約 16,373 件
https://w.atwiki.jp/aspurand1106/pages/69.html
46話 無垢とも言える欲求、それに晒された少女の末路 エリアG-3の市街地、とある民家の和室。 たった4時間で17人死亡。 その事実を放送で聞かされた時、成沢由枝は恐怖した。 ここまで殺し合いが進んでいるとは。 殺し合いに乗っている者は多いと言う事だろうか。 但し、由枝自身も殺し合いに乗っており、一人の参加者を殺害している。 禁止エリアについては、現在いる(と思われる)G-3エリアは指定されていないので、当面は動かなくても良いと由枝は判断した。 殺し合いには乗っているが、かと言って、積極的に動いて殺されてしまっては元も子も無い。 4時間で17人も死んでいるのだから、この調子なら次の放送までにはもっと人数が減るだろう。 そうすれば何も自分で何人も殺す必要は無くなる。 人数が少なくなると生き残りを探しても見つかりにくくなる弊害については由枝は考えが及ばない。 「お腹すいたな……」 少し空腹を感じたので、由枝はデイパックから食料を取り出し食べ始めた。 ◆◆◆ 放送後、エマヌエルは市街地を歩いていた。 そして、とある民家の前で足を止める。 それは、特に何の変哲も無い平屋の家屋だったが、違和感があった。 縁側のガラス戸が並ぶ場所、一番端だけ雨戸が引き出されている。 門を潜って、遠目に観察すると、雨戸の下に砕けたガラスが散らばっているのが見えた。 「……」 エマヌエルは考える。 端だけの雨戸、砕けたガラス。 これが意味するものは。 「よし」 エマヌエルは決断する。 ◆◆◆ 由枝が現在いる民家に侵入した方法は縁側のガラス戸、その右端のガラス戸を小さく割り、鍵を開けて侵入、である。 割った部分を隠すため、雨戸を引き出した。 だが、それは逆効果となって、由枝に悲劇をもたらす。 雨戸が乱暴にどけられ、ガラス戸が同じように乱暴に開かれた。 「!!」 突然の事に、和室で食事を取っていた由枝は狼狽する。 そして、紫色の竜人が、家の中に押し入ってくる。 「きゃあっ……!?」 「やっぱり人がいたか」 「あ、あっ」 「俺はエマヌエル……君の名前は?」 穏やかな様子でエマヌエルと名乗った紫竜は由枝に名前を尋ねる。 「ひいいっ!」 しかし、気が動転した由枝は傍にあった自分の金槌をエマヌエルに向けて投げ付けた。 「いてっ……酷い事するな」 多少の痛みはあれど、エマヌエルはびくともしない。 由枝の元まで一気に近づき、彼女の頬にきつい平手打ちを喰らわせる。 竜族の平手打ちはもはや掌底と言ってよく、衝撃で由枝は軽い脳震盪となり意識が揺らいだ。 「う……う」 「名前は?」 「な……なるさわ……ゆえ」 「ユエ……か……」 名前を聞き出したエマヌエル。 かと言って助けるつもりなどなく無論殺すつもりだったが、 すぐにはそうせずしばらく由枝の身体を見詰める。 「……」 エマヌエルもオスである。 女体を見れば劣情がわくし、興奮もする。 つい最近、精通したばかりの、性体験もほとんど無い彼にとって、目の前の少女は興奮する材料には最適過ぎた。 「……ユエ」 「え?」 「俺の言う事を聞け。じゃないと殺す」 「……な、何?」 次の瞬間、由枝は思考が停止する。 紫竜の股間のスリットから生える、赤黒い肉の槍を見てしまったから。 「い、や、ああぁあ……!!」 少女は、紫竜に蹂躙される。 …… …… エマヌエルは思う存分少女の身体を味わい、満足した。 少女――由枝は衣服を引き裂かれて全裸にされ、全身は涎塗れ、 秘部は純潔を失った証である血と、紫竜の注ぎ込んだ種液で汚れきってしまっていた。 その両目は光を失い、涙が流れていた。 「交尾って、気持ち良いなぁ」 由枝とは全く正反対の清々しい表情を浮かべるエマヌエル。 初めての交合で得た快楽は彼が普段行っている自家発電よりも遥かに大きかった。 「……気持ち良かったよ、ユエ」 「うっ……うっ」 「でも、さようならだ」 「えっ……? い、いやあ、いやだあああっ……やめてっ、やめ、ギェ、が、ア゛」 紫竜が少女の細い首に食らいつき、万力の如く締め上げた。 程なく鈍い音がして、由枝の身体は脱力し、動かなくなった。 股間からアンモニア臭い液体がじょろろっと流れ出し畳を汚す。 エマヌエルが少女の首から口を放すと糸の切れた操り人形のように由枝の身体は床に倒れた。 「……」 死体となった由枝の身体を見詰めるエマヌエル。 顔色が悪くなり顔がありえない方向を向いている事以外は、まだ温もりもあり瑞々しい身体のまま。 何度も射精したはずの彼のモノは今再び大きくなっていく。 「もう一回……」 快楽が忘れられないのか、エマヌエルは息絶えた少女のそこに再び自分のモノを挿入した。 「おうっ……」 流石にもう締まりは弱くなったが、まだ温かく、十分に快感を感じられた。 「ああっ……ああ……はぁ、はぁ」 恍惚とした表情を浮かべ涎を垂らし、紫竜は少女の死体に向けて腰を動かし続けた。 【成沢由枝 死亡】 【残り23人】 【G-3/市街地/午前】 【エマヌエル】 [状態]後頭部にダメージ、疲労(中)、両手血塗れ、快楽、成沢由枝の死体を犯している [装備]無し [持物]基本支給品一式(水少量消費)、???、ステーキナイフ、三*矢サイダー(3) [思考] 基本:皆殺し。 1:ユエ(成沢由枝)の身体をもう少し味わう。 [備考] ※鐘上真生の容姿のみ記憶しました。 045:初体験(殺害的な意味で) 目次順 047:ひとりぼっちだと色々考えてしまう 030:三人の修羅 エマヌエル 056:血霧の向こう 030:三人の修羅 成沢由枝 死亡
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/43096.html
SNS a.k.a. しょうにんよっきゅう【登録タグ S VY1 rulu 曲】 作詞:rulu 作曲:rulu 編曲:rulu 唄:VY1 曲紹介 「 正直ものほど馬鹿を魅る───。」 rulu氏のVOCALOID曲5作目。 Movie:いか Synth:平田義久 歌詞 (PIAPROより転載) 上澄みを掬ったみたいな言霊 犯される 奇天烈な白痴みたいな掃き溜め お邪魔します つじつま合わせ必死だって 本当は中身空っぽだって 等身大はどこだっけ?見栄を張る生き物だって 確か嘘も方便って 偉い人が言ってたっけ? 100回つけば本当だっけ?同じ穴の狢だって? 他人の不幸で飯が旨いお ノンフィクションタイムライン ワンクリックパンチライン 予防線で首を掻き切れ ノンフィクションタイムライン ワンクリックパンチライン 嘘か真か ジンロウゲーム「正直ものほど馬鹿を魅る」 誰かのオマージュみたいなフェイクで溢れてる 醜いおざなりなジェンガ 滑稽 そびえ立つ 演じることに必死だって 褌借りて相撲とって 気に入らなきゃマウントとって 騙されるほうが馬鹿だって 教祖気取ってまた凹凸って 本当はとても弱くって でも優越感に浸りたくて 可愛いあたしにいいねをつけて ノンフィクションタイムライン ワンクリックパンチライン 金の成る木は手のなるほうへ ノンフィクションタイムライン ワンクリックパンチライン 今日も優勝 推しが尊い ノンフィクションタイムライン ワンクリックパンチライン ブーメランで首を掻き切れ ノンフィクションタイムライン ワンクリックパンチライン 反面教師で今日も安泰「正直ものほど馬鹿を魅る」 コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/llnj_ss/pages/422.html
元スレURL せつ菜「エマさん彼方さん果林さんの三人で三大欲求トリオというのはどうでしょう!?」果林「なっ……!」 概要 エロから逃げるな タグ ^朝香果林 ^優木せつ菜 ^高咲侑 ^近江彼方 ^エマ・ヴェルデ ^短編 ^コメディ 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/syogosuzuki/pages/167.html
このツイートをRT 616 :名無し草:2012/05/10(木) 00 06 29.43 nuit_skk 「好きな芸能人は?」と聞かれて「鈴木勝吾」と言う勇気がない。 最近は「松坂桃李」と言ってみるがわかったりわからなかったり。 いつかお前を高みに上げてやりてぇよ!とは思うが、この手の届く範囲にもいて欲しい。 ファンこじらせ系女子の3分の1の純情な感情。 878 :名無し草:2012/05/15(火) 17 33 35.30 @hirataco やっぱまめに雑誌のアンケート出さなきゃダメだな桃李ファン見倣ってorz と一念発起(←大袈裟)して二枚書いてみたけど年齢欄で手が震えるへたれは私です。 おはようございます。 2012/05/14 08 45 53 女連れで薄ミュ共演の年下俳優さん達との食事目撃情報をツイートされた後のツイート 47 :名無し草:2012/05/17(木) 19 12 25.55 @hirataco 知らなくてよいことも、知らないほうがよいことも世の中にはたくさんあるよ。 知ってしまっても速やかに忘れるしかない! 何回も反芻して長期記憶に移行させる前に消去! 2012/05/17 07 48 44 あんまり晒して鍵掛けられるのも困るけど 何の事についてなのか知らないけどタイミング的にねえw 欲求不満全開 802 :名無し草:2012/06/02(土) 17 43 21.66 キモいよ平蛸たん・・・ @hirataco てゆーか今は子宮けい癌健診だけだからあっとゆー間に終わるの。しょうご、って言う間もないの。昔体がん健診もあったときはずどんと衝かれて(以下自主規制)3日前 846 :名無し草:2012/06/03(日) 16 18 41.68 平蛸は可愛げないのがいらつくんだよね 40まで結婚できないのがわかる まさかのエア友疑惑 857 :名無し草:2012/06/03(日) 22 21 54.89 平蛸たんは気前だけはいいよね 松坂ヲタに付き合ってイベントはあたりまえ、ロケ地回ったり出身校見に行ったりしてるんだからさ でも平蛸友は鈴木関連舞台もイベントも、ココアもスルー 毎回平蛸たん一人参加 その友人とやらに何か弱みでも握られてるのか よっぽど暇で金が有り余ってるのか なんなんだこの関係 858 :名無し草:2012/06/03(日) 22 50 25.20 平蛸たんの松坂ヲタ友はネットやんないんだろうね 普段松坂ヲタ友とどんな会話してるのか知らんが 友達が自分の好きなタレントの悪口書きまくってたら引くわ その友達も鈴木の悪口言いまくってるのかも知れないけどあの性格じゃ黙って聞いてるわけないもんな 一体二人でどんな会話してんだろ 861 :名無し草:2012/06/03(日) 23 21 43.92 その友人とやら、本当に実在してるのかしらね・・・ 862 :名無し草:2012/06/03(日) 23 32 25.59 エアーかよw エアーギターリストのヲタだけにw まあネット上なんていくらでも嘘つけるし フェイスブックならともかく 単に腐なだけな気がするけどね 相葉嫌いみたいだしw 891 :名無し草:2012/06/04(月) 00 10 08.18 まあ平蛸のツイ見て親しく絡もうなんて奇特なのはなかなかいないよ 良く絡んでる厨はそっちのけ隊のチュプ一人だしね 892 :名無し草:2012/06/04(月) 00 11 12.72 エア友達wの可能性も捨てきれないがもし実在するなら 平蛸たんのお友達は付き合ってもらってるからってことで 相当我慢してるんじゃないかw ロケ地とか出身校とか観光地でもない場所をいい年した女が一人で うろついてたら痛いwっていうか通報レベルで恐いからねwww 2人になったところで痛いことに変わりはないがw 350 :名無し草:2012/06/13(水) 20 35 26.25 もしかして平蛸たんの名前は「ヒラタ」から取ったのかな? 351 :名無し草:2012/06/13(水) 20 53 43.60 えw普通にそうだと思ってたww
https://w.atwiki.jp/insane_tja/pages/683.html
曲Data Lv BPM TOTAL NOTES 平均密度 ★8 180-180 705 8.15Notes/s 譜面構成・攻略 譜面画像
https://w.atwiki.jp/originalwitch/pages/673.html
登場人物 七条 小窓(ななじょう こまど) 「………」 ベッドの上から、見慣れた光景を眺める。 病室の中は変化と言うモノがほぼ無に等しく、それを見ていると気が滅入るから。 外の光景ならば、多少の変化を期待出来るから。 コンコン 病室のドアがノックされる。 「入っていいよ」 外の景色を眺めながら、ノックに応対する。 応対に答える形で、病室のドアが開けられた。 「やっほ、小窓。元気してる?」 コンビニの袋を自身の顔と同じ高さに上げて、ニッコリと笑う少女がいた。 彼女の名前は朱鷺奈凛華(ときな りんか)。 病弱なわたしに出来た、唯一の友達にして親友だ。 「あはは、こうして病院にいるのに元気もないよ、凛華ちゃん」 「まぁ、それもそっか。ハイ、これ差し入れ」 そうして、手に持っていたコンビニの袋を渡してくる。 中身も、いつもと同じ。 ありふれた、どこにでも売っているような二つパックのゼリーだ。 「いつもありがと、凛華ちゃん」 「なぁにを言ってるかねぇ小窓ちゃんは。あたしがやりたいからやってるだけ!お礼なんていらないいらない!」 屈託ない笑顔を浮かべながら、そう言ってくれる。 「今日はどっちを御所望ですかな、小窓さんや?」 「今日は、オレンジの気分かな」 「ん。はい、どーぞ」 ビリっと小気味のいい音を立てて、ツインになっている部分を綺麗に切り分けた。 「そんじゃあたしはアップルですな。……ん、おいしい!」 凛華ちゃんの後に続いて、わたしもゼリーに口を付ける。 ………うん、いつもの味だ。 当然と言えば当然なのだが、変化の無いことに少々うんざりすらしてしまう。 「………」 もそもそとゼリーを食べながら、再び視線を外に移す。 もしかしたら、こんないつも通りの日常になにかしらの変化があるんじゃないかと、ありもしない期待を込めて。 「……小窓?」 「! ん、なに、凛華ちゃん?」 「何よ、ボーっと外なんか見ちゃって?」 「……………色々と、ね」 わたしは、いつまでもこのままなのだろうか。 そんな、漠然とした不安がわたしの心を責め立てる。 「あんまり思い詰めなさんなって。また来月には、退院出来る手はずなんでしょ?」 「……そのまた来月には、きっとまたわたしはここにいるよ」 心の奥にしまっていたはずの弱音が、不意に漏れ出る。 「な、何言ってんのよ!大丈夫だって、ね?あたしが側にいるから」 「ありがとう、凛華ちゃん……」 でも。もう、なんとなくわかってるんだ。 きっと、これがわたしの運命。 見慣れたこの病室のベッドの上で、きっとわたしは短い生を終えるんだ。 凛華ちゃんは、いつもと同じ時間に帰って行った。 こんな日常を、凛華ちゃんはどう思ってるのかな。 わたしのお見舞いになんか来て、退屈、してないかな……。 「……わたしが、せめて普通の人と同じ生活が出来るようになれればいいんだけどな……」 凛華ちゃんが出て行った扉を見ながら。 ぽつりと。 そんなワガママを言葉にしてしまった自分がいることに驚いた。 「っ……あはは、何言ってるんだろうわたし。そんなこと、無理に決まってるのに……」 「無理では、ないよ」 「っ!?」 不意に、背後から声がした。 慌てて、後ろを振り向く。 「やあ、こんにちは」 「だ、誰……?」 そこにいたのは。 白い小柄な獣の姿をした何かだった。 「自己紹介が遅れたね。僕の名前はキュゥべえ」 「キュゥべえ……?」 「こうして僕がここに来たのは、キミにお願いがあるからなんだ」 「わたしに、お願い……?」 唐突に姿を現したその小さな獣―――キュゥべえと名乗った生物は。 「僕と契約して、魔法少女になって欲しいんだ!」 わたしに、そんなことをお願いして来たのだった。 「魔法少女……?」 その後、わたしはキュゥべえから色々なことを教えてもらった。 キュゥべえは、素質を持った子と契約をして、魔法少女を生み出すこと。 魔法少女となった者は、魔女と戦う運命を課せられること。 契約の際、どんな願いでも叶えてくれるということ。 「どうかな?悪くない条件だと思うんだけど」 「わたしは……」 返事は、決まっていた。 「―――契約、成立だね」 「こっ、小窓!?」 「おはよう、凛華ちゃん」 教室のドアを開けると、凛華ちゃんが真っ先にわたしの顔を見て驚いた声を上げる。 そりゃ、無理もないよね。 つい一昨日までは、わたしは病院にいたんだし。 「退院出来たんだ!?」 「うん。もう、入院することもないよ」 「本当!?おめでとう、小窓!」 「ありがとう、凛華ちゃん」 凛華ちゃんに続いて、クラスメイトの何人かも声をかけてくる。 その人たちとも、わたしは挨拶をする。 (ああ、これがわたしの欲しかった日常なんだ) 今は、なにもかもが光り輝いて見える。 魔女と戦うことなんて、今のわたしには何の苦でもなかった。 今はもう使われていない廃駅。その駅長室に、魔女の結界があった。 「覚悟はいいかい、小窓?」 「うん……大丈夫、うまくやってみせるよ」 ソウルジェムを胸の前で掲げ、魔法少女姿に変身する。 「……わぁ、ワンピースだ」 魔法少女のわたしの姿は、オレンジを基調とした、白の水玉模様の入ったワンピース服だった。 ソウルジェムは、胸部に丸い形となって収まっている。 そして手には小さなナイフ。 「……よしっ……行こう!」 右手に力強く握りしめたナイフを、横一線に薙ぐ。 魔女の結界が、その入り口を開いた。 結界の中は、酷く静かだった。 夜のような闇に、星の瞬きが無数に存在する結界。 「油断はしない方がいい。どこから使い魔が襲ってくるかわかったものじゃないからね」 「うん……」 慎重に、結界の中を進んでいく。 キュゥべえの言葉とは裏腹に、使い魔などただの一体も姿は現さなかった。 そのまま、結界の最深部らしきところまで辿りついてしまった。 「ここが、最深部……で、いいのかな」 相変わらず、周囲には何もない。 闇の中に、無数の瞬きが存在するだけ。 最深部の、最奥。そこに、魔女と思われる「何か」がいた。 givone 「あれが魔女だ。油断しないで、小窓!」 「わかってる……!」 足に力を込め、あるのかもわからない地を蹴って急接近する。 魔女がこちらに気付いたのか、自身の体の一部を砕いてその破片を飛ばしてくる。 「っ……と……!!」 冷静にその全てを見極め、破片の全てをナイフで切り落とす。 その間も、駆ける足は止めない。 やがて、魔女を射程圏内に捉える。 「くらえっ……!」 ナイフを両手で持ち直し、渾身の力を以てして振り下ろす。 それは、魔女の体に浅い傷を付けるだけだった。 「………!!」 攻撃を受けた魔女は、急に禍々しい気を纏い始めた。 「まずい、小窓!!離れるんだ!!」 「でも、離れたらまた攻撃出来なくなる……っ!!」 離れたらダメだ。わたしの射程圏内に、留まるんだ……!! 意識を周囲に集中させ、魔女の禍々しい気を全身に感じ取る。 と、少しずつ、少しずつ禍々しい気が分散していってるような気がした。 いや、分散ではない。 わたし自身の、力になってる……!? 「これなら……!!」 周囲に集中させていた意識を、再び右手に握ったナイフに移す。 「わたしは……っ、生きるんだ!!!」 そんな決意の言葉と共に、ナイフを突き立てた。 ピシリ。 硬い外殻に、亀裂が入った。 「あああぁぁぁぁっっ……!!」 先程確かに感じた力を、全て流しこむようなイメージを頭に浮かべる。 亀裂が、更に広がって行く。 「っ……!」 集めた力の全てを流し込んだと思ったわたしは、跳躍してその場を離れる。 魔女の卵のような体が、爆ぜた。 それと同時に、結界も崩れて行く。 「やるじゃないか、小窓!」 「わたし……勝ったんだ……!」 達成感が、心の中にじんわりと広がる。 やった……やったっ……!! 「嬉しいっ……!」 コツン、と。 わたしの足に、何かがぶつかった。 それは、先程の魔女が落としたグリーフシードだった。 それからのわたしは、正に有頂天と言うのが正しかった。 学校では、大好きな凛華ちゃんと過ごすことが出来るし。 夜の魔女退治も、だんだんと楽しくさえなってきていた。 なにより、健康な体が手に入ったという事実が一番嬉しかったのだ。 でも、そんなわたしの新しい日常は。 唐突に、壊されることとなる。 「それでさ、その時……」 「っ! 小窓、危ない!!」 「えっ……」 グラウンドの方から飛んで来たのだろう。 野球のボールが、わたしの右腕目掛け飛んできていた。 「きゃっ……―――」 直撃と、ほぼ同時。 わたしの意識は、急に暗転した。 「―――……ぅん……?」 「小窓っ!?気が付いた!?」 気が付くと、わたしはベッドの上にいた。 見慣れた病室―――ではない。学校の、保健室だ。 「心配したよぉっ……よかった、無事でっ……!!」 「凛華ちゃん……?」 何が起こったのか、全く覚えていない。 「わたし……どうしたの……?」 凛華ちゃんは、何が起こったのかを一から全部話してくれた。 わたしの指輪―――変形させていたソウルジェム―――が、飛んできた野球ボールと一緒に弾き飛ばされたこと。 それと同時に、糸の切れた人形のように倒れ伏したわたしのこと。 気がつかないわたしのところに、その野球ボールを飛ばした張本人が指輪を持ってきてくれたこと。 それをわたしの手に戻した瞬間に、わたしの意識が戻ったこと。 「どこか痛いところ、ない?大丈夫?」 「う、うん……大丈夫」 「それならよかったけど……」 「ごめん、凛華ちゃん……ちょっと、一人になりたいから……先に、帰っててくれないかな……?」 「? それはいいけど……ホントに大丈夫?」 「わたしなら、平気だから……」 凛華ちゃんの顔には相変わらず疑問符が浮かんでいたが。 何度か確認を取ると、凛華ちゃんは先に帰って行った。 「…………キュゥべえ。いるんなら姿を見せて」 「なんだい、小窓?」 保健室の窓際。そこに、キュゥべえが姿を現していた。 わたしは、キュゥべえに疑問の数々をぶつけた。 それに対し、キュゥべえは全て正直に答えてくれた。 「………じゃ、あ、わたし……は……?」 「なにを驚いているんだい?」 魔法少女の魂。 肉体は、単なる外付けのハードウェアに過ぎない。 それじゃあ、わたしのこの健康な体も……ただの、端末のひとつに過ぎないっていうこと……………? 「………………」 「用がないんなら、僕はもう行くよ?新しい魔法少女候補を探さなきゃいけないからね」 わたしは、それに返事をすることはなかった。 いつの間にか、キュゥべえも姿を消していた。 (………わたしが願ったこと……なんだったっけ………) 目的も何もかもが、闇に葬られた気がした。 わたしが祈ったこと。 健康な体が欲しい。 確かに、それは手に入ったかもしれない。 でも、でもそれは。 (……ただの、端末のひとつになり下がっちゃってるんだ………) ああ、なんだろう。 この、心の底から滲みだしてくるような感情は。 後悔?諦観? もう、どうでもよくなった。 (……………) わたし、どこで間違ったのかな。 ううん、きっとわたしは何一つ間違ってなんかいない。 わたしは悪くない。 それじゃ、きっと他の誰かが悪いんだ。 だって、わたしは、その祈りの対価として、魔女からこの街を守ってるんだ。 それ以上も、以下も、あってはならない。 「わたしは……わたしは間違ってない。誰だ……誰が悪いんだ……」 ぼそぼそと呟きながら、ゆっくりベッドから起き上がる。 そのままフラフラと、当てもなくわたしは学校の外へ出た。 そうしてやって来たのは、わたしが初めて魔女退治をした廃駅。 「……………」 ふと、指輪の状態にしていたソウルジェムを宝石型に戻す。 どす黒くなっていた。いや、最早ソウルジェムですらない。 それは……―――グリーフシードだ。 「これも、きっとわたしは悪くない」 そうだよ、わたしは悪くない。 なら、悪い誰かに八つ当たりしなくっちゃ………。 「あはははは………」 最期の瞬間、わたしの口から漏れたものは。 自分でも驚く様な、冷たい笑い声だった………―――
https://w.atwiki.jp/animeyoutube/pages/1038.html
【 YouTubeアニメ無料動画@Wiki >生徒会役員共>生徒会役員共 第5話「お尻、大変でしょ?/欲求不満なだけだ!/私もパンをくわえて登校しなきゃ!」】 生徒会役員共 第5話「お尻、大変でしょ?/欲求不満なだけだ!/私もパンをくわえて登校しなきゃ!」 YouTube , ニコニコ動画 ,veoh,MEGAで 無料 で見れる生徒会役員共 第5話「お尻、大変でしょ?/欲求不満なだけだ!/私もパンをくわえて登校しなきゃ!」の アニメ 動画 を紹介。 更新状況 更新履歴を必要最低限にわかりやすくまとめたものです。 【広告】あの部長のドメインが、ワタシのより可愛いなんて・・・・。 【最新】ぬらりひょんの孫:アニメ動画3本追加しました!(9/23) 【今更】刀語:アニメ最新話追加しました!(9/23) 【最新】けいおん!!:アニメ動画3本追加しました!(9/23) 【最新】屍鬼:アニメ動画2本追加しました!(9/23) 【最新】ストライクウィッチーズ2:アニメ動画3本追加しました!(9/23) 【ソノ他】動画ページ上部に「お知らせ」を追加しました!(9/23) 【過去】とらドラ!:アニメ動画10本追加しました!(9/5) 【最新】生徒会役員共:アニメ最新話追加しました!(9/5) 【最新】屍鬼:アニメ最新話追加しました!(9/5) 【最新】黒執事II:アニメ最新話追加しました!(9/5) 【最新】伝説の勇者の伝説:アニメ最新話追加しました!(9/5) 【最新】オオカミさんと七人の仲間たち:アニメ最新話追加しました!(9/5) 【最新】ストライクウィッチーズ2:アニメ最新話追加しました!(9/5) 【最新】けいおん!!:アニメ最新話追加しました!(9/3) 【最新】ぬらりひょんの孫:アニメ最新話追加しました!(9/3) 【最新】世紀末オカルト学院:アニメ最新話追加しました!(9/3) 【最新】学園黙示録:アニメ最新話追加しました!(9/2) 【最新】みつどもえ:アニメ最新話追加しました!(8/30) 【最新】生徒会役員共:アニメ最新話追加しました!(8/30) 【最新】屍鬼:アニメ最新話追加しました!(8/28) 【最新】黒執事II:アニメ最新話追加しました!(8/28) 【最新】伝説の勇者の伝説:アニメ最新話追加しました!(8/28) 【最新】オオカミさんと七人の仲間たち:アニメ最新話追加しました!(8/28) 【最新】ストライクウィッチーズ2:アニメ最新話追加しました!(8/26) 【最新】けいおん!!:アニメ最新話追加しました!(8/25) 【最新】殿といっしょ:アニメ動画3本追加しました!(8/25) 【最新】ぬらりひょんの孫:アニメ最新話追加しました!(8/25) 【最新】世紀末オカルト学院:アニメ最新話追加しました!(8/25) 【最新】学園黙示録:アニメ最新話追加しました!(8/25) 【最新】生徒会役員共:アニメ最新話追加しました!(8/25) 【最新】みつどもえ:アニメ最新話追加しました!(8/25) 【最新】屍鬼:アニメ最新話追加しました!(8/21) 【最新】黒執事II:アニメ最新話追加しました!(8/21) 【最新】伝説の勇者の伝説:アニメ最新話追加しました!(8/21) 【最新】オオカミさんと七人の仲間たち:アニメ最新話追加しました!(8/21) 【最新】ストライクウィッチーズ2:アニメ最新話追加しました!(8/21) 【最新】けいおん!!:アニメ最新話追加しました!(8/18) 【最新】ぬらりひょんの孫:アニメ最新話追加しました!(8/18) 【最新】世紀末オカルト学院:アニメ最新話追加しました!(8/18) 【最新】学園黙示録:アニメ最新話追加しました!(8/18) 【修正】デュラララ!!:第7話を視聴可能な動画に更新しました!(8/16) 【今更】刀語:アニメ最新話追加しました!(8/16) 【最新】生徒会役員共:アニメ最新話追加しました!(8/15) 【最新】みつどもえ:アニメ最新話追加しました!(8/14) 【過去】とらドラ!:アニメ動画5本追加しました!(8/14) 【最新】屍鬼:アニメ最新話追加しました!(8/14) 【最新】黒執事II:アニメ最新話追加しました!(8/14) 【最新】伝説の勇者の伝説:アニメ最新話追加しました!(8/14) 【最新】オオカミさんと七人の仲間たち:アニメ最新話追加しました!(8/14) 【最新】ストライクウィッチーズ2:アニメ最新話追加しました!(8/12) 【ソノ他】70万ヒット達成!ありがとうございますヽ(´∀`)ノ(8/11) 【最新】けいおん!!:アニメ最新話追加しました!(8/11) 【過去】とらドラ!:アニメ動画10本追加しました!(8/11) 【最新】ぬらりひょんの孫:アニメ最新話追加しました!(8/10) 【最新】世紀末オカルト学院:アニメ最新話追加しました!(8/10) 【最新】学園黙示録:アニメ最新話追加しました!(8/10) 【関連】殿といっしょ:MAD動画等7本追加しました!(8/10) 【最新】殿といっしょ:アニメ動画2本追加しました!(8/10) 【過去】こばと。:アニメ動画全話追加し終えました!(8/9) 【最新】生徒会役員共:アニメ最新話追加しました!(8/8) 【最新】みつどもえ:アニメ最新話追加しました!(8/8) 【最新】屍鬼:アニメ最新話追加しました!(8/7) 【最新】黒執事II:アニメ最新話追加しました!(8/7) 【最新】伝説の勇者の伝説:アニメ最新話追加しました!(8/7) 【最新】オオカミさんと七人の仲間たち:アニメ最新話追加しました!(8/7) 【最新】ストライクウィッチーズ2:アニメ最新話追加しました!(8/7) 【最新】けいおん!!:アニメ最新話追加しました!(8/6) 【最新】ぬらりひょんの孫:アニメ最新話追加しました!(8/3) 【最新】世紀末オカルト学院:アニメ最新話追加しました!(8/3) 【最新】学園黙示録:アニメ最新話追加しました!(8/3) お知らせ↓追加しました!(9/23) 最近、更新が停滞していて本当にごめんなさい。管理人の都合で、またしばらくサイトの更新ができなくなります。えっと、都合というのはちょっとした国家試験なんです。もっと早く勉強を始めていれば・・・と後悔が募るばかりですが、この度、生まれて初めて(!)本気を出そうと思います。もうすでに遅いような気もしますが、ネットするのを我慢して、自分なりに頑張ってみようと思ってます。たまに更新することもあるかもしれませんが、その時は勉強サボってるなあと思ってください(^^;) 更新は10月下旬頃に再開する予定です。怠け者でダメ人間な管理人ですが、これからも生温かい目で見守ってくれるとうれしいです(*´□`*)♪ ※実はこっそり隠れてツイッターもやっています。あまり見られたくないですが、もし見つけたらリプくれると喜びます! 当サイトについて 動画は最近放送されたアニメを中心に( ´∀`)マターリ紹介しています。管理人の気まぐれや人気記事ランキング、リクエストなどを参照して過去のアニメも更新してます。最近はニコ動などのMAD動画やYouTubeなどにあるOP&EDもバリバリ更新!事前に動画共有サイトから埋め込みタグを取得しているので、他サイトに移動する必要はありません。再生マークをポチっとするだけでOK.゚(*´∀`)b゚+.゚ veoh アニメ動画専用。再生マークを一回押したら見れます。削除されている場合も結構あります。30分以上だと5分間しか見れませんが、ほとんどのアニメは30分以内なので全部見れます。→ Ranking MEGA アニメ動画専用。再生マーク赤をポチっとしたら、広告といっしょにもう一度表示されるので、再生マーク緑をクリックすると再生できます。あまり削除されません。72分間連続視聴すると動画が見れなくなりますので、その場合は54分空けてから見て下さい。また通常は1日に10本までしか見れません。→ Ranking YouTube アニメ動画やMAD動画など。再生マークを一回押したら見れます。アニメ動画の場合は削除されることが多々あります。MAD動画の場合はなるべくコメント付きのニコニコ動画で見ることをお勧めします。YouTubeだけで紹介(そんな時期がありました…)しているアニメ動画のページは、かなり削除済み多数です(*_ _)人ゴメンナサイ。全部はとても対応できそうにないので、どうしても見たい動画は【リクエスト】してください。→ Ranking ニコニコ動画 MAD動画など。再生マークを一回押したら見れます。削除されている場合もたまにあります。通常は登録しないと見れませんが、埋め込みなのでログイン不要です。コメントに慣れてない人は右下の吹き出しマークをクリックして非表示にしてみてください。広告は×を押して消して下さい。→ Ranking コメントについて↓一部更新しました!(9/23) いつもたくさんのコメントありがとうございます!遅くなる事もありますが、すべて読ませてもらってます♪ 少し注意事項です。動画ページには各ページ中部に感想を書くためのコメント欄がありますが、最近そのコメント欄に「動画が見れない」などのコメントが目立ちます。そのような視聴不可報告は【リクエスト・視聴不可・不具合報告】にコメントしてください。それ以外のページの視聴不可報告は見落としてしまって対応できないことがあります。ご協力よろしくお願いします。 上の注意事項は一部の方です。みんなの感想や応援のコメントには本当に感謝しています!励まされます!アリガトウ(●´∀`●)ノ 見れない時は… veohとMEGAの両方とも削除済みで見れない時は【視聴不可報告】にコメントして頂けると助かります。 動画の視聴に便利なサイト ■GOM PLAYER:MP4やFLV動画の再生ソフトです。DVD,AVIなどの再生にも対応しています。 ■GOM ENCODER :対応ファイル形式が豊富なカンタン高速動画変換ソフトです。PSP/iPod/iPhone/WALKMANなどに対応。 ■バンディカム:CPUの占有率が低く、キャプチャー中でもゲームがカクカクしません。無料動画キャプチャーソフトの新定番です。 動画を見る前or後に押してくれるとうれしいですd(≧▽≦*d) 【お気に入りに追加する】【 bookmark_hatena】 veoh Online Videos by Veoh.com MEGA このページのタグ YouTube アニメ 無料 動画生徒会役員共 コメント(感想) 動画生徒会役員共 第5話「お尻、大変でしょ?/欲求不満なだけだ!/私もパンをくわえて登校しなきゃ!」に関するコメントを気軽に書いてください♪ 名前 クリック単価、広告の種類、管理画面の使いやすさなど総合的に判断しても1番オススメです(●`・v・) 今日の人気ページランキング にゃんこい! 第4話「美しい人」 おまもりひまり 第2話「海ねこスクランブル」 クレヨンしんちゃん シロをレンタルするゾ 昨日の人気ページランキング 荒川アンダーザブリッジ OP「ヴィーナスとジーザス」Full らき☆すた 第14話「ひとつ屋根の下」 【マイムマイム】マサオミマイム【紀田正臣】 君に届け 第13話「恋」 屍鬼 コメント/ひだまりスケッチ×365 第11話「9月28日 パンツの怪」 デュラララ!!ラジオ 略して デュララジ!! 第1回 デュラララ!! 公式パーフェクトガイド けいおん!の歌のシーンを集めてみた
https://w.atwiki.jp/supergirl121/pages/135.html
スーパーガールは不安を隠せなかった。ついさっき1ブロック前のオープンテラスで、彼女が思いを寄せるイーサンと見知らぬ女性が二人きりで食事しているのを見てしまったのだ。彼女はコスチュームを着替えるのも忘れ、とぼとぼと人気の無い夜道を歩いていた。 浮気なのだろうか。人の良いイーサンに限ってそんな事は無いと思いたいが、考えれば考えるほど苛立つばかりだ。 「ああ、もう!」 彼女は力任せに、近くの建物の壁を拳で打った。コンクリートの壁は破片を撒き散らしながら砕け、建物にぽっかりと穴が空いた。 「やばっ!」 スーパーガールは辺りを見渡し、そそくさと裏路地に逃げ込んだ。 「はぁ…」 彼女はため息をついた。時々、地球人は身体だけでなく、感情までもがクリプトン人と違うのではないかと思うことがある。だから自分には人の心が分からないのかも。 「君、きれいだね」 その時、後ろから声がした。振り向くと、路地の向こうから誰かが近づいてくる。 「ごめん、びっくりさせたかな?怪しい者じゃないんだ。」 そう言って暗がりから現れたのは気障ったらしい笑みを浮かべた男だ。彼女の嫌いなタイプだ。 「今時分、どうしてこんな所にいるの?そんな格好で。」 彼女はその時初めて自分がスーパーガールのコスチュームのままだと気付いた。 「コ、コスプレ…?ってやつ?」 曖昧な笑みを浮かべ苦し紛れの言い訳をする。もうどうでも良かった。 「個性的だね。そういうの、良いと思うな。」 男は染み一つ無い歯を見せ笑う。スーパーガールは悪寒を感じた。 「良かったら、僕とちょっと付き合ってくれない?ちょっと、そこまで」 こんな路地裏で「そこ」と言ったら一箇所しか無いのは承知だが、彼女は色々な事がもうどうでも良かった。それ以上に気障男に対する新たな苛々を晴らしたかった。 「いいわよ」 本当に?ラッキーだなぁ、君みたいな可愛い娘と、などと言いながら肩に腕を回してくる男の、香水の臭いに噎せそうになりながらスーパーガールは思った。後でへし折ってやる。 34 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2009/08/06(木) 17 46 31 ID Ubs6GnGV 男は「あん、あん、」と女のような声を出しながら悶えていた。2人が部屋に入って5分も経っておらず、まだ服も脱いでいない。ベッドの淵に腰掛けたスーパーガールが足で男の陽物をズボンの上からぐりぐりと嬲っているだけだ。 そうしながらも彼女の頭の中は「いつこいつを潰してやろうか」という考えで一杯だった。 「君、すごいね」 男は喘ぎながらそう言い、服を脱いだ。そしてスーパーガールのコスチュームにも手を伸ばしたその時、彼女は反射的に男の手を掴んだ。あまりの握力に思わず悲鳴を上げる男。 「ご、ごめんなさい、大丈夫?」 無意識の内に加減するのを忘れていた。感触からするに多分、折れている。 「あ、ああ、大丈夫…」 男は泣きそうな顔で言った。無理しちゃって…。 「私は後で脱ぐわ。これ、着脱が面倒なの」 スーパーガールはそう言うと、床に這い蹲るような姿勢の男の腰に手を回し、軽々と持ち上げるとベッドに引き上げた。男は驚愕の表情で彼女の顔を凝視した。 「すごい力だね… も、もしかして、本物のスーパーガールとか?」 「だったらどうするの?」 「い、いや…」 男の困惑をよそに、スーパーガールは曝け出された男のペニスに顔を近づける。さっきまでの元気は無く、手のあまりの苦痛にもう萎えている。 「スーパーガールにしてもらうの、嬉しくない?」 そう言って彼女はふぅっと息を吹き掛けた。本気で吐き出せば車の一台や二台くらい難なく吹き飛ばせる彼女の吐息が、男の最も弱い部分を襲う。 「ああう!」 男は不気味なほど甲高い声を上げ、瞬時にいきり立った。スーパーガールは、いつも悪人に向ける時の、蔑みと嘲りの混じった意地の悪い目を向けると、さらに彼の陰茎を舐め続けた。決して口は付けず、舌だけを器用に動かして哀れな男根を嬲った。 男は喘ぎながらもぞもぞと身体を動かす。彼女はそれが嫌で、腕に少し力を込めて彼の腹を押さえ込んだ。嫌な音がして、彼女の細い腕が男の腹にめり込む。この人、すこしは筋肉つけなよ…。 男の方は、胃の中の物が込み上げてくるのを感じたが、下半身のあまりの快感に呼吸するのが精一杯だった。そしてまだ何分もしないうちに、男は勢い良く射精した。その直前にスーパーガールは舌を離し、行き場をなくした精液は空しく宙に飛んだ。 「どうしたの?」 彼女は何食わぬ顔で、肩で息をして力尽きたように仰向けに倒れる男を見下ろした。 「飲んで欲しかった?」 男はゲホッゲホッと噎せ返るのがやっとだ。じれったい。スーパーガールはぐったりした男の身体を持ち上げると、姫様抱っこのように軽々と抱え寄せた。 「吸ってあげる、尽きるまで」 スーパーガールはまだ痙攣が止まらない男の一物にかぶりつくと、勢い良く吸い上げた。男は絶叫した。一瞬の快感と、次にやってきた未体験の苦痛に。体の何処にそんな体力が残っていたのだろうというほど、男はスーパーガールの細腕の中で力いっぱいもがいた。 だがその強靭な腕は万力のように男の体を締め付けて離さない。それどころか、徐々に力が強くなっているように思えた。 次の瞬間、体の何処にそんな精液が残っていたのだろうというほど、男は勢い良く射精した。スーパーガールの口の中でどくどくと白い粘性の液体があふれ出す。彼女はそれを全て受け止めたどころか、更に搾り取るように吸い付いてくる。 男のペニスはもう萎びた野菜のような姿に変わり果て、もう使い物にならないだろう。それなのに留まる所を知らない精液は流れ出し続け、スーパーガールはストローからジュースを飲むようにそれを飲み干す。 「ぷはぁっ」 彼女が口を離した時、男はもう残骸と呼ぶほか無いものと化していた。締め付けられた腕の骨や肋骨は粉々になり、陽物はもはや部位を特定する事すら困難な状態で、精液の流れ出ていたところからはどす黒い血がどくどくと流れていた。 白目を向いた顔は土気色の蝋のように生気を失い、全ての感覚が麻痺していたが彼はまだ生きていた。彼が最後に感じたのは苦痛であったか、快楽であったかは分からないが。 彼女は男をぽいっとベッドの脇に放り捨てると、ティッシュで口の周りをぬぐい、小さくゲフっとゲップをした。彼女は男が聞かなかったかちらと目を遣ると、恥ずかしそうに笑った。 その時、彼女の耳が遠くの方で人の悲鳴を聞き取った。 「事件だ…」 彼女は立ち上がると、マントに出来たしわを払った。 「じゃあね」 そういい残し、彼女は拳で部屋の壁を突き破ると夜の闇へと消えていった。 現場にはすでに警官隊が到着していた。危険なので野次馬達は2ブロック以上隔たった場所から顛末を見守っていた。 数分前に、突然轟音と共にアスファルトの地面を突き破り地下から巨大なロボットが現れたのだ。ロボットは今、銀行の建物を破壊中だ。 「あ、スーパーマン!」 その時、野次馬の中にいた子供が空を指差し叫んだ。 「違う、スーパーガールだ!」 誰かが訂正する。途端に物凄い風が起こり、野次馬たちの髪を吹き乱したかと思うと、目にも留まらぬ速さでスーパーガールが巨大ロボめがけて飛んでいった。歓声を上げる野次馬達。 「何よこれ…」 スーパーガールは、ビル解体用の鉄球にそっくりのアームを振り回し金庫室を攻撃するロボットを睨みつけた。 「レトロスペクティブ…」 ロボットは彼女の存在に気付いたらしく、スーパーガールめがけて鉄球アームを振りかざした。彼女は両手を伸ばしそれを受け止めようとするが、次の瞬間、鉄球からジャラジャラと巨大な鎖が出現し、伸びたアームがスーパーガールを直撃した。 「げっ!」 スーパーガールは鉄球ごと飛ばされ、通りの向かいのビルに激突した。ロボットのアームに鎖が巻き取られ鉄球が回収された後、ビルの腹にポッカリと空いた穴の中から、咳き込みながらスーパーガールが空きあがった。 自分の体の3倍以上あろう瓦礫を片手で押しのけると、ビルの縁に立つ。その時、下の野次馬達から異様な歓声が上がったことに彼女は気付いた。ふと見ると、スカートが破け下半身が大きく露出しているではないか。 「いやぁぁぁ!!」 彼女は思わず悲鳴を上げた。その悲鳴で辺り1ブロックの建物のガラスが吹き飛び、ロボットも異常な周波数を感じ取ったと見え一時的に動きが停止した。その間に彼女は、もはや布切れと言っても過言ではないほど哀れな姿になった真紅のスカートを手繰り寄せ、前を隠した。 だがロボットはそう長く待ってくれないようだ。すぐに体勢を立て直すと、再びスーパーガールに襲い掛かってきた。 スーパーガールは片手で下半身を隠したまま、もう片方の腕で鉄球アームを受け止めた。さすがの彼女も、片手では分が悪くぎりぎりと押されていく。 「ちょっと…きついよぅ…」 その時、くるりと向き直った巨大ロボの顔を見て、彼女は誰かを思い出した。スピーカーか何かなのか、ロボットの顔の真ん中で格子状に並んだパーツが、にやりと笑った染み一つ無い気障な歯に似ていた。誰だっけ? 「いっちばん…嫌いなタイプ…!」 彼女はうめく様にそう言うと、渾身の力で鉄球を押し戻した。反動で体勢を崩した巨大ロボはそのまま半壊した銀行の上に倒れこんだ。土埃が当たり一面を覆う。 スーパーガールははるか上空へ飛び上がると、出来る限り肺に空気をためると、勢い良くそれを吐き出した。凄まじい突風が舞い起こり、ビルの破片や埃を吹き飛ばした。 次の瞬間、瓦礫の中から彼女めがけて鉄球が飛び出してきた。 スーパーガールはファイティングポーズを取ると、飛んでくる巨大な鉄球に思い切りパンチを打ち込んだ。彼女の拳は鉄の塊にズブリと突き刺さり、鉄球は粉々に砕け散った。 続いてもう一方のアームから鉄球が発射される。 「往生際悪い!」 体勢を整えるのが間に合わず、もう一方の鉄球に蹴りを見舞った。彼女の引き締まった脚の上で、巨大ロボ最後の武器は黒鉄の破片と化し、遥かかなたへと消し飛んだ。 「あっ」 彼女は蹴り上げた時の衝撃で前を隠していたスカートの布を落としてしまったのだ。ひらひらと舞いながら落ちていく。 「だめぇぇ!」 その時腕を無くしながらも、巨大ロボットが起き上がろうとしている事に彼女は気づかない。彼女は落ちてゆく赤い布切れめがけて猛スピードで降下した。 その間にロボットは起き上がり、反対側の通りへ向かって歩き始めた。そこにはレストラン街があり、まだ避難していない人々がその不恰好で巨大な影に脅えて逃げ惑う。 スーパーガールは地上まであと少しのところで布を掴み、すぐさま彼女は体勢を戻し直立の姿勢で勢い良く着地した。Gのかかった彼女の体重による衝撃が地面を大きく揺らした。 「ふぅ…危なかった。」 そう言ってふと足元を見ると、そこにはぐにゃりと凹んだロボットの頭があった。 「あれ?」 彼女が見上げると、頭を踏み抜かれた巨大ロボットの残骸が轟音を上げて崩れ落ちるところだった。 「きゃああああああああ!!!!!」 その時巨大ロボットの陰から悲鳴が上がった。見ると、あるレストランのオープンテラスにまだ人が残っており、ロボットはそこへ向かって倒れようとしているのだ。 スーパーガールは俊足で通りを1ブロック分駆け抜けると、ロボットとテラスの間に立った。あまりの足の速さにアスファルトが本のページのようにめくれ上がった。 その時、彼女はテラスにいる人びとの顔を見た。その中には彼女が密かに好意を寄せるイーサンと、見知らぬ女の姿があった。 「えっ!?」 その時、ロボットの巨体が彼らの上に倒れこんできた。
https://w.atwiki.jp/supergirl121/pages/138.html
--------------------------------------------------------------- 「なぁに?彼女の事気にしてるの?」 彼女はレストランのオープンテラスの一席で、イーサンの頬に指を這わせた。 「ねぇエレイン…僕は仕事の話をしに来たんだ。」 イーサンは困ったような表情を浮かべ、エレインの指をそっと払った。 「いいじゃない、彼女… 喧嘩したんでしょ?」 「何度も言ったけど僕は…」 「言わないで。」 エレインはイーサンの唇に指を当てた。 「抱いて。」 「出来ないよ。ごめん、エレイン… 仕事は他で探すよ。」 イーサンは迫る女性から後じさりながら席を立とうとした。その時、1ブロック先のビルが煙を上げて倒壊した。 人びとの悲鳴をかき消すような轟音で巨大な金属の塊がレストランの前の大通りに雪崩れ込んできた。巨大なロボットがコンクリートの破片を振り撒きながら現れた。 そしてその上を、天然色の何かが目にも留まらぬ速さで飛び回っている。 「何なのあれ!?」 テラスの他の人々と同様、エレインはパニックに陥り闇雲に手を振り回した。 「伏せろエレイン!」 イーサンはエレインを引き寄せるとテーブルの下に押し倒した。その直後、空から降ってきた何かに粉砕されたアスファルトが弾丸のように飛んできた。 パチパチという石のはじける音が止むと、イーサンは恐る恐る顔を上げた。テラスの半分が抉られ、レストラン前の歩道にクレーターが出来ていた。 クレーターは車道まで続いており、その中心にへしゃげた金属塊(恐らくロボットの頭部のパーツだ)と、それを踏み抜き立ち尽くすリンダの姿が。 「…リンダ!」 イーサンは青と赤のコスチュームに身を包んだブロンドの少女に呼びかけた。その直後、はっと我に返った。彼は今、エレインの上に覆いかぶさるように地面に横たわっているのだ。 彼の胸の下でエレインがうめいた。 「…どういう事これ。」 スーパーガールはイーサンに向き直った。無意識に握り締めた拳を開き、また握り締める。ゴキン、という重低音が彼女の小さな手から響く。 イーサンは全身の血の気が引くのを感じた。言い訳を考える以前に、苦痛に耐える準備をしなくては。まずい状況だ… 「ハロー、イーサン。」 スーパーガールは冷たい目でイーサンを見据えて言った。 「リ、リンダ… 前…」 イーサンは顔を真っ赤にして指差した。 「え?」 リンダが視線を下ろすと、自らのあられもない姿が。 「いやぁ!!」 動揺のあまりすっかり忘れていたのだ。私は今パンツはいてないのだ! その時、頭部を失ったロボットの本体が3人の方へ倒れてきた。 「うるぁあ!!」 スーパーガールは恥部を隠す暇も無く怒りに任せて脚を振り上げると、首から下だけでも10階建てのビルほどもある鉄の巨体に思い切り回し蹴りを食らわせた。 耳を劈くような音を立てて金属の腹がまるで紙のようにくしゃくしゃに歪んで凹んだかと思うと、100tトンはあろう巨体は物凄いスピードで宙に浮き上がった。 ロボットは一気に空の点ほどの大きさになったかと思うと、街外れのどこかへ落下し、遠くの方から聞こえる雷鳴のような音だけを残して視界から消え去った。 スーパーガールはそれを見届けると、イーサンと彼の下でもがく女性をキッと見据えた。湯気が出るほど赤面したイーサンはリンダから目を背けている。 リンダは怒りと羞恥で真っ赤になりながら、無言で手にしたスカートの切れ端を腰に巻きつけた。 「あ、あの、リンダ…」 イーサンが全て言い終わらないうちに、スーパーガールは2人を掴むと空高く舞い上がった。 「リンダ…!は、話をき…聞いてくれ!」 猛スピードで上昇するリンダに向かって、イーサンは気流に負けないように叫んだ。突風が口の中に入り込んできて、思うように喋れないが必死に叫んだ。息が苦しい。 次の瞬間、スーパーガールはパッと手を離した。イーサンは一瞬、自分の体が宙に浮いたような感覚に襲われた。だが次に感じたのは心臓が止まるかと思うような恐怖。悲鳴を上げることさえ出来ないような、死の感覚だった。 風に阻まれながらうすらと目を開けると、自分の少し下を落下するエレインの影と、テレビでしか見たことの無いような、衛星写真のように小さく見える街の光。 とその時、強い衝撃が腕から肩へと走った。見ると、自分の腕を片手で掴んだリンダが、赤いマントをはためかせて飛んでいる。もう片方の腕にはぐったりしたエレインを抱えている。 全身を安心感が巡りきると、イーサンの頭はリンダに言いたい事でいっぱいになった。だが冷たい外気と低気圧のせいでイーサンの喉は思い通りの言葉を吐き出せず、やっとのことで言えたのはこれだけだった。 「リ、リンダ…!」 リンダは憤怒の篭った目でイーサンを睨みつけた。 「見た?」 「…え?」 「見たでしょ!」 リンダは真っ赤な顔で怒鳴った。イーサンを見下ろすその目は、今にも涙が溢れそうだ。 その時、目を覚ましたエレインが、自分が1500メートル上空にいる事に気づき騒ぎ出した。 「いやあああああああ!!!」 「あんたは黙ってて。」 リンダは腕の中の女性にぴしゃりと言った。だがエレインのパニックは収まらない。 「いや!放して!この…!」 エレインは両腕でリンダの華奢な腕を払おうと掴んだ。だがスーパーガールの腕はジェットコースターのガードのようにがっちりと彼女の体を捕らえてびくともしない。 「この化け物女!」 エレインは叫んだ。途端に、スーパーガールはぱっと腕を解いた。落下するエレインの悲鳴はあっと言う間に聞こえなくなった。 リンダはその様を覚めた目で見下ろしている。 「リンダ!死んでしまう!」 イーサンが訴えた。 「そうでもないわ。下が海なら、全身骨折くらいで済むかも。」 リンダはぐいっとイーサンを引き寄せ、エレインから解放された手で胸倉を掴みぶら下げた。 「で… み…見た…よね?」 いざ面と向かうとリンダはイーサンの顔を正視出来ず、赤らめた顔を背けながら呟くように尋ねた。イーサンは胸の高鳴りを感じた。 今人を殺しかけた彼女のそんな様子を、かわいいと思ってしまう。 「…い、いいえ。」 イーサンはぼそりと答えた。 「嘘つき!」 リンダは叫ぶと、イーサンの胸倉をぱっと放した。加速したイーサンはエレインよりも速く下へ落ちていく。次の瞬間、ガン!という音と背中に走る衝撃で、一瞬イーサンの意識は遠のきかけた。 だが目を開けると、自分の家の、自分のトラックの荷台に横たわっているのに気付いた。 いつの間にかかなり下降していたらしく、全身痛いがどうやらイーサンはまだ生きている。 だがほっとしたのもつかの間、真紅のブーツがイーサンの目の前に降りて来た。こともあろうに、愛車の運転席の上に。 怒りの収まらないリンダは着地を制御しなかったようだ。自由落下の力に任せて踏み抜かれた運転席は、今は荷台よりも低い位置になってしまった。 「リンダ、話を聞いてくれないか…。」 疲れ切ったイーサンは、ヘタレ男のような台詞に嫌気がさしながらも言い訳を考えた。 「仕事の話って呼ばれたんだ。就職させてくれるかもと思って… 彼女とは何も無かった、本当だ。」 スーパーガールのブーツが大の字に横たわったイーサンの股間すれすれのところをズン!と踏み抜いた。スチールの荷台に少女の足が食い込む。 「時々分からなくなるの。」 リンダは呟き、運転席から降りるとイーサンの前に座り込んだ。スーパーガールの重量から解放された運転席が反動で揺れ、次に荷台が揺れた。潰れた屋根は元には戻らないが。 「クリプトンでは、人の気持ちが分からないなんて事は無かった。こんな想い、したことが無いの。地球人にはそれが当たり前なのかも知れないけど、でも怖くなる。私だけが分かり合えないでいるのかもって。結局私は異星人だから…」 リンダは涙を流さないように目を瞑った。 「あなたたちがどうやって… その…」 「人を好きになったり?」 イーサンが言う。リンダは頷いた。 「僕も、君が好きだよ。」 リンダが目を開けると、涙が一筋頬を伝う。イーサンは上体だけ起こした状態で、リンダの肩にそっと手を置いた。 例え彼女がどんなに自分と違っても、クリプトン人と地球人が、根本的に愛し合えない生き物であったとしても。 その時、リンダの腰に巻いたスカートがイーサンの脚の上にはらりと落ちた。思わず目をやるイーサン。嫌な予感を感じながらゆっくりと目を上げると、呆気に取られたようなリンダの表情が目に入った。 リンダは何も言わず微笑みながら涙を拭うと、その手でイーサンの顔面にパンチを食らわせた。彼女としては手加減したつもりだったのだろうが、イーサンが目を覚ましたのはそれから丸一日経ってからだった。
https://w.atwiki.jp/kameyama2011/pages/335.html
2010/2/28 亀山ゼミ テキスト輪読 亀山純生『人間と価値』青木書店,1989 担当:小松美由紀 第三部 欲求と疎外 ―― 生に“埋めこまれた”批判的価値意識への視角 ―― 第2章 欲求的行為の二重性 (p181~p194) ■価値意識の契機と根底に欲求をみること(第1章)によって、以下の疑問が生じる。 ①価値を欲求から基礎づけることは、価値の主観主義的理解に陥るのでは? → 「欲求を原理とする価値意識は事物の価値を構成する要素にすぎず、さらに価値をになう事物ともども客観的な歴史的社会的諸関係に規定されるとみるべき」(→第二部) ②価値意識の根底に欲求をみるのは、価値を情緒的なものに還元するのにつながるのでは? → 価値意識の3契機(要素)は相対的に独自なものであり、3契機の内、利害関心と規範 意識は、価値の理性的評価の原理である。(それを強調した上で、両者の根底に欲求(第1の契機)の一部である自己保存欲求、共同性欲求をみようとした) ■「欲求の範囲の無際限の拡張では?」「生理的欲求など“本来の”欲求との関係は?」「欲求にもとづく諸個人の行為は受動的なのでは?」「欲求は利己的性格をもつのでは?」等々 ⇒ 欲求の基本的性格の検討が求められる 一 欲求は三つの側面を持つ(p182~) ■欲求の3つの側面(要素、契機) (cf. 相良守次編『人間の欲望・感情』) (1) 欠乏 :欲求は何らかの欠乏状態にもとづいて生じる (2) 推進力 :欲求は行動の内的推進力であり心理的エネルギーである (3) 対象志向 :欲求は特定の行動へと方向付けをする。欲求には対象の認知が不可欠である ■上記の説明・補足 (1):体内における水分のバランスが失われる(欠乏する)→水が飲みたい (2):「欠乏状態(の意識)が強まるにつれ、行動への潜在エネルギーの蓄積はいちじるしく なり欲求は強まる。」欠乏(の意識)が度を超すと、逆に行動エネルギーは減退する。 (3):欲求の対象は〔意識された欠乏〕を充足すると期待される事象(=誘因)である。 「渇き」(動因:欠乏の知覚とそれを充足しようとする心理的エネルギー)と飲み物(誘因) 二 欲求は能動的原理か、それとも受動的原理なのか(p184~) ■一般に、生命体の運動は刺激に対する反応(≒環境に対する適応) → しかし、人間は意識をもつことにより、環境に対して主体として振る舞える。 ←自らの行為とその結果を予測し、合目的的に行為しうる点が、ポイント(理由)の1つ ■「欲求は、欠乏の意識を側面とすることによって物質代謝を軸とする主体と環境の関係・バランスの変化の知覚であり、推進力・エネルギーとしての側面と対象志向の側面によって反応ないし変化した環境との関係への適応の原理である。」 → ただし、〔主体と環境の関係の変化〕への適応という性格は、連関しあう諸欲求の総体として保持することになる。 ←欲求は意識であり、環境は社会的・文化的でもあるため、欲求の種類は分化・複雑化。 ■以上のことから確認できること (1)人間は(社会的・文化的、自然的)環境に対し、システマティックな総体的・価値的態度を介して適応する → 意識的・合目的的であることで、環境を改変する(=能動的) (2)価値的態度が反省的である度合いに応じて、人間は能動的・変革的でありうる (3)個々の欲求は身体性・感覚を直接的基礎として、それ自身感性的である → 欲求にもとづく人間の行為が意識的・反省的でない場合、合目的的行為と比較して、環境・対象に対して受動的となる。 ■「だが、欲求は能動的にふるまう社会的人間の一部であり、意識の他の契機との相互連関やその内容の社会的・文化的質を前提としているのである。」 → 人間の欲求の能動性 ①3契機の能動性(環境との関係を否定→関係を変革する行為を導く→否定性の止揚) ②欲求は人間の創造性の主観的源泉(基礎)である(←非存在をも対象にする) ③人間的欲求(←欲求の内容・質と能動性) 三 欲求の人間的性格、または人間的欲求(p187~) ■人間的欲求、欲求の人間的性格は、次の2点から見ることができる。 ①人間の欲求の媒介的性格 :充足の対象そのものの現実化(ないし創造)が必然的媒介、人間関係・社会を媒介とする → 人間の欲求は自己抑制を必然的契機として含む ②人間の欲求の内容の社会的・文化的媒介性 (フォイエルバッハの言う「人間的感性」「普遍的感性」) → 「全体的存在」としての人間の感性も普遍的な事物を対象とする ■「人間的欲求は歴史的・文化的・社会的な産物であるとともに、そのようなものとして歴史・文化・社会を創造発展させる人間の主体的行為の内的源泉なのである。対象・環境にたいして欲求は主体における能動的受動の原理である。」 → 「人間的欲求が主体の能動性・環境変革性の原理である側面は、欲求が環境・対象の客観的・総体的認識に媒介されることによって発揮される。」 四 共同性欲求ははたして派生的といえるか(p190~) ■精神的欲求と身体的欲求、社会的(後天的)欲求と生得的(先天的)欲求との関係 → 心理学では、後者を基本的(一次的)欲求、前者を派生的(二次的欲求)とする理解が 一般的。(cf. マズローの欲求の階層性) → しかし、多種多様な欲求(あるいは生理的(本能的)欲求)は、歴史と文化の現段階で、それと相対的に区別される諸欲求との相関で抽出されたものである。(cf. ハーローの実験) ■人間にとって道徳的欲求(共同性欲求)は、種と生命の維持への欲求とともに根源的欲求の不可欠の契機である。 ← 意識と労働の成立により、人間は本質的(必然的)に社会的存在である。 → 人間は社会と文化の形成発展の中で、「原初的状態において未分化であった自己保存と共同性の契機を、その他の契機とともに、相対的に独自な欲求として分化させてきたのである。」 ■共同性欲求と自己保存欲求は本来、相補的共存の関係にある。 → 「われわれはそれぞれ自己の生産において自己自身と他者とを二重に肯定したことになるだろう。(以下略)」(マルクス) → しかし現実においては、自己保存欲求と共同性欲求は対立 ⇒ 「人間の本質と現実の乖離を理解する手がかりが『疎外』の概念である。」