約 4,187,526 件
https://w.atwiki.jp/shinkokuseki/pages/188.html
合計: - 今日: - 昨日: - 改正国籍法に伴う国籍取得届の状況(平成21年1月1日施行) (平成21年1月1日~平成23年12月31日) http //www.moj.go.jp/MINJI/MINJI41/minji174.html 現在、改正国籍法に基づく認知による国籍取得者(※父母が婚姻していない子)は、累計1581名となっています。 ******************************************************* **以下総括は平成23年3月4日付けのものです。※管理人=文案まとめ人 改正法施行後2年の総括をさせていただきます。 ご存知のように、平成21年1月1日に改正国籍法が施行され、認知のみによる日本国籍の取得が可能となりました。 それから2年経過した平成22年末の時点で、認知に基づく国籍取得者は合計1070名となっています。 現時点で最新の平成23年1月末のデータでは、認知に基づく国籍取得者は累計1106名である一方、 婚姻に基づく国籍取得者は累計941名であり、 改正法に基づく駆け込みの届け出の存在を考慮すると、認知に基づく国籍取得が比較してきわだって多いとは言えないと考えられます。 また、認知に基づいて国籍取得届けを提出したものの、不受理となったケースは19件である一方、 婚姻に基づいて国籍取得届けを提出したものの、不受理となったケースは16件であり、 こちらも両者を比較して、認知によるケースの不受理が特に多いとは言えません。 不受理となったケースには、提出する書類の不備によるものと、 おそらくは法務省による実態調査により親子関係が認められなかったものとがあると考えられます。 なお、国籍取得届に関しては、改正法に基づきいわゆる「3300号通達」(国籍法に関するもの)が出され、 改正国籍法施行規則により提出を義務づけられている「その他実親子関係を認めるに足りる資料」として、 ア 外国の方式による認知証明書 イ 本人の父の日本における居住歴を証する書面(母が本人を懐胎した時期からのもの) ウ 本人及びその母の外国人登録原票に登録された事項に関する証明書 エ 本人とその父母の3人が写った写真 があげられており、法務省はこれらの書類および実態調査により、実の親子関係があるかどうかの判断をしたものと考えられます。 データとしては、認知に基づく新たな国籍取得者数の一ヶ月あたりの平均は約45名、 年間約500名ということで、これは法務省の改正当時の予測の範囲内に収まっています。 また、この2年で私164◆aGZgb/DTYcの目に留まったいわゆる偽装認知のニュースは、 平成21年9月に1件(公正証書原本不実記載の罪で逮捕)、 同10月に1件(公正証書原本不実記載および国籍法違反の罪で逮捕)、 同12月に1件(国籍法違反の罪で逮捕)、 平成22年4月に1件(公正証書原本不実記載の罪で逮捕)、 同10月に1件(公正証書原本不実記載の罪で逮捕)、 同11月に1件(罪名不明)、計6件にとどまっています (ソースはhttp //yy66.60.kg/test/read.cgi/kokusekihou/1232373623/、 http //yy66.60.kg/test/read.cgi/kokusekihou/1255357239/の両スレに記載)。 もちろん164◆aGZgb/DTYcが見逃した事件や、報道されなかった事件もあると考えられますが、 改正法施行後の2年間で偽装認知が刑事事件となったケースは、当初の予想よりも多いとは言えないと考えられます。 また、刑事事件となるのは特に悪質な場合であり、法務省が認知による国籍取得届けを受理しなかったケースの中に、 単なる書類の不備のみでなく、いわゆる偽装認知のケースが含まれているものと考えられます。 結論としては、法務省は意外ときちんと調査をして、偽装認知を排除しているのではないかと考えられます。 また、データは当初半年に1回公開するということでしたが、月に一度法務省のホームページを更新して、 改正国籍法に基づく国籍取得者数を公開していることは、ここをご覧の方々もご存知のことと思います。 重国籍者の催告問題等は別として、認知による国籍取得に関しては、法務省は職責を果たしていると評価します。 もちろん、今後も認知による国籍取得者数の推移は見守ってゆく必要があると考えますが、 ひとまず、法改正後2年間の総括をさせていただきました。 平成23年3月4日 文責:164◆aGZgb/DTYc *******************************************************
https://w.atwiki.jp/oyatu1/pages/205.html
太陽は徐々に高くなり、窓から差し込む光も、眩しく強いものになっていく。 まだまだ外は晴れていた。時間は、十二時を少し越えたくらい。 しばらくベッドにもたれて座っていた。その上には、私の体を背もたれ代わりにして 眠りこけているこなた。 滑り落ちないように、離さないように、胸の辺りを軽く抱きとめる。 自分の胸の前にあるこなたの顔を、横から覗き込んだ。すやすやという表現がぴったりの寝顔だ。 光の中、こなたは目を閉じてスースーと寝息を立てている。それは、幼い子供のように 無邪気で純粋で、本当にかわいい表情だった。 顔が自然と笑みになる。 少しだけ溜め息をついて、天井を見上げた。 あれから、色んな話をしたな。これまでのことを、たくさん。 言いたくて言えなかったこと。今まで気づかなかったこと。そんなお互いの気持ちを 混ぜ合わせて、改めて二人の思い出にした。 ……私たちはこれから一緒に歩いていくから。 そう、一緒に。 リードしてもらうばかりじゃなくて、二人で並んで歩かないと。役割分担も必要だけど、 少しくらいは挑戦してみよう。 こなたを起こさないように慎重に動かして、ベッドに直接もたれさせる。 起きないか心配だったけど、その瞳は何事もなかったかのように閉じられていた。 そっと部屋の扉を開けて、外に出る。 こなたの驚く顔が目に浮かんだ。 ●●● ぼんやりとした意識の中、ゆっくりと目を開いた。 日光に温められて、体が火照っている。頭がぼーっとして、自分が何処にいるのか、何をしてたのか、 一瞬思い出せなかった。 そうだ。私、いつの間にかうとうとして……そのままかがみの上で寝ちゃったんだな。 だって、かがみの体は温かくて柔らかいし、光に照らされてぽかぽかで、気持ちよくなっちゃったから。 ――あれ? 後ろを振り向く。 硬いベッドがあった。 「かがみ?」 呟くような小さな声で名前を呼んでみたけど、返事はない。部屋中見回しても、かがみの姿は見当たらなかった。 ……おかしいな~。 私は、かがみにもたれて寝てたはずなんだけど。……夢なんてこと、ないよね。 ――うん。それは絶対にない。折角かがみに思いを伝えられたのに、そんなオチなんて嫌だよ。 それは本当に夢みたいな出来事だったけど、本当に夢なのなら、それはとても酷い夢だと思う。 静まり返った部屋の中は、何故かとても広く感じる。 何も動くものがなくて、太陽の光で変に明るい。まるで幻のような、そんな気がする。 かがみ、何処にいるの? 独りぼっちなんて、寂しいよ……。 嫌な考えを振り落として立ち上がる。悲しくて、怖くて、とにかく動きたかった。 一人でいることに慣れたはずの自分の部屋が、今は独りでいると、とても心細く思える。 私を嫌いになっちゃったのかな。 そんなの信じてないし、思ってもないけど、どうしようもない不安が、どんどん湧き上がってくる。 色んな話をしたけど、もしかしたら、知らず知らずのうちに、かがみを傷つけるようなことを 言ったのかもしれない。それで怒って、帰っちゃったのかも……。 もちろんかがみを傷つけるようなことなんて言ったりしないけど、だからこそ無意識のうちに 言ってしまったのかもしれないと思うし、無意識に出た言葉ほど人を傷つけるものはないとも思う。 でも、かがみは私が眠くなってうとうとし始めた時も、そっと抱きとめてくれた。だから、そんなことは 言ってないと思う。断じて言ってないって、思いたい。 もしかしたら、一人で何処かに出かけちゃったのかな。 でも、かがみがそんなことするわけない。かがみは、私を置いていったりなんかしない。 それなら、かがみはどこにいるの? そんな矛盾が心に生まれてくる。 戸惑って、居ても立ってもいられなくて、気づかぬうちに、歩調が早くなっていく。 ドアを開けて外に出た。 「あれ? こなた、起きてたの?」 「え?」 目の前に、かがみがいた。 手には料理の乗った盆を持って、こんなに近くに。 いなくなっちゃったって思ったのに、何処かに行っちゃったって思ってたのに。こんなに近くに。 かがみの姿が、どんどん歪んでいく。 何でだろう。嬉しいのに、こんなに……。 「こ、こなた、どうしたの? いきなり泣き出して……」 かがみが慌てたような、心配そうな表情になる。 ……だって。 「だって……、目が覚めたら、かがみがいなくなってて。怖かったんだよ、心細かったんだよ……。 今までのは夢だったんじゃないかって思ったり、かがみは私を嫌いになったんじゃないかって思ったり……」 「こなた……、ごめんね。こなたを驚かそうと思ってたんだけど、逆に不安にさせちゃって」 かがみはもう一度、廊下で立ったままの私のところまで戻ってくる。開いたドアから部屋に入って、お盆を テーブルの上に置きながら。 良かった。本当に、良かった……。 耐え切れなくて、かがみに抱きついた。 くっついていたかった。離れたくなかった。 「私、かがみと一緒じゃないと嫌だよ。かがみと一緒に居たいんだよ……」 「うん。ごめんね、こなた。許して……」 「ううん、許さないよ」 「え?」 うん。もう、こんな思いはしたくないから。 「約束して。私達、これから、何があっても一緒に歩いていくって。それなら……、許してあげるよ」 見上げると、かがみは驚いたような表情。でも、それはすぐに優しくなった。 「分かった、約束する。私達、ずっと一緒だって」 かがみは笑顔で。多分私も、泣き笑いの表情で。 お互いを見つめあった。 かがみは、そっと私の頭を撫でてくれる。 少しでも離れたら、死んじゃうって言っても、大げさじゃないと思う。 ●●● テーブルには、二人分の昼食が並べられていた。 私がお昼用に置いといたご飯で出来たおにぎりと、じゃがいもとベーコンの炒め物と、千切ったレタスに キュウリやトマトが入ったサラダ。 「これ全部かがみが作ったの?」 「ええ。こなたみたいにうまくは出来ないけど、ちゃんとそれなりにはできたわよ」 「……台所は無事だよね?」 「な、どういう意味よ」 「いや、かがみが料理作ったら、なんか猟奇事件の現場みたいになってそうで……」 「どんな偏見持ってたんだ! 私だって人並みには作れるわよ」 「人並み? えー」 「だ、だから、難易度高いのが苦手なだけなんだってば!」 かがみはそっぽを向いてしまった。 でも、この流れは必要なんだよね。いつもやってるんだから。 テーブルに並んだ料理を見る。 おにぎりは綺麗な三角形じゃなくて、片方だけが膨れ上がって異様な形になっていた。 じゃがいもは千切りの幅がまちまちで、太いのも細いのも焦げてるのもある。 ……キュウリは斜め切りの厚さがばらばらだな。 「私を喜ばそうとして、がんばって料理を作ったかがみん萌え~」 「な、い、いいから早く食べてよ!」 「分かってるよ~」 分かってるよ。 かがみはずっと待つだけだったからね。昨日も、さっきも。 私がどんなにかがみの為に料理を作っても、それは与えられるものでしかないから。与えられて、 受け取るだけなのは嫌だったんだよね。自分でも、何かをしたかったんだよね。 かがみが私の為に作ってくれた、最高の料理を見て、それから、何故かこっちをじーっと睨み付けてくる かがみを見て、「ありがとう」とかがみに笑いかける。 ……ありがとう。 私は幸せだな。私のために、誰かが料理を作ってくれる。しかもそれは、私が大好きな人。 目の前にいる、私が大好きな人も、応じて笑ってくれる。 少しだけ、頬を赤らめた表情で。 だから―― 「おいしいよ、かがみ」 もっと笑ってこう言った次の瞬間、かがみの罵声が飛んだ。 「あんたまだ食ってないだろ!」 「いや~、こんなこと言えるの、食べる前だけかもしれないからね」 「そんなに不味いと思うなら、食べなくていいのよ」 かがみが私の側の料理を取り上げる。 「え? あ、待って、待ってよ。今のはちょっとした冗談で……」 「なら馬鹿言ってないで、さっさと食べなさいよ」 かがみは、ため息をついてるけど、目は笑っていた。見栄えはあまりよくないけど、おいしそうだよ。 「じゃあ、いただきます」 お箸を取ろうとして、ふと思いつく。 ……そうだ。 「ねえ、かがみ」 「ん? 何?」 「食べさせてー」 「え?」 かがみの顔が突沸したように急に真っ赤になる。 「ななな、何言ってるのよこなた」 かがみは視線を床に向ける。明らかに動揺している声だ。分かりやすいなあ。 「そ、そんなの自分で出来るでしょ」 やっぱり素直じゃないね~。 でもバレバレだよ。動揺を隠せなくて仕草に出ちゃうかがみもかわいいなあ。 「本当はやりたいんでしょ?」 「そ、そんなこと、思ってないわよ」 「私達、恋人同士なんだし、遠慮しなくていいんだよ。ほらほら、早くー」 かがみは考えるような顔をして、それから私を見て、すぐにお箸を持って、 「し、仕方ないわね。ほら、口開けて」 やったね。言われたとおりに、口を開ける。 「あーん」 かがみは、お箸でじゃがいもたちを掴んで、私の方に運んでくる。 お箸は小刻みに震えていて、今にも落ちそうだ。 「はむっ」 お箸ごとそれを口にくわえた。 「も、もう一回でいいでしょ。後は自分で食べなさいよね。……それで、どう?」 噛んで噛んで、飲み込んだ。それで、お世辞じゃなくて本当のことを言おう。 「うん。悪くないね、おいしいよ」 かがみが作ったものなら何でも。 だって、かがみの愛が詰まってるから。 「ほんと?」 「ほんとだよ」 「そう……。ありがと」 かがみは、ほっとした表情で、ようやく自分の分を食べ始めた。 まだ手が震えている。 こなたに料理を食べさせてあげる。そんな簡単なことなのに、ものすごく緊張してしまった。 これは、いつまでたっても治らないと思う。恋人同士って言っても、私から何かするようなことなんて滅多にないし。 だから、小動物を触るような、腫れ物に触るような、慈しむ感じで。 そして、箸をくわえた時の姿は、本当に愛らしくて、無邪気だった。もうこれは反則だと思う。 それに、こなたは言ってくれた。おいしいって。 ほっとしたし、嬉しかった。 ようやく、こなたにお返しが出来たんだ。今までずっと作ってもらっていただけだったから。 私だって、これくらいは出来るんだ。 今、こなたは私が作った料理を綻んだ顔で食べてくれている。 ……良かった。こなたは幸せそうだし、私もこなたが喜んでくれたから幸せだ。 自己満足かもしれないけど、そう自負している。 ふと、時計を見るともう一時近くになっていた。少しだけ焦りのような気持ちが浮かんでくる。 残り時間はどんどんなくなっていた。どうして楽しい時に限って、時計はこうも早く回るんだろう。 これ以上時間が削られるのを黙って見ているのは、耐え切れない。 「ねえ、こなた」 思わず声をかけていた。 「どしたの、かがみ」 おにぎりを頬張っていたこなたが、食べるのをやめて私の方を見てくる。 「これ食べ終わったら、どっかに遊びに行かない?」 「え? 行く行く!」 こなたは目を輝かせて、子供のようにはしゃぎだした。 「それで、どこに行くの?」 「実はまだそれを決めてないのよね。こなたはどこか行きたい所ある?」 こなたと一緒ならどこでもいいんだけどね。 「私はどこでもいいよ~。かがみがいればそれだけで十分だよ」 あー、全く、こなたは……。 「それが一番困るのよ……。もっと具体的な場所とかないの?」 「え~、う~ん……」 こなたは上を見て考える仕草をする。 私も考えてみる。 どこかに行きたいとは思ってたけど、どこに行こうかとは思ってなかった。 初めてのデートは映画館が無難らしいけど、味気ないというか、二人の交流が少なくなるかもしれない。 それに、私達は初めてだけど、初めてじゃないというか、そんなに気を使わなくていいと思う。だって私達は そんな軽い繋がりじゃないから。 でも、それだと本当にどこに行けばいいんだろう。 普段どこかに遊びに行ったりなんてしないから、全然浮かんでこない。ショッピングセンター巡りか、 それとも公園あたりをうろうろするか……。カラオケっていうのもありかな。 う~ん、どれも微妙な感じがする。こなたは何か、思いついてないのかな。 「こなた、具体的に行きたいところって、ある?」 するとこなたはにんまりと笑って、 「ん~……。あるよ~」 ●●● 電車から降りて駅から出ると、そのまま道に沿って歩いていく。 目の前には大勢の群衆。目に入るビル群には、所々にアニメ調の看板。言うまでもなく、ここは、秋葉原。 「だって、詳しく知ってる場所じゃないと、かがみをエスコートできないじゃん」 部屋でのこなたの台詞が蘇ってくる。 ここに来るのを決めるには、その言葉だけで十分だった。元より、こなたと一緒なら どこでもいいんだし。 だけど、秋葉原にはこれまでもこなたとよく来ている。 少しだけ、新鮮さがないというか、いや、本当にどこでもよかったんだけど、でも出来るなら、 もっと他にいいところがあったかもしれないし……。 「ねえ、こなた。あんたがここに詳しいのは分かるけど、別に秋葉原なんて しょっちゅう来てるじゃない」 右にいるこなたを見下ろしながら、聞いてみる。 アホ毛の分だけ背が高く見えるけど、こうやって並んで歩いてみると、こなたはかなり小さい。 こなたは私の方を少し見上げるようにして、 「う~ん、でもデートで来るのは一発目だし、最近じゃオタクを観察しに人が集まるくらいだから、 結構な観光地なんだよ」 「あんたはむしろ観察される側でしょ……」 「もちろんそうだけど、でも、そんなの関係ないよ」 「えっ?」 私の右手に、こなたが左手を重ねてくる。 指同士が絡み合う。 「えへへ~。ほら、こっちだよ」 こなたは私の手を引っ張って、先に進みだす。 「ちょ、ちょっと」 右手には、こなたとがっちり噛み合っている、きつい感触。 周りの視線が痛い。誰も彼もがこちらを見ている気がしてくる。 「ま、待ってよこなた。みんな見てるし、恥ずかしいわよ」 でも、こなたは僅かに赤らめた顔をこちらに振り返らせて、笑う。 「さっき言ったじゃない。そんなの関係ないって」 そのまま引っ張られていく。 こなたと繋がっている右手は、固く結ばれていて、多分離れることはないと思う。 そして、離したくないとも思う。 少し恥ずかしいけど、くすぐったいな。 どうしてこなたがここを選んだのかは分からないけど、こなたが選んだところだし、 こなたなりの理由があるんだろう。 きつく握ってくるこなたに応じるように、握り返す。 手はどんどん温かく、繋がる強さに応じて広がっていく。 周りなんて関係ないのかもね。私達は私達のペースで行けば。 ●●● かがみの手を引っ張って、人ごみの中を歩いていく。 目指すはすぐ近くのゲーマーズ。まずはここから。 今買いたいものはないけど、色々かがみに勧めてみようと思う。 かがみなら、十分素質があるんだし、こういうのも好きになってくれないかな。 そこまではいかなくても、せめて理解はして欲しい。 かがみは私がアニメとかが好きなのは分かってくれてるけど、どうして好きなのかとか、 どこがいいのかは分かってないと思う。 だから、そういうのを知ってもらいたいんだけどな。 無理矢理染めるなんてつもりは全くないけど、出来るなら……。 かがみなら、分かってくれるよね。 共有って言うのかな。 やっぱり、話が通じる方がいいし、お互いのことを分かっておきたい。 ……それなら私はライトノベル読まないとな。 それにしても、周囲の人には、私達はどんな風に見えるんだろう。仲のいい 友達みたいな感じかな。まさかカップルとは思われないよね。 マニアックな人には百合萌え~とか思われるかもしれないけど。まあ、何でもいいかな。 なんだかこうやって、ただ歩いているだけで、楽しくなってくる。かがみと一緒だからね。 会話してもいないのに、通じ合ってる気分になるよ。 見かけは手だけだけど、本当は心からずっと繋がってる。気持ちがいいような、 不思議な感じ。もうこの手を離したくないよ。 「ねえ、かがみ」 「何? 行きたいお店でもあった?」 かがみは半ば呆れたような、でも楽しそうな表情だった。 良かった……。 「……なんでもないよ」 「何よそれ」 かがみは不思議そうな顔をしている。 「ゲーマーズだよ。寄ってこ」 だからエスコートというよりは強引に連れて行く感じで、握った手に軽く力を込めて そのまま引いていく。 「はいはい」 困ったように、しょうがないわね、とかがみは微笑んだ。 ●●● お気に入りの漫画を手にとって、隣にいるかがみに見せる。 もちろん手は握り合ったまま。 「ほらほら、かがみ、この漫画読んでみなよ。面白いよ~」 「わ、私はいいわよ。興味ないし」 かがみは私と目をそらすように反対を向いてしまった。 う~ん、かがみは拒否してるけど、本当は読んでみたいんじゃないのかな~。 「本当は読みたいんじゃないの? 正直でいいんだよ」 「な、で、でも私、そういうのはよく知らないから……」 「そうやって敬遠してたらいつまで経っても分からないままだよ。肝心なのは 一歩を踏み出す勇気!」 かがみは考えるような顔をして、やがて溜息をついた。 「……わ、分かったわよ。買ってみるわよ」 「それなら、ちょっとこっちに来て」 そして何を思ったのか、にやりとした表情で私の手を引っ張って店内を進んでいく。 ライトノベルの売り場。その中の一冊を掴むと、私の前に差し出した。 「お返しに、こなたもこれ読んでみなさいよ」 それは、かがみがこの前学校で読んでいたやつだ。多分、一番のお気に入りなんだろうな。 文章読むのは辛いんだけど……。 私も同じように溜息をついてから、お茶を濁す形で返答する。 「うん、まあ、読んでみるよ。うん、多分、ね」 「ちょっと、ちゃんと読みなさいよ。挿絵だけ見るなんて邪道なことしないでよね」 「はいはい。分かってるって」 あ~、これはさすがに読まないといけないよな~。 それに、私もかがみのことを知りたいし。 それからしばらく店内を見て回ってから、二人でレジに行って、外に出た。 「こうやって、いつかお互いの趣味を共有できるようになりたいよね」 「そうよね。私もラノベを語れる人が欲しいし」 「じゃあ、これはその第一歩ということで」 いつか二人で色々と語れるようになりたいよね。特にアニメとか。 前を見ると、道路を右往左往する人々。多分、大部分はオタクだろう。 もちろん私もね。 そんな人たちを見ながら、かがみに向かって言い放つ。 「将来的にはかがみも三個買いが基本になるようにしてあげるよ」 「さすがにそこまで落ちぶれはしないわよ」 「じゃあ、どこまで来てくれるの?」 「え?」 かがみがこちらを向くのが気配で分かる。 だから、思ってたことを言おう。 「やっぱりかがみには私のこと分かってもらいたいんだ。独り善がりかもしれないけど、 これが私の好きなものだから」 大丈夫かな。無理矢理だとか思われないかな。 見上げると、かがみは肩をすくめた。 そして、左手に吊り下げた、漫画の入った袋を掲げて、 「分かってるって。私もこなたのこともっと知りたいしね。こういうのも普通に 読めるようになればいいけど……」 「……うん、ありがと」 「その代わり、そのラノベもしっかり読んでよね。私だって、こなたに知ってもらいたいんだから」 「それは……、うん、任しといてよ」 よかったぁ……。 かがみから見えない角度で、小さく溜息をつく。 これで、お互いがお互いのことをもっと深く知れるよね。 そうなったら、もっとかがみを近くに感じられるようになるかな。 「……かがみ」 自然と顔が緩んでくる。 「今度はこっち行こ」 まだ時間はあるよね。 中央通りへ。もっと深いところへ。 空は茜色に染まり、ビル群は朱色に照らされ、道路は柿色に輝いている。 太陽は止まってくれないみたいで、もう沈みかけていた。 あの時は夜がずっと続けばいいなんて思ってたけど、今はずっと太陽に昇っていて 欲しかった。夜になったら、帰らないといけないから。 そして、もうすぐその夜が来る。 ――そろそろ帰らないとな。 本当に、あっという間だった。こなたと好きなものを勧めあって、それだけで、 いつの間にか時間が過ぎていた。 これでこなたもラノベを好きになってくれるかな。……そうなってくれたらいいんだけど。 毎回読むのを拒んでいたのに、どうやら自分から読んでくれそうだし。二人で 語り合ったりしてみたいな。 それに、私もこなたの好きなものを知りたかった。 本棚の漫画をこっそり見たときのことを思い出す。あの時は全然分からなかったし、今も 多分分からないと思う。 でも、こなたに勧められて買ったんだから、読んでみないと。読んでいたら、 そのうち慣れて、好きになれるかな。そうだといいけど。 不意に強い風が顔にぶつかる。思わず目を瞑って、顔を伏せた。 肌に突き刺さるようで、それほどまでに冷たかった。 ある種燃え尽きたような感じで、こうやって話をすることもなくただ歩いているのは 何故だろう。 日が傾き、気温が下がってきたのを感じてから、ずっとこの調子だ。 こなたは何も喋らない。私も何も喋らない。心の中に生まれた焦りのようなものが、 私たちの体を動かし続けている気がする。 周りは徐々に帰路へ就こうとする人々で溢れているのに、私たちはその流れに逆らうように 歩き続けていた。言葉はなく、冷え切った体を震わせながら、ただ繋がっている手と手の 温もりだけを感じて。 目ぼしいお店には全部入ったし、もう行くところも、時間もなかった。 それでも帰ろうとしないのは、運動会で盛り上がった後の放課後のような、このまま 帰りたくないという名残惜しい気持ちと一緒だろうか。 賑やかなざわめきも風にかき消され、ゆっくりと寒い夜が近づいてくる。 この街にとってはまだまだこれからなんだろうけど、私達にとってはもう、時間切れかな。 右にいるこなたの方へと振り向く。 こなたは俯き加減で、とぼとぼと歩いていた。 太陽が元気の源みたいに、こなたは日が傾くにつれて、しおれていった。そこまで 落ち込まなくてもいいのに。 「こなた」 「……ぇ?」 こなたは小さな、本当に小さな返事をして、こちらを見上げた。 それはとてもか弱そうで暗い表情で、いつものこなたからは想像もつかない。 そんなこなたを見ないようにして、私も力なく口を開く。 「もう帰ろう。遅くなっちゃうから……」 「……うん」 こなたは小さく頷いた。生気が感じられないというか、心の奥深くに閉じこもっている感じだ。 「どうしたのよ、そんな暗い顔して。ほら、元気出しなさいよ」 手に提げた袋を肩のほうまで通してから、こなたの頭を撫でる。 「ありがとう、……なんでもないよ」 でも、こなたは沈んだままで、お礼を言うだけだった。 「そう? ならいいけど……」 上を見ると、黒ずんだ雲がゆっくりと紫の空を侵食していた。 白い月がその隙間から僅かに顔を出している。 帰るまでは、持つよね。 こなたを半ば引っ張る感じで、駅へ。 結局こなたは家に帰るまでずっと喋らなかった。 ただ、手だけはずっと繋いだままで。 ●●● 帰ってきた時には、もう時間は七時過ぎだった。 外はもはや真っ暗闇で、カーテンで仕切った家の中だけが取り残されたように明るい。 そろそろ私の家に帰らないといけないかな。 つかさたちが心配するだろうし、明日の朝には、こなたのお父さんが帰ってくるもの。 持ってきていた着替えなどをバッグへ仕舞っていく。 「ねえ、……もう帰っちゃうの?」 今まで黙っていたこなたが、突然口を開いた。 「え?」 こなたはベッドに腰を下ろして、ずっと虚ろな目で窓の外、灰色の空を眺めていた。 それはいつかの昼休み、教室で見たのと同じような姿。それなら、考えていることも……。 「……かがみ、私達、ずっと一緒だよね」 予期しなかった言葉がくる。 「何言ってるのよ。当たり前じゃない」 だけど、こなたはううんと首を横に振って、 「でも、高校を卒業したら? 大学だってばらばらだし、離れ離れになっちゃうよ……」 こなたは手にした枕に顔を埋めている。 どうなんだろう。私達はこれから、どうなっていくんだろう。 考えても、答えなんて出るわけがない。 でも、こなたはそこが不安なんだろう。 立ち上がって、こなたの横に腰を下ろす。 「それに、私とかがみのこと、お父さんたちは何ていうのかな」 一息。 「私達の関係は世間で言うところの「普通」じゃないから、お父さんや、かがみの両親に 許してもらえないかもしれない……」 ……ああ、この子、気づいてたんだ。 「お父さんたちは、女同士の恋愛なんて望んでないだろうし、周りからは変な目で見られるかもしれないんだよ。 私達が原因で」 そういう問題は、こなたが気づかないうちに一人で考えておこうと思ってたんだけどな。 こなたも、いつから分かってたんだろ。 確かに私達は異性を愛するという自然界のセオリーから外れている。 それが非生物的とか、そういう深い理論はどうでもいいけど、とにかくおかしいと思われるだろう。 つかさとみゆきが理解を示してくれたのは、ずっと仲がよかったからで、一般人にとっては 奇異にしか見えないだろうし、どうなんだろう。 私の家族や、こなたのお父さんは、許してくれるんだろうか。普通じゃないこの関係を。 外からは、いつの間にか、雨が地上の物を穿つ音が、いくつも重なって聞こえてくる。 土砂降りだった。 お父さんも、お母さんも、悲しむかな。 ……でも、それは何で? 異性か同性かの違いだけじゃない。 「大丈夫よ、こなた。心配しないで」 「……かがみ?」 「家族には、今度ちゃんと話そう。私達のことを。どうなるかは分からないけど、 きっと、理解してくれるわよ」 「どうして?」 「だって、私は本当にこなたを愛してるし、私達の家族も、本当に愛し合って結婚して、 それで、私達が生まれたんだから。大丈夫、伝わるって」 「……うん」 でも、果たしてそううまくいくんだろうか。 とにかく、やってみるしかないかな。自分の気持ちに正直に、自分の思いを伝えていけば……。 それに、私がこなたを愛してる気持ちは本物だし、誰にも止められない。もう他の人を 好きになることなんて出来ないだろうし、ないだろう。 このままずっと、こなたと……。 「それに、周りなんて関係ないじゃない。私達は私達らしく、自分のペースでいれば。 こなたなんてずっとそうだったじゃない」 思い出すのは今日のお昼ごろ、こなたとしたあの約束。こなたの台詞がそのまま蘇る。 ――約束して。私達、これから、何があっても一緒に歩いていくって。 この先どうなるかは分からないけど、二人なら乗り越えられるかな。 多分、私達が行く道は凸凹で、坂道もあって、ただ進むだけでも 疲れるかもしれないけど、二人でなら……。 「約束したでしょ。ずっと一緒に歩いていこうって。どこまでいけるか分からないし、 相当辛いことが待ってるかもしれないけど。だから……」 気づいたら、朝からずっと考えていたこと。考えないようにしながらも、いつの間にか 考えていて、だからこそ思いついたこと。 これが、私の最良の選択なんだろう。 だから……。 「大学に行ったら、一緒に住もう」 「え……?」 「どっか部屋借りて、そこで二人で住もう。大学は別々かもしれないけど、それなら、 離れ離れにはならないわよ。それで、その時になったら、こなたのお父さんや私の両親にも ちゃんと説明しよう」 やっぱり、こういうのは自立できるようになってからだろうな。 こなたと二人で暮らす。そんな毎日が、本当に、実現すればいいのに。 黙っていると、雨の落ちる音だけが耳に入る。屋根に当たった雨粒の破裂音が 部屋の中に響く。 すぐ左にいるこなたが、私の体にもたれかかってきた。 「……ありがと、かがみ」 でも、こなたの表情はやはり曇ったままだった。 「どうしたのよこなた。まだ悩んでることでもあるの?」 こなたはもたれかかったまま、同じようにか細い声で、 「だって、もうすぐかがみ、帰っちゃうんでしょ。そしたら私、この家で 独りぼっちになっちゃうよ……」 雨の音で遮られそうになりながらも、一言一句逃さずに聞き取る。 「それに、かがみと学校でしか会えないなんて、寂しいよ」 「こなた……」 もう一度時計を見上げる。もう七時も終わりかけていた。 幻想のようだった限られた時間は、もう残り僅かしかなかった。 家族には今日帰るって言ってあるし、時間を延長させても仕方ないだろう。いずれ 別れのときは訪れるんだから。 今はまだ、一緒に歩いていくには早すぎる。 だから一旦、元の生活に戻らないといけない。 でも、別に永久にお別れってわけじゃないし、学校でもしょっちゅう会っているけど、 こなたは独りの時間が生まれるのが嫌なんだろうな。 肩に顔を寄せているその体は、本当に小さい。私と頭一つ分くらいは差がある気がする。 私がしっかりしてないといけないんだろう。私まで悲しむわけにはいかない。 ……だから、今はこなたの不安を消してあげないと。 私だって本当は帰りたくない。ずっとここにいたい。 でも、そういうわけにはいかないんだ。私達はまだ自立していない高校生だから。 それに、この二日間は私たちにとって怖いくらい良すぎた。 いつもの生活に戻るだけなのに、そのいつもが今よりも遠い関係になるものだから。 こなたはそれが耐えられないんだろう……私が何とかしてあげたいな。 こなたの髪を撫でて、頭をフル回転させて、 「いつも通りに戻るだけなのよ、こなた。だから、そんなに哀しまないで」 「でも、昨日からずっと一緒だったのに、離れ離れになるなんて、嫌だよ」 ちょっと感傷的になっているのか、だだをこねる子供のように離れようとしなかった。 私は手櫛でこなたの髪を梳いていく。こなたには幸せな時間を送って欲しい。 哀しんだりなんてしないで……。そんなメッセージをこめて。 青色のロングヘアはさらさらで柔らかくて、とても気持ちがいい。 ――そうだ。 「ねえ、こなた」 「……何?」 「前につかさと泊まった時、私とつかさで髪型入れ替えたことがあったでしょ」 「……うん」 自分の髪をまとめているリボンをほどく。 あの時は、どんな気持ちだったんだろう。私にとって、こなたはなんだったんだろう。 今は、とても大切な存在だけど……。多分、色々今とは違ってたんだろうな。 「だから、またやってみよ。……お風呂上がりじゃないけどね」 こなたの後ろに回って、その長い髪を左右でまとめる。それから、自分のリボンで 同じように束ねた。 「ほら、私のいつもの髪型と一緒でしょ」 「ほんとだ……ツインテールだ……」 こなたは手で自分の髪の毛と、それからリボンを触って呟く。僅かだけど、声のトーンが 戻っていた。 少しは元気出してくれたのかな。 「これでかがみといつでも繋がってられるね」 こっちを向いて、笑顔を浮かべるこなたはいつも通りのこなただ。ただ、髪だけがいつもとは違って、 左右でリボンによってまとめられている。 新鮮というか……あ~、すごいな。 元々小さくて可愛い要素に溢れているこなたが、より可愛く幼く見える。てか私は何を考えてるんだ。 「でも、これだと、かがみはアホ毛をつけないといけないよ」 「な、わ、私はいいわよ。どうせ作ったって時間が経てばしおれるだろうし」 「まあ、無理矢理はねさせるのは難しいからね~。それにかがみの髪って割りと癖があって、 この辺アホ毛っぽいしね」 こなたが指差すのは私の右目の上辺り。確かに多少ははねてるけどね。これは アホ毛っていうのか? でもまあ、いつもどおりの調子だ。 本当になんでもない、些細なことだけど、こなたは喜んでくれたみたいだ。 ……もしかしたら、単に甘えたかっただけなのかもね。 「ありがとう」 「どういたしまして。……じゃ、私は、そろそろ帰るわね」 荷物もまとめ終えたし、こなたも元気を取り戻してくれた。 ちょうどいい頃合だと立ち上がる。 「え……あ、お風呂入ってかない? 疲れてるだろうし」 こなたも焦るように立ち上がって、私を必死に引きとめようとする。 でも、私は首を振った。 「ううん。それは、また今度にしよ」 「じゃ、じゃあ、晩御飯は? 今からマッハで作るからさ」 「それもいい。また、今度ね」 部屋のドアを開けて、一歩外に出る。 「あ、待って。お見送りするよ」 背後で声がして、それから足音がする。 それにしても、今度って、いつなんだろう。 外は未だに大粒の雨が降り続いていた。地面は水浸しで、荒ぶ風が肌に冷たい。 空は真っ暗闇で、灰色のどんよりとした雲がそれを覆っていた。 憂鬱になるなあ、こんな天気。 借りたこなたの家の傘を開く。、 「じゃ、また明日か、明後日、学校でね」 態々玄関を出たところまで来てくれたこなたの方に振り向いてそう言うと、また前を向く。 「……うん、じゃね」 その声を背中で受け止めて、歩き出す。 水を踏む閉める音。傘に絶え間なく落ちる雨粒の弾ける音。そしてその粒の 重量感。かろうじて雨の直撃を防いでいるだけの小さな傘の下、冷たい闇の中を進んでいく。 門を出ると、アスファルトの道をそのまま駅に向かっていく。 背後から雨音と扉の閉まる音が響く中。風と雨で、少しずつ体温が奪われていく。 …はぁ、と溜息を一つ。 水溜りを踏みしめ、夜の闇で視界の見えないまま前進する。 暗いし寒いし、このまま歩いていくのを思うと本当に辛いな……。 独りで暗闇の中を進んでいくのは、心細い。 こなた……。 こなたがあんなに感傷的だったから……。 私だって……。 ――あれ? どこかから、水を蹴って走ってくる音に気づいて振り返る。 荒い呼吸を整えながら膝に手をついて、肩で息をするこなたが、いた。 「かがみ……、駅まで、見送るよ。一緒に行こう」 「え……」 こなたは傘も差さないで、全身を雨に濡らしていた。 どうして、来てくれたんだろう。分かってくれたんだろう。そんな思いに答えるように、 「だって、こんな暗い中を独りで帰るんじゃ、かがみ寂しがっちゃうでしょ。 今度は、私の番だよ」 それなら、あんたはどうするのよ。 でも、声には出さない。多分こなた自身も分かってることだろうから。 「ほら、そんなに濡れて、風邪引くわよ。こっちに入りなさいよ」 こなたに近づいて、傘の中に入れる。ほんとに、風邪引いたりしないでよね。 「……ありがとう、こなた」 狭い傘の中、こなたと二人で歩き出す。 雨は激しいままで、止む気配はない。 二人が入るには狭すぎて、傘からはみ出たところが雨に濡れていく。 「……かがみ、私、今日が今までで最高の一日だったよ」 こなたが、ぽつりと呟いた。 そして、こんな闇の中で、表情は見えないけど、多分言葉どおりの顔で、 「今が、一番幸せだよ」 「うん」 それなら、私も嬉しいな。 「今日はもうさよならしないといけないけど、また明日も明後日もかがみと会えるんだし、 卒業してからも、ずっと一緒だって分かったから……」 一緒。その言葉が頭の中で反響する。 一緒にいられるのかな。これから先。 最初に考えたはずだ。これが最初で最後かもしれないって。 さっきはともかくこなたを安心させようとして色々言ったけど、今思うと どれも根拠のない話だ。 家族は反対するかもしれない。周囲からは耐えられないくらいの 冷たい視線を浴びるかもしれない。 何とかなるみたいに言ったけど、本当に、大丈夫かな。 もしかしたらこの先、私達は引き裂かれるかもしれない。未来が全然分からないから、 不安だけが膨れ上がっていく。 元々分かっていたのに。この関係は普通には進んでくれないと。 女同士っていうのは、この国では異端だから。 また今度が、あればいいのにな……。 「こなた。私達、ずっと一緒にいられるよね……」 どうしようもなくて、同じような質問を、今度は逆の立場で。 「何言ってるの? かがみが言ってくれたじゃない。一緒に住もうって」 「でも、もしかしたら家族は反対するかもしれない。周りの反応だって、 想像する以上に酷いものかもしれない……。そんな中で、私達は 一緒にいられるのかしら……」 自然と俯いていく目は、足元の濡れたアスファルトに向けられる。 薄暗い視線の端には、私とこなたの靴。 「かがみ……」 顔を上げて、右を向く。 「かがみも、約束してくれたじゃない」 こなたもこっちを見ていた。 「未来に何が起こるかわからないけど、壁が立ち塞がるかもしれないけど、 周りに流されるんじゃなくて、私達で、何があっても繋がっていようって」 こなたと、その背後の闇に、交互に焦点が合う。 こなたは、何かを決めたように、一度頷いて、 「お父さん達がどんなに説得しても私達を認めてくれなかったら、本当に、 どうしても許してくれなかったら、その時は、駆け落ちしよ。 それに、周りから差別されたり非難の目を向けられても、これが私達の 本当の姿なんだもん。何を言われても、耐えていこうよ。……私は、 かがみと一緒なら何があっても乗り越えられる気がするんだ」 こなたは下を見て、それから上を向いて、 「例え世界中が私達を拒んでも、ずっと一緒だよ」 「……そうよね。私も、同じ気持ち……かな」 元々こうなることは分かってた。 でも、分かってるのに、この道を選んだんだから。乗り越えていかなきゃ。 私は、こなたのことが大好きだから。……愛してるから。 結果的にこの選択はよかったのか、なんて今はまだ分からない。 今立っているのは、そこに行く途中の道。回答が来るのは、もっと ずっと先のことだろう。 だから、少しでもいい結果が出るように……。 気づいたら、雨は幾分か弱くまばらになっていた。傘に落ちてくる重量感も 少なく感じられる。 ――もう要らないかな。 少しくらいなら濡れたって構わない。こなただってずぶ濡れなんだし。 傘をたたむと、リボンもなく、そのまま下ろしている髪に小雨が降り注いでくる。 「……なんでたたむの? かがみ」 「もう必要ないでしょ。これくらいの雨なら」 「……はげるよ」 「余計なお世話だ!」 空を見ると、強い風で大部分の雲は遠くへと流れ去っていた。 「ほら、見て」 そして、空の一点を指差す。 「あ……」 雲のなくなった空の一部分。その真ん中で、月が輝いていた。 半分だけが明るい、上弦の月。 「……明日は、晴れるかな?」 「……多分、ね」 私には、明日のことも分からないけど、なんとなく晴れるような気がする。 実現させたいな。こなたとの二人暮らしを。 未来は朧気にすら感じることは出来ない。でも、きっとうまくいくって思う。 根拠もある。 ――だって、こなたが傍にいるから。 私たちは、歩き続ける。 闇の中、小さな雨の中、月の光の中。手を繋いで。 ―始― コメントフォーム 名前 コメント GJ! -- 名無しさん (2022-12-18 11 15 04) -始-がいいg -- 名無しさん (2010-08-12 09 37 26) 明るい未来を予感させる締めくくりの“始”が良いですね…。 -- 名無し (2010-08-10 01 41 28) 幸あれ… -- 名無しさん (2010-08-08 08 21 47) とてもいいお話でした やはりこなかがはこうゆうのがいいです -- 名無しさん (2010-05-14 21 21 58) 良い話でした、この二人に明るい未来が訪れますように。 -- 名無し (2010-03-31 08 36 03) 二人の不安をお互い拭ってあげる二人、いいですねー。 -- 名無しさん (2008-12-16 21 26 02) 泣き出したり、甘えたり、じゃれるこなたが可愛かった…良い結末でした。最後、ー終ーではなく、ー始ーとなってるのがミソですねw -- 名無しさん (2008-12-12 00 11 44) 明るい未来がありそうな結末でよかった。。。 -- 名無しさん (2008-01-30 23 22 24) 願わくば、二人の未来に幸多からんことをGJ! -- 名無しさん (2007-12-13 20 14 12)
https://w.atwiki.jp/monosepia/pages/12231.html
ドイツ + ニュースサーチ〔ドイツのための選択肢(AfD)〕 ドイツ、極右政党躍進に強まる不安 初の州首相誕生か - 日経ビジネスオンライン アングル:極右台頭に頭悩ますドイツ主要政党、最善の対抗策は - ロイター (Reuters Japan) ドイツ、極右台頭に約20万人が抗議 首相「民主主義支持の表れ」 - ロイター (Reuters Japan) 【舛添要一連載】苦悩するドイツ、危機迎えるショルツ政権に突如「神風」が吹くも… - Sirabee/しらべぇ ドイツの「移民追放計画」に全国デモ 欧州で極右への警戒強まる(産経新聞) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ドイツに左派ポピュリスト新党 移民制限を提唱、極右のライバルに?:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル 極右政党の台頭、理由は「世論右傾化」ではない - 東洋経済オンライン ドイツ極右政党AfDの支持率低下、反移民グループへのデモが影響か - ブルームバーグ ドイツで反極右デモ広がる 数十万人参加、移民追放謀議に抗議 - 時事通信ニュース ドイツ全土で反極右政党デモ 「ドイツのための選択肢」(AfD)移民排斥の発言めぐり[2024/01/22 18 43] - テレビ朝日 ドイツ極右政党メンバーら「移民追放計画」を協議か 全国で抗議デモ:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル 流入続く移民・難民「もううんざり」 ドイツで反移民掲げる極右政党が台頭 ネオナチまがいの姿勢に警戒感も:東京 ... - 東京新聞 独企業CEOら、極右政党AfDに警戒の声 - ロイター (Reuters Japan) 極右政党、移民追放を謀議か ナチス想起に波紋広がる―ドイツ - 時事通信ニュース 極右政党、移民追放を謀議か:時事ドットコム - 時事通信ニュース 伸長するドイツの右派政党 ナチスを経験した国で変化の兆しか - 毎日新聞 独東部、右派AfDの市長誕生へ ザクセン州ピルナ、移民排斥|全国のニュース - 北國新聞デジタル ドイツ初の極右政党「AfD」の市長誕生へ 反移民・難民で支持拡大:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル ドイツ極右政党、市長選で初勝利 - 동아일보 ドイツの市長選で初、極右政党AfD候補が勝利 - 日本経済新聞 ドイツで右翼政党支持率急上昇 難民政策・経済政策への不満が後押し(新潮社 フォーサイト) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ドイツで反移民の左派系新党が誕生へ ~極右支持拡大の歯止めとなるか、極端な政党が増えるだけか?~ | 田中 理 - 第一生命経済研究所 Far right, conservatives gain in German votes | ニュースで英語を学べる The Japan Times Alpha オンライン - The JapanTimes Alpha ドイツ極右に中国との「癒着」が発覚...中国の「脅しと賄賂」に、欧州の政党が屈してしまう理由(ニューズウィーク ... - Yahoo!ニュース 難民危機「第3波」到来でドイツに高まる「反移民」の世論:三好範英 | 記事 - 新潮社 フォーサイト ドイツ州議会選挙で極右支持が更に拡大 ~旧西ドイツ地域でも過去最大の支持を獲得~ | 田中 理 - 第一生命経済研究所 独2州議会選、連邦与党3党は後退:AfDは得票率を伸ばす - アゴラ ショルツ連立惨敗 極右政党躍進、最大野党に―独州議選 - 時事通信ニュース ショルツ与党低迷、極右に勢い 2州で8日議会選―ドイツ - 時事通信ニュース マスク氏がドイツ移民救助船を批判、右翼政党への支持促す 政府は反論 - CNN.co.jp 極右政党に投票呼び掛け? マスク氏投稿に波紋―独 - 時事通信ニュース ドイツの高級新聞社が挑む「分断社会の是正」 - 東洋経済オンライン 独語圏2大「極右政党」の接触 - アゴラ さらに過激化するドイツ極右政党...ナチスに似てきたAfDは、なぜ支持率2位にまで躍進できたか - ニューズウィーク日本版 ドイツ「極右政党」を手なずけて利用...中国「悪魔のリアルポリティクス」がもたらしつつある「成果」 - ニューズウィーク日本版 難民政策は「日本モデル」を手本にする…ドイツで悪魔扱いされている極右政党の支持率が倍増しているワケ 現政権の不満の受け皿になっている - PRESIDENT Online 独極右党の躍進をストップできるか - アゴラ ドイツが再び「欧州の病人」に、極右勢力の標的は移民から気候変動対策に変化 ロシア産ガスへの依存がアキレス腱(1/4) - JBpress ドイツで右翼政党の支持率が高まる、幹部はネオナチまがいの発言 - 日経ビジネスオンライン 極右伸長、初の首長誕生 協力の是非巡り既存政党混乱―ドイツ - 時事通信ニュース ドイツ極右政党の支持率が過去最高、ショルツ政権への不満反映-調査 - ブルームバーグ 欧州で極右台頭 ドイツでは支持率2位 - 日本経済新聞 ドイツでついに“極右政党”AfDの首長が誕生…! 第1テレビの世論調査でも社民党を抜いて「支持率第2位」に(川口 ... - 現代ビジネス ドイツ政治の地殻変動 ~AfDが初の首長輩出、存在感を増す極右政党~ | 田中 理 - 第一生命経済研究所 独極右政党AfDの候補者、地方自治体の首長に初当選 - CNN.co.jp ドイツの極右政党AfD、25年の議会選で首相候補を指名へ - ニューズウィーク日本版 ドイツ右派政党「AfD」の支持率、再び急上昇 一部世論調査で2位 - 毎日新聞 ドイツの極右政党AfD、25年の議会選で首相候補を指名へ - ロイター (Reuters Japan) アングル:ドイツ極右政党、反移民・反グリーンで勢力伸ばす - ニューズウィーク日本版 アングル:ドイツ極右政党、反移民・反グリーンで勢力伸ばす - ロイター (Reuters Japan) 不満の受け皿、極右に支持 「ロシア寄り」影響せず―独 - 時事通信ニュース 露、独の反戦感情高める 支援抑制へ政治介入か - 産経ニュース 国家転覆謀った「ハインリヒ13世」【地球コラム】:時事ドットコム - 時事通信ニュース ドイツ、政府転覆狙った極右過激派組織を強制捜査-当局が25人逮捕 - ブルームバーグ ドイツ政府転覆計画の容疑 「ハインリヒ13世」名乗る貴族の家系出身の男ら25人を拘束 連邦議会議事堂の襲撃を企て - ZAKZAK 完璧にそろったポピュリスト復活の条件、欧州の今 - CNN.co.jp 独極右AfD党首の脱党表明の波紋 - アゴラ 極右政党はなぜ失速したか ドイツ総選挙に見えた希望 | グローバルアイ - 東洋経済オンライン ドイツ総選挙、保守連合が支持率で社民党との差縮める=世論調査 - ロイター (Reuters Japan) コロナの意外な余波、欧州で極右の勢い弱まる - Wall Street Journal ドイツ・メルケル首相の与党、極右政党抑え大勝の見通し 総選挙前の州議会選 - BBC.com メルケル与党、州議選で右翼政党に勝利 苦戦の予想覆す:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル 「コロナ規制は独裁だ」 右翼政党、ドイツ東部で躍進:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル ドイツ右派ポピュリズム政党AfDを監視対象に 連邦憲法擁護庁 - 毎日新聞 移民は毒ガス殺害と発言の広報担当を解任、独極右政党 - CNN.co.jp 「移民は毒ガスで殺せ」発言 ドイツ極右政党、広報を即時解任 - AFPBB News ドイツの極右政党、ファシストを自称の報道官を停職処分 - AFPBB News まさかの首相選出…でも一日天下 「禁断タッグ」に非難:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル 極右政党の支持受けたドイツ州首相が辞意、議会解散と選挙呼び掛け - ブルームバーグ 旧東独中心に過熱する極右・ネオナチの暴力 - 日経ビジネスオンライン ドイツ極右政党、州議会選で「メルケル首相の与党下し」第2党に - BBC.com 独州議会選、またも極右AfD躍進 メルケル氏CDUは第3党に転落 - AFPBB News 「見捨てられた」旧東ドイツ市民の不満 極右AfDが2州で躍進した理由 - NewSphere コラム:欧州各国で極右が躍進、1930年代の教訓は生きているか - ロイター (Reuters Japan) ドイツ州議会選、極右政党が躍進 メルケル政権に打撃 - CNN.co.jp 「反ナチス」を忘れたドイツ 地方選で極右躍進 - 日本経済新聞 ドイツの東部2州で議会選挙 新右翼政党AfDが躍進:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル ドイツ州議会選、CDUと社民党が勝利の見通し-極右政党抑える - ブルームバーグ ナチと愛国、違いはどこに 右翼台頭のドイツにみる不安:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル タブー破ったドイツ右翼党首「愛国主義は精神的な絆だ」:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル 人種差別・反移民に抗議/圧倒 極右デモの5倍/ドイツ首都 2万5000人が包囲 - しんぶん赤旗 独ベルリンで極右支持デモ 対抗デモにさらに多くの参加者 - BBC.com ドイツの反移民政党、イメージ刷新で内紛も - Wall Street Journal 「極右主義者お断り」クラブによる思想・信条の排除は許される? - footballista - footballista ドイツ右派政党幹部、イスラム教に改宗 役職辞任 - CNN.co.jp ドイツ極右政党の党幹部がイスラム教に改宗、役職を辞任 - ロイター (Reuters Japan) ドイツ総選挙―極右政党が躍進し第3党に(上) - 熊谷徹|論座アーカイブ - 論座 独極右政党AfD、共同党首が離党表明=報道 - ロイター (Reuters Japan) メルケル氏のむなしい勝利 独総選挙 - BBC.com メルケル首相、4選へ 反難民派、第3党に躍進 - 産経ニュース 独総選挙、メルケル首相4期目へ 国家主義政党が議席獲得 - BBC.com 極右政党AfDの議席獲得、ドイツに広がる失望感 - AFPBB News ドイツ総選挙:メルケル首相、極右政党拒否せよと訴え-投票行動促す - ブルームバーグ ドイツ総選挙 戦後初めて右翼国家主義政党が議席獲得か - BBC.com メルケル首相、ドイツ総選挙で想定される「連立シナリオ」 - ロイター (Reuters Japan) ドイツ連邦議会、同性婚の合法化を可決 - BBC.com ドイツ極右政党が台頭、歴史観の修正訴え - Wall Street Journal 独AfD党首「ユーロ圏、経済大国ドイツと弱い国を分割すべき」 - ニューズウィーク日本版 メルケルを脅かす反移民政党が選挙で大躍進 - ニューズウィーク日本版 メルケルの移民政策に異を唱え、不気味に台頭する極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」 « ハーバー・ビジネス ... - ハーバー・ビジネス・オンライン ● AfD .
https://w.atwiki.jp/before-one/pages/1118.html
まったり まったり 【分類】 アクティブ アビリティ スキル 庭士 能力 【概要】 『庭士』の『アビリティ』の一つ。 獲得レベルは19。 アクティブアビリティ。 【能力】 「ごろごろ」 『庭士』が定義した『庭』の範囲内でゆったりと過ごすことができる。 『庭』の範囲内であれば距離の制限はない。 警戒心を解除させたり、休息の効果が格段に上昇する。 【備考】 ★★★ ★★★ 竜の庭園
https://w.atwiki.jp/bakiss/pages/269.html
この感覚は前に一度体験した事がある。 ハルヒがやたらと不機嫌だったあの日。 ベットの上で寝ていたはずなのに、何故か俺とハルヒしかいない世界へ連れて行かれたあの日。 まるで意識だけがそのまま何処かへ移動したかのような・・・、感覚。 決して俺は夢を見ていたわけではない。 でも・・・、もしかしたら夢かもしれない。 そんな事を一日中考えさせられた・・・、あの体験。 今度は見紛う事無く目の前の現実で起きている。 ―――長門の言葉と同時にブラックアウトした意識。 あのときの感覚。あのときの体験が今再び。 「こ、ここは・・・。」 俺は取り戻した意識を確認しながら月並みな言葉を呟く。 全く見知らぬ風景―――いや、見知らぬ室内。 どうやら俺達は、ハルヒが創り出した閉鎖空間内に来ている様だ。 「あれは・・・、確か・・・。」 「銀色の鷹のエンブレムですね。そういえば、あれを見ると何か思い出すものが・・・・。」 しかも、その場所には見覚えがあった。 だからといって、そこが決して俺達の世界ではない事も分かっている。 そう、ここは最悪にして最強の秘密結社が住まう――― 「あのう~、ここってどこでしょうか?」 「現在位置の情報を収集中。周辺の状況、目の前のエンブレムから・・・・。」 「まあまあ皆さん落ち着いて。何、ちょっとショッカー基地にやってきただけですよ。グウたちは。」 ―――ショッカー基地なのだから。 「しょ、ショッカー基地!? 確かにあのエンブレムは『見た事があるな~。』なんて思ったけど・・・。」 「グウちゃんの言っている事は嘘ではない。」 「長門・・・。って、グウちゃんって!」 「本人からそういう様に言われている。コミュニケーション上の問題は見受けられない。」 いやいや、お前の『~ちゃん』付けは結構レアだと思うぞ。俺は・・・。 「まだ何か?」 「あ~、もういい。」 とりあえず長門が否定しないところを見ると、ここがショッカー基地だという事実は確かなようだ。 ということは、『本物の怪人』もわんさか居るに違いない。 「あれ~、この椅子って結構安物なんですね。」 「苦労しているんですね~。」 そうなると長居は無用だ。さっさとこの場所から移動しなくては。 「みんな!ここは危険だ。早く何処かへ逃げよう。」 観光客のように騒いでいる皆に向かって、俺は一声かける。 当のハルヒが出てこないのも心配だが、今は安全な場所に隠れなければ。 「で、どこに隠れるのだ?」 「えっと・・・、それは安全な場所だよ。」 俺の言葉を聞いて真っ先に反応したのは、今日始めてあったばかりのグウという少女。 コイツのせいで状況が悪化したのは、まさしくブルータス並だ。 「ふむ。それならば、ここから移動した方がよっぽど危険だろう。 幸いこの場所にはグウ達以外は誰も居ない。 寧ろ誰か来るまで移動しない方が得策だと言えんか?」 「む、むう・・・。」 グウの言葉に俺は押し黙る。 確かにコイツの言う事は正しい。 しかし、ここはショッカー基地という、血も涙も無い怪人の巣窟なのだ。 もしも凶悪な怪人がこの部屋に来たら・・・。 「キョン吉よ、そう心配する事も無い。何といってもこの場には長門っちやグウも居る。 余程の事が無い限り大丈夫なはずだ。」 「あっ!そういえばそうだな。反則キャラが二人も・・・。」 本当に俺は何の心配をしていたんだか。 この二人の力を持ってすれば、ショッカー基地すらないことに出きるはず。 とりあえず俺達の身は安全なはずだ。 うむ、これで安全面については確保したと。 そうなると次は・・・。 (う~ん、今度はこの世界をどうにかしなくてはならないのだが・・・。) 俺はそう考えながら、この場にいる面々を見回す。 やはりこういったことは彼女が適任だろう。 前に閉鎖空間が俺達のいた世界を飲み込もうとした時も、彼女が色々と助言をくれたんだしな。 「なあ長門。お前ならここから元の場所に帰れる方法を知っているよな?」 「分からない。」 「はっ?いや、お前とか・・・・、朝倉涼子もこういった場所を作れるんだろ?」 長門の言葉はいつも簡潔で語数も少ない。 だから聴いた瞬間は一瞬だが『理解』が遅れる。 ようは簡単すぎて理解が出来ない・・・、違うな。 今回の場合は理解したくないんだ。 都合が悪すぎる言葉に・・・。 「この閉鎖空間は確かに涼宮ハルヒの願望によって造られたもの。 閉鎖空間の発生理由として、今回は怪人キョン吉――――つまりアナタに気絶させられた時に 発生した『生理的嫌悪感』から生まれたモノだと彼女の性格から推測できる。 しかし、それが理由だと貴方からこの空間が生まれた説明がつかない。 これが『分からない』点。」 何だ、長門の奴。 『分からない』と言った割には、空間の発生源までわかっているじゃないか。 創られた理由が分かっていれば、長門の言う『分からない』は解消しなくてもいいじゃないか? 例えば・・・そう、ハルヒを満足させればどうにかなるんだろ? それなのに妙な箇所を『分からない』だなんて。 「では長門さん。涼宮さんは怪人を倒したという満足感を得られれば良いんですね?」 「分からない。」 物凄く的を得ているような古泉の言葉にも、長門は『分からない』の一言で斬って捨てる。 うーむ、一体何が違うんだ? いや、長門は『分からない』と言っている。 確かに俺や古泉の考察は、この状況とハルヒの能力―――思ったとおりの世界や事象を具現化する力―――― を考えれば普通に出てくることだ。 しかし、これに対する答えが全て『分からない』。 これは俺達の考察が間違っているのでもなく、『正解なのかが分からない』という事では。 それでは、こんな質問はどうだろうか。 「なあ、長門。」 「何。」 「ああ・・・、例えば古泉が言ったとおりハルヒが心底満足したら、俺らは元の世界に帰れるのか?」 ほんの僅かだが、長門の顔付きが変化する。 まるで『二度も三度も同じ答えの質問をするな!』と言わんばかりの顔付きだ。 やっぱりこの問いに対する答えも『分からない』のか? 「帰れない。」 「へっ?」 「全く~、キョン吉もダメですな~。」 「な、何がだよ。って、お前!そんな某戦闘員みたいな覆面はどこから。」 「そこのタンスにあったぞ。ほら、キョン吉もグウと一緒に戦闘員・・・、あっ!もう怪人か~! スマンスマン。グウったらうっかり者!てへっ!」 グウはそう言って自分の頭を軽く小突く。 いわゆる『うっかりちゃんポーズ』である。 はあ~・・・、ここらではっきりと言っておくか。 「・・・・ここではっきりと言っておくが、お前がいくら可愛い仕草をしたって全く似合ってないからな。 後、この姿はお前のせいだろ!いい加減さっさと俺の姿を元の人間に戻して欲しいものだがな。」 俺は心底嫌味を込めながらグウに物を言う。 しかし・・・。ここはやはりと言うべきか。 グウの奴は俺の言葉を聞くどころか、古泉達の方を向いて・・・、 「さあさあ、皆さんもグウとご一緒に!『キキィ!キキィ!』」 はあ・・・。まったくコイツの思考回路は良く分からん。 話も噛み合わん。大体コイツは何者なんだ? 俺をツッコミ死させるために天が使わした死神か? 「じゃあ僕たちは帰れないんですか?長門さん。」 そうそう。また話しが脇道にそれてしまった。 早く長門から、『ハルヒを満足させても帰れない理由』を聞かねば。 「な、なあ長門。ハルヒを満足させれば帰れないって理由は・・・・、何でだ?」 「もしも仮に涼宮ハルヒの欲求を昇華させても、彼女がここに居たいという考えが増大すると予想される。 そのため彼女の欲求を迂闊に昇華させると私達のいた世界は消滅。 つまりここが新たな世界になる可能性がある。」 「あれ・・・?そういうことは確か前にも・・・。」 「そう、前と同じ。」 そうだ。そうだった。 前にハルヒが創りだした世界は、退屈を解消したいが為に生み出されたモノだった。 そして、神人という彼女の精神状態の異常から生み出される物体が、実際に彼女自身の目の前に現れ、 如何にも現実離れをしたその様が、彼女を―――ハルヒをその創りだした世界にいたいと思わせた。 その結果、俺らがいた世界は崩壊しかけたんだったな。 ハルヒが心底満足していた、あの時の様子が頭に過(よ)ぎる。 うむ・・・、確かに長門が言うことは最もだ。 この世界でハルヒが満足してしまえば、俺達のいた世界は彼女にとって不必要なワケだしな。 んっ・・、まてよ・・・? じゃあ、一体どうしたら元の世界に・・・。 「しかし、帰れない可能性が無いわけでもない。」 「お、おい。それはどうやって・・・。」 「ああ、前みたいに・・・ですね。」 俺の言葉を掻き消すように、耳元に古泉のしたり声が響く。 だから俺の顔に自分の顔を近づけるなって・・・。 はい? 『前みたいに』って・・・。 まさか、前にハルヒを元の世界に帰りたいと思わせた・・・・、 『俺はポニーテール萌なんだ。だからあの時の髪型は反則的に似合っていたぞ!』 『あ、あんた何を言って・・・、んぐ!!』 あれ・・・ですか? 「前みたいにって・・・・、お、俺はもうやらんぞ!!あんな事!!」 「何を動揺しているのですか? でも、いざと言う時はあれくらいのことをして貰わないと・・・。」 「だから『あれ』はもう無理だって!」 俺は必死に両手を振りながら古泉の意見を拒否する。 いくら俺達のいた世界が消滅しようと、出来ない事は出来ないのだ。 ―――朝比奈さんが居る前では尚更・・・。 「あのう~、一体何の話ですか?キョンくんもやたら顔が赤いし・・・。」 「えっ・・!あ、朝比奈さん?」 あ~、俺達の会話にパニックを起こさなかったのはいいが、まさかここで口を開くとは。 いやいや待て待て。 今はそんなことを考えている場合じゃないぞ。 兎も角!今は俺がハルヒにナニした・・・。 違う!それじゃあ俺が変なことをしたみたいに! 「キョンくん?またどうしたんですか。どんどん顔が赤くなっていますよ。」 「あっ・・・、いや・・・その・・・。違うんです!!俺は何も!!」 不思議そうな表情で覗き込んでくる朝比奈さんに対して、俺は慌てて体裁を取り繕う。 い、いや、別に悪い事はしてないのだがな。 「はあ・・・、そうですか・・・。分かりました。今はそれどころじゃないですもんね。」 これ以上の問答は不毛だと思ったのか、朝比奈さんは俺の言葉に満足しないながらも1歩後って身を引く。 それにしても・・・。そんなに俺の顔は真っ赤だったのか。 自分なりにポーカーフェイスを勤めていたのだが・・・。 ご、ゴホン!まあいい。 とりあえずこの状況を打破しなければ。 「じゃ、じゃあ長門。これからどうする? やっぱりハルヒが『この世界にいたくない』ように思わせなくちゃいけないのか?」 俺は長門に、今考えられる最善の方法について聞いてみる。 やっぱり複数の視点から見た方が、解決策も見つかりやすいってもんだ。 しかし、そんな俺の考えに長門が返した答えは・・・・。 「考える必要は無い。」 「でも、このままじゃ・・・。」 長門の意外な発言に、俺は肝と一緒に緊張感も抜かれる。 流石に何も考えないという訳にはいかないだろう。 「お~い。お~い。」 そして、さらに追い討ちをかけるかのように、グウの奴がニヤケ顔でこちらへやって来た。 「状況を打破しちゃいましたぞ。」 不吉だ・・・。不吉過ぎる! ったく、グウの奴・・・。今度は一体何をやらかしたんだ? それよりも、俺の体を早く元に戻して欲しいもんだ。 「隣の部屋に行ったら、グウと同じカッコをした人達が一杯いましたから連れてきました。ちゃら~ん!」 本当だよ。コイツのおかげで俺は人間じゃなくなくて、蜘蛛男なんかにされたんだからな。 見ろよ!今じゃ、六本も腕があるんだぞ! これじゃあ目の前にいる戦闘員どもを統べる怪人じゃあ・・・。 「あ・・・、あれ・・・?」 「あ、あの全身タイツの人達は何なんですか~?」 「未知の生体構造を持った個体が複数出現。観察、内部構造の解析を開始・・・。」 「いや~、ここがショッカー基地ならばこの状況も至極当然。 うっかりしていましたね。はっはっはっは!」 「笑い事かーーー!!!!」 俺は古泉へのツッコミとは裏腹に、心底肝を冷やしていた。 ―――甘く見ていた。 まさか実物の戦闘員が、ここまでの威圧感を兼ね備えているとは思わなかったからだ。 この様子を見ると、いくら長門やグウでも完勝という訳にもいかないだろう。 そうだ。今、俺達の目の前に居るのは、決して長門が創りだした『モドキ』では無く、 暴力でこの世を支配しようとする―――― 「キキィ!!キキキィ!!」 本物の・・・・『悪』の軍団・・・・。 ――――――――――涼宮ハルヒの正義改め、SOS団はいつもハルヒのちキョン・3――――――――――
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/2270.html
俺が何をした 3KB 虐待-普通 虐待人間 独自設定 ※人によっては気分を害するかもしれません 一人の青年が夕方の山を走っていた。 彼が全力で走っている場所は、遊歩道には見えない。 草や木が生い茂っている、とてもではないが走るのには向いていない場所だ。 よくよく見ると彼の5mほど前方を一匹のゆっくりれいむが跳ねていた。 「ゆふっ…ゆっ…ゆひっ…!」 れいむはまったくゆっくりしていない形相で男から逃げていた。 それも当然である。 「ゆげっ…どっ…どうじでっ…ごんなぁ…!」 男の目からは殺意しか感じ取ることができない。 世界の底辺に位置しているゆっくりにも分かるほどの殺意である。 れいむはあんよが草や枝で傷つくのにもかまわず全力で跳ねていた。 しかし所詮はゆっくり。 しばらくすると男にもみあげをつかまれて宙に浮いた。 「ゆ゛ぎゃあああああああああ!!!!い゛じゃい゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!」 びちびちともみあげが皮膚から千切れる。 男はニヤニヤしながられいむを地面に叩きつけた。 「ゆびょぶぇ!」 れいむの口から少量の餡子が飛び出す。 れいむは起き上がろうとするがその前に男に思いっきり蹴られた。 そのまま枝が突き刺さり石が皮膚を抉った。 れいむはそのまま転がり続け太い木の幹に激突し、ようやく止まった。 男はれいむの頭をつかむと、自分の顔の前まで持ち上げた。 れいむの後頭部を空中で何発か殴る。 一発ごとに「ゆげぇ!」だの「い゛じゃい゛!?」だのと悲鳴をあげる饅頭がとても気に入ったらしい。 そのまましばらく饅頭を殴り続けた。 辺りが暗くなりだした頃に、ようやく男は殴るのに飽きた。 れいむはすでに虫の息である。 男はれいむを地面に投げ捨てた。 なんとなくれいむに顔を近づける男。 体中が裂けておりもう長くは無いように見えたのか もう殺そうと、男が両手で握り拳を作ったとき、れいむがこちらを振り返った。 れいむは男の顔を見ると怯えたような、信じられない表情で言った。 「で、でいぶど…おんなじ…g「死ね」 れいむの言葉が聞くに堪えなかったのか、男はまだ喋っているれいむを己の拳で叩き潰した。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 俺は走って逃げていた。 いや、この体では走ることはできない。 跳ねることしかできない。 ゆっくりの体とはここまで動きづらいものだったのか。 しかも山を跳ねるだけで草によって皮膚が切られ、石によって抉られ、落ちている枝が体中に突き刺さった。 それでも今は、死力を尽くして跳ねるしかない。 後ろにあの男がいるからだ。 あの男の目はどう見てもゆっくりを殺すことにしあわせーを感じる男の目である。 今までに何度も見てきたからりかいできるのだ。 はたしてどこで見たのか、いや、そんなことはどうでもいい。 もみあげを男につかまれた。 毛がれいむのおはだから千切れていくのに思わず悲鳴をあげてしまう。 突然にんげんさんの手が離れた。 そして、そのまま地面に叩きつけられた。 あまりの衝撃にれいむのくちからあんこさんが飛び出す。 いけない、餡子がなくなったられいむはゆっくりできなくなる。 起き上がってあんこさんをむーしゃむしゃしようとするが、その前ににんげんさんに蹴られてしまう。 まったくゆっくりしていないすぴーどでれいむは転がった。 地面に落ちているものでれいむのおはだが傷ついていった。 あまりの痛さに「いたいよー」と言いたいが、口をあけた瞬間おくちと地面がぶつかってますます痛くなった。 なにかにぶつかり、ようやくれいむは止まった。 あまりの痛さに永遠にゆっくりしそうになったがそこはれいむのとてつもない根性で我慢した。 にんげんさんから逃げようとするがあんよが言うことを聞いてくれない。 泣きそうになりながら逃げようとすると、また体が宙に浮いた。 おそらをとんでいるみたい!と思ったのもつかの間、後頭部を激しい痛みが襲った。 何度も、何度も襲った。 痛みが襲うごとに悲鳴を上げてしまった。 あんこさんはすでに半分ほど地面に落ちていた。 しばらくして、れいむは地面に落とされた。 下にはおちばさんがいっぱいあったのでそこまで痛くなかった。 体中がずーきずーきした。きれいなかみのけは体中に張り付いていた。あんこさんは周りに飛び散っていた。 なんでこんなことをするのか、それが聞きたくてにんげんさんの方を見た。 にんげんさんはよく知っている顔だった。 なぜなら俺は 昨日まで あの顔だったのだから どうして、お前は俺と同じ顔なんだ。 それすら言えないまま、俺は潰された。 俺が何をした。 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 意味不 -- 2014-09-07 13 21 36 ようわからん -- 2013-03-07 03 00 02 多くの虐待鬼意惨の末路か。おお、こわいこわい -- 2012-09-26 18 19 18 ↓×6四季映姫って理念転生の管理するのか!?白黒だけかと(ry -- 2012-07-27 10 31 30 まあ虐待なんてしなきゃいいだけやん てかもはや虐待というより殺害やん -- 2012-05-18 22 04 36 世にも奇妙なアレにも似たような話あったね たしか無限ループするやつだっけ? -- 2011-11-09 19 58 42 自分がゆっくりだと気付いた時点で絶望的未来しかないんだからすぐにお食べなさいをすれば良かったのでは -- 2011-08-19 12 18 15 ↓↓あれはその状況利用して虐待してたけどな。 -- 2011-07-31 18 46 03 俺が(ryを思い出した。やっぱこのタイプは面白いわ -- 2010-10-05 08 09 48 四季映姫によって「ゆっくりに転生する」って罰を受けた虐待お兄さんって話をどこかで読んだなぁ。 -- 2010-07-08 06 08 52 虐待鬼意山さんがゆっくりになって虐待鬼意山に虐待される話はゆっくりできるね -- 2010-06-29 11 37 48 だが俺は理解するのに時間を要した? -- 2010-04-23 07 22 52 こういうホラー系ループものは面白いな -- 2010-04-21 14 23 29 イミフ -- 2010-04-03 14 52 20
https://w.atwiki.jp/moemoequn/pages/163.html
澪「…軽音部だろ。まったくしょうがないな」 http //yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1251433800/ 1 2 3 戻る 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/when_they_cry/pages/131.html
僕が一人の人間から目を離せなくなるというのは、初めてだった。 小学生のころからそんなに友達は多くなかった。 別に、少なかったわけでもないけど、僕の対人関係能力に関しては、 普通、いやそれ以下だったかもしれない。 それは、他人にそれほど執着することが無かったから。 今こうして友達として話している、佐藤も、友人として見る、というには抵抗があった。 出会って一週間だというのに、友達と呼ぶには失礼かもしれないという本、僕の独断によるものだけど。 佐藤は言った。 「ところで、シン。お前……なんだ、好きな子とか居るのか?」 佐藤がいやらしく笑う。 「え? す、好きな子?」 うろたえる僕に、太郎 ――ちょっと可愛そうな名前だが、横山太郎という、川原のエロ本を投げてくるので有名な男―― が、ちゃちゃを入れる。 「赤くなんなって、わかってる、礼奈だろ? 竜宮礼奈」 「しっ、声でかいって……」 幸い、休み時間中だったので、あたりは騒がしかったから、僕たち三人以外には聞こえていなかったようだ。 「……まぁ、そうだよ」 「ほう、シンにしてはなかなか素直じゃないか…… 俺は、あいつだよ、町嶋。お前んち、隣なんだろ? 今度会う口実作ってくれよ。 俺、礼奈に教科書貸したことあるからさ、お前よりちょっとは話やすいはずだぜ……交換な、交換」 つまり、佐藤は僕と仲がいい町嶋鏡子に用があるのであって、僕に用は無い……んだと思う。 僕が他人に執着しないというひとつの要因が、鏡子だった。 僕にはんだよくわからないけど、 鏡子は僕以外の男からみたらやたら魅力的に見えるらしく、 僕に会う口実を作ってくれという奴が後を絶えなかったからだ。 一週間というのは、平均的なタイムだ。 でも、今回はちょっと違う。 以前までは僕の方にいいことなんか無くて、一方的にセッティングの要求をされるだけだったから。 小学生の癖にそんなことをたくらむ人間が多かったのは、僕にとって少々ショックだった。 もう大分なれてしまったけど。 「おいおい、俺は蚊帳の外かよ?」 「うっせー、お前はエロ本で、も投げて暮らしてろ」 「馬鹿、おまえらなぁ、あんなちっちゃいおっぱいのどこがいいんだよ? 男ならもっと大きいのを」 とりあえず、必要以上に大きい声で話す太郎を、僕たち二人は早急に無視した。 そのうちあだ名が決まるだろう。太郎じゃ可愛そうだ。 「善は急げだ、シン、今日の放課後いけるだろ? 早速礼奈とセッティングしてやる」 昼休み、いつものように席をあわせて弁当を食っていたときに、突如佐藤は肩をばんばんと叩いて言ってきた。 半ば忘れかけていたことを、突如として出されたことで、過剰な反応をしてしまう。 「きょ、今日って……確かに予定は無いけど……鏡子のほうは分からないよ?」 「俺は明日以降でもいいから。でも、竜宮は別だ。誰かに取られちまうぞ?」 「取られるってそんな……物みたいに……」 「確かになぁ、竜宮って可愛いもんなぁ」 太郎にそういわれて、なんとなくちらっと竜宮の方を見てしまう。 女の子のグループを形成しており、視線さえ送りづらかったが、 和気あいあいとほかの女子と話をしていたのを見て、やっぱり可愛いと思った。 そう、可愛いと思ったんだ。 「んじゃあ、放課後、な」 そう言って、佐藤は飯を食べてすぐ、グラウンドのほうへと走っていった。 僕にもあれぐらいの元気があったら、こんなに意識する前に話しかけられているだろうか。 「俺もちょっと行ってくるわ」 結局最後は、僕一人で弁当を食べることになってしまった。 ただそばに居るだけで、どきどきしてしまう。こんなんじゃ駄目だ…… 「……んで、こっちが信也、みんなシンって読んでる。覚えてくれた?」 「うん、みんな覚えたよ」 トリップしていた僕に、礼奈は笑顔を向けてくれた。 「そ、それでさ、今度みんなでボーリングいかない? 俺ら三人と、あと誰か連れてってさ」 佐藤もこういうことに慣れているわけじゃないんだろう。この言葉を言うのに、ずいぶん長い時間を費やしてしまった。 本当に……いい奴だ。 「うん、いいよ」 また、礼奈は笑顔を見せる。 僕たちは、ボーリングに行ったり、学校の休み時間に普通に遊べるぐらいの仲になった。 鏡子と佐藤も同じ感じで、いちいち何があったとか報告してくる佐藤にイライラしながらも、 僕たちは、ずっと、仲が良かった。 ずっと……一ヶ月間だったけど。 十三年も生きていない僕たちにとって、その一ヶ月は、永遠だった。 「れ、礼奈、かふっ、れぃ、な」 「気安くその名前で呼ぶなぁぁッッ!!」 無慈悲な一撃が、僕の脳天を砕いた。 きっと血が出た。 もうこれは、決定的だ。 さっきのわき腹への一撃なんかとは比にもならないぐらいに、決定的な一撃。 「……礼、奈……僕を……信じて?」 僕は、礼奈に手を伸ばした。 礼奈の動きが一瞬だが、止まる。 なんとかその間に、倒れてしまった体を、上半身だけ起こした。 頭がやられていたせいか、体が思うように動かなかった。 「礼……奈……」 最後の一撃は、僕から少しの間、光を奪った。 痛みだけが広がる闇の中で、僕の罪を繰り返し、繰り返し、鈍った頭に言い聞かせる。 僕は礼奈に恋をした。 ―完―
https://w.atwiki.jp/sinkaganano/pages/25.html
【紅い眼のアイツ】 メインデッキ40枚 真紅眼の黒竜×3 クリッター メタモルポット 黒竜の雛×3 仮面竜×3 真紅眼の闇竜 ボマー・ドラゴン×3 ブリザード・ドラゴン レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン×3 真紅眼の飛竜×3 死者蘇生 大嵐 手札抹殺 サイクロン おろかな埋葬×2 ライトニング・ボルテックス 洗脳-ブレインコントロール 龍の鏡×2 黒炎弾 未来融合-フューチャー・フュージョン 封印の黄金櫃 聖なるバリア-ミラーフォース- 死のデッキ破壊ウイルス 激流葬 正統なる血統×2 F・G・D×3 真紅眼デッキです! 飛竜の登場によって黒竜は前より使いやすくなりました! ダークネスメタルや飛竜の効果等で何度も蘇る黒竜は意外に侮れませんよ。 星7で攻撃2400のバニラモンスなので結局は弱いのですが・・・ そこは見た目でカバーですw 製作者 心の翼 2008年12月11日
https://w.atwiki.jp/4869/pages/7.html
動画(youtube) @wikiのwikiモードでは #video(動画のURL) と入力することで、動画を貼り付けることが出来ます。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_209_ja.html また動画のURLはYoutubeのURLをご利用ください。 =>http //www.youtube.com/ たとえば、#video(http //youtube.com/watch?v=kTV1CcS53JQ)と入力すると以下のように表示されます。