約 63,411 件
https://w.atwiki.jp/ifrozenteacherss/pages/134.html
なんとも言えない独特の臭いで満ちた、病院の廊下を歩く。 ある病室の前で止まる。5度目の訪問だったので、ここまでの道のりは体が覚えていた。 軽くノックする。部屋の中から入れという返事が聞こえた。 蒼「こんにちは、先生」 「おう!いつもありがとうな!」 2ヶ月ほど前、当時の友人から電話があった。先生が入院した、と。 それからほぼ毎週のように見舞いを続けている。 「ま、とりあえず座れよ」 ベッドの上から椅子をすすめる。 友人から連絡があった時、入院の理由も聞いた。癌だと。それも、進行がかなり進んでおり、手術ではもはやどうしようもない状態らしい。 最初は何かの悪い冗談かと思った。あの健康という言葉を人間にしたかのような先生が、癌なんて…。 それに、あまりにも若い…。 きっと本当は骨折かなんかで入院したのを、自分を心配させるために嘘をついて、 血相を変えて駆けつけたのを笑うための先生と友人の悪戯だと思った。そう思いたかった。 初めて病室へ入ったとき、部屋を間違えたかと思った。 ベッドの上にいたのは、自分の記憶にある逞しい体躯ではなく、目を背けたくなるほどに痩せこけた姿の先生だった。 黒々としていた髪の毛も、白髪と半々だった。 よく来たな。久しぶりだな。と声を掛けられて、病室を間違えていなかったと気付かされた。 蒼「先生の好きな梨買ってきましたよ。剥きましょうか?」 「嬉しいな!でも、今はいいや。後でもらうよ」 今までは梨を見た途端に早く食わせてくれとせがんでいたのに。もう食欲すらないのだろうか…。 梨を受け取る細くなってしまった腕から伸びる点滴が痛々しかった。 癌ということはまだ本人に告知していないと聞いた。蒼星石も、ずっと黙ってきた。 まるで子供の様に梨を頬張る姿を見ると、とても言えなかった。 蒼星石が椅子に座った瞬間、先生が口を開いた。 「俺、癌なんだってな!」 蒼「え…!?」 まるで自分が宣告された気がした。 「なんかかなり進行しちゃってて、手遅れらしいな」 そのあまりに軽く、深刻性のない言い方に、戸惑いさえ覚えた。 蒼「…知ってたんですか?」 「癌だって知ったのはついこの間だけどな。お前はそれよりも前から知ってたんだろう? 悪いな、なんか気を遣わせちゃって」 ここに来てまだ他人の心配をする。それどころではないはずなのに。なんて強い人なんだろうか…。 蒼「先生・・・」 「んー?何だ?」 蒼「先生は、ボクに教師という道を教えてくれた恩師です…。」 「また大袈裟な」 蒼星石の肩を叩いて笑う。しかし蒼星石はそのまま続ける。 蒼「先生にはボクが教師になるまで、何度もお世話になりました…。 ボクが教師になってからも、何度も相談に乗ってもらいました…」 「そうだったなぁ。お前が教師になってから、何度も飲みに連れて行かれて朝まで話を聞かされたなぁ」 懐かしそうに、目を細める。 蒼「ボクは、その先生の御恩に報いることができたのでしょうか…?」 目線を落とし、下を見つめた。 「う~ん、そうだなぁ」 腕を組み、考える素振りを見せた。 「お前がお前の夢を追いかけ、教師になってくれて半分は返してもらったかな」 蒼「半分…ですか?」 「そうだ」 蒼「では後の半分はどうすれば・・・?」 「生徒から逃げるな。全力で生徒を愛し、生徒から愛されろ。生徒を幸せにしてやれ。そして…」 蒼星石の頭にポンと手を置く。 「お前も幸せになれ…。俺が死んだ後にでもな。それが残りの半分だ」 そう言ってニカッと笑う。その笑顔は、昔のままだった。 蒼「先生…!!」 今にも涙が大粒の雫となって流れ落ちそうな顔に、タオルが投げつけられる。 蒼「うわっ!?」 「本当にお前は泣き虫ちゃんだな。そのくせいつも涙を流すまいと我慢しやがる。 もしかして、生徒の前でもそうなのか?」 蒼「…せ、先生には関係ないじゃないですか」 タオルで涙を拭いながら文句を言う。 「へへ、そうかもな。でも、俺の為なんかに涙を流すな。その涙は、お前の生徒の為に流してやれ」 温かく、しかしそれでいてどこか突き放すように言う。 蒼「先生…」 涙を拭き終わったタオルを返す。 蒼「ボクは、先生のような教師を目指して頑張ってきました。その気持ちは、今でも変わりません」 「やめろやめろ!俺みたいに生徒を泣かすような教師になっちゃいかんぞ?」 しかしまんざらでもなさそうな顔だった。 「しかし、あのお前が本当に教師になるとはなぁ…」 蒼「あの頃は、本当に大変でしたよね…」 当時の記憶を呼び覚ました。まるで昨日のことのように鮮明に思い出された。 「あの時お前『もうだめだぁ』って泣きついてきたよなぁ」 蒼「なっ!先生まだそんなこと覚えていたんですか!?」 二人は思い出話に花を咲かせた。不思議と、普段忘れかけていたことも思い出せた。 時間を忘れて話した。 蒼「ねぇ先生・・・」 「なんだぁ?」 蒼「先生は、ボクの初恋の人なんですよ…」 当時どうしても言えなかった言葉が、自然と口から出た。 「はは、そうだったのか!いやぁ知らなかった。それを聞けただけで天国に行けるよ」 蒼「先生・・・」 「おぉ、もう時間か…。ほら、もう帰れ。面会時間過ぎちまってる」 いつの間にか面会時間を5分過ぎていた。追い払うように手を振る。 蒼「・・・はい」 立ち上がり、帰り支度をする。 蒼「それじゃあ先生、また来週…」 「来るな」 ピシャリと言い放つ。 蒼「え・・・?」 「もう、ここには来るな」 蒼「どうして・・・?」 「これ以上教え子に格好悪い姿を見せたくないからな」 自嘲気味に言う。始めて見た恩師の弱気な姿だった。 「次に会うのは、通夜の時だな」 ニカッと笑う。釣られて蒼星石も笑ってしまった。 蒼「それじゃあ、次に会うのは5年後ですね」 「10年後かもな」 お互いに笑いあう。これほどまでにあっさりとした最後の別れがあるだろうか。 蒼「それじゃあ先生、今までありがとうございました」 「おう、頑張れよ。天国から見守っててやるよ」 蒼「・・・はい」 背を向ける。とめどなく流れ落ちる涙を見られたくなかった。 心の中で、もう一度『ありがとうございました』と言った。 先生の死の一報を受けたのは、それから1週間後のことだった。 蒼星石が見舞いに行ったときには、既に死への階段を上り始めていたらしい。 しかし、先生は全くその素振りを見せなかった。想像を絶する苦しみの中、蒼星石に笑いかけ、思い出話をしていたのだ。 つくづく先生らしいや。と笑った。 通夜で見た恩師の死顔は、とても安らかだった。それが嬉しかった。 通夜の最中、恩師の身内から一つの封筒を受け取った。 中には、ネクタイピンと手紙が入っていた。 恩師が現役の時に、常に着けていたネクタイピンである。今でも覚えている。 一緒に添えてあった手紙を読む。 「蒼星石へ。俺が現役の時に着けていたネクタイピンをお前に託す。 俺の形見だと思って持っていてくれ。捨てないでくれよ? お前は真面目で、誰よりも優しい子だ。だけど、それと同じくらい不器用だ。 お前は一人じゃない。辛い時は、誰かに頼ることも必要だぞ? 泣き虫ちゃんのくせに一人で何もかも抱え込むなよ? お前は、俺なんかよりもずっとずっと素敵な先生になれる。俺が断言してやる。 頑張れよ。生徒に愛される教師になれ。 追伸 お前に告白された時はビックリしたよ。 今更言うのもなんだが、当時俺もお前のことが気になっていた。なんか恥ずかしいな。 でも別の人と結婚して本当に良かったよ。 お前は、癌なんか持っていない男と結婚しろ。そして、幸せになれ」 涙で手紙が霞んでしまい、全て読むのに苦労した。 蒼「先生…!!」 静かになった恩師の横で、涙を流した。 耳元で恩師の声で「本当にしょうがない泣き虫ちゃんだなぁ」と聞こえた気がした。 リストカット
https://w.atwiki.jp/ohomodachi/pages/225.html
概要 教師ネタ全般に関して広汎な知識を有する者。 クオリティーの高い真似、進取的にネタを探す姿勢、ユーモアに溢れるセンスなどがその資質として挙げられる。 単に教師ネタをそこそこ知っている程度では到達しえぬ域であり、ある意味では廃人的であるとも言える。 総務は基本的に彼らの中から選出される。 リスト
https://w.atwiki.jp/qmatg/pages/76.html
台詞(専属教師・購買部・その他) 台詞(専属教師・購買部・その他)専属教師サツキ(ノンジャンル担当) マロン(アニメ&ゲーム担当) ガルーダ(スポーツ担当) フランシス(芸能担当) リディア(ライフスタイル担当) エリーザ(社会担当) アメリア(文系学問担当) ウィーズ(理系学問担当) ミランダ(全国大会・ワールドホウキレース担当) 購買部リエル グリムバスターズイナリ ムジナ 台詞(男子生徒1) 台詞(男子生徒2) 台詞(第一アカデミー女子生徒) 台詞(第七アカデミー女子生徒) 台詞(妖精) 専属教師 サツキ(ノンジャンル担当) 装備アイテム獲得:このアイテムを受け取ってね。 全国大会開催時:全国大会が開催中だよ。 モード選択:それでは、モードを選んでね。 プレーモード選択確認:このモードで始めるの? 購買部選択確認:購買部に行くの? マイルーム選択確認:マイルームに行くの? モード選択時間切れ:時間だよ、急ぎましょ。 出題レベル上昇:出題クイズのレベルが上がります。 出題形式増加:新しい出題形式が増えました。 ガイド解禁:ガイド役で選べる先生が増えました。 予習ジャンル選択:それじゃまず、予習をしておきましょうか。クイズのジャンルと出題形式を選んでね。 予習ジャンル選択(協力プレー)・店内対戦クイズ選択: ガイド選択:サツキです。私が案内します。 予習・復習開始:では、始めるよ。/授業を始めます。 予習・復習正解:はい、そうだね。/その通り!/正解だよ! 予習・復習不正解:違うよ。/違うんだよう。/不正解なの。 予習・復習時間切れ:時間切れだよ。 予習・復習無回答:それじゃだめだよ。 予習合格:はい、合格です!/合格!その調子だよ! 予習不合格:迷いの気よ、消えなさい!/ビリッとするけど、我慢して! 予習全問正解:やったね、パーフェクトだよ! 予習満点:すごい、100点だよ! 予習全問不正解:この点じゃ駄目でしょ! 復習終了:はい、終了です。 検定試験テーマ選択:どの検定試験を受けますか? 店内対戦召集時:対戦者募集中だよ。少し待ってて。 店内対戦開始時:対戦者がそろいました。みんな、準備はいい? 全国大会ジャンル発表:アニメ&ゲーム!/スポーツ!/芸能!/ライフスタイル!/社会!/文系学問!/理系学問! 初プレー時:マジックアカデミーへようこそ!わたしはサツキ、この学校の教師で「ノンジャンル」の授業を担当しています。 それではまず、名前を入力してください。 (名前入力後)はい、受け付けました。 マロン(アニメ&ゲーム担当) 装備アイテム獲得:このアイテムを受け取ってね。 全国大会開催時:全国大会が開催中だぞー。 モード選択:それじゃ、モードを選んでね。 プレーモード選択確認:このモードで始めるよ? 購買部選択確認:購買部へ行くの? マイルーム選択確認:マイルームへ行くの? モード選択時間切れ:時間だよ、さあ急げー! 出題レベル上昇:出題クイズのレベルが上がるよ。 出題形式増加:新しい出題形式が増えたよ。 ガイド解禁:ガイド役で選べる先生が増えたよ。 予習ジャンル選択:それじゃあ、予習をしておきましょー。クイズのジャンルと出題形式を選んで。 予習ジャンル選択(協力プレー)・店内対戦クイズ選択:クイズのジャンルと出題形式を選んで。 ガイド選択:マロンでーす。任せてちょうだい! 予習・復習開始:授業をはじめまーす!/さぁ、始めるよ! 予習・復習正解:当ったりー!/そーなのです!/正解だ! 予習・復習不正解:間違ってる!/違うよ/ハズレなのだ 予習・復習時間切れ:時間切れ~ 予習・復習無回答:何とか言いなさいよ 予習合格:OK!合格/よし、合格だよ 予習不合格:よこしまな迷いよ、消え去れぇーい!!/えいしゃおらー!! 予習全問正解:にゃんとパーフェクトだ! 予習満点:すっごぉーい、100点だよ! 予習全問不正解:もおーっ!?何て点数なの!! 復習終了:しゅーりょー! 検定試験テーマ選択:どの検定試験を受けるのかな? 店内対戦召集時:対戦者を募集してるから、ちょっと待ってて。 店内対戦開始時:対戦者がそろったよ、準備はいいかな? 全国大会ジャンル発表:アニメ&ゲーム!/スポーツ!/芸能!/ライフスタイル!/社会!/文系学問!/理系学問! ガルーダ(スポーツ担当) 装備アイテム獲得:このアイテムを受け取れ。 全国大会開催時:全国大会が開催中だぞ! モード選択:それでは、モードを選んでくれ。 プレーモード選択確認:このモードで始めるぞ? 購買部選択確認:購買部へ行くのか? マイルーム選択確認:マイルームへ行くのか? モード選択時間切れ:時間だ、行くぞ! 出題レベル上昇:出題クイズのレベルが上がるぞ。 出題形式増加:新しい出題形式が増えたぞ。 ガイド解禁:ガイド役で選べる先生が増えたぞ。 予習ジャンル選択:まずは予習でウォーミングアップだ。クイズのジャンルと出題形式を選んでくれ。 予習ジャンル選択(協力プレー)・店内対戦クイズ選択: ガイド選択:このガルーダに任せろ! 予習・復習開始:授業を始めるぞ。/では始める。 予習・復習正解:正解だ!/その通り!/よーし、いいぞ! 予習・復習不正解:違う!/それではない!/不正解だ! 予習・復習時間切れ:遅い! 予習・復習無回答:声が小さい! 予習合格:うむ、合格だ。/良かろう、合格! 予習不合格:出直して来い!/精進が足りん! 予習全問正解:パーフェクト、見事だ! 予習満点:100点!天晴れだ! 予習全問不正解:ぶるるうぅぅぅぅぁぁ! 復習終了:そこまで 検定試験テーマ選択:どの検定試験を受けるんだ? 店内対戦召集時:対戦者を募集中だ、少し待ってくれ。 店内対戦開始時:対戦者がそろったぞ、準備はいいか? 全国大会ジャンル発表:アニメ&ゲーム!/スポーツ!/芸能!/ライフスタイル!/社会!/文系学問!/理系学問! フランシス(芸能担当) 装備アイテム獲得:このアイテムを受け取ってくれ。 全国大会開催時:全国大会が開催中だ。 モード選択:それでは、モードを選んでくれ。 プレーモード選択確認:このモードで始めるかい? 購買部選択確認:購買部に行くんだな? マイルーム選択確認:マイルームに行くんだな? モード選択時間切れ:時間だ、行くよ。 出題レベル上昇:出題クイズのレベルがあがるぞ。 出題形式増加:新しい出題形式が増えたようだ。 ガイド解禁:ガイド役で選べる先生が増えたようだ。 予習ジャンル選択:それでは、まず予習をしておこう。クイズのジャンルと出題形式を選びたまえ。 予習ジャンル選択(協力プレー)・店内対戦クイズ選択: ガイド選択:フランシスに任せたまえ。 予習・復習開始:授業を始める。/では始めよう。 予習・復習正解:正解。/知っているな。/その通りだな。 予習・復習不正解:外れだよ。/間違っている…。/違うんだが…。 予習・復習時間切れ:何やってんだ・・・ 予習・復習無回答:どういう事だい? 予習合格:よろしい、合格だ。/うん、合格だ。 予習不合格:体で覚えたまえ!/迷いの気よ…滅せよ! 予習全問正解:パーフェクト!その調子だ! 予習満点:100点とは完璧じゃないか! 予習全問不正解:実に愚かな結果だ! 復習終了:以上だ。 検定試験テーマ選択:どの検定試験を受けるんだい? 店内対戦召集時: 店内対戦開始時: 全国大会ジャンル発表:アニメ&ゲーム!/スポーツ!/芸能!/ライフスタイル!/社会!/文系学問!/理系学問! リディア(ライフスタイル担当) 装備アイテム獲得:このアイテムを受け取って。 全国大会開催時:全国大会が開催中です。 モード選択:それでは、モードを選んでください。 プレーモード選択確認:このモードで始める? 購買部選択確認:購買部に行くの? マイルーム選択確認:マイルームに行くの? モード選択時間切れ:時間です、急ぎましょう。 出題レベル上昇:出題クイズのレベルが上がります。 出題形式増加: ガイド解禁:ガイド役で選べる先生が増えました。 予習ジャンル選択:それじゃ、予習をしておきましょう。クイズのジャンルと出題形式を選んでください。 予習ジャンル選択(協力プレー)・店内対戦クイズ選択: ガイド選択:リディアです。私でいいのね? 予習・復習開始:授業を始めます。 予習・復習正解:その通りです。/正解です。/知ってますね。 予習・復習不正解:外れですね。/間違っているわ。/違いますね。 予習・復習時間切れ:時間切れです。 予習・復習無回答:わからないのね。 予習合格:合格点ですね。/合格です。 予習不合格:迷いよ、消えなさい!/もう、じっとしてなさい! 予習全問正解:ばっちり、パーフェクトね! 予習満点:すごい…、100点ですよ! 予習全問不正解:何よこれ!?ひどいわ!! 復習終了:終了です。 検定試験テーマ選択:どの検定試験を受けますか? 店内対戦召集時:対戦者募集中です。少し待ってて。 店内対戦開始時:対戦者がそろいました、準備はいいですか? 全国大会ジャンル発表:アニメ&ゲーム!/スポーツ!/芸能!/ライフスタイル!/社会!/文系学問!/理系学問! エリーザ(社会担当) 装備アイテム獲得:このアイテムを受け取りなさい。 全国大会開催時:全国大会開催中です。 モード選択:それでは、モードを選びなさい。 プレーモード選択確認:このモードで始めるのね? 購買部選択確認:購買部へ行くのね? マイルーム選択確認:マイルームへ行くのね? モード選択時間切れ:時間よ、急ぎなさい。 出題レベル上昇:出題クイズのレベルが上がります。 出題形式増加:新しい出題形式が増えました。 ガイド解禁:ガイド役で選べる先生が増えました。 予習ジャンル選択:それではまず、予習をしておきましょう。クイズのジャンルと出題形式を選びなさい。 予習ジャンル選択(協力プレー)・店内対戦クイズ選択: ガイド選択:エリーザよ。私が案内しましょう。 予習・復習開始:さあ、始めましょう。/授業を始めます。 予習・復習正解:その通りよ。/はい、よろしい。/正解です。 予習・復習不正解:違うわね。/間違ってるわ。/不正解よ。 予習・復習時間切れ:時間切れです。 予習・復習無回答:調べておきなさい。 予習合格:お見事、合格です。/はい、合格。 予習不合格:もっと精進なさい!/迷いの気よ、消えなさい! 予習全問正解:パーフェクト!上出来ね 予習満点:100点よ、言うことなしね! 予習全問不正解:これではいけません! 復習終了:はい、そこまで。 検定試験テーマ選択:どの検定試験を受けるのかしら? 店内対戦召集時:対戦者募集中です、そのままお待ちなさい。 店内対戦開始時:対戦者がそろいました、準備はいいかしら? 全国大会ジャンル発表:アニメ&ゲーム!/スポーツ!/芸能!/ライフスタイル!/社会!/文系学問!/理系学問! アメリア(文系学問担当) 装備アイテム獲得:このアイテムを受け取ってね。 全国大会開催時:全国大会が開催中よ。 モード選択:それでは、モードを選んでね。 プレーモード選択確認:このモードで始めるのね? 購買部選択確認:購買部へ行くのね? マイルーム選択確認:マイルームへ行くのね? モード選択時間切れ:時間よ、ほら行くわよ! 出題レベル上昇:出題クイズのレベルが上がるわよ。 出題形式増加:新しい出題形式が増えたわよ。 ガイド解禁:ガイド役で選べる先生が増えたわよ。 予習ジャンル選択:それじゃまず、予習をしておきましょう。クイズのジャンルと出題形式を選んでね。 予習ジャンル選択(協力プレー)・店内対戦クイズ選択: ガイド選択:アメリアよ。私に任せなさーい! 予習・復習開始:授業開始よ。/はっじめるわよー! 予習・復習正解:正解!/その通りよ!/It s good! 予習・復習不正解:不正解です~。/間違いよ。/ああ、違う違う。 予習・復習時間切れ:時間切れよ~。 予習・復習無回答:何やってんの!? 予習合格:よろしい、合格。/オッケー、合格。 予習不合格:迷いの気よ…飛んでけー!/気合い入れなさーい! 予習全問正解:パーフェクト!完璧ね! 予習満点:Marvelous!100点よ! 予習全問不正解:0点って、何じゃーい!! 復習終了:終了よ。 検定試験テーマ選択:どの検定試験を受けるのかな? 店内対戦召集時:対戦者募集中よ、少し待ってて。 店内対戦開始時:対戦者がそろったわ、さあ準備はいい? 全国大会ジャンル発表:アニメ&ゲーム!/スポーツ!/芸能!/ライフスタイル!/社会!/文系学問!/理系学問! ウィーズ(理系学問担当) 装備アイテム獲得:このアイテムを受け取るがいい。 全国大会開催時:全国大会開催中だ。 モード選択:それでは、モードを選ぶがいい。 プレーモード選択:このモードで始めるぞ? 購買部選択確認:購買部へ行くのか? マイルーム選択確認:マイルームへ行くのか? モード選択時間切れ:時間だ、もたもたするな。 出題レベル上昇:出題クイズのレベルが上がるぞ。 出題形式増加:新しい出題形式が増えたぞ。 ガイド解禁:ガイド役で選べる先生が増えたぞ。 予習ジャンル選択:ではこれより予習の時間とする。クイズのジャンルと出題形式を選ぶのだ。 予習ジャンル選択(協力プレー)・店内対戦クイズ選択:クイズのジャンルと出題形式を選ぶのだ。 ガイド選択:このウィーズが導いてやろう。 予習・復習開始:では、始める/授業開始だ 予習・復習正解:正解だ!/その通りだ!/そうだ! 予習・復習不正解:違う!/駄目だ!/間違い! 予習・復習時間切れ:何をしている! 予習・復習無回答:何の真似だ! 予習合格:合格だ!/うむ、よかろう! 予習不合格:光よ、迷いと惑いを浄化せよ!/不合格、これを受けよ! 予習全問正解:そうだ、それでいい。 予習満点:見事。認めてやろう。 予習全問不正解:この…愚か者! 復習終了:そこまで! 検定試験テーマ選択:どの検定試験を受けるのだ? 店内対戦召集時:対戦者を募集中だ、しばし待て。 店内対戦開始時:対戦者がそろったな、準備はいいか? 全国大会ジャンル発表:アニメ&ゲーム!/スポーツ!/芸能!/ライフスタイル!/社会!/文系学問!/理系学問! ミランダ(全国大会・ワールドホウキレース担当) 装備アイテム獲得:このアイテムを受け取って。 全国大会開催時:全国大会開催中よ。 モード選択:それでは、モードを選んでね。 プレーモード選択確認:このモードで始めるの? 購買部選択確認:購買部に行くの? マイルーム選択確認:マイルームへ行くの? モード選択時間切れ:時間ね!行きましょう! 出題レベル上昇:出題クイズのレベルが上がるわよ。 出題形式増加:新しい出題形式が増えたわ。 ガイド解禁:ガイド役で選べる先生が増えたわよ。 予習ジャンル選択:それではまず、予習をしておきましょうか。クイズのジャンルと出題形式を選んで。 予習ジャンル選択(協力プレー)・店内対戦クイズ選択: ガイド選択:ミランダよ。さあ、案内するわね。 復習開始:では、始めます。 復習正解:正解!/当たりよ。/そうですね。 復習不正解:違うわね。/間違いよ。/外れよ。 復習時間切れ:時間切れよ。 復習無回答:それじゃあいけません! 復習終了:終了です。 検定試験テーマ選択:どの検定試験を受けますか? 店内対戦召集時:対戦者募集中よ、少し待ってね。 店内対戦開始時:対戦者がそろったわね、準備はいいかしら? 全国大会ルール説明:全国大会のルールについては、こちらを読んでね。 全国大会前半戦:前半戦開始! 全国大会後半戦:後半戦開始! 全国大会ジャンル発表:アニメ&ゲーム!/スポーツ!/芸能!/ライフスタイル!/社会!/文系学問!/理系学問! 全国大会終了後に順位確定後初プレー時(入賞者のみ):入賞したわ!おめでとう! 購買部 リエル 来店時:いらっしゃいませ!/購買部へようこそ! 退店時:ありがとうございました!/行ってらっしゃいませ! 時間切れ5秒前:まもなくお時間ですよ! 時間切れ:時間です。行ってらっしゃいませ! 購入アイテム選択時:ご購入ですか? 購入アイテム選択時(マジカ不足):マジカが足りませんよ アイテム購入後:毎度どうも! 購入後装備確認:すぐに装備しますか? リエルのセリフ後一定時間経過(踊りだす・「PASELIで購入」のみ):ふ~んふ~ふふ~ん♪/にゅ~にゅにゅ~♪ 胸タッチ(「PASELIで購入」のみ):はうっ!?/ひゃあっ!?/ぁぅぁぅ~/やめてくりゃしゃいよぉ~ グリムバスターズ イナリ グリム召喚(マジパン☆サイゴーくん以降):いでよ! グリムに勝利(KG・マエダ以降):うぅ~、またしても~…! グリムに敗北(カートゥーンシーカー・ホクサイ以降):余裕余裕!/ふっふ~ん グリム召喚(瘴気状態):招来! グリムに勝利(瘴気状態):なんで!? グリムに敗北(瘴気状態):余裕… ムジナ グリム召喚:招来。 グリムに勝利:やるものだな。 グリムに敗北:こんなものか。
https://w.atwiki.jp/ifrozenteacherss/pages/1161.html
「やぁ!!皆、今日は日本の学力低下を考えて漢字クイズ形式のサプライズイベントをやろうじゃないか!!」 朝から元気な青年(?)の声とともに職員室の教師全員が振り向く。 「漢字・・・・・・?」 何故そこにだけ注目するんだろうと言いたげな顔をした蒼星石という名を持つ教師。 確かに漢字の学習によってほかの学力も上がるというが、そんなことよりも個々の授業をしたほうが能率が良いと思ったようだ。 数学が苦手な子を手っ取り早く教えたほうが基本的に良い手段だと考えられる。 っていうか漢字だけを勉強した所で日本の学力が上がるわけではない。 少しは上がるだろうが本人たちにヤル気が無ければこの「漢字クイズ」も無意味に近いだろう。 授業中に手紙回したり、ケータイいらったり。こんな現状なのだ。今の日本の生徒達は。 「ふぅん・・・・問題作るのはダルイけどぉ・・・良い案ねぇ。」 猫なで声で賛成の意を表したのは水銀燈。保健体育の教師。 少し驚いた。サボり魔である彼女が賛成するとは思わなかったからだ。 「楽しい勉強のほうがヤル気が沸くんじゃない?あのサボり魔の生徒達は。」 サボり魔は貴女もですが・・・・。 そんな視線が水銀燈の後ろの眼帯の女性が怪訝な目で見てくる。 薔薇水晶先生だ。水銀燈をちらりと見て、怪訝な視線を送ってからパソコンに目を移す。 何を見ているのかと思ったらさり気無くガンダムのサイトだった。 あぁ・・・・アッガイとかいう・・・ロボ・・・?だっけ・・? まぁ人の好みだから別に構わないけど。 水銀燈のいうとおりかなぁ・・・と考えてみる。ただ、ぼぅっと。 (これからは百マス計算とかやってみようかなぁ・・・) 場違いなことを考えつつ、蒼星石はひじをついて話に耳を貸していた。
https://w.atwiki.jp/ifrozenteacherss/pages/738.html
ある日の午後翠星石は頭を抱えて悩んでいた。 翠「うぅ~やっとテストの採点が終わったですぅ~。」 翠「まっ~たくあのチビチビ共ときたら家庭科はあまり勉強しないだろうと思って せっかく簡単な問題にしたのにちっともできてねえです。」 翠星石はテストの採点をしながら一人ぼやいていた。 それは最近の家庭科で生徒達があまり点数を取れていないのが原因である。 生徒のやる気がないと言えばそれまでだが、しかし現実ではそう簡単に解釈はされない。 生徒の点数が取れないのは教師にも原因がある。 事実、蒼星石の担当している数学ではほぼ全ての生徒達が他校に比べて数学の点数が良い。 翠星石が不真面目というわけではない。むしろ努力している方だ。 しかし家庭科はどうしても他と異なり実習というものがある。 実習は今後の生徒達の生活で必ず役に立つ素晴らしいものだが、その分記述テストで点数をとるための授業時間が大幅に削られる。 しかも実習の準備等が忙しくあまり生徒一人一人に指導する時間があまり取れないのだ。 翠「まいったですぅ、このままじゃあの兎に駄目教師の烙印を押されてうるさく説教くらうですぅ。」 そんなことをぼやきながら家路に向かう翠星石。 この時翠星石は予想もしていなかった。一週間後に自分の一生物の友人であり、 最高?のパートナーと出会うことに・・・ それから一週間後 ラプラス「みなさんおはようございます。今日はみなさんに大切なお話があります。」 真「あら、校長がついにお亡くなりになられて新しい校長が赴任でもしてきたの?」 ローゼン「朝からキッツいな~ギャグで言ってるものとボクは信じてるよ。」 ラプラス「それはそれでありがたいのですが、赴任してくるのは校長ではなく新人教師です。どうぞ入ってください。」 新人教師!? その言葉にこの場にいた全員が緊張と期待を込めてトビラに目をやる。 ガラガラ・・・ 全員が一斉に注目する。そして頭に?マークを浮かべる。 そう、教師と言われて入ってきたのにまるで中等部から迷い込んできたようなピンクが 似合う子供が入ってきたのだ。 雛「うっとぉ、雛苺っていうの・・いいます。よろしくお願いしますなの。」 水「へぇ~わざわざ有栖学園に赴任してくるって言うからどんな人間かと思ったらお子ちゃまじゃないの~。」 雛「う~雛子供じゃないの教師なの~。」 真「水銀燈、初対面なのに失礼だわ。気にしないでちょうだい雛苺先生。彼女性格が ネジリパンになってるから。」 水「なんですってぇ、このダルマ女。」 真「誰がダルマですって!誰が!」 蒼「まぁまぁ二人とも、先輩としてみっともないよ。ごめんね雛苺先生。」 蒼「本当は二人とも良い人たちだから、それとボクは蒼星石。よろしくね」 雛「ハイなの。」 ちなみに薔薇水晶と雪華綺晶とまだ赴任しておらず、金糸雀はこの物語の少し後に 赴任してくる設定です 蒼「あれ?翠星石は?」 翠「い、いいい今は翠星石は仕事が忙しいのです。かわりに蒼星石が挨拶しといてくれ ですぅ。」 別にいまやる必要はないが、翠星石は極度の人見知りなのだ。 特に挨拶が苦手で、彼女も最初に来たときはかなり苦労した。 なので今も自分は忙しいふりをして後日蒼星石に紹介してもらい間接的に同僚として 仲良くするつもりだった。しかし・・・ ラプラス「いえ、今自己紹介してもらわないと困ります翠星石先生。彼女は美術担当であり、そして家庭科の教師として今日から一緒に仕事をしてもらいます。」 ラプラス「しっかり先輩として指導してあげてくださいね。」 翠「な!なんですとー」 雛「翠星石先生よろしくお願いしますなの!」 翠「かかか、かってに決めるなです!ななななんでまだ新米のチビの面倒みなきゃ ならんのですか!自惚れるなですぅ」 ビクッ! と身体を振るわせる雛苺。どうやら嫌われてしまったと勘違いしたらしい。 雛「えと…うとぉ…ごめんなさいなの。」 フルフルとアイフ○の某犬みたいに怯えている雛苺は逃げるように一時限の美術の授業に行ってしまった。 ちなみに家庭科はこの日4時間目の授業である。 翠(あ・・・またやってしまったですぅ本当は同じ家庭科教師として仲良くしたい だけなのに) そう、翠星石にとってこのことは現状から考えて喜ばしいことなのだが 思ってることと逆のことを言ってしまうのは彼女の内気な性格上仕方のないこと。 恥ずかしさからかいつも思いと逆の言葉を吐いてしまうのである。 みんなもそれを知ってか知らずか、“頑張ってね”とだけ言うと各々のクラスに行ってしまう。 翠星石はというとまた頭を抱えて悩んでいた。 翠「あぁ~憂鬱ですぅ。絶対怖い先輩と思われたですぅ。こうなったら今日の調理実習でいいところを見せていっちょうチビチビのハートをガッチリ掴んで、翠星石の魅力にイチコロメロメロノックダウンさせてやるです!」 結局翠星石は一日中落ち着かない様子で授業していたので生徒達に 「何かあったんですか?」等と聞かれていた 翠(あぅ・・生徒達に感づかれるようじゃまだまだなのですぅ) そして運命の家庭科がやってきた。 翠(こんなに緊張するのは始めての授業のときだけですぅ。今朝のこともあるから 教室に入りづらいのです。) トビラを空けようとしたとき急に教室のトビラが開いた。 雛「あ~、翠星石先生遅いの~生徒達が待ってるのよ」 どうやら朝のことは忘れてるらしい。 翠「わ、わかってるですぅ。さっさとはじめるですよ。」 今日の料理はりんごを沢山使ったアップルパイ。 サクサクとした表面に中はふっくらりんごの人気洋菓子メニューの一つである。 生徒達もこれを前々から楽しみにしていたし、翠星石の得意料理であるので、まだ雛苺に緊張しつつもそれを悟られないよう熱心に生徒に指導した。 雛苺も生徒の質問に答えるが翠星石ほど上手くできず、もう雛苺の翠星石を見る目は憧れの眼差しに変わっていた。 そして各班ごとに綺麗な形のアップルパイが出来上がっていた。 一方翠星石はまだ緊張のためか雛苺に「教えるの下手ですぅ」と若干毒を吐いていたが 雛苺の方もギクシャクとしながら先輩として翠星石に指導されていて順調に事は進んでいった。 翠(ふぅ…上手くいったです。) 翠(これで後は焼成を終えて試食のときに雛苺に教師になったキッカケは?とか 普段何してるのですか?なんて生徒といっしょに小話でもすれば万事OKです。 幸い試食のときは生徒も一緒なので二人きりじゃないし、きっとうまくいくですよ。) 翠星石は成功を信じて疑わなかった。なので最後の仕上げを雛苺に任せて生徒達に片付け の指示を出していた。 雛「じゃあ最後に焼成するからみんなのアップルパイを雛のところに持ってきてなの。」 焼成は火加減が難しいから教師がやることになっている。 雛苺は事前に今日の料理について聞かされていたので教育実習生だったころのメモ帳を 何度も読み返し、特に焼成については入念にチェックしていた。 しかしこれが誤算だった。 雛苺は以前教育実習生として県立高校に通っていたので、家庭用オーブンを使って練習 していたのだ。 だがここは名門私立有栖学園である。 使うオーブンはプロが実際に使っている本格派であり、火力も今まで雛苺が使っていた ものとは雲泥の差である。 本来なら火力を変えるか、逆算して焼成時間を短くするのが正しい。 しかし新米の雛苺はそこまで考えが回っておらずいつも通りに火力を強にして いつも通りに焼いてしまったのだ。 焼いてる間はキッチンの後片付けをしていて翠星石もミスに気づかなかった。 そのうち生徒の一人が異変に気づいた。 生徒「先生なんか焦げ臭いんですけど。」 翠「えっ?」 急いでオーブンを空けてみるとそこには見るも無残に焼け焦げちぢんでしまった アップルケーキの残骸があった。 生徒「あ~これは酷い。」 生徒「え~せっかく楽しみにしてたのに~。」 生徒「俺これだけを楽しみに頑張ってきたんですよ。」 雛「あぅ~ごめんなさいなの…」 雛苺は責任を感じてか酷く落ち込んでいる。 本当なら雛苺だけが悪いわけじゃないし、翠星石だって自分の注意力が無かったと 普段なら気づくだろう。 しかし今日は一日中緊張しっぱなしで、雛苺をかばう余裕は無かった。 雛「翠星石先生ごめんなさいなの…雛がうっかりしてたから…」 俯いて謝る雛苺。だが… 翠「・・・ですか」 雛「え・・・」 翠「せっかく生徒達が一生懸命作ってくれたのにどう責任とってくれるんですか!」 翠「これだからチビチビのお守りは嫌だったんです!」 翠「家庭科教師は翠星石一人で十分です!チビチビは必要ないです!」 翠「あ・・・」 言ってしまってから気づいた。事実上の教師失格宣言。 言葉に出さずに想ってるだけならなんともないのだが、一度放たれたその言葉は 呪いとなり雛苺を蝕んでいく。 翠(ち、違う…雛苺は悪くないのです。全ては翠星石の注意力不足だったんです。) しかし放たれない想いは決して相手に届かない。 ダッ!!ガラ!!ピシゃン!! 雛苺は思わず教室を飛び出した。 キーコーンーカーンそれと同時に授業終了の合図が響く。 こうして今日の調理実習は最悪の形で終了した。 それは同時に雛苺の最初の授業が最悪の形で終了したのと同じである。 結局この日雛苺は戻ってこなかった。 翠星石はその日の夜自室で落ち込んでいた。 翠(なんでこんなことになっちゃうんだろう?翠星石はただ今日の授業を通して 雛苺と仲良くなりたかっただけなのに…) 翠(明日謝ってみよう。でもどうやって?また自分の考えと逆の言葉が出たら そのときはもうお終いです…) 翠(こうなったらもうあの手でいくしかないですぅ) 翌日雛苺は学校に来ていなかった。 当然みんな心配している。 真「雛苺先生はまだなのかしら?」 ローゼン「う~んまいったなぁ まさか一日で来なくなるなんて。」 水「サボりじゃないのぉ?」 真「あなたと一緒にしないであげてちょうだい。」 蒼「翠星石先生、雛苺先生に何かあったのかい?」 翠「実は昨日の授業でカクカクじかじかだったのですぅ。」 蒼「じゃあ僕は次の時間授業ないから雛苺先生を探してくるよ。」 翠「あぅ…だめですぅ、それは翠星石の役目ですよ。」 蒼「でも…」 翠「大丈夫です…絶対絶対雛苺先生は翠星石が学校に連れ戻すですぅ。だって… 翠星石の始めての後輩ですから…」 そういうと蒼星石は微笑みながら 蒼「うん、分かったよ。雛苺先生のことよろしくね。」 翠「ガッテンですぅ。」 そして放課後昨日の生徒達を調理室に招いた。 翠「みんな放課後残してしまって申し訳ないですぅ。でもでも翠星石は今 みんなの協力が必要なのです。協力して欲しいです。」 生徒「じゃあ先生僕達のお願いも聞いてもらえますか?」 そして小一時間後。 翠「それじゃあ後は任せたですぅ。教えた通りやるですよ。すぐに戻ってくるです。」 そうして翠星石は休む間もなく町を徘徊しに行った 翠「まったく雛苺のやつはどこに行ったですかぁ?」 翠「ん?あれは」 そこには一人公園で俯いている雛苺の姿があった。 それはまるで仲間はずれになって寂しい思いをしている子供のよう。 おそらく学校に行こうとして家を出たが勇気が出ないで途中の公園で足が止まってしまったようだ。 翠「なーに学校サボってやがるですかぁ?ちょっと来るです。」 雛「あ…」 雛「でも…雛みんなとあわせる顔がないの…それに翠星石先生にも迷惑かけちゃったし…」 雛「生徒にも嫌われちゃっただろうし…雛はいらない先生だから」 翠「いいから来るですよ。」 翠星石は無理やり腕を引いて雛苺を連れて行く。 じゃないとまた酷いことを言ってしまいそうで怖かったのだ。 雛「ここは…」 学校に無理やり連れてこられた雛苺は抵抗するがズルズルと引きずられていく。 そして調理室に入っていく翠星石と雛苺。 中からは甘い香りが漂ってくる。 雛「これってもしかして…?」 トビラを空けると生徒達がアップルパイを持って雛苺のところに向かってくる。 生徒「先生ごめんなさい昨日は勝手なことばかり言っちゃって。」 生徒「誰にでも間違いはありますしね。だから先生改めて試食してみてください。」 翠「みんなに火力の大切さを分からせるために生徒達に焼成をさせたのですぅ。」 翠「教育プログラムに載ってないことですけど、今回の件でみんなが自分達で やりたいって言うので生徒達にやらせたのです。」 生徒「雛苺先生の失敗で僕達もっと調理実習に興味を持てたんです。」 翠「まぁ怪我の功名ってやつですかね?」 雛苺は嬉しさのあまり泣きそうになった。 自分は生徒達に嫌われてなかったのだ。 雛「うん!みんなありがとうなの。とっても美味しいの!みんな満点なの」 生徒達は雛苺の喜ぶ顔を見てとてもうれしそうだ。 翠「えーコホン。」 翠「雛苺先生は採点があまいですね。翠星石が本当のアップルパイを教えてやるです。」 目の前には翠星石お手製のアップルパイとても美味しそうだ。 雛「貰っても良いの?」 翠「あったりめぇですぅ。わざわざ作ってやったのですよ。ありがたくいただくですぅ。」 雛「わーいなの!じゃあいっただきますなの~」 そして“キラーン”という擬音語が聞こえるかのごとく翠星石の目が光ったが誰も気づいていない。そして ガブ!! 雛「 視yうぇgふぉあしゅsdうふじふぁwこ!!」 声にならない叫びをあげる。 翠「ひーひっひっ、ひっかかったですぅ。」 翠星石はとても楽しそうに声をあげて笑っている。 そう、これは翠星石お手製のカラシたっぷりアップルパイなのだ。 匂いでばれない様工夫するのは流石といえる。 雛「なっなにするのー。」 翠「あーんまり幸せそうな顔しているからついつい悪戯してやりたくなったのですよ。」 翠「次からはせいぜい気をつけるですよ。」 雛「もー酷いなのー翠星石先生もこれをたべるのよー。」 翠「へへーん 誰がそんなの食べるものですか。悔しかったら捕まえてみやがれですー。」 雛「もー待てーなのー。」 このとき既に翠星石と雛苺にギクシャクとした他人行儀なとこはなくなっていた。 その後生徒達も参加し大鬼ゴッコ大会になってしまった。 翠(本当は翠星石が腕によりをかけて作った真心たっぷりの美味しいアップルパイも あるのですよ。) 翠(でも今はやっぱり恥ずかしいから渡すのは今度にするです。) 翠(いつか悪戯しないでも腹を割って話せる親友になれると良いですね雛苺。) 翠星石は心の中でそう呟いた。 しかしその想いは放たないでいる。 いつか話さなくとも想いが通じるような仲になるように願いながら。 翌日から雛苺はしっかり通勤し、授業も上手くこなしていく。 翠星石とも仲良くやっているようだ。 そしてこの日から翠星石の悪戯が始まることになったがまたそれは別のお話。 とっても不器用で、とっても優しい彼女の素晴らしい日常のゼンマイは今巻かれたのだ。 ~~fin~~
https://w.atwiki.jp/ifrozenteacherss/pages/612.html
水銀燈「あらぁ?お馬鹿さんの真紅じゃない?大学を留年しすぎて、高校からやり直すことにしたのぉ?」 真紅「…誰がお馬鹿よ!?私は、今日からここで教師として働くことになったの。…まさかあなたも…?」 高校を卒業してから4年…。同窓会でもないのに、水銀燈と真紅は意外な場所で出会った。 場所は、『私立有栖学園』の校門前…。そう、2人は教師としてこの場所を訪れたのだ。 それを確認するやいなや、水銀燈は真紅にこう言った。 水銀燈「…ねえ、これから毎日あなたの顔見るの嫌だから、今から他のところに就職してくれなぁい?じゃないと、また昔みたいに腕へし折っちゃうわよぉ?」 その言葉を聞きつけ、どこからともなくあるものが現れ仲裁に入る。 翠星石「2人とも、せっかく4年ぶりに会ったんだから、ケンカはやめやがれですぅ!!」 雛苺「そうそう、ケンカはめっめーなのよ?」 まさかと思い、水銀燈が辺りを見回すと、そこにはよく知った顔がぞろぞろと現れた。 ローゼン「…どうせ教師を選ぶなら、高校時代に僕の母校に通ってた人をと思ったんだけど…ずいぶん集まっちゃったね…♪」 悪びれる様子もなく、校長であるローゼンは新任の教師たちを前に朝礼を行った。 そしてその後、各人のクラスと担当教科が発表され、それぞれはその準備をしだした。 中でも、国立の名門出の水銀燈には、社会系全てと保健体育の授業…そしてクラスの受け持ちと多大な期待が寄せられていた。 水銀燈本人もこれに満足したのか、生徒に対し熱心に指導した。 そう…それは、熱心すぎるほどに… 水銀燈「…あらぁ?今日もやけに人数が少ないわねぇ…」 その美貌と若さゆえ、始めは絶大な人気があった水銀燈。しかし、それから1ヶ月、2ヶ月と過ぎる頃、その人気はどんどん下火になっていった。 それは、彼女の授業についていけない者が急増したことが原因であった。 元々、『完璧』を強く求める彼女は、少しでも生徒がミスを犯すと、それを激しく叱咤した。それが生徒たちの間でだんだんと重荷になり、やがて彼女の授業に出席する生徒もごく限られた人しか出ないようになってしまった。 水銀燈自身も、出席率の低下についてはどうにかしようと考えたが、結局明確な答えを導き出すことは出来なかった。 彼女が天才であるが故の悩み…それは、『勉強ができない人の気持ち』が分からない事だった。 そして、それから数日後…ついに水銀燈は受験に関係がなく、元々本人もやる気のなかった保健体育だけを専門に教えることになった。 それは同時に、彼女が初めて挫折を味わった瞬間でもあった。 それからというもの、水銀燈の生活は一気に荒んだものになってしまった。 人に相談する事、そして同情される事をなにより嫌う彼女に、寄り付くものは徐々に減り、気がつけば彼女に話し掛ける人物は、ごく限られた人物だけになってしまった。 しかし、そんな状況でも水銀燈は決して他人に頼ろうとしなかった。 水銀燈「大丈夫よ、メイメイ…。周りの環境が、高校時代に戻っただけ…ただそれだけの事だから…」 憔悴しきった顔で、水銀燈はただ一人の友人に対してそう言った。 高校時代、寂しさを紛らわせるために始めた夜遊びや悪さも、今では麻薬のように自身の生活を蝕んでいた。 そしてその後の、学校を休んだ次の日に感じる疎外感…それから逃げるように、彼女はだんだんと学校へ来なくなった。 そして、ある冬の日…水銀燈は校長室へと呼び出された。 ローゼン「…今年度は、本当にお疲れ様。まあ、どんな人でも最初は上手くいかないものだから、気にしないほうがいいよ。」 水銀燈「…そんな、美辞麗句を伝えるために、私をここに呼んだ訳?」 もう、仕事なんてどうでもいい…。そんな気持ちからか、水銀燈の口調はついつい横柄になる。 しかしそれにもめげず、校長であるローゼンは『ある決定事項』を水銀燈に伝えた。 ローゼン「いや…実はね、もうそろそろ君にもちゃんと学校へ復帰してもらいたいと思ってるんだ。そういうわけで、もう1度クラスの担任を受け持ってもらえないかい?」 水銀燈「…一体、どういう風の吹き回し?今更、私に出来ることなんて、何も無いわ…」 ローゼン「いいや、出来るさ!水銀燈君は問題を1人で抱えてしまう傾向があるから、今回は特別に副担任を付けようと思うんだ。で、4月から『薔薇水晶』っていう新任の教師が…」 水銀燈「…で、いずれはその薔薇水晶って子にクラスを任せて、私は用済みってわけね?」 ローゼン「…!?ち、違う!君は何か誤解を…!!」 水銀燈「いいのよ…人に捨てられるのは慣れてるから…。お父様にも捨てられたし、高校時代だって、友達だと思ってた子にも…」 そう言うと、彼女は小走りに自身の車へと向かい、オーディオのボリュームを全開にして、車を発進させた。 やがて、人気の無い森へとたどり着くと、彼女は1人声を押し殺し、泣きじゃくった。 本当は、自分だって生徒達に慕われる存在になりたかった…。 『夏休みが多そうだから』という短絡的な理由…それ以上に、色んな意味で自分の高校生活を取り戻したかった…。それが、彼女を教師の道へと進ませた本当の理由だった。 なのに…。 水銀燈「…薔薇水晶…か。…最後ぐらいは、ちゃんと引き継がせてあげないとねぇ…。」 そう言うと、彼女は涙をふき取り、車を走らせた。 そう…今の自分に出来ること…。それは、その新任の薔薇水晶という『生徒』に最後の授業をしてやること…。そして、自分と同じ道を歩ませないこと…。 こうして、彼女自身の運命の歯車は徐々に動き出した。 完 続き 続き(ちょっと別視点ver) その数年前のお話 荒んでた頃の話
https://w.atwiki.jp/kagakyon/pages/782.html
「世の中の普通さにも慣れてきた」 かつて俺が高校入学前に持ち合わせた退屈への免疫は、涼宮ハルヒという人型台風に吹き飛ばされた。 より強い「超常」というワクチンを打ち込まれた俺は、無防備なまま高校から放り出されたわけだ。 おかげで、平凡にまみれた大学生活のなんとつまらなかったことか。 SOS団員中で唯一の普通人であり続けた俺が非日常に溺れた最大の被害者ってのは、皮肉な話だな。 しかしまあ、大学での四年間はいいリハビリになった。 凡人たる俺が生きるべきは、やはり普通で埋め尽くされた日常の世界なのだ。 そんな社会の歯車としてそれなりに頑張って働こう。 ――そう思っていた矢先に。 「世界を大いに盛り上げるためのそうじろうの娘の団にようこそ!」 部屋は、沈黙に包まれていた。 バンザイしたままの泉こなた、のほほんと首を傾げる柊つかさ、俺に会釈して笑いかける高良みゆき。 「……おい、こなた」 めちゃくちゃ不機嫌そうな柊かがみ。 「どうしてもって頼むから来てみれば、何よ、そのトンチキな団体は」 「略してSOS団。これから私たちのチーム名になるのだよ、かがみ」 「そんなの嫌よッ!」 反対は当然だろう。俺も当時、抵抗があった。あの組織名に異議を申し立てる者がいなかったのがおかしいんだ。 「まあまあ……かがみは、私のこと嫌い?」 「何でそういう話になるんだ!」 などなど、いろいろもめていたようだが、最終的に泉が屁理屈と話題のすり替えを駆使して柊姉を制圧した。 一時は浮かした腰をどっかりとイスに落とし、腕と脚を組んで不本意さを強調するポーズをとる柊姉。 「すごい音……かがみんケツでかい」 「おっ……男の人の前でそういうこと言うなー!」 「男の人の前で脚を組むのはいいの?」 泉に切り返され、柊姉は赤面する。スカートの裾を押さえて恨めしげに俺を睨むが、とんだとばっちりだ。 なんだか、この二人の力関係をだいたい把握できたような気がした。 「で、さ」 仕切りなおし、といわんばかりの間を置いて、泉が俺に視線を戻す。 「とりあえず集めてみたけど、あとはどうすればいいの?」 「……は?」 「私は、作れって言われただけだから。あとはキョンキョンが何とかしてくれるって」 丸投げかよ。泉の親玉は、俺に恨みでもあるのか。 しかし……赴任した学校にSOS団があったからって、俺は何をすればいいんだ? OBだといってでかいツラをするか……論外だな。 俺が言うべきことはひとつだ。「SOS団なんてろくなもんじゃ――」 「思い出しました」 ぱちん、と顔の前で両手を合わせるみゆき。 「SOS団とは、キョンさんとGWに会ったときに一度、私に話してくれた人たちのことですよね?」 「なに、知っているのかみゆきさん?」 そりゃ雷電だろ――というツッコミはこの場合、野暮というものなのかね。 「はい。私が小学六年生、キョンさんがまだ高校二年生のころに初めてお聞きしまして――」 俺の名誉のために言っておくが、先に吹聴したのは妹だ。みゆきと同い年だから、話す機会も多かったに違いない。 そして当然の如くSOS団のことを口にして、俺がみゆきに詳細をせがまれるはめになった。 そもそも俺は自慢話が好きでない。ましてや、自慢にもならんトンデモ体験を嘯くなど。 モノローグで誰に宛てるでもない弁明をしている間に、みゆきの話も佳境に入ったようだ。 「――そして、団長の涼宮さんという方と交際されている、と」 「してない!」 つい、大声を出してしまった。自然な流れで俺に注目が集まる。 「あ、いや……何でもない。とにかくだな、みゆき。そのような事実は一切ない」 「……そうなんですか?」 きょとんとした表情を見せたのち、瞳が微かな輝きを帯びた気がするが、それを追及する暇はなかった。 「ゆきちゃんの言うとおりなら、おもしろそうな部活の気がするね~」 流れに取り残されていた柊妹が、ここにきて同調の兆しを見せ始めたのだ。 「そうね。こなたじゃアレだけど、みゆきが言うんだったら」 最後の砦こと柊姉も崩壊し、戦局はずっと泉のターンに傾きつつある。 みゆきがここまで信頼されているのを、兄貴分として喜ぶべきか悔やむべきか。 そんな俺の腰を肘でつつき、泉は、 「みんな乗り気になってくれたみたいだから、これからよろしくね。キョンキョン先生」 部活動発足申請の書類を突きつけてきたのだった。 まったく、わからないことが多すぎる。 新居となったアパートに帰宅した俺は、盛大な溜息と共に床にへたりこんだ。 いくら疲れているとはいえ一人暮らしだ。夕飯ができるのを待っていればよかったあの頃とは違う。 まだ五月病には早いと自分を叱責しながら、キッチンへ向かう。得意料理はカップラーメンです。 「やれやれ……」 あのあと、泉に突然連れて来られたと主張する三人(内一人はある程度の予備知識があった)に、 SOS団についての概要とこれからのことを尋ねられ、トンデモ現象に関する部分だけ伏せて説明した。 まあ、そこを除外すると放課後の暇潰しや土曜探索といった魚の骨しか残らないのだが。 「受験で忙しいから普通の部活は無理だけど、その程度なら……」 意外にも否定的な意見を出さなかった柊姉である。あの剣幕はどこへやら。 「つかさとこなたの勉強会と思えば効率もいいしね」――そう続けたとき、他でもない泉が解散を宣言しかけた。 「いい加減なやつだ」 そうは思いながらも、自分の意思で立てた団ではないのだから仕方のないことだと肩を竦める。 そうだ、泉は結成するように言われただけ、と語った。 柊姉妹やみゆきだって、たまたま泉と仲が良かったから連れて来られただけで特殊な属性など皆無だろう。 ――ハルヒは自分とまるで無関係な人間をひっぱってきて、それがドンピシャだったんだよな。 名前こそSOS団ではあるが、結成に至るまでのプロセスがまったくの別物だ。 それこそ「原作」ありきの模倣のように。 「…………」 泉の親玉は、何の目的でSOS団などという傍目に怪しいことこの上ない団体を作らせたのだろうか。 自意識過剰だが――俺のためにお膳立てされているとしか思えない。 ホワイ、なぜ? 懐かしき名を称する団体があれば、俺が尻尾をふってホイホイ動き出すとでも思ったのか。 冗談じゃない。俺にとってのSOS団は、後にも先にもあいつらだけだ。 お前にとっても同じだろう、ハルヒ? 「じゃ、ここで本当に解散ね」 卒業の際の二次会終了後、さらにSOS団正式メンバーのみでカラオケ大会が催された。 アルコールが入っていたわけでもないのに大いに盛り上がったのは、ハルヒのナチュラルハイに加えて、 これが最後ということで俺たちも羽目を外したことが原因だろう。結局、夜中まで騒いでしまった。 「あ……団を解散って意味じゃないわよ。今日のところは、ってことで」 わかってるよ、と苦笑を交えて返す。でもな、団は残っても、もう五人で集まれることはないんだぜ? この時点でハルヒは都内の大学への進学が決まっていた。 地元に残ると公言していた俺たちと会う機会が減るのはもとより覚悟の上だったようだが……。 「涼宮さんを送って差し上げてはいかがですか?」 古泉の提案を断る理由はなかった。夜更けに女を一人で帰らせたくはないし、 長門や朝比奈さんや古泉とは、お別れの挨拶を事前に済ませている。 「ああ、そうさせてもらうさ」 「別にひとりで帰れるのに……まあいいわ。じゃあみんな、またね」 冬は過ぎたとはいえ、春のテンションはまだまだ上がらないらしく、夜道は肌寒い。 「さっむいわねー。お酒でも呑んで火照っといた方がよかったかしら」 「やめとけ。卒業早々、豚箱送りは御免被る。第一禁酒令を敷いたのはお前だろ」 「あれは在学中の話。それに私なら通報されるようなヘマはしないわ」 「……末恐ろしいな」 四方山話を交わしながら、ハルヒと俺はさくさく歩く。絶えず喋っているのに、不思議と静寂を感じた。 あの三人がいないせいだな――自分で言うのも何だが、素直にそう思った。 加えて、俺がハルヒの知らないことを知っているせいでもある。 長門は統合思念体に戻り、朝比奈さんはもとの時間に帰る。そして、二度と会うことはない。 任期を終えた古泉もここを離れるらしく、しばらく顔を見せることはできないと言っていた。 ハルヒだけがそれを知らない。知らないまま上京し、彼女らを思い出にしてしまうのだろうか。 「ハルヒ――」 唐突に、胸の奥からこみ上げるものがあった。 ハルヒにすべてを隠したままでいいのか。 彼女らの正体を知らないハルヒは、これが今生の別れであることすら理解できないのだ。 今、それを知らせることができるのは、俺しかいない。 「……早く言いなさいよ。なんでもないっていうのは無しだからね」 だが――頭ではわかっているのだ。知らない方が幸せであるということも。 何年か経ちふと高校時代を思い返すとき、仲間たちはどこで何をしているのかと夢想し、 どこかで邂逅できるだろうかとその日を楽しみ待つ。そんな日々の方が幸せに違いない。 それでも、そんな日々を送れるという誘いが俺に来ても、答えは「NO」一択だ。 「ずっと隠してたことがある。お前の知らないところで、世界は随分面白い方向に回ってたんだ」 優しさと残酷さは紙一重だ。 「まず――宇宙人未来人超能力者について話そうか」 俺が話したことは、高校時代に体験した内容の十分の一程度に過ぎなかった。 あるいは、「俺はジョン・スミスだ」と名乗るだけに留まったような気もする。 それでもハルヒは駆け出した。もしかすると、以前から無意識の領域で感づいていたのかもしれなかった。 ハルヒの速度は、その妄想が確信へと変わったことを表している。 在学中、あらゆる運動部から引く手数多だった脚力だ。受験勉強で体が鈍りきった俺が追いつけるはずもない。 大きくリードを離され、視界からハルヒが消えた。途中で何度か息を切らしながらも、俺は全力で突っ走った。 解散した場所に戻ったとき、そこには誰もいなかった。 「……ハルヒ……ッ」 膝を押さえ、肩を大きく上下させながら言葉を搾り出す。 「長門、朝比奈さん、古泉!」 もういないとわかっている連中の名前まで呼ぶ。当然、誰からの返事もない。 前に――ハルヒと閉鎖空間に閉じ込められたときのことを思い出す。 あのとき俺とハルヒは現在時空から消失していたらしい。今度はあいつらを連れて、どこかへ消えてしまったのか。 取り返しのつかないことをしてしまったとか、そんなことより俺がそのとき考えていたのは、 「置いていかれた」――それだけだった。 結論から言えば、ハルヒは帰ってきた。 「大丈夫」と笑顔すら見せてくれたが、その件についてははぐらかしたまま引越していっちまった。 俺の独断専行のせいであの三人がどうなったのかは分からない。何せ、会っていないからな。 唯一古泉とは連絡を取り合い何度か顔も合わせているが、その件についてお互いに切り出すことは未だにない。 あの出来事だけは、俺の輝かしい非日常ライフで唯一「やらなきゃよかった」感が強い一件として君臨している。 さて、昔のことのここまでにして、現在直面している問題に向き合うことにした。 「……ラーメンのびてる」 翌朝の職員室にて。 「ほう、部活動の申請書か」 一応の指導係であるところの桜庭教諭に相談してみることにした。 「三年だというのに余裕があるというか、バイタリティ溢れるというか……しかし、無理な話だな」 「というと?」 「部員は最低五人だ。あと一人足りん」 日本という国は、どうして五人で一組という制度を神格化したがるのだろうか。日曜朝七時半といい。 とにかく、これで泉及びその黒幕の野望は潰えたというわけだ。やけにあっさりと。 そのことを黒井教諭の席でゲーム談義で盛り上がっていた泉に伝えると、 「私もそれに気がついてね。ちゃんと対策はしておいたよ」 「対策?」 「つかさがね、連れて来たい人がいるんだって」 ふむ、柊姉妹のショートカットの方か。人となりを知るわけはないが、やはり女子の友達だろうか。 だとしたら、新生SOS団は女の園と化してしまうことになる。 「ハーレムだね、キョンキョン」 「キョン先生、くれぐれも世間様に顔向けできない騒動はアカンで?」 「社会に出て早々職を失うような真似はしませんよ」 教え子である柊姉妹はもちろん、見た目小学生や親戚が面子にいるんだ。手なぞ出せるか。 そろそろ教室に戻るという泉に「SOS団なんてやめとく、って選択肢はないのか?」と提案してみた。 「昨日のアレは言葉のあやですよ。かがみが意地悪するからさー」 いや、真剣にお前の成績を慮ってのことだと思う。黒井教諭からネタは上がってるぞ。 「ワクワクしたいってのは本当だから。私、キョンキョンには結構期待してますぜ?」 それに、と悪戯っぽく泉は微笑む。 「それ抜きにしたって、新任教師は攻略対象だからね。じゃ、また放課後にねー」 謎の台詞を残し、いってしまった。 「攻略って……なんですか?」 「知らんのなら、そのままでいた方がええ。というか、忘れとき」 ポニーテールエンジェルの仰せとあらば、なんなりと。 さて、三学年の副担任という肩書きではあるが、俺だって授業くらいする。担当は世界史だ。 私立校は人手不足の場合が多いからな。新米だからといってのうのうとはしていられないってことだ。 「えーと、授業初回ということもあるので、軽く自己紹介から……」 担任という生徒のまとめ役なら、すでにある程度のチームワークが出来上がっている三学年の方が新任向きだが、 授業をするならまだ初々しさが抜けていない新入生の方が気楽でいい。 「俺も君たちと同じく教師一年生なので、お手柔らかによろしく」 スタンディングオベーションどころか生暖かい拍手すら起きないところが、堅さを象徴している。 まあ俺も高校一年のころはこんな感じだったしなあ。思えば、先生には申し訳ないことをした。 だが、この雰囲気のまま授業を始めてしまっては俺にも生徒同士にもよろしくない。 せめて、もっと打ち解けられないものか――。 「あー……じゃ、俺に質問とかあるか?」 かなり捨て身の作戦だが、俺の乏しい脳味噌はこの程度のアイデアしか生産してくれない。 もっと真面目に教育実習を受けていれば……。 「あのぅ……ひとつ、いいですか?」 新米教師の急な注文に戸惑う生徒たちの中、挙手したのは――俺はどうも小人と縁があるらしいな、 小さくツインテールにしている点は桜庭教諭と同じだが、彼女にないピュアさを持つであろう女生徒だった。 どうぞ、と指すと「えと、小早川ゆたかっていいます」と若干舌足らずな声が返ってきた。 「キョン先生って呼んでもいいですか?」 幼女――小早川ゆたかは、ザ・ワールドを発動させた。 それも一瞬のことで、あちこちでくすくす笑いが起き、やがて爆笑に変わっていった。 「ちょっと小早川……それ、誰から……?」 「お姉ちゃん――あ、私、泉こなたの従姉妹なんです」 なんと。 「で、こなたお姉ちゃんが、キョン先生ガチガチだろうからこの仇名で和ませてあげてって」 余計なことを。しかし……現に緊張はほぐれちまったわけだ。不本意だが、礼を言わねばなるまい。 その後、「キョン先生」なる通称は瞬く間に広がり、俺はいわゆる有名人の仲間入りを果たすことになる。 忌々しい、ああ忌々しい、忌々しい。 「泉、やってくれたな」 「ええ、やってやりましたとも」 放課後、新生SOS団の部室(仮)として呼び出された空き部屋で俺は泉と対峙していた。 礼は言う。しかし、それ以上に文句がある。人のトラウマに近い仇名を持ち出すのは感心せんぞ。 「でもさ、キョンって単語は笑いのネタにすると凶器レベルの面白さだよ。利用しない手はないって」 それが嫌だったんだよ。なーんて言っても、覆水は盆に帰らず。諦めるしかないか。 現在ここには、泉と柊姉、みゆきが集結している。どうやら、勉強会とやらを本気でやるつもりらしい。 「ほらこなた、さっさと続きやるわよ」 「キョンキョン、かがみに教えてやってよ! SOS団は勉強みたくつまんないことするとこじゃないって!」 「いや、俺も団長直々に学習の手ほどきを受けたこともあるしな」 三年の終わりなぞ、俺がなりふり構っていられない状況に陥ったせいか、 「部室に勉強は持ち込まない」と公言していたハルヒが折れる形になって俺に受験勉強をさせた。 とりあえず、感謝はしておく。教師たるもの、義理を忘れたらおしまいだ。 泉よ、お前だっていつか厳しくしてくれた柊姉に感謝する日が来るんだぞ。 「私は今が楽しければそれでいいよ」 「思いっきりダメ人間の思考じゃねーか!」 「かがみー、男の人の前でそんな言葉使いでいいのー?」 「うっ……そ、そんなの関係ねぇ……ないじゃないのよ」 だから柊姉よ、俺を障害物のような目で見るな。とばっちりだっての。 「あの、キョンさん」 「どうした、みゆき」 「今日のお弁当、いかがでしたでしょうか?」 「ああ、美味かった。特にあのから揚げ、また食べたくなる味だったな」 「本当ですか? よかった、あれを作るのは結構な手間だったんですよ」 「へえ。わざわざありがとうな。みゆきは良い嫁になるぞ」 ――おい、泉と柊。その視線は何だ? 「かがみ、新婚さんがいるよ」 「みゆきが彼氏つくらなかったのには、こういう理由があったのね」 じと目を維持したまま半笑いに移行する二人の少女。 やはりというか、女子というものはすぐこういう話題に持っていきたがるものらしいな。 だが根も葉もない噂を流されても困るからな。みゆき、びしっと反論してやれ。 「いえ……そ、それは……」 いやに慌ててるな……まあ、彼氏はいないと言っていたし、免疫がないのも仕方ないか。俺が代理を買って出よう。 「みゆきは俺には過ぎた嫁だ。もったいないから、もらう気はない」 俺は務めを果たした……はずなのだが、何だこの空気は。 泉と柊は非難する流し目を俺に送って囁きあっているし、みゆきはみゆきで無言である。俺が何した? 誰か流れを変えてくれ――俺の願いが神に通じたのか、部屋に新たな闖入者が! 「な、なんなんですかここ? 何で俺連れて来られたんですか!?」 闖入者である糸目の男子は、そう叫んだあと、部屋を見渡して。 「……あの、この空気はなんでしょうか?」 俺が聞きたい。いやそれより、君は誰なんだ? 「セバスチャンじゃん」 「いや……白石みのるです」 「私が連れてきたんだー」 えへへ、と笑いながら白石少年の背後から顔を出したのは、柊妹。 「じゃ、つかさの連れてきたい人ってセバスチャンだったんだ。へー……ずいぶん地味なチョイスで」 俺は彼氏彼女らの背景など知らない。しかし、なぜこの少年はここまでぞんざいな扱いを受けているんだ? 「とにかくこれで五人揃ったね――さあ、始まるざますよ♪」 こうして、新生SOS団は動き出した。……マジでか? おまけ らっきー☆ちゃんねる あきら「おは☆らっきー! みんなのアイドル、小神あきらでーす!」 小野「アシスタントの――僕に釣られてみます?――小野だいすけです」 あきら「さてさて! 二回目にして、ようやく白石さんの生存が確認されましたね!」 小野「早くもオチ要員のポジションを得たようですねえ」 あきら「らっきー☆ちゃんねるはこれからも白石さんを応援していきますよ~」 小野「今回の補足ですが……特にありませんね」 あきら様「つまりまったく話が進んでねーってこったな」 あきら「でもでも、次回からは急展開! なヨ・カ・ン?」 小野「そうでも言っておかないと格好がつきませんからね」 あきら「やだもう小野さんったら、シニカルなんだからぁ♪ あ、もうお時間ですね」 小野「それではまた次回お会いしましょう」 あきら・小野「ばいにー☆」 あきら様「で、私の本編進出は?」 小野「え?」 あきら様「白石が出てんだ、私も出れるんだろ? あぁ?」 小野「……き、禁則事項です♪……ぐぁ(ry」 次回予告 つかさです。 サンタクロースをいつまで信じていたかなんて、世間話にするにはちょっと恥ずかしい話なんだけど、 それはきっと、お姉ちゃんがいなかったら私は今でも信じていたんだろうなあ、と思うからなのかなぁ。 これからはお姉ちゃんみたいにしっかりした子になりたいな……そしたら、もっと魅力とか―― あ、えっと、今のナシ! え、ええと次回は…… え、ええ? まだ喋ってないとダメなの? もう何でこんなときだけ時間が余ってるのー!? 次回は『3年B組キョン八先生』! お、お楽しみにっ。 キョン「人という字は、ふたりが互いに支えあってできている。 ……と見せかけて実は小さい方が一方的に支えているまっこと理不尽な文字だ。バカチンがぁ」 作品の感想はこちらにどうぞ
https://w.atwiki.jp/kagakyon/pages/824.html
理由はどうあれ、俺はよく眠るわりには寝起きが悪い。 高校生になってもその悪癖は治らず、我が妹をダイビングボディプレスの達人に育て上げてしまった。 体内時計が常人より遅めに設定してあるのか、あるいは起きるための気力が衰退しているのか。 そんなことはどうでもいい。問題は、早く起きなければならないということだ。 就職決定というモラトリアム終了のお知らせと共に、俺は独力での起床を自らに課した。 要するに――ひとり暮らしだから起こしてくれる人が誰もいないのだ。 しかし。 醒めたくない―― 「そろそろ起きてください」 起きろと言われたので嫌々ながら目蓋を開くと、みゆきの整った顔がアップになっていた。 なぜ、と思う前に俺の口は目覚めの呪文を紡ぐ。「……おはよう」 みゆきはすでに着替えを済ませていた。分不相応な良質のベッドから這い出る俺を、にこやかに見つめている。 次第に、欠落していた記憶が埋まっていく。 俺が稜桜学園に勤めてから一ヶ月、今はもう五月で、ゴールデンウィークのど真ん中だ。 恒例の一族大集合からの帰り、みゆきに自宅に寄っていかないかと誘われ、そういえば挨拶がまだだったと思いお伺いした。 で、高良父につかまり、酒の席を設けられてしまったのだった。おっさん、向こうでもかなり飲んでたろうが。 ――俺は酔いつぶれて、そのまま高良家に泊り込んでしまったらしい。いや、申し訳ない。 「こちらこそごめんなさいね。あの人ったら、久しぶりにキョンくんに会ったからはしゃいじゃって」 俺と対面する形でテーブルにつくゆかりさん(高良母)が少しだけ眉根を寄せて笑う。 朝食はみゆきが作ってくれたらしい。せっかくなのでゆっくり味わいたいところだが、そうは問屋が卸さない。 今日は国民全員が恨んでやまない、GW中の非休日なのである。くそっ、ハッピーマンデーよりこっちを何とかしやがれ。 「キョンさん。これ、今日のお弁当です」 「ありがとう、いつも美味しく頂いてるよ」 毎日とはいかないが、みゆきはよく俺に昼飯を提供してくれる。こんなこと、実の妹でもしてくれなかったぜ。 正直にいって、はとこ同士というものは世間一般にすりゃ疎遠の域にある間柄だと思う。 だがうちの一族の結束は思いのほか固いのか、よほど親等が離れていない限りは見ず知らずの親戚などいやしない。 そして、いとこはとこ連中の中で俺は年長者の部類に位置するため、嬉しいことに年下達にそこそこ懐かれている。 みゆきもその例外ではなかった……らしい。 「ほらほら、新婚さんごっこはそこまでにしなさい。遅刻しちゃうわよ」 ゆかりさんは相変わらず人をからかうのが好きだな――そう思いながら、沸騰しかけのみゆきの背を押して高良家を後にした。 正直に言うと、今日の仕事量はそれほど多くないので一日をのんびり過ごす予定だった。 が、現実ってのは思いもよらない試練を時にふっかけてくるものである。 「黒井先生がお休み……ですか?」 「うむ。そこでだ、キョン先生。君に黒井先生のシフトを代わってもらいたい」 人と話してるときくらい咥えタバコはやめてほしい桜庭教諭は、横柄にそう告げる。 確かに俺は黒井教諭と同じ世界史担当で、彼女の受け持つクラスには顔見知りもいるが……新人としては大抜擢じゃないか? 「新人だからこそ、だ。こういう経験はさっさとさせておいた方がいい。それに何より――」 何より? 「五月病にかからなかった点を大いに評価しているのだよ。君はなかなか打たれ強いな」 「はあ……ありがとうございます」 ちっ、あのまま寝てりゃ良かったぜ。 迂闊にも桜庭教諭の前でそんなモノローグをしてしまい、また制裁が来るか――と身構えていたのだが、 「同感だ。気に入った、あとで保健室に来てふゆきと和んでもいいぞ」 桜庭教諭はお話のわかるお方のようで。 「でも仕事はやれよ。絶対だぞ」 「イエス、マム」 改めて忠誠を誓ったところで、職員室に電話の呼び出し音が鳴り響いた。桜庭教諭が応対したが、やがて受話器を俺に突き出す。 「泉さんからだ。黒井先生に用とのことだが――君が代わりに聞いとくといい」 名を言うにあたって「三年の」とか「黒井先生のクラスの」とかいった修飾が一切なかった。 俺になら言わんでもわかるだろ、ということらしい。確かによく分かる……いい予感がまるでしない相手だということは。 「もしもし、代わりました」 『あ、キョンキョン? 私、今日は休みます……』 「どうした、病気か?」 『うん……五月病がひどくて』 「さっさと来やがれ!」 ここいらでひとつ予防線を張っておくが、今の流れで俺に何の落ち度はなかった。 五月病なる人を小馬鹿にした言い訳で不正に欠席しようとする生徒に出向を命じるのは教師として正しいあり方だろう。 しかし、教師である以前の、SOS団OBであるところの俺としては、 ――泉に「来い」と言ったのは、とんでもない大失態だったと言わざるを得ない。 黒井教諭が担任している3年B組は、みゆきが学級委員長を務めるクラスだ。 更には泉こなた、柊つかさ、白石みのるが在籍しており、認めたくないが俺と妙な縁があるらしい。 ――そういや、例のメンバーのうち柊かがみだけクラスが別なのか。だからといってハブられてるわけでもなさそうだが。 彼女は彼女で、桜庭教諭の3年A組で女谷口こと日下部、女国木田こと峰岸のコンビとよろしくやっているし。 ……いやいや、日下部に谷口役は務まらないな。谷口はもっとアホだった。日下部はまだかわいいものだ。 さてアホの谷口のことなんぞ思い出しても仕方がない。さっさと先に進めよう。 黒井教諭の代わりに朝のホームルームで出席をとり、あとは彼女の授業を代行する――それが今日、俺に追加された業務だ。 ホームルームでどうして黒井教諭が休んだのか尋ねられ、返事に窮した。 正直なところ、彼女とまったく連絡がつかない。自宅に電話しても出ないし、携帯もアウト。どうしたものかと頭を悩ませているのだ。 まさか何らかの事件に巻き込まれたとか――などと深刻に考えているのは俺だけのようで、 「案外、寝過ごしてるだけかもしれんな」 桜庭教諭はそんなことを言い出す始末。同僚に無断欠席をスルーされるとは、もしや前科があるのだろうか。 ロッテのファンだと言っていたから、どこかの試合を観戦しに行ったとか……さもありなん。 何にせよ確かなのは、良質なポニーテールを拝めない俺のテンションが下がり気味であることのみだ。 「そういや天原先生は、たまに髪を一つに結ってるときがあったな……」 幸いにも桜庭教諭から保健室を訪れる許しを得ているため(入室に許可が必要な場所ではないはずなんだが)、 俺は潤いを求めて、いつだっかの長門顔負けの夢遊病チックな足取りで保健室へといざ行かん。 「おーすキョンキョン」 どちくしょうめ。 俺の一般常識が正しければ、保健室とは癒しの聖地だったはずなのだが――この学校では裏切られてばかりである。 「来てたのか、泉」 「なんつー言い草か。自分が来いって言っておいて~」 別に非難したつもりではないが、したとすればそれはお前と俺の間の悪さがもたらした悲しき誤解だ。 そして保健室にいる理由が五月病なら早めの撤収を求める。 「違うよ。ゆーちゃんのつきそいですよ」 泉が指で示す先には、確かに白いベッドに横たわった小早川ゆかたの姿があった。なるほど、納得だ。 元から彼女のクラスで世界史の授業をしているため、顔見知り程度にはなっている。泉の従姉妹とも、病弱なことも知っていた。 「あ――せんせー」 小早川が体を起こして俺に挨拶しようとするが、傍らの天原教諭に優しく抑えられる。 「無理しちゃだめよ」 「そーそー。キョンキョン、ゆーちゃんへのフラグ立ては元気になった後にしてね」 フラグって何だ。それはともかく、本物の病人がいるなら天原教諭の邪魔をするわけにはいかない。さっさと退散しよう。 ――狙い通り、天原教諭は簡易ポニーテールだっただけに名残惜しさも一際なんだが。 去り際に「今日もミーティングあるからね」と現団長殿に釘を刺された。やれやれ、さっさと帰りたかったのに。 「黒井先生のお見舞いに行こうよ」 新生SOS団の勉強会兼ミーティング中、そう言い出したのは柊つかさだった。 彼女らしく心優しい提案なのだが、黒井教諭は社会人だ。仲の良い学生同士とは勝手が違う。 そう諭そうとする前に、柊妹の発言に少々疑問を覚えた。 「お見舞い?」 黒井教諭の欠席の理由は未だ判明していないはずだったと思うのだが。いつの間にやら病気で倒れたことが前提となっている。 「キョン先生が言ったんじゃないですか、黒井先生は風邪でお休みですーって」 俺か。 そういえば、朝のホームルームでそんな受け答えをしたような……少しあがってたから記憶が曖昧だ。 まずいな、火のないところに煙を立ててしまった恐れがある。 「風邪ねぇ」ホームルームの時点では登校していなかった泉が口を挟む。「案外、ネトゲで寝不足になって寝てるだけかもね」 生徒からもそういう認識をされているんですか黒井先生。 そして泉、お前が見舞ってやるべきは小早川の方だと思うぞ。 「ゆーちゃんなら心配ナイナイ。下校のころには元気になってたから。みなみちゃんもいるし」 みなみ――というと、岩崎みなみか。あの、個人的にデジャヴを覚える1年生。 つい名前を言い間違えてしまったとき、ギャラリーから「昔の恋人ですか」と見当違いの詮索をされたことは未だに気まずく思う。 彼女は俺の知ってる無口少女より感受性が高そうだからな――まともな人間なんだから当たり前か。 「で、どうするのよ。行くの、行かないの?」 柊姉が話題の軌道を修正する。俺の昔の役割がこれだったと思うと、それを他人がやっているのは妙な感慨があるな。 問われた柊妹は逡巡し、隣――といっても少し離れたところに座る白石少年に水を向けた。 「白石くんはどうしたい?」 「えーと、黒井先生に迷惑がかかるといけないから、行かない方がいいと思う」 彼はなかなか良識を弁えた子だ。しかも、及び腰ながらも意見を言うことができるときている。 俺が現役のときにこういうメンバーがいてくれたら、ハルヒに脅かされることもなく……いや、やっぱ無理か。 とにかく白石少年のまこと常識的な見解が鶴の一声となり、 「じゃあ行こう」 それを覆すニワトリの一声が放たれた。泉だ。 というか、じゃあって何だ。白石少年を全否定するつもりか、お前は。 「違うよ。これは私のニュータイプとしての勘なんだけど、訪ねていっても迷惑にはなりませんて」 「根拠は?」 「だから、ニュータイプとしての勘」 そんなことは聞いてない。迷惑にならない理由の方が知りたいんだ。 「今日の無断欠席は十中八九だらしなさが原因だから。なぜなら、黒井先生はそういう人だから」 彼女と親しい泉と言えどあんまりといえばあんまりだが、「ああ」という感じで頷き合う周囲の反応も本当にあんまりだ。 頼む、俺の心中で神格化されたポニーテールの天使像を崩さないでくれ。 「じゃ、黒井先生が本当に天使か確かめに行ってみる?」 ……やぶさかでもない。 で、本当に来てしまったわけだが。 黒井教諭が居を構えるのは世の女性が熱い視線を注ぐオシャレなマンション、ではなく。 とても生活感のある程よい感じにくたびれたアパートだった。貧乏学生が住んでそうなアレよりは格段に待遇は良さそうだが。 「……出ないねぇ」 その一室の前で立ち尽くす、全員の気持ちを代弁するように柊妹が呟く。 確かに黒井教諭がいらっしゃるのはこの部屋だと聞いたのだが、泉が何度チャイムを押しても返事がない。 まさかただの屍になっているわけではあるまいが、この時間までぐっすり熟睡というのも考え難い。 「鍵もかかってるね」 泉がドアノブを回そうとする度にガチャガチャと音が鳴る。 「大佐、強行突破の許可を。オーバー」 「するわけないだろ。オーバー」 泉とアホな会話を交わしたのち、これは留守ということであろうと説明する。 自宅にいながら鍵をかけっぱなしというのはどうもおかしいし、おそらく何らかの急用で欠席の連絡ができぬまま外出したのだろう。 「ひきこもってるだけかもよ」 「あんたねえ……黒井先生をどういう目で見てるんだ?」 おそらくまともな目ではないだろうなあ。いつも半開きにしているような奴だし。 このままいても鍵がかかっているのでは何もできない。今日のところはひとまず退却するのが吉だ。 皆が皆そう判断しながらも今ひとつ釈然しない様子で、しかし何もできないこともわかっているためとぼとぼ踵を返した。 カシャン。 思わず振り返る。ドアノブに手をかけたみゆきが、無色透明を思わせる瞳で俺を見つめていた。 しかしそのような目をした彼女は今までに見たことがなく―― 「あ、あの……開いてしまったみたいです」 恐縮するようにうろたえ出すみゆき。 考えすぎか。さっきの違和感はちょっとした勘違いというやつだろう。 「こなた、あんた逆に回してたんじゃないの?」 「あれ? あれぇ?」 「こなちゃん、やっちまったねー」 柊姉妹はこの事態を泉こなたのミスとして受け止めているようだが、俺は理由なき不安を抱き始めていた。 それはどうやら、白石少年も同じらしい。 「先生……止めた方がいいのでは」 「ああ。だけど、もう遅いみたいだな」 消極的な男2人が見守る前で、泉こなたは早速ドアを開け放っていた。 まあここまで来て入室しないなんて選択肢を採るような奴でないことはわかっているのだが。 やたらとキレイな台所、いかにも使い込んでそうなパソコン、まあ特筆すべきなのはこんなところか。 あとはいたってフツウの部屋だ。黒井教諭は生徒たちが言うほどガサツなお方ではないらしい。 「いや、んなこたぁない。冷蔵庫にはビールと枝豆がたっぷりだ」 「こら泉、勝手に冷蔵庫まで漁るな!」 本来なら部屋の主がするべき注意。さしでがましいようだが、俺が代理を務めさせてもらう。 それというのも、黒井教諭の姿がどこにも見当たらないのだ。 女性の部屋ということもあり、俺と白石少年が隅っこで肩身の狭い思いをしている中、女子団員4人が捜索を担当した。 バスルームや押入れまで思いつく限りの場所はガサ入れしたそうだが、隠れていた形跡すらないという。 「謎ね……」 顎に手を当てて考え込む柊かがみ。それにしてもこの柊姉、ノリノリである。初めは渋っていたというのに……。 何かイベントをする際、実行の直前までは文句を言うがそれ以降は誰よりも楽しむタイプだな彼女は。 「本気で行方不明になっちゃったのかしら」 「や、やめてよお姉ちゃん……」 主不在の部屋に不穏な空気が漂う。皆が一様に、黒井教諭の安否を案じていた。 加えて、俺は自らの身の危険をも案じていた。前に、これと似たような状況に遭遇した覚えがある。 早く出た方がいい――そう皆に提案しようとした瞬間、 「くしゅっ」 誰かのくしゃみがそれを遮り、出鼻をくじかれる形となった。 聞かれないように溜息をつき、再度試みようと顔を上げると、瞬きの間に目の前の光景が変化を遂げていた。 俺たちがいたのは、不思議の要素など欠片もない至ってまともなアパートの一室だった。 断じて黄土色の靄がたなびく薄気味悪い空間などではない。 「……えぇっ!?」 弾かれたように俺の右腕に飛びついてきたのは柊姉。妹の方は、すでに白石少年にしがみついている。 地平線が見えないくらいどこまでも続く平坦な空間。俺は、ここに見覚えがあった。 だが前回訪れたときは宇宙人の力を借りていた。凡人揃いの俺たちでは、間違っても入り込めない場所のはずなのに。 柊姉はもはやその身を擦りつける勢いだが、今の俺にそれをどうこうする余裕はない。順当に行けば、この後―― 「やっぱり、おいでなすったか」 黄土色の靄がゆっくりと渦を巻き始める。そこら中の粒子が結集して、何かを型取ろとうとしているかのような動き。 いや、かのようなどころでなく、実際に「何か」になろうとしているのだ。 高校時代に遭遇した際はカマドウマになった。それは宿主のトラウマを具現化したものらしく、おそらく今回もそのパターンか。 靄が徐々に固形物の様相を呈してきて、何が出来上がるのかがぼんやりとわかってきた。 明確な敵意を感じますね――と、あの超能力者ならそう言ったかもわからんが、生憎俺は第六感など持ち合わせていない。 というか、カマドウマならともかく、こんなものに出現されたら、それを敵かどうか瞬時に判別できる者なんていないんじゃないか。 「ケーキ?」 柊姉が思わず呟いた通り、限りなく広大で殺風景な空間にどんと顕現したのは、豪華に飾り付けられたが崩れかけの巨大ケーキだ。 この形になったのにも何か理屈があるのだろうか。あったとしても、さっぱりわからん。 ケーキの頂上に独り佇むサンタクロースがやけに寂しく見えた……これ、クリスマスケーキなのか。 ――と、悠長に構えている場合ではない。 あのときは長門と古泉が手早く始末したが、今ここにいるメンバーでそれに準ずる能力を持つ者などいやしない。 それどころか状況の理解すらままならないはずだ。唯一知識を持つ俺も、なぜここに来れたのかまったくわかっていない。 「な、なにあれぇぇっ!?」 涙まじりの悲鳴をあげ、白石少年を揺さぶる柊妹。この2人は……まず戦力にならない。 普段は強気な柊姉も今は俺にしがみついている。微かに伝わる振動が、彼女の感じている恐怖を物語っていた。 みゆきと泉は立ち尽くしたまま動こうとしない。 この中で何らかの特殊能力を持つとしたらそれは泉こなたなのだが、期待外れの感が強まってきた。 残すところの俺は――無理に決まってるだろ、俺は凡人だぞ! これはまさに万事休すかもわからんぞ。 未だ手立てが決まらぬ中、俺の都合など関係ねぇと言わんばかりに動き出す巨大ケーキ。 移動速度は決して速くはないが、明らかに俺たちに向かってきている。最近は城でも何でも動きすぎだ、どっしり構えてやがれ。 だが、ひとまず目下の行動は決定した。コマンドは「逃げる」一択だ! 「キョン先生、あれは何なんですか!」 「この空間の創造主だ!」 専門家たる長門の受け売りだ。走りながら、並走する柊姉にまくしたてる。 「アレを倒せば万事解決する。ここからも出られるし黒井先生も帰って来るはずだ、何か考えてくれ!」 「考えろって……無茶言わないで!」 ごもっともです。しかし教師だというのに情けない限りだが、俺にはどうにもできん。 ここらで長門が空間の壁をぶち破り乱入してくれるのがベストなのだが、あの無口読書娘はもういない。 妥協して古泉ぐらいなら電話で呼び出せるかもしれないが、どう考えてもここは圏外だ。真面目に八方塞だ。 「もうっ……埒が明かないよ!」 ざっ、と音を立てて泉が踏みとどまる。微速で迫り来るケーキを振り返ってそちらに走り出した。 あの馬鹿野郎! 俺も彼女に倣って進行方向を転換、後を追うように引き返す。柊姉が何か叫んでいたが聞きとれなかった。 「待て泉! 止まれ!」 あわや跳び蹴りを仕掛けようとしていた寸前で肩を掴み、その場に留まらせることに成功した。 「放してよ、この中じゃ私が一番強いんだからさ!」 「無茶に決まってる。そんな攻撃が通じる相手じゃない」 「じゃあどうするっていうんですか」 そう言われると言葉に詰まってしまう。だが、間に合わせではあるが一応の回答は持ち合わせている。 「こういうとき突っ込むのは年長者の役目だ」 「……何だよ、それ」 明らかに納得のいかない顔をする泉だが、反論するつもりはないらしい。それでいい、生徒が無茶することはないんだ。 早く柊たちのところに行けと言付けし、俺は再び地面を蹴った。 どうにかできるとは思っていない。俺の乏しい脳細胞では、とりあえず囮になる程度のアイデアしか出せなかった。 ケーキの歩みは亀とガチンコしても負けそうなほど鈍く、運動神経が特別よろしいわけでもない俺でもだいぶ時間を稼げるはずだ。 その間に、宇宙的未来的超能力的な助けを待つ――消極的だが、それが現在考え得る最良の手段だ。 新生SOS団のメンバーを距離をとり、単独でケーキの周りを回るように接近する。うまく惹き付けられるか……? 成功した。微妙な動きで判断するのに時間がかかったが、確かにSOS団追撃コースから逸れて俺の方に向かってきている。 あとはこのまま連中から引き離すように移動を続ければ――と。 巨大ケーキから同様に巨大な苺が飛んできた。 加えて、その軌道から予想し得る着弾地点は、かなりの確率で俺の頭上。 「そんなんありかッ!?」 予期せぬ攻撃に反応が遅れた。これは間違いなく致命的なミスだ。 全力を振り絞って回避を試みるが、敵だって情報生命体の端くれ、その程度の誤差を計算してないとは思えない。 もはやこれまでか。 ――なんて潔い台詞など吐く暇もなく真っ赤な苺は驚異的なスピードで俺に迫り来る。本当に放物線運動してるのかよ。 遠くで生徒たちの叫ぶ声が聞こえる。この情けない様子はばっちり見られているのか。 こんなに理不尽で呆気ない最期を迎えるなんて――せめてもの抵抗として、俺は目蓋を閉じた。 破裂音。 頭がかち割られた音かと思ったが、どこにも痛みはない。 というか、死後のことなどまるでわからないが、何の感覚もしなかった。 どうしたことか、とおそるおそる目を開けると。 高良みゆきの背中が見えた。 ちょ……ちょっと待て、みゆきはさっきまで他の4人と一緒にいたはずだ。どうやってここに。 マンガなら頭上にクエスチョンマークを浮かべているであろう俺の様子など知ってか知らずか、軽く振り返ったみゆきは薄く微笑み、 「死ぬのっていや?」 眼鏡を外して、ある意味ナイスタイミングだが場にそぐわない発言をした。当たり前だろう、未練たらたらだ。 「そう。ま、何にせよ借りは返すものよね」 こんなみゆき、俺は知らない。笑顔で怒る特技を持つことは知っているが、ここまで危険な笑みを浮かべたはとこの姿は初見だ。 むしろ、いや、まさか――みゆきじゃないのか? 右手を掲げるみゆき、その手にはナイフが握られている。なるべく想起したくない思い出を呼び覚ます凶器が。 その刃先に輝く粒子が殺到し、刃渡りを一気に伸ばす。さっきのケーキとは比べ物にならない処理速度だ。 ちなみにその間にも巨大ケーキから様々な砲弾がこちらに飛んできたのだが、不可視の壁に阻まれるように破裂音と共に霧散していた。 そして、ご入刀。 みゆきは余裕の表情で右手を振り下ろし、それと連動する超ロングナイフが凄まじい切れ味でケーキを両断する。 真っ二つに割れた巨大ケーキはもとの霧状態に拡散していき、やがて消滅。 その後にはケーキから生まれたスイーツ太郎――ではなく、部屋着にしてもラフな格好の黒井ななこ教諭が横たわっていた。 主の帰還と同調するように、あの果てしなく殺風景な空間は俺たちのもといたアパートの一室に戻っていた。 終わったのだ、すべて。いや、ある一点を除いて。 俺たち5人の視線はすべて高良みゆきに注がれていたが、俺が彼女を見つめる理由は他の4人のように単なる驚愕ではない。 殺人鬼であり、かつてのクラスメイトであり、長門の同類である女の姿を――俺はみゆきに重ねていた。 やれやれ、面倒なことになってきたぞ。 らっきー☆ちゃんねる あきら「おは☆らっきー! 日々インフレ中の小神あきらでーっす!」 小野「僕のマッガーレは108式まである――アシスタントの小野だいすけです」 あきら「皆様のおかげでらっきー☆ちゃんねるも4回目。早いものですね~」 小野「今回も2週ほど空けてしまったのですけどね。遅筆ぶりには困ったものです」 あきら「まあ週刊連載じゃあるまいし、大目に見てほしいところですけどね~」 あきら様「……つーかさ、今回のヒキ、何よ? まるっきり週刊少年漫画のアレじゃないの」 小野「まあそう言わずに。一番盛り上がる(と思われる)ところで切るのは定番ですから」 あきら様「いきなりやられても退くのは読んでる方だっつーの」 小野「誰がうまいことを言えと」 あきら様「何? 中二病? 久々に発病したか?」 小野「気を取り直しまして、今回の『誤解は与えません』のコーナー」 あきら「あれあれ? いつの間にタイトルが決まったんですか?」 小野「まだ仮の段階です。回を重ねるごとに変わっていく可能性もありますね」 あきら「さぁ~て、今回のオリジナル設定はぁ?」 小野「黒井ななこ先生がアパート暮らしとのことですが……これは原作では明言されていません」 あきら「ふむふむ」 小野「独り暮らしなのは確かでマンション住まいの可能性もあるのですが、黒井先生のキャラから筆者が勝手にアパートと断定しました」 あきら「うーん、確かに気さくで頼りがいのある先生だけど、オンナを見かけで判断するのはどうかな~?」 小野「奥深いコメントですねぇ。深すぎて、ほの暗いところまでつながっていそうな」 あきら「やだもうっ、小野さんったらぁ♪」 あきら様「本当にやだもうっ、小野さんったらぁ♪」 小野「……」ゾクッ あきら「アッー! もう時間になっちゃったぁ。それではみなさんごきげんよう!」 小野「また次回お会いしましょう」 あきら・小野「ばいにー☆」 あきら「……」 小野「……」 あきら様「やだもうっ、小野さんったらぁ♪」 小野「……」ゾクゾクッ 次回予告 みゆきです。 サンタクロースをいつまで信じていたかなんて、世間話にしては少々メルヘンの過ぎるお話なのですが、 調べ癖が仇となり早々に夢が破れたのも、今となってはいい思い出です。 そういえばご存知のこととは思いますが、サンタクロースが赤服のおじいさんというイメージが定着した歴史は意外と浅いんですよ。 発祥はアメリカのコカコーラ社が行ったキャンペーンで、サンタクロースに商品のイメージカラーである赤い服を着せたことです。 それ以前は、サンタさんのイメージは世界各地で異なっていて、服装や年齢・性別はおろか身長すら一定でなかったそうです。 そんな個性豊かなサンタさんも、ちょっと見てみたい気がしますね。 すみません、お話に夢中になってしまいました。次回予告をさせていただきます。 次回の教師キョンキョン物語は……第5話『私立高校教師』。お楽しみに~。 キョン「俺は絶対に失敗なんかしないからな。絶対だぞ!」 朝倉「はーるのー、こもれびのーなかでー♪」 作品の感想はこちらにどうぞ
https://w.atwiki.jp/legends/pages/1949.html
…12月24日 勤めている高校は二日前に冬休みに入っており、彼は暇を持て余していた クリスマスイブ、共に過ごす異性は存在しない 自分にそんな相手を見つけるよりも、弟にそう言う相手が見付かる方が先だ まったく、さっさと結婚してこちらを安心させてほしいものなのだが 雪ふる街を歩く不良教師 …今日くらいは、何かクリスマスらしい料理でも買って帰って、弟に楽でもさせようか 彼が、そう考えていると 「…あら?あなた…」 「………うん?」 かけられた声に振り返る そこにいた姿に、振り返った事をやや後悔した 「あはは、ひっさしぶり!」 彼に気づいたその女性は、嬉しそうに駆け寄ってきた …高校の頃の、知り合いだ 悪友、とでも言った方がただしいかもしれない 「…お前か。久しぶりだな」 「何よ、嫌そうな顔して」 むぅ、と不満げな表情を浮かべてくる女性 が、次の瞬間には笑顔を浮かべてくる…ころころと、表情が変わる 高校の頃と、あまり印象は変わっていない …昔を思い出し、やや憂鬱になった 「デートにでも向かい最中だったかしら?」 「…そんな相手はいない」 「あら、高校の頃は、女をとっかえひっかえだったくせに」 「あの頃の話はするな」 はいはい、と笑ってくる彼女 たゆん、とその重たそうな胸が揺れている 「…第一、そう言うお前はどうなんだ?」 「私?私は弟と一緒の予定よ」 「……相変わらずだな」 相変わらず、男っけがないのだな そう考えながら言ってやったのだが… 「…ふふっ」 にやり 彼女は、勝ち誇ったように言ってくる 「まぁ、昼間は恋人と一緒にいる予定だけど」 ……… ………… …………… 「何よ、呆けて」 「…今、理解不能な単語が耳に飛び込んできたな」 「私に恋人がいちゃいけないって言うの?」 悪いとは言わない だが、理解不能なだけだ この女と付き合う、物好きがいたとは 「拾う神が存在する、ということか」 「酷い言われようね」 むー、と彼女は不満そうだ …決して、彼女はモテない訳ではなかった ただ、その性格などから、付き合おうと考える男が存在しなかっただけだ 不良教師や彼の弟も、彼女を恋愛対象として見たことはただの一度もない 好敵手として見た事なら、何度かあるが 「恋人がいるくせして、それを放っておいて夜は弟と、か。やっぱり相変わらずだな。ブラコン」 「あなたに言われたくないわよ。あなただって、今日は弟君と一緒なんでしょ?」 「…互いに相手がいないだけだ」 自分はブラコンではない 周りにどんなに指摘されようとも、不良教師はそれを認めないのだ 表にあまり出さないだけで、ブラコンである事は事実なのだが 「はいはい、あなたこそ、相変わらずね くすくすと、彼女は笑う 昔と変わらぬ笑顔だ 明るく、裏表のない、真っ直ぐな笑顔 どこまでも真っ直ぐで、己の正義を信じる彼女 …彼と弟が両親を亡くし、その話題性の高い事件故マスコミに騒がれていた時、彼らを護ろうと奮闘してくれていたあの頃から、何も変わっていなかった 「…ふふっ、とりあえず、弟君を大事にするのよ?大事な家族なんでしょ?」 「……一応な」 「素直じゃないわねぇ」 苦笑し、彼女は空を見上げる 釣られて、不良教師も空を見上げた……見あげてしまった 先ほどから、見ないようにしていたと言うのに 「…嫌な空よねぇ」 「…全くだ」 なんと言う混沌 全力で関わりあいたくない 「変な事に巻き込まれないようにね。それじゃあ」 「…そっちこそな」 またね、といって、彼女は走り去る 不良教師はその背中を見送り、ため息をついた …昔の、それもそれなりに親しかった相手と顔を合わせたのは久しぶりだ 昔の記憶が蘇る 「…クリスマス、か」 幼い頃は、弟共々サンタを信じていたものだ 共同でトラップをしかけてサンタを捕獲しようとしたなど…微笑ましいような忘れたいような記憶だ 当然、高校の頃には既にそんなものは信じなくなっていたが、彼女はまだサンタを信じていたのを覚えている 『誰かが信じ続けていれば、きっとサンタクロースは実在するわよ』 きっぱりと、そう言っていた彼女 …思えば、それが事実なのだろう 誰かがサンタクロースを信じれば、それは都市伝説として実在する ……今、上空を飛んでいるサンタ共はさておき、だ 「…都市伝説の事も知らない癖に」 よく、あんな事が言えたものだ 変わり者の友人との再会 今夜の話の種にでもしようか、そんな事を考えた 彼は気付いていない 上空を飛び回るサンタ達は、「組織」の手により一般人には見えないはずである事実を ……見えているのは、霊力の高い人間か、都市伝説か……都市伝説契約者だけである、その事実に to be … ? 前ページ連載 - 花子さんと契約した男の話
https://w.atwiki.jp/symbiosis/
こちらでは主に中学受験対策の家庭教師の依頼を受け付けています。 学歴 1980年 1月生まれ 男性 中学 慶応中等部 高校 慶応義塾高校 大学 慶応大学文学部哲学科倫理学専攻 指導概要 原則、指導学年は4年生以上を対象としております。 通常一回の指導時間は1.5時間以上からです。 週一回以上の指導(以下定期指導と呼びます)のほか、隔週指導、月一回指導、夏休みなどの短期の指導なども都合がつく場合、承ります。 指導料金 カッコ内は週一回、2時間で月4回の場合の一例です。 4年生 5000円/時間 (40000円) 5年生 5500円/時間 (44000円) 6年生 6000円/時間 (48000円) 中学生以上 5000円/時間 (40000円) その他の費用 交通費 教材費、過去問、塾配布プリントなどのコピー代。(必要に応じて) 隔週指導、月一指導、短期指導に関しては学年ごとに上記の料金で承ります。 定期指導の場合は学年切り替わり後(2月)も開始時の学年の指導料金で承ります。 (例:4年生から始めた場合、5年生、6年生と継続して指導する場合はそのまま5000円/時間で指導いたします。) 3か月以上指導期間の空いた場合は再度新規の扱いとさせてください。 (例:5年生の11月に指導中止後、再び6年生の2月から指導を始める場合は6000円/時間になります。) 中学生以上に関して 主に数件出版の体系数学での指導が多いです。(体系数学1~5まで対応) 指導可能範囲は目安として「青チャート数学1、A、2、B」です。 指導可能地域 東京都23区、及びその区間からの沿線上。 山手線およびその内部のメトロ線都営線の駅は(駅から15分以内とした場合)全駅可能です。 その他記載のないものはお問い合わせください。 指導経歴 個別指導塾での指導を経て家庭教師専門に転向。 現在は家庭教師の指導のみ。 指導可能科目 算数 その他三科目について 国語は読解力向上を目的とした指導が中心なので暗記モノは原則指導範囲外です。主に基本から標準レベルが対象です。 理科は計算問題等が中心です。社会は知識関連が主なので滅多に依頼はありません。 その他の費用 交通費 教材費、過去問、塾配布プリントなどのコピー代。(必要に応じて) 指導可能地域 板橋区在住です。基本的には1時間以内に行ける場所までとしています。 詳しくはお問い合わせください。 指導方針 指導の主な依頼は算数なので算数に関してお話しします。 多くの場合が塾フォローです。 サピックス、日能研、早稲田アカデミー、四谷大塚が多いです。 あとは栄光ゼミナール、市進学院、おぎしん、進学舎なども指導経験があります。また家庭教師のみで通塾していないケースもあります。 具体的な指導方法は子供一人一人で違ってきますが学力レベルに応じてある程度の目安はあります。 日能研、YT系列偏差値を基準とした場合です。 (サピックスは-5、首都圏模試、アタックテストなどの偏差値は+5くらいを目安にイメージしてください。) 偏差値40以下 基本的な学習習慣を身に付けることを最優先とします。 (計算と漢字、計算と一行問題、基礎力トレーニングなどが満足に解けるようにすることです。) どちらかと言えば成績を意識することよりも勉強の継続、習慣が最初の段階となります。 偏差値40〰50程度 継続による基礎学力の確実な定着と、塾で学習してくる各単元の最低部分の理解を目指します。平均以上の学力を最初の段階とします。 偏差値50〰60程度 塾での学習範囲や問題のレベルが本人の許容範囲を超えている場合が多いので確実にしなければいけないこと、まだ手をつけなくてもいい部分というのを明確にして基礎〰標準レベルを盤石にしていくことを最初の段階とします。 偏差値60〰65程度 5年生以下であれば、学習してきた範囲のすべてを理解できるようにし、標準レベルまでは盤石に、応用問題では半分以上理解できるようになることを目指します。 6年生であれば、志望校によって専門的な部分の強化を図ります。 方向性が多様化してくるので単純に学力向上というだけでなく、場合によっては早い時期に志望校を見据えながら普段のテキストでも得点できなければいけない部分とそうでない部分を取捨選択していきます。 偏差値65以上 基本には60以上の子と方向性は大きく変わりありません、よりスピードと正確さの向上を目指し、難問クラスにも積極的に取り組んでいきます。 すべての学力の子どもに言えることですが、知識の理解定着と反復演習を基本として進めていきます。学力向上の基本は「反復」はもちろんですが、特に基礎部分の理解力を深めどれだけ定着させられるかです。そのためには毎回学習する単元の目的とつながりをしっかり理解することです。 保護者が子供の勉強を見ていく際にも、どこに注意をして、何に重点を置いて見てあげるべきなのか、その部分を明確にしていく必要があります。(もちろん子供がそこまで理解すれば尚良いのですが)特にこれは5年生にとって重要です。6年生になれば時間的猶予がなくなってきます。 家庭教師を考える際に まずはできるかぎり目的を明確にすることをお勧めします。 単に「成績を伸ばしてほしい」というのでもいいのですが目的を明確にしたほうが指導の効果を的確に判断しやすいと思います。 特に6年生になれば「偏差値を上げる」ことよりも「志望校に受かる」ことをより意識して勉強に取り組まなければいけません。 もちろん何をどうすればいいのかというのがさっぱりわからないという状態でも構いません、そこから始めていきたいと思います。 通塾しているならば塾名、通塾期間、校舎名、塾の成績、最寄駅などを教えていただけると助かります。 過去に指導した生徒の進学先。 (合格校は省略、カッコ内は人数。) (私立の内部進学、1か月未満の期間限定などは省略。) 男子 麻布(2) 江戸川取手 学芸大世田谷 学習院 暁星(2) 慶応中等部(3) 攻玉社 佼成学園 国学院久我山(2) 駒場東邦(2) サレジオ 芝 城西川越(2) 城北(1) 成蹊 成城学園 西武文理特進 世田谷学園 玉川学園 中央大学附属 桐蔭学園中等部 東京都市大付 桐光学園 広尾インター 本郷(2) 武蔵 武蔵工大付属 明大中野(2) 明法 目黒学院 立教新座 早稲田(2) 女子 浦和明の星 桜蔭(2) 大妻(4) 大妻嵐山 共立 栄東 渋谷教育渋谷 十文字スーパー 実践女子 女子美大付属 玉川聖学院 田園調布 東洋英和 広尾学園 富士見 普連土 八雲学園 和洋九段 ブログ こちらで、主に家庭教師に関するブログを書いています。 受験や塾に関することを個人的な考えを含めて書いたりしています。 僕の人となりや、指導方針というのが伝わるかと思います。 中学受験家庭教師のつぶやき http //chujukatekyo.blog52.fc2.com/ 依頼、相談、お問い合わせはこちら 連絡先