約 1,354,571 件
https://w.atwiki.jp/nostradamus/pages/303.html
原文 LEGIS CANTIO1 contra2 ineptos3 criticos. Quos4 legent hosce5 versus6 maturè7 censunto8, Profanum9 vulgus10, inscium ne attrestato11 Omnesq_12 Astrologi Blenni13, Barbari procul sunto14, Qui aliter facit15, is rite16, sacer17 esto. 異文 (1) CANTIO / cantio CAVTIO / cautio 1605 1628 1649Ca 1649Xa 1650Le 1668 1672 (2) contra contrà 1597 (3) ineptos ineptus 1627 (4) Quos Quid 1611, Qui 1605 1628 1649Ca 1649Xa 1650Le 1660 1668 1672 1840 (5) hosce hos 1672 (6) versus versu 1611 (7) maturè naturé 1605, maturé 1649Ca 1650Le, mature 1627 1668, naturè 1644 1649Xa 1840 (8) censunto censunte 1590Ro, censento conj.(PB) (9) Profanum Prophanum 1605 1628 1649Ca 1649Xa 1650Le 1668 1672 (10) vulgus vulgu 1649Xa (11) attrestato attrectato 1597 1600 1605 1610 1611 1628 1644 1649Ca 1649Xa 1650Le 1650Ri 1668 1672 1716 1772Ri 1840, attrectare 1627, attractato 1653 1665 (12) Omnesq_ Omnesq^; 1568 1590Ro 1597 1650Ri, Omnesque 1605 1611 1628 1649Ca 1649Xa 1650Le 1653 1660 1665 1667 1668 1672 1772Ri 1840, Omnésque 1600 1644, Omnesq; 1610 1716 (13) Blenni Blennis 1597 1600 1610 1627 1644 1650Ri 1653 1665 1716, Sienni 1772Ri (14) sunto sunte 1590Ro (15) facit faxit 1605 1628 1649Ca 1649Xa 1672 (16) is rite is ritè 1568 1590Ro 1597 1610 1716 1840, is rité 1611A 1628 1649Ca 1668 1772Ri, irrite 1627 1644 1650Le 1650Ri, irritè 1653 1665 (17) sacer saeer 1605, facer 1627 (注記1)詩のタイトルは2行に分かれているものと1行で書かれているもの、すべて大文字のものとそうでないものなど、細かな違いに事欠かない。ここでのみ例外的に大文字・小文字の区別などは全て無視している。 (注記2)3行目Omnesq(ue) は、1557Uでは q の右下に小さな飾り(3に似ている)が付いている(下線で代用)。1568の異文の ^ は q の直上にある波線の代用。 校訂 初出に従うならタイトルは「愚かな批評家に対する法の呪文」となるべきだが、ここでは後出のクリニトゥス(およびそれに基づくピエール・ブランダムールの校訂)に従い、cantio でなく cautio を採用した。 また、1行目の censunto について、ブランダムールはクリニトゥスの書き間違いをノストラダムスが引き写したものとして、censento に校訂している(*1)。 日本語訳 愚かな批評家に対する法の警句 この詩を読むであろう方々よ。とくと熟考なさい。 俗人、門外漢、無知な者に近づいてはならない。 占星術師、愚者、野蛮人は全て遠ざかっていなさい。 さもなくば儀式に従って呪われるがよい。 信奉者側の見解 一般的な警句と捉えられたりするが、中には川尻徹のように、自分自身に対しノストラダムスが愚か者を近づけるなとアドバイスしてくれたものだと解釈する者もいる(*2)。 あるいは3行目で遠ざけるべき者に「占星術師」が含まれていることから、ノストラダムスが占星術を嫌っていた証拠だとする者たちもいる(*3)。 同時代的な視点 この詩は、クリニトゥスの『栄えある学識について(未作成)』(1504年)に収録された以下のラテン語詩をアレンジしたものであることが明らかになっている(*4)。 Legis cautio contra ineptos criticos. Quoi legent hosce libros, maturè censunto Profanum uolgus inscium, ne attrectato Omnesque legulei, blenni, barbari procul sunto Qui aliter faxit, is ritè sacer esto. 愚かな批評家に対する法の警句 この書を読むであろう方々よ。とくと熟考なさい。 俗人、門外漢、無知な者に近づいてはならない。 法律屋、愚者、野蛮人は全て遠ざかっていなさい。 さもなくば儀式に従って呪われるがよい。 「書」を「詩」にしているのはともかく、「法律屋」を「占星術師」にしているのが興味深い。しかし、暦書では占星術(単なる星位の提示だけでなく、それを吉凶と結び付ける)を明らかに多用しているため、このラテン語詩をもってノストラダムスが占星術を否定していたと捉えるのは早計だろう。現にノストラダムスが提示している判断は、リシャール・ルーサやレオヴィッツなど、同時代の他の占星術師と一致するものもあり、当時の歴史的文脈で理解することが可能なのである。 当然というべきか、ブランダムールは、ノストラダムスが暦書で他の占星術師たちへの反論をしばしば展開していたことの延長線上にこの詩を置いており、ジャン=ポール・クレベールもその見解をそのまま踏襲している。また、ピーター・ラメジャラーも同様の読み方をしている(*5)。 その他 この詩は『予言集』の詩の中で唯一全文がラテン語で書かれた四行詩である(タイトルを持つ詩という意味でも唯一である)。百詩篇第6巻は99番までしかなく、100番目にこの詩がおかれている。本来番号はついていなかったが、1611では100番とされている。 ※記事へのお問い合わせ等がある場合、最上部のタブの「ツール」>「管理者に連絡」をご活用ください。 コメントらん 以下に投稿されたコメントは書き込んだ方々の個人的見解であり、当「大事典」としては、その信頼性などをなんら担保するものではありません。 なお、現在、コメント書き込みフォームは撤去していますので、新規の書き込みはできません。 西洋占星術は『学問』に成り下がり、古典や神話を疎かにしており占星術ではない。西洋占星術者は星の配置の決まりごとしか述べられない。術師は都合がよいこと=吉相、都合の良い解答=収入、と考えるので終わりの時の導き役になれないとノストラダムスは指摘し、近づいてはならないと警告していると思う。 -- れもん (2015-10-18 13 53 28) 元ネタにある「法律屋」というのは法律家のことではなく、いわゆる三百代言の類のことであり、だからこそ「愚者」「野蛮人」と並列にされていると見ることができる。そうだとすれば、それを踏襲した「占星術師」も正しい占星術に基づかないいい加減な星占いのようなものを前提にしているのではなかろうか。 -- とおりすがり (2020-07-21 11 24 20)
https://w.atwiki.jp/srwux/pages/276.html
初戦闘一騎 甲洋 VS陸アーニー サヤ ジョウ 絵美 森次 シズナ 孫権 シン 一騎 甲洋 初戦闘 一騎 一騎「あれには、人が乗っているんだろ!?撃墜すれば、人が死ぬんだろう!」 総士「落ち着け、一騎!コクピットさえ直撃しなければ、パイロットが死ぬことはない! 人を生かすも殺すも、お前の腕次第だ!」 一騎「そんな簡単に…上手くできるワケないだろう!」 甲洋 甲洋(人間を救うために、人間と戦う…誰かを助けるためには、俺は、誰かの命を…!) 総士「感情が乱れているぞ、甲洋。余計なことは考えるな」 甲洋「余計なことだと…!人の命の心配をすることが、余計なことだってのかよ、総士!」 VS陸 アーニー アーニー「お前のような外道を討つために、僕はここにいることを選んだ… 僕の選択は間違っていなかったと、今はハッキリとそう思える!」 陸「残念ながら、その選択は間違いです。なぜなら、僕に殺されるという未来を想像できてないんですからねェ!」 サヤ サヤ「戦いとは、人の死を…人の痛みを胸に刻み付けること その痛みすら想像できない人間に、戦場に立つ資格などあるはずがない!」 陸「フン、知ったようなコトを!そんなコトいちいち気にしてたら、戦いなんてできませんよォ!」 サヤ「なら、私が刻み付けてあげましょう。あなたに奪われた命の…いえ、あなた自身の痛みを!」 ジョウ ジョウ「女の子を誘拐するなんざあ、汚えマネしやがって!」 陸「戦いに綺麗も汚いもありません。目的のための手段があるだけですよォ!」 ジョウ「へっ、上等じゃねえか!だったらこっちも、その手段とやらをつかわせてもらうぜ!」 絵美 陸「現実は想像を凌駕するだと!?ふざけやがってェ!僕の想像力は常にィィ…!」 絵美「あなたの想像力なんて、所詮ただの思い込みでしかない。あなたが私たちを倒すコトは…不可能よ!」 森次 陸「さらわれたお姫様を救い出す、正義の王子様気取りですかァ?」 森次「勘違いするな。私はお前の邪魔をしに来ただけだ」 シズナ 陸「このヤオヨロズ、見た目よりも俊敏なのですよォ…あなた方なんかにつかまりはしない!」 シズナ「へっ、なに言うとんねん!ディスィーブをなめるんやないで!」 イズナ「僕たちを甘く見ていると、痛い目に遭いますよ!」 孫権 孫権「何が想像力だ!お前のやっていることは、ただの破壊じゃないか!」 陸「愚かな民の目を覚まさせるためです!そんなコトもわからないんですかァ!」 シン シン「そうやって、何もかも壊して!人の命を簡単に…!」 陸「あなたたちだって同じでしょう?かつての戦争で、どれだけの命を奪ったんですかァ!」 シン「奪いたくて、奪ったんじゃない!お前なんかに…戦うことの苦しみがわかってたまるかあッ!」 一騎 陸「見慣れない機体ですねェ…。でも構いません、木っ端微塵です!あなたの未来と一緒にねぇ!」 一騎「そうやって、人の命を簡単に奪って…なんでそんなことができるんだ!」 甲洋 甲洋「人質を取ったり、街を壊したり…。もうこれ以上、好き勝手はさせない!」 陸「随分と威勢よく吠えますねェ。あなたにも与えてあげますよォ…絶望という未来を!」
https://w.atwiki.jp/mormon/pages/893.html
詩74 詩篇 第74篇 詩74 *-* アサフのマスキールの歌 詩74 1 神よ、なぜ、、われらをとこしえに捨てられるのですか。なぜ、あなたの牧の羊に怒りを燃やされるのです か。 詩74 2 昔あなたが手に入れられたあなたの公会、すなわち、あなたの嗣業の部族となすためあがなわれたもの を思い出してください。あなたが住まわれたシオンの山を思い出してください。 詩74 3 とこしえの滅びの跡に、あなたの足を向けてください。敵は聖所で、すべての物を破壊しました。 詩74 4 あなたのあだは洗所の中でほえさけび、彼らのしるしを立てて、しるしとしました。 詩74 5 彼らは上の入口では、おのをもって木の格子垣を切り倒しました。 詩74 6 また彼らは手おのと槌とをもって聖所の彫り物をことごとく打ち落しました。 詩74 7 彼らはあなたの聖所に火をかけ、み名のすみかをけがして、地に倒しました。 詩74 8 彼らは心のうちに言いました。”われらはことごとくこれを滅ぼそう”と。彼らは国のうちの神の会堂をことごと く焼きました。 詩74 9 われらは自分たちのしるしを見ません。預言者も今はいません。そしていつまで続くのか、われらのうちに は、知る者がありません。 詩74 10 神よ、あだはいつまであざけるでしょうか。敵はとこしえにあなたの名をののしるでしょうか。 詩74 11 なぜあなたは手を引かれるのですか。なぜあなたは右の手をふところに入れておかれるのですか。 詩74 12 神はいにしえからわたしの王であって、救を世の中に行われた。 詩74 13 あなたはみ力をもって海をわかち、水の上の龍の頭を砕かれた。 詩74 14 あなたはレビヤタンの頭をくだき、これを野の獣に与えてえじきとされた。 詩74 15 あなたは泉と流れとを開き、絶えず流れるもろもろの川をからされた。 詩74 16 昼はあなたのもの、夜もまたあなたのもの。あなたは光と大洋とを設けられた。 詩74 17 あなたは地のもろもろの境を定め、夏と冬とを造られた。 詩74 18 主よ、敵はあなたをあざけり、愚かな民はあなたのみ名をののしります。この琴を思い出してください。 詩74 19 どうかあなたのはとの魂を野の獣にわたさないでください。貧しい者のいのちをとこしえに忘れないでく ださい。 詩74 20 あなたの契約をかえりみてください。地の暗い所は暴力のすまいで満ちています。 詩74 21 死獲たゲラれるものを恥じさせないでください。貧しい者と乏しい者とにみ名をほめたたえさせてくださ い。 詩74 22 神よ、起きてあなたの訴えをあげつらい、愚かな者のひねもすあなたをあざけるのをみこころにとめてく ださい。 詩74 23 あなたのあだの叫びを忘れないでください。あなたの敵の絶えずあげる騒ぎを忘れないでください。 詩75 詩篇 第75篇 詩75 *-* 聖歌隊の指揮者によって、”滅ぼすな”というしらべにあわせてうたわせたアサフの歌、さんび 詩75 1 神よ、われらはあなたに感謝します。われらは感謝します。われらはあなたのみ名を呼び、あなたのくすし きみわざをあ語ります。 詩75 2 定まって時が来れば、わたしは公平をもってさばく。 詩75 3 地とすべてこれに住むものがよろめくとき、わたしはその柱を堅くする。 詩75 4 わたしは、誇る者には”誇るな”と言い、悪しき者には”角をあげるな、 詩75 5 角を高くあげるな、高慢な態度をもって語るな”と言う。 詩75 6 上げることは東からでなく、西からでなく、また荒野からでもない。 詩75 7 それはさばきを行われる神であって、神はこれを下げ、かれを上げられる。 詩75 8 主の手には杯があって、よく混ぜた酒があわだっている。主がこれを注ぎ出されると、地のすべての悪しき 者はこれを一滴も残さずに飲みつくすであろう。 詩75 9 しかしわたしはとこしえに喜び、ヤコブの神をほめうたいます。 詩75 10 悪しき者の角はことごとく切り離されるが正しい者の角はあげられるであろう。
https://w.atwiki.jp/hutaba_ranking/pages/295.html
『愚かなれいむ』 6KB 自業自得 日常模様 越冬 野良ゆ 赤ゆ 都会 現代 もしかしたらネタがかぶっているかもしれません もう11月だ。 最近だんだん寒くなってきて、コートを引っ張り出してきたり、ストーブを出したり、冬が近づいてるな、と感じる。 世の受験生も頑張り時だろう。 今は堪える時期だ、頑張れよ、とエールを送りたい。 冬に向けて頑張り時なのは受験生だけではない。 この時期、野生のゆっくりたちは冬ごもりの準備に奔走する。 街に住む野良ゆっくりたちは冬ごもりはしないが、それでも冬はあまり外を駆け回りたくないのか、本能的なものなのか、餌を集めておいておうちに籠もる。 食糧問題以前に冬の寒さはゆっくりに厳しい。 赤ゆっくりなどは暖かくしていなければ簡単に永遠にゆっくりしてしまう。 タオルなどのゴミ、所謂ふわふわさんをゆっくりたちは冬前、奪い合う。 生身ではとても寒さに耐えられないのだ。 野生のゆっくりは冬ごもりに失敗して数を大きく減らすが、野良ゆっくりも寒さに耐え切れず冬に数を減らす。 冬の寒さの中で凍えながら死んでいく。 「にんげんさん………!おねがいします……!かいゆっくりにしてください……!」 生粋の野良や、完全に野良に順応した捨てゆっくりたちはふわふわさんやおうちを確保出来る。 だが、野良に順応できない捨てゆっくりたちは冬への対策をなにもできない。 だから、捨てゆっくりたちは冬前に人間に嘆願する。 飼いゆっくりにしてください。 自分が間違っていました。 おちびちゃんだけでいいです。 このままじゃゆっくりできなくなっちゃうんです。 勿論、その嘆願を聞き入れる人間なんて、まず全くと言っていいほどいない。 「しゃぶいよぉ……ゆっくちしちゃいよぉ………」 「ゆ………しゅーりしゅーりしちぇあっちゃかくしゅりゅよ……」 「ゆぅぅ……おにゃかしゅいちゃよ……」 「おちびちゃん………ごめんね……ごめんね…だめなおかあさんでごめんね……」 俺だって別に飼ったりする気はない。 これからするのはただの暇潰しだ。 「おちびちゃんたち、おかあさんがすーりすーりしてあげるからこっちにきてね……」 「ゆ……」 「なぁ、おまえら」 「ゆ……?おにいさん…?もしかしてれいむたちをかってくれるの……?」 親れいむがなにか言ってるが、無視する。 「おまえら、元飼いゆっくりだな?」 「ゆ……そうだよ……、れいむがおちびちゃんをつくって……それで……」 「ちびたち、おまえら、あまあま食べたことあるか?」 「ゆ……あみゃあみゃしゃん……?」 「ゆぅ……ありゅよ……!おきゃあしゃんがとっちぇきちぇくりぇちゃよ!」 「ぴゃんにょみみしゃんはとっちぇみょゆっくちできちゃにぇ!くさしゃんよりじゅっとゆっくちできちゃにぇ!」 「ゆっ……おもいだしちゃよ!くきしゃんはしょれよりとっっっっちぇもゆっくちじぇきりゅあみゃあみゃしゃんだっちゃよ!」 赤ゆたちに向けて話しかける。 赤ゆたちはあまあまの話になったら急に元気になってきた。 普段は草を食べているのだろう。 パンの耳なんかでもさぞ美味しかったんだろうな。 最初に食べた茎とパンの耳がこいつらの知ってるあまあまだ。 だがそんなのは本当のあまあまじゃない。 本当のあまあまはもっと甘くて美味しいんだ。 野良ゆっくりは自力ではあまあまを食べられない。 「これ食ってみな」 俺はポケットから個別包装のクッキーを取り出して、袋を破り赤ゆたちの前に置いた。 「ゆっ!!あみゃあみゃしゃんにょにおいがしゅるよ!」 「むーちゃむーちゃ……ちちちちちちちちあわちぇー!!!」 「ゆうううぅん!!おいちーちーでりゅよ!!」 「ゆ……!おにいさん、ありがとうございます……!」 赤ゆたちはあまあまを食べて元気になったのか、さっきあまあまの話をしていた時よりもましてはしゃいでいる。 「そのあまあま、うまいか?」 「ゆっ!とっちぇもゆっくちできりゅよ!おにいしゃんゆっくちありがちょー!」 「「ゆっくちありがちょー!」」 「そのあまあまな、本当ならおまえら毎日食べられるんだぞ」 「「「ゆゆ!?」」」 そう、こいつらは本当なら毎日あまあまを食べることが出来たはずだ。 それだけではなく、寒さに震えることもなく、命も危険もなく、存分にゆっくり出来たはずだ。 そのゆっくりを奪ったのは 「おまえらのおかあさんだよ」 「「「ゆ?」」」 「本当ならおまえらは、あまあま食べ放題で、命の危険もなく、暑さに喘ぐことも寒さに震えることもないゆっくりプレイスで好きなだけゆっくりできたはずなんだ」 「「「ゆぅ?」」」 「ゆぐ……ごめんね……ごめんね……だめなおがあざんでごべんね……」 「おきゃあしゃんどうちたにょ?」 「なかにゃいでにぇ!ぺーりょぺーりょ!」 「れいみゅたちにゃんにみょおこっちぇにゃいよ?あやまりゃにゃいでにぇ」 親れいむは俺がなにを言ってるか気付いた様だ。 赤ゆたちに謝りながら泣いている。 当の赤ゆたちは俺の言葉の意味がわかっていない。 泣いている親れいむを慰めようと頑張っている。 善良な家族なんだろう。 仲良く助け合って来たんだろう。 今度は親れいむに話しかける。 「親思いでいいおちびちゃんだな、れいむ。こんなにお前のことを心配してくれてる。親であるお前のことを本当に大好きなんだろうなあ?どうだ、ちびたち、そうだろ?」 「ゆっ!しょうだよ!れいみゅ、おきゃあしゃんにょこちょだーいしゅきだよ!」 「ゆぐっ………」 「おきゃあしゃんはれいみゅちゃちを"とっちぇもゆっくち"させちぇくれりゅんだよ!」 「ッ!……ごべ…ゆぐっ……」 「おきゃあしゃん、いちゅもありがちょう!!」 「ごべっ……ゆぐ……ごべんでっ……でいむがっ………おがあざんでっ…ゆぐ………ごべんでっ………ばかなおかあざんで………ごべんでっ……ぐうううぅぅうう!!」 赤ゆたちの愛情も親れいむにとっては、心を突き刺す針だ。 謝罪の言葉を呟きながら、泣いている。 この家族は多分この冬で死ぬだろう。 人間に何かを要求するのは捨てられてすぐの元飼いゆっくりか、切羽詰まった野良ゆっくりだけだ。 こいつらの見た目は捨てられてすぐの元飼いゆっくりって感じじゃない。 多分、おうちもふわふわさんも用意できてない。 まず、寒さで死ぬだろう。 「れいむ、こんなにいいおちびちゃんたちだ、沢山沢山ゆっくりさせてあげて、立派に育ててあげるんだぞ」 「れいみゅ、りっぱにゃゆっくちににゃるよ!!」 「れいみゅも!!れいみゅ!!しょれでおきゃあしゃんみちゃいにおちびちゃんをゆっくちさせちぇあげりゅよ!!」 「まりしゃはりっぱにゃかりうどになっちぇ、おきゃあしゃんをゆっくちさせちぇあげりゅよ!!」 「ぐうううぅぅうう!!!ぐうううぅぅううううい!!!ゆぐっ…!!ゆぅぅぅ…!ゆうううぅうう!!!」 親れいむはもはや唸る様に泣いている。 親れいむは理解しているんだろう。 このままでは自分たちは死ぬ。 おちびちゃんたちは野良の辛い生活でのほんの小さなゆっくりしか味わえず死ぬ。 大きくはなれない。 立派なゆっくりにはなれない。 なぜなら、寒さの中でゆっくりできなくなって死ぬから。 どうして。 親れいむは理解しているんだろう。 すべて自分が飼い主との約束を破ったからだと。 自分が約束を守っていれば、いずれ飼い主が子作りを許してくれたかもしれない。 そうしたらおちびちゃんたちは、ゆっくり生まれ、ゆっくり暮らし、ゆっくり育ち、好きなだけゆっくりできたはずだ。 すべては愚かな親れいむの所為だ。 「ごべんだざい……ごべんだざい……ごべんだざい……ごべんで……ごべんで……ほんどうにごべんで……ごべんだざい……ごべんで……ごべんだざい……ほんどうにごべんだざい………」 親れいむは謝ることしかできない。
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/2617.html
『愚かなれいむ』 6KB 自業自得 日常模様 越冬 野良ゆ 赤ゆ 都会 現代 もしかしたらネタがかぶっているかもしれません もう11月だ。 最近だんだん寒くなってきて、コートを引っ張り出してきたり、ストーブを出したり、冬が近づいてるな、と感じる。 世の受験生も頑張り時だろう。 今は堪える時期だ、頑張れよ、とエールを送りたい。 冬に向けて頑張り時なのは受験生だけではない。 この時期、野生のゆっくりたちは冬ごもりの準備に奔走する。 街に住む野良ゆっくりたちは冬ごもりはしないが、それでも冬はあまり外を駆け回りたくないのか、本能的なものなのか、餌を集めておいておうちに籠もる。 食糧問題以前に冬の寒さはゆっくりに厳しい。 赤ゆっくりなどは暖かくしていなければ簡単に永遠にゆっくりしてしまう。 タオルなどのゴミ、所謂ふわふわさんをゆっくりたちは冬前、奪い合う。 生身ではとても寒さに耐えられないのだ。 野生のゆっくりは冬ごもりに失敗して数を大きく減らすが、野良ゆっくりも寒さに耐え切れず冬に数を減らす。 冬の寒さの中で凍えながら死んでいく。 「にんげんさん………!おねがいします……!かいゆっくりにしてください……!」 生粋の野良や、完全に野良に順応した捨てゆっくりたちはふわふわさんやおうちを確保出来る。 だが、野良に順応できない捨てゆっくりたちは冬への対策をなにもできない。 だから、捨てゆっくりたちは冬前に人間に嘆願する。 飼いゆっくりにしてください。 自分が間違っていました。 おちびちゃんだけでいいです。 このままじゃゆっくりできなくなっちゃうんです。 勿論、その嘆願を聞き入れる人間なんて、まず全くと言っていいほどいない。 「しゃぶいよぉ……ゆっくちしちゃいよぉ………」 「ゆ………しゅーりしゅーりしちぇあっちゃかくしゅりゅよ……」 「ゆぅぅ……おにゃかしゅいちゃよ……」 「おちびちゃん………ごめんね……ごめんね…だめなおかあさんでごめんね……」 俺だって別に飼ったりする気はない。 これからするのはただの暇潰しだ。 「おちびちゃんたち、おかあさんがすーりすーりしてあげるからこっちにきてね……」 「ゆ……」 「なぁ、おまえら」 「ゆ……?おにいさん…?もしかしてれいむたちをかってくれるの……?」 親れいむがなにか言ってるが、無視する。 「おまえら、元飼いゆっくりだな?」 「ゆ……そうだよ……、れいむがおちびちゃんをつくって……それで……」 「ちびたち、おまえら、あまあま食べたことあるか?」 「ゆ……あみゃあみゃしゃん……?」 「ゆぅ……ありゅよ……!おきゃあしゃんがとっちぇきちぇくりぇちゃよ!」 「ぴゃんにょみみしゃんはとっちぇみょゆっくちできちゃにぇ!くさしゃんよりじゅっとゆっくちできちゃにぇ!」 「ゆっ……おもいだしちゃよ!くきしゃんはしょれよりとっっっっちぇもゆっくちじぇきりゅあみゃあみゃしゃんだっちゃよ!」 赤ゆたちに向けて話しかける。 赤ゆたちはあまあまの話になったら急に元気になってきた。 普段は草を食べているのだろう。 パンの耳なんかでもさぞ美味しかったんだろうな。 最初に食べた茎とパンの耳がこいつらの知ってるあまあまだ。 だがそんなのは本当のあまあまじゃない。 本当のあまあまはもっと甘くて美味しいんだ。 野良ゆっくりは自力ではあまあまを食べられない。 「これ食ってみな」 俺はポケットから個別包装のクッキーを取り出して、袋を破り赤ゆたちの前に置いた。 「ゆっ!!あみゃあみゃしゃんにょにおいがしゅるよ!」 「むーちゃむーちゃ……ちちちちちちちちあわちぇー!!!」 「ゆうううぅん!!おいちーちーでりゅよ!!」 「ゆ……!おにいさん、ありがとうございます……!」 赤ゆたちはあまあまを食べて元気になったのか、さっきあまあまの話をしていた時よりもましてはしゃいでいる。 「そのあまあま、うまいか?」 「ゆっ!とっちぇもゆっくちできりゅよ!おにいしゃんゆっくちありがちょー!」 「「ゆっくちありがちょー!」」 「そのあまあまな、本当ならおまえら毎日食べられるんだぞ」 「「「ゆゆ!?」」」 そう、こいつらは本当なら毎日あまあまを食べることが出来たはずだ。 それだけではなく、寒さに震えることもなく、命も危険もなく、存分にゆっくり出来たはずだ。 そのゆっくりを奪ったのは 「おまえらのおかあさんだよ」 「「「ゆ?」」」 「本当ならおまえらは、あまあま食べ放題で、命の危険もなく、暑さに喘ぐことも寒さに震えることもないゆっくりプレイスで好きなだけゆっくりできたはずなんだ」 「「「ゆぅ?」」」 「ゆぐ……ごめんね……ごめんね……だめなおがあざんでごべんね……」 「おきゃあしゃんどうちたにょ?」 「なかにゃいでにぇ!ぺーりょぺーりょ!」 「れいみゅたちにゃんにみょおこっちぇにゃいよ?あやまりゃにゃいでにぇ」 親れいむは俺がなにを言ってるか気付いた様だ。 赤ゆたちに謝りながら泣いている。 当の赤ゆたちは俺の言葉の意味がわかっていない。 泣いている親れいむを慰めようと頑張っている。 善良な家族なんだろう。 仲良く助け合って来たんだろう。 今度は親れいむに話しかける。 「親思いでいいおちびちゃんだな、れいむ。こんなにお前のことを心配してくれてる。親であるお前のことを本当に大好きなんだろうなあ?どうだ、ちびたち、そうだろ?」 「ゆっ!しょうだよ!れいみゅ、おきゃあしゃんにょこちょだーいしゅきだよ!」 「ゆぐっ………」 「おきゃあしゃんはれいみゅちゃちを"とっちぇもゆっくち"させちぇくれりゅんだよ!」 「ッ!……ごべ…ゆぐっ……」 「おきゃあしゃん、いちゅもありがちょう!!」 「ごべっ……ゆぐ……ごべんでっ……でいむがっ………おがあざんでっ…ゆぐ………ごべんでっ………ばかなおかあざんで………ごべんでっ……ぐうううぅぅうう!!」 赤ゆたちの愛情も親れいむにとっては、心を突き刺す針だ。 謝罪の言葉を呟きながら、泣いている。 この家族は多分この冬で死ぬだろう。 人間に何かを要求するのは捨てられてすぐの元飼いゆっくりか、切羽詰まった野良ゆっくりだけだ。 こいつらの見た目は捨てられてすぐの元飼いゆっくりって感じじゃない。 多分、おうちもふわふわさんも用意できてない。 まず、寒さで死ぬだろう。 「れいむ、こんなにいいおちびちゃんたちだ、沢山沢山ゆっくりさせてあげて、立派に育ててあげるんだぞ」 「れいみゅ、りっぱにゃゆっくちににゃるよ!!」 「れいみゅも!!れいみゅ!!しょれでおきゃあしゃんみちゃいにおちびちゃんをゆっくちさせちぇあげりゅよ!!」 「まりしゃはりっぱにゃかりうどになっちぇ、おきゃあしゃんをゆっくちさせちぇあげりゅよ!!」 「ぐうううぅぅうう!!!ぐうううぅぅううううい!!!ゆぐっ…!!ゆぅぅぅ…!ゆうううぅうう!!!」 親れいむはもはや唸る様に泣いている。 親れいむは理解しているんだろう。 このままでは自分たちは死ぬ。 おちびちゃんたちは野良の辛い生活でのほんの小さなゆっくりしか味わえず死ぬ。 大きくはなれない。 立派なゆっくりにはなれない。 なぜなら、寒さの中でゆっくりできなくなって死ぬから。 どうして。 親れいむは理解しているんだろう。 すべて自分が飼い主との約束を破ったからだと。 自分が約束を守っていれば、いずれ飼い主が子作りを許してくれたかもしれない。 そうしたらおちびちゃんたちは、ゆっくり生まれ、ゆっくり暮らし、ゆっくり育ち、好きなだけゆっくりできたはずだ。 すべては愚かな親れいむの所為だ。 「ごべんだざい……ごべんだざい……ごべんだざい……ごべんで……ごべんで……ほんどうにごべんで……ごべんだざい……ごべんで……ごべんだざい……ほんどうにごべんだざい………」 親れいむは謝ることしかできない。 挿絵:○○あき
https://w.atwiki.jp/mormon/pages/1381.html
ロ-マ10 1 兄弟たち、わたしは彼らが救われることを心から願い、彼らのために神に祈っています。 ロ-マ10 2 わたしは彼らが熱心に神に仕えていることを証ししますが、この熱心さは、正しい認識に基づくものでは ありません。 ロ-マ10 3 なぜなら、神の義を知らず、自分の義を求めようとして、神の義に従わなかったからです。 ロ-マ10 4 キリストは律法の目標であります。信じる者すべてに義をもたらすために。 ロ-マ10 5 モーセは、律法によr義について、“掟を守る人は掟によって生きる”と信じています。 ロ-マ10 6 しかし、信仰による義については、こう述べられています。“心の中で‘だれが天に上るか’と言ってはなら ない。”これは、キリストを引き降ろすことにほかなりません。 ロ-マ10 7 また、“‘だれが底なしの淵に下るか’と言ってもならない。”これは、キリストを死者の中から引き上げること になります。 ロ-マ10 9 では、何と言われているのだろうか。“御言葉はあなたの近くにあり、あなたの口、あなたの心にある。”こ れは、わたしたちが宣べ伝えている信仰の言葉なのです。 ロ-マ10 9 口でイエスは主であると公に言い表し、心で神がイエスを死者の中から復活させられたと信じるなら、あ なたは救われるからです。 ロ-マ10 10 実に、人は心で信じて義とされ、口で公に言い表して救われるのです。 ロ-マ10 11 聖書にも、“主を信じる者は、だれも失望することがない”と書いてあります。 ロ-マ10 12 ユダヤ人とギリシア人の区別はなく、すべての人に同じ主がおられ、御自分を呼び求めるすべての人 を豊かにお恵みになるからです。 ロ-マ10 13 “主の名を呼びも求める者はだれでも救われる”のです。 ロ-マ10 14 ところで、信じたことのない方を、どうして呼び求められよう。聞いたことのない方を、どうして信じられよ う。また、宣べ伝える人がなければ、どうして聞くことができよう。 ロ-マ10 15 遣わされないで、どうして宣べ伝えることができよう。“良い知らせを伝える者の足は、なんと美しいこと か”と書いてあるとおりです。 ロ-マ10 16 しかし、すべての人が福音に従ったのではありません。イザヤは、“主よ、だれがわたしたちから聞いた ことを信じましたか”と言っています。 ロ-マ10 17 実に、信仰は聞くことにより、しかも、キリストの言葉を聞くことによって始めるのです。 ロ-マ10 18 それでは、尋ねよう。彼らは聞いたことがなかったのだろうか。もちろん聞いたのです。“その声は全地 に響き渡り、その言葉は世界の果てにまで及ぶ”のです。 ロ-マ10 19 それでは、尋ねよう。イスラエルは分からなかったのだろうか。このことについては、まずモーセが、“わ たしは、わたしの民でない者のことであなたがたにねたみを起させ、愚かな民のことであなたがたを怒らせよう”と言 っています。 ロ-マ10 20 イザヤも大胆に、“わたしは、わたしを探さなかった者たちに見いだされ、わたしを尋ねなかった者たち に自分を現した”と言っています。 ロ-マ10 21 しかし、イスラエルについては、“わたしは、不従順で反抗する民に、一日中手を差し伸べた”と言って います。
https://w.atwiki.jp/arcgundamvs/pages/357.html
削除
https://w.atwiki.jp/lanove/pages/372.html
刊行一覧 宮澤くんのとびっきり愚かな恋
https://w.atwiki.jp/woodworld/pages/97.html
出された善にほとんど箸をつけず、少女は箸を箸置きに置く。 「御馳走様でございました・・・」 「御城主様…、お口にお合いしませんでしたでしょうか…?」 腰元に問われた少女…小夜はゆっくりと頭を振って答える。 「いいえ・・・。ただ・・・、あまり食欲がなくて・・・・・・」 そのくらいのことは腰元も察している。ここ数日、ずっとこの様子なのだ。しかも、変化は食の量ばかりでない。愛らしい顔から笑顔は消え、輝いていた瞳はくすみ、見る者を平伏せさせた王気もすっかり薄れてしまっている…。 主の身に、何か大きな変化が起きたことは明らかだ。 だが、だからこそ腰元は食事を勧める…。食は命の源なのだ。 そして、この主に箸を取らせるには、主自身の身を案じるより、主に家臣を気遣わせた方が良い。料理が口に合わなかったのかと問えば、この主は料理人を気遣って多少無理をしてでも食べる。だから料理に落ち度があったかのように聞いたのだ。 だがそれも、上手くはいかなかったようだ…。 腰元はひとり心配そうに主の小さな背中を目線で追う。 「(穴が空いている……)」 「(わたしの心(なか)に、とても大きな穴が……)」 自室に引きこもり、小夜はひとり虚ろに想う…。 「(この、決して埋め得ない、とても大きな喪失感は何……?)」 「(ダスクフレアのせいで、お父様とお兄様が亡くなってしまったから……?)」 答える者のない問いを、少女は問い続ける。 「(そう…だと思う……。どう考えても、そうとしか思い当たらない……)」 「(でも……)」 「(何故かそれとは違う気がする……)」 「(お父様を亡くした喪失(あな)…、鷹也兄様を亡くした喪失(あな)…。でも、今感じているこの喪失(あな)は、そこから少しずれている気がする……)」 「(何か……、お父様がいなくなって、鷹也兄様がいなくなって…、でも、それでもたったひとつ残っていた最後の希望(ひかり)があったような…、そんな気がするの……)」 「(そして、その希望(ひかり)が急に消えてしまったような……、そんな喪失感(さびしさ)がする……)」 「(ついこの間まで希望があったような痕が、確かにこの胸にあるの……)」 自問自答を続けるほどに、少女の顔は曇って行く。より深く…、暗く…。 「(けれども……)」 「(この穴(そうしつ)は、きっと私への罰なんだわ……)」 「(理由は分からない…。理屈には成らない…。でも…、そんな気がする……)」 「(だから………)」 少女の暗い瞳(め)は、虚ろに空を見る。 「(受けよう…、この罰を……)」 「(この胸に喪失(あな)を穿ち続けることが、私の罪(うらぎり)への償いの道……)」 「(なくしてはならない…、この痛みを…、この喪失感を……)」 「(もとめてはならない…、救いも…、取り戻すことも……)」 「(苦しみ続けることが、弱いわたしへの償いなのだから……)」 小夜が病の床に伏せったのは、それから間もなくしてのことであった……。 -end-
https://w.atwiki.jp/touhourowa/pages/181.html
早朝より始まりし愚かな選択 ◆30RBj585Is (まずいことになったわ・・・) せっかく捕まえた捕虜が逃げようとしている。この失敗に八意永琳は焦っていた。 実験用のカエルが逃げ出したとかそういう甘いものではない。あれを放っておけば間違いなく自分と輝夜の情報をばら撒くだろう。 自分はまだいい。どうせほぼ全ての参加者から目をつけられている状況なのだから、今更何を言われようが立場は変わらないだろう。 だが、輝夜はどうなる?彼女の居場所を聞くためとはいえ、そのために彼女の容姿を、そして自分が彼女を捜しているということを相手に教えてしまった。こうなるとあの神様は間違いなくそのことを言いふらすだろう。 そうなったら輝夜まで狙われる可能性がある。(何も知らないのに)拷問で口を割らせられるなり人質にされるなり、何らかの形で危害が及ぶだろう。 輝夜が今の自分のように全員から敵視されることになったらどうなるか?仮に以前に鬼や吸血鬼と対峙したときのようなことになったらどうなるか? 自分の場合は持ち前の頭脳で短期間の間に最善の策をシミュレートしてそれを実行できたから何とかできることが出来たが・・・ 失礼ながら、輝夜には自分のような機転を利かせるほどの頭脳は無い。 長年続いた妹紅との殺し合いで培った戦闘経験があるとはいえ、それだけでは生き残れないのがこのゲーム。このまま放っておけば必ず訪れるだろう、数の暴力に勝てるはずが無い。 もしそうなったら輝夜は・・・そして自分は・・・ (そんなこと、させてたまるものですか。月の頭脳と呼ばれし賢者、八意永琳の名において!) 今は考え事をする時期ではない。 とにかく、あの神を捕まえることを考えねば。そう思い、永琳は全力で諏訪子の後を追い走っていった。 ふと、永琳は諏訪子がいるであろう場所を見る。 (案の定、距離が離されているわね・・・) 諏訪子は何やら変な乗り物に乗って走っている。あれに関しては見ただけではよく分からない道具だが、少なくとも走るよりも速く移動できることは分かった。恐らく、あれに乗っている間は追いつくのは無理だろう。 だが、あの道具には欠点がある。これは見ただけで分かった。 その欠点は何か? それは・・・すぐに分かることだ。 現に今、諏訪子はそれで硬直状態になっているのだから。 ◆ ◆ ◆ 「しまった・・・」 洩矢諏訪子はとある地点を前に、動けずにいた。 それもそうだろう。何故なら、彼女の目の前にはあれがあるのだから。 「神社の階段の事、すっかり忘れていたわ・・・」 地を這う自転車で階段を下りるのは至難の業だ。 もし、バランスを崩して転んでしまったら・・・。そう思いながら諏訪子は階段の右側を見る。 「見事に崖になってるわね。こんなところで転んで落ちてしまったら・・・」 なんでこんな悪地形になっているのだろうか。無駄に階段は長いし崖際は危ないし・・・ 博麗神社にはお賽銭が入らないというが、その理由がよく分かるほど酷い地形である。 ここでふと永琳がいる方を向くと、彼女がどんどんこちらとの距離を縮めて向かってくるのが見える。十数秒もあれば追いつかれるだろう。 (どうする、ここで戦うか?) 正直なところ、このまま逃げるのではなく、自分が直々に永琳を叩きのめしたいところである。 ただ、相手はこのゲームの主催者だ。それも、あらゆる人妖を集め力を極限まで制限することが出来るほどの者である。 そんな相手とサシで戦って勝てるのだろうか?はっきり言ってゼロに近い。 「くぅ、駄目だ。何となくだけど、私一人じゃあいつに勝てない気がする。神の勘がそう告げるんだ。 早苗、神奈子、みんな、ごめん・・・!」 ならば永琳とは一旦距離をとるまでだ。逃げるんじゃない、戦略的撤退だ! それに、永琳のあの焦り様・・・。まるで自分が逃げると彼女にとって不都合なことがあるみたいだった。 もう最初から忌み嫌われし立場にあるというのに今更何を恐れているのだろうか、それはまだ分からない。 だが、今の自分の行動であいつが困るというのなら喜んでやってやる。 そう思い、諏訪子は 「このまま突っ切るのみよ!」 なんと、自転車に乗ったままで博麗神社の階段を下ったのだった。 …いや、諏訪子は『階段』は下りない。大体、自転車で段差の激しいところを走るなんてまず不可能だ。 そこで、諏訪子は階段の外側を走った。そこならば比較的凸凹の少ない坂になっていて階段よりも幾分マシになる。 「うおおおぅおおおぅおぉぉお!?」 だが、それでも悪地形であることには変わらない。凸凹の地面を這う自転車がガタガタと振動し諏訪子の体を刺激する。少しでも気を抜けばすぐにでもバランスを崩して転んでしまうだろう。 ズキッ 「うっ、肩が・・・」 諏訪子の肩が悲鳴を上げている。そういえば、左肩は永琳にやられたのだ。何もしていなくても痛むその部分が更に痛むのが分かる。 だが、これしきのことで怯んではいけない。こんな痛み、あのときに助けて上げられなかった金髪の妖怪が受けた痛みに比べれば、自分と別れたルナサと阿求が受けただろう痛みに比べればはるかに軽い。 「負けて・・・たまるかぁっ!」 そう思い、諏訪子は気合を入れた。 階段を自転車で下りるという無茶苦茶な行動とはいえ、それのおかげで永琳との距離を更に離すことはできた。 後はこのまま突っ切るのみだが・・・ 「あいつはこのまま私を逃がすか? いいや、逃がさないだろうね。だとするとあいつは・・・」 しばらくして体が慣れたときに後ろのほうを見る。 「やっぱり、攻撃するよね・・・」 案の定、弾幕が諏訪子に目掛けて飛んできた。あれで自分を怯ませようと算段しているのだろうか。 だが・・・ 「そんなモノで怯むと思うな! コバルトスプレッド!蛙よ、私を護れ!」 どんな攻撃をしようが無駄だ。そう言わんばかりの覇気で弾幕を繰り出した。 ドカン!ドカン! コバルトスプレッド(通称・カエル弾)は衝撃を受けると爆発して周囲を巻き込む。 弾幕を撃とうが小石を投げようが、自分へのあらゆる攻撃はカエルの爆発が遮断する。 この爆発が自分と相手の間で連鎖すれば、もう自分への直線状攻撃は無いといってもいいだろう。現に、永琳が飛ばしている弾幕は自分に当たることなく爆発で消滅している。 「もう私に攻撃を当てることは出来ない・・・! そして・・・このまま撤退して、あんたとあんたの探し人の情報を暴露してやるわ!ざまぁみろ!」 後は定期的に弾幕を出しながら逃げるだけだ。 勝った。いや、逃げる時点で負けなのかもしれないが、この行動で相手を困らせるというならばこれで良いと思う。 つまり、試合に負けて勝負に勝ったようなものだ。 …そのはずだったが ヒュン 「ん?」 諏訪子の頭上から何かが通り抜ける音がした。 何だろう?そう思い、ふと上を向くと・・・ 「あれは・・・ビン!?それも、見覚えのある・・・というより、私のもう一つのアイテムじゃないの! あいつ、いつの間に私の袋の中をあさって・・・いや、それよりもあれであいつはいったい何を・・・?」 確か、ワインが入っていたと思う。 でも、そんなもので何が出来るのか?自分の頭上に落として攻撃しようとでも思ったのか? だとしたら、それも無駄に終わる。だいたい、あの投げられたビンは自分に当たるどころか、狙いを大きく外れているではないか。 馬鹿馬鹿しい。弾幕が通じないからということで最後の足掻きがこの程度か。 アイテムを無駄に使いやがって。あのワイン、とっても紅くて美味しそうだったんだけどなぁ。 そう思っていたときだった。 ボンッ! 「えっ!?」 諏訪子の目の前を飛んでいたビンが突然爆発した。 すると、その爆発によりビンの破片が、そして中身が全方位に向けて発射される。 あまりにも突然で予想もしない攻撃を前に、諏訪子はそれをもろに受ける形になってしまった。 ビチャッ! 周囲にワインの液が飛び散る・・・と同時に、その一部が諏訪子にも掛かってしまった。 「うわっ!め、目が・・・目がっ!?」 もろに液を顔面から浴び、それにより視力を奪われる。 「って、しまっ・・・」 いや、それだけではない。 今の出来事に怯んだ所為で、完全に自転車のバランスを崩してしまった。 こうなると、その後の運命は誰でも想像がつくだろう。 ガシャン! 「うわあぁーっ!?」 諏訪子は自分に何が起こったのか、それはよく見えなかった。自分が自転車から転び、宙に投げ出されたことくらいしか自覚できなかった。 そしてしばらくの間、自分が空から落ちていく感覚を覚えながら・・・ ガキン! 「ぐえっ!」 諏訪子の意識はここで途絶えた。 ◆ ◆ ◆ 「即席で作った爆弾・・・思った以上の効果ね」 諏訪子本人は、ビンの爆発から後は自分に何が起こったのかは分からなかっただろう。 だが、彼女の様子を遠くから見ていた永琳にはその始終を全て知っている。 諏訪子が階段を下り始めた最初は、弾幕を放って怯ませようとした。だが、それが通じないということが分かると、即座に攻撃方法を切り替えた。 それに使ったのは予め諏訪子からこっそり盗んでおいた、見た目からして紅魔館の物だろうか血のような紅いワイン瓶だ。 あれに弾幕を封じ込めてから投げつけることで、諏訪子の近くまで飛んだら爆発させる。これにより諏訪子に瓶の破片や瓶の中身を浴びせて怯ませる・・・という狙いだったのだ。 これならわざわざ正確に相手を狙う必要は無いため、直接弾幕で攻撃するよりも成功率が高い。 「『瓶中の紅酒』とでも名づけようかしら。うーん、ちょっと語呂が悪いかも」 結果、予想通りに諏訪子は怯んでバランスを崩した。 ただ、崩れ方が非常に激しかったようで、転ぶどころか大きく吹っ飛んでそのまま崖から転落してしまったのが小さな誤算だった。 まぁ、あの高さから落ちたのだ。死にはしないだろうが、かなりの痛手になるだろうからそう遠くまでは逃げられまい。 あとは森に落ちただろう諏訪子を探し出し、情報を搾り出させた後に始末すれば良いだろう。 そうと思えば、すぐさま実行に移すべき。 そう思い、永琳は諏訪子が落ちただろう森の地点をしっかりと目に焼き付けながらこの場を去っていった。 永琳が階段を下りた後のこと、土色の帽子が空をフワフワと漂いながらゆっくりと落ちてきた。 そして、それはそのまま瓶が割れて出来た血溜まりの上に着地する。 その光景は・・・まるで、ここで流血の惨劇が起こったかのようだった。 「それにしても、あれが冷静さを失った神の結末・・・といったところかしら。無様なものね」 諏訪子が階段の前で硬直していたのを見たときは再度捕まえるチャンスだと思った。今ここで諏訪子を逃がさずにおけば、改めて輝夜の情報を割らせることが出来るからだ。 …そのはずが、よりによって変な乗り物に乗ったままで階段を下りるという予想外の行動に出たときは焦りを隠せなかった。 …だが、冷静に考えると、あの行動はいかに愚かであったか。それがよく分かる。 あの悪路をあの乗り物で走るなんてリスクが大きすぎる。自分との距離を離すためとはいえ、あの行動は正気の沙汰じゃない。それよりも乗り物から降りて自分の足で走るなり最初から崖から飛び降りるなりの方がまだ安全なのに・・・ その結果、見事に裏目に出て自らを追い込む羽目になってしまった。哀れなものである。 だが、あのときの諏訪子に関して永琳はとても強い親近感を覚えた。 諏訪子が神社に来てすぐに何回も叫んだ名前――早苗だっただろうか。あの振る舞いからして、諏訪子は早苗がここにいることを最初から知っていたかのようだった。恐らく、真夜中のときに見た明るい星と関係が強い者だろう。 まるで我が子を必死に心配するかのようなそんな挙動は、まさに自分が輝夜を心配しているそれと同じものだ。 だが、そこから生まれるものは『心配』、『不安』、『焦り』など、負の感情ばかりだ。 これらの要素があらゆる場において思考を鈍らせる・・・そのことは自分が嫌と言うほどに経験した。 鬼たちに襲われたときもっと有効な打開策があったはずだとか、諏訪子から情報を引き出すときにもっと穏便に済ませられなかったのか、など明らかに自分の思考が鈍っていた。 もっとも、それらのことは自分の事ゆえに主観的に自分を見るしかなかったため、気付く機会が無かった。 だが、今回は諏訪子を通じて自分の姿と言うものを客観的に見ることが出来た。あの醜態をこの目で見て、自分が今までとった行動がいかに愚かな事だったか、それが痛いほどに分かった。 そして、今のままではまさにあのようなことに自分がなってしまう。そんな気がしたのだ。 「私もこうならないよう、気をつけないとね」 あのようになって二の舞を演じるようなことは避けたいところ。 そう思い、永琳は長く続く階段を下りていった。 【G-4 博麗神社の階段 一日目 午前】 【八意永琳】 [状態]疲労(小) [装備]ダーツ(24本) [道具]支給品一式 [思考・状況]行動方針;諏訪子を見つける 1. 諏訪子に輝夜の情報を割らせ、後の憂いの種にならないよう殺す 2. 輝夜の安否が心配 3. 真昼(12時~14時)に約束の場所へ向う ※この場所が幻想郷でないと考えています ※自分の置かれた状況を理解しました ※この会場の周りに博霊大結界に似たものが展開されているかもしれないと考えています ※腹の痛みはほぼおさまっています 一方、森へと落ちていった諏訪子はどうなっているだろうか。 結論から言うと彼女はまだ死んではいない。落下の衝撃を受けて気絶しているだけだ。 そして幸運かどうかは分からないが、彼女が気を失っているのは地面ではなく木の上だ。落ちたとき、偶然にも幹にぶつかったあとに木の枝でうつ伏せになって倒れているようだ。 生い茂る木の上にいるために、誰かに見つかる可能性は地面にいるよりは少ないだろう。 だが、こう気絶している間にも永琳は根掘り葉掘り探し出そうとしてくるだろう。 それを無事に乗り越えられるかどうか・・・? 答えは運命の神様のみぞ知る。 【G-4 博麗神社の崖付近 一日目 午前】 【洩矢諏訪子】 [状態]気絶中(目が覚める時期は不明)、左肩に脱臼跡(半日ほど痛みが残るものと思われます) 、全身に打撲および頭に強い衝撃、服と顔が紅ワインで濡れている [装備]なし [道具]支給品一式 [思考・状況]行動方針;永琳を打倒する策を考える 1.永琳と輝夜を殺す 2.殺傷力の高い武器を探す 3.早苗と神奈子の無事を心から願っている ※永琳を憎むと同時、彼女の主催者としての在り方に僅かな疑問を抱いています ※博麗神社の階段では紅ワインで濡れているところがあります。その地点には諏訪子の帽子が放置してあります ※折りたたみ自転車は神社の崖付近に転がっています ※諏訪子のもう一つの支給品はパチュリー特製紅ワインでした(もしかしたら、成分に血液が含まれているかも?) 89 朱に交わる/切れた糸(後編) 時系列順 83 ゆめのすこしあと 90 亡き少女の為のセプテット 投下順 92 Gray Roller -我らは人狼なりや?-(前編) 60 ロールプレイングゲーム 八意永琳 100 強く儚い、貴女達。 60 ロールプレイングゲーム 洩矢諏訪子 100 強く儚い、貴女達。