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第2章 破滅への使者 Heimdall 1 ドドドドドガガガキキキキキキ!!と、建物に銃声と弾丸が壁を抉る音が木霊する。 第十七学区のとある廃工場で銃撃戦が行われていた。 その銃撃の中心にいる男は服部半蔵。『スキルアウト』のリーダーだ。もっとも、その肩書きは代理でしかなく、現在はある男の復帰を待っている。 半蔵は先月、郭という少女から『原石』のリストと思われるレポートを奪取している。普通であれば気にも留めない事なのだが、仲間である郭が関わっているという事でどうにも放っておけない状況になっていた。 この一ヶ月、色々と情報収集をしたが目ぼしい成果を挙げる事ができず、苦肉の策として学園都市に「『原石』の在り処を知っている」という旨の手紙を送りつけカマをかけてみたのだ。 (やっぱり学園都市の連中が画策してやがったか。おおよそ見当はついていたが、これで確定だな。とりあえず今はこの状況を脱する事だが―――) カンッ、と空き缶を投げたような音がしてハッとして横を見る。そこには拳大の手榴弾があり、 (やべっ!!) ドゴォ!!という爆発音と共に半蔵の思考が吹き飛ぶ。だが半蔵の動きは止まらない。爆発の瞬間、とっさに近くにあった風力発電のプロペラの支柱に隠れ難を逃れていた。 しかし追撃は続く。 今度は風力発電のプロペラと水道管のパイプがひとりでに動きだし、半蔵に目がけて猛スピードで向かってくる。 (念動力!?奴ら、能力者までいるのかよ!!?) 半蔵はギョっとするが、考えている暇はない。銃撃だけでも手いっぱいなのに、能力まで交えられたらとてもではないが交わしきれない。 半蔵の獲物は自身で改良を加えた三点バーストと打ち根の二つ。 射程の短い打ち根は論外。三点バーストも換えの弾を入れても十数発。しかも、ただでさえ照準の難しい三点バーストを走りながら扱うというのは半蔵には厳しい。撃ち合うという選択肢はなかった。 (とにかく逃げるしかねえ。幸いここは工場だ。遮蔽物に隠れて奴らの視界から消える事ができればそれでいい) 半蔵は忍者の末裔である。元来、物陰に隠れ敵を一撃必殺で仕留めるのが彼らのセオリーである為、こういった逃亡で敵を撒くのもまた彼の領分であった。 (―――!こいつら!!) しかし追っ手は半蔵を正確に追跡してくる。いくら閉鎖された工場とは言っても今は昼だ。所々に差し込んだ光が彼の影を生み出してしまう。それでも半蔵はその独特の移動法で影すらも利用し追っ手を幻惑しているのだが、効果は芳しくない。 (間違いない。あの装備といい、能力者といい、何よりこの動き。全てが『警備員』や『風紀委員』とは違う!) バッキイィィ!!!という爆音と共に念動力で高速回転していたプロペラが工場の支柱にぶつかり大破した。その破片のいくつかが半蔵に当たり、額からは血が流れてくる。一瞬怯んだが、それでも半蔵は走り続ける。 (くそっ!このままじゃジリ貧だ。何とか突破口を見つけないと蜂の巣だ…!) 半蔵は左へと視線を向ける。 この廃工場には地下室がある。もっとも、その地下室は元々あったわけではなく、彼ら『スキルアウト』が緊急時に隠れる為の空間だった。 おそらく学園都市の追っ手の連中はこの地下室の存在を知らない。そこに逃げ込めば簡単に敵を撒く事ができるが、こうも正確に追跡されると地下室には逃げ込めない。今の状況で逃げ込めば確実に袋小路だ。 (何か注意を引けるものがあればいいんだが…) 半蔵はあたりはぐるっと見渡す。巨大クレーンにベルトコンベアー、変圧器と完成品を運ぶ為の大型トラックが放置されている。 (どれもこれも…使えねえ!!) 半蔵は歯噛みする。次第に焦燥感が出てくる。そしてその焦りは一つのミスを誘った。 行き止まり。 平凡なミスだった。工場の地形は頭に入っていたが、予想外の追撃などで冷静さを失っていた半蔵は逃走ルートを間違えてしまっていた。 (ちっ!情けねえ!) 逃げ場を失った半蔵を十人弱の追っ手が包囲する。ある者は銃を、ある者は刃物を、ある物は能力使用の為か独特の構えをしている者もいる。 逃げられないと悟った半蔵は覚悟を決めたのか、狙いの定まらない三点バーストの引き金に指をかけ銃を構えようとした。その時―――。 『半蔵様!右へ!!』 どこからか、いきなり叫び声が聞こえた。 半蔵はわけもわからず反射的に右へ飛ぶ。 すると半蔵が飛んだ先の床がサッと、まるで襖を開けたように開いた。 「は?」 あまりにもお約束的な事態に、状況に合わぬ間抜けな声を出してしまう。しかし、気付いた時には半蔵はその穴に落下を始めていた。 「あああああああああああああああああああああ!!!????」 思いっきり落とし穴に落ちていく半蔵。落下中に穴が閉じていくのを確認すると後はもう暗闇を落ち続けるだけだった。 2 「え、えぇ…っと…」 とある一室。少女の困惑した声が響いていた。 とりあえず中に入れば?という土御門の言葉で上条宅にお邪魔した五和。 土御門がいたのも充分驚きだったのだが、何より綺麗な黒髪の少女の存在が彼女の思考の全てを支配していた。 (あの人誰なんでしょう?見たところ日本人のようですけど…。制服を着ているところを見ると上条さんのご学友といったところなんでしょうか…) 頭の中で現在分かっている状況から推理する五和。ハタから見ればリビングでボーっと立ち尽くしているようにしか見えない。 「そこ。とりあえず座るといい」 すると、そんな五和を見かねた姫神はどこから出したのか、座布団を一枚持ってくるとそこに座るように促す。 「あ、ありがとうございます!」 申し訳無さそうにいそいそと座る五和。この時点では五和が一方的に空回りし、姫神が冷静に歩を進めているという感じだ。 彼女達のやりとりが一段落したのを確認すると今度は土御門が口を開く。 「で、いきなりカミやん家に押しかけてどうしたんだにゃー?」 土御門は敢えて五和の名を言わなかった。それはこの状況を考えて彼が判断した事なのだが、 「あぁ、その件ですね。実はイギリス清きょ―――」 「思い出したぜい。借りてたDVDを返しにきたんだにゃー」 土御門は状況が全くわかっていなかった天然少女の言葉を遮る。 この場には姫神秋沙がいる。彼女は間接的ではあるが、一応イギリス清教の保護を受けている形になっている。しかし彼女は魔術師ではない。普通の人間は魔術世界に首を突っ込むべきではないのだ。 この状況でイギリス清教とか『必要悪の教会』とか言えば姫神に余計な詮索をされる可能性も有り得る。土御門はもう二度と姫神に魔術世界に足を踏み入れないで欲しかった。 そんな土御門の想いを知る由もない五和は何が何だかわからない事態に?マークを作っている。 「(とりあえず、この場でその話はまずいにゃー。姫神がいなくなるまでその話はストップだぜい)」 「(はぁ…。わかりました)」 土御門は小声で最低限の説明をすると、五和は「彼女は姫神さんと言うのか…」と何やら頷いている。 姫神はコソコソしている二人を不審に思ったが、特に問い詰めたりはしなかった。 そんなこんなで、ひとまずの静寂が訪れる。が――、 ピリリリリリ!、とデフォルト設定の携帯電話の着信音がその静寂を切り裂く。 姫神はその着信音が自分の携帯だとわかると、二つ折りの携帯電話を開きディスプレイを見る。一瞬、ほんの一瞬姫神の動きが止まったがすぐに通話ボタンを押した。 『姫神か?悪いんだけど今から下の公園に来てくれ』 その声は聞き慣れた声なのにどこか緊張を誘う。だが心地良い不思議な声。 「わかった」 姫神は一言だけ返すと電話は切れてしまう。時間にしてほんの数秒。にも関わらず得体の知れない疲労感が姫神を襲う。しかし悪くない感覚だ。 「ごめん。ちょっと出なきゃいけない」 姫神はそう言うと立ち上がる。 土御門が「留守は任せるにゃー」と敬礼のジャスチャーすると姫神は早歩きで部屋から出て行った。 「カミやんもいいタイミングだぜい」 「え?」 「いや、何でもないにゃー」 やっぱり何もわかっていない五和。しかしそんな五和を無視し、土御門はトーンを下げた声で話を切り出す。 「何があった?」 五和は土御門の低い声が「ここからは魔術師の会話だ」という意図を汲み取ると表情を引き締める。 「はい。実は―――」 3 ツンツン頭の少年はとある公園のベンチに座っていた。 今日は授業が休みで一端覧祭の準備も吹寄から逃げ切り、白シスターは「学園祭って言えばわたあめなんだよね!そんなわけでこもえの所に行ってくるー!」と三毛猫を連れて行ってしまった。 そんなこんなで晴れてプチ秋休みが出来たので姫神への埋め合わせと思い、彼女を誘ったのだが…。 「あー…なんだってこんな事になってるんだよ…」 少年の隣にはある少女がいる。茶髪を花柄のヘアピンで留めた少女。常盤台中学のエース・御坂美琴だ。 上条がジュースを買おうと自販機に向かったら例によってバッタリと会い、例によって美琴の逆鱗に触れ電撃を食らう…という顛末があったばかりだ。 「つーか、お前…学校はどうしたんだよ?」 「今日は自主休日!」 「なんだそりゃ…さっきの自販機の事といいお前不良少女の道まっしぐらじゃねえか。一時は改善の兆しがあったのに」 美琴は何やら変に不機嫌なのだが上条にはその理由がわからない。 「そんな事より…さっき電話で誰呼んだの?」 「あ?クラスメイトだよ。今日は元々そいつと約束してたわけだからな」 「……………」 美琴はしばし考える。 こいつのクラスメイトってほとんど女しかいない気がする。確か男で変なのが2名ほどいたような気がするけど、今日の相手は絶対そいつらじゃない。 全く根拠のない話なのだが、美琴の女としての本能がそう言っている。 「そういうわけだからさ。今日はお前に構ってる時間がないんだけど―――」 「女ね」 「は?」 美琴は矢を射るように上条の言葉を遮り、上条はそんな美琴の言葉に固まってしまう。 「女なのね?」 「えっと…」 「正直に言いなさい。お姉さん怒らないから」 「絶対怒る!てゆうかもう怒ってる!!何そのバチバチ!!てゆーかそもそもお前年下じゃ―――」 「また女かああああああああああ!!!!!!!!!」 「あーーーー!!?ミコトさんがキレたーーー!!最近ちょっと優しかったのにーーー!!!!」 「お・ま・え・の・せ・い・だっ・つー・の!!!」 電撃使いの少女は久しぶりにフルパワーで少年を撃った。 何やら右手で防ぎきれなかった電撃が体に回ったのか、上条は倒れてピクピクしているが「天罰よ!」とキツイ一言を投げて美琴は学校へ向かっていった。 その後、姫神が上条との待ち合わせ場所に着いた時には「不幸だ…」といううわ言を言いながら地面に転がっている高校生がいたとかいないとか。 4 駅のホームの隅にあるベンチに1人の男が座っていた。 別に電車に乗るためではない。彼は人混みを避ける必要があった。 (やはりな…さっきからチョロチョロとしている奴らがいなくなりやがった) 彼は尾行されていた。 雲川と別れ、高校を出た途端、尾行され始めた事に気付いた。 裏路地を選ばなかったのは、一端覧祭の準備をしている学生が近道として何人か通っていたからだ。下手に巻き込んで勝手に死なれても困るし、何より彼の美学に反する。 (あーあ。やっぱこういう馬鹿騒ぎは嫌いだわ) 彼がそんな事を思いながら毒づき天を仰ぐと、ふと横合いから声がかかってきた。 「あの…すみません。垣根帝督さんですか?」 「あん?」 垣根は訝しげに声のした方に視線を向ける。 声の主は男。年齢は16か17だろうか。学生服のボタンを全開にしているが、その風貌は何故か真面目そうにも見える。耳と眉にかかる程度の黒髪はパーマをかけているのか微妙にウェーブしている。 (こいつ…ほとんど気配もなく現れたが…) 垣根は気配を感じさせずに近づいてきたこの男を怪しんだが、それ以上に不可解な点がある。 「なぜ俺の名を知っている?」 垣根は表向きでは死んだはずだ。当然、この世に存在しているはずがないし、そもそも垣根の顔と名前を知る者は『表』の世界にはほとんどいないはずだ。という事は…、 「失礼しました。私、特久池栄光(とくちえいこう)と申します。実はあなたにご用命がありまして―――」 しかし少年の言葉は最後まで続かなかった。 ガンッ、ガンッ、ドンッ!と銃声と小型ミサイルを撃ち込んだような爆音が響いたからだ。 突然の銃撃に、辺りの人間が蜘蛛の子を散らすように逃げ惑う。 「ふん、さっきのネズミどもか。どうやらコソコソと尾け回すのはやめて正面から潰しにかかってきたわけか。上等だ。試運転には丁度いい」 垣根は攻撃を交わしつつ歪な笑顔を見せる。義手になってから戦闘で能力を使った事がなかったので、いいテストになると思っていた。が―― 「待って下さい。こんな所であなたが能力を解放すれば辺り一面が吹き飛んでしまいます。ここは私に任せて下さい」 特久池はあわてて割り込む。 既に吹き飛びかけてるだろ、と垣根は言おうとしたがその声は発せられなかった。 特久池が垣根の肩を掴むと2人はこの場から消え去ってしまったからだ。 垣根と特久池は廃ビルの一室にいた。先ほどの位置から200メートルほど離れている。 「へー、お前『空間移動能力者』だったのか。しかもこの移動性能を考えるとレベル4…限りなくレベル5に近いな」 垣根は感心したのか特久池の能力を評価している。 「…。とりあえずここならしばらくは大丈夫でしょう。あんな所でやり合っては確実に関係ない方まで死んでしまいますからね。垣根さんもそれは本望ではないでしょう?」 その言葉に垣根は適当に頷くと、 「で、お前は何者なんだ?どうして俺を助けた?そもそも何故俺は襲われてんだ?」 特久池は薄笑いを浮かべて答える。 「それなら順を追って話した方がいいでしょうね。なあに、いつも通り『上』の連中がまたロクでもない事をしようとしているんですよ」 5 土御門は険しい表情になっていた。原因は天草式の少女・五和の話だ。 五和の話はこうだ。 ロシアのある魔術結社が、ある特定の条件の下、人間をかき集めている事。 それに伴い、ロシア成教がその魔術結社の殲滅にあたっている事。 それとは別にロシア政府が再び『実験』と呼ばれるものを再開しようとしている事。 これだけでも充分に怪しいのだが、土御門が気にかけている事はそこではない。 とある地域から、瞬間的ではあるものの『天使長』クラスと思われる魔力が感知された事。 魔術に携わる者であれば、この事態の深刻さは言葉にするまでもない。 これがロシアの件とどのような繋がりがあるかはわからないが、世界を揺るがす程の何かが起ころうとしているのは確かだ。 「で、『必要悪の教会』はどう動くんだ?」 「ロシアの件に関してはとりあえず静観するようです。ただちょっと気になる事があって…」 五和は一度言葉を切り、ここが重要だと言わんばかりに土御門の目を見て、 「件の膨大な魔力が学園都市に近づいているんです」 「何だと?」 「遠回りしながらではあるんですけどね。これに関してはイギリス清教も放ってはおけない…という事で私が派遣されてきたんですよ」 五和の話を聞き、土御門は右手を顎に添えて少し考える。 一体、それほどの魔力を誰が行使しているのか。一応、心当たりがないわけではないが、その可能性は先日『幻想殺し』の少年がゼロにしたばかりだ。 あらゆる可能性を検索しようとするが、頭の中にそれに該当するようなデータは見当たらない。 土御門は少し歯噛みした。そんな土御門の様子を見ていた五和が、 「わ、私なんかじゃ頼りないですよね…。そうですよね、女教皇様が来て下さった方がいいに決まってますよね…」 途端に小さくなっていく五和。そんな彼女を見て土御門が慌ててフォローを入れる。 「いんや、そんな事はないにゃー。聖人を退けた魔術師がいるのなら鬼に金棒だぜい」 「そ、そうですか…?」 うんうん、と頷いてとりあえず五和の病みモードを回避する。 五和は気を取り直して、少し大きめな胸の前で両手を組み、 「でも今回はバックアップも来ますよ。確かステイルさんとシェリーさんだったかな…。アックアの時よりは準備は格段にいいはずですよ」 天草式十字凄教、改め新生天草式十字凄教はイギリス清教の傘下にある組織だ。それは今も変わらない。 しかし、天草式には『聖人崩し』というジョーカーがある。その威力は魔術世界で五指に入るであろう「後方のアックア」を撃破した程だ。 そして、トップに君臨するのは世界に二十人といない聖人の一人である神裂火織。 普通の魔術師はおろか、聖人さえも打ち倒す組織。それが新生天草式十字凄教である。 その戦力は『必要悪の教会』をも凌ぐ。『騎士派』が再建状態にある現状ではイギリス清教最強の戦闘組織という事になる。『王室派』の切り札であるカーテナもほとんど機能しないので『王室派』は実質丸腰になっている。 その為、以前のようにトカゲの尻尾切りという扱いにはできないというわけだ。 もし、天草式がイギリス清教への待遇に不満を持ちクーデターでも起こしてしまえばそれこそ本当に国家転覆が起こってしまう。(当然、神裂を始めとした天草式の面々にそんな思いは微塵もないが) イギリス清教に属してはいるが、事実上『第四勢力』というのが魔術世界における今の新生天草式十字凄教の位置づけだ。 「とりあえず大まかな事情はわかった。俺はこれから色々と動かなきゃならないが五和はどうするんだ?」 「そうでした!私、上条さんにお話があったんだ!!」 五和はオロオロとしている。土御門はそんな彼女を見ておどけた顔で、 「たぶんまだ下の公園にいると思うぜい」 「わかりました!ありがとうございます!」 早口でそう言うと五和はあっという間に部屋から出て行った。 誰もいなくなった部屋で土御門はもう一回冷静になって考える。 魔術世界で桁外れの強さを持った者は何人か知っている。しかし、その猛者達が『天使長』にまで達しているかと問われればそんな事はない。 器が人間である限り、『天使』の力を行使する事など有り得ないはずだ。 だが、それが人間でなく『神にも等しい存在』だとしたら。 「まさか……」 土御門は脳裏に浮かんだ人物を即座に否定しようとするが、考えれば考えるほど合点がいく。 「クソッ…」 忌々しげに舌打ちすると部屋を出る。とんでもない事になった。と、戦慄しながら。 6 とある研究所が所々炎上している。 生体認証を始めとした九つのセキュリティを誇るエントランスゲートはバラバラにされ、警備していた者の手足にはコルク抜きが突き刺さっている。 スクランブルにでもなったのか、赤いランプと甲高いサイレンが鳴らされ、最新機械兵器の試作品らしきものが所内を徘徊している。 それらのセキュリティ全てを突破した2人は『管理部長室』という部屋にいた。 「まったく…何も殺さなくてもよかったんじゃないの?」 結標は呆れたように話す。 「しかし、万一逃げられでもしたら面倒ですし。それにこういった類の人間はすぐに沸いて出てきますからね。一人くらい消したところでどうもしませんよ」 対して海原はあっけらかんと返答する。 2人のすぐそばには、この部屋の管理者らしき男が心臓を打ち抜かれて転がっていた。 海原は男の白衣のポケットからUSBメモリを取り出す。 「持っているのはこれだけですか…。目当てのものと一致すればいいですが」 海原は言いながら結標にUSBメモリを手渡し、パソコンを含めたセキュリティの解除を頼む。 「それにしても、ここは何の研究所なんです?」 「『原石』よ。超秘密裏に行われてる研究みたいだから表向きには地図にも表記されてないみたいだけど」 結標はパソコンのセキュリティを解除し、手際よくUSBメモリのロックも解除していく。 「そもそも何の為に『原石』の研究をしていたんでしょうかね?」 「そればっかりは私にもね…。ただ、『原石』というのは私達とは全く別物なのよ。私達が研磨されたサファイアやルビーなら、彼らは稀に発掘される天然モノのダイアモンドと言ったところかしら」 「開発されずに発現する能力…つまり先天的に能力を有する者の仕組みを解明したかったというわけですか」 「先天的というのはちょっと違うわね。彼らは自然界である偶発的な要因が重なって発現するの。生まれた瞬間から能力を有しているわけではないわ」 結標は画面に出た警告文にも目もくれずにセキュリティ解除を進めていく。 「それに一口に能力と言っても私達みたいな一般的な能力とは全くベクトルが違うらしいわ。能力が特異すぎて超能力というカテゴリに分類していいのかすらわからないケースもあるらしいわよ」 らしい、という言葉をつけるという事は結標もそれ以上の詳しい事はわからないのだろう。 (学園都市の闇はまだまだ深いという事ですか…) 何やら一人物思いに耽っている海原を無視し、結標は話を続ける。 「やはり情報通り、ここに『残骸』の一部が運び込まれているわね」 セキュリティ解除の最中に拾ったのだろうか、ディスプレイの右下に新たなウィンドウが表示されている。そのウィンドウを見ながら結標は薄い笑いを浮かべる。 「やはり連中は別ルートで回収していたという訳ですか」 「どうやら『アイテム』が暗躍していたのは間違いないみたいね。当たりにしろ、外れにしろ重要な機密事項なのには変わりないと思うけど…」 海原は辺りをぐるっと見渡し、 「どうやら仰々しい情報が扱われているようですが、その割には警備がお粗末すぎませんか?これじゃどうぞ力づくで奪い取って下さいと言っているようなものですよ」 「別に面倒事がないのなら、それに越した事はないでしょ?…!出たわ」 結標が全てのロックを解除すると、画面には一つの文書データが出ていた。 「何かの実験データのようですね」 「大方、『原石』のものなんでしょうけど。それにしても凄いわ。能力開発のデータなんでしょうけど、全ての数値が通常とはかけ離れているわ」 結標は半ば感心しながら画面を下方向にスクロールさせていく。そして彼女の手が不意に止まる。そこにはこんな言葉が表示されていた。 『人造神界計画』―――被験者 『門番』 特久池栄光
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【名前】垣根帝督 【スペック概要】未元物質を使う 【サイズ】180cm程の一般男性を象った未元物質+学園都市規模にまで拡がり無限に増殖し続ける未元物質 【攻撃方法】 未元物質の翼 [威力]…一方通行が10m先の木に激突。ビルの屋上から中腹まで一気に切り裂く。 [射程]…20m以上 [速度]… 回折 [威力]…日光から殺人光線を。即死レベルではない。 [射程]…光の届く範囲? [速度]…光速? 烈風 [威力]…一方通行の竜巻を吹き消す。余波で鉄コンのビルが音を立てて頼りなく揺れる。 [射程]… [速度]…風? 正体不明の爆発 [威力]…オジギソウを一掃し冷凍倉庫を内側から粉々に、さらに余派で周囲のビルのガラスが割れる。 垣根を中心に発生する。絹旗に投擲されたベンチを砕いて絹旗を10m以上、内装を突き抜けるまで吹き飛ばし、戦闘不能にする。 [射程]…十数m以上? [速度]…絹旗がベンチを投げてすぐに発動可能。 衝撃波 [威力]…一方通行の超電磁砲より速い石(4、5センチ進んで石が消滅)の衝撃波をありったけの力を翼に込めて衝撃波を撒き散らし相殺、余派でさらに別の衝撃波が発生し信号機や看板が吹き飛ぶ。 [射程]… [速度]…一方通行の攻撃後に発動しても間に合う。 圧迫 触れずに人間に圧迫をかけ見えない何かで踏みにじる。 瀕死の黄泉川を殺すほどではない程度の威力しか作中では使用していない。 ホワイト垣根(通称) 垣根帝督の本体といってもいい存在であり『垣根帝督』の主要意思でもあるが、あくまで全体の司令塔的な存在というだけであり、倒したところで未元物質体であるためにいくらでも再生可能である。ただし、垣根の話ではクローン体よりも戦闘能力・再生能力は圧倒的らしい。また、本体からしてこの状況であるため、老衰や餓死といった人としての死は超越しているものと思われる。新たに腕を翼に変換し、さらにそこから非常に長大な槍を無数に伸ばすといった攻撃をしてくる。 クローン ホワイト垣根のデッドコピーとしての能力を持っていると思われる。黒夜と同様に能力の噴射点を無数に設定する事によりそれぞれが能力を使用することを可能としている。作中では周囲のビルの屋上を埋め尽くすほどの数が作り出されており、一方通行との戦いで圧縮され300体ほどが倒された。 カブトムシ 全長15m程の未元物質で作成した白い巨大なカブトムシ型の兵器。主に角に存在する砲身からスプリング方式で砲弾を射出して攻撃する。背中の羽により飛行することが可能。また、その背中の羽により一定までの衝撃波を相殺することも可能。ホワイト垣根と同様に驚異的な再生能力と同型の攻撃をしばらく耐え忍ぶ防御力を保持している。また、自律行動を行なうことのできる高度な頭脳も持っており、与えられた命令を遂行するために状況に応じて臨機応変に行動できる。集団で行動する際には意見調整役というリーダーのようなものが存在しており、ある程度ホワイト垣根からの命令を曲解することが可能。また、カブトムシ05曰く、自分の数千倍から数万倍の強さの個体も作り出せるらしい。 [威力]…地下鉄のトンネルが崩落する [射程]…おそらく5km程とされている [速度]… 残留思念妹達 垣根が実験場で死んだ妹達の断末魔の叫びともいえる特殊な記録を元に作成したかつての妹達のコピー。紛い物ではあるが妹達の思考をトレースしており、残留思念の再現といってもいい存在となっている。その戦法も銃器こそ持っていないが、もし妹達が未元物質製の身体であったらこのような戦術を選択するだろうといったものであり、スペックは高い。他の兵器群と同様に驚異的な再生能力を持っている。作中では数体登場。 [威力]…拳は壁面破壊用の大型ハンマーより重たい鈍器になり、爪は指と同じ太さのワイヤーを軽々と断ち切るワイヤーカッターよりも強力とされている [射程]…腕の長さ [速度]…オートバイに匹敵する速度で走り回れる 【防御方法】 翼を使わずに一方通行の衝撃波に近い莫大な烈風とそれに伴うATMの破片の渦の激突を受けてもバランスを崩す程度で無傷。 同じく翼を使わずに一方通行と正面から衝突し反射されはするも無傷。 また、復活後は身体そのものが未元物質である。 作中の描写からナノサイズのオジギソウの攻撃や物理最高威力である原子崩しを防御可能と思われる。(Equ.Darkmatter、病理参照) 未元物質の翼 一方通行と戦闘した余派で、街路樹がコンクリートの壁に突き刺さり信号機がへし折れて周囲のビルのガラスが砕け散っていた(この時点では双方共に無傷)。 一方通行と本気で正面衝突した場合は双方共にダメージを受けている。 自分の攻撃を反射されても翼を繭のようにして防御することで無傷。 一方通行の手が翼に突き刺さると同時に翼を無数の羽に変換して衝撃を阻害。 一方通行の竜巻でもぎ取れはする様子(自分から竜巻に巻き込まれるのを防ぐ為切り離した可能性もあり?)。 無限増殖 新約6巻にて復活を果たした際に修得していた能力。未元物質を無制限に能力で創造し続けることが可能になり、さらには未元物質がさらに別の未元物質を生み出すという手法でねずみ算式に無限に増殖し続けるまでになっている。未元物質同士は生体電気に似たパルス信号で相互に情報伝達を行なっており、作中で一方通行にこれを操作された際は未元物質を一定範囲破壊され、本体にも影響が出ていた。しかし、それぞれは無数にブロック化され、相互通信は直結ではなく自由伝達であるために極一部しかこの方法では破壊することができない。新約6巻では学園都市中に未元物質が拡がっていたらしい。既に生身の肉体や脳の欠損は垣根にとっては死ではなく、実際に作中では脳が能力を生み出しているのか能力が脳を形成しているかが非常に曖昧になり、未元物質そのものが『垣根帝督』という存在になっている。そのため、垣根を倒すにはこの無限に創造され無限に増殖していく未元物質を全て完全消滅させる必要がある。また、この創造と増殖には時間的にも限界が存在しないため、時間が経つほどに相手にとって絶望的な状況となっていく。 無限再生 例え、ホワイト垣根や未元物質製の兵器群を構成する未元物質が完全破壊された場合でも瞬時に再生する能力。作中でもホワイト垣根が上半身を消し飛ばされた場合も瞬時に再生している。 【移動速度:移動方法】 翼で高速飛行可能。 羽ばたきで一息に数十メートル進む。 互角の速度の通常一方通行が時速700km以上で先行するハイウェイチーターに追いつくことが可能。 【反応速度】 不意討ちの一方通行のATM投げを翼を使用せず何らかの手段で防御、最初から不意打ちを警戒した常時防衛の可能性も高い。 マッハ3以上の小石が消滅するのを確認して小石の衝撃波を一方通行との中間で迎撃可能。 【特記事項】 トンボ 垣根が偵察用に作り出した1m程のトンボ型の偵察機。 オープンカフェ内での発言からその場の全てのベクトルを集めても動かすことの出来ない質量を生み出せると思われる。 1位・2位と3位以下の能力者には、実力差に超えられない壁があるとされ、作中では第4位の麦野と二回戦闘を行い二度とも一蹴している。 未元物質…この世界には本来存在しない物質を引き出す、もしくは生み出す能力。 生み出した物質は「この世の物質」ではない以上この世の物理法則には従わず相互作用した物質もこの世のものでない独自の物理法則に従って動き出す。つまり、単に変わった物質を作るというだけでなく物理法則全体を塗り替えてしまう能力である。性質の変化はあくまで未元物質が存在することで発生する副次的な効果であるため、 法則改変の方向性を決められる訳でなく、「思いのままに法則を作り上げる」ものでもない。 【基本戦法】 無限に増殖し、クローン・カブトムシ・残留思念妹達を作成しながら、共に空中から翼・日光の回折・烈風・爆発・衝撃波で攻撃 【備考】 黒翼を見た後の覚醒した能力は描写不足なので考慮外
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【種別】 タイトル 【初出】 『とある科学の一方通行』×『とある科学の超電磁砲』とあるマガジン (2019年8月27日) 原作:鎌池和馬 作画:如月南極 キャラクターデザイン:はいむらきよたか 【解説】 『とある魔術の禁書目録』の外伝漫画。 プロットは鎌池和馬書き下ろしで、キャラクターデザインははいむらきよたかが基本的に担当。 主人公は垣根帝督。 学園都市内を舞台とし、垣根が一方通行の演算パターンを探るため、杠林檎に接触したところから物語は始まる。 黒夜海鳥や、『スクール』、新たな木原一族が登場したりとファンサービスに富んでいる。 また、時系列は本編『禁書目録』は一巻冒頭7月19日なのに対し、六〜七巻の間となっている (エステル=ローゼンタールが一方通行・打ち止めと共に外出しているシーンがあることから、時系列は少なくとも9月2日以後)。 【余談】 とあるマガジンにて第一話が掲載された後しばらく続報がなく、 後に倍以上の描き下ろしと共に単行本が出るという珍しい形態で出版された。 作者の如月氏は本作に関わる前からもファンだったようで、pixivなどにイラストを公開していた。現在でも別名義でファンとしてイラストを度々Twitterなどに公開している。 【関連】 とある魔術の禁書目録 漫画版 とある科学の超電磁砲(とあるかがくのレールガン) とある科学の一方通行(とあるかがくのアクセラレータ) とある科学の心理掌握(とあるかがくのメンタルアウト) とある科学の超電磁砲外伝 アストラル・バディ
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【種別】 人名 【初出】 十五巻 【CV】 松風 雅也 【解説】 【人物】 【能力・スキル】 【作中での行動】 【口調】 【余談】 【解説】 暗部組織『スクール』のリーダーを務める青年。 超能力『未元物質』を所持する、学園都市第二位の超能力者(レベル5)。 外伝漫画『とある科学の未元物質(ダークマター)』では主人公を務める。 【人物】 180cmを超える長身と茶髪の整った顔立ちの持ち主。 着用しているスーツと合わさってホストのような見た目をしている。 その高い実力故か暗部の人間としては余裕や寛容さがあり、 基本的に無関係の一般人は攻撃せず、障害となり得ないなら敵でも見逃す。 しかし目的の障害となったり、または自身の敵とみなした人物は一般人だろうが容赦をせず、 自身の戦闘の余波に周囲を巻き込んでも特に気を使わない。 それでも裏社会ではまだ人間味のある方だが、一方通行にはチンピラと酷評された。 因みに、直接交渉権を手に入れるためにアレイスターの予備のプランをすべて潰そうと考えており、 アレイスターが並行的に展開しているプランの全てを把握できる自信があったようで、 それだけの事をしてでも直接交渉権を手に入れたい理由があったのだろう。 (一方通行の推測では、暗部に星の数ほどある悲劇の一つにでも触れて壊れたのだろうとの事。) 所属校は不明だが、九月初旬時点から見て最近までちゃんと通学はしていたらしく、 『とある科学の未元物質』では同級生らしき人物から不登校状態の垣根を心配するメールが届いている。 また、このメールに「出席日数ヤベェぞ」とあることから、高校に通っているものと思われる。 【能力・スキル】 超能力は『未元物質(ダークマター)』。 この世に存在しない物質「未元物質」を生み出し、 周囲が未元物質により異法則の世界へと書き換えられることで、 物理法則ではありえない現象を引き起こす。 垣根自身は未元物質が起こせる現象を把握しているため、 敵対者のみが未知の世界に囚われ、理解できない攻撃や環境に苦しめられる。 その力は圧倒的であり、同じレベル5でも第3位以下とは絶対的な壁が存在する。 また、作中で唯一『超能力』で一方通行にダメージを与えた人物でもあり、 結果彼に敗北したとはいえその実力は本物。 (上条当麻の幻想殺しは「超能力」ではないので除外) 敗北後は未元物質を用いた後述の新たな応用法を編み出しており、 事実上万能といっても過言ではない力を手に入れた。 身体能力や体術も優れており、蹴りだけでナイフを持ったチンピラを制圧した場面もある。 【作中での行動】 アレイスターとの直接交渉権を得ようと画策し、 その手段として一方通行を倒して第二候補(スペアプラン)から第一候補(メインプラン)となることを目指し暗躍。 メンバーのリーダーを一蹴、同じく超能力者の麦野さえ寄せ付けずアイテム勢を追い詰めたりと、終始有利な戦闘を展開。 一方通行を相手にしても、『反射』の対象外となっているベクトルを逆算し割り出す事で、 『反射』のフィルターをすり抜けて攻撃を通し善戦したが、 『未元物質』を解析されて『反射』を適用され、『未元物質』を通した攻撃を無効化された為に敗北。 一方通行が発現させた謎の「黒い翼」を見たことで 『未元物質』の根源となる力・本質を理解したらしく、『未元物質』を更に進化させたようだが、 黒翼を発現させた一方通行には敵わず、成す術も無く「虐殺」された。 しかしその後、アレイスターの指示で回収されていたらしく、一応の生存が確認された。 とはいえ、同様にアレイスターに復活させられた麦野によれば、 ネバネバした液体の入った容器に3つに分かれた脳をそれぞれ収めたり、 つぶれた内臓一つを補うために冷蔵庫よりもデカい機材を腹の横に直接取り付けたりと、 「未元物質を吐き出すための塊」になってしまったらしい(それでも一応『第二位』の格付けにある模様)。 なお、このような状態ではあるがエイワスからは「垣根帝督」として気にされている様子。 暗部への「幻想殺し」回収命令の中に、「第二位と同様の処置を施して生命維持装置内に『回収』」という文があるので、 暗部によって何らかの手が加えられているようだ。 クリスマスケーキのように脳みそを切り分けられたプロデュースと何か関連があるのかもしれない。 また、黄泉川に説得されかけた一方通行に対して、「結局テメエは俺と同じ」「誰も守れやしない」などと支離滅裂になりながらも叫んでいる。 新約四巻によると自我が乏しいため、与えられた電気信号に従って能力を行使させられている状態であり、 木原病理にEqu.DarkMatterを製造させられていた。 しかし、彼女の研究によって「未元物質で人体細胞を構築する術」を獲得し、 自身の損傷した内臓等を補って復活を遂げたことが木原唯一によって語られた。 そして、新約五巻にて実際に復活した姿を見せた。 未元物質によって自分の体を補った結果、垣根にとって「自分の体」と「未元物質」の区別はあいまいになっているらしい。 その結果、人体を補った部分だけでなく、周囲に展開した未元物質まで「体の一部」になりかけており、 あたかも未元物質が「生きている」かのような挙動を取り始めているらしい。 それは強い不死性の獲得ともいえるし、命や魂というものが未元物質の中に希釈されていっているとも言える。 簡単に言えば「未元物質そのものが垣根帝督の人格を持っている」状態にある。 未元物質の扱いにも初登場時より遥かに習熟しており、 垣根自身の複製や白いカブトムシなどの自律兵器を生産できるようになった。 新約六巻から本格的に活動を開始。 その姿は初登場の十五巻の時と比べると遥かに人間離れしていて、 肌や髪の毛の色も「未元物質」によって作られている為か真っ白になっている。 着ている服も「未元物質」で作られている。 目は本来白目であるところが黒く、本来黒目である部分が赤くなっている。 歯、舌も存在するが、光を吸収しているため口内は「穴」のように真っ黒に見える。 また『司令塔』のみ、各部位の色に生身だった頃の名残が残っている。 設定画の書き込みによれば、「その気にさえなれば」光学的擬態を使って十五巻当時の見た目に戻すことも可能らしい。 本来はフロイライン=クロイトゥーネの撃墜を命じられていたが、「やりたいようにやれ」という『木原』の総意を受諾し、 一方通行への復讐と復活した自分の「性能試験」を兼ねて、再び彼と戦闘を繰り広げる。 序盤は一方通行を精神的に痛めつけて善戦するも、参戦した麦野沈利の助言によって一方通行の精神状態を回復されてしまう。 それによって今まで有効だった攻撃も無効化されてしまったが、 状況に大した変化はなく、驚異的な再生力と創造力を生かして終始二人を圧倒。 「自身の破壊を無視して相手に永遠に攻撃を加える事で確実に勝利を手にする」という理論のもとで二人を封殺した。 「座して待つという言葉を人類滅亡レベルにまで引き上げられる」というほどの無限の時間と創造力を有しており、 ただ待っているだけで勝利が転がり込むその状況は、 地の文に曰く「究極の浪費であり、究極の怠惰であり、究極の冒涜」。 また、フロイライン=クロイトゥーネと同じく 「一度でも芽吹けば何十億人が集まろうと所詮個と個の集まりでは太刀打ちできない」とも言われており、 「人を超えた存在」としてその実力を遺憾なく発揮した。 しかしそんな時、自らが作り出した兵器の一つであるカブトムシ05が 『マスターの命令に背くために自分が「垣根帝督」という柱に成り、全てのシステム権限を奪取する』 という予想外の反発をした為に、本来のマスターである自身の崩壊が始まってしまった。 最後は完全崩壊寸前で一方通行に中心部を貫かれ消滅した。 この際、垣根はカブトムシ05がイレギュラーな行動を取った原因が、 かつて垣根自身が『八人目』への可能性を指摘していた滝壺の能力による干渉だと気づいていた。 脳が能力を起こし能力で脳を作るという無限ループを完成させ、 その「無限」には良心や善意といった垣根本人も認めたくなかった要素が含まれていたため、 結果としてカブトムシ05の台頭を許してしまったとも言える。 かくして、十五巻当時の垣根に近い振る舞いを見せたそれまでのマスター個体は消滅し、 元々の垣根の内面にあった善意・良心が集まった個体であるカブトムシ05が 新たな『垣根帝督』として未元物質全体を統御するマスター個体となり、結果「垣根帝督」という人物は善人化した。 これ以降の垣根は読者から「白垣根」と呼ばれることが多い。 一方通行に敵意を抱いていたマスターは消滅したが、 さながら妹達(シスターズ)のように自身の様々な意思がそれぞれの肉体に現れていたようで、 それぞれが「かつての垣根帝督の一側面を持つ別人」として存在している。 そもそも新約六巻時点でマスターであった「垣根帝督」も一方通行への復讐心が表面化した個体であり、 これが「本当の垣根帝督の人格」であった保証などどこにもないとのこと。 復活後の垣根は、特定の人格という統合された意識を持たないため、 増殖を続けるとマスターに反旗を翻す「異分子」「反逆者」の登場が懸念される。 そのため対一方通行戦で見せたような無限増殖は極力控える必要がある。 新約七巻で新垣根は対恋査戦で上条と共闘。 初対面にもかかわらず巧みな連携を見せた。 新約八巻では、フロイライン=クロイトゥーネ争奪戦の際に、 全体論の超能力を行使させる人形を作るための素材としてオッレルスが回収していた、 元々の垣根の生身のパーツが『グレムリン』によって意図せずも復活。 本質や主格がどこにあるかはともかく、 それはこの世に『未元物質』という超能力を生み出した『垣根帝督』に限りなく近い人格であった。 すぐに完全な人の形となった垣根は『未元物質』を利用しようとする『グレムリン』に反抗し、 垣根に接続されていた数十数百のコンピュータで組まれた並列演算機器を『未元物質』で逆流させ瞬く間に侵蝕していき、 さらには背中から生えた純白の翼を『船の墓場』を包み込む程に巨大化させた。 勝利を確信していた垣根だったが、直後にオティヌスによって捕縛され、バレーボール程の球体に圧縮されてしまった。 オティヌスが魔神の力を失った後、この垣根がどうなったのかは不明。 『船の墓場』に放置されたままなのかもしれない。 マスター人格が移行してからの『垣根帝督』についてはカブトムシ05の項も参照。 超電磁砲第四十三話に登場。 エージェントを通じて大覇星祭の選手宣誓を依頼されるが、これを一蹴。 この時、自らの能力を「お子様にウケるビジュアル」呼ばわりされたことにキレて八つ当たりを起こし、 『スクール』のアジトを廃墟同然にまで壊滅させた。 その際 あんなの(大覇星祭)は努力やら希望やらをまだ信じてるガキ共の遊びだろーがっ!! と発言している。 希望はともかく、「努力を信じる」ことを否定しているところを見ると、 努力では超えられない何かしらの壁に突き当たっていたのか、 あるいはそれが暗部に落ちた原因である可能性もある。 もしかしたら素養格付(パラメータリスト)について知っていたのかもしれない。 天賦夢路編でも登場。フレンダに負け中々落ち着かない弓箭猟虎を誉望が吐き気を覚える程の威圧感で諌めた。 外伝漫画『未元物質』にも登場。 アレイスターとの直接交渉権を手に入れたい動機として、 過去に垣根にとって大切な人が死んだことが示唆された。 杠林檎に接触して一方通行の演算パターンを手に入れたが、 学園都市の上層部によって林檎の臓器に『自壊プログラム』が作動し、死亡。 アレイスターへの殺意を顕にした。 【口調】 一人称は俺。 特徴的な口調はないが「ムカついた」というセリフをよく口にする。 例)「そしてムカついた。まずはテメェから粉々にしてやる」 カブトムシ05がマスターとなってからは、一人称が「私」となり敬語を使う丁寧な話し方に切り替わった。 また、一方通行との戦闘時に自身の異能になぞらえた 「俺の『未元物質(ダークマター)』に、その常識は通用しねえ」 という台詞を発している。 外伝「未元物質」では決め台詞としてこの言葉を多用している。 【余談】 作中での活躍や描写から、ネタ的な渾名が多いことで有名。 十五巻...一方通行のセリフと翼の描写から「イケメルヘン」 十五巻...ゴロの良さから「ていとくん」 十九巻...冷蔵庫よりも大きい機械と繋げられていることから「冷蔵庫」(帝蔵庫とも) 二十ニ巻...未元物質製の武器の素材提供をさせられていることから「工場長」 新約六巻...カブトムシ05にマスター権限を奪われたことから「カブトムシ」 新約八巻...オティヌスにバレーボール大に圧縮されたことから「バレーボール」 アニメ「禁書目録Ⅲ」第六話...一方通行の「圧倒的な虐殺」の描写がもぐら叩きのようにシュールに見えたことから「もぐら叩き帝督」etc. 皆に愛される彼だが、こうした渾名を不快に思う人もいるので注意が必要である。
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放たれた巨大な円錐状の結晶群は、あっと言う間に垣根が立っていた場所を貫いた。 姫垣の『原石』としての能力のものだろう粉塵が、ダイヤモンドダストがごとく辺りを覆い隠す。 しかし―― 「生存確認(まだしんでいません)」 「だろうね、そうじゃないと流石に困るよ」 姫垣、幻生の言葉に続くように粉塵が晴れると、そこには『未元物質』の壁によって全ての結晶を防ぎ切った垣根の姿があった。 それを認めると、姫垣は追撃を行おうとし――そこで照準を定め直す羽目になる。 垣根が動いたのだ。 それも、前方――姫垣の方へではない。 右斜め前方、実験室の角隅。 つまりは木原幻生のいる方へ、だ。 「要はテメェがヒメを操ってるってことなんだろ!だったら話は早ぇよなぁ!?」 姫垣のコントローラーである幻生を直接叩く。 何かしらの装置――電磁波を利用して動物の動きを制御するという装置を破壊する。 それが最善の策。 無論、幻生に近づいていく間にも横合いから姫垣の攻撃は続くが、垣根が側面に張った『未元物質』の障壁を前に、水晶のような物質は次々と砕けて床へと降り注いでいく。 「攻撃無効(あたりません)」 無感動に報告する姫垣には目もくれず、否、意図的に無視しながら、垣根は幻生へと攻撃の照準を定める。 対し幻生は、 「聞いていなかったかな? これは『体晶』と『原石』の掛け合わせの運用だと」 やれやれ困った、とでも言うように首を横に振る。 自分が狙われていることにも構わず、だ。 「解析開始(しらべはじめます)」 後方で姫垣が告げるが、垣根の耳には入ってこない。 ただ前方に意識を集中させ、 「ぶっ潰れろ!!」 垣根は一辺きっちり1メートルの立方体状の『未元物質』を創造、幻生の言葉も聞かずその頭部へ向けて発射する。 そして、 ガァン! と、『未元物質』は実験室の壁にめり込んだ――幻生が立っていた、その背後の壁に。 幻生はいない。 ただ、幻生の着ていた白衣だけが空中をゆっくりと漂い、落ちていく。 「だから――」 「!?」 突然、直下から声が聞こえた。 慌てて目線を下に送ると、そこには低い姿勢で構えを取るようにしながらこちらを見ている幻生の姿があった。 「だから、私が戦うのは好ましくないんだけどね」 直後、垣根の身体は大きく後方へ飛ばされていた。 「がっ!?」 腹部に胃の中を掻き回されたかのような鋭い痛みが走る。 床を転がりながら、垣根は幻生が正拳突きの体勢で静止しているのを見た。 (殴られた……?) まるで幻生の行動を目視出来なかった。 しかし、だとしても、 (確かに自動防御は発動した筈……!?) 垣根の思考が目前の光景によって停止させられる。 (馬鹿な……) そこには、粉々に破壊された『未元物質』の壁の破片が落ちていたのだ。 「自動防御を突破したのがそんなに意外かい?」 「っ!」 姿勢を整えながら、幻生は垣根の心中を読んだように問いかける。 「こんなこと、『未元物質』の情報を与えた数多にだって出来ただろう。その身体中の傷だってその結果だろうに。まぁ、私のと方法は違うかもしれないけれどね。なにしろ、今考えられるだけで自動防御を突破する方法なんて四十二通りはある」 「なっ……」 「今のはその中でも割とオーソドックスな方法だよ。――自動防御は体表に張った膜に設定以上のエネルギーがかかると、それを防ぐのに最適な大きさ、硬さの『未元物質』を生成する。その生成スピードは0.01秒以内。この数値は中々優秀だ。但し、『一度衝撃を受けて『未元物質』が発現している場所』となると話は変わってくる――」 タン、と軽い音がして。 「――0.27秒。これは余り誉められたら数値じゃないね」 幻生が、すぐ鼻の先まで移動してきていた。 「!?」 構えも間に合わぬうちに、幻生の攻撃が来た。 直後、強い衝撃が腹部に走る。やはり、防御を貫通されたのだ。 だが、今回はその仕組みが見えた。 (二連撃……) 一度わざと弱い攻撃を仕掛けることで強度の弱い『未元物質』を出現させ、その同じ場所に――幻生の言う通り、演算が複雑になってしまうが故に生成スピードが遅くなってしまう――次の『未元物質』が生成される前に、かつ生成されている『未元物質』を破壊する以上の力で攻撃を叩き込めば、確かに理論上は突破されてしまうだろう。 だが、 (『最適な固さ』っつったって、何も『さっきよりちょっと強く叩きました』で壊れる固さじゃねぇんだぞ。どんなに弱く殴ろうが、少なくともコンクリ以上の強度の壁は生成される筈だ。それを『一打目から0.27秒以内に』だと?) にわかには信じがたいことだった。 「驚くほどのことじゃあないよ、一体誰が数多の坊主に戦い方を教えたと思ってるんだい?」 「ちっ……」 「ほら、のろのろしている内に、向こうの準備が整ったみたいだよ」 幻生が、チラリと姫垣の方へ視線を送ると同時。 「解析終了(しらべおわりました)」 無機質な声が響き、空中の姫垣がくるり、と垣根の方へと向いた。 そして水晶体の雨が垣根へと降り注ぐ。 「このっ……」 即座に『未元物質』の障壁展開する垣根。 しかし、 「――!?」 水晶体が、障壁を通過した。 破壊では、ない。 先程幻生が見せたような荒っぽいやり方では、決してない。 あえて表現するなら、まるで水飴の中に割り箸を突っ込んだかのような様子で。 それは言い換えるなら、貫通の際に『未元物質』の硬度が水晶体と相対的に考えた場合に水飴程度の硬さしか持たないように変質させられたということか。 (いや――) 垣根は、幻生と距離をとる方向へとその場を飛び退きながら思考する。 (変質じゃねぇ、『中和』だ) ガギンッ! という音とともに、『未元物質』も壁を突き抜けて床に――先程まで垣根が立っていた位置に刺さった水晶体。 その先端部分は、酸の中に投げ込まれた鉄片のように僅かに溶けていた。 (俺の能力を『解析』して、それを『中和』出来るような物質に水晶体を変化させたのか) 姫垣の発言を整理すると、そういうことになるのだろう。 それは姫垣の持つ能力が、己の生み出す物質の性質を自由に変化させることが可能であることを意味し――そして、それによって本来この世界に存在しない『未元物質』を『中和』させたということは…… 「!?」 思考が纏まりかけた瞬間、次なる水晶体の攻撃が来た。 当然、先程と同じように『未元物質』の壁を貫通してくるため、垣根は直接これを回避しなければならない。 垣根は即座に自身の足元に摩擦の少ない『未元物質』のレールを敷き、高速移動を開始。その後を、ガガガガガッ! と連続的な音を立てて、巨大な生け花が垣根のルートを追うように何本も生けられていく。 (まぁ、いい。『どっちだろうと』……いや、『どれだろうと』構わない) 道は見えた。 細い、一筋の――だが確かな道だ。 (けどそのためには、やっぱり幻生の野郎を沈めておかなきゃならねぇ) 進行方向に壁が迫ってくる。 部屋の角にいた幻生を攻め、その後反対方向に後退しているため、現在垣根は部屋を四角形と見たとき、幻生のいる『頂点』を一端として持つ『辺』たる壁際を走行している形になる。 当然正面も壁となれば、開けている右側――後ろ以外に唯一行き止まりではない方向に身体をかわすしかなくなるわけだが…… 「はっ!」 垣根は左側――壁面へ向かって大きくジャンプした。 そのまま行けば蛙のごとくぺちゃりと潰れるのがオチであったが、垣根は空中で体勢を入れ替えると、壁面に足をつけ一瞬静止する。 靴底に、高速移動する時とは逆に摩擦の大きな『未元物質』を貼り付けたためだ。 そのまま、逆方向斜め上へ向かって壁伝いに走る垣根。 水晶体が追いかけて壁に穴を空けていくのを後目に、速度の落ちた後半は手も使ってロッククライミングがごとき有り様で、部屋の天井近くかつ『辺』の中点あたりまで到達。そのままスタリ、と天井に足を置き、天地ひっくり返ったクラウチングスタートの構えをとる。 その隙を逃さぬとばかり撃ち込まれる水晶体。 次の瞬間、ガギンッ! と水晶体が天井を砕き、緊急用スプリンクラーの配管か何かを傷つけたのであろうか、突如室内に人工の雨が降り注ぐ。 その際生じた雨霧と土埃を抜け、垣根が現れる。 着弾の直前に天井を蹴り回避したのだ。 目指す先は斜め下方向――幻生の立つ場所だ。 「やれやれ、諦めの悪い」 嘆息する幻生へ、 (俺の研究データを元に戦略を立ててんなら、今まで使ったことの無い使い方の『未元物質』を使えば勝機はある!) 垣根は、巨大な円錐状の『未元物質』――姫垣が用いている水晶体と同じ形状の『未元物質』を六つ生成、発射する。 「研究データにない形の『未元物質』なら突破できるとでも? 浅はかだねぇ」 言いながら、幻生は次々と襲来する『未元物質』を最小限の動きでリズムよく回避する。 そして、外れた『未元物質』は、水晶体と同様ガギンッ! と音を立てて床に突き刺さって行く。 「それに空中からというのも浅はかだ。攻撃主である姫垣くんから最遠、かつ私の立つ場所までの最短のルートとして壁を選んだんだろうけど……」 幻生は水流に視界を妨げられながらも上方を見続け、垣根のいる場所を確認する。足は天井、頭は床を向いており、さながらプールの飛び込み台から飛び降りているような体勢だ。 「自由落下なんていうのはね、止まっているのと同じことだよ」 垣根の現在位置――高度を確認。0.1秒間での移動距離からその速度を瞬時に計算。 加速度も考慮に入れ、垣根の正確な落下位置、時刻を算出する。 そして、絶好のポジションで拳を握りしめ、これを待ち受ける。 無論、それで安心する訳ではない。 目は垣根から離すことなく、何かしらの変化――能力使用の兆候が見えれば、即座に対応する腹積もりだ。 「飛んで火に入る、だ」 垣根が、自分で飛ばした円錐の底面――頂点を下にして撃ち出したため、底面は円錐の最高度部分となる――と同じ高さまで到達、その身体が円錐の側面をかするようにして通過した。 その、次の瞬間。 「……!」 幻生の目の前に、垣根帝督がいた。 (どういうことだ? まだ余裕はあったはず。能力? いや、使用している素振りは……) 予想外の事態に対応が間に合わない。 そのうちに、垣根は『未元物質』で西洋風の両刃剣を生成、上方へ大きく振りかぶった。 「研究データに無い『形』? お笑いだな」 「……そうか、攻撃用の『未元物質』を足場に……」 結論から言ってしまえば、垣根は単に摩擦の限りなく少ない『未元物質』を使った高速移動に自由落下の速度を上乗せして、幻生の予想を超えるスピードを出しただけに過ぎない。 問題なのは、高速移動には足裏と地面との両方に摩擦の少ない『未元物質』を展開する必要があることだ。 足裏の方は、垣根の体勢から幻生には確認出来ない。『滑り止め』用の『未元物質』を真逆のそれに変えるのは簡単だろう。 ならば地面、即ちレールとなる方の『未元物質』はどうしたか。 その答えは円錐の側面。 垣根が放った円錐は、いつもの攻撃用『未元物質』のようにただ固い、或いは鋭いといった攻撃的性質を持つだけでなく、その表面に高速移動用レールに使用する摩擦の少ない『未元物質』がコーティングされていたのだ。 『形』はブラフ。真の目的は研究データには無い『未元物質』の『用途』と『性質』との組み合わせでの利用。 (まぁ、これも『未元物質』を『中和』した上で攻撃も同時にこなすあの水晶体から思いついたもんだが……これで詰めだ) 幻生は何とか左腕を頭の前に掲げてガードしようとしているが、そんなものではどうにもならない。 垣根の創り出した両刃剣は、人間の腕など骨ごとぶった切って余りある切れ味を持っている。 「終わりだ幻生!」 垣根は両刃剣を縦一文字に振り下ろし―― そして、幻生の掲げた左腕によってその勢いを止められた。 「なっ!?」 「着眼点は良い。素直に今のは一本取られたと自白しよう。だけどね、まぁ・・・・・・何と言うのかな。情報不足、と言うのは酷だろうし。ならば、運が悪かった、と言うべきかな」 幻生の左腕は剣撃によってわずかに傷つき、その傷口から『鉛色をした金属製の何かを覗かせていた』。 「義手だよ、私の左腕は。生身の腕なら切り落とせたかもしれないけれど、学園都市製の特殊合金の厚い層は破れなかったみたいだね」 言いながら幻生は自由な右腕を引く。そこからの素早い二連撃。 幻生の拳はまたも『未元物質』を突き破り、垣根の腹部を強打する。 「ごぉあ……がぁっ!!」 先ほどの打撃を超える衝撃に、垣根は大きく弧を描いて吹き飛ばされ、ノーバウンドで反対側の壁に叩きつけられた。 再び、しかし今度は自分の意思ならず自由落下する垣根の身体。 それは、床から2メートル程のところで停止することとなる。ガガガガガッ! という連続的な音とともに。 まともに回避行動すら取れなくなった垣根帝督は、姫垣の放った水晶体によって右肩と左脇腹を貫かれ、壁面に縫いとめられてしまったのだ。 まるで人間大の昆虫標本が飾られているかのような奇妙な光景の中、姫垣が無機質な声を上げる。 「攻撃成功(当たりました)」 そして垣根は、降り注ぐ人工の雨に濡れ、頬に涙のような雫を落としながら、完全に意識を失った。 目を開く。 そこは三沢塾の校長室だった。 〈起きたか。否、覚醒というのは違うな。貴様は未だに気を失っている〉 ティーテーブルとお揃いの椅子に座り、悠然と、そして当然のように紅茶をすすっている男が垣根に言葉をかけてきた。 「……今取り込み中だってことくらい分かってんだろうが。テメェに用なんかねぇよ、アウレオルス=イザード」 低い声で呟き、自らの座る椅子から立ち上がりこの場を去ろうとする垣根。 しかし、そこで引っ張られるような違和感に気づく。 「……!」 右肩と左脇腹に――つまりは姫垣に攻撃を受けた場所に、アウレオルスが使っていた医療用の針をそのまま刀剣ほどの大きさに巨大化させたようなものが刺さっていた。 「がぁ……ぁ……」 認識と同時に痛みが来た。抗おうにも、身体がまるで動かない。針によって、身体が椅子に縫いとめられているのだ。 〈当然。ここが意識だけの空間とは言え、否、だからこそ身体の受けたダメージも感じるものだ〉 「く……そ……」 〈先ほど私に用がないと言ったな。だが、私は貴様に用がある、少々付き合え。なに、外の基準で考えればそれほど長い時間にはならない〉 苦痛にあえぐ垣根を無視して、アウレオルスは一方的に話を進める。 〈まず聞こう。策はあるか?〉 「……?」 〈現状を打破する――木原幻生を倒し、垣根姫垣を救う――その具体的な策はあるか?〉 「……いや」 かろうじて首を横に振る垣根。 アウレオルスは、ふむ、と言って紅茶を一口飲むと、素っ気無く言った。 〈私にはある〉 「!? それは……」 〈蹶然。そういきり立つな。策と言うよりは、道筋、手段のようなものだ〉 「……どういう」 〈キャパシティダウンに倒れたときにも言った。知恵とはこの上のない力を持ち得る〉 カップを置くと、アウレオルスは両肘を机の上に立て、前かがみになって顎を支える体勢を取る。 〈話は変わるが……垣根帝督、貴様は様々な性質を持つ『未元物質』を用いて多彩な技を見せる。例えば摩擦の少ない『未元物質』同士による高速移動。例えば硬質な『未元物質』による防御。例え鋭利な『未元物質』による攻撃。貴様の『未元物質』それ自体は、この世界の物理法則をすら無視出来る超物質だ。だが、果たして本当にそうなのか?〉 「何が……言いたい……」 〈摩擦が少ないから移動が早い。硬質だから防御力が高い。鋭利だから攻撃力が高い。これらは、『この世界の物理法則』ではないのか?〉 「――!?」 〈いや、混乱させるまでも無い、結論から先に言おう。本当にそうなのか、答えはイエスだ。『未元物質』はこの世界の物理法則に縛られない。ただ、貴様はその『異世界の物理法則』を内に対してしか適応できていない。『未元物質』が出現し、外界、この世界に触れた瞬間に、『未元物質』はこの世界の法則に支配されてしまっている。それは何故か。貴様が外界に対して『異世界の物理法則』に則ったアプローチを行っていないからだ。その結果、『未元物質』はこの世界に対しては何の影響力も持っていないように見えてしまう〉 「……………………」 アウレオルスの言葉を咀嚼する。学園都市第二位の脳をフル回転させ、その意味を考える。 「つまり、その『異世界の物理法則』をこの世界にも顕現させられれば……この世界にたいして『干渉』が行えれば、今まで不可能だった何かが出来る可能性があるってことか」 それは、二つの目的――木原幻生を倒し、垣根姫垣を救う――のどちらにも繋がる筈だ。 『干渉』は本当の意味で研究データにない能力使用法であるし、そして『干渉』を通じて姫垣にも…… 「……だが、それは道筋ですらねぇよ。せいぜいが『目的地はコチラ』の矢印標識だ。俺には『干渉』の仕方が……」 〈『干渉』の仕方がわからぬのは、単に貴様がこの世界を知らないからだ。貴様は自分の能力たる『未元物質』については十二分に理解している。『異世界の法則』内で何が起こせるかが分かっている。だが、その起こった何かがこの世界にどのような結果をもたらすのかは知らない。対して――私は『黄金練成』を可能とした錬金術師。『黄金練成』は思い描いた『結果』を現実化するものであり、そのために世界の完全なるシミュレーションを頭の中に構築する必要がある。つまり、『私は起こった何かがこの世界にどのような結果をもたらすのかを知っている』〉 「それは……」 それはまるで、数式の左辺と右辺をそれぞれが片方ずつ持っているようなもの。それらを繋げれば、そこには一本の式が出来上がる。 〈そして、私は現在貴様の脳に居場所を借りている。私の全ての記憶と知識と経験が貴様の脳細胞に一時的に記録されている。……はじめは、私がここを去るときに脳細胞ごと死滅させて一切を消去する腹積もりでいた。私の極めた錬金術の秘を貴様なんぞに残したくは無かったし、理解できるとも思えなかった。だが、どうやら私の錬金術と貴様の『未元物質』は相性が良いようだ。哄然。面白い。科学と魔術の交差から何が生まれるのか……垣根帝督。私の全ての記憶と知識と経験を、貴様に授けよう。それが、私の我儘に付き合ってくれた貴様へのプレゼントだ〉 アウレオルスが立ち上がり、テーブルを半周して垣根の横に立ち、右手を差し出してくる。 垣根は、無言でその手を取り、力を込める。 途端に肩と腹部に刺さっていた針が抜け、軽い音を立てて床を転がる。 ゆっくりと立ち上がった垣根は、握手をした体勢のままアウレオルスを見据える。 「恩に着る……」 〈――思考は繋がっているから、わざわざ確認する必要はないが、一応言っておく。私は、貴様を助ける訳ではないぞ〉 語るアウレオルスの足が、爪先から順に空中に溶けるように分解して行く。それはいくらかの単位で羽根のような形を作り、次々と垣根の背中へと引き寄せられていく。 「分かってる。テメェが力を――いや、知恵をくれるのは、垣根姫垣を、俺の世界を守るため。そこには俺自身は含まれていない。俺はヒメに救われた。それだけで充分だ。俺はこれ以上を要求しない。ただ、ヒメさえ救われればそれで良い。――テメェがそうであったように」 アウレオルスの胴体が消えて行く。対して垣根の背中には一対の大きな純白の翼が形成されていく。 〈その通りだ。貴様と私は同じ道を行くもの。改めて、最期に貴様と出会えて良かった。ありがとう〉 「その台詞、そっくりそのまま返すぜ」 もうアウレオルスの身体は右腕と顔しか残っていない。左半分が徐々に消えて行く顔面に普段は見せないような優しげな表情を浮かべて、アウレオルスは言った。 〈最期に、貴様に私の魔法名を教えよう。Honos628――『我が名誉は世界のために』。貴様の世界に、幸あらんことを〉 そして、アウレオルス=イザードは――コピーであれ、本物と同じ意思と想いを持った、たった一人の小さな少女のために生きた錬金術師は、垣根帝督のもとから去っていった。
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登録日:2009/09/11 Fri 10 41 52 更新日:2024/03/19 Tue 18 43 58NEW! 所要時間:約 7 分で読めます ▽タグ一覧 かませ犬 ていとくん とあるシリーズの登場人物 とある魔術の禁書目録 イケメルヘン カキネネットワーク カブトムシ スクール ダークマター チンピラ チンピラホスト→冷蔵庫→工場長→繭→カブトムシ→バレーボール ネタキャラ メルヘン メルヘン野郎 レベル5 俺の未元物質に、その常識は通用しねぇ 創造性 垣根帝督 暗部 未元物質 松風雅也 永遠の二番手 科学サイド 第二位 第二候補 超能力者 俺の『未元物質(ダークマター)』に、その常識は通用しねえ 『とある魔術の禁書目録』の登場人物。 CV:松風雅也 概要 学園都市で7人しかいない超能力者の第二位。 学園都市の裏組織・スクールのリーダーにして、アレイスターの計画(プラン)における第二候補(スペアプラン)。 悪役ではあるが、基本的に一般人には手を出さず、敵でも小物なら見逃すこともあるが、自分の邪魔をするのなら一般人であっても一切容赦しない冷酷な一面もある。 それでも暗部の人間のなかではマシな方だが、一方通行からは「チンピラ」「三下」と酷評されている。 ただし状況から見て浜面仕上(レベル0)が麦野沈利(レベル5)をタイマンでぶっ倒したと思われる事に気付いた際はそれまで完全に小物とみなしていた浜面を素で再評価する等 その小物が自分の予想を覆した事に変にプライドを傷つける事もない器の大きさも持っている。 学園都市の第二位だけあって頭脳の方もなかなかに明晰らしく、作中でも素粒子工学研究所を襲撃、その成果物「ピンセット」を活用してアレイスターの極秘通信網「滞空回線(アンダーライン)」から情報を得て戦略を練っている。 能力 能力は『未元物質(ダークマター)』。 「この世に存在しない新しい物質」を作りだし、既存の物理法則を塗り替える。 この能力で生成されるのは、物理学で存在が予言される暗黒物質(ダークマター)とは異なり、「理論上存在し得ない」異世界の物質。 未元物質それ自体はもちろん、「未元物質と相互作用した既存の物質」もまた通常の物理法則から逸脱した挙動を示すため、工業上の利用価値が非常に高い。 第二位の序列も納得と言ったところ。 戦闘においては、未元物質で形成される六枚の天使の様な翼で戦う。 飛行はもちろん、打撃・斬撃・烈風・翼の分解による防御、更には太陽光を「未元物質」に回折させることで通常の物理法則を逸脱させ殺人光線に変える…など、戦法の幅は非常に広い。 また、翼を展開せず麦野沈利に完全勝利できたり、見えない自立兵器「オジギソウ」の群れを一掃できたりと、素の戦闘能力も高い。 当人の性格や行動に似合わないメルヘンチックさには自覚もあるようだが、それでもこの形態を変えないということは「自分だけの現実」的に自然とそうなってしまうのだろうか。 「子供にウケそうなヴィジュアルの能力」とからかわれた際にはブチキレているため、開き直っているわけではないらしい。 活躍 暗部編 メルヘン天使 旧約十五巻、いわゆる「暗部編」でのボスキャラとして登場。 目的は学園都市統括理事長・アレイスターへの「直接交渉権」を得ること。 その手段として彼の計画(プラン)における第二候補(スペアプラン)から第一候補(メインプラン)となることを画策、現在第一候補である一方通行を潰しにかかった。 一応は同格の組織である「メンバー」のリーダー・博士や「アイテム」のリーダーにして超能力者・麦野を歯牙にもかけず完勝。 一方通行に対しても、一度は「反射」を打ち破り能力によるダメージを与えるという快挙を成し遂げた。 …が、直後にあっさり『未元物質』を解析され効かなくなる。 そして第一位と第二位の絶対的な差、「悪党」(笑)としての生き様を見せられ、完全敗北を喫した。 この直後、悪あがきとして黄泉川愛穂を襲ったことが一方通行の逆鱗に触れ、「黒翼」の発現を促してしまう。 これを見たことで「未元物質」に関する何らかの理解を深め新たな覚醒を遂げるも、結局は一方通行に虐殺された。 その後の旧約 冷蔵庫/工場長 虐殺された、と書いたが、その身体は学園都市によって回収され無理やり蘇生され、「生かされている」。 前述したとおり「未元物質」の工業的利用価値は非常に高いため、相当な無理をしてでも「未元物質」の使い手を生かしておく価値がある。 …とはいえ、能力さえ出ればいいため、脳を三つに切り分けられ、冷蔵庫よりでかい生命維持装置に繋がれた挙げ句、能力を出す為だけの実験体となっているらしい。 その姿はあの麦のんすらドン引きする程。 製造に彼の能力を利用した「この世の法則に従わない装備」はEqu.Darkmatterと呼ばれ、第三次世界大戦(のどさくさに紛れた浜面抹殺)などに実戦投入されている。 新約「グレムリン」編 カブトムシ のっけから一方通行が『自分には常識が通じない、というのは、実は何の自慢にもならないのではないか』などと垣根を全否定するような思索にふけっている。 ていとくん可哀想… などといっていたら新約4巻で復活。 人体を「未元物質」で形作れるようになり、欠損した臓器を「未元物質」で繋ぎ合わせることにより自由を取り戻した。 さらには自分の身体と能力との境が曖昧になったことによって、手足を動かすのと同じような感覚で未元物質を操れるようになった模様。 この修復能力を応用し、自分の複製を無限に創造する能力を獲得した。 この複製は脳までも複製されており、全ての個体が『未元物質』を実装している。 更に肉体と能力の境が曖昧になった影響で垣根の意識は『未元物質』を通して全ての複製に分配されており、ひとつのネットワークを形成している。 既に脳が超能力を発揮しているのか、超能力が脳を作り出して維持しているのかもわからない状態になっているため、本来の肉体と呼べるものも存在しなくなっている。 つまりすべての複製が全滅しない限り決して死なず、一体でも残っていればそこから無限に増殖・再生を繰り返すのである。なにこのチート。 また、自分の複製だけでなく昆虫型メカを作り出す事も可能で、本編では偵察用トンボメカやカブトムシ型空中戦車を複数機作り出している。 これらは高度な自律判断機能を持っているが、それ故に命令の解釈に各機の間で齟齬が発生する事がある。 そうなると、敵味方の識別や優先破壊順位がブレて、最悪同士討ちにまで発展してしまう。 新約6巻にてフロイライン=クロイトゥーネを確保するために出撃するが、「関係ねぇ」と一方通行を襲撃。 その不死性と、妹達を模した複製を作り出すというゲスい戦法で一方通行を追い詰め、加勢した麦野も圧倒し、勝利は時間の問題だと思われた。 が 実はこの能力には致命的な弱点が存在する。 垣根の精神はネットワークの中に不均質に散らばっており、それをそれぞれの複製が取得しているのだが、 それは垣根の精神の一部分だけを集中的に引き継ぐ可能性があるということでもある。 要するに今現在「垣根帝督」というネットワークが起こしている行動に対し、反逆する個体を生み出してしまう危険性があるということ。 本来であれば、複製は垣根帝督の分体であるため、それに対して反抗するという論理的矛盾によって結局ネットワークに従うことになる。 しかし唯一の例外として、その反逆者が「自分こそが垣根帝督である」と定義した場合、その個体にネットワークを奪われることになる。 この例外が起こる可能性を持つ存在は、複製だけでなく前述した自律判断機能を持つメカ達も含まれる。 そしてフレメアと打ち止めを守ることを選択したカブトムシ05によってネットワークを掌握されたことで垣根の肉体は崩壊を始め、一方通行によって完全に砕かれた。 垣根帝督は、自分の中の「誰かを守ろうとする善の心」に負けたのだ。 その結果、現在はカブトムシ05が垣根として存在しており、困った誰かを助けるためのヒーローとして都市伝説と化した。 普段はフレメアのランドセルにつけられた防犯ストラップ(物理戦闘力あり)として、淫獣マスコットキャラの立ち位置に収まっている。 ……とまぁ、なんとも形容しがたい道を歩んでしまっており、そのせいか現在では作中でもトップクラスのネタキャラとして読者に愛されている。 ちなみに愛称はカブトムシ・白垣根。 新約オティヌス編 バレーボール その後垣根の脳を含むいくつかの内臓(*1)はグレムリンに回収された。 これを素材として「全体論の超能力者」を生み出すつもりらしいが… そこは細胞さえあれば残りを「未元物質」で創って復活できる第二位、なんと内臓からも華麗な復活を果たし「グレムリン」総帥に喧嘩を売り始める。 この復活した垣根は「最初に第二位の力をもたらした」とあり、15巻の時に最も近い性格の個体と思われる。 自身を道具として利用されそうになったことにブチギレ、グレムリンの本拠地(仮)である「船の墓場(サルガッソー)」を破壊する勢いでキロ単位の「翼」を展開するが… オティヌスにあっさり砕かれ、屈服した揚句バレーボール程の塊に圧縮され未元物質を利用されるという散々な目に合う。 流石に異世界の片鱗を覗く程度の「翼」では、「魔神」候補であるオティヌスには野望の規模も戦闘力も勝てなかった。 よお。確か追記したのは、十二歳の冬っつったよな… もう一度ここで修正しろコラ(・・・・・・・・・・・・・) △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 無印15巻の頃のダーティな帝督君が一番カッコ良かったです(KONAMI感) -- 名無しさん (2015-11-27 07 45 38) コメント欄リセットしました。 -- 名無しさん (2015-11-29 12 49 25) 最新刊では未元物質が鍋の具材になるという面目躍如の大活躍をしました -- 名無しさん (2015-12-31 11 58 53) オリジナルの垣根と上条さんとの会話とか見てみたいな -- 名無しさん (2016-01-06 13 06 57) 魔術師相手には一方通行より強い気がする。 -- 名無しさん (2016-01-12 16 09 59) 常識が通じないのは未元物質であって垣根ではないから!!(垣根が常識人であるとは言ってない)て言うか最近はもう垣根=未元物質なんだけどね -- 名無しさん (2016-02-06 11 15 33) 新約15巻ではサンプル=ショゴスこと変色未元物質が登場。切断した上里の右手を唯一が装着、さらに理想送りに持ち主を上里と誤認(本当にそうかは不明)させるという活躍をする。 -- 名無しさん (2016-04-19 20 27 54) 最新刊でアレイスターから第一位と上条が必要だとピックアップされていたけど、この人もスペアプランなら一方通行の代わりにできるのかな -- 名無しさん (2017-06-16 13 52 18) 「一方通行」とか「食蜂」とかを先に見て来た事もあって、「とある」の事だから正しい読み方が別にあるんだろうなと思いつつ暫定的に「かきねていとく」と呼んでたが、それで正解だったんだな…… -- 名無しさん (2018-10-08 10 39 15) 対魔術師では一方より強そう -- 名無しさん (2018-11-16 01 53 07) 新約の全てが交差するって話だからワンチャン出てくるかなとか思ったがそんなことはなかったぜ -- 名無しさん (2019-03-13 10 13 30) 結局この人はバレーボールにされてからそれっきりなのだろうか。 -- 名無しさん (2019-11-06 06 24 09) 主役になった[] -- 名無しさん (2020-05-03 05 25 39) 名前 コメント
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/ \ / . / ヽ . / / 、 l ! | 〃 { \ ト、 ! | l| | l ! ! 、 _i .! | ヽ 乂_ l| |ハ 、 | ト、 斗 i .! | l .∧ l⌒ヽ. 八 !弋心、 i´ ! 弋刈ハ ! lヽ{ ト、 ! ' ハ | `¨´/ヽi ト、! `¨´ノ' !/ //ト、≧!=、 ( 八ハ | 丶 ノ{ノ ∧ .ト、 { / ∧ /T } 乂ヽ, l '/∧ 、` ー―一' イ Iー ,-、⌒ヽ ノ' / ノ ノノヽ / . ' ヽ.. i ー ´ ,.ィ ´ 冫、_ , -‐くl . . li⌒ヽ / `ー 、_ / ヽ . . ll. . . iゝ._ / , ´ ___ミ 、 / /iヽ 〃 / ヽ/ /// ヽ. /.- ⌒ヽ ,' ! } /' /. / / /´/ __ l /. . . . ... ... . } l ,' ! / l /' ´ / l! l . .ヽ ! i ,.....ェzzzzェ....、 /. li li \ .ィ尖 圭 圭 圭圭尖 、 / l', l', . ! , 勿汐i i i i i i i i i i 弐小! l 〉 l ', . i 爪汐i i i i i i i i i i i i i弐小 _ l/ l ヾl {圭 i i i i i i i i i i i i i i i i i 圭}_- ― \ l′ /l ヽ j. 、 {圭i i i i i i i i i i i i i i i i i 圭}.  ̄ ̄ ー 、! { i| ヾ. , 守弐i i i i i i i i i i i i i 沙汐 、 ノ ヽヽ ト\. ',. i.守弐i i i i i i i i i i 沙才' `┬‐ ´ ̄ ! il \l ` \. ', ! `守 圭 圭 圭 才´ ,.‐´ ,' ! i l  ̄.l r‐-、 ソo,. -' .― ̄ ̄ >- ⌒ l i / / l、. ゝヽ \` ゝ `) \ , -'、 ノ )ヽ l ! / 垣根帝督(出展:とある魔術の禁書目録 原作:なし ) □プロフィール(暫定) 超能力者 その能力は『未元物質』(ダークマター) 白井黒子と同じ能力開発の学校に通っていたため 一応顔見知りではある 彼の作り出す未元物質はこの世界には無い解析不能の物質で それにより、物理法則を無視した様々な効果をもたらす 艦への応用はまだ研究段階であるが 今後、大きく化ける可能性がある 「俺の未元物質に、その常識は通用しねぇ」 □キャラ情報 垣根帝督は黒子と同様能力開発を受けている(9スレ315) 帝督の能力の可能性は不明(12スレ721) 未元物質の能力の可能性とか、方向性、応用についてはよくわからないのが現状(12スレ724) 未元物質は翼に出来、超絶な旨みになる。(12スレ729) 帝督はガキ扱いが嫌い(12スレ730) 名前 指揮 戦力 武力 政力 指揮能力 特能1 特能2 特能3 特能4 01 垣根帝督 450 8 16 4 巡+10 未元物質 名称 発動 内容 未元物質 戦闘時 戦闘力の補正が1倍以下にならない
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「俺の『未元物質』に、常識は通用しねぇ」 鎌池和馬のライトノベル『とある魔術の禁書目録』に登場するキャラクター。 名前の読みは「かきね ていとく」。 学園都市の暗部組織『スクール』のリーダーを務める少年。初登場は15巻。 アニメにおけるCVは 松風雅也 氏。 学園都市第二位の能力者(レベル5)であり、通称は「未元物質(ダークマター)」。 「神々が住む天界の力の片鱗を振う者」とも称されている。 第二位の能力者だけあって強力な能力を持つだけでなく、 複雑な機械を簡単に分解し、組みなおすなど頭脳面も優秀。 表で公言できない仕事をする暗部の人間であるが、基本的に一般人や関係のない人には攻撃せず、 自身にとって障害となりえない者であれば見逃す程度の度量はある。 その一方で、自身の目的の為、または自身の敵とみなした者には容赦をしない残虐性も持っている。 一応、裏社会の他の面子よりは人間味のある方だが、 戦いの最中に余裕がなくなると一般人への被害もお構いなしの攻撃を始めたりしたためか、一方通行にはチンピラと酷評されていた。 学園都市とローマ正教との衝突を発端とした混乱に乗じて、アレイスターとの直接交渉権を得ようと画策する。 その手段として一方通行を倒して第一候補(メインプラン)となることを目論んで暗躍し、彼らを粛清しようとする別の暗部組織達との抗争を引き起こす。 暗部組織『アイテム』の第四位のレベル5である麦野沈利を軽々と退け、 超微粒物体干渉吸着式マニピュレーター・通称ピンセットを強奪し、暗部組織『メンバー』を壊滅させるなど、有利に状況を進める。 そして、アイテムを壊滅させるため要である滝壺理后を狙うが、彼女が能力を酷使し、 これ以上能力が使用できない状態になったことに加え、彼女に能力に干渉を受けたため暴走の危険を考慮して手を引く。 その後、 一方通行を消すために保険として打ち止め(ラストオーダー)を狙うが、それを阻止しに来た一方通行と対峙する。 未元物質により反射の無害有害のフィルターを解析して破るなど善戦したが、 その攻撃法則すらも反射に組み込まれ無効化された為に敗北。 最終的に追い詰められたことで未元物質を更に進化させるが、同じく黒翼を発現させた一方通行に敗れる。 しかしその後、アレイスターの指示で回収されていたらしく、19巻で生存が言及された。 だが、これは麦野沈利曰く、「ネバネバした液体の入った容器に3つに分かれた脳をそれぞれ収めたり、 つぶれた内臓一つを補うために冷蔵庫よりもデカい機材を腹の横に直接取り付けたりした、 超能力を吐き出すための塊になってしまった状態」らしい。 その後本人はしばらく登場しなかったが、彼の未元物質で制作された装備「Equ.DarkMatter」が劇中に登場して、 浜面一行を大いに苦しめたほか、研究者の木原病理は未元物質を素材に人体部品を作り、 損傷した体を修復する技術を確立した上にUMAに変形して大いに暴れるなど、退場後もなお物語の各所で影響を及ぼしていた。 能力:未元物質(ダークマター) 「これが『未元物質(ダークマター)』 異物の混じった空間。ここはテメェの知る場所じゃねえんだよ」 「この世に存在しない素粒子や物質を生み出し、操作する」能力 。 ダークマターの本来の定義である暗黒物質が「まだ見つかっていない、理論上は存在するはず物質」なのに対し、 未元物質は正真正銘の「この世界には本来存在しない物質」である。 これは「この世の物質ではない」=「この世の物理法則とは異なる物理法則に従う」ということで、 相互作用した物質もこの世のものでない独自の物理法則に従って動き出す効果を示す。 つまりただ単に謎物質をぶつけるだけでなく、間接的に周囲の物理法則をも(自在にとはいかないが)書き換えてしまう能力である。 敗北後も無理をしてでも生かされたのは、物質にこの世ならざる特性を付加できる未元物質の性質が、 工業的にも高い価値を持つためである。 能力を全力で使用する際には、天使のような白い6枚の翼の形になる。 本人もメルヘン野郎と呼ばれて「自覚はある」と言いつつ形を変えていないため、この形は本人の意志では無いらしい。 劇中ではこの能力で 翼で回折した太陽光を殺人光線に変える 触れてもいないのに体が見えない何かに踏みにじられる攻撃 正体不明の爆発 といった攻撃方法を見せた他、翼を使った飛行、防御、烈風、衝撃波など多彩な能力を使用し、強力な戦闘力を見せつけた。 第四位のレベル5である麦野沈利を2度に渡ってあっさり退けたり、第三位の御坂美琴が手も足も出なかった 一方通行と渡り合うあたり、その強力さが窺える。 そのため、レベル5のなかでも第一位の一方通行と並んで他の面子とは一線を敷く存在とされている。 尚能力のビジュアルのせいで、外伝作品「超電磁砲」では大覇星祭(だいはせいさい。所謂学園都市版「運動会」)の選手宣誓を頼まれたが、 「お子様ウケするビジュアルの能力」といわれ、ブチギレて暴れた挙句に断った様子。 + 原作新約でのネタバレ 新約5巻にて前述の人体部品を作る技術を使い、自身の損傷した肉体を補った状態で再登場した。 未元物質によって自分の体を補った結果人間としての揺らぎが生じ、 垣根にとって「自分の体」と「未元物質」の区別が曖昧になり「未元物質」の能力まで実装されてた分身を大量に複製できるようになった。 この状態の彼は一個の人間ではなく精神や命が本来の肉体を離れて未元物質の中に散らばった「無数の個体から成るネットワーク」と化しており、 ネットワークを構成する個体が全滅しない限りどれだけ破壊されようと死ぬことはなく、 しかも「生きて」いる限りはネットワークは未元物質で無限に再生・増殖し続けるという不死性を手に入れたといえる。 いわば御坂美琴のクローン集団である「妹達(シスターズ)」の上位互換能力である。 ただし垣根の精神が「ネットワーク」の中にバラバラに散らばっているために、ネットワークを構成する個体間で個体差が生じ、 意思の統一が取れなくなる可能性があり、最悪「反逆者」が生じる可能性があるという弱点が存在する。 しかもネットワークの中のどの個体が「核」と決まっているわけではないため、 場合によっては「反逆者」にネットワーク全体の全てのシステム権限を奪取される可能性がある。 実際、新約5巻で核として登場した垣根は一方通行への憎悪・復讐心が顕著になったが、それ以外の個体には他の側面のほうが強く現れていた。 + 新約6巻以降のネタバレ 再登場した彼は一方通行及び首を突っ込んできた麦野沈利と交戦し、 能力で垣根帝督自身の分身と巨大なカブトムシ型兵器を大量に生成して持久戦に持ち込み有利に事を運ぶ。 しかし自らが作り出した兵器の一つである「カブトムシ05」の自律思考に強い自我が芽生え反逆者となったことで、 『マスターの命令に背くために自分が「垣根帝督」という柱に成り、全てのシステム権限を奪取する』という予想外の反発をし、 支配権を奪われてマスターであった自我の崩壊が始まったところを一方通行に中心部を貫かれ消滅した。 そしてこれ以降「カブトムシ05」は全てのシステム権限を得て新たな「垣根帝督」となり、学園都市の平和を守る都市伝説的存在となった。 普段は、諸事情で狙われやすい少女・フレメア=セイヴェルンのランドセルのストラップとして彼女の護衛をしているらしい。 これらの経緯から垣根はファンの間で旧垣根・黒垣根・白垣根など別人として扱われることも多い。 なお作中人物の推測によると、 「垣根帝督という個人は既に(旧約15巻で)死亡しており、今の垣根(黒垣根や白垣根)は死体から派生した新しい個人」とも言える。 + その後・・・(ネタバレ) 魔術結社グレムリンの一員・トールに変装したオッレルスにより、フロイライン=クロイトゥーネの代わりにと垣根帝督の内蔵を持ってきた。 そしてグレムリンのトップ、魔神オティヌスは垣根の内蔵を未現物質を生み出す装置として使おうとするが、 突如内蔵が語りだし、未現物質にてグレムリンの拠点、船の墓場(サルガッソー)を侵食していく。 この垣根帝督は負傷する前の垣根に近い性格である(本物そのものではない)。 しかし、オティヌスの手により彼は圧縮され バレーボールの様な姿にされてしまった 。 新約10巻においては、いわゆる白垣根が上条当麻とオティヌスの殺害依頼のメールを受け取り、学園都市に呆れていた。 その後、新約14巻において、 パトリシア=バードウェイという少女の体を蝕む南極産の謎の寄生生物サンプル=ショゴス………として未元物質が色付けして利用されていた。 もう一人の『どこにでもいる平凡な高校生』上里翔流(かみさとかける)が、 パトリシアを救うために能力である理想送り(ワールドリジェクター)を使用してパトリシアを『新天地』へ消し飛ばした場合、 ブービートラップとして上里を殺害するためのモノだと上里には推測されている。 新約15巻においては木原唯一が上里の右手首を切り落として奪った際、 自分の右腕と上里の右手(幻想殺し同様『本来の持ち主』以外に適合しない)を外科的に接続するための、いわば接着剤としてサンプル=ショゴスが用いられた。 (以上、『とある魔術の禁書目録-Index』(禁書wiki) より転載、一部改変) MUGENにおける垣根帝督 マクシミリアンテルミドール氏によって製作されたキャラが公開中。 メルブラドットの改変であり、翼は天帝の流用。 あとポトレがいろいろとひどい。 火力はやや控えめだがリーチの長い通常攻撃に加えて、 相手を押し返す飛び道具の烈風攻撃や、翼から出すビーム攻撃「回折」などの技によって、特に中・遠距離戦に強い。 なお「対戦動画でボコるかボコられるかで両極端だった」という理由で2年10ヶ月振りの更新が行われた。 微更新ではあるが、BURSTゲージによる喰らい抜けの実装や3ゲージで発動する全画面技「未元物質」の搭載(やっぱりビジュアルはどこぞの天帝)、 ダメージを受けての減少により火力が上がったり防御力が下がったりする特殊ゲージ、その名も「未元物質ゲージ」の搭載、 そして地味だが何気に大事なカットインの搭載など、大会などでの活躍が楽しみな更新内容となっている。 さらに2017年10月21日、禁書3期に奮起したのかそれとも前々から作業を進めているところに折よくこの朗報が舞い込んできたのか、 とにもかくにも、 新技『謎重力』攻撃各種と「未元物質チャージ」、新システム「そしてムカついたゲージ」と「未元物質リザレクション」の追加という更新が為された。 未元物質チャージは2ゲージの消費で未元物質ゲージを最大値まで、そしてムカついたゲージを3割回復させ、 さらに喰らい抜けの再使用インターバルのスキップが可能。 未元物質ゲージと喰らい抜けは生存には重要なので、対戦で2ゲージ溜まったら攻撃よりもこちらを優先するのもいいかもしれない。 未元物質リザレクションの発動には条件があるが、 発動後には新約6巻を意識したカブトムシ召喚や「妹達(シスターズ)」召喚が行えるようになり、攻撃に多彩さが生まれる。 これで例のあの娘との「絶対的な壁」(ともすれば原作での一方通行との間にあるそれ以上の)は崩れるのか否か、AIの更新が待たれる。 デフォのAIは未搭載だが、沼の爪氏のAIが公開されている。 2013年7月15日にちぃたま氏のAIも氏のSkyDriveで公開された。 浮かせてからの10割空中コンボを頻繁に狙ってくる。 一時期公開停止になっていたが、2018年2月12日に現行のバージョンに対応したAIが再公開された。 追加要素もしっかりコンボルートに組み込まれている。 cnsファイルの値をいじることでAIレベル(最大で5)、ゲージ溜め速度の調整が可能。 カラーによる性能差も付与されている。 12Pではわずかながらも例の魔神に勝てる可能性があるらしい。今後の大会の活躍に期待したい。 シャドウ・ダイバーのkinomiya氏によってボイスパッチが公開されている。 CVは声優予想スレにも名前の挙がっていた櫻井孝宏氏 (ちなみに他には中村悠一や神谷浩史が名を連ねている。 野島健児の名前も挙がっていたがもしそうなったらドットも相まってMUGEN的には完全に彼を思い出してしまう)。 氏いわくリンク先のキャラクターから輸入したボイスが大半とのこと。 各イントロも搭載されており、氏いわく「というかほぼ改変パッチだこれ」だそう。 なおこのパッチは基本的に沼の爪氏製AIが入っていることが前提になっているため、永久だ10割でもさほどボイスに違和感は出ない作り。 + 大会ネタバレ 春閣下12P前後 狂下位ランセレ!台パンの向こう側へ!で猛威を奮っているのだが、魔神エトナに当たってしまったのが運の尽き。 向こう側のコンボ殺し&全画面攻撃無効があり、彼の強さを殆ど無力化してしまっている。 結果、ダメージこそ与えたものの虚しく惨敗。 それだけならまだ良かったのが、この大会だけで3度も戦うハメに。当然全敗である。これには師範&師匠もビックリ。 原作でも魔神に勝てなかったのもあるので、ある意味原作再現と言えるのも虚しいところがある…。 3度目の出会い…BGMの時点で漂う絶望感 出場大会 とある禁書の無限集合 [全員集合!] 凶上位~狂中位ぐらいまでの35+α作品別チーム大会 史上最大級 MUGEN界 男性連合軍VS女性連合軍 たぶん永久vs即死トーナメント 新生地獄の果てまで仲良し! 喧嘩上等! 強~凶下位付近タッグバトル 狂下位の彼方 シングルランセレ大会 春閣下12P前後 狂下位ランセレ!台パンの向こう側へ! ミニ盛りシングルトーナメント 友情の属性タッグサバイバル きっと永久vs即死大会2 永久vs 【ターゲット式ワンチャン】 ランセレに愛されろ!空気勢滅殺シングルバトル! ゲージMAX!!クレイジータッグランセレバトル 凶中位~上位ワイドランセレバトル!! 10カウントで倒せ!大会
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新しい君へ 「どうだい、新しい体は?」 「悪くはねぇな。能力も衰えてはいねぇ。」 「なによりだよ。この調子なら、もう少しで退院できそうだね。」 「あぁ、なによりだな。」 皮肉気に、学園都市の第二位は口元を歪ませる。 「もう少しで、あのクソみてぇな世界と感動の再会だ。全く…なによりだよ。」 「そうだね。でも、最後の治療が残っている。」 冥土帰しは、そう言って意味深な笑みを浮かべた。 今考えてみると、垣根帝督がこうしていられるのもあの医者のおかげのだ。少しくらいは、感謝してもいいのかもしれない。 「発見。相変わらず、間抜けな顔してんなぁ。」 嬉しそうに呟くと、少年は翼をひろげて飛び立つ。 標的は、肩を落としたツンツン頭の少年。 コンコン、と扉をたたく音がした。こんな部屋に来るのは医者以外にはいないだろうと思い、放っておくと案の定、勝手に扉をあけて訪問者が入ってきた。 「久しぶりだな、大丈夫か?」 医者ではない。本物かどうかも疑わしい記憶にも、このようなツンツン頭の少年は存在しない。 少し、返答に迷った。少年を傷つけないためにも知り合いの振りをすべきなのかもしれない、と思ったのだ。 「うわっ!?って、帝督かよ、おどかすなよな。」 「いいじゃねぇか。で、いったい今日はどんな不幸があったんだ?」 「補習と思って学校にいったら、実は担当教師が休みだったってとこか。」 「何だ、いつもと比べるとスケールがちいせぇな。」 本当に、つまらなそうな顔で垣根が呟く。 「スケールの問題かよ…げぇ、どうやら上条さんの不幸はまだまだ続くみたいですよ。」 疲れたような声で、上条は告げる。 前方に、学園都市第三位を発見。 「久しぶりだな、大丈夫か?」 初めて見る少年だったが、あの医者がわざわざ退院直前の自分を呼びつけて、相手をさせるのだから、きっと知り合いなのだろうと思って声をかけるが、少年は何か考え込んでいるようだった。しばらくして、ようやく少年は口を開く。 「いったい…誰だ?」 もしかして、初対面だったのだろうか、と少し焦る。 「上条当麻だ。お前は?」 「何だよ、初対面だったのか…まぁ、いいか。未元物質だ。よろしくな、ってかなんで知り合いの振りなんかしたんだ?」 「ははは、上条さんにも、いろいろあるんですよ。よろしくな、未元物質。」 そこまで言って、上条は少し顔をしかめる。 「『未元物質』って、どう考えても能力名だよな。本名は?もしかして、誰かさんみたいにあまりにつかわれないもんで忘れちまったとか?」 「いいや、一応本名っていえるものはあるけどな、いまの俺を表すのは、やっぱり『未元物質』っつー能力名だけなんだよ。」 心当たりでもあるのか、誰かさんのところで未元物質の表情が一瞬、険しくなった。 「俺はな、一度生まれ変わったんだ。」 「…は?」 話のつながりが全く見えない、と上条は首をかしげるが、未元物質は無視して続ける。 「体はバラバラにされて、脳も切り分けられた。今の俺は、垣根帝督から造られたクローンの脳に、垣根帝督って言うオリジナルの脳の中身を移すことによって生み出された存在だ。」 「脳の中身を移すって…そんなこと、できるのかよ?」 「脳の中身なんて言ってもな、どうせただのデータの塊だ。学園都市の技術なら、不可能じゃねぇよ。」 中途半端に魔術側の知識のある上条には、どうにも簡単には納得できそうもない。 「何にしても、俺は新しい生を得ることができたわけだが、ここで一つ疑問が生まれる。」 「疑問?何」 「生まれ変わった俺は、本当に垣根帝督なのか?」 「記憶の書き換えなんて、いくらでも出来たはずだ。仮に俺の記憶がすべて本物だったとしても、クローンの体である俺が、オリジナルである垣根帝督を名乗る資格があるのか…どんなに本物に似せて造ったところで、偽物は偽物、本物になることなんてあり得ねぇんじゃねぇかってな。経験も、思い出も、感情さえもオリジナルの物かもしれねぇけど、それでもまだ足りねぇんじゃねぇかって…能力開発のため、学園都市第二位の『未元物質』の力を使うためだけの抜け殻なんじゃねぇかって、そう思っちまうんだ。」 初対面の相手にすべてをはき出して、未元物質は俯く。 何となく、カエル顔の医者がなにをさせたかったのか、上条は理解していた。だからこそ、上条は口を開く。 「何だ、それ?くだらねぇな。」 本当に、あっさりとした口調で告げた。 「名乗る資格がない?偽物は偽物にすぎないって?そんなつまんねぇことで悩んでんのかよ。」 未元物質が鬼のような顔をしているのを無視して、上条は続ける。 「資格なんてどうでもいいだろ。過去のお前なんてどうでもいいだろ。大事なのは今、お前がどうしたいかってことじゃねーのかよ!」 「お前が垣根帝督でいたいんならそう名乗ればいいし、嫌なら適当に偽名でも使えばいいだけだろうが!」 「うるせぇな!テメェに何が分かるってんだよ!?こんな惨めなこと経験したこともねぇよぉな奴が」 「経験したさ。」 未元物質をさえぎって、上条が告げる。 「お前、さっききいたよな…なんで知り合いの振りをしたのかって。」 「あぁ」 「分からなかったんだよ。お前が知り合いかどうかさえ…俺は、夏休みの前半で記憶をなくしちまってさ、それ以前の思い出が全く残ってないんだ。だから、医者に呼び出されてこの部屋に来たとき、お前を知り合いだと思ったんだ。」 未元物質は黙ってきいている。 「今はさ、もう昔のことなんて全く思い出せねぇけど、もう俺は『上条当麻』じゃないのかもしれねぇけど、それでも『上条当麻』でいたかったから『上条当麻』を名乗るし、きかれたら胸を張って『俺は上条当麻だ』っていえる。お前はどうなんだ?」 「…俺は」 「さっきも言ったけど、嫌なら嫌でいい。何なら、俺が新しく名前をつけてやってもいいんだ。」 未元物質は首を横に振った。 「俺が生きていたのは、未練も何もねぇ、クソみてぇな世界だったが…」 フッと力のない笑みを浮かべる。 「それでも、『垣根帝督』を名乗るだけの理由はあったから…」 「そっか」 ニコリ、と上条が笑う。 「それじゃ、改めてよろしくな帝督」 「あぁ、よろしくな当麻」 「明日、花火大会でしょ。どうせ一緒にいく相手なんていないんでしょうから、わざわざ誘いに来てやったのよ。」 感謝しろ、とでもいいたげに、美琴は上条を誘う。何となく予想はしていたが、垣根と同じような目的があったようだ。 「いや、ありがたいんだけどさ、先約がいるんだよ」 「…誰よ?」 その程度は予想済みだったようだ、割と平然とした感じで訪ねる。 「…一方通行」 その返答に、美琴ばかりか垣根まで唖然とする。 じゃあな、といって帰る上条に声もかけれない。学園と市の第二位と三位は同時に固まってしまっていた。 「私は…あの一方通行より、女らしくないっていうの?」
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【作品名】とある魔術の禁書目録(とあるシリーズ) 【ジャンル】ライトノベル(原作)+メディアミックス(漫画版、アニメ版など)の作品群 【世界観・共通設定】タングラム(とある魔術の禁書目録)参照 【名前】垣根帝督(白垣根) 【属性】未元物質、カブトムシ05 【備考】元々は垣根帝督の超能力「未元物質(ダークマター)」だったことと諸々の事情により「学園都市第二位の超能力者・垣根帝督」のパーソナリティを自らのアイデンティティの一つとしており、それに準じた真っ白な青年の容姿(通称「白垣根」)を取る。 ただしそれ以前はカブトムシの名に違わぬ昆虫の見た目であり、さらに本物の垣根帝督による能力行使時に(主に翼など)整形されるまでは不定形の「未元物質」という物質に過ぎず、決まった形状を取らない。 「垣根帝督」になった後もフレメアという少女のお守りとしてカブトムシを模したストラップになってたりする。 未元物質とその応用による能力は基本的に元の垣根帝督が行使していた頃から変わっていないため、垣根帝督時代に使用できた攻撃・防御なども可能とする。 垣根帝督の善性・良心が色濃く出た性格だが、自我(人格・記憶)も含めて「垣根帝督」のパーソナリティは引き継がれているため能力行使に際して発動方法や副次効果を知らないということはない。 【大きさ】可変。「垣根帝督」になってからは通常時は青年並み。 【攻撃力】素は元となる垣根帝督が蹴りだけでナイフを持ったチンピラを制圧できるぐらいに強いことから達人並みにはあると思われる。 体を構成する物質がすべて未元物質であり、未元物質自体が通常の生命にとって強力な毒性を持つため、接触による不思議素粒子・不思議エネルギー原理の不思議毒・侵食が常時発生している。 他にも 未元物質の翼に触れただけで身体が溶解・気化・砂状化する 念動能力による投擲を見えない力で逸らす 装甲をすり抜けて人体だけに翼を刺す 音や光を間接的に操り、脳の電気信号に干渉して暴走状態の相手に語りかける 理解できない事象を同時に三千三百以上展開する(発火、結晶化など) などが可能。 【防御力】素は元の垣根帝督が「『超電磁砲』くらいまでなら耐えられる」と発言しているため、『超電磁砲』(射程50mのメダルゲームのコインをローレンツ力で加速して音速の三倍以上のスピードで撃ち出す攻撃)耐久並み。 大型(数十m程度か)の鉄製建築物破壊並み耐久。 同じレベル5でも第3位以下とは絶対的な壁が存在するとされており、当然レベル5未満の能力者とはそれ以上に実力が隔絶しているため相応の耐性があると思われる。 作中で登場した代表的な超能力は 自分の体を分子レベルでガチガチに固められる程精密かつ強力で物体を高速で飛ばしたりする念動力(念動力耐性) 最大10億ボルトの電撃や電磁波、マイクロ波、チェーンソー状の砂鉄剣を形成(10億ボルト電撃耐性) イージス艦を輪切りにできる程高火力の極太電子ビームを放つ(ビーム耐性) ミクロレベルの水分操作原理で記憶操作・読心・人格の洗脳・念話・想いの消去・意志の増幅・思考の再現・感情の移植・人物の誤認など(精神攻撃耐性) 原理不明の物理攻撃(すごいパンチ)、不思議攻撃(不思議攻撃耐性) 同じく原理不明の謎爆発、不思議爆発(不思議爆発耐性) 拳からプラズマを生成して攻撃(不思議プラズマ耐性) 空間移動(テレポート、異次元追放耐性) 水流操作(水攻撃耐性) 風力操作(風攻撃耐性) 掌に空気中の水分を集めて分解・燃焼させる発火能力(炎、熱耐性) など。 未元物質による自動防御:特殊能力欄参照。不思議素粒子・不思議エネルギーによる原理付き防御。防げる種類は耐性欄と同じ。 【素早さ】「この世(世界)に存在しない素粒子」そのものであり、この世の法則に従わない。 共通設定より世界には時間軸も含まれるため、(少なくとも起点世界に含まれる)時間軸には存在しないことになる。 よって時間軸から外れた存在として時間無視。 【特殊能力】 全能超え:上条当麻と戦闘可能(時間無視)+自由な世界改変が可能なアウレオルス=イザード及び魔神や魔神に匹敵するインデックスの自動書記(任意全能)=常時全能 無印1巻、2巻で自動書記、アウレオルスが登場した上で「戦闘で勝利するための、破壊力・速度・硬度・知能・筋力・間合い・人数・得物等が必要ない。」 「ただ右手を振ればそれだけで勝ってしまう」 「RPGのコマンドに『倒す』がついてるようなデタラメさ」 とされる右方のフィアンマ=全能超え そのフィアンマに勝利した上条当麻=全能超え 上条当麻を戦闘で圧倒した恋査(全能超え)とある程度戦闘可能な白垣根=全能超え 未元物質による自動防御: 未元物質(不思議素粒子)、及び未元物質から放たれる特殊な力(不思議エネルギー)による自動防御。作中では翼がガードする形で現れるのが主だが、翼の形にせずとも使うことはできると思われる。 不思議素粒子・不思議エネルギーによる原理付き防御。 vol.9 0468 格無しさん 2024/04/07(日) 15 16 10.87 ガブト虫05にいくつか指摘ある 全能超え:上条当麻と戦闘可能(時間無視)+自由な世界改変が可能なアウレオルス=イザード及び魔神や魔神に匹敵するインデックスの自動書記(任意全能)=常時全能 無印1巻、2巻で自動書記、アウレオルスが登場した上で「戦闘で勝利するための、破壊力・速度・硬度・知能・筋力・間合い・人数・得物等が必要ない。」 「ただ右手を振ればそれだけで勝ってしまう」 「RPGのコマンドに『倒す』がついてるようなデタラメさ」 とされる右方のフィアンマ=全能超え そのフィアンマに勝利した上条当麻=全能超え 上条当麻を戦闘で圧倒した恋査(全能超え)とある程度戦闘可能な白垣根=全能超え これだとフィアンマがアウレオルスより絶対的に強いかどうかわからんから全能超えにはならんだろ あくまで能力説明文に相手を倒すコマンドがあると言われているだけで あとフィアンマに上条が勝った時はフィアンマ弱体化しているから上条も全能超えにはならんし vol.8 707格無しさん2022/12/05(月) 15 33 19.25ID MH4lMwS+ (省略) カブトムシ05考察 防御無視攻撃や原理付き防御を備える全能超え。翼の大きさが記されてないが、挿絵を見る限り1枚3m前後はありそれが背中から6枚生えている。 触れただけで効果を発揮するので効果範囲は大きさ相応以上はあるか。戦法は未元物質の翼で触れる。 全能の壁上を見る。 ○オメガブレイド~大いなる意思 未元物質勝ち △エクエス こちらの攻撃は大きさで耐えられ、あちらの攻撃は原理付き防御で防いで分け ○ジラーチ 未元物質勝ち △マスタードラゴン こちらの攻撃は大きさで耐えられ、あちらの攻撃は原理付き防御で防いで分け ×エスフェルwith主天使達 次元幽閉の封印と魂攻撃負け △忘れられた神 未元物質と多元破壊で相打ち分け ×フユノリュウ 重力波レーザー負け これ以上は規模的に勝てない。なので位置は エクエス=カブトムシ05>大いなる意思 708格無しさん2022/12/05(月) 15 50 35.06ID MH4lMwS+ ああごめん対旧神の戦果が抜けてた。位置は変わらない。 △旧神 こちらの攻撃は大きさで耐えられ、あちらの攻撃は原理付き防御で防いで分け 709格無しさん2022/12/05(月) 20 54 32.26ID cqHlB0dr 710 考察乙だけど原理が不思議素粒子だとか不思議エネルギーによる防御だと 単に頑丈な不思議物体とか不思議エネルギーによるバリアとの差がわからないし 実際に耐えられた以上の威力を防げる原理には見えない 710格無しさん2022/12/05(月) 22 05 24.81ID MH4lMwS+ 712 709 そうなるとジラーチの勝ちは分けになるか。どのみち連勝は出来ないから位置は据え置きかね。 711格無しさん2022/12/05(月) 22 24 41.06ID kuZOIWzF 実際テンプレにも防げる攻撃は耐性にある攻撃と同じとか書いてあるし際限なく何でも防げる原理ではないね まあなんにせよ考察乙 712格無しさん2022/12/05(月) 22 33 10.58ID DDMUQXW+ 713 710 いや、耐性の数は多いけど素の防御力がせいぜいビル破壊耐久程度じゃ エクエス、旧神、マスタードラゴンにも負けるでしょ 713格無しさん2022/12/06(火) 00 02 01.37ID GqVKyG/r 712 じゃあエクエスに負けて位置は エクエス>カブトムシ05>大いなる意思