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パウロは7章で、罪の戦いについて語り、 8章に入り、キリスト・イエスにある者が罪に定められることはない、と語り始めます。 そして最後に 「私たちを愛してくださった方によって、圧倒的な、勝利者となるのです。」 と締めくくっています。(8章37節) 以上
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《勝利者の特権》 速攻魔法 自分のモンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した時に発動可能。 デッキからカードを一枚ドローする。 Part13-484 幻魔ネタの人の鑑定結果 劣化形《強欲な瓶》。 罠ではないからお触れに干渉されないけど、 それでも《成金ゴブリン》を蹴ってまで使う理由はない。 名前 コメント
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詰め:執念の勝利:中級09 八汰烏を召喚 死のマジック・ボックスを発動してタイム・イーターを破壊、八汰烏を渡す 執念の剣2枚をエルフの剣士に装備 エルフの剣士で超時空戦闘機ビッグ・バイパーを攻撃 月の書を発動してエルフの剣士を裏側守備表示にする 八汰烏の骸を発動してカードを2枚引く ムカムカで八汰烏を攻撃
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人生とは究極のギャンブルである 世界とは至高のカジノである 少なくとも私にとって、それは疑うべくも無い真理だった ―― 終わってみれば、余りにも呆気無い幕切れだった ギデオンを名乗る男は何か信じられないものを見たような顔で細々と吐息を漏らし そのまま崩れ落ちると、彼の腕の中で死を迎えた (――……虚しいわ) 彼――エースにとって、あの男は不倶載天の仇敵であり、同時に唯一無二の親友であった ギデオンこそが彼の生き甲斐であり、ギデオンだけが彼の理解者であった だが、もはや二度とあの男の強がりを聞く事も叶わないのだ 男の瞳は彼を映したまま永遠に閉ざされ 男の心は彼を拒んだまま永劫に失われた 「……ねぇ、何故なのショウちゃん…… 何で、誰よりもアタシに近かった貴方が アタシの願いを解ってくれなかったの……?」 かつての名で男を呼び、空しい問いをカクテルグラスに浮かべる とろけるように甘やかな古酒さえ、今は後悔の苦さだけをもたらす 否、きっとこれからは永久に、彼は歓喜とも悲嘆とも無縁の生涯を送るのだろう 彼の半身、彼の全てだったものを、彼は自らの手で消し去ってしまったのだから 「……バーテン、もっと強いのを」 グラスを磨いていた仮面の青年に、彼は店で一番強い酒を注文する ショットグラスにアルコールを注ぐ音は、背後の騒乱に掻き消された (いっそアタシもあの連中みたいに、何もかもを忘れて酔い痴れる事が出来るなら……) 詮無き望みに嘲笑を浮かべ、賭場の群衆に目を向ける 勝利に歓声を挙げる者 敗北に天を仰ぐ者 悲喜交々の老若男女は、しかし今日だけは一つの調和を見せている 「宜しければ、お客様も一戦交えてみては? 今宵は宴、年に一度の仮装祭(マスカレード) 祝勝の杯は、悲しみを忘れさせる一番の妙薬ですよ」 まだ見習いなのであろう青年の真摯な眼差しを、避けるように彼は席を離れた 「……お節介なバーテンも居たものだわ」 (……ショウちゃん程じゃ無いけど、ね……) 僅かな痛みから記憶が溢れ、その重さに膝が震える 手近な席に腰を落とすと、手に触れる薄く固い連なり (これは……カード?) 精緻な金字の刻まれた背を見せて、伏せられた五枚のトランプ 「これは……」 「お客さんの番だぜ」 やや荒っぽい声に振り向けば、鶏を意匠した仮面 年頃は三十路前か、高級カジノのハイローラーには不釣り合いな、やさぐれた雰囲気のディーラー 「アタシは別に……」 「おいおい、連れない事は言いっこ無しだぜ 折角の出会いだ、黄昏た顔してねぇで遊んでけよ」 無精髭を撫でた手で一枚のコインを弾くと、こちらの手元へと落とす 「俺から誘ったんだ、そいつァサービスするよ」 日に焼けた口元を吊り上げ、東洋系の顔立ちが気障な笑みを浮かべた (何よ、この馴れ馴れしいチンピラめ……!) 「良いわよ、そこまで誘われたなら相手差し上げようじゃない 言っとくけど、アタシは強いわよ」 「ハハッ、ここに来る連中は大抵そう言うさ」 「なら、今夜の貴方はツイてるわ ――だって、ようやく本物の強者に巡り会えたんですもの」 “四天王(エース ザ フォーカード)”の名を持つ青年は、妖艶な笑みで己が代名詞たる五枚組札に手を掛けた ―― 「スリーカードだ」 「フルハウス 残念、またアタシの勝ちね」 十五戦目、偶然にも三手前からは客が引けてタイマン勝負となっている 自慢げに手札を示していたディーラーは、再び苦虫を噛み潰したような表情で肩を竦めた 「チッ、これで五勝八敗か…… 手加減と仕込みはしてねぇんだけどなぁ」 負けた割りには楽しそうな声音で、厳つい指がカードを回収する (勝ち負けよりも勝負自体を楽しむタイプなのね ……やっぱり嫌な男だわ) 「ところで貴方、随分と男らしい手をしてるわね ……実はカラテカか何かだったりして」 「お褒めに与り光栄だな ま、俺も餓鬼の頃は色々と馬鹿やったモンさ それより、お客さんこそ綺麗な指してんな アンタが女なら、このコインの代わりにダイヤの指輪を渡すんだが」 手許から数枚のコインを掴み取り、掻き棒を雑に操る伊達男 (ふざけんじゃないわよ、このナルシスト馬鹿! アタシはそんなに安い男じゃないわ) 内心を笑顔で覆い隠し、エースが新たな手札に手を伸ばした時 「失礼します こちら、空いてますか……?」 隣の札に白く細やかな指が乗せられた 見上げた先に佇むのは、烏揚羽の仮面の少女 長くたおやかな金髪を揺らし、仮面の上にモノクルを翳している 仮面の下から覗く、冷たい月の光を思わせる神秘的な瞳 (……にしても、随分とまた陰気な女ね) 漆黒のドレスに漆黒の長手袋、携える帽子すら黒の羽根飾り その姿はまるで葬式に向かう途中で道を間違えたか (伝説に聞く『泣き女(バンシー)』みたいな格好だわ) 「え、えぇ…… 確かに空いてるわ ……ただ、このテーブルはなかなか厳しいわよ」 エースの言葉に、黒衣の少女は微笑し 「あら、先程から拝見させて頂いておりましたが ――あの程度では相手にもなりませんよ?」 (――……なッ!?) 突然の侮蔑に、頭が真っ白になる 無意識に立ち上がり、握りしめた拳で高慢な陰険女の鼻を 「おいおいアンタら、店ン中で騒ぎは止しな 争い事はゲームで白黒つける、それが鉄火場のルールってモンだ」 ディーラーの呆れ声に水を差され、行き場を無くした手を台に叩きつける 「……分かったわ だったら実際にアタシとアンタのどっちが上なのか、ハッキリさせようじゃない!」 噛みしめた歯をギシギシと軋ませながら言い放つ 対する少女は眉一つ揺らさぬ涼しげな表情 「お受けします 私は次の一戦に全てのコインと……」 化粧っ気に欠ける桜色の唇が嗜虐的な形に歪み 「――私の命を」 …… 「プッ……アハハハハハッ、言うじゃないのよ陰険女が! ならアタシの名と誇りを示す為に、アタシもアンタと同じものを賭けてあげようじゃない」 キレた 最早どうあっても、この女だけは血祭りにせねば腹の虫が収まらない エースは、全身全霊を以て人生最高額の勝負に向かう 「……良いけどよ 流血沙汰なら店の半径1キロ以内は止してくれよ……」 顳を揉み解しながら、二人分だけのカードを配るディーラー (……ハートの10、J、にスペードの10、クラブのJ ……そしてジョーカー 普通なら10とJのフルハウスで決まりね) だけど、と心の中で前置きし、手の内に隠した切り札を取り出す (――ハートのA さっき拝借してた子が、こんな所で役に立つなんてね) 先程の十五連戦で、彼は数枚のカードを摺り盗っていたのだ 無論、普通のトランプに熟練のディーラーならこんな手は通用しない カードの厚みと並びから、イカサマが露見しかねないからだ だが、エースは最初からこの台で使われているカードが二セット一組だと理解していたし (あのディーラーも、思ったより場慣れしてなかったし) クラブのカードを何食わぬ顔でAと入れ替え、スペードだけを交換に出す 後は天運のみだが、それこそが彼をして賭博の天才と言わしめる最大の要因だ (アタシはね、今までここ一番でハズレを引いた事が一度として無いのよ!) 果たして、配られた札は……ハートの女王 (悪く思わない事ね イカサマも博打の一部なんだから) 心の中に有らん限りの嘲笑と侮蔑を込めて、隣の席の少女を覗き見る (……は?) 絶句する他無かった 黒衣の少女は、手許の札を一瞥するや否や 「――交換を」 五枚全てをディーラーの方へ放り出す (呆れた…… 嘗めた口ばかり利くから余程のものかと思えば、単なるキチ女じゃないの) 先程から頭に思い描いていた血塗れの未来予想図を掻き消し、溜息を漏らす 気がつけば数秒前までの熱はすっかり失せて、むしろ少女を憐れむ仏心まで湧く始末 「もう良いでしょ さっさと終わりにするわよ」 「あらあら、せっかちな方ですね これで今生の別れなんですし、もう少しだけゆっくりしませんか……?」 (何よ、ようやく自分の馬鹿さ加減に気がついたって訳? ざんねーん、命乞いならアタシと目が合った直後にするべきだったわねぇ) こんな見え見えの茶番など、エースにとっては不愉快なだけだ 「生憎とね、アタシはアンタなんかの為に祈ってやるほど信心深く無いの!」 吐き捨てて、手札を表に返す 「ハートのロイヤルストレートフラッシュ はいはい終わり終わり さっさと首吊ってくたばりなさいよ馬鹿女」 「えぇ、そうですね 確かに終わりです」 黒衣の少女は祈るような仕草と共にカードを表へ向け 「――スペードのロイヤルストレートフラッシュ さようならです、変態オカマ」 「――……ッッ!? そ、そんな馬鹿な! アタシはさっきスペードの10を……あッ!!」 「えぇ、この台のカードは二セットで一つ ……つまり、スペードの10は台に二枚」 冷たい声と共に長手袋の指が伸ばされ、向かいに捨てられていた五枚の札をめくる そこに記されたAの並び 「……え、エースの純正ファイブカード……!!」 「ほら、ちゃんとダイヤのAが二枚」 (……ま、負けた……) 間違い無く願ったカードを引き当てながら、エースは約束されていた筈の勝利を失った 否、彼には最初から、敗北だけが用意されていたのだ 「さて、では…… ――終わりの時間ですよ、『エース ザ フォーカード』」 「……あッ!! あああああッッ」 (……そうだった! アタシはこの勝負に、アタシ自身の命を賭けて……ッ) 「は、ハハハッ 何言ってんのよ、あんなの単なるジョーク…… ……って待ちなさいよッ、今アンタ……アタシの名を……ッ?」 どういう事だ 彼はこのカジノに入って以降、ただの一度も名乗ってはいない それは秘密組織の幹部として至極当然であり、故に彼が確信を持って断言できる事だ 「何故だか、知りたいですか……?」 蒼白を通り越して土気色になった顔で、エースはガクガクと壊れた人形の如く頷く 床にへたり込んだ彼を見下す黒衣の少女は、最初と変わらぬ冷たい視線 月光のような黄金色の瞳が、底知れぬ不安と恐怖を掻き立てる (……黄金の瞳、ですってェ!?) 「ご、ごごご……“金色の瞳(ゴールド アイ)”ッ!?」 黒衣の少女は仮面を外すと優雅に一礼し 「ナナエル=リキテンシュタイン 貴方に最期を告げる“泣き女”よ」 ねぇ、と、敵将の一角たる少女はディーラーに微笑みかけ 「そういう訳でなコイツが俺の敵討ちなんて馬鹿な事言い出すもんで、おちおち永眠も出来やしねぇ……」 親指を立てた太陽のような笑顔は、エースが何よりも大切に想ってきた少年の面影 その姿は蜃気楼のように揺らぎ、掠れた躯からは背後の光景が覗く 「あぁ……ああああああああ……」 もはや彼の口は何一つ意味ある言葉に辿り着かず もはや彼の脳は何一つ意味ある思考に辿り着かず 「――それじゃあ、さようならエースさん」 少女の言葉と共に 何処か遠くで 歯車の逆巻く 軋むような音が響いた ―― こうして、幾度目かの彼の勝利は またも水泡と帰し 彼の時間は反転する ――遺されるのは、約束された敗北への途 ―― 人生とは究極のギャンブルである 世界とは至高のカジノである 少なくとも私にとって、それは疑うべくも無い真理だった 人々は生涯を賭けて競い合い 幸福という名の金貨を奪い合う 勝者は美酒に溺れ、敗者は泥に沈む それは運命の女神が手繰る車輪の上 赤(さいわい)と黒(わざわい)の境界で廻り続ける 終演(ゴール)に焦がれ奈落(ピット)に墜ちる狂熱の盲走回路(サーキット) ――故に私は 何よりも賭事が嫌いだった ―― ……ジリリリリリッ 今日も変わらぬ騒音を響かせ、目覚まし時計が朝を告げる 「……うぅん、あと五分だけ眠らせて欲しいでしゅー……」 こうして、ナナエル=リキテンシュタインの昨日と変わらぬ今日が始まる 幻の勝利 fin
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PPKK/008 U 勝利者(ウィナー) 空/中学2年生 女性 パートナー 寄りかかる空/中学2年生 女性 レベル 1 攻撃力 2000 防御力 4500 【勝った………】《家族》《姉》 【永】〔ベンチ〕 あなたのリングの《姉》を+0/+500。 作品 『パパのいうことを聞きなさい!』 パートナーが二枚対応で守備を500上げるなんて、ぶっ壊れもいいところ 良い思い出がない 関連項目 《姉》 「小鳥遊 空」 『パパのいうことを聞きなさい!』 寄りかかる空/中学2年生 慌てる空/中学2年生
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《無知の勝利》 通常魔法 自分の山札と手札が1枚も無いとき、あなたはこのデュエルに勝利する。 Part14-335 無知には使えないカード・・ -- 与助 (2007-07-30 12 50 16) 名前 コメント
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《奇跡の勝利》 通常魔法 デッキの一番下にあるこのカードを、ドローフェイズ中にドローしたとき あなたは勝利する。 part18-649 作者(2007/08/29 ID LpdM9mtV0)の他の投稿 part18-629 / part18-638 / part18-640 / part18-657 / part18-667 コメント 名前 コメント
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| | || | || | レア度 兵科属性 兵科種類 最大Lv 攻撃力(最大) 防衛力(最大) 兵力(最大) 武運 知運 華LE 大筒兵 特殊兵 70 『初期攻撃力』 (『最大攻撃力』) 『初期防衛力』 (『最大防衛力』) 『初期兵力』 (『最大兵力』) - - コスト 80 - 『初期防衛力』 (『最大防衛力』) 『初期兵力』 (『最大兵力』) - - 『コスト値』 90 37088 15468 31148 - - 奥義 名称 最大奥義Lv 消費奥義P 効果 隠された爪・極 15 27 味方の特殊兵武将全員の攻撃力を36%強化する スキル 名称 最大スキルLv 発動条件 効果 スキル1 覇道の幕開け・極 20 後衛に配置 自分および隣接位置に配置した武将の攻撃力を30%強化する スキル2 攻速短縮・左[中]継承可能 15 左列か中央列に配置 自分の攻撃間隔を19%短縮する スキル3 継承可能枠 評価・備考 名前 コメント
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我慢できない 君主制の危機 息子を取られたわ 皇后の言い成り 彼女の勝利よ 深刻な事態 解決を すぐに 皇后に乗っ取られる 教会嫌い ミサに出てこない 教育にも 批判的すぎる ハンガリーの進歩派と組んで 大臣を勝手に 任命したぞ 女狐め! 勝利だ 皇帝陛下は 気付いていない 彼女に勝つのだ 君主制の 危機だということに 解決を すぐに 皇后に乗っ取られる 彼女はきれい Ohなるほど 面白いアイデーア 目には目を 剣には剣を 女には女を 皇后以上の美人を 勝利だ 彼女に勝つのだ 勝ち抜くぞ -
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偽りの勝利 ◆L9juq0uMuo 月光に照らされる境内に加藤鳴海は一人立っていた。 ギリッ、と歯軋りの音が、静寂が支配する境内に響く。 鳴海は回想する。自分は他のしろがねと共に真夜中のサーカスに突入し、休憩を終え今正にフランシーヌ人形のいる間へと向かう最中だった筈である。 が、気がつけばそこは巨大なテントの中ではなく、見知らぬホール。そして光成という老人からの殺し合えとの宣告。 その発言に憤った鳴海は光成に掴みかかろうとしたが、それは赤い髪の勇次郎と言う男、そして拳王と呼ばれた男の登場、そして首輪の説明により、結局、鳴海は飛び出す機会を失ってしまった。 そしてシエスタと呼ばれた少女の『見せしめ』と言う名の死。 「人の命を何だと思ってやがる……!」 一人の少女の命を奪った相手への憤怒、少女を助けられなかったという悲しみ、そして無力感が鳴海を襲う。 「もう、そんな真似はやらせねぇ……!」 あの場にいたのは鳴海のように死線を潜り抜けた猛者だけではなく、どうみても普通の生活をおくっている様な一般人や子供の姿があった。そんな人々が殺し合いに巻き込まれる事は何があっても許せない事だった。 鳴海の瞳に決意の灯が点る。 「どこのどいつかは知らねぇが、こんなイカレた殺し合いは俺がぶち壊してやる!」 そう、どこかでほくそえんでいるであろう主催者に向けて鳴海は吼えた。 「しかし、何だ?この核鉄って奴は?錬金術の産物らしいが俺の知っているのとは全然違うみたいだな」 右篭手の武装錬金、『ピーキーガリバー』を核鉄に戻し、デイパックにしまう。 鳴海の支給品は三つ。グリースの詰まった缶、AB型の輸血パック、そして右篭手の武装錬金『ピーキーガリバー』。 ルシールとギイからの話、そして白銀の記憶で知った錬金術と、この核鉄と言うものを作った錬金術。 共に錬金術という名を冠してはいるが、鳴海の知っている錬金術にはこの核鉄という物の記述は一切ない。 どこかひっかかる物を感じながら境内を捜索していると、どこからか、キリ、キリ、と聞き覚えのある音が聞こえてきた。 (あれは……人形の音?) 人形。しろがねが宿敵である自動人形と戦う為に作られた懸糸傀儡。その人形が駆動する時の音とよく似た音のする方へと鳴海は向かう。 人形を使いこなす事ができれば相応の戦力として使える。それが乗ってない人間の物となっていれば問題は無い。しかし、仮に乗っている者の手に渡っているとしたら……、鳴海の頬を汗が一筋流れる。 気配を殺し、音のする方へ歩いていくと、建物の角から音が聞こえてきた。 鳴海は慎重に角へと歩を進めていく。 音の発信地まで、 四歩、 三歩、 二歩、 パキッ、 小枝を踏む音が辺りに響き、角の向こう側からの音が止まった。鳴海の心臓が跳ね上がる。しかし、角の向こうにいるであろう人物は一向に動きを見せない。 (乗ってないのか?) そう思い鳴海が声を上げようとした時、角の向こうの人物が動いた。 再び流れる、キリ、キリ、という音に鈍い音が混ざり始める。その刹那、角から巨大な影が躍りだした。 (まずい!) 咄嗟に鳴海は駆け出し、その影の正体、人形をすり抜ける。そして鳴海はその人形から出ている糸の終着点、人形の繰り手へと視線を向ける。 そこには目鼻を覆う道化のマスクを被った男が立っていた。 「お前は―」 「武装、錬金」 鳴海の問いかけに男の声が被さる。男の核鉄が二つのチャクラムに変わり、男の靴へと装着された。 「!! 武装―」 「遅いな」 慌ててピーキーガリバーを展開しようとした鳴海の喉元に、高速回転するチャクラムが装着された片足が向けられる。 「グッ……!」 鳴海が飛び退る。しかし、飛び退る最中に衝撃がはしり、身動きが取れなくなる。飛び退った鳴海目掛け、マスクの男が人形を使い捕縛したのだった。 「クク……、単純すぎる……」 人形の手に捕まった鳴海の前へとマスクの男が歩みよる。 「テメェ……乗ったっていうのか?」 今にも食らいつかんばかりの表情で鳴海が睨みつける。しかし、猛獣ですら逃げ出すであろうその悪鬼のごとき形相を前にしてもマスクの男は動じるようすもなく、ただ笑みを浮かべる。 「答えろ!テメェはこんなイカレた殺し合いに乗ったってのか?ああ!?」 「イカレた、か。クク……、確かにイカレているな。狂っている」 鳴海の剣幕に臆することなくマスクの男はくつくつと笑う。 「娯楽の為に老若男女問わずに拉致し殺し合わせる……、まったくもって狂気の沙汰……、道徳的にも法的にも、いや何においても現代では禁忌であり、唾棄すべきその行動……」 「そこまで解ってて何で殺し合いに乗るんだよ!」 「狂気の沙汰程面白い……!」 「!!」 マスクの男の笑みが漆黒の闇を帯びる。その闇は何よりも暗く、そして底が知れない。鳴海の背筋を薄ら寒い物が通る。 「だが、俺にとってはこのゲームに勝ち残る事なんて意味がない」 そう言うと、マスクの男は人形の手を開く、予想外の事に鳴海は対応できず尻餅をついた。 「……は?」 事態が飲み込めず、鳴海はまぬけな声を出す。 「生憎と俺はこのゲームには乗っちゃいない」 マスクの男は相変わらず笑みを浮かべている。しかし、その笑みに先ほどまでの暗さは無くなっていた。 「どういうつもりだ……?」 「何がだ?」 「何がじゃねぇ!あんな真似しといて乗っちゃいないたぁ、どういうつもりだって聞いてるんだよ!」 怒り心頭、と言った表情で鳴海が詰め寄る。 「試しただけさ」 「試すだぁ?」 マスクの男の問いに鳴海が怪訝な表情を浮かべる。 「殺し合いに乗ってるかどうか試すにはあれぐらいやらないと意味がない……。もっとも一番最初に遭遇したのもあってやりすぎたきらいはあるがな……」 マスクの男の解説に鳴海はただ呆然とするだけだった。 「さて、ここからが本題だ。今までのあんたを見ていればこのゲームには乗っている確立は100%ないだろう。そこで、このゲームをぶち壊す手伝いを頼みたい」 「手を組め、ってことか?」 憮然とした表情で鳴海が返す。 「話が早くて助かる」 「ふっざけんじゃねぇ!」 鳴海の怒号が境内に木霊する。 「あんな真似されて『はいそうですか』と手を組むと思うか?」 「いや、思わないな、普通なら」 もっともだ、とマスクの男が頷く。 「だが、ここは普通じゃない。何人いるかもわからない対主催派だ。一時的にでも組んでみるのもいいと思うがな」 「……」 鳴海は目をつぶり逡巡する。数分の沈黙の後、鳴海の目が開く。 「一つ、質問がある。どうしてあんたは乗らなかったんだ?」 鳴海の問いに、マスクの男は数秒黙り込む。どうした、と鳴海が聞こうとした時、男の口が開いた。 「殺し合いに勝ち抜き、優勝したとしても、それは奴等の手の内で踊らされただけの偽りの勝利。俺は、偽りの勝利はごめんだ」 「偽りの勝利か、だけどそれを拒んだせいで死んだらどうするよ?」 鳴海の問いに、男は即答する。 「偽りの勝利を選ぶくらいなら、俺は死を選ぶ」 にやり、と笑みを浮かべて答えた男に、鳴海はこの男の本質を少し垣間見た気がした。 そして、鳴海の答えは決まった。 「さっきのあんたのやり方はいけすかねぇし、まだ腹も立ってる。だが…」 そこで、鳴海は一呼吸し、笑みを浮かべる。 「あんたの理論には大賛成だ。手を組んでやってもいいぜ」 「交渉は無事成立だな」 「だが二つ条件がある!」 そう言って鳴海は男の目の前で指を二本立てる。 「一つは、襲われてる奴がいたら助けに行くこと。もう一つはそのマスクを外す事だ。あんたに支給された物だろうがそれは元々俺のなんでな」 鳴海の出した二つの条件に男は考え込む。ややあって、男は口を開いた。 「わかった。一つ目については善処しよう。だが、助けた奴の面倒は極力あんたが見ること。それさえ飲めば俺から特に異論は無い」 そう言って、男はマスクを外し鳴海へと渡した。二つ目の条件も飲むと言う事だろう。マスクを外したその顔はまだ若く、だが、どこか近寄りがたい雰囲気を出していた。 「わかった。そういや名前を言ってなかったな。俺は加藤鳴海だ。宜しく頼む」 そう言って鳴海は手を差し出す。 「俺は赤木しげるだ。こちらこそ宜しく頼むよ加藤さん」 差し出してきた手を握り、赤木が答える。 「ところで悪いんだが、このグリモルディとかいう人形を今のうち慣らしときたいんだがいいかな?加藤さん。終わったらこれに乗って動けばいい」 そう言って赤木は自分が操作している人形、グリモルディを指す。 「ああ、俺は別に構わねぇよ。それと赤木さん、俺の事は鳴海でいい。さんづけされるのはどうもむず痒くてな」 「なら俺の事も赤木でいい。お互い、生き延びるぜ、鳴海」 赤木の呼びかけに鳴海が笑顔で頷く。 二人の前に待つものは、本当の勝利か、死神の鎌か。その答えは誰も知らない。 【D-1神社/1日目 深夜】 【加藤鳴海@からくりサーカス】 [状態]:健康 [装備]:聖ジョルジュの剣@からくりサーカス [道具]:核鉄(ピーキーガリバー)@武装錬金、輸血パック(AB型)@ヘルシング、グリース缶@グラップラー刃牙、道化のマスク@からくりサーカス [思考] 基本:対主催・誰かが襲われていたら助ける 1:赤木の人形繰りの練習が終わったら仲間になってくれる人物を探す。 [備考] ※聖ジョルジュの剣は鳴海の左腕に最初からついていますので支給品ではありません ※参戦時期はサハラ編第19幕「休憩」後です ※サハラ編から参戦しているので勝、しろがねについての記憶は殆どありません 【D-1神社/1日目 深夜】 【赤木しげる@アカギ】 [状態]:健康 [装備]:グリモルディ@からくりサーカス [道具]:核鉄(モーターギア)@武装錬金、 [思考] 基本:対主催 1:人形繰りの練習が終わったら仲間になってくれる人物を探す。 015 再生怪人アンデルセン 投下順 017 トラップ発動! 015 再生怪人アンデルセン 時系列順 019 月光下 初登場 加藤鳴海 057 無明の住人 初登場 赤木しげる 057 無明の住人