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内容 マップサイズ:41×18 攻略ターン数:40ターン 難易度:★★★★ 勝利条件:相手の旗艦ユニットを撃墜する 敗北条件:自軍の旗艦ユニットが撃墜される クリア特典 ギャラリーにNo.35「跳躍空間を彷徨う地獄!」追加 概要 ワープ空間を彷徨う巨大戦艦との 戦い。遭遇した者は生きて還らぬと 言われる。 出現敵ユニット グリーン・インフェルノ本体(旗)×1 巨大戦艦のメインエンジン×1 巨大戦艦の砲塔×19 巨大戦艦の多砲塔砲台×3 巨大戦艦の主砲×6 巨大戦艦の上昇用ノズル×4 リボー×12 ストロバルトボマー×5 ゲインズ×6 トレジャー 名称 場所 軌道戦闘機の設計思想(TACⅡ) マップ右下 推奨ユニット ナルキッソス人型接近戦機(各種砲台の破壊) ワイズ・マン要撃機(戦艦コアへの攻撃) 攻略 前ステージでエーテリウムが多く手に入るようになった事なので、自軍を強化しておく事。 連合軍で使える機体はワイズ・マン、ドミニオンズ、サンデーストライクと各種フォース、ヘイムダルなど。 革命軍で使える機体はパワード・サイレンス、ラグナロック、ステイヤー、アングルボダなど。 後編はグリトニルほど詰むステージがある訳ではないが、物量に苦しめられるステージは少なくない。 今まで苦しめられてきた敵軍の力も借りて行こう。 対グリーン・インフェルノで意識しなければいけないのは、本艦はオブジェクトではなく 丸ごと敵ユニットである事。ZOCもきちんと発生しているので、無用な隣接は避けた方が良い。 移動コストが割かれる事を防げる。また、注意するのは接触によるジャミングの解除も尚の事である。 更に、敵からは一方的に索敵された状態である事にも注意。被弾を抑えるにはジャミングが必須とも言える。 楽をしたければアキレウス系列の最終形態ナルキッソスを4~8機程度、 複数量産しておくと良い。射程内であればこのステージ最大の敵の砲台からの攻撃を 尽く迎撃し、こちらからは逆に迎撃されずに攻撃ができる。 戦艦の前方上部(黄色い所)はたまに1HEXの隙間が開くので通れそうだが、ZOCが発生している為、 通れそうで実は通れない。たとえ亜空間から挑んでも、解除されて押しつぶされるのがオチ。 その為、原作と同じく下から攻めるのがセオリー。画面下で押しつぶされる事は考慮しなくて良い。 ただ上では、本艦と地形間で潰される危険性があるので注意。 まずは正面のメインエンジンを破壊。リボーやストロバルトボマーを相手しながら砲台を潰していく。 中盤の上昇用ノズルはチャージ1ターンで放って来る。ここは波動砲で一気に潰したい所。 この上昇用ノズルの先に1HEXだけ、インフェルノ本体からの攻撃が届くHEXが存在する。 こちらからは未索敵の為、攻撃が届かない。攻撃され損なので待機しないように注意。 右下の空間にはゲインズが二体居る。波動砲で壊滅させられないように注意。 ジャミングを利用したり、デコイを囮にするのも手。 ジャミングする場合は、ジャミング範囲の後方に迂闊にユニットを置かないように。 グリーン・インフェルノから一方的に索敵されている以上、そこを狙ってくる可能性がある。 MAP右下のトレジャーも忘れずに回収したい。 戦艦のコア本体付近にはリボー、ゲインズがいるが位置関係からバイド粒子弾しか撃てない。 砲台を始末しながら、ナルキッソスを前面へ出しBR神聖制裁の反撃で潰していくと楽。 バイド粒子弾はダメージが低いのに対し、こちらは反撃補正で大ダメージが期待できる。 ここで時間を稼がれると残ターン数が辛いので、ある程度周辺の敵や砲台を始末したら、 本体狙いでナルキッソスやワイズ・マンの波動砲、フォースシュートなどで潰してしまおう。 分岐 波動砲重視のヘラクレス&ヘクトールと、可変戦闘機のパトロクロスの二択。 「あまり考えずにルートB」を選ぶとヘラクレス。 それ以外の選択肢を選ぶとパトロクロス。 後半だけ違うテンプレートを使うのですか? -- (´・ω・`) (2009-12-28 04 48 24) やってて気がついたんですがグリーンインフェルノ本体に亜空間ロック掛けられるんですね。 -- 名無しさん (2009-12-29 17 46 19) これ上から行けるのか? -- 名無しさん (2010-01-05 18 10 03) 上からは絶対にいけないはず。グリーンインフェルノが通れないような動きをしてくる。 -- 名無しさん (2010-01-07 11 01 36) どっちにしろゲインズに撃ち抜かれるので止めたほうがいい。 -- 名無しさん (2010-01-07 20 46 02) そうか。助かった。 -- 名無しさん (2010-01-08 17 45 45) フォース要らずで攻撃力が高めのユニットが多いから、全体的にグランゼーラ陣営のユニットが活躍するね。ワイズマン出撃させたけどほぼ空気だった……。 -- 名無しさん (2010-01-16 00 26 52) 上手くいかねえw -- 名無しさん (2010-02-11 21 23 40) アイレムの子会社タムテックス製作「重力装甲メタルストーム」6面ボス背景に登場しているが関係は不明http //www.geocities.jp/frnyanko/setsumei/famicom/metalstorm/metalstorm.html -- 名無しさん (2010-02-11 22 23 12) 戦艦は何を出撃すれば・・・ (地球連合) -- トゥナイト・アイ (2010-05-28 23 56 19) 後半では右寄り、上寄りになるので小ぶりなヨツムンがオススメ。 -- 名無しさん (2010-05-29 08 28 21) 上の狭まってるところを通るときにデコイの有効活用が必須。 -- 名無しさん (2010-06-06 17 58 14) ここでの選択肢でパトロクロスかヘラクレスかのどちらかを手に入れる事が出来るミッションに進むが、 拘りがなければヘラクレスを取れるBルートをお勧めしたい パトロクロスも悪い機体では無いのだが、どうしてもフューチャー・ワールドやエクリプス強化仕様型、或いはナルキッソスに見劣りしてしまう 一方のヘラクレスも基本性能はフォースと大差が無く、同じチャージ2ターンの波動砲を持つラグナロックと比べると足の遅さも気になるが、 此方はラグナロックが苦手な障害物の多い地形で役立つ為棲み分けが出来る 更に開発によってヘクトールに派生するのも魅力 ヘクトールは扱い辛いが、3種類の波動砲で圧倒的な攻撃力を発揮出来る為、この先での出番も少なくない -- 名無しさん (2010-06-10 16 07 34) 索敵用にウォーへッドがいると楽かも。 -- 名無しさん (2010-09-11 20 06 29) 主砲の援護を期待して旗艦をマーナガルムにしたら邪魔なだけだった。旗艦は駆逐艦とかが良いか -- 名無しさん (2010-11-21 12 45 40) アングルボダを投入してみたが、巨体に苦労しつつも33ターンで何とかクリア。グリーンインフェルノの前に出るまではいいが、その後上昇させると挟まれて沈んだので、ヨルムンを随伴させた。 -- 名無しさん (2011-02-06 00 55 55) 空母だすのではなくフレースヴェルグなどがいいと思う -- 名無しさん (2011-04-10 12 15 18) とりあえずワイズマンとかハッピーデイズをうじゃうじゃ配置すればよくね?(ま…最大16機しかだせねぇけど…) -- 名無しさん (2011-12-17 21 57 47) 駆逐艦2ステイヤー6妨害機1工作.補給1後お好みでバルムンクでごり押しすると29ターンくらいでいけるよ -- 名無しさん (2011-12-21 00 19 17) 最上部の砲塔をダイダロスの亜空間で引っ掛けて艦の前進を封じることで、上回りも可能となる。…が、結局ゲインズが邪魔だし、ダイダロス自体このミッションで作れる救済措置であり、下回りで亜空間ロックに成功したらならそのまま攻め込んだほうが早い。どうしても上を通ってみたいならどうぞ -- 名無しさん (2012-11-21 11 29 03) パトロクロスは移動力5の占領可能機体だから未来世界や日食さんに劣るとは思えんけどなぁ 変形でキャンセル回避もあるし -- 名無しさん (2013-10-28 14 02 51) ↑↑いまさらながら、その方法があったかと気づく。逆進時に進路が制限されて、進み難くなるのもこれで回避できるか。 -- 名無しさん (2013-10-28 22 05 23) あとこのミッション、発生条件はかなり限定されるが、どんなに移動力があっても、1HEXしか移動できなくなるバグ(?)がある・・・・ -- 名無しさん (2013-10-28 22 08 33) ↑インフェルノに密着したまま移動しようとしたというオチではあるまいな -- 名無しさん (2013-10-29 22 10 56) 最後の方でインフェルノが上方向に張り付いてくるから1ラインしか道がなくなってZOCで移動できなくなって大渋滞 -- 名無しさん (2013-11-07 23 56 31) ↑ナルキッソスを送り込めば、敵弾を迎撃しつつリボーやゲインズを反撃でほぼ全滅させられるので楽 -- 名無しさん (2013-11-10 23 49 37) いいところまで進んだらバグってフリーズ。これで3回目だ… -- 名無しさん (2015-01-07 14 45 27) ナルキッソス送り込もうとしてもZOCが邪魔で送り込めない上索敵されてなから砲弾で一方的に数が減らされて突破できん… -- 名無しさん (2016-04-12 22 23 25) いつの間にmap図出ててくっそわかりやすくなってるな -- 名無しさん (2016-08-15 17 27 22) サイズと常時索敵状態、あと随伴ユニットの多さでビビるが、緑恐怖って意外と武装は貧弱なんだな...噴射がかなり強烈とはいえ -- 名無しさん (2016-08-29 18 24 46) 元祖を再び見たが、コアがね...振動しながらピストン運動するピンクの棒ga -- 名無しさん (2016-09-14 19 52 19) 超今更だが、Gインフェルノ本体の移動Hexって亜空間航法の拘束で移動阻止が通用するの?。 まあ、それは別として単純に攻略なら、初代Rのセオリー通りにフォース運用のR系機体で挑んだら普通にいけるぜ。 -- 名無しさん (2016-09-15 01 42 43) たしかアイツのコア以外、ボディ部分は波動砲はすり抜けるけど、溶岩や彗星同様の破壊・進入不可オブジェクト扱いだから、つつがなく潰されたと思う。 -- 名無しさん (2016-09-15 10 38 29) 正直、進軍が長いだけのステージ -- 名無しさん (2018-08-16 21 47 09) 名前 コメント
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恐怖のサンタ クリスマス編 08 取引先の女性二人の変死。 それは会社自体に対しては小さな、しかし社員の一部に対しては大きな波紋を呼んだ。 といって、別段それは相手の死を悼むものであるとか、その奇妙な同時性に恐れを抱くとかいったようなものではなかった。 ただのゴシップ的な興味……簡単にいえば、ちょっとした話の種としてそれらは捉えられたのだ。 しかし、人の噂も75日というか何というか、1週間とたたず、その話題は収束を見せ始めた。 たまたま死亡した日時が一致したからといって、たまたま同じ会社の、同じ部署の人間だったからといって、所詮は自殺。 身近な死であることに多少の話題性はあるが、その話題は日本各地で日々起こっている猟奇殺人だとか、強盗だとかのニュースに取って代わられ、すぐに人々の頭から忘れ去られていった。 かく言う俺もそんな一人で、直接の面識のある人間が死んだとはいえ、結局は他人でしかない。 さして気にしてもいなかった。 ――――しかし、それから約一ヶ月後 事態は、全く別の方向へと展開していた。 *************************************************** 朝。俺はいつものように彼女に起こされ、彼女と共に朝食を取り、彼女に見送られて家を出た。 空は快晴。ここ数日梅雨のせいで曇りか雨ばかりの天気だったが、今日から数日は晴れると今朝の予報では言っていた。 ただ、その晴れた空とは対照的に、俺の足取りは非常に重い。 別に、会社に行くのが嫌になったわけでも、今日が月曜日だからでもない。 ……いや、それも多少はあるのかもしれないが、少なくとも目下の悩みはそれではなかった。 (……昨日もまた一人、死んだな) 出かけ前に見た朝刊の事を思い出して、小さくため息をつく。 恐らく、また色々と面倒なことになるのだろう。 先ほどからちらちらと目の端に動く黒い影――恐らく警察――は、俺を尾行か、はたまた見張っているのか。 そんな事をしなくとも、俺は逃げも、隠れもしないというのに。 ……俺は、何もやっていないのだから。 いつものように電車に揺られ、バスに揺られること一時間弱。 会社に辿り着くまで、その黒い影はずっと俺の後をついてきていた。 刑事なら、もっと気配を隠すなり何なりできるだろうに、と俺は思う。 もしかすると、尾行というよりは威嚇が目的なのかもしれない。 ……まぁ、そのどちらでも構わない。俺には関係のない話だ。 五階建ての小さな会社のビル。 一応は本社扱いになっているそれは、薄汚れていてとてもそうは見えなかった。 まだ尾行を続ける黒い影を無視して、俺は正面の自動扉をくぐる。黒い影は、そこまでは追ってはこない。 扉をくぐると、目の前に受付が見えた。 いつも笑顔での接客……それが義務付けられているはずの受付嬢は、俺を見て酷く嫌そうな顔をした。 そのまま、そっぽを向き、俺と顔を合わせないようにする彼女。 ……まぁ、無理もない。この一カ月で、彼女の前にいた受付嬢は二人とも、奇怪な死を遂げているのだ。 最初の頃に受けたショックも、今はほとんど感じなくなっていた。 彼女を無視し、そのままエレベーターの前へと移動する。 使い古された旧式のエレベーターは、幸運な事にも一階で止まっていた。 もしこれが五階にでも止まっていようものなら、最低でも5分はここで待たなければならない。 その間、あの受付嬢の嫌悪の視線に耐えなくていいのは非常にありがたい。 他の階へと呼び出されないうちに、とすぐに上階へのボタンを押し、中へと入る。 エレベーター内で誰かと一緒になるのは、嫌悪の視線に耐えるよりつらい。 すぐに「閉」のボタンを押そうとして―――― 「おー、待った待った! 俺もはいっから!」 ――――突き出された指は、唐突な声によって停止させられた。 別段待つ必要もなかった。むしろ、相手を待たせることより、待つことによって被る俺の精神的苦痛の方がはるかに重要だ。 ……しかし、その声が親しい人物の物であることと、長年何度もそうやって呼びとめられてきた癖が、「開」へと指を向けさせた。 そのまま押し込むかどうか一瞬迷って、しかしすぐにボタンは沈みこんだ。 「……ふぅ、セーフセーフ。このエレベーター待ち時間長ぇんだもんな」 再び開いたドアから入ってきた男性は、額から浮き出た汗をぬぐいながらぼやいた。 外でも走ってきたのか、背広の首回りが汗で黒ずんでいる。 ポケットからハンカチを取り出し、それを額へと当てる男。 「いやー、わりぃなやまっちゃん。おかげで助かったわ」 その男は俺を見ても一切顔色を変えず、以前と同じように笑顔でそう言った。 「……俺に話しかけていいんすか、先輩」 「んー? なに言っちゃってんの、この子は。部署が違うとはいえ仮にも上司よ、俺。後輩に声をかけるのに理由なんていらないでしょー?」 ぽんぽん、と俺の肩を叩きながら、男……先輩は、そう陽気に笑った。 正直、今のおれにはその陽気さが羨ましいくらいだ。 「いや……だから、ほら、俺って疫病神みたいじゃないっすか」 「疫病神、ねぇ……」 そう言って、じっと俺の方を見つめてくる先輩。 その目は俺を見ているようで……しかし、その視線は俺より少し上にあった。 疑問に思って軽く上を見上げてみるが、そこにはただ染みのついた天井が広がっているだけだ。 「そういや、今朝の朝刊にも自殺記事乗ってたけど、あれか。あれもやまっちゃんの関係者?」 「関係者っていうか……」 天井から目を戻しながら、今朝見た新聞の顔写真を思い描く。 二十歳前の、少しそばかすの残った幼い顔。 一応、面識のある顔ではある。 ただ、一昨日の夜、ぶらりと立ち寄ったコンビニでバイトをしていた女の子……としか、俺は知らないのだ。 それを先輩に伝えると 「コンビニのレジ打ちと話しただけで、相手が自殺した、ね……やまっちゃん、ほんとに疫病神にでも見入られちゃった?」 そう言って、くすりと笑った。 薄暗い電灯の中、先輩の顔が奇妙に歪む。 影のせいか、なぜかチェシャ猫のような印象を、俺はその顔から受け取った。 ……正直、笑いごとではないのだが。 ――そう、ここ一ヶ月、俺とちょっと……ほんのちょっと会話をした人が、次々と変死を遂げていた。 まるで、本当に死神にでも見入られらたかのように。 最初の取引先の二人に始まり、同僚、受付嬢、さらには先ほど言ったようなコンビニのレジ打ちにすら広がっていく被害。 警察も最初はただ不審死が続いているだけだと、そんな見方をしていた。 しかし、その死がある一つの街で起こっている事、そして何よりその数が日に日に増えている事に、彼らも疑問を持ったようだ。 小規模ながらも、彼らは動きを始め……すぐに、死者の共通項として一人の男が浮上してきた。 ――――それが、俺だ。 しかし、彼らはそれ以上動けなかった。 被害者とされる人間の死因は、あくまで心不全や自傷による失血、窒息――つまり、ただの自殺か、病気だ。 だから、俺の周囲を見張るだけに彼らの動きは留まり……それが、逆によくなかった。 誰が知ったのか、それとも知ろうとする必要すらなかったのか、いつからか社内に奇妙な噂が流れ始めたのだ。 やれ営業の○○と話すと死ぬだとか、やれ○○は殺人鬼だとか、そんな勝手な憶測。 多分、もしそんな噂が出た後に何もなければ、それはただの噂として処理され、風化していったのだろう。 しかし、周囲の変死は止まることなく続き、それに伴い最初はちょっと面白半分だった同僚の視線も変わり―――― (――――今の状況に至る、と) 心の中で小さくため息をつき、この状況はあと何日、それとも一体何カ月続くのか、と思う。 俺に無罪を証明する方法はない。というよりも、噂を消す方法がない。 むしろ、実際に起訴された方が何と楽だったことだろうか。 人の罪は裁判の審議で明らかになる。しかし、噂の審議はその範疇ではないのだ。 裁判所がどんな判決を下そうと――例えそれが無罪判決であろうと――多分俺が逮捕された時点で噂は「有罪」の判決を下すのだろう。 そしてそれは、一生消えることはない。 ……なんとやるせないことだろう。 「――――おーい、やまっちゃん。何一人の世界に入っちゃってんの」 ……そんな風に一人思考していると、唐突に先輩から声をかけられた。 エレベーターの階数表示を見ると、まだ二階。 相変わらず異様な遅さだ。 「……いいじゃないすか、別に」 「なーに辛気くせぇ顔してんだか。幸福が逃げちまうぞー?」 「そりゃ、こんな状況じゃ運なんて全部逃げちゃいましたよ、絶対」 全く暗さというか、何の裏もなさそうな先輩の顔を見て、思わず愚痴がこぼれる。 それは上司にするような態度ではなかったのだが……久しぶりに彼女以外とまともに話せたことと、先輩の人柄の良さが、俺の口をつい滑らせた。 「先輩はいいっすよね。最近営業の成績もぐんぐん伸びてるじゃないっすか」 「んー? そりゃ、あれだ。俺は運を大切にしてるからな」 「運を大切に……?」 意味が分からない。 「風水っつーの? そういうのに結構気をつけたりよ。他にも縁起はなんでも担ぐぞ、俺は」 「はぁ…………」 「最近だと…………ほら、これだ」 そう言って先輩からポケットから取り出したのは、ペンダントのように吊るされた石ころ。 瑠璃色とでも言うんだろうか。その石は青く、所々に黄色のような線を交えていた。 「これな、ほら、あのパ、パ、パ、パワ……パワ何とかとか言う……」 「パワーストーンですか?」 「それだ!」 ビシッ、と指で指される。 ……正直、あまりうれしくはない。 「お前もさ、知ってるだろ? 学校町ってとこ」 「はぁ、一応は」 学校町。 確か、ここから二つほど街を挟んだ先にある、自然に囲まれた町だったはずだ。 以前に、超常現象だとか何だかで特集されているのをテレビで見たことがある。 「その学校町の占い師にもらったんだけどさ、これがまた滅茶苦茶効くんだわ」 「はぁ…………」 「ラピスラズリっつって魔よけと幸運のお守りらしいんだけど、やっぱ本職に貰うと違うねー。運気が全然違うっつーの?」 「……よかったっすね」 眉つばというか、何というか。 以前のテレビ番組といい、その町では何かいかがわしい宗教でも流行っているのだろうか。 「あー、なにその目は。やまっちゃん信じてないでしょ」 「いや、信じないっていうか……」 ……あまり、そういった事に興味がないだけだ。 そんな風に俺が思っていると、何を思ったのか 「よっし、分かった」 そう言って、先輩が俺に手に何かを握らせてくる。 手のひらを見ると、そこには先ほどのラピスラズリが握られていた。 「それ、一週間貸してあげるからさ。ちょっと試してみなよ」 「え? いや、困りますよ。こんなの貰っても……」 「あげるんじゃないの。貸すだけなの。いい? 一週間経ったら返してもらうからな」 「いや、でも…………」 どうしたものか。 正直、こんな物を貸してもらったところで、大して運が上がるとは思えない。 むしろ、これが彼女に見つかった時どう対応するかが問題である。 鈍く光る宝石を手に逡巡していると ――――チーンッ 時代遅れの音と共に、ギシギシと音を立てながら扉が開いた。 表示されている階層は、五階。 いつの間にか、目的地に着いていたようだ。 「んじゃ、まーそういうことだから。宜しく」 「あっ、ちょっ、先輩、マジで困りますってっ!」 開いた扉を見て、さっさと出て行ってしまう。 追ってもよかったのだが、周囲を見渡せばすでに出勤し終えた社員が忙しそうに動いていた。 ただでさえ部署が違うのだ。そんな中を人目にさらされながら先輩の後を追う勇気は、ない。 そうこうしているうちに、すぐに先輩は人にまぎれて見えなくなり 「やまっちゃんに憑いてるそれ、俺が何とかしてやっからよー!」 その中から聞こえた先輩の声は幻聴か、はたまた本当に本人が言っていたのか。 「憑いてるってなんだよ……縁起でもない」 そのどちらか分からないながらも、俺はそれに小さく返答した。 手の中では、先輩から貰った……借りたペンダントが、蛍光灯の光に反射して青く輝いていた。 ――――翌日、先輩は死んだ。 急性の心不全だったという。 それを受け、また社内には噂が広がっていった。 着実に、少しずつ、少しずつ広がっていく疑念。 そんな中、俺は密かにある一つの決心をしていた……。 【続】 前ページ次ページ連載 - 恐怖のサンタ
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恐怖のサンタ 日常編 11 「……それで、どうするんじゃ」 それほど広く室内に、老人の声が響く。 横たえられた同族殺しの現状を伝え終えた老人は、まだ剣で縫いとめられたままの姿勢で固定されていた。 「治療」のため、既に同族殺しの腕に老人自身の手を重ねた状態での質問である。 「どうする、って……」 その問いに、山田は困惑した。 どうするも何もない。 助ける事の出来る命があるのなら、助けるべきじゃないのだろうか。 山田の頭の中には、当たり前のことが当たり前のように浮かんでいた。 人間として、倫理に則った当たり前の思考。 「この口裂け女は、元々お前さんたちの『敵』じゃろう?」 しかし老人は、そこに打算を持ちこんだ。 山田が驚いたように目を見開く。 老人は言外に治療以外の選択肢を示しているのだ。 このまま敵である同族殺しを見捨て、見殺しにする事も出来る、と。 そんな事を考えもしなかった山田は、目の前に現れた二択に戸惑う。 今までただの小説だと思っていた本がゲームブックだったようなショックだ、なんて半ば現実逃避のような思考すら湧いて出た。 山田はその目で老人の背を、そして寝かされた同族殺しに視線を移していく。 「俺、は――――」 一瞬だけ、山田は迷った。 敵対し、あまつさえ一度殺されかけた相手。 もしかしたら、治療が終えた途端に山田に向けて襲いかかって来るかもしれない。 場合によっては、良子や、マゾも対象になるだろう。 「――――見殺しになんて、出来ない」 しかし山田は、そう言った。 何ヶ月も前の出来事を思い出して、山田の胸の内をよく分からない、何だか締め付けるような感情が渦巻く。 山田はかつて、恋人を救えなかった。 それは鈍感さと愚鈍さが引き起こした、山田にとって二度と経験したくない過ちである。 今こそちょっぴりの奇跡のおかげでこうして日々を楽しんでいるが、もし仮にその軌跡が起こらなかった場合の事など、出来れば考えたくもない。 だから、山田は迷いを断ち切った。 もう二度と、後悔するような選択はしない。 そう山田は、この生活が始まる際に決めていた。 「そうかの」 山田の言葉に、老人は何も言わなかった。 その内側に存在する感情に気づいたのかもしれないし、他人の事に興味がないだけなのかもしれない。 どちらにせよ、老人のやるべき事は一つしかなかった。 同族殺しと繋がった腕に意識を集中させていく。 「仙人とは、幽界と顕界を往還する者」 誰にともなく、老人は語りかける。 「故にその身体は、人の根幹にすら触れる事が出来る」 老人の手が赤い光の衣を纏う。 その光は老人の触れた先から同族殺しへと伝い、やがてその身体を覆って行った。 「根幹とは魂。都市伝説では核となる『本質』そのものじゃ」 言葉と共に、徐々に赤い輝きが増していく。 老人の手と、同族殺しの身体。 波長を合わせるように強弱を繰り返す二つの光を前に、アパートの中にいる人間は無言でそれを見つめていた。 「触れるのには無論時間がかかる。じゃが時間をかければわしには出来る」 赤い二つの光が同調を始めた。 それとほぼ同時に、同族殺しの胸から小さな光の球が浮かび上がってくる。 ちょうど先程老人が見せたものより一回り小さなそれは、混じりけのない黒で染まっていた。 時折表面が波打つそれは、以前同族殺しが出した巨大な漆黒の球体に酷似している。 「混ざった事が原因ならば、以前の二つへと別てば良い」 赤い光を纏った手を、同族殺しの腕から離す。 しかし赤い光が消える事はなく、むしろその波長は安定を始めていた。 離された手は、宙へと浮かぶ黒い玉へと向かう。 「少々荒療治になるが、仕方ないの」 その手が、黒い球体を掴んだ、その瞬間 「--------っ!?」 同族殺しの身体が、大きく飛び跳ねた。 意識のないはずの身体が、痙攣のように小刻みに震える。 声にならない悲鳴が、その口からは漏れていた。 意識がないはずなのにその目は見開かれ、痛々しく顔は歪んでいる。 思わず目をそむけたくなる様な光景が、そこで展開されていた。 麻酔なしで手術を行うようなものである。 痛みを感じないはずがない。 「すぐに終わる。一時の我慢じゃて」 老人にしては珍しい優しい言葉が口から出てきた。 その手は既に黒い球体に食い込むように入り込んでいる。 指が食い込むたび、球体はその光を変色させていった。 時には青に、時には赤に、そして再び黒に。 何が起こっているのか、山田には全く分からない。 しかし一刻でも早く終わればいいと、そう願わずにはいられなかった。 「…………む」 やがて、老人の手に力が籠った。 今まで探るだけだった指が、何かを掴むように握り締められる。 恐る恐る、その指が引き出されていく。 安全に、その先にある物を傷つけないように。 それは少しずつ、姿を現していった。 その先端を、そして全体が引きずり出されていく。 それと共に、黒い球体からはその黒色が抜けて行った。 「……こんな所かの」 引きずり出されたそれは、淡く輝く球体だった。 宙に浮く小さな球体を、さらに何回りも小さくしたような赤い球体。 老人の取りだしたその球体は、同族殺しが取りこんでいた13階段としての力そのものである。 「……若造、こっちへ来るのじゃ」 自分の手の上で波立つその球体を無視して、老人は山田を呼んだ。 治療の結果がどうなったのかと、慌てて山田がその傍へと寄って来る。 途中から、同族殺しの姿は赤い光に隠されるように見えなくなっていた。 それを老人の配慮だと思っていた山田は―――― 「…………おい、何だよ、これ」 ――――治療の終わったはずの同族殺しの身体を見て、愕然とした。 山田の目の前にいたのは、口裂け女ではなかった。ましてや13階段でも、人間ですらない。 完全な茶色と化た上に硬化した肌に、骨の浮き上がった身体。 生気のない瞳が、苦悶に彩られ大きく見開かれていた。 以前に一度、山田はその姿をネット上で見た事がある。 気まぐれに検索し、その不気味さに思わず眉を潜めてしまった存在。 「……何で、ミイラみたいになってんだよ」 その姿は、その時に見たものと大差なかった。 唯一違う所を挙げるとすれば、ここはピラミッドのような墓ではなく、日本の古いアパートなところくらいか。 「当然じゃろう。既に一つに混合していた力の一部を切り離したんじゃ。わしにも原理はよく分からんが、身体に負荷がかかるのは当たり前の事じゃろうて」 「じゃあ、何のためにさっき俺に確認したんだよ、お前はっ!」 激昂し、思わず老人に喰ってかかろうとした山田の前に、一本の指が突きたてられた。 「じゃからお前さんを呼んだんじゃろうが。察しろ、馬鹿者が」 「……察しろって、何を」 「今のこやつは身体の半分をむしり取られたようなもの。それには当然、その分の補給が必要じゃ」 片手で赤い光球を弄びながら、老人が目で同族殺しを差す。 半ば投げやりな声で、老人は山田に言った。 「ここでの『補給』とは力の補給を差す。……さて、若造。お前さんのような人間が、都市伝説に力を与えるにはどうすればいいか、分かるかの?」 出来の悪い生徒に向かって、噛んで含めるような説明の言葉。 わざわざそこまで聞かれなくても、「補給」と聞いた時点である程度山田は察していた。 「契約、だろ。もう二体の都市伝説と契約してるんだ。それくらい知ってるさ」 同時に、覚悟も決める。 なぜ老人がこんなタイミングでこんな事を言ったのか、山田には何となく分かっていた。 人は、土壇場でその意見や態度を変える事がある。 山田に関して言えば、殺されかけたために守ると決めていた恋人を絞め殺した事や、壊すと決めていたクリスマスの最終日にそれを諦めた事がそれにあたるのだろう。 だからこそ老人は、この土壇場で山田を試した。 これ以上の変更は決して許されない、手続きのみを残したこの場で。 「逆に考えれば、二体もの都市伝説との契約をしているお前さんはもうほとんど器に空きがない。口先だけで何とかなる問題ではないがの」 「……それも、分かってる」 山田は、以前に占い師から聞いていた。 人には都市伝説と契約できる数は限られているらしい。 それは人には器というものがあり、そこには契約できる都市伝説の容量が定められているからだそうだ。 そして、今の山田は既にその容量のほとんどを使っている。 ITBのHDDに残り1KBを残しているようなものだ。 容量超えは、その人間の死に直結する。 「けど、俺は契約するぞ」 しかしもう、迷うつもりはなかった。 全ては契約を終えてから考えればいい。 もし同族殺しが牙を剥いたなら、その時は自分で倒せばいい。 そう、山田は思った。 責任を、そしてリスクを生命と天秤にかけるのはもう止めたのだ。 「契約の仕方は、分かるかの」 「馬鹿にするな」 山田は、同族殺しに向かって手を伸ばす。 容量を超えた契約には、その契約者自身の気力と、契約先との相性が重要になる。 さらに言えば、相手が受け入れない事には何も始まらない。 しかし山田は、それを些事だと思っていた。 伸ばした手は、後少しで同族殺しへと触れる。 *********************************** あの口裂け女の手を払い、全てを終えてから、幾日が経っただろう。 彼女には、闇しか見えなかった。 元より、光が見えるはずもない。 自ら身を闇の中へと投じたのだから。 彼女は、このまま永遠に眠りに就くのだと思っていた。 光を拒絶した以上、残された物は暗闇しかない。 だから彼女は、目の前に光が灯った時、最初は天国か何かだと思った。 間違って自分は放り込まれてしまったのだ、と。 しかしその瞳が捉えたのは、薄汚い天井だった。 いくらなんでも、天界がこんなに古臭くて汚い天井の部屋を設けるとは思えない。 そもそも、雲の上にあるはずの天界に天井のある部屋が必要だとは思えない。 そして彼女は、気付いた。 自らの身体が、動かない事に。 目も見開かれた状態で、そこからぴくりとも動かない。 何が自身の身体に起こっているのか、彼女には分からない。分かるはずがない。 彼女に目に映ったのは、自らの元へと伸ばされる一本の腕。 それが何をしようとしているのかも、彼女に残された思考では判断のしようがなかった。 しかしそれでも、彼女はぼんやりとした頭で悟る。 この腕から、あの口裂け女と似た何かを、彼女は感じていた。 別れる前にあの口裂け女から聞いた言葉が、再び脳裏に浮かび上がる。 ――――あなたは差し伸べられた手を握り返す事ができますか? 彼女がここへと連れて来られたのは、偶然。 その先にいた人間が彼女を治療出来たのも、偶然。 そしてその結果彼女へと一本の手が差し伸ばされたのは、幸運。 あの口裂け女答えた理由は、一つを残して全て揃っていた。 残された一つは、その手を握り返す勇気。 彼女は、迷っていた。 この腕は、彼女に救いをもたらす物だろう。 彼女が求めてやまなかった物を与えてくれる、最後のチャンスだろう。 その手を、取るべきか取らぬべきか。 彼女の意思一つで、全ては決まる。 ――――そして ********************************************* 診療所の代わりに建てられたプレハブ小屋の中で。 ミツキは一人、箒を片手に掃除を行っていた。 まだ診療の始まっていない、朝早い時刻。 「…………?」 ふとミツキは、診療所の玄関の先に二人の影を見つけた。 傍らに20代半ばほどの男性と、それにつき添うようにして立っている一人の女性。 ミツキが見ていると、女性の方が腰からぺこりとお辞儀をした。 そこに言葉はない。 しかしミツキにはその女性が誰なのか、そして何のためにここへ来たのかが、分かっていた。 何も言わず、ただお辞儀だけをして、女性は去っていく。 どこか気恥ずかしそうな女性を、ミツキは追おうとはしなかった。 まだ慣れていないのか、隣にいる男性との雰囲気はどこかぎこちない。 「――――どうしたのかね? 随分と機嫌がよさそうじゃないか」 去っていく女性の存在に惹かれてか、白衣を着た銀髪の女性が奥から現れた。 その声を聞いて、ミツキが彼女の方へと振り返る。 「――ええ、ちょっと」 「…………ふむ」 振り返ったミツキの顔は、間違いなく笑顔だった。 ドクターはそれを見て、去っていく二人の後ろ姿を見て どこか満足そうに、頷いた。 【同族殺しの口裂け女 HAPPY END】 前ページ次ページ連載 - 恐怖のサンタ
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1◆ 二度目の定時メールは唐突に送り込まれた。 開いてみると、やはりそこには目にするだけで胸糞が悪くなる文章が書かれていた。 死者のことを【脱落者】などと表記していて、追悼の想いが全く感じられない。前回のメールの時から思っていたが、やはり奴らは人間を食い物にする機械どもと同じだった。 これまで人間の死は何度も見てきたので、モーフィアスは大きく動揺しない。そういう世界に身を投じるならば、冷淡になることもまた生き残る為に必要だ。 トリニティが死んだと聞いた時だって、そうして乗り越えたのだから。 だからこそ、一刻も早くこの空間の謎を暴き、脱出をしなければならない。 既にタイムリミットは半分を過ぎている。榊の言葉が正しければ、自分達に残された時間は12時間だ。 いや、こんな悪質な戦いを強制させる連中が真実を言うとも限らない。もしかしたら、更に短い恐れもある……それを考えるなら、尚更迅速な行動が必要とされるが、焦れば逆に自滅してしまう。 今はこのネットスラム内でどう行動するかが重要となるが、それよりも気にかけなければいけないのは仲間達の状態だ。 「……エンデュランス」 揺光の声は震えている。 やはり彼女は苦々しい表情を浮かべていた。こんなメールが送り込まれた後ならば仕方がないかもしれない。 彼女は戦場の空気に慣れていないのだから、人の死を割り切れというのが酷な話だ。 「揺光……」 「……正直、気に入らない奴だったわ。チートを使ってチャンピオンになって、いい気になって、ズルしてちやほやされる…… でも、今は違うはずだった」 「今は?」 「変な奴だけど、少なくともあいつの力を必要とする奴はいたわ。それに、あいつのことを慕ってる人だってたくさんいた。 過程はズルかったけど、それでもあいつは多くの人から認められてた……これだけは確かよ。 ボルドーって奴も気に入らないし、弱い相手をいたぶっていい気になってた。でも、少なくとも死んでいい奴じゃなかったはず…… それに、あいつらだけじゃない。アトリ…………」 新たに二つの名前を口にしたことで、揺光の表情が更に暗くなっていく。 「彼女達は、私にとって大切な仲間……それに、ハセヲにとってはもっと大切な人達だったわ」 「ハセヲ……確か、榊から『死の恐怖』と呼ばれていたプレイヤーだったな」 「それって……もしかしてハセヲもここにいるの?」 「確か、榊がその名を口にしていたはずだ。もしかして、気付いていないのか?」 「ごめん。あの時は色々と動揺していたから、あいつの話をちゃんと聞けなかったかも……」 ふむ、とモーフィアスは頷く。 何の前触れもなく奇妙な所に放り込まれた上に、こんな殺し合いを強制されては誰だって驚愕する。 それに、些細なミスをいちいち言及しても仕方がない。責める事よりも、カバーすることこそが重要だ。 「そうか……ハセヲとは一体、どんな奴なんだ?」 「……一つ言っておくけど、今のあいつは榊が言うような酷い奴じゃないわ。そりゃ、昔は気に入らなかったけど…………今は頼れる仲間よ。自分から物騒なことなんてもうしないはず。 でも、もしもみんながいなくなったら……」 彼女は目を背ける。先程までの男勝りな雰囲気は微塵も見られず、年相応の儚さが感じられた。 尤も、自分が信じる人間が三人も死んだと聞かされたら、落ち込んで当然だ。加えて、遺された仲間達のことを考えると、平静ではいられなくなる。 どうすれば今の揺光を励ませるのか……それがモーフィアスには思い付かなかった。中途半端な慰めなど意味がないし、間違えた激励を口にしては反感を受ける。 「……揺光ちゃん」 モーフィアスが悩む中、揺光の前に出てきたのはロックマンだった。 「……エンデュランスは気に入らなかったけど、ファンを得る為の努力はしてきたわ。だからこそ、アリーナのチャンピオンとして君臨できた。もしもあいつがいなくなったら…………たくさんのプレイヤーが悲しむはずよ。 それにアトリだって『The World』の平和の為にPK撲滅運動に努めてきた。彼女がいなくなったら……ハセヲだけじゃなくて、カナード……ハセヲがいるギルドのみんなだって悲しむはずよ。 でも……アタシは悲しまない。悲しんでいる場合じゃないの」 「どうして? 無理をする必要なんてないんだよ」 「ここでウジウジしたって、みんなは帰ってこないわ。それに、みんなは私が悲しんだりすることを望むなんて思わない クラインだってきっとそうだったはずよ。アタシは、この世界から絶対に脱出して…………みんなに伝える。 この世界でいなくなった人達のことを伝えるまで、アタシは負けないわ」 「…………じゃあ、僕も手伝うよ。僕も揺光ちゃんと一緒に、アトリさんやエンデュランスさんやボルドーさんのことを……帰りを待っている人達に伝える。 僕だって、ロールちゃんのことを熱斗君やメイルちゃん達に伝えなきゃいけないから」 彼の表情は曇っていながらも、その視線からは情熱が感じられる。まるでネオを始めとしたネブカドネザル号のクルー達を見ているようだった。 ロールとは、一度目のメールでトリニティと共に書かれていた名前だ。恐らく、ロックマンにとっては大切な存在だったのだろう……例えるなら、ネオとトリニティのように。 彼女を失ってから数時間しか経過していない、しかしこの決断をしたロックマンを冷酷とは責めない。むしろ、その強さは称賛に値するものだ。 「そっか……ありがとう、ロックマン」 「どういたしまして」 「じゃあ、アタシもロックマンと一緒にそのロールって子のことを伝えるわ。アタシだけがやって貰うなんて、不公平だもん。 でもロックマン。そこまで言ったからには、絶対に一緒に帰るわよ……途中で倒れたりなんかしたら、許さないからね!」 「それは僕の台詞だよ、揺光ちゃん!」 ロックマンと揺光は互いに力強い笑みを向けた。もしかしたらそれは空元気かもしれないが、前に進もうとする強い決意は感じられる。 見た所、彼らは年がそれなりに離れていないように見える。だからこそ、互いに共感し合えるのかもしれない。彼らがいてくれてよかったと、モーフィアスは思う。 もしもどちらか一人だけだったら、モーフィアスだけでは支えきれないはずだから。 「これからどうするの? このエリアのクエストはまだ続いているだろうし、あのパーティだっているはずよ」 「ああ……その事に関してだが、俺は決めた。あの黒いナビ達と一刻も早い接触を試みるつもりだ」 揺光の問いかけにモーフィアスはそう答える。 「あのグループは恐らくこのゲームには乗っていない……だからこそ、俺達の誤解を解く必要がある。 ワード集めとゲートの警戒も必要だろう……だが、それ以上に厄介なのがラニ達の存在だ。こうしている間に、もしも奴らが黒いナビ達と接触して俺達の悪評を伝えたとしたら……敵は更に増える。 そうなっては、俺達は一気に不利になるはずだ。ワードだって武力で奪われるに決まっている」 「なるほど……確かにその通りね」 「それに、ラニって人達が僕達をデリートしたら……その後に黒いネットナビ達にも襲いかかるかもしれない」 「そうだロックマン。俺達が今やるべきことは、少しでも敵に戦力を与えないことだ。クエストはその後でも遅くない」 揺光もロックマンもこの提案に異論はないようだった。 現在の脅威はラニ達であることは、ここにいる三人が認知している。彼女達の策略で敵を増やされて、それが原因でこちらが不利になることだけは避けなければいけなかった。 「よし、それでは共に彼らを捜索するぞ。奴らに全てを奪われる前にな」 2◆◆ ―――そして同じ頃、ラニ=VIIIもまたツインズと共に、ネットスラムを捜索していた。 目的はこのネットスラムに現れた第三勢力―――ブラック・ローズ、ブラック・ロータス、アーチャー―――と、モーフィアス達との接触を阻止する事だ。 「Mr.モーフィアスの徒党《パーティ》は、高い確率で三番目のパーティとの協定を結ぶでしょう。何故なら、それこそがこの場で勝利するにおいて最も確実な選択なのですから」 ラニの意見にツインズは頷く。それは肯定とも否定とも取れない様子だが、構わずに続けた。 「私達が三番目のパーティにMr.モーフィアスの誤解を与えました。しかし、彼女らにとっては私達も敵なのだから、そんな相手の言葉など信用するに値しないでしょう。 そうなっては、この誤解もすぐに溶けたとしてもおかしくありません。そんな状態の中で二つのパーティに接触などされたら、確実に同盟を結ばれてしまいます…… だからといって、私達が先回りをして三番目のパーティに接触しても、同盟を結べる確率は期待できません。 あのサーヴァントは私の存在を知っているでしょうし、何よりもMr.ツインズ……貴方は、あのグループと敵対しましたね?」 ツインズは相変わらず無言のままだが、反論などはしない。やはり正解と見て間違いないだろう。 緑衣のサーヴァント・アーチャーはツインズを見た途端、警戒するように構えていた。詳しい事情はわからないが、何か一悶着があったと考えて間違いない。そんな相手と同盟を組むなど、向こうからすれば容認しがたいはず。 アーチャーの存在が同盟における最大の障害だが、それだけを除去することは不可能に近い。ならば、モーフィアス達と結託される前に撃破しなければならなかった。 とはいえ、真正面からぶつかっても無駄な消耗をするだけ。ここは一時的にでも同盟を組むふりをして、それから不意打ちを仕掛けなければならなかった。 「ネットスラムから逃走する選択もありますが、そうしたら自分からクエストを放棄したとGM側に認識されてしまうでしょう。 最悪の場合、私達が獲得したnoitnetni.cyl及びワードが強制的に没収されて、彼らの手に渡ってしまうかもしれません……そうなっては、私達の生存率は一気に下がります」 ネットスラムから逃走して、一旦体勢を立て直すプランもある。 他のプレイヤーにモーフィアス達の悪評を広めて、自分達と同盟を組んで貰うプレイヤーを見つける……だが、これは期待できない。戦略としては20点にも届かなかった。 まず、そんなプレイヤーと都合よく会える確立からして、極めて低い。この広大なるフィールドには多くのプレイヤーが、何の法則性も無しに榊によって解き放たれている。ゲームスタートから12時間、既に彼らは様々なエリアに移動しているだろう。 そんな中でこのネットスラムに近づくプレイヤーがどれだけいるのか? また、仮にいたとしても非戦的なスタンスでいるとも限らない。もしもPKならば、否応なしに戦闘を強いられてしまう。 不確定が揃う状況の中、余計な消耗だけは絶対に避けなければならない。故にこのネットスラムに留まり続ける必要がある。 「だからこそ、私のバーサーカーとMr.ツインズの存在が不可欠となります」 ラニは一旦足を止めて、ウインドウを展開させる。 怪訝そうに首を傾げるツインズを前に操作しながら、二つのアイテムを取り出した。それはラニにとって使い道のない疾風刀・斬子姫と、未だに用途のわからないセグメントだった。 「Mr.ツインズ。私は貴方の能力を信用して、貴方にこれらを託します。 こちらの武器は私では扱い切れません。なので、白兵戦を得意とする貴方が持つべきでしょう。そしてもう一つは……恐らく、noitnetni.cylやワードと同じように、複数揃えることで効果を発揮するアイテムかと思われます。 いずれ、必要とする時が来るかもしれません。それに私に何かあったときの為にも、貴方にも重要アイテムを持って頂きたいのです」 セグメント(segment)……断片、部分、分割などの意味を持つ名が与えられたアイテムが、いかなる効果を持っているのか……それをこの場で知ることはできない。 しかし、こんな単品では何の効果もないアイテムを、わざわざデスゲームに放り込む必要性はない。故に、いくつか集めると何かが起きるはずだった。 本来ならばセグメントこそラニが持っているべきだが、今はここにいるツインズの信頼を少しでも獲得することが優先だろう。この二つはその手段だ。 受け取った後にツインズが裏切る可能性は低い。何故なら、ここでラニを始末したとして他のアイテム及びポイントを獲得したとしても、その後に待っているのはツインズ単体の戦闘だ。どれだけ道具が揃っていても、それだけで6人ものプレイヤーを撃破できる確率は低い。 ツインズとて、それがわからないような愚か者ではないはず。 「Yes」 そして案の定、ツインズは二つのアイテムを受け取り……それらを自らのアイテムフォルダに移した。攻撃を仕掛けてくる様子は感じられない。 ラニは再び歩みを進める。時間にすれば一分も経たなかったが、今は一秒でも惜しい。遅れは取り戻さなければならなかった。 つい先程、届けられたメールはラニにとってそこまで関心を与える内容ではなかった。 イベントは気になるが、ネットスラムのクエストと違って堂々と公表されている。故に、ゲームの根幹に関わる秘密は隠されていないだろう。 詳細の書かれていない野球ゲームには可能性があるかもしれないが、それでも期待はできない。他のイベントも率先して攻略するほどではないはず。 強いてメリットを挙げるとするなら、他プレイヤーとの戦闘で有利になれるアイテムが手に入るくらいだ。 そしてこの六時間で新たに十名のプレイヤーが脱落している。全体の総数から考えて、そろそろ半分を切ろうとしている。 生き残ったプレイヤー達は更に警戒を強めるだろう。更に能動的にPKを仕掛けるプレイヤーがいれば、徒党を組んで本格的な攻略を進めるプレイヤーが出てくるはず。だとしたら、尚更積極的な行動が求められる。少しの遅れが致命的なミスに繋がりかねなかった。 一方で、脱落者の中にダン・ブラックモアとランルーくんが書かれていても、ラニはさして気にしていない。かつて脱落したはずの者達が再び敗れ去った……その程度の認識しかなかった。 (白野さん……貴方/貴女はまだ生き残っているのですね) だけど、岸波白野の名前が書かれなかったことだけが気がかりだった。これが意味することは、彼がまだこのバトルロワイアルで生き残っている。つまり、彼とまた巡り会う機会はまだ残っていた。 …………しかし、そこからどうするべきなのかがまだ決まらない。仮に白野と出会ったとしても、また手を取り合える保証は微塵もなかった。 榊の言葉が正しければ、VRバトルロワイアルから生還できるのはたった一人だけ。いずれ、白野とも戦わなければいけない。 だが、白野が榊の言葉に従って能動的に他者を襲うかどうかも疑問だった。 彼は数多のマスター及びサーヴァントを打ち破り、その果てにトワイスと言う壁も乗り越えて……月の聖杯戦争を勝ち残る程の強者だ。しかし白野自身は他者を犠牲にすることを望む人間ではない。平穏な世界では真っ当かもしれないが、戦場では生き残れるような人種ではなかった。 それでも岸波白野は罪を背負い、戦い続けた。そして敵であったはずのラニ=Ⅷですらも、白野によって救われている。 そんな白野を倒す…………だが、師の教え通りに聖杯を獲得するには、これもやむを得ないのだろうか。 (白野さん……あなたはどこにいて、そしてこのバトルロワイアルに何を思っていますか。あなたは私を打ち破ることを望んでいるのでしょうか) 考えてもどうにもならないことがわかっているのに、ラニは疑問を抱いてしまう。 人間らしさを教えてくれた白野が相手だから……それこそがラニ自身の感情(なかみ)だ。白野に会えば、求めている感情(なかみ)を見つけられるだろうか………… 「……Hey」 …………と、ラニの思案を遮るようにツインズの声が響く。 「あれは、先程接触したグループ……」 顔を上げた先にいるのは、ラニ達が探し求めていた第三勢力だった。 周囲を見渡すが、モーフィアス達の姿は見られない。つまり、先回りに成功したのは自分達だ。 距離は数メートル。それほど遠くはないが、不意打ちを仕掛けるには難しい。彼らを前に足音を鳴らしては気付かれてしまう。 「Mr.ツインズ。貴方は隠れてください」 その意味を察したのか、ツインズは頷きながら後退する。 隙を見計らって、合図をする。そうして戦闘に突入するしかなかった。 それを見届けたラニもまたゆっくりと歩みを進めるが、同時に緑衣のアーチャーがこちらに振り向き、目が合ってしまった。 3◆◆◆ 「カイト……ミア……嘘でしょ?」 ブラックローズ/速水晶良は震えていた。 ネットスラムで行われているクエストの攻略の最中に一通のメールが届けられた。そこには、あろうことか……カイトとミアの名前が書かれていた。 それはつまり、二人が【脱落者】となってしまったことになる。このバトルロワイアルにおける【脱落】は『The World』における未帰還者どころの話じゃない。現実で、本当の意味で【死】を迎えてしまった……カイトという人間がもうこの世にいない。 そう認識した瞬間、何かが砕け散るのをブラックローズは感じた。 「何で、二人の名前が書いてあるのよ……何で、何でなのよ!?」 胸の奥から湧き上がる感情を吐き出すが、疑問が解かれることはない。 ミア。エルクと共に行動し、様々な冒険を乗り越えてきた猫の獣人を元にしたNPCだ。モルガナの影響で第六相「誘惑の恋人(マハ)」に覚醒してしまい、一度はカイトの腕輪によってその命を散らせてしまうが、アウラと共に新しい命を得たはずだった。 それなのに、こんなバトルロワイアルに巻き込まれて、また命を散らせてしまう…………これでは、エルクは悲しみに沈むはずだった。 ミアがNPCだとしても関係ない。エルクはそれを知った上でミアと真っ直ぐに向き合い、かけがえのない存在と思ってきたのだから。 「カイト……何で、あんたがいなくなるのよ。あんたは『The World』を救った勇者なんでしょ? みんなの憧れなのよ………… あんたがいなくなったら、悲しむ人がたくさんいるのがわからないの!? ミストラルも、オルカも、エルクも、ニュークも、レイチェルも……たくさんの人が悲しむのよ!? それがわからないあんたじゃないでしょ!?」 カイトは未帰還者となった親友オルカ/ヤスヒコを救う為、女神AURAから授けられた腕輪を用いて『The World』で幾度となく戦った。彼がいたからこそ、未帰還者となった晶良の弟・カズだってリアルに戻ることができた。 だけど、そのカイトがいなくなったら……今度はオルカ/ヤスヒコを始めとした多くの人が悲しんでしまう。ミストラルだってリアルで子どもが生まれて、幸せを感じているはずなのに…………こんなことが、あっていい訳がない。 それに一度目のメールにはバルムンクとワイズマンの名前が書かれていた。これでは、仮にこの仮想空間から脱出しても、リアルではもう戻ってこない仲間達が四人もいる。 彼らのことを、遺された者達に伝えなければいけなかった。 脳裏にカイトとの思い出が過ぎっていく。 カズを救わなければならない焦りと合わさって、頼りない奴にしか見えないカイトにイライラしていた頃があった。しかし何度も共に冒険して、絆を深めあい、いつしか彼には特別な感情が芽生えるようになった。 そんなカイトがもういない。ネットでもリアルでも、カイトにはもう二度と会えなかった。 ふと、思う。カイトと共に『The World』で攻略し続けたけど、一体カイトのことをどれだけ知っていたのだろう……と。 確かにカイトは素晴らしい相棒だ。しかしそれはネットの世界での話で、リアルではどうだったか? リアルでは顔も本名も知らない相手だから、これから葬式が開かれたとしても……オルカに頼る以外に方法がない。 だけど、もしもカイトの家族がそれを拒んだら……カイトと会えなかったら、あたしは一体どうすればいいのか? この気持ちを抱えたまま、あたしの預かり知らぬ所で永遠にカイトと別れなければいけないのか? 「……大丈夫か?」 困惑と絶望が渦巻く中、声をかけてきたのは緑衣のアーチャーだ。 振り向くと、彼はどこか申し訳なさそうな表情を浮かべている。それを見て、ブラックローズは思い出した。 大切な人を失ったのは自分だけではない。彼だって、数時間前にかけがえのないパートナー……ダン・ブラックモア卿を失ったばかりなのだから。 「あ……その、すまねえ。 空気読めないってレベルじゃないのはわかってる。こういう時、なんて言えばいいのか俺には全くわからねえ。 元気出せなんて言わねえ。だけどよ、俺はアンタらが落ち込んでいるのを見たくねえ…………これだけは本当だ。ダンナだって同じだと思うぜ?」 それはアーチャーなりの励ましなのだろう。皮肉屋で、そして不器用な彼なりに自分達を励ましてくれているのだ。 本当は彼だって悲しいはずなのに、自分達を想ってくれているのだ。死に目に遭えなかったのに、それでもダン卿の遺志を継いで自分達の力になろうと動いている。 ……そんなアーチャーの姿に、ブラックローズは胸を痛めた。 「…………悪い、こんなことしか言えなくて」 「……あたしの方こそ、ごめん。あんたの気持ちを……考えなくて」 「俺は戦場に身を置いていたから、ダンナと別れる覚悟はいつでも決めてたつもりだ。 けどよ、あんたらはそうじゃない。詳しいことはわからないが、あんたらが生きてたのはそういう世界じゃないだろ? まあ、あんたらの場合は違うかもしれねえけど……それでも、普段は別だったはずだ」 不器用な励ましを責める気になれない。 アーチャーが言うように『The World』とは、例の事件さえなければ人と人とが繋がり合うネットゲームだったはずだ。未帰還者達も最終的には元の生活を取り戻している。それにあの頃も、少なくともカズ達を目覚めさせられるという希望だけはあったはずだ。 だけど今は微かな希望すらない。遺されたのは死別という絶望だけだ。 「…………それでも、私達は歩みを止めてはいけない」 掠れるような声が聞こえてくる。それは、黒雪姫/ブラック・ロータスのものだった。 「ダン卿は私達に言ってくれた。歩みを止めなければ、きっと、何かを掴めると」 「黒雪姫……?」 「だから私は進む。ここで止まっては、私のことを信じてくれたダン卿…………そして、ハルユキ君への裏切りになるからだ」 表情が変わる気配を見せない。しかしその声は余りにも辛そうで、そして何かを押し殺したかのようにも聞こえた。 それを聞いて、ブラックローズは察する。このメールには彼女にとって大切な人の名前が、書かれてしまったことを…… 「ねえ、あんた……まさか…………!」 「ああ。私も、カイト君やミア君と同じように書かれていた……ハルユキ君。いや、シルバー・クロウの名前が…………」 その名を口にする彼女の身体は震えていて、まるで痛みを堪えているように見える。瞳からは今にも涙が流れそうだ。 それなのに感情を抑えようとするブラック・ロータスの姿が、ブラックローズには理解できなかった。 「……だからこそ、私は挫ける訳にはいかない。私が挫ける事を彼が望むとは到底思えないからな」 「どうしてよ、何で…………そんなことが言えるのよ?」 「言ったはずだ。ダン卿やハルユキ君の想いを無碍にしない為にも、私は止まってはいけないと……あの方は最期まで私達の身を案じてくれた。そんなダン卿の遺志を継ぐのであれば、私は…………」 「ちょい待った」 辛い気持ちを抑えながら紡がれる言葉を遮るように、アーチャーが前に出る。 「……どうかしたのか?」 「なあ、姫様。あんた、それがダンナの為になるって本気で思っているのか?」 「何を言っている。私はダン卿の……」 「あんたがダンナの最期を見届けたことは知ってる。ダンナの遺言を聞いて、それを俺に伝えてくれたことには感謝してるぜ。 俺はダンナじゃないし、ダンナの最期を看取ってやれなかった……だからダンナが遺した言葉の意味を、完全に知ることはできねえ………… けどよ、それって本当に遺志を継いでることになるのか?」 真摯な表情と共に向けられるアーチャーの問いに、ブラック・ロータスは答えを返さない。いや、返せないのか。 彼女が抱いている感情は、奮起ではなくただのごまかしにすぎないのだから。 「……ワシがお前さんがたに何があったのかは知らんし、深く掘り返す気もない。 じゃが、そこの兄さんの言う通りじゃ。娘さんよ、お前さんは履き違えておらんか?」 次に問いかけてきたのはタルタルガだった。 「な、何を言っているのだ! 私は……!」 「道半ばで散った者の遺志を継ぐことは確かに立派な心がけじゃ。だが悲しいことに、それは時に勘違いされて……挙句の果てには受け継ぐ者を縛り付ける呪いにもなるのじゃ」 「……ご老体。貴方が私の為に忠告して頂いているのは充分に承知だ。悪意がないことだって理解している。 だが、彼らの想いをそういう風に言うのはやめて頂きたい!」 「そうじゃったな……すまなかった」 タルタルガは深い溜息を吐いてしまう。 だけど、彼の言うこともわからなくはない。極端なことを言ってしまえば、今のブラック・ロータスは勘違いしている。 このまま放っておくと、シルバー・クロウというプレイヤーの無念を晴らそうとする余りに無茶をしてしまう恐れがあった。しかし、どうすればそれを止められるのか……ブラックローズには思い浮かばない。 細かい心のケアなど、リアルではただの女子高生に過ぎない晶良には無理な話だ。下手な同情など役には立たない。 ブラックローズは途方に暮れそうになった。 「爺さんの言うとおりだ……と言いたい所だが、どうやらお客さんが来たみたいだな。たく、こんな時によ……」 そんな時だった。アーチャーが表情を顰めながら呟いたのは。 彼はこちらを見ていない。その視線はここではないどこかに向けられているようだった。 「爺さん、あちらさんはあんまりいい奴じゃなさそうだから離れた方がいいぜ」 「ワシらの心配はいらんが……そうさせて貰おう」 アーチャーの進言通りにタルタルガは去る。 心配はいらない、の意味がよくわからないけど今はどうだっていい。 「アーチャー……一体、何なの?」 「そこのあんた。隠れてるつもりかもしれねえけど、俺の目は節穴じゃねえぞ? さっさと出てきてくれ。じゃなきゃ、俺はあんたを撃つ」 高圧的で、それでいて明確な敵意が込められていた。今のアーチャーに遠慮は感じられない。 すると、彼が言うように建物の陰から褐色肌の少女が姿を現した。それは、壮年の黒人男性に襲われていたあの少女だった。 「……やっぱりあんただったか」 「失礼。状況が状況なので、貴女達と接触する前に周りの状況を見計らっていたのです……他に悪質なプレイヤーが潜んでいる可能性も、充分に残っていますから」 「まあ、それは確かにあり得るな……例えば、あの白い奴らとか?」 アーチャーの言葉はまるで鎌をかけるようにも聞こえてしまう。しかし一方の少女は表情を微塵も動かさない。 「白い奴ら……それは、先程あのグループと交戦していたプレイヤーのことでしょうか?」 「そうだ。あいつらは一体、どこに行ったんだろうねぇ……まだこの近くにはいそうだけどな。例えば、あんたのすぐ後ろとか?」 アーチャーはずけずけと問い出さそうとするが、やはり少女は何も答えない。 それに見かねて、ブラックローズは前に出る。 「ちょっとアーチャー! いきなり何を言っているのよ」 「悪いな、俺はこいつを完全には信用しきれねえ。元の世界じゃ敵同士だった相手の話を聞いてやれるほど、俺はお人好しじゃないからな」 「その言い分は理に叶っています。私はあなた方との同盟を望みますが、短時間で信用を得られるとは思っていません……私から歩み寄らなければ」 「ほう? 知らない間に人間味のあることを言うじゃねえか。何、改善傾向にありますってか?」 「そう受け取って貰っても構いません。私は無駄を好みません……故に、不要な争いはゲームからの脱出に遠ざかるだけです。 そしてそこのお二方……私はラニ=Ⅷ。以後、お見知りおきを」 淡々と言葉を紡ぎながら、ラニ=Ⅷと名乗った少女はお辞儀をする。 その様子にブラックローズは面食らってしまう。彼女は危険なプレイヤーではないのかもしれないと、思ってしまうほどだった。 「なるほどね……じゃあ、だったら何で足音が二つも聞こえてきたんだろうなぁ?」 「それは……」 「おっと。バーサーカーを召喚していたってのはナシだぜ? 俺が聞いたのは図体のデカい足音じゃねえ。あんたと同じように静かだった……ここにいる奴らは誤魔化せても、サーヴァントである俺を舐めない方がいい。 …………あんた、あの白いあいつと手を組んでるだろ?」 アーチャーの推測にブラックローズは瞠目する。 「えっ……それって、どういうこと?」 「大方、こいつは俺達を嵌めようとしてたんじゃねえか? 俺達にさっきのパーティの悪評を流して、同士討ちをさせて消耗した隙に白い奴らと一緒に、漁夫の利を狙う…… そうすりゃワードは集められるし、何よりも邪魔な奴らだって確実に始末できる。まあ、膠着した状況を打ち破る戦略としては悪くはねえよな? けどよ……」 アーチャーは弓を構えて、瞬時に矢を放つ。それはラニの横を通り過ぎながら遥か彼方まで突き進み……次の瞬間、白い影が飛び出してくる。 何事かと身構えた瞬間、二人の白い男……ツインズが姿を現した。先程とは違い、今度は二人とも武器を構えている。 一人は大鎌。もう一人は刀。それもあってか、瞳に込められた殺意がより鋭いものに見えてしまう。 「Shit」 「……悪いが、騎士様と姫様を食い物にさせる訳にはいかねえな」 男達に合わさって、アーチャーの視線もまた鋭さを増す。やはり始めから信用していないようだった。 ふと、ラニの方を見てみるが、やはりその表情は微塵も揺れない。しかし、今度は冷酷さすらも感じられた。 まるで、目的だけを遂行する機械のようにも見えてしまった。 「なるほど……お前のような者がいたから、彼も……死んだのだな」 と、ブラック・ロータスの声もまた冷たくなっている。 彼女が構える漆黒の刃が煌めいた。しかしその輝きからは、薄気味悪い何かが感じられてしまう。何かを守る為の刃ではなく、全てを破壊する為の兵器……そんなイメージと同時に、ブラック・ロータスに奇妙な違和感を抱いてしまう。 その時だった。 ――――ハ長調ラ音。 ポチャン、という水滴が落ちるような音が聞こえてくる。それは、ブラックローズにとって聞き覚えがあった。 そして振り向いた途端、彼女の全身に悪寒が走る。何故なら、そこにいたのは………… 「……嘘よ」 ブラックローズは顔を青ざめさせてしまい、震える声を零してしまう。 信じられない。信じたくない。信じる訳にはいかなかった。故に一歩だけ下がるも、現れた存在はこちらに近寄ってくる。 「おい、どうしたんだ?」 「何でよ、何で…………何で、あいつがここにいるのよ」 アーチャーの問いかけを聞いて、それに応える余裕すらなかった。周りの視線すらも、今のブラックローズにとっては意識の外だ。 巨人の姿を忘れることはできない。石造のように無機質な巨体と、ケルト十字の杖……色がほんの少しだけ違うようにも見えるが、今はどうでもよかった。 ブラックローズは、ただ叫ぶことしかできなかった。 「何でなのよ……何でなのよ……何でなのよおおおおぉぉぉぉぉっ!」 PHACE:1 第一相 SKEITH スケィス The TERROR of DEATH 死の恐怖 かつて 選ばれし 絶望の 虚無 エリアで激闘を繰り広げられた第一相『死の恐怖』スケィス……否、スケィスゼロが、このネットスラムに出現してしまった。 next 悪しき『死の恐怖』(後編)
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KP 九畝くぜ PL&PC 四宮伊織 ヨシヅキ参謀 紺野和泉 神辰J威弦 配信 2023/01/25 21 30- 【新クトゥルフ神話TRPG】コーヒー一杯分の恐怖 #やしのきコーヒー #くぜくぜ卓 ハッシュタグ #やしのきコーヒー 感想配信 2023/01/27 21 00- これが感想配信かぁ ※待機所案内 関連配信 2022/11/20 【PUS最終日】あたなるモンスターバトル!【#あたたかくなる配信】 ツイート 告知 配信告知 / 神辰J威弦 当日ツイート 九畝くぜ / 四宮伊織 / 神辰J威弦 感想 九畝くぜ 1 / 2 / 四宮伊織 / ヨシヅキ参謀 / 神辰J威弦 1 / 2 立ち絵 メリケンサック小野
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2020年9月26日 出題者:タカフミ タイトル:恐怖の合わせ鏡 【問題】 2枚の鏡を向かい合わせて、恐る恐る覗き込む男。 次の瞬間ショックのあまり男は膝から崩れ落ちた。 いったいなぜ? 【解説】 + ... 最近抜け毛が多いことを気にしていた男は、 鏡を2枚使って自身の頭頂部を確認してみた。 すると見事に頭頂部の髪は失われ禿げ上がっていた。 その事実に男は絶望のあまり、膝から崩れ落ちたのだった。 ※架空の話です。作者とはなんの関係もない問題です。 《瞬殺》 配信日に戻る 前の問題 次の問題
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人間爆弾の恐怖~序章~ ◆s2SStITHHc 鎮座するヴァルシオン改の眼前に、大破したアカツキを転がす。 一頻りの作業を終えたラウ・ル・クルーゼは∀ガンダムのコックピット内で汗を拭い、 機体を飛ばしてその場を離れる。ヴァルシオンは動かない。 ミストが気絶していることを確認したクルーゼは、とある策を練っていた。 コウ・ウラキが消え、∀ガンダムに自分が乗っている。 その顛末をミストにいかに歪曲して伝えられるかに、彼の今後は大きく左右されるからだ。 先ほど見た、バルゴラ・グローリーとヴァルシオン改の戦闘。 短い付き合いながらも大体把握したミスト・レックスの性格。 それらを総合し、ミストをよりよく活用する為の嘘を練り上げる。 仕込みは全て終了し、後はミストが目覚めるのを待つのみ。 程なくして、ヴァルシオンが動き始めた。周囲を見渡し、困惑した様子だ。 それを上空から見下す∀ガンダムのビームライフルに火が灯り、慎重に狙いをつける。 「さて、一芝居打つとしようか」 完全に再生したコクピットの中でクルーゼが不敵に笑って引鉄を引き、粒子の奔流が放たれた。 ◇ 「ぐっ……お、俺は一体どうなったんだ……?」 目を覚ましたミストは、自分の身体に重大な傷がないことを確認し、機体に火をいれる。 次々と点燈していくディスプレイとコンソールを把握しながら、異変に気付いた。 「ここは地上じゃないか! まさか、俺はあのコロニーから落下したのか……?」 天を仰ぎ見るが、コロニーは当然視認できない。 時間もそれほど経っていないようだし、転移装置に辿り着けたのだろうか? 「でも、そんな記憶はない……俺はどうやってあの敵から逃れたんだ?」 続いて、周囲の様子を窺うミストの目に、大破したアカツキが映る。 そのMSはもちろん、彼の仲間のラウ・ル・クルーゼが乗っていたはずの機体だ。 「ク、クルーゼさん! 一体どうしたんです!」 慌てて通信波を飛ばして声をかけるが、一切反応はない。 ヴァルシオンの腕を伸ばしてアカツキを引き寄せようと、ミストが機体を操作した瞬間。 背後から、ビームが襲い掛かった。 ヴァルシオンのABフィールドが発動し、自機の四肢を狙う砲撃を無効化する。 「くっ! あの子供に追いつかれたか!? ……って、コウさんじゃないですか! 何をするんです!」 振り返るミストの視界に入ったのは、粒子を撒き散らしながら上空に佇む∀ガンダム。 クルーゼと同じく、自分と行動を共にしていたコウ・ウラキ少尉の機体だ。 「コウさん! まさか俺達を裏切ったんですか!? いくら不意討ちしたって、俺はコウさんに降参なんてしませんよ!」 「裏切ったのは君の方だろう……! ミスト・レックス!」 錯乱し、俄かに感情を高ぶらせるミストの耳に届いた声は、想像を裏切るクルーゼの声だった。 自分より遥かに怒りを湛えた口調で、次々とビームライフルを撃ち込んでくる。 「ク、クルーゼさん? 何故あなたがコウさんの機体に乗っているんですか!」 「君がそれを私に聞くかね……! ウラキ君を殺した君が!」 ABフィールドに全てのビームを弾かれつつ、∀は高速でヴァルシオンに接近してビームサーベルを抜く。 応じるヴァルシオンもディバイン・アームを抜いて、重金属粒子で構成された∀の凶刃と鍔迫り合いを演じた。 「俺がコウさんを殺した……? そんな筈はありませんよ! 何かの誤解じゃないんですか!?」 「君はあの青い敵機との交戦後、突如として我々に襲い掛かった! あれが誤解であるものか!」 「そんな……事がっ!」 「私は君を許さない……ウラキ君に託されたこの∀の全てで、君という悪を断つ!」 まったく身に覚えのない憎悪をぶつけられ、困惑するミストに、クルーゼの容赦ない攻撃が見舞われる。 40m近いサイズ差があるにもかかわらず、鍔迫り合いはクルーゼに軍配を上げようとしていた。 身の危険を感じたミストが一旦その場を離脱するべきか、と思案した瞬間、彼の頭に激痛が走る。 (これは……あの時と同じ……まさか!?) 戦いを強制するかのような思考介入。 それを必死で抑えながら、最悪の結論にミストのニューロンが辿り着いた。 (この機体に、搭乗者を暴走させる機能があって……それで、俺はコウさんを……?) クロスマッシャーの発射ボタンに伸びそうになる手を片方の手で押さえる。 見れば、∀が自機に蹴りを入れるようにして離れ、ビームサーベルを突き出して突撃しようとしていた。 「ま、待ってくださいクルーゼさん! 俺の話も聞いてくださいよ! この機体には恐ろしい仕掛けがあったんです!」 「……何?」 ヴァルシオンの眼前で∀がブレーキをかけ、訝る様にビームサーベルを向けたままで武装解除を促す。 話を聞いてくれれば、とミストはディバインアームを放り投げ、機体の両手を上げて降伏した。 ∀はサーベルを収め、地上に降り立ってヴァルシオンに通信を送る。 「……わかった、君の話を聞こう。機体から降りたまえ」 「あ、ありがとうございます!」 喜んで機体から降りるミストは、当然気付かない。 通信先のクルーゼがほくそ笑んでいることに、など。 ◇ 「……どうでした?」 「君のいう通りだったよ、ミスト君」 ヴァルシオンを調べる、と言って機体内部に入り、しばらくして帰還したクルーゼを迎えるミスト。 操縦センスの高いミストは碌にマニュアルなど読まずに操作していたのだが、 ヴァルシオンのコクピットのどこかにそういったものがあったらしい。 クルーゼは淡々とした様子で、ゲイム・システムの効用について語った。 ミストはそんなクルーゼの目(仮面で隠れているが)に非難の色が混ざっているように感じ、ぼそりと愚痴をこぼす。 「なんで俺が責められなきゃいけないんです……責めるべきなのは、この機体を支給したシャドウミラーの方でしょ」 「それはそうだが……」 ミストの言葉に、流石のクルーゼも少々不快感……というより違和感を覚える。 事実は違うとは言え、自分のせいで人が死んだという事を突きつけられたのにこの態度はいかがなものか。 一方のミストも、自分を無言で見つめるクルーゼとの間に険呑な空気を形成する。 (やはり姿形が同じでも宇宙人は宇宙人というわけか……意外と扱いが難しいのかも知れんな) (俺が悪くないって事は分かった筈なのに……地球人ってのはみんな結果だけで人を非難するのか……!?) ミストは罪悪感からか、自分がコウをどう殺したのか詳細を聞く気にもなれなかった。 なんともいえない重い空気を振り払うように、クルーゼがなるべく明るく言葉をかける。 「だが……安心したまえ、ミスト君。ゲイム・システムは外部から止められるようにしておいた」 「本当ですか!」 (嘘だよ……フフフ) 嘲笑を噛み殺しながら、クルーゼがミストに手のひらサイズの赤いスイッチがついた機械を示す。 これを押せば、ゲイム・システムの発動を抑えられると説明を受け、ミストの表情がパッと明るくなる。 もちろんそんな説明は口から出任せで、このスイッチの正体は核ミサイルの起爆ボタンだ。 ミストが気絶している隙にヴァルシオンの内奥に仕込まれた∀ガンダムの虎の子の核弾頭一発は、 このスイッチ一つでいつでも爆発できるように、ヴァルシオンの中で眠っている。 (君が大勢の敵や味方と接触する機会があったなら……私はその場を離れてこれを押すことになるだろう。 他にも敵に撃墜された時に誘爆したりすれば、少なくともヴァルシオンを倒す強敵を一人消せるしな……。 ゲイム・システムと核弾頭による二つの意味での爆弾手駒……いや、人間爆弾とでも呼ばせてもらうか、ククッ) 「ありがとうございます、クルーゼさん! 俺、やっぱりクルーゼさんと会えてよかったです!」 「いや、私も頭に血を上らせて君を攻撃してしまった。許してくれ」 「そんな、俺とクルーゼさんの仲じゃないですか! コウさんの事は残念だったけど、 俺がコウさんの分まで頑張りますから、一緒にシャドウミラーを鎮圧しましょう!」 なんとか鎮火した場の険呑な空気に任せて、クルーゼがミストに地図を示す。 地図に描かれた地上の縮尺は、宇宙MAPにおける惑星と比べて小さすぎた。 「どういうことなんでしょう……わざわざ地球をリングにしておいて、こんな狭い範囲しか使わないなんて……」 「地球の他の場所に、シャドウミラーの本拠地があるのかも知れんな。そら、海上を見てみたまえ」 ミストがクルーゼに促されて海上に視線をやると、そこにはオーロラが出ていた。 比喩でもなんでもなく、海上のある位置……恐らく、この地図の端の部分に、 天と地全てを覆うような旭光が隔てているのだ。とてもではないが、自然の物には見えない。 「あれは一体……」 「推測だが、あれも空間転移に順じた技術ではないか? 恐らく地図の反対側の位置まで飛ばしてくれるのだろう」 「そうか……禁止エリアに囲まれたりして脱落なんて事、シャドウミラーが許すはずがないですしね」 殺し合いを強要する連中の非道さに憤るミストの肩を叩き、クルーゼが気さくにオーロラを指差す。 「アレに飛び込む勇気はあるかね?」 「もちろんです! シャドウミラーを倒してコウさんの仇を討つ為にも、立ち止まってなんかいられませんしね!」 言うが早いか、ミストはヴァルシオンに乗り込んでオーロラに突撃していった。 不都合な事が起こらないと確信してから、クルーゼもオーロラに飛び込む。 その先にあったのは―――。 ◇ 「うおっ!? なんだいありゃぁ!」 「わぁ……」 ジロン=アモスと相羽ミユキは、突如オーロラから飛び出してきた巨大なロボットに驚いて機体を止める。 彼らもまた、移動中に海上のオーロラを見咎め、好奇心からそれに近づいていたのだ。 警戒するように海上で後退するジンバだったが、クルーゼとミストの受けた衝撃は彼らの比ではなかった。 「なんだ……あの怪物は……」 「アトリームにもあんなのはいませんでした!」 想像したことすらない生物的なフォルムを持つジンバに驚愕するクルーゼに、頼まれもしない補足をいれるミスト。 しかし動転も束の間、クルーゼの駆る∀ガンダムのビームライフルが放たれる。 相当な機動性でそれを避けるジンバを尻目に、ミストが抗議の声を上げた。 「クルーゼさん! いきなり何をするんです!」 「通信より早い威嚇射撃さ。これで相手の腹積もりが読める。我々のように友好的でないならば反撃してくるだろうし、 もしあの怪物の搭乗者(いるのかどうかも分からんがな)が我々と同じ方針で動いているのなら……」 さもありなん、ジンバは動きを止め、交戦の意思を見せずにこちらの様子を窺う。 そして、クルーゼが予想するジンバの次の行動は―――。 (ミスト君のようにバカ正直に通信を送ってくるか、一目散に逃げるか……さて、どちらかな?) 超然とした態度でジンバを見遣るクルーゼ。 しかし、ジンバの次の行動は、そんなクルーゼの予想を凌駕した。 「ジロンさん、どうしましょう……逃げた方がいいんじゃ……」 「へへっ、あいつ等が大真面目に殺し合いをやる気なら、もっとドカドカ撃って来てるよ! 俺の勘によれば、相手は二人ともちょっと取り乱してるだけだと見たね……。 だったら、このジンバのオーバースキルの出番だよっ! まずあの小さい方からいきますか!」 ジンバのオーバースキル『窃盗』。 先ほどミユキをダイテツジンから引きづり出したときのように、手をかざし、掴み取る動作を行うジンバ。 ダイテツジンやヴァルシオンと比べてコクピットの位置が分かりやすい、∀ガンダムにその魔手が伸びる。 「!?」 クルーゼが咄嗟に、顔の前に電流が走るような感覚と共に機体を後退させる。 次の瞬間、クルーゼの仮面は剥ぎ取られ、ジンバの手元へと移動していた。 こんなもんいらねえ、とばかりに海に放り捨てられる仮面。 クルーゼはそれを唖然と目線で追うが、回収できるはずもない。 「ありゃ、外しちゃったよ」 「あの仮面……テッカマンの物じゃないと思うけど……」 通信が通っていない為、両陣営に意思疎通の術はない。 よって、ジロン側のお気楽な空気とクルーゼが吐き出す怒りは噛み合わず。 「おのれ……私の仮面を! ……い、いや落ち着け、あぐっ、あぐっ!」 激昂しかかる精神をなんとか沈め、手持ちの老化抑制剤を懐から取り出して飲みこむクルーゼ。 精神安定剤代わりに使えるほど量があるわけでもなかったが、それでも飲み込まずにいられない。 クルーゼにとってあの仮面は、ただ顔を隠す為のものではなかった。 自分の忌まわしい生まれをなんとかして忘れたいという感傷の現れとも言える存在だったのだ。 とりあえずコクピットにあった赤いサングラスをつけて急場を凌ぐクルーゼに、ミストの困惑する声が届く。 「クルーゼさん、大丈夫ですか!? 今俺の方から通信してみたんですが、あちらに戦闘の意志はないそうです!」 「……盗まれ損という訳か……わ、わかった。一旦陸に降りて会談の場を持つとしよう……」 しっくりとこないサングラスで顔を隠しながら、クルーゼはジンバとヴァルシオンを先導し、陸地に降り立った。 ◇ 「すごい、美女と野獣だ……!」 「な、なんだと!?」 自己紹介を終えてからそれぞれ機体から降り、向き合った四人。 筋骨隆々とした丸顔のジロンと可憐なミユキを見て、あまりに率直な意見を述べるミストに、 ジロンが顔をメロンにするような勢いで食って掛かり、それを仲裁するクルーゼとミユキ。 早くもグループ内のポジションが確定した瞬間であった。 「全く……いきなり撃ってくるわ、人を野獣呼ばわりするわ……なんなんだい、あんた達は?」 「すまなかったな、ジロン君。威嚇射撃だったのだが、誤解させてしまったかな?」 「ご、ごめんなさい……私がジロンさんを止めていれば、クルーゼさんの仮面がなくなる事も……」 「大丈夫さ、ミユキちゃん! それにクルーゼさんにはさっきの仮面よりそっちの方が似合ってますよ!」 最初はピリピリしていたジロンも、ミユキという緩衝材のお陰でクルーゼたちと打ち解け、 お互いにシャドウミラーに敵対する意志を確かめ合い、これまでの行動を語り合った。 もちろんクルーゼはコウの存在自体を語らず、ミストのほうをチラリと見て恩を売る。 少なからず罪悪感を覚えていたミストは、純粋に気を使ってくれたと取ってクルーゼを羨望の眼差しで見つめた。 ジロン達も、それぞれの探している人物やこれまでの経緯をクルーゼ達に教える。 「ふむ……ジロン君もミスト君と同じで、地球の人間ではないのか……驚きだな」 「惑星ゾラを知らないのかい? ミユキもそうだったし、なんか寂しいねえ……なあ、ミスト?」 (俺の出身はアトリームだよ……! ジロンさんのような野生児メインの星とは一緒にされたくなかった……! 大体三日間逃げ切れば何をやっても無罪だなんて、法制度からして破綻してるじゃないか!) 「おいミスト、どうした?」 「あ、いえ。俺も異星人だけど、みんなとメンタルは変わらないつもりですよ」 「そしてミユキ君は私と同じ地球人だが、知る文化や常識はまるで違う、か……」 「地球を席巻するラダムを、本当に知らないんですか?」 きょとんとした顔で問い掛けるミユキに、男性陣が総出で頷く。 あまりに違う文化の集合に、この中では比較的冷静なクルーゼが目眩を覚える。 (素晴らしい……彼らの世界を全て巻き込んだ戦争が見たい!) しかしその目眩は困惑からくるものではなく、歓喜の果てにあるものだった。 シャドウミラーに従って優勝すれば、その夢想も叶うだろう、とクルーゼは震えた。 そんなクルーゼの様子に気付かず、他の者たちはこれからどうするか話し合っている。 クルーゼは気を取り直すと、自分の提案が最も映える瞬間を狙い、議論に割り込む。 「ジロン君とミユキ君が置去りにした、ダルタニアスという巨大ロボットの事だが……」 「ああ、あれね。俺はミユキに乗ったら?って言ったんだけどさ、ああいう巨大ロボは苦手らしいのよね」 「私に最初に支給されたダイテツジンっていう大きなロボットをすぐに壊しちゃったから、不安で……」 「しかし、この場において戦力はあればあるほどいい。できれば回収したいが……」 「じゃあ、俺がひとっ走りヴァルシオンで拾ってきますよ!」 クルーゼがミストに視線をやる。あまりお遣いを頼みたいタイプではない。 かといって、ヴァルシオン以外に50m級の機体を運びうる機体などいないし……否。 パイロットを連れて行けばいいのだ、とクルーゼが思い遣る。 「いや……私が行こう。ミユキ君、諦めるのは試してからでもいいのではないかね?」 「え……」 「もしかしたら、簡単に動かせるタイプの機体かもしれない。同じ地球人のよしみだ、私の∀に同乗したまえ ……最も、君がテッカマンとしての力とやらを使って戦うのなら話は別だがね」 「ちょっとちょっと! 俺はまだミユキを預ける程あんたらを信用しちゃいないぜ!」 「君のお兄さんへの思いには私も胸を打たれた……私にも大事な親類がいてね。 君の気持ちは誰よりも良く分かるつもりだよ、ミユキ君。だからこそ、君自身も戦う覚悟をして欲しいのさ。 誰かを守るために、誰かを傷つけねばならぬ時がある……戦争だろうと、そうでない時だろうとね。 そのために、人は力を求めると言っても過言ではない。それがどんな結果を生もうと省みることなく……!」 ジロンを無視してミユキにだけ語りかけるクルーゼ。 ミユキは迷っていたようだが、やがて決意したようにジロンに告げる。 「ジロンさん……私、クルーゼさんとダルタニアスを取りに戻ります。 このクリスタルは、お兄ちゃんの為の物だから……私は、これを使いません」 「な、なんだって!? いいのかい、ミユキ!」 「私も、力を貸してもらうだけじゃ悪いですから。お兄ちゃんだけじゃなく、皆の為に戦います……たとえ、短い命でも」 微笑むミユキ。しかし、その微笑みが何を意味するのか、ジロンだけには分かる。 先ほどは軽い調子で言ったが、小一時間前にダルタニアスを発見した時はひと悶着あったのだ。 放置されていたダルタニアスを諦めた時、ミユキの顔には戦いへの拒否感があった。 それでも尚、戦う覚悟を決めた彼女を、どうして止められるだろうか。 「わかった……俺も、付き合うよ」 「それは必要ない。ジロン君、君にはミスト君と共に、雪原地帯の市街地に向かって偵察を願いたい。 我々もすぐにそちらにいくから、待ち合わせといってもいいだろうが」 「おいおい、だから俺はまだあんたらを信用してないって……」 言いかけるジロンに、クルーゼが自分のディバッグを投げ渡す。 そこには、この島で生きるために不可欠な食料など、一つの欠損もなく全てが封入されていた。 ミユキに促し、彼女の分もジロンに預けるクルーゼ。 「これで、私が仮に彼女を殺しても何も得をすることはなくなった訳だ。なんなら、∀の武器も預けようか?」 「貸してくれるってんなら貰いますけどさ。う~ん……分かったよ。とりあえず信用してやるさ」 迷いなく自分のメリットとなり得る全ての物を預けたクルーゼを一応認め、ジロンは渋々頷いた。 ビームライフル、ガンダムハンマー、ビームサーベルなど、めぼしい装備をジンバに移す∀ガンダム。 一方、置いていかれそうになったミストが、クルーゼに小声で伺いを立てる。 クルーゼがいなければ、ミストにとってゲイム・システムを抑えるのが困難になるのだから、当然だろう。 「でも、徒手空拳で大丈夫なんですか? クルーゼさん。(それに俺の機体の、あのシステムは……)」 「問題ないさ。この機体のポテンシャルならば、手刀だけでもそれなりに戦えるよ。 (なるべく熱くなって戦わないようにしたまえ。そう長く離れるわけでもないし、戦闘を避けて動いてもいい)」 ミスト達は知る由もないが、それに加えて∀には核ミサイル、ビームドライブユニットといった武装がある。 クルーゼはそれを知っていて、戦力を増強し、かつ場合によってはミストたちを見限って行動できる流れを作る為に、 偽りの仲間に武器を預けて単独行動するという愚を犯したのだ。最も、今のところはミユキを殺すつもりもない。 (しばらくは君達と共に行動するのも悪くない。テッカマンとやらに興味もあるしな) クルーゼはミユキをコックピットに乗せ、ミストとジロンの挨拶に返答しながら、∀を発進させた。 道中、より詳しくミユキの知り合いの話を聞こうと話題を振る。 "タカヤお兄ちゃん"ことDボゥイ、テッカマンブレードという男について、熱の入った解説を受けるクルーゼ。 妹が兄に向ける感情としては少々常軌を逸した物を感じるクルーゼだったが、とにかくその男は強いらしい。 彼女を手中に抑えておけば、大変使い出のある駒と成りうるだろう。 (家族、か……全く、素晴らしい物だよ) 敬慕する兄を語るミユキは気付かない。 本来の持ち主が、いやらしい視線で婦人を舐め回すために使ったサングラスの下の、クルーゼの本心に。 (なあ……ムウ、レイ……) その、皮肉に。 【ジロン・アモス 搭乗機体:ジンバ(OVERMAN キングゲイナー) パイロット状態:良好 機体状態:良好 現在地:D-7 第一行動方針:雪原の市街地に向かい、クルーゼとミユキを待つ 第二行動方針:ティンプと決着をつける 最終行動方針:シャドウミラーをぶっ飛ばす 備考:ジンバは∀ガンダムの武装を一部借り受けています】 【ミスト・レックス 搭乗機体:ヴァルシオン改@スーパーロボット大戦OGシリーズ パイロット状況:良好 機体状況:前面部装甲破損 エネルギー消耗(中) 核弾頭秘蔵 現在位置:D-7 第1行動方針:仲間を集める(レイ、ディアッカ、カナード優先) 第2行動方針:雪原の市街地に向かい、クルーゼとミユキを待つ 第3行動方針:戦いに乗った危険人物、イスペイルは倒す 最終行動方針:シャドウミラーを倒す】 ※ゲイムシステムは、戦闘が終了すると停止します。一定時間戦闘していると再び発動。 ※ヴァルシオン改の内部に核弾頭がセットされました。クルーゼの遠隔操作でいつでも起爆できます。 【ラウ・ル・クルーゼ 搭乗機体:∀ガンダム@∀ガンダム パイロット状況:良好 仮面喪失 ハリーの眼鏡装備 機体状況:良好 核装備(1/2) 現在位置:C-7 第1行動方針:手駒を集める(レイ、ディアッカ、カナード優先) 第2行動方針:ダルタニアスを取りに行って、雪原市街地でミストたちと合流する 第3行動方針:手駒を使い邪魔者を間引き、参加者を減らしていく 最終行動方針:優勝し再び泥沼の戦争を引き起こす(できれば全ての異世界を滅茶苦茶にしたい)】 ※マニュアルには月光蝶システムに関して記載されていません。 ※ヴァルシオン内部の核弾頭起爆スイッチを所持。 【テッカマンレイピア 搭乗機体:なし(∀ガンダムに同乗中) パイロット状態:体力消耗 現在地:C-7 第一行動方針:タカヤお兄ちゃんを助ける 第二行動方針:私も……戦う! 第三行動方針:アックス、ランス、アルベルトに警戒 最終行動方針:みんなで生きて帰れる方法を探す 備考一:テッククリスタル所持 備考二:Dボゥイの異常に気が付きました】 【一日目 9 30】 BACK NEXT 063 強さの理由 投下順 065 家族 059 あてにならないパートナー? 時系列順 068 白い悪魔 BACK 登場キャラ NEXT 037 仮面の下の涙を拭え ジロン・アモス 087 復讐するは我にあり(前編) 042 破滅を望む者、破滅を呼ぶ物 ミスト・レックス 087 復讐するは我にあり(前編) 042 破滅を望む者、破滅を呼ぶ物 ラウ・ル・クルーゼ 068 白い悪魔 037 仮面の下の涙を拭え テッカマンレイピア 068 白い悪魔
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← 【PREV】 【NEXT】 → +表の見方(クリックで展開) 説明 番号:恐怖政治村としての通し番号 村番号:るる鯖での村番号。クリックでURL(同ウィンドウ) 配役:Z配役は備考欄にでも。 勝利陣営:生存人数も記録。人狼勝利で10人生存なら人狼(10) など 最終:ゲームが終わった原因噛み、吊り、殺害。殺害は時間も記録 NG1:最初のNGワード。全ての元凶 NG2:こいつに気を取られてNG1を踏む NG3:1と3ばかり気にして2を踏む NG4:段々曖昧になってくる NG5:流石にこれ以上は一括りで良いでしょう? 個別解説:その村の見どころやアピールポイントなどがあれば個別紹介ページを作って紹介しよう 備考:ルールが他の村と少し違うなど。内容に関する話は個別ページでよろ 番号 村番号(URL) 配役 勝利陣営 最終 NG1 NG2 NG3 NG4 NG5以上 個別解説 備考 21 312793村 15Z 村人(2) 殺害:昼 う か 狼2/占1/霊1/狂1/狩2/共2/狐2/背3/猫1 22 312798村 20Z 廃村 廃村 ん る 狼2/占2/霊3/狂2/狩2/共2/狐2/信1/背3/猫1、開始後廃村 23 312800村 20Z 妖狐(12) 殺害:昼 し っ 村2/狼2/占2/霊1/狂1/狩3/共3/狐1/信2/背3 24 312805村 23Z 人狼(2) 殺害:昼 え ん お 村3/狼4/占7/狂3/狩2/共2/信1/猫1 25 村 26 村 27 村 28 村 29 村 30 村
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← 【PREV】 【NEXT】 → +表の見方(クリックで展開) 説明 番号:恐怖政治村としての通し番号 村番号:るる鯖での村番号。クリックでURL(同ウィンドウ) 配役:Z配役は備考欄にでも。 勝利陣営:生存人数も記録。人狼勝利で10人生存なら人狼(10) など 最終:ゲームが終わった原因噛み、吊り、殺害。殺害は時間も記録 NG1:最初のNGワード。全ての元凶 NG2:こいつに気を取られてNG1を踏む NG3:1と3ばかり気にして2を踏む NG4:段々曖昧になってくる NG5:流石にこれ以上は一括りで良いでしょう? 個別解説:その村の見どころやアピールポイントなどがあれば個別紹介ページを作って紹介しよう 備考:ルールが他の村と少し違うなど。内容に関する話は個別ページでよろ 番号 村番号(URL) 配役 勝利陣営 最終 NG1 NG2 NG3 NG4 NG5以上 個別解説 備考 1 256769村 19D 人狼(2) 殺害:夜 い NGワード1個。3日目夜終了 2 256782村 25D 村人(5) 殺害:夜 い た ね 3 256798村 13D 村人(7) 殺害:昼 い ★ 狐陣営なし 4 256807村 20D 妖狐(5) 殺害:夜 い う ん 5 256828村 19D 村人(5) 殺害:昼 く と 6 256847村 20D 妖狐(3) 殺害:昼 い ん 「い」NG設定回数5 7 256862村 12B 村人(3) 吊り つ で 初の吊りEND 8 256935村 27D 妖狐(7) 殺害:昼 し て 9 256940村 24D 妖狐(7) 殺害:昼 い や 10 256947村 30D 妖狐(6) 吊り:昼 い れ ぜ ★ 狐陣営通算5勝