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戦うことを忘れた武装神姫 その2 焼きそばの調理にかかる。 具は冷蔵庫にあったキャベツとニンジン、魚肉ソーセージであっさり済ませることにした。 「んじゃ、野菜をよろしく。」 でんとキャベツを乗せたまな板の前に武装状態で構えるは、猫爪型のエルガ。 「千切り?みじんぎり?それとも、つま切り?」 「・・・角切りでいいってば。」 「にゃっはー、冗談ですよー。」 冗談でも勘弁して貰いたい。まぁ、そこがかわいいところなのだが。 「せぇの・・・」 小さい躰でありながら、軽々とキャベツ1/4を持ち上げ・・・ 「にゃっ! にゃっ! にゃっ! にゃっ〜!」 ざらららっ。 研爪で、あっという間に角切り完了。 「ほい!」 中華鍋を引っぱり出しつつ、片手で俺はニンジンをポンとエルガに投げる。 「うにゃぁっ!」 飛びかるや否や、あっさりと皮むき・銀杏切りが施される。 「最後はこれだっ!」 魚肉ソーセージのビニールを剥いて、エルガの前に差し出す。 エルガはさっと構えるとー 「ぱくっ。」 「え?」 もぐ、もぐ・・・ 「ごちそーさまー!」 ・・・月末の俺にとっては貴重な、魚肉ソーセージが瞬時に消失した。 つーか、お前モノ食えたのか?! 虚しい気持ちにもなるが、エルガの至福の表情を見ると、 ・・・なんか怒る気にもならない。ま、野菜焼きそばでもいっか。 日常の中で、まったりと過ごす俺と神姫たち。 しかし、ここに居るのは戦うことを忘れた武装神姫。。。 <その1 へ戻る< >その3 へ進む> <<トップ へ戻る<<
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戦うことを忘れた武装神姫 その1 ある日曜の昼下がり。昼飯に焼きそばを作ろうかと台所で準備をしていると。 かさっ 背後から何やら質量の小さい物が移動する音が。 と、 「・・・侵入者感知。レベル2に移行しますがよろしいですか?」 俺が振り向くより先に、テーブルに座る神姫が反応していた。 音の発生源を凝視するは、ウチが飼っている神姫の一体、吼凛型のシンメイ。 「レベル3まで許可する。 つーか、処理任せてもいい?」 「了解しました。」 俺がそう言うと、さくっと武装を装備し、蓬莱壱式を持ち出す。 シンメイが模擬弾を部屋の隅へと打ち込んだ。侵入者をおびき出すためだ。 弾を打ち込むや否や、黒い影が飛び出した。 「目標、確認しました。」 侵入者は慌てふためき、逃げようとする。相当足が速い。しかし。 「ターゲット、ロックオン・・・発射します・・・ ファイアっ!」 バシュッ! べちん!! 腕に構えた蓬莱壱式が火を噴き、侵入者を仕留める・・・も、実弾では無い。 「・・・ミッション完了。ヤマトゴキブリ一匹、仕留めました。」 自信に満ちた顔付きのシンメイの指す先には、粘着「泡」弾により捕獲されたゴキブリ。 「お見事〜! いやはや、ありがとう。助かったよ。」 「いえいえ、このくらいは楽勝です。『朝飯前』・・・と言えばいいんですか?」 「そう、正解。 シンメイもだいぶ学習したねぇ。」 「え、えへへ・・・」 照れながら武装の解除をしているシンメイの頭を、ちょいとつついた。 頬をちょっと赤らめ、頭を掻くその姿に・・・ 俺まで照れてしまった。 俺の日常の中に転がり込んできた神姫たち。 しかし、ここに居るのは戦うことを忘れた武装神姫。。。 >その2 へ進む> <トップ へ戻る<
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戦うことを忘れた武装神姫 その4 後日談 第04話・戦うことを忘れた武装神姫-4 の続き。 その日、久遠が帰宅した後の話であります。。。 お土産のプリンを賞味ながら、食後のひととき。昨夜の件を 他の神姫達に話すと、皆一様に驚いた。 「へー、リゼって歌が上手かったんですね。」 とシンメイ。 「もう、別にそんなに上手いわけじゃないんだから・・・。」 照れながらも嬉しそうなリゼ。 「ねえねぇ、なにか歌ってよ。」 エルガがリゼの腕を掴んで懇願する。 「え、えー、じゃぁ・・・マスター、あのCDまだあったよね? いいかなぁ。。。」 「ほいきた。」 さっとCDを用意し、さくっと再生。 3曲程をさっくりと歌う。 ・・・上手い。 ・・・こりゃぁ・・・デビューできるんでない? ・・・ってくらいに上手い。 拍手喝采。赤面し、照れに照れるリゼ。でもトコトン嬉しそう でもある。。。 本来なら長姉になるべき生まれでありながら、 俺の所においては末妹と何とも微妙な立場であり、本人も相当 コンプレックスを抱いていたようだが・・・そろそろ吹っ切れ たのだろうか。 「リゼ、すごいじゃない。」 中でも、人一倍嬉しそうなのは、リゼと(ロット上は)同期のイオ。 「そうだ、日本の昔からの歌とかも歌えるの?」 シンメイが手を叩きながら聞いた。 「知っている曲ならいけるよ。そう・・・とおりゃんせ、とか。」 と言ったリゼ、静かに歌い始め・・・ ・・・シンメイが震えあがってしまった。 上手い人が歌うと、テッテー的に不気味さが増すこの曲。 怖い話がどうにも苦手なシンメイには、久々の一撃となったようで、 こんどはシンメイが寝付けなくなってしまった。結局この日の夜は、 シンメイの話し相手をするハメになってしまった。。。 昔話を怖がるほど、繊細な心の神姫たち。 そう、ここに居るのは戦うことを忘れた武装神姫。。。 <トップ へ戻る<
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武装神姫~ストライカーズ・ソウル~ 時は、西暦2036年。 昔に言われてた「第3次世界大戦」も勃発せず・・・。 ウィ○・ス○ス主演の「イ○ディペ○デン○・デ○」ばりの宇宙人の襲撃も無かった・・・。 まぁ、そんな物騒な事はゴメンなんだがな・・・。 そんな物騒な事以上に「ロボット工学」は進化・発展を続け、ホ○ダの「ア○モ」よりもロボットのサイズは小さくなり、あの「カス○ムロ○」の半分・・・「15cm」の掌サイズにまで縮小化・超低コスト化に成功。 神の如き美しき姫達は・・・・無骨なる鎧で「武装」し―。 己が仕える「マイスター」の誇り・プライド・信念に従い・・・―。 技・テクニックをぶつけ合う―。 人はそれを・・・「武装神姫(ぶそうしんき)」と呼び、新たなるホビーとして発展していった。 (ストライカーズ・ソウル第1話「起動~start up~」冒頭より抜粋) 武装神姫~ストライカーズ・ソウル~ メインキャラクター紹介 武装神姫~ストライカーズ・ソウル~ 武装神姫~ストライカーズ・ソウル~ 神姫紹介 準備中。 物語 第1話:起動~start up~
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武装神姫 作品情報 公式HP http //www.busou.konami.jp/ 6枚 アーンヴァル01 アーンヴァル02 アーンヴァルB01 アーンヴァルB02 ストラーフ ストラーフ-リペイント
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【なぜなに武装神姫、そのよん】 「ネタが尽きてくるんじゃないかと微妙に不安な今日この頃。こんにちわ、みさにゃんです」 「ねここが燃え萌えできればそれでいいのだー!」 「いやまぁ、そうなんだけどね……あはは。さて今回はこちら」 『ねここって何でそんなに猫なの?』 「え゛ー」 「えーって、十分猫よ。まぁそれは置いといて。 神姫に個性はあると1回目で言いましたが、機種ごとにある程度大まかな性格の傾向は存在します。 天使型であればおしとやか、悪魔型であれば小悪魔的とでもいうような感じでしょうか。 それで猫型は大抵猫っぽくプリインストールされてる場合が多いようです……そのまんまです。 ちなみに例外はいくらでもあるので、貴方の所に届く神姫は標準から離れた凄い性格をしているかもしれませんね」 続く 上へ戻る
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ガングラー鋼月の『今時の武装神姫事情』Vol.2 『神姫の構造ってどうなってるの?』 メンテナンスや装備交換で分解することの多い神姫のパーツ。だが、我々は本当に神姫の体を知り尽くしているのだろうか? ○神姫の改造やメンテナンスについて 神姫のハード本体を触るケースとして一番多いのは、手足の換装や関節部のメンテナンスだろう。これに続くのが、拡張スペーサー部や外部装備、ソフトウェア的な調整となる。 逆を言えば、それ以外のパーツはほとんど触る必要がないとも言える。 以下、主に触らない箇所を図で紹介してみた。 1.陽電子頭脳 神姫の頭脳部分。 人間で言えば頭蓋骨に相当する、頭部フレームの内側に収納されている。 陽電子頭脳の詳細については前回のコラム参照。 2.神姫顔 神姫の顔は人間と同じく、頭部フレーム表面に人工筋肉が組み合わされ、そのうえに人工皮質が貼り付けられている(モデルによって頭部の形状が異なるため、筋肉の付き方まで人間と全く同じというわけではない)。 この人工筋肉と人工皮質の動きによって、神姫は自由に表情を変えることが出来る。 3.神姫口 神姫の口には食事用の歯が付けられている。人間の義歯と同じ素材で作られているが、人間のように三十二本あるわけではない。 咀嚼の動作は表情用の人工筋肉に接続して行っているため、基本的に人間と同じように噛んだりすり潰したりする事が出来る。神姫の口の大きさもあって非常に細かいパーツ群であるため、もし歯が欠けた場合、補修はメーカー修理扱いになる。 ちなみにストラーフタイプには八重歯が付いているが、噛みつき技の使用は公式戦では禁止されているため、注意が必要だ。 4.神姫胸部 CSCとCSC基盤が納められている中枢。 5.関節 神姫素体は基本的に外骨格構造。内部にはICPF(導電性高分子アクチュエータ)を中心とした人工筋肉や、情報伝達を司る神経ケーブルが通されている。 ICPFは人間の筋肉に比べ、百倍近いパワーを出すことが出来る。神姫が自分ほどの大きさのあるライフルや、水の入ったコップを持ち上げることが出来るのは、この人工筋肉があってこその技だ。 神姫の関節は非常に大きな力を扱う丈夫なパーツだが、無理矢理な力を加えると折れてしまうこともあるので、取り扱いには細心の注意が必要。 神姫が嫌がる動かし方はしないのが大原則だ。 6.拡張スペーサー 神姫素体各所にあるハードポイント。 パーツへの給電やデータ送受信もここで行われている。 7.神姫袋 歯で噛み砕いた食事は、喉・CSC基盤の裏に通されたチューブを通り、この中に流れ込む。ただし、神姫の食事機能はあくまでもコミュニケーション用の機能であるため、消化してエネルギーに変換する事はない。 溜め込まれた水分は股間のスリット、固形物は腹のハッチを開け、主にトイレで『排泄』される。 ちなみに神姫袋はあくまでも通称であり、正式名称ではない。 8.バッテリー 神姫のメインバッテリーと充電用コネクタは、神姫袋の後ろ、腰~お尻あたりにある。お尻をクレイドルに触れさせることで、バッテリーを充電することが可能。 お尻のコネクタは非接触型の端子ではあるものの、指で触れると電位差が発生するのか、神姫が嫌がるので触らないように注意。 神姫のバッテリーは、メインバッテリー(構造は非公開)、外装を兼ねたプラスチック電池、人工筋肉のICPF(ICPFにも蓄電池の効果がある)などの複数の電源で構成されている。 基本はメインバッテリーが使われるが、バトルなどの大出力が必要になる場合は、外装・ICPFの予備電源が使われる。 9.神姫足 高いところから落ちても平気な足。 装甲強度が高いわけではなく、関節の柔らかさ等でショックを吸収する事でダメージを軽減しているだけなので、見かけほど頑丈なわけではない。 ○神姫の体はブラックボックス こうしてまとめてみると、頭部~胴体、要するに手足以外のパーツに関しては、驚くほど非公開情報が多いことに驚かされる。 特にバッテリーに関しては構造がほとんど公開されておらず、本社の完全な独占状態になっているのが現状だ。部品の取り寄せは出来るし、使用済みバッテリーの回収も行っているため、ユーザーとしての問題はないが、長時間駆動用の大容量バッテリーを望む声は多いため、メーカーには何らかの対応を期待したいところだ。 トップ
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戦うことを忘れた武装神姫 その25 H市の中心駅から程近い路地裏のとあるショットバー。 久遠は猫子のエルガを傍らに座らせ、ちびちびと酒を呑んでいた。 カウンターと2組のテーブル席しかないこの店の今宵の客は・・・久遠たちだけ。マスターのCDコレクションのジャズが静かな店内を支配する。 エルガはこの店自慢の鳥のから揚げをおいしそうに食している。 「・・・今宵はエルガさんと二人きりですか。」 顔なじみとなっているマスターが聞いてきた。 今日はたまたま、3人ともそれぞれにメンテナンスや泊りの予定が入り、久遠のところにはエルガしかいなかった。 「そうなの! 今夜はにゃーさんと二人っきりなの!」 「おやおや、ずいぶんとうれしそうですね。」 「だってだって、にゃーさんの愛情を独り占めできるんだよ?!」 「やめれって、こっ恥ずかしい。」 「ははは、久遠さんも大変ですね、こんなにもかわいいお嬢さん方に囲まれては。」 グラスを磨きつつ、相変わらずのマスターの調子にうっかり流されてしまいそうになるも、久遠は本来の目的を済ませるべく、マスターに切り出した。 「ところでマスター。『ゼリス』という神姫の事件に関して教えてもらえませんか。」 「・・・。」 マスターのグラスを拭く手が止まった。 「どこでその話を知ったんだい?」 「・・・実はですね。ウチのリゼに、武装神姫用ではない声帯が搭載されていまして。」 先だっての一件の際に、通常の神姫では考えられないほどの声量を放った事、そして普段からのあまりに美しい歌声。気にしてはいたのだが、今回のCTaの全般メンテナンス時に調査をしてもらい、その事実が発覚した。 「リゼはストラーフでも初期のロットですから、部品混入による偶然のものだとはおもうんですが・・・。それで、その声帯のことを調べているうちに、クラリネットタイプに行き着き、『ゼリス』という名も挙がってきたんです。」 「にゃにゃ?」 そういいながら、久遠はエルガの頭をそっとなでた。 「にゃーさん、ゼリスさんのこと?」 「そう。神姫の歴史に詳しいマスターなら何か知っているかと思ってね。」 「マスターさん、にゃーからもお願いするの。 にゃーたちの・・・えっと、にゃーたちの、ママのこと・・・。」 「・・・そうか。」 ため息混じりに呟くように言ったマスターはグラスを棚に収めると、 「君は、あの話をどう思うかな。」 と久遠にたずねた。 「どこもかしこも『悲哀のヒロイン』という扱いですが、自分にはそうは思えないんです。 こうしてエルガたちを連れた日常を過ごしていると、他人事とは思えない気がしてきまして。。。」 その先の言葉が出ない久遠。 するとマスターは外の看板のスイッチを落とし、ドアにClosedのプレートを下げて戻ってきた。 「話せば長くなるからな。」 そういうと、棚の奥からシンプルなラベルしかないバーボンを持ち出し、久遠とエルガの前にグラスを並べた。 「まずは・・・昔話から話そうか。」 ・ ・ ・ 当時、大学院を卒業したての若手技術者だった彼 -今のバーのマスター- は、高倍率を見事(運良く?)勝ち抜き、ある研究所へ配属となった。 彼の受け持った仕事、それは神姫のMMS本体と装備のリンクに関する技術研究、すなわち武装神姫の最初期の研究だった。 ・・・神姫の開発。 未知ともいえる分野の開拓。 充実した日々の中、彼は一人の女性と出会った。彼女は、神姫の持つ「心」について、いずれ科学的に解明してみたい・・・と熱く語った。 彼もまた自らの研究を通し神姫の「心」については少なからず関心を抱いていたこともあり、以来時折情報のやりとりを行っていた。 しかし。しばらくの後、ぱったりと連絡はなくなった。さらに数年が経ったころ、あの事件が大きく報じられることになった。 「それが、君たちも知っている『ゼリス』の事件だったんだ。」 久遠の前に置かれたグラスで、氷が小さくカランと鳴った。 「実を言うと、ゼリスの一件については僕も詳しくは知らないんだ。というより、知る必要がなくなったというべきかな。」 そういうと、マスターは手にしたグラスをあおり、話を続けた。 「『心を解明したい』と言っていた人物こそが、今の峡国神姫研究所所長、その人なんだ。 そう、ゼリスのマスターだった方だ。 あの事件には僕も相当ショックを受けてね。げっそり沈んでいたら、ふらっと手紙が舞い込んできたんだ。たった便箋一枚の手紙だったけれど僕には大きな意味をもった手紙だったよ。」 - 神姫には、神姫としての、 ツクリモノではない、確かな「心」がある - そんな「彼女」たちに対して自らが行っている研究は、果たして意味を持つものなのであろうか・・・。 心がある以上、神姫と装備を100%リンクさせることは不可能・・・ いや、それ以前に神姫の心を踏みにじるような研究をしてきたのではないか? 「・・・そんなわけでね。僕も武装神姫の計画が軌道に乗るころには、あの研究所を辞して、今の職に就く道へと進んだんだ。 ま、この後の話は本当の昔話に過ぎないから割愛するけどね。 みんなにいろいろ言われるけど、神姫をいまだに持たない理由もそこなんだよ。」 自らの手元のグラスにバーボンを注ぎ一口あおり、マスターは久遠とエルガを見つめた。 かかっていたCDが終わり、しばしの静寂- 。 ・・・>続く・・・>・・・ <その24 へ戻る< >その26 へ進む> <<トップ へ戻る<<
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2月14日の武装神姫-01 それは、去年のこと・・・。 「いってらっしゃいなのにゃー」 珍しく早起きしていた猫子・エルガに見送られ、久遠は出勤。 「さーて。ヌシさん、出かけたな?」 久遠が出かけたのを確認し、リゼと、シンメイが顔を出した。 「あ、シンメイ〜。イオを起こしてきてよぉ。」 「え・・・まだ寝てるの?」 「うにゃ。」 「全く・・・こういう日に限って低電圧発症するなんて。。。」 ブツブツ言いながら、イオの寝床へ向かうシンメイ。 「それじゃ、準備にかかりますか。」 いつの間にか、リアアームを装着してきたリゼが。一方のエルガもエプロン スタイルとなっている。 「今日はヌシさんサイズの調理だかんねー。 エルガ、仕切役よろしく〜。」 「にゃっはー!任せるのダ!」 と、シンメイが、 「はぁ・・・ダメでした。。。」 黄色い狐型の装備(後に工臨壱型と名付けられるアレ)を整え、げっそりと して戻ってきた。どうやらイオは起きなかった模様。 「ハリセンで叩いてもダメだったか?」 「それで起きれば苦労しませんよ、リゼ。。。ファンビーでひっぱたいても 起きなかったんですもの。」 ・・・ため息を付く3人。 イオの寝起きの悪さは折り紙付きであるので、 諦めて3人で作業にかかることに。。。 「まずは、ブロックチョコレートを砕くの。」 ずるずると、どこからかブロックチョコレートを引きずり出すエルガ。 「・・・どうやるんだよ。」 「リゼがまず砕くのだ。 それをにゃーがみじん切りにするのダ。」 「なるほどね。 それでは・・・」 リゼがリアアームをふりかざしたところで、 「にゃー!! 待つの! 汚れないようにテーブルにラップを敷くのだ!」 と、エルガ絶叫。 「エルガ・・・案外マメなんですね・・・。」 ちょっと驚いたように、ラップを敷く作業をエルガと共に手伝う。ラップを 敷き終えたところで、改めて作業開始。 リゼが大まかに砕いたブロックを、エルガがヤンチャオでさらに細かく切り、 シンメイがドサドサとステンレスボウルへ放り込む。あっという間にチョコ ブロックは粉砕された。 「つぎは熱湯ぶろ〜。」 「ちがうでしょ。湯煎っていうの。」 シンメイが突っ込む。 「にゃーん。 ちょっと間違えただけなの。」 イオのフライトユニットを拝借して、湯沸かし器を操作するエルガ。 「・・・ちょっと・・・か?」 苦笑いをしながら、リゼが大きめのボウル・・・というより洗面器にお湯を 受ける。そこへ、シンメイが先のステンレスボウルをゆっくりと下ろす。 「ここからは・・・エルガのお仕事ですよ。」 「はいにゃー!」 リゼとシンメイが押さえるボウル、その中で徐々に溶けるチョコレート。 冷蔵庫からコーヒーミルクとバニラエッセンスを取りだしてきたエルガは、 様子を見ながらそれぞれ投入、手早くしゃもじで混和する。 「お前、上手いな。」 感心したようにリゼが呟いた。 「うにゃ? 料理は愛情って、いつもにゃーさんが言ってるの。 だから、 教えてもらってるにゃーも、愛情込めるのにゃ。 だから上手なの。」 「上手、って自分で言うことではないでしょ。 ほらほら、あとは私が押さ えていますから、あなた達は型の準備をしてはいかがです?」 「はーい。」 シンメイにボウルを任せ、2人はガラガラと型の準備をする。 ついでに、 トッピング用に久遠の好きなアーモンドや、きれいなマーブルチョコなども 並べる。食べたそうにするリゼを小突きつつ、ボウルの元へ戻ってきた2人。 「並べたの。」 「小物も準備完了だよ。」 「それじゃぁ・・・運びますか。エルガ、ワイヤーは大丈夫? リゼも耐熱 カバー付けた?」 珍しく拳狼を装備したシンメイ。 ・・・フライトユニットを着けたエルガ がワイヤーを用いて吊り上げる。 それを下でサポートするリゼとシンメイ。 ゆっくりとテーブルへ移動させ・・・シンメイが慎重に位置を指示する。 「エルガ、もうちょっと右!」 「ここかにゃ?」 「そうですね、この辺でいいでしょうか。。。」 「それじゃぁ、流すよー。 引っ張るから、リゼ、よろしくなの。」 「ほいきた。」 2本かけたワイヤーの一本を引き上げ、ボウルを傾ける。後の部分をリゼが 補助で持ち上げ、湯口はシンメイが見張る。 見事な連携プレー。。。 ・・・>2月14日の武装神姫-02へ続くっ!!>・・・ <トップ へ戻る<
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登録日:2012/09/14 (金) 20 41 08 更新日:2020/12/19 Sat 23 09 53 所要時間:約 5 分で読めます ▽タグ一覧 KONAMI LOST DAYS ガガガ文庫 ライトノベル 小学館 新井テル子 最後辺りは泣ける 武装神姫 睦凡鳥 秋谷有紀絵 美少女×メカ×ハードボイルド 魚谷響子 もしも神姫を悪用しようと企む者がいれば、俺が捕まえる。 どこかで彼女たちが傷つけられているのなら、俺が助ける。 そうしていつか、君たちが悲しまなくていい世界を作る。 武装神姫はコナミが展開しているフィギュアシリーズ『武装神姫』を原作としガガガ文庫より出版されたライトノベル。 著 睦凡鳥 イラスト 一巻 秋谷有紀絵 魚谷響子 二巻・三巻 新井テル子 。 PSP用ソフト『武装神姫BATTLE MASTERS』の前日譚となっており、同ゲームの登場人物、神宮司八郎が主役を務めるほか、ゲーム版のライドシステムも活用する場面も。 1巻 LOST DAYSあらすじ 西暦2039年――。ひとりの男が事故死した。事件の担当刑事・神宮司八郎の前に現れたのは“神姫”と呼ばれる全長15cmの少女型ロボット。死んだ男のパートナーだったと主張する彼女、メイリーとともに、事件の裏に隠された真相を求めて捜査を開始したものの、神宮司はメイリーのわがままに振り回されっぱなし。衝突を重ねながらも危険と謎を乗り越え、次第に信頼関係を築いていく二人だったが……。 2巻 STRAY DOGSあらすじ 神姫をボディーガードとして派遣する警備会社JOS。そこに所属する一体の傭兵神姫がある日、忽然と姿を消した。操作にあたった刑事、通称“神姫担当”の神宮司八郎は、早々に彼女の所在をつかむことに成功するが、この時すでに彼は危険な領域へと足を踏み入れてしまっていた……。 3巻 GHOST DIGSあらすじ 休暇を利用して、神姫のエキシビション大会へとやってきた神宮司八郎とその相棒神姫・アトラ。ところが、ここでもまた事件発生! 大会にエントリーしている神姫が何者かに襲われたのだ。襲撃者は『レッドシューズ』と呼ばれる正体不明の神姫。警察バッジも無しに事件の真相を追う神宮司たちの前に、同じ事件を捜査する警視庁の神姫捜査官・クリスタルが現れる……。 登場人物 人間 神宮司八郎 主人公の中年警部。 事故死した神崎十吾とは旧知の間柄。 ルール無視や怠けているかのような勤務態度から署内では浮いている。 神姫などのハイテクには弱い様子だが、子供の頃は人並みにゲームに親しんでいたらしい。 ゲームでは自らも神姫を所有し、アトラというアーンヴァルを連れている。 仕事を抜け出してゲームセンターでバトルしてるあたりどっぷりと神姫にはまり込んだようだ。 見た目や勤務態度からは想像できないが、実はかなり優秀な刑事。 そして、メイリーとの死別を経験してからは、神姫関連事件の専属捜査官として事件をどんどん解決していくようになる。 森永穂波 神宮司の部下。二十代半ばの若手。 よく留守番を食らうがデスクワークや情報収集など裏方として神宮司を支える。 柔道は段持ち。 かわいい。 バトマスにも登場。 三巻では彼女が何故神姫を手に入れたのかが鮮明に描かれている。 羽鳥小夜 事件の鍵を握る少女。14歳、ショートヘア。 神宮司から女哲学者さんと呼ばれたり、メイリーに似ているという感想を抱かれたり。 かわいい。 実はプラムネリーのマスター。 しかし、彼女もまた、神宮司程ではないがトラウマを抱えてしまうことになる。 栃夏樹 神宮司たちを襲った神姫の出荷元の設計技師。 実はコイツが黒幕。 銀城不二雄 銀聖会病院の院長。 神宮司と野球ゲームに興じる。 最終的に黒幕の手によって殺害されることになる……が。 滝崗学 二巻に登場。 かつて神宮司に刑事のイロハを叩き込んだ師匠のような存在。 警察を早期退職後、警備会社JOSに入社した。 神宮司同様正義感が強いが…… 実は二巻の黒幕。 神姫 メイリー 天使型MMSアーンヴァル。 神崎の神姫。マスターの死は事故ではなく他殺であると主張。 事件時の記憶が曖昧で覚えているのは『プラムネリー』という単語だけ。 行動を共にするうち、神宮司を認めてゆく。 第一巻のヒロイン。 実は神崎を殺害したのは彼女。 但し、殺害は彼女の本意ではなく、本作の黒幕に操られたからである。 最期は神宮司や救出した神姫達を助けて死亡する。 彼女の死は神宮司のトラウマとして、長い時間残り続けることになる。 が、同時に神宮司のこれからの行き方に大きな影響を与えていった。 プラムネリー 謎のストラーフ型。 神宮司に事件から手を引くよう警告して来る。 終盤、操られたメイリーによって射殺される。 アトラ 本作ラストにて神宮司の神姫となるアーンヴァルMk.Ⅱ。 黒幕によって操られた10人の神姫の内の一人で、終盤に神宮司を襲撃するも、メイリーの手で戦闘不能にされ、助けられる。 二巻以降は神宮司のパートナーとして活躍する傍ら、かつて彼のパートナーだったメイリーについて知ろうとする一面も。 シャロン 二巻に登場するJOSに所属するゼルノグラード型神姫。 要人警護任務に就いていたが、ある理由から失踪した。 彼女の失踪が神宮司を事件に誘うことになる。 アイコ 滝崗に従えるハウリン型神姫。 情報屋を自称する飄々とした性格だが、情報屋らしくちゃんと情報を提供したりする。 アニー 森永穂波の神姫となるアーンヴァルMk.Ⅱ。 かつて店の展示品で、処分されそうになっていた所を穂波が買い取った。 三巻ではある意外な活躍をすることになる。 本作を見ればわかるが、この小説は武装神姫バトルマスターズの前日談に当たる作品で、神宮司が使うライドオンギアのプロトタイプ、レールアクション、大会に出場するF1チャンプ、神姫を使った犯罪等、後のバトマスに繋がる設定が結構存在する。 また、本作ではある神姫の死が描かれており、その死に心打たれたマスター多数。 もしも武装神姫に興味を持ったマスターがいるのなら是非とも読んでもらいたいシリーズである。 そのときはwiki篭り。 君も追記修正してくれるだろう? △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 実は神姫を使った犯罪は2036でも示唆されていたという事実。もしも神姫が実際に存在したらこんなことに使われるんだっていう事を教えてくれるいい小説だと思う。後、もしも草薙素子がいたらメイリーに対してゴーストが宿っているって言いそう -- 名無しさん (2014-06-15 02 04 17) レーネそっくりなクリスタルについても記入頼みます、オナシャス -- 名無しさん (2014-06-15 02 25 13) これ読むとバトマスやるときに複雑な気持ちになる… -- 名無しさん (2014-10-30 13 42 42) ↑×3 確かに、2nd GIG終盤のタチコマ達の『手のひらを太陽に』に通じるものがある -- 名無しさん (2014-10-30 15 30 48) コレの新作いつまでも待ってます・・・・、ブキヤでリブートするし出てくれよ -- 名無しさん (2016-07-24 22 25 20) ↑4 この小説のクリスタルや、アニメのレーネは「アルトレーネ型」だから外見が似てるのは当然だぞ?それ言ったら別媒体のアルトレーネ型までいちいち「似てる」って表現することになる -- 名無しさん (2017-02-08 11 14 57) 3作揃って「善意の協力者」ポジが黒幕という -- 名無しさん (2020-04-29 20 35 40) 名前 コメント