約 517 件
https://w.atwiki.jp/mheroes/pages/999.html
任務一覧 コレン / ロチェスト ロチェスト Lv 制限時間 任務 任務内容 報酬 報酬アイテム 50 2日 美女は私のモノ 秘密の部屋 でサキュバスを2回討伐しよう。 - 武器耐久度保護剤[最高級]x1 57 1日 賢いゴブリン 巧妙な罠でホブゴブリンを討伐しよう。 15AP アクセサリ耐久度保護剤[高級] x1 1日 吹き荒ぶ風に向かって 生徒たちの冒険 で風浪研究家ウィリーを討伐しよう。 10AP 防具耐久度保護剤[高級]x1 1日 草が生い茂る場所 薬草の育つ地 で情報将校カンジェルを討伐しよう。 15AP アクセサリ耐久度保護剤[高級] x1 1日 木が生い茂る場所 実のなる木で門番ジルカルを討伐しよう。 10AP 武器耐久度保護剤[高級]x1 1日 首飾りをつけたオーガ 戦闘 悲しい思い出の場所 HardModeでオーガセンチュリオンを槍で討伐しよう。 - 武器覚醒ポーション[一般]x2 1日 灰になる前に 燃えるコレン をHardModeでマハの季節を誓ってクリアしよう。 15AP 武器耐久度保護剤[高級]x2 1日 運命が決まる前に 追撃 で神官レイジを討伐しよう。 10AP 武器耐久度保護剤[高級]x1 1日 2番手の威力 救出をHardModeでマハの季節を誓って4回クリアしよう。 3,000G8,000EXP30AP 武器耐久保護材[最高級]x1 1日 2番手の力 救出をHardModeで小型爆弾を使ってクリアしよう。 15AP 防具耐久保護剤[高級]x2 1日 取扱注意 グレムリンの巣窟をHardModeで3回クリアしよう。 15AP アクセサリ耐久度保護剤[高級] x2 1日 寝ても覚めても火の用心 別の貯蔵庫 で火薬専門家プロムブッシュを討伐しよう。 10AP 防具耐久度保護剤[高級]x1 1日 知識は力なり 調査で情報将校カンジェルを討伐しよう。 10AP 防具耐久保護剤[高級]x1 1日 影の実力者 戦闘 契約者 HardModeでマハの季節を誓ってゴブリン4匹の部位破壊を成功させよう。 3,000G5,000EXP15AP 防具耐久度保護剤[最高級]x1 1日 虎は死して皮を残し・・・ 死者が残すものをHardModeでマハの季節を誓って3回クリアしよう。 - 武器耐久保護剤[最高級]x2 1日 何度も何度も叩く 死者が残すもの をHardModeでマハの季節を誓って部分破壊しよう。 4,000G20AP 武器耐久度保護剤[最高級]x1 1日 影踏み 戦闘 個別調査 を1人プレイモード(勇者の挑戦)騎士の誓いを立てて、槍でインカラを討伐しよう。 15AP 防具耐久度保護剤[最高級]x1 57 1日 ジャイアントオーガ ジャイアントオーガ をHardModeでマハの季節を誓って13分以内にクリアしよう。 8,000G3,000EXP25AP 防具耐久度保護剤[最高級]x1 1日 巨大蛙 戦闘 暗い地下水路 HardModeで部分破壊をしよう。 15AP 武器覚醒ポーション[高級]x2 1日 水を得た蛙 暗い地下水路 HardModeでマハの季節を誓ってキックで討伐しよう。 10AP 武器覚醒ポーション[高級]x2 59 1日 真昼の道端で・・・ 襲撃 で戦士カズグラムを討伐しよう。 20AP アクセサリ耐久度保護剤[高級]x2 1日 暗い地下水路 虫の羽音 で闘士ガルウェイを討伐しよう。 20AP アクセサリ耐久度保護剤[高級]x2 1日 果てなき道 繋がった道 で追跡者ケセルを討伐しよう。 - 武器耐久度保護剤[高級]x2 1日 暗室 光の届かない場所 で呪術師キリカムを討伐しよう。 - 防具耐久度保護剤[高級]x2 1日 足音 届かない手 で暗殺者エキナルを討伐しよう。 - 武器覚醒ポーション[一般]x1 1日 3つの刃 湿った暗闇 で三叉槍のケルクルを討伐しよう。 - 武器耐久度保護剤[高級]x2 1日 水の流れる音 地下水路 でサイズのラクラクを討伐しよう。 - 防具耐久度保護剤[高級]x2 1日 酔っ払い 酔っ払いで武術のキチュキチュを討伐しよう。 - 武器覚醒ポーション[一般]x1 1日 騎士討伐 逆刃の剣 でクロヤンを2回討伐しよう。 15AP アクセサリ耐久度保護剤[最高級]x1 1日 側近討伐 寂寞の刃 でシルベリンを2回討伐しよう。 - 武器耐久度保護剤[最高級]x1 1日 太陽の下のアユルン カタコンベの門番 で作戦将校ロパレムを2回討伐しよう。 10AP 防具耐久度保護剤[最高級]x1 59 1日 避けられない攻撃 ゴーレムアグラン をHardModeでマハの季節を誓って、粘着爆弾を使ってクリアしよう。 30AP 防具耐久度保護剤[最高級]x3 2日 回転ゴーレム ゴーレムアグラン でアグランを2回討伐しよう。 10AP 武器覚醒ポーション[高級]x1 3日 永遠の守護者 ゴーレムアグラン をHardModeで6人以下の騎士の誓いで3回クリアしよう。 25AP 武器耐久度保護剤[最高級]x3 1日 消せない忘却の剣 中央庭園 をHardModeで20分以内に行動不能にならずにクリアしよう。 30AP 武器覚醒ポーション[最高級]x3 2日 忘却の剣 中央庭園 をHardModeで2回部分破壊しよう。 5,000G アクセサリ耐久度保護剤[最高級]x2 2日 裂かれた翼 破壊の化身 をHardModeで4人以下のプレイで戦闘勝利を誓って部分破壊しよう。 5,000G12,000EXP 武器覚醒ポーション[最高級]x2 3日 帰ってきた化身 破壊の化身 をHardModeで6人以下PTプレイで3回クリアしよう。 25AP 防具耐久度保護剤[最高級]x2 コメント コメント 名前
https://w.atwiki.jp/maid_kikaku/pages/515.html
(投稿者:KOGOTO) * およそ栄光と呼ぶべきすべての陰には、それに数倍する挫折と苦悩がついてまわる。 競争という原理には、至極当然の結果として。 勝者と敗者は峻別され、その差が覆る機会が与えられることはない。 それは勝利の滋養。見向きもされず、だからこそ濃く影を落とし、栄光の陰影となってディテールを演出する。 そして無慈悲な時代の変遷が、あらゆる勝利を次なる栄光の土壌へと還していくのだ。 故に―― 忘れてはならない。アマデウスの影に葬り去られたサリエリの嘆きを。 留めおかねばならない。ハンニバルさえスピキオの払暁には抗えなかったことを。 万物において例外のない摂理の物語。 それは勝者の視点で描かれる。 もし道半ばに倒れた者に光が当てられるとするのなら、それはどのような酔狂であっただろうか。 しかし、あえてここに、一つの挫折の顛末を記そう。 酔狂の是非を問うことは、あまりにも無粋なことに違いないであろうから。 * それはまるで、扇動家の講壇だった。 熱を帯びた言葉は、狭苦しい暗所を満たし、流行病のように場を冒す。 うわごとはけれど整然として、熱病独特の酩酊は、たやすく狂気のそれへと変わった。 「長かった。諸君、とてもとても長かった」 異質な空気。異質な場。 天井から吊るされた小さな電球だけが、この暗所を照らす唯一の頼りだ。しかし、古ぼけてすすけた照明は、凝った闇を切り取るにはなんとも頼りない。 石造りの壁には窓すらなく、昼夜の別もわからずに、そもそもそれを気にするものさえ、この部屋の中には存在しなかった。 「覚えているだろうか。雌伏というにはあまりに永い時。あまりに大きな屈辱と、あまりに多くの挫折の日々を」 語りかけるような言葉。しかし実質は独り言と大差なく、そのくせ周囲の人間は賛同の声を上げる。 自分たちの声意外は、いかなる声も響かない場所で、互いの顔さえ碌に確認できない中にあって、その結束は酷く固い。たとえ少人数でも、集団がまったく同種の感情によって支配されている。それは尋常な状態にあるならば、およそありえることではないのだから。 まして闇が濃ければなおさらだ。暗がりは生き物にごく原始的な恐怖を与えるものである。原始的だからこそ、その種の恐怖は感情と直結しており、暗所というのはたやすく理性を溶かすのだ。 けれど、強い感情は時として本能さえ塗りつぶすことがある。きっと今の彼らのように。 「私たちにとって、理解は遠い世界の出来事だった。ただ認め、認められるというその在り方にどれほど焦がれてきただろう」 闇を恐れぬ人種は怖い。それは闇に生きる生物か、そうでなければ狂ってしまった群れだから。 おそらくこの部屋は地下なのだろう。いつの時代も、そうした輩は地の底に潜む。 「嘲りは隣人だった。蔑みは同胞であった。大気は無関心であり、住処の名は迫害といった」 だからだろうか。彼らは省みることがない。暗がりの中にあるものを。 いくつもの工業機械。無骨な怪物を思わせるフォルム。巻き込めば人など簡単に砕き散らすその形を。その犠牲者を思わせるヒトの容を。 「過ぎ去った過去とはいえ、思い出すに労苦は不要だろう。それが血肉に成り代わるほど、日常は苦痛と変わりなかった。 噛み締めた砂の苦さ、赤さを、私は今この瞬間の出来事のように、ありありと、寸分の狂いなく想起することが出来る。 はたして、諸君はどうか」 「忘れもしません。最初の理想、初めての計画の挫折!」 やせぎすの男が、感極まったかのように叫ぶ。その言葉はもはやうわごとではない。明確な志向性と害意を持って、確立した狂気だった。 圧力すら感じる狂人の咆哮を、しかし扇動家は鷹揚に受け止める。 「そう、多砲塔戦車の開発計画。私たちの輝かしき第一歩」 多砲塔戦車。それは一時、エントリヒ帝国によって進められていた、戦車開発の類型である。 かつての陸戦において、戦場の花形は人間であり、銃口をそろえた歩兵隊による整然とした突撃だった。火砲も車両も動物も、すべては人という兵科を支援するためにあったといえる。所然、道具は道具にすぎず、人の集合体である軍勢を殲滅しうるだけの効果を発揮するのは、やはり人以外にはない。それが長らく戦場の常識だったのだ。戦車が生まれ、そして奇形と呼ぶべき成長を遂げるまでは。 初めて戦場に戦車が登場したとき、それはあくまで歩兵の支援を目的とした道具に過ぎなかった。分厚い装甲も巨大さも、単純に立ちはだかる塹壕を突破し、人の損耗を抑えるための備えとして授かったものだった。 けれど人は戦車にそれ以上を求め始める。より強力な火力と、それに耐えうる装甲を持ち、目の前にあるすべてを踏み散らかす圧倒的な力を。いつしか戦車は、本来の役割を忘れ、人を駆逐する暴君となった。 Gが出現するまでは。 「結局のところは旧時代の遺物。あの鈍重さは、いまでは度し難い足枷にすぎん」 「小銃弾を弾き返せたところで、Gの突進力の前ではあの程度の装甲は紙と変わらん」 「肥大化した火砲も、当てることが出来なければな」 そう、大きくなりすぎた戦車は、桁違いの速力で闊歩するGの前では無力だった。そもそも、脆弱でのろまな人を殺すための兵器である。Gなどという敵は、設計上想定外の目標だったのだ。 「だからこその解答。導きうる最良の手段だったというのに……!」 だからこそ、設計段階からGを想定した兵器の開発が急がれた。多砲塔戦車もそうした兵器群の一つである。 強度が不足であるというのなら更なる装甲を。 火力が不足であるというのならより大口径に。 Gに追従できないというなら砲塔を回す必要さえなくせばいいと。 戦車開発における奇形の極みが、こうして産声を上げた。 「それを狼の巣のバカ共め! 実戦における効果に疑問有だと!?」 「重量で橋が落ちる兵器など問題外などと、それこそ話にならん。なら橋を補強すればいいことだろう!!」 さもありなん。あまりに歪んだ兵器は、既に道具としての体裁をなさない。 そもそも補助車両なしでは自走すらままならなくなった戦車など、認められる道理はなかった。 「諸君の悲憤、察するに余りある。私とて想いは同じ。しかし、哀しいかな時代は我々に追いついてはいなかったのだ。 嗚呼、だからこそ悔やまれる。次なる計画は、その時代を導くものであったというのに」 扇動家は溜息を漏らし、密やかな電球の明かりに目を向ける。そうして直視するにはいささかまぶしい光の向こうに見ているのは、言うまでもなく、省みられることさえなかった技術の夢だ。 ひび割れたレンズの奥、漂泊の旅人のような瞳に移るそれは、まるで蓄音機のような姿をしていた。 「その発想さえ、賞賛されるべき超音波兵器……」 「完成の暁には、戦争のあり方さえ揺るがすほどの思想が認められないとは」 場の空気が変わる。それまで激情に駆られていた男たちは、一転、澱のような哀惜によって心を沈ませる。 悔やんでいるのだ。生まれることさえなかった愛し子のことを。 戦車のときのように、目に見える敵がいたならば、彼らの嘆きも救われただろう。敵は憎むことができる。障害は抗うことができる。自負する心が強ければ、怒りは当事者の傷を癒し慰めることもあるのだから。 しかし、敵がいなければどうすればいいのだろう。振り上げた拳は、こめられた想いは、どこに向ければいいのだろう。行き場をなくした想いは、酷く重い。 その挫折は、彼らにとってそうした種類の傷だった。 「基礎理論は完成していた。初期実験さえ成功は目前だった。あとは実践するだけだったのだ!」 やるせない慟哭が石壁を震わせることはなく、その想いはどこへ行くこともなく闇に染みこんでいく。 「その通りだ、諸君。その嘆きは正当だ。誰に省みられることがなくとも、我々は誇るに足る仕事を成し遂げたのだ。 超音波の照射による沸騰実験。マウスによる生物実験。ついにはワモン級さえ、24箇所からの一点照射により、わずか13分で死に至らしめることに成功した。 いつしか時が満ちれば、この事実の持つ意味に、世界が気付くこともあるだろう」 しばし、沈黙が降りる。そう、時代はいつでも無慈悲なものだ。生まれる瞬間をほんのわずかでも誤った者に、それが正当な評価を与えることはない。 天才と狂人は常に紙一重である。そして両者を分かつ絶対的な壁は、才能の多寡などでは決してなく、時代や価値観というどうしようもない代物なのだ。 哀惜の念が尽きることはないだろう。自負する心が強ければ、時に怒りは心を癒す。だが強すぎる想いは、同時に長く心をさいなむ毒になる。 まして彼らの味わった挫折は超音波兵器にとどまらない。進歩的兵器を認めようとしなかった軍部に対し、起死回生の一手にはなった竜巻発生装置――空中で粉塵爆発を起こし、それによって人工の竜巻を発生させる――などは、フライなど制空の諸問題を解決する秘策ともなりえたはずだったのだ。 けれど、沈黙が続く中で、彼らの表情はいつしか晴れ晴れとしたものに変わっていった。 知っているのだ。次に続く計画を。彼らの前に、ついに姿を現す光の名を。 「さぁ、諸君。過去を顧みる時間は終わった。 ついに我々が、歴史の脚光を浴びるときが来たのだ。これまでの痛みは、すべて今日この日のためにあった。この指の間から零れ落ちていったすべてが、まるで時をさかのぼるかのようにかえってくる。 隣人は賞賛となり、同胞は成功となるだろう。大気はみな羨望という名に成り代わり、名誉こそわれらの故国となる! 嘆きは過ぎ去りし思い出に、今日からは、歓喜の日々! 誇ろう。この研究がもたらす結果に。 祝おう。遠からぬ人類の勝利に!」 『そして我々の勝利に!』 まるで預言。いっそ荘厳にすら感じられる言葉たちは、続く唱和とあいまって、空間に更なる変質を巻き起こす。 狂気は熱病である。時として周囲に感染して害を拡大しもするが、それは多くは一過性。狂い死ぬことなく時が過ぎれば、やがて平癒することもある。しかし、狂気にはそこから先もあるのだ。 それはあやふやな熱病ではなく、狂信という凶器である。ゆるぎなく狂った在り方は、それゆえ他者に伝播しない。確固とした規範があるから行動も結果も決して変わることはなく、そのくせ狂っているから無分別な害を撒き散らす。 彼らはもはや狂信者の域にある。 「さぁ、目覚めたまえ、我らが麗しのフロイライン! この祝福はすべて君たちのために、すべての賞賛は君たちのために用意されたのだから! おはよう、ようこそ、この幸いなる誕生の日に! プロメシュースの愛し子よ!」 凝った闇のふちで、産声が上がろうとしている。 それは破壊的な工業機械。巻き込んだすべてを圧搾する無慈悲な装置。 それはまた獣。一切の無駄を省き収斂された美観のまえでは、その構成物がタンパク質か鉄かなど瑣末なことだ。 そしてそれは兵士。濃厚な鉄と破壊の気配の中で、けれどそこに囚われた人の容は決して意味を失わない。 暗いゆりかごに包まれて眠っていたものは、紛れもなくメードだった。 かつて戦場の花形は人だった。ファランクスの蹂躙が、騎兵隊の突撃が、銃兵隊の一斉射撃が、凄惨を生み出す主役だった。 やがてそれは心を持たない鉄の獣へと取って代わられ、戦争は兵器の優劣によって競われる時代がやってきて。 今また時代は、人の容を花形にした。 エターナルコア、いまだ人智およばぬ奇跡の結晶。その力によって新生を得た乙女たちを、人はメードと呼んでいる。 たやすくGを蹴散らす力。奇跡に届く可能性。希望となるにふさわしい姿。まさしく現代によみがえった英雄である。 プロメシュース計画は、そのメードの量産計画だった。 圧倒的な戦闘力を持つメードだが、その能力は個体差が大きく、目覚めるまではどんなメードになるのか予測もつかない。巨費を投じたあげくどうしようもない役立たずが生まれることもあれば、劣悪な環境下から素晴らしいエースが現れることもある。戦闘力はこの上ないが、戦略面では驚くほどに脆弱な面を持ち合わせていることもまた、メードの特徴といえるのだろう。 「だからこそ、この計画の意義がある」 「目指しうる最高の戦力ではなく、期待しうる最良の水準を」 「最終的に戦局を決定するのは英雄ではなく、その陰に隠れた兵隊だ」 メードの個体差は長期的には明らかな弱点となる。そのために彼らは考えた。優れた固体ではなく、優れた軍隊としてのメードという概念を。 兵器は均一であるからこそ優秀である。そのためには素体となる人間の個体差は不協和音の原因となる。ならば均一な品質を持った義肢への挿げ替えによって、その個体差をなくせばいい。 「中世の騎士道物語でもあるまい。一騎当千など結局は非効率な、プロパガンダの装置にすぎん」 それは彼らの信念でもあった。大量生産が可能でなければ、どんなに高性能なシステムも無意味である。 義肢の装着はまた別のメリットを生む。最初から義肢の運用を前提としているのであれば、素体の選定は五体満足な健常者に限る必要はない。いや、むしろ普段は候補から弾かれる傷病者から選ぶべきでさえあるだろう。 それに大型義肢の戦闘力はとてもシンプルだ。大馬力と超重量。ただ振り回すだけでそれは防ぎようのない暴力となる。獅子は生まれたときから獅子である。獅子となるべき訓練など不要。同様に、彼女たちには基本的な作戦行動を行う知識だけ与えてやればいい。もとより、消耗すれば早々に交換、補充することが前提なのだ。 「これからは、プロメシュースこそがメード開発の規範となるだろう。大量生産によってメードは物量差によって蹂躙されることもなくなり、また安定供給によって前線が戦力不足に悩まされることもなくなる」 狂信の熱気にうかされて、男たちは得意げに語る。慟哭の暗室は、今はきらびやかな舞踏会場のよう。これから命が目覚めるのなら、たしかにそれは相応しいことであったろう。 けれど、ここは暗い。 発動機が静かにうねりを上げ、少女たちはその体を震わせる。拘束の意味をかねていた台座が、気化した冷却液の作った煙の向うで、ゆっくりと開放されていく。命の誕生というには異質な、どこか檻を開け放つような光景だが、命とは縁遠い工学者たちがそれに気付くことはない。 台座が完全に開放された瞬間、異音が場を満たした。まるで金属が軋むような、それでいて粘着質な音。もし比ゆでなく事実として、筋肉まで鉄でできた生き物がいるのなら、その体を刺貫く音はこんな風だろうか。 まともな理性であれば耐えられないような音を残して、メードたちの体から生命維持装置が排出された。へその緒が切れたのだ。ここから先は、彼女たちは自分の体で生きていることを証明せねばならない。 「さぁ、起きたまえ。既に君たちの名前も考えてあるのだよ。ゴルダ、ジルベラ、アインヘルダ、クプファラ、そしてアイゼナ」 陶酔した言葉がメードたちの意識の呼び水となったのか、ゆっくり、5人の少女がまぶたをあけた。 『Jawohl』 唱和、そして炸裂。 「おめでとう諸君! この瞬間を持って我らはエントリヒ工学史の表舞台に帰還する! 帝国万歳! 勝利万歳!!」 『ジーク・ハイル・エントリヒ!! ジーク・ハイル・ヴィクトーリア!!』 かくして、彼らの前に歓喜の日々のその姿を現した。叫喚し、狂喜する男たちは、既に理性を失っている。 だから気付かない。 今しも生まれた嬰児の瞳に、いかなる意思の光もともってはいないことに気付かない。 暗闇から生れ落ちるものは常に、怪物の性を持つのだということに気付かない。 怪物がもたらすものが、破滅であると、気付けない。 そして破滅は疾く訪れた。 「帝国万歳、勝利万歳。 諸君、馬鹿騒ぎはここまでだ」 興奮に水をかける無粋な言葉に、男たちは一時、わずかな冷静さを取り戻した。熱狂から冷めた特有の倦怠で、のろのろと首をめぐらせる。 感情に濁った瞳はやがて、この小さな舞台の入り口に立つ、見知らぬ誰かを視界に収める。それはまるで、破滅の死者のようなシルエットだと、彼らは誰ともなく考えた。 その使者は、破滅をつかさどるにはふさわしい姿をしていた。黒い装束、鈍く光るどくろの装飾。険呑な銃器の照り返し。 そして血色の腕章。 「こ――!?」 「皇室親衛隊の憲兵だと!?」 いつの間にか室内に紛れ込んでいた闖入者。招かれざる客は、よりにも「寄って顔のない男」であったらしい。 決して賞賛されぬ者。例外を許さず恐怖されるべき、個ではなく群である兵士。「顔のない男」とは、味方狩りの憲兵につけられた、恐怖と侮蔑の字である。 そして、当惑と恐怖から失われた一瞬を、プロメシュースの男たちが取り戻す機会は永遠になかった。 開け放たれた暗室唯一の入り口から、完全武装の兵士たちが突入してくる。あまりにも鮮やかな手並みはその練度の証拠であり、全員が散弾銃と短機関銃という編成は憲兵の実働部隊の典型的な装備だ。 軍属の端くれとはいえ、本領は学究であり、それも非武装の人間に抵抗が許される相手ではない。 「これは一体、どういうことですかな、憲兵殿。 いかに貴官らの職責が綱紀の厳守にあるとはいえ、謂れもなく濫用された職権でそれが果たせるものでもないでしょう」 それでも、反論を打つだけの胆力が扇動家――プロメシュース計画の研究主任には残されていた。 彼とて一つの計画を主導する立場にある男なのだ。理性が優れているという点では、人後に落ちぬ自負がある。その理性が告げていた。この状況は誰にとっても異常である、まだ、対話によって切り抜ける余地はあると。 「しかし、残念ながらそうではない。これは濫用ではなく勅命だ。 国家元首、エントリヒ皇帝陛下の命により、貴官らを拘束。プロメシュース計画を凍結する」 「な――?!」 淡々と、これといった感情もなく、憲兵は主任の望みを絶った。いや、その瞳には、いささか呑みがさがにじんでいるようにも見える。 「なぜです、なぜ我々の研究がそんな憂き目にあうのです? いまだようやくスタートに立った計画だ。実績はなくとも、これが完成すれば帝国の技術がすなわち世界の先端であるといっても過言ではなくなる! 帝国に利するところはあってもどんな不利益があると!? 我々の行動にどんな不忠があったというのですか!?」 「……この計画の有効性については、思うところがないではないが。 貴官らの名誉が忠誠であることに、小管はいささかの疑念は抱いていない。それは、皇帝陛下とて同じでいらっしゃるだろう」 その瞬間、いかなる感情も浮かべることのなかった憲兵士官が、確かな表情を形作った。そこに現れているのは痛ましさだ。 彼は、計画にかかわった者たちに同情していた。 「だが、下された決定が覆ることはない。憲兵が職責を怠ることもまたない。 ……拘束しろ」 「せ、せめて罪状を! なぜこんなことが!?」 「……皇帝陛下は仰られた。 メードを不幸にする者は一切の例外なく帝国すべての敵である、と 連れて行け」 呆然と、プロメシュースの男たちは膝を折った。顔のない男たちでさえ、それを責めることはできない。ひたすらに苦く、痛々しい空気が充満したところで、誰ともなく、嫌気のさした男たちは一人、また一人とこの暗室を去っていった。 * かくして、一つの計画が歴史の影に消え、絢爛なるメード史はその輝きを強めた。 一体こんな挿話が、どれほど栄光の下に積まれているかは誰にもわからないのだろう。 ただ言えるのは、失敗も挫折もすべては必定であり、ありふれた出来事に過ぎないということだ。 余談ではあるが、計画の関係者たちはその後軍刑務所に収監され、しばしの後、ジークフリードのG駆除スコア2000匹達成の恩赦を受けて出所した。その後、少なくともチームとして、彼らの記録は残されていない。 あの日生まれたメードについては、その後いくつかの変遷を経て親衛隊の主計科預かりとなるのだが、それはここで語るべき事柄ではないのだろう。 関連
https://w.atwiki.jp/saisyouhu_hankoku/pages/48.html
(ログ編集・ページ作成 瀬戸口まつり@宰相府藩国) 2017/09/24 芝村裕吏 魔力を生む薬草があるんよ。超まずい 魔力草。もしくは魔力ヨモギ。 まずい。が、魔法使いは割と飲む。 芝村裕吏 魔力なくなると低物理では魔法にかかりやすくなるからね 睡眠とか。 魔法抵抗力と魔力はアイドレスでは同じなので 猫野和錆 [返信] 芝村裕吏さん なるほど・・・。魔力を過剰に恐れてもダメなんですね。月子さんは魔力を取り込むとヤオト化?というかヴァンパイアの特徴が戻ってきてしまって具合が悪くなるみたいなんですが、 魔力にも質があって瘴気じゃない魔力とかもあるんでしょうか。(魔力ヨモギ食べてどこまでが大丈夫とかは普通の人と同じなんでしょうか) というか宰相府に折角いるんだから魔法使いとまではいかなくても魔法の片鱗くらいは覚えたい・・・和錆が覚えるとイヒっちゃいますかね・・・ 芝村裕吏 [返信] 猫野和錆さん まあ、ヨモギで一時的なら問題ないと思うが。 で。ヨモギ餅にすればなんとか食える。餡をいれるとこれはこれで。くらいになるよ 芝村裕吏 身体に蓄積するなら模様を身体にいれないといけないのよね。模様こそが魔力なので。魔力ヨモギも顕微鏡レベルで美しい模様が入ってる。 まあ、酒に着けても意味はあると思うが 芝村裕吏 ちなみに魔力ヨモギは暗くて、じめじめしてるところに生える。 猫野和錆 暗くてジメジメ・・・ 日照が弱いところのほうが好きなんですね 芝村裕吏 そう。だから自然では宰相府で生えない。 芝村裕吏 あと魔力源として桃もあるけど。毒性あるのでまだ食わせられない。春の園で延々改良してるけど 猫野和錆 ~~の園のどこかの一画をお借りして温室?暗室?のようなものをつくってもやし農家みたいな作り方をすればいいですかね 芝村裕吏 そうねえ>わさび 病院の裏でもいいけど 芝村裕吏 ヨモギより良い魔力供給手段をもとめるのはじいちゃんも同じ 具体的に言うと、まずくない porepole ヨモギや桃って、ペースト状にして体に塗ったりするんでしょうか。アンチマジックベリーのジャムみたいに。 芝村裕吏 普通は食べるね。 猫野和錆 術者は普通に食べるんですね 築山 桃って魔除けのイメージでしたが 魔除け(レジスト)=魔力ということで同じ物なんでしょうか 芝村裕吏 [返信] 築山さん そりゃな 芝村裕吏 魔力が補充されると体の模様の色が変わる。 猫野和錆 たとえば式神の晋太郎さんとか月子さんとかの魔法を使うキャラクターは模様が身体にあるんでしょうか。 全身に? porepole こう、対魔法防具に漆塗るみたいに、ヨモギ汁でコーティングするのかなと 芝村裕吏 [返信] 猫野和錆さん 人間の目には見えないが。普通はな。 メカの表面に魔除け書くのが普通だぜ。人騎兵も模様ついとるだろ 猫野和錆 なるほど、いや、プライバシーもあるので見たいわけではないんですが、魔法使い同士ならというかオーマなら見えるということなんでしょうか 芝村裕吏 [返信] 猫野和錆さん 見えないと思う。絶技使えば一瞬見えるかも 芝村裕吏 ちなみに昔から目は魔除けなので、シューティングスターは期せずして魔除けついてる 猫野和錆 おお!>目 ノーズアートと言えば目と口だろうと思ってたんで 猫野和錆 魔力ヨモギって生育環境が良ければ、肥料とかはやらなくていいんですかね 芝村裕吏 ヨモギの肥料はともかく、虫がなあ。アブラムシに弱いので 芝村裕吏 まあ、たばこ由来のニコチンでいいんだけど。今の農薬はほぼそれになってしまったし 無農薬とか減農薬は、まあ、なんというか。詐術のたぐいでなー 芝村裕吏 んー。植物は本来自己防御物質を持ってるので。畑の食い物はいわばその武器を武装解除してる。 だから虫にも弱いのだけれど、そこから強くしようとすると、逆に味がおちてなー 芝村裕吏 ついでに言うと無農薬は農薬が有害である前提に立っているが、有害では出荷できないという当たり前の話があってな。 国が大丈夫というのは嘘だ! というのも一つの説ではあるが、現実問題で無農薬は体にいいことを証明するのは無理だと思うよ。 という。園芸と農業は隣り合ってるので宰相熱弁をふるう 芝村裕吏 まあ、魔力ヨモギがまずいのは、中の汁にも模様があって、これが舌を刺すからだ。 猫野和錆 全然傷ついてるようには見えないけど裂傷だらけになるわけですね 芝村裕吏 いや、えぐみ成分と同じ 猫野和錆 根本的に魔力がおいしくないんですね・・・ あれ、じゃあなんで桃はおいしいんですか? 築山 [返信] 猫野和錆さん 元々毒性があるって… 猫野和錆 [返信] 築山さん とするとその毒が魔力ということになるんですかね・・・? 芝村裕吏 [返信] 猫野和錆さん せやな。 芝村裕吏 ちなみに、胃で魔力は吸収できないからね・・・ 胃酸が溶かすので 築山 [返信] 芝村裕吏さん リアルに吹き出しました うわあ 胃酸でとける ああ,模様がとけちゃうんですね 芝村裕吏 ともあれ農園に付属した大部品で加工場作って、セットで生産地ですとやってもいいよ 猫野和錆 生産地は提出して有効部品抽出とかないんで、いろいろな方法でRD稼いでいいんですね 芝村裕吏 [返信] 猫野和錆さん いや、最終的には食べないと魔力にならないので。正直食べるまでが魔力ですよ。 芝村裕吏 ということで、残念な話なのだった。牛乳に混ぜたり昔からいろいろな手法が 築山 胃酸を中和 築山 なんとか魔力を保ったまま食べられるものにしようと改良を続けておられるというかんじでしょうか 芝村裕吏 [返信] 築山さん 魔術師はたいていな
https://w.atwiki.jp/indexorichara/pages/886.html
「ふざけんじゃねえぞおおぉぉっ!!!!!」 「荒我君!?」 「あいつ・・・!!」 荒我の声が倉庫内に響き渡る。その怒声に刈野は驚き、金属操作は呻く。 「雅艶・・・」 「・・・あいつも一応俺達と同じ過激派だろう?ここへ必死に走って来たんでな。そこまでして制裁に加わりたいのかと淡い期待もしたが・・・期待は期待でしか無かったようだ」 麻鬼の問いに、倉庫外の監視をしていた雅艶は素っ気無く答える。 「何よ、またあなたなの?吠えてばっかりの負け犬ちゃん?」 「テメェ!!」 「ホント、威勢だけはいいのよね。あなたみたいな何の才能も無い負け犬が何の用?」 「そいつから・・・その女から離れやがれ!!!」 躯園の挑発に怒声で返す荒我。そんな荒我の態度に、躯園は嘲笑の色を濃くする。 「全く、何を言い出すかと思えば・・・。ハッ、あなた・・・もしかして『裏切り者』になりたいの?このクズと同じように?」 「テメェ・・・!!ぶっ潰す!!!」 躯園の言葉をまともに聞いていない荒我は、躯園に突っ込んで行く。身構える躯園。 ピュッ!! その瞬間、荒我の目と鼻の先を通過したのは・・・針。 「成程。お前の言い分はよくわかった、荒我。貴様は、俺達に牙を向く。そうだな?」 その針は、荒我にゆっくり近付いて来る男―麻鬼天牙―が放ったもの。麻鬼の能力『閃光小針』である。 「麻鬼・・・。テメェ!」 「よかろう。では、貴様を『裏切り者』として処分しよう」 「テメェはおかしいとは思わねぇのかよ!?幾ら風紀委員の奴が救済委員(おれたち)に紛れ込んでいたからって大勢でボゴるってことを!!」 「『裏切り者』への正当な制裁だ。それ以上でもそれ以下でも無い。ここに集った者達は、皆納得している」 「テメェ等・・・!!!」 麻鬼の言葉を受けて、荒我は他の救済委員を睨み付ける。雅艶、峠、七刀、刈野の4名は平然としていたが、金属操作と羽香奈は荒我の視線を避けるかのように目を逸らした。 「・・・『裏切り者』がボーっとするなよ?」 「!!」 瞬間、麻鬼が荒我の懐に飛び込み、能力で作り出した“小型ナイフ”を振り上げる。 荒我は咄嗟に仰け反るが、それによってバランスを崩す。 「足元がガラ空きだ!!」 「ガァッ!!」 その隙を麻鬼は見逃さない。すぐさま足払いを掛けて荒我を転倒させる。そして・・・ 「動くな」 「ッッ!!」 麻鬼の“小型ナイフ”が荒我の首元数ミリ前に突き付けられる。少しでも妙な動きをすれば突き刺す。躊躇無く。麻鬼天牙とはそういう男であった。 「どうする、荒我?今ならまだ引き返せるぞ?俺達と来るか?それとも・・・」 「・・・俺は“俺”を貫く!!何時だってな!!!」 何時だってその拳で“貫き通してきた”。だから、最後の最後まで自分を“貫き通す”。荒我拳とはそういう男であった。 「そうか・・・。残念だ」 荒我の言葉を受け、麻鬼は“小型ナイフ”を荒我の首元へ突き刺そうとする。その時!! 「そこまでよ!!!!」 「「「「「「「「「「!!?」」」」」」」」」」 倉庫内に響き渡る声。その声は、荒我にとっての“救い”の声。 それを放った少女―焔火緋花―は更に声を響かせる。 「私は焔火緋花!!風紀委員第176支部に所属する風紀委員よ!!大人しくしなさい!!」 「176支部・・・?まさか、神谷の・・・」 「(今だ)。オラアァッ!!!」 「グハッ!」 焔火の宣言に気を取られた麻鬼。その隙に荒我はお返しとばかりに足払いを掛けて、“小型ナイフ”の射程から逃れる。 思わぬ逆襲を受けた麻鬼が気を取り直して荒我に小針を飛ばそうとするが、焔火が放つ電撃がそれを阻む。 「くっ・・・」 「ゼェ、ゼェ。緋花・・・どうしてここに!?」 「あなたがこの辺りに突入していったのを見たからよ!」 「おい、雅艶。こりゃあ・・・」 「慌てるな、金属操作。風紀委員の1人や2人、どうということは無い。むしろ、1人で突っ込んで来たのは好都合だ。 周囲には、あの女以外の風紀委員の姿は見受けられない。こちらには峠の『暗室移動』もある。逃走手段も確保している。 強いて注意しなければならなのは、奴等をここから取り逃がすことだ。それだけは、何としても阻止しなければ」 雅艶は、荒我の時と同じように焔火がここへ突入して来るのを黙って見過ごした。雅艶自身、こんなにも早く風紀委員と接触するのはさすがに予想していなかったが、 それが、決定的な誤算と言うわけでも無い。むしろ、1人で突っ込んで来た少女の無謀さに呆れているくらいだ。 「貴様・・・176支部に所属していると言ったな・・・?」 「そうよ!それが何か!?」 「いや・・・。そうか、176支部に・・・な。ククッ。何と言う巡り合わせだ。ククッ」 「・・・!?」 「(何だ、コイツ?)」 一方、焔火は相対している麻鬼から妙な質問を受けていた。その返答を受けて、更に顔を歪に歪ませる麻鬼に対して怪訝な視線を向ける焔火と荒我。 「こっちは2人。向こうは9人か・・・。荒我、こいつ等もやっぱ能力者なの?(ボソッ)」 「あぁ。全員レベル3~4の高位能力者ばっかりだ。あの金髪のツインテールに関してはわかんねぇけど(ボソッ)」 「そう・・・。多勢に無勢か。でも・・・退くつもりなんか無いよね?(ボソッ)」 「もちろんだ。あのボロボロにされた女をこのまま放っとけるかよ(ボソッ)」 「・・・・・・!!!そうよね。だったら・・・覚悟決めて行くわよ、荒我(ボソッ)」 「言われなくてもわかってらぁ(ボソッ)」 荒我の言葉を受けて、初めて焔火は少女に気付く。その変わり果てた様を目に映し、驚愕した後に、それでも気丈に振舞う。ここは、戦場。一切の気の緩みが許されない。 荒我と焔火、そして麻鬼の戦闘が始まろうとした・・・その時 パン!! それは、何かがぶつかった音。音の発信源は・・・上。 パパパパパン!!! 音が重なる。それが、銃声だとわかったのは、もう少し後。 パパパパパパパパパパン・・・・・・!!!! 音の発生源・・・屋根が軋みをあげる。そして・・・屋根の半分が崩壊する。 ガラガラガラゴロンガシャンズガン!!!!! 「な、何だ!?」 「屋根が・・・危ねぇ、緋花!!」 「キャッ!!」 「麻鬼!!」 丁度屋根半分が落ちてきた場所は、荒我、焔火、麻鬼が相対していた場所であった。 荒我は焔火を庇い、麻鬼は峠の『暗室移動』で事なきを得る。 反対側にいた他の救済委員達も、屋根の崩落の衝撃を避けるために距離を置いた。 「・・・・・・」 丁度その中間に位置する場所にいたのは・・・少女。幸い、崩落の直撃こそ無かったものの、その残骸が少女の身を叩く。 「・・・・・・」 少女は反応しない。痛覚が麻痺しているのか。思考放棄しているのか。それすらも、ボロボロの少女にはわからない。 少女に理解できるのは、崩落の音が少女の耳に突き刺さったこと。そして、崩落により立ち上がった煙に身を覆われたこと。そして・・・ 『しっかしまあ、久し振りの完敗だったなぁ。ハハッ!』 誰かの完敗宣言が聞こえたことだ。笑い声と一緒に。今の自分のようにボロボロになった誰かの声が。少女には、その声の主が誰かはわからない。 『よ!イイ飲みっぷり!!惚れ惚れするねぇ!』 一度聞こえ出した声は止まらない。確か、誰かにそうやって驚かされたことがあった・・・気がする。誰かはわからないが。 『え~と、何々。「ブロッコリーコーラ」・・・何だかマズそうな音の響きなんだけど。何かこう、組み合わせちゃいけないような』 確か、誰かがそうやって自分の好みに対して嫌な顔をした・・・かもしれない。果たして、何処だったか・・・。少女は少しだけ・・・記憶の貯金箱から探す。 『君が馬鹿やって馬鹿な目を見るって言うんだから、それでいいんじゃない?馬鹿は死ななきゃ治らないってのはこういうことを指すんだな』 探していると、確か誰かにそうやって人を馬鹿にするかのような視線を向けられた・・・記憶が出てきた。誰かはわからないが、どこで言われたのかは・・・すぐに出て来た。 『君はさ、少し社会勉強をした方がいい。そして痛い目を見るといい。その代償が死であっても。今の君は・・・まるで蛙さ。井の中のね。人のことは言えないけど』 確か、誰かにそうやって忠告された。誰かはわからない。だが、その場所はわかった。その場所は・・・公園。“あの”公園。 「・・・・・・」 少女は『劣化転送』を発動する。まずは、左手の手錠。次に、右手に刺さっている日本刀。 日本刀を外した後の傷からは血が溢れ出した。 だが、少女は目もくれない。近くにある鉄柱にしがみ付いて、それでも“自分の足で立ち上がる”。体中の傷は、痛覚が麻痺しているせいか然程の苦痛にはならない。 「・・・・・・」 少女は歩き始める。近くにあった半分程焼け焦げたスーツ“だったもの”を衣服代わりに巻き、倉庫を後にする。向かう先は・・・“あの”公園。 きっと・・・きっと、そこに誰かが居る。自分の頭に響くこの声の主が。きっと。 屋根の崩壊から数分後。屋根を半壊させた張本人が倉庫に姿を現す。 「よぉ、拳。生きてっか?」 「・・・き、斬山さん!!危ないじゃないっすか!!危うく俺や緋花が巻き込まれる所じゃなかったっすか!!」 「いいじゃねぇか、そんな細かいコトは。それに、どうやら拳も役得みたいだし」 「はっ!?ど、どういう・・・」 「・・・荒我。咄嗟のことだったから、今回は許すから、早くあなたの右手を退けてくれないかな?」 「えっ!?・・・。うぉっ!!!」 屋根を半壊させた男―斬山千寿―の指摘と、下から聞こえて来た焔火の声に荒我はようやく気付く。 屋根の崩壊から咄嗟に焔火を庇った荒我の右手が・・・焔火の左胸を握っていたことを。 「す、すまねぇ!!ホントにすまねぇ、緋花!!」 「・・・もう、いいわ。そんなことより、今は・・・」 「!!あ、あぁ。そうだった!!」 未だ顔を赤くしている焔火の言葉を受け、すぐさま臨戦態勢に戻る荒我。自分達は、まだ敵中にいるのだ。 「斬山・・・。まさか、お前まで・・・」 「よぉ、雅艶。羽香奈からのメール、見たぜ。随分クソくだらねぇ真似をしてるようじゃねぇか。この手の込みよう・・・全部お前の考えたことだろ?」 声を掛けて来た雅艶に斬山は言葉を返す。その言葉に、多大な殺気を込めて。 「『軌道修正』で遠方から狙撃したと言った所か?俺の『多角透視』から逃れての仕業。お前の方も中々手が込んでいるじゃないか?」 「まぁな。つまるところ、お互い様って感じか」 交わす言葉は至って普通だ。だが、その会話からは剣呑とした空気が放出されていた。 「お前も・・・『裏切り者』になりたいのか?それとも、救済委員であることをを放棄したのか?」 「『裏切り者』?放棄?馬鹿言うなよ。俺は裏切ってなんかいねぇし、救済委員をやめたつもりもねぇよ」 「ならば、この仕業は・・・!!」 「俺は裏切らねぇ。友達(ダチ)をよぉ。あのメールが踏み絵ってのは、内容を見た瞬間に分かった。 だが、そんな読みを一切しねぇ馬鹿野郎がお前等に突っ込むのも瞬間的に分かった。だから、俺はここに来た。そんな馬鹿野郎で、でも俺が胸張って誇れる友達を助けになぁ!!!」 「斬山さん・・・!!」 そう、斬山は救済委員を裏切るつもりも、ましてや救済委員をやめるつもりも無い。ただ、友達を助けに来ただけ。その言葉が、荒我の心を熱くする。 「気ぃ抜くなよ、拳。それに・・・風紀委員の焔火!!こっからは、文字通りの死闘だぜ?」 「望む所っす!!」 「・・・!!えぇ!!」 斬山の声に荒我と焔火も気を引き締める。相手は雅艶だけでは無い。他の救済委員達も相手にしなければならない。文字通りの死闘。 そんな殺気漂う中、雅艶は手に持つ白杖で床を『2回』鳴らす。そして、叫ぶ。 「峠!!」 その瞬間、雅艶達救済委員は消え去った。峠の空間移動で。跡形も無く。 「(・・・まさか、“ヤツ”が出張っているのか!?)」 雅艶達救済委員が現在居るのは、第6学区のある路地裏。峠の『暗室移動』にて、ここへ空間移動して来たのである。 「(林檎め・・・!!よりにもよって、“ヤツ”が居る支部へ連絡していたのか!?)」 そこで、雅艶は1人今後のことについて頭を悩ませていた。それは、先程斬山達と相対していた時に、『多角透視』で見たある少女について。 「(“花盛の宙姫”・・・!!)」 あの時、『多角透視』の1つが、第6学区の空を高速飛行している少女達―閨秀美魁とその背中にくっ付いている抵部莢奈―の姿を捉えていた。 特に、“花盛の宙姫”と呼ばれている少女の実力は、救済委員である雅艶の耳にも届いていた。自分の力ではおそらく太刀打ちできない、“宙姫”の実力の高さも同様に理解していた。 故に、“宙姫”との戦闘を避けるために雅艶は事前に決めた段取り通り、白杖の合図を峠に送り逃走した。 春咲桜については、斬山の仕業と“宙姫”の発見という2つの事態に気を取られたために、春咲が何時の間にか倉庫から消え去っていたのに気が付けなかったのである。 過激派の中で指揮官的役割を背負う雅艶の・・・それは、確かな誤算。 「(だが、あの“宙姫”ならば春咲桜の件についてうやむやにすることは無い!!あの少女はその手のことを極度に嫌っているからな。 これは、『裏切り者』への制裁という意味ではむしろ都合がいい。制裁は滞り無く完了した!!)」 雅艶は、そんな誤算を逆手に取る。確かに“花盛の宙姫”は雅艶の予想通り、春咲桜のような人間を許しはしないだろう。雅艶の見立ては正しい。 「(とりあえず、今は穏健派の連中の出方と、第6学区を見回っている風紀委員に気を払わねばな)」 だが、誤算は誤算。この厳然たる事実を、“花盛の宙姫”を動かしてしまったという現実を・・・後に雅艶は思い知ることになる。 「荒我達って・・・救済委員だったんだ。もしかして、梯君や武佐君も?」 「いや、あいつらはただの俺の舎弟だ。救済委員とは全く関係無ぇ」 「そう・・・」 ここは、第6学区の一角にある工事現場跡。荒我、焔火、斬山は今ここで状況整理に努めていた。 「で、どうするよ。風紀委員の焔火は、救済委員の俺や拳を捕まえるのか?」 「斬山さん・・・」 斬山は容赦無く切り込む。それは、当然のこと。風紀委員にとって救済委員のやっていることは本来許してはいけないことだからだ。 本来であれば、そんな救済委員が目の前にいるのならば、風紀委員としてその者を捕まえなければならない。これも、当然のこと。 「・・・いえ、捕まえません」 「へぇ。どうして?」 「緋花・・・お前」 だが、そんな当然のことを焔火は拒否する。 「『己の信念に従い正しいと感じた行動をとるべし』。これが私達風紀委員の信念の1つです。それと同時に、これは私焔火緋花としての信念でもあります。 そして・・・荒我や斬山さんも自分の信念に従って行動しています。そんな人達を、私は捕まえることなんてできませんよ。 荒我。これは、いつかの屋台であなたには言っていたと思うけど、覚えてる?」 「あぁ。もちろん覚えている」 焔火の信念。それを、荒我は以前耳にしている。うまいラーメンを作る屋台で一緒になった時に。 「そうか・・・。なら、今は共同戦線を張ってくれるって解釈してもいいんだな」 「はい!ここまで来て、おめおめと引き下がれませんよ、私は!!」 「俺も居るぜ、斬山さん!!こうなったら、二度とあんな真似ができねぇようあいつ等の性根を叩き直してやる!!!」 「あぁ。その心意気だ!!」 そうして、荒我、焔火、斬山の3人は早速行動に出る。各々の信念に従って。 「そらひめ先輩―い。わたし、お腹がすきましたよー」 「チッ、仕方無ぇなあ。ほら、ビスケット。食うか?」 「わぁ。食べます、食べますー!!」 ここは、第6学区の空。“花盛の宙姫”こと閨秀と抵部は、風紀委員でありながら救済委員である春咲桜を捕まえるために、タレコミ情報にあった第6学区を飛んでいた。 「全く、お前がトイレがヤバいって言ってきかないから乗り遅れたじゃねぇか」 「だ、だって・・・あの時はほんとうにヤバかったんですもん」 「はぁ・・・。こんなことならあたし1人で来た方がよかったかな?」 「ひ、ひどいですー!!」 溜息を吐く閨秀。実は数十分前に、遠くから建物の屋根が崩壊する姿を目にした閨秀達は一目散に現場へ急行しようとしたが、 同行している抵部が「もれるー!!もれるー!!トイレに行かせてー!!」と叫んだため、急遽トイレを探す羽目になったのだ。 その後に、すぐに急行したもののそこ―屋根が半壊した倉庫―には既に誰も居なかったのである。 「まぁ、それでも手掛かりの1つ2つはあったからよしとするか」 「そうですねぇ。まさか、瓦礫の中からその・・・はるさき桜っていう人の鞄が見付かるとは思いませんでしたねー!」 「あぁ」 誰も居ない現場で、せめて手掛かりになるようなものが無いか『皆無重量』を用いて調べていた閨秀が見付けたものは・・・春咲桜の通学鞄であった。 つまり・・・あの場所に春咲桜が居た可能性が高いということ。同時に、渚に掛かって来たタレコミの信憑性が高まったということ。 「次は逃がさねぇ。必ず捕まえてやる!!」 「じゃっじめんとの信念にかけてー!!ですよね?」 「・・・あぁ。勿論!!」 『己の信念に従い正しいと感じた行動をとるべし』。閨秀はこの風紀委員の信念を気に入っていた。何故なら・・・誰の邪魔も受けずに己の信念を“貫き通せる”からだ。 だから、閨秀美魁は“貫き通す”。己が信念を。風紀委員や警備員でも無い人間が、治安活動に携わることを許さない、その信念を。 「ハァ、ハァ。くそっ!!」 ここは、第6学区のある歩道。そこに1人汗まみれになって走っている男がいた。その男の名は、鉄枷束縛。春咲桜と同じ159支部に所属する風紀委員である。 彼は、支部に掛かって来た真偽不明のタレコミ―春咲桜が救済委員である―が真実か嘘か見極めるために、情報にあった第6学区を彷徨っていた。 「ゴホッ、ゴホッ。・・・ハァ、ハァ。春咲先輩・・・!!俺は・・・俺は!!」 鉄枷は息苦しさから咳き込みながらも、走るのを止めない。でないと・・・考えてしまうから。己が尊敬する先輩が救済委員であるかもしれない・・・その可能性を。 『鉄枷君。大丈夫だって。また・・・戻ってくるから。それまで、私の分まで頑張って』 「春咲先輩・・・!春咲先輩・・・!!春咲先輩・・・!!!」 あの言葉は、あの微笑は、あの姿は果たして何処までが本当で、何処までが嘘だったのか。鉄枷は・・・考えたくも無かった。 continue!!
https://w.atwiki.jp/dangerousurass/pages/75.html
速川いずみ(はやかわ いずみ) 設定 セーラー服にショートカットの、陰鬱な目付きの気弱そうな少女。 生まれつき吃音持ちで、他人とまともに会話をすることができない。 かつてその魔人能力で残虐な殺人を繰り返した、連続殺人鬼である。 父親もまた殺人鬼であり、幼少時からの教育で歪んだ価値観が精神に根付いている。 よって理論的に戦うタイプではなく、殺戮本能に従った直感的な戦闘を行う。 格闘技等のセオリーではなく、ほとんど本能的にその場の環境を使いこなし、 柔らかな身のこなしで、意表を突いた致命的な一撃を与える戦闘スタイルである。 裁縫を趣味とする少女らしい一面もあるものの、その技能すらも殺人に活用される。 「身体スキル」:【手先が器用Lv.3】【身のこなしLv.3】 「知的スキル」:【殺戮本能Lv.4】【非社会性Lv.-2】 「固有スキル」:【東亰チェヰンソウマサクゥル[魔]】【凶器攻撃Lv.4】 「オプション」:【リボン一巻(6m)Lv.2】【ソーイングセットLv.2】 特殊能力『東亰チェヰンソウマサクゥル』 接触した物体上の半径2m圏内に、回転する「チェーンソーの刃」を生やす能力。 同時にいくつでも生やすことができ、刃の大きさもある程度調節できる。 「チェーンソーの刃」は実物同様の強度と切れ味を誇り、回転数の増減も自在。 発生するエンジン音や振動も、実物のチェーンソーと同様。 プロローグ 月の見えない曇天の夜の下、少女の白いシルエットはあまりにも寂しげだった。 足を進めるたびに、暗室の植物じみてふらふらと揺れる体。 歩道橋の下から時折届くヘッドライトが、その陰鬱な目を不規則な間隔で照らす。 目的があるのかどうかも分からない少女のその足取りは、歩道橋の中ほどで止まった。 彼女は伏せていた目を上げ、道路の反対側から階段を登ってくる、一人の男の影を認めている。 「こんばんは」 制帽のつばを人差し指で押し上げ、にこやかに挨拶する。 交番勤務の警察官なのだろう。まだ若く、態度には新人らしさが漂っていた。 「どうしたのかな、こんな時間に。 一人じゃあ危ない。お父さんのところに帰らないと」 「……あっ、あの、あの、し」 何か言葉を発しようとした少女の言葉は、しゃくりあげるようにして途絶えた。 唇を震わせながら警官の顔を見上げ、深く頭を下げる。 ショートカットの黒髪が、お辞儀に合わせて揺れた。 「は、速川、いずみと、申します。よ、よ、よろしく……お願……」 「知ってるよ。いずみちゃん」 警官が笑う。 「こ、この度は……お、お父……さんが、ふ、不徳を……いたし、」 「知ってるよ」 「……」 「お父さんの事は、本当に残念に思っているよ…… 彼は数少ない、僕の理解者だった」 一歩、二歩と後ずさるいずみに対して、警官は同じ歩調で距離を詰める。 歩道橋のちょうど中程。少女は怯えているが、恐らく逃げきることはできないだろう。 竦むような高さを隔てて、バイクの轟音が通り過ぎていった。 「一つ言い訳しておくけれど、僕は犯罪が本当に嫌いなんだ。 特に、酔っぱらいの暴行とか、家庭内暴力とかね。 そういう、汚らしい小悪党どもは、大嫌いだ」 「す、すいません……すいません!」 「責めているわけじゃあない。むしろ君のお父さんの凄さを褒めているのさ。 芸術だよ。ゲスな犯罪者じゃ駄目だ。彼のような人がいなくてはならなかった…… 警官と殺人犯。理想的な共生関係だった」 にこやかに笑う警官。 笑いながら、拳銃を取り出し撃鉄を起こす。ごく当然のように。 「でも君が、そのお父さんを殺してしまった」 「……」 「すると僕のことまで、誰かに言ってしまうのかもしれない。 もしかしたら僕を殺すつもりなのかも。 人を殺すような子供は、信用できないなぁ~」 「や、や、やめて……やめて……」 いずみは両手で顔を覆い、懇願の声を上げる。 銃口を向ける警官は、初めて『自ら』手を下す昂揚に興奮を抑え切れない。 頬が殺戮の愉悦に歪む。 「お父さんのところに帰るといい」 一発。二発。銃声は、車のエンジン音にかき消される。 少女の小さなシルエットは、ゆっくりと倒れて―― 「………………。 私は……嫌」 地面から聞こえた残響のようなか細い声に、警官は眉を顰めた。 歩道橋の柵が作る影で、倒れたいずみの体は暗く隠れている…… 彼女の頭を守るように、銀色の何かが生えているのは気のせいだろうか? 例えば、チェーンソーの刃のような。それが体から生えて、銃弾を防ぐ盾となっている。 先程から響くエンジン音は異様に近い。道路を走行する車の音ではあり得なかった。 (魔人能力) 警官の判断は素早かった。拳銃を地面へと、倒れ伏すいずみへと向ける。 その体が消えた。 否、恐るべき速さで――足音ではあり得ない『駆動音』が、背後へと回り込んでいた。 数瞬前まで確かに倒れていたはずの姿勢から。 「い、嫌……嫌なの……」 振り向いた時には既に、 「え?」 いずみは警官の眼前数cmの距離に迫っていた。 その腕から生えたチェーンソーの刃は警官の頭蓋を致命的に割り砕き、 彼の意識と生命を、赤黒い内容物と共に橋上にぶち撒けていく。 空中からの恐るべき強襲を終えたいずみは恐るべきエンジンの轟音と共に5m滑走し、止まる。 ガリガリガリガリ、と地を削る音。靴の軌跡には複数列の黒い焦げ跡が煙を上げて、 訓練を積んだ警官ですら成す術なく死に至った、彼女の『速度』を雄弁に語っていた。 「嫌。あなたは、嫌い――」 靴の下にキャタピラのごとく設置された、チェーンソーの刃―― 倒れた状態から一瞬で警官の背後に回りこんだ異常な機動の正体はそれである。 触れた箇所から『チェーンソーの刃を生やす』。それが速川いずみの魔人能力。 「……。さようなら」 少女は切断された死体に向けて、深く頭を下げた。 吃音はなかった。もはや生命を持つ人間ではないからだ。 寧ろ、薄い微笑みすらその可憐な唇に浮かぶようにすら見える。 「ごきげんよう」 「……また、会いましょう」 束の間雲間から現れた青白い月明かりが、橋上に散ったまだらを照らす。 眼下を行き交う、無数のエンジン音。 それらに紛れこむように、チェーンソーの音は夜闇に響く。 他のエンジンを停止させるためだけに稼働する、獰猛にして小さなエンジン。
https://w.atwiki.jp/indexorichara/pages/899.html
「ハァ、ハァ・・・。何だ、あの光は・・・?」 夜の第6学区をひたすら駆け回っていた鉄枷の目に映るのは、空に浮かび上がる幾つもの光源。 何の前触れも無しに突如浮かび上がったそれ等に、鉄枷は疑問を抱く。 「(ライト・・・じゃ無ぇよな。ぶっちゃけ空中を飛ぶライトって何だ?そんなもん、学園都市に住む俺だって聞いたこと・・・!!!)」 思案に耽っていた鉄枷を現実に引き戻したのは、轟音。何か固いもの同士がぶつかったような大きな音。それは、あの光源の方向から聞こえて来た。 「・・・!!ウオオオオオォォォッッ!!!!」 鉄枷は再び走り始める。風紀委員を務めている鉄枷の、それは勘。あの衝突音は、能力によって発生したもの。そう、鉄枷の勘が言っている。 もしかしたら、あの光源も能力者の仕業なのかもしれない。であれば合点がいく。今の状況において、第6学区という場所で発生した光と音。それが意味するものは・・・ 「ハァ、ハァ・・・!!」 救済委員。この第6学区で活動していると思われる者達。そして・・・春咲桜を救済委員として見掛けたという情報がある。能力者である彼女を。 能力者・・・すなわち異能の力を持つ者達。そして、救済委員にも多くの能力者が居ると言われている。もし、遠くに見て、聞いた光や音も異能の力によるものだとしたら。 「春咲先輩・・・!!」 鉄枷は、ある願いを胸に持てる力を振り絞って駆ける。それは、矛盾した願い。己が慕う先輩が、これから向かう場所に居ないことを願いながら。 “ソレ等”、すなわち数多の小型コンテナがまるで砲弾染みた速度で放出される。狙いは、過激派救済委員。 その放出前にいち早く己が危険を感じ取った金属操作は、即座に周囲にあるコンテナ群を液状化し、自分達を守る壁に鋳造する。鋳造が完了したと同時に・・・“ソレ等”が来た。 ガガガガガガガガガガガガガガッッッッッッ!!!!!! 砲弾並みの速度で放たれた小型コンテナや水の弾丸が、金属の壁を襲う。凄まじい衝突音。その威力に戦慄しながらも、壁の維持に集中する金属操作。 小型コンテナ自体の数は限られている。この攻勢も一時のこと。そう看破している金属操作にはその時、少しばかり余裕があった。それは、己の能力に対する絶対の自信。 真っ向からぶつかり合うのならば、負けることは無いと自負する己が能力への・・・それは驕り。 ドゴッ!!! 壁の一部分が小型コンテナとの衝突で砕け飛ぶ。それは、慣れない足場のために予定地点へ到達するのが遅れていた“彼女”にとって千載一遇のチャンスであった。 そして、“彼女”はそのチャンスを逃さない。 パアァァンッッ!!! 音が鳴り響く。それは、銃声。遠距離からの狙撃。狙いは・・・ 「グアアアッッ!!!」 「峠っ!?」 峠上下。過激派において、空間移動という重要な役割を負う彼女を本気で潰すために“彼女”は狙撃した。 峠は左腕から血を流し、その場にうずくまる。麻鬼が、狙撃された峠の傷を診るために駆け寄った。 「・・・銃弾が通過していない。まだ、肉体に残っている。峠、まずは、銃弾を肉体から・・・『残っている』・・・?」 麻鬼は銃弾が峠の肉体に残っていることから、狙撃手の当てを付ける。確か、“彼女”が持っている銃は設定次第で豆腐の中にすら弾頭を残す芸当が可能だった筈。つまり・・・ 「・・・菊・・・!!」 麻鬼は驚愕する。何故なら、峠の目が怒りで血走っていたからだ。それは、誰に対する怒りなのか。それは、峠にしかわからない。 「菊・・・!!!」 峠は、凄まじい怒りに囚われていた。自分を撃ったであろう“彼女”―花多狩菊―は、峠が信用する数少ない仲間である。 穏健派、過激派という思考も方針も違うグループに属しながらも、時には一緒に行動を共にし、時には力を合わせて敵に立ち向かう。 偶に性格の違いから喧嘩することもあるが、最後には―大概は峠が謝って―仲直りする。花多狩の穏やかな性格を、峠は気に入っていた。 峠が相手を下の名前で呼ぶのは、峠自身がその相手を信用していることに他ならない。 だから、『今回も』峠は花多狩が自分を本気で攻撃するなんて夢にも思わなかった。そんなことは、今まで一度も無かったから。 「菊ゥゥゥッッ!!!!」 「!?ま、待て、峠!!!」 銃声と着弾から、花多狩が居る方角はおよそわかる。峠は、麻鬼の制止を無視して、金属操作が作り出した金属の壁でできた影に入り込み・・・『暗室移動』を発動する。 対象者は、自分1人のみ。転移先は、花多狩が居るであろう方角の何処か。峠の頭には、今や友への怒りしか存在しなかった。 「上下ちゃん・・・?えっ・・・ど、何処に、行っちゃったの・・・?は、花多狩姐さんが・・・撃った?本気、で・・・?う・・・嘘・・・」 そんな峠の行動を目の当たりにして、酷く動揺する羽香奈。自分達に危険が差し迫っても、峠の『暗室移動』で楽々と退避する。だから、峠と居る時は何が起きても安心だった。 それが、今までの現実。少なくとも、峠と行動を共にしている時の羽香奈琉魅という少女にとって当たり前だったこと。その当たり前が・・・崩壊した。 「こ、この、このままじゃあ・・・。あ、あたし、も上下ちゃんみたいに、撃たれたり・・・?そ、そんなの・・・嫌・・・絶対に、嫌・・・!!」 元々、羽香奈は直接的な戦闘力を持たない能力者である。救済委員に入ったのも、そこまで深い理由があるわけでも無い。 お遊び感覚とまでは行かないが、どこかでナメていた節はあった。救済委員という存在が、時には命を懸ける程のものだったことを、彼女は自覚していなかった。 「嫌・・・嫌・・・嫌アァァァッッ!!!!!」 「羽香奈!?何処へ行く!?」 故に、羽香奈はパニックに陥る。命を懸けるという現実を自覚してしまったから。今の彼女には雅艶の制止も届かない。ただ、逃げる。それだけが、今の彼女に存在する選択肢だった。 「峠っ!?羽香奈!?あいつ等・・・」 金属操作は、峠や羽香奈の身勝手な行動に苦虫を噛むと同時に妙な親近感を抱いていた。彼女等も自分と同じように、抑えきれない衝動に突き動かされて行動を起こした。 本来であれば非難されて然るべき峠や羽香奈の行動を、金属操作は非難する気にはなれなかった。 「(・・・どうやら終わったみたいだな)」 今まで轟音をこの空間の響き渡らせていた衝突音が止んだ。つまり、弾切れということである。 「(とりあえず、壁の修復が最優先だな。あいつ等がまた攻撃してこないとも限らないし・・・)」 『シンボル』や穏健派から新たな攻撃が来ることを警戒する金属操作は、小型コンテナによって大きく傷んだ、しかし耐え切って見せた己が成果を見やって、それでも気を引き締める。 峠に一撃を浴びせられたのは、間違いなく金属操作の油断であったからだ。 「(・・・二度とあんな失態は演じねぇ!!今度こ・・・そ・・・?)」 壁の修復のために、周囲のコンテナ群を見る金属操作の目に映ったのは・・・漆黒のコートを羽織る男。 「・・・!!!」 その男を、金属操作はよく知っている。その姿が、その態度が、その言葉が、一々癪に障る男。その男が、金属操作に向かってある動きを見せる。 「!!!」 小型コンテナのよって砕かれた壁の一部を指差した後に、自分の左腕を押さえるその姿は・・・まるで、先程の峠の姿を思い出させるかのようだった。自分が犯した失態も一緒に。 そして、その姿は・・・まるで、自分の失態を嘲笑っているかのように金属操作には見えた。見えてしまった。 「こ・・・こんの・・・この馬鹿鴉があああぁぁぁっっ!!!!!」 だから、金属操作は止まらない。自分で自分を止められない。峠や羽香奈と同じように。よりにもよって、自分が一番嫌う男に自分の失態を見られたから。嘲笑われたから。 その際限無い怒りは、“激流”に対して放った怒りとは比べ物にならない程凄まじかった。 「おいっ!!金属操作!?くっ、馬鹿鴉とは啄のことか!?雅艶!この近くに奴が居るのか!?」 「いや、少なくとも俺の『多角透視』では近くに啄の姿は見当たらない!!幾ら奴が『分裂光源』で自分の姿を生み出せたとしても、 この近辺にいない奴がコピーの光をうまく操作できるとは思えない。金属操作の見間違いか何かじゃ無いのか!?」 「くっ・・・。どいつもこいつも勝手に動き回って・・・!!奴等の思う壺だぞ、これでは!!」 麻鬼と雅艶は、自分達が不利な現状に置かれていることを自覚する。 この場に居るのは、雅艶、麻鬼、躯園、林檎、七刀、刈野の6名。峠、羽香奈、金属操作の3名はこの場から離れてしまっている。 特に、防御に秀でている金属操作と移動能力を有する峠がこの場を勝手に離れてしまったのは痛かった。 「林檎?あなたの念話能力で峠達と回線を繋げることはできない?あなたの念話範囲は相当広いんでしょう?」 「躯園姉ちゃん・・・ゴメン。あたしの能力は念話を繋げる相手の場所がわからないと回線を繋げられないんだ。相手に大音量をぶち込むのも一緒の理由で、今は無理なんだ」 「雅艶君。あなたの『多角透視』で林檎さんに峠さん達の居場所を伝えて連絡を取るか、『敵』の居場所を伝えて動きを封じるか・・・というのはできないの?」 「・・・『敵』も峠達も今は常に動いている。『多角透視』からの『音響砲弾』では、どうしてもタイムラグが発生する。林檎の言う条件では無理だろう」 「で、でも!位置さえわかれば、待ち伏せみたいなことはできるよ!?念話でも攻撃でも!別に対象を見ないといけないっていう能力じゃないし!」 「・・・それも無理だな。お前はこの辺りの地理に詳しくない。それどころか、今日初めて訪れた場所だ。 この辺りはコンテナが数多く並んでいて、見通しがすこぶる悪い。幾らお前の演算能力が優れていようが、演算に必要な地理情報がお前に備わっていない以上、有効性は低い」 「・・・ごめんなさい」 雅艶の冷静な指摘を受けて、林檎はしょんぼりしてしまう。林檎の『音響砲弾』は念話能力の発展形であるため、普通に念話能力としても機能する。 その有効範囲も半径1キロ、一度に回線を繋げられる人数は数十人にも及ぶ。『音響砲弾』も同様に。 但し、その回線接続には対象の位置を林檎が認識する必要がある。それは、視覚で無くてもいい。林檎が対象者の居る場所を何らかの方法で認識できれば繋げることができる。 言い換えれば、その場所を具体的に認識できなければ回線を繋げることはできない。例えば・・・初めて訪れた場所とか。 「となると、これからどうする、雅艶?おそらく、奴等はこうしている間にも俺達を狙って来るぞ? 俺としては、峠や金属操作がいない以上こうやって一箇所に固まっているのは得策では無いと考える。包囲戦を仕掛けられる危険性もあるしな」 「確かに、麻鬼さんの言う通りです。今は徹底抗戦よりも、何組かに分けて穏健派の攻勢を掻い潜り、このターミナルから脱出を図った方がいいかと思います。 状況はこちらに不利ですが、雅艶さんや林檎さんの助力があれば、峠さんの移動能力が無くてもここを脱出するくらいは可能でしょう」 「峠さんや金属操作君は自力で何とかできるだけの力はある。羽香奈さんは・・・もし穏健派と衝突することになっても殺されるということは無いと思うわ。 一応穏健派だし、彼女。希望的観測なのはわかってるけど」 「ということだ。いいな、春咲。お前は不服だろうが、今は何よりここからの脱出が最優先だ。もし、この方針に逆らうと言うのなら・・・お前も『裏切り者』として・・・」 「・・・わかったわよ。林檎を危険な目に合わせたくはないし。あのクズと穏健派の連中には、後で目に物を見せてくれるわ!!」 一番反発するであろう躯園を脅しでもって承諾させた雅艶は、早急にここからの脱出方法を企てる。 「よし。まずは、林檎!お前は俺達全員と念話回線を繋げろ。俺が『多角透視』から得た情報をお前に送るから、それを皆に周知する。いいな?」 「わ、わかった!!」 「組み合わせは、俺と麻鬼、七刀と刈野、春咲と林檎という3組。それぞれ、脱出する方向は別だ。異論はあるか?」 「林檎と一緒なら私には異論は無いわ。林檎、お姉ちゃんが必ず守るからね」 「う、うん!」 「私は刈野さんとですね。了解しました」 「私も異論は無いですよ」 「俺もだ」 「よし。それでは・・・行動開始!!」 そうして、雅艶達は早急にターミナルからの脱出を図る。そんな彼等を・・・『敵』は黙って見過ごすわけが無い。 ここは、戦場。何が起きるのかを完全に予測し得る者など存在しない、それは世界の一部たる混沌が支配する掟無き渦の如し。 continue!!
https://w.atwiki.jp/nissin/
『二十面相の娘』まとめ@wikiへようこそ ここはフジテレビ系列で放送中のアニメ『二十面相の娘』のまとめサイトです。 自由に編集してもらってOKですが、原作からのネタバレはご遠慮下さい。トップページのみ編集を制限してます。 作品に関してはまず、こちらをご覧下さい。→ Q&A 現行スレ: 二十面相の娘 13夜目 http //changi.2ch.net/test/read.cgi/anime/1218121119/ NEWS! ■関連商品情報 DVD「二十面相の娘」1 7月25日発売!→DVD DVD「二十面相の娘」2 8月22日発売!→DVD 「二十面相の娘」全巻BOX入りセット サイン入りポストカード付(楽天)予約受付→コミックス ※BOXは付いてきません※ 売り切れ、Amazonは在庫アリ DVD「二十面相の娘」1予約受付中→DVD OPテーマ曲「霞」(369)5月21日発売→CD オリオンサーカス団Tシャツ ブラック予約受付中→グッズ ■公式HP更新情報 テレコム公式:テレタレ(ときどき制作日記)更新(8/08) アニメ公式:StaffBlog、Story16話追加更新(8/07) テレコム公式:テレタレ(ときどき制作日記)更新(7/29) アニメ公式:StaffBlog、Story15話追加更新(7/24) テレコム公式:テレタレ(ときどき制作日記)更新(7/22) テレコム公式:テレタレ(ときどき制作日記)更新(7/18) テレコム公式:テレタレ(ときどき制作日記)更新(7/15) テレコム公式:テレタレ(ときどき制作日記)更新(7/11) アニメ公式:StaffBlog更新(7/11) アニメ公式:StaffBlog更新,Story13話追加更新(7/09) テレコム公式:テレタレ(ときどき制作日記)更新(7/03) アニメ公式:story12話追加(7/03) アニメ公式:StaffBlog更新(7/01) テレコム公式:テレタレ(ときどき制作日記)更新(6/30) 施療院島(原作者HP)日記病棟更新(6/27) テレコム公式:テレタレ(ときどき制作日記)更新(6/27) テレコム公式:テレタレ(ときどき制作日記)更新(6/24) アニメ公式:Story第11話追加、StaffBlog更新(6/24) アニメ公式:StaffBlog更新(6/23) アニメ公式:Story第10話追加更新(6/20) テレコム公式:テレタレ(ときどき制作日記)更新(6/19) テレコム公式:テレタレ(ときどき制作日記)更新(6/17) テレコム公式:テレタレ(ときどき制作日記)更新(6/13) アニメ公式:Story第9話追加更新(6/11) テレコム公式:テレタレ(ときどき制作日記)更新(6/10) 施療院島(原作者HP)日記病棟更新(6/07)1ヶ月以上ぶりの更新 テレコム公式:テレタレ(ときどき制作日記)更新(6/06) テレコム公式:テレタレ(ときどき制作日記)更新(6/03) アニメ公式:Story第8話追加更新(6/02) アニメ公式:News NHK「トップランナー」情報(5/31) アニメ公式:Trailerいつのまにか変わってました テレコム公式:テレタレ(ときどき制作日記)更新(5/30)部屋が暗くなっている空間=背景画のセクション、かな? アニメ公式:Story第7話追加更新(5/28) テレコム公式:テレタレ(ときどき制作日記)更新(5/27) アニメ公式:StaffBlog、Character(トメ、春華追加)更新(5/24) テレコム公式:テレタレ(ときどき制作日記)更新(5/23) アニメ公式:StaffBlog更新(5/21) テレコム公式:テレタレ(ときどき制作日記)更新(5/20) テレコム公式:テレタレ(ときどき制作日記)更新(5/16) アニメ公式:StaffBlog更新(5/15) アニメ公式:StaffBlog更新、Story第6話追加更新(5/14) テレコム公式:テレタレ(ときどき制作日記)更新(5/13) ■作品紹介記事&番組 アニメーションノート No.10 「二十面相の娘」の特集アリ→紹介記事、番組 月刊アニメージュTV VOL.53 プレゼント→紹介記事、番組「二十面相の娘」原作コミックと番外編を、小原愼司先生直筆サイン&イラスト入りでプレゼント! Charaberrys Vol.4(エンターブレイン)→紹介記事、番組 月刊コミックアライブ8月号『二十面相の娘 少女探偵団』読切り掲載→紹介記事、番組 オトナアニメVol.8 (洋泉社MOOK)→紹介記事、番組 NHK「トップランナー」(声優)平野綾総合/デジタル総合 6月2日(月)24 10~24 50 教育 6月7日(土)25 35~26 15(再放送) 番組内容:▽20歳の素顔 ▽乱歩「怪人二十面相」朗読 関西テレビ☆京都チャンネル(CS)ほびーワールド計画 #34→紹介記事、番組 ※放送期間は終了しました※ 最寄の放送日、時間 フジテレビ 8月16日(土)26 05~ 第17話「大暗室」 関西テレビ 8月20日(火)26 29~ 第16話「暗号」 東海テレビ 8月22日(金)27 35~ 第15話「少女探偵団」 ※8月8日,15日は休止※ BSフジ 8月18日(月)24 30~ 第14話「死の飛行船」 注:録画予約の終了時間は1分多めに! イントロダクション 義父母に命を狙われる孤独な日々を送っていた美甘(みかも)の令嬢・千津子(チコ)は、正規の怪盗・二十面相にいざなわれて未知の冒険の世界へと旅立つ。初めて触れる自由な空気、新しい仲間に囲まれ、自分の居場所を見つけたチコは、少しずつ変わっていく。 “二十面相の遺産”と呼ばれる巨大な謎をめぐって起こる、数々の奇怪な事。それにまつわる人々の哀しい思惑。チコは、それでも前に進まなくてはならなかった。その先に、さらなる数奇な運命が待ち受けていたとしても-----。 本作品は、スピード感のある冒険活劇の中に、健気で、凛とした佇まいの美少女チコの11歳から13歳までの「心の成長」を描いてゆく。 (公式HPより) 放送情報 フジテレビ 毎週土曜深夜 26 05~(最速) 関西テレビ 毎週火曜深夜 26 29~ 東海テレビ 毎週金曜深夜 27 35~ BSフジ 毎週月曜深夜 24 30~
https://w.atwiki.jp/lovemanga/pages/46.html
あらすじ 超絶美少女、山田15歳(処女)。学校屈指の美貌を持ちながら、日がな、エロ妄想に身をゆだねる彼女の目標は、ずばり「セクフレを100人作ること」。モテ系なのにエロ。思春期男子の3倍速で空回る彼女の野望の行方は? +... 超絶美少女、山田15歳(処女)。学校屈指の美貌を持ちながら、日がな、エロ妄想に身をゆだねる彼女の目標は、ずばり「セクフレを100人作ること」。モテ系なのにエロ。思春期男子の3倍速で空回る彼女の野望の行方は? 夢はセクフレ100人。初キスを経験して「山田II」へと進化をとげた山田(処女)だけど、強力ライバルの出現で、平凡なクラスメイト小須田との道は前途多難で…!? 暗室あり! プールあり! 山の中あり! どとうの展開が押し寄せる第2巻!! 立てば芍薬、座れば牡丹。見た目は学校一の美少女・山田の目標は「セクフレ100人達成」。でも、実際はいまだ経験0の耳年増…。手頃な一人目と選んだはずの平凡同級生・小須田との仲もようやく少しずつ進んできて…!? ライバル金城京香との対決も激化、暴れまくってる情熱の第3巻! 「小須田がマグロであたしがリードしたい」などと赤面して言うモテ系女子高生・山田(処女)。クラスの女子人気投票のあおりで、彼氏未満の平凡男・小須田に公衆の面前で告白され…!? イケメン・金城兄も参戦。めくるめく愛と官能の(?)第4巻! あの子が憎い…。ライバル山田に敵意を燃やす美人お嬢様金城京香は、小須田をターゲットに。だが、その落としテクは誰かさんと同じレベルで…!? 金城邸のいけないクリスマスパーティーを含む第5巻!! もう迷わない。決意を固めた山田は、小須田とともにクリスマス早朝からいよいよホテルへ。しかし、二人の関係を純情熱血教師・赤井先生にも察知されて…!? 横ヤリ・トラブル無尽蔵! 脇キャラも大活躍の第6巻! 「ラブホ直行」したかったけど…。肝心の小須田はデートで山田をかばって怪我して入院。負い目を感じた山田が、思いついた献身的な秘策とはエロナース!? そして、バレンタインも近づいて…幼馴染、巨乳、メガネっ子・宮野の脅威が迫り来る!? 真面目に不真面目! 真っ直ぐ暴走! ノーブレーキの第7巻! ついに付き合い始めた山田と小須田 しかし、山田の殺人的なツン(デレ)力に小須田はボロボロに…。一方、学校生活では恋活! 合コン!! 三郷に彼氏!? 女教師プレイまで飛び出して…。いつでも全力! 気が付きゃ逆走!! 寄り道につぐ回り道!!! 京香さんとの河原決闘編も収録の第8巻!! 山田と同じ大学に行く!! 猛勉強中の小須田に課せられた金城家の総力をあげた滝修行!? 頑張る小須田に京香さんの初恋とポロリが炸裂。そして、最強の恋敵・圭一を退け…2人は、ついに初H!!!? 卒業の季節には…宮野、京香、片瀬、三郷とみずきそれぞれの脇キャラにも転機が。見所沢山! カラーも充実!! 描き下ろし宮野編を含んだエロ妄想4コマの金字塔、最終巻!! B型H系 アニメ 関連ページ 女の子がくっそかわええ漫画教えてクレメンス ヤングジャンプ は行 レビューポイント(5が最高) 選択肢 投票 1 (0) 2 (0) 3 (0) 4 (0) 5 (0) コメント コメント ヒロインの下の名前は原作でもアニメでも明かされていない!どんな漫画だぁ!!嫌味にならない程度の下ネタがジャブジャブな漫画です。絵も綺麗で完全に壺です。竹下さんのツッコミがドンドンひどくなっていきます(笑) 竹下さんのツッコミが巻を追う毎にどんどん酷くなっていく漫画。 それもこれも無駄な美貌の持ち主、主人公山田のせい。 そもそも、主人公なのに名前が無いとかどうよ!? ま、とにかくじれったいながらもテンポ良くギャグをがんがんぶっこんでくるので正直な話、かなり面白い。 生徒会役員共あたりが好きなら、絵も綺麗なのでおすすめできる。 みんなの感想 }(document,"script","twitter-wjs"); /script } ,rules [ { "name" "AnyOther", "message" "気に入ったらシェアしてね!", "action" { "type" "button", "text" "Share this page", "verb" "share", "service" "preferred" } }, { "name" "Twitter", "match" { "referringService" "twitter" }, "message" "If you find this page helpful ", "action" { "type" "button", "text" "Tweet it!", "verb" "share", "service" "twitter" } }, { "name" "Facebook", "match" { "referringService" "facebook" }, "message" "Tell your friends about us ", "action" { "type" "button", "text" "Share on Facebook", "verb" "share", "service" "facebook" } }, { "name" "Google", "match" { "referrer" "google.com" }, "message" "If you like this page, let Google know ", "action" { "type" "button", "text" "+1", "verb" "share", "service" "google_plusone_share" } } ]}); /script !-- AddThis Welcome END -- }
https://w.atwiki.jp/83452/pages/1210.html
唯「あずにゃ~ん、待ってぇ~・・・」 梓「唯先輩、足遅すぎです」タッタッタッ 唯「うぅ~ごめん・・・」ゼェハァ 梓「まあ闇雲に走ってもしょうがないです。聞き込みしてみましょう」 唯「おおう!あずにゃん名探偵!」 梓「見かけは子供、頭脳も子供・・・!」 唯「それじゃただのでくのぼうだね!」 梓「」 梓「せっかく乗ってあげたのに・・・」 唯「ごめんよー?」 梓「全く、それよりも、あまり人がいないですね・・・」 唯「うーん、誰かがいたら一発なんだけどなー」 梓「なんでですか?」 唯「ほら、『黄色いカチューシャつけてる人、見ませんでしたか?』なんて聞いたらすぐだと思わない?」 梓「確かに!あんな髪型してるの、律先輩以外にいないですもんね!」 唯「そうそう。・・・はぁ、誰かいないかなー?」 梓「うーん・・・あ!純!」 純「!?」ビクゥ!? 梓「ちょっと、なんでそんなに怯えてるの?」 純「は、ははは、なんでだろうね?梓に関わるとロクなことがないって本能的に察してるみたい」 梓「大丈夫大丈夫、もう和先輩のところに置き去りにしたりしないって」 純「・・・(こいつ、自覚あるのかよっ)」 梓「ところで、律先輩みなかった?」 純「律先輩って・・・あのカチューシャのイケメン先輩?」 梓「そうそう、ちょっと小さいけど割と女ウケ良さそうな先輩」 唯「あずにゃん!」ボソッ 梓「な、なんですか」ボソッ 唯「りっちゃんだよ!ほら、あそこにいるの!」ボソッ 梓「へ!?」 唯「・・・こっち、見て・・・笑ってる?」ボソッ 梓「もしかしたら、私達が来るの・・・待っててくれたのかもしれませんね」クスッ 純「梓ー?」 梓「あ、ごめんごめん」 純「律先輩ならすぐそこにいるじゃん!」 梓「うん、そうだね、焦ってて気付かなかったよ」 純「うん、あそこが立ってる人だよね?」 梓「接続詞ぃぃぃぃぃ!!!!」 律「・・・わ、私・・・勃起してないもん!!!」ダッ 唯「」 梓「純!なんでこんなときに限って!!!」 純「ごめん!あそこに立ってる人って言おうと思ったんだよ!本当だよ!?」 唯「りっちゃんのかたきぃー!」ドゴォォ! 純「ぐぎゃぁぁ!!」 梓「純、それは純が悪い」 純「ちょっと・・・しか、悪く、ないもん・・・!!」 梓「「ちょっとでも純が悪いんだよ?わかる?」 純「お前・・・かはっ・・・おえ・・・!」 唯「もうっ、りっちゃんを傷つけた罰です!」プンプン 純「いや、プンプンなんて可愛く言っても、さっきのパンチはフォローできないからな」 唯「あれは私の力じゃありませんっ!天罰です!」 純「あんたなら・・・アリスターにも、勝てそうな気が、する・・・」ガクッ 梓「あ、気絶した」 唯「いいよ、早くりっちゃんを追いかけよう」 梓「じゃあ私はこっち探すんで、唯先輩はあっちを」 唯「了解!澪ちゃんとムギちゃんには私から電話しておくね!」 梓「はい、お願いします。それじゃ」ダッ 唯「あ、澪ちゃん?あのさー、アリスターって誰?オーフレイム?知らないなぁ」 梓「って!もっと別の用事があるだろ!!」スパーン! 唯「そうそう、それじゃ、お願いね!」ピッ 唯「よし、二人に連絡も済んだし、りっちゃんを探そう!」 唯「おーい、りっちゃん!」タッタッタッ 唯「りっちゃんってばー!」 唯「・・・りっちゃん、怒って帰っちゃったのかな?」 唯「あ、そうだ!音楽室に戻ろう!」 … … ガチャ 唯「誰もいない、か・・・」バタン 唯「りっちゃんの鞄は・・・あった!よし、りっちゃんはまだこの校舎内にいる!」 唯「帰れないように鞄とか隠しちゃえ」ゴソゴソ 唯「これでよし!あとは任せた!あずにゃん!」 梓(先輩・・・どこに行っちゃったんだろう・・・) 梓(私が悪ふざけであんなこと言ったりしたから・・・!!) 梓「先輩、ごめんなさい・・・先輩は可愛い女の子ですよ・・・」 律「いってぇぇぇ!!」 梓「・・・前言撤回」 律「ちきしょー・・・!いってぇ~」 梓(女の子のリアクションじゃないですよ、あれ。っていうか、足ぶつけたのかな・・・?) 律「くっそぉ、なんでこんなところに段差があるんだよ!」 梓(それはここが階段だからです) 律「・・・なんなんだよ・・・なんでみんな・・・!」 梓(律先輩・・・)」 律「なんでだ・・・?男扱いされなきゃいけない・・・?男っぽいところって言えば、トランクス履いてるくらいじゃないか・・・」 梓「」 梓「・・・あの・・・」オズオズ 律「あ、梓ぁ!?」 梓「そんなにビックリしなくても・・・」 律「ああ、ごめんごめん・・・」 梓「あの、先輩?」 律「な、なんだよ」 梓「さっきは、ごめんなさい」 律「へ?」 梓「男扱いして、すみませんでした・・・」 律「あ、ああ。ううん、いいんだy」 梓「っていうつもりでしたけど、そんな気も失せました」 律「」 梓「なんで女の子がトランクスなんて履いてるんですか!馬鹿じゃねぇの!?」 律「お前今最後馬鹿って言ったな!?このやろー!」 梓「女の子に暴力振るうなんて最低ですよ!?」 律「う゛・・・!」 梓「先輩、ちょっとこっち来て下さい!」 律「ななななんだよー!」 梓「いいから!」ガラガラ 律「こんな空き教室に連れてきて、なんだっていうんだよ!怖ぇよ!」 梓「安心してください!空き教室じゃありません!写真部の暗室です!」バタン 律「余計怖いわー!!!」 梓「怖くない怖くない」ガチャ 律「今ガチャって聞こえたんですけどー!?」 梓「いいから」 律「いや、いくねぇよ」 梓「先輩、さっきは冗談で男男って囃し立てましたけど・・・」 律「な、なんだよ」 梓「・・・私、先輩のこと、応援してますから!」 律「はい?」 梓「恥ずかしいことじゃないんです、確かに人には理解されない悩みかもしれません・・・」 律「えーっと?」 梓「でも!私は先輩を応援します!自分が生まれ持って来るハズだったものを、 お母さんのお腹の中に落としてきてしまった。・・・ただ、それだけなんですよね?」 律「待て」 梓「わかります。国内ではまだ難しいかもしれませんが、きっと大丈夫です。モロッコにでも行けば・・・!」 律「モロッコ?」 梓「えぇ、モロッコでモッコリです」 律「馬鹿かー!!!」 梓「」 梓「ひどい・・・私は先輩のためを思って言っているのに・・・じゃあ、タイの方がいいですか?」 律「私は手術する国に拘ってるワケじゃないっての!」 律「いいか!私は女なの!この先もずっと女のまま生きていくの!」 梓「悲観しないで下さい!」 律「してねー!!!いいか、私は女として生きていくことになんら不満を抱いていない!」 梓「・・・へ?」 律「だからぁ、性同一性障害じゃないっての!」 梓「トランスジェンダー」 律「用語で言うな!」 梓「じゃあなんでトランクスなんて履いてるんですか、乙女がそんなことしていいと思ってるんですか!」 律「・・・聡」 梓「はい?」 律「最初は私だって嫌だったよ。でも、母さんが洗濯するの忘れててさ。聡のトランクスしかなかったことがあったんだ・・・」 律「その時、ノーパンで行くかトランクスで行くか迷ったんだけど・・・流石にノーパンはマズイしってことでトランクスを履いたのが始まりだ」 律「この開放感がなんとも癖になってなー。それからは週2くらいでトランクス履いてる」 梓「そんな・・・トランクスなんて邪道です!!」 律「なんだと!」 梓「ノーパンの方が優れています!」 律「意味わかんねぇよ!!っていうかトランクス履いたことないくせに!」 梓「履くまでもないですって」 律「なんだとー!貸してやるから履いてみろ!」 梓「はぁぁぁぁ???」 律「とことん馬鹿にしたようなその溜息・・・!!この、意地でも履かせてやる!!」 梓「やめてください!穢れます!」 律「うるせー!脱げ!」 梓「」カッチーン 律「ななな、なんだよ・・・」 梓「言われなくても脱ぎますよ!」 律「・・・へ?」 梓「元々律先輩にパンツ見せてあげようと思って探してたんですよ」 律「・・・へ?いいのか?」 梓「いくないです。だって、律先輩、本当に男の人みたいなんだもん。トランクス履いてるし」 律「だから、それ以外は普通の女の子だっての」 梓「本当ですか・・・?」 律「ああ」 梓「じゃあパンツ見せてあげますけど、興奮しないでくださいね?」 律「安心しろ、私は変態机じゃないから」 梓「それもそうですね・・・」 律「梓のパンツ見終わった後はトランクス履かせるからな」 梓「もーこうなりゃヤケです、いいですよ」 律「よっしゃ!じゃあまずパンツ見せろよ」 梓「その高圧的な言い方が男っぽいって言ってるんですよ」 律「どーすりゃいいんだよ」 梓「黙って見てればいいんですよ。決まってるじゃないですか。・・・馬鹿?」 律「ひでぇ!」 梓「ほら」ピラッ 律「・・・」 梓「なんですか」 律「・・・見えねぇ」 梓「あっそっか。ここ、暗室ですもんね」 律「ああ、ライト・・・ライトはどこだ」 梓「きっと懐中電灯があるハズです、探しましょう」 … … 律「あった!」 梓「よし、今度こそ・・・」ピラッ 律「行くぞ?」カチッ 梓「ちょっと、足照らしてどうするんですか」 律「いいじゃん、こういうのは徐々にいった方がいいだろ?」 梓「律先輩って、男の人っていうよりもオッサンですね」 律「うううるへー!」 梓「ほら、なんでもいいですから。せっかくだから楽しめばいいですよ」 律「くっそー小ばかにしやがってー」 梓「ほら、早くしたらどうです?」 律「・・・///」 梓「なんですか」 律「いや、これ、意外に恥ずかしいぞ?」 梓「いや、私の方が恥ずかしいですって」 律「そそうなんだけど・・・なんかこう、照れる・・・///」 梓「・・・ヘタレですね」 律「うぅ・・・梓、代わりにやってくれ」 梓「・・・いいですけど、傍から見たら私、完璧に痴女ですね」 律「まあいいんじゃないか?ノーパンだったし」 梓「うっさいです。じゃあ、行きますよ?」ペカーン 律「う、わ・・・///」 梓「ちょっと、照れないで下さいよ。こっちまで恥ずかしくなります」 律「う、うん・・・」 梓「ほら、見ました?」 律「あ、ああ。もういい、もういいから」 梓「とんだヘタレ野郎ですね」 律「野郎じゃねー!レディーだ!ウーマンだ!ガールだ!ギャルだ!」 梓「はいはい」 律「よし、懐中電灯消せよ」 梓「・・・本当に履かないと駄目ですか?」 律「ああ、駄目だ」 律「トランクスの素晴らしさを思い知れ!」 梓「えー・・・」 律「ほら、脱げよ」 梓「わかりましたよ」スルスル 律「・・・」 梓「って、先輩も脱ぐんですよ?」 律「あ、ああそっか」スルスル 梓「ノーパンですかー?」 律「ああ、ノーパンだ!」 梓「ノーパンのこの開放感、病み付きになると思いません?」 律「思いません」 梓「チッ・・・んじゃ、これ履けばいいんですね?」 律「おう!履いてみろ!」 梓「せっかくだから先輩も私のパンツ履いたらどうです?」スルスル 律「へ?・・・あ、ああ、じゃあそうするよ」スルスル ガチャ 律梓「!?!?!?!?」 写真部「えーと・・・すみませんでしたぁ!!!」バタン! 梓「あぁぁ!!誤解です!」 律「ちょっと待て!違うんだって!」 梓「・・・最悪のタイミングでしたね・・・」 律「どうする?」 梓「ギャラリーが沸いたら面倒です。とりあえずここを出ましょう」 律「だな」 … … 澪「・・・見つからないな・・・いったん音楽室に戻るか」 紬「あら、澪ちゃん!」 澪「あ、ムギ!」 紬「りっちゃん、見つかった?」 澪「いいや、全然」 紬「私もよ・・・」 澪「一旦音楽室に戻ろうと思ってたんだけど・・・」 紬「それがいいかもしれないわね」 澪「よし、そうと決まればって・・・なんだあれ」 紬「何かしらね、あの人ごみ」 澪「行ってみるか」 … … ガヤガヤ 写真部「本当だって!ここで明らかに事後の二人が着衣を・・・!」 吹奏楽部「えーだっていないじゃん?」 華道部「ん・・・ちょっと待って」 吹奏楽部「どうしたの?」 華道部「見てこれ」 写真部「・・・懐中電灯?なんでこんなところに?」 華道部「確かに、誰かが居たっていうのは間違いないみたいね」 吹奏楽部「えーでも事後ってことはないんじゃない?流石にさー」 写真部「でも、事後じゃなかったらなんだっていうのよ・・・」 ジャズ研「ちょっと待って、さっきから事後事後って言ってるけど、何を見てそう判断してるの?」 写真部「・・・丁度パンツ、履いてるところだった」 一同「なん、だと・・・!!」 3
https://w.atwiki.jp/roborowa/pages/115.html
美しき反逆者 ◆y5jHGSZ3N6 B‐8の黄色のビル内。 女━ラミア・ラヴレスは一人、目を瞑って両腕を組み、壁にもたれかかり佇んでいた。否、現状確認を行っていた。思考を廻らすラミア。 (確か、私は晴海の式典会場で拉致された筈だ・・・。) ここまでのことを思い返す。自分は確か、仲間や大勢の民間人ともども晴海の展示場で突然暴走を開始したバルトールに拉致されたはずだ。 だが、気がつけば先程の薄暗い空間に寝かせられており、説明が終わるや否やB‐8エリアのビル前に転送されていた。 転送されたのがビル前だったこともあり、ラミアは一旦ビルに入り自らのコンディションチェックを手早く終了させ、ビル内が無人である事を確認した後暗室にて上記の行動をとっているのである。 (そして、この訳のわからん事に参加させられる羽目になった。それが今の現状か。) 現状確認を終了したラミアは、攫われた人間や拉致について考える。 (この下らん事のためにわざわざ民間人ごと私を拉致したのか?) 言葉にしたら、間違いなく呆れ声になっていたであろう思考。だが、説明を聞いたとき引っかかる1つの単語があった。壊し合い。その単語がラミアに疑問を抱かせた。 (しかし・・・シグマとか言う個体は、壊し合いといった。何故機械同士の壊し合いでわざわざ人間まで攫う必要がある? ) そこまで考え、目を開き、ポケットから支給された端末を取り出し、名簿を確認する。 共に攫われた仲間達の名前が無いかどうか確認するためである。 (知った名前は無いか。まあ当然だな。彼らは人間なのだし、それに・・・・) そこまで考え、不意に切なさがこみ上がり表情が暗くなる。この壊し合いに参加出来るような元仲間達━シャドウミラーのWシリーズ━は、彼女とその仲間達が数ヶ月前に撃破したのだ。 (だが・・) 切なさを押さえ込み、心を兵士のそれに戻す。表情も元に戻り、目を瞑って思考を再開する。 (攫われた人間はどこに連れ去られた? いや、そもそも奴が拉致の黒幕なのか?・・・現時点では判断がつかん。情報が必要だ。) 攫われた人間や拉致についての現時点での判断、考察は不可能と結論付ける。次に彼女は、説明の最中シグマに奇襲をかけ爆死した個体の事を考えた。 (セイン・・・とか言ったか。爆発したことからして、私の体にも同様の爆弾が仕掛けられているのだろう。そう、仕掛けられているだけだ。奴の行動が解せん。なぜ壊し合いだ? 集められた連中のうち1体しか残れんなら、実質的に破壊する事と変わらん。私達の破壊が目的とするならば、爆弾を埋め込む間が有るぐらいだ。その間に破壊すればいい。 なぜ奴はそれをしない? この件も情報が必要だ。ここはやはり、あのシグマと敵対していると思われる、エックスと言われた個体や非交戦的な個体と接触し、情報を得るのが現時点での最良か。) 行動方針を決定し、与えられた支給品を確認すべくPDAを操作するラミア。途端、箱状の物体、そして物体の説明文がディスプレイに写る。その物体はラミアのよく知るものであった。 (クレイモア地雷が4個か。M18クレイモアとはまた旧式だな。しかし・・・クレイモアを見ると、ついアルトを連想してしまう。) クレイモアを見たことにより、キョウスケ=ナンブの愛機、アルトアイゼンリーゼがラミアの脳裏に浮かぶ。そして、PDAを操作し他に支給品が無いか確認しようとして、不意にある考えが脳裏をよぎり・・・・・・・・背筋が凍りついた。 (・・・・いや、まさかソレはありえん。有り得たとしたら、壊し合いになぞならん。単なる虐殺だ。それに、その類の物を支給すればシグマにまで危険が及ぶ。) 危惧した事━パーソナルトルーパー等の人型機動兵器が支給品として参加者に支給されるような事は無いと結論付ける。 (だが・・・シグマが所持している事は大いに考えられるな・・・・何機あるかはわからんが、厳しい戦いになりそうだ。) 人型機動兵器との彼我戦力差を想像し、ラミアの顔が険しくなる。しかし、それも一瞬の事。すぐに不敵な笑みを浮かべた表情に変わる。 (だが、これは最悪の場合だ。現時点では根拠の無い憶測に過ぎん。それに・・・) そして、クールかつ強い口調で言い放った。 「どんな敵であろうが、ただ打ち貫くのみでございますですの。・・・・やはり言語回路が不調だ。」 (私はハガネやヒリュウの仲間達から学んだ。どんな時も諦めない事を!!そしてお母さん。私はW17としてではなく、ラミア・ラヴレスと言う1人の人間、教導体の一員として壊し合いを止めるため戦います。どうか見守っていてください・・・) そして彼女は再び支給品の確認作業に戻った。 【B‐8 黄色のビル内/一日目・深夜】 【ラミア・ラヴレス@スーパーロボット大戦OG外伝】 [状態]:健康。 [装備]:なし [道具]:支給品一式、M18クレイモア×4、不明支給品(0~2個) [思考・状況] 基本思考。打倒シグマ。必要なら誰かと共闘する。晴海の人間拉致の黒幕について疑問 1:シグマや壊し合いについての情報を得るため、エックスと接触する 2:壊し合いに乗っていない個体と接触し、情報を得る。 3:壊し合いに乗った個体を排除する。 ※参戦時期はOG外伝第11話での拉致後です。 ※シグマはパーソナルトルーパー等の人型機動兵器を有している可能性が高いと考えています。 【支給品紹介】 【M18クレイモア@現実】 アメリカ軍の使用する指向性対人地雷の一つ。湾曲した箱の形状をしており、地上に敷設する。起爆すると爆発により、内部の鉄球が扇状の範囲に発射される。 最大加害距離は約250m、有効加害距離は約50m、加害範囲は60°最大仰角・俯角共に18°。鉄球一発あたりのエネルギー量は、強力な空気銃の威力に値し、一発でも当たれば大きなダメージを与えることが可能である。 なお、この奥行き兵器は爆薬を使う性質上、後方180°・半径16m圏内は立入禁止エリアとなっているほか、加害範囲外半径100m圏内は危険区域とされている。内部は700個の鉄球と炸薬代わりのC4が入っており、重量は1.6kg。 以上 wikipediaより抜粋 時系列順で読む Back 白いカラス――はぐれ者 Next WE HAVE CAME TO TEAM? 投下順で読む Back 白いカラス――はぐれ者 Next WE HAVE CAME TO TEAM? GAME START ラミア・ラヴレス 049 しゃべるの得意じゃないけど