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放課後。帰り前のショートホームルームが終わると同時に僕は走って昇降口に向かった。 学校終了 即帰宅 夕食 お見舞い がここ最近の僕の毎日の過ごし方だ。森さんの入院している病院は、僕の家からだと少し距離があり急がないと森さんに会える時間が減ってしまうのだ。 学校終了後すぐにお見舞いに行ければ良いが、家は家族揃って晩御飯を食べるのが決まりなので、なかなか思い通りにはならない。 因みに森さんが事故に遭った日、朝帰りを怒られそうになったが、一緒に来てくれた古泉君と新川さんがフォローしてくれた。古泉が森さんの弟で新川さんが父親って言う無理な設定だったけど…… まぁ、そのお陰で問題無くお見舞いに行けるんだし…2人には本当にどんなに感謝しても足りないと思う。 一度ちゃんと古泉君にお礼を言おうとしたが、いつもの微笑でお気にせずとだけ言われてしまった。何か今更だけど古泉君も不思議な人だよね。 森さんと知り合ってから色んな事があったなぁ…と考えながら家に着いた僕は、自室に戻りベッドに寝転ぶ。 森園生さん。最近僕の頭の中の80%以上を彼女が独占している。授業中も、谷口達と昼休みを過ごす時も、こうやって家に帰ってからも…。 可愛らしい声やふとした表情…大人の女性を思わせる優しさ…全てが僕の頭から離れない。 …無邪気に笑う彼女を見て…僕は森さんを好きになった。 でもその時は今の仲の良い姉弟の様な関係に満足していたし、それ以上を望むなど、思いもしなかった。 今までだってそうだ、クラスに好きな女の子が居ても…僕は特別告白しようと思わなかった。 でも森さんのお見舞いに行くうちに…僕は彼女への気持ちを抑えられなくなっていった。たわいもない会話でもらす微笑みを、勉強や進路の悩みを親身に聞いてくれる優しさを……僕は独り占めしたくなった。 いや、森さんの笑顔や気持ちは別に誰の物でもない…強いて言うなら、森さんの物だと思う。それでも…僕は…彼女が欲しい。そう思う様になってしまった。 昨日森さんに退院も近いと聞いた。退院してしまったら、今までの様に毎日会えなくなってしまう。だから…そうなる前に僕は…この気持ちを打ち明けたい。 夕食を終えた僕は自転車に跨り、森さんに会える嬉しさと緊張を感じながら、通い慣れた病院への道を急ぐ。僕が好きな時間の1つだ…もちろん1番は森さんと会うときだけどね。 病院の入り口で珍しく古泉君にあった。 「これは国木田君、今からお見舞いですか?」 「うん。古泉君は今帰る所?」 「まぁ……そんな所です。」 微笑んではいるが、どこか心配そうな、暗い雰囲気の古泉君を覗き込む。 ……まさか森さんに何かあった?…でも近々退院を控えている人間の容態が、急に悪化するんだろうか? いや、もしそうなら古泉君は帰ったりしないし、以前の様に僕に連絡をくれる筈だ。 「いえ…何かあったかと言われると、そうでは無いのですが…」 僕の疑問を察したのか説明してくれる……がいつもと違い中途半端だ。やはりおかしい……。 「古泉君いった…」 「僕の口からは言えません。」 古泉君は僕の質問を遮り、今までに見た事がない真剣な表情で僕を見る。 「僕は貴方を信じています。森さんをお願いしますね。」 そう言葉を残して古泉君は行ってしまった。どうしよう……いや、弱気になったら駄目だ。取り敢えず森さんに会おう。 森園生の名前があるプレートを見ながら僕は深呼吸する。……そう大丈夫だ。自分に言い聞かせ、扉をノックする……が返事がない。 まさか?! 嫌な予感がして扉を一気に開ける。しかし、そこにはいつも通りに窓の外の景色を見ながら、煙草を吸う森さんの姿があった。 肩すかしを喰らった気分で病室に入ろとすると、急に森さんが話し出した。 「古泉…しつこいわよ……あんたの正論なんて聞きたくな…」 「森…さん?」 僕の声を聞いてビクリ肩を震わせた森さんは、紫煙をゆっくりと吸い込み、吐き出す。 「……国木田君でしたか。ごめんなさい古泉が余りに説教臭かったので……早とちりしてしまいました。」 彼女の声はいつもと違う。誰が聞いても分かるほどに、無理に明るい調子の声。 「いえいえ、それより森さん…大丈夫ですか?何だか元気がないような…。」 「あら…入院してる人間は元気とは言えませんよ?」 クスリと笑い声をもらしながら言う。 「確かにそうですね…これは失礼致しました。」 僕が少しおどけて古泉くん風に言うと、彼女はまたクスリと笑い声をもらしたが…やはり元気がない。 僕が何か話そうと、森さんの居る窓際に近づこうとした瞬間だった。 「国木田君…お願いがあるんですが……。」 「何ですか?あっ!煙草が無くなったんですか?」 森さんは外の景色を眺めたまま、沈黙する。そしてやがて意を決した様に深く嘆息し言葉を紡いだ。 「もう…ここには来ないで下さい。」 言葉は聞こえたが、頭は理解出来ないらしく僕は沈黙した。 「もう一度言います…もう私には関わらないで下さい。」 「えっ…?」 やがて言葉の意味を理解した僕が発したのは…情けないことに息が漏れただけのような一言だった。 「急にごめんなさい。でも分かっていただけませんか?」 そう言って森さんは、今日僕がここに来てから数えて3本目の煙草に火を着けた……まるでもう話す事が無いと言うように。 「すいません…僕が悪い事したなら謝ります…だから、その…せめて理由を…」 「言えません。……貴方は悪くありません。悪いのは私です。だから、私の様な嫌な女に構わないで下さい。」 まさに…とりつく島もない…。僕は森さんに背を向けドアに向かって歩き出す。森さんは今日一度も僕の方を見てくれなかった…。そこまで嫌われたら仕方ないけど……でも…最後なら少しくらいワガママ言っても良いかな? 「ごめんなさい森さん…僕は貴女の事が好きでした。だから…最後に少しだけ顔を見せてくれませんか?」 「ごめんなさい…それも出来ません…分かって下さい…お願いします。」 森さんの声が震えている…。どうして?…表情が分からないから、何故か声が震えているか分からない。でも…おかしい…いくら入院していて弱気でも、森さんは急にこんな事を言う人では無いはずだ。 そう言えば…僕が入った瞬間森さんは僕と古泉君を間違えた。と言う事は森さんと古泉くんが直前まで話していたのは間違いない。 何を?森さんは古泉が説教臭いとお茶を濁した。古泉君は森さんをお願いしますと言った。……やっぱり変だ。 上手く説明は出来ないけど、昨日の面会時間終了まで仲良く話していた相手を、急に顔も見たくないほど嫌いになるだろうか?ない…と思う。そう…やっぱり何かあったんだ…。 「森さん…何かあったんでしょう?」 「…お願い…します分かって…。もう…私に構わないで…」 ついに震える声に嗚咽がまじる。 「わかりません…森さん泣いてるじゃないですか…何を隠してるんですか?僕何でしますから…」 「おねっがい…っく…何でもするなら…っ…出ていって…」 嗚咽が泣き声に変わる…そうだ、僕は今頃気付いた森さんは関わるなと言ったが、僕を嫌いだとは言っていない。何かあったんだ…森さんが他人との関わりを断ちたくなるほど辛い事が… 「好きな人が泣いてるのに…出ていける筈がないですよ…」 「お願いっ…もうっお願いよ…出ていって…私をっ…私をこれ以上掻き乱さないで!出ていって!」 感情が堰を切った様に…今日初めてこちらを振り向いて叫んだ森さんの目は、数時間前からずっと泣き続けているような真っ赤な目だった。 そんな目を直視出来ず、僕は叫んでしまう。 「出来ません!そんな状態の森さんを独りに出来るはずないでしょう!?」 「お願いっ…大人になって!分かってよ!独りにして!もう…ほおっておいて!」 自棄な叫びを上げ森さんは自分の顔を覆い子供の様に泣きじゃくる。 僕は…どうすれば…いや、どうすればじゃない。 森さんが言う様に…僕はここを去ればいい。 そして彼女を忘れてしまえばいい。 森さんを今こんな風に泣かせているのは、紛れもない僕だ。今は苦しいけど…胸が痛いけど…それが大人になる事なんだ。 …それで将来お互いに恋人を見つけて、街角ふと出会って、お互いに今を懐かしいなと微笑み合えば良い。 僕は森さんに背を向け病室のドアを開けようとした……あれ?おかしいな…何でドアノブが見えないんだろう……おかしいな…どうして僕まで泣いてるだろう 決まっている…僕はそんなの嫌だからだ。 この言い様のない嫉妬と焦燥感が今だけの物で、数年後には甘酸っぱい思い出に変わるとしても……嫌だ、絶対に嫌だ。もういい…子供で構わない。青臭い妄想って笑われても構わない…でも子供だから分かる気持ちだってあるハズなんだ。 僕は森さんの方を振り返って、ここが病室だということを気にせずに森さんに叫び返しす。 「そんなのが大人なら…そんな事が貴女と吊り合う大人になるって事なら…僕は貴女に釣り合わないままの子供でいいです!貴女に子供だと笑われても…僕は貴女が好きなんです! だからっ…だから!そうやって泣いている貴女を…絶対に絶対に独りにして出て行くなんて出来ません!」 もう自分でも何を言っているか分からない。森さんからすれば訳の分からない事を叫んでいる馬鹿でしかないだろう…。でも僕はそう叫ばずには居られなかった。 沈黙。森さんの嗚咽混じりの泣き声だけが部屋に聞こえる。 「分かりました。」 しばらくした後、そう言うと森さんは背を向けて立ち上がり、着ていたパジャマを脱ぎだした。 「ちょっ!?森さん?!」 僕の制止も聞かず包帯を背中にビッシリと巻かれた包帯を外すと…そこには、目を背けたくなるような無惨な傷があった。 「これを見ても…まだ君はそんな事言えますか?子供の国木田君?」 彼女の自嘲した様などこか僕を挑発したような声が病室に響いた。 国木田君はどうやら絶句しているらしい。それはそうだろう…私だって初めて見た時信じられなかったのだ。 私がこの傷を知ったは、今日の日中の回診の時だ。優しい老医師は『体も精神も弱っている時に教えるよりも、ある程度回復してから伝えた方が良いと思った。』と言っていた。 確かに…あの時聞いたら…まぁ死にたくなってたわね…。凄惨な傷だが命に別状は無く、日常生活にも支障はないらしい。 ただ…見た目が酷すぎる。正直、この傷で背骨に異常が無いのを感謝したいほどに…。それを医師に伝えたると、『貴方は強い人ですね。』と誉められ、悪い気はしなかった。 が…どうやらこのは傷医療整形しても完全には治らないらしい…機関の可愛い後輩を助けたのだから、これ位安い物だ…そう思う事にした。 回診も終わり独りになると、何故か不安になってきた。やはり国木田君はショックを受けるだろうか? ある意味本当に傷物なのだ。確かに私はもう純潔では無いし……傷物と言う意味では当たりなのだが……ダメだ。 これ以上考えたらどんどんネガティブな思考になる。分かっていても、私の頭は思考を止めてくれない。 こんな傷があったら、彼に嫌われてしまう…イヤだ…怖い…彼に嫌われたくない。 一度恐怖にかられると、もう…耐える事など出来なかった。 「イヤっ…ひっく…国木田…君…私…怖い…怖いよぉ…うっあっ…うわあぁぁっ!」 ベッドに潜り込み、私は声を上げて泣いた。そうしないと自分を保って居られなかった。 私を正気に戻したのは病室の部屋に響いたノックの音だった。 「森さん、よろしいですか?」 「古泉?少し待って…。」 流石にこの顔は誰にも見せられない。私は窓際の椅子に腰掛け、外を眺める振りをした。 「どうぞ?」 「失礼します。ついでに食事もお持ちしましたが…食べられますか?」 「そこに置いてて後で貰うわ。」 大丈夫。普段通りの私だ。 「ねぇ、古泉。傷の事知ってた?」 「はい…知っていました。医師に聞かれたのですね。」 古泉の声が沈む。そうか…責任感のある彼の事だ、自分のせいだと思い込んでるのだろう。 「大丈夫よ古泉。貴方のせいじゃないわ。」 「でも…でも森さん僕があの時…」 やっぱりそう思っていたらしい、この子も意外と単純よね。 「いいのよ…その代わり…国木田君にもうここに来ないでと伝えておいて…。」 「なっ!?森さんそれはいったいどういう事ですか?!」 私からは見えないが、きっと古泉の顔は驚愕に歪んでいるだろう。 「古泉…ごめんね…でもこんな体、彼に見せたくないの…。」 …私に負い目を感じているなら古泉は従うだろう。 「分かりました…失礼します。」 しぶしぶと古泉は出て行った。後輩を虐めて何やってるのかしらね…私は…。 しかし、そのすぐ後に国木田君が来た…どうやら古泉は私の頼みを聞かなかったらしい。まぁ彼の性格なら仕方ないか…。 私が回想している間も、言葉を失ったかのように彼は押し黙っている。 ほらね…口では何とでも言えるもの……嫌なんでしょ?こんな傷が付いた女なんて…。 さっきまで、偉そうに私に説教してたのが嘘のみたいね? 所詮コンナモノナノ?…何ガ好キヨ…何ガ置イテ行ケナイノヨ…何ガヒトリニハ出来ナイヨ…笑ワセナイデ… 私の頭に黒い思考が満ちていく。 そうだ…せっかくだし最後に彼を試してみようか?もちろん彼がどんな選択肢を選ぼうがお引き取り願うのだが…。 私は彼に背を向けたまま、身に着けているもの全てを脱ぎ捨てた。 「森さん?!いったい何を!?…もう…もうこれ以上自分を貶めるのは止めて下さい」 必死で私を諫めようと彼は叫ぶが…無駄だ…。私は彼の方を向き両手を広げて冷たい視線を彼を見つめ妖笑を浮かべる。 「いらっしゃい」 彼は動かない…いや動けないのだろう…。 …仕方ない。私は追い討ちをかけるべく更に声色を甘くする。 「どうしたのボク?私の事好きなんでしょう?なら…私に証拠を見せてご覧なさいな?」 彼はフラフラと私に近付いて来る。まぁ…流石にウブな高校生でもここまで言われたら堕ちるか…。 「森…さん…」 「いいのよ?好きにして…」 私は彼を見つめ瞼を閉じる。 これで終わり。 一夜の逢瀬を楽しんで全て終わり。 ごめんね国木田君…こんな弱く汚い人間で…。 「森さん…ごめんなさい…」 パンッ…と小気味の良い音がした。 何があったか理解するのに少し時間がかかった。そう…彼が私の頬を打ったのだ 「国木田…君?」 「森さん…いつまで甘える気ですか?貴女はそんな人間じゃないでしょう?」 厳しい台詞とは真逆に、とても穏やかに微笑んでいた。 「えっ…あっ…その…ごめんなさい。」 彼の優しい笑みと、父が娘を諭す様な暖かい声色に…私は素直に謝ってしまった。 「心配しなくても大丈夫ですよ…本当に鈍くて、貴女の辛い気持ちも考えないで、ごめんなさい。 でも森さん、僕は貴女のそんな弱い所も、悪い事をして結局自分を傷付けてしまう純粋な所も、優しいお姉さんみたいな所も、ふと見せる可愛いらしい笑顔も…。 その……ありきたりだけど……やっぱり貴女の全部が好きなんです。だから、そんな傷なんて僕は気にもなりませんよ。」 彼は…そう言って私を抱き締めると髪を優しく撫でてくれた。 馬鹿…っ…どうして…貴方はそんな優しいのよ…そんな優しくされたら…私は私はっ… 「ごめん…なさい…ごめんなさいっ!……うっ…ごめんなさいっ!…くっ…怖かったの!…ひぐっ…怖かったのよぉぉっ…貴方に嫌われ…ってしまうと思ったら…怖くっ…て、うわあぁぁっ」 情けない…結局私は、小さな少女の様に彼にすがりつき、彼の服が涙でグシャグシャになるのも気に留めず泣き続けるしか出来なかった。 彼はその間ずっと、私の髪を優しく撫でてくれた。その優しさに私はまた涙が溢れた。 「その…叩いてしまって本当にごめんなさい。」 「いえ構いません。国木田君のお陰で目が覚めました。」 泣き止んだ私は彼に包帯を巻き直して貰い、更に服までかけて貰っていた。 これではどっちが子供か分からない…いや、冷静になった彼は終始真っ赤で私の裸から目を逸らして居たからおあいこだ。 しかし、私は困っていた。その何と言うか…タイミングを逃してしまったのだ。 確かに、彼は私を好きだと言ってくれた。だが私はどうやって返事をすれば良いのだろう?今更私も好きですって言うのは間抜けな気がする。 どうしようか…国木田君もどうも跋が悪いらしく、2人ベッドに座って硬直している様は妙にシュールだ。 あっ…そうだ、アレだ。ある事を閃いた私はベッドから立ち上がると、窓際に置いてある鞄から携帯を取り出し操作した。 暫くして、彼のポケットから甘いラブソングが流れる。彼は慌てて携帯を取り出すと、拗ねた瞳でこちらを見ると携帯をいじりだした。 フフっ…やっぱり国木田君は可愛いわね。 とか油断していたら私の携帯から倍恥ずかしい歌詞の歌が流れる。迂闊だったわ…そうよね…普通やり返すわよね。 [分かりました。 窓際で外見ながら、僕の一番好きな仕草をしてて下さい。] 好きな仕草?これは仕草って言うのかしらね? 私は煙草をくわえると火を着け、紫煙を揺らす。やっぱり、吸う気分で味は変わるのかも知れない格段に美味しい。 煙草に集中してしまった私が悪いのだろうか?いつの間にか彼は私の真後ろに居たらしく、そっと優しく後ろから私を抱き締めた。 「あっ…ちょっと…国木田く…」 「好きです。こんな情けない年下ですが…貴女が大好きです。…付き合って下さい。」 そう、私はこうメールしたのだ。 [本当に私が好きなら、もう一度告白して下さい。] 駄目だ…また涙が溢れてきた…。 「私も大好きです…こんな私で…よろしければ…一緒に居て下さい。」 私は彼の方を向き直りゆっくりと瞼を閉じる。彼のゴクリと唾を飲み込む音が妙に大きくて、少し笑ってしまいそうになる。 やがて、目を開けようかと迷うような時間が経った後…ようやく彼の唇が私に触れた…触れるだけの優しい口付けだったが…不思議と私は満たされていた。 ずっとそばに居てね…私の大好きな年下の優しい恋人君。 森園生の電子手紙 Fin? 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その暴力に賭ける ◆ctWQeRff.I 友と反する道を選んだ、そのことは決して軽いものではない。 けれど、江戸川コナンの決断は早かった。 理由は簡単だ。彼が持つ殺人忌避の信念は、それだけ重いから、たったそれだけなのだ。 服部平次とは、コナンにとってある意味で、唯一の友人と言っていい。 級友なら、歩美や元太、光彦たちがいる。 同じ幼児化を経験した人間なら灰原がいる。 同じ屋根の下に眠る毛利蘭にいたっては、恋心すら抱く幼馴染だ。 けれど、対等な立場で肩を並べて推理できる男は服部しかいない。 自分と同等の知力、推理力、事件解決実績。 それがある男は、服部平次をおいて他にいない。 その服部と違う道を歩むことが、コナンにとってどれ程苦渋の決断であったかは想像も出来ない。 まして、知力を発揮すべき相手は並行世界横断技術を持つ得体の知れないモノ。 2人で頭を寄せ合ったところで、なお、及ばないかも知れない。 (でも、だからってよ……) 全て分かっている。 服部と共に策を練らなければ、太刀打ちできる相手ではない。 服部のとった行動に何一つ間違いはない。 そもそも、殺した相手は異世界の住人吉良吉影だ。 服部が元世界に戻った後も、彼を裁く法律は存在しないし、 仮に同じ世界の住人であったとしても、この場では正当防衛が主張できる。 実際、あそこで殺したのは正当防衛以外の何ものでもない。 要するに、服部の正しいのは分かっているし、 それを認め、服部と共に行動する方がよほどメリットがあるのだ。 けれど、コナンは理性的ではあるけど、無感情というわけではない。 自分の信念と服部が違う手段をとった。そんな男と、どうして同じ道を進めようか。 江戸川コナンという少年は、このバトルロワイアルの中では異質である。 実を言うと、彼以外の全ての者は緊急避難という言葉で括られる行為を、コナンに比べれば積極的にとる。 先ほどの服部がいい例だ。 コナンはまだ、緊急避難を取らなかった。 吉良という殺人鬼が目の前にいるにもかかわらず、相手はスタンドと言う未知に近い力を持つにもかかわらず、 それでもなお、コナンは殺さずに無力化する道を模索していた。 だが、服部は違う。というより、服部だけでなく他の参加者の全員が違う。 迫り来る脅威からごく自然に、避難するという行動。結果として殺人を犯してしまったが、それでもなお当たり前の行為だ。 その行為が、仕方ない事だなんて、コナンも頭では理解している。 だが、魂が認めていない。 信念、たった漢字2つのそれではあるが、コナンにとって何より重い。 コナンがなぜ、このように重い信念を抱くに至ったのか、定かではない。 本人いわく、一度犯人を追い詰めて自殺させてしまったから、らしいがその一回だけでは説明がつかないだろう。 月影島での連続殺人事件、確かにあの事件は大きなものだったに違いない。 けれど、どれほど大きな事件であったとしてもコナンにとっては100を超える事件経験の中のたった一つに過ぎない。 その事件が、果たしてどれ程の影響を与えたのか、正直、軽いのではないかと思う。 恐らく、江戸川コナン、あるいはそう呼ばれる前の工藤新一時代から、この信念の原型は出来ていたのではなかろうか。 無論、推測に過ぎない。 そして、恐らく本人も知らないだろう。 信念とは、正義とは、理屈ではないのだから…… さて、ここで江戸川コナンという人間が持つ信念の重みをもう少し掘り下げて見てみよう。 いつの日だったか、服部平次が幼馴染の遠山和葉と共に東京見物に来た日のことだ。 色々な経緯があって、服部の知人重松明男に再会。 そこから、彼が執事を勤める森園家へとお邪魔することになった。 そこでいつものように殺人事件が起こり ─ いつものようにと言うのもおかしな話だが ─ コナンは、服部と共に推理するわけだ。 だが、ここで起こった事件は、これまでの事件と少し違った。 密室殺人。 コナンにとってはありふれた ─ これもおかしな話だが ─ 殺人手法のはずが、何とこの時、彼はその謎を解くことが出来なかった。 正確に言えば、密室殺人の証拠を掴むことが出来なかったのである。 一応、犯人は状況証拠の面から推測することが出来た。 けれど、類まれな知恵者である犯人・森園菊人を前に物的証拠を掴むことが出来なかったのである。 そんな中、コナンと服部は事件を解決させるために一つの策をうつ。 その策とは、全く無実の人間桜庭を犯人に仕立て上げ、真犯人森園をはめてしまうと言うもの。 倫理無視にも程があるこの作戦を実行し、コナンと服部はみごと犯人の物的証拠を掴みとり、森園逮捕へのきっかけとなった。 この事件から窺えることは、コナンの持つ殺人忌避の信念は恐らく全ての倫理に優先すると言うことであろう。 そもそも、コナンが工藤新一だった時代高校生探偵と言われて責任のない状態で推理をしていたこと自体倫理的には許されないことだ。 当時、彼を頼っていた目暮警部などは、新一が推理ミスをした場合責任を取らされることになる。 逆に、推理ミスを犯した新一は未成年であるため、責任は目暮ほど問われない。 もちろん、新一は理解していた。そんな事、当たり前のように。 だが、それでもなお、推理する。 それでもなお、犯人を指摘する。 それが江戸川コナンであり、工藤新一だ。 要するに、彼にとってあらゆる事に優先するのである、殺人阻止と言うものは。 これをもっと別の観点から見てみよう。 先ほど服部が言っていたアーカード。彼曰く、どうやって殺したらいいのかも分からない化け物。 つまりは、人間でない存在なのだが、これを殺すことをコナンはどう考えるだろうか。 恐らく、あまり良しとしない。 別に倫理や人殺しと言ったものが、化け物にも適用できるとコナンは考えているわけではない。 彼とて、日ごろ牛肉や豚肉を食しているのだから、人以外を殺すことに抵抗はない。 それが人間にあだなす存在であるならなおさらと言えよう。 けれど、それでも、殺すことに否定的になる。 それはなぜか。 単純だ、アーカードを殺すために残ったブラボー、つまり防人衛が死んだからである。 『犯人を推理で追い詰めて、みすみす自殺させちまう探偵は殺人者とかわんねーよ』 とは、江戸川コナンの台詞であるが、これがそのままアーカードvs防人にも当てはめられる。 つまり、準備の揃わない状態で化け物に挑んでいってみすみす人間を殺してしまえば、殺人者と変わらないのである。 だから、コナンはアーカードを殺すか否かと聞かれれば、答えに困る。 もちろん、実際にアーカードに会ってみなければ、正確な答えなど出せない。 自分と対等の知恵者である服部が、あれで正解だったと言うのだから、上で言ったことは机上の空論。 けれどやはり、江戸川コナンは化け物退治さえもあまり良しとしない。 逃げを打てるのなら、逃げるのが彼にとっての正解だ。 さらに奥深くまで踏み込んで考えてみよう。 アーカードのような人外とコナンが対決する場合、最も望ましいのは人外打倒の準備を整えてから対決することである。 整っていない場合は、仲間を殺さないように撤退することが正しい。 しかし、考えて欲しい。 相手は夜の王アーカードだ。 準備を整えることが果たして可能か。整わない状態で出会って逃げ出すことが果たして可能か。 どちらも、不可能と言わざるを得ない。 これは別にアーカードだけでなく、DIOに対しても同じ事が言える。 それに仮に逃げ出すことが出来たとしても、逃げ出してしまえば周りに被害を拡大させる。 要するにそのような化け物と戦うこと自体、無理難題な訳である。 最初からどうしたって、誰かが死ぬように出来ているのだ。 まとめてみよう。 コナンには殺人忌避の絶対信念があり、それは全ての倫理に優先される。 この場では、どうしたって殺人が起きるようになっており、コナンにはそれを防ぐ武力がない。 知力を補い合える男とは自分から縁を切ってしまった。 あの男が切り札と称する男とも別れてしまった。 残された手段はもう、ある種裏技的なものしかないという事になる。 この殺し合いを仕組んだものが、『そんなやり方ねぇだろ』とあきれ返るような裏技しか、殺人阻止の手段はない。 (無理だろうなぁ……) 実を言えば、その裏技に一つ心当たりがある。 その裏技は人が宇宙服なしで月面までジャンプするぐらいの無茶を前提にしている。 その裏技は殺人を犯した服部を否定する自分の行動に矛盾するものである。 その裏技は兆に一つの確率で成功すれば、これ以上ないほど殺人防止に役立つ。 (馬鹿なのは俺だって百も承知だ……) だが、これまでの現実が嫌というほどコナンに見せ付けていた。 ここでは殺人を回避する方法などないと。 回避するためには、絶対的裏技を使うしかないと。 「ねぇ、神楽おねぇちゃん」 「やっと敬語を使えるようになったアルカ」 (敬語じゃねーよ……ま、満足してるみたいだけどな) 裏技を使うのはいいとして、問題は神楽だ。 元々、一日で猿が人に進化するぐらいの不可能が前提の裏技。 力があるとは言え、少女を連れて行く場合、そんな無茶は出来ない。 今は神楽の方が年上だが、実年齢で言えば工藤新一よりも下になる少女。 コナンから見れば守る対象に他ならない。 「あのさ、これからどこに行こうか……」 ルイズの遺言、覚悟との合流、バトルロワイアルの打破。人殺しの阻止、裏技の実行。 やらなければならないことは山ほどあるわけだが、どこに行けばいいかは分からない。 「マダオを探すアル」 「マダオ? あぁ、キュルケさんのこと?」 「あぁ、親から貰った名前を捨てる不孝者アル」 (ははッ……、本名がキュルケじゃねぇのかよ) 「あとついでに、筋肉眉毛も探してやらないとかわいそうネ」 (ケンシロウさんの事だな) 少しだけとは言え、情報交換をしていて良かった。 全く聞いてなかったら、何を言ってるのかサッパリ分からなかったろう。 「んじゃ、その2人はどこにいるのか分かる?」 「病院に行くって言ってたアル」 なるほど…… だが、数時間前の情報となると、今はあてにならないと思ったほうがいい。 とりあえず、確認程度に病院に行ってその後で繁華街に向かった方がよさそうだ。 そう、裏技のキーとなる人物も恐らく繁華街にいる。 ケンシロウやキュルケが生き残っているのなら、神楽を2人に預けて自分はその人物を探す。 覚悟が見つかれば覚悟に預けてもいい。そして自分はキーを捜す。 彼を見つければ、裏技実行のチャンスが得られる。 その人物の名は範馬勇次郎。 元々、奇麗事だけで人殺しが阻止できるなんて思っちゃいない。 通常の殺人犯に蘭の空手や、キック力増強シューズが必要になるように。 人外に近い化け物になら、それ相応の武力が必要になる。 この殺し合いにおいて、最狂の暴力範馬勇次郎。 彼を説得し、仲間に引き入れ、抑止力として使う。 無茶なのは百も承知。 理屈で言えば、0%も勝率なんてない。 あれが人殺しとか、化け物とか、そんな生易しい言葉で語れる生き物でないことぐらいコナンも十分承知している。 たとえるなら、地上最強の生物。 人間でありながら、人間でなく、この地上にいながら最強を当たり前と思っている男。 あれは交渉が成立するような生き物ではない。 (でもよ……これ以上、誰かを殺すことなんて出来るわけがねぇ……) 賭けに出る。 無謀でも…… 【F-3 中央/一日目 真夜中】 【江戸川コナン@名探偵コナン】 [状態]:全身打撲。疲労大。左肩と全身に湿布と包帯。強い決意。 [装備]:ハート様気絶用棍棒@北斗の拳 、懐中電灯@現地調達 包帯と湿布@現地調達 スーパーエイジャ@ジョジョの奇妙な冒険 [道具]:基本支給品(食料一食消費)、鷲巣麻雀セット@アカギ、 空条承太郎の記憶DISC@ジョジョの奇妙な冒険 [思考] 基本:この殺し合いを止める。 1:病院→繁華街と進んでいく。その過程でキュルケ、ケンシロウ、覚悟、範馬勇次郎を捜索。 2:ルイズの最後の願いを叶えたい。 3:信頼できる人物(ケンシロウ、キュルケ、覚悟など)に神楽を預ける。 4:ゲームからの脱出。 5:ジグマールを警戒。 6:範馬勇次郎以外の光成の旧知の人物を探り、情報を得たい。 7:範馬勇次郎を仲間に引き入れる。 [備考] ※メガネ、蝶ネクタイ、シューズは全て何の効力もない普通のグッズを装備しています。 ※自分達の世界以外の人間が連れてこられていることに気付きました ※川田、ヒナギク、つかさ、服部、劉鳳、アミバの情報を手に入れました。 ※平次と二人で立てた仮説、「光成の他の主催者の可能性」「光成による反抗の呼びかけの可能性」「盗聴器を利用した光成への呼びかけの策」 等については、まだ平次以外に話していません。又、話す機会を慎重にすべきとも考えています。 ※スーパーエイジャが、「光を集めてレーザーとして発射する」 事に気づきました。 【神楽@銀魂】 [状態] 軽度の疲労 [装備] 神楽の仕込み傘(強化型)@銀魂 、ジャッカル・13mm炸裂徹鋼弾予備弾倉(25.30)@HELLSING [道具]支給品一式×2(食料一食消費) 陵桜学園高等部のセーラー服@らき☆すた 首輪 [思考・状況] 基本: 殺し合いに乗っていない人は守る、乗っている人は倒す。 1:コナンに付き合う。(病院→繁華街と進んでいく) 2:マダオ達を助けに行きアフロ(ジグマール)をぶっ飛ばす。 3:銀ちゃんとを殺した奴は許さない。 [備考] ※原作18巻終了後から参戦。 ※キュルケとケンシロウについては細かいことをまだ服部、劉鳳、コナンに話していません。 204 『二人の探偵』 投下順 206 バカは死ななきゃ治らない 204 『二人の探偵』 時系列順 206 バカは死ななきゃ治らない 204 『二人の探偵』 江戸川コナン 214 The show must go on 204 『二人の探偵』 神楽 214 The show must go on
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放課後。帰り前のショートホームルームが終わると同時に僕は走って昇降口に向かった。 学校終了 即帰宅 夕食 お見舞い がここ最近の僕の毎日の過ごし方だ。森さんの入院している病院は、僕の家からだと少し距離があり急がないと森さんに会える時間が減ってしまうのだ。 学校終了後すぐにお見舞いに行ければ良いが、家は家族揃って晩御飯を食べるのが決まりなので、なかなか思い通りにはならない。 因みに森さんが事故に遭った日、朝帰りを怒られそうになったが、一緒に来てくれた古泉君と新川さんがフォローしてくれた。古泉が森さんの弟で新川さんが父親って言う無理な設定だったけど…… まぁ、そのお陰で問題無くお見舞いに行けるんだし…2人には本当にどんなに感謝しても足りないと思う。 一度ちゃんと古泉君にお礼を言おうとしたが、いつもの微笑でお気にせずとだけ言われてしまった。何か今更だけど古泉君も不思議な人だよね。 森さんと知り合ってから色んな事があったなぁ…と考えながら家に着いた僕は、自室に戻りベッドに寝転ぶ。 森園生さん。最近僕の頭の中の80%以上を彼女が独占している。授業中も、谷口達と昼休みを過ごす時も、こうやって家に帰ってからも…。 可愛らしい声やふとした表情…大人の女性を思わせる優しさ…全てが僕の頭から離れない。 …無邪気に笑う彼女を見て…僕は森さんを好きになった。 でもその時は今の仲の良い姉弟の様な関係に満足していたし、それ以上を望むなど、思いもしなかった。 今までだってそうだ、クラスに好きな女の子が居ても…僕は特別告白しようと思わなかった。 でも森さんのお見舞いに行くうちに…僕は彼女への気持ちを抑えられなくなっていった。たわいもない会話でもらす微笑みを、勉強や進路の悩みを親身に聞いてくれる優しさを……僕は独り占めしたくなった。 いや、森さんの笑顔や気持ちは別に誰の物でもない…強いて言うなら、森さんの物だと思う。それでも…僕は…彼女が欲しい。そう思う様になってしまった。 昨日森さんに退院も近いと聞いた。退院してしまったら、今までの様に毎日会えなくなってしまう。だから…そうなる前に僕は…この気持ちを打ち明けたい。 夕食を終えた僕は自転車に跨り、森さんに会える嬉しさと緊張を感じながら、通い慣れた病院への道を急ぐ。僕が好きな時間の1つだ…もちろん1番は森さんと会うときだけどね。 病院の入り口で珍しく古泉君にあった。 「これは国木田君、今からお見舞いですか?」 「うん。古泉君は今帰る所?」 「まぁ……そんな所です。」 微笑んではいるが、どこか心配そうな、暗い雰囲気の古泉君を覗き込む。 ……まさか森さんに何かあった?…でも近々退院を控えている人間の容態が、急に悪化するんだろうか? いや、もしそうなら古泉君は帰ったりしないし、以前の様に僕に連絡をくれる筈だ。 「いえ…何かあったかと言われると、そうでは無いのですが…」 僕の疑問を察したのか説明してくれる……がいつもと違い中途半端だ。やはりおかしい……。 「古泉君いった…」 「僕の口からは言えません。」 古泉君は僕の質問を遮り、今までに見た事がない真剣な表情で僕を見る。 「僕は貴方を信じています。森さんをお願いしますね。」 そう言葉を残して古泉君は行ってしまった。どうしよう……いや、弱気になったら駄目だ。取り敢えず森さんに会おう。 森園生の名前があるプレートを見ながら僕は深呼吸する。……そう大丈夫だ。自分に言い聞かせ、扉をノックする……が返事がない。 まさか?! 嫌な予感がして扉を一気に開ける。しかし、そこにはいつも通りに窓の外の景色を見ながら、煙草を吸う森さんの姿があった。 肩すかしを喰らった気分で病室に入ろとすると、急に森さんが話し出した。 「古泉…しつこいわよ……あんたの正論なんて聞きたくな…」 「森…さん?」 僕の声を聞いてビクリ肩を震わせた森さんは、紫煙をゆっくりと吸い込み、吐き出す。 「……国木田君でしたか。ごめんなさい古泉が余りに説教臭かったので……早とちりしてしまいました。」 彼女の声はいつもと違う。誰が聞いても分かるほどに、無理に明るい調子の声。 「いえいえ、それより森さん…大丈夫ですか?何だか元気がないような…。」 「あら…入院してる人間は元気とは言えませんよ?」 クスリと笑い声をもらしながら言う。 「確かにそうですね…これは失礼致しました。」 僕が少しおどけて古泉くん風に言うと、彼女はまたクスリと笑い声をもらしたが…やはり元気がない。 僕が何か話そうと、森さんの居る窓際に近づこうとした瞬間だった。 「国木田君…お願いがあるんですが……。」 「何ですか?あっ!煙草が無くなったんですか?」 森さんは外の景色を眺めたまま、沈黙する。そしてやがて意を決した様に深く嘆息し言葉を紡いだ。 「もう…ここには来ないで下さい。」 言葉は聞こえたが、頭は理解出来ないらしく僕は沈黙した。 「もう一度言います…もう私には関わらないで下さい。」 「えっ…?」 やがて言葉の意味を理解した僕が発したのは…情けないことに息が漏れただけのような一言だった。 「急にごめんなさい。でも分かっていただけませんか?」 そう言って森さんは、今日僕がここに来てから数えて3本目の煙草に火を着けた……まるでもう話す事が無いと言うように。 「すいません…僕が悪い事したなら謝ります…だから、その…せめて理由を…」 「言えません。……貴方は悪くありません。悪いのは私です。だから、私の様な嫌な女に構わないで下さい。」 まさに…とりつく島もない…。僕は森さんに背を向けドアに向かって歩き出す。森さんは今日一度も僕の方を見てくれなかった…。そこまで嫌われたら仕方ないけど……でも…最後なら少しくらいワガママ言っても良いかな? 「ごめんなさい森さん…僕は貴女の事が好きでした。だから…最後に少しだけ顔を見せてくれませんか?」 「ごめんなさい…それも出来ません…分かって下さい…お願いします。」 森さんの声が震えている…。どうして?…表情が分からないから、何故か声が震えているか分からない。でも…おかしい…いくら入院していて弱気でも、森さんは急にこんな事を言う人では無いはずだ。 そう言えば…僕が入った瞬間森さんは僕と古泉君を間違えた。と言う事は森さんと古泉くんが直前まで話していたのは間違いない。 何を?森さんは古泉が説教臭いとお茶を濁した。古泉君は森さんをお願いしますと言った。……やっぱり変だ。 上手く説明は出来ないけど、昨日の面会時間終了まで仲良く話していた相手を、急に顔も見たくないほど嫌いになるだろうか?ない…と思う。そう…やっぱり何かあったんだ…。 「森さん…何かあったんでしょう?」 「…お願い…します分かって…。もう…私に構わないで…」 ついに震える声に嗚咽がまじる。 「わかりません…森さん泣いてるじゃないですか…何を隠してるんですか?僕何でしますから…」 「おねっがい…っく…何でもするなら…っ…出ていって…」 嗚咽が泣き声に変わる…そうだ、僕は今頃気付いた森さんは関わるなと言ったが、僕を嫌いだとは言っていない。何かあったんだ…森さんが他人との関わりを断ちたくなるほど辛い事が… 「好きな人が泣いてるのに…出ていける筈がないですよ…」 「お願いっ…もうっお願いよ…出ていって…私をっ…私をこれ以上掻き乱さないで!出ていって!」 感情が堰を切った様に…今日初めてこちらを振り向いて叫んだ森さんの目は、数時間前からずっと泣き続けているような真っ赤な目だった。 そんな目を直視出来ず、僕は叫んでしまう。 「出来ません!そんな状態の森さんを独りに出来るはずないでしょう!?」 「お願いっ…大人になって!分かってよ!独りにして!もう…ほおっておいて!」 自棄な叫びを上げ森さんは自分の顔を覆い子供の様に泣きじゃくる。 僕は…どうすれば…いや、どうすればじゃない。 森さんが言う様に…僕はここを去ればいい。 そして彼女を忘れてしまえばいい。 森さんを今こんな風に泣かせているのは、紛れもない僕だ。今は苦しいけど…胸が痛いけど…それが大人になる事なんだ。 …それで将来お互いに恋人を見つけて、街角ふと出会って、お互いに今を懐かしいなと微笑み合えば良い。 僕は森さんに背を向け病室のドアを開けようとした……あれ?おかしいな…何でドアノブが見えないんだろう……おかしいな…どうして僕まで泣いてるだろう 決まっている…僕はそんなの嫌だからだ。 この言い様のない嫉妬と焦燥感が今だけの物で、数年後には甘酸っぱい思い出に変わるとしても……嫌だ、絶対に嫌だ。もういい…子供で構わない。青臭い妄想って笑われても構わない…でも子供だから分かる気持ちだってあるハズなんだ。 僕は森さんの方を振り返って、ここが病室だということを気にせずに森さんに叫び返しす。 「そんなのが大人なら…そんな事が貴女と吊り合う大人になるって事なら…僕は貴女に釣り合わないままの子供でいいです!貴女に子供だと笑われても…僕は貴女が好きなんです! だからっ…だから!そうやって泣いている貴女を…絶対に絶対に独りにして出て行くなんて出来ません!」 もう自分でも何を言っているか分からない。森さんからすれば訳の分からない事を叫んでいる馬鹿でしかないだろう…。でも僕はそう叫ばずには居られなかった。 沈黙。森さんの嗚咽混じりの泣き声だけが部屋に聞こえる。 「分かりました。」 しばらくした後、そう言うと森さんは背を向けて立ち上がり、着ていたパジャマを脱ぎだした。 「ちょっ!?森さん?!」 僕の制止も聞かず包帯を背中にビッシリと巻かれた包帯を外すと…そこには、目を背けたくなるような無惨な傷があった。 「これを見ても…まだ君はそんな事言えますか?子供の国木田君?」 彼女の自嘲した様などこか僕を挑発したような声が病室に響いた。 国木田君はどうやら絶句しているらしい。それはそうだろう…私だって初めて見た時信じられなかったのだ。 私がこの傷を知ったは、今日の日中の回診の時だ。優しい老医師は『体も精神も弱っている時に教えるよりも、ある程度回復してから伝えた方が良いと思った。』と言っていた。 確かに…あの時聞いたら…まぁ死にたくなってたわね…。凄惨な傷だが命に別状は無く、日常生活にも支障はないらしい。 ただ…見た目が酷すぎる。正直、この傷で背骨に異常が無いのを感謝したいほどに…。それを医師に伝えたると、『貴方は強い人ですね。』と誉められ、悪い気はしなかった。 が…どうやらこのは傷医療整形しても完全には治らないらしい…機関の可愛い後輩を助けたのだから、これ位安い物だ…そう思う事にした。 回診も終わり独りになると、何故か不安になってきた。やはり国木田君はショックを受けるだろうか? ある意味本当に傷物なのだ。確かに私はもう純潔では無いし……傷物と言う意味では当たりなのだが……ダメだ。 これ以上考えたらどんどんネガティブな思考になる。分かっていても、私の頭は思考を止めてくれない。 こんな傷があったら、彼に嫌われてしまう…イヤだ…怖い…彼に嫌われたくない。 一度恐怖にかられると、もう…耐える事など出来なかった。 「イヤっ…ひっく…国木田…君…私…怖い…怖いよぉ…うっあっ…うわあぁぁっ!」 ベッドに潜り込み、私は声を上げて泣いた。そうしないと自分を保って居られなかった。 私を正気に戻したのは病室の部屋に響いたノックの音だった。 「森さん、よろしいですか?」 「古泉?少し待って…。」 流石にこの顔は誰にも見せられない。私は窓際の椅子に腰掛け、外を眺める振りをした。 「どうぞ?」 「失礼します。ついでに食事もお持ちしましたが…食べられますか?」 「そこに置いてて後で貰うわ。」 大丈夫。普段通りの私だ。 「ねぇ、古泉。傷の事知ってた?」 「はい…知っていました。医師に聞かれたのですね。」 古泉の声が沈む。そうか…責任感のある彼の事だ、自分のせいだと思い込んでるのだろう。 「大丈夫よ古泉。貴方のせいじゃないわ。」 「でも…でも森さん僕があの時…」 やっぱりそう思っていたらしい、この子も意外と単純よね。 「いいのよ…その代わり…国木田君にもうここに来ないでと伝えておいて…。」 「なっ!?森さんそれはいったいどういう事ですか?!」 私からは見えないが、きっと古泉の顔は驚愕に歪んでいるだろう。 「古泉…ごめんね…でもこんな体、彼に見せたくないの…。」 …私に負い目を感じているなら古泉は従うだろう。 「分かりました…失礼します。」 しぶしぶと古泉は出て行った。後輩を虐めて何やってるのかしらね…私は…。 しかし、そのすぐ後に国木田君が来た…どうやら古泉は私の頼みを聞かなかったらしい。まぁ彼の性格なら仕方ないか…。 私が回想している間も、言葉を失ったかのように彼は押し黙っている。 ほらね…口では何とでも言えるもの……嫌なんでしょ?こんな傷が付いた女なんて…。 さっきまで、偉そうに私に説教してたのが嘘のみたいね? 所詮コンナモノナノ?…何ガ好キヨ…何ガ置イテ行ケナイノヨ…何ガヒトリニハ出来ナイヨ…笑ワセナイデ… 私の頭に黒い思考が満ちていく。 そうだ…せっかくだし最後に彼を試してみようか?もちろん彼がどんな選択肢を選ぼうがお引き取り願うのだが…。 私は彼に背を向けたまま、身に着けているもの全てを脱ぎ捨てた。 「森さん?!いったい何を!?…もう…もうこれ以上自分を貶めるのは止めて下さい」 必死で私を諫めようと彼は叫ぶが…無駄だ…。私は彼の方を向き両手を広げて冷たい視線を彼を見つめ妖笑を浮かべる。 「いらっしゃい」 彼は動かない…いや動けないのだろう…。 …仕方ない。私は追い討ちをかけるべく更に声色を甘くする。 「どうしたのボク?私の事好きなんでしょう?なら…私に証拠を見せてご覧なさいな?」 彼はフラフラと私に近付いて来る。まぁ…流石にウブな高校生でもここまで言われたら堕ちるか…。 「森…さん…」 「いいのよ?好きにして…」 私は彼を見つめ瞼を閉じる。 これで終わり。 一夜の逢瀬を楽しんで全て終わり。 ごめんね国木田君…こんな弱く汚い人間で…。 「森さん…ごめんなさい…」 パンッ…と小気味の良い音がした。 何があったか理解するのに少し時間がかかった。そう…彼が私の頬を打ったのだ 「国木田…君?」 「森さん…いつまで甘える気ですか?貴女はそんな人間じゃないでしょう?」 厳しい台詞とは真逆に、とても穏やかに微笑んでいた。 「えっ…あっ…その…ごめんなさい。」 彼の優しい笑みと、父が娘を諭す様な暖かい声色に…私は素直に謝ってしまった。 「心配しなくても大丈夫ですよ…本当に鈍くて、貴女の辛い気持ちも考えないで、ごめんなさい。 でも森さん、僕は貴女のそんな弱い所も、悪い事をして結局自分を傷付けてしまう純粋な所も、優しいお姉さんみたいな所も、ふと見せる可愛いらしい笑顔も…。 その……ありきたりだけど……やっぱり貴女の全部が好きなんです。だから、そんな傷なんて僕は気にもなりませんよ。」 彼は…そう言って私を抱き締めると髪を優しく撫でてくれた。 馬鹿…っ…どうして…貴方はそんな優しいのよ…そんな優しくされたら…私は私はっ… 「ごめん…なさい…ごめんなさいっ!……うっ…ごめんなさいっ!…くっ…怖かったの!…ひぐっ…怖かったのよぉぉっ…貴方に嫌われ…ってしまうと思ったら…怖くっ…て、うわあぁぁっ」 情けない…結局私は、小さな少女の様に彼にすがりつき、彼の服が涙でグシャグシャになるのも気に留めず泣き続けるしか出来なかった。 彼はその間ずっと、私の髪を優しく撫でてくれた。その優しさに私はまた涙が溢れた。 「その…叩いてしまって本当にごめんなさい。」 「いえ構いません。国木田君のお陰で目が覚めました。」 泣き止んだ私は彼に包帯を巻き直して貰い、更に服までかけて貰っていた。 これではどっちが子供か分からない…いや、冷静になった彼は終始真っ赤で私の裸から目を逸らして居たからおあいこだ。 しかし、私は困っていた。その何と言うか…タイミングを逃してしまったのだ。 確かに、彼は私を好きだと言ってくれた。だが私はどうやって返事をすれば良いのだろう?今更私も好きですって言うのは間抜けな気がする。 どうしようか…国木田君もどうも跋が悪いらしく、2人ベッドに座って硬直している様は妙にシュールだ。 あっ…そうだ、アレだ。ある事を閃いた私はベッドから立ち上がると、窓際に置いてある鞄から携帯を取り出し操作した。 暫くして、彼のポケットから甘いラブソングが流れる。彼は慌てて携帯を取り出すと、拗ねた瞳でこちらを見ると携帯をいじりだした。 フフっ…やっぱり国木田君は可愛いわね。 とか油断していたら私の携帯から倍恥ずかしい歌詞の歌が流れる。迂闊だったわ…そうよね…普通やり返すわよね。 [分かりました。 窓際で外見ながら、僕の一番好きな仕草をしてて下さい。] 好きな仕草?これは仕草って言うのかしらね? 私は煙草をくわえると火を着け、紫煙を揺らす。やっぱり、吸う気分で味は変わるのかも知れない格段に美味しい。 煙草に集中してしまった私が悪いのだろうか?いつの間にか彼は私の真後ろに居たらしく、そっと優しく後ろから私を抱き締めた。 「あっ…ちょっと…国木田く…」 「好きです。こんな情けない年下ですが…貴女が大好きです。…付き合って下さい。」 そう、私はこうメールしたのだ。 [本当に私が好きなら、もう一度告白して下さい。] 駄目だ…また涙が溢れてきた…。 「私も大好きです…こんな私で…よろしければ…一緒に居て下さい。」 私は彼の方を向き直りゆっくりと瞼を閉じる。彼のゴクリと唾を飲み込む音が妙に大きくて、少し笑ってしまいそうになる。 やがて、目を開けようかと迷うような時間が経った後…ようやく彼の唇が私に触れた…触れるだけの優しい口付けだったが…不思議と私は満たされていた。 ずっとそばに居てね…私の大好きな年下の優しい恋人君。 森園生の電子手紙 Fin? 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森園生の電子手紙 1 森園生の電子手紙 2 森園生の電子手紙 3 森園生の電子手紙 [蛇足] 国木田君と森さんと野良猫さん 森園生の電子手紙 エピローグ 森園生の電子手紙 エピローグ2 /番外編 涼宮ハルヒの誘拐 (キョンハル)
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森園生の電子手紙 1 森園生の電子手紙 2 森園生の電子手紙 3 森園生の電子手紙 [蛇足] 国木田君と森さんと野良猫さん 森園生の電子手紙 エピローグ 森園生の電子手紙 エピローグ2 /番外編 涼宮ハルヒの誘拐 (キョンハル)
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PGMホールディングス 本店:東京都港区愛宕二丁目5番1号 【商号履歴】 PGMホールディングス株式会社(2010年7月1日~) パシフィックゴルフグループインターナショナルホールディングス株式会社(2004年12月9日~2010年7月1日) 【株式上場履歴】 <東証1部>2005年12月15日~2015年7月29日(株式会社平和と株式交換) 【連結子会社】 パシフィックゴルフマネージメント株式会社 東京都港区 100% パシフィックゴルフプロパティーズ株式会社 東京都港区 100% 株式会社地産 東京都港区 100% プレミアゴルフ株式会社 東京都港区 100% 株式会社阿見ゴルフクラブ 東京都港区 100% 株式会社アークよかわゴルフ倶楽部 東京都港区 100% 太平洋観光開発株式会社 東京都港区 100% 那須ゴルフクラブ株式会社 東京都港区 100% 株式会社サンパーク 東京都港区 100% 日本ゴルフ振興(沖縄)株式会社 東京都港区 100% 株式会社宮崎国際ゴルフ倶楽部 東京都港区 100% PGMプロパティーズ1株式会社 東京都港区 100% 株式会社秦野カントリー倶楽部 東京都港区 100% PGPアセットホールディングス1有限会社 東京都港区 100% 中峰ゴルフ倶楽部株式会社 東京都港区 100% PGPアセットホールディングス2有限会社 東京都港区 100% NWゴルフクラブ株式会社 東京都港区 100% 大洋緑化株式会社 東京都港区 100% 株式会社大山アークカントリークラブ 東京都港区 100% PGPAH4株式会社 東京都港区 100% PGPAH5株式会社 東京都港区 100% 土佐山田観光開発株式会社 東京都港区 100% 花の木ゴルフクラブ株式会社 東京都港区 100% 北広島ゴルフアンドリゾート株式会社 東京都港区 100% 株式会社シンコーゴルフ倶楽部 東京都港区 100% 株式会社ビーアイピーホールディングス 東京都港区 92.86% 【合併履歴】 2007年12月 日 パシフィックゴルフグループ株式会社 【沿革】 平成15年12月 パシフィックゴルフグループ株式会社設立、複数のゴルフ場運営を開始。LSF Ⅲ Nippon Golf Properties, LLCを通じてパシフィックゴルフマネージメント株式会社の株式を取得、同社の筆頭株主となる 平成16年2月 パシフィックゴルフプロパティーズ株式会社設立。パシフィックゴルフプロパティーズ株式会社によりPGP有限会社、PGP2有限会社、PGPFinancing有限会社を設立。パシフィックゴルフマネージメント株式会社により、パシフィックゴルフサービス株式会社を設立 平成16年3月 パシフィックゴルフマネージメント株式会社により、STT株式会社を設立。PGPFinancing有限会社により、株式会社地産を子会社とする。株式会社地産により、以下の会社を子会社とする(大日向森園株式会社、株式会社アークよかわゴルフ倶楽部、株式会社赤坂レイクサイドカントリークラブ、株式会社富貴ゴルフ倶楽部、株式会社エヴァンタイユ、株式会社秦野カントリー倶楽部、枚方国際ゴルフ株式会社、太平洋観光開発株式会社、大宝塚ゴルフ株式会社、株式会社川越グリーンクロス、プレミアゴルフ株式会社、株式会社阿見ゴルフクラブ、KLHoldings有限会社、株式会社サンパーク) 平成16年4月 株式会社地産により、エスティティ開発株式会社を子会社とする 平成16年6月 バーディー有限会社を子会社とする。PGP有限会社によりフォレスト三木株式会社、PGP2有限会社によりフォレスト市川株式会社を子会社とする。株式会社地産から、株式会社秦野カントリー倶楽部の全株式をフォレスト三木株式会社へ譲渡。株式会社地産から、株式会社川越グリーンクロス、株式会社赤坂レイクサイドカントリークラブ、株式会社エヴァンタイユの全株式をフォレスト市川株式会社へ譲渡 平成16年11月 株式会社阿見ゴルフクラブにより、株式会社富貴ゴルフ倶楽部、大日向森園株式会社、大宝塚ゴルフ株式会社、枚方国際ゴルフ株式会社、KLHoldings有限会社を吸収合併 平成16年12月 パシフィックゴルフプロパティーズ株式会社により、JGPHoldings有限会社、PGP TR有限会社を子会社とする。株式会社地産により、エスティティ開発株式会社を吸収合併。株式会社地産により、秋田ゴルフクラブ株式会社、那須ゴルフクラブ株式会社、黒羽ゴルフクラブ株式会社を設立 平成16年12月 パシフィックゴルフグループ株式会社の株式移転により、国際的戦略を視野にしたグループを統括する持株会社としてパシフィックゴルフグループインターナショナルホールディングス株式会社設立 平成17年1月 パシフィックゴルフマネージメント株式会社により、千登世商事株式会社を子会社とする。JGPHoldings有限会社により、日本ゴルフ振興株式会社、株式会社宮崎国際ゴルフ倶楽部、日本ゴルフ振興(沖縄)株式会社を子会社とする 平成17年3月 バーディー・ツー有限会社を子会社とする。秋田ゴルフクラブ株式会社の全株式売却 平成17年7月 フォレスト三木株式会社により、PGPアセットホールディングス1有限会社、PGPアセットホールディングス2有限会社、貴志川ゴルフ倶楽部株式会社を設立 平成17年8月 パシフィックゴルフプロパティーズ株式会社により、大洋緑化株式会社を子会社とする 平成17年10月 パシフィックゴルフプロパティーズ株式会社により、PGPFinancing2有限会社、PGPMiki有限会社、PGPIchikawa有限会社、PGP TR2有限会社を設立 平成17年11月 フォレスト三木株式会社により、NWゴルフクラブ株式会社を設立 平成17年12月 パシフィックゴルフグループインターナショナルホールディングス株式会社が東京証券取引所市場第一部上場 平成18年1月 黒羽ゴルフクラブ株式会社の全株式売却 平成18年6月 貴志川ゴルフ倶楽部株式会社の株式を大洋緑化株式会社へ株式譲渡。大洋緑化株式会社により、ゴールデンウッド株式会社設立。その後、全株式売却。日本ゴルフ振興株式会社により、旭川カントリー倶楽部株式会社、常磐カントリー倶楽部株式会社設立 平成18年7月 パシフィックゴルフプロパティーズ株式会社により、北方ゴルフ倶楽部株式会社を子会社とする。株式会社地産を存続会社として、株式会社地産と日本ゴルフ振興株式会社が合併 平成18年8月 PGPアセットホールディングス1有限会社により、中峰ゴルフ倶楽部株式会社を子会社とする 平成18年9月 パシフィックゴルフプロパティーズ株式会社により、有限会社加賀セントラルゴルフ倶楽部、多治見北開発有限会社を子会社とする 平成18年11月 常磐カントリー倶楽部株式会社の全株式売却 平成19年1月 株式会社大山アークカントリークラブを子会社とする 平成19年3月 奈土興産株式会社(現商号:PGPAH4株式会社)、株式会社ダイナシティリゾート(現商号:PGPAH5株式会社)、土佐山田観光開発株式会社を子会社とする 平成19年3月 有限会社加賀セントラルゴルフ倶楽部の全株式を売却 平成19年6月 北広島ゴルフアンドリゾート株式会社を子会社とする 平成19年8月 花の木ゴルフクラブ株式会社、株式会社シンコーゴルフ倶楽部を子会社とする 平成19年8月 旭川カントリー倶楽部株式会社の全株式を売却 平成19年12月 パシフィックゴルフグループ株式会社を吸収合併 平成19年11月 フォレスト三木株式会社(現商号:PGMプロパティーズ1株式会社)を存続会社として、フォレスト市川株式会社、株式会社川越グリーンクロス、株式会社赤坂レイクサイドカントリークラブ及び株式会社エヴァンタイユを吸収合併 平成19年12月 PGPAH4株式会社を存続会社として、PGPAH3株式会社、鶏頂高原リゾート開発株式会社、北方ゴルフ倶楽部株式会社及び多治見北開発有限会社を吸収合併 平成19年12月 株式会社ビーアイピーホールディングスを子会社とする
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D.C.III~ダ・カーポIII~ Blu-ray Disc BOX完全初回限定生産商品) 発売日:3月16日 【Blu-ray Disc BOX特典】 ★キャラクター原案 たにはらなつき描き下ろしBOX仕様 ★48Pフルカラーブックレット (単品商品付属ブックレットの再編集)同梱 ★ノンクレジットOP(第2話) ★ノンクレジットED1~5 ★PV・CM集 2013年放送。シリーズオリジナル作品にD.C. ~ダ・カーポ~・D.C.II ~ダ・カーポII~がある。 http //www.hatsunejima.com/ 監督 石倉賢一 原作 CIRCUS 構成 石倉賢一 メインライター 山口伸明 キャラクター原案 たにはらなつき、鷹乃ゆき キャラクターデザイン・総作画監督 西尾公伯 プロップデザイン 小倉典子 美術監督 近藤由美子 美術設定 比留間崇 色彩設計 原田幸子 撮影監督 太田和亨 編集 たぐまじゅん 音響監督 明田川仁 音響効果 上野励 録音調整 小長谷啓太 音楽 中西亮輔 アニメーション制作 脚本 山口伸明 林直樹 さんちゅ~ 神夜優 友永コリエ 絵コンテ 石倉賢一 島津裕行 大平直樹 羽原久美子 小俣真一 ウシロシンジ ワタナベシンイチ 川口敬一郎 演出 奥野耕太 橋口洋介 大平直樹 羽原久美子 黒田晃一郎 木村延景 小野田雄亮 森義博 神原敏昭 中野英明 作画監督 西尾公伯 岩岡優子 藤原未来夫 高橋敦子 島田さとし 大橋圭 出野喜則 橋口隼人 谷口繁則 徳倉栄一 川島尚 牧内ももこ 斉藤真由 半澤淳 後藤圭佑 山口飛鳥 飯飼一幸 香田知樹 山崎愛 小林利充 実原登 西尾智恵 前田綾 志賀道憲 藤田正幸 いまざきいつき 松尾真彦 尾形健一郎 大高雄太 笠野充志 山内則康 ■関連タイトル D.C.III~ダ・カーポIII~ Blu-ray Disc BOX 完全初回限定生産商品 D.C.III ~ダ・カーポIII~ [ブルーレイ初回限定特別版]1 D.C.III R ~ダ・カーポIII アール~ X-rated 公式ビジュアルファンブック} 描き下ろし抱き枕カバー シャルル・マロース OPテーマ 新田恵海、宮崎羽衣、佐々木未来、桜咲千依、海保えりか/サクラハッピーイノベーション EDテーマ CooRie yozuca* PSP版 D.C.III Plus ~ダ・カーポIII プラス~ 限定版 原作版画集 D.C.III ~ダ・カーポIII~ 公式パーフェクトビジュアルブック 原作版ドラマCDコレクション vol.1 feat.森園立夏 原作版 D.C.III ボーカルアルバム コミック版 かゆらゆか/D.C.III~ダ・カーポIII~ 1 コミック版 日向ののか/D.C.III~ダ・カーポIII~ 1 フィギュア・ホビー:ダ・カーポ 原作ゲーム Windows D.C.III~ダ・カーポIII~
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このページはhttp //www.geocities.jp/nullpomaster_2006/attach/phone.htmからの引用です 7G独立「ザ・学園」設定まとめ特別企画 およびoffice 2003 SP3に上がったぞ記念企画 しょうもない設定資料集 使用携帯電話機(相当品)の設定資料 名前 相当品機種名 備考 柏木姫子 Hitachi W51H 水瀬原ユキ Mitsubishi D903iTV 千早美春 Panasonic 810P 松林千尋 SHARP W51SH 大石みやこ Toshiba W47T フェリス=凛竹原 JRC WX321J 長谷部虎四里 SHARP 821SH 大内忍 SonyEricsson SO903iTV 鳴瀬川ヤヨイ SHARP 811SH 梅ノ木みかん Fujitsu F903iX 北都奏美 Toshiba H11T 音無朱鷺子 Toshiba A5523T ヨハン=クロイツフェルト SonyEricsson W51S Eicia=Frankrin NOKIA 705NK 黒崎龍司 Sanyo W51SA 天ヶ瀬千晴 Toshiba 813T 朝霧ののか CASIO W53CA 八千草香里奈 SonyEricsson SO905iCS 神尾飛鳥 Toshiba 815T 冴子=ハミルトン CASIO W52CA Henrietta Ashley Motorola M702is 神崎君枝 Sanyo W42SA 国木原彌隷 NEC N601i 如月沙耶 Panasonic P704i 長浜清 SHARP 705SH 朝丘邑子 Kyocera W51K 霧島恋 Mitsubishi D702i 園城寺まどか Toshiba WX320T 志村小鳥 Kyocera W53K 西園寺美空 SHARP W61SH 古代ヒミカ NOKIA 804NK 高田雅司 Hitachi W53H 三田鈴 Panasonic 822P 楢崎衛 NEC N705i 久瀬プラトー NEC 821N 宇佐美楓 SHARP SH706i 金菲菲 Samsung 821SC 田無夏希 Sanyo W63SA 益田大輝 SonyEricsson SO905i 佐田毅 Fujitsu F706i 森園姫織 Toshiba X01T 真壁梨理 Panasonic P903iTV 後にPanasonic P905i ブライト=アンテウス htc X01HT 亜衣香=アンテウス SHARP 912SH 榊原アメリア SHARP 813SH 後にNEC 940N リリア・フローリアン aDP MediaSkin(Kyocera W52K) ディアーヌ・ド・ジョベール NEC N703iμ 後にNEC N905iμ 音無志津子 Mitsubishi D800iDS ミア・クレマトア Fujitsu F702iD 村崎鏡 CASIO W41CA 井本美歩 Kyocera W62K Iris Risa Ashley Fujitsu F1100 龍碕結城 Panasonic W52P 才名園蒼乃 SHARP 816SH
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C セルディッド 最終更新日時 2019年05月05日 (日) 19時35分42秒 基本情報 名前 セルディッド 種族 神族 ジョブ ディフェンダー 召喚コスト 10 タイプ エルフ HP 300 ATK 5 DEF 5 PSY 30 武装 不可 血晶武装 不可 アーツ 無 CV 中村 知子 対象称号① 己のみの正義神名千尋でセルディッドを使って50回勝利する。 対象称号② [サマーSCのみ]ミスサマー・オブ・イケWOMEN!サマーシーズンコレクションの「ミスサマー・オブ・イケWOMEN!」に入選した使い魔を使って50回勝利する。 アビリティ 召喚 アームドコストカット 自身の周囲にいる、自身と同じ種族の自使い魔の武装コストを下げる。ただし、一定コスト以下にはならない。 パラメーター 状態 HP ATK DEF PSY 備考 召喚 300 5 5 30 DATA・フレーバーテキスト +Ver4.0 Ver4.0 Ver4.0 No 神族:019 身長 1.70[meter] 体重 52[kg] 出身 禁忌の森 異名 白きエルフ 苦手 機械 この世界で気に入ったもの ポップス イラストレーター カスカベ アキラ フレーバーテキスト(カード裏面) 私の歌ステキでしょ? 好きになっちゃっても無駄だけどね フレーバーテキスト(LoV4.net) 不思議な感覚――本来なら空を飛ぶことなんかできないのに、私は宙を漂い、石でできた建物ばかりの地上を見下ろしていた。この世界は“森の声”がほとんど聞こえず、エルフの私にはとても息苦しい。頭がふらふらとしてきて、このまま風でどこかに飛ばされてしまうのではないかと不安になってきたところで、丁度よく「金属の樹」の間に手ごろな大樹を見つけたので腰を下ろした。この世界では、私は物質としては存在していないらしい。誰の目にも見えないし、誰の耳にも私の詩は聞こえない。それはそれで思いっきり詠えていいのだけど、誰にも気づかれないというのはやはり寂しいものだ。どちらかと言えば誰かと楽しく笑っているのが好きな私が、ひとりこうしているのには当然理由があった。私をこの世界へと誘った死の国の女王は言った――『守護者』にならないか、と。彼女が見せてくれた世界の運命、『始原の運命の樹・アルカナセフィーロ』――それに刻まれた11の運命と、その“道”となる22の素子――その一つを守り、“運命を繋ぐ”ため、私はこの世界にやってきた。まずは、私の守護すべき“運命素子”を宿す“器”を探さなければならない――。「……だとして、それっていったいどこにいるのよ! あの子ったら『感じろ』ってそれだけ? そんなので本当に見つかるの!?」誰に聞かれることもないことをいいことに大声で叫んでみる――が、思いの他、気持ちは晴れやかだった。以前の私だったらこうはいかなかっただろう。ひとりうじうじと思い悩んで、ともすれば逃げ出してしまっていたかもしれない。けれど今の私には“あの人”への確かな想いがあり、彼が最後に見せてくれた笑顔が気持ちを支えてくれていた。「ま、先行きは不安だけど、私らしく気楽にいくしかないよね」あの戦いの日々の中、束の間の休息――彼は、森や丘の樹の下で、その香りを感じながら戯曲を読むのが好きだった。そして私はその傍で、竪琴をつま弾いている時間が好きだった――。私は竪琴を手に、思い出のまま短く一節つま弾くと、「それじゃ、何して遊ぼっかな」と、意気も新たに、森の香りがする方へと飛んだ。 +ECR ECR ECR No ECR:019 身長 1.70[meter] 体重 52[kg] 異名 白きエルフ 学部 上恵大学 英文学科 2年生 サークル 園芸サークル『きみどり』 恋した人 右の瞳が紅い騎士 イラストレーター Tomatika フレーバーテキスト(カード裏面) - フレーバーテキスト(LoV4.net) 私は、ある日突然いなくなった。体は存在している。ただ私の心は、体とはどこか別の場所に移され、閉じ込められてしまっているようだった。暗くもなく、明るくもなく、ただそこにある――そんな空間。不思議だったのは、この現状に対して、“怖い”とか“嫌だ”といった感情がまったく湧いてこないこと――普通に考えればあり得ないことだし、不安にいたたまれなくなり、心がどうにかなってしまうだろう状況だとは思う。けれどそのように思うことは微塵も無く、とても温かな感覚で、小さな頃にお母さんと一緒の布団で眠ったあのときのような、そんな安心感に包まれていた。幽体離脱……? それとも……死んでしまった? 色々と考えてみたが、どれも確信が持てないし、しっくりとこない。それよりも私の心に引っかかったのは、こうして体を無くすことで得ている安心感――それが、ある意味私を“寂しく”させていることだった。心はそのままに体を失う――それを安心と感じた――それはもしかしたら、私が“自分の体を嫌っていた”ということにならないだろうか。自分の“リアル”を嫌っていて、何か違う存在になりたい、違うところに行きたいと願っていたのではないか、と。――そうだ……そういうのが高まって、あのとき……。思い返すと、とても息苦しかった。特に目的も無く、“入らなきゃいけない”という一心で入った大学で、際限のないレポートと生活費を稼ぐためのアルバイト、突然増えてしまった友だちとの付き合いに日々追われていた。初めはその忙しさも楽しかった。でも、今になって思うとそれは、それまで部活にも入らず、勉強ばかりで人付き合いというものをほとんどしてこなかった私が、急な環境の変化に舞い上がっていただけなのかもしれない。次第にそんな生活――慣れない上辺の友人関係、サークルの付き合いや、携帯に表示されるLIMEのメッセージがどんどん重く、気づまりになっていって――。自分で選んだ学校に通い、普通に生活できているだけでも恵まれていることはわかっている。けれど、我儘なのかもしれないけど、やっぱりそうやって“合わせていく”だけの日常が――実は周りの子たちも私と同じで、お互い“合わせている”だけなんじゃないかと感じてしまったことが――自分をとても無意味なものに感じさせて、とても苦しかったのだ。――でも、一人だけ、そうじゃない人もいたな。神名千尋くん――彼だけは違っていた。彼とは2年のゼミから一緒だったが、僅かにいる友人らしき人と一緒の時以外、笑ったところを見たことがない。皆と交流らしい交流を持つことも無く、ゼミコンにだって一度も顔を出したことはなかった。みんなは、表情のない“ロボットマン”とか、陰でいろいろ言っていたけれど、彼はまったく気にするそぶりも見せなかった。周りに流されることなく、自分の道だけをしっかり見据えて歩いている、そんな風に見えた。彼には彼なりの辛いことや、悩みがあるのかもしれない。けれど、全部自分で決めたのだからどんなことでも納得して歩んでいる――まったく違うのかもしれないが、勝手にそんな風に想像し、ああいう風にできたらいいのに、そう思ってしまっていた。そういう自分を見つめ返すだに、結局、私には“こうしなきゃ”というものが他人の中にしかないのだということに気付かされる。誰かに良く思われたくて、周りの評価だけを気にして、その為に何かをするしかない“偽物”なんだと――。そんな自分に嫌気がさして、どうしようもなくなったとき――“その子”が入ってきた。今、私の体は、私じゃない“その子”が動かしている。詳しいことはわからない。どう説明すればいいのかもわからない。“外”の様子が見えるわけでもないし、感じることもできない。ただ、私の体を“その子”が動かしていることがわかり、“その子”の感情が伝わってくる――そんな感じだ。“その子”は、恋に全てを懸けていた。陳腐で、愚かしく聞こえるかもしれない。しかし、私にはそうとしか表現できない。こんな私でも恋をしたことはあるが、“その子”のそれは、私のものとは比べものにならないほど純粋で、強い想いだったからだ。“その子”が懸けていたものは、自分の“命”。それなのに――まったく期待できなくはないみたいだけど――“その子”は自分の想いが報われないことを重々承知しているようでもあった。私自身はもちろん、友だちや親であっても、ここまでの想いを実際に目にしたことはない。それこそ映画や小説の中にしかないそんな強い感情を、この空間で、私はまるで自分の心のように感じることができていた。そしてその、辛くて、ある意味常軌を逸した、けど真剣に生きている“その子”の心に、これが“本物”なのかと、例えようもない感銘を受けてしまってもいた。確信はないが、私のこの状態はそのうち終わると思う。これは夢のようなもので、いつかは覚める、そう予感がしている。そういえば、『テンペスト』でもそのようなことを言っていたっけ……。そしてもし元の体に戻れたら、そんな心に触れた今の私なら、前よりは前向きな私になれているのではないだろうか――いつの間にか、そう思えていた。結局のところ、いつか私は元の体に戻りたいわけだ。けれど今の私は、“その子”の想いが何かしらの結末を迎えるまで……それまでの間は、その心を見守っていたいとも思ってしまっている。そして誰が認めなくても、せめて私、森園英子だけは、“その子”――セルディッドの恋を応援したいと、そう思っている。 +シーズンコレクション シーズンコレクション シーズンコレクション No SC:022 身長 1.70[meter] 体重 52[kg] 兄弟 弟が2人 フルネーム セルディ・ブリア・ルム・ルード 好きなこと 歌と竪琴 解ったこと 結局三人そろってインドア派 イラストレーター ももしき フレーバーテキスト(カード裏面) ふふ 私と一緒に泳ぎたいの? フレーバーテキスト(LoV4.net) ≪ From“セルディッド(ECR)”≫「セルディッド……なんでプールなの?」ん? ほら、夏って言えばこの世界の人間たちは海で遊んだりするんでしょ? けど千尋、東京に泳げるような海はないって言ってたし、ならプールかなって。それに“遊泳用の人工池”っていうの、一度行ってみたかったんだよね♪「あの、俺も一緒じゃなきゃダメ……?」んもう、虎鉄君まで……夏だよ!? 太陽ギラギラだよ!? なのに千尋はずーっと本読んでるか調べものだし、虎鉄君も勉強漬け。二人とも閉じこもってばかりいないで、たまには外で思い切り遊ばなきゃ!「僕は静かなところで、これからどう戦っていくべきか考えたいかな」「俺も遊んでる場合じゃないっていうか……」……はぁ、わかってないなぁ。確かに“紅蓮の戦い”に真剣に向き合うのは大事だよ? でもそんな時だからこそ、平和じゃなきゃできないことを満喫して、そのありがたさを知るのも必要なんだから。それが“生き抜きたい”、“守りたい”って力に繋がるの。長く戦い続けてきたこの私が言うんだから、言うこと聞いといて損はないわよ?「というか、俺は夏期講習があってですね……」言い訳はなし! 二人ともあまり友だちいなそうだし、夏の楽しみ方がわからなくて不安なのかもしれないけど、そこは安心して! 私たちには“ここ”に強い味方がいるのです!「“森園さんの記憶”ってこと……?」そ、さっすが千尋♪ この子はサークルの友だちたっくさんいるからね。現役女子大生の“夏の楽しみ方”ってのを教えてあげるわ! 「いや、俺も友だちけっこういる方だけど……」はいはい静かに。思い出すからちょっとまってね――えーと、うん。去年の夏、やっぱり英子もサークルの仲間たちと海に行ってるわ……ね……」「どうしたの?」うん……海には行ったけど、日焼けが嫌で、仮病使ってずっと宿で夏の課題レポートやってたみたい……。「あらら」でも夕飯はみんなでバーベキュー ――「あ、それ羨ましいな」「虎鉄は食べるの好きだもんな」――のはずだったんだけど、冷房かけずにいたから本当に具合悪くなっちゃって、部屋で休んでたのか……。「わ、かわいそ……」あ、でも夜に浜辺で花火やろうって誘われたみたい。「そういえば子供のときよく庭で花火やったね。千尋さんずっと線香花火にまとめて火ぃつけて、“大玉”作ろうとしてたよねぇ」「そうだっけ。虎鉄が打ち上げ花火跨いでお尻火傷したのは覚えてるけど」「あはは、あったあった――で、花火どうだったの?」……うん、結局行かずに夜行バスで帰っちゃったみたい……。残りの夏休みはバイトと家で勉強の繰り返しかな……。「ありゃ……」「その前の夏は?」受験でずっと勉強……その前の夏休みも、特に部活とか入ってなかったから、本を読んだり勉強したり……。人間ってみんなこんな感じなの……?「人によるんじゃない?」「森園さん、結構見た目と違う感じなんだね……でもせっかくだしさ、セルディッドさんは泳いでくれば?」あはは……私はいいかな。「なんで?」私のいた森って小川くらいはあったけど泳げるほどじゃなかったし、戦いに巻き込まれるまではあまり森から出たことなかったから、泳ぐの苦手なんだよね……。「え……」「とりあえず、僕は涼しいところで本読みたいかな」「じゃあ……図書館とか行く?」そうしよっか……。 セリフ一覧 +通常版/Ver4.0、ECR 通常版/Ver4.0、ECR 召喚 それじゃ 何して遊ぶ? 通常攻撃 ふふっ こっちだよ タワー制圧 危ない遊びだったかなぁ…ごめんね ストーン破壊 私の歌ステキでしょ? 好きになっちゃっても無駄だけどね 死滅 あ!…ごめん、やっちゃったぁ サポート(Ver4.0) この子には触れさせない サポート(ECR) +エクストラボイス エクストラボイス 召喚 ああっもうこんな時間!?授業始まっちゃう! 通常攻撃 ああもうレポートやってアレやって… タワー制圧 何して遊ぶ?どころか、遊んでるヒマなんてないよぉ! ストーン破壊 はぁ~人間の大学生って大変だぁ… 死滅 あっ 今日休講だった…… サポート +シーズンコレクション シーズンコレクション 召喚 ふふ 私と一緒に泳ぎたいの? 通常攻撃 ど~しよっかな~ タワー制圧 それじゃ タワーぜ~んぶ制圧してくれたら考えてもいいかな ストーン破壊 じゃあ勝ったら泳いでも…ってもう勝ちそうなの~!? 死滅 あ~んごめんなさ~い 森のエルフは泳げないの~ サポート 泳げなくて悪い? 考察 Lov3より続投の、神族の必須根元ディフェンダー。 アビリティ「アームドコストカット」は、武装と血晶武装に使うコストをそれぞれ5減らす能力。 主力3枚が血晶武装すると計30コストもカットする。 ただ「アームドコストカット」は適用範囲があり、武装させたいユニットがセルディッドから離れると効果を受けられなくなる。 最大限活用するには、タワーで血晶武装まで育てることになるので、どうしても主力ユニットの出足が遅れがち。 LoVにおいては、荒らしを先に敵タワーに着地させた側が優勢になる状況が多くあり、使い魔を素早く送り出すのも大切なので、5マナカットを取るか、先手を取ることを優先させるかは上手く判断しよう。 もう少し頑張るなら、セルディッドを自タワーの上端に置き、主力は敵タワーに向かいながら、タワーとタワーの間の、セルディッドの効果範囲ギリギリで武装のタイミングを待つこともできる。 なおアルテミスなど20コスを血晶武装させた後、タワー上に配置しているセルディッドはさっさとタワーの下側までさげてしまおう。 相手の30コスがカウンターでラインを上げてきた時に真っ先に狙われて死滅するのはよくある話である。 そのアビリティの有効性とステータスの低さのために荒らしに狙われる可能性が非常に高い。 使い魔1体を超覚醒させて浮くマナは10。セルディッドが1回死滅するだけで浮いた分が吹っ飛んでしまう。 キャラクター説明 過去作から続けて続投。1と2では名前はなく、「エルフ」という名であった。 長身で美しい見た目に反し、性格は明るくやんちゃ。イラストも美しかったが、ボイスがとても幼いのでギャップを感じた人も多かったかもしれない。 それに合わせてかVerを挟む毎に画風もだんだんと可愛らしいものに変わっていった。 かつては名もなき男、そして3では前作主人公のギデオンに種族違い故の悲しい恋心を抱いており、 何とか吹っ切れたものの、やはり思う所があるのか今作ではどこか冷めた言動になっている。 今作の主人公である神名千尋のパートナー使い魔である。 千尋とギデオンは顔と声は似ているが、何事にも正面から立ち向かうギーデに対し、千尋はどこかネガティブで受け身である。 果たしてセルディッドはかつて愛した男に似た彼に、何を思って付き従っているのだろうか…。 依代である「森園英子」は千尋と同じ大学のゼミに所属する、普通の大学生。周囲に合わせて生きることに追われ、息苦しさを感じる、普通の大学生。 自分の道を歩んで見える千尋と比べたとき、自分に嫌気を感じていた折、セルディッドに憑依される。 自身の体と切り離された森園英子の心に浮かぶ想いは… +編集用コメント *編集が苦手な方はこちらへ情報提供お願いします 石破壊のセリフ「歌」でなく「詩」じゃないかな。過去作のフレーバー的に -- 名無しさん (2017-08-25 23 29 27) 遅い回答になってしまいすみません。カードの裏に記載されている言葉が「歌」なので、こちらの漢字であると思っています。秘め詩ではない、他の歌を歌っているのかもしれませんね。フレーバーを読むと、今は他人に聞こえるようには詠えないようですが、いつかオズマのように、ECRかなにかで急に歌いだす日が来るかも。…ないな。 -- 名無しさん (2017-12-12 08 50 27) 名前 コメント 余りにも当Wikiやゲームから逸脱した無関係な雑談や、誹謗中傷めいた暴言、ページに関係ないコメントはおやめ下さい。 wikiは不特定多数の人が利用する場です。プレイヤーの個人名や所属ギルドなどを書き込む行為は慎んで頂きますようお願いします。 個人的な日記として使用するのも控えて下さい。 +コメント *雑談や使用方法などの相談にご利用下さい 名前 コメント