約 410,152 件
https://w.atwiki.jp/svsm_wiki/pages/338.html
No.0404 カード名:才賀 しろがね/人形使い/女 パートナー:才賀 勝/お坊ちゃま/男 レベル:3/攻撃力:3000/防御力:5500 【ヒロイン】【機械】「あるるかああああん!!」 [起]〔ベンチ〕[このカードを【レスト】する]→あなたは自分のリタイヤ置場の《機械》を1枚選び、自分のリングのカードと入れ替える。そのエンドフェイズの始めに、あなたは自分のリングのカードを選び、自分の控え室に置く。このカードの技は、1ターンにつき、1回しか使えない。 レアリティ:R 作品名:週刊少年サンデー「からくりサーカス」
https://w.atwiki.jp/krsk_souko/pages/69.html
しろがねの女神 ■基本データ 【コロナ】 星詠み 【ミーム】 グレズ/ 【ブランチ】マシンライフ/ 【消費経験点】0(能力値:0 特技:0 装備:0 パスの追加:0 ブランチの追加:0) ■能力値/耐久力 【能力値】 肉体:9 技術:12 魔術:4 社会:6 根源:3 【戦闘値元値】 白兵:5 射撃:10 回避:5 心魂:7 行動:11 【戦闘値修正値】 白兵:10 射撃:10 回避:5 心魂:7 行動:11 【HP】 元値:22 修正値:62 【LP】 元値:6 修正値:6 ■宿命/特徴/闘争/邂逅 宿命: 特徴: 特徴効果: 闘争: 邂逅: ■初期パス 【因縁】からの ■準備された装備 部位:名称(必要能力/行動修正/ダメージ/HP修正/射程/備考/参照P) 右手 :三連装ガトリングガン (必:-/行:+0/ダ: 技 36+2d6/HP:-/射:シ/「対象:範囲」 LF185) 左手 : (必:―/行:―/ダ:―/HP:―/射:―/―) 胴部 :アーマースーツ (必:技5/行:+0/ダ:-/HP:+20/射:-/武器ひとつの【行】を0にする(計算済み) LF186) その他: (必:―/行:―/ダ:―/HP:―/射:―/―) 乗り物: (必:―/行:―/ダ:―/HP:―/射:―/―) 予備1: (必:―/行:―/ダ:―/HP:―/射:―/―) 予備2: (必:―/行:―/ダ:―/HP:―/射:―/―) 予備3: (必:―/行:―/ダ:―/HP:―/射:―/―) ■コロナ特技 【SC100/自/オ/フ1】◆女神の祝福 自分以外の対象の判定の[達成値]を+[フレア] 【SC100/自/オ/フ全】◆再生の車輪 〔Sin1〕[死亡][戦闘不能][覚醒]を解除し【HP】1【LP】1にする 【SC100/自/メ/フ1】戦乙女の声 〔T1〕対象を[未行動]状態にする 【SC100/心/メ/5H】盾の乙女 対象が次に行なう[メジャー]の[達成値]+[達成値] ■ミーム特技 【LF134/自/常/なし】◆機械中枢 [分類:機械]を得る。【最大HP】+[Lv×20]。《フォーム》系特技からひとつ選択 《フォーム》系特技に指定がない場合は[右手][左手][乗り物]スロットに装備不可 【LF134/自/常/なし】◆フォーム:人間形態 【白】+5(計算済み)。[右手][左手][乗り物]スロットに装備可 【LF138/射/メ/2H】デッドリースナイプ [射攻]を行なう。ダメージ+[差分値] 【LF139/自/オ/なし】マシンハート 〔Sin1〕クライマックス専用。宣:いつでも。フレアを1枚獲得。 【LF141/自/オ/フ1】◇ザフキエル 〔SinLv〕宣:フレア使用or代償にフレア消費。使用したフレア1枚の数字を2倍として計算する ■装備 [LF185]三連装ガトリングガン(部:両/射:シ/HP +0) 【技】×3+2D6。対象:範囲。《ウェポンマウント》で2つ同時に指定した場合[【技】×4+2D6] [LF186]アーマースーツ(部:胴/射:-/HP +20) 装備している武器ひとつの行動値修正を±0にする [SC163]思い出の品(部:-/射:な/HP +0) 【HP】を[2D6]回復。タイミング:イニシアチブ。消耗品、一つまで所持可能 [SC164]パワーストーン(部:-/射:な/ +0)×3 代償HPを2点減点。消耗品 [LF195]電磁障壁(部:-/射:至/HP +0) 受けるダメージを-[2D6]。ダメージロール直前に宣言 消耗品 ■属性防御 肉体:× 技術:× 魔術:× 社会:× ■戦術、設定、メモなど 「撤退などありえません。絶望という言葉は、メモリーから削除してあります」 キミに自我が芽生えたのは、ほんの少し前のことだ。キミを作り出した調和機械軍グレズにあって、自我はこの三千世界から消去されてしかるべき、思考ノイズに過ぎなかった。けれど、熱いフレアを持った人々と戦ううちに、キミの中で何かが変わったのだ。この宇宙に必要なのは、冷たくただひとつの機械による秩序ではない。燃えるような熱い心を持ち、違いを認め合い高めあっていく混沌なのだと。 だから、キミは仲間達を捨てた。もちろん、人間型に作られているからと言って、人間になれるわけじゃない。そして、人間になる必要もない。機械は機械の誇りを持って、愛する世界のために戦うのだ。そう考えると、気分がとても晴れやかになった。だからキミは今日も戦い続ける。キミはまた銃を取る。見知らぬ誰かの笑顔のために。
https://w.atwiki.jp/shinatuki/pages/185.html
「人間の里で・・・・、教師をしたい?」 「はい、別に慧音のいる寺子屋ではなくても構いません。」 ハロウィンの翌日、リゾットは久々にぐっすり寝たおかげか、すっかり元気になっていた。 何せ、その日の晩はきちんと寝付いているのか交代でチームのメンバーが見に来たのだ。 目を覚ましていると、アロマだ、リラックス音楽だ、直触りだ!、だのなんだので無理に眠らせようとする。 なので嫌な事を思い出す暇も無く、彼はしっかり眠れた。 だが、毎晩こんな方法をとる訳にも行かない。 「もちろん、その間は休みを取らせていただきますが、その間の仕事はあいつらに任せてください。全員了承済みです。」 淡々と、リゾットはいつもの調子で言葉を続ける。 「・・・本当に、いいのですか?」 「はい、毒も、耐性が出来てしまえば意味はないですから。」 そう言ってリゾットはじっと映姫を見つめた。 「・・・・実は、この間里に行ったとき、貴方が洩矢の巫女に、英語を教えていると聞いて慧音が貴方に、里の子供達に英語を教えてほしいと。 最近は日本にも外国人が増えていますからね、幻想郷にもいつ迷い込むかわかりません。」 「好都合です、喜んで受けましょう。」 「では、しばらく出張扱いにしておきます。手続きが終わるまで二日ほどかかるので三日後・・・ちょうど休み明けの月曜日ですね、そこから始めましょう。」 そう言って映姫は、リゾットに書類を渡す。 リゾットは映姫に礼をしてから、映姫の執務室を出て行った。 そして、その日の晩。客人は一人もいなく久しぶりにチーム団欒と言った所である。 本日の晩御飯当番は、プロシュートとペッシである。 「おい?リゾットは?今日はせっかく俺が飯を作ったんだぞ。」 お玉を持ち、エプロンをつけたいかにも『私が料理しました』と言う顔で、プロシュートはリゾットを探す。 「ほとんど作ったのはペッシじゃないか・・・・・、お前なんて鍋掻き回すか野菜切るかくらいしかしてないだろ。」 テーブルの上をふきんで拭きながら、ジェラートが呟いた。 「何か言ったか?ジェラート?お前そんな生意気な口聞いていいと思ってるのか?」 コココココココッと小刻みにおたまでプロシュートはジェラートの頭をたたく。 「痛い痛い痛い痛い痛いっ!!」 「ほらほら、どうだ。相変わらずスタンドが使えないマンモーニが。」 「俺だって使いたくなくて使えないわけじゃないし!つーかやめろよ!!」 そう言ってジェラートはプロシュートの手からお玉を取り上げる。 「おい!メローネとギアッチョ!お前らも遊んでないでやれよ!!」 そしてTVの前で、旧型の携帯ゲームをしている二人をジェラートは必死に呼ぶ。 「いや、待って・・・・おい!頭部パーツ敵にとられちまったぞ!?」 「えぇっ?!そしたら変形できなくなるぜ!リセットしろギアッチョ!!」 「全然セーブしてないのにすすめちまったんだよ!!クソッ!クソッ!!」 二人は一向に、ゲームをしていてやめる気配がない。 「・・・ったく、しょうがねぇなぁ。とっととやめろ。」 「「あ。」」 次の瞬間、ホルマジオが強制的に、二人のゲーム機の電源を落とした。 「て・・・てめぇっ!!ホルマジオォォォォォォッ!!」 ギアッチョがぶちきれ、ホルマジオに殴りかかる。 「うおぉっ!!」 ホルマジオはとっさに身体を縮め、ギアッチョの攻撃を避ける。 「まてぇぇぇぇぇぇ!!」 そう言うとギアッチョは近くにあった新聞をまるめ、それでホルマジオを潰そうと追いかける。 ホルマジオは家具の陰に隠れたり、椅子の下を通ったりしてギアッチョの追撃をかわす。 「ドルチ!!」 「にゃあっ?!」 そして部屋の隅の籠で、寝ていたドルチの背中にホルマジオは飛び乗る。 「逃げろ!今すぐ廊下に飛び出ろ!!」 「りょ・・・・了解!!」 ホルマジオの切羽詰った様子に、ドルチは思わずとっさに駆け出した。 身軽に机や棚に飛び移り、ギアッチョの直線的な攻撃を華麗な身のこなしでかわして行く。 「なっ・・?!この猫・・!!」 「甘いなぁ!ギアッチョ!!ドルチは俺がこの姿になった時の足になってもらうため、訓練をつませてるのさ!!」 ふはははははとホルマジオが笑い、廊下へと逃走する。 「じゃあなぁ!ギアッチョ!!」 「悪いねぇ、こちとら飯を食わせてもらってるんで逆らえないんだわ。」 ホルマジオとドルチは、見事に逃走に成功した。 ギアッチョがクソックソッと辺りのものを殴りまくる。 「ホルマジオー、逃げるついでにリゾット呼んで来てくれー。」 逃走するホルマジオに、ソルベが料理を運びながら告げた。 「メローネ、レティ寒くなってきたからってはしゃいで外にいるはずだから呼んで来てギアッチョ止めろ。」 多分、今外に出れば、みなぎるレティが見れるはずだぜ、とプロシュートがメローネに告げた。 「うん、いやー。レティが来てくれてからギアッチョ止めるのが楽でいいね。」 そう言ってメローネは笑いながら、外に出て行った。 「うぉー、今頃レティがギアッチョ止めてくれてねぇかな。」 ホルマジオは寒い廊下を、ドルチを抱きかかえながら歩いていた。 この家は設備は妙にいいくせに、ところどころ隙間風が入ってくるのだ。 リゾットの部屋はメンバーの中で一人だけ一階にある。 防犯の為だと本人は言っていたが、実際は彼の部屋が一番小さくどうみても皆に広い部屋を譲っている。 「まったくあいつは・・、しょうがねぇなぁ。」 そう言ってホルマジオはリゾットの部屋の前まで行き、彼の部屋の扉をノックする。 「リゾットー!飯だぞー!!」 すると、リゾットは扉越しに答えた。 「分かった・・・・。授業で使うプリントが今刷り終わるから、それが終わったら行く。」 「りょーかい!」 リゾットの答えを聞いて、ホルマジオは今に戻る事にした。 「・・・・あいつプリントまで作ってるのかよ・・・・・。」 「プリントって何だ?」 猫のドルチが、ホルマジオに問いかける。 「あぁ、勉強するときに使う・・・・問題とか文法とか書いてあったりする紙だ。」 「ふーん、でも勉強するのって教科書とかいう本を使うんじゃなかったか?」 「その教科書の内容を補うために使う先生もいるし、教科書の内容が気に入らない先生がオリジナルで作ったりするな。」 「そうなのか、リゾットの大将は律儀だねぇ。」 そしてすぐに興味を失ったのか、ドルチはホルマジオの頭の上に乗って欠伸をした。 「まぁ、あいつはクソ真面目だからな。そういや最近ペットショップ見ないけどよぉ、知ってるか?」 「ペットショップの旦那なら最近は適当に過ごして、ここで飯と夜だけ過ごしているみたいだぜ。」 猫とホルマジオは、廊下を歩く。 居間からは、ギアッチョを叱るレティの声が漏れていた。 そして、リゾットが人間の里の寺子屋に、英語を教えに行く日がきた。 暗殺チームのメンバーはリゾットが大丈夫が気になって仕方がない。 「服は大丈夫か?」 「服はYシャツでいいだろうか?」 「そうしろ。スーツはむしろ幻想郷で浮く。」 リゾットは自分の恰好をよく人間の里の店にいくホルマジオに質問する。 「プリント持った?あとチョーク持つと手汚れるよ。」 「ガキ相手にメタリカ使うなよ!!」 「これ、昼飯。サンドイッチだけど構わないよな?」 「子供の扱いならチルノや妖精の友達で慣れてるから、こまったら相談してちょうだい」 「俺もアリスの家に行った後様子見に行くから!!」 「生意気な子供がいたら泣かせてやるから言ってよ!」 「幻想郷はどうだか知らないが、最近のガキより親だ、親が怖い。気をつけろよ。」 「まぁ、リーダーなら大丈夫だと思うけど、気をつけろよー。」 全員、玄関でリゾットを見送る。 内心、何でこんな盛大に見送られているのだろう、と思いつつもリゾットは黙って外へ出て行く。 そして、バタンと扉が閉じられた。 すると、全員バタバタと地下に降りる。 地下会議室の扉を開けると、そこにはたくさんのモニターがコードに繋がれ、さながらSFアニメの司令室のようになっていた。 「ソルベ、スタンドにカメラを持たせて、配置はOK?」 「あぁ、ばっちりだ。何処から何処でもリゾットをばっちり監視できるぜ。」 そう言ってソルベが指を鳴らすと、彼のスタンドが持った小型カメラの映像が、モニターに映し出される。 そこには、人間の里を歩くリゾットの姿が映っていた。 その目は普段の黒と赤ではなく、普通の人間の瞳に戻っていた。 「おっ、しっかりメタリカを抑えて、目を元に戻してるな。」 プロシュートが普通の瞳をしたリゾットを見て、意外そうに言った。 「あら、あの目スタンドの影響だったのね。人間にしては珍しい目だと思ったけど。」 「いや、リーダーは実は某旅団に目を目当てに殺された一族の末裔で・・・・。」 「メローネ、くだらない事いってるとはっとばすぞ。」 レティに嘘情報を教えようとしたメローネを、ギアッチョは脅す。 「そういやさ、何でいつもリーダーはあの目でいるの?俺、リーダーが普通の目なんて見たことないよ?」 ジェラートがふと浮かんだ疑問を呟いた。 「あー、メタリカの影響でああなっちまってるんだが、集中しないと直せないらしいし、直すとすぐにスタンドが発動できないんだってよ。」 そうホルマジオが解説すると、あー、とジェラートは納得したような声を上げた。 「・・・・・・あいつら・・・・・。」 しかし、リゾットは暗殺チームのリーダーである。 一同の仕掛けたこのストーキングに、すっかり気づいていた。 (バタフライによる監視は昔から良く使っていた手だ・・・。気づかないわけがないだろうに・・・・。) 平和ボケしたか、とリゾットはため息をつこうとして、やめた。 別に監視されても困るような事はしないし、自分を心配しての行動だろう。何より平和ボケなら、それが一番だ。 そもそも自分達の大半は、別に殺したくて暗殺者をしていたわけではない。そうしなければ生きられなかったからだ。 だから、誰も殺さずに、幻想郷の生ぬるい弾幕勝負になれて、平和ボケするのは、とてもいいことだ。とリゾットは思う。 (プロシュートに聞かれたら、直触りだな。) そんな事を考えながら、リゾットは人間の里の中心部の近くにある、寺子屋の門の前へやってきた。 そこは慧音の人徳もあってか、木製ながら中々立派な建物となっていた。 「確か・・・・裏口から入れと言っていたか・・・・。」 そう言ってリゾットは寺子屋の塀をぐるーっと周り、裏手へ回る。 すると、そこには小さな入り口があった。 「ここか。」 リゾットが入り口を開けようとすると、突然そこが開く。 「あ・・・・・・。」 そこにいたのは、白い髪に金色の目をした眼鏡の男性だった。 「すみません、この寺子屋の教師の方でしょうか?自分は、今日からお世話になるリゾットと言うものです。」 リゾットはその男性を、あまり体格の良くないことから、慧音と同じ教師と判断した。 「いえ、僕は違います。自分は、森近霖之助といいます。魔法の森で、香霖堂と言う古道具屋を経営しています。 ここの慧音さんには書籍関連で色々贔屓してもらっていて、今回はたまたま慧音さんの欲しがっている本が手に入ったので、用事ついでに届けにきたんですよ。」 それを聞いてリゾットは、仲間の話を思い出した。 「あぁ、香霖堂の店主ですか。ソルベやイルーゾォから話は聞いています。外では手に入らないような、古く珍しい物が売っていると。」 「あの死神の方達のお知り合いですか?」 「上司です、閻魔様の元で普段は働いていますが、今日は特別教師として授業に。」 リゾットの言葉に、霖之助は興味を持ったらしい。 目を輝かせてリゾットを見る。 「へぇ!何を教えるのか、差し支えなかったら教えてくれませんか?」 「英語です。」 「異国の言葉ですか!確かに幻想郷には外国からも妖怪は流れてきますが、不思議と皆日本語を話しているんですよ。」 淡々と話すリゾットとは対照的に、霖之助はリゾットに興味を持ったのか、会話を弾ませる。 「あぁ、聞いたことがあります。今、自分の仲間にも一人妖怪がいますが彼女は元々は英語を話していたが、幻想郷に来てから勝手に喋れるようになったと。」 「と、いう事はやはり結界・・・・・、少なくとも博麗の結界ではありえないから、ということは八雲紫の・・・・。」 すると、霖之助は、一人でぶつぶつとなにやら呟き始めた。どうやら考え事を始めてしまったらしい。 入り口に立たれてしまって、リゾットはどうしたものかと途方にくれる。 「森近さん?まだ居たんですか?」 背後から声をかけられて、霖之助ははっとする。 彼の後ろには、青く銀色に輝く髪に青いワンピースの女性、慧音だった。 「あ、すみません!!少々考え込んでしまって。」 そう言って、霖之助は慌てて入り口の前から退く。 そして慧音は、リゾットに気づいた。 「ネエロさんももう来てらしたんですか。」 「あぁ、すまない。香霖堂の店主と話し込んでしまった。」 かまいませんよ、と慧音は答える。 「いえ、随分お早いお着きですね。」 「打ち合わせや一応、子供達について聞いておきたかったんだが、迷惑だったか?」 「とんでもありませんよ!むしろそこまで子供達と向き合おうとしてくれて、嬉しいです。」 そう言って、慧音は顔に微笑みを浮かべた。 「じゃあ、自分はここで失礼します。」 それを見て、霖之助はその場を立ち去ろうとする。 「今日はわざわざありがとうございました、霖之助さん。」 「いえいえ、それでは。」 そう言って霖之助は去っていった。 そして慧音は、リゾットの方を向く。 「それでは、リゾットさん。ようこそ、私の寺子屋へ。」 どこか誇らしげに、慧音はリゾットにそう告げた。 前へ 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/pontaschool/pages/276.html
戻る やるき センス にんたい かいふく 合計 必要ハッパー 初段 1.800(A) 1.440(B) 1.680(B) 1.380(B) 6.300 - 二段 1.860(A) 1.488(B) 1.736(A) 1.426(B) 6.510 30,000 三段 1.920(A) 1.536(B) 1.792(A) 1.472(B) 6.720 60,000 四段 1.980(A) 1.584(B) 1.848(A) 1.518(B) 6.930 120,000 免許 2.040(S) 1.632(B) 1.904(A) 1.564(B) 7.140 200,000 コメントはこちらに 名前
https://w.atwiki.jp/shinatuki/pages/188.html
「ん・・・・・。少し・・・寝坊してしまったか。」 香霖堂で買ってきたぜんまい式の時計を、薄明かりの中で確認した。 彼女は普段一人暮らしだが、実は朝ごはんは一人で食べているわけではない。 とんとんとんと言う、包丁の音が聞こえ、出しの匂いが漂う。 「慧音、起きたか?」 そう言って割烹着で料理をしているのは、見覚えのある白い髪の少女だった。 「妹紅か・・・・すまない。寝坊してしまった・・。」 朝食を準備していた友人、藤原妹紅に謝る。 「構わないよ。それより早く昨日は何でも外の人間が教師として来たんだって?」 「あぁ、それで彼の国の面白い本を貰ったんだ。それをつい読み込んでしまって・・。」 「欧羅巴の人間だっけ?幻想郷にはあっちの妖怪はいるけど流石に人間はまだ迷い込んで来てないからねぇ。」 そんな事を離しつつ、妹紅は魚の焼き具合をみる。 「ん、いい匂いだな。」 「だろ?味噌を変えてみたんだ。」 「うまそうだ。」 そう言って慧音は着替えを始める。 夜用の浴衣を脱ぎ、着替えを始める。 幻想郷では、現代までとはいかないが女性の下着はそこそこ近代的である。 ドロワーズが普及しているのが、その例である。 慧音が着替えをしている間にも、妹紅は炊けたご飯をかき混ぜ、沸騰しかけている味噌汁を、慌てて止めた。 そして妹紅が食卓をだし、食事の準備をしている間に慧音は着替えをし、顔を洗った。 妹紅はその体質のせいか、あまり里の人間と交わる事を好まない。 だが、慧音があまりに勧めるので、彼女は朝、慧音と共に食事をとる事にしていた。 そして慧音の努力が実を結んでか彼女はときおり、子供達に古文や漢文を教えるほどになっていた。 「最近は輝夜のやつもあんまりちょっかいをかけてこなくてね、暇でしょうがないよ。」 「この間貸した本はどうだった?」 「あぁ、外の世界の本だね。思想の話だったけど、面白かったよ。」 そんな会話を二人でしながら、朝ごはんを食べていく。 長い間生きているだけあって、妹紅は料理はもちろん家事もできるし、気も効く。 そしてこれでも子供の相手も非常にうまいし、さらに美人である。 「妹紅・・・、私が男だったら間違いなく嫁にしてるのになぁ・・・・。」 本当に残念そうに慧音が妹紅に呟く。 「何だよそれ。大体もう私は半分慧音の通い妻みたいなもんじゃないか・・・いや、お袋か。」 ご飯粒ついてるぞ、と言って妹紅は慧音の頬についた米を取る。 「むっ・・・・、確かに私は妹紅に比べれば全然子供だけどな・・・・。」 「はいはい、もう隠居してるおかーさんを無理やり引っ張りださないでおくれよ。」 不満そうな慧音に、妹紅は呆れたように言う。 「妹紅!!」 「あはははははははは・・・・・・・・。」 楽しそうな二人の様子を、窓から差し込む柔らかい日差しが見守っていた。 「それにしても・・、困ったな。」 リゾットは人間の里を、ぶつぶついいながら歩いていた。 彼は黒いコートを着ており、その下はYシャツにセーター。 眼鏡をかけていれば、間違いなく外の世界の教師そのものである。 実際、今の彼の思考は既に生徒達にいかに英語を教えるかに集中していた。 部下達のことも心配だが、今はそれより仕事に集中しなければならない。 「日本語の文法と英語は全く違う・・・・、そして何より、幻想郷の中では英語を使う事もないからすぐに教えても忘れてしまうだろうな・・・。」 何せ多少の外国文化が入っているとはいえ、幻想郷の生活は、古きよき日本そのものである。 外の世界の子供よりはるかに、早く英語を忘れてしまうだろうし、何よりやる気が起きないし、馴染めないだろう。 「何か・・・・いい方法はないか・・・・?」 案その1 洋楽 ビートルズなどの、洋楽を聞かせる。 ただ、問題として幻想郷には精々蓄音機しかなく、それでさえ喫茶店や稗田家などの所にしかない。 子供達に興味を持たせるには不完全。 案その2 漫画 外国の漫画を読ませて、それで英語を覚えさせる。 しかし、日本は漫画大国であり、幻想郷にも少なくない数の漫画が入ってきている。 英語の漫画にも面白いものはあるが、あまり興味をしめすとは考え付かない。 案その3 文学 世界的に子供に人気の英国文学を勧める・・・・がリアルファンタジーな幻想郷でどこまで受けるかが不安である。 「駄目だな・・どれもいまいち決定打にかける・・・・。」 そう言ってリゾットはため息をついた。 すると、考え事をしていると、人と彼はぶつかってしまった。 「いたっ?!」 「す・・すまないっ!!」 其処にいたのは、リゾットとよく似た色の髪をリボンで飾った少女だった。 「いや・・、大したことないからだいじょ・・・・。」 少女はリゾットに謝ろうとして、ハッとする。 「あんた・・・・慧音のいっていたリゾットって奴かい?」 どうやら少女は、慧音の知り合いらしかった。 「あぁ、自分はリゾットだが・・・あなたは?」 「あ・・すまないね。こっちから名乗るべきだったな・・・・。」 そう言って戸惑うリゾットに対し、少女は頭を掻きながら名乗った。 「私は藤原妹紅だ。慧音の友達だよ。」 それを聞いて、リゾットは慧音との会話を思い出す。 彼女がとても楽しそうに、話していた気難しい友人の話である。 「宜しく頼むよ。」 そう言って妹紅が手を差し出してきた。 リゾットはそれに少し驚きつつも、彼はその手を握り返す。 「改めて名乗らせてもらうと、俺はリゾット・ネエロ。一応、死神で・・・今は臨時教師といった所か。」 そして、リゾットは意外そうに言った。 「驚いたな・・・、まさか幻想郷の日本人に握手を求められるとは・・・・。」 「あー・・・、私も実は慧音と同じように特殊な分類の人間でね。長く生きてるから多少人より色んな事に詳しいのさ。」 妹紅は手をひらひらと動かしながらリゾットに告げた。 「なるほど。」 リゾットは納得したのか、頷いた。 「それより、行かなくて大丈夫なのかい?」 そう言われてリゾットはハッとする。 時計を見ると、結構な時間になっていた。 今日はこっそり部下の様子を見に行ってたため、ギリギリの時間だったのだ。 「す・・・すまない!失礼する!!」 そう言って慌ててリゾットは、妹紅の元を去っていった。 その後姿をを、妹紅は微笑みながら眺めていた。 「じゃあ、チルノはここの妖精たちを纏めてね。危なくなったら皆空に向かって弾幕撃つように。」 「「「「「はーい!!」」」」」 妖精たちが、無邪気に返事をする。 そしてそんな妖精たちを纏めるのは、我らがレティ・ホワイトロックである。 彼女の目の前にいる無数の妖精たちは、チルノや大ちゃんの友達である。 特に力の強い二人は、仲間も多い。 妖精達はそれぞれ、特殊な妖力を探知する器具を持っていた。 ようするに、人海戦術である。 だが、自由奔放な妖精達は、ただ頼まれただけならすぐに飽きてしまうだろう。 もちろん、それに対する対策もしてある。 「もし見つけられた子には・・・・これよ!!」 そう言ってレティが高らかに掲げたのは・・・・大量のコンビニスイーツ(三千円分)の入った袋だった。 「「「「おぉーーーー!!」」」」 妖精たちから、歓声があがった。 子供のような嗜好を持つ妖精たちにとって甘い物は大好物である。 なおかつ、彼女達は人間の里から頑張って盗まなければプリンやケーキなど作るのに複雑な技術を要する甘い物は食べられない。 特に今回の場合は外の世界のお菓子と言うところが、さらに彼女たちの興味をそそっていた。 「じゃあ・・・よーい・・ドンッ!!。」 レティのその言葉と共に打ち上げられた白い弾幕を合図に、妖精たちは森へと散っていった。 「こんな按配でどうかしら?」 レティがそう言って後ろで待機していた一同の下へ振り向く。 「助かったぜ・・・、もうガキの面倒はこりごりだ。」 そう言ってプロシュートがため息を付いた。 「しかし・・・・また大量に集めたよな・・・大体・・100はいたか?」 わいわいとひしめく大小の妖精を思い出して、ホルマジオがため息を付いた。 「あたいと大ちゃんの手にかかればこんなもんよ!!」 「「「「うわっ?!」」」」 突然飛び出してきたチルノに、一同は声を上げた。 「どうしたんだよ?!探しに行かなくてもいいのか?!」 「あたいはせれぶのフランちゃんと友達だからね!!あんな安物のおかしにはつられないのよ!」 ギアッチョの台詞に、チルノはふんぞり返って答えた。 「・・・・つまり、紅魔館に忍び込んでフランにおやつ分けてもらってるのか。」 確かにチルノなら、うっかりフランに破壊されてしまっても復活できるだろう。 「またチルノちゃん紅魔館にいってたの!?危ないって言ってるじゃん!!」 「だいじょーぶよ!あたい最強だもん!!」 大妖精はチルノが紅魔館に行く事が心配らしい。 能天気そうなチルノの発言に、彼女は不満そうな顔になる。 そこで、一つの疑問が一同に浮かんだ。 「しかし、どうやって忍び込んでるんだ?」 まさか、自分達みたいになぎ倒すわけでもあるまいし、と思ったのかプロシュートがチルノに尋ねた。 すると、チルノはあっさり言った。 「門番が普通に通してくれるけど?」 チルノの言葉に、一同はずっこけかけた。 あの門番は、どうやら相当フランドールに甘いらしい。 495と何年目かに出来た友達をこっそりフランにあわせてるようだ。 「通りで最近ベイビィ・フェイスからの通信が減ったはずだ・・・・・。」 そう言ってメローネがため息をついた。 まぁ、こんな変態と付き合うよりチルノと付き合った方がいい。 レミリア達もそう考えて、チルノを黙認しているのだろう。 「メローネ、寂しいなぁ。」 「別にー。」 ニヤニヤと笑いながらからかおうとするイルーゾォに、珍しく拗ねたようにメローネがそっぽを向いた。 「じゃ、これで私達が担当するのは・・この辺りね。」 レティが地図に、サインペンでキュッと○をした。 予定していた範囲より、大分狭い範囲である。 「おっ!大分楽になったな!!」 「これで見つからなかったら、別のところに潜伏しているんでしょうね。」 嬉しそうなプロシュートに、レティがそう告げる。 「私も大分力が戻ったから、ギアッチョと別行動できるから全員で散りましょう。そうすればお昼には終わるわね。」 仕事が早めに終わることに、一同は歓声をあげる。 「ほら!じゃあとっとと調査しちまうぞ!終わる頃には映姫様の機嫌も直ってんだろ!」 ホルマジオの掛け声と共に一同は意気揚々とそれぞれの担当地区へと向かっていった。 「・・・・・・・・・・・・・・。」 ソルベは、無言で居間でノートPCを叩いていた。 それは彼の私物の一つであり、このチームに入る前から所有してるものである。 彼は真剣な表情で、そのモニターを見つめていた。 「収穫・・・・・なしか。参ったな・・・・イタリアに戻って墓を暴く・・・・・いや、もう壊れちまってるな・・・。 南米あたりの奴らを通じてあっちにある組織と接触すれば・・・いや、でもデータが残ってるかどうか・・・・。」 ぶつぶつと意味の分からない事を呟きながら、ソルベはPCからメールを送信する。 「早くどうにかしてやらないとな・・・・・・・。」 ため息をついてソルベが考え事をしていると、突然、ピンポーンと呼び鈴がなった。 「げ・・・っ?!」 もしかして仕事をさぼってこんな事をしているのがばれたのだろうか? ソルベは思わず冷や汗を流す。 (だ・・・・大丈夫だよな?ジェラートの面倒見てたのは本当だし・・・・・。) そんな事を考えながら、ソルベは玄関の方へ歩いていく。 「はいはーい、どちら様ですかー?」 そう言ってソルベが玄関の扉を開けると、そこには椛が立っていた。 今日は非番なのか、萌黄色の着物に象牙色のケープを羽織っており、その手には風呂敷を抱えている。 「突然の訪問、大変失礼致す。」 「どうした?お前が家に来るなんて初めてじゃないか?」 そう言うと椛は笑いながら風呂敷を差し出してきた。 「いやなに、昨日なんでも宴会をしていたと聞きましてな。二日酔いにと柿を持ってきたのでござるよ。 すっかり熟してとろけておる故、食欲がなくても食べれるでござる。」 そう言って椛は風呂敷包みをソルべに渡した。 「お、悪いな。茶でも飲んでいくか?」 ソルベは普段と代わらない様子で、椛に対応する。 だが、椛はふと気づいてしまった。 「ソルベ殿・・・・・、ジェラート殿は?」 それを聞いて、ソルベの身体が硬直する。 が、それも一瞬だった。 「あぁ、あいつなら二日酔いで寝てるぜ。そっとしておいてやってくれ。」 そう言ってソルベは居間に向かおうと椛に背をむける。 「嘘でござるな。」 ソルベの背後に、椛が近づく。 「・・・・何のマネだ?」 「・・・・。」 椛は、ソルベの背中に懐刀を突きつけていた。 「・・・・最近、妖怪の山近くにすむ妖怪が何者かに痛めつけられ怪我をする事件が多発しているでござる。」 「そりゃお前、最近幻想郷に入ってきた魂食い妖怪じゃねえのか?」 「・・・・痛めつけられた妖怪は、あるものは火傷を負い、あるものは皮膚が蝋細工のように解けており、あるものは腹を切り裂かれていた。 さらに別の物は、まるで雷に撃たれたような状態でみつかっていたでござる。」 椛の言葉に、ソルベはため息をつく。 「なるほど、俺達のスタンドの能力じゃないかってわけか。 でも、そんなたくさんの能力が詰め込まれてる素敵なスタンドは俺達は持ってないぜ? 大体、あいつら喧嘩は好きだけど、殺しはあんまり好きじゃないんだよなぁ・・・・・。」 もったいないよなぁ、と言ってソルベは肩を竦める。 少しおどけた態度のソルベとは対照的に、椛の殺気がどんどん鋭くなっていく。 「・・・・・・・ジェラート殿のスタンドを確認させていただきたい。」 「だーかーらー、出せねーんだよ今は!まだ精神的に全然不安定だからな!ちょっとした衝撃で暴走しちまうんだよ! 第一、あいつのスタンドも俺と同じように戦闘向きのスタンドじゃない!!」 ジェラートに対しての疑いに気を悪くしたのか、ソルベの言葉が刺々しくなる。 椛はその様子を、鋭い目つきで見ていた。 「・・・・・ならば、これだけお聞きしたい。」 そう言って椛は、ソルベの背中から刀を放した。 「ジェラート殿は・・・、本当に人間でござるか?」 その言葉を聴いた瞬間、ソルベは上着の下の隠しホルダーに入れてあった拳銃を抜き、椛に向かってそれを構えた。 「何言ってやがるてめぇ・・・・・・・。」 ソルベの言葉は、完全に怒りが込められていた。目を見開き、今にも椛を殺そうとしているのがはっきりと解るほどである。 だが、椛は動じない。 「我々は鼻が聞く。ジェラート殿の匂いは、幻想郷の人間とも、外の人間とも・・・・・妖怪とも違う・・・・。」 だが、椛の言葉は続かなかった。 「がっ・・・?!」 ソルベが銃身を、椛の口に捻り込んだのだ。 「・・・・・帰れ。今すぐ帰れ。じゃねえとこのまま脳髄ぶっとばすぞ。」 切れ長のソルベの目が、冷たく光った。 前へ 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/2923.html
弱くても良い。強くなれば良い。 もう誰も傷付けない。 もう誰も泣かせたりしない。 俺が、城崎を、皆を、世界を守ってやる!! 彼は侵攻してくる敵のアルマを睨みつけながら不適に笑った。 「大切なのはどうすればいいかじゃない。 俺自身がどうしたいかだ!」 護るべき彼女と、友にそう言い放ち戦いへの参戦を決めた。 そして呼ぶ 機械仕掛けの巨人。白鉄の鉄鬼。そして、自分自身の力を 「―――っ来い!ラインバレル!」 その瞬間、辺りが光に包まれて浩一は この世界から姿を消した。 鉄の使い魔 プロローグ 浩一の誓い 「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール!」 何度目の呪文になろうか。飽きる事無く繰り返される儀式の呪文に一度も成功は無い。 ルイズは焦った。自分以外は全員成功させている。 コルベール先生も半ば呆れている。 呼ばなければならない。何としても、使い魔だけは! 今、ルイズが行っているのは《春の使い魔召喚》と呼ばれる儀式だ。この儀式で呼び出した使い魔によって生徒達は今後の属性を固定し、専門課程へと進んでいく。 即ち、使い魔が召喚できなければ自分はどの専門課程へも進めず、本当にゼロのルイズになってしまう。 それだけは避けたい。家名にも、自分の貴族・メイジのプライドにも傷がつく。だから彼女は渾身の想いを込めて叫んだ。 「この宇宙のどこかにいる、強く、美しく、そして従順な使い魔よ!私は心より求め、訴えるわ!我が導きに応え、その姿を表しなさい!」」 その瞬間、辺りは光に包まれ、砂埃が舞う。 周りの生徒達が咳き込む中、ルイズはじっと光の中心に目を凝らせた。 そこにいたのは、変わった格好をした少年だった。 鉄の使い魔 第一話 召喚
https://w.atwiki.jp/kirukodqm/pages/207.html
,. --- v ‐、 / . . .> .ヘ / / . . ./ . . _,.-∨ー-....,_ / . /ム_r_ヽ_,. > ― -、ヽ // . .\ . . . . . . . . . . . . . . . . . . .\ ,イ´ . . . . . . ..i\ . . . . . . . . ./ . ./!i . . . .ヽ、 // . . . . . . . . .イ,、 .\>vく_ .ノノji . i . . . ハヽ / / . . . . . . . / !f | . . kf ぅ、 _ナ7 .リ .ハ i } / / . . .. . . / ゝィ . .! `' ムノkィレ' リノ / / . . .< ̄`ー-、 j . .!、 _ `/ . ヽ ' / / . . . ./  ̄ `7 ̄ ヽ ハ r- ´ ヽ . ハ. / / . . . ./ ,イ i .}, ゝ=ニニ>、 ヘ ,' / . . . ./ // , へ! .ハ'、 ゝぅ ヽ ' .', , / . . . ./ ,ィ'´ 7 人 j .レ' ̄`ー'=='、 ';.',. -f―‐'7 . ̄7´/ / / ∨7 .ノ ヽ _ ヽ ';.', i / . . . // . / / ∨∧ _ i } ';, ', / . .,才 / 、' / ∧ ィ ニ > = = { '} ∨´ . . f ヽ ヽ //' ヽ `, リ // . . . . . ! ` 、 v'/ ∨ ヽ ._ ,. ハ j. / . . . . . . i ゝ `ゝv、_,.j-へ 二 ー- ィヽノ / . . . . . . . .! ハ!`f// 二ニミ、 ― ‐'ハ f . . . . . . . . !| Ⅵ `^ ー-` ., `^´ ー ' i ハ ! . . . . . . . .i!| '! / ` ! i\ | . . . .i| . . .!i| jr' } |, ヽ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 種族:湊斗光 ♀ +4 性格:猛攻 LV44 HP:462/462 MP:422/422 こうげき C+ ぼうぎょ B すばやさ C+ かしこさ C 【特技】 ・かばう 消費:2MP(3MP) 種別:補助動作 タイミング:[[セットアッププロセス]] 宣言した時点で行動済みとなるが、味方1体をかばう事ができる ただし被ダメージが上昇する ・におうだち 消費:8MP(12MP) 種別:補助動作 タイミング:セットアッププロセス 宣言した時点で行動済みとなるが、味方全員をかばう事ができる ただし被ダメージが大きく上昇する ・因果応報 消費:40MP(60MP) 種別:補助動作 タイミング:セットアッププロセス この特技を使用したラウンドは、 【攻性防禦】【カウンターシュート】に受けた威力に応じた攻撃力が加算されるようになる ただしこのラウンドはあらゆるダメージを軽減する特性の効果を受けられない この特技は例外的に他のセットアッププロセスの特技と同時に使用できる ・練精化気 消費:2MP(3MP) 種別:補助動作 タイミング:[[マイナーアクション]] 自身の【こうげき】【ぼうぎょ】【すばやさ】の内ひとつを+1する この効果は3ラウンド持続する 使用する場合は、【マ:練精化気(上昇させる能力値)】と記述する事 ・瞬撃 消費:16MP(24MP) 種別:補助動作 タイミング:マイナーアクション 次の[[メジャーアクション]]の物理攻撃に対し、【すばやさ】に応じてダメージボーナスを加える ・かぶとわり 消費:4MP(6MP) 種別:斬撃 タイミング:メジャーアクション 敵単体に物理攻撃を行う 命中した場合、一定確率で敵の【ぼうぎょ】を2段階減少させる この効果は3ラウンド持続し、持続中に弱体化が成功した場合は、持続時間が上書きされる ・だつりょく斬り 消費:4MP(6MP) 種別:斬撃 タイミング:メジャーアクション 敵単体に物理攻撃を行う 命中した場合、一定確率で敵の【こうげき】を2段階減少させる この効果は3ラウンド持続し、持続中に弱体化が成功した場合は、持続時間が上書きされる ・旋風撃 消費:5MP(7MP) 種別:格闘 タイミング:メジャーアクション 敵全体に物理攻撃を行う ・辰気収斂 消費:30MP(45MP) 種別:体技 タイミング:メジャーアクション 敵全体を3ラウンドの間【バインド】状態にし、回避不能にする また効果持続中は[[クリンナッププロセス]]にHP減少効果を与える ・【テンション特技】 ※一つの特技は1ラウンドに1回のみ使用できる ・【T】ミラージュボディ 消費:10MP(15MP)・テンション1 種別:補助動作 タイミング:セットアッププロセス そのラウンドの自身の攻撃に、追撃が発生するようになる ・【T】練気化神 消費:10MP(15MP)・テンション1 種別:補助動作 セットアッププロセス 同時に【かばう】【におうだち】及びそれに類する特技を使用する事 それらの特技を使用しても行動済みにならない また自身の【こうげき】【ぼうぎょ】【すばやさ】を+1する この能力上昇効果は3ラウンド持続する ・【T】練神還虚 消費:30(45)MP・テンション2 種別:補助動作 セットアッププロセス 同時に【かばう】【におうだち】及びそれに類する特技を使用する事 それらの特技を使用しても行動済みにならない またそのラウンド、自身の被ダメージが減少する ・【T】鉄壁守護 消費2MP(3MP)・テンション2 種別:補助動作 タイミング:セットアッププロセス 宣言した時点で行動済みとなるが、味方1体をかばう事ができる またこのラウンドの被ダメージが半減する ・【T】だいぼうぎょ 消費:10MP(15MP)・テンション3 種別:補助動作 タイミング:セットアッププロセス 非常に強力な【ぼうぎょ】を行う ・【T】飢餓虚空・魔王星 消費:120MP(180MP)・テンション4 種別:体技 タイミング:セットアッププロセス 3ラウンドの間、、敵の行う全ての攻撃が自身に集中するようになる またこの特技の効果中はあらゆる攻撃と敵の[[メインプロセス]]の消費に対して【攻性防禦】が発動するようになる ・【T】バリアブレイク・ストライク 消費:12MP(18MP)・テンション1 種別:格闘 タイミング:メジャーアクション 無作為に選ばれた1属性の耐性を1低下させる物理攻撃を単体に行う ・【T】天座失墜・小彗星 消費:57MP(86MP)・テンション3 種別:格闘 タイミング:メジャーアクション 敵単体に対して【こうげき】のみを参照した物理攻撃を行う ただしこの攻撃に対し、防御側は【ぼうぎょ】を参照する事ができない またこの攻撃は【かばう】【におうだち】【アタックカンタ】を無効化して対象にダメージを与える 【特性】 ・戦士の手 通常攻撃及び【種別:格闘】の特技の攻撃による会心の一撃の確率が上昇する ・天賦の武才 【種別:斬撃】【種別:射撃】の特技を【種別:格闘】として扱う ・戦闘技術 確率で発動する特性の発動率が上昇する ・ストライクウルフ 【種別:格闘】の特技による攻撃を行った後、追撃が発生するようになる ・バリアブレイク ぼうぎょ低下・耐性低下系特技の効果が上昇する ・シューティングアーツ 通常攻撃及び【種別:格闘】の攻撃が全て2連撃になる その際、攻撃の威力が僅かに威力が上昇する ・初太刀の攻防 その戦闘で一番最初に受けたダメージを半減させる またその攻撃が物理攻撃であった場合、【攻性防禦】の発動確率が大幅に上昇する ・刃の手甲 一定確率で敵からの被ダメージを減少させる また減少させた値だけ相手のHPを減少させる ・献身の盾 味方のHPが一定割合以下の場合、自動的に【かばう】を使用する ただし同一ラウンド内で使用回数を重ねる度に発動確率が大きく減少する ・超振動防御 【ぼうぎょ】及び【かばう】を使用した時、被ダメージを減少させる また【ぼうぎょ】及び【かばう】使用時、稀に【魔法】【体技】を反射する ・武装解放 初めて場に登場した時、【ぼうぎょ】が2段階、【すばやさ】が1段階上昇する この効果は戦闘終了まで継続する ・分泌装甲 【ぼうぎょ】が上がる特技の効果を受けた場合、その特技の効力が上昇する またその特技の効果持続時間が通常よりも長くなる ・攻性防禦 一定確率で敵の物理攻撃に対し反撃を行うようになる 【ぼうぎょ】及び【かばう】【におうだち】とそれに類する特技を使用している際には発動確率が上昇する ・カウンターシュート 【ぼうぎょ】及び【かばう】【におうだち】とそれに類する特技を使用している際、 低確率で敵の魔法・体技攻撃に対し小威力の反撃を行うようになる ・亡者の執念 HPが0になっても、そのラウンドの最後まで戦闘不能にならない ただし敵から即死効果を受けた場合は即戦闘不能になる ・絶対強者 【毒】【猛毒】【混乱】【麻痺】【睡眠】【朦朧】を無効化する また状態異常及び能力値弱体効果を受けた時、テンションが1増加する ・天下布武 クリンナッププロセスに【こうげき】が1段階上昇する また自身が敵に止めを刺した場合、テンションが1増加する ・鏖殺宣言 そのラウンドで自身が攻撃対象にならなかった場合、全能力値が1増加する またテンションが1増加する ・完全世界 死亡確定のダメージを受けた時1戦闘に1度だけそれを無効化し、HPを20%回復する ・スターハート 【ぼうぎょ】の能力上昇に応じて与えるダメージが増加する ・ライトメタルボディ あらゆるダメージを1/2に減少させる ただしあらゆる特技の消費が1.5倍になる(テンション特技のテンション消費量は変わらず) またHP上限が通常よりも低くなる ・テンションキーパー テンションが0になった時、即座にテンションを1に上昇させる ただしこの効果が発揮された時、MPを最大MPの10%消費する 【血統特性】 ・血統特性:ガーディアン 以下の特性を追加で得る ・プロテクトシェル そのラウンドでメインプロセスを消費しない場合、被ダメージが減少する┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 5スレ目4494にて登場 両親は暁とマーカス
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/2931.html
「あんた誰?」 ルイズは愕然としていた。聖獣や幻獣を呼び出すはずのサモン・サーヴァントで、よりにもよって人間の男を召喚してしまったのだ。身長は自分よりも少し高いだろうか。少し長めの茶色の髪と、不思議な眼をした少年だった。 周りでは、事態を分かり始めた生徒達から笑い声が聞こえ始めていた。 「おい!ルイズ!人間の使い魔なんて聞いた事ないぞ!」 「さすがはゼロのルイズね!アハハッ!」 「しかも見たところ平民ときたもんだ!笑うしかないだろう?」 笑い声が増えていく。ルイズは顔を真っ赤にしながらコルベールに怒鳴った。 「ミスタ・コルベール!もう一度召喚させてください!」 コルベールと呼ばれた、頭の禿げが妙に目立つ男が表れた。 「それは無理だ。ミス ヴァリエール。伝統であるとともにこれは神聖な儀式だ。二度は許可できない。彼を使い魔にしたまえ。」 「そんな…」 ルイズは落胆し、がっくりと肩を落とし溜め息をついた。 早瀬浩一は混乱していた。 わけが分からない。ここはどこだ!? 俺はさっき、JUDA本社の屋上で城崎を護るためにラインバレルを呼んだはずだ…。なのになぜ!?つか、こいつら誰だよ!? 浩一の前には女の子がいた。桃色がかかったブロンドの髪と、鳶色の瞳が特徴的な背の低い可愛い女の子だった。 彼女は禿げたおっさんと口論をしていた。 「そんな…」 肩を落とし溜め息をつきながら彼女が近付いてきた。 「あんた、名前は?」 「は、早瀬浩一…、つかどうなってんの?城崎は?アルマ達はどこにいったんだよ!」 「…ハァ?ワケ分からない事言わないで頂戴。」 「それはこっちの台詞だ!!一体俺はどうなってんだ!?」 「うっさいわね!ちょっと黙って!!………あと感謝してよね、貴族にこんなことされるなんて、平民のアンタじゃ一生ありえないんだから」 「(…は?)」 彼女は顔を真っ赤にしながら自分に杖を向け、 「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我が使い魔となせ!」 と唱えた後、ゆっくりと唇を近付けた。 「ちょっ、えっ、」 抵抗する間も無く、ソレは自分の唇と重なった。 「(ン――――――!?)」 あまりの出来事に唖然としていると少女は禿げさんに終了の旨を伝えた。 「コントラクト・サーヴァントはできたようだね。」「はい…」 「それは相手が平民だったから成功できたんだろ!」「そうそう。じゃなきゃ契約できるわけないよ」 契約?コントラクトなんとか?こいつらは何を言っているんだ?それゆりどうなってんだ? などと一人状況を認識しようとしていた浩一の腕に痛みが走る 「っぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!熱い!!」 すると左手の甲に不思議な痣ができる。 「うっさいわね。使い魔のルーンが刻まれてるだけよ!おとなしくして。」 「おや?珍しい形のルーンですね。メモをとらせてもらうよ。」 禿げたおっさんが呑気にメモをとっている内に、浩一はルーン顕現の痛みに耐えられずにあっさりと意識を投げ出した。 鉄の使い魔法 第二話 契約 「俺は――」 俺はルイズに説明した。 俺は多分この世界の人間じゃないこと。 俺は元の世界で、マキナという巨大な力で加藤機関という悪と戦っていたこと。仲間の事、地球はこちらの世界とは全然色んな事が違うって事。 「…マジ?」 「大マジだよ!だから早く元の世界に戻してくれ!」「無理よ」 「なんで!?勝手に呼んどいてそれはないだろ!責任とれよ!」 浩一は怒鳴った。今のJUDAでまともに戦えるマキナはラインバレルだけだ。俺がいなくちゃ城崎や森次さんに迷惑がかかる。 「じゃあアンタ死ぬ?」 「は?」 「主と使い魔の関係は、どちらかが死ななきゃ解消されないの。だから諦めて。」 「そんな…」 「仕方ないじゃない。わたしだって人間の使い魔なんて欲しくなかったわよ。それと、早くベッドからどいて。わたしが寝れないでしょ。」 浩一がベッドから降りたのを確認するやいなや、ルイズは何を思ったのか服を脱ぎ始めた。 「え…ちょ…ルイズ何やってんだよ!」 「何って着替えよ。別に使い魔に見に見られたぐらいどうって事ないでしょ。」 彼女からブラウスとスカートがふわりとはずれる。ほっそりとした肢体は今下着しかつけていない。 たまらず浩一は顔を真っ赤にしながら部屋から飛び出してしまった。基本的にウブなのだ彼は 「なんなのよ…まったく」 彼女は、明日の朝自分を起こす事と、衣服の洗濯をするようにという指示を書いた置き手紙をドアに張り付け、ベッドに潜り込んだ。 鉄の使い魔 第三話 自らの世界 部屋を飛び出した浩一は庭に出ていた。 「ラインバレルを呼べば通信が使えるかもしれないしね…」 ニヤリと笑みが溢れる。こんな変な世界には居たくない。早く地球に帰りたい。 彼は昂ぶる気持ちを抑えながら叫んだ。 「っ来い!ラインバレル!」 その言葉に応じ、白い巨躯がその場に顕現する!…………はずだった。 「っあれ?来い!ラインバレル!」 繰り返される言葉に反応は無い。浩一は焦った。 「来い!っ来いよ!迎えに来いよ!ラインバレルッ!!」 浩一の虚しい叫びが夜空に広がる。 その叫びに応えるモノは無かった。 「別世界には来れないってのかよ……、俺はここにいるしかないのか……。」 元の世界に戻るための鍵を失った浩一は絶望した。 外の寒さが体を舐めていく。 部屋に帰ろう。明日になればルイズよりすごい魔法使いなら俺を帰してくれるかもしれない。 そんな有り得ない希望にすがりながら彼はその場を後にした。 部屋のドアに貼られた手紙により、さらにその絶望が深くなる事も知らずに 鉄の使い魔 第四話 軽い絶望 番外編 浩一が先程から口にしているマキナと呼ばれる兵器の説明をしよう。 浩一達の住む世界に突如として表れた12体の巨大兵器、それがマキナ。 マキナと呼ばれる巨大な人型兵器は、単体では人間に危害を加える事ができない。 兵器として、いや人を殺すためにマキナは要因《ファクター》を必要とする。 言うなればファクターはマキナにとっての引き金だ。ラインバレルのファクターに選ばれたのが早瀬浩一だった。 今浩一が行おうとしていたのはラインバレルの召喚だ。 マキナとファクターの間には特殊なフィールドが存在している。 そのフィールドを経由することによりマキナはファクターの召喚に応じ、ファクターの下に瞬時に転移することが可能になる。 だがそれは元の世界でのは話。 ハルキゲニアでの召喚に足りないモノを少年はまだ気付いていない 鉄の使い魔 第4,5話 力の実態
https://w.atwiki.jp/shinatuki/pages/189.html
「・・・・・早く来過ぎたか。」 静かな寺子屋の校庭で、ポツリとリゾットが呟いた。 どうやら彼が寺子屋についたのは、腕の時計で12時前。お昼休みの前である。 静かな教室からは、慧音の声だけが聞こえる。 通常、寺子屋は午前中で授業が終わるのだが、時折午後にも授業を行うらしい。 そしてリゾットは、その授業を任されていたのだ。 ついでにお昼も食べようと持ってきたからいいのだが、慧音もいないのに勝手に上がるわけには行かない。 そして、ふとリゾットが気づいたのは校庭に転がるサッカーボールだった。 そういえば、以前幻想郷でサッカーが流行っていたと言う話を聞いた事がある 「懐かしいな・・・・・。」 イタリアではサッカーはメジャーなスポーツである。 もちろん、リゾットも昔はサッカー少年であり、暇さえあれば友人達とボールを蹴っていた。 キャプテ○翼だって、全巻揃えたものだ。 「よっと・・・・。」 リゾットはふと、サッカーボールを蹴り上げて、リフティングを試みる。 だが、強く蹴り過ぎたのか、ボールはあさっての方向へ飛んでいく。 「む・・・・・。」 そして、しばらくリゾットは、リフティングの練習を続ける。 すると、感を取り戻してきたのか、リゾットがぽんぽんと連続でリフティングできるようになっていた。 「よっ。」 そしてさらには、ヘディングでリフティングまで始めた。 これが出来た事で小学生の頃はクラスの皆から多いに尊敬されたものである。 ただ、これの練習にかまけすぎて成績がおち、家の手伝いもサボったため大いに怒られたのは言うまでもない。 実に彼らしくないエピソードだが、何せまだ自分が将来こんな事になるとは欠片も思っていなかった頃である。 ここに通う子供達同様、実に能天気なものだった。 そして、カーン、カーンと授業の終わりを告げる鐘が鳴る。 それにはっとして、リゾットはリフティングをやめた。 すっかり夢中になってしまっていたらしい。 一度集中したら中々他に気が回らないことが、自分の悪い癖である。 そんな事を考えながらリゾットはボールを片付けようとする・・・・が。 そんなリゾットの服を、後ろから何者かがひっぱる。 「ん?」 後ろを振り向くと、そこにはキラキラと目を輝かせた数人の少年達がいた。 「先生スゲーのな!!あんなの俺見たことねーぞ!」 「僕も僕も!!」 「ねーねー!教えて!教えて!!」 そう言って子供達は目をキラキラと輝かせて、リゾットに教えを請う。 どうやら、教室の窓から自分を見ていたらしい。よくよそ見をしていて慧音に怒られなかったものだ。 「あ・・・・あぁ。」 リゾットは戸惑いながらも、子供達にリフティングのコツを教えることにした。 しかし、彼にはうまく教えられているのか解らない。 何せ授業だけでもう精神的に参っているのに、こんな近距離で、しかもベタベタ触ってくる。 内心テンパりまくりであり、暗殺チームのメンバーが見れば、「リゾットがあんなに慌ててるの滅多にないな。」と写メされていただろう。 「先生!俺にも教えて!!」 「私も!!」 気がつけば先ほどの三人以外の子供達も集まってきてすっかり昼休みはサッカー教室となっていた。 そして、昼休みが終わる後、校庭のベンチにはすっかり燃え尽きたリゾットが残された。 「り・・・・リゾット・・・・・。大丈夫ですか?」 真白になったリゾットに、そーっと慧音は近づく。 「だ・・・・大丈夫だ。」 よろよろと、リゾットは立ち上がる。 疲労のせいでスタンドを制御出来ていないのか、その眼は普段の赤と黒に戻っていた。 だが、すぐに精神を集中させ、彼は目を元に戻す。 「すぐに行こう。授業に間に合わない。」 そう言って、リゾットは歩き出した。 「本当に大丈夫ですか?何なら休みにしても・・・・。」 「大丈夫だ。」 心配そうに話す慧音にリゾットは何事も無かったかのように振舞う。 実際、アレくらいの心労でまいっていては、暗殺者などやっていられないのだ。 先に進むリゾットの背中を、慧音は心配そうに眺めていた。 そして授業も終わり、日は暮れかかっていた。 生徒達は以前よりもリゾットに明るい笑顔を向けて、学校を後にする。 「じゃあね先生!また明日もサッカー教えてね!」 「あぁ、またな。最近妙な妖怪が出るらしいから、皆で帰るんだぞ。」 リゾットのサッカー教室がえらくお気に召したのか、子供達は次から次にそのことについて話をかけて来る。 リゾットの注意もまともに聞いているかどうかだ・・・。 「・・・・今度あいつらにもサッカーが出来るか聞いてみるか。」 大半が波乱万丈な人生を送っていた暗殺チームだが、何人かは子供時代はまともにすごせた奴もいる。 むしろ、チームの皆でサッカーなんて出来たら楽しそうだ。 「・・・・・・・こんな事、考えた事も無かったな・・・・。」 チームのメンバーの事を、リゾットは家族のように考えていたがそれでもまさかそんな事をするなんて、考えてもいなかった。 人殺しに明け暮れる日々だったので、当然といっては当然だが。 そんな人殺しに明け暮れ、部下を無駄死にさせ、それでもボスを倒せなかった自分が穏やかにこんな生活をしている。 日本の死後には、「生まれ変わる」と言う概念がある。 死んだ後、地獄に落ちないのだ。生まれ変わった後の自分は、きっと今より壮絶な人生を送るのだろう。 いや、人になど決して生まれ変われないだろう。 「リゾット?」 いつの間にか隣に来ていた慧音に話しかけられ、リゾットはハッとする。 「す・・すまない。考えこんでしまったようだ。」 「いけない癖ですね。怒られませんか?」 少しぷりぷりと怒りながら、慧音はリゾットに話しかける。 「・・・・よく注意される。直そうとも努力しているんだが・・・・。」 最も、リゾットが思考の海に沈むのは日常生活の誰もそばにいない時だけなのであまり困らないので直せないのが現状である。 しかも子供の時から癖なので、なかなか直らないのだ。 「実は今日の授業の内容について質問があるのですが・・・この後時間は空いていますか?」 「あぁ、大丈夫だ。ただ、帰りが遅くなると同居人に伝えてからでいいだろうか?」 「解りました。」 そしてリゾットはポケットから携帯電話を取り出し、電話をかける。 『pront?』 すると、ソルベが電話に出た。 どうやらジェラートはまだ寝込んでいるらしい。 「あぁ、ソルベか?皆はどうした。」 『あ・・あぁ、まだちょっくら戻ってねぇんだ。映姫さま相当怒ってたらしいからな。』 「まだ戻っていない・・・?解った。今日は少し遅くなるから、その事を皆に伝えておいてくれ。」 『解った。飯はどうする?』 「適当に済ませてくれればいい。俺は自分で何とかする。」 『りょーかい。じゃあな。』 何やら慌てているのか、ソルベは手短に電話を切ってしまった。 「・・・一体どうしたんだ?ジェラートが吐いたのか?」 リゾットはその様子を疑問に思いつつも携帯電話をポケットにしまう。 「・・・・便利ですね。外の世界の道具は。」 感心したように、慧音が呟く。 「映姫さまに出来るだけ幻想郷の住人の前では使わないように言われてるんだが・・・、まぁ、あなたなら大丈夫だろう。」 要するに、幻想郷の住人が外の世界に出来るだけ興味を持たないように、と言うことだろう。 「あまりに便利な道具は人を慢心させ、油断させ、退化させる。」 もっとも、これは道具だけではないが、とリゾットは付け加えた。 最強に近いスタンド能力を持っていたのに油断した結果あっさり死んでしまった部下の事を考えながらだ。 「なるほど・・・・・・・・。」 「実際、これは色々と機能がつき過ぎて使いにくい事もあるしな。」 世間話をしながら、二人は静かに教室を出る。 すでに空は、夕日がかなり沈みかけていた。 「・・・・どうすっかなー。多分あの椛の様子だと俺達狙われるっぽいしなー。」 携帯を閉じたソルベは、ぽつり、と呟いた。 彼は洋館二階のバルコニーで、暗くなる空を見ながらタバコを吸っている。 彼の目は、どろどろに溶かされたジェラートの部屋の壁が見えた。 あまりのショックにソルベの思考は、冷静そのものだった。 「ま、考えても仕方が無いか。」 そう言って家の中に入り、自室のコレクション入れを開ける。 そこには戦闘向けスタンドではない故に、重火器の扱いや裏での顔の広さは相当なものである。 対妖怪用の特殊ハイドラショック弾に、猛獣用の麻酔弾。 拳銃だけでなく、アサルトライフルも必要だろう。 さらには大型獣用の麻酔銃も用意した。 「足りるかなー・・・。多分、この調子だと、プロシュート達も巻き込まれてんな。ちょっと余分に持ってってやるか。」 外から、聞こえてくる、無数のカラスや狼の声、無数の殺気。 どうやらこの屋敷から出るのも一苦労しそうだ。 だが、久しぶりの殺し合い。相手も殺しに掛かってくるのだから問題はない、楽しもう。 「ま、久しぶりの化け物退治、派手に行くか!!」 そう言ってソルベは、どう見ても幻想郷に似つかわしくない恰好で、窓から外へ飛び出した。 「ビーチボーイッ!!」 「ぐあっ?!」 ペッシのスタンドの鈎針を翼に突き刺され、地上に引き摺り下ろさせる。 「兄貴!!」 「おう!!」 引き摺り下ろされたカラス天狗の青年に向かって、プロシュートが拳を向ける。 もちろん、彼に人間以上の力はなく、妖怪に効くはずもない。 だが、彼の傍に起つ彼の精神の具現。 「グレイトフル・デッド!!」 不可視の硬く強力な拳が、天狗の腹を打ち抜く。 それと同時に、天狗の青年は、一瞬で老人へと変化した。 ドサッという音と共に、干物のようになった天狗は地面に落ちる。 「これで全部かペッシ!!」 「へい兄貴!俺達を追ってきてる奴はこれで全部ですぜ!!」 それを聞いて、プロシュートはグレイトフルデッドを消す。 彼らはバラバラになっての調査の途中、突然無数の妖怪達に襲われた。 プロシュートはペッシにあたりの警戒を任せ、仲間に連絡を取ろうと携帯電話を操作する だが、全員襲われているのか、誰一人電話には出なかった。 とりあえず短いメールを打ち、送信する。 「くそっ・・・!!こんなに寒くちゃグレイトフル・デッドもきかねぇしよ・・・。」 「他の皆は大丈夫ですかね?」 プロシュートにペッシが心配そうに尋ねる。 すると、プロシュートは深呼吸をして、ペッシの方を向いた。 「・・・・・・・仕方がねぇ、ペッシ。殺る気で行くぞ。」 「?!」 そう言ってプロシュートは懐から拳銃を取り出し、安全装置を外す。 その言葉を聴いて、ペッシは息を呑んだ。 「今更あと何十人殺したって今更俺達はどうしようもない悪党だ。だったらここで意地でも生き残るぞ。」 プロシュートはペッシに視線を向ける。 その瞳は、彼にやれるか?と尋ねていた。 以前の彼だったら怯えてプロシュートに泣きついていただろう。 「・・・はい!!」 だが、ペッシはもうあの頃の彼ではない。 ペッシはしっかりとした表情で、ハッキリした声で、プロシュートに答えた。 「あー、もう弾幕勝負じゃ拉致があかないね。ベイビィ・フェイスもう一体くらい作っとくべきだったなぁ。」 レティの影に隠れながら、メローネがそう呟いた。 彼らは、空からカラス天狗に、地上からは山伏天狗や白狼天狗に襲われていた。 メローネに大して戦闘力がないのを把握しているのか、激しい風の攻撃で彼らをしとめようとする。 それに対抗する為、レティは粉雪を降らせ風の動きを把握する。 だが、それでもメローネは他人事のようにその様子を見ていた。 「じゃあどうするのよ?!ベイビィ・フェイスは間に合わないし、ギアッチョ達とも連絡がつかないんでしょ!!」 そんなメローネに、半ばキレかけながらレティは彼を庇う。 すると、連続する破裂音と共にレティ達を襲っていた天狗の翼が突然何かに撃ち抜かれる。 天狗は悲鳴を上げて、地面に落ちた。 「え・・・?」 レティが驚いて後ろを振り向くとそこにはオートマチック拳銃を構えて、平然としているメローネがいた。 「うん、だから殺しちゃおうぜ。レティって昔の人だからこう言うの割かし慣れてるでしょ。」 メローネはそう言ってくるくると拳銃を回した。 メローネが無力な物と思っていた天狗達は、外の兵器の威力に驚いているようだ。 「あー、寒い寒い。とっとと皆殺しにして皆探し出して帰ろう。ギアッチョの位置はレティ解るんだよね、使い魔って便利ー。」 まるでコンビニから出てきた瞬間のような台詞を言って、メローネは再び拳銃の標準を敵へと向ける。 「んー、やっぱ致命傷に当てるのは少し難しいかな。反動も大きいしこれ。レティ、俺は空の天狗狙えるだけ狙うから、地上よろしく。 レティって昔の神様だから、血なまぐさいのは慣れっこだよね?」 「た・・・確かにそうだけど・・、殺して上司に怒られないの?」 メローネの言葉に、少し戸惑いながら、レティがメローネに質問する。 「大丈夫大丈夫!映姫さまに出された条件は『俺達が死なない』だけだからさ!!」 そう言ってメローネは、笑いながら、鼻歌さえ歌ってレティに答えた。 次の瞬間、メローネは空高く舞い上がる。 リボルバーの反動を計算しながら、敵の風の攻撃を避ける。 「あははははは!!これで二挺拳銃で剣を持ってたら、ゲームの主人公そのものなのになぁ!! そして西部劇のように、クルクルと拳銃を回して、敵に撃ち込む。 既に、敵は外の世界の武器の威力ではなく、笑いながら殺そうとしてくるメローネに、恐怖を覚え始めていた。 「まったく、毒蛇が襲い掛かってくるーなんてアクシデントはともかく、突然何かに襲い掛かられるなんて結構日常茶飯事だったぜ?」 メローネは相手の妖怪たちを笑いながら、カートリッジをリロードする。 「人殺しをするなら、きちんと敵の状態を調べておかなくちゃ。あんたらの健康状態は良好かい?」 そう言いながらメローネは目の前にいる妖怪達を眺める。 男ばかりと思っていたが、どうやら何人か女もいるようだ。 それを見て、メローネは舌なめずりをする。 「あぁ、よかった。『母親』にはしばらく困りそうにないなぁ。」 「覚悟しろっ!!幻想郷を乱す悪漢め!!」 そう言って、ギアッチョに襲い掛かってきたのは年若い白狼天狗である。 ギアッチョの周りには、無数の天狗が、彼の周りを取り囲んでいた。 巨大な刀を振り下ろし、ギアッチョを切り裂かんとす。 「クソッ!!」 ギアッチョはスタンドを出現させた右手で攻撃を受け止め、弾く。 そしてそのまま地面を滑走して敵の間を縫って移動する。 だが、敵は弾幕を撃ってギアッチョを攻撃しようとする。 「チッ・・・!!」 ギアッチョは舌打ちをして、仕方が無く狭い木々の間に入り込んだ。 (やばいな・・・・、この間々だと追い込まれちまう・・・・・。アレを使うか・・・・。) 「追え!!奴はまだ弾幕勝負には慣れていない!!凍った植物を追っていけ!!」 司令塔らしき人物が、部下にそう指示をする。 それを聞いて、ギアッチョは最終手段を取ることにした。 (使わせてもらうぜ・・・、レティ。) そう言ってギアッチョは、積もった雪のような輝きを持つカードを懐から取り出す。 「寒符【コールドスナップ】!!」 ギアッチョはそう言って白いカードを発動させる。 スペルカードとは、一種のプログラムである。 ある一定の技を札にプログラムして、そこにエネルギーを入れることで技を発動させる。 本来、それは美しさを競うための攻撃で、負傷はほんの少ししかしない。 しかし、それは彼のスタンドの短い射程距離を庇うのには十分だった。 「っ?!」 ギアッチョを追っていた天狗たちは、突然吹いてきた冷たい風に目を閉じる。 そして、次の瞬間絶句した。 一瞬の間で森の木々は凍りつき、月明かりを反射し、冷たく輝いていた。 ギアッチョのホワイトアルバムのエネルギーを受けたスペルカードは、「寒さ」をより鋭くし、一瞬で周囲を凍らせてしまったのだ。 (これで何処行ったかわかんねえだろ。) ギアッチョは心の中で敵に向かって呟きながら、スタンドを解除し、移動した痕跡を残さないようにおそるおそる森の中を飛んで移動していった。 「・・・くそっ!!見失ったか!!」 そう、河童と天狗の混合部隊の隊長を負かされた多少年老いた鴉天狗は呟く。 彼が見失ったのは、ホルマジオである。 姿を自由に小さく出来る彼は、あっという間に彼らの前から逃げてしまった。 一応、白狼天狗の鼻である程度は追いかけられたが途中で見失ってしまったのだ。 「仕方がない・・河童隊!!やれ!!」 「「はいっ!!」」 そう言って河童達は、自分達の力を発動させる。 彼らはその高い技術に隠れがちだが、水を自由自在に操ることが出来る。 近くの川の水を複数人の意識を集中させ、まるで津波のように高く高く立たせる。 これを一気に森に被せれば、自分達はともかく人形のようなホルマジオは元の大きさに戻らなくては溺死してしまうだろう。 「よし・・!!はな・・・・・っ?!」 放て、と命令しようとした天狗は、一瞬立ちくらみのような間隔を覚える。 他の天狗や河童達も同様の感覚を覚えたのか、彼らの身体が一瞬揺らぐ。 だが、すぐに気を持ち直し、身体を起こす。 「な・・なんだ?!敵の攻撃か・・・?!」 そう考えた彼らは、辺りを見渡した。 そこには、変わらず森の風景のみが広がっていたが・・・・・、何か、おかしかった。 だが、彼らには、その違和感は解らない。 「はぁ・・・・。」 突然、ため息が彼らの頭上から聞こえた。 「俺さ・・・、こう・・、プロシュートとか聞いてたら暗殺者が何言ってんだって怒られそうだけど・・・、スプラッタ系とかグロいの苦手なんだよな。」 一同が声のした方を見ると、長い黒髪を複数に結んだ、陰気な青年が木の枝に腰かけていた。 憂鬱そうな顔で、脚をぶらぶらと動かしながら、一同を見ている。 なにやらぶつぶつと、独り言のような事を呟いている、不気味な青年だった。 一同は彼を敵と見なし、攻撃しようとする。 だが、刀も、天狗の団扇も、河童の最新兵器も、彼らの手にはなかった。 「だからさ・・・、まぁこれをきっちりやって止めを刺さなかったから俺は死んだんだけど・・・。やりたくないなぁ・・・・。」 そう言うと、青年はんーと唸ってから、呟いた。 「あー、じゃあ天狗は・・・『翼』を許可しない事にするか。」 突然、彼らの足元で何かがキラリと光る。 「え・・・・・・・?」 そして、次の瞬間、天狗は突然、自分に背に生えていた翼が消滅した事に目を疑い。 「「「「ぎゃぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁっ!!」」」」 身体の一部を失った痛みに、彼らはもだえ苦しむ。 そんな様子を見て、木の上の青年は、うわぁと声を上げる。 だからと言って、彼は決して容赦はしない。 「じゃー、河童は・・・・『爪』は許可しないでいいか。」 そして、彼の宣言の後、悲鳴の声がさらに重なる。 「うわー、マジで痛そう・・・・。」 その言葉とは裏腹に、青年の口にはサディスティックな笑みが浮かんでいた。 「おいおい・・・・、ちょっとノリすぎじゃねえのか?」 ポケットからひょこっと顔を出したのは、ホルマジオである。 サディスティックな笑みを浮かべる青年・・・・イルーゾォを呆れたように見ている。 「いやぁ、だって久しぶりに痛めつけてもいい敵だからさ。ついつい・・・・。それに妖怪って丈夫だから、これくらい再生できるだろ?」 「お前、ほんとスイッチ入るとサディストだよなぁ。ジェラートとかソルベといい勝負じゃねえか?」 「な・・・っ?!俺は別に快楽殺人なんてした事ねえよ!!毎回お仕事だから殺してたんですー!!」 痛みに苦しむ敵をよそに、彼らは雑談を繰り広げる。 「あ、ホルマジオ。そろそろ連絡を取れなくなった事に気がついた別の敵が来るんじゃないか?何か無線みたいので連絡しあってたんだろ?」 「お・・、じゃあ行って来るわ。」 「いってらっしゃーい。」 そう言ってイルーゾォは、鏡の外へホルマジオが出る事を許可する。 そして呻く妖怪達をよそに、イルーゾォは木の枝に横になる。 「あー・・・、アリスにはぜってぇ見せられないなー。」 そんなことを呟きながら、『鏡のイルーゾォ』は仲間が次の獲物を連れてくるのを待つことにした。 ジェラートは、森の中を必死に走っていた。 その左腕は、怪我を追っており、傷口を右手で押さえている。 「駄目だ駄目だ駄目だ・・・!!敵意を向けられただけだろ!!ちょっと怪我しただけだろ・・!!」 自分の身体に変化が起こったのは、最近だった。 地獄から、幻想郷に越してきて、また皆と馬鹿な事をやって、ソルベが傍にいて、最高だと思っていた。 だが、いけなかった。久々に現世の空気を・・・生きているということを感じてしまったのがいけなかったのだ。 自分の中で眠っていた『こいつ』は、ゆっくりと目を覚まし始めた。 「何で起きるんだよ・・・!!リゾットが頑張ってるときに・・・!!問題なんて起こしたくないのに!!」 それだけなら、問題なかった。生前は常に『こいつ』と一緒だったのだから。 だが、今は駄目だ。ここはあまりに、自分に危険が多い。その事を、『こいつ』は感じ取っている。 妖怪は、問題はない。何度か手合わせしたが、平均であの程度なら、『殺そう』と思えば殺せる。よっぽど強力な妖怪に危害を加えなければ攻撃されない。 問題は自分が殺し合いをしなくなる事、しなくては狂い『死んで』しまう事を一番、『こいつ』はそれが怖い。 自分が死ねば、『こいつ』も死ぬしかないのだから。 でも、自分は今の生活が気に入っていて、殺し合いをしなくても、楽しかったから、それでよかった。 頭が痛い、身体が熱い。 でも、これ以上傷つけられるわけにはいかない。 『こいつ』は臆病だ。俺の身体が少しでも傷つけば、すぐに直そうとする。 そのくせ、俺の身体に危害を加えなければ、自分の力を使おうともしない。 ソルベが目の前で殺されている時も、一切の力を貸そうとしなかったのだ。 だが、致命傷など負ってしまったら、『こいつ』は完全に目覚める。 そしたら自分の意思など関係ない、ただただ、暴れまわる。 その暴力に抗うものも、怯えるものも、そして自分の大切なものも関係なく、こいつは暴れ回ってしまう。 「来るなよ!!来るなよぉ!!」 ジェラートは頭を抱えて、必死に押さえ込もうとする。 自分の大好きな椛が、家を訪問してきたのは、気配でわかった。 彼女は、チーム以外で初めて出来た大切な人で、大好きだった。 そんな彼女が、ソルべに、そして自分に殺意を向けたのを自室にいながら自分は感じ取ってしまった。 そして、その明確な殺意と、自分の意思が揺らいだ隙に、『こいつ』は自分を侵食しはじめた。 敵が追いかけてきた、椛と同じ、白狼天狗だ。 彼は椛とは違う細身の日本刀を構え、ジェラートに向かってくる。 「来るなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 白狼天狗の刀が、ジェラートを貫いた。 「・・・・・あっけないな。」 そう白狼天狗の青年は、呟いた。 彼は刀をジェラートの体から抜き、血をぬぐって鞘に収める。 人間など、こんな物だ。もろく、弱い。 幻想郷の妖怪達をたぶらかしていると言う、外の人間。 それを殺し、幻想郷の均衡を守るのが彼が上から命じられた使命だった。 たとえそれが閻魔様の部下であり、地獄行きが確定している事だとしても、彼は引き受けた。 彼は非常に、幻想郷を愛しているからである。 この自然も、少女達が気まぐれにおこす異変も、卑小な人間達も、彼には全ていとおしかった。 だが、彼は不幸だった。 彼は妖怪の山、また幻想郷と言う、小さな世界しか知らなかった。 だから知らない、理解できない。外の人間の罪深さを。目の前の青年の、その正体を。 「ん・・・・・・・?」 彼の耳は捉えた。バルバルバルバルと言う、奇妙な音を。 その音は、既に事切れているはずのジェラートの身体から聞こえてきた。 白狼天狗は警戒し、刀を構える。 次の瞬間、彼は目を疑った。 ジェラートの身体の傷が、綺麗に治っているのだ。 「っ?!」 ジェラートがゆっくり起き上がり、身体を起こす。 起き上がりながら、彼の身体は変化を起こしていた。 皮膚は青く、硬質化して行き、その髪は長く長く伸びてく。 そして、額は割れ、そこからは赤く真っ赤な第三の瞳が現れた。 「WOOOOOOOOOOOOOOOOOOOM!!」 そいつに触れることは、死を意味する。 ジェラートの身体の中に潜むもの『バオー』は、完全に彼の身体を侵食した。 前へ 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/seriale/pages/2267.html
11/07/16(土)17 51 52 No.6838384 del ■魔法少女ロワイヤル!■ 鶴木 銀音(つるぎ しろがね) 鉄の属性を持つ精霊「ストレガ」と契約した13歳の少女 極めて大雑把で真っ直ぐな性格をしており、魔法少女になった動機も 「悪い奴をぶん殴っていいんだろ?」という大雑把な解釈に起因する物である 変身、というよりは銀色のガントレットとブーツを召喚、装備する事で戦闘形態となり、 あらゆる敵に蹴る殴るの物理的暴行で対処するとても乱暴な戦闘が可能になる 固有能力の「破壊」も攻撃手段と相まって途轍もない威力を発揮するため攻撃力は非常に高い なお、先述の装備以外はその時着ていた服そのままで、制服+装備など非常にマニアックな姿にもなる 11/07/16(土)21 22 43 No.6838889 del [#rc55efef] ソフトボール部っぽい感じに それにしても魔法少女分がなさ過ぎるなっ! 11/07/17(日)02 42 48 No.6841114 del [#rc55efef] ごめん絵化被った・・・。 だが、何か新しい絵柄に目覚めた気がする。 魔法少女だわー。 どっからどう見ても13歳魔法少女だわー。 とりあえず、FA扱いということで一つ。