約 19,792 件
https://w.atwiki.jp/anothermogidra/pages/235.html
2019年ドラフト候補 投手 190cm 84.8kg 右投右打 黒石商 4年 巨体から投げ下ろす140中盤の直球が武器の好素材 指名者コメント一覧2019年度第7回、西武:育成3位(19/02/09) URL一覧ドラフトレポート ドラフト候補の動画とみんなの評価 野球太郎 球歴 青森大公式HP 高校野球ドットコム(高校時代) 指名者コメント一覧 2019年度 第7回、西武:育成3位(19/02/09) 今回のかくし球 190センチから140中盤を投げ下ろす FGEさんだったかが映像出してたかな?割りとストレートで押せてた 富士大、八学大を抑えられるか。ガチ青森民として外崎に続いて URL一覧 ドラフトレポート http //draftrepo.blog47.fc2.com/blog-entry-4405.html ドラフト候補の動画とみんなの評価 https //player.draft-kaigi.jp/PlayerInfo.php?PlayerId=11633 野球太郎 https //yakyutaro.jp/p/?h=gevaPv7YlE 球歴 https //www.kyureki.com/player/8738/ 青森大公式HP http //kitatohoku-u.umineco.jp/team/introduction.php?t=3 u=2082 高校野球ドットコム(高校時代) https //www.hb-nippon.com/player/10084 2019大学生投手 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/live_fuji/pages/14.html
https://w.atwiki.jp/murakami/pages/8.html
リンク切れは漸次削除。 もっと欲しい人は下のサイトも見てみましょう。 http //mars.x0.com/ 動画 ttp //u.dynalias.org/index.php key pzcegdac ttp //aploda.com/dl.php?mode=pass file_id=0000013657 Exchanger Plus 6283 パスはmura 25hTV画像 かま騒ぎ http //mars.x0.com/upb/src/img20050813160606.jpg http //mars.x0.com/upb/src/img20050813160629.jpg http //mars.x0.com/upb/src/img20050813160357.jpg http //luta.s57.xrea.com/photo/img-box/img20050724050418.jpg つるべ中継 http //www.takbose.com/up/img/36.jpg http //www.takbose.com/up/img/37.jpg http //mars.x0.com/upb/src/img20050813160510.jpg トリビアの温泉 http //mars.x0.com/upb/src/img20050813160550.jpg http //mars.x0.com/upb/src/img20050813160444.jpg
https://w.atwiki.jp/murakami/pages/5.html
https://w.atwiki.jp/siritori_review/pages/104.html
「大誘拐」(天童真)が紹介できるなあ、とも考えたのですが、「傑作なのでとりあえず読め」しか浮かばなかったので却下していろいろ考えた。例えばささきさんに対抗して「ダブ(エ)ストン街道」(浅暮三文、再読する気にならず)とか「大熱血。」(火浦巧、好きだけど未来放浪ガルディーンってつけたらアウトだし古いしなー)とかいろいろ考えた結果、シリーズものの中間、とも言えるこの作品をあえて選択しました。 タイトルとしては独立しているけれど、「羊男の冒険」とははっきり連続していて、「1970年のピンボール」とも重なると言って良いのだけれど、今読み返したところ大変面白かったのと、これは「ダンス・ダンス・ダンス」から読んでも問題ないと判断したので採用に踏み切った次第であり、了承願いたい。 いや、やはり私にとっての文学ってのは村上春樹なんだなあ、というのが再読して思ったことであり、そして主人公である「僕」の年齢は、今の私は「羊をめぐる冒険」の頃と同であり、また「僕」の立場や考え方にあらためてシンパシィを感じてしまったのだ。 駄目な自分語りはやめて内容を軽く紹介するが、こういう文学にとってあらすじというのはあってないようなものであり、なかなか難しいとあらかじめ言い訳をしておきながら。 らくだならぬいるかホテルで羊男と出会って4年後、「僕」は再びいるかホテルに向かうこととなるが、ホテルはすっかり様変わりし、近代的な「ドルフィン・ホテル」となっていた。ただし、やはりそこはいずれとしてりっぱないるかホテルであり、羊男との再会、ホテルのフロントのお姉さん、五反田君、ユキなどといった数少ないキーワードをたよりにして、おぼつかないながらも主人公はステップを踏み続ける、とまあ、書いていて本当に訳わかんねえや、というあらすじになってしまったわけで、結局この文章って読んだ人にしか通じないよなあ、いやそれもどうだろう、という話であってなかなか難しい。 言えることは結局ほとんどないのだが、学生の頃読んだきり、といった人には是非28を過ぎたあたりで再読することを強くお勧めする次第であり、今新しく読んでも色あせていない世界がそこには間違いなく広がっていると言うことだ。 ダンスのファーストステップにもならない感想で恐縮であるが、結局「再読すると面白い!」としか言うことはないまま次はifさん、「す」でお願いします。
https://w.atwiki.jp/sweeting_pleasure/pages/3.html
カウンター 今日 - 人 昨日 - 人 合計 - 人 現在-人が閲覧中。 更新履歴 取得中です。
https://w.atwiki.jp/anime_wiki/pages/15275.html
ここを編集 ■Wake Up, Girls! 作画監督補佐 10(普・中・岩・佐) ■人生相談テレビアニメーション「人生」 作画監督 10 作画監督補佐 3(桝・川) 6(椎) ■Wake Up, Girls! 青春の影 絵コンテ清書(渡邊政治と共同) 作画監督協力(林あすか、普津澤時ヱ門、村上龍之介、杉浦英之、小林史緒里と共同) ■Wake Up, Girls! Beyond the Bottom 作画監督補佐(林あすか、木野下澄江、藤田正幸、渡邊和夫、中野ゆうき、杉浦英之、糸井恵、是本晶、澤田知世、小松達彦と共同) ■ベルセルク キーアニメーター ■ベルセルク (次篇) キーアニメーター(~19話) ■Wake Up, Girls! 新章 コスチュームデザイン(木村博美と共同) キーアニメーター(木村博美、吉田智裕、豊島英太、小林大地、内田利明、鴨田航、板垣伸と共同) #1・3・4 キーアニメーター ■劇場版 Fate/stay night [Heaven s Feel] II.lost butterfly 作画監督(秋山幸児、佐藤哲人、田中敦士、島袋リカルド、塩島由佳、浜友里恵、藤原将吾と共同) ■鬼滅の刃 作画監督 12(佐・小) 15(松・佐・梶・菊・都・佐・小) 17(佐・小・外・松) 20(佐・小) 23(佐・小) 26(松・緒・佐・滝・塩・小・外) 作画監督補佐 5(茂・秋・島・田) ■劇場版 Fate/stay night [Heaven s Feel] III.spring song 作画監督(秋山幸児、佐藤哲人、田中敦士、緒方美枝子、塩島由佳、渡邉八恵子、浅利歩惟、茂木貴之、五味伸介と共同) ■ヒプノシスマイク Division Rap Battle Rhyme Anima + 作画監督 11(晶・白・中・中・二・原・劉・星・孙・朱・杨・明・J・余・丘・岡) 13(神・内・陳・鈴・髙・原・田・二・参・中・笹・宮・佐・中・松・陳・岡) ■新しい上司はど天然 作画監督補佐 11 ■マッシュル -MASHLE- 神覚者候補選抜試験編 作画監督 17(錦・小・茂・斉・曽・滝・斎・合・中・安・大・内・原・岡) 20(渡・臼・成・三・カ・齋・東) ■関連タイトル Blu-ray 劇場版「Wake Up, Girls! 七人のアイドル」 初回限定版 rakuten_design= slide ;rakuten_affiliateId= 053df7e0.7c451bd1.0c852203.190c5695 ;rakuten_items= ctsmatch ;rakuten_genreId=0;rakuten_size= 468x160 ;rakuten_target= _blank ;rakuten_theme= gray ;rakuten_border= on ;rakuten_auto_mode= on ;rakuten_genre_title= off ;rakuten_recommend= on ; 随時更新! pixivFANBOX アニメ@wiki ご支援お待ちしています! ムック本&画集新刊/個人画集新刊/新作Blu-ray単巻/新作Blu-ray DVD-BOX アニメ原画集全リスト スタッフインタビューwebリンク集 最新登録アイテム Switch ゼルダの伝説 Tears of the Kingdom Switch 世界樹の迷宮Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ HD REMASTER Switch ピクミン 4 大友克洋 Animation AKIRA Layouts Key Frames 2 小説 機動戦士ガンダム 水星の魔女 1 ONE PIECE FILM REDデラックス・リミテッド・エディション 4K ULTRA HD Blu-ray Blu-ray 劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 冥き夕闇のスケルツォ 完全生産限定版 Blu-ray 映画『ゆるキャン△』 Blu-ray 【コレクターズ版】 Blu-ray ウマ娘 プリティーダービー 4th EVENT SPECIAL DREAMERS!! Blu-ray 天地無用!GXP パラダイス始動編 Blu-ray第1巻 特装版 天地無用!魎皇鬼 第伍期 Blu-ray SET 「GS美神」全話いっき見ブルーレイ Blu-ray ソードアート・オンライン -フルダイブ- メーカー特典:「イベントビジュアル使用A3クリアポスター」付 ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 5th Live! 虹が咲く場所 Blu-ray Memorial BOX 宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち Blu-ray BOX 特装限定版 地球へ… Blu-ray Disc BOX 完全生産限定版 神風怪盗ジャンヌ Complete Blu-ray BOX HUNTER×HUNTER ハンター試験編・ゾルディック家編Blu-ray BOX BLEACH Blu-ray Disc BOX 破面篇セレクション1+過去篇 完全生産限定版 MAZINGER THE MOVIE 1973-1976 4Kリマスター版 アニメ・ゲームのロゴデザイン シン・仮面ライダー 音楽集 テレビマガジン特別編集 仮面ライダー 完全版 EPISODE No.1~No.98 MOVIE リスアニ!Vol.50.5 ぼっち・ざ・ろっく!号デラックスエディション ヤマノススメ Next Summit アニメガイド おもいでビヨリ アニメ「魔入りました!入間くん」オフィシャルファンブック 『超時空要塞マクロス』パッケージアート集 CLAMP PREMIUM COLLECTION X 1 トーマの心臓 プレミアムエディション パズル ドラゴンズ 10th Anniversary Art Works はんざわかおり こみっくがーるず画集 ~あばばーさりー!~ あすぱら画集 すいみゃ Art Works trim polka-トリムポルカ- つぐもも裏 超!限界突破イラスト&激!すじ供養漫画集 開田裕治ウルトラマンシリーズ画集 井澤詩織1st写真集 mascotte 鬼頭明里写真集 my pace 内田真礼 1st photobook 「まあやドキ」 進藤あまね1st写真集 翠~Midori~ 声優 宮村優子 対談集 アスカライソジ 三石琴乃 ことのは 亀田祥倫アートワークス 100% 庵野秀明責任編集 仮面ライダー 資料写真集 1971-1973 金子雄司アニメーション背景美術画集 タローマン・クロニクル ラブライブ!サンシャイン!! Find Our 沼津~Aqoursのいる風景~ 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 友の会[復刻版] 梅津泰臣 KISS AND CRY 資料集 安彦良和 マイ・バック・ページズ 『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』編 氷川竜介 日本アニメの革新 歴史の転換点となった変化の構造分析 Blu-ray THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 10th Anniversary Celebration Animation ETERNITY MEMORIES Blu-ray おいら宇宙の探鉱夫 ブルーレイ版 Blu-ray 映画 バクテン!! 完全生産限定版 アイカツ! 10th STORY ~未来へのSTARWAY~ Blu-ray BOX 初回生産限定版 はたらく細胞 Blu-ray Disc BOX 完全生産限定版 Blu-ray 長靴をはいた猫 3作品収録 Blu-ray わんぱく王子の大蛇退治 Blu-ray 魔道祖師 完結編 完全生産限定版 魔道祖師Q Blu-ray Disc BOX 完全生産限定盤 にじよん あにめーしょん Blu-ray BOX 【特装限定版】 Blu-ray 鋼の錬金術師 完結編 プレミアム・エディション Blu-ray付き やはりゲームでも俺の青春ラブコメはまちがっている。完 限定版【同梱物】オリジナルアニメ Blu-ray「だから、思春期は終わらずに、青春は続いていく。」
https://w.atwiki.jp/girlfriendline/pages/1694.html
出会い …これと、これは一緒に戻して…あ、まだ返ってきてない本が残ってる…は…ふわぁ… あ、す、すみません、はしたないところを… 少し寝不足で… マイページ 通常 お探しの本があれば、図書室までどうぞ。 図書室の本は、丁寧に扱いましょう。 本に囲まれていると、落ち着くんです。 登校 朝 おはようございます。えっと…まだ寝ていますか? 今日は早起きをしたので、朝から読書中です。 この時間帯に本を読むのが、一番集中できるんです。 昼 お昼休みを利用して、本の整理をしています。 図書室は飲食禁止、ですよ。 [名前]君の今日のお昼はなんだったんですか? 夜 今夜はデザートに、ケーキを食べました。 今夜は星がきれいです。思わず見とれてしまいました。 寝不足が続いているので、今日は早く寝ることにします。 アルバイト 少し寝不足気味ですが、一緒にバイトがんばりましょう。 好感度レベルアップ 一緒に本の整理を手伝ってくれるんですか? ありがとうございます。 デート 約束 もしもし? 今ですか? ええ、本を読んでいただけなので、大丈夫ですよ。はい、大丈夫ですよ。いいですよ。それでは、どこにお出かけしましょうか? 当日 遅くなってすみません。え? 寝不足で寝坊したのかって? そうじゃないんです。ここに来る前、ちょっと本屋さんに寄ったら… いつの間にか時間が経ってたんです… ボス戦 開始 勝利 敗北 バトル 開始 大丈夫、応援してますから。 声援 目の覚める勝負、期待してますね 勝利 素晴らしい勝利でしたね。昨日はしっかりと寝たんですか? 敗北 …あれ? いつの間に負けてしまったんですか? ちょっとウトウトしていたもので… タッチボーナス これと、これは… 後で一緒に… あれ、戻ってないかな。
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/4320.html
1 見知らぬアナルの話を聞くのが猛烈に好きだった。 ある時の俺は大学生であり、適度に遊び、適当に酒を飲み、セックスをし、音楽を聴いた。 「どうにも合わないな」 マジカル・ミステリー・ツアーのCDを止めた俺は嘆息し、窓の外を見た。ちょうど昼前で、曇り空に太陽が輪郭を曖昧にした光をぼんやりと放っていた。 俺はシステム・キッチンに出向き、昼食にコーヒーを淹れ、BLTサンドとポテト・サラダを作った。テレビをつけると、ちょうどアナウンサーがベルリンの壁跡地から歴史にまつわる薀蓄を披露しているところだった。 「やれやれ」 俺は不意に古泉のことを思いだした。古泉一樹は高校時代の友人であり、ガチホモだった。奴は高校の男子をあまねく掘りつくし、俺も掘られかけ、何回かは実際に掘られた。 思い出せる限りカウントすれば、奴は315人の男子を掘り、俺を158回掘ろうとし、そして実際に32回掘った。 今頃奴は何をしているのだろう。卒業と同時に海外に渡ったと聞いたが、それがどこなのかまでは聞かなかった。あいつならこのニュース画面に映っていてもおかしくない。 * 猫について話す。 シャミセンという名の猫を飼っていたことがある。シャミセンは稀有なオスの三毛猫であり、高校時代の奇矯な部活動のおかげで当時の俺が飼うことになった。 シャミセンは日に二度我が家で飯を食べ、秋の一時期人の言葉を喋った。彼は延々言語の不完全性について講釈をたれ、その期間俺は人の話を聞くことに対し軽くノイローゼになった。 しかし、冬が来る頃シャミセンはぱったりと喋るのをやめた。以来一度も人間と話したことはなかった。さらにシャミセンは俺が高校を出ると同時に行方をくらまし、以来一度も家に帰ってこなかった。 * 七年間、ということを思う時、俺はいつも営業課長の言葉を思い出す。 「七年間は長すぎる。それはいくら年を取っていても変わらない」 そうだろうか。そうなのかもしれない。しかし当時二十五だった俺には解らない話だった。今ならどうかと言えば。やはりまだ確信は持てない。 時間の感覚は確かに速くなり続けていた。高校時代、先輩の朝比奈さんに聞いたところによれば、人間の体感時間の加速こそが、タイム・トラベルを実現するための大きな一歩であったらしい。 やれやれ。 確かに時間の流れは速い。三輪車を漕いでいたのが、やがて自転車になり、バイクになり、自動車になる。あるいはそれは気がつけば新幹線になっているのかもしれないし、ジャンボ・ジェットになっているかもしれない。 人の体感時間が加速する理由は、記憶の蓄積にあると誰かが言った。ならば記憶喪失になれば子供時代に戻れるだろうか。 そう古泉に話すと奴は、 「三秒であなたをいかせる自信があります」 と述べたので、俺は首を振った。やれやれ。 この世のあらゆる問いは形而上学的なものであるかもしれない。 例えばケツの穴が空間であるか存在であるかというのは、まさしく形而上学的な問いに過ぎず、議論するだけ無駄というものだ。それぞれに解釈があればいい。 「そうね。あなたが今まで何回不倫したのかということと同義だわ」 妹はある時突然そんなことを言った。俺は大いに当惑したが、そんなこともあるだろうとしまいには自分を納得させた。そうせざるをえなかった。 妹は大学に入ると同時に三足跳びの急成長を見せ、その頃にはもはや昔の面影はどこにもなかった。俺に対する呼称はお兄ちゃんからキョンくん、最後に「あなた」になった。まるで夫婦みたいだな、と言ったら、 「すべての物事は変わっていくの。そしてそれは止められないわ」 その通りだと思う。そうでなければならない。 2 スプートニクの変人 2歳の春にいつきは初めて恋に落ちた。深遠なアナルをどこまでも深く掘り進むイチモツのような激しい恋だった。 それは行く手のおとこどもを跡形もなく掘りつくし、片端から絶頂に押し上げ、理不尽に引き戻し、完膚なきまでにやりつくした。 そして勢いをひとつまみも緩めることなく海洋を渡り、ストーンヘンジをどたんばたんひっ倒し、ペルシャ湾を気の毒なイルカごとついでに掘って、アラスカのオーロラとなってどこかのエキゾチックな針葉樹林をまるごとひとつ同性愛者にしてしまった。 見事に記念碑的なゲイだった。 恋に落ちた相手はいつきより42歳年上で、独身だった。さらにつけ加えるなら、おとこだった。もっとつけ加えるなら、ダンディだった。 それがすべてのものごとが始まった場所であり、(ほも)すべてのものごとが終わった場所だった。 * という話を転校してきた古泉に聞かされた時、俺はとうとう自分の頭がおかしくなったと思った。 あまりの衝撃にそこらにあった中庭の丸イスを手当たり次第になぎ倒し、冷めたコーヒーを飲み干し、頭をかきむしって今のをなかったことにした。 「お察しの通り、ガチホモです」 しかし現実は目の前にあった。依然として横臥していた。 それが俺と古泉一樹の出会いだった。 七年間、ということを俺は思った。 七年間、あらゆる物事が俺の前を通りすぎて行った。それは入れ替わるバーの客のように、あるいは回転ドアを行き来する人々のように、常に絶えることなく俺の前に現れ、通過し、去っていった。 そのなかには宇宙人や未来人や超能力者が含まれていたこともあった。 あるいはごく普通のサラリーマンだったり、主婦だったり、OLだったり、果てはツナギを着た男性だったりした。 家に帰ると、今朝のテレビがつけっぱなしになっていた。 ニュースはパレスチナ自治区の情勢を緊迫感とともに伝えていた。さすがにそこに古泉はいないだろう、と俺は思った。 「ある日突然、僕は自分の性癖と力に気づいたんです」 それが奴の告白だった。そして俺は三秒後にヴァージンを喪失した。 俺はテレビを切ると、ボンゴレ・スパゲティを作るべくキッチンへ出向いた。 その前にCDラックからスガシカオのSMILEを取り出してかけた。 「ねえ、明日――」 ハルヒがいつかそんなことを言っていた気がする。 しかし今俺のところに彼女はいない。高校時代の友人は誰一人近くにいない。 それらはすべて過去の出来事として記憶の中に沈み、遠くへ去っていった。 しかしながら俺は思うのだ。 あいつらは今何をしているのだろうか、と。 3 図書館奇男 図書館はとてもしんとしていた。本が音を全部吸い取ってしまうのだ。 俺は長門有希と待ち合わせをしていたのだが、宇宙人の同級生は時間になれど現れない。 変わりに変なおとこが現れた。 「お前の探し物はこっちにあるぜ」 男は言った。男には顔がないように思われた。いや、あるのだが、顔を構成するパーツのひとつひとつ――目、鼻、口、耳といったそれぞれが、ひどくいびつなのだ。 長門がいるのだろうか、と思った俺はおとこについて行った。 「ちょうどいいのが入ったところなんだよ」 おとこはそう言った。よく考えればおかしな話だったものの、俺は別段不思議に思わなかった。 おとこは図書館の地下へと俺を導いた。ほんの数分のうちに、くねくね曲がった道やら階段、T字路などをひたすらに進んで、図書館にいるという実感はどこかへ吹きとんだ。 どう考えても普通の市立図書館にこんな地下道があるはずがない。俺はようやく男に質問した。 「本当にこっちに俺の探し物があるのか?」 おとこは笑っただけだった。 俺は地下に閉じ込められた。そこは牢屋のような場所だった。 「ここでお前はアナルをくにゃくにゃ掘られるんだ」 おとこは俺を閉じ込めてそう言った。俺はだまされたのだ。 十日ののち、俺はアナルをくにゃくにゃ掘られるのだという。これでは幽閉だ。今ごろ長門有希はどうしているだろう。俺が失踪したことに気づくだろうか。 そうして七日が経過した。光を見ていた日々が、もうずっと遠くのどこか、触れられない場所にあるように思われた。 〈お困りのようですね〉 聞き覚えのある声、というよりはささやきが記憶の片隅からよみがえった。それは古泉のものだった。 〈こう見えて僕は超能力者ですから、こんな場所からあなたを連れ出すことくらい造作もありません。もちろん代償として一掘りいただきますが〉 「断る」 〈相変わらずあなたも頑固なお人だ。ですが考えてみてください。僕と、あの見知らぬおとこ、どちらかに掘られるとすれば、どちらが得策か〉 「長門が俺を助けてくれるはずだ」 〈彼女は来ませんよ。なぜなら僕が――〉 「何してやがるんだ」 おとこが鉄格子の向こうから現れた。今やおとこは筋骨隆々という姿をしていた。 〈おや。しょうがありませんね〉 結局、俺は古泉に一掘りやられることで外に出た。 図書館の人に訊くと、たくましいおとこも、薄暗い地下室もどこにもないと言う。古泉もどこかへ行ってしまった。 長門有希も図書館で待ち合わせた覚えなどないと俺に告げた。何もかも俺の勘違いだったのかもしれない。 4 ハルヒと海に行った。 休日の朝、突然電話がかかってきて、 「今から支度して。いいえ、しなくていいから早く来て」 その三十分後に我々はバスに乗っていた。 高校生活も終わりに近づいていた。 朝比奈先輩は未来へ帰り、長門有希は宇宙へ戻り、古泉一樹は卒業を待たずに海外へ飛んだ。後には俺とハルヒしか残らなかった。 初春のやわらかい陽光がバスの窓から照らしていた。車内にはほんの二、三人しか人がいない。 「すべては過ぎさってしまったのね」 ハルヒが言った。まったくその通りだと俺は思った。 海は晴天の下でどこまでも続いていた。地球が丸いため、やむなく便宜的に空と境界線を設けているにすぎないといった風情だった。 我々の街から南へ下れば、歩きでも海には出られる。しかしハルヒはバスに乗って北へ向かった。そしてここへ到着した。 「えいっ」 ハルヒは浜辺に転がっていた鋭角な石ころを力いっぱい投げた。豪速球となった石ころは、一度も水を切ることなく沈んだ。水面から高く飛沫が上がった。 「ああもう、おしいわね」 ハルヒはそれから何度か石ころを投てきし、そのすべてが水を切ることなく海中に沈んでいった。 途中、どこかの漁船が挨拶するように汽笛を鳴らした。それは長く、遠くまで響いた。どこかの岬に灯台があれば、きっとそこまで届いていただろうと思う。 「えいっ。ああもう、どうして跳ねないのかしら。えいっ」 俺はほとんど何も言わずに、ハルヒが石ころを放つ様子を眺めていた。その間、高校入学からしばらくのうちにあった様々な出来事が、断片的なピースのように記憶の水面に浮き上がった。 時に俺たちは雪山にいた。あるいは夏の日射しが照らす孤島にいた。 あるいは高校の文化祭でバンド演奏を俺が聴いていた。生徒会とひと悶着あった。新入生を歓待した。団員全員で映画を撮った。 それらはみな、二度と戻ることのない時間の彼方へと去っていくのだ。そう思った。もしかしたら、ハルヒも同じ事を思っていたかもしれない。 「キョン、飽きたわ。帰る」 「そうか」 帰りのバスを待っている間、ハルヒは二分間だけ、俺の隣で泣いていた。 高校を卒業した俺は大学へ進み、ハルヒとも疎遠になった。 友人は街頭の広告のように一新され、俺は彼らと長くも短くもない時間を共にした。 しかし、あの高校時代のような時間は、一瞬たりとも戻ってこなかった。 俺は繰り返す毎日の節目節目で、文芸部室での何気ない会話や、風景を思い出した。 いくら思い出しても、やはりそれは戻ってこなかった。 5 記憶を遡ることで得られる映像は、中学生時代のものが最古だ。 それも中学三年より昔のことはほとんど思い出せない。幼少期の記憶といえば、年上の従姉妹が、記号化された断片のように頭の片隅に残っているだけである。 まあそれはいい。肝心なのは中学三年の頃の記憶だ。 そこには佐々木という名の女子が出てくる。自分のことを「僕」と呼ぶ、少し風変わりな女の子である。 しかし当時の俺は彼女のことをそこまで実際的に――現実的に、と言い換えてもいい――風変わりだとは思っていなかった。 大抵の場合、そうした観念は時間の経過による認識の変化とともに、ある程度の客観性を持って思い返すことができる。 「キョン。君は何を持ってして『今自分がここにいること』を把握しているかな?」 哲学的な問答だった。佐々木はこのような問いかけをほとんど日常の些事同然に投げかける少女だった。 彼女は休み時間にヘーゲルとカントを読み、そうかと思えば自然科学にまつわる諸々の学説をそらんじ、不意に自由恋愛に関して一石を投じるような懐疑論を唱えた。 おかげで(と言うべきだろう)、俺の知識はこの時期を境にひどく偏狭なものになり、自我形成に少なからぬ影響を及ぼした。少なくとも今はそう思っている。 「そんなもの解らない。今こうして話していることが理由じゃないか」 「『我思う、ゆえに我あり』か。ふむ」 そう言って佐々木はまるまる十分思索にふけり、そのあともう十分かけて考察結果を俺に披歴するのだった。 また、先にも述べたように彼女はジェンダーによる恋愛というものをまるごとすべて放てきし否定した。 佐々木は理性によりすべてを自制しているようであった。しかし、その反面彼女はひどく蠱惑的な少女でもあった。 まず顔立ちが麗容であった。同世代の女子より大人びている。鼻梁はすっと通り、大きな瞳は長い睫毛に縁取られて輝いていた。 特に唇がつややかであり、当時の俺は三秒以上彼女の口元を見ることを危険なものだと自警していた。 佐々木が自分の考えを述べる際、微細に動く彼女の唇を奪う妄想が、何度か俺の頭を駆け抜けた。 ちょっとした仕草にも彼女のあてやかさは見て取れた。いや、感じ取れたと言うべきだろうか。そこには何か官能的な含みのようなものがあった。 もちろん彼女は意識していなかっただろうし、当時の俺もそれが何から来るものか解っていなかった。 彼女が指先を顎に当てる時、あるいは人差し指をすっと立てたり、人に握手を求める際、目に見えない光のようなものが発せられていた。 あいにくそう呼ぶほかない。それは俺の内奥にある、こそばゆい箇所をくすぐるような危うさを伴っていた。 普段はまっすぐ延びている繊維の先が、ふとした拍子に曲がり、それが抗しがたい力によって次第に歪められていき、しまいには帰ってこられない、そんなイメージがあった。 佐々木は中学三年としては平均か、やや小さいくらいの胸のふくらみを有していたが、俺はそれを頭の中で「存在しないもの」として扱わねばならなかった。 さもなければ、当時の我々の間に友情は成立しなかっただろうし、俺が今ここにいることもなかっただろうと思う。 佐々木とは高校の時点で別々になったが、高二の初めに再会した。 彼女は一年の間に、自らの持つ目に見えない輝きを、意識か、あるいは無意識によって調節できるようになっていたようだ。 再会してすぐ、俺は佐々木の外見に対して「ごくまれにいる美人」という認識にしか至らなかったからである。 しかし、今にして思えば、彼女は明らかに中学三年次に持っていた己が特性を扱い、隠していた。 回想のなかでだけ、俺は佐々木に告白する場面と、その先にある未来を描いた。それはまったくもって無意味な想像だった。 6 橘京子に呼び出されたのは、冷え込む高二の秋の夜だった。 古くからある探偵小説に出てくる街並みのように、秋雨で辺りは霞みがかり、まばらに通る人のシルエットは街頭に薄くぼやけた。 俺は最近購入したダッフル・コートを着込み、他校の元超能力者の女を待った。 「お待たせしました。行きましょう」 まったくの突然に彼女は現れた。 橘京子という女は平素から笑みを絶やさぬ人物であったが、この時は表情と呼べるものをほとんど浮かべていなかった。 我々は雨に煙る街を連れ立って歩き、レイト・ショウをやっている映画館に入った。 映画館は時代の感覚を希薄にするつくりをしていた。 入り口は歴史を感じさせる赤レンガと、深緑色の小さなアーケード。扉は黒に近い茶。取っ手のメッキは剥げかかっていた。 中に入ると、昭和初期の社交界を思わせる瀟洒(しょうしゃ)なたたずまいのロビー・ホールがあった。カーペットはワイン・レッド。 そこはとても小さな空間だった。ことさらに印象的だったのは、俺と橘京子以外に誰もいなかったことだ。 「チケットを二枚」 高校生が入場するはずはないので、当然大人料金である。深夜割引を含めてもやや高い。 チケットカウンターには木造の遮蔽壁のようなものがあり、小窓の向こうには黒い闇があった。橘京子が代金を置くと、それはふっと向こうに消え、代わりにチケット二枚が出現した。 上映はすでに開始されている。我々は二つあるシアターの一つに入った。客は三名ほどいたが、誰も映画を見ていないようだった。 暗い空間に、青い、焦点の定まらない光がぼんやりと照り、それがまた俺の感覚を蒙昧(もうまい)なものにした。 俺と橘京子は中央端の席に座った。後列の反対側から、カップルの押し殺したような嬌声が聞こえたように思った。しかし俺はそれを確認しなかった。 もう一人の客である中年男性は、我々の一列前、中ほどの席で画面に見入っていた。 しかし、彼の視線は映画というより、その向こうにある何かに当てられていた。男性は生気に乏しく、この世の存在ではないようにも見えた。 席に落ち着いた俺と橘京子は、三十分ほど映画鑑賞にふけった。 モノクロのフィルムは、どういうわけかやはり青みがかっていた。音声はところどころ穴が開き、焦がしたようなノイズが時折混ざった。 欧州のどこかで、男女が恋愛に落ちていく様が描かれていた。街はパリであったかもしれないし、ロンドンだったかもしれない。正確には思い出せない。 「すべては終わりました」 橘京子は、不意にそんなことを言った。 そうか、と俺は思った。すべては終わったのだ。 「日常がやってきます。あたしたちはそこへ戻っていきます」 青い光が一段と強くなったようだった。スクリーンは光の強さでほとんど直視できなくなり、周囲にいたカップルと中年男性の気配はどこかへ消失した。 「さよなら」 確かに、彼女はそう言った。そして、どこかへ消えた。 俺が橘京子に会うことは、それから何年もなかった。 7 仕事が終わって帰宅すると、長らく置物となっていた自宅の電話が鳴った。 「もしもし」 『もしもし』 俺は突如強烈な既視感を覚えた。眩暈(げんうん)感にとらわれ、立っているのがやっとだった。俺は額をおさえ、吹き出す汗を拭った。 『お久しぶりです。頃合いだと思ったのでね。電話させていただきました』 古泉一樹だった。記憶している高校時代の声とまったく変わらなかった。 「何の用だ」 『おや、七年ぶりなのにその挨拶はあんまりですね。これでも苦労したんですよ、ここまで来るのに』 どこにいるというのだろう。 『残念ですが、それを伝えるわけにはいきません。情報が漏洩した結果、僕の命が危機に晒されるということもありうるのですよ』 特別危急を告げる口調でもなかった。 「元気か」 何とか考えて出た言葉がそれだった。俺のほうは元気とは言えない。 『ええまあ。おかげさまで刺激的な毎日を送っていますよ。あの――』 ノイズが入った。何も放送していない帯域にラジオの周波数を合わせたようなノイズだった。 『失礼。とにかく元気です。今月に入ってから、すでにおとこを180人ほど掘りました』 俺は薄暗い室内にかかるカレンダーの日付を、目を凝らして確認した。七月の三日だった。 やれやれ。 『高校時代と比べてどちらが魅力ある生活かといえば、どうでしょうね。主観としてはこちらでしょうか』 古泉は聞いてもいないことをべらべら話し始めた。俺は床にあぐらをかいて座り、持ち帰った仕事の資料に目を通し始めた。 『ああそうだ、すずみ――』 またノイズが入る。今度は先刻よりも強かった。まったく何も聞こえない。 『なんです。お解りですか?』 「すまない。聞こえなかった」 『――――』 またノイズが入る。これでは通話にならない。 『というわけです。彼女はまだどこかにいるのですよ』 「彼女」が誰のことを指すのか解らない。 『おや、もうこんな時間ですか。失礼ですがまたいつか。ええ、きっと』 「そうか。何事もほどほどにしとけよ」 『はは。解ってますよ』 ノイズが発生した。三度止むころには、電話が切れていた。 「彼女」というのは恐らくハルヒのことだろう、と俺は思った。二年前に失踪したハルヒの。 8 圧倒的なまでの夏が、俺の周囲にあるすべてだった。 蛙鳴蝉噪という四字熟語の元になるかのように、セミの鳴き声が反響していた。 大気はむっとするほどに湿気を帯びて、半袖ワイシャツ一枚でも暑すぎるほどだった。 空はたいへんに晴れ渡っていて、遠くに幻の城のように入道雲が立ち込めていた。 やれやれ、という言葉では、何か決定的なものが欠けてしまうように思われた。それほど果てしない存在感とともに夏があった。 バス停に降り立った俺は持参した地図を確認し、目指すべき方角を見定め、歩き出した。 大学を出た俺は就職し、それから二年が経過していた。 あらゆるものごとはよりいっそうの速度とともに後方へ去っていく。 たとえば食べ残しのシナモン・ロール、二回ツケたままなおざりになった飲み会の勘定、貸したままになったラバー・ソウルのCD、約束をしたままついに再会しなかった女性など。 その中には一般的な現実とはおよそかけ離れた存在――宇宙人や未来人や超能力など――もあった。 一本の電話がかかってきたのは昨日の夜九時だった。 坂本龍一の青猫のトルソを聴いていた俺は、CDプレイヤーの停止ボタンを押し、受話器を取った。 「もしもし」 『……涼宮ハルヒがいなくなった』 何者かの声がした。しかし俺はそれが誰だか解らなかった。 『行方不明になった場所を言う。そこへ行って』 端的に告げた声がここからほど遠い海辺の名を知らせた。俺は慌ててメモを取った。 『……』 俺が何か思い出しかける頃、電話は切れた。 いつだったか、二人で出かけた海とは様子が違った。 そこはどこか西洋的な風情を持っていて、ここが日本であることをしばし忘却させた。 高さのある断崖の縁には、真っ白な墓石が三つ並んでいた。それはやはり日本の様式ではないものだった。 「暑い」 本当に暑い。地球の温暖化は七年前から進む一方だった。エントロピーの増大に同じくして、それは誰にも止められないのだ。 岬に立って、俺は海洋を眺望した。 ブルーとだけ呼ぶにはあまりにも短絡的な、折り重なった色相による水面がどこまでも続いていた。 それは緑色にも、水色にも、紺色にも見えた。ラピスラズリ、群青、パーマネントグリーン。青から緑のあらゆる色を内包しているようだった。 ワールズ・エンド――。 世界の果てがこのような場所であったなら、それはどんなにか素敵なものかもしれない。そう思った。 高二の秋、涼宮ハルヒはすべてを知覚した。 もともと彼女はすべてを持っていたと言っても過言ではなかった。確かに彼女は万能であり、世界に偏在するあまねく総ての概念、場面、情景を知っているようですらあった。 「そうだったのね」 すべてを知ったハルヒはそう言った。 「何となく、そう告げられる日をあたしは待っていたような気がするの」 ハルヒの瞳は海の底を思わせた。しかしそれは底のない底であった。深遠のそのまた向こう。 「古泉くんもみくるちゃんも有希も、みんなあたしを見守っていてくれたのね」 「そうさ」 それは素晴らしい日々だった。そこにはすべてがあった。 時にカマドウマが現れ、壮年男性が死んだ振りをし、猫が殺されたことになり、先輩が誘拐され、世界が冬とともに一変し、時間を遡り、短冊に祈った。 すべてはハルヒが俺に見せてくれた風景であった。 そこには純粋理性批判もプロパガンダもトートロジーもマクロ経済も超ひも理論もファシズムもなく、ちっぽけな団がひとつだけあった。 「そして、みんな去っていった」 「そうだな」 ハルヒは泣いてもいなければ笑ってもいなかった。俺はそれが終わりなのだと知り、始まりなのだと悟った。 「キョン。あなたが好きよ」 ハルヒは俺が言葉を返す間もなく抱きつき、キスをした。 俺はただハルヒを抱きしめて、もう一度キスを返した。 それがすべての終わりだった。一年半に渡る物語の。 俺はあらためて海を眺め、ハルヒのことを考えた。 あいつはどこへ行ってしまったのだろう。新しい世界へ旅立ったのだろうか。 それは生でも死でもない場所かもしれない。地球でもなければ太陽系でも銀河系でもなく、宇宙の外ですらないかもしれない。 しかしハルヒはどこかにいるのだ。 そして、必ず戻ってくる。 俺はそう信じ、願い、祈っていた。 そこにはなんの疑念も生じることはなく、あるいは永遠のようなものが存在していたかもしれない。 俺はあるものを海に放った。 それはあの頃、ハルヒがハルヒであったことの証だ。 そこには油性マジックで団長と書かれている――。 9 また電話が鳴った。 海に行った日から二年が経過し、俺は職場も住居も変わってしばらくした頃だった。 懐かしいような気分で受話器を取った俺は、聞こえてくる声に耳をすませた。 『もしもし。キョンたんですか――』 切った。 ノー・グッドだ。リテイクをする必要がある。 10 電話が鳴った。 俺は雑誌をガラステーブルに置き、ソファから立って受話器を取った。 『もしもし。キョン?』 間違えようはずもない声が耳朶を打った。 不思議なことに、その瞬間、生まれてから二十数年間の記憶がすべて、正しく、鮮明に思い出せる気がした。 それは精微な彫刻のようであり、バロック様式の建築物のようであり、鉱脈を掘って得られる宝石のようであった。 「ああ。俺だ。ハルヒ、元気だったか?」 クスッと笑う気配がして、 『ええ、もちろんよ。元気すぎて困っちゃうくらいよ。今すぐあなたに分けてあげたいわ。早速だけど団長命令、今すぐここに向かえにきて』 俺は肩をすくめて、久しぶりの言葉を発した。 やれやれ。 「いいけど、今どこにいるのさ」 『それがね、ちょっと解らないのよ。あたし、この数年の間にちょっと方向感覚とか、そういうのに疎くなっちゃったのよね。解る? この感じ』 「ああ。解るとも」 しょうがない。 俺は早速そばにあった財布を取り、ハンガーから薄手の上着を一枚ひっつかんだ。 『なるたけ早く来なさいよ。遅刻したらどうなるか解ってるでしょうね』 もちろんだとも。 俺は受話器を置くと上着をはおり、夏の下へ続く扉を開けた――。 (おわり)
https://w.atwiki.jp/monosepia/pages/5780.html
人物 + ブログサーチ #blogsearch + ニュースサーチ 星新一、柳美里、村上龍…日本文学を韓国訳してきた人気翻訳家の人生~『翻訳に生きて死んで 日本文学翻訳家の波乱万丈ライフ』【東えりかが読む】(婦人公論.jp) - Yahoo!ニュース 芥川賞作家の柳美里さん「お金がない」と吐露 友人からの借金も明かす - livedoor 芥川賞作家、「お金が無い」と吐露。借金も明かす「どんな末路なのかな? もう末路なのかな?」(2024年6月22日)|BIGLOBEニュース - BIGLOBEニュース 芥川賞作家、「お金が無い」と吐露。借金も明かす「どんな末路なのかな? もう末路なのかな?」 - All About NEWS 福島:柳美里さん書店6周年 「地元の人の『居場所』に」:地域ニュース - 読売新聞オンライン 全米図書賞受賞、柳美里の『JR上野駅公園口』――居場所のないすべての人たちへ贈る、ある男の魂の物語 - ダ・ヴィンチWeb [誰のための原発か・インタビュー]作家・柳美里さん「生きることを支えるのは、答えではなく問いではないか」 - 新潟日報デジタルプラス [誰のための原発か]作家・柳美里さん 福島南相馬市でカフェ併設の書店「フルハウス」を開業 賛否や賠償…理不尽やあつれきの中での「よりどころ」に 柏崎刈羽原発の新潟から問う - 新潟日報デジタルプラス 米ブルックリン・ブック・フェスティバル、『亡霊の地』の陳思宏さんや柳美里さんが対談 - TaiwanToday(日本語) 「明日」の尊さ伝えたい 飯舘出身俳優・大内彩加さん 常磐線舞台芸術祭で柳美里さん新作劇に出演 - 読売新聞オンライン 日が沈む前からの野外で…柳美里「窓の外の結婚式」を堀川炎が上演(舞台写真 / コメントあり) - ステージナタリー 尾崎世界観「二度とないからこそ、またやりたい」柳美里と届けた野外公演「JR常磐線夜ノ森駅」(舞台写真 / コメントあり) - ステージナタリー 芥川賞作家 柳美里ホラー小説原作 舞台『雨と夢のあとに』ビジュアル解禁!神尾佑・オクイシュージも脚色に参加! カンフェティでチケット発売 - PR TIMES 「JR常磐線上り列車-マスク-」本公演の開幕に柳美里が祈り込める「あなたの耳に届くように」(舞台写真 / コメントあり) - ステージナタリー 「絶対に逃げたくない」劇作家からの性被害訴える俳優、まもなく舞台復帰 演劇、福島への思い胸に - TBS NEWS DIG Powered by JNN プログラム・ディレクター柳 美里より大切なお願い - Readyfor 「常磐線舞台芸術祭」スタート、柳美里「時間の庭で、あなたを待っています」(コメントあり) - ステージナタリー 「JR常磐線上り列車-マスク-」ワークインプログレス開幕、柳美里「演劇を身近に感じて」(舞台写真 / コメントあり) - ステージナタリー 福島を再発見し「つなぐ、」 常磐線舞台芸術祭の立ち上げにご寄付を - クラウドファンディング READYFOR - Readyfor 芥川賞作家 柳美里ホラー小説『雨と夢のあとに』10年ぶり舞台化 出演に神尾佑・芳本美代子・櫻井淳子・オクイシュージほか カンフェティでチケット発売 | ロングランプランニング株式会社のプレスリリース - PR TIMES 柳美里さんらが「常磐線舞台芸術祭」初開催…原発事故・コロナ禍が題材の新作劇も - 読売新聞オンライン 分断の福島、つなぐ舞台 柳美里さんら、今夏「常磐線芸術祭」 - 毎日新聞 「バークレー日本賞」に作家・柳美里さん 「在日という存在、内と外をつなぐ展望を提示してきた」 - 好書好日 「在日という存在、内と外をつなぐ展望を提示してきた」 「バークレー日本賞」に作家・柳美里さん - 朝日新聞デジタル 柳美里さんにバークレー日本賞 米大研究センター主催 - 高知新聞 柳美里さん、第5回「バークレー日本賞」を受賞…過去に村上春樹さん・宮崎駿さんら選出 - 読売新聞オンライン 柳美里さんに大きな栄誉。村上春樹、宮崎駿、坂本龍一さんらが受賞のバークレー日本賞受賞! - PR TIMES 作家・柳美里さん コロナ後遺症の味覚障害告白…チョコレートも「固い味噌を噛んでいるよう」 - スポニチアネックス Sponichi Annex 柳美里さんコロナ体験記 伝えたかった“痛み” |NHK - nhk.or.jp 芥川賞作家・柳美里さんが手掛ける「演劇アトリエを、小劇場兼ミニシアターへ全面改修するプロジェクト」実施中 - PR TIMES 「本名を名乗れ」「反日なら帰れ」作家・柳美里さんが匿名の刃と向き合う理由【2021年回顧】 - BuzzFeed Japan 原発事故の旧警戒区域内にあった古い倉庫を、小劇場&ミニシアターとして生まれ変わらせるクラウドファンディング - Motion Gallery 「国に帰れ」殺到した中傷 柳美里さんの思う「投票」の本質 - 時事通信ニュース 「国に帰れ」殺到した中傷 柳美里さんの思う「投票」の本質 - 時事通信ニュース 「国に帰れ」殺到した中傷 柳美里さんの思う「投票」の本質 - 時事通信ニュース 衆院選どう見た?:時事ドットコム - 時事通信ニュース 「国に帰れ」殺到した中傷 柳美里さんの思う「投票」の本質 - 時事通信ニュース 菅田将暉らの「投票呼びかけ動画」に参加したローラに「日本国籍なのか」「参政権あるのか」と差別バッシング! 作家の柳美里にも - LITERA 第65回岸田國士戯曲賞に寄せて|柳美里 - webゲンロン クラシック名盤シリーズ『クラシック百貨店』管弦楽曲編、7/21発売 柳美里のコメントが公開 - http //spice.eplus.jp/ 尾崎世界観、南相馬市の柳美里に会いに行く 90分間の対談動画を公開 - PR TIMES 【3・11を想う】作家・柳美里さん「話を聞く。それで役に立てたら」 - JAPAN Forward 【3・11を想う】作家・柳美里さん 話を聞く。それで役に立てたら(1/2ページ) - 産経ニュース 震災10年の「ゆがみ」を描く 作家・柳美里さん - nhk.or.jp 作家・柳美里さんが福島につくった本屋「フルハウス」 絶望した人の「魂の避難場所」に - 好書好日 作家の柳美里氏 居場所のない人の声聞きたい=差別体験も語る - 聯合ニュース 柳美里さん「生きることと死ぬこと考え続けた」震災から10年の思い - スポーツ報知 福島在住の柳美里さん「内視鏡になって心の中を描きたい」 - 毎日新聞 【書評】居場所を失くしたすべての人に贈る魂の物語:柳美里著『JR上野駅公園口』 - nippon.com 柳美里さん「めちゃくちゃです」なすびさん「大丈夫」SNS投稿相次ぐ - 毎日新聞 福島県内書店おすすめ 柳美里ワールド読みたい! - 福島民報 柳美里「JR上野駅公園口」を読み解く三つのカギ - 毎日新聞 柳美里さんとの出会いが19歳の運命を変えた 演劇が縁で震災と向き合うカフェ店員 - 東京新聞 柳美里『JR上野駅公園口』が世界で評価された理由とは? コロナ禍の現在をも照射する力 - リアルサウンド 『JR上野駅公園口』 著・柳美里 - 長周新聞 コロナ禍で全米図書賞受賞作に共感「絶望のレンズで東京五輪を見る人が増えたのでは」柳美里さんが語る福島 - 東京新聞 全米図書賞受賞が世界中で大反響! 柳美里著『JR上野駅公園口』が累計30万部突破 - PR TIMES 2020年12月23日 13 30 〜 14 30 10階ホール 作家・柳美里氏 会見 - 日本記者クラブ 川上未映子、柳美里、村田紗耶香、松田青子……世界で評価される日本人作家、その理由は? - Real Sound 柳美里さん小説、翻訳家が泣いたクールジャパンの裏面 - 朝日新聞デジタル 大根で祝福、全米図書賞 柳美里さん変えた600人の声 - 朝日新聞デジタル 柳美里さん受賞・全米図書賞の選考通じて見えたもの 人種間の平等へ、「私たちには責任がある」 - 好書好日 7カ月ぶりに営業再開 作家・柳美里さん経営のカフェ [福島県] - 朝日新聞デジタル 全米図書賞の翻訳部門を受賞した柳美里『JR上野駅公園口』の功労者は誰か - HON.jp News Blog (いちからわかる!)柳美里さんの作品が全米図書賞に選ばれたね - 朝日新聞デジタル 毎小ニュース:文化 全米図書賞に柳美里さん - 毎日新聞 「居場所ない人のため書く」柳美里さん、全米図書賞 翻訳文学部門「JR上野駅公園口」 - 日本経済新聞 「福島での出会いが生んだ」 柳美里さん、全米図書賞 震災きっかけ、南相馬に移住 - 朝日新聞デジタル 在日コリアン作家の柳美里、在米コリアンの詩人チェ・ドンミ、全米図書賞受賞 文化 - The Hankyoreh japan 居場所がない人の物語、コロナ下で共感 柳美里さん「JR上野駅公園口」、全米図書賞・翻訳文学部門 - 朝日新聞デジタル 柳美里さん、全米図書賞 英訳版「JR上野駅公園口」 - 毎日新聞 柳美里著『JR上野駅公園口』の英語版、全米図書賞を受賞 - PR TIMES 全米図書賞に柳美里さん「JR上野駅公園口」英訳版 翻訳文学部門 - 毎日新聞 柳美里さん、全米図書賞 翻訳文学部門「JR上野駅公園口」 「南相馬の人々と喜び分かち合いたい」 - 日本経済新聞 柳美里さん、全米図書賞の翻訳文学部門受賞 日本作品2年ぶり - 産経ニュース 柳美里さん「居場所ない人のために」 全米図書賞で会見 - 朝日新聞デジタル 柳美里さんに全米図書賞 「JR上野駅公園口」英訳版 - 朝日新聞デジタル 柳美里さんの「JR上野駅公園口」が全米図書賞 南相馬移住「居場所ない人のため書いてきた」 - 東京新聞 柳美里さん全米図書賞 翻訳文学部門「JR上野駅公園口」 - 日本経済新聞 格差社会問い直す、背景にフェミニズム隆盛…柳美里さん受賞作 - 読売新聞オンライン NEWSFLASH:柳美里さんに全米図書賞 - 毎日新聞 「彼らに居場所が作れたら」柳美里さん、福島県への移住を語る - ラジトピ ラジオ関西トピックス 「記憶と向きあう〜作家・柳美里と高校生〜」 - 目撃!にっぽん - NHK.JP 福島)柳美里さん経営の書店にカフェ 南相馬 [福島県] - 朝日新聞デジタル 柳美里氏 メンション欄へのヘイト投稿に「美しい日本語の作品を生み出して闘う」 - デイリースポーツ 新着情報 - 新着情報|東北学院大学 芥川賞作家・柳美里とあなたがつくるブックカフェ ―福島県南相馬市 本屋「フルハウス」に、あなたの思いを染み込ませたい― - Motion Gallery 柳美里さんの「本屋フルハウス」、ブックカフェを増床 「第2の小高駅待合室に」 - いわき経済新聞 『町の形見』 柳美里著 - 読売新聞オンライン 福島に柳美里さんを訪ねて(1) 南相馬市、被災地にできた書店「フルハウス」 - https //www.newssalt.com/ 柳美里の戯曲集「町の形見」発売、「静物画」「窓の外の結婚式」も収録 - 音楽ナタリー 演劇は「浄化」である。ー福島県南相馬市で23年ぶりに復活した、芥川賞作家・柳美里さんの「青春五月党」が、旧警戒区域に「心の水路」をつくる - greenz.jp 青春五月党復活公演第2弾「町の形見」 柳美里さんと南相馬市民のコラボ - いわき経済新聞 青春五月党が復活公演、柳美里「『町の形見』は、記憶のお葬式です」 - ステージナタリー 作家・柳美里が福島で演劇活動を再開 被災地の人々と思い紡ぐ - 日本経済新聞 柳美里さんの演劇ユニット「青春五月党」、南相馬で復活公演 地元高校生ら出演 - いわき経済新聞 柳美里さん南相馬に書店開店「楽しむ場所ないと」 - ニッカンスポーツ 福島県南相馬市小高区に本屋(ブックカフェ)を――。 芥川賞作家・柳美里さんと旧「警戒区域」を「世界一美しい場所」へ。 - Motion Gallery 戦争ではなく、対話によって拓かれる私たちの未来のために。いま、柳美里が「日本人」へ問う、魂のエッセイ集『国家への道順』刊行! - PR TIMES 作家・柳美里さんとのことについての経過説明(篠田博之) - エキスパート - Yahoo!ニュース ● La Valse de Miri -- 柳美里オフィシャルサイト ● 柳美里 @yu_miri_0622〔Twitter〕 ● 柳美里〔Wikipedia〕 柳 美里(ゆう みり、유미리、1968年6月22日 - )は、神奈川県横浜市中区出身[1]の在日韓国人の小説家、劇作家である。国籍は韓国。横浜共立学園高等学校中退、演劇活動を経て1994年に小説家デビュー。1997年芥川賞受賞。作品には私小説が多く、無頼派の系譜を継ぐ作家と評されることがある。 ★■ 年収1億円から困窮生活へ――芥川賞作家・柳美里が告白「なぜ、私はここまで貧乏なのか」 「msn.news-サイゾー(2015.5.27)」より / 芥川賞作家の柳美里氏が、3月に上梓した『貧乏の神様 芥川賞作家困窮生活記』(双葉社)が話題になっている。昨年10月に柳氏が公表して話題となった雑誌「創」(創出版)の連載エッセイの原稿料未納問題や、困窮のためネット回線が止められ、公共料金や仕事の電車賃、あげく食費にも困るという作家の実情がつぶさに書き綴られているのだ。柳氏ほどの著名な作家がなぜここまで生活に苦しむことになったのか……その理由を自らが語った。 いつから、なぜ、困窮するようになったのでしょうか。 柳美里(以下、柳) 困窮の理由はふたつあります。ひとつは、2004年ごろから断続的にひどい鬱状態に陥ることがあり、その間はトイレに行くにも起き上がれず、幻覚・幻聴も強く、「書かなければ」と思ってもまったく書けない状態になってしまいました。 もうひとつの理由は、携帯電話の普及に伴い本が読まれなくなり、だんだんと収入が減っていったことです。20代で出版した『ゴールドラッシュ』(新潮社)は、初版5万部だったと記憶していますが、最近出版するものは初版1万部前後。これは私だけの問題ではなく、一握りの超ベストセラー作家以外の作家は総じて初版部数を絞られています。電車に乗るたびに、絶望的な気分になりますね。昔はたくさんの人が文庫や週刊誌を読んでいたのに、今はスマホ。それも電子書籍が読まれているわけではありませんからね。 多くの作家が経済的に困っている状態ということですか。 + 続き 柳 「書くことだけで食べている作家は30人ぐらいではないか」という話を聞いたのですが、かなりリアルな数字だと思います。ただ「貧乏は恥ずかしい」と考えている方が多く、公にしないだけだと思います。 友人の作家は、1作当たりの販売部数が減ったことの対処として、出版点数を増やすことにしたそうです。私はそんなに量産できません。今回の『貧乏の神様』の前に出版したのは、1年前の『JR上野駅公園口』(河出書房新社)です。ある程度知名度のある作家の中には、大学や専門学校やカルチャースクールで教えたり、講演会やトークショーを頻繁に開いたりして、原稿料や印税以外の副収入に頼っている人もいます。私は講演会はほとんどしません。聞くところによると、講演会のギャランティもバブル期に比べて半分以下に減っているそうです。講演会収入で生計を立てていた作家も苦しくなっているようですね。 柳さんの最も多かったときと少なかったときの年収を教えてください。 柳 多かったときは1億円以上、少ないときは400~500万円です。少ないときでも日本の平均収入くらいはありますが、1億円あったときに購入した神奈川県鎌倉市の家のローンと維持費が生活を圧迫し、水道や電気などの公共料金すら支払えない事態となりました。その家は現在売りに出していて、4月に引っ越した福島県南相馬市の借家は月額6万円の家賃なので、今後は食うに困るという状況には陥らないと思います。 収入が多かったときに貯金はしていなかったのでしょうか。2000年に亡くなった元恋人の東由多加氏が闘病されていた際は、アメリカの病院での毎週500万円もの高額ながん治療費を柳さんが工面されていたそうですが。 柳 貯金はしていませんでした。東さんががんになる前は、浪費、乱費をしていましたね。ブランド品や貴金属など後に残るモノを買うわけではないんです。例えば、タクシーに乗るんですが、目的地に向かうために乗るのではなく、ただ2時間走り回る。そうやってお金を無目的に無意味に使うということに意地になっていました。20代から抗鬱剤を服用し、出血性胃炎や十二指腸潰瘍などで入退院を繰り返していたので、長く生きられるとも、長く生きたいとも思っていなかったんです。 ●お金のために書くわけではない 収入が減って、講演会や講師など“書く”以外の仕事をしようとは思わなかったのですか。 柳 もともと人前に出て話すことが苦手だから書く仕事を選んだんです。ほかの方法でお金を得ることは考えられません。ただ、一時期、小説家を辞めてドッグトレーナーになろうと学校に通っていたことはあります。犬を相手にするドッグトレーナーなら、人間とは話さないで済みそうだと思って。 「小説家を辞めて」? 副業ではなく? 柳 はい。でも、実際相手にするのは、犬よりも、その飼い主でした。かなり理不尽なオーダーもあると知って、私には向いていないとあきらめました(笑)。 「芥川賞受賞」という名誉があれば、テレビ番組やCMなどの声もかかりそうですが、そういった仕事もダメですか。 柳 テレビ番組の出演依頼は何度かありましたね。引き受けると返事をしても、番組のスポンサー側から「待った」がかかるんです。そのたびに、私は依頼してきた担当者を「あぁ、やっぱり。仕方ないですよ。気にしないでください」と慰めています。ネットで「柳美里」と検索すると、ロクなものが出てこないんで。昔は人の噂も七十五日と言いましたが、ネットにいったん出回った風評や噂話は、ある人が聞き飽きたとしても、ある人が初耳である限り拡散され続けます。でも、「柳美里」のイメージが最悪だということは嘆くことではなく、逆によかったと思っているんですよ。「私には書くことしかない」と、書くことに追い詰めてくれますからね。 講師に講演会にテレビに、うまくやって儲けている作家がうらやましくなることは? 柳 まったくありません。私がお金を得る手段は書くことしかないけれども、お金のために書いているわけではないのです。作品を書いているときは、“その作品への奉仕”の気持ちしかありません。私には10年、20年とずっと読み続けてくれる方がいらっしゃるので、とてもありがたいです。読者の方に支えられていると思っています。 子どもへの貧困の影響はありませんでしたか。例えば、子どもから貧しさを責められるとか、柳さん自身が罪悪感に苛まれるとか。 柳 なかったですね。食べるものがないときは、うちの母が近くに住んでいるので、息子に「食べものがない」とは言わず、「ばあばのところでごはんを食べてきなよ」と言って行かせることは何度もありました。そうやって子どもには食べさせて、私と同居人の村上くんは食べないか、食べてもチキンラーメンとか。 シングルマザーの貧困が問題となっています。 柳 私の場合、「シングルだから子どもに手が回らないんだ」と思われたくなくて、肩肘を張ってしまったことも鬱になった原因のひとつです。幼稚園のお弁当だけは絶対に手を抜きたくないと思い、執筆で徹夜が続いても冷凍食品は一切使わず、毎朝お弁当の中身をポラロイドに撮って、帰ってきたら何は食べた、何は残したなどと細かくノートに記録していたら、あるとき気持ちが崩れてしまいました。やはりシングルマザーは、経済的に余裕がないか、もしくは時間的、精神的に余裕がないか、どれかに陥りがちだとは思います。 貧しさそのものが原因で悩んで鬱になることはなかったんですか。 柳 子どものころから貧乏に慣れていたので、それはありませんでした。おかずがないので、きょうだいでノビルやハコベなどの野草を採ってきておひたしにして食べたり、ごはんに麦茶をかけて食べたりしていましたからね。うちは、子どもだけで夜を過ごさなければならなかったんです。母親がキャバレーのホステス、父親がパチンコ屋の釘師で、ふたりとも夜間の仕事でしたからね。 ●「創」の原稿料未払いをブログに書いた理由 例えば、単行本を書き下ろすとすると、出版されるまで、書いている間は長期間無収入となりますね。印税を先払いするなど、作家への待遇を改善すべきだと思いますか。 柳 出版社自体、経営難に陥っているので、それは難しいと思います。かつてはノンフィクションであれば執筆前に取材費が出ていましたが、今は自腹です。執筆期間中は無収入で取材費も出ないとなると、経済的な基盤がある人でないとノンフィクションは書けないということになりますね。かつて新潮ドキュメント賞の選考委員を10年間務めていたのですが、NHKでテレビ番組化した主題を放送後にノンフィクション化した作品がたびたび最終選考に残っていました。確かに受賞作として相応しい作品ではあるのですが、潤沢に取材費を使える恵まれた環境にあるテレビマンによる作品と、フリーのノンフィクション作家の作品を、取材力で比べるのは酷だと思います。 その点は出版界全体で考えていく必要がありますね。 柳 しかし、出版業界には、お金の話はおおっぴらにはしないという暗黙の了解がありますよね。原稿料も印税率も初版部数も、公にすることはルール違反とされています。 その中であえて「創」の原稿料未払いの件を金額も含めて公にしたのはなぜですか。 柳 作家や出版業界は儲かっているという世間的な誤解を解きたかったんです。もちろん、いきなり公表したわけでなく、「創」編集部には、何年間も催促し続けています。催促するとたまに数万円振り込まれたりして、まったく払う意志がないわけではなさそうでした。そんなこんなで延ばし延ばしになっていたので、もうこのまま書き続けることはできないと判断しました。 未払い騒動は、当初の概算約1136万8078円から柳さんが大幅に譲歩し、140万8706円が支払われる形で解決しました。そのお金も健康保険の支払いなどに消え、生活が楽になったわけではないそうですね。今、貧乏を脱出するためには、どうすればいいとお考えですか。 柳 書くしかありません。お金を稼ぐ手段は書くことしかない。この4年間、『警戒区域』というノンフィクション作品を抱えていて、これは雑誌掲載ではなく、単行本書き下ろしなので、原稿料がもらえないんです。ですから、非常に厳しいんですが、『警戒区域』を書き上げて出版して、すぐに原稿料をもらえる小説を書き始めれば、“いける”んじゃないかという気はしています。“いける”といっても、余裕ができるわけではないけど、やりくりしていける自信はある。『貧乏の神様』という本書のタイトルはこのこと。“貧乏”は私を書かせる神様なんです。(構成=安楽由紀子) ■ 柳美里 アメリカのKKKと同列に関東大震災朝鮮人虐殺を語る 「日本の将来(2013.2.10)」より / 柳美里 @yu_miri_0622 関東大震災朝鮮人虐殺や植民地支配中の強制連行や慰安婦や731部隊の歴史を振り返るのが嫌なのならば、白人至上主義によって黒人を迫害・虐殺したアメリカのKKK(クー・クラックス・クラン)や、ナチスドイツによるユダヤ人ホロコーストの歴史から、人種や民族に対する排斥・差別を考えてほしい。 https //twitter.com/yu_miri_0622/status/300473093665718272 http //twittaku.info/view.php?id=300473093665718272 何も知らずにつぶやいているのだろうか? 731部隊による悪魔の飽食という書籍は「プロパガンダ小説」であるという批判があり、アメリカの資料によってフィクションであることが証明されている。 http //ja.wikipedia.org/wiki/%E6%82%AA%E9%AD%94%E3%81%AE%E9%A3%BD%E9%A3%9F (※ 中略。) / この芥川賞作家の朝鮮人である「柳美里」はこれらのことを知らないで発言しているとは考えにくい。 過去にも中村うさぎなどがありもしなかった「関東大震災朝鮮人虐殺」を持ち出して日本は謝罪すべきなどと発言していたこともある。 このように日本の中には政治家や著名人によって嘘の事柄をでっち上げて「日本人が悪い」という発言が多く見られる。わざと真実と違うことを発言するプロパガンダ。 これもまた日本のマスコミが「権力の監視機関」ではなく「戦後レジームの監視機関」と成り下がっていることが原因でだろう。 (※ 後略。) ◆ 福島産食材食べまくり宣言してた柳美里(芥川賞作家)のTwitterがヤバすぎる 「日々雑感(2011.9.6)」より / ーーーーーーーーーー 柳美里(芥川賞作家) 7月20日 https //twitter.com/#!/yu_miri_0622/status/93363762505060352 私は、なんでも食べます飲みます。どこにだって行きます。出されたものは、残さず食べます飲みます。でも、子供の口に入るもの厳選しています。東日本産の疑いのある食材・牛乳・水・調味料は子どもの口に入れず、外食もさせていません。微量だろうがなんだろうが、子供が内部被曝するのはノー! ーーーーーーーーーー 柳美里(芥川賞作家) 7月20日 https //twitter.com/#!/yu_miri_0622/status/93365300589899777 わたしの子ども(注:父親は既に他界している)は11歳。20歳まで、あと9年。 9年は生きて書いて育てる責任がある。どこに行って、なにを食べて飲んでも、9年は生きられる。 9年あれば、書きたいものを書ける。だから、なんでも食べて飲み、どこにだって行くのです。 ーーーーーーーーーー 柳美里(芥川賞作家) 8月8日 https //twitter.com/#!/yu_miri_0622/status/100439395353624577 ご実家の福島市飯坂町の桃、届きました。5月に飯坂のフルーツロードで、桃や梨を摘花する農家の方々の姿を拝見いたしました。 その姿を思いながら、頂きます。ありがとうございました。 http //twitpic.com/62t4go (※ 以下略。) .