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【キャラクター】 属性:火属性 レアリティ:☆☆☆☆☆(悶絶レア) 入手手段:18年1月に開催の期間限定ガチャ「ロボットガールズZコラボガチャ」にて確率で排出 【ガチャ寸劇】 種族:ロボットガールズ CV:本多 真梨子 公式モン娘紹介: 「光子力研究所」のキャンペーンガールの一人で、ロボットガールズチームZのリーダー的存在。 パイルダー型の変身アイテムで戦闘モードに変身する。 関連イベント: 「ロボットガールズZコラボ!」…ある物を巡ってラビリエと戦闘になっていたが、大魔王一行により事なきを得た。 【スキル】 ☆5 スロット スキル名 スキル効果と最短リキャスト L 正義のフルボッコ! 火属性モン娘のHPと攻撃力が増加(大)、速度が増加(中) -- S1 光子力ビーム 敵全体に火属性/物理攻撃(大+)を与え、強烈な猛毒を与える 6 S2 光子力バリアー しばらくの間、土・風属性ダメージを減少(大)させる 8 S3 ロケットパンチ 敵単体に火属性/物理攻撃(特大+)を与え、わずかな間、スタンさせる 8 ☆6 スロット スキル名 スキル効果と最短リキャスト L 正義のフルボッコ! 火属性モン娘のHPと攻撃力が増加(大)、速度が増加(中) -- S1 ブレストファイヤー 敵全体に火属性/物理攻撃(特大)を与え、強烈な猛毒を与える 6 S2 光子力バリアー しばらくの間、土・風属性ダメージを減少(大)させる 8 S3 ロケットパンチ 敵単体に火属性/物理攻撃(特大+)を与え、わずかな間、スタンさせる 8 立ち絵: ※水着立ち絵は公式の「Zちゃん」紹介を参照のこと 関連: ロボットガールズZコラボ トリプルガイちゃん(コラボガチャ) グレンダさん(ポイントイベント報酬) グレちゃん(ログイン報酬) コメントフォーム 名前 コメント
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概要 夜行ちゃんは、世界史界隈民、共産主義者。 日本共産党の党員である。
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【愛理さん舞美さん】岡井ちゃんが遠くに行ってしまった件(ソースあり)【ごきげんようってなんだよ】(329) ちっさーのキャラ替えを断固阻止したい人の数→(773) 「ああぁ~・・・」 パソコンの前で、私は頭を抱えた。これはおそらく昨日のキューティーパーティーのことだろう。(とは言っても何が書いてあるのか怖いので、私はいつもマイミスライムしか見てない) 冒頭でいきなり「ごきげんよう」をかまされた時は本当にあせった。 愛理が即「はい、千聖お嬢様。」と返したから、その場は何とか切り抜けることができた。 千聖も空気を読んで、お嬢様語を封じて明るい雰囲気を出してくれたのだが、いつも聞いてくれるファンの人達にはやっぱり違和感を覚えさせてしまったみたいだ。 「もー本当・・・私のせいだ。ダメだ。本当私最悪だ。」 あの時、私が千聖にちょっかいを出さなければ。体勢を崩した千聖を支えてあげていれば。こんな事態にはならなかったはずだ。 私もえりと同じで、最初は千聖の悪ふざけを疑った。 服装まで変えて、ウケるねーなんてのんびり話していたけれど、千聖はいつまでたっても元の千聖に戻らなかった。 可愛らしいスカートを履く。食事のときにレースのハンカチを膝に敷く。 そんなことが積もり積もって、私はようやくこれはあの時の後遺症なんだと気づいた。 それに、千聖はお調子者でいたずらっ子だけれど、みんなを困らせてまでそれを続けるような子じゃない。 動揺するみんなを見て泣きそうな顔をする千聖を見ていたら、間違いないと確信できた。 同時に、千聖から取り返しの付かない何かを奪ってしまったという絶望感と罪悪感で胸が押しつぶされそうになってしまった。 千聖の顔を見ると、涙が出そうになる。そして目をそらす。千聖が悲しそうに私を見つめる。そんな悪循環がずっと続いた。 みんなが徐々に新しい千聖を受け入れるようになっても、私はほとんど会話をすることができなかった。 リーダーなのに、こんなんじゃ駄目だと思ってはみても、じゃあどうしたらいいのかがわからない。 えりは千聖のキャラがつぼにハマって盛大にふいた後、「あれは演技じゃないからもう私は認める」と言い、徐々に順応してきているみたいだ。 でも私は自分に責任がある以上、そんなに簡単に新しい千聖を受け入れるわけにはいかないのだった。 「おはよーございまーす・・・」 今日も又、イマイチ元気が出ないままレッスンスタジオに向かう。 「舞美ちゃん、大丈夫?ずーっと元気ないね。飴でも舐める?」 「ん、大丈夫。体調でも悪いのかな?あはは・・・」 学校帰りなのだろう、まだ制服を着たままの早貴が気を使って話しかけてくれた。 私は何をやってるんだろう。リーダーなのにみんなを心配させて、リーダーなのに困っているメンバーを助けてあげることもできない。 あ、ヤバイ。ちょっと泣きそう。最近は柄にもなく感傷的になりがちだ。 「ごめん、早貴ちゃん。ちょっと私・・・」 「うん?」 「私・・・」 「・・・うん・・・」 「走ってくる!」 「ええ!?ちょっと!」 「みんなによろしく!」 そう言い残して、私は屋外のちょっとしたグラウンドみたいな場所に向かった。 クサクサしてるときは、やっぱり体を動かすのが一番だ。隅のほうでストレッチをしていると 「舞美さん。」 いきなり後ろから声をかけられた。 「あ!千聖!!おはよー!!!今日まだ会ってなかったね!!!ところで何してるの!?」 うわあ我ながらひどい空元気。千聖も目をパチクリさせている。 「ええ、ごきげんよう。少し早く着いてしまったものですから、体を動かそうと思って。」 千聖は濃い目のピンク地に小さな黄色いドットが入った可愛らしいジャージを着ていた。 こういうレッスン着ひとつにも変化を感じられて、また少し気持ちが重くなってしまった。 「もし嫌でなければ、一緒に何かしませんか?」 「え?あ、うん」 「じゃあ、ひとまず一周走りましょうか。よーい、ドン!」 いきなり掛け声をかけて、千聖が走り出した。 「ちょっとちょっと!千聖!」 慌てて追いかけるけれど、千聖はさすがにお嬢様になっても足が速い。なかなか距離が縮まらず、私の闘争本能に火がついた。 「あは、あははははははは」 笑いながら加速する私に少し驚きながらも、千聖はいたずらっ子のようにニヤッとしてさらにスピードを上げた。 戻らない私たちを心配したのか、いつのまにかみんなが集まってきていた。 楽しげな私たちをあっけに取られたように見ている。 やっぱりこの子は千聖でいいんだ、と私は思った。 こんな風に無心で走ることの楽しさを共有できるのは、千聖しかいない。 キュートのリーダーとしてはまだ、これからどうしていけばいいのかはわからないけど、 私は今の千聖の中に元の千聖を見つけられることができて、少し心が軽くなった。 戻る TOP 次へ コメントルーム 今日 - 昨日 - 合計 -
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大丈夫、私は一人じゃないし、いざとなったら店員さんだって動いてくれるはず。 愛理の手を引っ張って、ぐんぐん奥へ進んでいく。 「このっ・・・・・」 変態め!2人を解放しなさい!! ウサギ人間をにらみつけてそう叫ぼうとしたのだけれど、どうも様子がおかしい。 みぃたんとえりかちゃんのまん前に陣取るその人は、腕組み足組みふんぞりかえって、威圧感と貫禄はかなりのものだった。 でも、超華奢。 どう考えても大人の体つきじゃない。っていうか、 「舞ちゃんじゃん!」 「ぶははははははははは」」 もう耐え切れんとばかりに、みぃたんとえりかちゃんがテーブルを叩いて笑い出した。 「なっきぃ反応よすぎ!ねえねえ何で“このっ”って言ったの?何で何で?」 「“このウサギ野郎!”って言おうとしたの?あっはっはっは!」 くっ・・・! 年長者2人がかりの言葉責めに、顔が真っ赤になる。 いったん顔を上げた二人は、私のみかん星人Tシャツを見てさらに吹き出した。 「みかんー!」 背後で愛理が耐え切れずに「ケッケッケ」と笑い出す声が聞こえた。 うさぎ舞ちゃんの細い肩もカタカタ震えている。 ヒドいケロ!とんだドSグループだ! 「もーなっきぃはやっぱり最高だね。おいで。」 涙を流しながら、みぃたんは私の腰を抱いて横に座らせてくれた。 「本当なっきぃはかわいいなあ。」 「ちょ、ちょっとそんなことより、何でうさぎ?」 私の質問に答えるように、舞ちゃんがおもむろにうさぎの首を取った。 たっぷり笑ったから、機嫌はかなりいいみたいだ。はにかんだ顔が可愛い。 「・・・なんか、目立つかなと思って。」 「いや、目立つけど誰だかわかんないよ。」 好きな歴史上の人物は徳川家康。モノマネもできます。 好きな言葉は一石二鳥。でも使い方はちょっと変。 舞ちゃんはしっかりものだけど、やっぱりどこか天然で変わった子だった。 「・・・じゃあ、全員揃ったところで。」 えりかちゃんはお誕生日席に移動して、私のみかん星人と目が合わないように若干上を見ながら、話を始めた。 「多分みんな気づいてると思うけど、今日は栞菜と千聖の件で集まってもらいました。」 わかっていたこととはいえ、みんな昨日のあの光景を思い出したのか、一気に緊張が走った。 「ウチはあの後栞菜を送っていったんだけど、かなり落ち込んでたのね。本当にひどい状態だった。だから、すぐ助けてあげなきゃって思って。」 「、ちっさーも同じ。泣けなくなっちゃうぐらいすごいショック受けてた。それで、えりと相談して、今日この場を設けたの。」 「・・・・なんで、2人はあんな風になったの?」 えりかちゃんたちの報告を聞いて、舞ちゃんが静かに問いかけた。 「それは・・・ごめん、私が勝手に言っていいことじゃないから。ちゃんと仲直りできたら、舞にも直接話がいくと思う。もうちょっと待ってて。 でも、これだけは言っておくけど、どっちか一人が悪くてああなったんじゃないの。 多分気持ちのすれ違いと誤解がたくさん積もっちゃっただけなんだ。 あとね、できるだけ舞と愛理となっきぃには中立でいてほしい。 正直、私はちっさーからいっぱい話を聞いたから、きっとこの件に関してはちっさー寄りの考えになっちゃうと思うのね。」 「そうそう。ウチは逆に栞菜とずっといたから、今は特に栞菜の気持ちが心配でたまらない。」 「・・・・要は、ニュートラルでいてってことだね。」 愛理がつぶやくと、2人は5秒遅れて「ニュー・・そ、そ、そうそう。・・・多分。」と言った。 舞ちゃんもしばらく考え込んでから、小さなうなずきとともに「わかった。」と短く返事をした。 「なっきぃも了解。」 本当は詳しい話が聞きたくてたまらなかった。 あんなにも当事者2人が傷つき果てた事件を、このままうわべだけ知って素通りなんてできるはずがない。 でも、みぃたんたちがそう言うなら待ってみようと思った。 今は先入観なしで、2人の手助けをしてあげるべきなんだ。 「で、具体的に何を?」 「うーん、まあ何をするってわけでもないんだけどさ、ここで2人を見守ってあげて。」 見守る? 「今からウチは栞菜の家に行って、栞菜をつれてここに戻ってくるから。千聖にはもう連絡してあって、もう一時間もしないでここに来ると思う。 ウチらが変に口出しするんじゃなくて、2人でとことん話し合ってほしいから、みんなは本当に緊急の時だけ手を差し伸べて。」 「わかった。」 「お店の人には、サプライズを仕掛けたい子がいるから、私たちの姿が見えづらい席に案内してって頼んであるから。」 さすがお姉さんコンビ。ぬかりないな。 「じゃあ千聖が来るまで、何か適当にオーダー・・・・・おっと」 テーブルの上に出しっぱなしになっていた、えりかちゃんのケータイが光った。 「やっばい、千聖だ。・・・もしもし?」 えりかちゃんは声をひそめて電話に出た。 いつもならマナー違反!とたしなめるところだけれど、正直、会話の内容が気になる。 「えっあと1駅?ウチまだなんだよ。・・・・うん、ごめん。待ってて。」 どうやらもうすぐ着いてしまうらしい。 ちょっとあわてているえりかちゃんを観察しながら、お冷に入っていた氷をごりごりとかじった。 二言三言交わした後、えりかちゃんはおもむろに口元を手で覆って、ニヤニヤしながら電話を切った。 ぶはっ 私の口から飛び出た氷が、愛理のおでこにゴチンとぶつかった。 「なっきぃ何やってんの!?」 「え、え、え、えりかちゃん・・・・・!」 幸か不幸か、私はかなり耳が良い。口を隠したって、斜め横の人の声ぐらいなら拾えてしまう。 えりかちゃんはエロカの顔になりながら、こんなことを言っていた。 「待たせちゃうけどごめんね、お詫びに今度すごいのしてあげるからね、千聖。トロントロンにしてあげる。」 戻る TOP 次へ コメントルーム 今日 - 昨日 - 合計 -
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私の魔法の言葉の効果は、早速次の日からはっきりと現われた。 「おはよう、栞菜。」 「あ、お、はよう。」 レッスンスタジオまでの道を歩いていると、日傘をさしたちっさーが後ろから声をかけてきた。 いつもどおり、ごく自然に振舞うちっさー。胸が高鳴る。 「もう夏も終わりなのに、暑いわね。」 そんなことを言いながら、入る?とばかりに日傘を傾けてきた。 「ありがとう。」 こんな可愛い心遣いをしてくれる子に、私は何てひどいことをしようとしているんだろう。 良心がチクリと痛む。 今日のちっさーは、後ろに大きなリボンのついたシンプルなライトイエローのワンピースを着ていた。歩くたびにふわふわ揺れて、とても可愛らしいと思った。 「ちっさー、チョウチョみたいだね。可愛い。」 「あら、ありがとう。明日菜にも言われたわ。こういう色の蝶、本当にいるんですってね。」 ちょっと照れくさそうに笑うちっさーは、昨日のことなんて何も気にしてなかったかのようにも見えた。 「ちっさー、おしゃれになったよね。よく似合ってる、それ。」 「嬉しいわ。これはね、早貴さんがくれたの。あんまり着ないからって。」 「へえ・・・」 またじわじわと、心臓の鼓動が大きくなってくる。そんな交流があるなんて、私は知らなかった。 「ねえ、ちっさー。今度うちに遊びにこない?栞菜が着なくなった服とかあげるよ。」 「まあ・・・でも、何だか申し訳ないわ。お気持ちだけで嬉しいから、そんなに気を使わないで。」 何で。 私じゃ、嫌なの? 私だって、ちっさーのお姉ちゃんみたくなりたいのに。 「・・・私が、キッズじゃなくてエッグだから?」 気がついたらまた、あの一言を口走っていた。 ちっさーに魔法がかかる。 私に微笑みかけていた表情が一気に強張って、ゆっくり歩いていた足がピタッと止まった。 「栞菜、どうして・・・・?私、そんな風には」 私は無言でちっさーと押しのけて、早足で先に歩いていった。 ちっさーは追いかけてはこない。 やがて私の後ろで力ない足音が聞こえてきたら、なぜだか少し心が落ち着いた。 結局ちっさーは、集合時間直前までロッカーに来なかった。 「あれ、ちっさー珍しいね!今日ギリギリじゃん!」 舞美ちゃんの声に振り向くと、少し慌てた声でごめんなさいと言いながらちっさーが入ってきた。 さっき私に見せていたあの悲愴な顔じゃなくて、いつものおっとりお嬢様の表情に戻っていた。 「おはよう、ちっさー。」 さっきまで一緒だったくせに、とぼけて挨拶をしてみる。 「あ・・・おはよう愛理、栞菜。」 なんだ、特に引きずってはいないんだ。 ほっとすると同時に、なぜかそれを残念にも思っている自分がいた。 「千聖、今日一緒に柔軟やろう。着替え手伝うから急いで!」 舞ちゃんがちっさーの手を強く引っ張っていく。 舞ちゃんはいいな。私みたいな汚い手を使わなくても、ああやってちょっと強引でも正々堂々とちっさーを独占できるんだ。 それに比べて、私のやってることって・・・・ 「栞菜?・・・なんか怖い顔してる。大丈夫?」 「うん。なんでもないよ。それよりさ・・・」 話題を逸らす。 心から心配してくれる愛理に胸が痛んだ。 ごめんね、愛理。 そんな葛藤はあったものの、禁断の魔法の味を知ってしまった私は、どんどんあの言葉を簡単に使うようになっていった。 例えば、何かおそろいの物を持ちたいと思った時。 一緒にコンビニに行って、何か買ってあげたいと思った時。 そして、ちっさーの好きそうな服をあげる時。 主に私がちっさーに何かしてあげたい時には、効果がてきめんのようだった。 慎み深いちっさーは必ず遠慮するけれど、私があの一言を言えば従ってくれた。 悲しい顔をさせることに、罪悪感はあった。 それでもこれは単なる私の親切の押し売りであって、ちっさーを傷つけるのが目的ではないという理由付けができたから、私は自分の矛盾した気持ちから目を逸らし続けることができた。 ちっさーも、私があの言葉を口にしないかぎりはごく普通の態度でいてくれた。 異常な結びつきになってしまったけれど、私たちはいつでも一緒にいるわけではないし、私もみんなの前では魔法を使わなかったから、誰も2人のおかしな状態に気づいてなかった。 そのことが私を増長させたのかもしれない。 私はわかっていなかった。 何でも言うことを聞いてくれる素直な妹ができたとばかり思っていたけれど、お嬢様のちっさーの中には、前の千聖の気の強さもしっかり残っていたということに。 終わりの始まりは意外に早く、そして突然やってきた。 いつもどおり本当につまらないことで切り札を使おうと思った。 ちっさーが私のヘアピンを可愛いと言ってくれたから、すぐに髪からはずして、ちっさーの手に握らせた。 いつもどおり遠慮するちっさーに、また私は「私が・・・」といいかけた。 「・・・そうね。栞菜が、エッグだからかもしれないわね。」 最後まで言い終わる前に、ちっさーは私の言葉を遮った。 唇をギュッと噛んで、強い目で私を睨みつけている。 ――嘘。 だって、ちっさー。 私はただ、私だけのちっさーが 何を言われたか、とっさにわからなかった。 頭が真っ白になる。 「ちっさー・・・」 呆然としたまま名前を呼ぶと、みるみるうちに硬く強張っていたちっさーの表情が青ざめていく。 「あ・・・・私、私何てこと・・・・・」 涙で霞んだ私の眼の向こう側で、ちっさーが力なく床に崩れ落ちた。 同時に、私にも立っていられない程の強い衝撃がゆっくりと襲ってきた。 ちっさーと同じような体勢でへたり込む。 「え・・・ちょっと、どうしたの!?千聖?栞菜?」 なっきぃの声が遠いところから聞こえたような気がした。 涙が止まらない。 ちっさーを怒らせたことがショックなのか、 自分の行いがあまりにも馬鹿すぎたことがショックなのかわからない。 こんなことになって、初めて気づいた。 私は自分の気持ちばかり考えていて、ちっさーがいったいどんな気持ちで私の言葉を受け止めていたのか考えていなかった。 こんなに無神経なのに、何が「ちっさーは私の妹」だ。 本当に最低だ、私。 今すぐちっさーに謝らなければいけないのに、嗚咽で声が出ない。 「栞菜、落ち着いて。大丈夫だよ、息吸って、吐いて・・・・」 舞美ちゃんの大きな手が優しく背中を叩く。えりかちゃんが頭を撫でてくれる。 私はただ、私もこういうお姉ちゃんになってあげたかっただけなのに、どうしてこうなっちゃったんだろう。 こうして私のかけた魔法は、あまりにももろく、簡単に消え去ってしまった。 戻る TOP 次へ コメントルーム 今日 - 昨日 - 合計 -
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前へ 「いくら熊井ちゃんと茉麻ちゃんでも、千聖をいじめたら絶対許さないから!」 鼻息荒く、なっきぃが私たちのところまで歩いてきた。 「ちょっと待ってよ。イジメなんてしてない。」 カチンときて、思わず千聖のいる個室の前に熊井ちゃんと一緒に立ちはだかってしまった。 「なっ・・・!それなら千聖に会わせてよ!そ、そんな大きい二人で立ちはだからないでよぅ。」 少ししり込みしながらも、なっきぃは怯まずに私たちを上目で睨んできた。 「聞いて、なっきぃ。千聖さっきまで私たちと普通に話してたのに、急に言葉遣いが変わって、ここに逃げちゃったの。 だから私たち追いかけてきたんだよ。何か誤解させちゃったみたいだけど、いじめてないよ。」 とにかく、落ち着いて説得しないと。 なっきぃは完全に頭に血が上ってしまっているから、ちゃんと目を見て、ゆっくりと喋りかけた。 「・・・・そうだったの。ごめん、なっきぃの勘違いだね。そっか、千聖変な言葉づかいしてたんだ。3分ルールだもんね。」 3分?何のことだろう。 なっきぃはとりあえず納得してくれたみたいだけれど、今度はなぜかしょんぼりした顔になってしまった。 「あの、なっきぃ。そんな顔しないで?それより、千聖はなんであんな」 「ちょっとなかさきちゃん!私は千聖のこといじめてないよ!イジメとか大ッ嫌いだもん!あと大きい2人って言わないでよ!」 「もうっそれはわかったってば!でも、大きいのは現実でしょ!」 ・・・熊井ちゃん、もうその話は終わったよ。 何とか励まそうとしていたら、ひどいタイミングで熊井ちゃんがなっきぃに反論し出した。 そのおかげでなっきぃはまた元気を取り戻して、熊井ちゃんとおかしな言い争いを始めた。 どうしたもんかと視線をトイレの個室に戻すと、ほんの少しだけドアが開いて、千聖がこっちを伺っていた。 「千聖!!」 私の声に驚いて、千聖がドアを閉じようとする。 駄目! 私は悪徳セールスマンのように、足をねじ入れて無理矢理中に押し入った。 千聖はポカンと口を開けて、私の顔を凝視している。 「あ・・・」 「ごめんね、ちゃんと顔見たかったの。」 こんな狭くて暗い場所で、ずっと泣いていたのかもしれない。 目じりが赤く腫れて、下まつげが心なしか湿っているような気がした。 「ちょっと!茉麻ちゃん何やってんの!開けてよ!」 「何で茉麻も入るの?外で話せばいいじゃんー」 外の2人はいきなり徒党を組んで、思いっきりドアを叩いてきた。 狭い個室だから、予想以上にグワングワンと音が反響する。 ・・・・こんなことやられて、怖かったよね。ごめん、千聖。 「茉麻さん・・・」 喉から搾り出すような声で、千聖が私を呼んだ。 その表情があまりにもいじらしくて、私は思わず千聖を抱き寄せた。 「千聖、まぁはいつも千聖の味方だから。もう何にも言わなくていいから、それだけは覚えておいて。」 「っ・・・・」 わずかに首を縦に振ったあと、千聖の体が小刻みに震えた。 「ごめんなさい・・・」 今は、腕の中で泣きじゃくる千聖を抱きとめてあげることしかできない。 それでもいい。 どんな千聖でも、私がいつでも両腕で受け止めてあげたい。 その気持ちが千聖に少しでも伝わるように、抱きしめる腕に力を入れた。 「・・・・茉麻さん、ありがとうございます。もう大丈夫です。」 しばらくすると、千聖が顔を上げて笑いかけてきた。 「うん、よかった。・・・あ、千聖。今更なんだけど、もものことどうする?ちょっと時間経っちゃったね。」 「あの、できたら、私一人で桃子さんのところに行きたいんです。・・・本当は、茉麻さんにお話しなければいけないことがたくさんあるのですが、今は先に桃子さんのところに行かないと」 「わかった。」 もう外の2人はドアを叩くのをやめて、またなにやら2人で論争を繰り広げている。 千聖の肩を抱いて外に出ると、一斉に私たちに視線が向けられた。 「千聖!大丈夫?さ、早く戻ろう?」 「早貴さん・・・来てくださってありがとう。でも私、ちょっと行かなければならないところがあるんです。」 千聖はやんわりと拒否するけれど、心配性ななっきぃはなかなか引き下がらない。 「じゃあ、なっきぃも一緒に行く。」 「待って、千聖は一人で行きたいんだってさ。」 私がなっきぃを引き止めている間に、千聖は一礼して廊下を駆けていった。 「千聖ぉ・・・」 次へ TOP
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前へ 「どうしたの。もう帰ったのかと思ってたよ。」 「私も自主練習をしようと思って。早貴さんがいらっしゃるまで、ロッカー室を使わせていただいてたの。」 お邪魔だったかしら?と言われたので、首を横に振る。 「ちょっと休憩しようと思って来ただけだから。千聖こそ、私のことは気にしないで歌続けてて。」 結局考え事に耽っていた私は、別に休憩を取るほど疲れてなんてなかったのだけれど。千聖に気を使わせたくなくてとりあえずそんなことを言ってみた。 手持ち無沙汰なので、ロッカーを開けてケータイを取り出す。 メールが着ているみたいで、ピンクのランプが点滅している。 「・・・栞菜だ」 急いで作った文章なのか、今日はふざけすぎてごめんねとか、なっきーが悪いみたいな言い方して私が子供だったとか、私への謝罪がところどころ二重の内容になりながらびっしりと書かれている。 だから私も、“なっきーも言い過ぎてごめんね。”とだけ返した。 完全解決とまではいかないけれど、とりあえず今日の分の仲直りはできそうだ。 少し気が楽になったので、端っこで歌を練習する千聖の方に意識を向けてみた。 今は都会っ子純情を歌っているみたいだ。可愛い声だな、と思った。 えりかちゃんいわく、お嬢様化が始まった当初の僕らの輝きは本当にひどかったらしい(いまだにその話を振るとえりかちゃんは死にそうになる)。 千聖特有の子供っぽい柔らかい声から、元気をポーンと抜いたような感じだったそうだ。・・・それはちょっと聞いてみたかった。 今歌っている声も、確かに以前に比べたら声量が落ちているようにも聞こえる。でもやけに甘く可憐な味があって、これはこれで結構いいんじゃないかなと思った。 しばらく目を閉じて聞いていると、何か違和感を覚えた。 「千聖さ、何基準で歌ってるの?千聖のパートだけ練習してるんじゃないよね。他の人の・・・」 私はそこまで言って、はっと気づいた。 千聖が練習しているのは、自分のパートと愛理のパートだった。 「・・・千聖。」 何て言ったらいいんだろう。私は結構人の地雷を踏みやすいから、余計なことを口走りそうで怖かった。 少しの間沈黙が訪れる。 「早貴さんには以前お話ししたことかもしれませんが」 やがて千聖が口を開いた。 「愛理は私の目標・・・・いえ、私のライバルなのです。」 そう言い切る千聖の瞳はあまりにもまっすぐで、私は思わず息を飲んだ。 舞美ちゃんと2人、キュートの楽曲のメインパートをまかされているセンターの愛理。 ソロパート自体ないことも珍しくない、後列組の千聖。 身の丈に合わない目標だと一笑したり、あるいは簡単に頑張ってなんて言えない真剣さがそこにあった。 「うん、覚えてるよ。千聖前にも私に話してくれたもんね。 愛理がライバルだって。でも、ほら、あのことがあってから、千聖はいきなり愛理と仲良くなったじゃない。だからもう、ライバルとかじゃなくなったのかと思ってた。 なっきーに言ってくれた気持ちはしぼんじゃったのかと思ったよ。」 嫌な言い方かもしれない。でも、私に思いをぶつけてくれた千聖には、自分の気持ちを自分の言葉で伝えたかった。 「ええ。私は確かに、愛理ととても親しくなりました。」 千聖は怯むことなく、少し考えてからまた言葉をつないだ。 「変わってしまった私を一番最初に受け止めてくれて、孤立しないように側にいてくれたのは愛理ですから。私は愛理の優しさにいつも救われています。 だからこそ、大好きな愛理に負けたくないのです。」 「うん。」 私は千聖の手を握った。 「よかった、千聖の気持ちを教えてくれてありがとうね。やっぱり千聖は変わってな・・・」 その時、ものすごい音を立ててロッカールームのドアが開かれた。 「舞さん。」 「舞ちゃん。」 目を吊り上げた舞ちゃんが立っていた。 「なっきーの嘘つき。元の千聖に戻って欲しいって言ってたじゃん。嘘つき!」 大きな目から涙が零れ落ちていた。 「なっきーは舞の気持ちわかってくれてるって信じてたのに。」 「舞ちゃん、待って」 すごい力で私の手を振り切って、舞ちゃんは一直線に千聖に向かって行く。その勢いのまま、千聖を壁際まで追い詰めた。 「もう嫌だ。全部あんたのせいだよ。千聖を返して。私からキュートのみんなを取り上げないでよ!!」 私は呆然と、胸倉を掴まれてガンガンとロッカーに押し付けられる千聖を見つめた。 どうしよう。 どうしたらいいの。 舞美ちゃん、えりかちゃん。 言うことだけは一丁前で、こんなときにどうすることもできない自分が悔しかった。 「お願いだから元に戻ってよ千聖ぉ・・・」 舞ちゃんが千聖の胸に崩れ落ちる。 舞ちゃんに泣いてるのを悟られないように、千聖が口を押さえて嗚咽をこらえている。 もう私にはどうすることもできない。 にぎりしめたままの携帯を開いて、震える指で履歴をたどる。 【もしもし?】 「・・・っ・・ちゃ・・・・」 電話口に聞こえた声に返事をしようとしたけれど、嗚咽でまともに喋ることができない。 【なっきー?何、なんかあったの?】 舞ちゃんの泣き声が耳に響く。あんなに強気な子を、私のせいで追い詰めてしまった。 「助けて・・・舞美ちゃ・・・みーたん、助けて・・・・」 次へ TOP
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家族で引っ越した田舎町。 古びた日本家屋が今日から我が家だ。 ずっとマンション住まいだったので新鮮だし、意外と住心地も悪くない。 何も問題はない。 なぜか俺の部屋にへんな女の子が居る以外は。 本人は座敷童子と主張している 「つまりあれか?家に住み着くとその家に幸せが訪れる、というあれか?」 「そうよ、本当はあんたなんかどうでもいいけど、幸せにしないと私の存在意義が揺るぐのよ べ、別にあんたの為じゃないんだから! 勘違いしないでよね?」 ま、別にホントに幸せが訪れるとかはどうでもいい。 真性ロリの俺は座敷ちゃんが同じ部屋にいるってだけですでにイッちまいそうな程幸せだからだ。 「で、幸福を呼ぶ具体的な方法なんだけど。ちょっとした儀式が必要なのよ」 「儀式?」 なんかヤバい、怪しい宗教みたいだ! 「別に大したことじゃないわよ? わ、私を…だっこしなさい」 ?だっこ? 「な、なでなでしなさい」 … 「な、なによその目は! 仕方ないじゃない、伝統的な儀式なんだから! 私だって死ぬ程嫌なんだけど我慢してあげるんだからね!?」 ビバ、伝統! 合法的に幼女をだっこ出来るなんて素晴らしい! 「よーし、では遠慮なく熱い抱擁をくれてやるぜ」 「ちょ…や、やさしくしなさいよ!?」 きゅ なでなでなで… 俺のなでなでに気持ち良さそうに目を細める座敷ちゃん。 「な、なにニヤニヤ見てんのよ!儀式だから仕方なくなでさせてやってんだから!調子にのるんじゃないわよぅ!」 なでなでなで… 「はぅぅ…はわわ…」 頭頂部が弱いらしい。 斯くして儀式は無事に終わった。 座敷ちゃん曰く、三日後から劇的な幸せが訪れるらしい。 俺はワクテカしながら待った、座敷ちゃんも付きっきりだ。 「結果を見届けなきゃいけないからいるだけなんだから!」 とは本人談だか 物欲しげに足元にまとわりつく様子はいかにも『ナデナデシテー』、って感じだ。 そして四日目の朝がきた。【続く】 そして迎えた四日目の朝。… 俺の親父が脳溢血で死んだ。 「おいおい!座敷! 幸せが訪れるんじゃねぇのかよ!? なんで親父が死んでんだよ!」 当然、座敷ちゃんを問い詰める。 「莫大な保険金がおりたでしょ? 幸せになれたじゃない」 彼女は酷薄な笑みを浮かべて平然と言い放つ。 「こんなのは違う!」 「我儘ね、いいわよ? さぁ私をなでなでしなさい あんたに似合いの幸せを運んであげる…」 こいつは… 今更ながら彼女の危険性に背筋が冷やした。 しかし、俺はすでに魔に魅入られたている。 何もかもが手遅れだった。 そして時は過ぎた… 家族、友人、知り合いは皆変死し 俺自身も原因不明の事故で半身不随。 もう右手しか動かす事が出来ない。 そして彼女はいまも俺のそばにいる。 『右腕だけは残してあげる、なでなでに必要だし、ね』 天涯孤独で不自由な身体になった俺を彼女の世話で何とか生きていられる。 そして今日も彼女は俺になでなでを強いりながら嘲笑う。 「幸せでしょう? あんたの好きな幼女と二人っきりの甘い生活だものね?」、と。
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鳥ちゃん(とりちゃん) 月刊霧生ヶ谷万歳!編集部に所属する。十八歳、女性。 カンフル編集長の部下、蝗三十五の同僚。経理その他を担当する。 月刊霧生ヶ谷万歳!がきちんと毎月発行されるのは、彼女の手腕によるところが大きい。 現役の女子高生で、中央第一に通っている。そのため、編集部に顔を出すのは夕方以後になる。 本名は灯真深鳥(トウマ・ミトリ)。 霧谷有数の旧家である灯真家の、唯一の継嗣。 カンフル編集長こと灯真巻九郎古光とは、姪と叔父の関係にあたる。 灯真家は「炎によりて魔を討ち払う、異能の血統」であるらしい。 一切の魔を容赦しない、その過激な活動については討魔物語を参照。
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「やだって言ってんじゃん!」 さすがに千聖は私の手を払った。でも、こういう時の私は結構しつこい。あきらめずにもう一度胸に触ってギュッと力を入れてみると、千聖は唇を歪めて顔を逸らした。 私の手に添えられた手は、どうしたらいいのかわからないみたいに中途半端な力が入っている。そんなことぐらいじゃ、私の暴走は止まらないって、知っているくせに。 そのまま無言で胸を揉んでみる。クラスの男子がグラビアアイドルの胸の話とかで盛り上がってるのを、友達とバッカじゃないのって笑っていたけど、正直今ならその気持ちは少しわかる。柔らかい感触を求めて、手が止まらない。 「千聖・・・」 だけど、千聖は話しかけても反応してくれない。 あのエッチなDVDに出てくる人はこういう行為だけであんあん言って悶えてたけど、千聖はギュッと歯を食いしばって、固く目を閉じてるだけだった。 「気持ちいい?」 そこで、耳に息を吹きかけながら聞いてみる。これは不意打ちだったみたいで、千聖ののどがヒッと鳴った。 たしか、耳が弱いとか、腰が弱いとかえりかちゃんが言ってたっけ。恋敵にそんなことを教えられるのは悔しいけど、私はそれに倣って、耳たぶを甘噛みしてみた。 「やっ・・・!」 予想以上に大きい声。私の方がびっくりしてしまって、ちょっと顔を離す。正面に向き直った千聖と無言で見つめあう。 「な・・・何がしたいの、舞ちゃん。もうやめよう。おかしいよ、こんなの。ね、舞ちゃん?」 千聖はこの期に及んで、まだお姉ちゃんぶって私を説得しようとする。長い付き合いなんだから、わかってるはずなのに。そんなことされたら、私は余計に意地を張ってしまう性格だってことぐらい。 「大丈夫だから。」 私は千聖のスカートを捲り上げて、下着に手をかけた。 「は?大丈夫って、何・・・うわっ待って!それはやだ!本当に!待ってってば!」 ほとんど悲鳴に近い声。私は慌てて千聖の口を押さえた。千聖の表情が、困惑から怯えに変わっていく。ここにきて、やっと私が何をしようとしているのか具体的にわかったみたいだ。 「無理だって・・できないよ、無理だよ」 くぐもった声が、手のひらを通して伝わる。もう私に年上っぽく説得することもできないほど、混乱している千聖はかわいいと思う。だから、もう少し揺さぶりをかけてみることにした。・・・まったく、我ながら何て性格だ。 「・・・千聖、舞のこと嫌い?」 「え・・・」 「舞のこと嫌いじゃないなら、こういうのしたっていいでしょ?」 私はまた千聖にキスをした。口がポカンと開いていたから、今度は舌先がぶつかった。ぬるっとして柔らかくて、ぞっとするような快感を覚える。 「お願い、千聖。痛いことはしないから。少しだけ舞の・・・舞だけの千聖になってよ」 「舞ちゃん・・・」 千聖の目は黒目がとっても大きくて潤んでいて、わんちゃんみたいだと思う。優しく守ってあげたいような、めちゃくちゃに苛めてやりたくなるような、難しい気持ちが湧き上がってくる。 私は千聖の隣に横たわった。体の下で、手錠で繋いだ手が音を立てる。 「千聖、大好き」 そう言って、少し強引に足の間に手を差し入れる。千聖が力を入れる前に、指をソコにぴったりくっつけた。体のどの部分よりもあったかくて、胸とはまた違う柔らかい感触。自分にも同じのがついてるはずなのに、未知のものに触れるような緊張感を覚える。 「やだ、お願いだから、舞ちゃん」 「いいから」 “ちっさーって、舞ちゃんにはホント甘いよね。” 昔、栞菜がそんなふうに言ってたことを思い出す。その通りだと思う。私は、千聖が私のお願いごとに弱くて、強引に迫れば大抵言うことを聞いてくれることを経験上わかっていた。だから今、きっと、こんなひどいことを。 「ぁ・・・」 弱いってわかった耳を舌で弄びながら、あてがった指をゆっくり動かす。噛み締められた唇から、言葉にならないような声が溢れた。 「やだ、ち・・・ちさと、は、おもちゃじゃない・・・」 途切れ途切れな哀願の言葉も、私の行動を抑えることはできなかった。 「知ってる。」 「うそ・・やっ・・・だ・・・ひどい、舞ちゃん・・」 私は一旦手を止めて、千聖に顔を近づけた。 「だって、舞は千聖のことが好きなんだもん。一番好きなんだから、しょうがないでしょ」 「舞ちゃん・・・」 「そんなのずっと前から気づいてたくせに。いっつもはぐらかすんだもん、ずるいよ。」 今とっている行動はサイアクだけど、少なくとも私は自分に嘘をつくようなことはしていない。だから、千聖の顔をまっすぐ見つめ続けた。だけど千聖の瞳はこぼれそうな程揺れていて、私を捉え切れずにまたうつむいた。 「ねえ、千聖。続き、してもいい?好きなの、千聖のことが。だから、いいでしょ?」 「もっ・・何でそんな、勝手にさぁ・・・」 「千聖。」 「・・・わかったから、もう。いいから、早く」 千聖はそれっきりもう何も言わずに、抵抗もしないで、シーツに顔を押し付けた。 あきらめて、私の思うとおりにすると決めたらしい。 再び、私はそこをさすった。さっきよりも指に力を入れる。 「ぅ・・・」 荒い息。漏れる声。千聖が少し体をよじるたびに、髪の匂いが鼻をくすぐって心地いい。 やっとわかった。 私はきっと、ただ単に千聖とエッチをしたかったってわけじゃないんだ。 こんな風に千聖の自由を奪って、怖がらせて、プライドを傷つけるようなことをしても、それでも千聖は私を赦して、受け止めてくれるっていう確証がほしかったんだ。 ただ側にいられればよかった、純粋に好きだっていう気持ちだけだった頃には戻れない。その先を知ってしまったら、もうそれを求めずにはいられない。だから、せめて今だけは、私に囚われていて欲しい。 きっと、みんな驚くだろう。子供なコンビだと思っていた“ちさまい”が、こんな関係になっていたなんて。 だから今日のことは、誰にも言わない。恋敵のえりかちゃんにも。千聖もきっとそうするだろう。何だか罪を共有するみたいで少し嬉しい。私の気持ちを代弁するように、手錠がカチャッと音を立てた。 「ぁ・・・ま、い、ちゃっ」 千聖の足がビクッと跳ねる。恋人つなぎのままの手に、力が篭る。無意識に、ソコに添えられた私の手は動きを早めていた。 「だめ・・・もぅ」 「いいよ、千聖」 「あ・・・っ・・・・!」 2度、3度、千聖の体が跳ねて、急激に力が抜けていった。息を詰めていた唇から、言葉にならないような声が溢れる。 「千聖・・・」 あの日コテージで見た、“あれ”とたぶん同じ。千聖は力なく横たわって、虚ろな目でぐったりしている。 まだ私自身は知らないその感覚を、千聖の体に刻み付けてしまった。私の、手で。 そう思うと、自分がどうこうしてもらったわけでもないのに、私は満たされた気持ちを覚えた。お気に入りのぬいぐるみを抱きかかえる小さい子みたいに、ギュッと力をこめて、千聖を抱いた。 前へ TOP 次へ コメントルーム 今日 - 昨日 - 合計 -