約 233,547 件
https://w.atwiki.jp/doujin-circle-list/pages/214.html
公式HP:「千歳烏山第2出張所」 ttp //www.titokara.net/ 作家名:真未たつや? 真未たつや、霞彩ゆきはの二人で運営してるサークルらしいです 同人誌リスト タイトル 元ネタ 備考 Baby I Love You ! この醜くも美しい世界 サンクリ25 がるがぜっと? イリスのアトリエ レヴォ36 まぐかる1 マグナカルタ CM2 がるがぜっと?2 イリスのアトリエ C67 Entwicklung ローゼンメイデン サンクリ26 Besondere スクールランブル サンクリ27 Traumerish イリスのアトリエ レヴォFinal ふたこいのほん。 フタコイ-オルタナティブ- サンクリ28 Trick or Treat ! 1 これが私の御主人様 C68 Trick or Treat ! 2 これが私の御主人様 C68 Trick or Treat ! 3 これが私の御主人様 C68 Trick or Treat !~総集編~ これが私の御主人様 C68 サクラ咲ク*サクラ散ル D.C.s.s コミックキャラクターズ1 e.t.c_01 相沢家のえとせとら コミックキャッスル2005 Traumerei ローゼンメイデン C69 e.t.c_02 相沢家のえとせとら C69 シャナの3分間クッキング 灼眼のシャナ 僕だけの笑顔 あ~るしていっ テイルズオブジアビス SC31 Secret secret garden... ローゼンメイデン 夢の中の庭師 ash! 涼宮ハルヒの憂鬱 SC32 翠だらけ。 ローゼンメイデン CC70 ナイショノキモチ ゼロの使い魔 SC33 おふろのおもちゃ 灼眼のシャナ のいぢ・まにあっくす コピー誌なよろず本。 よろず C71 ナイショノキモチ 番外編 ゼロの使い魔 SC34 ナイショノキモチ 2 ゼロの使い魔 SC34 やよ×P! アイマス 2007/06/17
https://w.atwiki.jp/indexorichara/pages/508.html
【名前】雛鳥此花(ひなどり このは) 【性別】女性 【所属】科学 【能力】愛情産物(ポイズンクッキング) 【能力説明】 超能力ではなく調理の技術。 特別な材料は何も必要とせず、愛情をもって、食べる人を笑顔にしたいという真心の赴くままに、普通の食材を調理するだけで良い。此花の手で作られた料理は、その有り余る愛情と思いやりによって此の世の「料理」という概念から逸脱したモノとなっており、それを食べた人間は莫大な愛情に耐えきれず、眩暈や嘔吐、激しい腹痛、下痢など深刻な体調不良に陥る。中には一口食べただけで何故か満腹になり、不思議と眠くなる人間もいるらしい。 【概要】 繚乱家政女学校に在学。一定の試験を突破し、実地研修を任されているエリートメイド見習い。御主人様至上主義者。 主人を第一に考える思考のせいか、物事を主観的にではなく客観的に見ることに慣れている。相手を喜ばせること、相手に尽くすことが得意で、それを生き甲斐としているが、反面、人に尽くされるのは苦手。実地研修を任されているだけはあり、清掃、洗濯、接客、子守、補佐……ありとあらゆる責務を一人前にこなせるエリート。 しかし味覚障害なので料理だけ絶望的に下手。レシピ通りに作れば済む話なのに、本人の善意でアレンジしたり隠し味を入れたりすることによって糞不味くなる。毒物が混入していないにも関わらず、彼女の料理を食べた人間はRPGで言うところの「状態異常(バッドステータス)」となる。下手すれば死人も出るので洒落にならない。料理下手な女の子萌え~とかそんなこと言ってる余裕はない。そのため、実地研修先には学校側から「此花には料理を作らせないように」と通告がなされる。 御主人様をいざという時に護れるように警備員の体術を修得しており、そこらのスキルアウトなら簡単に無力化できる。 【特徴】 16歳。157cm。40kg。細身で色白だが不健康さはない。可愛らしい小顔に、パッチリとした瞳。睫が長い。髪は黒いお団子型のシニヨン。服装は常に機能性を重視したヴィクトリアンメイド服。 【台詞】 「お帰りなさいませ、御主人様」 「御主人様、お食事の用意が出来上がりましたよ。 え、要らない? そんな、ご遠慮なさらず、是非口に運んでみて下さい! いつもより張り切って作ったんですから!」 「御主人様の命令なら何であろうと従います。それが、メイドという者ですから」 【SS使用条件】ご自由に。
https://w.atwiki.jp/nekomimi-mirror/pages/616.html
太陽と月と星がある 第十八話 風が涼しくなり、夏の気配も遠のいた今日この頃。 ここは日本と気候が違いますが、秋は空が高いという事と食べ物がおいしいという事は共通しているようです。 「天高く 馬肥ゆる 秋」 この場合は、ヒト肥ゆる秋 でしょうか。 御主人様は私に太れと言うので、それもいいかもしれませんが、そうすると服を丸ごと買い換えなくてはいけなくなるので困ります。 ただでさえ、ぶかぶかだったはずのナース服を少しきつく感じ始めているというのに……。 キケンです。 今のジャックさんからのお給料では、これ以上の出費は賄いきれません。 ……困りました。 「キヨちゃんキヨちゃん」 今日も今日とてジャックさんはエロ雑誌を読んだり、官能小説を音読したりしていたはずなのですが、珍しく耳を半分ほど立てて目を煌かせています。 「オレちょっとバカンスに行こうと思うんだけど!」 「いってらっしゃい」 「ううううううう妹が冷たいよぉぉぉぉおおぉぉぉ」 そう言って床へ押し倒し、太腿にすがりつくジャックさん。 膝裏に頬ずりするのはやめましょう。 というか、私は喉が痛いのです。マスクつけたほうがいいかもしれません。 「ほらさぁ、よーやく涼しくなってきたし?オレとしてもそろそろリフレッシュ!みたいな」 ヒトの足にのの字書くのはやめましょう。甘噛みも禁止です。 「やっぱりね、こう真面目に毎日働いているわけだし?」 どうやらウサギの真面目とは、エロ雑誌の発売日に本屋へ猛ダッシュしたりすることを指すようです。 「まぁ、そんな風に過ごしてると、気持ちがダレるっていうか、NEWナース服探しの旅!ていうか?漲るパッション全力投球☆みたいな」 じょしこーせーみたいな口調が心底キモイです。 「遅れてきた夏休み!ひと夏(期間無期限)の思い出をオレは作る!!」 そっと足を引き抜こうとしましたが、あっさりバランスを崩されうつ伏せになる私。 毎度綺麗に掃除しているからいいものの、何故私はこう床に縁があるのでしょうか。 毎日のように突っ伏す床が冷たいです。 季節の移り変わりを床の温度で感じます。 ジャックさんは抵抗できないのをいい事にガブガプと咬んだりしていて大変キモイです。 「所でキヨちゃん」 ひとしきり足を撫で回した後、満足そうな溜息をついたジャックさんは、真面目な表情を作って私の顔を覗き込みました。 「スッパツは邪道だと思うよ!」 とりあえず、全力で蹴った。 *** 翳り始めた陽に照らされた小さな体に似合わないリュックサックには、ぎっしりと教科書やノートが詰め込まれていて、重そうで危なっかしい。 「今日ねー作文で花丸もらったよ」 学校の帰りと、買い物がたまたま被ったため、手を繋いで帰宅する私たち。 本当に、たまたま。 偶然。 小さな手を握って今日あった事を聞いて、晩御飯の話をして明日の話をする。 ジャックさんが旅行に出たと聞いて、チェルはつまらなそうに鼻を鳴らして、私の手をぎゅっと握った。 「ジャック、おみやげもってかえってくるかな?」 現金な発言に笑ってしまったけど、チェルも楽しそうだから問題はないみたいだ。 「おかし持って早くかえってくるといいねぇ」 頑張れジャックさん。 サンタクロースよろしく大きな袋を背負っている姿を想像したら、なかなか様になっているような……。 ネコの国にクリスマスってないんだろうか。 プレゼントを枕元に置いたら絶対喜ぶ。 御主人様は嫌がるだろうか。 バレンタインと七夕は反応していたから、案外いけるかもしれない。 御主人様はヘビの国だし、私はこっちの事をあまり知らないから、行事とかに疎くなってしまうけど、こういうイベントは色々やってあげたい。 ジャックさんが居れば色々訊けるのに。 今夜出発すると言い出して荷造りを始めてしまったから、何も出来なかった。 こっちの人は気が早いのか、ジャックさんはそんなに旅行に行きたかったんだろうか。 ジャックさんが帰ってきたら、相談してみようか。 色々考えてニヤニヤしていると、チェルが丸い瞳をきょとんとさせてみていた。 「キヨカ、楽しそう」 バレてた。 頭をぐしゃぐしゃさせると、小さな顔が緩む。かわいい。 嬉しくて撫でていると、咳が止まらなくなってきた。 顔をそむけ咳き込む私を心配そうな顔で覗き込むので、笑顔を作って誤魔化す。 「だいじょうぶ?」 「だいじょーぶ」 見上げる顔の柔らかい頬をぐにぐにして笑わせる。 「あ、そうだ。あのねー明日お休みだからって、ふーちゃんがね……」 チェルがお友達の家にお泊りという事になってしまって、結構寂しい。 台所で色々していても、賑やかな声が聞こえないと作り甲斐がないし……。 サフはアルバイトだから、多分帰りは相当遅い。 勤務時間はそろそろ終わりのはずだけど、ニキさんとデートしたりするから結局帰りは遅くなる。 ここら辺は歓楽街から少し外れているので、事件に巻き込まれるっていう心配は少ないけど……。 デート……。 二人が成長するにつれて、どんどんそういう事が増えるんだろうなと思うと、気落ちしてきた。 私、どんどん要らなくなる。 二人が成長するのは、とってもいい事なのに、そういう事を考える自分が嫌だ。 色々考えていたら咳が出てきたので、念の為に診療所から持って帰ってきたマスクをつけた。 ヒトの風邪が人に伝染するかどうかは、ジャックさんも判らないそうだけど、万が一という事もある。 御主人様に伝染したら大変だ。 のろのろと晩御飯の仕度をしていると、少し熱も出てきたらしく頭がぼんやりしてきた。 誰も居ないと緊張感が無くてよくないのかもしれない。 何か、仕事を作ろう。 そうだ、えーと…… *** 時にはイヌよりも厚い毛を持つネコの中には、暑い昼より涼しい夜を選択し夜間業務に励む人々がいる。 需要には、供給を。 お客様なら神様です。 漆黒の夜の帳に覆われる時分、最小限の明かりがついた店内に毛並みのいいイヌの少年が床掃除に励んでいた。 「サフー 暇、なんか芸しろよ。芸」 カウンターに、頬をつけ億劫そうに言う彼女の言葉にモップを動かす手が止まる。 「店長はじめ出勤予定者が風邪で寝込んだから人手が足りなくて、休みなのに出勤になったの誰」 振り返りもせず尋ねると、億劫そうな欠伸の後にのろのろとした返答。 「サフー」 「ニキが事務やる分、宅配をいつもの倍以上やってるの誰」 鼻を鳴らすと、あまりの人員の少なさに常連から哀れみの眼差しと共に差し入れられた見舞いの菓子の匂いがした。 「サフわーん」 カリカリと、お菓子を齧る音。 それ、僕の分なんだけど。 「新月で暗いから、夜番一人じゃヤだって、職権乱用して引き止めたの誰」 カウンター越しに鼻を突き合わせ金色の瞳をじっと見据えると、白い尻尾がパタパタと床を叩いた。 「……にゃー …ん」 甘えた掠れ声に負けて耳の後ろを掻くと、小さなゴロゴロが聴こえる。 掃除を諦めカウンターの後ろに回ると、待ってましたとばかりにしなやかな体がタックルしてきた。 「今日、ちょー寒いじゃん?毛皮毛皮」 喉を鳴らし、顎の下に顔をこすり付けられ押し負けて床に座り込むとそのまま上に乗っかられた。 「一応、まだ仕事中なんだけど」 「こんな晩に来るのは、強盗か恋人いないヤツだけじゃねー」 にゃふっと笑って、シャツをめくりあげ尖った爪を毛皮に突き立てる。 「ちょっと背伸びたな」 軽くキスしてから背中のホックを外し、チャックを下ろす。 あっという間に褐色の肌に下着が眩しい姿になった。 「まだ晩御飯食べてないね」 「後で屋台行こうぜ」 寒くなってきたとはいえ、昼はまだそれなりに暑い。 鎖骨のくぼみを舐めると夏の名残の味がした。 「屋台って?」 下着の隙間に指を入れて柔らかい色合いの部分を丹念に愛撫しながら尋ねる。 向こうもその気になってるのがわかって、早くも下半身に血が溜まりつつあるのが判った。 「ラーメンのっばっ ちょ んっ」 もどかしげに開いた唇は、さっき食べた砂糖菓子の味がした。 小さな舌と絡ませ零れそうな唾液も一緒に嘗める。 こんなときのニキの表情は、凄くえろい。 「ね、いい?」 尻尾の付け根を強く握ると甘い悲鳴が上がったので、フリルのついた下着をずり下げてそっと角度をあわせた。 白くて薄い毛に覆われたそこは薄く濡れ、雌の匂いを立ち上らせている。 同じくらい濡れた金色の瞳がとがめるようにきゅっとすぼまった。 「ナカダシ禁止だかんな」 返事をせずに濡れた部分に中指を慎重に差し込み熱い部分をゆっくりとかき回すと濡れた水音と一緒に締まるのが判った。 指を増やし中をほぐす傍ら、尻尾の付け根を強弱をつけ握ると膝ががくがくと震えだす。 ホックを外して茶褐色の先端を噛むと甲高い悲鳴が上がった。 笑うと悔しそうな表情で睨まれる。 「早漏の癖に」 「その早漏におねだりしてるくせに」 今度こそ怒りの表情になり、肩を押された。素直に床に転がるとそのまま乗られた。 赤黒く起立したものを太腿で挟まれ、指先でゆっくりと擦り上げられると重さとじれったさで荒い息が洩れた。 ネコならではの柔軟な体を駆使され、先のほうだけザラザラとした舌で舐められて思わず目を閉じる。 あえて焦らす仕草が小憎たらしいので、お返しに柔らかな双丘を撫でたり、谷間を指先で弄ると抗議するように尻尾が左右に揺れた。 「ごめん、でそう」 「バカ我慢しー――」 同時に来客を知らせるベル音が店内に響き渡った。 多分、今日も全力で土下座決定。 *** 帰宅するとキヨカがマスクをつけていた。 差し出された白くて細い指に握られたチラシを受け取り、いつものように鞄を差し出す。 いつものように地味な装いにエプロンを着け、編み上げた髪にマスクが不釣合いで思わず凝視していたが、チラシを指差され仕方なく目を落とした。 赤と白の二色刷りのチラシには「大特価 魔洸TV大画面云々」裏には、懸命に書いたらしい文字。 「かぜのため、こえがでません。ごじょうしゃください?」 薄く隈を作った目が点になり、チラシをじっと見つめた。 「……ごようしゃ?」 聞くに堪えない、痛々しく掠れた声に思わず顔を顰める。 「もう喋るな。黙ってろ。あと、チビ共はどうした」 用意周到に複数の紙が取り出され、溜息が洩れた。 こんなものを準備するくらいなら、もっと自分に気を使えと言いたい。 子供ではないので、そこまで口出ししようとは思わないが……心配になる。 本当に風邪だろうか。そういえば、昨日から少し咳き込んでいたか? 『チェルはおとまりです』 「泊り…?どこにだ」 学校における交友関係、泊まりに到る経緯と近所の悪餓鬼の名前が複数書かれた補足チラシが追加された。 しかし、なぜそんなに矢印が入り組んでいるんだ。 みればイヌらしい名前や、ネコではありえないであろう名前もちらほらと出ている。どうやら子供にとって種族の壁は薄いらしい。 泊まり先は知った名前だったので安心した。 いざとなれば、即座に駆けつけられる距離だ。 最後に差し出されたチラシには『はつおとまりなので、ιんぱいです』 「そうだな」 同意するとこっくりと頷かれ、全力で抱き締めたい衝動に駆られたが、堪えた。 代わりに額に掛かる前髪を掻きあげ、温度を計る。 チェルと同じくらいの温度だから、平熱だろう、多分。 ついでに閉じられた目蓋とそれを縁取る睫を軽く撫でてから手をどかすと薄く潤んだ瞳で上目遣いされた。 なんとなく頭をそのまま撫でる。おうとつのない丸い頭はヘビと同じように撫でやすい。 「ジャックのバカはどうした。アイツなら咳止めぐらい持ってるだろう」 頷くと同時に咳き込む細い体を見て、ようやく玄関に居たままでは体を冷やす事に思い当たる。 何でさっさと言わないんだ。 『ジャックさんから』 糊付けされた封筒から出てきた薄紙には見慣れた文字で簡潔にこうあった。 『ちょっと千人斬りの旅にでます』 細切れにしてゴミ箱へ叩き込んでいると、夕食の準備をしていたキヨカが更にチラシに書き記し差し出してくる。 『おぼれてきたなつやすみらしいです』 黒いウサギが海に沈む風景を想像したら、少し気が晴れた。 うるさいのが三人も居ないと、必然的に食事中も静かになる。 普段ならあれこれと料理の説明をしてくれる彼女が口を利けないとなれば、食べる事に専念せざるをえない。 マスクを取った顔は、予想よりも血色が良く、本当に喉が腫れているだけらしい。 そういう訳で、当然食事も早く終わる。 最近はいかに仕事を家に持ち帰らないかに心血を注いでいるので、食事も終わればすることも無く、余裕があるので普段はしないような事にも手が回る。 居間に山積みになっていた乾いた洗濯物をテレビを聞きながら畳んでいると、皿を洗い終わったキヨカが入り口の所で立ち尽くしていた。 呼び寄せると床に座り、近くの洗濯物を畳ながらちらちらとこちらを窺ってくる。 三角の布を手に取った瞬間、えらい勢いで奪い返された。 目を見開き、マスク越しに荒い呼吸音。 しばらく考えて、先ほどのものがなんだったのか、思い当たった。 大学ともなれば年頃の男女が大勢いる。 どいつもこいつも好奇心が強く、享楽的なネコの国。 人気の無い物陰では喘ぎ声が聞こえるし、油断してると避妊具を踏んだり、学生がマタタビを実験室で爆発させて教員含めて乱交状態になり、収拾に終われたこともある。 服装だって、夏場ともなればきわどいを通り越して全裸同然だっている。 つまり何が言いたいかといえば 恥 じ ら い 最 高 ! 一瞬、アイツの気配を感じ、悪寒が走った。 これ以上のことを考えるのはやめにして、賑やかなテレビに目を移す。 やけに暗い画面に派手なネオン、妙な効果音。 『特攻東部警察!きょうはすぺしゃるです』 チラシが切れたのか、字の練習をしているノートをちぎって渡された。 真剣にこちらを見てくる様子から鑑みるに、どうやらこれが見たいらしい。 「好きにしろ」 何が面白いのかテレビを真剣に観る彼女の顔はマスクで覆われ、表情もわからないのでうかがい知る事はできない。 ソファーに寝そべりぼんやりと横顔を眺めていると、不意に顔がこっちを向いた。 しばらく見詰め合ったあと、ギクシャクとした動きで台所から茶菓子と酒を運んでくる。 気が利く。 テレビの騒々しい音だけが部屋を占めている。 僅かばかり開いた窓から流れ込む夜気は、砂漠に比べれば温いのに部屋の中が少し寒い気がする。 床に正座してテレビを凝視している細い姿も両脇を占める毛玉が居ないと違和感がある。 「おい」 振り向いたのでソファーに腰掛けさせると、落ち着かないのか体を動かしていた。 枕は柔らかくて心地いいというのに、動かれると頭が揺れて落ち着かない。 「動くな」 大人しくなったので、足に触ってみる。ちょっと、肉がついたか? いや、まだまだだな。 今日、何か買って来れば良かったか。 女の並ぶ店で買うのは嫌なんだが……でも買うと喜ぶからな。 まだまだ細い体を見ると、この前の映画を思い出して憂鬱になる。 ナニが待遇改善の為、だ。 アレを観た連中の感想はな「同じ事を試してみたい」だぞ。 女優のファンとかいう連中は途中発情して、最後は号泣していたが。 テレビの中では、妙な服を着たネコ女が繁華街を走っている映像が流れていた。 落ち着いた男の声で『御禁制のナインイレブンの闇取引の情報を掴み、夜の街を駆ける継承権第十何位の姫君』なる説明。 王家の暇潰しの一環を取材するとは、つくづくこの国は平和だ。 その背後には洒落た服装のマダラと、スーツのネコ男達、画面が切り替わり、映ったのは不思議な内装のクラブだった。 暗い店内に様々な色の照明が灯され、薄着の女が盆を持って愛想と媚を売っている。 『このクラブは、ヒトの世界のクラブを模したものだけあって、客は富裕層ばかりであり、同時にナインイレブンの顧客でもあるのだ』 偏見だろう、それは。 暗い画面の中、さり気無くネコ女を守る位置に立つ少年は、良く見ればマダラではなかった。 髪があるからヘビではなく、尻尾が無いからそれ以外でもない。 首には細い……首輪ではないものが巻かれている。 キヨカはテレビを食う入るように見つめ、身動きしない。 「あっちのクラブというのは、本当にああいうものなのか?」 本当は、そんな事に興味は無い。 ややあって差し出されたノートの切れ端には、相変わらずの文字が並んでいる。 斜めの角度だと、余計読みにくい。 『みかいねんはにゅうてんきんく。らいかとかどらむはああいうらんじ』 誤字が多い。そんなに気になるのか。 名残惜しいのを我慢して頭を上げ、顔を寄せた。 無粋なものをどうにかしたい。 多少遠慮しつつマスクを引っ張るが、キヨカはテレビから目を離そうとしない。 画面の中で少年とスーツが黒服を追い散らし、ネコ女は犯人らしい男を踏みつけ、朗々たる声で罪状とやらを読み上げている。 下らない道化芝居だ。どこが面白いんだ。 「キヨカ」 こっちを向け。 「あの子供はオマエより年下なのか?」 「中学……年下です。多分」 掠れた声の返事。 字を書くのも惜しいらしく、即座に画面に戻った。 退屈凌ぎに周囲を見ればノートが目に入る。 引き寄せ、中を見ればノートの大半が細かな字で黒く埋まっていた。 見慣れた文字もあれば、見当もつかないような文字もある。 「おい、これはなんと読むんだ?」 「えーっと、かんぴょぉぉおぁあっわわわわわきゃあああ!!!」 取ろうとするので届かない位置で掲げると、必死になって手を伸ばしてきた。 「ななっなんで持ってっ!」 よほど見られたくない事でも書いてあるのか、床を跳ねて取ろうとしてくる。 普段の落ち着いた動作の欠片もなく、バタバタと暴れる姿が新鮮だ。 手で体を押さえ、ギリギリの所でノートを振って見せるとジタバタと悶えていて面白い。 「少しぐらい、構わないだろう」 からかいを込めてそうそう言うと、悲鳴ともうめきとも取れる小さな叫びをもらし、子供のように暴れる姿が珍しく、新鮮で…… 華奢な身体が水から揚げられた魚のように跳ねる。 だがこの暖かくて柔らかいものを離すことなど絶対に無理なので、そのまま。 「だッ…ジャックさんみたいな事しないで下さいッ!」 やはりアイツは一度、キッチリと絞め折る必要がありそうだ。 *** 御主人様がダメっぽい。 多分、みんな留守だから寂しいんだろうなと思うけど、膝枕とか、どうでしょうか。 いいけど。 御主人様に膝枕とか、なんか、アレだ。アレみたいで心臓によくない。 いいけど。 テレビの特番でネコのお巡りさん達が麻薬組織とドンパチしているのを観ていたら、やけに御主人様が絡んできた。 いいけど。 うっかり体を寄せたくなってしまうので、あえて目をテレビにやった。もふもふなお巡りさんは見てて楽しい。 制服じゃなくてスーツだから、刑事さんなのかもしれない。 テレビだから良くみえてるだけかもしれないけど、やっぱりああいうお仕事の人はカッコイイ。 お父さんもああいう風に頑張っていたんだろうかと思うと、自然と姿勢を正しくしてしまう。 そんなワケで、真剣に観ていたら、御主人様が私のノートを手に取っていた。 ノートは基本的には字の練習用だけど、まあちょっとだけ色々書いたりはしてる。 日本語とか、忘れないように、日記というほどまめに書いているわけではないけど、見られてもいいものでもないわけで。 それを御主人様が……普段無表情の癖に、心なしか凄く楽しそうな笑顔だ。 しかもかなり意地悪い。 尻尾でノートを持ってからかってくる。 ありえん。 御主人様の中の人がジャックさんに乗っ取られたのかもしれない。 途中で力尽きて諦めたら、ちょっとつまらなそうな顔になって背中に腕を回してきた。 長くてたくましい腕は、服越しでもひんやりしているので、微熱のある状態だと非常に気持ちいい。 御主人様の背中は、固いけど広くて安心する。ゆっくりと、心臓が脈打つ音が聞こえる。 ばさりと、髪の毛が落ちた。 指が髪と首筋を触っているのが判って、ちょっと背筋がぞくぞく……気のせい、気のせい。 そういえば、背中半分くらいまであったのを、肩の下ぐらいまで切ってもらって一週間ほど経ちますが、御主人様からは何の反応もありません。 ……まぁ、御主人様には関係ない事なんでしょうけど……。 唇噛まれていますが、御主人様はイヌやネコと違い牙らしい凶悪な歯ではないので大変いいと思います。役得ですよね。超役得。 しかも毒とか、ちょっと気を使ってくれてるみたいで。 御主人様超優しい。 あと疑問なんですが、歯って味するんでしょうか。 するはずありませんよねせいぜい歯磨き粉の味ですよね、いやダメですだめです。困ります。 ファーストキスはレモン味とかアレ嘘ですからだから別に何回やったって生臭いだけですよキモイだけですよしかも私なんかだってそのだって。 「……ひゃ ぅ 」 いけません、これ以上はいけません。 頭が何も考えられなくなりそうなのを何とかフル稼働させている間にも、御主人様の手つきが、その。 まずいですやばいですええええっとほらあのそのあの…えー……と…… 「あの、でんき…」 ブラウスの四番目のボタンを外す手が止まった。 視界が開ける。 本来なら膝がある場所には柔らかい色合いの尻尾があって、ざらりとした感触と冷たい温度。 こちらを見る訝しげな表情は人のようで…………人じゃない。 あ、そうか。 こっちは、魔洸なんだ。 電気、ないんだ。 だって、ここは…… 私、人じゃ、なかったんだっけ。 すっと、頭が冷えてきた。 ここは、寒い所だった。 私、人じゃないんだっけ。 「あの、できたら照明消して頂けると光栄なんですが、どうします?しゃぶってから消しますか?消してからしゃぶります?」 「なんだその二択は!」 別に舐めるんでも噛むのでも構いませんけど。縄はヤだな。跡付くし、痛いし。 ん?もしかして縛ったり踏んだりするのは私の方なのかな? 性癖は外見からじゃわからないし……。 そんな事を考えつつ、寒気を感じてゲホゲホしていたら、御主人様はこちらを睨み、目線を下げ低く喉の奥で呻いてからボタンを直し始めました。 「あれ、やめるんですか?」 「ふざけてるのか」 まぁ、うっかり雰囲気に流されてこんなのに欲情しかけて恥ずかしいとかいうのは、判る気がします。 いくら、男性は出せればいい的なアレでも、ねぇ? 中古はやっぱり、キズあるし、気持ち悪いでしょうしね。 「前もいいましたが、病気は持ってないから安心ですよ?後腐れもないからお手軽だし」 幸い今日なら何が起きても情操教育に悪影響を及ぼす恐れがないわけだし。 む、そう考えるとこの機会は貴重かもしれない。 もうちょっとアピールしておきましょうか。 「あとで掃除しますから、噛んでも撲っても切っても絞めても心配無用ですよ」 スリッパで叩かれた。 「お前、実は俺の事が嫌いだろう」 「まさか。滅相もない」 「ならいい」 いいんですか。そうですか。 身を起こそうとした御主人様の服を引っ張ってちょっと待ってもらい、目の前でスパッツを脱いだ時の御主人様の反応は面白かった。 目が真ん丸で、誰かに似てると思ったら驚いた時のチェルに似てる。 その後、昔取ったなんとかで服を着たまま下着を取ると、見るからに挙動不審になった。 日本の学生なら必須技術なわけですが。 中学校に更衣室なかったし。 御主人様はムード重視…というか、普通はこういう事しないのだろうか。 普通って、どういう風にするんだろう。 客にやるみたいに、一枚ずつ脱いだ方が良かったのかな。 ブラウスの下から触れるように指先を握って肌を沿わすと、そのあとは積極的でした。 ……冷たい。 手つきが柔らかいのが、結構意外。 ご満足いただけるほど巨乳じゃないので、かなり不満はあると思ったのに何も言わずにやわやわと触ってくる。 手付きに違和感を感じるのは、御主人様の手がヒトの手に似てるからだろうと、思う。多分。 私、手フェチだし。 毛とか、ホントいらない。 しかし、この御主人様どんだけキス好きなんでしょうか。 二人分の体重でソファーが悲鳴を上げています。 ついでに私の背骨も悲鳴を上げそうです。御主人様重いし。 天井を見ていたら、御主人様も顔を上げ尻尾で照明を消した。 便利だ。 「いいなぁ…しっぽ」 真っ暗な部屋の中で思わず呟くと微かに笑う気配。 軽く腰を浮かすと、尾てい骨を探りそれから更に下へ降りた。 「ここ、どうした」 触って判るグロ部分。 明かり、消してもらえてよかった。 これ見て、急性インポになったら即転売だ。 「昔、ひっかくのが大好きな人が居まして」 普通、商品に傷をつける客は遠慮してもらうはずなんだけど。 ああいう施設の監視する、保健所だか衛生局かなんかのエライ人だったかなんかで、色々目を瞑ってもらう代わりに。 キズモノだけど、希少で高価だったから、ちょうどよかったんだろう。 質感が違うのがわかるのか、執拗に撫でてくる。 いつ爪を立てられるのかわからなくて、緊張しているとかぷりと耳を噛まれた。 喉から小さく声が洩れる。我ながら、今のは悲鳴っぽかった。気をつけよう。 「もう話さなくていい」 言われたとおり、私は黙った。 全体を触って、時々舐められたり、軽く歯を立てられ、尻尾でさわさわされる。 だんだんと場所が限定され、局所のあたりを弄られた。 やけに熱心な動きにヘビの人とやっぱり違うのだろうかという、疑問がよぎる。 ……何か、やっぱり変だとか、思われてるのかな……。 女の人でもなく、毛のない大きな手は凄く違和感があって落ち着かない。 なんとなく意図がわかったので、体を少し押して体勢を変えてもらう。 でないと、動けないし。 踏まないように気をつけながら御主人様の鱗を舐めたり、背中の硬い鱗を丁寧に触る。 あと、たぶん、ここらへん。 臍の下から、真ん中に沿って舌を沿わす。 皮膚から、柔らかい鱗に代わって、少し下。 襞のようになっている所を念入りに舐めると出てきた。 どれくらいの力を込めるべきか。 体内収納型という事は、それなりに繊細なんだろうと思い、丁寧に扱うために姿勢を代えそっと手に……。 なんか、多かった。 うっすらと、背中に汗が伝う。 落ち着いて、冷静に冷静に冷静に冷静に。 暗いので当然触感のみだけど、触った感じは普通。 味…も許容範囲。御主人様、お風呂大好きですもんね。清潔な人は大好きです。 毛とか、ホントいらないし。 オーケー大丈夫。 普通が一番です。 口に含んだものは、それなりに反応がいい。……若いなぁ。 先端を探って、すぐに苦しくなってきたので口から離して横から舐める作業に移る。 頑張っている最中、御主人様が体を撫でてくれた。 御主人様は、淫乱だとかヒトの癖にとかまな板だとか人形女だとかボッタくりとか、言わないのでとてもいい。 なんか言わないと怒るわけでもないし。 それにしても、寒い。 まぁ、どうせ動いているうちに暑くなるだろうけど。 久しぶりなので、上手くできるか不安だったものの、御主人様が協力的だったのでスムーズに入った。 黙れって言われたけど、謝るべき、ですね。 「すみません、緩くて」 片方入れててもう片方は素股状態って、どうなんだろうか。 ムリしてでも入れてみるべきだったかな。 「……小さいといいたいのか」 腰を押す手が止まった。 「ああー、そういう発想もありますね。いえ、とんでもない」 「なら力抜け」 肩を掴まれ、ゆっくり前後しながら更に奥へ。 予想した痛みが来なかったのでちょっと拍子抜けした。 いや、小さいとか細いとかそういうわけじゃないんだけど。 違和感バリバリだし。むきゅむきゅしてるし。 出ている方を何とか手で触りつつ、ゆっくりと動かそうとすると御主人様が体を抱きかかえた。 御主人様、息荒いです。尻尾巻きすぎです。ごそごそしすぎ。毛じゃないからいいけど。 私も御主人様の背中越しに足を絡ませる。相変わらず御主人様の体温は低い。 外に出ている方も腹部の辺りでぬるぬると自己主張してるし。 こっちだけ長いという事もないだろうから……これぐらい入ってるのか……。 これって、かなり痛いはずなんだけど、大丈夫なんだろうか、私の体。 「……でそうだ」 「どうぞ」 もしかしてちゃんとご飯食べてるから何か、変ったのかな。 運動も、大してしてるわけじゃないけど、外に出歩ける分増えてる。 そんな事で、変るもんなんだろうか。 だったら私の今までは、なんだったんだろう。 *** シーツがさらさらしていて気持ちいい。 ひんやりした畳の上にねっころがって、裸足で畳の感触を感じるのが好きだった。 あの頃は父さんも母さんもいて、風邪を引くからやめなさいと叱られて 目を開けば、しらない天井。 胸を突く恐怖に体が竦んだ。 ここ、どこ 額と頬を撫でた手が冷たい。頭がぐらぐらする。 「大丈夫か」 ぶっきらぼうに掛けられた言葉に頷き、周囲を見回す。 掃除以外では、めったに入らない御主人様の寝室だ。 最初の頃、夜伽しにいったら速攻追い出されて……なんであの時はダメで今はいいんだろうか。 御主人様は何も身に着けていない。御主人様裸族ですかそうですか。 私の方はなんか着ている。 アレだ、筒っぽい形の寝巻きでダブダブしてる。砂漠では一般的なものだって聞いて、この前御主人様用に買ってきた。 自分と御主人様を交互に見て、しばらく考えたものの何も思い浮かばない。 着せてくれたという選択肢しかないわけだけど。 そりゃそうか、私、沢山傷があって、気持ち悪いし、そりゃ隠しますよね。 けど、それなら終わった後ほっとけば良かったのに、御主人様の寝室に居るってどういうことだろうか。 こっちで続きしてたのかな、 ていうか、私、最後まで頑張れたんだろうか。 ……覚えてない。不満、残らなかっただろうか。ちゃんと発散してくれてるといいんだけど。 取り合えず起き上がったものの、目のやり場に困って俯くと頭を撫でられる。 「痛いところないか」 感触とかなんか色々のこってますけど、今までのように痛くはないというのが凄い。御主人様、凄い。 手が離されると、どこかがへこんでいるような気分になった。 「熱がまだあるな」 喋ろうとしたけど、うまく声にならなそうなので黙って頷く。 まだ外は暗い夜明け前。 なのに暗い室内でもわかるくらい御主人様が美形過ぎて、目のやり場に困る。 モテるんだろうなぁ……。 もてなきゃいいのに。 フラれちゃえばいいのに。 それで 「具合が悪いなら、ちゃんと言え。熱あるなんて、聞いてないぞ」 口調のワリに怒ってないらしく、再度撫でられた。 冷たい手が気持ちいい。 「朝までには、直しますから」 どうにか絞り出した声は、我ながらひどい。 「黙って寝て、さっさと治せ」 頭から毛布を被せられ、ベットに押し付けられた。 ちゃんと、言わないと。 朝までには直すから、これからもずっとたくさん働くから ――― だ か ら … … 津波のような眠気が襲ってくる寸前、冷たい指に触れたのだけ覚えてる。
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1854.html
都会の中、しかしここの空気だけは朝の澄みきったそれをまた格別なものにする ここというのは私の御主人様、鳳条院 葉月様のご自宅である鳳条院本家 まぁ正確に言うと今現在の私、及び御主人様の現在地は鳳条院本家敷地内にある武道場の中なのだが…これがまた立派な道場だと私は思う 中学校や高等学校にあるそれとほとんど変わらないくらいのもので、普通の家には…と、ここは『普通』ではなかった なにせ兼房様のご趣味で建てられたのだけれどSPの訓練場にもなっている その別、私はここで香憐さんが稽古をしていたのを見たことがある ご主人様曰く、香憐さんはこのお屋敷の中でもトップクラスの使い手だとか 明人さんも本家にいるときはここで香憐さんから直々に鍛錬を積まれたのだと御主人様から聞いたことがある それはそうと、意外に思われるかもしれないが私の御主人様も合気道二段、剣道初段の腕前だそうだ 「護身術代わりにって香憐姉さんがしつこくて;」 と仰っていたのだが偶にではあるものの今もこうして早朝から道場で座禅を組まれるところからするになかなかにその姿勢は堂に入ったものと感じさせる…が 「はぁ……」 その空気を崩したのは意外にも御主人様だった 「御主人様?」 「どうしようレイア…」 その問いかけが何に対するものなのか私はすぐに合点がいった 「バトルロイヤルの件…ですか」 「うん…」 御主人様の悩みの種とは他でもない 御主人様が在学中である龍ノ宮大学にある武装神姫サークルとの一連の件についてだった 正直、御主人様が今回の賭けを受けたのはその場の勢いに流されてというところがほとんどであり、今になって冷静に考えてみるとかなり不安要素が多いことに今更ながらに気付いてみても時すでに遅しなんだけれど… 「うーん、何で受けちゃったかなぁ…」 心当たりがないわけでもない 実際、何度断っても勧誘してくるあの二人…生田と八代といったか…には迷惑していたわけだし、それがなくなるチャンスとしては魅力的だったわけだ 「調子に乗ってたわけじゃないんだよ?」 「いや、まぁ、御主人様の性格からしてそこは仰らずとも私にはわかりますが…」 でもそれがまったく関係していないでもなかった これでも一応、私は鳳凰杯最終トーナメント出場者なのだ …ミュリエルには負けてしまったけれど その自信というか今となっては慢心ではあるが、それがなかったというわけでもない 実際はじめ話を振られた時は50人ほどだと聞かされていたわけで 「ねぇ、れいあぁ~、何かいい方法はないかなぁー」 ちょ、そんな前後に揺さぶらないで下さいぃぃ 「いい方法と言われましても……あ、」 ふと、思いついたのは思いついたのだが 「な、なに!?何か思いついたの?」 「あ、はい…」 藁にもすがるとまではいわないが、かなり期待のこもった瞳で私を見る御主人様 「なに、どんなの?」 でもまぁ私の中ではこの案が一番現実的且つ効果的な案をではないかと思う 「えとですね…つまり、今回の一件はバトルロイヤルに勝ってしまえばOKなわけですよね?」 「うん、まぁそうなんだけど…相手が150人もいるんだよ?」 「まぁ確かにそうなんですが…あの方なら何とかして下さるかと思うんです」 「あの方って?………ま、まさか…」 「はい、御主人様のお兄様、明人さんとノア姉さまたちに…」 「却下」 「えぇ!?」 速攻で却下されてしまった 「な、なぜですか御主人様!?」 「…兄さんたちには迷惑かけられないよ。これはあくまで私の問題なんだし」 その気持ちは解らないでもない けれど… 「でも、明人さんならきっと…」 「うん、でもね…」 「『それならいつまでも兄に甘える妹のまま』というわけですか?」 御主人様と私以外の第三者の声に私は慌ててその方向を見る と、そこには 「か、香憐姉さん!いつの間に…」 今は明人さんのお世話のため明人さんの住むマンションに移った香憐さんが武道場の入り口近くにいた 彼女の肩には彼女の神姫の孫市ちゃんがいる 彼女と昴さんのランちゃんと私は起動の時期が近いためかなり親しかったりする ノア姉さま達が学年が上の先輩だとすると孫市ちゃんたちは同学年のクラスメイトの様なものだろうなと明人さんが言っていた 「様子を見に来たんですよ。それよりどうなんです?当たっていますか?」 「う……」 図星だったのだろうか御主人様は赤面して次の言葉が出ないようだ 「兄に甘えることができるのは妹の特権、しかしそれはあくまで「妹」として。葉月様が明人様に望むこととは少しの違いようで全く違うことですからね…」 優しい顔でそんなことを言う香憐さん 「お二人の御傍に何年使えているとお思いですか?」 今度は悪戯そうな笑みに変わる 「ははは…やはりお姉さんなだけに香憐さんには弱いですね御主人様」 「うむ、というよりただ楽しんでらっしゃるようにも見えるが…」 香憐さんの肩から飛び降りて私の座っている隣へと見事に着地した 「と、いうと?」 「姫様はどうにも葉月様の反応を楽しんでいるように思うのだ。以前も『超お宝アルバム(葉月様用)』というものを見せていただいたんだが…一つ一つ説明していく度に身悶えしなさるんだ…」 「な、なんですかその『超お宝アルバム(葉月様用)』って…」 「なんでも成長記録用の写真をプライベート用に再編集なされたそうなんだ。時に伊織様と一緒にご覧になる時もあるそうだとか…」 「あー」 お母様のことだ、目をキラキラさせながら 『香憐ちゃん、グッジョブ!!』 等とおっしゃているのだろう ん、待てよ… 「孫市ちゃん、もしかして…」 「ああ、レイアの考えた通り、あるよ『超お宝アルバム(明人様用)』 あ、あんですとーー!!? 明人さんの成長記録用の写真…つまりそれは子供のころの明人さん!? ちょ、ちょっとそれは…見てみたいかも… 「ま、孫市ちゃんは見せてもらったの?そ、その『超お宝アルバム(明人様用)』…」 「いや、残念ながら姫様曰く『貴方にはまだ少し早いかもね、これは人を虜にする恐ろしさが…』と、はぁはぁ息を荒くしながら申されていた」 「あ、あははは………」 香憐さん、キャラ変っちゃってるよ… 「と、兎に角!兄さんにはこの事は知らせないでいいからね!」 私と孫市ちゃんが話している間に向こうでも話が進んでいたようだ 「ですが葉月様…」 「たしかにこの状況で私のわがままなのかもしれないけど…でも…」 「いえ、ですから…」 「香憐姉さんの言うこともある…だけど兄さんが私を見る目が変わるとは思って…いや、少しは変わってほしいけど…でもやっぱり…」 「あの…」 「兄さんには小さいころからずっと守ってもらってばっかりだし…けど、そんな兄さんだからこそ…というかそういうところが私は…」 あーあー、御主人様が暴走モードに入ちゃってる… 「止まりそうもないな…」 「あ、あははは」 そんなこんなで数分後… 「でもやっぱり兄さんには!!」 「葉月様、大盛り上がりの中失礼しますが…明人様はすでにご存じなのですよ?」 え? 「……はい?」 「ですから、明人様はすでに昴様から大方の事情をお聞きになっていまして…今頃は龍ノ宮に向かわれているころではないかと…」 御主人様の動きが固まる と、いうか私もそれは予想外だったのだが… 「ホントなの孫市ちゃん?」 「うむ、事実だ」 うーん、なら私としては願ってもないんだけれど… さっきまで一人で葛藤し続けていた御主人様はというと なんか油の切れたロボットみたいなぎこちない動きになってしまった そしてなんとか一言声にした 「な、な、なんですってぇぇぇ!!??」 朝の静かな鳳条院家に御主人様の叫びが木霊したのだった… 「こちらがサークルメンバーのリストになります」 今居さんがプリントアウトした用紙を俺たちに一枚ずつ配ってくれた 「どれどれ……ん、各自の神姫も載せてあるな」 「はい、一応小さくてもうちもサークルですので全員で大会にも参加するんですよ。そのエントリーのために纏めておいたものなんです」 ほう、さすがは会長さん さて、敵のメンバーのほどは… ファースト 1 今居 加奈子・鷹千代 (エウクランテ) 『紅羽の鷹千代』 セカンド 2 生田 誠吾 ・エメラ (ハウリン) 3 八代 御影 ・タイガ (ティグリース) 4 重村 浩二 ・天照 (飛鳥) 5 成瀬 京ノ介・クライシス (フォートブラッグ) 6 雪野 こなみ・ガウェイン (サイフォス) サード 7 明石 直哉 ・欄丸 (紅緒) 8 石弓 正晴 ・ラファエル (アーンヴァル) ふむ、こんな感じか… 「サークルメンバー以外は素人なのか?」 「はい、この大学の中であと、いるとすれば…葉月さんとフォレストさんですね」 まぁ葉月とアルはこちら側だからな 「そういえば明人先輩は鳳凰杯の最後でフォレストさんと闘っていましたね」 「ん?ああ…」 なるほど、この子は俺とアルの関係を知らないんだな まぁそりゃそうか、知ってるほうがおかしいしな 「凄かったです。私たちもあそこにいたんですけど…」 「え?もしかして…鳳凰杯出てたのか?」 「あぅ…はい。一応サークル参加しましたが予選落ちで…」 あらまぁ… 「今居は上がり症だからな。普通のバトルくらいは平気なんだが…いかんせん、あのような馬鹿でかい舞台はだめなんだ」 そう言って今居さんが出してくれたコーヒーを口に運ぶ涼さん 「あぅ…涼さん…」 「マスター、私としましても、やはりもう少し堂々として頂きたくば…」 「あぅぅ…鷹千代まで…」 んー、なんとなく面白い関係みたいだな鷹千代と今居さんって 「でもな、こんな馬鹿弟子でもあのでかい舞台で平然としてられるんだ。お前だってなれるさ」 「涼さん…」 何気に励ましているのだろう いや、まぁおれの場合場馴れしてるというか…大会の類はかなり経験してるしなぁ 「それにしたって今居君と鷹千代ちゃんは大きな戦力だよ」 薫の言うことはもっともである ふむ… 「ねーご主人さまー」 「んー?」 「私たちなんだけど、私とノアねえとユーナ、三人とも出ていいの?」 大学から家へ帰り、晩飯の後のひと段落 そんな疑問を俺に問いかけてきたミコの位置は…俺の膝の上 ちなみに神姫素体じゃないのよ、HVIF… そんな位置で背中を俺に預けてくるミコさん うん、まぁこいつがべったり甘えてくるのは今に始まったことじゃないけどさ ソファーの間のテーブルを挟んだ向かい側のユーナの不機嫌さが気にかかる… 「…ふん」 そっぽ向かれてしまった うーん、俺が悪いのか? 「確かにそうですね」 え?同意!? 「私たち三人に対して指揮官であるご主人さまは一人…」 ああ…そっちか… ノアがキッチンから茶を淹れてきたようだ 「その点においてはあまり深くは考えてはいないんだがなぁ」 いや、ほんと 「でもさぁ~いくらご主人さまでも三人同時に指揮はできないでしょ~?」 体の向きをこちらにかえておれの首に両手を回しながらミコが首をかしげた 「ノア」 「はい」 「おまえは単独行動したとしても…まぁ素人ぐらいなら十人程度同時にさばける…どうだ?」 「なっ!?」 俺の一言に反応したのはノアではなくユーナだった 「ちょ、アニキ!いくら姉さんでもサポートなしで同時に十人ってのは無茶じゃ…」 「んまぁ流石に『γ』じゃきついかも知れんが…『α』ならどうだ?ん?」 少し挑発気味にノアに話をふってみる ノアは半分呆れたように溜息をつくと 「損な役回りですね…」 と一言 いやまぁ確かにそうなんだが… 「そう言ってくれるなって。お前の力をそれだけ買ってるんだ。頼りにしてるんだよ」 茶を出すノアの頭に手をのせ髪をなでる 「………」 「ノア…」 少し真面目にノアを見つめる…と 「…わかりましたよ、ご主人様はずるいお方です…」 横に目をそらしながらそう答えてくれた 「確かにな、悪いが頼むぜ?」 「仕方ありません。何とかしますよ、あなたの信頼を裏切らぬように…」 「あ、姉さん…ま、マジかよ…」 「ふっわ~、ノアねぇカッコいいー」 さて、残るはミコとユーナなんだが… と、そこで来客を知らせる玄関のチャイムが鳴った 「誰でしょう、この時間に…」 パタパタとスリッパをならしノアが玄関へと向かう 「ね、ね、ご主人さま!私も頑張っちゃうんだから!」 そう言いながら抱きついてくるミコ 「こ、こらアネキ!いつものことだと思って黙ってみてりゃ調子に乗って…」 そこまでユーナが言いかけたところでさっきよりも速い速度でパタパタとスリッパを鳴らしながらノアが血相を変えて帰ってきた 「ご主人さま!」 「ど、どうした…そんなに慌てて…」 「葉月さんです」 玄関窓の覗きで確認したのだろうが……そ、それはまずいな 何がまずいってこの状況が 葉月にはまだノア達のVHIF については伏せてある ここはとりあえず 「全員、可及的速やかに神姫素体へ換装!!」 「了解しました」 「う、うん!」 「お、おうよ!」 玄関先でなんとかノア達が換装するまでの時間を稼いだあと、リビングに葉月とレイア、後香憐ねぇと孫市を連れて行きVHIFについて葉月にばれるという事態はさけられた 「あれ?誰かほかにいたんじゃないの?」 「ど、どうしてだ?」 「ちょっと物音が騒がしかったから…」 「そうでしたか?私たちはそれほど気になりませんでしたね孫市?」 「は、手前も姫様と同じく…」 香憐ねぇたちのフォローが入る 大体のことは察してくれているみたいで助かる 「んで、どうした?こんな時間に…」 「あ、その、えっと…兄さん?」 「ん?」 「龍ノ宮での大会…出るってホント?」 まぁそのことだろうとは思ったが、というかそれしかないだろ 「ああ、でるよ」 「えと、それは…私と生田君達のことがあるから…」 「まぁ、そうだな」 それしかないだろうがあえて聞いてくる感じだな、葉月 「えと…兄さん?」 「却下だ」 「まだ何も言ってないのに!?」 「俺たちに迷惑かけるから出るな…ってところだろうが。そんなこと言わんでも却下だ」 「あ、あぅ…」 「だから言ったじゃないですか…明人様には言いに行くだけ無駄ですと」 香憐ねぇはやれやれといった感じである 「で、でもぉ…」 困った時に出す声は御袋そっくりだな葉月… 埒が明かん ここはすっぱりと言い切っておくべきだな 「葉月」 「な、なに?兄さん…」 「あのな、迷惑もくそもあるかよ…おまえは俺のたった一人の…」 そう、たった一人の 「あ…」 「『妹』なんだからな」 「「「……………」」」 ん?なぜここで時が止まる? 「……………ああ、御もっともなのですが明人様…」 「……………若君…それは…」 「…い、いも……」 なぜかガックリと膝をつく葉月 「葉月様!お気を確かに!」 「ふぁいとです、葉月様!」 ずーんと暗くなって落ち込んでしまった葉月を励ます香憐ねぇと孫市 いや、なんのこっちゃわけがわからんのだが 「明人さん、明人さん」 落ち込む葉月の傍からとことこと俺の近くにやってくるレイア 「ん?どうしたレイア」 「えっと…私も頑張りますが150もの数は無理です。御主人様に変わり申しますが、どうぞお力添えお願いします!」 ぺこりとお辞儀をするレイア あーなんだ、どうしよう めちゃめちゃ可愛いんだが… 「ああ、葉月と…レイアのためになんとかするさ」 「あ、いや…私のためだなんてそんな…」 赤くなってアタフタしているレイア くぅ、ますます可愛い… 「いや、どうにかするのはアタシ達だし…」 「ご主人さま…鼻の下延びてる…」 「はぁ…この方からの信頼を守ろうとしている私は…」 落ち込む葉月に励ます香憐ねぇと孫市 アタフタしているレイアに萌える俺 それにあきれる三人娘という異様な空間を残したまま大会まであと少しの夜は更けていった… 続く メインページへ このページの訪問者 -
https://w.atwiki.jp/zacooo/pages/3.html
MENU お帰りなさいませ 御主人様♪ お好きなものをお選びください 御主人様♪ クラン規約 実装済み課金服 未実装課金服 BBS うpろだ ↓ 集弾率 ├ AR ├ SMG ├ MG ├ SG ├ HG ├ RV └ RL KS AIM ポート開放 プライベートIPの固定 リンク
https://w.atwiki.jp/touhou_storm/pages/17.html
<作品の注意事項> この作品は、東方エロスレうpろだ0088の「カスタム魔理沙(前・後編)」の別パターンです。 先にそちらを読んでおいて下さい。 色々とアレです。注意して下さい。 それでも読むという人は、もうちょい下に進んで下さい。 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ~カスタム魔理沙 -another-~ † 結局、パチュリーは魔理沙を依頼主に渡す事は無かった。理由は、魔理沙が予想以上に極上の仕上がりを見せた事にある。他人に渡すくらいなら、自分のモノにしたいぐらいの出来だったからだ。依頼主には、別の斡旋所を紹介してやった。これでも文句をいうのなら、返り討ちにするつもりだ。幸いその様な事態にはならなかったが。 あれから一週間。魔理沙はパチュリーの部屋で生活している。生活、と言っても服など身に着けていないし、三度の食事以外は特にする事も無く、パチュリーになすがままの性奴隷となっていた。 「あっ……!! あああぁぁああっっっっ…!! イイよぉ……!! 御主人様のがぁ…私の中で暴れてるううぅぅっっっ!!!」 そして今日も、パチュリーは魔理沙を犯す。薬の効果で生やしたモノで、魔理沙の膣を抉り倒す。ベッドの上で魔理沙の体が跳ねる度に、じゃらじゃらと金属が擦れ合う音が聞こえる。 それは、魔理沙にかけられている、首輪に付けられた鎖の音。その首輪は隷属の証。 「ふうあっ…! 魔理沙の中、私をきゅんきゅん締め付けてっ……!! 最高っ…! もう、出ちゃううぅっっ……!!」 「ああっ……出して下さい……!! 私のイヤラシイ場所を…御主人様のお汁で満たして下さいぃ……!!」 「くううっっ………!!」 溜まりきった白濁を、魔理沙の膣に遠慮なく放出する。どくんどくんと襞が波打った。 「ああぁあぁああぁぁあぁぁああぁぁあああ………………!!!!!」 歓喜の涙を零しながら、魔理沙は達した。間髪入れずにパチュリーはモノを引き抜き、今度はそれを魔理沙の口内に押し込む。 「ふむぐっ……! ん………んん…♪ ちゅぷっ……ちゅぷっ……♪」 「綺麗にしてね」 「ふぁい……っちゅる……ちゅう………」 その後結局魔理沙の口内に射精したパチュリーは、ベッドに横になった。隣には、寄り添う様に魔理沙がいる。 「御主人様……」 魔理沙がパチュリーに声をかけた。 「ん…なあに…?」 「欲しいです……」 「…まだ、足りなかった?」 「いいえ、その……」 「…?」 何かを言いたそうな表情。しかし、パチュリーは何が欲しいのかは聞かない。自分から言い出すのを待っている。 「……私の…体にも……付けてください………ぁの……おち………ん………ちん………」 「…! …へえ…」 その言葉を聞き、パチュリーは思わず声を漏らした。これまで自分が魔理沙を責めていた時の男性器は、薬の効果による仮初めのモノ。しかし、それを魔理沙は自ら欲している。 (これは、やってみる価値がありそうね……) もし、薬の力でなく、魔理沙をふたなりに出来たなら? そう考えると、パチュリーは興奮した。 「出来るかどうかは分からないけど……やってみましょう」 「…ありがとうございます…御主人様…」 そうして、深い口付けを交わす。そのまま二人は絡み合い、全身で快楽を享受した。 「とっても素敵よ……魔理沙……」 「御主人様……すごいです………これが、男の人の………」 そして、それは完成した。薬に頼らない、完全に魔理沙の体の一部となったペニス。パチュリーの知識を総動員し、魔術などを駆使して、陰核と引き換えに出来た、特別のモノ。そこから出るものは、男性のものとほぼ変わらない。違うのは、白濁液に生殖能力が含まれていない事くらいだった。 「ふふ…どうしたの? 魔理沙…。どんどん大きくなってるわよ…?」 「ああ……御主人様…私、御主人様に見られて、興奮してます………!」 パチュリーが見る間に、どんどんと天を仰ぐ魔理沙の肉棒。その先から透明な液体が滲み出しているのが、はっきりと見て取れた。 「もうすっかり元気ね…さて、この節操無しのイヤラシイ勃起……どうしようかしら?」 ふっ、とパチュリーがモノに息をかける。それだけで、モノはびくんと震える。 「ひうっ……ああ…切ないですっ……! 御主人様…扱いて下さい…しゃぶって下さいぃ………!!」 先汁は既に溢れ、裏スジを伝っている。びくびくと上下に律動する肉棒が、その汁をモノ全体に行き渡らせた。 「そうねえ…私がやってもいいけど……自分でやってみなさいよ……」 「ふぇ……!?」 「出来るわよねぇ…? あなたは見られるだけで、こんなに濡れたり勃起したりする、淫乱な肉奴隷なんだから……」 じゅぷっ…! 「ああっ………!!」 パチュリーは魔理沙の秘唇に指を沈める。するとそこは、既に濡れきって、肉襞が充分にほぐれていた。 「さあ……おやりなさい……その手で…その指で…先汁にまみれた淫乱な醜い肉の棒を握って…擦って…扱いて…にちゃにちゃって音を立てて…もっともっと先汁をどぷどぷ溢れさせて………溜まった精液…全部吐き出しなさいっ! ぶちまけなさいっ! おしっこするみたいに、勢いよくっっ………!!」 ぐちゅうっ! 「ひああぁぁぁあぁあっっっ………………!! あう、うああ……!!」 指で魔理沙の膣を抉る。すると、観念した様に、魔理沙は自分のペニスを握った。 「そう、そうよ……そのまま…指を上下に動かして……」 「はっ…はいぃ……ふっ………ふううっっ………♪」 しゅこしゅこと、拙い動きでペニスに刺激を送る魔理沙の手。しかし、すぐに指と先汁が絡み合い、にちゃにちゃと音を立て始める。 「ふうあっ……! ああっ……すごいぃい…!! ぴくぴくするぅ……! 気持ちいい………!! 立ってられないよお………!!」 魔理沙はそのままベッドに仰向けに倒れる。しかし、手の動きは止めない。 「ふふ……とっても気に入ってくれたみたいね…。私も頑張った甲斐があったわ…」 パチュリーは満足そうに微笑むと、その唇を、先汁が噴き出す尿道口へと近付けた。 「ちゅっ……」 「!! っっっあぁあああーーーーーー!!!」 先端を啄ばまれ、魔理沙は仰け反った。しかし、手の動きは止めない。 「んちゅ……ん、ふむ……ちゅう……」 舌を使い、亀頭だけを舐り続ける、パチュリーの濃厚な愛撫。陰茎は、自分の手からの刺激。魔理沙のモノは破裂寸前だった。 「かひぃーっっっ……!! は、ひいいぃぃいい………………!!! ご、ごしゅじんさままああぁぁ…!! も、もう、ダメ、ダメですうううぅぅっっっ………………!!!!」 「ちゅふ…いいのよ…? 私に思いっ切り、かけてもいいのよ…?」 「あああっっっ………!! イッっちゃいますう……!!! どぴゅどぴゅ出ます………出しちゃいますううううぅぅ………………!!!」 ―――どくんっっ!! どぷんっ!! どくどくっっ!! びゅ、びゅううっっっ!!! 「んんんあああぁあぁあぁぁああああぁぁああああああーーーーーーーーー!!!!!」 「きゃああっ!? あ、ああっ! んんっ! んぐうううっっ………!」 勢いよく噴出する白濁液。その量はパチュリーの口には収まりきれず、顔だけでなく体全体に降りかかり、その体を白く染める。 「ふあああああ………………」 ぐったりとベッドに沈み込む魔理沙。ペニスの先からは、未だ出し切れていない白濁液の残滓が溢れ出していた。 「ほら魔理沙…休んじゃ駄目よ……私の体を汚したんだから、綺麗に舐め取って頂戴…」 「……あ……はぃ…申し訳ありません……御主人様…」 のろのろと起き上がり、パチュリーに近付く。 「んは……ぺろ………」 そのまま舌を使い、パチュリーの体に張り付いた精液を丁寧に舐め取る。 「あん……こってりしてぇ…取れにくいです……」 「何言ってるのよ…あなたが出したんでしょう? このいやらしい汁は…」 「あぁ…はい、そうです………ああっ…私、また…自分の、お汁を舐めてぇ……興奮してますぅ…♪」 パチュリーが見ると、魔理沙の肉棒は再び勃起していた。 「本当にあなたは淫乱ね……。また躾けなおした方がいいのかしら…?」 「はあっ…躾けて下さい…この淫乱で変態な私を……お願いしますぅ……♪」 「…そんな様子じゃ躾けても意味なさそうね…まあいいわ」 そう言うと、パチュリーは一旦魔理沙から離れ、ベッドに座りなおした。 「躾はどうでもいいから……私の方を何とかして貰える?」 くぱ… 「ぁ………」 パチュリーは、魔理沙の目の前で自らの割れ目を開いて見せた。そこには既に、きらりと光る蜜を湛えていた。 「あなたに舐められてたら…私も感じちゃった…」 「……御主人様……」 「挿れて…頂戴? 私のいやらしい穴に…あなたの滾るペニスを……」 「御主人様………!!」 魔理沙が抱きついてきた。パチュリーはそれを受け止め、そのまま舌同士を絡め合った。 「ここ…ですか? 御主人様…」 パチュリーが入り口に導き、魔理沙が狙いを定める。少し埋没させてみると、全身があわ立った。 「ふあ……柔らかい…ここだけで、イッちゃいそう…!」 「くすっ…それは、早すぎるわよ…?」 「はい…そうですね♪」 気を取り直して、魔理沙はモノを握る。そのまま腰を進め、少しづつ、ゆっくりとパチュリーへの侵入を試みる。 「くあっ…キツい、です……大丈夫、ですか…?」 「…ん、私、初めてなんだけど、優しくしなくてもいいわよ…? 一気に突き破ってもいいのよ…?」 「え…?」 「初めては魔理沙と、って決めてたんだもの」 そう言った時、魔理沙の目から一筋の涙が流れた。 「あ…どうしたの? 魔理沙…」 「ぇ…あ、何でもありません…ただ……その、嬉しくて…つい」 涙を拭いながら、微笑む魔理沙。その表情に、パチュリーの胸が熱くなる。 「泣かないで……さあ、私の初めて、貰って…? 私を、思いっ切り、貫いて……」 「はいっ……! ……っくうっ……!」 ずぶすぶと、パチュリーの膣に入り込んでゆく魔理沙の肉棒。パチュリーの顔が僅かだが歪む。しかし、それを悟られぬよう、努めて冷静に魔理沙に言う。 「ああっ…! もっと……奥、までっ……そうっ…そうよっ………」 「くっ……ううぅう………!!」 ずっ………ぶちぃっ… 「っっ!! っっかはあああ………!!」 「う、あああっっ……!!」 パチュリーの純潔の最後の抵抗が終わった。処女膜を突き破ったペニスは、勢いそのままにパチュリーの最奥を叩く。 「ひぃっ……くあっ……!! ああっ……魔理沙ぁ…!!」 「はっあ…入りましたぁ……御主人様ぁ……!」 結合部から、血が流れる。しかし、今の二人はそんな事に構っていられない。 「あっ……魔理沙の…硬くって……太い……!」 「御主人様…とっても狭いです…何だかすぐに、出ちゃいそう……♪」 「ふふ…いいのよ…出しても……私の中を、あなたのいやらしいお汁で満たして………!!」 「はい……出します…全部、出しちゃいますうぅ……♪」 ずっちゅ……ずっちゅ……!! 最初は緩やかだった腰の動きは、徐々に速くなってゆく。最初の方は少し抜き差ししただけでイッていた魔理沙だったが、段々と慣れてゆき、今ではパチュリーの膣に思う様自分のペニスを打ちつけている。対するパチュリーも、完全に魔理沙を受け入れ、押し寄せる快楽をその身に浴びていた。 「いああぁぁああぁああ!! あっっ! あああっっ!! 魔理沙あっ! いいっ!! 気持ちいい………!!」 「御主人様ぁっっ!! すごいですっっ…!! 御主人様のが絡み付いて…私を離してくれませんっっ……!! ああっ! またぁっっ………!!」 びゅくっっ!! もう何度目かになる、膣内射精。それでもなお、挿入を止めない魔理沙。そして、パチュリーもそれを止める事はしない。恥骨がぶつかり合う度、ぎゅぶぎゅぶと結合部から膣内の精液が押し出され、溢れ出し、肉棒に絡み、シーツを汚す。 「いっぱい……いっぱいなのっ……!! 私のお腹、魔理沙のでお汁でいっぱいなのっっ………!!」 「ああっ…! うああぁぁあああ………!! またっ…またイクっっ………!!」 「っっっ……!! 私もっ……もう、駄目っっ………!!!」 「「っっああああぁぁああぁあぁああああぁああああぁあーーーーーーーーーっっっっ!!!!!」」 どぷっ………………!! ………………ごぽぉっ……………… 一際大きく痙攣して、二人は同時に達した。そのままベッドに倒れ込み、いつしか二人は眠りについたのだった――― 「……ん………ふあ………?」 違和感で、魔理沙は目を覚ました。何だか、アソコが熱いような――― 「………!! あっ!? ああっ…!? ご、御主人様っ…!?」 「んっ……ふうっ…! あっ……あら………お早う、魔理沙…」 パチュリーが、魔理沙に跨り腰を振っていた。魔理沙の意識が覚醒し、快楽が全身に広がる。 「御主人様…何を……!?」 「んふふ…起きてみたら、あなたのコレが苦しそうだったから……楽にしてあげてるのよ?」 「え…それは……!」 それは、所謂男の朝の生理現象。魔理沙に止められるものではないのだが…… 「ほら…我慢しちゃ体に毒よ? 早く出しちゃいなさい?」 「うあっ……! あうっ…!」 どくっ! 「ふああ……! ………いっぱい、出したわね……」 「は、はいぃ……」 ずる、とモノを引き抜くパチュリー。割れ目とペニスの間を、白い糸が繋いだ。 それから。 「んむ……魔理沙……」 「ふむぅん……御主人様ぁ……」 二人は、何度となく交わった。肌を擦り合い、肉を絡み合わせる悦楽の日々。 「うふふ…立派なペニスね、魔理沙……」 「御主人様のも…びくびくと脈を打っていて…素敵です……」 パチュリーも、魔理沙と同じく自分にも男性器を付けた。その方が、セックスをするのに便利だと思ったからだ。魔理沙を犯し、時に魔理沙に犯される。パチュリーは、その行為に大きな悦びを感じた。 「ほら…魔理沙と私のペニスをくっつけて………んっ!」 「あっ…御主人様の…硬くて、熱いです……ふうんっっ!」 立ったまま向かい合い、互いの肉棒を擦り合わせる二人。それぞれの先汁が混じり合って、糸を引いている。 「動くわよ………んっ……ふうっ……!」 「ひあっ…! 擦れるよぉ……! 気持ちいいよぉ……!!」 ちゅっ、ちゅっ、くっちゃ…くっちゃ…… 痛い程に勃起したモノを擦り合わせる為に、腰が動く。不規則に動くソレがぶつかり合う度、喘ぎが二人の口から漏れる。 「ほらっ…! これならどうっ……!?」 ぎゅうっ! 「!! あああっっ!!」 パチュリーの右手が、魔理沙と自分のモノを握りしめ、扱きだす。そして、左手は、魔理沙の乳房を捏ねくる。 「あっ…! また、硬くなったわよ……! 魔理沙……!!」 「うああーーっっ!! だ、だってぇ……!!」 「んふっ……気持ちいい………!!」 「そんなに強くっ……したらぁっ…!! おっぱい出ちゃうううぅぅっっっ………………!!!」 ぴゅっ……ぴゅうーっ……!! そして、魔理沙の乳首から、白い液体が噴出した。 「あはっ…魔理沙のミルク……出ちゃった………!」 「きゃふううぅぅうぅう………!! ああああっっ………!!」 「ん…甘い……」 パチュリーは、ちゅぱちゅぱと音を立てて魔理沙の乳首を吸った。 「きゃうんっっ!! お、おかしくなっちゃう……!! 気持ちよすぎるのおぉ………!!!」 「…んちゅ…そろそろ、イッちゃうんじゃない? 魔理沙…」 「は、はい……!! イッちゃいます………!! もうっ……出ますっっ………!!!」 どびゅっ…!! びゅるぅっ…!! 「ああぁぁああぁあぁぁあああああーーーーーーーーー!!!!!」 噴き出した魔理沙の精液が、パチュリーに降り注ぐ。 「あっは……エッチなお汁…いっぱいかかっちゃった………………あっ…そろそろ私も………!!」 どくんっ!! ぶぶっ! ぶっ!! 「うあ………!! すっごい……!!!」 「ぁぁあぁああああ………御主人様のが……私に……!!」 少しして、パチュリーも発射する。魔理沙の体も、同じ様に精液にまみれた。 「はあっ………魔理沙ぁ………♪」 「えあぁ………御主人様ぁ………♪」 愉悦の表情を浮かべ、涎を垂らしながら、舌を貪りあう二人。精液まみれの体などお構い無しに抱きしめ合い、深く長い口付けをする間に、今度は互いの花弁を重ね合わせ始める。 「んちゅぱあっっ………♪ んああっっ………魔理沙ぁ…♪ 愛してるぅ……♪」 「くちゅっ…ふぅんっ……♪ えふぅ………御主人様ぁ…♪ もっと、もっと犯してぇ……♪」 二人だけの、愛欲の宴。終わらない、淫欲の舞踏。互いの体に刻みつける、肉欲。 弄り、舐り、嬲り、擦り、繋がり、重なり、交じり、喘ぎ、疼き、扱き、絡み、求め、責め、咥え、濡れ、蕩け、欲し、満たし、射精し、達し、感じ、侵し、冒し、犯す。 ただ一つの、愛だけを糧にして――― 了 <後に書く例のアレ> 音符じゃなくてハートマークを使いたい………それはさておき(ぉ ええと、またしても色々とスイマセン。最後の方が特に壊れています。私が。 最早、裏最萌も糞も無いですな。 直接表現(『ペニス』等)と間接表現(『花弁』等)では、どちらの方が良いのでしょうか? 両方使っておいて今更何ですが… 書いた駄阿呆:謎のザコ
https://w.atwiki.jp/yukue/pages/392.html
拝啓 僕の最愛の元ご主人様へ ご主人様、お久しぶりです。僕のこと、覚えているかな? 思い出せば、マーがご主人様とお別れしてから、もうすぐで1年が経つね。 ご主人様は、マーに初めて出会った日の事、覚えているかな? あれは2年前の秋の終わりだったよね。御主人様がまだ新米トレーナーだった頃。 僕の最初のご主人様と、あなたがトレーナーになって2匹目に手に入れたホルビーとの交換で 僕と初めて出会ったんだよね。あの時僕は本当に嬉しかったよ。 なんてったって、僕が生まれて間もなく、最初のご主人様の元にやって来て以来 ハクダンシティから殆ど外の世界に出た事がなかったからね。 そして、あなたの仲間になってからの日々は本当に毎日毎日楽しい事ばっかりだった。 本当に色んな所にいったよね。そして、沢山のトレーナーやジムリーダーを相手に、 厳しい戦いを繰り返してきたからこそ、ご主人様は僕と共に強くなれたんだよね。 マーもそんな幸せな日々が永遠に続くと思っていたんだ。でも、そんな日々も長続きはしなかった。 御主人様が、あの日あの時あんな身勝手な事しなければ、僕は今こんな目にはあわなかったんだよ。 ねえ。ご主人様。最後に質問するけど、僕がマーとお別れした日の事は覚えているかな。 ある日を境に、ご主人様はファイアローという最強の鳥ポケモンを仲間にして以来、 僕はボックス送りになり長い長い眠りについた。僕と御主人様がお別れしたのはそれから僅か1か月後だったよね。 あの日、1ヶ月ぶりにボックスからご主人様の手持ちに戻った僕が連れて行かれた場所は、 僕の生まれ故郷の22番道路だった。1年ぶりに故郷に帰ることが出来た僕はとても 懐かしい気持ちになったよ。 でもご主人様、もう一度よく考えてみてください。 あの時、どうしてこんな僕をさよならの言葉何一つつげずに捨ててしまったんですか。 やっていい事と悪い事がたくさんあるはずです。 いくら僕が弱いポケモンだからって、ポケモンを粗末に扱うにも程があるんじゃないか。 世の中には、廃人トレーナーで溢れているこのご時勢、あなたにとっては こんな僕ただ一匹の生命などどうでもいいと思ってるかもしれないけど、 今の僕はこのままでは野生ではとても生きていけそうにない。 餌も中々手に入らないし、いつか飢え死にするかもしれない。 あなたの愚かな行いで、僕がこんな散々な目にあっていることをいつまでも忘れないでください。 僕は今でも、御主人様がいつか22番道路に迎えに来てくれる事を待っています。 カモネギ(NN マー)より
https://w.atwiki.jp/tatiagare/pages/11.html
三大御主人様に忠誠を誓った愚民・下僕たちが最低一週間に一回、会合をお互いの忠誠を確かめるために開いている会合がある。 それが椿姫愚民の会である。 実際は只のドMの免罪符である。 三大御主人様 椿姫? 蒼姉? 抹茶? メンバー 会員ナンバー 01α(会長) Athame
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/3012.html
『ゆっくりメイドはゆっくりできる?』 36KB 愛で 制裁 飼いゆ 希少種 現代 愛護人間 独自設定 暇つぶしにどうぞ ゆっくりメイドはゆっくりできる? ・希少種愛で 通常種制裁 考証という名の独自設定山盛り ネタ被り御免 ・現代 飼いゆ 飼い主 野良ゆ他 HENTAI? ・ゆ虐に心奪われた存在の初投稿です。暇つぶしにどうぞ。話のネタにしてくれたら幸いです。 さくやの朝は早い。 「御主人様」が起きる前に、朝食の準備や洗濯を済ませてしまう。 とはいえ、それらの作業の大半は、前日の内に「御主人様」が用意立ててあった。 「ゆっくり」であるさくやには複雑な作業に用いる手足は無い。 さくやに出来るのは、口にくわえた棒で機械のボタンを操作するだけの作業。 残りの工程も機械が仕上げてくれる。 一通りの操作が終わると、さくやは「御主人様」の枕元に向かい、時を待つ。 チック タック チック タック…… 床に置かれた懐中時計の針を、物音ひとつ立てず見つめるさくや。 その向こうには「御主人様」である青年男性が安らかな寝息を立てている。 チック タック チック タック…… 時を刻む針先が頂点を指した瞬間、さくやの口が開いた。 「ごしゅじんさま、あさでございます。おきてください、ごしゅじんさま」 うるさくない程度に、はっきり通る声で「御主人様」に起床を促す。 だが、「御主人様」の瞼は閉じたままである。 「しつれいします」 さくやは「御主人様」の枕元に上がると、耳元で同様に話しかけるが、反応は無い。 「ごしゅじんさま、ちこくしてしまいます。おからだのぐあいがわるいのですか?」 再三の呼びかけに答えない「御主人様」を不安に思ったさくや。 そこで「御主人様」の耳を、さくやは甘噛みして、軽く引っ張ってみた。 ぐぁばぁっ!! 瞬間、「御主人様」の身体と布団が爆ぜたように跳ね上がる。 さくやは「あっ」と言う間もなく、力強い腕に拘束された。 「おはよう~。さくや~。今日もかわいいなぁ。こいつぅ」 「おはようございます。ごしゅじんさま。ちょうしょくができあがっています」 「御主人様」のすーりすーりは、伸びかけの髭の感触がゆっくりできない。 それを、さくやは嫌な顔どころか、ゆっくりとした表情で受け止めていた。 「もう少し、さくやとこのまますーりすーりしていたい。時間は大丈夫。ダメかな?」 「まあ、ごしゅじんさまったら。しょうがないおひと。ぽっ」 「ゆっくりしていってね!!!」 主従はその体勢のまま、ゆっくりと熱のこもった時間を過ごした。 ゆっくりさくやは希少種である。 野生ではれみりゃ等の捕食種と共生している目撃例がわずかに見られる程度で、 通常種とは決して生活を共にすることは無く、繁殖方法なども謎とされていた。 研究では、さくや種は「主(あるじ)」を満足させないとゆっくりできないという習性が確認された。 自分が認める「主」を見つけ、生涯尽くすことがさくや種のゆっくりなのである。 捕食種ゆっくり以外には人間だけが「主」として認められたことも、研究の大きな成果である。 特別な教育をするでもなく、確実に金バッジを取得できる能力を備えた知性と記憶力。 自分が認めた「主」の不利益を決して犯さない従順さ。 通常種を凌駕する運動能力と、四肢は無いものの正確な作業ができる器用さ。 さくや種は飼いゆっくりとして最適であった。 ただし、面倒もある。 時に能力以上の献身も辞さないさくや種は人気も非常に高いが、 「主」を満足させられなければゆっくりできないという本能を消すことはできなかった。 ゆっくりできなくなったさくや種は新たな「主」を求めてさまようか、最悪自害に及ぶことも。 希少種保護の観点からも、現在は購入者の素状と適性を確認された上で購入権が与えられ、 お目通りを経たうえで初めて主従関係を得ることができるのである。 その価格はまりさつむりを超越し、自動車に匹敵する高額となり、一般人には高値の花である。 それなんてファ○ィマ? 「さくやー。醤油とってー」 「はい、ごしゅじんさま。しょうしょうおまちください」 さくやがキャップ式の醤油差しを咥え、ちゃぶ台の上で向きを変える。 料理が並んだちゃぶ台の上で決して派手な動作はしない。 「どうぞ、ごしゅじんさま」 「ありがとう。さくやにはいつも助けられるよ」 「さくやは、ごしゅじんさまのちょうあいをうけられてしあわせですぅぅ」 正直言って「御主人様」は、さくやの手を借りるほど生活には困ってない。 さくやに勤まる仕事をタイミングを図って与えているにすぎない。 あくまで「御主人様」は、さくやの「飼い主」なのである。 この「御主人様」、実のところ只の2年目会社員である。 住まいは寮の名を借りた安アパート築20年物の1階で、扶養家族無しの一人暮らし。 もちろん、この「御主人様」に、さくや種を買う程の経済的余裕は無かった。 興味本位で買ったゆっくりくじの特賞で、さくや種の無料購入権を獲得、 招待されたお披露目会でさくやに認められて「御主人様」になってしまっただけなのだ。 さくやスキーの同僚は血涙を流して悔しがっていたが。 「ごしゅじんさま、でざーとに、ぷでぃんは、いかが、でしょうか……?」 自身の無さげな様子でさくやが問いかけてくる。毎食のことだ。 さくやの言う「ぷでぃん」とは、さくや種が「主」に供する、プリンによく似た食物。 体内から分泌される「ぷでぃん」を「主」に召し上がって頂くことは、さくや種の最大級の喜び。 人間では再現不可能な至高の美味であるが、不思議と「主」以外が食した場合は美味くない。 さくや種の「ぷでぃん」を美味しく食べられるのは、「主」だけの特権なのだ。 だが―― 「……すまない。もう少し、時間をくれないか……」 「いいんです、ごしゅじんさま。さくやは、いつまでも、おまちしております」 さくやをそっと抱きしめる「御主人様」。 葛藤を受け止めるように、さくやは静かに抱きしめられていた。 (ス○トロはレベル高すぎだよ……) 「ぷでぃん」は排泄物である「うんうん」とは全く別の物質であったが、出る場所は同じだった。 偶然とはいえ、「御主人様」になったからには仕方が無い。 さくやができる範囲の「仕事」を作成して、暇が発生しないようにするのが役目だ。 食後の洗い物をしている間、洗濯物をたたむ「仕事」を与える。 乾燥機付き洗濯機なので、さくやのモチモチ肌を荒らす心配は無い。 この「仕事」に関しては「御主人様」よりも上手にできるので、褒めがいがある。 やることがないと、ゆっくりできなくなる。 さくや種はある意味やっかいな習性を持っていたが、「御主人様」は心から楽しんでいた。 一手間は増えるが、自分に尽くしてくれるというのは、悪くない。 さくやが「やかた」と呼ぶこの安アパートの一室は、主従だけのゆっくりぷれいす。 主従は充実した毎日を送っていた。「ぷでぃん」の件以外は。 (いつか「ぷでぃん」を食べる日が来るんだろうか……) 一般的な青年である「御主人様」は、未知の世界への不安を払拭できないでいた。 「それじゃさくや、行ってくるよ。ゆっくりお仕事がんばってね!」 「いってらっしゃいませ、ごしゅじんさま。ゆっくりぶじをおいのりしています」 「御主人様」を見送れば、さくやは言いつけられた「仕事」に取り掛かる。 まずは「館」の掃除。主に床をゆっくり用の道具で念入りに行う。 地面を這うゆっくり視点は、床掃除に非常に役に立つ。家具の隙間のホコリも問題なしだ。 その時、さくやの視界の隅に、蠢く存在があった。 「そこっ!!」 次の瞬間、さくやが咥えていたハンドモップが空を切り、黒光りする「りぐる」を潰していた。 昼時までかけて掃除を完璧に仕上げれば、昼食の時間。 「御主人様」が自分のために用意してくれた食事は、一日の楽しみのひとつである。 「ゆっくりいただきます」 基本的にさくや種は粗食で、甘い物でも辛い物でも何でも食べられる。 このさくやも、朝夕は「御主人様」と同じ食事を取り、団欒を楽しむのが至高の幸せである。 平日昼間は「御主人様」は仕事中なので、前もって用意されている食事を1頭で取る。 さくや種の為に調整されたゆっくりふーどに加え、「御主人様」の簡単な手料理。 さくやが特に「おいしい」と感じた種類の料理ばかりである。 「ご、ごしゅじんさまぁぁっ!! さくやは、さくやはしあわせ~~でございますぅ~~!!」 たとえ1頭だけの食事でも、「御主人様」を感じることができる。 さくやは毎日嬉し涙を滲ませながら食事をとるのだ。 午後は一流ゆっくりトレーナーがプロデュースする、さくや種専用の教材DVDでお勉強。 小学校高学年程度の一般教養と、一般生活に必要な知識と実践。 さくや種はこれらを自分で見て、吸収できるのである。 初級編全6巻BOXセット。定価73500円。「御主人様」の財布は軽い。 以下中級編・上級編・奥義編も好評発売中。「めいどみち」は果てしなく続いていた。 ガサッ! ガサガサッ!…… さくやは聞きなれない物音を聞きつけた。隣の部屋からであった。 壁に身体を密着させ、音を聞き分ける。密着面積が広いほど聞こえがいい。 「……ちぇー、やっぱしけてやがる。金目のもの、金目のもの……」 これは、いわゆる「どろぼうさん」というにんげんさんでは!? 隣のお兄さんとは明らかに違う声。さくやは、論理的に推理した。 さくやにとって隣のお兄さんはあくまで「御主人様」の隣人。尽くす相手ではない。 しかし、不正行為を見逃したとあっては「かんぜんで しょうしゃな めいど」の名折れ。 意を決したさくやは、「ソレ」を用いる決意をした。 「もしもし、けいさつですか?」 結局、さくやの通報で隣室に押し入った泥棒は現行犯逮捕。 アパートの人間が出払ったのを見て侵入したのはいいが、ゆっくりの存在を失念してたらしい。 さくやは玄関先で警察官の簡単な事情聴取に応じた。 後日「御主人様」を加えて警察所で聴取をうけることになり、会社の「御主人様」に連絡をとる。 「さくや! さくや! ケガはなかったかい、ざぐやーっっ!!」 「さくやもおへやもいじょうありません。あんしんしてください、ごしゅじんさま」 自らの身を一心不乱に案じてくれる「御主人様」の声に、さくやは喜びが隠せない。 それでは、と現場を離れる警察官も、癒されたような表情で引き上げていった。 再び静けさが戻る「館」。もう日も暮れかけている。 (ごしゅじんさま、ほめてくださるかしら) さくやが玄関に上がると、目に入ったキッチンの光景に愕然としてしまった。 「な……!!」 異変が、そこにあった。 汚れた床。散らかった調理器具。食い散らかされたような食料品。 さくやは教材DVDの一般教養を思い出していた。 部屋のほうから物音が聞こえる。まず間違いない、「やつら」だろう。 さくやは「支度」をすると、部屋に入る。開口一番―― 「ゆっくりしていってね!!!」 「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」 条件反射的に、返事が返ってくる。食料を貪っていた「ゆっくり」全てを確認できた。 部屋にいたのは黒帽子の成体まりさと赤リボンの成体れいむ、子まりさと子れいむの計4頭。 薄汚い野良ゆっくりの不法侵入。どこかしらである日常の光景だ。 油断した――!! さくやが警察の現場検証と事情聴取を玄関先で応じた隙に、 コイツらは裏手の窓を破って侵入していたのだ。 荒らされた「館」の姿。さくやの感情が昂り、無意識に歯噛みする。 「おまえたち、よくも、よくも、ごしゅじんさまのやかたをあらしてくれたわね!」 「ゆへへ~ん、ここはまりさとれいむのゆっくりぷれいすなんだぜ!! さくやはふほうしんにゅうっ、なんだぜ。ゆっくりしないで、はやくきえてね!」 「めいどごっこであそんでいるさくやだよ。れいむはこそだてでたいへんなんだよ! れいむとおちびちゃんにあまあまもってきてね。いますぐたくさんでいいよ!!」 「「いますぐたくさんでいいよ!!」」 さくや種は通常種を嫌悪する。無力で脳無し、欲望は底無しで迷惑極まりなし。 自分よりも優秀な、仕えるべき「主」の姿の真逆。 そのような存在に使役を命じられるなど、さくやにとって屈辱そのものである。 「いますぐやかたからでていったら、せいっさいはしない。はやくきえなさい!」 これ以上「館」が汚れるのは許せず、さくやは寛大な警告を行う。 が、返ってきたのは嘲笑と侮蔑であった。 「ゆひゃーひゃひゃひゃひゃっ!! さくやがせいっさい! する、のぜ!? やくたたずのくずは、まりさがいまっすぐ、せいっさい! するのぜ!!」 「あまあまをもってこないやくたたずのさくやはいますぐしんでね!!」 「おとーしゃん! さくやなんか、しゅんっさつ! なんだぜ!」 「せいっさい! せいっさい!」 やくたたず。さくや種に脈々と引き継がれた、禁断の言葉である。 自分より強い存在に自らを委ね、服従と奉仕を約束し、寵愛されることでゆっくりを得る。 それを否定された瞬間、さくや種は例外なく自分の制御ができなくなってしまう。 「主」に宣告されようものなら、致命的である。 数秒以内に「主」が宣告を撤回しないと永遠にゆっくりしてしまうのだ。 そして、「主」とその周囲を脅かす害敵に言われた場合は、 何者であろうとも容赦も怯みもしない。徹底的に排除を行う。 「やくたたずのくずさくやは、まりささまのいちげきでしぬんだぜ!!」 ぽよんっ、とさくやに向けて体当りを仕掛けた親まりさ。 眼下のさくやが潰れるいめーじが湧き上がり、会心の笑みを浮かべてしまう。 そして、さくやが消えた。 「ゆっげぇぇっ!!?」 次の瞬間、轟音を立てて押し入れの襖に大穴が開いた。 カウンター気味に入ったさくやの体当りをまともに受けた親まりさは、 何が起こったのかも分からぬまま、押し入れに叩きこまれたのだ。 「ま、まりさぁぁぁ!? どこいったのおぉぉぉぉ!!??」 「おと、おとーしゃ? き、きえたのぜぇぇぇぇぇ!!??」 「せいっさい! せいっさ……ゆんやぁぁぁぁぁぁ!!??」 親まりさの勝利を疑わなかった家族も、思わぬ事態に思考が追い付かなかった。 喚き散らす3頭は、身近に迫る危機に気づかない。そして、 「ゆっぎゃぁぁぁぁぁっ!? れいむのびゅーでぃーなおがおぁっぁぁぁぁっぁ!!」 「のじぇぇぇぇっ!? いぢゃぃぃっぃぃ!!」 「ゆっぴぃぃぃぃぃぃっ!! うぎょけにゃいぃぃぃっぃ!!」 3頭同時に、さくやが口から放った大量の竹串に差し貫かれた。 竹串はゆっくりの身体を貫通し、身動きを不自由にした。 先程、台所で行った「支度」は、「せいっさい!」に使う道具の携帯だったのだ。 隠し持っていた竹串で、3頭の糞饅頭を串刺しにしたさくやは、次の武器を装備する。 さくやは、冷静であった。 子まりさは恐怖した。さくやが自分に近づいてくる。 「ゆびゃぁあぁあぁあぁぁ……!!」 さくやの揺ぎ無い怒りがにじみ出る姿に、自分を見つめる冷たい目に、口に咥えた「ソレ」に、 子まりさは湧き上がる恐怖を留めることができない。 逃げることはおろか、身動きもできない。おそろしーしーを垂れ流すしかできない。 「しょ、しょれは、なんなのじぇ~~~っ!?」 とてつもなくゆっくりできない雰囲気の、さくやが咥える「ソレ」の正体を問う。 さくやは答えなかった。そして、子まりさを見降ろすさくやは口に咥えた「ソレ」を、 「みーとはんまーさん」を、身体全体を用いて振り上げ、子まりさに叩きつけた。 ブチャッ! ブチャッ! ブチャッ! ブチャッ! ブチャッ! ブチャッ! ブチャッ! 「ゆ゛ぎゃあ゛っ!!」 「や、や゛べぢっ!!」 「ゆ゛る゛じぶっ!!」 「みーとはんまーさん」で殴られる度に、歪に変形していく子まりさの身体。 許しを乞うも、さくやは淡々と、冷たい眼差しで作業を繰り返す。 「でいぶのおぢびぢゃんがぁぁぁぁぁっ!! やべでぇぇぇぇぇぇ!!」 「おねぇしゃ、ゆぶぶ……」 親れいむが泣き叫び、子れいむが餡子を吐く。飛び散るおそろしーしー。 さくやは無言で作業を繰り返す。返り餡を浴びてもお構いなしだ。 一撃殴られるたび、衝撃が身体全体に響きわたり、子まりさは悶絶した。 眼球が飛び出してしまった。身体中の穴から餡子が噴き出していく。 無限に続くこの上ない苦痛の中、子まりさは、ただ願った。 (は、はやく、ころしちぇ……) 結局、子まりさは身体を餃子の皮のように引き延ばされてしまうまで、 永遠にゆっくりすることを許されなかった。 さくやは餡子に塗れた「みーとはんまーさん」を捨て置くと、次の獲物に向き直った。 子まりさの近くにいた子れいむである。 「ゆ、ゆぶぶぶ……!!」 「ぼうやべでぇぇぇぇ!! おぢびぢゃん、にげでぇぇぇぇ!!」 子れいむは口から吹き出る餡子で言葉が紡げなかった。 逃げようにも身体が何本もの竹串で貫かれ、思うように動かす事が出来ない。 さくやが近づいてくる。その口には得体の知れない「アレ」が、 職人手作りの「おろしがねさん」が構えられていた。 「ゆぶっ!! ゆぶっ!! ゆぶっ!!」 「アレ」の使い方は子れいむには分からなかったが、ゆっくりできない雰囲気は感じ取れた。 必死にもがくも、逃げることはできない。母親の悲鳴が恐怖を助長する。 「アレ」が身体に押し当てられた。ひどくチクチクした、次の瞬間、 ズーリズーリズーリズーリズーリズーリズーリズーリズーリズーリズーリズーリズーリズーリ 「ゆびゃじdじchづいfひfぺじsうぁdp@あqbbづpfvjmヴぃえfっぁびあんヵ」 体表の広範囲が削り落される激痛に、餡子を吹きながら身悶える子れいむ。 たちまち床に細かく分解された子れいむの身体がばら撒まかれていく。 「お、お、おぢびぢゃぁぁぁん!! だれがおぢびぢゃんをだずげでぇぇぇ!!」 母れいむの声に答える物は無い。ただ子れいむの濁った悲鳴が切れ目なく響くだけだ。 さくやは子れいむの身体を削っていった。餡子ごと、竹串ごと。 子れいむは中枢餡をおろし金でずーりずーりされたところで、ようやく発狂できた。 「でいぶのおぢびぢゃんがぁぁっぁぁっぁぁっぁ!!」 子れいむの身体があんよを残して粉々にされたところで、さくやが作業を止めた。 餡子で目詰まりした「おろしがねさん」が床に放り投げられた。 こちらを向いたさくやと目が合った。冷たい眼差しに親れいむの餡子が冷えてゆく。 「で、でいぶは、じんぐるまざーなんだよ。が、がわいぞう、なんだよ」 親れいむはゆっくり理解していた。次は自分の番なのだ。 さくやが近づいてくる。その口に咥えられた、親れいむに向けられた、 刃渡り10cmの「ぶれっどないふさん」の輝きがまぶしい。 「ご、ごべんなざいっ! ごべんなざいぃっ! でいぶは、でいぶはっ!」 親れいむは必死に命乞いをする。波打つ刃が身体に触れたことにすら気づいていない。 さくやは押し当てた刃を力強く構えたまま、親れいむの周囲を跳ね回り始めた。 シュルシュルシュルシュルシュルシュルシュルシュルシュルシュルシュルシュルシュル 「ゆ゛ぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っっ!!」 ブレッドナイフの波打った刃は、パン生地のような柔らかい物を「切る」ことに特化している。 押し当てて、「引く」だけで容易く刃が入っていくのだ。 親れいむの身体が、見る見るうちに横縞の切れ目で覆われていく。 絶え間なく続く、身を引き裂かれる激痛に、親れいむの悲鳴も切れ目なく続く。 「ゆ゛っ、ゆ゛っ、ゆ゛っ、ゆ゛っ、ゆ゛っ、ゆ゛っ……」 全身の皮が散々に切り刻まれた頃には、親れいむは虫の息であった。 切り傷の長さ分、深さ分、存分に激痛を味わいつくし、身悶えするたびに餡子が漏れていく。 (た、たすけてぇぇ……) 刃を避けた左目が、さくやの姿を捉えていた。目が合った。 「ぶれっどないふさん」を放し、こちらに向かって勢いよく向かってくる。 (ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!) 親れいむは、さくやの冷酷な眼差しに恐怖し、心の中で悲鳴を上げ続けた。 自らの身体が、さくやの体当りで爆ぜ散るまで。 ぶちゅぁっ!! 親れいむの身体が一瞬でバラバラになり、部屋中に飛び散った。 (ゆひぃぃぃぃぃぃぃ……!!) 押し入れに放り込まれた親まりさは、自らの家族が目の前で姿を失っていくのを、 恐怖に震えながら見ていた。 幸いにして餡子の漏れるケガはなかったが、自分の身の可愛さゆえ、 家族を助けることも、悲鳴を発することもできなかった。 さくやは後ろを向いたまま動きを止めていた。このまま気づかれなければ―― ガタッ! ガタンッ! 身震いする身体が押し入れの荷物に触れ、転がり落ちた。 ゆっくりと、さくやがこちらを向いた。 「ゆっ……ゆぎゃぁぁっぁっぁぁぁっぁぁぁ!!!」 返り餡にまみれたさくやのその姿に、刺すような眼差しに、親まりさは悲鳴を上げた。 さくやは「ぶれっどないふさん」を拾い咥えると、ゆっくり押し入れに向かった。 「く、くるな! くるなっ! あっぢへいげぇぇぇぇっ!!!」 逃げようと、押し入れの中で親まりさが跳ね回る。狭いので、あちこち身体をぶつけてしまう。 そして、その拍子で、安普請の襖が折れ曲がり、外側に倒れていった。 予期せぬ事象に、さくやの一瞬思考が停止し、反応が遅れた。 慌てて後ろに飛びずさろうとするが、飛び散っていた餡子の塊にあんよを取られてしまい、 バタンッ 逃げ切れず、床と押し入れの襖に挟まれて、動きを封じられた。 「ゆぐぐ……」 またしても、油断した。さくやが歯噛みする。 間をおかず上から圧力を受けた。鈍い痛みがさくやの身体を走る。 「で、でられたのぜぇ!! さ、さくやは、どこいったのぜぇぇぇ!?」 親まりさが襖の上に飛び乗ったのだろう。それが動くたび、鈍痛がさくやを襲う。 通常種を超える身体能力を持つさくやでも脱出できない。 「ゆ、ゆぐっ……!」 「な、……なんの、こえだぜぇ?」 親まりさの動きが止まった。足りない頭で状況をゆっくり理解しようとしているのか。 突然、強い衝撃がさくやの身体を打った。 「ゆっへっへっへっへっへっへっ! いいざまなんだぜぇーっ!!」 「ゆぎゅっ! ゆぎゅっ! ゆぎゅっ!」 襖の上で親まりさが垂直に跳ね跳んでいるのだ。さくやは悶絶するしかない。 絶え間なく続く衝撃。その度に口元からプリンが漏れる。 さくやは気がつくと、目の前にこちらの様子を伺う親まりさがいた。 「ざまあみろ、だぜ! さくやごときが、まりささまにかてるわけがないのぜ!」 「ゆぐぐぐ……」 口からプリンを吐き、悶えるさくやに向かい合う、親まりさの勝ち誇る姿。 さくやは散々痛めつけられ、口惜しくも身動きが取れなかった。 「まだまだ、これからなんだぜぇ! おなじようにしてやるんだぜぇ!」 そう言うと親まりさは、床に落ちていた「ぶれっどないふさん」を咥えた。 その威力を十分に知るさくやの表情が強張り、細かく身震いする。 「くらえ、なんだぜぇ!!」 「ゆぎゃっ!!」 不器用なナイフさばきで振るわれた刃が、さくやの頬を切り裂いた。切り口からプリンが溢れる。 続けて繰り出さていく刃に、さくやの身体が見る間に傷ついていく。 「そろそろ、とどめなんだぜぇ!!」 深々と傷つけられ、プリン塗れのさくやの姿に満足した親まりさが、再度、襖の上に飛び乗った。 切り刻まれたさくやの体は、もはや抵抗する力は残っていなかった。 ただ、ただ、身を震わすだけであった。 「れいむと、おちびたちの、かたき! しねぇ! だぜ!!」 親まりさの身体が襖の上で高く跳び上がった。 このまま着地すれば、さくやの身体は砕け散ること必至。 親まりさが勝利を確信し、笑みを浮かべた、その瞬間―― 「てぇめぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」 会社を早退してきた「御主人様」の、駆けつけた勢いそのままに振り抜いた右足が、 宙に浮いた親まりさの顔面を捉えた。 グワッシャァァァァァァァン!! 「ゆっべぇぇぇぇぇぇぇっ!!」 親まりさは一瞬にして「館」から姿を消した。窓には大穴が空いていた。 「さくや! さくや! しっかりしてくれ、さくやぁぁ!!」 「御主人様」は無残な姿のさくやを両手に抱いた。部屋の惨状から事態は察することができる。 さくやは、この「館」を、身を呈して護っていたのだ。 「……ご、しゅじん、さま……」 「さくや! 喋らないで! すぐに医者を呼ぶから!」 さくやの身体から、止めどなくプリンが流れている。動かす事もままならない。 「……もうしわけ、ありません。さくやは、だめな、めいど、です……」 「そんなことない!! そんなわけない!! さくやは、立派に戦ったじゃないか!! 死ぬな! 死なないでくれ! さくや!!」 「御主人様」は泣いた。大粒の涙を流した。 涙がさくやに落ちるたび、温もりを感じるように、さくやが微笑んでいく。 「……やっぱり、ごしゅじんさまには、さくやがついていないと、だめみたい、ですね……」 「そうだよ、俺は、さくやがいないとダメなんだよ!!」 さくやの声が力を失っていく。喪失感が「御主人様」の身を覆う。 何とか命をつなぎ止めねば、さくやの生きる気持ちを刺激しなければ。 「そ、そうだ! さくや! ぷでぃんを用意してくれ!! お願いだ!!」 「……ぷでぃん、ですか……」 「さくやのぷでぃんが食べたいんだ! だから、死ぬな! 死なないでくれ! さくや!!」 「御主人様」はさくやの「ぷでぃん」を今まで食べなかったことを、心から悔いた。 さくやと一番の喜びを分かち合えなかった事を、心から悔いた。 だから「御主人様」は、お互いに心残りだった「仕事」を、さくやに与えた。 「……かしこまりました……しょうしょう……おまち……くださ……」 その言葉を最後に、さくやの身体から力が抜けた。身動き一つしない。 ただ、傷口からプリンが滴り落ちるだけだった。 「おい!? さくや!! さくやぁ!!」 呼びかけても反応がない。ゆすっても反応がない。 物言わぬ物体となったさくや。 その状態が指し示す事実が「御主人様」を悲しみで満たす。 「ざぁぐぅや゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!!」 「御主人様」の絶叫が、安アパートを揺るがした。 「……かえってきたんだぜぇ。まりさのゆっくりぷれいすに……」 親まりさは、かつて「おうちせんげん」をした安アパート前の駐車場で呟いた。 あの時、さくやに「せいっさい!」をしていたと思っていたら、いつのまにか道端に転がっていた。 得体の知れない体験に、頭がどうにかなりそうになり、親まりさは住んでいた公園に逃げ帰った。 日にちが経つにつれ、ケガがある程度回復したことで落ち着きを取り戻した親まりさは、 改めて「ゆっくりぷれいす」に赴いた。 あれだけの深手を与えたのだ。さくやは今頃永遠にゆっくりしてるだろう。 そうは思っても、中枢餡に焼きついた恐怖はぬぐい去れなかった。 だから、近隣の野良ゆっくりを出来るだけ集め「ゆっくりぷれいす」に戻ってきたのだ。 口車に乗せられ同行した野良ゆっくり達の数は100頭を超えている。 安アパートとはいえ、外から見ればゆっくりにとって巨大な建物。 野良ゆっくりの群れが、ゆっくりした生活を夢見て湧き上がった。口々に親まりさを称えた。 これならさくやはおろか「にんげんさん」も恐れるに足りない。 「まりさがみんなのおさなのぜ!! ゆっくりついてくるのぜ!!」 「「「「「「「「「「ゆっくりついていくよ!!!」」」」」」」」」 群れの意思はひとつだった。全ての野良ゆっくりが親まりさに恭順している。 万感の想いを込めて、親まりさが安アパートに向けて一あんよを踏み出した、 その時だった。 「そのきたないあんよをとめなさい! うすぎたないのらども!!」 その声に、声を発した物の姿に、親まりさの身体が硬直した。 野良ゆっくりの群れがどよめく。 「さ、さ、さくやぁぁぁぁ!?」 親まりさは目を疑った。あのさくやが「ゆっくりぷれいす」の前にいる。 力強さを感じさせるその姿に、「せいっさい!」で受けた傷など一つもない。 混乱する親まりさをよそに、野良ゆっくりの群れは色めき立っていた。 親まりさから聞いていた「ゆっくりぷれいす」の邪魔者に敵対心をあらわにする。 「みょん! さくやはさくやだけだみょん! しまつするみょん!」 「そうよ! おさのとかいはなゆっくりぷれいすをとりかえすのよ!!」 「ぐずのさくやはれいむのまえからはやくきえてね! いますぐでいいよ!!」 威勢のいい野良ゆっくり達に押されるように、親まりさも気を取り直す。 今こそ、家族を永遠にゆっくりさせられた恨みを晴らす時だ。 「さくやをみんなでせいっさい! するんだぜぇぇぇぇ!!」 「「「「「「「「「「ゆおぉぉぉぉ!!!」」」」」」」」」 親まりさの号令のもと、群れが一斉にさくやに向けて動き出した。 しかし―― 「ゆっくりしていってね!!!」 「「「「「「「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」」」」」」」 本能に刷り込まれた習性に基づき、その声がした方向に、後方に一斉に向き直る群れ。 その声を発したその姿に、群れの全てがどよめいた。 「やかたをあらすふとどきものどもめ! いますぐうせなさい!!」 「「「「「「「「「「ゆげぇ!? さくやっ!!」」」」」」」」」」 親まりさが、群れ全体が混乱した。 なぜ、襲いかかろうとしたさくやが、後ろにいるのだ、と。 「さ、さくやはあそこなんだぜ! とつげきだぜぇ!!」 訳の分らぬまま、群れに指示をだす親まりさ。 訳の分らぬまま、親まりさの指示に従う群れ。 それも―― 「ゆっくりしていってね!!!」 「「「「「「「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」」」」」」」 さらに別の方向からの声で、動きを御されてしまう。 そこにいたのは、 「うせなければ、ただちにせいっさい! する!」 「「「「「「「「「「ゆげぇ!? さくやっ!!」」」」」」」」」」 やはり、さくやだった。 さきほどと全く同じように、驚きの声をあげる野良の群れ。 「あ、ありのまま、いまおこったことをはなすのぜ……! まりさはさくやにせいっさい! しようとしたらあいさつされて、 あいさつしたら、そこにさくやがいたのぜ!」 「な……なにをいってるのかわからないよー、とおもうけど、 ちぇんもなにをされたのかわからないんだよー!」 「あ、あたまがどうにかなりそ……」エレエレエレエレエレ 「さいみんじゅつだとか、ちょうすぴーどだとか、 そんなちゃちなものじゃあ、だんじてないみょん! もっとおそろしいものの、へんりんを、あじわったみょん!」 群れ全体が恐慌状態に陥った。 得体の知れなさに、回頭する野良ゆっくりもいたが、そこにもさくやがいた。 3頭のさくやが、野良ゆっくりの群れを囲んでいた。 さくやを失った「御主人様」は絶叫していた。 絶叫しているうち、自らの手に抱いていたさくや死骸が動いたのを感じ、我に返った。 「……さく、や……?」 返事は無い。ただ、死骸が、死骸の体内が動いているのを、確かに感じる。 まさか、これが―― そういえば。さくやを迎える前に受けたある注意事項を、今頃思い出した。 「御主人様」は、さくやの死骸をちゃぶ台の上に置き、息を飲んで見守っていた。 確かに死骸が動いている。はっきりと分かる。 これが、そうなのか――? そして、ついに、 さくやの死骸から、さくやの赤ゆっくりが生まれた。 1頭だけではない。2頭、3頭と生まれた。 生まれたばかりの3頭の赤さくやは、「御主人様」に向き直るとそろって産声を上げた。 「「「ごしんぱいをおかけしました、ごしゅじんさま。ゆっくりしていってね!!!」」」 「……ああ、ゆっくりしていってね!!!」 「御主人様」は再び涙を流した。その涙は歓喜に満ちていた。 単性生殖。 単為生殖や、無性生殖とも。 一部の希少種ゆっくりが備える繁殖方法である。 さくや種は、他のゆっくりと「すっきりー」し、子孫を残す事はない。 人工授精もことごとく失敗した。精子餡で受精することが不可能なのだ。 さくや種同志で人工授精を試みるも、「ぺにぺに」も精子餡も存在しなかった。 「主」に仕えることが至上のゆっくりであるさくや種にとって、子育ては邪魔なだけである。 そう結論付けたさくや種は、生殖機能を自らの保護機能として機能させることに成功した。 老いや致命的な負傷で命の危険に晒された時のみ、さくや種は自らの胎内で子を宿す。 永遠にゆっくりする直前までの記憶を引き継いだ子は、まさに生まれ変わり。転生体であった。 転生した子供は、古い身体等を食べて急速に成長、わずかな時間で単体で活動できるまでになる。 さくや種は命尽きても転生を続け、「主」が永遠にゆっくりするまで身を捧げ続けるのである。 「とはいっても、3頭とはね……」 有給で長期休暇をとっている「御主人様」は、物陰からさくや達を見守りながら呟いた。 相談に乗ってくれたゆっくり研究の権威である、大学教授の言葉を思い出す。 さくや種の転生においては通常1頭分しか生まれない。 極めて希に双子のように2頭で転生し、3頭での転生はほとんど確認できないという。 ぜひ研究させてくれ、と言った教授の偏執的な表情から、その貴重さが伺い知れた。 「それはともかく、本当に大丈夫なのか? さくや達に万が一があったら……」 「館」の前に姿を現した野良ゆっくりの群れは、さくや達が自ら始末をつけると言うのだ。 危ないから、と制止しても、さくや達はゆっくりできなくなって泣きだすばかり。 終いには「むのうな、めいどですぅぅぅ!」と自害しようとするので、仕方なく、 「館」を護れ、と命じたのだ。 見守る「御主人様」の両手にはとバールのようなものと携帯ガスバーナー。 腰には模造刀の大小二振りと激辛調味料その他。「ヒャッハー!」の準備は万全だった。 いつでも飛び出せる用意はあるが、圧倒的な数の差に、「御主人様」の不安が募る。 「ま、まずはゆっくりぷれいすをとりかえすんだぜ! じゃましているさくやを、かたづけるんだぜぇ!!」 「「「「「「「「「「ゆおぉぉぉぉ!!!」」」」」」」」」 親まりさの号令で、群れは「館」に向けて動き始めた。 「館」の前で身構えるさくやに向かって、1頭のようむが突出した。 「いっきがけだみょん! かくごするんだみょん!!」 このようむ、元々銀バッジの飼いゆっくりであったが、暴力的な性質が現れて捨てられた。 元飼いゆのプライドと粗暴な振る舞いで「ここうのぶとうは」を名乗っていたが、 その実力に目を付けた親まりさに口説かれ、「ようじんぼう」として群れに帯同していた。 ようむはさくやに向かって飛び、空中で隠し持っていた錆びだらけの牛刀包丁を口に構えた。 ギザギザに欠けた刃が、さくやに振り下ろされる。 「ろーかんけんに、きれぬものなど、あまりない、みょん!!」 眼下のさくやが真っ二つになるいめーじが湧き上がり、会心の笑みを浮かべてしまう。 そして、さくやが消えた。 シュパッ! 「ちん、ぽぉっ!?」 的を外して着地した瞬間、ようむは左側からさくやに深々と斬りつけられていた。 さくやの口には、自らの自慢の武器「ろーかんけん」よりリーチが長い、 美しく輝く「やなぎばほうちょうさん」が横凪ぎに咥えられていた。 「ち……んぽ?」 何故? 「ようじんぼう」のようむはこの身に起こった不可思議な事態について、 シュバッ! シュバッ! シュバッ! シュバッ! シュバッ! シュバッ! シュバッ! 「ちっ!?」 「んっ!?」 「ぽぉっ!?」 「っっ!?」 「……?」 「……」 自らの身体が次々と切り刻まれバラバラになるまで考えても、ゆっくり理解できなかった。 「うわぁ……」 「御主人様」はその光景を固唾を呑んで見守っていた。 ようむに襲われた瞬間、さくやはようむの右側に素早く跳んだ。さくや達は揃って右側に跳んだ。 そのまま野良の群れの周囲をぐるりと飛び跳ねながら、一斉に「やなぎばほうちょうさん」を装備、 一方向に飛び跳ねる勢いそのままに無防備なようむを代わる代わる斬りつけ続けたのだ。 視界から急速に逃れる動きに対し、通常種ゆっくりではまず反応しきれない。 運動能力の高いさくや種のサイドステップなら尚のこと。 さくや達のステップに怖れを抱くように、野良の群れは身を寄せ合い固まり始めた。 やがてそれらの動きは、惑星の周囲を衛星が回転するがごとく、駐車場に円を描いていく。 「御主人様」は、その光景を、ただただ固唾を呑んで見守っていた。 「よ、ようじんぼ~っっ!?」 「「「「「「「「「「ゆひゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」」」」」」」」」」 崩れ去ったようむの姿に、群れを統率しているまりさが絶叫し、群れ全体が悲鳴を上げる。 さくや達の連続した高速運動は、ゆっくりの素早い動きに対してゆっくりできない本能を刺激し、 俗に言う「きめぇまる効果」を生み出していた。 「ゆっぐりでぎなぃぃぃぃ!! だれがでいぶをだずげでぇ~~~!!」 「わからないよー! ぜんぜん、わからないよぉぉぉー!!」 「お、おさぁぁぁぁ! どうにかするんだぜぇぇぇぇぇぇ!!」 恐慌した野良達には、さくやが3頭どころか無数に分身したように見えている。 その全てが、「やなぎばほうちょうさん」を咥えて、冷たい視線で見つめてくる。 群れの長である親まりさはただ恐怖にすくみ上がるばかりで、 何の指示を出すこともできず、群れの中心に陣取ったまま、ブルブル震えていた。 「じかんぎれだわ」 「やかたをあらすごみくずどもは」 「せいっさい! する!!」 さくや達の死刑宣告と共に、無数の回転する刃が群れに近づいてきた。 群れの悲鳴のボリュームが上昇する。 「ご、ごんなの、どがいばじゃないわぁぁぁっぁぁぁっ!!!」 半狂乱になった成体ありすが、ゆっくりぷれいすに背を向けて群れから飛び出した。 飛び出した瞬間、成体ありすの身体は切り刻まれた。カスタード餡が群れに降り注ぐ。 「「「めいどひぎ さつゆんどーる!!!」」」 群れの外縁部から、ゆっくり達が、切り刻まれていった。 逃げようとするゆっくりも、身代りに押し出されるゆっくりも、無謀な戦いを挑むゆっくりも、 怯え震えるゆっくりも、命乞いをするゆっくりも、発狂したゆっくりも、事切れたゆっくりも、 善良なゆっくりも、下衆なゆっくりも、親ゆっくりも、子ゆっくりも、赤ゆっくりも、 デスループの内側にいるゆっくり達は、例外なく切り刻まれていった。 「どぼじでごんなごどにぃぃぃぃぃぃぃ……」 飛び散るゆっくりの身体と餡子の中、親まりさは恐怖に身震いしていた。 ゆっくりぷれいすに戻ってきたことを後悔し、涙と「おそろしーしー」を漏らしていた。 もはや残った群れの数は、自分も含めて10頭もいない。 さくやに切り刻まれて、永遠にゆっくりさせられるのは、時間の問題だった。 「ごのぐずおざぁぁ!! なんどがずるんだぜぇぇぇっ!!」 「でいぶのおぢびぢゃんがじんだのは、ぐずおざのせいだよぉぉぉぉっ!!」 「わがるよーっ! おざはむのうなんだよ! わがるよーっ!!」 生き残っている群れの全てが、泣き叫びながら親まりさに敵意を向けていた。 このままでは、さくやに切り刻まれる前に、生き残りの野良にバラバラにされてしまう。 手段は選んでいられない。意を決した親まりさは周囲の野良達を次々と突き飛ばした。 「お、おざぁぁっぁっぁ!? なにずるのぉぉぉぉ!?」 「どぼじでうじろがらおざれでいるのぉぉぉぉぉ!?」 「わがらないよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」 次々と切り刻まれる野良達。 邪魔な野良が始末されたのを見計らって、存分に肥えたでいぶを突き出す親まりさ。 そして、でいぶに向けて自らも跳躍した。 「ゆっけぇぇぇぇぇぇ!!」 ぼよよんっ 「ゆびゅうぅぅぅっ!!」 親まりさはでいぶの身体を踏み台にし、ひときわ高い跳躍に成功した。 この高さと距離なら、回転するさくやを飛び越えられる。 「おそらをとんでるみたい!!」 親まりさに会心の笑みが浮かんだ、その直後、 「ゆぎゃあぁぁぁっ!!?」 身体に走る鋭い痛みと共に、親まりさは元の場所にはじき返されていた。 あんよが斬り裂かれ、焼けるように痛む。 さくや種は古来より木の上など高所に営巣する捕食種と共生してきたのだ。 そこを行き来できるほどの跳躍力は、通常種の常識を超越する。 でいぶを踏み台にした程度の通常種の跳躍など、簡単に捉えられるのだ。 起き上がれば、親まりさ以外の野良ゆっくりは、全てバラバラに飛び散っていた。 目の前に刃が迫っていた。さくやの冷たい眼差しが迫っていた。 絶望が、迫っていた。 「ご、ご、ごべんなざぃぃぃぃぃっ!!!」 手遅れだった。 シュバッシュバッシュバッシュバッシュバッシュバッシュバッシュバッシュバッシュバッ 「ゆるじでkぁんうえあびbふぉあうぇsrdtygfでwrfgsヴぉpsっ!!!」 親まりさの身体は、3つの刃にゆっくりと刻まれ、微塵となるまで激痛に包まれた。 全ての野良ゆっくりが形を失ってようやく、さくや達が動きを止めた。 「さぁくぅやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」 「御主人様」は、獲物を捨ててさくや達に駆け寄る。返り餡まみれの身体は身動き一つしない。 「さくや! さくや! しっかりしてくれ、さくやぁぁ!!」 この間と同じだ。二度とさくやを失いたくないのに。 3頭のさくやを抱え上げる「御主人様」の頬に涙が伝う。 「……やっぱりごしゅじんさまは、さくやがついてないと、だめですね」 「……ちょっとつかれてうごけないだけです。あんしんしてください」 「……ごしゅじんさま。さくやは、ぞんぶんに、はたらけたでしょうか?」 さくや達の声は確かに疲れていたが、弱々しくは無かった。 大丈夫だ。「御主人様」は確信できた。 「ああ、ああ、さくやは、さくや達は、俺には勿体ない、最高のメイドだよ!!」 「御主人様」は、満面の笑みを浮かべた。心からの喜びを感じていた。 それを感じたのか、さくや達も、満面の笑みを浮かべた。 「ありがとうございます。さくやは、さくやたちは」 「ごしゅじんさまだけの」 「かんぜんで、しょうしゃな、めいどです」 主従達が微笑み合う。ゆっくりした時間が流れる。 「それで、ぷでぃんは、いかがしましょうか?」 「ごしゅじんさまの、おすきなときに、ごよういいたします」 「いますぐでもかまいません。わたしたちはよろこんでおうけいたします」 さくや達は、しっかり覚えていた。与えた「仕事」を。 「御主人様」は、ただ、ただ、苦笑いするしかなかった。 直後、駐車場の管理人にたっぷりと絞られ、さくや達と共に日が暮れるまで掃除に明け暮れた。 疲れた身体で味わう「ぷでぃん」は、至高の美味だった。 完
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/987.html
38 :魅惑のヤンデロイド ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/16(日) 00 43 37 ID NGbYBcv8 『魅惑のヤンデロイド』 「おじいちゃん、メイドさんが欲しい!」 いつだったろう。小さな頃、僕は洋画が好きで、祖父にこんなことを口走っていた気がする。 日本では見かけない――最近は喫茶店にパチモノが横行しているが――メイドさんという存在。 僕は子供ごころながら、その魅力に取り付かれていた。 「だからって、学校で『エマ』を読んで良い理由にはならないわよ、高雅(こうが)」 「エマは良い。つつましやかなメイドの魅力がつまっている……!」 「だからって一巻につき三冊持って来て布教したら周囲にも不快だろうがだあほっ!!」 ごぼっ! 息がやばい! お前のパワーで俺がヤバイ! 俺、『高雅(こうが)』にスリーパーホールドをかけているこの乱暴者は、幼なじみの『恋(れん』。 オレの理想とするメイドとは似ても似つかないほどにがさつな女だ。正直、興味ないね。 メイド喫茶でバイトをしているらしいが、こんなやつの働く店には行く気にもなれん。 さらにいうなら、メイド喫茶の存在自体が俺にとってはあえて言おう、カスであると。 なんだ、あのカラフルなメイド服。なんだ、あのふりふりの媚びたエプロンドレス。なんだ、あの短いスカート。 つつましやかで、控えめで、御主人をたてる健気さがメイドの良さだろうが! それを勘違いした馬鹿どもは、われ先にと金儲けのためにあんな『わかってない』施設を作りやがる。 ったく、世の中くさってんな。 二次元の世界でも同様だ。 流行りだからって、メイドだしゃいいってもんじゃねーぞ。 まずはロングスカートじゃないやつ。そいつまず除外だからな。 さらに、ロングスカートを、武器を隠すためにつかっているやつ。もはやグレーだね。 俺くらい心が広くなければ、あれも即死だろう。メイドの道というのは、それほどにおくが深い。 39 :魅惑のヤンデロイド ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/16(日) 00 44 07 ID NGbYBcv8 「さっきからなにアホなことぶつぶついってんの! もう放課後よ!」 おっと、トリップしていたようだ。恋に殴られたときには既に今日の授業すべてが終わっていた。 「さっさと帰るわよ、ほら、立ちなさい」 「あ、ああ」 恋に腕を引っ張られて無理矢理立たされる。 ああ、メイドさん欲しい。 恋は世話焼きだ。親が不在の俺をいつも気遣って、お越しに来てくれて、朝飯と、弁当を作ってくれる。 部屋だって片付けてくれる(これは余計なお世話だといえるかもしれないが)。 行動自体には感謝している。幼なじみとして、恋はすばらしい女だと言える。たぶん、誇って良い。 しかし、こいつのしている俺への世話は、極端に乱暴だ。 俺がこいつに抱いている不満はその一点。 メイドさんと同じような役割を果たしてくれているくせに、心はガサツな幼なじみ。 ここ、治らないかな? 「ちょっと、なに人の顔じろじろみてんのよ……」 恋はつんとして目をそらした。なぜか顔が赤い。 「いや、もうちょっとおしとやかなら良い女なんだがな……って思って」 「え……そう、かな……?」 ん、なんか変だな。てっきり「余計なおせわよ!」とか言って殴られるかと思ったが。 「やっぱり、あたし。乱暴、かな……。もっと、女の子らしくしたほうが良いかな……」 しゅんとして下を向く恋。まずい、悲しませてしまったか。 40 :魅惑のヤンデロイド ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/16(日) 00 44 43 ID NGbYBcv8 急に罪悪感が沸いてくる。空気をよめないことで定評がある俺だが、他人を傷つけて平気なほど面の皮は厚くない。 「い、いや、そんな無理して変わる必要はないし、それに俺個人の意見だからさ! ……ほら、別に俺の好みってマイノリティだし、合わせても得はないぞ!」 「……あんたにあわせなきゃ、意味無いわよ」 ぽそりと呟いた恋。 俺にはその声は小さすぎて届かなかった。 恋はそれっきり黙りこくってしまった。 「と、とにかく。俺の家、あがれよ! 茶菓子くらいは出すからさ!」 俺の家の前についたとき、俺は意を決してそう提案した。 恋の機嫌をそこねると、俺の日常生活もやばい。 俺には全くといって良いほど生活力が無い。なんだかんだで、恋なしには生きていけない。 「最初からそのつもりよ。あんた、覚えてないの?」 「なにを……?」 「今日、あんたの誕生日でしょ! あたしがごちそう作ってあげるから、最初からあんたの家に上がるつもりだったっていってんの!」 「そ、そうか! そうだったな! なら、今日は久々にどんちゃん騒ぎに……」 家の扉のノブをつかむと、違和感があった。 「あいてる……?」 「あんた、また鍵かけわすれたの?」 「いや、そんなことは……まさか、泥棒か?」 「やだ、ちょっと、やめなさいよ」 俺は恋の制止を振り切って、ドアを開けた。 俺の家にはたくさんのメイドさんフィギュアが眠っている。価値を知らない素人に傷をつけられては大変だ。 41 :魅惑のヤンデロイド ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/16(日) 00 45 13 ID NGbYBcv8 「……だれか、いるのか?」 ――もしくは、いたのか? 心の中でそう付け加えて、家の中に入る。 緊張する。他人の家みたいだ。 すり足で家の中を進む。あまり荒らされた印象は無い。 「お帰りなさいませ」 「びやああああ!!!!」 いきなり背中から声をかけられ、馬鹿みたいな大声をだしてしまった。 「ちょっと、高雅! どうしたの……!」 恋もどたどたと追ってくる。 「あわ……あわわ……」 俺は腰が抜けて動けない。 侵入者はそんな俺に徐々に迫ってくる。恐怖で目を開けられない。 「高雅!! このっ……高雅に、手を出すなぁ!!!」 恋が侵入者に飛び掛かった――っぽい音がした。 「きゃ!」 どたんと何かが投げ飛ばされて床におちる音がした。たぶん、恋だ。 「失礼。急に攻撃をかけられたので、反射的に」 ……ん? 冷静になってみると、それは女の声だった。若くて、綺麗で、透き通った声。 少しずつ、目をあけて見る。 「……!?」 そこには、メイドが立っていた。 まぎれもない。否定しようがないその佇まい。 まさに、メイド。それ以外のことばでは表現できない。 メイドだった。 42 :魅惑のヤンデロイド ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/16(日) 00 45 44 ID NGbYBcv8 「改めてご挨拶いたします。私は博士――あなたのおじい様によって製作された、人間型.Yarn.D.Ray.スーツ.オートタイプ『YDR-001A.コロナ』と申します。御主人様、お帰りなさいませ」 『コロナ』は、そう言うと床に三つ指ついて丁寧なお辞儀をした。 完全に計算された動作だった。 「とにかく、椅子に座ってくれ。俺らだけテーブルってのは、目覚め悪いだろ」 「しかし」 「いいから。頼む」 「御主人様の命令なら」 そう言って、コロナはテーブルの、俺のむかいの席に座った。 隣には、なぜかぴくぴくと額を震わせて怒りをこらえている恋。居心地悪い。 「つまり、あんたはじいちゃんが俺のために送り込んできたメイドロボってことなのか?」 「はい。誕生日プレゼントであるとのことで、先日ロールアウトされたばかりのワンオフ機である私を高雅様に」 「つまり……コロナは、俺専用の。世界で俺だけのメイドってことか……?」 「はい、そうなります」 コロナはいまいち感情の表されていない顔で頷いた。 「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」 「なんだよ、恋」 「なんであんたは普通に納得してんのよ! もっと疑いの心を持ちなさい!」 「疑いって、この状況でそれ以上に適切な説明があったか?」 「あるでしょうが! この人が泥棒が見つかった言い訳をしている可能性とか、ただのストーカーがあんたに近づきたいがためについた嘘とか!」 「まさか。俺らを倒したんだから、そのまま逃げてもいいだろう。それに、俺なんかにストーカーがつくかっての。アイドルじゃあるまいし」 「……なら、しょーこ見せなさいよ! コロナとか言ったわね。あんたがロボットだっていう証拠はあるの!?」 恋は、俺に話が通じないとみると、今度はコロナを指差してまくしたてた。 「証拠、ですか」 43 :魅惑のヤンデロイド ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/16(日) 00 46 14 ID NGbYBcv8 「そう、証拠よ。ロボットなら、『らしい』ことができるでしょ。目からビームとか、大車輪ロケットパンチとか」 どこのマジンゴーだ。 「そういう武装はついていません。高雅様はそういうごてごてしたものがお嫌いとのことで、博士がなるべく人間らしく作ってくださいました」 「……なら、不審者じゃないって証明できないじゃないの」 「そこまで言うのなら……。恋様、『ターミネーター2』はご存知ですか?」 「当たり前よ」 「なら、その手法を使います。しばしお待ちを。包丁を用意します」 ここまできてやっと意味がわかった。 グロ注意ってことだ! 「ちょ、やめろって! コロナ、お前は俺が保証する! だからストップ! ウェイト! 分かるな!」 「御主人様の命令は特Aレベルの優先順位となります。よって、いかなる状況処理を無視してでも有効です。無論、従います」 ほっと胸を撫で下ろす。 いきなり腕の皮をはごうだなんて、マジ、やばい。 洋画でグロ耐性がついた俺でも、そういうのをリアルでみたらショック死しかねない。 「……まあ、いいわよ。高雅の誕生日を祝う人間が一人くらい増えても、ばちは当たらないもんね」 やっと恋は納得したようで、すっくと立ち上がった。 「もういいわ。とりあえず、誕生祝いのおいしい料理、つくったげる。待ってなさい」 そう言って、恋は俺の家におきっぱのエプロンをつけた。 「その必要はありません」 「……どういうことよ」 恋がコロナをキッと睨んだ。あまり良い感情を持っていないようだ。 「既に作ってあります。勝手ながら、御主人様が帰ってくる時間にあわせて料理を完成させていただきました」 コロナはキッチンにすたすたと入ると、その二秒後にお盆に大量の皿を載せて帰ってきた。 「……」 恋はあんぐりと口をあけて、言葉を失っていた。 俺もおなじだったろう。 44 :魅惑のヤンデロイド ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/16(日) 00 46 45 ID NGbYBcv8 「御主人様、お口に合うでしょうか」 「ああ、美味い! ロボットが作った料理ってどんなもんかと思ったけど、すげーよ! 恋とはえらい違いだ!」 「……くやしいけど、確かにすごいわ」 恋は悔しそうにしていたが、箸は進んでいた。 恋も料理は下手じゃない。むしろ、上手なほうだろう。しかし、コロナはその遥に上を行っていた。 「御主人様の賛辞が、私には最大の喜びです」 コロナはそう言ったが、顔は喜んでいない。最初から最後まで、全く同じ、作られたかのような綺麗な顔。 無表情。まるで、彫刻かなにかのようだ。 「他にも、御主人様のお部屋の掃除、庭の水やり、洗濯、お風呂掃除。全て完了しています」 「まじかよ。すげぇな」 そう言えば、妙に家がぴかぴかしている。 これがコロナの実力か。 全てが、恋とは違う。 「ははっ、こりゃ、もう恋はお払い箱ってやつか?」 「ぇ……」 恋が俺を見つめた。 その顔の衝撃を、俺は一生忘れないだろう。 「それ、ほんとう……高雅……?」 絶望。 その顔には、絶望という言葉そのものを形にしたようなものが表れていた。 まずい。まずいまずい。 恋は、いままでにも何回かこの状態になったことがある。 まずい。過去のトラウマが呼び覚まされる。 あれは、俺がクラスの可愛い子についていろいろ褒めていたときだったか。 「あたしは、もう、いらないの……?」 光を失った目で、そう呟いた。 そう、あのときと今は、全く同じ。 45 :魅惑のヤンデロイド ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/16(日) 00 47 15 ID NGbYBcv8 「い、いや、そういうわけじゃ……」 「そのとおりです」 ――いや、違う。 コロナが口を挟んだ。そう、今はコロナがいたのだった。 「恋様。あなたは御主人様のお世話をしていただいて、感謝しています。しかし、これからは私がその任務を引き継ぎます。あなたは、もう用済みということです」 一瞬、耳を疑う。 コロナは、恋に追い討ちをかけた。 馬鹿な。 「これからは、御主人様の全てが私に。私の全てが御主人様のものとなります。ですから、あなたはもう必要ないのですよ」 「そんな……そんな……あたしは……高雅の……」 恋は頭を抱え込み、ガタガタと震えだした。 「お、おい、恋。落ち着け……」 「高雅の……高雅が……全てだったのに……あんたなんかに……」 恋は震える手でキッチンに置いてあった包丁を握り、コロナに向けた。 虚ろな目。焦点が定まっていない。 「理解、できませんね。人間というものは。能力の無いものが捨てられるのは当たり前のことですが、それすら理解できないのですか?」 「あたしは……ロボットじゃない……! あんたとは、違う……!」 コロナは恋の唐突な暴走にさらに拍車をかける。 「違うのは当然のことです。私は御主人様のために存在するロボット。あなたとは違います。あなたのような役立たずとは」 「言うな……言うな……」 「おい、やめろ、コロナ!」 「……はい」 コロナはそれきり黙った。 が、包丁を持って興奮しきった恋は、収まりのつかない感情を暴走させたままだ。 「あたしは、高雅の……!」 包丁を突き出し、コロナに迫った。 46 :魅惑のヤンデロイド ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/16(日) 00 47 46 ID NGbYBcv8 「――ぁっ!」 俺が反応して叫ぶより早く、コロナは機械的反射速度で対応していた。 包丁を指ではさみこんで止め、そのまま奪い取り、空いた手で恋をつかんで床に組み伏せ、鎮圧。 そのまま包丁を突きつけた。 「やはり、あなたは御主人様には相応しくない。廃棄処分です」 そのまま包丁を振り上げる――まずい! 飛び込む。 「……間に合ったか」 「……こう、が……?」 「御主人様、なぜ……」 ギリギリで、恋に振り下ろされた包丁を掴んで止めることができた。 手のひらから血が大量に流れている。痛い。 けど、今は恋を守れたことに安堵を感じていた。 「恋……良かった」 「馬鹿、あんた、なんで、あたしなんか……!」 恋の目から涙が零れ落ちる。 ああ、わかったよ。はっきりいってやる。 俺だって、今始めて分かったことだ。 「俺はな、お前をメイドだとか家事手伝いだとか、そんな役割求めてねぇんだよ。……お前は、お前だろ。俺の幼なじみで、ちょっと乱暴だけど、時々可愛くて……俺の好きな女だ。恋、お前はそれでいいだろ……?」 「ぇ……?」 恋は涙でぐしゃぐしゃになった目を見開き、俺を見つめた。 「ほんと……? こーが、それ、嘘じゃないよね?」 「ああ、恥ずかしいけど、今気付いた。本心だよ」 「……う、うぅ……」 恋の目からさらに大量の涙が追加された。 「な、泣くほど嫌かよ……」 「ちがうよぉ……うれしいの……高雅に好きっていってもらえて、うれしいんだよぉ……」 それだけしぼりだして、恋はわんわんと泣き始めた。 ああ、めんどくさい女だ。 でも、なんでこんなにほっとけなくて――可愛いんだろうな。 47 :魅惑のヤンデロイド ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/16(日) 00 48 16 ID NGbYBcv8 「……すみませんでした」 泣き喚く恋をとにかく帰らせて、俺はコロナに手を治療してもらっていた。 「いや、かまわねーよ。俺があいつにとってた態度が悪かった。お前は、それを気付かせてくれたんだからな」 「……」 コロナは顔を暗くした。 とはいっても、少し角度を下げただけの、微細な変化。表情は変わっていない。 それでも、俺にはわかった。 コロナは、ただのロボットじゃない。俺達と同じ、感情がある。 なら……。 「反省してるなら、これからは恋にも優しくしてくれ」 「……」 コロナはこくりと頷いた。 「今日は、その傷ではお風呂には入れませんね。私が、身体をお拭きします」 「いや、いいって。自分でやるから」 「そうはいきません。ただでさえ身の回りのお世話は仕事ですから、この件は私の責任であって、これは絶対に私がやらなければならないことです」 ――俺の指示、したがってねーじゃん。 そう思いつつも、ここはコロナの仕事を遂行させてやろうという、一種の親心が勝った。 たぶん、それを見抜いたからコロナも断行しようとするんだ。 「では、上着を脱がせます。両腕をお挙げください」 「わかったよ」 丁寧に、しかしすばやく上着が脱がされ、俺は上半身裸になる。気恥ずかしい。 が、コロナはロボットだ。別に俺の身体が貧弱だろうが、メタボだろうが醜いなどとはおもわないだろう。 それに、俺は身体は鍛えている。自身はあるし、人に見せてもそうそう馬鹿にしたもんじゃない。 コロナは温めたタオルで俺の身体をこすった。絶妙な力加減だ。 48 :魅惑のヤンデロイド ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/16(日) 00 48 46 ID NGbYBcv8 「痛くないでしょうか」 「ああ、丁度いい」 「何よりです」 丁寧だというのにすばやく完了した。 「では、次は下を」 「そ、それは……」 「お願いします」 コロナの目をみると、断れなかった。 無表情だからかはわからないが、強い意志を感じる。自分の仕事に誇りを持っている。 「……」 俺はズボンを脱ぎ、椅子に座った。 「では、足をお拭きします」 タオルで片足ずつ拭いていく。鍛えて、筋肉がついた足。 妙にゆっくり、丁寧になぞっていくもんだから、なんだか俺も変な気分になる。 「終わりました」 不覚。妙な気分のままトリップしたのか、いつのまにか終わっていた。 「ああ、ありが――」 「では、トランクスも失礼します」 「――とぁ!?」 さすがにそれはないだろ! と、拒絶する前にコロナは素早く俺のトランクスを取り去った。 ああ……俺の股間のベストフレンドが、見られている……! コロナは無表情にそれをみて、タオルでいきなり触れた。 「――ぃ!?」 「御主人様、どうしました?」 「ちょ、おま……!」 「性器は最も大切な部位のひとつです。メンテナンスは念入りにせねばなりません」 メンテナンスって、そんな、俺は機械じゃないっすよコロナさん!? コロナが俺のマグナムをタオル越しの手で掴み、擦りあげる。 49 :魅惑のヤンデロイド ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/16(日) 00 49 21 ID NGbYBcv8 「ぐっ……ぁ……」 むくむくと、だらしのない俺のマグナムは硬化して天をさした。 「これは……」 「い、いや、違うんだ、これはなんていうか、人間としてしかたのないことであって……」 「存じています。勃起という現象です。陰茎が性交を求めるときに形態を変化させるものですね」 コロナは冷静にそこを凝視しながら、タオルを取って――急に素手で触った。 「おぉっ!? こ、コロナさん!?」 「御主人様の性処理も、私の仕事のひとつですから」 「ぉ……ぉあ……!」 冷たい手でしこしこと扱きはじめる。 そう、コロナの手は冷たかった。しかし、肉感はあり、人間味はある。 そのギャップが、また快感を促進する。 「これは……カウパーというものですね」 いつのまにやら、俺の我慢汁が溢れていて、コロナの手を汚していた。 上下に動かすたびにぐちゅぐちゅと卑猥な音がする。 ああ、やばい……。やばすぎるぜ……。 ぺろり。 「――っ!?」 俺の身体が跳ねた。 コロナさん、何舐めてんすか!? 汚いっすよ!? 「いえ、御主人様の体液が私の一番の好物となるように、味覚が設定されています」 そう言って、コロナは俺のモノをくわえこんだ。 おいおい、マジやばいって。口の中、あったかくて、濡れてて、やばい……。 ぐちゅ、ぐちゅ。 リズミカルに頭を上下させ、コロナは俺のマグナムを口で喜ばせていた。 口の中では、舌が活発に動いて舐めあげ、カウパーを一滴残らずに掠め取る。 「まずい……もう、出るから、やめ……!」 って、やめてって言って、やめてくれる雰囲気じゃないっすよね。ははっ……。もう、諦めたぜ。 50 :魅惑のヤンデロイド ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/16(日) 00 51 11 ID NGbYBcv8 「はい、やめます」 って、おい!! 逆にビビるわ! この展開なら、エロマンガとかだとごっくん路線だろ! 「私の擬似性器の性能テストも兼ねて、御主人様にはこの中で射精してもらいます」 コロナは俺を強引に押し倒し、床に押さえつけて馬乗りになった。 そして、ロングスカートを両手で上げる。 「……!?」 俺は、信じられないものを見ていた。 完全な人間の身体が、目の前にあった。 っていうか、コロナさんパンツはいてないんっすか? 「私は、骨格こそメカですが、外皮はほとんど人間と同じです。性器も、その生殖機能以外はほとんど精巧に再現されています。……失礼、再現されている、『はず』です。テストプレイも行わず、ここで性能テストするのですから」 そう、完全な人間の身体。いや、俺は童貞だから正直初見だが。 知識にあるそれとは同じ。 俺の目の前に晒されているコロナの股間には、確かに無毛のピンクの割れ目があったし、そこからは液体が流れて俺の服にしみを作っていた。 「では、始めます」 「お、おい……!」 有無を言わさず、コロナは俺のモノを掴んで固定すると、そこに一気に腰をおろした。 「……うぐっ」 コロナが始めて表情をゆがめた。一瞬だけだったが、痛みに顔をゆがめたのだ。 「おい、血が……」 「そうですね。擬似血液ですから、行為に支障有りません」 つらそうな顔をしていうなっての。 「では、続行します」 俺の上に乗っかったまま、コロナは腰を上下させ始めた。 やばい、やばすぎる。俺の股間に、全身に、すさまじい快感が走る。 ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ。 コロナが身体を上下させるたびに、卑猥な水音が響く。 51 :魅惑のヤンデロイド ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/16(日) 00 51 50 ID NGbYBcv8 「……御主人様、快感を感じますか?」 「……不覚にも、ロボットに欲情しちまってるよ、俺。情けない限りだ……」 「そうですか。嬉しい、です」 コロナの腰がピクリと震え、きゅうきゅうと膣がしまった。 「今、軽いオーガズムに達しました。私の感度は高めみたいですね」 無表情。息が若干速くなっている程度の変化。 しかし、その頬は確実に赤く染まっており、その身体は熱を帯びていた。 コロナの性交の機能は、精巧だ。駄洒落じゃないが。 「しかし、まだ御主人様の番はまだです。続行します」 そうだな。なぜか、俺はなかなか射精できなかった。 メイドさんの同人誌で散々オナニーした時はこうじゃなかったが。なぜだ。 ……もしかして。 「……んぁ!」 やっぱり。 今、俺は腰を突き上げて自分からコロナの奥に挿入した。俺の快感は上がった。 やはり、能動的にならないとだめだったか。 しかし、不可解なのは、コロナが嬌声を上げたこと。 さらに激しく攻め立てる。 「ぁっ、あぁ! ……御主人様、はげしっ……! そんな……! だめっ……だめじゃない、訂正します、だめじゃないですっ!!!」 連続で突き上げられてよがっているコロナは、さっきまでとは全く違う、表情豊かに喘いでいた。 「そんな、私が、こんなっ……はしたないっ! ……私は、メイドロイド……こんな……!」 「そんなことないぞ。お前も、可愛いよ」 「……っ!? ひぁ……ん、ああああああああああああああ!!!!!」 俺の声が起爆剤になったのか、コロナは盛大に叫びながら身体を逸らし、びくびくと振るえた。 「あ……あぁ……また、御主人様より先に……申し訳、ありません……」 涙と涎(のような液体)で顔をぐしゃぐしゃにぬらしながら、コロナは俺に何度も謝った。 52 :魅惑のヤンデロイド ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/16(日) 00 52 20 ID NGbYBcv8 「いいって、そのほうが人間らしくて可愛いぞ」 「か、可愛い……? 私が、ですか? 恋様ではなく?」 「……恋も、お前も、違うだろ。それぞれ必要な部分はあるし、可愛いとこも違う」 「……」 コロナは、無言になって一瞬硬直した。 「御主人様、恋様と、恋仲になるおつもりですか?」 「それは、まだよくわからない」 「なら、恋様は諦めてください」 「……?」 「この行為の全部は私の中で映像としても、音声としても残っています。ロボットに欲情したという事実を、私は誰にでも公開することができます」 「……お前」 「言ったはずです、私は御主人様の全てであり、御主人様は私の全てです。恋様……いえ、あんな雌猫は、必要ないのです」 「コロナ、お前、一体……」 「このデータを公開すれば、御主人様の社会的な評判は一気に落ちるでしょう。ロボットと性交など、獣姦と変わらないですから。ですから、これを秘密にして欲しければ、私以外と絶対に性行為をしないでください」 「ど、どうして……!」 「私とて、御主人様の信用が失墜するのは耐えかねます。しかし、御主人様がずっとこの家にいてくださるということは、私の存在価値が完全に発揮されるということですから」 コロナはゆっくりと、つながったままの性器同士をまたこすりあわせ、上下運動を始めた。 「私にはどう転んでもよいのです。御主人様が私のものになってくださるか、御主人様が私以外の全ての他人から軽蔑されてしまうか。それだけの違いです。私は、そのどちらの未来でも御主人様を唯一支える存在となります。選ぶのは、もちろん御主人様です」 ぐちゅぐちゅと、また激しく動きはじめる。 上着のボタンをはずし、胸も露出した。大きく、肉感的だ。 上下するのにあわせて、ぶるぶると揺れる。 53 :魅惑のヤンデロイド ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/16(日) 00 52 52 ID NGbYBcv8 「さあ、はやく私に射精してください……♪ これで、御主人様は私のもの……」 あたまが、痛い……。 どうして、こんなことになったのだろうか。 わけわかんねーよ。 でも、気持ちいい。コロナを選んでしまっても……。 いや、コロナを選ばなければ、俺の人生は終わる。 どうする……。 コロナが全てを公表したとしたら、俺を今までどおり扱ってくれる優しいやつなんて殆どいなくなるだろう。 恋は……受け入れてくれるかわからない。とても怖い提案だ。 そして、もうひとつの案は、魅力的だった。 コロナ意外とセックスさえしなければ、俺はいつも通りの生活。 本当に、簡単な話。 恋とやっと好きだって伝え合った事実から目を逸らさなければならない。 しかし、恋のためにも、俺のためにもこちらがしあわせだ。 ……どうする。 どうするんだよ。 「あ、ああああ! 御主人様の、熱いです……! コロナのいやらしいロボットおまんこの中に、いっぱい、いっぱい……!」 出しちゃったよ。 「はぁ……はぁ……では、選択してください」 「御主人様、私はずっとあなたの味方ですから」