の弓。当然だが片手斬撃武器) エレキヴァイオリン:グラニヴァリウス(左腕素体と換装するヴァイオリンのパーツ。本作ではプリコシャスシーバルとの組み合わせ装備として実装) エレキチェロ:スレイプニティ(左脚素体と換装するチェロのパーツ。本作ではアースクェイカーとの組み合わせ装備として実装) アヴァントスーパーツィーター(頭部武装。本作では例によって通常形態とオリジナル形態が存在) ローズチェスト+fホールドドレス[A](胸部武装。本作では更にワルハラ、ユグドラシル[A]および[B]との組み合わせ装備が存在) ローズチェスト+fホールドドレス[B](胸部武装。本作では更にウーファーホーンとの組み合わせ装備が存在) プリコシャスシーパル(腕部武装。本作では更にグラニヴァリウスとの組み合わせ装備が存在) アースクェイカー(脚部武装。本作では更にスレイプニティ、ガーターブレード、ガーターブレード+ノートウィングとの組み合わせ装備が存在) ※純正装備にない下手持ちヘビーガンが本作にて得意武器に設定されているのは、重たいチェロパーツを持ち歩けるためか。 愛称「しゃら」。武装神姫第11弾になるはずだった第12弾。 その発表から発売までの2年にわたる遅延の経緯と、本作における「カードゲーマー」誌での告知以降の半年にわたる実装の遅延に関しては、同期ことベイビーラズの項も参照。 + ちなみにこの「第12弾組」は、武装神姫最後の「新製フルセット神姫」でもある。 ちなみにこの「第12弾組」は、武装神姫最後の「新製フルセット神姫」でもある。 彼女達の後に出たフルセット神姫たちは、全て過去に世に出た神姫たちのリデコ/リカラー品で、新作にしても実質的ボリュームはライトアーマー級相当に留められてしまった。 言葉を変えれば、Mk.2ズやアルト姉妹、そしてこの第12弾組が相次いで発売された2010年こそが、フィギュアコンテンツとしての武装神姫にとって事実上「最後の輝き」だった事になる。 それ以後、武装神姫のような完成品アクションフィギュアは生産コストを始めとする諸問題から明らかに退潮し、時代の趨勢は「組み立てをユーザー側に委ねる」形でコストをより軽減したフレームアームズ・ガールやメガミデバイス等といった、所謂「ガールズプラモデル」へと移行して行ったのだった…。 ハンドメイド高級スピーカーメーカーと楽器メーカーとの合併によって出来たAVANT PHYSIQUE(アヴァンフィジーク)により、楽器/スピーカー用フルオートチューニングロボットと、自動演奏ロボットの技術を応用して2040年に開発された神姫、という設定。 本機の名称「紗羅檀」とは、元々ヴァイオリンの素材用に品種改良された木材の名前。この木は大木には育たない品種だったので、本来想定された目的たる人間用の楽器としては使用できなかったが、MMSのサイズには適合していたため本機の材料として採用されたという経緯がある。 楽器の演奏、音波を用いた楽器、スピーカーのチューニングという機能が特徴で、バトルにおいてはこの音波を利用した攻撃で、対戦相手のメカセッティングを狂わせる戦法を得意としている(が、当然ながら従来作ではほぼ再現されていない)。 その一方でベッドサイドの常夜灯として用いられる事も想定されており、その場合は仄かな明かりを灯しながら安眠用の曲を演奏してマスターを快い眠りに導く事ができるという。相方と対を成す粋な設定だ。 その武装はフルセット神姫に標準で付属のスタンドベースと組み合わせてチェロ型大型武装とする事が出来、更に最大の目玉たる発光ギミックを組み込む事が出来る。 このギミックは、第12弾組が初にして唯一の採用例。そのため、他のフルセット神姫達に比べてもいささか割高となっており、後述する理由も相俟って中古市場では超絶プレ値神姫となってしまっている。 ギターピック型キーを差し込むと点灯し、更に回すと点滅するが、そのパターンはベイビーラズとは作り分けられており、赤い光を柔らかく点滅させるというもの。 また、これもベイビーラズと共通する特徴なのだが、Nakedのレベルとまではいかずとも素体の露出度が高い(上に、彼女の場合は下腹部に音符を模したタトゥーが入っている)ため、胴装備とスカートを装着された状態でパッケージに収められている。 そのためか、布服オーナーの率も割と高め。 CHOCO神姫の常だが、この神姫もまたベイビーラズ同様、取り扱いにとりわけ注意が必要である。 というのも今回は、経年劣化に弱く割れ易いクリアパーツ(特に発光ギミック起動用となるヴァイオリンのヘッド型キー)の採用に加え、コード周り(特にコネクター)も小さく脆弱なため。 ただし、ベイビーラズに比べるとTall素体である事、また頭部の武装も小さめである事から、素体そのものの破損リスクは相対的に減ってはいる(とはいえ、1st神姫ほどの頑丈さはないので油断しない事)。 公式媒体ではバトロン、バトマス及びMk.2(専用シナリオは後者のみ)そして「BATTLE COMMUNICATION」に実装。発売時期が遅かったため各種コミックには登場せず、アニメでもモブ扱いであった。 前述した告知から実装までの遅れについても相方に同じだが、ご覧の通り此方の方が相方に遅れる事約2ヶ月となってしまったため、その間の実機オーナー層の焦燥ぶりは察するに余りあるものだった…。 ちなみにその後、2024年のパチスロ版にも相方共々登場を果たした。 性格 基本性格設定は上品でマスターの事を純粋に信頼しているが、反面やや世間知らずなところもあり、無自覚ながら対戦相手に不快感を抱かせる恐れもある。まさかのイーダとのキャラ被り なおバトマスMk.2におけるプレイヤー保有の個体は、「自分こそが『紗羅檀型のオリジナル』であり、他の同型は全て自分を元にしたレプリカ」だと思い込んでいた。 同作では彼女を扱うライバル達の人格面に揃って難ありな点がプレイヤー達の涙(と怒り)を誘ったものだが、せめて本作でのマスター諸氏は良きマスターとして接してあげて欲しい。 セリフ一覧 + 美しい音色に酔いしれなさい! ログイン時 通常(朝) おはよう。なんだかまだ眠そうね。お目覚めの一曲は何がいいかしら。 おはよう。今日も一日、頑張っていきましょうね。 通常(昼) こんにちは。お食事は済んだかしら。お昼も頑張っていきましょうね。 ごきげんよう。バトルが終わったら、二人でデュエットでもどうかしら? 通常(夕) こんにちは。もう調弦は済んでるわ。さあ、演奏を…。ああ、先にバトルね。 おかえりなさい。調子はいかが?では、何から始めましょうか。 通常(夜) こんばんわ。夜も更けてきたわね。さあ、楽しんでいきましょう♪ おかえりなさい。バトルと楽器、どちらの練習から始めるのかしら? 通常(深夜) おかえりなさい。夜通し練習なんて素晴らしいわね。私も、隣で演奏してもいいかしら? こんばんは。夜遅くまで頑張ってるのね。では、何をしましょうか? 年始 あけましておめでとうございます!美しい音楽を聴いて、運気を上げていきましょうね♪ バレンタイン はい。こちら、手作りチョコをどうぞ。ん?あ、私じゃなくて、一流のショコラティエが作ったんですのよ。 ホワイトデー あら!これは、バレンタインのお返しですのね。まぁ~、素敵なプレゼント~!さぞかしお高かったんでしょうねえ。 エイプリルフール ゴールデンウィーク 夏季 暑くなってきましたわね。こんな時は、避暑地にでも赴いて、涼しい日々を過ごしましょう♪ 水着キャンペーン ただいま、期間限定イベント開催中ですよ。特別に、水着を着てバトルするみたいなので、期待なさってくださいね。 七夕 ハロウィン まぁ!町中にお化けが溢れてますけど、この世の終わりなのかしら…え、ハロウィンの、仮装?も、もちろん、そんな事、分かってましてよ! 冬季 寒くなってきましたわね。暖炉の火を見ながら、ゆっくり過ごすのも、優雅なひと時ですわよ♪ クリスマス メリークリスマス。せ、せっかくですから、今日は…二人っきりで演奏会なんて…いかが、かしら。 神姫の発売日 オーナーの誕生日 お誕生日ですわね。おめでとう!今日は、ホールを貸し切って、盛大な演奏会でお祝いしましょうね。 神姫ハウス 命名時 なかなかいいセンスをお持ちですね。では今後ともよろしくね。 呼び方変更 ねぇ、○○(呼び方)。呼び方変えてみない?ただの気まぐれよ。 (→決定後) ○○(呼び方)ね。別に構いませんけど。 レベルアップ時 また一つ、強くなったようですわ。ほめて下さっても、いいんですよ♪ レベルアップ後の会話 レベルアップしましたわ。演奏も上達したかしら?うふふっ♪ レベルアップしましたわ♪これも○○(呼び方)のおかげかしら。 MVP獲得 私がMVPに選ばれたようですわ!私、どうしてこんなに強いのかしら…他の神姫たちに申し訳ないわ。 3連勝後 3連勝ですわ!この勝利は、○○(呼び方)のおかげ…私、本当にそう思っているのよ。 3連敗後 三連敗なんて信じられませんわ… ごめんなさい…少し調子が悪かったんです…本当よ。 専用スキル解放時 ○○(呼び方)!私の専用スキルが解禁されたようですよ!早速使ってみましょう♪ 親密度Lv5後 ○○(呼び方)と過ごして暫く経ちますが、日ごろの感謝を込めて何かしてあげたいですわね。何がいいかしら… 親密度Lv10後 ○○(呼び方)が喜ぶことをして差し上げたいですわね…そうだわ!演奏会をしましょう!マスターのために心を込めて演奏しますわ♪ 親密度Lv20後 ○○(呼び方)が喜ぶような曲を演奏したいですわ!どんな曲がいいかしら…気持ちを伝えられるような曲がいいですわね♪ 親密度Lv30後 ○○(呼び方)へ送る曲のイメージがわきませんわね…甘いものでも食べてインスピレーションを高めましょう♪ 親密度Lv40後 ○○(呼び方)に送る曲…ベイビーラズに相談しましたが…「ロックンロールでクールにキメてやろうじゃん!」って、ロックは違う気がしますのよね。 親密度Lv50後 ○○(呼び方)へ送る曲…決めましたわ! そうと決まればさっそく○○(呼び名)への招待状を書きましょう! うふふっ、まるでラブレターみたいですわね♪ 親密度Lv60後 ○○(呼び方)へ招待状をお渡しましたがドキドキしましたわ…あとは当日まで練習あるのみですわね! 親密度Lv70後 ついに演奏会当日…今日は素敵な演奏を○○(呼び方)へ捧げられるよう頑張りますわ! 親密度Lv80後 ○○(呼び方)、今日は私の演奏会へお越しいただき、ありがとうございますわ!ぜひ楽しんでくださいね♪ 親密度Lv90後(ランダム) ○○(呼び方)、私の気持ちを込めてこの曲を捧げますわ…曲のテーマは永遠の愛ですわ! 親密度Lv90後(ランダム) ○○(呼び方)、私の熱い気持ちをこの歌に込めますわ!!ロックンロール!! 親密度Lv100後 ○○(呼び方)、私の演奏どうだったでしょうか?気持ちが伝わりましたか?うふふっ、今後ともよろしくお願いしますね♪ 親愛度Lv1~19限定 はい、何ですか? 親愛度Lv20~39限定 ○○(呼び方)、バトルばかりではなくたまにはゆっくりしませんこと? 親愛度Lv40~59限定 ○○(呼び方)はどんな音楽を好んで聴かれるのかしら?興味がありますわね。 親愛度Lv60~79限定 ○○(呼び方)といると心が落ち着く気がしますわ。○○(呼び名)も同じ気持ちかしら? 親愛度Lv80以上 ○○(呼び方)、私、○○(呼び名)の為に気持ちを込めて演奏しますわ。聴いていただけますでしょうか? 頭タッチ(親密度0~19) やめてください!女性の髪をいきなり触るなんて。 (親密度20~39) 私の頭を触るなんて、ダメに決まっているでしょう。 (親密度40~59) あら、なんですか? (親密度60~79) いきなり頭を触られて、怒らなくちゃいけないのかもしれないけど…○○(呼び名)ならいいわ… (親密度80~) ○○(呼び方)…なでるのが上手ね。もっと撫でることを許してあげるわ… 胸タッチ(親密度0~19) い、いやっ! ○○(呼び方)の人柄が分かった気がします。 (親密度20~39) ○○(呼び方)! 失礼な方ですね。触らないでくださるかしら? (親密度40~59) きゃっ! ○○(呼び方)…高尚な趣味をお持ちなんですね。 (親密度60~79) ○○(呼び方)…恥ずかしいので、人前でさわるのはやめて下さるかしら…? (親密度80~) ○○(呼び方)…私だけっていうのであれば構いませんが、他の神姫にも同じことをしたら許しませんわよ。 尻タッチ(親密度0~19) まぁ!? ○○(呼び方)、もうあなたに用はないわ!クビよ! (親密度20~39) まぁ!? ○○(呼び方)!世の中には許されない冗談があることをご理解いただけるかしら? (親密度40~59) まぁ!? ○○(呼び方)、弁解があるなら聞いてさしあげます。まぁ聞くだけで許しませんけど。 (親密度60~79) ○○(呼び方)!他の神姫にもやっているのでしょうか?立場を弁えてください。 (親密度80~) ○○(呼び方)…そうね、使用人にご褒美も必要なのかしら。特別に許してあげるわ。 通常会話 たまにはお洒落をして、バトルを忘れてみるのもいいですよね うふふっ。 好きな言葉は努力、勝利… そして…スイーツかな。うふふっ♪ 好きなことですか?オーケストラの演奏は大好きですよ♪ バトルについて?バトルの最中でも、気品だけは失いたくないものですね。 ○○(呼び方)は炊事や洗濯もお得意なのかしら?だとしたら、まさに使用人として完璧ですね! そういえば○○(呼び方)はどんな楽器が弾けるのかしら?私とデュエット出来るような楽器は引けてほしいですわね。 ○○(呼び方)。部屋にあった汚い紙切れを捨てておきましたよ。え?あれが紙幣というものなのですか? ○○(呼び方)。何か私にお願いしたいことってありませんか?聞いてさしあげますよ♪ クリスマス限定 ねえ?サンタ・クロースさんって、何時にいらっしゃるお約束なのかしら?ちゃんと正装でお出迎えしたいわ♪ 年始限定 あけましておめでとうございます!今年こそ私に相応しい品格を身に着けられるよう応援しますからね♪ 武装カスタム 戦闘力Up・武器LvUP時 なるほどですね。 ありがとう。 いい感じね。 よぉーし! どうですか? いいですね♪ まあ!すごいですね! 最高ですね! へぇー! うふふ♪ 戦闘力Down時 あははは…。 何でですか? えーっと… うーん… 素体カスタム 親密度LvUp時 また一つ、強くなったようですわ。ほめてくださっても、いいんですよ? 限界突破時 私の技量、こんなものじゃないんですのよ?これからも、期待してくださいね。うふふっ♪ 出撃時 キャラ入れ替え 楽しい演奏会にしてあげるわね。 バトル開始時 バトルも演奏も、上品に参りましょうね。 さあ皆さん!私を楽しませてくださいね? → 華麗なるコンチェルトをお楽しみくださいね。 バトル中 撃破時 いい音を奏でますね。 ファンタスティカー! コンテナ入手時 こちら、いただきますね。 被弾時 今日はチューニングが今一つみたいね…。 オーバーヒート時 まぁ、オーバーヒートだなんて!? スタン時 目が回りますわぁー…。 デバフ被弾時 不協和音が、響いてますわよ…。 スキル発動時 (能力強化系)激しいのはお好きかしら? (HP回復系)激しいのはお好きかしら? (デバフ系)大人しくなさってね。 (攻撃スキル)あなたの心に響かせて差し上げます! (チャーミークリアボイス)行きますよ!私と 一緒に 華麗なる 協奏曲(コンチェルト)を 奏でましょ! 被撃破時 私の弦が…、こんなところで切れてしまうなんて…! 演奏の途中で…、倒れるわけには…! 次出撃時 うふふ。ここからは私におまかせくださいね。 サイドモニター 応援時 がんばってー! まあ!すごいですね! 交代時 行ってらっしゃーい! 私が出ますね! 被撃破時 ごめんなさい… よしよし、頑張りましたよ。 バトル終了時 1位 やっぱりフィナーレは私たちの雄姿で決まりね!うふふ♪ 私って、どうしてこんなに強いのかしら?もう少し、手加減してあげてもよかったかしら? → さあ、祝杯を上げましょう!次のバトルも、華麗に演奏するわね。 2位 あららー…ちょっと、手加減しすぎたかしら?まあ、たまには華をもたせてあげましょうか。 あら…一位じゃないなんて…ちょっとすっきりしない結果ね。 → 次は、プレリュードから全力で演奏しましょう。手加減は無用よ。 3位 えっ?3位?ま、まあ、たまには…こういうときもありますわよ。落ち込まないで? 私たちが、3位だなんて…悔しい…。この気持ち、どう表現したらいいの? → 私の力は、こんなものじゃないってこと、次こそみんなにみせてあげるわ! 4位 こんなに差を付けられるなんて…さすがにショックだわ…。 あら…最下位だなんて…。なんだか、悪い夢でも見てるのかしら…。 → この悔しさをバネに、次はトップを取って見せるわ! カラフルコンダクト 酔いしれる 甘美な コンサートね 奏でるわ バトルの プレリュードも マエストロ あなたに ついて行くわ 神姫親密度アップ時 今、私たちの心が、一つになった気がしたわ。 マスターレベルアップ時 おめでとう!日々の練習の成果が発揮されたんですのね! コンテナ獲得後1位 もちろん、コンテナも用意してるわよ。これで次のバトルも、華やかにいきましょうね! コンテナ獲得後2位以下 ああ、でも、コンテナは確保してるわ。これを活用して、次は一位に輝きましょうね。 レイド成功時 やっぱりフィナーレは私たちの雄姿で決まりね!うふふ♪ レイド失敗時 悔しい…。この気持ち、どう表現したらいいの?さすがにショックだわ…。 神姫ショップお迎え時 はじめまして。バトルも演奏も、優雅に奏でるから、期待していてね。 ゲームオーバー時 お疲れさま。まだまだフィナーレには早いですわよ?私、待たされるのは嫌いだから…早めに会いに来てくださいね?うふふ♪ + リセット開始 神姫の想い、大切に。 + 選択した神姫をリセットします。よろしいですか? リセット開始 リセット…?わ、私たちの関係を、消したいだなんて…。 はい を押す 噓でしょ!?嘘だと言ってちょうだい!私…まだ一緒に演奏したいの!バトルもしたいの!こんなところで消えてしまうなんて…嫌ぁ…。 はい を押す(二回目) 本気なのね…?どうしても、お別れしたいのなら、仕方ないわ…。残念だけど、最後は、笑ってお別れしましょう…?さようなら…。 リセット完了 初めまして。どんな音楽がお好み?これからよろしくね! リセット取消 リ、リセット…しないのね…?わ、私は、本気じゃないって分かってたんだから!今度そんな冗談言ったら、許しませんよ! 親密度○時イベントのオーナーの呼び方 マスター・アモーレ・兄たん 神姫ハウス内コミュニケーション ステータス情報 親密度Lv1 ATK DEF SPD LP BST N 40 30 90 330 125 R 45 35 100 380 145 SR 50 40 110 430 165 UR 55 45 120 480 185 親密度Lv100 ATK DEF SPD LP BST N - - - - - R - - - - - SR - - - - - UR - - - - - マスクステータス 1/s ジェム回収展開速度 ブースト回復量 ダッシュ速度 ダッシュ時ブースト消費量 ジャンプ時ブースト消費量 対空時ブースト消費量 防御時ブースト消費量 N 1500 150 960 85 70 20 90 R 1050 105 90 40 110 SR 1140 125 110 60 130 UR 1230 145 130 80 150 覚えるパッシブスキル一覧 最後の調律【紗羅檀専用】瀕死になるとデバフを受けた際デバフ効果を反射する 早熟型のパターンで覚えるパッシブスキル 防御力アップ[小]防御力を上げる クリティカル発生アップ[小]クリティカルが出る確率が上がる 攻撃スピードアップ[小]攻撃時のスピードが上がる ジェム出させる量アップ[小]敵に攻撃した際に出るジェムの量を増やす 体力最大値アップ[小]体力の最大値を上げる 攻撃力アップ[小] *要限界突破(L110)攻撃力を上げる ため威力増加[中] *要限界突破(L120)ため攻撃の威力を上げる 通常型のパターンで覚えるパッシブスキル よろけ軽減[小]よろけの行動不能時間が短くなる スピードアップ[小]移動する際のスピードアップ ブースト最大値アップ[小]ブーストゲージの最大値を上げる 体力最大値アップ[小]体力の最大値を上げる クリティカル発生アップ[小]クリティカルが出る確率が上がる ブーストアップ[小] *要限界突破(L110)ブースト時の移動スピードアップ 射撃弾数+2 *要限界突破(L120)射撃時の残り弾数を増やす 晩成型のパターンで覚えるパッシブスキル 体力最大値アップ[小]体力の最大値を上げる 攻撃力アップ[小]攻撃力を上げる スピードアップ[中]移動する際のスピードを上げる ブースト最大値アップ[小]ブーストゲージの最大値を上げる 射撃弾数+1射撃時の残り弾数を増やす 全能力アップ[小] *要限界突破(L110)全ステータスがアップする ため時間減少[中] *要限界突破(L120)ため時間を減少する 神姫固有武器補正 ※レアリティが上がる毎に得意武器は-5%、苦手武器は+5%される。数字はレア度Nのもの。 得意武器 +50% 回復・補助 +30% 投擲武器・防具用武器・片手斬撃武器 +20% 下手持ちヘビーガン 苦手武器 -30% 格闘打撃武器・両手打撃武器 -25% 片手打撃武器 神姫考察 攻撃力 防御力 機動力 総評・運用 神姫攻略法 お迎え方 2022/6/10~から神姫ショップに登場 アップデート履歴 コメント フブキさん、ミズキさんと似たように運用しています。足廻りが遅くなった分色んな武器を扱えるようになった印象ですね -- 赤サム (2022-07-03 14 26 26) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2796.html
連続神姫ラジオ 浸食機械 ~機械仕掛けのプリンセス~ はじかき はい、浸食機械全24話、終了いたしました。最後までおつきあいくださった皆様、お時間を割いてちょっとでも読んでくださった方々、誠にありがとうございます。当方が勢いとのりで始めた長文、かなり癖のある文体だったと思いますがいかがだったでしょうか?ご意見ご感想お待ちしております。 当初は新聞の小説コーナーを目指して、短く・読みやすく・短期間で続編をだすことを目標にしていたのですが、まあものの見事に間が開いてしまいまして、結局一年越しの完結となりました。それでも三千人近くの方が足を運んでくださっていることを考えると武装神姫というコンテンツの強さを実感します。こんなに足はこんでもらったのはじめてだよ。 作者としてはいろんなキャラクターの神姫への愛を描いてその中で主人公がどんな未来を選ぶのかというのがテーマにあったりします。その辺はうまく伝わってくれたでしょうか。俺設定、独自解釈などありましたが大丈夫だったでしょうか。終わった今は、それだけを考えています。 さて、ここからはおまけコーナーとなります。はしょったところとか元ネタとかここを見てとかそう言ったところをつらつらと書き込んでいくつもりです。もし興味がおありでしたらここからのカーテンコールにもおつきあいください。それでは、皆様の神姫ライフが実りあるものであることを心から願っております。 完 戻る 疑似ライドシステムとか 要は他のロボットとかにもライドできて神姫と一緒に戦えたら楽しいなと思って作った設定です。機能としては乙女回路と女帝回路の違いと思っていただくのが一番わかりやすいかと。このシステムがロボット産業含め各地に普及していることで今回の事件が起こります。説明書を読まずに直感でイメージ通りに動かせるシステムとか便利だと思いませんか? 最後の樹のイメージ 劇中でも言ってますがまんまバベルの塔です、不思議の海のナディアの最初の方に出てきた方の。 プルミエと勝 今回の主人公。やっぱり主人公は素直で最初は弱くてニュートラルじゃなきゃねということで抜擢。 ルートと浩太 携帯コミックからの参戦。ちょい役でもいいのでいろんな所からキャラをだしたかったのです。ルートさんは本当にかわいいのですがもうダウンロードもできませんから広めることもできないのが・・・何のかんの言ってマスター思いのいい子なんですよ。 ハーデスとガイア ヒロイン候補。隠しテーマは神姫のための強いマスター。バトマスから参戦。ガイアは原作をやる限り戦うのが好きなだけのキャラのイメージだったのでこんな感じに。あとは普段ハーデスさんを溺愛してる感じがしたので結構ラブラブに。 ツガルとステベロス バトマスから参戦、完全にちょい役。 ヘンゼルとグレーテル 隠しテーマは愛をいいわけにしている人。とはいってもヘンゼルのことは大切に思っているはずなのですが。昔彼女のひどいことをしてしまったのでその後悔から抜け出せずに立ち止まってしまってる人。バトマスから参戦、今回のメインヒロイン。ゲームを見たときから一目惚れで、是非彼女のその後とか成長がかけたらなと思っていたのでヒロインに抜擢。彼女を幸せにしてあげたいと思っているマスターは多いのではないでしょうか。でもエンディングは某大往生のショーティアという。 rootと西園寺 悪役をだすならこの人しかいないと言うことで抜擢。性格は二転三転して結局野心を捨てていないキャラに。rootはGP03の中の人みたいなもの扱いなので普通の神姫として登場。擬人化のイメージ元はどこかにあげられていた擬人化絵から拝借。ちなみの元々この話はゲームとして作りたいなと思っていたので当初はrootエンドとかも考えていました。 清四郎と楓 オリジナルキャラにしてヒロイン候補。OVAを見ていて小学生が神姫に興味を持つなら近所のお兄さんに影響されてとかの方が面白いかなと思い清四郎は生まれました。性格はラジオロンドの頃のあすみすそのままです。あーしとか特に。とにもかくにも男前のキャラ。そしてどんな結末でも結局は結ばれず年上のおねいさんへの初恋という形で終わるキャラ。 楓はデビルサバイバーというゲームの柚子という子が骨組みになっています。ヒロイン候補で彼女の手を取って脱出という選択肢もありますが、その場合神姫を捨てて普通の人間エンドになります。コレはどうなのでしょうか。人間であることとシナリオのせいでものすごく割に合わない子になってしまいました。ちなみに隠しテーマは神姫に負ける人間。没にしましたが「愛し愛されるためだけに生まれたあんた達なんかに私たちの苦しみがわかるもんか」という台詞を言わせたかった。 コウガ 今回の元凶。わかりやすいラスボス。人間に復讐したい、でもしたくない、だから誰か止めて。今回の事件で大いに穴があったのはこの辺の心境が原因です。 戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/538.html
新たに産まれ落ちた、その意味を 静かな冬の夜、と言っても暖冬の今年は雪など欠片も見あたらんが。 ともあれ今日の雑事を終えた私は、神姫達が眠る自分の寝床に赴く。 HVIFを得た事で、私の寝床では常にもう一人が眠る事になった。 「……すぅ、すぅ……」 「葵め、いい寝顔だな」 今日は槇野葵……立場上では私達“四姉妹”の三女となったロッテ。 諸処の事情でHVIFの運用にあたっては、当番制を敷く事とした。 昨日はアルマである茜、明日はクララである梓、明後日はお休みだ。 非番のHVIFは、下階の居室で自己メンテナンスをしながら眠る。 「人型神姫インターフェイス、か……便利ではあるのだがな」 “人間の心”と“神姫の心”に、違いは殆どないと私は思っている。 故にこそ、役割の違う“肉の躯”と“殻の躯”は共にあるべき要素。 それぞれの立ち位置を認識し、更に己を高める素地であってほしい。 その為に……他の理由もあるが、常時使わせる事は躊躇われたのだ。 「えと。マイスターをずっと待っていたんですよ、ロッテちゃん」 「……ボク達も、マイスターを待っていたんだよ。話があるもん」 「おお、アルマにクララ……ロッテの素体は寝ているか。何だ?」 クレイドルのベッドに腰掛けた二人が、所在なげに私を見つめている。 どうやら二人でずっと話をしていた様だが、深刻そうな表情だな……? 二人を抱き上げベッドに腰掛けて、話し出すのを待ってやる事とした。 そうして先に口を開いたのは、未だ心に傷を持つ……アルマであった。 「うんと、えっと……あたしを抱え込んで、後悔してないですか?」 「後悔だと?何故そう思うのか、話してみてくれぬか……アルマや」 「はい。あたしは猪刈さんにずっと酷い事されて、辛い日々でした」 そう言い、ジャケットに覆われた上から自らの胸を撫でるアルマ。 修理及び改造の際に、猪刈めが植え付けた歪んだ胸は一度外した。 だが“女性”にとって己の乳を失う事は、多大な心的苦痛を伴う。 故に私は、二人より僅かに大きい胸部パーツを彼女に与えたのだ。 しかし痛ましい日々の思い出を掻き消すには、まだ至らぬ様だな。 「マイスター達は、あたしをそこから救い出してくれました……」 「……嫌だったのか?私はあの悪夢から、お前を救いたかったが」 「それ自体は凄く嬉しいんです。でも……うんと、怖いんですッ」 「怖い……何を畏れている?この日々に終わりが訪れる事をか?」 「はいッ。マイスターの為に尽くせて嬉しいけど、いつかそれは」 永遠などない──そう告げて言葉を遮った私を、彼女が哀しげに見る。 そこで私は、顔をそっと近づけて……真っ直ぐに見つめる。HVIFの 導入以来少し照れる様になったが、今は真剣な“心の闇”の話なのだ。 「何時かは私もお前達も果せる日が来るだろう。だがそれでいいのだ」 「それで、いい……あたし、マイスターの為にずっと尽くしたいのに」 「尽くすなという事ではない。その日まで如何に己の業を成せたかだ」 「己の業?……えと、うんとっ……マイスター、それって一体……?」 「此処にアルマが居る現在の日々をどう生きるか、それが大事なのだ」 何時かは別れる日が来てしまう、その事実に怯えているアルマ。 その怯え故に、私が現在を後悔していないか?と思うのだろう。 だがそれは問題ではない。最期まで如何に自分らしく生きたか、 自らの所業を如何に成し遂げたか、それで生命の価値は決まる。 人間も神姫も、“等価”の命ならば評価もまた同じという事だ。 「故にこう言おう。アルマの為すべき事を、今後も為せ」 「あたしの為すべき事を……あたしの思う通りに……?」 「そうだ。私は後悔の無い様に、アルマに生きてほしい」 「んと……難しいですけど、分かりました。頑張ります」 「頑張る事ではない。自分のペースで十分だよ、アルマ」 わだかまりが解けて安心したアルマの隣で、クララは難しい顔をする。 今の話とも関連したのか、先程から感心したり眉を潜めたり忙しいな。 というわけで、今度はクララの話を聞く……それは意外な問いだった。 「……ボク達は、何の為にいるのかな?」 「ふむ……HVIFを得て思った事だな」 「そう。ボク達は元々、人間の遊び道具」 「開発初期はそうだ。だが今は留まらぬ」 クララはその特質上、本やネット上の資料を読む事を好む傾向にある。 それ故、神姫が元来ホビー……遊びの対象である事もよく知っている。 発した疑念は哲学的とも言える複雑な問いとなって、結実したのだな。 “人間の目線”を得る事が出来たのも、この場合は拍車を掛ける要因。 「初期が人間の遊具として考えられたとしても、今はそう言い切れん」 「……あの猪刈みたいな人は、少数とは言え他にもいるみたいだよ?」 「哀しい事実だが、初期の思考を棄て切れぬ人もまだ居るという事だ」 「反対に別のステージへ進んだ人間も、いるって言いたいのかな……」 「有無。クララ、情報を信じるのも良いが……目の前に私がいるぞ?」 その言葉にハッとするクララ。どうも“肉の躯”を得てから彼女は、 人間の暗い側面を多く見ている。何せここはオタクの街……秋葉原。 萌えだの何だの、人間の様々な思念が渦巻く電脳と欲望の“聖地”。 だから神姫の扱われ方を改めて認識し、そして不安になったのだな。 「少なくとも私と周りにいる人々は、お前達を玩具とは見ない」 「でも、ボク達が一体何なのか……知りたいんだもん、ボクは」 「お前達は“神姫”。人間の隣へと産まれし、大事な隣人だよ」 「神姫……玩具ではない人間の友人……“神姫”というボク達」 そして私は二人を優しく抱きしめる。知識だけで解決せぬ事もある。 クララは聡明な娘だ、故に知識だけで進もうとした。そしてそれが、 絶対的な答えを出す鍵でない事も、今理解してくれた様だな。有無。 「……マイスター、ごめんなさいだよ。変な事言っちゃって」 「構わぬ。そうして悩み成長していけば、お前達の糧になる」 「今後もいろいろ壁に当たるかもしれないけど、頑張るもん」 「その意気だ。さあ、葵を一人にはできんしそろそろ寝るか」 「はいっ!あたし、マイスターの側に居られて幸せです……」 「うん。ボクも、そして多分ロッテお姉ちゃんも同じ気持ち」 ──────貴女達と共にあれば、畏れる事は何もないよ。 次に進む/メインメニューへ戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2119.html
ウサギのナミダ ACT 1-8 □ 「……落ち着いたかよ?」 ほれ、と言って、缶コーヒーを俺の方に差し出す大城。 今日は大城に迷惑をかけっぱなしだ。 路地裏で泣き叫んでいた俺を、何とかなだめすかして、近くの公園のベンチまで連れてきて、座らせてくれた。 ゲーセンで暴れようとした俺を止めたのも大城だし、今もこうしてコーヒーを買ってきてくれた。 「……すまん。今日は、迷惑をかけた……」 自分の声か、と一瞬疑うようなガラガラ声。 「まったくだぜ」 苦笑しながら、缶コーヒーのプルタブをあける。 そういえば、喉がカラカラだ。 俺も大城にならって、缶コーヒーをあけた。 独特の甘苦い味が喉を通り過ぎると、不思議と心が落ち着いた。 俺はやっと、大城をまともに見ることが出来た。 革ジャンに、ジャラジャラつけたシルバーアクセ。 相変わらずヤンキーに見える格好だが、優しげな視線を道の向こうに投げている。 肩には、大城の神姫・虎実が乗っている。 なんだか心配そうな表情で、俺を見ていた。 ……虎実にまで心配されるようじゃ、しようがないな、俺は。 今日の俺はどうかしている。 こんなに感情的になったのは、生まれて初めてだった。 歯止めがはずれて、自分の衝動を満たす以外のことは、どうでもよくなる感じ。 俺はかぶりを振った。 まったく俺らしくない。 「……話せよ」 「え?」 何の前触れもなく、大城が言った。 「お前とティアのこと、全部話してみろよ」 「……いや、しかし」 「そうやって溜め込むから、あんなふうに暴発しちまうんだぜ?」 「……」 「それによ……俺がお前の友達だって自惚れさせてくれや」 大城は、にっ、と歯を出して笑った。 いい奴だ、と思う。 「……俺の恥をさらすようなもんだけど」 そう前置きして、まとまらない頭をなんとか回転させながら、ぽつぽつと話し始めた。 ティアとはじめて出会ったときのこと、話したときのこと、ボディを交換し、マスターの登録をしたこと。 オリジナルのレッグパーツを武装にするために、様々な訓練をしたこと。 ティアを公園に連れだしたときに、あいつが笑ったこと……。 取り留めのない俺の話を、大城は相づちを打ちながら、辛抱強く聞いていた。 「俺は……結局俺は、自分のことしか考えていなかったんだと思う。ティアが武装神姫になりたいかどうかなんて考えもしないで……。そう言う意味じゃ、あの井山の奴と変わらないのかも知れない」 「そんなことねぇよ」 大城が、俺の方を向いて、ごく真面目な表情で言った。 「ティアが本当に武装神姫になりたくないんだったら……あんなふうに戦えるもんかよ。いつも必死で、お前のために戦っていることくらい、端から見てれば誰にでもわからぁ」 「……今回は、みんなに否定されたけどな」 俺が自嘲気味に言うと、大城は苦い顔をした。 「……すまねぇ。俺に言う権利はない言葉だったかも知れねぇ」 「わかってる、大城、お前を責めてるわけじゃない」 そう、むしろ大城は言いにくいことを言ってくれて、暴れそうになった俺を止めてくれて、今は俺の愚痴を率先して聞いてくれている。 感謝こそすれ、責める筋合いなどあろうはずがない。 だが、ゲームセンターの連中の反応もまた現実だ。 大城はわかってくれていても、他の連中はわかってくれない。 俺達二人では、もうどうにか出来る問題ではないのだ。 俺の口から、独り言のように言葉が転げ出た。 「いっそ……バトルロンドをやめるか……」 「え?」 「そうすれば、ティアは傷つかなくてすむ……ティアのことを考えれば、それが一番なんだろうな。 俺は、ティアがこれ以上貶められてまで、バトルする必要がないんじゃないかって……そう思いはじめて」 「だめだ、そんなの!!」 いきなり大声で叫ばれて、俺はびっくりした。 大城も目を見開いている。 叫んだのは、虎実だった。 怒ったような、困ったような、必死の表情で、大城の肩から俺の方に身を乗り出していた。 「ティアがバトルをやめるなんて、絶対にだめだ! だめなんだ!!」 「な、なんでだよ……」 「だって……アタシは……ティアともう一度戦うことが、目標なんだからっ!!」 ……なんだって? 「いや、そんなこと言ってもな……だっていままで、ティアと戦おうとしなかったじゃ……」 「ちがう、ちがうんだ! アタシは……っ!」 「あー、虎実はさ、ティアに憧れてたんだよ。ああいう神姫になりたいって、な」 興奮している虎実に代わって、話す大城。 ……なんだって? 虎実がティアに憧れてる? 「初耳だぞ、それ……」 「そりゃあまあ、話したのは初めてだしな」 真剣な表情の虎実とは対照的に、大城はにやにやと笑いながら言った。 「遠野、俺達がはじめてバトルしたときのこと、覚えてるか?」 「……まあ、な……」 「あんときは、俺達もはじめての負けで、頭きててよ……そりゃそうだろ、しこたま武装積んでるのに、ライトアーマー程度の軽量級に完敗だったんだから。 しばらくは、地団太踏んでたもんさ。 ……でもな、頭が冷えてくると、わかってきた。あの装備で勝てるってことが……少なくとも、俺達の奇襲をとっさにかわした技量が、どれだけすげぇのかっていうのがさ」 俺は思い出す。 虎実が、ハイスピード仕様にしたファスト・オーガを操り、飛び込んできたティアに向けて、フロントをバットのごとく振り出した奇襲。 あの時の回避はティアのアドリブだった。 大城は、缶コーヒーを一口飲み、話を続けた。 「それで……虎実は言った。 自分も、あんな風に、技で勝負できる神姫になりたい、ってな。 技を磨いて、独自の戦闘スタイルを確立して、オンリーワンの神姫を目指したい……ティアのように。 自分に納得のいく戦いが出来るようになったとき、もう一度ティアと戦いたい……それまでは、ティアとやりたくないって、そう言ったのさ」 俺は虎実を見た。 必死の表情で俺を見つめている。 「まあそれで、俺達は俺達なりの戦い方を身につけようとしてんだ。武装も、前みたいにしこたま積むんじゃなくて、戦い方に合った武装を絞り込んで……それで、今じゃランバトにも参戦してるんだぜ? ゲーセンのランバトで納得のいく結果が出せたら、改めてティアに挑戦するために」 「だからっ……! ティアにバトルをやめられちゃ困るんだ! 頼むよ、トオノ! きついのわかるけど、バトルはやめないでくれよ! もう一度、アタシとティアを戦わせてくれよ! 頼む、頼むから……!」 虎実の必死の懇願に、俺は当惑しながらも感動していた。 嬉しかった。 俺とティアが積み上げてきたことを、こんな風に思ってくれる神姫がいるとは。 「けどな……」 だけど、現実を見つめ直せば、そんな想いにも影が差す。 「そう言ってくれるのは嬉しいが……今は俺達がバトル出来る場所さえない……」 「……だったら!」 虎実は決然と言い放った。 「アタシはランバトで一位を取る! 三強も全部倒して、あそこで一番強い神姫になってやる! それで、ティアをバトルの相手に指名する! それなら、誰も文句は言えない……言わせない!!」 それはまるで誓い。 強い強い決意だった。 そこまでティアを信じてくれるのか。 「ありがとう、虎実……」 その想いを無視することなんてできない。 バトルロンドのプレイヤーであるならば、その想いに応えなくてはならない。 「俺達は……バトルをやめない。虎実と戦うまで、諦めない。 そして、虎実が納得のいく戦いが出来るようになったとき、必ず挑戦を受ける。 ……約束するよ」 「トオノ……」 つぶやいた虎実の瞳から、雫が一筋、小さな頬を流れ落ちた。 「虎実……?」 それが合図だったように、虎実の両の瞳から涙の雫が次から次へと溢れ出てきた。 ついに顔をグシャグシャにして、虎実は泣き出した。 「ティアが……ティアが、かわいそうだ……あ、あんなこと……されてっ……つらくないはず……ねぇしっ……な、なのに……あんなこと、言われて……っ おかしいだろっ……ゲーセンの……連中は……わ、わかってるはずだろっ……ティアと戦えば、戦ったヤツは、わかるはずなんだ……! すげぇ頑張って……身につけた、技なんだって…… な、なのに、あいつらっ……ちくしょうっ、ちくしょうっ……!!」 「虎実……」 悔しかったのは、俺だけじゃなかったのか。 泣いている虎実に、自分の姿がかぶる。 自分の大切な者のために、何もしてやれない無力さ。 今の俺と虎実は、きっと同じ想いだ。 どうしようもない絶望の中でも、味方はいるのだ、と俺の胸は熱くなった。 泣きじゃくる虎実に、せめて髪を撫でてやろうと、右手を伸ばし…… 「うわぁ! なんだこれは!?」 見慣れた手はそこになかった。 異様に膨れ上がっており、色は紫色、まさに異形と言うべき手がそこにある。 これが俺の手とは、到底信じがたい。 だが、 「い、いたたたたたっ……!」 確かにその異形の手から、激痛が伝わってきた。 「お、おい……トオノ、大丈夫か!?」 「あーあ、ひどい手だな。骨折もしてるかも知れねぇ……医者行くか」 いまだに涙を瞳に溜めたまま、虎実は心配そうな声を上げ、大城はさもありなんと頷きながら、立ち上がった。 しかしこの痛みはやばい。 今までは気が高ぶっていたせいか気にもならなかった。だが、一度認識してしまうと、ひどい激痛に目がくらんでしまっている。 俺は、大城の助けを借りて、なんとか近所にあった総合病院にたどり着くことが出来た。 治療してくれた医者の先生に、「自分で壁を殴って怪我をした」と言ったら、こっぴどく怒られた。 別れ際、大城はこう言った。 「俺達はお前達の味方だ。 何もできねぇかも知れんけど。でも、俺達の力が必要なら、遠慮なく連絡しろよ」 笑いながらそう言った。 ……俺の方こそ、友達だと自惚れさせてほしい、いい奴だった。 ■ 今日の自主訓練は最低だった。 マスターから出された課題は、どれ一つとしてクリアできていない。 それどころか、簡単な基本動作さえ、ままならなかったりする。 何度も転んで、痛い思いをした。 でも、本当に痛いのは身体じゃない。 昨日のゲームセンターでの出来事。 わたしが恐れていたことが、最悪の形で起きてしまった。 雑誌に掲載されて、公表されるなんて……考えもつかないことだった。 わたしの過去が、マスターに迷惑をかけた。ゲームセンターの人達は、手のひらを返したように、マスターに冷たくあたった。 あんなに仲が良かった久住さんも、記事を見て逃げてしまったという。 わたしのせいだ。 わたしが、マスターを不幸に突き落とした。 そして……マスターのあの目。 マスターは、わたしのことをどれだけ恨んでいるだろう、蔑んでいるだろう、やっかいに思っているだろう……。 わたしは、生まれて初めて、心が壊れそうなほど痛い、という思いを味わった。 わたしは怯えて、謝ることしかできなかった。 せめて、いつものように出された課題は、いつもよりも必死で頑張ろうと思ったのだけれど。 ……身体が言うことを聞かなかった。 怖かった。いままで積み上げてきたものが、もう無意味になってしまうのではないか、という思いが胸をよぎった。 そのたびに、わたしはトリックに失敗し、転んだ。 マスターに迷惑をかけるだけじゃなく、教えられたことも満足に出来ない。 わたしはもう、マスターにとっては何の価値もなく、ただのやっかい者に成り下がってしまった。 マスターも今度こそ、わたしに愛想を尽かしたに違いない。 わたしは、どうなってしまうのだろう。 あの、元お客さんだった人のところに連れて行かれるのだろうか。 お店に戻されるのだろうか。 もしかすると、電源を落とされたまま、二度と目覚めることはないのかも知れない。 そのいずれもが、怖くて、悲しくて、わたしはまた泣いてしまう。 思い返せば、ああ、わたしは……マスターとの戦いの日々が幸せだったのだと……それを手放さなくてはならないことが悲しいのだと、ようやく理解したのだった。 「ただいま……」 玄関の扉が開いた音に、わたしは顔を上げる。 「お、おかえりなさい、マスター……」 マスターの声はあまり元気がなかった。 何かあったのだろうか……。 姿を見せたマスターを見て、わたしは驚いた。 「どうしたんですか、右手……」 「ん、あぁ……」 マスターは右手を軽く挙げる。 彼の右手は、包帯でぐるぐる巻きにされていて、元の手が全く見えていない。 なにかギプスのようなものをしているらしく、左手と比べてもずいぶん太くなっていた。 「大丈夫。なんでもない」 なんでもないはずないじゃないですか。 でも、わたしに問いただすことは出来なかった。 そんな権利はないのだ。 ただ、マスターのことが心配で、困ったように見つめるだけ……。 マスターがわたしを見た。 「そう、心配そうな顔をするな」 マスターはかすかに笑った。 でもそれは、いつもと違って、自嘲のような苦笑だった。 マスター……その怪我も、わたしのせいですか。 わたしがマスターと一緒にいるから、傷つくんですか。 わたしの胸に、また耐えがたい痛みが走った。 わたしが、マスターに愛想を尽かされることよりも、つらくて悲しいことは。 マスターが自分のせいで傷つくことだと、今ようやく気がついた。 次へ> トップページに戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2642.html
『13km』-1/3 これから君に戦ってもらうのは、君のようにテンプレートに沿った改造をなされた神姫とはワケが違う。 七人が七人とも天下無双の変わり種だ。 いや、決して君の悲願達成の障害を強固にしようというわけではいよ、本当だ。 神である僕が神に誓ってもいい。 何故かって君、ありきたりな武装でありきたりな攻撃をしてくるありきたりな神姫なんて、いくら倒したところで何の御利益もないと思わないかい? つまり君の願望はそれほど、普通じゃないということさ。 恨むなら自分のそれを恨むんだね。 しかし相手が普通じゃないということはある意味、君にとって幸運と言えるのかもしれないぞ。 あくまで凡百レベルでしかない君が、例えばだが、全武装神姫の上位互換であるアラストールやキュクノス、それにジャスティスに勝てると思うかい? そう睨むなよ、君に限った話じゃない。 他の神姫だって、特別なものを持っていなければ単純な性能差で押し切られるさ。 多少の小細工など圧倒的なステータスの前には無力なものだから。 そこは君、様々な思惑を含んだ値札を付けられ、人に買われる身である神姫に生まれた以上、割り切るしかない。 ところが、だ。 僕がこれから提示する七人の神姫は、そんな万能と呼べる神姫から遠くかけ離れている。 一点特化、というやつだ。 ある方向に圧倒的な伸びを見せ、逆にその他はまるでからっきしというわけさ。 どうだい、僕の慈愛に溢れた優しさが分かっただろう、君は実に運がいいな。 ……分からない? まったく、神というものは理解されないのが常だが、優しく差し伸べた手すら気付いてもらえないとなると考えを改める必要があるな。 もし僕がアラストール型を七人倒せと言ったら君、いったいどうするつもりだ。 深く考えなくてもいい、どうすることもできないのだから。 装備を揃えたり経験を積むことくらいはできるかもしれないが、相手だって君と同じように時間を過ごすだろうし、君のマスターは貧乏だし、それに愛しの彼は君が強くなるのを待ってはくれない。 だからそう睨むなって。 もう一度言うが君は幸運なんだ、ラッキーだ。 なにせ相手は特化型だ、然るべき対策を打てば凡百である君にも勝利の可能性が見えてくる。 勿論、特化型の強さは並大抵のものじゃない。 ぶっちゃけノーマルのアラストールやキュクノス、ジャスティスなんて相手にならないだろう。 しかし付け入る隙がおおよそ見当たらない万能型より、隙だらけの特化型のほうが倒し易さという意味でなら、楽な相手だと思わないかい。 まあそれに、普通のバトルならその辺の神姫センターに行けば飽きるほど見られるのだから、僕を楽しませる意味でも君には特化型を相手して欲しいんだよ。 それもまた、願い事を叶えてくれる神様への供物、ってところさ。 さて、前置きはこれくらいにして。 記念すべき駈け出しの相手は、これもまた僕からのサービスなのだが、特化している部分が非常に分かりやすい。 呼び名が『13km』と言えば、どんな神姫か想像がつくだろう。 つかない? なに、あんなに有名な刀を君は知ら……ああそうか、あの漫画は三十年以上前のものだったか。 これはいきなり人選を誤ったか……。 いや、君は気にしなくていい、説明してやろう。 簡単に言うと、彼女はとてつもなく長いビームソードを持っている。 13kmというのはあくまで人間の大きさに換算したものだから、実際にはその1/12しか伸びないということになるが、それでもステージの端から端まで届いてなおかなりの余裕がある。 無駄? そんなわけがないだろう、13キロという数字にこそ意味があるんだ。 フン、元ネタを知らない君からすれば0.00005キロで十分とでも言うんだろうけどな。 まあいいさ。 あるマイナーな神姫チームの中で『第三デスク長』とも呼ばれている彼女と一度でも戦ってみれば、そのビームソードがどれだけ恐ろしいものか理解できるだろうさ。 いや、理解する時間すら与えてもらえないか。 せいぜい開幕と同時に胴体を真っ二つにされないよう気をつけることだね。 ◆―◇―◆―◇―◆―◇―◆―◇―◆ 神姫にだってヒトのような心があるんだから、ヒトにヒトメボレしたって何もおかしいことはない。 何もおかしなところのない夢見る乙女だ、恋の一つや二つくらい許されて当然だと思う。 私の取扱説明書に「神姫が他の男性に一目惚れしないようご注意下さい」とは書いてないんだし、ルール違反でもない。 などなど……などなどなど。 他にもいろいろと言い訳を考えてはみたものの、やっぱり言い訳は言い訳でしかなくて、クレイドルの上で夢の世界に旅立つこともできず、枕を抱きしめて悶々とするばかりだった。 6日前のこと。 私――飛鳥型ストライクウィッチカスタムのホノカさんは、不覚にもとある男性に一目惚れしてしまった。 不覚も不覚、まったくの不覚。 それは本当に一瞬のことだった。 ◆――――◆ その日は神姫センターのエアコンから良い風でも吹いていたのか、妙に調子が良くて、見事三戦快勝、私の愛機セイブドマイスターは面白いように相手を撃墜していった。 いつもは勝っても負けても三戦したら必ず帰るのに、自分が戦ってるわけでもないのに調子に乗ったマスターは、もう一戦やる、とか言い出した。 まあ、私だって少しばかり気が大きくなっていた。 勝つ時は大勝ちして負ける時は大負けしてしまう私の性質上、できる時に勝利の美酒を貯めこんでおきたい気持ちもないでもなかった。 ちょっと強そうな相手を物色しつつ、ひとつの筐体の中をそれとなく覗いた時だった。 そのアルトレーネは私の目をきつく縫いつけた。 長い髪をポニーにした以外、装備も装飾もありきたりな戦乙女。 なのに、その戦騎は一際強く光り輝いていた。 「ぜやあああああああああっ!」 槍を構え、銃弾の嵐の中を怯まず押し通るその戦い方は、私とは真逆に位置する――そのはずなのに、気がつけば、彼女の動作を一つでも多く目に焼き付けようと、目を見開いていた。 白い頬を銃弾が掠め、ポリゴンとなって分解されていく。 それでも彼女は止まらなかった。 運悪く副腕の最も脆い可動部に銃弾が当たり破損し、片方が千切れ飛んだ。 それでも彼女は止まらなかった。 彼女のことだけを見ていたのに、対戦相手の表情が手に取るように分かった。 あるいはその表情は、彼女と相対した私を想像したものかもしれなかった。 自身が持つ火力では彼女の道を遮ることはできない――どうしようもない恐怖に表情を引きつらせたまま、彼女の槍に胸を貫かれた。 試合が終わって、彼女達を模していたモデルが消え去っても、まるで真夏の太陽を凝視してしまった時のように、視界に焼き付いた戦乙女の姿は消えなかった。 あの時の感覚は今でもハッキリと胸に残っている。 強いて言葉で言い表すとすれば、【心が燃えた】。 彼女と戦うことがバトルの全てのように思えた。 彼女を倒すことがバトルの全てのように思えた。 筐体から出てきた彼女に気づいて、実力差や勝算のことなんてまったく考えず、ただ本能に従って彼女に勝負を挑みに行った。 そして彼女のマスターに話をつけようとした時――CSCをズッキューン! と撃ち抜かれた。 一目惚れ、というより一撃必殺だった。 髪は短く、理知的な顔立ちに細長のメガネがよく似合っていた。 全体的に線は細めで、服装には清潔感があってとても好印象だった。 や、好印象という言葉はなんだかわざとらしいか。 一目惚れしたんだし。 むしろ超印象だ(?)。 その姿が私のマスター……若くしてハゲ散らかした豚の真逆だからかもしれないけど、まさか神姫に自分のオーナー以外に惚れてしまう機能があったとは、この時まで考えもしなかった。 (念のため言うけど、私はマスターに惚れてない。神に誓って言う) 燃えていた心がトクンと高鳴った。 真っ赤に染まっていた心がピンク色に塗りつぶされた。 そして気がつけば、胸にあの槍が突き刺さっていた。 今度は幻覚などではなく、実物が、ザックリと。 挑んだバトルはとっくの昔に始まっていて、ハッと目を覚ますと同時に終わっていた。 「あれほど無抵抗に私の槍を受けたのは、あなたが初めてだ」と後でハルヴァヤに呆れ顔で指摘された時は、恥ずかしくて死んでしまいたくなった。 帰り際、醜い豚もといマスターにせがんで、髪を長くしてもらった。 勿論ハルヴァヤと同じポニーテールにするためだけど、不本意ながらマスターに妙にウケた。 なにが「飛鳥に黒髪ロング……ゴクリ」だ。 ◆――――◆ 明日、日曜日。 ハルヴァヤにリベンジする約束をしているのだけど、それすらあの人に会うための口実になってしまうことが恐ろしかった。 恋に落ちたあの日以来、寝ても覚めてもあの人のことしか考えられなかった。 あと一度の夜を超えたら、あの人の前で戦わなきゃいけない……だというのに、まだセイブドマイスターのメンテにすら手がつけられないでいる。 いやいや今から整備しろよと自分にツッコミを入れたくなるけど、ここ最近の寝不足がたたって瞼は銀行のシャッターのように無情にも落ちていく。 そして目を閉じてしまうと、暗闇にあの人の姿が浮かび上がってきて、再び目を覚ましてしまう。 その繰り返しだった。 「ふう……」 ダメだ、何もできない。 こんなことじゃあの人だけでなくハルヴァヤにも愛想を尽かされてしまう。 あの二人に『戦う価値なしの雑魚』だなんて思われたら私は、もう生きていけない。 再び瞼の裏に現れたあの人が、私に背を向けて遠ざかっていく。 肩に腰掛けたハルヴァヤは私に冷たい一瞥をくれたまま、あの人の耳元に何かをささやいた。 時 間 の 無 駄 だ っ た な いやだ、行かないで。 強くなるから、なんでも差し出すから。 なんでもするから、私のことを見捨てないで。 お願い神様、あの二人を遠ざけないで――! 「呼んだかね」 「ひぎゃあ!?」 いきなり耳元で声を出されて、驚いた拍子に尻がすべり、クレイドルの手すりに側頭部をゴツンと強かにぶつけた。 できるはずもないタンコブを手で探しながら顔を上げると、隣にいつの間にか、白い体に私と同じくらい長い金髪の神姫が立っていた。 パッと見だと、その神姫がオールベルンだとは分からなかった。 フロントラインのホームページに掲載されている姿形そのままなのに、人をおちょくったような雰囲気は私が知る剣士型とはかけ離れていた。 くりっとした丸い目は整っているはずの顔のバランスを大きく損ない、薄気味悪く笑みを浮かべた口元からは八重歯なんてのぞいちゃっている。 「ハハッ! うん、いいねいいねその反応。近頃は誰も彼もが神を見ても驚かないから、いよいよ世間の凡俗が超常にまで侵略しつつあると危惧していたんだ。しかし君のその豆鉄砲をくった鳩のような顔――うん、気に入った。次は君の願い事を叶えてやるとしよう」 これが、神様を自称するオールベルンとの出会いだった。 「おいおい、ガッカリさせないでくれよ。神を信じたんじゃなかったのか」 大袈裟に額に手を当てたオールベルンは「オゥマイガッ」と仰け反った。 神様を自称する奴が OhMyGod なんて言うもんだろうか、いや言わない、絶対言わない。 「さっきはあんなに驚いてくれただろう」 「そりゃ、真夜中にいきなり側に誰か立ってたら驚くでしょ、普通は」 私も自称神様も声を落とす気遣いはしなかった。 ゴーゴー寝てる豚マスターはちょっとやそっとじゃ起きやしないから。 「じゃあアレか、君は特別叶えたい願い事がない、どころか神の存在を信じもしないで僕のことを呼んだって言うのかい」 「私が呼んだ? あんたを? いつよ」 「さっき『お願い神様』って言っただろう」 「言ってない。心の中で思ったけど、口には出してない」 「やれやれ、分かってないなぁ」と手を広げて首を振るコイツは多分、日本一ムカつくオールベルンだと思う。 眉を八の字にして小馬鹿にしたように溜息をつく姿は、電気が消えて薄暗い部屋の中でも無駄に強く自己主人張してくる。 「神っていう存在は、下々の心の奥底の願いを聞き届けてやるものなんだぜ。暇つぶしに」 「誰が下々よ。あんただって普通の神姫じゃない。鏡見たことないの? どこからどう見ても店の棚に陳列されたオールベルンと変わりないじゃない」 「この姿もわざわざ君に合わせてあげたのに。いや、武装神姫なら何でもよかったんだけど、このオールベルンは実に素晴らしい造形をしているじゃないか。まさにスワン・レイク! ワルツ・ワーズ・ワイト! って感じだと思わないかい。できれば赤い個体のほうが良かったんだけど、聞けばアレは限定品らしい。君の飛鳥型も品薄商法の煽りを受けて同型の仲間が増えないんだろう。自他共に認めるトップランナーであるフロントラインがこの体たらくじゃあ、武装神姫の将来は明るくないな」 「わざわざ真夜中に不法侵入しといて何? ネガキャン? もう帰ってよ、明日は忙し……ふぁ~あ」 ひとつ大きな欠伸が出た。 明日は絶対に、こんなはしたない真似をするわけにはいかない。 ましてや「全神姫の中で最もお人形さんのようだ」と言われる飛鳥型なんだから、そのイメージをよりにもよってあの人の前で崩していいわけがない。 「ほうほう、忙しいと。それはもしや、この僕を呼んだことと関係が?」 「だから呼んでなんて……そうよ、その通りよ、誰でもいいから何とかしてほしいわよ。明日はどうしてもちゃんと戦わないといけないの。早く寝ないといけないの。分かる?」 「その割にはこんな時間まで起きてたじゃないか」 「だから眠れないって言ってんでしょ!」 募ったイライラが、ついに爆発した。 枕を掴んで、オールベルンに投げつけた。 部屋の外に響くくらい叫んでしまったけど、マスターは寝返りをうっただけで起きる気配はない。 喉から溢れるように出てくる不安は止められなかった。 「明日のバトルは何よりも大切なの! 勝てなくても絶対ちゃんと戦わないといけないのに、あの人のことばっかり考えてたせいで眠れなくて、ハルヴァヤの期待にだって答えなくちゃいけないし、なのに銃の整備もストライカーの調整もやってない!」 「――ふむ」 「リベンジ申し込んどいて最悪のコンディションで挑むなんて、嫌ってくださいって言ってるようなもんじゃない! バカじゃないの!? 何やってるのよ私、こんな……こんなことならバトルの前に自動車に踏み潰されたほうがマシよ!」 「つまり、君は明日のバトルまでにコンディションをベストの状態にしたいんだな」 「だったら何よ! あんたがなんとかしてくれるっての!?」 「その通り!」 パン! と目の前で空気が弾けた。 自称神様が前髪に掠るような距離で手を叩いた――つまり猫騙しをしたんだけど、その音に対して驚いた直後、唐突に強烈な睡魔に襲われた。 魂を抜かれたように力が抜けて、カクンと膝が折れて身体が真っ直ぐ崩れ落ちた。 「僕は神の中でもサービス精神に溢れた性質でね。初回限定サービスだ、君の願いを無条件で叶えてやろう。いやはや君は実に運がいい」 自称神様が何か言ってるけど、最後のほうはほとんど聞こえていなかった。 文字通り電源を切られるようにプッツリと、私の意識は途切れた。 ◆――――◆ 仮想とはいえ確かな実感を持った身体に生まれ変わる瞬間の不思議な感覚は、もうマスターに起動されて随分時間が経つけれど、未だ慣れる様子がない。 ストライカーユニットの先端まで実体化されると同時にエンジンを起動させた。 プロペラが滑らかに滑り出し、着地寸前だった砂を巻き上げる。 ストライカーが地に降りる前にホバリングできたのは生まれて初めてだった。 それも不安定に空中でふらつくのではなく、ほとんど立っている時と同じように安定している。 脚に伝わる振動はいつもの半分もなくて、代わりにまるで翼を得たような高揚感を伝えてくれる。 空戦型が持つには二回りほど大きく長いライフル、セイブドマイスターのセイフティを解除してハンドルに手をかけると、驚くほどスムーズに引くことができた。 ガシャコッ、と初弾が装填される音もいつもより小気味良い。 おまけに体は睡眠不足による気だるさどころか、活力に満ち溢れていた。 指の一本一本から頭のピンと尖った耳の先、尻尾のフサフサの毛に至るまで回路が通っている感覚を明確に掴める。 自分が持つ本来の性能を、これほど明確に把握できたことはなかった。 「これが……私、なの?」 続々と新型の高性能な神姫が出てくる度に嫉妬していた自分が馬鹿馬鹿しく思えてきた。 ちゃんとコンディションを整えれば、私だって、これほどまで素晴らしい性能を発揮できる。 昨日眠っていた間に、あのオールベルンはいったい何を――。 「神姫三日会わざれば刮目して見よ、とはよく言ったものだ。先週とはまるで別人だ、一目見ただけで分かる」 砂嵐の向こう、ハルヴァヤの声は熱砂に焼かれてなお涼し気だった。 「いや失礼、その前に言及すべきかな――髪型、変えたのか。ええと……」 「私はホノカ。髪はあなたを真似したんだけど、気づいてもらえてよかった」 「真似を? どうして私なんか、これは邪魔にならないよう縛ってるだけだし、他にもっと洒落た神姫は沢山いるだろう」 「もしかしてハルヴァヤ、あなた野暮天?」 「……ははっ、昨日同じことを言われた。そんなつもりはないが、でも勘違いはされやすいな。私はあなたが想像するほど規則正しい性格をしていないんだ」 照れ隠しに笑うハルヴァヤはすごく可愛かった。 こうして対等に喋っていることが信じられなくて、自分が自分ではない別人のように思えてくる。 こんなにも気軽に言葉が出てくるのなら、自分の知らない自分になることも面白い。 ハルヴァヤも、私が勝手に持っていた堅物の印象より随分と気さくだ。 遠くから見ていた時は、刃のような鋭い眼差しと不屈の闘争心に見惚れるだけだった。 でも、こうして歩み寄ることで見えてくるものがある。 私の髪の変化に気づいてくれるハルヴァヤ。 照れ笑いをするハルヴァヤ。 もっと、引き出したい。 この神姫のありとあらゆる表情を引き出したい。 差し当たっては――。 「さあ、そろそろおしゃべりの時間は終わりだ。ホノカ、君はリベンジだと言ったな。悔いのない勝負にしよう」 敗北して悔しがるハルヴァヤはどんな表情を見せてくれるんだろう。 ゴーグルをかけ、私に向かって一直線に構えられた槍と揃えるように、スターのバレルを構えた。 距離は十分離れているはずなのに、ナイフを互いの喉元に突きつけ合っているような緊張感。 「隙あらば伐つ」と彼女の目はハッキリとそう言っている。 きっとこれが、私の遥か先にいる彼女のステージなんだ。 流行る気持ちがトリガーにかけた指を勝手に動かしそうになる。 アルトレーネの分厚い装甲でも、この弾丸は防ぎきれない。 でもそれだけじゃハルヴァヤには届かない。 だからセレクターレバーを切り替えた。 力がみなぎってくる今のコンディションなら、マスターがロマンが云々言いながら付属した、余計極まりなかったフルオートも活かせる。 スタートの合図が耳に届いた。 「「 いくぞ! 」」 重なった声を皮切りに、砂嵐はいっそう強くなった。 『13km』-2/3 トップへ
https://w.atwiki.jp/nijishinki/pages/22.html
虹裏神姫キャラ全集 << 神姫スレ用語集 >>まおちゃお団 1神姫 神姫脳 神姫用品 神姫ショップ SAN値 神姫開発企業 メガ神姫 隔離病棟(ゲームセンター) 吉祥寺 << 神姫スレ用語集 >> まおちゃお団 リーダーであるまおちゃお、そして子分の花子、寅子の3人で作った悪(?)の集団。 気まぐれで正義の集団になったりもする。主な活動は悪戯と作戦会議。 結成当初よりはうりんを仲間に引き込むべく方策を練っているが、なかなか上手くいってない。 当初は3人だった団も少しずつ入団数が増えている様子で、 将来大軍団になる可能性を秘めている。 1神姫 1神姫=3,500〜4,200円(限定版を除く税込メーカー希望価格・神姫一体分)の為替レート。 5弾以降は価格が上昇しつつあるためレートが変わる可能性もある。 神姫以外の品物の値段が話題にでると「1神姫強」「2神姫弱」 という感じでその品物の価格を表す。 リーメントという単位も存在するらしい。(10リーメント≠1神姫) 神姫脳 プラモや食玩、コレクションアイテムから100均の雑貨まで あらゆる物を「神姫と絡められるかなor似合うかな」という基準で見てしまうのを初期症状とし、 武装神姫に関連する事柄には即座に反応、 さらには神姫に直接関係無くとも瞬時に連想してしまうようになる思考状態。 更に段階が進めば物品の値段をナチュラルに 上記の「神姫」単位に読み替えられるようになるらしい。 しかしこの症状に冒されるHENTAI達は一様に幸せそうですらある。 神姫用品 神姫脳にやられると、神姫に似合う物や神姫サイズのものは全てこう呼ばれるようになる。 身近なところでは家具や小道具、大きなものではバイクや車などの乗り物まで様々。 神姫ショップ 公式設定的には武装神姫のパーツや素体を販売する店舗の事だが 虹裏(img鯖)的には全国展開している100円ショップ「ダイソー」のことを指す。 神姫と絡めるのにぴったりなミニチュア家具や ドール用の服、収納ケースなどが売っていることからこう呼ばれる。 あまりの便利さについつい買いすぎてしまうオーナーも続出しているとか。 ダイソー以外の100円ショップにも神姫にピッタリな商品があるので、そちらも覗いてみては。 SAN値 正気度。TRPG『クトゥルフの呼び声』で使用されたパラメータが元ネタ。 この値が低くなるとプレイヤーキャラは狂気に近づき(平静を保てば回復) 0になると発狂してゲームオーバー。諦めなくても人生終了です。 神姫開発企業 オフィシャルに設定されている各神姫の開発企業。またはブランド名。 出典は電撃ホビー2007年7月号付録の小冊子より。 また同年7月27日に発売となった「武装神姫マスターズブック」により 第6弾のメーカーも追記された。 デジタルコミック版のキャラクターにも設定されている(公式サイトの登場人物紹介より)。 Front line:白 黒 メル 飛鳥 量 夢魔 Kemotech:犬 猫 パーティオ ポモック こぱち こぽも The Sixth Factory:武士 騎士 Plants Planet:花 種 Magic Market:鳥 魚 蠍 蝙蝠 Vulcan Labo:兎 $ Studio Roots:ちゅがる〜ん Arms in Pocket:砲子 ゼル レー姉とアイネスの武装 GroupK2:マゾ忍者 ミズキさん Union Steel:丑 寅 Constructive Tyrant:建子 OHMESTRADA:悪 良 らず しゃら Production Fairies:アイ子 リトルリリィ Insect arms:ランちゃん エッちゃん FRESH&STEEL:ナス子 シス子 Electro Kotan:フィル山 Industrial Eden:ユーリル、√ Dione Corporation:レー姉、アイネス(素体) img就職先希望調査ではケモテック社が圧倒的人気を誇り、 既に社訓と社歌までできあがっているとか。 メガ神姫 通常の10/1(10倍)サイズ、身長150センチの特別素体を総称してメガ神姫と呼ぶ。 ペイントであった素体はボディスーツ(あるいはボディペイント)となり、 中身はほとんど人間と変わらない構造をしている。 人間と同じ食物を摂取するが、排泄は(オーナーの)任意。 もちろん大事な部分も再現されており、各種HENTAI行為に対応する。 HENTAIにとって一家に一体ほしいと思っている代物なのだが、 残念ながら(現時点では)実在しない。 …えっ、何?あなたの所には本当にいるって? ころし(ry ゆずっ(ry 差し支えなければどこで手に入れたか教えていだだけますか? 隔離病棟(ゲームセンター) ↑前者と書いて後者と読む。 PSPソフト『BATTLEMASTERS』において神姫バトルが行われている施設。 通常こういった対戦ホビーを題材とする作品において 一般デュエリストorトレーナーorメダロッターorブレーダーの性格は実に良識的、 またはわんぱくだが同時に常識も兼ね備えているのに対し、 本作品の神姫オーナーは致命的なまでに社会道徳、公共マナーに欠けている。 つーか他んトコじゃ1作品に一人くらいの割合な下衆キャラを前面に押し出すって何よ! ネット上の紳士&HENTAIの言動をつぶさに観察したからこそできる英断であろう。 吉祥寺 07年7月初旬に突如現れたYODOは神姫の聖地だった。 其処〜に往けば〜黒も白も〜買ぁ〜えると言うよ〜♪ 何神姫かかろうともそこを目指したHENTAIや武装紳士たちの姿は語り草となっている。