約 4,184,358 件
https://w.atwiki.jp/wrubg/pages/15.html
ドイツの動画。 ドイツ人のイメージはマスコミによって創られてしまいましたが、 実際は非常に陽気で、また、下品な言い回しなどを好んだりと、とにかくそんな感じなのです。 ここでは、そういった動画を紹介していきます。 ドイツ人の考えることはすごい。というか日本でこんなことやってたら逮捕されそうなんだが・・・。 日本だと警察来そうなトコですけど・・・。
https://w.atwiki.jp/oreqsw/pages/1756.html
最終話 熊とひばりが恋をした 267 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/07(水) 20 55 44.61 ID z0uwwU6n0 [8/20] 推奨BGM: 「俺さんが悪いんですよ?」 阿鼻叫喚の中でも、彼女のその声ははっきりと俺の耳に届いた。 「俺さんが……他の女の子のことばっかり話すから…。」 名を呼ばれるだけで心が躍ったこの声。 「でも、もう大丈夫。」 その声で紡がれる彼女の言葉を、俺は今どう感じ取っているのだろうか? 「皆始末しましたから。」ニコッ その白い肌を鮮血で汚して微笑む彼女の言葉を、何を思って静聴しているのだろうか? 「これで俺さんは私しか見えませんよね? ふふふ……もう誰も私達の邪魔は出来ません。」 俺は、俺が愛した……いや、今でも愛しているはずの彼女が男達に取り押さえられるのを黙って見ている。 彼女は、その右手に持ったナイフで少女達を刺していた彼女とは思えないほど大人しく地べたに押し倒された。 「俺さんは強い女の子の方が好きなんですよね? えへへ…私もこれでやっと俺さんの理想の女の子です。」 彼女の傍らには、俺が世界で一番大切だと言った少女だったものが4つ。 268 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/07(水) 20 57 10.15 ID z0uwwU6n0 [9/20] 「ウフフ……ネウロイをあっという間に倒してしまったとっても強い俺さんと、二人のお邪魔虫をやっつけた強い私………お似合いですよね♪」ニコッ 白みがかった金髪がキレイだった少女達が、俺に成長した立派な姿を見せてくれることはもう永遠にないのだ。 「俺さん……私達はずっといっしょですよ?」 俺は、今も俺に語りかけている彼女を……4人の少女の命を奪ったレイヴォネン少佐を、 「だって私は……」 誰よりも愛している。 「俺さんのことを愛していますから♪」ニコッ 俺「うわぁ!?」ガバッ 俺「ハァハァ…」ガタガタ 俺「ゆ、夢か…。」 最終話 熊とひばりが恋をした 269 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/09/07(水) 20 58 16.74 ID z7jz3MWp0 [8/9] いきなり心臓に悪いわ 支援 270 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/07(水) 20 58 49.72 ID z0uwwU6n0 [10/20] 俺「ハァ……おはよう…。」 ラウラ「おはよう、俺さん。」 ハンナ「おはようございます、俺曹長。どうしたんですか? 顔が真っ青ですよ?」 俺「あ、ああ……ちょっと嫌な夢を見てな…。」 何だったんだ…あの夢? 妙にリアルで…… エルマ『俺さんのことを愛していますから♪』 俺「」ブルッ い、いくらなんでもレイヴォネン少佐がああなるなんてことはないよな? 俺のことを好きになるかどうかすら怪しいんだから。 エイラ「俺~今日はイイ夢見れたかァ?」ニヤニヤ な、何だよ!? ニヤニヤするんじゃねぇよっ! まるで、俺が見た夢を知っているような口ぶりだな…。 エイラ「さぁ、どうだろうナ~♪」 272 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/07(水) 21 00 27.73 ID z0uwwU6n0 [11/20] 俺「あの夢は一体何だって言うんだよ…。」 エイラ「フフフ…女の嫉妬は怖いっていうことなんダナ~♪」 ? 嫉妬がどうしたんだ? エルマ『皆始末しましたから。』ニコッ 俺「」ゾクッ エルマ「おはようございます、俺曹長。」 俺「うぉわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!?」 エルマ「キャッ!? ど、どうしたんですか…?」 俺「い、いえ…なんでもないんですけど……」 エルマ「顔色が悪いですよ? もしかしたら熱でも…」 ピトッ 俺「――――!?///」 エルマ「う~ん…熱はないみたいですねぇ……。」 273 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/09/07(水) 21 01 42.82 ID xBqxTKAU0 [4/4] うぁぁぁぁぁぁ 支援 274 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/07(水) 21 01 53.61 ID z0uwwU6n0 [12/20] 俺「だ、大丈夫ですっ!」アタフタ エルマ「それならいいんですけど…。」 ヤバイなぁ…。この娘は無自覚にこういうことをするから困る……。 まぁ…これくらい鈍感だから、俺の好意がバレる心配がなくて安心出来るんだがな。 ニパ「おはよう、俺さん。どうしたの、顔が真っ赤だよ?」 俺「お、おうおはよう! ん? ここに寝癖ができてるぞ?」 ニパ「うわぁ!? 本当だ! うぅ…女としてさすがにこれはマズイよなぁ…。」 俺「今更だろ。」ケラケラ ニパ「ひどいよ俺さん!」ムーッ エルマ「う~む……。」ジーッ 俺「こっちの方がお前らしくてイイって。」ワシャワシャ ニパ「寝癖をひどくしないでってば!」ジタバタ エルマ「………よし!」ギュッ 俺「お前は本当にからかい甲斐があるよな。」ナデナデ ニパ「うぅ……俺さんとエルマ隊長が最後の希望だったのに…。」 275 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/07(水) 21 06 56.56 ID z0uwwU6n0 [13/20] エルマ「お、俺曹長!」 俺「ん? 何ですか、レイヴォネン少佐?」 エルマ「俺曹長はニパさんのことが好きなんですか!?」 俺・ニパ「「…………………………は?」」 エルマ「うぅ……やっぱり息ぴったりです…!」ズーン 俺「いやいや何言ってるんですか!?」 ニパ「そんな………………困るよぅ!///」 俺「お前も本気にしてんじゃねぇ!」 突然何を言い出すんだ…この娘は……。 俺が好きなのは…… エルマ「だって俺さんはニパさんのことをよく今みたいに構っていますし……。」 俺「いやっ……それはコイツをからかうのが面白いだけで…!」 ニパ「なんかやたらとちょっかいかけてくると思ってたら………好きな娘には意地悪したくなる的なヤツだったんだね…!///」 俺「ねぇよ! 俺は小学生か!」 276 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/09/07(水) 21 10 00.55 ID NNAlRfyJ0 [2/2] やれやれだにゃ~。でも、可愛いぞ支援 277 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/07(水) 21 12 48.65 ID z0uwwU6n0 [14/20] まったく……たしかに、カタヤイネンはカワイイとは思うけど…さすがに恋愛対象としては見れねェってのに…。 まだ幼い教え子に欲情するような奴は、扶桑陸軍の変態教官だけで十分だ。 俺「ハァ……いくらなんでもこんな子供を女としては見れませんよ…。」 ニパ「むっ……子供扱いしないでよ。」 俺「実際、子供だろ?」 ここで子供じゃなくて、恋愛対象なのは貴女だけですよー、というのを言外に匂わせたつもりなんですけど…… エルマ「そうなんですか……良かった…。」ホッ さすがに気付かないか。 俺「とにかくカタヤイネン、今日くらいは身だしなみを整えておけよ?」 ニパ「…………………うん…。」 今日は俺達L中隊の、最後の日なんだから。 278 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/07(水) 21 18 48.39 ID z0uwwU6n0 [15/20] エルマ「これを以てスオムス空軍第24戦隊L中隊を解散とする。スオムス軍最高司令官カール・グスタフ・エミール・マンネルハイム元帥。 ふぅ……この辞令の通り、私達L中隊は今を以て解散となります。 今までありがとうございました!」ビシッ 「「「「「ハッ!」」」」」ビシッ エイラ「けっこうあっけない終わり方だナ~。」 俺「軍隊なんてそんなもんだよ。お前らは今日この基地を発つんだろ? 準備はできてるか?」 ラウラ「一応な。」 ハンナ「大丈夫です。」 エイラ「あっ…水晶玉入れるの忘れてタ…。」 ニパ「私もまだ終わってないや…。」 俺「まだまだ時間があるからさっさと行ってこい。」 エイラ・ニパ「「ハ~イ。」」 ハンナ「私達も荷物取ってくる。」 ハンナ「最後の確認をしてきます。」 279 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/07(水) 21 24 48.52 ID z0uwwU6n0 [16/20] 俺「ふぅ…。」 あっけない…………か。確かにな。 2カ月間寝食を共にした仲間との別れが、紙切れ一枚読み上げるだけで済んじまうってのは、ちょっと寂しいよな。 でも、人との出会いと別れなんてそんなものだよな。出会いがどれだけ衝撃的なものであっても、別れは案外あっけないもんだ。 だから、教官少佐が言っていたように、一期一会を大切にするべきなんだよな。いっしょにいる時間を大切に………だな。 俺「終わっちゃいましたね。」 エルマ「はい……。」 俺「レイヴォネン少佐、お疲れ様でした。」ペコ エルマ「へっ…あ、ありがとうございます…! えっと…頼りない隊長で色々ご迷惑をおかけしました…。」 俺「迷惑なんてとんでもない。貴女がいたから、この隊は最後まで団結していられたんですよ?」 あんなに個性が強い連中ばっかり集まって……よく大きなケンカが起きなかったな…。 唯一あった大ケンカといえば………………ああ、俺とレイヴォネン少佐のやつか…。 281 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/07(水) 21 30 52.21 ID z0uwwU6n0 [17/20] 俺「こちらこそスイマセン……あの時、思いっきり怒鳴ってしまって…。年上の俺が冷静さを失っちゃダメですよね。」 エルマ「い、いえいえ! あの時私も柄にもなく頭に血が上ってしまって…!」 俺「いやいや俺が……」 エルマ「いえいえ私が……」 俺「………」 エルマ「………」 俺「……ククク…。」 エルマ「……フフフ…。」 俺「最初の頃から考えると、レイヴォネン少佐とこうやって笑いあっているのが信じられませんね。」 エルマ「そ、そうですね。申し訳ないんですけど、俺さんのこと最初は怖い人かと…」 俺「ハハハッ…いいですよ。実際、見た目通り粗暴な奴ですから。」 エルマ「そんなことないです! ちょっと乱暴かもしれないけど、俺さんは優しくて頼もしい人です…。///」カァァ 俺「そ、それはどうも…。///」ポリポリ 何て言うか………レイヴォネン少佐の中で、俺はけっこう高評価だったんだな…。 実際こんなこと言われると……尋常じゃなく照れる…。 282 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/07(水) 21 32 31.48 ID z0uwwU6n0 [18/20] 俺「と、とにかく! アイツらを無事に送り出せて良かったです!」 エルマ「そ、そうですねっ!」 あまりにも照れくさかったから無理矢理話をそらした。 せっかくイイ雰囲気だったのに………俺のヘタレが…。 俺「無事に送り出して、俺達の仕事は終わりなんですねぇ…。」 エルマ「そうですね。」 俺「これで終わりかぁ…。俺達はアイツらに何かしてやれたんでしょうか?」 エルマ「う~ん……特に思い当たらないですね…。」 このL中隊の設立目的は、若手エースの更なる技術的、人間的な向上だ。 実際この2カ月、俺とレイヴォネン少佐は寝ても醒めてもアイツらの将来のことばっかり考えていた。 その成果がよく分からないとなると………さすがに虚しい。 283 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/07(水) 21 33 30.93 ID z0uwwU6n0 [19/20] エルマ「まぁ、いいじゃないですか。人の成長っていうのはどれだけ多くの人と出会い、触れ合ったかに依るものだと私は思います。 私達はその出会った人の一部、彼女達の成長の礎となれたんです。それだけで充分だと思いましょう? 彼女達の礎となった他の人達よりも、私達の方が彼女達を想っていたなんていうのは思い上がりです。」 俺「そう…ですね。結局、俺達のやっていたことなんて、アイツらの人生にとってはちっぽけなものですよね。」 エルマ「はい。でも、とってもとっても大事なものです。」 俺やレイヴォネン少佐………ほんのちょっとでも教育というものに携わった者は感謝されるべきではないのだ。 これが俺達の仕事であり、生きがいだから。 感謝する暇があるんだったら、もっと精進して立派な人間になってほしい。 俺達は、立派になった姿を影からそっと覗くだけで充分満足だ。 俺「アイツら…笑顔で送り出してやりましょうね。」 エルマ「はい。」ニコッ 131 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 00 29 54.66 ID 75+6OtLg0 [2/41] 俺「忘れ物はないなー?」 ハンナ「はい。」 ラウラ「ああ。」 ニパ「うん……。」グスッ エイラ「ああ。」 俺達は滑走路に来ていた。 エース達の背後には、ヘルシンキへと向かう輸送機。 この飛行機が飛び立ったら、もう俺がコイツらに会うことはないんだろうなぁ。 俺「よし。それじゃあ、輸送機に乗れ。」 エイラ「あ~あ……めんどくさいナ~。」 ラウラ「大して時間かからないだろ?」 ニパ「ヒック……俺さん、エルマ隊長………元気でね…!」グスッ エース達は順々に輸送機に乗っていく。これでコイツらとはお別れか……。 132 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 00 34 05.74 ID 75+6OtLg0 [3/41] エルマ「………。」 寂しくないと言ったらウソになる。でも……慣れてるからな。 これでも軍歴はそれなりなんだ。いくつもの出会いと別れを繰り返してきた。 こんな、もの悲しい気持ちだって何回も経験してきたんだ。 ハンナ「………。」ピタッ 俺「ん? どうした、ウィンド?」 ハンナ「やっぱりこのまま別れるのはアレだよね…。」ボソッ スタスタスタ 輸送機の入口で立ち止まったウィンドはUターンして俺とレイヴォネン少佐の方へ歩いてきた。 俺「お、おい…。どうしたんだよ?」 ハンナ「俺曹長、エルマ隊長お世話になりました。」ペコッ 俺「へっ……?」 エルマ「えっ……?」 133 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 00 37 22.46 ID 75+6OtLg0 [4/41] 推奨BGM: ハンナ「この隊に来て、お二人といっしょに過ごし、私はこれからの自分の在り方を見つけることが出来ました。 俺曹長みたいに、厳しく部隊を引っ張っていくということも大事だとは思うのですが、私には合っていないと思います。 私は、一歩引いた所で部隊を見守っていきます。」 俺「そうか…。」 ハンナ「はい。私には俺曹長みたいなたくましさもエルマ隊長みたいな誠実さもありません。 でも、何事にも動じない胆の太さには自信があります。 だから、部隊の一番後ろにいて、皆を安心させるという役目を果たしていきたいと思います。」 エルマ「………。」 ハンナ「このことに気付けたのは、自分の長所と短所をしっかりと理解し、自分に出来ることに懸命に取り組むお二人と触れ合ったおかげです。」 教育者という人間は感謝の言葉を受け取ってはいけない、というのが俺の持論だ。 俺達は教え子の糧。教え子が成長することを至上の喜びとするべきである。ちっぽけな自分に感謝する必要がないようなデカイ人間になることを望め。 このことは、俺が教官という役目を負ってから、ずっと持ってきたこだわりだ。 134 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 00 38 25.39 ID 75+6OtLg0 [5/41] このこだわりは未来永劫捨てるつもりはない。 ハンナ「俺曹長、エルマ隊長。」 それでも、 ハンナ「お二人に出会えて、本当に良かったです。ありがとうございました。」ニコッ 教え子にこんなことを言われて……嬉しくないわけないよなぁ。 俺「お、おう…!」グスッ エルマ「……グスッ…は、はい!」 胸に熱いものが込み上げてきて、目頭が熱くなる。 それでも、涙は流さない。これだけは譲らない。 コイツらを笑顔で送り出す。 この子供じみた意地だけは、なんとしてでも貫き通してやる。 135 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 00 43 08.98 ID 75+6OtLg0 [6/41] ハンナ「それでは俺曹長、エルマ隊長、お体には気を付けてくださいね。」 ウィンドはそう言って輸送機に乗っていった。 エイラ「俺ェ!」 俺「おぉう…。」 おいおい…お前も戻ってきたのかよ…。早くしないと機長さんに迷惑がかかるぞ…? エイラ「俺! 俺のあの強さは誰か大切な人を守るためのものなんダロ?」 俺「ああ。」 俺の力……大熊の爪はお前らを守るためにある。 世界で一番大切なお前らを。 エイラ「私にも大切な人ができたら、あんな力が出せるようになるんだよナ?」 俺「おぅ! これからきっと、お前にも何よりも大切な人ができると思う。その時は、何としてでもその人を守り抜けよ?」 エイラ「ああ!」 元々の才能はずば抜けているんだ。コイツに守るものができた時、どれだけ強くなるんだろうな。 137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 00 46 09.94 ID SCdXdR3B0 [1/24] なんという卒業式…… 138 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 00 47 10.55 ID 75+6OtLg0 [7/41] エイラ「それじゃあナ、俺! エルマ先輩をしっかり守ってやるんだゾ?」 俺「えっ……あ、ああ…!」 何故ここでレイヴォネン少佐の名前が出てくるんだ? エイラ「エルマ先輩…。」 エルマ「イッルさん…。」 エイラ「エルマ先輩には色々迷惑かけちゃったナ…。イタズラしたり、からかったり、生意気言ったり。エルマ先輩の優しさについつい甘えちゃったんダ…。」 エルマ「そんなこと……ないです! 私もイッルさんにどれだけ迷惑を…!」 ユーティライネンのあんな顔は初めて見た。あんなに優しい表情が出来たんだな。 エイラ「エルマ先輩、私がこうしてスオムスのために戦っていられるのはみんなエルマ先輩のおかげだからナ? エルマ先輩が飛び方を教えてくれて、戦い方を教えてくれたから、私は今エースと呼ばれる存在になれている。 グスッ……本当にありがとナ…!」 エルマ「………ヒック…どういたしまして。」ニコッ 139 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 00 50 24.68 ID 75+6OtLg0 [8/41] エイラ「それじゃあナ! エルマ先輩と過ごしたこの2カ月はとっても楽しかったゾ!」 ユーティライネンは一瞬目に涙を溜めたが、すぐに笑顔を取り戻して輸送機へ向かっていった。 あそこで涙をこらえられるとは……アイツももう立派な大人になっているのかもしれねぇな。 ラウラ「エルマ隊長。」 ニッシネンお前もか…。いい加減にしないと機長さんキレちまうぞ? ラウラ「世話になったな。」 エルマ「えっ…は、はい!」 スタスタスタ ラウラ「俺さん。」 俺「お前なぁ…レイヴォネン少佐には世話になっただろ? ちょっと淡白すぎやしないか?」 ラウラ「お礼を言うのは苦手なんだ。」 俺「まったく……もうちょっと可愛げを持てよな。」ナデナデ ラウラ「………。」 自然と手が伸びてニッシネンの頭を撫でてやる。 ゆっくり甘えさせてやるって約束していたのに、結局機会が無かったな。スマン。 140 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 00 53 04.83 ID 75+6OtLg0 [9/41] ラウラ「俺さん、俺さんは私達のことをどう思っている?」 俺「俺はお前らのこと、大好きだぞ?」 ラウラ「そうか……その気持ち、ちゃんと伝わっていたからな。」 俺「えっ…?」 態度で示したことなんて一度も…… ラウラ「態度で示さなくても強く思えばちゃんと気持ち伝わる。 これからの参考にさせてもらうよ。」 俺「お、おう…。」 強く思えば伝わる…か。もしかしたら、コイツが言ったように俺はそれほど嫌われていたわけじゃないのかもしれないな。 今まで避けてきたけど、機会があったら昔の教え子にも声をかけてみようかね。 ラウラ「それじゃあな、俺さん。いつか、私が酒を飲めるようになったらいっしょに飲もうな。」 俺「ああ。」 楽しみにしてるぞ。 141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 00 55 18.75 ID SCdXdR3B0 [2/24] ニッシネンかわいいよニッシネン 142 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 00 57 00.60 ID 75+6OtLg0 [10/41] ラウラ「あと、エルマ隊長。」 エルマ「は、はい…!」 ラウラ「俺さんのこと、頼んだよ?」ニコッ エルマ「えっ…」 俺「ニッシネンが笑った…」 ニッシネンはそう言うと、俺達を振り返ることなく輸送機に乗り込んでいった。 いつも無愛想なニッシネンの笑顔。最後にイイもんを見せてもらった。 残るは……… ニパ「………ヒック…グスッ……」グシグシ やっぱりお前も来たか…。後でちゃんと機長さんに謝っとけよ? 143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/09/09(金) 01 00 17.00 ID Iu5Nuy+I0 [1/2] 頑張れ支援 144 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 01 01 10.82 ID 75+6OtLg0 [11/41] ニパ「俺さん…エルマ隊長…」 コイツは多分、一番叱った奴で…一番世話を焼いた奴だ。 俺「お前には色々強く言いすぎたかもなぁ。スマン。俺のこと嫌いだったろ?」 ニパ「そんなことない…! 俺さんのこと、大好きだったよ…!」ポロポロ そうか…。お前は本当にいい娘だなぁ…。 エルマ「ニパさん…。」ナデナデ ニパ「俺さん、エルマ隊長…私が困った時は、すぐに駆けつけてくれる?」 エルマ「はいっ!」 俺「ああ、地球の裏側だろうがどこだろうと駆けつけてやる。」 だって、俺達はお前の世話を焼きたくて焼きたくてしょうがないんだから。 ニパ「そっか………私、頑張るからね。」 俺「うん…。」 145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 01 06 43.69 ID SCdXdR3B0 [3/24] スオムス勢がかわいすぎて生きるのがつらい 146 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 01 07 00.30 ID 75+6OtLg0 [12/41] ニパ「もっと面倒事を起こして。もっと迷惑をかけて。もっと仲間を危険に晒して。もっと自分の身を危険に晒して。そして、もっと強くなる。 周りのことなんて気にしない。 何があっても俺さんとエルマ隊長がなんとかしてくれるから。」 エルマ「はい…。」 ニパ「頑張って強くなる。」 俯いていたカタヤイネンが顔を上げた。 ニパ「新聞の一面を飾るくらいに強くなる。」 涙で潤ませたその目は、俺とレイヴォネン少佐を真っすぐに見つめている。 ニパ「スオムスに…いや、世界にその名を轟かせるくらいに強くなる。」 今のカタヤイネンからは、ツイてない自分に対する失望なんて感じられない。 その不幸を凌駕するほど強くなる。その強い意志が、涙で溢れたその瞳からビンビンと伝わってくる。 147 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 01 13 01.65 ID 75+6OtLg0 [13/41] ニパ「だから……」 カタヤイネン……お前はもう充分頑張ってるよ。 ニパ「それくらい強くなったら……」 だからさ、 ニパ「また二人に会いに来てもいい…?」ポロポロ 今は思いっきり泣いていていいんだぞ? 俺「ッ……当たり前だろうがっ!」 エルマ「待ってますからねっ!」グスッ ニパ「それじゃあ私は行くからっ!」ダッ カタヤイネンは輸送機に向かって走り出した。 また…会いに来てくれるのか…。 俺のポリシーには反するけど…… やっぱり…嬉しいよなぁ…。 149 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 01 19 38.87 ID 75+6OtLg0 [14/41] 輸送機のハッチが閉まり、エンジン音がカウハバ基地の滑走路に響く。 これでアイツらとはお別れか…。 教え子を差別はしたくないのだが……正直思い入れは強い連中だな。 立派なエースになってほしいよな…。 ガチャン 俺「あ?」 ニパ「俺さん!」 エイラ「エルマ先輩!」 俺「お前らもう離陸なんだからハッチ開けるんじゃ――」 エイラ・ニパ・ラウラ・ハンナ「「「「これからのスオムスは私達に任せろっ!!」」」」 150 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 01 26 29.02 ID 75+6OtLg0 [15/41] 俺「まったく……頼もしいなぁ…。」 エルマ「そうですね……グスッ」 必死でレイヴォネン少佐から俺の顔を隠す。こんなゴツい男が涙を流している顔なんて気色悪くて見せられねェ。 エルマ「…俺さん。」 ギュッ 俺の背中を何か温かいものが包み込んだ。 エルマ「スイマセン、俺さん…ほんの少しでいいので、こうさせてください…。」 何かに顔を埋めているため、くぐもった声。背中に当たる、微かだだけど確かな息遣い。 エルマ「私、泣かなかったですよね…? 皆を笑って送り出せましたよね…?」 俺「ああ、俺達はちゃんと最後の仕事をやり遂げたよ。」 俺達の教え子を乗せた飛行機はもう見えない。 もう誰も俺達を見ていないから。 今だけ……… エルマ「………。」グスッ 俺達二人しかいない今だけ、思いっきり涙を流そう。 151 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 01 28 02.70 ID 75+6OtLg0 [16/41] エルマ「俺曹長はこれからどうなさるんですか?」 滑走路に戻る途上、レイヴォネン少佐がそう問いかけてきた。 俺「俺………ですか…。」 どうだったっけなぁ……。確か上層部から辞令が来ていて、オラーシャに行けとか言われていたような……。 エルマ「やっぱり、俺曹長もここから出ていっちゃいますよね…。」 俺「………。」 もしこのままオラーシャに行っちまったら、レイヴォネン少佐にはもう二度と会えないだろうな。 所属している隊も違うし、左官と一般兵士とでは立場も違う。 俺の初恋は終わっちまうよなぁ。 エルマ「お、俺曹長……出来たら………出来たらでいいんです…。私のことは忘れないでずっと覚えておいてくださいませんか…?」 失恋か…。 俺「嫌です。」 エルマ「えっ…?」ウルッ 失恋なんて嫌に決まってんだろうがあああああああああああああ!! 152 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 01 28 46.17 ID 75+6OtLg0 [17/41] 俺「俺は…」 教官少佐のおかげで行動する勇気を持てたんだ。 たった一歩じゃねぇか。とっとと踏み出せよ、俺。 俺「俺はここにいますよ。」 レイヴォネン少佐に、しつこいと思われるかもしれない。うっとうしいと思われるかもしれない。 それでも、別々の場所にいるよりはずっとマシだ。 俺「しばらくはここで新人の教官でもしています。」 上層部に頭を下げてそうさせてもらおう。 俺はまだ………この初恋を諦めたくはないから。 エルマ「そう……なんですか…。」ホッ 153 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 01 31 37.29 ID 75+6OtLg0 [18/41] 今はこうして一歩ずつ進んでいくことしか出来ない。 でも、いっしょにいれば、きっとその内辿り着くことが出来るはずだ。 エルマ「良かった……いっしょにいられればきっと…。」ブツブツ 俺が夢に見た場所。初恋が実を結んだ場所へ。 いつか、絶対に言うんだ。 ずっと胸に秘めていた言葉を。君への思いを込めた言葉を いつか、言うんだ。 俺・エルマ「「アナタのことが好きだ。」」 って。 俺・エルマ「「ってあれ?」」 ED: 154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 01 34 05.54 ID SCdXdR3B0 [4/24] 末永く爆発しろ! 156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/09/09(金) 01 38 07.97 ID Iu5Nuy+I0 [2/2] 激しく乙だ・・・ 俺が代わりに爆発するから幸せに・・・っ
https://w.atwiki.jp/wiki13_ridatu/pages/183.html
【ハンドル名】Yシャツの人◆R4d1oG3Tvs 【パートナー・ガイド】いたような気もする 【初成功までの訓練期間】 3週間程 【離脱回数/頻度】 初めて 【離脱方法】 枕も布団もありで仰向け。 二度寝でイメージしりとり開始。 それに飽きたら自分の分身を浮かべるイメージをする。 やがて振動。水平にフラフラ揺られるような感じだった。 意識がぼやけて体の感覚が無くなった頃に幻聴。 その声が渦を巻いて、そこに吸い込まれていく感覚があった。 そして気がついた時には離脱。 【離脱直後の状態】 上半身だけ起き上がっていて、目はそこそこ見えていた。 体がすごく重かった。 【集中開始から離脱までの時間】 30分くらい 【名倉に滞在した期間】 半日ほど 【禁則事項】 名倉でのオーバーリアクションかな…。 【離脱前後の状態】 [精神面] 比較的落ち着いていた [肉体面] 特に違和感なし 【備考】 離脱するぞ!という意気込みは寝落ちを防ぐ助けにもなるので 諦めずにしっかり思い込んでみて下さい。 823 :Yシャツの人 ◆R4d1oG3Tvs :2007/01/11(木) 22 24 34.90 ID 69yXNxAw0 体験談を投下します。 少し長いのですがご容赦下さい。 気がついたらベッドの上で、周囲は豆電球の明かりだった。 (いつもは消灯するが、今回は環境作りの実験で豆電球をつけていた) 振り返ると本当に自分が寝ていて「これが離脱か!」と興奮してきた。 上半身だけ起き上がっていたので、先人の教えどおり急いでベッドから降りる。 この時、本体に引っ張られるような感覚は無かったが、とにかく体が重かった。 隣に薄暗い陰のような人物を確認するものの 外に出ること一心で無視してしまった…orz パートナーだったかな? 重い体を引きずって、なんとか玄関から外へ出てみることにする。 ドアの鍵を解除した時の感覚はすごくリアルだった。 ドアを開けた先に広がっていたのは、昔住んでいたアパートから見える風景だった。 しかし時間帯が夜だったため、やっぱり離脱してないのかな?と不安になる。 そこで空を飛んでみようと思いつくが 飛べ!と言っても飛べず(´・ω・`)ガッカリ・・・ 824 :Yシャツの人 ◆R4d1oG3Tvs :2007/01/11(木) 22 27 23.75 ID 69yXNxAw0 次に実家に移った。 キッチンに美味しそうなバナナがあり食べてみることに。 これがすごく自分好みの味と食感で驚いた! あんなバナナはこの世に無いと思う。 居間では何故か家族が味噌汁の具について話し合いをしていた。 また場所が変わって、中学と高校の校舎が混ざった様な場所に出る。 そこでは自分の中で好評だった先生が行き交っていて 何人かはおでんの屋台みたいなところで談笑していた。 最近忘れかけていた先生の顔が本当にリアルに見て取ることが出来て ここも夢と同じ、深層の記憶が構築した世界なのかな…と思った。 先生方の近くに寄って行くと何故かこちらを見る視線が痛い。 なんで?と思って自分を見てみるとYシャツしか着てない! 「うはっ!テラハズカシス!」と急いで傍の階段を駆け上がった。 その時に飛べ!って思ったら不安定ながら飛ぶことが出来た。 以前にも夢の中で宙を飛んだことがあって その感覚でやれば!と思ったら飛べた。 829 :Yシャツの人 ◆R4d1oG3Tvs :2007/01/11(木) 22 35 53.40 ID 69yXNxAw0 そのまま建物の中を飛んでいると、テラスで女の子がお喋りしているのが見えた。 突き当たりの部屋に入ってみる。 そこは大学時代の親友の部屋らしく、本人が黒いドレスを着て待っていた。 部屋には八角形の窪みがあって、その淵に腰掛けさせてもらうことに。 「久しぶり~今何してるの?」 「今モデルやってるんだ」 「モデル!?洋服のモデルやってるの?」 「ううん。髪のモデルなんだ」 「へぇ~髪のモデルか!すごいじゃん!」 と、ちょっと質問をまずったかなと思い 思わずオーバーリアクションで腰を浮かせて座りなおした瞬間 椅子に座り損ねた落下感があって目が覚めた。 覚めたときは真っ暗だったが、すぐに瞼の裏だと気付く。 目を開いてみると視界も確保でき、意識も体もスッキリしていた。 名倉では半日程度に感じたが、現実では2時間ほどだった。 以上が体験談です。 名倉の世界にwktkしすぎて、手や鏡を見ることを すっかり忘れてしまっていたのが悔やまれます。 余談ですが、寝る前にネルネル魔女の報告?を読んだせいか 幻聴で聞こえてきたのは魔女の笑い声でした…。
https://w.atwiki.jp/gotham/pages/161.html
日誌 ロールシャッハ記 20XX年 XX月 XX日 先日、一人の少女が死んだ。 このふざけた催し物の参加者として呼び出された子供と、それに呼び出された剣兵の名を冠するサーヴァントだ。 この腐りきった街に蔓延るゴミ共の掃除をしている時に、偶々出会っただけの存在だった。 巻き込まれただけという少女を守る為に立ちはだかったサーヴァントに「あまり目立ちすぎるな」と忠告はしておいたが、それは無駄だったらしい。 数日後"ガス爆発事故"が起きた。 爆発が起きたにしてはヤケに小綺麗な現場で、ホームレスとは明らかに体格の異なる、それこそ幼少の子供としかいえないサイズの焼死体を見た。 それから、あの子供とサーヴァントの行方は一行に掴めない。 つまりはそういう事だったのだろう。 どこかで、犬の鳴く声が聞こえた気がした。 母さんと呟く声は、聞こえなかった。 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ あのガキどもに会ったのは、そんなに昔の話じゃない。 この聖杯戦争が始まっても、結局俺のやることは変わらない。そんな中で、偶々出会ったのがあいつらだった。 まずあいつらに対して思ったのは"危なっかしい"という事だ。 正義感だけが暴走して、手当たり次第に悪党どもを潰して回っている。しかも同業の俺よりも頻繁に名があがるくらいまでにだ。 「お前達は派手にやりすぎだ、ヤバイのに目をつけられないよう少しは慎重に動け」と忠告をくれてやったが、それも無駄に終わったらしい。 新興の犯罪組織とガキどもが接触し、そのボスが動いたという話を聞いた。 そのボスの正体を知ろうとーー別に他意なんかねえーー港に向かったが、もう何もかもが終わった後だった。 何かが焦げる臭いと破壊の跡、所々に飛び散る赤い飛沫の中に転がっていたのは、首から上が泣き別れになったガキの体。 馬鹿が、人の忠告を聞かねえからだ。中途半端な正義感の持ち主なんざ容赦なく食い殺されるのがこの街の摂理だってのに。 ――酷いジョークさ、ブルーシィ。 あの時のあんたみたいに俺も間に合わなかったって訳だ。 だけど、あんたと違う事が一つある。 俺は、ちゃんと殺せるからな。 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 私が元々いたところに比べて、この街はとっても物騒だ。 毎晩鳴り響くパトカーのサイレン。 メディアを騒がす連続殺人犯。 だけど、どこか他人事の様に捉えていた。 港で殺人事件が起こったとか、爆発事故があったとか話は聞いたけど、あたしの周りは"まだ"日常を保っていた。 それは多分、あたしの身近なところでそういった事が奇跡的にも起こらなかったから。 バスターと話をした。 今起こっている事件はサーヴァントのせいじゃないのかって。 バスターはわからないって言った。 それだけこの街が物騒って事なんだろうけど。 どうしようかと考える。 私は帰りたい、誰も殺さず、殺されずに。 でもそんな方法なんてすぐ思いつく訳ないし、バスターだってそれは一緒。 誰か、私と同じ巻き込まれた人を探そうかと思ったけど、こんな事件を起こす人が聖杯戦争の参加者だったら、私たちの話なんて聞いてくれるなんてとてもじゃないけど思えない。 結局、私に出来る事なんていつも通りの日常を送るだけだった。 ため息をつきながらトボトボと街を歩く。 視界の隅にマスクを被ったコートの男が映った ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 睨みあうのは赤と白のマスク。 対峙するのは暗殺者の名を関する二人の忍者。 転がっているのは悪党だったもの。 レッドフードは昨今勢力を増した東洋人が牛耳る組織を。 ロールシャッハは台頭を始めたネオナチの組織を。 同盟を結んだ両組織を追っている者同士、邂逅を果たすのは時間の問題と言えた。 末端の人間から情報を聞き出していたレッドフードと、その男の所在を割り出し、向かっていたロールシャッハが居合わせた瞬間。 二人の忍びが影から抜け出す様に現れ、切り結ぶ。 ぶつかり合った刃が火花を散らし、互いが互いに飛び退る。 レッドフードがオートマチックの拳銃を、ロールシャッハがワイヤーガンをお互いに向け合う。 緊張が空間を支配していた。 「よぉマスクマン、悪いがこいつは話し疲れてお寝んねしちまったんだ。日を改めて出直してくれや」 「……ならお前から聞き出せばいい。簡単な話だ」 「生憎と小汚いおっさんと話す趣味はねぇ、余所を当たってくんな」 一触即発の空気が流れる。 チャキ、とシルバーカラスがウバステを腰だめに構える。 チップがブレードへと気を纏わらせ始める。 互いに闘気を限界まで充填させた。 その時だった。 上空から一筋の光が落ちた。 「ちょぉぉぉぉぉぉぉっっっっと待ったぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 怒声と轟音、そして巻き起こる砂埃 何事かと、二人の覆面の男と、二人の忍びがそちらを向く。 砂埃が晴れる。 雄々しいまでの仁王立ち。 風にたなびく純白のマフラー。 力強く組まれた両の腕。 きらりと光るゴーグルの奥には強い意志を湛えた瞳。 そしてぴょこんと跳ねた一房の髪の毛。 「この喧嘩! 理由は知りませんがこのバスターが預かります!」 そう高らかに、宣言した闖入者に全員が全員、言葉を失った。 (や、やっちゃった~!) 物陰から状況を伺いながら、李衣菜は一人頭を抱える。 まったくの偶然に見かけた不審者を訝しんで追いかけた先で見てしまったサーヴァントとサーヴァントのぶつかり合い。 明らかに一般人には見えない危険人物二人に対し、李衣菜の危機意識は逃走を訴えた。 だが、その一方で思ってしまった。 ここで逃げてどうなると。 逃げた先で待っているのはただ日常生活を送るだけの自分。 何もわからず、何も進まず、ただいつ死ぬかもしれない恐怖に怯えるだけの日々。 だからこそ、賭けに出た。 どちらか片方だけでもいい。 せめてこちらの話を聞いて欲しいと。 脱出する方法を探すのを協力して欲しいと。 だからこそ、今にも戦いが起こりそうな状況へ、バスターにお願いして無理やり介入してもらった。 ドクンドクンと心臓が鳴る。 まるで、初めてのライブの前の時のように緊張する。 ギュっと手を握る。 あの時は一緒に曲を作り上げてくれた相棒がいた。 今はいない、が、共に戦ってくれると誓ってくれたサーヴァントがいる。 一歩踏み出す ここから先は彼女の舞台。 多田李衣菜の聖杯戦争が幕を開ける。 【DOWNTOWN EAST PARK SIDE/1日目 午前】 【多田李衣菜@アイドルマスターシンデレラガールズ】 [状態]魔力消費(小) [令呪]残り3画 [装備]なし [道具]なし [所持金]4千円程度 [思考・状況] 基本:帰りたい。 1.目の前の人たち(ロールシャッハ・シルバーカラス・レッドフード・チップ=ザナフ)に事情を話して協力してもらう [備考] ※アサシン(チップ=ザナフ、シルバーカラス)の外見を確認しました 【ノノ@トップをねらえ2!】 [状態]魔力消費(小) [装備]なし [道具]なし [思考・状況] 基本:マスターが帰りたいらしいので、手伝う 1.争いを止めてマスターの話を聞いてもらう。 2.いざというときはマスターを連れて撤退する。 [備考] ※アサシン(チップ=ザナフ、シルバーカラス)の外見を確認しました 【ロールシャッハ@ウォッチメン】 [状態]魔力消費(小) [令呪]残り3画 [装備]ワイヤーガン [道具]ベイクドビーンズの缶詰、角砂糖 [所持金]5千円程度 [思考・状況] 基本:誰が何と言おうと、聖杯を破壊する。悪党は殺す 1.乱入者(ノノ)と赤い覆面の男(レッドフード)に対処する 2.ネオナチの組織を潰す。 3.ヤモト・コキについては見つけ次第罰する。 [備考] ※アサシン(チップ=ザナフ)バスター(ノノ)の外見を確認しました 【シルバーカラス@ニンジャスレイヤー】 [状態]魔力消費(小) [装備]ウバステ [道具]なし [思考・状況] 基本:マスターに従う 1.乱入者(ノノ)と白髪の男(チップ)に対処する 2.ヤモト・コキについては…… [備考] ※アサシン(チップ=ザナフ)バスター(ノノ)の外見を確認しました 【レッドフード@ウォッチメン】 [状態]魔力消費(小) [令呪]残り3画 [装備]オートマチックの拳銃、片刃の小型ナイフ [道具]なし [所持金]5千円程度 [思考・状況] 基本:聖杯にジョーカー殺害を願う。悪党は殺す 1.乱入者(ノノ)と白い覆面の男(ロールシャッハ)に対処する 2.新興の犯罪組織(志々雄)を潰す。 [備考] ※アサシン(シルバーカラス)バスター(ノノ)の外見を確認しました 【チップ=ザナフ@GUILTY GEARシリーズ】 [状態]魔力消費(小) [装備]ウバステ [道具]なし [思考・状況] 基本:マスターに従う 1.乱入者(ノノ)とフードの男(シルバーカラス)に対処する [備考] ※アサシン(シルバーカラス)バスター(ノノ)の外見を確認しました BACK NEXT 004 Dancer in the Dark 投下順 006 S(mile)ing! 時系列順 BACK 登場キャラ NEXT 000 Lights,Camera,Action! ロールシャッハ 016 Hooded Justice アサシン(シルバーカラス) 000 Lights,Camera,Action! レッドフード 016 Hooded Justice アサシン(チップ=ザナフ) 000 Lights,Camera,Action! 多田李衣菜 016 Hooded Justice バスター(ノノ)
https://w.atwiki.jp/rean/pages/27.html
現在の状況 情報が少なすぎる。 もう少し情報を増やしたい。 現在の状況でteacup社にお問い合わせする予定。
https://w.atwiki.jp/e-travel/pages/16.html
2009 1/09現在の状況 基本形はできました。というよりしています。 後は、より見やすい形に出来ればいいかなと。 今後の予定 暇があれば自分が持っている情報を随時追加 など ---- ---- ---- ---- ---- ---- ---- ---- 2008 12/12現在の状況 @wikiとgoogle mapsの編集、改善 継続中 今後の予定 大まかな形は出来てきたので細部の作成、変更 google mapsの動作確認 ---- ---- ---- ---- ---- ---- ---- ---- 2008 12/5現在の状況 @wikiとgoogle mapsの作成、編集、改善中 今後の予定 それぞれ別物としてとりあえず作成し @wikiにリンクを張ることで対応する予定 とりあえず早急にトップページの改変
https://w.atwiki.jp/kinsho_second/pages/2019.html
愛してると言って ~Say_You_Love_Me その日はいつものように、アイツの部屋で、私はアイツの課題を手伝っていた。同居人の白いシスターは、今日は友人宅へお出かけなんだとか。 なんでも――あくせられーたがご馳走してくれるんだよ! だからとうまはみこととごゆっくり! などとのたもうていたらしい。 いつの間に一方通行や打ち止めたちと仲良くなったのかと、不思議に思ったけれど、こうしてアイツと2人きりにしてくれるのなら、大いに感謝しなきゃね、と思う。 私とアイツとはあれからずっと、友達と言えるような付き合いが続いていて、こうして課題を見てあげたり、料理を作ってあげたりもするようになっていた。「――だから、ここは……でしょ? この部分が……だから、ここに……」「え? これは……だから、こうじゃないのか?」「うん。そこはそれでいいんだけど、ここが……で、……だからこうなるのよ」「あ、ああ、そっか。なるほど。じゃ、ここは……だから……ってことだよな?」「そうそう。よく出来ました。アンタってさ、やればできるんじゃないのよ」「いやいや、これも御坂センセーのおかげですってば、よ……?」「――?」 そう言いながら、顔をあげたアイツと私。 課題に集中していたためか、気がついてみれば今のふたりの距離はほんのわずかだった。 肩と肩が触れて、ちょっとバランスを崩すだけで、そこはアイツの胸の中だということに気がついた。 私の目の前、ほんの数センチ先にアイツの顔があって、じっと私を見つめてたことに。「――っ!」「――ッ!」 お互いその状況に気がついたけれど、なんとなく先に目を逸らした方が気まずくなるように思えて、そのまま見詰め合ってしまってた。 ふたりの間を天使が通りぬけたように、ただ静寂だけが支配する空間。 何秒? 何十秒? 何分? 胸はドキドキとして顔もカァっと熱く感じられていても、身動き一つさえ出来ずに、ただ時間だけが静かに流れていく。 そんなとき、夜空のように黒く輝くアイツの瞳に刺激されて、私の中で湧きあがったのはちょっとしたいたずら心だった。 近づくようにも遠ざかるようにも感じられる、ふたりの距離のもどかしさにそろそろ我慢できなくなっていた私は、 自分の中で囁く甘い言葉につい心を誘われてしまってた。 アイツヲ、ワタシガ、誘惑スル。 魔がさしたというべきなのか、それとも悪魔が邪悪な笑みを浮かべたのか。 私はゆっくり目を閉じてわずかに顔をアイツの方へ向ける。 こうすれば、アイツだってきっと。 そしてそれは思った以上に効果的、だったようで。 「――みさ、か……」 呟くようなアイツの声が聞こえ、熱い吐息が近づいてきた。ごくりとアイツの喉が鳴る音も聞こえてくる。 そうしてアイツは、あっさりとそのラインを越えてきた。友達という一線を。 初めて唇に感じた、柔らかくそして温かな感触が、長いようで短い時を刻む。 頭の中が真っ白になって何も考えられず、ただふわふわと浮き上がるような気持ち良さに、私の何もかもがとろとろに溶けてしまってた。「い、いいのか……?」 野暮なアイツの声なんて無視して、黙って目を閉じたままで。 私も緊張しているからなのか、もう一度重ねられたアイツの唇から伝わる、ひりつくような熱っぽさだけを唇に感じていた。 やがてアイツの腕がふわりと優しく私を抱きしめると、そのままゆっくりと床に押し倒される。 時折耳元にかかるアイツの吐息が、私の背筋にゾクリと電流を走らせて。「――あ……」 思わず漏らした吐息のような喘ぎが、アイツをいっそう刺激してしまったみたいで、唇に首筋に顔に、貪るようなキスの雨が降り続く。 ただひんやりとしたフローリングの冷たさにぶるりと震えを感じてしまって、どうしても私を甘い夢から覚めさせてしまう。 初めてがこんな冷たく硬い床の上でなんていや。せめてベッドの上で……と思った私は、アイツの身体を押し返そうと腕に力を入れた時だった。「いや……」 ――こんなところじゃ、と言いかけて、緊張してた私からわずかに漏れ出た電流が、アイツの身体にぴりりと流れてしまった。 私の服を脱がそうとしたあいつの右手が、私の身体から離れた瞬間の出来事だった。「うっ!?」 その衝撃にアイツがはっと我に返ったような顔をしている。 組み敷かれた私の顔を見て、自分が何をしようとしたかに気がついてしまってた。 私の瞳に浮かぶ僅かな拒否だけを読み取ってしまったのか、それとも今の私の言葉をそのまま受け取ってしまったのか、アイツの顔がみるみる青ざめて、ふらふらとしながら私の身体から離れていった。 それはまるで刑場へ引き出される囚人のようにも思われて。 悪魔に唆された誘惑が、アイツを地獄の底へと招きいれてしまったことに、私は悔悟と心の痛みを感じていた。 どうしてこんなことになってしまったのだろう。 私はアイツとの距離を縮めたくて、雰囲気に流されるように誘ってみようと思っただけなのに。 だのにアイツにあんな顔をさせてしまうなんて、夢にも思わなかった。 どうして? 私はアイツを……傷つけるつもりなんてなかったのよ。「すまん。御坂……、すまん」 真っ青な顔色で、今にも泣きそうな顔をしてうなだれている目の前の男、上条当麻が、私のために絶望の表情を浮かべていた。 「なんでアンタが、そんな顔をしてるのよっ。悪いのは、私の方……なのに、なんで……なんでっ!」 そう。下手な誘惑をしたのは私の方だ。私があんなことをしなければ。あんな風に誘ったりしなければ。 アイツだって年頃の男の子だ。 私の方から誘うようなことをしたら、いくら鈍感なアイツだって、その気になるのはわかってたはずなのに。 正気に返ったアイツがどう思うかなんて、アイツの性格を考えたらわかりそうなものなのに。 私の浅はかな考えのために……アイツは。「あやうくお前を、傷つけるところだったんだ! 守るって決めてたのに! 俺は御坂を……穢してしまうところだったんだッ!」 そう言って、アイツがぽろぽろと涙を溢している。私のために、アイツはひとりで傷ついていく。 アイツはいつもそうだ。何もかもひとりで背負って突っ走って。そうしてひとりで苦しんで。傷ついて。それでも誰も傷つかなかったからいいんだよ、って? ふざけないで! アイツが笑顔の下に、隠しているものを私は知っている。 私が知ってしまったあの時から、私がどんな気持ちでいるのかなんて、アイツは全くわかっていないんだ。 だから私は、アイツだけは絶対に傷つけてなるものか。たとえ私が傷つくことになるのだとしても、絶対に後悔なんてしない。 大好きなアイツを守るためなら、ね。 だったら、「あのさ。アンタは……当麻は、私のこと、嫌い?」 そっとアイツの手を握ると、私は上目遣いにアイツの顔をそっとのぞき見た。 アイツの身体が一瞬びくりと震えたけれど、お構い無しに私はじっとその目を見つめ続ける。 私を見つめてくるアイツの瞳は黒くて深くて、その中に吸い込まれそうなほど神秘的に思われて。私の魂さえもぐいっと持ち去っていくようにも感じられて。 アイツの瞳の中には、私だけが映っている。それだけで私の身体は、喜びに打ち震わされて。 ふっと揺らいだアイツの視線は、アイツの手を握る私の手に落ちたかと思うと、もう一度、私の顔を見つめ返してきた。 こんどはそこに、アイツの想いを感じられるような力強い光と共に。「嫌いじゃねえよ!」 その言葉に自分の顔がかあっと熱くなるのがわかる。たぶん今のアイツの顔と同じように、真っ赤になっているのだろう。 これはもしかして? というか、アイツは私に手を出してきたのだから、私のことを意識していたのは間違いない。 だったらもう迷うものか。躊躇うものか。今度こそ真っ直ぐにアイツの心に手を伸ばしたいから。「なら……よかった。私は当麻のこと……、大好きだよ」 その言葉を聞いたアイツの顔が、驚いたように固まってた。口をぽかんと開けて、信じられないと言っているかのように。 「でなきゃ、こうして課題を手伝ったり、ご飯を作ってあげたりなんてしないもの。一緒に戦うだなんて言わないもの」 そう言って、私は握っていたアイツの手を離すと、自分の服に手をかける。「――だから私が、友達より先の関係に進みたいって思ってたら、当麻はどうするの?」 目を見開いたままのアイツの目の前で、私は制服のブレザーを脱ぎ、リボンタイを取る。そうしてブラウスのボタンを一つづつ、上からゆっくりと外していく。 今日着けてきた下着は、勝負下着じゃないけれど、それでもこんなこともあろうかと思って買っておいた、フェミニンな上下お揃いのお気に入りの品だ。 さすがにもうゲコ太柄は完全なプライベート用にしているから、こんな場所、ううん、アイツの部屋へ来るときには着けてなんてこない。「みみみ、御坂サン? いったい何を……」 焦ったようなアイツの声が聞こえるけれど、私は聞こえないフリをする。 ブラウスの前ボタンが全部外れて、ブラが丸見えになるけれど構わない。だってこの時のために買ったようなものだし。 それよりアンタ、私のこの姿を見て、何か言うことはないの?「ねえ、当麻。こんな私じゃ、魅力なんて無い……かな?」 私の言葉に、アイツの喉が、ごくりと上下に動いたのを見た。さっきまで、後悔と絶望の色に染まっていたアイツの顔が、今では驚愕と逡巡に変わってた。「み、さか……」「私、当麻になら、何されてもいいって思ってる。さっきはいきなりだったから、ちょっとびっくりしただけ……」 ここまで言ってしまったら、私はもう止まらない、止められない。「――当麻が、私を押し倒してきたときは、ちょっと照れくさかったけど嬉しかった。当麻が、私を女と意識してくれてたのがわかって、本当に嬉しかったのよ」「――お前……」「だから当麻が気に病むことなんてどこにも無いわ。私は当麻のいろんなもの、きれいなものも汚いものも、その欲望だって受け止めたいと思ってる」 今までずっと、心の奥に押し込めてきた想いが、次々と口からあふれ出てきてしまう。 だからお願い。私の声を聞いて。私の気持ちを受け止めて。 私の全てを、アンタにあげるから。「当麻の心に誰がいるのかなんて、もうどうだっていいの。たとえ当麻が他の誰かを好きなんだとしても、それでも私はこの気持ちだけは、当麻に伝えておきたいのっ」「御坂……」「さっきのことで私を傷つけたなんて思って欲しくない! 私のために苦しんで欲しくなんかない! 当麻になら私の全部あげたっていいんだからっ!」 いきなり抱きしめてきたアイツの腕の中で、私はそっと目を閉じた。 ぎゅっと抱きしめたまま、アイツはそれ以上何もしてこなかった。 私は大いに期待をして、ううん、ちょっとだけ怖かったけれど、それでもアイツのだったら、なんだって受け入れると決めていたはずなのに。 それでもなぜだか止められない身体の震えは、しっかりとアイツに伝わってしまってた。「む、無理、すんじゃねえよ。みさ、美琴……」 さっきまで涙を溢していたのは、どこのどちら様でしたっけ? と思わず皮肉のひとつも言ってやろうかと思うくらい、アイツはいつものアイツに戻っていた。「――こ、こんなに震えてんじゃねえか」 そう言うアイツだって、緊張してるのか、さすがにその口ぶりはなんだかぎこちない。 でもここまで来たら、もう止められない、わよね?「さ、さっきの続き、してもいいわよ。わ、私にだってそのくらいの覚悟、あるんだから」 耳元で、アイツが深呼吸をするように大きく息を吐いた。「ごめん。今の俺は、まだ覚悟が出来てないんだ」「――っ!」 アイツが言ったごめんという言葉に、私の身体は凍りついた。心臓をぎゅっと鷲づかみにされたように苦しくなって、 すうっと血が下がっていくのが自分でもわかる。 これがアイツに友達という一線を越えさせようとして、私がしかけた罠のような誘惑への報いなのだと感じてた。 それがアイツの答えなら、私はそれを甘んじて受けるしかない。こんな私に、アイツの隣にいる資格なんて、もうどこにもないのだから。 諦めかけたその時、「勘違い、するなよ? 俺は美琴の全てを受け止めるだけの覚悟が、今はまだ出来てないって言っただけで、お前と同じ気持ちは持ってるからな」「えっ? それって、どういう……?」 アイツは抱きしめていた腕をほどくと、今度は私の両肩をつかんだまま、じっと見つめてきた。 その顔にはさっきまでの驚きも迷いもなく、ちょっと恥ずかしそうな、それでいて優しい微笑みがあって。「俺も美琴とは……友達より先に進みたいって、思ってたんだ」「――あ……」「ずっと一緒に課題を手伝ってくれて、料理を作ってくれて……」「当麻ぁ……」「おまけに俺を、ひとりで戦わせないなんて言われたら、さ」 アイツの笑顔は、本当に眩しかった。 ほっとした私の視界が涙で滲む。と、同時に嬉しさも胸の奥からこみ上げてきた。「――お前のことを、好きになるに決まってるだろ」 そうにっこりと頷いたアイツが、ゆっくりと顔を寄せてくる。 私は目を閉じて、その時を待つ。 唇に触れる柔らかな感触は、甘くて熱くて優しくて。そしてちょっぴりしょっぱくて。 そこから流れ込んでくるアイツの想いに私の心はかき乱されて、瞳の奥底から熱いものが次々と湧き出してしまってた。 さっきのファーストキスだって良かったけれど、こうしてアイツの気持ちを知ってしまってからは、キスだけで私の気持ちは天に昇ってしまいそうな心地がする。「好きだ、美琴。俺はずっとお前が欲しかった。お前の心も身体も、何もかも全部、自分のものにしたかった」 アイツはそう言って、その指で流れる涙をぬぐってくれる。 その指の感触が私の澱んだ気持ちさえ、きれいに洗い流してくれるように感じられて、私も素直に想いを告げられた。「私も好き……よ、当麻。私だって当麻のこと、自分だけのものにしたかった」「――うん。でもな、やっぱりこの先へ進むには、まだ俺の気持ちが定まってねえなって思うんだ」 そう言ってアイツは、まだ開いていた私のブラウスのボタンを留めだした。 突然の振る舞いに私が戸惑っている間に、アイツはボタンを全部留めてから言った。「美琴の気持ち、聞いてしまったらさ。俺の好きだって想いだけでお前を抱くのは、まだ早いなって思えたんだ」「――そんなことないよ。私なら、全然構わない……」 慌ててそう言った私を宥めるように、アイツは私の頭をくしゃくしゃと撫でてきた。 その感触が優しくて、なんだか慰められるようにも感じられて、私の不安な気持ちがすうっと消えていく。「さっきみたいに勢いや雰囲気に流されるんじゃなくて、美琴の想いを全部を受け止めて、お前をもっと大切にしたい、守りたいって心から思えたら、な」 それって、好きの先にあるもの? ――愛するってことでいいのかな。 アイツがそう言うのなら、私はいつだって、信じられる。いつまでだって信じて待っていられるから。「――うん。わかった。それまで待ってるから……」「――ああ、待っててくれ……」 そうしてアイツは、優しい優しいキスをしてくれた。 私はそんなアイツの頬に手を添えて、じっと目を見つめて。「だったら一つだけ、お願いがあるの……」 いつか私は、アイツと白いシーツの海におぼれてみたい。 アイツの腕枕の中で、身体を摺り寄せて、抱き合って眠りたい。素肌でアイツの温もりを感じてみたい。 そこが私の居場所だと思えるようになるのは、いつになるのかわからないけれど。 それでも。 だけど、もうまもなく。 私の想いが叶うとき。 アイツの愛の言葉を子守唄にして、私は幸せな夢を見られることを願うのだ。「――その時は言ってよね、当麻。私のこと、愛してるって」~~ THE END ~~
https://w.atwiki.jp/syuramesi/pages/337.html
餃子スープ 修羅場の時の食事(゚д゚)ウマー 738 738 名前:名無しさん@どーでもいいことだが。:02/04/21 03 14 ID d8R0STWA 焼き餃子があまった。 ↓ 粒状の鶏ガラスープ小さじ2+荒引きコショウお好み ↓ 餃子をコレもお好みでいれて上からお湯をかける。 ↓ 餃子をスプーンなどでちょっと崩して飲む。 ↓ (゚д゚)ウマー ちょっとくどいけどいけますよ! 原稿中の皆さんガンバレ~ 私は諦めちゃったよ‥‥‥‥
https://w.atwiki.jp/xzx1qk5/pages/92.html
618 名前: 774RR [sage] 投稿日: 2008/02/27(水) 19 25 11 ID KZil96k7 (´;ω;`) むかし実家で飼ってた犬のこと思い出した…。 オレの留守中にノラ猫がバイクの上に乗ると家の中から 吠えて「乗るな!」って怒ってくれてた。 夜中にバイトから帰るといつも玄関でシッポふって待ってた。 犬って凄いよな。遠くから聞こえてくるオレのバイクの音を 聞き分けて家に着く前から玄関に移動して待ってたらしいよ。 オレってわかってるくせ、メットを被ったまま家の中に入ると 怖がってシッポを下げて吠えてくる。うるさいからメットを 取って顔を見せてやると、とたんにシッポをフリフリしながら 飛びかかってきて顔中舐めまくり。 就職して実家を離れてもバイクで実家に帰るといつも出迎えて くれていた。バイクを買い変えても音を覚えるのかな。 あるとき電話が鳴って、オレはバイクを飛ばして実家に向かった。 玄関をあけてもシッポで床を叩くトントンという音が聞こえない。 急いで靴を抜いて部屋の中に入ると、毛布の上に横たわってた アイツが閉じてた目をあけてシッポを1回トンって。 もう水を飲む体力すら残ってないくせに最期にシッポをトンって。 アイツがいつも最初におかえりって言ってくれてたんだ。
https://w.atwiki.jp/oyatu1/pages/1036.html
『待ち時間のその後に』 「う~ん、楽しいデートだったね!」 「デートって言うより、オタクグッツ買い物ツアーって感じだったけどな。」 とあるデートの帰り道。そんな会話をしながら、私達はこなたの家へと向かっていた。 互いの片手には、こなたお手製の手編みの手袋。これがまたとっても暖かで、もうこれがないと外になんか出る気にならないくらいの代物となっている。 前の手袋は運悪くなくしてしまったけれど、これは絶対になくさないようにしないと! さて、もう片方の手なのだけれど、こちらには手袋ははめていない。 だって、手を繋いでるから……こなたと。 言っておくが、決してこなたの手袋がいらないと言っているわけじゃない。 ただ、互いの手の温もりを感じるには、どうしてもそれは邪魔なわけで…… それに人前では、こなたも私もちゃんと両手につけるからやっぱり必要なのよ! 今はその……周りに誰もいなし、こなたもして欲しいっていうから…… って、一体誰に言い訳してるんだ? 「ねえ、かがみ。次もまたデートしようね。アキバで。」 そんな心の言い訳など露知らず、こなたが私のほうを見ながら言った。 「あのさぁ、いいかげんデートの時に秋葉原選ぶの止めない?」 「けどかがみだってものすごく楽しんでたじゃん?手に持ってるバックからちらりと見えるビニール袋の数々は、一体なんなのかな~?」 こなたはニヤニヤしながら、私のバックの中を覗き見ようと身を乗り出した。 私はとっさにバックを持った手を後ろに持っていく。 「前に出てくるな、転ぶぞ!あのねえ…残念だけど、中身はラノベよ。欲しかったラノベを買っただけだからね。」 「ふ~ん。それじゃあ、そういうことにしとこうかな。そうそう、かがみ。」 「なに?」 「『ガウ×宗』本をこっそり買ってたのは、私だけの秘密にしとくからね。」 「勝手に買ったことにするな~~!!」 そんなどうしようもない話(いつも通りではあるんだけど)をしながら、私達は歩いていく。 こんな風にしていると、この瞬間がまるで高校の帰り道のように思えてしまう。 卒業してから結構な月日が経つけれど、あの帰り道は、学校はどうなっているだろうか? こなたの家についたらゆたかちゃんに聞いてみようかな。 「どうしたの?かがみ。着いたよ?」 「ああ…うん。」 考え事をしている内に、どうやらこなたの家に着いていたようだ。 こなたの手や手袋は非常に暖かいのだけれど、やっぱり外はちょっと寒い。 さっさと中に入りたいなーなんて思っていたのだけれど、こなたはドアの前で立ち止まったままだ。 「どうした?」 「ええっと……」 指で頬をかきながら、視線を逸らすこなた。 一体なんだというのだろう?なにか無くしたりしたのだろうか? 「……鍵が見つからなくてさ。だから…かがみが開けてくれない?」 こなたはそう言うと、ドアから一歩後ろに離れた。 他人の家の鍵なんか普通は持っていないだろう。だけど私は違う。私はこなたの家のかぎを持っている。 こなたの家の合鍵を、私はデートの前に手渡されていた。あの時の私の言葉を、こなたはしっかりと覚えていたわけだ。 私はポケットに入っているその鍵をそっと握りながらこなたを見つめた。鍵をなくしたのなら少しは焦るものだけど、こなたにはそんな焦りの表情なんかまったくない。 ねだるような、なにかを期待するような、そんな顔をしていた。 「……」 疑問に思いながらも無言でドアに近づき、合鍵を取り出した。 なぜだろう?ものすごく緊張する。こなたがじっと見ているのが分かる。そんなに見るな。恥ずかしいだろ。 私はゆっくりゆっくりと鍵を近づけていき、スッと鍵穴に差し込んだ。鍵はなんの引っかかりもせず入りきった。 合鍵なのだから当然といえば当然なんだけど。 そしてそのまま回すと、カチャッという音が辺りに響いた。 「ほら、開いたぞ~。」 私がドアを開けると、こなたはスッと家の中へと入っていった。私も遅れて中へと入ると、ドアを閉めて鍵をかけた。 この前のこなたみたいに、勝手に入ってくる人がいるかもしれないしね。 鍵をかけ振り返えると、こなたが私の方を見て立っていた。 「なによ?」 こなたは嬉しそうな顔をしながら、すぅっと息を吸い込んだ。 「おかえり、かがみ。」 ああ、これが言いたかったのか…… 軽いため息と一緒に笑みもこぼれた。 私はこなたと同じように、すぅっと息を吸い込んだ。 「ただいま、こなた。」 これ以外の返事をするのはきっと無粋な事だろう。 ―――――――― 「はい、かがみ。紅茶だよ。」 こなたの部屋でくつろいでいた私の前のテーブルに、ティーカップとクッキーが置かれた。 あたりにダージリン特有の鈴蘭のような匂いが立ち込める。 「ありがとう、こなた。でもなあ…クッキーはなあ…」 「実はかがみん、またダイエット中だったり?」 「……実は昨日から始めてたりするのよね。」 私は恨めしそうに目の前のクッキーを見つめた。 「そっか、それじゃあいらないんだ。残念だな。そのクッキーも私が作ったのに……」 「前言撤回。美味しくいただくわ。」 最初からそういってくれればいいのに。まったく、こなたにも困ったものだ。 こなたが作ったんだったら食べるに決まってるじゃない。 「切り替えはやっ!けど、まあいいや。素直が一番だよ、かがみん。」 「……それじゃあ、遠慮なく。」 さっそくクッキーを一枚手にとって口に含む。クッキーはしっとりとした触感で、カントリーマアムような感じ。 もちろんこなたの作ったこっちの方が何倍もおいしいけど。 クッキーを食べたら水分が欲しくなる。私は目の前の紅茶を静かに啜った。 ダージリンの渋みがクッキーの甘みを洗い流していく。絶妙といっていいほどの組み合わせだった。 「うん、紅茶もクッキーも美味しいわ。」 「愛情こめて入れたし作ったからね。当然だよ。」 私が感想を言うのを見届けると、こなたはパソコンの方へと向かった。 「一緒に食べないの?」 「食べるよ。けどちょっと露天の状況をチェックするからさ。その間に全部食べちゃ駄目だよ。」 「食べないわよ!っていうか、またネトゲーか?」 こなたの趣味は十分理解しているけれど、本音を言えば私といるときぐらいは止めてもらいたいんだけどな。 「かがみも一緒にやろうよ。ほら、高校の時だって少しだけやったじゃん!」 「やらない。大体あれだって、何時になったらあのジョブ増えるのよ?!私あれだけはずっと待ってるのに。」 「まあ、ネトゲーではよくある話だよね。永遠に未実装……」 「あってもらっちゃ困るって。というわけで、やらないからな。」 私はそこまで言うと、クッキーに手を伸ばした。うん…やっぱり美味しいわ、これ。 「うーん、かがみなら絶対ネトゲーにハマると思うんだけどな。声的に考えて。」 「はあ?!何よそれ?!いくらなんでも、声でハマるハマらないを決められちゃたまんないわよ!」 今度は思いっきり紅茶を啜った。うん、やっぱり紅茶とクッキーの組み合わせがいいわね。 「なんとなくだよ、なんとなく。もう、そんなに怒らないでよ。」 こなたはパソコンの前に座ると、キーボードをカチャカチャと動かし始めた。 「……」 こなたがゲームをし始めると、途端にやることがなくなった。手持ち無沙汰になった私は何か暇つぶしになるものはないかとあたりを見渡した。 すると目に付いた本が一冊。手にとって見てみると、どうやら編み物の本らしい。きっとこなたが手袋を編む際に買ったのだろう。 開いて中を読んでみると。手袋だけでなくセーターやマフラーなんかの編み方も書いてあった。 「ねえ、こなたー。」 「なーに?」 こなたは私の方に振り向かない。私は構わず続けた。 「今度はさ、マフラーとかセーターとか編んでよ。」 「えー?!そこまでやったらバカップルぽいよ。手袋ぐらいで十分だって。」 そこまで露骨に嫌がられるとちょっと腹が立つ。よし、絶対に作らせてやる! 「欲しいんだけどなー。こなたの手作りマフラーとセーター。」 「……」 こなたの頭のアンテナがピクッと動いた。よし、効いてる効いてる。 「お礼もしちゃうわよー。手袋のときよりすごいやつ。」 「……」 今度はピクピクッと二回。 ……駄目だ。笑いがこみ上げてきて止まらない。えっと、もう一押しっていったところかなー? 「こなたの大好きな私がこんなにも頼んでるのに、こなたは作ってくれないんだー。」 「……分かったよ。それじゃあ、今度サイズ測らせて。」 よし、落ちた! なんだか、だんだんこなたの扱い方が分かってきた気がするわ。 「それじゃあ、よろしくね。すっごい楽しみにしてるから。」 「別にいいけどさ。かがみってさ、最近なんだかずるくなったよね。」 「なんのことかしら?」 こなたの言葉を気にもせず、私は本を最初から読み直した。 せっかく作ってくれるんだから、ちゃんとリクエストも用意しておかないと。 ……マフラーだったら、ちょっと長めにして一緒に巻くのが恋人同士っぽいわよね。 うん、マフラーはそれで決定と。セーターはどうしようかな?やっぱりペアルック? でもそれだと本当にバカップルみたいだし……いやまて、この時期はコートを羽織るから別にそれでも構わないのか…… うん、両方ともベタだけどこれがいいかな。 サイズを測る時にはこなたのサイズも測るとしよう……私が。 ……サイズと言えばこなたに聞きたいことがあったんだっけ? 「そう言えばサイズで思い出したんだけどさ。」 「次はなに?」 ぶっきらぼうな返事をこなたは返した。うーん、いけない。からかいすぎたか? 「こなたが作ってくれた手袋さ、サイズがぴったりだったじゃない。どうやってサイズとか計ったのかなって。」 「ん~、適当にこれくらいかなって思って決めたけど?」 「マジで?!それにしては、よくもまあこんなにピッタリに作れたものね。」 驚きだった。誰かの手(つかさとかみゆきとか)を参考にしたなら、これだけちゃんと作れるのはわかるんだけど。 まさか適当に作ってたとは…… 「ふっふっふ。かがみのことなら誰よりも知ってるからね。自分を信じたまでだよ。」 「自信満々だな。これでサイズが違ったらどうするつもりだったのよ?」 いや、まったく、本当に。 「うん、だからほんの少しだけ怖かった。」 「こなた?」 雰囲気が変わった。こなたの話し方はまったく変わらないのに、その部屋に流れる空気だけがはっきりと変化した。 「自分を信じる気持ちの方が強かったけど、やっぱりちょっとだけ不安だったんだ。 私の思っているかがみの手の大きさと、実際のかがみの手の大きさは違うんじゃないかって。 だからね…かがみに実際につけてもらってそれがピッタリだったとき、すごく……すごく嬉しかったよ。」 「……」 こなたの独白に私は何も言う事ができなかった。ただただ聞くことしか出来なかった。 「ねえ、かがみ。これからは言う事は後で全部忘れて欲しいんだけどさ。」 そんなこと言われて、忘れられるやつなんかいるものか。 きっとこなたは私に聞いてもらいたいんだろう。勝手な私の解釈かな?どうなんだろう?よく分からない。 「私ね、かがみに『しばらく家に来るな』って言われた時、すごくショックだったんだ。 もしかがみと別れることになったら、なんてことも考えちゃった。 手袋を編もうって思ったのも、それが私とかがみの絆になってくれればって思ったからなんだよ。 もちろん、かがみんが手袋を無くしたって話から思いついたんだけどね。」 こなたの独白は続く。 「ねえ、かがみ。私はかがみのことを一番よく知ってると思う。みゆきさんより、つかさより、かがみの両親より知ってると思う。 だけど、それでも今回みたいに不安に思うことがあるんだよ。私の思っているかがみは私の考えているかがみとは違うんじゃないかって。 まあ、現実に違うんだけどね。」 こなたはパソコンの方を向いたままだ。だからこなたが今どんな表情をしてるのか、私には分からない。 私は……すごく苦しい。ただ聞いてるだけなのに、ものすごく泣きたくなるよ、こなた。 「やっぱり変だし、私らしくないね。約束だから忘れてよ。」 忘れられるわけ無かった。 「こなた……ちょっと、こっち着なさいよ。」 「まだ露天の確認が終わってないよ。」 「うそつき!来ないならこっちから行くわよ。」 そこまで言ってようやくこなたはパソコンの前から、私の隣に座ってくれた。 「もっと近くにきて。」 「……」 こなたは何も言わずに、ほんの少し私の傍に近寄った。 「もっとよ。」 「……」 「もっと。」 「……」 私の『もっと』の声に合わせて、少し……また少しと私達はその距離を縮めた。 そして、もうこれ以上近づきようがないという距離になる。 「もっと。」 「ねえ、かがっ―――――?!」 その距離で、私は思いっきりこなたを抱き寄せた。 抱きしめるとき何時も感じるのだけど、こなたはいつも思っている以上に小さい。そして儚い。 そして今はその感覚が何時も以上に思えた。 「かがみ…」 「どう?」 「どうって?」 「安心……する?」 「……」 一瞬、辺りが静かになった。 「うん、すごく温かくて気持ちよくて嬉しくて……安心する。」 「私もよ。…ねえ、こなた。私達は普通じゃないわ。」 「うん。」 そう、私達は世間一般で言うところの普通ではない。 それは私達、それに私達の周りがこの関係を認めていてくれたとしても…だ。 「だからね、ちょっとしたことで不安になるのは仕方の無い事だと思うの。 私だってこなたがちょっと家にこないだけで、こなたが私のこと嫌いになったのかと思ったし。」 「そうなの?」 「そうよ。あんただって見てたし、声真似だってしてくれたじゃない。『もしかして……私に飽きた?私のこと、嫌いになった?!』だったけ?」 自分で自分の言葉を真似るのはなんだか変な気分だった。でも、構わず続ける。 「でもね、そうやって不安になるんだったら、こうして安心すればいいと思うのよ。 こうやって一緒にいると、不安なんてどうでもよくなっちゃうし、なくなっちゃうでしょ?」 「そうだね…かがみの言うとおりだよ。今は不安なんて無い。」 こなたはそう言うと、ギュッと私を抱きしめ返した。 「キスでもしてあげようか?」 「……今日はいいや。その代わり……私がいいって言うまで抱きしめて。」 「はいはい。」 ああ、それにしても…… こなたを抱きしめながら私は思う。 もしこの一連の話を誰かに話したとしたなら(例えばつかさとかみゆきとか)、一体どんな反応が返ってくるのだろう? 私はこなたと二週間ばかり会えなかっただけ、こなたは私にちょっとうちに来るなと言われただけ。 たったそれだけの事なのに、なんでこんな大事になってるんだこのこのバカップルは……とでも思われるのだろうか? でも、私もこのことは誰にも話す気はないし、こなただって話すことは無いだろう。 したがって私たちはバカップルなんかでは決して無いのだ。…うん、そうなのだ。 って、この状況で何考えてるんだろう? 「かがみ、何笑ってるの?」 腕の中のこなたが私を見上げる。ああ、私笑ってたんだ。 「別になんでもないわよ。」 「―――――?」 不思議そうに顔を首をかしげるこなたに対して、知らなくていいことだからと、私は心の中で弁明した。 さて、私の他愛の無い一言から始まったこの話もこれでお終い。 だとするならば…… 「ねえ?こなた。」 「なに?かがみ。」 私達らしく、この言葉で幕を下ろすのが相応しいだろう。 「こなた…好きよ、大好き。」 「うん、私もかがみが大好きだよ。」 コメントフォーム 名前 コメント GJ!!(≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-07-14 18 49 57) ニヤニヤが止まらない -- 名無しさん (2010-04-03 00 52 47) ヤベ~読んでてニヤついてる口からヨダレが・・・食べ物もこな×かがも甘いのは大好きだ!! -- kk (2009-02-13 21 14 02) こな×かがはバカップルぐらいが ちょうどいいんですよね。 甘〜い作品御馳走様でした! -- 無垢無垢 (2009-02-13 17 42 19) うん、アールグレイのストレートティーかモカのブラックでも飲んで来ます。 しんみり、でも甘甘な二人を見てるときはそう言う方が似合うしね。 あと、どう見ても十二分にバカップルです。ありが(ry -- こなかがは正義ッ! (2009-02-13 02 55 51) 甘いなぁ 素晴らしいです GJ!! -- 名無しさん (2009-02-13 01 55 49) 投票ボタン(web拍手の感覚でご利用ください)