約 762 件
https://w.atwiki.jp/multiple/pages/331.html
あなたに会いたくて◆b8v2QbKrCM どうして―― 呼吸をするたびに、口の端が赤く泡立つ。 ひゅう、ひゅう、と呼気の漏れる音がする。 肺が破れたのだろうか。 もしかしたら、気管が裂けたのかもしれない。 どうしてこうなってしまったんだろう―― 痛みが薄らいでいるのは幸いか。 それとも絶望から逃避できない不幸か。 所有者を死から遠ざける二つの力が、ナインの命を引き伸ばす。 どろどろになって燃え尽きかけた蝋燭が、ほんの数秒だけ燃え続けようとするように。 私は、ただ―― 失くした右手の切断面と、左胸の大きな穴から、致命的な量の血液が溢れている。 助かるはずがない。 生きていられるわけがない。 こうして思考できていること自体が、既に奇跡なのだ。 ただ―― ナインは感覚の喪失した四肢を動かして、頭の向きを僅かに変える。 リノリウムの地平の先には、もうひとつの赤い水たまり。 潰えようとするもうひとつの命。 潰えてしまったもうひとつのいのち。 あの優しい小鳥を―― その少女は、壁にもたれて座り込んでいる。 まるで木かげで休んでいるように。 まるで木もれ日でうたた寝をしているように。 たったひとつだけ、おかしなところがあるけれど。 小鳥を―― おなかから、赤くて黒いものが、顔をだしている。 びるのカベに入っていたてつのぼうが、赤くそまってかおをだしている。 うしろからフォークでさされたみたいに、3ぼんならんで。 ミコトのおなかは、やぶれていた。 助けたかっただけなのに―― ◇ ◇ ◇ 「魔王に挑む……無謀と知っての蛮勇か?」 大戦槍の柄が棄てられる。 がらん、という鈍い音が廊下に響いた。 「さぁ? どこの誰なのかしらね」 美琴はゼロから視線を逸らさず、次弾の発射準備を整える。 彼我の距離は十数メートル。 この距離からなら狙いを過つことはありえない。 しかしゼロは、ナインの右腕を足蹴にしたままで、悠然と美琴を見据えていた。 超電磁砲の威力を目の当たりにしながら、脅威を軽んじているのか。 それとも、対抗する術を既に見出してしまったとでもいうのか。 美琴の手元で大気が炸裂する。 音を置き去りに飛翔するコインの弾丸。 僅か百分の一秒のうちに距離を削り取り、ゼロの仮面を掠めて飛び去っていく。 「どうした。牽制では私を倒せないぞ」 ゼロは微動だにせず言い放った。 動かずとも当たらない――美琴が当ててこないと分かっていた、と態度が語っている。 美琴は内心で歯噛みした。 今の一撃でゼロとナインを引き離すつもりだったのだが、完全に見抜かれていたらしい。 考えてみれば当然のことだ。 ここで直撃させるつもりがあるのなら、初撃で槍を狙う意味がない。 ゼロ自身ではなく大戦槍を撃ち抜いた時点で、殺意のなさを白状しているも同然だ。 「次は当てるわよ」 「どうだかな」 デイパックから引き抜かれる白鞘の刀。 露わになる白刃に、美琴は思わず身構える。 振り上げられる和道一文字。 それと同時に、手首の返しで握りが逆手に変えられる。 「だが――意図は汲んでやろう」 「うぐっ……!」 真下へと叩き込まれた一突きが、あろうことかナインの手首を貫通する。 響き渡る苦悶の声。 美琴は思わず身を竦め、目を逸らした。 切っ先が前腕に通る二本の骨と関節の間の肉を貫き、床にまで突き刺さっていた。 これでは刀を抜かない限り逃れることができない。 まさしく磔である。 「アンタ……!」 「まずは貴様から排除する。異存はないな」 ゼロが一歩ずつ距離を詰める。 右足を庇って身構える美琴の前に、真紅が割って入った。 庭師の鋏を片手で把持し、鋭利な先端をゼロへと振り向ける。 「美琴……近付いてきたら……」 「分かってる……」 一歩、また一歩。 ゼロが悠然と接近する。 美琴と真紅はいつでも攻撃に転じられる態勢のまま、静かにタイミングを計っていた。 残された力は少ない。 どちらが勝利するにせよ、勝負は一瞬で終わるだろう。 十二メートル。 十一メートル。 十メートル。 爆ぜる。 ゼロの足が床を打った。 床材を粉々に粉砕する威力の反作用で爆発的に加速。 離脱など許しえない速度で間合いを塗り潰す。 「来たわっ!」 真紅が鋏を振るう。 薔薇の花弁が渦を巻き、一直線にゼロを迎え撃つ。 ここは直線の廊下だ。 赤き花弁から逃れる場所などありはしない。 ゼロが翻したマントに薔薇の奔流が直撃する。 飛び散る花弁の幕に阻まれ、ゼロはその速度を大きく減じた。 「そこっ!」 間髪入れず、美琴の腕がスパークする。 指に弾かれたコインが閃光の魔弾と化し、花弁の幕の中央を撃ち抜いた。 一瞬の間を置いて、衝撃波が花弁を吹き散らす。 「――なっ!」 真紅は思わず声を漏らした。 薔薇の花弁が散ったことで開けた視界には、あるべきものが存在しなかった。 「消えた!?」 いない。 ゼロがどこにもいない。 美琴は慌てて周囲を見渡すが、廊下のどこにもゼロの姿はない。 いかに薄暗闇に黒衣が紛れるとはいえ、完全に見失うなどありえないことだ。 しかも視覚のみならず、電磁波によってすら感知されなくなっている。 廊下から完全に消え失せた―― そうとしか捉えようのない事態であった。 「――そうだ、ナイン!」 美琴の思考が混乱から立ち直る。 何のために無茶な戦いを挑んだのか、危うく忘れてしまうところだった。 敵が姿を消した今のうちに助け出すべきに決まっている。 そう思い、美琴が駆け出した瞬間、ナインが叫んだ。 「逃げて! 早く!」 何を言っているんだ、と駆け寄ろうとして、不意に気が付く。 ナインは接近するゼロの後ろにいた。 ゼロが歩いてくるときも。 ゼロが突進した瞬間も。 ゼロが薔薇のベールに阻まれていた間も。 つまり目撃しているはずなのだ。 ゼロ消失の瞬間を。 背後で轟音が鳴り響く。 爆弾が炸裂したかのような衝撃と、冷たい爆風。 コンクリートの破片に晒されながら美琴は振り返り、目撃する。 外壁を突き破り、屋内への再侵入を果たしたゼロの姿を。 そして。 掬い上げるような拳に打ち据えられた真紅を。 「――真」 あまりにも軽過ぎる真紅の身体は、それこそ紙切れも同然に吹き飛んでいく。 中庭へ通じる窓に衝突し、砕く。 「紅――」 翻る黒衣。 鉄塊の如き腕が迫る。 声が喉から出るより遥かに速い。 美琴は瞬く間に顔面を鷲掴みにされ、勢いのままに床から引き剥がされる。 ――ゴッ 白いコンクリートの壁に、赤い飛沫が散った。 線の細い手足が跳ね、そして力なく落ちる。 砕かれたガラス片が時雨のように落ちる音がした。 壁伝いに、ず、と美琴の肉体が滑る。 かすれた絵筆で赤を塗ったような跡を残して、美琴はガラクタのように崩れ落ちた。 「……終わりだ」 ゼロは踵を返し、ナインへと歩み寄る。 あまりにも呆気ない結末である。 薔薇の壁に阻まれた瞬間、ゼロは即座に転移を発動させていた。 無論、あそこまで消耗した状態では、せいぜい一メートルか二メートルの移動しかできない。 しかし、病院の外壁を越えて屋外へ退避するには、それだけで十分であった。 ナインは依然と床に伏し、顔だけをこちらに向けている。 右腕は串刺しのままで、脱出を図った形跡すらない。 だが、その眼差しはゼロに向けられていなかった。 「――フン。しぶといものだ」 再度ゼロは振り返る。 一抹の驚きが混ざった、呆れ返ったような声色。 「まだ、終わってない……!」 薄暗闇に迸る雷光。 満身創痍で疲労困憊。 鮮血乱舞で頭蓋陥没。 それでもなお立ち上がる超電磁砲。 「終わりだ。その身体で何ができる」 ゼロは美琴に近付こうとすらしなかった。 むしろ、接近する必要性を感じていないというのが正確だろうか。 それもそのはずだ。 美琴は明らかに立っているだけで精一杯なのだから。 「……アンタを、倒すことなら……できるわ……」 強がりを言いながら足を踏み出し、すぐに転びかける。 後頭部から流れた血が後ろ髪を染め、首筋を濡らして服を血まみれにしていく。 足は容易くもつれ、ゼロが破壊した壁の淵に手を突いて、どうにか転倒だけは免れる。 誰が見ても戦闘不能。 いつ昏倒してもおかしくない。 それでも少女は、漆黒の魔王をまっすぐ見据えていた。 「なんで……」 消え入りそうな声でナインが呟く。 美琴は口の端を上げ――血まみれで分かりにくいけれど――微笑んでみせた。 「……逃げないって、決めたから」 「だが結末は変わらん」 漆黒の魔王が迫り来る。 美琴は壁に穿たれた穴の縁にもたれたまま、一歩も動こうとしない。 そもそも動くような体力すら残されていなかった。 眼前に迫ったゼロの仮面を、美琴は毅然と仰ぎ見た。 「満身創痍の身体を引きずって、どこまで無様に足掻くというのだ」 「どこまで? 決まってるじゃない……」 緩く握られた拳が、ゼロの胸を軽く叩く。 それほどまでに、両者の距離は近付いていた。 「最後までよ」 魔王の輪郭が残像と化す。 間近から振り抜かれた拳が美琴の脇腹に突き刺さる。 最下部の肋骨を砕き、臓器を押し潰し、文字通り体内へめり込んでいく。 拳が振り抜かれると同時に真横へ吹き飛び、水切り石のように地面を跳ねて、駐車場を横切ってようやく停止した。 下手をすれば三度は死にうる打撃を与えてなお、ゼロは追撃を緩めようとはしない。 アスファルトに残った血の道を踏み締め、生死すら明瞭としない標的へ接敵する。 「ならば最期を与えてやろう」 ぴくりと、美琴の腕が動く。 先ほどの一撃で脊柱まで痛めたか。 上体は起き上がろうともがいているようだが、脚は全く動いていない。 時折、電流の閃光が迸り、周囲の暗闇が淡く照らされる。 「理解出来たか。魔王に楯突くことが如何に愚かなことか」 「これくらい……何よ……」 放出された電流が駐車場を囲むフェンスにも伝播する。 放電の音にかき消されるほどにか細い声で、美琴は喋り続けた。 誰に聞かせるでもない、自分自身へ向けた言葉を。 「アイツはもっと無茶して……痛い思いして……」 腕を突き、少しずつ身を起こしていく。 額の周りで幾筋もの電流が集い、弾けて消える。 「それでも止めなかった馬鹿なんだから……」 魔王の足が、起き上がらんとした美琴の胸を踏みつける。 無造作な行為でありながら、それだけで胸骨が悲鳴を上げた。 このまま力を入れて踏み抜けば、肺と心臓が破壊されて死に至るだろう。 呼吸すら苦痛でしかない地獄の中で、美琴は叫ぶように言い放った。 「だから……私が諦めるわけにはいかないのよ!」 「――むっ!」 電流が迸り、フェンスの根元が次々と千切れていく。 幅二十メートルに及ぶ鉄製のフェンスが、さながら巨大な投網の如くゼロへ襲い掛かる。 ゼロは美琴への攻撃を止め、後方へ飛び退いた。 「この程度で私を捕らえ――」 魔王の視界の外で、美琴は頭上を飛ぶフェンスに指を掛けた。 ぐんっ、と美琴の身体が跳ね起きる。 捕獲など端から思慮の外。 次の一撃こそが本命――! 「あああああああああああああああっ!!」 炸裂する閃光。 渾身の電撃が地を揺るがせ、夜の闇を打ち払う。 灼熱したアスファルトは瞬く間に融沸し、導体という導体を電流が駆け巡る。 光と音の衝撃は遥か彼方にまで押し寄せて、静寂を根こそぎ薙ぎ払う。 眩い光は病院の内部にまで及び、ナインをも飲み込んでいく。 「う……っ!」 やがて放電は終わり、間隙に夜が染み込んでくる。 ナインは眩しさのあまり瞑っていた目を開き、美琴の姿を探した。 「美琴!」 美琴は雷撃の爆心地よりも手前で、人形のような手足を投げ出して倒れ伏していた。 フェンスに引きずられて、ここまで転がってきたのだろう。 負った傷は数えることすらままならない。 あまりにも痛々しくて、ナインは目を逸らしそうになってしまう。 けれど、それはできない。 命を掛けてあの魔王に打ち勝った彼女から、視線を外すことなど―― 「――貴様の力を見誤っていたようだ――」 してはいけない、声がした。 見上げれば、そこには影。 夜景を遮る巨大な影。 どうして思い至らなかったのだろう。 ナナリーとネモがマークネモを駆るのなら。 ルルーシュ・ランペルージにも同じことができるのだと。 その名は、ガウェイン。 「そん、な……どうして……」 機械仕掛けの巨人の肩に乗り、魔王ゼロは下界を睥睨する。 雷撃からゼロを庇ったと思しきガウェインは、既に大破寸前にまで追い込まれていた。 一方、ゼロ自身が受けた損害は極めて軽微。 仮面には亀裂が入り、外套は無残に焼けているが、肉体の消耗は殆ど見られない。 絶望――絶対の、終局。 それなのに。 「どうして……立つの……?」 それなのに、美琴は立ち上がっていた。 なぜ立つのか分からない。 どうして立てるのか分からない。 肉体の機能は殆ど潰えているだろう。 確かなことがあるとすれば。 彼女は明確な意志を持って立ち上がったということだけだ。 「私は貴女を利用しようとした……。 殺そうともした……それなのに、どうして!」 「……どうして、こんな悪党を助けるの……って……?」 美琴は、あははと笑った。 もしかしたら単なる苦悶の声だったのかもしれない。 けれどナインには、明るい笑い声にしか聞こえなかった。 「それでも……死なせたくないって言うお人好しが……いるから、かな……」 かしゃん、と小さな音がした。 廊下の奥から、小さな影が歩いてくる。 暗がりの中、小さな瞳が煌いている。 「ごめんなさい。遅くなってしまったわ」 謝罪の声が廊下に響く。 真紅が歩を進めるたびに、かしゃん、と音がする。 砕けた身体の破片が音を出す。 赤い衣装の上からでも、真紅の身体の破損は容易に見て取れた。 そして真紅は、美琴の横で寄り添うように立ち止まる。 「ラッドに会ったわ……。あすかは最期まで、あの子らしく生きていたそうよ」 「……そっか」 ゼロがガウェインの肩から飛び降りる。 今まで以上の殺意を滾らせ――しかしそれを美琴達には向けていない。 それどころか、半死半生の二人など眼中にないとばかりに腕を振るった。 「ラッド・ルッソか。よもや仕留め損なっていたとはな。 どけ――貴様らと遊んでいる場合ではなくなった」 「……どかない」 美琴はポケットから一枚のコインを取り出し、ゼロへ向けた。 真紅も鋏を構え、戦意を表す。 「勝ち目はないぞ」 ゼロの言葉は恐らく正しい。 今の美琴には電撃を放つ余力すらなく、コインを撃ち出せるかどうかも怪しい。 真紅は吹き飛ばされたときにデイパックを失い、残された武器は歪んだ鋏と砕けかけた身体のみ。 庭師の鋏をゼロへ突きつけ、真紅は凛と黒き仮面を見据えた。 「貴方も大切な人を失ったのでしょう」 「黙れ……」 ゼロは歩みを止めない。 「今の貴方は、その人に胸を張って会いにいけるの?」 「……黙れ……」 仮面を鷲掴みに、砕かんばかりの力を込める。 「私達は出来るわ。最後まで私らしく生きていたと!」 「黙れと言っているッ!」 魔王が駆ける。 真紅が翔ける。 刹那の交錯の果て、白い破片が粉々に散った。 奔り抜ける漆黒の輪郭。 繰り出される超電磁砲。 音速にも満たない微弱な狙撃は、掠めることすらなく虚空を貫く。 拳の砲弾が美琴を打ち据える。 砕かれた壁の断面へ叩きつけられ、捻じ切れた鉄筋が背中へ突き刺さる。 三十センチも突き出した三本の鉄筋が、肉を穿ち、臓器を破り、腹部を裂いて貫通する。 鮮血が間欠泉のように噴き出し、すぐに収まっていく。 戦闘の終結。 完全なる決着。 その瞬間、自身に生じる一瞬の隙を、ゼロは見逃していた。 「ルルーシュ!!」 「……っ!」 咄嗟に翳した左腕が、鋭い刃に刺し貫かれる。 激痛の中、反射的に繰り出した拳が穿ったのは、ナイン・ザ・コードギアス。 地に磔られていたはずの少女が、何故かゼロの腕を貫き、ゼロの腕に貫かれていた。 「よもや自らの手を……」 ナインの右腕は、前腕部の先端付近から完全に失われていた。 串刺しという戒めから逃れるために、己の骨肉を切り落とすとは。 左胸を貫かれたまま、ナインはぽつりと言葉を零す。 「思い出した……私はネモから、頼まれたんだから……。 ……貴方が何と言おうと、関係……な……」 「泥人形への義理立てか。下らん」 ゼロはナインの胸から腕を引き抜き、騎士の刃へ手をかけた。 ずるり、と血液が糸を引く。 床に崩れ落ちたナインには目もくれず、踵を返す。 ゼロの意図に呼応するように、ガウェインが崩壊寸前の機関を稼動させ、ハドロン砲の砲口を病院へ向ける。 「もういい、跡形もなく蒸発するがいい」 ◇ ◇ ◇ ――もう、痛みすら感じない。 消えていく鼓動。 消えていく体温。 消えていく視野。 消えていく感覚。 消えていく自我。 網膜に映る光景を、脳髄が理解しない。 ナインは本能のように、綺麗な光を放つソレに手を伸ばす。 右手はもうないから、左手を。 失くしてしまった左腕の代わりを伸ばす。 ナナリーの面影。 ナナリーの記憶。 黄金の鞘。 「黄金」という色も。 「鞘」という言葉も。 ナインの中では既に意味を成していない。 ただ、それがタイセツなものだという認識だけが、軋む肉体を動かしていた。 指先が鞘の表面に触れる。 冷たさも硬さも、もう感じない。 五本の指が鞘を手元へ引き寄せる。 ナナリー……―― 鞘を手にナインは動く。 血の海を這いずるように。 だが、ナインの身体はもう動かない。 左腕だけが地蟲の如く蠢いて、ナインを引きずっていく。 生命が抜け落ちた四肢に代わって、彼女の願いを叶えるために。 ソレに触れていると、身体が楽になった。 ナナリーと一緒にいる気がするからなのかもしれないけれど。 これを渡せば――が助かる気がした。 もはや正しい現状認識すらできていない。 確かな目で見ていれば、助かる傷ではないと理解できるはずなのに。 奇跡を待つしか手段がないというのに。 ナナリー……―― 血に塗れた――の――に、鞘を乗せる。 「助けて……」 ジークフリートに小鳥を託したときのように。 物言わぬ金色の鞘に祈りを託す。 「美琴を助けて……アヴァロン……」 赤き光が全てを押し流す。 壁を、床を、天井を、硝子を。 熔かし、掻き混ぜ、焼却し、塵に帰す。 少女の血も、肉も、骨も、髪も、記憶も、願いも―― 全てが消えていく。 私は、貴女のところへ行っても、いいのかな――…… ◇ ◇ ◇ 瓦礫と化した病院を後にして、ゼロは大通りを西へ進んでいた。 ハドロン砲で一階部分を吹き飛ばされた病院は、自重に耐えることが出来なくなり、瞬く間に倒壊した。 まさしく徹底的な蹂躙、徹底的な破壊。 もはや生存者は残っていないだろう。 人形は原型を留めぬまでに破壊し、首輪も奪い取った。 女二人は致命傷を与えた上でハドロン砲の業火に投じた。 ラッド・ルッソは辛うじて息があったらしいが、倒壊に巻き込まれて絶命したに違いない。 代償として、ガウェインは量子シフトによる召喚から十分と持たずに消えてしまったのだが、 仮にもう一度呼び出したとして、あの電撃で機能停止寸前にまで追い込まれた現状では、大して役に立たないだろう。 しかし結末だけを見れば完全なる勝利と称して差し支えあるまい。 「残るは一人……」 ナナリーを死に追いやった輩のうち、既に二人までは抹殺した。 あと、一人。 異形を誅し殲滅への烽火とする。 目的はナナリーの蘇生ただひとつ。 必要とあらば、誰であろうと排除するまで。 それなのに。 ――今の貴方は、その人に胸を張って会いにいけるの? 「……戯言を!」 ゼロは苛立ちを込めて路傍の塀を殴りつけた。 魔王の強力に耐え切れず、コンクリートの塊が一瞬にして砕ける。 「私はナナリーと同じ世界を生きるつもりはない。 光に照らされた世界で生きるのは、ナナリーだけだ……」 【E-5/路上(西)/一日目 夜】 【ゼロ@コードギアス ナイトメアオブナナリー】 【状態】:左前腕に幅広の刺傷、疲労(極大)、悲壮≪ルルーシュ≫ 【装備】:なし 【道具】:基本支給品一式×6、MH5×3@ワンピース、治療器具一式、防刃ベスト@現実、電伝虫@ONE PIECE×2、 忍術免許皆伝の巻物仮免@ドラえもん、和道一文字@ONE PIECE、シゥネ・ケニャ(袋詰め)@うたわれるもの、 謎の鍵、レナの鉈@ひぐらしのなく頃に、首輪×3(サカキ、土御門、真紅)、ナナリーの遺体(首輪あり)、ビニール袋に入った大量の氷 螺湮城教本@Fate/Zero、トーチの火炎放射器@BLACK LAGOON(燃料70%)、不明支給品0~1個(未確認) 【思考・状況】 1:殺し合いに優勝し、ナナリーを生き返らせる。 2:異形(ミュウツー)は見つけ次第、八つ裂きにする。 3:『○』に関しては…… 4:ギラーミンを殺して、彼の持つ技術を手に入れる。 5:自分の身体に掛けられた制限を解く手段を見つける。 6:『○』対する検証を行うためにも、首輪のサンプルを手に入れる。 7:C.C.の状態で他者に近づき、戦闘になればゼロへ戻る。 8:首輪を集めて古城跡へ戻る。 【備考】 ※ギラーミンにはタイムマシンのような技術(異なる世界や時代に介入出来るようなもの)があると思っています。 ※水銀燈から真紅、ジュン、翠星石、蒼星石、彼女の世界の事についてある程度聞きました。 ※会場がループしていると確認。半ば確信しています ※古城内にあった『○』型のくぼみには首輪が当てはまると予想しています。 ※魅音(詩音)、ロベルタの情報をサカキから、鼻の長い男の(ウソップ)の情報を土御門から聞きました。 ※C.C.との交代は問題なく行えます。 ※起動している首輪を嵌めている者はデイパックには入れないという推測を立てています。 ※北条沙都子達と情報交換しました。 ※ナイン、ラッド、ミュウツーの三人がナナリーの死に関わっていると確信しました。 ※ガウェインの制限はマークネモとほぼ同様です。 ただしハドロン砲を使用した場合は、再召喚までの時間が、一発につき二時間ずつ増加します。 ◇ ◇ ◇ 「そりゃあ最初は驚いたぜ? どうにか槍を引っこ抜いて必死に這いずってたら、窓ガラスぶち割って人形が飛んできたんだからよ」 崩落した病院の中庭で、ラッド・ルッソは饒舌に語っていた。 ハドロン砲の貫通によって芝生や植木は焼き払われたが、建物の崩壊には殆ど巻き込まれていない。 被害らしい被害といえば、破片と粉塵の嵐が吹き荒れて快適な環境ではなくなったくらいだろう。 「俺も見ての通りボロボロだったからな。あそこで殺しに来られたらヤバかったぜ」 あれから暫く時間が経ったが、ラッドの肉体は未だ傷だらけだ。 地面に突き刺さった巨大な残骸に背を預けて、どうにか座位を維持している。 時間を経てもこの有様なのだから、病院が破壊された時点での状態は筆舌に尽くしがたいものであった。 こうして生きているのも、両腕の損壊が比較的早かったため、辛うじて中庭まで移動できたからに過ぎない。 さもなければ、倒壊かハドロン砲に巻き込まれてトドメを刺されていたことだろう。 「あぁ、そうだ、アスカとかいう野郎のことを聞かれたな。そのまんま答えてやったぜ? お前らのそっくりさんを必死に追っかけてたから、間抜け面に一発ブチ込んでぶっ殺したってな!」 狂ったような笑いが中庭に響く。 しかしラッドはすぐに血を吐いて、笑い声以上の大きさで咳き込んだ。 酸素に満ちた鮮やかな赤色。肺の傷が開いたのだろう。 ラッドは肩に口を擦り付けて血を拭うと不機嫌そうに視線を投げた。 「聞いてねぇのか? 手前ぇが教えろっていうから話してやってるんだぜ? なぁ、電気女さんよぉ!」 視線の先には、瓦礫をあさる美琴の姿。 比較的平坦な中庭ではなく、崩れ去った西棟の残骸を黙々と探っている。 制服は破れ、血に汚れ、とにかく酷い有様だが、肉体の傷は不思議と影を潜めていた。 傷が消えてなくなったわけではない。 しかしどの傷口からの出血も止まっていて、行動への支障も殆ど見られなかった。 「喋る気が無いなら、勝手に語らせてもらうぜ。正直、腑に落ちねぇんだよ。 仲間の仇が目の前にいるってのに、殺そうとしやがらねぇ。手前ぇもあの人形もだ。 人形が俺を見逃したのはまだ分かる。もっとヤバイ奴が近くにいるんだからな」 そこで言葉を切る。 これ以上は語らずとも理解できるだろう。 美琴は瓦礫に両手を差し入れたまま、作業の手を止めた。 「仇はとるわ。でも……殺してなんか、あげない」 ラッドは眉を顰め、次第に破顔し、そして哄笑した。 「憎たらしいくせに自分の手は汚したくないってか! どうやって恨みを晴らそうか考えてたんで、返事も出来ませんでしたってことだな!」 今度は喀血することなく、思う存分笑い続ける。 肉体の再生がもう少し進んでいたなら、文字通り腹を抱えて笑い転げていたに違いない。 無視を決め込む美琴のことなど気にも留めず、只管に狂声を響かせる。 ――が、唐突に笑いを止めた。 訝しげに振り向く美琴を逆に無視し、何やら考え込むような顔付きになる。 そう、あの子は最期まで優しかったのね―― ラッド。貴方がどう思っても構わないけれど、私はあすかを誇りに思うわ―― 先に逝った人達に、胸を張れる生き方が出来たのだから―― 「先に逝った、ね……。さて、ルーアが惚れた俺はどんな奴だったかな」 少し時間をかけて考えよう。 どうせ、身体が治るまでは殺しもできないのだから。 「……見つけた」 美琴は急に黙り込んだラッドを放置し、瓦礫の中に腕を伸ばしていた。 ゼロと戦った場所を埋めるコンクリート塊の下から、何かを取り出そうと必死になっている。 肌が擦れ、血が滲んでも腕を引かず、それどころか更に奥へと突っ込んでいく。 美琴を救ったのは、ナインが遺した"全て遠き理想郷"の奇跡であった。 真名解放により解き放たれた真の力がハドロン砲の破壊を遮断。 その後"全て遠き理想郷"が体内へ取り込まれたことにより、重篤な傷が治癒。 今までの時間は全て再生に費やされ、意識が回復したのすらほんの少し前のことであった。 自分がどうして生きているのか、美琴は知らない。 けれど"誰かに助けられた"という実感だけは確かに覚えている。 そうでなければ、半死半生だったはずの自分が動いていられるわけがない。 だからこうして廃墟を彷徨っているのだ。 癒え切らない傷の痛みを抱え、もういない彼女達の面影を探すために。 「真紅……」 瓦礫の隙間から、腕がゆっくりと引き抜かれる。 粉塵まみれの手に握られた、二つの光り輝く宝石――ローザミスティカ。 美琴はローザミスティカを両手で大事そうに包み、胸に抱き寄せた。 混ざり合う二つの輝きは、魔的なまでに美しかった。 【真紅@ローゼンメイデン 死亡】 【ブレンヒルト・シルト@終わりのクロニクル 死亡】 【E-5/病院跡/一日目 夜】 ※病院は完全に崩壊しました。 ※美琴の電撃とガウェインのハドロン砲の影響が広範囲に伝わっています。 【御坂美琴@とある魔術の禁書目録】 【状態】:疲労(極大)、全身に打撲と擦傷(中)、脇腹の切り傷(小)、左肩と右脹脛に傷(小)、後頭部挫傷(中)、 脇腹に打撲(中)、胴体に貫通傷×3(小)、全て再生中 多大な喪失感、強い決意、≪体内:全て遠き理想郷(アヴァロン)@Fate/Zero≫ 【装備】:薔薇の指輪@ローゼンメイデン 【道具】:基本支給品一式(水1/2消費)、基本支給品一式、不明支給品0~2個(未確認)、病院で調達した包帯や薬品類、 コイン入りの袋(装備中の物と合わせて残り90枚)、タイム虫めがね@ドラえもん、 真紅のローザミスティカ@ローゼンメイデン、蒼星石のローザミスティカ@ローゼンメイデン、 ARMS『騎士(ナイト)』@ARMS、真紅の左腕(損傷大)、不思議の国のアリス@現実他、いくつかの本 【思考・状況】 1:一人でも多くの人を助ける、アイツの遣り残した事をやり遂げる。 2:人は絶対に殺したくない。 3:自分と関わり、死んでしまった者達への自責の念。 4:上条当麻に対する感情への困惑。 5:ラッドについては……。 【備考】 ※参加者が別世界の人間、及び参加時期が違う事を聞きました。 ※会場がループしていると知りました。 ※切嗣の暗示、催眠等の魔術はもう効きません。 ※真紅と情報交換し、ローゼンメイデンの事などについて大雑把に聞きました。 ※あすかと情報交換し、スクライドの世界観について大雑把に聞きました。 ※危険人物などについての情報は真紅と同様。 ※地下空間の存在を知りました。地下にループ装置があるのではと推察しています。 ※会場は『○』の形に成っているという仮説を立てています。 ※全て遠き理想郷(アヴァロン)が体内にあることを知りません。 【ラッド・ルッソ@BACCANO!】 【状態】:四肢損傷、全身複数個所骨折(中)、内臓損傷、腹部に深い傷、毒(小)、全て再生中、不死者化 【装備】:破魔の紅薔薇(ゲイ・シャルグ)@Fate/Zero 【道具】:なし 【思考・状況】 0:方針について一旦考え直す。 1:あのギラーミンとかいう糞野郎をぶっ殺す。 2:ゼロは絶対に殺す。 【備考】 ※麦わらの男(ルフィ)、獣耳の少女(エルルゥ)、火傷顔の女(バラライカ)を殺したと思っています。 ※自分の身体の異変に気づきましたが、不死者化していることには気付いてません。 ※リヴィオとラズロの違いに気付いていません。また、ラズロ(リヴィオ)のことを不死者だと考えています。 ※ゼロのことを不死者だと思っています。 【全て遠き理想郷(アヴァロン)@Fate/Zero】 第四次聖杯戦争におけるセイバー(アーサー)の失われた宝具であり、召喚の触媒。 作中で登場する他の宝具とは違い、当時の地層から発掘された現物。 結局、作中ではセイバーの手に戻ることは無かった。 霊子に分解して体内に埋め込むことが可能で、セイバーの魔力を得ることで所持者に凄まじい回復力を与える。 セイバーのマスターがこの恩恵を受けると、即死級のダメージからでも即座に再生してしまうほど。 ただしダメージを無効化するわけではないため、受けた痛みは軽減されない。 真名を解放することで数百のパーツに分裂し、所有者をありとあらゆる干渉から"遮断"する。 この機能は防御というレベルではなく、この世界における最強の護りと称される。 時系列順で読む Back 砂鉄の楼閣(後編) Next 忘れてはならないもう一人 投下順で読む Back 砂鉄の楼閣(後編) Next 忘れてはならないもう一人 Back Next 砂鉄の楼閣(後編) 御坂美琴 裏表トリーズナーズ(前編) 砂鉄の楼閣(後編) 真紅 死亡 砂鉄の楼閣(後編) ラッド・ルッソ 裏表トリーズナーズ(前編) 砂鉄の楼閣(後編) ブレンヒルト・シルト 死亡 砂鉄の楼閣(後編) ゼロ 首輪物語(前編)
https://w.atwiki.jp/hourai2020s/pages/497.html
『ジェーン・ドゥと彼奴の誕生日(クリスマス) 第三部』 トップ > SS置き場 ■ジェーンさん:【白いヤブ医者】、白いゴスロリ、【イシュタルの愛娘】女難の相があるのかもしれない。 イラストは、( 「ケモ魔女メーカー」 )にて作成 ■那須さん:ジェーンを大好きな男の娘、カンフーと東洋医学の使い手。 イラストは、( 「ひよこ男子」 )にて作成 ■セブンさん:ジェーンが【運命の片翼】と呼ぶ女。葉車財閥に令嬢。ジェーンに対する感情に戸惑っている。 今回の出番はない。 イラストは、( 「女メーカー」 )にて作成 ジェーン・ドゥと彼奴の誕生日 第3部 12月1日 昼 委員会センタービル 生活委員会副委員長執務室 ブラインドカーテンを締きった薄暗い室内は物が散乱していた。 まるで動物でも暴れた様な有様だ。 すえた匂いに顔を顰めながら、補佐官は嘉木城(かぎしろ)に声をかける。 「閣下……ちゃんとお休みになられていますか?」 「……あぁ…うん」 髪は油ぎってフケが目立ち、シャツは襟首や袖口が茶色く染まっている。 目は落ち窪み、頬はこけている。 とうてい同じ人物とは思えないほどだった……。 それもその筈、彼はこの一週間ほとんど寝ていないのだ。 風呂にも入らず自分を捕まえにくる公安の足音に怯えていた。 補佐官は日に日に壊れていく彼をみて、医者にかかる事を薦めていた。 しかし、嘉木城はガンとして聞き入れなかった。 予定されていた会合をキャンセルもしたし、補佐官ではカバー出来ない業務が溜まっている。 「閣下……今日という今日は医者を呼びますから診てもらってくださいね。僕は溜まった仕事をなんとか片付けますから……絶対見てもらってくださいよ?絶対ですからね!すぐに来てくれますから!」 補佐官が医者を呼び別室で業務をこなしていると、呼んだ医者から連絡が入った。 「え?……いない?……トイレじゃ?……もう、20分も待ってる?……どういう事じゃと言われましても……とにかくそちらへ行きます!」 こうして嘉木城は姿を消した。 嘉木城に関する通報が公安委員会へもたらされたのは、これが初めて(・・・)だった。 ※※※※ 12月1日 夕方 悪徳大路 家電量販店 店頭 機械工学研や狂的科学研、錬金術研の何を燃料にしているのか怪しい暖房器具や、ミルクを供物に捧げないと働かない最新家電などが並べられている。 暖房器具によって道に積もった雪は溶かされ、この場所だけまるで雨上がりの様だ。 道行く生徒たちは足元の水溜まりを気にするばかりで商品に注目する事はない。 そんな中で寒さに震えていながらコートも羽織らず、すえた匂いを放つ男が一つのニュースに足を止める。 『……副委員長である『嘉木城響』氏が行方不明となった事件について公安委員会は学園中央部から全島へと捜索範囲を広げ……』 男は茫然自失の状態でそのニュースを眺めていたが、通行人にぶつかって倒れ込む。 ずぶ濡れになりますます誰だかわからなくなっていくが……この人物こそ、ニュースになっている『嘉木城響』本人であった。 彼はとある文書を持って悪徳大路の深部を目指していた。 文書の中身については見ていない。 しかし、そこには【厳重秘匿】と朱印が押され蝋封されていた。 きっと大変なものに違いない。 今年の夏に起きたクーデター未遂の際に、現政権のスキャンダルに関する文書だと言われ、いつか役にたとかもと大枚はたいて手に入れたブツだった。 元は純白だったであろうA4サイズの封筒は今や所々折れ曲がり薄汚れていた。 封筒にはかろうじて【f→s】と読める文字の様なものが記されていた。 悪徳大路でそんな封筒を後生大事に抱えた浮浪者然とした奴がいれば、手厚い歓迎が行われるのはもはや自然を通り越して必然であった。 しかし、嘉木城はついていた。 ひったくりではなく強盗が相手だったのだから。 深部を目指すため人通りのない路地に入る。 物の数分で前後をチンピラに塞がれた。 「おいおい!『下水族みたいな奴が金になりそうなモン持ってる』って言うから来てみたがよぉ!失礼な話だよなぁ!こいつと比べりゃ、下水族の方が清潔だってんだよ!」 木刀や金属バットで武装したチンピラは仲間の放ったそのセリフに腹を抱えて笑っている。 その姿はまともな精神状態には見えなかった。 とは言え、今の嘉木城もまともではない。 隠し持っていた拳銃で立て続けに引き金を引いた。 多少なりとも訓練を受けた者なら外さない様な距離と、密集具合だったのが幸いしてバタバタと撃ち倒していく。 これには背後にいたチンピラもそうだが嘉木城本人も驚いた。 背後のチンピラへ拳銃を向けると、彼らは口々に定番のセリフを吐いて逃げていく。 拍手 嘉木城はそれが拍手だとすぐに気がついた。 しかし、その意図までは分からなかった……。 路地の奥よりチャイナ服を着た女が拍手をしながら姿を表す。 「お久しぶりです。嘉木城閣下」 女はもとより嘉木城よりも背が高いのだが、今は嘉木城が窶れ背中を丸めて封筒を抱え込んでいる為、その身長差はさらに開いている。 「随分とお変わりになられましたねぇ」 ただ世間話をするだけで色気の溢れるこの女は、彼が目指した悪徳大路の深部からの迎えであった。 「さぁ参りましょう。楊大姐(ヤンタージェ)がお待ちです」※ ※「ヤン姐さん」的な意味 ※※※※ 12月2日 朝 葉車九重の屋敷 九重の工房 「お嬢様、登校の時間です」 九重専属護衛メイドの小明戸(こめいと)が、朝からからくり人形の分解をしている主人に知らせる。 「……」 「お嬢様……今年度、何回登校したか覚えていますか?」 「……4回?」 「おしい、5回です」 「おー」パチパチと拍手をして自分を讃える九重と主人に合わせて拍手をする小明戸(こめいと)。 「お嬢様、5回しか出席してなくて卒業できると思っているのですか?」 「……」 「大学進学はどうするのです?」 「大学なら卒業したわよ?」 「……は?」 「そこの本棚の上から三段目の右の方」 小明戸は言われるがままに本棚を探してみる。 そこには海外の有名な大学の卒業証書が三校分入っていた。 「……偽造ですか?」 「小明戸さんはもう少し、主人に対しての敬意というものを持った方がいいと思います」 「持っていますとも、心の中を見せれないのは慚愧の念に耐えませんね」 「……言っておきますが、三枚とも本物ですからね」 「まぁ、本物だというのは信じますよ……しかし、どうやって?」 「……当時クラスで左右の手で別の事をするっていう遊びが流行ってまして……それならと……3つ同時に何かして見せようっていう……それで、通信制を利用して大学を受験しました」 「……本土にいるときですか?」 「ええ、そうですね」 「(本土にいるときってお嬢様……小学生ですよね……それに、佐藤さんから聞いた話だとクラスにお友達なんて……)」 そっとハンカチで目元を拭う小明戸であった。 九重はずっと解体作業を続けている。 小明戸は壁際の椅子に座り直して、そんな主人の背中を見ている。 「お嬢様なら、卒業は出来るでしょうけど……その前によく入れてくれましたね?年齢とか色々と……」 「入試を満点取ったら入れてくれましたよ」 「……博士号とかは?」 「色々薦められましたけど、博士ってお爺ちゃんぽくて……断っちゃいました」 「……まぁ……13歳の女の子には似合わないのは確かですね」 「博士号でこの子が動くなら100でも200でも取りますけどね」 そう言って九重は自作のからくり人形『紅桜型自動人形伍式』愛称『さくらちゃん』の頭を撫でる。 「ところでお嬢様……」 「なんです?改まって……もうおやつの時間ですか?」 「おやつじゃありません。この時間は、なんなら登校時間です」 「……」 「旦那様からメッセージが届いていますが、いつも通り読み上げますか?」 「ええ、お願いします」 小明戸は軽く咳払いをして渾身のイケボを作るとメッセージを読み上げはじめた。 「『親愛なる九重へ、もしこのメッセージを小明戸君に読み上げさせてるなら、やめなさい。ここから先は是非、自分で読みなさい……』」 小明戸は主人である九重の背中を見る。 九重はあいも変わらず分解作業を続けている。 咳払いをし、もう一度声を作って続きを読みあげる。 「『……九重ちゃん、九重ちゃんは学校をなんだと思っているのかな?聞くところによると今年度5回しか登校していないみたいだね?いくらいく必要もないとは言っても行くからにはちゃんとしてほしいな。でももう過ぎたことはしょうがないのでお父さんのお願いを聞いてくれたら許します。もし聞いてくれないなら……お父さん泣いちゃうからね?それだけじゃないよ?千夜重(ちよえ)さんが九重ちゃんを連れ戻しにいくって言ってるんだ。お父さんとしては千夜重さんを説得して九重ちゃんが学園にいられるようにしてあげたいんだけど、言いつけを守らない子を庇うのも難しくてね?それでお願いっていうのは神戸の本邸で行われるクリスマスパーティーに出席して欲しいって事なんだよ。十美恵(とみえ)ちゃんから奈菜ちゃんも戻ってくるって聞いたし一緒に参加して欲しいな。新しい反物を送っておきます。是非使って欲しいな』……そう言えばお荷物が届いてました。お部屋に運んでおきましたのでご確認ください。ごほん……『追伸、奈菜ちゃんの友人のジェーン君もその際には招待するよ。もちろん小明戸君にも来てもらいなさい。九重ちゃんの護衛なんだから、一人で行動しようとせずちゃんとついてきてもらいなさい……あと、小明戸君にはおやつをいっぱいあげる事。あと、ボーナスも増やす事。それから新型装備を支給する事。あと廊下の電球を明るさ重視でLEDにか「待ちなさい!」』」 九重がストップをかける。 「どこまでが本当ですか!?」 「……ともかく、こういう事ですので参加という事でお願いします」 「待ちなさい待ちなさい。こちらでのパーティーに参加するともう返事をしていますし、今更そんなことを言われても」 「十人会議のパーティーでしたら、すでにキャンセルを入れてあります」 「はぁ!?」 「お嬢様、はしたないですよ。……五葉様、六花様、八重様とお姉様方の許可は得ています。むしろ笑顔で送り出す勢いです」 「小明戸さんはもう少し主人に対しての敬意を持った方がいいと思います」 「心の内をお見せ出来ないのは慚愧の念に耐えません」 こうして、葉車九重はクリスマスに神戸へ向かうことになったのだった。 ※※※※ 12月5日 放課後 董薬房への道 日没までは時間があるものの、降り続ける雪のせいですっかり暗くなっていた。 「なんじゃ相変わらず暗いの……」 「えへへ」 街灯は暗く中には点灯していないものもある道を、ジェーンと幸男(ゆき)は微妙な距離感で歩いている。 「暗いのですよね!手を……手を……どうぞ!」 暗くて表情は見えないがうわずった声色から察するに、きっと真っ赤になっていることだろう。 「カカカ 暗かろうが儂には関係ないぞ」 「……あ……はい……」 「(明らかにがっかりしとる……仕方ないのぉ)……儂は暗くても平気じゃから、儂が手を取ってやろう。ほれ手を貸すが良い」そう言って幸男(ゆき)の手を取ると前を歩き始める。 繋いだ手から幸男(ゆき)の緊張と興奮が伝わってくる。 「(セブンの奴もこれくらいの可愛げがあればのぉ)」 「センセェここが先日、殺し合った(やりあった)場所ですよ」 「ここって……よっぽどそういう縁のある道なんじゃろうなぁ」 「ですねぇ……私が先生に助けて貰ったのも此処ですし、今回私がアレを助けるきっかけになったのも此処ですしねぇ」 「ふむ……『縁結び地蔵』でも立ててお祀りした方がいいんじゃないか?」 「私には分かりませんけど、先生が言うならそうかも知れませんね」 「いやぁ儂もそっち方面は専門外じゃからなぁ……今度、知り合いに話をしてみようか」 「いいですねぇ!おともします!」 「おすすめはせんがのぉ」 「この街灯じゃったか?」 「そうですね。しかし……通るたびに消えてますねぇ……えい」 コツンと街灯がを蹴る。 先日と同じ街灯を同じように蹴る。 コツン コツン と。 すると、あの時と同じようにまるでスポットライトの様に明かりが灯る。 ジェーンにとっては2年ぶり、幸男(ゆき)にとっては先日ぶり……となるシュチュエーション。 訪問者……あるいは襲撃者の女がその姿を見せる。 チャイナドレスに毛皮のコート。 この色気漂う女は、二人は知る由もないが、嘉木城を楊大姐(ヤンタージェ)の場所へ案内した女だ。 「やっぱり此処はなんかあるの」 「そうですね……今回の件が終わったら本当に行きましょうね、キリ研です?それとも仏研ですかね?」 「こういうのは神道研と相場が決まっておる」 「そういうもんですか?」 「うむ、儂が言うんじゃ間違いない」 「はい センセェ」 幸男(ゆき)はとにかくジェーンとおしゃべりできるだけで楽しいらしく、終始ニコニコである。 「そろそろしゃべってもいいかしら?」 光の中に立つ女がそう言葉をかける。 「律儀よのぉ……何ようじゃ?」 「……要件は二つあるのですが……はて?」 「センセェ……寒いんで放っていきましょうよ」 「そうも行くまい、儂が見る限り、囲まれておるしの」 「そうなんですか!?……気配はありませんね(センセェには指一本触れさせないわ!)」 「うむ……ざっと30位かの」 チャイナドレスの女は少し驚いた様子で 「よく分かりましたね?……もしかして、貴女が【白いヤブ医者】ですか?」 「不本意ではあるがそう呼ばれておるの」と言ってため息をつく。 チャイナドレスの女は幸男(ゆき)を見ながらこう言った。 「すると、貴女が『瑠璃堂院月子』様ですね?」 「……は?」 聞いたこともない名前で呼ばれた幸男(ゆき)は思考が追いつかず「誰それ?」と素直に聞き返す。 「おかしいですね……依頼によれば【白いヤブ医者】は始末して『瑠璃堂院月子』様は丁重にお連れすることになっているのですが……?」 「……儂じゃ」 「え?」 「瑠璃堂院月子とは儂の本名じゃ」 「えええ!?」 チャイナドレスの女も驚いたが、それよりも幸男(ゆき)が驚いている。 「センセェって『ジェーン・ドゥ』じゃないんですか!?」 「うむ『ジェーン・ドゥ』は日本で言うところの『名無しの権兵衛』みたいな意味じゃからの」 「知らなかった……え?て事はセンセェは日本人なんですか?」 「うむ、バリバリの日本人じゃぞ」 「……見えませんね」 「おかげで両親は離婚じゃ」 「ごめんなさい……センセェごめんなさい」 「て事は……【白いヤブ医者】はおチビさんで、おチビさんが「瑠璃堂院月子」様と……」 「うむ。しかし、よう調べたの?学園には届けてないはずなんじゃが……?」 「まぁそこはウチらも仕事なのでね?」 「しかし、よう分からん仕事をふられたものよな?」 「ええ、そうなんですよ!……お金払いのいいお客様からの依頼と一門の面子と……どうしようかしら……」 「一旦、連れて帰ってから、依頼主へ面子分の金を出させるのはどうじゃ?」 「ふぅん?」 「つまりじゃ、連れて帰って依頼は達成。引き渡すかどうかは面子分の金なり見返りなりを求めるのが良いのではっと言うわけじゃ」 「なるほど……しかし、依頼主が面子代を出せない場合は……貴女大変なことになると思うのだけれど?」 「センセェ!ダメですよそんなの!」 言い募る幸男(ゆき)を手で制して 「ところで、依頼主に払わせられそうかの?面子代」 「……今の彼には無理じゃ無いかしら……だいぶん落ちぶれていますし、換金できそうなブツも価値がはっきりと致しませんしねぇ」 「と言う事は面子の為に儂はどうにかされる未来しかなさそうじゃの?」 「何言ってるんですか!?先生には私も、他にも味方してくれそうな人はいっぱいいるじゃないですか!」 「は……は……はくちゅ!」 緊張感のカケラも無いくしゃみをしてブルリと震える。 「とりあえず立ち話もなんじゃし、この先の薬房で話をせんか?」 「そうしたいのは山々なのですけれど、人目を忍ぶお仕事なんでそうもいかないんですよ」 「ちなみ、儂が大人しくついて行ったらこの者は帰してもらえるんじゃろうか?」 「あー申し訳ございません。目撃者は放置できないのです。ですので始末させてもらうことになります」 「まぁそうじゃろうなぁ……すると結局、対立せねばならんの」 「センセェ、何処まででもお供します!」 「プライベートで出逢えていたら、存分に可愛がって差し上げたのに……本当に残念だわ」 「えぇ?」 「瑠璃堂院様は世が世ならお姫様でいらっしゃいますよね?しかも、この意志が強そうで生意気な感じが……」 ジェーンも幸男(ゆき)も不穏な雰囲気を感じる。 「少しロリ過ぎる感じはするけど、補って余りある……泣き叫ぶ姿はさぞかし……」夢見がちな感じにうっとりと話す、チャイナドレスの女。 「センセェ、こいつやばいですよ?」 「(儂の周りにはクセの強いのが集まるのぉ)」 場を沈黙が支配する。 街灯が三人を照らす。 チャイナドレスの女との距離は、おおよそ10m。 女がフィンガースナップで合図をすると、投網が幾つも投げかけられる。 しかしまるで壁でもあるようにジェーンたちには届かない。 「……ふむ、なるほど」 チャイナドレスの女は一人納得している。 「やはり、連れてきて正解でしたね」 そう言って背後の闇に声をかける。 「やれやれ、出番は無いと思っとったんやがなぁ」 妙な関西弁を放ちながら光の中に入ってきたのは、制服の上から深い紫色のローブを羽織って、同じ色のつば広三角帽子を被った男。 子供の拳ほどの紫水晶が付いている杖を持つ。 対するは、白いゴスロリに同じ色のつば広三角帽子。 銀髪金眼。 右目を覆う眼帯代わりの黒い布。 「センセェ……魔法使いが出てきましたよ?」 「うむ、意外な展開じゃのぉ」 「センセェを見てると意外と言う感じが薄れますけどね」 「なんや、噂によれば【白いヤブ医者】ってのは霊感商法で儲けとる悪徳医者やいう話やん?」 「なぁんですって!センセェは本物だし!ちゃんと治療してます!」 「はっはっはっは!悪徳医者はみんなそう言うんや」 「村崎君、そろそろ仕事してもらいたのだけど?」 「おぅ!任せとけって!」 村崎と呼ばれた男は杖を掲げ呪文らしきものを唱え始める。 「むらさき……だから紫色なんですかね?」 「まぁ精神状態が影響することもあるしの、好きなようにするのが1番じゃからの」 「『暗雲 来れ 雷雲 唸れ 走れ 貫け 紫電 轟け 雷鳴 相手は 絶命 深き紫の神鳴(Deep purple thunder)!』」 ジェーンと幸男(ゆき)が軽口を叩いてる間にも魔法は完成し、杖から轟音と共に紫電が放たれる。 しかしジェーンには届かない。 紫電がジェーンの障壁に触れて拡散する。 ジェーンは耳を押さえながら 「びっくりした!すっごい音がするの!」 「センセェ!音が大きすぎたので耳が聞こえません!何って言いました!?」 「ちょっと!村崎君!ここまで音が大きとは聞いてないわよ!それに、ピンピンしてるじゃ無いよ!」 影の中に潜む襲撃者達も閃光と轟音で、まるでスタングレネードを食らったかのような状態だった。 「な、な、な、何じゃぁこりゃ!何で平気やねん!?自慢の一撃やぞ!詠唱も印も無しに……おかしいやろ!」 村崎にとって魔法を使う上での常識は、呪文を詠唱したり、印を結んだりするものだった。 ……村崎は学園へ来て初めて魔法使いになった。 入門時に師匠からそう教わったのだ。 昨今流行りのラノベのような無詠唱、無印に憧れて研究しては見たものの、そもそも魔法とは他者の力を借りるものであり、それらは無断で力を貸してくれるような存在ではなかったはずだ。 呼びかけ、交渉し、対価を払い、超常を起こし、感謝を示す。 この流れが必要なはずだった。 なのにどうだ? 目の前の【白いヤブ医者】は詠唱も結印さえなく、なんなら集中すらしていなかった。 「(なんや?ワイが相手にしとんはなんや!? 超常の力を借りるまでも無い存在……嘘やろ……ありえん……)ありえんやろ!」 「村崎君!大丈夫なんでしょうね!」 切り札だった村崎の魔法が効いたように見えない今、焦っていた。 自陣営の切り札以上に実力がある可能性……。 「ワイの最大魔法を使う!それまでの間時間稼ぎをせぇ!一斉に飛び掛かれ!!」 ジェーンはずっと村崎を観察している。 現代日本では魔法使いというのはやはり珍しく、伝統派とも言うべき彼のスタイルは2000年ほどの昔なら欧州全域でよく見かけたものだったが……。 村崎の合図と共に闇から飛びかかってくる一味達。 「『龍門の守護者 来れ 雷雲 集え 十二の竜 唸れ 走れ 貫け 紫電 轟け 響き渡れ 十二の雷鳴 相手は 絶命 十二の深き紫の神鳴(Deep purple Ⅻthunder)!』」 先程とは比べ物にならないほどの轟音が学園に響き渡り、翌朝のニュースで取り上げられるほどだった。 「……なんでや……何でこれも効かへんねん!」 「センセェ……今のは流石に怖かったです……」 「ちょっと!村崎君!うちの手下どもも巻き込まれたんですけど!」 「雷魔法中級者あるあるじゃな。だからといって教えてはやらんがの」 「ワイが……中級者?」 「威力だけを求めて当てることが出来ない者を上級者とは言わんじゃろ?」 「でも……師匠からは……」 「怪獣を相手にするなら良さそうな魔法じゃけど、対人では持て余すのぉ」 「……では……どうすれば……」 「儂ならこうするの」 そう言って無防備に村崎の元へ歩み寄る。 村崎の手を取り上目使いでにっこりと微笑む。 こんな状況でなければ、村崎は間違いなく恋に落ちただろう、けれど今は戦闘中である。 ジェーン側にはその緊張感が欠けているが……。 「な……何を……?」 「うむ、こうじゃ」 その瞬間、握られた手から電流が走る。 村崎の魔法とは比べ物にならないほどの低電圧。 けれど、村崎の意識を奪うには十分だった。 「スタンガンの要領じゃ」 「おお!さすがセンセェ!」 「村崎君!」 「さて、まだやる気はあるかの?」 「……だからって退けない事情があるんだよ!」 「猫がお留守ですよぉ?」 「くそがぁ!」 チャイナドレスの女はポケットから拳銃を取り出そうとするが、慣れていないのかモタつく。 ジェーンの横から幸男(ゆき)が飛び出す。 「守られてばかりじゃ無いってとこを見せますよ!」 「待て!」 「くそ!抜け 抜けない!」 くぐもった、風船が割れるような音。 幸男(ゆき)の勢いが削がれる。 次の風船の割れるような音――銃声――はイヤにはっきりと聞こえた。 幸男(ゆき)の足が止まる。 ジェーンからは幸男(ゆき)の背中しか見えなかったが、撃たれた事は理解できた。 幸男(ゆき)がその場で崩れ落ちる。 幸男(ゆき)向こうに ポケットの中から発砲した女が見える。 「ゆき!」 心臓が跳ね上がる。 「ゆき!」 足が自然に走り出す。 「ばかもの!」 幸男(ゆき)覆い被さる。 「ゆき!」 幸男(ゆき)の体を起こす。 幸男(ゆき)の白いロングコートが血に染まっている。 魔法で心音を……聞こえない。 「逝くな!逝くな!一緒に温泉行くんじゃろう!」 銃創に手をかざす。 金色の燐光が幸男(ゆき)の傷を照らす。 チャイナドレスの女は目の前で起こっている人命救助劇に冷笑を浮かべながら、これに幕を引くべくジェーンに向けて引き金を引く。 幸男(ゆき)の蘇生に集中するジェーンはこれに対応できない。 銃弾はジェーンの太ももに命中する。 「ふふ……ふふふふ……アンタを連れて行けない以上は、面子のために死んでもらうわぁ」 銃声。 肩に命中する。 「でも、ただ簡単には逝かせないわよ?面子を保つってそういう事だからね?」 「ぐぅ……ゆき……」 ジェーンは治療を続ける。 銃声 背中に新しい傷を穿つ。 「私、鉄砲ってあんまり使ったことはないのだけど……なかなか難しいものね」 銃声 また背中に傷を穿つ。 「(このままでは、いくら人間より死ににくいとは言え……せめてゆきだけでも守らねば!)」 カチン! カチン! 「あら?弾切れなのね……」 女はポケットへ拳銃をしまうと、代わりに折りたたみナイフ――バタフライナイフ――を取り出し、それを弄ぶ。 ジェーンの魔法は幸男(ゆき)に注がれ続ける。 銃創を塞ぐ事はできたが、心肺停止状態が続いている。 「ゆき……戻って…こい……」 「ふふふ……いい様ねぇ……月子様、よっぽどその女の事が大切なんですね?」 ジェーン――月子――は答えない。 しかし、自身のことよりも幸男(ゆき)を優先する姿はチャイナドレスの女にその答えを示し続けている。 「月子様のその思い……踏み躙らせて貰いますね?」 女はナイフを逆手に持ち……ジェーンの背中へ振り下ろす。 何度も何度も。 子供のような背中にナイフを突き立てる度に、女の顔は愉悦に歪む。 「(こうも連続で刺されると回復も追いつかぬ……あぁ……ここまでか……ゆき……やれる事はやった……セブンの事を頼む……泣き虫じゃからの……)」 「はぁはぁ……驚いた……まだ息があるのね……毒虫は頭を潰さないといけないって事かしら?……でもそうすると首を持って帰るのが大変なのよね……」 額の汗を拭いながら二人を見下ろす女。 「ふふふ、いいこと思いついたわ」 そう言って幸男(ゆき)に覆い被さるジェーンの髪を掴み引き剥がす。 仰向けになるように投げ捨てる。 「ふふふふ 前に傷をつけなくてよかったわ」 女はジェーンを跨ぐと幸男(ゆき)の血に染まるその服を、切り裂き剥いていく。 「思った通り……綺麗ね……雪の妖精みたい」 女はジェーンに触れる。 「肌も綺麗……ふふふ……すべすべして気持ちいい……ここに、これを突き立てたら……どんなに気持ちいいでしょう?」 白い肌に指を這わし、その肌触りを楽しみながら女は狂気へ浸る。 「背中と同じようにしましょうか……それとも心臓を一突き?一気に行くのもいいけど、ゆっくりとナイフが沈んでいく様を見てもらうのも良いかも?」 女は目の前の玩具をどう壊すかという事に気を取られている。 その背後で結実した、ジェーンの魔法に気付かなまま。 「ああ!興奮するわ!私が男なら○○趣味(ネクロフィリア)に目覚めたかもしれないわね!」 改めて玩具となったターゲットを見下ろす。 「貴女のような玩具は初めてよ?これで『さよなら』なのが惜しいけど、貴女が最後に見たのが私だって事が何より嬉しいわ――」 ナイフを両手で持ち高々と振り上げる。 ジェーンは女を見上げている。 「(これまで色んな死に方をしたの……謀殺、戦死、毒殺、溺死、拷問死、魔女狩りで死ぬよりはマシか……)」 「――さようなら」 女は言い終わると同時にナイフ振り下ろした。 死の刃はジェーンの白い肌に突き立てられ、心臓に達し、その活動にトドメを刺す。そして女に最上の高揚感を齎す……はずだった。 手首から先があったなら。 「え?……え?え?……なに!?」 血に塗れる手首、ある筈のそこから先。 理解ができないまま女は蹴り飛ばされる。 振り返るとそこには…… 血に濡れた日月弧影剣(にちげつこえいけん)を持った幸男(ゆき)が、ふらつく足で立っていた。 「センセェ!大丈夫ですか!」 ジェーンを抱き起こすと、背中に回した手にぬるりとした感触。 手についた血を見て一刻を争うと理解した幸男(ゆき)は彼女を抱き上げ走り出す。 「センセェ!センセェ!」 息を切らしながら走る。 「死なないで!」 ふらつく足は幸男(ゆき)の意志とは別にその仕事を放棄する。 つんのめる中ジェーンを傷つけまいと身を捩り己を犠牲にする。 ジェーンは動かない。 「センセェ!!」 悲鳴にも似た呼びかけ。 それでも彼女は動かない。 ジェーンを抱き上げ再び走ろうとするも、脚に力が入らない。 「この馬鹿脚がぁ!今、動かなくてどうすんのよ!」 己の脚に拳を叩き込む。 「好きな女を守れなくて何が男だ!動け!動け!動けぇ!動いてよぉ!!」 けれど、幸男(ゆき)の脚は、小さいとはいえ人を運べるほどには回復していなかった。 そこへ渾身の蹴りと、無理な走りとで一時的な限界を迎えていた。 あと百数十メートルも行けば『董薬房』だ。 せめてそこまで行ければ助ける事ができる。そう信じてジェーンを運ぼうとする幸男(ゆき)だが、その脚は動かない。 「センセェ!貴女が好きです!どうか生きてください!」 幸男(ゆき)は左手でジェーンの手を取り右手で進む。 それは匍匐前進のような姿。 「センセェ!センセェ!セブンも待ってますよ!」 ズリ……ズリ…… 雪が新しく積もり始めた道を、ジェーンを引き摺りながら匍匐前進の要領で右腕のみで進む。 幸男(ゆき)は呼びかけ続ける。 「センセェ!……ジェーン!セブンも!桜木(さっ)ちゃんも!伊仲ちゃんも!皆んな待ってますよ!」 最後の曲がり角 ここを曲がれば董薬房が見えて来る。 そうすればもうすぐそこだ。 「ジェーン!あと少しですよ!早く起きないと見られちゃいますよ!」 あと少しという安堵からジェーンを振り返る。 そこには力無く引き摺られ、薄らと雪が積もるジェーンの姿があった。 「ジェーーン!……逝かないで!私を……私達を置いて行かないで……」 再び悲劇が脳裏をよぎる。 溢れる感情が頬を伝う。 「董老師!助けて下さい!董老師!」 董薬房の主人にして幸男(ゆき)の八卦掌と東洋医学の師『董定遠』へ助けを求める。 「あぁ!神様!どうか神様!ジェーンを助けて下さい!この女は……きっと多くの人を救います!……どうか!神様ぁ!いるなら一度くらい願いを叶えてよ!好きな女の命を助けさせてよ!」 絶叫 それは幸男(ゆき)の魂の叫び 「ジェ――ン!!」 幸男(ゆき)は拳銃で撃たれて心肺停止状態となった。 その後ジェーンの魔法で傷を塞がれ、心臓は再び鼓動を打つようになった。 立つのがやっとという状態でチャイナドレスの女を退け、脚が動かない中ジェーンを引き摺り百メートル以上を匍匐前進して ここまできた。 ……体力の限界はとうに超えていた。 『好きな女を助けたい』その一心でここまで来た。 しかし……ドアまで数メートル…… ついに幸男(ゆき)も進めなくなる 「(もう……動けない……あと少しなのに……ジェーン……愛おしい人……天国でも、地獄でもお供します……ああ……温泉、一緒に行きたかったなぁ)」 せめて最後はジェーンを抱きしめていたい……二人で進む事はできないが、ジェーンだけならまだ引き寄せられた。 ジェーンに積もった雪を力無く払って抱き寄せる。 ジェーンの顔がすぐそこにある。 「ジェーン……センセェ……ごめんなさい……ありがとう……愛しています……」 目が霞む……ジェーンの顔も見えなくなってきた……最後に……最後に……キスを………………。 幸男(ゆき)の意識は途切れる。 雪が降る。 彼女達の願いを消し去るかのように……。 しかし…… ドアの向こうから足音が響く。 門灯が灯された。 幸男(ゆき)の願いは聞き届けられた。 雪は尚も降り積もる。 現実(リアル)も奇跡(ミラクル)も覆い隠して。 ジェーン・ドゥと彼奴(あいつ)の誕生日(クリスマス) 第三部 了
https://w.atwiki.jp/nihonnkiki/pages/32.html
記憶せよ、玄界灘<第18光洋丸> http //www.nicovideo.jp/watch/sm5760966 ■事件の経緯 ウィキペディアより 「第18光洋丸」と「フン・ア・ジュピター」の衝突事故 2003年7月2日、福岡県沖の玄界灘でパナマ船籍、韓国興亜海運社所有の貨物船「フン・ア・ジュピター」(3372トン・16人乗り組み)が巻き網漁船 「第18光洋丸」(135トン・21人乗り組み)と衝突した[1][2]。「第18光洋丸」の乗組員17名が海に投げ出されたため、直後から日本の漁船の船団は救出活動を開始したが、貨物船は救助を行わず傍観していた。 死者1名、行方不明者6名、負傷者2名という民間船同士の衝突事故としては稀な惨事となった。 経緯 6月29日 0時0分 - 第18光洋丸が山口県下関漁港を灯船2隻とともに出港。 7月1日 21時45分 - フン・ア・ジュピターが韓国釜山港を出港し、広島港に向かう。 7月2日 1時54分 - 第18光洋丸は、沖ノ島灯台沖で、灯火などを点灯して投網を開始。 1時58分 - 第18光洋丸が7.1海里先にフン・ア・ジュピターのレーダー映像を確認。動静監視を行う。また、フン・ア・ジュピターも第18光洋丸などの船団を視認。 2時12分 - フン・ア・ジュピターが第18光洋丸から3.5海里の距離に接近する。第18光洋丸は他の漁船と網を張り揚網中で、移動することができなかったため、運搬船をフン・ア・ジュピター号に向かわせて注意を 喚起するとともに、網の大きさを示すために他の漁船に網の反対側に寄るように指示。さらに、船橋前部の作業灯を点滅させる。しかしフン・ア・ジュピターは十分な動静監視をしておらず、衝突の危険性に 気づかなかった。 2時21分 - フン・ア・ジュピターが第18光洋丸から1海里の距離に接近したので、第18光洋丸は網の位置を示すため他の漁船を網の北西側に沿って走らせ、サーチライトをフン・ア・ジュピターに向けて照射し、 汽笛を連吹する。 2時23分 - 第18光洋丸が船上の照明を全て点灯。フン・ア・ジュピターが第18光洋丸に接近しすぎたことに気づき、右転。 2時25分 - 第18光洋丸の左舷中央にフン・ア・ジュピターの船首が衝突。17名が海に投げ出される。 「フン・ア・ジュピター」の不可解な行動 「第18光洋丸」は他の複数の漁船間で網を張っていたため、回避不可能の状態だった(回避運動をしようとすれば、網が絡まり、他船との衝突の危険性も高かった)。 そのため、韓国の貨物船「フン・ア・ジュピター」へ、繰り返し漁灯や警笛で合図を送っており、回避義務は法的にも韓国船側にあった。だが、「フン・ア・ジュピター」は第18光洋丸をトロール船だと思い (しかし海上衝突予防法18条により航行中の船舶には漁ろうに従事している船舶を避ける義務がある)、速度を落とさずにそのまま直進し、第18光洋丸に衝突した。また、「フン・ア・ジュピター」 は衝突後も航行に問題はなく、また自船にはけが人が1人もいなかったにもかかわらず、救出活動は一切せず、その場を離脱しようとした。 「からしま」と「コレックス・クンサン」の衝突事故 2003年7月6日、「第18光洋丸」と「フン・ア・ジュピター」の衝突事故による行方不明者を捜索中だった水産庁漁業取締船「からしま」 (499トン・16人乗り組み)が2隻の国籍不明船に遭遇した。1隻目の国籍不明船に対する回避操作中、2隻目の国籍不明船に接近されたため、衝突の危険性を回避するため「からしま」は停船した。しかし停船直後、 同海域にいた韓国の貨物船「コレックス・クンサン」(4044トン・13人乗り組み)に左舷より衝突され破損・浸水した。「からしま」を除くいずれの船も海上衝突予防法を無視していた。国籍不明船は 2隻とも逃走した。「からしま」の乗組員は、付近にいた同庁取締船「海鳳丸」に全員救助されたものの、1人が軽傷を負った。また、「からしま」の船体の損傷は激しく曳航不能の状態であり、 漂流ののち現場近くで沈没した。 「コレックス・クンサン」の不可解な行動海上衝突予防法第14条により、真向かいに行き会う場合はそれぞれ針路を右に転じなければならないと定められているにも拘らず、「コレックス・クンサン」 は左に転進して「からしま」と衝突した。また、この事故でも「フン・ア・ジュピター」同様に「コレックス・クンサン」は救助活動をしなかった。 ■マスコミに葬られた海難事故 韓国船が起こした死亡1名、行方不明6名という日本漁船沈没事故をなぜか隠し続る日本のマスコミ。 ■1.「光洋丸」の事故を知っていますか?■ 韓国コンテナ船が違法な航行をして日本漁船に衝突、漁船は一瞬で沈没し、死亡1名、行方不明6名という惨事が起こった。 しかしテレビや新聞がごく限られた報道しかしないので、ほとんどの人が知らずにいる、という事件が起きている。 韓国コンテナ船は海に投げ出された乗組員の救助活動もせず船主は謝罪もしていない。さらにその4日後、行方不明者を捜 索中の水産庁の取締船が、またも違法な航行をした別の韓国貨物船にぶつけられ大破、沈没するという事故が起きた。 あの「えひめ丸」の事故と比べてみよう。平成13年2月9日(現地時間)、ハワイ沖で愛媛県宇和島水産高校の実習船えひ め丸が、海中から急浮上してきた米海軍原潜グリーンビルに激突され、数分で沈没。原潜は26人を救出したが、学生を含む 9人が行方不明となった。米側はすべての責任を認め、ブッシュ大統領より森総理(当時)に謝罪の電話があった。 被害規模から言えば同程度であり、加害者側の悪質さ、同様の事故が続いた点では、今回の方がはるかに問題は大きい。そ れなのにマスコミはなぜかこの事件を「えひめ丸」ほどに報道していない。事件後、約2ヶ月間に報道された記事の件数が如 実にその差を物語っている。[1] えひめ丸 光洋丸 比率(光洋/えひめ) 朝日新聞 608件 19件 1/32 毎日新聞 644件 27件 1/25 読売新聞 629件 25件 1/25 http //www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogbd_h15/jog308.html http //www.geocities.co.jp/WallStreet-Stock/1917/ ■事件当時のTV報道 玄界灘海難事故韓国船追突ニュース(これも音声無し) 玄界灘海難事故ニュースの放送事故焦るアナウンサーが(・∀・)イイ!!) 玄界灘海難事故(03.07.05)ニュースプラス 家族現場へ 乗務員証言「(韓国船タンカーは)相手は助けるとか」「いや全然(救助活動もしない)」 玄界灘海難事故被害者家族現場へ 玄界灘海難事故韓国船フン・ア・ジュピター追突事故の判決 ■事件後10周年報道「えひめ丸報道」と比較して TV各局のえひめ丸事件10周年報道JNN・ANN・FNN(1.59くらいから) http //www.nicovideo.jp/watch/sm13559201 ■事件当時の2chなどのログ 【社会】「避けてくれると」貨物船の韓国籍航海士、容疑否認…玄界灘漁船沈没★5 http //news-kyokutou.hp.infoseek.co.jp/kako/1057208338.html 【社会】「避けてくれると」貨物船の韓国籍航海士、容疑否認…玄界灘漁船沈没★6 http //news-kyokutou.hp.infoseek.co.jp/kako/1057224288.html 【社会】「避けてくれると」貨物船の韓国籍航海士、容疑否認…玄界灘漁船沈没★7 http //ninjax.dreamhosters.com/newsplus/news2_newsplus/1057/1057237191.html ■事件当時のマスコミ報道(2ch等掲示板から引用) 03/07/02 86 名前:腐れマスゴミはちゃんと日本語使え :03/07/02 14 16 ID k9CnKX0a asahi.com 『貨物船と衝突した漁船沈没、1人死亡6人不明 玄界灘』 mainichi 『漁船事故: 福岡県沖で貨物船と漁船衝突 1人死亡6人不明』 sankei 『漁船衝突、1人死亡6人不明 玄界灘』 yomiuri 『玄界灘で漁船と貨物船が衝突、1人死亡6人不明』 なんかさーどのメディアも漁船衝突とかさ 貨物船と衝突した漁船とかさ、もうおかしくないか? これじゃ漁船が悪いみたいじゃないか? タイトルは「韓国貨物船、日本漁船に追突」じゃないとだめだろ 123 名前:腐れマスゴミはちゃんと日本語使え :03/07/02 14 23 ID k9CnKX0a 113 地元の地方ニュースだと韓国の貨物船って言ってるんだけど 全国ニュースではパナマ船籍しか言わない 405 名前:名無しさん@4周年 :03/07/02 15 30 ID k9CnKX0a 日テレきたー 435 名前:名無しさん@4周年 :03/07/02 15 37 ID cRNi5RMg 420 乗組員の中国人と韓国人の16人は無事でしたって 朝のNHKラジオは言ってたよ。 聞いてからずっと、はらたちまくり。 NHKラジオの報道は評価した 462 名前:名無しさん@4周年 :03/07/02 15 44 ID b3/DKwX+ やほーでは九州ニュースの中だけーw http //headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030702-00000073-nnp-kyu 486 名前:名無しさん@4周年 :03/07/02 15 53 ID k9CnKX0a 地方ニュースではちゃんと韓国の船会社が所有する パナマ船籍の貨物船って言ってるとこもある。 NHKは完全に韓国は言わなくなった 490 名前:名無しさん@4周年 :03/07/02 15 56 ID 0qlrUJ2r 486 産経夕刊 1面・13面共に韓国絡みとは読み取れない内容・・・ 786 名前:名無しさん@4周年 :03/07/02 17 03 ID zxbZbmwz テロ朝キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!! 案の定船長名コネ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!! 825 名前:名無しさん@4周年 :03/07/02 17 13 ID R0VIVOOp テレ凍、流しました 889 名前:名無しさん@4周年 :03/07/02 17 23 ID o1GXv+KW テレビ朝日反日国賊放送の小宮婆さんは朝鮮人が船長であることを隠蔽しやがった 71 名前:名無しさん@4周年 投稿日:03/07/03 00 38 ID DEkoiMwT 筑紫、TBSの悪質なところは、 CM前に「船衝突事故 その相手は・・・」とテロップをいれて、 CM開けの報道では、韓国や容疑者の名前も出さず 「パナマ船籍」「パナマ船」などといってるところ。 これが偏向報道でなくてなんだ? 257 名前:名無しさん@4周年 投稿日:03/07/03 01 10 ID 4ioWxwZ1 あ、そういやTBSでは「パナマ船の二等航海士を逮捕」としか言わなかったな・・・ 501 名前:名無しさん@4周年 投稿日:03/07/03 01 42 ID PwYvvM1r 筑紫哲也ニュース23のスタッフは、苦情慣れしてるよw マジで。 言質をとられないようにのらりくらいお上手だったw Q どうしてパナマ船籍だけで、韓国人の加害責任者を報道しなかったのか。 A 韓国だからって、なぜ報道しなければいけないのか。なぜ韓国にこだわるのか。 Q 韓国にこだわってるのはそちらじゃないですか。このような事件は責任者が 明らかにされるケースが普通だと思います。筑紫哲也ニュース23を見た後で他の局のニュースを見て 韓国人が加害者だと知ったわけで、なぜそちらは伏せたのか知りたいのです。 A 伏せたのではなくて、時間の都合や制作の都合ですべての情報は出せないからです。 このあとものらりくらりと20分程度やりとりが続く。 そして、おかしいと思う点を挙げても、それがすべてではない。そうとは限らないを連発するだけ 03/07/03 31 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 14 06 ID CaCtPAar NHK-BSキター! 「パナマ船籍」「ユン容疑者」としか言わず、 韓国とは一言も言わなかったよ! しかも容疑者は 「見張りはちゃんとしていた」と全面否定だと。 56 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 14 14 ID 5rolEkN7 今朝の新聞、kの事故の扱い小さかったな。。 3面記事の隅っこに載ってただけだったよ>某地方紙=つまり共同通信? 252 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 14 57 ID whYO10Y/ ええ?こんな大事件あったの? うちの朝日新聞の朝刊には全然のってないよ。 260 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 14 59 ID QdtMuKuH 252 31面にのってるよ。 259 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 14 58 ID 4rDcPEHe 252 産経も読売も大きくは取り扱ってません。 ちゃんと「チョンが船長」と報道してるのは地方新聞だけです 488 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 15 40 ID 6p5e5BYI 鳥取県 日本海新聞HP http //www.nnn.co.jp/ さすがにトップニュースです 次スレからはこれも1にいれて欲しいです ちなみに 鳥取asahi.com http //mytown.asahi.com/tottori/ 完全無視を決め込んでいます 県民の皆さん、どう思われますか? 515 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 15 44 ID TBtQnsoH >鳥取県 >日本海新聞HP >http //www.nnn.co.jp/ そうだよな、この反応が普通だよな。 最近のテレビを見てると俺のほうがおかしいのかと だんだん混乱してきたところだった>< 586 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 15 55 ID eW1AECLZ 「レーダーと肉眼で光洋丸など数隻を確認した。眠っていないし、見張りの義務は果たした」 と否認。その上で、「光洋丸が動いて避けてくれると思った」と供述しているという。 「貨物船の船首が光洋丸の左舷中央にほぼ直角に衝突した。 漁灯や汽笛で何度も警告したが、貨物船は減速しないで突っ込んできた」 なるほど。 「漁船を確認したのにもかかわらず 『漁船が動いて避けてくれるだろう』と勝手に思い込んで 減速もせず警告も無視して漁船に突っ込んだ。」 と。 「漁船が動いて避けてくれなかったのが悪いニダ!!」としか読めない。 http //www.yomiuri.co.jp/national/news/20030702i512.htm コンテナ船は光洋丸の左舷中央付近に船首から衝突したという。 光洋丸は網を広げていたため動けない状態だった。 普通は何度も漁灯や汽笛で警告すれば止まるはずだよねえ…? 何をもって「見張りの義務は果たした」とか言ってんの? 一人死亡6人行方不明で未だに謝罪の一言も出てきてないっぽいし。 日韓関係がどうこうとかメンツを立てて…とかたかが一隻の事故だろとか ネタとか釣りでなくマジで言ってるんだったら相当頭おかしいよ?>yP+ohHyN それに以前、日本だって潜水艦が民間船に特攻して撃沈した事件もあるだろ。 ごめん、その事件知らないのでソース下さい。 つーか「日本だってやったんだからいいだろ」はおかしい 807 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 16 31 ID npe05PGx 続報全然出てこないよ~ 894 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 16 45 ID whYO10Y/ 日経新聞はでかでかと載ってた。 ちゃんと韓国人って書いてあったし。 いいぞ!にっけい! 918 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 16 47 ID LByM4ACd 888 事故直後の地元テレビのニュースで、救助された船員へのインタビューから。 ライトを消してってのはNHKのニュースでも言ってたな。 22 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 18 28 ID /YWUC8ob 18時のテレビニュースをあれこれ見てるが、 これを取り上げた全国版はあったか? なかったような気がする。 34 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 18 31 ID EdO0tnYd 19 6人も行方不明なのにおかしすぎるよ。 まだ1日しか経ってなくて捜索中なのに。 なんなんだこのマスコミの無関心さは? 漁師なんて(゚⊿゚)イラネとでも思ってるのか? 38 名前:. :03/07/03 18 31 ID fQdGp7Ku 福岡FBS(読売系)は、18時のローカルで韓国の船会社に電話しているよ 航海士はこの航路の経験は5ヶ月で経験はあるほうだと答えていた さすがに事故現場が近いから詳しく言ってるなこれから他局(KBC.RKB) チェツクします。 45 名前:.38 :03/07/03 18 32 ID fQdGp7Ku KBC(朝日系列) 捜索の模様を述べただけすぐ終了最悪 52 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 18 34 ID HAO9ZNN2 テロ朝で10秒位やってたけど、韓国は無論、ユンの名前も出なかった。依然行方不明のままです、で終了。 76 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 18 39 ID qrJZz0vm 漁船の船員のインタビューを取ってきた山口放送を讃えたい 77 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 18 39 ID mHheQ2S/ http //www.nishinippon.co.jp/media/news/news-today/morning_news003.html 救助された第18光洋丸の乗組員らは「貨物船の船首が光洋丸の左舷中央にほぼ 直角に衝突した。漁灯や汽笛で何度も警告したが、貨物船は減速しないで突っ込ん できた」と証言している。 88 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 18 41 ID 7RqhyaO6 朝はやってもそれ以外は進展なしならスルーか。 行方不明とぶっておいてこれじゃあ TBSのところまでみんなで堕ちていくつもりか? マス各社 93 名前:.38 :03/07/03 18 41 ID fQdGp7Ku 今からRKB(TBS)系やります 韓国人であることを実名で述べています フン・ア・ジュピターの前でレポーターが放送しています 後は現在の捜索状況で終了 事故現場が近いせいか韓国人であることは隠しませんでした この放送が全国系列で流されるものと思われます 100 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 18 42 ID d5ztyglB 福岡のニュースでやってた 容疑はほぼ全面的に認めてるみたいだよ 101 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 18 43 ID htlKnsWE ニュースの森の杉尾が 取り上げていない。 行方不明の6人 境港の漁民を差別する報道姿勢だ 米国の原潜とえらい違い 125 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 18 47 ID htlKnsWE フジテレビ 安藤優子は 取り上げなかった フジテレビ 西村喜久江は 取り上げなかった 134 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 18 48 ID htlKnsWE 日本テレビ 笛吹雅子は 取り上げなかった 142 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 18 50 ID htlKnsWE テロ朝 小宮悦子は 取り上げなかった 243 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 19 06 ID i9bl5PRA 昨日のNHK7時ニュースは衝突シーンのCG作ってがんがってたのにな。 今日は続報もやらなかったら、ヽ(`Д´)ノウワァァァン 329 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 19 17 ID 6p5e5BYI NHKラジオを聞いていたんだけど、だんだん取り扱う時間が長くなってる気がする 412 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 19 28 ID qb+Qpqlw NHKは昨夜のニュースでは 「韓国人航海士が逮捕されました。」 と言ったよ。俺はそれで知ったんだから ■事件当時の新聞報道 朝日新聞 2003年(平成15年)7月2日(水)夕刊15面 漁船沈没6人不明 福岡沖・玄界灘 コンテナ船衝突一人は死亡 2日午前2時25分ごろ、福岡県大島村・沖の島の北東約25キロの玄界灘で鳥取県境港市の共和水産所有の巻き網漁船第18光洋丸 (135トン、櫨山良一船長ら21人乗組み)に、パナマ船籍のコンテナ船フンア・ジュピター(3372トン、 ジョン・ナ・ギュン船長)が衝突し、光洋丸が沈没した。漁船の17人のうち11人は僚船に救助さえたが、 網長の山下一宏さん(43)=鳥取県境港市=は病院で死亡した。残る6人は行方不明。 数分前から汽笛で合図 巡視船や航空機などが捜索中だ。門司海上保安部は、コンテナ船の乗組員を業務上過失往来危険や 業務上過失致死の疑いで逮捕する方針。 調べによると、光洋丸は小型作業船を含む6隻でアジ漁をしており、当時は網を広げていたため、移動が できなかった。 近づくコンテナ船に気づき、衝突の数分前から6隻で汽笛を鳴らしてライトを点滅させ、コンテナ船 の船橋を照らして合図を送った。だが、コンテナ船は進路や速度を変えず、船首がほぼ直角に光洋丸 の左舷中央にぶつかった。光洋丸は1分もせぬうちに沈んだという。 コンテナ船は24時間、見張り役の2人を立てることが義務付けられており、居眠りなどの疑いも出ている。 光洋丸は6月28日に下関市の漁港を出航、2日午前2時ごろから僚船とともに漁をしていた。乗組員 の21人のうち4人は小型作業船に乗り移っており、衝突時は17人が乗船していた。 コンテナ船は韓国人や中国人の16人乗組み。韓国・釜山港から広島港に向かっていたという。 福岡管区気象台によると、当時は海上濃霧警報が出ていたが、現場の海域の視界は比較的よかったのでは ないかという。 救助の甲板員「だめだ、と思った」 「もうだめだ、助からん、と思った」甲板員の榎本勝さん(45)=山形県温海町=は収容された 山口県下関市の病院で話した。 船の後尾で網をワイヤーで巻き上げていた時、周りで大声がした。顔を上げると、目の前に大きな船 「ダーン」という激しい衝撃の後、甲板が一気に傾き、海水が押し寄せてきた。気がつくと、海の中に居た。 もがきながら必死にかっぱと長靴を脱いだ。なかなか海面に浮かびあがれない。 手を伸ばすと、網を浮かす数珠つなぎのフロートがあった。夢中でつかんだ。ほかに3人がつかまった。 みんなで「おーい、おーい」と大声で助けを呼んだ。5~10分くらい後、僚船に助け上げられた。 「かっぱを脱げなかったら、間違いなく死んでいただろう」 機関員の大水信夫さん(46)=長崎県新魚目町=も船の後方で網を上げていた。コンテナ船の接近に 気づき、周りの仲間に「来るぞー」と声をかた。次に見たときは、目前まで迫っていた。 「ものすごく大きく、山のようだった」。次の瞬間、海に投げ出された。 甲板員の井出渕貢さん(44)=同=は「相手の船は10分前から見えていた」と話した。コンテナ船 が速度を落とさないまま左舷にぶつかってきた。船長が「海に飛び込め」と叫ぶのが聞こえた。 2003年(平成15年)7月3日(木)34面 当直責任者を逮捕 コンテナ船漁船衝突で 福岡県沖の玄界灘で2日未明、鳥取県の巻き網漁船第18光洋丸に、パナマ船籍のコンテナ船フンア・ジュピター が衝突し、沈没した漁船の乗組員1人が死亡、6人が行方不明になった事故で、門司海上保安部(北九州市) は同日、見張りが不十分で事故を引き起こしたとして、コンテナ船の航海当直責任者で2等航海士のユングテ 容疑者(21)を業務上過失往来危険と業務上過失致死の疑いで逮捕した。「光洋丸など数隻の船が 居るのは確認していた。直前には衝突回避も試みた」と容疑を否認しているという。 調べではユングテ容疑者海上衝突予防法で定められている操業中の漁船を避ける義務があったにもかかわらず 漁船に衝突、沈没させ、乗組員を死亡させた疑い。 ユングテ容疑者は「衝突の30分ほど前から肉眼とレーダーで確認したが、イカ釣り船や底引き網漁船 だと思った。漁船側が衝突を回避できると思った」などと供述。操業中に急な方向転換や移動がしにくい 巻き網船団だとは思わなかった、との認識を示しているという。 海保によると、衝突する数分前から、光洋丸や僚船など6隻が汽笛を鳴らし、ライトを点滅させる などの合図をしたが、コンテナ船はコースを変えず、速度も落とさないまま、光洋丸の左舷中央部にほぼ 直角にぶつかったという。音響測深機で同日午後、水深約110メートルの現場海底に沈んでいる光洋丸が 確認された。 漁船の乗組員6人は行方不明のままで、巡視船などが捜索している。 毎日新聞 2003年(平成15年)7月2日(水)夕刊1面 漁船員1人死亡6人行方不明 玄界灘コンテナ船と衝突、沈没 2日午前2時25分ごろ福男件大島村の沖ノ島東北約25キロの玄界灘で鳥取県境港市栄町、共和水産 所属の巻き網漁船「第18光洋丸」櫨山良一船長(34)ら二十一人乗り組み、135トン=と、 パナマ船籍のコンテナ船「フンア・ジュピター」じょんなきゅん船長(55)ら16人乗組み、3372 トン=が衝突。漁船は間もなく沈没し1人が死亡、櫨山船長ら6人が行方不明となった。また、8人が けがをし、うち2人は骨折などの重傷(社会面に関連記事) 同保安部の調べでは、漁船は当時、計5隻の船団で操業中。網を入れて約20分後、漁船の左舷 中央部にコンテナ船の船首部分がほぼ直角に衝突し、小型船で作業中だった4人を除く17人が 海に投げ出されたとう。このうち11人は僚船に救助された。11人のうち網長の山下一弘さん(43)= 境港市清水町=はヘリで福岡市内の病院に運ばれたが、午前7時過ぎに死亡が確認された。水死だった。 9人が僚船で山口県下関港に入港し、病院で手当を受けた。 漁船は6月28日に下関港を出港し、アジや鯖漁をしていた。コンテナ船は韓国・釜山港から 広島港へ航行中だった。韓国人13人、中国人3人が乗り込み、事故当時は4人が当直中だった。当時 現場は北北西の風12メートル、波は約1メートルで比較的穏やかだったという。コンテナ船は2日 午後1時過ぎ。北九州市の門司港に入港した。同保安部は、業務上過失往来妨害などの疑いで乗務員 から事情を聞く。【立石信夫】 2003年(平成15年)7月2日(水)夕刊9面 玄界灘衝突「沈没まで一瞬」救出の漁船員、青ざめ 「相手はまっすぐに突っ込んできた」「沈没まで一瞬だった」救助された漁船の乗組員たちは、コンテナ船 と衝突した恐怖の瞬間をこう語った。2日未明、福岡県沖の玄界灘で起きた沈没事故。鳥取県境港 市の巻き網漁船「第十八光洋丸」網長が死亡し、6人は行方不明のままだ。関係者は不安な表情で情報収集 に追われた。 僚船の「第6海幸丸」に救助された9人は2日午前6時過ぎ、山口県下関市の下関漁港に到着した。待機していた 救急車で、市内の3病院に搬送された。 「まっすぐ突っ込んでくるような感じだった。赤と白の漁業灯をすべて点灯し、サーチライトで 相手の甲板を照らしたり、ホーン(汽笛)も鳴らした。なのにコンテナ船はコース変更もせず速力 もそのままだった」足羽船長は衝突直前の様子をそう語り、悔しそうな表情を浮かべた。 足羽船長によると、自船第6海幸丸は沈没した第18光洋丸の左舷側約420メートルで作業を していた。「衝突音は分からなかったが、気がつくと(光洋丸)影も形もなかった。コンテナ船は 2マイルほど進んで停止したようだ」と話した。 衝突後、船団の作業小船2隻が9人を救助し、第6海幸丸に移した。海水を大量に飲んで一時は 意識のない人もいたが、間もなく回復したという。救助され、下関到着後に足をひきずりながら自力 で下船した機関員、大水信夫さん(46)は「衝突があって(沈没まで)一瞬だった」と言葉少な。 通信士の松添松好さん(52)は救急車内の長椅子に腰掛けたまま「沈没まで1,2分だったろう 開いていた操舵室の窓から脱出した。海上で、近くにいた3人と励まし合いながら、「おーい」と助けを 求めた」と青ざめた表情で話した。 読売新聞 2003年(平成15年)7月2日(水)夕刊19面 玄界灘漁船沈没1人死亡 貨物船が衝突、6人不明 二日午前二時二十五分ごろ、福岡県大島村・沖ノ島お北東約二十五キロの玄界灘で操業中の鳥取県境港市 栄町、水産会社「共和水産」(和田耕治社長)所属の巻き網漁船「第18光洋丸」=135トン、 櫨山良一船長(34)ら二十一人乗り組み=に、パナマ船籍のコンテナ船「フン・ア・ジュピター」 (3372トン、十六人乗り組み)が衝突、光洋丸は間もなく沈没した。 光洋丸の乗組員のうち、僚船に移って作業をしていた四人を除く17人が海に投げ出され、十一人が が僚船に救助されたが、網長山下一弘さん(43)(境港市清水町)が死亡、機関員平瀬秀美さん (40)と甲板員山下正一さん(36)が手を骨折するなどのけが。櫨山船長ら六人が行方不明となり 第七管区海上保安部や門司海上保安部が巡視艇やヘリコプターで捜索している。下関消防署によると 、ほかに六人が軽いけがをしているという。コンテナ船の韓国、中国人計十六名の乗組員にけがは なかった。調べによると、コンテナ船は五隻の船団で漁をしていた光洋丸の左舷中央付近に衝突 した。船団はライトや警笛で警告したがコンテナ船が突っ込んできたといい、門司海保はコンテナ船 の船長から業務上過失致往来妨害などの容疑で事情を聞く。門司海保によると、当時、現場海域 は波の高さ一メートルと比較的穏やかで、視界も良好だったという。 光洋丸の通信士、松添松好さん(52)らによると、光洋丸が現場海域で操業を始めたのは午前 二時過ぎ。間もなくレーダーで約八キロ先のコンテナ船を確認し、三、四キロの距離に近づいた ころ肉眼でも見えるようになった。光洋丸は衝突の瞬間に転覆、一分ほどで沈没したという。 当時光洋丸は巻き網を揚げる作業の準備中で、エンジンは停止しており、巻き網が絡まる恐れ があって船は動かせなかったという。乗組員の大半は救命胴衣を着用していなかった。 松添さんは「貨物船はまっすぐ突っ込んできた。居眠りではないか」と話、機関員の大水信夫さん (46)は「海中に投げ出され、懸命にもがいた。なかなか海面に出られず、死を覚悟した」と ショックを隠せない様子だった。 櫨山船長以外の行方不明者は次の通り。敬称略。 漁労長・小島幸則(51)(長崎県上五島町)▽甲板長・新川増美(40)(鳥取県境港市蓮池町) ▽機関員・切江淳一(49)(上五島町)▽調理員・福田博昭(32)(長崎県玉之浦町)▽ 機関士・池田久(35)(境港市外江町) テレビ欄 NHK ニュース7 漁船沈没で捜索続くその時なにが 2003年(平成15年)7月3日(木)14面 玄界灘漁船沈没貨物船の航海士逮捕 福岡県沖の玄界灘で二日未明、操業中の巻き網漁船「第十八光洋丸」(135トン)にパナマ船籍の コンテナ船「フン・ア・ジュピター」(3372トン)が衝突、光洋丸が沈没した事故で、門司海上保安部は 同日夜、コンテナ船の見張りが不十分だったのが原因として、船橋の当直責任者で二等航海士の 韓国人ゆんぐぐって容疑者(21)を業務上過失往来危険と業務上過失致死容疑で逮捕、公開に日誌 などを押収した。 第十八光洋丸の乗組員のうち、行方不明となった櫨山良一船長(34)ら六人は依然行方がわからず 第七管区海上保安部(北九州)などが捜索を続けている。 2003年(平成15年)7月7日(月)34面 漁業取締船衝突し浸水 玄界灘、不明者捜索中 六日午前七時三十五分ごろ、福岡県沖ノ島の東北約五十キロの玄界灘で、水産庁九州漁業調整事務所 (福岡市)所属の漁業取締船「からしま」=499トン、小野寺隆一(42)船長ら十六人乗組み =の左舷前部に、韓国船籍「コレックス・クンサン」=4044トン金 ら十三人乗組み=の船首 が衝突した。からしまの乗組員は全員、近くにいた別の漁業取締船に救助されたが、二等機関紙、畠山 ミツオさん(56)(宮城県気仙沼市東みなと町)が軽傷を負った。クンサンの乗組員にけがなどは なかった。 福岡海上保安部などの調べによると、からしまは巡視船などとともに、現場から約二十五キロの海上 で二日コンテナ船に衝突さあれて行方不明になった巻き網漁船「第十八光洋丸」の乗組員六人を 捜索中。からしまは船首部分がほぼ水没、サルベージ船がえい航できるか検討している。事故当時 現場海域には海上濃霧警報が発令中で、視界は約四百メートルと悪かった。 福岡海保は業務上過失往来危険の疑いで両船の関係者から事情を聞いている。小野寺船長は「 クンサンが早めに舵を切ってくれれば、衝突はなかった」と話している。 ■関連事案 イージス艦あたご 漁船清徳丸衝突事件報道について 護衛艦くらま衝突・炎上事件の正体 日本共産党の正体 社民党の正体 マスコミに潰された者 日韓交流の実状
https://w.atwiki.jp/porepole3/pages/26.html
#これにあわせて、http //www20.atwiki.jp/porepole3/pages/13.htmlの政策を提出します 協力していただいた方 宰相府の皆様 ISSの皆様 越前藩国様(情報戦およびオペレート) 土場藩国様(気象操作装置) ISSを通して来て頂いた、有志の皆様(http //p.ag.etr.ac/cwtg.jp/bbs2/23578) 対策 基本構想 SS1閑話 SS2 対策 白亜宮の完成が先送りにされ、落成にあわせた披露宴日取りを少し遅らせてスケジュールを組んだのは、理由がある。 ペルセウス・絢爛・レムーリアの三正面作戦を前に、しかもその前に結婚式という要人が集まる場があるのだ。誰かが何かをするにはもってこい。そう、考えた。 想定したのは、爆殺・毒殺・狙撃、そして直接攻撃である。対する星鋼京のアプローチはこうであった。 仮に賊が現れるなら、手段を直接攻撃に限定させる。かつ、同時刻で別の場所で問題を起こすような、陽動の可能性を減らす。 まず取り掛かったのは、白亜宮製作の出入り業者のチェックである。何か妙なものを持ち込んではいないか、壁に爆弾でも埋め込もうとしてないか、照明に照らされた模様が何かの魔方陣になっていないか…。 白亜宮には、奇眼の血も取り入れるという事で、最小限ながら魔術的要素が組み込まれている。このバランスを破壊され、遠隔的に害を与えられる事は避けねばならなかった。 空港、駅、港などの交通網の要所と、藩国内の街灯周辺もチェック。街灯を利用したテロ行為はまだ記憶に残っており、それらが再利用される事も懸念された。同時に国内の橋を含む主要建造物の増築・改築に関してもチェックが入れられた。これは白亜宮と同じ理由でもあり、陽動テロの危険をつぶす面を持った。 また、トレーサビリティ関連のみならず、その他の荷物の出入りも幅広くチェックを行われ、兵器・核・その他危険物の持込を禁止した。後にこれらの荷物チェックは、公共事業として正式に発注・継続される事になる。 合法的なものかつ危険物については、在庫管理の徹底を義務とするに留まっている。当然、警備期間中の一定距離内への持ち込みも禁止された。 毒殺については、披露宴のスタッフに身元の確かなものを配置し、作業前の本人チェックと食材・飲み物の検分を行う事で対処した。これらの手間の侘びとして、少し彼らの賃金を足している。 給仕などはバトルメードの職を持つものから選抜し、何かあったときの護衛を兼ねる。これは同時に暗殺者足りえるので、身元の確認もしっかりと行われた。 爆殺に関しては、解体に人員をとられる危険性を考え、液体窒素を用意した。 過冷却によって、タイマーなどの部分ごと物理的に爆発しない状態にし、安全な場所まで運ぶ作戦である。噂に聞いた生物兵器を取り付けた爆弾に関しても、同じ対処をする予定であった。こちらは過冷却でケースが破損して中のものが流出するのを防ぐため、特殊な袋をかけて凍結する手順になっていた。 ちなみに何度かのテストの結果、幾人かの凍傷の労災認定と共に実用性が確認された。 これらは摂政・御鷹の元、臨時に雇用された10000人の設定国民(これも就業率に計上されている)の中から魔法使い系及び世界解析が使用可能な風の中心を探すものアイドレスを持つものが魔法の知識を担当し、整備士を中心としたものが科学技術分野を担当、三重のクロスチェックのもと一月かけて終了させた。勿論、初めの方にチェックしたものに細工されても困るので、あとからランダムに選出した箇所をチェックする事も忘れない。これらは一部当日の阿弥陀で決められ、情報漏れ対策に当てられたといわれているが、事実は不明である。 #月3000*一万人*一ヶ月=3000万 当日及び要人の移動が集中する日は、各移動ルート上の建造物に人員を配置。狙撃ポイントをつぶしにかかる。 加えて、表向きは披露宴の警護としてISSへの打診を行った。当然、事前に案を提出し、向こうの検分を受ける手はずである。 皇帝軍にも話を通した。信用されていないのは承知の上であるが、連絡不足による穴を突かれるのは避けたかった。 期間中は医師も詰めてくれる事になっていた。これに併せた訳ではないが、星鋼京の警察・病院・消防署をISSに管理して貰う事も打診している。消防署は陽動によって災害が発生した場合の備えである。問題発生時には街灯の停止も指示している。 裏では人員を星鋼京の兵器庫にも回した。宰相府から運ばれてくる絢爛向けの兵器に手を出される事は避けたかった。 酷い話を言えば、要人が何人死のうが(星鋼京としてみれば激烈に困るが)大勢に問題が出そうには無かった。 だが皇帝は別である。その後の混乱は計り知れず、亡くなってしまえば星鋼京と帝室との関係も困った事になりかねない、何よりまあ、新婦の縁者を死なせる訳には行かない。 語弊のある言い方をすれば、ここまでやっても本命には意味がないだろうと思っていた。 そう、短剣を操る白いサマーセーターの男である。奴は絶技で飛んでくる。そして皇帝が射撃無効なのを知っている。そして近場の人間と入れ替わる… 不安は尽きなかった。 /*/ 基本構想 ICG 白亜宮落成式の警備方法を記述する f:警備の大前提 = { 1:ペルセウス・絢爛・レムーリアの三方面の作戦を前に控えた時期である 2:結婚式という要人が集まる場であり、さらには皇帝も参列する 3:白いサマーセーターの男の目撃情報が出た。これは例の男の影を示唆する証拠である 1・2・3から、何らかの妨害が起こる可能性が高く、警備に尽力する必要がある } f:警備の事前準備 = { ISSに当日警備の依頼を出し、藩国内人員も可能な限り協力する 宰相府にも警護の協力依頼を出し、公式の招待状も手配する 皇帝軍にも話を通し、非常事態には出動要請を行い、また皇帝の星鋼京外への出立時の警備に穴が出ないよう、警備方法と手順について相互確認しておく よりVIPに近い場所の警備に当たる人員を身元、経歴などで選別し、魔法その他による異常状態になっているものがいないかチェックする TLOに関する、あるいは世界の問題にかかわる能力を持つ人には、それを封印してもらう(治癒師の特殊など) } f:警備の事前準備2 = { EV127事前偵察で使用した天候操作装置を土場から借りて蒼龍に配備、雲を利用した魔方陣などに対策しておく 越前藩国の協力の下、ISSに出向中の犬士の方たちによる、情報処理サポートを受ける 外交的に問題がある行動を取るとき、宰相府かISSを間に通して問題を解消・緩和できないか先方と協議し、手があればその解決案を採択する #土場はあさぎさんに、越前は黒埼さんに話を通しています 参列者の中でNWに好意的なACEには予め話を通し、有事のための協力を要請しておく(危険時のパニックの沈静化・覚悟を決めておいてくれなど) #星鋼の生活ゲームに以前同席したしらいしさんに、「何かあるかも知れません」と相談しました。当人が参列するかは判りません } f:対アンデッド基本作戦 = { 呼吸器系まで換装したフルボーグなどを除き、呼吸をしていないあらゆる人間を治安計画に組み込まず、かつチェックする。病院の霊安室などの常識的な場所に居る存在も、念のためチェックする(夫の故郷に埋葬したいのです、などといって、死体として入国されても困るので) ゾンビに対しては投網などで動きを封じる作戦に出る。銃を構えたり、腕をちぎって投げてくるような相手で無い限りは、動きを止めて遠距離から攻撃すればどうにかなる。屋台の焼きそば屋のプロパンガスのボンベを投げつけてふっ飛ばしてもいい スケルトンには放水を活用する。骨の比重は水より軽いため、消火用の放水ホースなどで転倒させれば一時的に無力化できる。この方法なら周囲の民間人への被害も少ない。流れ水(?)で風邪を引いたら見舞金を出す。転倒させて有利な修正を稼いでから処理する。可能ならば腰骨・背骨を優先して破壊し、人体として直立できない状態にするのを狙うと良い } f:宰相府への兵站システム使用要請 = { <f:警備の簡単な序列>で一位に書いてある御鷹は、PPGに名義がある。これを元に、可能であるならば本警備で発生する燃料消費に宰相府の海軍兵站システムを適用させてもらう 兵站システムが適用されれば燃料消費は楽になり、予算と言う縛りが一部緩和されるので、より景気良く行動できる(その分治安維持能力が上がる)。 f:警備の簡単な序列 = { 一位:御鷹摂政 二位:ISS(ISS内の序列は向こうにお任せする) 三位:星鋼京の人員(ポレポレ・キブルゥ他) 四位:警官・消防隊員 なお、なお、御鷹摂政は基本的にISSの要請に同意する } f:ISSに知恵を借りる = ISSはNWの治安を守っている実績がある。その知恵を借り、より効率的に警備シフトを作成できる。 f:建造物のチェック = { 主な建造物は、建築途中から可能な範囲でチェックしておく。困難な場合は、ISSと相談して適宜省略する。 f:建造物のチェック内容の例 = { 1:出入り業者のチェック(何か妙なもの・素材を持ち込んではいないか、など) 2:建築中のチェック(壁に爆弾でも埋め込もうとされてないか、など) 3:構造のチェック(照明に照らされた模様が何かの魔方陣になっていないか、など) 4:不振物のチェック(何か仕掛けが施されていないか) } f:建造物のチェック対象 = { 白亜宮{白亜宮は、奇眼の血も取り入れるという事で、最小限ながら魔術的要素が組み込まれている。このバランスを破壊され、遠隔的にTLO化を含む害を与えられる事は避けねばならなかった} 空港、駅、港などの交通の要所 街灯などの照明設備{街灯を利用したテロ行為はまだ記憶に残っており、同じ手口も懸念された} 増築・改築された国内のそれなりに大きな建造物 河川に掛かる大型の橋(爆破などで移動を制限されると困るので) 上下水道施設(毒物混入騒ぎを避ける) } } f:国内外の荷物の出入りチェック = { 商業港・空港・鉄道で荷物の持ち込み検査を開始する。 兵器 核 その他危険物(帝国法に準じる) 以上の、藩国の許可を伴わない藩国外からの持込を禁止する 合法的かつ危険物については、現存するものは管理者による在庫管理の徹底・情報提出を義務とする。披露宴期間中の一定距離内への持ち込みも禁止。やむをえないと判断された場合には、管理者の名義確認・用途・容量のチェックを行い、その上で監視つきで通す 追記:後に、公共事業として星鋼京内で継続される。 } f:殺害方法に対する対策 = { 毒殺対策{ 披露宴のスタッフに身元の確かなものを配置し、作業前の本人チェックと搬入資材・食材・飲み物の検分を行う事で対処する 給仕などはバトルメードに連なる職を持つものから選抜し、何かあったときの対処人員(医師の手配・応急処置など)を兼ねる 手間の侘びも兼ねて、少しスタッフの賃金を足す } 爆殺対策{ 毒殺対策の資材チェックと一緒に、危険物の持込をチェック, 爆弾を発見した場合、液体窒素(アイドレス工場などの工業筋から調達する)で冷却し、安全な場所での爆発処理を試みる, 生物兵器を併設するタイプの場合は、入れてある容器が破損しないように耐圧容器でくるみ、冷却する。なお、作業中の凍傷には、労災を認める } f:狙撃対策 = { 当日及び要人の移動が集中する日は、各移動ルート上の建造物に人員を配置。狙撃ポイントをつぶしにかかる。 } 呪術・魔法対策 = { (いれば)神殿の僧侶や、知識のある魔法使い系の人員に巡回をお願いし、それらに関係するようなものが無いかをチェックして回り、ある場合は解除を試みる。手に負えない場合は宰相府その他の魔法エキスパートに連絡し、情報を請う。連絡回線は越前藩協力のサポート部隊により保持する } } f:対策人員 = { <f:建造物のチェック>および<f:殺害方法に対する対策>は、摂政・御鷹の元(同調判定絶対成功の特殊により)、臨時に雇用された10000人の設定国民(これも就業率に計上されている)が、三重のクロスチェックのもと二月かけて終了させる, 勿論、初めの方にチェックしたものに細工されても困るので、あとからランダムに選出した箇所をチェックする事も忘れない。これらは一部当日の阿弥陀で決められ、情報漏れ対策に当てられたといわれているが、事実は不明である, #月5000*一万人*一ヶ月=5000万 整備士・舞踏子系アイドレス所持者が科学関連の視点から、魔法使い・精霊使い系アイドレス所持者が魔法関連の視点からチェックする } f:問題発生時の備えあれこれ = { 星鋼京の警察・病院・消防署をISSに管理して貰う事を打診しておき、正常機能を取り戻させる(その為の雇用拡大を藩国経済の許す範囲で行う), 大事になる場合は、星鋼京国軍非常事態時行動規則(http //www.awg-fsmd.jp/~machinpia/idress/etc/approach/02/02b.html)を適用する。非常事態宣言の発令は現地の藩王・摂政のどちらかが行う(判断は他の人でいい)。また、藩王や摂政が行動不能になる場合を考慮し、先の両者に連絡が取れない場合、現地での合議で決定するISS職員1名にこれの発動件を貸与する, 現在の星鋼京の治安維持能力37(ショップ調べ)・災害救助能力20(消防署15+市民病院5) } f:祭事中の設定国民の避難について = EV124前に初心者騎士団から頂いた避難訓練のデータを元に、避難場所を設定・告知しておく。また、避難場所にトラップなどを仕掛けられていないかあらかじめチェックする。 f:対策本部 = 藩国の真ん中に位置する警察署を間借りする。オペレート行為が出来る犬妖精や舞踏子などのアイドレスを持つ人員を配置し、各方面との連携を取る。連絡回線は越前藩協力のサポート部隊により保持する f:警護人員 = { シーズンオフで被害にあった3万人の補充と、さらに消防署の要員を含む3万の追加雇用を行い、これに当てる, ISSの管理下の施設に配置し、指示によって治安維持に当たる, 当日は無線を配備し、各所の伝達の即時性を高める。また、定期連絡を密とし、以上があった場合にすぐ判る様にする } f:警護人員のその後 = 本人の希望を尊重するが、特に異議が無ければ各種公共施設の人員として雇用する f:病院の機能回復 = { <f:警護人員>で雇用した方の中から、メード系などの応急手当の心得のある方や受付・事務処理能力のある方を病院に待機させ、贈られて来るであろう負傷者の対応に当てる。 生物資源3万トンを国庫からだし、軽症者への医薬品(包帯・傷薬など)を生産して病院に配置する #BK警備保障がしまっていたため、青十時の常備薬が購入できませんでした。 } f:星鋼京の兵器の貸し出し = 職務上で有用であれば、ピケ・ダックスなどの一部兵器を警備人員に貸し出す。無理な場合はISSへの寄付と言う形をとる。 f:医療スタッフの迅速移動 = 歩兵みなしを持つ医療可能なACEや、みなしにレーサーを持つ猫野和錆氏に、(断られなければ)ピケを貸与し、現場への移動に役立ててもらう f:本命 = 例のサマーセーターが現れる事を想定し、皇帝の身辺警護には限られた人員のみつける。絶対成功などの能力を持つものが居れば、他の警備に抵触しない範囲で優先して配置する。 f 孤児たちの面倒 = 白亜宮の一部に場所を用意し、衣・食・住の確保をする,ポレポレの持つ資産からチョコレートを送る。 IWG 以上 /*/ SS1 一通りの白亜宮でのイベントがつつがなく終了し、皇帝は帰る事になった。 無論自家用ジェットであるが、空港に行く事に変わりは無い。 数名の護衛を引きつれ、空港のV.I.P席で珈琲を飲んでいた所だった。 『ソレ』が現れたのは。 白いサマーセーターに短剣を持っている。 無造作に振るった、短剣が、ヒュンと、風斬り音を立てた瞬間。 ぼとり、と何かが落ちる音がした。 ついで、噴出す生暖かい紅い液体。 飛んだのは首、噴出したのは血と悟る僅か0.2Sec。 空港は狂乱の渦へと巻き込まれた。 ギィィィンキィィンギィン!!!! 響く剣戟。 皇帝の剣と白いサマーセーターの男の短剣が交差する。 実力は恐らく白いサマーセーターの方が上か。 しかし、短剣と通常の剣。そのリーチの差と皇帝としてのプライドだろうか、が状況を膠着させていた。 そして 「っち、GT!!弾丸が底を尽きそうだ、お前の方は幾つ残ってる!?」 「こっちも余裕は無いですって!!御鷹さんは!?」 「すいません、もうこれが最後です」 職務で離れられないフシミに変わって、皇帝を見送りに来た、LC、GT、御鷹の三人もそれぞれ奮闘を続けていた。 白いサマーセーターの男が現れると同時、無数のゾンビが現れた。 空港の警備隊も当初こそ応戦していたものの、ゆっくりとその数を減らしていた。 そしてこの三人は何とか皇帝にゾンビを近づけまいと、壁を作っていたのである。 「くっそ、阿鼻叫喚の地獄絵図だな……!!」 ドズン、とゾンビの頭を撃ち抜いたLCが吐き捨てる。 「そろそろヤバイですね……これが最後です」 最後のマガジンを銃に詰めながらGTが告げる。 「今、ポレポレさんに支援を求めています、あと少し、何とか持ちこたえてください」 兼ねてより、デリンジャーしか持ち合わせていなかった御鷹は何とか外部との連絡を取ろうと躍起になっていた。 ちらり、と皇帝の方を見やる。 流石は皇帝、といった所か、あの白いサマーセーターの男、クーリンガンを前にして一歩も引いては居ない。 しかし――……勝つ事は無いだろう、とも思う。いや略それは確信だった。 恐らく皇帝は勝てまい。このままでは、恐らく皇帝は死ぬ。 御鷹の脳に最悪の絶望が写った瞬間…… ガション GTとLCの銃が仲良く弾切れした。 此処まで銃弾で何とか皇帝の所へゾンビを足止めするのと共に、自分達の命を保ってきたのだが…… その命綱が断たれた。 「………くッ」 終わり、だと思った――次の瞬間。 スパン――…… ドズム………!! 斬撃の音と、打撃音が響いた。 LCが手に持った二本のククリで、GTが警棒で、それぞれゾンビを纏めて数体見事に蹴散らしたのである。 「え?」 御鷹が感嘆を漏らす程に、見事な手際であった。 「いやいや、こんな所で使う事になるとは……」 「密かに特訓していた甲斐がありました」 トン、トンとリズムを取る二人。 未だ希望はある。ほっと安堵を取ると同時、再び御鷹は外部との接触を試みた。 数分後。 「無理が、あったな……」 「ありましたねぇ……流石にこの数相手にククリと警棒じゃ……」 三人は見事に追い詰められた居た。 これ以上下がれば皇帝とクーリンガンとの戦闘圏内だ。 それは即ち、自分達の死と、皇帝の死さえ意味していた。 散発的な銃声や悲鳴、怒声を聞く限り、未だ生存者は居るのだろうが、救援に駆けつけてくれるとも思えない。 ぎり、と御鷹は唇を噛む。外部との連絡は未だ取れない。 「……アレがあれば……もう少しは保つんだが……」 「確かに……此処はアレ、しかありませんね……」 LCとGTが同時にうなずきあう。 「な、何ですか!?それはッッ!!」 御鷹が食いつく。後少しで外部との連絡は着く。それまで持たせられればあるいは――…… 「うむ、ツンデレだ」 「へ………?」 「ツンデレです」 「は………?」 大事な事なので二回言いましたッ面のGTとLC。 「いや、ええっと………」 言葉に詰まった御鷹だったが…… 「べ、別に好きで言ってる訳じゃないんだから……勘違いしないでよね!!………頑張って……」 ヒュィン―――、ドズムドズムドズム。 周りを既に包囲していたゾンビが倒れ伏す。 此処に来て、神業じみた動きで、LCとGTは立ち上がる。 「っふ、作戦通り………ッッ!!」 「一国の摂政のツンデレ……俺はもう死んでも良いです、LCさんッ!!」 おお、と何かに感動しながら高速で敵を薙ぎ倒す二人。 「あ、貴方達はッッ!!」 御鷹が流石にぶちキレた瞬間、 『此方ポレポレ、どうした?』 外部との連絡が通じた。 嘘のような、本当の逆転劇は、今、此処より始まる。 /*/ 閑話 一言で言うと、彼らはバカである。 今までもそうであったし、きっとこれからもそうだろう。 それが良い事か悪い事かは他人の判断に任せるとして。 彼らは今でも、良き隣人である。 /*/ “通気ダクトのチェックもお願いします。自分たちが息してないからと言って、ガスでも巻かれるとやってられない” “貯水槽に毒でも入れられ、医者を移動させられたら…一応河川と貯水槽のチェックもお願いします” ポレポレが本部に詰めていたのは、なんでもない。単に本人がびっくりするぐらい弱かったのと、あとはまあ、第七世界人も仕事はするというポーズのためである。いや、一応各所との折衝とかもやっている。 妄執と言えるまでのしつこさでチェックを要請するため、現場では煙たがられている。どうでもいいがこの男、仕事前に責任者全員の下を万屋の菓子折りつきで挨拶に回っている。 彼の主な仕事は、本部詰め所での雑務である。 空港での襲撃と通信回線切断の報が入ったのは、その雑務をこなしていたある日の事。 「現地との通信復旧と、応援の手配を。ダックス部隊もお願いします。あと陽動の警戒も」 ビビリはしたが、この程度でパニックになるほどでもない。想定してないはずも無い。 ISSに派遣されていた越前のハッカー犬士が、即座に対応する。復旧した通信を通じて、各所の情報が伝わり始めた。 「うちの流通のチェックの穴を利用して準備したかな。取り敢えず民間人の避難を最優先に。 蒼龍も飛ばして下さい。上空から友軍の支援と航空写真の送信。高弟とか居なきゃ良いけど」 「現場からの通信。御鷹摂政からです」 「お願いします」 『――俺はもう死んでも良いです、LCさんッ!!』 『あ、貴方達はッッ!!』 ? ? 切羽詰ってる割には喜びの色が見える。 「此方ポレポレ、どうした?」 /*/ ハッカー部隊が画面に空港内の地図を表示する。同時に現地までの信号を操作。ノンストップで急行する味方。情報戦マジスゲェ。 「横の防火シャッターを下ろしてください。南側のはそれで止まるはずです。それと、今救援が向かっていますので、もう少しの辛抱です」 通信を切って確認。他のポイントでの事件のチェック。 「屋外では必要なら式典に並べたI=Dも送って下さい。なるべく白兵優先で、流れ弾を出さないように。要救護者の搬送と救出には消防署にお願いしましょう。病院がパンクするかもしれないので、軽傷者はメードさんによる治療を」 「和錆さんにはピケで現地に行ってもらいましょう。レーサーみなしなら、たぶん」 「空港からアンデッドが溢れたら…蒼龍に精密爆撃を要請。市街に入る前に足を止めてください。それと、防火シャッターで良いから向こうの移動ルートを制限して」 矢継ぎ早に指示を出す俺カッコイイ、と言いたいが、単に打ち合わせ通りに指示を出しているだけである。 そもそも直接攻撃以外の手段を妨害する方策をとってきたのだから、後は直接しかない。そして、直接攻撃さえ防げば、どうにかなる。 /*/ SS2 響く剣戟の音は未だに続き。 この命は未だに鼓動を続ける。 それを、奇跡のようだ、と御鷹は思った。 背後では皇帝がクーリンガンと戦闘を。 前方ではLCとGTが無数のゾンビ相手に格闘戦を。 未だに続けている。 既に余裕は無く、皇帝も圧され、LCとGTは満身創痍だ。 そんな中、自分は祈る事しか出来ない。一刻も早く、救援が来るように、と。 キィィ―――ン、と言う一切甲高い音。 皇帝の剣が弾き飛ばされる。 無慈悲に、クーリンガンの短剣が皇帝の首を狙う。 「皇帝ッッ!!!」 御鷹のその声に応じてか、LCが咄嗟に一本のククリを投擲する。 投擲されたククリは円を描きながら、正確にクーリンガンの首を背後から狙う。 取るに足らぬ一撃だったろう。クーリンガンなら避けるにすら値しない。 しかし、皇帝の取った行動がクーリンガンの予測を覆す。 無慈悲に首を狙う短剣の切っ先を掠めるように、投擲されたククリに飛びつく。 一撃目を交わされたクーリンガンが返す刀で心臓を狙う。 ギィィィン――…… しかし、その一撃を皇帝は手に取ったククリで防いだ。 「中々の業物だ、使わせてもらう」 そうして、再びクーリンガンと皇帝は対峙する。 一方、ククリをかなり無理な体勢で投げたLCはその身をゾンビの群れに投げ出していた。 GTとの距離も遠い。 見えるゾンビをもう一本のククリで撫で斬りにし、何とか身を起こそうとするも、ゾンビの数は減らない。 両足を掴まれ、残る左腕で思いっきりゾンビの頭を打ち、それでも抵抗を続け――…… 「―――ッッ!?」 眼の前にゾンビの顎。 咄嗟に庇おうとする腕も上がらず――…… パンッと、ゾンビの頭が破裂した。 「ISSだッ!!」 タタンタタタンタン!!! 軽い音と共にサブマシンガンが火を噴く。 一斉に雪崩れ込んでくる人影。 次々にゾンビを撃ち殺していく。 その間にLCとGT、御鷹は集まる。 「全員無事か」 「何とか……」 「私は……戦ってすら居ませんし……」 そうしてISSがゾンビと戦っている最中、御鷹の元へ一人の青年が駆け寄ってくる。 「警官隊、消防士、到着しました」 ビシっと敬礼する青年、やや緊張しているようだ。 「あ、……解りました。では警察官は民間人の保護を最優先に。 消防士は二班に別れ、一斑はISSと共同でホースを使っての制圧、もう一斑は火災の起きた地域、あるいは起きた際に備えて下さい」 御鷹は即座に指示を飛ばす。 青年はサー、イエッサー、と返事をすると駆け出していった。 その後も御鷹は次々と指示を的確に飛ばしていく。 鎮圧用か窓を割ってダックスが突入し、ゾンビを踏み潰していく姿も見える。 「となると、ゾンビの方は任せて良いな」 「問題は此方、ですね」 LCとGTが皇帝とクーリンガンの戦闘を見やる。 「物量作戦、でも勝てはするんだろうが、な」 「嫌ですか」 「皇帝に貸しを作りたい、それに嫌がるだろう、そういうの」 「まぁ確かにいい気はしませんが……何か策が?」 口元を綻ばせる。 「今、猫野和錆って凄ェ医者が着てるらしい」 「………嫌な予感がします」 「大丈夫だ、死ななければ何とかしてくれる、それに皇帝に貸しは魅力的だ」 「あ”あ”あ”……やっぱりぃ……」 LCとGTはゆっくりと皇帝とクーリンガンの戦闘圏内へと入っていく。 皇帝とクーリンガンの戦闘は一進一退を極めていた。 推しては退く、退いては推す。 圧倒的な実力差を、埋めているものは…… ギィン……!!! 既に皇帝の手の中には自分の剣とLCのククリがあった。 異なる武器の二刀流。 相手のリーチに入ってはククリで捌き、退いては己の剣で攻撃。 皇帝が皇帝たるスキル/威厳だった。 しかし、それを以ってしてもクーリンガンを討つには一手、後一手足りない。 「ォォォォオオオオオオ!!!!!!」 其処に、咆哮を上げてGTが真横から走りこんでくる。 素手、しかし首と心臓を両手を交差させて護っている。 相手の武器は短剣、ならば自然と狙う箇所は限定される。 曰く、首、心臓、そして急所。 前のめりになった特攻状態では急所は極端に狙い辛い。ならば、首と心臓を護れば――…… ザク――、と。 クーリンガンが無造作に短剣をGTの腕に突き刺す。 そして、そのまま真横に振りぬく。 どれだけ力を込めた所で、所詮は凡人の足?き。取るに足らぬ。そう思った筈――…… 伏せる獅子。 その名を冠したLCがGTとは逆の方向から走りこむ。 「―――ッッ!?」 しかも此方は同じ体勢で突っ込んでいるが、口にククリを咥えている。 咄嗟にGTの腕に突き刺さったナイフを手放し、逆の手で腰から短剣を引き抜き、LCの腕に突き刺す。 そのまま、地面に縫い付ける、その心算だった――しかし。 「―――………ッッッッ!!!!」 GTがその体をクーリンガンにぶつける。 僅かに揺れるクーリンガンの体。 其処に、咥えたククリの切っ先を、LCがクーリンガンの心臓目掛けて突き刺す――…… 「――――ク」 それは誰の言葉だったか。 それぞれ片腕で弾き飛ばされるLCとGT。 万全を期した奇襲さえ一蹴。 「――――賦ッッ!!!!」 ・・ だが、この瞬間のみ、雑魚にクーリンガンは両手を使った。 一閃されるのは皇帝の剣。 そう、この場に置いて、最も何より警戒すべきは皇帝。 斬ッッ!!! 袈裟に体を両断されるクーリンガン。 フリーになった皇帝は、その断罪の剣をクーリンガンに振り下ろした。 「――――……クッ」 血煙と共に倒れこむクーリンガン。白いサマーセーターが真っ赤に染まる。 決着は今、此処に。 「―――……ご苦労」 ピッと、血を払い、己の剣を鞘に収めながら、皇帝が口を開く。 LCもGTもそれぞれ結構な重症ではあるが、致命傷では無い。 GTは慌てて、LCはやや面倒そうに、皇帝の前に畏まる。 「中々良い、意気であった」 一瞬GTはこの場で首討ちもありうるな、と思っていたが、少し安堵した。 何しろ皇帝の一騎打ちの邪魔をしたのだ。 「そして、この短剣は面白い形をしている。中々興味深い」 ククリを始めて見るのか、LCのククリを撫でる。 「皇帝に使って頂ければ、これ以上の幸福はありません」 あんまりそうは思って成さそうな――どちらかと言うとそれ結構高いんですけど的なオーラを出しつつ――答えるLC。 「では記念に頂いて置こう」 えーと抗議の声を上げるかと思いきやLCは微笑んだ。 内心、貸し2ゲットォォォォォッッと叫んでるんだろうとGTは思ったが口にしなかった。 「では、医者に見て貰うと良い。その腕の傷は浅く無い。それに私が診る限り、肋骨も折れているぞ ――――ふ、それにしても、フシミは部下に恵まれているようで何よりだ」 皇帝は既にクーリンガンに興味を無くしたのか、悠然とその場を去っていく。 何処から来たのか、ISSの連中がそれを護衛しようとしてうっとうしがられてるのが見える。 「ふーやれやれ、ようやく一段落か」 「いや、LCさん、肋骨折れてるらしいですし、そもそも未だISSとかメッチャ戦ってますけど」 とっとっと、と軽い音と共に、御鷹がやって来る。 「二人とも無事でしたか――って、血塗れ!?」 一通りあたふとした後、来た時より5割増しで医者を呼びに行く、御鷹。 「俺等の仕事はこれで終わりさ、後は他の連中が頑張るだろ」 「良いンでスか、それで」 「ククリと弾丸代だって安くぁねぇんだぜ」 「いや、出してくれますよ、国が」 「まぁとりあえず、だ」 「はい」 「医者に診て貰おう」 「はい……」 血塗れの二人はばったりとその場に倒れ伏した。 次の日、新聞にはこう記事が飾られる事になる。 『皇帝、クーリンガンを撃退』 其処に割と深く携わった、星鋼京の三人の記事は書かれていなかった。
https://w.atwiki.jp/3dsmh4g/pages/85.html
※編集合戦になるのを防ぐため、掲示板にて検討後掲載する形式を取っています。オススメ装備を追加・編集したい方は、掲示板のオススメ装備検討スレで提案後編集をお願いします。 各武器から4種以内で、有用な生産武器をピックアップして掲載しています。 掲載しているもの以外にも強力な武器は多いので、各武器ページや、有志によって作成された外部の各武器wikiなどを参照したり、実際に使ってみる事で自分にあった武器をみつけるのが望ましいでしょう。 HR解放後オススメ武器例がこちらに併合された為、暫定的に一部の武器で4種以上となっています。 オススメ武器/上位テンプレート 大剣 太刀 片手剣 双剣 ハンマー 狩猟笛 ランス ガンランス スラッシュアックス 操虫棍 チャージアックス ライトボウガン ヘビィボウガン 弓 オススメ武器/上位 テンプレート 武器名(レア素材が含まれる場合は武器名の前に☆を付ける) 作成:集会所★O レア素材:素材名*個数 攻撃力000 属性00 特攻00 音色♪♪♪(色色色) 砲撃Lv0 OOビン 防御+00 会心率00% スロット0 斬れ味 色00(色00) ※斬れ味は長さを匠発動前と括弧内に発動後を表記 リロード速度 OO 反動 OO ブレ OO 速射 LV0 ○○弾(0)/O しゃがみ撃ち LV0 ○○弾(00) 溜め1 溜め2 溜め3 (溜め4) 曲射 OO ビン 強 毒 麻 睡 接 ペ 減 ○○ビン強化 理由:~簡潔に(2~3行以内) 大剣 ☆クロームレイザー 作成:集会所★4 レア素材:鳥竜玉*1 攻撃力720 毒300 会心率15% スロット1 斬れ味 緑 理由:上位に上がってすぐに作成可能な割に、高い攻撃力・毒属性・会心率15%・スロット1と非常に優秀。 溜斬りは属性値が倍化するので、上手く強溜め斬りまで入れられれば、毒化も十分狙える。 将来性は低いので、同じ高火力大剣で作成も容易なティタルニアを目指して乗り換えを検討すると良い。 作成時期を考えると火力は申し分無く、上位攻略を大きく助ける一振りとなる。 ☆蒼剣ガノトトス 作成:集会所★4 レア素材:竜玉*1 攻撃力768 水 250 会心率0% スロット0 斬れ味 青(白) 理由:なんといっても数回投網を繰り返すだけで素材が簡単に集まるのが利点。 竜玉も上位クエストで飛竜のものを消化していけばすぐ集まるだろう。 ☆クラッグクリフ 作成:旅団★5 集会所★6 レア素材:鎧竜の延髄*1 攻撃力1008 (覚醒: 火 370) 防御+30 会心率0% スロット3 斬れ味 緑(白10) 理由:集会所★6で作れるにもかかわらず、生産武器中2位タイという圧倒的な攻撃力が魅力。 通常では緑までという残念な斬れ味だが、匠により青10白10と合格ラインでは無いものの、駄目では無い斬れ味が付く。 更に防御+30にスロ3と付加性能も凶悪。覚醒はおまけという考え方で良い。 フルミナントブレイド 作成:集会所★5 攻撃力720 雷 350 会心率0% スロット1 斬れ味 白10(白60) 理由:集会所★5で作れる武器で匠で白60という驚異の切れ味を誇る。 集会所★5~7は雷に弱い敵が多く攻略用に最適。 難点はフルフル原種の単体狩猟がないことと次の強化は★7までお預けなこと。 ☆ミラブレイド 作成:集会所★7(HR解放後) レア素材:獄狼竜の昏玉*1 攻撃力864 龍 300 会心率0% スロット0 斬れ味:青(紫20) 理由:攻撃力・属性値共に同HR帯の中では平凡だが、その真価は斬れ味レベル+1を発動させた時に現れる。 単発重視型の大剣にとって、20以上の紫ゲージの価値は計り知れない。 属性を無視した物理攻撃力だけ見ても、平均攻撃力は生産大剣の中で3位。 太刀 ☆パラコイルドサーベル 作成:集会所★5 レア素材:寒気立つクチバシ*5 攻撃力528 麻痺 250 防御+10 会心率0% スロット3 斬れ味 青30(白20) 理由:標準的な攻撃力と蓄積値を持ちながらスロットも3つ空いており、使い勝手がよい。 寒気立つクチバシを最終強化に5つも要求されるのがネック。 ディオスソード改 作成:集会所★5 攻撃力528 爆破200 会心率0% スロット0 斬れ味 青10 理由:ブラキの下位素材に上位素材は鎧竜の堅殻×3だけで作れながら標準的な攻撃力に、汎用的な爆破属性をそこそこの数値有している。 このあたりからは他属性太刀の上位強化もそろそろ本格的になってくる時期でもあり、その素材集めのための足がかりの1本として心強い。 またこの武器はもう1段階強化を残しており、それも集会上位終盤を戦うのに十分な性能を有している。 覇王剣 作成:集会所★4 攻撃力495 龍350 防御+20 会心率0% スロット2 斬れ味 理由:イベクエ数回で作成可能な容易さと、G級序盤まで使えるスペックの為、攻略用にお勧めの一振り。 ただし斬れ味が悪いので運用に切れ味レベル+1が必須。 片手剣 デッドリィタバルジン 作成:集会所★5 攻撃力196 毒500 会心率0% スロット2 斬れ味 青 理由:下位のゲリョス素材片手剣からそのまま強化可能。 最終武器としては攻撃力は控えめだが、短くない青ゲージと驚異的な毒属性値、更にはスロット2まで付いている。 ソロでもPTでも優秀な一本で、特に龍風圧が厄介なクシャルダオラ戦では大きな力を発揮するだろう。 強化前のアッパータバルジンは、集会所★4で作成可能。 ブラッディネルソード 作成:集会所★6 攻撃力224 睡眠180 会心率25% スロット1 斬れ味:白60 理由:通常でも長い白ゲージが売り。睡眠爆破に最適の片手剣。スキルはボマーだけで運用可能。 ブラッドスケルソードから強化する際に、上位ネルスキュラ以外にガルルガ・バサル素材も必要なのが面倒。 強化前でも長い青ゲージと十分な物理攻撃力を持ち優秀。 ☆豪剣【天羽々斬】 作成:集会所★7 レア素材:獄狼竜の昏玉 攻撃力196 水470 会心率20% スロット1 斬れ味 青(白) 理由:武者備えからの強化。獄狼竜の昏玉以外に難しい素材はほとんどない。 片手剣と相性の良いブラキディオスやティガ亜種希少種、テオに有効な水属性。切れ味も良好。 アジダル・ハーカス 作成:集会所★7 攻撃力224 属性 麻痺240 会心率0% スロット2 斬れ味 青(青延長短い白) 理由:スロット2で使い勝手がいい麻痺片手剣。 麻痺片手同士で比較すると物理攻撃力でパラスパイクサークル、PTのサポート用ではにゃんにゃんぼうに軍配が上がるが、 こちらは物理攻撃力と蓄積値のバランスが良く、PTにもソロにも対応できるのが利点。 ☆黒龍剣 作成:集会所★7(HR解放後) レア素材:炎龍の宝玉*1 攻撃力280 龍 200 会心率0% スロット3 斬れ味 青20(白10紫20) 理由:斬れ味レベル+1発動時の紫ゲージでの物理ダメージは、最高クラスの発掘片手剣と比べても遜色がない。 スロット3とそこそこの龍属性がついているのも魅力。 紫ゲージが短いのが欠点であるため、真打+業物や斬れ味レベル+1+砥石使用高速化などのスキル構成で 補ってやるといいだろう。 ☆黒滅龍剣 作成:旅団★10、及びイベントクエスト(HR解放後) レア素材:恐暴竜の宝玉*1、鋼龍の宝玉*1 攻撃力238 爆破 300 会心率0% スロット3 斬れ味 青20(白10紫20) 理由:斬れ味レベル+1を付けると紫ゲージが現れる優れた斬れ味と汎用性の高い爆破属性のため、 相手を選ばずに担いで行ける。 レア素材の2つの宝玉はイベクエが救済になっているため、他のレア素材よりいくらか集めやすくなっている。 スロ3のため砥石使用高速化や業物も発動させやすく、低めの継戦能力を補助しやすい。 双剣 ハリケーン 作成:集会所★4 攻撃力196 属性(覚醒:氷220) 会心率0% スロット2 斬れ味 青(青) 理由:上位上がりたてでもすぐ武器作製で作れる上に、レア素材不要なのが特徴。意外と緑ゲージが長めなのもありがたい。 覚醒させないと無属性だが、上位攻略初期では不要な為、上位あがりたてオススメ双剣。 ☆ディオスライサー改 作成:集会所★5 レア素材:砕竜の骨髄*2 攻撃力224 爆破150 会心率 0% スロット0 斬れ味 青10(白10) 下位のブラキディオス素材と火竜の堅殻だけで作れるのが売り。 今作で爆破属性は弱体化したものの、手数の多い双剣との相性は良い。 また斬れ味レベル+1を発動させれば、短いながらも白ゲージがつき、物理攻撃力も高め。 ☆双剣オオナズチ 作成:旅団★10(HR解放後) レア素材:霞龍の宝玉*1(鋼龍の宝玉と交換) 攻撃力238 毒 350 会心率 0% スロット0 斬れ味 青50(白50) 理由:HR解放後に現れる強化クシャルダオラのクリア後に交換できる素材で作成が可能な毒双剣。 スロットがないという欠点はあるが、毒350という驚異的な属性値を持つ。 会心は無いものの斬れ味レベル+1で長い白がつくため物理攻撃力もそこそこ望めるのが嬉しい。 ハンマー パープルメイス 作成:集会所★4 攻撃力832 毒350 会心率0% スロット2 斬れ味 緑 理由:集会所上位に上がった後、下位のゲリョス素材ハンマーからすぐに鍛える事が可能。 斬れ味こそ緑だが、そこそこの攻撃力と毒属性値の為に扱いやすい。 スロット2も○。ただし、ここまで強化する為に下位ゲリョスから毒怪鳥の頭を3つ集める必要がある。 ベネ・ホワユン 作成:集会所★5 攻撃力780 毒520 会心率0% スロット2 斬れ味 白10(匠:白60) 攻撃力は控えめなものの、初期で斬れ味白を持つため数値以上の物理攻撃力を持つ。 白の後の青も長く研ぐ必要もなく攻撃を続けられるのはメリット、毒のきく相手にはより強力。 レア素材も必要なくお手軽に作れるハンマーにしては破格の性能を持つ。 ☆七難八苦を砕くラグナ 作成:集会所★7(HR解放後) レア素材:天剣の龍玉*1 攻撃力1196 (覚醒:爆破 230) 防御+30 会心率-15% スロット2 斬れ味 色緑(青30白20) 理由:全ハンマートップの攻撃力を誇り、青ゲージで他ハンマーの白ゲージを凌駕する。 スロットも二つあり防御力+30のおまけ付きではあるが、 欠点は素の斬れ味が緑であるため斬れ味レベル+1が必須である。 ☆怒髪豪ダイラージャン 作成:旅団★7(HR解放後) レア素材:金獅子の闘魂*1 羅刹の金角*2 攻撃力1040 雷 280 会心率-15% スロット0 斬れ味 色青(白40) 理由:ラグナには劣るものの高い攻撃力をもち、斬れ味レベル+1で追加分が全て白であるので維持能力も高い。 欠点は作成難易度が高い事とスロットがない事。 狩猟笛 ケチャルハーレン 作成:集会所★5 攻撃力728 水460 旋律効果 体力回復【小】 体力回復【大】 耐雪&耐泥 聴覚保護【大】 会心率0% スロット3 斬れ味 青(白) 理由:下位ケチャ素材からはじまってウルクスス素材を中心に強化していく狩猟笛。 最終強化にいたるまでレアな素材が必要なく、旋律も聴覚保護大と体力回復二種と汎用性に優れる。 おまけにスロットが3なので拡張性も高く、上位に上がって迷ったらこれ。 特に乗り攻撃時の咆哮を聴覚保護大で完全に無効に出来るため、今作では聴覚保護の有用度が上がっている。 ☆パラハザードコール 作成:集会所★6 レア素材:絞蛇竜の延髄*1 攻撃力884 麻痺200 会心率 0% スロット1 斬れ味 青(白) 理由:仲間のフォローに徹するなら,実用的な麻痺値を備えて攻大・聴覚保護旋律が吹けるこれ。 攻撃力は飛びぬけて高いわけではなく,切れ味もとりたてて注目するものではないが,麻痺とスタンと味方強化を両立させうる優秀な狩猟笛。 絞蛇竜の延髄,上鳴甲が必要になり,ガララアジャラに何回か通う必要があるが,多少の手間を考えても強力な一振りである。 ☆覇笛ハウカムトルム 作成:集会所★7 レア素材:覇竜の宝玉*1 攻撃力1144 会心率30% スロット2 斬れ味 緑 理由:極めて高い攻撃力に高い会心を備えており,スロットも二つあるという高スペックな狩猟笛。 劣悪な斬れ味ではあるが,笛であるが故に弾かれの心配をする必要がないし,非常に高い攻撃力が斬れ味による攻撃力補正を補填してくれる。 旋律は攻防強化小・風圧完全無効・スタミナ大と優秀なものが揃っている。聴覚保護によるサポートができる笛との使い分けをしていくべきである。 なお、演奏点の注意として、防御大の後に攻防強化をすると防御小に上書きされてしまうので注意。 ☆衝鼓【叫虎】 作成:旅団★10(HR解放後) レア素材:火竜の紅玉*1 攻撃力988 (覚醒:爆破 280) 会心率5% スロット0 斬れ味 切れ味:青(青) 理由:高攻撃力・会心・超長青ゲージ・覚醒爆破という高い基本スペックと,攻大・聴覚保護旋律という優秀な旋律を備えた逸品。 斬れ味レベル+1が不要なので覚醒や弱点特効を容易に両立させることができ,笛でありながらかなりの火力をだせる強力な一振り。 レア素材の脈動する爆心が不要なので、他のティガレックス希少種の武器より簡単なのもポイント。 ランス ホウテンゲキ【凶】 作成:集会所★6 攻撃力391 毒390 会心率25% スロット2 斬れ味 青(白) 理由:高い毒属性・会心率25%・スロット2をもち、 匠でそこそこの白ゲージが追加される使い勝手の良い毒ランス。 レア素材は必要ないが大量に黒狼鳥の尻尾を要求する。(【烏】の直生産から【凶】までに10個必要) 尻尾用の下位ガルルガギルドクエストを用意したいところ。 村クエストが存在する上位ガルルガからも入手できるので、そちらを活用してもよい。 ☆パラスピンクロウラー 作成:集会所★6 レア素材:絞蛇竜の延髄*1 攻撃力414 麻痺 200 防御+15 会心率-5% スロット1 斬れ味 青(白) 理由 割と高めの攻撃力と少々控えめだが、麻痺属性値200を持つランス。 スパイクスピア改からの強化にはガララアジャラ素材が多く、クチバシ2つと延髄1つが若干入手しにくいか。 斬れ味ゲージは素で長めの青、匠で平均的な白が付く。 ☆THEガーディアン 作成:集会所★7 レア素材 天廻龍の光玉 攻撃力368 龍440 会心率35% スロット1 斬れ味 白(白) 理由 ★7昇格時に作れて全キークエモンスターに有効な龍属性ランス。 匠を付けることで白ゲージ+50と優秀。 光玉がネックとなるが、強化前のシールドofレイジも同等の斬れ味を持ち優秀なので攻略用として十分使っていける。 特捜隊専用槍【百狐】 作成 集会所★5 攻撃力 345 属性 火 370 会心率 0% スロット 2 斬れ味 青(白) 理由 このランクにしては高い火属性と優秀な斬れ味を持つ。 ★6で作れるブループロミネンスと比べて、攻撃力と会心率で劣る反面、スロット、斬れ味、作りやすさで勝る。 ガンランス 古代式回転銃槍 作成:集会所★4 攻撃力345 (覚醒:麻痺150)拡散Lv2 会心率0% スロット1 斬れ味 緑(青) 理由:強化・一発生産共に、素材は採取(モンスターの濃汁)や採掘(カブレライト鉱石)で集められる為、とても作りやすくなっている。 強化先の古代式殲滅銃槍もほとんどが鉱石系素材で、爆炎袋にしても集会所のHR4緊急レイア亜種を2、3回もすれば集まるだろう。 お手軽だが、青ゲージの拡散Lv3で攻撃力368と、この時点のガンランスとしてはトップクラス。 ☆ロイヤルガンバード 作成:集会所★6 レア素材 濃縮重甲エキス*1 攻撃力368 睡眠 200 放射 Lv2 会心率20% スロット1 斬れ味 白(白) 理由:攻撃力・砲撃Lvは低めだが、十分な長さの白ゲは必須スキルの多いガンランスには便利。 特に突きガンスでいくならお勧め。 爆砕の銃槍 作成 集会所★6 レア素材 鎧竜の延髄*1, 砕竜の骨髄*1 攻撃力 414 爆破320 放射Lv3 会心率 0% スロット 0 斬れ味 青(白) 理由 必須スキルの多いガンランスにおいて、発掘装備を除けば唯一覚醒要らずの爆破属性を持つ。 また、その爆破320はガンランスではトップであり、及第点の放射Lv3を持ち、 匠で短いながらも白ゲージがつき、物理攻撃力が高めという汎用性の高さもさることながら、 最終強化に至るまで砕竜の宝玉を要求されない作成難易度の低ささが何よりの魅力。 性能的にも要求素材的にも、取り敢えず作っておいて損はしない。 ボルティックワークス 作成:集会所★4 攻撃力345 雷 280 拡散Lv4 会心率0% スロット0 斬れ味 青(青延長、短い白) 理由:生産武器では一番砲撃威力の高い拡散Lv4。 他の拡散Lv4ガンスは★7の鬼銃槍、HR解放後の衝銃槍【威迫】、発掘武器しかない。 生産素材が手に入るイベクエは難度は高くないので、ソロでもHR5で十分攻略可能。 やや攻撃力が低いので、砲術マスター装備と組み合わせて砲撃主体の運用がお勧め。 ☆衝銃槍【威迫】 作成:旅団★10(HR解放後) レア素材 脈動する爆心×1、火竜の紅玉×1 攻撃力 437 (覚醒:爆破 200) 拡散Lv4 会心率15% スロット 1 斬れ味 白(白) 理由:ゲージは短い白ありで拡散4と生産では最高峰。 高い攻撃力と拡散Lv4は、突きガンス、砲撃ガンスのどちらのスタイルでも扱える。 ガンス使いの多くが作成しているであろう、ガ性2、業物、砲術マスターのテンプレ防具との相性も良い。 発掘武器の吟味はまず、これを越えるか否かで行われることが多い。 スラッシュアックス ☆蛮勇の剣斧【無頼】 作成:集会所★4 レア素材:鳥竜玉*1 攻撃力810 (覚醒:毒550) 毒ビン 会心率0% スロット3 斬れ味 青(白) 理由:集会所上位に上がったばかりで作成可能。鳥竜玉が若干レア素材だがドスジャギィ2頭クエストを数回やれば手に入る。 毒ビンのため、どのモンスターにも効果が期待できる。 さらにスロットが3つも付いているのでスキルの幅も広がる。 覚醒スキルは毒ビンと効果が重複しないかつ発動が大変なので不要。 ☆桜剣蒼斧 作成:集会所★6 レア素材:雌火竜の逆鱗*1 攻撃力972 毒360 強属性ビン 会心率0% スロット2 斬れ味 青(白) 理由:作成時期にしては高い攻撃力にスロットも2つ、匠で短いながら白ゲージもある。 レア素材の雌火竜の逆鱗が必要だが、上位限定のレア素材は使わないので難易度は低め。 上記の蛮勇の剣斧【無頼】からの乗換え先としてオススメ。 ☆THEエグゼキューター 作成:集会所★7 レア素材:黒蝕竜の闇玉*1、 天廻龍の光玉*1 攻撃力918 龍 200 強撃ビン 会心率35% スロット0 斬れ味 白10(白60) 理由:高い攻撃力+会心、匠で長い白ゲージ、強撃ビンと三拍子揃った武器。 作成時期は遅くレア素材も黒蝕竜の闇玉と天廻龍の光玉の2種類を要求するなど難易度は高いが作る価値はある。 特報隊専用斧【仙狐】 作成:集会所★6 攻撃力972 属性 氷110 強撃ビン 会心率0% スロット3 斬れ味 青(青延長短い白) 理由:攻撃力972に長い青ゲ、強撃ビンと生産品としてはトップクラスの性能。 同じく強撃ビンのTHEエグゼキューターと比較すると、属性、会心率で劣るが、 スロット数3を使ってのスキル選択の幅ではこちらが勝る。 スラッシュフォックスからの強化には黒狼鳥の地獄耳を3つ使うので注意。 操虫棍 ☆ニードルアイビー改 作成:集会所★6 レア素材:寒気立つクチバシ*2 攻撃力465 麻痺220 会心率0% スロット1 斬れ味 青(青白) 理由:4Gより登場のガララ棍。ニードルアイビー自体は集会所★5で作成可能。 覚醒が不要なエアリアルといった性能で、手数が多く、乗りによる拘束が可能な操虫棍と相性の良い麻痺属性であり、PTプレイで真価を発揮する。 生産、強化どちらもガララアジャラと蒼レウスの素材しか使用せず、レア素材も寒気立つクチバシ×2のみと作り易い。 最終強化のパラライズヴァインは発掘以外では最高レベルの麻痺棍であり将来性もある。 シャドウウォーカー 作成:集会所★5 攻撃力558 毒340 会心率 5% スロット1 斬れ味 青10 ( 青40 白10 ) 理由:攻撃力と属性値のバランスがよく、毒属性武器なので、相手を選ばず運用出来る。 素の状態では青ゲージが短いため、匠装備でないと若干使いづらい物の、 作成次期の早さ、レア素材無しの作りやすさから、攻略用としての性能は十分確保しつつ クシャルダオラ等毒に弱い敵には解放後でも運用する事が出来る。 ☆THEチェイサー 作成:集会所★7 レア素材:黒蝕竜の闇玉*1 攻撃力558 龍 370 会心率25% スロット2 斬れ味 青80(青100白30) 理由:攻撃力と属性値のバランスがよく、切れ味レベル+1を発動させることで長い白ゲージになる。 黒蝕竜の闇玉を使用するが、代わりにシャガル素材は上位の爪2つだけで良く作成難易度はそれほど高くない。 HR解放後のヤマタまでの繋ぎとして十分な性能である。 ☆渾然一体の薙刀ヤマタ 作成:集会所★7(HR解放後) レア素材:天剣の龍玉*1 攻撃力620 爆破 270 会心率0% スロット1 切れ味:青50白10(白60) 理由:集会所ボスのダラ・アマデュラから作れる武器。 高い攻撃力でありながらダラ武器としては珍しく会心マイナスが無く、手数の多い操虫棍と好相性な爆破属性を持つ。 さらには斬れ味レベル+1で非常に長い白ゲージまで確保できる、とまさに非の打ちどころのない性能。 作成難易度は非常に高いが最終武器として作る価値はある。 この武器を作る場合は天剣の龍玉よりも尻尾剥ぎ取りの尾殻と背中破壊報酬の扇刃を集めるのが大変であろう。 また、初期段階の爪棘を配す長刀から強化していくと、猟虫のレベルアップも含め、 実に40万以上のゼニーが必要になることも覚悟しておきたい。 チャージアックス ブラックフルガード 作成:集会所★5 攻撃力612 (覚醒:麻痺120) 榴弾ビン 防御+20 会心率0% スロット3 斬れ味 青(白) 理由:鉱石とネルスキュラ素材で手軽に作れるチャージアックス。 他の属性武器の素の火力に見劣りしない攻撃力とスロットの多さが魅力。 とりあえずこれを作って各種武器への足がかりとしたい。 ☆ディア=ヘカテリア 作成:集会所★6 レア素材 雌火竜の紅玉 攻撃力 540 火360 強属性ビン 会心率0% スロット2 斬れ味 青(白) 理由:高い火属性値と強属性ビンが噛み合っており、素の青ゲージも長いので、使いやすい斧。 レア素材の紅玉が難点だが、生産から最終強化まででレア素材をこれ1つしか使わないため作成難度はそこそこ。 ☆THE サプレッション 作成:集会所★7 レア素材 天廻龍の光玉 攻撃力648 龍230 榴弾ビン 会心率35% スロット0 斬れ味 白(白) 理由:★7の全キークエモンスターに有効な龍属性と高い攻撃力を合わせ持つ。 匠白を付けた時の白ゲージも長く、継戦能力の高さもメリット。 生産からここまでにシャガルの逆鱗と光玉が要求されるため作成難度は高めだが、HR解放後も使っていける性能を持つ。 ☆ヒロイックザンナバル 作成:集会所★7(HR解放後) レア素材:神秘の発光体*2(恐暴竜の宝玉+希望の証Gと交換)、天剣の龍玉*1、鋼龍の宝玉*1 攻撃力720 水 250 榴弾ビン 会心率 0 スロット 0 斬れ味 青(白) 理由:圧倒的な攻撃力かつ榴弾ビンであるため、相手を選ばず担いでいける。盾斧使いの最終目標といえる逸品。 作成するためにはHR90で出現する高難度クエストをクリアする必要があり、 要求されるレア素材も宝玉4つとその難度は尋常ではないが、それでも作る価値は大いにある。 ☆ノブレスオブリージュ 作成:集会所★7(HR解放後) レア素材:金獅子の闘魂*2、羅刹の金角*1 攻撃力648 雷 370 強属性ビン 会心率15% スロット2 斬れ味 青(白) 理由:高めの攻撃力・プラス会心・スロ2に加え雷属性の強属性ビンを持ち、多くの古龍や希少種に対して有効。 属性攻撃強化+3を発動させれば、強属性ビンの効果と相まって雷が弱点の相手に対して凄まじい火力を叩き出すことが可能。 斬れ味が若干心許ないが、属性ダメージメインの運用かつビン消費攻撃は弾かれ無効となるため、デメリットは小さい。 激昂したラージャンのレア素材を2つ・角を1つ使うため、作成難度はかなり高め。 ☆烈日斧ヘルメスイクサ 作成:集会所★7(HR解放後) レア素材 火竜の紅玉*2、炎龍の宝玉*1 攻撃力684 火 240 榴弾ビン 会心率15% スロット 0 斬れ味 白短(白) 理由:高い攻撃力に+の会心率、短いながらも白ゲージと高い物理攻撃能力を持つ。 性能面では上記のナバル斧の下位互換に近いが、あちらは作成可能時期がかなり遅いため、 HR解放後の高難度クエスト攻略に用いる榴弾チャージアックスとしては、こちらがメインとなる場合が多い。 レア素材を3つも使うため作成難度は非常に高い。 ライトボウガン 大鬼ヶ島 作成:集会所★5 攻撃力221 会心率0% スロット1 リロード速度 普通 反動 やや小 ブレ なし 速射 LV2 通常弾(4,小) LV1 徹甲榴弾(3,中) 理由;神ヶ島の魅力であった麻痺→榴弾スタン→通常弾2速射→麻痺・・・という運用が, 神ヶ島の速射対応弾が榴弾2と通常弾1に変更されたことによって,特に榴弾2の調合素材の関係上やりにくくなっている。 その点このライトは従前の神ヶ島のように榴弾1と通常2に速射対応しており,麻痺弾も装填数は少ないものの1・2ともに対応している。 ただし,装填速度が普通なため,麻痺弾及び榴弾の装填速度に難があることがネックとなる。 榴弾調合素材の関係上,継戦能力は神ヶ島を凌駕するので,相手及びメンバー構成によっては非常に強力な1本となる。 ブリザードタビュラ 作成:集会所★5 攻撃力260 会心率0% スロット0 リロード速度 速い 反動 中 ブレ なし 速射 LV1 貫通弾(3,中) 氷結弾(3, 小) 理由;通常弾の頂点が烈日なら、貫通弾の王者はこちら。もちろん名前の通り、氷結弾の速射では比類なき性能を誇る。 リミッターを解除すれば、LV1 貫通弾が6発装填となり、一度のフルリロードで貫通弾17発を切れ目なく撃ち込める火力は驚異的。 機動力と高速リロードの相乗効果で、クエスト全体を通した火力はヘビィボウガンの頂点にも匹敵する。 貫通弾の速射は反動が大きく実用的でないため、貫通運用ならリミッター解除が望ましい。その際は、サイレンサーか反動軽減+1が必要。 ☆蒼火竜砲【烈日】 作成:集会所★7 レア素材:火竜の逆鱗*1, 火竜の紅玉*1 攻撃力286 会心率0% スロット1 リロード速度 普通 反動 中 ブレ なし 速射 LV2 通常弾(3,小) 火炎弾(3, 小) LV1 徹甲榴弾(3,中) 理由;ライトボウガン屈指の火力が出る速射に3種対応と、火力と汎用性を兼ね備えた高性能を誇る一本。 しかも半端な万能銃ではなく、ほぼ全てのクエストで最適解となり得るポテンシャルを持つ。 通常弾の火力を強化する構成に加え、徹甲榴弾重視のスキル構成でも非常に強力。もちろん火炎弾の速射も頼れる主力のひとつ。 状態異常弾が毒のみのため、サポート系の能力は他に一歩譲る。 ☆獄弩リュウゼツ 作成:集会所★7 レア素材:獄狼竜の昏玉*1 攻撃力273 会心率10% スロット1 リロード速度 普通 反動 中 ブレ なし 速射 LV2 電撃弾(3,小) 斬裂弾(2,中) LV2 散弾(2,中) 理由;高めの攻撃力と全ライトボウガン中最高の通常弾装填数を誇る。 また貫通弾は全レベル使える上に属性弾も電撃弾(速射可)、水冷弾、滅龍弾に対応と撃てる弾の種類が豊富。 リミッター解除時にはその性質をフルに活用して臨機応変に立ち回ることが出来る。 対応弾が多いが故にポーチを圧迫しやすいのと強化回数が7回というのがネック。 ヘビィボウガン ガノバッシャーガン 作成:集会所★5 攻撃力285 防御+15 会心率10% スロット1 リロード速度 やや速い 反動 やや小 ブレ なし しゃがみ撃ち LV3 貫通弾(20) 水冷弾(20) 理由:作成が比較的簡単であり、スキルなしで無反動貫通弾LV3しゃがみ撃ちができる。 使用する弾薬も店で買える物が殆どであり、全体的に扱いやすいボウガンである。 性能もクシャルダオラ系ヘビィの最終強化「グラン=ダオラ」(レア度8)に近い。 大きなモンスターの相手では長く使っていくことが出来るだろう。 バイティングブラスト 作成:集会所★6 攻撃力300 防御+10 会心率0% スロット3 リロード速度 やや速い 反動 やや小 ブレ なし しゃがみ撃ち LV2 通常弾(30) LV1 麻痺弾(6) LV2 麻痺弾(6) LV1 拡散弾(3) 理由:集会場★5のガララアジャラ素材で生産するバイトブラスターの強化先。★5で強化前から使っていけて、強化すると★6~7でも通用する。 上位からヘビィボウガンを始めるならまずここから、というくらいクセがなく扱いやすい。 リミッター解除をすると通常弾の装填数が11、貫通弾全LV追加で貫通が全て4となる。 ☆奉ろわざる弩 作成:集会所★5 レア素材:大地の龍玉*1 攻撃力270 防御+25 会心率15% スロット0 リロード速度 やや遅い 反動 中 ブレ なし しゃがみ撃ち LV2 貫通弾(20) 水冷弾(20) LV1 減気弾(6) 理由:高火力・高防御補正で優秀な貫通ボウガン。必要なレア素材は下位で入手可能な大地の龍玉のみ。 貫通2と3のため反動軽減+1は必須スキル。グラビ(S)一式に反動軽減と防御力強化が付いているので相性は抜群。併せてオススメしたい。 下位の奉ろわぬ弩から強化してずっと使っていけて、最終強化の豪弩【荒覇吐】も強化が容易かつ優秀な、攻略で長期間お世話になる一本。 グラビドギガロア 作成:集会所★7 攻撃力315 防御+30 会心率0% スロット1 リロード速度 遅い 反動 中 ブレ 右大 しゃがみ撃ち LV2 貫通弾(20) LV3 貫通弾(20) LV1 睡眠弾(6) 火炎弾(20) 理由:貫通2、3がしゃがみ撃ち可能というPT戦において非常に強力なヘビィ。反動軽減+1が必須。 ブレ右大は慣れれば消さなくても良い。今作のしゃがみヘビィで最高ともいえる一本。 ☆一天四海を捉うラゼン 作成:集会所★7(HR解放後) レア素材:天剣の龍玉*1 攻撃力330 防御+40 会心率0% スロット3 リロード速度 やや遅い 反動 大 ブレ なし しゃがみ撃ち LV3 通常弾(30) LV3 貫通弾(20) LV3 散弾(20) 理由:反動大のため反動軽減2が必須となるが、高い攻撃力にスロ3を持ち、防御力増加も+40と大きい。 単純な貫通しゃがみ撃ちではグラビドギガロアに劣るが、こちらは貫通1が装填可能なため、 リミッター解除しての貫通1調合撃ちが可能な点で優秀といえる。ブレ無しな点もクセがなく扱いやすい。 LV2の弾丸や属性弾が軒並み装填できないため長期戦は苦手になりがちなのがネック。 ☆衝重砲【怒頭】 作成:旅団★10(HR解放後) レア素材:脈動する爆心*1 攻撃力330 会心率10% スロット0 リロード速度 普通 反動 小 ブレ なし しゃがみ撃ち LV2 通常弾(30) LV1 徹甲榴弾() 爆破弾() LV2 減気弾() 理由:通常2の装填数が8発、お好みでリミッター解除すると11発になる通常弾に長けたボウガン。 反動小なので貫通2、3を無反動で撃つこともできる(あまり使わないが)。 乗り成功時などに、徹甲榴弾の無反動しゃがみ撃ちを頭に撃てば気絶へ繋ぐことも出来る。 スロット0かつ防御力増加無しなのが難点。 弓 ユミ【凶】 作成:集会所★4 攻撃力252 防御力+30 会心率35% スロット2 溜め1連射3 溜め2連射4 溜め3連射4 曲射 放散 ビン 強 毒 接 ペ 毒ビン強化 理由:攻撃力は衝弓【虎穿】に劣るものの、高めの会心率と毒ビン強化による継続ダメージが魅力。 防御力が+30もされるのでガンナーにとってはありがたい。スロットが2つ空いてるのも嬉しい。 ユミ【鳥】から生産強化しようとすると毒怪鳥の頭が必要になるが、集★4「自己主張の激しい者達」が毒怪鳥の頭確定報酬のため苦労はしない。 鳥幣弓IIからの強化の場合はそれさえも不要。 ☆衝弓【虎穿】 作成:旅団★10(HR解放後) レア素材:脈動する爆心*1 攻撃力300 会心率-15% スロット2 LV1 連射3 LV2 連射3 LV3 連射5 曲射 爆裂 ビン 強 ペ 減 爆 減気ビン強化 理由:高い攻撃力に連射という組み合わせで、弱点を的確に狙えるのであればこれほど有用な弓は他に無い。 これほどの高スペックにもかかわらずスロットも2つあいており非の打ちどころがない。 会心のマイナスを消すより通常弾強化や弱点特効など攻撃力が上がるスキルを使う方が良い。
https://w.atwiki.jp/tower_d/pages/110.html
Kingdom Rush サイトURL http //armorgames.com/play/12141/kingdom-rush http //www.kingdomrush.com/ 概要 可愛くて綺麗なグラフィックの通路侵入型TD。 タワーは決まった場所のみ設置可能。 比較的新しいが、早くも定番との呼び声も高い。 続編としてKingdom Rush Frontiersが公開された。 動画URL http //www.youtube.com/results?search_query=kingdom+rush 参考リンク Kingdom Rush 日本語訳 iPhone/iPad版Kingdom Rush 攻略(日本語) 基本事項 ゲームモード 追加コンテンツ タワー弓矢 兵舎 魔法 爆弾 スキル Upgrade弓矢 兵舎 魔法 爆弾 隕石 兵士出撃 Achievements1ページ目 2ページ目 3ページ目 4ページ目 追加コンテンツ専用 特殊ユニット 敵ボス HEROES コメント 基本事項 タワーは旗が立っている場所のみ設置可能。 WAVEを早送りするとボーナスゴールドを獲得し、スキル待時間短縮。 ステージを進める毎に新しいタイプのタワーなどが解除される。 ステージクリア時に貰える評価(☆)を使って各種能力をアップグレード出来る。 ゲームモード CAMPAIGNが主な舞台。難易度はEASY・NORMAL・HARDから選択可能。 それとは別に、評価(☆)3でクリアしたステージでは新たに2つのモードが解除される。こちらにも難易度EASY・NORMAL・HARDがある。 ボスが出現するのはCAMPAIGNモードのみで、他のモードでは出現しない。 CAMPAIGN いわゆるストーリーモード。 持ちライフ以上の敵を逃がすとクリア失敗。 ステージを進めるたびに、タワーレベルなど、さまざまな要素が解除されていく。 残ライフ18以上で☆3つ、17以下は☆2つ。 HEROIC CHALLEGE CAMPAIGNよりも長く、出現する敵も多い6WAVE構成。 1体も逃してはならない。(Sheepでさえも不可) 能力アップグレードが一定レベル以上無効になる。 クリアで☆1つ。 IRON CHALLENGE 非常に長く、敵の構成も更に手強い1WAVE構成。 敵の種類は確認可能だが、数が??と表示される。 1体も逃してはならない。(Sheepでさえも不可) 能力アップグレードが一定レベル以上無効になる。 指定されたタイプのタワーが建設不可。ただし、あらかじめ建っている場合もある(強化も可能)。 クリアで☆1つ。 追加コンテンツ 基本はフリー公開のゲームだが、AromorGamesアカウントを作った上に、金を払うことで追加コンテンツが入手できる。 PAYPALによる課金額は選択式だが、金額による内容の差は無い。 追加コンテンツの主な内容は以下のとおり。 新MAP 新MAPが7面追加。CAMPAIGN、HEROIC、IRONの各モードが存在。 追加MAP難易度は最高クラス。強力な新ENEMYあり。 なお、Achivementを全て埋めるには追加マップもクリアが必要。 難易度緩和 難易度が緩和される以下の要素が全てのMAPで選択可能になる。(使わない設定も可能) Extra GOLD スタート時の持ち金増加。 Lightning power Rain of Fire同様の単体ダメージのスキルを使用可能に。 REINFORCEMENT+1 援軍が3人に強化。 COSTUMES FOR REINFORCEMENTS 援軍の見た目を変更可能に。 EXTRA HEROES +6人で合計9人のHEROが選択可能になる。 タワー 基本は弓矢、兵舎、魔法、爆弾の4タイプ。レベル4でそれぞれ各2タイプに分岐。 さらにレベル4では各2種類(兵舎は3種類)の特殊アップグレードが可能になる。 弓矢 2人組で射撃。発射間隔が短い。魔法防御のある敵に対して有効。 レベル 名前 攻撃力 攻撃速度 射程 特殊能力 1 Archer Tower 4-6 普通 短い - 2 Marksmen Tower 7-11 速い 普通 - 3 Sharpshooter Tower 10-16 速い 広い - 4 Rangers Hideout 13-19 超速 超広 毒・罠 Musketeer 35-65 遅 超超広 狙撃・散弾 Poison Arrows 被弾した敵を毒状態にして3秒間継続5ダメージ(※)。毒は物理防御を無視する。ただし、効かない敵もいる 2回目以降:1秒毎の威力が5ずつ上昇 Wrath of the Forest 罠を設置して効果範囲全ての地上ユニットを一定時間足止めし、その間1秒ごとに40ダメージを与える。リロード8秒。 2回目以降:足止め時間が1秒上昇 Sniper Shot ほぼ無限の射程から頭部を狙撃し、一定確率で敵を即死させるか、大ダメージを与える。即死させた場合は、HEADSHOTと出る。成功率2割、リロード14秒 2回目以降:即死成功率が2割上昇 Shrapnel Shot 榴散(りゅうさん)弾で、一定範囲内の全地上ユニットに50-200ダメージ。リロード9秒 2回目以降:威力が50-200上昇 兵舎 通路に兵士を3体出撃させて足止めしつつ戦わせる。原則として飛行ユニットには攻撃・足止め出来ない。飛び道具に対しては自ら指示して移動させなければ攻撃しない。 非戦闘時は時間経過で回復。兵士が死亡して欠員が出ても、一定時間で補充される。 クリックした時に出る「Rally Point」で、配備位置をグループ単位で指定出来る。戦闘中でも移動可能。 レベル 名前 体力 攻撃力 防御力 生成時間 特殊能力 1 Barracks 50 1-3 無 10秒 - 2 Footmen Barracks 100 3-4 低 10秒 - 3 Knights Barracks 150 6-10 低 10秒 - 4 Holy Order 200 12-18 普通 14秒 回復・盾・ストライク Barbarian Hall 200 16-24 無 10秒 斧投・投網・斧追加 Healing Light 兵士が10秒毎でヒールを行うようになる。回復量は40-60 2回目以降:回復量40-60が上昇 Shield of Valor 兵士の防御力をMediumからHighに上昇させる。1回まで。 Holy Strike 一定確率で攻撃がHoly Strike(範囲攻撃)に変化する。威力は25-45。 2回目以降:威力25-45が上昇 Throwing Axes 3秒毎に地上・飛行ユニットに斧を投げて攻撃。34-42ダメージ。範囲は260。 2回目以降:威力が10、範囲が20上昇 Hunting Nets 網を投げて、わずかな時間、飛行ユニットの移動速度を45%低下。3秒毎。 2回目以降:敵に与える効果が15%上昇 More Axes 追加で斧を装備して2刀流に、10攻撃力増加。 2回目以降:さらに威力が10上昇 Whirlwind Attack スチーム版アプリ版ではBarbarian HallはHunting Netsを覚えられずその代わりにこのスキルを覚えられる。一定確率(15%)で攻撃が範囲攻撃に変化する。威力は25-45。 2回目以降 威力が15上昇。確率が5%上昇。 魔法 攻撃力の高い魔法弾を発射。敵の物理防御を貫通し、回避されない。 レベル 名前 攻撃力 攻撃速度 射程 特殊能力 1 Mages 9-17 遅 狭 - 2 Adept Tower 23-43 遅 普通 - 3 Wizard Tower 40-74 遅 広 - 4 Arcane Wizard 76-140 超遅 超広 死光・テレポート Sorcerer Mage (*) 42-78 遅 超広 召喚・羊 (*) 5秒間、敵の物理防御を半減する。さらに、その間も継続10ダメージ(※)。 Death Ray 射程範囲の敵1体を塵に帰す。リロード20秒。 2回目以降:リロード2秒短縮 Teleport 10秒毎、敵の集団をランダムな距離だけ後方にテレポートする。最大4体 2回目以降:最大数を1人増やす Summon Elemental ロックエレメンタルを1体召喚して戦わせる。範囲攻撃ができる。兵士同様、「Rally Point」で配備位置を変更する。倒されても8秒で倒された位置に復活 能力は体力600、攻撃力50-90、防御力Medium 2回目以降:体力100、攻撃力10上昇。 Polymorph 射程内の敵1体を無害な羊に変身させる。羊は防御力・特殊能力なし。何度かクリックすると倒せる。代わりに足止めできなくなる。リロード20秒 2回目以降:リロード2秒短縮 爆弾 発射間隔は長いが、爆弾で範囲攻撃。物理防御を半減する。 一部を除き、飛行ユニットに対して攻撃出来ない。 ただし、地上ユニットへ攻撃時の爆風は飛行ユニットにもダメージを与える。 なお、爆心からの距離に応じて威力が減衰。 レベル 名前 攻撃力 攻撃速度 射程 特殊能力 1 Dwarven Bombard 7-14 超遅 普通 - 2 Dwarven Artillery 20-39 超遅 普通 - 3 Dwarven Howitzer 33-66 超遅 広 - 4 500mm Big Bertha 60-120 超遅 広 クラスター・ミサイル TESLA X104(*) 55-105 超遅 普通 過充填・連鎖UP (*)爆発による範囲攻撃から電撃による連鎖攻撃に変化。地上空中問わずルート内で直線状に結ばれるように連鎖し、後続の連鎖対象には威力減衰。連鎖に限り、敵の間隔が広すぎなければ射程限界を超える。最初は3体まで連鎖する。 Cluster Launcher Xtreme 空中で爆発し、3つの子爆弾が炸裂。ルートに沿いながら、直線状に爆撃。17秒毎。 2回目以降:子爆弾2つ追加 Dragonbreath Launcher 絶対命中の追尾ミサイルで地上・空中の敵を攻撃。目標を失うと別の敵に対象を変更。威力140-180。11秒毎。 2回目以降:威力40増加 Overcharge 攻撃時、過剰充電による放電で近くの全ての敵に小ダメージを与える。 2回目以降:攻撃力5上昇 Supercharged Bolt より多くの敵へ連鎖ダメージ。1回ごとに+1。2回まで。 (※)敵を異常状態にする砲台は、範囲内の敵すべてが異常状態になるまで、なっていない敵を攻撃するので注意。全員が異常状態になると、一番ゴールに近い敵を攻撃する。 スキル 一定時間毎に使える特殊攻撃。使用してもペナルティはない。 Rain of Fire 幾つもの隕石を落として敵を攻撃。使用間隔80秒。 Call Reinforcement 援軍の兵士を自由に配置して、足止めしつつ戦わせる。使用間隔10秒。 死亡しなくても、一定時間経過で消滅。 Lightning power 追加コンテンツ購入で使用可能。 雷撃による単体攻撃。使用間隔40秒。 Upgrade ☆を使ってアップグレード出来る能力。 左下のRESETで振りなおしができる。右下のDONEで終了。 ☆は12ステージ x 各5コ + オマケ2コ の全62個。 オマケ2つは全体マップの上部にあるタブを開くと表示される Twitter・Facebookのアイコンをクリックする事で手に入る。 各砲台・スキルの合計6つに分かれており、下位から順番にアップグレードする必要がある。 以下、下位から上位へ順番に記載している。 弓矢 Marksmen Towerの売却額を90%に上昇。 Marksmen Towerの射程を上昇 敵の物理防御に対する貫通付加。 Marksmen Towerの射程を上昇。 Marksmen Towerの威力が一定確率で倍増。 兵舎 Barracksの兵士の体力を10%上昇。 Barracksの兵士の防御力を上昇。 Rally Pointの範囲を上昇、および兵士の生成時間を20%短縮。 Barracksの兵士の体力をさらに10%上昇。 兵士が攻撃を受けたとき、相手に対して一定%のダメージカウンター。Reinforceの兵士にも適用される。 魔法 魔法の射程を上昇 魔法攻撃がヒットする毎に、敵の物理防御が一段階ダウンする。 Mage Towerの設置・アップグレード費用を10%低下。 魔法の攻撃力を上昇。 魔法攻撃のヒット時、一定時間敵の移動速度を半分に低下。 爆弾 Artilleryの攻撃力を上昇。 Artilleryの射程を上昇。 Artilleryの設置・アップグレード費用を10%低下。 Artilleryの特殊能力コストを25%低下。 Artilleryが爆心からの距離・電撃連鎖回数による威力減衰を受けなくなる。 隕石 隕石を2つ追加し、攻撃力も上昇。 隕石の落下後が5秒間炎上し、通過した敵にダメージ 隕石の攻撃力を上昇、爆発範囲を上昇、使用間隔を10秒短縮。 攻撃力と地面の炎上時間を2倍に。使用間隔を10秒短縮。 攻撃力を上昇。全画面にランダムで降る隕石を追加。 兵士出撃 兵士の体力上昇、攻撃力を少し上昇。 兵士の体力上昇、防御力・低を付加。 兵士の体力上昇、防御力・普通を付加。 兵士の体力上昇、防御力・高を付加。 槍投げ攻撃を追加、地上・飛行ユニットに攻撃可能。 Achievements 指定された条件を達成すると獲得できる。 1ページ目 名前 条件 First Blood 敵を1体倒す。 Daring Waveを10回早送りする。 Constructor 塔を合計30回建設する。 Bloodlust 敵を合計500体倒す。 Armaggedon 一つのステージ隕石を5回使用する。 Home Improvement 塔をレベル3までアップグレードする。 Starry 星を15個獲得する。 Whats That? 新しい敵が出現した時に出る情報を10体分閲覧する。 Supermario 星を30個獲得する。 Nuts And Bolts 6面のボスを倒す。 Engineer 塔を合計100回建設する。 Is He Dead Yeti? 9面のボスを倒す。 Slayer 敵を合計2500体倒す。 Death From Above 隕石で敵を合計100体倒す。 2ページ目 名前 条件 Tactician Rally Pointを200回変更する。 Superstar 星を45個獲得する。 The Architect 塔を合計150回建設する。 This is The End! ラスボスを倒す。 Terminator 敵を合計10000体倒す。 Die Hard 兵士のHPを自動で50000回復する。 G.I Joe 兵士を1000体出動させる(?)。 Cannon Fodder 兵士が合計1000体死亡する。 Fearless 1つのステージで全てのWaveを早送りする。 Realestate 塔を合計30回売却する。 Indecisive 一つのステージで塔を5回売却する。 Impatient WAVE早送りアイコンが表示されてから3秒以内にクリックして早送りする Forest Diplomacy 5面の小屋でエルフを最大数まで雇う Like A Henderson 8面で雪男(Sasquatch)を解放する 3ページ目 名前 条件 Sunburner! 9面のソーサラー塔の太陽砲を20回発射する Imperial Saviour 6面に最初からいる騎士を3体以上生存させてクリア Specialist 8つのAdvanced Towerを全て建設する。 50 Shots 50 Kills スナイパー塔で敵を50体即死させる。 Toxicity 毒で敵を合計50体倒す。 Entangled 罠で敵を合計500体仕留める。 Dust To Dust! 敵をDeath Rayで合計50体即死させる。 Beam Me Up Scotty 敵を合計250回テレポートさせる Shepherd 敵を合計50体羊に変化させる。 Elementalist 1回のプレイ中にエレメンタルを5体召還する。 Axe Rainer! 斧を合計500発投げつける。 Are You Not Entertained? 1体のBarbarianで敵を10体倒す。 Medic! ヒーリングで兵士のHPを合計7000回復する。(普通の回復では×) Holy Chorus Holy Strikeを合計100回発動させる。 4ページ目 名前 条件 Rocketeer ミサイルを合計100発発射する。 Clustered Cluster Bombを合計1000発発射する。 Energy Network Tesla Towerを4つ建設する。 AC/DC 電撃で敵を合計300体倒す。 Ovinophobia 羊を10匹以上殺す。戦闘画面の羊を何度もクリックすると殺せる。 Twin Rivers Angler! 魚を捕まえる。川でたまに魚がはねるのでクリックする。 Great Defender ノーマルモードで全ステージ(追加MAPを含まない)をクリアする。 Heroic Defender ノーマルモードで全ステージ(追加MAPを含まない)のHeroicモードをクリアする。 Iron Defender ノーマルモードで全ステージ(追加MAPを含まない)のIronモードをクリアする。 Champion of Linirea ヒーローのレベルを5にする。 Legend of Linirea ヒーローのレベルをMaxにする。 追加コンテンツ専用 名前 条件 Free Fredo 洞窟入り口のFREDOをクリックして解放する。(SARELGAZ'S LAIR) Arachnophobiai SARELGAZ'S LAIRをクリアする。 Orcs Must Die RUINS OF ACAROTHをクリアする。 Lumberjack ROTTEN FORESTをクリアする。 I am The Low BANDIT'S LAIRをクリアする。 Coolrunning ? Scrat's Meal どんぐりを見つける。(GLACIAL HEIGHTS) Plants VS Trolls 5つのice-shroomsを見つける。(HA'KRAJ PLATEAU) Don't Feed The Troll HA'KRAJ PLATEAUをクリアする。 We Dine in Hell ? Army Of One 複製能力を使う前のlegionを9体倒す? Hell-O! ? Spore ? Counts As One ? Super Mushroom FUNGAL FORESTをクリアする。 Tmnt(Cowabunga) Ninja Master Ratを見つける。(?) Nevermore ? Nessie 水面下に隠れてるモンスターを見つける。(NIGHTFANG SWALE) Ratatouille ? Game Of Crowns ? 特殊ユニット 特定ステージに最初から設置されている特殊建築物・ユニット。 5面 左上の壊れた小屋(IRONでは右下広場にも)。100Gで修理すると、100GでSylvan Elfを召喚出来るようになる。 HP200・攻撃力25-50・防御力:なし。弓による遠距離攻撃、薙刀での接近戦。 小屋1つで最大4体まで。 6面 通路上に騎士(Imperial Guard)。HP250・攻撃力10-30・防御力:普通。回復はするが、死亡しても復活なし。 8面 左上に氷で塞がれた洞窟。隕石で氷を破壊した後、500Gで雪男(Sasquatch)を召喚出来る。 HP2500・攻撃力50-110・防御力:なし。 9面 左下にソーサラーの塔。100Gでソーサラーを呼びこむと、 敵1体を指定して強力なビーム攻撃が行えるようになる。 ソーサラーの人数に比例して強力になり、クールダウン時間が減る。 クールダウンを経れば何度でも使用可能。 敵 「逃」の項目は逃した際に失うライフ数。「物」「魔」の項目は、物理・魔法防御(おそらく%)。 「HP」はノーマルモードでの値で、イージーモードだと2割減。 名前 逃 物 魔 HP Dodge Speed Gold Damage AtSpd 特殊能力 Goblin 1 - - 20 - 1.2 3 1-4 1 - Orc 1 30 - 80 - 0.8 9 4-8 1 - Shaman 1 - 85 100 - 1 10 3-5 1 味方のHPを回復 Ogre 3 - - 800 - 0.7 50 40-60 1 - Bandit 1 - - 70 50 1.2 8 20-30 1 物理攻撃を回避可能 Brigand 1 50 - 160 - 0.8 15 6-10 1 - Marauder 3 60 - 600 - 0.8 40 16-24 1 - Giant Spiders 1 - 65 60 - 1.5 6 10-18 1 毒無効 Spider Matriarch 2 - 80 250 - 1 20 15-25 1 小さいクモを生み出す、毒無効 Gargoyle 1 - - 90 - 1.2 12 1-2 1 飛行ユニット Shadow Archer 1 - 30 180 - 1.2 16 10-20 1 弓矢で遠隔攻撃 Dark Knight 1 80 - 300 - 0.7 25 15-25 1 - Wulf 1 - - 35 30 2.5 5 1-3 1 物理攻撃を回避可能 Worg 1 - 50 120 50 2 12 12-18 1 物理攻撃を回避可能 Golem Head 1 - - 125 - 0.7 10 10-20 1 - Winter Wolf 1 - 50 350 50 2 35 20-40 1 物理攻撃を回避可能 Troll 1 - - 280 - 0.9 25 20-40 1 HP自動回復 Troll Champion 3 - - 600 - 0.8 50 30-50 1 HP自動回復、投斧で遠隔攻撃、防御貫通 Troll Chieftain 6 - - 1200 - 0.6 70 10-30 1 HP自動回復、味方の攻撃・防御・移動速度・HPを上昇させる Yeti 5 - - 2000 - 0.7 120 50-150 2.5 範囲攻撃 Rocket Rider 1 - - 340 - 1.2 30 1-2 1 飛行ユニット、ターボで一時的に移動速度上昇 Dark Slayer 3 95 - 1200 - 0.7 100 24-76 1 - Demon Spawn 1 - 60 250 - 0.8 20 10-30 1 死亡時に爆発してダメージを与える Demon Lord 5 - 60 1000 - 0.6 60 15-75 1 Demonにシールドを張る、死亡時に爆発してダメージを与える Demon Hound 1 - 60 350 50 1.5 25 20-40 1 死亡時に爆発してダメージを与える Demon Imp 1 - - 350 - 1 25 1-2 1 飛行ユニット Skeleton 1 - - 120 - 0.6 2 10-20 1 敵が死ぬと出現、毒無効 Skeleton Knight 1 30 - 400 - 0.6 10 20-40 1 中級の敵が死ぬと出現、毒無効 Necromancer 3 - - 700 - 0.6 50 20-40 1 Skeleton系を召喚、魔法で遠隔攻撃 Magma Elemental 5 - - 2500 - 0.5 100 50-150 2.5 範囲攻撃 ボス どれも逃したら20ライフを失い、即ゲームオーバーとなる。 The Juggernaut 6面。巨大兵。ロケット弾による遠距離攻撃、ロケット弾からGolem Headを召喚。 J.T. 9面。雪男。砲台を凍らせて使用不可能にさせる。 使用不可能になった場合はクリック連打すれば元に戻る。 VEZ'NAN 12面。魔王。Wave開始から一定経過で、砲台を封印して使用不可能にさせる他、敵を召喚してくる。 J.T.のとは少し違い、一定時間以内に解除しないと数秒間全く攻撃出来なくなる。 ただ、時間経過後はそのまま元の状態に戻る。 HPが尽きると巨大な悪魔に変身し、行動が変化する。 HEROES HERO ROOMで「ENABLE HEROES ☆15」をクリックすると☆15消費して使える様になる。 名前/種類 体力 攻撃 遠距離 移動 特殊能力 ALLERIA SWIFTWIND弓使い 3 3 6 6 マルチショット野生の呼び声 MULTISHOT 複数の矢を放ち敵を攻撃する。同じ敵相手でも複数の個別の矢としてカウントされる。(クールタイム4秒) レベル上昇:矢の数が増加 CALL OF THE WILD 敵1体を足止めする山猫を召喚する。(リスポーン20秒) レベル上昇:HPと与ダメージを増加 名前/種類 体力 攻撃 遠距離 移動 特殊能力 SIR.GERALD LIGHTSEEKER騎士 8 6 - 5 勇猛果敢報復の盾 COURAGE 彼の周りの兵士の与ダメージ量、HP量、アーマーを強化する。強化時間は6秒。(クールタイム8秒) レベル上昇:与ダメージ量、アーマー強化の効果量が増加 SHIELD OF RETRIBUTION 使用すると与えられたダメージを相手の防御力に関係なく反射する。(確率20%→40%→60%) レベル上昇:反射する確率とダメージ量を上昇 名前/種類 体力 攻撃 遠距離 移動 特殊能力 MALIK HAMMERFURYハンマー使い 8 7 - 4 ハンマースマッシュ地ならし HAMMER SMASH 周囲の敵に防御無視の範囲攻撃をする。(クールタイム6秒) レベル上昇:ダメージ量上昇 EARTHQUAKE 周囲の敵が2秒間スタンする防御無視の範囲攻撃をする。(クールタイム15秒) レベル上昇:ダメージ量上昇 名前/種類 体力 攻撃 遠距離 移動 特殊能力 BOLIN FARSLAYER銃&地雷 6 5 5 4 地雷設置タール爆弾 MINE LAYER 地雷を設置し踏んだ周辺の相手にダメージを与える。地雷は50秒後に消え、最大8個まで設置できる。(クールタイム8秒) レベル上昇:与ダメージ量上昇 TAR BOMB 地面にぶつけると相手の動きを遅くするタールの水たまりを形成する。 レベル上昇:効果時間上昇 名前/種類 体力 攻撃 遠距離 移動 特殊能力 MAGNUS SPELLBANE魔法使い 2 2 8 8 幻影神秘の嵐 MIRAGE 10秒間戦う自身の幻影を生み出す。近距離戦闘と遠距離戦闘の両方が可能。(クールタイム10秒) レベル上昇:与ダメージ量とHPと幻影の数が上昇 ARCANE STORM 敵の前に小さな魔法陣を呼び起こし、魔法の流星群を召喚する。流星1つにつき防御無視の攻撃を与える。(クールタイム15秒) レベル上昇:ダメージ量と流星の数が上昇 名前/種類 体力 攻撃 遠距離 移動 特殊能力 IGNUS炎の精霊 6 8 - 6 炎の体燃え盛る狂乱 SURGE OF FLAME 火の玉となって敵に突進し、突進してる間に通過した敵全てにダメージを与える。目標の敵のところにたどり着くと通常通りの近接戦闘を開始する。突進の対象となるのは兵士によって足止めされていない敵のみ。(クールタイム4秒) レベル上昇:与ダメージ量上昇 FLAMING FRENZY 衝撃波を発しダメージを与え最大体力の20%を回復する。 レベル上昇:与ダメージ量上昇 IGNUSは地形や一部の敵による燃焼効果を受けない。 IGNUSによる攻撃の全ては防御無視となる。 名前/種類 体力 攻撃 遠距離 移動 特殊能力 KING DENAS王様 5 6 6 3 王の勅令カタパルト弾幕 ROYAL EDICT 最も近いタワーの攻撃速度を20%増加させる。兵舎はこの効果を受けない。(クールタイム10秒) レベル上昇:効果時間上昇 CATAPULT BARRAGE 印に向かってカタパルトを放出させる伝令を送る。印がある限りはスキルを中断せずに移動することができる。カタパルトは装甲を1/2無視する。(クールタイム12秒) レベル上昇:カタパルトの数とダメージ量を上昇 名前/種類 体力 攻撃 遠距離 移動 特殊能力 ELORA WINTERSONG氷の魔法使い 3 2 8 7 永久凍土氷の嵐 PERMAFROST 地面を2秒間凍らせて敵の動きを80%遅くする。(クールタイム8秒) レベル上昇:凍らせる範囲を広げる ICE STORM つららを召喚し、範囲ダメージを与える。(クールタイム10秒) レベル上昇:攻撃の範囲とダメージを上昇 ELORAの基本的な攻撃は攻撃した相手を2秒間50%遅くする。さらに20%の確率で2秒間相手を凍らせる。 名前/種類 体力 攻撃 遠距離 移動 特殊能力 INGVAR BEARCLAWバイキング 8 8 - 5 祖霊召喚熊化 ANCESTOR CALL 10秒間持続し、兵士のように足止めができる祖霊を召喚する。(クールタイム15秒、攻撃頻度1秒) レベル上昇:HP、与ダメージの上昇、祖霊の数を増加 BEAR FROM 体力が60%以下になると熊に変身する。熊に変身している間は無敵になり、戦闘中にも毎秒2ヘルスを回復し、与ダメージを上昇させる。熊になっている間は祖霊召喚は行えない。(クールタイム20秒) レベル上昇:熊になっている時間と与ダメージを上昇 名前/種類 体力 攻撃 遠距離 移動 特殊能力 Hacksawノームの発明家 8 7 - 2 フライングソーラーブレードティンバー! Flying Sawblade 1ヒットごとに防御無視の45ダメージを複数の敵に跳ね返るブレードを放つ。飛行している相手にも有効(クールタイム8秒) レベル上昇:跳ね返る回数が増加 Tiiiimber ドリルで敵を即死させる。(クールタイム36秒→32秒→26秒) レベル上昇:クールタイムの減少 名前/種類 体力 攻撃 遠距離 移動 特殊能力 ONI鬼 7 8 - 6 剣の苦痛死の一撃 Sword Torment 剣を地面に突き刺し剣を召喚し、防御無視の範囲ダメージを与える。(クールタイム15秒) レベル上昇:与ダメージを上昇 Death Strike 敵1体に防御無視の大ダメージ、または即死(10%、15%、20%の確率)を与える。(クールタイム10秒) レベル上昇:与ダメージを上昇、即死確率を増加 ONIはデーモン類と戦う際の死亡時の爆発ダメージを受けない。 名前/種類 体力 攻撃 遠距離 移動 特殊能力 THOR半神 7 8 - 5 ミョルニル雷鳴 Mjolnir 攻撃が25%の確率で放電し、複数(3体、4体、5体)の相手に魔法ダメージを与え、自身が攻撃している相手に防御無視攻撃を与える。 レベル上昇:連鎖する敵の数の増加、与ダメージを上昇 Thunderclap 1体の敵に稲妻を召喚し防御無視攻撃をし、指定範囲内の敵を2秒間スタンさせ魔法ダメージを与える。(クールタイム15秒) レベル上昇:与ダメージ量上昇 初期状態では「ALLERIA SWIFTWIND」「SIR.GERALD LIGHTSEEKER」「MALIK HAMMERFURY」のみ使用可能、プレミアムコンテンツ購入で全てのHEROが使える様になる。 コメント フロンティアPC版なら1か月前に出てるよ -- (名無しさん) 2014-01-25 21 24 07 2か月前だった・・・ -- (名無しさん) 2014-01-25 21 25 10 防衛ゲームって面白いな。ハマった! -- (名無しさん) 2014-02-22 00 27 26 なかなか☆3つでクリアできん -- (名無しさん) 2014-02-22 23 48 04 フロンティアの方が難しい気がする -- (名無しさん) 2014-02-23 02 05 24 無印はヒーローが追加されたりテスラが強化されたりしたから、プレイした時期で難易度は変わる -- (名無しさん) 2014-03-05 00 11 08 ヒーロー無しで攻略が至高 -- (名無しさん) 2014-11-28 14 52 10 armorgamesのプレミアム登録、6$払わなくてもfree offerっての選んでtolunaってアンケートサイトに捨てアドで会員登録したらOKだった。登録から1日くらいはかかるみたい。trialpayってサイトからメール着てプレミアムOK。会員登録後、提携サイト選択画面でcontactっての選んで問い合わせしたけど関係あったかは不明。toluna登録後100ポイントもらえるプロフィール登録いくつかやったけどこれも関係は不明。 -- (名無しさん) 2015-02-19 20 34 43 同じ難易度でもandoroid版の方が簡単?かな -- (名無しさん) 2016-03-13 20 55 10 今更ブラウザ版にハマったけど、援軍のスキルを全部取ると強いな。投げ槍が便利すぎる。敵を倒す速度が上がるのはもちろん、飛行系、自爆系、シャドーアーチャーなどに対応しやすくなる。10秒に1回という頻度の多さで弱い場所を補強できるから柔軟な対応が可能になるし。 -- (名無しさん) 2016-03-19 23 44 01 フロンティアよりも難しい…… -- (名無しさん) 2016-07-30 15 30 06 フロンティアが簡単すぎるとも言う。魔法タワーが強すぎたから。 -- (名無しさん) 2016-08-27 11 19 49 魔法だしてある程度育てたら安定って感じだったね(笑) -- (名無しさん) 2016-09-23 04 59 22 大攻城!三国x戦国クロスバトルがもろに -- (名無しさん) 2016-10-30 03 31 20 [Stage3 Hiroic-Hard] 1.下段の三連空きの左と中央にそれぞれ魔法を設置。中央の魔法をLV2にする。 2.開始後、中央道の合流し終えた箇所に召喚兵を二回出して待機。右上の道にシャーマンが見えた瞬間メテオ撃ち込み。 3.下段の二連空きに歩兵を二つ設置・下段の三連右に魔法を設置。 4.魔法LV2、歩兵LV2にしつつ、大群にまぎれてくるシャーマンにメテオ。混戦で敵が漏れやすいので注意する。波を超えたら下段の歩兵をギリギリまで左に寄せて集合させる。 5.最後のトロルにメテオを間に合わせるため、残りポイントで歩兵設置、召喚兵をぶつけて時間を稼ぎ、ゴール手前でメテオを当てる。 -- (最難関その1) 2017-08-07 19 02 35 ↑ ☓[Stage3 Hiroic-Hard] ◯[Stage3 Iron-Hard] -- (名無しさん) 2017-08-07 19 06 12 [Stage4 Hiroic-Hard] 準備 入口正面に大砲・右隣に魔法・川向こうの左隣に大砲・大砲の対面に歩兵(橋の上に移動)・魔法の右隣ひとつ飛ばして歩兵(限界まで左に移動)・外周二連空きの右側に歩兵。 wave1 左の橋上は大砲の効き2つで安定。右に召喚兵を入れつつポイントが貯まり次第、開いてる魔法の右隣と外周二連空きの左側にそれぞれ魔法を設置して逆三角形の様にする。早めにwave2を押してゴールド得る。 wave2 左橋上に召喚兵。抜かれそうになったらメテオ。大砲右隣の魔法をLV2に。早めにwave3押してゴールド得る。 wave3 右の魔法と大砲の間に召喚兵。その隣の魔法も溜まり次第LV2。wave4 左橋上に召喚兵。左の大砲の隣にもう一つ大砲設置。橋上にシャーマン来たらメテオ。大砲の奥に歩兵設置。ギリギリまで下に集合させる。橋上が抜かれたら、橋上歩兵の集合地点を大砲奥歩兵の集合地点と重ねてオーガの対処にあたる。wave5 左に召喚兵。左は橋を超えた地点が激戦区になる。ポイントで右外周の魔法をLV2に。オーガx2 シャーマンx3橋を超えた激戦区に固まったところでメテオ。5体全部に当てること。貯まったポイントで左の兵舎の隣に魔法。さらにその隣に兵舎。その隣に魔法(出口正面の位置)と続けて設置する。 wave6 集合地点を橋上に戻し、橋上に召喚兵。右の兵舎の奥に魔法、兵舎と続けて設置(これで全マス埋まる)。橋上が抜かれたら集合地点を奥に変更。そこが抜かれたらさらに奥で歩兵の集合地点を重ねる。オーガx2にメテオ。ポイントで奥に設置した魔法ふたつをLV2に。その後のポイントは奥の歩兵LV2にする。 内容 右は魔法LV2*3と歩兵LV1*2で抜かれない形になる。左は大砲3つで群れを排除しつつ歩兵の集合地点をスイッチさせて戦う。ポイント不足の場合は後方の魔法を弓にしても可。 -- (最難関その2) 2017-08-07 20 50 50 パソコン版のデーモン・レギオンが強化され過ぎてワロエナイ。 -- (黄昏のゲーマー) 2018-12-29 11 51 25 ロックエレメンタルの制圧力が凄まじい。後半のステージでは片方をコイツと保険で兵舎lv1置くだけで地上はほぼ完封出来る -- (名無しさん) 2019-02-01 06 12 45 英雄のtenshiの説明も書いてください -- (名無しさん) 2023-06-08 20 43 37 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/isekaikouryu/pages/2076.html
風たちは鮮やかな猛禽のように市城の空を駆け巡り、大気そのものを太鼓のように打ち鳴らした。 どん、どん、と腹の底を揺さぶる振動が市城に響きわたり、驚いた人々が頭上を見上げてため息を漏らす。一方風たちは大気を震わせながらも耳を澄まし、目を凝らしてテンコウの姿を探している。ひときわ耳を大きく広げた風の一体が、不意にかっと目を見開いて声を張り上げた。 「きたぞ!」 市城の中央、金色に輝く炎の門の頂上付近。ふらふらと漂う白い毛むくじゃらの犬が、金炎に身をあぶられながらセイランたちを見上げている。風たちが放つ衝撃を全身で受け止め、目を円らに見開いて口を大きく開けている。変わり始めた風向きを全身で感じ取っているのだ。 今度こそ、テンコウを捕えて見せる。 セイランはできる限りそっくり返ると、口に手を当てて声を張り上げた。 「テンコウ! もう逃がしませんよ! 覚悟してください!」 「そら!」 セイランの言葉に合わせるように、やおら一体の風精がほほを膨らませて空気を吐き出した。小さな風が巻き起こり、あたりに漂う埃を取り込んで渦を巻く。小さなつむじ風は風精が手を差し伸べると大きく膨らみ、さらに多くの砂粒を巻き上げて成長していく。たちまちのうちに、らせん状の砂槍が姿を現していた。 風の腕が槍をむんずとつかみ、テンコウめがけて投げ放つ。その勢いは矢よりも稲妻よりも早く、セイランの目に止まるはずもない。だからセイランが見ることができたのは、金炎にぶち当たって音もなく消滅した槍の残骸であり、無念そうに鼻息を漏らした風の姿であり、どうやってか槍をかわしてあくびをするテンコウの姿だった。 「やるな」「惜しかった」「ではこれならどうだ」 ほかの風が、次々と虚空から得物をつかみだしていく。大きく広がる投網があった。鋭く輝く穂先があった。何重にも連なった鈴が、まるで見た目はムカデだけれど泣き声だけは美しい虫のようにうごめく。滲み現れた吹き流しの色ははためいて絡まりあい、一つの巨大な旗のよう。幅広の曲刀を両手に下げた風が体の周りで刃を振り回すさまは目にも留まらず、かと思えば時にぱっぱと動きを止めて、歓声を上げている観衆たちに敬礼する。お祭りだ、とセイランは気づいた。風の精霊総出のお祭りだ。そろいの服を着て、お気に入りの道具をもって、市城に吹き渡るすべての風がテンコウを追いかけるお祭りなのだ。わかっているのかいないのか、門の上のテンコウがすくと背筋を伸ばした。一瞬おいて静寂が訪れる。誰もが息を詰めている。何かが大気を、そしてセイランの意思をも膨らませていく。その何かに背中を押されるようにしてセイランは機会を待った。これはお祭りだ。だとすれば音頭が必要なのだ。皆が自分を解き放てるように、楽しい楽しい大暴れの時間を、心の底から味わえるように。 もう少し。 もう少し。 いまだ。 「かかれええええええええええ!!!!」 すべての色が、目にも留まらぬ速さでどよめいた。風精の胸元にしがみつきながら、セイランはテンコウがさかさまの雷のように天へ駆け上るのを見た。追いすがる風たちが手にする吹き流しをまるで色とりどりのしっぽのように引き連れて空を走り抜け、間一髪でそのすべてを振り切っていく。急降下して建物の間に入ったテンコウについていけない風たちが屋根や壁にぶつかって散らされ、かと思えば横合いから飛び出した曲刀に顔をかすめられてテンコウがもんどりうつ。 吹き上がる砂埃を切り裂いて突っ込んでくる曲刀使いの刃を、テンコウは身軽にかいくぐっていく。地に落ちていた吹き流しをくわえあげ、テンコウは曲刀使いの足元を縦横無尽に走り回って、「ふぴゃー!」の声も高く勝ち誇る。いつの間にか吹き流しは曲刀使いの足と言わず腕と言わず絡みついてしまっている。無念そうにうめき声をあげた曲刀使いが身をよじり、すると戒めはあっさりほどけてすり抜ける。当たり前ですとセイランは苦笑いだ。風を縛れるわけがない。ほかならぬテンコウにしてからが、紐の一つもつけられないぐらいなのだから。 一転してうろたえたテンコウに、曲刀使いが一撃を振り下ろす。哀れテンコウの首はあっさり切り落とされ――転がる首が思い出したようにくしゃみをする。あっけにとられる曲刀使いの目の前で、テンコウのもこもこした体が首に断面を押し付けると首はあっさりくっついてしまう。当たり前ですとセイランは脱力する。雲を断てる刃があるとして、テンコウは雲よりはるかにしぶとい。 テンコウがふてぶてしくニャーと吠えると、曲刀使いも高笑いする。ぶんぶんと刀をまるで風車のように振り回し、優雅に一礼してさっと曲刀を空へ投げ上げる。落ちてきた刃がチン、と音を立てて見えない鞘に収まった時、風の姿もまたそこにはいない。テンコウは見物している子供がなめている飴をねだり、かと思えば背後に迫る風たちの攻撃をあっさりかいくぐって大空へと飛び込んでいる。 次から次に追い込まれては逃げおおせてみせるテンコウの姿を、セイランは風精とともに追い続けた。はじめのうちこそ中々つかまらないことに業を煮やしていたセイランも、テンコウの鮮やかな逃げっぷりを見るうちにだんだんと楽しくなり始めていた。何しろこれは極上の見世物だ。今までに誰も見たことがないような風たちの一大大騒ぎ、それもセイランの席ときたらかぶりつきだ。町中の人がセイランを羨んで声を上げている。それに加えて、テンコウは結局セイランの友達だった。いつもは動く座布団ぐらいにしか扱っていなかった存在の思いもかけない雄姿に、セイランはすっかりテンコウのことを見直していた。今しも四方八方から投げかけられた投網をかいくぐってみせたテンコウの姿にセイランは歓声をあげ、風精にもっと近づくように指示した。 返事はなかった。ひげもじゃの風精は、一人浮かぬ顔をしていた。 まるで何かを恐れるように、あたりをはばかるかのように太い首をすくめ、剣呑な目つきで周囲を見回している。顔のしわがどんどん深くなっていくさまを見て、セイランはどことなく嫌な予感に駆られた。テンコウを応援していることがばれたのか、捕まえられないことを気に病んでいるのか。それとも。 「どうされたのですか」 「よくありません」 深刻そのものだ。やっぱり捕まえられないと思っているのだろうか。 「大丈夫ですよ。テンコウもあれだけ追い詰めてるんですからそのうち疲れますよ。だから、もう少し頑張ってくださ」 「それどころではないのです。皆が」 風精が言葉を切り、セイランを抱え込んで上昇し始めた。抱きすくめられて息のできなくなったセイランはそれでも何とか這い出すと、風精の髭を引っ張ってこちらを向かせた。 間違いなかった。風精は今やはっきりと怯えている。 「風精さま、どうしたんですか、何があったんですか」 「皆が」 おどおどした目つきの風精が、突然奇妙なことをし始めた。着ていたTシャツをずり上げ、生地に鼻を押し付けたのだ。Tシャツ越しの空気をいっぱいに吸い込むと、風精はうめいた。 「本当は違うのです。でも、皆が誤解している」 「なんですか。誤解って何のことですか。いったい何が――」 ドン――という音が、セイランの言葉を遮った。 セイランは眼下の街を見おろして青ざめた。風たちは今や、テンコウのことを完全に無視していた。でたらめに飛び回り、瓦を吸い上げ、建物を揺さぶって奇声を上げている。固定されていないものを何でも巻き上げては投げ落とし、かと思えば竜巻の姿を取って人々を追い立てる。あっけにとられたように首をかしげるテンコウの前で、風の一体がその姿を真似してくすくす笑った。 まるで――とセイランは冷や水をかけられたような気分になった。 まるで酔っぱらってしまったようにしか見えない。でもなぜ? いったい何に酔っぱらっているのだろう? 「酔っぱらったりなんかしないはずなのです」 風精が悲しげにうめいた。 「この装束には、異界の薬なんか入っていないのです。だから着ても酔わないし、現に私は酔わなかったのです。酔えるかなと思ったのに。力が出せるかと思ったのに。だめでした。でも皆は酔ってしまったのです」 セイランの脳裏に光景がひらめく。ヒョウセイがTシャツをゆでていた謎の儀式。異界のこかいんという薬。 『薬を水に溶き、件のTシャツなる衣類にしみこませて持ち込んだら、洗って薬を溶かしだしてから煮詰めて取り出すのです』 あれを、風たちも聞いていた。人の口から出たすべての言葉と同じように、風たちもこかいんの話を耳にしていたのだ。それもいかにも風らしく、中途半端な聞きかじりを。そして思い込みから酔っぱらってしまった。 「何もかも誤解なのです」と風精が言った。 そんな馬鹿な――と言いかけて、セイランは言葉を飲み込んだ。確か風たちが言っていなかっただろうか? セイランがTシャツを渡した時の、あの様子。 『この異界の装束が、なにやら力を与えてくれる』 『この装束には、異界の息吹が宿っている』 ありもしない力、ありもしない息吹だ。人を狂わせるよくない薬があるという思い込みだ。 もちろん、そこまで風精がバカなはずはない。吸ってもいない薬で、酔っぱらってしまえるわけがない。 薬だけなら。思い込みだけなら。けれど、風精たちの背中を押して、明後日の方向に走らせてしまうものがもう一つあった。テンコウとの追いかけっこだ。 セイランは大都の育ちだから、食神祭には当然親しんでいる。国中から集まってくる金炎厨師や観光客で、大都は祭りの間眠ることのない不夜城に変貌する。いつもの何倍の人たちが一堂に集まる祭りの時には、人々の気が立ってしまうものなのだ――と、父変わりであるハンリョウはいつも言っていた。 「だからこっそり抜け出したりするなよ。面倒に巻き込まれるぞ」 それでセイランはどうしたかといえば抜け出して面倒に巻き込まれていた。おのぼりさん同士の喧嘩に巻き込まれたのだ。地元出身の料理人を贔屓して盛り上がった群衆が、負けた方の料理人の仲間とぶつかり合って殴り合いになった。セイランは這う這うの体で逃げかえり、ハンリョウにこってり絞られて往生したものだった。熱気はそれだけで人を酔わせ、狂わせるものなのだ。 今の状況も、全く同じことだった。 「風精さま、風精さま!」 セイランが急き立てても、風精は面倒くさそうに見返すばかりだった。急に怒りに駆られて、セイランは風精の髭を轢きむしった。風精は瞬きさえしなかった。 「ぼんやりしないでください!」 セイランは喚き、風精を殴りつけた。 「止めないと、早く止めないと大変なことになっちゃいます!」 「もうなってます。駄目です。どうしようもない」 「何あきらめてるんですか! しっかりしてください! 白王様に」ああ、白王様に合わせる顔がない「白王様にいいところ見せたいんじゃなかったんですか! どうしても欲しいものがあるって、お願いすることがあるんだって言ってたじゃないですか!」 「もうおしまいです。こんなことになってしまっては。私はもうずっと」 「おしまいじゃないです! 何とかなります、絶対、私が何とかしてみせます。だから私の言うこと聞いてください、何とかするために、力を貸してください!」 「もう貸してます」 どんより曇った目で風精が言う。 「私の力じゃ、もうどうにもなりません」 ダメだ――焦燥が、ごわごわした毛だらけの手でセイランの心臓をわしづかみにした。もうこの風精には頼れない。すっかりあきらめきってしまっている。 セイランは狂おしく市城を見下ろした。風たちは相変わらず荒れ狂っている。セイランは思わず白王を探した。舞上がってきた白王さまが、衣をひらひらさせながら飛び回り、風たちを鎮めてくれはしないだろうか。一切何も起こりなどしなかったように、すべてを片付けてくれはしないだろうか。 ダメです――セイランは歯を食いしばった。これ以上、白王様に手はかけさせられない。みっともないところも見せられない。この事態を収拾すべきはただ一人、張本人であるセイランがやるしかないのだ。 「わああああああああああ!」 セイランは身をよじって吠えた。腕を振り回して風精の体をバシバシ叩き、決意を込めて風たちを見据える。もはや風たちは笑ってさえいなかった。獲物をいたぶる猫のように、わけもなく怒り狂う獣のように、火のついたように泣き喚く赤ん坊のように。風たちはすっかり自分を見失ってしまっている。 そしてそんな風たちにもみくちゃにされて、テンコウがこちらへ来ようともがいている。 「テンコ―――――――――――――!」 セイランは手を伸ばしてテンコウを呼んだ。豆粒のように丸いテンコウの瞳がはっきりとセイランの姿を捉えた。体を膨らませて飛び出そうとしたところに、無数の風たちが縋り付く。さっきまであんなに簡単に振り切れていたはずの風たちが、今はいともあっさりとテンコウを捕え、引きずりおろして抑え込んでいる。苦しげに身をよじるテンコウの口に石が突っ込まれた。地面に押し付けられたテンコウの体はだんだんと小さくなり、その有様に風たちがげらげらと耳障りな笑い声を立てた。 「テンコ―――――――――――――!」 信じられない有様だ。さっきまでとは完全に力関係が逆転してしまっている。もうだめだ。そんなことばがセイランののど元までせりあがってくる。ここまでだとは思わなかった。単なる勘違いが、風たちにここまで力を与えてしまっているのだ。精霊の力はその心の在り様によって大きく変わる――そんな教科書の言葉を、セイランは今やはっきりと飲み込んでいた。魚もおだてれば陸に上がる。風は思い込みで酔っ払い、すべてを台無しにしてしまう。 思い込み。 思い込みを正すにはどうしたらいいだろう。正しいことを言えばいい。もし、相手が耳を貸してくれさえするなら。では、相手がこちらの話なんか全然聞いてくれそうにない場合はどうだろう。どれだけ声を張り上げても、どれだけ理路整然と話しても、これっぽっちも届かない相手には。 セイランは、そんな相手を知っていた。言いたい放題唾を飛ばし、こちらの話には欠片も耳を貸さない相手を。カンペイだ。身勝手で居丈高ではた迷惑な、セイランの天敵。 カンペイみたいな相手のあしらいなら、セイランにはお手の物だった。毎日と言っていいほど顔を合わせ、追い払い続けてきた。そうでなくてもお手本がある。欲の皮の突っ張ったカンペイを一発で黙らせたあの白王様の手際を、セイランはまさにその場で見ていたのだ。 話を聞かない相手に話を聞かせる方法はたった一つだけ。それは意表を突くことだ。 セイランは息を吸い込み、頭をすっかり空っぽにした。 そうして浮かんできた言葉を、何も考えずそのまま口にした。 「どろぼーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」 何ですか、それ。自分の言葉にセイランは苦笑した。それでも口は止まらない。セイランは抱きすくめてくる風精の腕の中から身を乗り出して、眼下の風たちを指さして声も限りに詰った。 「どろぼーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー! 返せ! 返してください!」 何を返すんでしょう、と考えて、セイランはくすくす笑う。しいて言うならTシャツだろうか。あれはたしかにセイランがあげたものだ。それを泥棒呼ばわりなんてとんでもないいちゃもんもいいところ、全く筋が通らない。 そして筋が通らないからこそ、相手の注意を引くことができる。理不尽は更なる理不尽には勝てないのだ。ちょうど、うろたえている人がもっとうろたえている人を目にして落ち着きを取り戻すように。 今や破壊は止んでいた。風も、人も、市城にあるすべての目が、セイランのことを見上げていた。すべての耳がセイランのたわごとを聞き、すべての首がひねられていた。そうです、とセイランは満足げにうなずいた。今の私は、この街で一番頭がおかしいのです。頭がおかしいから、なんだってやってのけるのです。 「風精さま!」 言葉も鋭く振り向いて、セイランは風精をにらみつけた。ひげもじゃの精霊はきょときょとと目を動かし、ずいぶん小さくなってしまった。 「返してください」 「か、返すとは何を」 「盗んだTシャツです。ほら、あなた達もです!」とこれは眼下に怒鳴り「まったく不届きものですね」 「そんな馬鹿な。アレはもらったもので」 「そうですね」 「じゃあ、泥棒だなんていわないでください。そうでなくても白王さまに合わせる顔が」 「その白王様から盗みました。私が」 「は?」 嘘ではなかったように思う。事後承諾のつもりで借りたのだ。そういえば白王様ではなくて、マオのものであったかもしれない。構うものかとセイランは笑った。ここで一番効くのは白王様の名前のはずだ。それに、どうせ八千糧も払うのだ。白王様だって、情報以外にもちょっとぐらい何かを受け取っていいはずだ。 「それをあなた達にあげました。だからあなた達も同罪です。さあ、盗んだものを返しなさい! 今すぐ! 白王様のものですよ!」 不思議な感覚だった。ちっとも筋の通っていない理屈なのに、言えば言うほどもっともらしく思われてくるのだ。自分の言葉に勇気づけられて、セイランの態度はどんどん大きくなった。 「酔ってますよ!」思わず口に出してしまう。風たちが酔っぱらうのもわからなくもない。思い込むのは簡単だ。思い込みに従って何かをしでかすのはもっと簡単なことだ。 「さあさあ、早く盗んだものを返してください! さすがの白王様も怒りますよ! 白王様からは逃げられません! ちょっと、聞いていますか! どろぼう! どろぼーーーーーーう!」 ひらり、と何かが地面に落ちるのを、セイランは確かに見たと思った。 風たちが姿を消し始めていた。身にまとっていたTシャツだけを残し、声もなく宙に溶けていく。うまくいった、とセイランは内心快哉を叫び、風たちのうなだれた様子を見てわずかに後悔した。身をよじってみた風精の顔は、罪悪感に泣きぬれていた。 「そんなつもりはなかったです。ごめんなさい」 巨体に似合わぬか細い声で、風精は涙ながらに謝った。ひげもじゃの顔がだんだんと透けはじめていた。制止しようと、事情があるのだと説明しようと伸ばしたセイランの手は、風精の髭をあっさりとすり抜けた。まとっていたTシャツを残して、風精の体全体が瞬いて消え失せた。 そうして、セイランは中空に投げ出された。 悲鳴を上げることを思いついたのは、落ち始めてしばらくしてからのことだった。 言葉にならない叫び声が、セイランののどから飛び出した。ぐるぐる回る視界の中で、地面がどんどん大きくなっていく。そんな中で、真っ白な何かが自分めがけてすっ飛んでくるのをセイランは視界の隅に捉えていた。 テンコウだ。テンコウが助けに来てくれる。ああ、でも――セイランの中の冷静な部分は、落ちる速さと彼我の距離をはっきり測っていた――間に合わない。 「てんこーーーーーーーーーーーー!!!」 テンコウが駆ける。地面がどんどん近づいてくる。セイランは思わず目をつむり―― どん、と何かがぶつかって、セイランの落下が止まった。 首の後ろをつかまれて、吊るされているような感覚があった。 テンコウが間に合ったんだ――とセイランが目を開けると、ちょうどテンコウがこちらへ向けて最後のひとっとびをやるところだった。弾丸のようにぶち当たってきたテンコウは全身でセイランを包み込み、ふああああと気の抜けたような声を発した。いい加減に書かれた落書きのような目は、今やいっぱいに広がってセイランを見つめている。むみゃふぇ、とテンコウが小さく鳴いた。 「ありがとう、テンコウ。助けに来てくれて。追っかけまわしたりしてごめんなさい。びっくりしましたよね」 にゃあああとテンコウが笑う。セイランはテンコウの綿毛に顔をうずめ、テンコウから噴き出してくる風を胸いっぱいに吸い込んだ。いいお布団です、とセイランは微笑んだ。暖かくて、フカフカで、セイランのことを心の底から案じてくれて、困った時には駆けつけてくれる。たとえ、ちょっとくらい間に合わなくても。 間に合っていなかった。 そうだ、とセイランは顔を上げた。落下が止まったのは、テンコウが来る前のことだ。何かが首の後ろ、セイランの服の襟にあたり、セイランを宙に繋ぎ止めたのだ。 セイランはそっと手を伸ばし、それをつかんだ。 つるつる滑る半透明の細い棒。ちょっとぐらい力をかけてもたわむばかりで折れない。突き出しているほうに視線を向けると、目に入るのは羽飾り。真っ白な羽が切りそろえられて、棒の根元にはまっている。矢だ――とセイランはいぶかしんだ。誰かが放り出されたセイランを矢でつなぎとめたのだ。くるくる回って落ちている小さな的を、それもど真ん中にあてれば死んでしまうから服のほうに当てるようにして。達人の業だった。こんなことができる射手が近くにいたのだろうか。たまたま通りかかって、地面にぶつかるセイランを見るのは忍びないからと矢を放って空中に―― 矢は何もないところに刺さっているはずだ。だってここは空の上だから。 目をむいたセイランの前で、矢がどんどん薄れ始めた。あっという間に消え失せて、支えのなくなったセイランの体をテンコウがしっかり受け止める。こうなればもうセイランのお手の物だった。いつも空を飛んでいるときのように、テンコウの毛をしっかりと握りしめながら、セイランは地上に人を探した。あんな不思議な矢を射ることのできる人が誰なのか、今はもうセイランにもわかっていた。 見つけた。 通関司の屋根の上、セイランが思った通りの場所に稀鴉将軍は立っていた。ゆるくたらされた弓手には、よく見なければわからないほどに透き通った弓。風を操り、矢を思い通りの場所に飛ばし、空中に突きたてることなど、将軍になら朝飯前に違いない。降下中にできる限り深く頭を下げると、将軍の顔を隠した垂れ布がわずかに揺れた。将軍は体の向きを変えて敬礼すると、一歩後ずさって姿を消した。 そうしてセイランは、テンコウとともにゆっくりと通関司の屋根に降り立った。二人がセイランを待っていた。袖に手を入れて苦笑している大師に一礼すると、セイランはテンコウとともに、屋根の上にひざまずいた。 「白王様、改めてご挨拶を申し上げます」 セイランの叩頭を、今度ばかりは白王も止めようとはしなかった。 「白王様、ごめんなさいとんでもない騒ぎを起こしてしまいました。全部私が悪いんです。ごめんなさい!」 一息に言い切って、セイランは再び頭をこすりつけた。屋根というのは人が立つようにも、まして土下座をするようにもできていない。転げ落ちないようにしっかり捕まっていても、ぐらりとなることはある。そんな時、セイランを支えてくれるのはテンコウだ。セイランにぴったりとくっついて、もこもこしたすべり止めになってくれるのだ。苦手な白王の前だというのに。逃げようともしないで。 「ごめんなさい! テンコウを連れてきてあげようと思ったんです! あんなことになるなんて思ってなくて――」 「――お礼を言わないといけませんね。それと、お詫びも」 セイランは頭をあげた。かがみこんだ白王様が、セイランを助け起こそうと手を差し出しているところだった。白檀の香をまとった白王様の美しい顔は、何とも言えず申し訳なさそうな表情を浮かべていた。どうして、とセイランは思った。申し訳ないのは私のほうのはずなのに。 「公主さま」 「は、はい」 よいしょ、とセイランを引っ張り上げて、白王様はくしゃりと笑った。 「公主様、この白王、心からお礼を申し上げます。本来ならば私がなすべきことで、公主様のお手を煩わせてしまいました。それもとても難しいことを」 なすべきこと。とても難しいこと。セイランがやったこと。 「テンコウを連れてきたことですか? そりゃ最後はうまくいきましたけど、でもあんなに風たちを巻き込んでしまって――」 「まさにそれこそ、私がなすべきことだったのですよ、公主様」 「へ? で、でも、大暴れさせてしまって」 「そうして不満を発散することも大事なのですよ。気が沈んで、苦しくて、どうすればいいのかわからない時が誰にでもあります。風とてそれは同じこと。そんな時に、風穴を開けてあげることも私の役目なんです。大暴れだって、方法の一つですよ。私もあまり嫌いじゃありません」 「ほどほどにされるがよろしいでしょう」と大師が生真面目に応じる。「あなたのめちゃくちゃに付き合わされる者が気の毒ですからな」 「はいはい、ほどほどにします。とにかく、公主様、私の代わりに、あなたは助けようとしてくれたのです。私のもとに連れてきてくれたのです。どうすればいいのかわからなくなってしまった迷い風を」 白王の視線が滑り、セイランの傍らの何もない場所に据えられた。 「さあ、おいでなさい。名もなき髭もじゃさん」 大気が傾いだ。空中にあいた穴から絞り出されるようにして、何かぐしゃぐしゃしたものが姿を現した。ぐしゃぐしゃは広がって布になり、縮み上がってしわのよったTシャツになった。袖から腕が、裾からおなかが、襟元から髭もじゃの頭が飛び出し、かと思うと腕は裾をつかんで伸ばして頭にかぶせてしまった。沈痛そのものという雰囲気を全身から発散しながら、風精はへそをだし、Tシャツをかぶって縮こまっていた。 目を丸くしていた白王が、こらえかねたようにくすくす笑った。 「まあ、面白い格好ですね」 「合わせる顔がないのです……」 「そうなんですか。とても立派なお顔立ちなのに。素敵なおひげですよ」 「ここにいる資格なんかないのです!」 まるで打ち据えられでもしたかのようだった。髭もじゃの風精はもがいていた。苦しいのに、自分ではそれをどうすることもできないでいるのだった。ぐしゃぐしゃになったTシャツがかぶさっている頭のあたりに、小さなシミができていた。泣いているのだ。 「私なんかどうでもいいのです。おまけに私は泥棒なのです」 「あ、あの、それは違うんです! 私が嘘ついて言ったことで――」 泡を食ったセイランを、白王が目顔で制した。まるで泥棒呼ばわりのことは大して重要ではないとでもいうように。そうだ、とセイランは思った。風精は今まさに、おまけに、と言っていた。風精を苦しめている何かは、泥棒呼ばわりよりも先にあるものなのだ。 いったいそれは何だろう? 「公主様?」 「は、はい」 白王は花のように微笑んでいた。ひらひら踊る羽衣に取り巻かれて、白王様は途方もなく美しかった。その魅力を、今の白王は残らず風精のほうへと向けていた。 「公主様、お願いがあります。こちらの方を、私に紹介してくださいませんか。そうすれば、きっと公主さまにもお分かりいただけるかと思います」 「紹介、ですか」 「基本的な礼儀として」と大師が鹿爪らしくわりこんだ。「貴人に、それも霊王ほどの身分の方にお目通りするにあたり、たとえ目の前にいようとも、客が直接話しかけることは言語道断です。まず客のほうから挨拶を申し上げ、それをしかるべき立場の者が貴人に代わってうけます。その後、その代わりのものが客人を紹介し、伝言を伝えるという次第なのです。今の白王様はあまり堅苦しい礼儀にはこだわらぬお方ではありますが、かといってないがしろにすることが許されるわけでもありません。さあ、公主様、今こそ客はあなたに挨拶を済ませたのですから、今度は公主様がお取次ぎする番です」 「ご説明ありがとうございます、大師。さあ、公主様、教えてください。こちらの方はいったいどなたですか? 「それは――えっと、この街の風精さんで」 「公主様」 「はい、ちゃんとやります。こちらの方は、この街の風精様です。生まれたばかりなんです」 「それだけですか?」 「え、えっと――」 「それだけです」 もし、今の風精の言葉を絞ったならば、きっと大きな水たまりができたことだろう。人を飲み込んで溺れさせる冷たい泉ができたことだろう。セイランは思わず風精を見た。風精は今やはっきりと涙を流していた。 「それだけです。それでおしまいなんです。だって私には――」 「名前がまだ、ないんですね」 白王様が、言葉を静かに引き取った。風精はがくがくとうなずいていた。何度も首を振りながら、声にならない嗚咽を漏らしていた。 セイランには、風精を白王様に紹介してあげることなどできなかった。なぜなら、名前を知らないから。なぜなら、風精には名前がないから。 『白王様に、お願い事があるのです』 「とても大事なお願いなんです。大事なお願いをするのですから、きちんとしなくてはならないのです』 『白王様に認めてもらえるだけのことをしてからでなければ、白王様から何も受け取れないのです』 セイランの腑に、理解が落ちた。 苦しんでいたわけだ。何かを成し遂げたがっていたわけだ。風精は何物でもなかった。自分は確かにそこにいるのに、何をすればいいのかわからない。何ができるのかもわからない。誰も、本当の自分のことを呼んでくれない。誰にも自分を見せることができない。だってそんなものはありはしないから。名前がない。自分がいない。自分がどうしてここにいるのかわからない。 だから誰かに名前を付けてもらわなくてはならない。誰かに自分を認めてもらわなくてはならない。 「珍しいことです」 大師がひげをしごいた。 「風がこれほどまでに強い自意識を得たならば、おのずと名前のほうから訪ねてくるというものです」 「大師がそれをおっしゃるんですね。ご自分も、お名前のことでは苦労されたと聞いておりますけど」 「おっしゃる通りです」 大師たちの言葉も、セイランの耳にはあまり入ってこなかった。セイランは茫然としていた。気づいているべきだった。セイランも同じ苦しみを共有していたのだから。立派な何かになりたかった。人に認めてもらいたかった。同じだった。なのにセイランは深く考えなかった。風精さまとしか呼ばず、あちこち引きずり回した挙句に失敗して、名前をもらえるかもしれないという風精の希望を打ち崩した。最後には泥棒呼ばわりまでして突き放したのだ。 信じられないほど残酷なことだった。 セイランは立ち上がり、うめいている風精に寄り添った。風精の体がすこし縮んだ。拒絶されたように思われて、それでもセイランは腕を伸ばして風精を抱きしめた。謝らなければならなかった。セイランは風精にしがみつき、ごめんなさいとささやいて涙を流した。 「公主様、そして名もなき風精よ、立ちなさい!」 二人ははっと顔を上げた。凛とした声だった。白王は二人の前に浮かび上がり、言葉の調子とは裏腹に満面の笑みを浮かべていた。わきに控えているのはテンコウだ。白王様に手を添えられていやそうに体をよじりながらも、しぶしぶといった様子で付き従っている。 セイランと風精はのろのろと立ち上がった。 「二人とも今日の件で多大な貢献がありました。ですからこれより、あなた達二人に褒美を授けます。はじめに、吉風公主セイラン! 進み出なさい!」 「は、はい!」 転ばないように慎重に、屋根の上をゆっくりと歩く。前にやってきたセイランに、白王様はテンコウを抱き上げて見せた。 もふえ、と唸るテンコウの目は、見たこともないほど複雑な色合いをたたえている。貸一つと言われている気がして、セイランの気が少しだけゆるんだ。 「吉風公主」 「はい」 「あなたは世にも強力な精霊であるテンコウ、かの『天の狗』を私のために追いつめ、この通り連れてきてくれましたね?」 「はい。でもそれは、風精さまが」 「もちろん。それでも、誰にでもできることではないのです。公主様がいたからこそ、このような難事が成し遂げられたのですよ」 白王はしかつめらしい顔を作った。 「たとえ私が、風を司る霊王である白王が本気で風を駆ったところで、テンコウ様に追いつくことなどできはしません。影を踏むことすらできないのです」 「そうなんですか?」 確かにテンコウは速かった。あんまり速くて、普段のごろごろしている姿しか見ていないセイランには信じられないほどだった。それでも、テンコウは捕まったのではないか。風精たちが抑え込んでいたのではなかったか。 「もし公主さまがいなければ、テンコウ様は世界の果てまでだって逃げてしまわれたでしょう。大風を呼び起こして、阻むものを吹き散らしてしまったことでしょう。それをしなかったのは公主様がいたからです。そばを離れたくはなかったのです。あんまり遠くに行きすぎて、駆けつけられなかったら大変ですから。それに大暴れすることもできなかった。傷つけてしまうからです。だからこそ、この街を離れず、逃げ回ってばかりだった。だからこそ、付け入るスキができたのですよ」 その通りだ、とセイランは思った。テンコウはセイランのもとに来てくれた。どことも知れない世界の果てまで逃げ出すのは簡単だったのに、そうしなかった。いつでも戻ってこれる場所にいたのだ。それにセイランが気を落としているその時にだって、様子を見に戻ってきてくれたではないか。詰所に行った時も。風精に振り回されて酔ってしまったときも。 今もこうして、セイランのために我慢してくれているではないか。セイランの面目を保つためだけに。 「テンコウ……」 どうしたの、とテンコウが言った。豆のように丸い目、落書きのような口、そのすべてが、セイランを気遣ってくれていた。守ってくれていた。愛してくれていたのだ。 「ありがとう、テンコウ」 どういたしまして、とテンコウがいった。白王もまた、うなずいた。 「そういうわけですから、公主さまにおかれては、ご自身の果たしたお役目をご理解いただけたと思いますので、あらためてご褒美を授けたいと思います。大師?」 大師が進み出た。 「白王様におかれては、今回の褒美として、異人の所有にかかるくだんのTシャツの所有権を白王様に移転し、しかるのちに公主に与えられるのが適当だと思召されたのです」 「泥棒はよくありませんが、そもそも私のものではありませんから、私から盗むことなどできるわけがありません。加えて、もともと私はあの異界の服を欲しいと思っていました。きちんとした方法で手に入れて、おわびとして公主様にもお渡しします。受け取っていただけますね?」 『白王様から盗みました』『あなた達も同罪です』 これは自分に対する褒美ではないのだとセイランは理解した。風精の名誉を回復するためのものなのだ。見かけに合わない小心者が、自分を責めずに済むように。 「はい! ありがたく頂戴します」 セイランは深々とお辞儀をした。大師に目配せされてセイランは脇へのけ、すると白王は空を踏んで風精の前に立った。 「名もなき風よ」 「はい」 「あなたもまた、テンコウ様をわがもとに連れてくるにあたり、公主に協力して多くの風を集め、束ねて指揮するという偉業を成し遂げました。そうですね?」 「――できなかったです。みんな、酔っぱらって」 「加えて」 白王のはっきりとした一言が、風精の言葉を断ち切った。 「皆がありもせぬ薬に酔っ払い、自分を見失い、大暴れをしても、あなただけは冷静にして己を見失うことがありませんでした。公主を守り、街に害をなすこともなかった。まさにこれこそは、風の中でも特に珍しい美点なのです。およそ風というものは浮かれているもの、一つ所にとどまらぬもの、目まぐるしく変化し続けずにはいられないものなのです。よく言えば変幻自在、悪く言えばいい加減で無責任なもの。ろくに考えもせず、触れるものすべてを巻き上げて地にたたきつけてしまうもの。しかるにあなたは、その場の勢いに騙されることなく、はっきりと公主を守ってくれた。この私の掛け替えのない友人である公主を。あなたは褒美に、この白王から最大限の贈り物を受け取るに値します。さあ、名もなき風精よ、願いを言いなさい!」 「――名前を、名前をください!」 Tシャツをひきずりおろし、体を精一杯膨らませて風精が吠えた。 「私は名前がほしかった。白王さまに名前を付けていただきたかったのです!」 その体から、三波の風が吹き出してセイランたちを揺さぶった。風精は叫んでいた。声は風精の心の真ん中から飛び出していた。 白王が掌を突き出した。その指にはめられた公印が光り輝き、大気そのものに印を刻み込んだ。白王だけが描くことのできる印だ。 「いいでしょう。望み通り、白王の名において、あなたに名前を授けます。受け取りなさい」 印をぎゅっと握りしめて、白王は作った拳を風精の額に叩き込んだ。過たずうたれた額に、かまいたちが躍字を刻み込む。つるっぱげの額に刻み込まれた躍字はただ一度強く発光すると、溶けるように消え失せた。放心していた風精の目に、ゆっくりと力が戻ってきた。 「白王、さま」 「名乗りなさい、あなたの名前を」 「私は――私の名はフドウです。私は揺らぎません。私は確かなものです。私は――私には名前があります! 私はフドウ、フドウです! 私には名前があります!」 「素晴らしい名です。フドウ、あなたにはもう一つ贈り物があります。名付け親である私からのお祝いです」 白王がすっと手をあげた。どこからともなく飛んできた矢が、白王の手のひらにあやまたず収まった。 「あなたにはこの地の風たちを導くだけの実力があります。また、テンコウ様を捕えてみせたその働きには目を瞠るものがあります。よってあなたには風伯としての地位と、この矢を授けます。この矢は彼の雷帝が『三隻』を討ち果たすべく風たちに与えたもの。大延国の平安を守護するものとしての象徴です。受け取りなさい」 「はい!」 今や風伯とフドウは、はっきりと力を増していた。矢をうやうやしく受け取り、しっかりと握りこむ。そうしてフドウは晴れやかに笑った。 「ありがとうございます、白王様。このフドウ、感謝に堪えません。全身全霊をもって、役目を果たします!」 高く高く、フドウは笑った。踊るように旋回し、そうせずにはいられないとでもいうように腕をパッと広げ、何度も何度も自分の名前を口にしてはくるくる回る。滲み出してきた多くの風たちを引き連れて、フドウはコマのようにくるくると回りながら天高く上昇した。ぽん、と大きな音を立てて、フドウの姿は虚空に消えた。まるで見えない花火が上がったかのようだった。 セイランはため息をついた。ふと見ると、白王もまた、ため息をついているのだった。二人は顔を見合わせてくすくす笑い、ついには爆笑した。 「うまくいってよかったです。公主様、ご助力ありがとうございました」 「私、別に何にもしてないです。それに、よかったです。ちゃんと風精さまの――じゃなくて、フドウさまが元気になってくれて」 「本当ですね。あんなに髭もじゃなんですもの。泣き顔なんて似合いませんわ。それと、テンコウ様もご協力ありがとうございます。」 白王がテンコウにほおずりすると、テンコウは首を絞められでもしたようにうめき声をあげた。 白王がテンコウを解放するまではしばらくかかった。白王がぐったりしたテンコウを抱え、セイランの手を取ってひょいと屋根から飛び降りると、やじうまたちが拍手で迎えた。人々にひとつ頭を下げて、後に続いて飛び降りてきた大師を迎え入れる。通関司の中に入ると、レイレイが奥から飛び出してきてセイランに抱き付いた。かと思うとぱっと離れ、腰に手を当てて目を吊り上げる。目の端っこににじんでいた涙をぬぐおうともせず、レイレイはセイランをにらみつけた。 「もう、また無茶して! 心配したんですからね!」 「ごめんなさい、心配してくれてありがとう、レイレイ」 「もう、大師も白王さまもお二人とも何にもしてくださらないんですから。公主さま、今度やったらお暇をいただきますからね」 「はあい」 レイレイはまあそれでもよかったですなどと言いながらいそいそと奥へ戻り、セイランたちは食堂に入って席に着いた。レイレイが淹れてくれたお茶を飲んで、セイランは生き返ったような気持ちになった。今日という日は信じられないほど長かった。 「公主さま」 「はい?」 白王さまが、とん、と音を立てて湯呑を置いていた。 「お詫びしなければならないことがもう一つあります」 セイランはすわりなおした。白王も座り直し、するとなぜか大師も座りなおした。卓に小さな笑いが満ちた。 「お詫びって、何ですか?」 「八千糧のことです。あれは出すべきでないお金でした」 今度こそセイランはすわりなおした。白王がわけもなく出してくれた大金のことだ。通関司に降りかかってきた危機を退け、性悪の異人とカンペイを黙らせ、そして―― 「――あんなお金の出し方は、公主様に負担をかけると気づかなかったんです」 人は贈り物をされると喜ぶ。けれど、それには限度もある。どうしてそんなものをもらえるのかわからない贈り物は、相手にとって重荷になる。 『白王様に認めてもらえるだけのことをしてからでなければ、白王様から何も受け取れないのです』 フドウはそうした。大きなことを成し遂げ、だから白王からの贈り物を胸を張って受け取ることができた。 でも、セイランの八千糧はちがった。もらえるはずのないお金だった。受け取ることなどできない過剰な好意だった。たとえ白王にとってみればはした金だったとして、セイランの側で収まらないのだった。 だからセイランはテンコウを捕まえた。何かをしなければならないと思ったから。このまま使い走りの、お小遣いをもらって喜ぶだけの子供で終わりたくなかったから。 「相手にいいことをしてあげるつもりで、かえって追い込んでしまうのは、私にはよくあることなんです」 白王様が笑う。後悔の笑い、悲しみの笑い、そして何より自嘲の笑いだ。 「風は分別のないもの、触れるものすべてを巻き上げてしまうもの。だからって考えなしではいけないのは、今日学んだとおりです。ですから、公主様、ごめんなさい」 「いいんです」 いいのだった。セイランはもう、借りを返していたのだから。この吉風公主ことセイラン様は、白王様が求めて止まなかったテンコウを連れてくることのできる人間であり、現に連れてきてあげたのだから。差し引きとんとんだった。それに―― 「それに、カンペイさんのあの顔が見れたのは、八千糧だしてくださったおかげです」 「見ものでしたな」と大師。 「見ものでしたね」と白王も舌を出した。「実を言うと、ちょっとぎゃふんと言わせてやりたいと思っていたんです。その価値はあったかなって」 「まったくですな」と大師。 「でしょう?」 「とはいえ、それだけではないでしょう。あなたは無邪気なようでいて、きちんと計算をしている」 「あら、大師、それって何のことでしょう」 「では私が代わって絵解きをして進ぜましょうか。白王様」 大師の顔にしわが動いた。 「いくら見ものであったとはいえ、あんな男に八千糧出してやる義理などありません。ご自分でもお認めになった通り。当然、私たちがみすみすそのままにしておくはずもない。ですから」と大師は言いかけた白王を制し「ですから、なんとか損失を埋めなくてはなりません。正式に振り出されてしまった手形を返せということはできません。かといって、通関司で用立てられるでしょうか? すぐには無理でしょうな。いきおい、白王様、あなたには立て替えてもらったのだということにせざるを得ません。我々通関司が、白王様に借金をしているという格好です」 「なるほど、借金ですか」 白王はちらちらと天井に、使い込まれた卓に、ぼろな椅子に目をやった。大師が笑った。 「ご明察の通り、返済には何年かかるか知れたものではありません。逃げも隠れもしませんが、何しろ手元不如意なことが多いものですからな。返済が滞るのはままあることでしょうな」 「ですよね」と白王。 「ところで、借金取りというものは、返済が滞ると目の色を変えるものです。取立てにやってくるのですな。したがって」と立ち上がりかけたセイランを手で制し「したがって、白王様も同じようにされることでしょう。八千糧といえば、人任せにできる金額ではございませんからな。多少の用事に優先する金額でさえあります。何度も何度も取立てにお越しいただくことになるでしょうね」 「なるでしょうね」と白王。 「そうですよ!」 セイランは意気込んだ。借金取りときたらすごいのだ。あのマオですら、異世界の借金取りから逃げてきたそうではないか。借金取りは容赦なく相手を追い詰める。何度も何度もやってくるのだ。金を返せと叫びながら。 何度も何度も。 「何度も、何度でもお越しください、白王様! 心からおもてなしいたします!」 「何しろ、借金取りの機嫌を損ねてはなりませんからな。最大限歓待いたしましょう。金は出ないでしょうが。もちろんテンコウ殿も協力してくれます」 「そうですね。そういうことなら、来ないといけないかもしれませんね」 「ずいぶん白々しいですな。最初からこれが狙いだったのでしょうな」 「まあ、勘ぐりすぎですよ、大師。私はただ、ぎゃふんと言わせたかったんです」 セイランは胸の高ぶりを抑えられなかった。白王様がまたやってくるのだ。金を返せと心にもない口実を振りかざし、セイランたちに会いにやってきてくれるのだ。ああ、なんてことだろう。 「お手柔らかにお願いしますよ。テンコウ殿が卒中を起こされてもいけませんから」 「そんなことないですよ! 何度でも来てください! 何しろ八千糧ですからね! 大金なんですから!」 セイランは卓の下に潜り込み、テンコウを引っ張り出した。テンコウはまるで雷でも落ちたかのようにあたりを見回し、白王に視線を移した。白王が笑った。セイランも笑った。 「テンコウ様、そういうことですから、これからもお邪魔しますね」 テンコウがふぁあああああとあくびをした。床に下ろされて伸びてしまったテンコウを指さしながら、真面目くさってセイランは言った。 「テンコウ、楽しみですって言ってます」 結局、白王様はすぐに発つことになった。どこからともなく現れた稀鴉将軍が知らせを持ってきたのだ。 「放っておくと、へそを曲げてしまう子がいるんです」 白王様はそういって詫びた。市城を離れる前に空を一回りし、どん、どん、と大気を打ち鳴らす。市城の人たちすべてに手を振られて見送りを受け、白王様は飛んで行ってしまった。セイランもテンコウとともに屋根の上で見送った。白王の姿が地平線の向こうに消えると、テンコウはくたりと広がってセイランにもたれかかるのだった。 そして白王と入れ替わるように、通関司に人がやってきた。 「ごめんください、一つお尋ねしたいことが」 異人の老人だった。品のよさそうな細身の老紳士は、セイランを見るとおや、というように片眉をあげた。セイランもまた、すぐに気が付いた。門をくぐった時、セイランがちょうど居合わせたあの老夫婦の片割れだ。責任者は誰かと問いかける老人にセイランは指輪を見せ、話なら自分が聞きますと胸を張った。老紳士はセイランを侮ったりしなかった。それなら、と懐から写真を一枚取り出す。写真を一目見て、セイランはあっと声をあげた。マオだ。借金取りに追われて焦燥していなければ、こんな風でいるはずの顔。 「実は、先ほど空を舞っていたTシャツのことでお尋ねしにまいりました。衛視のほうで聞きましたらば、こちらに引き渡す予定だったとのことで。実は、あのTシャツを持ち込んだ人物を探しているのです。ご存知でしたら、ぜひ」 「しゃ、借金取りですか!」 思わずセイランは声をあげた。ついに追手が追いついたのだ。マオも年貢の納め時だ。とはいえ白王さまからもらった金で借金は返せるだろう。もしカンペイと仲間割れを起こして巻き上げられていなければ。巻き上げられていそうだなあとセイランは思い、かくまってあげるのが温情というものだろうかと首をひねった。今朝までのセイランなら間違いなく見捨てていたのだが、今のセイランには余裕があった。それに、すぐ見つかるだろうとはいえ、本当に居場所は知らないのだ。どことも知れぬ場所に旅立ちましたと言おうとして、セイランはやっと、老紳士があっけにとられているのに気が付いた。 「いいえ。逆です。私は借金が無くなったとお伝えしに来たのですよ。マオさまのお父上の命を受けて」 共産党の地区委員なのだ――と老人はいい、偉い人なのだと付け加えた。大学に押し込んだはずの息子が出奔し、得体の知れない事業に手を出した挙句失敗、実家に借金を作って異世界に逃げだした。それがセイランの知っているマオなのだと老人は説明した。 「坊ちゃんには手を焼いておられるのです。ですが、見捨てたわけではありません。もう向こうの世界の借金はきれいになっております。在庫を抱えてこちらの世界に来たところまで突き止めましたので、私としては、こちらで商売でもやって成功なさっていればそれでよいかと考えていたのです。さっきの空を飛んでいたTシャツは売れたのでしょうか? 泥棒なんておっしゃっていましたね、お嬢さん」 「失礼ですけど、マオさんには商才ないと思います」 「存じております。わたくしも付き合いが長いですから。ご迷惑をかけたのでしたらお詫び申し上げます。こんなことを申し上げるのは何ですが、マオ様も必死ではあるのです。お父上があまりにも立派すぎるものですから。何か成し遂げようとせずにはいられないのです。空回りしてしまうことも重々承知の上で。だから許せとは申しませんが」 「いいです。そういうことなら許します」 同じだ、とセイランは思った。何のことはない、マオだってセイランたちと同じだった。ちょっと空回りしてしまっただけだ。セイランだって、同じようにしくじって青ざめていたではないか。 セイランは老人に、すぐ探して見せると請け合った。今日の間は観光を楽しむように言うと、老人はすこし苦笑いした。 「それではというのもなんですが、安全な店を教えていただけませんか。妻がすこし、よくない屋台に手を出しまして。皆さんがあれだけご警告してくださったのに。日帰りは無理そうですから、宿も探しているのです」 確かに、老紳士のほうも少し顔色が悪いのだった。 「ご飯ならミン爺の屋台がいいですよ。お泊りは金栄館へ。もしかすると、マオさんだっているかもしれませんから」 そういって、セイランは目いっぱい笑って見せた。 実を言うと、マオはまさしく金栄館にいたのだった。心底やつれはてていたマオを老紳士に引き渡すと、マオは少しだけ生き返ったような様子を見せた。老夫妻は安心した様子だった。カンペイの姿はなく、大金を得て身を持ち崩している様子もなかった。案の定金だけもって逃げられたそうで、セイランはここぞとばかりにカンペイを貶した。マオも加わってめちゃくちゃに言い、それで少しは気が晴れたようだった。セイランは老夫妻の晩御飯にお相伴にあずかり、それはもうたらふく平らげた。 翌朝、マオたち一行を門まで送り届けると、セイランはおとなしく自室へ戻り、ダメになってしまった書き取りの続きに手を付けた。仕事である。 ――銀器、不可。家具類、可。書籍、可。 傍らには大師が坐し、セイランを手伝っている。いいと言ったのだが、大師のほうも譲らなかった。カンペイにやらせた作業の確認は二人でやるのがいいのだと言い張ったのだ。二つの眼より、四つの眼のほうが過ちを見つけやすいのだと。何食わぬ顔で二つの眼を生やしながら言うものだからセイランは笑ってしまって、二人でやることになったのだった。 積みあがった書簡をくり、思いのほか流麗なカンペイの手筋に複雑な思いを抱きながら、セイランはテンコウに寄りかかった。膨らんだテンコウの体が座布団のようにセイランを支える。何とはなしにテンコウの毛をつまんでいるうちに、セイランの心に小さな疑問が浮かび上がった。 「大師」 「なんでしょうか」 「テンコウと、白王様のことなんですけど」 大師の手が止まった。虎の眼をくるりと動かしてセイランを、その傍らに寝そべっているテンコウを見る。テンコウはふふぁあああとあくびをした。 「どうして、白王様があんなにテンコウに構うのかということですか?」 「そうです。何がそんなに特別なんでしょうか」 「テンコウ殿は、友とするにはよい方ですよ。それだけのことだとは思いませんか」 「でも、白王様言ってましたよ。世にも強力な精霊であるテンコウって。『天の狗』とかなんとか。そんなの私、知らなかったです。私の風精なのに。大師は知ってたんですか?」 「――ええ」 「じゃあ白王様がテンコウを好きなのも、テンコウが強い精霊だからなんですか? それにテンコウも、白王様に構われてなんで嫌がるんですか。優しくしてあげればいいのに。テンコウ、どうなんですか」 そうですね、とテンコウがいい、セイランに背を向けた。セイランがつついても知らん顔である。大師は困ったように髭をしごいた。二列に並んでいた目の上のほうが引っこみ、いつも通りの大師の顔を形作った。 「公主様、確かに私は事情を存じております。テンコウ殿のお姿も、白王様がテンコウ殿に構う理由も。ですが、私の口からは申し上げることができません。なぜなら、これはテンコウ殿の名誉にかかわることだからです」 名誉。テンコウの。セイランは意表を突かれた。こんなもこもこしたバカ犬みたいなテンコウに、名誉が。 「忘れないでください、公主様。テンコウ殿はあくまであなたの精霊です。だからこそ、秘密にしておきたいこともあるのです。いつか、時が満ちたならば、テンコウ殿自らお話になることでしょう」 テンコウが、話す。セイランは横で寝息を立てる座布団をうちながめた。これがある日急に起き上がって、居住まいを正して、「本日は大事なお話があります」なんて言ったりするのだろうか。「名誉にかかわることですので」 セイランは笑いださずにはいられなかった。あんまりおかしくて、隠し事をされていることにたてていた腹もどこかに行ってしまった。面白いじゃないですかとセイランはテンコウをつついた。テンコウが秘密を明かしてくれる日というのは、きっとセイランの人生の中で忘れられない日になることだろう。 「それから、白王様がテンコウ殿に構う理由に関して言えば、これは私の想像ですが、単にテンコウ殿が逃げるからですよ。彼女はああいう人柄ですから」 いかにもその通りだとセイランは思った。白王様はそういう人だ。テンコウが必死に逃げれば逃げるほど、うれしくなって追いかけてしまうだろう。たとえ本人の言っていた通り、追いつけないのだとしても。 でも――とセイランはいぶかしんだ。なら、なぜテンコウは逃げるのだろう。白王になにか含むところがあるから、逃げるのではないか。たとえ白王様本人は気にしていなくても。それは一体、何だろう? 「小娘を出せ!! 全責任はお前にある!!!」 濁った喚き声。のど元まで出かかった言葉は、そのまま溶けて消えてしまった。どすどすと乗り込んできた声の主を、セイランは冷ややかな目で見つめた。大師もまた、顔をしかめている。 「なんだその眼は! よくもハメてくれたな! 補償しろ! 金を全部返せ!」 「なんのことだかさっぱりわかりませんけど。大声出さないでください。迷惑です」 「盗人猛々しいとはまさにこのこと! お前がチクッたのであろうが!」 「ですから、最初から話してください。なにがチクッたですか。いちゃもんつけるのやめてください」 「何を――」 「カンペイ殿におかれては、おそらくはご家庭の宝物に手を付けておられたのがご父君に露見したのではありませんか」 大師が静かに言った。カンペイが目をむき、泡を吹いた。 「そのとおりだ! お前らが大暴れしたおかげで今回の輸出品がバラバラになった! これでまず儲けが水の泡だ! おまけに父が今回の件を嗅ぎ付けた! お前らが引き起こした例の大風で蔵の戸が破れた! おかげでいらぬ注意をひいてしまい、中身に手を付けているのがばれたのだ! いずれ劣らぬゴミ屑にとんでもない値段をつけて全額補償しろ、さもなくば勘当だと抜かしおった!」 「ゴミ屑とはひどいおっしゃりようだ」と大師。「旧家であるからには、値の付けようのない財物もあったでしょうに」 「知ったことか! でまあ勘当するというなら致し方ない、こんな家小生のほうで願い下げだと言ってやったのです。幸い懐には軍資金が唸っておりましたからな」 「マオさんの取り分も全部取ったんですよね。信じられないです」 「どうせあの間抜けに握らせておいたところで下らんものにつぎ込むのが関の山ですからな。金は有効活用できる人間が握ってこそ金なのです。ところが、あの人でなしどもときたら小生の手形を取り上げおったのです! 尻の毛までむしりおったのです!」 セイランは大師と顔を見合わせた。なんということだろう。あれだけの大金をつかんだはずのカンペイは、結局破産していたのだ。自分のしたことの償いをして。 「何もかもお前たちのせいですぞ! だから賠償を要求します! まず実質的損害の八千糧、それから精神的損害の分が同じく八千糧、しめて一万六千糧! いますぐ耳そろえて払っていただきますぞ! なんとしてでも取り立てて見せる! さあ、金を出せ小娘! どうなっても知らんぞ!」 「無理です」とセイラン。「どう頑張っても出ないです。それに、自業自得じゃないですか」 「なんということだ! 人を窮地に叩き落としておいてその言いぐさか! こうなったらどうやってでも金を作ってみせ――は?」 カンペイの唾が止んだ。耳をそばだて、まるで何かに怯えるように首をすくめる。脂汗をぬぐいながら、カンペイはしきりと視線を彷徨わせた。 「おい、小娘、このぼろ屋には裏口はないのか。逃げられるような場所が」 「逃げてるんですか。うちのテンコウみたいですね。なんだか知りませんけど早く捕まってください」 「どうでもいいから早く教えろ、こうしている間にも――はあ!」 目を血走らせ、悲鳴にも似たうめき声を張り上げながら、カンペイは書斎の窓に突進した。開け放たれた窓からそのまま身を投げ、すこししてドスンという音。ひょっとして首を折ってはいないかというかすかな希望を抱いてセイランは窓から外を覗いたが、すでにカンペイの姿はなかった。ああ見えて体は軽いらしい。 そうしてカンペイと入れ替わるように、ヒョウセイが部屋に入ってきた。 「すみません、こちらにカンペイ殿が来ていませんか」 ヒョウセイは案内してきたレイレイに礼をいうと、大師とセイランに敬礼した。 「実は窃盗の容疑があるとして起訴されているので、身柄を拘束したいのです。こちらに来ていたとの情報を得ているのですが、いかがでしょうか」 セイランは言葉をなくしていた。大師は礼儀正しく目をそらしていた。レイレイは卒倒しそうになっていて、セイランはそんなレイレイに目配せして事情の説明を問うた。わかりません、とレイレイは身振りで答えた。ここに来た時からずっとこの格好だったんです。レイレイはちらちらとヒョウセイに目をやりながら引っこみ、セイランはやっとの思いで言葉を絞り出した。 「あ、あの、隊長さん」 「なんでしょう」 「そ、その格好は」 「――これですか」 こともなげに、というには少し間が空きすぎていた。ヒョウセイはことさらに胸を張ると、鎧の代わりに着ているTシャツを引っ張って見せた。丸出しになった二の腕は、セイランには眩しすぎた。 「これは、シュウどのから提案を受けてきているのです。衛視の中でも、特に異人たちにかかわる者が身に着けるようにと。なんでも、従来の鎧はあまりに威圧的に過ぎ、無用に人々を怯えさせているからということでした。異界の装束をまとって出迎えれば、警戒もとけるだろうということです。一理ある、と思いましたので、拝借してこの通り着用した次第です」 一理もなにもないのでは、とセイランには言えなかった。現にヒョウセイはもうこの刺激的すぎる服を着てしまっていて、おそらくはこの格好のまま市中を歩いて通関司まで来たのだ。遅すぎた、とセイランはほぞをかんだ。どうにかして、シュウが寝言を言う前に止めておくべきだった。 「私はこの格好を気に入っております。動きやすいです。それに、好評でした。異人たちにも、隊員たちにも」 それはそうでしょうとセイランはマヒした頭で考えた。ヒョウセイほどの美人が、それも衛視の隊長などという堅苦しい職業の人が、こんなあられもない格好でうろうろしているのだ。好評でないわけがない。当の本人が納得しているからには他人が文句をつけることなどできるわけもなく――と、セイランはヒョウセイを横目で眺めた。寡黙で怜悧なヒョウセイの容貌が、どことなく温度を帯びているように見える。セイランですらドギマギしてしまうような眺めだった。世の男性などいちころに違いない。 どうにかして止めるべきではないのか、言いにくいことを誰かが言うべきではないか。セイランは思い悩み、ついに突破口を見出した。このTシャツは確かセイランのものだ。マオの借金はきれいになったのだし、何ならカンペイの八千糧から不足分を払わせればよい。だから、自分のものだから勝手に着ないでくれといえば取り上げられるに違いない。セイランは頭の中で筋道を立てた。完璧な理屈だ。ヒョウセイを泥棒呼ばわりするようで心苦しいが、 「あの、ヒョウセイさん、その服のことなんですけど、それは私の――」 「よくお似合いです!」 窓から何かが飛び込んできて、セイランの言葉を吹き飛ばした。盛り上がった筋肉が渦を巻き、飛び散った紙を大師の体から飛び出した無数の腕が押さえつける。風精のフドウはTシャツごしにはちきれんばかりの筋肉を見せつけると、ヒョウセイの肩に手を置いて満面の笑みを作った。 「同じ服を着ています。あなたは同志です。あなたの名前は何ですか?」 「ヒョウセイです」 「いい名前です! 私の名前はフドウです!」 「ご尊名を賜り恐縮です。以後お見知りおきを」 「お見知りおきます! では仕事があるので失礼します!」 嵐のように飛び出して、フドウは行ってしまった。控えめに言っても唐突なこの闖入に、ヒョウセイは毛ほども動じていなかった。さすが金黙星と感心したセイランに、ヒョウセイは小さく首を振った。 「今朝から何度も自己紹介していただいているのです。よっぽどうれしかったのでしょうね。この服も、フドウさまはいたくお気に入りのようで、ずっとついてこられるのです。ところで公主様、お話が途中だったようですが」 「もういいです、ごめんなさい」 万事休すである。セイランは男たちの視線に串刺しにされるヒョウセイのことを思い、何とか対策を考えようと頭をひねり、通関司もまた異世界の客を迎える仕事なのだからTシャツを着なくてはならないのではないかという可能性に思い当たって血の気が引いた。ヒョウセイの瞳に熱がこもっているような気がし始める。口には出さないけれど、ひょっとして隊長さんはすごく恥ずかしがっているのではなかろうか。冷静そのものの立ち振る舞いの陰には、口車に乗せられてしまってやけくそになった女の意地が隠れているのではあるまいか。 そんなこと、セイランごときに聞けるわけがない。 「あの、カンペイさんですけど、そこの窓から逃げました。どこに行ったか分かりません」 「ご協力ありがとうございます。では失礼します」 何事もなかったように部屋を辞するヒョウセイを最大限の気づかいで見送ると、セイランは大師と顔を見合わせてため息をついた。 「あるいはまさにこうした事態こそが、異界とかかわるということなのかもしれませんね。異なる価値観と出くわす衝撃というわけです」 「私、頼まれてもあれ着ませんからね」 「もちろんですよ、公主様。では仕事に戻りましょう」 大師の手が何本にも別れて伸び、書簡を拾い上げてセイランに渡した。セイランは姿勢を正してこれに取り組み、テンコウは寝言でにゃーと鳴いた。 異世界からTシャツが持ち込まれた騒動の、これがすべての顛末である。 了 但し書き 文中における誤り等は全て筆者に責任があります。 エピソード完結乙です。最初に予想した展開とは違うところに落ち着きましたが、相変わらずのクオリティーと分量に大変大満足でした!ところでTシャツ装備のヒョウセイさんって全体としてはどんな格好なんでしょ? -- (名無しさん) 2014-08-13 00 09 33 風の玩具箱をひっくり返したような丁々発止、大立ち回りは気分爽快。テンコウの全容が明らかになる日はくるのだろうか? -- (名無しさん) 2014-08-13 00 15 33 感情や心と精霊の力の関係や人の意では計りきれない危うさを実感。しかしコカインはまずいですぞコカインは -- (名無しさん) 2014-08-13 00 57 40 白王さまに惚れました -- (名無しさん) 2014-08-13 22 01 06 感情表現や言葉の前にワンクッション何かを挟むことで説得力が増すというか。今回はセイランの心情と性格なりが前面に出ていて楽しかったです。かなり大事に発展し大物も登場しましたが丸く収まって何よりでした -- (名無しさん) 2014-08-14 22 52 54 風の描写が素敵 -- (名無しさん) 2014-08-17 21 22 03 名前 コメント すべてのコメントを見る -
https://w.atwiki.jp/isekaikouryu/pages/669.html
【初日へ】 異世界の大ゲート間の移動が解放される《奇跡の刻》 それに合わせて異世界各国で開催される祭の様子などをフリーダムに伝えます 編集完了が被った場合は慌てず下の囲みを参考か、自分の書き込み分をコピーして他でページを開いて編集→貼り付けを 新しいコメントの編集の際に、題名は各国名下の行の 題名サンプルをコピーして使用して下さい 題名の色が変わり、見易くなります 編集完了が被った場合は慌てず下の囲みを参考か、 自分の書き込み分をコピーして他でページを開いて編集→貼り付けを レポートやコメントの記載場所を『国別・地球、その他地域』に分けています 既存コメントの上方に新コメントを記載する以外は特に縛りはありません 編集競合の表示が出た際には、 入力欄の上に出る編集状況表示から赤字で表示されている部分をコピーして 入力欄の該当部位に貼りつけて、 -を消してから再度マジックワード入力とページ保存を実行してください 【イストモス】 【オルニト】 【マセ・バズーク】 【エリスタリア】 【ミズハミシマ】 【ラ・ムール】 【大延国】 【クルスベルグ】 【ドニー・ドニー】 【スラヴィア】 【新天地】 【地球・その他地域】 【イストモス】 【】 【空より高い宙】 「星神様の推測通り、北の海の海流と北の暗黒地帯の風道が変化していました」 『やはりそうでしたか…』 「大ゲートへの神力作用による世界への影響なのでしょうか?」 『…』 「はっ、口が過ぎました…」 『いえ、今回の事に関しては神々も納得した上での行いです』 (死神、貴女はこうなることを分かってゲートを繋ぐ事を提案したのですか…?) 【博物館より東側の祭り会場】 「親分親分。祭りの最中は西の都まで開放されているのに行かないんですかい?」 「行って何をする訳でもないだろう。 まぁ都を全種族に向けて開放した気概は認めるがな」 東イストモスの民族衣装を着こなした給仕が両手に抱えれるだけの大ジョッキと 注ぎ込まれている甘乳酒を持ってくる 「うわーぃ!祭り最高ー!イストモス最高ー!」 「おいおい甘党だからって幾つ注文しているんだ… 熊だからと言って熊並みに飲むなよ!」 【博物館西側外・演習広場】 「手心を加えているとは言え、我が槍が寸での所で全ていなされるとは…」 「「きゃー!委員長素敵ーっ!」」 「来ると分かっている点撃など幾らでも払い落とすわよ。あと貴方、手を抜いているでしょう?」 刃の無い演習用武具だが、切っ先の放つ威圧は本物である 「これは失敬…許されよ。 レディに本気の槍を向けるのはどうかと思 ── 「西方騎士も地に落ちたものね。 御託はもういいわ、次で決めましょう」 「重ねて失敬。弁明はこの一撃にて… 西王蒼槍騎士団長 ベールンゼン、参るッ!!」 「重畳。瀬戸渦流薙刀師範代 碧波羅 吹駆、参ります!!」 重厚な蹴り脚が地を抉り飛ばす 高音(たかね)一つ軽やかな瞬脚 交錯するお互いの技が、晴天高く心地よい響きを昇らせた 【鯖猫商店出張所】 料理人姿の人間「あのーすみません。 食品とか生ものでも送れますか?」 猫人受付「勿論送れるですニャ。 迅速対応が売りだニャ」 人間「ではこのチーズを地球の日本まで」 猫人「はいニャ」 人間「2㌧お願いします」 猫人「蟲人さんに重脚運搬蟲を呼んでもらうニャ! 早急にニャ!鮮度が命ニャ!」 【とある教会の食卓にて:金羅様のしっぽ】 「ヨーグルトソース!その発想はなかったわ…」 【星降りの丘】 「ああ、あれが星踊りか」 「ケンタウロスの女の子たちの、憧れの舞台なんだよ。 特別拵えの星の蹄鉄をつけて、星柄衣装で踊るんだ。 アタシも出たかったなぁ」 「ダービーみたいなもんなんだろうかね」 「当たってるような、間違ってるような・・・」 カポンッとヒヅメを鳴らして少女の舞が終わると 会場中から拍手の音が鳴り響いた。 【オルニト】 【】 【屋台】 「ヒ虫の賽子ステーキおいしいわー。カカオソースのほろ苦さが素敵っ」 【神殿他】 「神官様!歌が、歌が乱れております!」 「えぇい分かっておるわ!」 (分かっていてもどうしようも無いのだッ!) 「…何という空の乱れよ。 世界全体の境界が揺らぐぞ…!」 【舞空ショーにて】 「うーん、空をタダで飛べるというのは素晴らしいニャ」 「地形に左右されない移動速度…これは大きな利点だゴブ」 「「何とか安く雇って宅配業を…」」 三!? !?三 【空中神殿・午前の儀式終了】 「うーむ予想していたよりも好評である」 「神官様神官様、件のカントクから午後の衣装が届きましたですの」 「うぉっ!陽光が乱反射して眩しっ!」 【高山屋台街道】 「二日目だねー」 「うんお祭り二日目だね」 「一日目って何してたっけ?」 「何してたっけ?」 「今日は?」 「何するんだっけ?」 【大図書館】 「そろそろ舞空ショーがはじまるから行こうぜ」 「んー、いいや。あたし、ここで本を読んでるから」 「はいはい、祭の日くらい外に出ろって」(引きずりながら) 「ああっ、せめてあと一章をっ」 【マセ・バズーク】 【】 【とある蟲族の王城】 「ハニンム!ハニンム!」 「どうしたのマンバ、そんなに慌てて」 「スンズーがおらんのだ!」 「石神祭に行っているのではなくて?」 「その祭に追従した者からの報告なのだ!」 それを聞いたハニンムは即座に粘菌網に同期し、祭場の様子を探る 「…確かに何処にもいないわ…。 ジッガーの補助をして意識を離した隙に…」 「「絶対にエリスタリア!」」 【ちゅーとりある中】 プァーーーンッ! 「うぉぅっ!驚いた… モ、モンスター@ンターフロ@ティア??」 「まずは意界における貴方様の分身をお作り下さい。 …博士は女性キャラが好みですか」 「うっ、何だこの胸に突き刺さるっ。 …何々?大猪を狩れ?戦闘訓練なのか?」 「のそのそ草を食む愚竜を倒せば肉や骨を千切り取る事ができます」 「あそこで跳ねている鶏冠竜は襲ってきます。 囲まれない様に気をつけて下さい」 「成る程、敵地での自給自足徴用戦略を実践させていくのか…理に叶っている」 「遠くに見えるのが大猪でございます。すぐに突進してきます。避けて下さい」 「大きい!早い!しかも痛い! くっ、何だ?攻撃が弾かれるっ」 「そこは側面にお回り下さい。 一旦離れて剣を研ぐのが宜しいかと。 早く回復薬を」 「うぉおーっ! やり辛っっ!!」 【マセ・バズーク都 高塔】 「粘菌意界による人材の選定… 初日から素晴らしい成果で主も満足しております」 「は、はははっ(汗) いや、まさかこちらもお宅の意思界を使わせて貰う事になるとは思ってもいませんで…」 「申し上げていただければこちらも協力は惜しみません。 それはさておき…」 「はいぃっ?」 「主より新たな意界の素材である、とこれをそちらにお渡しせよ、と」 「虹色に輝く…銀の丸板??」 「後、これもお渡しせよ、と」 「?ルーン文字…の刻まれた白い箱?」 「宜しければ私めが《ちゅーとりある》いたしますが?」 【食堂 店員蟲人】 「それは手元お手伝いダンゴ蟲で食べ物というわけでは… アァっ!」 【食堂 金羅の分身】 「もぐもぐ。このお団子もなかなかいけるわねー」 【あるコロニーの見晴らしの良い場所 エルフさんたち】 「ねぇねぇ、聞きました?こちらには、女の方しかいないんですって」 「うーん、それは弱りました」 「王城にいるらしいわよ?」 「部外者は入れないからなぁ……」 「あらあら、侵入するしかないじゃありませんか」 【エリスタリア】 【】 【あるホビットの宿】 宿主「そろそろ使いが戻ってくる頃…」 店員「物資調達に出遅れた我が宿の起死回生の ── 店員「サービス申請!」 宿主「ホビットの若干性的なマッサージ!」 カランカラン 宿主「どうだった?」 大粒の涙をこぼしながら掲げた【敗訴】の札 「「「私たちの祭りは終わったーー…」」」 【夏の都】 「ワグナス!議会は我らの性技を異端と認定したぞ!」 「ダンターグめ!あんな巨大な怪物と同化してみせるなど!」 「奴を責めることはできまい。魔獣ちんぽいいよね、と持ちかけたのは私たちだ」 「わかっていただろうに。のう、ワグナス」 「ボクオーン」 「あの気の弱い連中が魔獣と交合する術など認められるものか」 「では何の手だてもないまま、魔獣ちんぽを間近に指を咥えていろというのか!」 「そうじゃ。それが議会のいう"正しいヒト"の一生だ」 「自らは服も脱がずに、我らに戦わせておいてか――」 「お姉様!世界樹が魔獣に襲われていますわ!」 「よし!」 (チャキ) 「行くのか?」 「…死ぬなよ」 「アヘ顔など何度さらしたか知れないよ」 【世界樹樹城内統括本部】 「何故侵入を許したのだ!? 樹の防壁、樹人の眼、樹獣の網は何をしていた!」 世界樹の各所に配備されている監視銀杏樹人からの情報が雪崩れ込む 「解析出ました! しかし、これは…」 「どうした!早く報告するのだ!」 「我々エルフや樹人などと同じなのです…」 樹水晶に映し出される巨大な異形を指差して続ける 「世界樹より生まれしモノの因子を持っているため、防衛網が通したと思われます」 「…! 未踏破に封じ込められし異なる世界樹が産み落としたモノ…!!」 【世界樹近郊・上空】 「おいおい… ありゃ一体全体なんなんじゃ…」 グリフォンに跨り空を駆けるドワーフの一団が一様に驚愕の声をあげる 「未踏破域近辺であのような異形の魔物が確認されてはいますが」 眼鏡をかけて髭もまだ薄い若ドワーフが資料をぱらぱらとめくる 「ここはエリスタリアのど真ん中なんだぞ?」 「そんなことを僕に言われても」 「とりあえず、グリフォンの翼筋肉痛に効く軟膏を探して買うとかいう雰囲気では無いのは確かじゃぞ」 それぞれがそれぞれに合わせた最良の形に改造された雷鎚を徐に構える 「エリスタリアくんだりまで来たついでじゃ! ドワーフは空でも勇猛果敢であると、もやしいエルフ族の連中に見せてやるとしようぞ!」 一斉にあがる怒号と共に異形へと強襲を仕掛ける数多の雷鳴 【北の国の野戦演習場】 雪中迷彩蔓を全身にまとわりつかせて雪に半分埋まっているダークエルフの少年 「寒い寒い寒い!あんまし寒さに耐性ないんだけどなぁ俺! でも樹人の密売が行われるってんなら話は別だ。世界樹のために俺は何時間でも張り込む覚悟だぜ」 周囲見渡しても更にその外周を見渡しても誰もいない冬の国 最早住民ですら他国の祭に出かけているのではないかと思ってしまうほど 「大変!」 「何だどうした!?密売人がやっときたか!」 「取引の話はガセだったの」 「ズコーーーーっっ!」 「それよりも大変なの!」 「俺の鼻の大洪水も大変だっつの」 「世界樹にとてつもない化け物が接近しているの!」 「何だって?!」 【秋の国で最も高い樹上】 ホビット店員A「中々お客さんがきませんね~」 ホビット店長「むむむ…折角秋の国で一番見晴らしが良い場所を獲得したというのにどういうことだ!」 ホビット店員B「高過ぎて昇るのが疲れるからとか?」 ホビット店員C「そもそもここに店があるというのが知られていないとか?」 ホビット店長「一世一代の不覚…!」 突如漂う腐臭に騒然となる ホビット店員A「外!外!空!」 ホビット達がわらわらと飛び出す視線の先、遥か上空に飛翔する何か 鳥と獣の翼を複数背中に生やし 鱗と剛毛が同居する頑強そうな胴 そこから伸びる三対三様の脚 巨大な異形の体躯 それを先導する様に伸びる首の先端には 龍を彷彿させる造形だが目の無い頭部 悠然と雲の更に上を飛ぶそれは ホビット店長「なんだあれは? …腐ってやがる…」 【???】 『琥珀がざわつき始めました 新たなる道を開くような 世界への刺激が訪れようとしています』 【何処かの店】 「どうもありがとうございました~」 「ふぃー食った食った。 …って俺飯の代金よりもチップの方が多く払ってるじゃん!」 「幼児犯罪者の匂い…逮捕! 」 【ミズハミシマ】 【】 【磯沿いの海町】 「おろ?出稼ぎ連中が帰ってきたんでなかったんか?」 年老いた海星人がうにょうにょとした腰つきで漁小屋に入ってくる。 「久しぶりに皆が揃うたからのぅ、意気揚々と遠洋で漁だとすーぐに出発していきおった」 ちまちまと磯巾着人が投網の解れを修繕している 「しかし今日はやけに海鳥が騒がしいの?」 【乙姫祭会場】 「お前さ、アレ止めなくていいの?旦那として」 「会場受けもいいし、今さら止められないよ。 それより、蛇神さんも出場するって言ってなかった?」 「それは全力で止めてきた」 「代償は?」 「高かった・・・」 「あ、いたいた!ダーリン!あっちに海鮮ラーメンの屋台あったよ!」 「呼ばれてるぞ、ダーリン」 「わかってるよ、親友」 【海中都市、生簀 金羅の分身】 「あむあむ。お刺身美味しい」 【ミユキ島:ツキヤマ邸】 「ツキヤマさん、調子はどうっすか?」 「おお、ヨシカワくん。按摩を呼んだのでだいぶ楽になりましたわい」 「按摩……盲目だったり仕込み杖持ってたりするあれですか」 「ほっほっほ、そういうのもおるかもしれませんのぅ」 「いるんだ!?」 「ツキ爺様、あまりセージさんをからかわれないで下さい…」 【日異交流特設会場:日本料理試食コーナー】 「ふむ、和食はどうやら私の好みのようだ」 「先輩って、味付けは控えめなのがお好きだからお口に合うんじゃないかとは思ってました」 「さすがに生肉丸かじりとは言わんが、大延などに比べるとわが国は素朴な料理しかないからな…」 【乙姫祭会場】 とりあえずヒマだったので乙姫祭の会場に遊びに来た 屋台がズラリと並び、大勢の客が賑わっていた 会場の一角のステージで歓声があがったので行ってみると 『第1回 キミも乙姫様だ水着コンテスト!』が開催されていた 「エントリーナンバー210番! クロヒメちゃ~ん」 おいおい。エントリーしすぎだろこれ 「211番!オークっ娘の奥山ちゃ~ん」 「はーい」 またこれ凄いムチムチな娘が出てきたぞおい オッパイぶるんぶるんしよる 「チャームポイントは~?」 「こうみえてもひとづまですー」 マジか 【海と陸の境界】 乙「奉納も終わりましたしこれから ─── 龍「わ、私と一緒にだな…」 乙「市井の何たるかでも見て周りますか?(ニッコリ)」 【ラ・ムール】 【】 【どこかの定食屋さん:金羅さまの分身】 「んー♪香辛料が効いてて美味しっ」 【ディセト娼館裏口】 「ども~サンダードラゴン運送です~。海草塊お届けにきました~」 ワウワウ! ワウーン!(足元に纏わり着く子狼) 「わっ!可愛いわね~♪ …って何びくびくしてんのさアンタ」 「いやホラ狼って怖いし!何でか分からないけど怖いし!」 ワウ~ン バウバウ(オークに走り寄る子狼) 「イーーヤーーっ!!」 「はぁ、情けない」 【王都マカダキ・ラ・ムール 祭に大いに沸く商業区】 とりあえず王都に着いて、番兵が若かったのを不審に思い探りを入れてみたら、どうやら10年ほど前にぶっ飛んで来てしまったらしい。 「〈向こう側〉でいう所の『たいむすりっぷ』って奴か。最近の野郎は手が込んだことしてくれやがるな」 一通り市街を眺めて回り、苦難の陽月に舞い込んだ祭事が初回から随分な盛況ぶりを見せているのを確認したところで、王都を後にする。 「今のオレは立場上、ここに居るとマズいことになりそうだしな。とりあえず王墓に帰るか・・・と思ったが」 距離はかなりあるが、不穏な気配が僅かに漂うのを感じとる。方角的にはエリスタリア雪の国との国境線だろうか。 「やれやれ、結局面倒事が舞い込んでくるわけか・・・しゃあね、行きますか」 【大延国】 【】 【甘味広場】 「いやいやどうもどうも助かりました!」 軽装で申し訳なさ程度に武装した役人が二人駆け寄ってくる 「こいつは凶悪な咎人でして、よく捕まえれましたね」 「いんや、正に首皮一枚であったぞ? 気を抜いていればやられとった」 そそくさと黒影を縄でぐるぐる巻きにするもう一人の役人 (勝手に動き回るなと言ったじゃろが! 全く手間をかけさせおる) 「警備の協力、ありがとうございました! では!」 「おんし、ちょいと待ちな」 「「どっきーーーーんっ!」」 「裾の辺りが燃えとるぞ?」 「あぁ!気にせんで下さい。ワシいつもこんなんなんで! では!」 蓑虫になった黒影を二人で持上げ脱兎の如く走り去る役人 「なんとも騒がしい国だの」 【鯖猫商店出張所in大延国】 山ほどの食品を並べた猫人の商店に一人の女が立ち寄っている。 「マジやめて欲しいにゃ」 「いいじゃない、減るもんじゃなし。アタシ神様よ?」 そう言いながら女は手当たり次第に食品を口に運ぶ。 「減ってんだにゃ。商品を傍から食うんじゃねーにゃ」 「これなーに?」 「翠卵饅頭だにゃ……ってだから食うんじゃねーにゃ!」 怒る猫人を前に、女の後ろからすいと現れた男がを諭すように言う。 「試練だ」 「これはラー様……ってアンタも食うんじゃねーにゃ!」 【甘味広場】 槍を肩にかけつつ飴を頬張る鱗人 「おんし、ちょいと待ちな。何故そんなに殺気を放つ?」 頭から爪先まで喪に服したかの様な黒ずくめの人影を制する 「…ジャ…」 「強引に取った休暇で来た祭りや、揉め事に首突っ込む気はないん ── 「ジャクシャァッッ!!」 黒ずくめの、腕と思われる位置が異常な速さで隆起し首筋を掠める 身を捻る勢いそのままに、黒布のような隆起物を突き刺し地に縫い留める ずいっと肉薄する顔同士。 しかし黒ずくめの眼は影で見えない 「取り合えず役人が来るまでこのまま大人しくしてようや」 ジ…ジジジ… 【屋台広場片隅】 「おい、躍武の姿が見えんぞ?」 「え?何よ?変幻中の俺に話しかけるなっての」 (本気で金羅に変幻する気か…) 「ふぅーい。おせっかいなのに何度か絡まれたがホレ、どうだ色々と買ってきたぞい」 【辛味広場】 「天狐辛紅子が来たぞ!逃げろ!」 「ああ・・・三倍の速度で辛味肉まんが消えていく・・・」 【クルスベルグ】 【】 【創作市場】 「姉さま姉さま、へんてこりんでいっぱい!いっぱい!」 「ン」 「卵焼きを綺麗にひっくり返す機械腕ー」 「ン」 「ハムを均一に切り分ける精密包丁ー」 「ン。 …ン?」 「姉さま?姉さま?」 「全自動シャリ握リ腕… イイ」 【とある酒場のあるテーブル】 「よ~しっ!飲み~比ぁべだぁっ」 「ぁぁん?もーじゅーぶん飲んでるっつーの」 「ひゃっひゃっひゃっひゃ。そのーとーり!」 「じゃあ賭けだぁ賭けっ。罰げーむでもやろうっ」 「ぉぉう。じつはこんなこともあろうかと、ぎかいの禁庫からパチった小箱があってなー」 「鍛冶ぃ神の小箱とはおもしろいっ。よっしけってーい!負けたやつが開けさらすっ」 「ひゃっひゃっひゃっひゃ。そのーとーり!」 【どこかの街路】 「山車が通るぞー!」 「おお、今回のカラクリはいつにも増して派手だなあ」 「見ろ見ろ、精霊たちも集まって一層だ」 【ドニー・ドニー】 【】 【無数の触手が襲い来る大船祭場】 「皆の避難は?」 「それが、あちこちから襲ってくる触手のせいで思う様にいかず…」 阿鼻叫喚の船上で方々に指示を送る千羽鶴 最初の直撃以降の被害を何とか食い止めようと、残った団員と他の海賊団と共に触手を迎え撃つ 「増える触手、こりゃあ《船喰い》が近づいてきている証拠ですぜ!」 「姐御だけでも避難を! やられちまったら兄貴に面目が立たねェ!」 バルバンクールの部下が奔走する中、一際空高く伸びた触手が凄まじい勢いで落下してくる 「「「姐御ーーーっっ!!」」」 しゃらんっ 静かに優しく風が哭いた 千羽鶴が両手で大きく描いた円に沿い、自ら避ける様に甲板に激突する触手 「…私達がここで踏み止まれば被害は港まで及びません 住民の避難、そしてあの人が戻るまで私達が、海賊がドニーを護るのです!」 ゆらり掌を水平に揚げると共に千羽鶴を囲む様に現れる風精達 ドシャァアッ 先端を粉微塵に斬り刻まれた触手。青い鮮血を撒き散らし崩れ落ちる 「化け物退治とだけ思っていたが、これは何とも眩い心意気。是非とも助力させて頂候」 中ほどで折れた刀から青血を吹き除ける狗人 「貴方は?」 「名乗る名も無き壬生狼… 唯のお節介焼きで候」 【大海獣にまとわり付く影】 かじかじごっくん。 「この程好い塩加減… ちょっと焼いたら美味しいかも?」 【触手聳え昇る洋上】 「四番艇、船底やられました!すんません、ここまでです!」 「八番艇ーっ、舵を取られ…うぉおおおーーっ!」 《大海獣:船喰い》に接近するにつれ本数と巨大さを増す顎持つ触手群に蹴散らされる海賊団高速艇 「ねぇねぇねぇ!あたいら一隻に固まってたらヤバくない?!」 「ヤバないわい! 何のために他が先行して囮になってると思っとんじゃい!」 「すまぬ、皆… 必ず辿り着いてみせるッ!」 隆起する波が海面に弾ける音を割るように、遂に大海獣の咆哮が響く 雨霰と降り注ぐ触手を打ち返し往なし潜り抜ける 「もう少し…だッ!」 「船長!先行した艇が全て…!」 目前で宙に巻き上げられ砕け散る最後の一隻。 拳を突き上げたまま海中に突っ込む団員 「おいおい…ありゃぁちょいと洒落にならんぞ!」 ファンドが見上げる先、しっかと艇を射程に捕らえた海竜の如き触手 回避不可能と即座に判断したラウダフルの指示で全速前進で掻い潜ろうとするも 圧倒的巨大さの前には抗えず、艇は木っ端微塵に砕け散る 「皆!銛に掴まれッ!」 艇が砕けるやすぐに触手を掴んだラウダフルが銛を突き出す 空中に四散した面々は即座にそれに掴まったが ─── 「イツクシモ!」 「姫っ!」 「お嬢っ!」 バルバンクールとファンドが手を伸ばした先、荒れ狂う海に落ちていくイツクシモ姫 【内地:鉱物市・狗人】 年季の入った袴から垂れる尻尾が左右に揺れる 「新しい刀の材料に良き鉱石を、とどにぃどにぃまで来たはよいものの、 そうそうよき縁には巡り合えぬか」 総毛立つ頭部に生える耳がぴくんと腰を振る 「何やら港の方が騒がしいが、どうしたのであろう?」 疑問はやがて確信に変わる 港、そしてその海の向こうから押し寄せてくる異様な気勢 折れた刀を替えるのも忘れ、狗人は奇妙な紋の入った着物に収めていた腕を袖から出し 港へ向かって駆け出していた 【鯖猫商店出張所inドニー・ドニー】 ズラリと武具を並べた猫人の商店に一人の女が立ち寄っている。 「どうですかにゃお客さん。クルスベルグ製の逸品揃いですにゃよ」 女はひとつ剣を取り上げてまじまじとそれ見つめる。 「良い目をお持ちですにゃ。それは折れず曲がらずで有名な――」 猫人が説明しようとした途端、女が剣の両端を持ち力を込めるとボキリと音を立てて折れてしまった。 「何だ……セダル・ヌダのトコの武具はこんなもんか。こりゃ剣というよりもただの枝だな」 あっけにとられる猫人に折れた剣を返し、店を後にする女。 真っ二つになった剣を手にしながら猫人が呟く。 「……何だかにゃー。自信無くすにゃー」 【洋上にて 金羅の分身】 「かじかじ。大味だけど、これはこれで良いものね」 【洋上疾走中】 『余り人の世に関わるのはどうでしょう? 危機を乗り切るのは彼ら自身の力でなくては…』 「はぁ~? …まぁそれも一理あるわな」 「「「じゃあ帰っていい?帰っていい?」」」 「とりあえず一発くらい食らわさせろや。 てことで全速力で前進」 「「「あーーーーーーーーーーーーん!!」」」 【とある保険屋】 「うわー!有り得ん有り得ん有り得んーッ!!どんだけ請求くるんだ!!(吐血」 「港湾他船舶の被害報告も多数、保険申請も多数ゴブ… どうするゴブ?夜逃げしちまうゴブ?」 「阿呆か!払いきるに決まってるだろうが!!商売の仁義を舐めんな!」 【桟橋にて】 「今回の祭で、新たにキャッスル級が1隻就役するそうだ」 「そいつは重畳。是非1戦交えたいものだな」 「名前はコーキョだそうだ」 「なんともモゾモゾとする名だな。 もっとこう、ガザミバオー(翻訳精霊注釈:古いオーガの王の名) なりなんなり、勇ましい名にすべきではないのか」 「チキュー風の名らしいな。皇帝の住む城の事らしい。 何でも同じ大きさなのだとか。ああ、あれだ」 「なるほど。こりゃあデカい。実に戦いたい」 「これはもう島か何かなのではないかな」 【大船祭場:洋上への船着場】 「全員揃ったな?」 愛用の巨大銛を船底に突き立てるラウダフル 「精鋭のみ、船は足重視の高速小型艇で合計十一隻じゃ」 右に左に小刻みに舵を確認するファンド 「本体がまだ遠くなのに港近辺まで触手の被害が出ているようで」 刺青だらけの上半身に二本の細剣だけを縛りバルバンクールが到着する 「なーにくっちゃべってんの!早く乗る乗る! あれ?ツルテンが操舵すんの?」 艇の一番高い所に座し手招きしているイツクシモ 「ツルテン言うな! ファンドと名前で呼ばんかい!」 「あれ?ヤンソンは?」 「今回は『舟足重視』と言ったろ! ヤンソンは大船上で防衛だ」 海蛇の様な触手が何本も暴れている中、勢いよく出航する面々 目指すは水平より迫る《大海獣・船喰い》!! 【スラヴィア】 【】 【風雲モルテ城・中庭】 数々の罠や障害物により巻き起こる阿鼻叫喚 「やはりと申しましょうか冥府の釜をひっくり返したような様相になってきたぞー!」 [モルテ様は 手加減を 知りませんね] 鬼族の鉄骨も溶かす酸の池は立ち込める蒸気ですら行く手を阻む 「自信の無い挑戦者は素直に辞退した方が身の為ですな!」 [スラヴィアの救急班は 諦めるのが 早いですから ね] 【夕方から夜に入るスラヴィア 人間旅行者】 「おぉ…聞いていた通り昼と夜とでは全く別の顔になる国だな」 イストモスゲートからの長距離も大ゲート祭のおかげでスラヴィアまであっという間 「では生家や墓に形見を届けにいくかいね。 どっこいしょ」 異世界へやってきた頃には軽かった荷物もいつの間にか重たくなっていた 祭りの賑わいの中で中年男性は今までの旅と出会いを振り返るのだった 【風雲モルテ城:二日目】 「さぁ始まりました二日目は、城門を越えた中庭から開始だ!」 [昨晩相打ちで 堀に落ちた二人は まだ上がってきて いませんね] 「サミュラ軍を待ち構えるのは数々の障害アスレチック!」 ぼこぼこと紫色の泡が沸き立つ池の移動床を水面下から動かす触手 一定のリズムで揺れる何重ものギロチンを吊り下げている触手 滑る坂道をせっせと磨いている触手 「客人を酷使し過ぎだオイーーーっ!」 [全く モルテ様に付き合ってくれるとは 気の良い客人 ですね] 【領民向け食堂:金羅の分身】 「トマトとベーコンの血祭り風パスタ大盛りマダー?(チンチン」 【ヤフヌール領地下街:特設屋台村】 「日中でもここは賑やかなもんだな」 『饗宴が日の出で中断したから、参加者がみんな地下街に流れてきてる感じだねー』 「どうせなら地上でのんびり食べてもよかったな…」 『それだと私がキミの食べてるところゆっくり見られないじゃない、やだー』 「他人の食事風景なんて見てて楽しいもんかね」 『だってハザクラくんおいしそうに食べるんだもん』 【風雲モルテ城・二晩目開始前】 ゴブ商人「さぁさぁクルスベルグ直送の出来立て武具だよ! これさえあれば屈強な死神の尖兵もなんのそのだ!」 ベギンッ(指先で刃をつまんで軽く曲げる) 「脆い。こんなナマクラじゃ鎧軍団に傷一つ付けられないわよ」 【新天地】 【】 【渓谷・思想兵団《夜襲(エッジ)》本拠地】 「まさか祭がこの様な事で役に立とうとはな」 「これで天啓に出た場所全てへ向かう事ができますね」 「北海、樹、砂漠、炎、夜」 「夜はいつも天啓に入っていますね」 「では今回も夜は無しで」 割れた大地より空に落ちるような勢いで飛び出していく闇鴉軍団 この世に正しい方向へ導くため、彼らの戦いが、また始まろうとしている 【どこぞの酒場】 「いや~本当に凄いねゲート開放! エリスタリアまで一瞬だったよ」 「?薬はもう事足りているでしょ?何しに行ったのよ」 「あと一人仲間欲しいと言っていただろ皆」 「だから随時募集しているのではないか」 「でも来ないだろ?」 「募集要項をオブラートに包んでも待遇の悪さが滲み出ちゃってるもんねー」 「だから買ってきた訳よ!戦闘用樹人! 何でも命令聞くし体も頑丈だし!」 「「「まだ苗じゃん!!」」」 【新天地の出店:金羅のしっぽ?】 いや、もういいから大量の煮豆とかパンに大量の肉挟んだのとかもういいから! …いや、そうじゃないから!気を使って大量の揚げいもとか中華風のごった煮を鍋ごととか出さなくていいから! 【どこかの酒場】 「いやーゲート開放凄いわホント。クルスベルグまであっという間で武具の仕入れも完璧でよー」 「どれもこれもガラクタや玩具じゃねーか!祭楽しんできてんじゃねーか!」 【大ゲート祭り運営委員会自警団本部】 「プレセアと雪花のバカはどこ行った!!市長がお冠だぞ!」 「二人とも「俺より強いやつに会いに行く」と言って出かけられましたが」 「あの二人バカ!ほんとバカ!」 「団長が壊れた!衛生兵!えいせいへーーい!」 (ネフティの「占の館」は許してるのにあの二人には厳しくするから……) (親バカどすなぁ) 【地球・その他地域】 【】 【ポートアイランド:開発区】 「時給三割増しだから出て来いと言われて来て見れば…」 「うわー!仕事量は倍じゃないのよさ!やってらんないわさ!」 人間の青年と鬼人の女性がせっせと土嚢を運んでいる 異世界が身近にあるということもあってか、大ゲート祭観光や帰省などで 作業員がごっそりいなくなっていたのだ 【学園内食堂】 あー…祭りで閉まってるのか ちょっと屋台でも覗きにいくかねー 【十津那学園祭 剣道部屋台『小手ぬき麺』】 「このカリュブデス丼とかいうの、なるとしか乗ってないとかふざけてるのかと思ったが意外にいけるな」 「ヘンな凝りかたしてるあたりは実にこの学園らしい屋台だよな…」 【ポートアイランド・11-11前】 「大ゲート祭で人が減っている間にへっへっへ…」 ぞろぞろぞろ 「皆考えること同じってかいつもより増えてるー!?」 【十津那学園祭 剣道部屋台『小手ぬき麺』】 「ねえ、あたし皆で屋台やろうって言ったよね」 「言った言った」 「なのに、何で川津も犬塚も誰も居ないわけ?」 「そうだそうだ」 「海鮮ラーメンなんて、あたしと獅子神くんだけで 人手が足りるワケないじゃない!」 「そうだそうだ」 「もう信じらんない!川津のバーカ! はいお客さんらっしゃい!お味は何にします! スキュラーメン一丁オーダー入りましたー!」 (・・・お前一人で十分だからじゃないかな) 初日のは見出しと文の区切りが見づらかったので、見出しに色が付くようにしました。見出しサンプルをコピーして【】の中に見出しを入れてね -- (作業人) 2012-06-10 18 13 57 まさかページ二枚目に進化突入するとは! おつですー -- (とっしー) 2012-06-10 19 27 27 この勢いは想定外 -- (名無しさん) 2012-06-10 20 48 42 うひょー!企画二週目の二日目だー! -- (名無しさん) 2012-06-10 21 42 28 この祭りに終わりはあるんだろうか -- (としあき) 2012-06-16 08 52 31 むしろ無事に終わるのかどうかが心配になってきましたよ -- (名無しさん) 2012-06-16 19 11 23 それなりに続いているのが楽しいな -- (名無しさん) 2012-06-17 19 00 04 食ってばかりの神様が一名いますね -- (名無しさん) 2012-06-17 19 58 40 クルスベルグやオルニトが比較的大人しいのは火種が無いからなのかも試練ね -- (とっしー) 2012-06-25 22 20 54 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/marurowa/pages/410.html
あなたに会いたくて◆b8v2QbKrCM どうして―― 呼吸をするたびに、口の端が赤く泡立つ。 ひゅう、ひゅう、と呼気の漏れる音がする。 肺が破れたのだろうか。 もしかしたら、気管が裂けたのかもしれない。 どうしてこうなってしまったんだろう―― 痛みが薄らいでいるのは幸いか。 それとも絶望から逃避できない不幸か。 所有者を死から遠ざける二つの力が、ナインの命を引き伸ばす。 どろどろになって燃え尽きかけた蝋燭が、ほんの数秒だけ燃え続けようとするように。 私は、ただ―― 失くした右手の切断面と、左胸の大きな穴から、致命的な量の血液が溢れている。 助かるはずがない。 生きていられるわけがない。 こうして思考できていること自体が、既に奇跡なのだ。 ただ―― ナインは感覚の喪失した四肢を動かして、頭の向きを僅かに変える。 リノリウムの地平の先には、もうひとつの赤い水たまり。 潰えようとするもうひとつの命。 潰えてしまったもうひとつのいのち。 あの優しい小鳥を―― その少女は、壁にもたれて座り込んでいる。 まるで木かげで休んでいるように。 まるで木もれ日でうたた寝をしているように。 たったひとつだけ、おかしなところがあるけれど。 小鳥を―― おなかから、赤くて黒いものが、顔をだしている。 びるのカベに入っていたてつのぼうが、赤くそまってかおをだしている。 うしろからフォークでさされたみたいに、3ぼんならんで。 ミコトのおなかは、やぶれていた。 助けたかっただけなのに―― ◇ ◇ ◇ 「魔王に挑む……無謀と知っての蛮勇か?」 大戦槍の柄が棄てられる。 がらん、という鈍い音が廊下に響いた。 「さぁ? どこの誰なのかしらね」 美琴はゼロから視線を逸らさず、次弾の発射準備を整える。 彼我の距離は十数メートル。 この距離からなら狙いを過つことはありえない。 しかしゼロは、ナインの右腕を足蹴にしたままで、悠然と美琴を見据えていた。 超電磁砲の威力を目の当たりにしながら、脅威を軽んじているのか。 それとも、対抗する術を既に見出してしまったとでもいうのか。 美琴の手元で大気が炸裂する。 音を置き去りに飛翔するコインの弾丸。 僅か百分の一秒のうちに距離を削り取り、ゼロの仮面を掠めて飛び去っていく。 「どうした。牽制では私を倒せないぞ」 ゼロは微動だにせず言い放った。 動かずとも当たらない――美琴が当ててこないと分かっていた、と態度が語っている。 美琴は内心で歯噛みした。 今の一撃でゼロとナインを引き離すつもりだったのだが、完全に見抜かれていたらしい。 考えてみれば当然のことだ。 ここで直撃させるつもりがあるのなら、初撃で槍を狙う意味がない。 ゼロ自身ではなく大戦槍を撃ち抜いた時点で、殺意のなさを白状しているも同然だ。 「次は当てるわよ」 「どうだかな」 デイパックから引き抜かれる白鞘の刀。 露わになる白刃に、美琴は思わず身構える。 振り上げられる和道一文字。 それと同時に、手首の返しで握りが逆手に変えられる。 「だが――意図は汲んでやろう」 「うぐっ……!」 真下へと叩き込まれた一突きが、あろうことかナインの手首を貫通する。 響き渡る苦悶の声。 美琴は思わず身を竦め、目を逸らした。 切っ先が前腕に通る二本の骨と関節の間の肉を貫き、床にまで突き刺さっていた。 これでは刀を抜かない限り逃れることができない。 まさしく磔である。 「アンタ……!」 「まずは貴様から排除する。異存はないな」 ゼロが一歩ずつ距離を詰める。 右足を庇って身構える美琴の前に、真紅が割って入った。 庭師の鋏を片手で把持し、鋭利な先端をゼロへと振り向ける。 「美琴……近付いてきたら……」 「分かってる……」 一歩、また一歩。 ゼロが悠然と接近する。 美琴と真紅はいつでも攻撃に転じられる態勢のまま、静かにタイミングを計っていた。 残された力は少ない。 どちらが勝利するにせよ、勝負は一瞬で終わるだろう。 十二メートル。 十一メートル。 十メートル。 爆ぜる。 ゼロの足が床を打った。 床材を粉々に粉砕する威力の反作用で爆発的に加速。 離脱など許しえない速度で間合いを塗り潰す。 「来たわっ!」 真紅が鋏を振るう。 薔薇の花弁が渦を巻き、一直線にゼロを迎え撃つ。 ここは直線の廊下だ。 赤き花弁から逃れる場所などありはしない。 ゼロが翻したマントに薔薇の奔流が直撃する。 飛び散る花弁の幕に阻まれ、ゼロはその速度を大きく減じた。 「そこっ!」 間髪入れず、美琴の腕がスパークする。 指に弾かれたコインが閃光の魔弾と化し、花弁の幕の中央を撃ち抜いた。 一瞬の間を置いて、衝撃波が花弁を吹き散らす。 「――なっ!」 真紅は思わず声を漏らした。 薔薇の花弁が散ったことで開けた視界には、あるべきものが存在しなかった。 「消えた!?」 いない。 ゼロがどこにもいない。 美琴は慌てて周囲を見渡すが、廊下のどこにもゼロの姿はない。 いかに薄暗闇に黒衣が紛れるとはいえ、完全に見失うなどありえないことだ。 しかも視覚のみならず、電磁波によってすら感知されなくなっている。 廊下から完全に消え失せた―― そうとしか捉えようのない事態であった。 「――そうだ、ナイン!」 美琴の思考が混乱から立ち直る。 何のために無茶な戦いを挑んだのか、危うく忘れてしまうところだった。 敵が姿を消した今のうちに助け出すべきに決まっている。 そう思い、美琴が駆け出した瞬間、ナインが叫んだ。 「逃げて! 早く!」 何を言っているんだ、と駆け寄ろうとして、不意に気が付く。 ナインは接近するゼロの後ろにいた。 ゼロが歩いてくるときも。 ゼロが突進した瞬間も。 ゼロが薔薇のベールに阻まれていた間も。 つまり目撃しているはずなのだ。 ゼロ消失の瞬間を。 背後で轟音が鳴り響く。 爆弾が炸裂したかのような衝撃と、冷たい爆風。 コンクリートの破片に晒されながら美琴は振り返り、目撃する。 外壁を突き破り、屋内への再侵入を果たしたゼロの姿を。 そして。 掬い上げるような拳に打ち据えられた真紅を。 「――真」 あまりにも軽過ぎる真紅の身体は、それこそ紙切れも同然に吹き飛んでいく。 中庭へ通じる窓に衝突し、砕く。 「紅――」 翻る黒衣。 鉄塊の如き腕が迫る。 声が喉から出るより遥かに速い。 美琴は瞬く間に顔面を鷲掴みにされ、勢いのままに床から引き剥がされる。 ――ゴッ 白いコンクリートの壁に、赤い飛沫が散った。 線の細い手足が跳ね、そして力なく落ちる。 砕かれたガラス片が時雨のように落ちる音がした。 壁伝いに、ず、と美琴の肉体が滑る。 かすれた絵筆で赤を塗ったような跡を残して、美琴はガラクタのように崩れ落ちた。 「……終わりだ」 ゼロは踵を返し、ナインへと歩み寄る。 あまりにも呆気ない結末である。 薔薇の壁に阻まれた瞬間、ゼロは即座に転移を発動させていた。 無論、あそこまで消耗した状態では、せいぜい一メートルか二メートルの移動しかできない。 しかし、病院の外壁を越えて屋外へ退避するには、それだけで十分であった。 ナインは依然と床に伏し、顔だけをこちらに向けている。 右腕は串刺しのままで、脱出を図った形跡すらない。 だが、その眼差しはゼロに向けられていなかった。 「――フン。しぶといものだ」 再度ゼロは振り返る。 一抹の驚きが混ざった、呆れ返ったような声色。 「まだ、終わってない……!」 薄暗闇に迸る雷光。 満身創痍で疲労困憊。 鮮血乱舞で頭蓋陥没。 それでもなお立ち上がる超電磁砲。 「終わりだ。その身体で何ができる」 ゼロは美琴に近付こうとすらしなかった。 むしろ、接近する必要性を感じていないというのが正確だろうか。 それもそのはずだ。 美琴は明らかに立っているだけで精一杯なのだから。 「……アンタを、倒すことなら……できるわ……」 強がりを言いながら足を踏み出し、すぐに転びかける。 後頭部から流れた血が後ろ髪を染め、首筋を濡らして服を血まみれにしていく。 足は容易くもつれ、ゼロが破壊した壁の淵に手を突いて、どうにか転倒だけは免れる。 誰が見ても戦闘不能。 いつ昏倒してもおかしくない。 それでも少女は、漆黒の魔王をまっすぐ見据えていた。 「なんで……」 消え入りそうな声でナインが呟く。 美琴は口の端を上げ――血まみれで分かりにくいけれど――微笑んでみせた。 「……逃げないって、決めたから」 「だが結末は変わらん」 漆黒の魔王が迫り来る。 美琴は壁に穿たれた穴の縁にもたれたまま、一歩も動こうとしない。 そもそも動くような体力すら残されていなかった。 眼前に迫ったゼロの仮面を、美琴は毅然と仰ぎ見た。 「満身創痍の身体を引きずって、どこまで無様に足掻くというのだ」 「どこまで? 決まってるじゃない……」 緩く握られた拳が、ゼロの胸を軽く叩く。 それほどまでに、両者の距離は近付いていた。 「最後までよ」 魔王の輪郭が残像と化す。 間近から振り抜かれた拳が美琴の脇腹に突き刺さる。 最下部の肋骨を砕き、臓器を押し潰し、文字通り体内へめり込んでいく。 拳が振り抜かれると同時に真横へ吹き飛び、水切り石のように地面を跳ねて、駐車場を横切ってようやく停止した。 下手をすれば三度は死にうる打撃を与えてなお、ゼロは追撃を緩めようとはしない。 アスファルトに残った血の道を踏み締め、生死すら明瞭としない標的へ接敵する。 「ならば最期を与えてやろう」 ぴくりと、美琴の腕が動く。 先ほどの一撃で脊柱まで痛めたか。 上体は起き上がろうともがいているようだが、脚は全く動いていない。 時折、電流の閃光が迸り、周囲の暗闇が淡く照らされる。 「理解出来たか。魔王に楯突くことが如何に愚かなことか」 「これくらい……何よ……」 放出された電流が駐車場を囲むフェンスにも伝播する。 放電の音にかき消されるほどにか細い声で、美琴は喋り続けた。 誰に聞かせるでもない、自分自身へ向けた言葉を。 「アイツはもっと無茶して……痛い思いして……」 腕を突き、少しずつ身を起こしていく。 額の周りで幾筋もの電流が集い、弾けて消える。 「それでも止めなかった馬鹿なんだから……」 魔王の足が、起き上がらんとした美琴の胸を踏みつける。 無造作な行為でありながら、それだけで胸骨が悲鳴を上げた。 このまま力を入れて踏み抜けば、肺と心臓が破壊されて死に至るだろう。 呼吸すら苦痛でしかない地獄の中で、美琴は叫ぶように言い放った。 「だから……私が諦めるわけにはいかないのよ!」 「――むっ!」 電流が迸り、フェンスの根元が次々と千切れていく。 幅二十メートルに及ぶ鉄製のフェンスが、さながら巨大な投網の如くゼロへ襲い掛かる。 ゼロは美琴への攻撃を止め、後方へ飛び退いた。 「この程度で私を捕らえ――」 魔王の視界の外で、美琴は頭上を飛ぶフェンスに指を掛けた。 ぐんっ、と美琴の身体が跳ね起きる。 捕獲など端から思慮の外。 次の一撃こそが本命――! 「あああああああああああああああっ!!」 炸裂する閃光。 渾身の電撃が地を揺るがせ、夜の闇を打ち払う。 灼熱したアスファルトは瞬く間に融沸し、導体という導体を電流が駆け巡る。 光と音の衝撃は遥か彼方にまで押し寄せて、静寂を根こそぎ薙ぎ払う。 眩い光は病院の内部にまで及び、ナインをも飲み込んでいく。 「う……っ!」 やがて放電は終わり、間隙に夜が染み込んでくる。 ナインは眩しさのあまり瞑っていた目を開き、美琴の姿を探した。 「美琴!」 美琴は雷撃の爆心地よりも手前で、人形のような手足を投げ出して倒れ伏していた。 フェンスに引きずられて、ここまで転がってきたのだろう。 負った傷は数えることすらままならない。 あまりにも痛々しくて、ナインは目を逸らしそうになってしまう。 けれど、それはできない。 命を掛けてあの魔王に打ち勝った彼女から、視線を外すことなど―― 「――貴様の力を見誤っていたようだ――」 してはいけない、声がした。 見上げれば、そこには影。 夜景を遮る巨大な影。 どうして思い至らなかったのだろう。 ナナリーとネモがマークネモを駆るのなら。 ルルーシュ・ランペルージにも同じことができるのだと。 その名は、ガウェイン。 「そん、な……どうして……」 機械仕掛けの巨人の肩に乗り、魔王ゼロは下界を睥睨する。 雷撃からゼロを庇ったと思しきガウェインは、既に大破寸前にまで追い込まれていた。 一方、ゼロ自身が受けた損害は極めて軽微。 仮面には亀裂が入り、外套は無残に焼けているが、肉体の消耗は殆ど見られない。 絶望――絶対の、終局。 それなのに。 「どうして……立つの……?」 それなのに、美琴は立ち上がっていた。 なぜ立つのか分からない。 どうして立てるのか分からない。 肉体の機能は殆ど潰えているだろう。 確かなことがあるとすれば。 彼女は明確な意志を持って立ち上がったということだけだ。 「私は貴女を利用しようとした……。 殺そうともした……それなのに、どうして!」 「……どうして、こんな悪党を助けるの……って……?」 美琴は、あははと笑った。 もしかしたら単なる苦悶の声だったのかもしれない。 けれどナインには、明るい笑い声にしか聞こえなかった。 「それでも……死なせたくないって言うお人好しが……いるから、かな……」 かしゃん、と小さな音がした。 廊下の奥から、小さな影が歩いてくる。 暗がりの中、小さな瞳が煌いている。 「ごめんなさい。遅くなってしまったわ」 謝罪の声が廊下に響く。 真紅が歩を進めるたびに、かしゃん、と音がする。 砕けた身体の破片が音を出す。 赤い衣装の上からでも、真紅の身体の破損は容易に見て取れた。 そして真紅は、美琴の横で寄り添うように立ち止まる。 「ラッドに会ったわ……。あすかは最期まで、あの子らしく生きていたそうよ」 「……そっか」 ゼロがガウェインの肩から飛び降りる。 今まで以上の殺意を滾らせ――しかしそれを美琴達には向けていない。 それどころか、半死半生の二人など眼中にないとばかりに腕を振るった。 「ラッド・ルッソか。よもや仕留め損なっていたとはな。 どけ――貴様らと遊んでいる場合ではなくなった」 「……どかない」 美琴はポケットから一枚のコインを取り出し、ゼロへ向けた。 真紅も鋏を構え、戦意を表す。 「勝ち目はないぞ」 ゼロの言葉は恐らく正しい。 今の美琴には電撃を放つ余力すらなく、コインを撃ち出せるかどうかも怪しい。 真紅は吹き飛ばされたときにデイパックを失い、残された武器は歪んだ鋏と砕けかけた身体のみ。 庭師の鋏をゼロへ突きつけ、真紅は凛と黒き仮面を見据えた。 「貴方も大切な人を失ったのでしょう」 「黙れ……」 ゼロは歩みを止めない。 「今の貴方は、その人に胸を張って会いにいけるの?」 「……黙れ……」 仮面を鷲掴みに、砕かんばかりの力を込める。 「私達は出来るわ。最後まで私らしく生きていたと!」 「黙れと言っているッ!」 魔王が駆ける。 真紅が翔ける。 刹那の交錯の果て、白い破片が粉々に散った。 奔り抜ける漆黒の輪郭。 繰り出される超電磁砲。 音速にも満たない微弱な狙撃は、掠めることすらなく虚空を貫く。 拳の砲弾が美琴を打ち据える。 砕かれた壁の断面へ叩きつけられ、捻じ切れた鉄筋が背中へ突き刺さる。 三十センチも突き出した三本の鉄筋が、肉を穿ち、臓器を破り、腹部を裂いて貫通する。 鮮血が間欠泉のように噴き出し、すぐに収まっていく。 戦闘の終結。 完全なる決着。 その瞬間、自身に生じる一瞬の隙を、ゼロは見逃していた。 「ルルーシュ!!」 「……っ!」 咄嗟に翳した左腕が、鋭い刃に刺し貫かれる。 激痛の中、反射的に繰り出した拳が穿ったのは、ナイン・ザ・コードギアス。 地に磔られていたはずの少女が、何故かゼロの腕を貫き、ゼロの腕に貫かれていた。 「よもや自らの手を……」 ナインの右腕は、前腕部の先端付近から完全に失われていた。 串刺しという戒めから逃れるために、己の骨肉を切り落とすとは。 左胸を貫かれたまま、ナインはぽつりと言葉を零す。 「思い出した……私はネモから、頼まれたんだから……。 ……貴方が何と言おうと、関係……な……」 「泥人形への義理立てか。下らん」 ゼロはナインの胸から腕を引き抜き、騎士の刃へ手をかけた。 ずるり、と血液が糸を引く。 床に崩れ落ちたナインには目もくれず、踵を返す。 ゼロの意図に呼応するように、ガウェインが崩壊寸前の機関を稼動させ、ハドロン砲の砲口を病院へ向ける。 「もういい、跡形もなく蒸発するがいい」 ◇ ◇ ◇ ――もう、痛みすら感じない。 消えていく鼓動。 消えていく体温。 消えていく視野。 消えていく感覚。 消えていく自我。 網膜に映る光景を、脳髄が理解しない。 ナインは本能のように、綺麗な光を放つソレに手を伸ばす。 右手はもうないから、左手を。 失くしてしまった左腕の代わりを伸ばす。 ナナリーの面影。 ナナリーの記憶。 黄金の鞘。 「黄金」という色も。 「鞘」という言葉も。 ナインの中では既に意味を成していない。 ただ、それがタイセツなものだという認識だけが、軋む肉体を動かしていた。 指先が鞘の表面に触れる。 冷たさも硬さも、もう感じない。 五本の指が鞘を手元へ引き寄せる。 ナナリー……―― 鞘を手にナインは動く。 血の海を這いずるように。 だが、ナインの身体はもう動かない。 左腕だけが地蟲の如く蠢いて、ナインを引きずっていく。 生命が抜け落ちた四肢に代わって、彼女の願いを叶えるために。 ソレに触れていると、身体が楽になった。 ナナリーと一緒にいる気がするからなのかもしれないけれど。 これを渡せば――が助かる気がした。 もはや正しい現状認識すらできていない。 確かな目で見ていれば、助かる傷ではないと理解できるはずなのに。 奇跡を待つしか手段がないというのに。 ナナリー……―― 血に塗れた――の――に、鞘を乗せる。 「助けて……」 ジークフリートに小鳥を託したときのように。 物言わぬ金色の鞘に祈りを託す。 「美琴を助けて……アヴァロン……」 赤き光が全てを押し流す。 壁を、床を、天井を、硝子を。 熔かし、掻き混ぜ、焼却し、塵に帰す。 少女の血も、肉も、骨も、髪も、記憶も、願いも―― 全てが消えていく。 私は、貴女のところへ行っても、いいのかな――…… ◇ ◇ ◇ 瓦礫と化した病院を後にして、ゼロは大通りを西へ進んでいた。 ハドロン砲で一階部分を吹き飛ばされた病院は、自重に耐えることが出来なくなり、瞬く間に倒壊した。 まさしく徹底的な蹂躙、徹底的な破壊。 もはや生存者は残っていないだろう。 人形は原型を留めぬまでに破壊し、首輪も奪い取った。 女二人は致命傷を与えた上でハドロン砲の業火に投じた。 ラッド・ルッソは辛うじて息があったらしいが、倒壊に巻き込まれて絶命したに違いない。 代償として、ガウェインは量子シフトによる召喚から十分と持たずに消えてしまったのだが、 仮にもう一度呼び出したとして、あの電撃で機能停止寸前にまで追い込まれた現状では、大して役に立たないだろう。 しかし結末だけを見れば完全なる勝利と称して差し支えあるまい。 「残るは一人……」 ナナリーを死に追いやった輩のうち、既に二人までは抹殺した。 あと、一人。 異形を誅し殲滅への烽火とする。 目的はナナリーの蘇生ただひとつ。 必要とあらば、誰であろうと排除するまで。 それなのに。 ――今の貴方は、その人に胸を張って会いにいけるの? 「……戯言を!」 ゼロは苛立ちを込めて路傍の塀を殴りつけた。 魔王の強力に耐え切れず、コンクリートの塊が一瞬にして砕ける。 「私はナナリーと同じ世界を生きるつもりはない。 光に照らされた世界で生きるのは、ナナリーだけだ……」 【E-5/路上(西)/一日目 夜】 【ゼロ@コードギアス ナイトメアオブナナリー】 【状態】:左前腕に幅広の刺傷、疲労(極大)、悲壮≪ルルーシュ≫ 【装備】:なし 【道具】:基本支給品一式×6、MH5×3@ワンピース、治療器具一式、防刃ベスト@現実、電伝虫@ONE PIECE×2、 忍術免許皆伝の巻物仮免@ドラえもん、和道一文字@ONE PIECE、シゥネ・ケニャ(袋詰め)@うたわれるもの、 謎の鍵、レナの鉈@ひぐらしのなく頃に、首輪×3(サカキ、土御門、真紅)、ナナリーの遺体(首輪あり)、ビニール袋に入った大量の氷 螺湮城教本@Fate/Zero、トーチの火炎放射器@BLACK LAGOON(燃料70%)、不明支給品0~1個(未確認) 【思考・状況】 1:殺し合いに優勝し、ナナリーを生き返らせる。 2:異形(ミュウツー)は見つけ次第、八つ裂きにする。 3:『○』に関しては…… 4:ギラーミンを殺して、彼の持つ技術を手に入れる。 5:自分の身体に掛けられた制限を解く手段を見つける。 6:『○』対する検証を行うためにも、首輪のサンプルを手に入れる。 7:C.C.の状態で他者に近づき、戦闘になればゼロへ戻る。 8:首輪を集めて古城跡へ戻る。 【備考】 ※ギラーミンにはタイムマシンのような技術(異なる世界や時代に介入出来るようなもの)があると思っています。 ※水銀燈から真紅、ジュン、翠星石、蒼星石、彼女の世界の事についてある程度聞きました。 ※会場がループしていると確認。半ば確信しています ※古城内にあった『○』型のくぼみには首輪が当てはまると予想しています。 ※魅音(詩音)、ロベルタの情報をサカキから、鼻の長い男の(ウソップ)の情報を土御門から聞きました。 ※C.C.との交代は問題なく行えます。 ※起動している首輪を嵌めている者はデイパックには入れないという推測を立てています。 ※北条沙都子達と情報交換しました。 ※ナイン、ラッド、ミュウツーの三人がナナリーの死に関わっていると確信しました。 ※ガウェインの制限はマークネモとほぼ同様です。 ただしハドロン砲を使用した場合は、再召喚までの時間が、一発につき二時間ずつ増加します。 ◇ ◇ ◇ 「そりゃあ最初は驚いたぜ? どうにか槍を引っこ抜いて必死に這いずってたら、窓ガラスぶち割って人形が飛んできたんだからよ」 崩落した病院の中庭で、ラッド・ルッソは饒舌に語っていた。 ハドロン砲の貫通によって芝生や植木は焼き払われたが、建物の崩壊には殆ど巻き込まれていない。 被害らしい被害といえば、破片と粉塵の嵐が吹き荒れて快適な環境ではなくなったくらいだろう。 「俺も見ての通りボロボロだったからな。あそこで殺しに来られたらヤバかったぜ」 あれから暫く時間が経ったが、ラッドの肉体は未だ傷だらけだ。 地面に突き刺さった巨大な残骸に背を預けて、どうにか座位を維持している。 時間を経てもこの有様なのだから、病院が破壊された時点での状態は筆舌に尽くしがたいものであった。 こうして生きているのも、両腕の損壊が比較的早かったため、辛うじて中庭まで移動できたからに過ぎない。 さもなければ、倒壊かハドロン砲に巻き込まれてトドメを刺されていたことだろう。 「あぁ、そうだ、アスカとかいう野郎のことを聞かれたな。そのまんま答えてやったぜ? お前らのそっくりさんを必死に追っかけてたから、間抜け面に一発ブチ込んでぶっ殺したってな!」 狂ったような笑いが中庭に響く。 しかしラッドはすぐに血を吐いて、笑い声以上の大きさで咳き込んだ。 酸素に満ちた鮮やかな赤色。肺の傷が開いたのだろう。 ラッドは肩に口を擦り付けて血を拭うと不機嫌そうに視線を投げた。 「聞いてねぇのか? 手前ぇが教えろっていうから話してやってるんだぜ? なぁ、電気女さんよぉ!」 視線の先には、瓦礫をあさる美琴の姿。 比較的平坦な中庭ではなく、崩れ去った西棟の残骸を黙々と探っている。 制服は破れ、血に汚れ、とにかく酷い有様だが、肉体の傷は不思議と影を潜めていた。 傷が消えてなくなったわけではない。 しかしどの傷口からの出血も止まっていて、行動への支障も殆ど見られなかった。 「喋る気が無いなら、勝手に語らせてもらうぜ。正直、腑に落ちねぇんだよ。 仲間の仇が目の前にいるってのに、殺そうとしやがらねぇ。手前ぇもあの人形もだ。 人形が俺を見逃したのはまだ分かる。もっとヤバイ奴が近くにいるんだからな」 そこで言葉を切る。 これ以上は語らずとも理解できるだろう。 美琴は瓦礫に両手を差し入れたまま、作業の手を止めた。 「仇はとるわ。でも……殺してなんか、あげない」 ラッドは眉を顰め、次第に破顔し、そして哄笑した。 「憎たらしいくせに自分の手は汚したくないってか! どうやって恨みを晴らそうか考えてたんで、返事も出来ませんでしたってことだな!」 今度は喀血することなく、思う存分笑い続ける。 肉体の再生がもう少し進んでいたなら、文字通り腹を抱えて笑い転げていたに違いない。 無視を決め込む美琴のことなど気にも留めず、只管に狂声を響かせる。 ――が、唐突に笑いを止めた。 訝しげに振り向く美琴を逆に無視し、何やら考え込むような顔付きになる。 そう、あの子は最期まで優しかったのね―― ラッド。貴方がどう思っても構わないけれど、私はあすかを誇りに思うわ―― 先に逝った人達に、胸を張れる生き方が出来たのだから―― 「先に逝った、ね……。さて、ルーアが惚れた俺はどんな奴だったかな」 少し時間をかけて考えよう。 どうせ、身体が治るまでは殺しもできないのだから。 「……見つけた」 美琴は急に黙り込んだラッドを放置し、瓦礫の中に腕を伸ばしていた。 ゼロと戦った場所を埋めるコンクリート塊の下から、何かを取り出そうと必死になっている。 肌が擦れ、血が滲んでも腕を引かず、それどころか更に奥へと突っ込んでいく。 美琴を救ったのは、ナインが遺した"全て遠き理想郷"の奇跡であった。 真名解放により解き放たれた真の力がハドロン砲の破壊を遮断。 その後"全て遠き理想郷"が体内へ取り込まれたことにより、重篤な傷が治癒。 今までの時間は全て再生に費やされ、意識が回復したのすらほんの少し前のことであった。 自分がどうして生きているのか、美琴は知らない。 けれど"誰かに助けられた"という実感だけは確かに覚えている。 そうでなければ、半死半生だったはずの自分が動いていられるわけがない。 だからこうして廃墟を彷徨っているのだ。 癒え切らない傷の痛みを抱え、もういない彼女達の面影を探すために。 「真紅……」 瓦礫の隙間から、腕がゆっくりと引き抜かれる。 粉塵まみれの手に握られた、二つの光り輝く宝石――ローザミスティカ。 美琴はローザミスティカを両手で大事そうに包み、胸に抱き寄せた。 混ざり合う二つの輝きは、魔的なまでに美しかった。 【真紅@ローゼンメイデン 死亡】 【ブレンヒルト・シルト@終わりのクロニクル 死亡】 【E-5/病院跡/一日目 夜】 ※病院は完全に崩壊しました。 ※美琴の電撃とガウェインのハドロン砲の影響が広範囲に伝わっています。 【御坂美琴@とある魔術の禁書目録】 【状態】:疲労(極大)、全身に打撲と擦傷(中)、脇腹の切り傷(小)、左肩と右脹脛に傷(小)、後頭部挫傷(中)、 脇腹に打撲(中)、胴体に貫通傷×3(小)、全て再生中 多大な喪失感、強い決意、≪体内:全て遠き理想郷(アヴァロン)@Fate/Zero≫ 【装備】:薔薇の指輪@ローゼンメイデン 【道具】:基本支給品一式(水1/2消費)、基本支給品一式、不明支給品0~2個(未確認)、病院で調達した包帯や薬品類、 コイン入りの袋(装備中の物と合わせて残り90枚)、タイム虫めがね@ドラえもん、 真紅のローザミスティカ@ローゼンメイデン、蒼星石のローザミスティカ@ローゼンメイデン、 ARMS『騎士(ナイト)』@ARMS、真紅の左腕(損傷大)、不思議の国のアリス@現実他、いくつかの本 【思考・状況】 1:一人でも多くの人を助ける、アイツの遣り残した事をやり遂げる。 2:人は絶対に殺したくない。 3:自分と関わり、死んでしまった者達への自責の念。 4:上条当麻に対する感情への困惑。 5:ラッドについては……。 【備考】 ※参加者が別世界の人間、及び参加時期が違う事を聞きました。 ※会場がループしていると知りました。 ※切嗣の暗示、催眠等の魔術はもう効きません。 ※真紅と情報交換し、ローゼンメイデンの事などについて大雑把に聞きました。 ※あすかと情報交換し、スクライドの世界観について大雑把に聞きました。 ※危険人物などについての情報は真紅と同様。 ※地下空間の存在を知りました。地下にループ装置があるのではと推察しています。 ※会場は『○』の形に成っているという仮説を立てています。 ※全て遠き理想郷(アヴァロン)が体内にあることを知りません。 【ラッド・ルッソ@BACCANO!】 【状態】:四肢損傷、全身複数個所骨折(中)、内臓損傷、腹部に深い傷、毒(小)、全て再生中、不死者化 【装備】:破魔の紅薔薇(ゲイ・シャルグ)@Fate/Zero 【道具】:なし 【思考・状況】 0:方針について一旦考え直す。 1:あのギラーミンとかいう糞野郎をぶっ殺す。 2:ゼロは絶対に殺す。 【備考】 ※麦わらの男(ルフィ)、獣耳の少女(エルルゥ)、火傷顔の女(バラライカ)を殺したと思っています。 ※自分の身体の異変に気づきましたが、不死者化していることには気付いてません。 ※リヴィオとラズロの違いに気付いていません。また、ラズロ(リヴィオ)のことを不死者だと考えています。 ※ゼロのことを不死者だと思っています。 【全て遠き理想郷(アヴァロン)@Fate/Zero】 第四次聖杯戦争におけるセイバー(アーサー)の失われた宝具であり、召喚の触媒。 作中で登場する他の宝具とは違い、当時の地層から発掘された現物。 結局、作中ではセイバーの手に戻ることは無かった。 霊子に分解して体内に埋め込むことが可能で、セイバーの魔力を得ることで所持者に凄まじい回復力を与える。 セイバーのマスターがこの恩恵を受けると、即死級のダメージからでも即座に再生してしまうほど。 ただしダメージを無効化するわけではないため、受けた痛みは軽減されない。 真名を解放することで数百のパーツに分裂し、所有者をありとあらゆる干渉から"遮断"する。 この機能は防御というレベルではなく、この世界における最強の護りと称される。 時系列順で読む ルートA-1 Back 砂鉄の楼閣(後編) Next 忘れてはならないもう一人 ルートA-2 Back 砂鉄の楼閣(後編) B-1ルート分岐 Next 忘れてはならないもう一人 投下順で読む ルートA-1 Back 砂鉄の楼閣(後編) Next 忘れてはならないもう一人 ルートA-2 Back 砂鉄の楼閣(後編) B-1ルート分岐 Next 忘れてはならないもう一人 Back Next 砂鉄の楼閣(後編) 御坂美琴 裏表トリーズナーズ(前編) 砂鉄の楼閣(後編) 真紅 死亡 砂鉄の楼閣(後編) ラッド・ルッソ 裏表トリーズナーズ(前編) 砂鉄の楼閣(後編) ブレンヒルト・シルト 死亡 砂鉄の楼閣(後編) ゼロ [[]]
https://w.atwiki.jp/mouryoku/pages/11.html
記憶せよ、玄界灘<第18光洋丸> http //www.nicovideo.jp/watch/sm5760966 ■事件の経緯 ウィキペディアより 「第18光洋丸」と「フン・ア・ジュピター」の衝突事故 2003年7月2日、福岡県沖の玄界灘でパナマ船籍、韓国興亜海運社所有の貨物船「フン・ア・ジュピター」(3372トン・16人乗り組み)が巻き網漁船 「第18光洋丸」(135トン・21人乗り組み)と衝突した[1][2]。「第18光洋丸」の乗組員17名が海に投げ出されたため、直後から日本の漁船の船団は救出活動を開始したが、貨物船は救助を行わず傍観していた。 死者1名、行方不明者6名、負傷者2名という民間船同士の衝突事故としては稀な惨事となった。 経緯 6月29日 0時0分 - 第18光洋丸が山口県下関漁港を灯船2隻とともに出港。 7月1日 21時45分 - フン・ア・ジュピターが韓国釜山港を出港し、広島港に向かう。 7月2日 1時54分 - 第18光洋丸は、沖ノ島灯台沖で、灯火などを点灯して投網を開始。 1時58分 - 第18光洋丸が7.1海里先にフン・ア・ジュピターのレーダー映像を確認。動静監視を行う。また、フン・ア・ジュピターも第18光洋丸などの船団を視認。 2時12分 - フン・ア・ジュピターが第18光洋丸から3.5海里の距離に接近する。第18光洋丸は他の漁船と網を張り揚網中で、移動することができなかったため、運搬船をフン・ア・ジュピター号に向かわせて注意を 喚起するとともに、網の大きさを示すために他の漁船に網の反対側に寄るように指示。さらに、船橋前部の作業灯を点滅させる。しかしフン・ア・ジュピターは十分な動静監視をしておらず、衝突の危険性に 気づかなかった。 2時21分 - フン・ア・ジュピターが第18光洋丸から1海里の距離に接近したので、第18光洋丸は網の位置を示すため他の漁船を網の北西側に沿って走らせ、サーチライトをフン・ア・ジュピターに向けて照射し、 汽笛を連吹する。 2時23分 - 第18光洋丸が船上の照明を全て点灯。フン・ア・ジュピターが第18光洋丸に接近しすぎたことに気づき、右転。 2時25分 - 第18光洋丸の左舷中央にフン・ア・ジュピターの船首が衝突。17名が海に投げ出される。 「フン・ア・ジュピター」の不可解な行動 「第18光洋丸」は他の複数の漁船間で網を張っていたため、回避不可能の状態だった(回避運動をしようとすれば、網が絡まり、他船との衝突の危険性も高かった)。 そのため、韓国の貨物船「フン・ア・ジュピター」へ、繰り返し漁灯や警笛で合図を送っており、回避義務は法的にも韓国船側にあった。だが、「フン・ア・ジュピター」は第18光洋丸をトロール船だと思い (しかし海上衝突予防法18条により航行中の船舶には漁ろうに従事している船舶を避ける義務がある)、速度を落とさずにそのまま直進し、第18光洋丸に衝突した。また、「フン・ア・ジュピター」 は衝突後も航行に問題はなく、また自船にはけが人が1人もいなかったにもかかわらず、救出活動は一切せず、その場を離脱しようとした。 「からしま」と「コレックス・クンサン」の衝突事故 2003年7月6日、「第18光洋丸」と「フン・ア・ジュピター」の衝突事故による行方不明者を捜索中だった水産庁漁業取締船「からしま」 (499トン・16人乗り組み)が2隻の国籍不明船に遭遇した。1隻目の国籍不明船に対する回避操作中、2隻目の国籍不明船に接近されたため、衝突の危険性を回避するため「からしま」は停船した。しかし停船直後、 同海域にいた韓国の貨物船「コレックス・クンサン」(4044トン・13人乗り組み)に左舷より衝突され破損・浸水した。「からしま」を除くいずれの船も海上衝突予防法を無視していた。国籍不明船は 2隻とも逃走した。「からしま」の乗組員は、付近にいた同庁取締船「海鳳丸」に全員救助されたものの、1人が軽傷を負った。また、「からしま」の船体の損傷は激しく曳航不能の状態であり、 漂流ののち現場近くで沈没した。 「コレックス・クンサン」の不可解な行動海上衝突予防法第14条により、真向かいに行き会う場合はそれぞれ針路を右に転じなければならないと定められているにも拘らず、「コレックス・クンサン」 は左に転進して「からしま」と衝突した。また、この事故でも「フン・ア・ジュピター」同様に「コレックス・クンサン」は救助活動をしなかった。 ■マスコミに葬られた海難事故 韓国船が起こした死亡1名、行方不明6名という日本漁船沈没事故をなぜか隠し続る日本のマスコミ。 ■1.「光洋丸」の事故を知っていますか?■ 韓国コンテナ船が違法な航行をして日本漁船に衝突、漁船は一瞬で沈没し、死亡1名、行方不明6名という惨事が起こった。 しかしテレビや新聞がごく限られた報道しかしないので、ほとんどの人が知らずにいる、という事件が起きている。 韓国コンテナ船は海に投げ出された乗組員の救助活動もせず船主は謝罪もしていない。さらにその4日後、行方不明者を捜 索中の水産庁の取締船が、またも違法な航行をした別の韓国貨物船にぶつけられ大破、沈没するという事故が起きた。 あの「えひめ丸」の事故と比べてみよう。平成13年2月9日(現地時間)、ハワイ沖で愛媛県宇和島水産高校の実習船えひ め丸が、海中から急浮上してきた米海軍原潜グリーンビルに激突され、数分で沈没。原潜は26人を救出したが、学生を含む 9人が行方不明となった。米側はすべての責任を認め、ブッシュ大統領より森総理(当時)に謝罪の電話があった。 被害規模から言えば同程度であり、加害者側の悪質さ、同様の事故が続いた点では、今回の方がはるかに問題は大きい。そ れなのにマスコミはなぜかこの事件を「えひめ丸」ほどに報道していない。事件後、約2ヶ月間に報道された記事の件数が如 実にその差を物語っている。[1] えひめ丸 光洋丸 比率(光洋/えひめ) 朝日新聞 608件 19件 1/32 毎日新聞 644件 27件 1/25 読売新聞 629件 25件 1/25 http //www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogbd_h15/jog308.html http //www.geocities.co.jp/WallStreet-Stock/1917/ ■事件当時のTV報道 玄界灘海難事故韓国船追突ニュース(これも音声無し) 玄界灘海難事故ニュースの放送事故焦るアナウンサーが(・∀・)イイ!!) 玄界灘海難事故(03.07.05)ニュースプラス 家族現場へ 乗務員証言「(韓国船タンカーは)相手は助けるとか」「いや全然(救助活動もしない)」 玄界灘海難事故被害者家族現場へ 玄界灘海難事故韓国船フン・ア・ジュピター追突事故の判決(03.11.27)地方版 ■事件後10周年報道「えひめ丸報道」と比較して TV各局のえひめ丸事件10周年報道JNN・ANN・FNN(1.59くらいから) http //www.nicovideo.jp/watch/sm13559201 ■「えひめ丸沈没事故20年報道」と比較して NHK総合 2021年02月13日(おはよう日本)えひめ丸沈没事故20年報道 https //www.youtube.com/watch?v=i-Z9gmAOcSU ■事件当時の2chなどのログ 【社会】「避けてくれると」貨物船の韓国籍航海士、容疑否認…玄界灘漁船沈没★5 http //news-kyokutou.hp.infoseek.co.jp/kako/1057208338.html 【社会】「避けてくれると」貨物船の韓国籍航海士、容疑否認…玄界灘漁船沈没★6 http //news-kyokutou.hp.infoseek.co.jp/kako/1057224288.html 【社会】「避けてくれると」貨物船の韓国籍航海士、容疑否認…玄界灘漁船沈没★7 http //ninjax.dreamhosters.com/newsplus/news2_newsplus/1057/1057237191.html ■事件当時のマスコミ報道(2ch等掲示板から引用) 03/07/02 86 名前:腐れマスゴミはちゃんと日本語使え :03/07/02 14 16 ID k9CnKX0a asahi.com 『貨物船と衝突した漁船沈没、1人死亡6人不明 玄界灘』 mainichi 『漁船事故: 福岡県沖で貨物船と漁船衝突 1人死亡6人不明』 sankei 『漁船衝突、1人死亡6人不明 玄界灘』 yomiuri 『玄界灘で漁船と貨物船が衝突、1人死亡6人不明』 なんかさーどのメディアも漁船衝突とかさ 貨物船と衝突した漁船とかさ、もうおかしくないか? これじゃ漁船が悪いみたいじゃないか? タイトルは「韓国貨物船、日本漁船に追突」じゃないとだめだろ 123 名前:腐れマスゴミはちゃんと日本語使え :03/07/02 14 23 ID k9CnKX0a 113 地元の地方ニュースだと韓国の貨物船って言ってるんだけど 全国ニュースではパナマ船籍しか言わない 405 名前:名無しさん@4周年 :03/07/02 15 30 ID k9CnKX0a 日テレきたー 435 名前:名無しさん@4周年 :03/07/02 15 37 ID cRNi5RMg 420 乗組員の中国人と韓国人の16人は無事でしたって 朝のNHKラジオは言ってたよ。 聞いてからずっと、はらたちまくり。 NHKラジオの報道は評価した 462 名前:名無しさん@4周年 :03/07/02 15 44 ID b3/DKwX+ やほーでは九州ニュースの中だけーw http //headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030702-00000073-nnp-kyu 486 名前:名無しさん@4周年 :03/07/02 15 53 ID k9CnKX0a 地方ニュースではちゃんと韓国の船会社が所有する パナマ船籍の貨物船って言ってるとこもある。 NHKは完全に韓国は言わなくなった 490 名前:名無しさん@4周年 :03/07/02 15 56 ID 0qlrUJ2r 486 産経夕刊 1面・13面共に韓国絡みとは読み取れない内容・・・ 786 名前:名無しさん@4周年 :03/07/02 17 03 ID zxbZbmwz テロ朝キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!! 案の定船長名コネ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!! 825 名前:名無しさん@4周年 :03/07/02 17 13 ID R0VIVOOp テレ凍、流しました 889 名前:名無しさん@4周年 :03/07/02 17 23 ID o1GXv+KW テレビ朝日反日国賊放送の小宮婆さんは朝鮮人が船長であることを隠蔽しやがった 71 名前:名無しさん@4周年 投稿日:03/07/03 00 38 ID DEkoiMwT 筑紫、TBSの悪質なところは、 CM前に「船衝突事故 その相手は・・・」とテロップをいれて、 CM開けの報道では、韓国や容疑者の名前も出さず 「パナマ船籍」「パナマ船」などといってるところ。 これが偏向報道でなくてなんだ? 257 名前:名無しさん@4周年 投稿日:03/07/03 01 10 ID 4ioWxwZ1 あ、そういやTBSでは「パナマ船の二等航海士を逮捕」としか言わなかったな・・・ 501 名前:名無しさん@4周年 投稿日:03/07/03 01 42 ID PwYvvM1r 筑紫哲也ニュース23のスタッフは、苦情慣れしてるよw マジで。 言質をとられないようにのらりくらいお上手だったw Q どうしてパナマ船籍だけで、韓国人の加害責任者を報道しなかったのか。 A 韓国だからって、なぜ報道しなければいけないのか。なぜ韓国にこだわるのか。 Q 韓国にこだわってるのはそちらじゃないですか。このような事件は責任者が 明らかにされるケースが普通だと思います。筑紫哲也ニュース23を見た後で他の局のニュースを見て 韓国人が加害者だと知ったわけで、なぜそちらは伏せたのか知りたいのです。 A 伏せたのではなくて、時間の都合や制作の都合ですべての情報は出せないからです。 このあとものらりくらりと20分程度やりとりが続く。 そして、おかしいと思う点を挙げても、それがすべてではない。そうとは限らないを連発するだけ 03/07/03 31 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 14 06 ID CaCtPAar NHK-BSキター! 「パナマ船籍」「ユン容疑者」としか言わず、 韓国とは一言も言わなかったよ! しかも容疑者は 「見張りはちゃんとしていた」と全面否定だと。 56 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 14 14 ID 5rolEkN7 今朝の新聞、kの事故の扱い小さかったな。。 3面記事の隅っこに載ってただけだったよ>某地方紙=つまり共同通信? 252 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 14 57 ID whYO10Y/ ええ?こんな大事件あったの? うちの朝日新聞の朝刊には全然のってないよ。 260 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 14 59 ID QdtMuKuH 252 31面にのってるよ。 259 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 14 58 ID 4rDcPEHe 252 産経も読売も大きくは取り扱ってません。 ちゃんと「チョンが船長」と報道してるのは地方新聞だけです 488 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 15 40 ID 6p5e5BYI 鳥取県 日本海新聞HP http //www.nnn.co.jp/ さすがにトップニュースです 次スレからはこれも1にいれて欲しいです ちなみに 鳥取asahi.com http //mytown.asahi.com/tottori/ 完全無視を決め込んでいます 県民の皆さん、どう思われますか? 515 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 15 44 ID TBtQnsoH >鳥取県 >日本海新聞HP >http //www.nnn.co.jp/ そうだよな、この反応が普通だよな。 最近のテレビを見てると俺のほうがおかしいのかと だんだん混乱してきたところだった>< 586 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 15 55 ID eW1AECLZ 「レーダーと肉眼で光洋丸など数隻を確認した。眠っていないし、見張りの義務は果たした」 と否認。その上で、「光洋丸が動いて避けてくれると思った」と供述しているという。 「貨物船の船首が光洋丸の左舷中央にほぼ直角に衝突した。 漁灯や汽笛で何度も警告したが、貨物船は減速しないで突っ込んできた」 なるほど。 「漁船を確認したのにもかかわらず 『漁船が動いて避けてくれるだろう』と勝手に思い込んで 減速もせず警告も無視して漁船に突っ込んだ。」 と。 「漁船が動いて避けてくれなかったのが悪いニダ!!」としか読めない。 http //www.yomiuri.co.jp/national/news/20030702i512.htm コンテナ船は光洋丸の左舷中央付近に船首から衝突したという。 光洋丸は網を広げていたため動けない状態だった。 普通は何度も漁灯や汽笛で警告すれば止まるはずだよねえ…? 何をもって「見張りの義務は果たした」とか言ってんの? 一人死亡6人行方不明で未だに謝罪の一言も出てきてないっぽいし。 日韓関係がどうこうとかメンツを立てて…とかたかが一隻の事故だろとか ネタとか釣りでなくマジで言ってるんだったら相当頭おかしいよ?>yP+ohHyN それに以前、日本だって潜水艦が民間船に特攻して撃沈した事件もあるだろ。 ごめん、その事件知らないのでソース下さい。 つーか「日本だってやったんだからいいだろ」はおかしい 807 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 16 31 ID npe05PGx 続報全然出てこないよ~ 894 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 16 45 ID whYO10Y/ 日経新聞はでかでかと載ってた。 ちゃんと韓国人って書いてあったし。 いいぞ!にっけい! 918 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 16 47 ID LByM4ACd 888 事故直後の地元テレビのニュースで、救助された船員へのインタビューから。 ライトを消してってのはNHKのニュースでも言ってたな。 22 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 18 28 ID /YWUC8ob 18時のテレビニュースをあれこれ見てるが、 これを取り上げた全国版はあったか? なかったような気がする。 34 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 18 31 ID EdO0tnYd 19 6人も行方不明なのにおかしすぎるよ。 まだ1日しか経ってなくて捜索中なのに。 なんなんだこのマスコミの無関心さは? 漁師なんて(゚⊿゚)イラネとでも思ってるのか? 38 名前:. :03/07/03 18 31 ID fQdGp7Ku 福岡FBS(読売系)は、18時のローカルで韓国の船会社に電話しているよ 航海士はこの航路の経験は5ヶ月で経験はあるほうだと答えていた さすがに事故現場が近いから詳しく言ってるなこれから他局(KBC.RKB) チェツクします。 45 名前:.38 :03/07/03 18 32 ID fQdGp7Ku KBC(朝日系列) 捜索の模様を述べただけすぐ終了最悪 52 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 18 34 ID HAO9ZNN2 テロ朝で10秒位やってたけど、韓国は無論、ユンの名前も出なかった。依然行方不明のままです、で終了。 76 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 18 39 ID qrJZz0vm 漁船の船員のインタビューを取ってきた山口放送を讃えたい 77 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 18 39 ID mHheQ2S/ http //www.nishinippon.co.jp/media/news/news-today/morning_news003.html 救助された第18光洋丸の乗組員らは「貨物船の船首が光洋丸の左舷中央にほぼ 直角に衝突した。漁灯や汽笛で何度も警告したが、貨物船は減速しないで突っ込ん できた」と証言している。 88 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 18 41 ID 7RqhyaO6 朝はやってもそれ以外は進展なしならスルーか。 行方不明とぶっておいてこれじゃあ TBSのところまでみんなで堕ちていくつもりか? マス各社 93 名前:.38 :03/07/03 18 41 ID fQdGp7Ku 今からRKB(TBS)系やります 韓国人であることを実名で述べています フン・ア・ジュピターの前でレポーターが放送しています 後は現在の捜索状況で終了 事故現場が近いせいか韓国人であることは隠しませんでした この放送が全国系列で流されるものと思われます 100 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 18 42 ID d5ztyglB 福岡のニュースでやってた 容疑はほぼ全面的に認めてるみたいだよ 101 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 18 43 ID htlKnsWE ニュースの森の杉尾が 取り上げていない。 行方不明の6人 境港の漁民を差別する報道姿勢だ 米国の原潜とえらい違い 125 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 18 47 ID htlKnsWE フジテレビ 安藤優子は 取り上げなかった フジテレビ 西村喜久江は 取り上げなかった 134 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 18 48 ID htlKnsWE 日本テレビ 笛吹雅子は 取り上げなかった 142 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 18 50 ID htlKnsWE テロ朝 小宮悦子は 取り上げなかった 243 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 19 06 ID i9bl5PRA 昨日のNHK7時ニュースは衝突シーンのCG作ってがんがってたのにな。 今日は続報もやらなかったら、ヽ(`Д´)ノウワァァァン 329 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 19 17 ID 6p5e5BYI NHKラジオを聞いていたんだけど、だんだん取り扱う時間が長くなってる気がする 412 名前:名無しさん@4周年 :03/07/03 19 28 ID qb+Qpqlw NHKは昨夜のニュースでは 「韓国人航海士が逮捕されました。」 と言ったよ。俺はそれで知ったんだから ■事件当時の新聞報道 朝日新聞 2003年(平成15年)7月2日(水)夕刊15面 漁船沈没6人不明 福岡沖・玄界灘 コンテナ船衝突一人は死亡 2日午前2時25分ごろ、福岡県大島村・沖の島の北東約25キロの玄界灘で鳥取県境港市の共和水産所有の巻き網漁船第18光洋丸 (135トン、櫨山良一船長ら21人乗組み)に、パナマ船籍のコンテナ船フンア・ジュピター(3372トン、 ジョン・ナ・ギュン船長)が衝突し、光洋丸が沈没した。漁船の17人のうち11人は僚船に救助さえたが、 網長の山下一宏さん(43)=鳥取県境港市=は病院で死亡した。残る6人は行方不明。 数分前から汽笛で合図 巡視船や航空機などが捜索中だ。門司海上保安部は、コンテナ船の乗組員を業務上過失往来危険や 業務上過失致死の疑いで逮捕する方針。 調べによると、光洋丸は小型作業船を含む6隻でアジ漁をしており、当時は網を広げていたため、移動が できなかった。 近づくコンテナ船に気づき、衝突の数分前から6隻で汽笛を鳴らしてライトを点滅させ、コンテナ船 の船橋を照らして合図を送った。だが、コンテナ船は進路や速度を変えず、船首がほぼ直角に光洋丸 の左舷中央にぶつかった。光洋丸は1分もせぬうちに沈んだという。 コンテナ船は24時間、見張り役の2人を立てることが義務付けられており、居眠りなどの疑いも出ている。 光洋丸は6月28日に下関市の漁港を出航、2日午前2時ごろから僚船とともに漁をしていた。乗組員 の21人のうち4人は小型作業船に乗り移っており、衝突時は17人が乗船していた。 コンテナ船は韓国人や中国人の16人乗組み。韓国・釜山港から広島港に向かっていたという。 福岡管区気象台によると、当時は海上濃霧警報が出ていたが、現場の海域の視界は比較的よかったのでは ないかという。 救助の甲板員「だめだ、と思った」 「もうだめだ、助からん、と思った」甲板員の榎本勝さん(45)=山形県温海町=は収容された 山口県下関市の病院で話した。 船の後尾で網をワイヤーで巻き上げていた時、周りで大声がした。顔を上げると、目の前に大きな船 「ダーン」という激しい衝撃の後、甲板が一気に傾き、海水が押し寄せてきた。気がつくと、海の中に居た。 もがきながら必死にかっぱと長靴を脱いだ。なかなか海面に浮かびあがれない。 手を伸ばすと、網を浮かす数珠つなぎのフロートがあった。夢中でつかんだ。ほかに3人がつかまった。 みんなで「おーい、おーい」と大声で助けを呼んだ。5~10分くらい後、僚船に助け上げられた。 「かっぱを脱げなかったら、間違いなく死んでいただろう」 機関員の大水信夫さん(46)=長崎県新魚目町=も船の後方で網を上げていた。コンテナ船の接近に 気づき、周りの仲間に「来るぞー」と声をかた。次に見たときは、目前まで迫っていた。 「ものすごく大きく、山のようだった」。次の瞬間、海に投げ出された。 甲板員の井出渕貢さん(44)=同=は「相手の船は10分前から見えていた」と話した。コンテナ船 が速度を落とさないまま左舷にぶつかってきた。船長が「海に飛び込め」と叫ぶのが聞こえた。 2003年(平成15年)7月3日(木)34面 当直責任者を逮捕 コンテナ船漁船衝突で 福岡県沖の玄界灘で2日未明、鳥取県の巻き網漁船第18光洋丸に、パナマ船籍のコンテナ船フンア・ジュピター が衝突し、沈没した漁船の乗組員1人が死亡、6人が行方不明になった事故で、門司海上保安部(北九州市) は同日、見張りが不十分で事故を引き起こしたとして、コンテナ船の航海当直責任者で2等航海士のユングテ 容疑者(21)を業務上過失往来危険と業務上過失致死の疑いで逮捕した。「光洋丸など数隻の船が 居るのは確認していた。直前には衝突回避も試みた」と容疑を否認しているという。 調べではユングテ容疑者海上衝突予防法で定められている操業中の漁船を避ける義務があったにもかかわらず 漁船に衝突、沈没させ、乗組員を死亡させた疑い。 ユングテ容疑者は「衝突の30分ほど前から肉眼とレーダーで確認したが、イカ釣り船や底引き網漁船 だと思った。漁船側が衝突を回避できると思った」などと供述。操業中に急な方向転換や移動がしにくい 巻き網船団だとは思わなかった、との認識を示しているという。 海保によると、衝突する数分前から、光洋丸や僚船など6隻が汽笛を鳴らし、ライトを点滅させる などの合図をしたが、コンテナ船はコースを変えず、速度も落とさないまま、光洋丸の左舷中央部にほぼ 直角にぶつかったという。音響測深機で同日午後、水深約110メートルの現場海底に沈んでいる光洋丸が 確認された。 漁船の乗組員6人は行方不明のままで、巡視船などが捜索している。 毎日新聞 2003年(平成15年)7月2日(水)夕刊1面 漁船員1人死亡6人行方不明 玄界灘コンテナ船と衝突、沈没 2日午前2時25分ごろ福男件大島村の沖ノ島東北約25キロの玄界灘で鳥取県境港市栄町、共和水産 所属の巻き網漁船「第18光洋丸」櫨山良一船長(34)ら二十一人乗り組み、135トン=と、 パナマ船籍のコンテナ船「フンア・ジュピター」じょんなきゅん船長(55)ら16人乗組み、3372 トン=が衝突。漁船は間もなく沈没し1人が死亡、櫨山船長ら6人が行方不明となった。また、8人が けがをし、うち2人は骨折などの重傷(社会面に関連記事) 同保安部の調べでは、漁船は当時、計5隻の船団で操業中。網を入れて約20分後、漁船の左舷 中央部にコンテナ船の船首部分がほぼ直角に衝突し、小型船で作業中だった4人を除く17人が 海に投げ出されたとう。このうち11人は僚船に救助された。11人のうち網長の山下一弘さん(43)= 境港市清水町=はヘリで福岡市内の病院に運ばれたが、午前7時過ぎに死亡が確認された。水死だった。 9人が僚船で山口県下関港に入港し、病院で手当を受けた。 漁船は6月28日に下関港を出港し、アジや鯖漁をしていた。コンテナ船は韓国・釜山港から 広島港へ航行中だった。韓国人13人、中国人3人が乗り込み、事故当時は4人が当直中だった。当時 現場は北北西の風12メートル、波は約1メートルで比較的穏やかだったという。コンテナ船は2日 午後1時過ぎ。北九州市の門司港に入港した。同保安部は、業務上過失往来妨害などの疑いで乗務員 から事情を聞く。【立石信夫】 2003年(平成15年)7月2日(水)夕刊9面 玄界灘衝突「沈没まで一瞬」救出の漁船員、青ざめ 「相手はまっすぐに突っ込んできた」「沈没まで一瞬だった」救助された漁船の乗組員たちは、コンテナ船 と衝突した恐怖の瞬間をこう語った。2日未明、福岡県沖の玄界灘で起きた沈没事故。鳥取県境港 市の巻き網漁船「第十八光洋丸」網長が死亡し、6人は行方不明のままだ。関係者は不安な表情で情報収集 に追われた。 僚船の「第6海幸丸」に救助された9人は2日午前6時過ぎ、山口県下関市の下関漁港に到着した。待機していた 救急車で、市内の3病院に搬送された。 「まっすぐ突っ込んでくるような感じだった。赤と白の漁業灯をすべて点灯し、サーチライトで 相手の甲板を照らしたり、ホーン(汽笛)も鳴らした。なのにコンテナ船はコース変更もせず速力 もそのままだった」足羽船長は衝突直前の様子をそう語り、悔しそうな表情を浮かべた。 足羽船長によると、自船第6海幸丸は沈没した第18光洋丸の左舷側約420メートルで作業を していた。「衝突音は分からなかったが、気がつくと(光洋丸)影も形もなかった。コンテナ船は 2マイルほど進んで停止したようだ」と話した。 衝突後、船団の作業小船2隻が9人を救助し、第6海幸丸に移した。海水を大量に飲んで一時は 意識のない人もいたが、間もなく回復したという。救助され、下関到着後に足をひきずりながら自力 で下船した機関員、大水信夫さん(46)は「衝突があって(沈没まで)一瞬だった」と言葉少な。 通信士の松添松好さん(52)は救急車内の長椅子に腰掛けたまま「沈没まで1,2分だったろう 開いていた操舵室の窓から脱出した。海上で、近くにいた3人と励まし合いながら、「おーい」と助けを 求めた」と青ざめた表情で話した。 読売新聞 2003年(平成15年)7月2日(水)夕刊19面 玄界灘漁船沈没1人死亡 貨物船が衝突、6人不明 二日午前二時二十五分ごろ、福岡県大島村・沖ノ島お北東約二十五キロの玄界灘で操業中の鳥取県境港市 栄町、水産会社「共和水産」(和田耕治社長)所属の巻き網漁船「第18光洋丸」=135トン、 櫨山良一船長(34)ら二十一人乗り組み=に、パナマ船籍のコンテナ船「フン・ア・ジュピター」 (3372トン、十六人乗り組み)が衝突、光洋丸は間もなく沈没した。 光洋丸の乗組員のうち、僚船に移って作業をしていた四人を除く17人が海に投げ出され、十一人が が僚船に救助されたが、網長山下一弘さん(43)(境港市清水町)が死亡、機関員平瀬秀美さん (40)と甲板員山下正一さん(36)が手を骨折するなどのけが。櫨山船長ら六人が行方不明となり 第七管区海上保安部や門司海上保安部が巡視艇やヘリコプターで捜索している。下関消防署によると 、ほかに六人が軽いけがをしているという。コンテナ船の韓国、中国人計十六名の乗組員にけがは なかった。調べによると、コンテナ船は五隻の船団で漁をしていた光洋丸の左舷中央付近に衝突 した。船団はライトや警笛で警告したがコンテナ船が突っ込んできたといい、門司海保はコンテナ船 の船長から業務上過失致往来妨害などの容疑で事情を聞く。門司海保によると、当時、現場海域 は波の高さ一メートルと比較的穏やかで、視界も良好だったという。 光洋丸の通信士、松添松好さん(52)らによると、光洋丸が現場海域で操業を始めたのは午前 二時過ぎ。間もなくレーダーで約八キロ先のコンテナ船を確認し、三、四キロの距離に近づいた ころ肉眼でも見えるようになった。光洋丸は衝突の瞬間に転覆、一分ほどで沈没したという。 当時光洋丸は巻き網を揚げる作業の準備中で、エンジンは停止しており、巻き網が絡まる恐れ があって船は動かせなかったという。乗組員の大半は救命胴衣を着用していなかった。 松添さんは「貨物船はまっすぐ突っ込んできた。居眠りではないか」と話、機関員の大水信夫さん (46)は「海中に投げ出され、懸命にもがいた。なかなか海面に出られず、死を覚悟した」と ショックを隠せない様子だった。 櫨山船長以外の行方不明者は次の通り。敬称略。 漁労長・小島幸則(51)(長崎県上五島町)▽甲板長・新川増美(40)(鳥取県境港市蓮池町) ▽機関員・切江淳一(49)(上五島町)▽調理員・福田博昭(32)(長崎県玉之浦町)▽ 機関士・池田久(35)(境港市外江町) テレビ欄 NHK ニュース7 漁船沈没で捜索続くその時なにが 2003年(平成15年)7月3日(木)14面 玄界灘漁船沈没貨物船の航海士逮捕 福岡県沖の玄界灘で二日未明、操業中の巻き網漁船「第十八光洋丸」(135トン)にパナマ船籍の コンテナ船「フン・ア・ジュピター」(3372トン)が衝突、光洋丸が沈没した事故で、門司海上保安部は 同日夜、コンテナ船の見張りが不十分だったのが原因として、船橋の当直責任者で二等航海士の 韓国人ゆんぐぐって容疑者(21)を業務上過失往来危険と業務上過失致死容疑で逮捕、公開に日誌 などを押収した。 第十八光洋丸の乗組員のうち、行方不明となった櫨山良一船長(34)ら六人は依然行方がわからず 第七管区海上保安部(北九州)などが捜索を続けている。 2003年(平成15年)7月7日(月)34面 漁業取締船衝突し浸水 玄界灘、不明者捜索中 六日午前七時三十五分ごろ、福岡県沖ノ島の東北約五十キロの玄界灘で、水産庁九州漁業調整事務所 (福岡市)所属の漁業取締船「からしま」=499トン、小野寺隆一(42)船長ら十六人乗組み =の左舷前部に、韓国船籍「コレックス・クンサン」=4044トン金 ら十三人乗組み=の船首 が衝突した。からしまの乗組員は全員、近くにいた別の漁業取締船に救助されたが、二等機関紙、畠山 ミツオさん(56)(宮城県気仙沼市東みなと町)が軽傷を負った。クンサンの乗組員にけがなどは なかった。 福岡海上保安部などの調べによると、からしまは巡視船などとともに、現場から約二十五キロの海上 で二日コンテナ船に衝突さあれて行方不明になった巻き網漁船「第十八光洋丸」の乗組員六人を 捜索中。からしまは船首部分がほぼ水没、サルベージ船がえい航できるか検討している。事故当時 現場海域には海上濃霧警報が発令中で、視界は約四百メートルと悪かった。 福岡海保は業務上過失往来危険の疑いで両船の関係者から事情を聞いている。小野寺船長は「 クンサンが早めに舵を切ってくれれば、衝突はなかった」と話している。 ■関連事案 イージス艦あたご 漁船清徳丸衝突事件報道について 護衛艦くらま衝突・炎上事件の正体